図1に、電子回路部品装着作業を行う電子回路部品装着システム(以後、装着システムと略称する)の一つの基本的態様を示す。この装着システムは、1つのシステムベース10の上に、装着モジュール12,13が複数台互いに近接して同じ向きに並べられることによりモジュール列が構成されている。これら複数台の装着モジュールの各々において回路基板としてのプリント配線板への電子回路部品の装着が分担して行われる。装着モジュール12,13の各々が電子回路部品装着機なのであり、それら装着モジュールが装着機列を構成していると考えることもでき、複数台の装着モジュールの全部で一つの電子回路部品装着機と考えることもできる。以下、装着モジュール12,13の並ぶ方向をX軸方向とし、水平面内においてX軸方向に直角な方向をY軸方向と称することとする。
図2に、上記基本的態様のシステムにおける複数台の装着モジュール12,13のうち、装着モジュール12の1台の外装部品の一部を取り除いた斜視図を示す。装着モジュール12の各々は、フレーム部14とフレーム部14に上架されたビーム部16とを含んで構成されたモジュール本体18を有しており、本実施形態においては、システムベース10の複数の装着モジュール12,13の各々が設けられた部分およびモジュール本体18が装着機本体を構成している。装着モジュール12の各々は、モジュール本体18のフレーム部14の前方の部分に、部品供給部22を備えている。部品供給部22は、フィーダ型部品供給装置とトレイ型部品供給装置とが選択的に取り付け可能な供給装置取付部(図示省略)を備えている。図2には、フィーダ型部品供給装置24が取り付けられた状態が示されている。
フィーダ型部品供給装置24は、電子回路部品(以後、回路部品と略称する)25(図8参照)がテーピング化された電子回路部品テーピングから回路部品25を1つずつ供給する部品フィーダとしての複数のテープフィーダ(以後、フィーダと略称する)26と、それらフィーダ26を着脱可能に保持するフィーダ保持部材としてのフィーダパレットとを含む。フィーダ型供給装置24は電子回路部品供給装置の一種であり、図示するものはリールに巻回されたテープ化電子部品から回路部品25を供給するフィーダを主体として構成された装置である。複数のフィーダ26にはそれぞれ、一種類ずつの回路部品25が収容され、予め定められた部品供給箇所から供給する。フィーダパレットはフレーム部14に着脱可能に取り付けられ、回路部品25の種類に応じた任意のフィーダ26を任意の順に配列可能である。
さらに、各装着モジュール12,13には、回路基板の一種であるプリント配線板(以下、「配線板」と略す)30(図14,図15参照)を搬送するとともに、配線板30を設定された位置に固定して保持する基板保持装置たる配線板保持装置32(図2参照)としての機能をも有する配線板搬送装置34がそれぞれ配備されている。本態様のシステムにおいては、配線板30は、装着モジュール12,13が並ぶ方向であるX軸方向に搬送される。すなわち、その方向が、本態様のシステムにおける配線板搬送方向(「基板搬送方向」と称することもできる)となる。配線板搬送装置34については、さらに後述する。
また、装着モジュール12,13の各々は、図2に示すように、ノズル保持ヘッド40を備えている。ノズル保持ヘッド40は後述する吸着ノズルを保持し、部品供給部22に取り付けられた部品供給装置24から回路部品25を取出し、配線板搬送装置34に保持された配線板30にその回路部品25を装着する。装着モジュール12,13の各々は部品装着部42を備えているのであり、ノズル保持ヘッド40は、各々のビーム部16に配備されたXYロボット型の移動装置である各々のノズル保持ヘッド移動装置(以下、「ヘッド移動装置」と略す)44によって、部品供給部22(正確には、部品供給部22に取り付けられた部品供給装置)と配線板搬送装置34とにわたって移動させられる。これらノズル保持ヘッド40およびヘッド移動装置44は装着装置46を構成している。
また、各々の装着モジュール12,13には、フレーム部14に、部品供給部22と配線板搬送装置34との間に撮像デバイスとしてのCCDカメラを有する認識装置の一種である部品撮像装置50が配備されており、この部品撮像装置50は、ノズル保持ヘッド40によって保持された回路部品25の姿勢等を撮像する。その他、装着モジュール12,13の各々は、外装部品の1種であるトップカバー51の前方に、入出力装置としての操作パネル52を有しており、また、本図では省略するが、各々の装着モジュール12,13は、部品供給部22に取り付けられた部品供給装置24を始めとする自らに配備された各種装置を制御するためのコンピュータを主体とした装着制御装置1200(図36参照)、部品撮像装置50等によって得られた画像データを処理する画像処理ユニット1224(図36参照)等を有している。
このように各々の装着モジュール12,13は、部品供給部22,部品装着部42および基板保持部をそれぞれ備えてモジュール化されたモジュール化装置であり、システムベース10から容易に分離可能な構造とされ、各々の入れ替えて配置することも可能となっている。
装着モジュールには、その幅(配線板搬送方向に平行な方向の寸法)を異にする複数種類の装着モジュールがある。複数種類の装着モジュールは、本実施形態では、装着モジュール12の幅を単位幅とし、それぞれ単位幅のほぼ整数倍の幅を有する。例えば、装着モジュール13は、単位幅の2倍の幅を有する。そのため、装着モジュール13の配線板搬送装置34は、装着モジュール12の配線板搬送装置34の約2倍の搬送長さ(配線板搬送方向の装置長さ)を有し、装着モジュール12の装置領域内に収まる配線板よりも大きな(約2倍近い長さの)配線板を、装置領域内に位置させて回路部品を装着することが可能となっている。また、部品供給装置24も、装着モジュール12の部品供給装置24と比較して、数多くのテープフィーダ20を搭載することが可能とされ、装着モジュール13では、装着モジュール12より多品種の回路部品25が装着可能である。ノズル保持ヘッド40およびヘッド移動装置44は、装着モジュール12のものと同様の構成であるが、装置幅が大きくなっているのに伴って、X軸方向(配線板搬送方向)のヘッド移動可能領域が大きくされている。他の配備装置等も装着モジュール12と同様の構成とされている。以下、装着モジュール12の装着装置46,配線板搬送装置34を代表的に説明する。
図3に、ノズル保持ヘッド40およびヘッド移動装置44の斜視図を示す。図4に、Xスライド装置(後述)の水平断面図を示し、理解の容易のために、図5に、ヘッド移動装置44の模式的斜視図を示す。ヘッド移動装置44は、ノズル保持ヘッド40を、互いに直交する2方向(X,Y軸方向)に移動させる2つの直線移動装置を含んで構成されている。その1つが、配線板搬送方向に直角な水平方向である前後方向(以下、「Y軸方向」と称する)の移動装置であるYスライド装置70であり、もう1つが、配線板搬送方向に平行な方向である左右方向(以下、「X軸方向」と称する)の移動装置であるXスライド装置72である。これら2つの直線移動装置によって、ノズル保持ヘッド40が一平面内を移動させられる。
Yスライド装置70は、図3に示すように、Y軸方向に平行にビーム部16に設けられた2本のY軸方向ガイド(以下「Yガイド」と略す)80と、Yガイド80を摺動する4つの摺動部材(リニアベアリング)82を有してY軸方向に移動するY軸スライド84と、ビーム部16に設けられてY軸方向に延びるYボールねじ86と、Yボールねじ86に螺合して回転可能にかつ位置を固定されてY軸スライド84に設けられたYナット88と、後方に設けられてYボールねじ86を回転させる電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)であるY軸モータ90を駆動源として有するY軸駆動装置92とを含んで構成されている。
Xスライド装置72は、複段式移動装置すなわち2段式移動装置であり、図4および図5に示すように、互いに平行な方向にノズル保持ヘッド40を移動させる第1Xスライド装置100と、第2Xスライド装置102との2つのスライド装置を含んで構成されている。第1Xスライド装置100は、図5に示すように、X軸方向に平行な2本の第1X軸方向ガイド(以下、「X1ガイド」と略す)110を有する第1Xスライド112と、Yスライド84に固定的に設けられX1ガイド110を摺動させる4つの摺動部材(リニアベアリング)114と、Y軸スライド84に設けられてX軸方向に延びるX1ボールねじ116と、X1ボールねじ116に螺合して回転可能にかつ位置を固定されて第1Xスライド112に設けられたX1ナット118と、Yスライド84に設けられてX1ボールねじ116を回転させる電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)であるX1軸モータ120を駆動源として有するX1軸駆動装置122とを含んで構成され、第2Xスライド装置102は、X軸方向に平行に第1Xスライド112に設けられた2本の第2X軸方向ガイド(以下「X2ガイド」と略す)130と、X2ガイド130を摺動する2つの摺動部材(リニアベアリング)132を有する第2Xスライド134と、第1Xスライド112に設けられてX軸方向に延びるX2ボールねじ136と、X2ボールねじ136に螺合して回転可能にかつ位置を固定されて第2Xスライド134に設けられたX2ナット138と、X1スライド112に設けられてX2ボールねじ136を回転させる電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)であるX2軸モータ140を駆動源として有するX2軸駆動装置142とを含んで構成されている。
Y軸スライド84は、Y軸駆動装置92によりY軸方向に移動させられ、第1Xスライド112は、Y軸スライド84上をX軸方向に移動させられ、第2Xスライド134は第1Xスライド112上をX軸方向に移動させられる。X軸スライド装置72は、伸縮型(テレスコピック型)の移動装置とされているのであり、その移動部である第2Xスライド134にノズル保持ヘッド40が保持され、Y軸モータ90,X1軸モータ120,X2軸モータ140の回転を制御することにより、ノズル保持ヘッド40は、一平面内を移動し、作業領域内の任意の位置に位置させられる。
本実施形態において、ノズル保持ヘッド40は、ヘッド移動装置44に対して着脱可能とされ、互いに構成の異なる複数のものの中から選択して保持可能とされる。つまり、部品装着部42は、ノズル保持ヘッド40を種類の違うものに交換することが可能とされているのである。図7に、ヘッド移動装置44が保持可能なノズル保持ヘッド40の一例として、2つのノズル保持ヘッド40a,40bを示す。ノズル保持ヘッド40は、図6にノズル保持ヘッド40aを代表的に示すように、ヘッド本体150と、ヘッド本体150の各所に配設された種々の構成部品,構成装置と、それら構成部品等を覆うヘッドカバー152(図3参照)とを含んで構成されている。図6は、このヘッドカバー152を除いたものである。ノズル保持ヘッド40はヘッド本体150において第2Xスライド134に対して迅速に着脱することができる。複数種類のノズル保持ヘッド40を第2Xスライド134に選択的に保持させる構成は、未だ公開されていないが、本出願人による特願2002−337739号の明細書に記載されており、図示および説明は省略する。
複数種類のノズル保持ヘッド40はそれぞれ、ヘッド本体150の各所に配設された種々の構成部品,構成装置を異にする。ノズル保持ヘッド40aは、図6および図7(a)に示すように、複数、例えば、8つのノズルホルダ160を備え、それらノズルホルダ160が共通の回転軸線である垂直軸線まわりに旋回させられ、各ノズルホルダ160が保持する1個ずつの吸着ノズル158が順次、小形の回路部品25の受取り,装着を行う構成とされている。ノズル保持ヘッド40bは、図7(b)に示すように、1つのノズルホルダ180を備え、そのノズルホルダ180が保持する吸着ノズル182が大形の回路部品25を受け取り、装着するように構成されている。また、図示はしないが、ノズルホルダ160の数がノズル保持ヘッド40aより多いノズル保持ヘッド40や、ノズルホルダを2つ備え、一方のノズルホルダは、吸着ノズル182を保持し、他方のノズルホルダは、特開平6−342998号公報に記載されているように、垂直軸線まわりに回転可能な保持部材に水平軸線まわりに回転可能に保持されたホルダ本体にその水平軸線と直交する方向に複数のノズル保持部が設けられ、それらノズル保持部に保持された複数の吸着ノズルのうちの一つが垂直下向きの作用位置に位置決めされて回路部品25を保持するノズル保持ヘッド40等、複数種類のノズル保持ヘッド40がそれぞれ構成されており、選択的に第2Xスライド134に保持され得るようになっている。そして、各装着モジュール12に取り付けられるノズル保持ヘッド40の種類に応じて、後述のノズルストッカや部品供給装置(フィーダ型あるいはトレイ型)も交換され、それによって各装着モジュール12,13が小形部品搭載用から中形、大形部品搭載用まで複数種類に変更されるのである。
ノズル保持ヘッド40aを説明する。なお、吸着ノズル158を保持した状態でのノズルホルダ160をノズル付ホルダ161と称する。また、吸着ノズル158の各々は、図示は省略するが、正負圧選択供給装置162(図36参照)を介して負圧エア,正圧エア通路に通じており、負圧にて回路部品25を先端部に吸着保持し、僅かな正圧が供給されることで保持した回路部品25が離脱する構造となっている。
概して軸状をなすノズルホルダ160は、図16に示すように、間欠回転するホルダ保持体164の外周部に、等角度ピッチで、軸方向が垂直となる状態に保持されている。また、それぞれのノズルホルダ160は、自転可能に、かつ、軸方向に移動可能とされている。ホルダ保持体164は、電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)である保持体回転モータ166を有するホルダ保持体回転装置168によって駆動され、ノズルホルダ160の配設角度ピッチに等しい角度ずつ間欠回転させられることで、ノズル付ホルダ161は間欠回転させられる。間欠回転におけるノズル付ホルダ161の1つの停止位置であるホルダ昇降ステーション(最も前方であり、Y軸方向において部品供給装置24側に位置するステーション)において、そのステーションに位置するノズル付ホルダ161は、電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)であるホルダ昇降モータ170を駆動源として有するホルダ昇降装置172によって昇降させられる。部品供給装置24からの回路部品25の取出動作、および、配線板搬送装置34に保持された配線板30への回路部品25の装着動作は、この昇降ステーションに位置するノズル付ホルダ161によって行われ、その際にノズル付ホルダ161が設定された距離下降させられる。
また、各々のノズルホルダ160は、吸着保持した回路部品25の装着方位の調整等を目的として、電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)であるホルダ自転モータ174を駆動源として有するホルダ自転装置176によって自転させられる。なお、複数のノズルホルダ160は、一斉に自転させられる構造とされている。以上がノズル保持ヘッド40aの主要な構成である。なお、第2Xスライド134には、その下部に、配線板30の表面(上面)に付された基準マーク等を撮像するための装置であって、撮像デバイスとしてのCCDカメラ190および照明装置192を含むマーク撮像装置178が設けられている(図3参照)。照明装置192(図36参照)は、本実施形態においては、青い光と赤い光とを選択的に照射する構成とされている。配線板30に付された基準マークの撮像時には、照明装置192により赤い光が照射される。したがって、本実施形態において配線板30の基準マーク(以後、配線板基準マークと称する)は、赤色光の照射により鮮明な像が得られるように設けられており、例えば、配線板30が緑色とされ、基準マークは銅色とされ、赤みを帯びた色とされている。
吸着ノズル158は、図8に示すように、ノズルホルダ160によりノズルチャック350を介して着脱可能に保持されている。ノズルチャック350は、ノズルホルダ160の下端部に保持され、ノズルホルダ160を構成している。ノズルホルダ160とノズルチャック350との相対回転は、チャック本体352に半径方向に嵌合され、係合部を構成するピン354と、ノズルホルダ160に軸方向に設けられて係合部を構成する長穴356との係合により阻止されている。チャック本体352が付勢装置の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング(以後、スプリングと略称する。以後、本明細書に記載される他の圧縮コイルスプリングについても同様である。)358によって下方に付勢されることにより、ピン354は長穴356の下面に係合させられ、ノズルチャック350とノズルホルダ160とは一体的に移動させられ、昇降させられる。ピン354および長穴356が相対回転阻止装置を構成するとともに、スプリング358と共にノズルホルダ160とノズルチャック350とを軸方向に小距離、相対移動可能に結合する結合装置を構成している。
吸着ノズル158は、本体部を構成する吸着管保持体360および吸着部を構成する吸着管362を有する。吸着管362は吸着管保持体360により、軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能に保持されている。吸着管362に半径方向に嵌合されて係合部を構成するピン364が、吸着管保持体360に軸方向に平行に設けられて係合部を構成する長穴366に嵌合させられ、吸着管362と吸着管保持体360との軸方向の相対移動が許容されつつ、相対回転が阻止されているのである。
吸着ノズル158は、吸着管保持体360に設けられた嵌合部たるテーパ部370において、チャック本体352に設けられた嵌合部の一種である嵌合穴たるテーパ穴372にテーパ嵌合されるとともに、付勢装置の一種である弾性部材であって保持部材としてのばね部材374によりノズルチャック350に保持されている。ばね部材374はほぼUの字形を成し、Uの字の一対の腕部においてチャック本体352に形成された切欠376に嵌合され、それら腕部間の先端部は互いに他方の側であって、Uの字の基端部側へほぼU字形に折り曲げられて締まり勝手とされるとともに、相対回転不能に設けられている。ばね部材374は、テーパ部370に、その外周面に開口して形成された係合部たる係合凹部としての円環状の溝376に嵌入し、テーパ部370に係合して吸着ノズル158を保持する。
上記テーパ穴372内には、圧縮コイルスプリング380が収容されており、ノズルチャック350に保持された吸着ノズル158の吸着管362を吸着管保持体360から突出する向きに付勢している。このスプリング380による吸着管362の移動限度は、前記ピン364が長穴366の下面に係合することにより規定される。これらピン364および長穴366は、相対回転阻止装置を構成するとともに、相対移動限度規定装置を構成している。なお、スプリング380はその上端部であって、吸着管362に当接させられる側とは反対側の部分においてピン354に固定されている。吸着ノズル158においては、吸着管保持体360と吸着管362との軸方向の相対移動により、部品取出し時,装着時におけるノズルホルダ160の余分な下降が吸収される。
また、ノズルチャック350と、ノズルチャック350により保持された吸着ノズル158との相対回転は、位置決め部材としてのピン384を含む相対回転阻止装置により阻止され、吸着ノズル158がノズルホルダ160により一定の位相で保持されるようにされている。ピン384は、ノズルチャック350のチャック本体352の外側に軸方向に相対移動可能に嵌合されたリング状の保持部材386により下方へ延び出す向きに保持されており、チャック本体352の半径方向外向きのフランジ部390を軸方向に貫通して設けられた係合凹部392に、ノズルチャック350の軸方向に相対移動可能に嵌合させられている。
保持部材386は、ノズルホルダ160との間に配設された圧縮コイルスプリング394によって下方へ付勢されている。スプリング394の付勢による保持部材386の移動は、保持部材386がフランジ部390に当接することにより規定され、その状態では、ピン384の下端部は、フランジ部390の係合凹部392,吸着管保持体360の背景形成部396に吸着ノズル158の軸方向に貫通して設けられた係合凹部398に嵌合させられ、吸着ノズル158のノズルチャック350に対する回転を阻止し、吸着ノズル158はノズルホルダ160により予め定められた一定の位相で保持される。
上記背景形成部396は円板状を成す。背景形成部396の下面(吸着管362が延び出させられた側の面)は、背景形成面402を構成している。背景形成面402は、例えば、光を反射する反射面とされ、あるいは紫外線を吸収して可視光線を放射する蛍光面とされて発光面とされてもよいし、黒色等の暗色の層が形成されて暗い背景を形成する面とされてもよい。
背景形成部396の上面404には、図9に示すように、二次元コード(二次元バーコードあるいはQRコードとも称される)406が設けられている。二次元コード406はノズル情報記録部の一例であり、ノズル種類識別情報およびノズル個別識別情報等が記録されており、ノズル種類関連情報記録部およびノズル個別識別情報記録部でもあり、背景形成部396の直径に応じて吸着ノズル158の軸線から予め定められた距離離れた位置に設けられている。吸着ノズル158の種類は、例えば、背景形成部396の直径,吸着管362の横断面形状,吸着管362の横断面形状の寸法(本実施形態では、吸着管362の横断面形状は円形であり、その直径ないし外径),吸着管362の長さによって識別される。二次元コード406には、吸着ノズル158の種類が数字,文字等により符号化された識別コードで記録され、あるいは種類を識別するための上記複数の要素によって記録されている。また、ノズル個別識別情報は、例えば、個別識別コードの一種である番号とされている。これら番号は、種類が同じであっても異なっていても、すべの吸着ノズル158について異ならされており、吸着ノズル158を個別に識別することができる。なお、吸着ノズル158には、ノズル種類識別情報およびノズル個別識別情報が作業者にわかるように記されている。
二次元コード406は、後述するように、基準マーク撮像装置178によって撮像され、ノズル情報が読み取られる。この際、照明装置192によって赤色の光が照射され、二次元コード406は、配線板基準マークと同様に、赤色光の照射により鮮明が像が得られるように設けられている。例えば、白色の地に黒色で二次元コード406が設けられている。二次元コード406以外にも、吸着ノズル182や後述するノズルストッカ等に設けられる他の二次元コードについても同様である。
また、背景形成部396の周方向の一部には、前記係合凹部398とは別の係合凹部408が形成されている。係合凹部408は係合凹部398より大きく、前記ピン384より直径の大きいピンが嵌合可能な大きさとされ、背景形成部396を吸着ノズル158の軸方向に貫通して設けられている。これら係合凹部398,408および前記二次元コード406は、背景形成部396に予め設定された位相で形成されている。この位相については、後述する。
以上、説明した吸着ノズル158は、ノズルチャック350を備えたノズルホルダ160によって保持される吸着ノズルの一例であり、背景形成部の直径,吸着管の長さ,吸着管の横断面形状およびテーパ部の大きさが吸着ノズル158と同じであり、吸着ノズル158と同様にノズルホルダ160によって保持されるが、吸着管の直径を異にする複数種類の吸着ノズルがあり、これらも吸着ノズル158と総称する。ノズル保持ヘッド40aにおいて保持される吸着ノズルはいずれも吸着ノズル158である。
前記ノズル保持ヘッド40bを図10ないし図13に基づいて説明する。
ノズル保持ヘッド40bのヘッド本体150には、図10に示すように、昇降部材430が昇降可能に設けられ、昇降部材430上に前記ノズルホルダ180およびホルダ回転装置432が設けられている。昇降部材430はホルダ昇降モータ434(図36参照)を駆動源とする昇降部材昇降装置により昇降させられる。ホルダ昇降モータは、例えば、電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)により構成され、昇降部材430の昇降により、ノズルホルダ180は上下方向の任意の位置へ移動させられる。昇降部材430および昇降部材昇降装置がホルダ昇降装置を構成している。
ホルダ回転装置432は、昇降部材430により垂直軸線まわりに回転可能かつ軸方向に相対移動不能に保持された回転体440および回転体440を回転させる回転体回転装置442を含む。回転体440は概して中空の円筒状を成し、回転体回転装置442は、ホルダ回転モータ444,互いに噛み逢わされてホルダ回転モータ444の回転を回転体440に伝達する歯車446,448を含んで構成されている。ホルダ回転モータ444は、例えば、電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)により構成されている。
