JP4694733B2 - 電気部品装着システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気部品装着システムに関するものであり、特に、吸着ノズルにより電気部品(電子部品を含む)を吸着して回路基板に装着する電気部品装着システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の電気部品装着システムにおいて吸着ノズルは、電気部品の吸着および回路基板への装着を繰り返し実行する。そのため、吸着ノズルが摩耗したり、曲がったり、あるいは折れたりして使用不可能となることがある。
【0003】
そのため、従来は、吸着ノズルが使用不可能になった場合には、その吸着ノズルと別の吸着ノズルとを交替させるようにされている。例えば、特開平6−342998号公報に記載の電気部品装着システムにおいては、それぞれ複数の吸着ノズルを保持する複数の装着ヘッドが一軸線まわりに旋回させられて複数の停止位置に順次停止させられ、装着ヘッドが保持する複数の吸着ノズルのうち、作用位置に位置させられた吸着ノズルが、停止位置の一つである部品受取位置において部品供給装置から電気部品を受け取り、部品装着位置において回路基板に装着するようにされており、この電気部品装着システムにおいては、吸着ノズルが使用不可能になった場合には、その吸着ノズルに代わって、別の装着ヘッドに保持されている同種の吸着ノズルであって、使用不可能になっていない吸着ノズルが電気部品を保持するようにされる。
また、特開2000−244193公報に記載の電気部品装着システムにおいては、多数の吸着ノズルを収容するノズル収容装置が設けられ、ノズルホルダに保持されている吸着ノズルが使用不可能になった場合には、その吸着ノズルと、ノズル収容装置に収容された同種の吸着ノズルであって、使用不可能になっていない吸着ノズルとが交換され、電気部品を吸着するようにされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
しかしながら、特開平6−342998号公報に記載の電気部品装着システムにおいては、使用不可能になった吸着ノズルと同種の吸着ノズルを保持する装着ヘッドが別になければ、電気部品装着システムの作動を停止して吸着ノズルの交換を行わなければならず、交換作業の頻度が大きく、装着能率低下の一因となる。使用不可能になった吸着ノズルと同種の吸着ノズルを保持する装着ヘッドが別にあっても、使用不可能になった吸着ノズルを保持する装着ヘッドと、その吸着ノズルに代わって電気部品の吸着を行う吸着ノズルを保持する装着ヘッドとのヘッド旋回方向における位置が離れていれば、それら装着ヘッドの間に位置し、電気部品の装着を行わない装着ヘッドの数が多くなり、装着能率が低下する等の不都合が生ずる。
特開2000−244193号公報に記載の電気部品装着システムにおいては、ノズル収容装置に収容されている同種の吸着ノズルの全部が装着に使われて使用不可能になれば、装着を停止して吸着ノズルを交換せざるを得ず、やはり装着能率低下の一因となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
本発明は、以上の事情を背景とし、使用不可能な吸着ノズルが生じても装着能率の低下が少なくて済むようにすることを課題としてなされたものであり、本発明によって、それぞれ吸着ノズルを保持する複数のノズルホルダを備え、それら複数のノズルホルダの任意のものを電気部品の吸着が可能な作用位置へ位置させ得る装着ヘッドを有し、それらノズルホルダに保持された吸着ノズルの中から装着すべき複数の電気部品の各々に適したものを自動的に選択し、その選択した吸着ノズルにより各電気部品を吸着して、回路基板に装着する電気部品装着システムであって、(a)1種類以上の電気部品について、各1種類の電気部品の吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズルを、電気部品の各種類と対応付けて記憶する使用可能ノズル記憶手段と、(b)前記装着ヘッドの前記複数のノズルホルダに実際に保持されている複数種類の前記吸着ノズルの種類を、前記複数のノズルホルダの各々に対応付けて記憶する保持吸着ノズル記憶手段と、(c)前記装着ヘッドに実際に保持されている前記複数種類の吸着ノズルの中に異常により使用が不可能となった吸着ノズルである異常ノズルが生じた場合に、前記使用可能ノズル記憶手段と前記保持吸着ノズル記憶手段とに記憶された情報に基づいて、前記装着ヘッドに保持されている前記複数種類の吸着ノズルの中から、前記異常ノズルとは異なる種類の吸着ノズルではあるが同じ種類の電気部品を吸着可能な吸着ノズルを代替ノズルとして選択し、前記作用位置に位置させるノズル選択手段とを含むことを特徴とする電気部品装着システムが得られる。
また、本発明によって、下記各態様の電気部品装着システム,電気回路組立方法,電気回路組立用プログラムが得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
【0006】
なお、以下の各項の中には、補正によって特許請求の範囲に記載の発明でも、それの下位概念の発明でもなくなったもものあるが、特許請求の範囲に記載の発明を理解する上で有用な記載を含んでいるため、そのまま残すこととする。
【0007】
(1)複数のノズル保持部を有し、それらノズル保持部に保持された吸着ノズルの中から装着すべき複数の電気部品の各々に適したものを自動的に選択し、その選択した吸着ノズルにより各電気部品を吸着して、回路基板に装着する電気部品装着システムであって、
少なくとも1種類の電気部品について、その電気部品の吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズルを、その電気部品と対応付けて記憶する使用可能ノズル記憶手段と、
その使用可能ノズル記憶手段に記憶された複数種類の吸着ノズルから、電気部品の吸着に使用するものを選択するノズル選択手段と
を含む電気部品装着システム。
ノズル選択手段は、例えば、複数種類の使用可能ノズルの中から次に使用すべき吸着ノズルを予め定められた規則に基づいて選択する手段でもよく、特定の吸着ノズルが使用不可能になった場合に、その吸着ノズルの次に選択されるべき吸着ノズルあるいはノズル保持部が予め定められて記憶手段に記憶されており、その記憶手段の情報に従って順次吸着ノズルを選択するものでもよい。前者は選択規則記憶手段を含み、後者は選択順序記憶手段を含むと考えることもできる。
吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズルが対応付けて記憶される電気部品は、回路基板に装着される全部の電気部品でもよく、一部でもよい。回路基板に装着される電気部品の種類が1種類であれば、その電気部品について複数種類の吸着ノズルが対応付けて記憶されることとなる。
本項の電気部品装着システムにおいては、1種類の電気部品の吸着に使用される吸着ノズルが1種類に限定されず、1種類の電気部品が複数種類の吸着ノズルによって選択的に吸着される。そのため、例えば、現に電気部品の吸着に使用されている吸着ノズルが使用不可能になれば、その電気部品の吸着に使用可能な吸着ノズルとして記憶されている別の種類の吸着ノズルが使用され、1種類の吸着ノズルが使用不可能になっても電気部品の装着を続けることができ、装着能率の低下が抑制される。
あるいは吸着ノズルが使用不可能にならなくても、電気部品の吸着に複数の吸着ノズルが選択的に使用されるようにすることもできる。例えば、前記特開平6−342998号公報に記載の電気部品装着システムにおけるように、複数の装着ヘッドが順次、部品受取位置へ到達して吸着ノズルが電気部品を受け取る場合、部品受取位置へ到達した装着ヘッドが備えている吸着ノズルのうちに、供給される電気部品の吸着に使用可能な吸着ノズルとして記憶されたものがあれば、その吸着ノズルに電気部品を吸着させるのである。電気部品の吸着に使用可能な吸着ノズルとして記憶された複数種類の吸着ノズルがそれぞれ異なる装着ヘッドに保持されている場合、部品受取位置に到達した装着ヘッドが保持している吸着ノズルが、供給されるべき電気部品の保持に最適の吸着ノズルでなくても、最適吸着ノズルの代わりに電気部品を吸着させるようにするのであり、それにより、常に最適な1種類の吸着ノズルのみに吸着させる場合に比較して装着能率を向上させることができる。
(2)前記使用可能ノズル記憶手段が、前記複数種類の吸着ノズルを前記少なくとも1種類の電気部品の各々の吸着に適する順に順位付けて記憶する手段を含み、前記ノズル選択手段が、選択時点において現実に選択可能な吸着ノズルの中から、前記順位に基づいて吸着ノズルを選択する適切順位依拠選択手段を含む (1)項に記載の電気部品装着システム。
「現実に選択可能な吸着ノズル」とは、例えば、使用不可能ではない吸着ノズル、あるいはノズル保持部に現に保持されている吸着ノズル、あるいは現にノズル保持部に保持されている吸着ノズルのうちで使用不可能ではないものである。
使用可能な複数種類の吸着ノズルに順位を付ければ、順位を考慮して吸着ノズルを選択することができる。例えば、適切順位依拠選択手段を、順位の最も高い吸着ノズルから先に選択する高順位順選択手段を含むものとすれば、現実に選択可能な吸着ノズルのうちでより使用に適したものが優先的に使用される。なお、(3)項に記載の電気部品装着システムにおけるように、能率を考慮して吸着ノズルが選択される際に、順位も考慮されるようにしてもよい。
(3)前記ノズル選択手段が、選択時点において現実に選択可能な吸着ノズルの中から、装着能率の低下がより少なくて済むものを選択する能率考慮型選択手段を含む (1)項または (2)項に記載の電気部品装着システム。
(4)前記複数のノズル保持部の各々に現在保持されている吸着ノズルの種類を各保持部の名称と関連付けて記憶する保持吸着ノズル記憶手段を含む (1)項ないし (3)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
ノズル保持部と吸着ノズルの種類とが関連付けて記憶されていれば、例えば、ノズル保持部に保持されている吸着ノズルの種類がわかり、あるいはいずれの種類の吸着ノズルがいずれのノズル保持部に保持されているかがわかる。
(5)前記保持吸着ノズル記憶手段に記憶されている吸着ノズルのうちで使用が不可能になったものを選択不可能にする選択不可能化手段を含む (4)項に記載の電気部品装着システム。
本項の構成によれば、使用可能ノズル記憶手段に記憶された吸着ノズルから吸着に使用する吸着ノズルを選択するとき、使用不可能な吸着ノズルが選択されることが回避され、吸着ミスや吸着不良の発生を良好に回避することができる。
(6)前記選択不可能化手段が、前記使用が不可能になった吸着ノズルを前記保持吸着ノズル記憶手段から抹消する抹消手段を含む (5)項に記載の電気部品装着システム。
(7)前記選択不可能化手段が、前記保持吸着ノズル記憶手段に記憶されている吸着ノズルのうちで使用が不可能になったものを指示する指示手段を含む (5)項に記載の電気部品装着システム。
(8)それぞれ前記吸着ノズルを保持する複数のノズルホルダを備え、それら複数のノズルホルダの任意のものを電気部品の吸着が可能な作用位置へ位置させ得る装着ヘッドを含み、前記ノズル選択手段が、その装着ヘッドを、前記複数のノズルホルダのうち選択せんとする吸着ノズルを保持しているものを前記作用位置に位置させる状態とするホルダ選択装置を含み、前記複数のノズルホルダが前記複数のノズル保持部として機能する (1)項ないし(7)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
ノズル選択装置による吸着ノズルの選択は、例えば、発明の実施の形態において説明するように、複数のノズルホルダを一軸線まわりに旋回させることにより行うようにしてもよく、あるいは一線、例えば一直線に沿って移動させることにより行うようにしてもよい。
装着ヘッドが複数のノズルホルダを備える場合、そのうちの一部である複数のノズルホルダに同じ種類の吸着ノズルを保持させれば、同一種類の吸着ノズルの一つを別の吸着ノズルの予備として使用することが可能であるが、装着ヘッドに保持させ得る吸着ノズルの種類が少なくなる。それに対し、同一種類の電気部品の吸着に複数種類の吸着ノズルを使用するようにすれば、使用不可能になった吸着ノズルの代わりに電気部品を吸着するのは、同じ種類の吸着ノズルでなくてよく、装着ヘッドに保持させる吸着ノズルの種類を増加させ得るとともに、使用不可能になった吸着ノズルと同種の吸着ノズルである予備の吸着ノズルを設けなくても、使用不可能な吸着ノズルの発生による電気部品装着システムの作動停止を減少させ得る。
複数のノズルホルダを備えた装着ヘッドを複数設け、それら装着ヘッドの作用位置に位置させられたノズルホルダが保持する吸着ノズルに電気部品を吸着させるとともに、異なる装着ヘッドのノズルホルダに保持された吸着ノズルを、同一種類の電気部品の吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズルとしてもよい。
ノズルホルダを1つ備えた装着ヘッドを複数設け、複数の装着ヘッドに順次、電気部品を吸着させるとともに、各ノズルホルダをノズル保持部として機能させるようにしてもよい。
(9)前記吸着ノズルを着脱可能に保持する少なくとも1つのノズルホルダと、それぞれ前記吸着ノズルを収容する複数のノズル収容部を有するノズル収容装置とを含み、前記ノズル選択手段が、前記ノズルホルダに前記複数のノズル収容部から選択せんとする吸着ノズルを取り出させるノズル取出制御手段を含み、前記複数のノズル収容部が前記複数のノズル保持部として機能する (1)項ないし (8)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
ノズル収容装置には複数種類の吸着ノズルが収容され、少なくとも1種類の電気部品について、その電気部品の吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズルが電気部品と対応付けて記憶され、選択して電気部品の吸着に用いられる。ノズル収容装置は、ノズルホルダとは別に設けられるため、例えば、ノズルホルダが1つであっても、あるいは複数であるが少数の場合であっても、ノズル収容装置には多数,多種類の吸着ノズルを収容し、装着される電気部品の多様化や、使用不可能な吸着ノズルの発生に柔軟に対応させることが可能である。
(10)それぞれ前記吸着ノズルを保持する複数のノズルホルダを備え、それら複数のノズルホルダの任意のものを電気部品の吸着が可能な作用位置へ位置させ得る装着ヘッドと、
それぞれ前記吸着ノズルを収容する複数のノズル収容部を有するノズル収容装置と
を含み、前記ノズル選択手段が、前記複数のノズルホルダのうちに選択せんとする吸着ノズルを保持しているものがある場合には、その選択せんとする吸着ノズルを保持しているノズルホルダを前記作用位置に位置させる状態とし、選択せんとする吸着ノズルを保持しているノズルホルダがない場合には、前記ノズル収容装置の選択せんとする吸着ノズルを収容しているノズル収容部からその選択せんとする吸着ノズルを前記装着ヘッドに取り出させるものであり、前記複数のノズルホルダおよび前記複数のノズル収容部が前記複数のノズル保持部として機能する (1)項ないし(7)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
「選択せんとする吸着ノズルを保持しているノズルホルダがない」とは、選択せんとする吸着ノズルがない場合も、選択せんとする吸着ノズルが使用不可能である場合も含む。
本項の構成によれば、複数のノズルホルダに保持された吸着ノズルも、ノズル収容装置に収容された吸着ノズルも、電気部品の吸着に使用することができる。それにより、例えば、選択し得る吸着ノズルの種類を増やして装着停止を少なくしながら、装着ヘッドが保持するノズルホルダの数を抑えて装着ヘッドの重量増大を抑え、例えば、装着ヘッドを移動させる場合、大きな加減速度で移動させるようにすることが可能である。あるいは、装着ヘッドに保持された吸着ノズルが使用不可能となっても、ノズル収容装置により収容された吸着ノズルを用いることにより装着を停止させずに済む。
(11)前記使用可能ノズル記憶手段に記憶されている複数種類の吸着ノズルの中に選択の時点において現実に選択可能な吸着ノズルがない場合には、当該電気部品装着システムを自動で停止させる自動停止手段を含む (1)項ないし(10)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
電気部品装着システムが停止させられれば、オペレータが使用不可能になった吸着ノズルを使用可能なものと交換する等の必要な措置をとることとなるが、本発明によれば、オペレータの措置が必要になる頻度が低下するため、オペレータの作業能率が向上し、省力化が可能となる。
(12)前記使用可能ノズル記憶手段に記憶されている複数種類の吸着ノズルの中で前記選択時点において現実に選択可能なものの数が設定数以下の場合に、その事実を報知する報知手段を含む (1)項ないし(11)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
本項の構成によれば、電気部品の装着に使用し得る吸着ノズルがなくなることが予告される。設定数の設定により、予告から実際に吸着ノズルがなくなるまでの時間が変えられる。予告が行われれば、例えば、オペレータは都合のよい時に吸着ノズルの交換やその準備をしたり、あるいはちょうど1枚の回路基板への電気部品の装着が終了した時点で装着を停止して吸着ノズルの交換,補充等を行うようにすることができる。
(13)複数のノズル保持部に保持された吸着ノズルの中から装着すべき複数の電気部品の各々に適したものを選択し、その選択した吸着ノズルにより各電気部品を吸着して回路基板に装着し、電気回路を組み立てる方法であって、
少なくとも1種類の電気部品について、その電気部品の吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズルを、その電気部品と対応付けて記憶手段に格納する使用可能ノズル格納工程と、
前記記憶手段に格納された吸着ノズルから、電気部品の吸着に使用するものを選択するノズル選択工程と
を含むことを特徴とする電気回路組立方法。
前記 (2)項ないし(12)項のいずれかに記載の特徴を本項の電気回路組立方法にも適用することができる。
