JP4540837B2 - 電気部品装着システムおよびそれにおける相対位置関係取得方法 - Google Patents

電気部品装着システムおよびそれにおける相対位置関係取得方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気部品(電子部品を含む)をプリント配線板等の回路基板に装着する電気部品装着システム、ならびにそのシステムにおける部品装着精度に関連する部分の相対位置関係の取得に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気部品装着システムは、負圧により電気部品を吸着して保持する吸着ノズルを備えたものが多いが、この吸着ノズルによる電気部品の吸着位置は多少ずれるのが普通である。そこで、従来から、吸着ノズルに保持された電気部品を撮像装置により撮像し、吸着ノズルに対する電気部品の位置ずれを検出して、その位置ずれを修正しつつ回路基板に装着することが行われている。上記位置ずれには、電気部品の中心点等基準点の吸着ノズルの中心軸線と直交する方向における位置ずれと、電気部品の、吸着ノズルの中心軸線まわりの回転位置ずれとの少なくとも一方を含む。また、電気部品が装着されるべき回路基板も、基板支持装置により位置決めされて支持されるのが普通であるが、それでも、回路基板に形成された回路パターンの電気部品を装着すべきパッドの位置が多少予定の位置からずれることが多い。そのため、回路基板に回路パターンの形成と同時に基準マークを形成し、基準マークを撮像装置により撮像して位置ずれを取得し、その位置ずれからパッドの位置ずれを推定して、その位置ずれも修正しつつ電気部品を装着することが行われている。
【0003】
上記のように、電気部品の吸着ノズルに対する位置ずれや、回路基板の基準マークの基板支持装置に対する位置ずれを取得するためには、電気部品や基準マークの撮像時における吸着ノズル,電気部品撮像装置,基準マーク撮像装置等の相対位置が既知であることが必要である。電気部品装着システムの組立時や保守点検時に、専用の検出装置を使用してそれらの相対位置を検出しておき、その相対位置が維持されているものとして、電気部品や基準マークの位置ずれを取得することも可能である。しかし、そのためには大がかりな検出装置が必要である。また、一旦それらの相対位置を検出しても、吸着ノズル,基板支持装置,撮像装置等を相対移動させる相対移動装置のボールねじの温度変化に基づく伸縮や負荷に基づく弾性変形、電気部品装着システムの本体フレームや、撮像装置を保持しているブラケット等の温度変化に基づく変形等により、吸着ノズル,基板支持装置,撮像装置等の相対位置が変化する。なお、上記温度変化に基づく伸縮や変形を熱変形と総称することとする。
【0004】
さらに、電気部品装着システムの各構成要素の経年変化や使用に伴う摩耗、さらには固定装置の緩みによる移動等によって、吸着ノズル,基板支持装置,撮像装置等の相対位置が変化することもある。そのため、特に、高い装着位置精度が要求される電気部品装着システムにおいては、リニアエンコーダを設けて実際の相対位置を検出したり、撮像装置を保持するブラケット等を剛性が高くかつ熱膨張係数が小さい材料から成るものとしたり、カメラのレンズ等を耐震構造のものにしたりすることが行われている。しかし、これらの対策を施せば装置コストが高くなることを避け得ず、しかも未だ完全とは言い難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
本発明は、以上の事情を背景とし、装置コストの上昇をできる限り回避しつつ、電気部品の吸着ノズルに対する位置ずれを正確に取得したり、電気部品装着システムの電気部品装着位置精度を向上させたり、電気部品装着位置精度に関連する部分の相対位置関係を取得したりすることを可能にすることを課題としてなされたものであり、本発明によって、電気部品を吸着ノズルにより吸着し、互いに直角なX軸方向とY軸方向とに移動させて回路基板に装着し、電気回路を組み立てる電気部品装着システムの装着精度に関連する部分の相対位置関係を取得する方法であって、(A)前記吸着ノズルの近傍に配設した複数個のドッグと前記吸着ノズルに吸着させた基準チップとを第一撮像装置によって撮像した画像データの処理により、前記複数個のドッグを基準とする前記基準チップの傾きを取得する基準チップ傾き検出工程と、(B)その基準チップ傾き検出工程の後に、前記基準チップを載置面に載置する基準チップ載置工程と、(C)その載置した基準チップを第二撮像装置に撮像させた後、それら基準チップと第二撮像装置とを前記X軸方向と前記Y軸方向との一方に平行に一定距離相対移動させ、第二撮像装置に基準チップを再び撮像させて、2つの基準チップの像を取得し、それら2つの基準チップの像の画像データの処理により、少なくともそれら2つの基準チップの像の同一の部分同士を結ぶ直線を基準とする基準チップの傾きに基づいて、前記複数個のドッグの前記X軸方向と前記Y軸方向との前記一方を基準とする傾きを取得するドッグ傾き検出工程とを含み、かつ、(a)前記基準チップ傾き検出工程において取得した基準チップの複数個のドッグを基準とする傾きを修正して前記基準チップ載置工程を実施することと、(b)前記ドッグ傾き検出工程において、そのドッグ傾き検出工程において取得した前記直線を基準とする前記基準チップの傾きと、前記基準チップ傾き検出工程において取得した前記基準チップの前記複数個のドッグを基準とする傾きとに基づいて、前記複数個のドッグの前記X軸方向と前記Y軸方向との前記一方を基準とする傾きを取得することとのいずれか一方を含むことを特徴とする相対位置関係取得方法が得られる。
この相対位置関係取得方法によれば、X軸方向とY軸方向とに移動させられる吸着ノズルの近傍に配設された複数個のドッグの、X軸方向とY軸方向との一方を基準とする傾きを取得することができる。
また、本発明によって、電気部品を吸着ノズルにより吸着し、互いに直角なX軸方向とY軸方向とに移動させて回路基板に装着し、電気回路を組み立てる電気部品装着システムの装着精度に関連する部分の相対位置関係を取得する方法であって、(A)第一撮像装置により前記吸着ノズルとその近傍に配設された複数個のドッグとを同時に撮像する第一撮像工程と、(B)その第一撮像工程において取得した吸着ノズルと複数個のドッグとの画像データを処理してそれら吸着ノズルと複数個のドッグとの相対位置関係を取得し、記憶する第一データ処理工程と、(C)前記吸着ノズルに基準チップを保持させた状態でその基準チップと前記複数個のドッグとを同時に撮像する第二撮像工程と、(D)その第二撮像工程において取得した基準チップと複数個のドッグとの画像データと前記第一データ処理工程で取得した吸着ノズルと複数個のドッグとの相対位置関係とに基づいて、基準チップの吸着ノズルに対する吸着ノズルの中心軸線と直交する方向における位置ずれと、基準チップの前記複数個のドッグを基準とする傾きとを取得する第二データ処理工程と、(E)前記吸着ノズルと前記回路基板を支持する基板支持装置とを相対移動させ、基板支持装置に対して相対移動不能に設定した載置面に前記基準チップを載置させる基準チップ載置工程と、(F)その基準チップ載置工程において載置した基準チップを第二撮像装置により撮像した後、それら基準チップと第二撮像装置とを前記X軸方向と前記Y軸方向との一方に平行に一定距離相対移動させ、第二撮像装置により基準チップを再び撮像して、2つの基準チップの像を取得する第三撮像工程と、(G)少なくともその第三撮像工程において取得した前記2つの基準チップの像の画像データに基づいて、前記吸着ノズル,前記複数個のドッグ,前記第一撮像装置および前記第二撮像装置の相対位置関係を取得し、その相対位置関係に基づいて、それら吸着ノズル,複数個のドッグ,第一撮像装置および第二撮像装置の吸着ノズルの中心軸線と直交する方向における位置ずれと、複数個のドッグ,第一撮像装置および第二撮像装置の前記X軸方向と前記Y軸方向との前記一方を基準とする傾きとを取得する第三データ処理工程とを含み、かつ、(a)前記第二データ処理工程において取得した基準チップの吸着ノズルに対する吸着ノズルの中心軸線と直交する方向における位置ずれと、基準チップの複数個のドッグを基準とする傾きとを修正して前記基準チップ載置工程を実施することと、(b)前記第二データ処理工程において取得した基準チップの吸着ノズルに対する吸着ノズルの中心軸線と直交する方向における位置ずれと、基準チップの複数個のドッグを基準とする傾きと、前記第三撮像工程において取得した前記2つの基準チップの像の画像データとに基づいて前記第三データ処理工程を実施することとのいずれか一方を含むことを特徴とする相対位置関係取得方法が得られる。
この相対位置関係取得方法によれば、吸着ノズル,複数個のドッグ,第一撮像装置および第二撮像装置の吸着ノズルの中心軸線と直交する方向における位置ずれと、複数個のドッグ,第一撮像装置および第二撮像装置のX軸方向とY軸方向との一方を基準とする傾きとを取得することができる。
さらに、本発明によって、(A)電気部品を供給する部品供給装置と、(B)電気部品を吸着して保持する吸着ノズルと、(C)回路基板を支持する基板支持装置と、(D)前記部品供給装置および前記基板支持装置に対して前記吸着ノズルを、互いに直角なX軸方向とY軸方向とに相対移動させる相対移動装置と、(E)前記吸着ノズルを回転させる回転装置と、(F)それら相対移動装置および回転装置を制御して前記吸着ノズルに、前記部品供給装置から供給される電気部品を前記基板支持装置に支持された回路基板の予め定められた位置に予め定められた回転位置で装着させる装着制御装置と、(G)前記吸着ノズルをその吸着ノズルの中心軸線に平行な方向から撮像可能な第一撮像装置と、(H)前記基板支持装置に支持された回路基板に設けられた基準マークを撮像可能な第二撮像装置と、(I)それら第一,第二撮像装置により取得された画像データを処理するデータ処理装置と、(J)前記第一撮像装置により前記吸着ノズルと同時に撮像可能な位置に配設された複数個のドッグと、(K)それら複数個のドッグと前記吸着ノズルに吸着させた基準チップとを前記第一撮像装置に撮像させ、その撮像により取得された画像データを前記データ処理装置に処理させて、前記複数個のドッグを基準とする前記基準チップの傾きを取得させる基準チップ傾き検出制御部と、(L)その基準チップ傾き検出制御部の制御による基準チップの複数個のドッグを基準とする傾きの検出後に、前記相対移動装置を制御して前記基準チップを載置面に載置させる基準チップ載置制御部と、(M)その載置された基準チップを前記第二撮像装置に撮像させた後、それら基準チップと第二撮像装置とを前記X軸方向と前記Y軸方向との一方に平行に一定距離相対移動させ、第二撮像装置に基準チップを再び撮像させて、2つの基準チップの像を取得し、それら2つの像の画像データを前記データ処理装置に処理させて、少なくともそれら2つの基準チップの像の同一の部分同士を結ぶ直線を基準とする基準チップの傾きに基づいて、前記複数個のドッグの前記X軸方向と前記Y軸方向との前記一方を基準とする傾きを取得させるドッグ傾き検出制御部とを含み、かつ、(a)前記基準チップ載置制御部が、前記基準チップ傾き検出制御部の制御により検出された前記基準チップの前記複数個のドッグを基準とする傾きを除去して、その基準チップを前記載置面に載置させるものであることと、(b)前記ドッグ傾き検出制御部が、そのドッグ傾き検出制御部の制御により取得された前記直線を基準とする前記基準チップの傾きと、前記基準チップ傾き検出制御部の制御により取得された前記基準チップの前記複数個のドッグを基準とする傾きとに基づいて、前記複数個のドッグの前記X軸方向と前記Y軸方向との前記一方を基準とする傾きを取得するものであることとの一方を含むことを特徴とする電気部品装着システムが得られる。
この電気部品装着システムにおいては、X軸方向とY軸方向とに移動させられる吸着ノズルの近傍に配設された複数個のドッグの、X軸方向とY軸方向との一方を基準とする傾きを、電気部品装着システム自体の機能を利用して取得することができる。
本発明によってさらに、下記各態様の電気部品の位置ずれ検出方法,検出用記録媒体および装置、相対位置関係の取得方法,取得用記録媒体および装置、電気部品装着方法,装着用記録媒体および装着システム等が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
なお、以下の項の中には、補正によって、特許請求の範囲に記載の発明でも、その下位概念の発明でもなくなったものもあるが、特許請求の範囲に記載の発明を理解する上で有用な記載を含んでいるため、そのまま残すこととする。
【0006】
(1)電気部品を負圧により吸着する吸着ノズルに対する電気部品の位置ずれを検出する方法であって、
