JP5667921B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、弾球遊技機や回胴式遊技機に関する。
弾球遊技機は、長方体形状の外郭をなす外枠と、該外枠に枢設された内枠等から構成されており、内枠の裏側には、遊技の進行を司る主制御装置等といった各種装置や部品が取り付けられていると共に、表側には、遊技盤や、遊技盤を覆うように枢設された意匠枠が設けられている。そして、内枠や意匠枠を開扉させて球詰まりの除去作業等が行われる。
また、回胴式遊技機に関しても、箱状の筺体と、開口部を覆うように筺体に枢設された前扉等から構成されており、前扉の表側には、始動レバーや停止ボタン等が設けられていると共に、筺体の内部には、遊技の進行を司る主制御装置や遊技メダルを払いだすホッパー等の各種装置や部品が配されている。そして、前扉を開扉させて遊技メダルの供給作業等が行われる。
しかしながら、上述の内枠や前扉等を開扉し、内部に配された装置や部品を誤作動させる等して不正な利益を得るいわゆるゴト行為が後を絶たず、従来から、このような不正行為に対する対策が施された遊技機が提案されている。
具体的には、例えば、特許文献1では、前扉の開閉を検知する2つの検知器を備え、各検知器により前扉の開扉が検知されると警報を発すると共に、各検知器による閉扉の検知時期のタイムラグが所定時間以上である場合には、人為的に生じた誤検知とみなし、さらに警報を発する回胴式遊技機について提案されている。
また、特許文献2では、前面に枢設された前扉の蝶番部材に、本体との間の角度が所定角度に達するまでは前扉の閉方向への回動を制限するラチェット機構を設けることで、前扉を開扉した後、一旦大きく開放しなければ前扉を閉扉できないよう構成された回胴式遊技機について提案されている。
特開平9−155005号公報 特開2004−283201号公報
特許文献1に記載の回胴式遊技機によれば、検知器に触れる等して人為的に前扉の閉扉を誤検知させることができず、前扉の開閉が正確に検知されるため、不正行為をより確実に発見することが可能となる。しかしながら、該回胴式遊技機は、前扉の開扉により無条件で警報を発し、その後、自発的に該警報を停止することは無い。このため、遊技メダルの供給等のために前扉を開扉させた場合には、その都度警報の停止操作を行う必要が生じ、パチンコ店側の作業負担を増大させてしまう。
また、特許文献2に記載の回胴式遊技機によれば、不正行為を行うために前扉を開扉させても、前扉を閉扉して遊技を再開させるためには一旦前扉を大きく開くという非常に目立つ行為を行う必要があり、不正行為の発見を容易にすることができる。しかしながら、不正行為を試みた者が前扉を閉扉できないことに気づき、前扉が開扉された状態で回胴遊技機を放置して逃走するという可能性もあり、このような場合には新たな不正行為を誘発してしまうおそれがある。
また、特許文献2に記載の発明を弾球遊技機の意匠枠に適用することで、意匠枠を開放して行われる不正行為の発見を容易にすることができる。しかしながら、遊技盤上で球詰まりが生じた際には、遊技球の散乱を防ぐため、複数回にわたり意匠枠を素早く小さく開閉して球詰まりを少しずつ崩すという作業が行われる。このため、特許文献2に記載の発明を弾球遊技機の意匠枠に適用した際には、球詰まりの除去作業が極めて困難なものとなり、パチンコ店側の作業負担を増大させてしまう。
本願発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、パチンコ店側の作業負担の増加や、新たな不正行為の誘発を防ぎつつ、不正行為の発見が容易となる遊技機を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みてなされた請求項1に記載の遊技機は、遊技を実現するための各種構成要素が配置された配置領域を覆う扉状部材が前面に枢設されており、扉状部材の開閉を検知する開閉検知手段と、開扉された扉状部材と前面との角度である開放角度が予め定められた制限角度を超えているか否かを検知する開放検知手段と、開閉検知手段により扉状部材の開扉が検知されると、該扉状部材の開扉を報知する警報処理を開始する警報開始手段と、警報処理が行われている時に、開放検知手段により開放角度が制限角度を超えていること検知された後に、開閉検知手段により扉状部材の閉扉が検知されると、該警報処理を停止させる警報停止手段と、を備える。
なお、扉状部材とは、例えば、弾球遊技機の外枠に枢設された内枠や、遊技盤を覆う状態で内枠に枢設された意匠枠や、回胴式遊技機の筺体に枢設された前扉等であっても良い。
また、扉状部材の開扉を報知する警告処理とは、遊技を行う上で扉状部材が正規の状態ではないことを警告するものであり、警告処理において、例えば、婉曲的或いは直接的に不正行為の発生について警告することや、遊技者等が開扉された扉状部材の隙間に手を挟み、けがをするおそれがあることについて警告することが考えられる。また、これ以外にも、例えば、扉状部材が弾球遊技機の意匠枠として構成されている場合であれば、遊技盤に向けて発射された遊技球が零れる可能性について警告することが考えられる。
請求項1に記載の遊技機によれば、扉状部材が開扉されると警報処理が開始されるため、不正行為を容易に発見することが可能となる。一方、パチンコ店の店員が、メンテナンス作業やトラブルへの対処のために扉状部材を開扉させる場合があり、このような場合にも警報処理が開始されてしまう。しかしながら、扉状部材を制限角度以上に大きく開放した後に扉状部材を閉扉するという一連の操作により警報処理が停止されるため、店員の手をさほど煩わすことなく警報処理を停止させることができる。
また、不正行為を行う者が警報処理を停止させるための操作(警報解除操作とも記載)を把握している場合も想定されるが、この操作とは、扉状部材を大きく開放するという非常に目立つ行為であるため、パチンコ店の店員等は、このような行為を行う者を容易に発見することができる。
さらに、扉状部材の開扉により警報処理が開始されても、扉状部材の開閉が制限されることは無いため、仮に扉状部材が意匠枠として構成されている場合であれば、意匠枠を開閉しながら行われる遊技盤上の球詰まりの除去作業等を円滑に行うことができ、パチンコ店側の作業負担を増加させることは無い。また、不正行為を行う者により扉状部材が開扉された状態で放置されてしまうことを防ぐことができ、新たな不正行為の誘発を防ぐことができる。
