以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1に、本発明の一実施形態としてのパチンコ機10を示す。パチンコ機10は、機体の外郭を為す縦長の方形状に枠組みされた外枠12を備えており、かかる外枠12には、その一側において開閉自在に軸支された状態で、中枠14が組み付けられている。また、中枠14の表側には、中枠14に対して取り付けられた遊技盤16を透視保護するためのガラス板を備えたガラス枠18と、上皿20を備えた皿板22が、それぞれ、中枠14の一側に開閉自在に軸支された状態で組み付けられている。ここにおいて、ガラス枠18の前面の適当な箇所に、複数のLED23が設けられている。また、上皿20の下方には、下皿24が設けられており、かかる下皿24の右方には、発射ハンドル26が突設されている。そして、遊技者が発射ハンドル26に対して回動可能に装着された発射レバー28を回動操作することにより、上皿20に貯留された遊技球が球送り機構(図示せず)を介して、発射装置(図示せず)に送られた後、遊技盤16に形成された遊技領域30に向けて発射されるようになっている。
遊技盤16は、表面に合成樹脂製のシートが被着された遊技板を備えており、かかる遊技板の表面側には、レールセット31が固定されている。これにより、遊技盤16には、レールセット31によって囲まれた略円形の遊技領域30が形成されている。
そして、遊技領域30の略中央には、特別可動入賞装置としてのセンター役物32が設けられている。センター役物32は、図2にも示すように、全体として額縁形状を呈しており、中央に貫設された中央孔34よりも上側において入口としての大入賞口36が形成されている。そして、大入賞口36は、下端部分において一軸回りに回動可能に配された閉鎖部材としての扉状部材38の開閉作動によって開放されたり閉鎖されたりするようになっている。なお、大入賞口36内には、従来から公知の近接スイッチによって構成されたカウントスイッチ40が配設されている。
また、センター役物32における中央孔34の下側には、ステージ42が形成されており、かかるステージ42には、振分手段としての振分部材44が配設されている。振分部材44は、全体として円板形状を呈しており、その上面には、遊技球の転動方向を変化させるために、複数の突起46が適当な位置に設けられている。このような構造とされた振分部材44は、その中心軸線回りに回転可能な状態で配されている。そして、本実施形態では、ステッピングモータ等の電動モータと減速歯車列を含んで構成された駆動機構(図示せず)によって、振分部材44が一軸回りに回転せしめられるようになっている。
また、ステージ42の前方下側には、複数(本実施形態では、三つ)の排出口48,50,52が形成されており、特に本実施形態では、これら三つの排出口48,50,52のうち中央の排出口48がV入賞口54とされている一方、左右両端の排出口50,52がそれぞれ通常排出口56,58とされている。なお、V入賞口54と左右の通常排出口56,58のそれぞれの内部には、従来から公知の近接スイッチによって構成されたカウントスイッチ60,62,64が配設されている。
また、センター役物32におけるV入賞口54に近接する位置には、振動センサ65が設けられている。振動センサ65は、従来公知の振動センサであり、図示は省略するが、本実施形態においては、導電性の金属球が導電性のリング状の収容部材内に変位可能に配設されて、振動が入力された場合には、金属球が収容部材に対して接触離隔を繰り返すことによって、ON/OFFを繰り返すようになっている。
そして、開放された大入賞口36を通じてセンター役物32に入賞した遊技球は、中央孔34の周りに形成された誘導通路66を通ってステージ42へと誘導されるようになっており、このようにしてステージ42に誘導されてきた遊技球は、振分部材44によって振り分けられた後、三つの排出口48,50,52(V入賞口54と左右の通常排出口56,58)の何れかを通って遊技盤16の裏側に排出されるようになっている。
本実施形態において、誘導通路66は、中央孔34の上方において、中央孔34の両側(図2における左右方向)を回り込んで下方に延びる誘導通路66a,66bに分岐されており、これら誘導通路66a,66bが、それぞれ、ステージ42の幅方向両側に開口せしめられている。更に、一方の側(本実施形態においては、右側)の誘導通路66aは、その途中で分岐されており、それによって、一方の通路は遊技球をステージ42へと誘導するようになっているが、他方の通路はステージ42の前方下側に形成された三つの排出口48,50,52とは異なる途中排出口68へと誘導されるようになっている。そこにおいて、途中排出口68内には、従来から公知の近接スイッチによって構成されたカウントスイッチ70が配設されている。
