JP2009126238A - 重荷重用タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】インナーライナに起因するカーカスコードの腐食損傷、及びチェーファゴムとの剥離損傷を抑制する。
【解決手段】インナーライナ10の半径方向内方部10Eは、ビードコア5のタイヤ軸方向最内点Piと最外点Poとを通る横基準線Xよりも半径方向内側で終端し、かつ該横基準線X上におけるインナーライナ10の厚さtを1.0〜3.0mmとする。チェーファゴム11は、ビード底面4Sで露出するベース部11aと、ビードヒール部分Bhからタイヤ外面側を半径方向外側にのびる外の立上げ部11bと、ビードトウ部分Btからタイヤ内腔面側を半径方向外側にのびかつインナーライナ10の内方部10Eを被覆する内の立上げ部11cとを具える。内の立上げ部11cの半径方向外端11pと、インナーライナの半径方向内端10pとの間の半径方向距離Laは、5〜20mmである。
【選択図】図3

Description

本発明は、インナーライナに起因する損傷を抑制し、ビード耐久性を向上させた重荷重用タイヤに関する。
図5に、トラック・バス用などの重荷重用タイヤにおける、従来的なビード構造を示す。図中の符号aは、空気不透過性ゴムからなるインナーライナであり、タイヤ内腔内に充填される高圧の空気を気密に保持するために、このインナーライナaは、ビードコアbのタイヤ軸方向の最内点Piと最外点Poとを通る横基準線Xを半径方向内方に超えた位置まで延在している。
又符号cは、リムずれ防止用のチェーファゴムであり、ビード底面で露出するベース部c1のタイヤ軸方向内側には、ビードトウ部分からタイヤ内腔面側を半径方向外側にのびる内の立上げ部c2を小高さで立ち上げている。この内の立上げ部c2は、前記インナーライナaの半径方向内方部を被覆保護し、リム着脱時に、前記インナーライナaがリムフランジと擦れて損傷を受けるのを防止する。
しかし前記インナーライナaをなす空気不透過性ゴムは、ジエン系ゴムからなるチェーファゴムcとの接着性に劣る。そのため、リム着脱時におけるビードトウ部分の変形により、前記内の立上げ部c2とインナーライナaの半径方向内方部との間に亀裂が発生しやすく、ビード耐久性を損ねるという問題がある。
他方、タイヤ内腔内に充填される空気には、水分が含まれる。そのため、前記横基準線Xにおけるインナーライナaの厚さが不充分であると、この水分がインナーライナaを通ってタイヤ内部に浸透しやすい傾向となる。このとき、ビード部に、カーカスを覆うようにU字状に折り返えされたビード補強層が配される場合には、このビード補強層により水分の浸透が抑えられるため特に問題とはならない。しかし、ビード補強層dとして、同図に示すように、カーカス折返し部eに沿う外片部d1と、ビードコア下で途切れる底片部d2とからなる断面L字状タイプを採用した場合には、ビード補強層dが途切れた領域qにおいて、水分がカーカス内に容易に浸透する。その結果、ビード補強層dが前記L字状タイプの場合には、カーカスコードに腐食損傷やコードルースが発生し、ビード耐久性を著しく損ねるという、L字状タイプに特有の問題が発生する。
そこで本発明は、このようなインナーライナに起因するカーカスコードの腐食損傷やコードルース、及びチェーファゴムとの剥離損傷を抑制でき、ビード耐久性を向上しうる重荷重用タイヤを提供することを目的としている。
特開2002−205508号公報
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至る本体部に、前記ビードコアの廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返す折返し部を一連に設けたカーカスと、空気不透過性ゴムからなりかつタイヤ内腔面に配されるインナーライナと、前記ビード部に配されるリムずれ防止用のチェーファゴムとを具える重荷重用タイヤであって、
前記ビード部に、前記折返し部のタイヤ軸方向外面に沿う外片部、及びこの外片部に連なりかつ前記ビードコアのタイヤ軸方向最内点から半径方向内方にのびる第1の半径方向線とタイヤ軸方向最外点から半径方向内方にのびる第2の半径方向線との間のコア下領域内で途切れる底片部からなる断面L字状のビード補強層を設け、
しかも前記インナーライナの半径方向内方部は、ビードコアの前記タイヤ軸方向最内点と最外点とを通る横基準線よりも半径方向内側で終端し、かつ該横基準線上における前記インナーライナの厚さtを1.0〜3.0mmとするとともに、
前記チェーファゴムは、前記底片部の半径方向内側に配されかつビード底面で露出するベース部と、このベース部に連なりビードヒール部分からタイヤ外面側を半径方向外側にのびる外の立上げ部と、前記ベース部に連なりビードトウ部分からタイヤ内腔面側を半径方向外側にのびかつ前記インナーライナの半径方向内方部を被覆する内の立上げ部とを具え、
