以下に、本発明を実施するための形態を図を用いて説明する。図1は、遊技機1の全体斜視図、図2は、遊技盤21の正面図、図3は、表示集合板45の正面図、図4は、打球発射装置43の構成を示す説明図、図5は、遊技機1の裏側に設けられた遊技機制御装置100の要部ブロック図である。
本実施形態の遊技機1は、一定数の遊技球(例えば30個)を循環して遊技を行う封入式遊技機であって、図示しない遊技島に固定される外枠22と、この外枠22に取り付けられた内枠23とから構成されており、内枠23には、遊技者にパチンコ遊技を提供する着脱自在に装着される遊技盤21と、遊技盤21の前面側に開閉自在に装着されるガラス扉枠17と、ガラス扉枠17の下方に配置される皿ユニット24と、ガラス扉枠17の上方に配置され入賞に対する賞球の払い出しや球詰まり、異常等を報知する遊技効果ランプ15とが設けられている。
遊技盤21には、後述する打球発射装置43によって打ち出された遊技球を誘導する打球誘導レール3と、打ち出された遊技球が一定範囲内で飛球するよう設けられた遊技領域形成レール4と、打球誘導レール3及び遊技領域形成レール4によって囲われた遊技領域5と、遊技領域5に打ち出された遊技球が再び打球誘導レール3と遊技領域形成レール4の間の発射経路に戻ってファール球が発生するのを防止するファール球防止弁28と、遊技領域5に打ち出された遊技球を不測の方向へ変化を与える風車20と、演出図柄が回転する様子を示す擬似的な表示(以下、スクロール表示ともいう)や所定の遊技状態(例えばリーチ)になったときに様々な演出表示を行う液晶表示ディスプレイ(LCD)等で構成された演出図柄表示装置6と、遊技球が入賞することによって演出図柄表示装置6及び後述の特別図柄表示装置47に演出図柄の変動表示及び特別図柄の変動表示を開始させるチャッカー型の始動入賞口11a、電動チューリップ型の始動入賞口11b(以下、両者を単に始動入賞口11ともいう)と、演出図柄表示装置6が演出図柄(特別図柄表示装置47が特別図柄)の変動表示中又は大当り中に遊技球が始動入賞口11へ入賞した場合に、あと何回変動表示するか(最高4回)を遊技者に報知するための保留記憶の点灯表示を順次行う4つの保留LED25と、演出図柄表示装置6内において所定の画像を表示する表示部30と、この表示部30において3つの演出図柄をそれぞれ個別に表示する左図柄表示部8、中図柄表示部9、右図柄表示部10と、演出図柄表示装置6における表示結果が予め定められた態様(大当り)になった場合、遊技者に有利に開口される大入賞口(アタッカ)7と、遊技球が通過することによって普通図柄表示装置18(図3参照)に普通図柄の変動表示を開始させる普通図柄作動ゲート19と、入賞することによって賞球に相当する後述のクレジット数が与えられる普通入賞口14と、遊技領域5の最下部に設けられた遊技球を回収するアウト口16と、所定の遊技状態になると回転する星型の可動物32と、所定の遊技状態になると下方に移動するオバケ型の3つの可動物31と、所定の遊技状態になると点灯等の表示を行うLEDが集められた表示集合板45とが設けられている。
図2を参照して、遊技盤21の背面側には、ファール球防止弁28と対向するように発射球センサ117が設けられている。ファール球防止弁28は、金属等により薄板状に形成され、遊技領域形成レール4に片持ち状に取り付けられている。つまり、ファール球防止弁28は、発射された遊技球が発射経路から遊技領域5に打ち出される場合には、該遊技球に押圧され、所定の角度に撓んで該遊技球の通過を許容し、一方、該遊技球が遊技領域5に打ち出された後は、元の状態に復帰して、遊技領域5に打ち出された遊技球が再び発射経路に戻ってファール球となるのを防止する。そして発射球センサ117は、このファール球防止弁28が所定の角度に撓む度にオンすることで、遊技領域5に打ち出された遊技球、即ち発射された発射球数をカウント(検出)するように構成されている。
また、演出図柄表示装置6には、表示部30の下方に期間入力ボタン150(150a、150b、150c、150d)が設けられている。150aは、プラスボタンであり、このプラスボタン150aを押すと期間として設定する数値が上がる(例えば「1」上がる)ようになっている。150bは、マイナスボタンであり、このマイナスボタン150bを押すと期間として設定する数値が下がる(例えば「1」下がる)ようになっている。150cは、決定ボタンであり、この決定ボタン150cを押すと、プラスボタン150a、マイナスボタン150bで入力した期間の数値が確定されるようになっている。150dは、表示切替ボタンであり、この表示切替ボタン150dを押すと、表示部30の表示を演出表示から期間入力画面に切り替えたり、逆に期間入力画面から元の演出表示に切り替えたり、或いは、期間の上限値の入力画面と下限値の入力画面とを切り替えたりするようになっている。なお、これらの期間入力ボタン150(150a、150b、150c、150d)は、通常、遊技場の営業時間外に店員等が操作するようになっている。
次に、図3を参照して、遊技領域5の左側中ほどに遊技領域形成レール4に沿って設けられる表示集合板45には、上部に特別図柄を変動表示する7セグメントLEDで構成された特別図柄表示装置47と、特別図柄表示装置47下部の右側に配置され、確率変動状態時に点灯する確変LED48aと時短状態時に点灯する時短LED48bから構成される確変時短表示装置48と、特別図柄表示装置47及び確変時短表示装置48の下側に三連状に配置され、大当りのラウンド数を点灯表示する3つのラウンド表示LED46a、46b、46cから構成されるラウンド表示装置46と、ラウンド表示装置46の下側に配置され、普通図柄を変動表示すると共に、当りである場合に始動入賞口11bとしての電動チューリップの羽根を所定時間開放させる当りLED18aとはずれLED18bで構成される普通図柄表示装置18と、普通図柄表示装置18の下側に配置され、普通図柄表示装置18が普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過した場合に、当該変動表示が終了した後に、あと何回変動表示するか(最高4回)を遊技者に報知するための保留記憶の点灯表示を順次行う4つの保留LED26とが設けられている。
図1に戻って、内枠23に設けられた皿ユニット24には、遊技者が操作することにより後述する打球発射装置43(発射ソレノイド43a、球送りソレノイド43b)を作動させる打球操作ハンドル2と、遊技球を打球発射装置43に供給するための打球供給皿12と、遊技者が獲得した遊技球数(持球数)の情報等を表示する情報表示部13とが設けられている。
打球供給皿12には、遊技者が所定の遊技状態になったときに操作するプッシュ式の演出ボタン51と、遊技機1に隣接して設けられる図示しないカードユニットから挿入したプリペイドカードを返却させる返却ボタン58と、プリペイドカードの残度数を表示する度数表示器が設けられる度数表示基板61と、プリペイドカードの残度数の範囲内で後述のクレジット表示装置33にクレジット数を転送して、遊技機1から打球供給皿12に遊技球を貸球として貸し出す球貸ボタン59とが設けられている。また、打球供給皿12の上面には、遊技球の飛び出しを防止すると共に、遊技者が遊技球に触れることを防止するための透明な蓋12aが設けられている。なお、演出ボタン51は、内部にランプやLED等を設けて所定の遊技状態になったら点灯するように構成してもよい。
情報表示部13には、遊技者の持球数(クレジット)を表示するクレジット表示装置33と、遊技者が遊技を終了するときに操作するクレジット精算ボタン35と、クレジット精算ボタン35が操作されたときにクレジット数を書き込んで記憶したクレジットカードを発行するクレジットカード装置36とが設けられている。つまり、クレジットカード装置36は、予め所定枚数の生カードがストックされており、クレジット精算ボタン35操作時に、1枚の生カードにクレジット数が記憶されて排出されるようになっている。クレジット表示装置33は、リアルタイムでクレジット数を1個単位でデジタル表示する、6個の7セグメントLEDで構成される表示装置であり、遊技球の入賞口への入賞により賞球数に相当するクレジット数が加算されると共に、球貸ボタン59が操作されたときに規定クレジット数(貸球数)が加算され、一方、遊技領域5に打ち出された遊技球数(発射球センサ117により検出された発射球数)に相当するクレジット数が減算される。つまり、クレジット表示装置33は、遊技者の持球数を表示するようになっており、遊技機1は、クレジット表示装置33に表示されたクレジット数だけ遊技球が発射可能になっている。
