以下、パチンコ遊技機の一実施形態を説明する。
図1に示すように、島設備(遊技島)において、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10と、管理装置の一例である管理ユニット100とは、交互に並ぶように設置される。管理ユニット100は、外部ユニットの一例である。管理ユニット100は、パチンコ遊技機10に併設される。管理ユニット100は、パチンコ遊技機10と通信可能に接続される。
管理ユニット100について説明する。
管理ユニット100は、管理媒体を挿入可能な媒体挿入部101を備える。一例として、管理媒体は、ICカード、又はICコインといったデータ記憶媒体である。管理媒体は、投入金の残額、及び遊技者が所有する遊技球の個数(以下、第1管理球数PAと示す)を記憶可能である。第1管理球数PAは、管理ユニット100が管理するデータである。管理媒体は、遊技者の個人情報、又は支払金の残額(プリペイド残額)を記憶可能であってもよい。管理ユニット100は、現金を投入可能な現金投入部102を備える。現金投入部102への投入金額は、管理媒体に記憶された残額に加算される。一例として、現金は、紙幣及び硬貨の何れであってもよい。
管理ユニット100は、操作パネル110を備える。操作パネル110は、玉貸操作部111、払出操作部112、返却操作部113、第1球数表示部114、及び残額表示部115を備える。玉貸操作部111は、管理媒体に記憶された残額に基づいて、遊技者が所有する遊技球の個数(以下、第2管理球数PBと示す)を増加させるときに操作される。第2管理球数PBは、パチンコ遊技機10が管理するデータである。払出操作部112は、第1管理球数PAに基づいて、第2管理球数PBを増加させるときに操作される。管理球数PA,PBは、持ち球数の一例である。
返却操作部113は、管理ユニット100に挿入された管理媒体の返却を受けるときに操作される。第1球数表示部114には、第1管理球数PAを特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。残額表示部115には、支払金の残額を特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。
管理ユニット100は、管理ユニット制御基板120(以下、CU制御基板120と示す)を備える。CU制御基板120は、CPU120aと、ROM120bと、RAM120cと、を備える。CPU120aは、管理ユニット制御プログラムを実行することにより、所定の処理を行う。ROM120bは、管理ユニット制御プログラムを記憶している。RAM120cは、管理ユニット100の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM120cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。管理ユニット100は、パチンコ遊技機10と双方向に通信可能に接続される通信端子120dを備える。
CU制御基板120は、媒体挿入部101と接続される。CPU120aは、媒体挿入部101に挿入された管理媒体の記憶内容を書換え可能に構成される。CU制御基板120は、現金投入部102と接続される。CPU120aは、現金投入部102に現金が投入されたときに出力する投入信号を入力可能に構成される。投入信号は、現金投入部102への投入金額を特定可能な信号である。
CU制御基板120は、操作パネル110と接続される。CPU120aは、玉貸操作部111が操作されたときに出力する玉貸信号を入力可能に構成される。CU制御基板120は、払出操作部112が操作されたときに出力する払出信号を入力可能に構成される。CPU120aは、返却操作部113が操作されたときに出力する返却信号を入力可能に構成される。CPU120aは、第1球数表示部114の表示内容を制御可能に構成される。CPU120aは、残額表示部115の表示内容を制御可能に構成される。
CU制御基板120は、通信端子120dを介してパチンコ遊技機10と接続される。CPU120aは、パチンコ遊技機10が出力する各種の制御信号(制御情報)を入力可能に構成される。CPU120aは、パチンコ遊技機10に対して各種の制御信号(制御情報)を出力可能に構成される。管理ユニット100は、通信端子120dからパチンコ遊技機10へと接続信号を出力する。なお、接続信号は、CU制御基板120(CPU120a)が生成するコマンドや電文であってもよく、CPU120aとは異なる出力回路(例えば電源回路)が生成する信号であってもよい。
管理ユニット100は、外部機器と接続するための外部通信端子(不図示)を備える。一例として、外部機器(不図示)は、遊技場に設置されたホールコンピュータである。外部機器は、遊技場外のデータセンタに設置されたサーバ設備とネットワークを介して通信可能な管理コンピュータである。この場合、管理コンピュータと管理ユニット100とは、相互に通信可能に接続されることが好ましい。
管理ユニット100にて実行される処理について説明する。
CPU120aは、媒体挿入部101に管理媒体が挿入されると、管理媒体に記憶された残額、及び第1管理球数PAを読み出し、RAM120cに記憶させる。そして、CPU120aは、管理媒体が挿入されている場合に、以下に説明する処理を行う。
CPU120aは、現金投入部102から投入信号を入力すると、投入信号から特定可能な投入金額を残額に加算する。CPU120aは、残額が0ではないとき、玉貸操作部111から玉貸信号を入力すると、残額を規定額だけ減算するとともに、当該規定額に対応する数の遊技球の付与を特定可能な付与情報をパチンコ遊技機10へ出力する。なお、CPU120aは、残額が0であるとき、玉貸信号を入力しても付与情報を出力しない。
CPU120aは、第1管理球数PAが1以上であるとき、払出操作部112から払出信号を入力すると、第1管理球数PAを所定数だけ減算し、当該所定数の遊技球の付与を特定可能な付与情報をパチンコ遊技機10へ出力する。なお、CPU120aは、第1管理球数PAが0であるとき、払出信号を入力しても、付与情報を出力しない。このように、付与情報は、付与球数を特定可能である。CPU120aは、パチンコ遊技機10から計数情報を入力すると、当該計数情報から特定可能な遊技球の個数を第1管理球数PAに加算する。詳しくは後述するが、計数情報は、遊技者がパチンコ遊技機10での遊技を終了するときに出力される制御情報であって、管理ユニット100へと管理を移管する遊技球の個数を特定可能である。
CPU120aは、第1球数表示部114を制御し、その時々の第1管理球数PAを特定可能な情報を表示させる。第1管理球数PAは、第1球数表示部114においてリアルタイムで表示される。CPU120aは、残額表示部115を制御し、その時々の残額を特定可能な情報を表示させる。残額は、残額表示部115においてリアルタイムで表示される。CPU120aは、返却操作部113から返却信号を入力すると、RAM120cに記憶されている残額及び第1管理球数PAを管理媒体に記憶させるとともに、RAM120cに記憶されている残額及び第1管理球数PAを初期化する。CPU120aは、管理媒体が媒体挿入部101から排出されるように、媒体挿入部101を制御する。
パチンコ遊技機10について説明する。
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機10は、規定数の遊技球が機内部に封入された封入式の遊技機である。パチンコ遊技機10は、機内部にて遊技球を循環させる循環式の遊技機の一例である。遊技球は、磁性体及び非磁性体の何れであってもよい。パチンコ遊技機10は、遊技球を貯留する貯留部を備えない。パチンコ遊技機10は、原則として、遊技者が遊技球に触れ得ない構造である。
パチンコ遊技機10は、貸し玉数Pb、獲得球数Pc、及び発射球数Pdに基づいて、第2管理球数PBを電磁的に管理する。貸し玉数Pbは、遊技者に貸し出された遊技球の個数である。獲得球数Pcは、遊技者が獲得した遊技球の個数である。発射球数Pdは、遊技者が発射した遊技球の個数である。
パチンコ遊技機10は、枠11を備える。枠11は、機体を島設備に固定するための外枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、保護枠11cと、を備える。搭載枠11bは、外枠11aに対して開閉可能に支持される。保護枠11cは、搭載枠11bに対して開閉可能に支持される。保護枠11cは、搭載枠11bに搭載された遊技部品を保護する保護ガラス(不図示)を有する。パチンコ遊技機10は、枠11b,11cを施錠する施錠装置(不図示)を備える。パチンコ遊技機10は、施錠装置に適合する鍵を用いて解錠しなければ、外枠11aに対して枠11b,11cを開放できないように構成される。
パチンコ遊技機10は、スピーカを一例とする演出音声部12を備える。演出音声部12は、搭載枠11bの前面側に配設される。演出音声部12は、所定の音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)、及び所定の音声を出力する報知(以下、音声報知と示す)を実行可能である。例えば、所定の音声は、楽曲、効果音、及び所定の文字列を読み上げる人の声等である。一例として、演出音声部12は、搭載枠11bに配設される。
パチンコ遊技機10は、第1発光部13、及び第2発光部14を備える。第1発光部13、及び第2発光部14は、LEDなどを一例とする発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による報知(以下、報知発光と示す)を実行可能である。第2発光部14は、LEDなどを一例とする発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出と示す)を実行可能である。一例として、第1発光部13は、搭載枠11bに配設される。一例として、第2発光部14は、後述の遊技盤20に配設される。なお、第1発光部13は、遊技盤20に配設されてもよく、第2発光部14は、搭載枠11bに配設されてもよい。
パチンコ遊技機10は、遊技球を発射させる操作を可能な発射操作部15を備える。発射操作部15は、搭載枠11bの前面側に配設される。パチンコ遊技機10は、発射操作部15の操作に応じた発射強度にて遊技球を打ち出すように構成される。一例として、発射操作部15は、回動操作を可能なハンドルレバー15aと、タッチセンサD01と、発射停止スイッチD02と、ハンドルボリュームD03と、を備える(図5参照)。
タッチセンサD01は、発射操作部15の側面を囲うように配設された通電リング15bに接続される。タッチセンサD01は、遊技者が発射操作部15を把持し、遊技者の手指が通電リング15bに触れるとタッチ信号を出力する。タッチ信号は、遊技者の手指が通電リング15bに触れているときにオン状態となり、触れていないときにオフ状態となる。タッチセンサD01は、遊技者が発射操作部15に触れていることを検知する手段の一例である。
発射停止スイッチD02は、発射操作部15の側方に突出する発射停止ボタン15cが押し込まれるとストップ信号を出力する。ストップ信号は、発射停止ボタン15cが操作されるとオン状態となり、操作されていないとオフ状態となる。発射停止ボタン15cは、遊技球の発射を停止させる操作が可能な手段の一例である。ハンドルボリュームD03は、ハンドルレバー15aが回動操作されると、その回動操作量に応じた電圧のボリューム信号を出力する。
パチンコ遊技機10は、演出操作部16を備える。演出操作部16は、遊技者が操作可能な手段の一例である。演出操作部16は、押下操作を可能なボタン型、表示装置を兼用するタッチセンサ型、又はレバー型であるとよい。
図1及び図3に示すように、パチンコ遊技機10は、第2管理球数PBを特定可能な情報を表示する第2球数表示部17を備える。本実施形態の一例において、第2球数表示部17は、複数(例えば6個)の7セグを並べた構成とされており、複数(例えば6桁)の数字を表示可能である。第2球数表示部17は、所定の文字を表示する態様で、所定の情報の報知を実行可能である。
パチンコ遊技機10は、計数操作部18を備える。計数操作部18は、遊技者がパチンコ遊技機10における遊技を終了するときに操作される。計数操作部18は、予め定めた計数可能状態である場合に、計数操作部18を用いた計数操作が許容される。計数操作部18は、押込み操作がされると計数信号を出力する。パチンコ遊技機10は、計数報知部18aを備える。計数報知部18aは、計数可能状態であるか否かを報知する手段の一例である。一例として、演出操作部16、第2球数表示部17、計数操作部18、及び計数報知部18aは、搭載枠11bの前面側に配設される。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤20を備える。遊技盤20は、搭載枠11bに組み付けられている。遊技盤20の前面には、正面視で略円形状の遊技領域20aが画成される。遊技領域20aの略中央には、表示窓口20bが形成される。遊技領域20aの左方には、発射操作部15の操作によって発射された遊技球を遊技領域20aへと案内する打出通路20cが形成される。遊技盤20は、発射操作部15の操作によって発射された遊技球が打出通路20cへ逆戻りすることを防止する逆戻り防止弁20dを備えている。遊技盤20は、発射操作部15の操作によって発射された遊技球のうち遊技領域20aへ到達した遊技球(以下、「有効球」と示す)を検知する有効球センサD11を備える(図5参照)。一例として、有効球センサD11は、逆戻り防止弁20dの遊技領域20a側近傍に設けられる。有効球センサD11は、遊技球(有効球)を検知した場合に、有効球信号を出力する。遊技領域20a、打出通路20c、及び逆戻り防止弁20dは、保護枠11cの保護ガラス(不図示)によって覆われている。
遊技盤20は、各種の情報を表示する情報表示装置21を備える。情報表示装置21は、第1特別図柄表示部21a、第2特別図柄表示部21b、第1保留表示部21c、第2保留表示部21d、普通図柄表示部21e、及び普通保留表示部21fを含む。一例として、複数の表示部21a~21fは、遊技者から視認可能な部分に纏めて配設されるが、これに限らず、一部又は全部が異なる部分に配設されていてもよい。
第1特別図柄表示部21aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)を実行可能である。第2特別図柄表示部21bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)を実行可能である。特別図柄は、内部抽選(特別図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。以下、第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームを纏めて「特別ゲーム」という。特別図柄は、大当り図柄と、はずれ図柄と、を含む。特別図柄は、小当り図柄を含んでもよい。パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選で大当りに当選すると、特別ゲームで大当り図柄が停止表示され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。大当り遊技については後述する。
第1保留表示部21cは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2保留表示部21dは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
普通図柄表示部21eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を停止表示させる普通ゲームを実行可能である。普通図柄は、内部抽選(普通図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、がある。パチンコ遊技機10では、普通図柄の当り抽選で普通当りに当選すると、普通ゲームで普通当り図柄が停止表示され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。