このように、請求項1に記載の遊技機によれば、パチンコ店側の作業負担の増加や、新たな不正行為の誘発を防ぎつつ、不正行為の発見を容易とすることができる。
また、請求項1に記載の遊技機において、警報停止手段は、開放角度が制限角度を超えていること検知された後に扉状部材の閉扉が検知された場合には、所定時間が経過した後に警報処理を停止させても良い。
上記遊技機によれば、扉状部材の開扉により無条件で警報処理が開始されるため、扉状部材を開扉して不正行為を行った者は、遊技機にて当該開扉が不正な開扉として検知されたか否かを判別するためには、扉状部材を閉扉した後、所定時間の経過を待って警報処理が停止されるか否かを確認する必要がある。このため、不正行為を行った者を遊技機付近により長く留まらせることが可能となり、不正行為を行った者をより確実に拘束することが可能となる。
なお、請求項2に記載されているように、警報停止手段は、開閉検知手段による検知結果と開放検知手段による検知結果とのうちの少なくとも一方に基づく1または複数の継続条件が成立した場合には、開放検知手段により開放角度が制限角度を超えていることが検知された後に、開閉検知手段により扉状部材の閉扉が検知されても、該警報処理を停止させず、該警報処理を継続させても良い。
こうすることにより、単に扉状部材を大きく開放させた後に扉状部材を閉扉するだけでは警報処理を停止させることができず、警報処理を停止させるための警報解除操作をより目立つものにすることが可能となる。このため、警報解除操作を隠密に行うことが困難となり、不正行為を行う者が警報解除操作を把握している場合であっても、より容易に不正行為を発見することができる。
具体的には、請求項3に記載されているように、開閉検知手段による検知結果と開放検知手段による検知結果とのうちの少なくとも一方に基づき、扉状部材の状態を判別する判別手段をさらに備え、継続条件とは、判別手段により判別された状態が継続した時間に基づく条件であっても良い。
こうすることにより、例えば、扉状部材を大きく開放させた後に扉状部材を閉扉するという行為が素早く行われた場合等には、警報処理を継続して行うことが可能となり、警報解除操作に要する時間をより長くすることができる。このため、警報解除操作を隠密に行うことが困難となり、不正行為を行う者が警報解除操作を把握している場合であっても、より容易に不正行為を発見することができると共に、不正行為の抑止効果をより一層高めることができる。
さらに詳しくは、請求項4に記載されているように、判別手段は、開閉検知手段により扉状部材の開扉が検知された時の扉状部材の前記状態を、閉鎖解除状態として判別し、継続条件の一つは、閉鎖解除状態の継続時間が予め定められた時間に満たないという条件であっても良い。
こうすることにより、警報処理を停止させるためには、一定時間以上にわたり扉状部材を開扉しておくことが必要となり、これにより、扉状部材が開扉された場合には必ず一定時間以上にわたり警報処理が行われることになるため、不正行為をより容易に発見することができる。
また、不正行為を行う際には扉状部材を素早く開閉する必要があるため、不正行為を行うために扉状部材を開扉させた者は、警報処理を停止させることが困難となり、不正行為を行い難くなる。
さらに、不正行為を行う者が、パチンコ店の店員等による発見を免れるため、速やかに不正行為を完遂させて短時間で扉状部材を閉扉した場合には、閉鎖解除状態の継続時間が予め定められた時間に満たず、警報処理を停止させることができないため、不正行為をより容易に発見することができる。
また、請求項5に記載されているように、判別手段は、開放検知手段により開放角度が制限角度を超えていることが検知された時の扉状部材の前記状態を、開放状態として判別し、継続条件の一つは、開放状態の継続時間が予め定められた時間に満たないという条件であっても良い。
こうすることにより、警報処理を停止させるためには、必ず一定時間以上にわたり扉状部材を大きく開放させた状態で保持するという非常に目立つ行為を行うことが必要となる。このため、警報解除操作を隠密に行うことが困難となり、より容易に不正行為を発見することができる。
また、仮に不正行為が完遂された場合であっても、警報解除操作を行う際に不正行為が発覚する可能性が高く、パチンコ店が被害を被ってしまうことを防ぐことができ、さらに、不正行為に対しての抑止効果を高めることができる。
また、不正行為を行う際には扉状部材を素早く開閉する必要があるため、不正行為を行うために扉状部材を開扉させた者は、警報処理を停止させることが困難となり、不正行為を行い難くなる。
さらに、不正行為を行う者が、パチンコ店の店員等による発見を免れるため、速やかに不正行為を完遂させて短時間で扉状部材を閉扉した場合には、閉鎖解除状態の継続時間が予め定められた時間に満たず、警報処理を停止させることができないため、不正行為をより容易に発見することができる。
また、パチンコ店の店員がメンテナンス作業やトラブルへの対処のために扉状部材を開扉させる場合には、扉状部材を大きく開放させても何ら問題は無いが、不正行為に関しては、店員等による発見を免れるため、扉状部材を少しだけ開扉させた状態で行われることが考えられる。
そこで、請求項6に記載の遊技機では、判別手段は、開閉検知手段により扉状部材の開扉が検知され、なおかつ、開放検知手段により開放角度が制限角度を超えていないことが検知された時の扉状部材の状態を、開状態として判別し、継続条件の一つとして、開状態の継続時間が予め定められた時間に達したという条件が設けられる。
こうすることにより、不正行為を行うために長時間にわたり開状態が継続された場合には、扉状部材を大きく開放させた後に扉状部材が閉扉されても警報処理が継続されてしまうため、より容易に不正行為を発見することができる。
また、請求項7に記載されているように、開放検知手段による検知結果に基づき、開放角度が制限角度に満たない状態から、制限角度を超える状態に変化するよう扉状部材を操作する開放動作の発生回数をカウントするカウント手段と、警報処理を停止するか否かを決定するために用いられる警報停止回数をランダムに設定する設定手段と、開放検知手段により開放角度が制限角度を超えていることが検知された後に、警報停止回数を報知する報知手段と、をさらに備え、継続条件として、開閉検知手段により扉状部材の開扉が検知された後にカウント手段によりカウントされた開放動作の発生回数と警報停止回数とに基づく条件を設けても良い。