上述の如き構造とされたセンター役物32は、遊技領域30の略中央部分に固定されるようになっている。また、遊技盤16に固定されたセンター役物32の後方には、表示装置としての液晶表示器72が配設されている。そして、液晶表示器72の表示画面がセンター役物32の中央孔34を通じて遊技者に視認可能とされる。
また、遊技領域30においてセンター役物32の左斜め下側には、始動入賞装置74が設けられている。かかる始動入賞装置74の内部には、従来から公知の近接スイッチによって構成された始動入賞スイッチ75(図3参照)が配設されている。また、始動入賞装置74の入口は遊技球が常時通過可能な大きさとされている。更にまた、遊技領域30においてセンター役物32の下側には、アタッカー76が設けられており、かかるアタッカー76の入賞口78は、下端部分において一軸回りに回動可能に配された扉80によって開閉されるようになっている。なお、アタッカー76の内部には、従来から公知の近接スイッチによって構成されたカウントスイッチ82(図3参照)が配設されている。
また、遊技領域30には、センター役物32や始動入賞装置74,アタッカー76が設けられた領域以外において、風車86や多数の遊技釘88等が設けられている。更にまた、遊技領域30の下端部分には、何れの入賞装置32,74,76にも入賞しなかった遊技球を遊技盤16の裏側に排出するアウト口90が形成されている。
このような構造とされたパチンコ機10は、遊技者が上皿20に遊技球を投入して発射レバー28を回動操作することによって、遊技球が遊技領域30内に発射されて、遊技領域30に設けられた風車86や遊技釘88に当たりながら落下するようになっている。
そして、遊技球が始動入賞装置74に入賞すると、液晶表示器72の表示画面において、図柄の変動表示が開始されて、所定時間経過後に、それら図柄が停止表示される。ここにおいて、本実施形態においては、当たり図柄として、大当たり図柄、小当たりA図柄、小当たりB図柄の3種類が用意されている。
そして、大当たり図柄が表示された場合には、8ラウンドの大当たり遊技状態が発生する。一方、小当たりA図柄乃至は小当たりB図柄が表示された場合には、大入賞口36が開放される。そして、大入賞口36に遊技球が入賞し、その遊技球がV入賞口54に入球すると、表示された図柄が小当たりA図柄であった場合には、15ラウンドの大当たり遊技状態が発生する一方、表示された図柄が小当たりB図柄であった場合には、3ラウンドの大当たり遊技状態が発生する。
これらの大当たり遊技状態においては、アタッカー76に設けられた入賞口78が所定時間に亘って開放される。そして、入賞口78に遊技球が入球せしめられると、所定数の賞球(遊技球)が払い出されるようになっている。そして、かかる入賞口78の所定時間に亘る1回の開放が大当たり遊技状態における1ラウンドとされており、前述のように、大当たり図柄が表示された場合にはかかるラウンドが8ラウンド、小当たりA図柄が表示されていた場合には15ラウンド、小当たりB図柄が表示されていた場合には3ラウンドの大当たり遊技が行なわれる。このように、大当たり遊技が発生された場合には、遊技者は、より多くの賞球を得ることが出来るようにされており、本実施形態においては、これら大当たり遊技が発生された状態が特典遊技状態とされると共に、かかる特典遊技状態を生ぜしめる始動入賞装置74およびV入賞口54が、特定の入賞口とされている。
そして、特に本実施形態におけるパチンコ機10は、例えば遊技者の不正行為などによって振動が入力されると、ホール管理者や遊技者に対する通知を行なうようにされている。具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、振動が20msに亘って連続して入力された場合に、パチンコ機10に接続された後述するホールコンピュータ111に対して、振動検出信号としての振動エラー信号を送信する第一の報知処理を行なうことによって、ホール管理者に対して、振動が入力されたことを通知する。更に、かかる20msに亘る振動が、200ms内に3回以上入力された場合には、パチンコ機10に設けられたスピーカ92(図3参照)によってエラー報知音が60秒間再生されると共に、パチンコ機10の各所に設けられたLED23を60秒間点滅表示する第二の報知処理を行なうことによって、遊技者に対して振動が入力されたことを通知して、振動を与えないように警告を与えるようにされている。
次に、上述の如き振動の検出と、第一および第二の報知処理を行なうための制御構造について説明する。本実施形態におけるパチンコ機10は、図3に示すように、始動入賞装置74に入賞した遊技球の抽選や、大入賞口36や入賞口78の開閉作動などの主に遊技に関する作動制御を行なう主制御基板94と、主制御基板94からの制御信号に基づいて、液晶表示器72やLED23、スピーカ92などの主に演出に関する作動制御を行なうサブ制御基板96を含んで構成されている。これら主制御基板94およびサブ制御基板96は、それぞれ、基板ケースに収容された状態でパチンコ機10の裏側に取り付けられるようになっている。
