ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、ホールにおける使用状況を考慮しつつ、不正行為を停止させることが出来る、新規な構造のパチンコ機を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することが出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
本発明の第一の態様は、入口に可動部材を備え、予め定められた作動条件が満たされた場合に該可動部材がソレノイドへの通電により駆動されて入口を開放する一方該ソレノイドへの通電停止により該可動部材が返戻作動して該入口を閉塞するように作動せしめられる入賞装置と、該入賞装置への遊技球の入賞に伴い賞球の払い出しを行う賞球払出手段と、遊技球の発射を行う発射手段とを有するパチンコ機において、(a)前記入賞装置の状態を検出する入賞装置状態検出手段と、(b)前記入賞装置が設けられている遊技領域を覆うように配設された前扉の開閉状態を検出する前扉開閉検出手段と、(c)前記可動部材を作動制御するための制御信号として前記ソレノイドへの通電を判定する制御信号検出手段と、(d)前記前扉開閉検出手段が前記前扉の閉状態を検出していると共に、前記入賞装置状態検出手段が前記入賞装置において遊技球の入賞を検出しており、且つ、前記制御信号検出手段が前記ソレノイドへ通電されていないと判定した場合には不正行為が行われたと判定し、遊技球の発射の阻止と賞球の払い出しの阻止と周囲への報知のうち少なくとも一つの処置を行ってかかる不正行為を停止させる不正時所定処置手段とを、備えたことを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされたパチンコ機においては、前扉開閉検出手段が遊技領域を覆うように配設された前扉の閉状態を検出していると共に、入賞装置状態検出手段が入賞装置における予め定められた特定の状態を検出している状態下において、制御信号検出手段が可動部材を作動制御するための制御信号を検出していない場合には、不正時所定処置手段が不正行為が行われたと判定し、かかる不正行為を停止させるようになっていることから、パチンコ機のホールにおける使用状況を考慮しつつ、不正行為を停止させることが可能となる。
従って、本態様に係るパチンコ機においては、例えば、遊技球の落下方向を変化せしめることを目的として遊技領域に設けられた遊技釘や入賞装置等に遊技球が引っかかることで遊技球が遊技領域に残留し、遊技に支障をきたす事態が発生した場合に、パチンコ機が設置されたホールの係員が前扉を開放して遊技領域に残留した遊技球を取り除いて入賞装置内に遊技球を入れることがあったとしても、(1)前扉開閉検出手段が前扉の閉状態を検出していること、(2)入賞装置状態検出手段が入賞装置における予め定められた特定の状態を検出していること、(3)制御信号検出手段が可動部材を作動制御するための制御信号を検出していないこと、という3つの条件の全てを満たしていないことから、不正時所定処置手段が不正行為が行われたと判定しないようになっており、その結果、上述のように、ホールの係員が遊技者に対してサービスとして行う行為が不正行為と判定されないようにすることが可能となり、パチンコ機のホールでの使用状況を考慮しつつ、不正行為を停止させることが可能となる。
なお、本態様における入賞装置とは、内部に遊技球の入賞を検出する検出スイッチを備えており、かかる検出スイッチからの検出信号に基づいて賞球の払い出しが為され、遊技者に利益を与えることが出来るものをいい、採用されている検出スイッチの数,払い出される賞球の数等は、特定の数に限定されるものではない。また、本態様における入賞装置は、少なくとも遊技者に利益を与えることが出来れば良く、このように遊技者に利益を与える機能に加えて、例えば、遊技領域に設けられた図柄表示装置に表示される複数の変動図柄の変動を開始せしめる等のように、パチンコ機に遊技動作を行わせる機能等を備えていても良い。そこにおいて、検出スイッチは、従来から公知の近接スイッチ等によって有利に構成される。
また、本態様における可動部材とは、例えば、入賞装置の入口を閉塞しないように配設されて入賞装置の入口が拡大されていない状態および拡大された状態に変化せしめられることで、遊技球の入賞装置への入賞容易性を調整するものや、入賞装置の入口を閉塞可能に配設されて遊技球の入賞が可能な状態と不可能な状態とにすることが出来るもの等をいう。そこにおいて、可動部材は、一つの部材で構成されていても良いし、複数の部材で構成されていても良い。
さらに、本態様における作動条件とは、遊技をすることによって発生する状況等であれば、特に限定されるものではないが、例えば、遊技領域に設けられた図柄表示装置に表示される複数の変動図柄が変動した後、予め定められた図柄組み合わせで停止した場合等が採用され得る。
また、本態様における入賞装置状態検出手段は、例えば、可動部材の機械的な作動を検出するために配設された作動検出スイッチが可動部材の作動を検出して電気信号を出力し、かかる電気信号が入力されたことを遊技動作を制御するCPUがプログラムに従って確認すること,入賞装置の入口が可動部材によって閉塞可能とされている場合に入賞装置内に設けられて遊技球の入賞を検出する入賞検出スイッチが遊技球の入賞を検出して電気信号を出力し、かかる電気信号が入力されたことを遊技動作を制御するCPUがプログラムに従って確認すること等で実現することが出来る。そこにおいて、作動検出スイッチは、従来から公知のマイクロスイッチやリミットスイッチ等で構成することが出来ると共に、入賞検出スイッチは、従来から公知の近接スイッチ等で構成することが出来る。
