本発明に係る遊技機の形態について説明する。なお、本発明に係る遊技機の各種の概念的な構成について説明した後に、本発明に係る遊技機の各種の具体的な構成について説明する。
〔概念的な構成〕
本発明に係る遊技機は、参加型演出における参加期間を含む参加管理期間内の遊技進行状態と前記参加管理期間と異なる非参加管理期間内の遊技進行状態とを識別する遊技進行状態識別手段と、振動を検出する振動検出手段と、参加型演出を含む複数種類の演出を表出する演出表出手段と、演出表出手段による複数種類の演出を制御する演出制御手段と、遊技者による参加操作を検出する演出参加手段とを含んでいる。遊技進行状態識別手段は、複数種類の遊技進行状態のうちいずれの遊技進行状態であるかを判断する。振動検出手段としては、例えば、検出子の基準位置からの位置ズレを検出する手段、検出子の移動の速度を検出する手段、検出子の移動の加速度を検出する手段が挙げられる。演出表出手段としては、例えば、画像による演出を出力する画像表示装置、発光による演出を出力する発光装置及び音響による演出を出力する音響装置が挙げられる。演出参加手段としては、例えば、ボタンスイッチ、レバースイッチ、ハンドルスイッチ、タッチパネルが挙げられる。
本発明に係る遊技機は、更に、振動判定情報を更新する振動判定情報更新手段を含んでおり、振動判定情報更新手段は、振動検出手段による振動の検出に基づいて、所定の基準値から離れる方向にずれた値に振動判定情報を更新する。ここで、「振動検出手段による振動の検出に基づいて」には、振動検出手段からの振動を検出していることを表す生信号(振動センサ信号)そのものの出力状態に応じる場合及びその出力状態のフィルタリングの結果に応じる場合を含意している。なお、フィルタリングとは、ノイズ等による振動の誤検出を防止するために、生信号の複数回の定期的な検出によってその検出パターンが所定のパターンである場合に振動と検知することを意味する。フィルタリングは、ハードウェア的なフィルタリングであってもよいし、ソフトウェア的なフィルタリングであってもよい。また、「所定の基準値から離れる方向にずれた値」とは、更新後の振動判定情報と基準値との差分絶対値が更新前の振動判定情報と基準値との差分絶対値よりも大きいという条件を満たす値を意味する。
振動判定情報更新手段は、振動検出手段による振動の検出に基づいて、所定の基準値から離れる方向にずれた値に振動判定情報を更新し、振動判定情報が基準値と異なる値である場合における振動検出手段による振動の非検出に基づいて、基準値に復帰する方向にずれた値に振動判定情報を更新する。ここで、「振動検出手段による振動の検出に基づいて」には、振動検出手段からの振動を検出していることを表す生信号(振動センサ信号)そのものの出力状態に応じる場合及びその出力状態のフィルタリングの結果に応じる場合を含意している。同様に、「振動検出手段による振動の非検出に基づいて」には、振動検出手段からの振動を検出していないことを表す生信号そのものの出力状態に応じる場合、及び、その出力状態のフィルタリングの結果に応じる場合を含意している。なお、フィルタリングとは、ノイズ等による振動の誤検出を防止するために、生信号の複数回の定期的な検出によってその検出パターンが所定のパターンである場合に振動と検知することを意味する。フィルタリングは、ハードウェア的なフィルタリングであってもよいし、ソフトウェア的なフィルタリングであってもよい。また、「所定の基準値から離れる方向にずれた値」とは、更新後の振動判定情報と基準値との差分絶対値が更新前の振動判定情報と基準値との差分絶対値よりも大きいという条件を満たす値を意味する。同様に、「基準値に復帰する方向にずれた値」とは、更新後の振動判定情報と基準値との差分絶対値が更新前の振動判定情報と基準値との差分絶対値よりも小さいという条件を満たす値を意味する。
振動判定情報更新手段による振動強度推定情報の更新形態としては、例えば、振動判定情報を、振動の検出に基づいて増加させ、振動の非検出に基づいて減少させる形態や、その逆に、振動の検出に基づいて減少させ、振動の非検出に基づいて増加させる形態が挙げられる。また、更新形態としては、例えば、「0」を基準値として、振動判定情報を振動の検出に応じて増加させ、振動の非検出に応じて減少させる形態、「0」以外の値(例えば、「−256」や「−128」)を基準値として、振動判定情報を振動の検出に応じて増加させ、振動の非検出に応じて減少させる形態、「0」を基準値として、振動判定情報を振動の検出に応じて減少させ、振動の非検出に応じて増加させる形態、「0」以外の値(例えば、「255」や「127」)を基準値として、振動判定情報を振動の検出に応じて減少させ、振動の非検出に応じて増加させる形態が挙げられる。
異常振動判定手段は、振動判定情報が振動判定情報更新手段における更新により基準値と所定の異常振動閾値との間の許容振動範囲と異なる値となった場合に異常振動と判定する。ここで、「基準値と所定の異常振動閾値との間の許容振動範囲」とは、基準値及び異常振動閾値の双方を含む範囲、基準値及び異常振動閾値の少なくとも一方を含まない範囲を含意している。また、「許容振動範囲と異なる値となった場合」とは、振動判定情報が、振動判定情報更新手段における一回の更新によって、許容振動範囲内の値から許容振動範囲外の値に変化する場合及び許容振動範囲外の値である場合を含意している。
振動判定情報更新手段は、遊技進行状態識別手段による遊技進行状態の識別に基づいて、振動検出手段による振動の検出に基づく振動判定情報の更新量と振動検出手段による振動の非検出に基づく前記振動判定情報の更新量との差分更新量を異ならせる。ここで、「差分更新量」とは、振動検出手段による振動検出時に対応する振動判定情報の更新量から振動検出手段による振動非検出時に対応する更新量を減じた更新量の差を意味する。
振動判定情報が振動の検出に応じて増加し、振動の非検出に応じて減少する構成の場合には、振動検出時に対応する更新量から振動非検出時に対応する更新量を減じた差分更新量が大きければ、振動の検知精度が高く、検知速度が大きくなる。一方、逆に、振動判定情報が振動の検出に応じて減少し、振動の非検出に応じて増加する構成の場合には、振動検出時に対応する更新量から振動非検出時に対応する更新量を減じた差分更新量が大きければ、振動の検知精度が高く、検知速度が大きくなる。
本発明に係る遊技機であれば、振動検出手段により振動が検出されている場合には振動判定情報が増加して振動検出手段により振動が検出されていない場合には振動判定情報が減少すること、又は、その逆に、振動検出手段により振動が検出されている場合には振動判定情報が減少して振動検出手段により振動が検出されていない場合には振動判定情報が増加することと、振動判定情報が基準値に到達した場合には振動判定情報が更新されないこととによって、振動判定情報を自己整合的に基準値にリセットできると共に通常時には基準値に維持できる。したがって、許容振動が繰り返し発生したとしても振動判定情報が積算されることを抑制でき、許容振動の繰り返しに基づいて許容範囲を外れるような異常振動であると誤検知されることを抑制できる。また、従来のようにリセット時期を決定するタイマ等を設ける必要がなく、遊技機の構成及び過剰振動の検知の制御が複雑化されることを抑制できる。また、短期間に連続して複数の振動が加えられる場合、つまり、前回の振動が完全に収束する前に次の振動が加えられるような不正目的である可能性が高い場合において、2回目以降の振動において振動判定情報が強制的にリセットされることがなく、また、振動判定情報の更新が連続的に再開されるために、連続した振動であっても良好に検知できる。
更に、振動が検出されている場合と振動が検出されていない場合の振動判定情報の差分更新量を遊技進行状態の相違に応じて変化させることによって、振動の検知感度や検知速度を変化できるために、各種の遊技進行状態に対して個別に異常振動の検知方法を最適化できる。これによって、不正行為の検知精度に対する遊技進行状態の依存性が低減する。
一般的に、オン状態のデジタル信号の出力時間で判断する場合には、一回の振動に伴ってオン状態のデジタル信号が間欠的に出力されるためにその終了のタイミングを検知することは困難であるために、オン状態のデジタル信号が出力されてからの所定の期間が設定されており、その期間内においてデジタル信号がオン状態であった時間(定期的な監視による検出回数)を逐次に加算し、その累積値が所定の値を超えた場合に強い振動であると判断している。なお、その所定の期間の終了時に累積値はリセットされる。このようなリセットを行わなければ、微小な振動が断続的に複数回加えられた場合であってもそれらが全て加算され、その結果、誤って強い振動であると判断してしまうからである。このような複数回の微小な振動の蓄積によって強い振動であると誤検知されてしまうことを抑制するためには、微小な振動である場合にはオン状態のデジタル信号が出力されないように振動検出手段におけるオン状態の判定を厳しくすることも考えられるが、厳しくするとオン状態のデジタル信号の累積出力時間と振動強度との相関が更に希薄になり、その結果、振動強度の推定精度が低下することともなる。したがって、デジタル信号に基づいた振動強度の判定において、一回の振動の開始を検知すると共にオン状態のデジタル信号の累積出力時間をリセットする構成に比べて、別途のソフトウェアタイマやハードウェアタイマの制御を行う必要がなく、少なくとも制御負担を低減できる。
また、特に強い振動の場合には一回の振動に伴って間欠的にオン状態のデジタル信号が出力され、その出力パターンは、振動の開始された直後の初期段階において振動の収束していく後期段階よりもオン状態の期間が短くなる傾向があり、またオフ状態の期間の間隔も短くなる傾向がある。したがって、オン状態のデジタル信号の累積出力時間によって振動強度を良好に推定するためには、一回の振動の開始から終了までの全期間にわたる累積出力時間を測定することが好ましい。これにより、累積出力時間をリセットするまでの期間に依存せずにオン状態のデジタル信号の累積出力時間と振動強度との相関が算定できるために、振動強度の推測精度が低下することともなる。
また、一回の振動に伴って間欠的にオン状態のデジタル信号が出力されるために、連続的に故意の振動が与えられた場合には、各回の振動の開始の検知精度が低下する場合もある。例えば、短期間における連続した加振(2度突き)による2回目の振動で遊技球を所定の入賞口等に不正に誘導した場合、1回目の振動は強い振動であると判断されるが、2回目の振動に対しては、その途中で一旦累積出力時間が一旦リセットされてしまい、最終的に弱い振動であると判定されることも抑制できる。
また、一般的には、演出参加手段は、遊技機への振動が小さくなるように、外枠に対して遊技機本体を開閉自在に支持するヒンジの近傍や内枠セットに対して背面枠セットを開閉自在に支持する近傍に配置したり、振動を小さくできる特殊な構造の装置を採用したりする必要があったが、本発明であれば、そのような制限が緩和されることによって、演出参加手段の選択の自由度やその配置の自由度を増加させることもできる。
上記の第1の遊技機〜第2の遊技機において、
前記参加型演出の前記作動管理期間が、前記参加型演出の前記参加期間と実質的に同一である構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機A1」とも称す。
上記の遊技機A1であれば、参加型演出の参加期間中である遊技進行状態において、非参加期間の遊技進行状態よりも低速かつ低精度で不正振動の判定が行える。これによって、参加型演出に参加するための正当な演出参加手段の操作によって不正振動と判定されることを抑制でき、遊技者に対して不快な報知がなされたり、遊技進行の円滑性が阻害されたりすることが抑制される。
上記の第1の遊技機〜第2の遊技機において、
前記参加型演出の前記作動管理期間が、前記参加型演出の前記参加期間と、前記参加期間前において前記参加期間に連続する前付加期間とを含む構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機A2」とも称す。
上記の遊技機A2であれば、演出参加手段に対する操作に基づいて不正振動と判定されることを更に良好に抑制できる。これは、参加期間よりも前においても過失によって演出参加手段に対する操作が実行される場合があるからである。
上記の第1の遊技機〜第2の遊技機において、
前記参加型演出の前記作動管理期間が、前記参加型演出の前記参加期間と、前記参加期間後において前記参加期間に連続する後付加期間とを含む構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機A3」とも称す。
上記の遊技機A3であれば、演出参加手段に対する操作に基づいて不正振動と判定されることを更に良好に抑制できる。これは、参加期間よりも後においても過失によって演出参加手段に対する操作が実行され続ける場合があるからである。
上記の第1の遊技機〜第2の遊技機において、
前記参加型演出の前記参加管理期間が、前記参加型演出の前記参加期間と、前記参加期間前において前記参加期間に連続する前付加期間と、前記参加期間後において前記参加期間に連続する後付加期間とを含む構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機A4」とも称す。
上記の遊技機A4であれば、上記の遊技機B5及び遊技機B6の双方の効果を奏する。
上記の第1の遊技機〜第2の遊技機、遊技機A1〜遊技機A4において、
前記参加型演出が、前記演出参加手段に対する前記参加管理期間における1回の操作により参加が完了する構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機A5」とも称す。
上記の遊技機A5であれば、演出参加手段に対する操作に基づいて不正振動と判定されることを更に良好に抑制できる。これは、参加管理期間において過失によって演出参加手段に対する操作が複数回にわたって実行される場合があるからである。
上記の第1の遊技機〜第2の遊技機、遊技機A1〜遊技機A4において、
前記参加型演出が、前記演出参加手段に対する前記参加管理期間における複数回の操作により参加が完了する構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機A6」とも称す。
上記の遊技機A6であれば、演出参加手段に対する操作に基づいて不正振動と判定されることを更に良好に抑制できる。これは、単一の操作に対して与えられる振動が小さくても振動の周期と連続的な操作とが同期して、大きな振動が与えられたと判断される場合があるからである。
上記の第1の遊技機〜第2の遊技機、遊技機A1〜遊技機A4において、
前記参加型演出が、前記演出参加手段に対する1回の操作により参加が完了する単一操作演出と、前記演出参加手段に対する複数回の操作により参加が完了する複数操作演出とを含み、
遊技進行状態識別手段が、前記単一操作演出及び前記複数操作演出のうち前記複数操作演出のみに対する参加期間を含む参加管理期間における遊技進行状態と参加管理期間と異なる期間における遊技進行状態とを識別する構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機A7」とも称す。
上記の遊技機A6であれば、演出参加手段に対する操作に基づいて不正振動と判定されることを更に良好に抑制できる。これは、単一の操作に対して与えられる振動が小さくても振動の周期と連続的な操作とが同期して、大きな振動が与えられたと判断される場合があるからである。また、単一操作演出では1回の演出参加手段に対する操作のみが実行されるが、その1回の操作によって非参加管理期間の場合に不正振動と判定されるような振動が与えられることは実質的になく、逆に、そのような振動が与えられた場合には、参加管理期間であっても不正振動と判定することが好ましいからである。
上記の本発明に係る第1の遊技機又は第2の遊技機又は遊技機A1〜A7のいずれかの遊技機において、
遊技媒体の進入確率を変化させる可動部材と前記可動部材を駆動させる駆動装置とを含む利益供与装置を備え、
前記遊技進行識別手段が、前記可動部材の作動確定後であって前記駆動装置の作動期間を含み前記可動部材の作動を管理する作動管理期間に対応する前記可動部材の作動管理状態と、前記作動管理状態と異なる非作動管理状態とを識別し、
前記作動管理状態における前記振動判定情報の差分更新量の絶対値が、前記非作動管理状態における前記振動判定情報の差分更新量の絶対値より大きく、
前記可動部材による前記可動部材の作動に応じて前記進入確率が大きくなる構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B1」とも称す。
ここで、「利益供与装置」とは、遊技媒体の進入によって遊技媒体の獲得に関して有利な状況を提供する装置であって、利益供与装置としては、例えば、遊技媒体の進入によって遊技媒体が獲得できる入賞装置や、遊技媒体の進入によって多量の遊技媒体が獲得できる特別な遊技状態へ移行させる入賞装置や、遊技媒体の進入によってそのような特別な遊技状態への移行の機構的又は電子的な抽選を受ける権利を付与する装置が挙げられる。可動部材の作動に応じて進入確率を変化する構成としては、例えば、可動部材が利益供与装置への遊技媒体の進入を禁止する進入禁止位置と可動部材が利益供与装置への遊技媒体の進入を許容する進入許容位置との間を移行させる構成、進入確率の異なる複数種類の進入許容位置の間を移行させる構成が挙げられる。
上記の遊技機B1であれば、少なくとも駆動装置が作動して可動部材が利益供与装置への遊技媒体の進入確率の高い位置状態である場合に、その他の場合よりも高速かつ高精度で不正振動の判定が行える。これによって、利益供与装置に対する遊技球の不正振動誘導によって遊技球が不正に獲得されてしまうことを厳しく監視することができる。したがって、不正行為の検知精度に対する遊技進行状態の依存性が低減する。
上記の遊技機B1において、
前記駆動装置の前記作動期間が、前記可動部材の作動確定に基づいて前記可動部材を一回作動させる連続作動期間であり、
前記可動部材の前記作動管理期間が、前記連続作動期間と実質的に同一である構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B2」とも称す。
上記の遊技機B2であれば、可動部材の駆動装置が作動中である遊技進行状態において、可動部材の駆動装置が作動中でない遊技進行状態よりも高速かつ高精度で不正振動の判定が行える。これによって、利益供与装置に対する遊技球の不正振動誘導によって遊技球が不正に獲得されてしまうことを厳しく監視することができる。また、作動管理期間が駆動装置の制御を援用して決定されるために、簡便に遊技進行状態に応じた個別の制御が実現できる。
上記の遊技機B1において、
前記駆動装置の前記作動期間が、前記可動部材の作動確定に基づいて前記可動部材を複数回作動させる複数回の単位作動期間を含む間欠作動期間であり、
前記可動部材の前記作動管理期間が、前記間欠作動期間と、前記複数回の単位作動期間の間を補間する補間期間とを含む構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B3」とも称す。
上記の遊技機B3であれば、可動部材の駆動装置が作動中である遊技進行状態において、可動部材の駆動装置が作動中でない遊技進行状態よりも高速かつ高精度で不正振動の判定が行える。これによって、利益供与装置に対する遊技球の不正振動誘導によって遊技球が不正に獲得されてしまうことを厳しく監視することができる。また、作動管理期間が駆動装置の制御を援用して決定されるために、簡便に遊技進行状態に応じた個別の制御が実現できる。更に、補間期間においても差分更新量を変化させることによって、単位作動期間の開始のタイミングが認識し易い第2回目以降において、振動を与えてから特定入賞装置65を遊技球が到達するまでの時間を考慮して利益供与装置の可動部材が進入確率の大きな状態に移行する前に振動が与えられたとしても、振動検知情報の値を十分に増加させることができ、更に良好に不正な遊技球の誘導を検知できる。
上記の遊技機B1〜B3において、
前記駆動装置の前記作動期間が、前記可動部材の作動確定に基づいて前記可動部材を一回作動させる連続作動期間であり、
前記可動部材の前記作動管理期間が、前記連続作動期間と、前記連続作動期間前において前記連続作動期間に連続する前付加期間とを含む構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B4」とも称す。
上記の遊技機B4であれば、可動部材の駆動装置が作動中である遊技進行状態において、可動部材の駆動装置が作動中でない遊技進行状態よりも高速かつ高精度で不正振動の判定が行える。これによって、利益供与装置に対する遊技球の不正振動誘導によって遊技球が不正に獲得されてしまうことを厳しく監視することができる。更に、前付加期間においても差分更新量を変化させることによって、単位作動期間の作動開始のタイミングが認識し難い第1回目の作動において、第1回目の単位作動期間の開始前にその開始タイミングと合わずに早く振動が加えられたとしても、振動検知情報の値を十分に増加させることができ、更に良好に不正な遊技球の誘導を検知できる。
上記の遊技機B1〜B3において、
前記駆動装置の前記作動期間が、前記可動部材の作動確定に基づいて前記可動部材を一回作動させる連続作動期間であり、
前記可動部材の前記作動管理期間が、前記連続作動期間と、前記連続作動期間後において前記連続作動期間に連続する後付加期間とを含む構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B5」とも称す。
上記の遊技機B5であれば、可動部材の駆動装置が作動中である遊技進行状態において、可動部材の駆動装置が作動中でない遊技進行状態よりも高速かつ高精度で不正振動の判定が行える。これによって、利益供与装置に対する遊技球の不正振動誘導によって遊技球が不正に獲得されてしまうことを厳しく監視することができる。更に、前付加期間においても差分更新量を変化させることによって、執拗に振動が加えられる可能性が高い最終回の単位作動期間においてその単位作動期間の終了直前又は終了直後に振動が加えられたとしても、振動検知情報の値を十分に増加させることができ、更に良好に不正な遊技球の誘導を検知できる。なお、一般的に、駆動装置が停止状態となってから、利益供与装置の可動部材が高進入確率状態からから低進入確率状態への移行を完了するまで、更に特定入賞スイッチ85が遊技球を検出するまでに時間差がある。
上記の遊技機B1〜B3において、
前記駆動装置の前記作動期間が、前記可動部材の作動確定に基づいて前記可動部材を一回作動させる連続作動期間であり、
前記可動部材の前記作動管理期間が、前記連続作動期間と、前記連続作動期間前の前記連続作動期間に連続する前付加期間と、前記連続作動期間後において前記連続作動期間に連続する後付加期間とを含む構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B6」とも称す。
上記の遊技機B6であれば、上記の遊技機B5及び遊技機B6の双方の効果を奏する。
上記の遊技機B1において、
前記駆動装置の前記作動期間が、前記可動部材の作動確定に基づいて前記可動部材を複数回作動させる複数回の単位作動期間を含む間欠作動期間であり、
前記作動管理期間が、前記駆動装置の間欠作動期間と実質的に同一である構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B7」とも称す。
上記の遊技機B7であれば、可動部材の駆動装置が作動中である遊技進行状態において、可動部材の駆動装置が作動中でない遊技進行状態よりも高速かつ高精度で不正振動の判定が行える。これによって、利益供与装置に対する遊技球の不正振動誘導によって遊技球が不正に獲得されてしまうことを厳しく監視することができる。また、作動管理期間が駆動装置の制御を援用して決定されるために、簡便に遊技進行状態に応じた個別の制御が実現できる。
上記の遊技機B1又はB7において、
前記駆動装置の前記作動期間が、前記可動部材の作動確定に基づいて前記可動部材を複数回作動させる複数回の単位作動期間を含む間欠作動期間であり、
前記可動部材の前記作動管理期間が、前記間欠作動期間と、前記複数回の単位作動期間のうち最初の単位作動期間前において前記間欠作動期間に連続する前付加期間とを含む構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B8」とも称す。
上記の遊技機B8であれば、上記の遊技機B4の場合と実質的に同一の効果を奏する。
上記の遊技機B1において、
前記駆動装置の前記作動期間が、前記可動部材の作動確定に基づいて前記可動部材を複数回作動させる複数回の単位作動期間を含む間欠作動期間であり、
前記可動部材の前記作動管理期間が、前記間欠作動期間と、前記複数回の単位作動期間の各々の前において前記間欠作動期間に連続する前付加期間とを含む構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B9」とも称す。
上記の遊技機B9であれば、可動部材の駆動装置が作動中である遊技進行状態において、可動部材の駆動装置が作動中でない遊技進行状態よりも高速かつ高精度で不正振動の判定が行える。これによって、利益供与装置に対する遊技球の不正振動誘導によって遊技球が不正に獲得されてしまうことを厳しく監視することができる。また、作動管理期間が駆動装置の制御を援用して決定されるために、簡便に遊技進行状態に応じた個別の制御が実現できる。更に、前付加期間においても差分更新量を変化させることによって、振動を与えてから利益供与装置に遊技球が到達するまでの時間を考慮して利益供与装置の可動部材が高進入確率状態に移行する前に振動が与えられたとしても、振動検知情報の値を十分に増加させることができるからである。
上記の遊技機B1又はB7において、
前記駆動装置の前記作動期間が、前記可動部材の作動確定に基づいて前記可動部材を複数回作動させる複数回の単位作動期間を含む間欠作動期間であり、
前記可動部材の前記作動管理期間が、前記間欠作動期間と、前記複数回の単位作動期間のうち最後の単位作動期間後において前記間欠作動期間に連続する後付加期間とを含む構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B10」とも称す。
