JPH06196546A - 電子部品撮像装置 - Google Patents

電子部品撮像装置

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JPH06196546A
JPH06196546A JP5186795A JP18679593A JPH06196546A JP H06196546 A JPH06196546 A JP H06196546A JP 5186795 A JP5186795 A JP 5186795A JP 18679593 A JP18679593 A JP 18679593A JP H06196546 A JPH06196546 A JP H06196546A
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electronic component
electronic
cartridge
electronic components
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Kouichi Asai
鎬一 浅井
Kozo Matsumoto
紘三 松本
Kunio Oe
邦夫 大江
Yasuo Muto
康雄 武藤
Shinsuke Suhara
信介 須原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品保持ヘッドにより保持された複数の電子
部品の全部の像データを迅速に取得する。 【構成】 部品装着ヘッド44は12個の部品吸着具お
よび1個の部品保持チャックによって部品供給パレット
16上の各カートリッジから電子部品を取り出した後、
高精度,中精度電子部品撮像装置190,192上をY
軸方向に移動し、単位移動距離毎にラインセンサ19
4,196により得られる撮像データの集合として全部
の電子部品の二次元像のデータが得られる。基準データ
との比較により得られる電子部品の中心位置誤差Δ
E ,ΔYE および回転位置誤差Δθならびにプリント
基板14の位置決め誤差が部品装着ヘッド44のX軸,
Y軸方向の移動距離の修正および部品装着ヘッド44の
ターンテーブルの回転により修正されて電子部品64は
適正な姿勢でプリント基板14の適正な位置に装着され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子部品撮像装置に関す
るものであり、特に、撮像能率の向上に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子部品撮像装置は、例えば、部品保持
具により保持された電子部品を撮像するために使用され
る。例えば、電子部品装着装置において部品保持ヘッド
の部品保持具により保持された電子部品の保持姿勢を検
出するためや、電子部品の欠損を検出するため等、種々
の目的で使用されるのである。
【0003】このような電子部品撮像装置として、ライ
ンセンサを備えた装置や撮像面を有する撮像手段を備え
た装置が知られている。ラインセンサは、部品保持ヘッ
ドに対して相対移動可能に設けられるとともに、その相
対移動の方向と交差する方向に配列された多数の受光素
子により電子部品をライン状に撮像するものであり、部
品保持ヘッドとラインセンサとが1回相対移動する間
に、単位相対移動距離毎にラインセンサにより得られる
撮像データの集合として1個の電子部品の像データが得
られる。また、撮像面を有する撮像手段の撮像面は1個
の電子部品全体を一挙に撮像するのに十分な大きさとさ
れ、撮像手段と電子部品とがいずれも静止した状態で撮
像が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の発明者等は1
個の部品保持ヘッドに複数の部品保持具を設け、それら
部品保持具にそれぞれ電子部品を保持させて搬送し、プ
リント基板に装着することを考えた。このようにすれ
ば、電子部品を1個ずつ搬送して装着する場合に比較し
て搬送の時間を低減させることができ、能率良く電子部
品の装着を行うことができる。この場合に、従来通りの
電子部品撮像装置によって各電子部品の像を1個ずつ順
次撮像して部品保持具による電子部品の保持位置を検出
することも可能であるが、全ての電子部品の像を取得す
るのに時間がかかる。撮像装置がラインセンサを有する
ものである場合には部品保持ヘッドとラインセンサとを
複数回相対移動させることが必要であり、また、撮像装
置が撮像面を有する撮像手段を備えたものである場合に
は、撮像手段による撮像動作を複数回行うことが必要で
あるからである。請求項1および2の発明は、部品保持
ヘッドにより保持された複数の電子部品の全ての像のデ
ータを迅速に取得することができる撮像装置を提供する
ことを課題として為されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る電
子部品撮像装置は、上記の課題を解決するために、
(a)電子部品を保持する部品保持具を複数備えた部品
保持ヘッドと、(b)その部品保持ヘッドに対して相対
移動可能に設けられ、その相対移動の方向と交差する方
向に配列された多数の受光素子により電子部品をライン
状に撮像するラインセンサと、(c)そのラインセンサ
と部品保持ヘッドとが1回相対移動する間に、単位相対
移動距離毎にラインセンサにより得られる撮像データの
集合として、複数の部品保持具にそれぞれ保持された電
子部品の全ての像のデータを取得する像データ取得手段
とを含むように構成される。請求項2の発明に係る電子
部品撮像装置は、(ア)電子部品を保持する部品保持具
を複数備えた部品保持ヘッドと、(イ)その部品保持ヘ
ッドの複数の部品保持具によりそれぞれ保持された電子
部品の全てを一挙に撮像可能な撮像面を有する撮像手段
と、(ウ)その撮像手段に接続され、電子部品の全ての
像のデータを取得する像データ取得手段とを含むように
構成される。
【0006】
【作用】請求項1の発明に係る電子部品撮像装置におい
て電子部品を撮像する場合には、ラインセンサと部品保
持ヘッドとが相対移動させられ、1回の相対移動により
全部の電子部品の像のデータが取得される。請求項2の
発明に係る電子部品撮像装置において電子部品を撮像す
る場合には、部品保持ヘッドおよび撮像手段が静止した
状態で全部の電子部品が撮像手段により一挙に撮像され
る。
【0007】
【発明の効果】このように請求項1の発明によれば、ラ
インセンサと部品保持ヘッドとの1回の相対移動によっ
て複数の電子部品の全ての像のデータを取得することが
でき、撮像を能率良く行うことができる。また、請求項
2の発明においては、複数の電子部品の全ての像のデー
タを一挙に取得することができる上、撮像に部品保持ヘ
ッドと撮像手段との相対移動が不要であり、その分、更
に撮像時間を短縮することができ、撮像能率を向上させ
ることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明をプリント基板に電子部品を装
着する電子部品装着装置の電子部品撮像装置に適用した
場合の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1に
おいて10はベースであり、ベース10上には基板コン
ベア12が設けられ、プリント基板14をX軸方向(図
において左右方向)に搬送するようにされている。ベー
ス10上にはまた、X軸方向と直交するY軸方向におい
て基板コンベア12に隣接する位置に2個の部品供給パ
レット16が設けられており、電子部品装着装置18に
電子部品を供給するようにされている。
【0009】これら部品供給パレット16はそれぞれ、
ベース10上に設けられた一対ずつのガイドレール20
に嵌合されている。作業者は部品供給パレット16を後
方の退避位置へ引き出した状態で段取り替え作業を行っ
た後、ガイドレール20に沿って電子部品装着装置18
側のストッパに当接する部品供給位置まで前進させ、図
示しないクランプ装置によってベース10上に固定す
る。
【0010】電子部品装着装置18は、ベース10上に
立設された4本のコラム26上に設けられている。コラ
ム26上にはY軸方向に延びる一対のガイドレール28
がX軸方向に距離を隔てて設けられるとともに、それら
ガイドレール28の側面にそれぞれ取り付けられたボー
ルねじ30にY軸スライド32に固定のナットが螺合さ
れ、2本のボールねじ30がそれぞれY軸サーボモータ
34によって回転させられることにより、Y軸スライド
32がガイドレール28に案内されて移動させられる。
これらY軸サーボモータ34は交流サーボモータであっ
て駆動回路を共通にしており、同期して回転させられ
る。これらボールねじ30,Y軸スライド32およびY
