以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠11を備え、該前面枠11は本体枠(外枠)12にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤14(図3参照)は前面枠11の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠11には、遊技盤14の前面を覆うカバーガラスのような透明部材を保持する透明部材保持枠15が取り付けられている。
また、透明部材保持枠15の上部には、内部にランプ等を内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、透明部材保持枠15の左右には、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ18や、内部にランプ等を内蔵し装飾等のための発光をする装飾装置19が設けられている。
前面枠11の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置70(図2参照)から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構26が設けられている。さらに、前面枠11下部右側には、前面枠11を開放したり施錠したりするための鍵27が設けられている。
この実施形態の遊技装置にあっては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技領域に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置(図3参照)における変動表示ゲームにおいて、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方の透明部材保持枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン28、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン29等が設けられている。
図2には、遊技機10の裏面の構造が示されている。なお、図2は、前面枠11を開いた状態を示す。
前面枠11の裏面上部には、払出し前の遊技球を貯留する貯留タンク31と外部へ情報を出力する外部情報端子板32が設けられている。また、該貯留タンク31の底部には、緩やかな傾斜を有し遊技球を遊技機の一側へ向かって誘導するシュート33が接続され、シュート33の終端に、球の流下方向を水平方向から垂直方向へ変換する屈曲流路装置34が接続されている。そして、この屈曲流路装置34の下端に駆動源を有する球払出装置70が配設され、該球払出装置70により所定数の遊技球を払出し可能に構成されている。
さらに、前面枠11の裏面下部には、上記球払出装置70を制御する払出制御装置200、図示しない遊技制御装置(図4参照)と払出制御装置200を電気的に接続する中継基板38、遊技制御装置100(図4)や払出制御装置200等に電源を供給する電源装置400が設けられている。
次に、遊技機10の前面に設けられる遊技盤14の構成例を、図3を用いて説明する。図3に示されているように、遊技盤14の前面には、ガイドレール41で囲まれ、図示しない打球発射装置により発射された遊技球によって遊技を行う遊技領域42が前面側に形成されている。遊技領域42の略中央にはセンターケース50が取り付けられている。
このセンターケース50に形成された窓部51の内側には、複数の識別情報を変動表示する特図変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置としての表示装置52が配設されている。また、センターケース50の右側には変動表示ゲームの実行中に行われる先読み演出における連続予告のための表示を行うランプ等の発光手段を内蔵した予告表示装置53が、センターケース50の左上部には表示装置52における第2特図変動表示ゲームの結果に応じて開閉して遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(第2大入賞口)54が設けられている。上記表示装置52は、例えば、ドットマトリックス型のカラー液晶ディスプレイにより構成されるが、有機EL、CRT等のディスプレイにより構成されるものであっても良い。
センターケース50の下方には、上記表示装置52の変動開始条件を与える始動入賞口43が配置されている。また、この始動入賞口43の下方には、通常は閉状態にされて遊技球を受け入れ不能で内部に第2の始動入賞口を有する左右に開閉可能な開閉部材を備えた普通変動入賞装置44が配設されている。この実施例においては、特に限定されるものでないが、始動入賞口43と普通変動入賞装置44とは、一体に構成されている。
また、普通変動入賞装置44の下方には表示装置52における第1特図変動表示ゲームの結果に応じて前後に開閉して遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能なアタッカー形式の特別変動入賞装置(第1大入賞口)45が配設されている。さらに、遊技領域42内には、センターケース50の左方に配置された普図始動ゲート46と、複数の一般入賞口47,47,…、入賞口に入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴48、打球方向変換部材としての風車や多数の障害釘(図示略)などが配設されている。
本実施形態の遊技機では、図示しない発射装置から遊技領域42に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域42内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域42を流下し、普通図柄始動ゲート46、一般入賞口47、始動入賞口43、普通変動入賞装置44又は特別変動入賞装置45に入賞するか、遊技領域42の最下部に設けられたアウト口48へ流入し遊技領域から排出される。そして、遊技領域42内に打ち込まれた遊技球が、上記入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が球払出装置70によって払い出されるようになっている。
さらに、本実施形態においては、遊技領域42の外側、遊技盤14の右下隅には上記表示装置52における第1特図変動表示ゲームや第2特図表示ゲームに対応した変動表示ゲームおよび普図始動ゲート46への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置60が設けられている。
一括表示装置60は、セグメント型の液晶表示器等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)61および第2特図変動表示部(特図2表示器)62と、各々上下2つのLEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)63と、同じく上下2つのLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部64,65,66(図4参照)と、LEDランプで構成された大当りや時短状態などの発生を報知する遊技状態表示部67とを備える(図4参照)。また、一括表示装置60には、大当り時のラウンド数(大入賞口の開閉回数)を表示する決定ラウンド表示部68(図4参照)も設けられている。