なお、上記したプリペイドカードやクレジットカードは限定されるものではなく、例えばコイン等、他の媒体で構成するようにしてもよい。また、上記の説明では、クレジットカード装置36は、クレジットカードを発行するのみの態様で説明したが、これは、クレジットカードを挿入できるように構成してもよい。このように構成した場合には、クレジットカードをクレジットカード装置36に挿入したとき、そのクレジットカードに記憶されたクレジット数がクレジット表示装置33に表示されるようにすることで、遊技者は、プリペイドカードを使用することなく、遊技機1にて遊技をすることが可能となる。さらに、クレジットカードをクレジットカード装置36に挿入できるようにした場合には、プリペイドカードをカードユニットに、クレジットカードをクレジットカード装置36(遊技機1)に別々に挿入する態様でもよいが、例えば両者をカードユニット又は遊技機1に挿入して処理する態様にしてもよく、さらにプリペイドカード及びクレジットカードを、両者の機能を持ち合わせた1つの媒体で構成するようにしてもよい。
ここで、図4を参照しながら、皿ユニット24の背面側に設けられる打球発射装置43の構成について説明する。打球発射装置43は、ベース板41に構成部品が集約して設けられており、その中央部には球供給通路37が形成されている。球供給通路37は、略「つ」の字状に形成され、その上部には、アウト口16に回収された遊技球と入賞口に入賞した遊技球、即ち遊技領域5に打ち出された発射球が流入する幅広状の球入口38が形成されている。なお、この球入口38は、遊技機1の点検で遊技球を抜いたとき等に、遊技球を補給するための球補給口としての機能も兼ねている。
球供給通路37の終端部には、球送りソレノイド43bが設けられており、球入口38から流入して球供給通路37を転動流下する遊技球は、この球送りソレノイド43bにより、一旦、球供給通路37内で停止するようになっている。これにより、球供給通路37内には、図4(A)(B)に示すように、複数の遊技球が一列に整列して貯留されることになる。なお、図4(A)は、例えば遊技機1に電源を投入した直後のように、遊技機1で遊技が行われておらず(遊技球が発射されておらず)、遊技機1で使用される全ての遊技球が球供給通路37内で一列に整列している貯留状態を示し、一方、図4(B)は、遊技機1で遊技が行われており(遊技球が発射されており)、所定数(例えば7個くらい)の遊技球が滞留球として遊技盤21に滞留しているときの球供給通路37内の遊技球の貯留状態を示している。
ここで、図4(A)に示すように、球供給通路37内にて遊技機1で使用される全ての遊技球が発射球として待機している場合において、最終の発射球が待機することとなる球供給通路37の最終位置(例えば、遊技機1で使用される全ての遊技球数が30個の場合、該30個目の遊技球が待機することとなる球供給通路37の位置)には、アウト球センサ39が設けられている。このアウト球センサ39は、球供給通路37の下側に設けられ、遊技機1の遊技中において、図4(B)に示すように、球入口38から球供給通路37に流入してきた遊技球、即ちアウト口16に回収された遊技球と入賞口に入賞した遊技球(発射球)が、球供給通路37において自身の上方を通過する度にオンして、該遊技球数をアウト球としてカウント(検出)すると共に、遊技機1にて遊技されていない場合に、図4(A)に示すように、球供給通路37において自身の上方に遊技球が停止しているときにオンして、球供給通路37の最終位置に発射球があるか否か、即ち遊技機1に使用される遊技球が規定された数だけあるか否かを検出するように構成されている。つまりアウト球センサ39は、アウト球数のカウントと、遊技機1に使用される遊技球数の確認という、両機能を兼ね備えている。なお、アウト球センサ39は、球供給通路37の上側に設けて、自身の下方の遊技球を検出するようにしてもよい。
図中、49は、球発射口であり、球供給通路37内で整列していた遊技球は、球送りソレノイド43bの駆動により1個ずつ球供給通路37から排出されて球発射口49に流下する。図中、43aは、発射ソレノイドであり、球発射口49に流出した遊技球は、発射レール50の発射位置まで流下して停止し、発射ソレノイド43aの駆動により遊技領域5に向かって打ち出される。球送りソレノイド43bと発射ソレノイド43aは、交互にタイミングよく駆動制御されることで、遊技球を所定間隔で1個ずつ発射することが可能になっている。なお、発射される速度が遅くファールとなった(遊技領域5に届かなかった)遊技球は、図示しないリフトや経路を通って、再び球供給通路37に導出され発射されるようになっており、当然ながら、このファール球は、発射球センサ117では検出されることはない。
上記したように構成される遊技機1は、プリペイドカード等を挿入し球貸ボタン59を操作してクレジット表示装置33にクレジット数が表示された後、打球操作ハンドル2の操作により、打球発射装置43から遊技球が発射され、打球誘導レール3と遊技領域形成レール4の間の発射経路を通って遊技球が遊技盤21上の遊技領域5に打ち出される。また、打球発射装置43から発射される速度が遅くファール球防止弁28を通過しない遊技球は、遊技領域5に打ち出されることなくファール球として処理され、再び打球発射装置43から発射される。
遊技領域5に打ち出された遊技球は、発射球センサ117により検出され、この検出された遊技球数に相当するクレジット数が発射球数として減算されてクレジット表示装置33に表示される。そして、遊技領域5に打ち出された発射球は遊技領域5を自重により落下し、落下する過程においては、遊技盤21に植設される遊技釘や風車20によって落下する方向に変化を与えられ、始動入賞口11や普通入賞口14に入賞したり、普通図柄作動ゲート19を通過したり、全ての入賞口に入賞しなかった場合には、アウト口16に回収される。そして、これらアウト口16に回収された遊技球と入賞口に入賞した遊技球、即ち遊技領域5に打ち出された発射球は、再び打球発射装置43の球供給通路37に集められ、ここでアウト球センサ39によりアウト球として検出され、その後、再び遊技領域5に向かって打ち出される。
遊技球が普通入賞口14に入賞した場合には、後述する左入賞口スイッチ122a、又は右入賞口スイッチ122bにより遊技球が検出され、賞球数に相当するクレジット数が加算されてクレジット表示装置33に表示される。遊技球が始動入賞口11(始動入賞口11a、又は始動入賞口11b)に入賞した場合には、後述する始動入賞口スイッチ116a、又は116bにより遊技球が検出され、賞球数に相当するクレジット数が加算されてクレジット表示装置33に表示される。
また、遊技球が始動入賞口11に入賞すると、演出図柄表示装置6の各図柄表示部8、9、10に複数種類(例えば20種類)の演出図柄をスクロール表示させ、所定時間後に左図柄表示部8、右図柄表示部10、中図柄表示部9の順に演出図柄を停止させて確定表示を行い、左図柄表示部8の演出図柄と右図柄表示部10の演出図柄とが停止した時点で大当りを構成する演出図柄の組合せ(例えば、左図柄表示部8の演出図柄と右図柄表示部10の演出図柄とが同一の演出図柄の組合せ)である場合にはリーチとなり、演出図柄表示装置6の表示部30にて所定のリーチアクションが演出表示されるようになっており、その後中図柄表示部9の演出図柄が停止した時点で確定表示された演出図柄が予め定められた大当り演出図柄の組合せである場合には大当りとなり、大入賞口7としてのアタッカを所定の態様で開放するようになっている。そしてこれら以外の演出図柄の組合せである場合には、はずれとなる。なお、遊技球が大入賞口7に入賞した場合には、後述する大入賞口スイッチ123により遊技球が検出され、賞球数に相当するクレジット数が加算されてクレジット表示装置33に表示される。
ここで、演出図柄表示装置6に演出図柄を変動表示させる過程で、所定の遊技状態になった場合、例えばリーチになった場合には、所定の割合で演出図柄表示装置6にて遊技者に演出ボタン51を所定の態様で操作させる演出表示が実行されるようになっている。なお、演出図柄表示装置6にて左図柄表示部8、中図柄表示部9、右図柄表示部10の演出図柄を停止させる順序は特に限定するものではなく、また、大当り以外に、中当りや小当りを設け、大入賞口7(アタッカ)を所定の態様で開放するようにしてもよい。
また、遊技球が始動入賞口11に入賞した場合には、演出図柄表示装置6が作動するのと同時に特別図柄表示装置47が作動して特別図柄が変動表示され、この特別図柄の変動表示は、演出図柄表示装置6にて変動表示されていた演出図柄が停止して確定表示されたとき、同時に停止して確定表示される。つまり演出図柄表示装置6の変動表示と特別図柄表示装置47の変動表示は同期する。なお、特別図柄表示装置47の変動表示は、7セグメントLEDのセグメントを所定の順序で点灯させていくことで実行している。
そして演出図柄表示装置6にて、はずれ又は大当り図柄が確定表示されたときは、特別図柄表示装置47にも予め定められたはずれ又は大当り図柄が表示される。また、特別図柄表示装置47において、はずれのときの特別図柄は1種類であり、一方、大当りの特別図柄は複数種類(例えば20種類)設けられており、これら大当りの特別図柄はそれぞれ大当りの遊技内容(例えばラウンド数、確率変動や時短の有無及び回数等)が異なるようになっている。なお、始動入賞口11aに入賞したときと、始動入賞口11bに入賞したときとで大当りなる確率や、所定の遊技内容の大当りになる確率を異ならせるようにしてもよい。また、特別図柄表示装置47にてはずれの特別図柄や大当りの特別図柄の種類は特に限定されるものではなく、例えば、はずれの特別図柄を複数種類設けるようにしてもよい。