前記吸着ノズルとその近傍に配設されたドッグとを同時に撮像する第一撮像工程と、
その第一撮像工程において取得した吸着ノズルとドッグとの画像データを処理してそれら吸着ノズルとドッグとの相対位置関係を取得して記憶する第一データ処理工程と、
前記吸着ノズルに電気部品を保持させた状態でその電気部品と前記ドッグとを撮像する第二撮像工程と、
その第二撮像工程において取得した電気部品とドッグとの画像データと、前記第一データ処理工程で取得した吸着ノズルとドッグとの相対位置関係とに基づいて、電気部品の吸着ノズルに対する位置ずれを取得する第二データ処理工程と
を含むことを特徴とする電気部品の位置ずれ検出方法。
上記電気部品の吸着ノズルに対する位置ずれは、電気部品の中心点等基準点の吸着ノズルの中心軸線と直交する方向における位置ずれと、電気部品の、吸着ノズルの中心軸線まわりの回転位置ずれとの少なくとも一方を含む。
第二データ処理工程においては、まず、ドッグの位置を取得し、そのドッグの位置と第一データ処理工程において取得したドッグと吸着ノズルとの相対位置関係とから吸着ノズルの位置を取得し、その吸着ノズルの位置に対する電気部品の相対位置(位置ずれ)を取得してもよく、まず、ドッグと電気部品の相対位置関係を取得し、その相対位置関係と、第一データ処理工程において取得したドッグと吸着ノズルとの相対位置関係とに基づいて電気部品の吸着ノズルに対する位置ずれを取得してもよい。
撮像装置は、例えば、CCDカメラ等のカメラのみを備えたものとすることも、1つ以上の反射面や多数の光ファイバを備えて光の向きを変える導光装置をも備えたものとすることも可能である。前者においてはカメラを吸着ノズルの先端面に対向させ、後者においては導光装置を対向させるのである。
位置ずれ検出方法によれば、電気部品の撮像時に吸着ノズルが電気部品の後ろに隠れていて検出できないにもかかわらず、検出可能なドッグの位置と、先に検出しておいたドッグと吸着ノズルとの相対位置関係とに基づいて、吸着ノズルの位置を正確に推定することができる。そして、その推定位置に対する電気部品の位置ずれが、吸着ノズルに対する電気部品の実際の位置ずれであると見なすことは、吸着ノズルとドッグとの相対位置が変化しない限り妥当なことである。そして、例えば、吸着ノズルを保持する部材自体、あるいは、その部材を相対回転あるいは軸方向に相対移動可能に保持する部材にドッグを保持させれば、それら部材の熱変形,弾性変形,経年変化,摩耗等によって吸着ノズルとドッグとの相対位置が変化することを実質上防止することは比較的容易である。したがって、例えば、ドッグの位置に基づく吸着ノズルの推定位置に対する電気部品の位置ずれが、吸着ノズルに対する電気部品の実際の位置ずれであると見なして装着作業を行うことにより、前記種々の原因に基づく吸着ノズルと撮像装置との相対位置ずれを修正し、電気部品を高い位置精度で回路基板に装着することができる。
(2)前記第一撮像工程が、前記吸着ノズルを少なくとも1回回転させて少なくとも2つの回転位置における吸着ノズル先端を撮像する工程を含み、前記第一撮像工程が、それら少なくとも2つの吸着ノズルの先端の像に基づいて吸着ノズルの回転中心位置を取得する工程を含む(1) 項に記載の電気部品の位置ずれ検出方法。
例えば、吸着ノズルを180度回転させ、その回転の前後における2つの回転位置における吸着ノズルの先端の2つの像の中心座標の平均値を回転中心位置として取得し、あるいは、吸着ノズルを90度ずつ3回回転させ、4つの回転位置における先端の4つの像の中心座標から回転中心位置の座標を取得することができる。3つ以上の回転位置における先端の像を使用する場合には、吸着ノズルの回転角度は必ずしも同じである必要はない。先端の像の中心が1円周上に位置するとして、その円周の中心の位置を取得すればよいのである。
吸着ノズルが回転しない場合には、先端の位置が吸着ノズルの位置であるとして装着作業等を行って差し支えないが、吸着ノズルが回転し、電気部品を任意の回転姿勢で回路基板に装着し得るものである場合には、吸着ノズルの回転中心の位置を吸着ノズルの位置として装着作業の制御を行わなければ、装着位置の精度が低下してしまう。
(3)前記ドックを複数個設け、少なくとも前記第一撮像工程においてそれら複数個のドッグを撮像し、前記第一データ処理工程において複数のドッグの相対位置関係に基づいて撮像画面の傾きを取得する(1) 項または(2) 項に記載の電気部品の位置ずれ検出方法。
撮像装置自体や撮像装置を保持している装置の組付誤差や熱変形に起因してドッグと撮像画面(撮像領域)とが相対的に傾くことがある。複数のドッグを利用すれば、この傾きを検出することができる。例えば、2個のドッグを第一撮像装置の撮像画面の2隅に、X軸,Y軸のいずれかに正確に平行な方向に隔たって撮像されるように配設しておけば、それら2つのドッグの予め定められた頂点等の基準点を結ぶ直線を、第一撮像装置の傾き(撮像画面の傾き)を検出するための基準として利用することができる。また、上記基準点を結ぶ直線の、X軸またはY軸に対する傾き角を予め別の装置で測定しておけば、やはり基準点を結ぶ直線を第一撮像装置の傾きを検出するための基準として利用することができる。さらに、後に実施形態の項において説明するように、基準チップ,第一撮像装置および第二撮像装置を利用すれば、上記基準点を結ぶ直線の傾きを、電気部品装着システム自体の機能を利用して検出することができる。ドッグを保持している装置の組付誤差や熱変形に起因してドッグ自体が傾くことがあり、本方法によればドッグの傾きを検出できるのである。そして、そのようにして検出した基準点を結ぶ直線を第一撮像装置の撮像画面の傾きを検出するための基準として利用することができ、さらに、基準チップを利用することにより、第二撮像装置の第一撮像装置に対する相対的な傾きも検出することもできる。ドッグを比較的大きく、かつ、傾きの検出に適した形状のものとすれば、1個のドッグにより撮像画面の傾きを検出することができる。しかし、ドッグは、吸着ノズルに吸着された電気部品の後ろに隠れてしまうものでは意味がないため、撮像画面の外周部、特に撮像画面が矩形である場合には隅部に、比較的小さい複数個のドッグを設けることが望ましい。
(4)電気部品を吸着ノズルにより吸着して回路基板に装着し、電気回路を組み立てる電気部品装着システムの装着精度に関連する部分の相対位置関係を取得する方法であって、
第一撮像装置により前記吸着ノズルとその近傍に配設されたドッグとを同時に撮像する第一撮像工程と、
その第一撮像工程において取得した吸着ノズルとドッグとの画像データを処理してそれら吸着ノズルとドッグとの相対位置関係を取得し、記憶する第一データ処理工程と、
前記吸着ノズルに基準チップを保持させた状態でその基準チップと前記ドッグとを同時に撮像する第二撮像工程と、
その第二撮像工程において取得した基準チップとドッグとの画像データと前記第一データ処理工程で取得した吸着ノズルとドッグとの相対位置関係とに基づいて、基準チップの吸着ノズルに対する位置ずれを取得する第二データ処理工程と、
前記吸着ノズルと前記回路基板を支持する基板支持装置とを相対移動させ、基板支持装置に対して相対移動不能に設定した載置面に前記基準チップを載置させる載置工程と、
その載置工程において載置した基準チップを第二撮像装置により撮像する第三撮像工程と、
その第三撮像工程において取得した基準チップの画像データに基づいて、前記吸着ノズル,前記第一撮像装置および前記第二撮像装置の相対位置関係を取得する第三データ処理工程と、
を含み、かつ、前記第二データ処理工程において取得した基準チップの吸着ノズルに対する位置ずれを修正して前記載置工程を実施することと、前記第二データ処理工程において取得した基準チップの吸着ノズルに対する位置ずれと前記載置した基準チップの画像データとに基づいて前記第三データ処理工程を実施することとのいずれか一方を含むことを特徴とする相対位置関係取得方法。
第一撮像装置と第二撮像装置とを備えた電気部品装着システムにおいては、一般に、吸着ノズルに対する電気部品の位置ずれが、第一撮像装置により取得された画像データに基づいて検出される一方、回路基板の基板支持装置に対する位置ずれが、第二撮像装置により取得された画像データに基づいて検出され、それら両位置ずれ分だけ、装着制御プログラムにより指示される吸着ノズルと基板支持装置との相対位置決めが修正されて装着が行われる。したがって、吸着ノズル,第一撮像装置および第二撮像装置の間に相対位置ずれが存在すれば、その位置ずれは当然電気部品の装着位置精度低下の原因となる。しかるに、本相対位置関係取得方法によって、吸着ノズル,第一撮像装置および第二撮像装置の相対位置関係、例えば、それら3者のいずれか一つに対する他の2者の相対位置ずれを検出し、その相対位置ずれをも考慮に入れて吸着ノズルと基板支持装置との相対位置決めの修正を行えば、電気部品の装着位置精度を向上させることができる。
基準チップは、相対位置関係を取得するために専用のチップを準備して使用してもよく、実際に回路基板に装着すべき電気部品の一つを基準チップとして利用してもよい。前者においては、基準チップを形状および寸法の精度の高いものとし、あるいは検出に都合のよい光学的特性を備えたものとすることができ、それによって相対位置関係の取得精度を向上させることが容易となる。
また、載置面は、装置の構成部材に恒久的に設定してもよく、例えば電気部品を装着すべき回路基板上に一時的に設定してもよい。載置面は、載置工程と第三撮像工程との実施時に基板支持装置に対して相対移動不能に設定されていればよいのである。
本項の相対位置関係取得方法は、電気部品装着システムの組立時や保守点検時に行うことも、電気部品装着作業の実施中の適宜の時期に行うことも可能である。前者においては、取得した相対位置関係に基づいて装着制御プログラムを修正するなどにより、吸着ノズルと基板支持装置との相対位置決めをを修正することによって、電気部品装着システムの電気部品装着精度を向上させることができる。後者においては、電気部品装着システムの各部の熱変形に起因する相対位置関係の変化を取得し、それに基づいて吸着ノズルと基板支持装置との相対位置決めを修正することによって、電気部品装着システムの電気部品装着精度を一層向上させることができる。また、電気部品装着システムの各部の温度が定常状態になる前に装着作業を行っても十分な装着位置精度を得ることができる。
(5)(4) 項に記載の相対位置関係取得方法と、
前記基板支持装置に支持された回路基板に設けられた基準マークを前記第二撮像装置により撮像する第四撮像工程と、
その第四撮像工程により取得した基準マークの画像データに基づいて回路基板の位置ずれを取得する第四データ処理工程と、
前記吸着ノズルに電気部品を保持させ、その電気部品を前記第一撮像装置により撮像する第五撮像工程と、
その第五撮像工程により取得した電気部品の画像データと、前記相対位置関係取得方法の実施により取得した吸着ノズル,第一撮像装置および第二撮像装置の相対位置関係と、前記第四データ処理工程において取得した回路基板の位置ずれとに基づいて、前記基板支持装置と前記吸着ノズルとの予め定められた相対位置を修正し、電気部品を回路基板に装着させる部品装着工程と
を含む電気部品装着方法。
上記第四データ処理工程において取得される回路基板の位置ずれ(基準マークの位置ずれ)は、第二撮像装置の撮像画面内でのずれ(回路基板の第二撮像装置に対する位置ずれ)でもよく、正規の位置からのずれでもよい。前者の場合、例えば、第一撮像装置の位置が電気部品装着システム全体の基準位置とされるものとすれば、回路基板の正規の位置からのずれは、回路基板の第二撮像装置に対する位置ずれと、第二撮像装置の第一撮像装置に対する位置ずれとの和として取得される。
(6)(1) 項ないし(3) 項のいずれかに記載の電気部品位置ずれ検出方法を実施するための制御プログラムがコンピュータにより読み取り可能な状態で記録された記録媒体。
(7)(4) 項に記載の相対位置関係取得方法を実施するための制御プログラムがコンピュータにより読み取り可能な状態で記録された記録媒体。
(8)(5) 項に記載の電気部品装着方法を実施するための制御プログラムがコンピュータにより読み取り可能な状態で記録された記録媒体。
(9)電気部品を負圧により吸着する吸着ノズルに対する電気部品の位置ずれを検出する装置であって、
前記吸着ノズルをその吸着ノズルの中心軸線に平行な方向から撮像可能な撮像装置と、
その撮像装置により吸着ノズルと同時に撮像可能な位置に配設されたドッグと、
前記撮像装置に吸着ノズルとドッグとを同時に撮像させるとともに、吸着ノズルに吸着された電気部品とドッグとを同時に撮像させる撮像制御装置と、