このような構成によれば、警報処理を停止させるためには、ランダムに設定される警報停止回数を確認したうえで、該警報停止回数にわたり扉状部材を大きく開け閉めするという非常に目立つ行為が必要となる。このため、警報解除操作を隠密に行うことが困難となり、より容易に不正行為を発見することができる。
パチンコ機の斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 パチンコ機の内枠の開閉動作を示す説明図と、内枠を開閉した際の内枠閉鎖SWからの検知信号と内枠開放SWからの検知信号の変化についてのタイミングチャートである。 不正行為防止処理についてのフローチャートである。 不正行為防止処理についてのフローチャートである。 不正行為防止処理についてのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠21にて構成の各部を保持する構造を有している。
外枠21におけるパチンコ機1の正面に向かって左側上下には、ヒンジ5が設けられていると共に、該ヒンジ5には内枠2が取り付けられており、内枠2は外枠21に対して開閉可能に構成されている。内枠2の裏側には、主制御装置や払出制御装置等といった各種装置や部品が配置されており、内枠2が閉扉されると、該装置や部品は、内枠2と外枠21とにより形成される内部空間に配された状態となる。
また、内枠2におけるパチンコ機1の前面に向かって左側上方には、内枠2の開閉を検知する内枠閉鎖SW37と、開扉された内枠2と外枠21との角度(開放角度)が予め定められた制限角度(例えば45°)となったことを検知する内枠開放SW38とが設けられている。
また、内枠2には、遊技釘や各種役物や配された遊技盤を覆う意匠枠9が枢設されており、意匠枠9には、遊技盤に対面するように板ガラス9aが取り付けられている。また、内枠2の左側には、意匠枠9を開閉するためのヒンジが設けられており、内枠2における閉扉された意匠枠9に覆われる領域の左側上方には、意匠枠9の開閉を検知する意匠枠閉鎖SW39と、開扉された意匠枠9と内枠2との角度(開放角度)が予め定められた制限角度(例えば45°)となったことを検知する意匠枠開放SW40とが設けられている。
また、意匠枠9の下方には、上皿12と下皿13が一体に形成されている。下皿13の右側には発射ハンドル18が取り付けられており、該発射ハンドル18を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が作動し、上皿12から供給された遊技球が遊技盤に向けて発射される。
また、このパチンコ機1はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)6が付属しており、パチンコ機1には、球貸ボタン16,精算ボタン17,精算表示装置15を有するCR精算表示装置15が備わっている(図2参照)。
また、内枠2により覆われるパチンコ機1の内部空間には、主制御装置50、払出制御装置51、演出図柄制御装置54a、サブ統合装置53、発射制御装置52、電源基板が配されている。主制御装置50、演出図柄制御装置54a、サブ統合装置53は遊技盤に取り付けられた状態となっており、払出制御装置51、発射制御装置52、電源基板が内枠に取り付けられている。
なお、遊技盤上には、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示装置29や、普通図柄の変動表示を行うための普通図柄表示装置30や、4個のLEDからなる特別図柄保留数表示装置29a,普通図柄保留数表示装置30aや、入賞率が変化しない一般入賞口が設置されている。
また、遊技盤の略中央には、各種演出を行うための液晶表示装置として構成された演出図柄表示装置54bが配置されていると共に、その下方には、普通図柄作動ゲートが配置され、さらのその下方には、羽根が開閉する電動チューリップとして構成された始動口が配置されている。始動口は、いわゆるチャッカーであり、常時入球可能であると共に、遊技球が普通図柄作動ゲートを通過することで行われる普通図柄抽選で当選し、普通図柄表示装置に当りの普通図柄が確定表示されると、始動口が開放されて入球容易になる。そして、始動口に遊技球が入球すると、特別図柄表示装置29にて特別図柄の変動表示が行われる。
そして、始動口の下方には、アタッカー式の大入賞口が配置され、さらにその下方にはアウト穴が配置されている。
(2)電気的構成について
このパチンコ機1の電気的構成は、図2のブロック図に示すとおり、主制御装置50を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板及び電源基板等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置50、払出制御装置51、演出図柄制御装置54a、サブ統合装置53のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では、発射制御装置52、電源基板にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置52にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置50には、始動口に入球した遊技球を検出する特図始動SW31a、普通図柄作動ゲートに進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW42a、大入賞口に入球した遊技球を計数するためのカウントSW33b、一般入賞口に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW35a等からの検出信号が入力される。
主制御装置50は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置51及びサブ統合装置53に出力する。
