JP6004546B2 - 米飯撹拌装置および米飯撹拌方法 - Google Patents

米飯撹拌装置および米飯撹拌方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、米飯に酢を加えて撹拌する「酢合わせ装置」として使用することができる米飯撹拌装置および米飯撹拌方法に関するものである。
寿司に使用する「しゃり」といわれる酢飯を大量かつ効率的に製造するために「酢合わせ装置」が用いられる。「酢合わせ装置」は、米飯に酢を加えて撹拌する米飯撹拌装置の一つである。本発明に係る米飯撹拌装置は、「酢合わせ装置」に限定されるものではなく、米飯を単独で、あるいは米飯に他の食品や調味料を加えて撹拌する装置として使用可能であるが、本明細書においては、「酢合わせ装置」として使用されることを想定して説明する。また、本明細書中において「酢」とは、酢のみの場合はもちろん、例えば、酢と砂糖、さらには酢と砂糖と塩を混ぜ合わせたいわゆる「合わせ酢」も含む。本発明に係る米飯撹拌装置の用途は、米飯のみを撹拌する場合、上記のいわゆる「合わせ酢」とともに米飯を撹拌する場合、具材とともに米飯を撹拌して「混ぜご飯」を製造する場合など、各種考えられ、特定の用途に限定されるものではない。
米飯撹拌装置の従来例として、回転ドラムの左右両側壁を管状の回転軸で貫通させて一体に結合し、回転ドラムには米飯の投入排出用開口を設けるとともにこの開口を開閉する蓋を設け、上記回転軸の一方から回転ドラム内に送風し、回転軸の他方から排気するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
米飯撹拌装置の別の従来例として、一対の中空回転軸とともに回転可能に支持された下米飯ドラムとこの下米飯ドラムに被せる上米飯ドラムとによって米飯ドラムを構成し、上記中空回転軸の一方から米飯ドラム内に送風し、中空回転軸の他方から排気するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1記載の発明における「回転軸」は、特許文献2記載の発明における「中空回転軸」に相当する。また、両者はともに酢の供給装置を備えている。特許文献1および特許文献2に記載されている米飯撹拌装置の構成、動作ないしは使用方法はほぼ同じで、回転ドラムを一方向に回転させながら米飯を撹拌し、回転ドラム内には、回転ドラムの回転に伴って持ち上げられ落下する米飯をほぐす役目をする複数本の撹拌棒あるいはしゃり切り棒が設けられている。
特許文献1および特許文献2記載の米飯撹拌装置を含む従来の米飯撹拌装置は、一般的に以下のように構成されている。
米飯を収納して撹拌する回転ドラムは、米飯がこぼれないように、開口を開閉蓋で閉じ、あるいは下側ドラムに上側ドラムを被せる構造になっている。
回転ドラムは、装置本体に組み付けられ、あるいは結合金具によって回転駆動機構に結合される構造になっている。
撹拌棒は、結合部材、例えばねじを用いて回転ドラムまたは上側ドラムに取り付けられ、一般に複雑な取り付け構造になっている。
回転ドラムは、ステンレス鋼などからなるボール形または鍋形の部材を主体として構成され、その表面に米飯が付着しにくいフッ素樹脂をコーティングしている。回転ドラムには、回転ドラムを装置本体に組み付け、あるいは回転駆動機構に結合するための金属部品が溶接などによって固着されている。回転ドラムと開閉蓋との結合部あるいは上下のドラムの結合部には、これらの結合部の隙間から酢などが漏れないようにパッキンが介在している。
米飯撹拌作業の終了後、回転ドラムの内外および周辺部分を洗浄する必要があり、回転ドラムが装置に組み付けられているものは、開口部が下向きになるように回転ドラムを回転させ、その状態で洗浄する。回転ドラムが締結金具によって回転駆動機構に結合される構造のものは、回転駆動機構から回転ドラムを取り外し、さらには撹拌棒を取り外して、これらの回転ドラムや撹拌棒を洗浄する。
特許文献1:特開平10−201437号公報
特許文献2:特開2003−38109号公報
従来の米飯撹拌装置には、以下のような技術的な課題がある。
回転ドラムは、開口を開閉蓋で閉じ、あるいは下側ドラムに上側ドラムを被せる構造であるため、米飯の水分を飛ばすための送風、排風経路を回転軸内に設ける必要があり、構造が複雑化する。
回転ドラムが装置本体に組み付けられているものは洗浄が面倒であり、回転ドラムが結合部材によって回転駆動機構に結合される構造のものにおいては、結合部材の操作やねじの弛緩、締め付けなどの操作が必要で、着脱作業が面倒であるとともに、ねじなどを紛失しやすい難点がある。
本発明は、構造を簡略化することができ、また、ドラムの着脱時、ドラムの洗浄時などにおけるドラムの取り扱いを容易にした米飯撹拌装置および米飯撹拌方法を提供することを目的とする。
本発明に係る米飯撹拌装置は、
回転中心となる軸部および米飯を投入排出するために軸方向に設けられた開口を備えたドラムと、
前記ドラムの軸部を回転可能に受け入れるドラム受け部と、
前記ドラムを回転させるための駆動源と、
前記ドラム受け部に設けられていて前記駆動源からの駆動力を前記ドラムに伝達して前記ドラムを一定の角度範囲で前後に往復回転させるドラム駆動部材と、
前記ドラムの開口から前記ドラム内に空気を送り込むための空気吹き出し口と、
を有することを最も主要な特徴としている。
本発明に係る米飯撹拌方法は、
米飯を投入排出するために軸方向に設けられた開口を備えたドラムを回転可能に支持し、駆動源により前記ドラムを前後に往復回転させることにより前記ドラム内の米飯を撹拌する米飯撹拌方法であって、
前記ドラムの往復回転による撹拌工程が、
