<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図、図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図3に基づいて説明する。図3は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、遊技領域PEの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構27から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。
ちなみに、遊技球発射機構27は、誘導レールに向けて延びる発射レール27aと、後述する上皿66aに貯留されている遊技球を発射レール27a上に供給する球送り装置27bと、発射レール27a上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド27cと、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置(又は発射ハンドル)28が回動操作されることによりソレノイド27cが駆動制御され、遊技球が発射される。
遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、特電入賞装置32、特殊役物33、作動口34、スルーゲート35A,35B、可変表示ユニット36、各種抽選結果を表示するための抽選結果表示部37等がそれぞれ設けられている。抽選結果表示部37には、メイン表示部としての特図表示領域38及び役物表示部としての普図表示領域39が設けられている。なお、一般入賞口31は複数設けられている。
スルーゲート35A,35Bへの入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、特殊役物33及び作動口34への入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、特殊役物33への入球が発生した場合及び作動口34への入球が発生した場合には、3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合及び特電入賞装置32への入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行される。
但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば特殊役物33に係る賞球個数よりも作動口34に係る賞球個数が多いといったように、賞球個数が相違していてもよい。一般入賞口31及び特電入賞装置32の少なくとも一方と同一又はそれよりも多い構成としてもよい。また、特電入賞装置32に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口24aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口24aを通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘24bが植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24aへの遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、特電入賞装置32、特殊役物33、作動口34及びスルーゲート35A,35Bへの遊技球の入球を、入賞とも表現する。
遊技領域PEの中央部を含むようにして可変表示ユニット36が設けられている。当該可変表示ユニット36の周縁部が遊技盤24の表面よりもパチンコ機10前方に突出していることに起因して、遊技領域PEに発射された遊技球が流下可能な領域が区画されている。具体的には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット36の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PE1と、当該上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも左方の領域である左側領域PE2と、上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも右方の領域である右側領域PE3と、左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも下方の領域である下側領域PE4と、に区画されている。
遊技者が第1発射操作として基準回動量未満である第1範囲の回動量で発射操作装置28の操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも左方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→左側領域PE2→下側領域PE4の順で遊技球が流下することとなる。その一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動量で発射操作装置28の操作を行うことで、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも右方にて遊技球が流下し出す。この場合、遊技球は上側領域PE1→右側領域PE3→下側領域PE4の順で遊技球が流下することとなる。つまり、遊技者は発射操作装置28の回動操作量を調整することで、左側領域PE2及び右側領域PE3のうち左側領域PE2を遊技球が流下するように遊技を行うことができるとともに、右側領域PE3を遊技球が流下するように遊技を行うことができる。
特殊役物33は、その内部に2つの入賞口(特別入賞口52、一般入賞口53)を備える入賞装置であり、左側領域PE2から下側領域PE4に亘って設置されている。特殊役物33は、遊技盤24の盤面の前側に突出した状態で設けられる長尺状の通路ケース33bを有しており、その通路ケース33bの上端部に、遊技領域を流下する遊技球が通過可能な球通過口33aが設けられ、その球通過口33aよりも下方に遊技球通過領域Rが形成されている。球通過口33aは、特殊役物33の入口部を構成するものであり、左側領域PE2に設けられている。球通過口33aは上向きに開口し、開閉する部材は設けられていない。そして、同一の態様で遊技球が発射されている状況では、遊技状態に依存することなく球通過口33aの通過頻度(スルーゲート35Aの通過確率でもある)は一定となっている。なお、通路ケース33bは、非透明な材料にて形成されたカバー部材60により遊技機前面側が覆われており、通路ケース33bに設けられた後述の入賞口や誘導部材等はパチンコ機10前方より視認できないようになっている。
作動口34は、右側領域PE3に設置されている。つまり、作動口34は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が可能である。
作動口34の構成について図4を参照しながら説明する。図4(a),(b)は作動口34の構成を示す概略図である。作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての普電役物34aが設けられている。
普電役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された普電用の駆動部34bに連結されており、当該普電用の駆動部34bにより駆動されて図4(a)に示す閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び図4(b)に示す開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。普電役物34aの閉鎖状態では遊技球が作動口34に入賞できず、普電役物34aが開放状態となることで作動口34への入賞が可能となる。ちなみに、開放状態となった場合には、普電役物34aが遊技領域PE側に突出し、作動口34への入賞をガイドする。作動口34には検知センサ34cが設けられており、当該検知センサ34cにより作動口34に入賞した遊技球が検知される。
なお、作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、普電役物34aが切り換えられる構成としてもよい。また、普電役物34aが前後方向に移動又は回動することで入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが行われる構成としてもよい。また、普電役物34aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、作動口34自身の変位により行われる構成としてもよい。
左右の各スルーゲート35A,35Bのうち左側のスルーゲート35Aは、左側領域PE2において球通過口33aのすぐ真上に設けられており、右側のスルーゲート35Bは、右側領域PE3において作動口34の上方に所定間隔を隔てて設けられている。この場合、左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合にスルーゲート35Aへの遊技球の入賞が可能となり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合にスルーゲート35Bへの遊技球の入賞が可能となっている。スルーゲート35A,35Bは縦方向に貫通した図示しない球通過孔を有しており、スルーゲート35A,35Bに入賞した遊技球はその真下に流下する。これにより、左側領域PE2においてスルーゲート35Aに入賞した遊技球は、全て球通過口33aを通過して特殊役物33内に導入される。また、右側領域PE3においてスルーゲート35Bに入賞した遊技球は、その後の球動作や作動口34の状態(役物開閉状態)に応じて作動口34に入賞する。スルーゲート35A,35Bにはそれぞれ検知センサ35cが設けられており、検知センサ35cによりスルーゲート35A,35Bに入賞した遊技球が検知される。
作動口34の普電役物34aは、スルーゲート35A,35Bへの入賞に基づいて閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート35A,35Bへの入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PEにおいて遊技球が通過しない領域である左下の隅部に設けられた抽選結果表示部37の普図表示領域39にて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果がサポート当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて変動表示が終了された場合にサポート実行モードへ移行する。サポート実行モードでは、普電役物34aが所定の態様で開放状態となる。
普図表示領域39は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示領域39にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
なお、本実施形態において、遊技球がスルーゲート35A,35Bに入賞した場合の保留数は1個となっている。また、遊技球が作動口34に入賞した場合の保留数、及び遊技球が特殊役物33に設けられた特別入賞口52に入賞した場合の保留数もそれぞれ1個となっている。したがって、これらに対応した保留表示部は設けられていない。
ただし、例えば、スルーゲート35A,35Bへの入賞について複数個の保留を可能にしてもよく、こうして複数個の保留を可能にする場合、普図表示領域39に隣接した位置に普図保留表示部が設けられているとよい。例えば、遊技球がスルーゲート35A,35Bを入賞した個数が最大4個まで保留され、普図保留表示部の点灯によってその保留個数が表示されるとよい。
作動口34又は特別入賞口52への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は抽選結果表示部37の特図表示領域38及び可変表示ユニット36の図柄表示装置42における表示演出を通じて明示される。
特図表示領域38について詳細には、特図表示領域38には、第1特図表示領域38aと、第2特図表示領域38bとが設けられている。第1特図表示領域38aでは、特別入賞口52への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。また、第2特図表示領域38bでは、作動口34への入賞をトリガとして大当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。
なお、第1特図表示領域38a及び第2特図表示領域38bは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、第1特図表示領域38a及び第2特図表示領域38bにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
図柄表示装置42について詳細には、図柄表示装置42は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置42は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置42では、特別入賞口52への入賞に基づき第1特図表示領域38aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われるとともに、作動口34への入賞に基づき第2特図表示領域38bにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。また、スルーゲート35A,35Bへの入賞に基づき普図表示領域39にて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が図柄表示装置42にて行われる。
図柄表示装置42にて図柄の変動表示が行われる場合の表示内容について、図5を参照して詳細に説明する。図5は図柄表示装置42の表示画面42aを示す図である。
絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図5(a)に示すように、図柄表示装置42の表示画面42aには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
図5(b)に示すように、表示画面42aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面42aには、図5(a)に示すように、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
スルーゲート35A,35B、作動口34又は特別入賞口52への入賞に基づいて表示画面42aにおいて図柄の変動表示が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。また、図柄の変動表示が終了する場合、後述する開閉実行モードへの移行に対応しているとともに当該開閉実行モード後に後述する高頻度サポートモードに設定される場合には、いずれかの有効ライン上に同一の奇数図柄の組み合わせが形成され、後述する開閉実行モードへの移行に対応しているとともに当該開閉実行モード後に後述する低頻度サポートモードに設定される場合には、いずれかの有効ライン上に同一の偶数図柄の組み合わせが形成される。また、後述するサポート実行モードへの移行に対応している場合には、いずれかの有効ライン上に所定の図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)が形成される。
なお、スルーゲート35、作動口34又は特別入賞口52のいずれかへの入賞に基づいて、いずれかの特図表示領域38a,38b、普図表示領域39及び図柄表示装置42にて表示が開始され、所定の結果を表示して終了されるまでが遊技回の1回に相当する。また、図柄表示装置42における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置42にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
作動口34及び特別入賞口52への入賞に基づく大当たり抽選にて当選となった場合には特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。ここで、球通過口33aを遊技球が通過して特殊役物33に遊技球が導入された場合、その球通過口33aでの球通過の都度、遊技球が全て特別入賞口52に入賞するわけでなく(すなわち、毎回大当たり抽選が実行されるわけではなく)、所定個数の球通過に1回の頻度で特別入賞口52に遊技球が入賞し、その入賞に伴い大当たり抽選が実行される。
特電入賞装置32は右側領域PE3において作動口34の下方に設けられている。つまり、特電入賞装置32は左側領域PE2を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が不可であり、右側領域PE3を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞が可能である。
特殊役物33について図6を参照しながら説明する。図6(a)は特殊役物33の構成を説明するための説明図である。図6(b)〜(e)は特殊役物33の動作を説明するための説明図である。図6(b)〜(e)には、特殊役物33の動作を説明し易くするため特殊役物33を簡略化した構成を示している。
図6(a)に示すように、特殊役物33において通路ケース33bには、遊技球が通過可能な大きさの球通過口33aが形成されているとともに、球通過口33aを通過した遊技球が流下する遊技球通過領域Rが形成されている。遊技球通過領域Rにおいては、通路ケース33bの一対の囲い壁33c(上側及び下側の囲い壁33c)と、その間に設けられる突起部33dとにより内部通路51が形成されている。この内部通路51は、球通過口33aを通過した遊技球を特別入賞口52及び一般入賞口53のいずれかに誘導するための通路であって、球通過口33aから特別入賞口52及び一般入賞口53にかけて形成されている。
特別入賞口52に遊技球が入賞した場合には大当たり抽選が行われ、一般入賞口53へ遊技球が入賞した場合には大当たり抽選は行われない。なお、賞球は特別入賞口52及び一般入賞口53のどちらに遊技球が入賞した場合にも行われ、本実施形態ではいずれも3個としている。特別入賞口52には特別入賞口用の検知センサ52aが設けられており、一般入賞口53には一般入賞口用の検知センサ53aが設けられている。両検知センサ52a,53aにより、遊技球がいずれの入賞口に入賞したかが検知される。
特殊役物33は、所定数の遊技球が球通過口33aを通過することに伴い、遊技球を特別入賞口52に入賞させる状態に移行するものである。具体的には、特殊役物33には、内部通路51において上流側から下流側にかけて複数の振分板54が設けられており、これら各振分板54はそれぞれ、球通過口33aを通過した遊技球が到来することに基づいて、遊技球通過領域Rにおける遊技球の振り分け先を変更する。すなわち、各振分板54は、その上下方向の略中心部に設けられた回動軸55により正逆両方向に回動可能に支持されており、その回動軸55を中心として回動する。各振分板54は、遊技球が当たることで揺動する揺動体であるとも言える。この場合、各振分板54は、内部通路51において上流側から遊技球が流下してくる都度、その遊技球を、特別入賞口52に入賞可能な第1通路51a側(図の右下方向)と、特別入賞口52に入賞不可能な第2通路51b側(図の左下方向)とでそれぞれ交互に振り分けるものとなっている。本実施形態では8個の振分板54が設けられている。
これら8個の振分板54は、そのうち前段の振分板54で遊技球が第1通路51a側に振り分けられた場合に、当該遊技球が後段の振分板54に到達するようにそれぞれ配置されており、球通過口33aにおける遊技球の通過数が所定数になると、8個の振分板54について遊技球の振り分け先が全て第1通路51a側になり、遊技球が特別入賞口52に入賞する状態に移行するようになっている。
各振分板54は、回動軸55を挟んで上側部分と下側部分とのうち下側部分が、厚肉のテーパ部56となっており、このテーパ部56により内部通路51の幅が狭められている。この場合、遊技球が内部通路51を通過する際には、その遊技球が振分板54のテーパ部56に接触し、それにより振分板54を回動させることが可能となる。遊技球との接触によって回動した振分板54は、次に通過する遊技球を今通過した遊技球とは異なる方向に誘導することとなる。具体的には、各振分板54は、遊技球の振り分け先が第1通路51aになっていれば、次の遊技球の到来に伴いその振り分け先を第2通路51bに切り替え、逆に、遊技球の振り分け先が第2通路51bになっていれば、次の遊技球の到来に伴いその振り分け先を第1通路51aに切り替える。
振分板54において回動軸55を挟んで上側には磁石が57設けられている。また、特殊役物33の奥側面には、振分板54側の磁石57の回動軌道となりかつ回動軸55の上方となる位置に通路側の磁石58が設けられている。両磁石57,58は、互いに反発しあう極性となるように設けられている。磁石57,58による反発力が働くことにより、振分板54側の磁石57は自然状態において通路側の磁石58よりも右側又は左側のどちらかに配置され、遊技球が第1通路51a及び第2通路51bのいずれかに振り分けられる。
磁石57,58は、振分板54が回動した場合に、その振分板54を正面視で右下がりとなる所定位置と左下がりとなる所定位置とのいずれかで保持する位置保持手段として機能する。遊技球が振分板54のテーパ部56に当たると、振分板54側の磁石57が通路側の磁石58の前方を通過して左右方向の反対側に移動する。ここで、振分板54の回動軸55はパチンコ機10前後方向に延びており、内部通路51よりも奥側となる位置にて図示しない回動規制部と接続されている。当該回動規制部により、振分板54の回動範囲が規制されており、振分板54が必要以上に回動しないようになっている。
各振分板54は、球通過口33aから各入賞口52,53にかけて8個連続して設けられており、それら8個の振分板54の状態の組み合わせ、すなわち振り分け先の組み合わせは256通り(=2の8乗通り)となっている。遊技球が内部通路51を流下するごとに8個の振分板54の状態が変化し、256通りある組み合わせ状態が順番に切り替えられることとなる。内部通路51においては、256通りの振分板54の組み合わせごとに流下経路が異なっており、そのうち1通りの組み合わせにより遊技球は球通過口33aから特別入賞口52へ誘導される。具体的には、全ての振分板54が遊技球を第1通路51a側(右下方向)へ振り分ける状態となっている場合に、内部通路51を流下する遊技球が特別入賞口52へ入賞する。その他の経路を通る遊技球は、すべて一般入賞口53へ入賞する。
上記のように各振分板54が設けられていることにより、パチンコ機10に天井機能を設けることが可能となる。ここで、天井機能とは所定遊技を所定回数行うことで遊技者に特典が付与される機能であり、特典が付与されるまでに実行すべき所定遊技の回数を天井という。本実施の形態では、球通過口33aへの入賞を256回発生させることができれば天井に到達し、ほぼ100%の確率で開閉実行モードにパチンコ機10の状態を移行させることができる。
内部通路51において、各振分板54にて第2通路51b側(左下方向)に振り分けられた遊技球は、その後いずれの振分板54も経由せずに一般入賞口53へと到達することとなる。このとき、下流側の振分板54を経由しない分だけ、特別入賞口52へ到達する場合よりも早く遊技者は賞球を得ることとなる。ここで、特別入賞口52に遊技球が入賞する場合と、一般入賞口53に遊技球が入賞する場合とで時間差(タイムラグ)が生じると、球通過口33aでの球通過の発生から賞球までの時間を計測することで遊技者は特別入賞口52への入賞の発生があったか否かを予測することが可能となる。この予測を困難とするため、第2通路51b側には、上流側から流下する遊技球が当たる球当たり部51cが設けられている。この球当たり部51cに遊技球が衝突することで、遊技球の下方への誘導が一時的に緩やかになる。これにより、いずれかの振分板54を経由しない場合に、球通過口33aでの球通過から賞球までの間にタイムラグが発生することを防止可能となる。
次に、特殊役物33における遊技球振分動作について、図6(b)〜(e)を用いてより具体的に説明する。ここでは、理解容易のため、振分板54を2つのみ使用した構成について説明する。こうして2つの振分板54を設けた構成では、各振分板54の状態として4通り(=2の2乗通り)の組み合わせがあり、球通過口33aを通過した遊技球は4個ごとに特別入賞口52へ誘導されることとなる。
図6(b)では、初期状態として、各振分板54がいずれも左下(第2通路51b側)に遊技球を振り分ける状態となっている。この状態で1個目の遊技球が球通過口33aを通過すると、その遊技球は、上段側の振分板54により左下(第2通路51b側)に振り分けられ、一般入賞口53に入賞する。この1個目の遊技球の通過により、上段側の振分板54の振り分け先が切り替わり、特殊役物33は図6(c)の状態となる。
次に、2個目の遊技球が球通過口33aを通過すると、その遊技球は、上段側の振分板54により右下(第1通路51a側)に振り分けられるとともに、下段側の振分板54により左下(第2通路51b側)に振り分けられ、一般入賞口53に入賞する。この2個目の遊技球の通過により、上下両段の各振分板54の振り分け先が切り替わり、特殊役物33は図6(d)の状態となる。
