JP4987450B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、2つ以上の独立した制御コントローラと無停電電源とを内蔵した画像形成装置における、連動した電源のシャットダウン制御方式に関する。
一般的な従来の、2つ以上の独立した制御コントローラと無停電電源とを内蔵した画像形成装置のシステム構成を、図4のブロック図に示す。図4において、従来のシステムは、読み取り部412、書き込み部413、PC512を有し、それらが、中心のマスター機400、スレーブ機500に接続されて、制御を受ける構成である。
マスター機400は、制御コントローラ401と、これに電力を供給するPSU410と、PSU410への電源の供給をON/OFFするスイッチ411と、を有する。制御コントローラ401は、システム制御部403を中心に、制御装置であるCPU402、一次記憶装置であるRAM404、揮発性の二次記憶装置であるROM405、不揮発性の二次記憶装置であるHDD407等を有して構成され、印刷やスキャンなど所定のプログラムを実行する。また、画像処理には専用の回路である画像処理部408を設置して高速化を図る。
一方、スレーブ機500に関してはマスター機400とほぼ同じであるので説明を繰り返さない。また、図4にあるように、従来は専用の外部インターフェース406、506同士を接続することにより、2つの制御コントローラを接続していた。制御コントローラ401から制御コントローラ501の電源制御に関しては、専用のインターフェース内に電源OFF/ONの処理・検知信号等を含めていた。
また、電源のシャットダウン処理の流れに関しては、フローチャートを図5に示す。流れはごく簡単で、制御コントローラ401から制御コントローラ501へ処理命令を発行し(ステップS501)、制御コントローラ501側はその命令を受信し(ステップS506)、実行し(ステップS507)、シャットダウンする(ステップS508)。その後、制御コントローラ401は、規定時間の待ちが入った後で(ステップS502)、制御コントローラ501が正常に電源OFFされたか確認し(ステップS503)、システムの電源OFF可否を図示しない表示手段等に表示してから(ステップS504)、最後に自身が電源OFFする(ステップS505)といったものになる。なお、図5中の、AとBの矢印は、信号の流れを示す。
従来、突然の電源遮断に対応した画像形成装置に関する発明としては、特許文献1に開示される画像形成装置が知られている。この従来技術は、プロセス途中における電源遮断後の画像データ復元に関するものであるが、2以上の独立した制御コントローラと無停電電源とを内蔵したものに関しての発明ではない。
同様に、特許文献2に開示される画像形成装置も、処理中の情報を保護することのできるものであるが、2以上の独立した制御コントローラと無停電電源とを内蔵したものに関しての発明ではない。
一方で、特許文献3に開示されるプリントシステムは、携帯端末、サーバー、プリンタにまたがるプリントシステムの、操作性向上及びシステムの占有時間短縮を図った発明である。しかし、突然の電源遮断に対応するものではない。
特開2005−222213号公報 特開2002−359970号公報 特開2005−025515号公報
2つ以上の独立した制御コントローラ(マスターとスレーブ)と無停電電源を内蔵した1台の画像形成装置においては、通常のシャットダウン時、及び、異常時のOFF/ON時に、電源OFFした後にすぐに電源をONにすることができない事情がある。
第1の理由は、本体の電源OFF時に、UPS(無停電電源装置)が使用されている制御コントローラがシャットダウン完了しているかどうかの確認方法がないためである。
このため、このようなシステム構成の画像形成装置の場合、シャットダウン手順、及び、エラー復帰手順において、電源OFF後の電源ON(電源再投入)時に、エンドユーザ及びサービスマンに対して、一定時間経過後に「電源ON(再投入)して下さい」といった指示を表示するなど、種々の工夫が必要になる。
また、本体電源OFF後に、サービスマンが、機械メンテナンスのための作業を開始する場合に、UPSが使用されている制御コントローラがシャットダウン中であることも考えられる。その場合、最悪ハードディスクドライブがクラッシュするといったことも考えられる。
第2の理由は、本体電源ON時に、UPSが使用されている制御コントローラがシャットダウン完了していない場合、UPSが使用されている制御コントローラが正常に起動しないことが考えられるからである。
UPSが使用されている制御コントローラがシャットダウン途中、又は、UPSが使用されている制御コントローラがハングアップしている状態で、本体電源をONした場合には、UPSが使用されている制御コントローラが起動しない。この状態で再度、電源OFF/ONを行っても、UPSが揮発する前であれば、UPSが使用されている制御コントローラは起動しない。つまり、UPSが揮発しない間隔(3分〜4分)で電源OFF/ONを繰り返しても、UPSが使用されている制御コントローラは正常に起動できないのである。