また、大当りになると、ラウンド表示装置46のラウンド表示LED46a、46b、46cが当該大当りのラウンド数に応じて点灯する。例えば、今回の大当りの特別図柄が4ラウンド大当りである場合には、大入賞口7の作動中にラウンド表示LED46aが点灯し、大当りの特別図柄が7ラウンド大当りである場合には、大入賞口7の作動中にラウンド表示LED46bが点灯し、大当りの特別図柄が15ラウンド大当りである場合には、大入賞口7の作動中にラウンド表示LED46b、46cが点灯するといった具合である。勿論、これらラウンド表示LED46a、46b、46cが点灯する組合せは、大当りの特別図柄に応じて適宜設定するようにすればよい。
さらに、大当りの特別図柄が確率変動大当りである場合には、大入賞口7の作動終了後(大当り遊技終了後)次の大当りになるまで、又は、所定回数特別図柄が変動表示するまで大当りになる確率が上昇する遊技状態(確変状態)になり、この確変状態になっているときは、確変時短表示装置48の確変LED48aが点灯する。また、大当りの特別図柄が時短大当りである場合には、大入賞口7の作動終了後(大当り遊技終了後)次の大当りになるまで、又は、所定回数特別図柄が変動表示するまで特別図柄の変動時間が短縮する遊技状態(時短状態)になり、この時短状態になっているときは確変時短表示装置48の時短LED48bが点灯する。また、大当りの特別図柄が確率変動且つ時短大当りである場合には、大入賞口7の作動終了後(大当り遊技終了後)次の大当りになるまで、又は、所定回数特別図柄が変動表示するまで大当りになる確率が上昇且つ特別図柄の変動時間が短縮する遊技状態(確変時短状態)になり、この確変時短状態になっているときは、確変LED48aと時短LED48bが点灯する。そして、大当りの特別図柄がこれら以外の通常大当りである場合には、確変LED48aと時短LED48bは点灯しない。
また、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過した場合には、後述する普通図柄作動ゲートスイッチ121によって遊技球を検出し、普通図柄表示装置18に普通図柄を変動表示させて抽選を行い、所定時間経過後当りLED18aが点灯して所定の当り図柄(例えば「◎」)が確定表示されれば当りとなり、電動チューリップ(始動入賞口11b)の羽根を所定時間開放し、一方所定時間経過後はずれLED18bが点灯して所定のはずれ図柄(例えば「×」)が確定表示されればはずれとなる。なお、遊技状態が確変状態や時短状態になっているときに普通図柄が当りとなったときは、電動チューリップ(始動入賞口11b)の羽根の開放時間を延長するようにしてもよい。この電動チューリップ(始動入賞口11b)の羽根の開放時間を延長する態様は、例えば羽根を複数回開放して開放時間を延長したり、1回の羽根の開放時間を延長したりすればよく、ただしこの場合、所定個数(例えば8個)の遊技球が入賞したら羽根を閉じるようにすればよい。
従って、このような遊技機1を遊技する遊技者は、遊技球が始動入賞口11に入賞したときは大当りを期待することができるので、演出表示のない特別図柄表示装置47の特別図柄よりも、極めて演出効果の高い演出図柄表示装置6に変動表示される演出図柄を注視することになる。そして、演出図柄表示装置6に大当りを構成する演出図柄の組合せが停止して遊技状態がリーチになったときは、遊技者が最も期待する瞬間となり、このとき演出図柄表示装置6に演出ボタン51を操作させる演出が表示されたときは、遊技者は大当りを獲得すべく演出ボタン51を懸命に操作することになる。これにより遊技に参加することができるという満足感を遊技者に与えて遊技機1の趣向性が向上する。
次に遊技機1の裏側に設けられた遊技機制御装置100を図5を用いて説明する。遊技機制御装置100は図5に示すように構成され、遊技機制御装置100を主に構成する主制御基板44は、図示していないが、入力回路、出力回路、ワンチップマイクロコンピュータ及びこれらを接続するバス(データバス、アドレスバス、コントロールバス等)とを備えており、入力回路を介して取得した各センサやスイッチ等からの信号に基づいて、ワンチップマイクロコンピュータが出力回路に接続されている各種回路や機器等を制御するための所定の制御プログラムを実行する。また、ワンチップマイクロコンピュータは、制御プログラムを実行するCPU80、CPU80が実行する制御プログラムを格納するROM82及びCPU80が処理するデータを一時的に記憶するRAM81が内蔵されている。
主制御基板44の入力回路には、電源基板53、クレジット制御基板40及び演出制御基板111と、始動入賞口11に設けられた遊技球の入賞を検出すると演出図柄及び特別図柄の変動開始信号及び賞球数としてのクレジット加算信号を送る始動入賞口11aスイッチ116a、始動入賞口11bスイッチ116bと、普通図柄作動ゲート19に設けられた遊技球の通過を検出すると普通図柄の変動開始信号を送る普通図柄作動ゲートスイッチ121と、大入賞口7に設けられ、大入賞口7を開放することにより大入賞口7内に入賞した遊技球を検出すると賞球数としてのクレジット加算信号を送る大入賞口スイッチ123と、普通入賞口14に入賞した遊技球を検出すると賞球数としてのクレジット加算信号を送る左入賞口スイッチ122a、右入賞口スイッチ122b(左入賞口スイッチ122aは左側の3つの普通入賞口14に、右入賞口スイッチ122bは右側の普通入賞口14に対応)と、遊技領域5に打ち出された発射球を検出すると発射球カウント信号及び発射球数としてのクレジット減算信号を送る発射球センサ117と、球供給通路37の下側に設けられ、球入口38から球供給通路37に流入してきたアウト球を検出すると又は球供給通路37の最終位置に発射球があることを検出すると、アウト球カウント信号又は遊技球数確認信号を送るアウト球センサ39とが接続されている。
主制御基板44の出力回路には、演出制御基板111及びクレジット制御基板40と、大入賞口7としてのアタッカを開口動作するための大入賞口ソレノイド106と、始動入賞口11bとしての電動チューリップを開放動作するための普通電動ソレノイド107と、図示しないドライバ回路を経由して7セグLEDとしての特別図柄表示装置47と、当りLED18a及びはずれLED18bからなる普通図柄表示装置18と、図示しないホール管理コンピュータ等に接続される外部端子板109とが接続されている。
クレジット制御基板40及び発射基板42は、上記した主制御基板44と同様に、入出力回路、ワンチップマイクロコンピュータ等を備えて構成されている。クレジット制御基板40の入出力回路には、電源基板53、発射基板42及び主制御基板44と、ガラス扉枠17が開放されると扉開放信号を送る扉開放スイッチ124と、内枠23が開放されると枠開放信号を送る枠開放スイッチ125と、打球発射装置43の発射ソレノイド43aと、情報表示部13の遊技者の持球数を表示するクレジット表示装置33、遊技者が遊技を終了するときに操作されて遊技終了信号を送るクレジット精算ボタン35及びクレジット精算ボタン35が操作されたときにクレジット表示装置33が表示する遊技者の持球数を書き込み記憶したクレジットカードを発行するクレジットカード装置36と、打球供給皿12の遊技者の操作によりプリペイドカードを返却する返却ボタン58、遊技者の操作により貸球数としてのクレジット加算信号を送る球貸ボタン59及びプリペイドカードの残度数を表示する度数表示基板61とが接続されている。
また、発射基板42の入出力回路には、クレジット制御基板40と、打球操作ハンドル2が回動操作されて遊技球が発射される時にオンするタッチセンサ119と、打球操作ハンドル2の所定箇所に設けられ押圧操作することにより打球発射装置43の作動をオフさせて遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ120と、打球発射装置43の球送りソレノイド43bとが接続されている。
演出制御基板111は、上記した主制御基板44と同様に、所定の制御プログラムを実行するCPU、CPUが実行する制御プログラムを格納するROM及びCPUの作業領域を構成するRAM等からなるワンチップマイクロコンピュータを備えている。また、演出制御基板111は、LCDとしての演出図柄表示装置6に演出表示する画像を制御するVDP、VDPが読み出す各コマンドに対応した表示制御データ(変動パターン等)及びキャラクタや図柄や背景等が記憶された画像データ用のCGROM、VDPが処理する画像データ等を一時的に記憶保持するための記憶エリアを備えたVRAMを備えている。これらのCPU、RAM、ROM、VDP、VRAM及びCGROMは、バスにより接続されている。また、バスと接続される入出力回路には、電源が切られた場合でもRAM及びVRAMの記憶内容を所定時間保持可能なRAM、VRAMバックアップ回路が接続されている。
