本発明に係る遊技機の形態について説明する。なお、本発明に係る遊技機の各種の概念的な構成について説明した後に、本発明に係る遊技機の各種の具体的な構成について説明する。
〔概念的な構成〕
本発明に係る遊技機は、遊技進行状態を識別する遊技進行状態識別手段と、振動を検出する振動検出手段とを含んでいる。遊技進行状態識別手段は、複数種類の遊技進行状態のうちいずれの遊技進行状態であるかを判断する。振動検出手段としては、例えば、検出子の基準位置からの位置ズレを検出する手段、検出子の移動の速度を検出する手段、検出子の移動の加速度を検出する手段が挙げられる。
本発明に係る遊技機は、更に、振動判定情報を更新する振動判定情報更新手段を含んでおり、振動判定情報更新手段は、振動検出手段による振動の検出に基づいて、所定の基準値から離れる方向にずれた値に振動判定情報を更新する。ここで、「振動検出手段による振動の検出に基づいて」には、振動検出手段からの振動を検出していることを表す生信号(振動センサ信号)そのものの出力状態に応じる場合及びその出力状態のフィルタリングの結果に応じる場合を含意している。なお、フィルタリングとは、ノイズ等による振動の誤検出を防止するために、生信号の複数回の定期的な検出によってその検出パターンが所定のパターンである場合に振動と検知することを意味する。フィルタリングは、ハードウェア的なフィルタリングであってもよいし、ソフトウェア的なフィルタリングであってもよい。また、「所定の基準値から離れる方向にずれた値」とは、更新後の振動判定情報と基準値との差分絶対値が更新前の振動判定情報と基準値との差分絶対値よりも大きいという条件を満たす値を意味する。
振動判定情報更新手段は、振動検出手段による振動の検出に基づいて、所定の基準値から離れる方向にずれた値に振動判定情報を更新し、振動判定情報が基準値と異なる値である場合における振動検出手段による振動の非検出に基づいて、基準値に復帰する方向にずれた値に振動判定情報を更新する。ここで、「振動検出手段による振動の検出に基づいて」には、振動検出手段からの振動を検出していることを表す生信号(振動センサ信号)そのものの出力状態に応じる場合及びその出力状態のフィルタリングの結果に応じる場合を含意している。同様に、「振動検出手段による振動の非検出に基づいて」には、振動検出手段からの振動を検出していないことを表す生信号そのものの出力状態に応じる場合、及び、その出力状態のフィルタリングの結果に応じる場合を含意している。なお、フィルタリングとは、ノイズ等による振動の誤検出を防止するために、生信号の複数回の定期的な検出によってその検出パターンが所定のパターンである場合に振動と検知することを意味する。フィルタリングは、ハードウェア的なフィルタリングであってもよいし、ソフトウェア的なフィルタリングであってもよい。また、「所定の基準値から離れる方向にずれた値」とは、更新後の振動判定情報と基準値との差分絶対値が更新前の振動判定情報と基準値との差分絶対値よりも大きいという条件を満たす値を意味する。同様に、「基準値に復帰する方向にずれた値」とは、更新後の振動判定情報と基準値との差分絶対値が更新前の振動判定情報と基準値との差分絶対値よりも小さいという条件を満たす値を意味する。
振動判定情報更新手段による振動強度推定情報の更新形態としては、例えば、振動判定情報を、振動の検出に基づいて増加させ、振動の非検出に基づいて減少させる形態や、その逆に、振動の検出に基づいて減少させ、振動の非検出に基づいて増加させる形態が挙げられる。また、更新形態としては、例えば、「0」を基準値として、振動判定情報を振動の検出に応じて増加させ、振動の非検出に応じて減少させる形態、「0」以外の値(例えば、「−256」や「−128」)を基準値として、振動判定情報を振動の検出に応じて増加させ、振動の非検出に応じて減少させる形態、「0」を基準値として、振動判定情報を振動の検出に応じて減少させ、振動の非検出に応じて増加させる形態、「0」以外の値(例えば、「255」や「127」)を基準値として、振動判定情報を振動の検出に応じて減少させ、振動の非検出に応じて増加させる形態が挙げられる。
異常振動判定手段は、振動判定情報が振動判定情報更新手段における更新により基準値と所定の異常振動閾値との間の許容振動範囲と異なる値となった場合に異常振動と判定する。ここで、「基準値と所定の異常振動閾値との間の許容振動範囲」とは、基準値及び異常振動閾値の双方を含む範囲、基準値及び異常振動閾値の少なくとも一方を含まない範囲を含意している。また、「許容振動範囲と異なる値となった場合」とは、振動判定情報が、振動判定情報更新手段における一回の更新によって、許容振動範囲内の値から許容振動範囲外の値に変化する場合及び許容振動範囲外の値である場合を含意している。
振動判定情報更新手段は、遊技進行状態識別手段による遊技進行状態の識別に基づいて、振動検出手段による振動の検出に基づく振動判定情報の更新量を異ならせる。なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機A」とも称す。
上記の遊技機Aであれば、振動検出手段により振動が検出されている場合には振動判定情報が増加して振動検出手段により振動が検出されていない場合には振動判定情報が減少すること、又は、その逆に、振動検出手段により振動が検出されている場合には振動判定情報が減少して振動検出手段により振動が検出されていない場合には振動判定情報が増加することと、振動判定情報が基準値に到達した場合には振動判定情報が更新されないこととによって、振動判定情報を自己整合的に基準値にリセットできると共に通常時には基準値に維持できる。したがって、許容振動が繰り返し発生したとしても振動判定情報が積算されることを抑制でき、許容振動の繰り返しに基づいて許容範囲を外れるような異常振動であると誤検知されることを抑制できる。また、従来のようにリセット時期を決定するタイマ等を設ける必要がなく、遊技機の構成及び過剰振動の検知の制御が複雑化されることを抑制できる。また、短期間に連続して複数の振動が加えられる場合、つまり、前回の振動が完全に収束する前に次の振動が加えられるような不正目的である可能性が高い場合において、2回目以降の振動において振動判定情報が強制的にリセットされることがなく、また、振動判定情報の更新が連続的に再開されるために、連続した振動であっても良好に検知できる。
また、故意の異常振動によって利益状態へ移行させた場合に遊技進行が停止されることによって、不正遊技者が不正に遊技媒体を獲得することを防止できる。また、不正利益享受監視期間を前面ブロックの閉鎖状態において異常振動が検知された後に限ることによって、不正を意図しない大きな振動が加わったとしても所定の期間後には通常の遊技となるために、円滑な遊技進行を確保できる。
更に、遊技進行状態の相違に応じて振動判定情報の更新量を変化させることによって、振動の検知感度や検知速度を変化できるために、各種の遊技進行状態に対して個別に異常振動の検知方法を最適化できる。これによって、不正行為の検知精度に対する遊技進行状態の依存性が低減する。
上記の遊技機Aにおいて、
遊技者にとって遊技媒体の獲得に関して通常遊技状態より有利な利益遊技状態への状態移行を遊技媒体の進行経路の機構的な振り分けにより抽選する振分抽選手段と、
前記振分抽選手段へ進入した遊技媒体を前記機構的な振り分け前に検出する進入媒体検出手段と、
を更に備え、
前記遊技進行状態識別手段は、前記進入媒体検出手段による遊技媒体の検出に基づいて、前記遊技進行状態が前記振分抽選手段に遊技媒体が滞在している振分抽選状態であるか前記振分抽選状態と異なる非振分抽選状態であるかを識別し、
前記振動判定情報更新手段は、前記振動検出手段による振動の検出に基づく前記振動判定情報の更新量を、前記振分抽選状態と前記非振分抽選状態とで異ならせる構成であることが好ましい。なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機B」とも称す。
上記の構成であれば、振分抽選状態と非振分抽選状態とで振動検出手段による振動の検出に基づく振動判定情報の更新量が異なることによって、振分抽選手段による抽選において振動に基づいた不正な抽選が実行されたか否かの識別性が向上する。
上記の遊技機Bにおいて、
前記振分抽選手段による抽選結果を検知する抽選結果検知手段を更に備え、
前記遊技進行状態識別手段は、前記振分抽選状態の検知後における前記抽選結果検知手段による抽選結果の検知に基づいて、前記非振分抽選状態への復帰と判断する構成であることが好ましい。なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機C」とも称す。
上記の構成であれば、振分抽選状態と非振分抽選状態とが正確に識別され、振分抽選手段による抽選において振動に基づいた不正な抽選が実行されたか否かの検知精度が向上する。
上記の遊技機Bにおいて、
前記振分抽選手段から放出される遊技媒体を検出する放出媒体検出手段を更に備え、
前記遊技進行状態識別手段は、前記振分抽選状態の検知後における前記進入媒体検出手段及び前記放出媒体検出手段による遊技媒体の検出に基づいて、前記振分抽選手段に滞在している遊技媒体が無いと判定された場合に前記非振分抽選状態への復帰と判断する構成であることが好ましい。なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機D」とも称す。
上記の構成であれば、複数の遊技媒体が連続して振分抽選手段に流入したとしても振分抽選状態と非振分抽選状態とを正確に識別できるために、振分抽選手段による抽選において振動に基づいた不正な抽選が実行されたか否かの検知精度が更に向上する。
上記の遊技機B〜Dにおいて、
前記遊技進行状態識別手段は、前記振分抽選状態の検知後からの所定の一定時間の経過に基づいて、前記非振分抽選状態への復帰と判断する構成であることが好ましい。なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機E」とも称す。
上記の構成であれば、振分抽選状態と非振分抽選状態とが正確に識別され、振分抽選手段による抽選後において振分抽選状態と判断されることが抑制される。
上記の遊技機B〜Eにおいて、
前記遊技進行状態識別手段は、前記振分抽選状態の検知後における前記異常振動判定手段における前記振動判定情報の前記異常振動への到達の検知に基づいて、前記非振分抽選状態への復帰と強制的に判断する構成であることが好ましい。なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機F」とも称す。
上記の構成であれば、振分抽選手段による抽選において振動に基づいた不正な抽選が実行されたか否かの検知速度が向上するために、振分抽選手段による抽選において振動に基づいた不正な抽選が実行されたか否かの検知精度が更に向上する。
上記の遊技機B〜Fにおいて、
前記振動判定情報更新手段による前記振分抽選状態における前記振動判定情報の更新量が、前記非振分抽選状態における前記振動判定情報の更新量より大きい構成であることが好ましい。なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機G」とも称す。
上記の構成であれば、振分抽選状態における振動の検知感度及び検知速度が、それぞれ、非振分抽選状態よりも高感度及び高速度となるために、振分抽選手段による抽選において振動に基づいた不正な抽選が実行されたか否かを非振分抽選状態よりも厳格に監視できる。
上記の遊技機B〜Gにおいて、
前記振動判定情報更新手段は、
前記振動検出手段による振動の検出に基づいて、前記振動判定情報を、前記非振分抽選状態においては前記基準値から離れる方向に所定の第1振動検知値だけずれた値に、前記振分抽選状態においては前記基準値から離れる方向に前記第1振動検知値と異なる所定の第2振動検知値だけずれた値に更新し、
前記振動判定情報が前記基準値と異なる値である場合における前記振動検出手段による振動の非検出に基づいて、前記振動判定情報を、前記基準値に復帰する方向に所定の非振動検知値だけずれた値に更新する構成であることが好ましい。なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機H」とも称す。
上記の構成であれば、振動判定情報の更新において加算又は減算のみを行えばよいために、乗算が除算を行う場合に比べて、その更新に必要なプログラムが簡素化できると共に更新処理が高速化される。
上記の遊技機Hにおいて、
前記振動判定情報が正数値であり、
前記振動検出手段による振動の検出に基づいて、前記振動判定情報を、前記非振分抽選状態においては前記第1振動検知値だけ増加させ、前記振分抽選状態においては前記第2振動検知値だけ増加させ、
前記振動判定情報が前記基準値と異なる値である場合における前記振動検出手段による振動の非検出に基づいて、前記振動判定情報を、前記非振動検知値だけ減少させる構成であることが好ましい。なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機I」とも称す。
上記の構成であれば、振動判定情報を更新する演算処理が簡素化され、また、所定の大きさの記憶領域において、振動判定情報が正数以外の値をとる場合に比べて、振動判定情報の可変域(ダイナミックレンジ)を最大限に大きくできる。
前記第1振動検知値、前記第2振動検知値及び前記非振動検知値の各々が正数値であり、
前記非振動検知値が、前記第1振動検知値及び前記第2振動検知値の双方より小さい構成であることが好ましい。なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機J」とも称す。
上記の構成であれば、振動の検出に基づいて急峻に振動判定情報を増加させ、振動の非検出に基づいて緩やかに振動判定情報を減少させたり、又はその逆に、振動の検出に基づいて急峻に振動判定情報を減少させ、振動の非検出に基づいて緩やかに振動判定情報を増加させたりできるために、振動判定情報が振動強度を良好に指標する値となる。また、時間的に近接して複数回の異常振動が加えられた場合には、それらを良好に積算できると共に、時間的に近接していない複数回の振動に対してはそれらの個別の振動に応じて許容振動であるか異常振動であるかを判定できる。これは、一度の振動で所望の不正が完了できなければ即座に少なくとも一度異常振動を更に加えて所望の不正を実現しようとして、1度だけではなく時間的に連続して異常振動が加えられる可能性が高いためである。
前記第2振動検知値が、前記第1振動検知値より大きい構成であることが好ましい。なお、以下において、この構成の遊技機を「遊技機K」とも称す。
上記の構成であれば、振分抽選状態における振動の検知感度及び検知速度が、それぞれ、非振分抽選状態よりも高感度及び高速度となるために、振分抽選手段による抽選において振動に基づいた不正な抽選が実行されたか否かを非振分抽選状態よりも厳格に監視できる。
前記振動判定情報更新手段における前記非振動検知値及び前記振動検知値が整数である構成であることが好ましい。この構成であれば、振動判定情報が整数となり、振動判定情報が実数である場合よりも、振動判定情報を保持する領域を低減できると共に、振動判定情報の更新に係る処理を簡素化及び高速化できるからである。
前記振動判定情報更新手段において更新される前記振動判定情報が、0以上の整数の範囲内の値である構成であることが好ましい。この構成であれば、振動判定情報が正負の双方の値をとる場合よりも、振動判定情報を保持する領域を低減できると共に、振動判定情報の更新に係る処理を簡素化及び高速化できるからである。
前記異常振動判定手段は、前記振動判定情報が前記異常振動閾値を越える所定の振動臨界値に到達している場合における前記振動検出手段による振動の検出に基づいて、前記振動判定情報を前記振動臨界値に維持する構成であることが好ましい。「過剰振動閾値を越える所定の振動臨界値」とは、振動の検出に基づいて振動検知値が増加する場合には異常振動閾値よりも大きい値であり、振動の検出に基づいて振動検知値が減少する場合には異常振動閾値よりも小さい値であることを意味する。この構成であれば、振動判定情報が想定される値を遥かに越えた場合等において、所定の範囲内で循環的に更新されること、具体的には、振動判定情報が最大値から最小値に変更されたり、最小値から最大値に変更されたりすることを防止できる。なお、通常のソフトウェアタイマやハードウェアタイマの場合には、上述のように循環的に更新されてしまう。
前記振動検出手段は、前記振動に応じて移動する検出子の移動状態が所定の許容範囲である場合と前記検出子の移動状態が所定の許容移動範囲を超えている場合とで異なる出力状態の振動センサ信号を出力し、前記振動判定情報更新手段が、前記振動センサ信号の出力状態に基づいて前記振動判定情報を更新する構成であることが好ましい。「検出子の移動状態」とは、基準位置からの検出子の位置ズレや振れ角、検出子の移動速度又は検出子の移動時の加速度で識別される状態である。また、「許容移動範囲」とは、移動状態が位置ズレで識別される場合には位置範囲を意味し、移動状態が振れ角で識別される場合には振れ角度範囲を意味し、移動状態が移動速度で識別される場合には速度範囲を意味し、移動状態が加速度で識別される場合には加速度範囲を意味する。この構成であれば、微少な振動である場合には振動センサ信号が出力されないために、通常の遊技中において振動判定情報を実質的に基準値に維持することができる。これによって、許容振動と異常振動との識別力が向上する。また、遊技機の設置における角度ズレ等によって常に振動が検出されることを良好に防止できる。
〔具体的な構成〕
本発明に係る具体的な形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、遊技機として弾球遊技機の一具体例を挙げて説明するが、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜に設計が変更されてもよい。
実施形態の遊技機について説明する。図1〜図3は遊技機の一例を表す斜視図であり、図4はその正面図である。図1〜図3に示されたように、遊技機100は、その外殻を形成する外枠101と、外枠101の一側部に開閉可能に支持された遊技機本体とを備えている。遊技機本体は、外枠101に対して、遊技機100の正面から見て左側の上下方向に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に十分に開放できる内枠セット102と、内枠セット102の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット103と、内枠セット102の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた背面セット104とを備えている。
