<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機本体12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている(図2及び図3参照)。遊技機本体12のうち内枠13が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
図1に示すように、内枠13の前面側全体を覆うようにして設けられた前扉枠14には、後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示発光部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示発光部63の左右両側には、遊技状況に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、裏パックユニット15に設けられた払出装置96より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
前扉枠14において下皿72の右方には、発射ハンドル60が設けられている。発射ハンドル60が操作されることにより、内枠13において遊技領域の下方に設けられた遊技球発射機構53から遊技領域に向けて遊技球が発射される。この場合、発射ハンドル60の回転操作量を変更することで、遊技領域に向けて発射される遊技球の発射強度、すなわち発射の勢いが変更される。
以下、図4を参照して、遊技盤24について説明する。図4は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24の表面には、内レール部32と外レール部33とが取り付けられており、これら内レール部32及び外レール部33によって区画されるようにして遊技領域PEが形成されている。また、これら内レール部32及び外レール部33により遊技領域PEへの遊技球の誘導レール34が構成され、遊技者が発射ハンドル60を回転操作したことにより遊技球発射機構53から発射された遊技球は上記誘導レール34によって遊技領域PEの上部に案内される。
誘導レール34は、その出口部分が遊技領域PEの一方の側部において遊技領域PEの上部中央を向くようにして形成されている。そのため、遊技者による発射ハンドル60の回転操作量が大きくなるにしたがって、遊技領域の上部における遊技球の到達位置は、誘導レール34の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトしていく。なお、誘導レール34の出口部分は、遊技領域PEの左側の側部に設けられている。
遊技盤24において遊技領域PEとして区画される範囲には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口35,第1作動口(第1始動入球部)38,第2作動口(第2始動入球部)39,役物装置150、スルーゲート41、可変表示ユニット42、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口35、第1作動口38、第2作動口39及び役物装置150への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(第1作動センサ38a、第2作動センサ39c、入口センサ179(図6等参照))により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。具体的には、第1作動口38への入球が発生した場合及び第2作動口39への入球が発生した場合には7個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口35への入球が発生した場合には8個の賞球の払い出しが実行され、役物装置150への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば第1作動口38に係る賞球個数よりも第2作動口39に係る賞球個数が多いといったように、両作動口38,39の賞球個数が相違していてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口45が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口45を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の遊技釘46が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されずに当該遊技領域PEの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口45への遊技球の入球と明確に区別するために、役物装置150、第1作動口38、第2作動口39又はスルーゲート41への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
役物装置150は、遊技盤24において略中央部に配設されている。第1作動口38及び第2作動口39は、遊技盤24においてこの役物装置150の下側に、横方向に並設されている。第1作動口38は役物装置150の左右に2つ設けられており、第2作動口39はこれら左右の第1作動口38によって挟まれる位置に配設されている。役物装置150との関係では、左右の第1作動口38は役物装置150を挟むように配設されており、役物装置150へ入賞しなかった遊技球がいずれかの第1作動口38へ到達可能(入賞可能)となっている。また、両第1作動口38と役物装置150との横方向の間隔は、遊技球1個分の直径以上の間隔となっており、第1作動口38と役物装置150との間を遊技球が流下可能となっている。
また、第2作動口39は役物装置150の下方に配設されている。第2作動口39は、両第1作動口38よりも若干下方に配置されており、役物装置150や第1作動口38に入球しなかった遊技球が第2作動口39へ到達可能(入球可能)となっている。
第2作動口39には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物39aが設けられている。電動役物39aは遊技盤24の背面側に搭載された電動役物駆動部39bに連結されており、当該電動役物駆動部39bにより駆動されて閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開放状態(サポート状態又はガイド状態)に切り替わる。電動役物39aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口39に入賞できず、電動役物39aが開放状態となることで第2作動口39への入賞が可能となる。
なお、これに限定されず、第2作動口39への遊技球の入賞が発生しやすい状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生しやすい状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物39aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物39aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、第2作動口39自身の変位により行われる構成としてもよい。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材47に設けられている。装飾部材47は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材47の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材47の前面の前方を遊技球が落下することが防止されている。
装飾部材47の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下することが防止されている。
メイン表示部43では、各作動口38,39への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が絵柄等の表示によって明示される。
なお、メイン表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部43にて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート41への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート41への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、第2作動口39に設けられた電動役物39aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット42には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置51が設けられている。図柄表示装置51は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置51は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
装飾部材47におけるメイン表示部43の下方部分には、メイン表示部43に対応した第1保留発光部54と第2保留発光部55とが設けられている。第1保留発光部54は、左右に並べて発光部が複数(詳しくは4つ)配置されており、遊技球が第1作動口38に入賞した個数は最大4つまで保留され、第1保留発光部54の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。第2保留発光部55は、左右に並べて発光部が複数(詳しくは4つ)配置されており、遊技球が第2作動口39に入賞した個数は最大4つまで保留され、第2保留発光部55の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、装飾部材47における役物用表示部44の下方部分には、役物用表示部44に対応した第3保留発光部56が設けられている。遊技球がスルーゲート41を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留発光部56の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留発光部54〜56の一部又は全部が図柄表示装置51の一部で表示される構成等であってもよい。
役物装置150は、いずれかの作動口38,39への遊技球の入球を条件として開放状態となり、当該役物装置150への遊技球の入球が可能となる。役物装置150内に遊技球が入り、さらにその遊技球が役物装置150内に設けられたV入賞口に入ると、それが後述するV入賞センサにより検出され、大当たり状態等となる。
ここで、役物装置150の構成について図5〜図8を用いて詳細に説明する。図5(a)は役物装置150の斜視図であり、図5(b)は役物装置150に設けられた通路の構成を簡略化して示す平面図であり、図6は役物装置150の分解斜視図であり、図7は役物装置150を構成する回転体ユニット180の分解斜視図であり、図8は回転体ユニット180の平面図である。
役物装置150は、大別して役物ユニット160と回転体ユニット180とから構成されている。役物ユニット160は、図6に示すように、ベース枠161を備えており、ベース枠161のフランジ162が遊技盤24にネジ止め固定されている。ベース枠161は、前後方向に延びる球受け板163により上下に区画されて、前後に貫通した上側開口164と下側開口165とが形成されている。
ベース枠161の前面における上側開口164の上方には、所定の厚みを有する天井部材167が取り付けられている。なお、天井部材167には上記可変表示ユニット42が配されており、図柄表示装置51の表示画面Gが遊技機前方に向くように設置されている。
ベース枠161における上側開口164の左右両側には、天井部材167と同一の厚みを有する一対の開閉役物168が設けられている。ベース枠161の背面側には、通路形成部材171及び駆動部固定板172が設けられており、駆動部固定板172の背面に一対の開閉役物駆動部173(電磁式ソレノイド)が取り付けられている。開閉役物駆動部173には通路形成部材171及び駆動部固定板172を貫通して設けられたリンク176の一端が連結されており、当該リンク176の他端が開閉役物168の軸部に連結されている。従って、開閉役物168は開閉役物駆動部173の駆動により開放動作される。
当該開放動作について詳細に説明すると、各開閉役物168は開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されていないときには上方へ起立し、それぞれの先端部は天井部材167の左右両端に近接する。一方、開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されると、各開閉役物168はそれぞれ外側へ開き、各開閉役物168の先端部と天井部材167の左右両端との間には遊技球1個分よりも大きな隙間ができる。かかる構成により、各開閉役物168が開き、役物装置150が開放状態となったときにのみ、役物装置150内への遊技球の入球が可能となる。なお、開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されていないとき(開閉役物168が上方へ起立したとき)であっても、同開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されているとき(開閉役物168が外側へ開いているとき)よりも、役物装置150への入球が困難な態様であればよく、開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されていないときに役物装置150へ入球可能な構成であってもよい。例えば、開閉役物駆動部173の駆動されているときは、開閉役物168の先端部と天井部材167の左右両端との隙間が遊技球約1個分であり、開閉役物駆動部173が駆動されると同隙間がそれよりも大きくなる構成などが考えられる。
また、開閉役物駆動部173は、通路形成部材171及び駆動部固定板172により遊技機前方から視認できない構成となっており、当該開閉役物駆動部173は背面側がカバー部材174により覆われている。
ベース枠161の前面における下側開口165の縁部には、前枠175が取り付けられている。前枠175の上部に形成された延出壁175aは、ベース枠161の球受け板163よりも上方に延出しており、かかる延出壁175aにより球受け板163上に到達した遊技球の前方への飛び出しが規制されている。
通路形成部材171には、前後方向に延び球受け板163に繋がる通路板177が形成されており、さらに通路板177の奥側には上下方向に延びる遊技球通路178が形成されている(図5(b)に示す)。そして、通路板177が遊技球通路178に向けて下方に傾斜し、さらに当該遊技球通路178に向けて幅が狭くなる構成であることにより、球受け板163上に到達した遊技球は遊技球通路178に誘導される。遊技球通路178に誘導された遊技球は当該遊技球通路178を流下する。遊技球通路178の入口側には入口センサ179が設けられており、役物装置150に入球した遊技球は必ず且つ即座に入口センサ179を通過する。これにより、役物装置150への遊技球の入球が検出される。なお、入口センサ179は、周知の近接センサにより構成されている。
役物ユニット160には、通路形成部材171の下方に位置するようにして回転体ユニット180が取り付けられている。回転体ユニット180は、図7に示すように、誘導通路形成部材181と排出通路形成部材191とを備えている。
誘導通路形成部材181には、その略中央に下方に凹んだ凹部182が形成されている。凹部182は、平面視で円形状をしている。そして、凹部182の上面開口部の外縁に沿うようにして円環状の誘導通路183が形成されている。誘導通路183は、左右対称となっており、奥側中央から手前側中央に向かうほど低位となるよう傾斜している。誘導通路183の手前側中央は、ベース枠161の下側開口165の下端部分に位置している。誘導通路183の奥側中央は、役物ユニット160の遊技球通路178の鉛直下方に位置している。誘導通路183の奥側中央を形成する通路壁183aは周りの通路壁183aに比べ背が高くなっており、奥側の誘導通路183の上方には水平方向に延びる通路カバー184が形成されている。但し、通路カバー184には入口用開口184aが形成されており、平面視で(図8参照)、誘導通路183の奥側部分は奥側中央のみが露出された構成となっている。この入口用開口184aが遊技球通路178の出口と重なっていることにより、遊技球通路178を流下した遊技球は確実に誘導通路183の奥側中央に到達する。
誘導通路183の奥側中央には、球振分け部185が形成されている。球振分け部185は、その中心から左右両方に向けて下方に傾斜する傾斜面を有する。従って、誘導通路183に到達した遊技球は、左右いずれかに振り分けられる。そして、誘導通路183の傾斜に沿って転がることで誘導通路183の手前側に誘導される。誘導通路183の手前側には、凹部182側へ傾斜した導出部186が形成されている。
凹部182には、その底面にV入賞口182aが形成されている。V入賞口182aは排出通路形成部材191に形成されたV入賞通路191aに通じており、V入賞口182aに入った遊技球はV入賞通路191aを通じて役物装置150の外部へ排出される。V入賞通路191aにはV入賞センサ192が設けられており、V入賞通路191aを通過する遊技球はV入賞センサ192により検出される。
また、凹部182の側面には外れ口182bが形成されている。外れ口182bは排出通路形成部材191に形成された外れ用通路191bに通じており、外れ口182bに入った遊技球は外れ用通路191bを通じて役物装置150の外部へ排出される。外れ用通路191bには外れ用センサ193が設けられており、外れ用通路191bを通過する遊技球は外れ用センサ193により検出される。なお、V入賞センサ192及び外れ用センサ193は、周知の近接センサにより構成されている。また、V入賞通路191a及び外れ用通路191bを通じて役物装置150の外部へ排出される遊技球は、図示しない排出通路を介してパチンコ機10の外部に排出される。
排出通路形成部材191には下側から回転体用駆動部194が取り付けられており、当該回転体用駆動部194の上下方向に延びる出力軸194aは、排出通路形成部材191及び誘導通路形成部材181を貫通している。そして、出力軸194aには回転体201が固定されている。例えば、当該回転体用駆動部194をステッピングモータとしてもよい。
回転体201は、誘導通路形成部材181の凹部182よりも若干小さい径の略円盤状をしており、凹部182内に位置している。そして、回転体201は回転体用駆動部194の駆動に伴って反時計回りに回転する。回転体201の外周には内側に凹んだ10個の球案内部202が形成されており、これら球案内部202は等間隔で並んでいる。このうち、9個の球案内部202は有底の外れ口案内部203となっており、1個の球案内部202は無底のV入賞口案内部204となっている。外れ口案内部203の底面は、外側に向かうほど低位となるように傾斜している。各球案内部202は、1個の遊技球が入る程度の大きさをしており、誘導通路183の導出部186から導出される遊技球はいずれかの球案内部202に入る。この場合に、V入賞口案内部204に入った遊技球は回転体201の回転に伴ってV入賞口182aの上部に到達し、当該V入賞口182aからV入賞通路191a内に落下する。一方、外れ口案内部203に入った遊技球は回転体201の回転に伴って外れ口182bの横方に到達し、当該外れ口182bから外れ用通路191b内に入る。
また、本実施形態では、回転体201の回転位置を把握するために回転位置検出センサ196が設けられている。回転位置検出センサ196は所定の間隔を置いて対向する一対のアーム部196a,196bを有しており、一方のアーム部196aには発光素子が配設され、他方のアーム部196bにおける発光素子と対向する位置には受光素子が配設されている。回転位置検出センサ196はセンサ基板197上に設けられており、センサ基板197は、回転位置検出センサ196の両アーム部196a,196b間(発光素子と受光素子との間)に、回転体用駆動部194の出力軸194aに設けられたカットバン198が位置するように排出通路形成部材191に固定されている。
カットバン198は、略ドーナツ状をしており、出力軸194aの回転に伴って回転する。但し、非連続となるように切欠部198aが形成されている。従って、回転位置検出センサ196の発光素子からの光は基本的にカットバン198に遮られ、出力軸194aの回転に伴って切欠部198aが両アーム部196a,196b間を通過するときのみ発光素子からの光が受光素子に到達する。そして、回転体201の外周におけるV入賞口案内部204の位置に対応させて切欠部198aが形成されていることにより、受光素子が発光素子からの光を検知したか否かを監視することで、回転体201の回転位置を把握することができる。ちなみに、V入賞口案内部204が導出部186の手前側を通過する際に、切欠部198aが両アーム部196a,196b間を通過する。