次に、3個目の遊技球が球通過口33aを通過すると、その遊技球は、上段側の振分板54により左下(第2通路51b側)に振り分けられ、一般入賞口53に入賞する。この3個目の遊技球の通過により、上段側の振分板54の振り分け先が切り替わり、特殊役物33は図6(e)の状態となる。
次に、4個目の遊技球が球通過口33aを通過すると、その遊技球は、上段側の振分板54により右下(第1通路51a側)に振り分けられるとともに、下段側の振分板54により右下(第1通路51a側)に振り分けられ、特別入賞口52に入賞する。この4個目の遊技球の通過により、上下両段の各振分板54の振り分け先が切り替わり、特殊役物33は図6(e)の状態に戻る。以降同様に、遊技球が球通過口33aを通過することに伴い、各振分板54が図6(b)→(c)→(d)→(e)の動作を繰り返すこととなる。したがって、所定の球通過個数ごとに特別入賞口52に遊技球を入賞させることが可能となる。
本実施形態の特殊役物33では、振分板54を上下8段に設けることにより、遊技球が球通過口33aを256回通過するごとに特別入賞口52への入賞が生じる構成としているが、その回数は任意に変更できる。例えば、振分板54を1つのみ設ければ、遊技球が球通過口33aを2回通過するごとに特別入賞口52への入賞が生じる。また、振分板54を上下6段に設ければ、遊技球が球通過口33aを64回通過するごとに特別入賞口52への入賞が生じ、振分板54を上下7段に設ければ、遊技球が球通過口33aを128回通過するごとに特別入賞口52への入賞が生じる。
ここで、パチンコ機10における天井機能を実現する上では、特別入賞口52に遊技球が入賞した場合に実行される大当たり抽選の当選確率はほぼ100%となることが望ましい。これにより、特殊役物33に遊技球が繰り返し導入される場合に、所定回数(本実施の形態では256回)の遊技回の実行ごとに大当たり当選が実行されることとなる。
次に、特電入賞装置32について説明する。
特電入賞装置32は、図3に示すように、遊技球が通過可能な大きさの大入賞口32aが形成されているとともに、当該大入賞口32aを遊技球が通過不可である閉鎖状態と遊技球が通過可能である開放状態とに切り換える特電側の開閉部材32bを備えている。特電側の開閉部材32bは特電用の駆動部32cにより図示しないリンク機構を通じて駆動されることで開放状態となる。また、特電入賞装置32には、大入賞口32aを介して特電入賞装置32内に入賞した遊技球が必ず通過する位置に入賞用通過部が形成されており、さらに当該入賞用通過部の位置に検知領域が存在するようにして大入賞口用の検知センサ32eが設けられている。当該大入賞口用の検知センサ32eによって、特電入賞装置32に入賞した遊技球が個別に検知される。
上記構成の遊技盤24が樹脂ベース21に取り付けられてなる内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル62を通じて遊技領域PEを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の右方に設けられている。また、窓部61の上方にはエラーランプ部64が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部65が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部66と下側膨出部67とが上下に並設されている。上側膨出部66内側には上方に開口した上皿66aが設けられており、下側膨出部67内側には同じく上方に開口した下皿67aが設けられている。上皿66aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構27側へ導くための機能を有する。また、下皿67aは、上皿66a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図2に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71が搭載されている。主制御装置71は主制御基板が基板ボックスに収容されてなる。
主制御装置71を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック72を備えており、当該裏パック72に対して、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74が取り付けられている。
払出機構部73は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク75と、当該タンク75に貯留された遊技球を払い出すための払出装置76と、を備えている。払出装置76より払い出された遊技球は、当該払出装置76の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿66a又は下皿67aに排出される。なお、払出機構部73には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット74は、払出装置76を制御する機能を有する払出制御装置77と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置28の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置78と、を備えている。これら払出制御装置77と電源及び発射制御装置78とは、払出制御装置77がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
裏パック72には、払出機構部73及び制御装置集合ユニット74以外にも、外部端子板79が設けられている。外部端子板79は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板79は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図7のブロック図に基づき説明する。
主制御装置71は、遊技の主たる制御を司る主制御基板81と、電源を監視する停電監視基板(電断監視基板)85と、を具備している。主制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、ROM83及びRAM84が内蔵されている。
ROM83は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM83は、MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
RAM84は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリを読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM83よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RAM84は、ROM83内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
また、MPU82又は主制御基板81には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。なお、MPU82に対してROM83及びRAM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、停電監視基板85、払出制御装置77及び各種入賞検知センサ32e,34c,35c,52a,53aなどが接続されている。停電監視基板85には電源及び発射制御装置78が接続されており、MPU82には停電監視基板85を介して電力が供給される。また、各種入賞検知センサ32e,34c,35c,52a,53aの検知結果に基づいて、MPU82において各入賞部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU82では、特別入賞口52又は作動口34への入賞に基づいて大当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35A,35Bへの入賞に基づいてサポート抽選を実行する。
MPU82の出力側には、停電監視基板85、払出制御装置77及び音光制御装置91が接続されている。払出制御装置77には、例えば、上記入賞部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音光制御装置91には、変動用コマンド、種別コマンド、最終停止コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については後に説明する。
また、MPU82の出力側には、特電入賞装置32の開閉部材32bを開閉動作させる特電用の駆動部32c、作動口34の普電役物34aを開閉動作させる普電用の駆動部34bが接続されており、さらに第1特図表示領域38a、第2特図表示領域38b及び普図表示領域39を備える抽選結果表示部37が接続されている。主制御基板81には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU82は各種駆動部の駆動制御を実行する。
また、MPU82の出力側には、外部端子板79が接続されている。外部端子板79には、複数の外部端子(出力端子)が設けられている。外部端子は例えば8個設けられており、管理コンピュータに向けて外部出力する情報の種類が相違している。これら複数の外部端子には、開閉実行モード中であることを示す開閉実行信号の外部出力を行うための端子と、サポート実行モード中であることを示すサポート実行信号の外部出力を行うための端子と、高頻度サポートモード中であることを示す高頻度信号の外部出力を行うための端子とが含まれている。MPU82は、RAM84に設けられた外部出力バッファに対して、遊技の進行に応じた情報の設定を行う。そして、外部出力バッファに設定された情報に応じて、信号出力用の設定を外部端子板79に対して行い、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させる。なお、各外部端子は、主制御装置71から管理コンピュータへ向けた電気信号の送信を可能としながら、その逆の流れを防止すべく、フォトカプラを用いて構成されている。
停電監視基板85は、主制御基板81と電源及び発射制御装置78とを中継し、また電源及び発射制御装置78から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置77は、主制御装置71から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置76により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置78は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板81や払出制御装置77等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置78は、遊技球発射機構27の発射制御を担うものであり、発射操作装置28に対する所定の発射操作を特定したことに基づいて、遊技球発射機構27を駆動する。
音光制御装置91は、主制御装置71から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた表示ランプ部63、エラーランプ部64及びスピーカ部65を駆動制御するとともに、表示制御装置92を制御するものである。表示制御装置92では、音光制御装置91から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置42の表示制御を実行する。
<MPU82にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、MPU82にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図8を用いて説明する。
MPU82は、各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、普電役物34aの開放抽選、第1特図表示領域38a及び第2特図表示領域38bの表示の設定、図柄表示装置42の図柄表示の設定、普図表示領域39の表示の設定などを行うこととしている。具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、開閉実行モード後に設定するサポートモードの種別の抽選に使用するサポート種別カウンタC2と、図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、各特図表示領域38a,38b及び図柄表示装置42における変動表示時間を決定する第1変動種別カウンタCS1と、普電役物34aを開放状態とするか否かのサポート抽選に使用する普電乱数カウンタC4と、普図表示領域39における変動表示時間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、を用いることとしている。なお、上記カウンタC1〜C4,CINI,CS1〜CS2は、RAM84の抽選用カウンタエリア101に設けられている。
各カウンタC1〜C4,CINI,CS1〜CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。
大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報は、作動口34又は特別入賞口52への入賞が発生した場合に、大当たり抽選用の取得情報記憶手段として設けられた特図保留エリア102に格納される。特図保留エリア102は、第1特図保留エリア103と、第2特図保留エリア104と、特図用の実行エリア105と、を備えている。
第1特図保留エリア103及び第2特図保留エリア104は、保留記憶可能なエリアは1つずつ設けられている。そして、遊技回用の演出及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況であって、第1特図保留エリア103に保留情報が取得されていない状況で特別入賞口52への入賞が発生することで、大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として第1特図保留エリア103に格納され、第2特図保留エリア104に保留情報が取得されていない状況で作動口34への入賞が発生することで、大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、第2特図保留エリア104に格納される。
特図用の実行エリア105は、いずれかの特図表示領域38a,38bにて変動表示を開始する際に、特図用の当否判定や振分判定などを行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、第1特図表示領域38aの変動表示を開始する際には、第1特図保留エリア103の第1エリア103aに格納された保留情報が特図用の実行エリア105に移動される。一方、第2特図表示領域38bの変動表示を開始する際には、第2特図保留エリア104に格納された保留情報が特図用の実行エリア105に移動される。
普電乱数カウンタC4に対応した情報は、スルーゲート35A,35Bへの入賞が発生した場合に、サポート抽選用の取得情報記憶手段として設けられた普図保留エリア106に格納される。普図保留エリア106には、普図用の実行エリア107が設けられている。普図用の実行エリア107は、普図表示領域39にて変動表示を開始する際に、サポート用の当否判定を行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、普図表示領域39の変動表示を開始する際には、普図保留エリア106に格納されている保留情報が普図用の実行エリア107に移動される。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
先ず大当たり乱数カウンタC1について説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、既に説明したとおり、遊技球が作動口34又は特別入賞口52に入賞したタイミングで特図保留エリア102に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM83における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに大当たり用の当否テーブルとして記憶されている。大当たり用の当否テーブルは、作動口34又は特別入賞口52への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定に際して使用される共通の特図用の当否テーブルが設定されている。
ここで、本パチンコ機10では、大当たり乱数カウンタC1を参照することによる当否結果として、大当たり結果と外れ結果とが設定されている。大当たり結果とは、特電入賞装置32が開閉される開閉実行モードへ遊技状態を移行させる結果である。
当該開閉実行モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。ラウンド遊技とは、予め定められた特電用の開放継続時間が経過すること、及び予め定められた特電用の上限個数の遊技球が大入賞口32aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。本パチンコ機10では、開閉実行モードとして、ラウンド遊技の上限回数が2ラウンドに設定されているもののみが存在しているが、ラウンド遊技の上限回数が相違するように開閉実行モードが複数種類設定されていてもよい。
各ラウンド遊技の開放継続時間は同一となっており、その開放継続時間は遊技球の発射周期と、上記入賞の上限個数との積以上の上限入賞対応時間である29.5secとなっている。つまり、本パチンコ機10では、発射操作装置28が遊技者により継続して操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PEに向けて発射されるように遊技球発射機構27が駆動制御される。また、ラウンド遊技の入賞の上限個数は10個に設定されている。そうすると、各ラウンド遊技では、遊技球の発射周期と、対応するラウンド遊技の上限個数との積以上の開放継続時間が設定されていることとなり、特電入賞装置32への入賞を狙う態様で発射操作が継続された場合には各ラウンド遊技にて大入賞口32aへの上限個数の入賞が発生することとなる。
なお、ラウンド遊技の上限個数の入賞が可能であれば、各ラウンド遊技の開放継続時間は任意である。また、ラウンド遊技間で開放継続時間が相違していてもよく、この場合、ラウンド遊技間で開放継続時間が大きく相違していてもよく、見た目上同様となるように略同一に設定されていてもよい。
特図用の当否テーブルでは、図9(a)に示すように、当否結果として、大当たり結果と、外れ結果と、が設定されている。大当たり結果となる乱数の数は599個に設定されており、特図用の当否テーブルが参照されることで大当たり結果となる確率は599/600となる。但し、これに限定されることはなく、例えば当該確率が上記よりも低く設定されていてもよい。
次に、サポート種別カウンタC2について説明する。
サポート種別カウンタC2は、0〜27の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。サポート種別カウンタC2は定期的に更新され、既に説明したとおり、遊技球が作動口34又は特別入賞口52に入賞したタイミングで特図保留エリア102に格納される。
サポート種別カウンタC2は開閉実行モードの終了後における作動口34の普電役物34aのサポートモードを決定するために利用される。ここで、本パチンコ機10では、サポートモードとして、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、普電役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
詳細には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、普電乱数カウンタC4を用いたサポート抽選においてサポート当選となる確率が異なり、低頻度サポートモードにおいて高頻度サポートモードよりも当選確率を低くしている。また、高頻度サポートモードでは、サポート当選となった際に普電役物34aが開放状態になる開放継続時間が、低頻度サポートモードよりも長くなるように設定されている。具体的には、低頻度サポートモードにおいてサポート当選となった場合には遊技球の発射周期よりも短い0.1secの開放が1回行われるのに対して、高頻度サポートモードにおいてサポート当選となった場合には遊技球の発射周期よりも長い5secの開放が1回行われる。これにより、低頻度サポートモードでは作動口34への実質的な入賞が発生しない普電役物34aの態様が設定され易く、高頻度サポートモードでは作動口34への入賞が可能な普電役物34aの態様が設定され易くなっている。
また、スルーゲート35A,35Bへの入賞が発生するとともにそれに対してサポート抽選が行われた場合には普図表示領域39にて抽選結果が明示されることとなるが、当該抽選結果が明示されるまで変動表示が継続される時間の設定態様が高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとで相違している。
具体的には、高頻度サポートモードでは高頻度用の普図変動時間として単一の2.74secが設定されており、当該2.74secの間に亘って変動表示が継続された後に抽選結果の表示が固定の最終停止時間である0.6secに亘って維持される。そして、サポート当選である場合にはその最終停止時間が経過した後に普電役物34aが開放状態となる。
一方、低頻度サポートモードでは低頻度用の普図変動時間が複数種類設定されている。かかる複数種類の普図変動時間の情報は、ROM83において普図変動時間テーブルとして設定されている。そして、普図表示領域39の変動表示を開始する際に第2変動種別カウンタCS2から取得した数値情報に応じた普図変動時間が普図変動時間テーブルから読み出される。複数種類の低頻度用の普図変動時間には、高頻度用の普図変動時間よりも短い時間及び長い時間が含まれているが、それらの選択率を考慮した平均時間は高頻度用の普図変動時間よりも長いものとなっている。
上記のように低頻度用の普図変動時間が複数種類設定されていることにより、低頻度サポートモードではスルーゲート35A,35Bに遊技球が入賞してから作動口34が開放状態となるまでの時間が不規則なものとなる。そして、上記のとおり低頻度サポートモードではサポート当選となった際に作動口34への入賞が発生する確率が低く設定されており、かかる構成に対して普図変動時間が不規則な構成を適用することで、低頻度サポートモードにおける作動口34への入賞を発生しづらいものとすることが可能となる。その一方、低頻度サポートモードにおける上記平均時間は高頻度用の普図変動時間よりも長く設定されているため、低頻度サポートモードではサポート抽選が実行される頻度が高頻度サポートモードの場合よりも低くなる。
ちなみに、低頻度サポートモードにおいて作動口34への入賞を発生しづらくするための手法としては、上記構成に加えて又は代えて、普図表示領域39にてサポート当選に対応した結果を表示してから普電役物34aが開放状態となるまでの時間を複数種類設定し、それら複数種類の時間から抽選により選択する構成としてもよい。又は、低頻度サポートモードにおいてサポート抽選を実施しないようにする、すなわち高頻度サポートモード以外でサポート抽選を実施しないようにすることも可能である。いずれにしろ、低頻度サポートモードである場合において、遊技盤24の左側領域PE2と右側領域PE3とのうち左側領域PE2への遊技球の発射を遊技者に促すような構成になっているとよい。
以上のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。なお、高頻度サポートモードにおいて低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに普電役物34aが開放状態となる頻度を高くする構成は、上記のものに限定されることはない。例えば、高頻度サポートモードにおいても1回のサポート抽選が行われてから次のサポート抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35A,35Bへの入賞に基づき普図表示領域39にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回のサポート抽選が行われてから次のサポート抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、普図表示領域39における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
本実施形態では、低頻度サポートモードにおいて高頻度サポートモードよりも当選確率を低くしているが、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでサポート当選となる確率をいずれも同一(例えば、共に4/5)にすることも可能である。
サポート種別カウンタC2に対する振分結果は、ROM83における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルとしては、作動口34又は特別入賞口52への入賞に基づき取得された保留情報の振分判定に際して使用される共通の特図用の振分テーブルが設定されている。そして、この振分結果には、低頻度結果と、高頻度結果と、が設定されている。