遊技機100は、更に、外枠101に対して内枠セット102が閉鎖されている場合において外枠101と内枠セット102とを開閉不能に施錠する内枠施錠機構105(図2のみ)と、内枠セット102に対して前面枠セット103が閉鎖されている場合において内枠セット102と前面枠セット103とを開閉不能に施錠する前面枠施錠機構106(図3のみ)と、内枠施錠機構105による外枠101と内枠セット102との施錠及び前面枠施錠機構106による内枠セット102と前面枠セット103との施錠を開錠するために操作される共通の錠開閉操作機構119とを備えている。錠開閉操作機構119(図1のみ)に所定の開閉鍵が挿入されて、開閉鍵が右に回転されると内枠施錠機構105が作動して外枠101と内枠セット102との施錠が解除され、一方、開閉鍵が左に回転されると内枠施錠機構106が作動して内枠セット102と前面枠セット103との施錠が解除される。
内枠セット102には、内枠セット102が外枠101に対して開かれたことを検出する内枠スイッチ108(図8参照)が設けられており、内枠セット102が開かれると、内枠スイッチ108のオフ状態を表す信号が遊技ホール内の管理コンピュータ(図示せず)に出力される。また、内枠スイッチ108には、前面枠セット103が内枠セット102に対して開かれたことを検出する前面枠スイッチ109(図3のみ)が設けられており、前面枠セット103が開かれると、前面枠スイッチ109のオフ状態を表す信号が管理コンピュータに出力される。
図1、図3及び図4に示されたように、前面枠セット103は、大別すると、前面枠110と、前面枠110の前面側に設けられた開口を有する窓枠111と、窓枠111の開口を塞ぐように窓枠111に固定された前面透明板112と、窓枠111の開口の周囲に設けられた各種の枠発光装置121〜125と、窓枠111の下側において前方側に突出するように設けられた上皿140と、上皿140の突出部に設けられた貸出操作装置130と、最下部に取り付けられた下皿160と、下皿160の右側方に設けられた発射操作装置170と、窓枠111の上方両側に設けられた各種の音響装置180を備えている。なお、窓枠111の開口からは及び前面透明板112を通して遊技盤200(図3参照)の遊技領域が視認できる。
枠発光装置121〜125は、遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御されその遊技中の演出効果を高める役割を果たす。また、遊技機100の作動中において各種の異常等が発生した場合にその発生を報知したり、遊技機100に対して不正な行為、例えば、磁気作用による遊技球の誘導や振動による遊技球の誘導が行われた場合にその発生を報知したりする。
貸球操作装置130は、外部のカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカードの残額情報を表示する度数表示部131と、球貸しの指示を入力する球貸しボタン132と、投入されたカード等の返却指示を入力する返却ボタン133とを含んでいる。遊技機100の側方に配置された図示しないに紙幣や残額が有るカード等を投入すると、それらの金額に対応する数値が度数表示部133に表示される。この状態で球貸しボタン132が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸し出しが行われ、度数表示部131の表示がその貸し出しに応じた数値だけ減少した数値に更新される。また、返却ボタン133が操作されると、残額に応じた紙幣の等価物や残額を記録したカードが返却される。なお、カードユニットを介さずに外部の球貸し装置(図示せず)から上皿に遊技球が直接貸し出される遊技機(通称、現金機)では貸球操作装置130は不要である。
上皿140は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、貸球操作装置130の貸出操作に応じて貸し出された遊技球を一旦貯留すると共に、遊技球を一列に整列させながら発射装置150の方(右方)へ順次に案内する。
下皿160は、上皿140が満タンになった場合等に排出口160Aより排出される遊技球を停留するものであって、底面に開口161Aの形成された球受部161と、球受部161の開口161Aを閉塞させたり開放させたりする球抜き機構162と、球抜き機構162を作動させる球抜きレバー163とを備えている。球抜きレバー163を左側に移動させると、球受部161の底面の開口161Aが開放され、下皿160内に停留されている遊技球が開口を通して外部に排出される。また、排出口160Aの奥側には下皿160に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検知する球溢れスイッチ164(図9参照)が設けられている。
発射操作装置170は、上皿140に貯留された遊技球の発射指示を入力する装置であって、前方に突出する台座171と、台座171の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル172と、発射ハンドル172の回転操作量を検知する可変抵抗器173(図9参照)と、発射ハンドル172に遊技者が接触していることを検出する接触センサ174(図9参照)と、発射ハンドル172の回転に伴う発射操作を無効化する発射停止スイッチ175(図4参照)とを含んでいる。遊技者による発射ハンドル172の回転操作に応じて、その回転操作量に対応する強度で発射装置150から遊技球が射出される。なお、接触センサ174によって発射ハンドル172と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ175の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル172が回転操作されていても発射装置150から遊技球は射出されない。
音響装置180は、遊技進行に応じた演出や各種の異常の発生に応じた報知を音声や音楽や単純機械音等の音響によって出力する。
内枠セット102は、枠体101に対して開閉自在に支持される内枠190を備え、内枠190には、大別すると、遊技盤200と、発射操作装置170への操作に基づいて遊技球を遊技盤200に射出する発射装置150と、内枠190や遊技盤200の背面側に設けられた各種の制御装置等を備えている。
発射装置150は、発射操作装置170の概ね後方側に設けられており、上皿140に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構153(図3参照)と、球送り機構153を駆動する球送りソレノイド151(図9参照)と、発射位置に配置された遊技球を遊技盤200に向けて発射する発射機構154(図3参照)と、発射機構154を駆動する発射ソレノイド152(図9参照)とを備えている。
遊技盤200は、遊技性を決定する主要部である。ここで、遊技盤200について詳細に説明する。図5は、遊技盤の一例を表す正面図であり、図6は、遊技盤の一例を表す背面図である。遊技盤200は、図5に示されたように、基体201と、基体201に取り付けられた内外二重に一体形成された内レール202及び外レール203で構成されるレールユニットと、内レール202の先端(図5及び図6の左上部)に取着された戻り球防止部材204と、外レール203の先端に取着された返しゴム205と、基体201の前面側におけるレールユニットにより略円形状に区画された遊技領域を流下する遊技球の流下方向や流下速度を変化させる多数の釘及び複数の風車等の流下変化部材と、遊技領域内に一部が突出するように基体201に設けられたセンタ役物31等の各種の役物と、遊技領域内に一部が突出するように基体201に設けられた中央可変入賞装置46等の各種の入賞装置とを備えている。
内レール202及び外レール203で構成されるレールユニットは、発射装置150(図8及び図9参照)から発射された遊技球を遊技盤200の上部へ案内する。内レール202は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に配置され、一部(主に左側部)が内レール202に向かい合うようにして外レール203が配置されている。内レール202と外レール203とが所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。戻り球防止部204は、一旦、内レール202及び外レール203間の球案内通路から遊技領域へ案内された遊技球が球案内通路内に戻ってしまうことを防止する。また、返しゴム205は、所定以上の勢いで発射された遊技球を遊技領域の中央方向に跳ね返らせる。遊技領域の下端部にはアウト口206が設けられており、各種の入賞装置や役物に入球しなかった遊技球はこのアウト口206を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。
また、発射装置150からレールユニットにより形成される球案内通路へ遊技球を誘導する発射レール(図示せず)と外レール203との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路が形成されている。これによって、仮に発射装置150から発射された遊技球が戻り球防止部204まで至らず球案内通路を逆戻りする場合には、その遊技球はファール球通路を介して下皿160(図1参照)に返却される。
遊技領域の中央には、センタ役物41が設けられている。ここで、センタ役物41について詳細に説明する。図7はセンタ役物の一例を表す正面図である。センタ役物41は、図7に示されたように、外囲体410と、外囲体410の正面視略円形の凹部414に回動自在に軸支された振分部材420とを備えている。外囲体410には、一端が天入賞口42であり他端がセンタ役物41から遊技球を排出する排出口である上排出通路411が形成されている。また、外囲体410には、左右方向の中央が上方に突出するように湾曲し、中上入賞口43へ遊技球を誘導する誘導通路415と、振分部材420を配置する凹部414と、中上入賞口43から流入した遊技球を凹部414の上部に誘導する球通路412と、一端が凹部414の下部の左側に連通し他端がセンタ役物41から遊技球を排出する排出口である左排出路413Lと、一端が凹部414の下部の右側に連通し他端がセンタ役物41から遊技球を排出する排出口である右排出路413Rとが形成されている。センタ役物41は、案内通路412を流下する遊技球を検出する入球スイッチ11と、左排出通路413Lを流下する遊技球を検出する左ゲートスイッチ12Lと、右排出通路413Rを流下する遊技球を検出する右ゲートスイッチ12Rと備えている。
振分部材414は、円形の回転板421と、回転板421の前面に垂設された複数の振分突起422とを備え、回転板421の中心において外囲体410に軸支されている。
また、センタ役物41は、上部、中央部及び下部の各左右2箇所に設けられた可動装飾部材416L、416R、417L、417R、418L、418Rと、外囲体410の裏側に設けられ、入球スイッチ11による遊技球の検出に応じて可動装飾部材416L、416R、417L、417R、418L、418Rを駆動する演出ソレノイド425R、425L(図6参照)と、外囲体410における凹部414の周辺の裏側に設けられ、前面側に光を射出する円環状のセンタ役物発光装置419とを備えている。
センタ役物41の左側及び右側には、それぞれ、左上普通入賞装置44及び右上普通入賞装置45が設けられている。左上普通入賞装置44及び右上普通入賞装置45の各々の入賞口の大きさは不変である。左上普通入賞装置44又は右上普通入賞装置45に遊技球が入球した場合には、所定の個数(本形態では10球)の遊技球が賞球として払い出されることとなる。左上普通入賞装置44及び右上普通入賞装置45は、それぞれ、その裏側に配置され、前方に向けて光を射出する左上発光装置44S(図9参照)及び右上発光装置45S(図9参照)を備えている。
センタ役物41の下には、中央可変入賞装置46が配置され、中央可変入賞装置46は、一対の可動翼46Tが左右両側に回動して開閉することによって、入賞口の大きさが変化する入賞装置である。中央可変入賞装置46の直上には3本の釘が三角形状に寄せて配置されており、可動翼46Tが開いている状態(以下、「進入許容状態」とも称す)ではこれらの釘に阻止されて遊技球は中央可変入賞装置46に進入できるが、可動翼46Tが閉じている状態(以下、「進入禁止状態」とも称す:図中の破線)ではこれらの釘に阻止されて遊技球は中央可変入賞装置46に進入できない。中央可変入賞装置46は、その裏側に配置され、前方に向けて光を射出する中央発光装置46S(図9参照)を備えている。
中央可変入賞装置46の下には、中下普通入賞装置47A及び中下可変入賞装置47Bが上下に隣接して設けられている。中下普通入賞装置47Aは左上入賞装置44及び右上入賞装置45と実質的に同一の構成であり、中下可変入賞装置47Bは中央可変入賞装置46と実質的に同一の構成である。中下普通入賞装置47Aと中下可変入賞装置47Bとは同一の部品内に一体的に形成されている。中下可変入賞装置47Bは、その可動翼47Tが開いている場合には遊技球は進入できる状態であるが、その可動翼47Tが閉じている場合には中下普通入賞装置47Aによってその入賞口が閉塞されて遊技球が進入できない状態(進入禁止状態:図中の破線)となるように中下普通入賞装置47Aの直下に近接して配置されている。中下普通入賞装置47A及び中下可変入賞装置47Bの右上方には、右下普通入賞装置48A及び右下可変入賞装置48Bが上下に並設され、右下普通入賞装置48A及び右下可変入賞装置48Bの右上方には、右中普通入賞装置49A及び右中可変入賞装置49Bが上下に並設されている。中下普通入賞装置47A及び中下可変入賞装置47Bの左上方には、左下普通入賞装置55A及び左下可変入賞装置55Bが上下に並設され、左下普通入賞装置55A及び左下可変入賞装置55Bの左上方には、左中普通入賞装置56A及び左中可変入賞装置56Bが上下に並設されている。中下普通入賞装置47A、右下普通入賞装置48A、右中普通入賞装置49A、左下普通入賞装置55A及び左中普通入賞装置56Aの各々は、丸形の遊技領域の下縁に沿って円弧状に延びる列をなすように配置されており、それらの構成は実質的に同一である。同様に、中下可変入賞装置47B、右下可変入賞装置48B、右中可変入賞装置49B、左下可変入賞装置55B及び左中可変入賞装置56Bの各々は、丸形の遊技領域の下縁に沿って円弧状に延びる列をなすように配置されており、それらの構成は実質的に同一である。ただし、左中可変入賞装置56Bに限っては、その前面に他と異なる装飾が施されている。中下可変入賞装置47B、右下可変入賞装置48B、右中可変入賞装置49B、左下可変入賞装置55B及び左中可変入賞装置56Bは、それぞれ、その裏側に配置されて前方に向けて光を射出する中下発光装置47S、右下発光装置48S、右中発光装置49S、左下発光装置55S及び左中発光装置56Sを備えている。
中下普通入賞装置47A、右下普通入賞装置48A、右中普通入賞装置49A、左下普通入賞装置55A及び左中普通入賞装置56Aに遊技球が入球した場合には、所定の個数(本形態では10球)の遊技球が賞球として払い出されることとなる。また、中央可変入賞装置46、中下可変入賞装置47B、右下可変入賞装置48B、右中可変入賞装置49A、左下可変入賞装置55B及び左中可変入賞装置56Bに遊技球が入球した場合にも、所定の個数(本形態では10球)の遊技球が賞球として払い出されることとなる。
基体201の背面側において、中央可変入賞装置46、中下可変入賞装置47B、右下可変入賞装置48B、右中可変入賞装置49B、左下可変入賞装置55B及び左中可変入賞装置56Bの裏側の概ね直下には、それぞれ、図6に示されたように、進入した遊技球を検出する中央可変入賞口スイッチ13、中下可変入賞口スイッチ14、右下可変入賞口スイッチ15、右中可変入賞口スイッチ16、左下可変入賞口スイッチ17及び左中可変入賞口スイッチ18が設けられている。また、基体201の背面側おいて、中下可変入賞口スイッチ14及び右下可変入賞口スイッチ15との間に配置され、天入賞口42、右上普通入賞装置45、右下普通入賞装置48A及び右中普通入賞装置46Aのいずれかに進入した遊技球を共通で検出する右普通入賞口スイッチ19Rと、中下可変入賞口スイッチ14及び左下可変入賞口スイッチ17との間に配置され、中上入賞口43、右上普通入賞装置45、右下普通入賞装置48A及び右中普通入賞装置46Aのいずれかにへ進入した遊技球を共通で検出する左普通入賞口スイッチ19Lとが設けられている。
遊技盤200は、図6に示されたように、基体201の背面側に設けられた右リンク機構L1、下リンク機構L2及び左リンク機構L3を備えている。右リンク機構L1は、中央可変入賞装置46及び右中可変入賞装置49Bに連結され、それらを流入禁止状態に維持したり、センタ役物41の右ゲートスイッチ12Rを通過した遊技球によって駆動されて、中央可変入賞装置46及び右中可変入賞装置49Bを可動翼46T及び可動翼49Tが開放されている流入許容状態へ移行させたりする。なお、右リンク機構L1は、中央可変入賞装置46及び右中可変入賞装置49Bを流入許容状態へ移行させた後には、元の位置に復帰するが、中央可変入賞装置46及び右中可変入賞装置49Bは1つの遊技球が入球するまで流入許容状態に維持される。同様に、下リンク機構L2は、左下可変入賞装置55B、中下可変入賞装置47B及び右下可変入賞装置48Bに連結され、それらを流入禁止状態に維持したり、センタ役物41の右ゲートスイッチ12Rを通過した遊技球によって駆動されて、それらを流入許容状態へ移行させたりし、左リンク機構L3は、左中可変入賞装置56Bに連結され、それを流入禁止状態に維持したり、センタ役物41の左ゲートスイッチ12Lを通過した遊技球によって駆動されて、それを流入許容状態へ移行させたりする。
遊技盤200は、センタ役物41の背面側に設けられ、磁気を検出する磁気センサ430と、センタ役物41の背面側に設けられ、遊技機100に加えられた振動を検出する振動センサ10とを備えている。磁気センサ430による検出に基づいて、遊技球を磁気吸着させて不正に中上入賞口43に誘導する不正行為を検知できる。また、振動センサ10による検出に基づいて、振動によって遊技球を不正にセンタ役物41の中上入賞口43や右排出通路413Rに誘導する不正行為を検知できる。なお、振動センサ10による不正行為の検知は本発明の特徴部分であるために、〔本発明の主たる特徴〕において別途に詳細に説明する。
遊技盤200は、図5に示されたように、遊技領域における左側縁及び右側縁に設けられ、それぞれ、前方に光を射出する左縁発光装置61L及び右縁発光装置61Rを備えている。
