JP6001441B2 - 電子部品実装装置及び電子部品実装方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品供給装置から供給された部品を、基板上に装着する電子部品実装装置及び電子部品実装方法に関する。
従来、電子部品実装装置では、X,Y,Z,θ軸方向の動作が可能な複数の吸着ノズルを備えた搭載ヘッドを用いて、一度に複数の電子部品を吸着保持し、各電子部品を基板上に順次搭載している。
このような電子部品実装装置として、複数の吸着ノズルのθ方向の回転軸を、1つのモータで同時に回転制御する、所謂多連θ軸を持つものがある(例えば、特許文献1参照)。ここでは、先ず、電子部品を部品供給装置から吸着した初期吸着姿勢から、基板への搭載姿勢とするために最低限必要な必要回転角度が大きい順に、電子部品の吸着順を決定する。そして、決定した吸着順に従って全ての電子部品を吸着し終わったとき、全ての電子部品の吸着姿勢が基板への搭載姿勢となるように、電子部品を吸着する度にノズルシャフトを回転する。これにより、余計なθ回転を必要とすることなく部品認識を行うようにしている。
特開2012−178393号公報
ところで、近年、極小部品が増加すると共に実装密度が高くなっており、電子部品実装装置においては、部品搭載時における隣接部品への干渉を避けるために、ノズル先端が丸型のような方向性を持たないノズルではなく、角型のような方向性を持つノズルが用いられることがある。このような方向性を持つノズルの場合、ノズル先端角度と部品の角度とがずれた状態で部品を吸着すると、部品保持力の低下による部品の吸着不良や、部品からノズル先端部がはみ出すことに起因する部品搭載時における隣接部品との接触が発生するおそれがある。
図20(a)は、6軸で従来通りのノズル装着をした図である。このように、各ノズルの先端角度は一点鎖線で示すようにばらばらになる。図20(b)の点線の長方形は、電子部品の供給角度のイメージであり、四角で囲んだ3本のノズルについては、ノズル先端の穴が部品からはみ出している。このような場合、真空状態が作れないため部品吸着が適切に行えない。
上記特許文献1に記載の従来装置にあっては、ノズル装着時のノズル先端角度を考慮していないため、ノズル先端角度と部品の角度とがずれた状態で部品を吸着してしまう場合がある。そのため、上述したような実装品質の低下が懸念される。また、上記特許文献1に記載の従来装置にあっては、回転角度が最小となるように考慮されてはいるが、電子部品を順次吸着するものであるため、タクトへの影響は避けられない。
そこで、本発明は、実装品質を低下させることなく、効率的に部品搭載を行うことができる電子部品実装装置及び電子部品実装方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る電子部品実装装置の一態様は、同一モータにより同方向に同時回転される複数のノズルシャフトを備え、ノズル交換装置に保管された吸着ノズルを前記ノズルシャフトに装着した後、装着された吸着ノズルにより電子部品を吸着し、基板上の所定の搭載位置に当該電子部品を順次搭載する電子部品実装装置であって、前記吸着ノズルは、ノズル本体部と、該ノズル本体部に組み付けられて電子部品を吸着保持する、方向性を有する形状の先端部とを含んで構成されており、前記複数の吸着ノズルについて、前記ノズル交換装置に保管された状態での前記ノズルシャフトの基準回転角度に対する前記先端部の回転角度ずれを示すノズル先端角度を認識するノズル先端角度認識手段と、前記吸着ノズルによって電子部品を吸着する前に、前記ノズル先端角度認識手段で認識したノズル先端角度に基づいて、電子部品の部品供給装置からの供給角度に対する前記先端部の回転角度のずれが許容角度以下である状態で、複数の電子部品を複数の吸着ノズルによって同時吸着するための事前処理を行う事前処理実施手段と、前記事前処理実施手段による事前処理を行った後、複数の吸着ノズルにより複数の電子部品を同時吸着する部品吸着手段と、前記部品吸着手段で電子部品を吸着した後、前記搭載位置に電子部品を順次搭載する部品搭載手段と、を備えることを特徴としている。
このように、角型のような方向性を持ち電子吸着角度によって吸着保持力が異なる先端形状を有する吸着ノズルのノズル先端角度を考慮して事前処理を行うので、吸着保持力の低下による部品の吸着不良や部品からノズル先端部がはみ出すことに起因する部品搭載時における隣接部品との接触を防止しつつ、複数部品の同時吸着が可能となる。したがって、1つのモータからベルト等の伝達手段を用いて複数のノズルシャフト(θ軸)を回転制御する多連θ軸を持つ搭載ヘッドを用いた場合であっても、実装品質を低下することなく部品の同時吸着が可能となる。そのため、部品を1つずつ順次吸着する場合と比較して、タクトへの影響を低減することができる。
また、上記において、前記事前処理実施手段は、前記事前処理として、前記複数のノズルシャフトに、前記ノズル交換装置に保管された複数の吸着ノズルを一括して装着し、前記ノズル先端角度認識手段で認識したノズル先端角度に基づいて、当該ノズル先端角度のばらつきが許容範囲内となる吸着ノズルの組合せを、電子部品を同時吸着可能な吸着ノズルの組合せとして選択するノズル一括装着手段を備え、前記部品吸着手段は、前記ノズル一括装着手段で選択した吸着ノズルの組合せで電子部品を同時吸着するようにしてもよい。
このように、吸着ノズルを一括装着した場合、搭載ヘッドに装着した各吸着ノズルのノズル先端角度は統一されておらず、ばらばらな状態となる。しかしながら、装着時間を短縮できるため、タクトへの影響がない。また、ノズル先端角度のばらつきが許容範囲内となる吸着ノズルの組合せを、電子部品を同時吸着可能な吸着ノズルの組合せとして選択するので、同時吸着後の各吸着ノズルにおける部品吸着角度ずれを極力小さくすることができる。したがって、吸着不具合を抑制することができる。
さらに、上記において、前記部品吸着手段は、前記ノズル一括装着手段で選択した吸着ノズルの組合せの中で、最もばらつきの大きい2つのノズル先端角度の平均角度の分だけ、ノズルシャフトを前記基準回転角度から前記平均角度とは逆方向に回転させ、前記ノズル一括装着手段で選択した吸着ノズルの組合せで電子部品を同時吸着するようにしてもよい。
これにより、部品同時吸着後の吸着角度ずれを最小にすることができる。ヘッドに装着された吸着ノズルのノズル先端角度が統一されていない場合、多連θ軸を持つ搭載ヘッドでは、部品同時吸着後の吸着角度ずれを無くすことはできないが、部品同時吸着時におけるノズルシャフトの回転角度を、最大ノズル先端角度と最小ノズル先端角度との平均とすることで、吸着角度ずれをバランスよく分配する(痛み分け角度を最小にする)ことができる。そのため、吸着不具合の発生を抑制することができる。
また、上記において、前記事前処理実施手段は、前記事前処理として、前記ノズル先端角度認識手段で認識した装着対象の吸着ノズルのノズル先端角度分だけ、ノズルシャフトを前記基準回転角度から前記ノズル先端角度とは逆方向に回転させ、当該装着対象の吸着ノズルを前記ノズル交換装置から装着するノズル順次装着手段を備え、前記部品吸着手段は、任意の吸着ノズルの組合せで電子部品を同時吸着するようにしてもよい。
これにより、搭載ヘッドに装着する吸着ノズルのノズル先端角度を統一することができる。したがって、部品同時吸着を行ったすべての吸着ノズルにおいて、吸着角度ずれの無い状態とすることができる。
さらにまた、上記において、前記事前処理実施手段は、前記事前処理として、前記複数のノズルシャフトに、前記ノズル交換装置に保管された複数の吸着ノズルを同時に装着し、前記ノズル先端角度認識手段で認識したノズル先端角度に基づいて、当該ノズル先端角度のばらつきが許容範囲内となる吸着ノズルの組合せを、電子部品を同時吸着可能な吸着ノズルの組合せとして選択するノズル一括装着手段と、前記事前処理として、前記ノズル先端角度認識手段で認識した装着対象の吸着ノズルのノズル先端角度分だけ、ノズルシャフトを前記基準回転角度から前記ノズル先端角度とは逆方向に回転させ、当該装着対象の吸着ノズルを前記ノズル交換装置から装着するノズル順次装着手段と、前記ノズル一括装着手段及び前記ノズル順次装着手段の何れか一方を選択して実施する事前処理選択手段と、を備え、前記部品吸着手段は、前記事前処理選択手段で前記ノズル一括装着手段を選択したとき、当該ノズル一括装着手段で選択した吸着ノズルの組合せで電子部品を同時吸着し、前記事前処理選択手段で前記ノズル順次装着手段を選択したとき、任意の吸着ノズルの組合せで電子部品を同時吸着するようにしてもよい。