上記の遊技機B10であれば、上記の遊技機B5の場合と実質的に同一の効果を奏する。
上記の遊技機B1において、
前記駆動装置の前記作動期間が、前記可動部材の作動確定に基づいて前記可動部材を複数回作動させる複数回の単位作動期間を含む間欠作動期間であり、
前記可動部材の前記作動管理期間が、前記間欠作動期間と、前記複数回の単位作動期間の各々の後において前記間欠作動期間に連続する後付加期間とを含む構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B11」とも称す。
上記の遊技機B11であれば、可動部材の駆動装置が作動中である遊技進行状態において、可動部材の駆動装置が作動中でない遊技進行状態よりも高速かつ高精度で不正振動の判定が行える。これによって、利益供与装置に対する遊技球の不正振動誘導によって遊技球が不正に獲得されてしまうことを厳しく監視することができる。また、作動管理期間が駆動装置の制御を援用して決定されるために、簡便に遊技進行状態に応じた個別の制御が実現できる。更に、後付加期間においても差分更新量を変化させることによって、駆動装置が停止状態となってから、利益供与装置の可動部材が高進入確率状態から低進入確率状態への移行を完了するまで、更に特定入賞スイッチ85が遊技球を検出するまでに時間差が発生するが、駆動装置が停止状態へ移行する直前や直後に振動が与えられたとしても、振動検知情報を十分に増加させることができるからである。
上記の遊技機B1又はB6において、
前記駆動装置の前記作動期間が、前記可動部材の作動確定に基づいて前記可動部材を複数回作動させる複数回の単位作動期間を含む間欠作動期間であり、
前記可動部材の前記作動管理期間が、前記間欠作動期間と、前記複数回の単位作動期間のうち最初の単位作動期間の前において前記間欠作動期間に連続する前付加期間と、前記複数回の単位作動期間のうち最後の単位作動期間後において前記間欠作動期間に連続する後付加期間とを含む構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B12」とも称す。
上記の遊技機B12であれば、上記の遊技機B5及び遊技機B6の双方の場合と実質的に同一の効果を奏する。
上記の遊技機B1において、
前記駆動装置の前記作動期間が、前記可動部材の作動確定に基づいて前記可動部材を複数回作動させる複数回の単位作動期間を含む間欠作動期間であり、
前記可動部材の前記作動管理期間が、前記間欠作動期間と、前記複数回の単位作動期間の各々の前において前記連続作動期間に連続する前付加期間と、前記複数回の単位作動期間の各々の後において前記連続作動期間に連続する後付加期間とを含む構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B13」とも称す。
上記の遊技機B13であれば、上記の遊技機9及び遊技機11の双方の場合と実質的に同一の効果を奏する。
上記の遊技機B9又はB13において、
前記複数回の単位作動期間の各々に対する前記前付加期間の長さが実質的に同一である構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B14」とも称す。
上記の遊技機B14であれば、作動管理期間に前付加期間を含める処理が簡素化される。
上記の遊技機B9又はB13において、
前記複数回の単位作動期間のうち最初の単位作動期間に対する前記前付加期間が、前記複数回の単位作動期間のうち他の単位作動期間に対する前記前付加期間より長い構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B15」とも称す。
上記の遊技機B15であれば、上記の遊技機B5と実質的に同一の効果を奏する。
上記の遊技機B9又はB13において、
前記複数回の単位作動期間の各々に対する前記後付加期間の長さが実質的に同一である構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B16」とも称す。
上記の遊技機B14であれば、作動管理期間に後付加期間を含める処理が簡素化される。
上記の遊技機B9又はB13において、
前記複数回の単位作動期間のうち最終の単位作動期間に対する前記後付加期間が、前記複数回の単位作動期間のうち他の単位作動期間に対する前記前付加期間より長い構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B17」とも称す。
上記の遊技機B17であれば、上記の遊技機B5と実質的に同一の効果を奏する。
上記の遊技機B13において、
前記複数回の単位作動期間の各々に対する前記前付加期間及び前記後付加期間の長さが実質的に同一である構成であることが好ましい。なお、以下においては、この構成の遊技機を「遊技機B18」とも称す。
上記の遊技機B18であれば、作動管理期間に前付加期間及び後付加期間を含める処理が簡素化される。
前記振動検出手段は、前記振動に応じて移動する検出子の移動状態が所定の許容範囲である場合と前記検出子の移動状態が所定の許容移動範囲を超えている場合とで異なる出力状態の振動センサ信号を出力し、前記振動判定情報更新手段が、前記振動センサ信号の出力状態に基づいて前記振動判定情報を更新する構成であることが好ましい。「検出子の移動状態」とは、基準位置からの検出子の位置ズレや振れ角、検出子の移動速度又は検出子の移動時の加速度で識別される状態である。また、「許容移動範囲」とは、移動状態が位置ズレで識別される場合には位置範囲を意味し、移動状態が振れ角で識別される場合には振れ角度範囲を意味し、移動状態が移動速度で識別される場合には速度範囲を意味し、移動状態が加速度で識別される場合には加速度範囲を意味する。この構成であれば、微少な振動である場合には振動センサ信号が出力されないために、通常の遊技中において振動判定情報を実質的に基準値に維持することができる。これによって、許容振動と異常振動との識別力が向上する。また、遊技機の設置における角度ズレ等によって常に振動が検出されることを良好に防止できる。
〔具体的な構成〕
本発明に係る具体的な形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、遊技機として弾球遊技機の一具体例を挙げて説明するが、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜に設計が変更されてもよい。
〔実施形態1〕
実施形態1の遊技機について説明する。図1〜図3は遊技機の一例を表す斜視図であり、図4はその正面図である。図1〜図3に示されたように、遊技機100は、その外殻を形成する外枠101と、外枠101の一側部に開閉可能に支持された遊技機本体とを備えている。遊技機本体は、外枠101に対して、遊技機100の正面から見て左側の上下方向に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に十分に開放できる内枠セット102と、内枠セット102の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット103と、内枠セット102の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた背面セット104とを備えている。
遊技機100は、更に、外枠101に対して内枠セット102が閉鎖されている場合において外枠101と内枠セット102とを開閉不能に施錠する内枠施錠機構105(図2のみ)と、内枠セット102に対して前面枠セット103が閉鎖されている場合において内枠セット102と前面枠セット103とを開閉不能に施錠する前面枠施錠機構106(図3のみ)と、内枠施錠機構105による外枠101と内枠セット102との施錠及び前面枠施錠機構106による内枠セット102と前面枠セット103との施錠を開錠するために操作される共通の錠開閉操作機構119とを備えている。錠開閉操作機構119(図1のみ)に所定の開閉鍵が挿入されて、開閉鍵が右に回転されると内枠施錠機構105が作動して外枠101と内枠セット102との施錠が解除され、一方、開閉鍵が左に回転されると内枠施錠機構106が作動して内枠セット102と前面枠セット103との施錠が解除される。
内枠セット102には、内枠セット102が外枠101に対して開かれたことを検出する内枠スイッチ108(図8参照)が設けられており、内枠セット102が開かれると、内枠スイッチ108のオフ状態を表す信号が遊技ホール内の管理コンピュータ(図示せず)に出力される。また、内枠スイッチ108には、前面枠セット103が内枠セット102に対して開かれたことを検出する前面枠スイッチ109(図3のみ)が設けられており、前面枠セット103が開かれると、前面枠スイッチ109のオフ状態を表す信号が管理コンピュータに出力される。
図1、図3及び図4に示されたように、前面枠セット103は、大別すると、前面枠110と、前面枠110の前面側に設けられた開口を有する窓枠111と、窓枠111の開口を塞ぐように窓枠111に固定された前面透明板112と、窓枠111の開口の周囲に設けられた各種の枠発光装置121〜125と、窓枠111の下側において前方側に突出するように設けられた上皿140と、上皿140の突出部に設けられた貸出操作装置130と、最下部に取り付けられた下皿160と、下皿160の右側方に設けられた発射操作装置170と、窓枠111の上方両側に設けられた各種の音響装置180を備えている。なお、窓枠111の開口からは及び前面透明板112を通して遊技盤200(図3参照)の遊技領域が視認できる。
枠発光装置121〜125は、遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御されその遊技中の演出効果を高める役割を果たす。また、遊技機100の作動中において各種の異常等が発生した場合にその発生を報知したり、遊技機100に対して不正な行為、例えば、磁気作用による遊技球の誘導や振動による遊技球の誘導が行われた場合にその発生を報知したりする。
貸球操作装置130は、外部のカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカードの残額情報を表示する度数表示部131と、球貸しの指示を入力する球貸しボタン132と、投入されたカード等の返却指示を入力する返却ボタン133とを含んでいる。遊技機100の側方に配置された図示しない紙幣や残額が有るカード等を投入すると、それらの金額に対応する数値が度数表示部133に表示される。この状態で球貸しボタン132が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸し出しが行われ、度数表示部131の表示がその貸し出しに応じた数値だけ減少した数値に更新される。また、返却ボタン133が操作されると、残額に応じた紙幣の等価物や残額を記録したカードが返却される。なお、カードユニットを介さずに外部の球貸し装置(図示せず)から上皿に遊技球が直接貸し出される遊技機(通称、現金機)では貸球操作装置130は不要である。
上皿140は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、貸球操作装置130の貸出操作に応じて貸し出された遊技球を一旦貯留すると共に、遊技球を一列に整列させながら発射装置150の方(右方)へ順次に案内する。
下皿160は、上皿140が満タンになった場合等に排出口160Aより排出される遊技球を停留するものであって、底面に開口161Aの形成された球受部161と、球受部161の開口161Aを閉塞させたり開放させたりする球抜き機構162と、球抜き機構162を作動させる球抜きレバー163とを備えている。球抜きレバー163を左側に移動させると、球受部161の底面の開口161Aが開放され、下皿160内に停留されている遊技球が開口を通して外部に排出される。また、排出口160Aの奥側には下皿160に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検知する球溢れスイッチ164(図9参照)が設けられている。
発射操作装置170は、上皿140に貯留された遊技球の発射指示を入力する装置であって、前方に突出する台座171と、台座171の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル172と、発射ハンドル172の回転操作量を検知する可変抵抗器173(図9参照)と、発射ハンドル172に遊技者が接触していることを検出する接触センサ174(図9参照)と、発射ハンドル172の回転に伴う発射操作を無効化する発射停止スイッチ175(図4参照)とを含んでいる。遊技者による発射ハンドル172の回転操作に応じて、その回転操作量に対応する強度で発射装置150から遊技球が射出される。なお、接触センサ174によって発射ハンドル172と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ175の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル172が回転操作されていても発射装置150から遊技球は射出されない。
音響装置180は、遊技進行に応じた演出や各種の異常の発生に応じた報知を音声や音楽や単純機械音等の音響によって出力する。
内枠セット102は、枠体101に対して開閉自在に支持される内枠190を備え、内枠190には、大別すると、遊技盤200と、発射操作装置170への操作に基づいて遊技球を遊技盤200に射出する発射装置150と、内枠190や遊技盤200の背面側に設けられた各種の制御装置等を備えている。
発射装置150は、発射操作装置170の概ね後方側に設けられており、上皿140に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構153(図3参照)と、球送り機構153を駆動する球送りソレノイド151(図8参照)と、発射位置に配置された遊技球を遊技盤200に向けて発射する発射機構154(図3参照)と、発射機構154を駆動する発射ソレノイド152(図8参照)とを備えている。
遊技盤200は、遊技性を決定する主要部である。ここで、遊技盤200について詳細に説明する。図5は遊技盤の一例を表す斜視図であり、図6は遊技盤の一例を表す正面図である。遊技盤200は、図5及び図6に示されたように、基体201と、基体201に取り付けられた内外二重に一体形成された内レール202及び外レール203で構成されるレールユニットと、内レール202の先端(図5及び図6の左上部)に取着された戻り球防止部材204と、外レール203の先端に取着された返しゴム205と、基体201の前面側におけるレールユニットにより略円形状に区画された遊技領域を流下する遊技球の流下方向や流下速度を変化させる多数の釘及び複数の風車等の流下変化部材と、遊技領域内に一部が突出するように基体201に設けられた中央構造体99等の各種の役物と、遊技領域内に一部が突出するように基体201に設けられた特別始動装置63等の各種の入賞装置とを備えている。
内レール202及び外レール203で構成されるレールユニットは、発射装置150(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤200の上部へ案内する。内レール202は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に配置され、一部(主に左側部)が内レール202に向かい合うようにして外レール203が配置されている。内レール202と外レール203とが所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。戻り球防止部204は、一旦、内レール202及び外レール203間の球案内通路から遊技領域へ案内された遊技球が球案内通路内に戻ってしまうことを防止する。また、返しゴム205は、所定以上の勢いで発射された遊技球を遊技領域の中央方向に跳ね返らせる。遊技領域の下端部にはアウト口206が設けられており、各種の入賞装置や役物に入球しなかった遊技球はこのアウト口206を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。
また、発射装置150からレールユニットにより形成される球案内通路へ遊技球を誘導する発射レール(図示せず)と外レール203との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路が形成されている。これによって、仮に発射装置150から発射された遊技球が戻り球防止部204まで至らず球案内通路を逆戻りする場合には、その遊技球はファール球通路を介して下皿160(図1参照)に返却される。
遊技盤200は、図5及び図6に示されたように、一般入賞装置61、特別入賞装置62、上始動部63Aと下始動部63Bとを含む特別始動装置63、普通始動装置64、特別図柄表示装置91、普通図柄表示装置93、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)95、中央構造体99等を備えている。これらの一般入賞装置61、特別入賞装置62、特別始動装置63、中央構造体99等は、遊技盤200においてルータ加工によって形成された貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤200の前面側から木ネジ等により取り付けられている。また、下始動部63Bの入口には、一対の開閉羽根68が設けられており、遊技球を案内する高確率進入許容位置と、上始動部63Aを介して遊技球が流入できるが下始動部63Bに直接に遊技球が流入できない低確率進入許容位置(図6に示された状態)を採りうる。開閉羽根68は、遊技盤200の裏面側に配設された特別始動口ソレノイド73によって駆動される。また、下始動部63Bの下方には、開閉シャッタ67を備える特別入賞装置62が配置されている。特別入賞装置62は、通常時において開閉シャッタ67が閉鎖されており、特別遊技状態となると開放される。開閉シャッタ67は遊技盤200の裏面側に配設された特別入賞口ソレノイド72(図8参照)によって駆動される。特別入賞装置62の内部には、進入した遊技球を検出する特別入賞スイッチ82(図8参照)が設けられている。中央構造体99には、入球口99A(図5参照)及び入球口99B(図5参照)から進入した遊技球を転動面99S(図5参照)に誘導する誘導路(図示せず)が形成されている。転動面99Sに誘導された遊技球は、中央誘導路99P(図5参照)に進入して特別始動装置63の上始動部63Aの真上に排出されるか、又は、転動面99Sから転落して特別始動装置63の左右の周辺に流下する。
特別図柄表示装置91は、特別始動装置63への遊技球の入賞を契機として識別情報としての特別図柄を変動表示し、装飾図柄表示装置95は特別図柄の変動表示に対応した装飾図柄を変動表示し、普通図柄表示装置93は普通始動装置64の遊技球の通過を契機として普通図柄を変動表示する。
特別図柄表示装置91は、2色のLED91A,91Bで構成されており、主制御基板920(図8参照)により表示内容が制御される。各LED91A,91Bは、例えば赤色と緑色との可変表示がなされるようになっている。装飾図柄表示装置95は液晶表示装置で構成されており、サブ制御基板940によって制御される。装飾図柄表示装置95には、例えば上、中、及び下の3箇所に識別情報としての図柄が表示される。これら図柄がスクロール表示されることによって装飾図柄表示装置95に装飾図柄が可変表示される。普通図柄表示装置93は、2色のLED93A,93Bで構成されており、主制御基板920(図8参照)により表示内容が制御される。各LED93A,93Bは、例えば赤色と緑色との可変表示がなされるようになっている。普通図柄表示装置93は、遊技球が普通始動装置64を通過する毎に例えばLED93A,93Bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、特定の普通図柄の組合せで停止した場合に特別始動装置63の下始動部63Bが所定時間だけ作動状態(開閉羽根68の開放状態)となるよう構成されている。遊技球が普通始動装置64を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が普通図柄保留表示装置94の4つのLED94A〜94Dにて点灯表示されるようになっている。
特別入賞装置62は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、特別遊技状態において遊技球が入賞しやすい開放状態と通常の閉鎖状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、特別図柄表示装置91が特定の表示態様となった場合に特別遊技状態に移行する。そして、特別入賞装置62の開閉シャッタ67が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態になるよう構成されている。具体的には、所定時間(例えば、約30秒)の経過又は所定個数(例えば、10個)の遊技球の入賞を1ラウンドとして、特別入賞装置62の開閉シャッタ67が所定回数繰り返し開放される。遊技球が特別始動装置63を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が特別図柄保留表示装置92のLED92A〜92Dにて点灯表示されるようになっている。
ここで、特別図柄表示装置91、普通図柄表示装置93の表示内容について説明する。なお、大当たりの発生を遊技者に示すための図柄として特別図柄表示装置91で表示される特別図柄と、装飾図柄表示装置95で表示される装飾図柄との2種類が設けられている。装飾図柄は、特別図柄と同期して変動が行われる図柄であり、特別図柄の変動開始と同期して変動表示され、特別図柄の変動停止と同期して確定表示される。この装飾図柄は、遊技者に多種多様な表示演出を行って飽きにくい遊技性を備えるために設けられている。
先ず、特別図柄表示装置91の表示内容について説明する。特別図柄の変動表示は、LED91A,91Bの色変化(赤色・緑色の変化)や点滅等の点灯パターンの変化により表現される。この特別図柄の変動表示は遊技球の特別始動装置63への入賞に基づいて開始され、所定の時間後に特別図柄の変動表示が停止する。その停止時に、特別図柄が揃っている場合、即ち、LED91A,91Bが同一色の点灯状態となっているときは大当たりとなり、変動表示の停止時に特別図柄が揃っていなければ、即ち、LED91A,91Bが異色の点灯状態となっているときは、外れとなり、特別始動装置63への入賞に基づいて再度の変動表示が行われる。遊技球が特別始動装置63に入賞した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が特別図柄保留表示装置92のLED92A〜Dにて点灯表示されるようになっている。なお、本形態では、変動表示の停止時において、LED91A,91Bが共に赤色の点灯状態であれば、特定図柄(特定遊技状態移行図柄)とみなされ、LED91A,91Bが共に緑色の点灯状態であれば、非特定図柄(時短遊技状態移行図柄)とみなされる。
次いで、普通図柄表示装置93の表示内容について説明する。普通図柄の変動表示は、LED93A,93Bの色変化(赤色・緑色の変化)や点滅等の点灯パターンの変化により表現される。この普通図柄の変動表示は遊技球の普通始動装置64の通過に基づいて開始され、所定の時間後に普通図柄の変動表示が停止する。その停止時に、普通図柄が揃っている場合、即ち、LED93A,93Bが同一色の点灯状態となっているときは当たりとなり、変動表示の停止時に普通図柄が揃っていなければ、即ち、LED93A,93Bが異色の点灯状態となっているときは、ハズレとなり、普通始動装置64の通過に基づいて再度の変動表示が行われる。遊技球が普通始動装置64を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が普通図柄保留表示装置94のLED94A〜94Dにて点灯表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機100の動作について説明する。本形態では、主制御基板920内のMPUは、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や特別図柄表示装置91の図柄表示の設定などを行うこととしている。具体的には、特別図柄に関連するカウンタ群と、普通図柄に関連するカウンタ群とを備えている。先ず、特別図柄に関連するカウンタ群について説明する。特別図柄に関連するカウンタ群としては、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタと、特別図柄表示装置91の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタと、特別図柄表示装置91が外れ変動する際の停止パターンの選択(装飾図柄の変動においてはリーチとするか完全ハズレとするかのリーチ抽選等)に使用する停止パターン選択カウンタと、大当たり乱数カウンタの初期値設定に使用する大当たり初期値乱数カウンタと、変動パターンの選択に使用する種別を決定する第1〜第3の変動種別カウンタとを備えている。ここで、変動パターンとは、変動表示の特徴が共通するものを区分した場合における各パターン(形態)を意味している。
大当たり乱数カウンタ、大当たり図柄カウンタ、停止パターン選択カウンタ、大当たり初期値乱数カウンタ及び第1〜第3の変動種別カウンタの各々は、その更新契機毎に前回値に1が加算され、カウンタごとの所定の最大値に達した後に「0」に戻るループカウンタとなっている。これらのカウンタは短時間間隔で更新され、その更新値が主制御基板920のRAMの所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。そのRAMには、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄用の取得乱数格納領域が設けられており、4つの保留エリアには、特別始動装置63への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタ、大当たり図柄カウンタ及び停止パターン選択カウンタの各値がそれぞれ格納される。以下において、これらのカウンタの具体的な内容について詳述する。