さらに、本態様における「入賞装置における予め定められた特定の状態」とは、例えば、可動部材が入賞装置の入口を閉鎖しないように配設されており、入賞装置の入口が拡大されていない状態および拡大された状態の何れかに設定される場合には、入賞装置の入口が拡大された状態をいい、可動部材が入賞装置の入口を閉鎖可能に配設されており、入賞装置の入口が閉鎖された状態および開放された状態の何れかに設定される場合には、遊技球が入賞装置に入賞した状態をいう。
また、本態様における前扉開閉検出手段は、例えば、前扉の開閉を検出するために配設された従来から公知のマイクロスイッチやリミットスイッチ等が前扉の開状態を検出して電気信号を出力し、かかる電気信号が入力されたことを遊技動作を制御するCPUがプログラムに従って確認すること等で実現することが出来る。
更にまた、本態様における前扉とは、遊技領域を視認可能な板状又はシート状部材が配設されたものであれば、特に限定されるものではない。
さらに、本態様における「可動部材を作動制御するための制御信号」とは、例えば、可動部材がソレノイドへの通電に基づいて作動せしめられる場合に、かかるソレノイドを駆動するための駆動信号等のように、実際に可動部材を作動せしめる信号であっても良いし、また、可動部材が作動せしめられていることを示す信号や、可動部材を作動せしめる作動条件を満たしていることを示す信号等であっても良い。そこにおいて、「可動部材が作動せしめられていることを示す信号」とは、例えば、遊技動作を制御するCPUがプログラムに従って制御処理をする際の処理データ等を格納するためのRAMに設けられて可動部材が作動せしめられていることを示すフラグ等が採用可能であり、また、「可動部材を作動せしめる作動条件を満たしていることを示す信号」とは、例えば、遊技動作を制御するCPUがプログラムに従って制御処理をする際の処理データ等を格納するためのRAMに設けられて作動条件が満たされていることを示すフラグ等が採用可能である。
また、本態様における制御信号検出手段は、例えば、実際に可動部材を作動せしめる信号が出力されていることを遊技動作を制御するCPUがプログラムに従って確認すること、可動部材が作動せしめられていることを示す信号および可動部材を作動せしめる作動条件を満たしていることを示す信号の何れかを遊技動作を制御するCPUがプログラムに従って確認すること等で有利に実現することが出来る。
さらに、本態様における「不正行為を停止させる」とは、例えば、遊技球がパチンコ機に対して回動可能に設けられた発射ハンドルの回動操作に基づいて発射されることで遊技領域に案内される場合において、かかる発射ハンドルの回動操作に基づく遊技球の発射を、機械的に、或いは、電気的に阻止することや、遊技球が入賞装置に入賞しても賞球の払い出しが行われないようにすること等のように、不正行為を行ったものの意志に関係なく不正行為を停止させることのみならず、パチンコ機に設けられたLEDやランプ等を点灯又は点滅する、或いは、パチンコ機に設けられたスピーカから警告音を発する等のように、周囲に不正行為が行われていることを報知し、不正行為を行ったものの意志に基づいて不正行為を停止させることも含むものとする。
また、本態様における不正時所定処置手段は、例えば、遊技動作を制御するCPUがプログラムに従って制御処理を実行すること等で有利に実現することが出来る。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係るパチンコ機において、前記不正時所定処置手段が遊技球の発射を不能とすることによって不正行為を停止させるようになっていることを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされたパチンコ機においては、不正行為が行われた場合には、不正時所定処置手段により遊技球の発射が不能とされることから、不正行為を続行することが出来なくなり、それによって、不正行為を停止させることが可能となる。
なお、本態様における「遊技球の発射を不能とする」とは、遊技球の発射を機械的に、或いは、電気的に阻止することをいい、例えば、パチンコ機に対して回動可能に設けられた発射ハンドルが回動操作せしめられることで発射モータに電源が供給され、それによって、発射モータの回転軸にクランク機構を介して連結された打球槌が遊技球を弾き出すようになっている場合には、遊技球を遊技領域まで案内するための通路に遮断部材を位置せしめ、打球槌で弾き出された遊技球が遊技領域まで到達しないようすることや、発射モータへの電源供給を停止すること等で実現することが出来る。
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係るパチンコ機において、前記不正時所定処置手段が前記入賞装置への遊技球の入賞に基づく賞球の払い出しを行わせないことで不正行為を停止させるようになっていることを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされたパチンコ機においては、不正行為が為された場合には、たとえ入賞装置に遊技球が入賞しても、不正時所定処置手段が、かかる遊技球の入賞に基づく賞球の払い出しを行わせないようになっていることから、パチンコ機が設置されたホールに損害を与えないようにすることが出来る。また、本態様に係るパチンコ機においては、遊技球の入賞装置への入賞に基づく賞球の払い出しを不正に行わせることを目的として不正行為が行われる際に、かかる目的を達成できないようにすることが可能となり、また、このような状態で遊技を続けても不正行為を行った遊技者が不利益を蒙るだけであることから、不正行為を続けることを有利に阻止することが可能となる。