役物装置150に入った遊技球は、球受け板163上を転がることにより遊技球通路178内に入る。この場合に、当該遊技球は入口センサ179により検出される。遊技球通路178を流下した遊技球は、誘導通路183の奥側中央に形成された球振分け部185上に到達し、左右いずれかの誘導通路183に振り分けられる。そして、その振り分けられた側の誘導通路183を転がることで導出部186に誘導される。導出部186に誘導された遊技球は当該導出部186の傾斜に沿って転がることで凹部182内に導出される。
凹部182内では回転体201が常に一定の速度で回転しており、凹部182内に導出されて外れ口案内部203に入った遊技球は外れ口182bに案内される。この場合に、当該遊技球は外れ用センサ193により検出される。一方、凹部182内に導出されてV入賞口案内部204に入った遊技球はV入賞口182aに案内される。この場合に、当該遊技球はV入賞センサ192により検出される。そして、V入賞センサ192により検出されることで、例えば大当たり状態が発生する。
なお、10個の球案内部202のうち、V入賞口案内部204が1個であることにより、役物装置150の凹部182内に入った遊技球は1/10の確率でV入賞口182aに入ることとなる。また、V入賞センサ192及び外れ用センサ193により遊技球が検出されることで、上皿71に対し所定数の賞品球が払い出される。さらに、回転体ユニット180上における遊技球の動きは、前枠175の開口及びベース枠161の下側開口165を介して遊技機前方から視認可能となっている。
但し、球案内部202の数やV入賞口案内部204の数等は上記のものに限定されず、例えば、6つの球案内部202に対してV入賞口案内部204を1つとして、1/6の確率でV入賞する構成としてもよいし、その他の確率でV入賞する構成としてもよい。
上記の役物装置150における各センサ179、192,193、196等や、各駆動部173,194等の動力線や信号線は、誘導通路形成部材181に取り付けられた中継端子板199に接続されている。そして、これらの信号線はハーネスとして1束にされて後述する主制御装置に接続されており、主制御装置によって入球の検知、駆動部の駆動制御が行われる。但し、これらの一部又は全部をサブ側の制御装置である後述する演出制御装置側にて行う構成としてもよい。
図柄表示装置51では、いずれかの作動口38,39へ遊技球が入球して役物装置150が開放状態となることの報知、役物装置150へ遊技球が入球した場合の報知、両振分部材300,310への振分率、振り分けられた結果等の報知、回転体201での振分状況の報知、V入賞センサ192で遊技球を検知して大当たり状態の発生の報知等の、通常遊技状態中の報知の他、大当たり状態中のラウンド演出の報知も行う。なお、これらの演出の内容は、それぞれの遊技状況を遊技者が明確に把握可能であればよい。
役物ユニット160のベース枠161には、振動センサ301が取り付けられている。この振動センサ301によって役物装置150に生じた(加わった)振動を検知することが可能となっている。
上述の如く役物装置150に流入した遊技球がV入賞口182a及び外れ口182bのうちどちらに到達するかによってその後の遊技進行に有利不利の差が生じる構成においては、パチンコ機10を叩いたり揺すったりすることで、遊技球の移動先を変化させるといった行為がなされると想定される。この点、本実施の形態においては、上記振動センサ301を役物装置150に配設することにより、そのような行為が行われた場合には、これを容易に把握することができる。
また、本実施の形態に示すパチンコ機10には、上述した振動等に対する防御機能の他に、磁石等の磁気に対する防御機能が付与され、防犯性の強化が図られている。具体的には、役物装置150には遊技球の流下経路に沿うようにして複数の磁気センサ302が配置されており、これら磁気センサ302によって磁石等を用いた不正行為が行われていないかを監視可能となっている。
特に、役物装置150においては、上述の如く遊技球の入球のタイミング等によって有利不利の差が発生する。具体的には、磁石等によって流下タイミング等が調整されることで本来であればV入賞口182aへの入賞が回避されるはずの遊技球が当該V入賞口182aへ入賞し得る。そこで、上記磁気センサ302を遊技球の流下経路に沿って配置することにより、役物装置150周辺での磁石等の使用を好適に監視し得る。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び演出制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
演出制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や演出制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子99が設けられている。外部出力端子99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源・発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源・発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源・発射制御装置98は、電源・発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル60の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
内枠の背面側には、主制御装置81と、演出制御装置82と、表示制御装置100とが搭載されている。また、内枠の背面に対しては既に説明したとおり裏パックユニットが設けられており、当該裏パックユニットには、払出装置96を含む払出機構部と、払出制御装置97と、電源・発射制御装置98とが搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板111と、電源を監視する停電監視基板115と、を具備している。なお、主制御装置81において主制御基板111などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御基板111には、MPU112が搭載されている。MPU112には、当該MPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM113と、そのROM113内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM114と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU112に対してROM113及びRAM114が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置81以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU112には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU112の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板115及び払出制御装置97が接続されている。この場合に、停電監視基板115には動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置98が接続されており、MPU112には停電監視基板115を介して電力が供給される。
また、MPU112の入力側には、各種センサが接続されている。各種センサには、両作動口38,39への入賞を検知する第1作動センサ38aや第2作動センサ39cの他、その他の入球部への入賞を検知する入賞検知センサとして、一般入賞口35への入賞を検知するセンサ35aやスルーゲート41への入賞を検知するセンサ41a等が設けられている。また、各種センサとして、役物装置150における入口センサ179、V入賞センサ192、外れ用センサ193、回転位置検出センサ196等が含まれている。MPU112では、これら各種センサ38a,39c,35a,41a,179,192,193,196の検知結果に基づいて、各入球部への入賞判定(入球判定)を行ったり、回転体201の位置把握を行ったりする。また、MPU112では、第1作動口38又は第2作動口39への入賞に基づいて、各種抽選が実行される。また、MPU112では、上記振動センサ301及び磁気センサ302が接続されている。振動センサ301からの検知情報(検知信号)に基づいて役物装置150に生じた(加わった)振動を検知することが可能となっている。また、磁気センサ302からの検知情報(検知信号)に基づいて役物装置150及びその周辺における磁気を検知することが可能となっている。
MPU112の出力側には、停電監視基板115、払出制御装置97及び演出制御装置82等が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
演出制御装置82には、演出用の各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。ちなみに、演出制御装置82は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して主制御装置81と電気的に接続されている。
また、MPU112の出力側には各種駆動部として、電動役物駆動部39b、開閉役物駆動部173、回転体用駆動部194等が接続されている。主制御基板111には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU112は各種駆動部の駆動制御を実行する。具体的には、いずれかの作動口38,39への入賞が発生したり、V入賞センサ192への入賞に基づいて開閉実行モードに移行したりすると、役物装置150の開閉役物駆動部173が駆動制御されて、開閉役物168の開閉動作が実行される。
両作動口38,39への入賞に基づく当否抽選が行われた場合には、MPU112においてメイン表示部43の表示制御が実行される。また、電動役物39aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU112において役物用表示部44の表示制御が実行される。
停電監視基板115は、主制御基板111と電源・発射制御装置98とを中継し、また電源・発射制御装置98から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板111や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源・発射制御装置98にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置81のRAM114に記憶保持用の電力が供給される。
また、電源・発射制御装置98は遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。この場合、遊技球発射機構53は、遊技盤24の誘導レール34に向けて延びる発射レールと、上皿71に貯留されている遊技球を発射レール上に供給する球送り装置と、発射レール上に供給された遊技球を誘導レール34に向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイドと、を備えており、当該ソレノイドに対して電源・発射制御装置98から駆動信号が供給されることで遊技球が発射される。
演出制御装置82は、MPU142が搭載された演出制御基板141を備えている。MPU142には、当該MPU142により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM143と、そのROM143内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM144と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU142では、主制御装置81から受信したコマンドに基づき、各種発光部54〜56,63やスピーカ部64を駆動制御する。また、これらコマンドを解析した結果のコマンドを表示制御装置100に送信する。ちなみに、演出制御装置82は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して表示制御装置100と電気的に接続されている。
表示制御装置100は、プログラムROM153及びワークRAM154が複合的にチップ化された素子であるMPU152と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)155と、キャラクタROM156と、ビデオRAM157とがそれぞれ搭載された表示制御基板151を備えている。
MPU152は、演出制御装置82から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP155の制御(具体的にはVDP155に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM153は、MPU152により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要さない不揮発性記憶手段である。ワークRAM154は、MPU152による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要する揮発性記憶手段である。
VDP155は、図柄表示装置51に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP155はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP155は、MPU152、ビデオRAM157等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM157に記憶させる画像データを、キャラクタROM156から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置51に表示させる。
キャラクタROM156は、図柄表示装置51に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM156には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
ビデオRAM157は、図柄表示装置51に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM157の内容を書き替えることに基づき図柄表示装置51の表示内容が変更される。
(主制御装置81のMPU112にて各種抽選を行うための電気的構成)
次に、主制御装置81のMPU112にて各種抽選を行うための電気的な構成について図8を用いて説明する。
MPU112は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置51の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図10に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、開閉役物168の開閉を実行するか否か等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、作動口38,39への入賞に基づいて開閉役物168を開放状態とする際に、その入賞から開放状態とするまでの待機期間を設定するための開放種別カウンタCSと、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、を用いることとしている。さらに、第2作動口39の電動役物39aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1,C2,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM114の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ114aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ114aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口38又は第2作動口39への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア114bに格納される。
保留球格納エリア114bは、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口38又は第2作動口39への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSの各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1エリア〜第4エリアには、第1作動口38又は第2作動口39への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口38又は第2作動口39への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア114bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口38又は第2作動口39への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜99)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口38又は第2作動口39に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口38に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口39に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM113における当否情報群記憶手段としての結果テーブル記憶エリア113aに結果テーブル(遊技結果情報群)として記憶されている。
ここで、結果テーブルの内容について図11(a)を用いて説明する。
図11(a)に示すように、結果テーブルには、遊技結果として、外れ結果、直当たり結果、通常開放結果が設定されている。通常開放結果は、作動口38,39への入賞に基づいて役物装置150における開閉役物168を開放状態とさせる遊技結果である。本実施形態では、第1作動口38への入賞が発生すると開閉役物168は1回開放状態となり、また、第2作動口39への入賞が発生すると開閉役物168は2回開放状態となるように設定されている。外れ結果とは、作動口38,39への入賞が発生した場合であっても開閉役物168が開放状態とならない結果である。この場合、役物装置150へ入賞させることはできず、大当たり状態(開閉実行モード)への移行は見込めない。直当たり結果とは、作動口38,39への入賞が発生しただけで大当たり状態(開閉実行モード)へ移行する結果であり、役物装置150への入賞はもちろんV入賞が発生しなくても、大当たり状態へ移行する。
大当たり乱数カウンタC1(0〜99)のうち、外れ結果となる乱数の値の数は1個であり、直当たり結果となる乱数の値の数は1個であり、それ以外は通常開放結果に対応する値となっている。そのため、本実施形態では、両作動口38,39への入賞に基づいて、98/100の確率で作動口38,39に対応する数の開閉役物168の開放が行われ、1/100の確率で開閉役物168の開放は行われないもののV入賞を経ずに開閉実行モードへの移行が行われ、1/100の確率で開閉役物168の開放も行われないし開閉実行モードへの移行も行われない。
なお、直当たり結果や外れ結果が設けられていない構成としてもよい。但し、これらの結果が含まれていることで、遊技の多様化が図られるし、特に直当たり結果が設けられていれば、釘調整などによって役物装置150への入賞が頻繁に発生しない遊技台であっても大当たり状態の発生に期待が持て、このような遊技台であっても遊技への意欲を増進させる効果も見込むことが可能となる。
大当たり種別カウンタC2は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口38又は第2作動口39に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口38に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口39に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり結果の種別を設定する乱数の値は、ROM113における当否情報群記憶手段としての各種テーブル記憶エリア113dに種別テーブル(遊技種別情報群)として記憶されている。
