以下に添付図面を参照して、印刷装置および印刷装置の制御方法の実施形態を詳細に説明する。先ず、理解を容易とするために、実施形態による印刷システムが適用されるプロダクションプリンティングについて、概略的に説明する。プロダクションプリンティングでは、短時間に大量の印刷を行うことを基本的な考え方としている。そのために、プロダクションプリンティングでは、印刷の高速化を図ると共に、ジョブ管理や印刷データの管理などを効率的に行うために、印刷データの作成から印刷物の分配までの管理を行うワークフローのシステムを構築する。
実施形態による印刷システムは、プロダクションプリンティングのワークフローにおける、印刷を実行する部分に関わるもので、RIP(Raster Image Process)処理と、RIP処理により得られたビットマップデータの印刷とを別の装置で行う。RIP処理は、印刷処理の中でも最も処理時間を要し、RIP処理を行う装置と、印刷処理を行う装置とを分離することで、印刷の高速化が可能となる。
(実施形態に適用可能な印刷システムの概要)
図1は、本発明の実施形態に適用可能な印刷システムの一例の構成を示す。この印刷システムは、上位装置10と、画像形成装置としてのプリンタ装置13とが、複数のデータ線11と、制御線12とで接続されて構成される。ホスト装置5は、例えばコンピュータであって、印刷画像データと、印刷設定情報とを含む印刷ジョブデータを生成する。
印刷ジョブデータは、例えばページ記述言語(PDL:Page Description Language)によるデータ(以下、PDLデータと呼ぶ)を含む。このPDLデータを解釈することで、印刷を行うビットマップイメージからなる印刷画像データと、印刷の際のページ情報、レイアウト情報、印刷部数を示す情報など、印刷の設定に関わる印刷設定情報とが生成される。
上位装置10は、ホスト装置5から供給される印刷ジョブデータに従ってRIP処理を行い、印刷画像データである各色毎のビットマップデータを作成する。それと共に、上位装置10は、当該印刷ジョブデータやホスト装置5からの情報などに基づき、印刷動作を制御するための制御情報を作成する。
上位装置10で作成された各色毎の印刷画像データは、複数のデータ線11をそれぞれ介してプリンタ装置13の図示されないプリンタエンジン部に供給される。また、上位装置10とプリンタコントローラ14との間で、制御線12を介して、印刷を制御するための制御情報の送受信が行われる。プリンタコントローラ14は、この制御情報の送受信に基づきプリンタエンジン部を制御して印刷媒体に対する画像形成を行い、印刷ジョブに従った印刷を実行する。
印刷方式は特に限定されないが、実施形態では、印刷媒体として印刷用紙を用い、インクジェット方式により印刷用紙に対して印刷画像を形成する。これに限らず、実施形態を、トナーを用いて印刷用紙に対して印刷画像を形成する印刷装置にも適用可能である。
印刷用紙は、切断可能なミシン目が所定間隔で打たれた連続紙(連続帳票)、あるいは、予め所定の大きさ(A4、B4など)にカットされたカット紙を用いることができる。連続紙において、ページは、例えば所定間隔で打たれたミシン目で挟まれる領域をいうものとする。また、カット紙は、1枚の印刷用紙の片面が1ページであるものとする。
詳細は後述するが、印刷用紙として連続紙を用いる場合と、カット紙を用いる場合とでは、印刷を実行するプリンタエンジンとしてそれぞれ専用の構成のものを用いる。また、プリンタエンジンを制御するプリンタコントローラは、印刷用紙として連続紙およびカット紙を用いた場合で共通とされる。
なお、実施形態による印刷システムが印刷対象とする印刷媒体は、紙の印刷用紙に限定されない。すなわち、実施形態に適用される印刷方式により印刷が可能であれば、他の印刷媒体を用いてもよい。例えば、プラスチックフィルムや布などを印刷媒体として用いてもよい。
(上位装置)
図2−1は、上位装置10の一例の構成を示す。バス100に対してCPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、ハードディスクドライブ(HDD)104が接続される。バス100に対して、さらに、外部I/F110、制御情報用I/F111および印刷画像データ用I/F112が接続される。バス100に接続されたこれら各部は、バス100を介して互いに通信可能とされている。
ROM102およびHDD104は、CPU101が動作するためのプログラムが予め格納される。RAM103は、CPU101のワークメモリとして用いられる。すなわち、CPU101は、ROM102およびHDD104に格納されるプログラムに従い、RAM103をワークメモリとして用いて、この上位装置10の全体の動作を制御する。
外部I/F110は、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)に対応し、ホスト装置5との通信を制御する。制御情報用I/F111は、制御情報の通信を制御する。また、印刷画像データ用I/F112は、印刷画像データの通信を制御するもので、複数のチャネルを有する。例えば、上位装置10において作成された、色Y(Yellow)、C(Cyan)、M(Magenta)およびK(Black)による各色の印刷画像データは、これら複数のチャネルからそれぞれ出力される。印刷画像データ用I/F112は、高速な転送速度が要求されるため、例えばPCI Express(Peripheral Component Interconnect Bus Express)が用いられる。制御情報用I/F111の方式は特に限定されないが、ここでは、印刷画像データ用I/F112と同様に、PCI Expressを用いるものとする。
このような構成において、ホスト装置5から送信された印刷ジョブデータが、上位装置10の外部I/F110に受信され、CPU101を介してHDD104に格納される。CPU101は、HDD104から読み出した印刷ジョブデータに基づきRIP処理を行い、各色のビットマップデータを生成してRAM103にそれぞれ書き出す。例えば、CPU101は、RIP処理によりPDLデータをレンダリングして各色のビットマップデータを生成してRAM103に書き出す。CPU101は、RAM103に書き出された各色のビットマップデータを圧縮符号化してHDD104に一旦格納する。
CPU101は、例えばプリンタ装置13において印刷動作が開始される際に、HDD104から圧縮符号化された各色のビットマップデータを読み出して圧縮符号を復号し、伸張された各色のビットマップデータをRAM103にそれぞれ書き込む。そして、CPU101は、RAM103からこれら各色のビットマップデータを読み出して、各色の印刷画像データとして印刷画像データ用I/F112の各チャネルからそれぞれ出力させ、プリンタ装置13に対して供給する。また、CPU101は、印刷動作の進行などに応じて、印刷を制御するための制御情報の送受信を、プリンタ装置13との間で制御情報用I/F111を介して行う。
図2−2は、上位装置10の機能を説明するための一例の機能ブロック図である。上位装置10は、インターフェイス(I/F)120、123および125、RIP部121、記憶部122、ならびに、制御部124を含む。インターフェイス120、123および125は、それぞれ図2−1における外部I/F110、印刷画像データ用I/F112および制御情報用I/F111に対応する。RIP部121および制御部124は、図2−1におけるCPU101上で動作するプログラムにより構成される。また、記憶部122は、図2−1におけるRAM103またはHDD104のうち少なくとも一方に対応する。
ホスト装置5でPDLデータを含む印刷ジョブデータが作成され、上位装置10に対して送信される。この印刷ジョブデータは、インターフェイス120に受信されてRIP部121に供給される。RIP部121は、供給された印刷ジョブデータに含まれるPDLデータに基づきレンダリングを行い、Y、C、M、K各色のビットマップデータによる印刷画像データを生成する。RIP部121は、生成したY、C、M、K各色の印刷画像データを、記憶部122に順次格納する。
制御部124は、インターフェイス125を介してプリンタ装置13のプリンタコントローラ14と通信を行う。例えば、制御部124は、ホスト装置5からインターフェイス120を介して供給された印刷ジョブデータに基づき、プリンタ装置13における印刷を制御するための制御情報を生成する。この制御情報は、制御部124からインターフェイス125を介してプリンタコントローラ14に送信される。
なお、印刷を制御するための制御情報は、例えば、印刷画像データに関する情報や、印刷画像データを印刷する印刷媒体(印刷用紙)に関する情報を含む。印刷画像データに関する情報は、印刷画像の解像度、階調情報、印刷のサイズに関する情報、ページ数などを含む。印刷用紙に関する情報は、印刷用紙が連続紙およびカット紙の何れであるかを示す情報や用紙搬送に関する情報を含む。用紙搬送に関する情報は、例えば、用紙送り長(ドット数)、給紙トレイや排紙トレイを示す情報、用紙サイズを示す情報を含む。
インターフェイス123は、記憶部122に記憶されるY、C、M、K各色の印刷画像データにそれぞれ独立してアクセスできるようになっている。また、インターフェイス123は、Y、C、M、K各色に対応する複数のデータ線11を介してプリンタ装置13に接続され、この複数のデータ線11を介して、プリンタ装置13との間でY、C、M、K各色の印刷画像データ転送に関する制御情報のやりとりや、Y、C、M、K各色の印刷画像データの転送を行う。
(プリンタ装置)
図3−1は、実施形態に適用可能なプリンタ装置13の基本的な構成の例を示す。プリンタ装置13は、プリンタコントローラ14およびプリンタエンジン15を有する。プリンタコントローラ14は、制御線12が接続され、上位装置10との間で制御線12を介して制御情報の送受信を行って印刷動作の制御を行う。プリンタエンジン15は、複数のデータ線11a、11b、11cおよび11dがそれぞれ接続され、プリンタコントローラ14の制御に従い、これらデータ線11a、11b、11cおよび11dをそれぞれ介して上位装置10から転送された各色の印刷画像データによる印刷処理を行う。
プリンタコントローラ14およびプリンタエンジン15について、より詳細に説明する。図3−2は、プリンタコントローラ14の一例の構成を示す。プリンタコントローラ14は、CPU321、印刷制御部322、RAM323およびROM324を有し、これらCPU321、印刷制御部322、RAM323およびROM324が互いに通信可能にバス320に接続される。バス320には、図示されない通信I/Fを介して制御線12も接続される。CPU321は、ROM324に格納されるプログラムに従いRAM323をワークメモリとして用いて動作し、プリンタ装置13の全体の動作を制御する。