前記同時に撮像した吸着ノズルとドッグとの像に基づいて吸着ノズルとドッグとの相対位置関係を取得するとともに、前記同時に取得した電気部品とドッグとの像と、吸着ノズルとドッグとの相対位置関係とに基づいて吸着ノズルに対する電気部品の位置ずれを取得するデータ処理装置と
を含むことを特徴とする電気部品の位置ずれ検出装置。
本項に係る位置ずれ検出装置は、前記(1) 項の係る位置ずれ検出方法の実施に好適なものである。
(10)前記撮像制御装置が、前記吸着ノズルを少なくとも1回回転させて少なくとも2つの回転位置における吸着ノズルの先端を前記撮像装置に撮像させる複数回撮像制御部を含み、前記データ処理装置が、前記少なくとも2つの吸着ノズルの先端の像に基づいて吸着ノズルの回転中心位置を取得する回転中心位置取得部を含む(9) 項に記載の電気部品の位置ずれ検出装置。
(11)前記ドッグを複数個含み、それら複数個のドッグが前記撮像装置により前記吸着ノズルと同時にかつ撮像画面の外周部において撮像される位置に配置された(9) 項または(10)項に記載の電気部品の位置ずれ検出装置。
(12)前記データ処理装置が、前記複数個のドッグの像に基づいて前記撮像装置の撮像画面の傾きを取得する傾き取得部を含む(11)項に記載の電気部品の位置ずれ検出装置。
(13)前記ドッグが、概して矩形をなし、その矩形の互に直交する2辺により規定される頂点を有する被検出部を備えた(9) 項ないし(12)項のいずれかに記載の電気部品の位置ずれ検出装置。
2辺により規定される頂点は、撮像により正確に検出することが容易であるため、ドッグの位置を規定するための基準点として理想的である。
(14)前記被検出部に、前記2辺に沿って延びる面取りが施され、それら2辺がそれぞれ互に鋭角に交差する2平面の交線として形成された(13)項に記載の電気部品の位置ずれ検出装置。
2辺を形成する部分に厚みがあれば、2辺を撮像装置により撮像した場合に、シャープな像を得難いため、本来の目的からすれば、上記2辺は文字通り「互に鋭角に交差する2平面の交線として形成され」、2辺を形成する部分の厚みが0であることが理想であるが、製造の都合上、あるいは耐久性や安全性の観点から、2辺を形成する部分がごく小さい厚さを有するものとされてもよい。本項はその形態も包含するものとする。
(15)電気部品を供給する部品供給装置と、
電気部品を吸着して保持する吸着ノズルと、
回路基板を支持する基板支持装置と、
それら部品供給装置と吸着ノズルと基板支持装置とを相対移動させる相対移動装置と、
その相対移動装置を制御して前記吸着ノズルに前記部品供給装置により供給される電気部品を前記基板支持装置に支持された回路基板の予め定められた位置に装着させる装着制御装置と、
前記吸着ノズルをその吸着ノズルの中心軸線に平行な方向から撮像可能な第一撮像装置と、
前記基板支持装置に支持された回路基板に設けられた基準マークを撮像可能な第二撮像装置と、
それら第一,第二撮像装置により取得された画像データを処理するデータ処理装置と
を含む電気部品装着システムにおける前記吸着ノズル,前記第一撮像装置および前記第二撮像装置の相対位置関係を取得する相対位置関係取得装置であって、
前記第一撮像装置により前記吸着ノズルと同時に撮像可能な位置に配設されたドッグと、
前記第一撮像装置に、前記吸着ノズルと前記ドッグとを同時に撮像させるとともに、吸着ノズルに吸着された基準チップとドッグとを同時に撮像させる撮像制御手段と、
その撮像制御手段の制御により同時に撮像された吸着ノズルとドッグとの像に基づいて吸着ノズルとドッグとの相対位置関係を取得するとともに、同時に取得された基準チップとドッグとの像と、前記吸着ノズルとドッグとの相対位置関係とに基づいて吸着ノズルに対する基準チップの位置ずれを取得する位置ずれ取得手段と、
前記相対移動装置に前記吸着ノズルと前記基板支持装置とを相対移動させ、基板支持装置に対して相対移動不能に設定された載置面に前記基準チップを載置させる基準チップ載置制御手段と、
その載置された基準チップを前記第二撮像装置に撮像させる基準チップ撮像制御手段と、
その取得された基準チップの画像データに基づいて、前記吸着ノズル,前記第一撮像装置および前記第二撮像装置の相対位置関係を取得する相対位置関係取得手段と
を含み、かつ、前記載置制御手段が、前記位置ずれ取得手段により取得された基準チップの吸着ノズルに対する位置ずれを修正して前記吸着ノズルに前記基準チップを前記載置面に載置させるものであるか、あるいは、前記相対位置関係取得手段が、前記位置ずれ取得手段により取得された基準チップの吸着ノズルに対する位置ずれと、前記基準チップ撮像制御手段の制御により取得された基準チップの画像データとに基づいて前記相対位置関係を取得するものであることを特徴とする相対位置関係取得装置。
本項に係る相対位置関係取得装置は、前記(4) 項に係る相対位置関係取得方法の実施に好適なものである。
(16)電気部品を供給する部品供給装置と、
電気部品を吸着して保持する吸着ノズルと、
回路基板を支持する基板支持装置と、
それら部品供給装置,吸着ノズルおよび基板支持装置を相対移動させる相対移動装置と、
その相対移動装置を制御して前記吸着ノズルに前記部品供給装置から供給される電気部品を前記基板支持装置に支持された回路基板の予め定められた位置に装着させる装着制御装置と、
前記吸着ノズルをその吸着ノズルの中心軸線に平行な方向から撮像可能な第一撮像装置と、
前記基板支持装置に支持された回路基板に設けられた基準マークを撮像可能な第二撮像装置と、
それら第一,第二撮像装置により取得された画像データを処理するデータ処理装置と
を含む電気部品装着システムであって、
前記第一撮像装置により前記吸着ノズルと同時に撮像可能な位置に配設されたドッグと、
前記第一撮像装置に前記吸着ノズルと前記ドッグとを同時に撮像させるとともに、吸着ノズルに吸着された基準チップとドッグとを同時に撮像させる撮像制御手段と、
その撮像制御手段の制御により同時に撮像された吸着ノズルとドッグとの像に基づいて吸着ノズルとドッグとの相対位置関係を取得するとともに、同時に取得された基準チップとドッグとの像と、前記吸着ノズルとドッグとの相対位置関係とに基づいて吸着ノズルに対する基準チップの位置ずれを取得する位置ずれ取得手段と、
前記相対移動装置に前記吸着ノズルと前記基板支持装置とを相対移動させ、基板支持装置に対して相対移動不能に設定された載置面に前記基準チップを載置させる基準チップ載置制御手段と、
その載置された基準チップを前記第二撮像装置に撮像させる基準チップ撮像制御手段と、
その取得された基準チップの画像データに基づいて、前記吸着ノズル,前記第一撮像装置および前記第二撮像装置の相対位置関係を取得する相対位置関係取得手段と、
前記載置制御手段が、前記位置ずれ取得手段により取得された基準チップの吸着ノズルに対する位置ずれを修正して前記吸着ノズルに前記基準チップを前記載置面に載置させるものであることと、前記相対位置関係取得手段が、前記位置ずれ取得手段により取得された基準チップの吸着ノズルに対する位置ずれと、前記基準チップ撮像制御手段の制御により取得された基準チップの画像データとに基づいて前記相対位置関係を取得するものであることとのいずれか一方と、
前記基板支持装置に支持された回路基板に設けられた基準マークを前記第二撮像装置に撮像させる基準マーク撮像制御手段と、
その取得された基準マークの画像データに基づいて前記回路基板の位置ずれを取得する基板位置ずれ取得手段と、
前記吸着ノズルに電気部品を保持させ、その電気部品を前記第一撮像装置により撮像させる電気部品撮像制御手段と、
その取得された電気部品の画像データと、前記相対位置関係取得手段により取得された前記吸着ノズル,第一撮像装置および第二撮像装置の相対位置関係と、前記基板位置ずれ取得手段により取得された回路基板の位置ずれとに基づいて、前記基板支持装置と前記吸着ノズルとの予め定められた相対位置を修正し、電気部品を前記回路基板の予め定められた位置に装着させる装着制御手段と
を含むことを特徴とする電気部品装着システム。
本項に係る電気部品装着システムは、前記(5) 項に係る電気部品装着方法の実施に好適なものである。
(17)前記相対移動装置が、前記基板支持装置に支持された前記回路基板の表面に平行な平面内においてX軸方向に移動可能なX軸スライドと、そのX軸スライドによって前記平面内において前記X軸方向と直交するY軸方向に移動可能に保持され、前記吸着ノズルを保持したY軸スライドとを備えたものであり、かつ、前記第一撮像装置が前記X軸スライドに固定的に取り付けられた(16)項に記載の電気部品装着システム。
(18)前記相対移動装置が、前記基板支持装置に支持された前記回路基板の表面に平行な平面内においてX軸方向に移動可能なX軸スライドと、そのX軸スライドによって前記平面内において前記X軸方向と直交するY軸方向に移動可能に保持され、前記吸着ノズルを保持したY軸スライドとを備えたものであり、前記第一撮像装置が前記X軸スライドを保持する静止部材に取り付けられた(16)項に記載の電気部品装着システム。
(19)前記相対移動装置が、前記基板支持装置に支持された前記回路基板の表面に平行な平面内においてX軸方向に移動可能なX軸スライドと、そのX軸スライドによって前記平面内において前記X軸方向と直交するY軸方向に移動可能に保持され、前記吸着ノズルを保持したY軸スライドとを備えたものであり、かつ、第二撮像装置が前記Y軸スライドに固定的に取り付けられた(16)項ないし(18)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
(20)前記載置面が、前記X軸スライドの移動の原点および前記Y軸スライドの移動の原点に近い原点近傍位置と、前記X軸スライド移動の原点および前記Y軸スライドの移動の原点から共に遠い遠隔位置とに設定されており、前記基準チップ載置制御手段が、それら原点近傍位置と遠隔位置との両載置面に前記基準チップを載置させるものである(17)項ないし(19)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
(21)前記相対移動装置が、前記吸着ノズルを旋回軸線まわりに旋回させるとともにその旋回の軌跡上に予め設定された複数の停止位置で停止させるノズル移動装置と、前記基板支持装置をその基板支持装置に支持された回路基板の表面に平行な平面内において互いに直交するX軸とY軸とにそれぞれ平行な2方向に移動させる基板移動装置とを含み、前記第一撮像装置が前記複数の停止位置の一つに停止した吸着ノズルの先端面に対向する位置に静止して設けられ、前記第二撮像装置が前記基板支持装置に支持された回路基板に対向する位置に静止して設けられた(16)項に記載の電気部品装着システム。
(22)前記基板移動装置が、前記X軸に平行な方向に移動可能なX軸スライドと、前記Y軸に平行な方向に移動可能なY軸スライドとを含み、前記載置面が、前記X軸スライドの移動の原点および前記Y軸スライドの移動の原点に近い原点近傍位置と、前記X軸スライド移動の原点および前記Y軸スライドの移動の原点から共に遠い遠隔位置とに設定されており、前記基準チップ載置制御手段が、それら原点近傍位置と遠隔位置との両載置面に前記基準チップを載置させるものである(21)項に記載の電気部品装着システム。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態の1つである電子部品装着システムが図1および図2に示されている。図1において10は電子部品装着システムのベースである。ベース10上には、回路基板の一種であるプリント配線板12をX軸方向(図1においては左右方向)に搬送する配線板コンベヤ14,プリント配線板12に電気部品の一種である電子部品を装着する部品装着装置18および部品装着装置18に電子部品を供給する部品供給装置20,22等が設けられている。
【0008】
本実施形態においてプリント配線板12は、配線板コンベヤ14により水平な姿勢で搬送され、図示を省略する停止装置によって予め定められた部品装着位置において停止させられるとともに、ベース10の部品装着位置に対応する部分に設けられた回路基板支持装置たる配線板支持装置26(図5参照)により支持される。本実施形態においてプリント配線板12は、その電子部品が装着される被装着面28が水平な姿勢で支持される。前記X軸方向は、被装着面28に平行であって水平なXY座標面の一座標軸に平行な方向である。
【0009】
配線板コンベヤ14は、図2および図5に概略的に示すように、一対のガイドレール30,32を備えている。本実施形態において、ガイドレール30,32のうちの一方はベース10に位置を固定して設けられた固定ガイドレールであり、他方は固定ガイドレールに接近,離間可能に設けられた可動ガイドレールであり、配線板コンベヤ14の幅(搬送方向に直角な方向の寸法)に応じて可動ガイドレールが移動させられ、搬送幅が変更される。
