本発明にかかるパチンコ遊技機1の一実施例を添付図面に従って説明する。
本実施例のパチンコ遊技機1は、図1,2に示すように、遊技島設備に固定される木製の外枠2と、該外枠2の開口部分に取り付けられた遊技機本体3とから構成されている。
遊技機本体3は、板状の本体枠5を備え、この本体枠5が上記外枠2にヒンジ部材4を介して枢着されている。この本体枠5の前面側には前枠扉6が開閉可能に配設されており、本体枠5の背面側には裏機構板7が配設されている。この前枠扉6には、後述する遊技領域12を臨む前面ガラス14が配設されている。尚、この前面ガラス14は二枚のガラス板を間隙を介して積層した所謂ペアガラス構造となっている(図5(B)参照)。
本体枠5には、上部から中央部にかけて合板製の遊技盤8が取り付けられている。この遊技盤8の前面にはガイドレール13が取り付けられており、該ガイドレール13によって略円形の遊技領域12と、発射された遊技球を遊技領域12に案内する案内通路20が区画される(図3参照)。遊技領域12内には、図示しない遊技釘、後述する入賞装置や図柄表示装置などの遊技部品が夫々配設される。
また、本体枠5の前面下部には、図1,2に示すように、樹脂材からなる下部パネル18が設けられており、この下部パネル18の前面下部中央に余剰の遊技球を貯留する余剰球貯留皿11が配設されている。下部パネル18には、余剰球貯留皿11内を臨む位置に球放出口19が開口しており、該球放出口19から余剰球貯留皿11内に遊技球が放出される。さらに、余剰球貯留皿11の右方には発射ハンドル26が突設されている。発射ハンドル26の外周部には回動操作可能な発射レバー27が設けられており、発射ハンドル26の内部には、発射レバー27の回動角度を検知する回動角度検知センサ(図示省略)が配設される。回動角度検知センサは後述する弾球装置21や整流器22の作動を制御する発射制御基板84に接続されている。
本体枠5の前面の、遊技盤8と余剰球貯留皿11との間には弾球装置21が設けられている。この弾球装置21は、図6のように、金属製の発射機構板23に、遊技球を打圧発射する発射鎚24や該発射鎚24を駆動する発射用ソレノイド25等を配設してなるものである。また、弾球装置21の前面側には、発射球貯留皿10から流入する遊技球を弾球装置21に順次供給する整流器22が配設される(図7(B)参照)。尚、弾球装置21と整流器22とにより、本発明にかかる発射装置が構成されている。
弾球装置21の発射機構板23には、左上方へ傾斜した発射レール28と、発射レール28下部の発射位置Pに遊技球を保持する球止め部材29とを備えている。この発射レール28は、ステンレス板片を断面M字状に板金加工してなるものであり、案内通路20の入口に向けて左方へ上り傾斜しており、レール下部に設定した発射位置Pで打圧された遊技球xを案内通路20へ案内する。球止め部材29はゴム片により形成されてなり、発射機構板23の前面に固着され、発射レール28上の遊技球に当接して当該遊技球を発射位置Pに保持する働きをする。
弾球装置21にあって、発射用ソレノイド25は、ロータリーソレノイドからなるものであり、発射機構板23の背面側に固定される。この発射用ソレノイド25の回転軸杆は発射機構板23を貫通して前面側に突出しており、該回転軸杆の先端に発射鎚24が固定される。発射鎚24は、先端の打撃部が右方から発射位置Pに臨むように設置されている。発射用ソレノイド25は、後述する発射制御基板84(図9参照)に接続されており、該発射制御基板84から入力した信号に従って、発射鎚24の打撃部が発射位置Pの右方に退避して、該打撃部が発射位置Pにある遊技球を打圧するように駆動する。
また、整流器22は、図2のように、上記した前枠扉6の閉鎖状態で、上記した発射位置Pの前面側に位置するように、前枠扉6の背面側に取り付けられており、前枠扉6の前面側に設けられた発射球貯留皿10と前枠扉6を貫通する球流入口(図示省略)を介して連通している。尚、発射球貯留皿10は、その左側内部に、遊技球を供給するための球払出口15が開口し(図1参照)、右側内部に、遊技球を整列する整列部(図示省略)が形成されている。この整列部の右端に前記した球流入口が開口している。
この整流器22は、図7のように、遊技球を一個ずつ送り出す電動式の球送り機構を筐体31内に備えてなるものである。筐体31の前面上部には、上記の球流入口(図示省略)と連通する取込流入口(図示省略)が形成されており、発射球貯留皿10の遊技球を球流入口から取込流入口を介して筐体31内へ取り込む。また、この筐体31の内部には、前枠扉6の閉鎖状態で、発射レール28の発射位置Pの直前方に位置するように、前後方向へ回動可能な球送部材32が軸支されている。さらに、この球送部材32の直上位置と前記取込流入口とを連通する球誘導路34が設けられており、この球誘導路34によって、発射球貯留皿10から流入した遊技球xを順次球送部材32の直上に流下するようになっている。
球送部材32は、その上面を湾曲凹面36とし、筐体31に回動可能に軸支されており、湾曲凹面36が上方を向いた状態で、球誘導路34から遊技球xを受入れ、湾曲凹面36が発射位置Pを臨む位置まで後方回動することにより、受け入れた遊技球xを発射位置Pへ放出する。また、球送部材32は、筐体31内に配設された球送用ソレノイド37と機械的に連繋しており、該球送用ソレノイド37を駆動制御することにより、湾曲凹面36が上向きとなる球受入位置と該湾曲凹面36が発射位置Pを臨む位置となる送球位置とに回動変換される。尚、この球送用ソレノイド37は発射制御基板84(図9参照)に接続されており、発射動作時においては、発射制御基板84が球送用ソレノイド37をONとOFFに繰返し変換することによって球送部材32を往復回動し、球誘導路34を介して流下した遊技球xを発射位置Pへ順次一個ずつ放出する。
尚、この整流器22には、上記した球誘導路34内の遊技球xを排出するための球排出路35も備えており、該球排出路35は上記した余剰球貯留皿11と連通している。この球排出路35の上端と球誘導路34の下端とが連通しており、この連通部位に、球排出路35の上端を開閉する球抜片38が左右方向に作動可能に配設されている。そして、球抜片38は、球排出路35の上端を閉鎖する方向に付勢されており、発射球貯留皿10の前面側に配設された球抜スイッチ(図示省略)を操作することにより、球誘導路34内の遊技球xを、球排出路35へ流下することができる。このように球排出路35へ流下した遊技球xが、球放出口19を介して余剰球貯留皿11へ排出されることとなる。
このように、整流器22によって発射位置Pに供給された遊技球を、上記の弾球装置21の駆動により発射することにより、前記案内通路20を通って遊技領域12の上部に放出する。
一方、上記した裏機構板7には、図4のように、その上部に、遊技島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク71が設けられており、球タンク71の直下に、該球タンク71内の遊技球を流下させるタンクレール72が設けられている。そして、このタンクレール72の下端部と連通して遊技球を下方の球払出装置73に導く上下方向の球通路74が設けられている。さらに、球払出装置73には、発射球貯留皿10の球払出口15に連通する球流通路77と、上記した余剰球貯留皿11の球放出口19へ流下させるバイパス路76とが分岐して接続されている。