印刷制御部322は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成され、内部にマイクロプロセッサや複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)などがバスにより互いに通信可能に接続されている。印刷制御部322は、後述するデータ転送制御部30a、30b、30cおよび30dのそれぞれと、エンジンI/F制御線40a、40b、40cおよび40dにより接続される。印刷制御部322は、各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dとの間で、それぞれ個別に制御信号の送受信を行う。また、印刷制御部322は、後述する搬送制御部51とエンジンI/F制御線41により接続され、搬送制御部51との間で用紙搬送を制御するための制御信号の送受信を行う。
図3−1の説明に戻り、プリンタエンジン15は、同一の構成による複数のデータ転送制御部30a、30b、30cおよび30dを有すると共に、印刷画像データに基づく画像を印刷用紙に出力し画像形成を行う画像出力部50を有する。
データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dは、それぞれデータ線11a、11b、11cおよび11dが接続される。また、データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dは、それぞれメモリ31a、31b、31cおよび31dを含み、上位装置10から、データ線11a、11b、11cおよび11dを介して転送された各色の印刷画像データを、それぞれメモリ31a、31b、31cおよび31dに格納する。
これらメモリ31a、31b、31cおよび31dは、例えば同一のメモリ容量と、アドレス構成とを有する。また、メモリ31a、31b、31cおよび31dのそれぞれは、好ましくは少なくとも3ページ分の印刷画像データを格納可能な容量を有する。3ページ分の印刷画像データは、例えば、上位装置10から転送中のページの印刷画像データと、現在出力中のページの印刷画像データと、次のページの印刷画像データとに対応する。これに限らず、メモリ31a、31b、31cおよび31dのそれぞれは、2ページ分以下の印刷画像データを格納可能であってもよい。
なお、各メモリ31a、31b、31cおよび31dは、プリンタコントローラ14により、入力ポインタおよび出力ポインタで一括して管理される。入力ポインタは、各メモリ31a、31b、31cおよび31dに対して画像データを転送する場合の先頭のアドレスを示す。出力ポインタは、各メモリ31a、31b、31cおよび31dから画像データを出力する際の先頭アドレスを示す。これら入力ポインタおよび出力ポインタによる各メモリ31a、31b、31cおよび31dの一括管理の詳細については、後述する。
さらに、データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dは、それぞれエンジン制御線40a、40b、40cおよび40dによりプリンタコントローラ14と接続される。プリンタコントローラ14は、これらエンジン制御線40a、40b、40cおよび40dを介して、各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dとの間でそれぞれ個別に制御信号の送受信を行うことができる。より詳細には、エンジン制御線40a、40b、40cおよび40dは、それぞれプリンタコントローラ14内の印刷制御部322に接続される。データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dは、エンジン制御線40a、40b、40cおよび40dを介して印刷制御部322と通信を行う。
また、プリンタコントローラ14と、印刷用紙の搬送を制御する搬送制御部51とがエンジンI/F制御線41で接続され、プリンタコントローラ14と搬送制御部51との間で通信が行われる。より詳細には、搬送制御部51と、プリンタコントローラ14内の印刷制御部322とがエンジンI/F制御線41で接続され、搬送制御部51と印刷制御部322との間で通信が行われる。また、搬送制御部51は、各データ転送制御部30a〜30dと信号線42で接続される。
図4−1は、データ転送制御部30aの一例の構成を概略的に示す。なお、データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dは、共通の構成が適用されるので、図4−1では、データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dを代表してデータ転送制御部30aの構成を示す。
データ転送制御部30aは、メモリ31aおよびロジック回路32aを含む。ロジック回路32aに対して、エンジンI/F制御線40aおよびデータ線11aが接続される。ロジック回路32aは、印刷制御部322からエンジンI/F制御線40aを介して受け取った制御信号に従い、上位装置10からデータ線11aを介して転送された印刷画像データをメモリ31aに対して格納する。同様に、ロジック回路32aは、印刷制御部322からエンジンI/F制御線40aを介して受け取った制御信号に従い、メモリ31aから印刷画像データを読み出して、出力線33aを介して後述する画像出力部50に供給する。
なお、論理回路などの組み合わせによりハードウェア的に構成されたロジック回路32aによる制御は、プログラムに対する割り込みにより処理を分岐させる、CPUを用いた制御に対してより高速な処理が可能であるという利点がある。ロジック回路32aは、例えば、エンジンI/F制御線40aを介して受け取った、ビット列による制御信号に対して論理判定を行い、実行する処理を決定する。これに限らず、ロジック回路32aと同等の機能を、CPUを用いてソフトウェア的に実現してもよい。
データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dからそれぞれ出力された各色の印刷画像データは、画像出力部50に供給される。画像出力部50は、各色の印刷画像データによる印刷を実行する。なお、実施形態では、印刷画像データによる印刷を、ヘッドに設けられたノズルからインクを射出して印刷を行う、インクジェット方式により行う。勿論、印刷方式はインクジェット方式に限られず、例えば画像データに応じたレーザビームで感光体ドラム上に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像して得たトナー画像を印刷用紙に転写して画像形成を行うレーザプリンタ方式などを用いてもよい。
図4−2は、データ転送制御部30aの一例の構成をより詳細に示す。なお、図4−2において、上述した図4−1と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。データ転送制御部30aは、メモリ31a、メモリコントローラ132a、データ転送DMA(Direct Memory Access)133aおよび134a、ならびに、データ転送制御部コントローラ135aを有する。これらのうち、メモリコントローラ132a、データ転送DMA(Direct Memory Access)133aおよび134a、ならびに、データ転送制御部コントローラ135aが、図4−1におけるロジック回路32aに含まれる。
メモリコントローラ132aは、メモリ31aに対するアクセスを制御する。データ転送DMA133aは、上位装置10から印刷画像データを受信し、メモリコントローラ132aを介してメモリに書き込む。データ転送DMA134aは、メモリコントローラ132aを介してメモリ31aからデータを読み出し、出力線33aを介して画像出力部50に転送する。データ転送制御部コントローラ135aは、プリンタコントローラ14内の印刷制御部322からエンジンI/F制御線40aを介して送信される制御情報を受信し、受信した制御情報に従いデータ転送DMA133aおよび134aを制御する。
例えば、印刷制御部322から送信されたデータ転送の開始要求が、エンジンI/F制御線40aを介してデータ転送制御部コントローラ135aに受信されると、データ転送制御部コントローラ135aは、この要求に従い、データ転送DMA133aに対してデータ転送の開始を指示する。データ転送DMA133aは、この指示に従い、データ転送要求をデータ線11aを介して上位装置10に送信する。この要求に従い上位装置10から送信されたデータは、例えばデータ転送DMA133aに受信され、メモリコントローラ132aを介して、メモリ31aの所定のアドレスに書き込まれる。
また、印刷制御部322から送信された印刷指示が、エンジンI/F制御線40aを介してデータ転送制御部コントローラ135aに受信されると、データ転送制御部コントローラ135aは、データ転送DMA134aに対して、メモリ31aからのデータ読み出しを指示する。データ転送DMA134aは、この指示に応じて、メモリコントローラ132aを介してメモリ31aからデータを読み出す。そして、データ転送DMA134aは、読み出したデータを、出力線33aを介して画像出力部50に転送する。
図5は、画像出力部50の一例の構成を示す。画像出力部50は、出力制御部55と、色Y、C、MおよびK各色のヘッド56a、56b、56cおよび56dとを含む。なお、各色とヘッド56a、56b、56cおよび56dとの関係は、この例に限られない。出力制御部55は、各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dそれぞれの印刷画像データが出力される各出力線33a、33b、33cおよび33dと、ヘッド56a、56b、56cおよび56dとの接続を制御する。すなわち、出力制御部55は、各ヘッド56a、56b、56cおよび56dに対して、それぞれ各出力線33a、33b、33cおよび33dから1を選択して接続するように経路を設定することができる。
例えば、出力制御部55は、各出力線33a、33b、33cおよび33dと、各ヘッド56a、56b、56cおよび56dとを、1対1に接続するように設定できる。また例えば、出力線33aに対して、各ヘッド56a、56b、56cおよび56dを接続する、というように、出力線33a、33b、33cおよび33dと、ヘッド56a、56b、56cおよび56dとを、1対多に接続するように設定できる。
各出力線33a、33b、33cおよび33dと各ヘッド56a、56b、56cおよび56dとを接続する経路は、例えばディップスイッチなどを用いてユーザ操作により設定することができる。これに限らず、当該経路を、印刷制御部322からの制御信号により設定してもよい。
ここで、実施形態によるプリンタ装置13では、上位装置10からの印刷画像データの転送と、当該印刷画像データによる印刷を制御する制御信号の上位装置10とプリンタ装置13との間の送受信とが、異なる経路を介して行われる。また、上位装置10から、各色の印刷画像データがそれぞれ異なるデータ線11a、11b、11cおよび11dを介して転送されると共に、これらデータ線11a、11b、11cおよび11dを介して転送された各色の印刷画像データが、互いに独立して制御され、共通の構成を持つデータ転送制御部30a、30b、30cおよび30dにそれぞれ供給される。さらに、画像出力部50において、各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dの出力と各色のヘッド56a、56b、56cおよび56dとの接続経路をユーザ操作などにより設定可能とされている。