普通保留表示部21fは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。情報表示装置21には、右打ちを指示する情報を表示する右打ち表示部や、ラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部が含まれていてもよい。
パチンコ遊技機10は、演出表示部19を備える。演出表示部19は、画像を表示可能な画像表示領域19aを有する。演出表示部19は、表示窓口20bを介して、画像表示領域19aを視認可能となるように、遊技盤20に組み付けられている。例えば、演出表示部19は、液晶装置である。演出表示部19は、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。例えば、所定の画像は、演出図柄、キャラクタ、風景、文字(文字列)、数字、及び記号などの画像である。以下の説明では、これらキャラクタ等について単に「表示する」と示す場合、これらキャラクタ等を画像として表示することを意味する。演出表示部19は、所定の画像を表示する態様で、所定の報知を実行可能である。
ここで、演出音声部12、第2発光部14、及び演出表示部19は、何れも所定の演出を実行可能な演出部であり、複数の演出部からなる演出装置ESを構成する。上述のように、演出音声部12、第2発光部14、及び演出表示部19は、何れも所定の報知を実行可能な報知部である。演出装置ESは、報知装置として把握することも可能である。演出装置ESに含まれる演出部及び報知部は、演出音声部12、第2発光部14、及び演出表示部19であることに限定されず、これらの演出部の一部を省略した構成であってもよい。演出装置ESは、これらの演出部及び報知部に加えて、又は任意に選択できる1つまたは複数に代えて、可動演出を実行する演出可動部を備えてもよく、振動演出を実行する演出振動部を備えてもよい。演出装置ESは、演出手段及び報知手段の一例である。パチンコ遊技機10は、演出装置ESによって、各種報知を実行可能な遊技機である。
例えば、演出表示部19における表示演出には、複数列の演出図柄(飾り図柄)を用いた演出図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームと示す)がある。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が停止表示される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて実行される。演出ゲームは、リーチを形成して行うリーチ演出を含む場合がある。演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで停止表示される特別図柄に応じた図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにて大当り図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにてはずれ図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが停止表示される。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームとともに実行される演出ゲームと、を纏めて「変動ゲーム」と示す。
遊技盤20には、遊技球が入球可能な複数の入賞口23が形成されている。これら複数の入賞口23は、遊技領域20aに開口する。複数の入賞口23は、第1始動口23Aと、第2始動口23Bと、大入賞口23Cと、普通入賞口23Dと、を含む。複数の入賞口は、これらの入賞口23とは異なる入賞口を含んでもよい。
第1始動口23Aは、賞球の付与条件、及び第1特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第1始動口23Aは、演出表示部19の下方にある。第1始動口23Aは、常に遊技球を入球させ得るように開口される。遊技盤20は、第1始動口23Aへ入球した遊技球を検知する第1始動センサD12を備える(図5参照)。
第2始動口23Bは、賞球の付与条件、及び第2特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第2始動口23Bは、第1始動口23Aの右方にある。第2始動口23Bは、扉状であることを一例とする普通開閉片23Baを備える。第2始動口23Bは、普通当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。第2始動口23Bは、普通当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤20は、第2始動口23Bを開放させる手段として、普通ソレノイドSL1を備える(図5参照)。また、遊技盤20は、第2始動口23Bへ入球した遊技球を検知する第2始動センサD13を備える(図5参照)。普通開閉片23Baは、所謂「普通電動役物」である。
大入賞口23Cは、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、大入賞口23Cは、演出表示部19の右下方にある。大入賞口23Cは、扉状であることを一例とする特別開閉片23Caを備える。大入賞口23Cは、大当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。大入賞口23Cは、大当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤20は、大入賞口23Cを開放させる手段として、特別ソレノイドSL2を備える(図5参照)。また、遊技盤20は、大入賞口23Cへ入球した遊技球を検知するカウントセンサD14を備える(図5参照)。
普通入賞口23Dは、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、普通入賞口23Dは、演出表示部19の左下方、及び演出表示部19の右下方にそれぞれある。普通入賞口23Dは、常に遊技球を入球させることができるように開口される。遊技盤20は、普通入賞口23Dへ入球した遊技球を検知する普通センサD15を備える(図5参照)。
遊技盤20は、ゲート24を備える。一例として、ゲート24は、遊技領域20aの右方領域であって、第2始動口23B、及び大入賞口23Cの上方にある。ゲート24には、ゲート口24aが形成されている。ゲート口24aは、常に遊技球を入球させることができるように開放される。ゲート24は、ゲート口24aへ入球した遊技球を検知するゲートセンサD16を有する(図5参照)。ゲート24は、普通ゲームの始動条件を成立させるために、遊技球を入球させる入球口である。ゲート24は、遊技球が入球しても賞球の付与条件が成立しない。
遊技盤20には、アウト口25が形成されている。一例として、アウト口25は、遊技領域20aの最も下部において開口する。遊技球は、第1始動口23A、第2始動口23B、大入賞口23C、及び普通入賞口23Dの何れにも入球しなかった場合に、アウト口25へ入球する。複数の入賞口23、及びアウト口25は、遊技領域20aから遊技球を排出するための排出口、又は遊技領域20aから遊技球を返却するための返却口として把握できる。遊技球は、複数の入賞口23、又はアウト口25へ入球すると、遊技盤20から排出される。以下、複数の入賞口23又はアウト口25を介して遊技盤20から排出される遊技球をアウト球と示す場合がある。
遊技者は、発射操作部15を操作することにより、遊技球の発射強度を調整することができる。つまり、遊技者は、表示窓口20bより左方にある左方領域と、表示窓口20bより右方にある右方領域と、に遊技球を打ち分けることができる。遊技球は、右方領域を流下する場合に、第2始動口23B、大入賞口23C、普通入賞口23D、又はゲート24へ入球する可能性がある。遊技球は、左方領域を流下する場合に、第1始動口23A、又は普通入賞口23Dへ入球する可能性がある。
枠11(搭載枠11b)は、図示しない遊技球の流通機構を備える。流通機構は、回収機構、循環機構、発射機構、及び球抜き機構を含む。回収機構は、搭載枠11bに形成される。回収機構は、遊技盤20(遊技領域20a)から排出された遊技球を循環機構へ案内する。回収機構は、下方に向かって延びる通路、又は下方に向かって傾斜する通路を組み合わせて構成される。遊技球は、遊技盤20から回収機構に受け入れられた場合に、回収機構を構成する通路を流下することにより、循環機構へ到達し得る。
循環機構は、搭載枠11bに形成される。循環機構は、回収機構から受け入れた遊技球を、所定の方向へ搬送する。一例として、循環機構は、遊技球を揚上する。発射機構は、搭載枠11bに形成される。遊技球は、循環機構によって搬送された場合に、発射機構に受け入れられる。発射機構は、循環機構によって搬送された遊技球を、遊技領域20aへ向けて発射し得る。一例として、発射機構は、遊技球の発射動作を可能に構成された発射部を備える。発射部は、発射ハンマー(不図示)と、発射ハンマーを駆動する発射ソレノイド(不図示)と、を含む。発射ソレノイドは、モータであってもよい。遊技球は、発射ハンマーに打撃されることによって、打出通路20cを経て、遊技領域20aへ打ち出される。球抜き機構は、搭載枠11bに形成される。球抜き機構は、回収機構、循環機構、及び発射機構にある遊技球を抜き取るための機構である。
流通機構における遊技球の流れについて説明する。遊技球が、発射機構によって発射されたとする。遊技球は、遊技領域20aへ到達し得る。遊技球は、遊技領域20aに到達すると、複数の入賞口23又はアウト口25へ入球する。遊技球は、遊技盤20に形成された排出口(不図示)から、回収機構へ排出される。遊技球は、回収機構を通って、循環機構へ到達する。遊技球は、循環機構によって、搬送される。これにより、遊技球は、発射機構へ戻る。
次に、大当り遊技について説明する。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が実行される。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を認識可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口23Cを開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として実行される。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する個数条件、又は予め定めた上限時間が経過する時間条件の成立により終了される。ラウンド遊技において、大入賞口23Cは、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が実行される。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が実行される。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
パチンコ遊技機10は、確率変動機能(以下、確変機能と示す)を搭載している。
確率変動機能は、特別図柄の当り抽選にて大当りに当選する確率(以下、大当り確率と示す)を変動させるための機能である。つまり、パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なり得る状態として、確変機能が作動しない低確率状態と、確変機能が作動する高確率状態と、を備える。高確率状態は、低確率状態に比して大当り確率が高い。高確率状態では、大当り確率が低確率状態に比して高まることから、遊技者にとって極めて有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
パチンコ遊技機10は、入球補助機能を搭載している。
入球補助機能は、第2始動口23Bへの入球率を変動させるための機能である。つまり、パチンコ遊技機10は、第2始動口23Bへの入球率が異なり得る状態として、入球補助機能が作動しない低入球率状態と、入球補助機能が作動する高入球率状態と、を備える。高入球率状態は、低入球率状態に比して、遊技球が第2始動口23Bへ入球する確率が高い。高入球率状態では、遊技球が第2始動口23Bへ入球する確率が高まり、第2始動口23Bへの遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な状態(入球容易状態)となる。高入球率状態は、所謂「電サポ状態」であり、低入球率状態は、所謂「非電サポ状態」である。
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち、任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。3つめの制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口23Bの合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。開放時間延長制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口23Bの開放回数を低入球率状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第2始動口23Bの1回の開放時間を低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方であるとよい。高入球率状態は、次に説明する4つめの制御を組み合わせて実現してもよい。4つめの制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低入球率状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高入球率状態は、特別図柄の変動時間短縮状態(時短状態)となり、低入球率状態は、特別図柄の非変動時間短縮状態(非時短状態)となる。
遊技状態は、確変機能の作動の有無と、入球補助機能の作動の有無と、の組み合わせによって規定される。以下の説明では、低確率状態かつ低入球率状態である遊技状態を「低確低入球率状態」と示し、高確率状態かつ低入球率状態である遊技状態を「高確低入球率状態」と示す。また、低確率状態かつ高入球率状態である遊技状態を「低確高入球率状態」と示し、高確率状態かつ高入球率状態である遊技状態を「高確高入球率状態」と示す。
パチンコ遊技機10は、設定機能を搭載している。
図4に示すように、設定機能は、大当り確率の設定を変更可能な機能である。パチンコ遊技機10において、大当り確率は、内部的に記憶されている設定値によって規定される。本実施形態において、設定値には、第1設定値、第2設定値、第3設定値、第4設定値、第5設定値、及び第6設定値の全6段階がある。以下の説明では、「第n設定値が設定されている」ことを、単に「設定n」と示す場合がある(但し、n=1~6)。設定1の大当り確率はK1である。設定2の大当り確率はK2である。設定3の大当り確率はK3である。設定4の大当り確率はK4である。設定5の大当り確率はK5である。設定6の大当り確率はK6である。大当り確率K1~K6は、大当り確率K1<K2<K3<K4<K5<K6の順に高確率であり、大当りに当選し易い。大当り確率K1~K6は、低確率状態であるときの大当り確率と、高確率状態であるときの大当り確率と、をセットにしたものである。パチンコ遊技機10では、何れの設定値に基づく大当り確率を設定したとしても、大当りの種類に対応する特別図柄の振分割合、変動パターンの振分割合、小当り確率、及び大当り遊技の終了後における遊技状態の振分割合は、一定であって差異がない。なお、設定値は、6段階である必要はなく、2段階から5段階、及び7段階以上のうち何れであってもよい。
パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図5に示すように、パチンコ遊技機10は、複数の制御基板を備える。複数の制御基板は、遊技制御基板(主制御基板)80、演出制御基板(副制御基板)81、枠制御基板82、及び発射制御基板83を含む。枠制御基板82は、各種の制御を実行できる制御部の一例である。複数の制御基板は、施錠装置(不図示)を解錠して搭載枠11bを開放しなければアクセスできない位置に設けられるとよい。