このように、吸着ノズルを一括装着した後、同時吸着可能な吸着ノズルのグループ分けを行う第1処理と、装着後の各吸着ノズルのノズル先端角度が統一されるように吸着ノズルを順次装着する第2処理のどちらを採用するかを選択可能であるため、最適な事前処理を行うことができる。
また、上記において、前記事前処理選択手段は、予め決定された電子部品の搭載スケジュールに応じて、生産開始前に、前記ノズル一括装着手段及び前記ノズル順次装着手段の何れか一方を選択するようにしてもよい。
これにより、ノズル交換回数が比較的多い場合にはノズル装着時間が短い第1処理を選択し、ノズル交換回数が比較的少ない場合にはノズル装着時間がかかる第2処理を選択するなど、タクトへの影響が極力少なくなるように事前処理を選択することができる。
さらに、上記において、前記事前処理選択手段は、前記ノズル一括装着手段及び前記ノズル順次装着手段のうち、オペレータが指定した方を選択するようにしてもよい。これにより、自由度の高い事前処理が可能となる。
また、上記において、前記部品吸着手段による電子部品の吸着不良の回数を、前記吸着ノズルごとにカウントするカウント手段を備え、前記ノズル先端角度認識手段は、前記カウント手段でカウントした吸着不良の回数が予め設定した回数を超えたとき、前記ノズル先端角度を認識し直すようにしてもよい。
これにより、経時変化により、認識しているノズル先端角度と実際のノズル先端角度との間にずれが生じた場合には、吸着不良の回数によってこれを検出することができる。また、この場合にはノズル先端角度の再認識を行うので、上記の第1処理における吸着ノズルの再グループ化や、上記の第2処理における吸着ノズルの再装着処理などの改善処理を行うことができる。したがって、その後の吸着不具合の発生を確実に低減することができる。
さらにまた、上記において、前記ノズル先端角度認識手段は、予め定めた周期で前記ノズル先端角度を認識し直すようにしてもよい。
これにより、経時変化により、認識しているノズル先端角度と実際のノズル先端角度との間にずれが生じることを見越して、定期的に正確なノズル先端角度を認識することができる。したがって、ノズル先端角度の認識ずれに起因する吸着不具合の発生を事前に防止することができる。
さらに、上記において、前記ノズル交換装置は、複数の吸着ノズルの前記ノズル本体部を、それぞれ予め定められた回転姿勢で、且つ回転方向の移動を規制した状態で保持するノズル保持手段を備えるようにしてもよい。このように、ノズル交換装置にて吸着ノズルを常に決められた角度で保持することで、高精度な事前処理を実施することができる。
さらにまた、上記において、前記ノズル本体部は、ノズル軸方向の断面形状が円形である円形保持部と、ノズル軸方向に直交する方向に対向する平部を有する鍔部と、を備え、前記ノズル保持手段は、前記円形保持部をノズル軸方向に直交する3方向から挟持すると共に、前記鍔部を当該鍔部と同形状の嵌合部に嵌合させて保持するようにしてもよい。
これにより、ノズル本体部を、それぞれ予め定められた回転姿勢で、且つ回転方向の移動を規制した状態で確実に保持することができる。
また、本発明に係る電子部品実装方法の一態様は、同一モータにより同方向に同時回転される複数のノズルシャフトに、ノズル交換装置に保管された吸着ノズルを装着した後、装着された吸着ノズルにより電子部品を吸着し、基板上の所定の搭載位置に当該電子部品を順次搭載する電子部品実装方法であって、前記吸着ノズルは、ノズル本体部と、該ノズル本体部に組み付けられて電子部品を吸着保持する、方向性を有する形状の先端部とを含んで構成されており、前記複数の吸着ノズルについて、前記ノズル交換装置に保管された状態での前記ノズルシャフトの基準回転角度に対する前記先端部の回転角度ずれを示すノズル先端角度を認識し、前記吸着ノズルによって電子部品を吸着する前に、前記ノズル先端角度に基づいて、電子部品の部品供給装置からの供給角度に対する前記先端部の回転角度のずれが許容角度以下である状態で、複数の電子部品を複数の吸着ノズルによって同時吸着するための事前処理を行ってから、複数の吸着ノズルにより複数の電子部品を同時吸着し、その後、前記搭載位置に電子部品を順次搭載することを特徴としている。
これにより、多連θ軸を持つ搭載ヘッドに方向性を持つ吸着ヘッドを装着して部品を実装する場合に、実装品質の確保とタクトへの影響の低減とを図りながら部品を実装することができる。
本発明によれば、多連θ軸を持つ電子部品実装装置において、吸着ノズルの先端状態を考慮した部品同時吸着制御を行うことができる。したがって、実装品質を確保しつつ、タクトへの影響を低減することができる。
本発明における電子部品実装装置を示す平面図である。 電子部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図である。 ノズル交換装置の概略構成を示す図である。 ノズル収容部の構成を示す図である。 ストッパ部とアクチュエータ部の取り付け方法を示す図である。 吸着ノズルを示す図である。 吸着ノズルの収容状態を示す図である。 上側ホルダと吸着ノズルとの関係を示す図である。 下側ホルダと吸着ノズルとの関係を示す図である。 リンク機能の動作を説明する図である。 ノズル収容時の動作を説明する図である。 第1の実施形態のコントローラで実行する部品実装処理手順を示すフローチャートである。 ノズル先端角度を説明する図である。 ノズルグループ情報作成処理手順を示すフローチャートである。 痛み分け角度の例を示す図である。 第1の実施形態におけるヘッド装着時のノズル先端角度状態を示す図である 第2の実施形態のコントローラで実行する部品実装処理手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態におけるヘッド装着時のノズル先端角度状態を示す図である。 吸着ノズルの変形例を示す図である。 従来の部品吸着時の状態を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、本発明における電子部品実装装置を示す平面図である。
図中、符号1は電子部品実装装置である。この電子部品実装装置1は、基台10の上面にX方向に延在する一対の搬送レール11を備える。この搬送レール11は、回路基板5の両側辺部を支持し、搬送用モータ(図示せず)により駆動されることで回路基板5をX方向に搬送する。
また、電子部品実装装置1は搭載ヘッド12を備える。この搭載ヘッド12は、下部に電子部品を吸着する複数の吸着ノズルを備え、X軸ガントリ13及びY軸ガントリ14により、基台10上をXY方向に水平移動可能に構成されている。
搭載ヘッド12は、1つのモータからベルト等の伝達手段を用いて複数のノズルシャフト(θ軸)を回転させる、所謂多連θ軸を持つものである。すなわち、ノズルの脱着、部品の吸着、部品の搭載等におけるθ軸回転では、当該軸以外も併せて回転するようになっている。
この電子部品実装装置1には、搬送レール11のY方向両側に、テープフィーダ等により電子部品を供給する電子部品供給装置15が装着される。そして、電子部品供給装置15から供給された電子部品は、搭載ヘッド12の吸着ノズルによって真空吸着され、回路基板5上に実装搭載される。
また、部品供給装置15と回路基板5との間には、CCDカメラからなる認識カメラ21を配置する。この認識カメラ21は、電子部品の吸着位置ずれ(吸着ノズルの中心位置と吸着した部品の中心位置とのずれ)や、吸着角度ずれ(傾き)を検出するために、吸着ノズルで吸着した電子部品を撮像するものである。