ノズル保持ヘッド40bのノズルホルダ180は、吸着ノズル182を負圧によって吸着して保持するものとされており、図10に示すように、中空の軸状部材456および吸着部材458を含む。軸状部材456の上部は、回転体440内に設けられた通路形成部材460に軸方向に相対移動可能かつ相対回転可能に嵌合される一方、下部にはスプライン軸部462が設けられ、回転体440内に固定して設けられたスプライン軸受464に軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能に嵌合されており、回転体440と一体的に回転させられる。ノズルホルダ180は、付勢装置の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング466によって下方へ、すなわち回転体440から突出する方向へ付勢されている。このスプリング466によるノズルホルダ180の移動限度は、吸着部材458の上面に設けられた一対の係合部材468(図10には1つのみ図示されている)がそれぞれ、回転体440に設けられた一対の係合部469に係合することにより規定され、ノズルホルダ180に保持された吸着ノズル182の上下方向の位置が決められる。ノズルホルダ180はスプリング466を圧縮して回転体440に対して軸方向に相対移動することができ、スプリング466により回転体440の余分な下降距離が吸収される。
吸着部材458は、軸状部材456の回転体440から突出した下端部に着脱可能に固定されている。吸着部材458には、その下面(軸状部材456とは反対側の面)に開口する負圧室形成室470が形成されており、下面が吸着面472として機能する。負圧室形成室470は、吸着部材458の上部に設けられた継手部476,チューブ478,前記歯車448に設けられた継手部480,回転体440内に設けられた通路482,図示を省略する回転継手装置等を介して、図示を省略する負圧源に接続されており、負圧室形成室470に供給される負圧によって吸着ノズル182を吸着し、保持する。
吸着ノズル182は、図10に示すように、本体部としての吸着管本体490および吸着部としての吸着管492を有している。吸着管本体490は、背景形成部494と吸着管保持部498とを含む。背景形成部494は円板状を成し、その軸線に直角な面であって下面である背景形成面496に吸着管保持部498が突設されて吸着管492を着脱可能に保持している。背景形成部494の上面が一平面状の被保持面たる被吸着面500を構成し、吸着部材458の吸着面472に密着し、負圧室形成室470の開口を塞いで負圧室を形成し、吸着ノズル182がノズルホルダ180によって負圧により保持される。ノズルホルダ180により保持された吸着ノズル182は、軸状部材456内の通路,通路形成部材460,回転継手装置(図示省略),正負圧選択供給装置502(図36参照)を介して負圧エア,正圧エア通路に通じており、回路部品25を負圧により吸着して保持する。
背景形成部494には、図12に示すように、係合凹部504が吸着ノズル182の軸方向に貫通して設けられている。また、被吸着面500に二次元コード506が設けられてノズル情報記録部を構成している。二次元コード506には、前記吸着ノズル158の二次元コード406と同様に、ノズル種類識別情報およびノズル個別識別情報等が記録されている。
ノズルホルダ180にはまた、ノズル保持具としてのノズルチャック510が設けられ、吸着ノズル182を機械的にも保持し、負圧が供給されなくなっても吸着ノズル182を保持し続けることができるようにされている。ノズルチャック510は、図10および図11に示すように、保持部材としての複数、本実施形態においては1対のばね部材512を備えている。これらばね部材512は板状を成し、吸着部材458の上面の直径方向に隔たった2箇所にそれぞれ、固定手段としてのボルト514によって着脱可能に固定されるとともに、吸着面472側へ延び出させられ、その延出し端部は吸着部材458の中心側へ屈曲させられて係合部516が設けられている。
吸着ノズル182の背景形成部494には、図10および図12に示すように、直径方向に隔たった2箇所にそれぞれ、被係合部としての溝520がそれぞれ設けられている。溝520は、図12および図13に示すように、背景形成面496および背景形成部494の外周面522に開口させられるとともに、吸着ノズル182の軸線を中心とする円の周方向に延びる状態で形成されており、その周方向の一端部に、背景形成部494を吸着ノズル182の軸方向に貫通する開口部524が設けられるとともに、溝520の吸着ノズル182の軸線に直角な側面526の開口部524に続く部分は、開口部524側ほど被吸着面500側へ傾斜させられて案内面528が設けられている。前記ばね部材512の係合部516が溝520内に嵌入させられ、溝520の側壁530に係合することにより、吸着ノズル182がノズルチャック510により保持される。ノズルホルダ182は、吸着ノズル182を保持する2つの手段を備えた二重保持式ノズルホルダであり、一方の手段は、負圧の供給,遮断が電気的に行われ、吸着ノズル182の保持,解放が電気的に行われる電気式保持手段であり、他方は、電気制御を必要としない機械的保持手段である。機械的保持手段では、保持部材を構成する一対の板ばね512が、ノズルホルダ180の昇降,回転を利用して吸着ノズル182に対して昇降,回転させられ、相対移動させられて吸着ノズル182を保持,解放するようにされており、簡易な構成で吸着ノズル182を保持することができる。保持部材は3つ以上、設けてもよい。ノズルチャック510による吸着ノズル182の保持も含めて、ノズルホルダ180による吸着ノズル182の保持については後に詳述する。
以上、説明した吸着ノズル182は、ノズルホルダ180により負圧によって吸着されて保持される吸着ノズルの一例であり、背景形成部の直径および吸着管の長さは吸着ノズル182と同じであり、同様にノズルホルダ180によって保持されるが、吸着管の直径を異にする複数種類の吸着ノズルがあり、これらも吸着ノズル182と総称する。ノズル保持ヘッド40bにおいて保持される吸着ノズルはいずれも吸着ノズル182である。
前記配線板搬送装置34を簡単に説明する。
配線板搬送装置34は、本実施形態ではコンベヤ装置であり、図14に概略的に示すように、フロントコンベヤ部260およびリヤコンベヤ部262の2つコンベヤ部を有し、レール250およびレール252によってフロントコンベヤ部260が構成され、レール254およびレール256によってリヤコンベヤ部262が構成される。
レール250は、システムベース10の前方(Y軸方向における部品供給装置24側)に固定して設けられた固定レールであり、レール252,254,256は、システムベース10に配設されたガイド(図示省略)に沿って前後方向(Y軸方向であり、図14においては左右方向)に移動可能に設けられた可動レールである。これらレール252,254,256はそれぞれ、レール位置変更モータ270(図36参照)を駆動源とするレール駆動装置によって独立して移動させられ、フロンコンベヤ部260およびリヤコンベヤ部262のコンベヤ幅がそれぞれ任意に変更可能とされている。
配線板搬送装置34は、幅の狭い配線板30を搬送する場合、フロントコンベヤ部260とリヤコンベヤ部262との両方を使用することができる。すなわち2ラインの搬送装置として使用されるのである。それに対して、幅の広い配線板30を搬送する場合は、フロントコンベヤ部260とリヤコンベヤ部262との一方のみを用い、1ラインの搬送装置として使用することができる。
レール250〜256にはそれぞれ、レール250,252について図29に代表的に示すように、プーリ290を始めとする複数のプーリが回転可能に設けられるとともに、環状のコンベヤベルト292が巻き掛けられており、配線板移送モータ294(図36参照)を駆動源とするベルト駆動装置によってプーリ290等が回転させられることによりコンベヤベルト292が周回させられ、その上面上に載置された配線板30がガイド部材284によって案内されつつ、X軸方向に搬送される。配線板移送モータ294は、本実施形態では、電動モータであるエンコーダ付きサーボモータにより構成されている。
配線板搬送装置34は、配線板30を部品装着作業のために設定された位置に固定して保持する配線板保持装置32としての機能をも果たす。配線板搬送装置34は、図27に示すように、2つの支持板300を備える(図27には代表的に一つの支持板300が図示されている)。支持板300の上面には、支持部材たるバックアップピン302を備えた複数のバックアップ器具304が位置調節可能に取り付け可能な構造となっている。コンベヤベルト292に支持されて搬送されてきた配線板30は、コンベヤベルト292の周回を停止することにより、配線板の種類および部品装着作業の形態等に応じて設定された位置に停止させられる。その状態において、支持板300を、支持板昇降装置308によって所定距離だけ上昇させる。そうすれば、バックアップピン302の先端が配線板30の裏面に当接してその配線板30が持ち上げられ、コンベヤベルト292による支持が解かれ、バックアップピン302によって下方から支持される。また、バックアップピン302の上昇に伴って図示を省略する基板クランプ部材としての一対のクランププレートが上昇させられ、配線板30の搬送方向に平行な両縁部に下方から接触して配線板30の端部をガイド部材284の係止部310(図29参照)との間に挟み、配線板30の端部の表面が係止部310に適切な力で係止される。つまり、その状態において、配線板30は、部品装着作業のために設定された位置に固定して保持されるのである。
支持板昇降装置308は、図27に示すように、駆動源の一種である流体圧シリンダとしての昇降用エアシリンダ312と、支持板300の昇降を案内する案内装置を構成する一対のガイドロッド314およびガイド筒316とを備えている。昇降用エアシリンダ312およびガイド筒316はシステムベース10に固定され、昇降用エアシリンダ312の上方に延び出すピストンロッド318の先端部が、支持板300のバックアップピン302が設けられた表面側とは反対側の裏面に固定され、一対のガイドロッド314の上端部が裏面に固定されている。
なお、コンベヤベルト292の周回の開始,停止は、当該配線板搬送装置34、あるいは、それの上流側、下流側につながる搬送装置に設けられた配線板検知器(基板検知器の一種)としての光電センサ320(図27,図29では省略、図36参照)の検知信号に基づいて制御される。
装着に使用される吸着ノズル158,182を始めとする各種吸着ノズルは、ノズル収納装置たるノズルストッカに取り出し可能に収納される。ノズル保持ヘッド40の種類に応じて装着する回路部品25の種類が異なり、装着に用いられる吸着ノズルの種類,数も異なり、ノズル保持ヘッド40の種類,ノズル保持ヘッド40が装着する回路部品25の種類等に応じた種類,数の吸着ノズルを収容するノズルストッカが複数種類用意され、装着モジュール12,13に選択的に取り付けられてノズル保持ヘッドとの間で吸着ノズルの交換を行う。本実施形態では、ノズルストッカの種類は、その形状,寸法,ノズル収納部を構成する平面視形状が円形のノズル収納穴の直径,数および配置により規定され、それらの少なくとも一つを異にするノズルストッカは種類の異なるノズルストッカであることとする。図16および図22にそれぞれ、ノズルストッカの一形態であるノズルストッカ600,602を示す。
これらノズルストッカ600,602を始めとする各種ノズルストッカは、装着モジュール12,13にそれぞれ設けられた取付部610に選択的に取り付けられる。装着モジュール12,13にはそれぞれ、図14および図15に示すように、取付部610が複数、設けられている。装着モジュール12,13のそれぞれにおいて複数の取付部610のうちの少なくとも1つにノズルストッカが取り付けられ、1つに後述する部品収容装置が取り付けられている。装着モジュールの種類が異なっても取付部610の構成は同じであり、ノズルストッカ600,602を始めとする複数種類のノズルストッカを複数種類の装着モジュールに選択的に取り付けることができる。なお、ノズルストッカ600,602を含む複数種類のノズルストッカをノズルストッカ600等と総称する。吸着ノズル158,182や次に説明するノズル収納穴624,724等についても同様である。
ノズルストッカ600を説明する。
ノズルストッカ600は、前記吸着ノズル158のように、小さい回路部品25を装着する吸着ノズルを多数、収容可能に構成されている。ノズルストッカ600は、図16および図17に示すように、ノズルストッカ本体ないしノズル収納部材としてのノズル収納台620およびノズル取出阻止部材ないしノズル離脱防止部材としてのシャッタ622を備えている。
ノズル収納台620には、図16に示すように、複数のノズル収納穴624が設けられ、それぞれ吸着ノズル158が1個ずつ、取り出し可能に収納される。これらノズル収納穴624がそれぞれノズル収納部を構成している。ノズル収納穴624は、図16および図18に示すように、シャッタ622の移動方向(図16においては上下方向)と、ノズル収納台620の板面に平行な一平面内においてシャッタ移動方向と直交する方向(図16においては左右方向)においてそれぞれ、一定ピッチで並ぶ状態で設けられている。これらノズル収納穴624はそれぞれ、吸着ノズル158の背景形成部396を収容し得る大径穴部626と吸着管362を収容し得る小径穴部628とを有する段付穴であり、それら大径穴部626と小径穴部628との間に形成される肩面630には、位置決め部としての位置決めピン632が立設されている。位置決めピン632の突出長さは、大径穴部626の深さよりやや小さくされ、ノズル収納台620の表面ないし上面より下方へ引っ込んでいる。吸着ノズル158のノズル収納穴624への収納時に、背景形成部396に設けられた前記係合凹部408が位置決めピン632に嵌合され、吸着ノズル158の相対回転が防止されることにより、吸着ノズル158がノズルストッカ600内で予め定められた一定の位相で収納され、二次元コード406および係合凹部398の位相が一義的に決まることになる。係合凹部408が被位置決め部としての位置決め凹部を構成し、位置決めピン632が位置決め部としての位置決め突部を構成し、これらが吸着ノズル位置決め装置ないし吸着ノズル位相決め装置を構成している。
位置決めピン632は、本実施形態においては、図16に示すように、シャッタ622がノズル取出阻止位置に位置する状態ではシャッタ622によって覆われるが、ノズル取出許容位置に位置する状態ではシャッタ622によって覆われない位置に設けられている。吸着ノズル158の前記係合凹部398および二次元コード406は、本実施形態においては、吸着ノズル158が位置決めピン632により位置決めされてノズル収納穴624に一定の位相で収納された状態において、シャッタ622がノズル取出阻止位置およびノズル取出許容位置のいずれに位置する場合でも、シャッタ622により覆われない位置に設けられている。但し、これは、二次元コード406については不可欠ではなく、少なくともシャッタ622がノズル取出許容位置に位置する状態においてシャッタ622により覆われない位置に設けられればよい。また、位置決めピン632も、シャッタ622がノズル取出阻止位置に位置する状態では、シャッタ622によって覆われない位置に設けてもよい。
位置決めピン632は、吸着ノズル158をノズルホルダ160に対して位置決めする前記位置決めピン384とは直径が異ならされ、本実施形態では、位置決めピン384より直径が大きくされている。したがって、例えば、作業者が吸着ノズル158をノズルストッカ600に収納する際に、位置決めピン384が嵌合される係合凹部398に誤って位置決めピン632が嵌合されて、吸着ノズル158が誤った位相でノズル収納穴624に収納されることが防止される。2種類の位置決めピン384,632の直径を異ならせ、係合凹部398,408の大きさをそれに合わせた大きさとした構成が、吸着ノズル収納位相指示手段ないし誤位相収納防止手段を構成している。
また、複数のノズル収納穴624の各底面(小径穴部628の底面)には、図18に示すように、蛍光層634が設けられている。本実施形態では、ノズル収納穴624の底面に蛍光シールを貼ることによって蛍光層634が設けられている。
さらに、ノズルストッカ600の複数のノズル収納穴624のそれぞれについて、ノズル収納穴624をノズルストッカ600において個別に識別する収納部個別識別情報としての収納部個別識別コードが設定され、本実施形態においては、図16に示すように、ノズル収納台620の上面に、収納穴個別識別コードとしての番号が、全部のノズル収納穴624の各々について描かれている。ノズル収納穴624に作業者によって吸着ノズル158が収納されるとき、ノズル収納位置は、この番号により指示され、作業者は番号を見て吸着ノズル158を指定されたノズル収納穴624に収納することができる。
ノズル収納台620は、本実施形態においては、図19および図20に示すように、その下面に着脱可能に固定された取付ユニット640によって前記取付部610に取り付けられる。取付ユニット640は、取付部材ないしベースとしての取付板642および取付板642に固定装置としてのボルトによって着脱可能に固定された位置決め部材644および係合部材646を含み、固定装置としてのボルト648(図25参照)によってノズル収納台620にそれぞれ着脱可能に固定される。取付ユニット640は、固定後は、ノズルストッカ600の一部を構成し、位置決め部材644および係合部材646はそれぞれ、ノズルストッカ600の位置決め部および係合部を構成する。なお、図25においては、ノズルストッカ600の構成要素であるノズル収納穴624等が1つずつ代表的に図示されている。
位置決め部材644および係合部材646は、シャッタ622の開閉方向であって、ノズルストッカ600の前後方向(図19および図20においては左右方向)に平行な方向に距離を隔てて設けられ、位置決め部材644が前部に、係合部材646が後部に設けられている。位置決め部材644は前方へ延び出す位置決め突部649を備え、位置決め突部649の上面には、図19に示すように、前方ほど下方(取付板622から離れる方向)へ傾斜させられた傾斜面650が設けられている。係合部材646は、概してL字形を成し、L字の、ノズル収納台620の下面から下方へ延び出させられた腕部の外面ないし後面には、その下側から順に、下方ほど前方(位置決め部材644側)へ傾斜させられた傾斜面により構成される案内面654、および下方ほど後方(位置決め部材644から離れる方向)へ傾斜させられた傾斜面により構成される係合面656が設けられている。
前記シャッタ622を説明する。
シャッタ622は板状を成し、図16に示すように、ノズル収納穴624に対応する複数の開口660が設けられており、ノズル収納台620に、その板面に平行な方向に移動可能に取り付けられている。開口660は、ノズル収納穴624の大径穴部626に対応する大きさの大開口部662と、小径穴部628に対応する大きさの小開口部664とが、その一部が重なった状態で設けられただるま形をなす。
ノズル収納台620とシャッタ622との間には、図16および図17に示すように、付勢装置の一種である弾性部材としての引張コイルスプリング(以後、スプリングと略称する。本明細書に記載される他の引張コイルスプリングについても同様とする。)668が配設され、シャッタ622を、図16に示すようにノズル取出阻止位置に移動する向きに付勢している。シャッタ622は、図16,図17,図25に示すように、ノズル収納台620の上面上から側方へ下ろされた後、ノズル収納台620の下方へ曲げ入れられており、その曲げ入れ部670にスプリング668が設けられている。ノズル取出阻止位置は、小開口部664がノズル収納穴624上に位置する状態である。この状態では、シャッタ622の小開口部664を画定する部分が、ノズル収納穴624に収容された吸着ノズル158の背景形成部396に係合し、吸着ノズル158がノズルストッカ600から取り出されることを阻止する。また、大開口部662がノズル収納穴624上に位置し、シャッタ622がノズル取出許容位置に位置する状態では、吸着ノズル158をノズルストッカ600から取り出すことができる。
シャッタ622は、ノズルストッカ600が取付部610に取り付けられた状態において、取付部610に設けられた後述するシャッタ移動装置が係合させられて移動させられる。そのため、シャッタ622の前記曲げ入れ部670には、開口674および係合部676が設けられ、シャッタ移動装置が係合させられるようにされている。これら開口674および係合部676は、図16および図17に示すように、スプリング668の軸線上に位置する状態で設けられている。
シャッタ622のノズル取出阻止位置とノズル取出許容位置との間における移動は、図16に示すように、案内装置680により案内される。案内装置680は、ノズル収納台620に立設された案内部材としての複数の案内ピン682と、シャッタ622に、その移動方向に平行に設けられ、案内ピン682に嵌合された被案内部としての複数の長穴684とを含んで構成される。案内装置680はまた、前記スプリング668の付勢によるシャッタ622の移動限度を規定する移動限度規定装置としても機能する。案内ピン682が長穴684の端面に係合することにより、シャッタ622の移動限度が規定され、ノズル取出阻止位置に位置する状態に保たれる。ノズルストッカ600が取付部610から取り外された状態では、スプリング668の付勢によりシャッタ622がノズル取出阻止位置に位置させられ、ノズル収納台620の搬送時に吸着ノズル158のノズル収納台620からの脱落を防止する役割も果たす。シャッタ622は、離脱防止部材でもあるのである。案内装置680はさらに、シャッタ622のノズル収納台620の板面に平行な方向の回転を阻止する回転阻止装置としても機能する。
シャッタ622は、図16および図18に示すように、その移動方向(図16においては左右方向)に平行に設けられた多数の長穴688およびノズル収納台620に立設された浮き上がり防止部材690によってノズル収納台620からの浮上がりが防止されている。浮き上がり防止部材690は、長穴688に相対移動可能に挿通されるとともに、大径の頭部692においてシャッタ622の浮き上がりを防止する。これら長穴688および浮き上がり防止部材690が浮上がり防止装置694を構成している。図16では、浮き上がり防止部材が二点鎖線で図示されている。
ノズル収納台620の上面には、図16に示すように、ストッカ情報記録部としての二次元コード696が設けられている。二次元コード696は、本実施形態では、ノズル収納台620の、シャッタ622がノズル取出阻止位置に位置する状態でも、ノズル取出許容位置に位置する状態でも、シャッタ622によって覆われることのない位置に設けられている。二次元コード696にはストッカ情報が記録され、例えば、ノズルストッカ600を個別に識別可能なストッカ個別識別情報としてのストッカ個別識別コードたるストッカ個別識別番号,ノズルストッカ600の種類(前述のように、ノズルストッカ600の形状,寸法,ノズル収納穴624の数等を含む),次に説明するストッカ基準マークの位置等、種々の情報が記録されている。ストッカ個別識別番号は、種類が同じであるか否かを問わず、ノズルストッカ600,602を始めとする全部のノズルストッカについて異なる番号が付されている。二次元コード696は、ストッカ種類関連情報記録部およびストッカ個別識別情報記録部を構成している。ノズルストッカ600には、ストッカ個別識別番号および種類が作業者にわかるように記されている。ここでは、種類は、ノズルストッカの種類を規定する要素の全部が記されてもよく、それらを表す文字,記号,数字等のコードで記されてもよい。
上記ストッカ基準マークの位置,ノズル収納穴624の位置および吸着ノズル158の二次元コード406の情報読取位置としての撮像位置は、例えば、二次元コード696が設けられた位置を基準として設定され、ノズルストッカ600が取付部610に取り付けられた状態において、装着モジュール12,13についてそれぞれ設定された水平なXY座標面内において、二次元コード696の位置に基づいてストッカ基準マーク698の位置が得られるようにされている。ノズル収納穴624の位置およびノズル収納穴624に収納された吸着ノズル158の二次元コード406の情報読取位置ないし撮像位置は、ノズルストッカ600の種類およびノズル収納台620の上面に付された番号と対応付けて、ホストコンピュータにおいて記憶されている。二次元コード406に記録されてもよい。ストッカ基準マーク698の位置も、同様にホストコンピュータに記憶させておいてもよい。また、二次元コード696の情報読取位置と、吸着ノズル158が収納されるノズル収納穴624の中心との相対位置関係は、同じ種類のノズルストッカにおいては、複数のノズル収納穴624のいずれについても同じであり、その相対位置関係を二次元コード696に記録し、あるいはホストコンピュータのRAMに記憶させるようにしてもよい。