大当たり乱数カウンタは、例えば「0」〜「738」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後に「0」に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタが1周した場合、その時点の大当たり乱数初期値カウンタの値が大当たり乱数カウンタの初期値として読み込まれる。なお、大当たり乱数初期値カウンタは、大当たり乱数カウンタと同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタは定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が特別始動装置63に入賞したタイミングで特別図柄抽選用の取得乱数格納領域に格納される。
大当たり図柄カウンタは、大当たりの際、特別図柄表示装置91における特別図柄の変動停止時の図柄を決定するものであり、例えば「0」〜「4」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後に0に戻る構成となっている。例えば、大当たり図柄カウンタの値が「0」、「1」の場合の停止図柄は、LED91A,91Dが共に緑色で停止し、この場合の停止図柄の組み合せは非特定図柄(特別遊技状態後に時短遊技状態へ移行させる場合の図柄)を意味する。大当たり図柄カウンタの値が「2」、「3」、「4」の場合の停止図柄は、特別図柄表示装置のLED91A,91Bが共に赤色で停止し、この場合の停止図柄の組み合せは特定図柄(遊技状態後に特別遊技状態へ移行させる場合の図柄)を意味する。大当たり図柄カウンタは定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が特別始動装置63に入賞したタイミングで主制御基板920のRAMの取得乱数格納領域に格納される。
停止パターン選択カウンタは、例えば「0」〜「238」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「238」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。本形態では、特別図柄の表示は、2つのLED91A,91Bで表現するように構成されているので、特別図柄の場合にはリーチという概念はなく、リーチに相当する停止パターンを停止パターン選択カウンタによって、決定することとしている。一方、装飾図柄の場合は、3つの装飾図柄が停止するので、リーチが存在する。従って、装飾図柄の場合は、リーチ抽選を、停止パターン選択カウンタによって決定している。即ち、装飾図柄の場合では、リーチの発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチの発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、停止パターン選択カウンタの値が「0」〜「201」である場合は完全外れに該当し、その値が「202」〜「208」である場合は前後外れリーチに該当し、その値が「209」〜「238」が前後外れ以外リーチに該当する。ここで、リーチとは、装飾図柄表示装置95の表示画面に表示される装飾図柄が変動表示を開始した後、先に停留する図柄の組み合せが同一図柄(複数の有効ラインがある装飾図柄においてはいずれかの有効ライン上で同一図柄)であって大当たりの必要条件を満たしており、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆して大当たりの図柄の組み合せを遊技者に期待させる表示であり、興趣演出の1種である。興趣演出とは、変動表示の途中で装飾図柄表示装置95の表示画面にリーチに代表される所定の図柄を現出させたり、音響装置180(図1及び図8参照)から特定の音声を出力したり、振動用のモータによって遊技球発射ハンドル172(図1参照)を振動させる等、通常とは異なる態様を変動表示に伴わせて変動表示後の表示結果が大当たりとなることを遊技者に期待させる演出である。なお、停止パターン選択カウンタは定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が特別始動装置63に入賞したタイミングで主制御基板920のRAMの取得乱数格納領域に格納される。
第1の変動種別カウンタは、例えば「0」〜「198」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「198」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。また、第2の変動種別カウンタは、例えば「0」〜「240」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「240」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。また、第3の変動種別カウンタは、例えば「0」〜「162」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「162」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。第1の変動種別カウンタによって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、第2の変動種別カウンタによって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定され、第3の変動種別カウンタによって、例えばすべり停止変動の場合の変動時間の加減算が決定される。従って、これらの第1〜第3の変動種別カウンタを組み合わせることで、変動パターンの多種多様性を容易に実現できる。第1〜第3の変動種別カウンタは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、また、通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特別図柄表示装置91による特別図柄及び装飾図柄表示装置95による装飾図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して第1〜第3の変動種別カウンタのバッファ値が取得される。
次いで、普通図柄に関連するカウンタ群について説明する。普通図柄に関連するカウンタ群としては、当たりの抽選に使用する当たり乱数カウンタと、当たり乱数カウンタの初期値設定に使用する当たり初期値乱数カウンタとを備えている。当たり乱数カウンタ及び当たり初期値乱数カウンタは、その更新契機ごとに前回値に1が加算され、最大値に達した後に「0」に戻るループカウンタとなっている。当たり乱数カウンタ及び初期値乱数カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値が主制御基板920のRAMの所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。そのRAMには、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄に関する抽選用の取得乱数格納領域が設けられており、保留エリアには、普通始動装置64への遊技球の通過に合わせて、当たり乱数カウンタの値が格納される。
当たり乱数カウンタ,当たり初期値乱数カウンタの具体的な内容について詳述する。当たり乱数カウンタは、例えば「0」〜「250」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「250」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。そして、当たり乱数カウンタが1周した場合、その時点の当たり初期値乱数カウンタの値が当たり乱数カウンタの初期値として読み込まれる。なお、当たり初期値乱数カウンタは、当たり乱数カウンタと同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。当たり乱数カウンタは定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が普通始動装置64を通過したタイミングで普通図柄用の保留球格納エリアに格納される。当たり乱数カウンタの当たりとなる乱数の値の数は「149」で、その値は「5〜153」である。
なお、上記の各種のカウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタ、大当たり図柄カウンタ、停止パターン選択カウンタ、大当たり初期値乱数カウンタ、当たり乱数カウンタ、当たり初期値乱数カウンタ及び第1〜第3の変動種別カウンタの各々の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
ここで、本形態の遊技機の遊技性について簡単に説明する。通常遊技状態において特別図柄表示装置91に特別図柄としてハズレ図柄が確定表示された場合には、通常遊技状態を維持する。一方、通常遊技状態において特別図柄表示装置91に特別図柄として特定図柄又は非特定図柄が確定表示された場合には特別遊技状態に移行する。更に、特別図柄の停止図柄が特定図柄及び非特定図柄であった場合には、それぞれ、特別遊技状態後に、次回の特別遊技状態まで継続する確変遊技状態及び所定の回数(例えば、100回)の特別図柄の変動が終了するまで継続する時短遊技状態に移行する。確変遊技状態においては、特別図柄の当選確率が通常遊技状態より高くなり、普通図柄の当選確率が通常遊技状態より高くなり、普通図柄の抽選に当選した場合の特別始動装置63の開閉羽根68の開放時間が長くなり、特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が短くなる。また、時短遊技状態においては、普通図柄の当選確率が通常遊技状態より高くなり、かつ、普通図柄の抽選に当選した場合の特別始動装置63の開閉羽根68の開放時間が長くなり、普通図柄の変動表示時間が短くなる。
サブ制御基板940が、遊技盤200の背面側に設けられており、直方体形状の基板ケースに収容されている。なお、サブ制御基板940の動作については電気的な構成の説明において詳述する。また、主制御基板920は、遊技盤200の背面側においてサブ制御基板940の下方に設けられている。主制御基板920と主制御基板920の右端(図7中では左端)に隣接して配置された電源監視装置910とが、遊技盤200の背面側に設けられており、それらは直方体形状の基板ケースに一括して収容されている。なお、主制御基板920及び電源監視装置910については、電気的な構成の説明において詳述する。
遊技機100の背面側の構成について説明する。図7は、遊技機の一例を表す背面図である。遊技機100にはその背面(内枠190及び遊技盤200の背面)において、各種の制御装置や中継装置が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねて配置されている。なお、遊技盤200の背面に設けられる各種の装置については遊技盤200の説明に付随して説明したために、それら以外の構成についてのみ詳細に説明する。
各種の制御装置を2つの取付台に分けて搭載してユニット化し、それらを個別に内枠190又は遊技盤200の裏面に装着するようにしている。具体的には、図7に示されたように、遊技盤200の背面側に配置された、基板ケースに収容された主制御基板920及び電源監視装置910と基板ケースに収容されたサブ制御基板940とがユニット化され、内枠190の背面側に配置される払出制御基板930、電源・発射制御装置900及びカードユニット中継装置950がユニット化されている。また、払出装置358及び保護カバー351も別途にユニット化されている。各ユニットは、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されている。これによって、各ユニットやその他の構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することができる。
払出制御基板930は、払出装置358による賞球の払い出しや貸球の貸し出しを制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように基板ケースによって封止されている。電源・発射制御装置900は、遊技者による発射操作装置170の操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する。また、電源・発射制御装置900は、外部電力を各種の制御装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する。また、カードユニット中継装置950は、球貸操作装置130(図1参照)及びカードユニット(図示せず)に電気的に接続され、球貸操作装置130とカードユニットとの間の信号を中継したり、カードユニットと払出制御基板930との間の信号を中継したりする。カードユニットを介さずに外部の球貸装置等から上皿140に遊技球が直接貸し出される遊技機(通称、現金機)では、カードユニット中継装置950は不要である。
背面セット104は、内枠セット102に開閉自在に支持された裏パック351と、裏パック351に設けられ、遊技球を払い出したり貸し出したりする払出装置358と、払出装置358から放出される遊技球を貯留する払出機構部352とを備えている。
裏パック351は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、遊技機100の後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された形状をなし、少なくともセンタ役物41を囲むのに十分な大きさを有する(但し本形態では、サブ制御基板940も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。これによって、主制御基板920及びサブ制御基板940における発熱の放熱性を向上させている。なお、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることもできる。
裏パック351のベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、タンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、更にタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。タンクレール356とケースレール357との接続部の近傍にはタンク355及びタンクレール356に遊技球が補給されているか否かを検出する貯留球スイッチ363(図8参照)が設けられている。払出装置358は、ケースレール357の最下流部に設けられ、払出計数スイッチ362(図8参照)による払出個数を監視しながら払出モータ361等の所定の電気的に駆動される構成により必要個数の遊技球の払い出しを適宜に行う。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示せず)等を通して上皿140に供給される。タンクレール356と、タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360とは一体的にユニット化されており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じたとしても、バイブレータ360を駆動することで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御基板930から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継装置381が設置されると共に、電源・発射制御装置900への外部電力の取り込みを制御する電源スイッチ382が設置されている。電源スイッチ382には、所定の外部電力(本形態では交流24V)が供給されており、遊技機100は電源スイッチ382がオン状態へ移行した場合に通電状態へ移行することとなり、逆に、電源スイッチ382がオン状態へ移行した場合には停電状態へ移行することとなる。
(遊技機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、遊技機100の電気的構成について説明する。図8は、遊技機の電気的構成の一例を表すブロック図である。遊技機100は、電源・発射制御装置900、電源監視装置910、主制御基板920、払出制御基板930、サブ制御基板940等の制御装置を備えている。なお、図8において、各種の信号を中継するだけの回路装置については省略している。以下に、これらの主要な装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御装置900は、遊技機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置170の操作に応じて発射装置150の駆動を制御する発射制御部902と、強制初期化スイッチ107や球溢れスイッチ164の作動状態に応じてそれらから出力される強制初期化信号や球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧の電力(例えば、直流12ボルト)、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧の電力(例えば、直流5ボルト)、RAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を生成して、電源監視装置910、主制御基板920、払出制御基板930、サブ制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視装置910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が電源監視装置910の電力中継部411を介して供給され、払出制御基板930及びサブ制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が直接的に供給され、発射制御部902に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。電源部401には、電源スイッチ382が接続されており、電源スイッチ382がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ382をオフ状態にしたり、電源スイッチ382を介して電源部401に接続される電源プラグを外部電力供給コンセントから抜脱したりすることによって遊技機100の内部への電力の供給が停止する場合や、外部電力自体の供給が停止する場合を「停電状態」と総称する。なお、電源部401は、停電状態の発生後においても所定の期間にわたり所定の電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920及び払出制御基板930は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、球送りソレノイド151及び発射ソレノイド152の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド151及び発射ソレノイド152が駆動されることによって遊技球の実際に射出される。球送りソレノイド151及び発射ソレノイド152は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル172に触れていることが接触センサ174からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ175が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と、発射異常信号に基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射装置150に出力する。これにより発射装置150は発射ソレノイド制御信号に応じて発射ソレノイド152を駆動し、その結果、発射ハンドル172の回転操作量(可変抵抗器173の抵抗値)に応じた強さで遊技球が発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ107が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の強制初期化信号を出力する。なお、主制御基板920においては、オン状態の強制初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報が初期化されることとなる。また、信号中継部903は、球溢れスイッチ107が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。なお、主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力することとなり、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出装置382からの遊技球の払出速度を低速化させることとなる。逆に、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力することとなり、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出装置382からの遊技球の払出速度を高速化させることとなる。
停電監視装置910は、電源・発射制御装置900からの電力供給状態を監視し、停電状態の発生に応じて、主制御基板920及び払出制御基板930へ停電信号を出力する停電監視部911と、電源・発射制御装置900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電の発生と判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920及び払出制御基板930へ出力する。主制御基板920及び払出制御基板930は、オン状態の停電信号の受信によって停電の発生を認識することとなる。
主制御基板920は、遊技機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPUが搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPUと、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROMと、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAMとを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路、カウンタ回路、クロック発生回路、信号送受信回路などの各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御装置900からバックアップ電圧の電力供給によって内部データを保持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた遊技球の払い出し動作や球貸操作装置130の操作に応じた遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、1チップマイコンとしてのMPU、タイマ回路、カウンタ回路、クロック発生回路、信号送受信回路などの各種回路が搭載されている。払出制御基板930のMPUを構成するRAMも、停電状態においても内部データを保持できる構成となっている。
サブ制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。
主制御基板920によって実行される制御について説明する。主制御基板920で実行される制御は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では1ms(ミリ秒)」周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。以下においては、便宜上、タイマ割込み処理について説明し、その後にメイン処理について説明する。
図9は、タイマ割込み処理を示したフローチャートである。タイマ割込み処理では、まず、割込み制御を開始させるための処理、具体的には、割込み制御レジスタに所定の値を設定したりする(「割込み開始処理」S1001)。その後に、実質的な遊技機の制御に係る処理が順次に実行される。