振分結果が低頻度結果となった場合には、該当する開閉実行モードが終了した後のサポートモードが、それ以前のサポートモードの種類に関係なく低頻度サポートモードに設定される。この低頻度サポートモードは次に大当たり結果となって高頻度サポートモードに設定されるまで継続される。
振分結果が高頻度結果となった場合には、該当する開閉実行モードが終了した後のサポートモードが、それ以前のサポートモードの種類に関係なく高頻度サポートモードに設定される。この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
特図用の振分テーブルでは、図9(b)に示すように、「0〜27」のサポート種別カウンタC2の値のうち、「0」が低頻度結果に対応しており、「1〜27」が高頻度結果に対応している。したがって、低頻度サポートモードにおいて作動口34又は特別入賞口52への入賞に基づき取得された保留情報を契機として開閉実行モードに移行した際には、その後に低頻度サポートモードが設定される確率よりも高頻度サポートモードが設定される確率の方が高くなっている。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、既に説明したとおり、遊技球が作動口34又は特別入賞口52に入賞したタイミングで特図保留エリア102に格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置42における表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置42を備え、開閉実行モードへの移行が発生する遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置42における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置42の表示画面42aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ表示は、開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM83のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、リーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
次に、第1変動種別カウンタCS1について説明する。
第1変動種別カウンタCS1は例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1は、特図表示領域38a,38bにおける変動表示時間(表示継続期間)と、図柄表示装置42における図柄の変動表示時間とをMPU82において決定する上で用いられる。第1変動種別カウンタCS1は、特図表示領域38a,38bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置42による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。
変動表示時間の決定に際しては、ROM83の変動表示時間テーブル記憶エリア(変動表示時間情報記憶手段)に予め記憶されている変動表示時間テーブル(変動表示時間情報群)が参照される。
この変動表示時間テーブルは、低頻度サポートモードにおいて作動口34に係る保留情報又は特別入賞口52に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合と、高頻度サポートモードにおいて作動口34に係る保留情報又は特別入賞口52に係る保留情報を契機として遊技回用の演出が実行される場合と、で区別して記憶されている。そして、高頻度サポートモード中の変動表示時間は低頻度サポートモード中の変動表示時間よりも短く設定されている。具体的には、高頻度サポートモード中の変動表示時間は0.64secに設定されており、さらに変動表示後に大当たり抽選の結果が0.6secに亘って維持される。つまり、高頻度サポートモード中に読み出される変動表示時間の情報は作動口34に係る保留情報を契機とした場合及び特別入賞口52に係る保留情報を契機とした場合のいずれであっても同一となっている。これにより、予め記憶しておく変動表示時間の情報の記憶容量を抑えることが可能となる。また、高頻度サポートモードでは作動口34への入賞を狙って遊技が行われ、特別入賞口52への入賞は意図せず発生するものであるため、その遊技回用の演出は短縮することが好ましい。
次に、普電乱数カウンタC4について図10を参照しながら説明する。図10は普図当否振分テーブルであって、図10(a)は低頻度サポートモード時に参照する普図当否振分テーブル、図10(b)は高頻度サポートモード時に参照する普図当否振分テーブルである。
普電乱数カウンタC4は、例えば、0〜719の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。普電乱数カウンタC4は定期的に更新され、既に説明したとおり、スルーゲート35A,35Bに入賞したタイミングで普図保留エリア106に格納される。既に説明したとおり、普電乱数カウンタC4の値を利用して普電役物34aを開放状態に制御するか否かのサポート抽選が行われる。
低頻度サポートモード時に参照する普図当否振分テーブルでは、図10(a)に示すように、当否結果として、短時間態様の当選結果と、外れ結果とが設定されている。抽選結果が短期間態様の当選結果となった場合、普電役物34aが1回開放され、開放継続時間は0.1secに設定される。普電乱数カウンタC4の値は、「0〜719」のうち、「0〜35」が短時間態様の結果に対応しており、「36〜719」が外れ結果に対応している。
一方、高頻度サポートモード時に参照する普図当否振分テーブルでは、図10(b)に示すように、当選結果として、長時間態様の当選結果と、外れ結果とが設定されている。抽選結果が長期間態様の当選結果となった場合、普電役物34aが1回開放され、開放継続時間は5secに設定される。普電乱数カウンタC4の値は、「0〜719」のうち、「0〜575」が長時間態様の結果に対応しており、「576〜719」が外れ結果に対応している。上記のように、高頻度サポートモードにてサポート当選した場合には、必ず長時間態様の結果となる。これにより、高頻度サポートモードでは、作動口34への入賞が発生する可能性が高くなる。
次に、第2変動種別カウンタCS2について説明する。
第2変動種別カウンタCS2は例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。第2変動種別カウンタCS2は、低頻度サポートモードにおいて普図表示領域39における変動表示時間をMPU82において決定する上で用いられる。第2変動種別カウンタCS2は、低頻度サポートモードにおいて普図表示領域39における変動表示の開始時に取得される。
なお、開閉実行モードでなく、さらにサポートモードが低頻度サポートモードである場合が本パチンコ機10の通常遊技状態に相当する。また、各抽選用のカウンタがRAM84に設けられている構成に代えて、MPU82が乱数の更新に寄与しないように専用回路として設けられていてもよい。
<MPU82にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置71のMPU82にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかるMPU82の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
先ず、図11のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
先ずステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102ではRAM84のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてMPU82の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源及び発射制御装置78に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RAM84の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RAM84の初期化として当該RAM84をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といったRAM84の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音光制御装置91に送信する。また、払出制御装置77のRAMの初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出制御装置77に送信する。さらに、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、MPU82はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、先ずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2の更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、RAM84の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図12のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
ここで、MPU82にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板81には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路とMPU82との間の信号経路の途中位置に存在するように分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングをMPU82にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路からMPU82に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。MPU82では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、MPU82における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路からのパルス信号の出力はMPU82における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、MPU82の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
さて、タイマ割込み処理では、先ずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板85から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS203ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS205では、遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、前回又は前回以前のタイマ割込み処理において不正行為が検知されている場合には、遊技の進行を停止すべき状況であると判断し、遊技を進行させるための処理の実行を停止する。なお、不正検知の処理は、後述するステップS211にて行われる処理である。
その後、ステップS206では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS207以降の処理を実行する。
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32c,34bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口32aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部32cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
また、作動口34の普電役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS208では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS209では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサ32e,34c,35c,52a,53aから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口31、大入賞口32a、作動口34、スルーゲート35A,35B、特別入賞口52及び一般入賞口53への入賞の有無を特定する処理を実行する。
続くステップS210では、RAM84に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS211では、不正用の監視対象として設定されている不正行為が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該設定されている不正行為が発生している場合には、次回のタイマ割込み処理における上記ステップS205にて遊技の進行を停止すべき状況と判断する。
続くステップS212では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射操作装置28に対して発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS213では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ32e,34c,35c,52a,53aの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS214では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行するとともに、ステップS215では、普電役物34aのサポート抽選及び普電役物34aの開閉制御を行うための普図普電制御処理を実行する。
続くステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、第1特図表示領域38a及び第2特図表示領域38bの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示領域39の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS217では、遊技回及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況において図柄表示装置42の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行するとともに、ステップS218では、払出制御装置77から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS219では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
続くステップS220では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように、外部端子板79への信号出力の状態を切り換えるための外部情報設定処理を実行する。また、ステップS221では、試射試験情報を編集するための処理を実行する。
ステップS206にて肯定判定をした場合、又はステップS207〜ステップS221の処理を実行した後は、ステップS222に進む。ステップS222では、割込み終了宣言の設定を実行する。MPU82では、一度タイマ割込み処理が起動された場合、次のタイマ割込み処理が起動されるための条件の1つとして割込み終了宣言の設定を行うことが定められており、ステップS222では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み終了宣言の設定を行う。また、ステップS223では、割込み許可の設定を行う。MPU82では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップS223では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
以下、タイマ割込み処理のステップS214にて実行される特図特電制御処理について説明するとともにステップS215にて実行される普図普電制御処理について説明する。
<普図普電制御処理>
先ず、ステップS215にて実行される普図普電制御処理について説明する。
普図普電制御処理では、スルーゲート35A,35Bへの入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報についてサポート発生判定を行い、さらにそのサポート発生判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、サポート発生判定の結果に基づいて、作動口34の普電役物34aを開閉させる処理を実行する。
さて、普図普電制御処理では、図13のフローチャートに示すように、先ずステップS301にて、普図側の保留情報の取得処理を実行する。ここで、普図側の保留情報の取得処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明すると、先ずステップS401にて第1普図入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。第1普図入賞フラグは、左側領域PE2及び右側領域PE3に設けられたスルーゲート35A,35Bのうち、左側領域PE2に設けられたスルーゲート35Aに入賞した場合にセットされるフラグであり、RAM84に設けられている。
ステップS401にて肯定判定した場合には、ステップS402にて第1普図入賞フラグをクリアするとともに、続くステップS403にて第1普図入賞カウンタを1加算する。第1普図入賞カウンタはRAM84に設けられており、初期値が「0」であって第1普図入賞フラグがセットされる度に1加算される。第1普図入賞カウンタによって、左側領域PE2に設けられたスルーゲート35Aを通過した遊技球数、つまり球通過口33aを通過した遊技球の数がカウントされるようになっている。
ステップS401にて否定判定をした場合には、ステップS404にて第2普図入賞フラグがセットされているか否かを判定する。第2普図入賞フラグは、左側領域PE2及び右側領域PE3に設けられたスルーゲート35A,35Bのうち、右側領域PE3に設けられたスルーゲート35Bに入賞した場合にセットされるフラグであり、RAM84に設けられている。
ステップS404にて肯定判定をした場合には、ステップS405にて第2普図入賞フラグをクリアする。また、ステップS404にて否定判定をした場合には、そのまま本普図側の保留情報の取得処理を終了する。
ステップS403又はステップS405の実行後は、ステップS406にて第1普図入賞カウンタの値が「251」であるか否かを判定する。つまり、ステップS406では、特殊役物33への遊技球の入球回数が天井である256回にもうすぐ到達する状況であるか否かを判定する。ステップS406にて肯定判定をした場合には、ステップS407にて天井報知コマンドを音光制御装置91への出力対象に設定する。
このとき、ステップS406の判定値(=251)は、大当たり当選の天井回数(=256)よりも小さい中間数であり、「256」よりも小さい数値で複数設定しておくことも可能である。例えば、「241」、「246」、「251」のように複数設定しておき、その回数に到達する都度、天井報知コマンドを設定するようにしてもよい。
音光制御装置91では、天井報知コマンドを受信した場合には、当該天井報知コマンドに対応した音の出力パターン及び光の制御パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、天井報知に対応した演出が表示ランプ部63及びスピーカ部65を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音光制御装置91のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って天井報知用の演出を表示ランプ部63及びスピーカ部65にて行わせる。
また、天井報知コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、そのコマンドから天井報知が図柄表示装置42を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置92から読み出し、その読み出されたデータテーブルに従って天井報知用の演出を表示する。天井報知用の演出とは具体的に、後5回の入賞が左側領域PE2のスルーゲート35Aにて発生することで大当たりとなる可能性が高いことを遊技者に報知する演出である。
ステップS406にて否定判定をした場合又はステップS407の実行後は、ステップS410にて、第1普図入賞カウンタの値が「256」であるか否かを判定する。つまりステップS410では、特殊役物33に今回入球した遊技球が、第1普図入賞カウンタに初期値が設定されてから(すなわち、前回、特別入賞口52に入賞してから)256個目であるか否かを判定する。
ステップS410にて否定判定した場合には、ステップS411に進み、普電乱数カウンタC4の数値情報を普図保留エリア106に格納する。その後、本普図側の保留情報の取得処理を終了する。
ステップS410にて肯定判定した場合には、ステップS412にて普電乱数カウンタC4及び天井到達情報を普図保留エリア106に格納する。天井到達情報は、左側領域PE2のスルーゲート35Aへの256回目の入賞の発生に基づき普図保留エリア106に格納された情報を識別するための情報である。続くステップS413では、第1普図入賞カウンタをクリアするとともに、本普図側の保留情報の取得処理を終了する。
普図普電制御処理(図13)の説明に戻り、ステップS301にて保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS302に進む。ステップS302では、RAM84に設けられた普図普電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS303では、ROM83から普図普電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS304にて、普図普電アドレステーブルから普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS302〜ステップS304の処理内容について説明する。
既に説明したとおり普図普電制御処理には、普図用の演出に係る処理、普電役物34aの開閉に係る処理が含まれている。この場合に、普図用の演出に係る処理として、普図変動開始処理と、普図変動中処理と、普図確定中処理と、が設定されている。また、普電役物34aの開閉に係る処理として、普電開放中処理と、普電閉鎖中処理と、が設定されている。
このような処理構成において、普図普電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU82にて把握するためのカウンタであり、普図普電アドレステーブルには、普図普電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
普図普電カウンタは「0」〜「4」の数値情報を設定可能となっており、普図普電アドレステーブルには普図普電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「NSA0」〜「NSA4」)が設定されている。この場合、開始アドレスNSA0は、普図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA1は、普図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA2は、普図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA3は、普電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA4は、普電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
普図普電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における普図普電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリアされる。したがって、各処理回における普図普電制御処理では、普図普電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