前記ドラムを最大回転角度よりも小さい角度範囲で前後に往復回転させる第1撹拌工程と、
前記第1撹拌工程に続き前記ドラムを前後の最大回転角度まで前後に往復回転させる第2撹拌工程と、を含み、
前記第2撹拌工程に続き前記ドラムを前記開口が空気吹き出し口に対向する位置まで回転させて停止させ、前記空気吹き出し口からドラム内に空気を吹き込む送風工程を有することを特徴としている。
ドラムは、一定の角度範囲で前後に往復回転できるものであればよいため、米飯を投入排出するための開口を密閉する必要がなく、構造を簡略化することができ、装置本体への着脱やドラムの洗浄などの取り扱いが容易になる。
本発明に係る米飯撹拌装置の実施例を示す斜視図である。 上記実施例において米飯撹拌装置用ドラムから撹拌部材を取り外した状態を示す斜視図である。 上記実施例において通常の撹拌動作時に上記ドラムが後方の限界位置まで回転した状態を示す斜視図である。 上記実施例において通常の撹拌動作時に上記ドラムが前方の限界位置まで回転した状態を示す斜視図である。 上記実施例において上記ドラムを取り外した状態を示す斜視図である。 上記実施例において上記ドラムを取り外した状態を別の角度から示す斜視図である。 本発明に係る米飯撹拌装置用ドラムの実施例を示す左側面図である。 上記ドラムの斜視図である。 上記ドラムを異なる方向から見た斜視図である。 上記ドラムをさらに異なる方向から見た斜視図である。 本発明に用いることができる撹拌部材の例を示す正面図である。 本発明に用いることができる撹拌部材の別の例を示す正面図である。 上記ドラムの正面断面図である。 上記ドラムのストッパ部分の一動作態様を拡大したもので、(a)はドラムの外側から見た斜視図、(b)はドラムの内側から見た斜視図である。 上記ドラムのストッパ部分の一動作態様を拡大したもので、(a)はドラムの左側の縦断面図、(b)はドラムの右側の縦断面図である。 上記ドラムのストッパ部分の別の動作態様を拡大したもので、(a)はドラムの外側から見た斜視図、(b)はドラムの内側から見た斜視図である。 上記ドラムのストッパ部分の別の動作態様を拡大したもので、(a)はドラムの左側の縦断面図、(b)はドラムの右側の縦断面図である。 本発明に係る米飯撹拌装置の初回撹拌工程から撹拌工程にかけての上記ドラムの回転動作例を示すタイミングチャートである。 上記米飯撹拌装置の上記撹拌工程から撹拌、送風工程にかけての上記ドラムの回転動作例を示すタイミングチャートである。
以下、本発明に係る米飯撹拌装置および米飯撹拌方法の実施例について図面を参照しながら説明する。
本発明に係る米飯撹拌装置の実施例は、図1乃至図6に示すように、装置本体1と、装置本体1に装着されて回転する米飯撹拌装置用ドラム(以下、単に「ドラム」という)5を有してなる。装置本体1は、金属などからなる複数本のパイプ15を適宜折り曲げかつ連結することによって骨格が作られている。この骨格の上にハウジング17が載せられ、骨格とハウジング17が結合されている。
ハウジング17内にドラム5を揺動させるための駆動源として例えばモータが組み込まれている。このモータの回転力を後述のドラム駆動部材30に伝達する適宜の動力伝達機構がハウジング17内に組み込まれている。ハウジング17内にはまた送風装置が組み込まれ、ドラム装着側に向かって空気を吹き出す空気吹き出し口25が設けられている。装置本体1は、底部に複数のキャスタ16が取り付けられていることによって任意の位置に移動させることができる。
図5、図6に示すように、装置本体1のハウジング17は、ドラム5の左右の端部をそれぞれ回転可能に受け入れる左右のドラム受け部10,11と、前記駆動源を備えている。ハウジング17はまた、上記駆動源からの駆動力をドラム5に伝達してドラム5を揺動させるためのドラム駆動部材30を備えている。
ドラム受け部10,11は、ドラム5の左右両端部に設けられている軸部をガイドしながら受け入れるガイド構造20,21になっている。より具体的には、ハウジング17の左右両端部から前方斜め下方に向かって一対のドラム支持アーム101,102が延び出ている。これらのドラム支持アーム101,102の先端部の相対向する内面側にガイド構造20,21が設けられている。
ガイド構造20,21は、ドラム支持アーム101,102の対向面に形成されたV字状のガイド溝22,23によって構成されている。したがって、ガイド溝22,23は上方に至るにしたがって幅が大きくなり、上端が開放している。
装置本体1は、ガイド構造20,21を備えることにより、これらのガイド構造20,21にドラム5の両端の軸部を落とし込むことを許容する。ガイド溝22,23の底面は半円弧状に形成されている。上記のようにガイド構造20,21に落とし込まれたドラム5の両端の軸部が、ガイド溝22,23の上記半円弧状の底面で支持されるようになっている。
左右一対のガイド溝22,23のうち、装置本体1の正面に向かって右側のガイド溝22にはドラム駆動部材30が突出している。ドラム駆動部材30は、直方体状の突形に形成され、前記駆動源により動力伝達機構を介して回転駆動される。ドラム駆動部材30の回転中心軸は、ガイド溝22の半円弧状底面の円弧中心と共通である。図5に示すドラム駆動部材30の回転位置は、ドラム5を着脱するための基本位置にあり、この基本位置では、ドラム駆動部材30の長手方向が、V字状のガイド溝22を前後に二等分する線に沿っている。
図1乃至図4、図7乃至図10に示すように、ドラム5は米飯を収納することができる筒状の部材であって、樹脂を一体成形することによって製作されている。ドラム5は、米飯を投入排出するための開口52と、装置本体1のドラム受け部10,11に嵌る軸部60,61を備えている。軸部60,61は上記ガイド溝22,23の半円弧状底面とほぼ同じ外径の円柱形状に形成されている。上記ガイド溝22,23の半円弧状底面を軸受として上記軸部60,61が支持されることにより、ドラム5がその中心軸線の周りに回転可能に支持されている。
