JP5989687B2 - 送電線リレー盤リカバリー装置 - Google Patents
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Description
送電線リレー盤が備えるデジタルリレーユニットは、自己診断機能を有しており、自己診断結果が装置故障発生となった場合には、送電線リレー盤を不使用にするとともに装置故障情報を伝送部6(図1(a)参照)および通信装置(不図示)を介して遠隔監視制御盤に送信して、装置故障発生を表示している。
たとえば、重故障に関しては、3相平衡監視、零相監視、高調波重畳監視、A/D精度監視、サンプリング割り込み監視、サンプリング・アドレス監視、RAM監視、サムチェック、プログラム監視、インバリッド・チェック、パリティ、タイムアウトおよびウォッチドッグタイマについて各監視プログラムによって判定している。
軽故障についても、各項目について各監視プログラムによって判定している。
デジタルリレーユニットはマルチCPU(n個のCPU11〜1n(図1(a)参照))によって構成されており、各CPU11〜1nは分散した機能および処理を独自に行っているとともにシステムバス3(図1(a)参照)を介して互いにリンクされてデータ交換を常時行っており、各監視プログラムは複数の処理から装置故障判定を行って装置故障発生を検出するとその内容を示す所定のエラーコード(“C011”や“48E0”などのように装置故障の内容に応じて予め定められたエラーコード。以下、「本来のエラーコード」と称する。)を各メモリ21〜2n(図1(a)参照)に格納しているが、本来のエラーコード以外の無意味なエラーコード(たとえば、“0000”や“0F0F”など)がメモリ21〜2nに格納される場合がある。
このような場合でも、作業員が物理的に離れた変電所まで赴いて、メンテナンス・パソコンによって各メモリ21〜2nに格納されたエラーコードを読み出して、読み出したエラーコードが無意味なエラーコードであると、電源装置4(図1(a)参照)からマルチCPUへの給電を一旦停止させて送電線リレー盤を再起動させているため、特に深夜帯では、送電線の保護を維持するためにバックアップによる保護または送電線停止という対応が必要になる。
その結果、送電線リレー盤に重故障または軽故障以外の送電線リレー盤の再起動によってほとんど修復するような装置故障(以下、「突発的装置故障」と称する。)が生じた場合でも、系統運用や公衆災害などへの対応に支障を及ぼしたり停電範囲の拡大を生じさせたりしていた。
特に、送電線リレー盤の台数は送電線の数以上(たとえば、数千台)であるため、複数の送電線リレー盤において重故障または軽故障がほぼ同時に発生した場合の迅速な故障復旧ができなくなるという問題がある。
ここで、前記電源装置が前記送電線リレー盤リカバリー装置にも給電してもよい。
前記エラーコード監視手段として機能するエラーコード監視部(11)を備え、前記エラーコード判定手段として機能するエラーコード比較部(12)およびエラーコードメモリ(13)を備え、前記再起動手段として機能する電源装置制御部(14)を備え、前記エラーコード監視部が、前記エラーコードを前記メモリから読み出して前記エラーコード比較部に出力し、前記エラーコード比較部が、前記エラーコード監視部から入力された前記エラーコードと前記エラーコードメモリに格納された前記本来のエラーコードとを比較し、該エラーコードが前記無意味なエラーコードであると再起動指示信号を前記電源装置制御部に出力し、前記電源装置制御部が、前記再起動指示信号に応じて前記電源スイッチを一度だけ切ったのちに入れてもよい。
前記送電線リレー盤を再起動しても前記突発的装置故障が発生するか否かを判定するための再起動後判定手段をさらに具備してもよい。
前記送電線リレー盤を再起動しても前記突発的装置故障が発生するか否かを判定するための再起動後判定手段をさらに具備し、前記エラーコード監視部、前記エラーコード比較部および前記エラーコードメモリが前記再起動後判定手段としても機能し、前記送電線リレー盤の再起動後に前記CPUから前記メモリに新たなエラーコードが格納されると、前記エラーコード監視部が該新たなエラーコードを該メモリから読み出して前記エラーコード比較部に出力し、前記エラーコード比較部が、前記新たなエラーコードと前記エラーコードメモリに格納された前記本来のエラーコードとを比較して、該新たなエラーコードが前記無意味なエラーコードであると、該無意味なエラーコードの再発生を示すエラーコード比較結果信号を前記エラーコード監視部に出力し、前記エラーコード監視部が、前記エラーコード比較結果信号に応じて、前記突発的装置故障の発生を示す突発的装置故障発生信号(SINFO)を遠隔監視制御盤に送信してもよい。
前記再起動手段が、前記送電線に他の送電線リレー盤により二重に保護が掛けられていない場合には、1秒以内に前記送電線リレー盤を再起動させ、一方、前記送電線に他の送電線リレー盤により二重に保護が掛けられている場合には、2秒後に前記送電線リレー盤を再起動させてもよい。
