JP5996816B1 - インク充填方法及びインクカートリッジの製造方法 - Google Patents

インク充填方法及びインクカートリッジの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】弁付きのインク供給部を設けたインク容器に、インクをこぼさずにインクを充填し、インクカートリッジの生産を効率的に行なう。【解決手段】インクカートリッジ1の供給口部14に、充填装置300のジョイント部53を接続し、押圧部52によってインクカートリッジの中栓15を供給口部内に押し込み、付勢手段16に抗して中栓を押し下げて開口14aを開放させ、インク充填部とインク容器を連通させる。第1ポンプP1を作動させ、インクをインク容器内に充填する。充填後、ジョイント部を離せば付勢手段により中栓が供給口部を閉止する。【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット印刷装置に着脱されるインクカートリッジにインクを充填するためのインク充填方法及びインクカートリッジの製造方法に係り、特にインクカートリッジにインクを充填する際にインクがこぼれにくいため、カートリッジ及び周辺環境をインクで汚損する恐れが少なく、インクの充填によるインクカートリッジの生産を効率的に行なうことができるインク充填方法及びインクカートリッジの製造方法に関する。
従来より、印刷媒体(被印刷体)となる用紙に所望の画像を印刷するインクジェット印刷装置には、インクヘッドにインクを供給するためにインクジェット記録装置用インクカートリッジ(以下、単に「インクカートリッジ」という)が使用されている。このインクカートリッジは、インクを収納したインク容器に、インクを導出するインク供給部を設け、これを箱型の外装体に収納した構造となっている。
このインクカートリッジについては、インクジェット印刷装置への着脱が容易で、輸送及び取り扱い過程での落下、輸送時の振動などに対して耐性を有し、且つ安価な製作を可能にしたいという要望がある。そこで、これら要望に応えるため、本願出願人は、下記特許文献1に開示されるようなインクカートリッジを提供している。
図9に模式的に示すように、従来のインクカートリッジ200は、印刷装置に対して水平方向(着脱操作方向)に着脱される直方体形状の筐体であって、細長の外箱である外装体240と、外装体240の開口した一端部に設けられて印刷装置のカートリッジ取付機構に係合される係合面220と、係合面220に設けられたインクの吐出口であるインク供給部230と、インク供給部230に連通し、外装体240内に収納されたインク容器210とを備えている。なお、図9においては、インク容器210は直方体形状で示しているが、これは規定量のインクが充填されて膨らんだ状態を模式的に示した例示に過ぎない。
従来、上述したような構造のインクカートリッジを製造する工程において、とりわけインク容器に規定量のインクを充填する際には、次のような手順で行なっていた。まず、図10に示すように、インク容器210の材料である合成樹脂製の直方体形状のシート材を2枚重ね、その一短辺の中央に両端が開口した連通管250を介在させる。この状態で、シート体の四周を熱融着し、連通管250で内外が連通した袋体を構成する。図10中において熱融着により貼着した領域に斜線を付して示す。次に、連通管250で開口したインク容器210を、連通管250を上にした状態で直立させて適宜の手段で保持し、適当なインク充填装置を用いて連通管250から袋体の内部にインクを注入、充填する。この際、特に圧力をかけて注入する必要はない。連通管250の開口は相当の広さがあるため、インクを供給すればインクは重力でインク容器210内に注入され、充填されていく。規定量のインクが充填されたところで、インクの供給を停止し、常時閉の開閉弁が設けられたインク供給部260を連通管に挿入して液密状態で固定し、インク容器210内にインクを密封する。これにより、規定量のインクが充填され、インク供給部260を介してインクを外部に供給できるインク容器210が完成する。
なお、インク容器210を構成する合成樹脂製のシート材は必ずしも2枚とは限らず、これ以上の枚数で構成してもかまわないが、その場合であっても、合成樹脂製のシート材で構成された袋体の一部を連通管250が液密状態で貫通した構造となる点では、上述した2枚のシート材で構成した場合と同様である。
特開2010−82994号公報
上述したように、インクカートリッジ200のインク容器210に設けられた連通管250は開口が広いため、インク容器210を直立させれば連通管250からインクを簡単に充填することができる。開閉用の弁を内蔵したインク供給部260を連通管250に取り付ける前に、連通管250の開口からインク容器210内にインクを注入し、その後でインク供給部260を連通管250に取り付けるという工程を採用していたのは、このような利点があったからである。
ところが、インクを充填する連通管250の開口が広く、インクを充填する際の流量を大きくしてインクの充填を短時間で完了できる反面、充填完了に伴うインク投入停止のタイミングを誤るとインクが連通管250の開口からこぼれてしまい、インク容器210の外側や周辺機器周りを汚す恐れがあった。また、連通管250の開口からインクがこぼれることなく、充填を完了できたとしても、内部に充填したインクの量が規定よりも多いと、最後の工程で連通管250の開口にインク供給部260を挿入する際、インク容器210内のインクが外にあふれ出してインク容器210の外側等を汚す恐れがあった。