本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れかの態様に係るパチンコ機において、前記不正時所定処置手段が正常な遊技を妨げることで不正行為を停止させるようになっており、かかる正常な遊技が妨げられた状態を正常な遊技が可能な状態にするための解除操作が、前記前扉を開けることに起因して行われることを特徴とする。このような本態様に従う構造とされたパチンコ機においては、前扉を開けることに起因して、正常な遊技が妨げられた状態を解除して正常な遊技が可能な状態にするための解除操作が行われるようになっていることから、かかる解除操作を、パチンコ機が設置されたホールの係員のみが実施することが可能となり、それによって、不正行為の隠蔽を有利に防止することが可能となる。
なお、本態様における「前扉を開けることに起因して」とは、少なくとも前扉を開けるという動作を行うことをいい、例えば、前扉が開いていることを検出できるセンサが設けられている場合には、かかるセンサからの検出信号に基づいて遊技不能な状態を解除できるようにしても良いし、或いは、前扉が開いた状態でなければ操作できない操作部を設けておき、かかる操作部を操作することで遊技不能な状態を解除できるようにしても良い。また、本態様における「正常な遊技」とは、少なくとも遊技球の発射が可能とされていると共に、賞球の払い出しが可能とされていることをいう。従って、本態様における「正常な遊技が妨げられた状態」とは、遊技球の発射が不可能な状態および賞球の払い出しが不可能な状態の少なくとも一つを満たしている状態をいう。
本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れかの態様に係るパチンコ機において、前記入賞装置への遊技球の入賞を検出する主制御部を設けると共に、該主制御部が該入賞装置への遊技球の入賞を検出したことに基づいて賞球の払い出しを行わせる払出制御部を設け、該払出制御部に対して前記入賞装置状態検出手段と前記前扉開閉検出手段と前記制御信号検出手段と前記不正時所定処置手段を設けたことを特徴とする。このような本態様に従う構造とされたパチンコ機においては、主制御部が入賞装置への遊技球の入賞を検出したことに基づいて払出制御部に賞球の払い出しを行わせるようになっており、このような払出制御部に対して入賞装置状態検出手段と前扉開閉検出手段と制御信号検出手段と不正時所定処置手段が設けられていることから、不正行為が行われたか否かの判定および不正行為が行われたと判定された場合の不正行為の停止が、払出制御部のみによって行われるようになっていることから、不正行為が行われたか否かの判定および不正行為の継続実施の阻止に関して、外部のノイズの影響を受け難くすることが可能となり、それによって、目的とする不正行為が行われたか否かの判定および不正行為の継続実施の阻止を有利に実現することが可能となる。
また、本態様に従えば、例えば、賞球を不正に払い出させることを目的とする不正行為を阻止するために、従来から払出制御部に施されている不正行為防止用の方策を、そのまま利用して、不正行為が行われた場合であっても不正行為が行われていないように判定させること、或いは、不正行為を継続して行うことが出来るようにすること等を目的とする不正行為を有利に阻止することが可能となる。
なお、本態様における払出制御部とは、制御CPUと主制御部からの制御コマンドに基づいて制御CPUに賞球の払出を行わせる制御プログラムや制御データ等が記憶されたROMを含んで構成される。また、本態様における主制御部とは、制御CPU,制御プログラムや制御データ等が記憶されたROMを含んで構成される。
本発明の第六の態様には、前記第一乃至第五の何れかの態様に係るパチンコ機において、前記前扉を開いた状態でのみ操作可能な判定中止操作部が設けられており、前記作動条件が満たされていない場合に該判定中止操作部を操作することによって、前記不正時所定処置手段が予め定められた時間だけは不正行為が行われたと判定しないことを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされたパチンコ機においては、作動条件が満たされていない場合に、前扉を開いた状態でのみ操作可能な判定中止操作部が操作されると、予め定められた時間だけは、不正時所定処置手段が不正行為が行われたと判定しないようになっていることから、例えば、ホールの係員がサービスとして入賞装置に遊技球を入れた際に、遊技球が何等かの事情で入賞装置内に引っかかってしまい、前扉を締めた際の振動等によって引っかかりが解除され、遊技球の入賞が検出されることや、物理的に可動部材を操作したこと等によって、可動部材が作動条件が満たされていない状態下における本来の位置に位置せしめられておらず、前扉を閉めた際の振動等によって可動部材が本来の位置に位置せしめられること等によって、ホール係員が不正行為と判定された状態を解除したにも拘わらず、再び不正行為が行われたと判定されることを有利に阻止することが可能となる。
なお、本態様における判定中止操作部とは、遊技全体を制御するCPUに対して判定中止操作部が操作されたことを電気信号によって知らせるセンサ等を備えたものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、押圧操作を感知して電気信号を出力するセンサ等を備えたものが採用可能である。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされたパチンコ機においては、入賞装置における予め定められた特定の状態が検出されていると共に、前扉の閉状態が検出されており、更に、可動部材を作動制御するための制御信号が検出されていない場合のみ、不正行為が行われたと判定するようになっていることから、ホールの係員が入賞装置に遊技球を入れるというサービスを行ったとしても、不正行為と判定されないようになっており、それによって、ホールでの使用状況を考慮しつつ、入賞装置の入口を不正に拡大又は開放せしめることを目的とする不正行為を阻止することが出来る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1には、本発明の一実施形態としてのパチンコ機10が示されている。このパチンコ機10は、遊技球が入賞装置としての始動入賞口装置12に入賞すると遊技領域14に設けられた特別図柄表示装置16にて複数(本実施形態では3つ)の特別図柄18a〜cが変動し、遊技者に有利な大当たり遊技状態が発生している場合には、入賞装置としての大入賞口装置20の入口を閉塞するように配設された可動部材としての開放扉22が大入賞口装置20の入口を開放する方向に作動せしめられるようになっている。