さらに、この裏機構板7には、遊技盤8の裏面側に突出した状態で取り付けられる制御装置や該制御装置の保護カバー(いずれも図示省略)との干渉を避けるために、その略中央部に矩形状の開口部78が形成されている。すなわち、この開口部78内に、遊技全般を制御する主制御基板80、球払出装置73を制御する払出制御基板81、上記した弾球装置21や整流器22を制御する発射制御基板84等の各種制御基板が夫々配設されることとなる(図示省略)。さらに裏機構板7の上部位置には、遊技状態等の所要情報信号を出力する情報端子基板79が、球タンク71の横に並べて配設されており、本実施例にあっては、この情報端子基板79に、後述する復帰スイッチ96とキャンセルスイッチ97とが配設されている。。
一方、上記した遊技盤8には、図3のように、その前面側の遊技領域12の略中央に、センターケース41が配設されている。このセンターケース41には、液晶表示器からなる図柄表示装置42が組み付けられており、該図柄表示装置42の表示画面43では、三つの特別図柄A,B,Cが変動表示される。また、表示画面43の一部領域には、右図柄と左図柄とからなる二つの普通図柄E1 ,E2 が変動表示される。この普通図柄E1 ,E2 は、「7」と「−」の二種類の図柄で構成されており、右図柄及び左図柄がともに「7」で停止する当り図柄態様で確定表示された場合には、後述する可変入賞装置51の可動翼片52,52が開閉駆動される。
ここで、本実施例にあっては、特別図柄A,B,C が本発明にかかる選出図柄である。そして、特別図柄A,B,Cが変動した後に停止した各特別図柄の組合せにより、本発明にかかる停止図柄態様を構成する。具体的にはA=B=Cとなる組合せが当り図柄態様であり、これ以外がハズレ図柄態様である。そして、このハズレ図柄態様となる特別図柄A,B,Cの停止図柄がハズレ図柄である。
センターケース41の下部には、4個の発光ダイオードからなる特別図柄始動記憶数表示装置46が配設されている。この特別図柄始動記憶数表示装置46は、後述する主制御基板80(図9参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された特別図柄始動記憶数を発光ダイオードの点灯数によって表示する。また、センターケース41の左下部には、4個の発光ダイオードからなる普通図柄始動記憶数表示装置47が配設されており、後述する普通図柄始動スイッチS2 からの遊技球検出信号が、所定数を上限として主制御基板80(図9参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された場合に、その記憶数を発光ダイオードの点灯数によって表示する。
上記センターケース41の左右側方には、普通図柄始動ゲート(普通図柄始動領域)49,49が配設されており、遊技球の通過により、各普通図柄始動ゲート49に設けられた普通図柄始動スイッチS2 (図9参照)から遊技球検出信号が発生すると、前記表示画面43で普通図柄E1 ,E2 が変動し、所定時間経過後に停止して種々の組み合わせの図柄態様が表示される。
また、センターケース41の下方には、左右一対の可動翼片52,52を備えた可変入賞装置51が配設されている。可動翼片52,52は、図5(A)に示すように、基部が夫々支軸53,53によって回動可能に軸支されており、入賞口54の左右両側で逆ハ字形に外側方に拡開して遊技球xの入賞を容易とする傾動位置と、該傾動位置から上下方向に起立して一個の遊技球xが上方から入賞可能な間隔となる起立位置とにに変換駆動されるようになっている。そして、前記普通図柄E1,E2の表示結果が所定の当り図柄態様の場合には、普通電動役物ソレノイド56(図5(B)参照)を駆動源として可動翼片52,52が所定時間(約 0.2秒間)外側方に拡開されて、入賞口54に遊技球が入り易い状態となる。該入賞口54は、前記図柄表示装置42の特別図柄A,B,Cを変動させる契機となる図柄始動口となっており、その内部に配設された特別図柄始動スイッチS1 (図9参照)による遊技球の入賞検知に伴って、前記図柄表示装置42の表示画面に特別図柄A,B,Cを変動開始して様々な図柄変動態様(リーチ態様など)を表示した後に所定図柄で停止する図柄生成工程が実行される。尚、本実施例にあっては、特別図柄始動スイッチS1 により、本発明にかかる入賞口54の球検知手段を構成している。
さらに、可変入賞装置51の下方には、図8のように、内部に特定領域(図示省略)と一般領域(図示省略)とを有する大入賞口61を備え、かつ、横長矩形状の開閉扉62を大入賞口ソレノイド65の駆動源によって前後方向に開閉駆動することにより、大入賞口61を開放状態と閉鎖状態とに変換する大入賞口装置63が配設されている。そして、前記図柄表示装置42の表示画面43に変動表示される特別図柄A,B,Cが、所定の組み合わせの当り図柄態様で確定表示された場合に大当たりとして、大入賞口61を開閉作動する特別遊技作動が実行される。この特別遊技作動は、開閉扉62が前方に傾倒して開き、その開放状態で開閉扉62の上面の案内作用を介して、大入賞口61内へ遊技球を案内するとともに、所定開放時間(例えば30秒)の満了、またはその所定開放時間中における所定個数(例えば 9個)の遊技球の入賞により開閉扉62が起立して大入賞口61が閉鎖される開閉ラウンドを、特定領域の球通過を条件として所定制限回数(例えば14回)継続するものであって、この特別遊技作動の実行によって多量の遊技球が入賞し、遊技者に所定の利益が供与される。大入賞口装置63の内部には、特定領域に入った遊技球を検知する特定領域スイッチS3(図9参照)と、一回の開閉ラウンド毎の入賞個数を計数するカウントスイッチS4(図9参照)とが設けられている。また、特定領域スイッチS3 で検知される遊技球は、一回の開閉ラウンド中に計数される入賞個数に合算される。尚、特定領域スイッチS3とカウントスイッチS4とにより、本発明にかかる大入賞口装置63の球検知手段が構成されている。
その他、遊技領域12には、複数の一般入賞口58が配設されており、その内部に具備する一般入賞スイッチS5(図9参照)による遊技球の入賞検知に伴って所定数の賞球が払い出される。また、遊技領域12の最下部には、アウト口59が設けられており、いずれの入賞口にも流入しない遊技球が流入し、アウト口59に流入した遊技球では利益が供与されない。
次に、上述のパチンコ遊技機1の遊技制御手段を構成する制御回路について、図9に示すブロック図に従って説明する。
本実施例の遊技制御手段を構成する制御回路には、主制御基板80、払出制御基板81、演出制御基板82、電源基板83、発射制御基板84が配設されている。主制御基板80は、マイクロコンピュータにより構成されており、パチンコ遊技機1の遊技を統括的に制御するものである。そして、この主制御基板80には、上述した遊技盤8に配設された入賞口54、大入賞口61、一般入賞口58へ流入した遊技球を検知するための各スイッチやセンサ(図示省略)等が盤面中継端子板を介して接続されている。
