JP2003332793A - 部品保持具使用可否判定方法 - Google Patents

部品保持具使用可否判定方法

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JP2003332793A
JP2003332793A JP2002136943A JP2002136943A JP2003332793A JP 2003332793 A JP2003332793 A JP 2003332793A JP 2002136943 A JP2002136943 A JP 2002136943A JP 2002136943 A JP2002136943 A JP 2002136943A JP 2003332793 A JP2003332793 A JP 2003332793A
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Yasutaka Fukatsu
泰隆 深津
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Fuji Corp
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Fuji Machine Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装着作業の中で部品保持具の使用可否を適切
に判断することのできる部品保持具使用可否判定方法を
提供する。 【解決手段】 今回の保持動作が部品保持ミスを伴うも
のであるか否かを保持動作ごとに判断し、今回の保持動
作C(h,n)から設定保持動作回数NSだけ遡った期間にお
ける部品保持ミス率である現時点ミス率RS(h,n)を算出
し(S21〜S25)、その算出された現時点ミス率R
S(h,n)が設定された許容限界ミス率RS0を超えた場合
に、その保持具を使用不可保持具と判定する(S26,
S27)。「現時点ミス率」という概念に基づいて部品
保持具の良否の程度を判断するため、充分に使用に耐え
得る部品保持具を使用不可保持具と判定すること、使用
不可判定が遅れてなされること等が、回避できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子回路部品の装
着作業において用いられる部品保持具の使用の可否を判
定する方法であって、装着作業に付随して実施される部
品保持具使用可否判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子回路部品(以下、単に「回路部品」
と略す)をプリント配線板等の回路基材に装着等する回
路部品装着作業は、回路部品装着システムを利用して行
われ、その部品装着システムは、部品供給部において供
給される回路部品を部品保持具で保持し、部品装着部に
まで移送した後に、その部品装着部に存在する回路基材
に載置する形式のものが多く採用されるに到っている。
そのような回路部品装着システムにおいて、劣化、損傷
等に起因する部品保持具の不具合が発生する場合、装着
速度の低下や装着精度の低下をもたらすために、装着作
業中にいち早く部品保持具の不具合を発見して、その使
用を制限することが望まれる。
【0003】部品保持具として、例えば、負圧を利用し
て回路部品を吸着保持する吸着ノズルが、一般的に用い
られている。この吸着ノズルを例にとってより詳しく説
明すれば、例えば、吸着ノズルに詰まり等が発生すれ
ば、適正な負圧が得られないことから回路部品を吸着で
きずに、回路部品非保持の状態が生じ得る。また、例え
ば、吸着ノズルに曲がり等が発生すれば、回路部品の保
持姿勢が不適切な状態が生じ得る。このような回路部品
の非保持、不適切姿勢保持等の部品保持ミスがが発生す
れば、その回路部品に対する装着作業をやり直すための
作業時間ロスが生じ、また、不適切な位置に回路部品が
装着されるといった精度不良が引き起こされるのであ
る。
【0004】装着作業中において部品保持具の異常を判
定する従来技術として、例えば、特公平6−97720
号公報に記載されている技術が存在する。この技術は、
吸着ノズルを部品保持具として有する装着ヘッドに、回
路部品が正しく吸着されているか否かを確認し、吸着ミ
スと判断された回数を計数して、その計数値が設定値に
達した場合にその装着ヘッドを使用しないとする技術で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】ところが、上記例示した従来技術では、現時点での
部品保持具の状態を正確に把握することができないとい
う問題が生じていた。吸着ミス、すなわち部品保持ミス
は、種々の原因で生じる。例えば、吸着ノズルの不具合
に起因する吸着ミスのみならず、回路部品を供給するフ
ィーダ等の部品供給部に起因する吸着ミスも存在する。
また、吸着ミスは、連続して発生するものばかりでな
く、偶発的に発生する一過性のものも存在する。上記従
来技術の方式では、これらのミスも計数され、しかも、
それが積み重なって設定値に達した場合には、充分に使
用に耐え得る吸着ノズルであっても、不具合ノズルと判
定されてしまうことになる。また、逆に、突発的に重大
な欠陥が発生して吸着ミスを連発した場合であっても、
設定回数に至らないうちは、不具合ノズルと判定され
ず、その吸着ノズルを使用して装着作業が繰り返される
ことになる。このように、吸着ミスの累積数すなわち保
持ミスの累積回数による管理では、部品保持具の使用可
否の判定を適切に行うことができないのである。
【0006】そこで、本発明は、装着作業の中で部品保
持具の使用可否を適切に判断することを1つの課題とし
てなされたものであり、本発明によって、下記各態様の
部品保持具使用可否判定方法が得られる。また、その判
定方法を実施するための部品保持具使用可否判定プログ
ラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体、さらに
は、その判定方法を利用した回路部品装着方法およびそ
の装着方法を実施可能な部品装着システムが得られる。
各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付
し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載す
る。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするため
であり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組
合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈さ
れるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載
されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用し
なければならないわけではない。一部の事項のみを選択
して採用することも可能である。
【0007】なお、以下の各項において、(1)項が請
求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(6)項が請
求項3に、それぞれ相当する。
【0008】(1)部品保持部による電子回路部品の保
持動作と載置動作とを繰り返して行う電子回路部品装着
作業に付随して実施され、前記部品保持具の使用の可否
を判定する部品保持具使用可否判定方法であって、前記
部品保持具が保持動作を行った場合に、その保持動作が
部品保持ミスを伴うものであるか否かを判断する部品保
持ミス判断工程と、今回の保持動作を終回としその保持
動作から設定保持動作回数だけ遡った保持動作を初回と
する期間における前記部品保持具の部品保持ミス率であ
る現時点ミス率を算出するミス率算出工程と、その算出
された現時点ミス率が設定された許容限界ミス率を超え
た場合に、前記部品保持具を使用不可保持具と判定する
使用不可保持具判定工程とを含むことを特徴とする部品
保持具使用可否判定方法。
【0009】本発明の判定方法では、「現時点ミス率」
という概念を創出し、それに基づいて部品保持具の良否
の程度を判断する。この「現時点ミス率」は、現時点か
ら過去に遡った一定の保持動作回数における回路部品の
保持ミスの割合を示すものであり、前述した従来技術の
「保持ミスの累積回数」とは異なる概念である。部品保
持具の種類や特性、過去の装着作業における部品保持具
の劣化程度状況、装着作業の種類、保持される回路部品
の種類、装着作業の速度といった種々多様なパラメータ
を総合的に考慮し、現時点ミス率の算出対象期間を画定
するための「設定保持動作回数」および使用可否判定の
基準となる「許容限界ミス率」を、その部品保持具に適
切な値に設定すれば、部品保持具の使用可否を適切に判
断することができる。すなわち、前述する「保持ミスの
累積回数」による判断において問題となっているところ
の、充分に使用に耐え得る部品保持具を使用不可保持具
と判定すること、使用不可判定が遅れてなされること等
が、効率的に回避できるのである。
【0010】部品保持ミスは、生じる現象によって異な
る種別のものが存在する。そして本発明において「部品
保持ミス」とは、異なる種別のものを含み得る。例え
ば、(a)非保持状態、つまり部品保持具が回路部品を保
持しなかった状態と、(b)部品姿勢不適切状態、つまり
保持された回路部品がずれを生じている、異なる保持面
で保持されている(いわゆる「チップ立ち」と呼ばれる
現象)等、保持姿勢が不適切な状態との少なくとも一方
を含むものである。そして、部品保持ミスに関するミス
率、例えば、上記「現時点ミス率」は、非保持状態と部
品姿勢不適切状態とのいずれか一方を対象とするもので
あってもよく、また、両者を対象とするものであっても
よい。
【0011】(2)前記ミス率算出工程が、前回の保持
動作を終回としその保持動作から前記設定保持動作回数
だけ遡った保持動作を初回とする期間における前記部品
保持具の部品保持ミス率である前回時点ミス率を、その
期間の初回となる保持動作が部品保持ミスを伴うもので
ある場合に減少させ、部品保持ミスを伴わない場合には
減少させず、かつ、今回の保持動作が部品保持ミスを伴
うものである場合に増加させ、部品保持ミスを伴わない
場合に増加させない処理を行って、現時点ミス率を取得
するミス率更新工程を含む(1)項に記載の部品保持具使
用可否判定方法。
【0012】現時点ミス率は、例えば、部品保持動作の
結果に関するデータを記憶しておき、今回の保持動作を
終回としその保持動作から設定保持動作回数だけ遡った
保持動作を初回とする期間(以下、「現時点監視期間」
と呼ぶ)におけるデータに基づいて、部品保持ミスを伴
った保持動作の回数を数え、その数えた値を設定保持動
作回数で除することによって算出できる。この算出を部
品保持動作が行われた都度行って、その時点々々におい
てミス率を更新する方法を採用することが可能である。
【0013】本項に記載の態様におけるミス率の更新の
方法は、上記の方法と異なり、前回の保持動作を終回と
しその保持動作から前記設定保持動作回数だけ遡った保
持動作を初回とする期間(以下、「前回時点監視期間」
と呼ぶ)を算出対象とする前回時点ミス率の値を、部品
保持ミスの発生状況に応じて変化させることで、現時点
ミス率を算出するものである。平たく言えば、現時点監
視期間を前回時点監視期間と比較し、部品保持ミスを伴
う部品保持動作(以下、「ミス保持動作」と呼ぶ)が新
たに加わる場合に前回時点ミス率を増加させ、ミス保持
動作が新たに除外される場合に前回時点ミス率を減少さ
せる処理を行って、現時点ミス率を得るものである。ミ
ス保持動作の回数を計数する必要が無いことから、ミス
率更新を簡便に行うことが可能である。
【0014】(3)前記ミス率算出工程が、保持動作が
行われる度に保持動作回数カウンタにより保持動作の回