【0010】
一対のガイドレール30,32にはそれぞれ、無端の巻掛体たるコンベヤベルト34が巻き掛けられており、プリント配線板12はコンベヤベルト34上に載せられ、これら1対のコンベヤベルト34が、配線板搬送用モータ36(図9参照)を駆動源とするベルト駆動装置によって同期して周回させられることにより、プリント配線板12が搬送される。
【0011】
配線板支持装置26は、図5に概略的に示すように、1対のクランプ部材40およびを複数の支持部材42を有するものとすることができる。1対のクランプ部材40は板状を成し、昇降台44の、配線板搬送方向に平行な両縁にそれぞれ、配線板搬送方向に平行に立設されており、複数の支持部材42は、昇降台44の1対のクランプ部材40の間の部分であって、プリント配線板12の裏面(当該電子部品装着システムにおいて電子部品が装着される側とは反対側の面)の被支持部に対応する位置に立設されている。
【0012】
昇降台44は、昇降台駆動装置50によって昇降させられる。昇降台駆動装置50は、図示の例においては、駆動源として昇降用シリンダ52を備えている。昇降用シリンダ52は、流体圧アクチュエータたる流体圧シリンダの一種であり、本実施形態においてはエアシリンダとされている。昇降用シリンダ52は上下方向に設けられ、ピストンロッド54が昇降台44に係合させられている。したがって、ピストンロッド54が伸縮させられれば、昇降台44は複数組のガイドロッド56およびガイド筒58を含む案内装置60により案内されつつ昇降させられ、クランプ部材40および支持部材42が、プリント配線板12の被装着面22に直角な方向に移動させられてプリント配線板12に接近,離間させられる。1対のクランプ部材40は、プリント配線板12をコンベヤベルト34から持ち上げて、その縁部をガイドレール30,32にそれぞれ設けられた押さえ部62との間に挟んでプリント配線板12をクランプし、支持部材42はプリント配線板12の裏面に接触し、下方から支持する。
【0013】
部品供給装置20,22は、図1および図2に示すように、X軸方向と直交するY軸方向互いに隔たって、配線板コンベヤ14の両側に設けられている。図示の例においては、部品供給装置20がフィーダ型部品供給装置とされ、部品供給装置22がトレイ型部品供給装置とされている。フィーダ型電子部品供給装置20においては、多数のフィーダ70がX軸方向に並べて設置される。各フィーダ70にはテーピング電子部品がセットされる。テーピング電子部品は、キャリヤテープに等間隔に形成された部品収容凹部の各々に電子部品が収容され、それら部品収容凹部の開口がキャリヤテープに貼り付けられたカバーフィルムによって塞がれることにより、キャリヤテープ送り時等における電子部品の部品収容凹部からの飛び出しが防止されたものである。このキャリヤテープがY軸方向に所定ピッチずつ送られ、カバーフィルムが剥がされるとともに、部品供給位置へ送られる。フィーダ70により供給される電子部品には、リードを有する電子部品もあれば、リードを有さない電子部品もある。いずれにしても、電子部品はほぼ位置決めされて部品収容凹部に収容されているため、部品装着装置18は電子部品のほぼ中央を保持し、ほぼ正しい回転姿勢で取り出すことができる。
【0014】
トレイ型電子部品供給装置22は、電子部品を部品トレイ76(図3参照)に収容して供給する。部品トレイ76は、上下方向に配設された多数の部品トレイ収容箱78内にそれぞれ1枚ずつ支持されている。これら部品トレイ収容箱78はそれぞれ図示しない支持部材により支持され、コラム79内に設けられた昇降装置により順次部品供給位置へ上昇させられるのであるが、部品供給位置の上方には後述する保持装置が電子部品を取り出すためのスペースを確保することが必要である。そのため、電子部品を供給し終わった部品トレイ収容箱78は、次の部品トレイ収容箱78が部品供給位置へ上昇させられるのと同時に、上記スペース分上昇させられ、上方の退避領域へ退避させられる。このトレイ型電子部品供給装置22は、特公平2−57719号公報に記載の電子部品供給装置と同じであり、説明は省略する。
【0015】
上記のように、上方にスペースが形成されたトレイ収容箱78内の部品トレイ76から部品装着装置18が1個ずつ電子部品を取り出す。各部品トレイ76は、マトリックス状に形成された多数の収容凹部80(図6参照)にそれぞれ電子部品82を収容しており、各収容凹部80は電子部品82をほぼ位置決めした状態で収容している。したがって、部品装着装置18は電子部品82のほぼ中央を保持し、ほぼ正しい回転姿勢で取り出すことができる。図示の電子部品82は、矩形の本体90の4つの側面からそれぞれ多数本のリード92が延び出させられたものであり、リード92がプリント配線板12に接続される際、プリント配線板12側となる面を底面96、反対側の面を上面94と称することとする。ただし、ボールグリッドアレイを備えた電子部品やリードを備えない電子部品もすべて符号82で表すこととする。
【0016】
部品装着装置18は、図3に示す保持装置100が互いに直交するX軸方向およびY軸方向の成分を有する方向に直線移動して電子部品82を搬送し、プリント配線板12の表面ないし上面である装着面18に装着するものとされている。そのため、図1に示すように、ベース10の配線板コンベヤ22のY軸方向における両側にはそれぞれボールねじ104がX軸方向に平行に設けられるとともに、X軸スライド106に設けられたナット108(図4に1個のみ図示されている)の各々に螺合されており、これらボールねじ104がそれぞれ、X軸スライド駆動用モータ110によって回転させられることにより、X軸スライド106がX軸に平行な方向の任意の位置へ移動させられる。X軸スライド106は、図1に示すように、フィーダ型電子部品供給装置20から配線板コンベヤ14を越えてトレイ型電子部品供給装置22にわたる長さを有する。なお、ベース10上には、2つのボールねじ104の下側にそれぞれ案内部材たるガイドレール112(図4参照)が設けられており、X軸スライド106は被案部材たるガイドブロック114においてガイドレール112に摺動可能に嵌合され、移動が案内される。以上、ナット108,ボールねじ104およびX軸スライド駆動用モータ110等がX軸スライド移動装置116を構成している。
【0017】
X軸スライド106上には、ボールねじ120(図4参照)がY軸方向に平行に設けられるとともに、Y軸スライド122がナット124において螺合されている。このボールねじ120がY軸スライド駆動用モータ126(図1参照)によりギヤ128,130を介して回転させられることにより、Y軸スライド122は案内部材たる一対のガイドレール132に案内されてY軸方向に平行な任意の位置に移動させられる。以上、ナット124,ボールねじ120およびY軸スライド駆動用モータ126がY軸スライド移動装置134を構成し、前記X軸スライド106,X軸スライド移動装置116およびY軸スライド122と共に移動装置136を構成しており、保持装置100は、移動装置136により、水平面内の任意の位置へ移動させられる。
【0018】
Y軸スライド122の垂直な側面140に、図2および図3に示すように、保持装置100,保持装置100を昇降させる昇降装置144,保持装置100をその軸線まわりに回転させる回転装置146が設けられており、これら保持装置100等が部品装着ユニットを構成している。本実施形態では、部品装着ユニットは1組設けられているのであるが、複数組設けてもよい。例えば、Y軸スライド122に複数の部品装着ユニットをY軸方向に平行に1列に並べて設けることができる。
【0019】
本実施形態の部品装着ユニットは、特開平4−372199号公報に記載の部品装着ユニットと同様に構成されており、簡単に説明する。
Y軸スライド122の側面140に設けられた支持部150には、図7に示すように、ナット152およびスプライン部材154がそれぞれ同心にかつ上下方向に距離を隔てた状態で、自身の軸線まわりであって、本実施形態においては垂直軸線まわりに回転可能に支持されており、ナット152には中空ロッド156の雄ねじ部158が螺合され、スプライン部材154には中空ロッド156の雄ねじ部158の下方に形成されたスプライン部160が嵌合されている。これらナット152およびスプライン部材154は、多数のボールを保持したボールナットおよびボールスプライン部材である。
【0020】
ナット152は、ノズル昇降用モータ164,歯車166,168を含む回転駆動装置により軸線まわりに回転させられ、それにより中空ロッド156が軸方向に移動させられ、昇降させられる。ナット152,歯車166,168およびノズル昇降用モータ164が昇降装置144を構成しているのである。昇降装置144は、中空ロッド156、ひいては保持装置100をその軸線に平行な方向に移動させる移動装置でもあり、保持装置100をプリント配線板12の表面に直角な方向に移動させ、プリント配線板12に接近,離間させる接近・離間装置でもある。なお、ノズル昇降用モータ164の回転角度はエンコーダ170によって検出されるようになっている。
【0021】
また、スプライン部材154の支持部150から突出した下端部には歯車172が固定され、ノズル回転用モータ174(図9参照)の出力軸に固定の歯車に噛み合わされており、ノズル回転用サーボモータ174によってスプライン部材154が回転させられることにより、中空ロッド156がその垂直な軸線まわりに回転させられる。それにより、保持装置100がその軸線まわりに回転させられ、保持装置100に保持された電子部品82が、その上面94に直角でかつ上面94のほぼ中央をとおる回転軸線であって、本実施形態においては垂直な軸線まわりに回転させられる。ノズル回転用モータ174の回転角度はエンコーダ176(図9参照)により検出される
【0022】
上記中空ロッド156の下端部には、図8に示すように、チャックアダプタ180が着脱可能に、かつ抜け出し不能に取り付けられ、チャックアダプタ180にはチャック182が着脱可能に、かつ抜け出し不能に取り付けられている。これら3部材が吸着ノズル184を着脱可能に保持するホルダ186を構成し、吸着ノズル184およびホルダ186が保持装置100を構成している。
【0023】
吸着ノズル184は、スリーブ190と、スリーブ190に嵌合された吸着管192とを有している。スリーブ190はチャックアダプタ180に嵌合されるとともに、チャックアダプタ180との間に配設された圧縮コイルスプリング198(以下、スプリング198と略称する。)によりチャックアダプタ180から抜け出す向きに付勢されており、1対の耳部200にそれぞれ設けられ、互に同一平面上に位置する1対の傾斜面202が、チャック182に設けられた1対のピン204に係合することにより、吸着ノズル184はチャック182によって軸方向に相対移動不能かつ相対回転不能に保持されている。圧縮コイルスプリング198は、付勢手段の一種である弾性部材たるばね部材である。
【0024】
スリーブ190には、チャック182からの突出端部の外周面に発光板206が嵌合固定される一方、内周面に吸着管192が嵌合され、発光板206を貫通して下方へ突出させられている。発光板206は、吸着ノズル184による電子部品82の保持姿勢の検出時に紫外線を受けて可視光線を放射するものである。
【0025】
吸着ノズル184は電子部品82を負圧により吸着し、装着対象部材としてのプリント配線板12に装着する。そのため、吸着ノズル184は、中空ロッド156内に軸方向に相対移動可能に嵌合されたパイプ210,パイプ210の中空ロッド156から突出させられた上端部に固定のハウジング212,ハウジング212に取り付けられたニップル214等を経て図示を省略する負圧源,正圧源および大気に接続されており、電磁方向切換弁装置(図示省略)の切換えにより、吸着管192が負圧源,正圧源および大気に択一的に連通させられる。吸着管192は、負圧の供給により電子部品82を、その本体90の上面94において吸着し、正圧の供給により電子部品82を開放する。本実施形態において吸着ノズル184は、電子部品82を水平な姿勢で吸着し、保持する
【0026】
パイプ210はその自重により、図8に示すように、ホルダ186により保持された吸着ノズル184のスリーブ190の上面に当接しており、吸着ノズル184と共に昇降させられる。本実施形態においては、パイプ210の移動に基づいて、ホルダ186と吸着ノズル184との相対移動の開始を検出するようにされている。そのため、パイプ210の上端部には、図7に示すように、ドッグ222が固定され、前記ハウジング212の上部には光電スイッチ226が固定されている。
【0027】
