以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
以下に、本発明にかかる電子部品実装装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図1は、電子部品実装装置の概略構成を示す概略平面図である。
図1に示す電子部品実装装置1は、基板Bの上に電子部品を搭載する装置である。電子部品実装装置1は、筐体2に、基板搬送部3F,3Rと、電子部品供給装置4F,4Rと、搭載ヘッド5F,5Rと、XY移動機構6F,6Rと、ノズル交換部7と、電子部品認識部8と、制御装置9と、操作部10と、表示部11とが配置されている。
筐体2は、矩形状の本体2aの四面に、前カバー2b、後カバー2c、および両側部カバー2d,2dを有し、電子部品実装装置1を構成する各部を収納する箱として構成されている。この筐体2は、本体2aの前側に、基板搬送部3Fと、電子部品供給装置4Fと、搭載ヘッド5Fと、XY移動機構6Fとを有する前側の電子部品供給搭載部1Fが配置され、本体2aの後側に、基板搬送部3Rと、電子部品供給装置4Rと、搭載ヘッド5Rと、XY移動機構6Rとを有する後側の電子部品供給搭載部1Rが配置されている。また、操作部10および表示部11は、前カバー2bに配置されている。なお、後カバー2cにも操作部10および表示部11が配置されていてもよい。さらに、筐体2は、一方(例えば、図1中左側)の側部カバー2dにおいて、前側の電子部品供給搭載部1Fの基板搬送部3Fへの基板Bを筐体2内に搬入する搬入口2dfと、後側の電子部品供給搭載部1Rの基板搬送部3Rへの基板Bを筐体2内に搬入する開口2drとが設けられている。また、筐体2は、他方(例えば、図1中右側)の側部カバー2dにおいて、前側の電子部品供給搭載部1Fの基板搬送部3Fからの基板Bを筐体2外に排出する開口2dfと、後側の電子部品供給搭載部1Rの基板搬送部3Rからの基板Bを筐体2外に排出する開口2drとが設けられている。
前側の電子部品供給搭載部1Fについて説明する。基板搬送部3Fは、筐体2の前後をY方向とした場合に、当該Y方向に対して水平方向で直交するX方向に基板Bを搬送するものである。基板搬送部3Fは、X方向に延在する一対のレール3aに基づき、搭載対象面を上面とした基板Bを支持しつつレール3aに沿ってX方向に移動させる搬送機構を有する。この基板搬送部3Fは、筐体2内に基板Bを供給する機器から一方(例えば、図1中左側)の開口2dfを介して供給された基板Bを、レール3aの延在方向の所定位置まで搬送する。基板Bは、この所定位置にて搭載対象面に電子部品が搭載される。また、基板搬送部3Fは、搭載対象面に電子部品が搭載された基板Bを、所定位置からレール3aの延在方向に搬送し、他方(例えば、図1中右側)の開口2dfを介して筐体2外に排出して次工程(例えば、リフロー工程)の機器へ受け渡す。なお、基板搬送部3Fの搬送機構としては、種々の構成を用いることができ、例えば、基板Bの搬送方向に沿って配置されたレール3aと、レール3aに沿って循環するエンドレスベルト(図示せず)とを組合せ、エンドレスベルトに基板Bを載置した状態で搬送するベルト方式の搬送機構がある。
ここで、基板Bは、電子部品を搭載する部材であればよく、その構成は特に限定されない。本実施形態の基板Bは、板状部材であり、表面に配線パターンが設けられている。また、基板Bは、配線パターンの表面に、リフローによって配線パターンと電子部品とを接合する接合部材であるはんだが付着している。
電子部品供給装置4Fは、基板搬送部3Fの前側に配置されており、基板Bに搭載する電子部品を多数保持し、搭載ヘッド5Fに供給可能、つまり、搭載ヘッド5Fで吸着保持可能な状態で保持位置に供給するものである。電子部品供給装置4Fは、凹部に電子部品を保持し、封止材によって凹部を封止されたテープを送ると同時にテープの封止材を取り除いて、凹部内の電子部品を露出させ、搭載ヘッド5Fで吸着保持可能な状態とするテープフィーダ方式のレーン4aが、Y方向に延在し、かつX方向に複数並設されている。なお、電子部品供給装置4Fは、テープフィーダ方式に限定されるものではない。
搭載ヘッド5Fは、電子部品供給装置4Fの電子部品を保持し、当該電子部品を、基板搬送部3Fにおいて所定位置に搬送された基板Bに搭載するものである。搭載ヘッド5Fは、電子部品を電子部品供給装置4Fから基板Bに移動させるため、XY移動機構6Fにより移動可能に設けられている。