主制御基板80には、各種センサなどからの入力信号に従って演算処理を実行して所定の制御指令信号を出力する中央制御装置CPU、演算処理に用いる制御プログラムを格納する記憶装置ROM、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)とを介して接続され、主制御基板80の基板回路を構成している。前記記憶装置ROMには、制御プログラムや、普通当り乱数テーブル、普通当り図柄乱数テーブル、大当り特別乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、リーチ態様乱数テーブル等の固定データが格納されている。そして所定の図柄始動条件が成立すると中央制御装置CPUによって各乱数テーブルの乱数値の抽選が行われ、普通当り乱数値、普通当り図柄乱数値、大当り特別乱数値、大当り図柄乱数値、ハズレ図柄乱数値、リーチ乱数値、リーチ図柄乱数値、リーチ態様乱数値等が選出される。また、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1 ,普通図柄始動スイッチS2 のON作動数等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
さらに、主制御基板80の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、中央制御装置CPUに接続されている。そして中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーTMも接続されている。
また、上記主制御基板80の基板回路には、中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、該出力ポートを介して主制御基板80からの制御指令信号が、払出制御基板81、演出制御基板82、発射制御基板84の各入力ポートに向けて発信されるようになっている。また、主制御基板80の入力ポートには、盤面中継基板を介して、特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2 ,特定領域スイッチS3 ,カウントスイッチS4 ,一般入賞スイッチS5 が接続されている。そして、主制御基板80は、所定時間毎(例えば2ms毎)に各スイッチS1 〜S5 の遊技球検出状態を調べ、信号入力があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板80の出力ポートには、盤面中継基板を介して大入賞口ソレノイド65,普通電動役物ソレノイド56が接続されており、中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
また、主制御基板80の中央制御装置CPU及び上記した各制御基板81〜84に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。尚、前記演算ユニットの連成数によって、各中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、主制御基板80の中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御指令信号を各制御基板81〜84に夫々送信し、各制御基板81〜84の中央制御装置CPUがこの制御指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
一方、上記した演出制御基板82は、上述した図柄表示装置42で演出する図柄制御や、各種スピーカから音響を発する制御や、各種ランプおよびLEDを発光する制御などを行うものである。そして、この演出制御基板82には、図柄表示装置42を構成する液晶表示器(図示省略)と、各種LEDをLED中継端子板を介して発光制御するランプ制御基板(図示省略)と、スピーカが接続された演出中継端子板(図示省略)とが夫々に接続されている。また、演出制御基板82にも、上述した主制御基板80と同様に、中央制御装置CPU、記憶装置ROM、記憶装置RAMを備えている。このような演出制御基板82は、主制御基板80から受信した演出制御指令信号に従って、図柄表示装置42による演出、各LEDの発光、スピーカの発音を制御実行する。
また、払出制御基板81は、賞球や貸球を払い出す球払出装置73を駆動制御するものである。この払出制御基板81は、主制御基板80から受信した払出制御指令信号に従って上記した球払出装置73を駆動して、所定の賞球を払い出す制御を実行する。具体的には、上記した特別図柄始動スイッチS1、特定領域スイッチS3 ,カウントスイッチS4 ,一般入賞スイッチS5 が球検知する毎に、主制御基板80から払出制御基板81へ払出制御指令信号が発せられ、該払出制御指令信号に従って、払出制御基板81は所定数の賞球を払い出す制御を行う。尚、主制御基板80は、各スイッチ毎に賞球数が異なることから、球検知したスイッチに従って賞球数を示した払出制御指令信号を発信するようにしている。尚、本実施例にあっては、普通図柄始動スイッチS2の球検知によって賞球を生じないように制御処理している。
また、発射制御基板84は、上記した発射レバー27の回動角度を検知する回動角度検知センサからの検知信号に従って、上記した整流器22の球送用ソレノイド37や弾球装置21の発射用ソレノイド25を駆動制御することにより、遊技球を発射制御するものである。尚、発射制御基板84も、上記した主制御基板80と接続されており、主制御基板80から所定の制御指令信号を入力すると、それに従って駆動制御するようにもなっている。
また、上述した電源基板83は、外部電源から供給された電力を、所定の電圧に変換して、上述した主制御基板80、払出制御基板81、演出制御基板82、発射制御基板84に送電するものである。電源基板83には、外部電源からAC24Vの電流が送電される。そして、このAC24Vを、DC32V、DC12V、DC5Vに変換する回路が夫々配設されている。さらに、過剰の電流が流れないようする過負荷保護回路、リセット回路、バックアップ用コンデンサ(バックアップ電源)などが配設されている。
この電源基板83からDC32V、DC12V、DC6Vの各電力を夫々供給された主制御基板80、払出制御基板81、演出制御基板82、発射制御基板84は、夫々が駆動制御するモータ、ソレノイド、スイッチ、センサ、LED、スピーカ、表示装置などに所定の電力を分配する。
次に、図9に示した制御回路による制御態様をパチンコ遊技機の作動に従って説明する。
上記した発射レバー27の操作に従って、整流器22により発射位置Pに供給された遊技球xが弾球装置21により遊技領域12に発射される。この遊技球xが普通図柄始動ゲート49を通過し、普通図柄始動スイッチS2 がON作動すると、主制御基板80は普通図柄の始動処理を行う。すなわち、普通図柄始動スイッチS2 のON作動の信号を認識した主制御基板80の中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている普通当り乱数テーブルと普通当り図柄乱数テーブルから抽選によって、普通当り乱数値と普通当り図柄乱数値を夫々選出し、これら乱数値を一セットの普通図柄始動記憶として、記憶装置RAMに一旦格納する。尚、遊技球が普通図柄始動ゲート49,49を連続的に通過した場合には、普通図柄始動スイッチS2 のON作動に基づいて抽選される前記乱数値からなる普通図柄始動記憶が、発生順に主制御基板80の記憶装置RAMに夫々記憶される。そして、この普通図柄始動記憶の記憶数が、主制御基板80の記憶装置RAMに記憶され、上述したように普通図柄始動記憶数表示装置47の発光ダイオードがその始動記憶数に応じて順次点灯されて、普通図柄始動記憶数を最高4個まで表示する。この発光ダイオードは表示画面43の普通図柄E1 ,E2 が変動開始する度に消灯されて、普通図柄始動記憶数が減少する。尚、普通図柄始動記憶数が満杯(4個)となっている場合には、普通図柄始動ゲート49,49を遊技球xが通過しても無効となる。