光電スイッチ226は電子部品82の非装着時においてドッグ222から上側に外れた位置に設けられている。この光電スイッチ226は本実施形態においては反射型であり、発光器および受光器を有し、発光器が発する光が反射されて受光する場合にON信号を発し、光が反射されず、受光しない場合にOFF信号を発する。したがって、吸着ノズル184がホルダ186から最も長く突出した状態では、光電スイッチ226が発する光を反射するものがなく、受光しないためOFF信号を発するが、吸着ノズル184が僅かにホルダ186内に引っ込めば、ドッグ222により光が反射されてON信号を発し、それにより吸着ノズル184とホルダ186との相対移動の開始が検出される。本実施例においては、パイプ210,ドッグ222および光電スイッチ226がホルダ186と吸着ノズル184との相対移動の開始を検出する検出装置を構成しているのである。
【0028】
プリント配線板12には、複数種類の電子部品82が装着されるが、種類が異なれば大きさ(横断面積と高さとの少なくとも一方)が異なることが多く、電子部品82が大きいほど吸着管192の直径が大きい吸着ノズル184が使用される。そのため、吸着管192の直径が異なる複数種類の吸着ノズル184が用意され、図示しないノズル収容装置に収容されており、装着する電子部品82の種類に応じて交換される。なお、吸着管192の直径が異なれば長さも異なるようにすることも可能であるが、ここでは理解を容易にするために吸着管192の長さはすべて同じであることとする。
【0029】
Y軸スライド122にはまた、プリント配線板12に設けられた基準マークを撮像する撮像装置たる基準マークカメラ240(図1参照)が移動不能に設けられている。基準マークカメラ240は、本実施形態においては、CCD(電荷結合素子)とレンズ系とを備えており、被写体の二次元像を一挙に取得するCCDカメラとされている。基準マークカメラ240に対応して照明装置242が配設されており、基準マークおよびその周辺を照明する。
【0030】
X軸スライド106には、ちょうどX軸スライド106を移動させる2つのボールねじ104にそれぞれ対応する位置であって、フィーダ型電子部品供給装置20とプリント配線板12との間およびトレイ型電子部品供給装置22とプリント配線板12との間の位置にそれぞれ、撮像装置248が移動不能に取り付けられている。これら撮像装置248の構成は同じであり、一方の撮像装置248を代表的に説明する。
【0031】
撮像装置248は、図4に示すように、電子部品82を撮像する部品カメラ250および導光装置251を備え、導光装置251は、反射装置としての反射鏡252,254を有している。反射鏡252,254は、図示しないブラケットによりX軸スライドの下部に固定されており、一方の反射鏡252は、保持装置100のY軸方向の移動経路の真下において、吸着ノズル184の中心線を含む垂直面に対して約45度傾斜させられ、それのX軸スライドに近い側の端部が下方に位置する反射面256を有する。
【0032】
それに対して他方の反射鏡254は、X軸スライドを挟んだ反対側に反射鏡252の反射面256と垂直面に対して対称に傾斜し、X軸スライドに近い側の端部が下方に位置する反射面258を有する。X軸スライド106の保持装置100が設けられた側とは反対側であって、前記反射鏡254の反射面258に対向する位置において、吸着ノズル184に保持された電子部品82を撮像する部品カメラ250が下向きに固定されている。したがって、保持装置100が移動装置136によって移動させられ、Y軸方向においてボールねじ104に対応する位置であって、反射鏡252上に位置する位置に至れば、部品カメラ250は電子部品82を撮像することができる。撮像装置248は、Y軸スライド122がX軸スライド106に対して移動する際における電子部品82の移動軌跡上において、その電子部品82の像を撮像可能な位置に配設されているのである。本実施形態においては、部品カメラ250は、前記基準マークカメラ240と同様に、面撮像装置であって、CCDカメラとされている。なお、反射鏡254を省略し、部品カメラ250を水平な姿勢で反射鏡252に対向する位置に配設することも可能である。
【0033】
反射鏡252の近傍には、紫外線照射装置としてのストロボ260が設けられ、吸着ノズル184の発光板206に向かって紫外線を照射するようにされている。発光板206は紫外線を吸収して可視光線を放射し、吸着ノズル184に吸着された電子部品82を背後から照明し、部品カメラ250は発光板206を明るい背景として、電子部品82のシルエット像であって、回転軸線に平行な方向から見た電子部品82の像を撮像する。本実施形態においては、発光板206および紫外線照射装置が照明装置を構成している。また、上記ストロボ260に比較して吸着ノズル184に近い位置に可視光線を照射する別のストロボ262が設けられており、ボールグリッドアレイを電子部品82の底面に対して小さい傾斜角で照明するための照明装置を構成している。なお、上記ストロボ260を可視光線を電子部品82の底面に向かって照射する正面像取得のための照明装置とすることも可能であり、シルエット像取得用の照明装置と正面像取得のための照明装置との両方を設け、選択的に使用可能とすることもできる。
【0034】
保持装置100の近傍には、図3および図4に示すように、ドッグ266が配設されている。ドッグ266はブラケット267を介してY軸スライド122に固定されており、下端部に図10および図11に示す形状の被検出部268を有している。被検出部268は矩形状をなし、矩形の2辺に当たる部分に面取りが施されて、鋭利なエッジ270,272が形成されている。これらエッジ270,272が交差する頂点274の位置がドッグ266の位置として検出される。ドッグ266は、図12に示すように、電子部品82(図示の例はボールグリッドアレイを有する電子部品)の像(便宜上同じ符号で表す。他の像についても同様とする)が部品カメラ250により取得される際、同時にドッグ266の被検出部268の像も撮像画面276の隅に取得される位置に設けられている。
【0035】
前記保持装置100が前記移動装置136によって移動させられる矩形の領域の対角線上の2隅に近い部分、本実施形態おいては、図1に示すように、部品供給装置20側のボールねじ104のX軸スライド駆動用モータ110に近い側の端近傍と、部品供給装置22側のボールねじ104のX軸スライド駆動用モータ110から遠い側の端近傍との各1ヶ所に、載置面282,284が設定されている。載置面282は、X軸スライド106およびY軸スライド122の移動の原点に近い位置に設定されており、載置面284はX軸スライド106およびY軸スライド122の移動の原点からできる限り隔たった位置に設定されているのである。載置面282,284のいずれかに基準チップ286が選択的に載置される。上記ボールねじ104および120は、X軸スライド駆動用モータ110およびY軸スライド駆動用モータ126により駆動される側の端部が回転可能かつ軸方向に移動不能にベース10およびX軸スライド106に保持されており、反対側の端部は回転および軸方向の移動を共に許容された状態で保持されている。したがって、ボールねじ104,120の熱変形や弾性変形の量は、載置面282側で小さく、載置面284側で大きくなる。載置面282は、熱変形や弾性変形の量が無視できるほど小さい位置に設定されることが望ましい。ただし、配線板支持装置26に支持されることが予定されているプリント配線板12の対角位置にある2隅の近傍に載置面282,284を設けてもよい。基準チップ286は、平面形状が矩形の平板部材であって各辺が被検出部として機能するものとすることも、平板部材の上面に他の部分とは光学的特性が明瞭に異なる被検出部が形成されたものとすることも可能である。以下においては説明を簡単にするために前者であるとする。
【0036】
本電子部品装着システムは、制御手段として、図9に示す制御装置300を備えている。制御装置300は、CPU302,ROM304,RAM306およびそれらを接続するバス308を有するコンピュータを主体とするものである。バス308には画像入力インタフェース312が接続され、前記基準マークカメラ240および部品カメラ250が接続されている。バス308にはまた、サーボインタフェース314が接続され、X軸スライド駆動用モータ110等の各種アクチュエータが接続されている。X軸スライド駆動用モータ110は駆動源たる電動モータの一種であり、本実施形態ではサーボモータとされているが、回転角度を制御可能なモータであれば採用可能であり、ステップモータ等を用いることもできる。
【0037】
バス308にはまた、デジタル入力インタフェース318が接続され、前記エンコーダ170,176を始めとし、図示は省略するが、X軸スライド駆動用モータ110等の回転角度を検出するエンコーダが接続されている。バス308にはさらに、デジタル出力インタフェース320が接続され、配線板搬送用モータ36,昇降用シリンダ52等が接続されている。上記RAM306には、図示を省略するメインルーチン,相対位置関係取得ルーチン,電子部品装着ルーチン等を始めとする種々の制御プログラムが記憶させられている。なお、接続の図示は省略するが、制御装置300は各種カメラによる撮像も制御する。
【0038】
以上のように構成された電子部品装着システムは、自身で装着精度に関連する部分の相対位置関係を取得し、その相対位置関係の正規の相対位置関係からのずれに基づく装着精度の低下を回避しつつ電子部品82をプリント配線板12に装着することができる。すなわち、部品カメラ250および導光装置251から成る撮像装置248と、基準マークカメラ240と、吸着ノズル184との相対位置の本来あるべき相対位置からのずれ、つまりずれの大きさと方向とを電子部品装着システム自身が自動で検出し、その相対位置のずれを修正しつつ電子部品82をプリント配線板12に装着し得るようになっているのである。撮像装置248および基準マークカメラ240の位置は、本実施形態おいてはそれらの光軸の位置、つまり撮像画面の中心点の位置で表される。そして、本実施形態においては、基準マークカメラ240と吸着ノズル184との位置が撮像装置248の撮像画面の中心点の位置を基準とし、前記X軸およびY軸により規定されるXY座標面上の位置で表されるようになっている。また、XY座標面の原点は、X軸スライド106およびY軸スライド122の移動領域のうち、最もX軸スライド駆動用モータ110およびY軸スライド駆動用モータ126に近い部分に設定されている。
【0039】
相対位置関係取得ルーチンの実行により、まず、吸着ノズル184が撮像装置248の光軸の位置として設定されている座標(X1 ,Y1 )の位置へ移動させられて停止させられる。この際の座標位置は、X軸スライド駆動用モータ110およびY軸スライド駆動用モータ126に付属して設けられているエンコーダの出力信号に基づいて制御装置300により取得される。本電子部品装着システムが設計通りに製作されていれば、吸着ノズル184の先端面の中心は、撮像装置248の光軸の位置、すなわち撮像画面の中心に位置しているはずであるが、実際には僅かにずれているのが普通である。その吸着ノズル184の先端面とドッグ266の被検出部268とが撮像装置248により、図13に実線で示すように撮像される。
【0040】
その後、吸着ノズル184が180度回転させられ、その吸着ノズル184の先端面が図13に二点鎖線で示すように撮像される。あるいは、90度ずつ3回回転させられ、それら各回転位置において吸着ノズル184の先端面が撮像されるようにしてもよい。そのようにして得られた吸着ノズル184の先端面の複数の像を表す画像データの処理により、それら先端面の中心の座標が取得され、それら座標の平均値を演算する等により吸着ノズル184の回転中心322の位置の座標(X2 ,Y2 )が取得される。また、ドッグ266の被検出部268の像を表す画像データの処理により、頂点274の座標(X3 ,Y3 )も取得される。そして、これら座標(X2 ,Y2 ),(X3 ,Y3 )の差DX=X3 −X2 ,DY=Y3 −Y2 が頂点274により代表されるドッグ266と吸着ノズル184の回転中心322との相対位置を表すデータとしてRAM306に記憶させられる。また、吸着ノズル184の回転中心322の、撮像装置248の光軸からの位置ずれを表すデータΔX1 =X2 −X1 ,ΔY1 =Y2 −Y1 もRAM306に記憶させられる。これらドッグ266と吸着ノズル184の回転中心322との相対位置や、吸着ノズル184の回転中心と撮像装置248の光軸との相対位置の取得動作は1回行われるのみでもよいが、複数回行われ、複数の検出データに基づいて相対位置の取得が行われるようにすることが望ましい。以下の各種データの取得についても同様である。
【0041】