図には明示しないが、搭載ヘッド5Fは、複数(例えば、6本)のノズルと、ノズル駆動部とを有する。ノズルは、X方向に一列に配置されている。各ノズルは、電子部品を吸着する吸着機構であり、電子部品を吸着保持する吸着ノズルNが装着される。また、各ノズルは、吸着ノズルNを着脱する着脱機構を有する。ノズル駆動部は、ノズルを上下方向(X方向およびY方向に直交する方向)に移動させる移動機構と、ノズルから空気を吸引する吸引機構とを有する。また、図には明示しないが、搭載ヘッド5Fは、撮影装置と、高さセンサとを有する。撮影装置は、搭載ヘッド5Fの下方領域であって、例えば、基板Bや、電子部品が搭載された基板Bなどを撮影するため、カメラと、照明装置とを有し、照明装置で視野を照明しつつ、カメラで画像を取得する。高さセンサは、搭載ヘッド5Fの下方領域であって、例えば、基板Bや、電子部品が搭載された基板Bとの距離を計測するもので、レーザ光を照射する発光素子と、反射して戻ってくるレーザ光を受光する受光素子とを有し、レーザ光を発光してから受光するまでの時間で対面する部分との距離を計測するレーザセンサを用いることができる。また、高さセンサは、測定時の自身の位置および基板Bの位置を用いて、電子部品の高さを検出する。
XY移動機構6Fは、搭載ヘッド5FをX方向およびY方向に移動させるものである。このため、XY移動機構6Fは、X移動機構部61と、Y移動機構部62とを含む。XY移動機構6FのX移動機構部61は、X方向に延在するX軸レール61aを有し、このX軸レール61aに搭載ヘッド5Fを支持し、かつX軸レール61aの延在方向に沿って搭載ヘッド5FをX方向に移動させる。搭載ヘッド5FをX方向に移動させる機構としては、例えば、リニアモータ、ラックアンドピニオン、ボールねじを用いた搬送機構、ベルトを利用した搬送機構等を用いることができる。
XY移動機構6FのY移動機構部62は、Y方向に延在する一対のY軸レール62aを有し、このY軸レール62a間でX軸レール61aを支持し、かつY軸レール62aの延在方向に沿ってX軸レール61aを搭載ヘッド5FとともにY方向に移動させる。X軸レール61aを搭載ヘッド5FとともにY方向に移動させる機構としては、例えば、リニアモータ、ラックアンドピニオン、ボールねじを用いた搬送機構、ベルトを利用した搬送機構等を用いることができる。本実施形態では、Y移動機構部62は、X軸レール61aを搭載ヘッド5FとともにY方向に移動させる機構として、リニアモータを利用した搬送機構を用いる。具体的に、一対のY移動機構部62は、X軸レール61aの各端部を支持する可動子62bが、各Y軸レール62aの延在方向に移動可能に設けられている。また、一対のY移動機構部62は、各Y軸レール62aの延在方向に沿って固定子62cが設けられている。そして、一対のY移動機構部62は、可動子62bと固定子62cとの間で発生する電磁力により可動子62bが各Y軸レール62aの延在方向に移動することで、この可動子62bに支持されるX軸レール61aを、搭載ヘッド5Fとともに各Y軸レール62aの延在方向に移動させる。
次に、後側の電子部品供給搭載部1Rについて説明する。基板搬送部3Rは、上述した基板搬送部3Fと同様にX方向に基板Bを搬送するものである。すなわち、基板搬送部3Rは、X方向に延在する一対のレール3aに基づき、搭載対象面を上面とした基板Bを支持しつつレール3aに沿ってX方向に移動させる搬送機構を有する。この基板搬送部3Rは、筐体2内に基板Bを供給する機器から一方(例えば、図1中左側)の開口2drを介して供給された基板Bを、レール3aの延在方向の所定位置まで搬送する。基板Bは、この所定位置にて搭載対象面に電子部品が搭載される。また、基板搬送部3Rは、搭載対象面に電子部品が搭載された基板Bを、所定位置からレール3aの延在方向に搬送し、他方(例えば、図1中右側)の開口2drを介して筐体2外に排出して次工程(例えば、リフロー工程)の機器へ受け渡す。この基板搬送部3Rは、上述した基板搬送部3Fの後側に配置されている。そして、基板搬送部3Fと基板搬送部3Rとは、X方向に基板Bを搬送する基板搬送ラインが複数並行して配置されている。