ここで、種別テーブルの内容について図11(b)を用いて説明する。
図11(b)に示すように、種別テーブルには、大当たり結果の種別として、16R(ラウンド)継続モードと、継続率変動モードと、が設定されている。16R継続モードとは、16回のラウンド遊技が実行されるモードを示し、継続率変動モードとは、ラウンド遊技において次のラウンド遊技への継続率が変動するモードを示している。
ここで、ラウンド遊技とは、(1)予め定められた上限開放回数の開閉役物168の開放が行われたこと、(2)役物装置150への遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達すること、のいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。ちなみに、本実施形態においては、1回のラウンド遊技において開閉役物168の開閉が19回行われ、1回のラウンド遊技の上限入賞個数は10個に設定されている。なお、1回のラウンドにて19回の開閉が行われるのに要する所要期間は最大で60secとなっている。
各大当たり種別においてラウンド遊技が行われる最大回数は予め定められており、具体的にはいずれのモードの大当たり結果であっても最大のラウンド遊技は16回に設定されている。この場合、16R継続モードにおいては16回のラウンド遊技が無条件に継続されるように設定される。一方で、継続率変動モードにおいては予め定められた継続条件が成立した場合にラウンド遊技が継続するように設定されている。当該継続条件は、ラウンド遊技中に役物装置150へ遊技球が入賞し、且つその遊技球がV入賞することである。
開放種別カウンタCSは、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。開放種別カウンタCSは定期的に更新される。但し、この更新タイミングは、上記の大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2とは異なるタイミングとなるように設定されている。そのため、各カウンタ値の更新タイミングを何らかの方法によって読み取る不正行為が行われにくくなっている。更新された開放種別カウンタCSは、他のカウンタC1,C2と同様に、遊技球が第1作動口38又は第2作動口39に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口38に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口39に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
作動口38,39への入賞から開閉役物168の開放までの待機時間(開放タイミング)を設定する乱数の値は、ROM113における待機情報群記憶手段としての開放タイミングテーブル記憶エリア113cに開放タイミングテーブル(待機期間情報群)として記憶されている。
ここで、開放タイミングテーブルの内容について図11(c)を用いて説明する。
図11(c)に示すように、開放タイミングとしては、作動口38,39への入賞タイミング(又は前回の開閉役物168の閉鎖タイミング)からの待機時間(待機期間)が、複数種類設定されている。より具体的には、0.5sec〜2.4secまで、0.1sec刻みで、20種類の待機時間が設定されている。そして、これらの各時間同士の間隔(0.1sec)は、遊技球の発射周期(0.6sec周期)よりも短くなるように設定されており、所謂止め打ち等によって役物装置150への入賞確率を意図的に変化させる(高める)行為が行われにくくなっている。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート41に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の電役保留エリア114cに格納される。
そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物39aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物39aを開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物39aを開放状態に制御しない。
なお、本実施形態では、遊技状態によらず、電動役物39aの開閉態様が異ならないように設定されている。すなわち、電動役物39aの開放抽選において当選し易い又は当選した場合の開放時間や開放回数が多い状態(所謂高頻度サポートモード)やそれよりも開放抽選における当選確率が低い又は当選した場合の開放時間や開放回数が少ない状態(所謂低頻度サポートモード)といったモードが設けられていない。これらのモードを有する構成とすると、出球の増減の幅は大きくなり得るため興趣向上を図ることができる一方で、高頻度サポートモード時における出球分を調整するために、低頻度サポートモード時における両作動口38,39への入賞頻度を低く設定する、といった仕様を取らざるを得ない事情も発生し得る。そのため、低頻度サポートモード時においては、作動口38,39への入賞が発生しにくくて遊技への意欲が低下し得る可能性もある。そこで、本実施形態のように、電動役物39aの開放態様を遊技状態によらずに設定することで、通常遊技状態時であっても作動口38,39への入賞をある程度期待でき、遊技への意欲の低下を回避することが可能となる。
(主制御装置81にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置81内のMPU112にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU112では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU112により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。当該読み込み処理では、各種検知センサ38a,39c,35a,41a,179,192,193,196,301,302の状態を読み込み、これら各種検知センサ38a,39c,35a,41a,179,192,193,196,301,302の状態を判定して検知情報を保存する処理を実行する。また、賞球の発生に対応した各種検知センサ38a,39c,35a,179において遊技球の入賞が検知されている場合には、払出制御装置97に対して賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定する。例えば、入口センサ179によって役物装置150への入賞が検知されている場合には、対応する賞球個数である15個の賞球を指示するための賞球コマンドを設定する。続くステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C4の更新値を、RAM114の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104ではスルーゲート41への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート41への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア114cに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア114cに格納する。また、演出制御装置82に対して、役物保留記憶数と対応する第3保留発光部56を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105にて作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。作動口用の入賞処理では、作動口38,39のいずれかに遊技球が入賞したか否かを判定し、入賞していると判定する場合にはその時点における大当たり乱数カウンタC1等の数値情報を取得し、当該数値情報を抽選カウンタ用バッファ114aに記憶させる。
以下、図13及び図14のフローチャートを参照して作動口用の入賞処理について説明する。
ステップS201では、遊技球が第1作動口38に入賞(始動入賞)したか否かを第1作動口38に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が第1作動口38に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置97に遊技球を7個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、第1作動口38に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。続くステップS205では、開閉役物168の開放回数を1回にセットする処理を実行する。具体的には、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた開放回数カウンタに「1」をセットする処理を実行する。その後、ステップS206では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が第1作動口38に入賞していないと判定した場合、ステップS207では、遊技球が第2作動口39に入賞(始動入賞)したか否かを第2作動口39に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が第2作動口39に入賞したと判定すると、ステップS208にて払出制御装置97に遊技球を7個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS209では、第2作動口39に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS210では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。続くステップS211では、開閉役物168の開放回数を2回にセットする処理を実行する。具体的には、上記の開放回数カウンタに「2」をセットする処理を実行する。なお、ステップS205やステップS211の処理で開放回数が設定されたとしても、上記のように大当たり乱数カウンタC1の値によって開閉役物168が開放状態とならない可能性もある。その後、ステップS206にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,ステップS207が共にNOの場合、すなわち第1作動口38,第2作動口39のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS202,S208にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S401にて払出制御装置97に対して送信される。
ここで、ステップS206の情報取得処理を図14のフローチャートにより詳細に説明する。
情報取得処理においては先ずステップS301にて、上述したステップS204又はステップS210にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2や、後述する通常処理にて更新する開放種別カウンタCSの各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1作動口用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSの各値を、第1作動口用の保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第1作動口用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
また、第2作動口用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSの各値を、第2作動口用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第2作動口用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。ステップS304の処理を実行した後は、情報取得処理を終了する。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図15のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401〜S406の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS408,S409のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS401にて外部信号出力処理を実行する。ステップS401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS402では、開放種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、開放種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、開放種別カウンタCSの更新値を、RAM114の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS403では異常監視処理を実行する。本実施の形態においては、上記振動センサ301及び磁気センサ302からの検知情報(検知信号)に基づいて異常が発生しているか否かを監視し、その監視結果に応じて異常報知等の各種処理が実行される構成となっている。この異常監視処理の詳細については後述する。
ステップS404では、遊技を進行させるための遊技御処理を実行する。この遊技制御処理では、作動口38,39への入賞に基づく役物装置150の各駆動部の駆動制御等を行う。
ステップS404の遊技制御処理を実行した後は、ステップS405に進み、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モードに移行する。なお、ステップS404の遊技制御処理及びステップS405の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS406では、第2作動口39に設けられた電動役物39aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM114の電役保留エリア114cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物39aを開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物39aの開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部44の表示制御などを行う。
その後、ステップS407では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS408にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び開放種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS409では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM114の該当するエリアに格納する。また、ステップS410では、開放種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、開放種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、開放種別カウンタCSの更新値を、RAM114の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401〜S407の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に開放種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
(遊技制御処理)
次に、ステップS403の遊技制御処理を図16〜図22のフローチャートを参照して説明する。
遊技制御処理では、先ずステップS501にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにおける開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS506の遊技開始用処理及びステップS507〜ステップS509の遊技進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口38,39への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技が開始(作動口38,38への入賞を契機とする役物装置150の開放)されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、役物装置150が制御状態中か否かを判定する。制御状態中か否かとは、作動口38,39への入賞に基づく役物装置150の開閉動作の期間が含まれる。この制御状態であるか否かの判定では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにおける役物制御中フラグ格納エリアに役物制御中フラグが格納されていることを条件に、制御状態であると判定する。上記の役物制御中フラグは、作動口38,39への入賞に基づく遊技結果が開放結果(本実施形態では、通常開放結果)だった場合に格納され、その結果に基づく役物装置150の動作(閉鎖後の待機期間も含む)の終了に際して消去される。
役物装置150が制御状態中でない場合には、ステップS503〜ステップS506の遊技開始用処理に進む。遊技開始用処理では、先ずステップS503にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1作動口38及び第2作動口39のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS504にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にて、上記データ設定処理にて設定されたデータの遊技結果を判定する当否判定処理を実行し、そして、ステップS506にて役物装置150の制御を開始する制御開始処理を実行してから、本遊技制御処理を終了する。
ここで、ステップS504のデータ設定処理、ステップS505の当否判定処理及びステップS506の制御開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図17のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS601にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS602〜ステップS607の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS608〜ステップS613の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2作動口39に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS602にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS603では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS604では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS605にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS606では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の当否判定の対象が第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbのいずれの保留情報に対応するものであるかを特定するための情報である。