本発明は、以上のような従来の課題に鑑みてなされたものであり、弁付きのインク供給部が設けられたインク容器を備えたインクカートリッジにインクを充填する際に、インクがこぼれにくいためカートリッジ及び周辺環境をインクで汚損する恐れが少なく、インクの充填によるインクカートリッジの生産を効率的に行なうことができるインク充填方法及びインクカートリッジの製造方法を提供することを目的としている。
請求項に記載されたインク充填方法は、
インクを収納するインク容器と、
前記インク容器の内部と外部を連通させる供給口部と、
前記供給口部を開閉する中栓と、
前記中栓を閉止する方向に付勢する付勢手段と、
を有するインクカートリッジに対するインク充填方法であって、
前記付勢手段の付勢に抗して前記中栓を前記インク容器内に押圧して前記供給口部を開く第1工程と、
開いた前記供給口部からインクを注入する第2工程と、
前記インク容器内のインクが所定の量に達した段階で前記中栓に対する押圧を解除する第3工程と、
を含み、
前記第2工程が終了した後、前記供給口部が開放された状態で前記インク容器を押圧して前記インク容器内にある空気を前記インク容器外に放出させることを特徴としている。
請求項に記載されたインク充填方法は、請求項記載のインク充填方法において、
前記インクカートリッジは、前記インク容器の内部に設けられて前記中栓の摺動方向を規制するとともに前記中栓を保護する被覆部材を備えていることを特徴としている。
請求項に記載されたインク充填方法は、請求項記載のインク充填方法において、
前記第1工程と前記第2工程の間に、前記吸引部によって前記インク容器の内部に残存しているインクを吸引して吸い出す残インク処理工程を設けたことを特徴としている。
請求項に記載されたインク充填方法は、請求項1乃至3の何れか一つに記載のインク充填方法において、
前記インクカートリッジを、前記供給口部が横向きとなるように配置して行なうことを特徴としている。
請求項5に記載されたインクカートリッジの製造方法は、
インクを収納するインク容器と、
前記インク容器の内部と外部を連通させる供給口部と、
前記供給口部を開閉する中栓と、
前記中栓を閉止する方向に付勢する付勢手段と、
を有するインクカートリッジの製造方法であって、
前記付勢手段の付勢に抗して前記中栓を前記インク容器内に押圧して前記供給口部を開く第1工程と、
開いた前記供給口部からインクを注入する第2工程と、
前記インク容器内のインクが所定の量に達した段階で前記中栓に対する押圧を解除する第3工程と、
を含み、
前記第2工程が終了した後、前記供給口部が開放された状態で前記インク容器を押圧して前記インク容器内にある空気を前記インク容器外に放出させることを特徴としている。
請求項に記載されたインク充填方法によれば、第1工程で、付勢手段の付勢に抗して中栓をインク容器内に押圧して供給口部を開き、第2工程において、開いた供給口部からインクを注入し、第3工程において、インク容器内のインクが所定の量に達した段階で中栓に対する押圧を解除してインク容器を直ちに密封できる。このため、インクをこぼさず、カートリッジ及び周辺環境をインクで汚損することなく、インクの充填によるインクカートリッジの生産を効率的かつ確実に行なうことができる。そして、第2工程において開放された供給口部からインクをインク容器内に注入した後、供給口部が開放された状態でインク容器を押圧してインク容器内にある空気をインク容器外に放出させることができる。
請求項に記載されたインク充填方法によれば、このインク充填方法が対象とするインクカートリッジのインク容器に設けられたインク供給部には、インクカートリッジの着脱時における摺動の有無に拘わらず中栓の軸部を常に覆った状態で被覆部材が設けられているため、例えばインク残量が少なくなりインク容器が萎んだときであっても軸部の端部とインク容器の内面とが接触することがなくなる。これにより、被覆部材は、インク容器を保護する部材として機能するため、従来のインクカートリッジで起こり得たインク容器の損傷によるインク漏洩を未然に防止することができる。
請求項に記載されたインク充填方法によれば、インク充填装置を用いたインクの充填工程において、第1工程と第2工程の間で、インク容器の内部に残存しているインクを吸引部により吸い出すことができるため、残存インクと充填するインクがインク容器の内部で混合することがない。
請求項に記載されたインク充填方法によれば、インクカートリッジを、供給口部が横向きとなるように配置してインクの充填を行なうため、仮に、インクの充填工程において供給口部からインクが外に溢れたとしても、溢れたインクがインク容器の外面に付着する恐れは小さく、インク容器を汚損する可能性が小さいという利点がある。