軸サーボモータ34等がY軸方向移動装置35を構成し
ている。
【0011】Y軸スライド32上にはボールねじ36が
X軸方向に取り付けられるとともにX軸スライド38に
固定のナットが螺合されており、ボールねじ36がX軸
サーボモータ40によって回転させられることにより、
X軸スライド38が移動させられる。X軸サーボモータ
40は交流サーボモータであり、これらボールねじ3
6,X軸スライド38およびX軸サーボモータ40等が
X軸方向移動装置42を構成している。このX軸スライ
ド38には部品保持ヘッドとしての部品装着ヘッド44
が取り付けられており、部品装着ヘッド44は、X軸方
向,Y軸方向の各移動装置42,35により水平面内に
おいて任意の位置に移動させられる。
【0012】部品装着ヘッド44は、図2および図3に
示すようにX軸スライド38に固定の固定軸48を有し
ている。固定軸48は円筒状を成し、上下方向に配設さ
れており、その下端部から順に、円形断面の回転体とし
てのターンテーブル50,押下部材51およびスリーブ
52が取り付けられている。
【0013】ターンテーブル50は、2個の軸受54を
介してZ軸方向(上下方向)に平行な軸線まわりに回転
可能かつ軸方向に移動不能に取り付けられている。ター
ンテーブル50の下端部に設けられた大径部55の外周
面には、ギヤ56が設けられ、そのギヤ56および図示
しない他のギヤ等を介してテーブル回転用サーボモータ
57(図9参照)の回転が伝達され、それらギヤおよび
テーブル回転用サーボモータ57等によって構成される
回転駆動装置によってターンテーブル50が回転させら
れる。
【0014】大径部55には、図4に示すように電子部
品64を吸着保持する部品保持具としての12個の部品
吸着具66が等角度間隔にかつZ軸方向に平行に取り付
けられている。これら部品吸着具66はターンテーブル
50の回転により任意の位相位置に移動させられて電子
部品64を吸着し、あるいはプリント基板14に装着す
る。12個の部品吸着具66の構成はいずれも同じであ
り、一つについて詳細に説明する。
【0015】部品吸着具66の吸着具本体67は摺動軸
68の下端に固定のチャック69に着脱可能に取り付け
られている。チャック69は図示を省略する保持機構を
備えており、吸着具本体67を自動交換装置で交換し得
る。摺動軸68の外周面にはスプラインが形成され、タ
ーンテーブル50に設けられたボールスプライン70に
軸方向に摺動可能に嵌合されている。この摺動軸68の
ターンテーブル50から上方へ突出した頭部71と前記
大径部55との間にはスプリング72が配設され、摺動
軸68を上方に付勢している。また、摺動軸68の下端
部は大径部55から下方へ突出させられるとともに、上
記チャック69が固定され、このチャック69が大径部
55に当接することによって摺動軸68の上昇端位置が
規定されている。
【0016】吸着具本体67にはクッション部材65が
軸方向に相対移動可能に嵌合されるとともに、吸着具本
体67との間に配設されたスプリング75によって吸着
具本体67から抜け出す向き付勢されている。クッショ
ン部材65は、軸方向に延びる一対の長穴76において
吸着具本体67に突設されたピン77に嵌合され、吸着
具本体67からの抜出しを阻止されるとともに回転を阻
止されており、部品吸着具66の下降時にスプリング7
5の圧縮によって余分な下降量が吸収される。
【0017】クッション部材65には吸着管74が嵌合
されており、吸着管74には吸着具本体67内に形成さ
れた通路78,継手部材79およびバキュームホース8
0および前記スリーブ52等を介してバキュームが供給
されるが、この供給経路については後に説明する。クッ
ション部材65にはまた、発光板81が設けられてい
る。発光板81は紫外線を吸収して可視光線を発射する
ものである。
【0018】なお、12個の部品吸着具66の各吸着管
74は径が異なるものとされており、電子部品64の形
状,寸法に適した吸着管74を有する部品吸着具66が
選択して使用され、部品装着ヘッド44は形状,寸法の
異なる多種類の電子部品64を同時に保持することがで
きる。この場合、部品吸着具66によって吸着される電
子部品64の寸法が大きく、隣接する部品吸着具66に
より吸着される電子部品64と干渉する場合には、隣接
する部品吸着具66は電子部品64を吸着しないように
される。また、図示は省略するが、固定軸48内には部
品保持チャックが昇降可能に、スプリングによって上昇
端位置へ付勢されて収容され、大形の電子部品64を保
持するようにされている。本部品装着ヘッド44は最も
多くて13個の電子部品64を1度に保持することがで
きるのである。
【0019】ターンテーブル50には筒状のスプライン
部材82が固定されており、このスプライン部材82の
外側に前記押下部材51が軸方向に摺動可能かつ相対回
転不能に嵌合されている。したがって、押下部材51
は、ターンテーブル50に対して軸方向に相対移動可能
であり、ターンテーブル50と一体的に回転する。押下
部材51の外周面には円環状の溝84が形成され、これ
に1対のローラ86が係合させられている。これらロー
ラ86はヨーク88によってZ軸方向と直角な軸線のま
わりに回転可能に保持されており、ヨーク88が図示を
省略するカム機構を介して昇降用モータ89(図9参
照)により昇降させられることによって、押下部材51
が昇降させられる。
【0020】押下部材51には、12個のエアシリンダ
92が部品吸着具66と同心状にかつ下向きに取り付け
られ、ピストンロッド93は押下部材51から下方に突
出させられている。なお、図示は省略するが、固定軸4
8内には前記押下部材51と共に昇降させられる別の押
下部材が摺動可能に嵌合されており、その押下部材にエ
アシリンダ92と同様なエアシリンダが取り付けられて
いる。
【0021】前記スリーブ52は、図3に示すように、
固定軸48に回転可能に嵌合されるとともに、ターンテ
ーブル50に固定の前記スプライン部材82の押下部材
51から突出した上端部に固定されており、ターンテー
ブル50および押下部材51と一体的に回転する。この
スリーブ52には半径方向通路94が形成されており、
前記吸着管74にバキュームを供給するバキュームホー
ス80が接続されている。バキュームホース80は、押
下部材51に形成された貫通穴95(図2参照)を通っ
て半径方向通路94に接続されており、半径方向通路9
4は固定軸48に形成された円環状通路96に連通させ
られている。円環状通路96は固定軸48内に形成され
た通路97およびバキュームホース98によってバキュ
ーム源に接続されており、バキュームホース98の途中
に設けられたバキューム用電磁方向切換弁100(図9
参照)の切換えにより、吸着管74にバキュームが供給
されて電子部品64を吸着し、あるいは解放する。吸着
管74は円環状通路96を介してバキューム源に接続さ
れているため、電子部品64を吸着した状態でターンテ
ーブル50,押下部材51およびスリーブ52が回転し
てもバキューム源に連通した状態に保たれる。
【0022】また、押下部材51に取り付けられたエア
シリンダ92についても同様に、スリーブ52を介して
エアが供給される。エアシリンダ92は単動シリンダで
あり、エア室はエアホース102によってスリーブ52
に形成された半径方向通路103に接続され、固定軸4
8内に形成された円環状通路104,軸方向通路106
および軸方向通路に接続されたホース108によってエ
ア源に接続されるとともに、ホースの途中に設けられた
エア用電磁方向切換弁118(図9参照)の切換えによ
り、エア室にエアが供給,排出されてピストンロッド9
3が伸縮させられるのである。また、円環状通路104
を介してエア源に接続されることにより、押下部材51
等が回転してもエア室へのエアの供給経路が確保され
る。
【0023】さらに、X軸スライド38上には、図1に
示すようにプリント基板14に付されたプリント基板基
準マークを撮像するためのCCDカメラ120(図9参
照)が搭載されている。CCDカメラ120はX軸スラ
イド38およびY軸スライド32の移動により水平面内
の任意の位置に移動してプリント基板基準マークを撮像
する。
【0024】前記2個の部品供給パレット16上にはそ
れぞれ、図5に示すように、複数のカートリッジ130
がX軸方向に並んで取り付けられている。部品供給パレ
ット16には位置決めピンが設けられており、複数のカ
ートリッジ130はそれぞれ位置決めピンにより位置決
めされて部品供給パレット16に取り付けられる。
【0025】このカートリッジ130において、電子部
品64はテープに保持されてテーピング電子部品とされ
ている。キャリヤテープに等間隔に形成された部品収容