上記構成によれば、普図普電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくてもMPU82にて把握することが可能となる。よって、処理の簡素化が図られる。
以下に、普図普電カウンタ及び普図普電アドレステーブルを利用して、普図変動開始処理、普図変動中処理、普図確定中処理、普電開放中処理及び普電閉鎖中処理を実行するための処理構成を説明する。
ステップS304の処理を実行した後は、ステップS305にて、普図側のゼロフラグの設定処理を実行する。普図側のゼロフラグの設定処理では、普図普電タイマカウンタの数値情報を読み出し、普図普電タイマカウンタの数値情報が「0」である場合に、MPU82のレジスタに設けられた普図側のゼロフラグに「1」をセットする処理を実行する。普図普電タイマカウンタは、時間の経過に応じた普図普電カウンタの更新タイミングをMPU82にて特定するために利用されるカウンタであり、所定の時間に対応した数値情報はステップS307〜ステップS311の各処理にてセットされるとともに、数値情報の更新はタイマ割込み処理(図12)におけるステップS210のタイマ更新処理にて実行される。
続くステップS306では、ステップS304にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがNSA0である場合にはステップS307の普図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA1である場合にはステップS308の普図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA2である場合にはステップS309の普図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA3である場合にはステップS310の普電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA4である場合にはステップS311の普電閉鎖中処理にジャンプする。そして、ステップS307〜ステップS311のいずれかの処理を実行した後に、本普図普電制御処理を終了する。以下、ステップS307〜ステップS311の処理について個別に説明する。
<普図変動開始処理>
先ず、ステップS307の普図変動開始処理について図15のフローチャートを参照しながら説明する。
普図変動開始処理では、先ずステップS501にて、RAM84に設けられた高頻度フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。高頻度フラグは、MPU82にてサポートモードが高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードのいずれであるかを特定する場合に参照されるフラグであり、開閉実行モードの終了に際してその後に高頻度サポートモードに移行する場合に「1」がセットされる。
また、ステップS502にて、RAM84に設けられた遊技回数カウンタが「0」であるか否かを判定する。遊技回数カウンタは、高頻度サポートモードに設定された状態で終了基準回数(具体的には100回)の遊技回が消化されたか否かをMPU82にて特定するためのカウンタである。ちなみに、遊技回数カウンタへの終了基準回数のセットは、開閉実行モードの終了に際してその後に高頻度サポートモードとなる場合に行われ、当該遊技回数カウンタにセットされた数値情報は遊技回が終了することに基づき1減算されるように更新される。
ステップS501及びステップS502の両方にて肯定判定をした場合には、ステップS503にて、高頻度フラグをクリアする。これにより、普電役物34aのサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。ここで、普図変動開始処理は、普図普電カウンタの数値情報が普電開放中処理や普電閉鎖中処理に対応している状況、すなわちサポート当選となった場合の普電役物34aのサポート実行モード中は実行されない。したがって、終了基準回数目の遊技回の終了前にサポート当選となったことに基づくサポート実行モード中に終了基準回数目の遊技回が終了したとしてもサポートモードは高頻度サポートモードに維持され、当該サポート実行モードが終了した後に低頻度サポートモードに切り換えられる。
続くステップS504では、高頻度解除用の外部出力設定処理を実行する。当該外部出力設定処理では、遊技ホールの管理コンピュータへの外部端子板79からの高頻度信号の出力が停止されるようにRAM84のデータ設定を行う。高頻度信号は高頻度サポートモードに移行する場合に出力が開始される。ちなみに、当該高頻度信号の出力停止はタイマ割込み処理(図12)におけるステップS220の外部情報設定処理にて実行する。
ステップS501及びステップS502のいずれかで否定判定をした場合、又はステップS504の処理を実行した後は、ステップS505に進む。ステップS505では、普図側の保留情報があるか否かを判定する。保留情報が無い場合にはそのまま本普図変動開始処理を終了し、保留情報がある場合にはステップS506にてデータ設定処理を実行する。データ設定処理では、普図保留エリア106に格納されたデータ(すなわち、保留情報)を実行エリア107に移動する。
続くステップS507では、高頻度フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ステップS507にて肯定判定をした場合には、ステップS508にてROM83から高頻度用の当否振分テーブルを読み出し、ステップS507にて否定判定をした場合には、ステップS509にて低頻度用の当否振分テーブルを読み出す。ステップS508又はステップS509にて肯定判定をした場合には、ステップS510に進む。
ステップS510では、当否判定処理を実行する。当否判定処理ではステップS508又はステップS509にて読み出した当否振分テーブルを参照して、普図用の実行エリア107に格納された当否判定用の情報、すなわち普電乱数カウンタC4に係る数値情報がいずれの当否結果に対応しているか否かを判定する。具体的には、サポート当選結果及び外れ結果のいずれに該当しているのかを判定する。
続くステップS511では振分判定処理を実行する。振分判定処理では、ステップS508又はステップS509にて読み出した当否振分テーブルを参照して、普図用の実行エリア107に格納された振分判定用の情報、すなわち普電乱数カウンタC4に係る数値情報がいずれの振分結果に対応しているか否かを判定する。具体的には、長時間態様の当選結果及び短時間態様の当選結果のいずれに該当しているのかを判定する。
続くステップS512では、普図変動時間及び停止結果の把握処理を実行する。普図変動時間の把握に際しては、第2変動種別カウンタCS2の現状の数値情報を読み出すとともに、その数値情報に対応した普図変動時間の数値情報を対応する普図用の変動表示時間テーブルから読み出す。この場合、リーチの有無や、当否結果の内容や、振分結果の内容に応じた普図変動時間の情報を読み出す。
また、停止結果の把握に際しては、今回開始される遊技回が終了する場合に対応する普図表示領域39に表示させる停止結果の情報をROM83から読み出す。この場合、当否結果の内容や、振分結果の内容に応じた停止結果の情報を読み出す。
続くステップS513では、ステップS512にて読み出した普図変動時間の数値情報を普図普電タイマカウンタにセットする。
続くステップS514にて、特図特電カウンタが「0」であるか否かを判定する。特図特電カウンタが「0」である状況とは、特図側の保留情報に基づく遊技回中でなく、開閉実行モード中でもない状況である。ステップS514にて肯定判定をした場合には、ステップS515にて、普図変動時間の内容、当否結果の内容、及び振分結果の内容に応じた変動用コマンド及び種別コマンドを音光制御装置91への出力対象として設定する。変動用コマンドには、普図変動時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。
ステップS514にて否定判定をした場合又はステップS515の処理を実行した後はステップS516にて、今回の変動開始対象の普図表示領域39において変動表示を開始させる。続くステップS517では、普図普電カウンタを1加算する。これにより、普図普電カウンタの数値情報は「0」から「1」に更新される。その後、本普図変動開始処理を終了する。
上記のように、ステップS514にて否定判定をした場合には、普図変動時間の内容、当否結果の内容、及び振分結果の内容に応じた変動用コマンド及び種別コマンドが音光制御装置91への出力対象として設定されない構成となっていることで、特図側の保留情報に基づく遊技回用の演出が実行されている間は普図側の保留情報に基づく遊技回用の演出は実行されないようにすることが可能となる。
<普図変動中処理>
普図普電制御処理(図13)におけるステップS308の普図変動中処理について図16を参照しながら説明する。
普図変動中処理では、先ずステップS601にて、MPU82のレジスタに設けられた普図側のゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することで、今回の遊技回用の演出における普図変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS601にて否定判定をした場合にはステップS602に進む。
ステップS602では、今回の遊技回用の演出において変動表示の対象となっている普図表示領域39の更新タイミングであるか否かを判定する。更新タイミングではない場合にはそのまま本普図変動中処理を終了する。更新タイミングである場合にはステップS603にて、更新内容の読み出し処理を実行する。かかる更新内容は、ROM83に更新用データテーブルとして記憶されており、ステップS603では更新タイミングに対応した更新内容をそのデータテーブルから読み出す。
続くステップS604では、ステップS603にて読み出した更新内容を今回の普図表示領域39の更新用にセットする。ちなみに、普図表示領域39の表示内容を実際に更新させるための処理は、タイマ割込み処理(図12)におけるステップS216の表示制御処理にて実行される。その後、本普図変動中処理を終了する。
一方、ステップS601にて肯定判定をした場合には、普図変動開始処理(図15)のステップS514と同様、ステップS605にて特図特電カウンタが「0」であるか否かを判定する。ステップS605にて肯定判定をした場合には、普図用の最終停止コマンドを音光制御装置91への出力対象に設定する。最終停止コマンドは、音光制御装置91に対して今回の遊技回用の演出について最終停止表示を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。
音光制御装置91では、最終停止コマンドを受信した場合には、当該最終停止コマンドに対応した音の出力パターン及び光の制御パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、最終停止表示に対応した演出が表示ランプ部63及びスピーカ部65を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音光制御装置91のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って最終停止表示用の演出を表示ランプ部63及びスピーカ部65にて行わせる。かかるデータテーブルは、最終停止時間に対応している。
また、最終停止コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、そのコマンドから最終停止表示が図柄表示装置42を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置92のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って今回の遊技回用の演出における停止結果を最終停止表示させる。
ステップS605にて否定判定をした場合又はステップS606の実行後は、ステップS607に進む。ステップS607では、停止結果の読み出し処理を実行する。当該読み出し処理では、今回の遊技回の開始に際して普図変動開始処理(図15)のステップS512にてRAM84に設定した停止結果の情報を読み出す。続くステップS608ではその読み出した停止結果の情報を今回の遊技回用の演出に対応した普図表示領域39の更新用にセットする。
続くステップS609では、ROM83に予め記憶されている単一の最終停止時間(例えば0.6sec)の情報を読み出し、その最終停止時間の情報を、普図普電タイマカウンタにセットする。その後、ステップS610にて普図普電カウンタを1加算した後に、本普図変動中処理を終了する。この場合、普図普電カウンタの数値情報は「1」から「2」に更新される。
上記のように、ステップS605にて否定判定をした場合には、普図用の最終停止コマンドが音光制御装置91への出力対象として設定されない構成となっていることで、特図側の保留情報に基づく遊技回用の演出が図柄表示装置42にて実行されている間は普図側の保留情報に基づく遊技回用の演出は実行されないようにすることが可能となる。
<普図確定中処理>
普図普電制御処理(図13)におけるステップS309の普図確定中処理では、図17のフローチャートに示すように、先ずステップS701にて、普図変動中処理にて普図普電タイマカウンタにセットされた最終停止時間が経過したか否かを判定する。なお、当該判定処理について具体的にはゼロフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
最終停止時間が経過していない場合には、そのまま本普図確定中処理を終了し、最終停止時間が経過している場合には、ステップS702にて、今回の変動表示の契機となったサポート用の当否判定の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選ではない場合には、ステップS703にて、普図普電カウンタの数値情報を「0」クリアした後に、本普図確定中処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS704に進む。
ステップS704では、RAM84に設けられた普電開放カウンタに「1」をセットするとともに、ステップS506にて、RAM84に設けられた普電入賞カウンタに「10」をセットする。普電開放カウンタは今回のサポート実行モードにおける普電役物34aの残り開放回数をMPU82にて特定するためのカウンタであり、普電入賞カウンタは今回のサポート実行モードにおいて作動口34への入賞が上限個数分発生したか否かをMPU82にて特定するためのカウンタである。
続くステップS706では、高頻度フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回の普図表示領域39の変動表示が高頻度サポートモード中に係るものであるか否かを判定する。
ステップS706にて否定判定をした場合には、ステップS707にて、普図普電タイマカウンタに低頻度用の開放継続時間(具体的には0.1sec)の数値情報をセットする。
一方、ステップS706にて肯定判定をした場合には、ステップS708にて、普図普電タイマカウンタに高頻度用の開放継続時間(具体的には5sec)の数値情報をセットする。
続くステップS709では、普図変動開始処理(図15)のステップS514及び普図変動中処理(図16)のステップS605と同様、特図特電カウンタが「0」であるか否かを判定する。
ステップS709にて肯定判定をした場合、ステップS710にてオープニングコマンドを音光制御装置91への出力対象に設定する。オープニングコマンドは、サポート当選結果となり普電役物34aが閉鎖状態から開放状態へ移行することを音光制御装置91に対して認識させるためのコマンドである。
音光制御装置91では、普図用のオープニングコマンドを受信した場合には、当該オープニングコマンドに対応した音の出力パターン及び光の制御パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、サポート当選結果となったことを契機として普電役物34aが閉鎖状態から開放状態に移行したことに対応した演出が表示ランプ部63及びスピーカ部65を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音光制御装置91のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従ってサポート実行モード用の演出を表示ランプ部63及びスピーカ部65にて行わせる。
また、オープニングコマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、そのコマンドから、サポート当選結果となったことを契機として普電役物34aが閉鎖状態から開放状態へ移行したことに対応した演出が図柄表示装置42を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置92のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従ってサポート実行モード用の演出を図柄表示装置42にて実行させる。
ステップS707の実行後、ステップS709にて否定判定をした場合又はステップS710の実行後は、ステップS711にて普図普電カウンタを1加算した後に、本普図変動開始処理を終了する。この場合、普図普電カウンタの数値情報を「2」から「3」に更新する。
上記のように、ステップS709にて否定判定をした場合には、普図用のオープニングコマンドが音光制御装置91への出力対象として設定されない構成となっていることで、特図側の保留情報に基づく遊技回用の演出が図柄表示装置42にて実行されている間は普図側の保留情報に基づく遊技回用の演出は実行されないようにすることが可能となる。
<普電開放中処理>
普図普電制御処理(図13)におけるステップS310の普電開放中処理では、普電役物34aの開放状態を維持するための処理を実行する。この場合に、普電開放カウンタの数値情報を1減算するように更新し、普電開放カウンタの数値情報が「0」である場合にはサポート実行モードを終了する。具体的には、普図普電カウンタの数値情報を1加算した後に、本普電開放中処理を終了する。この場合、普図普電カウンタの数値情報は「3」から「4」に更新される。
<普電閉鎖中処理>
普図普電制御処理(図13)におけるステップS311の普電閉鎖中処理では、普電役物34aを開放状態から閉鎖状態に移行するための処理を実行する。その後、普図普電カウンタを「0」クリアする。
<特図特電制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図12)のステップS214にて実行される特図特電制御処理について説明する。
特図特電制御処理では、作動口34又は特別入賞口52への入賞が発生している場合に特図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、特図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について特図用の当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行する。さらに、開閉実行モード中の処理を実行する。ただし本実施形態では、作動口34及び特別入賞口52の各入賞に関してその入賞の保留可能数(特図側の保留可能数)は「1」であり、既に1個が入賞し、第1特図保留エリア103及び第2特図保留エリア104において保留情報が記憶されている状態では続く2個目の入賞に基づく保留は行われないようになっている。
さて、特図特電制御処理では、図18のフローチャートに示すように、先ずステップS801にて、特図側の保留情報の取得処理を実行する。ここで、特図側の保留情報の取得処理について、図19のフローチャートを参照しながら説明すると、先ずステップS901にて、RAM84に設けられた第1特図入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。第1特図入賞フラグはタイマ割込み処理(図12)のステップS209の入賞検知処理にて特別入賞口52への入賞が特定された場合にセットされる。
第1特図入賞フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS902にて、第1特図入賞フラグをクリアする。続くステップS903では、第1特図保留エリア103に記憶されている第1特図側の保留情報の合計数PS1が「0」であるか否かを判定する。「0」である場合にはステップS904にて、第1特図側の保留情報の合計数を1加算するとともに、ステップS905にて、直前のステップS202にて更新した大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、第1特図保留エリア103に格納する。
ステップS901にて否定判定をした場合、ステップS903にて否定判定をした場合、又はステップS905の処理を実行した場合には、ステップS906に進む。ステップS906では、RAM84に設けられた第2特図入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。第2特図入賞フラグはタイマ割込み処理(図12)のステップS209の入賞検知処理にて作動口34への入賞が特定された場合にセットされる。
第2特図入賞フラグに「1」がセットされていない場合にはそのまま本取得処理を終了し、第2特図入賞フラグに「1」がセットされている場合にはステップS907にて第2特図入賞フラグをクリアする。続くステップS908では、第2特図側の保留情報の合計数PS2が「0」であるか否かを判定する。「0」である場合にはステップS909にて、第2特図側の保留情報の合計数を1加算するとともに、ステップS910にて、直前のステップS202にて更新した大当たり乱数カウンタC1、サポート種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、第2特図保留エリア104に格納する。
ステップS908にて否定判定をした場合又はステップS910の実行後は、本取得処理を終了する。
特図特電制御処理(図18)の説明に戻り、ステップS801にて特図側の保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS802に進む。ステップS802では、RAM84に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS803では、ROM83から特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS804にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS802〜ステップS804の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理及び開閉実行モードに係る処理が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理と、が設定されている。また、開閉実行モードに係る処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理と、大入賞口32aの開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理と、大入賞口32aの閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU82にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
特図特電アドレステーブルについて説明すると、特図特電カウンタは「0」〜「6」の数値情報を設定可能となっており、特図特電アドレステーブルには特図特電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「PSA0」〜「PSA6」)が設定されている。この場合、開始アドレスPSA0は、特図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスPSA1は、特図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスPSA2は、特図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスPSA3は、特電開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスPSA4は、特電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスPSA5は、特電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスPSA6は、特電終了処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて更新される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
以下に、特図特電カウンタ及び特図特電アドレステーブルを利用して、特図変動開始処理、特図変動中処理、特図確定中処理、特電開始処理、特電開放中処理、特電閉鎖中処理及び特電終了処理を実行するための処理構成を説明するとともに、各処理の処理構成を具体的に説明する。