主制御基板94には、制御プログラムに従って各種制御処理を実行する主制御CPU98と、制御プログラムや各種制御処理に必要なデータ等が記憶された主制御ROM100と、各種処理データ等を記憶する主制御RAM102と、入出力回路104(I/O)等が設けられており、これらはバスにより相互に接続されている。また、主制御CPU98には、クロック信号を出力するクロック回路106が接続されており、所定周期(例えば、本実施形態においては、4ms)ごとにクロック信号が入力されるようになっている。
更にまた、入出力回路104には、始動入賞スイッチ75,各種カウントスイッチ40,60,62,64,70,82,センター役物32に設けられた扉状部材38を開閉作動するためのソレノイド108,アタッカー76に設けられた扉80を開閉作動するためのソレノイド110,振動センサ65、ホールコンピュータ111、サブ制御基板96等が接続されている。
そして、図4に示すように、主制御RAM102には、振動センサ65がONである回数を計測するための振動検知カウンタ112が設けられている。振動検知カウンタ112は、クロック回路106から入力されるクロック信号によって行なわれる割り込み処理毎に、振動センサ65がONである場合に初期値「0」から「1」ずつ加算されて、割り込み処理において振動センサ65がOFFであった場合に「0」に戻って加算される。
一方、サブ制御基板96には、制御プログラムに従って各種制御処理を実行するサブ制御CPU114と、制御プログラムや各種制御処理に必要なデータ等が記憶されたサブ制御ROM116と、各種処理データ等を記憶するサブ制御RAM118と、入出力回路120(I/O)、サブ制御CPU114から送信されてきたコマンドを受信して、液晶表示器72の表示画面に画像を加工して表示するVDP122、各図柄の停止候補図柄のデータや予告演出キャラクタのデータ等が格納されているキャラクタROM124,液晶表示器72の表示画面に表示する画像を加工する際に使用される作業RAM126等が設けられている。そして、サブ制御CPU114,サブ制御ROM116,サブ制御RAM118,入出力回路120,VDP122は、バス線によって相互に接続されている。また、VDP122,キャラクタROM124,作業RAM126は、バス線によって相互に接続されている。更にまた、サブ制御CPU114には、クロック信号を出力するクロック回路128が接続されており、所定周期(例えば、本実施形態においては、10ms)ごとにクロック信号が入力されるようになっている。
更にまた、入出力回路120には、複数のスピーカ92および複数のLED23が接続される。また、VDP122には、液晶表示器72が接続される。
そして、図5に示すように、サブ制御RAM118には、各種のカウンタやフラグが設けられている。なお、以下の説明においてフラグとは、「0」か「1」の何れか一方の値が格納されるものであり、「フラグをONにする」とは、フラグに「1」を格納することを示し、「フラグをOFFにする」とは、フラグに「0」を格納することを示すものとする。
振動エラーカウンタ132は、主制御基板94から振動エラーコマンドを受信した回数を計測するためのカウンタであって、初期値「0」から、主制御基板94から振動エラーコマンドを受信する度に「1」ずつ加算され、所定時間毎(本実施形態においては、略200ms毎)に初期値「0」に戻って加算される。
振動検知タイマカウンタ134は、振動エラーコマンドの受信回数を計測する時間範囲を計測するためのカウンタであって、クロック回路128から入力されるクロック信号に基づいて初期値「0」から「1」ずつ加算される。ここにおいて、振動検知タイマカウンタ134の最大値としては、振動エラーコマンド受信回数の計測期間に対応する値が設定されており、振動検知タイマカウンタ134は、かかる最大値を超えた場合に「0」に戻されるようになっている。本実施形態においては、振動エラーコマンド受信回数の計測期間が略200msとされると共に、クロック信号の周期が10msとされていることから、振動検知タイマカウンタ134の最大値は「20」(200ms÷10ms)とされており、振動検知タイマカウンタ134は、最大値「20」を超えた段階で、初期値「0」に戻されるようになっている。
エラー報知フラグ136は、第二の報知処理を実施中か否かを示すフラグであり、「ON」である場合には第二の報知処理を実施中であることを示す一方、「OFF」である場合には第二の報知処理を実施中でないことを示す。