上記普図始動ゲート46内には、該普図始動ゲート46を通過した遊技球を検出するための非接触センサなどからなるゲートスイッチ(普図ゲートセンサ)46aが設けられており、遊技領域14内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート46内を通過すると、普図ゲートセンサ46aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置44が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート46を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が1加算されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置60に設けられた変動表示部(普図表示器)63で実行される。普図表示器63は、普通識別情報(普図、普通図柄)としての当たりを示すLEDと、普通識別情報としてのはずれを示すLEDとから構成され、二つのLEDを交互に点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、何れか一方のLEDを点灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置44の開閉部材が所定時間(例えば、0.5秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置44に遊技球が入賞可能となり、入賞球が発生すると第2特図変動表示ゲームが実行される。
第1始動入賞口43の内部には特図1始動口センサ43aが設けられ、この特図1始動口センサ43aによって遊技球を検出することに基づき、第1特図変動表示ゲーム(特別変動表示ゲーム)を開始する始動権利が発生するようになっている。また、普通変動入賞装置44の内部には特図2始動口センサ44aが設けられ、この特図12始動口センサ44aによって遊技球を検出することに基づき、第2特図変動表示ゲーム(特別変動表示ゲーム)を開始する始動権利が発生するようになっている。
さらに、上記第1特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で第1始動記憶(特図1始動記憶、特図1保留数)として記憶される。そして、この第1始動記憶の数は、特図1記憶表示器64に表示される。また、第2特図変動表示ゲームを開始する始動権利も、所定の上限数(例えば4)の範囲内で第2始動記憶(特図2始動記憶、特図2保留数)として記憶される。そして、この第2始動記憶の数は、特図2記憶表示器65にて表示される。
第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲームは、一括表示装置60に設けられた特図表示器61,62で実行されるようになっており、複数の特別識別情報(特図、特別図柄)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、センターケースの表示装置52にて、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。従って、特図表示器61,62、表示装置63が変動表示ゲームを表示する変動表示装置をなす。
そして、上記特図変動表示ゲームの結果として、特図表示器61,62の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り遊技状態)が発生する。具体的には、始動入賞口43または普通変動入賞装置44への入賞があると、その入賞検出時に乱数の抽選を行いその乱数が当たり値であるときには、特図表示器61または62での特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当たり状態となる。また、特図表示器61または62の表示態様に対応して表示装置52の表示態様も特別結果態様となる。
なお、表示装置52は、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するようにしても良い。また、遊技機に特図表示器61,62を備えずに、表示装置52のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。なお、本実施例においては、第2始動記憶は第1始動記憶よりも優先的に消化され、第2始動記憶がある場合は、第1始動記憶があっても第2特図変動表示ゲームが実行されるようにされている。
また、第1特図変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となって特別遊技状態が発生した場合には、特別変動入賞装置45の開閉パネルが駆動装置としてのソレノイド(第1大入賞口SOL)45bにより大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換される。第2特図変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となった場合には、センターケースの特別変動入賞装置54が、駆動装置としてのソレノイド(第2大入賞口SOL)54bにより大入賞口を閉じた状態から開放状態に変換される。大入賞口の内部には入賞球を検出するスイッチ(第1大入賞口センサ,第2大入賞口センサ)45a,54aがそれぞれ配設されている。
表示装置52の表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。表示画面は1つであるが、複数(例えば3つ)の変動表示領域を有するとみなすことができ、各変動表示領域には、識別情報として割り当てられた特別図柄が変動表示(可変表示)して特図変動表示ゲームが行われる。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当たり表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
次に、上記のような構成を有する遊技盤10を備えた遊技機に設けられる制御システムについて、図4を用いて説明する。
図4に示すように、この実施形態における遊技機の制御系は、一括表示装置60において行われる変動表示ゲームを統括的に制御する遊技制御手段としての遊技制御装置100と、この遊技制御装置100からの払出指令に基づいて球払出装置70を制御して賞球等の払出を行う払出制御装置200と、遊技制御装置100からの演出制御指令に基づき液晶表示装置などからなる表示装置52における変動表示ゲームの演出の制御を行う演出制御装置300と、これらの制御装置に電源を供給する電源装置400とを備えている。上記遊技制御装置100は、遊技領域において入賞球が発生すると払出制御装置200へ入賞口に応じて所定数の球の払出しを指令する払出指令信号を送信して制御するとともに、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として演出制御装置300へ送信して制御する。従って、遊技制御装置100が、遊技機全体を制御する主制御装置として機能する。
遊技制御装置100は、CPU131やROM132、RAM133などを有する遊技用ワンチップマイコン130、入出力インタフェース140、マイコンの動作に必要なクロック信号を生成するクロック生成回路150等を備えている。遊技用ワンチップマイコン(以下、遊技用マイコンと略す)130は、内部のCPU131が制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、各変動表示部で実行される変動表示ゲームの当り判定用乱数や当りの図柄を決定するための当り図柄用乱数、変動表示ゲームでの変動パターンを決定するための変動パターン乱数などの各種乱数値も生成している。
遊技用マイコン130の内部のRAM133には、遊技領域の入賞口や入賞装置に設けられた検出スイッチのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU131の作業領域等を備えている。遊技用マイコン130の内部のROM132には、遊技用の制御プログラムや制御データが格納されている他、上述の各種乱数値に対応して、各変動表示ゲームの当り発生を判定するための当り判定値、当りの図柄を決定するための当り図柄判定値、変動パターンを決定するための変動パターン判定値などが記憶されている。また、各種変動表示ゲームの当り判定値、各種変動表示ゲームの変動パターン(変動態様)も記憶されている。