割込み開始処理S1001の後に、発射制御信号及び球送り制御信号が主制御基板920の外部に出力される(「発射制御・報知関連信号出力処理」S1002)。具体的には、発射出力用バッファ(RAMの一部の領域)に格納された発射ソレノイド駆動フラグ(発射ソレノイド駆動情報の一種)及び球送りソレノイド駆動フラグ(球送りソレノイド駆動情報の一種)が発射関連信号用の信号送信回路(信号送受信回路の一種)に出力される。発射ソレノイド駆動フラグは、発射ソレノイド152の駆動状態(作動状態又は停止状態)を識別する1ビット情報であって、発射制御処理S1013において、発射ソレノイド152を作動させる場合に設定され、発射ソレノイドを停止させる場合に解除される。また、球送りソレノイド駆動フラグは、球送りソレノイド152の駆動状態(作動状態又は停止状態)を識別する1ビット情報であって、発射制御処理S1013において、球送りソレノイド151を作動させる場合に設定され、球送りソレノイド151を停止させる場合に解除される。本形態においては、発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグと共に他の後述する各種のフラグを含め、フラグが設定されている場合にはその値は「1」であり、フラグが解除されている場合にはその値は「0」であることを意味することとする。なお、本発明においては駆動状態とフラグの値の組合せを逆の構成とすることもできる。発射ソレノイド駆動フラグが設定されている場合及び発射ソレノイド駆動フラグが解除されている場合には、それぞれ、発射関連信号用の信号送信回路からオン状態の発射制御信号及びオフ状態の発射制御信号が主制御基板920の外部に出力され、球送りソレノイド駆動フラグが設定されている場合及び球送りソレノイド駆動フラグが解除されている場合には、それぞれ、発射関連信号用の信号送信回路からオン状態の球送り制御信号及びオフ状態の球送り制御信号が主制御基板920の外部に出力される。発射制御信号及び球送り制御信号の出力状態は次回のタイマ割込み処理まで維持される。本形態においては、発射制御信号及び球送り制御信号を含め各種の制御信号の出力状態(オフ状態及びオン状態)は、その出力電圧の相違によって識別されることとするが、各種の制御信号はアクティブ状態において電圧が高い状態であってもよいし、アクティブ状態において電圧の低い状態であってもよい。なお、本発明においては、波形等によって識別される状態であってもよい。発射制御信号及び球送り制御信号は電源監視装置910及び電源・発射制御装置900の発射制御部を介して発射装置150に入力され、その入力に基づいて、発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151が駆動される。具体的には、オン状態の発射制御信号が入力されると、発射ソレノイド152が停止状態である場合には作動状態に移行され、既に作動状態である場合にはその状態を維持する。逆に、オフ状態の発射制御信号が入力されると、発射ソレノイド152が既に停止状態である場合にはその状態を維持し、作動状態である場合には停止状態に移行される。
発射制御・報知関連情報出力処理S1002の後に、払出制御基板930やサブ制御基板940へのデータ信号(コマンド信号)の送信制御に用いられるストローブ信号及び遊技機の設置ホールの管理コンピュータ等の外部装置(図示せず)へ所定の情報を提供するために用いられる外部報知信号が外部出力される(「送信制御・外部報知の信号出力処理」S1003)。具体的には、送信制御・外部報知出力バッファ(RAMの一部の領域)に格納された払出系用ストローブ制御フラグ、サブ系用ストローブ制御フラグ、不正検知フラグ、入賞フラグ等の情報が送信制御・外部報知信号用の信号送信回路に出力される。送信制御・外部報知信号用の送受信回路からの出力制御は上記の発射関連信号用の信号送受信回路の場合と同様である。
外部報知情報出力処理S1003の後に、大当たり乱数カウンタ、大当たり図柄カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び当たり乱数カウンタが上述のように更新される(「更新乱数更新処理」S1004)。
乱数更新情報S1004の後に、電源監視装置910の電源監視部911から出力されている停電信号の入力状態を検出し、その検出結果に基づいて停電状態であるか否かが検知され、停電状態である場合には停電発生情報(RAMの一部の領域)に所定の停電状態値が設定され、停電状態でない通電状態の場合には停電情報に停電状態値と異なる所定の通電状態値が設定される(「停電情報更新処理」S1005)。具体的には、所定の回数(本形態では2回)のタイマ割込みにおいてオン状態の停電信号を連続して検出した場合に、停電状態であると認定されて停電フラグに所定の値が設定される。
停電情報更新処理S1005の後に、不正が検知されているか否かが判定される(S1006)。具体的には、不正検知情報が不正発生を表す所定の不正発生値であるか否かが判定される。不正検知情報は、通常は不正発生値と異なる所定の値であるが、磁気センサ監視処理S1012において磁気センサ430の感知に基づく不正が検知された場合及びスイッチ監視処理S1014において特別遊技状態と異なる状態で特別入賞装置62に遊技球が入賞した場合に不正発生値に変更される。
判定処理S1006において不正が検知されていないと判定された場合(S1006:N)には、主制御基板720に接続された各種の報知装置へ報知内容を変更させたり、維持させたりする情報が出力される(「報知情報出力処理」S1007)。
報知情報出力処理S1007の後に、主制御基板920に接続されている各種のスイッチの出力状態がスイッチ信号用の信号受信回路(信号送受信回路の一種)から入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、スイッチごとに、今回のタイマ割込みで読み込まれたその出力状態(以下、「今回の出力状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで読み込まれた出力状態(以下、「前回の出力状態」と略記する)と、前々回のタイマ割込みで読み込まれた出力状態(以下、「前々回の出力状態」と略記する)とに基づいて出力状態の変更が検知され、その検知後に、次回のタイマ割込みにおける出力状態の変更の検知のために、今回の出力状態及び前回の出力状態が、それぞれ、前回の出力状態及び前々回の出力状態として循環的に更新保存される(「スイッチ読込処理」S1013)。具体的には、各スイッチに対して、前々回の出力状態がオフ状態であり、前回の出力状態及び今回の出力状態の双方がオン状態である場合にオン状態移行と検知されてスイッチの種類に応じたオン移行フラグ(RAMの一部の領域)が設定され、前回の出力状態を保持する前回オン状態フラグ(RAMの一部の領域)及び前々回オン状態フラグ(RAMの一部の領域)が更新(設定又は解除)される。複数回のタイマ割込みにおけるスイッチの出力状態に基づいて出力状態や出力状態の変更を検知することによってノイズ耐性を向上させることができる。このように複数回にわたる出力状態のパターンに応じて出力状態や出力状態の変更を検知する処理は一般的にフィルタリング処理と称される。本形態においてはソフトウェア的にフィルタリング処理を行うが、本発明においてはハードウェア的にフィルタリング処理を行う構成であってもよいし、フィルタリング処理を行わない構成であってもよい。
スイッチ読込処理S1008において、具体的には、一般入賞スイッチ81、特別入賞スイッチ82、特別始動スイッチ83、普通始動スイッチ84の出力状態が読み込まれる。なお、初期化スイッチ107の出力状態は読み込まれない。
スイッチ読込処理S1008の後に、スイッチ読込処理S1008において設定される特別始動スイッチ83、特別入賞スイッチ82、普通始動スイッチ84、一般入賞スイッチ81の各々に対するオン移行フラグの設定状況に応じた処理が実行される(「特別始動SW処理」S1009、「特別入賞SW処理」S1010、「普通始動SW処理」S1011、「一般入賞SW処理」S1012)。
ここで、特別始動SW処理S1009及び特別入賞SW処理S1010について詳細に説明する。図10は特別始動SW処理の一例を表すフローチャートであり、図11は特別入賞SW処理の一例を表すフローチャートである。
特別始動SW処理S1009において、図10に示されたように、特別始動スイッチ83による遊技球の検出に基づいて特別始動スイッチ83のオン移行フラグが設定されているか否かが判定され(S101)、そのオン移行フラグが設定されていない場合(S101:N)には何らの実質的な処理も実行されずに本処理が終了し、一方、そのオン移行フラグが設定されている場合(S101:Y)には、以下の処理が実行される。
まず、遊技停止監視タイマT1(図10においては「タイマT1」と略記)が「0(基準値)」であるか否かが判定される(S102)。遊技停止監視タイマT1は、振動センサ10による所定の条件を満たす振動の検知に基づいて作動するタイマである。遊技停止監視タイマT1が「0」である場合は、所定の条件を満たす振動が検知されていない状態や、所定の条件を満たす振動が検知されたが所定の遊技停止監視期間が終了している場合を意味し、遊技停止監視タイマT1が「0」でない場合は、所定の条件を満たす振動が検知され、所定の遊技停止監視期間が終了していない場合を意味する。なお、遊技停止監視タイマT1は、振動センサ監視処理S1015において設定される。
遊技停止監視タイマT1が基準値であると判定されたとき(S102:Y)、特別始動装置63へ進入した遊技球の個数が払出用、外部報知用及び特別始動口ソレノイド73の駆動制御用として個別に更新され(S103〜S108)、特別図柄変動の保留回数が最大許容数以上でない場合(S109:N)には、更に、特別図柄保留数が更新され(S110)、大当たり乱数カウンタ、大当たり図柄カウンタ停止パターン選択カウンタから乱数が取得され(S111〜S113)、サブ制御基板940に送信されることとなる特別図柄保留数の情報を含むコマンドが設定される(S114)。
一方、遊技停止監視タイマT1が「0」以外であると判定された場合(S102:N)には、不正検知情報に所定の不正発生値が設定され(「不正検知情報更新処理」S115)、送信制御・外部報知出力バッファの不正検知フラグが設定され(「不正報知設定処理」S116)、発射出力用バッファの発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグが解除され(「発射関連情報設定処理」S117)、停止状態の発射制御信号及び停止状態の球送り制御信号が主制御基板920の外部に出力される(「発射関連信号出力処理」S118)。なお、不正検知フラグが設定されると、次回のタイマ割込み処理の外部報知情報出力処理S1003(図9参照)において遊技機100の外部の監理コンピュータ等にオン状態の不正検知信号が出力され、一旦停電状態に移行させるまで不正検知信号のオン状態が維持されることとなる。発射関連信号出力処理S118は、発射関連信号出力処理S1002(図9参照)と実質的に同一の処理であり、発射関連信号出力処理S118において、発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151が強制的に停止状態に移行することとなり、遊技進行が強制的に停止される。なお、不正検知情報更新処理S115において不正検知情報に所定の不正発生値が設定された後は、判定処理S1006(図9参照)において不正検知と判定されることとなり(S1006:Y)、発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151の駆動状態を更新する発射制御処理S1013(図10参照)がスキップされることによって、一旦停電状態へ移行するまで発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151の停止状態が維持される。また、不正振動誘導検知コマンドがサブ制御基板940に出力される(「不正振動誘導検知コマンド出力処理」S119)。これによって、不正振動誘導を検知したことを表す報知が発光装置121〜125及び音響装置180において開始されることとなり、一旦停電状態へ移行するまで継続される。
特別入賞SW処理S1010において、図11に示されたように、特別入賞スイッチ82による遊技球の検出に基づいて特別入賞スイッチ82のオン移行フラグが設定されているか否かが判定され(S1101)、そのオン移行フラグが設定されていない場合(S601:N)には何らの実質的な処理も実行されずに本処理が終了し、一方、そのオン移行フラグが設定されている場合(S1101:Y)には、以下の処理が実行される。まず、特別入賞装置62へ進入した遊技球の個数が払出用及び外部報知用として個別に更新される(S1102〜S604)。また、特別遊技状態である場合(S1104:N)には、特別入賞口ソレノイド72の駆動制御用として特別入賞装置62の入球フラグが設定される(S1105)。また、特別遊技状態以外の遊技状態であって特別入賞装置62に対する不正入賞監視期間内である場合(S1105:Y,S1106:N)には、遊技進行を停止させ、不正入賞を報知させるための処理が実行される(S1107及びS1108)。
一般入賞SW監視処理S1012の後に、発射装置150における発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151の駆動を制御するための発射関連情報が設定される(「発射制御処理」S1013)。具体的には、発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグの状態が更新される。
発射制御処理S1014の後に、磁気センサ430からの磁気センサ信号が監視され、磁気センサ信号に基づいて不正が検知される(「磁気センサ監視処理」S1014)。具体的には、磁気を検出していないことを表すオフ状態の磁気センサ信号が検知されてからその後50回のタイマ割込みにおいて連続してオン状態の磁気センサ信号が検知された場合に不正磁気誘導と検知されて、遊技進行が強制的に停止される。また、磁気センサ監視処理S1014においては、不正振動誘導検知コマンドに代えて不正磁気誘導検知コマンドがサブ制御基板940に出力され、不正磁気誘導を検知したことを表す報知が発光装置121〜125及び音響装置180において開始されることとなる。遊技進行の強制停止状態及び不正磁気誘導の報知状態は一旦停電状態に移行させるまで継続する。
磁気センサ監視処理S1014の後に、振動センサ10からの振動センサ信号が監視され、振動センサ信号に基づいて不正振動誘導が検知される(「振動センサ監視処理」S1015)。ここで、振動センサ監視処理S1015について説明する。図12及び図13は、振動センサ監視処理の一例を表すフローチャートである。
振動センサ監視処理S1012において、図12に示されたように、まず、遊技停止監視タイマT1(図中では「タイマT1」と略記)の値が所定の基準値(本形態では「0」)であるか否かが判定され(S201)、遊技停止監視タイマT1の値が基準値でない場合(S201:N)には、遊技停止監視タイマT1の値が現在値から「1」だけ減じた値に更新され(「タイマT1更新処理」S202)、一方、遊技停止監視タイマT1の値が基準値である場合(S201:Y)には、タイマT1更新処理S202がスキップされて基準値が維持される。タイマT1更新処理S201の後に、前面枠開閉状態フラグF2(図中では「フラグF2」と略記)が解除されているか否かによって前面枠セット103が閉鎖状態であるか開放状態であるかが判定される(S203)。ここで、前面枠開閉状態フラグF2は、前面枠スイッチ109からの前面枠スイッチ信号の出力状態に基づいて前面枠セット103の開閉状態を表すフラグであり、スイッチ読込処理S1008において、オン状態の前面枠スイッチ信号が検知されている前面枠セット103の開放状態において設定され、オフ状態の前面枠スイッチ信号が出力されている前面枠セット103の閉鎖状態において解除される。
判定処理S203において前面枠開閉状態フラグF2が設定されていると判定された場合(S203:N)には、振動センサ10からの振動センサ信号がオン状態であるか否かによって振動検知状態であるか否かが判定される(S204)。振動センサ信号がオン状態である場合(S204:Y)には、参加管理期間フラグが設定されているか否かによって参加型演出における参加期間に相当する期間であるかその他の非参加期間に相当する期間であるかが判定され(S205)、参加管理期間フラグが設定されていない場合(S205:N)には、振動検知カウンタC1(図中では「カウンタC1」と略記)の値が現在値に所定の第1振動検知値(本形態では「3」)だけ加算した値に更新され(「カウンタC1更新処理」S206)、一方、参加管理期間フラグが設定されている場合(S205:Y)には、振動検知カウンタC1の値が現在値に所定の第2振動検知値(本形態では「2」)だけ加算した値に更新される(「カウンタC1更新処理」S207)。カウンタC1更新処理S206,S207の後に、振動検知カウンタC1の値が規定最大値(本形態では、「255」)以上であるか否かが判定され(S208)、規定最大値を越えている場合には、振動検知カウンタC1が規定最大値に設定され(「カウンタC1設定処理」S209)、規定最大値を越えていない場合には、カウンタC1設定処理S208がスキップされてカウンタC1更新処理S206,S207における更新値が維持される。
一方、判定処理S204において振動センサ信号がオフ状態であると判定された場合(S204:N)には、振動検知カウンタC1の値が基準値(本形態では「0」)であるか否かが判定される(S210)。振動検知カウンタC1の値が基準値でない場合(S110:N)には、振動検知カウンタC1の値が、現在値から所定の非振動検知値(本形態では「1」)だけ減算した値に更新される(「カウンタC1更新処理」S211)。カウンタC1更新処理S211の後に、更新後の振動検知カウンタC1の値が基準値であるか否かが判定される(S212)。更新後の振動検知カウンタC1の値が基準値である場合(S212:N)には、振動検知フラグF1(図中では「フラグF1」と略記)が解除されているか否かが判定される(S213)。振動検知フラグF1が解除されていない場合、つまり、振動検知フラグF1が設定されている場合(S213:N)には、振動検知フラグF1が解除され(「フラグF1解除処理」S214)、過剰振動報知停止コマンドが主制御基板920からサブ制御基板940に出力され(「過剰振動報知停止コマンド出力処理」S215)、また、振動検知カウンタC1が基準値に設定される(「カウンタC1設定処理」S216)。
判定処理S213において振動検知フラグF1が解除されていると判定された場合(S213:Y)には、フラグF1解除処理S214〜カウンタC1設定処理S216がスキップされる。また、判定処理S212において振動検知カウンタC1の値が基準値でないと判定された場合(S212:Y)には、判定処理S213〜カウンタC1設定処理S216がスキップされる。また、判定処理S210において振動検知カウンタC1が基準値であると判定された場合(S210:Y)には、カウンタC1更新処理S211〜カウンタC1設定処理S216がスキップされる。
判定処理S203において前面枠開閉状態フラグF2が設定されていると判定された場合(S203:Y)には、振動検知カウンタC1が強制的に解除される(「カウンタC1解除処理」S217)。具体的には、振動検知カウンタC1が基準値(「0」)に設定される。カウンタC1解除処理S217の後に、振動検知フラグF1が解除されているか否かが判定され(S218)、振動検知フラグF1が設定されている場合(S218:N)には、振動検知フラグF1が解除され、過剰振動報知停止コマンドが主制御基板920からサブ制御基板940に出力される。一方、振動検知フラグF1が解除されている場合(S218:Y)には、フラグF1解除処理S219及び過剰振動報知停止コマンド出力処理S220がスキップされる。
カウンタC1設定処理S209,S216等の後に、図13に示されたように、振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値(本形態では「90」)未満であるか否かが判定される(「過剰振動判定処理」S221)。振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値以上である場合(S221:N)には、振動検知フラグF1が設定されているか否かが判定され(S222)、振動検知フラグF1が設定されていない場合(S222:N)には、振動検知フラグF1が設定され(「フラグF1設定処理」S223)、また、過剰振動報知開始コマンドが主制御基板920からサブ制御基板940に出力される(「過剰振動報知開始コマンド出力処理」S224)。なお、サブ制御基板940では、過剰振動報知開始コマンドの受信に応じて、枠発光装置121〜125及び音響装置180を作動させて、それらに過剰振動の発生を報知させる。一方、振動検知フラグF1が設定されていると判定された場合(S222:Y)には、振動検知カウンタC1の値が異常振動閾値(本形態では「240」)未満であるか否かが判定され(「異常振動判定処理」S225)、その値が異常振動閾値以上である場合(S225:N)には、遊技停止監視タイマT1(図中には「タイマT1」と略記)の値が所定の規定値(本形態では6秒に相当する「1500」)に設定される(「タイマT1設定処理」S226)。一方、振動検知カウンタC1の値が異常振動閾値未満であると判定された場合(S225:Y)には、タイマT1設定処理S226がスキップされ、遊技停止監視タイマT1の値は維持される。遊技停止監視タイマT1に「0」以外の値が設定されている期間が遊技停止監視期間であり、遊技停止監視期間に特別始動スイッチ83が遊技球を感知した場合には、上述のように遊技進行が停止されることとなる。
判定処理S201〜タイマT1設定処理S226で構成される振動センサ監視処理S1015の後に、図9に示されたように、外部報知情報出力処理S1003において出力される各種の情報が設定される(「外部報知情報設定処理」S1016)。
外部報知情報設定処理S1016の後に、タイマ割込みの実行回数を表す割込み数(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新される(「割込み数更新処理」S1017)。割込み数更新処理S1017の実行によってタイマ割込み処理が終了する。
次に、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図14は主制御基板のメイン処理(図中には「主制御メイン処理」と略記)の一例を表すフローチャートである。停電状態からの復帰に応じて実行されるメイン処理において、図14に示されたように、まず、主制御基板920を立ち上げるための処理や各種の情報を初期設定する処理が実行される(「制御開始処理」S1201)。ここで、制御開始処理S1201について詳細に説明する。図15は、制御開始処理の一例を表すフローチャートである。制御開始処理S1201において、図15に示されたように、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値が設定される(「プログラム開始処理」S1301)。プログラム開始処理S1301の後に、払出制御基板930及びサブ制御基板940等が立ち上がるまで、所定の時間だけ待機する(「周辺装置立上待機処理」S1302)。周辺装置立上待機処理S1302の後に、電源・発射制御装置900の初期化スイッチ107からの強制初期化信号がオン状態であるか否かによって、RAMに保持されている各種の情報を強制的に初期化するか否かが判定される(S1303)。強制初期化信号がオフ状態である場合(S1303:N)には、停電発生情報(RAMの一部の領域)が所定の停電発生値に設定されているか否かが判定される(S1304)。停電発生情報が停電発生値である場合(S1304:Y)には、前回の停電状態への移行時に制御終了処理S1220(図14参照)においてRAMの所定の領域のチェックサムの2の補数に対応するRAM判定値が算出されているために、RAMの同一の領域のチェックサムが算出されて、算出されたチェックサムとRAM判定値とに基づいて保持情報が正常に保持されているか否かが判定される(S1305)。保持情報が正常に保持されている場合(S1305:Y)には、停電発生情報が所定の基準値に更新され(「停電発生情報解除処理」S1306)、また、保持情報がRAMの所定の領域に復帰される(「保持情報復帰処理」S1307)。保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に復帰することとなる。但し、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していたとしても場合には、それらのエラー状態は全て解除される。
判定処理S1303において強制初期化信号がオン状態であると判定された場合(S1303:Y)、判定処理S1304において停電発生情報に停電発生値が設定されていないと判定された場合(S1304:N)及び判定処理S1305において保持情報が正常に保持されていない場合(S1305:N)には、RAMの保持情報が初期化され(「保持情報初期化処理」S1308)、また、初期化コマンドが主制御基板920から払出制御基板930及びサブ制御基板940の双方に出力される(「初期化コマンド出力処理」S1209)。初期化コマンドを受信した払出制御基板930及びサブ制御基板940の各々においては、所定の初期化処理が実行されることとなる。
保持情報復帰処理S1307及び初期化コマンド出力処理S1309の後に、タイマ割込み等の各種の割込み制御のモードが設定される(「割込みモード設定処理」S1310)。割込みモード設定処理S1310の後に各種の割込みが許可される(「割込み許可処理」S1311)。割込み許可処理S1311の終了によって制御開始処理S1201が終了する。
制御開始処理S1201は、停電状態からの復帰後において一度だけ実行され、その後は、図14に示されたように、停電状態へ移行しない限り繰り返し実行されるループ処理に移行する。
ループ処理において、まず、大当たり初期値乱数カウンタ及び当たり初期値乱数カウンタの値が上述のように更新される(「補助抽選乱数更新処理」S1202)。タイマ割込み等の各種の割込みが禁止される(「割込み禁止処理」S1203)。割込み禁止処理S1103の後に、不正検知情報が所定の不正発生値であるか否かによって不正が検知されているか否かが判定される(S1204)。不正が検知されていない場合(S1204:N)には、リングバッファに格納されている各種のコマンドが格納順に主制御基板920からサブ制御基板940に出力され、また、入賞個数カウンタの値や各種の払出状態情報に基づいて各種のコマンドが払出制御基板930に出力され、また、各種のコマンドの出力に伴い送信制御信号もサブ制御基板940や払出制御基板930に出力される(「出力制御処理」S1205)。なお、本形態においては、出力制御処理S1205が割込みによって中断されることがない様に、これらの処理は割込みを禁止した状態で実行している。また、本形態においては、1回のループ処理の出力制御処理S1205において出力されるコマンドの総数が所定の個数(例えば、「4」)以下に規制されており、1回のループ処理が所定の時間(例えば、4ms)以内に終了するように構成されている。
出力制御処理S1205の後に、タイマ割込み等の各種の割込みが許可される(「割込み許可処理」S1206)。割込み許可処理S1206の後に、変動パターン等を決定するための第1〜第3の変動種別カウンタカウンタの値が更新される(「変動用カウンタ更新処理」S1207)。