請求項5に記載されたインクカートリッジの製造方法によれば、第1工程で、付勢手段の付勢に抗して中栓をインク容器内に押圧して供給口部を開き、第2工程において、開いた供給口部からインクを注入し、第3工程において、インク容器内のインクが所定の量に達した段階で中栓に対する押圧を解除してインク容器を直ちに密封できる。このため、インクをこぼさず、カートリッジ及び周辺環境をインクで汚損することなく、インクの充填によるインクカートリッジの生産を効率的かつ確実に行なうことができる。そして、第2工程において開放された供給口部からインクをインク容器内に注入した後、供給口部が開放された状態でインク容器を押圧してインク容器内にある空気をインク容器外に放出させることができる。
(a)は本発明の実施形態に係るインクカートリッジを装填するインクジェット印刷装置の構成を示した概略平面図であり、(b)は同装置の概略正面図であり、(c)は同装置の概略側面図である。 (a)は同カートリッジの表側から見た外観と内部を示す概略透視図であり、(b)は同カートリッジの外観を裏面側からみた概略斜視図である。 同カートリッジと実施形態のインク充填装置の接続部付近における接続前の拡大断面図である。 同カートリッジが接続された同インク充填装置の概要を示す模式的構成図である。 同カートリッジと同インク充填装置の接続部付近における接続後の拡大断面図である。 (a)は同インク充填装置による同カートリッジに対するインク充填操作の実験結果を示す表図、(b)は図5のB−B切断線における断面図である。 図6の表図から得られた充填圧力と充填速度の関係を示す図である。 図6の表図から得られた充填圧力と1000ml充填時間の関係を示す図である。 従来のインクカートリッジの概略透視図である。 従来のインクカートリッジが有するインク容器の構造及び製造工程を示す概略構成図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態によって本発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者などにより考え得る実施可能な他の形態、実施例及び運用技術などは全て本発明の範疇に含まれるものとする。
なお、本明細書において、添付する各図を参照した以下の説明において、方向乃至位置を示すために上、下、左、右の語を使用した場合、これはユーザが各図を図示の通りに見た場合の上、下、左、右に一致する。
また、本発明に係るインクカートリッジ1を印刷装置100に対して水平に着脱する方向を「着脱方向A」とし、インクカートリッジ1を印刷装置100に挿入して装填させる方向を「装填方向A1」、 インクカートリッジ1を印刷装置100から離脱させ取り外す方向を「離脱方向A2」とする。
さらに、装填方向A1は、インクカートリッジ1に充填されたインクが印刷装置100に流出する方向(以下、「インク流出方向B」という)と同方向となり、インク容器10を外装体20に収容する際に挿入する方向は、離脱方向A2と同方向となる。
[1.印刷装置の全体構成]
図1(a)〜(c)の何れかに示すように、本形態に係るインクカートリッジ1が装填される印刷装置100は、多数のノズルが形成されたインクヘッドを複数備え、それぞれのインクヘッドから異なる色のインクを吐出してライン単位で印刷を行い、搬送ベルトで搬送される被印刷媒体(用紙)上に複数の画像を互いに重なり合うように形成するインクジェット方式のラインカラープリンタを例に説明する。
なお、本形態では、ライン型のインクヘッドが4つ設けられ、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のインクを各インクヘッドから吐出して画像形成を行うが、インクヘッドの数やインクの色数・種類については特に限定されない。
また、印刷装置100には、該装置を構成する各部を統括的に制御して印刷ジョブに応じた印刷処理を実行させるための制御部110が具備されている。この制御部110によって、上述したインクヘッドによる印刷処理や、搬送機構の駆動制御の他、インクカートリッジ1からのインク供給に関する制御も行う。
さらに、制御部110には、例えば操作キーや表示/入力パネルなどで構成される入力機器からなる設定操作部120が接続されており、この設定操作部120を通じて、ユーザによる指示や設定操作を受け付けることができる。
図1(a)、(c)に示すように、印刷装置100における装置本体100aの上部には、インクカートリッジ1を接続するためのカートリッジ接続部130が、インクヘッド毎に複数(図中ではインクヘッドの数に合わせて4つ)に設けられている。
また、カートリッジ接続部130の上方を覆うように上面装置140が配設されている。インクカートリッジ1を装填する際は、この上面装置140の下面と印刷装置100の本体の上面との間に水平方向(装填方向A1)に挿入する。この上面装置140には、例えば、ADF(auto document feeder)にセットした原稿を搬送に伴い光学的に読み取ってディジタルデータ化する画像読取装置(スキャナ)や、上記設定操作部120が配設される。
さらに、カートリッジ接続部130には、インクカートリッジ1を印刷装置100に装填した際に、後述する係合部30と嵌合するホルダ部が設けられている。
[2.インクカートリッジの全体構成]
次に、本発明に係るインクカートリッジ1の構成について説明する。