即ち、演出制御基板111は、主制御基板44のCPU80からストローブ信号や表示制御用コマンド信号等の制御信号を受け、ストローブ信号が入力されると、表示制御用CPUは表示制御用コマンドを認識する。するとVDPは、この表示制御用コマンドに対応するデータエリアから表示制御データ及びキャラクタや図柄や背景等をCGROMから読み出し、上記画像データを一時記憶するVRAMに格納する。そしてVDPは、この格納された画像データを、表示順がくるとVRAMから読み出し、表示制御用CPUからの指令に応じて所定の態様でLCD(演出図柄表示装置6)に演出表示する。
また、演出制御基板111の入出力回路には、演出図柄表示装置6と、操作されたときに操作信号を送る演出ボタン51と、各種の効果音を拡声させるためのスピーカ113と、オバケ型の可動物31を落下動作するための演出モータ105と、星型の可動物32を回転動作するための演出モータ108と、各種のLEDやランプ(例えば、保留LED25や遊技効果ランプ15)と、図示しないホール管理コンピュータ等に接続される外部端子板109とが接続されている。
さらに、演出制御基板111の入出力回路には、期間入力ボタン150(150a、150b、150c、150d)と、期間設定スイッチ151とが接続されている。期間設定スイッチ151は、遊技場の関係者のみが操作可能なように、遊技機1の裏面側に設けられるスイッチであって、後に詳述する遊技中の各入賞口(ゲート)に対する遊技球の入賞(通過)が適正か否かを判断するための期間(時間)を設定するためのディップスイッチ等から構成されるスイッチである。期間入力ボタン150は、期間設定スイッチ151と同様に、遊技場の関係者のみが操作可能なように、ガラス扉枠17を開放しないと操作できない演出図柄表示装置6に設けられる入力ボタンであって、期間入力ボタン150を構成するプラスボタン150a、マイナスボタン150b、決定ボタン150c、表示切替ボタン150dを操作することにより、期間設定スイッチ151にて設定されている期間を、遊技場の所望する値に直接変更設定するための入力ボタンである。
次に、このように構成された遊技機1にて実行される本発明の特徴的な処理について、図6乃至図16を参照しながら詳述する。図6は、主制御基板44のCPU80が実行する異常遊技処理を示すフローチャート、図7は、主制御基板44のCPU80が実行する電源投入処理を示すフローチャート、図8は、主制御基板44のCPU80が実行する遊技中処理を示すフローチャート、図9は、主制御基板44のRAM81の所定の記憶エリアA、Bに記憶される時刻や期間を示す説明図、図10は、主制御基板44のCPU80が実行する期間外判断処理を示すフローチャート、図11は、主制御基板44のCPU80が実行する第1期間外処理を示すフローチャート、図12は、主制御基板44のCPU80が実行する第2期間外処理を示すフローチャート、図13は、主制御基板44のCPU80が実行する期間変更復帰処理を示すフローチャート、図14は、主制御基板44のCPU80が実行する期間設定スイッチ・期間入力ボタン処理を示すフローチャート、図15は、主制御基板44のRAM81の所定の記憶エリアCに記憶される期間の例を示す説明図、図16は、主制御基板44のCPU80が実行する遊技終了処理を示すフローチャートである。なお、これらの処理は遊技機1の電源投入時から所定時間(例えば2msec)毎に繰り返し実行されるようになっている。
図6を参照して、本発明の特徴的な主制御基板44のCPU80が実行する異常遊技処理は、電源投入処理(ステップS10)、遊技中処理(ステップS20)、期間外判断処理(ステップS50)、期間変更復帰処理(ステップS70)、期間設定スイッチ・期間入力ボタン処理(ステップS90)、遊技終了処理(ステップS100)からなっている。この異常遊技処理が実行されると、まずステップS10にて、遊技機1に電源が投入されたときに係る図7に示す電源投入処理が実行される。電源投入処理が実行されると、ステップS12にて、遊技機1に電源が投入されたか否かを判定し、ステップS12にてYESのときはステップS13に移行し、ここで、CPU80は、初期化処理として、スタックの設定や以下の処理に必要な各フラグ、各レジスタ及びRAM81等の記憶エリアの初期化を行う。
そして、ステップS14に移行し、アウト球センサ39がオンしたか否か、即ち電源投入時の遊技球の発射が行われていない状態において、遊技機1に規定の遊技球数があるか否かを判定する。そしてステップS14にてYES、つまりアウト球センサ39がオンして遊技機1に規定の遊技球数があると判定されたときは、ステップS18に移行し、ここで、期間設定スイッチ151で設定されている期間、即ち遊技中の各入賞口(ゲート)に対する遊技球の入賞(通過)が適正か否かを判断するための期間を、RAM81の記憶エリアBに記憶する。なお、この期間は、後に説明する図9(B)に示すように、発射球センサ117及びアウト球センサ39に対して始動入賞口11aスイッチ116a、始動入賞口11bスイッチ116b、普通図柄作動ゲートスイッチ121、左入賞口スイッチ122a、右入賞口スイッチ122b、大入賞口スイッチ123の期間がそれぞれRAM81の記憶エリアBに記憶されて設定されるようになっている。また、期間設定スイッチ151の設定態様については後述する。
一方、ステップS14にてNO、つまりアウト球センサ39がオフのままで遊技機1に規定の遊技球数がないと判定されたときは、ステップS16に移行し、ここでエラー処理を実行する。このエラー処理としては、例えば、遊技機1の所定のLEDやランプ等を点灯させたり、遊技機1のスピーカ113から音声でその旨を報知したり、或いは、外部端子板109を介してホール管理コンピュータや遊技機1の周辺機器(例えば、呼び出しランプや台間装置)に出力してその旨を報知させるようにすればよい。さらに、演出図柄表示装置6にその旨を文字等で表示させるようにしてもよい。この演出図柄表示装置6に文字等で表示させる場合には、例えば「遊技球数エラー」「遊技球数が不足しています」というような表示が考えられる。
そして、ステップS16のエラー処理を受けて、店員等が遊技機1に遊技球を補充するような措置を行ったら、遊技機1の電源を一旦落とした後、再度、ステップS12に戻って電源投入処理を実行するようにすればよい。そしてステップS18の処理を終えたら、又は、ステップS12にてNOと判定されたときは、この電源投入処理を終了する。
図6に戻って、電源投入処理が終了すると、ステップS20に移行し、次に図8に示す遊技中処理が実行される。この遊技中処理が実行されると、まずステップS22にて、遊技者の打球操作ハンドル2の操作により、球供給通路37から遊技領域5に打ち出された発射球を検出して発射球センサ117がオンしたか否かが判定され、ステップS22にてYESのときはステップS24に移行し、RAM81の記憶エリアA(図9(A)参照)に、発射球センサ117がオンしたときの時刻(TH)が累積記憶される。
そして、ステップS24を終えると、又は、ステップS22にてNOのときは、ステップS26に移行し、遊技領域5に打ち出された発射球が普通図柄作動ゲート19を通過して、普通図柄作動ゲートスイッチ121がオンしたか否かが判定され、ステップS26にてYESのときはステップS28に移行し、RAM81の記憶エリアA(図9(A)参照)に、普通図柄作動ゲートスイッチ121がオンしたときの時刻(TG)が累積記憶される。
そして、ステップS28を終えると、又は、ステップS26にてNOのときは、ステップS30に移行し、遊技領域5に打ち出された発射球が始動入賞口11aに入賞して、始動入賞口11aスイッチ116aがオンしたか否かが判定され、ステップS30にてYESのときはステップS32に移行し、RAM81の記憶エリアA(図9(A)参照)に、始動入賞口11aスイッチ116aがオンしたときの時刻(TSa)が累積記憶される。
そして、ステップS32を終えると、又は、ステップS30にてNOのときは、ステップS33に移行し、遊技領域5に打ち出された発射球が始動入賞口11bに入賞して、始動入賞口11bスイッチ116bがオンしたか否かが判定され、ステップS33にてYESのときはステップS34に移行し、RAM81の記憶エリアA(図9(A)参照)に、始動入賞口11bスイッチ116bがオンしたときの時刻(TSb)が累積記憶される。
そして、ステップS34を終えると、又は、ステップS33にてNOのときは、ステップS36に移行し、遊技領域5に打ち出された発射球が左側の3つの普通入賞口14の何れかに入賞して、左入賞口スイッチ122aがオンしたか否かが判定され、ステップS36にてYESのときはステップS37に移行し、RAM81の記憶エリアA(図9(A)参照)に、左入賞口スイッチ122aがオンしたときの時刻(TMa)が累積記憶される。