そこで本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、無停電電源装置をそれぞれ有する2つ以上の独立した制御部を持つ画像形成装置において、ある一つの制御部の電源を切ると、残りの制御部の電源が確実に遮断される画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための、請求項1記載の発明は、制御コントローラと、該制御コントローラと直列に接続され、該制御コントローラに安定的に電力を供給する無停電電源手段と、を有する制御系統を2以上備え、装置電源遮断の際に、ある1つの制御系統が主制御系統となり、他の制御系統を副制御系統として、前記主制御系統は、前記副制御系統を安全に停止させるため、前記主制御系統と前記副制御系統間に配設される信号線を介して、前記副制御系統に停止命令を発行し、該停止命令の正常な実行が失敗したことを検知すると、前記主制御系統の制御コントローラと前記副制御系統の無停電電源手段間に配設される信号線を介して前記副制御系統の無停電電源手段を停止させる制御を行い、前記副制御系統の有する制御コントローラと無停電電源手段間に配設される切換手段に、電力遮断信号を送り、前記切換手段による電力の遮断を実行させることを特徴とする画像形成装置である。
請求項記載の発明は、請求項記載の画像形成装置において、前記主制御系統と前記副制御系統間に配設される信号線は、汎用シリアルインターフェースであり、前記主制御系統の有する制御コントローラと前記副制御系統の有する制御コントローラ間に配設されることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の画像形成装置において、前記主制御系統と前記副制御系統間に配設される信号線は、汎用ネットワークインターフェースであり、前記主制御系統の有する制御コントローラと前記副制御系統の有する制御コントローラ間に配設されることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1からのいずれか1項記載の画像形成装置において、装置の備える各制御系統は、電力が遮断された場合でも記憶を保持できる不揮発性の記憶手段を有し、当該制御系統の有する制御コントローラは、複数のプロセスからなるプログラムの実行中は、プロセスの動作が確定するたびに、該プロセスの情報と処理中のデータを、前記記憶手段に格納させ、前記プログラムの実行中に当該制御系統の電源が遮断されたのちに電源の再投入があった場合、前記記憶手段に格納されている前記プロセスの情報と処理中のデータに基づいて、前記プロセスの次のプロセスの動作を実行するか否かを決定することを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の画像形成装置において、操作者に対して所定のメッセージを表示する表示手段を備え、前記プログラムの実行中に当該制御系統の電源が遮断されたのちに電源の再投入があった場合、前記記憶手段に格納されている前記プロセスの情報と処理中のデータに基づいて、前記プロセスの次のプロセスの動作を実行するか否かを決定する際に、前記表示手段は、操作者に対して、電源遮断以前の前記プロセスの情報と処理中のデータを復元させるか否かを選択するよう促す内容のメッセージを表示することを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の画像形成装置において、複数のプロセスからなるプログラムの実行中に、制御系統の電源の遮断があった場合であって、当該制御系統の有する無停電電源手段の保持する電力が揮発するまでの時間に、前記記憶手段に前記プロセスの情報は格納されたが処理中のデータは格納するのが間に合わない場合に、電源の再投入があった後、前記表示手段は、操作者に対して、前記処理中のデータが失われたため再入力する必要があることを通知する内容のメッセージを表示することを特徴とする。
本発明によれば、無停電電源装置をそれぞれ有する2つ以上の独立した制御部を持つ画像形成装置において、ある一つの制御部の電源を切ると、残りの制御部の電源が確実に遮断することができる。また、安全な電源遮断処理も可能になる。
本発明による実施の形態について図面を参照して説明する。
図1を参照すると、本実施形態の構成がブロック図で示されている。本実施形態に該当する画像形成装置100は、制御コントローラ200をマスター機として、制御コントローラ300をスレーブ機として、有し、それぞれにPSU220と320が繋がって直流電力を供給している。