凹部の各々に電子部品が収容され、それら部品収容凹部
の開口がキャリヤテープに貼り付けられたカバーフィル
ムによって塞がれることにより、キャリヤテープ送り時
における電子部品の部品収容凹部からの飛び出しが防止
されているのである。このキャリヤテープがY軸方向に
所定ピッチずつ送られることにより、カバーフルムが剥
がされるとともに電子部品が図5に×印で示す部品供給
位置へ送られる。このカートリッジ130には、部品供
給位置の近傍に丸印で示すカートリッジ基準マーク13
2が付されている。その他の構成は本出願人に係る特願
平4−185966号に記載のカートリッジと同じ構成
であり、詳細な説明は省略する。
【0026】また、部品供給パレット16には2個のパ
レット基準マーク134が設けられ、ベース10に対す
る位置決め誤差がわかるようにされている。これらパレ
ット基準マーク134は部品供給パレット16に固定の
台136の上面に付けられて、カートリッジ130が部
品供給パレット16に取り付けられた際はカートリッジ
基準マーク132と高さが同じで、かつX軸方向におい
てほぼ一直線上に位置するようにされている。
【0027】前記部品供給パレット16と基板コンベア
12との間には、図1に示すように高精度電子部品撮像
装置190および中精度電子部品撮像装置192がY軸
方向に並んで設けられている。これら撮像装置190,
192はいずれも、受光素子がX軸方向に1列に並んで
なるラインセンサ194,196および紫外線照射装置
を有するものである。各紫外線照射装置はそれぞれ、ラ
インセンサ194,196の受光素子が並ぶ方向に長い
ものであり、受光素子に隣接して設けられるとともに、
紫外線のみの透過を許容するフィルタが設けられてい
る。また、ラインセンサ194,196には、紫外線を
吸収し、可視光線の透過を許容するフィルタが設けられ
ている。
【0028】高精度電子部品撮像装置190は集光レン
ズが前記ターンテーブル50の直径のほぼ半分の長さを
有するものとされ、中精度電子部品撮像装置192の集
光レンズはターンテーブル50の直径にほぼ等しい大き
さを有するものとされている。図4に示すように高精度
電子部品撮像装置190の方が視野が狭いのであり、そ
の分、解像度が高く、電子部品64を精度良く撮像する
ことができ、例えば、本体に多数のリード線が取り付け
られて成る電子部品や、それらリード線の間隔が極めて
狭い電子部品64等の撮像に適している。
【0029】さらに、部品供給パレット16にX軸方向
に隣接して、部品供給ボックス200が設置されてい
る。この部品供給ボックス200は、図6に示すよう
に、多数の棚202がフレーム204に組み付けられて
成る。各棚202のY軸に平行な一対の内側面にはそれ
ぞれ、Y軸方向に延びる複数段のガイドレール206が
設けられ、各段毎にそれぞれ部品収容トレイ208が収
容されている。なお、棚202のY軸方向の寸法は、部
品収容トレイ208のY軸方向の寸法の2倍より大きい
ものとされ、ガイドレール206は棚202のY軸方向
一杯に取り付けられている。
【0030】部品収容トレイ208は、図7に示すよう
に、平板状の本体210に電子部品64を収容する部品
収容凹部212が複数列、複数行に形成されたものであ
り、本体210には2個のトレイ基準マーク216(図
には1個のみ示されている)が付されている。この部品
収容凹部212に収容された電子部品64は図1に示す
部品取出しロボット220によって部品収容凹部212
から取り出される。
【0031】部品取出しロボット220は、前記電子部
品装着装置18に類似した構造のものであり、ガイドレ
ール222に案内されつつ2組のボールねじ224およ
びY軸サーボモータ226によりY軸方向に移動させら
れるY軸スライド228と、ガイドレール230に案内
されつつボールねじ232およびX軸サーボモータ23
4によりX軸方向に移動させられるX軸スライド236
とを備えている。X軸スライド236にはZ軸方向に垂
下した案内部が設けられており、この案内部に設けられ
たガイドレールにZ軸スライド238が嵌合されてい
る。このZ軸スライド238はボールねじとZ軸サーボ
モータ240により昇降させられる。
【0032】したがって、Z軸スライド238は部品供
給ボックス200の手前側をX軸,Y軸およびZ軸の3
方向に移動可能であるが、このZ軸スライド238から
水平に部品供給ボックス200側へアーム242が延び
出させられている。アーム242は部品供給ボックス2
00の任意の棚202内に侵入可能なのであり、このア
ーム242の先端部に電子部品64を吸着する部品吸着
ヘッド244が取り付けられて、所望の部品収容凹部2
14内の電子部品64を吸着して取り出し得るようにさ
れている。部品吸着ヘッド244へのバキュームの供給
はバキューム用電磁方向切換弁246(図9参照)によ
り制御される。アーム242にはまた、前記トレイ基準
マーク216を撮像するためのCCDカメラ248が取
り付けられている。
【0033】部品供給ボックス200の前側の下方位置
には部品コンベア250が設けられており、部品取出し
ロボット220により取り出された電子部品64は部品
コンベア250上に載置され、電子部品装着装置18に
供給される。部品コンベア250は、部品取出しロボッ
ト220が一定の載置位置において1個の電子部品64
を載置する毎に一定ピッチずつ間欠的に移動するもので
あり、部品コンベア250上には種々の電子部品64が
装着順に並べられ、順次電子部品装着装置18に供給さ
れる供給位置へ搬送される。
【0034】さらに、前記基板コンベア12と前記部品
供給パレット16との間であって、撮像装置190,1
92に対して部品コンベア250とは反対側の位置に
は、部品吸着具保持装置252が設けられている。部品
吸着具保持装置252は多数の保持部に多種類の部品吸
着具66を保持しており、装着すべき電子部品64の種
類が変わった場合には部品装着ヘッド44が部品吸着具
保持装置252の位置へ移動し、自動交換装置254
(図9参照)が両者の間で部品吸着具66の自動交換を
行う。
【0035】本電子部品装着装置は、図9に示す制御装
置180によって制御される。この制御装置180はコ
ンピュータを主体とするものであり、前記CCDカメラ
120,248の検出結果および高精度電子部品撮像装
置190と中精度電子部品撮像装置192との各撮像結
果等が供給される。また、駆動回路262〜286を介
して基板コンベア12と、電子部品装着装置18のX軸
サーボモータ40,Y軸サーボモータ34,テーブル回
転用サーボモータ57,昇降用モータ89,バキューム
用電磁方向切弁100およびエア用電磁方向切換弁11
8と、部品取出しロボット220のX軸サーボモータ2
34,Y軸サーボモータ226,Z軸サーボモータ24
0およびバキューム用電磁方向切弁246と、部品コン
ベア250と、自動交換装置254とを制御する。
【0036】次に作動を説明する。まず、カートリッジ
130によって電子部品64が供給される場合について
説明する。プリント基板14への電子部品64の装着に
先立ってCCDカメラ120が移動させられ、全部のカ
ートリッジ130の各カートリッジ基準マーク132を
撮像する。CCDカメラ120はカートリッジ基準マー
ク132の本来あるべき位置へ移動させられて撮像する
のであるが、図10に示すようにカートリッジ基準マー
ク132が×印で示す位置へずれていれば、カートリッ
ジ基準マーク132毎にそれぞれX軸方向およびY軸方
向の取付位置誤差ΔXCnおよびΔYCnが算出されてコン
ピュータのRAMに格納される。なお、これら取付位置
誤差ΔXCnおよびΔYCnは、カートリッジ基準マーク1
32のあるべき位置に対してX軸方向およびY軸方向に
おいてそれぞれいずれの側にあるかによって、正負の符
号を付して格納される。電子部品吸着時には、この取付
位置誤差ΔXCnおよびΔYCnに基づいて部品装着ヘッド
44の移動距離を修正することにより、部品吸着具66
を精度良くカートリッジ130の部品供給位置上へ移動
させることができる。
【0037】また、部品供給パレット16の2個のパレ
ット基準マーク134もCCDカメラ120により撮像
され、カートリッジ基準マーク132の場合と同様にX
軸方向およびY軸方向の固定位置誤差ΔXQ1,ΔYQ1
ΔXQ2,ΔYQ2がRAMに格納される。この理由は後に
説明する。
【0038】以上のようにして各カートリッジ基準マー
ク132の固定の取付位置誤差ΔXCnおよびΔYCn、お
よび各パレット基準マーク134の固定位置誤差Δ
Q1,ΔYQ1,ΔXQ2,ΔYQ2の検出が行われた後、プ
リント基板14への電子部品64の装着が行われる。ま
ず、部品装着ヘッド44がX軸方向およびY軸方向に移