電子部品供給装置4Rは、基板搬送部3Rの後側に配置されており、基板Bに搭載する電子部品を多数保持し、搭載ヘッド5Rに供給可能、つまり、搭載ヘッド5Rで吸着保持可能な状態で保持位置に供給するものである。電子部品供給装置4Rは、上述した電子部品供給装置4Fと同様に、テープフィーダ方式のレーン4aが、Y方向に延在し、かつX方向に複数並設されている。なお、電子部品供給装置4Rは、テープフィーダ方式に限定されるものではない。そして、電子部品供給装置4Rと、上述した電子部品供給装置4Fとは、各基板搬送部3F,3Rを挟んだ両側(前側および後側)に設けられている。
搭載ヘッド5Rは、電子部品供給装置4Rの電子部品を保持し、当該電子部品を、基板搬送部3Rにおいて所定位置に搬送された基板Bに搭載するものである。搭載ヘッド5Rは、電子部品を電子部品供給装置4Rから基板Bに移動させるため、XY移動機構6Rにより移動可能に設けられている。また、搭載ヘッド5Rは、上述した搭載ヘッド5Fと同様に、複数のノズルと、ノズル駆動部と、撮影装置と、高さセンサとを有する。
XY移動機構6Rは、搭載ヘッド5RをX方向およびY方向に移動させるものである。このため、XY移動機構6Rは、X移動機構部61と、Y移動機構部62とを含む。XY移動機構6RのX移動機構部61は、X方向に延在するX軸レール61aを有し、このX軸レール61aに搭載ヘッド5Rを支持し、かつX軸レール61aの延在方向に沿って搭載ヘッド5RをX方向に移動させる。搭載ヘッド5RをX方向に移動させる機構としては、上述したXY移動機構6FのX移動機構部61と同様に、例えば、リニアモータ、ラックアンドピニオン、ボールねじを用いた搬送機構、ベルトを利用した搬送機構等を用いることができる。
XY移動機構6RのY移動機構部62は、XY移動機構6FのY移動機構部62における一対のY軸レール62aおよび固定子62cを共有している。XY移動機構6RのY移動機構部62は、Y軸レール62a間で、XY移動機構6RのX移動機構部61におけるX軸レール61aを支持し、かつY軸レール62aの延在方向に沿ってX軸レール61aを搭載ヘッド5RとともにY方向に移動させる。X軸レール61aを搭載ヘッド5RとともにY方向に移動させる機構としては、例えば、リニアモータ、ラックアンドピニオン、ボールねじを用いた搬送機構、ベルトを利用した搬送機構等を用いることができるが、本実施形態では、上述したXY移動機構6FのY移動機構部62と同様にリニアモータを利用した搬送機構を用いる。すなわち、一対のY移動機構部62は、XY移動機構6RのX移動機構部61におけるX軸レール61aの各端部を支持する可動子62bが、各Y軸レール62aの延在方向に移動可能に設けられ、可動子62bと固定子62cとの間で発生する電磁力により可動子62bが各Y軸レール62aの延在方向に移動することで、この可動子62bに支持されるX軸レール61aを、搭載ヘッド5Rとともに各Y軸レール62aの延在方向に移動させる。このように、XY移動機構6RのY移動機構部62は、XY移動機構6FのY移動機構部62における一対のY軸レール62aおよび固定子62cを共有することで、その小型化を図ることが可能である。
次に、ノズル交換部7は、基板搬送部3F,3Rの間に設けられ、搭載ヘッド5Fや搭載ヘッド5Rに装着されて電子部品を吸着保持し得る交換用の吸着ノズルNが載置されるものである。ノズル交換部7は、複数の吸着ノズルNを挿入保持するための複数のノズル保持穴7aを有する。このノズル交換部7に載置される吸着ノズルNは、大きさや形状など種類の異なる電子部品に対応して吸着保持し得る複数種のもので、この複数種の個々の吸着ノズルNが各ノズル保持穴7aに挿入保持される。
なお、電子部品実装装置1は、ノズル交換部7に保持された吸着ノズルNの種類を検出する機能を有する。この機能として、例えば、ノズル交換部7は、ノズル保持穴7aの下方から光を照射する照射装置7bを含み構成されている。ノズル交換部7において、各ノズル保持穴7aは、それぞれ同じ形状とされている。一方、種類の異なる吸着ノズルNは、各ノズル保持穴7aに挿入保持されるものの、それぞれ形状が異なる。このため、照射装置7bから照射された光は、形状が同じノズル保持穴7aと、形状が異なる吸着ノズルNとの隙間を透過するため、種類の異なる吸着ノズルNそれぞれに対応して透過面積や透過量が異なる。そして、吸着ノズルNが装着される搭載ヘッド5Fおよび搭載ヘッド5Rは、照射装置7bから照射される光の透過面積や透過量を撮影するカメラ5aを含み構成されている。すなわち、照射装置7bから照射される光の透過面積や透過量を搭載ヘッド5Fや搭載ヘッド5Rのカメラ5aにより撮影する。そして、撮影した光の透過面積や透過量を解析することでノズル交換部7に保持された吸着ノズルNの種類を検出することができる。