そして、ステップS37を終えると、又は、ステップS36にてNOのときは、ステップS39に移行し、遊技領域5に打ち出された発射球が右側の普通入賞口14に入賞して、右入賞口スイッチ122bがオンしたか否かが判定され、ステップS39にてYESのときはステップS40に移行し、RAM81の記憶エリアA(図9(A)参照)に、右入賞口スイッチ122bがオンしたときの時刻(TMb)が累積記憶される。
そして、ステップS40を終えると、又は、ステップS39にてNOのときは、ステップS42に移行し、遊技領域5に打ち出された発射球が大入賞口(アタッカ)7に入賞して、大入賞口スイッチ123がオンしたか否かが判定され、ステップS42にてYESのときはステップS44に移行し、RAM81の記憶エリアA(図9(A)参照)に、大入賞口スイッチ123がオンしたときの時刻(TD)が累積記憶される。
そして、ステップS44を終えると、又は、ステップS42にてNOのときは、ステップS46に移行し、入賞することなくアウト口16に回収された遊技球、又は、入賞口11a、11b、14、7に入賞した遊技球を、球供給通路37にてアウト球として検出するアウト球センサ39がオンしたか否かが判定され、ステップS46にてYES、即ちアウト球センサ39がアウト球を検出したときはステップS48に移行し、RAM81の記憶エリアA(図9(A)参照)に、アウト球センサ39がオンしたときの時刻(TO)が累積記憶される。そして、ステップS48を終えると、又は、ステップS46にてNOのときは、この遊技中処理を終了する。なお、この遊技中処理では、図示していないが、遊技者の持球数を算出する処理や、この算出した持球数をクレジット数としてクレジット表示装置33にデジタル表示する処理等も実行する。
ここで、図9(A)について説明する。RAM81の記憶エリアAには、左から順に発射球センサ、アウト球センサ、始動入賞口11aスイッチ、始動入賞口11bスイッチ、普通作動ゲートスイッチ、左入賞口スイッチ、右入賞口スイッチ、大入賞口スイッチの8つのフィールドが設けられ、これらのフィールドには、発射球センサ117、アウト球センサ39、始動入賞口11aスイッチ116a、始動入賞口11bスイッチ116b、普通作動ゲートスイッチ121、左入賞口スイッチ122a、右入賞口スイッチ122b、大入賞口スイッチ123がオンする毎に、該オンしたときの時刻が記憶されるようになっている。つまり、RAM81の記憶エリアAには、各センサ117、39、各スイッチ116a、116b、121、122a、122b、123で遊技球を検出したときの時刻TH、TO、TSa、TSb、TG、TMa、TMb、TDが1レコードのデータとして各フィールドに記憶されるようになっている。なお、図9(A)において、時刻TH、TO、TSa、TSb、TG、TMa、TMb、TDは、1/100秒の単位で記憶され、例えば発射球センサ(TH)の10:23:01:67は、10時23分1.67秒を示している。
次に、図9(B)について説明する。RAM81の記憶エリアBには、発射球センサ、アウト球センサに対応して、左から順に始動入賞口11aスイッチ、始動入賞口11bスイッチ、普通作動ゲートスイッチ、左入賞口スイッチ、右入賞口スイッチ、大入賞口スイッチの6つのフィールドが設けられ、これらのフィールドには、上記したステップS18の処理(図7参照)、又は、後述するステップS94、S98(図14参照)にて設定された期間が記憶されるようになっている。つまり、RAM81の記憶エリアBには、各スイッチ116a、116b、121、122a、122b、123で遊技球を検出したとき、該検出した遊技球による各入賞口(ゲート)への入賞(通過)が適正か否かを判断するための発射球センサに対する期間TSHa(TSa−TH)、TSHb(TSb−TH)、TGH(TG−TH)、TMHa(TMa−TH)、TMHb(TMb−TH)、TDH(TD−TH)及びアウト球センサに対する期間TSOa(TO−TSa)、TSOb(TO−TSb)、TGO(TO−TG)、TMOa(TO−TMa)、TMOb(TO−TMb)、TDO(TO−TD)が設定されるようになっている。なお、図9(B)において、設定期間TSHa、TSHb、TGH、TMHa、TMHb、TDH及び設定期間TSOa、TSOb、TGO、TMOa、TMOb、TDOは、1/1秒の単位で記憶され、例えば発射球センサに対する始動入賞口11aスイッチのTSHa=2〜6は、TSHaの適正期間が2〜6秒、アウト球センサに対する始動入賞口11aスイッチのTSOa=2〜4は、TSOaの適正期間が2〜4秒であることを示している。
図6に戻って、遊技中処理を終えるとステップS50に移行して、次に期間外判断処理を実行する。図10を参照して、この期間外判断処理が実行されると、まずステップS51にて、発射球センサに対する始動入賞口11aスイッチの実際のTSHaが期間内(適正)になっているか否かを判定する。この判定は、次のように行う。
即ち、始動入賞口11aスイッチ116aにて遊技球を検出したとき、該検出したときの時刻TSaがRAM81の記憶エリアAに記憶され(図9(A)参照)、設定されている発射球センサに対する期間TSHa(図9(B)参照)が参照される。ここで、設定期間TSHaは2〜6秒なので、この検出したときの時刻TSaよりも2〜6秒(2秒以上6秒以下)前に発射球センサ117により遊技球が検出されているか否かを判定する。この判定は、時刻TSaから2〜6秒(設定期間TSHa)を減算した時刻の範囲内に、記憶されている時刻THが1つ以上存在するか否か、換言すれば、時刻TSaから時刻THを減算した時間(実際のTSHa)が2〜6秒(TSa−TH=2〜6)になる当該時刻THが1つ以上存在するか否かで行う。例えば、時刻TSaが10:23:31:76(10時23分31.76秒)(図9(A)参照)のとき、10時23分25.76秒〜10時23分29.76秒の範囲内の時刻THが1つ以上存在すれば、当該TSHaは適正であると判定され、ステップS51にてYESと判定される。つまり、この処理では、始動入賞口11aスイッチ116aにて遊技球を検出した時刻より、所定期間前に発射球センサ117により発射球を検出している場合には、当該始動入賞口11aへの遊技球の入賞は適正と判断されるのである。
そしてステップS51にてYESのときはステップS52に移行し、ステップS51に準じて発射球センサに対する始動入賞口11bスイッチの実際のTSHbが期間内(適正)になっているか否かを判定する。そして、ステップS52にてYESのときはステップS53に移行し、ステップS51に準じて発射球センサに対する普通図柄作動ゲートスイッチの実際のTGHが期間内(適正)になっているか否かを判定する。そして、ステップS53にてYESのときはステップS54に移行し、ステップS51に準じて発射球センサに対する左入賞口スイッチの実際のTMHaが期間内(適正)になっているか否かを判定する。そして、ステップS54にてYESのときはステップS55に移行し、ステップS51に準じて発射球センサに対する右入賞口スイッチの実際のTMHbが期間内(適正)になっているか否かを判定する。そして、ステップS55にてYESのときはステップS56に移行し、ステップS51に準じて発射球センサに対する大入賞口スイッチの実際のTDHが期間内(適正)になっているか否かを判定する。
一方、ステップS51〜S56にてNOのときはステップS57に移行し、第1期間外処理を実行する。つまり、各スイッチ116a、116b、121、122a、122b、123で遊技球を検出した時刻より、所定期間(設定期間TSHa、TSHb、TGH、TMHa、TMHb、TDH)前に発射球センサ117により発射球を検出していない場合には、遊技盤21上での通常の玉詰まり又は不正による玉詰まり(意図的に玉詰まりを発生させる所謂「ブドウ状態」を作り出して遊技球が入賞し易い状態にする所謂「玉掛けゴト」による不正等)、電波ゴトの不正(所定の入賞口(ゲート)に狙いを定めて電波を照射し、入賞口(ゲート)スイッチを遊技球が通過していないにもかかわらず誤作動(カウント)させる不正)、或いは、発射球センサ117や各スイッチ116a、116b、121、122a、122b、123の異常等が考えられるため、該検出した遊技球による各入賞口(ゲート)への入賞(通過)が適正ではないと判断され、第1期間外処理を実行するのである。
図11を参照して、この第1期間外処理が実行されると、まずステップS58にて、外部出力処理が行われる。この外部出力処理は、外部端子板109を介してホール管理コンピュータや遊技機1の周辺機器(例えば、呼び出しランプや台間装置)に出力して、その旨を報知させる処理である。報知内容としては、例えば「玉詰まりが発生しています。点検してください」「センサ異常です。点検してください」等が考えられる。これにより、遊技場は、当該遊技機1の検査や確認作業を速やかに行うことができ、遊技中に不正が行われた場合であっても、この不正行為を早期に発見して対処すること可能となる。