続くステップS607では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM113のコマンド情報記憶エリアから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1作動口38に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS607にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、第1保留発光部54における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS608にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS609では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS610では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS611にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS612では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS613では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM113のコマンド情報記憶エリアから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2作動口39に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS613にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、第2保留発光部55における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次にステップS505の当否判定処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS701では、今回実行エリアAEにシフトされたデータ(大当たり乱数カウンタC1)と、ROM113の結果テーブルと、を参照して、今回の遊技結果が直当たり結果であるか否かを判定する。直当たり結果である場合には、ステップS702に進み、各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグを格納する処理を実行する。V入賞フラグは、開放実行モードの発生をMPU112が把握するためのフラグである。
続くステップS703では直当たりコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。また、ステップS703では、メイン表示部43の表示を直当たりに対応する表示に切り換える処理を実行する。その後、本当否判定処理を終了する。
ステップS703にて設定された直当たりコマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した直当たりコマンドに基づいて、開閉実行モードの開始演出のための処理を実行する。
ステップS701にて直当たり結果ではない場合には、ステップS704に進む。ステップS704では、今回実行エリアAEにシフトされたデータ(大当たり乱数カウンタC1)と、ROM113の結果テーブルと、を参照して、今回の遊技結果が外れ結果であるか否かを判定する。外れ結果である場合には、ステップS705に進み、上記の作動口用の入賞処理(図13)におけるステップS205やステップS211にて開放回数カウンタ設定した値を「0」にクリアする。
そしてステップS706にて、外れコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。また、ステップS706では、メイン表示部43の表示を外れ結果に対応する表示に切り換える処理を実行する。その後、本当否判定処理を終了する。
ステップS706にて設定された外れコマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した外れコマンドに基づいて、役物装置150が開放状態とならないことを報知するための処理を実行する。
ステップS704にて外れ結果ではない場合は、ステップS707にて、通常開放コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。また、ステップS704では、メイン表示部43の表示を通常開放結果に対応する表示に切り換える処理を実行する。その後、本当否判定処理を終了する。
ステップS707にて設定された通常開放コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した通常開放コマンドに基づいて、役物装置150が開放状態となることを報知するための処理を実行する。
すなわち、本実施形態では、作動口38,39への入賞に基づいて当否判定(遊技結果)の結果がすぐに報知される。
次に、ステップS506の制御開始処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。
制御開始処理では、先ず、ステップS801にて、上記のRAM114における開放回数カウンタを参照して、開閉役物168の開放回数を把握する処理を実行する。続くステップS802にて開閉タイミング設定処理を実行した後、本制御開始処理を終了する。
開閉タイミング設定処理では、上記データ設定処理(図17)にて実行エリアAEにシフトされたデータのうち、開放タイミングに関するデータ、すなわち開放種別カウンタCSの値と、ROM113に記憶されている開放タイミングテーブルと、を参照して、今回の開閉役物168の開放タイミングを設定する。具体的には、本処理から、何sec後に開閉役物168を開放状態とするか(開閉役物駆動部173の駆動制御を開始するか)に対応する数値を開放タイミングテーブルから読み取り、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた待機カウンタに入力する。この待機カウンタは所定周期で更新(減算)され、所定値(例えば「0」)となることで開閉役物168の開放タイミングであることを把握することが可能となる。
次に、遊技制御処理(図16)における遊技進行用処理について説明する。遊技進行用処理は、ステップS502にて役物装置150が制御状態中であると判定した場合に行われる処理である。具体的には、ステップS502にて制御状態中であると判定した場合には、ステップS507にて制御中処理を実行し、続くステップS508にて入賞処理を実行してから、遊技制御処理を終了する。
先ず、ステップS507の制御中処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS901では、開閉役物168の開放タイミングであるか否かを判定する。この判定では、上記ステップS802にて設定した待機カウンタの値を参照することで、開放タイミングであるか否かが確認できる。ステップS901にて開放タイミングであると判定した場合には、ステップS902にて開放制御処理を実行する。この処理では、開閉役物駆動部173を駆動制御することで、開閉役物168を開放状態に変位させる。また、ステップS902では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた開放期間カウンタに今回の開放期間(本実施形態では一律で2sec)に対応する値を入力する処理を実行する。開放期間カウンタは所定周期で更新(減算)され、所定値(例えば「0」)となることで開閉役物168の閉鎖タイミングであることを把握することが可能となる。
そして、続くステップS903にて、RAM114の開放回数カウンタを「1」減算する処理を実行してから、本制御中処理を終了する。
ステップS901にて開閉役物168の開放タイミングではない場合には、ステップS904に進む。ステップS904では、開閉役物168の閉鎖タイミングであるか否かを判定する。この処理では、上記ステップS902で入力した開放期間カウンタの値を参照することで、閉鎖タイミングであるか否かを確認できる。ステップS904にて閉鎖タイミングであると判定した場合には、ステップS905にて閉鎖制御処理を実行する。この処理では、開閉役物駆動部173の駆動制御を終了することで、開閉役物168を閉鎖状態に変位させる。
続くステップS906では、RAM114の開放回数カウンタを参照して残りの開放回数が「0」であるか否かを判定する。「0」である場合には、ステップS907にて制御終了処理を実行する。この処理では、一の保留情報に対する役物装置150の制御の終了のための処理を行う。具体的には、各駆動部173,194のエラーの有無の確認、初期位置への復帰処理などを行う。続くステップS908では、制御終了コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本制御中処理を終了する。
ステップS908にて設定された制御終了コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した制御終了コマンドに基づいて、役物装置150の制御が終了することを報知するための処理を実行する。
ステップS906にて開放回数が「0」ではないと判定した場合には、ステップS909にて待機期間設定処理を実行する。待機期間設定処理では、RAM114の待機期間カウンタに今回の待機期間(本実施形態では一律で1sec)に対応する値を入力する処理を実行する。
ステップS904にて閉鎖タイミングではないと判定した場合、ステップS908の処理を実行した後、又はステップS909の処理を実行した後は、本制御中処理を終了する。
次に、遊技制御処理(図16)におけるステップS508の入賞処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1001では、入口センサ179からの検知信号を把握して、役物装置150内に遊技球が入賞したか否かを判定する。入賞している場合には、ステップS1002にて、役物内入賞コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本制御中処理を終了する。
ステップS1002にて設定された役物内入賞コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した役物入賞コマンドに基づいて、役物装置150内への入賞が発生したことの報知(役物装置150内の遊技球の動作に注目させるための報知)を行うための処理を実行する。
ステップS1001にて入口センサ179が検知状態ではないと判定した場合(既に入賞済みも含む)、又はステップS1002の処理を実行した後は、ステップS1003へ進む。ステップS1003では、V入賞センサ192からの検知信号を把握して、V入賞が発生したか否かを判定する。V入賞が発生した場合には、ステップS1004にて、RAM114にV入賞フラグを格納することで、大当たり状態(開閉実行モードへの移行)が発生することを記憶する。そして、ステップS1005では、制御終了処理を実行し、ステップS1006では、制御終了コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。
ステップS1005の処理は、上記ステップS907の処理と同様である。また、ステップS1006の処理にて設定する制御終了コマンドは、上記ステップS908のコマンドと同様であってもよいし、V入賞が発生したことを示す情報が含まれるようにしてもよい。ステップS908のコマンドと同様にしても、開閉実行モードの開始に際してはそれ用のコマンドが出力されるため、演出制御装置82側では開閉実行モードへの移行を把握できるし、コマンド数の増加を抑制可能である。一方、ステップS1006におけるコマンドにV入賞が発生したことを示す情報が含まれるようにすれば、いち早くその事象を演出制御装置82側で把握することができ、V入賞を祝福するような演出を、遊技球のV入賞タイミングにより近いタイミングで行うことが可能となる。
ステップS1003にてV入賞を検知していないと判定した場合、又はステップS1106の処理を実行した後は、本入賞処理を終了する。
(遊技状態移行処理)
次に、通常処理(図15)における、ステップS404の遊技状態移行処理について、図22〜図27のフローチャート等を参照しながら説明する。
先ず、ステップS1101では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1102に進み、今回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM114に、V入賞フラグが格納されているか否かを判定する。V入賞フラグが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
V入賞フラグが格納されている場合には、ステップS1103にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのオープニング用に役物装置150の開閉役物168の開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM113に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図12)が実行される度に1ディクリメントされる。
続くステップS1104では、今回の開閉実行モードの種別を判定するための、種別判定処理を実行する。具体的には、今回の実行エリアAEに記憶されている保留情報のうち、大当たり種別カウンタC2を把握するとともに、ROM113の種別テーブルを参照して、今回の開閉実行モードの種別が、16R継続モードであるか、継続率変動モードであるかを判定する。
続くステップS1105では、ステップS1104の処理結果に基づいて、今回の開閉実行モードが16R継続モードであるか否かを判定する。16R継続モードである場合には、ステップS1106にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに継続フラグを格納する。継続フラグは、今回の開閉実行モードが16R継続モードであることをMPU112が把握するためのフラグである。
ステップS1105にて16R継続モードではない場合、又はステップS1106の処理を実行した後は、ステップS1107に進む。ステップS1107では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた第1ラウンドカウンタRC1に、「16」をセットするとともに、同各種カウンタエリア114dに設けられた第2ラウンドカウンタRC2に「19」をセットする。第1ラウンドカウンタRC1は、一の開閉実行モードにおいて何回目のラウンド遊技であるかをカウントするためのカウンタであり、第2ラウンドカウンタRC2は一のラウンド遊技において開閉役物168の開放回数をカウントするためのカウンタである。
ステップS1107の処理を実行した後は、ステップS1108にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。このオープニングコマンドには、16R継続モード又は継続率変動モードのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置51における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置100に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置100では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置51を表示制御する。
続くステップS1109では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子99に設けられた大当たり信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり信号出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS1101にて肯定判定をし、ステップS1110に進む。ステップS1110では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1111にて開閉処理を実行する。
ここで、開閉処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。
(開閉処理)
先ず、ステップS1201にて開閉役物168を開放中であるか否かを判定する。具体的には、開閉役物駆動部173の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。開閉役物168を開放中でない場合には、ステップS1202にて第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS1203にてRAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたタイマカウンタTの値が「0」か否かを判定する。
第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」である場合又はタイマカウンタTの値が「0」でない場合には、そのまま本開閉処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」でなく且つタイマカウンタTの値が「0」である場合には、ステップS1204に進み、各ラウンド用の設定処理を実行する。以下、図24のフローチャートを参照して、各ラウンド用の設定処理について説明する。
各ラウンド用の設定処理では、先ずステップS1301にて、今回の設定処理の起動タイミングが、各ラウンドの開始タイミングであるか否かを判定する。具体的には、第2ラウンドカウンタRC2が「0」である場合に、各ラウンドの開始タイミングであると判定する。開始タイミングではない場合には、そのまま本設定処理を終了する。
続くステップS1302では、RAM114に継続フラグが格納されているか否かを判定する。すなわち、今回の開閉実行モードが、16R継続モードであるか否かを判定する。継続フラグが格納されておらず、今回の開閉実行モードが継続率変動モードである場合には、ステップS1303にてラウンド数の把握処理を実行する。この処理では、今回のラウンドの設定処理にて設定するラウンドが開閉実行モードにおける何ラウンド遊技目であるかを、第1ラウンドカウンタRC1の値を参照して把握する。そしてステップS1304にて、ROM113の各種テーブル記憶エリア113dに記憶されているラウンドパターンテーブルを参照する。
図26の概略図に例示しているように、ラウンドパターンテーブルによって、一の開閉実行モードにおける各ラウンドの開閉態様(開放パターン)が定められている。各ラウンドの開閉役物168の開放パターンは複数種類設定されており、開放パターンAと、開放パターンBと、開放パターンCと、が設定されている。
既に説明したとおり、16R継続モードでは、無条件でラウンド遊技が16ラウンド目まで継続する。一方で、継続率変動モードでは、継続条件が成立することで、次のラウンドが継続される。そしてこの継続条件とは、ラウンド遊技中に役物装置150へ遊技球が入賞し、且つその遊技球がV入賞することである。
本実施形態では、各ラウンドの開閉役物168の開放パターンを異ならせることで、継続率変動モードにおける各ラウンドの継続率に変化を生じさせている。より具体的には、開放パターンAがB及びCよりも継続し易くなっている。なお、開放パターンBと開放パターンCとを比較すると、遊技球の入球タイミングによってV入賞の確率が異なり得る。
具体的には、図27に示すように、ROM113の各種テーブル記憶エリア113dに記憶されている開放パターンテーブルでは、各ラウンドの開放パターンA〜Cにおいて、何回目の開放かによって開閉態様が異なるように設定されている。
例えば、開放パターンAでは、一のラウンド遊技における19回の開放中、1回目〜16回目(RC2=1〜16)の開放回数目では、遊技球の発射周期(0.6sec)よりも長い(3倍)、1.8secの開放を行う(開放パターンA1ともいう)。また、17回目〜19回目(RC2=17〜19)は、1.0secの開放を行う(開放パターンA2ともいう)。すなわち、A1の場合には、発射周期との関係で役物装置150への入賞は比較的発生し易く、A2の場合には発生し得るもののA1よりは発生しにくい。
開放パターンBについては、1回目〜10回目(RC2=1〜10)の開放回数目では、0.2secの開放を行う(開放パターンB1ともいう)。11回目〜13回目(RC2=11〜13)は、1.0secの開放を行う(開放パターンB2ともいう)。14回目〜16回目(RC2=14〜16)は、開放パターンB1と同様である。17回目〜19回目(RC2=17〜19)は、0.2secの開放を行う(開放パターンB3ともいう)。すなわち、B1及びB3の場合には、発射周期との関係で役物装置150への入賞はほぼ発生せず、B2の場合にはA2と略同等レベルで入賞が発生し得る。