動させられ、部品吸着位置に移動させられた部品吸着具
66に電子部品64が吸着される。ターンテーブル50
の回転位置のうちY軸方向において部品供給パレット1
6に最も近い位置が部品吸着位置であり、ターンテーブ
ル50の回転により12個の部品吸着具66が順次部品
吸着位置へ移動させられて各カートリッジ130から電
子部品64を取り出す。なお、ターンテーブル50の回
転により部品吸着具66を部品吸着位置に移動させるこ
とは不可欠ではなく、部品吸着具66をX軸方向および
Y軸方向の移動のみによって目指すカートリッジ130
の部品供給位置上へ移動させてもよい。
【0039】部品吸着具66の電子部品64を取り出す
べきカートリッジ130はコンピュータのROMに格納
された電子部品装着データによって設定されており、そ
のデータに基づいて部品装着ヘッド44のX軸,Y軸両
方向における移動距離が算出される。そして、その算出
された移動距離が、各カートリッジ130の前記取付位
置誤差ΔXCnおよびΔYCnだけ修正される。
【0040】部品吸着具66により電子部品64を取り
出す際には、電子部品64を取り出す部品吸着具66に
対応して設けられたエアシリンダ92が作動させられ、
ピストンロッド93が摺動軸68の頭部71に対して微
小な隙間を隔てた位置まで伸長させられる。その状態で
押下部材51が下降させられることにより、部品吸着位
置に位置決めされた部品吸着具66のみが下降させられ
てそれの吸着管74が電子部品64に当接する。この
際、押下部材51の下降速度は滑らかに増大させられて
一定値に達し、部品吸着具66が電子部品64に当接す
る少し前から滑らかに減速されるため、吸着管74は電
子部品64にゆっくり当接する。そして、吸着管74当
接後の部品吸着具66の余分な下降はスプリング75の
圧縮による吸着管74と吸着具本体67との相対移動に
よって吸収される。
【0041】吸着管74へのバキュームの供給により電
子部品64を吸着した後、押下部材51が上昇させられ
る。なお、エアシリンダ92のピストンロッド93は押
下部材51の下降後、バキュームの供給と並行して収縮
させられ、更に押下部材51がピストンロッド93の収
縮と並行して上昇させられ、それらが相前後して収縮,
上昇させられる場合に比較してサイクルタイムが短くて
済む。
【0042】エアシリンダ92が12個の部品吸着具6
6のうち電子部品64を吸着する部品吸着具66を選択
する選択手段を構成し、押下部材51および昇降用モー
タ89を駆動源とする昇降装置が選択された部品吸着具
66に吸着動作を行わせる吸着具駆動装置を構成してい
るのである。
【0043】なお、固定軸48内に配設される部品保持
チャックも部品吸着具66と同様にして昇降させられ、
電子部品64を保持する。
【0044】全部の部品吸着具66が電子部品64を吸
着したならば、部品装着ヘッド44はプリント基板14
上へ移動して電子部品64を装着するが、移動の途中で
高精度,中精度の各電子部品撮像装置190,192に
よって電子部品64が撮像される。部品装着ヘッド44
は電子部品撮像装置190,192上をY軸方向に移動
して電子部品64が撮像されるのであり、この際、ター
ンテーブル50は、12個の部品吸着具66のうち、高
精度電子部品撮像装置190によって撮像される電子部
品64を有する部品吸着具66が高精度電子部品撮像装
置190の視野の範囲内に位置するように回転させられ
る。
【0045】電子部品64が電子部品撮像装置190,
192を通過するとき、高精度,中精度の各電子部品撮
像装置190,192の紫外線照射装置が紫外線を照射
し、部品吸着具66の発光板81がその紫外線を吸収し
て可視光線を発射し、電子部品64の投影像を形成す
る。高精度,中精度の各電子部品撮像装置190,19
2のラインセンサ194,196が投影像を形成する光
をライン状に受光し、電子部品64の画像がコンピュー
タの画像メモリに取り込まれる。制御装置180がライ
ンセンサ194,196から画像信号を読み出し、1ラ
イン分のデータを得るのである。
【0046】電子部品64の画像は、部品装着ヘッド4
4が単位距離移動する毎に取り込まれ、部品装着ヘッド
44が電子部品撮像装置190,192上を通過し終わ
ったとき、部品装着ヘッド44に保持された全部の電子
部品64のデータが画像メモリに記憶される。電子部品
撮像装置190,192と部品装着ヘッド44との1回
の相対移動によって全部の電子部品64の二次元像が一
挙に得られるのであり、制御装置180が像データ取得
手段を構成している。
【0047】そして、現に部品装着ヘッド44に保持さ
れている電子部品64の種類を表すデータおよびそれら
電子部品64を保持している部品吸着具66および電子
部品保持チャックがどの回転位置にあるかを示すデータ
(これらのデータは電子部品装着データから作成され
る)と、ROMに格納されている各電子部品64の基準
データとから、各電子部品64が各位置の部品吸着具に
正規の位置で保持された場合の正規像データが作成さ
れ、この正規像データと撮像により得られた全部の電子
部品64の像データとが比較され、各電子部品64の回
転位置誤差(部品吸着具66の軸線を回転軸線とする回
転角度誤差)Δθと中心位置誤差ΔXE およびΔYE
演算される。
【0048】なお、上記の現に部品装着ヘッド44に保
持されている電子部品64の種類を表すデータと、それ
ら電子部品を保持している部品吸着具66がどの位置に
あるかを示すデータと、撮像により得られた全部の電子
部品64の像データとから、各電子部品64を保持して
いる部品吸着具66等を予め定められている一定の回転
位置へ回転させた場合の像データが作成され、この像デ
ータとROMに格納されている基準データとの比較によ
って回転位置誤差Δθと中心位置誤差ΔXE およびΔY
E が演算されるようにすることも可能である。
【0049】いずれにしても、演算された中心位置誤差
ΔXE およびΔYE は電子部品装着ヘッド44のX軸方
向およびY軸方向の移動距離の修正によって修正され
る。また、回転位置誤差Δθは、ターンテーブル50の
回転によって修正される。この場合、ターンテーブル5
0の回転により電子部品64のX軸方向およびY軸方向
の位置にずれΔxおよびΔyが生ずる。そのため、部品
装着ヘッド44のX軸方向およびY軸方向の移動距離
は、これらずれΔxおよびΔyをなくすようにも修正さ
れる。ターンテーブル50を回転させる回転駆動装置お
よびX軸方向,Y軸方向の各移動装置42,35が電子
部品64の回転位置誤差修正装置を構成しているのであ
る。
【0050】部品装着ヘッド44の移動距離は更に、プ
リント基板14の位置決め誤差をなくすようにも修正さ
れる。プリント基板14のX軸方向およびY軸方向にお
ける位置決め誤差はプリント基板14に設けられたプリ
ント基板基準マークからわかり、プリント基板14の位
置決め後、電子部品64の装着前に撮像されて算出され
ており、このような部品吸着具66による電子部品64
の保持姿勢の修正ならびにプリント基板14の位置修正
により、電子部品64は適正な姿勢でプリント基板14
の適正な位置に装着される。
【0051】装着時には、吸着時と同様に、電子部品6
4を装着する部品吸着具66に対応するエアシリンダ9
2が作動させられてピストンロッド93が摺動軸68の
頭部71に対向する位置へ下降させられ、その状態で押
下部材51が下降させられて電子部品64がプリント基
板14に載置される。載置後、部品吸着具66へのバキ
ュームの供給が断たれ、吸着時と同様にエアシリンダ9
2が収縮させられるとともに押下部材51が上昇させら
れて部品吸着具66が上昇する。装着後、次に電子部品
64をプリント基板14に装着する部品吸着具66が移
動距離を修正されて装着位置へ移動し、電子部品64を
プリント基板14に装着する。部品装着ヘッド44によ
り保持された全部の電子部品64のプリント基板12へ
の装着が終了すれば、部品装着ヘッド44は新たな電子
部品64を保持するために部品供給パレット16へ移動
する。
【0052】以上のようにして、所定量の電子部品64
のプリント基板12への装着が行われた後、プリント基
板12の種類が変わり、あるいはいずれかのカートリッ
ジ130内の電子部品64がなくなるなどした場合に
は、それまで電子部品64を供給していた部品供給パレ
ット16が退避位置へ後退させられ、予め準備されてい
たもう一方の部品供給パレット16が部品供給位置へ前
進させられて固定される。この部品供給パレット16
が、これへのカートリッジ130の取付け後始めて部品
供給位置に固定された場合には、前述の場合と同様に、
全カートリッジ130のカートリッジ基準マーク132
の撮像からの作動が繰り返されるが、既に1度でも部品