次に、ステップS59に移行し、遊技機報知処理を実行する。この遊技機報知処理は、遊技機1自身の備える装置、例えば、演出図柄表示装置6やスピーカ113にて、表示や音声でその旨を報知させたり、或いは、遊技機1に設けられた各種のLEDやランプ(例えば、保留LED25や遊技効果ランプ15)を所定の態様で点灯/点滅させたりする処理である。報知内容としては、例えば「玉詰まりが発生しています。遊技を停止してください!」「センサ異常です。遊技を停止してください!」等が考えられる。これにより、不正行為を働く遊技者への抑止力になり、不正行為を未然に防いで減少させることができる。
次に、ステップS60に移行し、遊技停止処理を実行する。この遊技停止処理は、打球発射装置43(発射ソレノイド43a、球送りソレノイド43b)の作動を停止したり、発射ソレノイド43aの発射速度を遅くして、発射する遊技球全てをファール球としたり、遊技機1の電源を落としたりする処理である。これにより、異常や不正が発生している遊技機1による遊技の続行を速やかに防止することができ、遊技場の被害を減少させることができる。そして、ステップS60を終えると、この第1期間外処理を終了する。
図10に戻って、一方、ステップS56にてYESのときはステップS61に移行し、アウト球センサに対する始動入賞口11aスイッチの実際のTSOaが期間内(適正)になっているか否かを判定する。この判定は、次のように行う。
即ち、始動入賞口11aスイッチ116aにて遊技球を検出したとき、該検出したときの時刻TSaがRAM81の記憶エリアAに記憶され(図9(A)参照)、設定されているアウト球センサに対する期間TSOa(図9(B)参照)が参照される。ここで、設定期間TSOaは2〜4秒なので、この検出したときの時刻TSaよりも2〜4秒(2秒以上4秒以下)後にアウト球センサ39により遊技球が検出されているか否かを判定する。この判定は、時刻TSaから2〜4秒(設定期間TSOa)を加算した時刻の範囲内に、記憶されている時刻TOが1つ以上存在するか否か、換言すれば、時刻TOから時刻TSaを減算した時間(実際のTSOa)が2〜4秒(TO−TSa=2〜4)になる当該時刻TOが1つ以上存在するか否かで行う。例えば、時刻TSaが10:23:31:76(10時23分31.76秒)(図9(A)参照)のとき、10時23分33.76秒〜10時23分35.76秒の範囲内の時刻TOが1つ以上存在すれば、当該TSOaは適正であると判定され、ステップS61にてYESと判定される。つまり、この処理では、始動入賞口11aスイッチ116aにて遊技球を検出した時刻より、所定期間後にアウト球センサ39によりアウト球を検出している場合には、当該始動入賞口11aへの遊技球の入賞は適正と判断されるのである。
そしてステップS61にてYESのときはステップS62に移行し、ステップS61に準じてアウト球センサに対する始動入賞口11bスイッチの実際のTSObが期間内(適正)になっているか否かを判定する。そして、ステップS62にてYESのときはステップS63に移行し、ステップS61に準じてアウト球センサに対する普通図柄作動ゲートスイッチの実際のTGOが期間内(適正)になっているか否かを判定する。そして、ステップS63にてYESのときはステップS64に移行し、ステップS61に準じてアウト球センサに対する左入賞口スイッチの実際のTMOaが期間内(適正)になっているか否かを判定する。そして、ステップS64にてYESのときはステップS65に移行し、ステップS61に準じてアウト球センサに対する右入賞口スイッチの実際のTMObが期間内(適正)になっているか否かを判定する。そして、ステップS65にてYESのときはステップS66に移行し、ステップS51に準じてアウト球センサに対する大入賞口スイッチの実際のTDOが期間内(適正)になっているか否かを判定する。
一方、ステップS61〜S66にてNOのときはステップS67に移行し、第2期間外処理を実行する。つまり、各スイッチ116a、116b、121、122a、122b、123で遊技球を検出した時刻より、所定期間(設定期間TSOa、TSOb、TGO、TMOa、TMOb、TDO)後にアウト球センサ39によりアウト球を検出していない場合には、各入賞口に入賞した後の遊技盤21裏等での玉詰まり、不正による遊技球の持ち込み(正規でない遊技球(通称「デカ玉」)を遊技機1に投入して意図的に入賞口スイッチで玉詰まりを発生させる等の不正)、電波ゴトの不正、或いは、アウト球センサ39や各スイッチ116a、116b、121、122a、122b、123の異常等が考えられるため、該検出した遊技球による各入賞口(ゲート)への入賞(通過)が適正ではないと判断され、第2期間外処理を実行するのである。
図12を参照して、この第2期間外処理が実行されると、まずステップS68にて、外部出力処理が行われる。この外部出力処理は、外部端子板109を介してホール管理コンピュータや遊技機1の周辺機器(例えば、呼び出しランプや台間装置)に出力して、その旨を報知させる処理である。ただし、この外部出力処理は、上記した第1期間外処理の外部出力処理(ステップS58)とは、相違する態様で行われる。例えば、外部端子板109から出力される信号を、第1期間外処理とは相違する信号で出力すると共に、報知内容として「玉詰まり発生、要点検!」「センサを要点検!」等と、第1期間外処理とは相違する内容で報知する。これにより、遊技場は、異常の内容を即座に把握することができる。そして、このステップS68の外部出力処理により、遊技場は、当該遊技機1の検査や確認作業を速やかに行うことができ、遊技中に不正が行われた場合であっても、この不正行為を早期に発見して対処すること可能となる。
次に、ステップS69に移行し、遊技機報知処理を実行する。この遊技機報知処理は、遊技機1自身の備える装置、例えば、演出図柄表示装置6やスピーカ113にて、表示や音声でその旨を報知させたり、或いは、遊技機1に設けられた各種のLEDやランプ(例えば、保留LED25や遊技効果ランプ15)を所定の態様で点灯/点滅させたりする処理である。ただし、この遊技機報知処理も、上記した第1期間外処理の遊技機報知処理(ステップS58)とは、相違する態様で行われる。例えば、演出図柄表示装置6にて文字や絵等で表示する場合には、第1期間外処理の表示と色や絵を相違させたり、スピーカ113にて音声で報知する場合には、第1期間外処理の音声と声色を相違させたり、音楽を付加したり、各種のLEDやランプにて点灯/点滅で表示する場合には、第1期間外処理の表示と色、表示位置(表示器機)、点滅速度を相違させたりする。また、報知内容としては、例えば「アウト球が検出できません。遊技停止!」「センサ異常!遊技停止!」等が考えられる。これにより、遊技場は、異常の内容を即座に把握することができる。そして、このステップS69の遊技機報知処理が不正行為を働く遊技者への抑止力になり、不正行為を未然に防いで減少させることができる。
なお、この第2期間外処理では、第1期間外処理のステップS60にて実行された遊技停止処理は行われないようになっている。この理由は、遊技停止処理は、不正を行っている遊技者には極めて有効であるが、反面、不正を行っていない遊技者にはとっては好ましくない処理になるので、期間の設定値を鑑みながら適宜実行することが望まれる。勿論、第1期間外処理においても遊技停止処理は行わないようにしてもよいし、逆に、第2期間外処理で遊技停止処理を実行するようにしてもよい。
そして、ステップS69を終えると、第2期間外処理を終了し、図10に戻って、ステップS57の第1期間外処理又はステップS67の第2期間外処理を終えると、期間外判断処理を終了する。
図6に戻って、ステップS50の期間外判断処理を終了すると、ステップS70に移行し、期間変更復帰処理を実行する。図13を参照して、この期間変更復帰処理が実行されると、まずステップS72にて、遊技状態が大当り中か否かを判定する。そして、ステップS72にてNOのときはステップS74に移行し、遊技状態が確率変動中か否かを判定する。そして、ステップS74にてNOのときはステップS76に移行し、遊技状態が時短中か否かを判定する。そして、ステップS76にてNOのときはステップS78に移行し、遊技状態が小当り中か否かを判定する。そして、ステップS78にてNOのときはステップS80に移行し、遊技状態が入賞率が変化する役物が作動中か否かを判定する。これらステップS72〜S78の処理は、CPU80が、大当り信号、確率変動信号、時短信号、小当り信号が出力されているか否かで判定する。また、ステップS80の処理は、遊技状態が大当り中、確率変動中、時短中、小当り中以外で入賞率が変化する役物としての大入賞口(アタッカ)7又は電動チューリップ型始動入賞口11bが作動(開放)しているか否かを判定する処理で、この判定は、CPU80が、大入賞口(アタッカ)7又は電動チューリップ型始動入賞口11bの作動信号が大当り中、確率変動中、時短中、小当り中以外で出力されているか否かで判定する。