また、搭載ヘッド12には、距離センサ22が取り付けられている。この距離センサ22は、センサ光により吸着ノズルと回路基板5とのZ方向の距離(高さ)を測定する。
また、搭載ヘッド12には、基板認識カメラ23が取り付けられている。基板認識カメラ23は基板上のマークや基板搭載後の電子部品の状態および、電子部品供給装置の供給位置に供給された電子部品の状態を撮像するものである。
さらに、電子部品実装装置1には、吸着する部品のサイズや形状に応じて、吸着ノズルを交換するためのノズル交換装置16が設けられている。このノズル交換装置16内には複数種のノズルが保管、管理されている。
本実施形態では、同時回転可能な複数のノズルシャフトにそれぞれ装着されている吸着ノズルにより電子部品を同時吸着する。その際、各吸着ノズルの先端状態を考慮して、ノズル装着から部品吸着までの間に、各吸着ノズルによって良好な吸着保持力を発揮した状態で部品の同時吸着を行うための事前処理を行う。そして、その後に電子部品を同時吸着する。電子部品を吸着したら、認識カメラ21によるビジョン認識を順次行なった後、認識結果に基づく搭載位置補正を行って電子部品を順次搭載する。
図2は、電子部品実装装置1の制御系の構成を示すブロック図である。
電子部品実装装置1は、装置全体を制御するCPU、RAM及びROMなどを備えるマイクロコンピュータからなるコントローラ30を備える。コントローラ30は、以下に示す各構成31〜35をそれぞれ制御する。
バキューム機構31は真空を発生し、不図示のバキュームスイッチを介して各吸着ノズルに真空の負圧を発生させるものである。
X軸モータ32は、搭載ヘッド12をX軸ガントリ13に沿ってX軸方向に移動させるための駆動源であり、Y軸モータ33は、X軸ガントリ13をY軸ガントリ14に沿ってY軸方向に移動させるための駆動源である。コントローラ30がX軸モータ32及びY軸モータ33を駆動制御することで、搭載ヘッド12はXY方向に移動可能となる。
Z軸モータ34は、各吸着ノズルをZ方向に昇降させるための駆動源である。なお、ここではZ軸モータ34を1つしか図示していないが、実際は吸着ノズルの数だけ設けられる。θ軸モータ35は、複数の吸着ノズルを、各ノズルシャフトを中心にして同時回転させるための駆動源である。
次に、ノズル交換装置16の具体的な構成について説明する。
図3は、ノズル交換装置16の概略構成を示す図である。この図3に示すように、ノズル交換装置16は、吸着ノズルを収納する収納部61、収納した吸着ノズルを収納部61から外れないように押さえるストッパ部62、ストッパ部62を動かすアクチュエータ部63、それらを固定する土台部64を備えている。
図4に収納部61の主要部分を示す。図4(a)は、収容部61を表側からみた斜視図、図4(b)は、収容部61を裏側からみた分解斜視図である。
収納部61は、図4(a)に示すように、ベースとなるプレート65と、プレート65に組み付けられる櫛歯状のホルダ部66とを備える。ホルダ部66は、図4(b)に示すように、上側ホルダ67と、下側ホルダ68とからなり、プレート65の裏側に、上側ホルダ67及び下側ホルダ68をこの順でねじ69によって固定することで、収容部61を構成している。
プレート65には、ストッパ部2の動きを誘導させるための長穴70が形成されている。長穴70は、プレート65の幅方向に対して傾斜して形成されており、図5に示すように、プレート65の裏側からこの長穴70に、ストッパ部62の一端を介してピン71が挿通される。また、ピン71はリンク72の一端に接着せずに嵌め込まれ、リンク72の他端にはピン74が挿通される。ピン74は、スライドプレート73に接着せずに嵌め込まれる。
また、アクチュエータ部63は、アクチュエータ75と、シリンダプレート76とを備えており、シリンダプレート75に接着せずに嵌め込まれたピン77がスライドプレート73の一端に挿通される。シリンダプレート76は、アクチュエータ75の作動によってスライドプレート73の延在方向にスライド可能となっている。
図6は、ノズル交換装置16に保管される吸着ノズル40の構成を示す図である。この図6に示すように、吸着ノズル40には、2枚の鍔(上側鍔部41、下側鍔部42)が所定間隔をもって形成されている。上側鍔部41と下側鍔部42との間には、断面円形のノズル保持部43が設けられており、ノズル交換装置16に吸着ノズル40を保管した状態では、図7に示すように、上側鍔部41と下側鍔部42との間に上側ホルダ67が差し込まれ、ノズル保持部43が上側ホルダ67の櫛歯間に差し込まれた状態となる。また、そのとき下側鍔部42は、下側ホルダ68の櫛歯間に差し込まれた状態となる。
すなわち、上側ホルダ67の櫛歯は、図8に示すように、ノズル保持部43が差し込める大きさよりも多少大きめに間隔が空けてあり、吸着ノズル40は、ホルダ部66に差し込まれた後に、上側鍔部41が上側ホルダ67の櫛歯に乗りかかる形で置かれることになる。また、ノズル交換装置16に吸着ノズル40を保管した状態では、上側鍔部41は、ストッパ部62によって吸着ノズル40が上側ホルダ67の櫛歯の奥へ押し込まれる方向に押えられる。
上側ホルダ67の櫛歯間は、平面視において三角形状部を有しており、ストッパ部62によって吸着ノズル40が櫛歯の奥へと押込まれた際、ノズル保持部43がその三角平部67a,67bに突き当たることによってXY方向の位置決めが成される。つまり、ノズル交換機16は、吸着ノズル40のノズル保持部43をノズル軸方向に直交する3方向から挟持する構造となっており、吸着ノズル40は、上側鍔部41とストッパ部62との接点、ノズル保持部43と三角平部67aとの接点、及びノズル保持部43と三角平部67bとの接点の3点でXY方向の位置決めが行われる。
また、下側ホルダ68の櫛歯間には、図9に示すように、両端の平部68a,68bと、2つの平部68a,68bとの間を繋ぐ円弧部68cとが形成されている。吸着ノズル40の下側鍔部42にも平部42aを設けてあり、下側ホルダ68の櫛歯の間隔の形状は、下側鍔部42と同等の形状となっている。そして、吸着ノズル40をノズル交換装置16に収納する際には、下側ホルダ68の両平部68a,68bがガイドの役割をすることで、吸着ノズル40は決まった回転角度で保管される。
つまり、吸着ノズル40の下側鍔部42は、ノズル交換機16に設けられた下側鍔部42と同形状の嵌合部に嵌合されるようになっており、吸着ノズル40は、下側鍔部42の平部42a及び下側ホルダ68の平部68a,68bによって、予め定められた回転姿勢で、且つZ軸方向の回転が規制された状態で保持される。ここで、下側ホルダ68の平部68a,68bの角度は、ノズルシャフトの基準角度(0度)に一致しているものとする。
ノズル交換装置16は、通常時は、図10(a)に示すように複数の吸着ノズル40を保管している。このとき、アクチュエータ75は、シリンダプレート76を図10(a)の右方向に動かすように作動しており、これによりスライドプレート73が右方向に引き寄せられて、ストッパ部62が複数の吸着ノズル40を櫛歯の奥へ押し込むように一括して押えている。
ストッパ部62を開放する場合には、図10(b)に示すように、アクチュエータ75を、シリンダプレート76を図10(b)の左方向に動かすように作動する。すると、シリンダプレート76の移動に伴ってスライドプレート73が左方向にスライドする。このとき、ストッパ部62も左方向へ押される形となるが、ストッパ部62に組付けられたピン71は長穴70に嵌め込まれているため、スライドプレート73に嵌め込まれたピン74を中心に、リンク72が図10(b)において時計回り方向に回動し、ピン71は長穴70に沿ってホルダ部66から離れる方向(図10(b)の左下方向)に移動する。
これにより、ストッパ部62もホルダ部66から離れる方向に移動する。この状態では、ストッパ部62とホルダ部66との間に、吸着ノズル1個分の隙間が生じる。
以下、吸着ノズル40の収納時の動作について、図11を参照しながら説明する。
まず、図11(a)に示すように、搭載ヘッド12を、ノズルシャフト50に装着されている吸着ノズル40を収納すべき位置へ移動する。その後、図11(b)に示すように、ストッパ部62を開放する。