ドラム5の軸部60,61のうち向かって右側の軸部60には、外周面から半径方向に切り込まれて溝62が形成されている。装置本体1のドラム受け部10,11にドラム5の軸部60,61を落とし込むことにより、装置本体1側のドラム駆動部材30に上記溝62が嵌り、ドラム駆動部材30とドラム5の軸部60が結合されるように構成されている。
上記のようにドラム駆動部材30とドラム5の軸部60が結合されている状態で前記駆動源が起動されると、ドラム駆動部材30により駆動力がドラム5に伝達され、ドラム5は一定の角度範囲で前後方向に往復回転(揺動)する。装置本体1のハウジング17の上面には操作パネルが設けられている。操作パネルに設けられている操作部材を操作することにより、以下のような所望の動作を行わせることができる。
一定周期でドラム5を往復回転させる動作。
後方への限界位置まで回転させて停止させる動作。
前方への限界位置まで回転させて停止させる動作。
ドラム内に空気を吹き込む動作。
基本位置で停止させる動作など。
図1、図2、図9、図13などに示すように、ドラム5は、底部に中心軸線方向の凸条55を有している。凸条55は、開口52とは反対側の底部に、外周側から内方に向かって横断面逆V字状の溝56(図3、図7、図10などを参照)を一体に形成することにより、ドラム5の内面側に膨出した形で横断面山形に形成されている。凸条55は、ドラム5が前後方向に一定角度回転するたびに、収納されている米飯を持ち上げることができ、また、凸条55に沿って米飯を滑落させることができる。
上記凸条55はドラム5の底部内面を前後に区分する前後の傾斜面からなっている。ドラム5が一方向に回転すると、一方の上記傾斜面がドラム5の内部の米飯を持ち上げる。ドラム5の上記回転によって凸条55が一定の傾斜角度以上になると上記傾斜面を米飯が滑落し、上記凸条55で区分される反対側の空間の底部に落下するように構成されている。ドラム5が逆向きに回転すると、上記反対側の傾斜面がドラム5の内部の米飯を持ち上げ、一定の傾斜角度以上になると上記傾斜面を米飯が滑落し、上記凸条55で区分される反対側の空間の底部に落下する。
この動作が繰り返し行われることにより米飯がほぐされ、米飯に含まれる水分の蒸発が促進される。この動作により、酢飯を製造する場合は、酢が米飯に均等に混合される。仮に、凸条55がないとすれば、ドラム5の回転に伴い米飯がドラム5の底面を滑るだけで、撹拌効率が悪い。凸条55は、樹脂製ドラム5の強度および剛性の強化にも寄与している。
ドラム5はほぼ円筒形状をしていて、中心軸線方向両端部の周壁は、中心軸線方向両端から中心軸線方向中間部に向かい連続的に径が大きくなる円錐面521,522になっている。ドラム5の内面の上記円錐面521,522に対応する部分には米飯が溜まりにくく、ドラム5の回転に伴い、米飯は円錐面521,522に挟まれている円筒形状の部分に寄せられる。円錐面521,522は、樹脂製ドラム5の強度および剛性の強化に寄与している。
装置本体1にドラム5を装着した状態におけるドラム5の開口52の奥側(後ろ側)の縁部には、ドラム5の底部をなす周壁から半径方向内側に向かって折り返し部57が形成されている。折り返し部57は、ドラム5の開口52が奥方に位置するように回転したとき、ドラム5に収納した米飯が開口52からこぼれ落ちることを阻止するために設けられている。
装置本体1にドラム5を装着した状態におけるドラム5の開口52の前側の縁部には、米飯の排出を容易にするために、ドラム5の軸方向両端部から中間部に向かって開口52を広げる抉り部58が形成されている。米飯を排出するためには、ドラム5を、図4に示す回転位置よりもさらに前方に回転させ、その開口52が斜め下を向くまで、大きく回転させる。この状態で、開口52から米飯を排出することができ、さらに、上記抉り部58を設けたことによって米飯の排出がさらに容易になる。また、この状態で、ドラム5の内部を洗浄するのも容易であり、洗浄水の排出も容易である。
本実施例においては、ドラム5は回転成形によって製造されている。回転成形とは、比較的高い流動性を持たせた樹脂、例えばポリプロピレン(PP)を金型に注入し、回転させながら上記樹脂材料を金型の内底部に付着させて成形する手法である。ドラム5の外周面は金型の成形面で滑らかに成形されるが、ドラム5の内面には金型の成形面は接触しないから、ドラム5の内面は滑らかな面にはならず、細かな起伏ないしは凹凸のある、ざらついた感触の面になる。したがって、ドラム5の内面とドラム5内に収納されている米飯との接触面積が小さくなり、米飯がドラム5内に付着しにくいという利点がある。従来の米飯撹拌装置用ドラムのように、フッ素樹脂などでコーティングする必要はない。
回転成形によって製作されるドラム5は、ドラム5を構成する面と面とのつなぎ部分の厚さが上記各面の部分よりも厚くなる。図示の実施例では、円筒状周壁面と円錐面521,522とのつなぎ部分、円錐面521,522と左右両端の側壁面とのつなぎ部分などの厚さが上記各面の厚さよりも厚くなる。もって、ドラム5の強度あるいは剛性が高まる利点がある。
ドラム5の上記開口52の周縁には、他の部分よりも厚みの大きいリブ523が形成され、開口52がリブ523で囲まれている。ドラム5の開口52を形成することによりドラム5の強度および剛性が低下するが、上記リブ523を形成することにより、ドラム5の強度および剛性の低下を補うことができる。このように、ドラム5を回転成形によって製作したことと相まって、開口52の周囲をリブ523で囲んだことにより、ドラムを樹脂の一体成形で製作しても、所定の強度および剛性を確保することができる。