そしてステップS72〜S80の処理にてYESのときは、ステップS82に移行し、ここで期間変更処理を行う。この期間変更処理は、上記した図9(B)のRAM81の記憶エリアBに発射球センサ及びアウト球センサに対応して記憶されている始動入賞口11aスイッチ、始動入賞口11bスイッチ、普通作動ゲートスイッチ、左入賞口スイッチ、右入賞口スイッチ、大入賞口スイッチの設定期間(TSHa、TSHb、TGH、TMHa、TMHb、TDH及TSOa、TSOb、TGO、TMOa、TMOb、TDO)を所定の期間に変更する処理である。
つまり、遊技状態が大当り中、確率変動中、時短中、小当り中、或いは、それ以外で大入賞口(アタッカ)7又は電動チューリップ型始動入賞口11bが作動しているときは、即ち遊技球の入賞率がアップしている遊技状態では、該遊技球が発射球として発射球センサ117に検出されてから各スイッチ116a、116b、121、122a、122b、123で検出されるまでの時間や、該遊技球が各スイッチ116a、116b、121、122a、122b、123に検出されてからアウト球センサ39で検出されるまでの時間が、球流れが異なることにより通常の遊技状態とは相違する可能性が高いので、故にこのステップS82の期間変更処理を行うのである。
なお、変更する設定期間としては、例えば、電動チューリップ型始動入賞口11bや大入賞口(アタッカ)7に一度に多くの遊技球が集中して入賞することにより、該遊技球が発射球として発射球センサ117に検出されてから始動入賞口11bスイッチ116b、大入賞口スイッチ123で検出されるまでの時間が長くなったり、該遊技球が始動入賞口11bスイッチ116b、大入賞口スイッチ123に検出されてからアウト球センサ39で検出されるまでの時間が長くなったりすることが想定されるので、TSHb、TDHを従来の設定期間2〜6秒(図9(B)参照)から新たな設定期間3〜7秒に、TSOb、TDOを従来の設定期間2〜4秒(図9(B)参照)から新たな設定期間3〜5秒に、それぞれ変更するようにすればよい。また、その他の設定期間も、実験等に基づいて適宜変更するようにすればよい(勿論、変更しない設定期間があってもよい)。
一方、ステップS80にてNOのときは、つまり遊技状態が大当り中、確率変動中、時短中、小当り中以外、或いは、それ以外で大入賞口(アタッカ)7又は電動チューリップ型始動入賞口11bが作動していないときは、即ち遊技球の入賞率がアップしていない通常の遊技状態では、ステップS84に移行して期間復帰処理を実行する。この期間復帰処理は、ステップS82の期間変更処理で設定期間が変更されているときに、その変更された設定期間を変更前に戻す処理である。従って、設定期間が変更されていないときは、このステップS84では何も処理されない。そして、ステップS82又はS84の処理を終えると、この期間変更復帰処理を終了する。
図6に戻って、期間変更復帰処理を終えるとステップS90に移行して、次に期間設定スイッチ・期間入力ボタン処理を実行する。図14を参照して、この期間設定スイッチ・期間入力ボタン処理が実行されると、まずステップS92にて、期間設定スイッチ151がオンされたか否かを判定し、ステップS92にてYESのときはステップS94に移行し、期間設定スイッチ151にて入力された新たな期間を、適正期間としてRAM81の記憶エリアBに設定する。この期間の設定は、期間設定スイッチ151を構成する複数のディップスイッチの操作により行い、つまり、各ディップスイッチの設定位置に対応する予め定められた期間が、ディップスイッチの操作によりRAM81の記憶エリアBに設定されることになる。この期間設定スイッチ151により、遊技場は、遊技機1の特性等に合った期間を設定したり、遊技場の所望する基準(厳しい基準や緩い基準)で期間を設定したりすることが可能になる。
そして、このステップS92にてYES及びステップS94の処理により、上記した図7のステップS18にて設定された期間に替わって、期間設定スイッチ151にて入力された新たな期間が設定され、上記した図10の期間外判断処理(ステップS51〜S56、ステップS61〜S66)は、この新たに設定された期間に基づき判断されて、第1期間外処理(ステップS57)又は第2期間外処理(ステップS67)が実行されることになる。
ここで、期間設定スイッチ151は、ディップスイッチに替えて、例えば、図15に示すように、「密」「普」「荒」の3つのスイッチから構成するようにしてもよい。図15を参照して、「密」の期間設定スイッチ151aがオンされた場合には、「普」「荒」よりも狭くした範囲の設定期間(TSHa、TSHb、TGH、TMHa、TMHb、TDH及TSOa、TSOb、TGO、TMOa、TMOb、TDO)を、RAM81の記憶エリアBに設定する。また、「普」の期間設定スイッチ151bがオンされた場合には、「密」と「荒」の中間の範囲の設定期間(TSHa、TSHb、TGH、TMHa、TMHb、TDH及TSOa、TSOb、TGO、TMOa、TMOb、TDO)を、RAM81の記憶エリアBに設定する。また、「荒」の期間設定スイッチ151cがオンされた場合には、「密」「普」よりも広くした範囲の設定期間(TSHa、TSHb、TGH、TMHa、TMHb、TDH及TSOa、TSOb、TGO、TMOa、TMOb、TDO)を、RAM81の記憶エリアBに設定する。
このように、期間設定スイッチ151を、「密」「普」「荒」の3つのスイッチ151a、151b、151cから構成するようにすれば、遊技状態の異常や不正を厳密に判定するため、「密」のように設定期間の範囲を狭くしたり、逆に、遊技状態の異常や不正を間違って判定してしまうことを防止するため、「荒」のように設定期間の範囲を広くしたりすることが、容易に実現できる。なお、この期間設定スイッチ151は、3つ以上のスイッチで構成して、さらに細かく期間を設定できるようにしてもよい。或いは、設定期間の上限値用のスイッチ、設定期間の下限値用のスイッチというように、スイッチを分けて構成するようにしてもよい。なお、図15において、設定期間TSHa、TSHb、TGH、TMHa、TMHb、TDH及び設定期間TSOa、TSOb、TGO、TMOa、TMOb、TDOは、1/1秒の単位で記憶され、例えば「密」の期間設定スイッチ151aにおいて、発射球センサに対する始動入賞口11aスイッチのTSHa=3〜5は、TSHaの適正期間が3〜5秒、アウト球センサに対する始動入賞口11aスイッチのTSOa=2〜3は、TSOaの適正期間が2〜3秒であることを示している。
図14に戻って、ステップS94を終えると、又は、ステップS92にてNOのときはステップS96に移行し、次に期間入力ボタン150がオンされたか否かを判定し、ステップS96にてYESのときはステップS98に移行し、期間設定スイッチ151にて設定されている期間を調整し、この調整した期間を新たな適正期間としてRAM81の記憶エリアBに設定する。この期間の調整設定は、期間入力ボタン150を構成するプラスボタン150a、マイナスボタン150b、決定ボタン150c、表示切替ボタン150dの操作により行い、つまり、これらのボタン150a、150b、150c、150dを操作することで期間設定スイッチ151にて設定されている期間を、遊技場の所望する値に直接入力変更してRAM81の記憶エリアBに設定することが可能になる。この期間入力ボタン150により、遊技場は、期間設定スイッチ151にて設定されている期間を、よりきめ細かく遊技場の所望する期間に容易に調整設定することが可能になる。
そして、このステップS96にてYES及びステップS98の処理により、上記した図7のステップS18にて設定された期間に替わって、期間入力ボタン150にて入力された新たな期間が設定され、上記した図10の期間外判断処理(ステップS51〜S56、ステップS61〜S66)は、この新たに設定された期間に基づき判断されて、第1期間外処理(ステップS57)又は第2期間外処理(ステップS67)が実行されることになる。そして、ステップS98を終えると、又は、ステップS96にてNOのときは、この期間設定スイッチ・期間入力ボタン処理を終了する。
図6に戻って、期間設定スイッチ・期間入力ボタン処理を終えるとステップS100に移行して、次に遊技終了処理を実行する。図16を参照して、この遊技終了処理が実行されると、まずステップS102にて、遊技者が遊技を終了してクレジット精算ボタン35をオンしたか否かを判定し、ステップS102にてYESのときはステップS104に移行し、ここでRAM81の記憶エリアAに累積記憶している発射球センサ117、アウト球センサ39、始動入賞口11aスイッチ116a、始動入賞口11bスイッチ116b、普通作動ゲートスイッチ121、左入賞口スイッチ122a、右入賞口スイッチ122b、大入賞口スイッチ123がオンしたときの時刻TH、TO、TSa、TSb、TG、TMa、TMb、TDをリセットする。