したがって、実施形態によるプリンタ装置13は、印刷画像データの色数(Y、C、MおよびKの4色、または、K色のみ、など)や、画像出力部50において用いるヘッド数に応じて、プリンタエンジン15の構成を容易に変更することが可能である。このとき、プリンタエンジン15に対して、各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dのうち、要求される構成に応じて必要とされるものだけを設けるようにできる。
例えば、色Y、C、MおよびKの4色でフルカラーの印刷を行いたい場合は、プリンタエンジン15に対してデータ転送制御部30a、30b、30cおよび30dを全て設け、出力制御部55において、データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dの各出力を、それぞれヘッド56a、56b、56cおよび56dに接続すればよい。
また例えば、色Kの1色で印刷を行う場合において、装置コスト優先として、それぞれ1のデータ転送制御部30aおよびヘッド56aのみを設け、出力制御部55においてデータ転送制御部30aの出力をヘッド56aに接続することができる。さらに例えば、色Kの1色で印刷を行う場合において、印刷速度優先として、1のデータ転送制御部30aと4のヘッド56a、56b、56cおよび56dとを設け、出力制御部55においてデータ転送制御部30aの出力をヘッド56a、56b、56cおよび56dにそれぞれ接続することができる。この場合、同一色を複数回、重ねて印刷することになるため、例えば、各ヘッド56a、56b、56cおよび56dでのインクの噴出時間を通常の1/4とし、印刷用紙の搬送速度を通常の4倍として高速印刷を行うことが考えられる。
(印刷用紙が連続紙の場合の搬送系)
図3−1を参照し、搬送制御部51は、印刷制御部322とエンジンI/F制御線41により接続され、画像出力部50により印刷画像データに基づく画像が形成される用紙の搬送を制御する。本実施形態では、プリンタ装置13が連続紙に対応する搬送系を持つ場合と、カット紙に対応する搬送系を持つ場合とで、コントローラ14の構成を共通化可能とする。
図6は、実施形態に適用可能な、印刷用紙が連続紙の場合の、印刷用紙の搬送系を含めたプリンタ装置200の一例の構造を概略的に示す。なお、プリンタ装置200の構成は、図3−1および図3−2などを用いて説明したプリンタ装置13の構成を適用可能である。
連続紙である印刷用紙201Rは、印刷用紙補給部210から電源操作ボックス211を介して第1搬送部212に供給される。印刷用紙201Rは、第1搬送部212において、連続紙用搬送制御部51Aの搬送制御により複数のローラなどを介して搬送されて位置合わせなどがなされ、上述のプリンタエンジン15に対応するプリンタエンジン部214および215に供給される。なお、詳細は後述するが、連続紙用搬送制御部51Aは、上述した搬送制御部51が連続紙の搬送に適した構成とされたものである。
プリンタエンジン部214および215は、上述の画像出力部50に対応する印刷部213において、第1搬送部212から供給された印刷用紙201Rに対して印刷画像データに従った印刷を行う。印刷が終了した印刷用紙201Rは、連続紙用搬送制御部51Aの搬送制御によりプリンタエンジン部215から排出され、第2搬送部216に供給される。印刷後の印刷用紙201Rは、第2搬送部216の内部で所定に搬送されて排出され、裁断部217に供給される。印刷後の印刷用紙201Rは、裁断部217によりミシン目に従い裁断され各ページを分離される。
ここで、プリンタ装置200は、ページが連続した連続紙である印刷用紙201Rに印刷を行うため、プリンタエンジン部214および215における印刷用紙201Rへの印刷後、当該印刷用紙201Rが第2搬送部216から排出されるまでの経路にも、印刷用紙201Rが絶えず存在することになる。
なお、第1搬送部212、プリンタエンジン部214および15、ならびに、第2搬送部216からなる構成をもう一組用意して、前側の第2搬送部216から排出された印刷後の印刷用紙201Rを表裏反転して後側の第1搬送部212に供給することで、印刷用紙201Rに対する両面印刷が可能となる。
図7は、連続紙用搬送制御部51Aの一例の構成を示す。連続紙用搬送制御部51Aは、搬送制御部コントローラ500、垂直同期信号生成部501、用紙搬送信号生成部502およびセンサ制御部503を有する。
搬送制御部コントローラ500は、エンジンI/F制御線41を介して印刷制御部322と接続され、印刷制御部322から送信されたコマンドや詳細を後述する設定情報テーブルを受信する。受信した設定情報テーブルは、例えば連続紙用搬送制御部51Aが有する図示されないメモリに保持される。搬送制御部コントローラ500は、受信した設定情報テーブルの解析を行い、連続紙である印刷用紙201Rの搬送に必要な情報を抽出する。搬送制御部コントローラ500は、この設定情報テーブルから抽出した情報に従い、印刷用紙201Rの搬送制御を行う。
また、搬送制御部コントローラ500は、信号線42を介して各データ転送制御部30a〜30dと接続され、これら各データ転送制御部30a〜30dに対して、後述する印刷可能状態報告を送信する。
垂直同期信号生成部501は、搬送タイミングの制御を行う際の基準となる垂直同期信号を生成する。用紙搬送信号生成部502は、搬送制御部コントローラ500の制御に従い、印刷用紙を搬送するローラなどを駆動する搬送用モータ510の駆動制御を行う用紙搬送指示信号を生成する。センサ検知部503は、用紙搬送速度検知センサ511の出力に基づき印刷用紙の搬送速度を検知する。
図8を用いて、連続紙の用紙搬送制御について説明する。連続紙の用紙搬送制御には、一定周期tsのパルスからなる垂直同期信号と、用紙搬送指示信号とを用いる。垂直同期信号は、垂直同期信号生成部501で生成され、搬送制御部コントローラ500に供給される。
垂直同期信号は、例えばプリンタエンジン15が起動されている間、常に一定周期tsで生成される。垂直同期信号の周期tsは、印刷動作時に印刷用紙が基準長さ分搬送される時間に等しい。
用紙搬送指示信号は、搬送制御部コントローラ500の制御に従い、垂直同期信号に同期して、用紙の搬送を指示するハイレベル(H)と、用紙の搬送停止を指示するローレベル(L)との何れかが出力される。用紙搬送信号生成部502は、用紙搬送指示信号がハイレベルで搬送用モータ510を駆動させ、当該信号がローレベルで搬送用モータ510の駆動を停止させる。これにより、印刷動作時の用紙搬送量が制御される。
印刷動作時の用紙搬送制御を、垂直同期信号の周期tsが1/6インチの用紙搬送量に等しく、11インチ長の印刷用紙を1ページ搬送する場合を例に説明する。先ず、連続紙用搬送制御部51Aにおいて、垂直同期信号に同期して、ハイレベルの用紙搬送指示信号を送信開始すると共に、垂直同期信号のパルス数をカウントする。連続紙用搬送制御部51Aは、このカウント値に基づき、用紙搬送量を制御する。
用紙搬送量Mは、垂直同期信号のパルス数を値Pv、垂直同期信号の周期tsに等しい用紙搬送量を値Mtsとしたとき、下記の式(1)により算出できる。
M=Pv×Mts …(1)
式(1)から、11インチ長の用紙を1ページ搬送する場合の垂直同期信号のパルス数Pvは、下記の式(2)のように求められる。
Pv=M/Mts=(11インチ)/(1/6インチ)=66 …(2)
したがって、連続紙用搬送制御部51Aは、垂直同期信号のパルスをカウントし、カウント値が「66」になった時点で、用紙搬送指示信号をローレベルとすればよい。
(印刷用紙がカット紙の場合の搬送系)
図9は、実施形態に適用可能な、印刷用紙がカット紙の場合の、印刷用紙の搬送系を含めたプリンタ装置200’の一例の構造を概略的に示す。このプリンタ装置200’は、例えばレーザプリンタであって、図示されない光源ユニットから、画像データに応じて射出されたレーザビームで、印刷部225内の感光体ドラムを主走査方向に走査して形成された静電潜像を、同様に印刷部225内の現像部で現像してトナー画像を得て、このトナー画像をカット紙による印刷用紙201Cに転写して、印刷用紙201C上に画像データによる画像を形成する。なお、プリンタ装置200’の構成は、図3−1および図3−2などを用いて説明したプリンタ装置13の構成を適用可能である。また、プリンタ装置200’は、インクジェット方式を用いたものでもよい。
図9において、プリンタ装置200’は、複数の給紙トレイ(ホッパ)220〜224と、複数の排紙トレイ(スタッカ)227〜233を有する。各給紙トレイ220〜224、ならびに、各排紙トレイ227〜233は、それぞれ異なるサイズの印刷用紙201Cを保持することができる。なお、詳細は後述するが、カット紙用搬送制御部51Bは、上述した搬送制御部51がカット紙の搬送に適した構成とされたものである。
印刷動作時において、給紙トレイ220〜224からピックされた印刷用紙201Cは、給紙経路AおよびBのうち何れかを通り、さらに経路Cを通って印刷部225へと搬送される。印刷部225でトナー像を転写された印刷用紙201Cは、定着部226でトナー像が定着されて印刷画像データによる画像が形成され、排紙経路EまたはDに送り出される。排紙経路Dに送り出された印刷用紙201Cは、排紙トレイ227に排出される。
排紙経路Eに送り出された印刷用紙201Cは、さらに排紙経路FおよびGのうち何れかに送り出されるか、若しくは、排紙トレイ228に排出される。排紙経路Fに送り出された場合は、印刷用紙201Cは、排紙トレイ229に排紙される。排紙経路Gに送り出された場合は、印刷用紙201Cは、さらに、排紙経路HおよびIのうち何れかに送り出されるか、若しくは、排紙トレイ230に排紙される。排紙経路Hに送り出された場合、印刷用紙201Cは、排紙トレイ231に排出される。排紙経路Iに送り出された場合は、印刷用紙201Cは、さらに、排紙経路JおよびKの何れかに送り出され、排紙トレイ232および233の何れかに排出される。
この、印刷用紙201Cを給紙トレイ220〜224のうち何れからピックするかの選択と、画像形成後の印刷用紙201Cを排紙トレイ227〜233のうち何れに排出するかの選択は、後述する設定情報テーブルに格納される情報に基づき、カット紙用搬送制御部51Bにより制御される。
図10は、カット紙用搬送制御部51Bの一例の構成を示す。カット紙用搬送制御部51Bは、搬送制御部コントローラ520、搬送経路選択部521、搬送用モータ制御部522およびセンサ制御部523を有する。
搬送制御部コントローラ520は、エンジンI/F制御線41を介して印刷制御部322と接続され、印刷制御部322から送信されたコマンドや詳細を後述する設定情報テーブルを受信する。受信した設定情報テーブルは、例えばカット紙用搬送制御部51Bが有する図示されないメモリに保持される。搬送制御部コントローラ520は、受信した設定情報テーブルの解析を行い、カット紙である印刷用紙201Cの搬送に必要な情報を抽出する。搬送制御部コントローラ520は、このレジスタに記憶された情報に従い、印刷用紙201Cの搬送タイミングや搬送経路などの制御を行う。