供給位置に固定されたことがあるのであれば、以下のよ
うにして今回の取付位置誤差ΔXCn′およびΔYCn′が
求められた後、電子部品64の装着が行われる。
【0053】一旦ベース10上の部品供給位置に固定さ
れて電子部品64を供給していた部品供給パレット16
が、カートリッジ130への部品補給等のため退避位置
へ後退させられ、再度部品供給位置へ前進させられて固
定されたとき、部品供給パレット16の固定位置は、す
べてのカートリッジ130が部品供給パレット16に取
り付けられた後、その部品供給パレット16が部品供給
位置に固定されたときの固定位置(当初の固定位置と称
する)からずれるのが普通である。したがって、まず、
CCDカメラ120が本来パレット基準マーク134が
あるべき位置へ移動させられて、パレット基準マーク1
34が撮像され、今回のパレット基準マーク134の固
定位置誤差(本来あるべき位置からのずれ量)ΔX P1
ΔYP1,ΔXP2,ΔYP2が、図11(a)に示すように
求められるのである。
【0054】そして、これら今回の固定位置誤差Δ
P1,ΔYP1,ΔXP2,ΔYP2と、当初の固定位置誤差
ΔXQ1,ΔYQ1,ΔXQ2,ΔYQ2との差が、部品供給パ
レット16の当初の固定位置と今回の固定位置とのずれ
を表すことになる。このように、部品供給パレット16
の固定位置がずれれば、それに支持されているカートリ
ッジ130のベース10に対する位置にもずれが生ずる
が、一旦部品供給パレット16に取り付けられたカート
リッジ130が部品供給パレット16に取り付けられた
ままである限り、カートリッジ基準マーク132とパレ
ット基準マーク134との位置関係は変わらないため、
2個のパレット基準マーク134の撮像により得られる
固定位置のずれ量に基づいて各カートリッジ130の当
初の固定位置誤差を修正することにより、各カートリッ
ジ130の今回の取付位置誤差(本来あるべき位置から
のずれ量)を求めることができる。
【0055】部品供給パレット16が再度ベース10上
の部品供給位置に固定されたときに、あらためて全部の
カートリッジ基準マーク132を撮像すれば、カートリ
ッジ130の位置誤差を求めることができるが、撮像に
時間がかかる。それに対し、パレット基準マーク134
の固定位置誤差の差に基づいてカートリッジ130の取
付位置誤差を修正する場合には、2個のパレット基準マ
ーク134を撮像するのみでよく、多数のカートリッジ
130の取付位置誤差を迅速に修正することができるの
である。
【0056】具体的には、2個のパレット基準マーク1
34の各X軸方向の今回の固定位置誤差ΔXP1,ΔXP2
の平均値(ΔXP1+ΔXP2)/2から前記当初の固定位
置誤差ΔXQ1,ΔXQ2の平均値(ΔXQ1+ΔXQ2)/2
が差し引かれて、部品供給パレット16の今回の固定位
置の当初の固定位置からのずれ量が、X軸方向修正量Δ
D として演算される。X軸方向に関しては全てのカー
トリッジ基準マーク132に対する修正量が一律なので
あり、RAMに格納されている各カートリッジ基準マー
ク132のX軸方向の取付位置誤差ΔXCnがこの修正量
だけ修正されたものが今回の各カートリッジ基準マーク
132のX軸方向の取付位置誤差ΔXCn´としてRAM
に格納される。なお、次にまた部品供給パレット16が
退避位置へ後退させられた場合にも同様にして新しい取
付位置誤差が演算されるので、当初の取付位置誤差ΔX
CnはRAMに残される。
【0057】上記のように、X軸方向の修正量は全ての
カートリッジ基準マーク132に対して一律であるのに
対し、Y軸方向に関しては各カートリッジ基準マーク1
32に対する修正量が相異なる。これらの修正量は次の
ようにして求められる。図11(b)に示すように、当
初○印の位置にあった2個のパレット基準マーク134
が今回は×印の位置へ移動したとすれば、各カートリッ
ジ基準マーク132のY軸方向の修正量は一次式y=
{(ΔYD2−ΔYD1)/L}・x+ΔYD1から求められ
る。ただし、ΔYD1=ΔYP1−ΔYQ1,ΔYD2=ΔYP2
−ΔYQ2であり、Lは2個のパレット基準マーク134
のX軸方向における距離である。この一次式は、パレッ
ト基準マーク134のY軸方向のずれのない位置を原点
とし、一方のパレット基準マーク134をX軸方向の原
点として求められる。
【0058】各カートリッジ基準マーク132のY軸方
向における修正量はこの一次式を満足するはずであり、
一方のパレット基準マーク134からの距離Dn をこの
一次式に代入することにより各カートリッジ基準マーク
132のY軸方向における修正量{(ΔYD2−ΔYD1
/L}・Dn +ΔYD1が算出される。そして、カートリ
ッジ基準マーク132毎にRAMに格納されているY軸
方向の当初の取付位置誤差ΔYCnが上記修正量だけそれ
ぞれ修正されることにより今回の各カートリッジ基準マ
ーク132のY軸方向の取付位置誤差ΔYCn′が求めら
れ、RAMに格納される。
【0059】これら取付位置誤差ΔXCn′,ΔYCn′が
求められた後、ROMに格納されている電子部品装着デ
ータに基づいて部品装着ヘッド44のX軸,Y軸両方向
における移動距離が算出される。そして、その算出され
た移動距離が取付位置誤差ΔXCn′,ΔYCn′だけ修正
されて、電子部品64の各カートリッジ130からの取
出しが行われる。これ以外の作動は前記作動と同様であ
る。
【0060】以上は、部品供給パレット16が退避位置
へ後退させられたがカートリッジ130の交換は行われ
なかった場合の説明であるが、多数のカートリッジ13
0のうちの一部のものが交換された場合には、それら交
換されたカートリッジ130の取付位置誤差の検出が以
下のようにして行われる。カートリッジ130の一部を
交換した場合には、作業者はそれら交換したカートリッ
ジ130の番号を図示を省略する入力装置から入力して
おく。すると、次の部品供給パレット16が部品供給位
置へ前進させられて固定された場合に、前述のようにパ
レット基準マーク134の撮像が行われた後に、上記番
号が入力されているカートリッジ130のカートリッジ
基準マーク132の撮像も行われる。
【0061】そして、交換されなかったカートリッジ1
30については前述のようにして今回の取付位置誤差が
求められるが、交換されたカートリッジ130について
は上記カートリッジ基準マーク132の撮像の結果から
今回の取付位置誤差が求められる。また、パレット基準
マーク134の当初の固定位置誤差と今回の固定位置誤
差との差に基づいて、交換された各カートリッジ130
のカートリッジ基準マーク132の位置における当初の
位置と今回の位置との各ずれ量が計算され、それらずれ
量に基づいて、交換された各カートリッジ130が当初
から部品供給パレット16に取り付けられていたと仮定
した場合の取付位置誤差(当初の取付位置誤差)が逆算
され、それまでRAMに格納されていた当初の取付位置
誤差と置換される。これによって、以後、交換された各
カートリッジ130を当初から取り付けられていた他の
カートリッジ130と同様に扱うことが可能になる。
【0062】以上、電子部品64が部品供給パレット1
6に取り付けられたカートリッジ130によって供給さ
れる場合について説明したが、部品供給ボックス200
によって供給される場合もある。この場合には、部品取
出しロボット220が部品収容トレイ208の部品収容
凹部212から電子部品64を取り出して部品コンベア
250上に位置決めした状態で載せ、部品装着ヘッド4
4は部品コンベア250上に位置決めされた電子部品6
4を吸着してプリント基板14に装着する。
【0063】この際、部品収容トレイ208に付された
トレイ基準マーク216をCCDカメラ248により撮
像して部品収容トレイ208の位置誤差を検出し、部品
取出しロボット220の移動距離を修正することにより
電子部品64を確実に取り出すことができる。また、部
品コンベア250にもコンベア基準マークを設けて部品
コンベア250の停止位置誤差がわかるようにすれば、
部品装着ヘッド44による電子部品64の吸着を確実に
行うことができる。
【0064】なお、部品収容トレイ208に収容された
全部の電子部品64が取り出されたならば、その部品収
容トレイ208は部品取出しロボット220のアーム2
42によって後方へ押し出され、次の段の部品収容トレ
イ208から電子部品64を取り出し得るようにされ
る。部品供給ボックス200の棚202に設けられたガ
イドレール206はY軸方向において部品収容トレイ2
08の寸法の2倍より長いものとされているため、電子
部品64のなくなった部品収容トレイ208を後方へ退
避させることができるのである。また、以上の説明にお
いては、部品供給パレット16からの電子部品64の供