また、遊技制御装置100には、始動入賞口43内に設けられている始動入賞球検出スイッチ(特図1始動口センサ)43a、普通変動入賞装置44内に設けられている始動入賞球検出スイッチ(特図2始動口センサ)44a、普図ゲート46内に設けられている入賞球検出スイッチ(普図ゲートセンサ)46a、一般入賞口47内に設けられている入賞球検出スイッチ(一般入賞口センサ)47a、特別変動入賞装置45内に設けられている入賞球検出スイッチ(第1大入賞口センサ)45a、特別変動入賞装置54内に設けられている入賞球検出スイッチ(第2大入賞口センサ)54aなどが接続されている。そして、これらのスイッチやセンサから入力された各種信号は、入出力インタフェース140を介して遊技用ワンチップマイコン130へ供給する。
また、遊技用マイコン130から出力される各種の制御信号や駆動信号は入出力インタフェース140を介して、一括表示装置60の各種表示器61〜68や普通変動入賞装置44の開閉ソレノイド(普電SOL)44b、特別変動入賞装置45の開閉ソレノイド(第1大入賞口SOL)45b、特別変動入賞装置54の開閉ソレノイド(第2大入賞口SOL)54b、遊技機外部の管理装置などへ情報を出力するための信号が外部情報端子32へ出力される。さらに、演出制御装置300に対して遊技用マイコン230から出力される信号も出力インタフェース140を介して出力される。
払出制御装置200は、CPU231やROM232、RAM233などを有する遊技用マイコン230、入出力インタフェース240、マイコンの動作に必要なクロック信号を生成するクロック生成回路250等を備えている。遊技用マイコン230には、球払出装置70内の払出球検出手段としての払出球検出センサ77、下皿23が遊技球で満杯になったことを検出するオーバーフロー検出センサ81、シュート33内の球の有無を検出するシュート球有無検出センサ82からの検出信号が入出力インタフェース240を介して入力される。
また、払出制御装置200は、遊技制御装置100およびCRサンドと呼ばれるカード式の球貸機500と接続されており、遊技制御装置100や球貸機500からの賞球や貸球の払出指令信号に応じて球払出装置70内の払出モータ76に対する駆動信号を生成して出力し、所定数の遊技球の払出しを制御するように構成されている。さらに、払出制御装置200には、貯留タンク31内の球の有無を検出する貯留タンク球有無検出センサ83からの検出信号が入出力インタフェース240を介して入力されており、上記シュート球有無検出センサ82からの検出信号などと共に監視し、球無しなどの異常が発生した場合には異常箇所を報知する異常箇所表示LED84を駆動する。
また、払出制御装置200は、オーバーフロー検出センサ81からの検出信号を監視し、オーバーフローを検出すると異常箇所表示LED84を駆動するとともに打球発射装置の発射制御基板85に対する制御信号を出力して打球の発射を停止させる機能も備えている。異常箇所表示LED84は例えば検出センサが設けられる位置にそれぞれ対応して複数個設けられ、異常箇所が直ちに把握できるようにされる。なお、シュート球有無検出センサ82は例えばシュート33の終端近傍に設けられ、貯留タンク球有無検出センサ83は例えば貯留タンク31の出口近傍に設けられる。貯留タンク球有無検出センサ83は省略することも可能である。
演出制御装置300は、演算処理用CPU、ROM、RAM等を備えるとともに、通信インタフェース(通信I/F)、入出力インタフェース(入出力I/F)を備えている。また、画像や映像データが記憶された画像ROM、CPUに代わって画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)、音声データが記憶された音ROM、音の出力を制御する音LSIを備えている。
この演出制御装置300は、通信インタフェースを介して遊技制御装置100から受信した演出制御データ(各種コマンドなど)や入出力インタフェースを介して演出ボタン25内のスイッチからの検出信号に基づいて遊技の演出のための制御を行う。具体的には、CPUから出力される各種の制御信号が入出力インタフェースを介して、センターケース50の液晶表示装置52や遊技機前面枠のムービングライト16、装飾装置19、払出異常報知用LED17、スピーカ18等に供給され駆動される。
電源供給装置400は、停電の発生を検出する停電検出回路410、停電発生等により外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源420、遊技制御装置100に備わるRAM133及び払出制御装置200に備わるRAM233等のバックアップ用RWM(リードライトメモリ)を初期化するためのRWM初期化スイッチ430、電源の状態を表示する電源モニタLED440などを備え、外部からの電力の供給が途絶えた場合でも、遊技制御装置100、払出制御装置200および演出制御装置300に対して電力を供給可能に構成され、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。なお、演出制御装置300に対してもバックアップ電源を供給するように構成してもよい。
次に、遊技機の裏面側に設けられる遊技球の払出機構の詳細について説明する。図5には本実施形態の遊技機に設けられている遊技球払出機構の全体が、また図6にはシュート31と球払出装置70との接続部分の拡大図が示されている。
図5に示すように、払出し前の遊技球を貯留する貯留タンク31の右側に外部へ情報を出力する外部情報端子板32が設けられている。また、該貯留タンク31の左側の底部は開口され、その開口部に、緩やかな傾斜を有し遊技球を遊技機の一側(図では右側)へ向かって誘導する傾斜流路としてのシュート33の始端側が接続され、シュート33の終端側に、球の流下方向を水平方向から垂直方向へ変換する逆L字状の屈曲流路装置34が接続されている。また、この屈曲流路装置34の下端に、駆動源を有する球払出装置70が接続され、該球払出装置70の下端に球流下路36が接続されている。
図5には示されていないが、球流下路36はその下端部が遊技機の中央側へ向かって斜め下方へ折曲されており、この球流下路36によって、球払出装置70より払い出された遊技球が、遊技機前面側の前記上皿21や下皿23へ誘導されるように構成されている。また、図5に示すように、貯留タンク31から球流下路36を経て下皿へ至るまでの遊技球の流下経路に沿うようにして、異常箇所報知LED84a〜84dが配設されている。これらの異常箇所報知LED84a〜84dは、それぞれその近傍に設けられている球検出センサ(図4参照)に対応して設けられたものである。遊技制御装置100(図4参照)と払出制御装置200を電気的に接続する中継基板38の下方には、球払出制御装置200とCRサンド500とを電気的に接続可能にするための中継基板39が設けられている。
屈曲流路装置34には、図6に示すように、流路側面部材341に形成されたスリット状の球詰まり解消穴342,343と、後述の球有無検出部材(354)の操作ガイド部344と、球有無検出部材の係合部345と、球有無検出部材の係合穴346と、異常箇所報知LED84bとが設けられている。また、屈曲流路装置34の下端には、球払出装置70を結合するための球払出装置係止手段347が設けられている。348は配線係止部である。なお、この実施例では、屈曲流路装置34は水平部が比較的長く形成されているが、水平部を短くしその分シュート33の終端を屈曲部近傍まで延長させる構成も可能である。
図7には、屈曲流路装置34のより詳細な構成が示されている。図7に示すように、屈曲流路装置34には、軸351に回動可能に取り付けられた片持ちはり方式の球崩し用重り部材352と、軸353に取り付けられたほぼL字状をなす球有無検出部材354と、軸355に取り付けられた球抜き屈曲部材356と、下端が該球抜き屈曲部材356と連結されこれを回動させる球抜き操作部材357とが設けられている。