より詳細には、パチンコ機10は、中枠24を備えており、かかる中枠24が幅方向一方の端部を中心に回動可能な状態で外枠26に装着されている。また、中枠24の前面には、横長な長方形状の皿板28が幅方向一方の端部を中心に回動可能に装着されており、かかる皿板28の前面には、遊技球を貯留するための上皿30が固定されている。この上皿30には、複数のスリットからなる出音口32が形成されていると共に、かかる出音口32の後方には、スピーカ34が固定されている。更に、中枠24の前面には、上皿30の下方において、下皿36が固定されている。この下皿36は、パチンコ機10の裏側において、上皿30に連通せしめられており、上皿30内から溢れた遊技球が下皿36内に排出されるようになっている。
また、下皿36の右側には、発射ハンドル38が回動可能に装着されており、かかる発射ハンドル38の裏側には、発射モータ40(図14参照)が装着されている。この発射モータ40の回転軸には、図示しないクランク機構を介して図示しない打球槌が連結されており、発射ハンドル38が周方向一方の側に回動操作せしめられることによって後述する発射制御回路42(図14参照)から発射モータ40に電源が供給され、打球槌が上皿30内に貯留された遊技球を弾き出すようになっている。
さらに、中枠24の前面には、前扉としてのガラス枠44が幅方向一方の端部を中心に回動可能に装着されている。また、中枠24の後側には、遊技領域14を構成する遊技盤46を保持するための額縁状の機構盤(図示せず)が固定されており、かかる機構盤によって遊技盤46が保持された状態下において、遊技盤46は、ガラス枠44によって保持されたガラス窓で覆われている。更に、ガラス枠44の幅方向一方の端部には、枠鍵48が装着されており、かかる枠鍵48によって中枠24を外枠26に対して密着した状態に保持するようになっていると共に、皿板28とガラス枠44を中枠24に密着した状態に保持するようになっている。更にまた、中枠24には、ガラス枠44が開いた状態であることを検出するためのガラス枠開放検出スイッチ50(図14参照)が設けられている。このガラス枠開放検出スイッチ50は、従来から公知のマイクロスイッチやリミットスイッチ等で構成することが出来る。
また、遊技盤46の前面には、レールセット52が設けられている。このレールセット52は、薄肉の長手板形状を有する金属製のプレートを厚さ方向に湾曲することによって構成されており、遊技盤46の前面に取り付けられた状態で、その内周面側において略円形の遊技領域14が形成されることとなる。また、レールセット52は、その両端部分において、一方の端部の内周面と他方の端部の外周面が対向位置せしめられており、かかる対向位置せしめられた部分よって、遊技球を遊技領域14に案内するための案内通路54が形成されている。そして、打球槌によって弾かれた遊技球は、案内通路54を通って遊技領域14の上部に案内された後、遊技盤46における遊技領域14に打ち込まれた図示しない複数の遊技釘に当たりながら落下するようになっている。
さらに、遊技盤46の前面には、額縁状の台板56が固定されており、かかる台板56には、特別図柄表示装置16および普通図柄表示装置58が固定されている。特別図柄表示装置16は、カラー液晶表示器からなるものであり、かかる特別図柄表示装置16の表示画面には、「0」〜「9」までの数字図柄が横三列に表示されるようになっており、これらの数字図柄によって複数の特別図柄18a〜cが構成されている。また、普通図柄表示装置58は、カラー液晶表示器からなるものであり、普通図柄表示装置58の表示画面には、「3」および「7」の数字図柄が横二列に表示されるようになっており、これらの数字図柄によって普通図柄60a,bが構成される。そこにおいて、本実施形態では、特別図柄表示装置16および普通図柄表示装置58は、一つの液晶表示器の表示画面を特別図柄18a〜cを表示する部分と普通図柄60a,bを表示する部分に分割することによって構成されている。
また、遊技盤46の前面には、特別図柄表示装置16の下方に位置して、始動入賞口装置12が設けられている。この始動入賞口装置12は、図2乃至図6にも示されているように、取付台板62に対してカバー部材64が取り付けられた構造とされており、それによって、取付台板62が遊技盤46に取り付けられた際に、始動入賞口装置12がポケット状の外観を呈するようになっている。また、カバー部材64が取付台板62に取り付けられることによって、入賞した遊技球を遊技盤46の裏側に排出する球経路が一つ形成されており、かかる球経路には、入賞した遊技球が球経路を通過したことを検出するために、貫通型近接スイッチで構成された始動口スイッチ66が配設されている。そして、始動入賞口装置12に遊技球が入賞すると、始動口スイッチ66が遊技球を検出して検出信号を出力するようになっている。