電気部品の吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズルの記憶手段への格納は、例えば、電気部品と、電気部品に対応付けて記憶された吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズルとを対応付けるデータであって、既に作成されているデータを外部メモリやフロッピディスク等の可搬記録媒体から読み込んで記憶手段に格納することにより行うようにしてもよく、あるいはオペレータが入力装置を用いて、電気部品と、その電気部品の吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズルとを対応付けて入力することにより行うようにしてもよい。オペレータが入力する場合、データの読込みあるいは入力等により記憶されている既存のデータを利用し得るのであれば、利用してもよい。
(14)複数のノズル保持部に保持された吸着ノズルの中から装着すべき複数の電気部品の各々に適したものを選択し、その選択した吸着ノズルにより各電気部品を吸着して回路基板に装着し、電気回路を組み立てるためにコンピュータにより実施されるプログラムであって、
少なくとも1種類の電気部品について、その電気部品の吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズルを、その電気部品と対応付けて記憶手段に格納する使用可能ノズル格納ステップと、
前記記憶手段に格納された吸着ノズルから、電気部品の吸着に使用するものを選択するノズル選択ステップと
を含むことを特徴とする電気回路組立用プログラム。
前記 (2)項ないし(12)項のいずれかに記載の特徴を本項の電気回路組立用プログラムにも適用することができる。本項の電気回路組立用プログラムは記録媒体に、コンピュータにより読み取り可能かつ実行可能な状態で格納されて使用される。その場合、記録媒体をROMカセット等コンピュータに着脱可能な着脱式記録媒体、コンピュータに設けられた読取装置により読み取り可能な磁気テープ,磁気ディスク,光磁気ディスク等の読取式記録媒体とすれば、電気回路組立用プログラムの使い勝手が向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1において10は、電気部品装着システムの一種である電子部品装着システム12のシステム本体としてのベースである。ベース10上には、部品供給装置14,部品装着装置16および基板保持装置たるプリント配線板保持装置18(以後、配線板保持装置18と略称する)が設けられ、電子部品装着システム12を構成している。
【0009】
部品供給装置14は、少なくとも1台、本実施形態においては2台の部品供給テーブル30,32を含んでいる。これら部品供給テーブル30,32はそれぞれ、フィーダ支持テーブル34と、フィーダ支持テーブル34上に搭載された複数のフィーダ36とを有する。フィーダ36は、詳細な図示は省略するが、本実施形態では、電気部品の一種である電子部品38(図4参照)を部品保持テープに保持させてテープ化電子部品22(図2参照)とした状態で供給するものとされている。
【0010】
電子部品38は、部品保持テープに形成された多数の部品収容凹部にそれぞれ1個ずつ収容され、各部品収容凹部の開口が部品保持テープに貼り付けられたカバーテープにより覆われている。テープ化電子部品22は、テープ送り装置(図示省略)により送られ、電子部品38が順次、部品供給部へ送られる。複数のフィーダ36は、その部品供給部が一線上、例えば水平な一直線上に並ぶ状態でフィーダ支持テーブル34上に着脱可能に取り付けられている。
【0011】
本電子部品装着システム12においては、その全体についてXY座標面が設定され、このXY座標面上において部品供給テーブル30,32,配線板保持装置18等、各種移動部材の移動データ等が設定される。上記複数のフィーダ36の各部品供給部は、このXY座標面の互いに直交する2軸の一方であるX軸方向(図1においては左右方向)に平行に並べられている。
【0012】
部品供給テーブル30,32の各フィーダ支持テーブル34にはそれぞれ、図1に示すように、ナット39が固定されており、送りねじたるボールねじ40がそれぞれ、支持テーブル駆動用モータ42によって回転させられることにより、部品供給テーブル30,32はそれぞれガイドレール44を含む案内装置により案内されてX軸方向に移動させられ、複数のフィーダ36の各部品供給部が部品供給位置に選択的に位置決めされる。これらボールねじ40および支持テーブル駆動用モータ42等が部品供給テーブル移動装置46を構成している。2台の部品供給テーブル30,32はそれぞれ、専用の部品供給テーブル移動装置46によって独立して移動させられるのであり、2つの部品供給テーブル移動装置46が部品供給装置移動装置48を構成している。なお、ガイドレール44は、部品供給テーブル30,32に共用である。2台の部品供給テーブル30,32による電子部品の供給は、例えば、特公平8−21791号公報に記載されているように既に知られており、説明を省略する。なお、図1においては、部品供給テーブル30については、ナット39が図示されてフィーダ36の図示が省略され、部品供給テーブル32についてはフィーダ36が図示されてナット39の図示が省略されている。
【0013】
配線板保持装置18は、回路基板の一種であるプリント配線板60を水平に保持し、基板保持装置移動装置たるXYテーブル64により、互いに直交するX軸とY軸とによって規定される前記XY座標面上の任意の位置へ移動させられる。XYテーブル64は、X軸スライド駆動用モータ68および送りねじとしてのボールねじ70により、ガイドレール72を含む案内装置により案内されてX軸方向に移動させられるX軸スライド74と、そのX軸スライド74上においてY軸スライド駆動用モータ76および送りねじとしてのボールねじ78により、ガイドレール80を含む案内装置により案内されてY軸方向に移動させられるY軸スライド82とを備えている。
【0014】
Y軸スライド82は配線板保持装置18を下方から水平に支持している。配線板保持装置18は、Y軸スライド82上において昇降可能に設けられ、図示を省略する昇降装置により、配線板搬入装置(図示省略)および配線板搬出装置(図示省略)との間でプリント配線板60の受渡しを行い、プリント配線板60を保持する受渡位置と、受渡位置より下方の位置であって、配線板搬入装置および配線板搬出装置と干渉することなく、X軸,Y軸方向へ移動させられてプリント配線板60への電子部品38の装着が行われる作業位置とに移動させられる。
【0015】
プリント配線板60の表面ないし上面には、電子部品38が装着される複数の被装着位置が予め設定されており、プリント配線板60は配線板保持装置18の移動により、被装着位置が順次、後述する部品装着装置16に予定された部品装着位置に対応する位置に位置決めされる。
【0016】
プリント配線板60の表面には、図1に示すように、複数、本実施形態においては2個の基準マーク104が、例えば、プリント配線板60の対角線上に隔たった位置にそれぞれ設けられており、基準マーク撮像装置たる基準マークカメラ106によって撮像される。基準マークカメラ106は、部品装着装置16の後述するフレームに保持部材(図示省略)によって取り付けられている。
【0017】
基準マークカメラ106は、本実施形態においては、固体イメージセンサの一種であるCCD(電荷結合素子)と結像レンズを含むレンズ系とを備えたCCDカメラによって構成されるとともに、被写体の二次元像を一挙に取得する撮像装置の一種である面撮像装置とされており、図示の例では、中心軸線が垂直に延びるとともに、下向きの姿勢で設けられ、基準マーク104を上方から撮像する。CCDは、一平面上に多数の微小な受光素子が配列されたものであり、各受光素子の受光状態に応じた電気信号を発生させる。多数の受光素子により撮像領域ないし撮像画面が形成されている。なお、基準マークカメラ106に近接して光源が設けられて照明装置を構成し、撮像時に被写体およびその周辺を照明する。これら基準マークカメラ106および照明装置が基準マーク撮像システムを構成している。
【0018】
部品装着装置16を図2に基づいて説明する。本実施形態の部品装着装置16は、特開平6−342998号公報に記載の部品装着装置およびまだ未公開であるが、本出願人による特願2000−164958の出願に記載の部品装着装置と同様に構成されており、簡単に説明する。
【0019】
図2において110はフレームであり、前記ベース10に設けられている。フレーム110には回転軸112が一軸線、本実施形態では垂直軸線まわりに回転可能に支持されている。回転軸112は、回転軸駆動装置114により回転させられる。回転軸駆動装置114は、図示しないローラギヤおよびローラギヤカムを含んで構成され、ローラギヤカムが間欠回転用モータ116(図6参照)によって一方向に定速で回転させられるとき、ローラギヤの複数のローラがローラギヤカムのカムリブに順次係合し、回転軸112が垂直軸線まわりに一定角度ずつ間欠回転させられる。
【0020】
上記回転軸112のフレーム110から下方へ延び出させられた下端部には、移動部材の一種である回転体としての間欠回転体たる間欠回転盤120が固定されている。間欠回転盤120には、回転軸112の回転軸線を中心とする一円周上に複数組、本実施形態では16組の装着ヘッド130が等角度間隔に、かつ間欠回転盤120の回転軸線に平行な方向に移動可能であって昇降可能に、さらにヘッド回転軸線まわりに回転可能に取り付けられている。
【0021】
回転軸112が回転軸駆動装置114によって回転させられることにより、間欠回転盤120は、16組の装着ヘッド130の取付角度間隔に等しい角度ずつ、間欠回転させられる。それにより16組の装着ヘッド130は、共通の旋回軸線、すなわち間欠回転盤120の回転軸線であって、垂直な軸線まわりに旋回させられ、図3に示すように、その旋回軌跡上に設定された部品保持位置ないし部品吸着位置ないし部品受取位置,部品姿勢変更位置,部品保持姿勢検出位置,部品姿勢修正位置,部品装着位置,装着ヘッド姿勢復帰位置,ホルダ検出位置,ホルダ選択位置等、16個の停止位置に順次停止させられる。本実施形態においては、回転軸112および回転軸駆動装置114等が間欠回転装置を構成し、間欠回転盤120と共にヘッド移動装置たるヘッド旋回装置132を構成し、ヘッド旋回装置132が、前記部品供給装置移動装置48およびXYテーブル64と共に、部品供給装置14と配線板保持装置18と装着ヘッド130とを相対移動させる相対移動装置134を構成している。本実施形態においては、ヘッド旋回装置132は、ヘッド間欠旋回装置である。
【0022】
装着ヘッド130を支持し、間欠回転盤120に昇降可能に保持された支持部材146は、カムフォロワたるローラ148において、フレーム110に固定の円筒カム140のカム溝(図示省略)に係合させられている。このカム溝は高さが周方向において漸変させられたものであり、間欠回転盤120が回転させられ、装着ヘッド130が旋回させられるとき、ローラ148がカム溝内を溝側面に接触しつつ移動することにより、装着ヘッド130が昇降させられる。本実施形態においてカム溝は、装着ヘッド130が部品受取位置において上昇端に位置し、部品装着位置において下降端に位置するとともに、それら部品受取位置および部品装着位置の前後では水平に移動するように形成されている。
【0023】
支持部材146の外面には、支持部材たる筒状のスリーブ160が固定されるとともに、横断面形状が円形の軸部材162が垂直、すなわちヘッド旋回軸線と平行な姿勢で、自身の軸線まわりに回転可能かつ軸方向に相対移動不能に嵌合されている。軸部材162は、回転伝達軸164,被係合部材174を介してヘッド回転装置たる部品姿勢変更装置,部品姿勢修正装置,装着ヘッド姿勢復帰装置により回転させられ、装着ヘッド130が軸部材162の軸線であって、間欠回転盤120の回転軸線に平行な軸線である垂直軸線まわりに回転させられる。
【0024】
前記軸部材162の下端部は、スリーブ160から下方へ突出させられるとともに、取付部材184が固定されており、取付部材184には回転保持体186が支持軸188(図4参照)により、軸部材162の軸線と直交し、水平な軸線まわりに回転可能に支持されている。
【0025】
回転保持体186には、複数、図示の例では6つのノズル本体192(図4には1つのみ図示されている)が回転保持体186の回転軸線まわりに等角度間隔に一体的に設けられ、それぞれ吸着ノズル190を保持している。6個の吸着ノズル190は、回転保持体186に等角度間隔で放射状に保持されているのである。本実施形態では、これら6つのノズルホルダ192がそれぞれ、ノズル保持部として機能する。
【0026】
本実施形態においては、軸部材162,取付部材184,回転保持体186および6個のノズルホルダ192が装着ヘッド130を構成している。装着ヘッド130は6個のノズルホルダ192を備えており、後述するホルダ選択位置に設けられたホルダ選択装置によって、回転保持体186が支持軸188のまわりに回転させられることにより、複数のノズルホルダ192の任意のものが選択的に作用位置ないし使用位置へ移動させられるとともに位置決めされ、6個の吸着ノズル190のうちの1個が作用位置ないし使用位置に位置決めされる。作用位置ないし使用位置は、吸着ノズル190が下向きとなり、かつ、軸線が軸部材162の軸線と一致することが予定された位置であって、電子部品38の吸着が可能な位置である。
【0027】
また、装着ヘッド130および装着ヘッド130により保持された吸着ノズル190が部品装着ユニット194を構成している。部品装着装置16には、複数組、図示の例では16組の部品装着ユニット194が等角度間隔に設けられているのである。なお、図2においては、図示を容易にするために、1つの装着ヘッド130について吸着ノズル190が2個のみ図示されている。前記部品供給装置14のフィーダ36の部品供給部は、部品受取位置に位置決めされた装着ヘッド130の、作用位置に位置決めされた吸着ノズル190の真下に位置する状態となる位置に設けられており、部品供給部が、部品受取位置に位置決めされた吸着ノズル190の真下に位置する位置が部品供給部の部品供給位置である。
【0028】
複数の吸着ノズル190はそれぞれ、電子部品38を負圧により吸着して保持するものであり、図4に1つを代表的に示すように、吸着管200を有し、電子部品38を吸着する。吸着ノズル190は、ノズルホルダ192に、相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能であって、着脱可能に保持されている。なお、図示の例では、吸着ノズル190は種類が異なり、形状が異なっても、吸着管200の長さはいずれも同じにされており、各先端面201は回転保持体186の回転軸線を中心とする一円周上に位置する。
【0029】
作用位置に位置決めされた吸着ノズル190には、負圧源の一種であるバキュームポンプ(図示省略)により負圧が供給され、電子部品38を吸着する。吸着ノズル190はまた、正圧源の一種であるエアポンプ(図示省略)により正圧が供給されて電子部品38を解放するとともに、大気に連通させられる。これらの切換えは、スリーブ160に固定の制御弁たる方向切換弁220(図2参照)により機械的に行われる。
【0030】
フレーム110およびフレーム110に固定された前記円筒カム140の部品受取位置と部品装着位置とを含む部分に対応する部分にはそれぞれ、図2に示すように装着ヘッド130を昇降させ、吸着ノズル190を軸方向に移動させて昇降させ、部品供給装置14,配線板保持装置18に接近,離間させる装着ヘッド移動装置たる装着ヘッド昇降装置(以後、ヘッド昇降装置と称する)230,232が設けられている。ヘッド昇降装置230,232は、ノズル軸方向移動装置たるノズル昇降装置でもある。
【0031】
部品受取位置に設けられたヘッド昇降装置230を図2に基づいて簡単に説明する。
ヘッド昇降装置230は、移動部材たる昇降部材238と移動部材移動装置たる昇降部材移動装置240とを有する。昇降部材238は、前記円筒カム140に、間欠回転盤120の回転軸線に平行に設けられた案内溝244内に、間欠回転盤120の回転軸線に平行な方向に移動可能に嵌合されるとともに、その下端部に、円筒カム140に設けられたカム溝に続く状態となる係合溝252が形成されている。係合溝252は、昇降部材238が上昇端位置に位置する状態において上記カム溝と連続する状態となり、前記ローラ148が乗り移り、装着ヘッド130が昇降部材238に支持された状態となる。
【0032】
昇降部材移動装置240は、前記間欠回転用モータ116を駆動源とし、その回転が、カムの一種である回転カム254,カムフォロワたるローラ256およびレバー258,260を含む運動変換装置により昇降運動に変換され、連結ロッド262,球面ジョイント264等を含む運動伝達装置により昇降部材238に伝達される。それにより昇降部材238が昇降させられ、装着ヘッド130が昇降させられて吸着ノズル190が昇降させられる。吸着ノズル190の昇降と旋回とは、前記回転軸駆動装置114のカムおよび回転カム254の形状により、所定のタイミングで行われる。ローラ256は付勢装置の一種である流体圧シリンダたるエアシリンダ270によって回転カム254のカム面に係合する向きに付勢されており、エアシリンダ270によるローラ256の付勢が解除されることにより、回転カム254が回転しても昇降部材238が昇降せず、装着ヘッド130が昇降しないようにされる。なお、昇降部材238は、その昇降ストロークが調節され、装着ヘッド130の下降端位置が調節されるようにされているが、本発明とは直接関係がないため、説明を省略する。
【0033】
ヘッド昇降装置232は、昇降部材238の昇降ストロークが調節されず、一定である。部品装着位置においては、装着ヘッド130の下降端位置および上昇端位置は一定であるのである。その他の構成は、ヘッド昇降装置230と同じであり、同じ作用を為す部分には同一の符号を付して対応関係を示し、説明を省略する。
【0034】
前記部品保持姿勢検出位置には、図1に概略的に示すように、部品撮像システム300が設けられている。部品撮像システム300は、複数組、本実施形態では2組の部品カメラ302,304,図示を省略する導光装置および照明装置を含む。部品カメラ302,304等は、本実施形態においては、特開平5−196441号公報に記載の部品カメラ等と同様に構成されており、部品保持姿勢検出位置へ移動させられた装着ヘッド130に保持された電子部品38等の対象物を下方から撮像し、その投影像あるいは正面像を撮像するように構成されている。部品カメラ302,304は、撮像倍率が異ならされ、電子部品38の大きさに応じて使い分けられる。