また、搬送制御部コントローラ520は、信号線42を介して各データ転送制御部30a〜30dと接続され、これら各データ転送制御部30a〜30dに対して、後述する印刷可能状態報告を送信する。
搬送経路選択部521は、搬送制御部コントローラ520による設定情報テーブルの解析結果に基づき印刷用紙201Cの搬送経路を選択する。それと共に、搬送経路選択部521は、印刷用紙201Cを給紙トレイ220〜224のうち何れからピックし、排紙トレイ227〜233のうち何れに排出するかを選択する。選択結果は、搬送制御部コントローラ520に渡される。
搬送用モータ制御部522は、搬送制御部コントローラ520の指示により、印刷用紙201Cを搬送するローラを駆動する搬送用モータ530の駆動制御を行う。また、搬送用モータ制御部522は、図示されない経路選択機構を制御して、搬送経路選択部521による、搬送経路や給紙トレイ220〜224、排紙トレイ227〜233の選択結果に基づき、印刷用紙201Cを所定の経路で搬送する。
センサ制御部523は、印刷位置検知センサ531の出力に基づき、印刷用紙201Cの印刷位置(印刷部225)への到達を検出すると共に、用紙排出検知センサ523の出力に基づき、印刷用紙201Cが排紙トレイに排出されたことを検出する。これらの検出結果は、搬送制御部コントローラ520に渡される。
次に、カット紙による印刷用紙201Cの搬送制御について、概略的に説明する。カット紙を用いるプリンタ装置200’の用紙搬送制御は、上述した連続紙を用いるプリンタ装置200の用紙搬送制御と大きく異なる。プリンタ装置200’では、主に、プリンタコントローラ14およびプリンタエンジン15それぞれのソフトウェアによるコマンドやデータ通信により、印刷用紙201Cの搬送制御が行われる。
図11は、カット紙による搬送制御を概略的に示す一例のフローチャートである。なお、図11では、当該搬送制御に関し、必要最小限の処理について示してある。先ず、プリンタコントローラ14内のCPU321は、プログラムの動作に従い、ステップS10で給紙トレイの選択を行い、次のステップS11で排紙トレイを選択する。さらに、CPU321は、プログラムの動作に従い、次のステップS12で印刷サイズを指定する。ここで、印刷サイズは、印刷用紙201Cのサイズ(A4、B4など)を示す。
これらステップS10〜ステップS12で設定された設定内容は、設定情報テーブルに書き込まれて印刷制御部322からカット紙用搬送制御部51Bに送信される。
設定情報テーブルは、カット紙用搬送制御部51B内の搬送制御部コントローラ520に受信される。搬送制御部コントローラ520は、受信した設定情報テーブルを解析し、給紙トレイと、排紙トレイと、印刷サイズとに基づきピック指示を作成する(ステップS13)。ピック指示は、搬送経路選択部521に渡される。搬送経路選択部521は、受け取ったピック指示に基づき、プリンタ装置200’における各給紙トレイ220〜224および各排紙トレイ227〜233から、使用するものを選択する。選択結果は、搬送制御部コントローラ520に渡される。搬送制御部コントローラ520は、この選択結果に基づき搬送用モータ制御部522を制御して搬送用モータ530を駆動し、印刷用紙201Cの搬送を行う。
なお、以下では、連続紙である印刷用紙201Rと、カット紙である印刷用紙201Cとを区別しない場合は、印刷用紙201として記述する。
(実施形態に適用可能な印刷処理の詳細)
次に、実施形態に適用可能な印刷処理について、より詳細に説明する。図12は、上位装置10とプリンタ装置13のプリンタコントローラ14との間で、制御線12を介して送受信される制御情報の一例を示す。なお、図12において、上位装置10をDFE(Digital Front End Processor)、プリンタコントローラ14をPCTLとして示している。制御情報は、大まかには、(1)ジョブ(JOB)情報と、(2)プリンタ状態および印刷プロセスを示す情報と、(3)印刷条件を示す情報と、(4)接続を示す情報とが含まれる。
(1)のジョブ情報は、ジョブ(JOB)開始とジョブ終了とを通知する。ジョブ開始は、上位装置10からプリンタコントローラ14に対するジョブ開始の通知と、当該通知に対するプリンタ装置13から上位装置10への応答が含まれる。ジョブ終了は、上位装置10からプリンタコントローラ14に対する、ジョブ開始により要求した全印刷プロセスの終了の通知と、当該通知に対するプリンタコントローラ14から上位装置10への応答が含まれる。これらジョブ開始およびジョブ終了における応答の際に、ジョブを識別するためのジョブ識別子(JOBID)がプリンタコントローラ14から上位装置10に対して送信される。
(2)のプリンタ状態および印刷プロセスを示す情報には、印刷プロセス受け付け開始と、プリンタ情報の要求および通知と、印刷プロセス開始と、印刷プロセス要求と、データ転送完了と、データ受信完了と、印刷プロセス完了と、プロセス状態報告と、SC(Service Control)通知と、エラー発生および解除とを通知する。
印刷プロセス受け付け開始は、プリンタコントローラ14が印刷プロセスの受け付けが可能となったことをプリンタ装置13から上位装置10に対して通知する。プリンタ情報の要求および通知は、上位装置10からプリンタコントローラ14に対する必要なプリンタ情報の要求と、当該要求に対するプリンタコントローラ14から上位装置10に対する応答とが含まれる。
印刷プロセス開始は、印刷画像データの準備が完了した旨の上位装置10からプリンタコントローラ14に対する通知と、当該通知に対するプリンタ装置13から上位装置10に対する応答を含む。印刷画像データの準備完了通知は、印刷画像データの出力順およびページ(プロセス)単位に行われる。ページは、一連の印刷動作で印刷が行われる印刷単位であるといえる。
印刷プロセス要求は、プリンタコントローラ14から上位装置10に対する印刷プロセスの通知と、当該通知に対する上位装置10からプリンタコントローラ14に対する応答とが含まれる。プリンタコントローラ14は、この印刷プロセス要求により、印刷を行う色Y、C、MおよびKをそれぞれ示す色情報(Yellow, Cyan, Magenta or Black)、プロセス識別番号processIDおよびプレーン識別番号を上位装置10に対して通知する。なお、プレーンは、1ページに印刷される各色の印刷画像データによる画像それぞれに対応するものとする。プリンタコントローラ14は、プレーン単位およびエンジンすなわちデータ転送制御部30a、30b、30cおよび30dの要求順に従い、これらの情報を通知する。すなわち、ビットマップデータからなる印刷画像データは、プリンタエンジン15側から上位装置10に取りに行くことになる。
データ転送完了は、上位装置10からプリンタコントローラ14に対して要求されたプレーンの印刷画像データの転送完了が通知される。データ受信完了は、プリンタコントローラ14から上位装置10に対して、要求したプレーンの印刷画像データの受信完了が通知される。印刷プロセス完了は、上位装置10からプリンタコントローラ14に対して、全ページ(プロセス)の印刷要求の完了が通知される。プロセス状態報告は、プリンタコントローラ14から上位装置10に対して、ページ(プロセス)の印刷状態が通知される。このとき、プリンタコントローラ14は、プリンタエンジン15から給紙、排紙および印刷開始に関する情報を取得し、取得したこれらの情報を当該通知に付加して上位装置10に送信する。
SC通知は、上位装置10からプリンタコントローラ14に対してプリンタ装置13の障害情報の取得が要求されると共に、当該要求に対して取得された障害情報がプリンタコントローラ14から上位装置10に対して通知される。エラー発生および解除は、上位装置10側でのエラー発生および当該エラーの解除が上位装置10からプリンタコントローラ14に対して通知される。
(3)の印刷条件を示す情報は、印刷条件の設定、すなわち、上位装置10からプリンタコントローラ14に対する印刷条件の通知と、当該通知に対するプリンタコントローラ14の応答とを含む。印刷条件の例としては、印刷形態、印刷種別、給排紙情報、印刷面順、印刷用紙種類、印刷用紙サイズ、印刷データサイズ、解像度および階調、ならびに、色情報などを含む。
印刷形態は、例えば印刷用紙201に対して両面印刷および片面印刷のうち何れを行うかを示す。印刷種別は、印刷画像データが存在しておりそれを印刷するのか、印刷画像データが存在しておらず白紙ページとするのかを示す。給排紙情報は、印刷用紙201の給紙元および排紙先のスタッカなどの識別情報を示す。印刷面順は、印刷用紙201に対して表面から裏面へと印刷するのか、裏面から表面へと印刷するのかを示す。
印刷用紙種類は、連続紙による印刷用紙201Rと、カット紙による印刷用紙201Cとのうち何れを用いるかを示す。印刷用紙サイズは、例えば連続紙による印刷用紙201Rを用いる場合、印刷を行うページの印刷用紙201Rの搬送方向の長さを示す。また、カット紙による印刷用紙201Cを用いる場合、A4、B4などの1枚の印刷用紙201Cのサイズを示す。
印刷データサイズは、印刷画像データのデータサイズを示す。すなわち、印刷データサイズは、1ページ分の印刷画像データのサイズを示す。解像度および階調は、印刷画像データを印刷用紙201に印刷する際の解像度および階調を示す。また、色情報は、例えば印刷を色Y、C、MおよびK各色を用いたフルカラーで行うのか、色Kのみを用いた単色で行うかを示す。
(4)の接続を示す情報は、登録および解除を含み、上位装置10およびプリンタコントローラ14のそれぞれで、互いの情報の登録および登録された情報の解除を行う。
(印刷シーケンス)
次に、本実施形態による印刷処理について説明する。図13は、本実施形態による印刷処理を概略的に示す一例のシーケンス図である。ここでは、プリンタ装置13は、色Y、C、MおよびKの各色を用いたフルカラー印刷を行うものとする。また、この図13に示されるシーケンス図による印刷処理は、連続紙である印刷用紙201Rを印刷対象とするプリンタ装置200と、カット紙である印刷用紙201Cを印刷対象とする印刷装置200’との何れにも適用可能である。以下では、特に記載のない限り、印刷用紙201Rおよび印刷用紙201Cを印刷用紙201で代表させて説明する。
プリンタコントローラ14において、印刷制御部322は、上位装置10から制御情報として印刷用紙201に関する情報を受信する(SEQ100)。さらに、印刷制御部322は、上位装置10から1ページ目(ページ#1)のジョブ開始を示す制御情報(ページ制御情報)を受信する(SEQ101)。印刷制御部322は、SEQ101で受信した制御情報と、SEQ100で受信した用紙情報とに基づき、1ページ目の設定情報テーブル(後述する)を作成する。印刷制御部322は、作成した設定情報テーブルを各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dに対して送信し、1ページ目を示すページ識別子と、色Y、C、MおよびK各色についてページ識別子で示されるページのデータ転送を開始するように要求する(SEQ110a、110b、110cおよび110d)。