ステップS804の処理を実行した後は、ステップS805にて、特図側のゼロフラグの設定処理を実行する。特図側のゼロフラグの設定処理では、特図特電タイマカウンタの数値情報を読み出し、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」である場合に、MPU82のレジスタに設けられた特図側のゼロフラグに「1」をセットする処理を実行する。特図特電タイマカウンタは、時間の経過に応じた特図特電カウンタの更新タイミングをMPU82にて特定するために利用されるカウンタであり、所定の時間に対応した数値情報はステップS807〜ステップS813の各処理にてセットされるとともに、数値情報の更新はタイマ割込み処理(図12)におけるステップS210のタイマ更新処理にて実行される。
続くステップS806では、ステップS804にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがPSA0である場合にはステップS807の特図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがPSA1である場合にはステップS808の特図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがPSA2である場合にはステップS809の特図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがPSA3である場合にはステップS810の特電開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがPSA4である場合にはステップS811の特電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがPSA5である場合にはステップS812の特電閉鎖中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがPSA6である場合にはステップS813の特電終了処理にジャンプする。ステップS807〜ステップS813の処理を実行した場合には、本特図特電制御処理を終了する。
以下、ステップS807〜ステップS813の処理について個別に説明する。
ステップS807にて実行される特図変動開始処理では、特図側の保留情報が保留記憶されていること(PS1及びPS2の少なくともいずれかが1であること)を条件に、その保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理を実行する。特図側の保留情報が保留記憶されていない場合には、そのまま、本特図変動開始処理を終了する。
また、当否判定処理だけでなく、その保留情報が大当たり当選に対応していない場合には、その保留情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における第1変動種別カウンタCS1の数値情報を利用して遊技回の継続時間を選択する継続時間の選択処理を実行する。そして、継続時間の情報を含む変動用コマンドと遊技結果の情報を含む種別コマンドとを音光制御装置91に送信するとともに、第1特図表示領域38a又は第2特図表示領域38bにおける絵柄の変動表示を開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となり、特図表示領域38及び図柄表示装置42にて遊技回用の演出が開始される。その後、特図特電カウンタを1加算することにより、特図特電カウンタの数値情報を「0」から「1」に更新する。
ステップS808にて実行される特図変動中処理では、今回の遊技回用の演出における表示継続時間が経過したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には、確定コマンドを出力対象に設定する。確定コマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に対して今回の遊技回用演出について確定表示を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。その後、特図特電カウンタを1加算することにより、特図特電カウンタの数値情報を「1」から「2」に更新する。また、今回の遊技回用の演出における表示継続時間が経過してなかった場合には、特図表示領域38の表示内容の更新処理を実行し、特図特電カウンタの値は更新せずに、本特図変動中処理を終了する。
ステップS809にて実行される特図確定中処理では、今回の遊技回用の演出における確定時間が経過したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には、今回の遊技回の契機となった当否判定結果が大当たり結果であったか否かを判定する。当該当否判定結果が大当たり結果である場合には、オープニングコマンドを出力対象に設定するとともにオープニング時間を特図特電タイマカウンタに設定する。オープニングコマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。その後、特図特電カウンタを1加算することにより、特図特電カウンタの数値情報を「2」から「3」に更新して本特図確定中処理を終了する。また、今回の遊技回の契機となった当否判定結果が外れ結果であった場合には、特図特電カウンタを「0」クリアして、本特図確定中処理を終了する。
ステップS810にて実行される特電開始処理では、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には、開放継続時間の情報を設定し、大入賞口32aを開放状態とするための開放設定処理を実行する。その後、特図特電カウンタを1加算することにより、特図特電カウンタの数値情報を「3」から「4」に更新し、本特電開始処理を終了する。また、オープニング時間が経過していない場合には、そのまま本特電開始処理を終了する。
ステップS811にて実行される特電開放中処理では、現状のラウンド遊技における開放継続時間が経過したか否かを判定する。当該判定において否定判定した場合には、現状のラウンド遊技において上限個数(具体的には10個)の遊技球が大入賞口32aに入賞したか否かを判定する。当該入賞個数の判定において、否定判定をした場合又は大入賞口32aへの入賞を検知していない場合にはそのまま当該特電開放中処理を終了する。また、開放継続時間が経過した場合又は現状のラウンド遊技において上限個数が入賞した場合には、RAM84に設けられラウンド数を記憶するラウンドカウンタを1減算した後、閉鎖時間の情報を設定し、大入賞口32aを閉鎖状態とするための閉鎖設定処理を実行する。その後、特図特電カウンタを1加算することにより、特図特電カウンタの数値情報を「4」から「5」に更新し、本特電開放中処理を終了する。
ステップS812にて実行される特電閉鎖中処理では、今回の開閉実行モードにおける全てのラウンド遊技が終了したか否かを判定する。当該判定において、否定判定をした場合には、RAM84に設けられた特図入賞カウンタにラウンド遊技における大入賞口32aへの入賞上限個数(具体的には10個)をセットし、開放時間の情報を設定し、大入賞口32aを開放状態とするための開放設定処理を実行する。
ラウンド遊技が終了していない場合には、大入賞口32aの閉鎖時間が経過しているか否かを判定する。当該判定にて肯定判定をした場合には、ラウンド遊技における入賞上限個数をセットし、大入賞口32aの開放時間の設定処理を実行する。その後、特図特電カウンタを1減算することにより特図特電カウンタの数値情報を「5」から「4」に更新し、本特電閉鎖中処理を終了する。大入賞口32aの閉鎖時間が経過していない場合には、そのまま本特電閉鎖中処理を終了する。
ラウンド遊技が終了している場合には、エンディングコマンドを出力対象に設定する。エンディングコマンドは、サブ側の制御装置である音光制御装置91に対してエンディング用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。その後、特図特電カウンタを1加算することにより、特図特電カウンタの数値情報を「5」から「6」に更新し、本特電閉鎖中処理を終了する。
ステップS813にて実行される特電終了処理では、エンディング時間が経過したか否かを判定する。当該判定において肯定判定をした場合には、RAM84のフラグを参照することで遊技状態を確認し、その確認した遊技状態に対応したサポートモードへの設定を行う。その後、特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアし、本特電終了処理を終了する。
<特図変動開始処理>
次にステップS807の特図変動開始処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1001にて取得情報判定処理を実行する。取得情報判定処理では、第1特図保留エリア103又は第2特図保留エリア104に格納された保留情報に基づいて、大当たりの当否判定処理を行う。当該当否判定処理の結果が当選結果である場合には、さらに大当たり種別についての振分判定処理を実行する。
続くステップS1002では、取得情報設定処理を実行する。取得情報設定処理では、ステップS1001にて実行した取得情報判定処理の当否判定処理の結果が当選結果である場合に、特図表示領域38及び図柄表示装置42における演出内容を決定し、当該決定された演出を開始する処理である。
ここで、取得情報判定処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1101では、第1特図保留エリア103又は第2特図保留エリア104に保留情報が記憶されているか否かを判定する。いずれにも保留情報が記憶されていない場合には、そのまま本特図変動開始処理を終了する。いずれかに保留情報が記憶されている場合には、ステップS1102にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、図22のフローチャートに示すように、先ずステップS1201にて、第2特図保留エリア104に保留情報が記憶されているか否かを判定する。否定判定をした場合には、ステップS1202にて、第1特図側の保留情報の合計数PS1を「0」クリアする。続くステップS1203では、第1特図保留エリア103に格納された保留情報を特図用の実行エリア105に移動する。
その後、ステップS1204にて、RAM84に設けられた第2特図フラグをクリアする。第2特図フラグは遊技回用の実行対象が作動口34への入賞に基づき取得された保留情報であるか否かを特定するためのフラグである。その後、本データ設定処理を終了する。
一方、ステップS1201にて肯定判定をした場合には、ステップS1205にて、第2特図側の保留情報の合計数PS2を「0」クリアする。続くステップS1206では、第2特図保留エリア104に格納された保留情報を特図用の実行エリア105に移動する。続くステップS1207では、第2特図フラグに「1」をセットする。その後、本データ設定処理を終了する。
上記のようにステップS1201の判定処理を最初に行うようにすることで、第2特図保留エリア104に保留情報が記憶されている場合には、第1特図保留エリア103に記憶されている保留情報よりも第2特図保留エリア104に記憶されている保留情報の方が当否判定の対象(すなわち、遊技回の開始対象)として優先される。
取得情報判定処理(図20)の説明に戻り、ステップS1102の処理を実行した後は、ステップS1103に進む。ステップS1103では、第2特図フラグが「0」であるか否かを判定することで、今回の変動開始対象が特別入賞口52への入賞を契機として取得された保留情報に基づくもの(第1特図側の保留情報)であるか否かを判定する。
ステップS1103にて肯定判定をした場合には、ステップS1104にてROM83から第1特図用の当否テーブル及び第1特図用の振分テーブルを読み出し、ステップS1103にて否定判定をした場合には、ステップS1105にてROM83から第2特図用の当否テーブル及び第2特図用の振分テーブルを読み出す。ステップS1104又はステップS1105の処理を実行した後は、ステップS1106に進む。
ステップS1106では、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、ステップS1104又はステップS1105にて読み出した当否テーブルを参照して、特図用の実行エリア105に格納された保留情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報がいずれの当否結果に対応しているか否かを判定する。具体的には、大当たり結果及び外れ結果のいずれに該当しているのかを判定する。
続くステップS1107では、ステップS1106の当否判定処理の結果が大当たり当選に対応しているか否かを判定し、対応している場合にはステップS1108に進む。対応していない場合にはそのまま取得情報判定処理を終了する。
ステップS1108では、振分判定処理を実行する。振分判定処理では、ステップS1104又はステップS1105にて読み出した振分テーブルを参照して、特図用の実行エリア105に格納された保留情報のうち振分判定用の情報、すなわちサポート種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの振分結果に対応しているか否かを判定する。具体的には、高頻度結果及び低頻度結果のいずれに該当しているのかを判定する。
続くステップS1109では、ステップS1108の振分判定処理の結果が低頻度結果であるか否かを判定する。低頻度結果である場合にはステップS1110にて、RAM84に設けられた低頻度結果フラグに「1」をセットする。低頻度結果でない場合にはステップS1111にて、高頻度結果フラグに「1」をセットする。
ステップS1110又はステップS1111の実行後は、本取得情報判定処理を終了する。
次に、取得情報設定処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1301にて、前述の当否判定処理(ステップS1106)の結果が当選結果であるか否かを判定する。ステップS1301にて否定判定をした場合には、本取得情報設定処理を終了する。
ステップS1301にて肯定判定をした場合には、ステップS1302にて、特図変動時間及び停止結果の把握処理を実行する。特図変動時間の把握に際しては、低頻度サポートモードにおいて、第1変動種別カウンタCS1の現状の数値情報を読み出すとともに、その数値情報に対応した特図変動時間の数値情報を対応する変動表示時間テーブルから読み出す。この場合、リーチの有無や、当否結果の内容や、振分結果の内容に応じた特図変動時間の情報を読み出す。一方、高頻度サポートモードにおいては、単一の特図変動時間の数値情報を読み出す。
また、停止結果の把握に際しては、今回開始される遊技回が終了する場合に対応する特図表示領域38a,38bに表示させる停止結果の情報をROM83から読み出す。この場合、当否結果の内容や、振分結果の内容に応じた停止結果の情報を読み出す。
続くステップS1303では、ステップS1302にて読み出した特図変動時間の数値情報を特図特電タイマカウンタにセットする。また、ステップS1304にて、特図変動時間の内容、当否結果の内容、及び振分結果の内容に応じた変動用コマンド及び種別コマンドを音光制御装置91への出力対象として設定する。変動用コマンドには、特図変動時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。
音光制御装置91では、変動用コマンド及び種別コマンドを受信した場合にはそれら変動用コマンド及び種別コマンドに対応した音の出力パターン及び光の制御パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、今回の遊技回に対応した演出が表示ランプ部63及びスピーカ部65を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音光制御装置91のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って遊技回用の演出を表示ランプ部63及びスピーカ部65にて行わせる。かかるデータテーブルは、今回の遊技回の特図変動時間に対応している。
また、今回の変動用コマンド及び種別コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、そのコマンドから今回の遊技回用の演出の種類を把握し、その種類に対応した表示演出が図柄表示装置42を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置92のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って遊技回用の演出を図柄表示装置42にて行わせる。
ステップS1304の処理を実行した後はステップS1305にて、今回の変動開始対象の特図表示領域38a,38bにおいて変動表示を開始させる。続くステップS1306では、特図特電カウンタを1加算する。これにより、特図特電カウンタの数値情報は「0」から「1」に更新される。その後、本特図変動開始処理を終了する。
<特電終了処理>
次に、特図特電制御処理(図18)におけるステップS813の特電終了処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1401では、MPU82のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することで、エンディング時間が経過したか否かを判定する。エンディング時間が経過していない場合にはそのまま本特電終了処理を終了し、エンディング時間が経過している場合にはステップS1402に進む。
ステップS1402では、RAM84の高頻度結果フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。高頻度結果フラグは、既に説明したとおり、特図側の当否判定処理においていずれかの大当たり結果となり、さらに振分判定処理において高頻度結果となった場合に「1」がセットされる。
ステップS1402にて肯定判定をした場合には、ステップS1403にて、RAM84の高頻度フラグに「1」をセットする。なお、既に高頻度フラグに「1」がセットされている場合にはその状態を維持する。これにより、開閉実行モード後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる。また、続くステップS1404では、RAM84の遊技回数カウンタに終了基準回数である「100」をセットする。
その後、ステップS1405にて、高頻度信号の外部出力設定処理を実行する。当該外部出力設定処理では、遊技ホールの管理コンピュータへの外部端子板79からの高頻度信号の出力が開始されるようにRAM84のデータ設定を行う。これにより、遊技ホールの管理コンピュータにおいて高頻度サポートモード中であることを認識することが可能となる。ちなみに、高頻度信号の出力開始はタイマ割込み処理(図12)におけるステップS220の外部情報設定処理にて実行する。
一方、ステップS1402にて否定判定をした場合には、ステップS1406にて、RAM84の高頻度フラグをクリアする。なお、既に高頻度フラグが「0」である場合にはその状態を維持する。これにより、開閉実行モード後のサポートモードが低頻度サポートモードとなる。また、続くステップS1407では、RAM84の遊技回数カウンタを「0」クリアする。
その後、ステップS1408にて、高頻度解除用の外部出力設定処理を実行する。当該外部出力設定処理では、普図変動開始処理(図15)におけるステップS504と同様の処理を実行する。
ステップS1405又はステップS1408の処理を実行した後は、ステップS1409にて、特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアするとともに、ステップS1410にて、フラグクリア処理を実行した後に、本特電終了処理を終了する。フラグクリア処理では、第2特図フラグ、高頻度結果フラグや低頻度結果フラグをクリアする処理を実行する。
<音光制御装置91にて実行される演出決定処理について>
次に、音光制御装置91にて実行される演出決定処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該演出決定処理は、音光制御装置91により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
先ずステップS1501では、普図変動時(普図入賞時)の変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定する。これらコマンドを受信した場合には、ステップS1502にて、普図変動時用の種別コマンドの内容に基づき、所定の図柄決定処理を実行する。この場合、今回開始される遊技回の遊技結果がサポート当選か否かに応じて、停止図柄の組み合わせを決定する。
その後、ステップS1503では、今回の遊技回の演出パターンを決定するための処理を実行する。この場合、音光制御装置91のROMに予め記憶されている普図変動時用の演出用テーブルを参照することで、今回受信している変動用コマンド及び種別コマンドに対応した演出継続時間(演出継続期間)を選択するとともに、演出の内容を選択する。音光制御装置91では、ステップS1503にて決定した演出パターンに従って、普図入賞に伴う今回の遊技回における表示ランプ部63の発光制御を実行するとともに、スピーカ部65の出力制御を実行する。
続くステップS1504では、ステップS1502の処理結果に対応した停止結果コマンドと、ステップS1503の処理結果に対応したパターンコマンドとを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、その受信した停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づいて、今回の遊技回用の演出を図柄表示装置42にて行うためのデータテーブルを表示制御装置92内のプログラムROMから読み出し、そのデータテーブルに従って、予め定められた画像更新タイミングとなる度に(例えば、20msec周期で)、表示制御装置92内のVDPに対して描画リストを出力する。これにより、図柄表示装置42では音光制御装置91にて決定された演出パターンに従って遊技回用の演出が実行されるとともに、当該決定された停止結果が最終的に停止表示される。
また、ステップS1505では、特図変動時(特図入賞時)の変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定する。これらコマンドを受信した場合には、ステップS1506にて、特図変動時用の種別コマンドの内容に基づき、所定の図柄決定処理を実行する。この場合、今回開始される遊技回の遊技結果が大当たり当選か否かに応じて、停止図柄の組み合わせを決定する。
その後、ステップS1507では、今回の遊技回の演出パターンを決定するための処理を実行する。この場合、音光制御装置91のROMに予め記憶されている特図変動時用の演出用テーブルを参照することで、今回受信している変動用コマンド及び種別コマンドに対応した演出継続時間(演出継続期間)を選択するとともに、演出の内容を選択する。音光制御装置91では、ステップS1507にて決定した演出パターンに従って、特図入賞に伴う今回の遊技回における表示ランプ部63の発光制御を実行するとともに、スピーカ部65の出力制御を実行する。
続くステップS1508では、ステップS1506の処理結果に対応した停止結果コマンドと、ステップS1507の処理結果に対応したパターンコマンドとを表示制御装置92に送信する。表示制御装置92では、その受信した停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づいて、今回の遊技回用の演出を図柄表示装置42にて行うためのデータテーブルを表示制御装置92内のプログラムROMから読み出し、そのデータテーブルに従って、予め定められた画像更新タイミングとなる度に(例えば、20msec周期で)、表示制御装置92内のVDPに対して描画リストを出力する。これにより、図柄表示装置42では音光制御装置91にて決定された演出パターンに従って遊技回用の演出が実行されるとともに、当該決定された停止結果が最終的に停止表示される。
ここで、音光制御装置91が特図変動時の変動用コマンド及び種別コマンドを受信した際において、その直前に音光制御装置91が普図変動時の変動用コマンド及び種別コマンドを受信しており、かつ図柄表示装置42にて普図変動時用の図柄変動演出が実行されていれば、図柄表示装置42において、普図普電制御に基づく図柄変動の要求と、特図特電制御に基づく図柄変動の要求とが重複することになる。この場合、音光制御装置91は、図柄表示装置42の演出パターンを、先に生じている普図普電制御の要求に基づくものから、特図特電制御の要求に基づくものに書き換えさせるよう、表示制御装置92に対してパターン書き換えのコマンドを送信する。これにより、普図普電制御処理に基づく遊技回用の演出の実行途中において、その演出が、特図特電制御処理に基づく遊技回用の演出に変更される。例えば、普図普電制御処理に基づく遊技回の実行中において図柄表示装置42で所定演出が実施されている状況では、その所定演出を引き続くようにして特図特電制御処理に基づく遊技回が開始される。
音光制御装置91では、図柄表示装置42にて実行中の演出(普図演出)の表示状況を常に把握する実行演出把握処理が定期的(例えば4msecごと)に実行されているとよい。この場合、音光制御装置91では、主制御装置71から演出用のコマンド(特図演出用のコマンド)を受信したタイミングで、当該受信コマンドの内容を解析するとともに、実行演出把握処理にて把握された演出(普図演出)の実行状況を考慮して、図柄表示装置42に表示するための演出内容(特図演出の内容)を決定する演出決定処理を実行する。そして、演出内容を決定した場合において、音光制御装置91のROMから決定演出に対応したデータが読み出され、その読み出されたデータに対応する信号を図柄表示装置42に送信することで図柄表示装置42における演出の表示が実行される。