数をカウントする保持動作計数工程と、今回の保持動作
が部品保持ミスを伴うものである場合に、前記保持動作
回数カウンタのカウント値を記憶するミス保持動作記憶
工程と、記憶されているカウント値の中に、前記前回時
点ミス率の算出対象である期間における初回に該当する
カウント値が存在するか否かを確認する該当ミス保持動
作確認工程とを含む(2)項に記載の部品保持具使用可否
判定方法。
【0015】本項に記載の態様は、部品保持動作の結果
を記憶しておく方法を限定する態様である。保持動作回
数カウンタの計数により、今回が何回目の保持動作であ
るかを把握した上で、今回の保持動作がミス保持動作で
ある場合にその何回目であるかの値を記憶するのであ
る。この方法によれば、記憶された値をアクセスして前
回時点監視期間の初回に該当するものが存在する場合、
現時点監視期間においては、その該当する値の示す回の
ミス保持動作が現時点ミス率の算出対象から除外される
ことになる。つまり、上記該当ミス保持動作確認工程
は、前記(2)項における前回時点ミス率の減少処理を行
う必要があるか否かを決定する上において、有効な工程
である。
【0016】保持動作の結果を記憶しておくことは、コ
ンピュータを利用すれば容易に行える。その場合、本項
に記載の態様のように、ミス保持動作に関する結果情報
だけを記憶すれば、メモリ容量を少なくすることができ
る。また、ミス保持動作に関する結果情報は、何回目の
保持動作であるかを示す上記カウント値に限らず、例え
ば、そのカウント値に関連させた部品保持ミスの種別等
の情報等を含むものであってもよい。
【0017】(4)前記該当ミス保持動作存在確認工程
が、前記該当するカウント値が存在する場合に、そのカ
ウント値を記憶から消去するミス保持動作消去工程を含
む(3)項に記載の部品保持具使用可否判定方法。
【0018】本項に記載の態様では、現時点監視期間か
ら除外されるミス保持動作に関するカウント値が、それ
が存在する都度、消去される。したがって、本態様によ
れば、上述のごとくコンピュータを用いてカウント値を
記憶する場合、メモリ容量をより小さくすることが可能
となる。例えば、設定保持動作回数および許容限界ミス
率に相応した容量のメモリをもって足りるのである。
【0019】(5)前記ミス率更新工程が、前記前回時
点ミス率の値に、前記設定保持動作回数に対する保持動
作1回の比率値を加減する処理を行うものである(2)項
ないし(4)項のいずれかに記載の部品保持具使用可否判
定方法。
【0020】本項に記載の態様は、前記(2)項における
前回時点ミス率の加減に関する限定を加えた態様であ
る。上記比率値は、例えば、1回を設定保持動作回数で
除した値等が該当し、ミス率増減値と称することができ
る。すなわち、このミス率増減値は、設定保持動作回数
の中で部品保持ミスが1回増加あるいは減少した場合に
おいて、ミス率の変化の絶対値である。(2)項のミス率
更新処理において、前回時点ミス率を増加させる場合
は、ミス率増減値を加え、前回時点ミス率を減少させる
場合は、ミス率増減値を減じれば、簡便に現時点ミス率
を取得することができる。
【0021】(6)前記ミス率算出工程が、前記設定保
持動作回数の異なる複数の期間のそれぞれにおける複数
の現時点ミス率を算出するものであり、前記使用不可保
持具判定工程が、それら複数の現時点ミス率のいずれか
が、それら複数の現時点ミス率に対応して設定された許
容限界ミス率を超えた場合に、前記部品保持具を使用不
可保持具と判定するものである(1)項ないし(5)項のいず
れかに記載の部品保持具使用可否判定方法。
【0022】本発明において、部品保持具の管理のため
の監視期間とそれに対応するミス率は、1つであっても
よく、複数であってもよい。例えば、上記設定保持動作
回数の多いすなわち長い監視期間における長期ミス率
と、上記設定保持動作回数の少ないすなわち短い監視期
間における短期ミス率との2つのミス率によって、部品
保持具の使用可否を判定するものであってもよい。その
場合、長期ミス率に対応する上記許容限界ミス率を低く
設定して、装着作業に与える影響が時間の経過と共に徐
々に大きくなるような経時的原因による不具合を監視し
つつ、短期ミス率に対応する上記許容限界ミス率を高く
設定して、突発的な原因による不具合を監視するといっ
た高度な部品保持具の管理を行うことが可能である。そ
の場合、それぞれのミス率が対象とする部品保持ミスの
種別を異ならせることもできる。
【0023】(7)前記前回時点ミス率がゼロである場
合において部品保持ミスを伴う保持動作が行われたとき
に、前記ミス率算出工程および前記使用不可保持具判定
工程を開始する(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の部
品保持具使用可否判定方法。
【0024】本項に記載の態様では、例えば、最初にミ
ス保持動作が行われたときに、ミス率による部品保持具
の管理を開始するような態様が含まれる。また、上記設
定保持動作回数が経過する間ミス保持動作が行われてい
ないためにミス率がゼロを維持している状態において、
ミス保持動作が行われたときから、部品保持具のミス率
による管理をスタートさせるような態様が含まれる。ミ
ス率がゼロを維持する間は、部品保持具の不具合は生じ
ていないものとみなし、使用不可判定を行う必要性が生
じた場合に初めて、部品保持具の管理を開始することか
ら、本項に記載の態様は、合理的な部品保持具使用可否
判定方法である。
【0025】(8)前記ミス率算出工程およびが前記使
用不可保持具判定工程が開始された後において前記現時
点ミス率がゼロになったときに、次に部品保持ミスを伴
う保持動作が行われるまでの間、それらミス率算出工程
および使用不可保持具判定工程を中断する(7)項に記載
の部品保持具使用可否判定方法。
【0026】本項に記載の態様では、一旦ミス率がゼロ
となった場合に、上記部品保持具の管理を行わないとす
る態様が含まれる。本項に記載の態様は、部品保持具の
不具合を監視する必要がない場合にその監視を行わな
ず、必要が生じたときだけ監視を行うことから、(7)項
に記載の態様以上に合理的な態様の部品保持具使用可否
判定方法である。
【0027】以上、本発明の部品保持具使用可否判定方
法のいくつかの態様について説明したが、本発明は、部
品保持具使用可否判定方法としてのみ具現化されるもの
ではない。以下に、部品保持具使用可否判定方法以外の
カテゴリーに属する本発明の態様を列挙する。
【0028】(11)部品保持部による電子回路部品の
保持動作と載置動作とを繰り返して行う電子回路部品装
着作業に付随して実施されるところの、前記部品保持具
の使用の可否を判定する部品保持具使用可否判定作業
を、コンピュータによって行わせるためのプログラムで
あって、前記部品保持具が保持動作を行った場合に、そ
の保持動作が部品保持ミスを伴うものであるか否かを判
断する部品保持ミス判断ステップと、今回の保持動作を
終回としその保持動作から設定保持動作回数だけ遡った
保持動作を初回とするミス率算出期間における前記部品
保持具の部品保持ミス率である現時点ミス率を算出する
ミス率算出ステップと、その算出された現時点ミス率が
設定された許容限界ミス率を超えた場合に、前記部品保
持具を使用不可保持具と判定する使用不可保持具判定ス
テップとを含むことを特徴とする部品保持具使用可否判
定プログラム。
【0029】(12)(11)項に記載の部品保持具使用可
否判定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能
な記録媒体。
【0030】(21)複数の部品保持具を用い、その複
数の部品保持具のいずれかのものに電子回路部品を保持
させ、そのいずれかのものにその保持した電子回路部品
を回路基材へ載置させることを、使用する部品保持具を
変更しつつ繰り返して電子回路部品の装着作業を行う回
路部品装着方法であって、(a)前記複数の部品保持具の
うちの1つのものが保持しているはずの電子回路部品の
有無と保持している場合のその電子回路部品の保持姿勢
との少なくとも一方を認識する部品認識工程と、(b)そ
の部品認識工程において得られた認識データに基づい
て、前記複数の部品保持具のうちの前記1つのものの保
持動作が部品保持ミスを伴うものであるか否かを判断す
る部品保持ミス判断工程と、(c)今回の保持動作を終回
としその保持動作から設定保持動作回数だけ遡った保持
動作を初回とするミス率算出期間における前記1つのも
のの部品保持ミス率である現時点ミス率を算出するミス
率算出工程と、(d)その算出された現時点ミス率が設定
された許容限界ミス率を超えた場合に、前記1つのもの
を使用不可保持具と判定する使用不可保持具判定工程と
を含み、かつ、前記複数の部品保持具のうちの1つ以上
のものが使用不可保持具と判定された場合において、そ
の1つ以上のものの使用を制限または禁止しつつ電子回
路部品の装着作業を行うことを特徴とする回路部品装着
方法。
【0031】(31)複数の部品保持具を備え、その複
数の部品保持具のいずれかのものに電子回路部品を保持
させ、そのいずれかのものにその保持した電子回路部品
を回路基材へ載置させることを、使用する部品保持具を
変更しつつ繰り返して、電子回路部品の装着作業を行う
回路部品装着装置と、前記複数の部品保持具のうちの1
つのものが保持しているはずの電子回路部品の有無と保
持している場合のその電子回路部品の保持姿勢との少な
くとも一方を認識する部品認識装置と、それら回路部品
装着装置と部品認識装置とを制御する制御装置とを含む
回路部品装着システムであって、前記制御装置が、(a)
前記部品認識装置による認識データに基づいて、前記複
数の部品保持具のうちの前記1つのものの保持動作が部
品保持ミスを伴うものであるか否かを判断する部品保持
ミス判断部と、(b)今回の保持動作を終回としその保持
動作から設定保持動作回数だけ遡った保持動作を初回と
するミス率算出期間における前記1つのものの部品保持
ミス率である現時点ミス率を算出するミス率算出部と、
(c)その算出された現時点ミス率が設定された許容限界
ミス率を超えた場合に、前記1つのものを使用不可保持
具と判定する使用不可保持具判定部と、(d)前記複数の
部品保持具のうちの1つ以上のものが使用不可保持具と
判定された場合において、その1つ以上のものの使用を
制限または禁止しつつ前記回路部品装着装置を制御する
使用不可保持具存在時制御部とを備えたことを特徴とす
る回路部品装着システム。
【0032】上記(11)項は、(1)項に記載する部品保持
具使用可否判定方法をコンピュータによって実施するた
めの部品保持具使用可否判定プログラムであり、上記(1
2)項は、そのプログラムを記録した記録媒体である。上
記(21)項は、上記(1)項に記載する部品保持具使用可否
判定方法を含む回路部品装着方法であり、上記(31)項
は、その装着方法を実施可能な部品装着システムであ
る。このように、本発明は、種々のカテゴリーの態様と
して具現化することが可能である。なお、明細書を簡略
化するために具体的な記載は省略するが、上記(11)項、
(12)項、(21)項、(31)項の各々は、前記(2)項ないし(8)
項の各々に記載の技術的特徴のいずれか1つあるいは複
数による限定を加えた態様で実施することが可能であ
る。
【0033】上記(31)項における部品認識装置は、光、
音、熱、磁気等の特性を利用し非接触にて回路部品を認
識する装置、回路部品に接触することによってその回路
部品を認識する装置等、種々の装置を用いることができ
る。例えば、CCDカメラ、ラインセンサ等の撮像デバ
イスを備えた撮像装置と、その撮像装置からの撮像デー
タを画像処理する画像処理ユニットとを含む装置であれ
ば、簡便に、回路部品の非保持状態、姿勢不適切状態等
が検出できる。また、吸着ノズルを部品保持具として使
用する場合、ノズル内部の負圧力の変化の程度等によっ
ても、回路部品を非保持の状態であるか否かの判断が可
能である。上記(21)項における部品認識工程は、上記各
種装置を用いて行うことができる。