遊技制御基板80と、演出制御基板81とは、遊技制御基板80から演出制御基板81へ一方向に制御情報(制御コマンドなど)を出力可能となるように接続される。遊技制御基板80は、所定の処理を実行し、演出制御基板81へ制御情報を出力する。演出制御基板81は、遊技制御基板80から入力した制御情報に基づいて所定の処理を実行する。遊技制御基板80と、枠制御基板82とは、双方向に制御情報(電文など)を出力可能となるように接続される。枠制御基板82と、発射制御基板83とは、双方向に制御情報を出力可能となるように接続される。パチンコ遊技機10の枠制御基板82と、管理ユニット100のCU制御基板120とは、パチンコ遊技機10に設けられた接続端子板98を介して、双方向に制御情報(電文など)を出力可能となるように接続される。
パチンコ遊技機10は、電源ユニット99を機裏側に備える。電源ユニット99は、機外部から電力供給を受けるとともに入力電圧を所定電圧に変換し、演出制御基板81及び枠制御基板82に対して供給する。枠制御基板82に供給された電力は、さらに遊技制御基板80及び発射制御基板83に対して供給される。電源ユニット99は、各種のセンサ、及びスイッチに対して電力を供給する。電源ユニット99は、メインスイッチ99aを備える。パチンコ遊技機10は、メインスイッチ99aをオン状態としたまま電源ユニット99に対して電力供給を開始するか、電力供給をした状態のままメインスイッチ99aをオン状態とすることにより、電源投入が可能に構成される。
遊技制御基板80について詳しく説明する。
図6に示すように、遊技制御基板80は、CPU80aと、ROM80bと、RAM80cと、乱数生成回路80dと、を備える。CPU80aは、主制御プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を実行する。ROM80bは、主制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。ROM80bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの変動内容(演出内容)を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。はずれ変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て、又はリーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。
RAM80cは、CPU80aの処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM80cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。RAM80cは、情報を記憶可能な手段の一例である。乱数生成回路80dは、ハードウェア乱数を生成する。遊技制御基板80は、CPU80aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されてもよい。
遊技制御基板80は、有効球センサD11、第1始動センサD12、第2始動センサD13、カウントセンサD14、普通センサD15、及びゲートセンサD16と接続される。CPU80aは、各球センサD11~D16が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能である。遊技制御基板80は、各表示部21a~21fと接続される。CPU80aは、各表示部21a~21fの表示内容を制御可能である。遊技制御基板80は、各ソレノイドSL1,SL2と接続される。CPU80aは、各ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することにより、第2始動口23B、及び大入賞口23Cの開放態様を制御可能である。遊技制御基板80は、第1発光部13と接続される。CPU80aは、第1発光部13の発光態様を制御可能である。
演出制御基板81について詳しく説明する。
演出制御基板81は、CPU81aと、ROM81bと、RAM81cと、を備える。CPU81aは、副制御プログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。ROM81bは、副制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。ROM81bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び音声演出に用いる音声演出データを記憶している。RAM81cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM81cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。演出制御基板81は、CPU81aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成される。演出制御基板81は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
演出制御基板81は、演出表示部19と接続される。CPU81aは、演出表示部19の表示内容を制御可能である。演出制御基板81は、演出音声部12と接続される。CPU81aは、演出音声部12の出力内容を制御可能である。演出制御基板81は、第2発光部14と接続される。CPU81aは、第2発光部14の発光態様を制御可能である。
枠制御基板82について詳しく説明する。
図5に示すように、枠制御基板82は、CPU82a、ROM82b、RAM82c、性能表示モニタ82d、RAMクリアスイッチ82e、バックアップ電源82f、バックアップ回路82g、設定器82h、及び発射許可回路82iを備える。CPU82aは、枠制御プログラムを実行することにより、搭載枠11bの搭載部品の動作に関する処理を行う。ROM82bは、枠制御プログラムなどを記憶している。RAM82cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM82cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。
性能表示モニタ82dは、ベース値を表示する。ベース値は、通常遊技時における有効球の総数に対する通常遊技時における賞球の総数の割合(比率)を示す値である。通常遊技は、低確低入球率状態であって、かつ大当り遊技が実行されていないときの遊技である。ベース値は、「通常遊技時における獲得賞球総数÷通常遊技時における有効球総数×100」の計算式によって求められる。性能表示モニタ82dは、遊技球の性能(一例としてベース)に関する情報を表示可能な手段の一例である。
RAMクリアスイッチ82eは、RAM80cに記憶される情報、及びRAM82cに記憶される情報の初期化(以下、RAMクリアと示す)を行うときに操作されるスイッチである。RAMクリアスイッチ82eは、押込み操作がされるとRAMクリア信号を出力する。RAMクリア信号は、RAMクリアスイッチ82eの押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。RAMクリア信号は、CPU82aに出力されるとともに、遊技制御基板80(CPU80a)に出力される。
バックアップ電源82fは、外部からの電力供給が遮断された状態であっても、RAM82cのほか、遊技制御基板80(RAM80c)に対してバックアップ電力を供給する。以下の説明では、外部からの電力供給が遮断されることを電源断と示す場合がある。RAM80c,82cは、バックアップ電源82fからバックアップ電力の供給を受けることにより、電源断時におけるRAM80c,82cの記憶内容を電源断後にも保持可能である。つまりパチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載する。これに限らず、RAM80c,82cの一方又は両方は、電力供給が停止された状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断後にも情報を保持可能であってもよい。
一例として、バックアップ電源82fは、外部からの電力供給によって蓄電する蓄電装置である。バックアップ電源82fは、外部からの電力供給が遮断された状態であっても、少なくとも発射制御基板83(発射制御回路83a)及び発射ソレノイドが所定の動作を完了するのに要する所定の時間(以下、供給時間と示す)が経過する迄の間、これらに対してバックアップ電力を供給する。なお、供給時間は、発射制御基板83及び発射ソレノイドに供給するために蓄電した電力容量に関連し、当該電力の放出に要する時間であってもよく、所定の回路によって規定される時間であってもよい。
バックアップ電源82fは、発射制御基板83(発射制御回路83a)及び発射ソレノイドにバックアップ電力を供給できる。発射制御基板83(発射制御回路83a)及び発射ソレノイドは、バックアップ電源82fからバックアップ電力の供給を受けることにより、外部からの電力供給が遮断された後にも所定の動作を実行することができる。発射部は、通常の発射動作(発射シーケンス)が実行されている期間、及び特別な発射動作(空打ちシーケンス)が実行されている期間のうち、少なくとも一方において、外部からの電力供給が遮断された場合であっても、外部からの電力供給が遮断された後にn回の発射動作を可能に構成される。一例として、n=1であるが、これに限らず、n=2でもよく、n≧3であってもよい。
RAM80cに記憶可能であり、かつバックアップの対象となる情報には、メイン情報がある。メイン情報は、遊技の進行に関する情報である。一例として、メイン情報には、大当り状態(ラウンド遊技の回数を含む)に関する情報、遊技状態に関する情報、保留数に関する情報、普通図柄及び特別図柄に関する情報、及びエラーに関する情報がある。RAM80cに記憶可能であり、かつバックアップの対象となる情報には、設定値情報がある。設定値情報は、設定値を特定可能な情報である。つまり、設定値情報は、大当り確率を定めた情報である。
RAM82cに記憶可能であり、かつバックアップの対象となる情報には、第2管理球数情報と、遊技情報と、性能情報と、がある。第2管理球数情報は、第2管理球数PBを特定可能な情報である。遊技情報は、遊技の進行状況に応じて遊技制御基板80から通知される情報である。一例として、遊技情報には、有効球の検知、始動口入賞の発生、普通入賞の発生、大当り遊技における大入賞口入賞の発生、ゲート通過、特別図柄の確定(変動ゲームの終了)、大当りの発生、及び現在の遊技状態などを特定可能な情報がある。性能情報は、ベース値、及び当該ベース値の演算に係る情報である。ベース値の演算に係る情報には、通常遊技時における獲得賞球総数、及び通常遊技時における有効球総数がある。RAM82cに記憶可能であり、かつバックアップの対象となる情報には、設定値情報がある。つまり、設定値情報は、RAM80c、及びRAM82cのそれぞれに記憶可能であり、かつバックアップの対象となる情報である。
バックアップ回路82gは、電源ユニット99から供給される電源電圧が規定電圧よりも低下すると電源断検出信号をCPU82aに出力するとともに、遊技制御基板80のCPU80aに出力する。設定器82hは、設定値を変更、又は確認を行うときに操作されるスイッチである。設定器82hは、図示しない鍵穴を有する。設定器82hは、鍵穴に挿し込んだ設定キーを操作することによって、オン状態と、オフ状態とに変位可能である。設定器82hは、設定モード信号を出力する。設定モード信号は、設定器82hがオン状態であるときにオン状態となり、設定器82hがオフ状態であるときにオフ状態となる。設定モード信号は、CPU82aに出力されるとともに、遊技制御基板80(CPU80a)に出力される。発射許可回路82iは、発射制御基板83に対し、遊技球の発射を許容する発射許可状態にあることを特定可能な信号(以下、発射許可信号と示す)を出力する。発射許可回路82iは、発射制御基板83に対し、遊技球の発射を禁止する発射禁止状態にあることを特定可能な信号(以下、発射禁止信号と示す)を出力する。発射許可信号、及び発射禁止信号の出力条件については後述する。
枠制御基板82は、計数操作部18と接続される。CPU82aは、計数操作部18が出力する計数信号を入力可能に構成される。枠制御基板82は、第2球数表示部17と接続される。CPU82aは、第2球数表示部17の表示内容を制御可能に構成される。
枠制御基板82は、管理ユニット100と接続される。CPU82aは、CU制御基板120が出力する各種の電文を入力可能(受信可能)に構成される。なお、管理ユニット100が出力する接続信号は、接続端子板98からCPU82aを経由せずに発射許可回路82iへと入力される。発射許可回路82iには、発射禁止信号も入力される。発射禁止信号は、遊技制御基板80、及び枠制御基板82のそれぞれから入力し得る。
発射制御基板83は、発射部の動作を制御するための発射制御回路83aを備える。発射制御回路83aは、枠制御基板82から入力する制御信号、センサやスイッチから入力する信号に基づき、発射ソレノイドに対して駆動信号を出力する。
発射制御基板83は、タッチセンサD01、発射停止スイッチD02、及びハンドルボリュームD03と接続される。発射制御回路83aは、これらのスイッチやセンサが出力するタッチ信号、ストップ信号、及びボリューム信号を入力可能に構成される。発射制御基板83は、発射ソレノイドと接続される。発射制御回路83aが発射ソレノイドに対して駆動信号を出力することにより、発射ソレノイドが駆動し、発射ハンマーが遊技球を打撃する。つまり、発射制御基板83は、発射部による遊技球の発射動作を制御可能に構成される。
発射制御回路83aは、動作判定部、パルスクロック生成部、タイミングパルス生成部、保持回路、及びソレノイド駆動部を有する。動作判定部は、枠制御基板82からの発射許可信号がオン状態であり、発射停止スイッチD02からのストップ信号がオフ状態であり、かつタッチセンサD01からのタッチ信号がオン状態であることで動作可能条件が成立している場合、動作信号をタイミングパルス生成部に出力する。動作判定部は、枠制御基板82からの発射許可信号がオン状態であること、発射停止スイッチD02からのストップ信号がオフ状態であること、かつタッチセンサD01からのタッチ信号がオン状態であることの一部又は全部が満たされていないことにより動作可能条件が成立していない場合、動作信号をタイミングパルス生成部に出力しない。
タイミングパルス生成部は、動作信号を入力している場合、当該動作信号とパルスクロック生成部から入力するパルス信号とを合成し、発射タイミングパルスをソレノイド駆動部に出力する。ソレノイド駆動部は、発射タイミングパルスを入力する毎に、ハンドルボリュームD03から入力するボリューム信号(電圧)に応じた電圧の駆動電流を発射ソレノイドへ供給(出力)する。これにより、発射ソレノイドは、ハンドルレバー15aの回動操作量に応じた強度にて駆動し、遊技球が発射される。発射制御回路83aは、所定のタイミングで減算基準信号を枠制御基板82へ出力する。保持回路は、動作可能条件が成立しているときに駆動電流が出力される場合、その時点におけるボリューム信号の電圧(電圧値)を保持する。発射制御回路83a(ソレノイド駆動部)は、後述する空打ちシーケンスにおいて、ボリューム信号の電圧値ではなく、保持回路に保持(記憶)された電圧値に応じた電圧の駆動電流を発射ソレノイドへ供給する。
枠制御基板82(CPU82a)が実行する処理について説明する。
枠側電源投入処理について説明する。
CPU82aは、電源投入に伴って、枠制御基板82への供給電圧がCPU82aの動作に必要な電圧に達してCPU82aが起動すると、枠側電源投入処理を実行する。枠側電源投入処理において、CPU82aは、設定制御モードへの移行の有無、及びRAM82cの初期化の有無を判定する。設定制御モードには、設定変更モード、及び設定確認モードがある。
一例として、CPU82aは、RAMクリア信号に基づいて、RAMクリアスイッチ82eがオン状態であるか、オフ状態であるかを特定する。一例として、CPU82aは、設定モード信号に基づいて、設定器82hがオン状態であるか、オフ状態であるかを特定する。CPU82aは、RAMクリアスイッチ82eがオン状態であって、かつ、設定器82hがオン状態である場合に、RAM82cを初期化した後、設定変更モードへ移行すると判定する。RAM82cを初期化する場合、CPU82aは、バックアップされている遊技情報を初期化する一方、バックアップされている第2管理球数情報、性能情報、及び設定値情報を初期化しない。CPU82aは、RAM82cを初期化した後、設定変更モードへ移行する。CPU82aは、設定変更モードに滞在している全期間において、発射禁止信号を発射許可回路82iへ出力する。