さらに、始動入賞口装置12における遊技球が入賞するための入口には、可動部材としての一対の羽根68,68が配設されており、取付台板62の裏側に配設されたソレノイド70への通電が行われることによりクランク72がバネ74の付勢力に抗して、ソレノイド70側に引き付けられて一対の羽根68,68が開き、始動入賞口装置12の入口を拡大するようになっている一方、ソレノイド70への通電が停止されることによりクランク72がバネ74の付勢力で本来の位置に戻り、一対の羽根68,68が閉じて始動入賞口装置12の入口が拡大されていない状態となる。
また、始動入賞口装置12には、クランク72の作動、即ち、始動入賞口装置12の入口が拡大されているか否かを検出するための作動検出スイッチ76が設けられている。そこにおいて、本実施形態では、作動検出スイッチ76は、ばね鋼等で形成された可動ばね78と、ソレノイド70への通電が行われていない状態で可動ばね78と接触しない固定電極80を備えている。そして、作動検出スイッチ76は、ソレノイド70への通電に基づくクランク72の作動により可動ばね78と固定電極80が接触し、それによって、可動ばね78と固定電極80間で行われる通電を検出することで、始動入賞口装置12の入口が拡大されているか否かを検出するようになっている。特に、本実施形態では、図2に示されているように、一対の羽根68,68が閉じた状態では、図3に示されているように、固定電極80と可動ばね78が接触しないようになっており、それによって、作動検出スイッチ76は検出信号を出力しないようになっている一方、図5に示されているように、一対の羽根68,68が開いた状態では、図6に示されているように、固定電極80と可動ばね78が接触するようになっており、それによって、作動検出スイッチ76は検出信号を出力するようになっている。
また、遊技盤46の前面には、二つの始動ゲート82a,bが配設されている。始動ゲート82a,bは、それぞれ、近接スイッチによって構成された通過スイッチ84a,b(図13参照)を備えており、遊技球が始動ゲート82を通過したことを通過スイッチ84が検出すると、検出信号を出力するようになっている。
さらに、遊技盤46の前面には、始動入賞口装置12の下方に位置して大入賞口装置20が設けられている。この大入賞口装置20は、図7乃至11にも示されているように、ABS等の硬質の合成樹脂材で形成された取付台板86に対して、入賞した遊技球を遊技盤46の裏側に排出するための球流路を二つ形成する球流路形成部材88が取り付けられた構造とされており、一方の球流路には、かかる球流路を通過する遊技球を検出するための大入賞口カウントスイッチ90が配設されていると共に、他方の球流路には、かかる球流路を通過する遊技球を検出するための特定領域カウントスイッチ92が配設されている。そして、取付台板86が遊技盤46に取り付けられることにより、大入賞口装置20が遊技盤46に取り付けられるようになっている。そこにおいて、本実施形態では、大入賞口カウントスイッチ90および特定領域カウントスイッチ92は、何れも、貫通型近接スイッチによって構成されている。そして、大入賞口装置20に遊技球が入賞し、大入賞口カウントスイッチ90が配設された球通路を遊技球が通過すると、大入賞口カウントスイッチ90が検出信号を出力するようになっている一方、特定領域カウントスイッチ92が配設された球通路を遊技球が通過すると、特定領域カウントスイッチ92が検出信号を出力するようになっている。また、大入賞口装置20には、二つの球通路のうちの何れか一方を遊技球が通過しやすくするための可動片94が設けられており、かかる可動片94は、図示しない可動片用ソレノイドによって駆動されるようになっている。
また、大入賞口装置20の前面には、開放扉22が一軸回りに回動可能に装着されており、かかる開放扉22は、取付台板86の裏側に固定された大入賞口ソレノイド96のプランジャにクランク機構を介して連結されている。そして、開放扉22は、大入賞口ソレノイド96への断電時には、大入賞口装置20の入口を閉塞するようになっている一方、大入賞口ソレノイド96への通電時には、大入賞口装置20の入口を開放するようになっている。
さらに、パチンコ機10の裏側には、図12に示されているように、上端部に位置して賞球タンク98が設けられており、かかる賞球タンク98内には、遊技球が貯留されている。また、パチンコ機10の裏側には、タンクレール100および賞球払出装置102が設けられており、賞球払出装置102がタンクレール100を介して賞球タンク98に接続されていることにより、賞球タンク98に貯留された遊技球がタンクレール100を通じて賞球払出装置102に供給されるようになっている。賞球払出装置102内には、パルスモータからなる賞球モータを駆動源とする賞球払出機構が収容されており、賞球モータの回転軸が単位量回転する毎に賞球払出装置102内から下方へ1個ずつ遊技球(賞球)が払い出されるようになっており、このように賞球払出装置102から払い出された遊技球は賞球払出装置102と上皿30を繋ぐ球通路(図示せず)を介して、上皿30内に供給されるようになっている。
このようなパチンコ機10は、図13に示されているような主制御回路104によって、その遊技が全体的に制御されるようになっている。この主制御回路104には、主制御回路104を制御する主制御CPU106,制御プログラムや制御処理に必要なデータ等を格納するための主制御用ROM108,各種処理データ等を格納するための主制御用RAM110,主制御用入力ポート112および主制御用出力ポート114が設けられており、これら主制御CPU106,主制御用ROM108,主制御用RAM110,主制御用入力ポート112および主制御用出力ポート114は、バス線116によって相互に接続されている。また、主制御用入力ポート112には、始動口スイッチ66,通過スイッチ84a,通過スイッチ84b,大入賞口カウントスイッチ90,特定領域カウントスイッチ92等が接続されている。更に、主制御用出力ポート114には、特別図柄表示装置16および普通図柄表示装置58での表示制御を行う表示制御回路118,ソレノイド70を駆動するためのソレノイド駆動回路120,大入賞口ソレノイド96を駆動するための大入賞口ソレノイド駆動回路122,賞球の払い出し等を行う払出制御回路124等が接続されている。なお、主制御用入力ポート112に接続されているスイッチ66,84a,b,90,92と主制御用入力ポート112の間,主制御用出力ポート114に接続されている回路118,120,122,124と主制御用出力ポート114の間には、それぞれ、必要に応じてバッファ回路が設けられるようになっている。