上記球有無検出部材354は、前記操作ガイド部344に案内される球有無検出部材操作部354aと、遮光部354bとを備えており、遮光部354bの移動軌跡上にフォトインタラプタからなるシュート球有無検出センサ82の検出光軸が位置するように構成されている。球有無検出部材操作部354aは、球有無検出部材354を手動で回動させて、シュート球有無検出センサ82が正常に動作するか否かを検査できるようにするために設けたものである。
上記シュート球有無検出センサ82は屈曲流路装置34の本体上部に固定された基板358上に実装され、基板358は該基板358に実装されたコネクタ359および図示しないリード線によって前記払出制御装置200に接続可能になっている。また、図8に示すように、球有無検出部材354の先端の遮光部354bには光が通過可能な通光穴354cが形成されているとともに、屈曲流路装置34の側壁には球有無検出部材354の回動範囲を規制するための長円状の係合穴349が形成され、該係合穴349には球有無検出部材354のアーム部に植設されたピン354dが係合されている。シュート33が屈曲部近傍まで延長されている場合には、球有無検出部材354とシュート球有無検出センサ82はシュートに設けても良い。
ここで、上記球有無検出部材354とシュート球有無検出センサ82の動作について、図8を用いて説明する。
図8(A)に示すように、遮光部354bには光が透過可能な通光穴354cが形成されており、屈曲流路装置34すなわちシュート内に遊技球がない状態では、球有無検出部材354は遮光部354bが下がった状態(ピン354dが係合穴349の下端に接した状態)となる。このとき、通光穴354cはシュート球有無検出センサ82の検出光軸よりも下に位置しているため、センサ82は光を検出しない状態となる。払出制御装置200は、この状態をシュート内の球無し状態と認識する。
一方、図8(B)に示すように、屈曲流路装置34すなわちシュート内に遊技球Bがある状態では、球有無検出部材354は遮光部354bが持ち上がった状態(ピン354dが係合穴349の下端から離れた状態)となる。このとき、通光穴354cはシュート球有無検出センサ82の検出光軸と重なる位置にあり、センサ82は光を検出した状態となる。すると、センサ82からの信号が変化し、払出制御装置200は、この状態をシュート内の球有り状態と認識する。なお、図7および図8からは分からないが、この実施例では、屈曲流路装置34は遊技球を2条で誘導可能に構成されており、シュート球有無検出センサ82は2条の誘導路の遊技球に対して共通のセンサとして設けられている。以下、この点について、図9を用いて説明する。
図9(A)は図7の屈曲流路装置34を上方から見た平面図を、また図9(B)は図9(A)において一点鎖線Aで囲まれた部分のカバーを外して内部構造を拡大した図を示す。図9(B)に示すように、屈曲流路装置34の前後一対の流路側面部材341,341間には、中央分離壁341cが形成され、該中央分離壁341cを貫通するように軸353が取り付けられ、中央分離壁341cの両側に位置するように、一対の球有無検出部材354,354が軸353の周りに、それぞれ独立して回動可能に装着されている。
上記球有無検出部材354,354の先端部には、各々通光穴354cを有する遮光部354bが設けられている。そして、球有無検出部材354,354の先端部と交差するようにシュート球有無検出センサ82が配設されている。センサ82は、コの字状をなし発光ダイオードとフォトダイオードとが互いに向き合うように取り付けられ、発光ダイオードとフォトダイオードとの間に前記遮光部354bが進入したり後退したりするように構成される。
また、中央分離壁341cの発光ダイオードとフォトダイオードとの検出光軸と交差する部位には、球有無検出部材354,354の遮光部354bに形成された通光穴354cと同様な通孔穴が形成され、球有無検出部材354,354の両方が持ち上がった状態では、球有無検出部材354,354の先端の通光穴354cと中央分離壁341cの通孔穴とが一直線上に並び、発光ダイオードから発光された光がフォトダイオードに到達して検出される。屈曲流路装置34内の2条の誘導路のうち少なくとも一方が球無し状態になると、球がない側の球有無検出部材354の先端が下がり、発光ダイオードから発光された光が遮断されてフォトダイオードに到達しなくなるため、フォトダイオードの出力信号が変化し、払出制御装置200は球無し状態として検出することができる。つまり、2条の誘導路の両方に球がある状態を球有り状態として検出するようになっている。
次に、図10を用いて、屈曲流路装置34の下端に接続される球払出装置70の実施例について説明する。図10のうち(A)は球払出装置70の斜視図、(B)は断面図である。
この実施例の球払出装置70は、図10に示されているように、本体ケース71の上面に2つの球導入口72a,72bが設けられ、ケース内部には外周に遊技球の一部が1個あて係合可能な複数の凹部(球保持部)を有するスプロケット73が水平な回転軸74にて回転可能に配設され、上記球導入口72a,72bからスプロケット73の上部へ向かって遊技球を誘導する誘導路75が設けられている(図6参照)。回転軸74の一端に払出モータ76が接続されており、払出モータ76が回転されることで回転軸74およびスプロケット73が回転され、所定数の遊技球を払出し可能になっている。
誘導路75は、スプロケット73の上部からその外周方向に沿って湾曲し、スプロケット73の側方やや下寄りの位置からほぼ垂直下方へ向かうように形成されている。図面からは分かりにくいが、誘導路75はスプロケット73の上部までは球導入口72a,72bに対応して2条の排出流路で構成されるが、スプロケット73の側方から垂直下方に亘っては1条の排出流路で構成されている。また、スプロケット73は上部の2条の誘導路75に跨って設けられるとともに、2条の誘導路75に対応する球保持部が各々位相を所定角度ずらした状態で形成されている。したがって、スプロケット73は上部の2条の誘導路75から、保持した遊技球を下方の1条の誘導路75に交互に排出するように構成されている。
そして、1条の誘導路75の下端すなわち遊技球の排出口に、非接触型の払出球検出センサ77がほぼ水平姿勢で配設されている。また、1条の誘導路75には、左右の流路幅を中央に狭めるように排出経路の側壁の途中から各々中央に突出するリブ78が形成されている。さらに、本体ケース71の側部には、上記払出球検出センサ77や払出モータ76から引き出されたリード線の端部が接続され、前記払出制御装置200と電気的に接続可能にするためのコネクタ79が設けられている。
ここで、本実施例において使用している上記払出球検出センサ77について説明する。この実施例において使用している払出球検出センサ77は、コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサである。具体的には、ドミノ牌に似た形状のセンサ本体の一部に遊技球が通過可能な検出孔が形成され、この検出孔の周囲にコイルが配置されており、本体内部にはコイルに接続された検出回路が内蔵されている。
この種のセンサは、検出孔を遊技球が通過するとコイルの磁界が変化してコイルのインピーダンスが変化するので、その変化から遊技球が通過したことを検出するもので、パチンコ遊技機では従来から使用されているセンサである。しかし、磁気近接センサは、特定の周波数の電波を照射すると、検出孔を遊技球が通過しているにもかかわらず回路がそれを検出できず(不正電波の入力により磁界が変化していないことを検出して)、制御装置が球無しと判定してしまう。そのため、球払出装置の払出し動作中にセンサに向けて電波を照射して、規定数以上の遊技球を排出させる不正が行われるおそれがある。