変動用カウンタ更新処理S1207の後に、主制御基板920の外部からの各種の入力信号が監視される(「入力信号監視処理」S1208)。具体的には、入力信号監視処理S1108において、払出制御基板930から出力される賞球計数信号(払出装置358から払い出される遊技球の払出計数スイッチ362による検出に応じた信号)の出力状態及び賞球計数信号の受信状況を監視する払出中タイマ(RAMの一部の領域)の値に基づいて賞球の払い出し状態が確認され、状況に応じて払い出し中であるか否かを識別する払出中フラグ(払出状態情報の一種)が更新され、また、払出フラグが設定された場合には払出開始コマンドがリングバッファに格納され、払出フラグが解除された場合には払出終了コマンドがリングバッファに格納される。なお、サブ制御基板940は、払出報知開始コマンドの受信によって枠発光装置121〜125による払出中の報知を開始させ、払出報知開始コマンドの受信によって払出中の報知を終了させることとなる。また、入力信号監視処理S1108において、払出制御基板930から出力される異常信号の出力状態に基づいて払出装置358における異常の発生や払出制御基板930に接続された内枠スイッチ108、前面枠スイッチ109、貯留球スイッチ363による異常の検出が確認され、状況に応じて払出関連の異常発生中であるか否かを識別する払出異常フラグ(払出状態情報の一種)が更新され、また、払出異常フラグが設定された場合にはリングバッファに払出異常発生コマンドが格納され、払出異常フラグが解除された場合にはリングバッファに払出異常解消コマンドが格納される。なお、サブ制御基板940は、払出異常発生コマンドの受信によって枠発光装置121〜125や音響装置180による払出中の報知を開始させ、払出異常解消コマンドの受信によって払出中の報知を終了させることとなる。また、入力信号監視処理S1108において、球溢れスイッチ164の検出状態に基づく球溢れ信号の出力状態に基づいて下皿160における遊技球の貯留状態が確認され、状況に応じて下皿160が満タンあるか否かを識別する球溢れフラグ(払出状態情報の一種)が更新され、また、球溢れフラグが設定された場合にはリングバッファに球溢れ発生コマンドが格納され、球溢れフラグが解除された場合にはリングバッファに球溢れ解消コマンドが格納される。なお、サブ制御基板940は、球溢れ発生コマンドの受信によって枠発光装置121〜125や音響装置180による下皿満タンの報知を開始させ、球溢れ解消コマンドの受信によって下皿満タンの報知を終了させることとなる。
入力信号監視処理S1208の後に、特別図柄表示装置91(図5及び図6参照)、特別図柄保留表示装置92(図5及び図6参照)、普通図柄表示装置93(図5及び図6参照)及び普通図柄保留表示装置94(図5及び図6参照)の表示制御の開始判定が行われる(「変動開始確認処理」S1209)。具体的には、変動開始確認処理S1209において、特別図柄表示装置91の特別図柄が変動表示中でなく、遊技状態が特別遊技状態でなく、かつ、特別図柄の変動表示の保留中である場合に、特別図柄の変動表示の開始が許容され、その変動表示を開始させるために、特別図柄表示装置91の作動中を表す特別図柄表示装置91の作動フラグ、特別図柄表示装置91の変動表示の開始許可を表す特別図柄の変動開始フラグが設定される。なお、通常遊技状態において特別図柄の変動表示がなされない場合には、装飾図柄表示装置95の表示を所定のデモンストレーション表示へ変更させるための判定も実行される。また、普通図柄表示装置93の普通図柄が変動表示中でなく、特別始動装置63が作動しておらず、かつ、普通図柄の変動表示の保留中である場合に、普通図柄の変動表示の開始が許容され、その変動表示を開始させるために、普通図柄表示装置93の作動中を表す普通図柄表示装置93の作動フラグ、普通図柄表示装置93の変動表示の開始許可を表す普通図柄の変動開始フラグが設定される。
変動開始確認処理S1209の後に、特別図柄表示装置91における特別図柄の表示制御や装飾図柄表示装置95における装飾図柄の演出制御が行われ(「特別図柄変動処理」S1210)、また、特別遊技状態における特別入賞装置62(図5及び図6参照)の作動制御や装飾図柄表示装置95の演出制御が行われる(「特別入賞装置制御処理」S1211)。
特別入賞装置制御処理S1211の後に、普通図柄表示装置93における普通図柄の表示制御が行われ(「普通図柄変動処理」S1212)、また、特別始動装置63(図5及び図6参照)の作動制御が行われる(「特別入賞装置制御処理」S1213)。
判定処理S1204において不正が検知されている場合(S1204:Y)には、遊技進行の停止状態を維持するために出力制御処理S1205〜特別始動装置制御処理S1213がスキップされ、タイマ割込み等の各種の割込みを許可する処理(「割込み許可処理」S1214)のみが実行される。これによって、各種の情報が更新されたり周辺装置の状態が変更されたりすることを防止できる。また、割込み許可処理S1214を実行することによって停電信号の監視が継続できるために、遊技進行の停止状態を解除するために必要な停電状態への移行に際して、正常に制御処理を終了させることができることとなる。
特別始動装置制御処理S1213及び割込み許可処理S1214の後に、停電発生情報が停電発生値であるか否かによって停電状態に移行しているか否かが判定される(S1215)。停電状態に移行していない場合(S1215:N)には、タイマ割込みの割込み数が所定の値(本形態では「2」)であるか否かによって、前回のループ処理が終了してから所定の回数(本形態では2回)だけタイマ割込みが実行されたか否かが判定され(S1216)、所定の回数のタイマ割込みが実行されていない場合(S1216:N)には、補助抽選乱数更新処理S1202と同様に大当たり初期値乱数カウンタ及び当たり初期値乱数カウンタが更新され(「補助抽選乱数更新処理」S1217)、また、変動用カウンタ更新処理S1207と同様に第1〜第3の変動種別カウンタが更新され(「変動用カウンタ更新処理」S1218)、その後に判定処理S1215に戻る。これによって、停電状態への移行を監視しながら所定の回数のタイマ割込みが実行されるまで、大当たり初期値乱数カウンタ、当たり初期値乱数カウンタ及び第1〜第3の変動種別カウンタを更新させながら待つこととなり、ループ処理が一定時間間隔で実行されることとなる。一方、所定の回数のタイマ割込みが実行されたと判定された場合(S1216:Y)には、割込み数が基準値(本形態では「0」)に初期化され(「割込み数初期化処理」S1219)、その後、補助抽選乱数更新処理S1202に戻る。
判定処理S1215において停電状態へ移行していると判定された場合(S1215:Y)には、割込みが禁止され、停電状態へ移行したことを表す停電コマンドがサブ制御基板940に出力され、発射関連信号用の信号送信回路及び送信制御・外部報知信号用の信号送信回路の出力状態がオフ状態に設定され、RAMの所定の領域のチェックサムの2の補数に対応するRAM判定値RAMが算出される(「制御終了処理」S1220)。その後は、無限ループに入り、停電状態から復帰するまで待機することとなる。
ここで、特別図柄変動処理S1210及び特別入賞装置制御処理S1211について特別図柄表示装置91及び特別入賞装置62の動作を参照しながら詳細に説明する。図16は、特別図柄変動処理の一例を表すフローチャートであり、図17は、特別入賞装置制御処理の一例を表すフローチャートであり、図18は、特別図柄表示装置及び特別入賞装置の動作の一例を定性的に表すタイミングチャートである。
特別図柄変動処理S1219において、図17に示されたように、特別図柄表示装置91の作動フラグが設定されているか否かが判定され(S1401)、その作動フラグが設定されていない場合(S1401:N)には何らの実質的な処理も実行されずに本処理が終了し、一方、その作動フラグが設定されている場合(S1401:Y;t1,t4)には、以下の処理が実行される。
まず、特別図柄の表示制御タイマ(図16中においては「特図制御タイマ」と略記)が解除されているか否かが判定され(判定処理S1402)、表示制御タイマが解除されていなければ表示制御タイマが現在値から「1」だけ減じた値に更新されて(「特図制御タイマ更新処理」S1403)、更に、この更新によって、特別図柄の表示制御タイマが解除されたか否かが判定される(判定処理S1404)。更新前後において表示制御タイマが解除されていない場合(S1402:N,S1404:N)には、参加管理期間であるか否かを識別する参加期間管理フラグが制御され(「参加管理期間決定処理」S1405)、また、特別図柄の変動表示を実行するために特別図柄の表示形態の更新が制御される(「特別図柄表示更新処理」S1405:t1〜t4,t4〜t5)。
一方、更新前後の一方において表示制御タイマが解除されている場合(S1402:Y又はS1404:Y)には、特別図柄の変動開始フラグ及び特別図柄の変動表示フラグが解除されているか否かが判定される(判定処理S1407,S1408)。変動開始フラグが設定されている場合(S1407:N)には、変動開始時の各種の処理が実行され、変動開始フラグが設定されている場合(S1407:Y;S1408:N)には、特別図柄として停止図柄を確定表示させる各種の処理が実行され、また、それらのフラグが設定されていない場合(S1407:Y;S1408:Y)には、今回の特別図柄の変動に係る特別図柄表示装置91の作動を終了させるための各種の処理が実行される。
特別図柄の変動開始フラグが設定されている場合(S1407:N)には、特別図柄用の第1保留エリアに格納されている特別図柄の抽選に関連する特別抽選関連情報が実行エリアに移動され、また、特別図柄の第2保留エリア〜第4保留エリアに格納されている特別抽選関連情報が、それぞれ、特別図柄の第1保留エリア〜第3保留エリアに移動される(「保留特別抽選関連情報順送り処理」S1409)。その後、特別図柄の当否が抽選され、その抽選に当選している場合には特別抽選当選フラグが設定され(t4)、落選している場合には特別抽選当選フラグの解除状態が維持される(t1)(「特別図柄抽選処理」S1410)。また、特別図柄及び装飾図柄の変動パターンや変動表示時間が決定され、装飾図柄の変動表示を制御するためにサブ制御基板920に出力する変動パターンや変動表示時間に関するコマンドが設定される(「特別図柄変動パターン決定処理」S1411)。その後、実際的に特別図柄の変動表示を開始させるために、特別図柄変動表示フラグが設定され、特別図柄の表示制御タイマが変動パターンに基づく変動表示時間に対応する値に設定される(「特別図柄変動開始処理」S1412;t1,t4)。また、参加管理期間決定処理S1405において参照され、参加管理期間フラグを制御するために特別図柄の表示制御タイマに対する参加管理期間の開始閾値及び終了閾値が設定される(「参加期間情報設定処理」S1413)。
特別図柄の変動表示フラグが設定されている場合(S1408:N)には、特別図柄に停止図柄が設定される(「特別図柄確定表示処理」S1414)。また、停止図柄を一定時間だけ表示させるために、特別図柄の確定表示フラグが設定され、特別図柄の表示制御タイマが確定表示時間に対応する値に設定される(「特別図柄確定処理」S1415;t2,t5)。
また、特別図柄の変動開始フラグ及び変動表示フラグが設定されていない場合(S1407:Y;S1408:Y)には、今回の特別図柄の変動表示に係る特別図柄表示装置91の作動を停止させるために、特別図柄表示装置91の作動フラグが解除され、特別図柄確定表示フラグが解除される(「特別図柄変動終了処理」S1422;t3,t6)。なお、特別図柄変動終了処理S1422に先立ち、特別抽選当選フラグが設定されているか否かと時短遊技状態における残り特別図柄の変動回数を表す時短遊技数カウンタが解除されているか否かが判定される(S1416,S1417)。特別抽選当選フラグが設定されている場合(S1416:N)には、特別遊技状態であるか否かを表す特別遊技状態フラグが設定され、特別遊技制御タイマが特別入賞装置62の作動待機時間に対応する値に設定され、開閉回数カウンタが解除される(「特別遊技移行処理」S1418;t6)。これによって、通常遊技状態から特別遊技状態へ移行することとなる。一方、時短遊技数カウンタが設定されている場合(S1417:N)には、時短遊技数カウンタが現在値から「1」だけ減じた値に更新される(「時短遊技数カウンタ」S1419)。更新後に再度に時短遊技数カウンタが設定されているか否かが判定され(S1420)、時短遊技数カウンタが解除された場合(S1420:N)には、時短遊技状態であるか否かを表す時短遊技状態フラグが解除される(「通常遊技状態移行処理」S1421)。これによって、時短遊技状態から通常遊技状態へ移行することとなる。
特別入賞装置制御処理S1211において、図17に示されたように、特別遊技状態中であることを表す特別遊技状態フラグが設定されているか否かが判定され(S1501)、特別遊技状態フラグが設定されていない場合(S1501:Y)には何らの実質的な処理も実行されずに本処理が終了し、一方、特別遊技状態フラグが設定されている場合(S1501:N)には、以下の処理が実行される。
まず、特別入賞装置62の入球数が、特別入賞SW処理S1010(図9参照)において、更に詳細には特別入賞装置入球フラグ設定処理S1105(図11参照)において特別入賞装置62の入球フラグが設定されている場合に更新される(「特別入賞装置入球数更新処理」S1502)。また、特別入賞装置62の制御タイマが現在値から「1」だけ減じた値に更新される(「特別入賞装置制御タイマ更新処理」S1503)。なお、特別入賞装置62の制御タイマが「0」である場合にはその値に維持される。その後、特別入賞口ソレノイド72の作動フラグが解除されているか否かが判定される(S1504)。特別入賞口ソレノイド72の作動フラグが解除されている場合(S1504:Y)には、特別入賞装置62における開閉シャッタ67の閉鎖中の処理が実行され、特別入賞口ソレノイド72の作動フラグが設定されている場合(S1504:N)には、開閉シャッタ67の開放中の処理が実行される。
開閉シャッタ67の閉鎖中の処理においては、特別入賞装置62の制御タイマが解除されているか否かが判定される(S1505)。制御タイマが解除されている場合(S1505:Y)には、特別入賞口ソレノイド72の最終作動状態であるか否かを表す特別入賞装置62の最終開放フラグと特別遊技状態の終了待機状態であるか否かを表す特別遊技状態の終了待機フラグとが設定されているか否かが判定される(S1506,S1507)。特別入賞装置62の最終開放フラグ及び特別遊技状態の終了待機フラグの双方が解除されている場合(S1506:N,S1507:N)には、制御タイマが開閉シャッタ67の開放時間TAに対応する値に設定され(「特別入賞装置制御タイマ設定処理」S1508)、また、特別入賞装置62の作動フラグ及び特別入賞口ソレノイド72の作動フラグが設定される(「特別入賞装置開放処理」S1509)(t7,t9,t11,t14)。これによって、特別入賞装置62の開閉シャッタ67が進入禁止位置から進入許容位置に移行することとなる。最終開放フラグが解除されている場合(S1506:Y)には、特別遊技状態の終了待機フラグが設定され、制御タイマが終了待機時間に対応する値に設定される(「特別入賞装置終了待機状態設定処理」S1510;t15)。これによって、特別遊技状態の終了待機状態に移行することとなる。また、終了待機フラグが解除されている場合(S1507:Y)には、特別遊技状態フラグ及び終了待機フラグが解除される(「特別遊技状態終了処理」S1511;t16)。なお、特別遊技状態終了処理S1511においては、更に、確変遊技状態移行フラグが設定されている場合には確変遊技状態フラグが設定され、時短遊技状態移行フラグが設定されている場合には時短遊技状態フラグが設定される。これによって、特別遊技状態から確変遊技状態又は時短遊技状態に移行することとなる。
一方、開閉シャッタ67の閉鎖中の処理においては、特別入賞装置62の制御タイマが解除されているか否かが判定される(S1512)。制御タイマが解除されている場合(S1512:Y)には、特別入賞装置62の作動フラグ及び特別入賞口ソレノイド72の作動フラグが解除される(「特別入賞装置閉鎖処理」S1514)。これによって、特別入賞装置62の開閉シャッタ67が進入許容位置から進入禁止位置に移行することとなる。また、制御タイマが設定されているとき(S1512:N)には、特別入賞装置62の入球数が規定値(例えば、10球)未満であるか否かが判定され(S1513)、その入球数が規定値以上である場合(S1513:N)には、特別入賞装置閉鎖処理S1514が実行される。
特別図柄変動処理S1210における特別図柄抽選処理S1310及び特別図柄変動パターン決定処理S1311について詳細に説明する。図19は、特別図柄抽選処理の一例を表すフローチャートであり、図20は、特別図柄抽選処理で選択される特別図柄の停止パターンと特別図柄表示装置及び装飾図柄表示装置で表示される停止図柄との関係の一例を表す説明図である。また、図21は、特別図柄変動パターン決定処理の一例を表すフローチャートであり、図22は、特別図柄変動パターン決定処理で選択される変動パターンと特別図柄の基本変動時間との関係の一例を表す説明図であり、図23は、特別図柄変動パターン決定処理で選択される加算時間パターンと特別図柄の加算変動時間との関係の一例を表す説明図である。
まず、特別図柄抽選処理S1310において、図19に示されたように、通常遊技状態において通常遊技状態用の当選値データテーブルが選択され、確変遊技状態用の当選値データテーブルが選択される(「当選値データテーブル選択処理」S1601)。なお、各当選データテーブルには当選値が列挙されている。当選データテーブル選択処理S1601で選択された当選値データテーブルに列挙されている当選値と特別図柄用の取得乱数格納領域の実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタ値との比較によって、特別遊技状態へ移行させるか否かが判定される(S1602)。
実行エリアの値がいずれの当選値とも合致しなかった場合(S1602:N)には、特別遊技状態移行抽選に落選したこととなり、特別図柄の停止図柄がハズレ図柄に決定され(「停止図柄決定処理」S1603)、また、遊技状態と今回の変動開始時の特別図柄の変動保留数と特別図柄用の取得乱数格納領域の実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタの値とに基づいて停止パターンが決定される(「停止パターン決定処理」S1604)。なお、図20に示されたように、特別遊技状態移行抽選に落選した場合には、停止パターンとして、装飾図柄の停止図柄にリーチを経由しない完全ハズレ図柄を指定する停止パターン0、装飾図柄の停止図柄にリーチを経由するが前後1図柄を超えてずれたリーチハズレ図柄を指定する停止パターン2又は装飾図柄の停止図柄にリーチを経由するが前後1図柄だけずれたリーチ前後ハズレ図柄を指定する停止パターン3が選択される。
一方、図19に示されたように、実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタ値がいずれかの当選値と合致したとき(S1602:Y)には、特別遊技状態移行抽選に当選したこととなり、特別図柄の変動表示及び確定表示後に特別遊技状態に移行させるか否かを表す特別遊技状態移行フラグが設定され(「特別遊技状態移行フラグ設定処理」S1605)、実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタ値に基づいて特別図柄の停止図柄が決定され(「停止図柄決定処理」S1606)、停止図柄が特定図柄及び非特定図柄である場合にそれぞれ確変遊技状態移行フラグ及び時短遊技状態移行フラグが設定され(「特別遊技状態後移行先設定処理」S1607)、停止図柄が非特定図柄である場には時短遊技数カウンタが規定変動回数に設定され(「時短遊技数カウンタ設定処理」S1608)、停止図柄が特定図柄であるか非特定図柄であるかに基づいて停止パターンが決定される(「停止パターン決定処理」S1609)。なお、図20に示されたように、停止パターンとして、停止図柄が特定図柄である場合には、装飾図柄の停止図柄に確変図柄を指定する停止パターン3が選択され、一方、停止図柄が非特定図柄である場合には、装飾図柄の停止図柄に時短図柄を指定する停止パターン4が選択される。
次に、特別図柄変動パターン決定処理S1311において、遊技状態と停止パターンと今回の変動開始時の特別図柄の変動保留数と第1の変動種別カウンタの値に基づいて変動パターンが選択される(「変動パターン選択処理」S1701)。変動パターン選択処理S1701の後に、変動パターン選択処理S1701で選択された変動パターンが所定の変動パターンである場合には、遊技状態と今回の変動開始時の特別図柄の変動保留数と第2の変動種別カウンタの値に基づいて変動パターンを変更する(「変動パターン選択処理」S1702)。これによって、今回の変動表示に対する変動パターンが確定する。更に、変動パターンと第3の変動種別カウンタの値とに基づいて、加算時間パターンが選択される。変動パターンと加算時間パターンとの組合せによって今回の変動表示の態様が最終的に指定される。具体的には、特別図柄の変動表示に対して、図22又は図23に示されたように、その変動表示時間が変動パターンに対応する基本変動時間と加算時間パターンに対応する加算変動時間とを加えた時間に決定される。また、装飾図柄の変動表示に対して、その変動表示時間が実質的に特別図柄の変動表示時間と同一に決定されると共に、変動パターン及び加算時間パターンに基づいて演出態様が決定されることとなる。加算時間パターン選択処理S1703の後に、停止図柄の識別情報(識別番号)を含む停止図柄コマンドや、停止パターンの識別情報(識別番号)を含む停止パターンコマンドや、変動パターンの識別情報(識別番号)を含む変動パターンコマンドや、加算時間パターンの識別情報(識別番号)を含む加算時間パターンコマンド等の各種の変動コマンドが設定される(「変動コマンド設定処理」S1704)。なお、これらのコマンドは主制御メイン処理の次回のループ処理中の出力制御処理S1205においてサブ制御基板940に出力される。
特別図柄変動処理S1210における参加期間情報設定処理1413及び参加管理期間決定処理1405について説明する。図24及び図25は、それぞれ、特別図柄変動処理内の参加期間情報設定処理及び参加管理期間決定処理の一例を表すフローチャートである。
まず、参加期間情報設定処理S1413において、図24に示されたように、変動パターンの識別番号が規定閾値(本形態では「200」)であるか否かによって特別図柄変動パターン決定処理S1411で決定された変動パターンに対応する装飾図柄の変動表示の演出が参加型演出であるか否かが判定され(S301)、変動パターンの識別番号が規定閾値未満である場合(S301:Y)には、何らの実質的な処理も実行されずに本処理が終了し、一方、変動パターンの識別番号が規定閾値以上である場合(S301:N)には、以下の処理が実行される。ここで、参加型演出とは、遊技者による演出参加スイッチ1(図1参照)の操作に応じて演出内容が変化することがある演出を意味する。なお、参加型演出については、本発明の特徴部分に関連するために別途に詳細に説明する。
特別図柄の変動パターンが参加型演出に対応する変動パターンであるか否かを表す参加型演出フラグが設定される(「参加型演出フラグ設定処理」S302)。また、変動パターンの識別番号が規定種別閾値(本形態では「235」)以上であるか否かによって参加型演出A系統及び参加型演出B系統のいずれに対応する変動パターンであるかが判定される(S303)。変動パターンの識別番号が235未満(但し、「200」以上)と判定される参加型演出A系統に対応する変動パターンの場合(S303:N)に、参加管理期間の始期を決定するための開始閾値が算定されると共に、参加管理期間の終期を決定するための終了閾値が算定される。なお、本形態では、変動パターンの種別及び加算時間パターンの種別に応じた変動表示時間に対応する情報と参加型演出の開始から演出参加スイッチ1の操作を受け付ける参加期間の始期までの時間に対応する情報とに基づいて、演出管理期間の開始閾値が算定され、変動表示時間に対応する情報と参加型演出の開始から参加期間の終期までの時間に対応する情報とに基づいて、演出管理期間の終了閾値が算定される。一方、変動パターンの識別番号が235以上(但し、「255」以下)と判定される参加型演出B系統に対応する変動パターンの場合(S303:Y)に、参加管理期間の始期を決定するための開始閾値と共に参加管理期間の終期を決定するための終了閾値が設定される。なお、本形態では、演出管理期間の開始閾値が参加型演出の終了から参加期間の始期までの時間に対応する値に設定され、演出管理期間の終了閾値が参加型演出の終了から参加期間の終期までの時間に対応する値に設定される。
次に、参加管理期間決定処理S1405において、図25に示されたように、参加型演出フラグと特別図柄の変動表示フラグとが解除されているか否かが判定され(S401,S402)、参加型演出フラグ及び特別図柄の変動表示フラグの少なくとも一方が解除されている場合(S401:Y又はS402:Y)には、何らの実質的な処理も実行されずに本処理が終了し、一方、参加型演出フラグ及び特別図柄の変動表示フラグの双方が設定されている場合(S401:N,S402:Y)には、以下の処理が実行される。
特別図柄の表示制御タイマ(図25中では「特図制御タイマ」と略記)が演出管理期間の開始閾値であるか否かと、特別図柄の表示制御タイマが演出管理期間の終了閾値であるか否かとが判定され(S403,S404)、特別図柄の表示制御タイマが開始閾値及び終了閾値の双方と異なる場合には、実質的な処理が実行されることなく本参加期間決定処理S1405が終了する。特別図柄の表示制御タイマが開始閾値である場合(S403:N)には、参加管理期間であるか否かを識別する参加管理期間フラグが設定される(「参加管理期間フラグ設定処理」S405)。これによって、参加管理期間が開始される。一方、特別図柄の表示制御タイマが終了閾値である場合(S403:Y,S404:N)には、参加管理期間フラグが解除され(「参加管理期間フラグ解除処理」S406)、また、参加型演出フラグが解除される(「参加型演出フラグ解除処理」S407)。これによって、参加管理期間が終了する。