前記抉り部58に炊飯釜を乗せ、炊きあがった米飯を炊飯釜からドラム5に移すことができる。そのため、ドラム5の強度、特に抉り部58を含む開口52の周縁部の強度および耐熱性が確保されている必要がある。本実施例によれば、開口52がリブ523で囲まれていることにより、ドラム5全体および開口52の周縁部の強度と耐熱性を確保することができる。ドラム5全体および開口52の周縁部の強度を確保することができれば、必ずしも開口52の周縁部全周にわたって上記リブ523を形成する必要はない。
ドラム5内には、ドラム5の回転駆動により米飯が持ち上げられて落下するとき米飯が潜ることにより米飯の撹拌を促進する撹拌部材70が取り付けられている。撹拌部材70は、図11に示すように格子状に形成されている。撹拌部材70は、複数の金属などの棒材を格子状に配置して互いに固着することによって形成されている。撹拌部材70は、両端部の上記棒材を折り曲げあるいは延長することにより、左右方向両端部の上下に、支持部71,72,73,74が形成されている。撹拌部材70は、支持部71,72,73,74をドラム5の内部のガイド溝に嵌めることによりドラム5内に装着される。
撹拌部材70は、ドラム5の左右の内面に形成されているガイド溝に落とし込まれることによりドラム5内に装着される。図1、図2に示すように、ドラム5の内面には、撹拌部材取り付け部としてのガイド溝66,68がある。撹拌部材70は、図1、図2において左側の支持部72,74をガイド溝66,68に落とし込むことによってドラム5に取り付けられる。樹脂の一体成形によりドラム5を形成するとき、ドラム5の側壁を内方に向けて一対の膨出部を平行に形成し、これらの膨出部間にガイド溝66,68を形成する。図8に示すように、撹拌部材70の右側の支持部71,73を落とし込むためのガイド溝65,67がドラム5の右側の内面に形成されている。上記ガイド溝65,67も、撹拌部材70を取り付けることができる撹拌部材取り付け部となっている。
ドラム5の左右に、上下に対をなして形成されているガイド溝65,67およびガイド溝66,68は、ドラム5の中心軸線を通る半径方向の線に沿って形成されている。また、上記各ガイド溝は上端が開放していて、上端側から撹拌部材70の上記各支持部を落とし込むことができる。したがって、撹拌部材70の各支持部71,72,73,74を各ガイド溝65,66,67,68に落とし込むと、撹拌部材70は、ドラム5の回転中心軸線に沿い、ドラム5の内部空間を前後に区切る位置に装着される。撹拌部材70は、前記凸条55の上方において、凸条55に沿って装着される。撹拌部材70を構成する複数の縦方向部材の下端と凸条55との間には、米飯が潜り抜けることができる適宜の隙間G(図13参照)が確保される。
図1に示すように、ドラム5は、その開口52が真上よりも前側に向くように回転している位置を基本位置とする。この基本位置において装置本体1に対するドラム5の着脱、撹拌部材70の着脱、ドラム5への米飯の投入などの操作が行われる。上記基本位置では、前述のように装置本体側のドラム駆動部材30も基本位置にあって、ドラム5の軸部60の溝62とドラム駆動部材30との結合および結合解除が可能になっている。また、上記基本位置で、撹拌部材70が前記各支持部をドラム5の前記各ガイド溝に落とし込まれて装着され、あるいは取り外されるようになっている。
撹拌部材70の各支持部をドラム5の各ガイド溝に落とし込んだだけでは、米飯の撹拌動作時に撹拌部材70が脱落する恐れがある。そこで、ドラム5に、撹拌部材70の左右方向両端部上下の支持部のうち、上側の支持部71,72をガイド溝65,66に閉じ込めるストッパ80,90が設けられている。ストッパ80,90は、撹拌部材70の支持部71,72をガイド溝65,66に閉じ込める態様と閉じ込めを解除する態様をとることができるように、ドラム5に手動でスライド可能に取り付けられている。
図13乃至図17は、ストッパ80,90とその取り付け構造およびその動作を示している。図15(b)、図17(b)に示すように、前記ガイド溝65形成部分においてドラム5の側壁が内方に押し込まれた形で凹陥部502が形成されている。凹陥部502の下部はさらに深い凹陥部503になっている。凹陥部502には、この凹陥部502を上下に二分するガイド壁504が形成されている。このガイド壁504と上記凹陥部503の底面501との間に、これらガイド壁504と底面501とをガイドとしてスライド可能にストッパ80が嵌められている。
図14及び図15(b)は撹拌部材70の支持部71のガイド溝65への閉じ込めを解除した状態を示している。この状態では、ストッパ80の外側部がドラム5の側壁面から外側に突出している。ストッパ80の外側部の左右は、図14(a)に示すように屋根型の傾斜面81になっている。ドラム5の回転に伴い上記傾斜面81が移動し、上記傾斜面81に別の部材が当たると、傾斜面81に働く分力でストッパ80がドラム5の内方に向かって押されるようになっている。
ストッパ80には上下方向の中間部においてピン82が一体に形成されている。ピン82は、前記凹陥部502を形成するドラム5の側壁に形成されている孔505の位置にある。図15(b)に示すストッパ80の態様では孔505内にピン82が留まっている。ストッパ80は、ドラム5の内方に向かって押されると、前記ガイド壁504と上記凹陥部503の底面501とにガイドされて移動する。このストッパ80の移動により、図17(b)に示すようにピン82が上記孔505から撹拌部材70の支持部71の上方に進出し、支持部71をガイド溝61に閉じ込める。