そして、主制御基板80は、記憶装置RAMに普通図柄始動記憶が記憶されており且つ図柄表示装置42で普通図柄E1,E2が変動していない場合には、発生順に普通図柄始動記憶の消化処理を行う。すなわち、普通図柄始動記憶を読み込み、普通図柄始動記憶数表示装置47の発光ダイオードを1個消灯して、図柄表示装置42により普通図柄E1 ,E2 の図柄変動を開始し、当該普通図柄始動記憶の普通当り乱数値を判定して、その結果に基づき、図柄表示装置42の表示画面43に表示される普通図柄表示態様を制御するための図柄制御指令信号を演出制御基板82に送信する。ここで、普通当り乱数値が所定の当り乱数値である場合、演出制御基板82は、普通当り図柄乱数値に従い普通図柄E1 ,E2 を当り図柄で停止させて確定表示する。そして、普通図柄E1 ,E2 を当り態様で確定表示すると、主制御基板80は、可変入賞装置51を可動する処理を行う。すなわち、主制御基板80は、盤面中継基板を介して普通電動役物ソレノイド56を駆動して、可変入賞装置51の可動翼片52,52を所定時間(例えば0.2秒間)逆ハ字形に外側方に拡開させて傾動位置に変換する。可動翼片52,52が傾動位置となると、入賞口54に遊技球が入り易い状態となる。一方、普通当り乱数値が所定のハズレ乱数値である場合、演出制御基板82は、普通図柄E1 ,E2 をハズレ図柄で停止させて確定表示する。
尚、上述したように普通図柄始動記憶は最大4個まで記憶されて、その発生順に上記消化処理が行われることから、消化処理前の普通図柄始動記憶は該消化処理を保留されている状態である。
一方、弾球装置21により発射された遊技球が、遊技領域12を転動流下し入賞口54に流入すると、図10のように、特別図柄始動スイッチS1がON作動し、その信号を認識した主制御基板80は、所定数の賞球を払い出す処理(以下、賞球払出処理)を行うと共に、上記した各乱数値を抽出して特別図柄始動記憶を記憶する処理(以下、特別図柄始動記憶処理)を行う。ここで、賞球払出処理としては、上述したように、所定数の賞球を払い出しを指示する払出制御指令信号を払出制御基板81へ発信し、該指令信号を受信した払出制御基板81は球払出装置73を駆動制御して、所定数の賞球を払い出す。また、特別図柄始動記憶処理としては、主制御基板80の中央制御装置CPUが、記憶装置ROMに記憶されている大当り特別乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル等からの抽選によって、大当り乱数値や大当り図柄乱数値やハズレ図柄乱数値などを夫々に抽出し、これら各乱数値を一セットの特別図柄始動記憶として、記憶装置RAMに一旦格納する。尚、遊技球xが入賞口54に連続的に流入した場合には、上記した普通図柄始動記憶の場合と同様に、特別図柄始動スイッチS1 のON作動に基づいて抽選される前記各乱数値からなる特別図柄始動記憶が、発生順に主制御基板80の記憶装置RAMに記憶されるとともに、この特別図柄始動記憶の記憶数が主制御基板80の記憶装置RAMに記憶され、特別図柄始動記憶数表示装置46の発光ダイオードがその始動記憶数に応じて順次点灯されて、特別図柄始動記憶数を最高4個まで表示する。この発光ダイオードは表示画面43の特別図柄A,B,C が変動開始する度に消灯されて、特別図柄始動記憶数が減少する。尚、特別図柄始動記憶数が満杯(4個)となっている場合には、入賞口54に遊技球が流入しても無効となる。
そして、主制御基板80は、記憶装置RAMに特別図柄始動記憶が記憶されており且つ図柄表示装置42で特別図柄A,B,Cが変動していない場合には、図11のように、発生順に特別図柄始動記憶を消化して特別図柄を変動制御する特別図柄処理を行う。すなわち、特別図柄始動記憶を読み込み、特別図柄始動記憶数表示装置46の発光ダイオードを1個消灯し、特別図柄A,B,Cの図柄変動を開始し、当該特別図柄始動記憶の大当り乱数値を判定する。ここで、大当りであると、大当り図柄乱数値を選択して当り図柄を選択すると共に、その他の乱数値に従って図柄表示装置42で表示される当り図柄変動パターンを選択し、演出制御基板82により大当り図柄処理を実行する。これにより、図柄表示装置42で、特別図柄A,B,Cの変動開始から当り図柄態様で確定指定するまでの一連の図柄生成工程が演出表示される。そして、このように当り確定すると、大入賞口61の開閉ラウンドを作動制御する特別遊技制御処理を実行する。この特別遊技制御処理は、上述したように大入賞口装置63の大入賞口ソレノイド65を駆動制御することにより、開閉扉62を開閉作動して、大入賞口61を開閉する開閉ラウンドを実行するように制御処理する。尚、本発明にかかる特別遊技制御内容が、この特別遊技制御処理により構成されている。一方、大当り乱数値がハズレ乱数値であった場合には、ハズレ図柄乱数値を選択してハズレ図柄を選択すると共に、ハズレ図柄変動パターンを選択し、演出制御基板82によりハズレ図柄処理を実行する。これにより、図柄表示装置42で、特別図柄A,B,Cをハズレ図柄で確定表示するまでの一連の図柄生成工程が演出表示される。
尚、特別図柄始動記憶にあっても、上述した普通図柄始動記憶と同様に、最大4個まで記憶されて、その発生順に上記消化処理が行われることから、消化処理前の特別図柄始動記憶は該消化処理を保留されている状態である。
尚、本実施例にあっては、上述したように特別図柄始動記憶を消化する処理について主に説明したが、その他の処理(例えば、メイン処理など)については、従来の構成と同様に実行できるため、その詳細を適宜省略している。
次に、本発明の要部について説明する。
前記入賞口54(可変入賞装置51)の左右上方位置に対応する遊技盤8の内部には、図5(A)のように、磁石100が発生する磁気を検知して不正検知信号を送信するリードスイッチからなる磁気センサ91,91が夫々に配設されている。さらに、同様の磁気センサ91が、図8(B)のように、大入賞口61(大入賞口装置63)の上方位置に対応する遊技盤8の内部にも配設されている。これら各磁気センサ91は、図5(B)および図8(B)に示すように、ゴム等の弾性体からなる略筒状の保持部材92に内嵌した状態で、遊技盤8の裏面から表面側に貫通しない程度に表面側に近接させて形成した盲端状の取付孔93に挿入して保持されている。ここで、磁気センサ91としてのリードスイッチは、その長手方向の一端側に、磁石100のN極またはS極が位置したとき、磁石100が発生する磁気を最も高感度で検知する特性があるため、このように、磁気センサ91としてのリードスイッチを、遊技盤8に対して垂直に配置して、その長手方向の一端を前面ガラス14に対向させることにより、該前面ガラス14越しに近づけられる磁石100のN極またはS極を高感度で検知し得るようになっている。また、このように、磁気センサ91を盲端状の取付孔93に挿入して保持することにより、遊技盤8の表面側から磁気センサ91を視認不能とし得るとともに、遊技盤8の表面に施されるデザインが損なわれることがないため、遊技盤8の外的美観の低下を防止できるようになっている。尚、磁気センサ91としては、図示したリードスイッチ以外にホール素子,MR(磁気抵抗)素子,MI(磁気インピーダンス)素子等の感磁性半導体素子を用いることも可能である。