【0035】
ホルダ選択位置には、図5に示すように、ホルダ選択装置340が設けられている。ホルダ選択装置340は、回転駆動部材342,回転駆動部材係脱装置344および回転駆動部材回転装置346を含む。ノズル保持体たる前記回転保持体186には、係合部としての係合溝350が複数、本実施形態では3本、回転保持体186の回転軸線上において交差する状態で形成され、回転駆動部材342が、その係合突部352が係合溝350に相対回転不能に係合させられた状態で回転駆動部材回転装置346によって回転させられることにより、回転保持体186が支持軸188のまわりに回転させられ、6個のノズルホルダ192のうち、次に電子部品38を保持すべき吸着ノズル190を保持したノズルホルダ192が作用位置に位置させられる。
【0036】
回転駆動部材342は、回転駆動部材係脱装置344により回転保持体186に係合,離脱させられる。回転駆動部材係脱装置344は、前記間欠回転用モータ116を駆動源として構成されている。回転駆動部材係脱装置344を構成する昇降ロッド358には、間欠回転用モータ116の回転が、図示しないカム,カムフォロワおよびカムフォロワを支持する運動伝達機構により昇降運動に変換されて伝達される。間欠回転用モータ116は常時回転しているため、吸着ノズル190の選択時のみに昇降ロッド358に運動が伝達されるようになっている。これらカム,カムフォロワおよび運動伝達機構は、例えば、特許第3050638号公報に記載の部品装着装置におけると同様に構成することができ、説明は省略する。そして、昇降ロッド358が昇降させられれば、レバー360が回動させられるとともに連結ロッド362が昇降させられ、レバー364が回動させられることにより、回転駆動部材342が、係合突部352が回転保持体186の係合溝350に係合する係合位置と、係合溝350から離脱した非係合位置とに移動させられる。
【0037】
回転駆動部材回転装置346は、ホルダ選択用モータ366を駆動源とする。ホルダ選択用モータ366の回転は、タイミングベルト368,タイミングプーリ370,372によりケーシング374に伝達される。ケーシング374はフレーム110により、間欠回転盤120の回転軸線と直交する軸線まわりに回転可能にかつ軸方向に相対移動不能に保持されており、ケーシング374が回転させられることにより、ケーシング374に相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能に保持された回転駆動部材342が自身の軸線まわりに回転させられる。回転駆動部材342は、回転保持体186に相対回転不能に係合させられた状態で回転させられ、回転保持体186が回転させられて、6個のノズルホルダ192のうちの1つが作用位置に位置決めされる。作用位置に位置決めされたノズルホルダ192に保持された吸着ノズル190は、その内部に設けられた通路が、回転保持体186に設けられた通路に連通させられ、負圧が供給可能な状態となる。回転保持体186は、図示を省略する位置決め装置により、電気部品38の装着に使用される吸着ノズル190を保持したノズルホルダ192が作用位置に位置する状態に位置決めされる。
【0038】
作用位置に位置決めされたノズルホルダ192の種類は、ホルダ検出位置においてホルダ検出装置380(図5参照)により検出される。ホルダ検出装置380は、前記特開平6−342998号公報に記載されているように、例えば、発光ファイバおよび受光ファイバをそれぞれ有する3個の光ファイバセンサ382(図には1個のみ図示されている)を備えている。これら光ファイバセンサ382はほぼ水平方向に1列に並べられており、ホルダ検出位置に移動させられた装着ヘッド130の回転保持体186に設けられた3個を1組とする反射面(図示省略)にそれぞれ、光を照射する。反射面は、6つのノズルホルダ192の各々に対応して6組設けられており、3個の反射面はそれぞれ白あるいは黒とされているのであるが、その色の組合わせは各組毎に変えられている。したがって、3個の反射面からの各反射光の強弱の組合わせにより、作用位置に位置決めされたノズルホルダ192が検出される。
【0039】
後述するように、16組の装着ヘッド130,各装着ヘッド130の6個のノズルホルダ192,それらノズルホルダ192にそれぞれ保持された吸着ノズル190の種類とは、対応付けて記憶されている。そのため、ホルダ検出位置に位置する装着ヘッド130,作用位置に位置するノズルホルダ192から、作用位置に位置する吸着ノズル190の種類がわかり、現に作用位置に位置決めされた吸着ノズル190の種類と、次に電気部品38の装着に使用される吸着ノズル190の種類とに基づいて、次に作用位置に位置させるノズルホルダ192が得られ、回転保持体186の回転方向および回転ピッチが決められる。
【0040】
本電子部品装着システム12は、図6に示す制御装置400により制御される。制御装置400は、コンピュータ410を主体とするものであり、コンピュータ410は、PU402,ROM404,RAM406,入力ポート407および出力ポート408がバスラインにより接続されたものである。入力ポート407には、前記基準マークカメラ106,部品カメラ302,304により撮像された画像のデータを解析するための画像処理コンピュータ412,ホストコンピュータ414,入力装置420や、エンコーダ436等、各種検出器やコンピュータが接続されている。入力装置420は、テンキー,アルファベットキー,ファンクションキー等を備え、作業者がデータ等の入力等を行う装置とされている。また、ホストコンピュータ414には、外部記憶装置たるデータベース422が接続されている。
【0041】
出力ポート408には、それぞれ駆動回路416を介して支持テーブル駆動用モータ42等の各種アクチュエータおよび報知装置430,表示装置432が接続されている。これらモータ42等はそれぞれ駆動源を構成し、電動モータの一種である電動回転モータであって、回転角度の精度の良い制御が可能なサーボモータにより構成されている。サーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。また、図示は省略するが、支持テーブル駆動用モータ42等、各モータの回転角度は回転角度検出装置たるエンコーダにより検出され、その検出結果に基づいてモータ42等が制御される。図5には、X軸スライド駆動用モータ68に設けられたエンコーダ436が代表的に図示されている。報知装置430は、例えば、ブザーの鳴動により報知を行う装置とされている。ランプの点灯,点滅により報知を行う装置としてもよく、音声により報知する装置としてもよい。表示装置432は、例えば、情報等を文字,図形等の画像により画面に表示する装置とされている。表示装置432は、画像の表示により装着作業状況等を報知する報知装置でもある。
【0042】
さらに、RAM406には、図示を省略するメインルーチン,電子部品38をプリント配線板60に装着し、電子回路を組み立てるためのプリント回路板組立ルーチン,吸着ノズル190の異常を検出するノズル異常検出ルーチン,図7ないし図9にフローチャートで表すデータ格納ルーチンおよびノズル選択ルーチン等、種々のプログラムおよびデータ等が記憶されており、これらプログラムの実行により、電子部品がプリント配線板60に装着されてプリント回路板が組み立てられる。
【0043】
以上のように構成された電子部品装着システム12における電子部品38のプリント配線板60への装着の基本的な動作は、例えば、特公平8−21791号公報に記載されているようによく知られており、簡単に説明する。部品装着装置16は16組の装着ヘッド130を備えており、各装着ヘッド130が並行して作動させられる。ここでは、そのうちの1組の装着ヘッド130の作動について説明する。
【0044】
電子部品38のプリント配線板60への装着時には、部品受取位置に移動させられた装着ヘッド130の作用位置に位置決めされたノズルホルダ192により保持された吸着ノズル190がヘッド昇降装置230により昇降させられ、電子部品38を吸着する。部品供給装置14から電子部品38を受け取るのであり、受取り後、必要であれば、部品姿勢変更位置において部品姿勢変更装置により装着ヘッド130がその軸線、すなわち軸部材162の軸線まわりに回転させられ、作用位置に位置する吸着ノズル190が回転させられ、電子部品38が回転させられて電子部品38の姿勢が変更される。姿勢変更後、部品保持姿勢検出位置において部品カメラ302,304により電子部品38が撮像される。
【0045】
そして、取得された電子部品38の像と基準となる像とが比較されて保持位置誤差である水平位置誤差ΔXE ,ΔYE(電子部品38のヘッド回転軸線に対する水平面内における位置誤差)および回転位置誤差Δθ(電子部品38の吸着ノズル190により吸着される被吸着面に直角な軸線であって、吸着ノズル190の軸線に平行な軸線まわりの位置誤差)が算出される。算出後、部品姿勢修正位置において装着ヘッド130が部品姿勢修正装置によって回転させられ、電子部品38が回転させられて回転位置誤差Δθが修正される。
【0046】
プリント配線板60は、XYテーブル64により移動させられて被装着位置が、部品装着装置16の部品装着位置に対応する位置へ移動させられる。プリント配線板60が配線板搬入装置により搬入され、配線板保持装置18によって保持される毎に、プリント配線板60への電子部品38の装着作業の開始に先立って、プリント配線板60に設けられた基準マーク104が基準マークカメラ106によって撮像される。そして、撮像データに基づいて、配線板保持装置18によるプリント配線板60の保持位置誤差が検出されるとともに、その保持位置誤差に基づいて複数の被装着位置の各々について位置誤差ΔXP ,ΔYP が演算される。そして、配線板保持装置18のX軸方向およびY軸方向の各移動距離の修正により、上記水平位置誤差ΔXE ,ΔYE が修正されるとともに、プリント配線板60の被装着位置の水平位置誤差ΔXP ,ΔYP および回転位置誤差Δθの修正により生ずる電子部品38の中心位置のずれが併せて修正され、電子部品38はプリント配線板60の適正な被装着位置に適正な姿勢で装着される。
【0047】
吸着ノズル190は部品装着位置においてヘッド昇降装置232により昇降させられ、電子部品38をプリント配線板60に装着し、電子回路を組み立てる。装着後、装着ヘッド姿勢復帰位置において装着ヘッド130が装着ヘッド姿勢復帰装置により回転させられ、その回転位置(回転軸線まわりの位置)が電子部品38の回転位置誤差Δθの修正前および姿勢変更前の位置に戻される。装着ヘッド130は、部品受取り時の回転位置に戻されるのである。
【0048】
そして、吸着ノズル190により吸着されたが、種類の間違い等の理由により、プリント配線板60に装着されなかった電子部品38があれば、その電子部品38は部品排出位置において吸着ノズル190による保持が解放されて図示を省略する排出装置に排出される。ノズル昇降装置232は、ローラ256の回転カム254への追従を断つことにより昇降部材238を昇降させず、吸着ノズル190を昇降させないでおくことができるように構成されており、吸着された電子部品38がプリント配線板60に装着されない場合には、吸着ノズル190が昇降させられない。そして、部品排出位置において吸着ノズル190への負圧の供給が遮断され、電子部品38が解放されて排出される。
【0049】
次いで、ホルダ検出位置において現に作用位置に位置決めされているノズルホルダ192の種類がホルダ検出装置380により検出され、次に電子部品38を吸着する吸着ノズル190を交替させるのであれば、ホルダ選択位置において回転保持体186がホルダ選択装置340により回転させられ、次に電子部品38の吸着に使用される吸着ノズル190を保持したノズルホルダ192が作用位置に位置させられる。複数のノズルホルダ192に保持された複数の吸着ノズル190の中から、装着すべき複数の電子部品の各々に適したものが選択されるのである。
【0050】
上記のように電子部品38がプリント配線板60に装着される際、一連の装着作業の開始に先立って、図10に示す保持吸着ノズルデータ,図11に示す装着データおよび図13に示す使用可能ノズルデータ等がホストコンピュータ414からコンピュータ410に供給され、RAM406に格納される。このデータ格納は、図7に示すデータ格納ルーチンに従って行われる。データ格納ルーチンのステップ51(以後、S51と記載する。他のステップについても同じ)においては、プリント配線板60への電子部品38の装着に必要なデータの供給がコンピュータ410からホストコンピュータ414に要求される。そして、データが供給されれば、S52においてRAM406に格納される。
【0051】
保持吸着ノズルデータは、図10に示すように、16組の装着ヘッド130の各々について、装着ヘッド130と、各装着ヘッド130の6個ずつのノズルホルダ192と、各ノズルホルダ192に保持される吸着ノズル190の種類とを関連付けて記憶するデータである。16組の装着ヘッド130の各々には、装着ヘッド130を特定する名称の一種であるコードが付され、16組の各装着ヘッド130に設けられた6個のノズルホルダ192にも、各ノズルホルダ192を特定する名称の一種であるコードが付され、それら装着ヘッド130,ノズルホルダ192にそれぞれ付されたコードと、吸着ノズル190の種類を表すデータとが対応付けて記憶され、それらコードデータおよび吸着ノズル190の種類により、保持吸着ノズルデータが作成されている。なお、ノズルホルダ192に付されるコードは、前記ホルダ検出装置380により検出されるノズルホルダ192の検出データと対応付けられており、ノズル検出装置380によるノズルホルダ192の検出により、作用位置に位置する吸着ノズル190の種類がわかる。この保持吸着ノズルデータは表示装置432に表示され、オペレータはそのデータに従って吸着ノズル190をノズルホルダ192に取り付ける。また、吸着ノズル190の各々について、吸着異常発生カウンタおよび異常発生フラグが設けられている。なお、ここでは、全部のノズルホルダ192が吸着ノズル190を保持していることとする。
【0052】
装着データは、プリント配線板60の種類毎に作成され、被装着位置,装着順,装着される電子部品の種類等を設定するデータ等を含む。例えば、図11に示すように、プリント配線板60の電子部品38が装着される被装着位置の各々について複数種類のデータ、例えば、被装着位置に装着される電子部品38の種類,その電子部品38の装着に用いられる吸着ノズル190の種類,その吸着ノズル190を保持する装着ヘッド130のデータが設定される。また、図示は省略するが、電子部品38を供給するフィーダを指定するデータを含む。これらデータが互いに関連付けられて装着データが作成され、例えば、装着順に記憶されている。なお、装着ヘッド130は、電子部品38の吸着に設定された吸着ノズルを保持した装着ヘッド130であればよく、特定はされない。
【0053】
使用可能ノズルデータを説明する。使用可能ノズルデータは、電子部品38の吸着に使用可能な吸着ノズル190の種類を電子部品38の種類と対応付けたデータであり、本実施形態では、全部の電子部品38について作成されていることとする。
【0054】
使用可能ノズルデータは、パーツデータと共にデータベース422から供給される。データベース422にはパーツデータジェネレータが設けられ、装着される電子部品38の各々について、その形状,寸法,部品撮像システム300により投影像を撮像するか正面像を撮像するか,撮像に基づいて検出する項目等を設定するデータ等、電子部品に関する種々のデータが記憶されている。パーツデータは、装着データに含まれる電子部品38のデータに付随してパーツデータジェネレータから供給され、RAM406に格納される。
【0055】
まず、16組の装着ヘッド130に保持されている吸着ノズル190の種類について説明する。本電子部品装着システム12において行われるプリント配線板60への電子部品38の装着の一態様においては、複数種類、例えば、8種類の吸着ノズル190が使用される。これらのうち複数種類、例えば、3種類は小形で装着数が多い電子部品38の吸着に使用される吸着ノズルであり、全部の装着ヘッド130にそれぞれ保持されていることとする。これら吸着ノズル190を多数部品用ノズルと称し、図15に示すように、A,B,Cで表す。
【0056】
また、複数種類、例えば、3種類の吸着ノズル190は、装着数が少ない電子部品38の吸着に使用される吸着ノズルとされ、それぞれ異なる装着ヘッド130に保持されている。これら吸着ノズルを少数部品用ノズルと称し、図15に示すように、F,G,Hで表す。残り2種類の吸着ノズル190は、吸着ノズルA,B,C,F,G,Hのいずれとも異なる吸着ノズルであり、全部の装着ヘッド130にそれぞれ保持されており、図15に示すように、D,Eで表す。
【0057】
吸着ノズルA,B,C,D,Eのように、全部の装着ヘッド130に保持されている吸着ノズルの場合、いずれの装着ヘッド130が部品受取位置にあっても、その電子部品38を吸着することができる。
【0058】
吸着ノズルF,G,Hの場合、それらによって装着される電子部品38の数が少ないため、ノズル数は少なくてもよく、吸着ノズル190の数を少なくし、その分、装着ヘッド130が保持する吸着ノズル190の種類が多くなる。しかし、吸着ノズルF,G,Hは、全部の装着ヘッド130に保持されているのではないため、装着ヘッド130が電子部品38の吸着を行わない場合が生ずる。部品供給位置においてフィーダ36により供給される電子部品38の吸着に設定された吸着ノズル190を、部品受取位置へ移動させられた装着ヘッド130が保持していない場合には、その装着ヘッド130は電子部品38の装着を行わないのであり、その装着ヘッド130については装着を行わず、装着をパスないしスキップすることを表すパスデータないしスキップデータ(以下、代表してパスデータと称する)が作成され、電子部品38の吸着に設定された吸着ノズル190を保持する装着ヘッド130が部品受取位置へ移動させられたとき、電子部品38が吸着されるように装着データが作成される。例えば、図11に示すように、吸着ノズルFにより吸着される電子部品(図中、Pmで表されている)を装着するのであれば、吸着ノズルG,Hを保持する装着ヘッド130については装着パスデータが作成され、装着動作をしないようにされるのである。このように供給される電子部品38の種類と部品受取位置に移動させられた装着ヘッド130が保持する吸着ノズル190の種類との不一致によりパスが生じ得る電子部品38は、装着数が少ないため、装着能率の低減は少ない。