別の観点から整理すると、画像形成装置100は、制御コントローラ200と、これに直流電源を供給するPSU220と、これに交流電源を供給するUPS221とが直列に接続されている主制御系統と、制御コントローラ300と、これに直流電源を供給するPSU320と、これに交流電源を供給するUPS321とが直列に接続されている副制御系統と、を備える構成である。なお、本実施形態では、副制御系統を1つのみとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、副制御系統を2以上有するよう構成してもよい。
また、画像形成装置100は、読み取り部111と書き込み部112を備え、例えば、制御コントローラ200内部の画像処理部209と信号を交わして、画像の読み取りや書き込みを行う。また、画像形成装置100は、表示部113を備え、画像形成装置100の操作者に対して所定のメッセージを表示させる。また、画像形成装置100は、外部に置かれるPC114と、装置内部のいずれかの制御系統の有する制御コントローラによって接続している。図1に示す例では、制御コントローラ300内のネットワークインターフェース310が、PC114との通信を行う。
図1に示すように、本実施形態は、従来のシステムと異なり、各制御コントローラにUPSを実装している。以下、本実施形態に適用しうるUPSに関して、詳細に述べる。
・UPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)
画像形成装置を含むシステムの敵の一つは、停電である。動作中にいきなり電源が断たれると、作成中のデータが消失したり、OS(Operating System)が破壊されたりと、さまざまなトラブルに見舞われることになる。
国内で発生する停電の数は、平均して年1回以下といわれているが、落雷などで送電系統を切り替えるときに生じる瞬時停電(瞬停)は、この中に含まれておらず、年に数回も発生している。
つまり、何も対策を講じなければ、確実に、システムやハードディスクに記録したデータは、再起不能になってしまう。
高い信頼性を必要とするシステムにおいて、24時間、365日の間ずっと停電のトラブルから守り続けるUPSは、必要不可欠になってきている。
UPSは、バッテリやコンデンサなどに蓄えられたエネルギーを使って、瞬停(短い時間の停電のこと)や電圧降下からコンピュータ等の機器を守る装置のことである。
最近ではOA(Office Automation)分野における用途が急速に増えてきているが、停止すると多大な損害が発生するような電気器であれば、OA機器以外でもそのバックアップの対象になりうる。
方式としてはAC電源からバッテリに充電しておき、停電時にバッテリからAC電源を作り、機器に供給する方式が一般的である。
次に、UPSを使用するシステムに、パーソナルコンピュータを例にとって、UPSとUPSの種々の方式について説明する。
UPSには、大別して、常時インバータ方式・ラインインタラクティブ方式・常時商用給電方式の3つが存在する。但し、UPSを使用したとしても、あくまでも短い停電用なので、3分から10分程度の停電にしか対応できない。このため、停電が発生したとき、コンピュータに対して自動的に「シャットダウン・コマンド」(終了コマンド)を出力するものがある。
Windows(登録商標)NTやWindows(登録商標)2000には、停電時にUPSと連動することで、バッテリバックアップ運転中にシステムを安全にシャットダウンさせる機能が備わっている。コントロールパネル/電源オプションのプロパティダイアログを開き、UPSタブを選択することで現れる画面の詳細ボタンをクリックすることで設定できる。この場合、UPSとコンピュータは、シリアルインターフェースで接続されていなければならない。
また、Windows(登録商標)のデフォルト設定では、UPSからの信号が何を意味しているのかわからないために、停電の警告やシャットダウンの指示(コマンド)と、シリアルポートの信号とを、あらかじめ調べておく必要がある。カスタマイズも可能なので、この機能を用いるだけでも停電発生時に、自動的にシャットダウンプロセスを起動し、システムを安全に停止させることができる。なお、多くのUPSメーカでは、このパラメータ設定をマニュアルに記載したり、ユーティリティとしてインストールできるように用意している。
・常時インバータ給電方式
入力電源を常にコンバータ回路によって直流に整流した後に、インバータ回路によって交流電源として出力する。したがって、入力電圧に変動があっても出力には全く影響しない。また、停電時も、出力が乱れたり、途切れたりすることもなくバックアップ運転になる。
メリット
・入力にかかわらず常に出力電圧が一定、また周波数の乱れもない。
・電源トラブル時には、無瞬断でバックアップに切り替わる。
・高調波などの入力電源から入ってくるノイズをカットする。出力もノイズのないクリーンな電源を供給可能。
デメリット
・使用する回路が増えるので、やや高価になる。
・常にインバータ・コンバータ回路を動かしているので、UPSの消費電力がやや多くなる。
・ラインインタラクティブ方式