より具体的な説明を付加する。既述のとおり、遊技球がスルーゲート35Aに入賞すると、その遊技球が特殊役物33に入り、さらに特殊役物33内において特別入賞口52及び一般入賞口53のいずれかに入賞する。このとき、スルーゲート35Aへの256回の入賞が生じるごとに特別入賞口52への入賞が生じることとなり、その際、例えば数秒〜十数秒程度の時間差をもって、普図入賞→特図入賞が連続して生じる。そして、特別入賞口52への入賞時において、図柄表示装置42にて普図変動時用の図柄変動演出が実行されていれば、その実行途中の図柄変動演出が特図変動時用のものに変更される。このとき、特別入賞口52への入賞時にはほぼ100%の確率で大当たり当選となるため、図柄表示装置42での停止図柄が大当たり図柄に差し替えられることとなる。
この場合、図柄表示装置42での図柄停止のタイミング(又はその後の大当たり確定が表示されるタイミング)と、特図表示領域38における表示停止のタイミングとが合うように、図柄変動演出が実行される。
なお、図柄表示装置42の図柄変動演出が普図変動時用→特図変動時用に変更される際に、演出の種類自体が変更されると遊技者に違和感を生じさせることになるため、演出自体は変更せず、演出の継続時間を延長する、及び停止図柄を大当たり図柄に変更する、といった処理を実行するとよい。ただし、あえて演出の種類が途中で変更されるようにしておくことも可能である。この場合、遊技者に対して通常時とは異なる事態が生じていること(すなわち大当たりの予兆)を感じさせることができる。
上記のように、普図普電制御に基づく図柄変動の要求と、特図特電制御に基づく図柄変動の要求とが重複する場合に、図柄表示装置42の図柄変動演出の変更(差し替え)が実行されることで、図柄表示装置42での図柄停止のタイミング(又はその後の大当たり確定が表示されるタイミング)と、特図表示領域38における表示停止のタイミングとを一致させることが可能となる。
普図入賞と特図入賞とが連続して生じる場合には、表示ランプ部63の発光制御とスピーカ部65の出力制御とについても演出内容の切替が実行されるとよい。この場合にもやはり、演出内容を引き継ぐようにして切替を実行することで、遊技者に違和感を生じさせないようにするとよい。ただし、あえて違和感を生じさせることも可能である。
その後、ステップS1509では、その他の処理を実行する。その他の処理では、例えば、普図用及び特図用のオープニングコマンドやエンディングコマンドの受信に基づき、サポート当選時用の演出や開閉実行モード用の演出を進行させるための処理を実行する。その後、本演出決定処理を終了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技領域PEに設けられた特殊役物33において、球通過口33aから特別入賞口52までの遊技球通過領域Rには、球通過口33aを通過した遊技球を第1通路51a(特別入賞口52に入賞可能な通路)と、第2通路51b(特別入賞口52に入賞不可能な通路)とのいずれかに振り分ける8個(上下8段)の振分板54が設けられているため、遊技球が球通過口33aを通過したからといって全てが特別入賞口52に入賞するわけでなく、遊技球が各振分板54により第1通路51a側に振り分けられた場合にのみ特別入賞口52への入賞がなされる。特に、各振分板54は、球通過口33aを通過した遊技球が到来することに基づいて、当該遊技球の振り分け先を変更し、所定数の遊技球が球通過口33aを通過することに伴い特別入賞口52に遊技球を入賞させる状態に移行するものとなっている。つまり、遊技球を特別入賞口52に入賞させて所定の特典を得るには、球通過口33aにおいて所定数の遊技球を通過させることが一条件となっている。この場合、本パチンコ機10を遊技する遊技者は、球通過口33aにおいて所定数の遊技球が通過することで何らかの特典が得られると期待して遊技を積極的に継続する、と考えられる。これにより、遊技者の継続的な遊技を促すことが可能となる。
特殊役物33は、遊技球通過領域Rにおいて上流側から下流側にかけて8段の振分板54を有しており、これら8段の振分板54は、そのうち前段の振分板54で遊技球が第1通路51a側に振り分けられた場合に、当該遊技球が後段の振分板54に到達するようにそれぞれ配置されている。そして、球通過口33aにおける遊技球の通過数が所定数(本実施形態では256個)になると、8個の振分板54について遊技球の振り分け先が全て第1通路51a側になり、遊技球が特別入賞口52に入賞する状態に移行するようになっている。この場合、各段の振分板54は、遊技球の到来の都度、第1通路51a側と第2通路51b側とで交互に振り分け先を変えるものである。そのため、各振分板54の振り分け先を全て第1通路51a側にするのに要する遊技球数(すなわち特別入賞口52への入賞に要する球個数)を変更するには、その振分板54の設置段数を変更すればよく、特別入賞口52への入賞に関する設計変更を容易に実施できる。例えば、パチンコ機10において、特典を取得しにくくする(特別入賞口52への入賞機会を減らす)には振分板54の設置段数を多くし、特典を取得しやすくする(特別入賞口52への入賞機会を増やす)には振分板54の設置段数を少なくするとよい。
各振分板54は、遊技球通過領域Rに揺動可能に軸支された揺動体であり、遊技球の通過に際し該遊技球が当たることで揺動して遊技球の振り分け先を切り替えるものである。この場合、振分板54による振り分け先は電気的な処理により決定されるものでないため、振り分け先の切替のための演算処理が不要であり、さらに振り分け時において電力消費も生じない。また、電気的な信号に影響を受けることがないため、不正な電気信号により振り分け先が操作されるといった不都合も生じない。
特殊役物33は、球通過口33aを通過した遊技球(特殊役物33内に入った遊技球)を、遊技球の入賞に伴い特典付与の抽選処理が実行される特別入賞口52と、同抽選処理が実行されない一般入賞口53とのいずれかに振り分けるものである。この構成によれば、遊技球が球通過口33aを通過することで、各入賞口52,53のうちいずれかへの入賞が生じ、その入賞に伴い遊技球の払出が期待できる。つまり、遊技者にとっては、遊技球が球通過口33aを通過することにより何らかの利益がもたらされる。それもあって、遊技者が、球通過口33aでの遊技球の通過を狙って発射装置を発射操作することが促され、結果として、球通過口33aでの球通過個数が増えて特別入賞口52への入賞機会が増えることとなる。
特別入賞口52に遊技球が入賞した場合に実施される抽選処理の当選確率は100%であるため、球通過口33aにおいて所定数分の遊技球が通過することに伴い、遊技者は高確率で特典を得ることができる。したがって、やはり遊技者に対して継続遊技を促すことが可能となる。
なお、抽選処理の当選確率は、50%以上であればよく、50%、80%のように100%以外の確率に変更してもよい。
遊技領域PEには、特別入賞口52への入賞時と同様の抽選処理(開閉実行モードに関する抽選処理)が実行される入賞部として作動口34が設けられている。この場合、球通過口33aにおいて所定数分の遊技球が通過する前であっても、すなわち特別入賞口52に遊技球が入賞する前であっても、作動口34に遊技球が入賞することにより抽選処理が実施されるため、遊技中の遊技者に、さらに別の当選機会を与えることができる。例えば、球通過口33aへの球通過数が所定数に達して抽選処理が実施された直後などにおいては、次の抽選処理までに時間的な隔たりが生じ、遊技者の遊技継続の意欲が削がれるおそれがあるが、上記のとおり作動口34への入賞により抽選処理が実施される構成であれば、いつでも当選の期待を持ち続けさせることができ、遊技者に対して遊技の継続を促すことが可能となる。
遊技領域PEにおいて特殊役物33の入口である球通過口33aの真上位置にはスルーゲート35Aが設けられ、スルーゲート35Aの通過直後に遊技球が球通過口33aを通過する構成となっており、遊技球が球通過口33aを通過しかつ特別入賞口52に入賞することに基づいて、遊技者に第1特典(開閉実行モードでの遊技特典)を付与するか否かを抽選する一方、遊技球がスルーゲート35Aを通過することに基づいて、遊技者に第2特典(サポート実行モードでの遊技特典)を付与するか否かを抽選するようにしている。この場合、遊技者が球通過口33aを狙って遊技球を発射することは、それと同時にスルーゲート35Aを狙うことにもなる。この場合、遊技球がスルーゲート35Aを通過すれば、第2特典についての抽選処理が行われる。また、遊技球がスルーゲート35Aに引き続いて球通過口33aを通過する場合に、その球通過口33aでの球通過回数が所定数になれば、遊技球が特別入賞口52に入賞し、第2特典についての抽選処理が行われる。ここで、遊技者にとっては、上記の各通過部(スルーゲート35A、球通過口33a)での遊技球の通過により第2特典だけでなく、第1特典を得る機会が増え、遊技の継続意欲が増えることとなる。
球通過口33a又は特別入賞口52の入賞時に第1特典(開閉実行モードでの遊技特典)の抽選結果に基づいて決定される第1演出と、スルーゲート35Aの通過時に第2特典(サポート実行モードでの遊技特典)の抽選結果に基づいて決定される第2演出とをいずれも図柄表示装置42にて実施する構成とした。この場合、遊技者にとっては、図柄表示装置42による演出の実行中においてその演出が第1特典用のものか第2特典用のものかが判別しづらいものとなっている。したがって、図柄表示装置42の演出への関心を高めることができる。
第1演出と第2演出とは同様の演出形態を含むものとなっている。つまり、図柄表示装置42において、同じ背景、同じ文字絵柄、同じキャラクタ図柄による表示演出が行われるようにした。例えば、図柄表示装置42において変動図柄の変動が実施される場合に、第1演出及び第2演出でいずれも同様の変動図柄を変動させることとし、最終の確定図柄だけを、第1演出用の図柄、第2演出用の図柄とするとよい。これにより、第1演出と第2演出とのいずれが実施されているかの判別が一層困難になり、演出の結果に対する興味を高めることができる。
本実施形態では、遊技球がスルーゲート35Aを通過した場合にはその直後に同遊技球が特殊役物33内にも入球されるようになっており、さらに特殊役物33内は視認不可となっている。そのため、果たして今回の演出が特別入賞口52への入賞に基づくものか、スルーゲート35Aの球通過によるものかを判別できず、遊技者の特典付与についての注目度を一層高めることができる。
なお、第2特典(サポート実行モードでの遊技特典)よりも第1特典(開閉実行モードでの遊技特典)の方が賞球の期待数が多く設定されている。この場合、遊技者は、賞球の期待数の多い第1特典の発生を期待して遊技を行うが、第1特典及び第2特典のいずれの演出処理が現在実行されているのかを認識できないため、遊技者に第1特典の発生を期待させることで抽選結果への注目度をより高くすることが可能となる。
普図普電制御処理において、特図特電カウンタが「0」であること、すなわち特図特電制御処理に基づく遊技回が図柄表示装置42にて実行されていないことを判定するようにした(ステップS514,S605,S709)。つまり、普図普電制御処理において特図特電制御の実行状況を監視するようにした。そして、特図特電制御処理として図柄表示装置42での図柄変動が生じている場合には、普図普電制御処理として図柄表示装置42での図柄変動を開始しない構成とした。これにより、普図普電制御処理に基づく図柄変動と、特図特電制御処理に基づく図柄変動とを同一の図柄表示装置42で実施する構成において、特図特電制御による図柄変動が中途半端な状態で中断されてしまうことを抑制でき、違和感無く図柄表示を実施できる。したがって、第1特典の抽選と第2特典の抽選とがランダムに発生したとしても、図柄表示装置42において適正な表示演出を実施できる。
普図普電制御に基づく図柄変動の要求と、特図特電制御に基づく図柄変動の要求とが重複する場合に、図柄表示装置42の図柄変動演出を変更する(差し替える)ようにした(図25)。これにより、図柄表示装置42での図柄停止のタイミング(又はその後の大当たり確定が表示されるタイミング)と、特図表示領域38における表示停止のタイミングとを一致させることが可能となり、これらの両タイミングが不一致となることでの違和感を解消できる。
特殊役物33において各振分板54を遊技機前方から覆うカバー部材60を設け、カバー部材60により、各振分板54を遊技者から視認不可とした。この場合、各振分板54の振り分け先が、第1通路(特別入賞口52に入賞可能な通路)になっているのか、第2通路(特別入賞口52に入賞不可能な通路)になっているのかを遊技者に把握させづらくすることができる。また、遊技者が各振分板54を視認することは不可であるが、遊技領域に設けられたカバー部材60によって各振分板54の存在を認識することは可能であり、遊技球の振り分けが行われることに対する遊技者の注目を高めることができる。
球通過口33aでの球通過数が所定数(=256)に近づく過程において、当該球通過数が、所定数よりも小さい所定の中間数(=251)に到達した場合に、その中間数への到達を遊技者に知らせるための報知処理を実行する構成とした。この場合、遊技者が、今後どれほどで特別入賞口52に遊技球が入賞するのかを容易に把握でき、その入賞に対する期待度を高めることができる。これによっても、やはり遊技の継続を促すことが可能となる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、遊技盤24の構成が上記第1の実施の形態とは異なっている。具体的には、第1の実施の形態において左側領域PE2のスルーゲート35A及び球通過口33aと、右側領域PE3の特電入賞装置32とが、本実施の形態では下側領域PE4に設けられている。また、本実施の形態では、下側領域PE4に設けられたスルーゲート及び特殊役物に遊技球を案内するための構成としてステージユニットが可変表示ユニット36に設けられている。
上記相違する構成について以下に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態と同様の構成については基本的にその説明を省略する。図26は本実施の形態における遊技盤224の正面図である。
遊技盤224における下側領域PE4には、特電入賞装置232及び特殊役物233が設けられている。具体的には、アウト口24aの上方となる位置に特電入賞装置232及び特殊役物233が上下方向に並んで配置されている。これらの並び順は、上から特殊役物233、特電入賞装置232、アウト口24aとなっている。
特電入賞装置232及び特殊役物233は、下側領域PE4に設けられていることにより、左側領域PE2及び右側領域PE3のいずれの領域を遊技球が流下するように発射操作装置28が操作されている場合も入賞が可能となっている。また、特殊役物233の下方に特電入賞装置232が設けられていることにより、特電入賞装置232への入賞が可能となる開閉実行モード中において、特電入賞装置232を狙いつつ特殊役物233への入賞を発生させることが可能となる。
また、図3の構成と同様、スルーゲート35Aは、特殊役物233の球通過口233aのすぐ真上に設けられており、スルーゲート35Aに入賞した遊技球は、全て球通過口233aを通過して特殊役物233内に導入されるようになっている。
可変表示ユニット36には、図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム245が設けられ、センターフレーム245の下部にはステージユニット249が設けられている。ステージユニット249は、遊技球正面から見て左右方向に延びる遊技球転動面を有しており、遊技球が転動する転動態様を遊技者に視認させることが可能となっている。ステージユニット249の前面側においてスルーゲート35Aの上方には、ステージユニット249の遊技球転動面を転動した遊技球の導入及び排出が可能であって、その遊技球をスルーゲート35Aに向けて案内する案内口235が設けられている。
また、センターフレーム245の左部(図柄表示装置42の画面左方)にはワープ通路251が設けられており、ワープ通路251に流入した遊技球がステージユニット249に誘導される。このワープ通路251の入口部であるワープ入口251aは、発射装置から発射された遊技球が通るレール部の出口付近に設けられている。ステージユニット249は、スルーゲート35A及び特殊役物233に遊技球が流入する確率、換言すれば、遊技球が案内口235を通じてスルーゲート35Aに案内される確率が互いに相違する2つのステージ(第1ステージ、第2ステージ)を備えており、ワープ通路251及びステージユニット249の間に設けられたステージ誘導装置250によって遊技球がどちらかのステージに振り分けられて誘導される。
ステージユニット249及びステージ誘導装置250の各構成について図27を参照しながら説明する。図27は、ステージユニット249及びステージ誘導装置250の各構成を示す斜視図である。
ステージユニット249は、合成樹脂材料により形成されており、各々異なる遊技球転動面を有する第1ステージ261と第2ステージ262とを有している。これら各ステージ261,262は、第1ステージ261を前側、第2ステージ262を後側としてパチンコ機前後方向に並ぶようにして設けられており、各ステージ261,262の上面となる第1転動面261a、第2転動面262aがそれぞれパチンコ機10の左右方向へ延びるようにして形成されている。各転動面261a,262aの前後方向の幅はおよそ遊技球1.5個分となっている。
第1ステージ261の第1転動面261aは、波打つようにして湾曲形成されており、左右両端部と中央部との3カ所が上方に盛り上がって高位部となり、それら高位部の間が低位部となっている。これに対し、第2ステージ262の第2転動面262aは、左右両端部が高位部となり、中央部が低位部となっている。つまり、これら両ステージ261,262は、その左右方向中央部において第1ステージ261の高位部(中央山部)と第2ステージ262の低位部(中央谷部)とが前後に並ぶようにして配置されている。
また、ステージユニット249には、第1ステージ261と第2ステージ262とを仕切る仕切板263が設けられている。仕切板263は、ステージユニット249の左右方向中央部において所定間隔を隔てて2つに分割して設けられており、両仕切板263の間が、第1ステージ261から第2ステージ262への遊技球の移動を可能とする移動用通路264(ステージ間移動経路)となっている。この移動用通路264は、第1ステージ261からすれば中央の高位部(中央山部)となる位置に設けられ、第2ステージ262からすれば中央の低位部(中央谷部)となる位置に設けられている。
また、ステージユニット249において、第1ステージ261の中央山部の下方には、パチンコ機10の前後方向に貫通する案内通路267が設けられている。この案内通路267は、その後端が第2ステージ262側に開口しており、第2転動面262aを転動する遊技球が流入可能となっている。特に第2転動面262aの中央谷部に案内通路267の開口部(後端側の開口部)が設けられているため、第2ステージ262に入った遊技球は、ステージ両サイドから流れ出るもの以外は全て案内通路267に導入されるようになっている。
また、第1ステージ261に入った遊技球は、第1転動面261aの中央山部から移動用通路264を介して第2ステージ262側に移動した場合にのみ案内通路267に導入されるようになっている。
この場合、案内通路267の手前側の開口部は、図26に示す案内口235に通じており、遊技球が案内通路267に流入すれば、高い確率(例えばほぼ100%の確率)でスルーゲート35A(さらには特殊役物233)に遊技球が流入できるものとなっている。
なお、第1ステージ261においては、第1転動面261aを遊技球が転動する場合に、遊技球が左右に往復動しながら転動し、その転動途中で左右いずれかの谷部(低位部)からステージ手前側に遊技球がこぼれ落ちることがある。この場合、第1転動面261aの谷部からステージ手前側にこぼれ落ちた遊技球は、スルーゲート35Aに向けて案内されることはなく、スルーゲート35Aに流入する確率は、遊技球が案内通路267を通過する場合に比べて低いものとなっている。
要するに、上記構成のステージユニット249では、第2ステージ262に遊技球が入り込むことで、その遊技球は高い確率でスルーゲート35Aに流入することとなる。これに対し、第1ステージ261に遊技球が入り込んだ場合には、その遊技球がスルーゲート35Aに流入する確率が低いものとなっている。
また、ステージ誘導装置250は、遊技領域PEを流下する遊技球を導入するとともに、その遊技球を、第1誘導通路271と第2誘導通路272とのいずれかに流入させ、第1誘導通路271に遊技球が流入することで当該遊技球を第1ステージ261に誘導し、第2誘導通路272に遊技球が流入することで当該遊技球を第2ステージ262に誘導するものである。この場合、ステージ誘導装置250は、両ステージ261,262への遊技球の振り分けを実施する。
ステージ誘導装置250は、例えば円柱状(略箱状でも可)をなす装置本体252を有し、その装置本体252に対してはワープ通路251を介して遊技球が供給される。つまり、遊技領域PEに打ち込まれた遊技球がワープ入口251aからワープ通路251に流入すると、その遊技球がステージ誘導装置250(装置本体252)に導入される。
装置本体252は、ワープ通路251から出てきた遊技球を順次受け入れて周回させる遊技球周回部253を有しており、その遊技球周回部253には、遊技球の通過が可能な所定の開口径を有する複数の振分孔が設けられている。本実施形態では、複数の振分孔として3つの振分入球口254a,254b,254cが設けられている。遊技球周回部253の周りには円環状の囲い部253aが形成されており、遊技球周回部253に遊技球が流れ込むと、その遊技球周回部253の上面を遊技球がぐるぐると周回動作する。そして、その周回動作の途中において、いずれかの振分入球口254a〜254cに遊技球が入球するようになっている。
なお、3つの振分入球口254a〜254cは、円環状の囲い部253aの中心を円中心とする仮想円上に並ぶように等間隔に配置されている。また、これら各振分入球口254a〜254cはいずれも開口径が同じになっている。これにより、遊技球周回部253の上面を周回する遊技球について各振分入球口254a〜254cへの入球確率は互いに同じになっている。
ここで、ステージ誘導装置250は、パチンコ機10の前方より視認可能に設けられており、装置本体252の遊技球周回部253についても同様に視認可能となっている(斜め上方からの視認が可能となっている)。したがって、遊技球周回部253の上に遊技球が流入したこと、及びその遊技球がいずれかの振分入球口254a〜254cに入球したことが、遊技者から視認できるようになっている。
装置本体252の内部では、各振分入球口254a〜254cに入球した遊技球が第1誘導通路271と第2誘導通路272とのいずれかに振り分けられ、これら各誘導通路271,272を介して遊技球が各ステージ261,262に誘導される。この場合、第1誘導通路271は、遊技球を第1ステージ261に誘導する通路であり、第2誘導通路272は、遊技球を第2ステージ262に誘導する通路である。なお、各ステージ261,262におけるスルーゲート35A(及び特殊役物233)への入賞確率からすれば、第1誘導通路271は低確率入賞通路であり、第2誘導通路272は高確率入賞通路であるとも言える。装置本体252の内部における振分動作は、後で詳細に説明する。
第1誘導通路271は、第1ステージ261の片側端部(図の左側端部)に遊技球を排出するように設けられ、第2誘導通路272は、第2ステージ262の片側端部(図の左側端部)に遊技球を排出するように設けられている。
次に、装置本体252の内部における遊技球振分動作を実行するための構成ついて図28を参照しながら説明する。図28(a),(b)は、振分動作用の通路及び振分部材を説明するための説明図である。
図28(a)に示すように、装置本体252には、各振分入球口254a〜254cにそれぞれ通じる3つの振分通路255a,255b,255cが設けられている。これら各振分通路255a〜255cはいずれも、第1誘導通路271に通じる第1通路R1と第2誘導通路272に通じる第2通路R2とに分岐する分岐通路部を有するものであり、各振分入球口254a〜254cのいずれかに入球した遊技球は、第1通路R1を介して第1誘導通路271に導入されるか、又は第2通路R2を介して第2誘導通路272に導入されるようになっている。
また、各振分通路255a〜255cにおいて通路R1/R2の分岐点には、遊技球を第1通路R1側に流下させるのか、第2通路R2側に流下させるのかを振り分ける振分部材256a,256b,256cが設けられている。これら各振分部材256a〜256cは、その上下方向の略中心部に設けられた回動軸により正逆両方向に回動可能に支持されており、その回動軸を中心として回動する。各振分部材256a〜256cは、揺動可能に支持された揺動体であるとも言える。
各振分部材256a〜256cは、遊技球を第1通路R1側に流下させるのか、第2通路R2側に流下させるのかが常に同じになる構成(すなわち振り分け先が同じになる構成)となっており、具体的には、各振分部材256a〜256c同士が、連結部材257により互いに連結されることで、各々が連動されるものとなっている。