また、主制御装置50は、図柄表示装置中継端子板64を介して接続されている特別図柄表示装置29,普通図柄表示装置30の表示や、特別図柄保留数表示装置29a,普通図柄保留数表示装置30aの点灯を制御する。
さらに、主制御装置50は、大入賞口ソレノイドを制御することで大入賞口の開閉を制御し、普通役物ソレノイドを制御すること始動口の開閉を制御する。
主制御装置50からの出力信号は試験信号端子にも出力されほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板61に出力されてホールコンピュータ70に送られる。
また、主制御装置50には、裏配線中継端子板63を介して、内枠閉鎖SW37と、内枠開放SW38と、意匠枠閉鎖SW39と、意匠枠開放SW40とからの検知信号が入力される。
また、主制御装置50には、警報音を発するためのブザー41が接続されている。
主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信が可能である。
払出制御装置51は、主制御装置50から送られてくるコマンドに応じて払出モータ24aを稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW24bの検出信号は払出制御装置51に入力され、払出制御装置51で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置50と払出制御装置51に払出SW24bの検出信号が入力され、主制御装置50と払出制御装置51の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置51は、内枠閉鎖SW37、内枠開放SW38、意匠枠閉鎖SW39、意匠枠開放SW40、球切れSW23a、払出SW24b、満杯SW13aからの信号が入力され、満杯SW13aにより下皿13が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れSW23aにより球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ24aを停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW13a、球切れSW23aも、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置51は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ24aの駆動を再開させる。
また、払出制御装置51はCRユニット端子板60を介してCRユニット6と交信することで払出モータ24aを作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW24bに検出され、検出信号は払出制御装置51に入力される。また、CRユニット端子板60は精算表示装置15とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置15には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン16、精算を要求するための精算ボタン17が設けられている。
また、払出制御装置51は、外部接続端子板61を介して賞球に関する情報、枠(内枠2、意匠枠9)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ70に送信するほか、発射制御装置52に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置52は発射モータ22を制御して、遊技領域に遊技球を発射させる。
なお、発射制御装置52には払出制御装置51以外に発射ハンドル18からの回動量信号、タッチSW20aからのタッチ信号、発射停止SW19aから発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル18を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル18を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW19aを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置52に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル18を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合装置53は、主制御装置50から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置54aに送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプを制御する。なお、サブ統合装置53から主制御装置50へのデータの送信は行われない。
サブ統合装置53と演出図柄制御装置54aとは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置54aは、サブ統合装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、演出図柄等の演出画像を表示させる。
[動作の説明]
次に、本実施形態のパチンコ機1の動作について説明する。
(1)概要について
本実施形態のパチンコ機1の主制御装置50は、始動口への入球に応じて各種乱数を抽出して保留記憶する(最大4個)と共に、保留記憶された乱数を読み出して当否判定を行うことで、保留記憶を消化し、大当りに当選した際には大当り遊技を行う。大当り遊技では、大入賞口が長期間にわたり開放され、遊技者は、大入賞口に遊技球を入球させることで大量の賞球を獲得できる。また、主制御装置50は、大当り抽選を行う際に、サブ統合装置53に各種コマンドを送信することで、演出図柄表示装置54bにて大当り抽選の結果を報知するための大当り演出を行う。