また、図14には、払出制御回路124が示されている。この払出制御回路124には、払出制御回路124を制御する払出制御CPU126,制御プログラムや制御処理に必要なデータ等を格納するための払出用ROM128,各種処理データ等を格納するための払出用RAM130,払出用入力ポート132および払出用出力ポート134が設けられており、これら払出制御CPU126,払出用ROM128,払出用RAM130,払出用入力ポート132および払出用出力ポート134は、バス線136によって相互に接続されている。また、払出用入力ポート132には、主制御回路104,ガラス枠開放検出スイッチ50,作動検出スイッチ76,ソレノイド駆動回路120,大入賞口ソレノイド駆動回路122等が接続されている。更に、払出用出力ポート134には、賞球払出装置102,発射モータ40に電源を供給するための発射制御回路42,スピーカ34を鳴動制御するための鳴動制御回路138等が接続されている。なお、払出用入力ポート132に接続されているスイッチ50,76および回路104,120,122と払出用入力ポート132の間,払出用出力ポート134に接続されている回路42,138および賞球払出装置102と払出用出力ポート134の間には、それぞれ、必要に応じてバッファ回路が設けられるようになっている。
このようなパチンコ機10においては、主制御CPU106が通過スイッチ84a,bの何れかからの検出信号が入力されたと判定すると、主制御CPU106が検出信号の入力時に取得した複数の普通図柄60a,bに関する情報に基づいて表示制御回路118に複数の普通図柄60a,bの変動および停止を行わせるようになっている。そして、複数の普通図柄60a,bが予め定められた図柄組み合わせ(本実施形態では、「33」又は「77」)で停止する場合には、複数の普通図柄60a,bの変動が停止した後、主制御CPU106がソレノイド駆動回路120を介してソレノイド70を所定時間だけ駆動することにより始動入賞口装置12の入口に配設された一対の羽根68,68を所定時間だけ開き、それによって、始動入賞口装置12の入口を所定時間だけ拡大する当たり遊技処理を実行するようになっている。
また、このようなパチンコ機10においては、主制御CPU106が始動口スイッチ66からの検出信号が入力されたと判定すると、主制御CPU106が検出信号の入力時に取得した複数の特別図柄18a〜cに関する情報に基づいて表示制御回路118に複数の特別図柄18a〜cの変動および停止を行わせるようになっている。そして、複数の特別図柄18a〜cが予め定められた図柄組み合わせ(本実施形態では、「000」,「111」,「222」,「333」,「444」,「555」,「666」,「777」,「888」,「999」の何れか)で停止する場合には、複数の特別図柄18a〜cの変動が停止した後に、主制御CPU106が大入賞口ソレノイド駆動回路122を介して大入賞口ソレノイド96を所定時間だけ駆動することにより大入賞口装置20の入口を閉塞するように配設された開放扉22を大入賞口装置20の入口を開放する方向に駆動変位せしめ、大入賞口装置20の入口が開放されている間に大入賞口カウントスイッチ90および特定領域カウントスイッチ92がカウントした入賞個数の合計が所定個数(本実施形態では、10個)に達した場合、或いは、大入賞口装置20の入口を開放している時間が所定時間(本実施形態では、30秒)に達した場合には、大入賞口ソレノイド96への通電を停止し、開放扉22を大入賞口装置20の入口を閉塞する方向に返戻作動せしめ、更に、大入賞口装置20の入口が一回開放されている間に特定領域カウントスイッチ92が遊技球の通過を検出した場合に限り、大入賞口装置20の入口の開放を所定回数(本実施形態では、15回)まで繰り返す大当たり遊技処理を実行する。
さらに、このようなパチンコ機10においては、主制御CPU106が始動口スイッチ66からの検出信号が入力されたと判定した場合には、主制御CPU106が払出制御回路124に5個の賞球(遊技球)を払い出させるようになっている一方、主制御CPU106が大入賞口カウントスイッチ90又は特定領域カウントスイッチ92からの検出信号が入力されたと判定した場合には、主制御CPU106が払出制御回路124に15個の賞球(遊技球)を払い出させるようになっている。
続いて、このようなパチンコ機10の第一の不正行為判定処理を、図15に基づいて、説明する。先ず、ステップ(以下、Sという)1において、払出制御CPU126は、始動入賞口装置12に遊技球が入賞したか否かを判定する。この判定は、始動入賞口装置12に遊技球が入賞した際に払い出す賞球数と主制御CPU106が払出制御回路124に払い出させる賞球の数が同じであるか否か、或いは、主制御CPU106が払出制御回路124に賞球の払い出しを行わせるために送信する払出コマンドに対して始動入賞口装置12に遊技球が入賞したことを示す識別情報を付しておき、かかる識別情報があるか否かを確認すること等によって行われる。始動入賞口装置12に遊技球が入賞していないと判定した場合(S1:NO)には、払出制御CPU126は、第一の不正行為判定処理を終了する。