しかも該内の立上げ部の半径方向外端と、前記インナーライナの半径方向内端との間の半径方向距離Laは、5〜20mmであることを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記チェーファゴムは、ゴム硬度(デュロメータA硬さ)を70〜80°とし、かつ前記内の立上げ部の半径方向外端と、ビードトウ端との間の半径方向距離Lbは15〜35mmであることを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記インナーライナと前記カーカスとの間に、インスレーションゴム層が配され、かつ該インスレーションゴム層の半径方向内方部は、前記コア下領域内に延在するとともに、
前記インナーライナの半径方向内方部は、前記第1の半径方向線よりもタイヤ軸方向内側に位置し、かつこのインナーライナの半径方向内端と前記インスレーションゴム層のタイヤ軸方向外端との間のタイヤ軸方向距離Lyは10mm以上であることを特徴としている。
なお本明細書では、特に断りがない限り、タイヤの各部の寸法等は、非リム組状態において、タイヤサイズで規定されるリム巾に合わせてビード部を保持したときに特定される値とする。
本発明は叙上の如く、横基準線上におけるインナーライナのゴム厚さを1.0mm以上に設定している。従って、L字状タイプのビード補強層を有する重荷重用タイヤにおいても、充填空気の水分が、カーカス内に浸透するのを防止でき、カーカスコードの腐食損傷やコードルースを抑制しうる。又チェーファゴムにおける内の立上げ部の半径方向外端と、インナーライナの半径方向内端との間の半径方向距離Laを5mm以上とし、両者の接着巾を充分に確保しているため、リム着脱時のビードトウ変形に起因する、前記内の立上げ部の亀裂損傷を抑制しうる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は本発明の重荷重用タイヤを示す断面図、図2はそのビード部を拡大して示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の重荷重用タイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、空気不透過性ゴムからなりかつタイヤ内腔面に配されるインナーライナ10と、硬質のゴムからなりかつビード部4に配されるリムずれ防止用のチェーファゴム11を具える。
前記カーカス6は、前記ビードコア5、5間を跨るトロイド状の本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返えして係止される折返し部6bを具える。又カーカス6は、スチール製のカーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば70〜90°の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。
前記カーカス6の本体部6aの半径方向外側かつトレッド部2の内部には、スチール製のベルトコードを用いた3枚以上のベルトプライからなるベルト層7が配される。このベルト層7として、本例では、ベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば60±10°程度の角度で配列した最内のベルトプライ7Aと、タイヤ周方向に対して30°以下の小角度で配列したベルトプライ7B、7C、7Dとの4層構造をなすものを例示している。なおベルト層7は、前記ベルトコードがプライ間で互いに交差する箇所を1箇所以上設けることによりベルト剛性を高め、トレッド部2のほぼ全巾を強固に補強する。
又前記カーカス6の本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5から半径方向外方に向かって先細状にのびるビードエーペックスゴム8が配されるとともに、該ビード部4には、ビード補強層9が設けられる。
図2に示すように、前記ビードエーペックスゴム8は、半径方向内側の硬質の下エーペックス部8Aと、その半径方向外側の軟質の上エーペックス部8Bとから形成される。
又前記ビード補強層9は、スチール製の補強コードをタイヤ周方向に対して、例えば15〜60゜の角度で配列したスチールコードプライからなり、前記ビードエーペックスゴム8と協働してビード剛性を高め、高荷重下での操縦安定性を向上させる。このビード補強層9は、前記折返し部6bのタイヤ軸方向外面に沿う外片部9aと、該外片部9aに連なりかつコア下領域J内で途切れる底片部9bとからなる断面略L字状をなす。なお前記コア下領域Jとは、ビードコア5のタイヤ軸方向最内点Piから半径方向内方にのびる第1の半径方向線Y1と、タイヤ軸方向最外点Poから半径方向内方にのびる第2の半径方向線Y2との間の領域を意味する。そしてビード補強層9では、リム組み状態において、前記底片部9bがビードコア5とリムシートRs(図1に示す)との間に挟まれることにより、リムRとの嵌合力が高く確保される。特に本例では、前記底片部9bが、ビードコア5の半径方向内面Siと略平行な直線状に形成されているため、リムとの嵌合力が広範囲に亘って均一に高められる。しかもビード補強層9は、前記底片部9bがコア下領域Jで途切れた断面L字状をなすため、ビード補強層9の曲げ戻り力を減じることができ、タイヤ形成時のエアー入り不良を防止することもできる。