給と部品供給ボックス200からの供給とを別々に説明
したが、これらから供給される電子部品64を混合して
部品装着ヘッド44に保持させ、プリント基板12の装
着させることも勿論可能である。
【0065】このように本実施例によれば、部品装着ヘ
ッド44の全部の部品吸着具66および部品保持チャッ
クによって吸着,保持された電子部品64の像データを
一斉に取得することができ、電子部品64の像を1個ず
つ取得する場合に比較して迅速に取得し得るとともに、
電子部品64を迅速にプリント基板に装着することがで
きる。
【0066】また、本実施例においては電子部品撮像装
置が高精度用,中精度用の2種類設けられており、電子
部品64の種類に応じて適正な精度で撮像することがで
きる。
【0067】さらに、本実施例においては、部品吸着具
66自身は回転せず、ターンテーブル50の回転によっ
て電子部品64の回転位置誤差Δθが修正されるように
なっているため、部品吸着具66を自身の軸心まわりに
回転させて回転位置誤差Δθを修正する場合のように専
用のノズル回転装置を必要とせず、装置コストを低減す
ることができる。
【0068】また、12個の部品吸着具66は、電子部
品64の吸着,装着を行う部品吸着具66のみが下降さ
せられるようになっているが、そのためのエアシリンダ
92は全部の部品吸着具66の各々に対応して設けられ
るとともに、エアシリンダ92,押下部材51および押
下部材51の昇降装置が部品装着ヘッド44に設けられ
て部品吸着具66と共に移動するようにされており、部
品吸着具66がX軸方向,Y軸方向のどの位置にあって
もエアシリンダ92および押下部材51の作動によって
吸着,装着動作を行わせることができる。
【0069】さらに、本実施例において電子部品装着装
置18のY軸スライド32と部品取出しロボット220
のY軸スライド228とは、それぞれ2個のY軸サーボ
モータ34,226によって移動させられるようになっ
ているため、こじりや振動を生ずることなく迅速に移動
させることができる。長手形状のY軸スライド32,2
28を、一方の端部のみを長手方向と直角な方向に駆動
することにより移動させる場合には、Y軸スライド3
2,228とそれに支持されているX軸スライド38,
236等の慣性に基づくこじりや振動が生じ易く、高速
で移動させることができないのであるが、本実施例にお
けるように両端部を駆動すれば高速で移動させてもこじ
りや振動が生じることがないのである。
【0070】また、電子部品装着装置18による部品供
給パレット16からの電子部品64の吸着およびプリン
ト基板14への装着も、部品取出しロボット220によ
る部品供給ボックス200からの吸着も、基準マークの
撮像に基づく位置修正を伴って行われるため、装置の構
成部材の加工精度や組立精度を低くすることができ、装
置の製造コストを著しく低減することができる。カート
リッジ130と部品吸着具66との相対位置誤差および
部品収容トレイ208と部品吸着ヘッド244との相対
位置誤差は、極めて多くの構成部材の加工誤差,組立誤
差の累積である。したがって、これらの相対位置精度を
高めるためには、それら多くの構成部材全ての加工精度
および組立精度を高めることが必要であり、製造コスト
が非常に高くなることを避け得ないのでるが、本実施例
におけるように、基準マークの撮像によりこれらの累積
誤差を修正すれば、これら構成部材の加工精度および組
立精度を高める必要がなくなり、製造コストを著しく低
減させ得るのである。
【0071】さらに、本実施例においては、電子部品6
4が部品供給パレット16と部品供給ボックス200と
の両方から供給され、これらはそれぞれ大きく性質を異
にする電子部品64の供給に適している。また、部品供
給ボックス200は、多数の棚202がフレーム204
に組み付けられて成るものであり、棚202の組み合わ
せを変えることにより、部品供給ボックス200によっ
て供給し得る電子部品の種類や数を変えることができ
る。その上、部品装着ヘッド44も多種類の部品吸着具
66を自動交換して使用し得、かつ大形の部品を保持す
る部品保持チャックも備えているため、極めて広範囲の
電子部品64を装着することができる。
【0072】なお、上記実施例においては、部品装着ヘ
ッド44が移動するようにされていたが、電子部品撮像
装置を移動させて電子部品64を撮像するようにしても
よい。
【0073】また、上記実施例においては、ラインセン
サによって撮像された全部のデータが画像メモリに格納
され、電子部品64以外の部分のデータも記憶されるよ
うになっていたが、部品吸着具66および部品保持チャ
ックを中心とする一定の領域のデータのみが画像メモリ
に格納されるようにすることも可能であり、それによっ
て画像メモリの所要記憶容量を小さくすることができ
る。
【0074】さらに、上記実施例において撮像精度の異
なる2種類の電子部品撮像装置が設けられていたが、2
種類設けることは不可欠ではなく、1種類のみでもよ
い。
【0075】また、上記実施例において、部品吸着具6
6は部品装着ヘッド44にターンテーブル50の回転軸
線を中心とする一円周上に設けられていたが、例えば、
X軸方向あるいはY軸方向のみに1列に並ぶように設け
られる場合、X軸方向およびY軸方向にそれぞれ複数列
ずつ並んで設けられる場合等、部品吸着具が任意の配列
で設けられた部品装着ヘッドにより保持された電子部品
を撮像する装置にも本発明を適用することができる。
【0076】さらに、上記実施例においては部品供給パ
レット16とカートリッジ130との両方に基準マーク
134,132が設けられていたが、1個の部品供給パ
レット16に取り付けられている多数のカートリッジ1
30のうちの代表的な2個(例えば、両端の2個)のカ
ートリッジ基準マーク132をパレット基準マーク13
4の代わりとして利用することも可能である。これら代
表的なカートリッジ130が交換されない限り、これら
のカートリッジ基準マーク132が部品供給パレット1
34に対して相対移動することがないので、これらのカ
ートリッジ基準マーク132を部品供給パレット16に
固定して設けられたパレット基準マーク134とみなす
ことができるのである。なお、これら代表的な2個のカ
ートリッジ130のいずれかが交換された場合には、も
う一度全てのカートリッジ基準マーク132の撮像から
行えばよい。
【0077】また、カートリッジ130を部品供給パレ
ット16に精度良く取り付けることは比較的容易である
ため、部品供給パレット16のみに基準マークを設け、
部品供給パレット16のベース10に対する固定位置誤
差のみに基づいてカートリッジ130の取付位置誤差を
求め、部品吸着具66の移動距離を修正するようにして
もよい。
【0078】逆に、カートリッジ130のみに基準マー
クを設けてもよい。この場合には、部品供給パレット1
6をベース10上の部品供給位置に固定する毎にカート
リッジ基準マーク132を読み取って位置ずれ量および
方向を算出するのである。
【0079】カートリッジのみに基準マークを設ける例
を図18に示す。本実施例において複数の部品供給カー
トリッジ360(以下、カートリッジ360と略称す
る。)は、移動テーブル362上にX軸方向に並んで取
り付けられている。移動テーブル362上には、図24
に示すように位置決めピン364が1個のカートリッジ
360について2個ずつ、Y軸方向に距離を隔てて立設
されており、カートリッジ360は位置決めピン364
により位置決めされて移動テーブル362に取り付けら
れている。
【0080】カートリッジ360において電子部品は、
前記カートリッジ130におけると同様にテープに保持
されてテーピング電子部品とされている。テーピング電
子部品は、図20に示すカートリッジ本体368の上面
上を所定ピッチずつ送られ、カートリッジ本体368の
先端部に回動可能に取り付けられたカバー370の下側
へ送られる。
【0081】キャリヤテープに貼り付けられて部品収容
凹部を覆うカバーフィルムは、カバー370に設けられ
たスリット372を通って引き出され、図示しないリー
ルにより巻き取られる。また、カバーフィルムを剥がさ
れたキャリヤテープはカバー370とカートリッジ本体
368との間を送られ、カバー370のスリット372
より先端側に設けられた開口374に至った部品収容凹
部内の電子部品が図18に示す部品装着ヘッド376に
よって取り出される。開口374が設けられた位置が各
カートリッジ360の部品供給位置である。このカバー
370の上面には、開口374にY軸方向において隣接
する位置にカートリッジ基準マーク378が設けられて
いる。
【0082】移動テーブル362は、図19に示すベー
ス382上に設けられたボールねじ384が図示しない
サーボモータによって回転させられることにより、一対