図2(a)又は(b)に示すように、インクカートリッジ1は、印刷装置100に対する水平方向である着脱方向Aに沿って着脱される略直方体形状の細長の筐体である。インクカートリッジ1は、所定のインクが充填される熱可塑性フィルム材料からなるインク容器10と、インク容器10が挿入される外箱である外装体20と、インク容器10の長手方向における一方の端部に設けられ、前述した印刷装置100のカートリッジ接続部130、又は後述するインク充填装置300のカートリッジ接続部130と係合する係合部30とで構成されている。
<2−1.インク容器>
図2に示すインク容器10は、インクが封入される袋体である。詳細は後述するが、本実施形態のインク容器10は、長方形状の熱可塑性フィルム11を2枚重ね、長手方向の一端に後述するインク供給部13を介在させた状態で、その周囲を熱溶着により接合して形成されている。インク容器10を、外装体20の開口部から挿入し、インク供給部13が組み付けられた係合部30を開口部に嵌合することで、インクカートリッジ1が組み立てられる。
なお、インク供給部13との名称は、印刷装置100で使用する際に、この部分を通して印刷装置100にインクが供給されることから名付けられたものであるが、後述するように、インク充填装置300のカートリッジ接続部130にインクカートリッジ1を接続すれば、このインク供給部13を介して、逆にインク容器10内にインクを注入、充填することもできる。
図3の下方に示すように、インクカートリッジ1のインク供給部13は、インク容器10の内部と外部を連通させる開口14aが設けられた供給口部14を備えている。供給口部14の前面側には、開口14aを取り囲んで環状の凹部14bが設けられている。この凹部14bは、前述した印刷装置100及び後述するインク充填装置300の各カートリッジ接続部と連結するための構造である。この供給口部14には、供給口部14の連通を開放又は閉止する中栓15と、中栓15をインク流出方向Bに付勢して供給口部14を閉止する付勢手段16と、インクカートリッジ1の着脱に伴う中栓15の摺動を着脱方向Aに沿ってガイドする被覆部材17とが組み込まれている。
また、インク供給部13は、フィルム11とフィルム11の間で熱溶着されてインク容器10と一体になった連通管19を有している。この連通管19は筒状の部材であり、インク容器10の内外を連通している。
そして、中栓15等が組み込まれた前記供給口部14を、その基端部から前記連通管19の開口部に挿入して液密状態で嵌着することにより、供給口部14とインク容器10は一体化されている。このような構造によれば、中栓15による開口14aの開閉により、インク容器10の内部と外部を連通させ、又は遮断することができる。
インク供給部13において、前記中栓15が経路を開閉する構造について詳述する。
中栓15は、先端が供給口部14の開口14aと当接してインク容器10の内部と外部との連通を閉止する栓部15aと、栓部15aの後端側(供給口部14と当接する側の端部と反対側の端部)から延設される軸部15bと、栓部15aの先端に設けられ、印刷装置100のカートリッジ接続部又は後述するインク充填装置300のカートリッジ接続部と係合する係合受け部15cと、栓部15aの周囲に嵌め込まれ、開口14aを閉止した際に栓部15aと供給口部14との間の間隙を埋めるOリング15dとを有している。
このような構成を有する中栓15は、付勢手段16の付勢力によって栓部15aの先端側の面が供給口部14の開口14aと当接して供給口部14を閉止する。また、Oリング15dが栓部15aと供給口部14との間の間隙を埋める。これにより、インク容器10の内部と外部との連通が遮断され、インクは外部に流出しない。
中栓15を閉止方向に付勢する付勢手段16は、バネやゴムなどの弾性体で構成され、栓部15aの後端側から供給口部14の開口14aを閉止する方向(すなわち、装填方向A1)に付勢する。本実施形態では、付勢手段16としてバネを使用している。
摺動する中栓15の軸部15bを覆う被覆部材17は、その先端に付勢手段16を支持する支持部17aと、支持部17aから延設された略円筒形状の被覆部17bとで構成されている。被覆部材17は、支持部17aで付勢手段16を支持するとともに、栓部15の軸部15aが供給口部14から露出している部分を全て覆い隠すように長さが設定されている。すなわち、図3に示すように、栓部15が供給口部14を閉止している状態でも、5に示すように、栓部15が外力に押し込まれて供給口部14が開放されている状態でも、栓部15の軸部15bは被覆部材17によって覆い隠されている。
このように、被覆部17bは、中栓15の摺動の有無に拘わらず、供給口部14から露出した軸部15bを全て覆うような長さとされているため、例えばインク残量が少なくなりインク容器10が萎んだときであっても、軸部15bの端部とインク容器10の内面とが接触することがない。これにより、中栓15によってインク容器10が損傷する危険性がなくなるため、ユーザは取り扱いを注意することなくインクカートリッジ1を使用することができる。
また、図3及び図5に示すように、被覆部17bの上半部は、所定長さにわたり、軸部15bとの間隙を可能な限り狭めた内径(案内用内径)とされている。これにより、軸部15bは、インクカートリッジ1の着脱時に着脱方向Aに沿って正しい姿勢で摺動できる。さらに、被覆部17bの下半部は、軸部15bとの間隙がより広くなるような内径とされている。