前記再起動手段が、前記送電線に他の送電線リレー盤により二重に保護が掛けられていない場合には、1秒以内に前記送電線リレー盤を再起動させ、一方、前記送電線に他の送電線リレー盤により二重に保護が掛けられている場合には、2秒後に前記送電線リレー盤を再起動させ、前記再起動手段として機能する、かつ、前記電源装置制御部からタイマ起動信号が入力されると動作を開始するとともに動作開始後2秒が経過すると2秒経過信号を該電源装置制御部に出力するタイマ(15)を備えてもよい。
(1)突発的装置故障を迅速に解消することができるとともに重故障または軽故障発生時には送電線リレー盤の再起動を行わせることなく作業員を即座に変電所に出動させることができるため、不必要な系統運用などへの対応支障および停電範囲の拡大を防止することができる。
(2)送電線リレー盤リカバリー装置の動作回数が増えると送電線リレー盤が故障する前兆と判断できるため、点検などによる予防保全が行い易くなる。
(3)突発的装置故障が発生する可能性がある遠方監視制御装置にも適用することができる。
本発明の送電線リレー盤リカバリー装置は、以下に示す点を特徴とする。
(1)送電線リレー盤の各CPU11〜1nから各メモリ21〜2nにエラーコードが新たに格納されたか否かを常時監視して、本来のエラーコード以外の無意味なエラーコードがメモリ21〜2nに新たに格納されると、送電線リレー盤を一度だけ再起動させる。なお、この再起動は、通常は電気設備の技術基準を満たすために1秒以内に行うが、送電線に他の送電線リレー盤により二重に保護が掛けられている場合には2秒後に行う。
(2)送電線リレー盤を再起動することにより本来のエラーコードおよび無意味なエラーコードのいずれもが各メモリ21〜2nに新たに格納されない場合には、「送電線リレー盤は正常に復帰した」と判定して、リカバリー復帰情報を遠隔監視制御盤に送信してリカバリー復帰を表示させる。
一方、送電線リレー盤を再起動させても無意味なエラーコードがメモリ21〜2nに新たに格納されると、「突発的装置故障が発生している」と判定して、送電線リレー盤を不使用にするとともに突発的装置故障発生情報を遠隔監視制御盤に送信して突発的装置故障発生を表示させる。
(3)電源装置4を送電線リレー盤リカバリー装置にも給電することにより、電源装置4の故障によって送電線リレー盤が停止した場合には動作しないようにする。
なお、この場合には、電源装置4の故障が発生したことを示す電源装置故障発生情報が従来の送電線リレー盤と同様にして遠隔監視制御盤に送信されるため、送電線リレー盤の再起動を行わせることなく作業員を即座に変電所に出動させることができる。
本実施例によるリカバリー装置10は、デジタルリレーユニットに内蔵され、図1(a)に示すように、システムバス3を介してマルチCPUに接続されており、制御線を介して電源装置4の電源スイッチ5に接続されているとともに、電源線を介して電源装置4に接続されている。
電源スイッチ5は、後述する電源装置制御部14から入力される電源スイッチ制御信号SSWによってオン/オフ制御される。
エラーコード比較部12は、エラーコード監視部11からエラーコードが入力されると、入力されたエラーコードとエラーコードメモリ13に格納された本来のエラーコードとを比較する。
その結果、入力されたエラーコードが本来のエラーコードのいずれにも一致しないと、エラーコード比較部12は、通常モード動作に設定されている場合には、1秒以内の再起動を指示する1秒以内再起動指示信号をエラーコード監視部11および電源装置制御部14に出力し、一方、二重保護モード動作に設定されている場合には、2秒後の再起動を指示する2秒後再起動指示信号をエラーコード監視部11および電源装置制御部14に出力する。
これにより、送電線に他の送電線リレー盤により二重に保護が掛けられていない場合には、送電線リレー盤が1秒以内に再起動される。
タイマ15は、タイマ起動信号が電源装置制御部14から入力されると、動作を開始したのち、2秒経過後に2秒経過信号を電源装置制御部14に出力する。
電源装置制御部14は、2秒経過信号がタイマ15から入力されると、電源スイッチ5を切ったのちに入れるように制御するスイッチ制御信号SSWを電源スイッチ5に出力する。
これにより、送電線に他の送電線リレー盤により二重に保護が掛けられている場合には、送電線リレー盤が2秒後に再起動される。
これにより、従来の送電線リレー盤のように自己診断結果が装置故障発生となった場合に送電線リレー盤を不使用にするとともに装置故障情報を遠隔監視制御盤に送信して装置故障発生を表示させることを一旦止めさせることができる。
21〜2n メモリ
3 システムバス
4 電源装置
5 電源スイッチ
6 伝送部
10 リカバリー装置
11 エラーコード監視部
12 エラーコード比較部
13 エラーコードメモリ
14 電源装置制御部
15 タイマ
SS モード設定信号
SSW スイッチ制御信号
SCPU CPU指示信号
SINFO 突発的装置故障発生信号