バッテリとインバータ部が常に接続され、相互(インタラクティブ)に電力の変換(バッテリの充電と放電)を行う方式。基本的には常時商用タイプと考えてよいが、バッテリとインバータ部が常に接続されているので、バックアップへの切換時間が常時商用タイプと比較して短くなっている。
メリット
・やや安価に購入できる。
デメリット
・切換時間が発生する(4ms)。
・常時商用給電方式
平常時は、入力の交流電源をそのまま外部出力し、停電などの電源トラブル時にはバッテリからの出力に切り替えて電力を供給する給電方式である。
メリット
・電源が正常なときは入力の交流電源をそのまま外部に出力するので、UPS内部の回路が働かずエネルギーの損失が少なく経済的である。
・使用する回路が少ないので、製品のコストが低く安価で購入できる。
デメリット
・切換時間が発生する(10ms)。
・矩形波で出力する製品が多い。
以上で、本実施形態に適用しうるUPSに関する説明を終える。本実施形態のUPSは、上記いずれの方式のUPSであってもよい。
また、マスター機に相当する制御コントローラ200と、スレーブ機に相当する制御コントローラ300との間のデータ転送に用いられるインターフェースは、図1において、ネットワークインターフェース205とネットワークインターフェース305を結ぶ接続104であり、接続104には1000BASE−Tを用いることが好ましい。より高速な転送を可能とするため、有利である。
また、本実施形態の画像形成装置100は、図1に示すように、副制御系統であるスレーブ機のUPS321とPSU320の間に、ノーマルクローズのリレー322が配設されている。このリレー322は、主制御系統であるマスター機の制御コントローラ200の具備している汎用入出力機能を利用する、ただ1本の制御信号線で接続される(接続101)。そして、リレー322は、この接続101により、オープンとクローズを切り替える制御を受ける。リレー322の挿入位置は、上記の通り、制御コントローラ300への給電元となるUPS321からのAC給電線となる。
また、画像形成装置100は、図1に示すように、制御コントローラ200の具備しているシリアルインターフェース(RS−232C)206と、制御コントローラ300への給電元となるUPS321と、がシリアルケーブルにて接続されている(接続102)。市販のUPSの多くは、シリアルインターフェースを用いて外部からUPS自体のステータスを取得したり制御したりすることが可能である。なお、各制御系統が、制御コントローラとUPSをシリアルインターフェースで接続して通信を行うよう構成してもよい(接続105、接続106)。
また、画像形成装置100は、図1に示すように、制御コントローラ200の具備しているシリアルインターフェース206と、制御コントローラ300の具備しているシリアルインターフェース306と、がシリアルケーブルにて接続されている(接続103)。制御コントローラ200は、この接続103を利用して、制御コントローラ200から制御コントローラ300に対してシャットダウン処理を命令する。そして、制御コントローラ200は、制御コントローラ300の電源がOFFされたことを、接続103が伝えるRTS(受信信号)がLowパルスのままになることで、確認する。
また、画像形成装置100は、図1に示すように、制御コントローラ200の具備しているネットワークインターフェース205と、制御コントローラ300の具備しているネットワークインターフェース305と、がネットワークケーブルにて接続されている(接続104)。上記の通り、接続104は、データ転送用としても用いられる。しかし、制御コントローラ200は、接続104を、制御コントローラ300の電源を制御するためにも用いる。この接続104を利用して、制御コントローラ200は、制御コントローラ300に対してシャットダウン処理を命令する。そして、制御コントローラ200は、制御コントローラ300の電源がOFFされたことを、接続104のリンクアップが外れることで確認する。
さて、上記の構成を特徴とする本実施形態は、主に、下記のように動作する。
図2を参照すると、本実施形態の動作手順がフローチャート図で示されている。画像形成装置100全体の電源OFFは、操作者によるPC114を介してのシャットダウン命令や、停電等により蓄電力を超える電力の揮発がUPS221又はUPS321によって予想されたため制御コントローラ200へシャットダウン命令がこれらUPSから送られたこと等によって、行われる。
以下、上記の電源OFFのためのプロセスが開始されて終了するまでを図2を参照して説明する。まず、制御コントローラ200は、スレーブ機の制御コントローラ300にシャットダウン命令を発行する(ステップS201)。そして、Lowパルスを受信して、所定の時間そのままであるか否かを判定する(ステップS202)。Lowパルスを受信したままであれば(ステップS202、Yes)、マスター機のUPS221をOFFにして(ステップS205)終了する。