そこで、本実施例の遊技機においては、球払出装置70の上流側に設けられているシュート球有無検出センサ82と球払出装置70内の払出球検出センサ77からの検出信号を監視することで、センサに向けて電波を照射して規定数以上の遊技球を排出させる不正を検出し、不正な払出しを防止できるようにしている。
次に、図11及び図12を用いて、払出制御装置200のメイン処理で実行される遊技球の払出処理について説明する。
図11の払出処理は、遊技制御装置100から賞球払出指令(コマンド)またはCRサンド(球貸機)500から貸球払出指令(コマンド)が、払出制御装置200へ送信されることに応じて実行される。なお、球払出指令(コマンド)には、払出球数を指定する情報が含まれている。払出球数に応じて球払出指令(コマンド)を複数用意しておくとともに、払出制御装置200のROM232内に球払出指令と払出球数との関係を示すデータテーブルを格納しておいて、球払出指令を受信した際にデータテーブルを参照して払出球数を取得するようにプログラムを設定しても良い。
払出処理が開始されると、払出制御装置200は、先ずシュート球有無検出センサ82からの検出信号を見てシュート内に遊技球が有るか否かを判定する(ステップS11)。ここで、シュート内に遊技球が有る(Yes)と判定すると、球1個を排出するのに必要な角度だけ払出モータ76を回転させる駆動信号を送って払出モータ76を回転させる(ステップS12)。次に、球払出装置70内の払出球検出センサ77からの検出信号を計数して所定数の遊技球が排出されたか否か判定する(ステップS13)。
ステップS13で、所定数の遊技球が排出されたと判定した場合(Yes)は、当該払出処理を終了する。所定数の遊技球が排出されていないと判定した場合(No)は、モータの回転数(回転角)を見て、モータが払出球数に応じた所定の角度まで回転したか否かを判定する(ステップS14)。ここで、まだモータが所定角度回転していない(No)と判定すると、ステップS11へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS14で、モータが所定角度回転した(Yes)と判定すると、次のリトライ処理(ステップS15)を実行する。つまり、モータが所定角度回転しても所定数の球が払い出されていない場合に、リトライ処理(ステップS15)を実行する。
一方、払出し開始時あるいは払出し途中で、ステップS11においてシュート内に遊技球が無い(No)と判定すると、払出制御装置200はステップS16へ移行して球払出装置70に対する払出制御処理を停止し、異常報知処理(ステップS17)を実行する。上記異常報知処理(ステップS17)では、例えばシュート33の終端(屈曲流路装置34)に設けられている異常箇所報知LED84bを点灯させて、異常が発生していることを報知する。屈曲流路装置34の近傍の異常箇所報知LED84bが点灯されるため、屈曲流路装置34で異常が発生しているつまりシュート内に遊技球が無いことが容易に分かることとなる。
従って、ステップS11の判定処理とステップS16の払出停止処理すなわち払出制御装置200が、上流側球有無監視手段をなす。また、ステップS13,S14の判定処理とステップS15のリトライ処理すなわち払出制御装置200が、リトライ動作実行手段をなす。なお、この実施例では、払出モータ76を所定角度回転させて、所定数の遊技球が排出されたか否か判定し排出されていないと判定した場合、リトライ処理を行うようにしているが、そのような場合にはリトライ処理を実行せず、直ちに払出異常報知を行う制御も可能である(図13)。
図11のような払出制御によれば、不正を行おうとする者が電波ゴト等により、払出球検出手段としての払出球検出センサを常にオフ状態とし、所定数以上の球を払い出そうとしても、上流側球有無検出手段としての上流側球有無検出センサが球無し状態を検出した場合と、払出中に前記上流側球有無検出センサが球有り状態でも払出球検出センサが球有り状態を検出しない場合には、球の払出を停止するので、球払出装置70の上流側の球を不正に抜き出すのを防止することができる。
上記ステップS15のリトライ処理は、図12に示されているように、先ずシュート球有無検出センサ82からの検出信号を見てシュート内に遊技球が有るか否かを判定する(ステップS151)。ここで、シュート内に遊技球が無い(No)と判定すると、払出制御装置200はステップS155へ移行し、球払出装置70に対する払出制御処理を停止し、異常報知処理(ステップS156)を実行する。この異常報知処理(ステップS156)では、例えばシュート33の終端(屈曲流路装置34)に設けられている異常箇所報知LED84bを点灯させて、異常が発生していることを報知する。屈曲流路装置34の異常箇所報知LED84bが点灯されるため、屈曲流路装置34で異常が発生しているつまりシュート内に遊技球が無いことが容易に分かることとなる。
また、ステップS151で、シュート内に遊技球が有る(Yes)と判定すると、払出モータ76を所定角度(所定個数分)だけ回転させる駆動信号を送って払出モータ76を回転させる(ステップS152)。次に、球払出装置70内の払出球検出センサ77からの検出信号を見て所定数の遊技球が排出されたか否か判定する(ステップS153)。ステップS153で、所定数の遊技球が排出されたと判定した場合(Yes)は、ステップS154〜S158をスキップして当該払出処理を終了する。
一方、リトライ処理のステップS153で所定数の遊技球が排出されていないと判定した場合(No)は、モータが10回回転つまりリトライ回数が10回になったか判定する(ステップS154)。そして、リトライ回数が10回になっていない場合(No)には、ステップS151へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS154でリトライ回数が10回になったと判定した場合(Yes)には、ステップS157へ移行して球払出装置70に対する払出制御処理を停止し、異常報知処理(ステップS158)を実行する。従って、ステップS151およびS153の判定処理とステップS155の払出停止処理すなわち払出制御装置200が、上流側球有無監視手段をなす。また、ステップS154の判定処理とステップS157の払出停止処理すなわち払出制御装置200が、リトライ動作停止手段をなす。なお、ステップS158の異常報知処理では、球払出装置70の近傍もしくは球払出装置70の本体ケース等に設けられている異常箇所報知LED84cを点灯させて、異常が発生していることを報知する。
シュート33の終端(屈曲流路装置34)のシュート球有無検出センサ82が設けられている箇所から球払出装置70までの誘導路内にある程度遊技球が存在しているため、従来は、一般に、シュート球有無検出センサ82の検出信号が球無し状態であっても払出制御装置200は球の払出しを行なっていた。そのため、電波ゴトにより球払出装置70内の払出球検出センサ77に向けて電波を照射すると、球払出制御装置200が排出球無しと判定してリトラ動作を繰り返して多量の遊技球が不正に排出されてしまうおそれがあった。
これに対し、本実施形態の遊技機においては、シュート球有無検出センサ82が球無しであれば、球払出装置70による払出動作を停止するようにしているとともに、リトライ動作で払出モータ76を回転させて、そのリトライ回数が10回に達しても球払出装置70内の払出球検出センサ77が排出球を検出していないと判定すると払出しを停止するため、電波ゴト等により払出球検出手段を常にオフ状態とし、リトライ動作の繰り返しにより所定数以上の球を払い出そうとしても払出しが停止されるので、リトライ動作により不正に大量の遊技球の排出されるのを防止して遊技店が被る被害を極力少なく抑えることができる。また、リトライ動作による払出モータ76の回転を10回まで許容しているため、仮に球詰まりで払出球検出センサ77が排出球を検出しない状態が発生したとしても、10回もリトライを繰り返せば通常は球詰まりも解消されるので、球詰まりによりエラーが発生して遊技が中断され遊技者が不利益を被るのを回避することができる。