前記案内用内径を加工するには高い精度が求められるため、製造コストが嵩むという問題があるが、本実施形態では、被覆部17bにおいて、案内用内径が不要な部分は案内用内径よりも所定径だけ大きくし、案内用内径となる部分を不必要に成形しないことで製造コストを抑制している。
以上の構成を備えた本実施形態のインクカートリッジ1によれば、図3に示すように、インクカートリッジ1を印刷装置100又はインク充填装置300に装填する前は、付勢手段16の付勢力により栓部15aが開口14aに向けて押圧されるため、開口14aが塞がれるとともにOリング15dにより栓部15aと供給口部14との間の間隙が埋まり、供給口部14が閉止されてインクが通過できない状態となる。
これとは逆に、詳細は後述するが、図5に示すように、中栓15が付勢手段16の付勢力と逆方向の押圧力を受けてインク容器10内に向けて摺動すると、開口14aが開放されてインク容器10の内部と外部が連通する。このとき、インクカートリッジ1が印刷装置100に装填されているのであれば、インク流出方向Bに沿って、インクカートリッジ1からインクを印刷装置100に供給することができる。また、このとき、インクカートリッジ1がインク充填装置300に装填されているのであれば、インクカートリッジ1のインク容器10内にインクを充填することができる。
なお、図3に示すように、供給口部14の先端には、インクカートリッジ1を印刷装置100又はインク充填装置300に装填したときに、印刷装置100又はインク充填装置300の接続部分と、開口14aとの間に僅かな隙間を設け、インクの流出量又は流入量を一定量に適正化させるため、突起部14cが設けられている。本実施形態では、開口14aの周囲に、3つの突起部14cが略等角度間隔をおいて設けられている。
<2−2.外装体>
図2に示すように、外装体20は、紙製(例えば、段ボール)のシート部材に設定された折り辺を折り曲げて糊代部分を貼り合わせることにより、長手方向における一端が開口され、他端が閉止された、有底の中空直方体をなす箱状に組み立てられている。
外装体20の開口部(カートリッジ装填時における印刷装置100又はインク充填装置300側の開口部)には、印刷装置100側又はインク充填装置300側のカートリッジ接続部130に係合する係合部30が嵌め込まれ、印刷装置100又はインク充填装置300の接続部分との突当面となっている。
さらに、図2(b)に示すように、外装体20の下面には、外装体20の表面を貫通する引き抜き用の凹部21が形成されている。この凹部21は、外装体20の凹部形成箇所に所定の切り込みを入れ、外装体20の部材表面において、切り込まれた部分を内面側に、且つ終端側に向けて折り曲げられることで形成されている。
また、図2(a)に示すように、外装体20の内部終端には、外装体20の内面と、インク容器10の終端部12の尖形外面との間の内部空間の形状を確保する仕切部材22が配置されている。これにより、ユーザがインクカートリッジの着脱操作をする際には、外装体20終端の凹部21を掴んで、インクカートリッジを引き出すことができ、インクカートリッジ1の着脱が容易になり作業性が向上する。また、インクカートリッジ1の着脱時に、ユーザの手が直接インク容器10に触れないため、インク容器10の損傷を防止することができる。
また、図2(a)に示すように、外装体20の長手方向の両端部には、該両端部を補強して全体を箱型に保持するラベル31が貼付されているが、外装体20の上面には、このラベル31の端部と重なるように、ラベル剥がし用の切り込み23が形成されている。この切り込み23は、一部が折れ部となり、その他の部分が破断しており、ユーザが指で切り込み23を外装体20の内方に押し込み、破断した部分を摘んでラベル31と外装体20を引っ張れば、ラベル31が破断した外装体20の一部と一緒に剥がせるため、ラベル31と外装体20の分別作業を簡易的に行うことができる。
<2−3.係合部>
係合部30は、樹脂又は金属などの硬質材料で形成され、インクカートリッジ1を印刷装置100又はインク充填装置300に装填した際に、その接続部分と係合する着脱機構として機能する。
図2(a)、(b)に示すように、係合部30は、外装体20の開口部に嵌合した後、裏面に粘着性を有するシール状の前記ラベル31(例えばフィルム法合成紙のように合成樹脂を主成分とする合成紙の裏面に接着剤を塗布したシート物)で貼り付け固定される。このラベル31は、外装体20に係合部30を嵌合させた状態で、外装体20の開口部側面から、係合部30の突当面30aを経て、反対側の開口部側面に渡って巻き回されることにより、係合部30を外装体20に組み付け固定している。
[3.インク充填装置300の全体構成]
以上説明したインクカートリッジ1には、インク容器10が空である場合、又はインク容器10の容量に余裕がある場合には、以下に説明するインク充填装置300を用いてインクを充填することができる。
図3〜図5を参照してインク充填装置300について説明する。
図4に示すように、インク充填装置300は、インクカートリッジ1のインク容器10を取り付ける設置部50を備えている。設置部50は、係合部30と係合してインク容器10を下方に吊り下げた状態とすることにより、インク供給部13を上にした縦姿勢でインク容器10を設置することができる。設置部50の上方には、インク容器部10を接続して保持するホルダ部として、カートリッジ接続部51が設けられている。このカートリッジ接続部51は、インク容器部10の中栓15を押圧して開口14aを開放する押圧部52と、押圧部52を外挿するとともに、押圧部52により開放されたインク容器10の供給口部14に接続されるジョイント部53とを有している。