【0059】
種類の異なる吸着ノズル190は、例えば、吸着管200の直径,形状,材質が異ならされているが、例えば、直径が異なってもその差が小さい場合には、その差が小さい複数種類の吸着ノズル190を1種類の電子部品38の吸着に使用することが可能である。あるいは形状が異なっていても直径が同じであれば、それら複数種類の吸着ノズル190を1種類の電子部品38の吸着に使用することが可能な場合もある。電子部品38には、その寸法,形状等により、最も適切に吸着し得る吸着ノズル190があり、1種類の吸着ノズル190のみによって吸着可能な電子部品38もあるが、複数種類の吸着ノズル190によって吸着可能な電子部品38もあり、1種類の電子部品38の吸着に使用される吸着ノズル190が1種類に限定されないのである。
【0060】
そのため、電子部品38の吸着に使用可能な吸着ノズル190が、使用可能ノズルデータにより設定される。本実施形態においては、複数種類の吸着ノズル190によって吸着することが可能な電子部品38については、その全部について、電子部品38の吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズル190が対応付けて記憶されている。なお、使用可能ノズルデータは、複数種類の吸着ノズル190によって吸着可能な電子部品38についてのみ作成してもよい。この場合、使用可能ノズルデータに含まれない電子部品38は、1種類の吸着ノズル190によって吸着される電子部品38であることとなる。
【0061】
多数部品用ノズルA,B,Cが装着する電子部品38は小さく、電子部品38の種類によっては、例えば、図14(a) に示すように、多数部品用ノズルA,B,Cを、他の吸着ノズル190が吸着する電子部品38の吸着に使用可能な場合もあり、複数種類の吸着ノズル190により吸着が可能な電子部品38については、多数部品用ノズルA,B,Cのうちの少なくとも2つが使用可能な吸着ノズル190として記憶される。多数部品用ノズルA,B,Cの場合、同一種類の電子部品38の吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズル190が同じ装着ヘッド130に保持されていることとなる。
【0062】
少数部品用ノズルF,G,Hの場合も同様であり、例えば、図14(b) に示すように、少数部品用ノズルFは、1種類の電子部品38のみ吸着するが、少数部品用ノズルG,Hはそれぞれ、自身について吸着が設定された電子部品38以外に、少数部品用ノズルFが吸着する電子部品38の吸着に使用可能とされている。少数部品用ノズルF,G,Hの場合、同一種類の電子部品38の吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズル190が異なる装着ヘッド130に保持されていることとなる。同一種類の電子部品38の吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズル190は、同じ装着ヘッド130に保持されることもあり、異なる装着ヘッド130に保持されることもあるのである。
【0063】
ノズルA,B,C,F,G,Hは、電子部品38の種類によっては、自身以外の吸着ノズル190が保持する電子部品38を、その吸着ノズル190に代わって吸着する代替ノズルとなり、あるいは自身に吸着が予定されている電子部品38が別の吸着ノズル190によって吸着される被代替ノズルとなり、吸着ノズルD,Eは、1種類の電子部品のみの吸着に用いられる専用ノズルであって、代替も被代替もないノズルである。また、吸着ノズルA,B,C,D,E,F,G,Hは、それぞれが吸着することが可能な電子部品以外の電子部品38にとっては、非使用可能ノズルである。
【0064】
図15に示すように、16組の装着ヘッド130は均等に、すなわち少数部品用ノズルF,G,Hをそれぞれ保持する装着ヘッド130が互いに隣接して配置され、保持する吸着ノズルの全部の種類が同じである装着ヘッド130が2つおきに位置するように配置されている。本実施形態では、図15に二点鎖線で囲んで示すように、少数部品用ノズルF,G,Hをそれぞれ保持する装着ヘッド130を1組ずつ含み、互いに隣接する3組の装着ヘッド130が1グループとされている。このグループは、装着ヘッド130を特定するコードデータにより予め設定されている。なお、装着ヘッド130は16組あるため、少数部品用ノズルFのみを含むグループが1つある。
【0065】
電子部品38について、その電子部品38の吸着に使用可能な吸着ノズル190が複数種類記憶される場合には、図13に示すように、それら吸着ノズル190は吸着に適する順に順位付けて記憶される。例えば、吸着ノズルA,B,Cの1つが、直径が1.0mmの通常ノズル,別の1つが直径が1.3mmの通常ノズル,更に別の1つが直径が1.3mmであって、ダイオード,抵抗,コンデンサ等、主として円筒型を成すメルフ(MELF:Metal Electorode Face Bonding Device)型素子の吸着に用いられるメルフノズルであるとすれば、それら3種類の多数部品用ノズルA,B,Cのいずれによっても吸着が可能な電子部品38の1つについては、例えば、直径が1.3mmの通常ノズルが1位,直径が1.0mmの通常ノズルが2位,直径が1.3mmのメルフノズルが3位の順に順位が付けられる。通常ノズルは、例えば、リードを有さない角形のチップやリードを有する電子部品等の吸着に用いられるノズルであり、先端面201において電子部品を吸着し、先端面201が吸着面を構成する。メルフノズルにおいては、吸着管の先端を直径方向に隔たった2個所にそれぞれ、V字形断面の切欠が形成されており、その切欠においてメルフ型素子を位置決めし、吸着して保持する。メルフノズルにおいては、この切欠を形成する面が吸着面を構成する。
なお、装着データにおいて電子部品38の吸着に設定された吸着ノズル190は、使用可能な吸着ノズル190が複数種類設定された電子部品38であれば、順位が1番の吸着ノズルである。
【0066】
前述のように行われる電子部品38のプリント配線板60への装着は、ホストコンピュータ414から供給された装着データ等に基づいて行われる。装着データにより設定された順序で電子部品38が供給され、プリント配線板60に装着されるように、部品供給テーブル30,32が移動させられ、配線板保持装置18が移動させられるのである。また、装着ヘッド130においては、装着データに従って、装着すべき電子部品38に適した吸着ノズル190を保持するノズルホルダ192がホルダ選択装置340によって自動的に作用位置に位置させられる。複数のノズルホルダ192に保持された吸着ノズル190の中から装着すべき複数の電子部品38の各々に適したものが装着データに従って自動的に選択され、その選択された吸着ノズル190により電子部品38が吸着されてプリント配線板60に装着されるのである。
【0067】
電子部品38の吸着,装着が繰り返し行われれば、吸着ノズル190の吸着管200が曲がって、電子部品38の中心から外れた部分を吸着したり、吸着面が摩耗して負圧が漏れ、電子部品38を吸着し損なったりする等の吸着異常が生ずる。吸着異常は、例えば、吸着ノズル190が部品保持姿勢検出位置において部品撮像システム300により撮像されることによって検出される。電子部品38が吸着されなければ、電子部品38の像が得られず、吸着ノズル190が電子部品38の中心から外れた位置を吸着し、吸着管200が電子部品38からはみ出していれば、電子部品38の像と共に吸着管200の像が形成されるからである。吸着異常が検出されれば、吸着異常を生じた吸着ノズル190について異常発生回数が記憶される。図10に示すように、吸着ノズル190の各々に対応してカウンタが設けられ、吸着異常発生回数がカウントされるのである。
【0068】
吸着異常が発生しても、設定条件が満たされるまでは、ノズル異常ないしノズル不良とは判定されない。設定条件は、例えば、1つの吸着ノズル190について吸着異常の発生回数が設定回数に達すること、あるいは1つの吸着ノズル190が装着した電子部品38の数に対する異常発生回数の率が設定率に達したことであり、設定条件が満たされるまでは、吸着ノズル190は吸着異常を生じても続けて装着に用いられる。吸着ノズル190が吸着した電子部品38の数は、その吸着ノズル190がノズルホルダ192に保持された後の数でもよく、以前のノズルホルダ192への取付け時に行った吸着の数を合わせた数でもよい。異常発生回数も同様である。以前のノズルホルダ192への取付け時における異常発生回数,電子部品装着数を考慮するか否かに応じて、異常発生回数カウンタの初期値が0または過去の異常発生回数に設定される。電子部品装着数は、電子部品38の装着時に吸着ノズル190毎にカウントされる。過去の異常発生回数および電子部品装着数を考慮する場合、それらは、例えば、ホストコンピュータ414に記憶され、ホストコンピュータ414から供給されるようにすればよい。
【0069】
1つの吸着ノズル190について異常発生回数が設定回数に達し、あるいは異常発生率が設定率に達すれば、その吸着ノズル190は異常ないし不良であり、異常ないし不良と判定された吸着ノズル190について異常発生フラグがONにセットされ、異常ないし不良であることが記憶される。異常発生フラグがONにセットされることにより、RAM406の保持吸着ノズルデータにおいて記憶されている吸着ノズル190のうちで使用が不可能になったものが指示されるのである。これら吸着異常の検出および異常ノズルの検出は、図示を省略するノズル異常検出ルーチンにより行われ、異常ノズルが検出されれば、ノズル選択ルーチンが実行される。
【0070】
吸着異常が発生した場合、吸着ノズル190が電子部品38を吸着していても、その電子部品38はプリント配線板60に装着されず、排出される。そのため、吸着異常が検出された場合には、吸着異常が検出された吸着ノズル190により吸着され、装着されることが予定されていた電子部品38は、吸着異常が検出された吸着ノズル190を保持する装着ヘッド130とは別の装着ヘッド130が保持する吸着ノズル190であって、吸着異常を生じた吸着ノズルと同種の吸着ノズル190により吸着され、装着されるようにされる。
【0071】
この場合、吸着異常が生じ、電子部品38の装着を行わない装着ヘッド130が再び部品受取位置へ至ったときに、先に装着できなかった電子部品38の受取りを行うようにしてもよいが、本実施形態では、別の装着ヘッド130に電子部品38の受取りを行わせる。装着されなかった電子部品38をできる限り早急に装着するのである。
【0072】
そのため、吸着異常を生じた吸着ノズル190を保持する装着ヘッド130に代わって電子部品38を装着する装着ヘッド130が決められる。この装着ヘッド130は、本実施形態では、吸着されなかった電子部品38の吸着に使用可能な吸着ノズル190(電子部品38について使用可能な吸着ノズルが複数種類記憶されている場合には、順位が1番の吸着ノズル190)を保持し、吸着異常の検出時点において、ホルダ検出位置に対してホルダ選択位置とは反対側に位置する装着ヘッド130のうち、最もホルダ選択位置に近い位置(ホルダ検出位置を含む)に位置する装着ヘッド130とされる。この装着ヘッド130は、装着データおよび保持吸着ノズルデータに基づいて探され、装着データが修正される。
【0073】
例えば、図12(a) に示すように、装着ヘッドH1が保持する吸着ノズルAが予定された電子部品P1を吸着することができず、それが部品保持姿勢検出位置において検出されたとすれば、その際、吸着ノズルAを保持し、ホルダ選択位置に最も近い停止位置であるホルダ検出位置に位置するのは、図12(b) に示すように、装着ヘッドH7である。装着ヘッドH7は、吸着ノズルBによって電子部品P2を装着することが予定されているとすれば、装着ヘッドH7については、装着する電子部品および装着に使用される吸着ノズルの種類がそれぞれ変更され、装着ヘッドH8以降の装着ヘッドについては、装着する電子部品および装着に使用される吸着ノズルの種類がそれぞれ1つずつシフトされる。
【0074】
また、吸着異常を生じた吸着ノズル190による電子部品38の装着が予定されていた被装着位置への電子部品38の装着順が、電子部品38を装着する装着ヘッド130の変更に合わせて変更される。電子部品38の装着順に割り込みが為されるのであり、装着ヘッドH8以降の装着ヘッド130については、被装着位置が1つずつシフトされることとなる。装着ヘッド130が装着する電子部品38の種類の変更,シフトにより、電子部品38の供給順についても供給順の変更,割り込みが為される。なお、吸着異常を生じた吸着ノズル190を保持する装着ヘッド130については、装着動作を行わないようにされる。また、吸着異常を生じた吸着ノズル190の部品受取位置,部品装着位置への到達時には、部品供給装置14,配線板保持装置18は移動しないようにしてもよく、吸着異常が生じていない場合と同様に移動させてもよい。
【0075】
この装着データの修正により、吸着異常を生じた吸着ノズル190を保持する装着ヘッド130に代わって電子部品38を装着する装着ヘッド130がホルダ選択位置に至ったとき、吸着異常を生じた吸着ノズル190と同種の吸着ノズル190を保持するノズルホルダ192が作用位置に位置させられ、吸着異常を生じた吸着ノズル190による吸着が予定されていた電子部品38を保持するフィーダ36の部品供給部が、吸着異常を生じた吸着ノズル190に代わって電子部品38を吸着する吸着ノズル190の部品受取位置への到達に合わせて部品供給位置へ移動させられ、電子部品38が吸着される。また、吸着異常を生じた吸着ノズル190による吸着が予定されていた電子部品38の部品装着位置への到達に合わせて、プリント配線板60の、その電子部品38が装着される被装着位置が部品装着位置に対応する位置へ移動させられて、電子部品38が装着される。なお、装着データの修正により、装着をパスすることが予定されていた装着ヘッド130が吸着を行い、装着を予定されていた装着ヘッド130が装着をパスすることとなる場合もある。
【0076】
上記装着ヘッド130が保持する電子部品38の種類等の変更,シフト,電子部品38の供給順および装着順の割り込みは、吸着ノズル190の種類に関係なく、吸着異常が生じた場合に同様に行われる。また、吸着異常が設定回数発生し、あるいは発生率が設定値を超えてノズル異常が検出された場合にも行われる。
【0077】
それに対し、吸着ノズル190の異常が検出されれば、ノズル選択が行われる。以下、ノズル選択を図8および図9に示すノズル選択ルーチンに基づいて説明する。
ノズル選択ルーチンは、16組の装着ヘッド130が順次、ホルダ検出位置に到達する毎に行われる。ノズル選択ルーチンの概略を説明する。ノズル選択ルーチンにおいては、ノズル異常検出ルーチンにおいて吸着ノズル190の異常が検出されたならば、その異常ノズルにより吸着が予定されていた電子部品38について、その吸着に使用可能な吸着ノズル190が複数種類記憶されており、それらが異常ノズルと同じ装着ヘッド130に保持されているのであれば、使用可能ノズルであって、正常である選択可能ノズルの1つが異常ノズルに代わって電子部品38を吸着する吸着ノズルとして選択される。この選択は、吸着に適する順に行われる。使用可能な複数種類の吸着ノズル190が異なる装着ヘッド130に保持されているのであれば、電子部品38の装着予定がない装着ヘッド130により保持された使用可能ノズルであって、正常である選択可能ノズルの1つが異常ノズルに代わって電子部品38を吸着する吸着ノズルとして選択される。この選択も、吸着に適した順に行われる。異常ノズルにより吸着が予定されていた電子部品38について、その吸着に使用可能な吸着ノズル190が1種類のみであって、全部の装着ヘッド130が異常ノズルと同種の吸着ノズル190を保持しているのであれば、異常ノズルを保持する装着ヘッド130に対して、間欠回転盤120の回転方向において上流側に隣接する装着ヘッド130が保持する同種の吸着ノズルが正常であれば、その正常な吸着ノズルが異常ノズルに代わって電子部品38の吸着に用いられるようにされる。
【0078】
吸着異常の検出時には、検出後に、吸着異常が検出された吸着ノズル190を保持する装着ヘッド130に代わって電子部品38を装着する装着ヘッド130が決定され、装着されなかった電子部品38が装着されるようにされるのであるが、異常ノズルの検出に基づくノズル選択によれば、異常ノズルに代わって電子部品38の装着を行う吸着ノズルが、異常ノズルに予定された電子部品38の吸着が行われる前に選択されて決められ、選択された吸着ノズル190によって吸着および装着が異常なく行われるようにされるのであり、後述するように、選択される吸着ノズル190が異常ノズルと同じ装着ヘッド130にあれば、装着順を変えずに済み、異なる装着ヘッド130にあって装着順を変えることがあっても少なくて済む。
【0079】
ノズル選択ルーチンに基づいて詳細に説明する。ノズル選択ルーチンのS1においては、ホルダ検出位置に到達した装着ヘッド130について次に装着が予定されている電子部品38を保持する吸着ノズル190(以後、吸着予定ノズル190と称する)が異常であるか否かが判定される。この判定は、装着データおよび保持吸着ノズルデータに基づいて行われる。吸着予定ノズル190が正常であれば、S1の判定はNOになってルーチンの実行は終了する。
【0080】
吸着予定ノズル190が異常であれば、S1の判定がYESになってS2が実行され、異常ないし不良が検出された吸着ノズル190である異常ノズルないし不良ノズルであって、電子部品38の吸着に使用不可能な吸着ノズル190である使用不可能ノズルにより吸着が予定されていた電子部品38(以後、吸着予定部品と称する)について、その電子部品38の吸着に使用可能な吸着ノズル190が複数種類設定されているか否かが判定される。異常ノズルに代わって吸着予定部品38を吸着する代替ノズルがあるか否かが判定されるのである。
【0081】