ここで、普通図柄変動処理S1212及び特別始動装置制御処理S1213について普通図柄表示装置93及び特別始動装置63の動作を参照しながら詳細に説明する。図26は、普通図柄変動処理の一例を表すフローチャートであり、図27は、特別始動装置制御処理の一例を表すフローチャートであり、図28及び図29は、普通図柄表示装置及び特別始動装置の動作の一例を表すタイミングチャートである。なお、図28には通常遊技状態におけるタイミングチャートが表され、図29には時短遊技状態におけるタイミングチャートが表されている。
普通図柄変動処理S1212において、図26に示されたように、普通図柄表示装置93の作動フラグが設定されているか否かが判定され(S1801)、作動フラグが設定されていない場合(S1801:Y)には何らの実質的な処理も実行されずに本処理が終了し、一方、作動フラグが設定されている場合(S1801:N)には、以下の処理が実行される。
まず、普通図柄の表示制御タイマが解除されているか否かが判定され(判定処理S1802)、表示制御タイマが解除されていなければ表示制御タイマが現在値から「1」だけ減じた値に更新されて(「普通図柄表示制御タイマ更新処理」S1803)、更に、これによって、普通図柄の表示制御タイマが解除されたか否かが判定される(判定処理S1804)。更新前後において表示制御タイマが解除されていない場合(S1802:N,S1804:N)には、普通図柄の変動表示を実行するために特別図柄の表示形態の更新が制御される(「普通図柄表示更新処理」S1805;図28の時刻t1〜t2,t5〜t6等及び図29の時刻t1〜t2,t9〜t10等)。
一方、更新前後の一方において表示制御タイマが解除されている場合(S1802:Y又はS1804:Y;図28の時刻t1,t2,t3,t5,t6,t7等及び図29の時刻t1,t2,t3,t9,t10,t11等)には、普通図柄の変動開始フラグと普通図柄の変動表示フラグとが解除されているか否かが判定される(判定処理S1806,S1807)。変動開始フラグが設定されている場合(S1806:N;図28の時刻t1,t5等及び図29の時刻t1,t9等)には、変動開始時の各種の処理が実行され、変動開始フラグが解除されて変動表示フラグが設定されている場合(S1806:Y;S1807:N;図28の時刻t2,t6等及び図29の時刻t2,t10等)には、普通図柄として停止図柄を表示させる各種の処理が実行され、また、変動開始フラグ及び普通図柄の変動表示フラグの双方が解除されている場合(S1806:Y;S1807:Y;図28の時刻t3,t7等及び図29の時刻t3,t11等)には、今回の普通図柄の変動に係る普通図柄表示装置93の作動を終了させるための各種の処理が実行される。
普通図柄の変動開始フラグが設定されている場合(S1806:N;図28の時刻t1,t5等及び図29の時刻t1,t9等)には、普通図柄の第1保留エリアに格納されている普通図柄の抽選に関連する普通抽選関連情報が実行エリアに移動され、普通図柄の第2保留エリア〜第4保留エリアに格納されている普通抽選関連情報が、それぞれ、普通図柄の第1保留エリア〜第3保留エリアに移動される(「保留特別抽選関連情報順送り処理」S1808)。また、実行エリアに移動された普通抽選関連情報に基づいて普通図柄の当否が抽選され、その抽選に当選している場合には普通抽選当選フラグが設定され(図28の時刻t1及び図29の時刻t1等)、落選している場合には普通抽選当選フラグの解除状態が維持される(図28の時刻t5等及び図29の時刻t9)(「普通図柄抽選処理」S1809)。また、普通図柄の変動パターンが決定され(「普通図柄変動パターン決定処理」S1810)、実際的に普通図柄の変動表示を開始させるために普通図柄の変動表示フラグが設定され、普通図柄の表示制御タイマが変動パターンに基づいて通常遊技状態の変動表示時間TB又は時短遊技状態の変動表示時間TFに対応する値に設定される(「普通図柄変動開始処理」S1811)。
変動開始フラグが解除されて変動表示フラグが設定されている場合(S1806:Y;S1807:N;図28の時刻t2,t6等及び図29の時刻t2,t10等)には、普通図柄の表示図柄に停止図柄が設定される(「普通図柄確定表示処理」S1812)。また、停止図柄を一定時間だけ表示させるために、普通図柄の確定表示フラグが設定され、普通図柄の表示制御タイマが確定表示時間(TC=TG)に対応する値に設定される(「普通図柄確定処理」S1813)。
また、普通図柄の変動開始フラグ及び変動表示フラグが設定されていない場合(S1806:Y;S1807:Y;図28の時刻t3,t7等及び図29の時刻t3,t11等)には、普通抽選当選フラグが設定されているか否かが判定される(S1814)。普通抽選当選フラグが設定されていない場合(S1814:Y;図28の時刻t7等及び図29の時刻t11)には、今回の普通図柄の変動表示に係る普通図柄表示装置93の作動を停止させるために、普通図柄表示装置93の作動フラグが解除され、普通図柄確定表示フラグが解除される(「変動終了処理」S1816)。一方、普通抽選当選フラグが設定されている場合(S1814:N;図28の時刻t3及び図29の時刻t3等)には、特別始動装置63の開閉羽根68の規定最大開放時間が変動パターンに基づいて通常遊技状態の開放時間TD又は時短遊技状態の変動表示時間TH(>TD)に対応する値に設定され、開閉羽根68の規定最大閉鎖時間が変動パターンに基づいて通常遊技状態の閉鎖時間に対応する値「0」又は時短遊技状態の閉鎖時間TIに対応する値に設定され、特別始動装置63の最大開閉回数カウンタが変動パターンに基づいて通常遊技状態の開閉回数「1」又は時短遊技状態の開閉回数「3」設定され、特別始動装置63の作動フラグが設定される(「当選状態移行設定処理」S1815;時刻t6)。
特別始動装置制御処理S1213において、図27に示されたように、特別始動装置63の作動中であることを表す特別始動装置63の作動フラグが設定されているか否かが判定され(S1901)、作動フラグが設定されていない場合(S1901:Y)には何らの実質的な処理も実行されずに本処理が終了し、一方、作動フラグが設定されている場合(S1901:N)には、以下の処理が実行される。
まず、特別始動装置63の制御タイマが現在値から「1」だけ減じた値に更新される(「特別始動装置制御タイマ更新処理」S1902)。なお、特別始動装置63の制御タイマが「0」である場合にはその値に維持される。その後、特別始動口ソレノイド73の作動フラグが解除されているか否かが判定される(S1903)。特別始動口ソレノイド73の作動フラグが解除されている場合(S1903:Y)には、特別始動装置63における開閉羽根68の閉鎖中の処理が実行され(図28の時刻t3,t4〜t5及び図29の時刻t3,t4〜t5,t6〜t7,t8〜t9等)、特別始動口ソレノイド73の作動フラグが設定されている場合(S1903:N)には、開閉羽根68の開放中の処理が実行される(図28の時刻t3〜t4及び図29の時刻t3〜t4,t5〜t6,t7〜t8等)。
開閉羽根68の閉鎖中の処理においては、特別始動装置63の制御タイマが解除されているか否かが判定される(S1904)。制御タイマが解除されている場合(S1904:Y;図28の時刻t3,t4,t5及び図29の時刻t3,t4,t5,t6,t7,t8,t9,t12等)には、特別始動口ソレノイド73の最終作動状態であるか否かを表す特別始動装置63の最終開放フラグと特別始動装置63の終了待機状態であるか否かを表す特別始動装置63の終了待機フラグとが設定されているか否かが判定される(S1905,S1906)。特別始動装置63の最終開放フラグ及び特別始動装置63の終了待機フラグの双方が解除されている場合(S1905:N,S1906:N;図28の時刻t3及び図29の時刻t3,t5,t7等)には、制御タイマが普通図柄変動処理S1321の当選状態移行処理S1815で設定された開閉羽根68の規定最大開放時間に対応する値、具体的には通常遊技状態の開放時間TD又は時短遊技状態の開放時間THに対応する値に設定され(「特別始動装置制御タイマ設定処理」S1907)、また、特別始動口ソレノイド73の作動フラグが設定され、当選状態移行処理S1815で設定された最大開閉回数が現在値から「1」だけ減算された値に更新され、更新後の最大開閉回数が基準値(「0」)である場合には最終開放フラグが設定される(「特別始動装置開放処理」S1908)。特別始動口ソレノイド73の作動フラグが設定されることによって、開閉羽根68が進入禁止位置から進入許容位置に移行することとなる。
判定処理S1905において最終開放フラグが設定されていると判定された場合(S1905:Y;図28の時刻t4及び図29の時刻t8及びt12)には、最終開放フラグが解除され、特別始動装置63の終了待機フラグが設定され、制御タイマが終了待機時間(TE=TJ)に対応する値に設定される(「特別始動装置終了待機状態移行処理」S1909;時刻t15)。これによって、特別始動装置63の終了待機状態に移行することとなる。
また、終了待機フラグが設定されている場合(S1906:Y;図28の時刻t5及び図29の時刻t9等)には、特別始動装置63の作動フラグ及び終了待機フラグが解除される(「特別始動装置作動終了処理」S1910;時刻t16)。
一方、開閉羽根68の閉鎖中の処理においては、特別始動装置63の制御タイマが解除されているか否かが判定される(S1911)。制御タイマが解除されている場合(S1911:Y)には、特別始動装置63の作動フラグ及び特別始動口ソレノイド73の作動フラグが解除され、開閉羽根68の最大開閉回数が基準値(「0」)でない場合には制御タイマが開閉羽根68の規定閉鎖時間TIに対応する値に設定される(「特別始動装置閉鎖処理」S1913)。これによって、特別始動装置63の開閉羽根68が進入許容位置から進入禁止位置に移行することとなる。また、制御タイマが設定されているとき(S1911:N)には、特別始動装置63の入球数が規定値(例えば、10球)未満であるか否かが判定され(S1912)、その入球数が規定値以上である場合(S1912:N)には、特別始動装置閉鎖処理S1913が実行される(図29の時刻t12)。
(本発明に係る振動検知に関連する主たる構成)
本発明の主たる特徴部分である振動検知及びそれに基づく動作に関連する構成についてまとめて詳細に説明する。遊技機100は、上述のように、外枠101(図3参照)と、内枠セット102(図3参照)と、遊技盤200(図3参照)と、前面枠セット103(図3参照)と、振動センサ10(〔振動検出手段〕の一種;図6参照)と、発射装置150(図3参照)と、発射操作装置170(図1参照)と、演出参加スイッチ1(〔演出参加手段〕の一種;図1参照)と、装飾図柄表示装置95(〔演出報知手段〕の一種;図5参照)と、主制御基板920(図7及び図8参照)と、払出装置382(図7参照)と、払出制御基板930(図7及び図8参照)と、枠発光装置121〜125(〔報知手段〕の一種;図1及び図8参照)と、音響装置180(〔報知手段〕の一種;図1及び図8参照)と、サブ制御基板940(図7及び図8参照)とを備えている。遊技盤200は、図5に示されたように、特別遊技状態において作動する特別入賞装置62(〔利益供与装置〕の一種;図5参照)と、特別遊技状態への抽選契機を提供する特別始動装置63(〔利益供与装置〕の一種;図5参照)とを備えている。
特別入賞装置62は、特別入賞装置62への遊技球の進入を禁止する進入禁止位置とその進入を許容する進入許容位置との間で移行自在である開閉シャッタ67(〔可動部材〕の一種;図5参照)と、開閉シャッタ67の移行を制御する特別入賞口ソレノイド72(〔駆動装置〕の一種:図8参照)と、特別入賞装置62に進入した遊技球を検出する特別入賞スイッチ82(〔遊技媒体検出装置〕の一種:図8参照)とを備えている。また、特別始動装置63は、上始動部63Aと、下始動部63Bと、下始動部63Bへの遊技球の進入を許容する低確率進入許容位置と低確率進入許容位置よりも進入確率の大きい高確率進入許容位置との間で移行自在である開閉羽根68(〔可動部材〕の一種;図5参照)と、開閉羽根68の移行を制御する特別始動口ソレノイド73(〔駆動装置〕の一種:図8参照)と、下始動部63Bに進入した遊技球を検出する特別始動スイッチ83(〔遊技媒体検出装置〕の一種:図8参照)とを備えている。普通始動装置64は、普通始動スイッチ84(図8参照)を備えている。
特別入賞装置62の開閉シャッタ67は、特別遊技状態において、図18に示されたように、特別入賞口ソレノイド72の作動によって16回開放される。各回の開閉シャッタ67の開放は、最大開放時間の経過又はそれより前における規定数(例えば10球)の遊技球の進入によって終了する。なお、開閉シャッタ67の初回の開放動作は、特別図柄の当選後における特別図柄表示装置91による特別図柄の変動表示期間、特別図柄の確定表示期間及び特別入賞装置62(特別遊技状態)の作動待機期間を経てから実行され、また、開閉シャッタ67は、最終回の閉鎖動作の終了後には、少なくとも特別入賞装置62(特別遊技状態)の終了待機期間だけ進入禁止位置に維持される。
特別始動装置63の開閉羽根68は、普通始動装置64への遊技球の進入に伴う普通図柄の抽選に当選した場合に、通常遊技状態においては、図28に示されたように特別始動口ソレノイド73の作動によって一回開放され、一方、時短遊技状態においては、図29に示されたように特別始動口ソレノイド73の作動によって概ね3回開放される。但し、特別始動装置63に規定数(例えば10球)の遊技球が進入した場合には、その動作は終了する。なお、開閉羽根68の開放動作は、普通図柄の変動表示期間及び普通図柄の確定表示期間を経てから実行され、また、開閉羽根68は、最終回の閉鎖動作の終了後には、少なくとも特別始動装置63の終了待機期間だけ低確率進入許容位置に維持される。
振動センサ10は、遊技機100の振動に伴って移動する検出子(図示せず)を備え、検出子の移動に基づいて振動を検出する。振動センサ10からは、所定の大きさ以上の振動が検出されている場合にオン状態の振動センサ信号が出力され、それ以外の場合にはオフ状態の振動センサ信号が出力される。一回の加振に対してオン状態の振動センサ信号が連続的又は間欠的に出力される。なお、大きな振動が加えられた場合には、通常、オン状態の振動センサ信号は間欠的に出力される。振動センサ信号の出力状態は、定期的、具体的には主制御基板920のタイマ割込み周期である2ms周期毎に、主制御基板920に読み込まれ(図9のスイッチ読込処理S1008)、加えられた振動の大きさ等を推定するために、その出力状態が監視される(図9並びに図12及び図13の振動センサ監視処理S1015)。
装飾図柄表示装置95は、特別図柄表示装置91における特別図柄の表示態様に概ね同期して各種の装飾図柄の表示演出を行い、また、特別遊技状態中において各種の表示演出を行う。装飾図柄の表示演出は、遊技者が演出へ参加できる参加期間を少なくとも一部に含む参加型演出と、遊技者が演出に参加できない非参加期間のみを含む非参加型演出とに大別できる。参加型演出が実行されるか非参加型演出が実行されるかは、図22に示されたように、主制御基板920において決定された変動パターンに基づいて決定される。また、装飾図柄の変動表示時間は、特別図柄の変動表示時間と同様に、図22に示されたような主制御基板920において決定された変動パターンに対応する基本変動時間と図23に示されたような加算時間パターンに対応する加算変動時間とに基づいて決定される。更に、変動表示後に確定表示される装飾図柄の停止図柄も、主制御基板920において決定される停止パターンに基づいて決定される。
本形態における参加型演出について説明する。図30は、変動パターンと装飾図柄表示装置による演出種別との関係の一例を表す説明図である。装飾図柄表示装置95における装飾図柄の変動表示中の演出態様は、図30(図22も参照)に示されたように、今回の装飾図柄の変動表示の変動パターンの識別番号が「200」未満である場合には非参加型演出が選択され、「200」以上である場合には参加型演出が選択される。また、参加型演出は、参加期間における遊技者による演出参加スイッチ1への1回の操作(図30中では単一操作)によって演出態様が変化する場合がある参加型演出(参加型演出A系統)と、参加期間における遊技者による演出参加スイッチ1への複数回の操作(図30中では連続操作)によって演出態様が変化する場合がある参加型演出(参加型演出B系統)とに分けられる。以下において、参加型演出の具体例について説明する。図31は、参加型演出の具体例を表す説明図である。図31(A)及び図31(B)の各々が参加型演出A系統の演出の一例を表し、図31(C)及び図31(C)の各々が参加型演出B系統の演出の一例を表している。なお、図31(A)〜図31(D)において、「OFF」及び「ON」は、それぞれ、装飾図柄表示装置95の非作動状態及び作動状態を表している。
まず、参加型演出A系統の演出において、図31(A)及び図31(B)に示されたように、変動パターンが異なる参加型演出A1及び参加型演出A2に対して、変動表示時間(図31(A)の時刻t1〜t4及び図31(B)の時刻t1〜t4’)は異なっているが、参加期間(時刻t2〜t3)の継続時間TL(例えば、1.5秒に対応する「375」)は同一であり、また、変動表示の開始(時刻t1)から参加期間の始期(時刻t2)までの時間TK(例えば、1.5秒に対応する「375」)も同一である。つまり、演出の開始(時刻t1)から参加期間の終期(時刻t3)までの時間も同一となる。なお、変動表示後には一定期間だけ停止図柄が表示される(時刻t4〜t5及び時刻t4’〜t5 ’)。また、演出期間の始期の前において、装飾図柄表示装置95に参加期間が開始されることを表す情報(例えば、演出参加ボタンの画像表示、演出参加ボタンの操作要求の文字表示)が一定期間にわたり表示される。
次に、参加型演出B系統の演出において、図31(C)及び図31(D)に示されたように、変動パターンが異なる参加型演出B1及び参加型演出B2に対して、変動表示時間(図31(C)の時刻t1〜t8及び図31(C)の時刻t1〜t8’)は異なっているが、参加期間(時刻t6〜t7及び時刻t6’〜t7’)の継続時間TM(例えば、10秒に対応する「2500」)は同一であり、また、参加期間の終期(時刻t7及び時刻t7’)から参加型演出A1及び参加型B1の終了(時刻t8及び時刻t8’)までの時間TN(例えば、5秒に対応する「1250」)も同一である。つまり、始期(時刻t6及び時刻t6’)から参加型演出A1及び参加型B1の終了(時刻t8及び時刻t8’)までの時間も同一となる。なお、変動表示後には参加型演出A系統の場合と同一の一定期間だけ停止図柄が表示される(時刻t8〜t9及び時刻t8’〜t9’)。また、演出期間の始期の前において、装飾図柄表示装置95に参加期間が開始されることを表す情報が一定期間にわたり表示される。
演出参加スイッチ1は、サブ制御基板940に電気的に接続されており、サブ制御基板940によって、参加期間における演出参加スイッチ1の操作が検知される。また、主制御基板920におけるROMの一部の領域には、時間TKに対応する始期算定値と、時間TKと時間TLとを加算した時間に対応する終期算定値と、時間TMと時間TNとを加算した時間に対応する始期決定値と、時間TNに対応する終期決定値とが記憶されており、主制御基板920においても、サブ制御基板940で管理される参加期間と実質的に同一の期間が参加管理期間として個別に管理されている。
ここで、主制御基板920における参加管理期間と、特別図柄表示装置91及び装飾図柄表示装置95の表示動作とについて具体的に説明する。図32及び図33は、それぞれ、参加型演出A系統及び参加型演出B系統に対する参加管理期間の一例を定性的に表すタイミングチャートである。
まず、図32に示されたように、時刻t1のループ処理(図14のS1202〜S1218)において、主制御基板920において、停止図柄、停止パターン、変動パターン、加算時間パターンが決定されると(図19のS1310及び図21のS1311)、それらの識別番号を含む停止図柄コマンド、停止パターンコマンド、変動パターンコマンド及び加算時間パターンコマンド等の各種の変動コマンドが設定され(図21のS1704)、特別図柄の変動表示フラグが設定されると共に特別図柄の表示制御タイマが変動パターンに応じた基本変動時間と加算時間パターンに応じた加算変動時間とに基づく変動表示時間に対応する値(例えば「3750」)に設定される(図16のS1412)。また、時刻t1のループ処理において、変動パターンとして参加型演出A系統に対応する変動パターンが選択されているために(図24のS301:Y,S303:N)、参加型演出フラグが設定され(図24のS302)、参加管理期間の開始閾値及び終了閾値が算定される(図24のS304及びS305)。具体的には、開始閾値SH1が変動表示時間に対応する値から始期算定値(時間TKに対応する値)を減算した値に設定され、終了閾値SH2が変動表示時間に対応する値から終期算定値(時間TK+時間TLに対応する値)を減算した値に設定される。なお、各種の変動コマンドは、次回のループ処理においてサブ制御基板940に出力され(図14のS1205)、サブ制御基板940における各種の変動コマンドの受信に応じて参加型演出A表示フラグが設定され、装飾図柄の表示制御タイマに時間TKに対応する値が設定される。これによって、特別図柄の変動表示フラグの設定に応じて、特別図柄表示装置91による特別図柄の変動表示が開始され、また、参加型演出A表示フラグの設定に応じて、装飾図柄表示装置95による装飾図柄の表示演出が開始される。
特別図柄の変動表示及び装飾図柄の表示演出が進行するに伴って、主制御基板920で管理される特別図柄の表示制御タイマの値が減少する(図16のS1403)と共にサブ制御基板940で管理される装飾図柄の表示制御タイマの値が減少する。時刻t1から時間TK後の時刻t2における主制御基板920のループ処理においては、参加型演出フラグが設定されており、特別図柄の変動表示フラグが設定されており、特別図柄の表示制御タイマが始期閾値と一致するために(S401:N,S402:N,S403:N)、参加管理期間フラグが設定される。これによって、参加管理期間が開始される。一方、時刻t2におけるサブ制御基板940の周期処理においては、装飾図柄の表示制御タイマの値が基準値(「0」)に復帰するために、参加期間フラグが設定されると共に、装飾図柄の表示制御タイマが時間TLに対応する値に設定される。これによって、参加期間が開始される。
時刻t2から更に時間TK後の時刻t3における主制御基板920のループ処理においては、参加型演出フラグが設定されており、特別図柄の変動表示フラグが設定されており、特別図柄の表示制御タイマが終期閾値と一致するために(S401:N,S402:N,S403:Y)、参加管理期間フラグが解除され(図25のS406)、参加型演出フラグが解除される(図25のS407)。これによって、参加管理期間が終了する。一方、時刻t2におけるサブ制御基板940の周期処理においては、装飾図柄の表示制御タイマの値が基準値(「0」)に復帰するために、参加期間フラグが解除される。これによって、参加期間が終了する。
時刻t3の後は特別図柄の変動表示及び装飾図柄の表示演出が進行して、時刻t1から変動表示時間後の時刻t4の主制御基板920のループ処理において、特別図柄表示装置91の作動フラグが設定されており、特別図柄の変動表示フラグが設定されており(特別図柄の変動開始フラグは解除)、特別図柄の表示制御タイマの値が基準値(「0」)に復帰するために(図16のS1401:N,S1402:N,S1404:Y,S1407Y,S1408:N)、特別図柄の表示図柄として停止図柄が設定され(図16のS1414)、装飾図柄表示装置95に装飾図柄の表示図柄として停止図柄を確定表示させるための確定表示コマンドが設定され(図16のS1415)、特別図柄の表示制御タイマが停止図柄の確定表示時間に対応する値に設定され(S1415)、特別図柄の変動表示フラグが解除される(S1415)。なお、確定表示コマンドは、次回のループ処理においてサブ制御基板940に出力され(図14のS1205)、サブ制御基板940における確定表示コマンドの受信に応じて装飾図柄の表示図柄として停止パターンの識別番号に対応する停止図柄が確定表示される。
時刻t4の後は特別図柄の確定表示及び装飾図柄の確定表示が継続され、時刻t4から確定表示時間後の時刻t5において、特別図柄表示装置91の作動フラグが設定されており、特別図柄の変動表示フラグが解除されており(特別図柄の変動開始フラグは解除)、特別図柄の表示制御タイマの値が基準値(「0」)に復帰するために(図16のS1401:N,S1402:N,S1404:Y,S1407Y,S1408:Y)、特別図柄表示装置91の作動フラグが解除される(S1422)。一方、時刻t5におけるサブ制御装置940の周期処理において、参加型演出A表示フラグが解除される。
次に、図33に示されたように、参加型演出A系統の場合と同様に、時刻t1のループ処理(図14のS1202〜S1218)において、主制御基板920において、停止図柄、停止パターン、変動パターン、加算時間パターンが決定され(図19のS1310及び図21のS1311)、各種の変動コマンドが設定され(図21のS1704)、特別図柄の変動表示フラグが設定されると共に特別図柄の表示制御タイマが変動表示時間に対応する値に設定される(図16のS1412)。また、時刻t1のループ処理において、参加型演出A系統と共通の参加型演出フラグが設定され(図24のS302)、参加型演出A系統の場合と異なり、変動パターンとして参加型演出B系統に対応する変動パターンが選択されているために(図24のS301:Y,S303:Y)、参加管理期間の開始閾値及び終了閾値が決定される(図24のS306及びS307)。具体的には、開始閾値SH1が始期決定値(時間TM’(=時間TM+時間TN)に対応する値)に設定され、終了閾値SH2が終期算定値(時間TNに対応する値)に設定される。なお、サブ制御基板940における各種の変動コマンドの受信に応じて参加型演出B表示フラグが設定され、装飾図柄の表示制御タイマが変動表示時間から時間TM+時間TNに対応する値を減算した値に設定される。これによって、特別図柄の変動表示フラグの設定に応じて、特別図柄表示装置91による特別図柄の変動表示が開始され、また、参加型演出B表示フラグの設定に応じて、装飾図柄表示装置95による装飾図柄の表示演出が開始される。その後は、参加型演出A系統の場合と同様にして、特別図柄の変動表示や装飾図柄の表示演出が進行する。