【0034】上記(31)項にの回路部品装着システムは、
部品保持具が設けられた部品保持ヘッドがXYロボット
によって移動させられるXYロボットタイプの回路部品
装着装置を含むシステム、部品保持ヘッドが間欠回転す
るロータリーヘッドタイプの回路部品装着装置を含むシ
ステム等、種々の形式のシステムであってよい。また、
上記いずれの形式のものであっても、回路部品装着装置
は、複数の部品保持具を有している必要があるが、部品
保持具を複数備える方式が限定されるものではない。例
えば、複数の部品保持具が設けられた部品保持ヘッドを
1つまたは複数備える方式もよく、1つの部品保持具が
設けられた部品保持ヘッドを複数備える方式でもよい。
また、回路部品装着システムは、他に、回路部品供給装
置、回路基材保持装置等の他の装置、部品等を含んで構
成されるものであってもよい。その場合、(31)項にいう
制御装置は、それら回路部品供給装置等の他の装置をも
制御するものであってもよい。なお、上記(21)項に記載
の回路部品装着方法は、例えば、ここに掲げた種々の形
式の回路部品装着システムを用いて行う装着作業に適用
可能である。
【0035】上記(21)項および(31)項における部品保持
具の使用の「禁止」とは、使用不可保持具と判定された
保持具を、一切使用しないことを意味し、例えば、1つ
の部品保持ヘッドが複数の部品保持具を有する場合に、
使用不可保持具に予定された作業をそれ以外の保持具が
代わって行う態様、使用不可保持具を有する部品保持ヘ
ッドでの作業を行わない態様等が含まれる。また、部品
保持具の使用の「制限」とは、使用不可保持具と判定さ
れた保持具の使用頻度を低く抑えることを意味し、例え
ば、使用不可保持具と判定された保持具でしか装着作業
を行えないような場合に限り、やむを得ずその保持具の
使用を認めるような態様が含まれる。
【0036】また、本発明の管理対象、監視対象である
部品保持具は、その種類が限定されるものではない。負
圧源に通じてその負圧源によって発生する負圧状態を利
用して回路部品を吸着して保持する吸着ノズルの他、回
路部品を把持する把持爪を有する部品把持具等、種々の
形式の部品保持具が対象となり得る。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に、ロータリーヘッドタイプ
の回路部品装着装置を含む回路部品装着システムおよび
そのシステムによる装着作業を例にとって、本発明の一
実施形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施形態
に限られるものではなく、その他、前記〔発明が解決し
ようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載
された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々
の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【0038】<回路部品装着システムの全体構成>図1
に、実施形態の回路部品装着システム(以下、「装着シ
ステム」と略す)の正面斜めから見た全体斜視図を、図
2に、その装着システムの背面斜めから見た全体斜視図
を、それぞれ示す。本装着システムは、ロータリーヘッ
ドタイプの装着システムであり、2つの図とも、外装パ
ネルを取り除いたものであって、主に、本発明に関係の
深い部分を示している。なお、図1は、一部分を切欠い
て、その奥をも示している。
【0039】本装着システムは、主に、(a)ベース部1
0と、(b)ベース部10に立設した2本のコラム部12
と、(c)コラム部12に上架されたビーム部14と、
(d)それぞれのコラム部12とベース部10とを結ぶ
2つの補強コラム部16と、(e)それぞれのコラム部
12とビーム部14との間の補強の役割を担う2つのリ
ブ部18とに概ね区分されるところの、システム本体2
0を含んで構成されている。ベース部10を除く各部に
より門型のフレームを構築しているといえる。システム
本体20には、装着システムを構成する各種装置が配設
されている。
【0040】コラム部12と補強コラム部16とに囲ま
れた2つの空間のそれぞれには、回路部品が装着される
回路基材の1種であるプリント配線板(以下、「配線
板」と略す)を搬入するための搬入装置であるインコン
ベア装置30と、回路部品の装着を完了した配線板を装
着システム外に搬出する搬出装置であるアウトコンベア
装置32とが、それぞれ配設されている。2つのコラム
部12の間の下方には、回路基材保持装置としてのプリ
ント配線板保持装置(以下、「配線板保持装置」と略
す)40が、ベース部10に配設されている。
【0041】図3に、配線板保持装置40とそれを移動
させる配線板保持装置移動装置の斜視図を示す。配線板
保持装置40は、保持台42と、配線板44を保持台4
2に固定するための1対の固定爪46と、エアシリンダ
を駆動源として固定爪46を作動させる固定爪作動部4
8とを含んで構成されている。基材保持装置移動装置と
しての配線板保持装置移動装置50は、Xスライド部5
2と、Yスライド部54と、保持装置昇降部56とを含
んで構成されている。詳しく説明すれば、Xスライド部
52は、X軸方向(装着システムを正面から見た場合の
左右方向)に平行な状態でベース部10に固定された2
本のX軸ガイド60と、X軸ガイド60に沿って移動す
るXスライド62と、Xスライド62を移動させるため
の駆動源であるX軸モータ(サーボモータである)64
およびボールねじ機構66とを含んで構成されている。
また、Yスライド部54は、Y軸方向(装着システムを
正面から見た場合の前後方向)に平行な状態でXスライ
ド62に固定された2本のY軸ガイド70と、Y軸ガイ
ド70に沿って移動するYスライド72と、Yスライド
72を移動させるための駆動源であるY軸モータ(サー
ボモータである)74およびボールねじ機構76とを含
んで構成されている。配線板保持装置40は、図3
(b)に示すように、Yスライド72の4つのコーナの
それぞれに配設されたジャッキ80(図では2つのみ示
している)に保持台42が支持されることによって、配
線板保持装置移動装置50に取り付けられている。ジャ
ッキ80の各々は、ボールねじ機構82を有しており、
また、それぞれのボールねじ機構82が有するナットを
回転させるタイミングプーリ84を備えている。Yスラ
イド72には、配線板保持装置40をZ軸方向(上下方
向)に移動させるための駆動源たるZ軸モータ(サーボ
モータである)86が配設され、Z軸モータ86の回転
軸に取り付けられた駆動タイミングプーリ88と4つの
タイミングプーリ84とにタイミングベルト90が巻き
掛けられており、Z軸モータ76の回転によって保持台
部46が昇降させられる。つまり、保持装置昇降部56
は、ジャッキ80、タイミングプーリ84、Z軸モータ
86、駆動タイミングプーリ88、タイミングベルト9
0等を含んで構成されている。なお、配線板保持装置移
動装置50は、図1においては省略されている。
【0042】上記構成の配線板保持装置移動装置50に
より、配線板保持装置40は、2つのコラム部12の間
の下方の空間を、XY平面(X軸およびY軸に平行な平
面)に沿って移動させられるとともに、昇降させられ
る。配線板保持装置40は、前方中央に位置する状態に
おいて、インコンベア装置30から未装着の配線板44
を受け取り、また、アウトコンベア装置40に装着済の
配線板44を受け渡す。この配線板44の受け取りおよ
び受け渡しは、配線板移載装置としてのイン側キャリア
装置100およびアウト側キャリア装置102(図1で
は、ともに一部が省略されている)によって行われる。
【0043】装着システムの背面側には、部品供給装置
120が配設されている。本装着システムでは、テープ
化された回路部品であるテーピングから回路部品を1つ
ずつ供給するテープフィーダ型の部品供給装置である。
部品供給装置120は、X軸方向に沿ってベース部10
に固定された2本のガイドレール122と、ガイドレー
ル122に沿ってX軸方向に移動する2つのフィーダパ
レット124と、2つのフィーダパレット124を別個
に移動させる駆動源たる2つのパレット移動モータ(サ
ーボモータである)126および2つのボールねじ機構
128と、X軸方向に整列してそれぞれのフィーダパレ
ット124にそれぞれ複数搭載されたテープフィーダ1
30(一方のフィーダパレット124の側は図示を省略
している)とを含んで構成されている。テープフィーダ
130は、各種装着システムにおいて一般的に用いられ
ているものであり、その詳細についての説明は省略す
る。
【0044】システム本体20のビーム部14の中央部
分には、回路部品装着装置(以下、「装着装置」と略
す)140が配設されている。装着装置140は、ビー
ム部14の下方に設けられた装着ユニット150を備
え、また、ビーム部14の内部に、主たる駆動源となる
主駆動モータ(サーボモータである)152を備えてカ
ム機構等により装着ユニット150を駆動させる装着ユ
ニット駆動装置154を備えている。
【0045】図4(a)に、装着ユニット150の斜視
図を示す。装着ユニット150は、前述の部品保持部と
して機能する複数(本装着システムでは16)の部品保
持ヘッド160を備えており、この複数の部品保持ヘッ
ド160が一斉に間欠回転させられる構造となってい
る。図4(b)に、部品保持ヘッド160の斜視図を示
す。部品保持ヘッド160の各々は、その先端部に複数
(本装着システムでは6)の部品保持具としての吸着ノ
ズル162を備えており、吸着ノズル162は図示しな
い負圧源に繋がれており、供給された負圧により回路部
品を吸着して保持する。
【0046】図5に、部品保持ヘッド160が間欠回転
させられて停止する装着ユニット150における各ステ
ーションの配置を示す。図5は、上方から見た図であ
り、破線で示す大きな円が装着ユニット150の概略外
形線であり、その周縁に示されている16個の円がそれ
ぞれの部品保持ヘッド160が停止するステーションで
ある。部品保持ヘッド160は、図において右回りに回
転させられる。各ステーションは、奥側(装着システム
の背面側)から順に回転方向に従って、ST1,ST
2,・・・,ST16と名付けられている。ST1が回
路部品の取出動作、すなわち部品保持ヘッド160によ
る回路部品の保持動作が行われる部品取出ステーション
であり、手前側(装着システムの正面側)のST9が回
路部品の装着動作、すなわち部品保持ヘッド160によ
る載置動作が行われる部品装着ステーションである。
【0047】図6に、装着ユニット150およびビーム
部14内部にある装着ユニット駆動装置154のYZ平
面に平行な面で切断した断面図を示す。本装着システム
の装着ユニット150および装着ユニット駆動装置15
4は、特開2001−345599号公報のものと同様
の構成であるため、説明は簡単に行う。図の右方の部品
保持ヘッド160が、部品取出ステーションST1に位
置する部品保持ヘッド160であり、左方の部品保持ヘ
ッド160が部品装着ステーションST9に位置する部
品保持ヘッド160である。装着ユニット150は、ビ
ーム部14に回転可能に保持された主回転軸170と、
概して有底円筒状をなして主回転軸170の下端部に低
部が固定して取り付けられたヘッド保持円筒体172
と、概して円筒形状をなして上端部がビーム部14に固
定されて主回転軸170とヘッド保持円筒体172の筒
部との間に隙間を残して嵌合された円筒カム174とを
含んで構成される。ヘッド保持円筒体172の外周部の
等配位置に、部品保持ヘッド160が取り付けられるヘ
ッド取付部材176が、上下方向にスライド可能に取り
付けられている。円筒カム174の外周部にはカム溝
(図示省略)が設けられており、ヘッド取付部材176
に設けられたカムフォロアとしての1対のローラ178
が、ヘッド保持円筒体172に設けられた上下方向に延