次に、電子部品認識部8は、ノズル交換部7とともに、基板搬送部3F,3Rの間に設けられ、搭載ヘッド5Fおよび搭載ヘッド5Rに保持される電子部品を認識するものである。電子部品認識部8としては、例えば、画像認識装置があり、搭載ヘッド5Fおよび搭載ヘッド5Rの下方から撮影するカメラや、撮影領域を照明する照明ユニットを有する。画像認識装置は、搭載ヘッド5Fおよび搭載ヘッド5Rに装着された吸着ノズルNで吸着保持された電子部品の状態、すなわち、電子部品の形状や、吸着ノズルNによる電子部品の保持状態を認識する。具体的に、電子部品認識部8は、その上方位置に搭載ヘッド5Fや搭載ヘッド5Rが移動されると、搭載ヘッド5Fや搭載ヘッド5Rの吸着ノズルNを鉛直方向下側から撮影する。そして、撮影した画像を解析することで、吸着ノズルNで吸着された電子部品の形状や、吸着ノズルNによる電子部品の保持状態を認識することができる。
また、電子部品認識部8は、例えば、電子部品が有する端子の下端部の高さを測定してコプラナリティ検査を実施するコプラナリティ検査装置がある。また、電子部品認識部8は、例えば、電子部品の容量や抵抗の測定をする測定装置がある。また、電子部品認識部8は、例えば、吸着ノズルNによる電子部品の吸着時での電子部品に対する衝撃力を測定する測定装置がある。これらは、基板Bに電子部品を搭載する基板Bの生産中では使用頻度の低いものである。
なお、電子部品を認識する機能は、搭載ヘッド5Fおよび搭載ヘッド5Rに設けられていてもよい。この電子部品を認識する機能は、図には明示しないが、例えば、レーザ認識装置がある。レーザ認識装置は、光源と受光素子とを有する。このレーザ認識装置は、搭載ヘッド5Fおよび搭載ヘッド5Rの吸着ノズルNで吸着保持した電子部品に対して、光源により上方からレーザ光を照射し受光素子で受光する。そして、受光素子で検出したレーザ光を解析することで、電子部品の状態、すなわち、電子部品の形状や、吸着ノズルNによる電子部品の保持状態を認識することができる。このレーザ認識装置と、上記電子部品認識部8とをともに備えると、吸着ノズルNにより吸着保持された電子部品の状態をより正確に認識することが可能になる。
次に、制御装置9は、電子部品実装装置1の上述した各部を制御するものである。操作部10は、オペレータが操作を入力する入力デバイスであり、キーボードやマウスなどを有する。操作部10は、入力信号を制御装置9に送る。表示部11は、オペレータに各種情報を表示する画面であり、液晶モニターなどの表示装置を有する。表示部11は、制御装置9から入力される画像信号に基づいて各種画像を表示させる。
以下に、電子部品実装装置1の各部の動作について説明する。図2は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。図2に示すように、電子部品実装装置1は、ステップS1として、生産プログラムを読み込む。生産プログラムは、専用の生産プログラム作成装置で作成されたり、入力された各種データに基づいて制御装置9によって作成されたりする。
電子部品実装装置1は、ステップS1で生産プログラムを読み込んだら、ステップS2として、装置の状態を検出する。具体的には、電子部品供給装置4F,4Rの構成、電子部品供給装置4F,4Rに充填されている電子部品の種類、準備されている吸着ノズルNの種類などを検出する。電子部品実装装置1は、ステップS2で装置の状態を検出し、準備が完了したら、ステップS3として、基板Bを搬入する。電子部品実装装置1は、ステップS3で基板Bを搬入し、電子部品を実装する所定位置に基板を配置したら、ステップS4として電子部品を基板Bに実装する。電子部品実装装置1は、ステップS4で電子部品の実装が完了したら、ステップS5として基板Bを搬出する。電子部品実装装置1は、ステップS5で基板を搬出したら、ステップS6として生産終了かを判定する。電子部品実装装置1は、ステップS6で生産終了ではない(ステップS6:No)と判定した場合、ステップS3に進み、ステップS3からステップS6の処理を実行する。つまり、生産プログラムに基づいて、基板Bに電子部品を実装する処理を実行する。電子部品実装装置1は、ステップS6で生産終了である(ステップS6:Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