開放パターンCについては、1回目〜16回目(RC2=1〜16)の開放回数目では、0.2secの開放を行う(開放パターンC1ともいう)。なお、開放パターンC1は開放パターンB1と同様の開放パターンである。17回目〜19回目(RC2=17〜19)は、1.0secの開放を行う(開放パターンC2ともいう)。なお、開放パターンC2は開放パターンA1と同様の開放パターンである。すなわち、C1の場合には役物装置150への入賞はほぼ発生せず、C2の場合にはA2と同様である。
このように、設定される開放パターンA〜Cによって、各ラウンドの開放パターンが異なっている。また、同じラウンドであっても、何回目の開閉かによって、開閉態様が異なっている。
各ラウンドの設定処理(図24)の説明に戻り、ステップS1304にてラウンドパターンテーブルを参照した後は、ステップS1305にて対応するラウンドの開放パターンを設定する処理を実行する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eには各パターンA〜Cに対応させたフラグ格納エリアが設けられており、例えば、開放パターンAであれば、対応するエリアにフラグを格納する。
ステップS1302にて継続フラグが格納されている場合、又はステップS1305の処理を実行した後は、ステップS1306に進む。ステップS1306では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた入賞カウンタPCに、「10」をセットする。入賞カウンタPCは、一のラウンド遊技における入賞個数を示すものであり、本実施形態では、一のラウンド遊技において10個の遊技球が役物装置150に入賞することで当該ラウンド遊技が終了する。そして、ステップS1307では、第2ラウンドカウンタRC2に「19」をセットする処理を実行してから、本設定処理を終了する。
開閉処理(図23)の説明に戻り、ステップS1204の処理を実行した後は、ステップS1205にて各開放用の設定処理を実行する。ここで、図25のフローチャートを参照して、各開放用の設定処理について説明する。
各開放用の設定処理では、先ずステップS1401にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに継続フラグが格納されているか否かを判定する。この処理は、上記ステップS1302の処理と同様である。継続フラグが格納されていると判定した場合には、続くステップS1402にて、今回のラウンドの開放パターンをA1に設定する。すなわち、16R継続モードの場合には、全てのラウンド(RC1)で、全ての開放回数(RC2)において、最も長い開放時間となるパターンの開放パターンが設定される。そのため、16R継続モードでは、各ラウンドにおいて最大入賞個数の入賞が発生し易くなっている。なお、本実施形態では、16R継続モードの開閉実行モードでは、V入賞しなくても(継続条件を満たさなくても)次のラウンドに移行する(継続する)。
ステップS1401にて継続フラグが格納されていないと判定した場合、すなわち継続率変動モードである場合には、ステップS1403に進む。ステップS1403では、第2ラウンドカウンタRC2を把握して、今回の開閉役物168の開放が、一のラウンド中の何回目の開放かを把握する。そして、ステップS1404にて、ROM113の各種テーブル記憶エリア113dから、開放パターンテーブルを参照し、ステップS1405にて対応する開放パターンA1〜A2,B1〜B3,C1〜C2を設定する。
ステップS1405の処理を実行した後、又はステップS1402の処理を実行した後は、ステップS1406にて、第2ラウンドカウンタRC2を「1」減算する処理を実行してから、本設定処理を終了する。
開閉処理(図23)の説明に戻り、ステップS1205にて各開放用の設定処理を実行した後は、ステップS1206にて、開放処理を実行する。具体的には、開閉役物駆動部173の駆動制御を開始して、開閉役物168を開放状態とする。そして、ステップS1207にて開放コマンドを設定し、本開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。この開放コマンドには、16R継続モードか否かの情報のほか、何ラウンド目の開放であるか(第1ラウンドカウンタRC1の情報)と、一のラウンドにおいて何回目の開放であるか(第2ラウンドカウンタRC2の情報)と、開放パターンA1〜A2,B1〜B3,C1〜C2の情報と、が含まれる。演出制御装置82では、受信した開放コマンドに基づいて、開放パターンや役物装置150への入賞率、当該役物装置150への入賞が発生した場合のV入賞率の高低等を報知する演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
また、ステップS1201にて開閉役物168が開放中であると判定した場合にはステップS1208に進み、タイマカウンタTの値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTの値が「0」でない場合、ステップS1209にて役物装置150に遊技球が入賞したか否かを、入口センサ179の検知状態により判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS1210にて入賞カウンタPCの値を「1」減算した後に、ステップS1211にて、V入賞が発生したか否かをV入賞センサ192の検知状態により判定する。
ステップS1211にて、V入賞が発生している判定した場合には、ステップS1212にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに終了回避フラグを格納する。終了回避フラグが格納されることにより、継続率変動モードにおいては、最終ラウンドである場合を除き次のラウンドへの移行が確定する。
ステップS1212の処理を実行した後、又はステップS1211にて否定判定をした場合には、ステップS1213に進む。ステップS1213では、入賞カウンタPCが「0」であるか否かを判定する。ステップS1213にて否定判定をした場合、すなわち入賞個数が未だ上限(最大入賞個数)に達していない場合には、そのまま本開閉処理を終了する。ステップS1213にて肯定判定をした場合には、ステップS1214に進む。
ステップS1214では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに上記継続フラグ及び終了回避フラグの何れかが格納されているか否かを判定する。ステップS1214にて肯定判定をした場合には、ステップS1216に進む。
ステップS1214にて肯定判定をした場合、又はステップS1208にて肯定判定をした場合には、ステップS1216にて第2ラウンドカウンタRC2を「1」減算する処理を実行する。続くステップS1217では、第2ラウンドカウンタRC2が「0」であるか否かを判定する。ステップS1217にて肯定判定をした場合には、ステップS1218にて第1ラウンドカウンタRC1を「1」減算する処理を実行する。そして、ステップS1219にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eにラウンド更新フラグを格納する。ラウンド更新フラグは、今回の閉鎖用の各処理が一のラウンドの終了に対応する処理であることを、MPU112にて把握するためのフラグである。
ステップS1219の処理を実行した後、ステップS1215の処理を実行した後(継続率変動モード中にV入賞が発生しないまま一のラウンドの最大入賞個数に達した場合)、ステップS1217にて第2ラウンドカウンタRC2が「0」ではないと判定した場合には、ステップS1220にて閉鎖処理を実行する。この閉鎖処理では、開閉役物駆動部173の駆動制御を終了して、開閉役物168を閉鎖状態とする。
ステップS1220の閉鎖処理を実行した後は、ステップS1221に進む。ステップS1221では、開閉実行モードの最終ラウンドであるか否かを判定する。具体的には、第1ラウンドカウンタRC1が「0」であるか否かを判定する。ステップS1221にて否定判定をした場合には、ステップS1222に進み、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに上記ラウンド更新フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS1222にて肯定判定をした場合、すなわちラウンド更新フラグが格納されており、今回の閉鎖用の各処理が一のラウンドの終了に対応する処理である場合には、ステップS1223に進む。ステップS1223では、各ラウンド間の閉鎖時間(インターバル、閉鎖期間、待機期間)の設定処理を実行する。この設定処理についての詳細は後述する。
一方、ステップS1222にて否定判定をした場合、すなわちラウンド更新フラグが格納されておらず、今回の閉鎖用の各処理が一のラウンド中の各開放(閉鎖)に対応する(第2ラウンドカウンタRC2に対応する)ものである場合には、ステップS1224に進む。ステップS1224では、各開放用の閉鎖時間(閉鎖期間、待機期間)の設定処理を実行する。この処理では、第2ラウンドカウンタRC2の値と上記の開放パターンテーブルとを参照して今回の閉鎖時間(閉鎖期間、待機期間)を把握し、その時間に対応する数値をタイマカウンタTに入力する。
ステップS1224又はステップS1223の処理を実行した後は、ステップS1225にて閉鎖コマンドを設定し、本開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。閉鎖コマンドには、今回の閉鎖用の各処理が1のラウンドの終了に対応するものなのかそれとも1のラウンド中の各開閉用に対応するものなのかを示す情報が含まれる。演出制御装置82では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、上記各情報に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS1221にて、第1ラウンドカウンタRC1が「0」であると判定した場合には、ステップS1226にてエンディング設定処理を実行する。本実施の形態においては、開閉実行モードの種類や異常等の発生の有無によってエンディングの時間が変化する構成となっている。このエンディング設定処理についての詳細は後述する。
ステップS1226の設定処理を実行した後は、ステップS1227に進み、エンディング開始処理を実行する。当該開始処理では、ステップS1226の設定処理の結果に基づいて開閉実行モードのエンディング用の待機時間を設定する。具体的には、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた待機時間用カウンタにエンディング用の待機時間情報をセットする。なお、ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図12)が実行される度に「1」減算される。
その後、ステップS1228にて、エンディングコマンドを設定した後に、本開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。このエンディングコマンドには、上記ステップS1227にて設定したエンディング用の待機時間の情報や、開閉実行モードの種類、ラウンド遊技の継続回数などの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信したエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードの終了に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置51における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置100に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置100では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置51を表示制御する。
遊技状態移行処理(図22)の説明に戻り、ステップS1111にて開閉処理を実行した後に、ステップS1112にて第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS1113にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1114にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。この処理では、開閉実行モード後の遊技状態を通常時の遊技状態(通常遊技状態)に戻すための処理を行う。
なお、通常遊技状態として、第2作動口39に設けられた電動役物39aの開閉態様が変化する(例えば、他の状態よりも第2作動口39へ入賞し易い開閉態様となる)遊技状態や、作動口38,39への入賞時の遊技結果の種類や確率が変化する(例えば、直当たり結果となる確率が変化する)遊技状態など、を備える場合には、上記開閉実行モード終了時の移行処理においてそれらの遊技状態に設定する構成とするとよい。
ステップS1114の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS1115にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、開閉実行モード中に使用した継続フラグ等を消去する。また、出力中の大当たり信号を停止するなどして、一の開閉実行モードが終了したことの情報を外部出力する。これにより、遊技ホールのホールコンピュータにて、一の開閉実行モードの開始と終了とを把握することができる。
本実施の形態に示すように役物装置150に流入した遊技球がV入賞口182a及び外れ口182bのうちどちらに到達するかによってその後の遊技進行に有利不利の差が生じる構成においては、例えばパチンコ機10を叩いたり揺すったりすることで、また磁石を用いて遊技球の動きを制限することで、遊技球の挙動を変化させるといった行為がなされることで、本来であればV入賞口182aに入るはずではなかった遊技球が当該V入賞口182aに入ることで遊技ホールが被る不利益が甚大なものになると想定される。例えば、開閉実行モード中はV入賞口182aへの入球に基づいてラウンドが継続するため、上述したような不正が行われやすくなると懸念される。本実施の形態においては、上記振動センサ301や磁気センサ302を用いてそのような不正を抑制する工夫がなされていることを特徴の1つとしている。
具体的には、主制御装置81のMPU112においては、振動センサ301等からの検知情報に基づいて「特定事象」である振動や磁気を監視し(上記通常処理における異常監視処理)、その監視結果に基づいて遊技進行を変化させる構成となっている。以下、図28のフローチャートを参照して当該異常監視処理について説明する。
(異常監視処理)
異常監視処理においては先ず、ステップS1501にてV入賞口182aへの入球(V入賞)が発生したか否かを判定する。ステップS1501にて否定判定をした場合には、ステップS1502に進む。ステップS1502では振動センサ301からの検知情報及び磁気センサ302からの検知情報を参照して「特定事象」である異常が発生したか否かを判定する。本実施の形態においては、パチンコ機10に搭載された各種駆動手段の動作によって発生する振動や電気機器等の周辺に発生する磁気の影響が遊技球の挙動に影響を与えないように抑えられている。ここで、パチンコ機10に遊技領域PEを移動する遊技球の挙動に影響を与え得るような振動を検知した場合や、遊技球の挙動に影響を与えるような磁気を検知した場合に、これらを「異常」とみなす。この「異常」の発生要因としては上記駆動手段等の故障や遊技機外部からの影響が考えられる。
ステップS1502にて否定判定をした場合、すなわち異常が発生していないと判定した場合には、そのまま本異常監視処理を終了する。ステップS1502にて肯定判定をした場合にはステップS1503に進む。ステップS1503では第1報知処理を実行する。第1報知処理では、演出制御装置82に異常報知用のコマンドを出力する。演出制御装置82においては、この異常報知用のコマンドを受信した場合に、図柄表示装置51の表示画面Gに「振動を検知しました」や「磁気を検知しました」等のメッセージを表示する処理を行う。また、第1報知処理においては、異常を検知した旨を外部出力端子99を通じて遊技ホールに設置されたホールコンピュータに伝える処理(外部信号の出力処理)を行う。ホールコンピュータでは、遊技機からの情報に基づいてどの遊技機にて異常が発生したかを把握する。
ステップS1503の処理を実行した後は、ステップS1504にて入賞監視期間設定処理を行う。振動や磁気を検知した場合、それら振動や磁気の発生要因は偶発的なものと作為的なものとに大別される。作為的なものである場合には、その後にV入賞が発生する可能性が高くなる。そこで、本実施の形態においては振動や磁気を検知した場合には入賞の監視レベルを引き上げるべく入賞監視期間が設定される。この監視期間は、役物装置150に流入した遊技球が回転体ユニット180に到達するのに要する期間と同等となるように設定されている。
ステップS1504の設定処理を実行した後はステップS1505に進む。ステップS1505では開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS1505にて否定判定をした場合には、そのまま本異常監視処理を終了する。ステップS1505にて肯定判定をした場合には、ステップS1506に進む。ステップS1506では当該開閉実行モード中に後述する遅延が発生していたかを判定する。ステップS1506にて否定判定をした場合には、ステップS1507にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに第1遅延フラグを設定した後、本異常監視処理を終了する。詳細については後述するが、第1遅延フラグが設定された場合には、開閉実行モードにおけるラウンド間の閉鎖期間(インターバル)が延長され、次のラウンドへの移行タイミング(開始タイミング)が遅延されることとなる。
ステップS1501の説明に戻り、当該ステップS1501にて肯定判定をした場合、すなわちV入賞が発生していないと判定した場合には、ステップS1508に進む。ステップS1508では入賞監視期間中であるか否かを判定する。ステップS1508にて否定判定をした場合にはそのまま本異常監視処理を終了する。
ステップS1508にて肯定判定をした場合にはステップS1509に進み、第2報知処理を実行する。第2報知処理では、監視期間中にV入賞が発生した旨を遊技ホールに設置されたホールコンピュータに外部出力端子99を通じて伝える処理(外部信号の出力処理)を行う。ホールコンピュータでは、遊技機からの情報に基づいてどの遊技機にて監視期間中のV入賞が発生したかを把握する。ここで、V入賞自体は、不正な入賞であるか否かを判別することは困難である。このため、第2報知処理では上記第1報知処理とは異なり、遊技機自体では監視期間中のV入賞であることを示すメッセージ等の表示は回避される。
例えば、他の遊技機に加わった振動が当該パチンコ機10に伝播した場合には、その振動が振動センサ301によって検知され、それに基づいて監視期間が設定される可能性がある。このような経緯で監視期間が設定されている間にV入賞が発生したとしても、当該パチンコ機10にて遊技中の遊技者に非があるわけではない。そこで、このようなケースでは上述した報知を敢えて行わない構成とすることにより、当該報知が遊技者の遊技意欲を低下させる要因になることを回避している。
ステップS1509の第2報知処理を実行した後は、ステップS1510にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに第2遅延フラグを設定した後、本異常監視処理を終了する。上記第1遅延フラグ又は第2遅延フラグが設定された場合には、開閉実行モードにおけるラウンド間の閉鎖期間(インターバル)が延長され、次のラウンドへの移行タイミング(開始タイミング)が遅延されることとなる。ここで、上記開閉処理を構成する各ラウンド間の閉鎖時間の設定処理(ステップS1223)を図29(a)のフローチャートを参照して補足説明する。
(各ラウンド間の閉鎖時間の設定処理)
各ラウンド間の閉鎖時間の設定処理においては先ず、ステップS1601にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに第2遅延フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1601にて否定判定をした場合には、ステップS1602に進む。ステップS1602では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに第1遅延フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1602にて否定判定をした場合には、ステップS1603にて通常設定処理を実行した後、本閉鎖時間の設定処理を終了する。