もう一方のストッパ90とその取り付け構造およびその動作も、ストッパ80と同様である。図15(a)、図17(a)に示すように、前記ガイド溝66の形成部分においてドラム5の側壁に凹陥部512が形成され、凹陥部512の下部はさらに深い凹陥部513になっている。凹陥部512には、凹陥部512を上下に二分するガイド壁514が形成されている。ガイド壁514と上記凹陥部513の底面511との間に、これらガイド壁514と底面511とをガイドとしてスライド可能にストッパ90が嵌められている。
図15(a)は撹拌部材70の支持部72のガイド溝66への閉じ込めを解除した状態を示しており、ストッパ90の外側部がドラム5の側壁面から外側に突出している。ストッパ90の外側部は、左右が屋根型の傾斜面91になっている。ドラム5の回転に伴い上記傾斜面91が移動し、上記傾斜面91に別の部材が当たると、傾斜面91に働く分力でストッパ90がドラム5の内方に向かって押されるようになっている。
ストッパ90には上下方向の中間部においてピン92が一体に形成されている。ピン92は、前記凹陥部512を形成するドラム5の側壁に形成されている孔515の位置にあり、図15(a)に示すストッパ90の態様では孔515内にピン92が留まっている。ストッパ90は、ドラム5の内方に向かって押されると、前記ガイド壁514と上記凹陥部513の底面511とにガイドされて移動する。このストッパ90の移動により、図17(a)に示すようにピン92が上記孔515から撹拌部材70の支持部72の上方に進出し、上記支持部72をガイド溝66に閉じ込める。
ストッパ80,90は手動でスライドさせて撹拌部材70の支持部71,72のガイド溝65,66への閉じ込めおよび閉じ込めの解除を行うことができる。ストッパ80,90の手動によるスライド移動は、ドラム5が前述の基本回転位置にあるときに行うことができるようになっている。上記基本回転位置では、図1、図2などに示すように、前記ガイド構造20,21を構成するガイド溝22,23の開放上端部にストッパ80,90が位置している。したがって、ガイド溝22,23の開放上端部から指を挿入してストッパ80,90を押す。あるいはドラム5の外方から引き出すことによりストッパ80,90をスライドさせる。これにより、撹拌部材70の支持部71,72の閉じ込めを解除することができる。
仮に、ドラム5内に撹拌部材70を装着した後、ストッパ80,90による閉じ込めを忘れたとしても、ドラム5の回転駆動が開始されるとすぐに閉じ込めが行われる。すなわち、上記基本回転位置からドラム5の回転駆動が開始されると、ストッパ80,90の位置がガイド溝22,23の開放上端部への対応位置から前又は後ろにずれる。このストッパ80,90の位置がずれることにより、ストッパ80,90の外側部の傾斜面81,91が、装置本体1の前記ドラム支持アーム101,102の、ドラム5の側面との対向面に当たる。ストッパ80,90は上記傾斜面81,91に生じる分力でドラム5の内方に向かってスライドし、図17(a)(b)に示すように、撹拌部材70の閉じ込め態様をとる。
ドラム5には炊きたての米飯が収納され、寿司飯を製造する場合は酢が投入されて上記米飯と酢が混ぜ合わせられながら撹拌される。したがって、ドラム5内は高温になり蒸気が充満する。そこで、図3に示すように、ドラム5が後方に回転し、開口52が装置本体1の空気吹き出し口25に対向した状態でドラム5の回転が停止するようになっている。この状態で、空気吹き出し口25から空気が吹き出し、空気がドラム5内に送り込まれる。ドラム5内の空気は順次新鮮な空気に置き換えられ、ドラム内が冷却されるとともに湿度が低下する。ドラム5の回転と空気吹き出し口25からの空気吹き出し動作との関係は後で説明する。
ドラム5の両端の軸部60,61のうち、左側の軸部61と、この軸61を回転可能に支持するドラム受け部11には、位置ずれ検出器が組み込まれている。位置ずれ検出器は、装置本体1の所定位置にドラム5が正しく装着されているか否かを検出する。位置ずれ検出器は、例えば、上記軸部61の外周面に沿って鉄などの磁性体からなる帯状の部材を埋め込み、ドラム受け部11には上記磁性体を検出する金属検出器を取り付けることによって構成することができる。ドラム5が正しく装着されていれば上記金属検出器から所定の検出信号を出力するので、一連の米飯撹拌動作を進めることができる。
ドラム5の軸部61がドラム受け部11に正しく装着されていなければ、上記金属検出器の出力信号が途絶えるあるいは大きく変動する。あるいはドラム5の軸部61とドラム受け部11との間に異物などが侵入して軸部61がドラム受け部11から浮き上がったりすると、上記金属検出器の出力信号が途絶えるあるいは大きく変動する。金属検出器の出力信号が途絶えるあるいは大きく変動すると、ドラム5は回転駆動されず、ドラム5の駆動中であれば、ドラム5の駆動は停止させられる。ドラム5は、停止中、手動で回転させることができ、手動でドラム5を回転させながら上記異物を除去することができる。
次に、以上説明した米飯撹拌装置の実施例による米飯撹拌方法を、操作手順などとともに、図18、図19を併せて参照しながら説明する。装置本体1にドラム5を装着するには、適宜の操作ボタンあるいはスイッチを操作して、図5に示すようにドラム駆動部材30を基本の回転位置にする。次に、ドラム5の左右方向を所定の方向にし、その軸部60をガイド構造20のガイド溝22から、軸部61をガイド構造21のガイド溝23から落とし込む。上記軸部60,61はドラム受け部10,11の半円弧状の底面で受けられて、ドラム駆動部材30に軸部60の溝62が嵌り、ドラム5とドラム駆動部材30が結合される。図2はこの状態を示している。