また、主制御装置50は、遊技球が普通図柄作動ゲートを通過すると、普通図柄抽選乱数を抽出して保留記憶する(最大4個)と共に、保留記憶された普通図柄抽選乱数を読み出して普通図柄抽選を行う。そして、普通図柄抽選に当選した際には、一定期間にわたり始動口が開放され、始動口への入球が容易となる。
(2)内枠の開閉について
本実施形態のパチンコ機1では、内枠閉鎖SW37により内枠2の開閉が検知されると共に、内枠開放SW38により、内枠2が大きく開放されたこと(開扉された内枠2と外枠21との開放角度が制限角度以上となること)が検知される。
なお、内枠閉鎖SW37は、内枠2が閉扉されている場合には、主制御装置50にONを出力し、開扉されている場合にはOFFを出力する。また、内枠開放SW38は、内枠2の開放角度が制限角度以上である場合には、主制御装置50にONを出力し、開放角度が制限角度未満である場合にはOFFを出力する。
図3の(a)〜(c)には、本実施形態のパチンコ機1の外枠21と内枠2の様子を示す模式図が記載されている。主制御装置50は、内枠閉鎖SW37からの検知信号により内枠2が開扉されたこと(図3(b)参照)を検知すると、ブザー41に警報音を出力させると共に、外部接続端子板61を介して、ホールコンピュータ70に対し、内枠2の開扉について通知する警報処理を開始する。警告処理では、警報音等により内枠2の開扉を報知することで、不正行為の発生について婉曲的に警告することが考えられるが、例えば、音声等により直接的に不正行為の発生について警告しても良いし、遊技者等が開扉された扉状部材の隙間に手を挟み、けがをするおそれがあることについて警告しても良い。また、警報音に限らず、遊技盤に設けられたLEDや、演出図柄表示装置54bを用いて警告を行っても良い。
その後、内枠2の開放角度が制限角度以上となることなく内枠2が閉扉された場合には、主制御装置50は、内枠2が閉扉した後も警報処理を継続する。
また、内枠開放SW38からの検知信号に基づき、内枠2の開放角度が制限角度以上となったことを検知した後に(図3(c)参照)に、内枠2が閉扉されたことを検知すると、主制御装置50は、内枠2が閉扉された後、警報継続時間(例えば10秒)が経過した後に警報処理を停止するが、所定の継続条件が成立した場合には、警報処理を継続する。
ここで、図3(d)には、内枠2が開扉され、開放角度が制限角度以上となった後に内枠2が閉扉された場合の、内枠閉鎖SW37と内枠開放SW38の検知信号の状態を示すタイミングチャートが記載されている。該タイミングチャートが示すように、内枠閉鎖SW37からの検知信号がOFFである場合を閉鎖解除状態とし、閉鎖解除状態の継続時間を閉鎖解除時間とする。また、内枠閉鎖SW37からの検知信号がOFF、かつ、内枠開放SW38からの検知信号がOFFである場合を開状態とし、開状態の継続時間を開時間とし、内枠開放SW38からの検知信号がONである場合を開放状態とし、開放状態の継続時間を開放時間とする。
本実施形態のパチンコ機1では、上述の継続条件として、開時間が第一継続時間(例えば5秒)を超えるという条件と、開放時間が第二継続時間(例えば10秒)に満たないという条件と、閉鎖解除時間が第三継続時間(例えば20秒)に満たないという条件が設けられており、これらの条件のうちのいずれかが成立した際には、開放角度が制限角度以上となった後に内枠2が閉扉された場合であっても、警報処理が継続される。
以下では、内枠閉鎖SW37と内枠開放SW38とからの検知信号に基づき警報処理を実行する際の処理について詳しく説明する。
(3)不正行為防止処理について
内枠2の開扉により不正行為が行われる危険性が生じていることを警告する不正行為防止処理について、図4,5に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、主制御装置50にて定期的に実行される処理である。
S102では、主制御装置50は、内枠閉鎖SW37からの検知信号のONからOFFへの立ち下がりを検知することで、内枠2を開扉する動作(閉鎖解除動作)の有無を判定する。そして、該動作が行われた場合には(S102:Yes)、S104に処理を移行し、該動作が行われなかった場合には(S102:No)、S110に処理を移行する。
S104では、主制御装置50は、上述の警報処理を開始すると共に、開時間と閉鎖解除時間の計測を開始する(S106,S108)。そして、本処理を終了する。
また、S110では、主制御装置50は、内枠開放SW38からの検知信号のOFFからONへの立ち上がりを検知することで、制限角度以上に内枠2を大きく開放する動作(開放動作)の有無を判定する。そして、該動作が行われた場合には(S110:Yes)、S112に処理を移行し、該動作が行われなかった場合には(S110:No)、S120に処理を移行する。
S112では、主制御装置50は、開放フラグをONし、S114に処理を移行する。
S114では、主制御装置50は、開時間が第一継続時間を超えるか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S114:Yes)、S116に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S114:No)、S118に処理を移行する。
S116では、主制御装置50は、継続フラグをONし、S118に処理を移行する。
S118では、主制御装置50は、開放時間の計測を開始し、本処理を終了する。
また、S120では、主制御装置50は、内枠開放SW38からの検知信号のONからOFFへの立ち下がりを検知することで、開放角度が制限角度未満となるように内枠2を閉扉する動作(開放解除動作)の有無を判定する。そして、該動作が行われた場合には(S120:Yes)、S122に処理を移行し、該動作が行われなかった場合には(S120:No)、図5のS128に処理を移行する。
S122では、主制御装置50は、開放時間が第二継続時間未満であるか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S122:Yes)、S124に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S122:No)、本処理を終了する。