これら各磁気センサ91は、盤面中継基板を介して主制御基板80の入力ポートに夫々接続されている(図9参照)。そして、磁気センサ91が、磁石100による磁気を検知すると、不正検知信号を発信し、当該信号が主制御基板80に入力される。
また、遊技盤8の背面側に配設された裏機構板7には、図4のように、ボタンスイッチからなる復帰スイッチ96とキャンセルスイッチ97とが設けられている。この復帰スイッチ96とキャンセルスイッチ97にあっても、盤面中継基板を介して主制御基板80の入力ポートに接続されている(図9参照)。そして、復帰スイッチ96がそのON作動により復帰信号を発信し、また、キャンセルスイッチ97がそのON作動によりキャンセル信号を発信し、夫々の信号が主制御基板80に入力される。
一方、主制御基板80の記憶装置ROMには、上記した不正検知信号の入力に伴って実行される遊技中断制御プログラムが記憶保持されており、この遊技中断制御プログラムを実行することにより遊技中断制御処理(図12,13参照)が行われる。この遊技中断制御処理の実行に伴って、入賞口処理、特別図柄処理など中断するように処理実行されるようにしている。
以下に、上記した各磁気センサ91による磁気検知に伴って実行される制御態様について説明する。
上記のように、磁気を検知した磁気センサ91から発せられた不正検知信号を主制御基板80が受信すると、図12,13のように、遊技中断制御プログラムにより遊技中断制御処理(遊技中断制御内容)を実行する。この遊技中断制御処理により、球払出装置73の駆動を停止する払出停止処理と、弾球装置21および整流器22の各駆動を停止する発射停止処理と、上述した普通図柄始動記憶および特別図柄始動記憶の消化処理を停止する制御処理と、球検知有効時間を時限消化する処理とを行う。
詳述すると、主制御基板80は、いずれかの磁気センサ91から不正検知信号を入力すると、遊技中断制御プログラムを読み込んで割り込み処理を実行し、上記した遊技中断制御処理を実行する。この遊技中断制御処理にあって、上記した払出停止処理としては、主制御基板80が、遊技球の払い出しを指示する払出指令信号の発信を停止すると共に、払出制御基板81に払出停止指令信号を発信して、該払出停止指令信号を受信した払出制御基板81が球払出装置73への払出信号を発信しないように制御する。これにより、球払出装置73が駆動停止するため、賞球や貸球が払い出されないようにしている。
また、上記した発射停止処理としては、主制御基板80から発射制御基板84に発射停止指令信号を発信し、発射停止指令信号を受信した発射制御基板84が、発射レバー27の回動角度検知センサから検知信号を入力しても、整流器22の球送用ソレノイド37および弾球装置21の発射用ソレノイド25を駆動する信号を発信しないように制御する。これにより、弾球装置21の発射鎚24が駆動しないと共に、整流器22の球送部材32が回動しないことから、遊技球xが発射できず且つ発射位置Pに遊技球xが供給されない状態となり、遊技球xを発射不能とする。
また、普通図柄始動記憶を消化処理および特別図柄始動記憶の消化処理を処理停止する処理としては、図12のように、遊技中断制御処理により消化実行フラグ=1とする。これにより、図11の特別図柄処理の場合、特別図柄始動記憶の記憶(保留)があっても消化実行フラグ=1であることから、特別図柄始動記憶を消化する処理を行わない。このように、特別図柄処理では、消化実行フラグ=1であれば、特別図柄始動記憶が読み込まれず、実質消化処理が停止する。そして、消化処理を保留している全ての特別図柄始動記憶は、記憶装置RAMに記憶された状態で保持される。そして、特別図柄始動記憶の消化処理が停止している状態では、図柄表示装置42で特別図柄A,B,Cが新たに変動開始することもない。
また、本実施例にあっては、上記の遊技中断制御処理により消化実行フラグ=1となると、普通図柄始動記憶の消化処理も、特別図柄始動記憶の消化処理と同様に停止する(図示省略)。そして、消化処理を保留している普通図柄始動記憶は、記憶装置RAMに記憶された状態で保持され、普通図柄E1,E2が新たに変動開始しない。
さらに、遊技中断制御処理は、球検知有効時間を時限消化する処理を行う。この処理としては、予め設定された球検知有効時間を、上記したタイマーTMによる時間計測により時限消化していく。すなわち、磁気センサ91から不正検知信号を受信して遊技中断制御処理が開始されると、タイマーTMにより時間計測を開始することにより、球検知有効時間の時限消化が開始される。この球検知有効時間が時限消化している間は、球検知フラグ=0を維持して、上記した特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2 ,特定領域スイッチS3 ,カウントスイッチS4 ,一般入賞スイッチS5 による遊技球の検知を有効のまま維持し、各スイッチS1〜S5が検知した遊技球は、通常通り、検知有効として処理する。尚、通常、遊技が行われている際には常に球検知フラグ=0である。そして、球検知有効時間の時限消化中は、上記した消化実行フラグ=1であるため、各スイッチS1〜S5が遊技球を検知すると、夫々の検知信号を受信する毎に入賞数をカウントして記憶装置RAMに記憶保持する。ここで、記憶保持する入賞数は、各スイッチS1〜S5毎に区別されて記憶するようにしている。さらに、特別図柄始動スイッチS1による球検知信号を受信した場合には、図10のように、特別図柄始動記憶数が満杯(上限値)でなければ、新たな特別図柄始動記憶として発生して記憶保持される。同様に、普通図柄始動スイッチS2による球検知信号を受信した場合にも、普通図柄始動記憶が記憶保持され得る。
一方、球検知有効時間の時限消化が終了して当該球検知有効時間が経過すると、検知無効フラグ=1とし、該検知無効フラグ=1の状態では各スイッチS1〜S5の遊技球検知を無効とする処理を行う。すなわち、不正検知信号の受信から球検知有効時間が経過した後には、例え各スイッチS1〜S5が遊技球を検知しても、これを無効として、上記した入賞数としてカウントせず且つ各始動記憶も発生しない(図10参照)。
尚ここで、本実施例にあっては、球検知有効時間を、上記した弾球装置21の発射位置Pから発射された遊技球が、遊技領域12を転動流下してアウト口59に流入するまでに掛かる時間に設定している。具体的には、遊技球が発射からアウト口59に至るまでの時間を10秒として、この10秒を球検知有効時間として設定している。これにより、上記した発射停止処理により発射不能とする直前に発射された遊技球xは、球検知有効時間内に上記した各スイッチS1〜S5に検知され得るため、ムダ球とならない。これに対して、球検知有効時間の経過後に、各スイッチS1〜S5による遊技球xの検知は通常あり得ないため、上記のように球検知を無効とする処理を行っている。例えば、入賞口54の上方で磁石100により複数の遊技球xを溜めておいて、これらを一気に入賞口54へ流入する不正行為が行われた場合には、前記球検知有効時間の経過後に遊技球xを検知することが充分にあり得る。しかし、前記のように、球検知有効時間の経過後には遊技球検知を無効としていることから、このような不正行為による利益(賞球)を供与せず、当該不正行為自体を無効にできる。