ここで前記外片部9aのビードベースラインBLからの半径方向高さh1は、前記カーカス折返し部6bの半径方向高さh2よりも小、かつ15〜40mmの範囲が好ましい。この範囲を上回ると、タイヤ変形時、外片部9aの外端に作用する圧縮応力が大となり、この外端を起点とした損傷が起こりやすくなる。又前記範囲を下回ると、ビード補強層9による補強効果が不充分なものとなる。又前記高さh1、h2の差h2−h1を5mm以上、さらには8mm以上確保するのが、応力集中を緩和させる上で好ましい。
又前記ビードコア5は、ビードワイヤを多列多段に巻回したリング体であり、本例では、断面が横長の偏平六角形状をなすとともに、その半径方向内面Siが、リムシートRsと略平行をなすことによって、リムとの嵌合力を広範囲に亘って高めている。前記リムRは、チューブレス用の15°テーパーリムであり、従って、前記内面Siはタイヤ軸方向線に対して略15°の角度で傾斜している。又前記ビードコア5のタイヤ軸方向最内点Piと、タイヤ軸方向最外点Poとを通る横基準線X、及びビードコア5の半径方向外面Soも、前記リムシートと略平行に傾斜している。このビードコア5には、その周囲を囲むことによりビードワイヤのバラケを防止するラッピング層13を形成することができる。このラッピング層13としては、ゴム材のみによって形成されるゴム層、及びゴム材中にコードを埋設させたコード層、およびゴム引きのキャンバス布からなるキャンバス層など、従来のものが適宜採用しうる。
次に、前記カーカス6の本体部6aの内側には、タイヤ内腔面の略全体を形成するインナーライナ10が、インスレーションゴム層12を介して配される。
前記インナーライナ10は、例えばゴム成分100質量部中に、ブチルゴム(又はその誘導体)を60質量部以上、好ましくは80質量部以上、さらに好ましくは100質量部配合させたブチル系ゴムなどの空気不透過性ゴムからなり、ビード部4、4間を連続してのびる。なおブチル系ゴムでは、ブチルゴム(又はその誘導体)以外の残部ゴムとして、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)等のジエン系ゴムを用いることができ、またブチルゴムの誘導体としては、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム等のハロゲン化ブチルゴムが挙げられる。なお前記空気不透過性ゴムとして、前記ブチルゴム(又はその誘導体)に代えて、イソブチレン・パラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物を用いることもできる。
ここで、前記インナーライナ10の半径方向内方部10Eは、図3に示すように、前記横基準線Xよりも半径方向内側で終端している。このとき、前記横基準線X上におけるインナーライナ10の厚さtは1.0mm以上であり、これにより、充填空気に含まれる水分等がインナーライナ10を通ってビード部4内に浸入するのを防ぎ、カーカスコードの腐食やコードルース等の損傷を抑制しうる。しかし、前記厚さtが3.0mmを超えると、加硫時のゴム流れによって、前記内方部10Eのゴムの一部が前記コア下領域J内に侵入する恐れを招く。前記コア下領域Jは、リムとの嵌合圧が大であるため、前記内方部10Eがコア下領域J内に侵入した場合には、この嵌合圧によって前記内方部10Eにクラックが発生する傾向を招く。従って、前記厚さtの下限値は1.5mm以上が好ましく、又上限は2.5mm以下が好ましい。
又前記インスレーションゴム層12は、前記インナーライナ10とカーカス6との間に介在することにより、両者間の接着力を高めて層間剥離を防ぐとともに、加硫時のゴム流れに起因するインナーライナ10とカーカスコードとの接触を抑制する。そのためインスレーションゴム層12は、接着性に優れることが重要であり、本例では、例えばゴム成分100質量部中に、天然ゴム(NR)を60質量部以上、好ましくは80質量部以上、さらに好ましくは100質量部配合させたNR系ゴムを採用している。なお残部ゴムとして、イソプレンゴム(IR)或いはブタジエンゴム(BR)が好適に使用しうる。