エラー報知タイマカウンタ138は、第二の報知処理が開始されてからの経過時間を計測するためのカウンタであり、クロック回路128から入力されるクロック信号に基づいて初期値「0」から「1」ずつ加算される。ここにおいて、エラー報知タイマカウンタ138の最大値としては、第二の報知処理の実行時間に対応する値が設定されており、エラー報知タイマカウンタ138は、かかる最大値を超えた場合に「0」に戻されるようになっている。本実施形態においては、第二の報知処理の実行時間が略60sとされており、クロック信号の周期が10msとされていることから、エラー報知タイマカウンタ138の最大値は「6000」(60000ms÷10ms)とされており、エラー報知タイマカウンタ138は、最大値「6000」を超えた段階で、初期値「0」に戻されるようになっている。
次に、図6に、主制御CPU98およびサブ制御CPU114が実施する振動の判定および報知処理の概要を示す。図6に示すように、振動が加えられて、主制御CPU98によるチェック時に振動センサ65がONである場合、主制御RAM102における振動検知カウンタ112が「1」加算される。ここにおいて、振動検知カウンタ112は、振動センサ65がOFFの場合には「0」に戻される。そして、略20msの間に、振動検知カウンタ112が「5」に達した場合、換言すれば、振動センサ65が5回のチェックにおいて連続してONであった場合には、主制御CPU98は第一の報知処理として、本実施形態においてはホールコンピュータ111に振動検出信号としての振動エラー信号を出力すると共に、サブ制御基板96に対して、振動エラーコマンドを出力する。
サブ制御CPU114は、振動エラーコマンドを受信した場合には、振動エラーカウンタ132を1加算する。そして、略200msの間に、振動エラーカウンタ132が「3」に達した場合、換言すれば、振動エラーコマンドを3回受信した場合には、サブ制御CPU114は、第二の報知処理を実行する。本実施形態においては、第二の報知処理として、スピーカ92からエラー報知音を再生すると共に、LED23を点滅せしめる。かかる第二の報知処理は、本実施形態においては、60秒間行われる。
次に、このような振動の判定および報知処理を実現するために、主制御CPU98が実行する制御処理を、図7に基づいて説明する。先ず、主制御CPU98は、ステップ(以下、Sとする)1において、遊技制御処理を実行する。遊技制御処理は、パチンコ機の遊技に関する制御処理であり、例えば始動入賞装置74への遊技球の入球の検出およびそれに基づく抽選処理や、かかる抽選結果に基づく大入賞口36および入賞口78等の作動制御等を行うものであって、かかる遊技制御処理としては、パチンコ機における各種の遊技制御処理が適宜に採用可能である。
そして、主制御CPU98は、S2において、振動センサ65がONか否かをチェックする。振動センサ65がONである場合(S2:YES)には、主制御CPU98は、S3において、振動検知カウンタ112を「1」加算した後に、S5以降の処理を実行する一方、振動センサ65がONでない場合(S2:NO)には、S4において、振動検知カウンタ112を「0」に戻した後に、S5以降の処理を実行する。
次に、主制御CPU98は、S5において、振動検知カウンタ112が4より大きいか否かを判定する。振動検知カウンタ112が4より大きくない場合(S5:NO)には、主制御CPU98は、S9の処理を実行する。一方、振動検知カウンタ112が4より大きい場合(S5:YES)には、主制御CPU98は、第一の振動入力であると判定して、S6において、振動検知カウンタ112を「0」に戻し、S7において、第一の報知処理として、入出力回路104からホールコンピュータ111に対して振動検出信号としての振動エラー信号を出力する。そして、ホールコンピュータ111は、ホール管理者が監視するモニタ上にパチンコ機10において第一の振動入力と判定された旨を表示したり、ホール内に設けられた監視カメラによってパチンコ機10の遊技者を撮影したりする。このように、本実施形態においては、振動検知カウンタ112およびS5を含んで第一の振動判定手段が構成されていると共に、S7を含んで検出信号出力手段および第一の報知手段が構成されている。続いて、主制御CPU98は、S8において、入出力回路104から、サブ制御基板96に対して振動エラーコマンドを送信した後に、S9の処理を実行する。そして、主制御CPU98は、S9において、次のタイマ割り込みが生じるまで待機して、タイマ割り込みが発生した場合には、再びS1からの処理を実行する。
次に、サブ制御CPU114が実行する処理を、図8に基づいて説明する。先ず、サブ制御CPU114は、S20において、演出制御処理を実行する。演出制御処理は、パチンコ機の演出に関する制御処理であり、液晶表示器72に各種の演出画像を表示したり、スピーカ92やLED23の作動制御等を行うものであって、かかる演出制御処理としては、パチンコ機における各種の演出制御処理が適宜に採用可能である。