S124では、主制御装置50は、継続フラグをONし、本処理を終了する。
続いて図6のS128では、主制御装置50は、内枠閉鎖SW37からの検知信号のOFFからONへの立ち上がりを検知することで、内枠2を閉扉する動作(閉鎖動作)の有無を判定する。そして、該動作が行われた場合には(S128:Yes)、S130に処理を移行し、該動作が行われなかった場合には(S128:No)、S140に処理を移行する。
S130では、主制御装置50は、開放フラグのON/OFFを判定し、開放フラグがONである場合には(S130:Yes)、S132に処理を移行すると共に、OFFである場合には(S130:No)、本処理を終了する。
S132では、主制御装置50は、解除フラグをONし、S134に処理を移行する。
S134では、主制御装置50は、閉鎖解除時間が第三継続時間未満であるか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S134:Yes)、S136に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S134:No)、本処理を終了する。
S136では、主制御装置50は、継続フラグをONし、そして、警報解除タイマを作動させた後(S138)、本処理を終了する。
また、S140では、主制御装置50は、解除フラグのON/OFFを判定し、解除フラグがONである場合には(S140:Yes)、S142に処理を移行すると共に、OFFである場合には(S140:No)、本処理を終了する。
S142では、主制御装置50は、警報解除タイマに基づき、閉鎖動作が行われた後、警報継続時間が経過したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S142:Yes)、S144に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S142:No)、本処理を終了する。
S144では、主制御装置50は、継続フラグのON/OFFを判定し、継続フラグがONである場合には(S144:Yes)、警報処理を継続させるべく本処理を終了すると共に、OFFである場合には(S144:No)、S146に処理を移行する。
なお、継続フラグがONである場合には、ブザー41等を介しての警報処理のみを停止し、ホールコンピュータ70に対しては、継続的に内枠2の開扉されたことを通知しても良い。こうすることにより、パチンコ店側には不正行為の発生を確実に通知することができると共に、不正行為を行う者に対しては、不正行為が検知されていないと錯誤させ、該不正行為により利益を得るための遊技を行わせることができる。このため、不正行為を行う者を確実に拘束することが可能となる。
S146では、主制御装置50は、警報処理を停止し、本処理を終了する。
なお、不正行為防止処理では、開時間に基づく継続条件と、開放時間に基づく継続条件と、閉鎖解除時間に基づく継続条件とのうちのいずれかが成立した時には、開放動作が行われた後に内枠2が閉鎖された場合であっても警報処理を継続させているが、これらの条件のうちの少なくとも2つが成立した場合に警報処理を継続させても良い。
(4)変形例について
上述の不正行為防止処理では、継続条件として開時間等に基づく条件が設定されていたが、内枠2を開扉した後に行われた開放動作の数に基づく条件を継続条件として設定しても良い。以下では、該開放動作の数に基づく条件を継続条件とした場合の不正行為防止処理について、図6に記載のフローチャートを用いて説明する。
S205では、主制御装置50は、内枠閉鎖SW37からの検知信号のONからOFFへの立ち下がりを検知することで、内枠2を開扉する動作(閉鎖解除動作)の有無を判定する。そして、該動作が行われた場合には(S205:Yes)、S210に処理を移行し、該動作が行われなかった場合には(S205:No)、S220に処理を移行する。
S210では、主制御装置50は、上述の警報処理を開始すると共に、内枠2が閉扉された後、警報処理を停止するか否かを決めるために用いられる警報停止回数を、乱数を抽出する等してランダムに設定し(S215)、本処理を終了する。
また、S220では、主制御装置50は、内枠開放SW38からの検知信号のOFFからONへの立ち上がりを検知することで、制限角度以上に内枠2を大きく開放する動作(開放動作)の有無を判定する。そして、該動作が行われた場合には(S220:Yes)、S225に処理を移行し、該動作が行われなかった場合には(S220:No)、S240に処理を移行する。
S225では、主制御装置50は、開放フラグをONし、S230に処理を移行する。
S230では、主制御装置50は、ランダムに設定された警報停止回数を報知する。具体的には、例えば、特別図柄表示装置29に警報停止回数を表示しても良いし、サブ統合装置53にコマンドを送信し、演出図柄表示装置54bに警報停止回数を表示しても良い。また、図示しないスピーカ等により警報停止回数を音声で報知しても良い。さらに、警報停止回数と共に、警報停止回数から、内枠2の開扉後に行われた開放動作の回数(後述の開放カウンタが示す数)を減じた値である残り回数を、映像或いは音声により報知しても良い。そして、S235に処理を移行する。
S235では、主制御装置50は、内枠2が開扉された後に行われた開放動作の回数をカウントする開放カウンタをインクリメントし、本処理を終了する。
また、S240では、主制御装置50は、内枠閉鎖SW37からの検知信号のOFFからONへの立ち上がりを検知することで、内枠2を閉扉する動作(閉鎖動作)の有無を判定する。そして、該動作が行われた場合には(S240:Yes)、S245に処理を移行し、該動作が行われなかった場合には(S240:No)、S260に処理を移行する。
S245では、主制御装置50は、開放フラグのON/OFFを判定し、開放フラグがONである場合には(S245:Yes)、S250に処理を移行すると共に、OFFである場合には(S245:No)、本処理を終了する。
S250では、主制御装置50は、解除フラグをONし、そして、警報解除タイマを作動させた後(S255)、本処理を終了する。