この判定は、装着データおよび使用可能ノズルデータに基づいて行われる。吸着予定部品について使用可能ノズルが1種類のみ記憶されているのであれば、S2の判定はNOになってS20が実行され、異常ノズルと同種の吸着ノズル190が全部の装着ヘッド130に保持されているか否かが判定される。例えば、異常ノズルが吸着ノズルDであれば、S2の判定がNO、S20の判定がYESになってS21が実行され、装着パスが可能であるか否かが判定される。
【0082】
装着パスが可能であるのは、異常ノズルを保持する装着ヘッド130に対して、間欠回転盤120の回転方向において上流側に隣接する装着ヘッド130に保持された異常ノズルと同種の吸着ノズル190が正常な場合であり、S21の判定は、装着データおよび保持吸着ノズルデータに基づいて行われる。パスが可能であれば、S21の判定がYESになってS22が実行され、異常ノズルを備えた装着ヘッド130が吸着予定部品の装着をパスするようにされる。その装着ヘッド130については装着パスデータが作成されて、装着を行わないようにされるのであり、また、装着データが修正され、装着をパスする装着ヘッド130より後に電子部品38を装着する装着ヘッド130については、電子部品38の被装着位置,装着する電子部品38の種類,電子部品38の装着に使用する吸着ノズルの種類がシフトされる。
【0083】
それにより、異常ノズルを保持する装着ヘッド130が部品受取位置,部品装着位置に到達しても吸着,装着動作を行わず、異常ノズルを保持する装着ヘッド130の上流側に隣接する装着ヘッド130がホルダ選択位置に至れば、異常ノズル190に代わって電子部品38を受け取る吸着ノズル190を保持するノズルホルダが作用位置に位置させられ、部品供給テーブル30,32,配線板保持装置18は、異常ノズルと同種で正常な吸着ノズル190の部品受取位置,部品装着位置への到達に合わせて移動させられ、その吸着ノズル190により吸着予定部品が吸着され、装着される。また、異常ノズルの発生による装着パスの実行が報知装置430および表示装置432により報知される。異常ノズルの発生により装着パスが実行され、ノズル異常による電子部品装着システム12の停止が生ずる可能性があることが報知されるのである。表示装置432においては、例えば、表示画面に、異常ノズルの種類,異常ノズルを保持するノズルホルダ192および装着ヘッド130等が表示される。
【0084】
それに対し、装着パスが不可能であれば、すなわち隣接する装着ヘッド130が保持する異常ノズルと同種の吸着ノズル190が異常であれば、S21の判定がNOになってS8が実行され、電子部品装着システム12の作動が自動で停止させられる。また、報知装置430および表示装置432により、電子部品装着システム12の作動停止,作動停止の原因、例えば、異常ノズルの発生,異常ノズルの種類,異常ノズルを保持するノズルホルダ192および装着ヘッド130等が報知され、表示される。
【0085】
吸着予定部品について、その吸着予定部品を吸着する吸着ノズル190が複数種類記憶されているのであれば、S2の判定がYESになってS3が実行され、異常ノズル以外の吸着ノズルであって、吸着定部品38の吸着に使用可能な吸着ノズル190として記憶された吸着ノズル190が、異常ノズルを保持する装着ヘッド130に保持されているか否かが判定される。S3の判定は、使用可能ノズルデータおよび保持吸着ノズルデータに基づいて行われる。
【0086】
異常ノズル190が、例えば、多数部品用ノズルAであり、吸着予定部品38について、例えば、多数部品用ノズルA,B,Cが使用可能ノズルとして記憶されていれば、S2の判定がYES,S3の判定がYESになってS4が実行され、現実に選択可能な吸着ノズル190である選択可能ノズルの数が設定値以下であるか否かの判定が行われる。
【0087】
現実に選択可能な吸着ノズル190は、吸着予定部品38の吸着に使用可能なノズルとして記憶され、ノズルホルダ192に現に保持されている吸着ノズルのうちで、S4の実行時に異常が発生しておらず、使用不可能ではないものである。したがって、S4においては、吸着予定部品38の吸着に使用可能であって、異常ノズルと同じ装着ヘッド130に保持された吸着ノズル190であって、保持吸着ノズルデータに記憶されていてノズルホルダ192に現に保持されており、かつ、異常が発生しておらず、異常発生フラグがOFFにリセットされている吸着ノズル190の数が調べられ、設定値と比較される。S4の判定は、使用可能ノズルデータおよび保持吸着ノズルデータに基づいて行われる。
【0088】
設定値が、例えば1に設定され、異常ノズルである多数部品用ノズルAと同じ装着ヘッド130に保持された使用可能ノズルである多数部品用ノズルB,Cがいずれも正常であって、選択可能ノズルであれば、S4の判定はNOになってS5が実行され、ノズル選択が行われる。ここでは、電子部品38について記憶された吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズル190であって、選択時点において現実に選択可能な吸着ノズル190の中から、順位が高い吸着ノズル190から先に電子部品38の吸着に使用される吸着ノズルに選択され、その吸着ノズルが電子部品38の吸着に使用されるように装着データが修正される。吸着予定部品について設定された吸着ノズル190の種類が異常ノズルから、選択可能ノズルのうち、順位が高い吸着ノズル190に書き換えられるのであり、ソフト上のノズル選択が行われると考えることができる。例えば、吸着予定部品38に対して使用可能ノズルとして記憶されている多数部品用ノズルA,B,Cの使用順位が、多数部品用ノズルAが1位、Bが2位、Cが3位であるとすれば、多数部品用ノズルBが吸着に使用されるように装着データが修正される。ノズル選択の実行後、ルーチンの実行が終了する。
【0089】
そして、多数部品用ノズルAが異常であり、多数部品用ノズルBが多数部品用ノズルAに代わって吸着に使用されるノズルに選択された装着ヘッド130がホルダ選択位置に至れば、多数部品用ノズルBを保持するノズルホルダ192が作用位置に位置させられて、多数部品用ノズルBが電子部品38を保持するようにされる。ホルダ選択装置340が、装着ヘッド130を、複数のノズルホルダ192のうち、選択せんとする吸着ノズル190を保持しているものを作用位置に位置させる状態とするのである。ホルダ選択装置340によるノズルホルダ192の位置決めがハード上のノズル選択であり、制御装置400のソフト上のノズル選択を行う部分と、そのソフト上、選択された吸着ノズル190を保持するノズルホルダ192を作用位置に位置決めするホルダ選択装置340とがノズル選択手段を構成していると考えることができる。制御装置400の装着データの修正によるソフト上のノズル選択を行う部分のみがノズル選択手段を構成すると考えることもできる。以後の説明においても同様である。
【0090】
多数部品用ノズルBも異常であれば、現実に選択可能な吸着ノズル190は多数部品用ノズルCのみであり、S4の判定がYESになってS6が実行され、選択可能ノズルが設定数以下であることが報知装置430により報知されるとともに、表示装置432により表示される。この際、例えば、異常ノズルの種類,その異常ノズルを保持する装着ヘッド130,ノズルホルダ192および選択可能ノズルの残りの数等も、選択可能ノズル数設定値以下時データとして表示される。
【0091】
次いでS7が実行され、選択可能ノズルがまだあるか否かが判定される。S4における判定と同様に現実に選択可能な吸着ノズル190が探され、現実に選択可能な吸着ノズル190があれば、S7の判定がYESになってS5が実行され、ノズル選択が行われる。多数部品用ノズルCも異常であり、現実に選択可能な吸着ノズル190がなければ、S7の判定がNOになってS8が実行され、電子部品装着システム12の作動が停止させられる。停止時には、報知装置430により停止が報知されるとともに、作動停止の原因等が表示装置432により表示される。例えば、異常ノズルの種類、異常ノズルを保持するノズルホルダ192および装着ヘッド130が表示されるのであり、オペレータはその表示に基づいて異常ノズルを正常な吸着ノズルに交換する等、適宜の処理を行うことができる。なお、異常ノズルが正常ノズルないし良品ノズルに交換されれば、異常ノズルについて設けられた異常発生フラグがOFFにリセットされるとともに、吸着異常発生回数カウンタが0にクリアされる。吸着ノズル190毎にカウントされる部品供給数も0にクリアされる等のノズル交換時処理が行われる。この際、異常が生じている全部の吸着ノズル190を交換してもよく、電子部品装着システムの作動停止の原因となった異常ノズルのみを交換してもよい。
【0092】
異常ノズルの吸着予定部品について記憶された複数種類の使用可能ノズルが、異常ノズルを保持する装着ヘッド130と同じ装着ヘッド130に保持されていなければ、S3の判定がNOになってS9以下のステップが実行される。例えば、異常ノズルが少数部品用ノズルFであり、吸着予定部品について、その吸着に使用可能な吸着ノズル190として少数部品用ノズルF,G,Hが記憶されているとする。
【0093】
S9においては、異常ノズルを保持する装着ヘッド130と同じグループに属する装着ヘッド130であって、その装着ヘッド130よりも、間欠回転版12の回転方向において上流側に位置する装着ヘッド130に、異常ノズルに代わって吸着予定部品38を吸着することが可能であり、かつ正常な代替可能ノズル190があるか否かが判定される。この判定は、少数部品用ノズルF,G,Hをそれぞれ含む1つずつの装着ヘッド130により構成されるグループのデータ,装着データ,使用可能ノズルデータおよび保持吸着ノズルデータに基づいて行われる。
【0094】
異常な少数部品用ノズルFを保持する装着ヘッド130と同じグループに属し、上流側に位置する装着ヘッドであって、ここでは2つの装着ヘッド130はそれぞれ、少数部品用ノズルG,Hを保持しており、それらがいずれも正常であれば、S9の判定がYESになってS10が実行され、上記上流側に位置する装着ヘッド130であって、少数部品用ノズルG,Hを保持する2つの装着ヘッド130により電子部品38の装着が予定されているか否かの判定が行われる。装着ヘッド130が保持する6種類の吸着ノズル190のいずれかにより電子部品38の吸着が予定されているか否かの判定が行われるのである。この判定は装着データに基づいて行われる。
【0095】
上流側に位置する2つの装着ヘッド130がそれぞれ保持するいずれの吸着ノズル190によっても、電子部品38の装着が予定されていなければ、S10の判定はNOになってS11が実行され、ノズル選択が行われる。ここでは、吸着予定部品の吸着に使用可能な吸着ノズルとして記憶された吸着ノズルであって、ノズルホルダ192により保持されて正常であり、かつ電子部品38の装着が予定されていない吸着ノズルが現実に選択可能なノズルである。S11のノズル選択は、少数部品用ノズルG,Hのうち、使用順位の高い吸着ノズル190を異常ノズルに代わって電子部品38を吸着するノズルとし、その吸着ノズルによって電子部品38の吸着が行われるように装着データを修正することにより行われる。
【0096】
異常ノズルを保持する装着ヘッド130については装着パスデータが作成され、異常ノズルによる吸着予定部品の吸着,装着が行われないようにされる。そして、異常ノズルに代わって吸着予定部品を吸着するノズルに選択された吸着ノズルを保持する装着ヘッドについては、電子部品の装着が予定されておらず、装着パスデータが作成されているが、その装着パスデータが消されるとともに、その装着ヘッドと装着する電子部品の種類,装着に使用する吸着ノズルの種類および被装着位置等とを対応付けるデータが作成される。そして、ソフト上、選択された吸着ノズルを保持する装着ヘッド130がホルダ選択位置に至れば、その吸着ノズルを保持するノズルホルダ192が作用位置に位置させられる。
【0097】
異常ノズルを保持する装着ヘッド130と同じグループに属する他の2つの装着ヘッド130の少なくとも一方について電子部品38の装着が予定されていれば、S10の判定がYESになってS12が実行され、異常ノズルを保持する装着ヘッド130に代わって電子部品38を吸着する吸着ノズル190を保持する装着ヘッド130の候補があるか否かが判定される。上記他の2つの装着ヘッド130の一方について電子部品38の装着が予定され、他方については装着が予定されていなければ、S12の判定がYESになってS13が実行され、ノズル選択が行われる。
【0098】
このノズル選択も使用順位が高い吸着ノズルから順に選択し、装着データを修正することにより行われるが、ここでは、異常ノズルに代わって吸着予定部品を吸着する吸着ノズルを保持することが可能な装着ヘッド130は1つであり、その装着ヘッド130が保持する吸着ノズルであって、吸着予定部品の吸着に使用可能な吸着ノズルとして記憶された吸着ノズル、すなわち吸着ノズルGあるいはHが選択される。吸着ノズルGあるいはHによって吸着,装着が行われるように装着データが修正されるのであるが、この場合には、2つの装着ヘッド130のうちの一方に電子部品の装着が予定されているため、吸着予定部品の装着順が変わることがあり、その場合には、電子部品の供給順も変えられる。
【0099】
異常ノズルを保持する装着ヘッド130と同じグループに属する他の2つの装着ヘッド130のいずれについても電子部品38の装着が予定されていれば、S12の判定はNOになってS14が実行され、異常ノズルの発生,異常ノズルの種類,同じグループ内に代替ノズルがなかったこと等が報知装置430,表示装置432により報知され、表示される。
【0100】
次いでS15が実行され、次のグループ、すなわち異常ノズルを保持する装着ヘッド130を含むグループに対して、間欠回転盤12の回転方向において上流側に隣接するグループに、異常ノズルに代わって電子部品38を吸着する吸着ノズル190があるか否かが判定される。この判定は、S9におけると同様に行われ、次のグループに、少数部品用ノズルF,G,Hがあり、かつ正常であるか否かが判定される。
【0101】
次のグループに、少数部品用ノズルF,G,Hがあり、かつ正常であれば、S15の判定はYESになってS16が実行され、その正常ノズルを保持する装着ヘッド130に電子部品38の装着予定があるか否かが判定される。この判定は装着データに基づいて行われ、装着予定がなければ、S17の判定がNOになってS18が実行され、ノズル選択が行われる。この選択は、使用順位の高い吸着ノズルから順に選択することにより行われる。例えば、少数部品用ノズルF,G,Hのいずれも正常であり、3つの装着ヘッド130のいずれにも電子部品38の装着予定がないとすれば、それらのうち使用順位が最も高いのは、異常ノズルと同種の少数部品用吸着ノズルFであり、S19においては、少数部品用ノズルFが選択される。隣接するグループの装着ヘッド130により保持された少数部品用ノズルFによって吸着予定部品が吸着され、装着されるように装着データが修正されるのである。
【0102】
3つの装着ヘッド130の少なくとも1つについて電子部品38の装着予定があれば、S16の判定がYESになってS18が実行され、代替ノズルの候補があるか、すなわち装着が予定されていない装着ヘッド130があるか否かが判定される。装着が予定されていない装着ヘッド130があればS18の判定がYESになってS19が実行され、ノズル選択が行われる。この選択も、使用順位の高い吸着ノズルから順に選択し、装着データを修正することにより行われる。
【0103】
装着が予定されていない装着ヘッド130がなければ、すなわち3つの装着ヘッド130の全部について電子部品38の装着が予定されていれば、S18の判定がNOになってS11が実行され、電子部品装着システム12の作動が停止させられる。
【0104】
異常ノズルを保持する装着ヘッド130を含むグループに隣接するグループに、吸着予定部品の吸着に使用可能な吸着ノズル190がなく、あってもすべて異常であれば、S15の判定がNOになってS8が実行され、電子部品装着システム12の作動が停止させられる。
【0105】
異常ノズルが少数部品用ノズルGあるいはHであり、吸着予定部品38について吸着に使用可能な吸着ノズル190が1種類のみ記憶されている場合には、S1の判定がYES、S2,S20の判定がNOになってS3が実行される。S3の判定もNOであり、S9が実行されるが、その判定もNOであり、S14において報知が為され、異常ノズルの発生により電子部品装着システム12が停止する可能性が高いことが報知される。
【0106】
次いでS15が実行され、次のグループに少数部品用ノズルGがあり、正常であれば、S15の判定がYESになってS16が実行される。この少数部品用ノズルGを保持する装着ヘッド130に電子部品38の装着予定がなければS17が実行され、その少数部品用ノズルGが異常ノズルに代わって吸着予定部品を吸着する吸着ノズルとして選択される。この少数部品用ノズルGを保持する装着ヘッド130に電子部品38の装着予定があれば、S16の判定がYESになってS18が実行される。1グループ中、少数部品用ノズルGを含む装着ヘッド130は1つであり、残りの装着ヘッド130に候補はなく、S18の判定がNOになってS8が実行される。
【0107】
なお、吸着ノズルG,Hの少なくとも一方による吸着が予定されている電子部品38について、吸着ノズルF,G,Hの3種類が使用可能ノズルとして記憶されている場合、S9の判定は、異常ノズルを保持する装着ヘッド130と同じグループに属する装着ヘッド130であって、異常ノズルを保持する装着ヘッド130より、間欠回転盤120の回転方向において上流側に位置する装着ヘッド130について行われる。その装着ヘッド130がなければ、S9の判定はNOになる。
【0108】
このように、同一種類の電子部品38の吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズルが異なる装着ヘッド130に保持されている場合、電子部品装着システム12の1つの使用態様としては、異常ノズルが生じたとき、電子部品38の装着が予定されていない装着ヘッド130を利用して吸着予定部品38の装着を行わせる。装着が予定されている装着ヘッド130は、異常ノズルを保持する装着ヘッド130に代わって吸着予定部品の装着に用いられることはなく、装着が予定されている装着ヘッド130自身による電子部品38の装着が妨げられることがない。電子部品38の装着が予定されている装着ヘッド130に、異常ノズルを保持する装着ヘッド130に代わって吸着予定部品の装着を行わせれば、本来、予定されている電子部品38の装着を変更しなければならないのに対し、電子部品38の装着が予定されていない装着ヘッドであれば、予定変更の必要がなく、装着能率の低下が抑制される。電子部品38の吸着に使用可能な吸着ノズルとして記憶された複数種類の吸着ノズル190のうち、現実に選択可能な吸着ノズル190の中から装着能率の低下が少なくて済む吸着ノズル190が選択されるのである。