なお、球払出装置70の近傍に振動もしくは衝撃を与えて球詰まりを解消させる球詰まり解消装置を設けて、積極的に球詰まりを解消できるように構成しても良い。これにより、球詰まりが発生して球払出装置70の払出し動作が頻繁に停止して、遊技に支障を来たすのを回避することができる。従って、リトライ動作は必須のものではなく、省略あるいは他の処理に置き換えても良い。また、この実施例ではリトライ回数を10回としているが、リトライ回数は任意であり、1回のみであっても良い。また、リトライ処理を省略するようにしても良い。
図13には、本実施形態の遊技機の払出制御装置による払出処理の他の例が示されている。この払出処理は、図11の払出処理のフローチャートにおけるリトライ処理S15の代わりに、球払出装置70に対する払出制御処理を停止(ステップS18)し、異常報知処理(ステップS19)を実行するようにしたものである。このような払出処理においても、不正を行おうとする者が電波ゴト等により、払出球検出手段を常にオフ状態とし、所定数以上の球を払い出そうとしても、上流側球有無検出手段が球無し状態を検出した場合と、払出中に上流側球有無検出手段が球有り状態でも払出球検出手段が球有り状態を検出しない場合には、球の払出を停止するので、球払出装置の上流側の球を不正に抜き出すのを防止することができる。ここでも、ステップS11の判定処理とステップS16の払出停止処理すなわち払出制御装置200が、上流側球有無監視手段をなす。なお、ステップS19の異常報知処理では、球払出装置70に設けられている異常箇所報知LED84cを点灯させて、球払出装置70で異常が発生していることを報知する。
図14には、図11の払出処理のステップS11でシュート内に遊技球が無い(No)と判定された場合の球払出装置70の動作タイミングが示されている。シュート内に遊技球がある状態で払出制御装置200が払出指令(コマンド)を受信すると、払出モータ76が駆動されて払出しが開始される(タイミングt1)。そして、払出しの途中でシュート球有無検出センサ82からの検出信号が立ち下がり、シュート内に遊技球が無いと判定されると払出モータ76の駆動が停止されて払出しが停止される(タイミングt2)。また、異常の報知が行われる。その後、遊技球の補給あるいは球詰まりの解消で払出しの途中でシュート球有無検出センサ82からの検出信号が立ち下がる(タイミングt3)と、所定時間経過後に払出モータ76が駆動されて払出しが再開される(タイミングt4)。
上記のようなタイミングに従った制御によれば、上流側球有無検出手段の位置から球払出装置までの距離が長い場合、球が補給されて上流側球有無検出手段が球があることを検出した時点では球払出装置に球が到達していないことも考えられるが、上流側球有無検出手段が球有り状態になってから所定時間経過するまで、球の払出停止を維持しその後払出し動作を再開することで、確実な球の払出しを保証することが出来る。
図15には、図11の払出処理のステップS13で所定数の遊技球が排出されていない(No)と判定された場合の球払出装置70の動作タイミングが示されている。シュート内に遊技球がある状態で払出制御装置200が払出指令(コマンド)を受信すると、払出モータ76が駆動されて払出しが開始される(タイミングt11)。そして、払出しの途中で球払出装置70の払出球検出センサ77からの検出信号がなくなると、払出モータ76の駆動が停止され(タイミングt12)、そのときまでに、所定数の遊技球が排出されていないとリトライ動作が実行される(期間T1)。その後、リトライ動作を10回繰り返しても所定数の遊技球が排出されていない場合は、異常の報知が行われる(タイミングt13)。
上記のようなタイミングに従った制御によれば、電波ゴト等により、払出球検出手段を常にオフ状態とし、リトライ動作の繰り返しにより所定数以上の球を払い出そうとし、その間に停電になっても、リトライ動作回数がバックアップされ停電復帰後は停電発生直前のリトライ動作回数の続きからリトライ動作を実行するため、設定された回数(実施例では10回)以上にリトライ動作を行い、不正に球が払い出される心配がない。
図16には、停電が発生した場合の払出制御装置200における処理の一例が示されている。
払出制御装置200は、電源電圧を監視あるいは他の回路や装置からの停電検出信号を監視して、停電が発生したか否か判定する(ステップS21)。ここで、停電が発生していないと判定した場合(No)には、何もせずに当該停電時処理を一端終了して他の処理へ移行する。一方、ステップS21で、停電が発生していると判定した場合(Yes)には、払出し途中であっても払出しを停止し、リトライ回数及びエラーデータ(異常の有無、排出球数等)をバックアップメモリもしくはEEPROMやフラッシュメモリのような不揮発性メモリに記憶して停電時処理を終了する(ステップS22,S23)。
停電復旧後は、バックアップメモリを参照してリトライ回数が1〜9回であればリトライ途中と判定して10回になるまでリトライ動作を実行する。また、エラーデータに、所定の排出数に満たない排出球数が記憶されていれば、排出途中と判定して図12のリトライ処理を実行する。これにより、停電発生時にも正確な払出制御が可能となる。また、異常を報知している状態で停電が発生すると、停電復帰後に球払出装置に異常があることを直ちに報知することができる。なお、通常の処理において、バックアップ電源によってバックアップされているメモリ(RAM)に、リトライ回数及びエラーデータを記憶するようにしている場合には、ステップS23で特にメモリのデータを移す処理は不要である。
図17には、リトライ途中で停電が発生した場合の球払出装置70の動作タイミングが示されている。シュート内に遊技球がある状態で払出制御装置200が払出指令(コマンド)を受信すると、払出モータ76が駆動されて払出しが開始される(タイミングt21)。そして、払出しの途中で球払出装置70の払出球検出センサ77からの検出信号がなくなり、払出モータ76の駆動が停止されたとき(タイミングt22)に、所定数の遊技球が排出されていないとリトライ動作が開始される(期間T2)。そして、リトライ動作の途中で停電が発生すると動作が停止される。停電復旧後は、リトライ動作を再開し、10回に達しても所定数の遊技球が排出されていない場合は、異常箇所報知LED84cにより異常の報知が行われる(タイミングt23)。
次に、払出制御装置200による他の異常箇所報知LED84a,84b,84dの報知(点灯)について、図18を用いて説明する。
払出制御装置200は、貯留タンク球有無検出センサ83からの検出信号と、シュート球有無検出センサ82からの検出信号と、オーバーフロー検出センサ81からの検出信号を常時監視している。そして、例えば図18のタイミングt31のように、貯留タンク球有無検出センサ83からの検出信号が立ち下がり、貯留タンク31が球無し状態になったことを検知すると、異常箇所報知LED84aを点灯して貯留タンク球無しエラーを報知する。ただし、このときシュート球有無検出センサ82からの信号が球有りを示していて、球払出指令を受信した場合には、払出モータを駆動して払出しを行う(期間T3)。
また、払出制御装置200は、図18のタイミングt32のように、シュート球有無検出センサ82からの検出信号が立ち下がり、シュート33が球無し状態になったことを検知すると、異常箇所報知LED84bを点灯してシュート球無しエラーを報知する。さらに、払出制御装置200は、図18のタイミングt33のように、オーバーフロー検出センサ81からの検出信号が立ち下がり、上皿21と下皿23がオーバーフロー状態になったことを検知すると、異常箇所報知LED84dを点灯してオーバーフローエラーを報知する。
異常箇所報知LED84a,84b,84dは、図5に示すように、それぞれ貯留タンク31、屈曲流路装置34(シュート33の終端)、球払出装置70下方の中継基板38の近傍にそれぞれ配設されているため、いずれかのLEDが点灯すると遊技店の店員は異常が発生していることおよび異常発生箇所を容易に知ることができる。また、このような異常が発生しているときに停電が発生した場合には、それらの異常状態をバックアップメモリに記憶する。これにより、オーバーフローを含め、停電時に発生していた異常箇所を停電復帰後すぐに報知することが出来、素早い通常状態への復帰が可能になる。