ここで、遊技機100の遊技性について説明する。図5に示されたように、センタ役物41の上方に飛来する遊技球のうち一部の遊技球は天入賞口42に入球する。この入球に伴う右普通入賞口スイッチ19R(図6参照)による遊技球の検出に応じて、賞球が払い出されることとなる。また、天入賞口42に流入せずに流下する遊技球の一部は誘導通路415に進入するが、誘導通路415へ進入した遊技球のうち大多数の遊技球は、誘導通路415を左右方向に移動してその一方端から転落し、誘導通路415へ進入した遊技球のうち少数の遊技球のみが、誘導通路415を移動する過程で中上入賞口43に入球する。
中上入賞口43に入球した遊技球は、図7に示されたように、案内通路412を通って振分部材420の配置された凹部414に誘導される。なお、その遊技球は、案内導路412を流下する途中で入球スイッチ11により検出される。入球スイッチ11による遊技球の検出に応じて、凹部414の周辺の円環状のセンタ役物発光装置419による発光演出、可動装飾部材416L,416R,417L,417R,418L,418Rの駆動演出、音響装置180(図1参照)による音響演出等の所定の興趣演出が開始され、その興趣演出は所定の期間にわたって継続される。
凹部414に誘導された遊技球は、振分部材420の振分突起422と衝突しながら流下する。遊技球と振分突起422との衝突によって、遊技球の進路が変化すると共に振分部材420が回動する。これによって、振分部材420の前面側を通過することによって遊技球は、左排出通路413L及び右排出通路413Rの一方に機構的に不規則に振り分けられる。なお、左排出通路413L及び右排出通路413Rに進入した遊技球は、それぞれ、それらを流下する途中で左ゲートスイッチ12L及び右ゲートスイッチ12Rにより検出される。
遊技球が振分部材420の前面側を通過して右排出通路413Rから排出されると、右リンク機構L1が作動して中央可変入賞装置46及び右中可変入賞装置49Bが進入許容状態に移行し、また、下リンク機構L2が作動して左下可変入賞装置55B、中下可変入賞装置47B及び右下可変入賞装置48Bが進入許容状態に移行する。これによって、遊技機100は、遊技球が比較的に入賞し易い大利益遊技状態となる。一方、遊技球が振分部材を通過して左排出通路413Lから排出されると、左リンク機構L3が作動して、左中可変入賞装置56Bが進入許容状態に移行する。これによって、遊技機100は、遊技球が比較的に入賞し易い小利益遊技状態となる。
サブ制御装置940が、遊技盤200の背面側に設けられており、直方体形状の基板ケース212Cに収容されている。なお、サブ制御装置940の動作については電気的な構成の説明において詳述する。また、主制御装置920は、遊技盤200の背面側においてサブ制御装置940の下方に設けられている。主制御装置920と主制御装置920の右端(図6中では左端)に隣接して配置された電源監視装置910とが、遊技盤200の背面側に設けられており、それらは直方体形状の基板ケース216Cに一括して収容されている。なお、主制御装置920及び電源監視装置910については、電気的な構成の説明において詳述する。
遊技機100の背面側の構成について説明する。図8は、遊技機の一例を表す背面図である。遊技機100にはその背面(内枠190及び遊技盤200の背面)において、各種の制御装置や中継装置が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねて配置されている。なお、遊技盤200の背面に設けられる各種の装置については遊技盤200の説明に付随して説明したために、それら以外の構成についてのみ詳細に説明する。
各種の制御装置を2つの取付台に分けて搭載してユニット化し、それらを個別に内枠190又は遊技盤200の裏面に装着するようにしている。具体的には、図6に示されたように、遊技盤200の背面側に配置された、基板ケース216Cに収容された主制御装置920及び電源監視装置910と基板ケース212Cに収容されたサブ制御装置940とがユニット化され、内枠190の背面側に配置される払出制御装置930、電源・発射制御装置900及びカードユニット中継装置950がユニット化されている。また、払出装置358及び保護カバー351も別途にユニット化されている。各ユニットは、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されている。これによって、各ユニットやその他の構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することができる。
払出制御装置930は、払出装置358による賞球の払い出しや貸球の貸し出しを制御する。払出制御装置930は、主制御装置920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように基板ケースによって封止されている。電源・発射制御装置900は、遊技者による発射操作装置170の操作に基づく遊技球の射出を主制御装置920と協同して制御する。また、電源・発射制御装置900は、外部電力を各種の制御装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する。また、カードユニット中継装置950は、球貸操作装置130(図1参照)及びカードユニット(図示せず)に電気的に接続され、球貸操作装置130とカードユニットとの間の信号を中継したり、カードユニットと払出制御装置930との間の信号を中継したりする。カードユニットを介さずに外部の球貸装置等から上皿140に遊技球が直接貸し出される遊技機(通称、現金機)では、カードユニット中継装置950は不要である。
背面セット104は、内枠セット102に開閉自在に支持された裏パック351と、裏パック351に設けられ、遊技球を払い出したり貸し出したりする払出装置358と、払出装置358から放出される遊技球を貯留する払出機構部352とを備えている。
裏パック351は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、遊技機100の後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された形状をなし、少なくともセンタ役物41を囲むのに十分な大きさを有する(但し本形態では、サブ制御装置940も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。これによって、主制御装置216及びサブ制御装置213における発熱の放熱性を向上させている。なお、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることもできる。
裏パック351のベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、タンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、更にタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。タンクレール356とケースレール357との接続部の近傍にはタンク355及びタンクレール356に遊技球が補給されているか否かを検出する貯留球スイッチ363(図9参照)が設けられている。払出装置358は、ケースレール357の最下流部に設けられ、払出計数スイッチ362(図9参照)による払出個数を監視しながら払出モータ361等の所定の電気的に駆動される構成により必要個数の遊技球の払い出しを適宜に行う。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示せず)等を通して上皿140に供給される。タンクレール356と、タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360とは一体的にユニット化されており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じたとしても、バイブレータ360を駆動することで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置930から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継装置381が設置されると共に、電源・発射制御装置900への外部電力の取り込みを制御する電源スイッチ382が設置されている。電源スイッチ382には、所定の外部電力(本形態では交流24V)が供給されており、遊技機100は電源スイッチ382がオン状態へ移行した場合に通電状態へ移行することとなり、逆に、電源スイッチ382がオン状態へ移行した場合には停電状態へ移行することとなる。
(遊技機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、遊技機100の電気的構成について説明する。図9は、遊技機100の電気的構成を表すブロック図である。遊技機100は、電源・発射制御装置900、電源監視装置910、主制御装置920、払出制御装置930、サブ制御装置940等の制御装置を備えている。なお、図9には、各種の信号を中継するだけの回路装置については省略している。以下に、これらの主要な装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御装置900は、遊技機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置170の操作に応じて発射装置150の駆動を制御する発射制御部902と、強制初期化スイッチ107や球溢れスイッチ164の作動状態に応じてそれらから出力される強制初期化信号や球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧の電力(例えば、直流12ボルト)、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧の電力(例えば、直流5ボルト)、RAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を生成して、電源監視装置910、主制御装置920、払出制御装置930、サブ制御装置940等に供給する。具体的には、電源監視装置910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、主制御装置920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が電源監視装置910の電力中継部411を介して供給され、払出制御装置930及びサブ制御装置940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が直接的に供給され、発射制御部902に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。電源部401には、電源スイッチ382が接続されており、電源スイッチ382がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ382をオフ状態にしたり、電源スイッチ382を介して電源部401に接続される電源プラグを外部電力供給コンセントから抜脱したりすることによって遊技機100の内部への電力の供給が停止する場合や、外部電力自体の供給が停止する場合を「停電状態」と総称する。なお、電源部401は、停電状態の発生後においても所定の期間にわたり所定の電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御装置920及び払出制御装置930は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、球送りソレノイド151及び発射ソレノイド152の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド151及び発射ソレノイド152が駆動されることによって遊技球の実際に射出される。球送りソレノイド151及び発射ソレノイド152は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル172に触れていることが接触センサ174からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ175が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御装置920に出力する。また、発射許可信号と、発射異常信号に基づいて主制御装置920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射装置150に出力する。これにより発射装置150は発射ソレノイド制御信号に応じて発射ソレノイド152を駆動し、その結果、発射ハンドル172の回転操作量(可変抵抗器173の抵抗値)に応じた強さで遊技球が発射される。
信号中継部903は、強制初期化スイッチ107が押下された場合に、主制御装置920へオン状態の強制初期化信号を出力する。なお、主制御装置920においては、オン状態の強制初期化信号の受信に応じて主制御装置920のRAMに保存された保存情報が初期化されることとなる。また、信号中継部903は、球溢れスイッチ107が遊技球を検出した場合に、主制御装置920へオン状態の球溢れ信号を出力する。なお、主制御装置920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御装置930に低速払出信号を出力することとなり、低速払出信号を受信した払出制御装置930は、払出装置382からの遊技球の払出速度を低速化させることとなる。逆に、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御装置930に高速払出信号を出力することとなり、低速払出信号を受信した払出制御装置930は、払出装置382からの遊技球の払出速度を高速化させることとなる。
停電監視装置910は、電源・発射制御装置900からの電力供給状態を監視し、停電状態の発生に応じて、主制御装置920及び払出制御装置930へ停電信号を出力する停電監視部911と、電源・発射制御装置900と主制御装置920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電の発生と判断して、オン状態の停電信号を主制御装置920及び払出制御装置930へ出力する。主制御装置920及び払出制御装置930は、オン状態の停電信号の受信によって停電の発生を認識することとなる。
主制御装置920は、遊技機100の動作を統括的に制御する。主制御装置920には、1チップマイコンとしてのMPUが搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPUと、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROMと、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAMとを含んでいる。主制御装置920には、その他、タイマ回路、カウンタ回路、クロック発生回路、信号送受信回路などの各種回路が搭載されている。主制御装置920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御装置900からバックアップ電圧の電力供給によって内部データを保持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御装置930は、主制御装置920からの指示に応じた遊技球の払い出し動作や球貸操作装置130の操作に応じた遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御装置930は、主制御装置920と同様に、1チップマイコンとしてのMPU、タイマ回路、カウンタ回路、クロック発生回路、信号送受信回路などの各種回路が搭載されている。払出制御装置920のMPUを構成するRAMも、停電状態においても内部データを保持できる構成となっている。
サブ制御装置940は、主制御装置920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。
主制御装置920によって実行される制御について説明する。主制御装置920で実行される制御は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では1ms(ミリ秒)」周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。以下においては、便宜上、タイマ割込み処理について説明し、その後メイン処理について説明する。
図10は、タイマ割込み処理を示したフローチャートである。タイマ割込み処理では、まず、割込み制御の開始における処理を各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(「割込み開始処理」S1001)。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値を設定する。その後に、実質的な遊技機の制御に係る処理が順次実行される。