このとき、吸着ノズル1個分の隙間がストッパ部62とホルダ部66との間に形成されるため、図11(c)に示すように吸着ノズル40をその隙間に降ろし、その後、図11(d)に示すように吸着ノズル40をホルダ部66側へと水平移動させる。これにより、ノズルシャフト50に装着された吸着ノズル40は、図7に示す状態でホルダ部66に収納される。
この状態で、図11(e)に示すように、ストッパ部62を再びホルダ部66に収納された吸着ノズル40を押さえる方向に動かす。これにより、ノズル交換装置16側で吸着ノズル40の保持が完了する。このときの吸着ノズル40の状態は、上側ホルダ67に設けられた三角平部67a,67bによって形成される三角形の受け部と、下側ホルダ68に設けられた平部68a,68bとによって、水平方向及び回転方向における位置決めが成された状態となっている。したがって、後は図11(f)に示すように、ノズルシャフト50のノズル保持を解き、ノズルシャフト50を上昇させることによって、吸着ノズル40の収納を完了する。
逆に、吸着ノズル40をノズル交換装置16から取るときは、図11(a)〜図11(f)の動作を逆に行う。
このように、ノズル交換装置16は、吸着ノズル40の昇降運動だけでなく、水平方向の移動を行って吸着ノズル40を交換する機構を備える。
次に、コントローラ30で実行する処理について説明する。
コントローラ30は、電子部品を基板に搭載する際、ノズル交換装置16に保管された吸着ノズル40を搭載ヘッド12に装着した後、電子部品供給装置15より部品を吸着し、基板上の目的の位置(搭載位置)に部品を搭載する一連の部品実装処理を行う。ここでは、タクトの低減を目的として、同一種類の電子部品を複数搭載する場合には、複数部品の同時吸着を行い、その後、吸着した複数の電子部品を順次基板に搭載するものとする。
図12は、コントローラ30で実行する部品実装処理手順を示すフローチャートである。この部品実装処理は、同一種類の電子部品の同時吸着及び搭載を行うためのものである。
先ず、ステップS1で、コントローラ30は、ノズル交換装置16に保管された吸着ノズル40のノズル先端角度を認識し、ステップS2に移行する。ここで、ノズル先端角度はノズル割付実施時にヘッド12に装着したノズルを認識カメラ21で撮像し、撮像した画像を認識装置により認識したものであってもよいし、同様の機能を持つ他の電子部品実装装置で取得したデータや測定器具を用いて取得したデータ等、電子部品実装装置1外で取得した情報を取り込んだものであってもよい。
吸着ノズル40は、ノズル本体部に、方向性を有する先端部を組み付けた構造のものであり、ノズル先端角度とは、ノズル本体部に対する先端部の組み付け角度を示すものである。図13に示すように、吸着ノズル40の先端部40aは略角型の形状であり、方向性を有する。ノズル先端角度とは、吸着ノズル40の先端部分40aの長手方向が基準角度に対してどれだけ傾いているかを示すものである。
ここで、基準角度は、吸着ノズル40の下側鍔部42の平部42aの角度とし、先端部分40aの長手方向が平部42aと平行になっている状態を、ノズル先端角度が基準角度(0度)にある状態という。
本実施形態では、上述したように、ノズル交換装置16は、下側ホルダ68の平部68a,68bによって、複数の吸着ノズル40の下側鍔部42(ノズル本体部)を、予め定められた回転姿勢で、且つ回転方向の移動を規制した状態で保持している。平部68a,68bの角度はノズルシャフトの基準角度(0度)に一致しているため、ノズル交換装置に保管された状態での下側鍔部42の平部42aの角度も、ノズルシャフトの基準角度(0度)に一致しているとみなせる。すなわち、ノズル先端角度とは、換言すると、ノズルシャフトの基準角度(0度)に対するノズル先端部の回転角度ずれであるといえる。
ステップS2では、コントローラ30は、ノズル交換装置16に保管されている複数の吸着ノズル40を、搭載ヘッド12に同時に装着する(ノズル一括装着)。
ステップS3では、コントローラ30は、前記ステップS1で認識したノズル先端角度に基づいて、ノズルグループ情報を作成する。ノズルグループ情報とは、電子部品を同時吸着可能な吸着ノズル40の組合せを示す情報である。
図14は、ステップS3で実施するノズルグループ情報作成処理手順を示すフローチャートである。
先ずステップS21で、コントローラ30は、初期設定を行う。ここでは、生産開始時に予定されている生産シーケンスから、電子部品の同時吸着が必要な吸着ノズル40の本数(同時吸着本数)Nを取得する。また、その同時吸着する電子部品を吸着ノズル40で吸着したときの電子部品とノズル先端との吸着角度ずれの許容角度θaを取得する。なお、当該許容角度θaは、電子部品毎に予め設定されているものとする。
次にステップS22で、コントローラ30は、ノズル交換装置16に保管されたすべての吸着ノズル40からN本の吸着ノズル40をとる組合せを選択する。このとき、これまでに選択したノズルの組合せとは異なる組合せを選択するものとする。
ステップS23では、コントローラ30は、前記ステップS22で選択したN本のノズルの組合せについて、各吸着ノズル40のノズル先端角度を取得し、ステップS24に移行する。
ステップS24では、コントローラ30は、前記ステップS23で取得したN本分のノズル先端角度に基づいて、これらN本のノズルの組合せで部品の同時吸着を行った場合の痛み分け角度θbを算出する。痛み分け角度θbとは、選択したN本の吸着ノズル40のノズル先端角度のうち、最大のノズル先端角度θmaxと、最小のノズル先端角度θminとの差分の平均値である。
例えば、同時吸着本数Nが2本であり、選択した2本の吸着ノズル(ノズルA,ノズルB)のノズル先端角度がノズルA=0.1度、ノズルB=0.2度である場合、痛み分け角度θbは0.05度となる。また、同時吸着本数Nが2本であり、選択した2本の吸着ノズル(ノズルA,ノズルC)のノズル先端角度がノズルA=0.1度、ノズルC=0.1度である場合には、痛み分け角度θbは0度となる。
次にステップS25で、コントローラ30は、前記ステップS24で算出した痛み分け角度θbが、それまでに算出された痛み分け角度の最小値θcよりも小さいか否かを判定する。そして、θb<θcである場合にはステップS26に移行し、前記ステップS24で算出した痛み分け角度θbを最小値θcとして設定すると共に、その痛み分け角度θbを算出した吸着ノズル40の組合せを、部品の同時吸着が可能なノズルグループの候補として記憶してからステップS27に移行する。一方、前記ステップS25でθb≧θcであると判定した場合には、そのままステップS27に移行する。
ステップS27では、コントローラ30は、痛み分け角度θbを算出した吸着ノズル40の組合せを削除し、ステップS28に移行する。
ステップS28では、コントローラ30は、ノズル交換装置16に保管された全ての吸着ノズル40からN本の吸着ノズル40を選択する全ての組合せについて、痛み分け角度θbの算出処理を行ったか否かを判定する。そして、痛み分け角度θbを算出していない組合せが存在すると判定した場合には、調査が終了していないと判断して前記ステップS22に移行する。これにより、以降の処理では、別の組合せについて痛み分け角度θbを算出する処理が行われる。また、全ての組合せについて痛み分け角度θbを算出したと判定した場合には、調査終了と判断してステップS29に移行する。
ステップS29では、コントローラ30は、最終的に記憶された痛み分け角度θcが許容角度θa以下であるか否かを判定する。そして、θc>θaであると判定した場合には、最終的に記憶されたノズルグループで電子部品を同時吸着した場合、部品の吸着角度ずれが許容範囲外となると判断してステップS30に移行する。
ステップS30では、コントローラ30は、吸着回数Mを1回増やしてからステップS31に移行する。なお、吸着回数Mの初期値は“1”である。ステップS31では、コントローラ30は、同時吸着本数Nを1本減らしてから前記ステップS22に移行する。