図4に示すように、ジョイント部53は切替弁Sに接続されている。切替弁Sの第1切替経路R1には、インク充填部としての第1ポンプP1と、充填用のインクが貯えられたインクタンクTが接続されている。第1ポンプP1は、その吸込側がインクタンクTに接続され、その吐出側が切替弁Sに接続されている。切替弁Sを第1切替経路R1の側に切り替え、第1ポンプP1を作動させれば、インクタンクTのインクをジョイント部53を経てインク容器10内に注入、充填することができる。
図4に示すように、切替弁Sの第2切替経路R2には、インク容器10の内部を吸引する吸引部である第2ポンプP2の吸引口が接続されている。第2ポンプP2の吐出口には、図示はしないが、吸引した空気の放出口又は吸引したインクが吐出される廃棄容器が設けられている。なお、空気の放出口とインクの廃棄容器は選択的に切替可能としてもよいし、必要に応じて一方のみを設けることとしてもよい。
図3等を参照して、前述したインク充填装置300のカートリッジ接続部51についてさらに詳しく説明する。
カートリッジ接続部51は、縦姿勢で保持されたインク容器10のインク供給部13に対し、その上方において、軸線を一致させた状態で対抗して配置されている。カートリッジ接続部51のジョイント部53は、概ね外形円柱状の部材であって、その下端部には、インク容器10の供給口部14の円環状の凹部14bに合致するように、円環状の凸部54が形成され、該凸部54の内方は凹部55となっている。凹部55の開口付近の内周面にはインク漏洩防止用のOリング56が設けられている。凹部55にはインク流路57が連通しており、このインク流路57は前記切替弁S(図4参照)に接続されている。また、ジョイント部53の凹部55の中心には、前述した棒状の押圧部52が下方に向けて設けられている。押圧部52の先端(下端)は、中栓15の係合受け部15cに確実に係合するように尖った形状になっている。この押圧部52には、凹部14bに合致した外形の環状の受け板58が摺動可能に挿通しており、受け板58と押圧部52の基部との間にはばね等の弾性部材59が介装されている。
図3及び図5に示すように、インク充填装置300のカートリッジ接続部51は、インク容器10の中栓15の移動方向に沿って、インク容器10に対して上下方向に移動自在となるように構成されている。但し、インク充填装置300のカートリッジ接続部51とインク容器10とは、相対的に移動可能であればよいので、インク充填装置300のカートリッジ接続部51が所定位置に設置され、インク容器10が設置された設置部50が、カートリッジ接続部51に対して上下方向に移動自在とされていてもよいし、必要であれば、両方が移動してもよい。いずれにしても、かかる動作により、インク充填装置300の押圧部52が、インク容器10の中栓15を付勢手段16の付勢力に抗して移動させ、又はその押圧を解除して付勢手段16が中栓15を移動させれば、インク容器10の供給口部14の開口14aを開閉することができる。
[4.インク充填装置300による充填工程について]
図3〜図8を参照して、前記インク充填装置300を用いて前記インクカートリッジ1のインク容器10にインクを充填する方法について説明する。この方法による充填工程は、前記インクカートリッジ1の製造工程の一部として行なわれるものである。
図4に示すインク充填装置300の設置部50に、インク供給部13を上方とし、インク容器10を下方に吊り下げた縦姿勢で、インク容器10を設置する。
第1工程では、図3及び図5に示すように、インク充填装置300のカートリッジ接続部51を下降させる。ジョイント部53の円環状の凸部54が、インク容器10の供給口部14の円環状の凹部14bに嵌合し、押圧部52は、その先端(下端)を中栓15の係合受け部15cに係合させて中栓15を下方に押し下げる。中栓15と嵌合したジョイント部53の凹部55の内周面にはOリング56があるため、確実なインク漏洩防止効果が得られる。ジョイント部53と供給口部14の嵌合に伴い、ジョイント部53の受け板58が弾性部材59を圧縮して押圧部52に沿って上昇し、ジョイント部53と供給口部14が嵌合した状態において受け板58は弾性部材59の復元力を受けて供給口部14に所定の力で当接するので、前記嵌合状態は安定し、前記Oリング56の密封機能と相俟ってインクの漏れを防止する。
第2工程では、開いた供給口部14の開口14aからインクを注入する。すなわち、図4において、切替弁Sを第1切替経路R1の側に切り替え、第1ポンプP1を作動させることにより、インクタンクTのインクをジョイント部53を経てインク容器10内に注入、充填することができる。注入する量は任意であり、満杯になるまで充填してもよいし、需要者のニーズに応じて実効容量の一部のみを満たす程度に充填してもよい。