そして、サブ制御CPU114は、S21において、振動エラーコマンドを受信したか否かを判定し、振動エラーコマンドを受信していない場合(S21:NO)には、S23以降の処理を実行する一方、振動エラーコマンドを受信している場合(S21:YES)には、S22において、振動エラーカウンタ132を「1」加算する。このように、本実施形態においては、振動エラーカウンタ132およびS22を含んで、第一の振動入力回数計測手段が構成されている。続いて、サブ制御CPU114は、S23において、振動検知タイマカウンタ134の値が「20」より大きいか否かを判定し、振動検知タイマカウンタ134の値が「20」より大きくない場合(S23:NO)には、S24において、振動検知タイマカウンタ134を「1」加算した後に、S29以降の処理を実行する一方、振動検知タイマカウンタ134の値が「20」より大きい場合(S23:YES)には、S25において、振動検知タイマカウンタ134を「0」に戻し、S26において、振動エラーカウンタ132の値が「2」より大きいか否かを判定する。
振動エラーカウンタ132の値が「2」より大きくない場合(S26:NO)には、サブ制御CPU114は、S28以降の処理を実行する一方、振動エラーカウンタ132の値が「2」より大きい場合(S26:YES)には、第二の振動入力であると判定して、S27において、振動検知エラー処理を実行する。このように、本実施形態においては、振動検知タイマカウンタ134、振動エラーカウンタ132、およびS23、S26を含んで、第二の振動判定手段が構成されている。
図9に、振動エラー処理を示す。先ず、サブ制御CPU114は、S40において、エラー報知フラグ136がONか否かを判定する。エラー報知フラグ136がONでない場合(S40:NO)には、サブ制御CPU114は、S41において、エラー報知フラグ136をONにする。続いて、サブ制御CPU114は、S42において、第二の報知処理としてスピーカ92によってエラー報知音のループ再生を開始した後に、S43において、同じく第二の報知処理としてLED23の点滅作動を開始する。これらスピーカ92からのエラー報知音の再生と、LED23の点滅作動は遊技者に認識可能であり、これら第二の報知処理を行なうことによって、遊技者に対して警告を与えることが出来る。なお、LED23の点滅作動は、パチンコ機に設けられる複数のLED23のうちの何れかにおいて実行しても良いが、遊技者により明確に認識させるために、パチンコ機10に設けられた全てのLED23を点滅作動せしめることがより好ましい。
一方、エラー報知フラグ136がONである場合(S40:YES)には、第二の報知処理が既に実行中であることから、サブ制御CPU114は、S44において、エラー報知タイマカウンタ138のカウンタ値を「0」に戻すことによって、第二の報知処理の経過時間をリセットする。これにより、既に第二の報知処理が行なわれていた場合でも、S44が実行された時点から改めて第二の報知処理の経過時間の計測が開始されることから、S44が実行されて所定時間(本実施形態においては、略60s)が経過するまで、第二の報知処理が継続して実行されることになる。
このように、本実施形態においては、振動検知エラー処理(S27、図8参照)を含んで第二の報知手段が構成されている。そして、振動検知エラー処理(S27)を終了した後、或いは、振動エラーカウンタ132のカウンタ値が「2」より大きくない場合(S26:NO)には、サブ制御CPU114は、S28において、振動エラーカウンタ132を「0」に戻す。
続いて、サブ制御CPU114は、S29において、エラー報知フラグ136がONか否かを判定し、エラー報知フラグ136がONでない場合(S29:NO)には、S36の処理を実行する。一方、エラー報知フラグ136がONである場合(S29:YES)には、サブ制御CPU114は、S30において、エラー報知タイマカウンタ138を「1」加算した後に、S31において、エラー報知タイマカウンタ138が「6000」より大きいか否か、即ち、第二の報知処理を開始してから60sが経過したか否かを判定する。
エラー報知タイマカウンタ138が「6000」より大きくない場合(S31:NO)には、サブ制御CPU114は、S36の処理を実行する一方、エラー報知タイマカウンタ138が「6000」より大きい場合(S31:YES)には、S32において、エラー報知タイマカウンタ138を「0」に戻し、S33において、スピーカ92によって出力されているエラー報知音の再生を停止した後に、S34において、LED23の点滅作動を停止する。そして、サブ制御CPU114は、S35において、エラー報知フラグ136をOFFにする。