Claims (7)
- 送電線事故発生時に遮断器を遮断して送電線を停電させる送電線リレー盤を再起動させるための送電線リレー盤リカバリー装置(10)であって、
前記送電線リレー盤が、自己診断機能を有するデジタルリレーユニットを備え、
前記デジタルリレーユニットが、
CPU(11〜1n)と、
該CPUに接続されたメモリ(21〜2n)と、
前記CPUおよび前記メモリに給電するための電源装置(4)と、
該電源装置に接続された電源スイッチ(5)とを備え、
前記送電線リレー盤リカバリー装置が、
前記CPUから前記メモリにエラーコードが新たに格納されたか否かを監視し、該エラーコードが新たに格納されると該エラーコードを該メモリから読み出すためのエラーコード監視手段と、
該エラーコード監視手段によって読み出された前記エラーコードが所定の本来のエラーコードであるか該本来のエラーコード以外の無意味なエラーコードであるかを判定するためのエラーコード判定手段と、
前記デジタルリレーユニットの自己診断機能により装置故障が発生していると判定された場合には前記送電線リレー盤を再起動させず、前記エラーコード判定手段によって前記エラーコードが前記無意味なエラーコードであると判定された場合にだけ前記電源スイッチを一度だけ切ったのちに入れて前記送電線リレー盤を再起動させるための再起動手段とを具備し、
前記エラーコード監視手段が、前記再起動手段によって前記送電線リレー盤を再起動させても前記無意味なエラーコードが再発生すると、前記装置故障以外の突発的装置故障が発生していると判定する、
ことを特徴とする、送電線リレー盤リカバリー装置。 - 前記電源装置が前記送電線リレー盤リカバリー装置にも給電することを特徴とする、請求項1記載の送電線リレー盤リカバリー装置。
- 前記エラーコード監視手段として機能するエラーコード監視部(11)を備え、
前記エラーコード判定手段として機能するエラーコード比較部(12)およびエラーコードメモリ(13)を備え、
前記再起動手段として機能する電源装置制御部(14)を備え、
前記エラーコード監視部が、前記エラーコードを前記メモリから読み出して前記エラーコード比較部に出力し、
前記エラーコード比較部が、前記エラーコード監視部から入力された前記エラーコードと前記エラーコードメモリに格納された前記本来のエラーコードとを比較し、該エラーコードが前記無意味なエラーコードであると再起動指示信号を前記電源装置制御部に出力し、
前記電源装置制御部が、前記再起動指示信号に応じて前記電源スイッチを一度だけ切ったのちに入れる、
ことを特徴とする、請求項1または2記載の送電線リレー盤リカバリー装置。 - 前記送電線リレー盤を再起動しても前記突発的装置故障が発生するか否かを判定するための再起動後判定手段をさらに具備することを特徴とする、請求項1乃至3いずれかに記載の送電線リレー盤リカバリー装置。
- 前記送電線リレー盤を再起動しても前記突発的装置故障が発生するか否かを判定するための再起動後判定手段をさらに具備し、
前記エラーコード監視部、前記エラーコード比較部および前記エラーコードメモリが前記再起動後判定手段としても機能し、
前記送電線リレー盤の再起動後に前記CPUから前記メモリに新たなエラーコードが格納されると、前記エラーコード監視部が該新たなエラーコードを該メモリから読み出して前記エラーコード比較部に出力し、
前記エラーコード比較部が、前記新たなエラーコードと前記エラーコードメモリに格納された前記本来のエラーコードとを比較して、該新たなエラーコードが前記無意味なエラーコードであると、該無意味なエラーコードの再発生を示すエラーコード比較結果信号を前記エラーコード監視部に出力し、
前記エラーコード監視部が、前記エラーコード比較結果信号に応じて、前記突発的装置故障の発生を示す突発的装置故障発生信号(SINFO)を遠隔監視制御盤に送信する、
ことを特徴とする、請求項3記載の送電線リレー盤リカバリー装置。 - 前記再起動手段が、前記送電線に他の送電線リレー盤により二重に保護が掛けられていない場合には、1秒以内に前記送電線リレー盤を再起動させ、一方、前記送電線に他の送電線リレー盤により二重に保護が掛けられている場合には、2秒後に前記送電線リレー盤を再起動させることを特徴とする、請求項1乃至5いずれかに記載の送電線リレー盤リカバリー装置。
- 前記再起動手段が、前記送電線に他の送電線リレー盤により二重に保護が掛けられていない場合には、1秒以内に前記送電線リレー盤を再起動させ、一方、前記送電線に他の送電線リレー盤により二重に保護が掛けられている場合には、2秒後に前記送電線リレー盤を再起動させ、
前記再起動手段として機能する、かつ、前記電源装置制御部からタイマ起動信号が入力されると動作を開始するとともに動作開始後2秒が経過すると2秒経過信号を該電源装置制御部に出力するタイマ(15)を備えることを特徴とする、請求項3または5記載の送電線リレー盤リカバリー装置。
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