びる長穴182を貫通する状態で、上記カム溝に係合し
ている。カム溝は、部品取出ステーションST1におい
て高い位置に設けられ、部品装着ステーションST9に
おいて低い位置に設けられており、部品保持ヘッド16
0は、間欠回転させられることにより、このカム溝に沿
って昇降させられる。また、円筒カム174は、部品取
出ステーションST1および部品装着ステーションST
9の部分に、上下方向にスライド可能なカムスライダ1
84,186を有している。カムスライダ184,18
6の部分のカム溝は、上昇端位置において、他の部分の
カム溝と滑らかに繋がるようにされている。部品保持ヘ
ッド160がそれらのステーションに位置する状態にお
いて、ローラ178がカムスライダ184,186のカ
ム溝に係合したままでカムスライダ184,186が下
降させられることで、その位置にある部品保持ヘッド1
60が下降させられる。
【0048】装着ユニット駆動装置154は、主回転軸
170を間欠回転させる主回転軸駆動装置200と、部
品取出ステーション側のカムスライダ184を昇降させ
る取出側スライダ昇降装置202と、部品装着ステーシ
ョン側のカムスライダ186を昇降させる装着側スライ
ダ昇降装置204とを含んで構成される。いずれの装置
も、駆動源は、主駆動モータ152である。主回転軸駆
動装置200は、詳細は省略するが、主駆動モータ15
2の回転をローラギヤカム機構によって主回転軸170
の間欠回転に変換伝達するものである。取出側スライダ
昇降装置202は、主駆動モータ152によって回転さ
せられるカムローラ210と、カムローラ210の回転
により所定箇所を支点として揺動させられる揺動バー2
12と、揺動バー212の作用点となる箇所に一端部が
連結されカムスライダ184の上端部に他端部が連結さ
れる連結ロッド214とを含んで構成され、主回転軸の
一間欠回転動作内においてカムスライダ184を1回昇
降させる。同様に、装着側スライダ昇降装置204は、
主駆動モータ152によって回転させられるカムローラ
220と、カムローラ220の回転により所定箇所を支
点として揺動させられる揺動バー222と、揺動バー2
22の作用点となる箇所に一端部が連結されカムスライ
ダ186の上端部に他端部が連結される連結ロッド22
4とを含んで構成され、主回転軸の一間欠回転動作内に
おいてカムスライダ186を一定ストロークで1回昇降
させる。なお、取出側スライダ昇降装置202は、カム
スライダ184の昇降ストローク、厳密には下降端位置
を変更するためのストローク変更装置230を備えてい
る。ストローク変更装置230は、連結具232と、連
結具232を移動させる駆動源となるストローク調整モ
ータ(サーボモータである)234とボールねじ機構2
36とを備えて構成されている。取出側スライダ昇降装
置202において、揺動バー212と連結ロッド214
との連結は、連結具232を介してなされており、連結
具232を移動させることにより、揺動バー212にお
ける作用点の位置が変更されて、カムスライダ184の
昇降ストロークが変更させられる。
【0049】なお、取出側スライダ昇降装置202およ
び装着側スライダ昇降装置204は、それぞれ、エアシ
リンダ240,242を有している。これらエアシリン
ダ240,242のシリンダ後端は、ビーム部14に揺
動可能に連結され、ロッド先端はそれぞれ揺動バー21
2,222に揺動可能に連結されている。ロッドを後退
させれば、揺動バー212,222は、カムローラ21
0,220との係合が解かれ、主駆動モータ152が回
転している場合であっても、カムスライダ184,18
6の下降を停止させることができる。つまり、エアシリ
ンダ240,242を含んで、部品保持ヘッド160の
下降停止装置が構成されている。すなわち、取出側スラ
イダ昇降装置202は、部品取出ステーションST1に
位置する部品保持ヘッド160の部品保持動作を停止さ
せる保持動作停止装置を含み、装着側スライダ昇降装置
204は、部品装着ステーションST9に位置する部品
保持ヘッド160の部品載置動作を停止させる載置動作
停止装置を含むものとなっている。
【0050】図4をも参照しつつ説明すれば、部品保持
ヘッド160は、概して筒状をなしヘッド取付部材17
6に取付られるスリーブ体250と、スリーブ体250
の内部に嵌入させられてスリーブ体250に回転可能に
保持されたヘッド軸252と、ヘッド軸252の下端部
に取り付けられて6つの吸着ノズル162を回転可能に
保持するノズルホルダ254とを含んで構成されてい
る。ノズルホルダ254は、XY平面に平行な軸線回り
に回転して外周部に吸着ノズルが取り付けられる回転保
持体256を有しており、この回転保持体256におい
て複数の吸着ノズル162を保持しているのである。後
にも説明するが、回転保持体256は、外部から回転さ
せられるようになっており、部品保持ヘッド160が部
品取出ステーションの手前の所定のステーションである
ノズル選択ステーションST14に位置するときに、そ
の部品保持ヘッドが保持する回路部品に適した吸着ノズ
ル162を選択するべく、回転させられる。この回転
は、回転保持体256の係合部258に、後述するノズ
ル選択回転装置の係合部とが互いに係合して、ノズル選
択回転装置の回転駆動力が伝達されることによって行わ
れる。以上の構成から、部品保持ヘッド160は、部品
保持具としての吸着ノズル162と、スリーブ体25
0,ヘッド軸252,ノズルホルダ254等から構成さ
れるノズル保持部とから構成されているのである。
【0051】装着ユニット150は、さらに、円筒カム
174に回転可能に取り付けられたドーナツ状の回転円
盤体260と、回転円盤体260の周辺部に回転可能に
等角度ピッチで取り付けられて部品保持ヘッド160
(厳密にはヘッド軸252およびノズルホルダ254
を)のそれぞれをZ軸に平行な軸線回りに回転させる
(いわゆる自転である)複数の回転ロッド262とを備
えている。それぞれの回転ロッド262は、概して筒状
をなし、ヘッド軸252の上部が軸方向に移動可能な状
態で嵌入されている。詳しくは説明しないが、回転円盤
体260外周にギア歯が形成されており、このギア歯に
動力が伝達されて回転させられる。回転円盤体260
は、ヘッド保持円筒体172の間欠回転とは、タイミン
グが若干ずれて回転させられる。そのため、ヘッド軸2
52は、回転伝達を維持しながら自身を屈曲させること
ができるジョイント264を有している。部品保持ヘッ
ド160が所定のステーションに位置するときに、回転
ロッド260の上端部にその回転ロッド260を回転さ
せるユニット回転駆動装置(図示は省略)が係合して、
ノズルホルダ254がZ軸に平行な軸線回りに回転させ
られる。複数の吸着ノズル162のうちの選択されたも
の、つまり、下方に位置する吸着ノズル162の軸線
は、その回転軸線と一致しており、その吸着ノズル16
2が回路部品を吸着保持しているときには、その回路部
品の装着方位(XY平面に平行な平面内における回路部
品の回転位置(θ方向位置)ともいう)が修正される。
【0052】吸着ノズル162は、管状のノズル部27
0と、ノズル部270の軸線と直角な平面を有する円板
上状の背景形成部272とを含んで構成され、ノズル部
270の先端にて回路部品を吸着して保持する。背景形
成部272は、詳しくは説明しないが、保持された回路
部品の保持位置のずれを検出すべく部品撮像装置によっ
て撮像される際に、撮像視野内における回路部品に対す
る背景を形成するという役割を果たしている。また、吸
着ノズル162は、図示を省略するが、取付部を有して
おり、この取付部にて回転保持体256に取り付けられ
る。さらに、吸着ノズル162は、図示は省略するが、
取付部内に弾性部材が配設されており、ノズル部270
に軸線方向の過度の力が加わった場合に、その力が吸収
されるような構造となっている。例えば、部品取出動作
および部品装着動作において、吸着ノズル162が回路
部品あるいは配線板44に接近しすぎたときに発生する
衝撃は、その弾性体により緩和される。また、吸着ノズ
ル162は、図示しない負圧源に接続されて回路部品を
吸着保持し、正圧源に接続されて保持した部品を離脱さ
せ、離脱後は大気圧に開放される。正圧源、負圧源、大
気への連通の切替は、図示しない切替装置によって行わ
れる。
【0053】本実施形態の装着システムは、さらにいく
つかの装置を含んで構成される。その1つが、吸着ノズ
ル162に保持されているはずの回路部品の有無の検出
と、回路部品が保持されている場合に、その回路部品が
適正な面で吸着保持されているか否か(いわゆる「チッ
プ立ち」であるか否か)の確認とを目的として、吸着ノ
ズル162の先端部分および保持されている回路部品を
撮像する第1部品撮像装置280である。また、別の1
つが、吸着ノズル162に保持された回路部品の、XY
平面内における吸着ノズル162に対する保持位置のず
れを検出する目的とするところの、第2部品撮像装置2
82である。なお、検出される保持位置のずれには、中
心位置のずれと回転位置のずれ(装着方位つまりθ方向
のずれ)とが含まれる。
【0054】図5を参照しつつ説明すれば、第1部品撮
像装置280は、撮像デバイスとしてのラインセンサ2
84を備え、第1部品認識ステーションST2に位置す
る部品保持ヘッド160の吸着ノズル162およびそれ
に保持された回路部品を撮像する。また、第2部品撮像
装置282は、撮像デバイスとしてのCCDカメラ28
6と、回路部品から下方に向かう光を進路を変更してC
CDカメラに導く導光デバイスとしての反射鏡288と
を備え、第2部品認識ステーションST5に位置する部
品保持ヘッド160の吸着ノズル162に保持されてい
る回路部品を撮像する。システム本体20は、システム
本体20の2つのリブ部18の下部に両端のそれぞれが
固定して取り付けられて、装着ユニット150の下方に
渡された装置配設板状部材300を有しており(図1、
図2および図6参照)、第1部品撮像装置280および
第2部品撮像装置282は、その装置配設板状部材30
0に配設されている。なお、図示は省略するが、第1部
品撮像装置280および第2部品撮像装置282は、撮
像のためのそれぞれの光源を有している。
【0055】第1部品撮像装置280の備えるラインセ
ンサ284は、受光素子がZ軸方向に並ぶものであり、
吸着ノズル162は、いずれのものが選択されていて
も、その先端部のZ軸方向の位置は等しい。したがっ
て、保持された回路部品の厚み(Z軸方向の高さ)は、
回路部品の像光を受光する素子の数によって検出するこ
とが可能である。第1部品撮像装置280によって得ら
れた画像データは、画像処理ユニット308(図示は省
略)によって画像処理され、回路部品の検出厚みデータ
を含む第1部品認識データとして取得される。また、第
2部品撮像装置282の備えるCCDカメラ286は、
受光素子が一平面に並ぶものであり、第1部品撮像装置
280によって得られた2次元画像データは、画像処理
ユニット310(図示は省略)によって画像処理され、
回路部品の検出位置ずれデータを含む第2部品認識デー
タとして取得される。以上の構成により、本装着システ
ムには、第1部品撮像装置280と画像処理ユニット3
08とを備えて構成される第1部品認識装置と、第2部
品撮像装置282と画像処理ユニット310とを備えて
構成される第2部品認識装置との2つの部品認識装置が
含まれるのである。
【0056】また、装置配設板状部材300には、図5
に概略を示すように、回路部品を回収する部品回収装置
330が、部品回収ステーションST13に配設されて
いる。吸着ノズル162に保持された部品が、チップ立
ちの状態であったり、また、保持位置が過剰にずれてい
る状態にある場合、その回路部品は部品装着ステーショ
ンST9において装着に供されず、その回路部品を保持
する部品保持ヘッド160がST13に位置するとき
に、その回路部品は、吸着ノズル162に正圧が供給さ
れて保持が解かれ、部品回収装置330に回収される。
また、ノズル選択ステーションST14には、ノズル選