続いて、サブ制御CPU114は、S36において、次のタイマ割り込みが生じるまで待機して、タイマ割り込みが発生した場合には、再びS20からの処理を実行する。
このような構造とされたパチンコ機10においては、略20msに亘って連続する振動が検出された場合には、S7(図7参照)において、第一の報知処理として、ホールコンピュータ111に振動エラー信号が出力される。これにより、ホール管理者は、パチンコ機10に振動が加えられていることを認識することが出来て、不正行為が行なわれる可能性があることを把握することが出来る。一方、遊技者本人やその周囲の遊技者には、ホールコンピュータ111延いてはホール管理者に通知がなされたことは認識不可能であることから、遊技者は通常どおりの遊技を行なうことが出来て、遊技者に不快感を与えることも防止され得る。
一方、そのような略20msに亘って連続する振動が、略200msの間で3回以上検出された場合には、第二の報知処理として、S42(図7参照)においてエラー報知音が再生されると共に、S43において、LED23の点滅表示が開始される。これにより、遊技者に対して警告を与えることが出来て、不正行為を防止することが出来る。
さらに、特に本実施形態においては、振動センサ65が、V入賞口54の近傍に配設されている。これにより、不正行為が加えられ易いV入賞口54に加えられた振動を有効に検出することが可能とされている。
なお、上述の第一の実施形態においては、第一の振動入力回数計測手段(S22)や、第二の振動入力と判定する第二の振動判定手段(S23,26)をサブ制御基板96に設けることによって、主制御基板94の処理の負荷が軽減されているが、例えば、以下に示す第二の実施形態のように、これら第一の振動入力回数計測手段や第二の振動判定手段を主制御基板94に設けることも、勿論可能である。なお、第二の実施形態は、前述の第一の実施形態としてのパチンコ機10における主制御RAM102およびサブ制御RAM118の構成と、図7および図8に示した制御処理の一部を変更するのみで容易に実現可能であることから、以下の説明において、前述の第一の実施形態と略同様の構造とされた構成および処理内容については、第一の実施形態と同様の符号を付することによって、詳細な説明を省略する。
第二の実施形態における主制御RAM102には、図10に示すように、前記第一の実施形態においてサブ制御RAM118に設けられていた振動エラーカウンタ132および振動検知タイマカウンタ134と略同様の振動エラーカウンタ140および振動検知タイマカウンタ142が設けられている。一方、本実施形態におけるサブ制御RAM118は、図11に示すように、第一の実施形態における振動エラーカウンタ132および振動検知タイマカウンタ134が省略されて、エラー報知フラグ136およびエラー報知タイマカウンタ138を備えた構造とされている。
ここにおいて、振動エラーカウンタ140、振動検知タイマカウンタ142は、前述の第一の実施形態における振動エラーカウンタ132および振動検知タイマカウンタ142と略同様のものであるが、振動検知タイマカウンタ142の最大値は、主制御CPU98の割り込みの周期が4msとされていることから、略200msの時間の計測を行なうために、振動検知タイマカウンタ142の最大値は「50」(200ms÷4ms)とされている。
そして、本実施形態における主制御CPU98は、図12に示す制御処理を実行する。ここにおいて、図12および後述する図13に示す制御処理は、前述の第一の実施形態における制御処理(図7および図8参照)と略同様の処理内容であることから、以下の説明においては、第一の実施形態と異なる処理内容のみを説明し、第一の実施形態と同様の処理内容については、図中に、第一の実施形態と同様のステップ番号を付することによって、その詳細な説明を省略する。
主制御CPU98は、S5において、振動検知カウンタ112のカウンタ値が「4」より大きくなった場合には、S7において、入出力回路104からホールコンピュータ111に対して振動エラー信号を出力する第一の報知処理を実行した後に、S50において、振動エラーカウンタ140を「1」加算する。
続いて、主制御CPU98は、S51以降の処理を実行する。なお、S51以降の処理は、第一の実施形態においてサブ制御CPU114が実行するS23以降の処理(図8参照)に略対応するものであり、所定時間(本実施形態においては、略200ms)内に振動エラーカウンタ140の値が「2」より大きくなった場合、換言すれば、略200ms内に第一の振動入力と3回以上判定された場合に、サブ制御基板96に対して振動エラーコマンドを送信して、サブ制御基板96において、第二の報知処理を行なわせるものである。