のガイドレール386に案内されてX軸方向に移動させ
られる。それにより複数のカートリッジ360のうちの
1つが、その部品供給位置が部品装着ヘッド376の部
品吸着位置と一致する部品取出し位置へ移動させられ
る。
【0083】部品装着ヘッド376は前記部品装着ヘッ
ド44と同様に構成され、図示しない回転駆動装置によ
ってZ軸方向に平行な軸線のまわりに回転させられるタ
ーンテーブル388を有している。このターンテーブル
388は、図18に矢印で示す方向に回転させられるこ
とにより、黒丸印を付して位置を示すように等角度間隔
に取り付けられた6個の部品吸着具390(図19参
照)がターンテーブル388の回転軸線を中心とする円
周上の任意の位置へ移動させられる。これら6個の部品
吸着具390の移動位置のうち、最も移動テーブル36
2側のカートリッジ360上方の位置が部品吸着位置で
あり、部品吸着位置から180隔たった位置が部品装着
位置である。
【0084】部品装着ヘッド376は図示しない移動装
置によりY軸方向に移動させられ、カートリッジ360
とプリント基板396との間を移動させられる。プリン
ト基板396は基板コンベアにより搬送された後、基板
位置決め支持台398上に位置決め支持され、X軸方向
およびY軸方向に移動させられる。これらカートリッジ
360とプリント基板396との間の部品装着ヘッド3
76の移動経路の途中には前記高精度電子部品撮像装置
190および中精度電子部品撮像装置192と同様の高
精度電子部品撮像装置400および中精度電子部品撮像
装置402が設けられている。
【0085】カートリッジ360に付されたカートリッ
ジ基準マーク378はCCDカメラ392によって読み
取られる。CCDカメラ392は、その撮像面394の
中心O(図21参照)が部品取出し位置に移動させられ
たカートリッジ360のカートリッジ基準マーク378
の中心と一致する位置に固定して設けられている。
【0086】カートリッジ基準マーク378の読取り
は、電子部品のプリント基板への装着開始前に行われ
る。移動テーブル362の移動により複数のカートリッ
ジ360が順次部品取出し位置へ移動させられ、各カー
トリッジ基準マーク378がCCDカメラ392によっ
て読み取られるのであるが、図21に示すように、撮像
面394の中心Oとカートリッジ基準マーク378の中
心とがずれていることがある。カートリッジ基準マーク
378は部品供給位置に隣接して設けられており、カー
トリッジ基準マーク378のずれは部品供給位置のずれ
と見做すことができる。
【0087】カートリッジ360の部品供給位置(図2
3,図24には黒丸印を付して示す)のずれGは、例え
ば、図22に示すように、カートリッジ360がテーブ
ル362の上面に傾いて取り付けられることにより生
じ、あるいは図23に示すようにカートリッジ本体36
8のそりによって生じ、あるいは図24に示すように位
置決めピン364の取付誤差によって生ずる。図22〜
図24に示すようにカートリッジ360の部品供給位置
の位置ずれはX軸方向に大きく生じ、Y軸方向における
ずれは極く僅かであり、X軸方向のずれを修正すれば電
子部品を確実に吸着することができ、Y軸方向について
は修正しなくても支障はない。
【0088】したがって、CCDカメラ392による撮
像に基づいてカートリッジ基準マーク378のX軸方向
における各位置ずれ量Δxが算出され、カートリッジ3
60毎にコンピュータのRAMに格納される。なお、こ
の位置ずれ量は電源がOFFにされてもバックアップさ
れて消去されないようになっている。
【0089】そして、カートリッジ360が移動テーブ
ル362の移動によって部品取出し位置へ移動させられ
るとき、X軸方向の位置ずれ量Δxが読み出され、移動
テーブル362の移動距離が修正されて部品供給位置が
部品吸着位置と一致するようにされる。そのため、カー
トリッジ360の取付位置にずれがあっても部品吸着具
390は電子部品を吸着することができる。
【0090】6個の部品吸着具390の全部が電子部品
を吸着した後、部品装着ヘッド376がプリント基板3
96へ移動する途中で部品吸着具390による電子部品
の保持姿勢が高精度電子部品撮像装置400および中精
度電子部品撮像装置402によって撮像され、水平面内
における中心位置誤差ΔXE ,ΔYE および回転位置誤
差Δθが算出される。前記実施例と同様に、回転位置誤
差Δθはターンテーブル388の回転により修正され、
その修正に伴うX軸方向およびY軸方向の各ずれおよび
中心位置誤差ΔXE ,ΔYE はプリント基板396の移
動距離の修正により修正され、電子部品はプリント基板
の適正な位置に適正な姿勢で装着される。
【0091】このように本実施例の電子部品装着装置に
よれば、カートリッジ360に設けられたカートリッジ
基準マーク378を予め読み取ってテーブル362の移
動距離を修正することにより、カートリッジ360の部
品供給位置にずれがあっても部品吸着具390が電子部
品を吸着することができるようにされており、部品装着
ヘッド376の作動開始当初から電子部品を確実に吸着
することができる。
【0092】上述のように、高精度,中精度の各電子部
品撮像装置400,402によって部品吸着具390に
よる電子部品の保持姿勢が撮像され、中心位置誤差ΔX
E ,ΔYE が算出されるようになっており、カートリッ
ジ基準マーク378の撮像に基づいて移動テーブル36
2の移動距離を修正しない場合、中心位置誤差ΔXE
ΔYE に部品供給位置の位置ずれが含まれるため、それ
に基づいて移動テーブル362の移動距離を修正するこ
とにより部品吸着具390が電子部品を吸着し得るよう
にすることもできる。しかし、この場合には、部品装着
ヘッド376の作動開始当初から、位置ずれ量の算出に
よって移動テーブル362の移動距離が修正されるまで
の間は部品供給位置と部品吸着位置とがずれたままであ
り、部品吸着具390が電子部品を吸着し損なうことが
あるのに対し、本電子部品装着装置においては部品装着
ヘッド376の装着動作の開始当初から移動テーブル3
62の移動距離が修正されるため、部品吸着具390が
電子部品を吸着し損なうことがないのである。
【0093】カートリッジ基準マーク378の読取りお
よび位置ずれ量の算出は、段取り替えに伴うプログラム
変更や電子部品がなくなったこと等によるカートリッジ
360の交換毎に行われる。この場合、コンピュータの
RAMに格納された交換前の位置ずれ量はクリアされて
新たな位置ずれ量が格納される。
【0094】また、カートリッジ基準マーク378の位
置ずれ量Δxは、装置の電源がOFFにされてもクリア
されないようになっているため、次の電子部品の装着が
前回の続きから行われるとき、再度カートリッジ基準マ
ーク378を撮像して位置ずれ量を算出しなくてもよ
く、迅速に電子部品の装着を開始することができる。
【0095】なお、本実施例においては部品装着ヘッド
376がY軸方向に移動させられるため、カートリッジ
基準マーク378の読取りに基づいて部品供給位置のY
軸方向の位置ずれ量Δyを算出し、電子部品装着時に部
品装着ヘッドのY軸方向の位置を修正して位置ずれを解
消するようにしてもよい。
【0096】また、電子部品の装着時にプリント基板3
96がX軸方向およびY軸方向に移動させられるように
なっていたが、プリント基板396をX軸方向のみに移
動させ、部品装着ヘッド376のY軸方向の移動と合わ
せてプリント基板396の任意の位置に電子部品を装着
するようにしてもよい。
【0097】上記実施例において移動装置35,42を
構成するY軸サーボモータ34,X軸サーボモータ40
はいずれも交流サーボモータとされていたが、パルスモ
ータを使用してもよい。
【0098】さらに、部品吸着具保持装置252にも基
準マークを設け、部品吸着具66の交換時の位置決め精
度を向上させるようにしてもよい。
【0099】上記実施例において電子部品64はライン
センサを有する撮像装置によって撮像されていたが、図
12に示すように撮像手段としてのCCDカメラ300
を有する撮像装置302によって撮像してもよい。この
撮像装置302は、前記高精度電子部品撮像装置190
および中精度電子部品撮像装置192と同様に紫外線を
照射する紫外線照射装置および2種類のフィルタを有し
ており、部品吸着具の発光板が紫外線を吸収して可視光
線を照射することにより電子部品の投影像が形成され
る。CCDカメラ300は部品装着ヘッド44に保持さ
れた全部の電子部品64を撮像するのに十分な撮像面を
有しており、部品装着ヘッド44は電子部品64の吸着
後、カメラ300上へ移動した状態で停止し、全部の電
子部品64が一挙に撮像され、その撮像結果に基づいて
回転位置誤差および中心位置誤差が算出される。この装