択回転装置332が配設されている。ノズル選択回転装
置332は、駆動源としてのノズル回転モータ334
(サーボモータである)を有し、ノズル回転モータ33
4によって回転させられる回転部材を有する係合部33
6が、前述の回転保持体256の係合部258と係合
し、回転保持体256が適切な角度だけ回転させられる
ことで、次の回路部品の保持に適応する吸着ノズル16
2が選択されるのである。
【0057】さらに、本装着システムは、他の装置とし
て、図示を省略するところの、配線板保持装置40に保
持された配線板44の表面に付された基準マーク(フィ
デューシャルマーク)を撮像可能な配線板撮像装置が、
ビーム部14に配設されており、得られた基準マークの
画像データは専用の画像処理ユニットで処理されること
で、配線板の保持位置誤差が取得される。取得された基
板保持位置誤差は、装着作業において利用される。ま
た、同様に図示を省略するが、テープフィーダ130を
操作するフィーダ操作装置もビーム部14に配設されて
いる。部品取出ステーションST1の下方に位置するテ
ープフィーダ130から回路部品の取出を行うのである
が、そのテープフィーダ130が行う部品供給動作は、
そのテープフィーダ130に設けられた作動レバー(図
示を省略)が操作されることによって行われる。フィー
ダ操作装置は、その作動レバーを操作する装置であり、
装着ユニット駆動装置154に連結されており、主駆動
モータ152を駆動源として、カム機構により、部品保
持ヘッド160の動作と連動して作動する。
【0058】<システム制御装置の構成>以上の各種装
置を含んで構成される本装着システムは、図示を省略す
る制御装置(以下システム制御装置」と呼ぶ)によって
制御される。図8にシステム制御装置のブロック図を、
本発明に関係の深いところを中心に示す。システム制御
装置400は、PU(プロセッシングユニット)40
2,ROM404,RAM406,入出力インターフェ
ース408およびそれらを接続するバス410を有する
コンピュータ412を主体とするものである。
【0059】入出力インターフェース408には、シス
テム制御装置400が有するそれぞれの駆動回路414
を介して、配線板保持装置移動装置50のX軸モータ6
4,Y軸モータ74,Z軸モータ86、部品供給装置1
20のパレット移動モータ126、装着ユニット駆動装
置154の主駆動モータ152,取出側のカムスライダ
184の昇降ストロークを調整するストローク変更装置
230のストローク調整モータ234、取出側スライダ
昇降装置202のエアシリンダ240、装着側スライダ
昇降装置204のエアシリンダ242、ノズル選択回転
装置332のノズル回転モータ334等、各装置の駆動
源等が接続されている。また、入出力インターフェース
408には、画像処理ユニット308,310の各々を
介して第1部品撮像装置280、第2部品撮像装置28
2の各々が接続され接続され、さらに、各種設定値、各
種データ等の入力、システムのマニュアル操作等を行う
ためのキーボード、システムの状態を表示する等のため
のディスプレイ、各種記録媒体の読み取りを行うための
デバイス等を備えた入出力装置416等が接続されてい
る。
【0060】ROM404には、本装着システムの基本
動作に関するプログラム等が格納されており、RAM4
06には、アプリケーションプログラム、装着対象とな
る配線板に応じた回路部品の装着位置,その回路部品が
どのテープフィーダから供給されるかといったフィーダ
情報、回路部品がどういった順で保持されて装着される
かといった装着シーケンス等の装着関連データ、配線板
および各回路部品に関する個別情報等が格納される。ま
た、第1部品撮像装置280および第2部品撮像装置2
82によって得られた撮像データを画像処理ユニット3
08,310によって画像処理された結果取得された部
品認識データが、一時的に記憶される。なお、RAM4
06は、電源によってバックアップされており、本装着
システムのメインスイッチがOFFの状態であっても、
記憶された各種アプリケーションプログラム、各種デー
タは、保存状態となる。
【0061】本発明に、最も関連の深い吸着ノズル使用
可否判定関連の各種データも、RAM406にそれぞれ
割当てられた記憶領域に記憶される。図8ないし図11
のそれぞれに、RAM406に割当てられた吸着ノズル
使用可否判定関連データ記憶領域の一部分を示す。以下
に、各種データごとの領域を説明するとともに、記憶さ
れるそれら各種データの内容等について説明する。
【0062】図8は、各種設定データの記憶領域を示し
ている。設定保持動作回数領域には、ミス率の算出の基
礎となる回路部品の保持動作回数である設定保持動作回
数が記憶される。本実施形態では、短期、長期の2つの
監視期間におけるミス率を判断するため、短期設定保持
動作回数NS、長期設定保持動作回数NLが記憶される。
許容限界ミス率領域には、短期監視期間、長期監視期間
のそれぞれに対応する短期許容限界ミス率RS0、長期許
容限界ミス率RL0が記憶される。これら、NS,NLおよ
びRS0,RL0は、入出力装置416から入力することが
可能となっており、それらの値は任意に変更できる。ミ
ス率増減値領域には、設定保持動作回数に対する保持動
作1回の比率値としての短期ミス率増減値rS,長期ミ
ス率増減値rLが記憶されるが、こられの値は、rS=1
/NS,rL=1/NLという計算式基づいて自動的に計
算され、その計算された値が記憶される。本実施形態で
は、例えば、短期設定保持動作回数NS=10(回),
長期設定保持動作回数NL=500(回)、短期許容限
界ミス率RS0=0.3(30%),長期許容限界ミス率
L0=0.03(3%)という値が設定され、それらの
値が入力されており、短期ミス率増減値rS=0.1、
長期ミス率増減値rL=0.002が記憶されているも
のとする。
【0063】本実施形態において、設定保持動作回数N
S,NLの異なる2つの監視期間およびそれら期間におけ
る2つのミス率RS,RLは、それぞれ異なる目的の基に
設けられている。その目的の違いから、2つのミス率R
S,RLの各々が対象とする部品保持ミスのミス種別が異
なり、また、許容限界ミス率RS0,RL0もそれぞれ異な
っているのである。詳しく説明すれば、短期監視期間で
の監視は、突発的な吸着ノズル162の不具合、例え
ば、吸着ノズル162の著しい損傷、ノズル部270に
おける詰まり等を監視することを目的としている。ここ
でいう突発的な不具合が生じた場合、回路部品の非保持
状態が連続的に生じる可能性が高い。そのため、短期ミ
ス率RSは、部品保持ミスのうちの回路部品の非保持状
態のみを対象としている。以上のことから、設定保持動
作回数を少なく、許容限界ミス率を比較的高く設定して
ある。これに対し、長期監視期間での監視は、比較的緩
やかな経時的変化による吸着ノズル162の不具合、例
えば、ノズル部の曲がり等の劣化等を監視することを目
的としている。そこで、長期ミス率RLは、非保持状態
のみではなく、保持された回路部品の姿勢が不適切であ
る状態の部品保持ミスをも対象とする。かかる長期監視
の目的から、設定保持動作回数を多く、許容限界ミス率
を比較的低く設定してある。なお、本実施形態では、N
S,NLおよびR S0,RL0は、いずれの吸着ノズル162
に対して.も同じ値を採用するが、例えば、これらのデ
ータに多くの記憶領域を割当て、各吸着ノズル162の
特性等に応じて、吸着ノズル162ごとに異なる値を採
用してもよい。
【0064】本装着システムは、16の部品保持ヘッド
160を備え、それぞれの部品保持ヘッド160のそれ
ぞれが6つの吸着ノズル162を有している。部品保持
ヘッド160および吸着ヘッド162のそれぞれは、番
号付けされている。ヘッドNo.は、(h)(具体的に
は、(1),(2),・・・,(16))と表し、ノズ
ルNo.は、ヘッドNo.(h)に関連付けて、(h,
n)(具体的には(1,1),(1,2),・・・(1
6,6))と表すものとする。この前提の上に立って、
以下の説明を行う。
【0065】図9は、各種ステータス情報データの記憶
領域を示している。ミス保持動作フラグ領域には、部品
保持ヘッド160ごとに、その部品保持ヘッド160が
ミス保持動作を行ったか否かの判定結果が記憶される。
ミス保持動作フラグは、ヘッドNo.(h)に関連付け
て、FM(h)と表す。FM(h)は、保持ヘッド160の数
だけ存在し、本実施形態では、FM(1),FM(2),・・
・FM(16)の16のフラグが存在する。ミス保持動作フ
ラグは、部品保持ミスの種別によって異なるフラグ値と
なり、回路部品の非保持状態を伴うミス保持動作を行っ
た場合は、FM (h)=2、部品姿勢不適切状態を伴うミ
ス保持動作を行った場合は、FM(h)=1、ミス保持動
作を行わなかった場合は、FM(h)=0というフラグ値
が記憶される。保持動作回数カウンタ領域には、吸着ノ
ズル162の数に相当する数のカウンタが存在し、吸着
ノズル162ごとに、何回の部品保持動作が行われたか
がを示すカウンタ値が記憶される。保持動作回数カウン
タは、ノズルNo.(h,n)に関連付けてC(h,n)
表す。本実施形態では16×6=96設けられており、
具体的には、C(1,1),C(1,2),・・・,C(16,6)とな
る。短期ミス率領域および長期ミス率領域には、それぞ
れ、吸着ノズル162ごとの短期ミス率、長期ミス率が
記憶されるが、後に詳しく説明する更新処理によって、
常に現時点での短期ミス率、長期ミス率を表す値が記憶
されていることになる。短期ミス率、長期ミス率は、そ
れぞれ、ノズルNo.(h,n)に関連付けて、R
S(h,n),RL( h,n)と表す。本実施形態ではそれぞれ96
設けられており、具体的には、RS(1, 1),RS(1,2),・
・・,RS(16,6)、RL(1,1),RL(1,2),・・・,R
L(16,6)となる。ノズル使用可否フラグ領域には、吸着
ノズル162が使用不可保持具であるか否かを表すノズ
ル使用可否フラグが設定されている。ノズル使用可否フ
ラグは、ノズルNo.(h,n)に関連付けて、FN
(h,n)と表す。FN(h,n)は、吸着ノズル162の数に相
当する数だけ存在し、本実施形態では、FN(1,1),F
(1,2),・・・,FN(16,6の16のフラグが存在す
る。その吸着ノズルが使用不可ノズルの場合は、FN
(h,n)=1,使用不可ノズルと判定されていない場合
は、FN(h,n)=0というフラグ値が記憶される。
【0066】図10は、ミス保持動作を行った場合にお
けるその回の保持動作回数カウンタC(h,n)の値が記憶
される領域を示している。このカウンタ値を、便宜的
に、ミス保持動作カウンタ値と呼ぶことにする。ミス保
持動作カウンタ値の領域は、吸着ノズル162ごとに存
在する。吸着ノズル162ごとに必要なカウンタ値の数
は、前記長期設定保持動作回数NLと設定した前記許容
限界ミス率RL0とに基づいて決定され、その数をmとす
れば、本実施形態の場合、m=NL×RL0=500×
0.03=15という数になる。後の説明により理解で
きるが、それを超える数のカウンタ値を記憶させなけれ
ばならないときには、既に、その吸着ノズル162は使
用不可ノズルと判定されているからである。なお、これ
も後に詳しく説明するが、本実施形態では、処理の都合
上、上記領域に続けて、A(h,n),m+1を記憶する領域が
確保されている(図10においては省略)。ミス保持動
作カウンタ値は、ノズルNo.(h,n)および順列m
に関連付けて、A(h,n),mと表し、具体的には、A
(1,1),1,A(1,1),2,,・・・,A(1,1),m,・・・・
・,A (16,6),1,A(16,6),2,,・・・A(16,6),mとな
る。後に詳しく説明するが、A( h,n),mの領域は、吸着
ノズル162ごとに先入れ先出しメモリ的な使い方がな
され、mの値が大きくなるにつれて記憶されているカウ
ンタ値が大きくなるように記憶され、mの値が最も小さ