各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dには、印刷制御部322から送信された設定情報テーブルからそれぞれ必要な情報を取り出して、取り出した情報に基づきデータ線11a、11b、11cおよび11dを介して上位装置10に対して各色Y、C、MおよびKの1ページ目の印刷画像データをそれぞれ要求する。各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dは、この要求に応じて上位装置10から転送された各色Y、C、MおよびKの1ページ目の印刷画像データを、それぞれメモリ31a、31b、31cおよび31dに格納する。
一方、この図13の例では、印刷制御部322から各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dに対して1ページ目のデータ転送が要求されている間に、印刷制御部322は、上位装置10から送信された次の2ページ目のジョブ開始を示す制御情報を受信する(SEQ102)。印刷制御部322は、受信された制御情報に基づき2ページ目の設定情報テーブルを作成し、例えばRAM323に保持する。
各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dは、上位装置10からの各色の1ページ目の印刷画像データの転送が終了したら、それぞれ、その旨を印刷制御部322に通知する(SEQ111a、111b、111cおよび111d)。印刷制御部322は、当該通知にそれぞれ応答して、データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dに対して、それぞれ2ページ目の設定情報テーブルを送信し、2ページ目(ページ#2)のデータ転送を開始するように要求する(SEQ112a、112b、112cおよび112d)。
各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dは、印刷制御部322からの設定情報テーブルを受信して、それぞれ必要な情報を取り出す。そして、取り出した情報に基づき、上位装置10に対して各色の2ページ目の印刷画像データをそれぞれ要求し、この要求に応じて上位装置10から転送された各色の2ページ目の印刷画像データを、それぞれメモリ31a、31b、31cおよび31dに格納する。
なお、各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dは、転送された印刷画像データのデータ量に基づきデータ転送の終了を知ることができる。1ページ分の印刷画像のデータ量を示す情報は、例えば各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dに対するデータ転送開始時に、上位装置10が印刷画像データの先頭などに付加して送信する。また、印刷画像データを所定単位毎に転送する場合に、上位装置10が、1ページの最後の印刷画像データの転送単位に対して1ページ分の転送終了を示す終了情報を付加するようにしてもよい。さらに、上位装置10が、1ページ分の印刷画像データの転送直後などに、1ページ分の印刷画像データの転送終了を示す情報を印刷画像データとは別途に、各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dに対して送信することもできる。
一方、印刷制御部322は、各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dの全てから1ページ目のデータ転送終了の通知を受信したら、各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dに対して、1ページ目の印刷の開始を指示する(SEQ113a〜113d)。それと共に、印刷制御部322は、搬送制御部51に対して後述する設定情報テーブルを送信し、印刷用紙201の1ページ目の搬送を指示する(SEQ114)。搬送制御部51は、この指示に応じて印刷用紙201の搬送を開始する。
ここで、印刷対象が連続紙の印刷用紙201Rであるプリンタ装置200の場合、印刷制御部322は、連続紙用搬送制御部51Aに対して設定情報テーブルを送信する。連続紙用搬送制御部51Aにおいて、設定情報テーブルが搬送制御部コントローラ500に受信され、紙送り量など印刷用紙201Rの搬送に必要な情報が取り出される。それと共に、搬送制御部コントローラ500は、用紙搬送信号生成部502を制御してハイレベルの用紙搬送指示信号を生成させる。この用紙搬送信号生成部502で生成された用紙搬送指示信号により、搬送用モータ510が駆動され、印刷用紙201Rの搬送が開始される。
連続紙用搬送制御部51Aにおいて、センサ制御部503は、用紙搬送速度検知センサ511の出力に基づき、印刷用紙201Rの搬送速度が印刷のための規定値に達したことを検知すると、印刷が可能な状態になったと判定して、その旨を搬送制御部コントローラ500に通知する。搬送制御部コントローラ500は、この通知に応じて、後述するSEQ118における印刷可能状態報告を、信号線42を介して各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dに対して送信すると共に、垂直同期信号生成部501で生成される垂直同期信号のパルス数をカウントする。
一方、印刷対象がカット紙の印刷用紙201Cであるプリンタ装置200’の場合、印刷制御部322は、上述と同様に、カット紙用搬送制御部51Bに対して設定情報テーブルを送信する。カット紙用搬送制御部51Bにおいて、設定情報テーブルが搬送制御部コントローラ520に受信され、給紙トレイ選択情報、排紙トレイ選択情報など、印刷用紙201Cの搬送に必要な情報が取り出される。例えば給紙トレイ選択情報、排紙トレイ選択情報に基づき、搬送経路選択部521で搬送経路が選択される。それと共に、搬送制御部コントローラ520は、搬送用モータ制御部522を制御して、ピック動作を開始させ、搬送経路選択部521で選択された給紙トレイから印刷用紙201Cを1枚取り出し、選択された経路を通して搬送する。
カット紙用搬送制御部51Bにおいて、センサ制御部523は、印刷位置検知センサ531の検知結果により、印刷用紙201Cの位置が所定の印刷位置に到達したと検知されると、その旨を搬送制御部コントローラ520に通知する。搬送制御部コントローラ520は、この通知により印刷が可能な状態となったと判定し、後述するSEQ118における印刷可能状態報告を、信号線42を介して各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dに対して送信する。
上述のSEQ112a〜112dで開始された2ページ目の各色の印刷画像データの転送が終了すると、各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dは、その旨を印刷制御部322に対して通知する(SEQ115a〜115d)。印刷制御部322は、このデータ転送完了の通知に応じて、各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dに対して、2ページ目の印刷の開始をそれぞれ指示する(SEQ116a〜116d)。
また、印刷制御部322は、2ページ目の各色の印刷画像データの転送が終了すると、搬送制御部51に対して、2ページ目の設定情報テーブルを送信すると共に、印刷用紙201の2ページ目の搬送を指示する(SEQ117)。
ここで、上述したようにして、搬送制御部51が印刷が可能な状態となったと判定すると、SEQ118で、各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dに対して印刷可能状態報告を信号線42を介して送信する。各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dは、この印刷可能状態報告を受け取ると、1ページ目の印刷をそれぞれ開始し、その旨を印刷制御部322に通知する(SEQ119a〜119d)。各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dは、印刷開始後、それぞれ時間tlengthで1ページ分の印刷を行い、印刷が終了すると、その旨を印刷制御部322に通知する(SEQ120a〜120d)。
一方、搬送制御部51は、上述のSEQ118において印刷可能状態報告を送信してから、印刷用紙201の搬送を監視し、1ページ分の搬送が完了したか否かを判定する。
例えば、印刷対象が連続紙の印刷用紙201Rであるプリンタ装置200においては、連続紙用搬送制御部51Aは、垂直同期信号生成部501で生成された垂直同期信号のパルスをカウントし、上述した式(1)および式(2)に従い、カウント値が1ページ分の用紙搬送量Mのパルス数Pvに達した場合に、1ページ分の搬送が完了したと判定する。また例えば、印刷対象がカット紙の印刷用紙201Cであるプリンタ装置200’においては、印刷用紙201Cはサイズが固定的であるので、用紙排出検知センサ532の検知結果に基づき、選択した給紙トレイに対応したサイズ分の搬送が完了したかどうかを判定する。
搬送制御部51は、若し、1ページ目の搬送が完了し、且つ、2ページ目の搬送指示(2ページ目の設定情報テーブル)を受け取っていた場合、SEQ121で、各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dに対して印刷可能状態報告を信号線42を介して送信する。また、搬送制御部51は、印刷用紙201の搬送は継続させ、設定情報テーブルの情報に基づき2ページ目を搬送する。
各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dは、搬送制御部51から印刷可能状態報告を受け取ると、2ページ目の印刷をそれぞれ開始し、その旨を印刷制御部322に通知する(SEQ122a〜122d)。各データ転送制御部30a、30b、30cおよび30dは、印刷開始後、それぞれ時間tlengthで1ページ分の印刷を行い、印刷が終了すると、その旨を印刷制御部322に通知する(SEQ123a〜123d)。
搬送制御部51は、印刷用紙201の搬送を監視し、上述のSEQ121からさらに1ページ分の搬送が完了したか否かを判定する。搬送制御部51は、設定情報テーブルを2ページ目までしか受け取っていないため、1ページ分の搬送が完了したと判定した場合、印刷が完了したと判断し、印刷用紙201の搬送を停止する。そして、SEQ124で、搬送を停止した旨を示す搬送停止報告を印刷制御部322に対して通知する。これにより、一連の印刷処理が終了する。
(設定情報テーブル)