割込み開始処理S1001の後に、発射制御信号及び球送り制御信号が主制御装置920の外部に出力される(「発射関連信号出力処理」S1002)。具体的には、発射出力用バッファ(RAMの一部の領域)に格納された発射ソレノイド駆動フラグ(発射ソレノイド駆動情報の一種)及び球送りソレノイド駆動フラグ(球送りソレノイド駆動情報の一種)が発射関連信号用の信号送信回路(信号送受信回路の一種)に出力される。発射ソレノイド駆動フラグは、発射ソレノイド152の駆動状態(作動状態又は停止状態)を識別する1ビット情報であって、発射制御処理S1008において、発射ソレノイド152を作動させる場合に設定され、発射ソレノイドを停止させる場合に解除される。また、球送りソレノイド駆動フラグは、球送りソレノイド152の駆動状態(作動状態又は停止状態)を識別する1ビット情報であって、発射制御処理S1008において、球送りソレノイド151を作動させる場合に設定され、球送りソレノイド151を停止させる場合に解除される。本形態においては、発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグと共に他の後述する各種のフラグを含め、フラグが設定されている場合にはその値は「1」であり、フラグが解除されている場合にはその値は「0」であることを意味することとする。なお、本発明においては駆動状態とフラグの値の組合せを逆の構成とすることもできる。発射ソレノイド駆動フラグが設定されている場合及び発射ソレノイド駆動フラグが解除されている場合には、それぞれ、発射関連信号用の信号送信回路からオン状態の発射制御信号及びオフ状態の発射制御信号が主制御装置920の外部に出力され、球送りソレノイド駆動フラグが設定されている場合及び球送りソレノイド駆動フラグが解除されている場合には、それぞれ、発射関連信号用の信号送信回路からオン状態の球送り制御信号及びオフ状態の球送り制御信号が主制御装置920の外部に出力される。発射制御信号及び球送り制御信号の出力状態は次回のタイマ割込み処理まで維持される。本形態においては、発射制御信号及び球送り制御信号を含め各種の制御信号の出力状態(オフ状態及びオン状態)は、その出力電圧の相違によって識別されることとするが、各種の制御信号はアクティブ状態において電圧が高い状態であってもよいし、アクティブ状態において電圧の低い状態であってもよい。なお、本発明においては、波形等によって識別される状態であってもよい。発射制御信号及び球送り制御信号は電源監視装置910及び電源・発射制御装置900の発射制御部を介して発射装置150に入力され、その入力に基づいて、発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151が駆動される。具体的には、オン状態の発射制御信号が入力されると、発射ソレノイド152が停止状態である場合には作動状態に移行され、既に作動状態である場合にはその状態を維持する。逆に、オフ状態の発射制御信号が入力されると、発射ソレノイド152が既に停止状態である場合にはその状態を維持し、作動状態である場合には停止状態に移行される。
発射関連信号出力処理S1002の後に、払出制御装置930やサブ制御装置940へのデータ信号(コマンド信号)の送信制御に用いられるストローブ信号及び遊技機の設置ホールの管理コンピュータ等の外部装置(図示せず)へ所定の情報を提供するために用いられる外部報知信号が外部出力される(「送信制御・外部報知の信号出力処理」S1003)。具体的には、送信制御・外部報知出力バッファ(RAMの一部の領域)に格納された払出系用ストローブ制御フラグ、サブ系用ストローブ制御フラグ、不正検知フラグ、入賞フラグ、小利益状態移行フラグ、大利益状態移行フラグ及びセンタ役物入球フラグの設定状態に応じた情報が送信制御・外部報知信号用の信号送信回路に出力される。送信制御・外部報知信号用の送受信回路からの出力制御は上記の発射関連信号用の信号送受信回路の場合と同様である。
送信制御・外部報知の信号出力処理S1003の後に、電源監視装置910の電源監視部911から出力されている停電信号の入力状態を検出し、その検出結果に基づいて停電状態であるか否かが検知され、停電状態である場合には停電発生情報(RAMの一部の領域)に所定の停電状態値が設定され、停電状態でない通電状態の場合には停電情報に停電状態値と異なる所定の通電状態値が設定される(「停電情報更新処理」S1004)。具体的には、所定の回数(本形態では2回)のタイマ割込みにおいてオン状態の停電信号を連続して検出した場合に、停電状態であると認定されて停電フラグに所定の値が設定される。
停電情報更新処理S1004の後に、不正が検知されているか否かが判定される(S1005)。具体的には、不正検知情報が不正発生を表す所定の不正発生値であるか否かが判定される。不正検知情報は、通常は不正発生値と異なる所定の値であるが、磁気センサ監視処理S1009において磁気センサ430の感知に基づく不正が検知された場合及びスイッチ監視処理S1007の後述するセンタ役物入球処理S1108(図12参照)において所定の遊技停止監視期間における入球スイッチ11の感知に基づく不正が検知された場合に不正発生値に変更される。
判定処理S1005において不正が検知されていないと判定された場合(S1005:N)には、主制御装置920に接続されている各種のスイッチの出力状態がスイッチ信号用の信号受信回路(信号送受信回路の一種)から入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、スイッチごとに、今回のタイマ割込みで読み込まれたその出力状態(以下、「今回の出力状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで読み込まれた出力状態(以下、「前回の出力状態」と略記する)と、前々回のタイマ割込みで読み込まれた出力状態(以下、「前々回の出力状態」と略記する)とに基づいて出力状態の変更が検知され、その検知後に、次回のタイマ割込みにおける出力状態の変更の検知のために、今回の出力状態及び前回の出力状態が、それぞれ、前回の出力状態及び前々回の出力状態として循環的に更新保存される(「スイッチ読込処理」S1006)。具体的には、各スイッチに対して、前々回の出力状態がオフ状態であり、前回の出力状態及び今回の出力状態の双方がオン状態である場合にオン状態移行と検知されてスイッチの種類に応じたオン移行フラグ(RAMの一部の領域)が設定され、前回の出力状態を保持する前回オン状態フラグ(RAMの一部の領域)及び前々回オン状態フラグ(RAMの一部の領域)が更新(設定又は解除)される。複数回のタイマ割込みにおけるスイッチの出力状態に基づいて出力状態や出力状態の変更を検知することによってノイズ耐性を向上させることができる。このように複数回にわたる出力状態のパターンに応じて出力状態や出力状態の変更を検知する処理は一般的にフィルタリング処理と称される。本形態においてはソフトウェア的にフィルタリング処理を行うが、本発明においてはハードウェア的にフィルタリング処理を行う構成であってもよいし、フィルタリング処理を行わない構成であってもよい。
スイッチ読込処理S1006において、具体的には、中央可変入賞口スイッチ13、左中可変入賞口スイッチ14、左下可変入賞口スイッチ15、中下可変入賞口スイッチ16、右中可変入賞口スイッチ17、右下可変入賞口スイッチ18、左普通入賞口スイッチ19L、右普通入賞口スイッチ19R、入球スイッチ11、左ゲートスイッチ12L及び右ゲートスイッチ12Rの出力状態が読み込まれる。更に、本形態においては、払出制御装置930を介して前面枠スイッチ109の出力状態も読み込まれる。なお、本スイッチ読込処理S1006においては、強制初期化スイッチ107の出力状態は読み込まれない。
スイッチ読込処理S1006の後に、スイッチ読込処理S1006における各種のスイッチのオン移行フラグの状態に応じた個別の処理が順次に実行される(「スイッチ監視処理」S1007)。ここで、スイッチ監視処理S1007について図11を参照しながら説明する。図11は、スイッチ監視処理S1007の一例を表すフローチャートである。
スイッチ監視処理S1007において、まず、中央可変入賞口スイッチ13のオン移行フラグが設定されている場合には、入賞個数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、中央可変入賞コマンドがリングバッファ(RAMの一部の領域)に格納される(「中央可変入賞処理」S1101)。なお、中央可変入賞コマンドを含めリングバッファに格納された各種のコマンドは、主制御装置920のメイン処理におけるサブ系情報出力処理S1305においてサブ制御装置940に出力されることとなる。中央可変入賞処理S1101の後に、左中可変入賞口スイッチ18のオン移行フラグが設定されている場合には、入賞個数カウンタの値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、左中可変入賞コマンドがリングバッファに格納される(「左中可変入賞処理」S1102)。左中可変入賞処理S1102の後に、左下可変入賞口スイッチ17のオン移行フラグが設定されている場合には、入賞個数カウンタの値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、左下可変入賞コマンドがリングバッファに格納される(「左下可変入賞処理」S1103)。左下可変入賞処理S1103の後に、中下可変入賞口スイッチ14のオン移行フラグが設定されている場合には、入賞個数カウンタの値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、中下可変入賞コマンドがリングバッファに格納される(「中下可変入賞処理」S1104)。中下可変入賞処理S1104の後に、右中可変入賞口スイッチ16のオン移行フラグが設定されている場合には、入賞個数カウンタの値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、右中可変入賞コマンドがリングバッファに格納される(「右中可変入賞処理」S1105)。右中可変入賞処理S1105の後に、右下可変入賞口スイッチ15のオン移行フラグが設定されている場合には、入賞個数カウンタの値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、右下可変入賞コマンドがリングバッファに格納される(「右下可変入賞処理」S1106)。
右下可変入賞処理S1106の後に、左普通入賞口スイッチ19Lのオン移行フラグが設定されている場合には、入賞個数カウンタの値が現在値に「1」だけ加算した値に更新されると共に普通入賞個数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、また、右入賞口スイッチ19Rのオン移行フラグが設定されている場合には、入賞個数カウンタ及び普通入賞個数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新される(「普通入賞処理」S1107)。
普通入賞処理S1107の後に、入球スイッチ11のオン移行フラグの状態に応じた処理(「センタ役物入球処理」S1108)が実行される。ここで、センタ役物入球処理S1108について詳細に説明する。図12は、センタ役物入球処理の一例を表すフローチャートである。
センタ役物入球処理S1108において、図12に示されたように、まず、入球スイッチ11のオン移行フラグが設定されているか否かが判定される(S101)。入球スイッチ11のオン移行フラグが設定されていない場合(S101:N)には実質的にいかなる処理も実行せずにセンタ役物入球処理S1108が終了する。入球スイッチ11のオン移行フラグが設定されている場合(S101:Y)には、遊技停止監視タイマT1(「タイマT1」とも略記する)が「0(基準値)」であるか否かが判定される(S102)。遊技停止監視タイマT1は、振動センサ10による所定の条件を満たす振動の検知に基づいて作動するタイマである。遊技停止監視タイマT1が「0」である場合は、所定の条件を満たす振動が検知されていない状態や、所定の条件を満たす振動が検知されたが所定の遊技停止監視期間が終了している場合を意味し、遊技停止監視タイマT1が「0」でない場合は、所定の条件を満たす振動が検知され、所定の遊技停止監視期間が終了していない場合を意味する。なお、遊技停止監視タイマT1は、振動センサ監視処理S1010において設定される。遊技停止監視タイマT1が「0」である場合(S102:Y)には、入球個数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新される(「入球個数更新処理」S103)。入球個数更新処理S103の後に、入球コマンドがリングバッファに格納される(「入球コマンド設定処理」S104)。また、抽選状態フラグ(RAMの一部の領域に保持)が設定される(「抽選状態フラグ設定処理」S105)。抽選状態フラグは、センタ役物41に入球したが機構的な振分抽選が完了していない遊技球が滞在しているか否かを識別するフラグであり、そのような遊技球がセンタ役物41に滞在している場合に設定されており、そのような遊技球がセンタ役物41に滞在していない場合に解除されている。
判定処理S102において遊技停止監視タイマT1が「0」以外であると判定された場合(S102:N)には、不正検知情報に所定の不正発生値が設定される(「不正検知情報更新処理」S106)。不正検知情報更新処理S106の後に、送信制御・外部報知出力バッファの不正検知フラグが設定される(「不正報知設定処理」S107)。なお、不正検知フラグが設定されると、次回のタイマ割込み処理の送信制御・外部報知の信号出力処理S1003(図10参照)において遊技機の外部の監理コンピュータ等にオン状態の不正検知信号が出力され、一旦停電状態に移行させるまで不正検知信号のオン状態が維持されることとなる。不正報知設定処理S107の後に、発射出力用バッファの発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグが解除され(「発射関連情報設定処理」S108)、停止状態の発射制御信号及び停止状態の球送り制御信号が主制御装置920の外部に出力される(「発射関連信号出力処理」S109)。なお、発射関連信号出力処理S109は、発射関連信号出力処理S1002(図10)と実質的に同一の処理である。これによって、発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151が強制的に停止状態に移行することとなり、遊技進行が強制的に停止される。なお、不正検知情報更新処理S106において不正検知情報に所定の不正発生値が設定された後は、判定処理S1005(図10参照)において不正検知と判定されることとなり(S1005:Y)、発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151の駆動状態を更新する発射制御処理S1008(図10参照)がスキップされることによって、一旦停電状態へ移行するまで発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151の停止状態が維持される。また、不正振動誘導検知コマンドがサブ制御装置940に出力される(「不正振動誘導検知コマンド出力処理」S110)。これによって、不正振動誘導を検知したことを表す報知が発光装置121〜125及び音響装置180において開始されることとなる。なお、この報知も一旦停電状態へ移行するまで継続される。
センタ役物入球処理S1108の後に、右ゲートスイッチ12Rのオン移行フラグの状態に応じた処理(「右ゲート通過処理S1109」)が実行される。ここで、右ゲート通過処理S1109について詳細に説明する。図13は、右ゲート通過処理の一例を表すフローチャートである。
右ゲート通過処理S1109において、図13に示されたように、まず、右ゲートスイッチ12Rのオン移行フラグが設定されているか否かが判定される(S201)。右ゲートスイッチ12Rのオン移行フラグが設定されていない場合(S201:N)には実質的にいかなる処理も実行せずに右ゲート通過処理S1109が終了する。右ゲートスイッチ12Rのオン移行フラグが設定されている場合(S201:Y)には、遊技停止監視タイマT1(「タイマT1」とも略記する)が「0(基準値)」であるか否かが判定される(S202)。遊技停止監視タイマT1が「0」である場合(S202:Y)には、大利益遊技状態への移行回数を計数する右ゲート通過個数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新される(「大利益回数更新処理」S203)。大利益回数更新処理S203の後に、大利益コマンドがリングバッファに格納される(「大利益コマンド設定処理」S204)。また、抽選状態フラグが設定されているか否かが判定されて(S205)、抽選状態フラグが設定されている場合(S205:Y)には抽選状態フラグが解除され(「抽選状態フラグ解除処理」S206)、一方、抽選状態フラグが解除されている場合(S205:N)には抽選状態フラグが解除状態に維持される(抽選状態フラグ解除処理S206のスキップ)。
判定処理S202において遊技停止監視タイマT1が「0」以外であると判定された場合(S202:N)には、センタ役物入球処理S1108における不正検知情報更新処理S106〜不正振動誘導検知コマンド出力処理S110と同様に、不正検知情報に所定の不正発生値が設定され(「不正検知情報更新処理」S207)、送信制御・外部報知出力バッファの不正検知フラグが設定され(「不正報知設定処理」S208)、発射出力用バッファの発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグが解除され(「発射関連情報設定処理」S209)、停止状態の発射制御信号及び停止状態の球送り制御信号が主制御装置920の外部に出力される(「発射関連信号出力処理」S210)、不正振動誘導検知コマンドがサブ制御装置940に出力される(「不正振動誘導検知コマンド出力処理」S211)。
右ゲート通過処理S1109の後に、左ゲートスイッチ12Lのオン移行フラグの状態に応じた処理(「左ゲート通過処理S1110」)が実行される。ここで、左ゲート通過処理S1110について詳細に説明する。図14は、左ゲート通過処理の一例を表すフローチャートである。
左ゲート通過処理S1110において、図14に示されたように、まず、左ゲートスイッチ12Lのオン移行フラグが設定されているか否かが判定される(S301)。左ゲートスイッチ12Lのオン移行フラグが設定されていない場合(S301:N)には実質的にいかなる処理も実行せずに左ゲート通過処理S1110が終了する。左ゲートスイッチ12Lのオン移行フラグが設定されている場合(S301:Y)には、遊技停止監視タイマT1(「タイマT1」とも略記する)が「0(基準値)」であるか否かが判定される(S302)。遊技停止監視タイマT1が「0」である場合(S302:Y)には、小利益遊技状態への移行回数を計数する左ゲート通過個数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新される(「小利益回数更新処理」S303)。小利益回数更新処理」S303の後に、小利益コマンドがリングバッファに格納される(「小利益コマンド設定処理」S304)。また、抽選状態フラグが設定されているか否かが判定されて(S305)、抽選状態フラグが設定されている場合(S305:Y)には抽選状態フラグが解除され(「抽選状態フラグ解除処理」S306)、一方、抽選状態フラグが解除されている場合(S305:N)には抽選状態フラグが解除状態に維持される(抽選状態フラグ解除処理S306のスキップ)。
判定処理S302において遊技停止監視タイマT1が「0」以外であると判定された場合(S302:N)には、右ゲート通過処理S1109における不正検知情報更新処理S207〜不正振動誘導検知コマンド出力処理S211と同様に、不正検知情報に所定の不正発生値が設定され(「不正検知情報更新処理」S307)、送信制御・外部報知出力バッファの不正検知フラグが設定され(「不正報知設定処理」S308)、発射出力用バッファの発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグが解除され(「発射関連情報設定処理」S309)、停止状態の発射制御信号及び停止状態の球送り制御信号が主制御装置920の外部に出力される(「発射関連信号出力処理」S310)、不正振動誘導検知コマンドがサブ制御装置940に出力される(「不正振動誘導検知コマンド出力処理」S311)。