次に、吸着ノズル184が載置面282の上方の、予め定められた位置へ移動させられ、下降させられて基準チップ286を吸着する。その吸着ノズル184が再び撮像装置248に対向する位置へ移動させられるが、この際は、先に位置が検出された吸着ノズル184の回転中心322が、撮像装置248の光軸と一致するようにΔX1 =X2 −X1 ,ΔY1 =Y2 −Y1 だけ修正された位置へ移動させられる。そして、吸着ノズル184に吸着されている基準チップ286の撮像が行われる。この撮像により取得された図14に示す基準チップ286の像を表す画像データの処理により、基準チップ286の中心の座標(X4 ,Y4 )が取得され、基準チップ286のノズル回転中心322に対する位置ずれ、すなわち撮像装置248の光軸に対する位置ずれΔX2 =X4 −X1 ,ΔY2 =Y4 −Y1 が演算され、RAM306に記憶させられる。なお、実際には基準チップ286は、それの中心が撮像装置248の光軸に対してずれるのみならず、撮像装置248の撮像画面内において傾く。基準チップ286は回転位置誤差も有するのが普通なのである。しかし、ここにおいては、単純化のために、撮像装置248,基準マークカメラ240および基準チップ286の間には回転位置ずれはないものとする。
【0042】
次に、上記位置ずれを修正し、基準チップ286の中心が、載置面282上に予め設定されている載置位置の座標(X5 ,Y5 )と一致するように修正された位置へ吸着ノズル184が移動させられ、その位置で基準チップ286が載置面282に載置される。したがって、基準チップの中心の座標は(X5 ,Y5 )になっているはずである。そこで、基準マークカメラ240がそれの光軸が載置位置と一致するはずの位置へ移動させられ、図15に示すように、基準チップ286が撮像される。その結果取得された基準チップ286の像を表す画像データの処理により、基準チップ286の中心の座標(X6 ,Y6 )が取得される。実際は、座標(X5 ,Y5 )で表される載置位置にあるはずの基準チップ286の中心が、基準マークカメラ240によってはΔX3 =X6 −X5 ,ΔY3 =Y5 −Y6 だけの位置ずれがあるように撮像されるのであり、それは、逆に基準マークカメラ240の光軸の位置が、撮像装置248の光軸の位置を基準とする系の中で−ΔX3 =−(X6 −X5 ),−ΔY3 =−(Y5 −Y6 )だけずれていることを意味する。
【0043】
以上の説明から明らかなように、撮像装置248(の光軸)の位置を基準とする系の中において、吸着ノズル184の回転中心322はΔX1 =X2 −X1 ,ΔY1 =Y2 −Y1 の位置ずれを有し、基準マークカメラ240(の光軸)の位置は−ΔX3 =−(X6 −X5 ),−ΔY3 =−(Y5 −Y6 )の位置ずれを有していることになる。したがって、これらの位置ずれを表すデータが、撮像装置248,吸着ノズル184および基準マークカメラ240の相対位置関係を表すデータとしてRAM306に記憶させられる。
【0044】
次に、吸着ノズル184により再び基準チップ286が吸着される。この際、吸着ノズル184はそれの回転中心322が載置位置と一致する位置まで移動させられて下降させられる。したがって、吸着ノズル184に保持された基準チップ286の中心は吸着ノズル184はそれの回転中心322と一致しているはずである。したがって、必ずしも必要ではないが、本実施形態においては、基準チップ284の撮像装置248による撮像と、その結果取得された画像データの処理とにより確認される。万一、上記両中心が一致していない場合には、上記の検出中に何らかの不具合が発生したとして、撮像装置248,吸着ノズル184および基準マークカメラ240の相対位置関係を取得する動作が繰り返されるが、通常は、両中心の一致が確認される。
【0045】
そこで、吸着ノズル184は、載置面284上に設定されている載置位置の座標(Y7 ,Y7 )の位置へ移動させられて下降させられ、基準チップ284を載置面284に載置する。この際の座標も、X軸スライド駆動用モータ110およびY軸スライド駆動用モータ126に付属して設けられているエンコーダの出力信号に基づいて制御装置300により取得される。そして、基準マークカメラ240が、それの光軸が載置位置と一致する位置へ移動させられ、基準チップ284を撮像する。上記吸着ノズル184の移動および基準マークカメラ240の移動は、先に取得された撮像装置248の位置を基準とする吸着ノズル184および基準マークカメラ240の正規の位置からの位置ずれを修正しつつ行われる。したがって、移動装置136に作動誤差がなければ、上記の撮像により取得される基準チップ284の像の画像データが処理され、基準チップ284の中心の座標が取得されれば、その座標は、前記載置面284上に設定されている載置位置の座標(Y7 ,Y7 )と一致しているはずである。しかし、現実には基準チップ284の中心の座標は(Y8 ,Y8 )となるのが普通であり、ΔX4 =X8 −Y7 ,ΔY4 =X8 −Y7 の差が生じる。
【0046】
上記の差は移動装置136の作動誤差と考えることができ、この作動誤差は、ボールねじ104,120等の製造誤差,弾性変形,熱変形等に起因して生じる。そして、製造誤差および弾性変形は起動後の経過時間と共には変化しないが、熱変形は経過時間と共に変化するため、所定の運転時間毎に、あるいは、電子部品82の装着作業の邪魔にならない時期に、上記と同様の位置ずれ検出を行い、移動装置136の作動誤差の検出を行うことが望ましい。同じ観点から、載置面282への基準チップ284の載置による撮像装置248,吸着ノズル184および基準マークカメラ240の相対位置関係の取得も、所定の運転時間毎に、あるいは、電子部品82の装着作業の邪魔にならない時期に、繰り返し実施することが望ましい。撮像装置248,吸着ノズル184,基準マークカメラ240等を保持している部材も温度変化に伴って熱変形するからである。
【0047】
以上のようにして、ドッグ266と吸着ノズル184の回転中心322との図17のベクトルV0 で表される相対位置のデータDX=X3 −X2 ,DY=Y3 −Y2 、撮像装置248(の光軸)の位置を基準とする系の中における吸着ノズル184の回転中心322および基準マークカメラ240のベクトルV1 ,V2 で表される位置ずれΔX1 =X2 −X1 ,ΔY1 =Y2 −Y1 および−ΔX3 =−(X6 −X5 ),−ΔY3 =−(Y5 −Y6 )のデータ、さらに、移動装置136のベクトルV3 で表される作動誤差ΔX4 =X8 −Y7 ,ΔY4 =X8 −Y7 のデータ等が取得された後、電子部品装着ルーチンの実行による電子部品82のプリント配線板12への装着作業が開始される。
【0048】
この装着作業に当たっては、まず、配線板コンベヤ14により搬入され、基板支持装置により支持されたプリント配線板12の正規の位置からの位置ずれが、基準マークカメラ240による基準マークの撮像ならびに画像処理により検出される。その後、部品供給装置20または22から吸着ノズル184により電子部品82が取り出され、撮像装置248による撮像ならびに画像処理によって電子部品82の吸着ノズル回転中心322に対する位置ずれが検出される。そして、それらプリント配線板12の位置ずれと電子部品82の位置ずれとが、予め定められた装着制御データの修正により除去され、電子部品82がプリント配線12の所定の位置に装着される。
【0049】
この点は、従来と同様であるが、本実施形態においては、プリント配線板12の位置ずれと電子部品82の位置ずれとの検出時に、撮像装置248の位置を基準とする系の中における吸着ノズル184の回転中心322および基準マークカメラ240の位置ずれΔX1 =X2 −X1 ,ΔY1 =Y2 −Y1 および−ΔX3 =−(X6 −X5 ),−ΔY3 =−(Y5 −Y6 )が除去される位置へ吸着ノズル184および基準マークカメラ240が移動させられる点において異なっている。
【0050】
また、吸着ノズル184の回転中心322に対する電子部品82の位置ずれの検出時に、電子部品82と同時にドッグ266の被検出部268も撮像され、図18に示すように、被検出部268の頂点の座標(X9 ,Y9 )と、先に取得されている被検出部268の頂点274と吸着ノズル184の回転中心322との相対位置のデータDX=X3 −X2 ,DY=Y3 −Y2 とに基づいて、吸着ノズル184の回転中心322の位置(X10,Y10)が推定され、その推定された吸着ノズル184の回転中心322の位置からの電子部品82の中心(X11,Y11)の位置ずれが検出される点も特徴的である。
【0051】
吸着ノズル184は電子部品82の後ろに隠れて見えないのであるが、ドッグ266の被検出部268は見えるため、被検出部268を撮像装置248により撮像し、得られた画像と予め検出しておいた被検出部268と吸着ノズル184の回転中心との相対位置のデータに基づいて、吸着ノズル184の回転中心322の位置を推定することができるのである。もっとも、前述のように、前記相対位置関係のデータに基づいて、吸着ノズル184がそれの回転中心322の位置が撮像装置248の光軸上に位置するように位置決めされるため、上記相対位置関係の取得の直後においては、吸着ノズル184の回転中心322が撮像装置248の光軸上に位置するはずである。しかし、本電子部品装着システムの作動時間の増大につれて、各部の温度が上昇し、吸着ノズル184の回転中心322の位置が撮像装置248の光軸の位置からずれてくるため、本実施形態においては、本電子装着システムの運転中一定時間毎に上記回転中心322の位置の推定が行われるようにされている。なお、この回転中心322位置の推定は、比較的短時間で実施可能であるため、各電子部品82の吸着位置ずれの検出の際、毎回実施されるようにすることも可能である。
【0052】
本電子部品装着システムにおいてはさらに、電子部品82をプリント配線板12に装着する際における吸着ノズル184の位置決め時に、吸着ノズル184の回転中心322に対する電子部品82の中心の位置ずれおよびプリント配線板12の位置ずれと共に、先に取得された移動装置136の作動誤差ΔX4 =X8 −Y7 ,ΔY4 =X8 −Y7 が除去されるように、装着制御データが修正される。作動誤差の除去のための装着制御データの修正は、例えば、移動装置136の作動誤差は、載置面282上の載置位置から載置面284上の載置位置までのX軸方向,Y軸方向の距離に比例して増大するとの仮定に基づいて行うことができる。
【0053】
具体的には、吸着ノズル184が載置面282の位置から載置面284まで移動する際の作動誤差が図17のベクトルV3 で表されるΔX4 =X8 −Y7 ,ΔY4 =X8 −Y7 であるため、載置面282上の載置位置からプリント配線板12上の電子部品装着位置までのX軸およびY軸に平行な方向の距離を、載置面282上の載置位置から載置面284上の載置位置までのX軸およびY軸に平行な方向の距離で割った比KX ,KY と作動誤差ΔX4 ,ΔY4 との積KX ・ΔX4 ,KY ・ΔY4 を装着位置における移動装置136の作動誤差であると見なして、その作動誤差を除去するための修正を装着制御データに加えるのである。ただし、上記移動装置136の作動誤差ΔX4 ,ΔY4 は電子部品装着システムの運転時間の増大につれて変化するため、前述のように運転中に時々実行される作動誤差検出作動毎に更新されたものを使用する。
【0054】
また、部品供給装置20,22から吸着ノズル184により受け取られた電子部品82の姿勢(回転位置)と、プリント配線板12に装着される姿勢とが異なる場合には、吸着ノズル184の回転により、電子部品82が所定の角度回転させられて装着されるが、その場合でも高い装着位置精度が得られる。本電子部品装着システムにおいては、電子部品82の吸着ノズル184による保持位置ずれが、吸着ノズル184の回転中心322に対する位置ずれで取得されるため、吸着ノズル184の回転に伴う電子部品82の中心位置の変化を正確に演算することができ、演算した中心位置の変化を除去するように、吸着ノズル184とプリント配線板12との相対位置決めを修正することができるからである。
【0055】
ここまでの説明においては、基準チップ286や電子部品82の吸着ノズル184による保持位置誤差には回転位置誤差が含まれていないものとしたが、実際には、回転位置も含まれる。そのため、撮像装置248の撮像画面276に対する基準チップ286や電子部品82の傾きが画像処理により検出され、回転位置誤差を除去するように、吸着ノズル184が回転させられて載置や装着が行われる。ただし、そのためには撮像装置248や基準マークカメラ240の回転位置誤差を、無視できる程に小さく調整しておくことが必要である。これらの回転位置誤差の存在を許容する場合については後に詳述する。