先ず、主制御CPU98は、S51において、振動検知タイマカウンタ142の値が「50」より大きいか否かを判定し、振動検知タイマカウンタ142の値が「50」より大きくない場合(S51:NO)には、S52において、振動検知タイマカウンタ142を「1」加算した後に、S9の処理を実行する一方、振動検知タイマカウンタ142の値が「50」より大きい場合(S51:YES)には、S53において、振動検知タイマカウンタ142を「0」に戻し、S54において、振動エラーカウンタ140の値が「2」より大きいか否かを判定する。
振動エラーカウンタ140の値が2より大きくない場合(S54:NO)には、主制御CPU98は、S56以降の処理を実行する一方、振動エラーカウンタ140の値が「2」より大きい場合(S54:YES)には、S55において、入出力回路104から、サブ制御基板96に対して、振動エラーコマンドを送信する。そして、主制御CPU98は、S56において、振動エラーカウンタ140の値を「0」に戻した後に、S9において、次の割り込みまで待機する。
一方、サブ制御CPU114は、図13に示す制御処理を実行する。図13に示す制御処理は、第一の実施形態におけるサブ制御CPU114の制御処理(図8参照)におけるS23乃至S28の処理を省略すると共に、第一の実施形態におけるS22の代わりに、S27の振動検知エラー処理を実行するものである。
具体的には、本実施形態においては、主制御基板94において第二の振動入力と判定された時点で、サブ制御基板96に振動エラーコマンドが送信されることから、サブ制御CPU114は、振動エラーコマンドを受信した場合(S21:YES)には、S27において、振動検知エラー処理を実行して、第二の報知処理を開始した後に、S29以降の処理を実行する。なお、振動検知エラー処理(S27)は、前述の第一の実施形態に示した振動検知エラー処理(図9参照)と同様のものである。
このような構造によっても、前述の第一の実施形態と同様の振動の判定処理および報知処理を行なうことが出来る。更に、本実施形態のように、不正な振動とされる第二の振動入力の判定までを主制御基板94で行なうようにすれば、第二の振動入力と判定した場合には、パチンコ機10の遊技処理を停止して、遊技を継続不能にすることなども可能である。そのような処理は、例えば、図12におけるS55において、サブ制御基板96に振動エラーコマンドを送信する代わりに、遊技処理を停止することによって容易に実現可能である。
なお、振動検出および報知処理を、主制御基板94を用いることなく、サブ制御基板96のみによって行なうことも可能である。図示は省略するが、サブ制御基板96のみによって振動検出および報知を行なう場合には、例えば、振動センサ65を、サブ制御基板96に接続すると共に、第二の実施形態において主制御RAM102に設けられた振動検知カウンタ112、振動エラーカウンタ140、振動検知タイマカウンタ142(図10参照)を、全てサブ制御RAM118に設ける。そして、第二の実施形態において主制御CPU98が行なう制御処理(図12参照)をサブ制御CPU114で実行すると共に、S55において、即ち、振動エラーカウンタ140が「2」より大きくなった場合、換言すれば、所定時間内に3回以上第一の振動と判定した場合に、振動検知エラー処理(S27、図13参照)を実行する。更に、S52乃至はS56の実行後に、図13におけるS29乃至S35の処理を実行すれば良い。このようにすれば、振動の検出および判定から報知までの処理を全てサブ制御基板96で行なえることから、主制御CPU98の負荷を軽減することが出来る。
以上、本発明の幾つかの実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、第一の報知処理として、パチンコ機10の前面等の適当な部位に、遊技者に視認困難な小さなLEDなどを設けて、第一の振動判定時には、かかるLEDを所定時間点灯乃至は点滅せしめることによって、ホール管理者に通知する等しても良い。このようにすれば、ホールコンピュータなどを用いることなく、第一の振動入力をホール管理者に報知することが出来る。なお、このようなLEDは、遊技者にも視認可能とされることとなるが、その点灯の意味は遊技者には周知されていないことから、実質的には、ホール管理者にのみ認識可能なものと言える。
また、第二の報知処理として、例えば前述の第一の実施形態のように、液晶表示器を備えたパチンコ機であれば、その表示画面上に、「パチンコ機を揺らさないでください」などの警告メッセージを表示する等しても良い。加えて、第二の報知処理の際に、再度ホールコンピュータへ振動検出信号を送信することによって、第二の振動入力をホール管理者に報知する等しても良い。