中央可変入賞処理S1101から左ゲート通過処理S1110で構成されるスイッチ監視処理S1007の後に、図10に示されたように、発射装置150における発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151の駆動を制御するための発射関連情報が設定される(「発射制御処理」S1008)。具体的には、発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグの状態が更新される。ここで、発射制御処理S1008について、詳細に説明する。図15は、発射制御処理の一例を表すフローチャートである。
発射制御処理S1108において、図15に示されたように、まず、発射操作装置170からの発射許可信号がオン状態であるか否かが判定される(S1201)。発射許可信号の出力状態は、発射ハンドル172が所定の角度以上の角度だけ回転されており、接触センサ174が遊技者との接触を感知しているオン状態であり、かつ、発射停止スイッチ175が操作されていない場合にオン状態であり、その他の場合はオフ状態である。また、発射停止信号(異常信号2)がオン状態であるか否かが判定される(S1202)。通常の遊技中においては、発射許可信号はオン状態を維持し、発射停止信号はオフ状態を維持している。発射許可信号がオン状態であり、かつ、発射停止信号がオフ状態であると判定された場合には、発射周期タイマ(RAMの一部の領域)の値が、「0」であるか否かが判定される(S1203)。発射周期タイマは、遊技球の発射間隔を規制するためのタイマであって、通常、その値が「0」であれば連続する2回の発射間隔期間の狭間を意味し、その値が「0」以外であれば発射間隔期間内であることを意味している。なお、本判定処理S1203では、発射操作装置170が操作されたまま停電状態から復帰するような特殊な場合を除き、発射周期タイマの値が「0」であると判定されることはない。
発射周期タイマの値が「0」でない場合には、その値が現在値から「1」だけ減算された値に更新される(「発射周期タイマ更新処理」S1204)。発射周期タイマ更新処理S1204の後に、再度、発射周期タイマが「0」であるか否かが判定される(S1205)。なお、本判定処理S1205では、発射周期タイマの値が「0」であれば今回の発射間隔期間の終端であることを意味している。判定処理S1205において発射周期タイマが「0」であると判定された場合には、今回の発射間隔期間が終了するために次回の発射間隔期間における発射制御の準備として、球送りタイマの値が所定の規定値(本形態では、約74msに相当する「74」)に設定され(「球送りタイマ設定処理」S1206)、また、発射タイマの値が所定の規定値(本形態では、約12msに相当する「12」)に設定される(「発射タイマ設定処理」S1207)。ここで、球送りタイマは球送りソレノイド151の作動期間を決定するタイマであり、発射タイマは発射ソレノイド152の作動期間を決定するタイマである。球送りタイマ設定処理S1206及び発射タイマ設定処理S1207の後に、次回の発射間隔期間における発射制御の準備として、発射周期タイマの値が所定の規定値(本形態では、約602msに相当する「602」)に設定される(「発射周期タイマ設定処理」S1208)。
判定処理S1205において発射周期タイマが「0」でないと判定された場合(S1205N)には、今回の発射間隔期間は終了しないために、球送りタイマ設定処理S1206、発射タイマ設定処理S1207及び発射周期タイマ設定処理S1208がスキップされる。
判定処理S1201において発射許可信号がオン状態でないと判定された場合(S1201:N)、判定処理S1202において発射停止信号がオン状態であると判定された場合(S1202:Y)、判定処理S1203において発射周期タイマの値が「0」であると判定された場合(S1203:Y)のいずれかに該当するときには、発射周期タイマ更新処理S1204〜発射タイマ設定処理S1207がスキップされて、発射周期タイマ設定処理S1208が実行される。
その後、発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグが解除される(「発射関連情報解除処理」S1209)。発射関連情報解除処理S1209の後に、発射タイマの値が「0」であるか否かが判定されて(S1210)、発射タイマの値が「0」でない場合(S1210:N)には、発射ソレノイド152の作動期間中であるために、その値が現在値から「1」だけ減算した値に更新され(「発射タイマ更新処理」S1211)、発射ソレノイド駆動フラグ(図中は「発射フラグ」と略記)が設定される(「発射フラグ設定処理」S1212)。一方、発射タイマの値が「0」である場合(S1210:Y)には、発射タイマ更新処理S1211及び発射フラグ更新処理S1212がスキップされて、発射タイマは「0」を維持し、発射ソレノイド駆動フラグは発射関連情報解除処理S1209における解除に伴いその解除状態を維持することとなる。引き続き、球送りタイマの値が「0」であるか否かが判定されて(S1213)、球送りタイマの値が「0」でない場合(S1213:N)には、球送りソレノイド151の作動期間中であるために、その値が現在値から「1」だけ減算した値に更新され(「球送りタイマ更新処理」S1214)、球送りソレノイド駆動フラグ(図中は「球送りフラグ」と略記)が設定される(「球送りフラグ設定処理」S1215)。一方、球送りタイマの値が「0」である場合(S1213:Y)には、球送りタイマ更新処理S1211及び球送りフラグ更新処理S1212がスキップされて、球送りタイマは「0」を維持し、発射ソレノイド駆動フラグは発射関連情報解除処理S1209における解除に伴いその解除状態を維持することとなる。発射制御処理S1008で更新された発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグの情報に基づいて、次回のタイマ割込み処理における発射関連信号出力処理S1002(図10参照)によって発射制御信号及び球送り制御信号が主制御装置920から出力される。
タイマ割込み処理が繰り返し実行されることによって、発射間隔が約602msに規制される。また、発射間隔期間の始端から約74msの間に渡ってオン状態の球送り制御信号が出力されて球送りソレノイド151の作動状態が維持され、その後、発射間隔期間の終端までその停止状態が維持される。また、発射間隔期間の始端から約12msの間に渡ってオン状態の発射制御信号が出力されて発射ソレノイド152の作動状態が維持され、その後、発射間隔期間の終端までその停止状態が維持される。これによって、発射間隔期間に1球の遊技球が発射装置150から射出される。
発射制御処理S1008の後に、図10に示されたように、磁気センサ430からの磁気センサ信号が監視され、磁気センサ信号に基づいて不正が検知される(「磁気センサ監視処理」S1009)。具体的には、磁気を検出していないことを表すオフ状態の磁気センサ信号が検知されてからその後50回のタイマ割込みにおいて連続してオン状態の磁気センサ信号が検知された場合に不正磁気誘導と検知されて、図12に示された不正検知情報更新処理S106〜発射関連信号出力処理S109と実質的に同一の処理が実行される。これによって、発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151が強制的に停止状態に移行することとなり、遊技進行が強制的に停止される。また、磁気センサ監視処理S1009においては、不正振動誘導検知コマンドに代えて不正磁気誘導検知コマンドがサブ制御装置940に出力され、不正磁気誘導を検知したことを表す報知が発光装置121〜125及び音響装置180において開始されることとなる。遊技進行の強制停止状態及び不正磁気誘導の報知状態は一旦停電状態に移行させるまで継続する。
磁気センサ監視処理S1009の後に、振動センサ10からの振動センサ信号が監視され、振動センサ信号に基づいて不正振動誘導が検知される(「振動センサ監視処理」S1010)。ここで、振動センサ監視処理S1010について説明する。図16は、振動センサ監視処理の一例を表すフローチャートである。
振動センサ監視処理S1010において、図16に示されたように、まず、遊技停止監視タイマT1(図中では「タイマT1」と略記)の値が所定の基準値(本形態では「0」)であるか否かが判定され(S401)、遊技停止監視タイマT1の値が基準値でない場合(S401:N)には、遊技停止監視タイマT1の値が現在値から「1」だけ減じた値に更新され(「タイマT1更新処理」S402)、一方、遊技停止監視タイマT1の値が基準値である場合(S401:Y)には、タイマT1更新処理S402がスキップされて基準値が維持される。タイマT1更新処理S401の後に、前面枠開閉状態フラグF2(図中では「フラグF2」と略記)が解除されているか否かによって前面枠セット103が閉鎖状態であるか開放状態であるかが判定される(S403)。ここで、前面枠開閉状態フラグF2は、前面枠スイッチ109からの前面枠スイッチ信号の出力状態に基づいて前面枠セット103の開閉状態を表すフラグであり、スイッチ読込処理S1006において、オン状態の前面枠スイッチ信号が検知されている前面枠セット103の開放状態において設定され、オフ状態の前面枠スイッチ信号が出力されている前面枠セット103の閉鎖状態において解除される。
判定処理S403において前面枠開閉状態フラグF2が設定されていると判定された場合(S403:N)には、振動センサ10からの振動センサ信号がオン状態であるか否かによって振動検知状態であるか否かが判定される(S404)。振動センサ信号がオン状態である場合(S404:Y)には、抽選状態フラグが設定されているか否かによって振分抽選状態であるか非振分抽選状態であるかが判定され(S405)、非振分抽選状態である場合(S405:N)には、振動検知カウンタC1(図中では「カウンタC1」と略記)の値が現在値に所定の第1振動検知値(本形態では「3」)だけ加算した値に更新され(「カウンタC1更新処理」S406)、一方、振分抽選状態である場合(S405:Y)には、振動検知カウンタC1の値が現在値に所定の第2振動検知値(本形態では「6」)だけ加算した値に更新される(「カウンタC1更新処理」S407)。カウンタC1更新処理S406,S407の後に、振動検知カウンタC1の値が規定最大値(本形態では、「255」)以上であるか否かが判定され(S408)、規定最大値を越えている場合には、振動検知カウンタC1が規定最大値に設定され(「カウンタC1設定処理」S409)、規定最大値を越えていない場合には、カウンタC1設定処理S408がスキップされてカウンタC1更新処理S406,S407における更新値が維持される。
一方、判定処理S404において振動センサ信号がオフ状態であると判定された場合(S404:N)には、振動検知カウンタC1の値が基準値(本形態では「0」)であるか否かが判定される(S410)。振動検知カウンタC1の値が基準値でない場合(S410:N)には、振動検知カウンタC1の値が、現在値から所定の非振動検知値(本形態では「1」)だけ減算した値に更新される(「カウンタC1更新処理」S411)。カウンタC1更新処理S411の後に、更新後の振動検知カウンタC1の値が基準値であるか否かが判定される(S412)。更新後の振動検知カウンタC1の値が基準値である場合(S412:N)には、振動検知フラグF1(図中では「フラグF1」と略記)が解除されているか否かが判定される(S413)。振動検知フラグF1が解除されていない場合、つまり、振動検知フラグF1が設定されている場合(S413:N)には、振動検知フラグF1が解除され(「フラグF1解除処理」S414)、過剰振動報知停止コマンドが主制御装置920からサブ制御装置940に出力され(「過剰振動報知停止コマンド出力処理」S415)、また、振動検知カウンタC1が基準値に設定される(「カウンタC1設定処理」S416)。
判定処理S413において振動検知フラグF1が解除されていると判定された場合(S413:Y)には、フラグF1解除処理S414〜カウンタC1設定処理S416がスキップされる。また、判定処理S412において振動検知カウンタC1の値が基準値でないと判定された場合(S412:Y)には、判定処理S413〜カウンタC1設定処理S416がスキップされる。また、判定処理S410において振動検知カウンタC1が基準値であると判定された場合(S410:Y)には、カウンタC1更新処理S411〜カウンタC1設定処理S416がスキップされる。
判定処理S403において前面枠開閉状態フラグF2が設定されていると判定された場合(S403)には、振動検知カウンタC1が強制的に解除される(「カウンタC1解除処理」S417)。具体的には、振動検知カウンタC1が基準値(「0」)に設定される。カウンタC1解除処理S417の後に、振動検知フラグF1が解除されているか否かが判定され(S418)、振動検知フラグF1が設定されている場合(S418:N)には、振動検知フラグF1が解除され、過剰振動報知停止コマンドが主制御装置920からサブ制御装置940に出力される。一方、振動検知フラグF1が設定されている場合(S418:N)には、フラグF1解除処理S419及び過剰振動報知停止コマンド出力処理S420がスキップされる。
カウンタC1設定処理S409,S416等の後に、図17に示されたように、振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値(本形態では「90」)未満であるか否かが判定される(「過剰振動判定処理」S421)。振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値以上である場合(S421:N)には、振動検知フラグF1が設定されているか否かが判定され(S422)、振動検知フラグF1が設定されていない場合(S422:N)には、振動検知フラグF1が設定され(「フラグF1設定処理」S423)、また、過剰振動報知開始コマンドが主制御装置920からサブ制御装置940に出力される(「過剰振動報知開始コマンド出力処理」S424)。なお、サブ制御装置940では、過剰振動報知開始コマンドの受信に応じて、枠発光装置121〜125及び音響装置180を作動させて、それらに過剰振動の発生を報知させる。一方、振動検知フラグF1が設定されていると判定された場合(S422:Y)には、振動検知カウンタC1の値が異常振動閾値(本形態では「240」)未満であるか否かが判定され(「異常振動判定処理」S425)、その値が異常振動閾値以上である場合(S425:N)には、遊技停止監視タイマT1(図中には「タイマT1」と略記)の値が所定の規定値(本形態では1.5秒に相当する「1500」)に設定される(「タイマT1設定処理」S426)。一方、振動検知カウンタC1の値が異常振動閾値未満であると判定された場合(S425:Y)には、タイマT1設定処理S426がスキップされ、遊技停止監視タイマT1の値は維持される。遊技停止監視タイマT1に「0」以外の値が設定されている期間が遊技停止監視期間であり、遊技停止監視期間に入球スイッチ11が遊技球を感知した場合には、上述のように遊技進行が停止されることとなる。
判定処理S401〜タイマT1設定処理S426で構成される振動センサ監視処理S1010の後に、図10に示されたように、タイマ割込みの実行回数を表す割込み数(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新される(「割込み数更新処理」S1011)。割込み数更新処理S1011の実行によってタイマ割込み処理が終了する。
次に、主制御装置920によって実行されるメイン処理について説明する。図18は主制御装置のメイン処理(図中には「主制御メイン処理」と略記)の一例を表すフローチャートである。停電状態からの復帰に応じて実行されるメイン処理において、図18に示されたように、まず、主制御装置920を立ち上げるための処理や各種の情報を初期設定する処理が実行される(「制御開始処理」S1301)。ここで、制御開始処理S1301について詳細に説明する。図19は、制御開始処理の一例を表すフローチャートである。制御開始処理S1301において、図19に示されたように、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値が設定される(「プログラム開始処理」S1401)。プログラム開始処理S1401の後に、払出制御装置930及びサブ制御装置940等が立ち上がるまで、所定の時間だけ待機する(「周辺装置立上待機処理」S1402)。周辺装置立上待機処理S1402の後に、電源・発射制御装置900の強制初期化スイッチ107からの強制初期化信号がオン状態であるか否かによって、RAMに保持されている各種の情報を強制的に初期化するか否かが判定される(S1403)。強制初期化信号がオフ状態である場合(S1403:N)には、停電発生情報(RAMの一部の領域)が所定の停電発生値に設定されているか否かが判定される(S1404)。停電発生情報が停電発生値である場合(S1404:Y)には、前回の停電状態への移行時に制御終了処理S1413においてRAMの所定の領域のチェックサムの2の補数に対応するRAM判定値が算出されているために、RAMの同一の領域のチェックサムが算出されて、算出されたチェックサムとRAM判定値とに基づいて保持情報が正常に保持されているか否かが判定される(S1405)。保持情報が正常に保持されている場合(S1405:Y)には、停電発生情報が所定の基準値に更新され(「停電発生情報解除処理」S1406)、また、保持情報がRAMの所定の領域に復帰される(「保持情報復帰処理」S1407)。保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に復帰することとなる。但し、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していたとしても場合には、それらのエラー状態は全て解除される。
判定処理S1403において強制初期化信号がオン状態であると判定された場合(S1403:Y)、判定処理S1404において停電発生情報に停電発生値が設定されていないと判定された場合(S1404:N)及び判定処理S1405において保持情報が正常に保持されていない場合(S1405:N)には、RAMの保持情報が初期化され(「保持情報初期化処理」S1408)、また、初期化コマンドが主制御装置920から払出制御装置930及びサブ制御装置940の双方に出力される(「初期化コマンド出力処理」S1409)。初期化コマンドを受信した払出制御装置930及びサブ制御装置940の各々においては、所定の初期化処理が実行されることとなる。