【0109】
さらに、多数部品用ノズルA,B,Cのいずれかにより吸着される電子部品38の吸着に使用可能な吸着ノズルが1種類のみであり、その吸着ノズル190について異常が検出された場合には、S1の判定がYES,S2の判定がNO,S20の判定がYESになってS21,S22が実行される。
【0110】
以上は、本電子部品装着システム12の一使用形態であり、図示は省略するが、電子部品装着システム12においては別の使用形態によっても電子部品38がプリント配線板60に装着される。例えば、少数部品用ノズルF,G,Hについて、それらが使用可能ノズルとして記憶されている電子部品38については、部品供給位置に位置決めされたフィーダ36が供給する電子部品38の種類と、部品受取位置に位置する装着ヘッド130が保持する吸着ノズル190の種類とが合わなくても、すなわち選択順位が1位の吸着ノズルがなくても、2位あるいは3位の吸着ノズル190があれば、その吸着ノズル190に電子部品38を吸着させるのであり、そのように装着データが作成される。
【0111】
また、同一種類の電子部品38の吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズル190が異なる種類の装着ヘッド130に保持され、それら装着ヘッド130がグループを構成する場合、1グループに含まれる装着ヘッド130は3つに限らず、2つでもよく、4つ以上でもよい。いずれにしても1グループに装着ヘッド130が3つ含まれる場合と同様にノズル選択が行われる。
【0112】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、RAM406の使用可能ノズルデータを記憶する部分が使用可能ノズル記憶手段を構成している。制御装置400のS5,S11,S13,S17,S19を実行する部分が適切順位依拠選択手段を構成し、この選択手段は、選択規則記憶手段を含み、ホルダ選択装置340と共にノズル選択手段を構成している。また、制御装置400のS10〜S13,S16〜S19を実行する部分が能率考慮型選択手段を構成している。前述のように、制御装置400のS5,S11,S13,S17,S19を実行する部分のみが選択規則記憶手段を含む適切順位依拠型のノズル選択手段を構成していると考えてもよい。さらに、RAM406の保持吸着ノズルデータを記憶する部分が保持吸着ノズル記憶手段を構成し、異常が検出された吸着ノズル190について異常発生フラグをONにセットすることが選択不可能化手段たる指示手段を構成している。また、制御装置400のS8を実行する部分が自動停止手段を構成し、S6を実行する部分が報知手段を構成している。
さらに、データ格納ルーチンのS52が使用可能ノズル格納ステップを構成し、S52において使用可能ノズルデータをRAM406に記憶する工程が使用可能ノズル格納工程であり、ノズル選択ルーチンのS5,S11,S13,S17,S19がノズル選択ステップを構成し、使用可能ノズルデータから電気部品の吸着に使用するものを選択する工程がノズル選択工程である。
また、部品カメラ302,304および制御装置400の撮像データに基づいて吸着ノズル190の異常を検出する部分が異常ノズル検出装置を構成している。
【0113】
上記実施形態においては、1つの装着ヘッドに吸着ノズルが複数保持され、装着ヘッドに保持された吸着ノズルが使用不可能になった吸着ノズルの代わりに使用されるようにされていたが、吸着ノズルを収容する複数ノズルの収容部を有するノズル収容装置を設け、ノズル収容装置から吸着ノズルを選択するようにしてもよい。その実施形態を図16ないし図27に基づいて説明する。なお、上記実施形態の構成要素と同じ作用を為す構成要素については、同一の符号を付して対応関係を示し、詳細な説明を省略する。
【0114】
本実施形態の電子部品装着システム500は、ノズル選択に関する部分を除いて、特開2000−244193公報に記載の電子部品装着システムと同様に構成されており、その構成は簡単に説明する。
本電子部品装着システム500のシステム本体としてのベース502上には、図16に示すように、配線板コンベヤ504,2個ずつの部品供給装置506,508および部品搬送装着装置510,512が設けられている。本電子部品装着システム500は、本発明の特徴に係る部分を除いて、特開平11−220294号公報に記載の電子部品装着システムと同様に構成されており、簡単に説明する。
【0115】
配線板コンベヤ504は、2つのメインコンベヤ514,516と、1つずつの搬入コンベヤ518および搬出コンベヤ520とを備えている。搬入コンベヤ518は、当該電子部品装着システム500の配線板搬送方向(図示の例ではX軸方向とする)において上流側装置から受け取ったプリント配線板522をメインコンベヤ514あるいは516に搬入し、搬出コンベヤ520は、電子部品の装着が済んだプリント配線板522を受け取り、下流側装置へ搬出する。
【0116】
部品供給装置506,508はそれぞれ、フィーダ支持テーブル530上に着脱可能に固定された複数のフィーダ532を備え、位置を固定して設けられている。フィーダ532により供給される電子部品は、前記フィーダ36により供給される電子部品と同様に、部品保持テープにより保持されてテープ化電子部品とされており、複数のフィーダ532は、各部品供給部がX軸方向に平行な一直線上に並ぶ状態でフィーダ支持テーブル530に固定されている。
【0117】
部品搬送装着装置510,512はそれぞれ、部品装着装置540,542と、それぞれX軸スライド544,546およびY軸スライド548,550を備えて部品装着装置540,542を水平なXY座標面内の任意の位置へ移動させるXYロボット552,554とを有している。これら部品装着装置540,542は同様に構成され、XYロボット552,554も同様に構成されており、部品装着装置540およびXYロボット552を代表的に説明する。
【0118】
Y軸スライド548は、Y軸スライド移動用モータ555(図24参照)を駆動源とし、Y軸スライド移動用モータ555の回転を直線運動に変換してY軸スライド548に伝達する運動変換装置を含むY軸スライド移動装置により、ベース502上をY軸方向に移動させられる。X軸スライド544も同様に、図17に示すように、X軸スライド移動用モータ556を駆動源とし、送りねじとしてのボールねじ553,ナット557を含む運動変換装置559を備えたX軸スライド移動装置561により、Y軸スライド548上をX軸方向に移動させられる。
【0119】
部品装着装置540は、X軸スライド544に回転可能に取り付けられた回転体の一種である間欠回転体558(図17参照)を有している。間欠回転体558は、X軸スライド544により回転可能に保持された回転軸560と、回転軸560に固定の保持軸保持部材562とを含む。間欠回転体558は、X軸スライド544に、回転軸線が、水平な搬送平面に対する垂線に対して、間欠回転体558の回転軸線を中心線とする円錐面の一母線が搬送平面と直交する状態となる角度だけ傾斜した状態で取り付けられており、駆動源たる旋回用モータ566および回転伝達装置568を含む回転駆動装置570により、回転軸560の軸線まわりに正逆両方向に任意の角度、精度良く回転させられる。
【0120】
間欠回転体558には複数、例えば、16組の装着ヘッド580が、間欠回転体558の回転軸線を中心として等角度間隔に、かつ、上記円錐面の複数本の母線の各々を軸線として保持されている。装着ヘッド580は、本実施形態では、図18に示すように、スリーブ582,ノズルホルダ584を含む。スリーブ582は、保持軸保持部材562に、上記円錐面の一母線に平行な中心線まわりに回転可能かつ軸方向に相対移動不能に嵌合されている。
【0121】
ノズルホルダ584は、スリーブ582に軸方向に相対移動可能に嵌合された保持軸586と、保持軸586に相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能であって、着脱可能に保持されたアダプタ588とを含み、アダプタ588において吸着ノズル590を着脱可能に保持している。
【0122】
吸着ノズル590は負圧により電子部品592を吸着して保持するものであり、ノズル本体594および吸着管596を備えている。吸着ノズル590はノズル本体594の嵌合部ないし被保持部たるテーパ部597において、アダプタ588の被嵌合部の一種である嵌合穴ないし保持部たるテーパ穴598に嵌合されるとともに、アダプタ588に脱落不能に保持されたコの字形のばね部材600によりアダプタ588内に引き込まれ、保持されている。本実施形態においては、装着ヘッド580はノズルホルダを1つ含み、吸着ノズルを1つ保持している。なお、符号602は発光板であり、円板状を成す。発光板602の下面604(吸着管596が延び出させられた側の面)には、蛍光材料の層が形成されており、紫外線を吸収し、電子部品592に向かって可視光線を放射する。
【0123】
複数の装着ヘッド580は、間欠回転体558の回転時に、間欠回転体558の回転軸線を中心として旋回させられ、複数の停止位置に順次停止させられる。間欠回転体558および回転駆動装置570がヘッド旋回装置を構成している。複数の停止位置のうち、保持軸586の軸線が水平な搬送平面と直交する状態となる位置が部品吸着装着位置である。同じ停止位置において電子部品592の吸着(フィーダ532からの取出し)と、プリント配線板522への装着とが行われるのである。部品吸着装着位置から90度離れた位置が部品保持姿勢検出位置ないし撮像位置とされており、X軸スライド544の部品保持姿勢検出位置に対応する位置には、部品撮像システムが設けられ、部品カメラ610(図24参照)により電子部品592を撮像するようにされている。X軸スライド544にはまた、基準マークカメラ612(図24参照)を含み、プリント配線板522に設けられた基準マークを撮像する基準マーク撮像システムが設けられている。これらカメラ610,612は、本実施形態においては、CCDカメラにより構成されるとともに、面撮像装置とされている。
【0124】
本実施形態では、搬送平面(X軸スライド544,546およびY軸スライド548,550の移動経路を含む面)が水平面であるため、部品吸着装着位置に停止させられた装着ヘッド580は、上下方向(垂直)に延びる状態となる。間欠回転体558の回転軸線は、水平な搬送平面に対する垂線に対して傾斜させられているため、装着ヘッド580の高さは部品吸着装着位置において最も低くなり、他の装着ヘッド580はそれより高くなる。本部品搬送装着装置510においては、間欠回転体558の回転軸線の傾斜により、複数個の装着ヘッド580の高さが互いに異ならされているのである。
【0125】
X軸スライド544の部品吸着装着位置に対応する位置には、図17に示すように、昇降装置620が設けられており、ノズルホルダ584を昇降させる。昇降装置620は、リニアモータ622を駆動源とし、リニアモータ622により移動部材626が下降させられ、昇降駆動部材628が下降させられることにより昇降駆動部630が下降させられ、部品吸着装着位置へ移動させられたノズルホルダ584の保持軸586に係合し、圧縮コイルスプリング632(図18参照)の付勢力に抗してノズルホルダ584(ノズルホルダ584に吸着ノズル590が保持されている場合には吸着ノズル590も)が下降させられる。移動部材626が上昇させられ、昇降駆動部材628が上昇させられて昇降駆動部630が上昇させられれば、保持軸586は圧縮コイルスプリング632の付勢により昇降駆動部630に追従して上昇させられ、ノズルホルダ584が上昇させられる。圧縮コイルスプリング632も昇降装置620の構成要素であると考えることができる。
【0126】
なお、X軸スライド544の部品吸着装着位置近傍には、昇降駆動部材628の昇降と連動して、圧力切換弁640の切換えを行う切換弁制御装置の機構部644が設けられている。圧力切換弁640の切換えにより、吸着ノズル590と負圧源,正圧源および大気との連通が許容,遮断される。
【0127】
装着ヘッド580は、図17に示すヘッド回転装置650により、自身の軸線のまわりに回転させられ、それにより吸着ノズル590により保持された電子部品592の方位誤差が修正され、あるいは方位が変更される。ヘッド回転装置650は、駆動源たる方位補正変更用モータ652を含み、その回転が回転伝達装置666によりスリーブ582に伝達され、スリーブ582が垂直軸線まわりに回転させられる。スリーブ582の回転はリング状の摩擦部材670(図18参照)により保持軸586に伝達され、ノズルホルダ584に保持された吸着ノズル590が自身の軸線まわりに回転させられる。
【0128】
配線板コンベヤ504のメインコンベヤ514,516と部品供給装置506,508との間にはそれぞれ、図16に示すように、ノズル収容装置680,682が設けられている。これらノズル収容装置680,682の構成は同じであり、ノズル収容装置680を代表的に説明する。
【0129】
ノズル収容装置680は、図19および図20に示すように、ノズル収容部材たるノズル収容板684,収容部材受部材たる収容板受台686および収容部材保持装置たる収容板保持装置688を含む。収容板保持装置688は、流体圧アクチュエータの一種である流体圧シリンダたるエアシリンダ690を駆動源とする収容部材昇降装置たる収容板昇降装置692を含み、収容板受台686を上昇端位置と下降端位置とに昇降させる。
【0130】
ノズル収容板684は、収容板受台686上に工具を使用することなく着脱可能に取り付けられており、収容板受台686と共に昇降させられる。ノズル収容板684は、図20および図21に示すように、収容板受台686に対する相対回転,ノズル収容板684の板面に平行な方向における相対移動および浮き上がりを阻止された状態で、収容板受台686に設けられた留め具696により、収容板受台686に取り付けられている。この取付けは、作業者が手動操作で解除することができる。
【0131】
ノズル収容板684は、図21および図22に示すように、矩形の板状を成し、複数のノズル収容部の一種であるノズル収容凹部たるノズル収容穴700が、ノズル収容板684の板面に平行な一平面に形成されている。これらノズル収容穴700はそれぞれ、図23に示すように、段付状を成し、ノズル収容板684を厚さ方向に貫通して形成され、小径穴部702および大径穴部704を有する。
【0132】
これら複数のノズル収容穴700にはそれぞれ、吸着ノズル590が嵌合されて収容されている(図19には吸着ノズル590が2個、代表的に図示されている。なお、図21,図22においては、吸着ノズル590の図示は省略されている)。吸着ノズル590は、吸着管596が小径穴部702に嵌合され、発光板602が大径穴部704に嵌合されるとともに、大径穴部704の底面により下方から支持され、嵌合部597は、ノズル収容板684から上方へ突出させられている。ノズル収容板684は、複数の吸着ノズル590を個別に取出し可能に収容しているのである。
【0133】
本実施形態の部品搬送装着装置510,512は、部品装着装置540,542において電子部品592の装着に使用される複数の吸着ノズル590の全部あるいは一部の種類が異なる態様で使用することができる。種類の異なる吸着ノズル590は、発光板602の直径は同じであるが、吸着管596の直径を異にし、電子部品592の形状,寸法に応じた吸着管596を有する吸着ノズル590が電子部品592の吸着,装着に使用される。種類の異なる吸着ノズル590が使用される場合には、ノズル収容板684には、複数種類の吸着ノズル590が保持される。吸着ノズル590は、使用頻度の高い吸着ノズル590ほど数が多くされ、種類毎にまとめて保持される。なお、ノズル収容穴700の小径穴部702の直径は、最も大きい吸着管596が嵌合可能な大きさとされ、大径穴部704の直径は発光板602より僅かに大きくされている。また、吸着ノズル590は、その種類が異なっても嵌合部597の大きさは同じである。
【0134】
ノズル収容板684には、図19ないし図22に示すように、ノズル収容穴740を覆う離脱阻止板720が、ノズル収容板684の板面に平行な一平面に沿って移動可能に設けられている。離脱阻止板720は薄い板状を成し、複数、例えば、4つの開口722が離脱阻止板720を厚さ方向に貫通し、離脱阻止板720の長手方向に平行に形成されている。各開口722はそれぞれ、複数の円形穴部724と、隣接する円形穴部724をつなぐつなぎ部726とを有する。
【0135】
これら円形穴部724はそれぞれ、ノズル収容穴700の大径穴部704より僅かに大きい径を有し、ノズル収容穴700のノズル収容板684の長手方向における形成ピッチと等しいピッチで形成されている。また、つなぎ部726は、吸着ノズル590のノズル本体594の最大直径より大きく、発光板602の直径より小さい幅(離脱阻止板720の板面に平行な平面内において開口722の長手方向と直角な方向の寸法)を有し、離脱阻止板720の複数のつなぎ部726をそれぞれ画定する一対ずつの突部が離脱阻止部728を構成している。
【0136】
ノズル収容板684と離脱阻止板720との間には、図19ないし図21に示すように、付勢手段の一種である弾性部材たるばね部材としての引張コイルスプリング740が掛け渡されている。このスプリング740の付勢による離脱阻止板720の移動限度は、ノズル収容板684に立設された複数のピン742と、離脱阻止板720に設けられ、複数のピン742がそれぞれ嵌合された複数の長穴744とにより規定される。また、これらの嵌合により離脱阻止板720のノズル収容板684に対する回転が阻止されるとともに、離脱阻止板720の移動が案内される。
【0137】
離脱阻止板720は、図19に示す離脱阻止板駆動装置750により、ノズル収容板684の板面に平行な方向に移動させられる。離脱阻止板駆動装置750は、駆動源の一種である流体圧アクチュエータとしての流体圧シリンダたるエアシリンダ752を含む。エアシリンダ752は収容板受台686に設けられ、そのピストンロッド754は離脱阻止板720に係合させられており、ピストンロッド754が伸縮させられれば、離脱阻止板720が移動させられ、図21に示す作用位置、すなわち離脱阻止部728が、ノズル収容穴700に嵌合された吸着ノズル590の発光板602に係合し、吸着ノズル590のノズル収容穴700からの離脱を阻止する離脱阻止位置と、図22に示す退避位置、すなわち開口722の円形穴部724とノズル収容穴700との位置がほぼ合致し、吸着ノズル590の収納,取出しを許容する許容位置とに移動させられる。離脱阻止板720は、前記引張コイルスプリング740の付勢力に抗して退避位置ないし許容位置へ移動させられる。