始動入賞口装置12に遊技球が入賞したと判定した場合(S1:YES)には、払出制御CPU126は、S2において、作動検出スイッチ76からの検出信号が入力されているか、即ち、一対の羽根68,68が開いているか否かを判定する。作動検出スイッチ76からの検出信号が入力されていないと判定した場合(S2:NO)には、払出制御CPU126は、第一の不正行為判定処理を終了する。
作動検出スイッチ76からの検出信号が入力されていると判定した場合(S2:YES)には、払出制御CPU126は、S3において、ソレノイド駆動回路120を介してソレノイド70への通電が行われているか否かを判定する。この判定は、主制御CPU106がソレノイド駆動回路120に対してソレノイド70への通電を行わせるために出力した駆動信号をソレノイド駆動回路120が払出制御回路124に出力する場合には、かかる駆動信号が入力されているか否かを確認することによって、ソレノイド駆動回路120が主制御CPU106からの駆動信号が入力されていること又はソレノイド70への通電を行っていることを知らせる信号を出力する場合には、かかる信号が入力されているか否かを確認することによって行われるものである。ソレノイド70への通電が行われていると判定した場合(S3:YES)には、払出制御CPU126は、第一の不正行為判定処理を終了する。
ソレノイド70への通電が行われていないと判定した場合(S3:NO)には、払出制御CPU126は、S4において、ガラス枠開放検出スイッチ50からの検出信号が入力されているか、即ち、ガラス枠44が開いているか否かを判定する。ガラス枠開放検出スイッチ50からの検出信号が入力されている場合(S4:YES)には、払出制御CPU126は、第一の不正行為判定処理を終了する。
ガラス枠開放検出スイッチ50からの検出信号が入力されていない場合(S4:NO)には、払出制御CPU126は、S5において、不正行為阻止処理を実行する。この不正行為阻止処理は、発射制御回路42に発射モータ40への給電を停止させると共に、鳴動制御回路138にスピーカ34から警報音を出力させるものである。この不正行為阻止処理によって、不正行為を続行することが不可能になると共に、ホールの係員に対して不正行為が行われたことを報知するようになっている。
そして、払出制御CPU126は、S6において、ガラス枠開放検出スイッチ50からの検出信号が入力されているか、即ち、ガラス枠44が開放されたか否かを判定する。ガラス枠開放検出スイッチ50からの検出信号が入力されていない場合(S6:NO)には、払出制御CPU126は、ガラス枠開放検出スイッチ50からの検出信号が入力されるまで待つ。ガラス枠開放検出スイッチ50からの検出信号が入力された場合(S6:YES)には、払出制御CPU126は、S7において、発射制御回路42に発射モータ40への給電を行わせると共に、鳴動制御回路138にスピーカ34からの警告音の出力を停止させる解除処理を実行した後、第一の不正行為判定処理を終了する。
次に、このようなパチンコ機10の第二の不正行為判定処理を、図16に基づいて、説明する。先ず、S11において、大入賞口装置20に遊技球が入賞したか否かを判定する。この判定は、大入賞口装置20に遊技球が入賞した際に払い出す賞球数と主制御CPU106が払出制御回路124に払い出させる賞球の数が同じであるか否か、或いは、主制御CPU106が払出制御回路124に賞球の払い出しを行わせるために送信する払出コマンドに対して大入賞口装置20に遊技球が入賞したことを示す識別情報を付しておき、かかる識別情報があるか否かを確認すること等によって行われる。大入賞口装置20に遊技球が入賞していないと判定した場合(S11:NO)には、払出制御CPU126は、第二の不正行為判定処理を終了する。
大入賞口装置20に遊技球が入賞したと判定した場合(S11:YES)には、払出制御CPU126は、S12において、大入賞口ソレノイド駆動回路122を介して大入賞口ソレノイド96への通電が行われているか否かを判定する。この判定は、主制御CPU106が大入賞口ソレノイド駆動回路122に対して大入賞口ソレノイド96への通電を行わせるために出力した駆動信号を大入賞口ソレノイド駆動回路122が払出制御回路124に出力する場合には、かかる駆動信号が入力されているか否かを確認することによって、大入賞口ソレノイド駆動回路122が主制御CPU106からの駆動信号が入力されていること又は大入賞口ソレノイド96への通電を行っていることを知らせる信号を出力する場合には、かかる信号が入力されているか否かを確認すること等によって行われるものである。大入賞口ソレノイド96への通電が行われていると判定した場合(S12:YES)には、払出制御CPU126は、第二の不正行為判定処理を終了する。
大入賞口ソレノイド96への通電が行われていないと判定した場合(S12:NO)には、払出制御CPU126は、S13において、ガラス枠開放検出スイッチ50からの検出信号が入力されているか、即ち、ガラス枠44が開いているか否かを判定する。ガラス枠開放検出スイッチ50からの検出信号が入力されている場合(S13:YES)には、払出制御CPU126は、第二の不正行為判定処理を終了する。
ガラス枠開放検出スイッチ50からの検出信号が入力されていない場合(S13:NO)には、払出制御CPU126は、S14において、不正行為阻止処理を実行する。この不正行為阻止処理は、発射制御回路42に発射モータ40への給電を停止させると共に、鳴動制御回路138にスピーカ34から警報音を出力させるものである。この不正行為阻止処理によって、不正行為を続行することが不可能になると共に、ホールの係員に対して不正行為が行われたことを報知するようになっている。