保持情報復帰処理S1407及び初期化コマンド出力処理S1409の後に、タイマ割込み等の各種の割込み制御のモードが設定される(「割込みモード設定処理」S1410)。割込みモード設定処理S1410の後に各種の割込みが許可される(「割込み許可処理」S1411)。割込み許可処理S1411の終了によって制御開始処理S1301が終了する。
制御開始処理S1301は、停電状態からの復帰後において一度だけ実行され、その後は、図18に示されたように、停電状態へ移行しない限り繰り返し実行されるループ処理に移行する。
ループ処理において、まず、タイマ割込み等の各種の割込みが禁止される(「割込み禁止処理」S1302)。割込み禁止処理S1302の後に、不正検知情報が所定の不正発生値であるか否かによって不正が検知されているか否かが判定される(S1303)。不正が検知されていない場合(S1303:N)には、遊技機100の外部の監理コンピュータ等に送信される各種の外部報知信号の出力状態を制御するための各種の外部報知情報が状況に応じて更新される(「外部報知情報更新処理」S1304)。具体的には、センタ役物41の内部における右ゲートスイッチ12Rを遊技球が通過したこと、つまり、大利益状態へ移行したことを報知するための右ゲート通過報知フラグ(外部報知情報の一種)が右ゲート通過個数カウンタの値を参照して更新され、右ゲート通過個数カウンタの値が更新される。また、センタ役物41へ中上入賞口43を通して遊技球が進入したこと、つまり、大利益状態及び小利益状態を区別することなく利益状態へ移行したことを報知するためのセンタ役物入球報知フラグ(外部報知情報の一種)が入球個数カウンタの値を参照して更新され、入球個数カウンタの値が更新される。また、センタ役物41の内部における左ゲートスイッチ12Lを遊技球が通過したこと、つまり、小利益状態(夜間型遊技状態)へ移行したことを報知するための左ゲート通過報知フラグ(外部報知情報の一種)が左ゲート通過個数カウンタの値を参照して更新され、左ゲート通過個数カウンタの値が更新される。最後に、各種の一般入賞口を遊技球が通過したことを報知するための普通入賞報知フラグ(外部報知情報の一種)が普通入賞個数カウンタの値を参照して更新され、普通入賞個数カウンタの値が更新される。なお、外部報知情報の一種である不正検知フラグの更新は、センタ役物入球処理S1108における不正検知フラグ設定処理S107(図12参照)によって行われる。
外部報知情報更新処理S1304の後に、リングバッファに格納されている各種のコマンドが格納順に主制御装置920からサブ制御装置940に出力される(「サブ系情報出力処理」S1305)。サブ系情報出力処理S1305において、各種のコマンドの出力に伴い送信制御信号もサブ制御装置940に出力される。サブ系情報出力処理S1305の後に、入賞個数カウンタの値や各種の払出状態情報に基づいて各種のコマンドが主制御装置920から払出制御装置930に出力される(「払出系情報出力処理」S1306)。払出系情報出力処理S1306において、入賞コマンドの出力に伴い送信制御信号も払出制御装置930に出力される。なお、本形態においては、入賞時に払い出すべき遊技球の個数は入賞口の種類に依存せず同一であるために、1種類の入賞コマンドを入賞回数だけ出力するように制御しているが、入賞に応じて払出個数を算出して払出個数に応じて異なるコマンドを出力する構成であってもよい。また、本発明においては、入賞時に払い出すべき遊技球の個数が異なる複数種類の入賞口を備える構成であってもよく、この場合には、入賞口の種類ごとに異なる入賞コマンドを入賞回数だけ出力してもよいし、入賞に応じて払出個数を算出して払出個数に応じて異なるコマンドを出力してもよい。本形態においては、サブ系情報出力処理S1305及び払出系情報出力処理S1306が割込みによって中断されることがない様に、これらの処理は割込みを禁止した状態で実行している。これによって、サブ系情報出力処理S1305及び払出系情報出力処理S1306が簡素化できるからである。また、本形態においては、1回のループ処理のサブ系情報出力処理S1305及び払出系情報出力処理S1306において出力されるコマンドの総数が所定の個数(例えば、「4」)以下に規制されており、1回のループ処理が所定の時間(例えば、4ms)以内に終了するように構成されている。
払出系情報出力処理S1306の後に、タイマ割込み等の各種の割込みが許可される(「割込み許可処理」S1307)。割込み許可処理S1307の後に、払出制御装置930から出力される賞球計数信号(払出装置358から払い出される遊技球の払出計数スイッチ362による検出に応じた信号)の出力状態及び賞球計数信号の受信状況を監視する払出中タイマ(RAMの一部の領域)の値に基づいて賞球の払い出し状態が確認され、状況に応じて払い出し中であるか否かを識別する払出中フラグ(払出状態情報の一種)が更新され、また、払出フラグが設定された場合には払出開始コマンドがリングバッファに格納され、払出フラグが解除された場合には払出終了コマンドがリングバッファに格納される(「賞球払出状態監視処理」S1308)。なお、サブ制御装置940は、払出報知開始コマンドの受信によって枠発光装置121〜125による払出中の報知を開始させ、払出報知開始コマンドの受信によって払出中の報知を終了させることとなる。
賞球払出状態監視処理S1308の後に、払出制御装置930から出力される異常信号の出力状態に基づいて払出装置358における異常の発生や払出制御装置930に接続された内枠スイッチ108、前面枠スイッチ109、貯留球スイッチ363による異常の検出が確認され、状況に応じて払出関連の異常発生中であるか否かを識別する払出異常フラグ(払出状態情報の一種)が更新され、また、払出異常フラグが設定された場合にはリングバッファに払出異常発生コマンドが格納され、払出異常フラグが解除された場合にはリングバッファに払出異常解消コマンドが格納される(「払出異常監視処理」S1309)。なお、サブ制御装置940は、払出異常発生コマンドの受信によって枠発光装置121〜125や音響装置180による払出中の報知を開始させ、払出異常解消コマンドの受信によって払出中の報知を終了させることとなる。
賞球払出状態監視処理S1309の後に、球溢れスイッチ164の検出状態に基づく球溢れ信号の出力状態に基づいて下皿160における遊技球の貯留状態が確認され、状況に応じて下皿160が満タンあるか否かを識別する球溢れフラグ(払出状態情報の一種)が更新され、また、球溢れフラグが設定された場合にはリングバッファに球溢れ発生コマンドが格納され、球溢れフラグが解除された場合にはリングバッファに球溢れ解消コマンドが格納される(「下皿貯留状態監視処理」S13010)。なお、サブ制御装置940は、球溢れ発生コマンドの受信によって枠発光装置121〜125や音響装置180による下皿満タンの報知を開始させ、球溢れ解消コマンドの受信によって下皿満タンの報知を終了させることとなる。
判定処理S1303において不正が検知されている場合には、遊技進行の停止状態を維持するために外部報知情報更新処理S1304〜下皿貯留状態監視処理S1310がスキップされ、タイマ割込み等の各種の割込みを許可する処理(「割込み許可処理」S1311)のみが実行される。これによって、各種の情報が更新されたり周辺装置の状態が変更されたりすることを防止できる。また、割込み許可処理S1311を実行することによって停電信号の監視が継続できるために、遊技進行の停止状態を解除するために必要な停電状態への移行に際して、正常に制御処理を終了させることができることとなる。
下皿貯留状態監視処理S1310及び割込み許可処理S1311の後に、停電発生情報が停電発生値であるか否かによって停電状態に移行しているか否かが判定される(S1312)。停電状態に移行していない場合(S1312:N)には、タイマ割込みの割込み数が所定の値(本形態では「4」)であるか否かによって、前回のループ処理が終了してから所定の回数(本形態では4回)だけタイマ割込みが実行されたか否かが判定され(S1313)、所定の回数のタイマ割込みが実行されていない場合(S1313:N)には、判定処理S1312に戻る。これによって、停電状態への移行を監視しながら所定の回数のタイマ割込みが実行されるまで待つこととなり、ループ処理が一定時間間隔で実行されることとなる。一方、所定の回数のタイマ割込みが実行されたと判定された場合(S1313:Y)には、割込み数が基準値(本形態では「0」)に初期化され(「割込み数初期化処理」S1314)、その後、割込み禁止処理S1302に戻る。
判定処理S1312において停電状態へ移行していると判定された場合(S1312:Y)には、割込みが禁止され、停電状態へ移行したことを表す停電コマンドがサブ制御装置940に出力され、発射関連信号用の信号送信回路及び送信制御・外部報知信号用の信号送信回路の出力状態がオフ状態に設定され、RAMの所定の領域のチェックサムの2の補数に対応するRAM判定値RAMが算出される(「制御終了処理」S1315)。その後は、無限ループに入り、停電状態から復帰するまで待機することとなる。
(本発明に係る振動検知に関連する主たる構成)
本発明の主たる特徴部分である振動検知及びそれに基づく動作に関連する構成についてまとめて説明する。遊技機100は、上述のように、外枠101(図3参照)と、内枠セット102(図3参照)と、遊技盤200(図3参照)と、前面枠セット103(図3参照)と、振動センサ10(〔振動検出手段〕の一種;図6参照)と、発射装置150(図3参照)と、発射操作装置170(図1参照)と、主制御装置920(図9参照)と、払出装置382(図8参照)と、払出制御装置930(図8参照)と、枠発光装置121〜125(〔報知手段〕の一種;図4及び図9参照)と、音響装置180(〔報知手段〕の一種;図9参照)と、サブ制御装置940(図9参照)とを備えている。遊技盤200は、センタ役物41(〔振分抽選手段〕の一種;図7参照)と、センタ役物41に入球した遊技球を検出する入球スイッチ11(〔遊技進行状態識別手段〕の一種;図6及び図9参照)と、センタ役物41から排出される遊技球を検出する右ゲートスイッチ12R(〔抽選結果検知手段〕及び〔放出媒体検出手段〕の一種;図6及び図9参照)と、センタ役物41から排出される遊技球を検出する左ゲートスイッチ12L(〔抽選結果検知手段〕及び〔放出媒体検出手段〕の一種;図6及び図9参照)と、左普通入賞口スイッチ19L(図6及び図9参照)と、各種の複数の可変入賞装置46,47B,48B,49B,55B,56B(図6参照)と、各種の複数の可変入賞口スイッチ13〜18(図6参照)と、各種の複数のリンク機構L1,L2,L3(図6参照)とを備えている。
振動センサ10は、遊技機100の振動に伴って移動する検出子(図示せず)を備え、検出子の移動に基づいて振動を検出する。振動センサ10からは、所定の大きさ以上の振動が検出されている場合にオン状態の振動センサ信号が出力され、それ以外の場合にはオフ状態の振動センサ信号が出力される。一回の加振に対してオン状態の振動センサ信号が連続的又は間欠的に出力される。なお、大きな振動が加えられた場合には、通常、オン状態の振動センサ信号は間欠的に出力される。振動センサ信号の出力状態は、定期的、具体的には主制御装置920のタイマ割込み周期である1ms周期毎に、主制御装置920に読み込まれ(図10のスイッチ読込処理S1006)、加えられた振動の大きさ等を推定するために、その出力状態が監視される(図10及び図16の振動センサ監視処理S1010)。
センタ役物41は、外囲体410(図7参照)と振分部材420(図7参照)とを備えており、遊技球が中上入賞口43(図7参照)を通してセンタ役物41に進入した場合には、大利益遊技状態(〔利益遊技状態〕の一種)又は小利益遊技状態(〔利益遊技状態〕の一種)のいずれかの利益遊技状態に移行することとなる。具体的には、中上入賞口43を通してセンタ役物41に進入した遊技球は、振分部材420によって、右ゲートスイッチ12R(図6参照)の設けられた右排出通路413R又は左ゲートスイッチ12L(図6参照)の設けられた左排出通路413Lのいずれかに機構的に振り分けられる。右排出通路413Rに振り分けられた遊技球は右リンク機構L1及び下リンク機構L2を順次に作動させることとなり、それらの作動によって、一部の可変入賞装置49B,55B,47B,48Bが入賞許容状態へ移行する。なお、この移行が大利益遊技状態への移行である。同様に、左排出通路413Lに振り分けられた遊技球は左リンク機構L3を作動させることとなり、その作動によって、その他の可変入賞装置56Bが入賞許容状態に移行する。なお、この移行が小利益遊技状態への移行である。
入球スイッチ11は、中上入賞口43を通してセンタ役物41に進入した遊技球を振分部材420へ到達する前に検出する。入球スイッチ11からは、遊技球が検出されている場合にオン状態の入球検出信号が出力され、その他の場合にはオフ状態の入球検出信号が出力される。入球検出信号の出力状態は、定期的に、具体的には主制御装置920のタイマ割込み周期である1ms周期毎に監視されており、入球検出信号の出力状態に基づいて入球スイッチ11のオン移行状態が検知されると、入球スイッチ11のオン移行フラグが設定される(図10のスイッチ読込処理S1006)。
左普通入賞口スイッチ19Lは、中上入賞口43を通してセンタ役物41に進入した遊技球を所定のリンク機構L1〜L3を作動させた後に検出する。左普通入賞口スイッチ19Lからは、遊技球が検出されている場合にオン状態の普通入賞検出信号が出力され、その他の場合にはオフ状態の普通入賞検出信号が出力される。普通入賞検出信号の出力状態は、入球スイッチ11の場合と同様に監視されており、普通入賞検出信号の出力状態に基づいて、左普通入賞口スイッチ19Lのオン移行状態が検知されると左普通入賞口スイッチ19Lのオン移行フラグが設定される(図10のスイッチ読込処理S1006)。また、複数の可変入賞口スイッチ13〜18についても、左普通入賞口スイッチ19Lの場合と同様に監視されている。いずれかの入賞口スイッチ13〜18及び19Lのオン移行フラグが設定された場合には、払出装置358によって所定の個数の遊技球が払い出されることとなる。
誘導通路415から中上入賞口43へ遊技球を不正に誘導する場合には、遊技球が中上入賞口43の近傍を移動しているときに振動が加えられる。この場合、遊技球は方向転換して中上入賞口43へ進入するために概ね一定の低速度であり、振動が加えられてから入球スイッチ11で遊技球が検出されるまでの時間は概ね一定でかつ長くなる。一方、右排出口413Rに遊技球を不正に誘導する場合には、遊技球が振分部材420の前面側を通過しているときに振動が加えられる。この場合、振動が加えられた際の遊技球の通過位置やその後の振分部材420の振分突起421との干渉の度合いによって遊技球の速度は多様に変化するために、振動が加えられてから右ゲートスイッチ12Rで遊技球が検出されるまでの時間は大きく変化し、振分部材420の下部で振動が加えられた場合や振動が加えられた後における振分突起421との干渉の度合いが低い場合には、振動が加えられてから右ゲートスイッチ12Rで遊技球が検出されるまでの時間は極めて短くなる。
ここで、主制御装置920により実行される振動を検知する制御について説明する。前面枠開閉状態フラグF2が解除されている前面枠セット103の閉鎖状態(S403:N)における振動センサ10からのオン状態の振動センサ信号の検出(S404:Y)に応じて、抽選状態フラグが解除されている非振分抽選状態(〔遊技進行状態〕の一種)である場合(S405:N)には振動検知カウンタC1の値に「3(〔第1振動検知値〕の一種)」が加算され(S406)、抽選状態フラグが設定されている振分抽選状態(〔遊技進行状態〕の一種)である場合(S405:N)には振動検知カウンタC1の値に「6(〔第2振動検知値〕の一種)」が加算される(S407)。なお、本形態における振動検知カウンタC1は8ビット情報(「0」〜「255」)である。加算した結果、振動検知カウンタC1の値が「255(規定最大値)」を越える場合には(S408:Y)、振動検知カウンタC1の値が「255」に再設定される(S409)。具体的には、加算演算においてキャリーフラグが設定された場合(S408:Y)に、振動検知カウンタC1の値が最大値である「255」に設定される。これによって、振動センサ信号がオン状態である期間において、振動検知カウンタC1の値は「3」ずつ増加し、その値が「255」に到達した場合には「255」に維持されることとなる。
抽選状態フラグは、遊技進行状態を識別するフラグであり、センタ役物41の中上入賞口43への遊技球の進入による入球スイッチ11のオン移行フラグの設定に応じて設定され(S105)、抽選状態フラグの設定状態における右排出通路413Rへの遊技球の進入による右ゲートスイッチ12Rのオン移行フラグの設定(S201:Y,S205:Y)に応じて解除され(S206)、また、抽選状態フラグの設定状態における左排出通路413Lへの遊技球の進入による左ゲートスイッチ12Lのオン移行フラグの設定(S301:Y,S305:Y)に応じて解除される(S306)。
一方、前面枠開閉状態フラグF2が解除されている前面枠セット103の閉鎖状態(S403:N)であり、かつ、抽選状態フラグが解除されている非振分抽選状態(S405:N)において、オフ状態の振動センサ信号の検出(S404:N)に応じて、振動検知カウンタC1の値から「1(〔非振動検知値〕の一種)」が減算される(S411)。具体的には、減算前に振動検知カウンタC1の値が「0(〔基準値〕の一種)」である場合(S410:Y)には、減算を実行せず(S411のスキップ)、また、減算に際してゼロフラグが設定された場合に、振動検知カウンタC1の値として「0」が設定される。これによって、振動検知カウンタC1の値は、振動が発生していない場合には「0」に維持されることとなり、また、振動が発生した後においては、振動中又は振動停止後の振動センサ信号がオフ状態である期間において「1」ずつ減少し、その値が「0」に到達した場合には、「0」に維持されることとなる。
前面枠開閉状態フラグF2が設定されている前面枠セット103の開放状態において(S403:Y)は、振動センサ信号の出力状態に関わらず振動検知カウンタC1は強制的に基準値である「0」に維持される(S417)。