ここで、図29(b)の概略図を参照して、通常設定処理にて設定される閉鎖時間について説明する。既に説明したように、開閉実行モード中の開放パターンとしては開放パターンA〜開放パターンCが設けられており、V入賞の発生確率が開放パターンB,C < 開放パターンAとなるように差別化されている。ラウンド間の閉鎖時間については、次のラウンドの開放パターンに応じて決定される。
次のラウンドが開放パターンAに対応している場合に設定される閉鎖時間(詳しくは2sec)は、次のラウンドが開放パターンB,Cに対応している場合に設定される閉鎖時間(詳しくは1sec)よりも長くなっている。このため、閉鎖時間が長くなることで次のラウンドの開放パターンが遊技者に有利なものとなって、ラウンドの継続への期待が高まることとなる。
開閉実行モードの種類(16R継続モード又は継続率変動モード)によって、閉鎖時間が異なり、16R継続モードのほうが継続率変動モードよりも閉鎖時間の総和が長くなるように閉鎖時間情報が定められている。また、継続率変動モードにおいては、長く開閉実行モードが継続した場合(ラウンド遊技の回数が多かった)ほど、閉鎖時間の総和が長くなるように待機時間情報が定められている。このようにすることで、仮に少ないラウンド遊技の回数で開閉実行モードが終了してしまった場合であっても、早急に次の遊技に移行させることができ、次の開閉実行モードの発生に期待するよう遊技者の気持ちを切り換えさせることができる。換言すると、今回の開閉実行モードにおいて継続したラウンド数(ラウンド遊技の回数)が多いほど総閉鎖時間を長くすることで、遊技者が優越感に浸る時間を長くすることができる。
ステップS1602の説明に戻り、当該ステップS1602にて肯定判定をした場合、すなわちRAM114の各種フラグ格納エリア114eに第1遅延フラグが格納されている場合には、ステップS1604に進む。ステップS1604では、閉鎖時間を延長するべく第1特殊設定処理を行う。これにより、次ラウンドの開放パターンに関係なく、閉鎖時間として第1閉鎖時間(詳しくは30sec)が設定される。第1閉鎖時間は通常設定処理にて設定される閉鎖時間よりも長くなっており、当該第1閉鎖時間が設定されることで次ラウンドへの移行(開始)が遅延されることとなる。
ステップS1604の処理を実行した後は、続くステップS1605にて第1遅延コマンドを設定する。第1遅延コマンドは、通常処理(図15参照)の外部出力処理にて演出制御装置82に送信される。第1遅延コマンドには閉鎖時間(インターバル)が30secとなるように延長された旨を示す情報が含まれている。演出制御装置82ではこの第1遅延コマンドを受信したことに基づいて、図柄表示装置51の表示画面Gにて遅延に対応する表示の準備を行う。なお、上記遅延が発生しない場合の閉鎖時間は当たりの種別等に応じて決まっている。このため、遅延コマンドを受信していない場合には、閉鎖コマンドを受信した際に予め定められている態様にて閉鎖時間中の表示を行う。
ステップS1601の説明に戻り、当該ステップS1601にて肯定判定をした場合、すなわちRAM114の各種フラグ格納エリア114eに第2遅延フラグが格納されている場合には、ステップS1606に進む。ステップS1606では、閉鎖時間を延長するべく第2特殊設定処理を行う。これにより、次ラウンドの開放パターンに関係なく、閉鎖時間として第2閉鎖時間(詳しくは60sec)が設定される。第2閉鎖時間は通常設定処理にて設定される閉鎖時間及び上記第2閉鎖時間よりも長くなっており、当該第2閉鎖時間が設定されることで次ラウンドへの移行(開始)が大幅に遅延されることとなる。
第2遅延フラグは、振動や磁気等のを検知した直後(詳しくは監視期間中)にV入賞が発生した場合に設定されるフラグである。第2遅延フラグが格納される場合は、不正行為によってV入賞が発生した可能性が高いため、単に振動や磁気を検知したのみの場合と比較して閉鎖時間が長くなるように差が設けられている。第2閉鎖時間については、各ラウンドの最大継続時間(60sec)と同じになっており、比較的大きく次ラウンドへの移行が遅れることとなる。
ステップS1606の処理を実行した後は、続くステップS1607にて第2遅延コマンドを設定する。第2遅延コマンドは、通常処理(図15参照)の外部出力処理にて演出制御装置82に送信される。演出制御装置82ではこの第2遅延コマンドを受信したことに基づいて、図柄表示装置51の表示画面Gにて遅延に対応する表示の準備を行う。
ステップS1607又はステップS1605の処理を実行した後は、ステップS1608に進む。ステップS1608ではRAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納されている第1遅延フラグ及び第2遅延フラグを消去する。これにより、以降のインターバルへの影響が回避される。
ステップS1608の消去処理を実行した後は、ステップS1609にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに遅延実行フラグを格納して、本閉鎖時間の設定処理を終了する。遅延実行フラグが格納されることにより、以降のラウンド中に振動や磁気が検知された場合には、発生する遅延の度合い大きくなる(図28のステップS1506参照)。
また、遅延実行フラグの有無、すなわち開閉実行モード中に特定事象が発生したか否かに基づいて、開閉実行モード終了時のエンディングの表示時間が変化する。すなわち、遅延実行フラグが設定された場合には、開閉実行モードにおけるエンディングが延長され、通常遊技状態への復帰が遅延されることとなる。ここで、上記開閉処理を構成するエンディング設定処理(ステップS1226)を、図29(a)のフローチャートを参照して補足説明する。
(エンディング設定処理)
エンディング設定処理においては先ず、ステップS1701にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに遅延実行フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1701にて否定判定をした場合には、ステップS1702に進み、通常設定処理を実行する。
図30(b)の概略図に示すように、開閉実行モードの種類(16R継続モード又は継続率変動モード)によって、エンディング用の待機時間(エンディングの実行時間)が異なっており、16R継続モードのほうが継続率変動モードよりもエンディング用の待機時間が長くなるように差が設けらている。このようにすることで、仮に少ないラウンド遊技の回数で開閉実行モードが終了してしまった場合であっても、早急に次の遊技に移行させることができ、次の開閉実行モードの発生に期待するよう遊技者の気持ちを切り換えさせることができる。換言すると、払い出しを多く得られる開閉実行モードの方がエンディング用の待機時間が長くなることで、遊技者が優越感に浸る時間を長くすることができる。
ステップS1701にて肯定判定をした場合には、ステップS1703にて特殊設定処理を実行する。特殊設定処理では、開閉実行モードの種類に関係なく、エンディング用の待機時間として60secを設定する。この待機時間は、ラウンドの最大継続時間(60sec)と同じ長さとなっており、開閉実行モードの終了が大幅に先延ばしされることとなる。
パチンコ機10においては、開閉実行モード中は、通常遊技状態と比較して、表示発光部63やスピーカ部64等の各種演出装置を用いた演出が目立ちやすくなっている。不正行為を行っていない遊技者にとっては開閉実行モードが長く続いた方が他の遊技者に対して優越感を感じやすくなる。故に、遊技意欲を好適に刺激できる。これに対して、不正行為を行っている遊技者にとっては開閉実行モードが長く続くと他の遊技者の目を引きやすくなる。故に、エンディングが長くなって目立つことにより不正行為を行いづらくなる。これにより、防犯機能を好適に強化できる。
ここで、図31のタイミングチャートを参照して、開閉実行モード(詳しくは継続率変動モード)における遊技の流れについて説明する。図31(a)には異常等を検知することなく遊技が円滑に進行している場合が例示されており、図31(b),(c)には異常を検知して一部に遅延が発生している場合が例示されている。
図31(a)に示すように、第1ラウンド中にV入賞を発生させると、それにより第2ラウンドへの移行(ラウンド継続)が確定する。第1ラウンドが終了すると、所定のインターバルを経て第2ラウンドへ移行する。第1ラウンドの開始時点では、第2ラウンドへの移行は確定していない。このため、第2ラウンドへ移行させるには、ラウンドの終了条件(10個の入賞又は19回の開閉(60secの経過))が成立する前にV入賞を発生させる必要がある。このように、ラウンド中にV入賞を発生させることで次ラウンドへ移行し、当該ラウンドで再びV入賞を発生させることで、次のラウンドへ移行する。このV入賞→ラウンド継続の繰り返しは最大16ラウンドまで継続され得る。
ここで、開閉実行モード中に振動センサ301によって振動を検知した場合には、図31(b),(c)に例示しているように、V入賞の監視期間が設定される。また、振動を検知したラウンドが終了して次のラウンドが開始されるまでのインターバル(閉鎖時間)が延長され、次のラウンドの開始が遅れることとなる。この際、通常のインターバルを越えて遅延が発生するため、どのタイミングにてラウンドが開始されるかを把握できなくなれば、遊技球の発射が次ラウンドの開始に間に合わなくなる等して遊技者が不利益を被る可能性が高くなる。また、遅延度合いが大きくなった場合には、遊技機に動作不良が生じているとの誤解を遊技者に与え、ホール管理者の呼出しが無暗に行われ等の要因になり得る。
本実施の形態においては、上記遅延が発生した場合には、次のラウンドが開始されるまでの残り時間を表示画面Gに表示する構成としている。具体的には、図32の概略図に示すように、表示画面Gでは、ラウンド数の表示、獲得した特典の表示(払い出された遊技球の数の表示)、開閉実行モード中の演出用のキャラクタや背景の表示がなされ、上記遅延が発生した場合には次のラウンドが開始されるまでの残り時間を示すメッセージが表示される。これにより、上述した各種不都合の発生を抑制している。
残り時間の表示については、インターバルの開始タイミングではなく、通常の最大閉鎖時間(2sec)に達したタイミングで開始される構成となっている。既に説明したように、閉鎖時間(インターバル)には相対的に短いものと長いものとが設けられており、後者が選択された場合には、次のラウンドでの開放パターンが遊技者に有利なものとなる。故に、インターバルへ移行した直後は次のラウンドの開始が遅れることへ遊技者の期待が向くと想定される。そこで、敢えて最大閉鎖時間は残り時間の表示を行わない構成とすることで、遊技者の期待を好適に煽ることが可能となっている。
V入賞の監視期間中にV入賞が発生した場合には(図31(c)参照)、V入賞の監視期間中から外れたタイミングにてV入賞が発生した場合(図31(b)参照)と比較して遅延の度合いが大きくなる。不正行為が絡んでいる可能性が高いもの程、遅延の度合いを大きくすることで、遊技進行を遅らせて目立ちやすくしたり持ち球の増加速度を抑えて不正行為の恩恵を受けにくくしたりすることができる。
パチンコ機10を叩くことでV入賞口182aへ遊技球を誘導したり、磁石によってV入賞口182aへ遊技球を誘導したりする場合には、それらの行為がなされる毎に上記遅延が発生する。つまり、図33に示すように遅延が発生すればするほど、開閉実行モードが終了するまでの期間が長くなる。開閉実行モードが長引いて目立ちやすくなることにより、不正行為をやりづらくすることができる。また、不正行為を行ったとしても直ちにその恩恵を受けることができるわけではなく、その恩恵を受けるには遊技を続ける必要がある。不正行為を行った場合には利益を取得して早々に当該遊技機から離れたくなると想定されるが、上述したように直ちに遊技機を離れることができない構成とすることは、不正行為の抑止力を強化する上で好ましい。
また、例えば振動センサ301や磁気センサ302の故障等の要因によって遅延が発生した場合であっても、開閉実行モードが間延びすることはあっても、払い出されるはずの遊技球が払い出されないといった事象は生じない。これにより、遊技者の利益を好適に担保できる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、ラウンド間の閉鎖時間(インターバル)を延長することにより、遊技の進行を遅らせる構成とした。このような遅延を発生させる際には、主制御装置81から演出制御装置82に遅延コマンドが出力される構成としたが、本実施の形態においては、当該遅延コマンドが演出制御装置82だけでなく払出制御装置97にも出力され、払出制御装置97では受信した遅延コマンドに基づいて遊技球の払い出しを遅らせる構成となっていることを特徴の1つとしている。以下、図34の概略図を参照して払出装置96の構成について補足説明し、その後、本実施の形態における特徴的構成について説明する。
図34に示すように、払出装置96は、遊技球が通過する球通路96aと、球通路96aの途中位置に設けられた球送部材96bとを有している。球送部材96bはモータ96c(詳しくはステッピングモータ)の出力軸に固定された回転体であり、所定方向に回転することで球通路96aの上流部分から下流部分へ遊技球を順に案内する機能が付与されている。
モータ96cは払出制御装置97に接続されており、払出制御装置97から駆動信号が入力されることで回転(動作)する。球送部材96bによる球送速度についてはモータ96cの出力軸の回転速度に依存しており、払出制御装置97によってその速度が制御される構成となっている。ここで、図35(a)のフローチャートを参照して、払出制御装置97のMPUにより回転速度を制御する際に実行される処理(払出用設定処理)について説明する。
(払出用制御処理)
払出用制御処理においては先ず、ステップS1701にて主制御装置81から上記第2遅延コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1701にて否定判定をした場合には、ステップS1702にて主制御装置81から上記第1遅延コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1702にて否定判定をした場合には、回転速度の調整(制限)を行うことなく、そのまま本払出用制御処理を終了する。
ステップS1702にて肯定判定をした場合に、すなわち第1遅延コマンドを受信している場合には、ステップS1703に進む。ステップS1703では回転速度第1制限処理を行う。これにより、上記回転速度が通常速度よりも遅い第1制限速度となるように制限される。続くステップS1704では第1制限期間設定処理を行う。第1制御期間設定処理では、払い出しを行う場合に上記第1制限速度とする第1制限期間を規定する。これにより、当該第1制限期間を経過するまで、回転速度が第1制限速度に抑えられたままとなる。なお、本実施の形態に示す第1制限速度は、制限がなされていない通常速度の凡そ1/2であり、第1制限期間は上記第1遅延コマンドに基づいて設定された閉鎖時間(インターバル)よりも長い期間(詳しくは次のラウンドが終了するまでの期間よりも長い期間:例えば90sec)となっている。
ステップS1701の説明に戻り、当該ステップS1701にて肯定判定をした場合、すなわち第2遅延コマンドを受信している場合には、ステップS1705に進む。ステップS1705では回転速度第2制限処理を行う。これにより、上記回転速度が通常速度及び上記第1制限速度よりも遅い第2制限速度となるように制限される。続くステップS1706では第2制限期間設定処理を行う。第2制限期間設定処理では、払い出しを行う場合に上記第2制限速度とする第2制限期間を規定する。これにより、当該第2制限期間を経過するまで、回転速度が第2制限速度に抑えられたままとなる。なお、本実施の形態に示す第2制限速度は、制限がなされていない通常速度の凡そ1/4であり、第2制限期間は上記第2遅延コマンドに基づいて設定された閉鎖時間(インターバル)よりも長い期間(詳しくは次のラウンドが終了するまでの期間よりも長い期間:例えば120sec)となっている。
ここで、図35(b)の概略図を参照して、速度制限が生じた場合の持ち球の増加の様子について補足説明する。速度制限が発生していない場合には、開閉実行モードにおける遊技の進行に伴ってはある程度決まったペースで持ち球が増加することとなる。ここで、振動や磁気が検知された場合には、速度制限が発生し、持ち球の増加スピードが低下する。更に振動や磁気の検知に基づいて設定された上記監視期間中にV入賞が発生した場合には、速度制限が強まるとともにその期間も長くなる。これにより、持ち球の増加スピードが一層低下することとなる。このように、遊技球の払い出し速度を遅くすることにより、不正行為によって特典を得ようとした場合には、その獲得までに時間がかかる構成となっている。但し、単位期間あたりに払い出される遊技球の数は少なくなるものの、最終的に払い出される遊技球の数が少なくなるわけではない。これにより、偶発的な要因によって上記遅延が発生した場合に遊技者が不利益を被ることを抑制している。
また、インターバル中に払い出しが続く構成とすれば、インターバルが間延びしているとの印象を緩和する上で有利であり、払い出しが続くことで遊技が停止しているとの誤解を招きにくくしている。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態では、パチンコ機10(詳しくは役物装置150)に伝わる振動や照射される磁気を監視対象として例示したが、これに限定されるものではない。遊技機外部からの作用であって遊技球の挙動に影響を与えたり、遊技球の検知やその検知結果に基づく制御処理に影響を与えたりするものを監視する上では、例えば電波センサを用いて、パチンコ機10に照射される不正な電波を監視する構成とすることも可能である。
(2)上記各実施の形態では、異常が発生した該当ラウンドと次ラウンドとの間の閉鎖時間(インターバル)を延長させる構成としたが、これに限定されるものではない。どのインターバルを延長させるかについては任意である。但し、本実施の形態においては、V入賞を契機として次ラウンドへ移行する構成となっており、V入賞が発生しなかった場合には開閉実行モードが途中で終了し得る。故に、該当ラウンド直後のインターバルを延長対象とすることには技術的意義がある。また、延長対象となるインターバルを1つに限定したが、後に発生するインターバルの全てを延長対象とすることも可能である。
(3)上記各実施の形態では、開閉実行モードとしてV入賞に関係なく16ラウンドまでの継続が確約された16R継続モードと、V入賞によって次ラウンドへの移行が確定する継続率変動モードとが設定されており、何れの開閉実行モードにおいても同様の監視及び対処を行う構成としたが、これに限定されるものではない。16R継続モードと比較して継続率変動モードの方が不正の対象になりやすい点に鑑みれば、継続率変動モードについてのみ監視及び対処を行い、16R継続モードでは当該監視等が行われない構成とすることも可能である。
(4)上記各実施の形態では、ラウンド中にV入賞が発生したとしても当該ラウンドの終了条件である入球条件(所定数の遊技球の入球)及び時間条件(所定期間の経過)の何れかが成立するまで、当該ラウンドが続く構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、V入賞をラウンドの終了条件の1つに加えてもよい。V入賞を契機として次ラウンドに移行する構成とすれば、V入賞のタイミングによって獲得できる遊技球の数を変化させることが可能となり、遊技の多様化に寄与できる。
(5)上記各実施の形態では、振動や磁気を検知した場合に設定される入賞監視期間を、役物装置150に流入した遊技球が当該役物装置150のV入賞口182a及び外れ口182bの何れかに到達するのに要する期間よりも長くなるように設定したが、入賞監視期間をどの程度とするかについては任意である。また、入賞監視の終了タイミングについては期間によって規定する必要はなく、例えば当該入賞監視が開始されたラウンドの終了時まで続く構成としてもよいし、開閉実行モードの終了まで続く構成としてもよい。
(6)上記各実施の形態では、振動や磁気を検知した場合の延長態様と、振動や磁気を検知し且つ所定の入賞監視期間内にV入賞が発生した場合の延長態様とを相違させたが、これらを共通とすることも可能である。但し、上記振動等は偶発的に発生する場合もあれば、センサ等の誤作動によってあたかも発生したかのように誤認される場合もある。故に、実質的に被害が発生していない状況下(V入賞が発生していない状況下)においては、遅延の度合いを小さくすることには技術的意義がある。
(7)上記各実施の形態では、最終ラウンドにて振動や磁気を検知した場合や入賞監視中にV入賞が発生した場合には、エンディングの延長によって開閉実行モードの終了を遅らせる構成とした。最終ラウンドにおいては、V入賞が発生したとしてもラウンドが追加になる等の特典は発生しない。故に、最終ラウンドにて上記事象が発生した場合には、それに起因した開閉実行モードの遅延が回避される構成としてもよい。