また特に、各振分部材256a〜256cのうち振分部材256aだけが、振り分け先の切替機能を有しており、振分入球口254a(振分通路255a)に遊技球が入球する場合において、その遊技球が到来することに基づいて振分部材256aにより遊技球の振り分け先が変更される。つまり、振分部材256aには、その下端部にテーパ状の突起部Tが形成されており、この突起部Tにより局部的に通路面積が狭められている。したがって、振分通路55aを遊技球が通過する際には、遊技球が突起部Tに当たり、その力により振分部材256aが回動して通路振り分け先が切り替えられるようになっている。
振分部材256b,256cには、振分部材256aとは異なり突起部Tが設けられておらず、遊技球が通過するにしても振分部材256b,256cが回動することはない。つまり、振分入球口254b,254c(振分通路255b,255c)に遊技球が入球しても通路振り分け先の変更は行われない。要するに、振分部材256aは、上流側から遊技球が流下してくる都度、その遊技球を、第1通路R1側(図の左下方向)と、第2通路R2側(図の右下方向)とでそれぞれ交互に振り分ける切り替え機能を有するが、これ以外の振分部材256b,256cは切り替え機能を有さないものとなっている。本実施形態では、振分通路255aが切替実行部に相当し、振分通路255b,255cが切替非実行部に相当する。
なお、振分部材256a〜256cには、遊技球を第1通路R1側に振り分ける位置と、第2通路R2側に振り分ける位置とのいずれかで位置保持する位置保持手段が設けられているとよい。その具体的な構成としては例えば磁石を用いた構成が考えられる(図6の磁石57,58を参照)。
図28において(a)では、遊技球を第1通路R1に振り分ける状態になっており、かかる状態下では、いずれの振分入球口254a〜254c(振分通路255a〜255c)に遊技球が入球したとしても、その遊技球は第1通路R1に流れ込み、さらには第1誘導通路271を介して第1ステージ261に誘導されることとなる。
また同(a)の状態では、振分入球口254a(振分通路255a)に遊技球が入球した場合に、各振分部材256a〜256cが回動動作し、次回の遊技球の振り分け先が第2通路R2側に切り替えられる、すなわち図28(b)の状態に切り替えられるが、振分入球口254b,254c(振分通路255b,255c)に遊技球が入球した場合には、各振分部材256a〜256cは回動動作せず、次回の遊技球の振り分け先も現時点と同様、第1通路R1側のまま保持される、すなわち図28(a)の状態のまま保持される。図28(b)の状態である場合も同様である。
ここで、振分通路255aは「切替実行部」を構成するのに対し、振分通路255b,255cは「切替非実行部」を構成するものとなっており、本実施形態では特に切替実行部への入球確率よりも切替非実行部への入球確率が高くなっている。つまり、遊技球周回部253において、切替非実行部の入口である振分入球口254b,254cの数が、切替実行部の入口である振分入球口254aの数よりも多くなっている。切替実行部への入球確率よりも切替非実行部への入球確率を高くする他の構成として、切替非実行部の入口の開口面積(開口径)を切替実行部よりも大きくすることも可能である。
なお、装置本体252は有色不透明な合成樹脂で形成されている。そのため、上述したような装置本体252の内部にて行われる振分動作の様子は、遊技者から視認不可となっている。
次に、特殊役物233の構成について説明する。
特殊役物233は、第1の実施の形態における特殊役物33とは異なり、入賞した遊技球の振り分けを機械的な動作(複数段の振分板54による振り分け動作)によってのみ行う構成でなく、プログラム及び電気駆動のアクチュエータによって遊技球の振り分けを行う構成となっている。
図26に示すように、特殊役物233は球通過口233aを備えており、その球通過口233aを通過した遊技球は内部通路282を流下して、所定の振分動作によって特別入賞口283及び一般入賞口284のいずれかに振り分けられる。本実施形態では、内部通路282の下流側が二股に分岐されており、その一方が特別入賞口283に通じる第1通路282a、他方が一般入賞口284に通じる第2通路282bとなっている。また、内部通路282の分岐点位置に振分部材285が設けられており、この振分部材285により両通路282a,282bにおける遊技球の振分動作が実施される。
振分部材285には駆動部285aが設けられている。駆動部285aは、主制御装置71から受信する駆動信号に基づいて駆動され、その駆動信号に対応した状態となるように振分部材285の状態が適宜切り替えられる。具体的には、主制御装置71から一般入賞口284への振り分けに対応した信号が出力される場合には、振分部材285が遊技球を一般入賞口284へ振り分ける状態となるように駆動部285aが駆動され、主制御装置71から特別入賞口283への振り分けに対応した信号が出力される場合には、振分部材285が遊技球を特別入賞口283へ振り分ける状態となるように駆動部285aが駆動される。
特殊役物233における遊技球の振分動作を電気駆動のアクチュエータにより行うことで、機械的な動作によって振分動作を行う場合よりも特殊役物233を小型化することが可能となり、下側領域PE4に特殊役物233及び特電入賞装置232を配置することが可能となる。
次に、上記振分動作に伴って主制御装置71にて実行される処理について図29を参照しながら説明する。
図29は、本実施の形態における普図側の保留情報の取得処理を示すフローチャートである。当該取得処理は、第1の実施の形態の図14に示す普図側の保留情報の取得処理に対応した処理である。そのため、本取得処理の説明において、第1の実施の形態における普図側の保留情報の取得処理(図14)と同様の処理については説明を省略する。なお、本処理でも、特殊役物233において特別入賞口283に入賞可能となる天井を「256」としている。
図29において、ステップS1601〜S1607において、図14のステップS401〜S407と同様に、第1及び第2のいずれかの普図入賞フラグ(スルーゲート35A又は35Bに入賞した場合にセットされるフラグ)のクリア処理、第1普図入賞カウンタ(スルーゲート35Aの球通過、すなわち球通過口233aの球通過ごとに計数されるカウンタ)の加算処理、第1普図入賞カウンタ=251となる場合の天井報知コマンドの設定処理を適宜実施する。
そしてその後、ステップS1608では、第1普図入賞カウンタが「255」であるか否かを判定する。つまりステップS1608では、特殊役物233に今回入球した遊技球が、第1普図入賞カウンタに初期値が設定されてから(すなわち、前回、特別入賞口283に入賞してから)255個目であるか否かを判定する。この「255」は「天井値−1」であり、ステップS1608がYESになることは、次に特殊役物233に遊技球が入球したらその入球回数が天井値に到達することを意味する。
ステップS1608にて肯定判定した場合には、ステップS1609にて特別入賞口283への振り分けに対応した信号を駆動部285aに送信する。これにより、振分部材285は遊技球を特別入賞口283へ振り分ける状態となる。つまり、かかる状態では、次に特殊役物233に遊技球が入球したら遊技球が特別入賞口283に振り分けられることとなる。
また、ステップS1608にて否定判定した場合には、ステップS1610にて一般入賞口284への振り分けに対応した信号を駆動部285aに送信する。これにより、振分部材285は遊技球を一般入賞口284へ振り分ける状態となる。
その後、ステップS1611〜S1614では、図14のステップS410〜S413と同様に、第1普図入賞カウンタ≠256である場合に、普電乱数カウンタC4の数値情報を普図保留エリア106に格納する一方、第1普図入賞カウンタ=256である場合に、普電乱数カウンタC4及び天井到達情報を普図保留エリア106に格納するとともに第1普図入賞カウンタをクリアする。
本実施形態のパチンコ機10によれば以下のような優れた効果を奏する。
ステージユニット249の各ステージ261,262への遊技球の誘導を行うステージ誘導装置250を備え、このステージ誘導装置250では、遊技球が振分通路255a(切替実行部)に流入することに基づいて、振分部材256a〜256c(状態切替手段)の状態切替が行われ、その状態切替により、遊技球を第1誘導通路271(遊技球を第1ステージ261に誘導する通路)に流入させる第1状態と、遊技球を第2誘導通路272(遊技球を第2ステージ262に誘導する通路)に流入させる第2状態とが切り替えられる。この場合、ステージ誘導装置250において、振分通路255aへの遊技球の入球が、第1状態と第2状態との切替のトリガとなるため、遊技者は、振分通路255aへの遊技球の入球の状況に注目することになる。したがって、遊技者は、ステージユニット249上での実際の遊技球の転動動作以外に、そのステージユニット249への遊技球到達の前段階においても遊技球の挙動に高い関心を示すことになり、遊技機として興趣向上を図ることができる。
ステージ誘導装置250において、遊技球が振分通路255a(切替実行部)に流入すると、振分部材256a〜256cの状態切替が行われるのに対し、遊技球が振分通路255b,255c(切替非実行部)に流入しても、振分部材256a〜256cの状態切替が行われない構成とした。この場合、遊技球が、振分通路255a(切替実行部)以外に振分通路255b,255c(切替非実行部)にも入球することを加味すると、第1状態下(遊技球を第1ステージ261に誘導する状態下)では第2状態(遊技球を第2ステージ262に誘導する状態)への移行が生じにくくなる。そのため、遊技者の利益享受状態を継続させる上で有利となる。他方、第2状態下では、ステージ誘導装置250に遊技球が導入されたとしても、必ずしも第1状態に切り替わる訳ではないので、第1状態に切り替わったかどうかの遊技者の関心を高めることができる。
要するに、第1状態と第2状態との切替に波を持たせることができる。これにより、第1状態のままとなる期間が、第2状態のままとなる期間よりも長くなったり(逆に短くなったり)、第1状態(又は第2状態)の継続時間が都度異なるものとなったりする。そのため、遊技者の関心を高めることができる。
ステージ誘導装置250において、遊技球が振分通路255b,255c(切替非実行部)に入球する確率を、該遊技球が振分通路255a(切替実行部)に入球する確率よりも高くした。この場合、ステージ誘導装置250に導入された遊技球は振分通路255b,255c(切替非実行部)に入球しやすく、つまりはステージ誘導装置250に遊技球が導入されてもそれに伴う状態切替が生じにくくなっている。すなわち、切替実行部への入球確率と切替非実行部への入球確率とが同じ場合に比べて、状態切替の頻度が少なくなっている。
これにより、第1状態下(遊技球を第1ステージ261に誘導する状態下)では、第2状態(遊技球を第2ステージ262に誘導する状態)に移行しにくくなり、遊技者の利益享受状態を継続させる上で有利となる。第1状態の継続確率を高めることができる。他方、第2状態下では、第1状態への切替の確率が低く抑えられることで、第1状態に切り替わったかどうかの遊技者の関心を高めることができる。
ステージ誘導装置250において、振分通路255a(切替実行部)に設けられた振分部材256aは、遊技球が到来する度に、振り分け先を第1誘導通路271と第2誘導通路272とで交互に切り替えるものであるのに対し、振分通路255b,255c(切替非実行部)に設けられた振分部材256b,256cは、遊技球が到来しても振り分け先を切り替えず、振分通路255a(切替実行部)側の振分部材256aに連動して振り分け先を切り替えるものであるとした。これにより、第1状態において遊技者の利益享受状態を継続させるといった効果や、第2状態において第1状態に切り替わったかどうかの遊技者の関心が高められるといった効果が得られることとなる。
ステージ誘導装置250において、各振分部材256a〜256cは、各振分通路255a〜255cに揺動可能に軸支された揺動体であり、遊技球の通過に際し該遊技球が当たること(詳しくは、振分部材256aの突起部Tに遊技球が当たること)で揺動して遊技球の振り分け先の切替が可能となっている。この場合、各振分部材256a〜256cによる振り分け先は電気的な処理により決定されるものでないため、振り分け先の切替のための演算処理が不要であり、さらに振り分け時において電力消費も生じない。また、電気的な信号に影響を受けることがないため、不正な電気信号により振り分け先が操作されるといった不都合も生じない。
ステージ誘導装置250において、遊技球周回部253はパチンコ機10の前方から視認でき、各振分通路255a〜255cのいずれに遊技球が入球したかが遊技者から視認可能である一方、装置本体252内の振分部材256a〜256cの状態は視認不可となるように構成した。これにより、遊技者は、遊技球が各振分通路255a〜255cのいずれかに入球した際、振分部材256a〜256cの状態、すなわち遊技球の誘導先を予測しながら遊技を行うこととなる。これにより、遊技者の遊技球誘導動作への注目度を高めることが可能となる。
ステージユニット249において第1ステージ261には、遊技球転動面の最上部となる部位に案内通路267の入口が設けられ、第2ステージ262には、遊技球転動面の最下部となる部位に案内通路267の入口が設けられている。この場合、各ステージ261,262で、案内通路267への遊技球の流入確率を相違させ、ひいてはスルーゲート35A及び特殊役物233への入球確率を相違させることができる。
特殊役物233では、所定数(=256)の遊技球が球通過口233aを通過することに伴い、振分部材285が特別入賞口283に遊技球を入賞させる状態に移行するようにした。ここで、遊技球を特別入賞口283に入賞させて所定の特典を得るには、球通過口233aにおいて所定数の遊技球を通過させることが一条件となっている。この場合、本パチンコ機10を遊技する遊技者は、球通過口233aにおいて所定数の遊技球が通過することで何らかの特典が得られると期待して遊技を積極的に継続する、と考えられる。これにより、遊技者の継続的な遊技を促すことが可能となる。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記各実施の形態の構成に適用してもよく、所定の組み合わせで上記各実施の形態の構成に適用してもよい。
(1)上記第1の実施の形態において、各振分板54の状態を特殊役物33の外部から手動で変更できる構成としてもよい。具体的には、前扉枠14を遊技球前方に回動させた状態で、遊技盤24の背面側から各振分板54の状態を操作可能となるように特殊役物33を構成する。例えば、振分板54の回動軸55を遊技盤24の裏側に突出させて操作部とし、その回動軸55の操作部を手で回すことにより、各振分板54の状態を強制変更できるようにする。これにより、複数の振分板54の状態の組み合わせを容易に変更することができる。また、複数の振分板54の状態の組み合わせは、前扉枠14を遊技球前方に回動させることで可能となるため、ホール管理者は変更可能であるが、遊技者は変更が不可となっている。これにより、パチンコ機10において朝一番に遊技を開始した遊技者に特典を付与するモーニング設定を施すことができる。
また、複数(8個)の振分板54のうち、一部の振分板54をその振り分け先が第1通路51a(特別入賞口52に入賞可能な通路)となるように固定できる構成としてもよい。例えば、8個の振分板54のうち、いずれかの5個の振分板54について振り分け先を第1通路側に固定し、かつ残り3個の振分板54については固定しない場合、球通過口33aにおける遊技球の通過数が「8(=2の3乗)」になれば、遊技球が特別入賞口52に入賞することとなる。この場合、8個通過に1回の割合で、特別入賞口52に遊技球を入賞させることができるようになる。つまりは天井値の変更が可能となり、天井の設定態様を多様化できる。
(2)上記第1の実施の形態の特殊役物33において、複数の振分板54にそれぞれにソレノイドなどの電動アクチュエータ(駆動部)を設け、当該アクチュエータによって各振分板54の振り分け先を切り替える構成としてもよい。この場合、各振分板54が各々独立して駆動されるように構成されているとよい。かかる構成では、いずれかの振分板54について、アクチュエータの駆動により振り分け先を第1通路51a(特別入賞口52に入賞可能な通路)側に固定する、又は第2通路51b(特別入賞口52に入賞不可能な通路)側に固定することができ、これにより、所定数(遊技球を特別入賞口52に入賞させるのに要する球通過数)を増側及び減側のいずれかに変更することが可能となる。
例えば、8個の振分板54のうち、いずれかの5個の振分板54について振り分け先を第1通路側に固定し、かつ残り3個の振分板54については固定しない場合、球通過口33aにおける遊技球の通過数が「8(=2の3乗)」になれば、遊技球が特別入賞口52に入賞することとなる。この場合、8個通過に1回の割合で、特別入賞口52に遊技球を入賞させることができるようになる。つまりは天井値の変更が可能となり、天井の設定態様を多様化できる。
また、制御手段(例えば主制御装置71)によりアクチュエータを制御可能としてもよい。この場合、制御手段は、あらかじめ定められた振分制御プログラムを実行することにより、各振分板54の振り分け先を決定するとともに、その結果に基づいてアクチュエータを駆動させる。これにより、各振分板54の振り分け先を制御によって任意に切替操作でき、遊技内容(仕様)や遊技演出を多様化することができる。例えば、通常状態と高確状態とで所定数(遊技球を特別入賞口52に入賞させるのに要する球通過数)を変更したりするとよい。
また、特殊役物33において、遊技球の流下に伴い機械的に動作する振分板54と、電動アクチュエータにより電気的に駆動される振分板54とを混在させて設ける構成であってもよい。
(3)上記第1の実施の形態において、特殊役物33に入賞した遊技球の個数をカウントする第1普図入賞カウンタの値が251個となり「256」に近づいた場合に、図柄表示装置42にて天井報知を実行する構成としたが、報知の態様はこれに限られず、普図普電制御処理に基づく遊技回が実行されるごとに、第1普図入賞カウンタの値や、天井までの残り回数を報知する構成としてもよい。この場合、遊技回が終わっても第1普図入賞カウンタの値や天井までの残り回数が報知され続ける構成とせず、遊技回が開始されてから終了するまでの間だけ報知する構成とするとよい。これにより、天井間際のパチンコ機10について、遊技者が遊技をしなくては報知情報を得ることができず、遊技者に対して遊技を促すことができる。
(4)第1普図入賞カウンタの値を利用して不正報知を実行する構成としてもよい。例えば、特別入賞口52への入賞時に第1普図入賞カウンタの値を取得し、その値が天井回数である「256」となっているか否かを判定し、カウンタ値≠256であれば、不正に入賞が発生したとみなす。この場合、ホールコンピュータ及び音光制御装置91に不正報知コマンドを主制御装置71が出力する構成が考えられる。
(5)上記第1の実施の形態では、特殊役物33に特別入賞口52と一般入賞口53とを設け、球通過口33aを通過した遊技球はこれら各入賞口52,53のいずれかに振り分けられる構成としたが、これを変更し、球通過口33aを通過した遊技球は特別入賞口52か、アウト口24a(入球に伴う払出のない入球口)かのいずれかに振り分けられる構成としてもよい。
(6)上記第1の実施の形態では、特殊役物33において各振分板54を遊技機前方から覆うカバー部材60を設け、このカバー部材60により各振分板54を遊技者から視認不可としたが、これを変更し、各振分板54を遊技者から視認可能としてもよい。この場合、各振分板54が見えれば、今後の遊技状況を容易に予測でき、ひいては遊技者の遊技意欲を一層高めることが可能となる。
(7)上記第1の実施の形態では、主制御装置71(MPU82)において、左側領域PE2に設けられたスルーゲート35Aを通過した遊技球数、つまり球通過口33aを通過した遊技球の数を第1普図入賞カウンタによりカウントし、そのカウント値が天井前の所定値(=251)に到達した際に天井報知コマンドをセットする構成とした(図14のステップS403,S406,S407)。そして、音光制御装置91において、天井報知コマンドを受信し、天井報知に対応した演出を実施する構成とした。かかる構成を以下のように変更してもよい。
例えば、サブ制御装置である音光制御装置91において、スルーゲート35Aを通過した遊技球数、つまり球通過口33aを通過した遊技球の数をカウントし、そのカウント値が天井前の所定値(=251)に到達した場合に、天井報知に対応した演出を実施する。この場合、音光制御装置91では、スルーゲート35Aの球通過を示す信号を主制御装置71から受信し、それに伴いスルーゲート35A側での普図入賞の回数をカウントするとよい。本構成では、主制御装置71でのカウントが不要であり、そのカウント処理を無くしてもよい。
また、上記のとおり音光制御装置91においてスルーゲート35Aの球通過数をカウントする構成では、音光制御装置91側で、スルーゲート35Aの球通過数が大当たり当選の天井回数(=256)に達したことを認識できる。そこで、スルーゲート35Aの球通過数が大当たり当選の天井回数(=256)に達した場合に、音光制御装置91が、図柄表示装置42の図柄変動として大当たり当選に相当する演出を実行するようにしてもよい。この場合、音光制御装置91では、遊技球が特別入賞口52に入賞する以前(すなわち、遊技球がスルーゲート35Aに入賞してから特別入賞口52に入賞するまでの間の期間)に、大当たり当選に相当する図柄変動(停止図柄が大当たり図柄となるような図柄変動)を開始するよう表示制御装置92に対してコマンドを出力するとよい。
(8)普図普電制御処理に基づく遊技回が図柄表示装置42にて実行されている間(普図普電カウンタ≠0の場合)は、特図特電制御処理に基づく遊技回を開始しない構成としてもよい。この場合、普図普電制御処理に基づく図柄変動と、特図特電制御処理に基づく図柄変動とを同一の図柄表示装置42で実施する構成において、普図特電制御による図柄変動が中途半端な状態で中断されてしまうことを抑制できる。
(9)上記第2の実施の形態では、ステージ誘導装置250において、遊技球が流入すると、振分部材256a〜256cの状態切替が行われる振分通路255a(切替実行部)と、遊技球が流入しても、振分部材256a〜256cの状態切替が行われない振分通路255b,255c(切替非実行部)とを有する構成としたが、これを変更し、上記各振分通路255a〜255cのうち、切替実行部となる振分通路のみを設ける構成としてもよい。例えば、振分通路を振分通路255aだけにする構成、全ての振分通路255a〜255cを切替実行部とする構成が考えられる。
(10)上記第2の実施の形態では、ステージ誘導装置250において、遊技球が振分通路255b,255c(切替非実行部)に入球する確率を、該遊技球が振分通路255a(切替実行部)に入球する確率よりも高くしたが、これを変更し、その確率を逆にしたり、いずれも同じにしたりしてもよい。
(11)ステージ誘導装置250において、振分部材256a〜256cにソレノイドなどの電動アクチュエータ(駆動部)を設け、当該アクチュエータによって各振分部材256a〜256cの振り分け先を切り替える構成としてもよい。この場合、3つの振分部材256a〜256cのうち振分部材256aだけに駆動部を設け、他の振分部材256b,256cについては振分部材256aの動作に連動させるようにしてもよいし、各振分部材256a〜256cにそれぞれ駆動部を設ける構成にしてもよい。
(12)上記第2の実施の形態では、ステージユニット249において、第1ステージ261から第2ステージ262への遊技球の移動を可能とする移動用通路264(ステージ間移動経路)を設けたが、この移動用通路264を設けない構成としてもよい。また、第1ステージ261と第2ステージ262とを遊技球前後方向に並べて設ける以外に、上下に並べて設けたり、左右に並べて設けたりすることも可能である。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.発射手段(発射操作装置28)によって発射され遊技領域を流下する遊技球が通過可能な球通過部(球通過口33a)と、
遊技球が前記球通過部を通過することで、当該遊技球の入賞が可能となる特別入賞部(特別入賞口52)と、
前記球通過部から前記特別入賞部までにおいて遊技球の通過が可能となる球通過領域(遊技球通過領域R)に設けられ、前記球通過部を通過した遊技球を、前記特別入賞部に入賞可能な第1通路(第1通路51a)と、前記特別入賞部に入賞不可能な第2通路(第2通路51b)とのいずれかに振り分ける振分手段(振分板54)と、
を備え、
前記振分手段は、前記球通過部を通過した遊技球が到来することに基づいて、当該遊技球の振り分け先を変更し、所定数の遊技球が前記球通過部を通過することに伴い前記特別入賞部に遊技球を入賞させる状態に移行するものであることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技者による発射操作に伴い遊技領域を遊技球が流下する際、その遊技球が所定の球通過部を通過することで、特別入賞部への遊技球の入賞が可能となる。この場合、球通過部から特別入賞部までの球通過領域には、球通過部を通過した遊技球を第1通路(特別入賞部に入賞可能な通路)と、第2通路(特別入賞部に入賞不可能な通路)とのいずれかに振り分ける振分手段が設けられているため、遊技球が球通過部を通過したからといって全てが特別入賞部に入賞するわけでなく、遊技球が振分手段により第1通路側に振り分けられた場合にのみ特別入賞部への入賞がなされる。
特に、振分手段は、球通過部を通過した遊技球が到来することに基づいて、当該遊技球の振り分け先を変更し、所定数の遊技球が球通過部を通過することに伴い特別入賞部に遊技球を入賞させる状態に移行するものとなっている。つまり、遊技球を特別入賞部に入賞させて所定の特典を得るには、球通過部において所定数の遊技球を通過させることが一条件となっている。この場合、本遊技機を遊技する遊技者は、球通過部において所定数の遊技球が通過することで何らかの特典が得られると期待して遊技を積極的に継続する、と考えられる。これにより、遊技者の継続的な遊技を促すことが可能となる。また、遊技における興趣向上を図り、ひいては遊技者の遊技意欲を高めることが可能となる。