CPU82aは、設定変更モードへ移行すると、CPU82aは、設定制御モードであることを報知する表示を行うように第2球数表示部17を制御する。一例として、第2球数表示部17は、複数の7セグのうち1である状態表示部17aにおいて、設定制御モードであることを報知する表示(例えば「1」の表示)を行う。一例として、状態表示部17aは、複数の7セグのうち最も左の7セグである。次に、CPU82aは、RAM82cに記憶されている設定値を読み出す。CPU82aは、読み出した設定値を報知する表示を行うように第2球数表示部17を制御する。つまり、第2球数表示部17では、電源断がされたときの設定値が報知される。一例として、第2球数表示部17は、複数の7セグのうち1である設定値表示部17bにおいて、設定値そのもの(数字)を表示可能である。一例として、設定値表示部17bは、複数の7セグのうち最も右の7セグである。第2球数表示部17は、設定値表示装置の一例である。設定変更モードにおいて、CPU82aは、RAMクリアスイッチ82eが操作される毎に、設定している設定値を、[設定1]→[設定2]→…→[設定5]→[設定6]→[設定1]→…というように、ループするように変更する。RAMクリアスイッチ82eは、設定操作手段の一例である。設定変更モードにおけるRAMクリアスイッチ82eの操作は、設定操作の一例である。CPU82aは、RAMクリアスイッチ82eの操作を契機に設定値を変更する毎に、変更後の設定値を報知する表示を行うように第2球数表示部17を制御する。CPU82aは、設定変更モードにおいて、設定器82hがオフ状態に操作されると、その時点において設定している設定値を確定し、設定変更モードを終了する。CPU82aは、設定変更モードを終了すると、設定制御モードであることを報知する表示、及び設定値を報知する表示を終了するように第2球数表示部17を制御する。その後、CPU82aは、枠側電源投入処理を終了する。CPU82aは、RAMクリアスイッチ82eの操作に応じて1の設定値を設定可能な制御手段の一例である。設定値は、設定情報の一例である。
CPU82aは、RAMクリアスイッチ82eがオフ状態であって、かつ、設定器82hがオン状態である場合に、設定確認モードへ移行すると判定する。設定確認モードへ移行する場合、RAM82cは、初期化されない。CPU82aは、設定確認モードへ移行すると、CPU82aは、設定制御モードであることを報知する表示を行うように第2球数表示部17を制御する。次に、CPU82aは、RAM82cに記憶されている設定値を読み出す。CPU82aは、読み出した設定値を報知する表示を行うように第2球数表示部17を制御する。つまり、第2球数表示部17(設定値表示部17b)では、電源断がされたときの設定値が報知される。設定確認モードにおいて、CPU82aは、設定スイッチとしてのRAMクリアスイッチ82eが操作されても、設定値を変更せず、第2球数表示部17(設定値表示部17b)の表示内容も変化させない。CPU82aは、設定確認モードにおいて、設定器82hがオフ状態に操作されると、設定確認モードを終了する。CPU82aは、設定確認モードを終了すると、設定制御モードであることを報知する表示、及び設定値を報知する表示を終了するように第2球数表示部17を制御する。その後、CPU82aは、枠側電源投入処理を終了する。
CPU82aは、RAMクリアスイッチ82eがオン状態であって、かつ、設定器82hがオフ状態である場合に、RAM82cを初期化すると判定する。RAM82cを初期化する場合、CPU82aは、バックアップされている遊技情報を初期化する一方、バックアップされている第2管理球数情報、性能情報、及び設定値情報を初期化しない。その後、CPU82aは、設定制御モードへ移行せず、枠側電源投入処理を終了する。CPU82aは、RAMクリアスイッチ82eがオフ状態であって、かつ、設定器82hがオフ状態である場合に、RAM82cを初期化せず、枠側電源投入処理を終了する。CPU82aは、RAMクリアスイッチ82eがオフ状態であって、かつ、設定器82hがオフ状態である場合に、設定制御モードへ移行しない。
CPU82aは、電源投入に伴って、枠制御基板82への供給電圧がCPU82aの動作に必要な電圧に達してCPU82aが起動すると、起動時通信チェック処理を実行する。起動時通信チェック処理は、枠側電源投入処理と並行して実行される。
起動時通信チェック処理において、CPU82aは、遊技制御基板80から起動時情報を入力したか否かを判定する。一例として、起動時情報は、遊技機設置情報である。一例として、遊技機設置情報は、遊技機の種類、CPU80aのID番号、及びCPU80aの製造者などを特定可能な情報である。CPU82aは、起動時情報を正常に入力すると、応答情報を遊技制御基板80に出力する。その後、CPU82aは、起動時通信チェック処理を終了する。
CPU82aは、電源投入によって起動してから所定時間(例えば3分)が経過するまでの間に起動時情報を入力しない場合、遊技機内通信異常エラーの発生を特定可能なフラグをRAM82cに記憶させる。つまり、CPU82aは、遊技機内通信異常エラーを設定する。CPU82aは、遊技機内通信異常エラーを設定すると、CPU82aは、遊技機内通信異常エラーが設定されていることを報知する表示を行うように第2球数表示部17を制御する。一例として、第2球数表示部17は、状態表示部17aにおいて、遊技機内通信異常エラーが設定されていることを報知する表示(例えば「2」の表示)を行う。その後、CPU82aは、起動時情報を入力するまで待機する。CPU82aは、遊技機内通信異常エラーを設定中、遊技制御基板80から起動時情報を正常に入力すると、遊技機内通信異常エラーの設定を解除する。CPU82aは、遊技機内通信異常エラーの設定を解除すると、遊技機内通信異常エラーが設定されていることを報知する表示を終了するように第2球数表示部17を制御する。その後、CPU82aは、起動時通信チェック処理を終了する。CPU82aは、遊技機内通信異常エラーを設定している全期間において、発射禁止信号を発射許可回路82iへ出力する。
これに限らず、CPU82aは、起動時情報の入力と応答情報の出力が複数回(例えば3回)にわたって成功しなかったときに遊技機内通信異常エラーを設定してもよい。この場合、複数回にわたって入力する起動時情報は、1回目を遊技機設置情報とし、2回目以降には、遊技機設置情報とは異なる情報(一例として遊技機情報)としてもよい。このように、CPU82aは、遊技制御基板80(CPU80a)から出力される起動時情報を入力可能であり、起動時情報を正常に入力したかに基づいて、遊技制御基板80との通信回線が正常であるかを判定する。
CPU82aは、枠側電源投入処理を終了し、かつ、起動時通信チェック処理を終了した場合に、枠側通常処理を実行する。枠側通常処理は、所定の制御周期(例えば108ms)毎に実行される処理である。枠側通常処理には、遊技情報記憶処理、通常時通信チェック処理、性能情報生成処理、及び第2管理球数情報生成処理がある。
遊技情報記憶処理について説明する。
遊技情報記憶処理は、遊技制御基板80から入力する遊技情報をRAM82cに記憶する処理である。遊技情報は、遊技制御基板80から所定の周期毎に出力される。一例として、遊技情報は、遊技制御基板80から108ms毎に出力される。CPU82aは、遊技状態を特定可能な遊技情報を入力すると、当該遊技情報をRAM82cに記憶させる。CPU82aは、RAM82cに記憶された遊技情報を参照することにより、大当り遊技中であるか否か、高確率状態であるか否か、及び高入球率状態であるか否かを特定可能である。その他、CPU82aは、各種の遊技情報を入力すると、入力した遊技情報を特定可能な情報を生成し、RAM82cに記憶させる。また、CPU82aは、遊技情報を入力すると、当該入力した遊技情報の一部又は全部を外部機器(ホールコンピュータ等)に出力する。
通常時通信チェック処理について説明する。
通常時通信チェック処理において、CPU82aは、遊技制御基板80から遊技情報を入力したか否かを判定する。遊技制御基板80から遊技情報を入力していない場合、CPU82aは、最後に遊技情報を入力してから所定時間が経過したか否かを判定する。最後に遊技情報を入力してから所定時間が経過していない場合、CPU82aは、通常時通信チェック処理を終了する。最後に遊技情報を入力してから所定時間が経過した場合、CPU82aは、遊技機内通信異常エラーの発生を特定可能なフラグをRAM82cに記憶させる。つまり、CPU82aは、遊技機内通信異常エラーを設定する。一例として、CPU82aは、最後に遊技情報を入力してから特定時間(例えば1080ms)が経過する場合、遊技機内通信異常エラーの発生を特定可能なフラグをRAM82cに記憶させる。特定時間は、起動時通信チェック処理において遊技機内通信異常エラーを検知するのに要する時間(3分)よりも短い時間である。つまり、CPU82aは、規定回数(10回)にわたって遊技情報の入力に成功しなかった場合に遊技機内通信異常エラーを検出する。なお、CPU82aは、起動時通信チェック処理、及び通常時通信チェック処理の何れにおいて遊技機内通信異常エラーを検出したかを特定可能なようにフラグをRAM82cに記憶させてもよい。CPU82aは、遊技機内通信異常エラーを設定すると、遊技機内通信異常エラーが設定されていることを報知する表示を行うように第2球数表示部17を制御する。その後、CPU82aは、通常時通信チェック処理を終了する。
遊技制御基板80から遊技情報を入力した場合、CPU82aは、応答情報を遊技制御基板80に出力する。次に、CPU82aは、遊技機内通信異常エラーを設定中であるか否かを判定する。遊技機内通信異常エラーを設定中でない場合、CPU82aは、通常時通信チェック処理を終了する。遊技機内通信異常エラーを設定中である場合、CPU82aは、遊技機内通信異常エラーの設定を解除する。CPU82aは、遊技機内通信異常エラーの設定を解除すると、遊技機内通信異常エラーが設定されていることを報知する表示を終了するように第2球数表示部17を制御する。その後、CPU82aは、通常時通信チェック処理を終了する。
性能情報生成処理について説明する。
性能情報生成処理は、性能情報としてベース値を演算する処理である。CPU82aは、遊技状態フラグを参照し、大当り遊技中ではなく、かつ現在の遊技状態が低確低入球率状態であるか否か(つまり通常遊技時であるか否か)を判定する。通常遊技時である場合、CPU82aは、始動口入賞の発生、大入賞口入賞の発生、又は普通入賞の発生を特定可能な遊技情報(以下、「賞球情報」と示す)を入力すると、当該賞球情報から特定かの名賞球数を、通常遊技時における獲得賞球総数に加算する。つまり、賞球情報は、入賞が発生した入賞口に設定された賞球数を特定可能な情報を含む。獲得賞球総数は、性能情報の1つとしてRAM82cに記憶される。通常遊技時である場合、CPU82aは、有効球の検知を特定可能な遊技情報を入力すると、通常遊技時における有効球総数を1加算する。有効球総数は、性能情報の1つとしてRAM82cに記憶される。CPU82aは、「通常遊技時における獲得賞球総数÷通常遊技時における有効球総数×100」の計算式によって、ベース値を演算する。CPU82aは、1分間毎に区切って獲得賞球総数及び有効球総数を計数し、ベース値の演算を1分毎に行ってもよい。CPU82aは、有効球総数が所定数になる毎に区切って獲得賞球総数を計数し、ベース値の演算を有効球総数が所定数になる毎に行ってもよい。一例として、所定数は、60000球であってもよく、発射部によって1分当りに発射可能な最大個数(例えば100球)であってもよい。CPU82aは、演算したベース値を特定可能な情報を表示するように、性能表示モニタ82dを制御する。
CPU82aは、性能情報として役物比率及び連続役物比率を演算し、性能表示モニタ82dにて表示可能に構成されてもよい。役物比率は、全遊技状態を通した獲得賞球総数に占める、電動役物作動による獲得賞球総数の割合である。電動役物作動による獲得賞球総数とは、普通当り遊技(普通電動役物作動)による第2始動口23Bへの入賞に伴う獲得賞球総数、及び大当り遊技(特別電動役物作動)による大入賞口23Cへの入賞に伴う獲得賞球総数の和である。連続役物比率は、全遊技状態を通した獲得賞球総数に占める、連続役物作動による獲得賞球総数の割合である。連続役物作動による獲得賞球総数とは、大当り遊技による大入賞口23Cへの入賞に伴う獲得賞球総数である。
第2管理球数情報生成処理について説明する。
第2管理球数情報生成処理は、第2管理球数PBを生成(管理)するための処理である。CPU82aは、遊技制御基板80から賞球情報を入力すると、当該賞球情報から特定可能な賞球数を第2管理球数PBに加算する。CPU82aは、管理ユニット100から付与情報を入力すると、付与情報に示される付与球数を第2管理球数PBに加算する。CPU82aは、1球の遊技球が遊技領域20aへ到達したことを検知すると、第2管理球数PBを減算する。一例として、CPU82aは、有効球信号を入力すると、1球の遊技球が遊技領域20aへ到達したことを検知する。これにより、電磁的に管理する遊技球(第2管理球数PB)が実球に変換される。
これに限らず、CPU82aは、発射ソレノイドの駆動により第2管理球数PBを減算してもよく、発射機構にセンサを設け、発射機構に受け入れられた遊技球を検知したときに第2管理球数PBを減算する構成であってもよい。このように、第2管理球数PBは、発射部による発射動作、及び、発射機構への供給動作のうち少なくとも一方の動作に関連して減算される。
CPU82aは、計数可能状態であるとき、計数操作部18から計数信号を入力すると、計数球数を特定可能な計数情報を管理ユニット100に出力する。CPU82aは、計数情報から特定可能な計数球数を第2管理球数PBから減算する。CPU82aは、第2管理球数PBを減算してから計数情報を出力してもよく、計数情報を出力してから第2管理球数PBを減算してもよい。一例として、計数可能状態は、必要な電力が供給されており、かつ第2管理球数PBが0ではない状態である。CPU82aは、計数可能状態であるとき、計数報知部18aが点灯するように、計数報知部18aに内蔵された発光体を制御する。第2管理球数PBの管理は、計数情報を管理ユニット100へ出力することにより、パチンコ遊技機10から管理ユニット100へ移管される。CPU82aは、加算又は減算した更新後の第2管理球数PBを特定可能な情報を表示するように、第2球数表示部17を制御する。第2球数表示部17は、枠制御基板82にて設定(検知)したエラーを特定可能な情報を表示可能な装置として兼用される。
次に、遊技制御基板80(CPU80a)が行う各種の処理について説明する。
盤側電源投入処理について説明する。
CPU80aは、電源投入に伴って、遊技制御基板80への供給電圧がCPU80aの動作に必要な電圧に達してCPU80aが起動すると、盤側電源投入処理を実行する。枠側電源投入処理において、CPU80aは、設定制御モードへの移行の有無、及びRAM80cの初期化の有無を判定する。
一例として、CPU80aは、RAMクリア信号に基づいて、RAMクリアスイッチ82eがオン状態であるか、オフ状態であるかを特定する。一例として、CPU80aは、設定モード信号に基づいて、設定器82hがオン状態であるか、オフ状態であるかを特定する。CPU80aは、RAMクリアスイッチ82eがオン状態であって、かつ、設定器82hがオン状態である場合に、RAM80cを初期化した後、設定変更モードへ移行すると判定する。RAM80cを初期化する場合、CPU80aは、バックアップされているメイン情報を初期化する一方、バックアップされている設定値情報を初期化しない。CPU80aは、RAM80cを初期化した後、設定変更モードへ移行する。CPU80aは、設定変更モードへ移行すると、設定変更モードの開始を特定可能な制御コマンド(以下、「変更開始コマンド」と示す)を演出制御基板81に出力する。CPU80aは、設定変更モードに滞在している全期間において、発射禁止信号を枠制御基板82(発射許可回路82i)へ出力する。