このインスレーションゴム層12は、インナーライナ10の全長に亘って該インナーライナ10に接して半径方向内外にのびるとともに、その半径方向内方部12Eには、前記第1の半径方向線Y1を超えてコア下領域J内に延出する断面略三角形状の延出部分12E1を具える。これに対して、前記インナーライナ10では、その半径方向内方部10Eは、前記第1の半径方向線Y1よりもタイヤ軸方向内側で終端している。このように、接着性に優れるインスレーションゴム層12を前記コア下領域J内に介在せしめ、接着性に劣るインナーライナ10をコア下領域Jから排除しているため、リムとの嵌合圧によるクラックの発生を抑制することができる。そのためには、インナーライナ10の半径方向内端10pとインスレーションゴム層12のタイヤ軸方向外端12pとの間のタイヤ軸方向距離Lyを10mm以上確保することが好ましい。該距離Lyが10mmを下回ると、嵌合圧の影響で、インナーライナ10の半径方向内端10pを起点としてクラックが発生しやすくなる。なお距離Lyの上限は、前記インスレーションゴム層12の延出部分12E1が前記コア下領域J内で終端する限りにおいて適宜設定しうる。
又前述の如く、前記ビード補強層9の底片部9bが略直線状をなすことにより、該底片部9bは、カーカス折返し部6bからタイヤ軸方向内側に向かって徐々に離間するが、この離間部分に、前記延出部分12E1の一部12E1aが入り込むことにより、前記底片部9bの先端が被覆保護される。これにより、前記底片部9bの先端を起点としたクラックの発生も抑制される。なお前記延出部分12E1の底面12Sは、前記底片部9bの半径方向内面と略一直線状に連なっている。
次に、前記チェーファゴム11は、ゴム欠け、圧縮によるゴムの潰れ(へたり)、摩耗損傷などを防止するため、ゴム硬度Hs(デュロメータA硬さ)が70〜80°の範囲の硬質のゴムで形成される。このとき、ゴム成分として、ゴム成分100質量部中に、天然ゴム(NR)を20〜60質量部、及びブタジエンゴム(BR)を80〜40質量部を配合したブレンドゴムが、耐磨耗性、反発弾性、耐老化性等の観点から好適に採用しうる。
又前記チェーファゴム11は、前記ビード補強層9の底片部9bの半径方向内側に配されかつビード底面4Sで露出するベース部11aと、このベース部11aに連なりビードヒール部分Bhからタイヤ外面側を半径方向外側にのびる外の立上げ部11bと、前記ベース部11aに連なりビードトウ部分Btからタイヤ内腔面側を半径方向外側にのびる内の立上げ部11cとを具える。前記外の立上げ部11bは、少なくともリムフランジと接触するフランジ接触領域でタイヤ外面に露出し、ビード底面4Sの全面で露出する前記ベース部11aと協働して、走行時のリムずれを防止する。
又前記内の立上げ部11cは、前記インナーライナ10の半径方向内方部10Eを被覆し、リム着脱時、この内方部10Eがリムフランジと直接擦れて損傷するのを防止する。しかしこのとき、リム着脱時におけるビードトウ部分Btの変形により、前記内の立上げ部11cと内方部10Eとの間に亀裂が発生しやすくなる。そのため本実施形態のタイヤ1では、前記内の立上げ部11cの半径方向外端11pと、前記インナーライナ10の半径方向内端10pとの間の半径方向距離Laを5mm以上とし、両者の接着巾を充分に確保している。そのため、内の立上げ部11cと内方部10Eとの間の亀裂の発生を抑制できる。なお前記距離Laが20mmを超えても、亀裂抑制のさらなる向上が見込めなくなるとともに、ビードトウ部分Btの剛性が過大となってリム組性能を損ねる結果を招く。従って、距離Laの下限値は10mm以上が好ましく、又上限値は15mm以下が好ましい。
又前記内の立上げ部11cの半径方向外端11pと、ビードトウ端Btpとの間の半径方向距離Lbを15〜35mmとするのも好ましく、前記距離Lbが15mm以下では、リム着脱時におけるリムフランジとの擦れ損傷を充分抑制することが難しくなる。逆に35mmを超えると、ビードトウ部分Btの剛性が過大となってリム組性能を損ねる結果を招く。
又前記タイヤ1では、図4示すように、正規リムRへのリム組状態において、前記ビードトウ端Btpとビードヒール端Bhpとの間のタイヤ軸方向距離である前記ビード底面4Sのタイヤ軸方向巾LAと、前記ビードコア5のタイヤ軸方向最内点Piと最外点Poとの間のタイヤ軸方向距離であるビードコア巾LBとの比LB/LAが0.7以下、かつビードトウ端Btpにおけるタイヤ内腔面に対する接線nと、リムシート面Rsとがなす角度θで定義されるビードトウ部分Btのトウ角度θを85°以上としている。これにより、ビードトウ部分Btのゴムボリュウムが充分に確保される。その結果、加硫時のゴム流れが安定化し、前記インナーライナ10の内方部10Eにおける厚さの変動、とりわけ前記横基準線Xにおける内方部10Eの厚さtの変動を抑制でき、該厚さtを前述の1.0〜3.0mmの範囲内に安定して設定することが可能となる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1のタイヤ構造をなすタイヤサイズ10R22.5の重荷重用タイヤを表1の仕様で試作するとともに、各試供タイヤのビード耐久性をテストし比較した。なお表1に記載以外は、実質的に同仕様である。