さらにまた、前記の遊技中断制御処理にあっては、上述した特別遊技制御処理の処理中に不正検知信号を受信した場合、この特別遊技制御処理を中断する処理(以下、特別遊技作動中断処理)を行うようにしている。具体的には、大入賞口61の開閉ラウンドが実行されているときに、該大入賞口61上で磁石100により複数の遊技球を溜めておき、これら遊技球を一気に大入賞口61へ流入しようとする不正行為が行われる場合が想定される。このような不正行為により、磁気センサ91から不正検知信号を受信した主制御基板80は、上記と同様に、遊技球xの発射停止、球払出装置73の駆動停止、始動記憶の消化停止、球検知有効時間の時限消化の各処理を行うと共に、前記した特別遊技作動中断処理を行う。この特別遊技作動中断処理としては、前記の球検知有効時間が経過すると、開閉扉62を閉鎖位置に変換するように大入賞口ソレノイド65を駆動して停止することにより開閉ラウンドを停止し、且つ当該当りによって作動した開閉ラウンドの作動回数を記憶装置RAMに記憶保持する。尚、上記したように、球検知有効時間が経過すると、大入賞口装置63の特定領域スイッチS3 ,カウントスイッチS4による遊技球検知を無効とすると共に、球検知有効時間内に各スイッチS3,S4により検知した各入賞数は記憶保持している。 これにより、大入賞口61の開閉ラウンドを行う特別遊技作動が中断する。ここで、球検知有効時間の経過後は、上述したように遊技球xが大入賞口61に流入することは通常あり得ない。しかし、大入賞口61の上方に磁石100により複数の遊技球xを溜めておき、金属板片などにより不正に大入賞口61を開口して遊技球xを流入する不正行為を行うことも可能である。このような不正行為に対しても、本構成によれば、前記のように各スイッチS3,S4による遊技球検知を無効とするため、当該不正行為自体を無効とすることができ得る。
尚、開閉ラウンドは、上述したように最大ラウンド数が設定されており、所定の移行条件を達成することにより次ラウンドへ移行できるようになっている。そのため、開閉ラウンドの実行数をカウントし、これを開閉ラウンドの作動回数として記憶する。
また、本実施例にあって、入賞口54に設けられた可変入賞装置51については、不正行為の検知に従って、駆動停止する制御を実行しないようにしている。これは、上述したように、不正行為の検知により普通図柄始動記憶の消化処理を停止すること、球検知有効時間の経過後には普通図柄始動スイッチS2による球検知を無効とすること、および可動翼片52,52の拡開作動が極めて僅かな時間(0.2秒間)であることから、駆動停止する制御処理を実行しなくとも、必然的に可変入賞装置51が駆動しない状態となるためである。
このように、磁石100による不正行為を検知すると、遊技中断制御処理によって、直ちに、遊技球の払い出しが停止し、遊技球を発射不能とし、特別図柄始動記憶および普通図柄始動記憶の消化処理を停止することにより、実質的に遊技が中断するため、遊技を続行できなくなる。また、大入賞口61を開閉する特別遊技作動の作動中(特別遊技制御処理中)に不正行為を検知すると、当該特別遊技作動をも中断する。例えば、磁石100を前面ガラス14越しに用いて遊技球xを入賞口54や大入賞口61へ誘導する不正行為が行われた場合、前記のように遊技が強制的に中断するため、当該不正行為による利益が供与されることを防止できる。
一方、上記のように遊技が強制的に中断すると、不正行為者は遊技場の係員などに遊技の再開を催促する。遊技の中断を解除して再開するためには、上記した復帰スイッチ96またはキャンセルスイッチ97をON作動することを要する。復帰スイッチ96とキャンセルスイッチ97は、上記のように裏機構板7に配設されていることから、不正行為者には操作することができず、遊技場の係員などが遊技機本体3の本体枠5を外枠2から開放することにより操作できる。
ここで、遊技場の係員が、磁石100を用いた不正行為の実行が認められると判断した場合、キャンセルスイッチ97をON作動して、遊技機本体3の本体枠5を閉鎖する。キャンセルスイッチ97のON作動により発信したキャンセル信号を主制御基板80が受信すると、図13のように、弾球装置21と整流器22の駆動停止を解除する発射停止解除処理と、記憶保持している入賞数を全て無効とする処理と、球払出装置73の駆動を再開する払出停止解除処理と、普通図柄始動記憶および特別図柄始動記憶の消化処理を再開する処理とを行う。
発射停止解除処理としては、主制御基板80から発射停止解除指令信号を発射制御基板84へ送信し、該発射停止解除指令信号を受信した発射制御基板84が、整流器22の球送用ソレノイド37および弾球装置21の発射用ソレノイド25を駆動するための信号の発信停止を解除するように制御する。これにより、発射レバー27の回動角度検知センサからの検知信号の入力に従って球送用ソレノイド37および発射用ソレノイド25が駆動するため、遊技球xの発射不能が解除され、遊技球xを発射できるようになる。
また、上述した球検知有効時間内に各スイッチS1〜S5の遊技球検知により発生して記憶保持した入賞数は、全て無効とするように処理する。これは、この球検知有効時間が、不正行為の検知後に設定した時間であるため、不正行為の発生が明確であれば、当該不正行為により発生した入賞数と考えられ得るからである。そして、この無効処理の後に、払出停止解除処理を行い、球払出装置73の駆動停止を解除する。この払出停止解除処理としては、払出制御基板81が、主制御基板80から払出停止解除指令信号を受信すると、球払出装置73への指令信号の発信停止を解除する処理を行う。これにより、球払出装置73への指令が有効となって、賞球や貸球の払い出しが可能となる。
さらに、主制御基板80は、普通図柄始動記憶および特別図柄始動記憶の消化処理を再開する。詳述すれば、上記した消化実行フラグ=0とし、これに伴って、記憶装置RAMに記憶されて保留されている特別図柄始動記憶を順次消化する処理が実行される(図11参照)。同様にして、記憶装置RAMに記憶されて保留されている普通図柄始動記憶も順次消化する。ここで、本実施例にあっては、不正検知信号の受信前および球検知有効時間内に発生して記憶保持している全ての特別図柄始動記憶を、その消化により当りが発生しないように処理する。具体的には、特別図柄始動記憶数をハズレ確定フラグに代入して設定する(例えば、特別図柄始動記憶数が3であれば、ハズレ確定フラグ=3とする)。そして、特別図柄処理にあって、図11のように、特別図柄始動記憶の大当り乱数値を判定する前に、ハズレ確定フラグを確認し、該ハズレ確定フラグが1以上である場合には、大当り乱数値の判定を行わず、ハズレ図柄乱数値を選択してハズレ図柄処理を実行し、強制的にハズレが確定するように制御する。このハズレ確定フラグは、特別図柄始動記憶を消化する毎に1減算し、ハズレ確定フラグ=0となるまで強制的にハズレ確定する。これにより、キャンセル信号の受信前(不正検知信号の受信前および球検知有効時間内)に発生して記憶されていた特別図柄始動記憶は、その消化に基づいて変動開始した特別図柄A,B,Cが前記ハズレ図柄乱数値に従ってハズレ図柄で確定表示する。このようにして、不正検知信号の受信前および球検知有効時間内に発生して記憶した全ての特別図柄始動記憶を強制的にハズレ確定することにより、不正行為者に利益が供与されないようにしている。