遊技機100に大きな振動が加えられた場合には、通常、振動検知カウンタC1の値は大きな値まで増加する。したがって、振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値(本形態では、「90」)以上である場合(S421:N)には、故意に遊技機100を殴打する等の過剰振動と検知されて、振動検知フラグF1が未だ設定されていない場合(S422:N)には振動検知フラグF1が設定される(S423)。また、過剰振動との検知に応じて、所定の枠発光装置121〜125の発光によって過剰振動の発生が報知される。具体的には、過剰振動との検知に応じて、主制御装置920からサブ制御装置940に過剰振動報知開始コマンドが出力され(S424)、過剰振動報知開始コマンドを受信したサブ制御装置940によって所定の枠発光装置121〜125が作動され、過剰振動発生の報知が実行される。なお、振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値以上でない場合(S421:Y)には、振動が発生していたとしても過剰振動とは判定されないために、振動検知フラグF1が設定されず(S423のスキップ)、また、過剰振動報知開始コマンドが出力されない(S424のスキップ)。したがって、過剰振動発生の報知も行われない。
振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値を越え、更に異常振動閾値(本形態では、「240」以上となった場合(S425:N)には、センタ役物41の中上入賞口43や右排出通路413Rに遊技球を誘導するための不正振動誘導である可能性が極めて高いために、その後の中上入賞口43や右排出通路413Rへの遊技球の進入の監視が開始される。具体的には、遊技停止監視タイマT1の値に「1500(規定値)」が設定される(S426)。遊技停止監視タイマT1は、振動検知カウンタC1の値が「240」に減少した後における主制御装置920のタイマ割込みごとに「1」だけ減算される(S402)。なお、遊技停止監視タイマT1の値が「0」である場合(S401:Y)には、減算は実行されない(S402のスキップ)。したがって、遊技停止監視タイマT1に「0」以外の値が設定されている期間が遊技停止監視期間であり、その始端は振動検知カウンタC1が「240」以上となったときであり、その終端は振動検知カウンタC1が最後に「240」以下となってから実質的に1500msの一定時間が経過したときである。
遊技停止監視期間における中上入賞口43への遊技球の進入によって入球スイッチ11のオン移行フラグが設定された場合(S101:Y,S102:N)には、不正振動誘導の発生と判断されて、不正検知情報に所定の不正発生値が設定され(S106)、強制的に遊技進行が停止される。具体的には、発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグが解除される(S108)と共に、それらのフラグ状態に応じてオフ状態の発射制御信号及びオフ状態の球送り制御信号が出力される(S109)。これによって、発射装置150が強制的に停止状態となり、以降は、不正検知情報に不正発生値が設定されていることによって(S1005:Y)、発射装置150の駆動状態を含め各種のスイッチ等の状態が更新されないために(S1008〜S1010のスキップ)、遊技進行が永続的に停止される。また、外部の監理コンピュータ等へ不正振動誘導の発生が報知される。具体的には、不正検知フラグが設定され(S107)、不正検知フラグの設定に応じて、不正検出信号が監理コンピュータ等に出力される。不正検出信号を受信した監理コンピュータは不正の発生を報知する。また、枠発光装置121〜125及び音響装置180によって、不正振動誘導の発生が報知される。具体的には、不正振動誘導との検知に応じて、不正振動誘導検知コマンドが出力され(S110)、不正振動誘導検知コマンドを受信したサブ制御装置940によって枠発光装置121〜125及び音響装置180が作動され、不正振動誘導の発生が報知される。
また、遊技停止監視期間における右排出通路413Rへの遊技球の進入によって右ゲートスイッチ12Rのオン移行フラグが設定された場合(S201:Y,S202:N)には、遊技停止監視期間における中上入賞口43への遊技球の進入の場合と同様に、不正振動誘導の発生と判断されて強制的に遊技進行が停止される(S207〜S211)。同様に、遊技停止監視期間における左排出通路413Lへの遊技球の進入によって左ゲートスイッチ13Lのオン移行フラグが設定された場合(S301:Y,S302:N)には、遊技停止監視期間における右排出通路413Rへの遊技球の進入の場合と同様に、不正振動誘導の発生と判断されて強制的に遊技進行が停止される(S307〜S311)。
ここで、振動が加えられた場合の遊技機の動作について、概ね時系列に沿って具体的に説明する。図20は、振動判定方法を説明するために振動検知カウンタC1の時間推移を定性的に表すタイミングチャートである。図20において、振動センサ信号の時間推移と共に非振分抽選状態における振動検知カウンタC1の時間推移(実線)及び振分抽選状態における振動検知カウンタC1の時間推移(破線)が示されている。なお、図20において、時刻t9以降における振動センサ信号は図示を省略したがオフ状態を維持することとする。
図20に示されたように、強い振動が加えられると、振動センサ信号の出力状態はオン状態とオフ状態とを繰り返す。時刻t0において振動センサ信号がオン状態に移行すると、振動検知カウンタC1(実線)の値がタイマ割込み周期ごとに「3」ずつ増加し、振動センサ信号がオフ状態に移行するまでその増加は継続する。その後、時刻t1において振動センサ信号がオフ状態に移行すると、振動検知カウンタC1(実線)の値がタイマ割込み周期ごとに「1」ずつ減少し、振動センサ信号がオフ状態に移行するまでその減少は継続する。なお、図20には、振動検知カウンタC1の値が時刻t0から時刻t1まで滑らかに増加し、時刻t1から時刻t2まで滑らかに減少するかのように示されているが正確には階段状に変化している。他の区間における増加及び減少の場合も同様である。その後、振動センサ信号の出力状態に応じて、振動検知カウンタC1(実線)の値は、時刻t2〜時刻t3、時刻t4〜時刻t5及び時刻t6〜時刻t7において増加し、時刻t3〜時刻t4、時刻t5〜時刻t6、時刻t7〜時刻t8、時刻t4〜時刻t5において減少する。なお、時刻taにおいて振動検知カウンタC1(実線)の値が過剰振動閾値である「90」以上となると、過剰振動の発生と判断される。時刻t8において振動センサ信号がオン状態となると振動検知カウンタC1(実線)の値は同様に増加するが、時刻tcにおいて規定最大値である「255」に到達するとその値が維持される。なお、時刻tbにおいて振動検知カウンタC1の値が異常振動閾値である「240」以上となると、異常振動の発生と判断される。振動センサ信号の出力状態に応じて更新される。時刻t9において振動センサ信号がオフ状態となると振動検知カウンタC1の値が減少し、その値が基準値である「0」に到達するまで減少する。なお、振動検知カウンタC1の値が「0」である場合には、振動センサ信号がオフ状態であってもその値を維持する。
一方、振分抽選状態における振動検知カウンタC1(破線)の値も、時刻t0〜時刻t1、時刻t2〜時刻t3、時刻t4〜時刻t5及び時刻t6〜時刻t7においてタイマ割込み周期ごとに増加するが、非振分抽選状態と異なり、単位増加量は「6」である。なお、タイマ割込み周期ごとの更新において振動検知カウンタC1(破線)の値が規定最大値を越える場合(時刻tc1〜時刻t5,時刻tc2〜時刻t7、時刻tc3〜時刻tc)には、その値は非振分抽選状態の場合と同様に強制的に規定最大値「255」に維持される。時刻t3〜時刻t4、時刻t5〜時刻t6、時刻t7〜時刻t8、時刻t4〜時刻t5において、非振分抽選状態の場合と同様にタイマ割込み周期ごとに「1」ずつ減少する。図20から分かるように、振動検知カウンタC1(破線)の値は、時刻taよりも早い時刻ta’において過剰振動閾値「90」となり、また、時刻tbよりも早い時刻tb’において異常振動閾値「240」以上となるために、振分抽選状態においては、同一の強度の振動が加えられたとしても、非振分抽選状態よりも早く過剰振動及び異常振動の発生と判断される。
ここで、振動検知カウンタC1の値に応じた遊技機100の動作について説明する。図21は非振分抽選状態における振動検知カウンタC1の値の最大値が「90」未満である微少振動に基づく遊技機の動作を定性的に表すフローチャートであり、図22は非振分抽選状態における振動検知カウンタC1の値の最大値が過剰振動閾値以上異常振動閾値未満である過剰振動に基づく遊技機の動作を定性的に表すフローチャートであり、図23及び図24の各々は非振分抽選状態における振動検知カウンタC1の値が異常振動閾値以上となる異常振動に基づく遊技機の動作を定性的に表すフローチャートである。なお、図23には遊技進行が続行される場合が示され、図24には遊技進行が停止される場合が示されている。
図21に示されたように、抽選状態フラグ(図中のOFF)が解除状態を維持している非振分抽選状態における振動に基づく振動検知カウンタC1の最大値が「90」未満である場合(S421:Y)には、振動検知フラグF1の状態は解除状態(図中のOFF)に維持されるために(S423のスキップ)、枠発光装置121〜125によって過剰振動の発生の報知(図中の発光報知)は行われない(S424のスキップ)。また、遊技停止監視タイマT1が作動せず(S426のスキップ)、その値が「0」に維持されるために、入球スイッチ11のオン移行フラグが解除状態を維持している場合(S101:N)に限らず、図21に示されたように設定状態に移行した場合(S101:Y)であっても遊技停止監視タイマT1が「0」であるために(S102:Y)、不正検知情報は不正非発生値(図中のOFF)を維持する(S106のスキップ)。したがって、音響装置180によって不正振動誘導の報知(音響報知)が行われることも、外部の監理コンピュータ等に不正振動誘導の発生を報知させるための信号の出力(外部送信報知)が行われることもない(S107及びのS110スキップ)。また、不正振動誘導と検知されていないために(S1305:N)、発射許可信号がオン状態である場合には、通常の場合と同様に、球送りソレノイド駆動フラグ及び発射ソレノイド駆動フラグが周期的に制御されて(S1008)、発射装置150は周期ごとに遊技球を1球ずつ射出する。なお、時刻tjにおける入球スイッチ11のオン移行フラグの設定に応じて抽選状態フラグが設定され、時刻tmにおける右ゲートスイッチ12Rのオン移行フラグの設定又は右ゲートスイッチ12Lのオン移行フラグの設定(破線)に応じて抽選状態フラグが解除される。
次に、非振分抽選状態における振動に基づいて振動検知カウンタC1の最大値が「90」以上であり「240」未満となる場合について説明する。なお、図21に示された微少振動の場合との相違についてのみ詳細に説明する。図22に示されたように、時刻tdにおいて振動検知カウンタC1の値が「90」以上となったときに(S421:N)、振動検知フラグF1が解除されているために(S422:Y)、振動検知フラグF1が設定される(S423)。また、過剰振動報知開始コマンドがサブ制御装置940に出力され(S424)、枠発光装置121〜125によって過剰振動の発生の報知(図中の発光報知)が開始される(図中のON)。その後、時刻teにおいて振動検知カウンタC1の値が「0」に復帰すると(S412:N)、振動検知フラグF1が解除され(S413)、また、過剰振動報知停止コマンドがサブ制御装置940に出力される(S415)。なお、過剰振動報知停止コマンドを受信したサブ制御装置940は、その受信から所定の時間(例えば、5秒)の経過後に、枠発光装置121〜125による過剰振動の発生の報知を停止する。
次に、非振分抽選状態における振動検知カウンタC1の値が「240」以上となるが、入球スイッチ11のオン移行フラグが設定されない場合、つまり、非振分抽選状態において大きな振動が与えられたが、その直後にセンタ役物41の中上入賞口43に遊技球が進入しなかった場合について説明する。なお、図22に示された過剰振動の場合との相違についてのみ詳細に説明する。図23に示されたように、時刻tfにおいて振動検知カウンタC1の値が「240」以上となったときに(S425:N)、遊技停止監視タイマT1が規定値である「1500」に設定される(S426)。なお、振動検知カウンタC1の値が「0」以外である場合(S401:N)には、タイマ割込みごとに遊技停止監視タイマT1の値は「1」だけ減算されるが(S402)、振動検知カウンタC1の値が「240」以上である場合には繰り返し、その値に「1500」が設定されるために(S426)、時刻tgにおいて振動検知カウンタC1の値が「240」未満となるまでは、実質的に「1500」に維持される。時刻tgにおいて振動検知カウンタC1の値が「240」未満となると、遊技停止監視タイマT1の値は「1」ずつ小さくなる(S402)。なお、遊技停止監視タイマT1が「0」以外の値をとる時刻tfから時刻tiまでの間が遊技停止監視期間である。時刻thにおいて遊技停止監視タイマT1の値が「0」に復帰すると(S412:N)、振動検知フラグF1が解除され(S414)、また、過剰振動報知停止コマンドがサブ制御装置940に出力される(S415)。なお、過剰振動報知停止コマンドを受信したサブ制御装置940は、その受信から所定の時間(例えば、5秒)の経過後に、枠発光装置121〜125による過剰振動の発生の報知を停止する。
次に、非振分抽選状態における振動に基づいて振動検知カウンタC1の値が「240」以上となり、遊技停止タイマT1が解除される前に入球スイッチ11のオン移行フラグが設定された場合、つまり、非振分抽選状態に大きな振動が与えられ、その直後にセンタ役物41の中上入賞口43に遊技球が進入した場合について説明する。図24に示されたように、時刻tfから時刻tiまでの遊技停止監視期間内の時刻Tjにおいて入球スイッチ11のオン移行フラグが設定されると(S101:Y)、遊技停止監視タイマT1が「0」以外の値であるために(S102:N)、不正振動誘導の発生と検知されて、不正検知情報に所定の不正発生値が設定される(S106)。また、不正振動誘導の検知に応じて不正検知フラグが設定される(S107)。不正検知フラグの設定に応じて不正検出信号が監理コンピュータ等の外部装置に送信され、この不正検出信号によって不正振動誘導の発生が外部に報知(図中の外部送信報知)されることとなる(次回のタイマ割込みにおけるS1003)。また、不正振動誘導の検知に応じて、球送りソレノイド駆動フラグ及び発射ソレノイド駆動フラグが強制的に解除される(S108)と共に、オフ状態の球送り制御信号及びオフ状態の発射制御信号が電源監視装置910を介して電源・発射制御装置900の発射制御部912に出力される。発射制御部912は、オフ状態の球送り制御信号の受信に応じて球送りソレノイド151を停止状態に強制的に移行させ、また、オフ状態の発射制御信号の受信に応じて発射ソレノイド152を停止状態に強制的に移行させることとなる。これによって、発射装置150の動作が停止し、遊技進行が停止されることとなる。更に、不正振動誘導の検知に応じて、不正誘導検知コマンドがサブ制御装置940に出力される(S110)。これによって、不正誘導検知コマンドを受信したサブ制御装置940は、各種の枠発光装置121〜125による発光報知を継続させると共に、音響装置180による不正発生の報知(図中の音響報知)を開始させる。
不正振動誘導の検知に伴う処理の実行後(S106〜S110)においては、不正検知情報に所定の不正発生値が設定されているために(S1303:Y)、タイマ割込みを許可する処理(S1311)と停電状態への移行に関する処理(S1312,S1315)のみが実行される。また、タイマ割込みにおいても、不正検知情報に所定の不正発生値が設定されているために(S1005:Y)、球送り制御信号及び発射制御信号の出力(S1002)と、外部報知に関する信号の出力(S1003)と、電源監視装置910からの停電信号の出力状態の監視のみが実行される。なお、球送り制御信号や発射制御信号の出力状態は変更されないために(S1008のスキップ)、発射装置150は不正振動誘導の検知直後において強制的に停止された状態を維持することとなる。また、遊技機100の内部状態が実質的に変更されないために(S1006〜S1010のスキップ)、外部報知の出力状態も変更されず、不正振動誘導の検知直後における出力状態を維持することとなる。更に、サブ制御装置940への各種のコマンドが送信されないために、サブ制御装置940によって制御される枠発光装置121〜125や音響装置180等の各種の装置の作動形態は変更されない。これによって、不正振動誘導の発生に関連する発光報知や音響報知が維持される。なお、この状況は、電源スイッチ382をオフ状態にしたり、電源プラグを電力供給コンセントから抜脱させて停電状態に移行させたりするまで継続する。停電状態に移行させると、電源監視装置910からオン状態の停電信号が主制御装置920に出力される。そのオン状態の停電信号を主制御装置920が受信すると、停電発生情報に所定の停電発生値が設定されて(S1004)、停電状態への移行と検知される(S1312:Y)。これによって、主制御装置920の制御が終了し(S1315)、また、払出制御装置930及びサブ制御装置940の制御が終了する。
なお、不正振動誘導の発生の検知後に、一旦、停電状態へ移行させてから、電源スイッチ382をオン状態にしたり、電源プラグを電力供給コンセントに挿入させたりして通電状態へ移行させたりすると、各種のエラー状態や報知状態や各種の装置の駆動状態が所定の通常の状態に復帰する(S1407)。
次に、抽選状態フラグ(図中のOFF)が設定状態を維持している振分抽選状態における振動に基づいて振動検知カウンタC1の値が「240」以上となり、遊技停止タイマT1が解除される前に右ゲートスイッチ12Rのオン移行フラグが設定された場合、つまり、センタ役物41内における遊技球の振り分け中に大きな振動が与えられ、その直後に右排出通路413Rに遊技球が進入した場合について説明する。図25は、振分抽選状態における異常振動の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャートである。図25には、比較のために、本形態とは異なり振分抽選状態においても非振分抽選状態の場合と同一の処理を実行する場合が破線で示されている。なお、以下においては、図24に示された非振分抽選の場合との相違についてのみ詳細に説明する。