【0138】
なお、引張コイルスプリング740は、ノズル収容板684が収容板受台694から外されたとき、離脱阻止板720を作用位置に向かって付勢し、離脱阻止板720を吸着ノズル590のノズル収容板684からの離脱を防止する状態に保つ。
【0139】
本電子部品装着システム500は、図24に示す制御装置800により制御される。制御装置800は、前記制御装置400と同様にコンピュータ802を主体として構成されており、詳細な説明は省略する。なお、Y軸スライド移動用モータ555等は、サーボモータにより構成されており、Y軸スライド移動用モータ555について代表的に示すように、エンコーダ810によって回転角度が検出される。また、図24において図示は省略するが、制御装置800は、この他に、前記メインコンベヤ514,516等を制御する。RAM406には、図示を省略するメインルーチン,データ格納ルーチン,図25にフローチャートで表されるノズル交換ルーチンの他、部品搬送装着装置510,512を制御して電子部品592をプリント配線板522に装着するための装着プログラム等、種々のプログラムおよびデータ等が記憶されている。
【0140】
次に作動を説明する。
2個の部品搬送装着装置510,512は、装着プログラムに従って制御され、メインコンベヤ514とメインコンベヤ516とのいずれか一方により位置決め支持されたプリント配線板522に交互に電子部品592を装着する。1枚のプリント配線板522について、本電子部品装着システム500において装着が予定された全部の電子部品592を部品搬送装着装置510,512が共同して装着するのである。メインコンベヤ514,516のうち、一方のメインコンベヤにおいて位置決め支持されたプリント配線板522について電子部品592の装着が行われている間、他方のメインコンベヤにおいてはプリント配線板522の搬出,搬入および位置決め支持が行われ、搬入されたプリント配線板522は電子部品592の装着に備えてメインコンベヤ上で待機させられる。一方のメインコンベヤにより支持されたプリント配線板522への電子部品592の装着が終了すれば、そのプリント配線板522は搬出コンベヤ520により搬出されるとともに、他方のメインコンベヤにおいて待機させられているプリント配線板522への電子部品592の装着が開始される。
【0141】
2個の部品搬送装着装置510,512がそれぞれ電子部品592を取り出す部品供給装置は決まっており、部品搬送装着装置510は、部品供給装置506から電子部品592を取り出し、部品搬送装着装置512は、部品供給装置508から電子部品592を取り出す。部品搬送装着装置510について、電子部品592の取出し,装着を代表的に説明する。
【0142】
電子部品592の取出し時には、間欠回転体558の間欠回転により、16組の装着ヘッド580および吸着ノズル590が順次部品吸着装着位置に位置決めされるとともに、XYロボット552により、電子部品592を供給するフィーダ532の部品供給部上へ移動させられる。装着ヘッド580が部品吸着装着位置へ到達するとき、ノズルホルダ584が昇降駆動部630の下方に位置する状態になり、その状態でリニアモータ632が起動され、移動部材636が下降させられることにより、昇降駆動部630が下降させられてノズルホルダ584および吸着ノズル590が下降させられる。この際、圧力切換弁640が負圧供給状態に切り換えられ、吸着ノズル590が電子部品592に接触して負圧により吸着した後、移動部材636が上昇させられ、ノズルホルダ584が圧縮コイルスプリング632の付勢により上昇位置へ上昇させられ、吸着ノズル590がフィーダ532から電子部品592を取り出す。
【0143】
16個の吸着ノズル590はそれぞれ、部品吸着装着位置において電子部品592を取り出した後、部品保持姿勢検出位置に至ったとき、部品カメラ610により電子部品592の保持姿勢が撮像され、吸着ノズル590による電子部品592の中心位置誤差および回転位置誤差が求められる。部品保持姿勢検出位置には図示しない紫外線照射装置が設けられており、発光板602に向かって紫外線を照射し、発光板602は紫外線を吸収し、電子部品592に向かって可視光線を放射し、部品カメラ610により電子部品592の投影像が撮像される。部品撮像システムは、電子部品592の正面像が撮像されるように構成してもよい。
【0144】
全部の吸着ノズル590が電子部品592を吸着したならば、部品装着装置540がXYロボット552によりプリント配線板522上へ移動させられ、電子部品592を装着する。吸着ノズル590がプリント配線板522に電子部品592を装着するノズルホルダ584は、間欠回転体558の回転により部品吸着装着位置に位置決めされ、XYロボット552によってプリント配線板522の部品装着箇所上へ移動させられる。
【0145】
この移動中に、部品吸着装着位置に位置する装着ヘッド580がヘッド回転装置650により自身の軸線のまわりに回転させられ、吸着ノズル590が自身の軸線のまわりに回転させられて電子部品592の回転位置誤差が修正される。電子部品592の回転位置が変更され、姿勢が変更されることもある。なお、プリント配線板522への電子部品592の装着に先立ってプリント配線板522に設けられた基準マークが基準マークカメラ612により撮像され、プリント配線板522の複数の部品装着箇所の各々についてX軸方向およびY軸方向の各位置誤差が演算されている。装着ヘッド580の移動距離は、プリント配線板522の部品装着箇所のX軸,Y軸方向の各位置誤差,電子部品592の中心位置のX軸,Y軸方向の各位置誤差を修正すべく、修正される。電子部品592の中心位置のX軸,Y軸方向の各位置誤差は、吸着ノズル590が電子部品592を吸着する際に生ずる中心位置誤差,電子部品592の回転位置誤差の修正により生ずる中心位置の変化および電子部品592の回転位置の変更により生ずる中心位置の変化の和である。移動後、昇降装置620によってノズルホルダ584が下降させられ、電子部品592がプリント配線板522上に載置される。この際、圧力切換弁640が正圧供給状態に切り換えられて、吸着ノズル590は電子部品592を解放し、さらに大気に連通させられる。電子部品592の載置後、吸着ノズル590は上昇位置へ上昇させられる。
【0146】
上記間欠回転体558の間欠回転および部品装着装置540の移動等が繰り返され、部品装着装置540において保持された全部の電子部品592がプリント配線板522に装着されたならば、部品装着装置540は電子部品592を取り出すべく、部品供給装置506へ移動する。
【0147】
本電子部品装着システム500においても、前記実施形態におけると同様に、ノズル異常検出ルーチンが実行され、吸着異常および吸着ノズル590の異常の検出が行われる。吸着ノズル590の異常が検出されれば、異常ノズルはノズル収容装置680,682に戻され、ノズル収容装置680,682に収容された正常な吸着ノズル590がノズルホルダ584により保持される。ノズル収容装置680,682には、同一種類の吸着ノズル590が複数、収容されており、異常ノズルと同種で正常な吸着ノズル590があれば、その吸着ノズル590がノズルホルダ584により保持される。異常ノズルと同種で正常な吸着ノズル590がない場合には、異常ノズルによる吸着が予定されていた吸着予定部品について、その吸着に使用可能な吸着ノズル590が複数種類記憶されているのであれば、それら複数種類の吸着ノズル590から電子部品592の吸着に使用するものが選択されるとともに、ノズルホルダ584によってノズル収容穴700から取り出される。本実施形態においては、複数のノズル収容穴700が複数のノズル保持部として機能するのである。
【0148】
なお、本実施形態においては、部品装着装置540,542が吸着ノズル590の戻しおよび取出しを行うノズル収容装置はそれぞれ決まっており、部品装着装置540はノズル収容装置680に対して、部品装着装置542はノズル収容装置682に対してそれぞれ、吸着ノズル590の戻しおよび取出しを行う。
【0149】
本実施形態においては、装着作業の開始に先立って、コンピュータ802の要求に基づいてホストコンピュータ414から図示を省略する装着データ,使用可能ノズルデータ,図26に示すノズル収容データ,図27に示す装着ヘッドデータ等が供給され、RAM406に格納される。ノズル収容データは、ノズル収容装置680,682の各々について作成され、例えば、ノズル収容位置(ノズル収容装置680,682におけるノズル収容穴700の位置)と、ノズル収容穴700に収容された吸着ノズル590の種類とが対応付けて記憶されるとともに、吸着ノズル590の各々について異常発生フラグが設けられている。ノズル収容位置については、ノズル収容装置680,682の端から順に番号が付されるとともに、各位置を規定するXY座標データが記憶されている。オペレータは、ノズル収容データの表示に基づいて吸着ノズル590をノズル収容穴700に保持させることができる。
【0150】
装着ヘッドデータは、部品装着装置540,542の各々について作成され、16組の装着ヘッド580,各装着ヘッド580に保持される吸着ノズル590の種類および吸着ノズル590のノズル収容装置680,682における収容位置が対応付けて記憶されている。16組の装着ヘッド580については更に、現に装着ヘッド580に保持されている吸着ノズル590の吸着異常の発生回数をカウントするカウンタ,異常発生を記憶する異常発生フラグが記憶されるようにされている。
【0151】
また、使用可能ノズルデータは、図示は省略するが、前記実施形態におけると同様に、部品装着装置540,542によってプリント配線板522に装着される電子部品592の種類と、各電子部品592の吸着に使用可能な吸着ノズル580とを対応付けたデータである。同一種類の電子部品592の吸着に複数種類の吸着ノズル590の使用が可能であれば、それら複数種類の吸着ノズル590が順位を付けて記憶される。さらに、装着データは、図示は省略するが、プリント配線板522の電子部品592の被装着位置,装着順,装着される電子部品592の種類,電子部品592を吸着する吸着ノズル590の種類,吸着ノズル590を保持する装着ヘッド580,部品供給装置506,508の電子部品592を供給するフィーダ532を指示するデータ等を含み、装着データに従って電子部品592のプリント配線板522への装着が行われる。
【0152】
装着ヘッドデータの吸着ノズル590およびノズル収容位置についてはそれぞれ、初期データが格納されている。本実施形態においては、装着作業の開始時には、部品装着装置540,542の各複数の装着ヘッド580はそれぞれ空の状態にあり、装着作業の開始に先立って、装着ヘッドデータの初期データに従って部品装着装置540,542がノズル収容装置680,682から吸着ノズル590を自動で取り出し、保持する。ここでは、ノズル収容装置680,682の全部のノズル収容穴700に吸着ノズル590が収容され、部品装着装置540,542の全部の装着ヘッド580が吸着ノズル590を保持し、電子部品592の装着を行うこととする。そのようにノズル収容データおよび装着ヘッドデータが作成されている。そのため、ノズル収容装置680,682においてはそれぞれ、16個ずつのノズル収容穴700が空の状態にある。なお、装着ヘッド580による吸着ノズル590の取出しの具体的な作動は、後に説明する。
【0153】
吸着ノズル異常発生時における吸着ノズル590の交換を、図25に示すノズル交換ルーチンに基づいて説明する。なお、吸着ノズル590の異常検出およびノズル交換は、2つの部品装着装置540,542において別々にかつ同様に行われるため、部品装着装置540について代表的に説明する。
【0154】
ノズル交換ルーチンのS101においては、異常な吸着ノズル590が生じたか否かが判定される。吸着ノズル590が異常であるか否かの判定は、図示を省略するノズル異常検出ルーチンにおいて前記実施形態におけると同様に、部品カメラ610による吸着ノズル590および電子部品592の撮像に基づいて行われ、吸着ノズル590の異常が検出されなければ、S101の判定はNOになってルーチンの実行は終了する。
【0155】
なお、ノズル異常検出ルーチンにおいて吸着異常が検出された場合、吸着異常が検出された吸着ノズル590による装着が予定されていた電子部品592はプリント配線板522に装着されない。装着されなかった電子部品592は、例えば、吸着異常が検出された際に部品装着装置540の16組の装着ヘッド580に予定されていた電子部品592の装着の次に行われる電子部品592の装着時にプリント配線板522に装着されるようにされる。そのように装着データが修正されるのである。部品カメラ610による吸着異常が検出された時点で、まだ電子部品592を吸着しておらず、吸着異常が検出された吸着ノズル590に代わって電子部品592を吸着することができる吸着ノズル590があれば、素の吸着ノズル590に電子部品592を吸着させるようにしてもよい。
【0156】
部品装着装置540が部品供給装置506から電子部品592を受け取っている最中であっても、プリント配線板522に電子部品592を装着している最中であっても、いずれかの吸着ノズル590に異常が検出されれば、S101の判定がYESになってS102が実行される。なお、異常検出ルーチンにおいて吸着ノズル590の異常が検出されれば、装着ヘッドデータにおいて、異常ノズルを保持する装着ヘッドについて異常発生フラグがONにセットされるとともに、ノズル収容データにおいて、異常ノズルの収容位置について設けられた異常発生フラグがONにセットされる。異常ノズルの収容位置は、装着ヘッドデータからわかる。
【0157】
S102においては、異常が検出された吸着ノズル590が電子部品592を保持しているか否かが判定される。吸着ノズル590の異常検出は部品カメラ610による電子部品592および吸着ノズル590の撮像に基づいて行われ、この撮像データから吸着ノズル590が電子部品592を保持しているか否かがわかる。吸着ノズル590が電子部品592を保持していれば、S102の判定はYESになってS103が実行され、電子部品592が排出される。
【0158】
図示は省略するが、XYロボット552,554による部品装着装置540,542の移動領域内に電子部品592を排出するための電子部品収容器が設けられており、電子部品592を保持した異常ノズルは電子部品収容器上へ移動させられて電子部品592を捨てる。
【0159】
吸着ノズル590が電子部品592を保持していない場合には、S102の判定がNOになってS104が実行され、ノズル収容装置680に異常ノズルと種類が同じであって正常な吸着ノズル590があるか否かが判定される。吸着ノズル590が電子部品592を保持している場合には、その電子部品592の排出後、S104が実行される。
【0160】
部品カメラ610の撮像に基づいて吸着ノズル590の異常が検出された装着ヘッド580は装着データからわかり、その装着ヘッド580および装着ヘッドデータから、現に装着ヘッド580により保持されている吸着ノズル590であって、異常が検出された吸着ノズル590の種類がわかる。S104の判定は、異常ノズルの種類およびノズル収容データに基づいて行われる。異常ノズルが発生すれば、ノズル収容データにおいてノズル収容位置について設けられた異常発生フラグがONにセットされ、使用不可能になった吸着ノズル590は選択不可能であることが指示され、使用されないようにされるからである。ノズル収容位置を表すデータは、ノズル保持部として機能するノズル収容穴700の名称と考えることができ、本実施形態においては、ノズル収容データが、複数のノズル保持部の各々に現在保持されている吸着ノズル590の種類を各保持部の名称と関連付けて記憶する保持吸着ノズルデータであり、RAM406が保持吸着ノズル記憶手段を構成している。
【0161】
ノズル収容装置680に異常ノズルと同種で正常な吸着ノズル590があれば、S104の判定がYESになってS105が実行され、異常ノズルを保持するノズルホルダ584によってノズル収容装置680から取り出され、異常ノズルと交換される正常ノズルが決定される。異常ノズルと同種で正常な吸着ノズル590が複数あれば、例えば、予め設定された規則に従って取り出される正常ノズルが決定される。例えば、収容順に従って取り出され、あるいは異常ノズルの収容位置に最も近い吸着ノズル590から取り出されるようにされる。
【0162】
交換される正常ノズルの決定後、S106が実行され、ノズル交換が自動的に行われる。異常ノズルのノズル収容装置680への戻しと正常ノズルの取出しとが行われるのである。吸着ノズル590の交換時には、吸着ノズル590を交換する装着ヘッド580が部品吸着装着位置に位置させられるとともに、XYロボット552により、空のノズル収容穴700上であって、異常ノズルが収容されていたノズル収容穴700へ移動させられる。異常ノズルは予め設定されたノズル収容位置であって、当初から収容されていたノズル収容穴700に戻されるのである。この装着ヘッド580の移動時には、ノズル収容板684は下降端位置にあり、装着ヘッド580の移動後、収容板受台686が上昇させられ、ノズル収容板684が上昇端位置へ上昇させられる。
【0163】
ノズル収容板684の上昇後、ノズルホルダ584が昇降装置620により下降させられ、吸着ノズル590の吸着管596が小径穴部702内に嵌入させられる。この状態では、離脱阻止板720は、図21に示すように作用位置にあり、発光板602は離脱阻止板720の小距離上方に位置する。
【0164】