尚、本実施例にあっては、普通図柄始動記憶の消化処理を通常通りに実行するようにしている。すなわち、上述した遊技中断前に記憶されている普通図柄始動記憶にあっても、その当り又はハズレを判定して、当りの場合には可変入賞装置51を駆動する制御を行う。
また、検知無効フラグ=0として、上記した各スイッチS1〜S5による遊技球検知を有効とする。
さらにまた、不正行為を特別遊技作動中に検知した場合には、上述したように当該特別遊技作動も中断している。この場合には、図13のように、キャンセルスイッチ97がON作動すると、上述したように、大入賞口装置63の特定領域スイッチS3およびカウントスイッチS4が球検知有効時間内に検知した入賞数を無効とする。そして、記憶保持した開閉ラウンドの作動回数に従って開閉ラウンドを継続開始する特別遊技作動再開処理を行い、特別遊技作動を再開する。このように、特別遊技作動中に不正検知信号を受信した場合には、当該不正検知信号の受信後(本実施例にあって球検知有効時間内)に遊技球xの大入賞口61への入賞により得られるはずの賞球が発生しないことから、当該不正行為による利益が供与されない。これは、不正行為が明らかな場合には球検知有効時間内に発生した入賞数も不正行為によるものであると考えられることから、該球検知有効時間内に大入賞口61への入賞により発生した賞球を無効とし、当該不正行為者に利益を供与しないようにしているためである。尚、本実施例にあっては、特別遊技作動の再開後には、開閉ラウンド中に大入賞口61に流入した遊技球xにより賞球が発生する。そのため、再度不正行為を検知しなければ、遊技を継続して適正な利益を得ることも可能である。
さらに本実施例にあっては、上記のようにキャンセル信号を主制御基板80が受信すると、当該キャンセル信号受信に伴う遊技再開後の一定期間、大当りを発生しない制御処理(不正ペナルティ制御内容)を行うようにしている。すなわち、キャンセル信号を受信すると予め設定している無効時間の時限消化を開始し、当該無効時間内に入賞口54の特別図柄始動スイッチS1により遊技球xを検知して新たな特別図柄始動記憶が発生しても、当該無効時間内に発生した全ての無効時間内に発生した全ての特別図柄始動記憶を、その消化により当りが発生しないように処理する。具体的には、無効時間処理(図13参照)により、無効時間を5分間として設定して、遊技再開(特別図柄始動記憶の消化処理の再開時点)からタイマーTMにより前記無効時間を計測する。そして、無効時間の計測開始と同時に無効フラグ=1とし、該無効時間が経過すると前記無効フラグ=0とする。この無効時間処理により無効フラグ=1の場合には、図10のように、特別図柄始動記憶が発生する毎に、上記したハズレ確定フラグに1加算する。これにより、無効時間内に発生した特別図柄始動記憶にあっても、上述したように、その消化によってハズレ確定するように制御する。そして、無効時間が経過すると、無効フラグ=0とすることにより、これ以降に発生した特別図柄始動記憶は通常通り消化処理される。
このように、キャンセルスイッチ97のON作動に従って、キャンセルスイッチ97のON作動前に記憶装置RAMに記憶されている遊技球xの全入賞数を無効として、賞球を払い出さないようにしていると共に、キャンセルスイッチ97のON作動前に記憶装置RAMに記憶されている全ての特別図柄始動記憶は、その消化により強制的にハズレ確定するようにしていることから、上記のように磁石100を用いた不正行為による利益が発生しない。これにより、実質的に磁石100を用いた不正行為が無効となるため、当該不正行為を防止する効果が得られる。さらに、キャンセルスイッチ97のON作動により、遊技再開後から無効時間が経過するまでの間に発生した特別図柄始動記憶にあっても、その消化により強制的にハズレ確定するようにしていることから、無効時間内はムダ球を消費することとなる。そのため、不正行為者は利益を得られないだけでなく、不利益をも被ることとなっていることから、不正行為を防止する効果が一層向上する。
一方、磁気センサ91による磁気検知によって、上記のように遊技球xの払い出し停止、遊技球xの発射不能、および特別図柄始動記憶と普通図柄始動記憶の消化処理停止を行なって遊技が中断した場合にあって、不正行為に因るものでなく、明らかに誤作動と認識されると、遊技場の係員が上記した復帰スイッチ96をON作動する。これにより発信した復帰信号を主制御基板80が受信すると、図13のように、弾球装置21と整流器22の駆動停止を解除する発射停止解除処理と、球払出装置73の駆動を再開する払出停止解除処理と、消化実行フラグ=0として、普通図柄始動記憶および特別図柄始動記憶の消化処理を再開する処理とを行う。さらに、検知無効フラグ=0として、上記した各スイッチS1〜S5による遊技球検知を有効とする。ここで、発射停止解除処理、払出停止解除処理は、上記したキャンセル信号の受信の場合と同様に実行されるが、記憶保持している遊技球xの入賞数は有効のままであることから、この入賞数に従って所定数の賞球が球払出装置73により払い出される。また、上記したハズレ確定フラグ=0および無効フラグ=0が維持されることから、特別図柄始動記憶の消化処理が再開することによって、通常通り、大当り乱数値により当り又はハズレを判定して、これに従って当り図柄処理またはハズレ図柄処理を行う。仮に、大当り乱数値を抽出していれば、それに伴って特別図柄A,B,Cを当り図柄で停止して大当り確定し、上記した大入賞口61開閉作動する大当りラウンドを開始する。同様に、普通図柄始動記憶の消化処理も、通常通り、当り又はハズレを判定して行われる。このように健全な遊技者には、正常な遊技が再開され、中断に伴う不利益が生じないようにしている。そのため、遊技者との間でトラブルが発生することを防止でき得る。
尚、上記のように特別遊技作動中に不正検知信号を受信して中断している場合に、復帰スイッチ96がON作動されると、記憶保持した開閉ラウンドの作動回数に従って特別遊技作動を再開する。この際に、球検知有効時間内に検知した遊技球の入賞数に従って賞球が払い出される。そのため、健全な遊技者が、特別遊技作動の中断による不利益を被ることも無いようにしている。
このように、不正行為の検知により中断した遊技は、復帰スイッチ96又はキャンセルスイッチ97のON作動により再開される。いずれのスイッチ96,97がON作動した場合にも、上記した発射停止解除処理、払出停止解除処理、特別図柄始動記憶および普通図柄始動記憶の消化処理を再開する処理を行う。そして、キャンセルスイッチ97のON作動の場合には、記憶保持している遊技球xの入賞数を無効とし、特別図柄始動記憶をその消化処理によりハズレ確定する。ここで、入賞数の無効処理と、始動記憶をハズレ確定する処理とは、いずれも内部処理であることから、これら内部処理については遊技者(不正行為者)が明確に認識することができない。そのため、この内部処理以外は、前記のように、同様に遊技が再開することとなっている。加えて、復帰スイッチ96とキャンセルスイッチ97とは、裏機構板7に配設されており、遊技機本体3の本体枠5を外枠2から開放して操作される。そのため、遊技場の係員がキャンセルスイッチ97又は復帰スイッチ96を操作する際に、いずれのスイッチをON作動したのか、不正行為者には分かり難い。以上のことから、上記のように磁気センサ91の磁気検知により遊技が中断した場合に、不正行為の実施が認識されれば、例え、不正行為者が誤作動であると主張しても、キャンセルスイッチ97をON作動して遊技を再開すれば良い。これにより、不正行為者と遊技場の係員との間で言い争いなどの無用なトラブルが生じることを回避しつつ、不正行為者に利益が供与されることを防止できる。