また、前記ステップS29でθc≦θaであると判定した場合には、最終的に記憶されたノズルグループで電子部品を同時吸着した場合、部品の吸着角度ずれが許容範囲内となると判断してステップS32に移行する。
そして、ステップS32では、M回分のノズルグループ情報を作成し、ノズルグループ情報作成処理を終了する。ノズルグループ情報としては、1回目の部品吸着動作では、痛み分け角度が最小値θcとなるN本のノズルグループでの部品同時吸着を行い、その後の2回目からM回目までの部品吸着動作では、残りの吸着ノズル40での部品吸着を順次行うような情報を作成する。
図12に戻って、ステップS4では、コントローラ30は、バキューム機構31、X軸モータ32、Y軸モータ33及びZ軸モータ34を駆動制御して、吸着指定されている電子部品を部品供給装置15の所定の部品供給位置から吸着し、ステップS5に移行する。ここでは、前記ステップS3で作成したノズルグループ情報に基づいて、部品の同時吸着(又は同時吸着+順次吸着)を行う。
このとき、部品の同時吸着では、θ軸モータ35を駆動制御し、選択したノズルグループの痛み分け角度が最小値θcとなるようにノズルシャフトを回転させてから、部品を同時吸着する。このときのノズルシャフトの回転角度は−(θmax+θmin)/2、即ち、選択したノズルグループの中で最もばらつきの大きい2つのノズル先端角度の平均とする。
また、部品の順次吸着の際には、対象の吸着ノズル40のノズル先端部の角度が部品の供給角度に一致するようにノズルシャフトを回転させ、部品を吸着する。即ち、このときのノズルシャフトの回転角度は、対象の吸着ノズル40のノズル先端角度をθnとした場合、−θnとなる。
ステップS5では、コントローラ30は、先ず、認識カメラ21によるビジョン認識を行う。ここでは、認識カメラ21で吸着した各電子部品を順次撮像し、各撮像画像を処理することで各電子部品の吸着位置ずれを検出する。そして、検出した吸着位置ずれに応じて部品搭載時の補正量を決定する。そして、そのビジョン認識結果に基づいて各電子部品を回路基板5に順次搭載し、部品実装処理を終了する。
このように、吸着ノズルごとにノズル先端角度を取得し、ノズル先端角度のばらつきが許容範囲内となるノズルの組合せを、部品の同時吸着が可能な組合せとしてグループ化する。そして、生産時には、グループ単位で部品を同時吸着し、その後、基板に部品を順次搭載する。
なお、図12のステップS1がノズル先端角度認識手段に対応し、ステップS2及びS3が事前処理実施手段(ノズル一括装着手段)に対応し、ステップS4が部品吸着手段に対応し、ステップS5が部品搭載手段に対応している。また、ノズル交換装置16の収納部61及びストッパ部62がノズル保持手段に対応している。さらに、吸着ノズル40の上側鍔部41及びノズル保持部43が円形保持部に対応し、下側鍔部が鍔部に対応している。
(動作)
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
先ず、コントローラ30は、ノズル交換装置16に保管されている吸着ノズル40のノズル先端角度を認識し(図12のステップS1)、ノズル交換装置16から搭載ヘッド12に複数の吸着ノズル40を一括装着する(ステップS2)。このとき、図15(a)に示すように、ノズル交換装置16にノズル先端角度が異なる吸着ノズル40が保管されている場合、この一括装着を行うと、吸着ノズル40は、図15(b)に示すように、搭載ヘッド12のノズルシャフトにもノズル交換装置16での保管時と同様の先端状態で装着される。
次にコントローラ30は、認識したノズル先端角度に基づいて、部品の同時吸着が可能なN本の吸着ノズル40を選択してグループ化する。部品の同時吸着が可能か否かは、ノズル先端角度のばらつきが許容範囲内であるか否かによって判定する。
以下、具体的例をもとに説明する。ここでは、説明を簡略化するために同時回転可能な吸着ノズルを4本とし、ノズルA〜Dのノズル先端角度がそれぞれ以下の角度であるものとする。
ノズルA ノズル先端角度=0.1度
ノズルB ノズル先端角度=0.2度
ノズルC ノズル先端角度=0.1度
ノズルD ノズル先端角度=0.4度
生産シーケンスから、電子部品の同時吸着が必要な吸着ノズルの本数(同時吸着本数)Nが2本であることを確認した場合、先ず、ノズルA〜Dの4本から2本を選択する全ての組合せについて、痛み分け角度θbを算出し、痛み分け角度θbが最小となる組合せを見つける。そして、痛み分け角度θbの最小値が許容角度θa以下であるか否かを調査する。
すなわち、(A,B)、(A,C)、(A,D)、(B,C)、(B,D)、(C,D)の6つの組合せについて、痛み分け角度θbを算出する。この例では、ノズルAとノズルCのノズル先端角度は共に0.1度であるため、図16に示すように、(A,C)の組合せにおいて痛み分け角度θbが最小の0度となる。
このとき、例えば許容角度θa=0.1度である場合には、(A,C)の組合せでの痛み分け角度θbは許容角度θa以下となるため、(A,C)の組合せを部品の同時吸着が可能なノズルグループとして選択する。
すると、コントローラ30は、ノズルAのノズル先端角度(0.1度)とノズルCのノズル先端角度(0.1度)との平均値から、部品吸着時における各ノズルシャフトの回転角度を算出する。各ノズルシャフトの回転角度は−0.1度となる。そのため、θ軸モータ35を駆動制御し、各ノズルシャフトを−0.1度回転させてから、(A,C)のノズルグループで2個の電子部品を部品供給装置15から同時吸着する。
このとき、ノズルA及びCにおける部品の吸着角度ずれは、痛み分け角度θbの最小値である0度となる。
このように、吸着ノズル40によって電子部品を吸着する前の事前処理として、ノズル一括装着を行う処理と、ノズル先端角度に基づいてノズルグループ情報を作成する処理とを実施することで、電子部品の部品供給装置15からの供給角度に対するノズル先端部の回転角度のずれが許容角度θa以下である状態で、複数の電子部品を複数の吸着ノズル40によって同時吸着することができる。
同様に、同時吸着本数Nが3本である場合には、ノズルA〜Dの4本から3本を選択する全ての組合せについて、痛み分け角度θbを算出する。すなわち、(A,B,C)、(A,B,D)、(A,C,D)、(B,C,D)の4つの組合せについて、痛み分け角度θbを算出する。この例では、図16に示すように、ノズル先端角度のばらつきが最も小さい(A,B,C)の組合せにおいて、痛み分け角度θbが最小の0.05度となる。
許容角度θa=0.1度である場合、(A,B,C)の組合せでの痛み分け角度θbは許容角度θa以下となる。そのため、(A,B,C)の組合せを部品の同時吸着が可能なノズルグループとして選択する。
すると、コントローラ30は、ノズルA(又はノズルC)のノズル先端角度(0.1度)とノズルBのノズル先端角度(0.2度)との平均値から、部品吸着時における各ノズルシャフトの回転角度を算出する。各ノズルシャフトの回転角度は−0.15度となる。そのため、θ軸モータ35を駆動制御し、各ノズルシャフトを−0.15度回転させてから、(A,B,C)のノズルグループで3個の電子部品を部品供給装置15から同時吸着する。
このとき、ノズルA及びCにおける部品の吸着角度ずれと、ノズルBにおける部品の吸着角度ずれは、共に痛み分け角度θbの最小値である0.05度となる。
また、同時吸着本数Nが4本である場合には、ノズルA〜Dの4本から4本を選択する全ての組合せについて、痛み分け角度θbを算出する。すなわち、(A,B,C,D)の組合せについて、痛み分け角度θbを算出する。この例では、組合せは1通りであるため、図16に示すように、(A,B,C,D)の組合せにおいて痛み分け角度θbが最小の0.15度となる。
しかしながら、この場合、許容角度θa=0.1度であると、(A,B,C,D)の組合せでの痛み分け角度θbは許容角度θaを上回る。したがって、この場合には、(A,B,C,D)の組合せでの部品の同時吸着は不可能であるとして、(A,B,C,D)の組合せをノズルグループとして選択しない。この場合には、1回で吸着すべき4個の電子部品を、複数回に分けて吸着するようにする。