電子部品実装装置1は、以上のようにして、生産プログラムを読み込み、各種設定を行った後、基板Bに電子部品を実装することで、電子部品が実装された基板Bを製造することができる。
図3は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。図3に示す処理動作は、基板Bを搬入してから、基板Bへの電子部品の搭載が完了するまでの動作である。なお、本実施形態の電子部品実装装置1は、上述したように前側の電子部品供給搭載部1Fと、後側の電子部品供給搭載部1Rとを有し、これらがそれぞれ独立して基板Bを搬入し基板Bへの電子部品の搭載を行う。そして、電子部品供給搭載部1F,1Rの処理動作は同じであり、図3に示す処理動作では、主として電子部品供給搭載部1Fについての処理動作を説明する。
電子部品実装装置1は、ステップS11として、基板を搬入する。具体的に、電子部品実装装置1は、電子部品を搭載する対象の基板Bを基板搬送部3F(3R)で所定位置まで搬送する。電子部品実装装置1は、ステップS11で基板Bを搬入したら、ステップS12として保持移動を行う。ここで、保持移動(吸着移動)とは、吸着ノズルNが電子部品供給装置4F(4R)の保持位置にある電子部品と上下方向で対向する位置まで搭載ヘッド5F(5R)を移動させる処理動作である。
電子部品実装装置1は、ステップS12で保持移動を行ったら、ステップS13として、吸着ノズルNを下降させる。つまり、電子部品実装装置1は、電子部品を吸着保持できる位置まで吸着ノズルNを下方向に移動させる。電子部品実装装置1は、ステップS13で吸着ノズルNを下降させたら、ステップS14として、吸着ノズルNで電子部品を吸着保持し、ステップS15として、吸着ノズルNを上昇させる。電子部品実装装置1は、ステップS15で吸着ノズルNを上昇させたら、具体的には、電子部品をレーザ認識装置の計測位置まで移動させたら、ステップS16として、吸着ノズルNで吸着している電子部品の形状を検出する。電子部品実装装置1は、ステップS16で電子部品の形状を検出したら、ステップS17として吸着ノズルNをさらに上昇させる。なお、電子部品実装装置1は、上述したようにステップS16で部品形状を検出し、吸着保持した電子部品が搭載不可であると判定した場合、電子部品を廃棄し、再び電子部品を吸着保持する。電子部品実装装置1は、吸着ノズルNを上昇させたら、ステップS18として、搭載移動、つまり吸着ノズルNで吸着保持している電子部品を基板Bの搭載位置(実装位置)に上下方向で対向する位置まで移動させる処理動作を行い、ステップS19として、吸着ノズルNを下降させ、ステップS20として部品搭載(部品実装)、つまり吸着ノズルNから電子部品を開放する処理動作を行い、ステップS21として、吸着ノズルNを上昇させる。つまり、電子部品実装装置1は、ステップS16からステップS20の処理動作で、上述した実装処理を実行する。
電子部品実装装置1は、ステップS21で吸着ノズルNを上昇させた場合、ステップS22として全部品の搭載が完了したか、つまり基板Bに搭載する予定の電子部品の実装処理が全て完了したかを判定する。電子部品実装装置1は、ステップS22で全部品の搭載が完了していない場合(ステップS22:No)、つまり搭載する予定の電子部品が残っていると判定した場合、ステップS12に進み、次の電子部品を基板Bに搭載する処理動作を実行する。このように電子部品実装装置1は、基板Bに全部品の搭載が完了するまで、上記処理動作を繰り返す。電子部品実装装置1は、ステップS22で全部品の搭載が完了したと判定した場合(ステップS22:Yes)、本処理を終了する。
電子部品実装装置1は、図3に示す処理動作を実行することで、基板Bに電子部品を搭載することができ、電子部品が実装された基板を生産することができる。