ドラム5が正しく装着されていないときは前記金属検出器が異常を検出するので、この検出信号が正常な信号になるようにドラム5を装着しなおす。ドラム駆動部材30が基本の回転位置になければ、ドラム駆動部材30に上記軸部60の溝が嵌ることができないからドラム5を装着することができない。また、ドラム駆動部材30に上記軸部60の溝が嵌った状態で上記基本の回転位置になければ、ドラム5を取り外すこともできない。さらに、ドラム5を装着していない場合は、前記金属検出器から検出信号が出力されないから、ドラム駆動部材30が回転駆動されることなく上記基本の回転位置にある。ドラム駆動部材30を基本の回転位置に戻す操作は不要である。
次に、図1に示すように、ドラム5内に撹拌部材70を装着する。撹拌部材70の装着位置は既に説明した通りで、撹拌部材70の支持部71,72,73,74をそれぞれガイド溝65,66,67,68に落とし込む。このとき、ストッパ80,90がドラム5の外方に向かってスライドしていて、ストッパ80,90のピン82,92(図15参照)が、上記支持部71,72の落とし込み通路から退避している必要がある。上記ピン82,92が上記落とし込み通路に進出しているときは、手動操作でストッパ80,90をドラム5の外方に向かってスライドさせる。あるいは、上記ピン82,92の先端部上面が傾斜面になっているので、撹拌部材70を強く押し込み、支持部71,72をピン82,92の上記傾斜面に押し付け、これらの傾斜面に生じる分力でストッパ80,90を後退させてもよい。
上記のようにして撹拌部材70をドラム5の所定位置に落とし込んだ後、ストッパ80,90を手動操作でドラム5の内方に向かってスライドさせる。ストッパ80,90のピン82,92が撹拌部材70の支持部71,72の直近上方に進出し、支持部71,72をガイド溝65,66に閉じ込め、撹拌部材70の脱落を防止する。仮に、支持部71,72をガイド溝65,66に閉じ込める操作を忘れたとしても、既に述べたとおり、ドラム5が回転駆動されることにより直ちにストッパ80,90がスライドして、撹拌部材70の脱落を防止する。
図1は、ドラム5の基本回転位置において、上記のようにして撹拌部材70が装着された状態を示している。この基本回転位置において、撹拌すべき米飯をドラム5に開口52から投入し、酢飯を製造する場合はさらに酢を投入する。次に、スタートボタンなどを操作することによってドラム5の回転駆動を開始する。ドラム5の回転駆動は、図示されない駆動源から動力伝達機構を介してドラム駆動部材30が回転駆動され、この回転力がドラム5の溝62に伝達されることによって行われる。ドラム5の回転駆動は、ドラム5の回転中心軸線の周りに、前記開口52が前後に往復回転するように行われる。このドラム5の前後方向への往復回転角度は、適宜の回転角度検出器の検出信号に基づいて制御される。あるいは、駆動源をステッピングモータとし、このモータの駆動ステップ数を予め設定しておくことによってドラム5の前後方向への往復回転角度を制御するようにしてもよい。
ドラム5が一方向に回転駆動されているとき、ドラム5の開口52とは反対側の底部に設けられている凸条55の片側の面でドラム5内の米飯が持ち上げられる。ドラム5の回転角度がある角度以上になると、凸条55の片側の面の先端縁が下向きになり、凸条55の片側の面で持ち上げられた米飯が上記面に沿って滑落し、ドラム5の内底面に向かって落下する。米飯が落下するとき、略水平又は水平に近い傾斜姿勢を取っている格子状の撹拌部材70を潜り、米飯の撹拌が促進される。
上記のようにして落下した米飯の位置は、撹拌部材70で略2分されているドラム5の内部空間の反対側である。したがって、次にドラム5が逆向きに回転駆動されるとき、凸条55の反対側の面で米飯が持ち上げられる。ドラム5の回転角度がある角度以上になると、上記凸条55の反対側の面に沿って米飯が滑落し、ドラム5の内底面に向かって落下する。このときも米飯が落下しながら格子状の撹拌部材70を潜り、米飯の撹拌が促進される。こうして米飯が繰り返し撹拌されることにより米飯がほぐされ、酢飯を製造する場合は酢が米飯に均一に混ぜ合わせられる。
ドラム5の往復回転によって全ての米飯が撹拌部材70を潜り抜けるわけではなく、山形の凸条55の一方の傾斜面から凸条の頂上を越えて他方の空間に移動する米飯もある。そこで、図13について説明したように、撹拌部材70を構成する複数の縦方向部材の下端と凸条55との間に、米飯が潜り抜けることができる隙間Gが形成されている。上記隙間Gがなく、全ての米飯が撹拌部材70を潜り抜けるものとすれば、米飯の一部が撹拌部材70を構成する複数の縦方向部材の下端部に引っ掛かる。そのため、撹拌が進むにしたがって米飯の粘りが強くなり、撹拌にむら生じる。上記隙間Gを設けることにより、上記のような米飯の引っ掛かりを無くし、米飯の粘りを抑制しながら均等に撹拌することができる。
撹拌開始から撹拌終了まで、図18、図19に示すように、初回撹拌工程、撹拌工程、撹拌+送風工程がこの順に実行される。そして、各工程でドラム5の間欠的な往復回転駆動および回転角度制御、さらに、撹拌+送風工程における空気吹き出し口25からの空気吹き出し制御が行われる。これらの制御は、装置本体1のハウジング17内に組み込まれている制御装置によって、所定の撹拌制御プログラムにしたがって行われる。この制御プログラムによる制御対象には、ドラム5の最大回転角度、ドラム5の回転角度、ドラム5の停止時間、ドラム5の回転態様、送風装置の動作が含まれる。また、制御プログラムは、ドラム内の室温などを検出する各種センサの出力に基づいて実行されるようになっている。