特徴A2.前記振分手段は、前記球通過領域において上流側から流下してきた遊技球を、前記第1通路側と前記第2通路側とでそれぞれ交互に振り分けるn個(n≧2)の振分部材(例えば8つの振分板54)を有し、
前記n個の振分部材は、そのうち前段の振分部材で遊技球が前記第1通路側に振り分けられた場合に、当該遊技球が後段の振分部材に到達するようにそれぞれ配置されており、
前記球通過部における遊技球の通過数が前記所定数になると、前記n個の振分部材について遊技球の振り分け先が全て第1通路側になり、遊技球が前記特別入賞部に入賞する状態に移行するようになっていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、球通過領域において上流側から下流側にかけてn個の振分部材が設けられており、前段の振分部材の振り分け先が第1通路側になると、その後段の振分部材に遊技球が到達できるようになっている。そして、球通過部における遊技球の通過に伴い各振分部材の振り分け先が変わり、全ての振分部材について振り分け先が第1通路側になると、遊技球が特別入賞部に入賞する。この場合、各段の振分部材は、遊技球の到来の都度、第1通路側と第2通路側とで交互に振り分け先を変えるものである。そのため、各振分部材の振り分け先を全て第1通路側にするのに要する遊技球数(すなわち特別入賞部への入賞に要する球個数)を変更するには、その振分部材の設置個数(すなわち「n」)を変更すればよく、特別入賞部への入賞に関する設計変更を容易に実施できる。例えば、遊技機において、特典を取得しにくくする(特別入賞部への入賞機会を減らす)には振分部材の設置個数(設置段数)を多くし、特典を取得しやすくする(特別入賞部への入賞機会を増やす)には振分部材の設置個数(設置段数)を少なくするとよい。
各振分部材で2状態の交互の切替が行われる場合、球通過部を通過した遊技球が特別入賞部に入賞するのは、2のn乗回の球通過に1回となる。換言すると、2のn乗回が上限回数(天井)となり、その上限回数に到達すれば、遊技球が特別入賞部に入賞する。n=8とすれば、天井は、2の8乗=256となる。
特徴A3.前記各振分部材は、前記球通過領域に揺動可能に軸支された揺動体であり、遊技球の通過に際し該遊技球が当たることで揺動して遊技球の振り分け先を切り替えるものであることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球が各振分部材に当たることで、それら各振分部材の機械的な揺動動作により振り分け先が切り替えられる。この場合、振分部材による振り分け先は電気的な処理により決定されるものでないため、振り分け先の切替のための演算処理が不要であり、さらに振り分け時において電力消費も生じない。また、電気的な信号に影響を受けることがないため、不正な電気信号により振り分け先が操作されるといった不都合も生じない。
特徴A4.遊技球が前記球通過部を通過することで入賞可能となる入賞口として、前記特別入賞部以外に一般入賞部(一般入賞口53)が設けられており、
前記特別入賞部(特別入賞口52)は、遊技球の入賞に伴い遊技者に特典が付与されるか否かの抽選処理が実行される第1抽選契機入賞部であり、
前記一般入賞部は、遊技球が入賞しても前記抽選処理が実行されない入賞部であり、
前記振分手段は、前記球通過部を通過した遊技球が到来することに基づいて、当該遊技球を、前記特別入賞部と前記一般入賞部とのいずれかに振り分けるものであることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球が球通過部を通過することで、特別入賞部及び一般入賞部のうちいずれかへの入賞が生じ、その入賞に伴い遊技球の払出が期待できる。つまり、遊技者にとっては、遊技球が球通過部を通過することにより何らかの利益がもたらされる。それもあって、遊技者が、球通過部での遊技球の通過を狙って発射手段を発射操作することが促され、結果として、球通過部での球通過個数が増えて特別入賞部への入賞機会が増えることとなる。
特徴A5.前記特別入賞部に遊技球が入賞した場合に実施される前記抽選処理の当選確率は50%以上であることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別入賞部(第1抽選契機入賞部)への入賞時における当選確率が50%以上であることにより、球通過部において所定数分の遊技球が通過することに伴い、遊技者は高確率で特典を得ることができる。したがって、やはり遊技者に対して継続遊技を促すことが可能となる。
なお、抽選処理の当選確率は、80%以上にしてもよく、またほぼ100%にしてもよい。
特徴A6.前記遊技領域には、前記第1抽選契機入賞部としての前記特別入賞部とは別に、遊技球の入賞に伴い前記抽選処理が実行される第2抽選契機入賞部(作動口34)が設けられていることを特徴とする特徴A4又はA5に記載の遊技機。
上記構成によれば、球通過部(球通過口33a)において所定数分の遊技球が通過する前であっても、すなわち第1抽選契機入賞部(特別入賞部)に遊技球が入賞する前であっても、この第1抽選契機入賞部とは別の第2抽選契機入賞部に遊技球が入賞することにより抽選処理が実施されるため、遊技中の遊技者に、さらに別の当選機会を与えることができる。例えば、球通過部への球通過数が所定数に達して抽選処理が実施された直後などにおいては、次の抽選処理までに時間的な隔たりが生じ、遊技者の遊技継続の意欲が削がれるおそれがあるが、上記のとおり第2抽選契機入賞部への入賞により抽選処理が実施される構成であれば、いつでも当選の期待を持ち続けさせることができ、遊技者に対して遊技の継続を促すことが可能となる。
特徴A7.前記遊技領域において前記球通過部としての第1球通過部(球通過口33a)の上流側には、遊技球が通過可能な第2球通過部(スルーゲート35A)が設けられ、遊技球が前記第2球通過部を通過することを条件に、同遊技球が前記第1球通過部を通過可能となっており、
遊技球が前記第1球通過部を通過しかつ前記特別入賞部(特別入賞口52)に入賞することに基づいて、遊技者に第1特典(開閉実行モードでの遊技特典)を付与するか否かを抽選する一方、遊技球が前記第2球通過部を通過することに基づいて、遊技者に第2特典(サポート実行モードでの遊技特典)を付与するか否かを抽選する抽選手段(主制御装置71のMPU82)を備えることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者が第1球通過部を狙って遊技球を発射することは、それと同時に第2球通過部を狙うことにもなる。この場合、遊技球が第2球通過部を通過すれば、第2特典についての抽選処理が行われる。また、遊技球が第2球通過部に引き続いて第1球通過部を通過する場合に、その第1球通過部での球通過回数が所定数になれば、遊技球が特別入賞部に入賞し、第2特典についての抽選処理が行われる。ここで、遊技者にとっては、上記の各通過部での遊技球の通過により第2特典だけでなく、第1特典を得る機会が増え、遊技の継続意欲が増えることとなる。
特徴A8.前記抽選手段による抽選結果に基づいて演出内容を決定し、該演出内容に基づいて演出装置(図柄表示装置42)による演出を実施する遊技球であって、
前記特別入賞部への入賞時に前記第1特典の抽選結果に基づいて決定される第1演出と、前記第2球通過部への遊技球通過時に前記第2特典の抽選結果に基づいて決定される第2演出とはいずれも前記演出装置にて実施されるものであることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特典の抽選結果に応じた第1演出と、第2特典の抽選結果に応じた第2演出とがそれぞれ同じ演出装置で実施される。この場合、遊技者にとっては、演出装置による演出の実行中においてその演出が第1特典用のものか第2特典用のものかが判別しづらいものとなっている。したがって、演出装置の演出の実施時には、遊技者は都度の演出が第1演出と第2演出とのいずれであるかに興味を抱き、その演出への関心を高めることができる。特別入賞部への入賞が遊技者により直接視認できない構成である場合には、果たして今回の演出が特別入賞部(特別入賞口52)への入賞に基づくものか、第2球通過部(スルーゲート35A)の球通過によるものかを判別できず、遊技者の特典付与についての注目度を一層高めることができる。
第1演出と第2演出とは同様の演出形態を含むものであるとよい。例えば、演出装置としての図柄表示装置において変動図柄の変動が実施される場合に、第1演出及び第2演出でいずれも同様の変動図柄を変動させることとし、最終の確定図柄だけを、第1演出用の図柄、第2演出用の図柄とする。
なお、第2特典よりも第1特典の方が賞球の期待数が多く設定されているとよい。この場合、遊技者は、賞球の期待数の多い第1特典の発生を期待して遊技を行うが、演出装置における演出や視認不可となっている振分手段からは、第1特典及び第2特典のいずれの演出処理が現在実行されているのかについて認識できなくなっている。これにより、遊技者に第1特典の発生を期待させることで抽選結果への注目度をより高くすることが可能となる。
特徴A9.前記振分手段を遊技機前方から覆うカバー部材(カバー部材60)を有し、
前記カバー部材は、前記振分手段を遊技者から視認不可とするものであることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、カバー部材によって、遊技機前方からの振分手段の視認が不可となっている。これにより、振分手段の振り分け先が、第1通路(特別入賞部に入賞可能な通路)になっているのか、第2通路(特別入賞部に入賞不可能な通路)になっているのかを遊技者に把握させづらくすることができる。また、遊技者が振分手段を視認することは不可であるが、遊技領域に設けられたカバー部材によって振分手段の存在を認識することは可能であり、遊技球の振り分けが行われることに対する遊技者の注目を高めることができる。
特徴A10.前記球通過部を通過する遊技球の通過数が前記所定数に近づく過程において、当該遊技球の通過数が、前記所定数よりも小さい所定の中間数に到達した場合に、その中間数への到達を遊技者に知らせる報知処理を実行する報知実行手段(ステップS406,S407を実行する機能)を備えることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、球通過部を通過する球通過数が徐々に増えていき、その球通過数が、所定数(遊技球を特別入賞部に入賞させる球個数)よりも小さい所定の中間数に到達すると、その中間数への到達が遊技者に知らされる。これにより、遊技者が、今後どれほどで特別入賞部に遊技球が入賞するのかをある程度把握でき、その入賞に対する期待度を高めることができる。これによっても、やはり遊技の継続を促すことが可能となる。
特徴A11.前記振分手段の振り分け先を前記第1通路側及び前記第2通路側のいずれかにすべく駆動される駆動手段と、
前記振分手段の振り分け先を決定し、その結果に基づいて前記駆動手段を駆動させる制御手段と、
を備えることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、振分手段の振り分け先を制御によって切替操作できる。これにより、遊技内容(仕様)や遊技演出を多様化することができる。例えば、通常状態と高確状態とで所定数(遊技球を特別入賞部に入賞させるのに要する球通過数)を変更したりするとよい。
また、特徴A2のように振分手段として複数の振分部材(振分板54)を有している構成では、それらの振分部材が各々独立して駆動されるとよい。この場合、いずれかの振分部材について、駆動手段の駆動により振り分け先を第1通路側に固定する、又は第2通路側に固定することができ、これにより、所定数(遊技球を特別入賞部に入賞させるのに要する球通過数)を増側及び減側のいずれかに変更することが可能となる。
例えば、8個の振分部材(振分板54)のうち、5つの振分部材について振り分け先を第1通路側に固定し、かつ残り3つの振分部材については固定しない場合、球通過部における遊技球の通過数が「8(=2の3乗)」になれば、遊技球が特別入賞部に入賞することとなる。つまり、8個通過に1回の割合で、特別入賞部に遊技球を入賞させることができる。
<特徴B群>
特徴B1.発射手段(発射操作装置28)によって発射され遊技領域を流下する遊技球が入球可能であり、該遊技球の入球に基づいて遊技者に利益が付与される入球部(特殊役物233)と、
前記遊技領域において前記入球部の上方に設けられ、所定方向に延びる遊技球転動面を有する遊技球転動部材(ステージユニット249)と、
を備え、
前記遊技球転動面にて遊技球が転動した後、遊技球転動部材に設けた案内部(案内通路267)を遊技球が通過することで前記入球部に向けて遊技球が案内されるよう構成した遊技機において、
前記遊技球転動部材は、各々異なる遊技球転動面を有してなる第1ステージ(第1ステージ261)と第2ステージ(第2ステージ262)とを有しており、これら各ステージは、前記案内部に遊技球が流入する流入確率が相違し、前記第2ステージの方が前記第1ステージよりも前記流入確率が高くなっており、
前記遊技領域を流下する遊技球を導入し、さらにその遊技球を、第1誘導通路(第1誘導通路271)と第2誘導通路(第2誘導通路272)とのいずれかに流入させ、前記第1誘導通路に遊技球が流入することで当該遊技球を前記第1ステージに誘導し、前記第2誘導通路に遊技球が流入することで当該遊技球を前記第2ステージに誘導する誘導手段(ステージ誘導装置250)を備え、
前記誘導手段は、
当該誘導手段に導入された遊技球を前記第1誘導通路に流入させる第1状態と、該遊技球を前記第2誘導通路に流入させる第2状態とで切り替えられる状態切替手段(振分部材256a〜256c)と、
前記誘導手段に導入された遊技球が入球可能であり、該遊技球が入球することに基づいて、前記状態切替手段での第1状態と第2状態との切替を交互に実行する切替実行部(振分通路255a)と、
を有していることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技球が遊技球転動部材に流れ込んだ際、それが第1ステージにおいて転動動作するのか、第2ステージにおいて転動動作するのかに応じて、遊技球転動部材の案内部への入球の可能性、さらに言えば入球部(遊技球の入球により遊技者に利益が付与される特殊役物233)への入球の可能性が相違する。ここで、第2ステージの方が第1ステージよりも案内部への流入確率が高いため、遊技者は、遊技に際し、第2ステージにおいて遊技球が転動動作することを期待する。
また特に、上記構成の遊技機では、遊技球転動部材の各ステージへの遊技球の誘導を行う誘導手段を備えており、誘導手段では、第1誘導通路に遊技球が流入すると第1ステージに遊技球が誘導される一方、第2誘導通路に遊技球が流入すると第2ステージに遊技球が誘導される。また、誘導手段に遊技球が導入された場合、その遊技球が切替実行部に流入することに基づいて、状態切替手段の状態切替が行われ、その状態切替により、遊技球を第1誘導通路に流入させる第1状態と、遊技球を第2誘導通路に流入させる第2状態とが切り替えられる。
この場合、誘導手段において、切替実行部への遊技球の入球が、第1状態と第2状態との切替のトリガとなるため、遊技者は、切替実行部への遊技球の入球の状況に注目することになる。したがって、遊技者は、遊技球転動部材上での実際の遊技球の転動動作以外に、その遊技球転動部材への遊技球到達の前段階においても遊技球の挙動に高い関心を示すことになり、遊技機として興趣向上を図ることができる。また、遊技者の遊技意欲を高めることが可能となる。
特徴B2.前記誘導手段は、前記誘導手段に導入された遊技球が入球可能であり、該遊技球が入球しても前記状態切替手段の状態切替が行われない切替非実行部(振分通路255b,255c)をさらに有し、
前記誘導手段に導入された遊技球は、前記切替実行部と前記切替非実行部とのいずれかに流入する構成となっていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、誘導手段に導入された遊技球が切替実行部(振分通路255a)に流入すると、状態切替手段の状態切替が行われる一方、切替非実行部(振分通路255b,255c)に流入すると、状態切替手段の状態切替が行われない(その時の状態がそのまま維持される)。この場合、誘導手段に導入された遊技球は、切替実行部に入球する以外に、切替非実行部に入球する可能性があり、この切替非実行部への入球が生じることを加味すると、例えば第1状態下(遊技球を第1ステージに誘導する状態下)では第2状態(遊技球を第2ステージに誘導する状態)への移行が生じにくくなる。そのため、遊技者の利益享受状態を継続させる上で有利となる。他方、第2状態下では、誘導手段に遊技球が導入されたとしても、必ずしも第1状態に切り替わる訳ではないので、第1状態に切り替わったかどうかの遊技者の関心を高めることができる。
要するに、第1状態と第2状態との切替に波を持たせることができる。これにより、第1状態のままとなる期間が、第2状態のままとなる期間よりも長くなったり(逆に短くなったり)、第1状態(又は第2状態)の継続時間が都度異なるものとなったりする。そのため、遊技者の関心を高めることができる。
特徴B3.前記誘導手段において、当該誘導手段に導入された遊技球が前記切替非実行部に入球する確率が、該遊技球が前記切替実行部に入球する確率よりも高くなっていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、切替実行部への入球確率よりも切替非実行部への入球確率の方が高いため、誘導手段に導入された遊技球は切替非実行部に入球しやすく、つまりは誘導手段に遊技球が導入されてもそれに伴う状態切替が生じにくくなっている。すなわち、切替実行部への入球確率と切替非実行部への入球確率とが同じ場合に比べて、状態切替の頻度が少なくなっている。
これにより、第1状態下(遊技球を第1ステージに誘導する状態下)では、第2状態(遊技球を第2ステージに誘導する状態)に移行しにくくなり、遊技者の利益享受状態を継続させる上で有利となる。第1状態の継続確率を高めることができる。他方、第2状態下では、第1状態への切替の確率が低く抑えられることで、第1状態に切り替わったかどうかの遊技者の関心を高めることができる。
切替実行部への入球確率よりも切替非実行部への入球確率を高くするには、例えば、切替非実行部の入口(振分入球口254b,254c)の数を切替実行部の入口(振分入球口254a)の数よりも多くしたり、切替非実行部の入口の開口面積(開口径)を切替実行部よりも大きくしたりするとよい。
特徴B4.前記切替実行部及び前記切替非実行部には、前記状態切替手段として、前記誘導手段に導入された遊技球を、前記第1誘導通路と前記第2誘導通路とのいずれかに振り分ける通路振分部材(振分部材256a〜256c)がそれぞれ設けられており、
前記切替実行部に設けられた前記通路振分部材は、遊技球が到来する度に、振り分け先を前記第1誘導通路と前記第2誘導通路とで交互に切り替えるものであり、
前記切替非実行部に設けられた前記通路振分部材は、遊技球が到来しても振り分け先を切り替えず、前記切替実行部側の前記通路振分部材に連動して振り分け先を切り替えるものであることを特徴とする特徴B2又はB3に記載の遊技機。
上記構成によれば、誘導手段に導入された遊技球が切替実行部に流入すると、状態切替手段の状態切替が行われる一方、切替非実行部に流入すると、状態切替手段の状態切替が行われない(その時の状態がそのまま維持される)といった動作を好適に実現できる。これにより、第1状態において遊技者の利益享受状態を継続させるといった効果や、第2状態において第1状態に切り替わったかどうかの遊技者の関心が高められるといった効果が得られることとなる。
例えば、切替実行部及び切替非実行部にそれぞれ設けられた通路振分部材は、連結手段(連結部材257)によって物理的に連結され、切替実行部の通路振分部材の状態が切り替わることに伴い、切替非実行部の通路振分部材の状態が切り替えられる構成であるとよい。これにより、機械的構成にて確実に各通路振分部材の状態を切り替えることが可能となる。
特徴B5.前記誘導手段において、前記切替実行部及び前記切替非実行部のいずれに遊技球が入球したかが遊技者から視認可能である一方、前記状態切替手段の状態は視認不可となるように構成されていることを特徴とする特徴B2乃至B4のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、遊技球が切替実行部と切替非実行部とのどちらに入球したかを視認できても、状態切替手段の状態を視認できないため、状態切替手段の状態、すなわち遊技球の誘導先を予測しながら遊技を行うことができる。これにより、遊技者の遊技球誘導動作への注目度を高めることが可能となる。
特徴B6.前記誘導手段は、当該誘導手段に導入された遊技球を受け入れ、その遊技球を周回させる遊技球周回部(遊技球周回部253)を有しており、
前記遊技球周回部には、前記切替実行部への入口となる入球口(振分入球口254a)と、前記切替非実行部への入口となる入球口(振分入球口254b,254c)とが設けられており、
前記遊技球周回部を周回する遊技球が前記切替実行部及び前記切替非実行部の各入球口のいずれに入球するかが遊技者から視認可能となっていることを特徴とする特徴B2乃至B5のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、遊技球が切替実行部と切替非実行部とのどちらに入球したかを視認できる。この場合特に、遊技球は、遊技球周回部をぐるぐると周回した後にいずれかの入球口に入球するようになっており、その遊技球が周回動作することで遊技者に関心を持たせ、注目度を高めることができる。
特徴B7.前記第1ステージと前記第2ステージとは遊技機前後方向に並べて設けられ、それぞれ上下に高低差を有する形状の遊技球転動面を有しており、
前記第1ステージには、遊技球転動面の最上部となる部位に前記案内部の入口が設けられ、前記第2ステージには、遊技球転動面の最下部となる部位に前記案内部の入口が設けられていることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1ステージは、遊技球転動面の最上部となる部位に案内部の入口が設けられているため、案内部への遊技球の流入確率が低くなっている。また、第2ステージは、遊技球転動面の最下部となる部位に案内部の入口が設けられているため、案内部への遊技球の流入確率が高くなっている。これにより、各ステージで、案内部への遊技球の流入確率を相違させることができる。
特徴B8.前記入球部(特殊役物233)は、
前記遊技領域を流下する遊技球が通過可能な球通過部(球通過口233a)と、
遊技球が前記球通過部を通過することで当該遊技球の入賞が可能となる特別入賞部(特別入賞口283)と、
前記球通過部から前記特別入賞部までにおいて遊技球の通過が可能となる球通過領域に設けられ、前記球通過部を通過した遊技球を、前記特別入賞部に入賞可能な第1通路(第1通路282a)と、前記特別入賞部に入賞不可能な第2通路(第2通路282b)とのいずれかに振り分ける振分手段(振分部材285)と、
を備え、所定数の遊技球が前記球通過部を通過することに伴い、前記振分手段が前記特別入賞部に遊技球を入賞させる状態に移行する役物装置であり、
前記遊技球転動部材の遊技球転動面にて遊技球が転動した後に、前記案内部を遊技球が通過することで前記球通過部に向けて遊技球が案内されるようになっていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1つに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球が遊技領域を流下する際、まずは遊技球転動部材(ステージユニット249)への遊技球の流入について遊技者に関心を持たせ、その後、遊技球が役物装置(特殊役物233)に入球した後は、すなわち遊技球が役物装置の球通過部を通過した後は、特別入賞部に遊技球が入賞するかどうかについて遊技者に関心を持たせることができる。この場合、役物装置において球通過部から特別入賞部までの球通過領域には、球通過部を通過した遊技球を第1通路(特別入賞部に入賞可能な通路)と、第2通路(特別入賞部に入賞不可能な通路)とのいずれかに振り分ける振分手段が設けられているため、遊技球が球通過部を通過したからといって全てが特別入賞部に入賞するわけでなく、遊技球が振分手段により第1通路側に振り分けられた場合にのみ特別入賞部への入賞がなされる。
特に、役物装置では、所定数の遊技球が球通過部を通過することに伴い、振分手段が特別入賞部に遊技球を入賞させる状態に移行する。つまり、遊技球を特別入賞部に入賞させて所定の特典を得るには、球通過部において所定数の遊技球を通過させることが一条件となっている。この場合、本遊技機を遊技する遊技者は、球通過部において所定数の遊技球が通過することで何らかの特典が得られると期待して遊技を積極的に継続する、と考えられる。これにより、遊技者の継続的な遊技を促すことが可能となる。
特徴B9.前記特別入賞部に遊技球が入賞した場合に実施される抽選処理の当選確率は50%以上であることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別入賞部への入賞時における当選確率が50%以上であることにより、球通過部において所定数分の遊技球が通過することに伴い、遊技者は高確率で特典を得ることができる。したがって、やはり遊技者に対して継続遊技を促すことが可能となる。
なお、抽選処理の当選確率は、80%以上にしてもよく、またほぼ100%にしてもよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。