ノズル収納台620にはまた、図16に示すように、ストッカ基準マーク698が複数、例えば、2個設けられている。これらストッカ基準マーク698は、本実施形態においては、平面視形状が円形を成し、ノズル収納台620のほぼ一対角線上に隔たった2個所にそれぞれ、その上面が二次元コード696と同じ高さに位置し、同一平面内に位置するように設けられている。詳細には、一方のストッカ基準マーク698は、シャッタ622がノズル取出阻止位置に位置する状態においてシャッタ622によって覆われない位置に設けられ、他方のストッカ基準マーク698は、ノズル取出阻止位置に位置するシャッタ622によって覆われる位置に設けられているが、シャッタ622のストッカ基準マーク698に対応する位置に開口700が設けられ、ストッカ基準マーク698の上方が開放されるようにされている。ストッカ基準マーク698は、前記マーク撮像装置178により撮像可能に設けられ、本実施形態では、照明装置192による赤色の照明光の照射に対し、鮮明な像が得られるように設けられている。例えば、ストッカ基準マーク698はノズル収納台620に円形断面のマーク形成部材が嵌合されることにより設けられるとともに、マーク形成部材の中心に、その上面に開口する極く小径の孔が設けられ、例えば、銀色とされたノズル収納台620およびストッカ基準マーク698について得られる明るい像の中に孔の暗い像が得られ、ストッカ基準マーク698が検出されるようにされている。
なお、前記収納穴個別識別番号は、シャッタ622がノズル取出阻止位置に位置する状態において大開口部662に対応する部分に描かれており、作業者は大開口部662を通して番号を見て吸着ノズル158の収納が指定された番号のノズル収納穴624を探すことができる。
ノズルストッカ600には、図21に示すように、シャッタ622の移動を阻止し、ロックするロック装置710が設けられている。ロック装置710は、本実施形態においては、ノズル収納台620にシャッタ622の板面に直角な方向に移動可能に設けられた係合部材712および係合部材712を駆動する駆動装置714を含む。駆動装置714は、本実施形態においてはソレノイドにより構成され、ソレノイドが消磁された状態では、図21に示すように係合部材712がスプリング(図示省略)の付勢により係合位置ないし移動阻止位置へ移動させられ、シャッタ622を貫通して設けられた係合穴716に嵌入させられてシャッタ622の移動を阻止し、シャッタ622をノズル取出阻止位置に位置する状態に維持する。スプリングの付勢による係合部材712の移動限度は、係合穴716の開口を塞ぐ蓋体718によって規定される。ソレノイドが励磁されれば、係合部材712は、二点鎖線で示すように、非係合位置ないし移動許容位置へ移動させられて係合穴716から抜け出させられ、シャッタ622のノズル取出許容位置への移動を許容する。
ロック装置710はノズルストッカ600が取付部610に取り付けられた状態において装着モジュールの制御装置によって制御され、シャッタ622の移動を阻止し、あるいは許容する。ソレノイドへの電流の供給,遮断制御によってシャッタ622の移動が許容,阻止されるのであり、ノズルストッカ600が装着モジュールに取り付けられた状態でも、装着モジュールから取り外された状態でも、作業者ではロック装置710のロックを解除することができず、シャッタ622をノズル取出阻止位置とノズル取出許容位置とに移動させて開閉することができない。図示は省略するが、ロック装置710はノズルストッカ602等、すべてのノズルストッカに設けられている。また、図16,図22においては、ロック装置710の図示は省略されている。
ノズルストッカ602を説明する。
ノズルストッカ602は、基本的な構成はノズルストッカ600と同じであり、図22に示すように、ノズル収納台720およびシャッタ722を備えている。ノズルストッカ602には、前記吸着ノズル182のように、大形の回路部品25を吸着する吸着ノズルが収容される。そのため、ノズルストッカ602には、収納される吸着ノズルの背景形成部の寸法に応じた寸法,数のノズル収納穴724が設けられている。複数のノズル収納穴724は、シャッタ722の移動方向(図22においては左右方向)と、ノズル収納台720の板面に平行な一平面内においてシャッタ移動方向と直交する方向(図22においては上下方向)においてそれぞれ、一定ピッチで設けられており、ノズルストッカ602ではノズル収納穴724は千鳥状に配置されて設けられている。これらノズル収納穴724はそれぞれ、背景形成部494が収容される大径の背景形成部収納穴部726背景形成部収納穴部726より小さく、吸着管492が収容される吸着管収容穴部728を備えている。ノズル収納台720の厚さ(高さ)は吸着ノズル182の大きさに応じた大きさとされ、ノズルストッカ600のノズル収納台620より大きくされている。
ノズル収納穴724は、ノズル収納台720に、シャッタ722の前後方向に延びる溝723と、その溝723と交差し、シャッタ722の左右方向に延びる溝725とが設けられるとともに、それら溝の交差部分に、背景形成部収納穴部726を構成する円形の穴が設けられることにより形成されている。これら溝723,725は、複数のノズル収納穴724の各々について背景形成部収納穴部726より半径方向外側へ延び出させられており、吸着ノズル182がノズル収納穴724に収納されるとき、ノズルチャック510の一対のばね部材512が収納され、ノズル収納台720と干渉することが回避される。また、溝723,725の幅は、ノズルホルダ180が吸着ノズル182に対して回転させられてばね部材512が吸着ノズル182を保持,解放するとき、板ばね512がノズル収納台720と干渉しない大きさとされている。さらに、背景形成部収納穴部726と吸着管収容穴部728との間の肩面730に位置決めピン732が嵌合されており、吸着管収容穴部728の底面に蛍光層734が設けられている。
さらに、ノズル収納台720には二次元コード736および複数、本実施形態においては2個のストッカ基準マーク738が設けられている。二次元コード736は、図22に示すように、ノズル収納台720に、その上面に開口して設けられた切欠737の底面であって、ノズル収納台720の上面より下がった位置に設けられている。ノズル収納台720はノズルストッカ600のノズル収納台620とは厚さが異なっているが、後述するようにノズルストッカ600,602をストッカ保持台に取り付けたとき、ノズルストッカ600に設けられた二次元コード696と、ノズルストッカ602に設けられた二次元コード736とが同じ高さに位置するようにされているのである。シャッタ722のノズル取出阻止位置に位置する状態において切欠737に対応する位置には開口が設けられている(切欠737と重複するため、開口に符号を付すことは省略する)。また、ストッカ基準マーク738は、その上面が二次元コード736と同じ高さとなり、同一平面内に位置するように設けられている。2個のストッカ基準マーク738のうちの一方は、ノズル取出阻止位置に位置するシャッタ722により覆われない位置に設けられ、他方はシャッタ722により覆われる位置に設けられているが、シャッタ722に開口739が設けられ、ストッカ基準マーク738が撮像されるようにされている。
吸着ノズル182は、ノズル収納穴724に収納されるとき、係合凹部504が位置決めピン732に嵌合されて一定の位相で収納される。前記二次元コード506は、吸着ノズル182がノズル収納穴724に収納された状態において、シャッタ722がいずれの位置に位置する状態でもシャッタ722により覆われない位相に設けられ、前記一対の板ばね512は溝723に嵌入する位相に設けられている。
ノズルストッカ600,602の二次元コード696,736は、ノズルストッカ600,602が取付部610に取り付けられたとき、装着モジュール12,13においてそれぞれ設定された水平な座標面内において同じ位置に位置する状態となるように設けられている。ノズルストッカ600,602以外のノズルストッカについても同様である。
ノズルストッカ602は、前記ノズルストッカ600と同様に、ノズル収納台720に固定の取付ユニット640(図示省略)により、取付部610に取り付けられる。取付ユニット640は、ノズルストッカ600,602を始めとする複数種類のノズルストッカに共通であり、いずれのノズルストッカも同じ構成の取付ユニット640を備え、複数種類のノズルストッカを同じ取付部610に選択的に取り付けることを可能にしている。ノズルストッカ600,602を始めとするノズルストッカ側においても、共通の取付ユニット640を取付け可能な構成とされている。例えば、取付ユニット640をノズル収納台620,720に固定するための複数のボルト648の各螺合箇所の相対位置が共通とされているのである。取付部610に取り付けられたノズルストッカ602のシャッタ722は、前記シャッタ622と同様に取付部610に設けられたシャッタ移動装置によって移動させられる。そのため、シャッタ722には、シャッタ622と同様に係合部742および開口744が設けられるとともに、ノズル収納台720との間に張り渡された引張コイルスプリング740によってノズル取出阻止位置に向かって付勢されている。
シャッタ移動装置によるシャッタの移動距離は、ノズルストッカの種類が異なっても同じであるが、収容される吸着ノズルの寸法によってノズル収納穴624,724の大きさが異なる。そのため、ノズルストッカ602では、シャッタ722においてノズル収納穴724に対応して設けられた開口748は概して円形を成し、シャッタ722がノズル取出許容位置に位置する状態では、ノズル収納穴724上に位置して吸着ノズル182の取出しを許容し、ノズル取出阻止位置に位置する状態では、図22に示すように、シャッタ722の開口748を画定する部分の一部がノズル収納穴724および肩面730上に位置し、吸着ノズル182のノズル収納穴724からの取出しを阻止する。シャッタ722の移動は、ロック装置710によって阻止される。また、シャッタ722の上面には、複数のノズル収納穴724に対応する位置に、収納穴個別識別情報である収納穴個別識別番号が設けられ、ノズルストッカ602においてノズル収納穴724が番号で識別されるようにされている。ノズルストッカ602のその他の構成はノズルストッカ600と同じであり、ノズルストッカ600の構成要素と同じ作用を為す構成要素には同じ符号を付して対応関係を示し、説明を省略する。
ノズルストッカ600,602が取り付けられる前記取付部610を説明する。
取付部610は装着モジュール12を始めとする各種装着モジュールの前記フレーム部14に設けられ、図23に示すように、ストッカ保持装置760および保持装置昇降装置762を備えている。ストッカ保持装置760は、図23ないし図26に示すように、ストッカ保持台764,ストッカ位置決め装置766,ストッカ固定装置768およびシャッタ移動装置770を備え、ノズルストッカ600等を取り外し可能に保持する。
ストッカ保持台764は概して板状を成し、ストッカ位置決め装置766は、図24に示すように、ストッカ保持台764の長手方向の一端部であって、前部(配線板搬送装置34側の部分)に設けられた位置決め部材としての位置決めブロック772および他端部側であって、後部側に設けられた位置決め部材としての位置決めピン774を有する。位置決めブロック772は、図23および図24に示すように、ストッカ保持台764に着脱可能に固定され、ストッカ保持台764の上面に直角で、前方ほど互いに接近する向きに傾斜させられた一対の案内面776および一対の案内面776,777の間の部分に開口させられた位置決め凹部778を含む。位置決め凹部778は、前記取付ユニット640の位置決め部材644が隙間なく嵌合される幅を有し、その上面は、図23に示すように、前方ほど下方へ傾斜させられた傾斜面780とされている。
位置決めピン774は、図23および図24に示すように、横断面形状が円形を成し、ストッカ保持台764上に立設され、その上端部に小径の位置決め突部782を有する。位置決め突部782は、ノズルストッカ600等のノズル収納台620等に、その下面に開口して設けられた位置決め穴784に嵌合され、ノズルストッカ600等を位置決めする。位置決め穴784は、ノズルストッカ600等の前後方向(シャッタ移動方向に平行な方向)に長い長穴とされている。
ストッカ固定装置768は、図23および図24に示すように、ストッカ保持台764に、その幅方向ないし左右方向(ストッカ保持台764の板面に平行な平面内において前後方向と直角な方向であって、図24においては上下方向)に平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられた係合部材としての一対の係合レバー790を有している。これら係合レバー790はそれぞれ、ストッカ保持台764の上面から上方へ突出させられるとともに、その上端部に回転係合体としてのローラ792が、係合レバー790の回動軸線と平行な軸線まわれに回転可能に取り付けられている。また、一対の係合レバー790は、各下端部とストッカ保持台764との間に配設された付勢装置の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング794により、ローラ792が前方へ移動する向きに付勢されている。このスプリング794の付勢による係合レバー790の回動限度は、係合レバー790が、ストッカ保持台764に設けられたストッパ796(図23参照)に当接することにより規定される。
シャッタ移動装置770は、図24ないし図26に示すように、ストッカ保持台764に前後方向に設けられた一対のエアシリンダ800を含む。エアシリンダ800は、流体圧アクチュエータとしての流体圧シリンダの一種であり、駆動源を構成する。これらエアシリンダ800は上下方向に並んで設けられ、シリンダハウジング802を共用し、各ピストンロッド804の先端部にわたって係合部材806が上下方向に設けられるとともに、その係合部材806の上端部に係合部808が設けられている。係合部808は、図24および図25に示すように、ストッカ保持台764の幅方向に長くされ、ストッカ保持装置760が保持するノズルストッカの形状,寸法が異なっても、シャッタに係合し得るようにされている。また、係合部808のストッカ保持台764の前後方向に平行な方向の長さは、前記シャッタ622,722に設けられた開口674等の前後方向(シャッタ移動方向に平行な方向)の長さよりやや短くされ、係合部808が前後方向に隙間を残して開口674に嵌合された状態となるようにされている。また、係合部808の前部には、前方ほど下方へ傾斜させられた傾斜面810が設けられている。
係合部材806は、ノズルストッカ600等が取付部610に取り付けられるとき、係合部808においてシャッタ622等の開口674等に嵌合され、ピストンロッド804の伸縮により、シャッタ622等が移動させられる。シャッタ622等は、ピストンロッド804の収縮によりノズル取出許容位置へ移動させられて開かれ、伸長によりノズル取出阻止位置へ移動させられて閉じられるのであり、ピストンロッド804の収縮端は、係合部材806が、シリンダハウジング802に突設されたストッパ812(図26参照)に当接することにより規定され、伸長端はピストンのストロークエンドにより規定される。ストッパ812は、本実施形態においてはアジャストボルトにより構成され、ピストンロッド804の収縮端であって、係合部材806の後退端位置が調節可能とされている。
ノズルストッカ600,602がストッカ保持装置760に保持されるとき、ピストンロッド804は伸長端位置であって、係合待機位置に位置し、ノズルストッカ600のストッカ保持装置760への取付けによって係合部808が開口674,744に嵌合される。その状態でピストンロッド804が収縮させられれば、シャッタ622,722がスプリング668,740の付勢力に抗して移動させられ、ノズル取出許容位置へ移動させられる。シャッタ622,722の移動は案内装置680により案内されるが、案内ピン682が長穴684の端面に係合する前に係合部材806がストッパ812に当接してシャッタ622,722の移動が止められるとともに、ノズル取出許容位置に位置させられる。
ピストンロッド804が伸長させられれば、シャッタ622,722はスプリング668,740の付勢により係合部材806に追従させられ、ノズル取出阻止位置へ移動させられる。そして、ピストンロッド804がストロークエンドに到達する前に、案内ピン682が長穴684の端面に係合してシャッタ622,722がノズル取出阻止位置において停止させられ、その状態からピストンロッド804が更に僅かに伸長させられてストロークエンドに至り、係合部808は開口674内の、シャッタ移動方向の両側において隙間を残して嵌合された位置に位置する状態に保たれる。この位置が前記係合待機位置である。エアシリンダ800には圧縮エアが供給され続け、ノズルストッカ600等がストッカ保持台764から取り外されても、係合部材806は係合待機位置に位置する状態に保たれ、次にノズルストッカ600等がストッカ保持台764に取り付けられるとき、係合部808が開口674等に嵌合される。
ストッカ保持台764上にはさらに、図23および図24に示すように、ノズルストッカ600等が取り付けられたとき、下方から支持する支持部材820が設けられている。支持部材820は、複数、本実施形態においては、2つ設けられている。支持部材820は横断面形状が円形をなし、その上面である支持面822においてノズル収納台620等に接触し、ノズルストッカ600等を下方から支持する。前記位置決めピン774の位置決め突部782との間の肩面は支持面822と同一平面内に位置し、ノズル収納台620を下方から支持する。位置決めピン774は、支持部材としても機能するのである。なお、前記取付ユニット640の取付板642には開口が複数設けられ、支持部材820のノズル収納台620,720への接触,位置決めピン774の位置決め穴784への嵌合等を許容するようにされている。
ストッカ保持台764上にはまた、図24および図25に示すように、その中央部にストッカ有無検出装置824が設けられている。ストッカ有無検出装置824は、本実施形態においてはマイクロスイッチにより構成され、検出子826を備え、ノズルストッカ600等がストッカ保持台764に取り付けられた状態と、取り外された状態とで異なる検出信号が発せられ、ノズルストッカ600等の取付けの有無が検出されるようにされている。
保持装置昇降装置762は、本実施形態においては、図23に示すように、ストッカ保持装置760を多段階、例えば、3段階に昇降させる装置とされており、2個のエアシリンダ830,832を駆動源としている。エアシリンダ830,832は、本実施形態においては、いずれも単動のエアシリンダとされている。保持装置昇降装置762の装置本体834には、一方のエアシリンダ830が上下方向に設けられており、圧縮エアの供給によってピストンロッド836が伸長させられることにより、ピストンロッド836の上端部に設けられた昇降部材838が上昇させられる。
昇降部材838は板状をなし、他方のエアシリンダ832が上下方向に設けられ、圧縮エアの供給によってピストンロッド840が伸長させられることにより、その上端部に設けられたストッカ保持台764が上昇させられる。ストッカ保持台764には、複数の案内部材としての案内ロッド844が上下方向に設けられるとともに、昇降部材838および装置本体834にそれぞれ設けられた案内部846に相対移動可能に嵌合されており、それにより昇降部材838およびストッカ保持台764の昇降が案内される。案内ロッド844および案内部846が案内装置848を構成している。
ストッカ保持台764と装置本体834との間には、付勢装置の一種である弾性部材としての引張コイルスプリング860が配設されており、このスプリング860の付勢によりストッカ保持台764が下降させられるとともに、昇降部材838が下降させられる。ストッカ保持台764および昇降部材838の下降端位置はそれぞれ、エアシリンダ830,832のピストン862,864のストロークエンドにより規定される。
昇降部材838の上昇端位置は、案内ロッド844の下端部に設けられた当接部材868が、装置本体834に設けられたストッパ870に当接することにより規定される。ストッパ870は、本実施形態においては装置本体834に上下方向に螺合されたボルトにより構成され、昇降部材838の上昇端位置が調節可能とされている。ストッカ保持台764の上昇端位置は、ストッカ保持台764に設けられたストッパ872が昇降部材838に当接することにより規定される。ストッパ872もボルトにより構成され、ストッカ保持台764の上昇端位置は調節可能である。これらストッパ870,872は、調節機能付きストッパなのであり、上昇端位置調節装置を構成している。昇降部材838の昇降およびストッカ保持台764の昇降の組合わせにより、ストッカ保持台764は3段階、3つの位置へ昇降させられる。最も下方の位置を第一位置、中間の位置を第二位置、最も上方の位置を第三位置と称する。第二位置および第三位置はそれぞれ、昇降部材838およびストッカ保持台764の各上昇端位置を調節することにより、調節することができる。本実施形態では、ストッカ保持台764は、エアシリンダ832の作動により第二位置へ上昇させられ、エアシリンダ830,832の作動により第三位置へ上昇させられる。図23には、ストッカ保持台764が第三位置に位置する状態が図示されている。
ストッカ保持装置760が保持装置昇降装置762によって昇降させられることにより、ストッカ保持装置760に保持されたノズルストッカ600等が昇降させられ、その高さが第一,第二,第三の3つの位置に変更される。保持装置昇降装置762は、ノズルストッカ昇降装置である。前述のように、ノズルストッカ602のノズル収納台720は、ノズルストッカ600のノズル収納台620と厚さが異ならされ、第一ないし第三の各位置に位置する状態におけるノズル収納台720の高さはノズル収納台620とは異なるが、ストッカ保持台764への第一ないし第三位置への昇降により位置させられる位置であり、ノズルストッカ600の昇降位置についてもノズルストッカ602の昇降位置についても第一,第二,第三位置と呼ぶこととする。
ストッカ保持台764は、常には(ノズル保持ヘッド40とノズルストッカ600等との間におけるノズル授受および二次元コード696等の撮像が行われないときには)第一位置に位置させられ、後述するように、ノズルストッカ600等に設けられた前記二次元コード696等の読取り時(マーク撮像装置178による撮像時)に第二位置に位置させられ、ノズル保持ヘッド40とノズルストッカ600等との間における吸着ノズル158等の授受の際に第二位置あるいは第三位置に位置させられる。
ノズル保持ヘッド40は、後述するように、吸着ノズル158等が部品供給装置24から回路部品25を受け取った後、回路部品25が部品撮像装置50によって撮像され、保持位置誤差が修正された後、配線板30に装着されるのであるが、ノズル保持ヘッド40は、図39ないし図42に示すように、回路部品25の受取り後、配線板30に設定された部品装着位置へ移動させられるまでの間、吸着ノズル158に吸着された回路部品25の下面が部品撮像装置50の被写界深度内に位置し、かつ、既に配線板30に装着されている回路部品25と干渉しない高さに位置させられる。
本実施形態においては、ノズル保持ヘッド40aの吸着ノズル158が保持する回路部品25は、最大12個の吸着ノズル158を保持可能なノズル保持ヘッド40が装着する回路部品25より大きく、移動時の高さはノズル保持ヘッド40aの方が高いのであるが、ノズル授受時の昇降ストロークL1は同じにされている。したがって、ノズル授受時におけるノズルホルダ160の下降端位置は、12個の吸着ノズル158を保持可能なノズル保持ヘッド40よりノズル保持ヘッド40aの方が高く、ノズルストッカ600のノズル授受位置がノズル保持ヘッド40aの場合、第三位置とされ(図39参照)、12個の吸着ノズル158を保持するノズル保持ヘッド40の場合、第二位置とされる(図40参照)。
また、図41および図42に示すように、ノズル保持ヘッド40bの場合、装着する回路部品25はノズル保持ヘッド40aより大きく、移動時のノズル保持ヘッド40bの高さはノズル保持ヘッド40aより高く、ノズル授受のための昇降ストロークL2は昇降ストロークL1よりも大きくされており、ノズルストッカ602は、二次元コード736の撮像時には第二位置に位置させられ、ノズル保持ヘッド40bのノズルホルダ180との間における吸着ノズル182の受渡し時には、第三位置に位置させられる。ノズル収納台720はノズル収納台620より厚く、ノズルストッカ602が撮像位置である第二位置へ上昇させられたとき、ノズル収納台720の上面は配線板30の部品装着面より上方に位置するが、二次元コード696は、ノズル収納台720の上面より下がった位置に設けられており、ちょうど部品装着面と同じ高さに位置させられ、撮像が良好に行われる。なお、図41および図42は、図示の都合上、実寸に対する縮小比率が図39および図40とは異ならされている。