なお、図18のタイミングチャートでは、払出し開始前に、貯留タンク31内の球切れが検出されている(タイミングt30)。このような状態であっても、シュート33から球球払出装置70までの流下路内には充分な量の遊技球が残っているので、払出しは可能である。貯留タンク31内の球切れは、貯留タンク球有無検出センサ83(図4)により検出され、異常箇所報知LED84aが点灯されて貯留タンク球無しエラーが報知されるとともに、管理装置等にタンクの球切れが送信され、貯留タンクへの遊技球の補給が行われることとなる。貯留タンク球無しエラーについても、停電が発生した場合には、その異常状態をバックアップメモリに記憶することにより、停電時に発生していた異常箇所を停電復帰後すぐに報知することが出来、素早い通常状態への復帰が可能になる。
次に、本発明に係る遊技機の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態は、図19(A),(B)に示すように、球払出装置70内の排出口側の払出球検出センサ77とは別に、球導入口72a,72b側に払出準備球検出センサ80a,80bを設けたものである。なお、図19(A),(B)のうち(A)は払出準備球検出センサ80a,80bとして払出球検出センサ77と同様な通過型のセンサを使用したもの、(B)は払出準備球検出センサ80a,80bとして通過型のセンサではなく、センサ部の近傍に並行して存在する金属を検出可能なフラット型の磁気近接センサを使用したものである。他の構成は図10の球払出装置70とほぼ同様であるので、詳しい説明は省略する。
次に、図20及び図21を用いて、図19の球払出装置70を用いた場合における払出制御装置200により実行される遊技球の払出処理について説明する。
図20の払出処理は、遊技制御装置100から賞球払出指令(コマンド)またはCRサンド(球貸機)500から貸球払出指令(コマンド)が、払出制御装置200へ送信されることに応じて実行される。
払出処理が開始されると、払出制御装置200は、先ず払出準備球検出センサ80a,80bからの検出信号を見て球払出装置70の入り口に遊技球が有るか否かを判定する(ステップS30)。そして、球払出装置70の入り口に遊技球が有る(Yes)と判定すると、シュート球有無検出センサ82からの検出信号を見てシュート内に遊技球が有るか否かを判定する(ステップS31)。ここで、シュート内に遊技球が有る(Yes)と判定すると、球1個を排出するのに必要な角度だけ払出モータ76を回転させる駆動信号を送って払出モータ76を所定角度回転させる(ステップS32)。次に、球払出装置70内の払出球検出センサ77からの検出信号を計数して所定数の遊技球が排出されたか否か判定する(ステップS33)。
ステップS33で、所定数の遊技球が排出されたと判定した場合(Yes)は、当該払出処理を終了する。所定数の遊技球が排出されていないと判定した場合(No)は、モータの回転数(回転角)を見てモータが払出球数に応じた所定の角度まで回転したか否かを判定する(ステップS34)。ここで、まだモータが所定角度回転していない(No)と判定すると、ステップS11へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS34で、モータが所定角度回転した(No)と判定すると、次のリトライ処理(ステップS35)を実行する。つまり、モータが所定角度回転しても所定数の球が払い出されていない場合に、リトライ処理(ステップS35)を実行する。従って、ステップS30およびS31の判定処理とステップS66の払出停止処理すなわち払出制御装置200が、上流側球有無監視手段をなす。また、ステップS33,S34の判定処理とステップS35のリトライ処理すなわち払出制御装置200が、リトライ動作実行手段をなす。
また、ステップS30で球払出装置70の入り口に遊技球が無い(No)と判定すると、払出制御装置200はステップS36へ移行して球払出装置70による払出動作を停止してから、異常報知処理(ステップS37)を実行する。この場合の異常報知処理(ステップS37)では、球払出装置70に設けられている異常箇所報知LED84cを点灯させて、異常が発生していることを報知する。一方、ステップS31でシュート内に遊技球が無い(No)と判定した場合も、払出制御装置200はステップS36へ移行して球払出装置70による払出動作を停止してから、異常報知処理(ステップS37)を実行する。この異常報知処理(ステップS37)では、シュート33の終端(屈曲流路装置34)に設けられている異常箇所報知LED84bを点灯させて、異常が発生していることを報知する。
ステップS35のリトライ処理は、図21に示されているように、先ず払出準備球検出センサ80a,80bからの検出信号を見て球払出装置70の入り口に遊技球が有るか否かを判定する(ステップS350)。そして、球払出装置70の入り口に遊技球が有る(Yes)と判定すると、シュート球有無検出センサ82からの検出信号を見てシュート内に遊技球が有るか否かを判定する(ステップS351)。
ステップS350またはS351で、遊技球が無い(No)と判定すると、払出制御装置200はステップS355へ移行し、球払出装置70に対する払出制御処理を停止し、異常報知処理(ステップS356)を実行する。なお、ステップS350で払出準備球無しと判定して異常報知処理(ステップS356)を実行したときの報知は、球払出装置70に設けられている異常箇所報知LED84cを点灯させる報知であり、ステップS351でシュート球無しと判定して異常報知処理(ステップS356)を実行したときの報知は、屈曲流路装置34に設けられている異常箇所報知LED84bを点灯させる報知である。
また、ステップS351で、シュート内に遊技球が有る(Yes)と判定すると、払出モータ76を所定角度(所定個数分)だけ回転させる駆動信号を送って払出モータ76を回転させる(ステップS352)。次に、球払出装置70内の払出球検出センサ77からの検出信号を見て所定数の遊技球が排出されたか否か判定する(ステップS353)。ステップS353で、所定数の遊技球が排出されたと判定した場合(Yes)は、ステップS354〜S356をスキップして当該払出処理を終了する。
一方、リトライ処理のステップS353で所定数の遊技球が排出されていないと判定した場合(No)は、モータが10回回転つまりリトライ回数が10回になったか判定する(ステップS354)。そして、リトライ回数が10回になっていない場合(No)には、ステップS350へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS354でリトライ回数が10回になったと判定した場合(Yes)には、ステップS357へ移行して球払出装置70に対する払出制御処理を停止し、異常報知処理(ステップS358)を実行する。従って、ステップS350およびS352の判定処理とステップS355の払出停止処理すなわち払出制御装置200が、上流側球有無監視手段をなす。また、ステップS353,S354の判定処理とステップS357の払出停止処理すなわち払出制御装置200が、リトライ動作停止手段をなす。なお、ステップS358の異常報知処理では、球払出装置70に設けられている異常箇所報知LED84cを点灯させて、異常が発生していることを報知する。
本実施形態の遊技機においては、シュート球有無検出センサ82が球無しであれば、球払出装置70による払出動作を停止するようにしているとともに、リトライ動作で払出モータ76を回転させて、そのリトライ回数が10回に達しても球払出装置70内の払出球検出センサ77が排出球を検出していないと判定すると払出しを停止するため、電波ゴトによる不正な遊技球の排出で遊技店が被る被害を極力少なく抑えることができる。また、リトライ動作による払出モータ76の回転を10回まで許容しているため、仮に球詰まりで払出球検出センサ77が排出球を検出しない状態が発生したとしても、10回もリトライを繰り返せば通常は球詰まりも解消されるので、球詰まりによりエラーが発生して遊技が中断され遊技者が不利益を被るのを回避することができる。