次に、設定情報テーブルについて説明する。図14は、本実施形態による設定情報テーブルの一例を示す。設定情報テーブルは、C、M、Y、K各色に共通の情報と、各色毎の情報とを含む。また、各色共通の情報は、プリンタエンジンに対する印刷指示に関する情報である印刷用の情報を含む。また、各色毎の情報は、印刷用の情報と、上位装置10からの印刷画像データの転送のために用いるデータ転送用の情報とを含む。なお、設定情報テーブルに含まれる各情報は、テーブル形式で管理されるのに限られず、他のデータ管理形式で管理されるようにしてもよい。
本実施形態による設定情報テーブルにおける、各色共通の情報について説明する。各色共通の情報において、印刷用以外の情報として、ページ識別子PBIDおよび1ページ当たりのデータ数が含まれる。ページ識別子PBIDは、印刷ページを識別するためのページ識別子であり、当該設定情報テーブルは、このページ識別子PBIDにより識別される。1ページ当たりのデータ数は、ページ識別子PBIDで識別されるページに用いられる色数である。1ページ当たりのデータ数は、例えば、色Kの1色を用いて印刷を行うモノクロの場合は、値が「1」とされ、C、M、Y、K各色の4色を用いて印刷を行うフルカラーの場合は、値が「4」とされる。
各色共通の情報における印刷用の情報について説明する。印刷用の情報は、印刷を行う印刷画像データの情報として解像度および階調を含み、印刷対象に関する情報として用紙送り長、用紙幅および印刷面(表/裏)を含み、さらに、搬送系の情報として給紙トレイ選択および排紙トレイ選択を含む。
印刷を行う印刷画像データの情報において、解像度は、主走査および副走査方向それぞれの印刷解像度を示す。また、階調は、1画素当たりのビット数を示す。印刷対象に関する情報において、用紙送り長は、印刷用紙201の送り方向における1ページ分の長さをドット数で示し、用紙幅は、印刷用紙201の幅方向の長さをドット数で示す。印刷面は、当該ページが印刷用紙201の表面および裏面の何れに印刷されるかを示す。
搬送系の情報において、給紙トレイ選択は、印刷対象の印刷用紙201が連続紙およびカット紙のうち何れであるかを識別すると共に、印刷対象の印刷用紙201がカット紙である場合に、給紙トレイを識別する識別子である。この例では、給紙トレイ識別子は、値が「0」で、印刷対象が連続紙であり、値が「0」以外で、印刷対象がカット紙であることを示す。また、給紙トレイ識別子の値が「0」以外であり印刷対象がカット紙であることを示す場合において、当該給紙トレイ識別子の値で、複数の給紙トレイから選択する給紙トレイを識別可能としている。
例えば、プリンタ装置200’において、各給紙トレイ220〜224が用紙サイズ別になっている場合、給紙トレイ識別子によりカット紙の用紙サイズを指定することが可能である。
排紙トレイ選択は、給紙トレイ選択と同様に、印刷対象の印刷用紙201が連続紙およびカット紙のうち何れであるかを識別すると共に、印刷対象の印刷用紙201がカット紙である場合に、その印刷用紙201のサイズを示す識別子である。この例では、排紙トレイ識別子は、値が「0」で、印刷対象が連続紙であり、値が「0」以外で、印刷対象がカット紙であることを示す。また、排紙トレイ識別子の値が「0」以外である場合において、当該排紙トレイ識別子の値で、複数の排紙トレイから選択する排紙トレイを識別可能としている。
本実施形態による設定情報テーブルにおける各色毎の情報について説明する。各色毎の情報において、C、M、Y、K各色を識別するためのColor識別子が含まれると共に、データ転送用の情報と、印刷用の情報とが含まれる。各色毎の情報におけるデータ転送用の情報は、データ転送要否、データ転送元アドレス、データ格納先アドレスおよびデータ転送サイズを含む。
データ転送元アドレスは、上位装置10においてページ識別子PBIDで示されるページの印刷画像データが格納されるアドレスを示す。データ転送元アドレスは、例えばラスタ(ライン)単位で印刷画像データを指定する。データ格納先アドレスは、上述した入力ポインタが示すアドレスである。したがって、入力ポインタが更新される度に、データ格納先アドレスも更新される。データ転送サイズは、データ転送制御部30a〜30dの要求により転送される印刷画像データのデータサイズを示し、例えばページ識別子PBIDで示されるページの印刷画像データのデータサイズである。
データ転送サイズは、印刷画像データのサイズを所定単位(例えばバイト単位)で揃えるためのバウンダリ調整サイズを含む。1ページが印刷される際には、各メモリ31a〜31dに対して、このデータ転送サイズで示されるデータサイズの印刷画像データが格納されることになる。
各色毎の情報における印刷用の情報について説明する。印刷用の情報は、印刷要否、印刷不可領域上、下、左および右、ならびに、画像情報を含む。また、画像情報は、X方向有効サイズおよびY方向有効サイズを含む。印刷要否は、その色の印刷を行うか否かを示す。
印刷不可領域上、下、左、右は、印刷を禁止する印刷不可領域を、ページ領域の上端(用紙送り方向の先頭)、下端(用紙送り方向の後端)、左端(用紙幅方向の用紙送り方向に向けて左端)、右端(用紙幅方向の用紙送り方向に向けて右端)それぞれからのドット数で示す。
画像情報のうち、X方向有効サイズは、X方向(用紙幅方向)のバウンダリ調整領域を含まないサイズをドット数で示す。バウンダリ調整領域は、1ラスタデータのデータサイズが所定単位(例えばバイト単位)以下の端数を含む場合に、データサイズを所定単位に揃えるために設けられる。また、Y方向有効サイズがY方向(用紙送り方向)のサイズをドット数で示す。すなわち、X方向有効サイズは、1のラスタデータにより印刷される有効なサイズを示し、Y方向有効サイズは、X方向有効サイズで印刷されるラスタ数(ライン数)を示す。
このように、設定情報テーブルには、データ転送処理および印刷処理に関する各種設定情報が、Y、C、M、Kの全色分含まれている。プリンタコントローラ14において、CPU321は、上位装置10から受信した用紙情報および制御情報に基づき設定情報テーブルを作成し、RAM323に書き込む。制御情報により複数ページに亘る印刷が指定されている場合、それぞれページ識別子(PBID)で識別される当該複数ページ分の設定情報テーブルが作成される。
上位装置10から転送される印刷画像データを受信するに当たり、プリンタコントローラ14において、CPU321は、印刷制御部322に対してデータ転送指示と共にページ識別子(PBID)を指定する。印刷制御部322は、指定されたページ識別子の設定情報テーブルをRAM323から読み出し、自身に必要な設定情報を自身のレジスタに設定すると共に、設定情報テーブルによりデータ転送を指示された色のデータ転送制御部30a〜30dに対して、設定情報テーブルを送信する。
データ転送制御部30a〜30dは、設定情報テーブルから自身がデータ転送を行う際に必要となる情報を自身のレジスタに設定すると共に、データ転送制御部30a〜30d内のメモリ31a〜31dに対して、設定情報テーブルを書き込む。このとき、各データ転送制御部30a〜30dにおいて設定情報テーブルに含まれる全情報を保持しても良いし、各色共通情報と、自身の担当する色に関する情報とに限定して情報を保持することで、メモリ使用量を少なくすると、より好ましい。
更に、CPU321からのデータ転送指示に従って、印刷制御部322がデータ転送制御部30a〜30dのうち1または複数に対して設定情報テーブルを送信する際に、各色共通情報と、指示された色に関する情報のみに限定して送信すると、エンジンI/F制御線40a〜40dを介して送信するデータ転送量が減り、エンジンI/F制御線40a〜40dの負荷を抑えることが可能となり好ましい。
上位装置10から転送された印刷画像データの受信が全て終了し、印刷を行う場合、CPU321は、プリンタエンジン15がカット紙用および連続紙用の何れかに関わらず、印刷画像データの受信時と同様に、印刷制御部322に対して印刷指示と共にページ識別子を送信する。印刷制御部322は、指定されたページ識別子の設定情報テーブルを再度、RAM323から読み出して搬送制御部51に対して送信すると共に、搬送指示を送信する。さらに、印刷制御部322は、各データ転送制御部30a〜30dに対して、印刷指示と共にページ識別子を送信する。
搬送制御部51は、設定情報テーブルの用紙搬送に関する情報(印刷対象に関する情報、搬送系の情報)を用いて用紙搬送を開始する。この際、印刷対象として連続紙を用いるプリンタ装置200の場合は、印刷対象に関する情報に含まれる用紙送り長を用いて用紙搬送を行う。一方、印刷対象としてカット紙を用いるプリンタ装置200’の場合は、印刷対象に関する情報に含まれる印刷面と、搬送系の情報に含まれる給紙トレイ選択および排紙トレイ選択を用いて用紙搬送を行う。
各データ転送制御部30a〜30dは、印刷制御部322からの印刷指示を受信すると、指定されたページ識別子の設定情報テーブルを各データ転送制御部30a〜30d内のメモリ31a〜31dからそれぞれ読み出し、読み出した設定情報テーブルに含まれる情報のうち、印刷動作に必要な情報を自身のレジスタへセットする。
このように、カット紙を印刷対象とするカット紙プリンタ装置と、連続紙を印刷対象とする連続紙プリンタ装置との違いを搬送制御部51で吸収し、用紙情報を含めた設定情報テーブルを用いた印刷画像データの受信、ならびに、印刷動作を行うことにより、カット紙プリンタ装置、連続紙プリンタ装置の両方に対応可能なプリンタコントローラ14を提供することが可能となる。
(印刷動作のより詳細な説明)
次に、本実施形態による印刷動作について、より詳細に説明する。図15は、印刷画像データの上位装置10からの転送時における、プリンタコントローラ14内のCPU321の一例の動作を示すフローチャートである。
プリンタコントローラ14内のCPU321は、ステップS100およびステップS101で、上位装置10からの用紙情報および制御情報の受信を待機する。CPU321は、上位装置10より、制御線12を介し、印刷制御部322を経由して用紙情報および制御情報を受信すると、次のステップS102で、受信した用紙情報および制御情報に基づき、上述した設定情報テーブルを作成する。CPU321は、作成した設定情報テーブルを、RAM323に書き込む。それと共に、CPU321は、印刷制御部322に対し、データ転送開始指示を発行する。CPU321は、データ転送開始指示発行後、印刷制御部322からの転送終了報告を待機する(ステップS103)。CPU321が印刷制御部322からの転送終了報告を受信すると、図15のフローチャートによる一連の処理が終了される。
図16は、上位装置10からの用紙情報受信時における、印刷制御部322の一例の動作を示すフローチャートである。印刷制御部322は、上位装置10からの用紙情報を待機する(ステップS110)。用紙情報が受信されると、印刷制御部322は、CPU321に対して用紙情報受信報告を行う(ステップS111)。用紙情報受信報告が完了すると、図16のフローチャートによる一連の処理が終了する。