このようにノズル保持ヘッド40の種類に応じて、ノズル授受におけるノズルホルダ160等の高さが異なり、ノズルストッカ600等の高さがノズル保持ヘッド40の種類に応じて変更される。それにより、例えば、ノズル保持ヘッド40aと、最大12個の吸着ノズル158を保持するノズル保持ヘッド40とについて、ノズル授受におけるノズルホルダ160の昇降ストロークを同じにすることができ、昇降制御が容易である。
本実施形態においては、ストッカ保持台764の第二位置,第三位置およびノズル保持ヘッド40のノズル授受時の昇降ストロークL1,L2は、第二位置がマーク撮像装置178による二次元コード696等の撮像に適した高さ、すなわち二次元コード696,736が配線板30の部品装着面と同じ高さにあって、マーク撮像装置178による二次元コード696等の撮像が良好に行われる高さとなり、第三位置がノズル授受に適した高さとなるように設定,調節されている。なお、第一位置も調節されるようにしてもよい。保持装置昇降装置762全体の高さを調節装置によって調節するようにするのである。
なお、取付部610は、例えば、大きさが異なるものとし、ノズルストッカの種類の大幅な変更に対応し得るようにしてもよい。
ノズルストッカ600等にはノズル保持ヘッド40の種類(ノズル保持ヘッド40により回路部品25を装着される配線板30の種類)に応じた種類,数の吸着ノズル158等が収納される。本電子回路部品装着システムでは、ノズルストッカ600等への吸着ノズル158等の収納および交換はノズル保持ヘッド40により行うことができる。この場合、装着モジュール12,13の各ノズル保持ヘッド40により保持される吸着ノズルは、図27に示すノズル搬送部材としてのノズル搬送板900に収納され、装着モジュール12,13へ搬送される。
吸着ノズル158を搬送するノズル搬送板900を例に取って説明する。ノズル搬送板900は、図27ないし図29に示すように、複数種類の吸着ノズル158を収納するノズル収納部材912と、ノズル収納部材912を保持する収納部材保持装置914とを備えている。収納部材保持装置914は、ノズル収納部材912を支持する板状の保持台916を備えている。保持台916の前記配線板搬送装置34のレール250,252,254,256に対応する両側部には、図28に示すように、配線板30と同様に、コンベヤベルト292の上方において水平に張られた部分に支持される一対の被支持部917が設けられている。ノズル搬送板900は、保持台916において配線板搬送装置34に支持されて搬送されるとともに、前記配線板保持装置32により保持されるようになっている。
保持台916には、ノズル収納部材912を位置決めする位置決め装置918(図27参照)、および固定する固定装置としての留め具920(図27参照)が設けられている。位置決め装置918は、保持台916にその保持台916の一辺に平行な方向に互いに隔たって固定された2本の頭付きピン922と、それらに対応するノズル収納部材912の2つの係合切欠924とにより構成されており、頭付きピン922の各々に各係合切欠924が係合させられることにより、ノズル収納部材912が保持台916に対して位置決めされる。その状態で、周知の留め具920が作業者により手動操作されることによって、ノズル収納部材912が保持台916に対して固定される。なお、ノズル収納部材912は保持台916に、前記ストッカ位置決め装置766およびストッカ固定装置768と同様の構成の位置決め装置および固定装置により位置決めし、固定してもよい。
保持台916のノズル収納部材912を支持する支持面である表面928には、図28に示すように、複数の基準マーク930が設けられている。図示の例では保持台916の一対角線上において互いに隔たった2箇所にそれぞれ基準マーク930が設けられている。
ノズル搬送板900は、前述のノズルストッカ600,602と基本的に同様の構成および機能を有するものである。ノズル収納部材912は、前記ノズル収納台620と同様に構成されており、図示は省略するが、複数の吸着ノズル158が1個ずつ収納される複数のノズル収納穴が設けられている。ノズル収納穴は前記ノズル収納穴624と同様に構成されており、吸着ノズル158は位置決めピン632により位置決めされ、一定の位相で収納されるが、その数はノズルストッカ600より多くされている。また、ノズル収納部材912には、前記シャッタ622と同様に構成されたシャッタ940がノズル取出阻止位置とノズル取出許容位置に移動可能に取り付けられている。さらに、図示は省略するが、シャッタ940の移動は、前記案内装置680と同様に構成された案内装置により案内され、ノズル収納部材912からの浮き上がりは、前記浮き上がり防止装置694と同様に構成された浮き上がり装置により防止される。これらノズル収納穴等については、ノズルストッカ600の構成要素に付した符号と同じ符号を用いて説明に使用することとする。
シャッタ940は、シャッタ移動装置944により移動させられる。シャッタ移動装置944は、駆動源たる流体圧シリンダの一種であるエアシリンダ960(図27参照)を含むものである。エアシリンダ960は、前記支持板300に固定されている。エアシリンダ960のピストンロッド962の先端部には、係合部材964が取り付けられる一方、シャッタ940には下方に延び出す係合部966が設けられている。係合部材964は、概して有底の中空円筒部材であり、ピストンロッド962の先端部に摺動可能に嵌合されている。係合部材964のピストンロッド962に対する相対移動可能範囲は、ピストンロッド962に固定のピン968と係合部材964に形成された長穴970とを含む相対移動範囲規定装置972により規定されている。また、ピストンロッド962と係合部材964との間には弾性部材としての圧縮コイルスプリング974が配設され、係合部材964をピストンロッド962から離脱する方向に付勢している。シャッタ移動装置944は、前記シャッタ移動装置770と同様に、複数種類のノズル収納部材912についてそれぞれ設けられたシャッタについて共通である。
ノズル搬送板900が配線板搬送装置34により搬送される間は、配線板保持装置32の一部を構成する支持板300が支持板昇降装置308により下降端位置(退避位置)に保たれており、シャッタ移動装置944やバックアップピン302等と、シャッタ940の係合部966や留め具920等との干渉が回避されている。ノズル搬送板900が装着モジュール12,13内の所定の位置に停止させられた後、支持板300が支持板昇降装置308により上昇端位置へ上昇させられることにより、シャッタ移動装置944の係合部材964がシャッタ940の係合部966と小距離を隔てて対向する状態となる。
その状態で、エアシリンダ960のピストンロッド962が伸長させられて係合部材964が係合部966に係合させられ、シャッタ940が付勢装置の一種であるばね部材としての引張コイルスプリング976の付勢力に抗してノズル収納部材912に対して前記ノズル取出許容位置に移動させられる。このスプリング976は、前記ノズルストッカ600のスプリング668に相当する。その後もピストンロッド962はさらに小距離伸長させられるが、この余分な伸長は、係合部材964のスプリング974の付勢力に抗した後退により吸収される。一方、ピストンロッド962が収縮させられれば、シャッタ940がスプリング976の付勢によりノズル収納部材912に対して前記離脱防止位置に移動させられる。
シャッタ940の場合、そのノズル取出阻止位置とノズル取出許容位置との各移動範囲が、シャッタ940の移動を案内する案内装置680の案内ピン682および長穴684により規定される。シャッタ940は、ノズル搬送板900の搬送時に吸着ノズル158のノズル収納部材912からの脱落を防止する役割も果たす。
ノズル収納部材912には、ノズル収納数,ノズル収納穴の寸法等が異なる複数種類のものがあり、例えば、前記吸着ノズル182を搬送するノズル収納部材912は、図示および説明は省略するが、前記ノズルストッカ602のノズル収納台720と同様に構成され、シャッタ722と同様のシャッタが設けられている。装着モジュールに取り付けられたノズル保持ヘッド40の種類,ノズルストッカ600等の種類等に応じて適切なノズル収納部材912が吸着ノズル158等の搬送に使用される。保持台916は、ノズル搬送板900の種類の大幅な変更に対応し得る大きさとされている。
前述のように、ノズル保持ヘッド40がノズルストッカ600等に収納された吸着ノズル158等を保持し、あるいは戻す際におけるノズル保持ヘッド40の高さは、ノズル保持ヘッド40の種類によって異なる。ノズルストッカ600等は、ストッカ保持装置760に取り付けられて保持装置昇降装置762により昇降させられ、ノズル保持ヘッド40との間における吸着ノズル158等の授受の際に、その高さが3段階に変更されてノズル保持ヘッド40の種類に応じた高さに位置させられるようにされているが、ノズル搬送板900の場合、配線板保持装置32の支持板昇降装置308によって昇降させられるため、その昇降位置は、配線板30の昇降によって決まることとなる。したがって、本実施形態では、ノズル搬送板900は、ノズル保持ヘッド40の種類に応じて、ノズル収納部材912の厚さが異なるものとされ、ノズル搬送板900が支持板昇降装置308によって上昇端位置へ上昇させられた状態において、ノズル収納部材912に収納された吸着ノズル158等が、上下方向において、ノズル保持ヘッド40の種類に応じたノズル授受位置に位置するようにされている。保持台916は共通であるが、ノズル収納穴624の直径,数等の他、厚さ(高さ)が異なる複数種類のノズル収納部材912があるのであり、ノズル保持ヘッド40の種類に応じたノズル収納部材912が保持台916に取り付けられて吸着ノズル158等の搬送に使用される。
複数の装着モジュール12,13の外である機外に、図30に概略的に示すように、前記ロック装置710のロック作用を解除するロック解除装置1000が設けられている。ロック解除装置1000の装置本体1002には、ノズルストッカ600等が取り付けられる取付部1004が設けられている。取付部1004は、詳細な図示は省略するが、前記取付部610とほぼ同様に構成され、ストッカ保持台,ストッカ位置決め装置,ストッカ固定装置およびストッカ支持部材を含むストッカ保持装置を備え、ノズルストッカが位置決めされて取り付けられるとともに、ノズルストッカが取り付けられた状態において、ロック装置710の駆動装置714のソレノイドへの通電が制御される状態となるように構成されている。また、ロック解除制御コンピュータ1010が設けられ、入力装置1012から入力される指令等に基づいてソレノイドへの通電を制御するようにされている。ロック解除制御コンピュータ1010はさらに、図示を省略する制御回路を介して情報読取装置としての撮像装置1014を制御するとともに、撮像により得られたデータを画像処理する。撮像装置1014は、例えば、撮像デバイスとしてのCCDカメラを備え、情報読取装置移動装置としての撮像装置移動装置1016により、取付部1004に取り付けられたノズルストッカ600等の上のストッカ保持台上の任意の位置へ移動させられる。撮像装置移動装置1016は、例えば、前記保持ヘッド移動装置44と同様に構成されている。
ロック解除制御コンピュータ1010は、作業者が入力装置1012を用いてロック解除を指示するとともに、撮像読取装置1014によりノズルストッカに設けられた二次元コードの撮像が行われ、ストッカ情報が読み取られれば、ソレノイドに電流を供給させ、ロック装置710のロックを解除し、作業者はシャッタを手動で自由に開閉し、吸着ノズルの交換等を行うことができるようにされている。ロック解除制御コンピュータ1010は、後述するホストコンピュータに接続されており、ロック装置710のロックを解除した旨の情報および二次元コードの撮像により得られたストッカ情報を送信する。それによりホストコンピュータにおいて、シャッタのロックが解除されたノズルストッカが特定され、ロック解除情報メモリにロックが解除されたノズルストッカの個別識別情報およびロックが解除された旨を含むロック解除情報が記憶される。
また、装着モジュール12,13に部品電気特性測定装置を設け、抵抗値,コンデンサ値等、回路部品25の電気特性を測定し、その測定結果に基づいて、例えば、吸着ノズル158等が部品供給装置24から受け取った回路部品25が予定された部品であるか否かを判定することができるようにされている。
部品電気特性測定装置1030は、図31に示すように、一対のプローブ1036を備えている。これらプローブ1036は図示を省略する移動装置によって互いに対象に移動させられ、それぞれ、回路部品25の電極に接触させられた状態で測定電流が流され、RLC(resistance-inductance-capacitance)メータ1038により抵抗値,コンデンサ値等、回路部品25の電気特性が測定され、後述する装着制御装置のコンピュータに供給される。この部品電気特性測定装置1030の装置本体には、前記取付ユニット640が取り付けられており、前記ノズルストッカ600等に代えて、部品電気特性測定装置1030をノズルストッカ600等と同様に取付部610に取り付けることができる。
部品電気特性測定装置1030の装置本体の上面は上方に開放され、図示を省略する二次元コードが設けられ、情報記録部を構成している。この二次元コードには、部品電気特性測定装置1030に関する情報、例えば、回路部品25の電気特性を測定する装置であること、装置を個々に識別する個別識別情報等が記録されている。装置本体にはまた、複数、例えば、2個の基準マークが設けられている。
さらに、回路部品25が、フリップチップやBGA(ボールグリッドアレイ)等、半導体チップの底面に半田バンプにより電極が形成されたものである場合、半田バンプにフラックスが塗布されて、配線板30の搬送時に、装着された回路部品25の位置がずれることがないようにされる。その場合、装着モジュール12,13等には、フラックス供給装置の一種であるディップ式フラックス供給装置1050(図32参照)が設けられる。
ディップ式フラックス供給装置1050の装置本体1052には、複数、例えば、3つのフラックス収容部としてのフラックス収容凹部1054,1056,1058が設けられ、フラックス1060が充填されている。フラックス収容凹部1054,1056,1058の深さは、その底面に回路部品25の半田バンプが当接させられたとき、適量のフラックスが塗布される寸法とされている。フラックス収容凹部1054,1056,1058の各深さは互いに異ならされ、半田バンプの寸法に応じて使い分けられる。
装置本体1052には、前記取付ユニット640が取り付けられており、ノズルストッカ600等に代えて、ノズルストッカ600等と同様に取付部610に取り付けることができるようにされている。また、装置本体1052の上面には二次元コード1066が設けられ、情報記録部を構成している。二次元コード1066には、ディップ式フラックス供給装置1050に関する情報、例えば、ディップ式フラックス供給装置であること、装置を個々に識別する情報、フラックス収容凹部1054,1056,1058の形状,寸法(深さ),配置,フラックスを供給することができる回路部品25の種類等、種々の情報が記録されている。
また、吸着ノズル158等が部品供給装置24から受け取った回路部品25は、必ずしも配線板30に装着することができるとは限らない。例えば、吸着ノズル158等が回路部品25を立った姿勢や傾いた姿勢で吸着したり、吸着ノズル158等による回路部品25の保持位置誤差が設定値以上であったり、リードを有する回路部品25の場合、リードが曲がっていたり、あるいは種類が間違っていた場合等には、配線板30に装着されないのである。
部品供給装置24から取り出されたが配線板30に装着されなかった回路部品25である廃棄回路部品25は、例えば、部品収容装置1070(図33参照)に収容され、再使用可能な回路部品25は再使用される。そのため、部品収容装置1070は、複数の収容部としての収容室1072を備え、回路部品25が種類毎に分別されて収容されるようにされている。
部品収容装置1070は、基本的には、例えば、未だ公開されていないが、本出願人に係る特願2003−354の明細書に記載の部品収容装置と同様に構成されており、簡単に説明する。
部品収容装置1070の装置本体1074は、複数の収容凹部1076が形成されて容器状を成す。これら収容凹部1076は、長手形状を成し、互いに平行に形成されており、長さは同じにされているが、幅が複数種類に異ならされている。各収容凹部1076内にはそれぞれ、図33(a)に概略的に示すように、位置決め係合部としての複数の位置決め溝1078が長手方向に一定の間隔で形成されている。位置決め溝1078は、本実施形態では、収容凹部1076の一対の側面および底面にわたってコの字形に形成されており、その位置決め溝1078の形成間隔も収容凹部1076によって複数種類に異ならされている。
図33(b)に示すように、位置決め溝1078に仕切部材としての仕切板1080が嵌合され、複数の収容凹部1076の各々に複数の収容室1072が形成されている。仕切板1080を嵌合する位置決め溝1078の選択により、横断面積(収容凹部1076の底面に平行な平面による断面の面積)の異なる複数種類の収容室1072が得られ、装着モジュールにおいて配線板30に装着される回路部品25の形状,寸法に応じた大きさを有する収容室1072が、少なくともその回路部品25の種類と等しい数、設けられている。なお、図33(b)において、仕切板1080が嵌合されない位置決め溝1078は細い実線で図示されている。仕切板1080の上面には、マーク1084がマーク撮像装置178により、前記種々の基準マークと同様に撮像可能に設けられている。
部品収容装置1070の装置本体1074には、図示は省略するが、取付ユニット640が取り付けられており、複数の取付部610のうちの一つに、ノズルストッカ600等と同様にして取付部610に取り付けられている。また、装置本体1074の上面には二次元コード1082が設けられて情報記録部を構成し、部品収容装置情報が記録されている。例えば、部品収容装置であること、部品収容装置1070を個々に識別する個別識別情報が記録されている。
部品収容装置1070には、それが取り付けられる装着モジュールにおいて行われる配線板30への回路部品25の装着に応じて収容室1072が形成される。後述するホストコンピュータにおいて、回路部品25が装着される配線板30の種類に応じて収容室1072の形成情報が作成されて表示画面に表示され、それに従って作業者が仕切板1080を位置決め溝1078に嵌め入れる。作業者は、収容室形成作業の終了後、二次元コード1082を情報読取装置により読み取ってホストコンピュータに入力し、ホストコンピュータにおいて、部品収容装置1070の個別識別情報と対応付けて、予め設定された収容室1072に関する情報、例えば、大きさ,数,配置等が記憶される。
装着モジュール12,13を始めとする装着モジュールでは、複数種類のノズル保持ヘッド40を選択的に取り付けて回路部品25の配線板30への装着を行うことができるが、ノズル保持ヘッド40に替わって高粘性流体塗布ヘッドの一種である接着剤塗布ヘッド1100(図34参照)を取り付け、接着剤塗布モジュールとして機能させることもできる。配線板30への接着剤の塗布は、回路部品25の装着に先立って行われ、接着剤塗布モジュールは、配線板30の搬送方向において装着モジュールの上流側に設けられる。
接着剤塗布ヘッド1100は、図34に示すように、前記ヘッド本体150と同様に構成されたヘッド本体(図示省略)を備え、ノズル保持ヘッド40と同様に、第2Xスライド134に着脱可能に保持される。接着剤塗布ヘッド1100は、ヘッド本体に昇降可能に保持された昇降部材1104を備えている。昇降部材1104はヘッド本体に設けられた昇降装置(図示省略)により昇降させられる。昇降部材1104には、接着剤塗布具1106が搭載されている。接着剤塗布具1106は、例えば、特許第3242120号公報に記載の接着剤塗布具と同様に構成されており、塗布ノズル1108および接着剤収容器としてのシリンジ1110を有している。シリンジ1110内に高粘性流体の一種である接着剤1112が収容されており、シリンジ1110内に図示を省略する圧縮空気供給源から圧縮空気が供給されれば、接着剤が吐出管1114を通って吐出され、配線板30に所定量塗布される。
接着剤塗布モジュールにおいては、例えば、配線板30への一連の装着作業の開始に先立って、接着剤の捨て打ちおよび試し打ちが行われ、吐出管1114から接着剤がスムーズに吐出されるようにされるとともに、適正な量の接着剤が配線板30に塗布されるようにされる。そのため、接着剤塗布モジュールには、接着剤被塗布装置としての試し打ち装置1120が設けられている。試し打ち装置1120は、図35に示すように、試し打ち部材としての試し打ち台1122を備えている。試し打ち台1122には前記取付ユニット640が取り付けられており、ノズルストッカ600等と同様に取付部610に取り付けることができる。
試し打ち台1122は、一平面状の試し打ち面1124を備えている。試し打ち面1124は、試し打ち装置1120が取付部610に取り付けられた状態で水平となり、ポリテトラフルオルエチレンがコーティングされている。ポリテトラフルオルエチレンはテフロンの商品名で知られている合成樹脂であって、フッ素樹脂の一種であり、殆どすべての有機溶剤に対して安定であり、有機溶剤等、捨打ち面に捨打ちされるものに対して化学的に安定しており、耐久性に優れている。また、摩擦係数が低く、物質が付着しにくい性質を有し、捨打ちおよび試し打ちされた接着剤を除去することが容易である。
また、試し打ち面1124には、情報記録部としての二次元コード1126が設けられ、情報記録部を構成しており、試し打ち装置1120に関する情報が記録されている。例えば、捨て打ち・試し打ちが行われる装置であること、試し打ち面1124の形状,寸法,試し打ち装置1120を個々に識別する個別識別コード等が記録されている。
接着剤塗布モジュールにおいては、一連の配線板30への接着剤の塗布に先立って捨て打ちおよび試し打ちが行われる。接着剤塗布ヘッド1100が試し打ち面1124上へ移動させられて接着剤を塗布するのである。まず、捨て打ちが予め設定された回数、行われ、次いで試し打ちが設定回数行われる。試し打ちにより試し打ち面1124に塗布された接着剤は、マーク撮像装置178によって撮像され、例えば、塗布面積に基づいて塗布量が適正であるか否かが判定される。塗布量が適正ではなければ、例えば、接着剤吐出時間の調節,圧縮空気の圧力等の調整により、塗布量が適正となるようにされる。
試し打ち面1124への捨て打ち回数および試し打ち回数はコンピュータにおいて数えられており、それら回数の合計が設定数以上になり、試し打ち面1124が一杯になれば作業者に報知され、作業者は試し打ち面1124に塗布された接着剤を拭き取り、再度、捨て打ちおよび試し打ちが行われるようにされる。あるいは、試し打ち装置1120が接着剤塗布モジュールから外される毎に拭き取るようにしてもよい。試し打ち面は、捨て打ち面でもある。
図36に、本発明に関係の深い部分を中心とした装着モジュール12の制御ブロック図を示す。装着システムは複数の装着モジュール12,13を有しており、それらのそれぞれが自身に装着制御装置1200を備える。図36は、複数の装着モジュール12,13のうちの1つの装着モジュール12およびその装着モジュール12が備える装着制御装置1200を中心したブロック図である。装着制御装置1200は、装着制御コンピュータ1210を主体とする制御装置であり、装着制御コンピュータ1210は、CPU1212と、ROM1214と、RAM1216と、入出力インタフェース1218と、それらを互いに接続するバス1220を有している。入出力インタフェース1218には、装着制御装置1200が備えるそれぞれの駆動回路1222を介して、部品供給装置24の各テープフィーダ26、配線板搬送装置34の3つのレール位置変更モータ270,配線板移送モータ294,支持板昇降装置308、ノズル保持ヘッド40aの正負圧選択供給装置162,保持体回転モータ166,ホルダ昇降モータ170,ホルダ自転モータ174、ヘッド移動装置44のY軸モータ90,X1軸モータ120,X2軸モータ140、ノズル保持ヘッド40bの正負圧選択供給装置502,ホルダ昇降モータ434,ホルダ回転モータ444が、それぞれ接続されている。図示を省略するノズル保持ヘッドについても同様である。また、部品撮像装置50およびマーク撮像装置178が、それらによって得られた撮像データから種々の認識結果を得るまでのデータ処理を行う画像処理ユニット1224を介して接続されている。さらに、入出力インタフェース1218には、配線板搬送装置34に備えられた光電センサ1230が接続されており、制御回路1234を介して表示画面320が接続されている。表示画面1236,制御回路1234および装着制御コンピュータ1210の表示画面1236を制御する部分が表示装置を構成している。なお、図示は省略するが、装着制御装置1200は、部品電気特性測定装置1030も制御する。また、ノズル保持ヘッド40に代えて接着剤塗布ヘッド1100が取り付けられるときには、装着制御装置1200に代えて塗布制御装置が設けられ、接着剤塗布具等を制御するようにされる。