この例では、同時吸着本数Nが3本である場合には、上述したように(A,B,C)の組合せで痛み分け角度θbが許容角度θa以下となる。そのため、始めに(A,B,C)の3本の吸着ノズルで3個の部品を同時吸着した後、残りのノズルDで残りの1個の部品を吸着するものとする。すなわち、吸着回数Mは2回となる。
先ず、コントローラ30は、ノズルA(又はノズルC)のノズル先端角度(0.1度)とノズルBのノズル先端角度(0.2度)との平均値から、部品の同時吸着時における各ノズルシャフトの回転角度を算出する。各ノズルシャフトの回転角度は−0.15度となる。そのため、θ軸モータ35を駆動制御し、各ノズルシャフトを−0.15度回転させてから、(A,B,C)のノズルグループで3個の電子部品を部品供給装置15から同時吸着する。
次に、コントローラ30は、ノズルDのノズル先端角度(0.4度)から、ノズルDによる部品吸着時における各ノズルシャフトの回転角度を算出する。各ノズルシャフトの回転角度は−0.4度となる。そのため、θ軸モータ35を駆動制御し、各ノズルシャフトを−0.4度回転させてから、ノズルDで1個の電子部品を部品供給装置15から吸着する。
このとき、ノズルA及びCにおける部品の吸着角度ずれと、ノズルBにおける部品の吸着角度ずれは、共に痛み分け角度θbの最小値である0.05度となる。そして、ノズルDにおける部品の吸着角度ずれは0度となる。
以上のように、ノズル毎に取得したノズル先端角度に基づいて、同時吸着可能なノズルグループを作成し、当該ノズルグループ単位で部品の同時吸着を行う。
方向性を持つ先端形状を有する吸着ノズル40では、先端部分が極小になっており、当該先端部分の方向を正確に組み付けることは困難である。また、多連θ軸の基準軸の基準角度(0度)に対して、他の軸を同一角度に組み付けることも困難である。多連θ軸を持つ搭載ヘッド12の場合、個別にθ軸の角度を調整することができないため、部品を同時吸着する際、部品吸着前に、所定の吸着ノズル40についてノズル先端角度と部品角度とのずれ(吸着角度ずれ)を無くすようにθ軸の角度を調整したとしても、他の軸が一緒に回転してしまい、全ての吸着ノズル40について吸着角度ずれを無くすことはできない。
しかしながら、吸着角度ずれが発生している場合、部品保持力の低下による部品の吸着不良や部品からノズル先端部がはみ出すことによる搭載時の隣接部品との接触が発生するおそれがあり、実装品質が低下する。
これに対して、本実施形態では、自動的に痛み分け角度θbが最小となるノズルグループを作成し、作成したノズルグループ単位で部品を同時吸着するため、多連θ軸を持つ搭載ヘッドを用いた場合であっても、実装品質を低下させることなく、部品を実装することができる。また、部品を同時吸着することが可能であるため、順次吸着する場合と比較してタクトを低減することができる。
さらに、痛み分け角度θbが許容角度θaを上回る吸着ノズルの組合せしか存在しない場合には、同時吸着本数Nを減らし、吸着回数Mを増やす(同時吸着後の順次吸着回数を増やす)。このとき、できるだけ同時吸着本数Nが多く、吸着回数Mが少ない組合せを選択するので、タクトへの影響を最小限にしながら、部品を実装することができる。
また、ノズル交換装置16は、吸着ノズル40の下側鍔部42に形成された平部42aと、ノズル交換装置16の下側ホルダ68に形成された平部68a,68bとによって、吸着ノズル40をその回転方向の位置決めを行った状態で保持する。そのため、吸着ノズル40を常に一定の姿勢で保持することができると共に、ノズル脱着時における吸着ノズル40の回転を防止することができるので、認識しているノズル先端角度と実際のノズル先端角度との間にずれが生じるのを防止することができる。したがって、良好な吸着保持力を発揮した状態で部品を同時吸着するための事前処理を高精度に実施することができる。
さらに、ノズルの昇降運動だけでなく、水平方向の移動を行って吸着ノズルを交換する機構を備えるので、ノズル収納用の鍔(上側鍔部41、下側鍔部42)よりも大きな先端部を持つ吸着ノズルを狭いピッチで最大限収納することができる。また、このように先端部の大きな吸着ノズルを用いることができれば、その吸着ノズルに対応して大きな電子部品を吸着搭載することができる。さらにまた、吸着ノズルを押さえるストッパの摺動方向をノズル収納部の並列方向に対して垂直な方向とすることで、省スペース化を図れる。
(効果)
上記第1の実施形態では、ノズル先端角度のばらつきが許容範囲内にあるノズルを、部品の同時吸着が可能なノズルとして選んでグループ化し、グループ化したノズルで部品を同時吸着する。このように、ノズルグループの作成に際し、ノズル先端角度を考慮し、ノズル先端角度のばらつきが許容範囲内となる吸着ノズルの組合せを、部品の同時吸着が可能な吸着ノズルの組合せとして選択し、選択した吸着ノズルの組合せで電子部品を同時吸着する。
そのため、痛み分け角度が許容角度以下となる組合せを、同時吸着を行うノズルグループとして選択することができ、同時吸着後の各吸着ノズルにおける部品吸着角度ずれを極力小さくすることができる。すなわち、先端部分が角型であるような方向性を持つノズルであっても、部品保持力を確保した状態で複数部品の同時吸着が可能となる。したがって、実装品質に対する懸念事項を防止しながら、タクトへの影響を低減することができる。
また、ノズル装着時には、ノズル交換装置に保管された複数の吸着ノズルを同時に装着するので、ノズル装着に要する時間を短縮することができる。したがって、よりタクトへの影響を低減することができる。
さらに、部品吸着前に、ノズルグループ内の最大ノズル先端角度θmaxと最小ノズル先端角度θminとの平均角度の分だけ、当該平均角度とは逆方向にθ軸を回転させてから、選択したノズルグループで部品を同時吸着する。これにより、痛み分け角度が最小になるように部品を吸着することができる。そのため、吸着不具合の発生を抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明における第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、良好な吸着保持力を発揮した状態で部品を同時吸着するための事前処理として、複数の吸着ノズル40を、ノズル先端部の角度が全て揃った状態となるように搭載ヘッドに装着する処理を実施するようにしたものである。
(構成)
図17は、コントローラ30で実行する部品実装処理手順を示すフローチャートである。
先ず、ステップS41で、コントローラ30は、ノズル交換装置16に保管された吸着ノズル40のノズル先端角度を認識し、ステップS42に移行する。ここで、ノズル先端角度はノズル割付実施時にヘッド12に装着したノズルを認識カメラ21で撮像し、撮像した画像を認識装置により認識したものであってもよいし、同様の機能を持つ他の電子部品実装装置で取得したデータや測定器具を用いて取得したデータ等、電子部品実装装置1外で取得した情報を取り込んだものであってもよい。
ステップS42では、コントローラ30は、ノズル交換装置16から搭載ヘッド12へ吸着ノズル40を装着する処理を行う。ここでは、搭載ヘッド12へ装着した後の各吸着ノズル40のノズル先端部の角度が統一されるように、吸着ノズル40を順次装着する。
例えば、図16に示す例のように、4本の吸着ノズルA〜Dのノズル先端角度がそれぞれノズルA=0.1度、ノズルB=0.2度、ノズルC=0.1度、ノズルD=0.4度である場合には、先ず、θ軸を基準角度(0度)から−0.1度に回転させ、ノズルAとノズルCを装着する。次に、θ軸を基準角度(0度)から−0.2度回転させた状態で、ノズルBを装着する。最後に、θ軸を基準角度(0度)から−0.4度回転させた状態で、ノズルDを装着する。
このように、装着対象の吸着ノズル40のノズル先端角度分だけ、ノズルシャフトをノズル先端角度とは逆方向に回転させた状態で、装着対象の吸着ノズル40をノズル交換装置16から装着する。
これにより、θ軸を基準角度(0度)に戻したとき、ノズルA〜Dのノズル先端部の角度は全て基準角度(0度)で統一されることになる。なお、吸着ノズル40の装着順は、ノズル先端角度の小さい順、又は大きい順とする。