吸着管596の小径穴部702内への嵌入後、図22に示すように、離脱阻止板720がエアシリンダ752により退避位置へ移動させられ、次いでノズルホルダ584が昇降装置620により下降させられ、発光板602が大径穴部704に嵌合される。下降後、離脱阻止板720がエアシリンダ752によって作用位置へ移動させられた後、昇降駆動部材628がノズルホルダ584から吸着ノズル590が離脱するのに十分な位置、本実施形態においては上昇位置へ移動させられ、ノズルホルダ584が上昇位置へ上昇させられる。この際、離脱阻止板720の離脱阻止部728が発光板602に係合して吸着ノズル590のノズル収容板684からの離脱を阻止する。それにより吸着ノズル590に、ばね部材600が吸着ノズル590をアダプタ588内に引き込む引込力(アダプタ588が吸着ノズル590を保持する保持力)より大きい引抜力が吸着ノズル590の先端に向かう向きに、すなわちアダプタ588から離脱する向きに加えられれば、吸着ノズル590がアダプタ588から取り外され、ノズル収容板684に収容される。発光板602は、離脱防止部728と係合して吸着ノズル590に引抜力を作用させる係合部を構成している。
【0165】
ノズルホルダ584が吸着ノズル590をノズル収容板684に戻した後、ノズル収容板684が下降端位置へ下降させられ、下降後、空のノズルホルダ584は、XYロボット552により、ノズル収容板684に保持された吸着ノズル590のうち、異常ノズルと同じ種類の吸着ノズル590であって、S105において決定された正常な吸着ノズル590上へ移動させられる。
【0166】
ノズルホルダ584の移動後、ノズル収容板684が上昇端位置へ上昇させられる。ノズル収容板684の上昇後、ノズルホルダ584が下降させられ、アダプタ588のテーパ穴598に吸着ノズル590のテーパ部597が嵌合されるとともにばね部材600により保持される。
【0167】
嵌合後、離脱阻止板720が退避位置へ移動させられた後、ノズルホルダ584が上昇位置へ上昇させられて吸着ノズル590がノズル収容板684から離脱させられる。次いで、離脱阻止板720が作用位置へ移動させられ、ノズル収容板684に保持された吸着ノズル590の飛出しが防止された状態でノズル収容板684が下降端位置へ下降させられる。そして、装着ヘッドデータにおいて異常ノズルについてセットされていた異常発生フラグがOFFにリセットされるとともに、異常発生カウンタが0にクリアされる。装着ヘッドデータにおいてはまた、新たにノズルホルダ584により保持された正常ノズルの収容位置が記憶されるとともに、ノズル収容データにおいて、異常フラグが戻されたノズル収容位置について設けられた異常発生フラグがONにセットされる。以上で異常ノズルと正常ノズルとの交換が終了し、部品装着装置540は電子部品592の装着作業に復帰する。
【0168】
それに対し、異常が発生した吸着ノズル190と種類が同じであって、ノズル収容装置680に収容された複数の同一種類の吸着ノズル590の全部が異常であれば、S104の判定がNOになってS107が実行され、現実に選択可能な吸着ノズルの数が設定値以下であるか否かの判定が行われる。現実に選択可能な吸着ノズル590は、異常ノズルによる吸着が予定されている電子部品592の吸着に使用可能な吸着ノズル590であって、正常な吸着ノズル590であり、現にノズル収容装置680に収容されているものである。吸着予定部品は、装着データからわかり、使用可能ノズルデータおよびノズル収容データに基づいて現実に使用可能な吸着ノズル590の総数が調べられ、設定値、例えば、1以下であるか否かが判定される。
【0169】
現実に選択可能な吸着ノズル590の数が設定値より多ければ、S107の判定はNOになってS108が実行され、ノズル選択が行われる。ここにおいてノズル選択は、異常ノズルによる吸着が予定されている電子部品592について記憶された使用可能な複数種類の吸着ノズル590のうち、異常ノズルに代わってノズルホルダ192に保持させ、電子部品38の吸着を行わせる吸着ノズル590であって、異常ノズルと交換されるノズルを決定することにより行われる。ソフト上のノズル選択が行われるのである。異常ノズルによる吸着が予定されている電子部品592について記憶された使用可能な複数種類の吸着ノズル590のうち、順位が高い吸着ノズル590から先に交換ノズルに決定される。同順位の吸着ノズル590が複数あれば、S105における交換吸着ノズル590の決定と同様に、予め設定された規則に従って決定される。ノズル選択後、S106が実行され、XYロボット552,収容板昇降装置692,離脱阻止板駆動装置750等が作動させられ、S108におけるノズル選択に従って吸着ノズル590が交換され、異常ノズルがノズル収容装置680に戻され、選択された正常ノズルが装着ヘッド580により保持される。また、ノズル収容データにおいて、異常ノズルについて異常発生フラグがONにされ、装着ヘッドデータにおいては、異常ノズルを保持していた装着ヘッド580について、吸着異常発生回数カウンタがクリアされ、異常発生フラグがリセットされるとともに、新たに保持した正常ノズルのノズル収容装置680におけるノズル収容位置が記憶される。吸着ノズル590の種類については、初期データのままとされ、異常ノズルの代わりにノズルホルダ584に保持された吸着ノズル590は、異常ノズルを保持していた装着ヘッド580に予定された電子部品592の装着時に、異常ノズルに代わって電子部品592を吸着し、装着する。初期データにより設定された吸着ノズル590に加えて、新たに保持された異なる種類の吸着ノズル590の種類が記憶されるようにしてもよい。
【0170】
現実に選択可能な吸着ノズル590の数が設定値以下になれば、S107の判定がYESになってS109が実行され、選択可能な吸着ノズル590の数が少ないこと等が報知装置430,表示装置432等により報知され、表示される。次いでS110が実行され、選択可能ノズルがあるか否かが判定される。選択可能ノズルがあれば、S110の判定はYESになってS108が実行され、ノズル選択が行われる。設定値が1に設定されている場合、現実に選択可能な吸着ノズル590は1つであり、その吸着ノズル590が選択される吸着ノズルとされ、異常ノズルがノズル収容装置680に戻された後、ノズルホルダ584により保持される。
【0171】
選択可能な吸着ノズル590がなければ、S110の判定がNOになってS111が実行され、電子部品装着システム500の作動が停止させられるとともに、システム500の作動停止および選択可能な吸着ノズル590がなくなったこと等が報知装置430等により報知され、表示される。この際、選択可能な吸着ノズル590がなくなった部品装着装置のみについて作動を停止し、他方の部品装着装置には電子部品の装着作業を行わせてもよい。
【0172】
選択可能な吸着ノズル590がなくなったことが報知されれば、オペレータは吸着ノズル590の交換を行う。この交換は、ノズル収容装置680においてノズル収容板684ごと、収容された全部の吸着ノズル590が正常である別のノズル収容板684と交換することにより行ってもよく、あるいは現に収容板受台686に保持されているノズル収容板684について、オペレータが異常なノズルを正常なノズルに交換することにより行うようにしてもよい。
【0173】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に特有の構成について説明すれば、制御装置800のS108を実行する部分が適切順位依拠選択手段を構成し、S106を実行する部分がノズル取出制御手段を構成し、これらがノズル選択手段を構成している。
【0174】
なお、上記各実施形態においては、異常が生じて使用不可能となった吸着ノズルについては、異常発生フラグがONにセットされ、その吸着ノズルが選択されないようにされていたが、使用が不可能になった吸着ノズルをメモリから抹消することにより、異常な吸着ノズルが選択されないようにしてもよい。例えば、上記各実施形態において、保持吸着ノズルデータ,ノズル収容データにおいて異常発生フラグを設けず、吸着ノズルの異常が検出されたとき、異常発生フラグのセットに代えて、吸着保持ノズルデータあるいはノズル収容データから異常な吸着ノズルのデータを消去するようにするのである。
【0175】
また、同一の装着ヘッドに保持され、あるいは異なる装着ヘッドに保持されて同一の電子部品の保持に使用される複数種類の使用可能ノズルの数は最大3種類に限らず、4種類以上でもよい。
【0176】
さらに、同一の電子部品の吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズルは、異常ノズルを保持する装着ヘッドと同一の装着ヘッドと、異なる装着ヘッドとの両方に保持されてもよい。
【0177】
また、複数の装着ヘッドがそれぞれ複数の吸着ノズルを保持し、吸着ノズルに異常が生じた場合には、同一の装着ヘッドが保持する別の種類の吸着ノズルあるいは異なる装着ヘッドが保持する別の複数種類の吸着ノズルに電子部品を保持させるとともに、ノズル収容装置を設け、ノズル収容装置に収容された吸着ノズルに、異常ノズルに代わって電子部品を吸着させるようにしてもよい。例えば、図16ないし図27に示す実施形態の電子部品装着システムにおいて、複数の装着ヘッドをそれぞれ複数の吸着ノズルを保持し、それら吸着ノズルを保持するノズルホルダがホルダ選択装置により選択され、複数の吸着ノズルが電子部品の吸着に選択的に使用されるようにするのである。この際、複数のノズルホルダのうちに選択された吸着ノズルを保持しているものがある場合には、そのノズルホルダを作用位置に位置させる状態とし、選択された吸着ノズルを保持しているノズルホルダがない場合には、ノズル収容装置の選択された吸着ノズルを収容しているノズル収容部からその吸着ノズルを装着ヘッドに取り出させるようにしてもよく、ノズルホルダからの吸着ノズルの選択と、ノズル収容装置からの吸着ノズルの選択とが交互に、あるいは混ざって行われるようにしてもよい。
【0178】
さらに、装着ヘッドがノズルホルダを複数備える場合、それらノズルホルダのうちの複数のノズルホルダに同じ種類の吸着ノズルを保持させ、それら同一種類の吸着ノズルのうちの1つが使用不可能となった場合、別の同種の吸着ノズルを電子部品の吸着に使用し、同一種類の吸着ノズルの全部が使用不可能となった場合に、電子部品と対応付けて記憶された使用可能な吸着ノズルであって、使用不可能となった吸着ノズルとは種類が異なる吸着ノズルに電子部品を吸着させるようにしてもよい。
【0179】
また、装着ヘッドが保持する複数の吸着ノズルは、その吸着管の長さが互いに異なるものとしてもよい。
【0180】
さらに、吸着ノズルの異常は、吸着ノズルが電子部品を吸着していない状態で検出するようにしてもよい。例えば、装着ヘッドの停止位置の1つに光電センサを設け、発光部により吸着管に光を照射し、受光部の受光量に基づいて吸着管の折れ,曲がり等、吸着ノズルの異常ないし不良を検出するのである。光電センサがノズル異常検出装置を構成し、例えば、1回でもノズル異常が検出されれば、ノズル選択を行えばよい。
【0181】
また、図16ないし図27に示す実施形態において、間欠回転体の回転軸線は垂直としてもよい。この場合、図1ないし図15に示す実施形態におけると同様に、例えば、カムおよびカムフォロワを含む装着ヘッドの軸方向移動装置を設け、間欠回転体の回転時に複数の装着ヘッドを間欠回転体に対してその回転軸線に平行な方向に移動させ、各々の高さを異ならせるようにする。
【0182】
さらに、本発明は、複数の装着ヘッドがヘッド旋回装置により、旋回軸線まわりに旋回させられて電気部品の受取りおよび装着を行う電気部品装着システム以外の電気部品装着システムにも適用することができる。例えば、少なくとも1つの装着ヘッドがヘッド移動装置により、回路基板の表面に平行な基準平面内の任意の位置へ移動させられて、部品供給装置からの電気部品の受取りおよび回路基板への装着を行う電気部品装着システムに適用してもよい。装着ヘッドが1つであれば、吸着ノズルを複数保持し、装着ヘッドが複数あれば、それら装着ヘッドは吸着ノズルを少なくとも1つ保持し、それら複数の吸着ノズルをそれぞれ保持するノズルホルダをノズル保持部として機能させる。それと共に、あるいはそれに代えてノズル収容装置を設けてノズル収容部をノズル保持部として機能させてもよい。
【0183】
以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である電子部品装着システムを概略的に示す平面図である。
【図2】上記電子部品装着システムを構成する部品装着装置を示す側面図(一部断面)である。
【図3】上記部品装着装置の装着ヘッドの複数の停止位置を説明する図である。
【図4】上記部品装着装置の吸着ノズルがノズルホルダに保持された状態を示す正面図である。
【図5】上記部品装着装置のノズル選択装置を示す正面図である。
【図6】前記電子部品装着システムを制御する制御装置のうち、本発明に関連の深い部分を示すブロック図である。
【図7】上記制御装置の主体を成すコンピュータのRAMに記憶されたデータ格納ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】上記コンピュータのRAMに格納されたノズル選択ルーチンの一部を示すフローチャートである。
【図9】上記コンピュータのRAMに格納されたノズル選択ルーチンの残りの部分を示すフローチャートである。
【図10】上記コンピュータのRAMに格納された保持吸着ノズルデータを示す図表である。
【図11】上記コンピュータのRAMに格納された装着データを示す図表である。
【図12】電子部品の吸着に異常が生じた場合の処理を説明する図である。
【図13】上記コンピュータのRAMに記憶された使用可能ノズルデータを示す図表である。
【図14】多数部品用ノズルおよび少数部品用ノズルにより吸着される電子部品を説明する図である。
【図15】前記部品装着装置の複数の装着ヘッドの各々における吸着ノズルの配置を説明する図である。
【図16】本発明の別の実施形態である電子部品装着システムを概略的に示す平面図である。
【図17】上記電子部品装着システムの部品搬送装着装置を構成する部品装着装置を示す正面図(一部断面)である。
【図18】上記部品装着装置の吸着ノズルを装着ヘッドと共に示す正面図(一部断面)である。
【図19】上記部品搬送装着装置に設けられたノズル収容装置を示す正面図(一部断面)である
【図20】上記ノズル収容装置を示す側面図(一部断面)である。
【図21】上記ノズル収容装置のノズル収容板を作用位置に位置する離脱阻止板と共に示す平面図である。
【図22】上記ノズル収容板を退避位置に位置する離脱阻止板と共に示す平面図である。
【図23】上記ノズル収容板に設けられたノズル収容穴を示す正面断面図である。
【図24】上記電子部品装着システムを制御する制御装置のうち、本発明に関連の深い部分を概略的に示すブロック図である。
【図25】上記制御装置の主体を成すコンピュータのRAMに記憶されたノズル交換ルーチンを表すフローチャートである。
【図26】上記コンピュータのRAMに格納されたノズル収容データを示す図表である。
【図27】上記コンピュータのRAMに格納された装着ヘッドデータを示す図表である。
【符号の説明】
12:電子部品装着システム 14:部品供給装置 16:部品装着装置
18:配線板保持装置 38:電子部品 60:プリント配線板 130:装着ヘッド 190:吸着ノズル 192:ノズルホルダ 340:ホルダ選択装置 400:制御装置 430:報知装置 500:電子部品装着システム 506,508:部品供給装置 510,512:部品搬送装着装置 522:プリント配線板 540,542:部品装着装置
580:装着ヘッド 590:吸着ノズル 592:電子部品 680,682:ノズル収容装置 700:ノズル収容穴 800:制御装置

Claims (5)

  1. それぞれ吸着ノズルを保持する複数のノズルホルダを備え、それら複数のノズルホルダの任意のものを電気部品の吸着が可能な作用位置へ位置させ得る装着ヘッドを有し、それらノズルホルダに保持された吸着ノズルの中から装着すべき複数の電気部品の各々に適したものを自動的に選択し、その選択した吸着ノズルにより各電気部品を吸着して、回路基板に装着する電気部品装着システムであって、
    1種類以上の電気部品について、各1種類の電気部品の吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズルを、電気部品の各種類と対応付けて記憶する使用可能ノズル記憶手段と、
    前記装着ヘッドの前記複数のノズルホルダに実際に保持されている複数種類の前記吸着ノズルの種類を、前記複数のノズルホルダの各々に対応付けて記憶する保持吸着ノズル記憶手段と、
    前記装着ヘッドに実際に保持されている前記複数種類の吸着ノズルの中に異常により使用が不可能となった吸着ノズルである異常ノズルが生じた場合に、前記使用可能ノズル記憶手段と前記保持吸着ノズル記憶手段とに記憶された情報に基づいて、前記装着ヘッドに保持されている前記複数種類の吸着ノズルの中から、前記異常ノズルとは異なる種類の吸着ノズルではあるが同じ種類の電気部品を吸着可能な吸着ノズルを代替ノズルとして選択し、前記作用位置に位置させるノズル選択手段と
    を含むことを特徴とする電気部品装着システム。
  2. 前記使用可能ノズル記憶手段に記憶されている複数種類の吸着ノズルの中で前記選択時点に前記装着ヘッドに保持されており、かつ、異常ノズルではないため現実に選択可能な吸着ノズルである選択可能ノズルの数が設定数以下の場合に、その事実を報知する報知手段を含む請求項1に記載の電気部品装着システム。
  3. 前記報知手段が、前記選択可能ノズルの数が設定数以下である事実を報知する際、前記異常ノズルの種類,その異常ノズルを保持する前記ノズルホルダおよび前記選択可能ノズルの残りの数を共に報知する手段を含む請求項2に記載の電気部品装着システム。
  4. 前記使用可能ノズル記憶手段が、前記1種類の電気部品の吸着に使用可能な複数種類の吸着ノズルを、吸着に適する種類の順に順位付けて記憶する手段を含み、前記ノズル選択手段が、前記選択の時点に前記装着ヘッドに保持されており、かつ、異常ノズルではないため現実に選択可能な吸着ノズルである選択可能ノズルの中で前記順位が最も高い吸着ノズルを選択する適切順位依拠選択手段を含む 請求項1ないし3のいずれかに記載の電気部品装着システム。
  5. それぞれ前記吸着ノズルを収容する複数のノズル収容部を有するノズル収容装置を含み、前記ノズル選択手段が、前記ノズルホルダに前記複数のノズル収容部から選択せんとする吸着ノズルを取り出させるノズル取出制御手段を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の電気部品装着システム。
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