複数の装着モジュール12は、各々の動作と関連して作動する。また、本基本的態様のシステムは、システムベース10および装着モジュール12,13とは別体をなしてシステム全体を統括制御するシステム制御装置1240(図1、図2等では省略)を備えている。そのため、入出力インタフェース1218には、他の装着モジュール12,13およびシステム制御装置1240が、通信ケーブル1242等の通信装置を介して接続されている。なお、システム制御装置1240は、本システムが他の対基板作業システムと連結してさらに大きなシステムを構成する等の場合においては、他の対基板作業システムのシステム制御装置と兼用される。さらに、装着モジュール12はモジュール化されており、他の別のシステム内に配置されることがある。その場合において、本装着制御装置1200は、その別のシステムにおける他の対基板作業装置が備える制御装置、その別のシステムのシステム制御装置とも接続可能とされている。
ROM1214には、装着モジュール12の基本動作プログラム等が記憶されており、また、RAM1216には、作業形態に応じた動作制御,他の対基板作業装置との協調動作,協働動作制御等に関する動作プログラム、配線板の保持位置ずれ,回路部品25の吸着保持位置のずれ等に応じた装着位置補正プログラム等のアプリケーションプログラム、部品装着プログラム等、各種データ等が記憶されている。部品装着プログラムは、例えば、部品装着作業が行われる配線板に応じて設定されている装着順序データ,装着位置データ、装着位置に装着される回路部品25のデータ,装着される回路部品25に関する部品固有データ、どの回路部品25がどのテープフィーダ26から供給されるかといった部品供給装置関連データ等を含む。これらのデータ等は、システム制御装置1240のコンピュータであるホストコンピュータ1250においても記憶されている。ホストコンピュータ1250には、図36では図示は省略するが、前記ロック解除制御コンピュータ1010が接続されている。また、システム制御装置1240は、前記表示画面1236とは別の表示画面1252を制御し、その制御回路(図示省略)および表示画面1252等が表示装置を構成している。なお、図示は省略するが、装着モジュール13も装着モジュール12と同様の装着制御装置1200を備え、装着モジュール12と同様に制御が行われる。
以上のように構成された装着システムにおいて、最初の装着作業が開始される前に種々の準備作業が行われる。その代表的なものが、各装着モジュール12,13におけるノズル保持ヘッド40,部品供給装置24,ノズルストッカ600等の装着(搭載)である。装着モジュール12,13において使用されるノズル保持ヘッド40の種類は、各装着モジュール12,13において配線板30に装着される回路部品25の種類,数によって決まり、それらによって部品供給装置24の種類,構成,装着モジュール12,13の各々に保持される吸着ノズルの種類,数,ノズルストッカの種類も決まる。これらは部品装着プログラムに基づいてホストコンピュータ1250において決定され、装着モジュール12,13の各装着制御コンピュータ1210へ部品装着プログラムと共に供給される。ここでは、ノズル保持ヘッド40は、例えば、ノズル保持ヘッド40a,40bあるいは吸着ノズル158を最大12個保持して装着を行うノズル保持ヘッド40が使用されることとする。装着モジュール12,13の各々について設定されたノズル保持ヘッド40が第2Xスライド134に取り付けられる。また、設定された回路部品25を保持する部品供給装置24が部品供給部22に取り付けられる。部品供給装置24はフィーダ型であることもあれば、トレイ型であることもある。
ノズルストッカ600等の装着モジュール12,13への取付けおよびノズルストッカ600等への吸着ノズル158等の収納を詳細に説明する。
最初の装着作業の開始前の段階では、吸着ノズル158等が一つも収納されていない空のノズルストッカ600等であって、設定された種類のノズルストッカ600等が装着モジュール12,13に取り付けられ、ノズル搬送板900に収納された吸着ノズル158等がノズル保持ヘッド40によってノズルストッカ600等に収納される。
まず、ノズルストッカ600等の装着モジュール12,13への取付けを説明する。この取付けは、作業者によって行われる。複数の装着モジュール12,13の各々に取り付けられるノズルストッカ600等の種類は、表示画面1236に表示される。ノズルストッカ600等の種類として、種類を識別するための複数の要素の全部が表示されてもよく、それらを含んで種類を表すストッカ種類識別コードにより表示されてもよい。
複数種類のノズルストッカ600等の取付部610への取付けはいずれも同様に行われるため、ノズルストッカ600を装着モジュール12に取り付ける場合を例に取り、代表的に説明する。
作業者は空のノズルストッカ600を持って装着モジュール12の取付部610に取り付ける。この際、取付部610では、ストッカ保持装置760は第一位置に位置させられており、図23に二点鎖線で示すように、作業者はノズルストッカ600を傾け、その前部、すなわち位置決め部材644が設けられた側の部分を後部、すなわち係合部材646が設けられた側より下側に位置させた状態で、位置決め部材644を、ストッカ保持台764上の位置決めブロック772に設けられた一対の案内面776,777の間に嵌合させつつ前進させ、位置決め突部649を位置決め凹部778に嵌合させるとともに、ノズルストッカ600の後部を下げてストッカ保持台764へ接近させる。それにより、係合部材646がストッカ保持台764に設けられた係合レバー790に係合する。
まず、案内面654が係合レバー790のローラ792に係合し、斜面の作用により係合レバー790をスプリング794の付勢力に抗してローラ792が係合部材646から離れる向きに回動させ、ノズルストッカ600のストッカ保持台764への接近を許容させる。そして、ノズルストッカ600を更に前進させつつストッカ保持台764へ接近させ、図23に示すように、ノズル収納台620に設けられた位置決め穴784に位置決めピン774の位置決め突部782を嵌合させるとともに、ノズル収納台620を支持部材820の支持面822上および位置決めピン774の肩面上に着座させ、下方から支持させる。
この状態では、係合レバー790のローラ792が係合部材646の係合面656に係合し、ノズルストッカ600がストッカ保持台764に位置決めされた状態で固定される。スプリング794の付勢により係合レバー790のローラ792が係合面656に押し付けられ、位置決め突部649の傾斜面650が位置決め凹部778の傾斜面780に押し付けられて、ノズルストッカ600が前後方向に位置決めされるとともに、斜面の効果によりノズルストッカ600の前部が、ストッカ保持台764の前側に設けられた支持部材820に押し付けられ、浮き上がりを防止される。また、係合面656の斜面の効果により、ノズルストッカ600の後部が下方へ押され、支持部材820等に押し付けられ、後部においても浮き上がりが防止される。さらに、位置決め突部649の位置決め凹部778への嵌合および位置決め穴784の位置決め突部782への嵌合により、ノズルストッカ600は幅方向ないし左右方向において位置決めされる。
ノズルストッカ600の取付部610への取付けは、ストッカ有無検出装置824により検出される。ノズルストッカ600は、支持部材820等に着座させられるとき、ストッカ有無検出装置824の検出子826を押し、ノズルストッカ600が取付部610に取り付けられたことが検出される。
このようにノズルストッカ600がストッカ保持台764に取り付けられるとき、シャッタ622はスプリング668の付勢によりノズル取出阻止位置に位置させられている。ストッカ保持装置760においては、シャッタ移動装置770のピストンロッド804が伸長端位置に位置し、係合部806が前進端位置であって、嵌合待機位置に位置させられており、ノズルストッカ600がストッカ保持台764に取り付けられるとき、係合部808がシャッタ622の開口674に嵌合させられる。この際、係合部808に設けられた傾斜面810が、開口674の係合部808への嵌合を案内し、スムーズに嵌合される。
ノズルストッカ600がストッカ保持装置760によって保持された状態では、ロック装置710が装着制御コンピュータ1210によって制御される状態となり、ロック作用を解除してシャッタ622をシャッタ移動装置770によって移動させることができる。ロック装置710のロック作用は、ソレノイドへの電流供給により機械的にのみ解除されるのであり、ノズルストッカ600が装着モジュール12に取り付けられた状態でも、取り外された状態でも、作業者はロック装置710のロック作用を解除することができない。本実施形態では、ロック装置710により、ノズル保持ヘッド40による吸着ノズル158の取出しは許容されるが、人による取出しは阻止され、ノズルトッカ600が装着機本体に取り付けられた状態では吸着ノズル158の取出しが許容され、装着機本体から取り外された状態では取出しが阻止されるのである。なお、ノズルストッカ600がストッカ保持台764に取り付けられた状態では、シャッタ移動装置770の係合部材808がシャッタ622の開口674に嵌合させられるとともに、シャッタ移動装置770のエアシリンダ800にはエアが供給されており、ロック装置710によるロック作用が解除されても作業者はシャッタ622を移動させることはできず、シャッタ移動装置770はノズルストッカ600が装着機本体に取り付けられた状態において人による吸着ノズルの取出しを阻止する装置を構成していると考えることもできる。
全部の装着モジュール12,13へのノズルストッカ600等の取付け後、ノズル搬送板900によって吸着ノズル158等が搬送され、ノズル保持ヘッド40によってノズルストッカ600等に移載され、収納される。
ノズル搬送板900には、機外において作業者によって吸着ノズル158等が収納される。そのため、ノズル収納部材912の種類,ノズル収納部材912毎の吸着ノズル158等の種類,収納数等が設定され、表示画面に表示される。この表示画面は、ノズル搬送板900への吸着ノズル158等の収納が行われる作業場に設けられた表示画面であって、ホストコンピュータ1250によって制御される表示画面(図示省略)である。
前述のように、ノズル収納部材912には複数の種類があり、装着モジュールに取り付けられるノズル保持ヘッド40の種類,保持される吸着ノズルの種類,数に応じたノズル収納部材912が吸着ノズル158等の搬送に使用される。これらは、ホストコンピュータ1250により装着モジュールごとに決定され、ノズル搬送先の装着モジュールと共に表示画面に表示され、作業者は、この表示に基づいて、ノズル収納部材912に吸着ノズル158等を収納する。これら吸着ノズル158等は、ノズル収納部材912のどの位置に収納してもよい。吸着ノズル158等は、係合凹部408等への位置決めピン632の嵌合により、ノズル収納部材912に一定の位相で収納される。
なお、ノズルストッカ600,602を始めとするノズルストッカにはそれぞれ、1つの配線板30に回路部品25を装着するのに必要な種類の吸着ノズル158等のみが、2セットずつ(1種類の吸着ノズル158等が同時にノズル保持ヘッド40に保持される場合にはその保持される数の2倍の吸着ノズル158等)保持されるものとする。これは、使用中の吸着ノズル158等が摩耗や破損等により使用不能となった場合の交換用とするためである。ただし、予備の吸着ノズル158等が必要な吸着ノズル158等の数の2倍保持されることは不可欠ではなく、予備の吸着ノズル158等は1種類に1個ずつとされるようにしてもよく、予備の吸着ノズル158等自体を省略することも可能である。これら予備の吸着ノズル158等の種類,数も表示画面に表示され、ノズル収納部材912に収納されるようにされる。
複数の装着モジュール12のうちの一つにノズル保持ヘッド40aおよびノズルストッカ600が取り付けられ、吸着ノズル158を保持したノズル搬送板900により装着モジュール12に吸着ノズル158が供給される場合を説明する。
吸着ノズル158が収納されたノズル収納部材912を有するノズル搬送板900を配線板搬送装置34のフロントコンベヤ部260とリヤコンベヤ部262との一方(本実施形態の場合フロントコンベヤ部260)に載置した後、作業者がノズル供給の開始を指示する手動操作部材を操作すれば、ノズル搬送板900が搬送され、そのノズル搬送板900が吸着ノズル158を供給する装着モジュール12において配線板保持装置32によって位置決め保持される。ノズル搬送板900が複数の装着モジュール12に吸着ノズル158を供給するのであれば、それらのうち、搬送方向において最上流のモジュール12においてノズル搬送板900が配線板保持装置32によって位置決め保持される。ノズル収納部材912は、その種類によって吸着ノズルを搬送し、提供する相手のノズル保持ヘッド40が決まり、装着モジュールが決まるが、可能であれば、1つのノズル収納部材912が、同じ種類のノズル保持ヘッド40が使用される複数の装着モジュールあるいはノズル保持ヘッド40の種類が異なっても吸着ノズル158が使用される装着モジュールがあれば、それら複数の装着モジュールに吸着ノズルを搬送してもよいのである。続いて、マーク撮像装置178がノズル搬送板900の上方に移動させられ、ノズル搬送板900に設けられた基準マーク930が撮像され、その撮像データから、保持されたノズル搬送板900の保持位置のずれが検出される。
そして、そのノズル搬送板900に保持された各吸着ノズル158の二次元コード406が撮像され、画像データが画像処理ユニット1224において画像処理されてノズル情報が読み取られる。ノズル搬送板900において、複数の吸着ノズル158は全て一定の位相で保持されており、マーク撮像装置178は、二次元コード406が配設された部分に対向する設定位置まで移動させられ、それぞれ二次元コード406を撮像する。ノズル保持部材912のノズル収納穴の位置は、基準マーク930を基準として設定されており、その収納位置から、一定の位相で収容された二次元コード406の位置が得られ、マーク撮像装置178が移動させられる。これらノズル収納穴の位置および基準マーク930の位置は、ノズル保持部材912の種類に対応してホストコンピュータ1250に記憶されており、装着制御コンピュータ1210に供給される。二次元コード406に記録された情報から各吸着ノズル158の種類が特定され、また、マーク撮像装置178のXY方向の移動量に基づいて各吸着ノズル158のノズル搬送板900上での収納位置が特定される。これら吸着ノズル158の種類および収納位置を含む搬送板ノズル収納データが、装着モジュール12の装着制御コンピュータ1210のRAM1216に記憶されるとともに、ホストコンピュータ1250に送られ、記憶される。二次元コード406の読取作業はノズル収納部材912の全部のノズル収納穴624について行われ、ノズル情報が得られない場合、ノズルなしの情報が配置と対応付けて記憶される。このデータも搬送板ノズル収納データを構成する。
なお、ノズル収納部材912においても、例えば、ノズル収納穴624の小径穴部952の底面に蛍光層を設け、基準マーク撮像装置178が二次元コード406の読取り動作を行ってもノズル情報が得られない場合、ノズル収納穴624をマーク撮像装置178により撮像し、吸着ノズル158の有無を検出するようにしてもよい。それにより、吸着ノズル158が検出されたのであれば、例えば、マーク撮像装置178による二次元コード406の撮像位置を変えて、情報読取りを行わせ、二次元コード406が撮像されたのであれば、その際の二次元コード406の位相に基づいて吸着ノズル158の収納位相を記憶し、ノズルストッカ600に収納されたままとされるようにしてもよい。
このようにノズル搬送板900におけるノズル収納データが得られたならば、ノズル保持ヘッド40aがノズル搬送板900から吸着ノズル158を取り出してノズルストッカ600へ搬送し、ノズル収納穴624に収納する。この収納に先立って、ノズルストッカ600に設けられた二次元コード696がマーク撮像装置178によって撮像され、それに記録されたストッカ情報が読み取られる。ノズルストッカ600が取付部610に取り付けられたときの二次元コード696の位置は、ノズルストッカ600の種類を問わず、一定であり、予め設定されており、マーク撮像装置178が二次元コード696へ移動させられて撮像する。ノズルストッカ600がストッカ保持台764に取り付けられ、その取付けがストッカ有無検出装置824によって検出されたならば、二次元コード696の撮像が行われる。二次元コード696の撮像時には、ストッカ保持台764が保持装置昇降装置762によって上昇させられ、ノズルストッカ600が第二位置へ移動させられ、二次元コード696が撮像に適した高さに位置させられる。第二位置は撮像位置であるのである。ストッカ情報の取得に基づいて図37に示す空ストッカ確認ルーチンが装着制御装置1200によって実行される。
空ストッカ確認ルーチンのステップ1(以後、S1と略記する。他のステップについても同じ)においては、取付部610に取り付けられたノズルストッカ600の種類が正しいか否かが判定される。二次元コード696の読取りによって得られるノズルストッカの種類と、設定されたノズルストッカの種類とが一致すれば、S1の判定結果はYESになってS2が実行され、ノズル収納許可が設定されてルーチンの実行は終了する。
実際に取り付けられたノズルストッカの種類と設定されたノズルストッカの種類とが一致しないのであれば、S1の判定結果はNOになってS3が実行される。前述のように、二次元コード696等は、ノズルストッカの種類が異なっても、ノズルストッカが取付部610に取り付けられたとき、その位置が、装着モジュール12,13のそれぞれにおける水平なXY座標面上において同じになるように設けられており、指示とは違った種類のノズルストッカが取り付けられていても二次元コード696等が撮像され、ストッカ情報が得られ、S1の判定が行われる。S3では、ノズルストッカの種類が違っていても、取り付けられたノズルストッカを使用可能であるか否かが判定される。この判定は、例えば、ノズルストッカが取り付けられた装着モジュール12について設定された吸着ノズル158の全部を、実際に取り付けられたノズルストッカに収納可能であるか否かに基づいて行われ、収納可能であれば、S3の判定結果はYESになってS2が実行される。
それに対し、収納不可能であれば、S3の判定結果はNOになってS4が実行され、取付部610に取り付けられたノズルストッカの種類が間違っていることが表示画面1236に表示され、報知される。作業者はその表示に従ってノズルストッカを交換する。装着制御装置1200のS1を実行する部分が空ノズルストッカ種類確認部を構成しており、ストッカ種類情報がノズルストッカの種類の確認に利用される。
ここでは取付部610に指示されたノズルストッカ600が取り付けられ、ノズル収納が許可されたとすれば、ノズル保持ヘッド40aにより吸着ノズル158が自動でノズルストッカ600に収納される。この際、収納に先立ってノズルストッカ600に設けられたストッカ基準マーク698がマーク撮像装置178によって撮像され、ノズルストッカ600の取付位置誤差が取得され、ノズルストッカ600の複数のノズル収納穴624の各々について取付位置誤差が取得される。この取付位置誤差には、本実施形態においては、ノズル収納穴624の中心のX軸,Y軸方向における各位置誤差が含まれる。ストッカ基準マーク698の位置は、ストッカ情報から得られる。ストッカ基準マーク698の撮像時にもノズルストッカ600は第二位置に位置させられ、撮像が良好に行われる。。
ノズル保持ヘッド40aは、ノズル搬送板900へ移動させられて吸着ノズル158を保持し、ノズルストッカ600へ搬送し、収納する。ノズル搬送板900は、光電センサ320の検知信号に基づいて制御される停止位置に停止させられ、支持板昇降装置308によって支持板300が上昇端位置へ上昇させられることにより、一対の被支持部917が係止部310に押し付けられてバックアップピン302により下方から支持されるとともに、ノズル収納部材912および収納された吸着ノズル158が上下方向において所定の授受位置に位置させられる。
前述のように、ノズル収納部材912の厚さは、ノズル保持ヘッド40の種類に応じて設定されて、ノズル搬送板900が支持板昇降装置308によって上昇端位置へ上昇させられた状態において、吸着ノズル158等がノズル保持ヘッド40との間における受渡しに適した高さに位置する状態となる大きさとされており、ノズル保持ヘッド40aが取り付けられた装着モジュール12に吸着ノズル158を搬送するノズル搬送板900においては、上昇端位置へ上昇させられた状態では、吸着ノズル158が、前記第三位置へ上昇させられたノズルストッカ600に収納された吸着ノズル158と同じ高さに位置することとなる。そのため、ノズル保持ヘッド40aとノズル搬送板900との間における吸着ノズル158の授受は、ノズルストッカ600との間における吸着ノズル158の授受と同様に行われる。
ノズル保持ヘッド40aのノズルホルダ160がノズル搬送板900に収納された吸着ノズル158上へ移動させられて保持する。この際、ノズル保持ヘッド40aの複数のノズルホルダ160はいずれも空である。本実施形態では、ノズル保持ヘッド40aの複数のノズルホルダ160の全部が吸着ノズル158のノズルストッカ600への収納に使用されることとする。一部のノズルホルダ160が収納に使用されるようにしてもよい。複数のノズルホルダ160による吸着ノズル158の保持順は予め設定され、ノズル搬送板900からの吸着ノズル158の取出順も搬送板ノズル収納データに基づいて予め設定されており、それら順序に従ってノズルホルダ160がノズル収納穴624へ移動させられて吸着ノズル158を順次保持し、全部のノズルホルダ160が吸着ノズル158を保持したならば、ノズルストッカ600へ移動させられて収納する。例えば、ノズル搬送板900の端から順に吸着ノズル158を取り出したり、吸着管362の直径の大きい順に取り出したりする。
複数のノズルホルダ160による吸着ノズル158の保持動作は同様に行われるため、一つを図38に基づいて代表的に説明する。なお、図38は、ノズルホルダ160が保持した吸着ノズル158をノズルストッカ600に収納する際の動作を説明する図であるが、ノズル搬送板900では吸着ノズル158がノズルストッカ600におけると同様に保持され、ノズルホルダ160とノズル搬送板900との間における吸着ノズル158の授受は、ノズルストッカ600との間における授受と同様に行われるとともに、ノズルホルダ160による吸着ノズル158の保持動作は吸着ノズル158の収納動作とは逆に行われるため、図38を用いてノズルホルダ160による吸着ノズル158の保持を説明するが、図38の図示とは一致しない部分もある。
ノズルホルダ160は、ノズル保持ヘッド40aの移動により吸着ノズル158上へ移動させられる。この際、ノズル保持ヘッド40aの移動位置は、先にノズル搬送板900の基準マーク930の撮像に基づいて取得された位置誤差が打ち消されるように修正され、ノズルホルダ160は吸着ノズル158上へ位置ずれ少なく移動させられる。
吸着ノズル158を保持するノズルホルダ160は前記ホルダ昇降ステーションに位置させられ、ホルダ昇降装置172によって昇降させられる。ノズル保持ヘッド40aのノズルホルダ160が吸着ノズル158を保持し、解放するための昇降ストロークL1は予め設定されている。また、ノズルホルダ160は、その位相が、ピン384が、ノズル搬送板900に収納された吸着ノズル158の係合凹部398と一致する状態となる位置へ回転させられている。ノズルホルダ160がホルダ昇降装置172によって下降させられることにより、図38(c)に示すように、ノズルチャック350の前記テーパ穴372が吸着ノズル158のテーパ部370に嵌合されるとともに、保持部材386が浮き上がり防止部材690の頭部692によって下降を止められる。
その状態から更にノズルホルダ160が下降させられることにより、図38(b)に示すように、チャック本体352が保持部材386に対して下降させられてばね部材374が溝378に嵌入し、吸着管保持体360を保持する。ノズルホルダ160は、その後も小距離下降させられ、吸着ノズル158を確実に保持する。この際のノズルホルダ160の下降は、スプリング358の圧縮により許容される。その後、ノズルホルダ160が上昇させられるが、その際、シャッタ940(図38に示すシャッタ622に相当)がノズル取出許容位置へ移動させられ、吸着ノズル158が共に上昇し、図38(a)に示すように、ノズル収納穴624の位置決めピン632が吸着ノズル158の係合凹部408から抜け出させられるとともに、ノズルチャック350のピン384が係合凹部398に嵌入し、吸着ノズル158のノズルホルダ160に対する相対回転が阻止され、位相が決められた状態とされる。そして、更にノズルホルダ160が上昇させられ、吸着ノズル158がノズル搬送板900のノズル収納穴624から抜け出させられる。