図6(a)は、第2工程のインク充填工程において実際にインク充填を実施した場合の数値例であり、図6(b)は、図5のB−B切断線における断面図であって充填されるインクが通過する最も狭い隙間である環状の隙間Sを示したものである。この例では、インク容器10の容量は1000mlである。また、インクは、供給口部14の開口14aと押圧部52の間に生じる環状の隙間Sを通過するが、図6(b)中に示すように開口14aの内径が4.4mmであり、押圧部52の外形が2.4mmであるから、その面積は(4.42 −2.42 )π/4≒10.68mm2 である。また、インクの粘度は色に係わらず10mPa・s前後である。この条件下で第1ポンプP1の吐出側の圧力(kPa)を変化させた場合に、インクの充填速度(ml/s))と、1000mlの充填時間(s)は同図に示す表のように変化した。
図7は、図6の表に示すデータから得た充填圧力と充填速度の関係を示す図である。この図によれば、第1ポンプP1の吐出圧力を高くするほど、充填速度が大きくなることが分かる。また、図8は、図6の表に示すデータから得た充填圧力と1000ml充填時間の関係を示す図である。この図によれば、第1ポンプP1の吐出圧力を高くするほど、充填時間が短くなっていくことが分かる。30kPa程度の吐出圧力とすれば、ほぼ1分程度で1000mlのインク容器10を満杯にすることができる。これら図7及び図8の表に示すデータから見て、第1ポンプP1の吐出圧力を大きくしても、格段の支障が生じることはなく、インク容器10に対してインクが順調に充填されていくことがわかる。
第3工程では、図5及び図3に示すように、インク容器10内のインクが所定の量に達した適当なタイミングで、インク充填装置300のカートリッジ接続部51を上昇させ、押圧部52による中栓15の押圧を解除し、付勢手段16の付勢力によって中栓15を上方に移動させ、中栓15によってインク容器10を密封する。
このため、インク充填工程において、インクをこぼすことなく、インク容器10の外面、インク充填装置300及びその周辺をインクで汚損することがなく、インクの充填によるインクカートリッジの生産を、製品の清浄な状態を維持しつつ高い生産性をもって効率的かつ確実に実行することができる。
以上説明したインクの充填工程では、インクの充填に伴ってインク容器10内に空気が入ってしまう場合がある。また、インクの充填前にインク容器10内に既に空気が入っており、充填後にも空気がそのまま残っている場合も考えられる。インクカートリッジ1のインク容器10に空気が入っていると、このインクカートリッジ1を印刷装置100に装填して印刷を行なわせた場合、印刷装置100のインク供給系に空気が入り込み、インクヘッドにおいてインクの不連続な供給やインク供給不能といった、印刷に有害な不具合が発生する場合が考えられる。このため、インク容器100内からはできるだけ空気を抜いておくこと(これを抜気又は脱気と称する)が望ましく、本実施形態のインク充填装置300では、インク容器10から空気を抜き取る手段として、前述した通り吸引部としての第2ポンプP2が設けられている。
すなわち、この吸引部としての第2ポンプP2を利用する場合には、第2工程においてインク容器10内に必要量のインクを注入した後、供給口部14が開放された状態はそのままとし、切替弁Sを第2切替経路R2に切り替え、第2ポンプP2を作動させる。インク容器10内の空気は、切替弁Sを経て第2ポンプP2により放出口から外部へ放散される。インク容器10内には必要量のインクが充填され、空気は殆ど存在しない状態となるので、ここで、前記第3工程を実行し、中栓15によってインク容器10を密封する。
なお、このインク充填装置300は吸引部としての第2ポンプP2を備えていたが、吸引部がない場合には、手動で抜気を行なうこともできる。すなわち、第2工程によるインクの充填が完了した後、押圧部52による開口14aの開放を維持したまま、ユーザー自身が手などを使ってインク容器10に外側から適度な圧力を加えれば、開口14aから空気を押し出すことができ、その後で押圧部52を後退させて開口14aを栓部15で閉止すればよい。
このように、この実施形態では、インク充填装置300に吸引部を備えておき、インク容器10内の空気を吸引部で抜き取るものとし、また吸引部を設けない場合には、手動で空気抜きを行なうこととした。しかしながら、これら以外の方法でも空気を抜くことはできる。例えば、図4に模式的に示した設置部50では、インク容器10を収納して保持する略箱型の構造を示したが、その両側壁を動力で移動自在とし、開口14aが開放されたインク容器10を両側から挟んで押しつぶすように圧力をかけ、内部の空気を押し出すようにしてもよい。
以上説明したインクの充填工程では、インクの充填後にインク容器10内に空気がある場合には、この空気を吸引部で除去していたが、これとは異なる手法で吸引部を使用して空気を抜くこともできる。すなわち、前記第2工程において必要量よりもやや多めのインクをインク容器10内に充填し、その後、開口14aを開放させたままで、吸引部としての前記第2ポンプP2によって適当量のインクを吸引し、インク容器10内のインクが必要量になったところで前記第3工程を実行して開口14aを閉止する。この方法によれば、余分な量のインクを吸引してインク容器10外に抜き出す際に、インクとともに空気を確実に抜き出すことができる。