更にまた、第二の振動入力の判定および報知を、特定の遊技状態中における所定の時間内にのみ許容する、第二の振動入力判定許容手段を備える等しても良い。例えば、前述の第二の実施形態において、センター役物32の大入賞口36が開放されて、大入賞口36に入った遊技球がV入賞口54に入るまでの間のみ第二の振動入力の判定を行なう等しても良い。このようにすれば、不正行為を有効に検出しつつ、誤検出のおそれをより有効に低減することが出来る。即ち、所謂2種のパチンコ機においては、センター役物32に入球した遊技球が、センター役物32内に設けられたV入賞口54に入球した場合に、遊技者に有利な特典遊技状態が生ぜしめられるようにされている。それ故、遊技球がセンター役物32に入球して、V入賞口54に接近した瞬間に、パチンコ機に振動を与えて遊技球を無理にV入賞口54に入球させる不正行為が行なわれることが多い。そこで、不正行為が行なわれ易いタイミングである、大入賞口36が開放されて、大入賞口36に入った遊技球がV入賞口54に入るまでの期間に限定して不正行為を監視することによって、大入賞口36が閉じている間に誤検出が発生するようなおそれを軽減しつつ、不正行為を有効に検出することが可能となるのである。かかる制御を実現する第二の振動入力判定許容手段としては、例えば、前述の第二の実施形態において、主制御RAM102に、大入賞口36が開放された時点からONとされて、大入賞口36が閉じられた後も遊技球が大入賞口36に入ってからV入賞口54に到達すると予想される時間まで引き続いてONとされる判定許容フラグを設けると共に、振動エラーカウンタ140のカウンタ値が「2」より大きくなった場合(S54:YES,図12参照)には、S55の前に、判定許容フラグがONであるか否かをチェックして、判定許容フラグがONである場合のみS55の処理を実行する判断処理を追加することによって実現することが出来る。
さらに、第二の振動入力と判定した場合には、入賞口への入球を一定時間無効にすることなども可能である。このような処理を行なうためには、例えば、前述の第二の実施形態において、主制御RAM102に、入球を無効とする場合にONとされる入球無効フラグを設けると共に、振動エラーカウンタ140のカウンタ値が「2」より大きくなった場合(S54:YESでS55の前乃至は後)に、かかる入球無効フラグをONにする処理を追加する。そして、V入賞口54などへの入球時には、入球無効フラグの状態を確認し、入球無効フラグがONである場合には、かかる入球に基づく処理を実行しないようにすることによって、容易に実現可能である。なお、そのような入球無効フラグを所定時間経過後に元に戻すには、主制御RAM102において、割り込みごとに「1」ずつ加算されるタイマカウンタを設けて、かかるタイマカウンタが所定時間に相当する値に到達した時点で、入球無効フラグを元に戻せばよい。
更にまた、前述の第一および第二の実施形態においては、第一の振動判定手段が第一の振動入力であると判定することとなる、振動センサが所定時間に亘って振動を検出した場合として、振動センサ65が5回の割り込み処理で連続してONである場合としていた(図7および図12のS2〜S5参照)が、例えば、振動センサが所定時間に亘って振動を検出した場合の異なる具体例として、前述の第二の振動入力の判定方法と略同様に、所定時間内に振動センサ65が所定回数以上ONであった場合とする等しても良い。このような処理は、例えば、主制御RAM102に、割り込みごとに「1」ずつ加算されるタイマカウンタを設ける。そして、前述の図7におけるS4で振動検知カウンタ112をリセットする処理を省略すると共に、タイマカウンタが所定時間(例えば、前述の実施形態における第一の振動入力の計測期間である20ms)に相当する値に到達した時点で、振動検知カウンタ112が所定値(例えば、「5」)以上である場合には、第一の振動入力と判定して、第一の報知処理を行ない、その後、振動検知カウンタ112をリセットすること等によって実現することが出来る。
また、前述の各実施形態における第一の振動入力の判定回数(前記各実施形態においては、3回)や、かかる判定回数を計測する所定時間(前記各実施形態においては、略200ms)、第二の報知処理の実行時間(前記各実施形態においては、略60s)などの具体的な値はあくまでも例示であって、パチンコ機に加えられる振動の大きさやパチンコ機において行なわれる遊技の内容等を考慮して適宜に調節することが可能であるし、更には、これらの値は、必ずしも一定とされる必要はなく、例えば複数の値を予め設定して、遊技状態等に応じて動的に変更設定可能とする等しても良い。
更にまた、振動センサを複数設ける等しても良い。そのような場合には、それら複数の振動センサによって検出される振動入力の回数を一括して計測して第一の振動入力を判定する等しても良いし、或いは、各振動センサ毎に個別にカウンタを設けて、何れかの振動センサによる第一の振動入力判定が所定時間内に所定数に達した場合に、第二の報知処理を実行する等しても良い。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。