そして、払出制御CPU126は、S15において、ガラス枠開放検出スイッチ50からの検出信号が入力されているか、即ち、ガラス枠44が開いているか否かを判定する。ガラス枠開放検出スイッチ50からの検出信号が入力されていない場合(S15:NO)には、払出制御CPU126は、ガラス扉開放検出スイッチ50からの検出信号が入力されるまで待つ。ガラス枠開放検出スイッチ50からの検出信号が入力された場合(S15:YES)には、払出制御CPU126は、S16において、発射制御回路42に発射モータ40への給電を行わせると共に、鳴動制御回路138にスピーカ34からの警告音の出力を停止させる解除処理を実行した後、第二の不正行為判定処理を終了する。
上述の説明から明らかなように、本実施形態では、払出制御CPU126とS2によって、入賞装置状態検出手段が構成されていると共に、払出制御CPU126とS3によって、制御信号検出手段が構成されており、更に、払出制御CPU126とS4によって、前扉開閉検出手段が構成されている。また、払出制御CPU126とS5によって、不正時所定処置手段が構成されている。更に、本実施形態では、払出制御CPU126とS11によって、入賞装置状態検出手段が構成されていると共に、払出制御CPU126とS12によって、制御信号検出手段が構成されており、更に、払出制御CPU126とS13によって、前扉開閉検出手段が構成されている。また、払出制御CPU126とS14によって、不正時所定処置手段が構成されている。
このような構造とされたパチンコ機10においては、始動入賞口装置12の入口に設けられた一対の羽根68,68を強制的に開かせる不正行為が行われたか否かの判定が、始動入賞口装置12に遊技球が入賞した際に、払出制御CPU126が、(1)一対の羽根68,68が開いていること、(2)ソレノイド70への通電が行われていること、(3)ガラス枠44が開いていること、という3つの条件を全て満たしていることを確認することで行われるようになっていることから、例えば、ホール係員がサービスとして始動入賞口装置12に遊技球を入れた場合に、不正行為が行われたと判定されないようにすることが出来るのであり、それによって、ホールでの使用状況を考慮しつつ、始動入賞口装置12の入口に設けられた一対の羽根68,68を強制的に開かせる不正行為をやめさせることが出来る。
また、本実施形態では、大入賞口装置20の入口を閉鎖するように配設された開放扉22を強制的に開かせる不正行為が行われたか否かの判定が、(1)大入賞口装置20に遊技球が入賞したこと、(2)大入賞口ソレノイド96への通電が行われていること、(3)ガラス枠44が開いていること、という三つの条件を全て満たしていることを確認することで行われるようになっていることから、例えば、ホール係員がサービスとして大入賞口装置20に遊技球を入れた場合に、不正行為が行われたと判定されないようにすることが出来るのであり、それによって、ホールでの使用状況を考慮しつつ、大入賞口装置20の入口を閉鎖するように配設された開放扉22を強制的に開かせる不正行為をやめさせることが出来る。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記実施形態では、始動入賞口装置12と大入賞口装置20の両方に対して、本発明を適用したが、何れか一方にのみ本発明を適用しても良い。
また、前記実施形態では、不正行為が行われたと判定した場合には、発射モータ40への給電が停止されると共に、スピーカ34から警告音が出力されるようになっていたが、発射モータ40への給電の停止およびスピーカ34からの警告音の出力の何れかのみを行うようにしても良い。更に、不正行為が行われたと判定した場合には、遊技球が入賞しても賞球の払い出しを行わないようにする、特別図柄表示装置16にメッセージを表示する,パチンコ機10に設けられたLED等を点灯乃至点滅する、ホールコンピュータに不正行為が行われたことを知らせる等の処置を講じても良い。
更にまた、前記実施形態では、払出制御CPU126が不正行為が行われたか否かの判定を行うようになっていたが、かかる判定は、主制御CPU106が行っても良いし、表示制御回路118に設けられている表示制御CPUが行っても良い。
また、遊技盤における遊技領域14が形成されていない部分に、押圧操作等によって所定時間だけ不正行為が行われたと判断されないようにする操作ボタン等を設けておくことも可能である。
さらに、前記実施形態では、遊技不能な状態となってから、ガラス枠44を開くことにより、遊技不能な状態を解除するようになっていたが、ガラス枠44が開いている状態でのみ押圧操作可能なリセットボタンを設けておき、かかるリセットボタンの押圧操作に基づいて遊技不能な状態を解除するようにしても良い。
また、前記実施形態では、ソレノイド駆動回路120からの信号に基づいてソレノイド70への通電が行われているか否かを判定するようになっていたが、ソレノイド70への通電を行っていることを知らせる信号を主制御回路104が払出制御回路124に出力し、かかる信号に基づいてソレノイド70への通電が行われているか否かを判定するようにしても良い。さらに、前記実施形態では、大入賞口ソレノイド駆動回路122からの信号に基づいて大入賞口ソレノイド96への通電が行われているか否かを判定するようになっていたが、大入賞口ソレノイド96への通電を行っていることを知らせる信号を主制御回路104が払出制御回路124に出力し、かかる信号に基づいて大入賞口ソレノイド96への通電が行われているか否かを判定するようにしても良い。
加えて、前記実施形態では、第1種パチンコ機に本発明を適用した場合の一具体例が示されていたが、本発明は、第2種パチンコ機や第3種パチンコ機に対しても適用可能であることは、言うまでもない。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。