Lowパルスを受信したままでなければ(ステップS202、No)、図1における接続102を利用してスレーブ機のUPS321の電源をOFFにする(ステップS203)。そして、接続101を利用してスレーブ機のリレー322をオープンにする(ステップS204)。しかるのち、マスター機のUPS221をOFFにして(ステップS205)終了する。なお、ステップS203は、ステップS204と平行して行ってもよい。
本実施形態は、上記のように構成したので、制御コントローラとそれに給電する無停電電源手段とを有する制御系統を、独立して2以上有する画像形成装置において、メインの終了処理を担う主制御系統を除く制御系統のUPSからの給電を確実に切断することができる。
さらに、本実施形態は、以下のような構成も特徴としている。
図1に示される本実施形態の画像形成装置100は、各制御系統が、通常時の画像処理プロセスにおいて、取り扱う画像データ、プロセス命令、プロセス情報を逐次その制御系統が有するHDD等の不揮発性記憶装置に記憶させる構成である。画像形成装置100は、電源瞬断された後の復帰時には、各制御系統が、直ちにHDDに記憶されていた画像データ、プロセス命令、プロセス情報を基に、印刷処理を再実行する。
ここで、「プロセス」について図3を用いて説明する。画像形成装置100が処理実行することのできるプログラムは、例えば、書き込み部112を利用して実行される印刷プログラム、読み取り部111を利用して実行されるスキャンプログラム等がある。これらプログラムは、複数のプロセスが連なって成り立っている。そしてプロセスは、図3に示すような動作手順を踏んで行われることを特徴とする。
図3において、ステップS301で画像形成装置の各制御系統(ここでは主制御系統である制御コントローラ200を中心とした制御系統であるとする)は、CPU201がROM204から読み出したプログラムの一プロセスの動作を、一次記憶装置であるRAM203を利用して実行する(ステップS301)。
動作が確定すると(ステップS302)、プロセスの情報等の保存が行われる(ステップS303)。そして、処理中のデータの保存も行われる(ステップS304)。これらの保存先は、HDD207である。保存先は、電源を切っても記憶が保持できる不揮発性の記憶装置であることが好ましい。保存が終了したのち、次のプロセスに処理フローが渡されてプロセスは終了する(ステップS305)。
本実施形態は、上記のように構成したので、異常時の電源OFF/ON時に、電源OFFの直前に実行していた処理を記憶しておき、またそれを電源ON後に正しく実行することができる。したがって、装置内の各制御系統への給電を安全に切断することができる。
また、上記の電源手段された後の復帰時に、画像形成装置100は、図1の表示部113に、操作者に対して、電源瞬断以前のデータ、すなわち、HDDに保存されたプロセスの情報と処理中のデータを復元させるか否かを選択するよう促すプロンプトを表示する。操作者の任意選択が可能であるので、ユーザビリティの向上の効果を奏する。
また、上記の、図3のステップS304において、処理中のデータが大容量の記憶領域を必要とするものであった場合、ステップS304の動作手順を完了するには比較的時間がかかる。この間に、電源瞬断があった場合、当該処理系等に電力を供給するUPSが保持する電力で、ステップS304の動作完了に必要な電力がまかなわれることになるが、ここで、UPSの保持する電力の揮発までの時間の方が動作手順の完了に要する時間より短い場合がある。この場合において、画像形成装置100は、電源再投入後の復帰時に、図1の表示部113に、操作者に対して、処理中のデータが失われたためデータの再入力が必要であるという内容のプロンプトを表示する。操作者の現状把握を容易にするので、ユーザビリティの向上の効果を奏する。
上述の本実施形態の変形例を述べる。本発明は、例えば、以下のような上記実施形態の変形であっても実施が可能である。
上記実施形態ではマスター機とスレーブ機が固定であったが、例えば、すべての制御系統に、UPSと制御コントローラ間にリレーを配設して、入れ替えてもよい。また、電源遮断及びシステム停止の際にいずれか一つを主制御系統として、他を副としてもよい。システムの多重化、冗長化が増強されるため、システムの高信頼性が得られるという効果を奏する。
本発明による実施の形態の構成を示すブロック図である。 本発明による実施の形態の動作手順を示すフローチャート図(その1)である。 本発明による実施の形態の動作手順を示すフローチャート図(その2)である。 従来技術による2以上の独立した制御コントローラを有する画像形成システムの構成の一例を示すブロック図である。 従来技術による画像形成システムの動作手順を示すフローチャート図である。
符号の説明
100 画像形成装置
101 接続
102 接続
103 接続
104 接続
105 接続
106 接続
110 スイッチ
111 読み取り部
112 書き込み部
113 表示部
114 PC
200 制御コントローラ
201 CPU
202 システム制御部
203 RAM
204 ROM