ノズルホルダ160により保持された吸着ノズル158のノズルストッカ600への収納を説明する。
ノズル保持ヘッド40aによる吸着ノズル158の収納時には、ノズルストッカ600は第三位置に位置させられる。ノズルストッカ600への吸着ノズル158の収納順は予め設定されており、吸着ノズル158を保持した複数のノズルホルダ160は、設定されたノズル収納穴624へ移動させられて吸着ノズル158を収納する。ノズルホルダ160は、ストッカ基準マーク698の撮像に基づいて取得されたノズル収納穴624の位置誤差が打ち消されるように移動させられ、吸着ノズル158がノズル収納穴624に確実に収納される。ストッカ基準マーク698の撮像に基づくノズルホルダ160の移動位置の修正は、ノズルホルダ160が吸着ノズル158をノズルストッカ600から受け取る場合にも同様に行われる。ノズルホルダ180とノズルストッカ602との間における吸着ノズル182の授受の場合も同様であり、確実に授受が行われる。
ノズル収納穴624上へ移動させられたノズルホルダ160は、吸着ノズル158の係合凹部408と、ノズル収納穴624の位置決めピン632との位相が一致する位置に回転させられた状態で下降させられる。この際、シャッタ622は、シャッタ移動装置770によってノズル取出許容位置へ移動させられている。ノズルホルダ160の下降に伴って、まず、図38(a)に示すように、ノズルチャック350の保持部材386が浮き上がり防止部材690の頭部692に当接して下降を止められる。その状態から更にノズルホルダ160が下降させられることにより、図38(b)に示すように、吸着ノズル158の背景形成部396がノズル収納穴624の大径穴部626に嵌合され、係合凹部408に位置決めピン632が嵌入させられるとともに、ピン384が係合凹部398から抜け出させられる。
吸着ノズル158がノズル収納穴624に嵌合された後、シャッタ622がノズル取出阻止位置へ移動させられ、その後、ノズルホルダ160が上昇させられる。吸着ノズル158は背景形成部396をシャッタ622により押さえられてノズル収納穴624からの抜け出しを防止されており、図38(c)に示すように、ノズルホルダ160がばね部材374による吸着ノズル158の保持力に打ち勝って上昇させられ、吸着ノズル158がノズルホルダ160から抜け出させられ、ノズルストッカ600に収納される。
なお、ノズルストッカ600は空であるはずであるが、吸着ノズル158の収納時にノズル収納穴624が空であるか否かを検出するようにしてもよい。この検出については、後に説明する。空であるはずのノズル収納穴624が空でなければ、例えば、そこでノズル収納作業を中断し、その旨を報知する。
ノズルストッカ600に収納される吸着ノズル158の二次元コード406は、吸着ノズル158がノズル搬送板900に収納された状態で読み取られており、また、ノズル保持ヘッド40aのXY方向の移動距離からノズルストッカ600への吸着ノズル158の収納位置および配置が得られ、ノズルストッカ600に収納された吸着ノズル158について得られたノズル情報と収納位置とを対応付けたストッカノズル収納情報が得られ、ストッカ個別識別情報と対応付けて得られるストッカ/ノズル情報が装着制御コンピュータ1210のRAM1216のストッカ/ノズル情報メモリに記憶させられる。ストッカ/ノズル情報はホストコンピュータ1250へ送られ、そこに設けられたストッカ/ノズル情報メモリにも記憶される。
ロック装置710は、本実施形態では、ノズルホルダ160とノズルストッカ600との間において吸着ノズル158の授受が行われる場合を除いてロック状態とされ、吸着ノズル158の受渡しが終われば、ロック装置710はロック状態とされ、シャッタ622が開かれないようにされる。したがって、ノズルストッカ600が装着モジュール12から取り外されるときも、ロック装置710はロック状態とされており、シャッタ622は移動させられない。
装着モジュール12について設定された全部の吸着ノズル158がノズルストッカ600に収容され、ノズル搬送板900が更に別の装着モジュール12に吸着ノズル158を供給するのであれば、ノズル搬送板900は次の装着モジュール12へ移動させられ、同様にして吸着ノズル158がノズルストッカ600に収納される。
ノズル搬送板900による吸着ノズル182の搬送,供給を説明する。
ノズル収納部材912への吸着ノズル182の収納も、吸着ノズル158の収納と同様に、表示画面へのノズル収納部材912の種類,搬送する吸着ノズル182の種類,数等の表示に従って作業者によって行われる。吸着ノズル182は係合凹部504が位置決めピン732に嵌合されて一定の位相でノズル収納部材912に収納される。吸着ノズル182を保持したノズル搬送板900は、ノズル保持ヘッド40bが取り付けられた装着モジュール、例えば、装着モジュール13へ移動させられて吸着ノズル182を供給し、吸着ノズル182は、その装着モジュール13に取り付けられたノズルストッカ602に収納される。
吸着ノズル182が収納されたノズル搬送板900は、吸着ノズル182を供給する装着モジュール13へ移動させられ、所定の位置に停止させられるとともに、配線板保持装置32により保持されて上昇端位置へ上昇させられる。吸着ノズル182を保持するノズル搬送板900のノズル収納部材912の厚さは、ノズル搬送板900が上昇端位置へ上昇させられたとき、吸着ノズル182が、前記第三位置へ移動させられたノズルストッカ602に収納された吸着ノズル182と同じ高さに位置する状態となる厚さとされており、ノズル保持ヘッド40bのノズルホルダ180は、ノズルストッカ602との間における吸着ノズル182の受渡しと同様に、ノズル搬送板900との間で吸着ノズル182の受渡しを行う。また、ノズル搬送板900に設けられた基準マーク930が撮像され、保持位置誤差が取得されるとともに、吸着ノズル182の二次元コード506が撮像されて搬送板ノズル収納情報が取得される。
ノズル保持ヘッド40bの移動によりノズルホルダ180が吸着ノズル182上へ移動させられ、吸着ノズル182を保持する。この際、ノズルホルダ180の移動位置は、基準マーク930の撮像により取得された保持位置誤差がノズル収納穴の各々について打ち消されるように修正される。ノズルホルダ180は、一対のばね部材512が、吸着ノズル182の一対の溝520の各開口部524と一致する位相に位置する状態で下降させられる。この際、ノズル搬送板900のシャッタ940はノズル取出許容位置に位置させられており、ノズルホルダ180の吸着部材458の吸着面472が吸着ノズル182の背景形成部494の被吸着面500に当接させられるとともに、ばね部材512の係合部516が開口部524に嵌入させられる。
その状態からノズルホルダ180がホルダ回転装置432により、所定の方向に所定の角度回転させられる。吸着ノズル182はノズル収納穴724内においては、位置決めピン732の係合凹部504への嵌入により、位置決めされるとともにノズルストッカ602に対する相対回転を阻止されており、ノズルホルダ180が吸着ノズル182に対して回転させられ、ばね部材512の係合部516が溝520内を開口部524から離れる方向へ移動させられ、係合部516が溝520の側面526に係合して吸着ノズル182を保持する状態とされる。そして、負圧室形成室470に負圧が供給され、ノズルホルダ180は負圧によって吸着ノズル182を吸着して保持するとともに、ばね部材512によって機械的に保持する。したがって、例えば、負圧の供給が断たれることがあっても、吸着ノズル182がノズルホルダ180から落下することが防止される。ノズルホルダ180は吸着ノズル182を保持した後、上昇させられ、吸着ノズル182がノズル搬送板900から取り出される。
ノズル保持ヘッド40bにより保持された吸着ノズル182は、ノズルストッカ602に収納される。ノズルストッカ602の取付部610への取付け後、吸着ノズル182の収納に先立って、ノズルストッカ602に設けられた二次元コード736が撮像され、ノズルストッカ602の種類が確認されることは、吸着ノズル158のノズルストッカ600への収納時と同じである。また、収納に先立ってストッカ基準マーク738が撮像され、ノズルストッカ602の取付位置誤差が取得される。これら二次元コード736およびストッカ基準マーク738の撮像時に、ノズルストッカ602は第二位置に位置させられ、撮像が良好に行われる。
ノズルストッカ602の種類が確認され、ノズル収納許可が作成されたならば、吸着ノズル182がノズルストッカ602に収納される。この際、ノズルストッカ602は、図42に示すように、第三位置へ上昇させられるとともに、ロック装置710によるロック作用が解除され、シャッタ722がノズル取出許容位置に移動させられている。ノズルストッカ602においては、吸着ノズル182の授受時には、シャッタ722はノズル取出許容位置に位置させられたままである。ノズルホルダ180は、吸着ノズル182の背景形成部494に設けられた係合凹部504と、ノズル収納穴724に嵌合された位置決めピン732との位相が一致する状態で下降させられ、吸着ノズル182の背景形成部494がノズル収納穴724の背景形成部収納穴部726に嵌合されるとともに、係合凹部504に位置決めピン732が嵌入させられて位置決めされ、相対回転を阻止される。
そして、負圧室形成室470への負圧の供給が断たれてノズルホルダ180による吸着ノズル182の保持が解除されるとともに、ノズルホルダ180が吸着ノズル182の保持時とは逆向きに所定角度回転させられ、吸着ノズル182に対して回転させられる。それによりばね部材512の係合部516が溝520の開口部524に至り、ノズルホルダ180が上昇させられれば、ばね部材512が背景形成部材494から抜け出させられ、吸着ノズル182がノズルホルダ180から解放されてノズルストッカ602に収納された状態となる。ノズルストッカ602への予定された全部の吸着ノズル182の収納後、シャッタ722が閉じられる。また、ノズルストッカ602についてストッカ/ノズル情報が得られ、装着制御コンピュータ1210およびホストコンピュータ1250の各ストッカ/ノズル情報メモリに記憶される。
各装着モジュール12,13においては、ノズルストッカ600等に吸着ノズル158等が収納された後、ノズル保持ヘッド40がノズルストッカ600等の上方まで移動させられ、今回の配線板30の装着に必要な吸着ノズル158等が順次ノズルホルダ160等に保持される。この保持は、ストッカ/ノズル情報に基づいて行われる。この際、ノズルストッカ600等は、ノズル保持ヘッド40の種類に応じた高さに位置させられて吸着ノズル158等の授受が行われる。吸着ノズル158等の保持は、ノズル搬送板900に収納された吸着ノズル158等の保持と同様に行われるため、説明を省略する。ノズルストッカ600等では、ロック装置710によるロックは解除されているが、ノズルホルダ160等との間における吸着ノズル158等の授受時以外には、原則としてシャッタ622等が閉じられ、ノズル取出阻止位置に位置させられている。なお、ノズルストッカ600等に吸着ノズル158等を収納する際に、ノズル保持ヘッド40が装着に必要な吸着ノズル158等を保持するようにしてもよい。
次に、配線板30への部品装着作業を、ノズル保持ヘッド40aが取り付けられた装着モジュール12を例に取って説明する。1つの装着モジュール12による部品装着作業が、その装着モジュール12の装着領域内に収まる大きさの配線板30に対する作業である場合を例にとって簡単に説明する。上流側から搬送されてきた配線板30は、配線板搬送装置34によって、装着領域内の設定された作業位置に停止させられる。停止させられた配線板30は、その位置において、支持板300が上昇させられることにより、配線板保持装置34によって固定保持される。次いで、ヘッド移動装置44によって、マーク撮像装置178が、配線板30に付された基準マークの上方に移動させられ、基準マークを撮像する。取得された撮像データから、保持された配線板30の保持位置のずれが検出される。
次に、ノズル保持ヘッド40aが部品供給装置24の上方に移動させられ、設定された取出順序に従って、回路部品25が吸着ノズル158に吸着保持される。詳しくは、昇降ステーションに位置するノズル付ホルダ161が、保持対象とされた回路部品25を供給するテープフィーダ26の部品取出部の上方に位置させられて、その位置でそのノズル付ホルダ161が下降させられ、先端に保持された吸着ノズル158に負圧が供給されて、その回路部品25を吸着保持する。そしてホルダ保持体164が間欠回転させられ、次のノズル付ホルダ161に関する同様の部品取出動作が行われる。このようにして、ノズル保持ヘッド40aが備えるノズル付ホルダ161について、順次、部品取出動作(多くの場合は8回)が行われる。
次に、回路部品25を保持したノズル保持ヘッド40aは、部品撮像装置50の上方に移動させられる。その位置において、部品撮像装置50は、保持された回路部品25を一視野内に収めて撮像する。得られた撮像データにより、それぞれの回路部品25の保持位置のずれが検出される。ノズル保持ヘッド40は、配線板30の上方に移動させられるのであるが、その移動の途中で、ノズル付ホルダ161がホルダ自転装置176によって自転させられ、それが保持する回路部品25に設定された装着方位,検出された配線板保持位置ずれ量,回路部品25の保持位置ずれ量に基づいて、適正な回転位置まで自転させられる。最初に装着される回路部品25を保持するノズル付ホルダ161が昇降ステーションに位置するまでホルダ保持体164ないしノズル付ホルダ161の間欠回転を繰り返し、その間欠回転の間に、回路部品25を装着するノズル付ホルダ161が自転させられる。
続いて、ノズル保持ヘッド40aは、配線板30の上方まで移動させられ、設定された装着順序に従って、配線板30の表面に、保持された回路部品25が装着される。詳しくは、まず、ホルダ昇降ステーションに位置するノズル付ホルダ161が適正な装着位置の上方に位置させられる。このとき、検出された配線板保持位置ずれ量,回路部品25の保持位置ずれ量に基づいて、ノズル保持ヘッド40の移動位置が適正化される。その位置において、ノズル付ホルダ161が所定距離下降させられ、吸着ノズル158に正圧が供給されて、保持された回路部品25が配線板30の表面に装着される。続いてノズル付ホルダ161が間欠回転させられ、次のノズル付ホルダ161に関する同様の部品装着動作が行われる。このようにして、回路部品25を保持するノズル付ホルダ161について、順次、部品装着動作が行われる。
予定された全ての回路部品25の装着が終了するまで、ノズル保持ヘッド40aが部品供給装置24と配線板30との間を往復させられて、部品取出動作、部品装着動作が繰り返し行われる。全ての回路部品25の装着が終了した後、配線板搬送装置34の支持板300が下降させられ、配線板30の固定保持が解除される。その配線板30は、配線板搬送装置34によって、下流側へ移送される。このようにして、その配線板30について装着モジュール12において予定された部品装着作業が終了する。なお、本システムにおいては、隣接する2つの装着モジュール12の両方に跨がる大きさの配線板30に対しても、部品装着作業を行うことができる。
装着の途中においてノズル保持ヘッド40aが保持する吸着ノズル158等が交換される場合、ノズル保持ヘッド40aはノズルストッカ600へ移動させられ、ノズルホルダ160が現に保持している吸着ノズル158をノズルストッカ600へ戻し、別の種類の吸着ノズル158を保持する。この際、吸着ノズル158は、原則として、それが収納されていたノズル収納穴624に戻される。
吸着ノズル158の戻しに先立ってノズル収納穴624が空であるか否かが確認される。ノズル収納穴624の小径穴部628の底面には蛍光層634が設けられており、マーク撮像装置178がノズル収納穴624上へ移動させられ、照明装置192が蛍光層634に向かって青色の光を照射し、その反射光量に基づいて確認が行われる。青色の光は比較的多くの紫外線を含むのが普通であり、蛍光層634に青色の光が照射されれば、蛍光層634から可視光が放射される。ノズル収納穴624に吸着ノズル158が収納されていれば、青色の光は背景形成部396にあたるが可視光が放射されない。したがって、CCDカメラ190が、ノズルストッカ600のノズル収納穴624を含む部分を撮像するが、吸着ノズル158の収納の有無により、撮像により検出される明るさが異なり、明るさの検出値が設定値より小さいのであれば、吸着ノズル158が収納されていることが検出され、設定値より大きいのであれば、吸着ノズル158が収納されていないことが検出される。ノズル収納穴624に吸着ノズル158が収納されておらず、空であれば、ノズルホルダ160がノズル収納穴624上へ移動させられ、吸着ノズル158が収納される。なお、撮像による吸着ノズル158の有無の検出は、ノズルストッカ600が高さ方向において吸着ノズル158の授受を行う場合と同じ位置に位置する状態で行われ、ここでは第三位置に位置する状態で行われる。
ノズル収納穴624における吸着ノズル158の有無は、例えば、吸着ノズル158の二次元コード406の撮像を行い、吸着ノズル情報が得られるか否かによっても検出することができる。しかし、例えば、二次元コード406が吸着ノズル158の間違った位置に設けられている場合、吸着ノズル情報が得られず、吸着ノズル158がないとされる。それに対し、ノズル収納穴624に蛍光層634を設けて吸着ノズル158の有無を検出するようにすれば、ノズル収納穴624を含む部分の撮像により、容易にかつ確実に吸着ノズル158の有無を検出することができる。
何らかの事情でノズル収納穴624が空でなければ、空のノズル収納穴624であって、吸着ノズル158を収納してもよいノズル収納穴624が探され、空のノズル収納穴624があればそこに収納される。空のノズル収納穴624は、例えば、ストッカノズル収納情報に基づいて探される。空のノズル収納穴624がなければ、例えば、装着作業が中断されるとともに、表示画面1236への表示等により、その旨が報知される。吸着ノズル158を別のノズル収納穴624に収納すれば、吸着ノズル158の配置が収納当初と変わることとなるが、収納はノズル保持ヘッド40の移動等によって機械的に行われるため、吸着ノズル158がどのノズル収納穴624に収納されたかはわかり、ストッカノズル収納情報が更新されることとなる。ストッカ個別識別情報と対応付けて記憶されるストッカ/ノズル情報も更新される。ノズル収納穴624が空であるか否かの確認は、吸着ノズル158をノズルストッカ600に戻し、収納する際に常に行われる。
ノズル保持ヘッド40aは吸着ノズル158をノズルストッカ600に戻した後、次に保持する吸着ノズル158上へ移動させられてそれを保持する。その際、吸着ノズル158の二次元コード406を撮像し、吸着ノズル情報を取得して、吸着ノズル158の種類が保持すべき種類であるか否かを確認するようにしてもよい。保持すべき吸着ノズル158の種類が指示された種類とは異なる場合には、例えば、その旨を報知して電子回路部品装着機の作動を停止させたり、あるいはストッカノズル収納情報から、他のノズル収納穴284に指示された種類の吸着ノズル158が収納されているかを調べ、あればその吸着ノズル158を保持するようにしてもよい。装着作業の開始時にノズル保持ヘッド40aが吸着ノズル158を保持する際も同様である。
配線板30の種類が変われば、段取替えが行われる。段取替え時には、例えば、部品供給装置24におけるフィーダ26の交換の他、必要があれば、ノズル保持ヘッド40およびノズルストッカ600等の交換やレール250,252,254,256の搬送幅の調節が行われる。ノズルストッカ600等が交換される場合、ノズル保持ヘッド40が現に保持している吸着ノズル158等は全部ノズルストッカ600等に戻される。
配線板30の種類が変わり、装着モジュール12,13において装着に使用される吸着ノズル158等の種類,数が変わるとき、吸着ノズル158等はノズルストッカごと交換される。前述のように、空のノズルストッカ600等が装着モジュール12,13に取り付けられ、そこにおいて吸着ノズル158等が収納されることにより、ノズルストッカ600等毎に収納された吸着ノズル158等の種類,数および配置が得られ、ストッカノズル収納情報が得られる。このストッカノズル収納情報は、ストッカ個別識別情報と対応付けてホストコンピュータ1250のストッカ/ノズル情報メモリに記憶させられており、配線板30の種類,ノズル保持ヘッド40の種類に基づいて装着モジュール12,13の各々において必要とされる吸着ノズルの種類,数が決定されるとともに、ストッカ/ノズル情報に基づいて、それら吸着ノズル158等が既に収納されているノズルストッカ600等があるか否かが探され、あれば、そのノズルストッカ600等のストッカ個別識別情報が装着モジュールを指示するデータと共に表示画面1236に表示され、その取付けが作業者に指示される。ストッカ個別識別情報に対応付けてストッカノズル収納情報が記憶されているため、種類が同じであっても収納された吸着ノズルの種類や数が異なるノズルストッカを識別することができ、収納内容に応じて、必要とされるノズルストッカを選んで装着モジュールに取り付けるようにすることができる。この使用するノズルストッカの決定は、ストッカ個別識別情報およびストッカ/ノズル情報の利用の一態様であり、ホストコンピュータ1250のノズルストッカをその収納内容に応じて選択する部分が、ストッカ情報利用部ないしストッカ/ノズル情報利用部としてのノズルストッカ選択部を構成している。
該当するノズルストッカがない場合には、空のノズルストッカが装着モジュールに取り付けられ、ノズル搬送板900により吸着ノズルが搬送されてノズルストッカに収納される。ノズル搬送板900,ノズル保持ヘッド40および装着制御装置1200のノズル保持ヘッド40を制御して吸着ノズル158等を空のノズルストッカ600等に収納させる部分がノズル収納ストッカ生成装置ないしノズル収納装置を構成している。
ノズルストッカ600等は、装着モジュール12,13に取り付けられた状態においては、ノズルホルダ160等との間において吸着ノズル158等の授受が行われる場合を除いてシャッタ622等がロック装置710によってロックされている。そのため、ノズルストッカ600等が装着モジュール12,13から取り外される場合にもシャッタ622等はロックされていて、作業者は自由にシャッタ622等を開くことができず、ノズルストッカ600等に収納された吸着ノズル158等を交換したりすることができない。
しかし、作業者が吸着ノズル158等の交換等を全く行うことができないことは不便であり、前述のように、機外にロック解除装置1000が設けられ、ロック装置710のロック作用を解除し、シャッタ622等を作業者が開閉し、吸着ノズル158等の交換等を行うことができるようにされており、ロック解除により、吸着ノズル158等がノズルストッカ600等から取り出された可能性があることが検出される。換言すれば、機外では、ロック解除装置1000を使用してロック装置710のロック作用を解除しない限り、ノズルストッカから吸着ノズルが取り出された可能性がなく、装着モジュール12,13から取り外されたノズルストッカ600,602を始めとする各種ノズルストッカについて、それまでに得られたノズル収納状態が変わっていないことが保証される。
作業者により空のノズルストッカ600等への吸着ノズル158等の収納や、既に吸着ノズル158等が収納されているノズルストッカ600等における吸着ノズル158等の交換等が行われる場合、これら作業は表示画面への表示に従って行われる。例えば、空のノズルストッカ600等への吸着ノズル158等の収納時には、本実施形態では、ホストコンピュータ1250によって制御される表示画面に吸着ノズルを収納するノズルストッカの個別識別情報と、そのノズルストッカに収納させるべき1個以上の吸着ノズルの種類,数および配置とが表示される。これらは装着プログラム等に基づいてホストコンピュータ1250において設定される。配置は、例えば、ノズル収納台620の上面に付された番号で指示される。
作業者はこの表示に従って、例えば、空のノズルストッカ600をロック解除装置1000に取り付け、入力装置1012によりロック解除指令を入力する。そして、ノズルストッカ600に設けられた二次元コード696が撮像装置1014により撮像され、ストッカ情報が取得され、ロック装置710のロック作用が解除され、作業者はシャッタ622をノズル取出許容位置へ移動させ、表示に従って吸着ノズル158を収納することができる。