CPU80aは、設定変更モードへ移行すると、RAM80cに記憶されている設定値を読み出す。CPU80aは、読み出した設定値を特定可能な設定値コマンドを演出制御基板81に出力する。CPU80aは、設定変更モードへ移行すると、設定制御モードの開始を報知する発光(例えば青色の発光)を行うように第1発光部13を制御する。設定変更モードにおいて、CPU80aは、RAMクリアスイッチ82eが操作される毎に、設定している設定値を、[設定1]→[設定2]→…→[設定5]→[設定6]→[設定1]→…というように、ループするように変更する。CPU80aは、RAMクリアスイッチ82eの操作を契機に設定値を変更する毎に、変更後の設定値を特定可能な設定値コマンドを演出制御基板81に出力する。
CPU80aは、設定変更モードにおいて、設定器82hがオフ状態に操作されると、その時点において設定している設定値を確定した後、設定変更モードを終了する。CPU80aは、設定変更モードを終了すると、設定変更モードの終了を特定可能な制御コマンド(以下、「変更終了コマンド」と示す)を演出制御基板81に出力する。CPU80aは、設定変更モードを終了すると、確定した設定値を特定可能な設定値コマンドを演出制御基板81に出力する。その後、CPU80aは、盤側電源投入処理を終了する。
CPU80aは、RAMクリアスイッチ82eがオフ状態であって、かつ、設定器82hがオン状態である場合に、設定確認モードへ移行すると判定する。設定確認モードへ移行する場合、RAM80cは、初期化されない。
CPU80aは、設定確認モードへ移行すると、設定確認モードの開始を特定可能な制御コマンド(以下、「確認開始コマンド」と示す)を演出制御基板81に出力する。CPU80aは、設定確認モードへ移行すると、RAM80cに記憶されている設定値を読み出す。CPU80aは、読み出した設定値を特定可能な設定値コマンドを演出制御基板81に出力する。CPU80aは、設定確認モードへ移行すると、設定制御モードの開始を報知する発光(例えば青色の発光)を行うように第1発光部13を制御する。設定確認モードにおいて、CPU82aは、設定スイッチとしてのRAMクリアスイッチ82eが操作されても、設定値を変更しない。CPU80aは、設定確認モードにおいて、設定器82hがオフ状態に操作されると、設定確認モードを終了する。CPU80aは、設定確認モードの終了を特定可能な制御コマンド(以下、「確認終了コマンド」と示す)を演出制御基板81に出力する。CPU80aは、設定確認モードを終了すると、その時点において設定している設定値を特定可能な設定値コマンドを演出制御基板81に出力する。つまり、CPU80aは、設定確認モードを終了すると、電源断がされたときの設定値と同じ設定値を特定可能な設定値コマンドを演出制御基板81に出力する。その後、CPU80aは、盤側電源投入処理を終了する。
CPU80aは、RAMクリアスイッチ82eがオン状態であって、かつ、設定器82hがオフ状態である場合に、RAM80cを初期化すると判定する。RAM80cを初期化する場合、CPU80aは、バックアップされているメイン情報を初期化する一方、バックアップされている設定値情報を初期化しない。CPU80aは、RAM80cを初期化した後、盤側電源投入処理を終了する。CPU80aは、RAMクリアスイッチ82eがオフ状態であって、かつ、設定器82hがオフ状態である場合に、RAM80cを初期化せず、盤側電源投入処理を終了する。CPU80aは、RAMクリアスイッチ82eがオフ状態であって、かつ、設定器82hがオフ状態である場合に、設定制御モードへ移行せず、盤側電源投入処理を終了する。
CPU80aは、電源投入に伴って、遊技制御基板80への供給電圧がCPU80aの動作に必要な電圧に達してCPU80aが起動すると、起動時通信確認処理を実行する。起動時通信確認処理は、盤側電源投入処理と並行して実行される。
起動時通信確認処理において、CPU80aは、起動時情報を枠制御基板82へ出力する。CPU80aは、起動時情報を出力してから応答情報を入力することなく所定時間(一例として108ms)が経過すると、起動時情報を枠制御基板82へ出力する。以降、CPU80aは、枠制御基板82から応答情報を入力しない場合、所定時間が経過するごとに起動時情報を枠制御基板82へ出力する。複数回にわたって出力する場合の起動時情報は、同じ情報であってもよく、出力回数を特定可能なように異なる情報であってもよい。CPU80aは、起動時情報を出力可能な特定出力手段に対応する。起動時情報は、特定信号に対応する。
CPU80aは、起動時情報の出力回数が規定回数(一例として10回)に達すると遊技機内通信異常エラーを検知し、遊技機内通信異常エラーの発生を特定可能な情報をRAM80cに記憶させる。つまり、CPU80aは、遊技機内通信異常に関するエラーを設定する。CPU80aは、遊技機内通信異常エラーを設定すると、遊技機内通信異常エラーの発生を特定可能な制御情報(以下、遊技機内通信異常コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。また、CPU80aは、遊技機内通信異常エラーを設定すると、遊技機内通信異常エラーが設定されていることを報知する発光(例えば赤色の発光)を行うように第1発光部13を制御する。その後、CPU80aは、応答情報を入力するまで、所定時間が経過するごとに起動時情報を枠制御基板82へ出力する。なお、CPU80aは、遊技機内通信異常エラーを設定した場合、起動時情報を出力せずに電源断がされるまで待機するようにしてもよい。本実施形態において、枠制御基板82が遊技機内通信異常エラーを検知するのに要する時間(一例として3分)は、遊技制御基板80が遊技機内通信異常エラーを検知するのに要する時間(一例として1080ms)に比して長い。
CPU80aは、遊技機内通信異常エラーを設定する前に起動時情報に対する応答情報を入力する場合、通信回線が正常であると判定する。その後、CPU80aは、起動時通信確認処理を終了する。CPU80aは、遊技機内通信異常エラーを設定した後に起動時情報に対する応答情報を入力する場合、遊技機内通信異常エラーの設定を解除する。CPU80aは、遊技機内通信異常エラーの設定を解除すると、遊技機内通信異常エラーの解消を特定可能な制御情報(以下、遊技機内通信正常コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。その後、CPU80aは、起動時通信確認処理を終了する。CPU80aは、遊技機内通信異常エラーを設定している全期間において、発射禁止信号を枠制御基板82(発射許可回路82i)へ出力する。
CPU80aは、盤側電源投入処理を終了し、かつ、起動時通信確認処理を終了した場合に、盤側通常処理を実行する。盤側通常処理は、所定の制御周期(例えば4ms)毎に実行される処理である。盤側通常処理は、遊技を進行させるための処理である。盤側通常処理には、特別図柄入力処理、特別図柄開始処理、特別図柄変動処理、大当り遊技処理、状態移行処理、遊技情報生成処理、及び通常時通信確認処理がある。盤側通常処理は、メイン情報が初期化されておれば、初期化後のメイン情報に基づいて実行される。つまり、CPU80aは、第1特別保留数及び第2特別保留数が何れも零であり、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームが何れも実行中ではなく、大当り遊技も付与されていない状態に基づいて、盤側通常処理に含まれる各種処理を実行する。盤側通常処理は、メイン情報が初期化されていなければ、バックアップされているメイン情報に基づいて実行される。つまり、CPU80aは、第1特別保留数及び第2特別保留数が電源断時の保留数であり、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの何れかが実行されておれば当該特別ゲームを実行させる処理へ復帰し、大当り遊技を付与中であれば、大当り遊技を付与する処理へ復帰する。
特別図柄入力処理について説明する。
CPU80aは、第1始動センサD12から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口23Aへ入球したか否かを判定する。遊技球が第1始動口23Aへ入球した場合、CPU80aは、RAM80cに記憶される第1保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1保留数が上限数未満である場合、CPU80aは、第1保留数を1加算して更新する。続けて、CPU80aは、更新後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示部21cを制御する。第1特別ゲームの保留条件は、第1保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動センサD12によって検知されると成立する。
次に、CPU80aは、乱数生成回路80dが生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRAM80cに記憶させる。例えば、乱数は、特別図柄の当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。
CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報をRAM80cに記憶させた場合、遊技球が第1始動口23Aへ入球していない場合、及び第1保留数が上限数未満ではない場合、第2始動センサD13から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口23Bへ入球したか否かを判定する。遊技球が第2始動口23Bへ入球している場合、CPU80aは、RAM80cに記憶される第2保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2保留数が上限数未満である場合、CPU80aは、第2保留数を1加算して更新する。CPU80aは、加算後の第2保留数を特定可能な情報を表示するように、第2保留表示部21dを制御する。第2特別ゲームの保留条件は、第2保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動センサD13によって検知されると成立する。
次に、CPU80aは、遊技制御基板80内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRAM80cに記憶させる。CPU80aは、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。パチンコ遊技機10は、特別ゲームに用いる乱数情報をRAM80cに記憶させておくことで、当該特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。第2特別ゲーム用の乱数情報をRAM80cに記憶させた場合、遊技球が第2始動口23Bへ入球していない場合、及び第2保留数が上限数未満ではない場合、CPU80aは、特別図柄入力処理を終了する。
特別図柄開始処理について説明する。
最初に、CPU80aは、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。CPU80aは、大当り遊技中ではなく、かつ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定と判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定と判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、CPU80aは、第2保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2保留数が零である場合、CPU80aは、第1保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1保留数が零である場合、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
第1保留数が零よりも大きい場合、CPU80aは、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、CPU80aは、第1保留数を1減算して更新する。CPU80aは、減算後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示部21cを制御する。CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報をRAM80cから取得する。CPU80aは、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用いて、特別図柄の当り抽選として、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。CPU80aは、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
大当りに当選した場合、CPU80aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、CPU80aは、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行う。CPU80aは、大当り図柄抽選を行うことによって、第1特別ゲームにて停止表示させる大当り図柄を決定する。CPU80aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行う。CPU80aは、変動パターン決定抽選を行うことによって、複数ある大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
大当りに当選しなかった場合、CPU80aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、CPU80aは、第1特別ゲームにて停止表示させるはずれ図柄を決定する。CPU80aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行う。CPU80aは、変動パターン決定抽選を行うことによって、複数のはずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
第2保留数が零よりも大きい場合、CPU80aは、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1保留数」を「第2保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、CPU80aは、第2保留数の減算、大当り抽選、及び大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
CPU80aは、大当り変動処理及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを演出制御基板81へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理にて決定した変動パターンと、変動ゲームの開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄を特定可能な制御コマンドである。変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
特別図柄開始処理を終了すると、CPU80aは、特別図柄開始処理とは別の処理(以下、「特別図柄変動処理」と示す)によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。一例として、特別図柄変動処理において、CPU80aは、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部21aを制御する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第1特別図柄表示部21aを制御する。また、CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。