【0056】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、吸着ノズル184および基準マークカメラ240を配線板支持装置26に対して相対移動させる移動装置136が相対移動装置を構成しており、制御装置300の、移動装置136を制御して吸着ノズル184に配線板支持装置26に支持されたプリント配線板12に装着させる部分が装着制御装置を構成している。また、撮像装置284が第一撮像装置、基準マークカメラ240が第二撮像装置をそれぞれ構成し、制御装置300の、撮像装置284および基準マークカメラ240に撮像を行わせる部分が撮像制御装置ないし撮像制御手段を構成し、その結果取得された画像データを処理する部分がデータ処理装置を構成している。また、そのデータ処理装置の、吸着ノズル184の回転中心位置を取得する部分が回転中心位置取得部を構成しており、前記撮像制御装置の、吸着ノズル184を少なくとも1回回転させて少なくとも2つの回転位置における吸着ノズル184の先端を撮像装置248に撮像させる部分が複数回撮像制御部を構成している。さらに、制御装置300のそれぞれ以下のことをする部分が以下の各手段を構成している。吸着ノズル184とドッグ266と基準チップ286との相対位置関係に基づいて、吸着ノズルに対する基準チップの位置ずれを取得する部分が位置ずれ取得手段を構成し、吸着ノズル184に基準チップ286を載置面282に載置させる部分が基準チップ載置制御手段を、撮像装置284に基準チップ286を撮像させる部分が基準チップ撮像制御手段を構成している。吸着ノズル184,撮像装置284および基準マークカメラ240の相対位置関係を取得する部分が相対位置関係取得手段を構成している。基準マークカメラ240にプリント配線板12の基準マークを撮像させる部分が基準マーク撮像制御手段を構成し、プリント配線板12の位置ずれを取得する部分が基板位置ずれ取得手段を構成している。吸着ノズル184に電気部品を保持させ、その電気部品を撮像装置284により撮像させる部分が電気部品撮像制御手段を構成し、その取得された電気部品の画像データと、前記相対位置関係取得手段により取得された吸着ノズル184,撮像装置284および基準マークカメラ240の相対位置関係と、前記基板位置ずれ取得手段により取得されたプリント配線板12位置ずれとに基づいて、配線板支持装置26と吸着ノズル184との予め定められた相対位置を修正し、電気部品をプリント配線板12のの予め定められた位置に装着させる部分が装着制御手段を構成している。
【0057】
そして、RAM306の、電気部品の位置ずれを検出するための制御プログラムを記憶している部分、吸着ノズル184,撮像装置284および基準マークカメラ240の相対位置関係を取得するための制御プロラムを記憶している部分、上記相対位置関係,移動装置136の作動誤差や電気部品およびプリント配線板の位置ずれのデータを利用しつつ前記移動装置136を制御し、電気部品をプリント配線板12の所定の位置に正確に装着するための制御プログラムを記憶している部分が、それぞれ電気部品位置ずれ検出用,相対位置関係取得用および電気部品装着用の制御プログラムが記憶させられた記録媒体を構成している。なお、これら制御プログラムは、本電子部品装着システムが接続されているホストコンピュータの記憶装置に記憶されており、適宜RAM306にダウンロードされて実行されるのであるが、フロッピディスク等の取り外し可能な記録媒体に記録され、電子部品装着システム自体あるいはホストコンピュータに設けられた読取装置によって読み取られ、実行されるようにしてもよい。
【0058】
前記実施形態においては、ドッグ266が1個のみ設けられていたが、複数個設けることも可能である。例えば、図19に示すように、ドッグ332を2個設け、それらの被検出部334,336の像が撮像装置248の撮像画面276のX軸またはY軸に平行な方向に隔たった2隅(図示の例ではY軸に平行な方向に隔たった2隅)に形成されるようにする。そして、2個の被検出部334,336の頂点338,340を結ぶ直線342に対する撮像画面276の回転角度Δθ1 を取得する。2個の被検出部334,336の頂点338,340を結ぶ直線342が、X軸スライド106に設けられたY軸スライド122用のガイドレール132に正確に平行となるようにそれら2個のドッグ332を調整しておけば、上記回転角度Δθ1 が撮像画面276の回転位置誤差、すなわち撮像装置248の回転位置誤差を表すことになる。
【0059】
また、図20に示すように、吸着ノズル184に基準チップ286を吸着させた状態で、その基準チップ286を撮像装置248に撮像させ、撮像画面276に対する基準チップ286の回転角度Δθ2 を取得すれば、基準チップ286の回転位置誤差をΔθ1 +Δθ2 として取得することができる。

【0060】
その基準チップ286の回転位置誤差を除去する角度だけ吸着ノズル184を回転させて、基準チップ286を載置面282に載置させ、基準マークカメラ240に撮像させる。そして、基準マークカメラ240の撮像画面に対する基準チップ286の像の相対回転角度を取得すれば、その相対回転角度が、撮像装置248に対す基準マークカメラ240の回転位置誤差であることになり、その回転位置誤差と前記撮像装置248の回転位置誤差との和が、基準マークカメラ240の、X軸スライド106用のガイドレール30,32およびY軸スライド122用のガイドレール132により規定されるXY座標面に対する絶対的な回転位置誤差であることになる。本実施形態においては、制御装置300の一部により構成されるデータ処理装置のうち、複数個のドッグ332の像に基づいて撮像装置248の撮像画面276の傾きを取得する部分が傾き取得部を構成している。
【0061】
上記実施形態においては、2個のドッグ332の位置が、それらの被検出部334,336の頂点338,340を結ぶ直線342がY軸スライド122用のガイドレール132に正確に平行となるように予め調整されているものとしたが、上記頂点338,340を結ぶ直線342の傾きも、電子部品装着システムの機能を利用して検出することができる。例えば、前述のように、被検出部334,336の頂点338,340を結ぶ直線342を基準として基準チップ286の回転位置誤差をΔθ1 +Δθ2 を取得した後、その回転位置誤差を除去するように吸着ノズル184を回転させて、基準チップ286を載置面282に載置させる。そして、その載置された基準チップ286を基準マークカメラ240に撮像させ、その後基準マークカメラ240をX軸またはY軸に平行な方向にのみ一定小距離移動させて再び基準チップ286を撮像させる。このようにして取得される2つの基準チップ286の像を重ねて記載すれば、図21に示す状態となる。そして、それら2つの基準チップ286の像の同じ頂点同士を結ぶ直線350がY軸に正確に平行な直線のはずであり、また、上記のように被検出部334,336の頂点338,340を結ぶ直線342を基準とした基準チップ286の回転位置誤差は除去されているはずであるから、直線350に対する基準チップ286の回転角度Δθ3 は被検出部334,336の頂点338,340を結ぶ直線342のY軸に対する回転位置誤差であることになる。
【0062】
このようにして、被検出部334,336の頂点338,340を結ぶ直線342のY軸に対する回転位置誤差が取得できれば、前述の方法で直線342を基準として取得される撮像装置248および基準マークカメラ240の回転位置誤差を直線342の回転位置誤差分修正すれば、撮像装置248および基準マークカメラ240の絶対的な回転位置誤差を取得することができる。
【0063】
本発明は、図22に示すタイプの電子部品装着システムに適用することも可能である。この電子部品装着システムは、吸着ノズルの回転中心に対する電子部品の位置ずれを取得するための撮像装置である部品カメラ356がベース10に対して固定的に設けられている点において前記実施形態の電子部品装着システムと異なっている。部品カメラ356が、部品供給装置20と配線板コンベヤ14との間の、配線板支持装置に支持されたプリント配線板12の長手方向(配線板コンベヤ14の搬送方向)のほぼ中央に対応する位置において、ベース10に固定的に設けられているのである。吸着ノズル184および基準マークカメラ240は、前記図1および図2の電子部品装着システムと同様に、Y軸スライド122に固定されている。本電子部品装着システムにおいても、前述のドッグ266および基準チップ286と同様のドッグおよび基準チップを利用して、吸着ノズル186,基準マークカメラ240および部品カメラ356の相対位置関係(中心位置ずれおよび回転位置ずれを含む)を取得することができる。
【0064】
図23に示すタイプの電子部品装着システムに本発明を適用することも可能である。本電子部品装着システムは、それぞれ吸着ノズルを備えた部品保持具360が1つの間欠回転盤362に保持されており、間欠回転盤362が一定角度ずつ間欠回転させられることにより、間欠回転盤362の回転中心線たる旋回軸線まわりに部品保持具360を旋回させるとともに、その旋回の軌跡上に予め設定された複数の停止位置で停止させるノズル移動装置364を備えている。また、配線板支持装置366をその配線板支持装置366に支持されたプリント配線板12の表面に平行な平面内において互いに直交するX軸とY軸とにそれぞれ平行な2方向に移動させる配線板移動装置370も備えている。配線板移動装置370は、X軸スライド駆動用モータ372および送りねじとしてのボールねじ374により移動させられるX軸スライド376と、そのX軸スライド376上においてY軸スライド駆動用モータ378および送りねじとしてのボールねじ380により移動させられるY軸スライドとを備えている。Y軸スライドは配線板支持装置366を下方から支持している。そして、上記複数の停止位置の一つに停止した吸着ノズルの先端面に対向する位置に、部品カメラと導光装置とを含み、電子部品を撮像する撮像装置384が静止して設けられるとともに、その撮像装置384および部品保持具360の上方に部品保持具360を回転させる保持具回転装置(図示省略)がやはり静止して設けられている。保持具回転装置は、撮像装置384が設けられた停止位置と、電子部品82をプリント配線板12に装着するための停止位置との間の停止位置にも、電子部品82の回転位置誤差を修正するために設けられている。また、図示は省略するが、電子部品の吸着や装着のために吸着ノズルを昇降させる装置も設けられている。さらに、配線板支持装置366に支持されたプリント配線板12の基準マークを撮像する基準マークカメラ386も静止して設けられている。なお、図23においては、間欠回転盤362,撮像装置384,基準マークカメラ386,ドッグ390等を保持する保持装置は煩雑さを避けるため、図示が省略されている。また、間欠回転盤362の代わりに、共通の回動軸線のまわりにそれぞれ回動可能に設けられ、カム装置により予め定められた速度パターンに従って回動させられ、互に異なる時期に所定の停止位置(複数)に順次停止させられる複数の回動部材を採用することも可能である。例えば、複数の回動部材の各々に、部品保持具360をそれぞれ1個ずつ、回転および軸方向の移動可能に保持させるのである。
【0065】
上記電子部品装着システムにおいても、上記撮像装置384が設けられた停止位置の近傍にドッグ390を、吸着ノズルに保持された電子部品が撮像される際に同時にドッグ390も撮像される相対位置に静止状態で設けるとともに、載置面392,394および基準チップ396を準備することによって、本発明を実施することができる。前記実施形態におけるとほぼ同様の方法で、ドッグ390を基準として部品保持具360の回転中心、すなわち吸着ノズルの回転中心の位置を推定し、その回転中心位置に対する電子部品82の位置ずれを検出したり、吸着ノズルの回転中心および基準マークカメラ386と、撮像装置384との相対位置関係を取得したり、配線板移動装置370の作動誤差を取得したりすることができるのである。
【0066】
第一,第二撮像装置は面撮像装置に限らず、ラインセンサにより構成してもよい。ラインセンサは、一直線状に並べられた多数の撮像素子を有し、被写体と相対移動させつつ繰り返し撮像を行うことによって二次元像が得られる。第一撮像装をラインセンサにより構成する場合、例えば、ラインセンサを多数の撮像素子が、電子部品の上面と平行な方向において一直線状に設け、ラインセンサと電子部品とを、電子部品の上面に平行でかつ上記一直線と直交する方向に相対移動させればよい。
【0067】
以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である電子部品装着システムを示す平面図である。