なA(h,n),1のカウンタ値は、記憶されているカウンタ
値の中において、現時点から最も遡った時点でミス保持
動作が行われた保持動作回数カウンタC(h,n)の値が記
憶されている状態となるようにされる。
【0067】図11は、ミス保持動作を行った場合にお
けるその部品保持ミスのミス種別値が記憶される領域を
示している。このミス種別値領域は、上記ミス保持動作
カウンタ値A(h,n),mと同様、吸着ノズル162ごとに
存在し、また、順列までもがA(h,n),mと1対1に対応
するものとされている。ミス種別値は、A(h,n),mと同
様に、B(h,n),mと表す。具体的な表示は、A(h,n),m
同様であるため省略する。ミス種別値B(h,n),mは、ミ
ス保持動作が行われた際における前記ミス保持動作フラ
グFM(h)のフラグ値が記憶される。ミス種別値領域の
先入れ先出しメモリ的な使い方、記憶されているミス種
別値の順列等は、ミス保持動作カウンタ値A(h,n),m
同様であるため、それらの説明は省略する。
【0068】なお、以上説明した吸着ノズル使用可否判
定関連の各種データの各々は、初期状態において、短期
設定保持動作回数NS、長期設定保持動作回数NL、短期
許容限界ミス率RS0、長期許容限界ミス率RL0、短期ミ
ス率増減値rS、長期ミス率増減値rLを除き、0の値が
記憶されている。
【0069】<装着作業とノズル使用可否判定>本装着
システムによる装着作業の概略を、各ステーションにお
ける部品保持ヘッド160の動作等を順次説明すること
によって、本発明に関係の深い部分を中心に説明する。
部品装着ステーションST1においては、部品保持ヘッ
ド160は回路部品に応じた距離だけ下降させられ、選
択されている吸着ノズル162に負圧が供給されて、そ
の吸着ノズル162において、回路部品を吸着保持す
る。これが、吸着ノズル162による回路部品の保持動
作である。回路部品の供給は、部品供給装置120によ
って行われるが、回路部品の保持に先立ち、フィーダ情
報等に基づいて、その部品保持ヘッド160が保持すべ
き回路部品が収納されているテープフィーダ130が、
ST1に位置させられている。
【0070】第1部品認識ステーションST2において
は、第1部品撮像装置によって、吸着ノズル162の先
端部と保持されているはずの回路部品とが、Z軸方向に
直角な方向から撮像される。この撮像によって得られて
た撮像データは、画像処理ユニット308によって画像
処理され、その処理結果である第1部品認識データが、
RAM406に一旦記憶される。この第1部品認識デー
タは、回路部品の有無、チップ立ち等の検出に利用され
る。
【0071】第2部品認識ステーションST5において
は、部品保持ヘッド160に保持されている回路部品
が、第2部品撮像装置282によって、下方から撮像さ
れる。この撮像によって得られてた撮像データは、画像
処理ユニット308によって画像処理され、その処理結
果である第2部品認識データが、RAM406に一旦記
憶される。第2部品認識データは、回路部品の保持位置
のずれの検出に利用される。
【0072】続く、ステーションST6においては、上
記第1部品認識データおよび第2部品認識データに基づ
いて、部品保持ミスの判定、保持位置ずれ量に基づく装
着位置の補正量の算出が行われる。部品保持ミスの判定
については、後に詳しく説明する。
【0073】ステーションST8においては、上記補正
量と設定されている装着方位とに基づいて、回転位置
(θ方向位置)を適正化すべく、部品保持ヘッド160
が自身の軸線回りに回転させられる。
【0074】部品装着ステーションST9においては、
部品保持ヘッド160すなわち選択されている吸着ノズ
ル162による回路部品の載置動作が行われる。詳しく
は、一定距離だけ部品保持ヘッド160が下降させら
れ、下降端付近において、吸着ノズル162に若干の正
圧が供給されて、その吸着ノズル162が保持する回路
部品が配線板保持装置40に保持された配線板44に載
置される。部品保持ヘッド160の下降に先立ち、配線
板44における適正装着位置にその回路部品が載置され
るように、配線板保持装置40が、配線板保持装置移動
装置50によって、上記補正量に基づく補正を行ったX
Y方向における適正移動位置に移動させられる。また、
配線板保持装置40は、保持されている回路部品の固有
情報に基づき、Z軸方向にも適正移動位置に移動させら
れている。なお、回路部品を非保持であるまたは回路部
品の保持姿勢が不適切であると判定されている場合は、
前述の載置動作停止装置が働き、載置動作は行われない
ようにされる。
【0075】部品回収ステーションST13において
は、上記載置動作が行われなかった場合に、保持してい
る回路部品を部品回収装置330に回収する。この回収
は、吸着ノズル162に正圧が供給されることによっ
て、回路部品の吸着が解除されて行われる。
【0076】ノズル選択ステーションST14において
は吸着ノズル162の選択が行われる。装着シーケンス
等に基づいて、次にその部品保持ヘッド160が保持す
る対象となる回路部品に応じて、適切な吸着ノズル16
2が、所定の選択位置に位置させられる。このノズル選
択は、前述したように、ノズル選択回転装置322によ
って行われれる。
【0077】以上が、それぞれのステーションにおける
動作の概略である。上記のステーション以外の各ステー
ションにおいても、装着作業に関連する各種動作がおこ
なわれるが、本発明との関係は薄いためそれらの説明は
省略する。本装着システムでは、16の部品保持ヘッド
16の各々が各ステーションのそれぞれに位置し、位置
するステーションにおける動作が並行して行われ、それ
らの動作が終了した後、それらの部品保持ヘッド160
は一斉に移動させられて、次のステーションに位置させ
られる。それら一連の動作が繰り返されて、装着作業が
実行されるのである。
【0078】装着作業は、システム制御装置400のR
AM406に記憶されているアプリケーションプログラ
ムの1つとしての装着プログラムが実行されることによ
って行われる。装着プログラムは、個々のステーション
STごとのルーチンプログラムの集合であって、それぞ
れのルーチンプログラムが時分割によって並行して実行
されるのである。システム制御装置400は、ヘッドN
o.(h)の部品保持ヘッド160がどのステーション
STに位置しているか、また、ヘッドNo.(h)の部
品保持ヘッド160には、いかなるノズルNo.(h,
n)の吸着ノズル162が選択されているかを、常に記
憶する機能を備えており、記憶されたヘッドNo.
(h)、ノズルNo.(h,n)をキーにして、各ステ
ーションでのルーチンプログラムが実行されるのであ
る。
【0079】以下に、ノズル使用可否判定方法に関連し
た各工程を、それぞれの工程を実行するためのルーチン
プログラムのフローチャートに従って説明する。ノズル
使用可否判定は、部品保持ミス判断ルーチンとそれに続
くノズル使用可否判定ルーチンとに区分されたプログラ
ムに従って行われる。図12に、部品保持ミス判断ルー
チンのフローチャートを、図13に、ノズル使用可否判
断ルーチンのフローチャートを、ぞれぞれ示す。なお、
説明を簡単にするため、それらのルーチンは、便宜的
に、部品保持ヘッド160がST6に位置するときに、
その部品保持ヘッド160において選択されている吸着
ノズル162について実行されるものとする。
【0080】まず、図12に示す部品保持ミス判断ルー
チンでは、ステップ1(以下「S1」と略す。他のステ
ップについても同様とする。)において、ST6に位置
する部品保持ヘッド160のヘッドNo.(h)が読み
出される。次にS2において、ヘッドNo.(h)に関
連付けられているところの、先のST2で得られた撮像
データを画像処理して取得されて記憶されている第1部
品認識データが読み出される。次いでS3において、回
路部品の固有情報から導出されるところの適切な姿勢で
保持された場合のZ軸方向に関する適正姿勢データと、
上記読み出された第1部品認識データとが比較され、吸
着ヘッド162に回路部品が保持されているか否かが判
断される。
【0081】S3において、その部品保持ヘッド160
が回路部品を保持していないと判断された場合は、S4
において、ヘッドNo.(h)の部品保持ヘッド160
のミス保持動作フラグFM(h)のフラグ値が、非保持状
態を示すフラグ値である2とされ、本ルーチンの実行を
終了する。S3において、回路部品を保持していると判
断された場合は、S5において、上記適正姿勢データと
上記第1部品認識データとの比較により、主にチップ立
ちであるところの保持姿勢不適切状態が生じているか否
かが判断される。そして、保持姿勢が不適切であると判
断された場合、S6において、上記ミス保持動作フラグ
FM(h)のフラグ値が、部品姿勢不適切状態を示すフラ
グ値である1とされる。保持姿勢が適切であると判断さ
れた場合は、上記S6はスキップされる。
【0082】次いで、S7において、先のST5で得ら
れた撮像データを画像処理して取得されて記憶されてい
る第2部品認識データが読み出される。続いて、S8に
おいて、S5の場合と同様に、回路部品の固有情報から
導出されるところの適切な姿勢で保持された場合のXY
平面内に関する適正姿勢データと、上記読み出された第
2部品認識データとが比較され、主に部品位置ずれを意
味する保持姿勢不適切状態が生じているか否かが判断さ
れる。保持姿勢が不適切であると判断された場合、S9
において、上記ミス保持動作フラグFM(h)のフラグ値
が、部品姿勢不適切状態を示すフラグ値である1とされ
て、本ルーチンの実行を終了する。保持姿勢が適切であ
ると判断された場合は、上記S9はスキップされ、本ル
ーチンの実行を終了する。本ルーチンが実行された結
果、ヘッドNo.(h)の部品保持ヘッド160が、部
品姿勢不適切状態となるミス保持動作を行った場合は、
ミス保持動作フラグFM(h)は1の値と、非保持状態と
なるミス保持動作を行った場合は、FM(h)は2の値と
なっており、ミス保持動作が行われなかった場合は、F
(h)は0の値が維持されている。
【0083】続いて、ノズル使用可否判定ルーチンが実
行される。まずS11において、ヘッドNo.(h)の
部品保持ヘッド160に選択されている吸着ノズル16
2のノズルNo.(h,n)が読み出される。次いで、
S12において、そのノズルNo.(h,n)に関連付
けられている保持動作回数カウンタC(h,n)がカウント
アップされる。このS12により、ノズルNo.(h,
n)の吸着ノズル162の保持動作回数が計数されるの
である。
【0084】続くS13において、先のミス保持動作フ
ラグFM(h)のフラグ値により、以後の実行ステップの
選択がなされる。FM(h)=1または2、すなわち今回
の保持動作が部品保持ミスを伴うものである場合は、S
20の短期ミス率算出・判定サブルーチンが実行され
る。FM(h)=0すなわち、ミス保持動作でなかった場
合は、S14において、ノズルNo.(h,n)に関連
付けられているその吸着ノズル162の長期ミス率R
L(h,n)がゼロであるか否かによって、さらに実行するス
テップの選択が行われる。RL(h,n)がゼロでない、すな
わち、長期監視期間内において何某かのミス保持動作が
行われている場合は、さらにS15において、ノズルN
o.(h,n)に関連付けられているその吸着ノズル1
62の短期ミス率RS(h,n)がゼロであるか否かにおい
て、実行するステップの選択が行われる。RS(h,n)がゼ
ロでない、すなわち、短期監視期間内において何某かの
ミス保持動作が行われている場合は、S20の短期ミス
率算出・判定サブルーチンが実行される。これに対し、
S(h,n)がゼロ、すなわち、短期監視期間内においてミ
ス保持動作が行われていない場合は、S20をスキップ
して、S30の長期ミス率算出・判定サブルーチンが実
行される。また、S14において、RL(h,n)がゼロ、す
なわち、長期監視期間内においてミス保持動作が行われ
ていない場合は、S16において、そのノズルNo.