一例として、特別図柄変動処理において、CPU80aは、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部21bを制御する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第2特別図柄表示部21bを制御する。また、CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを演出制御基板81に出力する。以上のように、パチンコ遊技機10は、CPU80aが特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を実行することにより、始動口への遊技球の入球を契機に当り抽選を行い、当該当り抽選の結果に基づき図柄変動ゲームを実行可能に構成される。
大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。CPU80aは、特別ゲームにおいて大当り図柄を停止表示させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。CPU80aは、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。CPU80aは、特定した種類の大当り遊技を付与するように構成される。
最初に、CPU80aは、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。CPU80aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。一例として、CPU80aは、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて、大入賞口23Cを開状態とするように特別ソレノイドSL2を制御する。CPU80aは、カウントセンサD13による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は上述の上限時間が経過すると、ラウンド遊技を終了させる。つまり、CPU80aは、カウントセンサD13による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は上述の上限時間が経過すると、大入賞口23Cを閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御する。CPU80aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。CPU80aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。CPU80aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。CPU80aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。CPU80aは、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を演出制御基板81に出力してもよい。
状態移行処理について説明する。
CPU80aは、大当り図柄のうち第1大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、RAM80cに高確フラグをセットする。つまり、CPU80aは、高確率状態に制御する。CPU80aは、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、確変フラグを消去しない。一方、CPU80aは、第1大当り図柄とは異なる第2大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、RAM80cに高確フラグをセットしない。つまり、CPU80aは、低確率状態に制御する。CPU80aは、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、当該高確フラグを消去する。つまり、CPU80aは、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
CPU80aは、第1大当り図柄、又は第2大当り図柄に基づく大当り遊技が終了すると、RAM80cに作動フラグをセットする。つまり、CPU80aは、高入球率状態に制御する。CPU80aは、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、RAM80cに記憶される実行カウンタの値を更新することにより、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。CPU80aは、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、RAM80cに記憶される作動フラグを消去する。つまり、CPU80aは、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。なお、CPU80aは、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、作動フラグを消去しない。CPU80aは、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグがセットされているとき、当該作動フラグを消去する。つまり、CPU80aは、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。
遊技情報生成処理について説明する。
遊技情報生成処理において、CPU80aは、前回、枠制御基板82へ起動時情報、又は遊技情報を出力してから所定時間(例えば108ms)が経過か否かを判定する。所定時間が経過していない場合、CPU80aは、遊技情報生成処理を終了する。所定時間が経過した場合、CPU80aは、大当り遊技中であるか否か、高確率状態であるか否か、及び高入球率状態であるか否かを特定可能な遊技情報を生成する。一例として、遊技情報は、有効球の検知、始動口入賞の発生、普通入賞の発生、大当り遊技における大入賞口入賞の発生、ゲート通過、特別図柄の確定(変動ゲームの終了)、大当りの発生、及び現在の遊技状態から人に選択された1又は複数の情報を特定可能な情報であってもよい。CPU80aは、遊技情報を生成すると、生成した遊技情報を枠制御基板82へ出力する。つまり、遊技情報生成処理において、CPU80aは、所定時間ごとに遊技情報を生成し、生成した遊技情報を枠制御基板82へ出力する。
通常時通信確認処理について説明する。
通常時通信チェック処理について説明する。
通常時通信チェック処理において、CPU80aは、最後に応答情報を入力してから所定時間が経過する場合、遊技機内通信異常エラーの発生を特定可能なフラグをRAM80cに記憶させる。つまり、CPU80aは、遊技機内通信異常エラーを設定する。一例として、CPU80aは、最後に遊技情報を入力してから特定時間(1080ms)が経過する場合、遊技機内通信異常エラーの発生を特定可能なフラグをRAM80cに記憶させる。上述したように、応答情報は、CPU82aが遊技情報を入力することを契機として、枠制御基板82から出力される。つまり、CPU80aは、規定回数(10回)にわたって応答情報の入力に成功しなかった場合に遊技機内通信異常エラーを検出する。CPU80aは、遊技機内通信異常エラーを設定すると、遊技機内通信異常エラーの発生を特定可能な遊技機内通信異常コマンドを演出制御基板81へ出力する。一例として、遊技機内通信異常コマンドは、起動時通信確認処理、及び通常時通信確認処理の何れにおいて遊技機内通信異常エラーを検出したかを特定可能な情報を含んでもよい。なお、CPU80aは、起動時通信確認処理、及び通常時通信確認処理の何れにおいて遊技機内通信異常エラーを検出したかを特定可能なようにフラグをRAM80cに記憶させてもよい。その後、CPU80aは、遊技機内通信異常エラーを設定中、遊技制御基板80から新たな遊技情報を入力すると、遊技機内通信異常エラーの設定を解除する。CPU80aは、遊技機内通信異常エラーの設定を解除すると、遊技機内通信異常エラーの解消を特定可能な遊技機内通信正常コマンドを演出制御基板81へ出力する。
演出制御基板81(CPU81a)が実行する各種の処理について説明する。
設定報知処理について説明する。
CPU81aは、変更開始コマンドを入力すると、設定変更モードであることの報知を行うように演出装置ESを構成する演出部の一部又は全部を制御する。一例として、CPU81aは、設定変更モードであることを報知する表示(例えば「設定変更中」の表示)を行うように演出表示部19を制御する。一例として、CPU81aは、設定変更モードであることを報知する音声(例えば「設定変更中」の音声)の出力を行うように演出音声部12を制御してもよい。一例として、CPU81aは、設定変更モードであることを報知する発光(例えば「設定変更モード専用の発光パターン」による発光)を行うように演出音声部12を制御してもよい。CPU81aは、変更終了コマンドを入力すると、設定変更モードであることの報知を終了するように演出装置ESを構成する演出部の一部又は全部を制御する。
CPU81aは、確認開始コマンドを入力すると、設定確認モードであることの報知を行うように演出装置ESを構成する演出部の一部又は全部を制御する。一例として、CPU81aは、設定確認モードであることを報知する表示(例えば「設定確認中」の表示)を行うように演出表示部19を制御する。一例として、CPU81aは、設定確認モードであることを報知する音声(例えば「設定確認中」の音声)の出力を行うように演出音声部12を制御してもよい。一例として、CPU81aは、設定確認モードであることを報知する発光(例えば「設定確認モード専用の発光パターン」による発光)を行うように演出音声部12を制御してもよい。CPU81aは、確認終了コマンドを入力すると、設定確認モードであることの報知を終了するように演出装置ESを構成する演出部の一部又は全部を制御する。
CPU81aは、設定値コマンドを入力すると、当該設定コマンドから特定可能な設定値の報知を行うように演出装置ESを構成する演出部の一部又は全部を制御する。一例として、CPU81aは、設定コマンドから特定した設定値を報知する表示(例えば「設定n」の表示)を行うように演出表示部19を制御する。一例として、CPU81aは、設定コマンドから特定した設定値を報知する音声(例えば「設定n」の音声)の出力を行うように演出音声部12を制御してもよい。一例として、CPU81aは、設定コマンドから特定した設定値を報知する発光(例えば「各設定値専用の発光パターン」による発光)を行うように演出音声部12を制御してもよい。CPU81aは、変更終了コマンド、又は確認終了コマンドを入力すると、設定値の報知を終了するように演出装置ESを構成する演出部の一部又は全部を制御する。
エラー報知処理について説明する。
エラー報知処理は、エラーを報知させる処理である。一例として、エラー報知処理によって報知されるエラーには、遊技機内通信異常エラーがある。
CPU81aは、遊技機内通信異常コマンドを入力すると、遊技機内通信異常エラーが設定されていることの報知を行うように演出装置ESを構成する演出部の一部又は全部を制御する。一例として、CPU81aは、遊技機内通信異常エラーが設定されていることを報知する表示(例えば「遊技機内通信異常エラー」の表示)を行うように演出表示部19を制御する。一例として、CPU81aは、遊技機内通信異常エラーが設定されていることを報知する音声(例えば「遊技機内通信異常エラー」の音声)の出力を行うように演出音声部12を制御してもよい。一例として、CPU81aは、遊技機内通信異常エラーが設定されていることを報知する発光(例えば「遊技機内通信異常エラー専用の発光パターン」による発光)を行うように演出音声部12を制御してもよい。CPU81aは、遊技機内通信正常コマンドを入力すると、遊技機内通信異常エラーが設定されていることの報知を終了するように演出装置ESを構成する演出部の一部又は全部を制御する。
大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。CPU81aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように演出装置ESを制御する。CPU81aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように演出装置ESを制御する。CPU81aは、エンディング開始コマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように演出装置ESを制御する。CPU81aは、エンディング終了コマンドを入力すると、エンディング演出を終了するように演出装置ESを制御する。
演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。CPU81aは、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを入力すると、演出ゲームを実行するように演出表示部19を含む演出装置ESを制御する。具体的に、CPU81aは、変動開始コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、CPU81aは、特別図柄コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定する。CPU81aは、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。CPU81aは、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。なお、CPU81aは、リーチ演出を実行させる場合、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。
CPU81aは、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列において演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示部19を制御する。つまり、CPU81aは、演出ゲームを開始させる。また、CPU81aは、演出ゲームに関連して所定の演出を実行させる場合、当該演出を実行するように、演出表示部19を含む演出装置ESを制御する。CPU81aは、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを仮で停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定で停止表示させる。なお、CPU81aは、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定で停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
次に、遊技球を発射させるときの動作について説明する。
遊技球の発射は、発射制御基板83によって制御される。以下、発射制御回路83aが遊技球を発射させるために実行する一連の動作(以下、発射シーケンスと示す)について詳細に説明する。
発射制御基板83(発射制御回路83a)の動作について説明する。
発射制御回路83aは、遊技球の発射条件が成立している場合に、発射シーケンスを繰り返し実行する。遊技球の発射条件は、次に説明する第1条件から第4条件までの全ての条件が満たされることで成立する。第1条件は、遊技球の発射が許容される発射許可状態であることで満たされる。第2条件は、タッチ信号がオン状態となり、発射操作部15への接触が検知されている接触検知状態であることで満たされる。第3条件は、ボリューム信号の電圧がしきい値を超えることにより、発射操作部15(ハンドルレバー15a)の操作量が所定量を超えていることが検知されている操作検知状態であることで満たされる。第4条件は、ストップ信号がオフ状態であることにより、遊技球の発射を停止させる操作が検知されていない非停止状態であることにより満たされる。