次にステップS43では、コントローラ30は、生産シーケンスから、電子部品の同時吸着が必要な吸着ノズルの本数(同時吸着本数)Nを取得する。そして、バキューム機構31、X軸モータ32、Y軸モータ33及びZ軸モータ34を駆動制御し、吸着指定されている電子部品を部品供給装置15の所定の部品供給位置から同時に吸着し、ステップS44に移行する。このとき、部品を吸着するノズルは、任意に選択可能である。
ステップS44では、コントローラ30は、先ず、認識カメラ21によるビジョン認識を行う。ここでは、認識カメラ21で吸着した各電子部品を順次撮像し、各撮像画像を処理することで各電子部品の吸着位置ずれを検出する。そして、検出した吸着位置ずれに応じて部品搭載時の補正量を決定する。そして、そのビジョン認識結果に基づいて各電子部品を回路基板5に順次搭載し、部品実装処理を終了する。
なお、図17のステップS41がノズル先端角度認識手段に対応し、ステップS42が事前処理実施手段(ノズル順次装着手段)に対応し、ステップS43が部品吸着手段に対応し、ステップS44が部品搭載手段に対応している。
(動作)
次に、第2の実施形態の動作について説明する。
先ず、コントローラ30は、ノズル交換装置16に保管されている吸着ノズル40のノズル先端角度を、上述した第1の実施形態(図12のステップS1)と同じ方法で認識し(図17のステップS41)、ノズル交換装置16から搭載ヘッド12に複数の吸着ノズル40を順次装着する(ステップS42)。
このとき、コントローラ30は、対象の吸着ノズル40を装着する前に、当該吸着ノズル40のノズル先端角度分だけ、ノズル先端角度とは逆方向にノズルシャフトを回転し、ノズル先端部の角度とθ軸の基準角度とが一致した状態で装着動作を行う。この動作を、吸着ノズル毎に繰り返し行うことで、吸着ノズル装着後の各ノズル先端部の角度はθ軸の基準角度で統一されることになる。
すなわち、図18(a)に示すように、ノズル交換装置16に吸着ノズル40がそれぞれノズル先端角度を異ならせて保管されていても、この順次装着を行うことで、図18(b)に示すように、搭載ヘッド12に装着された後は、全てのノズル先端角度が基準角度(0度)に統一された状態となる。
N個の部品を同時吸着する場合には、コントローラ30は、ノズルシャフトを基準角度で維持したまま任意のN本の吸着ノズルによって同時吸着を行う。このとき、各吸着ノズルにおける部品の吸着角度ずれは0度となる。
このように、吸着ノズル40を搭載ヘッドに装着した結果、各ノズル先端角度がθ軸の基準角度となるようにするので、部品を同時吸着した結果の吸着角度ずれを0度とすることができる。したがって、部品の吸着不良等を防止し、実装品質を確保することができる。
(効果)
上記第2の実施形態では、吸着ノズル装着後の各ノズル先端部の角度が基準角度で統一されるように、吸着ノズルを搭載ヘッドに順次装着する。すなわち、吸着ノズルを装着するたびにノズルシャフトを回転させるようにする。これにより、吸着ノズルを装着した後の各ノズル先端部の角度を統一することができるため、痛み分け無く部品を同時吸着することができ、吸着不良を防止することができる。
(応用例)
なお、上記各実施形態においては、ノズル先端角度として、ノズル交換装置16内での吸着ノズル40の保管状態を考慮したものを用いることもできる。ノズル先端角度は、θ軸の基準角度(0度)に対するノズル先端部の回転角度ずれを示すものであるが、上記各実施形態では、吸着ノズル40がノズル交換機16に保管された状態において、ノズル本体部の平部42aがθ軸の基準角度(0度)と一致しているとみなし、平部42aに対するノズル先端部の回転角度ずれをノズル先端角度として用いた。ところが、実際には、高速で吸着ノズル40の脱着を行うために、ノズル交換装置16と吸着ノズル40との間には物理的な遊びがあり、この遊びによって吸着ノズル40が微少回転した状態で保管される場合がある。
そのため、ノズル装着前にヘッド部に装着された基板認識カメラ23で吸着ノズル40の保管状態を認識し、ノズル交換装置16に対するノズル角度(θ軸の基準角度(0度)に対する平部42aの回転角度ずれ)を取得する。ここでは、吸着ノズル40の上部を撮像し、撮像した画像により認識装置で吸着ノズル40の傾き角度を検出することで、当該吸着ノズル40の保管状態を認識する。そして、このノズル角度とノズル先端角度を考慮してノズル先端角度を認識する。画像による角度検出は、例えば図19に示すように、上側鍔部41に設けられた切欠き80の位置を認識することで行う。これにより、高精度にノズル先端角度を認識することができ、適切な事前処理を行うことができる。
また、上記各実施形態においては、上記第1の実施形態のノズル一括装着制御と、上記第2の実施形態のノズル順次装着制御のどちらを実施するかを判断し、制御方法を切り替える機能(事前処理選択手段)を備えるようにしてもよい。
上記第1の実施形態では、ノズル装着を同時に行うためノズル装着時間を短縮できるという特徴があり、上記第2の実施形態では、ノズル先端角度が統一されるようにノズル装着を順次行うために、ノズル装着時間はかかるが部品の同時吸着を確実に行うことができるという特徴がある。そこで、生産開始時に、予め決定されている電子部品の搭載スケジュールに応じて、上記第1の実施形態のノズル一括装着制御と、上記第2の実施形態のノズル順次装着制御のどちらを実施するかを判断し、制御方法を切り替えるようにしてもよい。
具体的には、複数種類のノズルを使用し、ノズル交換が頻繁に発生するような生産プログラムでは、タクト低減を防ぐためにノズル交換時間が短いノズル一括装着制御を適用すると判断する。一方、ノズル交換回数が少ない生産プログラムではノズル順次装着制御の制御を適用すると判断する。これにより、生産条件に適した制御を選択することができる。
制御方法の選択は、コントローラ30によって自動的に行ってもよいし、手動(ユーザの指定)で行うようにしてもよい。
更には、第2の実施形態のノズル順次装着制御によって吸着ノズルを装着した後に、認識装置でノズル先端角度を確認し、1の実施形態のノズル一括装着制御によって吸着ノズルの痛み分けグループを作成し、部品を吸着するようにしてもよい。これにより、より品質を向上することができる。
また、上記各実施形態においては、生産動作中に部品の同時吸着状態のチェックを行い、必要に応じて改善処理を行うようにしてもよい。経時変化により認識したノズル先端角度と実角度との間にずれが生じてくると、同時吸着が適切に行えない場合が発生する。そこで、これをチェックし改善処理を行う。
具体的には、内部のメモリ領域にノズル別の吸着ミスカウンタ(カウント手段)を用意し、ノズル装着時にカウンタをリセットする。そして、生産動作実行中に吸着ミスを監視し、吸着ミスが発生したら該当ノズルの内部カウンタを加算する。吸着ミス回数が予め設定された回数よりも多くなった場合は、該当ノズルの先端角度に異常があると判断し、改善処理としてノズル先端角度情報の再取得を行う。
このとき、上記第1の実施形態では、ノズル先端角度の再取得を行った後、内部データの更新を行いノズルグループの再グループ化を行う。上記第2の実施形態では、ノズル先端角度の再取得を行った後、吸着ノズル40の持ち直しを行う。これにより、同時吸着時の吸着ミス発生回数を少なくすることが可能となる。
また、ノズル先端角度の再取得については、自動でデータを更新する方法以外にも吸着異常の状態をオペレータに通知し、一時停止したり、該当ノズルの使用を避けて生産を続行したりする方法を採用することができる。
さらに、基板の搬入出などの生産待機時に、ノズル先端角度情報の再取得を行い、データの更新とノズルグループの再グループ化を行うようにしてもよい。これにより、経時変化による品質の低減を防止することができる。