(h,n)に関連付けられている保持動作回数カウンタ
(h,n)がリセットされる。
【0085】すなわち、S13ないしS16による処理
は、ミス率の算出・判定の実行モードを選択する工程を
構成する。特に、S13、S14、S16の処理によっ
て、前述したところの、使用不可否の判定の必要に応じ
たミス率の算出・判定の開始、中断、再開が実現され
る。S30またはS16が実行された後、S17におい
て、ミス保持動作フラグFM(h)がリセットされ、本ノ
ズル使用可否判断ルーチンの実行が終了する。
【0086】次に、S20の短期ミス率算出・判定サブ
ルーチンを説明する。図14に短期ミス率算出・判定サ
ブルーチンのフローチャートを示す。本サブルーチン
は、今回の保持動作がミス保持動作である場合または、
前回時点での短期ミス率RS(h, n)がゼロでない場合に実
行される。
【0087】まず、S21において、そのノズルNo.
(h,n)に関連付けられているミス保持動作カウンタ
値A(h,n),mの領域の中に、前回時点での短期監視期間
の初回に該当する保持動作回数カウンタ値に相当するの
ものが存在するか否かが判断される。すなわち、前回時
点での短期監視期間の初回に該当する保持動作がミス保
持動作であったか否かを判断するのである。A(h,n),m
の領域中に前記該当するカウンタ値が存在しない場合、
S22およびS23はスキップされる。A(h,n ),mの領
域の中に前記該当するカウンタ値が存在する場合、続く
S22において、該当するカウンタ値に対応するミス保
持動作における部品保持ミスのミス種別値B(h,n),m
判断される。このステップを行う理由は、短期ミス率R
S(h,n)が、非保持状態のみを対象としていることにあ
る。その該当するB(h,n),mが1の場合、すなわちミス
種別が部品姿勢不適切状態である場合は、S23はスキ
ップされる。そのB(h,n),mが2の場合、すなわちミス
種別が非保持状態である場合は、S23において、その
ノズルNo.(h,n)の吸着ノズル162の短期ミス
率RS(h,n)は、短期ミス率増減値rSだけ減じられる。
【0088】続いて、S24において、ミス保持動作フ
ラグFM(h)により、今回の部品保持動作が部品保持ミ
スを伴いかつその部品保持ミスが非保持状態であるか否
かが判断される。FM(h)=0または1の場合、つまり
ミス保持動作でなかったあるいは部品姿勢不適切状態で
あるミス保持動作の場合は、S25はスキップされる。
FM(h)=2の場合、すなわち、非保持状態であるミス
保持動作の場合は、S25において、短期ミス率R
S(h,n)に短期ミス率増減値rSが加えられる。すなわ
ち、次のS26の手前までのステップによって、前回時
点短期ミス率を示していたRS(h,n)は更新され、R
S(h,n)は現時点短期ミス率を示すものとなる。
【0089】次に、S26において、現時点の短期ミス
率RS(h,n)が、短期許容限界ミス率RS0を超えたか否か
が判断される。RS(h,n)がRS0を超えた場合は、S37
において、ノズルNo.(h,n)の吸着ノズル162
のノズル使用可否フラグFN (h,n)のフラグ値が1とさ
れ、その吸着ノズル162が使用不可ノズルと判定され
て、本サブルーチンの実行が終了する。S26におい
て、RS(h,n)がRS0以下である場合は、S27がスキッ
プされ、本サブルーチンの実行を終了する。
【0090】次に、S30の長期ミス率算出・判定サブ
ルーチンを説明する。図15に長期ミス率算出・判定サ
ブルーチンのフローチャートを示す。本サブルーチン
は、S20の短期ミス率算出・判定サブルーチンが実行
された場合、または、前回時点での短期ミス率RS(h,n)
がゼロであっても長期ミス率RL(h,n)がゼロでない場合
に実行される。
【0091】まず、S31において、そのノズルNo.
(h,n)に関連付けられているミス保持動作カウンタ
値A(h,n),mの一番先頭にあるA(h,n),1の値が、前回時
点での長期監視期間の初回に該当する保持動作回数カウ
ンタ値よりも大きいか否かが判断される。すなわち、前
回時点での長期監視期間の初回に該当する保持動作がミ
ス保持動作であったか否かを判断するのである。A
(h,n),1の値が前記該当するカウンタ値より大きい場
合、すなわち、該当するカウンタ値でなかった場合、S
32ないしS34はスキップされる。A(h,n),1の値が
前記該当するカウンタ値以下の場合、すなわち、該当す
るカウンタ値であった場合、S32ないしS34が実行
される。
【0092】S32においては、ミス保持動作カウンタ
値A(h,n),mの領域内の移動が行われる。先頭であるA
(h,n),1にA(h,n),2の値が、A(h,n),2にA(h,n),3の値
がというように、領域の最後にあるA(h,n),mまで繰り
上げられる。なお、A(h,n),mにはA(h,n),m+1の値が代
入されるが、前述したところの当該領域に続いて確保さ
れているA(h,n),m+1の値は0であり、本ステップにお
ける処理では、A(h,n) ,mは常に0の値が代入される。
続くS33においては、ミス種別値B(h,n),mの領域内
の移動が行われる。S33における処理はS32と同様
であるため、説明は省略する。次のS34において、そ
のノズルNo.(h,n)の吸着ノズル162の長期ミ
ス率RL(h,n)は、長期ミス率増減値rLだけ減じられ
る。
【0093】続いて、S35において、ミス保持動作フ
ラグFM(h)により、今回の部品保持動作が部品保持ミ
スを伴うものであるか否かが判断される。前述したよう
に、長期ミス率は、部品保持ミスが非保持状態の場合で
あっても、また、部品姿勢不適切状態の場合であっても
対象となる。FM(h)=0の場合、ミス保持動作でなか
った場合は、S36ないしS38はスキップされる。F
(h)=1または2の場合は、S36ないしS38が実行
される。
【0094】つまり、今回の保持動作がミス保持動作で
あった場合、S36において、長期ミス率RL(h,n)に長
期ミス率増減値rLが加えられる。次のS37において
は、ミス保持動作カウンタ値A(h,n),mの領域内におい
て、その値が0でないカウンタ値A(h,n),xの最後尾に
つける格好で、すなわち、その値が0である先頭のカウ
ンタ値A(h,n),x+1に今回の保持動作が何回目のもので
あるかを示す保持動作回数カウンタC(h,n)の値が記憶
される。続くS38においては、今回のミス保持動作の
部品保持ミスの種別値として、ミス保持動作フラグFM
(h)の値が、A( h,n),mの場合と同様、その値が0でない
ミス種別値B(h,n),xの最後尾につける格好で、ミス種
別値B(h,n),mの領域内に記憶される。なお、次のS3
9までのステップによって、前回時点での長期ミス率を
示していたRL(h,n)は更新され、RL(h,n)は現時点での
長期ミス率を示すものとなる。
【0095】次に、S39において、現時点の長期ミス
率RL(h,n)が、長期許容限界ミス率RL0を超えたか否か
が判断される。RL(h,n)がRL0を超えた場合は、S40
において、ノズルNo.(h,n)の吸着ノズル162
のノズル使用可否フラグFN (h,n)のフラグ値が1とさ
れ、その吸着ノズル162が使用不可ノズルと判定され
て、本サブルーチンの実行が終了する。S39におい
て、RL(h,n)がRL0以下である場合は、S40がスキッ
プされて、本サブルーチンの実行を終了する。
【0096】まとめれば、S20の短期ミス率算出・判
定サブルーチンとS30の長期ミス率算出・判定サブル
ーチンとの両者、あるいは、S30のみが実行される場
合において、短期ミス率Rs(h,n)と長期ミス率RL(h,n)
とのいずれかが、そのいずれかに対応する短期許容限界
ミス率RS0、長期許容限界ミス率RL0を超えた場合に、
ノズル使用可否フラグFN(h,n)のフラグ値が1とさ
れ、その吸着ノズル162が使用不可ノズルと判定され
る。S20,S30の両者が実行されない、あるいは、
いずれかが実行された場合であっても、Rs(h,n)とR
L(h,n)とのいずれもが、RS0、RL0を超えない場合に
は、FN(h,n)のフラグ値は0のままであり、その吸着
ノズル162の使用可能判定が維持されることになる。
【0097】次に、使用不可ノズルがある場合の装着作
業について簡単に説明する。本装着システムは、ノズル
選択ステーションST14において、部品保持ヘッド1
60の次の部品保持動作に先立って、それが備える吸着
ノズル162の選択を行う。そこで、それ以前のステー
ションであるST12において、使用不可ノズルの有無
等に基づいて装着作業モードの選択が行われる。図16
に、その選択処理を行わせるための装着作業モード選択
ルーチンのフローチャートを示す。
【0098】装着作業選択ルーチンでは、まず、S51
において、装着シーケンスに従った場合に、ST12に
位置する部品保持ヘッド160の次の保持動作において
使用される予定の吸着ノズル162のノズルNo.