図17は、上位装置10からの制御情報(ページ制御情報)受信時における、印刷制御部322の一例の動作を示すフローチャートである。印刷制御部322は、上位装置10からのページ制御情報を待機する(ステップS120)。ページ制御情報が受信されると、印刷制御部322は、CPU321に対してページ制御情報受信報告を行う(ステップS121)。ページ制御情報受信報告が完了すると、図17のフローチャートによる一連の処理が終了する。
図18は、印刷画像データを上位装置10から転送する転送時における、印刷制御部322の一例の動作を示すフローチャートである。印刷制御部322は、CPU321からのデータ転送開始指示を待機する(ステップS130)。データ転送開始指示が受信されると、次のステップS131で、印刷制御部322は、RAM323から、該当するページのPBIDを含む設定情報テーブルを読み出して、各データ転送制御部30a〜30dに対して送信する。そして、印刷制御部322は、各データ転送制御部30a〜30dに対して、データ転送開始指示を発行する。
次のステップS132で、印刷制御部322は、各データ転送制御部30a〜30dからのデータ転送開始報告を待機する。各データ転送制御部30a〜30dからのデータ転送開始報告を受信すると、印刷制御部322は、次のステップS133で、各データ転送制御部30a〜30dからのデータ転送終了報告を待機する。印刷制御部322は、各データ転送制御部30a〜30dからのデータ転送終了報告を受信すると、次のステップS134で、CPU321に対してデータ転送終了報告を行う。データ転送終了報告が完了すると、図18のフローチャートにおける一連の処理が終了する。
図19は、印刷画像データを上位装置10から転送する転送時における、各データ転送制御部30a〜30dの一例の動作を示すフローチャートである。ここでは、説明のため、データ転送制御部30aを例にとって説明する。データ転送制御部30aは、印刷制御部322からの設定情報テーブルを待機する(ステップS140)。
データ転送制御部30aは、印刷制御部322から設定情報テーブルを受信すると、データ転送制御部30a内の例えばメモリ31aの所定領域に、受信した設定情報テーブルを書き込む(ステップS141)。メモリ31aに限らず、データ転送制御部30aが有するレジスタなどに書き込んでもよい。
次のステップS142で、データ転送制御部30aは、印刷制御部322からのデータ転送開始指示を待機する。データ転送制御部30aは、印刷制御部322からデータ転送開始指示を受信すると、次のステップS143で、上位装置10に対して印刷画像データを要求し、この要求に応じて上位装置10からデータ線11aを介して転送された印刷画像データを受信する。受信した印刷画像データは、メモリ31aに書き込まれる。
データ転送制御部30aは、設定情報テーブルにより指定された1ページ分の印刷画像データの転送が終了したと判定した場合(ステップS144)、次のステップS145で、印刷制御部322に対してデータ転送終了報告を送信する。データ転送終了報告が送信されると、図19のフローチャートにおける一連の処理が終了する。
図20は、印刷動作時における、プリンタコントローラ14内のCPU321の一例の動作を示すフローチャートである。CPU321は、印刷制御部322からのデータ転送終了報告を待機する(ステップS150)。CPU321は、印刷制御部322からのデータ転送終了報告を受信すると、次のステップS151で、印刷制御部322に対して印刷開始指示を発行する。印刷開始指示発行後、CPU321は、印刷制御部322からの印刷開始報告を待機する(ステップS152)。CPU321は、当該印刷開始報告を受信すると、次のステップS153で、印刷制御部322からの印刷終了報告を待機する。印刷制御部322から印刷終了報告を受信すると、図20のフローチャートにおける一連の処理が終了する。
図21は、印刷動作時における、印刷制御部322の一例の動作を示すフローチャートである。印刷制御部322は、CPU321からの印刷指示を待機する(ステップS160)。印刷制御部322は、CPU321からの印刷指示を受信すると、次のステップS161で、RAM323から、印刷開始指示にPBIDが対応する設定情報テーブルを読み出して、当該設定情報テーブルを搬送制御部51に対して送信する。設定情報テーブルが搬送制御部51に送信されると、印刷制御部322は、搬送制御部51に対して用紙搬送開始指示を発行し、その後、各データ転送制御部30a〜30dに対して、印刷指示を発行する。
各データ転送制御部30a〜30dへの印刷指示の発行後、印刷制御部322は、各データ転送制御部30a〜30dからの印刷開始報告を待機する(ステップS162)。印刷制御部322は、各データ転送制御部30a〜30dからの印刷開始報告を受信すると、CPU321に対して印刷開始報告を行う(ステップS163)。次のステップS164で、印刷制御部322は、各データ転送制御部30a〜30dからの印刷終了報告を待機する。印刷制御部322は、各データ転送制御部30a〜30dからの印刷終了報告を受信した場合、CPU321に対して印刷終了を報告する(ステップS165)。印刷終了が報告されると、図21のフローチャートにおける一連の処理が終了する。
図22は、印刷動作時における各データ転送制御部30a〜30dの一例の動作を示すフローチャートである。ここでは、データ転送制御部30aを例にとって説明する。データ転送制御部30aは、印刷制御部322からの印刷指示を待機する(ステップS170)。データ転送制御部30aは、印刷制御部322からの印刷指示を受信すると、次のステップS171で、図19のステップS141でデータ転送制御部30a内の例えばメモリ31aに書き込まれた、印刷指示に対応するページの設定情報テーブルを読み出す。
データ転送制御部30aは、次のステップS172で、搬送制御部51からの印刷可能状態報告を待機する。データ転送制御部30aは、搬送制御部51からの印刷可能状態報告を受信すると、次のステップS173で、設定情報テーブルに設定された内容に基づき印刷を開始し、印刷制御部322に対して印刷開始報告を送信する。データ転送制御部30aは、設定情報テーブルに設定された1ページ分の印刷が終了すると(ステップS174)、印刷制御部322に対して印刷終了報告を送信する(ステップS175)。印刷終了報告が送信されると、図22のフローチャートにおける一連の処理が終了する。
図23は、印刷対象がカット紙である場合の、カット紙用搬送制御部51Bの一例の動作を示すフローチャートである。カット紙用搬送制御部51Bは、印刷制御部322からの設定情報テーブルを待機する(ステップS180)。カット紙用搬送制御部51Bは、印刷制御部322からの設定情報テーブルを受信すると、次のステップS181で、印刷制御部322からの用紙搬送開始指示を待機する。カット紙用搬送制御部51Bは、印刷制御部322からの用紙搬送開始指示を受信すると、次のステップS182で、ステップS180で受信された設定情報テーブルにおける給紙トレイ選択と排紙トレイ選択の情報に基づき、印刷用紙201Cの搬送経路を設定する。そして、カット紙用搬送制御部51Bは、設定した搬送経路により、印刷用紙201Cを搬送するように制御する。
次のステップS183で、カット紙用搬送制御部51Bは、所定の印刷位置まで印刷用紙201Cが搬送されるのを待機する。カット紙用搬送制御部51Bは、印刷位置検知センサ531の検知出力に基づき、印刷用紙201Cが所定の印刷位置に搬送されたことを検知した場合、次のステップS184で、各データ転送制御部30a〜30dに対して印刷可能状態報告を送信する。カット紙用搬送制御部51Bは、ステップS185で、印刷用紙201Cが排出されるのを待機する。カット紙用搬送制御部51Bは、用紙排出検知センサ532の検知出力に基づき、印刷用紙201Cが排出されたことを検知した場合、次のステップS186で、印刷制御部322に対して搬送終了報告を送信する。搬送終了報告が送信されると、この図23のフローチャートにおける一連の処理が終了する。
図24は、印刷対象が連続紙である場合の、連続紙用搬送制御部51Aの一例の動作を示すフローチャートである。連続紙用搬送制御部51Aは、印刷制御部322からの設定情報テーブルを待機する(ステップS190)。連続紙用搬送制御部51Aは、印刷制御部322からの設定情報テーブルを受信すると、次のステップS191で、印刷制御部322からの用紙搬送開始指示を待機する。連続紙用搬送制御部51Aは、印刷制御部322からの用紙搬送開始指示を受信すると、次のステップS192で、ハイレベルの用紙搬送指示信号を生成して搬送用モータ510を駆動して、印刷用紙201Rの搬送を開始する。連続紙用搬送制御部51Aは、ステップS193で、印刷用紙201Rの搬送速度が規定値に達するのを待機する。
連続紙用搬送制御部51Aは、用紙搬送速度検知センサ511の検知出力に基づき、印刷用紙201Rを搬送する用紙搬送速度が規定値に到達したことを検知すると、次のステップS194で、各データ転送制御部30a〜30dに対して印刷可能状態報告を送信する。連続紙用搬送制御部51Aは、次のステップS195で、設定情報テーブルに設定された用紙送り長分の用紙搬送が完了するのを待機する。連続紙用搬送制御部51Aは、垂直同期信号のパルス数のカウント値に基づき、用紙送り長が規定値に達したことを検知すると、次のステップS196で用紙搬送を停止し、印刷制御部322に対して搬送終了報告を送信する。搬送終了報告を送信すると、図24のフローチャートにおける一連の処理が終了する。
図23および図24を用いて説明したように、カット紙用搬送制御部51Bと、連続紙用搬送制御部51Aとでは、印刷制御部322および各データ転送制御部30a〜30dに対するインターフェイスが共通化されている。したがって、本実施形態によれば、搬送系が、印刷対象としてカット紙を用いるプリンタ装置200’と、印刷対象として連続紙を用いるプリンタ装置200とで、印刷制御部322すなわちプリンタコントローラ14を共通化することができる。
(実施形態による処理の例)
次に、本実施形態による印刷処理について、より詳細に説明する。図25は、本実施形態による印刷画像データの転送処理の例をより詳細に示すシーケンス図である。この図25のシーケンス図は、2ページを連続印刷する場合の処理の例を、印刷画像データの転送処理に注目して示す。また、図25において、各色のデータ転送制御部30a〜30dを、データ転送制御部30aで代表させて示す。
先ず、SEQ200で、上位装置10からプリンタコントローラ14に対して、用紙情報が送信される。用紙情報は、プリンタコントローラ14内の印刷制御部322に受信される。印刷制御部322は、受信した用紙情報をCPU321に渡す(SEQ201)。上位装置10は、さらに、1ページ目の印刷のジョブ開始に関する制御情報をプリンタコントローラ14に対して送信する(SEQ202)。この制御情報は、プリンタコントローラ14内の印刷制御部322に受信される。印刷制御部322は、受信したこの制御情報を、CPU321に渡す(SEQ203)。