また、S260では、主制御装置50は、解除フラグのON/OFFを判定し、解除フラグがONである場合には(S260:Yes)、S265に処理を移行すると共に、OFFである場合には(S260:No)、本処理を終了する。
S265では、主制御装置50は、警報解除タイマに基づき、閉鎖動作が行われた後、警報解除時間が経過したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S265:Yes)、S270に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S265:No)、本処理を終了する。
S270では、主制御装置50は、開放カウンタの値が警報停止回数以上であるか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S270:Yes)、S275に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S270:No)、警報処理を継続させるべく本処理を終了する。
なお、S270で否定判定が得られた場合には、ブザー41等を介しての警報処理のみを停止し、ホールコンピュータ70に対しては、継続的に内枠2の開扉されたことを通知しても良い。こうすることにより、パチンコ店側には不正行為の発生を確実に通知することができると共に、不正行為を行う者に対しては、不正行為が検知されていないと錯誤させ、該不正行為により利益を得るための遊技を行わせることができる。このため、不正行為を行う者を確実に拘束することが可能となる。
S275では、主制御装置50は、警報処理を停止し、本処理を終了する。
なお、先に述べた開時間,開放時間,閉鎖解除時間に基づく各継続条件と、開放動作の回数に基づく継続条件の複数の継続条件とに基づき、開放動作が行われた後に内枠2が閉鎖された後、警報処理を継続させるか否かを決定しても良い。具体的には、これらの継続条件のうちのいずれかが成立した場合に警報処理を継続させても良いし、これらの継続条件のうちの少なくとも2つが成立した場合に警報処理を継続させても良い。
(5)意匠枠等の開閉について
上記では内枠2の開扉により行われる不正行為防止処理について説明したが、本実施形態のパチンコ機1には、内枠閉鎖SW37と同様にして意匠枠9の開閉を検知する意匠枠閉鎖SW39と、内枠開放SW38と同様にして意匠枠9が大きく開放されたことを検知する意匠枠開放SW40が設けられている。このため、上述の不正行為防止処理において、内枠閉鎖SW37,内枠開放SW38を、それぞれ、意匠枠閉鎖SW39,意匠枠開放SW40に置き換えることで、意匠枠9に関して、同様にして開扉により不正行為が行われる危険性が生じていること等を警告することができる。また、意匠枠9に対して不正行為防止処理を適用する場合には、警報処理において、例えば、遊技盤に向けて発射された遊技球が零れる可能性について警告することも考えられる。
また、回胴式遊技機においても、同様の不正行為防止処理を行うことができる。回胴式遊技機は、箱状の筺体と、開口部を覆うように筺体に枢設された前扉等から構成されており、前扉の表側には、始動レバーや停止ボタン等が設けられていると共に、筺体の内部には、遊技の進行を司る主制御装置や遊技メダルを払いだすホッパー等の各種装置や部品が配されている。回胴式遊技機にも、内枠閉鎖SW37と同様にして前扉の開閉を検知する前扉閉鎖SWと、内枠開放SW38と同様にして前扉が大きく開放されたこと(開扉された前扉と、該前扉により覆われる筺体の開口部との間の開放角度が制限角度以上となること)検知する前扉開放SWとを設けることができる。そして、上述の不正行為防止処理において、内枠閉鎖SW37,内枠開放SW38を、それぞれ、前扉閉鎖SW,前扉開放SWに置き換えることで、回胴式遊技機の前扉に関して、同様にして開扉により不正行為が行われる危険性が生じていること等を警告することができる。
[効果]
本実施形態のパチンコ機1や回胴式遊技機によれば、内枠2や意匠枠9や前扉が開扉されると警報処理が開始されるため、不正行為を容易に発見することが可能となるが、内枠2等を大きく開放した後に閉扉するという一連の操作により警報処理が停止されるため、球詰まりの解除等の作業の際には、パチンコ店の店員の手をさほど煩わすことなく警報処理を停止させることができる。
また、不正行為を行う者が警報処理を停止させるための操作(警報解除操作)を把握している場合も想定されるが、この操作とは、内枠2等を大きく開放するという非常に目立つ行為であり、さらに、開時間等に基づく継続条件が成立しないように警報解除操作を行う必要があるため、警報解除操作を目立たないように行うことは非常に困難である。このため、パチンコ店の店員等は、警報解除操作を行う者を容易に発見することができる。
さらに、内枠2等の開扉により警報処理が開始されても、内枠2等の閉扉自体が制限されることは無く、容易に閉扉することができるため、不正行為を行う者により内枠2等が開扉された状態で放置されてしまうことを防ぐことができ、新たな不正行為の誘発を防ぐことができる。
このように、本実施形態のパチンコ機1や回胴式遊技機によれば、パチンコ店側の作業負担の増加や、新たな不正行為の誘発を防ぎつつ、不正行為の発見を容易とすることができる。
[他の実施形態]
(1)本実施形態における不正行為防止処理では、継続条件が成立した場合には、内枠2等が開放状態となった後に閉扉されても警報処理が継続されるが、内枠2等が開放状態となった後に閉扉された場合には、無条件で警報処理を停止しても良い。このような場合であっても、警報処理を停止させるためには内枠2等を大きく開放させるという非常に目立つ行為が必要であるため、同様の効果を得ることができる。
(2)また、本実施形態のパチンコ機1では、主制御装置50にて内枠2や意匠枠9についての不正行為防止処理が行われるが、払出制御装置51にて、内枠閉鎖SW37,内枠開放SW38,意匠枠閉鎖SW39,意匠枠開放SW40からの検知信号に基づき、同様の不正行為防止処理を行っても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