さらに、本実施形態の球払出装置(図19)においては、球導入口側にも磁気近接センサからなる払出準備球検出センサ80a,80bを配設しているため、不正者が電波ゴトで球払出装置70に向けて電波を照射して、払出球検出手段としての払出球検出センサ77が球を検出しないオフ状態になるように仕向けた時に、払出準備球検出センサ80a,80bも球無し状態となる。そのため、球払出指令が入っても払出制御装置200は払出モータの駆動を停止するので、遊技球が不正に払い出されるのを防止することができる。特に、図19(A)の球払出装置においては、球導入口側の払出準備球検出センサ80a,80bとして排出側の払出球検出センサ77と同一種類のセンサ(同じ特性、性能を有するもの)を使用し、センサ77と同じ向きで配設しているため、球払出装置70に向けて電波を照射した際にセンサ77と同じように動作することとなるので、より確実に不正を防止し易くなる。
図22には、本実施形態の遊技機の払出制御装置による払出処理の他の例が示されている。この払出処理は、図20の払出処理のフローチャートにおけるリトライ処理S35の代わりに、球払出装置70に対する払出制御処理を停止(ステップS38)し、異常報知処理(ステップS39)を実行するようにしたものである。このような払出処理においても、不正を行おうとする者が電波ゴト等により、払出球検出手段を常にオフ状態とし、所定数以上の球を払い出そうとしても、上流側球有無検出手段が球無し状態を検出した場合と、払出中に上流側球有無検出手段が球有り状態でも払出球検出手段が球有り状態を検出しない場合には、球の払出を停止するので、球払出装置の上流側の球を不正に抜き出すのを防止することができる。ここでも、ステップS30,S31の判定処理とステップS36の払出停止処理すなわち払出制御装置200が、上流側球有無監視手段をなす。
図23には、図22の払出処理のステップS30で球払出装置70の球導入口側に遊技球が無い(No)と判定された場合および排出側でオーバーフローが発生した場合の球払出装置70の動作タイミングが示されている。
シュート内に遊技球がある状態で払出制御装置200が払出指令(コマンド)を受信すると、払出モータ76が駆動されて払出しが開始される(タイミングt41)。そして、払出しの途中で払出準備球検出センサ80a,80bからの検出信号が立ち下がり、球払出装置70の球導入口に遊技球が無い(No)と判定されると、払出モータ76の駆動が停止されて払出しが停止される(タイミングt42)。また、異常箇所報知LED84cの点灯により異常の報知が行われる。その後、オーバーフロー状態検出センサ81からの検出信号が立ち下がると、異常箇所報知LED84dの点灯により異常の報知が行われる(タイミングt43)。
なお、図23のタイミングチャートでは、払出し開始前に、貯留タンク31内の球切れが検出されている(タイミングt40)。このような状態であっても、シュート33および球払出装置70までの流下路内にはある程度の量の遊技球が残っているので、払出しは可能である。貯留タンク31内の球切れ状態は、貯留タンク球有無検出センサ83(図4)により検出され、異常箇所報知LED84aが点灯されて貯留タンク球無しエラーが報知されるとともに、補給装置の制御装置等へタンクの球切れが送信され、貯留タンクへの遊技球の補給が行われることとなる。
次に、本発明に係る遊技機の第3の実施形態について説明する。この実施形態は、第2の実施形態で説明した払出準備球検出センサ80a,80bを有する球払出装置を使用する。
第3の実施形態は、払出制御装置200により図24に示すような払出異常検出処理を実行するようにしたものである。具体的には、図24に示すように、先ず払出準備球検出センサ80a,80bからの検出信号を見て球払出装置70の入り口に遊技球が有るか否かを判定する(ステップS51)。そして、球払出装置70の入り口に遊技球が有る(Yes)と判定すると、正常検出として処理する(ステップS53)。
一方、ステップS51で球払出装置70の入り口に遊技球がない(No)と判定すると、シュート球有無検出センサ82からの検出信号を見てシュート内に遊技球が有るか否かを判定する(ステップS52)。ここで、シュート内に遊技球が無い(No)と判定すると、正常検出として処理する(ステップS53)。これに対し、ステップS52でシュート内に遊技球がある(Yes)と判定すると、異常検出として払出し動作の停止、エラー報知等の処理をする(ステップS54)。
本実施形態のような払出異常検出処理に従うと、シュート内に遊技球が有り球払出装置70の入り口に払出準備球がないときはエラーとなり払出し動作が停止するため、電波ゴトによる不正な払出しを防止することができる。一方、球払出装置70の入り口に払出準備球があればシュート内の球の有無にかかわらずエラーとならないため、工場等の検査工程で球払出装置70の入り口側に若干の遊技球を投入して球払出装置70が正常に動作するか否かを確認する際に払出し動作が停止しないので、検査が円滑に行える。また、シュート内に球がなく球払出装置70の入り口にも準備球がないときもエラーとならないため、遊技店で最初に電源を投入する際に貯留タンク内に遊技球を補給せずに電源を投入したとしてもエラーとならず、電源投入時にいきなり異常報知がなされ払出し動作が停止されるのを回避することができる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。例えば、前記実施形態では、払出制御装置が遊技制御装置からの球払出指令のみならずCRサンド(球貸機)からの球払出指令によっても球の払出しを行う機能を有する遊技機について説明したが、遊技制御装置のみからの球払出指令によって球の払出しを行う機能を有する遊技機に対しても適用することができる。
また、球払出制御装置は、遊技者の操作に基づく貸球払出指令に応じて貸球を払出可能であり、上流側球有無検出手段としてシュート球有無検出センサが球払出装置の払出機構から所定の球数以上上流に設けられている場合、球払出制御装置は、貸球払出指令を受けると、シュート球有無検出センサが球有り状態であることに基づき貸球の払出を開始し、球払出装置による貸球の払出中もシュート球有無検出センサの監視を行い、球払出装置による貸球の払出中にシュート球有無検出センサが球無し状態になった場合でも、所定の払出数まで球の払出を継続するように制御することとしてもよい。
このような構成によれば、球払出装置の払出機構から所定の球数以上上流に上流側球有無検出手段を設けることにより、貸球の払出開始時に上流側球有無検出手段が球有り状態であれば、その後少なくとも所定の払出数まで球の払出を行うことが可能となるので、上流側球有無検出手段を球払出装置の払出機構直前に設けて制御する場合に比べて、払出し可能な球数に余裕が生まれ、ちょうど切りがよいところで球の払出しを不能にすることができる。つまり、貸球の払出しで半端な数の球が排出されたところで払出し動作が停止するのを回避することができる。
さらに、前記実施形態では、シュート終端部から球払出装置の入口にかけて、球を2条にして誘導するように構成し2条の誘導路それぞれに球が存在する場合に球有りと判定するようにした球払出機構を示したが、球を1条で誘導するように構成した球払出機構あるいは2条のうち一方に球があれば球有りと判定するようにしたものにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、カードユニットによって遊技媒体としての遊技球が貸し出されるパチンコ遊技機に限定されず、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、及びスロットマシンなどの遊技機にも適用可能である。