(1)ビード耐久性(一般耐久性):
ドラム試験機を用い、リム(22.5×7.50)、内圧(725kPa)、縦荷重(47.4kN:規格荷重の2倍)の条件下で、ドラム上を速度20km/hで走行させ、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を測定した。評価は、従来例の走行時間を100とした指数で表示した。数値が大きい程良好である。
(2)ビード耐久性(水入り耐久性):
リム(22.5×7.50)に装着したタイヤ内に、水を200cc注入し、しかる後、前記一般耐久性と同様、内圧(725kPa)、縦荷重(47.4kN:規格荷重の2倍)の条件下で、ドラム上を速度20km/hで走行させた。そして、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を測定し、従来例の走行時間を100とした指数で表示した。数値が大きい程良好である。なお、タイヤには2000kmごとに水を200cc注入し、水分の透過を促進させている。
Figure 2009126238
表1に示すように、実施例のタイヤは、一般耐久性を確保しながら水入り耐久性を大幅に向上しうるのが確認できる。
本発明の一実施例の重荷重用タイヤを示す断面図である。 そのビード部を拡大して示す断面図である。 ビード部の主要部をさらに拡大して示す断面図である。 リム組み状態のタイヤのビード部を拡大して示す断面図である。 従来タイヤの問題点を説明する断面図である。
符号の説明
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6a 本体部
6b 折返し部
9 ビード補強層
9a 外片部
9b 底片部
10 インナーライナ
10E 内方部
11 チェーファゴム
11a ベース部
11b 外の立上げ部
11c 内の立上げ部
12 インスレーションゴム層
12E 内方部
Bh ビードヒール部分
Bt ビードトウ部分
J コア下領域
Pi タイヤ軸方向最内点
Po タイヤ軸方向最外点
X 横基準線
Y1 第1の半径方向線
Y2 第2の半径方向線

Claims (3)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至る本体部に、前記ビードコアの廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返す折返し部を一連に設けたカーカスと、空気不透過性ゴムからなりかつタイヤ内腔面に配されるインナーライナと、前記ビード部に配されるリムずれ防止用のチェーファゴムとを具える重荷重用タイヤであって、
    前記ビード部に、前記折返し部のタイヤ軸方向外面に沿う外片部、及びこの外片部に連なりかつ前記ビードコアのタイヤ軸方向最内点から半径方向内方にのびる第1の半径方向線とタイヤ軸方向最外点から半径方向内方にのびる第2の半径方向線との間のコア下領域内で途切れる底片部からなる断面L字状のビード補強層を設け、
    しかも前記インナーライナの半径方向内方部は、ビードコアの前記タイヤ軸方向最内点と最外点とを通る横基準線よりも半径方向内側で終端し、かつ該横基準線上における前記インナーライナの厚さtを1.0〜3.0mmとするとともに、
    前記チェーファゴムは、前記底片部の半径方向内側に配されかつビード底面で露出するベース部と、このベース部に連なりビードヒール部分からタイヤ外面側を半径方向外側にのびる外の立上げ部と、前記ベース部に連なりビードトウ部分からタイヤ内腔面側を半径方向外側にのびかつ前記インナーライナの半径方向内方部を被覆する内の立上げ部とを具え、
    しかも該内の立上げ部の半径方向外端と、前記インナーライナの半径方向内端との間の半径方向距離Laは、5〜20mmであることを特徴とする重荷重用タイヤ。
  2. 前記チェーファゴムは、ゴム硬度(デュロメータA硬さ)を70〜80°とし、かつ前記内の立上げ部の半径方向外端と、ビードトウ端との間の半径方向距離Lbは15〜35mmであることを特徴とする請求項1記載の重荷重用タイヤ。
  3. 前記インナーライナと前記カーカスとの間に、インスレーションゴム層が配され、かつ該インスレーションゴム層の半径方向内方部は、前記コア下領域内に延在するとともに、
    前記インナーライナの半径方向内方部は、前記第1の半径方向線よりもタイヤ軸方向内側に位置し、かつこのインナーライナの半径方向内端と前記インスレーションゴム層のタイヤ軸方向外端との間のタイヤ軸方向距離Lyは10mm以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の重荷重用タイヤ。
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