(8)上記各実施の形態では、V入賞の有無に関係なくラウンド終了条件(規定期間の経過又は規定数の入球)が成立するまで当該ラウンドは終了しない構成としたが、V入賞をラウンド終了条件として設定することも可能である。すなわち、ラウンドの途中であってもV入賞が発生した時点で当該ラウンドが終了し、インターバルを挟んで次のラウンドへ移行する構成とすることも可能である。
この場合、インターバルの延長を先延ばしすることなく直ちに行う構成とすることも可能である。
(9)上記各実施の形態では、開閉実行モード中(「特別遊技状態」に相当)に異常が発生した場合に、ラウンド間のインターバルを延長する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、開閉実行モードへの移行契機となったV入賞が異常である場合には、開閉実行モード移行時のオープニングや開閉実行モード中のインターバルが延長される構成とすることも可能である。
(10)上記各実施の形態では、通常のインターバルについては長くなることで、その後のラウンドにてV入賞の確率が高くなるように差を設定したが、これに限定されるものではない。通常のインターバルを統一してもよいし、インターバルの長さとV入賞の確率との関係性を有さない構成としてもよい。
(11)上記各実施の形態では、振動や磁気を検知した場合には、その旨を示す信号を遊技ホールに設置されたホールコンピュータに出力し且つパチンコ機10にてその旨を示す報知を行う構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、振動や磁気を検知した場合には、その旨を示す信号を遊技ホールに設置されたホールコンピュータに出力する一方、パチンコ機10においてはその旨を示す報知を行わない構成としてもよいし、ホールコンピュータへの報知及びパチンコ機10における報知の何れも行わない構成としてもよい。
また、振動や磁気の検知後にV入賞が発生した場合には、その旨を示す信号を遊技ホールに設置されたホールコンピュータに出力し且つパチンコ機10にてその旨を示す報知を行う構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、振動や磁気の検知後にV入賞が発生した場合には、その旨を示す信号を遊技ホールに設置されたホールコンピュータに出力する一方、パチンコ機10においてはその旨を示す報知を行わない構成としてもよいし、ホールコンピュータへの報知及びパチンコ機10における報知の何れも行わない構成としてもよい。
(12)上記各実施の形態では、第2遅延が発生した場合には、インターバルの長さがラウンドの終了条件として設定される所定期間と同じ長さとなるように変更される構成としたが、これに限定されるものではない。ラウンドの終了条件として設定される所定期間よりも長くすることも可能である。
(13)上記各実施の形態では、インターバルの遅延が生じている場合には、次ラウンド開始までの残り期間を表示画面Gにて報知する構成としたが、具体的な報知の態様や報知を行う機器については任意に変更することも可能である。また、当該報知を行わない構成としてもよい。
(14)上記第2の実施の形態では、インターバルが延長される場合、インターバルにおける遊技球の払い出し速度を低下させる構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも遊技球の払い出し速度を低下させることができるのであれば足り、必ずしもインターバルを延長させる機能と併用する必要はない。
(15)上記第2の実施の形態では、速度を低下させることで単位期間あたりに払い出される遊技球の数を減らす構成とした。単位期間あたりに払い出される遊技球の数を少なくすることができるのであれば、例えば遊技球の払い出し→次の払い出しのブランクを大きくすることも可能である。
(16)上記第2の実施の形態では、速度制限中は球送部材96bの回転速度が等速となるように構成したが、結果として遊技球の払い出しに要した期間が長くなるのであれば足り、必ずしも回転速度を一定とする必要はない。すなわち、球送部材96bの回転速度を速度制限が行われている範囲内で可変させる構成とすることも可能である。
(17)上記変形例(14)〜(16)に示すように単位期間あたりに払い出される遊技球の数を変化させる上では、例えば単位期間あたりに払い出される遊技球の数に上限数を設定し、その上限数を増減させる構成とすることも可能である。この場合、上限数の変化に応じてモータ96cの駆動制御態様(例えば回転速度、回転周期、停止期間)を変更する構成とすればよい。
(18)上述したインターバル期間の延長(開始遅延)を行う上では、遊技球の発射操作が行われている場合に遅延期間の計測用のタイマカウンタが更新される構成とすることも可能である。このような構成においては、遅延発生時に遊技球の発射を中止することで次ラウンドへの移行が規制されることとなる。
(19)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群> ラウンド間のインターバルを延長
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、前面に遊技領域が形成された遊技盤を備えているものがある。遊技者の発射操作に基づいて発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部に入球することにより、遊技者に遊技球の払出し等の特典が付与される(例えば特許文献1参照)。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。より具体的には「この種の遊技機においては、防犯機能を向上させて上記特典等の不正な取得を抑制する上でその構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題に基づいてなされたものである。
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、遊技球が入球可能な第1状態(受入状態)及び入球が不可となる第2状態(非受入状態)に切替可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態に切り替える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81のMPU112にて開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球制御が継続されるラウンド遊技が、所定の終了条件(例えばV入賞口182aへの入賞非発生)が成立するまでインターバル期間を経て繰り返し実行される特定制御状態(例えば開閉実行モード)に設定する特定制御設定手段(主制御装置81のMPU112にて役物装置150を開閉する機能)と、
予め定められた監視対象の事象(例えば許容レベルを超える振動や磁気)が発生しているか否かを監視する監視手段(主制御装置81のMPU112における振動等の監視機能)と、
前記特定制御状態となっている状況下にて、前記ラウンド遊技中に前記監視手段によって前記監視対象の事象が発生していると特定された場合に、後に実行されるラウンド遊技の開始までのインターバル期間(例えば閉鎖時間)を延長することにより、後のラウンド遊技の開始を遅らせる遅延手段(主制御装置81のMPU112にて次ラウンドの開始を遅延させる機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、ラウンド遊技中に監視対象の事象(例えば許容レベルを超える振動や磁気)が発生した場合には、ラウンド間のインターバル期間が延長されることとなる。これにより、特定制御状態における遊技の進行が遅延される。監視対象の事象が偶発的に発生した場合には遅延が発生するものの遊技進行自体が停止するわけではない。このため、遊技者が不利益を被ることを抑制できる。これに対して、監視対象の事象が不正等を目的として作為的(計画的)なものである場合には遅延が発生することで遊技進行が遅くなる。特定制御状態が長引くことにより周囲の目が当該遊技機に向きやすくなることで不正行為を抑制できる。以上の理由から、遊技機の防犯性を好適に向上させることができる。
なお、本特徴に示す「監視対象の事象」は、遊技球の挙動に影響を与えるような環境条件の変化や遊技機外からの作用等を含む。
特徴A2.遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、第1状態(受入状態)及び当該第1状態よりも入球が困難な第2状態(非受入状態)に切替可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態に切り替える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81のMPU112にて役物装置150を開閉する機能)と、
前記可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態に切り替えるラウンド遊技中に特別入球部(V入賞口182a)への入球が発生したことを契機として前記可変入球制御が継続され、前記ラウンド遊技中に前記特別入球部への入球が発生しなかったことを契機として前記可変入球制御が終了される特定制御状態に設定する特定制御設定手段(主制御装置81のMPU112にて継続判定を実行する機能)と、
予め定められた監視対象の事象(例えば振動や磁気)が発生しているか否かを監視する監視手段(主制御装置81のMPU112における振動等の監視機能)と、
前記ラウンド遊技中に前記監視手段によって前記監視対象の事象が発生していると特定された場合に、当該ラウンド遊技と次のラウンド遊技とのインターバル期間(例えば閉鎖時間)を延長して、次のラウンド遊技の開始を遅延させる遅延手段(主制御装置81のMPU112にて次ラウンドの開始を遅延させる機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、ラウンド遊技中に監視対象の事象(例えば許容レベルを超える振動や磁気)が発生した場合には、ラウンド間のインターバル期間が延長されることとなる。これにより、特定制御状態における遊技の進行が遅延される。監視対象の事象が偶発的に発生した場合には遅延が発生するものの遊技進行自体が停止するわけではない。このため、遊技者が不利益を被ることを抑制できる。これに対して、監視対象の事象が不正等を目的として作為的なものである場合には遅延が発生することで遊技進行が遅くなる。特定制御状態が長引くことにより周囲の目が当該遊技機に向きやすくなることで不正行為を抑制できる。以上の理由から、遊技機の防犯性を好適に向上させることができる。
また、特別入球部への入球を契機として可変入球制御が実行される構成においては、監視対象の事象が特定されたラウンド遊技とその次のラウンド遊技とのインターバル期間を対象として上記延長を行うことにより、インターバル期間の遅延機能が上手く発揮されなくなることを抑制できる。
なお、本特徴に示す「監視対象の事象」は、遊技球の挙動に影響を与えるような環境条件の変化や遊技機外からの作用等を含む。
特徴A3.前記ラウンド遊技の継続条件が非成立となった場合に、遊技状態を前記特定制御状態から当該特定制御状態よりも前記可変入球手段への入球が困難な所定状態(通常遊技状態)に移行させる移行手段と、
前記監視手段によって前記監視対象の事象が特定され且つ前記特別入球部への入球が発生しなかった場合には、前記所定状態に移行させるまでの待機期間(エンディング)を延長することにより、前記所定状態での遊技の開始を遅延させる手段と
を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A3によれば、監視対象の事象が発生したにも関わらず次のラウンド遊技への継続条件が非成立となった場合には、所定状態に移行させるまでの待機期間が延長され、特定制御状態が続くこととなる。上述したように特定制御状態が他の遊技者等の目を引きやすい点に鑑みれば、特定制御状態が長くなることは上記監視対象の事象を作為的に発生させるといった行為を抑制する上で有利となる。また、このようにして防犯機能を強化したとしても遊技自体が停止されるわけではないため、偶発的要因によって上記遅延が発生したとしてもそれが遊技者の不利益の要因になることを好適に抑制できる。
特徴A4.前記遅延手段は、前記監視手段によって前記監視対象の事象が発生していると特定されてから所定期間(例えば監視期間)内に前記特別入球部への入球が発生した場合には、前記所定期間を経過した後に前記特別入球部への入球が発生した場合よりも前記遅延の度合いが大きくなるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
特別入球部への入球と監視対象の事象の発生とが重なった場合には、当該入球が監視対象の事象の影響を受けた可能性が高まる。このような場合に遅延の度合いを大きくすれば、防犯機能の更なる強化が期待できる。
特徴A5.前記特定制御状態となっている場合には、前記ラウンド遊技中に予め設定された数の入球が発生したこと、又は前記ラウンド遊技が開始されてから予め設定された期間が経過したことを条件として、当該ラウンド遊技が終了する構成となっており、
前記遅延手段は、前記インターバル期間が前記設定された期間と同等となるようにして前記遅延を行う手段を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特定制御状態ではラウンド遊技が主となって遊技が進行することとなる。これに対して、インターバル期間の延長が発生すると、インターバル期間の長さがラウンド遊技の長さと同等(場合によってはラウンド遊技以上)となることにより、インターバル期間がラウンド遊技間に埋没することを抑制し、インターバル期間が延長されていることを目立ちやすくすることができる。これにより、特徴A1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴A6.前記特定制御状態となっている場合には、前記ラウンド遊技中に予め設定された数の入球が発生したこと、又は前記ラウンド遊技が開始されてから予め設定された期間が経過したことを条件として、当該ラウンド遊技が終了する構成となっており、
前記遅延手段による前記遅延が発生していない場合には、前記インターバル期間として前記設定期間よりも短い第1インターバル期間が設定され、
前記遅延手段による前記遅延が発生している場合には、前記インターバル期間として前記設定期間よりも長い第2インターバル期間が設定される構成となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特定制御状態ではラウンド遊技が主となって遊技が進行することとなる。これに対して、インターバル期間の延長が発生すると、インターバル期間の長さが設定期間よりも長くなることにより、インターバル期間がラウンド遊技間に埋没することを抑制し、インターバル期間が延長されていることを目立ちやすくすることができる。これにより、特徴A1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴A7.前記遅延手段は、前記ラウンド遊技が繰り返される場合に、それらラウンド遊技間の各インターバル期間のうち前記監視手段によって前記監視対象の事象が発生していると特定されたラウンド遊技と当該ラウンド遊技の次のラウンド遊技との間のインターバル期間を対象として前記遅延が行われる構成となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
監視対象の事象が偶発的に発生した場合に全てのインターバル期間を延長してしまっては特定制御状態が過度に長くなってしまう。これに対して、不正にラウンド遊技を継続させようとすれば都度のラウンド遊技にて不正行為を繰り返す必要が生じ、必然的に何れのラウンド遊技終了後も遅延を発生させることができる。以上の理由から、監視対象の事象が発生していると特定されたラウンド遊技と当該ラウンド遊技の次のラウンド遊技との間のインターバル期間を対象として上記遅延を行う構成とすることには技術的意義がある。
特徴A8.前記監視手段によって前記監視対象の事象が発生していると特定された場合に、当該事象を特定したラウンド遊技が終了するまで前記遅延手段によるインターバル期間の遅延が規制されることを特徴とする特徴A1乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば遊技を遅延させる点にのみ着目した場合には、監視対象の事象が特定された際に直ちに遊技を遅延させる構成とすることも可能である。但し、ラウンド遊技に時間制限があるため上記遅延が発生すれば、本来であれば得られないはずの特典が獲得される可能性が生じる。このような不都合の発生を回避する上ではラウンド遊技における特典付与を制限する等の新たな工夫が必要となり、遊技に関する制御が過度に複雑になる。故に、本特徴に示すようにラウンド遊技が正常に終了するまで(インターバル期間に移るまで)遅延を行わない構成とすることには技術的意義がある。
特徴A9.前記遅延手段によって前記インターバル期間が延長された場合に、次のラウンド遊技の開始までの残り期間を示唆する示唆手段を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
上述したように、通常のインターバル期間を越える遅延が発生する構成においては、どのタイミングにてラウンドが開始されるかを把握できなくなることにより、以下の不都合が生じ得る。すなわち、遊技球の発射が次ラウンドの開始に間に合わなくなる等して遊技者が不利益を被る可能性が高くなる。また、遅延度合いが大きくなった場合には、遊技機に動作不良が生じているとの誤解を遊技者に与え、ホール管理者の呼出しが無暗に行われ等の要因になり得る。そこで、本特徴に示すように、次のラウンド遊技が開始されるまでの残り期間を示唆する構成とすれば、上記各不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A10.前記ラウンド遊技は、予め設定された数の入球が発生したこと、又は予め設定された設定期間が経過したことを条件として、当該ラウンド遊技を終了する構成となっており、
前記遅延手段による前記遅延が発生していない場合には、前記インターバル期間として前記設定期間よりも短い第1インターバル期間が設定され、
前記遅延手段による前記遅延が発生している場合には、前記インターバル期間として前記設定期間よりも長い第2インターバル期間が設定される構成となっており、
前記示唆手段は、前記第1インターバル期間が経過した後に前記示唆を行う構成となっていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A9に示したように残り期間を示唆する上では、示唆された期間が長くなることが遊技者に不快感を与える要因になり得る。そこで、延長に対応していない他のインターバル期間と重なる期間においては示唆を行わない構成として、延長の有無を分かりづらくすることにより、上記示唆の実行期間を短くすることができる。これにより、実用上好ましい構成が実現できる。
特徴A11.前記遅延手段による遅延の度合いは、前記延長の対象となるインターバル期間よりも前のインターバル期間での遅延の発生状況に応じて決定される構成となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に示したように監視対象の事象が特定された場合にインターバル期間を延長する構成においては、偶発的な要因でいきなり長い遅延が発生しては、遊技者の遊技意欲の減退を招きやすくなると懸念される。これに対して、監視対象の事象がラウンド遊技毎に発生している場合には、それらが作為的なものである可能性が高くなる。そこで、本特徴に示すように、遅延手段による遅延の度合いが延長の対象となるインターバル期間よりも前のインターバル期間での遅延の発生状況に応じて決定される構成とすることにより、防犯機能の向上を図りつつ、それが不正行為を行っていない遊技者の遊技意欲を低下させる要因になることを好適に抑制できる。
特徴A12.遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、遊技球が入球可能な第1状態(受入状態)及び入球が不可となる第2状態(非受入状態)に切替可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態に切り替える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81のMPU112にて開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球制御が継続されるラウンド遊技が、所定の終了条件(例えばV入賞口182aへの入賞非発生)が成立するまでインターバル期間を経て繰り返し実行される特定制御状態(例えば開閉実行モード)に設定する特定制御設定手段(主制御装置81のMPU112にて役物装置150を開閉する機能)と、
予め定められた監視対象の事象(例えば許容レベルを超える振動や磁気)が発生しているか否かを監視する監視手段(主制御装置81のMPU112における振動等の監視機能)と、