図4は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。図4に示す処理動作は、基板Bへの電子部品の搭載中の動作であり、具体的には、図3に示す処理動作のステップS11で基板Bを搬入してから、ステップS12で電子部品供給装置4F(4R)の保持位置に搭載ヘッド5F(5R)を移動させる間の動作である。
なお、本実施形態の電子部品実装装置1は、上述したように前側の電子部品供給搭載部1Fと、後側の電子部品供給搭載部1Rとを有し、これらがそれぞれ独立して基板Bを搬入し基板Bへの電子部品の搭載を行う。そして、電子部品供給搭載部1F,1Rの処理動作は同じであり、図4に示す処理動作では、電子部品供給搭載部1Fについての処理動作を説明する。また、図4に示す処理動作において、電子部品実装装置1は、図2の処理動作における生産プログラムの読み込みにより(ステップS1)、ノズル交換部7において載置されている吸着ノズルNの位置および種類や、空いているノズル保持穴7aの位置を把握している。
電子部品実装装置1は、ステップS31として、図3に示す処理動作のステップS12の以前、すなわち、吸着ノズルNが電子部品供給装置4Fの保持位置にある電子部品と上下方向で対向する位置まで搭載ヘッド5Fを移動させる処理動作の以前に、吸着保持すべき電子部品の大きさや形状に対応する吸着ノズルNが搭載ヘッド5Fに装着されている場合(ステップS31:Yes)、当該吸着ノズルNにより電子部品を吸着保持すべく、ステップS32として、図3に示す処理動作のステップS12に進み、本処理を終了する。
一方、電子部品実装装置1は、ステップS31として、吸着保持すべき電子部品の種類(大きさや形状)に対応する吸着ノズルNが搭載ヘッド5Fに装着されていない場合(ステップS31:No)、ステップS33として、搭載ヘッド5Fをノズル交換部7に移動する。具体的には、ノズル交換部7において空いている所定のノズル保持穴7aに、装着している吸着ノズルNが上下方向で対向する位置に搭載ヘッド5Fを移動する。このとき、電子部品実装装置1は、搭載ヘッド5Fをノズル交換部7に移動する場合、搭載ヘッド5Rはノズル交換部7に移動させない。
電子部品実装装置1は、ステップS33で搭載ヘッド5Fをノズル交換部7に移動させた場合、ステップS34として、吸着ノズルNをノズルから離脱させる。具体的には、ノズルを下降させてノズル保持穴7aに吸着ノズルNを挿入し、ノズルから吸着ノズルNを離脱させ、ノズルを上昇させる。
電子部品実装装置1は、ステップS34で吸着ノズルNをノズルから離脱させた場合、ステップS35として、ノズル交換部7において装着すべき対象の吸着ノズルN(吸着保持すべき電子部品に対応する吸着ノズルN)に対し、先に吸着ノズルNを離脱させたノズルが上下方向で対向する位置に搭載ヘッド5Fを移動する。さらに、電子部品実装装置1は、ステップS36として、ノズルを下降させ、装着すべき対象の吸着ノズルNをノズルに装着し、ステップS32として、当該吸着ノズルNにより電子部品を吸着保持すべく、図3に示す処理動作のステップS12に進み、本処理を終了する。
電子部品実装装置1は、図4に示す処理動作を実行することで、搭載ヘッド5F(5R)のノズルに装着される吸着ノズルNを交換することができる。
上述したように、本実施形態の電子部品実装装置1は、基板Bを搬送する基板搬送ラインを並行して配置された複数の基板搬送部3F,3Rと、電子部品を吸着保持する吸着ノズルNが着脱可能に装着され、吸着ノズルNにより吸着保持した電子部品を基板搬送部3F,3Rの基板Bに搭載する態様で移動可能に設けられた複数の搭載ヘッド5F,5Rと、基板搬送部3F,3Rの間に設けられ、種類の異なる電子部品をそれぞれ吸着保持し得る複数種の交換用の吸着ノズルNが載置されるノズル交換部7と、を備える。
この電子部品実装装置1によれば、各搭載ヘッド5F,5Rは、各基板搬送部3F,3Rの間のノズル交換部7に載置された吸着ノズルNを交換しつつ電子部品を吸着保持し、各基板搬送部3F,3Rにて搬送される基板Bに電子部品を搭載する。すなわち、この電子部品実装装置1は、複数の基板搬送部3F,3Rの各基板Bに対して吸着ノズルNを共有して電子部品を搭載する。しかも、この電子部品実装装置1は、各基板搬送部3F,3Rの間にノズル交換部7を設けたものであるから、各搭載ヘッド5F,5Rに対応してノズル交換部7を設ける構成と比較して装置全体の大型化を抑えることが可能になる。さらに、この電子部品実装装置1は、各基板搬送部3F,3Rの間にノズル交換部7を設けたものであるから、各搭載ヘッド5F,5Rを各基板搬送部3F,3Rの間まで移動させればよいため、搭載ヘッド5F,5Rの移動範囲が大幅に拡大することなく、基板Bに電子部品を搭載する効率を悪化させないので、生産コストの増大を抑えることが可能になる。