1…部品実装装置、5…回路基板、11…搬送レール、12…搭載ヘッド、13…X軸ガントリ、14…Y軸ガントリ、15…部品供給装置、16…ノズル交換装置、21…認識カメラ、23…基板認識カメラ、30…コントローラ、31…バキューム機構、32…X軸モータ、33…Y軸モータ、34…Z軸モータ、35…θ軸モータ、40…吸着ノズル、41…上側鍔部、42…下側鍔部、42a…平部、43…ノズル保持部、61…収納部、62…ストッパ部、63…アクチュエータ部、64…土台部、65…プレート、66…ホルダ部、67…上側ホルダ、67a,67b…三角平部、68…下側ホルダ、68a,68b…平部、69…ねじ、70…長穴、71…ピン、72…リンク、73…スライドプレート、74…ピン74、75…アクチュエータ、76…シリンダプレート、77…ピン

Claims (12)

  1. 同一モータにより同方向に同時回転される複数のノズルシャフトを備え、ノズル交換装置に保管された吸着ノズルを前記ノズルシャフトに装着した後、装着された吸着ノズルにより電子部品を吸着し、基板上の所定の搭載位置に当該電子部品を順次搭載する電子部品実装装置であって、
    前記吸着ノズルは、ノズル本体部と、該ノズル本体部に組み付けられて電子部品を吸着保持する、方向性を有する形状の先端部とを含んで構成されており、
    前記複数の吸着ノズルについて、前記ノズル交換装置に保管された状態での前記ノズルシャフトの基準回転角度に対する前記先端部の回転角度ずれを示すノズル先端角度を認識するノズル先端角度認識手段と、
    前記吸着ノズルによって電子部品を吸着する前に、前記ノズル先端角度認識手段で認識したノズル先端角度に基づいて、電子部品の部品供給装置からの供給角度に対する前記先端部の回転角度のずれが許容角度以下である状態で、複数の電子部品を複数の吸着ノズルによって同時吸着するための事前処理を行う事前処理実施手段と、
    前記事前処理実施手段による事前処理を行った後、複数の吸着ノズルにより複数の電子部品を同時吸着する部品吸着手段と、
    前記部品吸着手段で電子部品を吸着した後、前記搭載位置に電子部品を順次搭載する部品搭載手段と、を備えることを特徴とする電子部品実装装置。
  2. 前記事前処理実施手段は、前記事前処理として、前記複数のノズルシャフトに、前記ノズル交換装置に保管された複数の吸着ノズルを一括して装着し、前記ノズル先端角度認識手段で認識したノズル先端角度に基づいて、当該ノズル先端角度のばらつきが許容範囲内となる吸着ノズルの組合せを、電子部品を同時吸着可能な吸着ノズルの組合せとして選択するノズル一括装着手段を備え、
    前記部品吸着手段は、前記ノズル一括装着手段で選択した吸着ノズルの組合せで電子部品を同時吸着することを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装装置。
  3. 前記部品吸着手段は、前記ノズル一括装着手段で選択した吸着ノズルの組合せの中で、最もばらつきの大きい2つのノズル先端角度の平均角度の分だけ、ノズルシャフトを前記基準回転角度から前記平均角度とは逆方向に回転させ、前記ノズル一括装着手段で選択した吸着ノズルの組合せで電子部品を同時吸着することを特徴とする請求項2に記載の電子部品実装装置。
  4. 前記事前処理実施手段は、前記事前処理として、前記ノズル先端角度認識手段で認識した装着対象の吸着ノズルのノズル先端角度分だけ、ノズルシャフトを前記基準回転角度から前記ノズル先端角度とは逆方向に回転させ、当該装着対象の吸着ノズルを前記ノズル交換装置から装着するノズル順次装着手段を備え、
    前記部品吸着手段は、任意の吸着ノズルの組合せで電子部品を同時吸着することを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装装置。
  5. 前記事前処理実施手段は、
    前記事前処理として、前記複数のノズルシャフトに、前記ノズル交換装置に保管された複数の吸着ノズルを同時に装着し、前記ノズル先端角度認識手段で認識したノズル先端角度に基づいて、当該ノズル先端角度のばらつきが許容範囲内となる吸着ノズルの組合せを、電子部品を同時吸着可能な吸着ノズルの組合せとして選択するノズル一括装着手段と、
    前記事前処理として、前記複数の吸着ノズルについて、前記ノズルシャフトに装着した後の吸着ノズルの先端部の回転角度が、前記ノズルシャフトの基準回転角度に一致するように、前記ノズル先端角度認識手段で認識した装着対象の吸着ノズルのノズル先端角度分だけ、前記ノズルシャフトを前記ノズル先端角度とは逆方向に回転させ、当該装着対象の吸着ノズルを前記ノズル交換装置から装着するノズル順次装着手段と、
    前記ノズル一括装着手段及び前記ノズル順次装着手段の何れか一方を選択して実施する事前処理選択手段と、を備え、
    前記部品吸着手段は、
    前記事前処理選択手段で前記ノズル一括装着手段を選択したとき、当該ノズル一括装着手段で選択した吸着ノズルの組合せで電子部品を同時吸着し、前記事前処理選択手段で前記ノズル順次装着手段を選択したとき、任意の吸着ノズルの組合せで電子部品を同時吸着することを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装装置。
  6. 前記事前処理選択手段は、予め決定された電子部品の搭載スケジュールに応じて、生産開始前に、前記ノズル一括装着手段及び前記ノズル順次装着手段の何れか一方を選択することを特徴とする請求項5に記載の電子部品実装装置。
  7. 前記事前処理選択手段は、前記ノズル一括装着手段及び前記ノズル順次装着手段のうち、オペレータが指定した方を選択することを特徴とする請求項5に記載の電子部品実装装置。
  8. 前記部品吸着手段による電子部品の吸着不良の回数を、前記吸着ノズルごとにカウントするカウント手段を備え、
    前記ノズル先端角度認識手段は、前記カウント手段でカウントした吸着不良の回数が予め設定した回数を超えたとき、前記ノズル先端角度を認識し直すことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の電子部品実装装置。
  9. 前記ノズル先端角度認識手段は、予め定めた周期で前記ノズル先端角度を認識し直すことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の電子部品実装装置。
  10. 前記ノズル交換装置は、複数の吸着ノズルの前記ノズル本体部を、それぞれ予め定められた回転姿勢で、且つ回転方向の移動を規制した状態で保持するノズル保持手段を備えることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の電子部品実装装置。
  11. 前記ノズル本体部は、ノズル軸方向の断面形状が円形である円形保持部と、ノズル軸方向に直交する方向に対向する平部を有する鍔部と、を備え、
    前記ノズル保持手段は、前記円形保持部をノズル軸方向に直交する3方向から挟持すると共に、前記鍔部を当該鍔部と同形状の嵌合部に嵌合させて保持することを特徴とする請求項10に記載の電子部品実装装置。
  12. 同一モータにより同方向に同時回転される複数のノズルシャフトに、ノズル交換装置に保管された吸着ノズルを装着した後、装着された吸着ノズルにより電子部品を吸着し、基板上の所定の搭載位置に当該電子部品を順次搭載する電子部品実装方法であって、
    前記吸着ノズルは、ノズル本体部と、該ノズル本体部に組み付けられて電子部品を吸着保持する、方向性を有する形状の先端部とを含んで構成されており、
    前記複数の吸着ノズルについて、前記ノズル交換装置に保管された状態での前記ノズルシャフトの基準回転角度に対する前記先端部の回転角度ずれを示すノズル先端角度を認識し、前記吸着ノズルによって電子部品を吸着する前に、前記ノズル先端角度に基づいて、電子部品の部品供給装置からの供給角度に対する前記先端部の回転角度のずれが許容角度以下である状態で、複数の電子部品を複数の吸着ノズルによって同時吸着するための事前処理を行ってから、複数の吸着ノズルにより複数の電子部品を同時吸着し、その後、前記搭載位置に電子部品を順次搭載することを特徴とする電子部品実装方法。
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