205 ネットワークインターフェース
206 シリアルインターフェース
207 HDD
208 シリアルインターフェース
209 画像処理部
220 PSU
221 UPS
300 制御コントローラ
301 CPU
302 システム制御部
303 RAM
304 ROM
305 ネットワークインターフェース
306 シリアルインターフェース
307 HDD
308 シリアルインターフェース
309 画像処理部
310 ネットワークインターフェース
320 PSU
321 UPS
322 リレー
400 マスター機
401 制御コントローラ
402 CPU
403 システム制御部
404 RAM
405 ROM
406 専用外部インターフェース
407 HDD
408 画像処理部
410 PSU
411 スイッチ
412 読み取り部
413 書き込み部
500 スレーブ機
501 制御コントローラ
502 CPU
503 システム制御部
504 RAM
505 ROM
506 専用外部インターフェース
507 HDD
508 画像処理部
509 ネットワークインターフェース
510 PSU
511 スイッチ
512 PC

Claims (6)

  1. 制御コントローラと、該制御コントローラと直列に接続され、該制御コントローラに安定的に電力を供給する無停電電源手段と、を有する制御系統を2以上備え、
    装置電源遮断の際に、ある1つの制御系統が主制御系統となり、他の制御系統を副制御系統として、
    前記主制御系統は、前記副制御系統を安全に停止させるため、前記主制御系統と前記副制御系統間に配設される信号線を介して、前記副制御系統に停止命令を発行し、該停止命令の正常な実行が失敗したことを検知すると、前記主制御系統の制御コントローラと前記副制御系統の無停電電源手段間に配設される信号線を介して前記副制御系統の無停電電源手段を停止させる制御を行い、前記副制御系統の有する制御コントローラと無停電電源手段間に配設される切換手段に、電力遮断信号を送り、前記切換手段による電力の遮断を実行させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記主制御系統と前記副制御系統間に配設される信号線は、汎用シリアルインターフェースであり、前記主制御系統の有する制御コントローラと前記副制御系統の有する制御コントローラ間に配設されることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  3. 前記主制御系統と前記副制御系統間に配設される信号線は、汎用ネットワークインターフェースであり、前記主制御系統の有する制御コントローラと前記副制御系統の有する制御コントローラ間に配設されることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  4. 装置の備える各制御系統は、電力が遮断された場合でも記憶を保持できる不揮発性の記憶手段を有し、
    当該制御系統の有する制御コントローラは、複数のプロセスからなるプログラムの実行中は、プロセスの動作が確定するたびに、該プロセスの情報と処理中のデータを、前記記憶手段に格納させ、
    前記プログラムの実行中に当該制御系統の電源が遮断されたのちに電源の再投入があった場合、前記記憶手段に格納されている前記プロセスの情報と処理中のデータに基づいて、前記プロセスの次のプロセスの動作を実行するか否かを決定することを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の画像形成装置。
  5. 操作者に対して所定のメッセージを表示する表示手段を備え、
    前記プログラムの実行中に当該制御系統の電源が遮断されたのちに電源の再投入があった場合、前記記憶手段に格納されている前記プロセスの情報と処理中のデータに基づいて、前記プロセスの次のプロセスの動作を実行するか否かを決定する際に、
    前記表示手段は、操作者に対して、電源遮断以前の前記プロセスの情報と処理中のデータを復元させるか否かを選択するよう促す内容のメッセージを表示することを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  6. 複数のプロセスからなるプログラムの実行中に、制御系統の電源の遮断があった場合であって、
    当該制御系統の有する無停電電源手段の保持する電力が揮発するまでの時間に、前記記憶手段に前記プロセスの情報は格納されたが処理中のデータは格納するのが間に合わない場合に、
    電源の再投入があった後、前記表示手段は、操作者に対して、前記処理中のデータが失われたため再入力する必要があることを通知する内容のメッセージを表示することを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
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