CPU321は、SEQ201およびSEQ203で印刷制御部322から渡された、用紙情報および1ページ目の印刷ジョブ開始に関する制御情報に基づき、図14を用いて説明した設定情報テーブル(1ページ目)を作成する。CPU321は、作成した設定情報テーブルを、プリンタコントローラ14内のRAM323に書き込む(SEQ204)。次に、CPU321は、印刷制御部322に対して、1ページ目の印刷画像データの転送開始指示を発行する(SEQ205)。
CPU321からの転送開始指示に応じて、印刷制御部322は、RAM323に書き込まれている設定情報テーブルから、ページ識別子が1ページ目を示している設定情報テーブルを読み出して(SEQ206)、読み出した設定情報テーブルをデータ転送制御部30aに送信する(SEQ207)。データ転送制御部30aは、印刷制御部322から送信された設定情報テーブルを、メモリ31aに書き込む。続けて、印刷制御部322は、データ転送制御部30aに対して、1ページ目の印刷画像データの転送処理を開始するように指示する(SEQ208)。
データ転送制御部30aは、この印刷制御部322からの転送処理開始の指示に応じて、SEQ207で印刷制御部322から送信されメモリ31aに書き込まれた設定情報テーブルを参照し、設定情報テーブルにおけるデータ転送用の情報に従い上位装置10に対して印刷画像データの転送を要求し、転送された印刷画像データを受信してメモリ31aに書き込む。
データ転送制御部30aは、1ページ目の印刷画像データの転送が終了すると、その旨をプリンタコントローラ14に通知する(SEQ212)。この通知は、プリンタコントローラ14内の印刷制御部322に受信される。印刷制御部322は、この通知を受信すると、CPU321に対して、1ページ目の印刷画像データの転送終了を報告する(SEQ213)。
ここで、SEQ209に示されるように、データ転送制御部30aにおいて1ページ目の印刷画像データの転送中に、上位装置10からプリンタコントローラ14に対して、2ページ目の印刷ジョブ開始に関する制御情報が送信されたものとする。この場合であっても、上述と同様に、この制御情報を受信した印刷制御部322は、受信した制御情報をCPU321に渡す(SEQ210)。CPU321は、SEQ200で印刷制御部322から渡された用紙情報と、SEQ210で印刷制御部322から渡された制御情報とに基づき、2ページ目の設定情報テーブルを作成する。CPU321は、作成した設定情報テーブルを、RAM323に書き込む(SEQ211)。
図25の例では、CPU321がSEQ211で設定情報テーブルをRAM323に書き込んだ時点で、データ転送制御部30aにおいて、上位装置10からの印刷画像データの転送処理が実行中である。CPU321は、上述したSEQ213による、データ転送制御部30aからの1ページ目の印刷画像データの転送終了報告を受け取っていない。そのため、2ページ目の印刷画像データの転送開始指示発行を保留する。
CPU321は、SEQ213でデータ転送制御部30aからの1ページ目の印刷画像データの転送終了報告を受け取ると、SEQ214で、印刷制御部322に対して、2ページ目の印刷画像データの転送開始指示を発行する。この指示に応じて、印刷制御部322は、RAM323に書き込まれている設定情報テーブルから、ページ識別子が2ページ目を示している設定情報テーブルを読み出して(SEQ215)、データ転送制御部30aに送信する(SEQ216)。データ転送制御部30aは、印刷制御部322から送信された2ページ目の設定情報テーブルを、メモリ31aに書き込む。
続けて、印刷制御部322は、データ転送制御部30aに対して、2ページ目の印刷画像データの転送処理を開始するように指示する(SEQ217)。データ転送制御部30aは、この転送処理開始の指示に応じて、メモリ31aに書き込まれている2ページ目の設定情報テーブルにおけるデータ転送用の情報に従い上位装置10に対して印刷画像データの転送を要求し、転送された印刷画像データを受信してメモリ31aに書き込む。データ転送制御部30aは、2ページ目の印刷画像データの転送が終了すると、その旨をプリンタコントローラ14に通知する(SEQ218)。プリンタコントローラ14内の印刷制御部322は、この転送終了通知を受信すると、CPU321に対して、2ページ目の印刷画像データの転送終了を報告する(SEQ219)。
図26は、本実施形態による印刷および搬送処理の例をより詳細に示すシーケンス図である。この図26のシーケンス図は、印刷画像データのデータ転送制御部30aへの転送処理が終了した後の処理に注目して示す。なお、上述と同様に、図26において、各色のデータ転送制御部30a〜30dを、データ転送制御部30aで代表させて示す。また、図26において、上述した図25のシーケンス図と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
SEQ212でデータ転送制御部30aから印刷制御部322に対して1ページ目の印刷画像データの転送が終了した旨が通知され、この通知に応じて、SEQ213で、印刷制御部322からCPU321に対して1ページ目の印刷画像データの転送終了が報告される。CPU321は、この1ページ目の印刷画像データの転送終了報告に応じて、SEQ300で、印刷制御部322に対して、1ページ目の印刷を行うように印刷指示を発行する。
印刷制御部322は、この1ページ目の印刷指示を受信すると、RAM323から、ページ識別子が1ページ目を示している設定情報テーブルを読み出して(SEQ301)、搬送制御部51に送信する(SEQ302)。搬送制御部51は、設定情報テーブルを受信して自身が有するレジスタやメモリに書き込む。印刷制御部322は、続けて、搬送制御部51に対して搬送開始指示を送信する(SEQ303)。そして、印刷制御部322は、データ転送制御部30aに対して、1ページ目の印刷指示を送信する(SEQ304)。
搬送制御部51は、SEQ303で印刷制御部322からの搬送開始指示を受け取ったら、印刷用紙の搬送動作を開始する(時刻t1)。そして、搬送制御部51は、印刷用紙が印刷可能な状態に搬送されたと判定した場合に(時刻t2)、印刷可能状態の報告が信号線42を介してデータ転送制御部30aに対して送信される(SEQ305)。
例えば、上述した、連続紙である印刷用紙201Rを用いるプリンタ装置200の場合、ハイレベルの用紙搬送指示信号が生成されて搬送用モータ510が駆動され、印刷用紙201Rが搬送される。用紙搬送速度検知センサ511の検知出力に基づき、印刷用紙201Rの搬送速度が規定の速度に達したことが検知された場合に、印刷可能状態が報告される。
また例えば、上述した、カット紙である印刷用紙201Cを用いるプリンタ装置200’の場合、設定情報テーブルの給紙トレイ選択および排紙トレイ選択などに基づき搬送経路選択部521が選択した給紙トレイ、排紙トレイおよび経路により印刷用紙201Cが搬送される。そして、印刷位置検知センサ531により、印刷用紙201Cが所定の印刷位置に到達したことが検知された場合に、印刷可能状態が報告される。
データ転送制御部30aは、搬送制御部51からの印刷可能状態が報告されると、メモリ31aに書き込まれた1ページ目の印刷画像データによる印刷用紙201に対する印刷を実行する。印刷が実行されると、1ページ目の印刷開始が印刷制御部322に通知される(SEQ306)。印刷制御部322は、この通知を受けて、1ページ目の印刷開始をCPU321に報告する(SEQ307)。
ここで、1ページ目の印刷が終了する前に、2ページ目の印刷画像データの転送処理が終了したものとする。図26の例では、SEQ306で1ページ目の印刷開始が印刷制御部322に通知された直後に、データ転送制御部30aから印刷制御部322に対して、2ページ目の印刷画像データの転送が終了した旨が通知されている(SEQ218)。この通知に応じて、印刷制御部322は、2ページ目の印刷画像データの転送終了をCPU321に報告する(SEQ219)。
CPU321は、2ページ目の印刷画像データの転送終了報告を受けると、印刷制御部322に対して、2ページ目の印刷を行うように印刷指示を発行する(SEQ308)。印刷制御部322は、この印刷指示に応じて、RAM323に書き込まれている設定情報テーブルのうち、ページ識別子が2ページ目を示している設定情報テーブルを読み出して(SEQ309)、読み出した当該設定情報テーブルを搬送制御部51に送信する(SEQ310)。
このとき、印刷制御部322は、データ転送制御部30aに対して2ページ目の印刷指示を送信する処理を保留する。すなわち、印刷指示の送信は、1ページ目の印刷終了の通知を待って、行われる。
続けて、印刷制御部322は、搬送制御部51に対して搬送開始指示を送信する(SEQ311)。搬送制御部51は、この搬送開始指示に応じて、印刷用紙201の搬送制御を行う。例えば、上述した、連続紙である印刷用紙201Rを用いるプリンタ装置200の場合、用紙搬送指示信号が引き続きハイレベルとされて、印刷用紙201Rの搬送が継続される。また例えば、上述した、カット紙である印刷用紙201Cを用いるプリンタ装置200’の場合、設定情報テーブルの給紙トレイ選択および排紙トレイ選択などに基づき搬送経路選択部521が選択した給紙トレイ、排紙トレイおよび経路により、次の印刷用紙201Cの搬送が開始される。
データ転送制御部30aは、1ページ目の印刷が終了すると、その旨を印刷制御部322に通知する(SEQ312)。印刷制御部322は、この印刷終了通知に応じて、CPU321に対して印刷終了を報告する(SEQ313)と共に、データ転送制御部30aに対して2ページ目の印刷指示を送信する(SEQ314)。データ転送制御部30aは、この2ページ目の印刷指示を受信すると、搬送制御部51から印刷可能状態が報告されるのを待機する。
時刻t3にて、搬送制御部51により、印刷用紙201が印刷可能な状態に搬送されたと判定されたものとする。搬送制御部51は、印刷可能状態の報告をデータ転送制御部30aに対して送信する(SEQ315)。データ転送制御部30aは、この印刷可能状態の報告に応じて、2ページ目の印刷を実行する。そして、データ転送制御部30aは、2ページ目の印刷開始を印刷制御部322に通知する(SEQ316)。印刷制御部322は、この通知を受けて、2ページ目の印刷開始をCPU321に報告する(SEQ317)。
データ転送制御部30aは、2ページ目の印刷が終了すると、その旨を印刷制御部322に通知する(SEQ318)。印刷制御部322は、この印刷終了通知に応じて、CPU321に対して印刷終了を報告する(SEQ319)。
また、搬送制御部51は、印刷可能状態となった時刻t3から、時刻t4まで用紙搬送を行い、例えば1ページ分の用紙搬送が行われたことを検知すると、用紙搬送を終了させる。そして、搬送終了の報告を印刷制御部322に送信する(SEQ320)。印刷制御部322は、この搬送終了報告に応じて、CPU321に対して、搬送終了を報告する(SEQ321)。
このように、本実施形態においては、搬送制御部51と他の部分、例えば印刷制御部322との通信は、プリンタエンジン15において連続紙に印刷を行うか、カット紙に印刷を行うかに依存しない。したがって、印刷制御部322のインターフェイスを、連続紙に印刷を行うプリンタ装置と、カット紙に印刷を行うプリンタ装置とで共通化できる。