(3)また、本実施形態における不正行為防止処理では、継続条件が成立することなく、開放状態となった後に内枠2等が閉扉された場合には、内枠2等の閉扉後、警報解除時間が経過した後に警報処理が停止されるが、警報解除時間の経過を待たずに警報処理を停止させても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
本実施形態のパチンコ機1や回胴式遊技機が遊技機に相当する。
また、本実施形態のパチンコ機1における外枠21と内枠2により形成される内部区間や、遊技盤が配置される空間や、回胴式遊技機における筺体と前扉とにより形成される空間が、配置領域に相当する。
また、パチンコ機1の主制御装置50,払出制御装置51,遊技盤等といった装置や部品や、回胴式遊技機の主制御装置,ホッパー等といった装置や部品が、構成要素に相当する。
また、パチンコ機1の内枠2,意匠枠9、回胴式遊技機の前扉が扉状部材に、内枠閉鎖SW37,意匠枠閉鎖SW39,前扉閉鎖SWが開閉検知手段に、内枠開放SW38,意匠枠開放SW40,前扉開放SWが開放検知手段に相当する。
また、不正行為防止処理のS104,S210が警報開始手段に、S146,S275が警報停止手段に、のS102,S110,S120,S128や、S205,S220,S240が判別手段に、S215が設定手段に、S235がカウント手段に、S230が報知手段に相当する。
1…パチンコ機、2…内枠、5…ヒンジ、6…CRユニット、9…意匠枠、9a…板ガラス、12…上皿、13…下皿、13a…満杯SW、14…停止ボタン、14a…停止SW、15…精算表示装置、16…球貸ボタン、17…精算ボタン、18…発射ハンドル、19a…発射停止SW、20a…タッチSW、21…外枠、22…発射モータ、23a…球切れSW、24a…払出モータ、24b…払出SW、29…特別図柄表示装置、29a…特別図柄保留数表示装置、30…普通図柄表示装置、30a…普通図柄保留数表示装置、31a…特図始動SW、33b…カウントSW、35a…一般入賞口SW、37…内枠閉鎖SW、38…内枠開放SW、39…意匠枠閉鎖SW、40…意匠枠開放SW、41…ブザー、42a…普通図柄作動SW、50…主制御装置、51…払出制御装置、52…発射制御装置、53…サブ統合装置、54a…演出図柄制御装置、54b…演出図柄表示装置、60…CRユニット端子板、61…外部接続端子板、63…裏配線中継端子板、64…図柄表示装置中継端子板、70…ホールコンピュータ。

Claims (7)

  1. 遊技を実現するための各種構成要素が配置された配置領域を覆う扉状部材が前面に枢設されている遊技機であって、
    前記扉状部材の開閉を検知する開閉検知手段と、
    開扉された前記扉状部材と前記前面との角度である開放角度が予め定められた制限角度を超えているか否かを検知する開放検知手段と、
    前記開閉検知手段により前記扉状部材の開扉が検知されると、該扉状部材の開扉を報知する警報処理を開始する警報開始手段と、
    前記警報処理が行われている時に、前記開放検知手段により前記開放角度が前記制限角度を超えていること検知された後に、前記開閉検知手段により前記扉状部材の閉扉が検知されると、該警報処理を停止させる警報停止手段と、
    を備えることを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、
    前記警報停止手段は、前記開閉検知手段による検知結果と前記開放検知手段による検知結果とのうちの少なくとも一方に基づく1または複数の継続条件が成立した場合には、前記開放検知手段により前記開放角度が前記制限角度を超えていることが検知された後に、前記開閉検知手段により前記扉状部材の閉扉が検知されても、該警報処理を停止させないこと、
    を特徴とする遊技機。
  3. 請求項2に記載の遊技機において、
    前記開閉検知手段による検知結果と前記開放検知手段による検知結果とのうちの少なくとも一方に基づき、前記扉状部材の状態を判別する判別手段をさらに備え、
    前記継続条件とは、前記判別手段により判別された前記状態が継続した時間に基づく条件であること、
    を特徴とする遊技機。
  4. 請求項3に記載の遊技機において、
    前記判別手段は、前記開閉検知手段により前記扉状部材の開扉が検知された時の前記扉状部材の前記状態を、閉鎖解除状態として判別し、
    前記継続条件の一つは、前記閉鎖解除状態の継続時間が予め定められた時間に満たないという条件であること、
    を特徴とする遊技機。
  5. 請求項3または請求項4に記載の遊技機において、
    前記判別手段は、前記開放検知手段により前記開放角度が前記制限角度を超えていることが検知された時の前記扉状部材の前記状態を、開放状態として判別し、
    前記継続条件の一つは、前記開放状態の継続時間が予め定められた時間に満たないという条件であること、
    を特徴とする遊技機。
  6. 請求項3から請求項5のうちのいずれか1項に記載の遊技機において、
    前記判別手段は、前記開閉検知手段により前記扉状部材の開扉が検知され、なおかつ、前記開放検知手段により前記開放角度が前記制限角度を超えていないことが検知された時の前記扉状部材の前記状態を、開状態として判別し、
    前記継続条件の一つは、前記開状態の継続時間が予め定められた時間に達したという条件であること、
    を特徴とする遊技機。
  7. 請求項2に記載の遊技機において、
    前記開放検知手段による検知結果に基づき、前記開放角度が前記制限角度に満たない状態から、前記制限角度を超える状態に変化するよう前記扉状部材を操作する開放動作の発生回数をカウントするカウント手段と、
    前記警報処理を停止するか否かを決定するために用いられる警報停止回数をランダムに設定する設定手段と、
    前記開放検知手段により前記開放角度が前記制限角度を超えていることが検知された後に、前記警報停止回数を報知する報知手段と、
    をさらに備え、
    前記継続条件とは、前記開閉検知手段により前記扉状部材の開扉が検知された後に前記カウント手段によりカウントされた前記開放動作の発生回数と前記警報停止回数とに基づく条件であること、
    を特徴とする遊技機。
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