(h,n)が読み出される。次いで、S52において、
その吸着ノズル162のノズル使用可否フラグFN
(h,n)が読み出されて、そのフラグ値による判断がなさ
れる。FN(h,n)=0の場合は、その吸着ノズル162
は、使用が許容されているため、「通常作業モード」に
移行して、その吸着ノズル162が選択されることにな
る。FN(h,n)=1の場合は、S53において、その部
品保持ヘッド160が備える他の吸着ノズル162のノ
ズルで代用できるか否かが判断される。RAM406の
回路部品の固有情報記憶領域には、代用可能な吸着ノズ
ル162の種類に関するデータが記憶されており、上記
判断は、その部品保持ヘッド160が備える他の吸着ノ
ズル162の種類が、その記憶されたデータの中に存在
するか否かによって行われる。そして、代用可能である
ことが確認され、さらに、その代用される吸着ノズル1
62のノズル使用可否フラグFN(h,n)のフラグ値が0
であること確認されて、代用可能と判断されるのであ
る。S53において、代用可能であると判断された場合
は、「他ノズル代用モード」に移行する。「他ノズル代
用モード」のときには、ノズル選択ステーションST1
4において、その部品保持ヘッド160に対して、その
代用される吸着ノズル162が選択されることになる。
S53において、代用不可能と判断された場合には、
「スキップモード」に移行する。「スキップモード」で
は、装着シーケンスが組替えられるとともに、その部品
保持ヘッド160が部品取出ステーションST1に位置
した場合であっても、その部品保持ヘッド160による
部品保持動作が禁止される。具体的には、前述の保持動
作停止装置により、部品保持ヘッド160の下降が停止
させられることになる。
【0099】吸着ノズル162のいずれかが、使用不可
ヘッドと判定されているときには、前述の入出力装置4
16が備えるディスプレイに、その吸着ノズルのノズル
No.(h,n)が表示されるとともに、その使用不可
判定が短期ミス率と長期ミス率とのいずれのミス率が許
容限界ミス率を超えたために行われたのかについても表
示される。なお、使用不可ノズルを交換した場合には、
入出力装置416により、その交換した吸着ノズル16
2に関するカウンタ、ミス率、フラグ、カウンタ値、ミ
ス種別値等をリセットして、その吸着ノズル162に関
する各種データを初期状態に復帰させてから、以後の装
着作業を進行させればよい。
【0100】以上、上記ノズル使用可否判定方法を実行
するための各ルーチンプログラムの一実施形態とそれの
実行による部品保持ヘッド160の動作等について説明
した。上記実施形態では、部品保持ミス判断ルーチンお
よびノズル使用可否判定ルーチンをST6で、装着作業
選択ルーチンをST12で行うようにしているが、これ
は、先に述べたように便宜的なものである。例えば、部
品保持ミス判断ルーチンのうち、第1部品認識データに
関する判定を、第1部品撮像ステーションST2で行
い、第2部品認識データに関する判定を、第2部品撮像
ステーションST5で行うといったように、実行される
ステーションを変更することもでき、また、そのルーチ
ンプログラムを分割して行うことも可能なのである。
【0101】また、上記実施形態では、説明を単純化す
るために、設定保持動作回数NS,NL、許容限界ミス率
S0,RL0を単純な値としている。これらの値は設定に
よって、コンピュータによるの端数処理が必要となる場
合がある。つまり、例えば、ミス率増減値rS,rLの加
減の繰り返しによって、ミス率RS(h,n),RL(h,n)の値
が0に戻らない等といったことが生じ得る。そのような
ことを想定して、端数処理を行うサブルーチンを設けて
もよい。
【0102】また、上記実施形態では、システムの立ち
上げ当初の期間、保持動作回数カウンタC(h,n)のリセ
ットに続く期間等において、部品保持動作の回数が設定
保持動作回数NS,NLに満たないうちであっても、ミス
率RS(h,n),RL(h,n)が算出される。このミス率は、設
定保持動作回数に満たない回数の保持動作を部品保持ミ
スを伴わない保持動作を行ったと仮想したミス率とな
る。この仮想保持動作という概念を含むミス率の算出
は、上記期間における吸着ノズル162の現時点の状態
を正確に把握するのに好都合である。つまり、本発明に
おけるミス率は、上記期間にある場合において、そのよ
うに算出されるミス率を含む概念なのである。
【0103】本発明が具現化された部品保持具使用可否
判定方法は、前述のように、各種工程を含んで構成され
る。それら各種工程を、上記実施形態に当て嵌めれば、
例えば、部品保持ミス判断工程は、部品保持ミス判断ル
ーチンが実行される工程を含む工程に相当する。同様
に、ミス率更新工程は、S23,S25,S34,S3
6が実行される工程を含む工程に、保持動作計数工程
は、ノズル使用可否判定ルーチンのS12が実行される
工程を含む工程に、ミス保持動作記憶工程は、S37が
実行される工程を含む工程に、該当ミス保持動作確認工
程は、S21,S31が実行される工程を含む工程に、
ミス保持動作消去工程は、S32が実行される工程を含
む工程に、それぞれ相当する。そして、それらミス率更
新工程、保持動作計数工程、ミス保持動作記憶工程、ミ
ス保持動作消去工程を含んでミス率算出工程が構成され
る。また、使用不可保持具判定工程は、S26,S39
が実行される工程を含む工程に相当する。
【0104】また、本発明が具現化された前述の回路部
品装着システムの制御装置を構成する各部については、
上記実施形態に当て嵌めれば、例えば、部品保持ミス判
断部は、システム制御装置400の部品保持ミス判断ル
ーチンが実行される部分を含む部分に、ミス率算出部
は、S21ないしS25,S31ないしS38を実行す
る部分を含む部分に、使用不可保持具判定部は、S2
6,S39が実行される部分を含む部分に、それぞれ相
当する。さらに、使用不可保持具存在時制御部は、シス
テム制御装置400の装着作業モード選択ルーチンを実
行する部分を含む部分に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】回路部品装着システムを正面斜めから見た全体
斜視図である。
【図2】回路部品装着システムを背面斜めから見た全体
斜視図である。
【図3】回路部品装着システムの構成要素である配線板
保持装置とそれを移動させる配線板保持装置移動装置を
示す斜視図である。
【図4】回路部品装着システムの構成要素である装着ユ
ニットとそれを構成する部品保持ヘッドの斜視図であ
る。
【図5】装着ユニットの各ステーションを示す概念図で
あって、その各ステーションに関係する各種装置の配設
位置を示す平面図を兼ねる図である。
【図6】装着ユニットおよびその装着ユニットを駆動さ
せる装着ユニット駆動装置の断面図である。
【図7】回路部品装着システムの制御装置であるシステ
ム制御装置のブロック図である。
【図8】システム制御装置のRAMに割当てられた吸着
ノズル使用可否判定関連データ記憶領域の一部分を示す
図である。
【図9】システム制御装置のRAMに割当てられた吸着
ノズル使用可否判定関連データ記憶領域の一部分を示す
図である。
【図10】システム制御装置のRAMに割当てられた吸
着ノズル使用可否判定関連データ記憶領域の一部分を示
す図である。
【図11】システム制御装置のRAMに割当てられた吸
着ノズル使用可否判定関連データ記憶領域の一部分を示
す図である。
【図12】部品保持ミス判断ルーチンのフローチャート
である。
【図13】ノズル使用可否判断ルーチンのフローチャー
トである。
【図14】ノズル使用可否判断ルーチンにおいて実行さ
れる短期ミス率算出・判定サブルーチンのフローチャー
トである。
【図15】ノズル使用可否判断ルーチンにおいて実行さ
れる長期ミス率算出・判定サブルーチンのフローチャー
トである。
【図16】装着作業モード選択ルーチンのフローチャー
トである。
【符号の説明】
20:システム本体 40:プリント配線板保持装置
44:プリント配線板 140:回路部品装着装置 150:装着ユニット 1
60:部品保持ヘッド 162:吸着ノズル 254:ノズルホルダ 280:
第1部品撮像装置 282:第2部品撮像装置 30
8,310:画像処理ユニット 332:ノズル選択回
転装置 400:システム制御装置 (h):ヘッドNo.(h,n):ノズルNo.
S:短期設定保持動作回数 NL:長期設定保持動作回
数 RS0:短期許容限界ミス率 RL0:長期許容限界ミ
ス率 rS:短期ミス率増減値 rL:長期ミス率増減値
FM(h):ミス保持動作フラグ C(h,n):保持動作回
数カウンタ RS(h,n):短期ミス率 RL (h,n):長期ミ
ス率 FN(h,n):ノズル使用可否フラグ A(h,n),m
ミス保持動作カウンタ値 B(h,n),m:ミス種別値

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部品保持部による電子回路部品の保持動
    作と載置動作とを繰り返して行う電子回路部品装着作業
    に付随して実施され、前記部品保持具の使用の可否を判
    定する部品保持具使用可否判定方法であって、 前記部品保持具が保持動作を行った場合に、その保持動
    作が部品保持ミスを伴うものであるか否かを判断する部
    品保持ミス判断工程と、 今回の保持動作を終回としその保持動作から設定保持動
    作回数だけ遡った保持動作を初回とする期間における前
    記部品保持具の部品保持ミス率である現時点ミス率を算
    出するミス率算出工程と、 その算出された現時点ミス率が設定された許容限界ミス
    率を超えた場合に、前記部品保持具を使用不可保持具と
    判定する使用不可保持具判定工程とを含むことを特徴と
    する部品保持具使用可否判定方法。
  2. 【請求項2】 前記ミス率算出工程が、前回の保持動作
    を終回としその保持動作から前記設定保持動作回数だけ
    遡った保持動作を初回とする期間における前記部品保持
    具の部品保持ミス率である前回時点ミス率を、その期間
    の初回となる保持動作が部品保持ミスを伴うものである
    場合に減少させ、部品保持ミスを伴わない場合には減少
    させず、かつ、今回の保持動作が部品保持ミスを伴うも
    のである場合に増加させ、部品保持ミスを伴わない場合
    に増加させない処理を行って、現時点ミス率を取得する
    ミス率更新工程を含む請求項1に記載の部品保持具使用
    可否判定方法。
  3. 【請求項3】 前記ミス率算出工程が、前記設定保持動
    作回数の異なる複数の期間のそれぞれにおける複数の現
    時点ミス率を算出するものであり、前記使用不可保持具
    判定工程が、それら複数の現時点ミス率のいずれかが、
    それら複数の現時点ミス率に対応して設定された許容限
    界ミス率を超えた場合に、前記部品保持具を使用不可保
    持具と判定するものである請求項1または請求項2に記
    載の部品保持具使用可否判定方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008283081A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 設備状態監視方法
JP2009170531A (ja) * 2008-01-11 2009-07-30 Yamaha Motor Co Ltd 部品実装装置
JP2017069295A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 日本電気株式会社 部品実装装置、部品実装方法及びプログラム

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