発射シーケンスにおいて、発射制御回路83aは、最初に規定時間t1(一例として37.5ms)にわたって待機する。規定時間t1が経過した場合に、発射制御回路83aは、発射タイミングパルスに応じて駆動電流を発射ソレノイドに供給する。発射制御回路83aは、ボリューム信号の電圧を参照して発射強度を設定する。発射制御回路83aの保持回路は、このときのボリューム信号の電圧値を新たに保持する。発射制御回路83aは、駆動電流を出力するタイミングで減算基準信号を枠制御基板82へ出力する。発射制御回路83aは、発射ソレノイドへ駆動電流を出力してから規定時間t2(一例として562.5ms)が経過するまで待機する。以上により、1回の発射シーケンスが終了する。
発射制御回路83aは、発射ソレノイドへ駆動電流を出力してから規定時間t2が経過した時点(以下、判定時点T0と示す)において、発射条件が成立しているか否かに応じて、その後の動作が異なる。判定時点T0は、1回の発射シーケンスが終了する時点ともいえる。判定時点T0において、発射条件が成立している場合に、発射制御回路83aは、新たな発射シーケンスを開始する。判定時点T0は、発射シーケンスが終了する毎に到来する。よって、発射シーケンスは、遊技球の発射条件が成立している場合に、繰り返し実行される。これにより、遊技球の発射周期は、規定時間t1と規定時間t2の和に等しい。一例として、発射周期は、600msである。
一方、判定時点T0において、発射条件が成立していない場合であって、かつ、発射禁止状態でない場合に、発射制御回路83aは、空打ちシーケンスを実行する。上述したように、発射禁止信号は、設定変更モードであるとき、及び遊技機内通信異常エラーが設定されているときに出力される。つまり、パチンコ遊技機10は、設定変更モードであるとき、及び遊技機内通信異常エラーが設定されているときに発射禁止状態となる。空打ちシーケンスにおいて、発射制御回路83aは、最初に、規定時間t1にわたって待機する。規定時間t1が経過した場合に、発射制御回路83aは、発射タイミングパルスに応じて駆動電流を発射ソレノイドに供給する。このときの駆動電流の電圧は、発射制御回路83aの保持回路に保持されたボリューム信号の電圧に応じた電圧となる。また、発射制御回路83aの保持回路は、このときのボリューム信号の電圧値を新たに保持する。発射制御回路83aは、駆動電流を発射ソレノイドに供給しても、減算基準信号を枠制御基板82へ出力しない。発射制御回路83aは、発射ソレノイドへ駆動電流を出力してから規定時間t2が経過するまで待機する。以上により、1回の空打ちシーケンスが終了する。
発射制御回路83aは、空打ちシーケンスとして、発射ソレノイドへ駆動電流を出力してから規定時間t2が経過した時点(以下、判定時点T1と示す)において、発射条件が成立しているか否かによって、その後の動作が異なる。判定時点T1は、1回の空打ちシーケンスが終了する時点ともいえる。判定時点T1において、発射条件が成立している場合に、発射制御回路83aは、上述した発射シーケンスを開始する。一方、判定時点T1において、発射条件が成立していない場合に、発射制御回路83aは、2回目の空打ちシーケンスを実行する。2回目の空打ちシーケンスにおいても、発射制御回路83aは、発射ソレノイドへ駆動電流を出力するが、減算基準信号を枠制御基板82へ出力しない。
発射制御回路83aは、2回目の空打ちシーケンスが終了した時点(以下、判定時点T2と示す)において、発射条件が成立しているか否かによって、その後の動作が異なる。判定時点T2において、発射条件が成立している場合に、発射制御回路83aは、上述した発射シーケンスを開始する。一方、判定時点T2において、発射条件が成立していない場合に、発射制御回路83aは、空打ちシーケンスを実行しないとともに、発射シーケンスを実行しない。つまり、発射制御回路83aは、発射ソレノイドへ駆動電流を出力せず、かつ減算基準信号を枠制御基板82へ出力しない。空打ちシーケンスによって、パチンコ遊技機10では、遊技球の発射条件が成立しなくなった場合に、遊技球が発射ハンマーの打撃位置に残ってしまうことが抑制される。
ここで、発射許可状態は、管理ユニット100とパチンコ遊技機10とが正常に接続されている状態である。発射禁止状態は、管理ユニット100とパチンコ遊技機10とが正常に接続されていないこと、パチンコ遊技機10が設定変更モードであること、CPU80aによって遊技機内通信異常エラーが設定されていること、及びCPU82aによって遊技機内通信異常エラーが設定されていること、のうち1つ又は複数が生じている状態である。なお、以下の説明では、CPU80aによって遊技機内通信異常エラーが設定されていること、及びCPU82aによって遊技機内通信異常エラーが設定されていること、のうち少なくとも一方が生じている状態を、パチンコ遊技機10において遊技機内通信異常エラーが設定されている状態であると示す場合がある。
設定制御モードの報知態様について説明する。
図7に示すように、設定変更モードであるとき、第1発光部13では、設定制御モードであることを報知する発光が実行される。一例として、設定制御モードであることの報知は、第1発光部13が青色に発光することによって実行される。また、設定変更モードであるとき、第2球数表示部17(状態表示部17a)では、設定制御モードであることを報知する表示が実行される。一例として、設定制御モードであることの報知は、状態表示部17aに「1」を表示することによって実行される。また、設定変更モードであるとき、第2球数表示部17(設定値表示部17b)では、現在の設定値を報知する表示が実行される。一例として、現在の設定値の報知は、設定値表示部17bに現在の設定値を表示することによって実行される。また、設定変更モードであるとき、演出表示部19では、設定変更モードであることを報知する表示が実行される。一例として、設定変更モードであることの報知は、演出表示部19に「設定変更中」の文字列を模した画像を表示することによって実行される。また、設定変更モードであるとき、演出表示部19では、現在の設定値を報知する表示が実行される。一例として、現在の設定値の報知は、演出表示部19に現在の設定値を模した画像を表示することによって実行される。設定変更モードであることの報知は、特定報知の一例である。
また、設定確認モードであるとき、第1発光部13では、設定制御モードであることを報知する発光が実行される。また、設定確認モードであるとき、第2球数表示部17(状態表示部17a)では、設定制御モードであることを報知する表示が実行される。また、設定確認モードであるとき、第2球数表示部17(設定値表示部17b)では、現在の設定値を報知する表示が実行される。一例として、現在の設定値の報知は、設定値表示部17bに現在の設定値を表示することによって実行される。また、設定確認モードであるとき、演出表示部19では、設定確認モードであることを報知する表示が実行される。一例として、設定確認モードであることの報知は、演出表示部19に「設定確認中」の文字列を模した画像を表示することによって実行される。また、設定確認モードであるとき、演出表示部19では、現在の設定値を報知する表示が実行される。一例として、現在の設定値の報知は、演出表示部19に現在の設定値を模した画像を表示することによって実行される。
遊技機内通信異常エラーの報知態様について説明する。
図8に示すように、遊技機内通信異常エラーが設定されているとき、第1発光部13では、遊技機内通信異常エラーが設定されていることを報知する発光が実行される。一例として、遊技機内通信異常エラーが設定されていることの報知は、第1発光部13が赤色に発光することによって実行される。また、遊技機内通信異常エラーが設定されているとき、第2球数表示部17(状態表示部17a)では、遊技機内通信異常エラーが設定されていることを報知する表示が実行される。一例として、遊技機内通信異常エラーが設定されていることの報知は、状態表示部17aに「2」を表示することによって実行される。また、遊技機内通信異常エラーが設定されているとき、演出表示部19では、遊技機内通信異常エラーが設定されていることを報知する表示が実行される。一例として、遊技機内通信異常エラーが設定されていることの報知は、演出表示部19に「遊技機内通信異常エラー」の文字列を模した画像を表示することによって実行される。
設定変更モードであって、かつ、遊技機内通信異常エラーが設定されている状態(以下、「特定状態」と示す)の報知態様について説明する。
図9に示すように、特定状態であるとき、第1発光部13では、特定状態であることを報知する発光が実行される。一例として、特定状態であることの報知は、第1発光部13が紫色に発光することによって実行される。また、特定状態であるとき、第2球数表示部17(状態表示部17a)では、特定状態であることを報知する表示が実行される。一例として、特定状態であることの報知は、状態表示部17aに「3」を表示することによって実行される。また、特定状態であるとき、演出表示部19では、設定変更モードであることを報知する表示が実行される。また、特定状態であるとき、演出表示部19では、現在の設定値を報知する表示が実行される。特定状態であることの報知は、特定報知の一例である。
遊技制御基板80と、枠制御基板82と、の具体的な通信態様について説明する。
図10に示すように、パチンコ遊技機10への電源投入に伴って、遊技制御基板80への供給電圧がCPU80aの動作に必要な電圧に達してCPU80aが起動すると、CPU80aは、枠制御基板82へ起動時情報を出力する。CPU82aは、起動時情報を正常に入力すると、通信回線が正常であると判定し、遊技制御基板80へ応答情報を出力する。CPU80aは、応答情報を入力すると、通信回線が正常であると判定する。これにより、パチンコ遊技機10は、起動時において、遊技制御基板80と、枠制御基板82と、の通信が正常であるかを判定する。その後、CPU80aは、所定時間(108ms)毎に遊技情報を生成し、枠制御基板82へ生成した遊技情報を出力する。CPU82aは、遊技情報を入力すると、通信回線が正常であると判定し、遊技制御基板80へ応答情報を出力する。CPU80aは、応答情報を入力すると、通信回線が正常であると判定する。これにより、パチンコ遊技機10は、通常時において、遊技制御基板80と、枠制御基板82と、の通信が正常であるかを監視する。
図11に示すように、CPU80aが起動時情報を正常に出力できない場合、又はCPU82aが起動時情報を正常に入力できない場合、起動時情報に対する応答情報がCPU82aから出力されない。この場合、CPU80aは、枠制御基板82へ起動時情報を出力してから所定時間が経過すると、再び枠制御基板82へ起動時情報を出力する。CPU80aは、起動時情報の出力回数が規定回数(10回)に達した場合、遊技機内通信異常エラーを設定する。その後、CPU80aは、枠制御基板82へ起動時情報を出力しない。その後、CPU82aは、起動してから所定時間(3分)が経過するまでの間に起動時情報を入力しないことによって、遊技機内通信異常エラーを設定する。つまり、CPU80aが起動時情報を正常に出力できない場合、又は、CPU82aが起動時情報を正常に入力できない場合、CPU80aが遊技機内通信異常エラーを設定した後、CPU82aが遊技機内通信異常エラーを設定する。
図12に示すように、CPU80aが遊技情報を正常に出力できない場合、又はCPU82aが遊技情報を正常に入力できない場合、遊技情報に対する応答情報がCPU82aから出力されない。CPU80aは、枠制御基板82から応答情報を入力しない場合であっても、所定時間(108ms)毎に、枠制御基板82へ遊技情報を出力する。CPU82aは、最後に遊技情報を入力してから特定時間(1080ms)が経過すると、遊技機内通信異常エラーを設定する。その後、CPU80aは、遊技情報の出力回数が規定回数(10回)に達すると、遊技機内通信異常エラーを設定する。つまり、CPU80aが遊技情報を正常に出力できない場合、又は、CPU82aが遊技情報を正常に入力できない場合、CPU82aが遊技機内通信異常エラーを設定した後、CPU80aが遊技機内通信異常エラーを設定する。なお、CPU82aが応答情報を正常に出力できない場合、又はCPU80aが応答情報を正常に入力できない場合、CPU80aは、遊技機内通信異常エラーを設定する一方、CPU82aは、所定時間(108ms)毎に遊技情報を入力するため、CPU82aは、遊技機内通信異常エラーを検知しない。
設定報知、及びエラー報知の具体的な報知態様について説明する。
以下の説明では、遊技制御基板80、及び枠制御基板82の両方において、設定変更モードに移行するものとし、遊技機内通信異常エラーが設定されるもののとする。
図13、及び図14に示すように、パチンコ遊技機10では、電源投入に伴って設定変更モードに移行すると、CPU80aによって制御される第1発光部13、CPU82aによって制御される第2球数表示部17、及びCPU81aによって制御される演出表示部19にて設定変更モードであることの報知が実行される。ここで、電源投入から所定時間(3分)が経過したとする。このとき、遊技制御基板80と、枠制御基板82と、の通信回線が正常である場合には、第1発光部13、第2球数表示部17、及び演出表示部19にて設定変更モードであることの報知が継続して実行される。一方、電源投入から所定時間(3分)が経過したとき、遊技制御基板80と、枠制御基板82と、の通信回線が正常ではない場合には、所定時間が経過したことを契機として、遊技機内通信異常エラーが設定される。つまり、電源投入から所定時間(3分)が経過したとき、遊技制御基板80と、枠制御基板82と、の通信回線が正常ではない場合には、第1発光部13、第2球数表示部17、及び演出表示部19にて特定状態であることの報知が実行される。
このように、設定変更モードであることの報知は、電力供給が開始されたことを契機として実行可能である。その後、設定変更モードであることの報知の実行中、当該報知が開始してから所定時間が経過するまでの間にCPU82aが起動時情報を入力しない場合、所定時間が経過したことを契機として報知態様が変化する。一方、設定変更モードであることの報知は、電力供給が開始されたことを契機として実行可能である。その後、設定変更モードであることの報知の実行中、当該報知が開始してから所定時間が経過するまでの間にCPU82aが起動時情報を入力する場合、所定時間が経過したことを契機として報知態様が変化しない。そして、設定変更モードであることの報知、及び特定状態であることの報知の実行中、パチンコ遊技機10では、RAMクリアスイッチ82eが操作されたとき、当該操作に応じて1の設定値を設定可能である。
図15に示すように、第1発光部13、第2球数表示部17、及び演出表示部19にて設定変更モードであることの報知の実行中、RAMクリアスイッチ82eが操作されると、設定値が変化することに伴って、演出表示部19にて変化後の設定値を報知する表示が実行される。つまり、設定変更モードであることの報知の実行中、当該報知が開始してから所定時間が経過するまでの間にCPU82aが起動時情報を入力する場合であっても、RAMクリアスイッチ82eが操作されたことを契機として報知態様が変化する。
図16に示すように、設定変更モードであることの報知の実行中、電源投入から所定時間(3分)が経過するまでに、遊技制御基板80と、枠制御基板82と、の通信が正常であることが確認できた場合であっても、その後、通信回線に異常が発生したときには、特定状態であることの報知が実行される。つまり、設定変更モードであることの報知の実行中、当該報知が開始してから所定時間が経過するまでの間にCPU82aが起動時情報を入力した場合、当該起動時情報を入力してから特定時間が経過するまでの間にCPU82aが新たに遊技情報を入力しない場合、特定時間が経過したことを契機として報知態様が変化する。
図17に示すように、パチンコ遊技機10が特定状態であるときにRAMクリアスイッチ82eが操作されることによって設定している設定値が変化すると、第2球数表示部17、及び演出表示部19の報知態様が変化する。具体的に、第2球数表示部17(設定値表示部17b)では、特定状態であるときにRAMクリアスイッチ82eが操作されることによって設定している設定値が変化すると、設定値を報知する表示が、変化後の設定値を報知する表示に変化する。一方、特定状態であるときにRAMクリアスイッチ82eが操作される場合であっても、第2球数表示部17(状態表示部17a)における設定変更モードであることを報知する表示は継続して実行される。このように、設定変更モードであることの報知の実行中、当該報知が開始してから所定時間が経過した後であって、且つRAMクリアスイッチ82eが操作される前にCPU82aが起動時情報を入力したとき、当該起動時情報の入力を契機として報知態様が変化する。