前記特定制御状態となっている状況下にて、前記ラウンド遊技中に前記監視手段によって前記監視対象の事象が発生していると特定された場合に、後のラウンド遊技の開始を遅らせる遅延手段(主制御装置81のMPU112にて次ラウンドの開始を遅延させる機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、ラウンド遊技中に監視対象の事象(例えば許容レベルを超える振動や磁気)が発生した場合には、特定制御状態における遊技の進行が遅延される。監視対象の事象が偶発的に発生した場合には遅延が発生するものの遊技進行自体が停止するわけではない。このため、遊技者が不利益を被ることを抑制できる。これに対して、監視対象の事象が不正等を目的として作為的(計画的)なものである場合には遅延が発生することで遊技進行が遅くなる。特定制御状態が長引くことにより周囲の目が当該遊技機に向きやすくなることで不正行為を抑制できる。以上の理由から、遊技機の防犯性を好適に向上させることができる。
なお、本特徴に示す「監視対象の事象」は、遊技球の挙動に影響を与えるような環境条件の変化や遊技機外からの作用等を含む。
因みに、本特徴に特徴A2〜特徴A11に示した技術的思想を適用することも可能である。
<特徴B群> 異常発生対応の実行処理を該当ラウンド終了まで遅延
以下の特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機には、前面に遊技領域が形成された遊技盤を備えているものがある。遊技者の発射操作に基づいて発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部に入球することにより、遊技者に遊技球の払出し等の特典が付与される(例えば特許文献1参照)。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。より具体的には「この種の遊技機においては、防犯機能を向上させて上記特典等の不正な取得を抑制する上でその構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題に基づいてなされたものである。
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、第1状態(受入状態)及び当該第1状態よりも入球が困難な第2状態(非受入状態)に切替可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態に切り替える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81のMPU112にて役物装置150を開閉する機能)と、
前記可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態に切り替えるラウンド遊技中に特別入球部(V入賞口182a)への入球が発生したことを契機として前記可変入球制御が継続され、前記ラウンド遊技中に前記特別入球部への入球が発生しなかったことを契機として前記可変入球制御が終了される特定制御状態に設定する特定制御設定手段(主制御装置81のMPU112にて継続判定を実行する機能)と、
予め定められた監視対象の事象(例えば振動や磁気)が発生しているか否かを監視する監視手段(主制御装置81のMPU112における振動等の監視機能)と、
前記監視手段によって前記監視対象の事象(例えば振動や磁気)が発生していると特定された場合に、所定の遊技処理(閉鎖時間の延長処理)を実行する遊技処理実行手段と、
前記ラウンド遊技中に前記監視手段によって前記監視対象の事象が発生していると特定された場合に、当該特定がなされたラウンド遊技が終了するまで前記遊技処理実行手段による前記所定の遊技処理を規制する規制手段(延長処理を回避する機能)を
を備えていることを特徴とする遊技機。
ラウンド遊技中に監視対象の事象(例えば許容レベルを超える振動や磁気)が発生したことに基づいて例えば異常報知等の所定の遊技処理が実行される。これにより、遊技機の防犯機能の向上等に貢献できる。しかしながら、監視対象の事象については必ずしも作為的(計画的)な理由で発生するとは限らない。監視対象の事象が偶発的に発生した場合に上記所定の遊技処理が行われることは遊技者の遊技意欲を低下させる要因になる。特に、特定制御状態では特別入球部への入球に基づいてラウンド遊技が継続する。このため、上記所定の遊技処理によって当該継続が上手くいかなくなれば、遊技者は本来得られるはずであった特典等を取りこぼすこととなり、遊技意欲が大きく低下し得る。この点、本特徴に示すように、ラウンド遊技中に前記監視手段によって前記監視対象の事象が発生していると特定された場合には当該特定がなされたラウンド遊技が終了するまで所定の遊技処理が行われない構成とすることにより、上記不都合の発生を抑制し、防犯性を好適に向上させることができる。
なお、本特徴に示す「監視対象の事象」は、遊技球の挙動に影響を与えるような環境条件の変化や遊技機外からの作用等を含む。
特徴B2.前記遊技処理実行手段は、前記監視手段によって前記監視対象の事象が発生していると特定された場合に前記所定の遊技処理として遊技進行を遅延させる遅延処理を実行する遅延手段を有し、
前記規制手段は、前記遅延手段による前記遅延を前記特定がなされたラウンド遊技が終了するまで規制するように構成されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、ラウンド遊技中に監視対象の事象が発生した場合には、当該ラウンド遊技の終了後(インターバル期間への移行後)に遊技進行に遅延が発生することで遊技進行が遅くなる。特定制御状態が長引くことにより周囲の目が当該遊技機に向きやすくなることで不正行為を抑制できる。以上の理由から、遊技機の防犯性を好適に向上させることができる。
また、例えば遊技を遅延させる点にのみ着目した場合には、監視対象の事象が特定された際に直ちに遊技を遅延させる構成とすることも可能である。但し、ラウンド遊技に時間制限があるため上記遅延が発生すれば、本来であれば得られないはずの特典が獲得される可能性が生じる。このような不都合の発生を回避する上ではラウンド遊技における特典付与を制限する等の新たな工夫が必要となり、遊技に関する制御が過度に複雑になる。故に、本特徴に示すようにラウンド遊技が正常に終了するまで(インターバル期間に移るまで)遅延を行わない構成とすることには技術的意義がある。
特徴B3.前記遅延手段は、前記ラウンド遊技間のインターバル期間を延長させることにより次のラウンド遊技の開始を遅らせるものであることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、ラウンド遊技中に監視対象の事象(例えば許容レベルを超える振動や磁気)が発生した場合には、ラウンド間のインターバル期間が延長されることとなる。これにより、特定制御状態における遊技の進行が遅延される。監視対象の事象が偶発的に発生した場合には遅延が発生するものの遊技進行自体が停止するわけではない。このため、遊技者が不利益を被ることを抑制できる。これに対して、監視対象の事象が不正等を目的として作為的なものである場合には遅延が発生することで遊技進行が遅くなる。特定制御状態が長引くことにより周囲の目が当該遊技機に向きやすくなることで不正行為を抑制できる。以上の理由から、遊技機の防犯性を好適に向上させることができる。
特徴B4.前記ラウンド遊技中ではない非ラウンド遊技中に前記監視手段によって前記監視対象の事象が発生していると特定された場合には、それを契機とした前記遅延が回避される構成となっていることを特徴とする特徴B2又は特徴B3に記載の遊技機。
監視対象の事象が非ラウンド遊技中(例えばインターバル期間中)に発生した場合には、それによって利益の不正取得がなされる可能性は低い。そこで、このような状況では、仮に監視対象の事象を特定したとしてもそれを契機とする遅延を行わない構成とすることで遊技が無駄に遅延されることを回避できる。
特徴B5.遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、第1状態(受入状態)及び当該第1状態よりも入球が困難な第2状態(非受入状態)に切替可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態に切り替える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81のMPU112にて役物装置150を開閉する機能)と、
予め定められた監視対象の事象(例えば振動や磁気)が発生しているか否かを監視する監視手段(主制御装置81のMPU112における振動等の監視機能)と、
前記監視手段によって前記監視対象の事象(例えば振動や磁気)が発生していると特定された場合に、所定の遊技処理(閉鎖時間の延長処理)を実行する遊技処理実行手段と、
前記可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態に切り替えるラウンド遊技中に前記監視手段によって前記監視対象の事象が発生していると特定された場合に、当該特定がなされたラウンド遊技が終了するまで前記遊技処理実行手段による前記所定の遊技処理を規制する規制手段(延長処理を回避する機能)を
を備えていることを特徴とする遊技機。
ラウンド遊技中に監視対象の事象(例えば許容レベルを超える振動や磁気)が発生したことに基づいて例えば異常報知等の所定の遊技処理が実行される。これにより、遊技機の防犯機能の向上等に貢献できる。しかしながら、監視対象の事象については必ずしも作為的(計画的)な理由で発生するとは限らない。監視対象の事象が偶発的に発生した場合に上記所定の遊技処理が行われることは遊技者の遊技意欲を低下させる要因になる。この点、本特徴に示すように、ラウンド遊技中に前記監視手段によって前記監視対象の事象が発生していると特定された場合には当該特定がなされたラウンド遊技が終了するまで所定の遊技処理が行われない構成とすることにより、上記不都合の発生を抑制し、防犯性を好適に向上させることができる。
なお、本特徴に示す「監視対象の事象」は、遊技球の挙動に影響を与えるような環境条件の変化や遊技機外からの作用等を含む。
なお、特徴B2〜特徴B4に示した各技術的思想を特徴B5に適用することも可能である。
<特徴C群> 払出鈍化(スピード低下)
以下の特徴C群は、「パチンコ機等の遊技機には、前面に遊技領域が形成された遊技盤を備えているものがある。遊技者の発射操作に基づいて発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部に入球することにより、遊技者に遊技球の払出し等の特典が付与される(例えば特許文献1参照)。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。より具体的には「この種の遊技機においては、防犯機能を向上させて上記特典等の不正な取得を抑制する上でその構成に未だ改善の余地がある。」という背景・課題に基づいてなされたものである。
特徴C1.遊技球を貯留する貯留部(タンク95)と、
所定の払出条件が成立した場合に、前記貯留部に貯留されている遊技球を払い出す払出手段(払出装置96及び払出制御装置97の払出機能)と、
予め定められた監視対象の事象(例えば振動や磁気)が発生しているか否かを監視する監視手段(主制御装置81のMPU112における振動等の監視機能)と、
前記監視手段によって前記監視対象の事象(例えば振動や磁気)が発生していると特定された場合に、前記払出手段による払出速度を遅くなるように制限する制限手段(払出制御装置97の払出制限機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
例えば遊技機を叩いて振動を加えたり磁気を照射して遊技球を捕捉したりすることで遊技球の挙動を変化させるといった不正行為がなされた場合には、遊技球の払い出し等の特典が不正に取得され得る。ここで、本特徴においては、そのような事象(監視対象の事象)を特定した場合には、払出手段による払出速度が遅くなるように制限されることとなる。特典自体を獲得することはできるものの、それに要する期間が長くなる。長期に亘って払い出しが続くことは他の遊技者の等の目を引きやすくなるため、上記特典を不正に取得しようとする行為が目立ちやすくなる。これにより、不正行為を抑制することができる。
また、監視対象の事象が偶発的な要因によって発生した場合、遊技球の払出速度が低下して払出完了までの期間が間延びするものの、払い出される遊技球の数自体が減るわけではないため、遊技者が不利益を被ることもない。
なお、本特徴に示す「監視対象の事象」は、遊技球の挙動に影響を与えるような環境条件の変化や遊技機外からの作用等を含む。
特徴C2.遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、第1状態(受入状態)及び当該第1状態よりも入球が困難な第2状態(非受入状態)に切替可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態に切り替える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81のMPU112にて役物装置150を開閉する機能)と、
遊技球を貯留する貯留部(タンク95)と、
前記可変入球手段における所定箇所を遊技球が通過した場合に、前記貯留部に貯留されている遊技球を払い出す払出手段(払出装置96及び払出制御装置97の払出機能)と、
予め定められた監視対象の事象(例えば振動や磁気)が発生しているか否かを監視する監視手段(主制御装置81のMPU112における振動等の監視機能)と、
前記可変入球制御が実行されている状況下にて、前記監視手段により前記監視対象の事象が発生していると特定された場合に、前記払出手段による払出速度を遅くなるように制限する制限手段(払出制御装置97の払出制限機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
例えば遊技機を叩いて振動を加えたり磁気を照射して遊技球を捕捉したりすることで遊技球の挙動を変化させるといった不正行為がなされた場合には、遊技球の払い出し等の特典が不正に取得され得る。ここで、本特徴においては、そのような事象(監視対象の事象)を特定した場合には、払出手段による払出速度が遅くなるように制限されることとなる。特典自体を獲得することはできるものの、それに要する期間が長くなる。長期に亘って払い出しが続くことは他の遊技者の等の目を引きやすくなるため、上記特典を不正に取得しようとする行為が目立ちやすくなる。これにより、不正行為を抑制することができる。
また、監視対象の事象が偶発的な要因によって発生した場合、遊技球の払出速度が低下して払出完了までの期間が間延びするものの、払い出される遊技球の数自体が減るわけではないため、遊技者が不利益を被ることもない。
なお、本特徴に示す「監視対象の事象」は、遊技球の挙動に影響を与えるような環境条件の変化や遊技機外からの作用等を含む。
特徴C3.前記貯留部は第1貯留部であり、
前記払出手段によって払い出された遊技球を貯留可能な第2貯留部(上皿71)を備え、
前記払出手段は、
回動可能に設けられ、回動することにより遊技球を前記第1貯留部側から前記第2貯留部側へ送る球送り部(球送部材96b)と、
前記球送り部を回動させる駆動部(モータ96c)と、
前記駆動部の駆動制御を行う駆動制御手段(払出制御装置97)と
を有し、
前記制限手段は、前記駆動制御手段による前記球送り部の駆動モードを前記球送り部の回転速度が相対的に高い第1駆動モードから、相対的に低い第2駆動モードに切り替えるように構成されていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
監視対象の事象が発生した場合には、球送り部の駆動モードが球送り部の回転速度が相対的に高い第1駆動モードから相対的に低い第2駆動モードに切り替わるこれにより、持ち球の増加速度が低下する。これにより、特徴C1等に示した技術的思想を好適に実現できる。
特徴C4.遊技球を貯留する貯留部(タンク95)と、
所定の払出条件が成立した場合に、前記貯留部に貯留されている遊技球を払い出す払出手段(払出装置96及び払出制御装置97の払出機能)と、
予め定められた監視対象の事象(例えば振動や磁気)が発生しているか否かを監視する監視手段(主制御装置81のMPU112における振動等の監視機能)と、
前記監視手段によって前記監視対象の事象(例えば振動や磁気)が発生していると特定された場合に、前記払出手段によって単位期間あたりに払い出される遊技球の数が少なくなるように制限する制限手段(払出制御装置97の払出制限機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
例えば遊技機を叩いて振動を加えたり磁気を照射して遊技球を捕捉したりすることで遊技球の挙動を変化させるといった不正行為がなされた場合には、遊技球の払い出し等の特典が不正に取得され得る。ここで、本特徴においては、そのような事象(監視対象の事象)を特定した場合には、単位期間あたりに払い出される遊技球の数が少なくなるように遊技球の払い出しが制限されることとなる。特典自体を獲得することはできるものの、それに要する期間が長くなる。長期に亘って払い出しが続くことは他の遊技者の等の目を引きやすくなるため、上記特典を不正に取得しようとする行為が目立ちやすくなる。これにより、不正行為を抑制することができる。
また、監視対象の事象が偶発的な要因によって発生した場合、払出完了までの期間が間延びするものの、払い出される遊技球の数自体が減るわけではないため、遊技者が不利益を被ることもない。
なお、本特徴に示す「監視対象の事象」は、遊技球の挙動に影響を与えるような環境条件の変化や遊技機外からの作用等を含む。
特徴C5.遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、第1状態(受入状態)及び当該第1状態よりも入球が困難な第2状態(非受入状態)に切替可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態に切り替える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81のMPU112にて役物装置150を開閉する機能)と、
遊技球を貯留する貯留部(タンク95)と、
前記可変入球手段における所定箇所を遊技球が通過した場合に、前記貯留部に貯留されている遊技球を払い出す払出手段(払出装置96及び払出制御装置97の払出機能)と、
予め定められた監視対象の事象(例えば振動や磁気)が発生しているか否かを監視する監視手段(主制御装置81のMPU112における振動等の監視機能)と、
前記監視手段によって前記監視対象の事象(例えば振動や磁気)が発生していると特定された場合に、前記払出手段によって単位期間あたりに払い出される遊技球の数が少なくなるように制限する制限手段(払出制御装置97の払出制限機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
例えば遊技機を叩いて振動を加えたり磁気を照射して遊技球を捕捉したりすることで遊技球の挙動を変化させるといった不正行為がなされた場合には、遊技球の払い出し等の特典が不正に取得され得る。ここで、本特徴においては、そのような事象(監視対象の事象)を特定した場合には、単位期間あたりに払い出される遊技球の数が少なくなるように遊技球の払い出しが制限されることとなる。特典自体を獲得することはできるものの、それに要する期間が長くなる。長期に亘って払い出しが続くことは他の遊技者の等の目を引きやすくなるため、上記特典を不正に取得しようとする行為が目立ちやすくなる。これにより、不正行為を抑制することができる。
また、監視対象の事象が偶発的な要因によって発生した場合、払出完了までの期間が間延びするものの、払い出される遊技球の数自体が減るわけではないため、遊技者が不利益を被ることもない。
なお、本特徴に示す「監視対象の事象」は、遊技球の挙動に影響を与えるような環境条件の変化や遊技機外からの作用等を含む。
特徴C6.前記単位期間あたりに払い出される遊技球の上限数を規定する規定手段を備え、
前記制限手段は、前記上限数を超えないように前記払出手段による遊技球の払出態様を変更するように構成されていることを特徴とする特徴C4又は特徴C5に記載の遊技機。
特徴C6に示すように、単位期間あたりに払い出される遊技球の上限数を引き下げて、上限数を超えないように払出手段による遊技球の払出態様を変更する構成とすれば、特徴C4等に示した技術的思想を好適に実現できる。
なお、上述した各特徴に示す技術的思想のいずれか1つを他の特徴に適用してもよいし、複数の特徴に示した技術的思想を組み合わせて他の特徴に適用してもよい。また、各特徴に示す構成の一部を抽出して他の特徴に適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル60)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導レール34)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口35等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。