【図2】上記電子部品装着システムの側面図である。
【図3】上記電子部品装着システムの部品装着装置を示す正面図である。
【図4】上記部品装着装置を示す側面図(一部断面)である。
【図5】上記電子部品装着システムの配線板支持装置を概略的に示す側面図である。
【図6】上記電子部品装着システムの部品トレイに収容された電子部品を示す側面図である。
【図7】上記部品装着装置の部品装着ユニットを示す側面図(一部断面)である。
【図8】上記部品装着ユニットの保持装置を示す側面断面図である。
【図9】上記電子部品装着システムの制御装置を概略的に示すブロック図である。
【図10】電子部品装着システムのドッグの一部を示す平面図である。
【図11】上記ドッグの要部正面図である。
【図12】上記ドッグが電子部品と共に撮像される状況を示す説明図である。
【図13】前記電子部品装着システムにおける吸着ノズルの回転中心の取得を説明するための図である。
【図14】前記電子部品装着システムにおける吸着ノズルに保持された基準チップの撮像を説明するための図である。
【図15】前記電子部品装着システムにおける基準マークカメラの位置ずれの取得を説明するための図である。
【図16】前記電子部品装着システムにおける移動装置の作動誤差の取得を説明するための図である。
【図17】前記電子部品装着システムにおけるドッグと吸着ノズル回転中心との相対位置、吸着ノズル,撮像装置および基準マークカメラの相対位置ずれ、および移動装置の作動誤差を示す図である。
【図18】前記電子部品装着システムにおける電子部品の吸着ノズル回転中心からの位置ずれの取得を説明するための図である。
【図19】本発明の別の実施形態である電子部品装着システムにおける撮像装置の回転位置ずれの取得を説明するためのずである。
【図20】上記電子部品装着システムにおける基準マークカメラの回転位置ずれの取得を説明するためのずである。
【図21】本発明のさらに別の実施形態である電子部品装着システムにおける複数のドッグの傾きの検出を説明するための図である。
【図22】本発明のさらに別の実施形態である電子部品装着システムにを示す平面図である。
【図23】本発明のさらに別の実施形態である電子部品装着システムにを示す平面図である。
【符号の説明】
12:プリント配線板 14:配線板コンベヤ 18:部品装着装置 20,22:部品供給装置 26:配線板支持装置 82:電子部品 100:保持装置 106:X軸スライド 116:X軸スライド移動装置
122:Y軸スライド 134:Y軸スライド移動装置 136:移動装置144:昇降装置 146:回転装置 184:吸着ノズル 248:撮像装置 250:部品カメラ 251:導光装置 266:ドッグ
268:被検出部 276:撮像画面 282,284:載置面 286:基準チップ 300:制御装置 332:ドッグ 356:部品カメラ 384:撮像装置 386:基準マークカメラ 390:ドッグ
392,394:載置面 396:基準チップ

Claims (6)

  1. 電気部品を吸着ノズルにより吸着し、互いに直角なX軸方向とY軸方向とに移動させて回路基板に装着し、電気回路を組み立てる電気部品装着システムの装着精度に関連する部分の相対位置関係を取得する方法であって、
    前記吸着ノズルの近傍に配設した複数個のドッグと前記吸着ノズルに吸着させた基準チップとを第一撮像装置によって撮像した画像データの処理により、前記複数個のドッグを基準とする前記基準チップの傾きを取得する基準チップ傾き検出工程と、
    その基準チップ傾き検出工程の後に、前記基準チップを載置面に載置する基準チップ載置工程と、
    その載置した基準チップを第二撮像装置に撮像させた後、それら基準チップと第二撮像装置とを前記X軸方向と前記Y軸方向との一方に平行に一定距離相対移動させ、第二撮像装置に基準チップを再び撮像させて、2つの基準チップの像を取得し、それら2つの基準チップの像の画像データの処理により、少なくともそれら2つの基準チップの像の同一の部分同士を結ぶ直線を基準とする基準チップの傾きに基づいて、前記複数個のドッグの前記X軸方向と前記Y軸方向との前記一方を基準とする傾きを取得するドッグ傾き検出工程と
    を含み、かつ、(a)前記基準チップ傾き検出工程において取得した基準チップの複数個のドッグを基準とする傾きを修正して前記基準チップ載置工程を実施することと、(b)前記ドッグ傾き検出工程において、そのドッグ傾き検出工程において取得した前記直線を基準とする前記基準チップの傾きと、前記基準チップ傾き検出工程において取得した前記基準チップの前記複数個のドッグを基準とする傾きとに基づいて、前記複数個のドッグの前記X軸方向と前記Y軸方向との前記一方を基準とする傾きを取得することとのいずれか一方を含むことを特徴とする相対位置関係取得方法。
  2. さらに、
    前記第一撮像装置による前記複数個のドッグの撮像により取得された画像データの処理により、前記複数個のドッグを基準とする前記第一撮像装置の撮像画面の傾きを検出する工程と、
    その複数個のドッグを基準とする前記第一撮像装置の撮像画面の傾きと、前記ドッグ傾き検出工程において検出された前記複数個のドッグの前記X軸方向と前記Y軸方向との前記一方を基準とする傾きとから、前記第一撮像装置の撮像画面の前記X軸方向と前記Y軸方向との前記一方を基準とする傾きを取得する第一撮像装置傾き取得工程と
    を含む請求項1に記載の相対位置関係取得方法。
  3. さらに、
    前記第一撮像装置の撮像画面を基準とする前記第二撮像装置の撮像画面の傾きを検出する工程と、
    その第一撮像装置の撮像画面を基準とする前記第二撮像装置の撮像画面の傾きと、前記第一撮像装置傾き取得工程において取得された前記第一撮像装置の撮像画面の前記X軸方向と前記Y軸方向との前記一方を基準とする傾きとから、前記第二撮像装置の撮像画面の前記X軸方向と前記Y軸方向との前記一方を基準とする傾きを取得する第二撮像装置傾き取得工程と
    を含む請求項2に記載の相対位置関係取得方法。
  4. 前記基準チップ傾き検出工程が、
    前記第一撮像装置により前記複数個のドッグを撮像し、その撮像により取得したそれら複数個のドッグを基準とする前記第一撮像装置の撮像画面の傾きを取得する工程と、
    前記吸着ノズルに基準チップを保持させ、その基準チップを前記第一撮像装置により撮像して、その第一撮像装置の撮像画面を基準とする前記基準チップの傾きを取得する工程と、
    前記両工程において取得された前記複数個のドッグを基準とする前記第一撮像装置の撮像画面の傾きと前記第一撮像装置の撮像画面を基準とする前記基準チップの傾きとから、前記複数個のドッグを基準とする前記基準チップの傾きを取得する工程と
    を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の相対位置関係取得方法。
  5. 電気部品を吸着ノズルにより吸着し、互いに直角なX軸方向とY軸方向とに移動させて回路基板に装着し、電気回路を組み立てる電気部品装着システムの装着精度に関連する部分の相対位置関係を取得する方法であって、
    第一撮像装置により前記吸着ノズルとその近傍に配設された複数個のドッグとを同時に撮像する第一撮像工程と、
    その第一撮像工程において取得した吸着ノズルと複数個のドッグとの画像データを処理してそれら吸着ノズルと複数個のドッグとの相対位置関係を取得し、記憶する第一データ処理工程と、
    前記吸着ノズルに基準チップを保持させた状態でその基準チップと前記複数個のドッグとを同時に撮像する第二撮像工程と、
    その第二撮像工程において取得した基準チップと複数個のドッグとの画像データと前記第一データ処理工程で取得した吸着ノズルと複数個のドッグとの相対位置関係とに基づいて、基準チップの吸着ノズルに対する吸着ノズルの中心軸線と直交する方向における位置ずれと、基準チップの前記複数個のドッグを基準とする傾きとを取得する第二データ処理工程と、
    前記吸着ノズルと前記回路基板を支持する基板支持装置とを相対移動させ、基板支持装置に対して相対移動不能に設定した載置面に前記基準チップを載置させる基準チップ載置工程と、
    その基準チップ載置工程において載置した基準チップを第二撮像装置により撮像した後、それら基準チップと第二撮像装置とを前記X軸方向と前記Y軸方向との一方に平行に一定距離相対移動させ、第二撮像装置により基準チップを再び撮像して、2つの基準チップの像を取得する第三撮像工程と、
    少なくともその第三撮像工程において取得した前記2つの基準チップの像の画像データに基づいて、前記吸着ノズル,前記複数個のドッグ,前記第一撮像装置および前記第二撮像装置の相対位置関係を取得し、その相対位置関係に基づいて、それら吸着ノズル,複数個のドッグ,第一撮像装置および第二撮像装置の吸着ノズルの中心軸線と直交する方向における位置ずれと、複数個のドッグ,第一撮像装置および第二撮像装置の前記X軸方向と前記Y軸方向との前記一方を基準とする傾きとを取得する第三データ処理工程と
    を含み、かつ、前記第二データ処理工程において取得した基準チップの吸着ノズルに対する吸着ノズルの中心軸線と直交する方向における位置ずれと、基準チップの複数個のドッグを基準とする傾きとを修正して前記基準チップ載置工程を実施することと、前記第二データ処理工程において取得した基準チップの吸着ノズルに対する吸着ノズルの中心軸線と直交する方向における位置ずれと、基準チップの複数個のドッグを基準とする傾きと前記第三撮像工程において取得した前記2つの基準チップの像の画像データとに基づいて前記第三データ処理工程を実施することとのいずれか一方を含むことを特徴とする相対位置関係取得方法。
  6. 電気部品を供給する部品供給装置と、
    電気部品を吸着して保持する吸着ノズルと、
    回路基板を支持する基板支持装置と、
    前記部品供給装置および前記基板支持装置に対して前記吸着ノズルを、互いに直角なX軸方向とY軸方向とに相対移動させる相対移動装置と、
    前記吸着ノズルを回転させる回転装置と、
    それら相対移動装置および回転装置を制御して前記吸着ノズルに、前記部品供給装置から供給される電気部品を前記基板支持装置に支持された回路基板の予め定められた位置に予め定められた回転位置で装着させる装着制御装置と、
    前記吸着ノズルをその吸着ノズルの中心軸線に平行な方向から撮像可能な第一撮像装置と、
    前記基板支持装置に支持された回路基板に設けられた基準マークを撮像可能な第二撮像装置と、
    それら第一,第二撮像装置により取得された画像データを処理するデータ処理装置と、
    前記第一撮像装置により前記吸着ノズルと同時に撮像可能な位置に配設された複数個のドッグと、
    それら複数個のドッグと前記吸着ノズルに吸着させた基準チップとを前記第一撮像装置に撮像させ、その撮像により取得された画像データを前記データ処理装置に処理させて、前記複数個のドッグを基準とする前記基準チップの傾きを取得させる基準チップ傾き検出制御部と、
    その基準チップ傾き検出制御部の制御による基準チップの複数個のドッグを基準とする傾きの検出後に、前記相対移動装置を制御して前記基準チップを載置面に載置させる基準チップ載置制御部と、
    その載置された基準チップを前記第二撮像装置に撮像させた後、それら基準チップと第二撮像装置とを前記X軸方向と前記Y軸方向との一方に平行に一定距離相対移動させ、第二撮像装置に基準チップを再び撮像させて、2つの基準チップの像を取得し、それら2つの像の画像データを前記データ処理装置に処理させて、少なくともそれら2つの基準チップの像の同一の部分同士を結ぶ直線を基準とする基準チップの傾きに基づいて、前記複数個のドッグの前記X軸方向と前記Y軸方向との前記一方を基準とする傾きを取得させるドッグ傾き検出制御部と
    を含み、かつ、(a)前記基準チップ載置制御部が、前記基準チップ傾き検出制御部の制御により検出された前記基準チップの前記複数個のドッグを基準とする傾きを除去して、その基準チップを前記載置面に載置させるものであることと、(b)前記ドッグ傾き検出制御部が、そのドッグ傾き検出制御部の制御により取得された前記直線を基準とする前記基準チップの傾きと、前記基準チップ傾き検出制御部の制御により取得された前記基準チップの前記複数個のドッグを基準とする傾きとに基づいて、前記複数個のドッグの前記X軸方向と前記Y軸方向との前記一方を基準とする傾きを取得するものであることとの一方を含むことを特徴とする電気部品装着システム。
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