また、キャンセルスイッチ97のON作動に従って設定する無効時間としては、適宜定めることができるが、遊技者の交替によって、次の遊技者が不利益を被らないようにすることが求められる。例えば、不正行為者が遊技再開後に直ぐに当該遊技機1での遊技をやめてしまった場合には、次の遊技者が得た特別図柄始動記憶がハズレ確定することもあり得るため、このような不利益が発生しないことを考慮する。そのため、前記無効時間としては、遊技者の交替に要する時間を考慮して定めることが好適である。本実施例では、無効時間を5分間として設定していることから、例え遊技再開後に直ちに遊技者が代わったとしても、その交替に要する時間で5分間が経過してしまうことから、次の遊技者が不利益を被ることがない。尚、当然ながら、無効時間は、3分間や10分間などのように適宜設定するように制御処理することもできる。
尚、上述した本実施例の構成にあって、本発明にかかる遊技中断処理内容、復帰制御内容、ハズレ復帰制御内容、不正ペナルティ制御内容は、前記した遊技中断制御処理、入賞口処理、特別図柄処理に基づいて実行されるようになっており、これら各制御処理によって構成されている。
一方、上述した実施例にあっては、キャンセルスイッチのON作動により、記憶されている特別図柄始動記憶を強制的にハズレ確定するようにした構成であるが、同様に、記憶されている普通図柄始動記憶についても強制的にハズレ確定するようにしても良い。さらに、無効時間に発生した普通図柄始動記憶を強制的にハズレ確定するようにしても良い。このように普通図柄始動記憶についてもハズレ確定する制御処理を行うことにより、不正行為に対する利益供与を一層制限できると共に、不正行為者への利益供与をほとんど発生させないことから、不正行為を防止する効果がさらに向上する。
また、上述した実施例では、不正検知信号により実行する発射停止制御処理を、整流器の球送用ソレノイドおよび弾球装置の発射用ソレノイドの両者を駆動停止することにより行っているが、整流器の球送用ソレノイドのみを駆動停止するようにしても良い。これは、整流器による遊技球の供給が停止すれば、弾球装置が駆動しても遊技球を発射できないためである。
また、上述した実施例にあっては、キャンセルスイッチのON作動により無効時間を設定するようにした構成であるが、その他の構成として、弾球装置により発射された遊技球の発射数を無効発射数として設定し、キャンセル信号を受信すると遊技球の発射数を計測開始し、該発射数が前記無効発射数に達するまでの間に発生した特別図柄始動記憶を強制的にハズレ確定するようにした構成とすることもできる。この場合には、例えば、キャンセル信号の受信により、前記無効発射数(例えば100球)が設定され、整流器および弾球装置の駆動再開時点から、遊技球xの発射数をカウントし、該発射数が無効発射数に達するまでに特別図柄始動記憶が発生すると、該発生毎に、上記したハズレ確定フラグに1加算する処理を行う。これにより、遊技再開から無効発射数に達するまでの間に発生した特別図柄始動記憶を、その消化により強制的にハズレ確定するように処理する。尚、遊技球の発射数を計測する処理としては、発弾球装置の発射用ソレノイドが駆動する毎にカウントして計測する処理、又は、発射レールの先端部にセンサを設置して、該センサにより遊技球を検知する毎にカウントして計測する処理などとすることができる。
また、上述した実施例では、特別図柄処理で、特別図柄始動記憶を強制的にハズレ確定する制御処理として、該キャンセル信号の受信前に記憶していた特別図柄始動記憶を、その大当り乱数値を判定することなく、ハズレ図柄乱数値などを確認してハズレ確定するようにしているが、その他の制御処理として、大当り乱数値を判定して、ハズレの場合には通常通りハズレ図柄乱数値などを確認してハズレ図柄処理を行い、当りであった場合には大当り乱数値をハズレ乱数値に変換して(例えば、大当り乱数値に1加算して)、ハズレ図柄乱数値などを確認してハズレ図柄処理を行うようにしても良い。この場合には、大当り乱数値が当り乱数値であったときのみ、強制的にハズレ確定するように制御処理するようにしている。このような制御処理によってもキャンセル信号の受信前に記憶していた特別図柄始動記憶を、全てハズレ確定することができる。
また、上述した実施例では、キャンセルスイッチのON作動に従って、無効時間を時限消化開始して、該無効時間内に発生した特別図柄始動記憶をハズレ確定するにようにしているが、このような無効時間を設定せず、再開後に発生した特別図柄始動記憶は通常通り行うようにしても良い。
また、上述した実施例では、不正検知信号の受信により特別遊技作動を中断している場合に、キャンセルスイッチがON作動されると、当該特別遊技作動を継続するようにしているが、キャンセルスイッチのON作動により、中断した特別遊技作動を継続せずに強制終了する処理を行うようにしていも良い。この場合には、不正検知信号の受信後に当該特別遊技作動により得られるはずの利益が全て破棄されることとなるため、不正行為者に利益が供与されることがない。
まら、上述した実施例のパチンコ遊技機1にあって、不正検知信号の受信により遊技中断した場合には、所定の最大中断時間を設定し、該最大中断時間の経過までに復帰スイッチ96またはキャンセルスイッチ97がON作動されないと、強制的に遊技再開するように制御処理するようにした構成とすることもできる。この構成では、不正検知信号を受信すると、予め定められた最大中断時間の時限消化を開始し、当該最大中断時間内に上記の復帰信号またはキャンセル信号を受信しなければ、最大中断時間の経過後に、上記した発射停止解除処理、払出停止解除処理、特別図柄始動記憶および普通図柄始動記憶の消化処理を再開する処理を行い、遊技を再開する。この場合には、復帰スイッチ96のON作動の場合と同様に、記憶保持している入賞数に従って賞球を発生し且つ始動記憶の消化処理により当りまたはハズレの判定を行う。このように強制的に遊技を再開するようにしていることから、例えば、遊技店の閉店前に、特別遊技作動中で遊技を中断させ、次の開店の際に特別遊技作動から遊技が実行されるような行為を防止できる。尚、最大中断時間としては、例えば、10分や15分など適宜設定することが可能である。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。例えば、振動センサを配設し、該振動センサによる振動検知に従って、上述と同様の遊技中断制御処理を実行するようにしても良い。これにより、遊技機を叩く等の不正行為を防止でき得る。さらに、上記の磁気センサと振動センサとの両方を配設するようにしても良い。また、上記した図柄表示装置としてはCRT表示器等を用いることも可能である。