撹拌動作が開始されると、まず、第1撹拌工程として初回撹拌工程が実行される。ドラム5の開口52が円弧を描きながら装置本体1のハウジング17の方に向かうドラム5の回転の向きを後方への回転、その逆を前方への回転とする。この実施例では、上記初回撹拌工程で、図18に示すように、ドラム5は、後方への最大回転角度に対し80%の角度だけ回転し、5秒間停止した後、前方に最大回転角度に対し80%の角度だけ回転して5秒間停止する。装置の起動当初は、米飯の温度が高く、ほぐれやすいため、ドラム5を大きく回転させると米飯がこぼれる恐れがある。そこで、ドラム5は最大回転角度の80%の角度で往復回転させる。また、米飯に酢をよくなじませるために、ドラムを後方および前方に回転させて傾けた態様で5秒間停止する。
初回撹拌工程が終了すると、続けて第2撹拌工程を実行する。第2撹拌工程では、ドラム5を後方および前方に最大回転角度まで交互に回転させることによって行う。また、後方および前方への最大回転角度位置でこの位置を所定時間維持する。この最大回転角度位置を維持する時間は、当初2秒とし、順次増大させて最終的には5秒とする。第2撹拌工程の開始当初は、米飯は温度が比較的高くほぐれやすいため、ドラム5の最大回転角度位置での停止時間を2秒程度に短くしても米飯が落下しやすく、よくばらける。米飯の温度が低下してくると、米飯に粘りが出てきて固まりやすく、撹拌部材に落下してこの撹拌部材を潜り抜けるまでに時間を要するため、第2撹拌工程が進むにしたがい、最大回転角度位置での停止時間を長くしている。停止時間を長くすることによって、後の送風工程で米飯が冷却される前に、米飯に酢を浸透させる効果もある。
撹拌工程全体の時間、最大回転角度での停止時間は、ユーザーが好みに応じて変更することができる。また、米飯の温度や環境温度などによって上記撹拌工程全体の時間、最大回転角度での停止時間などを自動的に制御するとよい。
図19に示すように、上記撹拌工程が終了すると、続いて撹拌+送風工程に移行する。撹拌+送風工程ではドラム5を後方に最大回転角度まで回転させ、一定時間停止した後、前方に向かって回転させ、所定の送風開始角度D1において送風を開始する。ドラム5内に空気が送り込まれることにより、ドラム5内の米飯が冷却される。所定時間送風後ドラム5をさらに所定角度前方に向かって回転させて停止させ、再びドラム5内に向かって送風し、ドラム5内の米飯を冷却する。この動作を数回繰り返し、ドラム5の最大回転角度位置に達したときも、その停止位置でドラム5内に向かって送風し、ドラム5内の米飯を冷却する。
ドラム5の前方への所定角度回転と送風とを上記のように交互に繰り返しながら行うのは、ドラム5の底部に溜まっている米飯を順次落下させながら風を当てるためである。ドラム5の前方への段階的な回転角度で停止させる時間は、温度センサで検出される環境温度などに応じて、例えば7〜25秒程度の範囲で設定される。あるいは、上記時間はユーザーが任意に設定してもよい。撹拌+送風工程が進むにしたがい米飯の温度が順次低下するので、それに応じて、ドラム5の各回転角度位置での停止時間は徐々に長くなる。
図19に示す動作例では、ドラム5を前方に回転駆動するとき、段階的な回転角度で停止して送風するようになっている。ドラム5の後方への回転時に、あるいはドラム5の後方への回転時と前方への回転時の両方で、段階的な回転角度で停止し送風するようにしてもよい。
以上のようにして撹拌が完了した米飯をドラム5から排出するには、図4に示すように、ドラム5を前側に大きく回転させ、開口52が斜め下向きになる回転姿勢で行う。この回転姿勢では抉り部58とともに開口52が斜め下方に大きく開放しているため、米飯の取り出しが容易である。あるいは、ドラム5内を洗浄する場合などにも、上記の回転姿勢で行うことができる。
一連の米飯撹拌作業が終了してドラム5や撹拌部材70を洗浄する場合は、図1に示すような基本位置にドラム5を回転させて停止させ、先ず撹拌部材70を取り外す。そのために、手動操作によりストッパ80,90をドラム5の外方に向けてスライドさせ、撹拌部材70の支持部71,72の上方からピン82,92を退避させる。ストッパ80,90をスライドさせるには、ドラム5の内方からピン82,92を外方に向けて押してもよいし、ストッパ80,90の外側部を摘まんでドラム5の外側に向かって引っ張ってもよい。ピン82,92が上記支持部71,72の上方から退避した状態で撹拌部材70を引き上げれば、撹拌部材70を取り外すことができ、撹拌部材70を洗浄することができる。
ドラム5は本体装置1から簡単に取り外すことができるため、ドラム5の洗浄も容易である。さらに、ドラム5は、例えば回転成形により樹脂の一体成形で製作されているため、ドラム5の重量が軽く、ドラム5の装置本体1への着脱が極めて簡単になり、米飯を撹拌した後のドラム5の洗浄、装置本体1への装着という一連の作業が極めて楽になる。
図12は撹拌部材の変形例を示す。図12において、撹拌部材75も、格子状に形成されている。撹拌部材75を構成する左右両端の縦方向の棒材の上下両端部が外側に向かって折り曲げられて、右側上下の支持部76,78が、左側上下の支持部77,79がそれぞれ形成されている。これらの支持部76,78,77,79がドラム5内の前記ガイド溝65,67,66,68に落とし込まれて、撹拌部材75がドラム5内に装着される。上記各支持部76,78,77,79は、円弧を描いて反った形であってもよい。
以上説明した本発明に係る米飯撹拌装置の実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