そしてステップS104を終えるとステップS120に移行して、ここで遊技者の持球数が書き込まれたクレジットカードが、クレジットカード装置36から発行され、ステップS120を終えるとステップS122に移行して、アウト球センサ39がオンしたか否か、即ち遊技終了時の遊技球の発射が行われていない状態において、遊技機1に規定の遊技球数があるか否かを判定する。そしてステップS122にてNO、つまりアウト球センサ39がオフのままで遊技機1に規定の遊技球数がないと判定されたときは、ステップS124に移行し、ここでエラー処理を実行する。このエラー処理は、上記した図7のステップS16の処理と同じ処理であるので、ここでの説明は省略する。
そして、ステップS124のエラー処理を受けて、店員等が遊技機1に遊技球を補充するような措置を行ったら、遊技機1の電源を一旦落とした後、再度、ステップS12に戻って電源投入処理(図7参照)を実行するようにすればよい。一方、ステップS122にてYES、つまりアウト球センサ39がオンして遊技機1に規定の遊技球数があると判定されたときは、この遊技終了処理を終了する。この遊技終了処理により、遊技場は、遊技者が遊技を終了した時点において、確実に遊技機1に規定の遊技球数があることを担保できる。これにより、遊技機1で新たな遊技者が遊技を開始するときに、規定の遊技球数が不足しているという事態を確実に防止することができる。そして、遊技終了処理が終了すると、上述してきた図6に示す異常遊技処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る封入式の遊技機1は、遊技中に発射球センサ117、アウト球センサ39及び始動入賞口11aスイッチ116a、始動入賞口11bスイッチ116b、普通作動ゲートスイッチ121、左入賞口スイッチ122a、右入賞口スイッチ122b、大入賞口スイッチ123が遊技球を検出する毎にその時刻を記憶し、各スイッチ116a、116b、121、122a、122b、123が遊技球を検出した時刻より、所定期間前に発射球センサ117により発射球を検出していない場合又は所定期間後にアウト球センサ39によりアウト球を検出していない場合には、該検出した遊技球による各入賞口(ゲート)への入賞(通過)は適正ではないと判断され、遊技機1に異常又は不正があるとして、その旨を外部に出力したり、報知したり、遊技を停止したりする期間外処理を実行するよう構成されている。従って、このように構成された遊技機1では、遊技中に異常が発生したり不正が行われたりした場合であっても、この異常や不正行為を早期に発見して対処すること可能となる。
以上、本発明の実施形態に係わる遊技機1を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成は実施形態に示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加などがあっても本発明に含まれる。例えば、上述した実施形態においては、ファール球防止弁28近傍に設けた発射球センサ117により、遊技領域5に打ち出された遊技球を検出して発射球の時刻を記憶するようにしたが、これは、遊技球が発射される球発射口49近傍に発射球センサ117を設け、該発射球センサ117により発射ソレノイド43aにて発射された遊技球を検出して、発射球の時刻を記憶するようにしてもよい。
また、図10に示した期間外判断処理において、ステップS51〜S56及びステップS61〜S66の処理では、図9(A)に示す検出時刻TSa、TSb、TG、TMa、TMb、TDから図9(B)に示す設定期間TSHa、TSHb、TGH、TMHa、TMHb、TDHを減算した時刻の範囲内に、記憶されている発射球センサの発射球の検出時刻THが1つ以上存在すれば、或いは、図9(A)に示す検出時刻TSa、TSb、TG、TMa、TMb、TDから図9(B)に示す設定期間TSOa、TSOb、TGO、TMOa、TMOb、TDOを加算した時刻の範囲内に、記憶されているアウト球センサのアウト球の検出時刻TOが1つ以上存在すれば、適正(期間内)であると判断するようにしたが、これは、限定することなく、例えば、該当する検出時刻TH又は検出時刻TOが2つ以上存在する場合に、適正(期間内)であると判断するようにしてもよい。
さらに、このステップS51〜S56及びステップS61〜S66の処理では、設定期間の下限値以上上限値以下(例えば設定期間が2〜6秒のときは2秒以上6秒以下)の場合に、適正(期間内)であると判断するようにしたが、この判断は、設定期間の下限値を超え上限値未満(例えば設定期間が2〜6秒のときは2秒を超え6秒未満)の場合に、適正(期間内)であると判断するようにしてもよい。即ち、この適正か否かの判断は、設定期間の下限値及び上限値の数値を含む場合と、含まない場合の何れであってもよい。
また、遊技盤21上で玉詰まりが発生して遊技者が呼び出しランプ等を操作して店員を呼び、店員がガラス扉枠17を開放してこの玉詰まりを解消した際、店員がサービスとして故意に遊技球を入賞させた場合、或いは偶然に遊技球が入賞した場合には、この入賞した遊技球を検出した時刻より、所定期間前に発射球センサ117により発射球を検出しておらず適正(期間内)でないと判断され、その結果、第1期間外処理(図10、ステップS57)が実行されてしまう蓋然性が高い。従って、このような不都合を解消するため、例えば、遊技場の関係者のみが操作可能な遊技機1の所定箇所に除外スイッチ等を設け、遊技球が入賞してから所定時間が経過するまでに除外スイッチが操作されたときには、第1期間外処理を強制的に実行しないようにするとよい。
また、アウト球センサ39による球供給通路37の最終位置に発射球があるか否かの判定は、図7に示す電源投入処理(ステップS14)及び図16に示す遊技終了処理(ステップS122)、即ち電源投入時と遊技終了時に行うようにしたが、これは、それ以外の期間で、発射球センサ117が所定時間(例えば5〜10分)発射球を検出できなかったときに、行うようにしてもよい。
また、期間入力ボタン150は、期間設定スイッチ151にて設定されている期間を変更する態様で説明したが、これは、期間設定スイッチ151で設定されている期間とは無関係に、新たな期間を数値入力して設定するようにしてもよい。或いは、期間設定スイッチ151にて設定されている期間を変更するタイミングとして、遊技者の持球数が所定数以上(例えば1万発)になったときとしてもよい。この理由は、遊技者の持球数が所定数以上ある場合には、不正やセンサ等の異常がある可能性が高いからである。また、期間入力ボタン150は、演出図柄表示装置6に設けたが、これは、演出図柄表示装置6以外の既存の表示装置や、新たに設ける期間入力ボタン150専用の表示装置に設けるようにしてもよい。さらに、期間入力ボタン150は、プラスボタン150a又はマイナスボタン150bを操作すると、設定期間の数値が「1」上がる又は「1」下がる態様で説明したが、これは限定するものではなく、例えば「0.1」上がる又は「0.1」下がるようにしてもよい。また、これに準じて、図9(A)に示す検出時刻TH、TO、TSa、TSb、TG、TMa、TMb、TDは、1/100秒の単位に限らず、例えば1/10秒単位で記憶されるようにしてもよく、また、図9(B)に示す設定期間TSHa、TSHb、TGH、TMHa、TMHb、TDH及び設定期間TSOa、TSOb、TGO、TMOa、TMOb、TDOは、1/1秒の単位に限らず、例えば1/10秒単位で設定されて記憶されるようにしてもよい。
また、期間入力ボタン150又は期間設定スイッチ151は、遊技場の関係者のみが操作可能なように、遊技機1の裏面側又は演出図柄表示装置6に設けたが、これらは、ホール管理コンピュータに設け、外部から外部端子板109を介して遠隔操作できるようにしてもよい。或いは、期間入力ボタン150又は期間設定スイッチ151は、リモコンスイッチとしてもよい。さらに、期間入力ボタン150又は期間設定スイッチ151は、演出制御基板111に接続したが、これは限定することなく、図5に示す主制御基板44やクレジット制御基板40又は発射基板42に接続するようにしてもよい。また、遊技機1は、上述した実施形態ではパチンコ機で説明したが、これは限定するものではなく、例えばアレパチ、雀球等、一定数の遊技媒体を封入循環して遊技を行う全ての遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。
次に特許請求の範囲の構成と、本発明の実施形態との主な対応を説明する。
遊技装置は、大入賞口7、始動入賞口11a、11b、普通入賞口14、普通図柄作動ゲート19に相当し、遊技領域は、遊技領域5に相当し、発射装置は、打球発射装置43に相当し、遊技機は、遊技機1に相当し、入賞通過球検出手段は、始動入賞口11aスイッチ116a、始動入賞口11bスイッチ116b、普通図柄作動ゲートスイッチ121、左入賞口スイッチ122a、右入賞口スイッチ122b、大入賞口スイッチ123に相当し、アウト球検出手段は、アウト球センサ39に相当し、期間は、図9(B)に示すアウト球センサに対応する設定期間TSOa、TSOb、TGO、TMOa、TMOb、TDOに相当し、判断手段は、CPU80が実行する期間外判断処理のステップS51〜S56、ステップS61〜S66に相当する。