ところで、上述した本実施形態の電子部品実装装置1の変形例として、電子部品供給搭載部1Fに基板搬送部3Fを複数配置したり、電子部品供給搭載部1Rに基板搬送部3Rを複数配置したりしてもよい。すなわち、電子部品供給搭載部1F(1R)に基板搬送部3F(3R)を複数配置し、各基板搬送部3F(3R)の基板Bに対して搭載ヘッド5F(5R)が移動し電子部品を実装する。この場合、ノズル交換部7は、電子部品供給搭載部1Fの最も後側の基板搬送部3Fと、電子部品供給搭載部1Rの最も前側の基板搬送部3Rとの間に配置されることが、各電子部品供給搭載部1F,1Rの間であって電子部品実装装置1の中央にノズル交換部7が配置されるレイアウトとなるため好ましい。また、この場合、ノズル交換部7は、電子部品供給搭載部1Fにおける基板搬送部3Fの間や、電子部品供給搭載部1Rにおける基板搬送部3Rの間に配置されてもよい。このような構成であっても、交換用の吸着ノズルを共有したうえで、装置全体の大型化と生産コストの増大とを抑えることが可能である。
また、上述したように、本実施形態の電子部品実装装置1は、基板搬送部3F,3Rの間に設けられ、搭載ヘッド5F,5Rに保持される電子部品を認識する電子部品認識部8をさらに備えることが好ましい。
この電子部品実装装置1によれば、電子部品認識部8により、それぞれの搭載ヘッド5F,5Rに保持された電子部品を認識する。すなわち、この電子部品実装装置1は、各搭載ヘッド5F,5Rにおいて電子部品を認識する電子部品認識部8を共有することができ、各搭載ヘッド5F,5Rに対応して電子部品認識部8を設ける構成と比較して装置全体の大型化を抑えることが可能になる。
以下に、本発明にかかる他の例の電子部品実装装置の実施形態を説明する。図5は、他の例の電子部品実装装置の概略構成を示す概略平面図である。
図5に示す電子部品実装装置1’は、図1に示す電子部品実装装置1に対し、電子部品供給装置4Fと基板搬送部3Fとの間に、交換用の吸着ノズルNが載置される小型の補助ノズル交換部12Fをさらに備え、電子部品供給装置4Rと基板搬送部3Rとの間に、吸着ノズルNが載置される小型の補助ノズル交換部12Rをさらに備えることが異なる。従って、電子部品実装装置1’の説明において、図1に示す電子部品実装装置1と同等部分には同一の符号を付して説明を省略する。
補助ノズル交換部12F,12Rは、上述したノズル交換部7に対して小型のもので、複数の交換用の吸着ノズルNを挿入保持するための複数のノズル保持穴12aを有する。この補助ノズル交換部12F,12Rに載置される吸着ノズルNは、大きさや形状など種類の異なる電子部品に対応して吸着保持し得る複数種のもので、この複数種の個々の吸着ノズルNが各ノズル保持穴12aに挿入保持される。なお、電子部品実装装置1’は、補助ノズル交換部12F,12Rに保持された吸着ノズルNの種類を検出する機能を有する。この機能は、例えば、上述したノズル交換部7の照射装置7bと同様の照射装置12bを含み構成されている。そして、吸着ノズルNが装着される搭載ヘッド5Fおよび搭載ヘッド5Rは、照射装置12bから照射される光の透過面積や透過量を撮影するカメラ5aを含み構成されている。すなわち、照射装置12bから照射される光の透過面積や透過量を搭載ヘッド5Fや搭載ヘッド5Rのカメラ5aにより撮影する。そして、撮影した光の透過面積や透過量を解析することで補助ノズル交換部12F,12Rに保持された吸着ノズルNの種類を検出することができる。
図6は、他の例の電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。図6に示す処理動作は、基板Bへの電子部品の搭載中の動作であり、具体的には、図3に示す処理動作のステップS11で基板Bを搬入してから、ステップS12で電子部品供給装置4F(4R)の保持位置に搭載ヘッド5F(5R)を移動させる間の動作である。