撹拌部材のストッパ80,90は、ドラム5の回転を利用して撹拌部材をドラム5内に固定することができ、ストッパ80,90の操作を忘れても、撹拌部材が脱落することはない。撹拌部材を取り外す場合はストッパ80,90を手動により後退させるだけであるから、撹拌部材の着脱が容易である。撹拌部材を着脱するための小物部品も不要であるから、部品を逸失する恐れもなく、食品に部品が混入する恐れもない。
撹拌部材もドラム5も装置本体1から分解することができるとともに、着脱が容易であり、洗浄が極めて容易になる。ドラム5は前後に往復回転するように駆動するとともに、開口52の後ろ側に折り返し部57が形成されているため、米飯がこぼれないようにするためのドラムカバーの類が不要になり、構成が簡略化される。ドラムを樹脂化することができるため、軽量化が可能になり、米飯撹拌のための準備作業が容易になる。
装置本体1へのドラム5の装着は、ドラム5の軸部をガイド溝22,23に落とし込むだけでよく、ドラム5を取り外す場合は引き上げるだけでよく、特別な操作部材は不要であるから、ドラム5の着脱が極めて容易になる。
ドラム5を樹脂化することによって、従来の金属製のドラムのように表面をフッ素樹脂でコーティングする必要がないから、コーティングが剥がれるたびにコーティングしなおす、といった無駄を省くことができる。ドラムカバーが不要であるため、パッキンも不要であり、分解、組立が容易で、コストの低減を図ることができる。
ドラム5は、開口52を有することによって、必要な強度や剛性を確保しにくい形状になっており、特にドラム5を樹脂の一体成形品で製作する場合の強度や剛性の確保は難しい。しかし、図示の実施例のように、開口52の周囲を厚いリブ523で囲み、開口52と反対側の底部に断面山形の凸条55を形成することにより、十分大きな強度や剛性を確保することができる。
1 装置本体
5 ドラム
10 ドラム受け部
11 ドラム受け部
20 ガイド構造
21 ガイド構造
22 ガイド溝
23 ガイド溝
25 空気吹き出し口
30 ドラム駆動部材
52 開口
55 凸条
56 凹溝
57 折り返し部
58 抉り部
60 軸部
61 軸部
62 溝
65 撹拌部材取り付け部(ガイド溝)
66 撹拌部材取り付け部(ガイド溝)
67 撹拌部材取り付け部(ガイド溝)
68 撹拌部材取り付け部(ガイド溝)
70 撹拌部材
71 支持部
72 支持部
75 撹拌部材
80 ストッパ
90 ストッパ
523 リブ

Claims (13)

  1. 回転中心となる軸部および米飯を投入排出するために軸方向両端部間に広がる開口を備えたドラムと、
    前記ドラムの軸部を回転可能に受け入れるドラム受け部と、
    前記ドラムを回転させるための駆動源と、
    前記ドラム受け部に設けられていて前記駆動源からの駆動力を前記ドラムに伝達して前記ドラムを一定の角度範囲で前後に往復回転させるドラム駆動部材と、
    前記ドラムの開口から前記ドラム内に空気を送り込むための空気吹き出し口と、
    を有する米飯撹拌装置。
  2. 前記駆動源は、前記ドラムを、往復回転させる動作、後方への限界位置まで回転させて停止させる動作、前方への限界位置まで回転させて停止させる動作、基本位置で停止させる動作を行わせる請求項1記載の米飯撹拌装置。
  3. 前記ドラムの往復回転によって、前記ドラム内の米飯が撹拌される請求項2記載の米飯撹拌装置。
  4. 前記駆動源は、前記ドラムを前記開口が前記空気吹き出し口に対向した位置で停止させることができる請求項1乃至3のいずれかに記載の米飯撹拌装置。
  5. 前記ドラムは、前記基本位置において前記ドラム受け部に着脱可能である請求項2記載の米飯撹拌装置。
  6. 前記ドラムの回転角度を制御するための回転角度検出器を備えている請求項1乃至5のいずれかに記載の米飯撹拌装置。
  7. 前記駆動源はステッピングモータであり、前記ステッピングモータの駆動ステップ数によって前記ドラムの回転角度が制御される請求項1乃至6のいずれかに記載の米飯撹拌装置。
  8. 前記ドラム受け部は、前記ドラムの軸部をガイドするガイド構造を備えている請求項1乃至7のいずれかに記載の米飯撹拌装置。
  9. 前記ドラム駆動部材は突形の部材であり、前記ドラム駆動部材と結合する前記ドラム側の軸部は前記突形のドラム駆動部材に嵌る溝を備えている請求項1乃至8のいずれかに記載の米飯撹拌装置。
  10. 前記ドラム受け部と前記ドラムの軸部には、前記ドラムが装着されているか否かを検出する位置ずれ検出器が組み込まれている請求項1乃至9のいずれかに記載の米飯撹拌装置。
  11. 米飯を投入排出するために軸方向両端部間に広がる開口を備えたドラムを回転可能に支持し、駆動源により前記ドラムを前後に往復回転させることにより前記ドラム内の米飯を撹拌する米飯撹拌方法であって、
    前記ドラムの往復回転による撹拌工程が、
    前記ドラムを最大回転角度よりも小さい角度範囲で前後に往復回転させる第1撹拌工程と、
    前記第1撹拌工程に続き前記ドラムを前後の最大回転角度まで前後に往復回転させる第2撹拌工程と、を含み、
    前記第2撹拌工程に続き前記ドラムを前記開口が空気吹き出し口に対向する位置まで回転させて停止させ、前記空気吹き出し口からドラム内に空気を吹き込む送風工程を有する米飯撹拌方法。
  12. 前記第1撹拌工程において、前記ドラムの前方への回転位置および後方への回転位置で一定時間前記ドラムを停止させる請求項11記載の米飯撹拌方法。
  13. 前記送風工程では、前記ドラムを、一方向への回転と停止とを繰り返し行わせ、前記ドラムが停止しているとき前記空気吹き出し口から前記ドラム内に空気を吹き込む請求項11または12記載の米飯撹拌方法。
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