演出表示部19では、特定状態であるときにRAMクリアスイッチ82eが操作されることによって設定している設定値が変化すると、設定値を報知する表示が、変化後の設定値を報知する表示に変化する。一方、特定状態であるときにRAMクリアスイッチ82eが操作される場合であっても、設定変更モードであることを報知する表示は継続して実行される。また、特定状態であるときにRAMクリアスイッチ82eが操作される場合であっても、第1発光部13では、設定変更モードであることを報知する発光が継続して実行される。このように、設定変更モードであることの報知の実行中、当該報知が開始してから所定時間が経過した後であって、且つCPU82aが起動時情報を入力する前にRAMクリアスイッチ82eが操作されたとき、当該操作を契機として報知態様が変化する。
図18に示すように、パチンコ遊技機10が特定状態であるときに設定変更モードが終了すると、第1発光部13、第2球数表示部17、及び演出表示部19の報知態様が変化する。具体的に、第1発光部13では、特定状態であるときに設定変更モードが終了すると、特定状態であることを報知する発光から遊技機内通信異常エラーが設定されていることを報知する発光に変化する。第2球数表示部17(状態表示部17a)では、特定状態であるときに設定変更モードが終了すると、特定状態であることを報知する表示から遊技機内通信異常エラーが設定されていることを報知する表示に変化する。第2球数表示部17(設定値表示部17b)では、特定状態であるときに設定変更モードが終了すると、設定値を報知する表示が終了する。演出表示部19では、特定状態であるときに設定変更モードが終了すると、設定変更モードであることを報知する表示から遊技機内通信異常エラーが設定されていることを報知する表示に変化する。演出表示部19では、特定状態であるときに設定変更モードが終了すると、設定値を報知する表示が終了する。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、設定変更モードであることが報知されている期間であっても、CPU82aが所定時間(3分)にわたって起動時情報を入力しない場合には、報知態様の変化によって、CPU82aが起動時情報を入力していないことをパチンコ遊技機10の管理者が認識可能である。特に、設定変更モードでは、パチンコ遊技機10の管理者が当該パチンコ遊技機10の設定値を設定(変更)していることが想定される。このような状況で報知態様を変化させることによって、CPU82aが起動時情報を入力していないことを好適に報知可能である。
(2)本実施形態によれば、所定時間が経過した後であってもRAMクリアスイッチ82eが操作される前にCPU82aが起動時情報を入力する場合には、報知態様の変化によって、CPU82aが起動時情報を入力したことをパチンコ遊技機10の管理者が認識可能である。例えば、所定時間にわたってCPU82aが起動時情報を入力しないことを報知態様の変化によってパチンコ遊技機10の管理者が認識した場合、当該管理者は、その原因を解消しようとすることが想定される。そして、パチンコ遊技機10の管理者によって、CPU82aが起動時情報を入力しない原因が解消された場合には、CPU82aが起動時情報を入力することになる。このとき、パチンコ遊技機10では、報知態様が変化するため、パチンコ遊技機10の管理者は、CPU82aが起動時情報を入力しない原因が解消されたことを認識可能となる。
(3)本実施形態によれば、所定時間が経過した後、CPU82aが起動時情報を入力する前にRAMクリアスイッチ82eが操作される場合には、パチンコ遊技機10の報知態様が変化する。このため、所定時間が経過したことによって報知態様が変化したことにパチンコ遊技機10の管理者が気付かずに設定値を設定(変更)している状況であっても、現在の設定値を認識し易い。
(4)本実施形態によれば、CPU82aは、起動時において一度起動時情報を入力した後に、遊技制御基板80からの情報(遊技情報)を入力しない不具合(異常)が発生した場合であっても、CPU82aが遊技制御基板80からの情報(遊技情報)を入力しなくなったことをパチンコ遊技機10の管理者が認識可能である。
(5)CPU82aが一度起動時情報を入力した後に、遊技制御基板80からの情報(遊技情報)を入力しなくなった場合、ゴト行為が行われているときがある。このため、CPU82aが一度起動時情報を入力した後は、より短い時間で遊技制御基板80からの情報(遊技情報)の入力を監視することで、ゴト行為を抑制することができる。
(6)本実施形態によれば、設定変更モードであることが報知されている期間であっても、起動時情報の出力回数が規定回数(10回)に達するまでにCPU80aが応答情報を入力しない場合には、報知態様の変化によって、CPU80aが応答情報を入力していないことをパチンコ遊技機10の管理者が認識可能である。特に、設定変更モードでは、パチンコ遊技機10の管理者が当該パチンコ遊技機10の設定値を設定(変更)していることが想定される。このような状況で報知態様を変化させることによって、CPU80aが応答情報を入力していないことを好適に報知可能である。
(7)本実施形態によれば、起動時情報の出力回数が規定回数に達した後であってもRAMクリアスイッチ82eが操作される前にCPU80aが応答情報を入力する場合には、報知態様の変化によって、CPU80aが応答情報を入力したことをパチンコ遊技機10の管理者が認識可能である。例えば、起動時情報の出力回数が規定回数に達するまでにCPU80aが応答情報を入力しないことを報知態様の変化によってパチンコ遊技機10の管理者が認識した場合、当該管理者は、その原因を解消しようとすることが想定される。そして、パチンコ遊技機10の管理者によって、CPU80aが応答情報を入力しない原因が解消された場合には、CPU80aが応答情報を入力することになる。このとき、パチンコ遊技機10では、報知態様が変化するため、パチンコ遊技機10の管理者は、CPU80aが応答情報を入力しない原因が解消されたことを認識可能となる。
(8)本実施形態によれば、起動時情報の出力回数が規定回数に達した後、CPU80aが応答情報を入力する前にRAMクリアスイッチ82eが操作される場合には、パチンコ遊技機10の報知態様が変化する。このため、起動時情報の出力回数が規定回数に達したことによって報知態様が変化したことにパチンコ遊技機10の管理者が気付かずに設定値を設定(変更)している状況であっても、現在の設定値を認識し易い。
(9)本実施形態によれば、CPU80aは、起動時において一度応答情報を入力した後に、枠制御基板82からの情報(応答情報)を入力しない不具合(異常)が発生した場合であっても、CPU80aが枠制御基板82からの情報(応答情報)を入力しなくなったことをパチンコ遊技機10の管理者が認識可能である。
(10)本実施形態において、遊技制御基板80と、枠制御基板82と、のそれぞれは、独立して設定変更モードであることを報知可能である。このため、遊技制御基板80と、枠制御基板82と、の通信回線が正常でない場合であっても、遊技制御基板80と、枠制御基板82と、で設定値が乖離してしまうことを抑制することができる。また、遊技制御基板80と、枠制御基板82と、の通信回線が正常でない場合であっても、遊技制御基板80と、枠制御基板82と、の両方において、現在の設定値を正確に特定可能である。
(11)本実施形態では、CPU80aによって制御される第1発光部13、CPU82aによって制御される第2球数表示部17、及びCPU81aによって制御される演出表示部19にて遊技機内通信異常エラーが設定されていることが報知される。このため、その報知態様から、通信異常が発生している箇所を推測し易い。例えば、第1発光部13にて遊技機内通信異常エラーが設定されていることが報知される一方で、第2球数表示部17にて遊技機内通信異常エラーが設定されていることが報知されない場合には、CPU82aが応答情報を出力する機能、又はCPU80aが応答情報を入力する機能の少なくとも一方に異常があると推測できる。
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第1発光部13では、設定変更モードであることの報知が実行されないようにしてもよい。
・第1発光部13では、設定確認モードであることの報知が実行されないようにしてもよい。
・第1発光部13では、設定値の報知が実行されないようにしてもよい。
・第1発光部13では、遊技機内通信異常エラーが設定されていることの報知が実行されないようにしてもよい。
・第2球数表示部17では、設定変更モードであることの報知が実行されないようにしてもよい。
・第2球数表示部17では、設定確認モードであることの報知が実行されないようにしてもよい。
・第2球数表示部17では、設定値の報知が実行されないようにしてもよい。
・第2球数表示部17では、遊技機内通信異常エラーが設定されていることの報知が実行されないようにしてもよい。
・演出表示部19では、設定変更モードであることの報知が実行されないようにしてもよい。
・演出表示部19では、設定確認モードであることの報知が実行されないようにしてもよい。
・演出表示部19では、設定値の報知が実行されないようにしてもよい。
・演出表示部19では、遊技機内通信異常エラーが設定されていることの報知が実行されないようにしてもよい。
・遊技機内通信異常エラーの報知後、設定値が変更される場合、CPU80aは、設定値が変更された後に応答情報を入力しても遊技機内通信異常エラーの設定を解除しないようにしてもよい。
・遊技機内通信異常エラーの報知後、設定値が変更される場合、CPU82aは、設定値が変更された後に起動時情報を入力しても遊技機内通信異常エラーの設定を解除しないようにしてもよい。
・遊技機内通信異常エラーの報知後、設定値が変更される場合、CPU82aは、設定値が変更された後に遊技情報を入力しても遊技機内通信異常エラーの設定を解除しないようにしてもよい。遊技機内通信異常エラーが設定されていることを報知されている状況において、パチンコ遊技機10の管理者は、設定値を変更するよりも前に遊技機内通信異常エラーが発生した原因を解消させようとすることが想定される。したがって、遊技機内通信異常エラーが設定されていることを報知されている状況において、設定値が変更される場合、不正な行為によって設定値が変更されている可能性がある。このため、このような状況では、遊技機内通信異常エラーの原因が解消されたとしても、継続して報知を行うことによって、不正な行為によって設定値が変更されている可能性があることをパチンコ遊技機10の管理者に認識させ易くすることができる。
・遊技機内通信異常エラーの報知後、設定値が変更される場合、報知態様を変化させるようにしてもよい。一例として、パチンコ遊技機10では、遊技機内通信異常エラーの報知後、設定値が変更される場合、報知強度が高くなるようにしてもよい。この場合、所定時間が経過したことによって報知態様が変化したことにパチンコ遊技機10の管理者が気付かずに設定情報を設定している状況であっても、RAMクリアスイッチ82eが操作されたことを契機として報知態様が変化するため、遊技機内通信異常エラーが設定されていることをパチンコ遊技機10の管理者がより認識し易い。一例として、パチンコ遊技機10は、発光体の光量を変化させることによって報知強度を変化させてもよい。一例として、パチンコ遊技機10は、出力される音量を変化させることによって報知強度を変化させてもよい。一例として、パチンコ遊技機10は、表示部に表示される情報の視認性を変化させることによって報知強度を変化させてもよい。なお、報知強度は、発光体の光量の強弱に比例して変化する。報知強度は、出力される音量の大小に比例して変化する。報知強度は、視認性の高低に比例して変化する。
・設定モード信号は、CPU82a(枠制御基板82)と、遊技制御基板80(CPU80a)と、のうち何れか一方にのみ出力されるようにしてもよい。この場合、設定モード信号を入力しない制御基板は、設定制御モードへ移行しない。このため、設定モード信号を入力する制御基板は、設定モード信号を入力しない制御基板へ、設定制御モードへ移行したことを特定可能な情報を出力するとよい。また、設定モード信号を入力する制御基板は、設定モード信号を入力しない制御基板へ、設定制御モードへ移行した際の設定値、RAMクリアスイッチ82eの操作によって変更された後の設定値、及び設定制御モードを終了した際の設定値のそれぞれを特定可能な情報を出力するとよい。
・パチンコ遊技機10は、電力供給が開始されたとき、空打ちシーケンスが終了した後に、枠側電源投入処理、盤側電源投入処理、起動時通信チェック処理、及び起動時通信確認処理が実行されるようにしてもよい。一例として、パチンコ遊技機10は、空打ちシーケンスが実行されているかを特定可能な信号を発射許可回路82iから、遊技制御基板80、及びCPU82aへ入力可能に構成してもよい。一例として、パチンコ遊技機10は、空打ちシーケンスの実行時間よりも長い待機時間が経過したことを契機として起動してもよい。これらの場合、設定変更モードであるとき、及び遊技機内通信異常エラーが設定されているときに発射禁止状態とならなくてもよい。
・設定値表示部は、第2球数表示部17と別の表示装置であってもよい。例えば、枠制御基板82は、設定表示部として別の表示装置を備えてもよい。別の表示装置は、7セグを用いた表示装置であってもよく、液晶装置であってもよい。
・パチンコ遊技機10は、次回の大当り遊技まで高確率状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、遊技球が特定領域を通過することを条件に高確率状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
・特別図柄の当り抽選として、大当り抽選の他、小当り抽選を行うように構成してもよい。当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技(当り遊技)が付与される。本実施形態において、通常の遊技状態(例えば、低確低入球率状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
・パチンコ遊技機10は、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機10では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することにより大当り遊技が生起される。
・CPU80a、ROM80b、RAM80c、及び乱数生成回路80dは、ワンチップに構成されていてもよい。
・遊技盤20の具体的な構成は任意に変更してもよい。
・演出制御基板81をサブ統括制御基板とし、演出制御基板81とは別に演出表示部19を専門に制御する表示制御基板、第2発光部14を専門に制御する発光制御基板、演出音声部12を専門に制御する音制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副基板としてもよい。また、実施形態において、単一の基板にCPU80a、及びCPU81aを搭載してもよい。また、表示制御基板、発光制御基板、及び音制御基板を任意に組み合わせて単数又は複数の基板としてもよい。
・所定量の遊技媒体(一例として遊技球)の全部を循環させる遊技機として構成したが、これに限らず、遊技媒体の一部又は全部について、遊技機の外部にある遊技媒体と交換可能な構成であってもよい。
・パチンコ遊技機10は、搭載枠11b及び遊技盤20の一方又は両方に磁気センサを備えていてもよい。この構成によれば、パチンコ遊技機10において本来あるべきではない磁性を有する異物を検知することができる。また、パチンコ遊技機10において通常使用される遊技媒体に該当しない磁石やワイヤなどのゴト器具が使用される可能性があることを検出できる。また、磁性を有する遊技球と磁石を用いて、遊技球が堆積した状態を意図的に作るような行為の発見にも寄与できる。
・パチンコ遊技機10は、凹みや傷などによって変形した遊技球を検知する構成を備えていてもよい。例えば、所定の球通路にカメラなどのセンサを設置し、取得した画像から凹みや傷などがない正常な遊技球であるかを検出するようにしてもよい。このような凹みや傷などがある遊技球は通常使用されるべきものではなく、異常体に該当する。なお、凹みや傷などがある遊技球は、発射部で正確に発射できるか不明であり、仮に発射されたとしても遊技領域20aで凹みや傷などがない遊技球と同じような動きになるかも不明であるから、使用しないことが好ましい。