ここで、主制御基板920により実行される振動を検知する制御について説明する。前面枠開閉状態フラグF2が解除されている前面枠セット103の閉鎖状態(S203:N)における振動センサ10からのオン状態の振動センサ信号の検出(S204:Y)に応じて、参加管理期間フラグが解除されている非参加管理期間の遊技進行状態(〔遊技進行状態〕の一種)である場合(S205:N)には振動検知カウンタC1の値に「3(〔第1振動検知値〕の一種)」が加算され(S206)、参加管理期間フラグが設定されている非参加管理期間の遊技進行状態(〔遊技進行状態〕の一種)である場合には(S205:N)振動検知カウンタC1の値に「2(〔第2振動検知値〕の一種)」が加算される(S207)。なお、本形態における振動検知カウンタC1は8ビット情報(「0」〜「255」)である。加算した結果、振動検知カウンタC1の値が「255(規定最大値)」を越える場合には(S208:Y)、振動検知カウンタC1の値が「255」に再設定される(S209)。具体的には、加算演算においてキャリーフラグが設定された場合(S208:Y)に、振動検知カウンタC1の値が最大値である「255」に設定される。これによって、振動センサ信号がオン状態である期間において、振動検知カウンタC1の値は遊技進行状態に応じた値ずつ増加し、振動検知カウンタC1の値が「255」に到達した場合には「255」に維持されることとなる。
一方、前面枠開閉状態フラグF2が解除されている前面枠セット103の閉鎖状態(S203:N)であり、かつ、参加管理期間フラグが解除されている非参加管理期間の遊技進行状態(S205:N)において、オフ状態の振動センサ信号の検出(S204:N)に応じて、振動検知カウンタC1の値から「1(〔非振動検知値〕の一種)」が減算される(S211)。具体的には、減算前に振動検知カウンタC1の値が「0(〔基準値〕の一種)」である場合(S210:Y)には、減算を実行せず(S211のスキップ)、また、減算に際してゼロフラグが設定された場合に、振動検知カウンタC1の値として「0」が設定される。これによって、振動検知カウンタC1の値は、振動が発生していない場合には「0」に維持されることとなり、また、振動が発生した後においては、振動中又は振動停止後の振動センサ信号がオフ状態である期間において「1」ずつ減少し、その値が「0」に到達した場合には、「0」に維持されることとなる。
前面枠開閉状態フラグF2が設定されている前面枠セット103の開放状態において(S103:Y)は、振動センサ信号の出力状態に関わらず振動検知カウンタC1は強制的に基準値である「0」に維持される(S217)。
遊技機100に大きな振動が加えられた場合には、通常、振動検知カウンタC1の値は大きな値まで増加する。したがって、振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値(本形態では、「90」)以上である場合(S221:N)には、故意に遊技機100を殴打する等の過剰振動と検知されて、振動検知フラグF1が未だ設定されていない場合(S222:N)には振動検知フラグF1が設定される(S223)。また、過剰振動との検知に応じて、所定の枠発光装置121〜125の発光によって過剰振動の発生が報知される。具体的には、過剰振動との検知に応じて、主制御基板920からサブ制御基板940に過剰振動報知開始コマンドが出力され(S224)、過剰振動報知開始コマンドを受信したサブ制御基板940によって所定の枠発光装置121〜125が作動され、過剰振動発生の報知が実行される。なお、振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値以上でない場合(S221:Y)には、振動が発生していたとしても過剰振動とは判定されないために、振動検知フラグF1が設定されず(S223のスキップ)、また、過剰振動報知開始コマンドが出力されない(S124のスキップ)。したがって、過剰振動発生の報知も行われない。
振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値を越え、更に異常振動閾値(本形態では、「240」以上となった場合(S225:N)には、中央構造体99の転動面99S上で転動している遊技球を特別始動装置63へ誘導するための不正振動誘導である可能性が極めて高いために、その後の特別始動装置63への遊技球の進入の監視が開始される。具体的には、遊技停止監視タイマT1の値に「1500(規定値)」が設定される(S226)。遊技停止監視タイマT1は、振動検知カウンタC1の値が「240」に減少した後における主制御基板920のタイマ割込みごとに「1」だけ減算される(S202)。なお、遊技停止監視タイマT1の値が「0」である場合(S201:Y)には、減算は実行されない(S202のスキップ)。したがって、遊技停止監視タイマT1に「0」以外の値が設定されている期間が遊技停止監視期間であり、その始端は振動検知カウンタC1が「240」以上となったときであり、その終端は振動検知カウンタC1が最後に「240」以下となってから実質的に1500msの一定時間が経過したときである。
遊技停止監視期間における特別始動装置63への遊技球の進入によって特別始動スイッチ83のオン移行フラグが設定された場合(S101:Y,S102:N)には、不正振動誘導の発生と判断されて、不正検知情報に所定の不正発生値が設定され(S115)、強制的に遊技進行が停止される。具体的には、発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグが解除される(S208)と共に、それらのフラグ状態に応じてオフ状態の発射制御信号及びオフ状態の球送り制御信号が出力される(S209)。これによって、発射装置150(図3参照)が強制的に停止状態となり、以降は、不正検知情報に不正発生値が設定されていることによって(S1006:Y)、発射装置150の駆動状態を含め各種のスイッチ等の状態が更新されないために(S1007〜S1016のスキップ)、遊技進行が永続的に停止される。また、外部の監理コンピュータ等へ不正振動誘導の発生が報知される。具体的には、不正検知フラグが設定され(S207)、不正検知フラグの設定に応じて、不正検出信号が監理コンピュータ等に出力される。不正検出信号を受信した監理コンピュータは不正の発生を報知する。また、枠発光装置121〜125及び音響装置180によって、不正振動誘導の発生が報知される。具体的には、不正振動誘導との検知に応じて、不正振動誘導検知コマンドが出力され(S210)、不正振動誘導検知コマンドを受信したサブ制御基板940によって枠発光装置121〜125及び音響装置180が作動され、不正振動誘導の発生が報知される。
ここで、振動が加えられた場合の遊技機の動作について、概ね時系列に沿って具体的に説明する。図34は、振動判定方法を説明するために振動検知カウンタC1の時間推移を定性的に表すタイミングチャートである。図34において、振動センサ信号の時間推移と共に非参加管理期間における振動検知カウンタC1の時間推移(実線)及び参加管理期間における振動検知カウンタC1の時間推移(破線)が示されている。
図34に示されたように、強い振動が加えられると、振動センサ信号の出力状態はオン状態とオフ状態とを繰り返す。時刻t0において振動センサ信号がオン状態に移行すると、参加管理期間において振動検知カウンタC1(実線)の値がタイマ割込み周期ごとに「3」ずつ増加し、振動センサ信号がオフ状態に移行するまでその増加は継続する。その後、時刻t1において振動センサ信号がオフ状態に移行すると、振動検知カウンタC1(実線)の値がタイマ割込み周期ごとに「1」ずつ減少し、振動センサ信号がオフ状態に移行するまでその減少は継続する。なお、図20には、振動検知カウンタC1の値が時刻t0から時刻t1まで滑らかに増加し、時刻t1から時刻t2まで滑らかに減少するかのように示されているが正確には階段状に変化している。他の区間における増加及び減少の場合も同様である。その後、振動センサ信号の出力状態に応じて、振動検知カウンタC1(実線)の値は、時刻t2〜時刻t3、時刻t4〜時刻t5及び時刻t6〜時刻t7において増加し、時刻t3〜時刻t4、時刻t5〜時刻t6、時刻t7〜時刻t8、時刻t4〜時刻t5において減少する。なお、時刻taにおいて振動検知カウンタC1(実線)の値が過剰振動閾値である「90」以上となると、過剰振動の発生と判断される。時刻t8において振動センサ信号がオン状態となると振動検知カウンタC1(実線)の値は同様に増加するが、時刻tcにおいて規定最大値である「255」に到達するとその値が維持される。なお、時刻tbにおいて振動検知カウンタC1の値が異常振動閾値である「240」以上となると、異常振動の発生と判断される。振動センサ信号の出力状態に応じて更新される。時刻t9において振動センサ信号がオフ状態となると振動検知カウンタC1の値が減少し、その値が基準値である「0」に到達するまで減少する。なお、振動検知カウンタC1の値が「0」である場合には、振動センサ信号がオフ状態であってもその値を維持する。
一方、参加管理期間における振動検知カウンタC1(破線)の値も、時刻t0〜時刻t1、時刻t2〜時刻t3、時刻t4〜時刻t5及び時刻t6〜時刻t7においてタイマ割込み周期ごとに増加するが、非参加管理期間と異なり、単位増加量は「2」である。なお、タイマ割込み周期ごとの更新において振動検知カウンタC1(破線)の値が規定最大値を越える場合(時刻tc1〜時刻t5,時刻tc2〜時刻t7、時刻tc3〜時刻tc)には、その値は非振分抽選状態の場合と同様に強制的に規定最大値「255」に維持される。時刻t3〜時刻t4、時刻t5〜時刻t6、時刻t7〜時刻t8、時刻t4〜時刻t5において、非参加管理期間の場合と同様にタイマ割込み周期ごとに「1」ずつ減少する。図20から分かるように、参加管理期間における振動検知カウンタC1(破線)の値は、非参加管理期間における振動検知カウンタC1(破線)の値より常に小さい。また、時刻taよりも遅い時刻ta’において過剰振動閾値「90」となる。なお、図34においては、異常振動閾値「240」を越えないが、たとえ異常振動閾値「240」を越える大きな振動があたえられたとしても、時刻tbよりも遅い時刻tb’において異常振動閾値「240」以上となる。つまり、参加管理期間においては、同一の強度の振動が加えられたとしても、非参加管理期間よりも遅く過剰振動及び異常振動の発生と判断される。
ここで、振動検知カウンタC1の値に応じた遊技機100の動作について説明する。図35は非参加管理期間における振動検知カウンタC1の値の最大値が「90」未満である微少振動に基づく遊技機の動作を定性的に表すタイミングチャートであり、図36は非参加管理期間における振動検知カウンタC1の値の最大値が過剰振動閾値以上異常振動閾値未満である過剰振動に基づく遊技機の動作を定性的に表すフローチャートであり、図37及び図38の各々は非参加管理期間における振動検知カウンタC1の値が異常振動閾値以上となる異常振動に基づく遊技機の動作を定性的に表すタイミングチャートである。なお、図37には遊技進行が続行される場合が示され、図38には遊技進行が停止される場合が示されている。
図35に示されたように、参加管理期間フラグ(図中のOFF)が解除状態を維持している非参加管理期間における振動に基づく振動検知カウンタC1の最大値が「90」未満である場合(S221:Y)には、振動検知フラグF1の状態は解除状態(図中のOFF)に維持されるために(S223のスキップ)、枠発光装置121〜125によって過剰振動の発生の報知(図中の発光報知)は行われない(S224のスキップ)。また、遊技停止監視タイマT1が作動せず(S226のスキップ)、その値が「0」に維持されるために、特別始動スイッチ83のオン移行フラグが解除状態を維持している場合(S101:N)に限らず、図35に示されたように設定状態に移行した場合(S101:Y)であっても遊技停止監視タイマT1が「0」であるために(S102:Y)、不正検知情報は不正非発生値(図中のOFF)を維持する(S115のスキップ)。したがって、音響装置180によって不正振動誘導の報知(音響報知)が行われることも、外部の監理コンピュータ等に不正振動誘導の発生を報知させるための信号の出力(外部送信報知)が行われることもない(S116及びS119のスキップ)。また、不正振動誘導と検知されていないために(S1006:N)、発射許可信号がオン状態である場合には、通常の場合と同様に、球送りソレノイド駆動フラグ及び発射ソレノイド駆動フラグが周期的に制御されて(S1013)、発射装置150は周期ごとに遊技球を1球ずつ射出する。
次に、非参加管理期間における振動に基づいて振動検知カウンタC1の最大値が「90」以上であり「240」未満となる場合について説明する。なお、図25に示された微少振動の場合との相違についてのみ詳細に説明する。図26に示されたように、時刻tdにおいて振動検知カウンタC1の値が「90」以上となったときに(S221:N)、振動検知フラグF1が解除されているために(S222:Y)、振動検知フラグF1が設定される(S223)。また、過剰振動報知開始コマンドがサブ制御基板940に出力され(S224)、枠発光装置121〜125によって過剰振動の発生の報知(図中の発光報知)が開始される(図中のON)。その後、時刻teにおいて振動検知カウンタC1の値が「0」に復帰すると(S212:N)、振動検知フラグF1が解除され(S213)、また、過剰振動報知停止コマンドがサブ制御基板940に出力される(S215)。なお、過剰振動報知停止コマンドを受信したサブ制御基板940は、その受信から所定の時間(例えば、5秒)の経過後に、枠発光装置121〜125による過剰振動の発生の報知を停止する。
次に、非参加管理期間における振動検知カウンタC1の値が「240」以上となるが、特別始動スイッチ83のオン移行フラグが設定されない場合、つまり、非参加管理期間において大きな振動が与えられたが、その直後に特別始動装置63に遊技球が進入しなかった場合について説明する。なお、図36に示された過剰振動の場合との相違についてのみ詳細に説明する。図37に示されたように、時刻tfにおいて振動検知カウンタC1の値が「240」以上となったときに(S225:N)、遊技停止監視タイマT1が規定値である「1500」に設定される(S226)。なお、振動検知カウンタC1の値が「0」以外である場合(S201:N)には、タイマ割込みごとに遊技停止監視タイマT1の値は「1」だけ減算されるが(S202)、振動検知カウンタC1の値が「240」以上である場合には繰り返し、その値に「1500」が設定されるために(S226)、時刻tgにおいて振動検知カウンタC1の値が「240」未満となるまでは、実質的に「1500」に維持される。時刻tgにおいて振動検知カウンタC1の値が「240」未満となると、遊技停止監視タイマT1の値は「1」ずつ小さくなる(S202)。なお、遊技停止監視タイマT1が「0」以外の値をとる時刻tfから時刻tiまでの間が遊技停止監視期間である。時刻thにおいて遊技停止監視タイマT1の値が「0」に復帰すると(S212:N)、振動検知フラグF1が解除され(S214)、また、過剰振動報知停止コマンドがサブ制御基板940に出力される(S215)。なお、過剰振動報知停止コマンドを受信したサブ制御基板940は、その受信から所定の時間(例えば、5秒)の経過後に、枠発光装置121〜125による過剰振動の発生の報知を停止する。
次に、非参加管理期間における振動に基づいて振動検知カウンタC1の値が「240」以上となり、遊技停止タイマT1が解除される前に特別始動スイッチ83のオン移行フラグが設定された場合、つまり、非参加管理期間に大きな振動が与えられ、その直後に特別始動装置63に遊技球が進入した場合について説明する。図38に示されたように、時刻tfから時刻tiまでの遊技停止監視期間内の時刻tmにおいて特別始動スイッチ83のオン移行フラグが設定されると(S101:Y)、遊技停止監視タイマT1が「0」以外の値であるために(S102:N)、不正振動誘導の発生と検知されて、不正検知情報に所定の不正発生値が設定される(S115)。また、不正振動誘導の検知に応じて不正検知フラグが設定される(S116)。不正検知フラグの設定に応じて不正検出信号が監理コンピュータ等の外部装置に送信され、この不正検出信号によって不正振動誘導の発生が外部に報知(図中の外部送信報知)されることとなる(次回のタイマ割込みにおけるS1003)。また、不正振動誘導の検知に応じて、球送りソレノイド駆動フラグ及び発射ソレノイド駆動フラグが強制的に解除される(S117)と共に、オフ状態の球送り制御信号及びオフ状態の発射制御信号が電源監視装置910を介して電源・発射制御装置900の発射制御部912に出力される(S118)。発射制御部912は、オフ状態の球送り制御信号の受信に応じて球送りソレノイド151を停止状態に強制的に移行させ、また、オフ状態の発射制御信号の受信に応じて発射ソレノイド152を停止状態に強制的に移行させることとなる。これによって、発射装置150の動作が停止し、遊技進行が停止されることとなる。更に、不正振動誘導の検知に応じて、不正誘導検知コマンドがサブ制御基板940に出力される(S119)。これによって、不正誘導検知コマンドを受信したサブ制御基板940は、各種の枠発光装置121〜125による発光報知を継続させると共に、音響装置180による不正発生の報知(図中の音響報知)を開始させる。
不正振動誘導の検知に伴う処理の実行後(S115〜S119)においては、不正検知情報に所定の不正発生値が設定されているために(S1204:Y)、実質的にタイマ割込みを許可する処理(S1214)と停電状態への移行に関する処理(S1215,S1220)のみが実行される。また、タイマ割込みにおいても、不正検知情報に所定の不正発生値が設定されているために(S1006:Y)、実質的に球送り制御信号及び発射制御信号の出力(S1002)と外部報知に関する信号の出力(S1003)と電源監視装置910からの停電信号の出力状態の監視(S1005)のみが実行される。なお、球送り制御信号や発射制御信号の出力状態は変更されないために(S1013のスキップ)、発射装置150は不正振動誘導の検知直後において強制的に停止された状態を維持することとなる。また、遊技機100の内部状態が実質的に変更されないために(S1007〜S1016のスキップ)、外部報知の出力状態も変更されず、不正振動誘導の検知直後における出力状態を維持することとなる。更に、サブ制御基板940への各種のコマンドが送信されないために、サブ制御基板940によって制御される枠発光装置121〜125や音響装置180等の各種の装置の作動形態は変更されない。これによって、不正振動誘導の発生に関連する発光報知や音響報知が維持される。なお、この状況は、電源スイッチ382をオフ状態にしたり、電源プラグを電力供給コンセントから抜脱させて停電状態に移行させたりするまで継続する。停電状態に移行させると、電源監視装置910からオン状態の停電信号が主制御基板920に出力される。そのオン状態の停電信号を主制御基板920が受信すると、停電発生情報に所定の停電発生値が設定されて(S1005)、停電状態への移行と検知される(S1215:Y)。これによって、主制御基板920の制御が終了し(S1220)、また、払出制御基板930及びサブ制御基板940の制御が終了する。
なお、不正振動誘導の発生の検知後に、一旦、停電状態へ移行させてから、電源スイッチ382をオン状態にしたり、電源プラグを電力供給コンセントに挿入させたりして通電状態へ移行させたりすると、各種のエラー状態や報知状態や各種の装置の駆動状態が所定の通常の状態に復帰する(S1307)。
次に、参加管理期間フラグが設定されている参加管理期間における振動に基づいて振動検知カウンタC1の値が「240」以上とはならず、同一の振動に基づいて非参加管理期間においては「240」以上となる場合について説明する。図39は、参加管理期間における過剰振動の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャートである。図39には、比較のために、本形態とは異なり参加管理期間においても非参加管理期間の場合と同一の処理を実行する場合が破線で示されている。なお、以下においては、図38に示された非参加管理期間の場合との相違についてのみ詳細に説明する。
図39に示されたように、時刻tnにおいて、参加型演出の進行に伴う参加管理期間フラグの設定に応じて参加管理期間が開始され(図25のS405)、その後に振動が加えられて、時刻td’において振動検知カウンタC1の値が「90」となったときには(S221)、非参加管理期間の場合と同様に、過剰振動の発生と判断されて振動検知フラグF1が設定される。その後、振動検知カウンタC1の値は「240」未満に維持されるために(S221:N,S222:Y,S225:Y)、遊技停止監視タイマT1は設定されない。なお、オン状態の振動センサ信号に基づくタイマ割込みごとの増加量が、非参加管理期間において「3」であったが参加管理期間においては「2」であるために、振動検知カウンタの値は、時刻tdよりも遅い時刻td’において「90」に到達する。なお、図39に示された場合と異なり、参加管理期間においても振動検知カウンタC1が「240」に到達した場合には、非参加管理期間について説明したように、遊技停止監視タイマT1が設定されて遊技停止監視期間が開始されたり(S226)、更に、遊技停止監視期間において特別始動スイッチ83のオン移行フラグが設定された場合には、音響装置180によって不正振動誘導の報知が行われたり、外部の監理コンピュータ等に不正振動誘導の発生を報知させるための信号が出力されたりする(S207及びS210)。また、非管理期間において過剰振動と検知される場合であっても参加管理期間においては微少振動と検知される場合もある。
なお、参加管理期間においては、演出参加スイッチ1に対する操作が要求されるために、遊技機100には必然的に振動が与えられる。特に、参加型演出B系統の演出が実行されているときには、連続的な演出参加スイッチ1に対する操作が要求されるために、遊技機100への振動は大きくなる場合が多く、更に、演出参加スイッチ1に対する各操作による振動強度は小さくても連続的な操作が遊技機の振動状態に同期すると大きな振動となる場合がある。このように、遊技者によっては演出参加スイッチ1に対する通常な操作が行われたにも関わらず、結果的に大きな振動が与えられた場合において、過剰振動報知が報知されたりや遊技進行が停止されたりすることが抑制できる。
最後に、前面枠セット103への開放操作に伴って大きな振動が与えられた直後に特別始動装置63に遊技球が進入した場合について説明する。図40は、前面枠セットの開放操作に伴う異常振動の発生後の特別始動装置への入球の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャートである。なお、図40においては、比較のために、前面枠セット103の閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新されたときの遊技停止監視期間内において特別始動スイッチ83のオン移行フラグが設定された場合が破線で示されている。以下においては、図38に示された異常振動の場合との相違についてのみ詳細に説明する。
図40に示されたように、時刻tkにおいて前面枠セット103への開放操作が開始されて振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値以上となった後に、前面枠スイッチ109がオフ状態となり、時刻tlにおいて、前面枠スイッチ109からオフ状態の前面枠スイッチ信号が検知されると、前面枠スイッチ109の開閉状態を表す前面枠開閉状態フラグF2が解除される(S1208)。前面枠開閉状態フラグF2の解除に応じて(S203:Y)、振動検知カウンタC1の値が基準値である「0」に強制的に変更され(S217)、振動検知フラグF1が既に設定されている(S218:N)ために振動検知フラグが解除され(S219)、過剰振動報知停止コマンドが出力される(S220)。これによって、過剰振動報知が停止される。時刻t1後は、オフ状態の前面枠スイッチ信号が検知されている限り前面枠開閉状態フラグF2の解除状態が維持され(S1208)、前面枠開閉状態フラグF2の解除状態が維持されている(S203:Y)ために、振動検知カウンタC1の値が振動センサ信号の出力状態に依存せずに「0」に維持される(S206、S207及びS215のスキップ)。これによって、前面枠セット103の閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新されたとすれば異常振動と検知される場合であっても、振動検知カウンタC1の値が異常振動閾値以上となることが抑制される。また、前面枠セット103の開放状態への移行に伴う振動によって、遊技停止監視タイマT1が設定されることも抑制される(S226のスキップ)。つまり、前面枠セット103の閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新された場合の遊技停止監視期間内の時刻tmにおいて、特別始動スイッチ83のオン移行フラグが設定されたとしても、不正検知情報が不正検知値に変更されたり、不正検知フラグが設定されたりすることが抑制される。
図40に示された場合と異なり、振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値未満であるときに前面枠スイッチ109からオフ状態の前面枠スイッチ信号が検知された場合や、一旦過剰振動停止コマンドが出力された時刻t1後のように、振動検知フラグF1が解除されている場合(S218:Y)には、振動検知フラグF1の再度の解除は実行されず(S219のスキップ)、過剰振動報知停止コマンドの再度の出力は実行されない(S220のスキップ)。なお、前面枠開閉状態フラグF2の解除に応じて過剰振動発生の報知を停止する場合について説明したが、この報知に代えて前面枠セット103の開放状態を表す所定の報知を開始させてもよい。