ホストコンピュータ1250では、二次元コード696の撮像により得られるストッカ情報に基づいて、取り付けられたノズルストッカ600のストッカ個別識別情報が、設定され、指示されたストッカ個別識別情報と一致するか否かの判定が行われ、一致していなければ、その旨が報知され、一致するノズルストッカ600がロック解除装置1000に取り付けられるようにされる。
ノズルストッカ600が取り付けられ、指示された吸着ノズル158が収納されれば、作業者の指示に基づいて二次元コード406が撮像装置1014により撮像され、指示された収納位置(配置位置)に指示された種類の吸着ノズル158が収納されたか否かが確認される。ノズルストッカ600について設定された情報読取位置はノズルストッカ600の種類から得られ、撮像装置1014は情報読取位置へ移動させられて撮像を行う。そして、間違った吸着ノズル158が収納されたのであれば、収納位置と現に収納されている吸着ノズル158の種類および収納すべき吸着ノズル158の種類等を表示する。
指示された全部の吸着ノズル158が指示された収納位置に収納されたならば、収納完了が表示され、作業者は作業を終了し、ノズルストッカ600をロック解除装置1000から取り外す。収納完了に基づいてロック装置710はロック状態とされ、ノズルストッカ600が取り外されるとき、シャッタ622はロック状態とされている。ノズルストッカ600に収納された吸着ノズル158の確認により、ノズルストッカ600における吸着ノズル158のノズル情報と収納位置とを対応付けたストッカノズル収納情報が得られ、ストッカ個別識別情報と対応付けたストッカ/ノズル情報がホストコンピュータ1250のストッカ/ノズル情報メモリに記憶される。
吸着ノズル158等を交換すべく、ノズルストッカを交換するとき、ノズルストッカ600等は作業者によって装着モジュール12,13から取り外される。これら取外しはいずれのノズルストッカについても同様に行われ、ノズルストッカ600の取外しを代表的に説明する。
ノズルストッカ600の取外し時には、作業者は、ノズルストッカ600を、係合レバー790を付勢するスプリング794の付勢力に抗して小距離後退させ、その状態で、位置決め部材644の傾斜面650と、位置決め凹部778の傾斜面780との係合部を中心にして、ノズルストッカ600をスプリング794の付勢力に抗して回動させつつ、その後部を上方に持ち上げ、位置決め穴784を位置決めピン774の位置決め突部782から外し、係合部材646を係合レバー790との係合から外す。そして、ノズルストッカ600を後退させ、位置決め突部649を位置決め凹部778から抜け出させ、ノズルストッカ600をストッカ保持装置760から外す。ノズルストッカ600の取外し後、次に使用されるノズルストッカを作業者が装着モジュールに取り付けるのであれば、ノストッカの個別識別情報および装着モジュールを指示する情報等が表示画面1236に表示され、作業者が指示されたノズルストッカを取付部610に取り付ける。
なお、本発明とは直接関係がないため詳細な説明は省略するが、配線板30への部品装着中に吸着管362,742の曲がり等により、吸着ノズル158等のいずれかが使用に適さない不良ノズル158等となったか否かが判定されるようになっており、不良ノズル158等になったと判定されれば、装着作業中であれば、その吸着ノズル158等はノズルストッカ600等に準備されている予備の吸着ノズル158等であって、同種の使用可能な吸着ノズル158等と交換される。それとともに、不良ノズル158等の発生,それのノズルストッカ600等上における位置の情報およびノズルストッカ600等の個別識別情報がホストコンピュータ1250に記憶される。そして、不良ノズル158等が収納されたノズルストッカ600等が次に配線板30に使用されるとき、ノズル搬送板900によって正常な吸着ノズル158等が搬送され、不良ノズル158等と交換される。装着作業の終了後、段取替えのためにノズルストッカ600等を装着モジュール12,13から取り外す前に不良ノズルの交換が行われるようにしてもよい。不良ノズル158等の良品ノズルとの交換は、作業者によって行われるようにしてもよい。ノズルストッカ600等が段取替え等により装着モジュール12,13から取り外されたならば、ホストコンピュータ1250に不良ノズル158等の発生,ストッカ個別識別情報,不良ノズル158等の種類,収納位置等を表示させ、作業者に交換させるようにするのである。
段取替え時に作業者がノズルストッカ600等を装着モジュール12,13に取り付けたならば、図43に示すノズル既収納ストッカ確認ルーチンが実行される。ここでは、装着モジュール12にノズルストッカ600が取り付けられた場合を例に取って説明する。ノズル既収納ストッカ確認ルーチンのS11においては、まず、ノズルストッカ600の二次元コード696がマーク撮像装置178によって撮像され、ストッカ情報が読み取られる。
次いでS12が実行され、二次元コード696の撮像により読み取られたストッカ情報に含まれるストッカ個別識別情報が、装着モジュール12に取り付けるノズルストッカとして表示され、指示されたノズルストッカの個別識別情報と一致するか否かが判定される。一致しているのであれば、S12の判定結果はYESになってS23が実行され、ノズルストッカ600に収納された吸着ノズル158が確認される。
この確認は、図44に示す吸着ノズル確認ルーチンに従って行われる。このルーチンのS31においては、機外でシャッタ622が開かれた可能性があるか否かが判定され、機外でノズルストッカ600について吸着ノズル158の取出しが行われた可能性があるか否かが判定される。吸着ノズル158の取出し,収容,交換を行うためには、必ずシャッタ622が開かれるからであり、その際、ロック装置710のロックが解除される。そのため、S31の判定は、ロック解除装置1000によってロック装置710のロックが解除されたか否かにより行われる。前述のように、ロック解除装置1000においてロック装置710のロック作用が解除されるとき、ロックが解除されるノズルストッカの個別識別情報等がホストコンピュータ1250に送られて記憶されており、S31の判定は、ノズルストッカの個別識別情報およびロック解除が実行されたことを含むロック解除情報に基づいて行われる。
空のノズルストッカ600等に作業者によって吸着ノズル158等が収納される場合にもシャッタ622等は開かれるが、この場合には、空のノズルストッカ600等への吸着ノズル158等の収納作業が行われることがホストコンピュータ1250においてわかっており、また、前述のように、吸着ノズル情報の読取りによってストッカ/ノズル情報が得られるため、ロック解除情報は作成されない。シャッタ622等のロックが解除されても、ストッカ/ノズル情報が得られるのであれば、ロック解除情報を作成して、吸着ノズルが取り出された可能性があることを示し、既成のストッカ/ノズル情報が実際とは異なった情報である可能性があることを示さなくてもよいのである。
換言すれば、ロック解除情報が作成されているノズルストッカ600等であっても、吸着ノズル情報が読み取られ、実際の吸着ノズル収納情報を表すノズル/ストッカ情報が得られれば、ロック解除情報を消すことができる。ノズルストッカ600等における吸着ノズル158等の収納状態を変更するためには、ロック装置710のロックを解除することが必要であり、ロック解除後、吸着ノズル情報の読取り(二次元コード406の撮像)が行われず、ノズルストッカ600等における吸着ノズル158等の実際の収納状態が得られたとすることができなければ、ロックが解除されたことを記憶し、シャッタ622等が開かれて吸着ノズル158等が取り出された可能性があることを記憶しておく必要があるが、吸着ノズル情報の読取りが行われれば、信用できるストッカ/ノズル情報が得られるため、ロック解除を記憶しておかなくてもよく、ロック解除情報を削除してよいのである。
また、ノズルストッカ600等に収納された吸着ノズル158等の交換がホストコンピュータ1250の指示に基づいて行われる場合、吸着ノズル158等が交換されるノズルストッカ600等,交換される吸着ノズル158の収納位置,現に収納されている吸着ノズル158に換えてノズルストッカ600等に収納される吸着ノズル158の種類等が表示画面に表示され、指示される。この場合、空のノズルストッカ600等への吸着ノズル158等の収納時と同様に、ノズルストッカ600等が確認されるとともに、指示に従って交換され、収納された吸着ノズル158等の二次元コード406等が撮像されて吸着ノズル情報が読み取られ、指示された吸着ノズル158等が指示された位置に収納されるようにされる。それにより、ホストコンピュータ1250では、ストッカ/ノズル情報が更新され、実際の収納状態に応じたストッカ/ノズル情報が得られ、ロック解除情報は作成されない。
例えば、ホストコンピュータ1250の指示によることなく、作業者がノズルストッカ600等をロック解除装置1000にセットし、ロックを解除した場合には、実際に吸着ノズル158等を交換したか否かに関係なく、吸着ノズル情報の読取りは行われず、ストッカ/ノズル情報が更新されず、ホストコンピュータ1250ではロック解除情報が作成される。ホストコンピュータ1250の指示によってノズルストッカ600等をロック解除装置1000にセットしたが、吸着ノズル158等の交換を行わず、ストッカ/ノズル情報が更新されなかった場合等にもロック解除情報が作成される。
なお、ホストコンピュータ1250の指示によって吸着ノズル158等の交換が行われた場合であっても、交換された吸着ノズル158の吸着ノズル情報の読取りが行われないことがあり、ストッカ/ノズル情報が更新されないことがあれば、ロック解除情報が作成される。
ロック解除情報が作成されていなければ、S31の判定結果がNOになってルーチンの実行は終了する。この場合には、現にストッカ/ノズル情報メモリに記憶されているストッカ/ノズル情報が、装着モジュール12に取り付けられているストッカノズル600についての情報として使用される。ロック解除情報が作成されていないノズルストッカ600等については、それについて得られているストッカ/ノズル情報が実際のノズル収納状態と一致していると確信してよく、ストッカ/ノズル情報メモリに記憶されている情報を装着に使用することができるのである。
機外でシャッタ622のロックが解除され、ロック解除情報が作成されていれば、S31の判定結果がYESになってS32が実行され、吸着ノズル情報の読取りが行われる。ストッカ情報に記録されたノズルストッカ600等の種類に基づいてホストコンピュータ1250から複数のノズル収納穴624等の各々に対応して設定された情報読取位置が読み込まれ、マーク撮像装置178が情報読取位置へ移動させられて二次元コード406等の撮像を行い、ノズル情報を読み取る。情報読取位置は、予めホストコンピュータ1250から装着制御コンピュータ1210へ送って記憶させておいてもよい。二次元コード406等の撮像時には、ノズルストッカ600等は高さ方向において第二位置に位置させられる。また、マーク撮像装置178によってノズルストッカ600のストッカ基準マーク698が読み取られ、ノズルストッカ600の取付位置誤差が取得されて、二次元コード406の撮像時に修正される。この際にもノズルストッカ600は第二位置に位置させられる。この修正は、取付位置誤差が設定値より小さい場合には省略してもよい。そして、マーク撮像装置178はノズルストッカに設定された全部の情報読取位置へ移動させられて撮像を行ってノズル情報を読み取り、ストッカノズル収納情報が得られ、ストッカ個別識別情報と対応付けてストッカ/ノズル情報が得られ、装着制御コンピュータ1210およびホストコンピュータ1250の各ストッカ/ノズル情報メモリに記憶される。吸着ノズル158等が収納されておらず、二次元コード406等の像が得られなければ、収納なしの情報が作成される。なお、二次元コード406等の像が得られない場合、吸着ノズル158等の有無を検出し、あれば、撮像位置を変えて撮像を行ってもよく、あるいはその旨を報知して情報取得を停止してもよい。
ノズルストッカ600の全部の吸着ノズル158について二次元コード406の撮像が行われ、情報が読み取られたならば、S33が実行され、そのノズルストッカ600について作成されたロック解除情報が削除される。ホストコンピュータ1250へストッカ個別識別情報およびロック解除削除情報が送られ、ホストコンピュータ1250において削除されるのである。次いでS34が実行され、ノズルストッカ600に収納された吸着ノズル158に変更があるか否かが判定される。ホストコンピュータ1250および装着制御コンピュータ1210のストッカ/ノズル情報メモリにストッカ個別識別情報と対応付けて記憶されているストッカノズル収納情報が、吸着ノズル158の二次元コード406の撮像により得られるストッカノズル収納情報と比較され、吸着ノズル158の種類,数および収納位置の少なくとも一つが変更されているか否かが判定されるのである。
ノズルストッカ600に収納されている吸着ノズル158の種類,数および収納位置のいずれにも変更がなければ、S34の判定結果はNOになってルーチンの実行は終了する。それによりノズル既収納ストッカ確認ルーチンも終了し、装着モジュールに取り付けられているノズルストッカ600に収納された吸着ノズル158を使用して、回路部品25の配線板30への装着が開始されるようにされる。
ノズルストッカ600に収納されている吸着ノズル158の種類,数および収納位置の少なくとも一つが変更されていれば、S34の判定結果はYESになってS35が実行され、S32における吸着ノズル情報の読取りによって得られたストッカノズル収納情報がストッカ個別識別情報と対応付けて、それまで記憶されていたストッカ/ノズル情報に代えてストッカ/ノズル情報メモリに記憶される。
次いでS36が実行され、装着作業の実施が可能であるか否かが判定される。装着モジュールに実際に取り付けられているノズルストッカ600に収納されている吸着ノズル158によって配線板30への回路部品25の装着作業を行うことができるか否かが判定されるのである。二次元コード406の撮像により得られたストッカノズル収納情報と、部品装着プログラムから得られる情報とに基づいて、ノズルストッカ600に収納されている吸着ノズル158により、ノズルストッカ600等が取り付けられた装着モジュール12,13に割り当てられた回路部品25の配線板30への装着を行い得るか否かが判定されるのである。
装着作業を行うことができるのであれば、S36の判定結果はYESになってS37が実行され、作業時間の演算に必要なデータがホストコンピュータ1250へ送られる。作業時間は、現に取り付けられているノズルストッカ600に収納されている吸着ノズル158によって現に実施すべき装着作業が行われた場合に要する時間であり、ノズルストッカ600に収納されている吸着ノズル158の種類,数および収納位置,配線板30の種類,部品装着位置,回路部品25等のデータがホストコンピュータ1250へ送られてルーチンの実行が終了する。配線板30の種類等に関する情報がホストコンピュータ1250に記憶されているのであれば、これら情報を送信することは不可欠ではない。
それに対し、現に取り付けられているノズルストッカ600に収納された吸着ノズル158によっては装着作業を行うことができないのであれば、S36の判定結果がNOになってS38が実行され、支障情報としての装着作業実施不可情報が作成され、表示画面1236に表示されて作業者に報知される。装着作業実施不可情報は、例えば、装着モジュールに取り付けられたが、装着作業における使用が不可能なノズルストッカ600の個別識別情報,種類情報等を含む。この報知に従って作業者は、例えば、ノズルストッカ600を交換する。
ノズル既収納ストッカ確認ルーチンのS12において、指示されたノズルストッカの個別識別情報と、実際に取り付けられたノズルストッカの個別識別情報とが一致しなければ、S13が実行され、ストッカ相違情報が作成される。次いでS14が前記S31と同様に実行され、ロック解除情報が作成されており、機外でシャッタ622が開かれた可能性があるのであれば、S14の判定結果がYESになり、S15ないしS19,S21が前記S32ないしS36,S38と同様に実行され、二次元コード406の撮像により、ノズル情報の読取りが行われる。それにより、例えば、指示されたノズルストッカ600とは異なるノズルストッカが装着モジュールに取り付けられていても、そのノズルストッカに収納されている吸着ノズルを確認した結果、装着作業の実施が可能であれば、作業時間が演算されるようにされる。実施が不可能であれば、その旨が報知される。
指示されたノズルストッカ600とは異なるノズルストッカが取り付けられているが、シャッタが開かれた可能性がないのであれば、S14の判定結果がNOになってS22が実行され、ノズル情報が取得される。ここでは、ストッカ個別識別情報およびストッカ/ノズル情報メモリに記憶されたストッカ/ノズル情報に基づいて、ストッカ個別識別情報に対応付けて記憶されたストッカノズル収納情報がストッカ/ノズル情報メモリから読み出される。そして、S19が実行され、読み出されたノズル情報に基づいて装着作業が実施可能であるか否かが判定される。
ホストコンピュータ1250では、作業時間演算用データが送信されれば、作業時間の演算を行い、演算結果を装着制御コンピュータ1210へ送信する。装着制御コンピュータ1210では、図45に示す所要作業時間判定ルーチンが実行されている。このルーチンのS61においては、作業時間の演算が終了したか否かが判定される。ホストコンピュータ1250から演算された作業時間が送信されて来たか否かが判定されるのであり、送信されて来ていなければ、S61の判定結果はNOになってルーチンの実行は終了する。
作業時間の演算が終了し、装着制御コンピュータ1210に送信されれば、S61の判定結果がYESになってS62が実行され、所要作業時間が過大であるか否かが判定される。この判定は、所要作業時間が設定作業時間を超えるか否かにより行われ、設定作業時間以下であれば、S62の判定結果はNOになってS63が実行され、装着作業の実行を許可するデータが作成される。それにより装着モジュールにおいては、配線板30への回路部品25の装着を開始することができる。
所要作業時間が設定作業時間を超えるのであれば、S62の判定結果がYESになってS64が実行され、その旨を表す作業時間過大情報が表示画面1236に表示され、作業者に報知される。ノズルストッカが指示されたものとは違うこと,実際に取り付けられているノズルストッカの種類,個別識別情報,実際に指示されたノズルストッカの種類,個別識別情報等が報知される。作業者は、この報知に従って、例えば、ノズルストッカ600を別のノズルストッカ600に交換する等、適宜の処理を行う。
ノズル保持ヘッド40が回路部品25の配線板30への装着を行う場合、部品供給装置24から回路部品25を受け取ったが、立った姿勢で受け取ったりした場合、回路部品25は部品収容装置1070に捨てられ、配線板30に装着されない。本部品収容装置1070には、収容凹部1076に設けられた位置決め溝1078に作業者によって仕切り板1080が嵌合されることにより、少なくとも、装着モジュール12,13において配線板30に装着される回路部品25の種類と同数の収容室1072が設けられている。仕切り板1080の嵌め入れ作業は、前述のように、例えば、ホストコンピュータ1250による指示に基づいて作業者により為され、回路部品25の大きさや、装着数等に応じた複数種類の大きさの収容室1072が必要数設けられる。また、仕切り板1080の嵌め入れ作業時におけるマーク1084の読取りにより、収容室1072の配置等に関する情報が得られている。
部品収容装置1070は、装着モジュール12,13の複数の取付部610のうちの一つに、ノズルストッカ600等と同様に取り付けられている。ストッカ位置決め装置766により位置決めされた状態でストッカ固定装置768によってストッカ保持台764に固定され、支持部材820等によって下方から支持されているのである。部品収容装置1070が取付部610に取り付けられたならば、マーク撮像装置178が移動させられ、二次元コード1082が撮像されて部品収容装置情報が取得される。また、マーク撮像装置178により、仕切り板1080に設けられたマーク1084が撮像され、仕切り板1080の位置が取得され、収容室1072の大きさ,配置等の収容室情報が取得される。位置決め溝1078は収容凹部1076の長手方向において等ピッチで設けられており、マーク撮像装置178は、位置決め溝形成ピッチに等しい距離ずつ移動させられてマークの撮像を行う。この収容室情報は、装着モジュールに取り付けられた状態における部品収容装置1070の実際の収容室についての情報であり、部品収容装置情報と対応付けて装着制御コンピュータ1210のRAM1216に記憶させられる。
部品収容装置情報には、部品収容装置1070が、部品収容装置であることを表す情報が含まれており、取得された部品収容装置情報に基づいて取付部610に部品収容装置1070が取り付けられているか否かが確認される。また、仕切り板1080の嵌め入れ時に部品収容装置1070の個別識別情報と対応付けてホストコンピュータ1250に記憶されている収容室情報が部品収容装置1070の個別識別情報に基づいて読み込まれ、部品収容装置1070の装着モジュールへの取付け後に取得された収容室情報と比較される。実際の収容室情報が記憶されている情報と不一致であり、収容室1072の数,大きさ,配置等が不適切であれば、その旨が表示され、報知される。この報知に従って作業者は仕切り板1080を嵌め入れ直す。それにより、仕切り板1080が一旦、取り付けられた後、取付け位置が変更されることがあっても、部品収容装置1070について予め設定された収容室1072が得られる。
部品供給装置24から取り出された回路部品25が部品撮像装置50により撮像され、その結果、配線板30に装着されず、部品収容装置1070に捨てると判定された場合には、ノズル保持ヘッド40は部品収容装置1070へ移動させられ、その回路部品25の種類に応じた収容室1072に廃棄回路部品25を入れる。先に取得された収容室情報に基づいて収容室1072毎に収容する回路部品25が設定される。また、収容室毎に収容された回路部品25の数がカウントされ、その種類,収容室1072を特定するデータ(例えば、部品収容装置1070における位置)と共に記憶される。これらデータはホストコンピュータ1250へ送られ、部品収容装置1070の個別識別情報と対応付けて部品収容装置情報メモリに記憶される。
装着作業の終了後、段取替え時に部品収容装置1070も変えるのであれば、作業者は回路部品25が収容された部品収容装置1070を装着モジュール12,13から取り外す。そして、収容室1072に収容された回路部品25を取り出し、再使用し得る回路部品25は選んで使用するようにする。この際、例えば、作業者が廃棄部品25の処理を行う部品収容装置1070の個別識別情報を入力すれば、ホストコンピュータ1250により制御される表示画面に部品収容装置1070の個別識別情報,収容室情報,収容された回路部品25の種類,数等が表示され、作業者はその表示を見て作業を容易に行うことができる。例えば、複数の収容室1072のいずれに回路部品25が収容されているか否かがわかり、収容されている回路部品25の処理を迅速に行うことができるのである。
なお、部品収容装置が仕切り板が取り外し不可能なものであり、収容室の大きさ,数,配置等が部品収容装置に固有である場合には、例えば、部品収容装置情報として、個別識別情報と共に収容室情報を記憶し、二次元コードの読取りによってそれら情報を取得し、回路部品の廃棄に利用するようにすることができる。あるいは収容室情報は装置の個別識別情報と対応付けてホストコンピュータに記憶させ、二次元コードには収容室情報は記憶させず、部品収容装置情報の読取りにより得られる個別識別情報から収容室情報が得られるようにしてもよい。
ノズル保持ヘッド40が部品供給装置24から受け取った回路部品25を配線板30に装着する前に回路部品25の電気特性を検出するのであれば、前記部品電気特性測定装置1030が取付部610に取り付けられる。装着モジュール12,13にそれぞれ複数設けられた取付部610のいずれかに取り付けられるのであるが、ノズル保持ヘッド40の移動距離ができるだけ少なくて済む取付部610に取り付けられることが望ましい。この取付けは、ノズルストッカ600等の取付部610への取付けと同様に行われる。
部品電気特性測定装置1030の取付け後、それに設けられた二次元コードおよび基準マークがマーク撮像装置178によって撮像され、部品電気特性測定装置情報および取付位置誤差が取得される。また、部品電気特性測定装置情報に基づいて、取付部610に取り付けられた装置が部品電気特性測定装置130であるか否か、また、特定の部品電気特定測定装置130の取付けが指示されていれば、その装置130が実際に取り付けられているか否かを確認し、間違った装置あるいは別の部品電気特性測定装置130が取り付けられているのであれば、その旨を表示し、交換したりすることができる。