置が請求項2の発明の実施例である。
【0100】また、上記各実施例において部品供給パレ
ット16は前進,後退のみ可能とされていたが、移動の
態様を変更することも可能である。例えば、図13に示
すように、2個あるいは3個の部品供給パレット306
を含む部品供給パレット群を2群設け(図13に示す部
品供給パレット群については1群について部品供給パレ
ットが2個ずつ設けられている)、各群内において部品
供給パレット306をそれぞれ、移動装置によって矢印
で示すように一方向に循環式に移動させるのである。こ
のようにすれば、各群1個ずつ、計2個の部品供給パレ
ット306から電子部品を供給しつつ、他の部品供給パ
レット306に対する段取り替え作業を行うことができ
る。
【0101】また、図14に示すように、基板コンベア
12の一方の側に部品供給パレット310を2個設け、
それら部品供給パレット310をX軸方向に移動可能と
する一方、基板コンベア12の他方の側に部品供給パレ
ット312を位置を固定して設けてもよい。この場合に
は部品供給パレット312と基板コンベア12との間に
も高精度電子部品撮像装置314および中精度電子部品
撮像装置316を設ける。このように基板コンベア12
の両側に部品供給パレットを設ければ、供給し得る電子
部品64の種類を増やすことができる。
【0102】さらに、基板コンベアの両側に部品供給パ
レットを設ける場合、図15に示すように2個の基板コ
ンベア320を並行に設けてもよい。このようにすれ
ば、一方の基板コンベア320によってプリント基板1
4が搬送される間に他方の基板コンベア320により位
置決め支持されたプリント基板14に電子部品を装着す
ることができ、あるいは2枚のプリント基板14に同時
に電子部品を装着することができ、装着能率を向上させ
ることができる。また、この場合、一方の基板コンベア
320側にX軸方向に移動する部品供給パレット322
および循環式の部品供給パレット324が設けられ、他
方の基板コンベア320の側にX軸方向に移動する部品
供給パレット326が設けられている。
【0103】この場合、部品装着ヘッドを2個設け、各
部品装着ヘッドがそれぞれ部品供給パレット322,3
24,326から電子部品を受け取り、2個の基板コン
ベア320によりそれぞれ搬送される2枚のプリント基
板に並行して電子部品64を装着するようにしてもよ
い。
【0104】さらにまた、図16に示すように、基板コ
ンベア330を2個設けるとともに、一方の基板コンベ
ア330に隣接して循環式の部品供給パレット332を
2群設け、他方の基板コンベア330に隣接してX軸方
向のみに移動する部品供給パレット334を1対設けて
もよい。
【0105】また、図17に示すように、基板コンベア
340の一方の側に固定の部品供給パレット342と、
循環式の部品供給パレット344とを設け、他方の側に
固定の部品供給パレット346を設けるとともに、部品
供給パレット342,344にY軸方向に隣接して部品
供給ボックス348を設けてもよい。
【0106】これらの他にも、基板コンベア,位置固定
の部品供給パレット,循環式の部品供給パレット,一方
向のみに移動する部品供給パレットおよび部品供給ボッ
クスの数および配置は、目的に応じて種々に組み合わせ
ることが可能である。そして、図13ないし図17の電
子部品装着装置を含む多種類の電子部品装着装置は、複
数種類の単位ブロックを量産し、それらを適宜組み合わ
せて構成することが可能であり、それによって、多様な
要求に答え得る、自由度に富んだ電子部品装着装置シリ
ーズを得ることができる。
【0107】さらに、上記各実施例において電子部品撮
像時の照明は、部品吸着具に設けた発光板が紫外線を吸
収して可視光線を発射することにより行われていたが、
これ以外の態様で照明してもよい。例えば、部品吸着具
に発光ダイオードを有して発光する発光板およびその光
を拡散する拡散板を設けて電子部品に光を当てるのであ
る。
【0108】その他、特許請求の範囲を逸脱することな
く、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した
態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の一実施例である電子部品撮像装置を
備えた電子部品装着装置を示す平面図である。
【図2】上記電子部品装着装置の部品装着ヘッドを示す
正面断面図である。
【図3】上記電子部品装着ヘッドの部品吸着具にバキュ
ームを供給するホースの配管を示す図である。
【図4】上記電子部品装着ヘッドにおける部品吸着具の
配置を示す平面図である。
【図5】上記電子部品装着装置の部品供給パレットを示
す平面図である。
【図6】上記電子部品装着装置の部品供給ボックスを示
す斜視図である。
【図7】上記部品供給ボックスを構成する棚に収容され
る部品供給トレイの一部を示す斜視図である。
【図8】上記棚の一部を示す正面図である。
【図9】上記電子部品装着装置を制御する制御装置を示
すブロック図である。
【図10】上記部品供給パレット自体の固定位置誤差お
よびその部品供給パレットへのカートリッジの取付位置
誤差の検出を説明する図である。
【図11】上記部品供給パレットの固定位置誤差の変化
に応じたカートリッジの取付位置誤差の修正量の算出を
説明する図である。
【図12】請求項2の発明の一実施例である電子部品撮
像装置を備えた電子部品装着装置を示す平面図である。
【図13】電子部品装着装置の別の態様を示す図であ
る。
【図14】電子部品装着装置の別の態様を示す図であ
る。
【図15】電子部品装着装置の別の態様を示す図であ
る。
【図16】電子部品装着装置の別の態様を示す図であ
る。
【図17】電子部品装着装置の別の態様を示す図であ
る。
【図18】本発明の別の実施例である電子部品装着装置
を概略的に示す平面図である。
【図19】図18に示す電子部品装着装置の部品装着ヘ
ッドの部品吸着具および部品供給カートリッジの側面図
(一部断面)である。
【図20】図18に示す部品供給カートリッジの先端部
をCCDカメラと共に示す斜視である。
【図21】図18に示す部品供給カートリッジのカート
リッジ基準マークがCCDカメラによって撮像された状
態を示す図である。
【図22】図18に示す部品供給カートリッジの部品供
給位置のずれの原因を説明するための図である。
【図23】図18に示す部品供給カートリッジの部品供
給位置のずれの別の原因を説明するための図である。
【図24】図18に示す部品供給カートリッジの部品供
給位置のずれの更に別の原因を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
44 部品装着ヘッド 64 電子部品 66 部品吸着具 180 制御装置 190 高精度電子部品撮像装置 192 中精度電子部品撮像装置 194,196 ラインセンサ 300 CCDカメラ 302 撮像装置 314 高精度電子部品撮像装置 316 中精度電子部品撮像装置 376 部品装着ヘッド 390 部品吸着具 400 高精度電子部品撮像装置 402 中精度電子部品撮像装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武藤 康雄 愛知県知立市山町茶碓山19番地 富士機械 製造株式会社内 (72)発明者 須原 信介 愛知県知立市山町茶碓山19番地 富士機械 製造株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品を保持する部品保持具を複数備
    えた部品保持ヘッドと、 その部品保持ヘッドに対して相対移動可能に設けられ、
    その相対移動の方向と交差する方向に配列された多数の
    受光素子により電子部品をライン状に撮像するラインセ
    ンサと、 そのラインセンサと前記部品保持ヘッドとが1回相対移
    動する間に、単位相対移動距離毎にラインセンサにより
    得られる撮像データの集合として、前記複数の部品保持
    具にそれぞれ保持された電子部品の全ての像のデータを
    取得する像データ取得手段とを含むことを特徴とする電
    子部品撮像装置。
  2. 【請求項2】 電子部品を保持する部品保持具を複数備
    えた部品保持ヘッドと、 その部品保持ヘッドの複数の部品保持具によりそれぞれ
    保持された電子部品の全てを一挙に撮像可能な撮像面を
    有する撮像手段と、 その撮像手段に接続され、前記電子部品の全ての像のデ
    ータを取得する像データ取得手段とを含むことを特徴と
    する電子部品撮像装置。
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