本形態の遊技機100であれば、振動センサ10により振動が検出されている場合には振動検知カウンタC1の値が増加して振動センサ10により振動が検出されていない場合には振動検知カウンタC1の値が減少することと、振動検知カウンタC1の値が基準値に到達した場合には振動検知カウンタC1の値が更新されないこととによって、振動検知カウンタC1の値を自己整合的に基準値にリセットできる。したがって、許容振動が繰り返し発生したとしても振動検知カウンタC1の値が積算されることを抑制でき、許容振動の繰り返しに基づいて許容振動範囲を外れるような誤検知を抑制できる。また、リセット時期を決定するタイマ等を設ける必要がなく、遊技機100の構成及び過剰振動の検知の制御が複雑化されることを抑制できる。また、短期間に連続して複数の振動が加えられる場合、つまり、前回の振動が完全に収束する前に次の振動が加えられるような不正目的である可能性が高い場合において、2回目以降の振動において振動検知カウンタC1が強制的にリセットされることがなく、また、振動検知カウンタC1の更新が連続的に再開されるために、連続した振動であっても良好に検知できる。
更に、振動センサ信号の出力状態がオン状態である場合に、参加管理期間においては非参加管理期間よりも振動検知カウンタC1の値の増加量が減少し、参加管理期間における振動の検知感度及び検知速度が非参加管理期間よりも低感度及び低速度となることによって、演出参加スイッチ1に対する操作で必然的に与えられる遊技機100への振動によって過剰振動と検知されることが抑制される。したがって、
更に、遊技盤200の遊技領域内に堆積した遊技球を取り除くために前面枠セット103を開放する場合のように、不正振動誘導の目的で故意に振動を与える場合と同様の強度の振動が発生し、かつその振動によって遊技球の堆積が解除されて一部の遊技球が特別始動装置63に進入した場合であっても遊技進行は停止されないために、不正振動誘導の場合との識別性が向上する。したがって、不正振動誘導の検知精度、特に、遊技機100から離隔した場所において遊技機100からの不正検出信号に基づく不正振動誘導の検知精度が向上する。
〔実施形態2〕
実施形態2の遊技機は、特別図柄の変動中の演出のみが参加型演出を含む上記の実施形態1の遊技機に対して、更に、特別遊技状態中の演出においても参加型演出が含まれている構成である。図41は、特別図柄の停止パターン、特別遊技状態移行時の特別図柄及び装飾図柄の停止図柄及び特別遊技状態中の演出形態の関係の一例を表す説明図であり、特別遊技状態中における参加型演出の具体例を表す説明図である。以下においては、実施形態1と実質的に同一の部材や処理については同一の参照符号を付すこととし、相違部分についてのみ詳細に説明する。
特別遊技状態への移行抽選(特別図柄の抽選)に当選した場合には、停止パターンが決定される。上記の実施形態1の場合には、特別図柄の停止図柄が特定図柄である場合には一律に停止パターンの識別番号が「4」に設定され、その停止図柄が非特定図柄である場合には一律に停止パターンの識別番号が「5」に設定されたが、本形態においては、図41に示されたように、特別図柄の停止図柄が特定図柄である場合には、停止パターンとして、停止パターン3〜停止パターン7が選択され、特別図柄の停止図柄が非特定図柄である場合には、停止パターンとして、停止パターン8〜停止パターン11が選択される。停止パターン3が選択された場合には、装飾図柄の停止図柄が確変図柄となり、停止パターン4〜停止パターン4が選択された場合には、装飾図柄の停止図柄が時短図柄となる。なお、特別図柄の停止図柄が特定図柄である場合には、特別遊技状態の開始時において装飾図柄の停止図柄が時短図柄であったとしても特別遊技状態中に昇格演出が実行されて、特別遊技状態の後に確変遊技状態へ移行することとなる。
具体的には、停止パターン3が選択された場合には、装飾図柄の停止図柄が確変図柄であるために昇格演出は実行されず、停止パターン4が選択された場合には、特別遊技状態中に自動的に昇格演出が実行されて、特別遊技状態後に確変遊技状態へ移行することが報知される。一方、停止パターン5〜停止パターン7が選択された場合には、特別遊技状態中に参加型演出が実行され、参加型演出において所定の条件を満たした場合には特別遊技状態後に確変遊技状態へ移行することが報知され、参加型演出において所定の条件を満たさなかった場合には参加型演出において特別遊技状態後に確変遊技状態へ移行することは報知されず、特別遊技状態の終了後に確変遊技状態へ移行する。停止パターン5、停止パターン6及び停止パターン7が選択された場合の参加型演出として、その発生時期や演出参加スイッチ1の操作条件等が異なる参加型演出C系統、参加型演出D系統及び参加型演出E系統が選択される。
また、停止パターン8が選択された場合には、昇格演出が発生しない。一方、停止パターン9〜停止パターン11が選択された場合には、特別遊技状態中に参加型演出が実行されるが、特別図柄の停止図柄が非特定図柄であるために、特別遊技状態後に確変遊技状態へ移行することはなく必ず時短遊技状態に移行する。したがって、参加型演出において特別遊技状態後に確変遊技状態へ移行することが報知されることはない。停止パターン9、停止パターン10及び停止パターン11が選択された場合の参加型演出として、その発生時期や演出参加スイッチ1の操作条件等が異なる参加型演出C系統、参加型演出D系統及び参加型演出E系統が選択される。
ここで、特別遊技状態中における参加型演出について詳細に説明する。図42は、特別遊技状態中の参加型演出の具体例を表す説明図である。図42(A)、図42(B)及び図42(C)には、それぞれ、参加型演出C系統、参加型演出D系統及び参加型演出E系統の演出態様が表されている。
まず、参加型演出C系統の演出は、図42(A)に示されたように、特別遊技状態のオープニング演出期間(特別入賞口装置62の作動待機期間)(時刻t1〜t2)に実施される。参加期間(時刻t11〜t12)の継続時間TP(例えば、3秒に対応する「750」)は一定であり、また、オープニング演出の開始(時刻t1)から参加期間の始期(時刻t11)までの時間T0(例えば、4.5秒に対応する「1125」)も一定である。なお、オープニング演出期間が一定であるために、参加期間の終期(時刻t12)からオープニング演出の終了(時刻t2)までの時間TQ(例えば、4.5秒に対応する「1125」)も一定である。また、参加期間の始期の前において、装飾図柄表示装置95に参加期間が開始されることを表す情報(例えば、演出参加ボタンの画像表示、演出参加ボタンの操作要求の文字表示)が一定期間にわたり表示される。
次に、参加型演出D系統の演出は、図42(B)に示されたように、特別遊技状態の16回目のラウンド演出期間(時刻t8〜t9)に実施される。参加期間(時刻t13〜t14)の継続時間TS(例えば、10秒に対応する「2500」)は一定であり、また、16回目のラウンド演出の開始(時刻t8)から参加期間の始期(時刻t13)までの時間TR(例えば、6秒に対応する「1500」)も一定である。なお、16回目のラウンド演出期間は特別入賞装置62への遊技球の進入状況によって変化するために、参加期間の終期(時刻t14)から16回目のラウンド演出の終了(時刻t9)までの時間は変動する。参加期間の始期の前において、装飾図柄表示装置95に参加期間が開始されることを表す情報が一定期間にわたり表示される。
まず、参加型演出E系統の演出は、図42(C)に示されたように、特別遊技状態のエンディング演出期間(特別遊技状態の終了待機期間)(時刻t9〜t10)に実施される。参加期間(時刻t15〜t16)の継続時間TP(例えば、3秒に対応する「750」)は一定であり、また、エンディング演出の開始(時刻t9)から参加期間の始期(時刻t15)までの時間T0(例えば、4.5秒に対応する「1125」)も一定である。なお、エンディング演出期間が一定であるために、参加期間の終期(時刻t16)からエンディング演出の終了(時刻t10)までの時間TQ(例えば、4.5秒に対応する「1125」)も一定である。また、参加期間の始期の前において、装飾図柄表示装置95に参加期間が開始されることを表す情報が一定期間にわたり表示される。
オープニング演出の時間、各回のラウンド演出の最大時間、エンディング演出の時間及び各ラウンド演出の時間は、特別入賞装置62の開閉シャッタ67を開閉させる特別入賞口ソレノイド82を制御するための特別入賞装置62の制御タイマによって規定される。また、主制御基板920からサブ制御基板940へは、特別遊技状態の開始に伴いオープニング演出を開始させるためのオープニングコマンドや、各回のラウンドの開始(特別入賞口ソレノイドの作動)に伴い各回のラウンド演出を開始させるための開放コマンドや、最終回のラウンドの終了に伴いエンディング演出を開始させるためのエンディングコマンドが出力される。サブ制御基板940において、参加型演出C系統の演出に対してはオープニングコマンドと演出進行を制御する装飾図柄の表示制御タイマとに基づいて、参加型演出D系統の演出に対しては16回目のラウンドに対応する開放コマンドと装飾図柄の表示制御タイマとに基づいて、また、参加型演出E系統の演出に対してはエンディングコマンドと装飾図柄の表示制御タイマとに基づいて参加期間が管理される。
また、主制御基板920におけるROMの一部の領域には、時間TRに対応する始期算定値と、時間TRと時間TSとを加算した時間に対応する終期算定値と、時間TPと時間TQとを加算した時間に対応する始期決定値と、時間TQに対応する終期決定値とが記憶されており、主制御基板920においても、特別入賞装置62を制御するための制御タイマに基づいてサブ制御基板940で管理される参加期間と実質的に同一の期間が参加管理期間として個別に管理されている。
ここで、特別遊技状態中の参加型演出に対する参加管理期間について説明する。図43は特別図柄変動処理の一例を表すフローチャートであり、図44は特別入賞装置制御処理の一例を表すフローチャートであり、図45は参加期間情報設定処理の一例を表すフローチャートであり、図46及び図47の各々は参加管理期間決定処理の一例を表すフローチャートである。
特別図柄変動処理S1210において、図43に示されたように、特別図柄の確定表示期間が終了したとき(S1401:N,S1404:Y,S1407:Y,S1408:Y)であって、特別図柄の抽選に当選していることを表す当選フラグが設定されている場合に、更に、参加期間情報設定処理S1423が実行される。参加期間情報設定処理S1423において、図45に示されたように、停止パターンが規定番号(「4」)未満であるか否かの判定(S501)が実行され、必要に応じて、停止パターンの識別番号が「5」又は「9」であるか否かの判定(S502)、停止パターンの識別番号が「6」又は「10」であるか否か(S)503、停止パターンの識別番号が「7」又は「11」であるか否かの判定(S504)が更に実行される。停止パターンの識別番号が「5」又は「9」であると判定された場合には(S501:N,S502:N)、参加型演出C系統の演出が選択されているか否かを表す参加型演出Cフラグが設定され(「参加型演出Cフラグ設定処理」S505)、始期決定値に基づいて参加管理期間の開始閾値が設定され(「参加管理期間開始閾値設定処理」S506)、終期決定値に基づいて終了閾値が設定される(「参加管理期間終了閾値設定処理」S507)。また、停止パターンの識別番号が「6」又は「10」であると判定された場合には(S501:N,S502:Y,S503:N)、参加型演出D系統の演出が選択されているか否かを表す参加型演出Dフラグが設定され(「参加型演出Dフラグ設定処理」S508)、最大ラウンド時間に対応する値と始期算定値に基づいて参加管理期間の開始閾値が算定され(「参加管理期間開始閾値算定処理」S509)、終期算定値に基づいて終了閾値が算定される(「参加管理期間終了閾値算定処理」S510)。また、停止パターンの識別番号が「7」又は「11」であると判定された場合には(S501:N,S502:Y,S503:Y,S504:N)、参加型演出E系統の演出が選択されているか否かを表す参加型演出Eフラグが設定され(「参加型演出Eフラグ設定処理」S511)、始期決定値と終期決定値に基づいて参加管理期間の開始閾値が設定され(「参加管理期間開始閾値設定処理」S512)、終了閾値が設定される(「参加管理期間終了閾値設定処理」S513)。
更に、特別入賞装置制御処理S1211において、特別遊技状態中であり(S1501:N)、特別入賞装置ソレノイド72の作動フラグが解除されているとき(S1504:Y)であって、特別入賞装置62の制御タイマが解除されていない場合(S1505:N)に、参加型演出C系統及び参加型演出E系統に対する参加管理期間を決定するための参加管理期間決定処理S1515が実行される。参加管理期間決定処理S1515において、図46に示されたように、参加型演出Cフラグが設定されており、特別入賞装置62の終了待機フラグが解除されているとき(S601:N,S602:N)、及び、参加型演出Eフラグが設定されており、終了待機フラグが設定されているとき(S601:Y,S603:N,S604:Y)には、特別遊技制御タイマが、参加管理期間の開始閾値であるか否かと参加管理期間の終了閾値であるか否かとが判定される(S605及びS607)。特別遊技制御タイマが開始閾値である場合(S605:N)には、参加管理期間フラグが設定されて参加管理期間が開始され(「参加管理期間フラグ設定処理」S606)、特別遊技制御タイマが終了閾値である場合(S605:Y,S607:N)には、参加管理期間フラグが解除されて参加管理期間が終了し(「参加管理期間フラグ解除処理」S608)、参加型演出Cフラグ及び参加型演出Eフラグのうち設定されているフラグが解除される(「参加型演出フラグ解除処理」S609)。
同様に、特別入賞装置制御処理S1211において、特別遊技状態中であり(S1501:N)、特別入賞装置ソレノイド72の作動フラグが設定されているとき(S1504:N)であって、特別入賞装置62の制御タイマが解除されていない場合(S1512:N)に、参加型演出D系統に対する参加管理期間を決定するための参加管理期間決定処理S1516が実行される。参加管理期間決定処理S1516において、図47に示されたように、参加型演出Dフラグが設定されており、特別入賞装置62の最終開放フラグが設定されているとき(S701:N,S702:N)には、特別遊技制御タイマが、参加管理期間の開始閾値であるか否かと参加管理期間の終了閾値であるか否かとが判定される(S705及びS707)。特別遊技制御タイマが開始閾値である場合(S705:N)には、参加管理期間フラグが設定されて参加管理期間が開始され(「参加管理期間フラグ設定処理」S706)、特別遊技制御タイマが終了閾値である場合(S705:Y,S707:N)には、参加管理期間フラグが解除されて参加管理期間が終了し(「参加管理期間フラグ解除処理」S708)、参加型演出Dフラグが解除される(「参加型演出フラグ解除処理」S709)。
実施形態2の遊技機における特別遊技状態中の参加型演出に対しても、上記の実施形態1の遊技機における特別図柄の変動中の参加型演出の場合と実質的に同一の効果を奏する。
上記の実施形態1及び実施形態2の遊技機において、参加管理期間が参加期間と実質的に同一の期間である場合について説明したが、本発明においては、参加管理期間が、参加期間と、参加期間前において参加期間に連続する前付加期間とを含む構成とすることもできる。この構成であれば、演出参加スイッチ1に対する操作に基づいて不正振動と判定されることを更に良好に抑制できる。これは、参加期間よりも前においても過失によって演出参加手段に対する操作が実行される場合があるからである。また、本発明においては、参加管理期間が、参加期間と、参加期間後において参加期間に連続する後付加期間とを含む構成とすることもできる。この構成であれば、演出参加手段に対する操作に基づいて不正振動と判定されることを更に良好に抑制できる。これは、参加期間よりも後においても過失によって演出参加スイッチ1に対する操作が実行され続ける場合があるからである。更に、本発明においては、参加管理期間が、前付加期間と後付加期間との双方を含む構成とすることもできる。
〔実施形態3〕
実施形態3の遊技機は、参加型演出の選択に付随して不正振動の検知においてその検知速度を低速化したり、その検知精度を低精度化したりする上記の実施形態2及び実施形態3と異なり、更に、他の遊技状況に応じて不正振動の検知においてその検知速度を高速化したり、その検知精度を高精度化したりする場合を含む構成である。図48は、振動センサ監視処理の一例の前段部を表すフローチャートであり、振動判定方法を定性的に表すタイミングチャートであり、特別始動口ソレノイドの作動期間における過剰振動に基づく遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャートである。
本実施形態の遊技機においては、振動検知カウンタC1の値は、図48及び図49に示されたように、特別始動口ソレノイド73の作動フラグが設定されている作動期間(作動管理期間の一種)において(S227:Y)、振動センサ10による振動の検出に応じて「6(振動検知値)」だけ増加し、その非検出に応じて「1(振動非検知値)」だけ減少する(「カウンタC1更新処理」S228)。なお、参加管理期間と作動期間が重複する場合には、参加管理期間が優先される。
具体的には、図50に示されたように、参加管理期間フラグが解除され、特別始動口ソレノイド73の作動フラグが設定されている遊技停止監視期間外の時刻において振動が加えられて、時刻td’において振動検知カウンタC1の値が「90」以上となったとき(S221:N)には、特別始動口ソレノイド73の作動フラグが解除されている非参加管理期間の場合と同様に過剰振動の発生と判断されて振動検知フラグF1が設定され(S222:Y,S123)、時刻tf’において振動検知カウンタC1の値が「240」以上となったとき(S225:N)には、非参加管理期間の場合と同様に異常振動の発生と判断されて遊技停止監視タイマT1が規定値である「1500」に設定される(S226)。なお、オン状態の振動センサ信号に基づくタイマ割込み周期ごとの増加量は、非参加管理期間において「3」であったが、特別始動口ソレノイド73の作動期間においては「6」であるために、振動検知カウンタC1の値は、時刻tdよりも早い時刻td’において「90」以上に到達し、また、時刻tfよりも早い時刻tf’において「90」以上に到達する。過剰振動や異常振動の検知に伴う動作については、非参加管理期間における振動の場合と同様である。
時刻td’から時刻ti’までの遊技停止監視期間内の時刻tm’において特別始動スイッチ83のオン移行フラグが設定されると(S101:Y)、遊技停止監視タイマT1が「0」以外の値であるために(S102:N)、不正振動誘導の発生と判断されて不正検知情報が不正発生値に設定される(S115)。不正振動誘導の検知に伴う動作については、非参加管理期間における振動の場合と同様である。なお、不正誘導振動の検知後において(S1006:Y)、振動検知カウンタC1及び遊技停止監視タイマの値は更新されないために(S1015のスキップ)、それらの値は不正振動誘導の検知時の値に維持される。
なお、振動が加えられてから特別始動スイッチ83のオン移行フラグが設定されるまでの時間が図50に示されたように極めて短くなる可能性がある場合に、特別始動口ソレノイド73の作動フラグが設定されている期間においてその非作動期間(非参加管理期間)と同一の制御が採用されていると、破線で示されたように時刻tfにおいて異常振動と判断される前の時刻tm’に特別始動スイッチ83のオン移行フラグが設定されてしまい、不正な振動に基づいて特別始動装置63に遊技球が誘導されたにも関わらず、遊技進行が停止できない。
本実施形態の遊技機であれば、特別始動口ソレノイド73が作動中である遊技進行状態において、特別入賞口ソレノイド73が作動中でない遊技進行状態(但し、特定入賞口ソレノイド75の作動中は除く)よりも高速かつ高精度で不正振動の判定が行える。これによって、特別始動装置63に対する遊技球の不正振動誘導によって特別遊技状態への移行抽選を受けること、また、遊技球が不正に獲得されてしまうことを厳しく監視することができる。また、特別入賞装置63に対しては、中央構造体99の転動面99Sを移動中の遊技球を不正に誘導されるが、特別始動入賞口ソレノイド73が非作動中であるときは、中央構造体99の中央誘導路99Pへ遊技球を誘導するために振動が加えられるが、このときには中央誘導路99P及び上始動部63Aを通過して下始動部63Bへ入球するために比較的に振動が加えられてから長い時間を要することとなるが、特別始動入賞口ソレノイド73が作動中であるときにおいては、転動面99Sから転落させるだけでよいために振動が加えられてから下始動部63Bへ入球するまでの時間が極めて短くなる場合があり、このような場合であっても不正振動誘導を良好に検知できる。更に、不正振動の検知状態において特別始動装置63に遊技球が進入した場合には遊技進行が停止されるために、遊技球が不正に獲得されてしまうことが確実に抑制される。
また、本実施形態の遊技機であれば、特別始動口ソレノイド73の作動期間と非作動期間とを識別するために別途にフラグやタイマを用いる必要がないために、簡便に遊技進行状態に応じて異なる不正検知方法を実現できる。
本実施形態3に対する第1変化例の遊技機は、上記の実施形態3のように特別始動口ソレノイド73の作動に完全に同期させて振動検知値を変化させる場合と異なり、特別始動口ソレノイド75の作動期間を含む他の期間(作動管理期間)において振動検知値を変化させる構成である。図51は、作動管理期間の一例を表すタイミングチャートである。
本実施形態の遊技機は、図51に示されたように、特別始動口ソレノイド75の最初の単位作動期間(t2〜t3)の開始(t2)から最後の単位作動期間(t4〜t5)の終了までの作動管理期間フラグが設定されている特別始動口ソレノイド73の作動管理期間における振動の検知に応じて振動検知値を「6」だけ増加させる。つまり、特別始動口ソレノイド73の作動に付随して振動検知値を変更する期間が、特別始動口ソレノイド73の各単位作動期間と、単位作動期間の間を補完する補間期間とで構成される期間である。
本実施形態の遊技機であれば、特別始動口ソレノイド73の単位作動期間の間の単位停止期間においても振動検知値を変化させるために、更に良好に特別始動装置63への遊技球の不正振動誘導を検知できる。これは、第1回目の単位作動期間開始後においては、一定期間後に次回の単位作動期間が開始されるために、第2回目以降の単位作動期間の開始のタイミングが認識し易いために、振動を与えてから特別始動装置63を遊技球が到達するまでの時間を考慮して特別始動装置63の開閉羽根68が進入許容位置に移行する前に振動が与えられたとしても、振動検知カウンタC1の値を十分に増加させることができるからである。
本実施形態3に対する第2変化例の遊技機は、上記の実施形態3のように特別始動口ソレノイド73の作動に完全に同期させて振動検知値を変化させる場合と異なり、特別始動口ソレノイド75の作動期間を含む他の期間(作動管理期間)において振動検知値を変化させる構成である。図52は、作動管理期間の一例を表すタイミングチャートである。
本実施形態の遊技機は、図52に示されたように、特別始動口ソレノイド73の各単位作動期間(t2〜t4,t4〜t5)と各単位作動期間よりも前であって単位作動期間と連続する前付加期間と各単位作動期間よりも後であって単位作動期間と連続する後付加期間とを含む間欠的な期間であって作動管理期間フラグが設定されている特別始動口ソレノイド73の作動管理期間における振動の検知に応じて振動検知値を「6」だけ増加させる。
本実施形態の遊技機であれば、特別始動口ソレノイド73の各単位作動期間の前付加期間においても振動検知値を変化させるために、更に良好に特別始動装置63のへの遊技球の不正振動誘導を検知できる。これは、振動を与えてから特別始動装置63に遊技球が到達するまでの時間を考慮して特別始動装置63の開閉羽根68が進入許容位置に移行する前に振動が与えられたとしても、振動検知カウンタC1の値を十分に増加させることができるからである。
また、本実施形態の遊技機であれば、特別始動口ソレノイド73の各単位作動期間の後付加期間においても振動検知値を変化させるために、更に良好に特別始動装置63への遊技球の不正振動誘導を検知できる。これは、特別始動口ソレノイド73が停止状態となってから特別始動装置63の開閉羽根68が進入許容位置から進入禁止位置への移行を完了するまでに、更に、特別始動スイッチ83が遊技球を検出するまでに時間差が発生するが、特別始動口ソレノイド73が停止状態へ移行する直前や直後に振動が与えられたとしても、振動検知カウンタC1の値を十分に増加させることができるからである。
上記の第2変化例においては、前付加期間が各単位作動期間に対して同一の長さである場合について説明したが、本発明においては、各単位作動期間に対して同一の長さでなくてもよい。特に、第1回目の単位作動期間に対する前付加期間は、その他の単位作動期間に対して作動開始のタイミングが認識し難いために、第1回目の単位作動期間の開始前に他の場合よりも早く振動が加えられる場合があるために、第1回目の単位作動期間に対する前付加期間のみを他の前付加期間よりも長くする構成とすることが好ましい。
上記の第2変化例においては、後付加期間が各単位作動期間に対して同一の長さである場合について説明したが、本発明においては、各単位作動期間に対して同一の長さでなくてもよい。特に、最終回の単位作動期間に対する後付加期間は、その他の単位作動期間に対して執拗に振動が加えられる場合があるために、最終回の単位作動期間に対する後付加期間のみを他の後付加期間よりも長くする構成とすることが好ましい。
上記の第2変化例においては、前付加期間の開始や後付加期間の終了を既存のタイマを利用して決定する構成について説明したが、本発明においては、他の専用のタイマ等によって決定する構成とすることもできる。また、前付加期間の開始や後付加期間の終了を既存のタイマによる中間状態によって決定する構成について説明したが、本発明においては、他の既存の判定タイミングによって決定する構成とすることもできる。この構成であれば、更にプログラムが簡素化できる。
上記の第2変化例においては、特別始動口ソレノイド73の作動期間に前付加期間と後付加期間とを付加する構成について説明したが、本発明においては、特別始動口ソレノイド73の作動期間に前付加期間と後付加期間との一方のみを付加する構成とすることもできる。