ノズル保持ヘッド40は、部品供給装置24から回路部品25を取り出した後、部品撮像装置50による撮像に先立って、あるいは撮像後に部品電気特性測定装置1030へ移動させられ、回路部品25の電気特性が測定される。ノズル保持ヘッド40の移動位置は、部品電気特性測定装置1030の取付位置誤差がなくなるように修正され、回路部品25は一対のプローブ1036の間に精度良く位置させられ、電気特性が測定される。その測定結果に基づいて、例えば、回路部品25の良否,種類の適否が判定され、回路部品25が不良部品であったり、種類が間違っていたりした場合には、その回路部品25は部品収容装置1070に収容され、配線板30に装着されない。
回路部品25の種類が間違っていた場合、その回路部品25を供給したフィーダ26が、例えば、フィーダパレットにおける搭載位置によって記憶され、表示画面1236に表示され、作業者に報知される。部品装着プログラムにおいて設定されたフィーダ26から回路部品25を受け取ったにもかかわらず、種類が間違っていた場合には、例えば、フィーダ26により保持された回路部品25の種類が間違っていることが考えられる。フィーダ26における回路部品25の補給が、例えば、電子回路部品テーピングのスプライシングにより行われ、現に回路部品25を供給している電子回路部品テーピングの末端に、新しい電子回路部品テーピングの先端を接続することにより回路部品25が補給されるのであれば、その接続された新しい電子回路部品テーピングが間違っていると推定され、フィーダ26を調べ、間違っていれば、フィーダ26を交換したり、スプライシングをやり直す等、適宜の処理を行い、間違った種類の回路部品25が配線板30に装着されることが回避されるようにされる。
回路部品25の電気特性の測定結果は、例えば、回路部品25の種類,回路部品25を供給したフィーダ26を特定するデータ等と共に、装着制御コンピュータ1210のRAM1216に、部品電気特性測定装置情報と対応付けて記憶される。部品電気特性測定装置1030の測定履歴情報が作成されるのである。装置情報には、部品電気特性測定装置1030を個別に識別する情報が含まれているため、部品電気特性測定装置1030がいずれの装着モジュール12,13に取り付けられても、個々の部品電気特性測定装置130について測定履歴を作成することができる。それにより、例えば、特定の部品電気特性測定装置1030について測定結果の異常が多く生じている場合、その装置1030に何らかの異常が生じていると推定することができる。また、特定の回路部品25について測定結果の異常が多く生じている場合、回路部品25に異常があると推定することもできる。
配線板30に装着される回路部品25が半田バンプを有するものであり、フラックスを塗布する場合には、複数の取付部610の一つにディップ式フラックス塗布装置1050が取り付けられる。この取付けはノズルストッカ600等の取付けと同様に行われ、取付け後、二次元コード1066が撮像され、フラックス塗布装置情報が取得される。それによりフラックス塗布装置1050が有するフラックス収容凹部1054等の大きさ,配置等に関する情報,個別識別情報が得られ、取付部610にフラックス塗布装置1050が取り付けられているか否かを確認することができる。ノズル保持ヘッド40は、部品供給装置24から回路部品25を受け取った後、3つのフラックス収容凹部1054,1056,1058のうち、保持した回路部品25に適したフラックス収容凹部へ移動させられ、下降させられて半田バンプにフラックスを塗布させる。
さらに、3つのフラックス収容凹部1054,1056,1058の各々について半田バンプへのフラックス塗布回数が記憶され、塗布装置個別識別情報およびフラックス収容凹部の種類と対応付けて、装着制御コンピュータ1210およびホストコンピュータ1250の各メモリに記憶される。それにより、フラックス塗布装置1050が異なる複数の装着モジュールにおいて使用されたり、あるいは同じ装着モジュールにおいて使用されるが、使用時期が連続していなくても、3つのフラックス収容凹部1054,1056,1058の各々についてフラックス塗布回数を総合して得ることができ、例えば、フラックスの残量を推定し、残量が設定量より少なくなったフラックス収容凹部が生じた場合には、フラックスの補給を指示したり、そのフラックス収容凹部を有するフラックス塗布装置1050の使用を禁止したり、交換を指示したりすることができる。これら補給,交換の指示や使用の禁止は、塗布装置個別識別情報を利用して行い、補給等が必要なフラックス塗布装置を特定することができる。また、装着モジュールにおいて使用されるフラックス塗布装置を個別識別情報で指示することができる。
装着モジュール12,13のうちのいずれか、例えば、配線板搬送方向において最上流に位置する装着モジュールにおいて、ノズル保持ヘッド40に替わって接着剤塗布ヘッド1100を取り付け、接着剤塗布モジュールとして機能させる場合を説明する。この場合、複数の取付部610のうちの一つに試し打ち装置1120を取り付ける。この取付けはノズルストッカ600等の取付けと同様に行われ、取付け後、マーク撮像装置178に二次元コード1126を撮像させ、試し打ち装置情報を読み取らせる。それにより、例えば、取付部610に試し打ち装置1120が取り付けられているか否かを確認することができる。
接着剤塗布ヘッド1100が配線板30に接着剤を塗布する前に、試し打ち面1124に捨て打ちおよび試し打ちが行われる。試し打ち面1124には、捨て打ち位置等が予め設定されており、接着剤塗布ヘッド1100は、捨て打ちおよび試し打ちをそれぞれ予め設定された回数ずつ行う。試し打ち面1124について行われた捨て打ち等の回数はカウントされ、試し打ち装置個別識別情報と対応付けて記憶される。そして、回数が設定数以上になったならば、試し打ち面1124の清掃の実行が作業者に指示される。この指示は、試し打ち装置個別識別情報によって指示してもよく、試し打ち装置1120が取付部610に取り付けられているのであれば、装着モジュールによって指示してもよく、両方によって指示してもよい。
なお、吸着ノズル158等には個別識別情報が設定されており、必要に応じて個別識別情報を利用し、例えば、個別識別情報により、ノズルストッカ600等に収納する吸着ノズル158等を指示したり、あるいは使用不可能な不良な吸着ノズル158等を報知したりしてもよい。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、マーク撮像装置178がストッカ情報読取装置,ストッカ個別識別情報読取装置,ノズル情報読取装置を構成している。また、照明装置192が紫外線照射装置を構成し、CCDカメラ190が可視光検出装置を構成し、蛍光層634,734と共にノズル有無検出装置を構成している。基準マーク撮像装置178はまた、ストッカ基準マーク撮像装置でもあり、装着制御装置1200の基準マーク撮像装置178によるストッカ基準マーク698,738の撮像結果に基づいて、ノズルストッカ600等の位置を取得する部分がストッカ位置取得部を構成している。ノズル有無検出装置もノズル情報読取装置も共にマーク撮像装置178による撮像を利用し、その構成の一部を共通としているが、ノズル有無検出装置が蛍光層634,734を備えるとともに、検出時および読取時における照明光の色が異ならされており、ノズル情報読取装置とはノズル有無検出装置とは別に設けられている。
装着制御装置1200のノズル保持ヘッド40の種類に応じて保持装置昇降装置762を制御する部分がストッカ高さ制御部を構成し、保持装置昇降装置762と共にストッカ高さ変更装置を構成している。また、ロック装置710がノズル取出阻止装置としての手動取出阻止装置および機外ノズル取出阻止装置を構成している。さらに、装着制御装置120のS11を実行する部分およびマーク撮像装置178がストッカ情報取得装置を構成し、S38を実行する部分が支障情報作成部としての装着作業実施不可情報作成部を構成している。ホストコンピュータ1250の作業所要時間を演算する部分が所要時間演算部を構成し、装着制御装置1200のS64を実行する部分が所要時間過大表示部を構成し、これらも支障情報作成部を構成している。さらに、装着制御装置1200のS22を実行する部分がノズル種類情報取得部を構成している。
また、ホストコンピュータ1250の、ロック解除制御コンピュータ1010からの情報伝送に基づいてロック解除情報をロック解除情報メモリに記憶させる部分がノズル取出可能性検出装置の一種であり、ノズルストッカ600等からの吸着ノズル158等の取出しに伴って必ず行われる操作ないし動作を検出して、吸着ノズル158等が取り出された可能性を検出するノズル取出時付随動作検出装置の一種であるシャッタロック解除検出装置を構成している。
さらに、装着制御装置1200のS15,S22,S31,S32を実行する部分、これらとは別にストッカ個別識別情報およびストッカ/ノズル情報に基づいてノズル情報を取得する部分がノズル種類情報取得部を構成し、S13を実行する部分がストッカ相違情報作成部を構成し、S15,S22を実行する部分がノズル情報取得装置を構成している。
上記実施形態においては、ロック装置710およびロック解除装置1000が設けられ、作業者によるノズルストッカからの吸着ノズルの取出しが阻止され、ロック解除装置1000を用いれば、ロックを解除して吸着ノズルをノズルストッカから取り出すことができるようにされるとともに、ロック解除装置1000によるシャッタ622等のロックが解除されたか否かにより、ノズルストッカ600等から吸着ノズル158等が取り出された可能性の有無が検出されるようにされていたが、ノズル取出しの可能性の有無は、シャッタ開閉の有無に基づいて検出されるようにしてもよい。その実施形態を図46ないし図48に基づいて説明する。
本実施形態の電子回路部品装着機においては、図46に示すように、ノズルストッカ1500に電子タグの一種であるタグチップ1502が設けられ、ストッカ情報記録部を構成している。タグチップ1502は、図47に示すように、メモリ1510と無線通信用の通信回路1512とそれらを接続するロジック回路1514とを主体として構成されている。タグチップ1502はアンテナを備え、情報取得装置の一種である情報受信・書込装置としてのリーダ/ライタ1520に、無線通信により、メモリ1510に記録された情報を伝達し、または受信した情報をメモリ1510に記録することができる。本実施形態においては、タグチップ1502は情報の読取りおよび書込みが可能なものとされているのであり、情報の伝送方式は、例えば、電磁誘導方式とされている。
タグチップ1502のメモリ1510には、ストッカ情報が記録されている。ストッカ情報は、例えば、ノズルストッカを個別に識別する情報であるストッカ個別識別情報,ノズルストッカの種類を識別するストッカ種類情報を含む。また、ノズル収納穴624の位置等、前記実施形態においてノズルストッカの種類と対応付けてホストコンピュータに記憶されていた情報も、ホストコンピュータに記憶させておいてもよいが、タグチップに記録されている。
タグチップ1502は、本実施形態においては、圧力センサ1524を内蔵するものとされている。ノズルストッカ1500は、例えば、前記ノズルストッカ600と同様に構成されており、タグチップ1502はノズル収納台1526に設けられた凹部1527(図48参照)に埋設されている。シャッタ1528には、図46および図48に示すように、開口1529が設けられ、図48(a)に示すように、シャッタ1528がノズル取出阻止位置に位置する状態においてタグチップ1502が開口1529内に位置し、リーダ/ライタ1520によって情報が読み取られる。
シャッタ1528にはまた、別の開口1530が設けられるとともに、シャッタ1528に設けられた加圧子ないし接触子1532が開口1530内に嵌入させられている。接触子1532は、本実施形態においては、弾性部材の一種である板ばねにより作られ、長手方向の一端部がシャッタ1528の上面に固定され、他端部がノズル収納台1526側へ凸に湾曲させられ、開口1530内に嵌入させられ、ノズル収納台1526に接触させられている。
図46および図48(a)に示すように、シャッタ1528がノズル取出阻止位置に位置する状態では、接触子1532がタグチップ1502から外れてノズル収納台1526の上面に弾性的に接触させられ、図48(b)に示すように、シャッタ1528がノズル取出許容位置に位置する状態では、接触子1532がタグチップ1502上に至り、タグチップ1502を押す。それにより圧力センサ1524により検出される圧力が高くなって設定値を超え、シャッタ1528がノズル取出許容位置へ移動させられたことが検出され、メモリ1510にその旨が記憶される。シャッタ1528がノズル取出許容位置へ移動させられても、吸着ノズル158の取出し,交換等が行われるとは限らないが、その可能性があることが記憶されるのである。
リーダ/ライタ1520は、前記ノズル保持ヘッド40を移動させるヘッド移動装置の第2Xスライドにノズル保持ヘッド40およびマーク撮像装置178と共に設けられ、水平面内の任意の位置へ移動させられる。リーダ/ライタ1520が読み取った情報は、装着制御コンピュータ1210に入力される。
ノズルストッカ1500が装着モジュールに取り付けられたならば、リーダ/ライタ1520が移動させられて、タグチップ1502と交信を行い、メモリ1510に記憶された情報を受信する。そして、前記ノズル既収納ストッカ確認ルーチンが実行されるが、収納ノズル確認ルーチンが実行されるならば、S31における機外でシャッタが開かれたか否かの判定がタグチップ1502に記憶された情報に基づいて行われ、シャッタ1528が開かれたことが記憶されているのであれば、S31の判定結果がYESになってS32以下のステップが実行される。S14の判定も、メモリ1510に記憶された情報に基づいて行われる。
一連の装着作業が終了し、ノズルストッカ1500が装着モジュールから取り外されるとき、タグチップ1500のメモリ1510に記憶させられたシャッタ開情報が消去される。ノズルストッカ1500の装着モジュールへの取付け時にメモリ1510にシャッタ1528が開かれたことが記憶されていた場合は勿論、記憶されていなかったが、装着作業中の吸着ノズル158の授受のためにシャッタ1528が開閉させられ、シャッタ1528が開かれたことが検出されるが、その場合にもシャッタ開情報がメモリ1510に残らないようにされるのであり、ノズル既収納ストッカ確認ルーチンにおいて使用されるシャッタ1528の開閉の有無に関する情報は、ノズルストッカ1500が機外にある状態でのシャッタ1528の開閉の有無に関する情報であることとなる。
ノズルストッカ1500自体においてシャッタ1528の開閉が検出され、作業者による吸着ノズルの取出しの可能性が検出されて記憶されるようにされているため、前記実施形態におけるように、ロック解除装置によるシャッタのロック解除を記憶しなくてよい。したがって、ロック装置およびロック解除装置を設けなくてもよいが、設けてもよい。但し、この場合、ロック解除情報を作成することは不可欠ではない。
本実施形態においては、圧力センサ1524がノズル取出可能性検出装置としてのシャッタ開閉検出装置を構成している。
なお、本実施形態においては、吸着ノズルについてもタグチップが設けられ、ノズル情報記録部を構成している。このタグチップは、情報の読み取りおよび書込みが可能なタグチップとされており、リーダ/ライタ1520によって情報が読み取られ、書き込まれる。したがって、例えば、装着中に得られた吸着ノズルに関する情報、例えば、部品装着回数,エラー回数等を記憶させることができる。しかし、吸着ノズルには、ノズル情報記録部として二次元コードを設けてもよい。ノズルストッカにおける吸着ノズルの収納ピッチが小さい場合、吸着ノズルについてタグチップを設けるのであれば、メモリに記録された情報をリーダ/ライタが受信する際に情報を取得する吸着ノズルに隣接する吸着ノズルのタグチップとは通信を行わない情報伝送方式が採用され、最大交信距離が短い電磁誘導方式や、更に短い静電結合方式が採用される。
図49に示すように、タグチップ1550を近接センサ1552を内蔵するものとすれば、非接触でノズルストッカ1554のシャッタ1556が開かれたことを検出することができる。タグチップ1550は、図50に示すように、ノズル収納台1558に設けられた凹部1560に埋設され、シャッタ1556には開口1562が設けられている。
シャッタ1556がノズル取出阻止位置に位置する状態では、図50(a)に示すように、開口1562がタグチップ1550上に位置し、タグチップ1550に記憶させられたストッカ情報がリーダ/ライタ1520により読み取られる。シャッタ1556がノズル取出許容位置に位置する状態では、図50(b)に示すように、開口1562がタグチップ1550から外れ、タグチップ1550はシャッタ1556の開口1562が設けられていない部分によって覆われる。
したがって、近接センサ1552は、シャッタ1556がノズル取出阻止位置に位置する状態ではシャッタ1556を検出せず、ノズル取出許容位置に位置する状態ではシャッタ1556を検出する。シャッタのノズル取出阻止位置への移動と、ノズル取出許容位置への移動とが近接センサ1552によって検出されるのであり、シャッタ1556が開かれた場合、その情報がメモリ1510に記憶される。
なお、タグチップに入力端子を設けてセンサを接続するようにし、例えば、シャッタの開閉を検出する検出装置の信号が入力されてシャッタの開閉情報が記憶されるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、空のノズルストッカへの吸着ノズルの収容や機外でのノズルストッカにおける吸着ノズルの交換等が作業者によって行うことができるようにされていたが、不可欠ではなく、すべて自動で行われるようにしてもよい。この場合、作業者によって任意に吸着ノズルの収納状態が変更されることがなく、自動収納,交換等がすべて装置自体によって把握され、それによってストッカ/ノズル情報が得られるため、ストッカ個別識別情報が得られれば、ノズルストッカに収納されている吸着ノズル情報の読取りを行わなくても、ストッカ/ノズル情報からストッカノズル収納情報を得ることができる。これは、必要であれば、ノズルストッカに収納された吸着ノズルの情報の読取りを行うことを排除するものではない。
さらに、吸着ノズルの情報記録部は、少なくともシャッタがノズル取出許容位置に位置する状態で情報の読取りを行うことができる位置に設けられていればよく、シャッタがノズル取出阻止位置に位置する状態でも読取り可能な位置に設けることは不可欠ではない。
また、ノズル搬送部材は、複数種類のノズル保持ヘッドとの間において吸着ノズルの授受を行うことができるものとしてもよい。例えば、1つのノズル搬送部材においてノズル収納部材の厚さを複数種類に異ならせ、ノズル保持ヘッドの種類に応じた厚さを有する収納部に、そのノズル保持ヘッドが保持する吸着ノズルを収納し、吸着ノズルの授受を行う際の上下方向の位置が異なる複数種類のノズル保持ヘッドとの間において吸着ノズルの授受を行うことができるようにするのである。
さらに、ノズル保持ヘッドの種類が異なっても、ノズル保持ヘッドとの間における吸着ノズルの授受が同じ高さで行われるのであれば、1つのノズル搬送部材においてノズル収納部材の厚さを複数種類に異ならせることなく、複数種類のノズル保持ヘッドに保持させる吸着ノズルを収納させることが可能である。この際、ノズル収納穴は、吸着ノズルの種類に応じた形状,寸法とする。シャッタは、ノズルストッカ600,602について説明したように、吸着ノズルの種類に応じて吸着ノズルの離脱を防止する際の吸着ノズルに対する相対位置が異ならされ、異なる種類のシャッタを共通のシャッタ移動装置によって移動させることにより、シャッタをノズル取出許容位置とノズル取出阻止位置とに移動させるようにされている。吸着ノズルの種類が異なってもシャッタの移動距離は共通にされているのであり、1つのノズル収納部材に異なる種類の吸着ノズルを収納しても、それらを同じシャッタにより覆い、シャッタの同じ距離の移動により、いずれの種類の吸着ノズルについても取出しを許容し、あるいは阻止することができる。
さらに、空のノズルストッカにノズル保持ヘッドにより吸着ノズルを収納する際、ノズル収納穴における吸着ノズルの有無を検出するようにしてもよい。ノズル収納穴が空であれば吸着ノズルを収納し、空でなければ、例えば、収納順を1つずつずらして、次に収納が予定されているノズル収納穴に吸着ノズルを収納する。あるいはノズルストッカの全部のノズル収納穴に吸着ノズルが収納されるのでなく、予備の空のノズル収納穴があるのであれば、そのノズル収納穴に収納してもよい。この場合、空のはずのノズル収納穴に吸着ノズルが収納されていることを報知装置によって報知してもよく、収納されている吸着ノズルの二次元コードに記録されたノズル情報を情報取得装置により取得し、装着に使用できるのであれば、使用するようにしてもよい。
また、ストッカ昇降装置は、電動モータの一種である電動回転モータ、例えば、エンコーダ付サーボモータを駆動源とする装置とし、例えば、その回転をねじ軸およびナットを含む運動変換装置によりノズルストッカの昇降運動に変換し、ノズルストッカを上下方向において任意の位置へ移動させ、昇降させる装置としてもよい。
さらに、ノズルストッカをストッカ保持装置に保持させ、第一位置に位置する状態において、ノズル収納台の上面がちょうど回路基板の部品装着面と同じ高さに位置するのであれば、その上面に二次元コードやストッカ基準マークを設けて第一位置を撮像位置とするようにしてもよい。
また、ストッカ基準マークの撮像に基づいてノズルストッカの回転位置誤差を取得し、ノズル収納時、受取り時に修正するようにしてもよい。
さらに、ストッカ情報記録部を構成する二次元コードや電子タグにストッカ基準マークを兼ねさせるようにしてもよい。
また、ノズルストッカのシャッタに二次元コード等、情報記録部を設けてもよい。
また、前記実施形態においては、配線板基準マークを撮像するマーク撮像装置178が二次元コード406等を撮像して情報を読み取る情報読取装置を兼ねていたが、専用の情報読取装置を設けてもよい。この情報読取装置は、ノズル保持ヘッド移動装置によって移動させてもよく、専用の移動装置によって移動させてもよい。
さらに、電子回路部品装着機は、ノズル保持ヘッドが保持ヘッド移動装置によってXY座標面内の任意の位置へ移動させられる所謂XYロボット型の電子回路部品装着機に限らず、別の形態の電子回路部品装着機、例えば、インデックステーブル型(あるいはロータリ型ともいう)等、ヘッド旋回型の電子回路部品装着機でもよい。インデックステーブル型の電子回路部品装着機は、回転体と、回転体を回転させる回転体回転装置とを含み、回転体の回転により、回転体に保持された複数のノズル保持ヘッドがそれぞれ保持する少なくとも1つの吸着ノズルの1つが順次、複数の停止位置へ移動させられ、部品受取位置において部品供給装置から電子回路部品を受け取り、部品装着位置において回路基板に電子回路部品を装着するものである。この際、基板保持装置は、基板保持装置移動装置により移動させられて、回路基板の部品装着箇所が、部品装着位置に位置決めされた吸着ノズルに対応する位置に位置決めされる。回転体および回転体回転装置がヘッド旋回装置を構成し、基板保持装置移動装置と共に、ノズル保持ヘッドと基板保持装置とを相対移動させる相対移動装置を構成する。ヘッド旋回型の電子回路部品装着機にはまた、複数のノズル保持ヘッドがそれぞれ、共通の旋回軸線のまわりに互いに独立に回動可能な複数の回動部材にそれぞれ設けられたものがある。複数の回動部材には、それぞれ上記旋回軸線のまわりに一周するとともに、その一周の間に1回以上の停止を含み、かつ互いに一定時間差を有する回動運動が回動運動付与装置により付与される。ヘッド旋回型の電子回路部品装着機においては、部品供給装置は、例えば、X軸方向に並んで設けられた複数個のフィーダと、それらフィーダをX軸方向に移動させる相対移動装置としてのフィーダ移動装置とを含んで構成される。複数のノズル保持ヘッドおよびヘッド旋回装置が更に、移動装置によって回路基板の表面に平行な平面内の任意の位置へ移動させられ、回路基板保持装置および部品供給装置は位置を固定して設けられるようにしてもよい。
また、電子回路部品装着機は、ノズル保持ヘッドが保持ヘッド移動装置により、回路基板の表面に平行な平面内において直交する2方向の一方と平行な方向に移動させられる装置としてもよい。この場合、回路基板保持装置は保持装置移動装置により、回路基板の表面に平行な平面内においてノズル保持ヘッドの移動方向と直交する方向へ移動させられるようにされる。これら保持ヘッド移動装置および保持装置移動装置は、ノズル保持ヘッドと基板保持装置とを相対移動させる相対移動装置を構成する。部品供給装置は、部品供給装置移動装置によって、保持装置移動装置と同様に移動させるようにしてもよく、あるいは部品供給部が、ノズル保持ヘッドの移動軌跡上に位置する状態で位置を固定して設けてもよい。
さらに、本発明は、モジュール化された複数の電子回路部品装着機に限らず、モジュール化されていない電子回路部品装着機であって、XYロボット型,ヘッド旋回型等、各種電子回路部品装着機にも適用することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。