なお、本実施形態の電子部品実装装置1’は、前側の電子部品供給搭載部1Fと、後側の電子部品供給搭載部1Rとを有し、これらがそれぞれ独立して基板Bを搬入し基板Bへの電子部品の搭載を行う。そして、電子部品供給搭載部1F,1Rの処理動作は同じであり、図6に示す処理動作では、主として電子部品供給搭載部1Fについての処理動作を説明する。また、図6に示す処理動作において、電子部品実装装置1’は、図2の処理動作における生産プログラムの読み込みにより(ステップS1)、ノズル交換部7および各補助ノズル交換部12F,12Rにおいて載置されている吸着ノズルNの位置および種類や、空いているノズル保持穴7aの位置を把握している。
電子部品実装装置1’は、ステップS41として、図3に示す処理動作のステップS12の以前、すなわち、吸着ノズルNが電子部品供給装置4Fの保持位置にある電子部品と上下方向で対向する位置まで搭載ヘッド5Fを移動させる処理動作の以前に、吸着保持すべき電子部品の大きさや形状に対応する吸着ノズルNが搭載ヘッド5Fに装着されておらず、かつ前側の補助ノズル交換部12Fに対象の吸着ノズルNがある場合(ステップS41:Yes)、ステップS42として、搭載ヘッド5Fを補助ノズル交換部12Fへ移動する。そして、電子部品実装装置1は、ステップS43として、搭載ヘッド5Fに対象の吸着ノズルNを装着し、ステップS44として、図3に示す処理動作のステップS12に進み、本処理を終了する。
一方、電子部品実装装置1’は、ステップS41として、吸着保持すべき電子部品の大きさや形状に対応する吸着ノズルNが搭載ヘッド5Fに装着されておらず、かつ前側の補助ノズル交換部12Fに対象の吸着ノズルNがない場合(ステップS41:No)、ステップS45として、後側の搭載ヘッド5Rを対象の吸着ノズルNが載置されている後側の補助ノズル交換部12Rへ移動する。
電子部品実装装置1’は、ステップS45で搭載ヘッド5Rを補助ノズル交換部12Rへ移動した場合、ステップS46として、当該搭載ヘッド5Rに対象の吸着ノズルNを装着する。さらに、電子部品実装装置1’は、ステップS47として、搭載ヘッド5Rをノズル交換部7へ移動する。さらにまた、電子部品実装装置1’は、ステップS48として、搭載ヘッド5Rで対象の吸着ノズルNをノズル交換部7へ載置する。
電子部品実装装置1’は、ステップS48で対象の吸着ノズルNをノズル交換部7へ載置した場合、ステップS49として、その搭載ヘッド5Rをノズル交換部7から退避させるとともに、ステップS50として、前側の搭載ヘッド5Fをノズル交換部7へ移動する。さらに、電子部品実装装置1’は、ステップS51として、搭載ヘッド5Fに対象の吸着ノズルNを装着し、ステップS44として、図3に示す処理動作のステップS12に進み、本処理を終了する。
電子部品実装装置1’は、図6に示す処理動作を実行することで、搭載ヘッド5F(5R)のノズルに装着される吸着ノズルNを交換することができる。
上述したように、本実施形態の電子部品実装装置1’は、電子部品実装装置1に対して電子部品供給装置4F,4Rと基板搬送部3F,3Rとの間に、吸着ノズルNが載置される小型の補助ノズル交換部12F,12Rをさらに備えることが好ましい。
この電子部品実装装置1’によれば、使用頻度の高い交換用の吸着ノズルNをそれぞれ補助ノズル交換部12F,12Rに載置しておき、使用頻度の低い交換用の吸着ノズルNをノズル交換部7に載置しておけば、通常の搭載ヘッド5F,5Rの移動を、電子部品供給装置4F,4Rと基板搬送部3F,3Rとの間の短距離にすることができ、各搭載ヘッド5F,5Rの移動範囲が大幅に拡大することなく、基板Bに電子部品を搭載する効率を悪化させないので、生産コストの増大を抑えることが可能になる。
また、この電子部品実装装置1’によれば、図6に示す処理動作のように、例えば、前側(一方側)の搭載ヘッド5Fに装着する対象の吸着ノズルNが、後側(他方側)の補助ノズル交換部12Rに載置されている場合、この吸着ノズルNを後側(他方側)の搭載ヘッド5Rによりノズル交換部7に移動し、前側(一方側)の搭載ヘッド5Fに、ノズル交換部7に移動された吸着ノズルNを装着するようにすれば、各搭載ヘッド5F,5Rの移動範囲が大幅に拡大することなく、基板Bに電子部品を搭載する効率を悪化させないので、生産コストの増大を抑えることが可能になる。