以上説明した充填工程は、インクカートリッジ1の製造工程の一部として、空のインク容器10にインクを充填するための工程として説明した。しかしながら、このインク充填装置300は、使用中又は使用済みのインク容器10にインクを必要量だけ充填することにより、使用中又は使用済みのインク容器10を再生産し、又は使用中又は使用済みのインクカートリッジ1を再生産するために使用することもできる。
そのような場合、インク容器10内には、事実上インクがないか、又は満杯には満たない量のインクが収納されていると考えられる。このようなインク容器10に対して、前述したような第1〜第3工程(空気等除去の工程を含む)を行なってインクを補給すれば、インク容器10内のインク量を必要な量にすることができる。なお、必要な量とは、必ずしも満杯とは限らず、ユーザーの要求に応じて半分の量とか、三分の一の量などでもよい。
また、このような場合、第1工程と第2工程の間で、吸引部としての第2ポンプP2を作動させて、インク容器の内部に残存しているインクを吸い出してもよい。このような工程を設けることとすれば、インク容器10内に残存しているインクと、これから充填しようとしているインクタンクT内のインクが、インク容器10内で混合するのを回避できる。これは、インク容器10内に残存しているインクと、これから充填するインクの性質に看過できない程度の相違がある場合等に有効である。
以上説明したインク充填装置300及びこれを用いたインク充填方法によれば、インク容器10に対してインクが出入りする開口14aが上に向くように設定して作業を行なっていたが、インク容器10の設置姿勢を横置きとすることもできる。すなわち、図4に示した充填装置の設置部50を90°側方に回転した状態で設置できるようにし、このような設置部50に対して係合部30で係合したインク容器10が、図示しない水平な載置台の上で横置きの姿勢となるようにする。このようなインク充填装置300を用いたインク充填工程によれば、インク容器10を、供給口部14が横向きとなるように配置してインクの充填を行なうため、仮に、インクの充填工程において供給口部14からインクが外に溢れたとしても、溢れたインクがインク容器10の外面に付着する恐れは小さく、インク容器10をインクで汚損する可能性が小さいという利点がある。
1…インクカートリッジ
10…インク容器
14…供給口部(14a…開口、14b…凹部、14c…突起部)
15…中栓(15a…栓部、15b…軸部、15c…係合受け部、15d…Oリング) 16…付勢手段
17…被覆部材(17a…支持部、17b…被覆部)
20…外装体
30…係合部(30a…突当面)
50…設置部
51…カートリッジ接続部
52…押圧部
53…ジョイント部
S…切替弁
P1…インク充填部を構成する第1ポンプ
T…インク充填部を構成するインクタンク
P2…吸引部としての第2ポンプ
100…印刷装置
300…インク充填装置
A…着脱方向(A1…装填方向、A2…離脱方向)
B…インク流出方向

Claims (5)

  1. インクを収納するインク容器と、
    前記インク容器の内部と外部を連通させる供給口部と、
    前記供給口部を開閉する中栓と、
    前記中栓を閉止する方向に付勢する付勢手段と、
    を有するインクカートリッジに対するインク充填方法であって、
    前記付勢手段の付勢に抗して前記中栓を前記インク容器内に押圧して前記供給口部を開く第1工程と、
    開いた前記供給口部からインクを注入する第2工程と、
    前記インク容器内のインクが所定の量に達した段階で前記中栓に対する押圧を解除する第3工程と、
    を含み、
    前記第2工程が終了した後、前記供給口部が開放された状態で前記インク容器を押圧して前記インク容器内にある空気を前記インク容器外に放出させることを特徴とするインク充填方法。
  2. 前記インクカートリッジは、前記インク容器の内部に設けられて前記中栓の摺動方向を規制するとともに前記中栓を保護する被覆部材を備えていることを特徴とする請求項記載のインク充填方法。
  3. 前記第1工程と前記第2工程の間に、前記吸引部によって前記インク容器の内部に残存しているインクを吸引して吸い出す残インク処理工程を設けたことを特徴とする請求項記載のインク充填方法。
  4. 前記インクカートリッジを、前記供給口部が横向きとなるように配置してインクの充填を行なうことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載のインク充填方法。
  5. インクを収納するインク容器と、
    前記インク容器の内部と外部を連通させる供給口部と、
    前記供給口部を開閉する中栓と、
    前記中栓を閉止する方向に付勢する付勢手段と、
    を有するインクカートリッジの製造方法であって、
    前記付勢手段の付勢に抗して前記中栓を前記インク容器内に押圧して前記供給口部を開く第1工程と、
    開いた前記供給口部からインクを注入する第2工程と、
    前記インク容器内のインクが所定の量に達した段階で前記中栓に対する押圧を解除する第3工程と、
    を含み、
    前記第2工程が終了した後、前記供給口部が開放された状態で前記インク容器を押圧して前記インク容器内にある空気を前記インク容器外に放出させることを特徴とするインクカートリッジの製造方法。
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