図25に示されたように、遊技停止監視期間外の時刻tj’において入球スイッチ11のオン移行フラグが設定されると(S101:Y,S102:Y)、抽選状態フラグが設定される(S105)。その後に振動が加えられて、時刻td’において振動検知カウンタC1の値が「90」以上となったとき(S421:N)には、非振分抽選状態の場合と同様に過剰振動の発生と判断されて振動検知フラグF1が設定され(S422:Y,S423)、時刻tf’において振動検知カウンタC1の値が「240」以上となったとき(S425:N)には、非振分抽選状態の場合と同様に異常振動の発生と判断されて遊技停止監視タイマT1が規定値である「1500」に設定される(S426)。なお、オン状態の振動センサ信号に基づくタイマ割込み周期ごとの増加量は、非振分抽選期間において「3」であったが、振分抽選期間においては「6」であるために、振動検知カウンタC1の値は、時刻tdよりも早い時刻td’において「90」以上に到達し、また、時刻tfよりも早い時刻tf’において「90」以上に到達する。過剰振動や異常振動の検知に伴う動作については、非振分抽選状態における振動の場合と同様である。
時刻td’から時刻ti’までの遊技停止監視期間内の時刻tm’において右ゲートスイッチ12Rのオン移行フラグが設定されると(S101:Y)、遊技停止監視タイマT1が「0」以外の値であるために(S102:N)、不正振動誘導の発生と判断されて不正検知情報が不正発生値に設定される(S106)。不正振動誘導の検知に伴う動作については、非振分抽選状態における振動の場合と同様である。なお、不正誘導振動の検知後において(S1005:Y)、振動検知カウンタC1及び遊技停止監視タイマの値は更新されないために(S1008のスキップ)、それらの値は不正振動誘導の検知時の値に維持される。
なお、振動が加えられてから右ゲートスイッチ12Rのオン移行フラグが設定されるまでの時間が図25に示されたように極めて短くなる可能性がある場合に、振分抽選状態において非振分抽選状態と同一の制御が採用されていると、破線で示されたように時刻tfにおいて異常振動と判断される前の時刻tm’に右ゲートスイッチ12Rのオン移行フラグが設定されてしまい、センタ役物41の振分抽選において不正な抽選が行われたにもかかわらず、遊技進行が停止できない。
最後に、前面枠セット103への開放操作に伴って大きな振動が与えられた直後にセンタ役物41の中上入賞口43に遊技球が進入した場合について説明する。図26は、前面枠セットの開放操作に伴う異常振動の発生後のセンタ役物への入球の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャートである。なお、図40においては、比較のために、前面枠セット103の閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新されたときの遊技停止監視期間内において入球スイッチ11のオン移行フラグが設定された場合が破線で示されている。以下においては、図24に示された異常振動の場合との相違についてのみ詳細に説明する。
図26に示されたように、時刻tkにおいて前面枠セット103への開放操作が開始されて振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値以上となった後に、前面枠スイッチ109がオフ状態となり、時刻tlにおいて、前面枠スイッチ109からオフ状態の前面枠スイッチ信号が検知されると、前面枠スイッチ109の開閉状態を表す前面枠開閉状態フラグF2が解除される(S1006)。前面枠開閉状態フラグF2の解除に応じて(S403:Y)、振動検知カウンタC1の値が基準値である「0」に強制的に変更され(S417)、振動検知フラグF1が既に設定されている(S418:N)ために振動検知フラグが解除され(S419)、過剰振動報知停止コマンドが出力される(S420)。これによって、過剰振動報知が停止される。時刻t1後は、オフ状態の前面枠スイッチ信号が検知されている限り前面枠開閉状態フラグF2の解除状態が維持され(S1006)、前面枠開閉状態フラグF2の解除状態が維持されている(S403:Y)ために、振動検知カウンタC1の値が振動センサ信号の出力状態に依存せずに「0」に維持される(S406、S407及びS415のスキップ)。これによって、前面枠セット103の閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新されたとすれば異常振動と検知される場合であっても、振動検知カウンタC1の値が異常振動閾値以上となることが抑制される。また、前面枠セット103の開放状態への移行に伴う振動によって、遊技停止監視タイマT1が設定されることも抑制される(S426のスキップ)。つまり、前面枠セット103の閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新された場合の遊技停止監視期間内の時刻tjにおいて、入球スイッチ11のオン移行フラグが設定されたとしても、不正検知情報が不正検知値に変更されたり、不正検知フラグが設定されたりすることが抑制される。
図26に示された場合と異なり、振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値未満であるときに前面枠スイッチ109からオフ状態の前面枠スイッチ信号が検知された場合や、一旦過剰振動停止コマンドが出力された時刻t1後のように、振動検知フラグF1が解除されている場合(S418:Y)には、振動検知フラグF1の再度の解除は実行されず(S419のスキップ)、過剰振動報知停止コマンドの再度の出力は実行されない(S420のスキップ)。なお、前面枠開閉状態フラグF2の解除に応じて過剰振動発生の報知を停止する場合について説明したが、この報知に代えて前面枠セット103の開放状態を表す所定の報知を開始させてもよい。
本形態の遊技機100であれば、振動センサ10により振動が検出されている場合には振動検知カウンタC1の値が増加して振動センサ10により振動が検出されていない場合には振動検知カウンタC1の値が減少することと、振動検知カウンタC1の値が基準値に到達した場合には振動検知カウンタC1の値が更新されないこととによって、振動検知カウンタC1の値を自己整合的に基準値にリセットできる。したがって、許容振動が繰り返し発生したとしても振動検知カウンタC1の値が積算されることを抑制でき、許容振動の繰り返しに基づいて許容振動範囲を外れるような誤検知を抑制できる。また、従来のようにリセット時期を決定するタイマ等を設ける必要がなく、遊技機100の構成及び過剰振動の検知の制御が複雑化されることを抑制できる。また、短期間に連続して複数の振動が加えられる場合、つまり、前回の振動が完全に収束する前に次の振動が加えられるような不正目的である可能性が高い場合において、2回目以降の振動において振動検知カウンタC1が強制的にリセットされることがなく、また、振動検知カウンタC1の更新が連続的に再開されるために、連続した振動であっても良好に検知できる。
更に、振動センサ信号の出力状態がオン状態である場合に、振分抽選状態においては非振分抽選状態よりも振動検知カウンタC1の値が大きく増加し、振分抽選状態における振動の検知感度及び検知速度が非振分抽選状態よりも高感度及び高速度となることによって、センタ役物41による遊技媒体の振り分けにおいて振動に基づいた不正な振り分けが実行されたか否かを非振分抽選状態よりも厳格にかつ正確に監視できる。
更に、遊技盤200の遊技領域内に堆積した遊技球を取り除くために前面枠セット103を開放する場合のように、不正振動誘導の目的で故意に振動を与える場合と同様の強度の振動が発生し、かつその振動によって遊技球の堆積が解除されて一部の遊技球が中上入賞口43を通してセンタ役物41に進入した場合であっても遊技進行は停止されないために、不正振動誘導の場合との識別性が向上する。したがって、不正振動誘導の検知精度、特に、遊技機100から離隔した場所において遊技機100からの不正検出信号に基づく不正振動誘導の検知精度が向上する。
上記の遊技機100において、振動検知カウンタC1の更新量を増加させる振分抽選状態が入球スイッチ11による遊技球の検出から右ゲートスイッチ12R又は左ゲートスイッチ12Lによる遊技球の検知までの期間である構成について説明したが、本発明においては、振分抽選状態が入球スイッチ11による遊技球の検出からその後の一定時間の経過までの期間である構成とすることもできる。ここで、この第1変化例の構成について詳細に説明する。図27〜図30は、それぞれ、センタ役物入球処理、右ゲート通過処理、左ゲート通過処理及び振動センサ監視処理の前段部の第1変化例を表すフローチャートである。また、図31は、振分抽選状態における異常振動の検知に応じた遊技機の動作の第1変化例を定性的に表すタイミングチャートである。以下においては、上記の遊技機100との相違についてのみ詳細に説明する。また、上記の遊技機100と実質的に同一の制御に関しては同一の参照符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
第1変化例において、上記の遊技機100における抽選状態フラグに代えて、抽選状態タイマを用いる。まず、図27に示されたように、抽選状態タイマは、第1変化例のセンタ役物入球処理S1108において、入球スイッチ11のオン移行フラグが設定された場合(S101:Y)に、抽選状態フラグに代えて(S105:図12参照)、設定される(「抽選状態タイマ設定処理」S105’)。具体的には、抽選状態タイマの値が規定値(例えば、「3000」)に設定される。抽選状態タイマは、図30に示されたように、第1変化例の振動センサ監視処理S1010の前段部において、抽選状態タイマが解除されていない場合(抽選状態タイマの値が0以外の場合)には(判定処理S427:Y)、現在の値から「1」だけ減算された値に更新される(「抽選状態タイマ更新処理」S428)。したがって、抽選状態タイマは、抽選状態タイマが解除されていない場合において、タイマ割り込みごとに更新される。これによって、振分抽選状態が、入球スイッチ11による遊技球の検出からその後の一定時間(例えば、3秒)の経過までの期間となる。振動検知カウンタC1の更新量は、図30に示されたように、抽選状態タイマが設定されているか否かの判断(判定処理S405’)によって変化する(S406,S407)。なお、図28に示されたように、第1変化例の右ゲート通過処理S1109においては、上記の遊技機100の場合のような抽選状態フラグを制御する処理(S205及びS206:図13参照)は実行されず、同様に、図29に示されたように、第1変化例の左ゲート通過処理S1110においても、上記の遊技機100の場合のような抽選状態フラグを制御する処理(S305及びS306:図14参照)は実行されない。
第1変化例の遊技機においては、図31の破線で示されたように、時刻tj’において入球スイッチ11のオン移行フラグが設定された場合に抽選状態タイマが設定されて振分抽選状態が開始される。その後、時刻tj’から一定時間後の時刻tnにおいて、右ゲートスイッチ12Rや左ゲートスイッチ12Lのオン移行フラグに依存せずに、抽選状態タイマが基準値に復帰すると振分抽選状態が終了する。なお、図31の実線で示されたように、抽選状態タイマが設定されている時刻tm’において不正振動誘導が検知された場合には、抽選状態タイマの値は、不正振動誘導が検知された時の値に維持され、一旦停電状態へ移行させてから通電状態へ移行させた場合に基準値に設定される(S1407)。
第1変化例の遊技機であれば、上記の遊技機100の場合と実質的に同一の効果を奏する。但し、入球スイッチ11によって遊技球が検出されてから右ゲートスイッチ12Rや左ゲートスイッチ12Lによって遊技球が検出されるまでの最大時間を考慮して、振分抽選状態である期間を設定しなければならないために、センタ役物41から遊技球が排出されてからも比較的長い時間まで振分抽選状態に維持される。したがって、不要な期間にまで振分抽選状態を維持させない観点からは、上記の遊技機100の構成であることが好ましい。
上記の遊技機100において、振動検知カウンタC1の更新量を増加させる振分抽選状態が入球スイッチ11による遊技球の検出から右ゲートスイッチ12R又は左ゲートスイッチ12Lによる遊技球の検知までの期間である構成について説明したが、本発明においては、振分抽選状態が入球スイッチ11による遊技球の検出回数と右ゲートスイッチ12R又は左ゲートスイッチ12Lによる遊技球の検出回数とに基づいてセンタ役物41に滞在している遊技球があると判断されている期間である構成とすることもできる。ここで、この第2変化例の構成について詳細に説明する。図32〜図35は、それぞれ、センタ役物入球処理、右ゲート通過処理、左ゲート通過処理及び振動センサ監視処理の前段部の第2変化例を表すフローチャートである。また、図36は、振分抽選状態における異常振動の検知に応じた遊技機の動作の第2変化例を定性的に表すタイミングチャートである。以下においては、上記の遊技機100との相違についてのみ詳細に説明する。また、上記の遊技機100と実質的に同一の制御に関しては同一の参照符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
第2変化例において、上記の遊技機100における抽選状態フラグに代えて、滞在個数カウンタを用いる。まず、図32に示されたように、第2変化例のセンタ役物入球処理S1108において、入球スイッチ11のオン移行フラグが設定された場合(S101:Y)に、遊技機100の場合の抽選状態フラグの設定に代えて(S105:図12参照)、滞在個数カウンタが更新される(「滞在個数カウンタ加算処理」S105”)。具体的には、滞在個数カウンタの値が現在値より「1」だけ増加した値に更新される。滞在個数カウンタは、図33に示されたように、第2変化例の右ゲート通過処理S1109において、右ゲートスイッチ12Rのオン移行フラグが設定された場合(S201:Y)には、上記の遊技機100の場合のような抽選状態フラグを制御する処理(S205及びS206:図13参照)に代えて、滞在個数カウンタを更新する制御が実行される。具体的には、滞在個数カウンタが「0」でない場合(判定処理S205”:Y)には、その値が現在値より「1」だけ減算された値に更新される(「滞在個数カウンタ減算処理」S206”)。同様に、第2変化例の左ゲート通過処理S1110においても、上記の遊技機100の場合のような抽選状態フラグを制御する処理(S305及びS306:図14参照)に代えて、滞在個数カウンタを更新する制御が実行される。具体的には、滞在個数カウンタが「0」でない場合(判定処理S305”:Y)には、その値が現在値より「1」だけ減算された値に更新される(「滞在個数カウンタ減算処理」S306”)。これによって、振分抽選状態が、厳密にセンタ役物41に遊技球が滞在している期間となる。振動検知カウンタC1の更新量は、図30に示されたように、滞在個数カウンタが「0」であるか否かの判断(判定処理S405”)によって変化する(S406,S407)。
第2変化例の遊技機においては、図36の実線で示されたように、時刻tj’において入球スイッチ11のオン移行フラグが設定された場合に、滞在個数カウンタが「1」だけ加算されて「1」に更新される。その後、時刻tj”に入球スイッチ11で検出された遊技球が右ゲートスイッチ12Rで検出される時刻tm”よりも前の時刻tj’において入球スイッチ11が後続の遊技球を検出して入球スイッチ11のオン移行フラグが新たに設定された場合には、滞在個数カウンタが「2」に更新される。その後、時刻tm”において右ゲートスイッチ12Rのオン移行フラグが設定されると、滞在個数カウンタが「1」だけ減算されて「1」に更新される。その後、時刻tf’において異常振動が検知され、更に、時刻tm’において不正振動誘導が検知された場合には、滞在個数カウンタの値は、不正振動誘導が検知された時の値に維持され、一旦停電状態へ移行させてから通電状態へ移行させた場合に基準値に設定される(S1407)。
第2変化例の遊技機であれば、上記の遊技機100の場合と実質的に同一の効果を奏する。更に、図36に示されたように、センタ役物41に複数の遊技球が滞在する状態を経て、その後、少なくとも1つの遊技球は排出されたが、少なくとも1つの遊技球は未だセンタ役物41に滞在している状態となった場合において異常振動が検知されたとしても、正確に不正振動誘導と判断することができる。なお、上記の遊技機100の場合であれば、図36に破線で示されたように、滞在個数カウンタに対応する抽選状態フラグが時刻tm’において解除されてしまい、その後の振動センサ10による振動の検出に応じて非振分抽選状態に対応する値(「3」)で増加するために、時刻tm’において右ゲートスイッチ12Rのオン移行フラグが設定されたとしても不正振動誘導と判断されないこととなる。したがって、センタ役物41内の遊技球の不正振動誘導を正確に検知する観点からは、上記の遊技機100よりも変化例2の遊技機が好ましい。なお、第2変化例の特徴部分は、上記の第1変化例に対しても複合して適用できる。
上記の遊技機100において、異常振動の検知後の右ゲートスイッチ12R又は左ゲートスイッチ12Lによる遊技球の検出に基づいて不正振動誘導と判断する構成について説明したが、振分抽選状態における異常振動の検知に応じて不正振動誘導と判断する構成であってもよい。この構成の場合には、抽選状態フラグは、異常振動の検知に応じて解除してもよい。ここで、この第3変化例の構成について詳細に説明する。図37〜図39は、それぞれ、右ゲート通過処理、左ゲート通過処理及び振動センサ監視処理の後段部の第3変化例を表すフローチャートである。また、図40は、振分抽選状態における異常振動の検知に応じた遊技機の動作の第3変化例を定性的に表すタイミングチャートである。以下においては、上記の遊技機100との相違についてのみ詳細に説明する。また、上記の遊技機100と実質的に同一の制御に関しては同一の参照符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
図37に示されたように、第3変化例の右ゲート通過処理S1109において、上記の遊技機100の場合のような不正振動誘導を検知する処理(S202:図13参照)及び不正振動誘導の検知に応じて遊技進行を停止させる不正検知後処理(S207〜S211:図13参照)は実行されず、同様に、図38に示されたように、第3変化例の左ゲート通過処理S1110においても、不正振動誘導を検知する処理(S302:図13参照)及び不正振動誘導の検知に応じて遊技進行を停止させる不正検知後処理(S307〜S311:図13参照)は実行されない。但し、図39に示されたように、振動検知カウンタC1が異常振動閾値以上となったとき(S425:N)であって抽選状態フラグが設定されている場合(S428)に、上記の遊技機100の場合の不正検知後処理(S207〜S211又はS307〜S311)と同一の不正検知後処理(「不正検知情報更新処理」S429〜「不正振動誘導検知コマンド出力処理」S433)が実行され、また、抽選状態フラグが解除される(「抽選フラグ解除処理」S434)。
第3変化例の遊技機においては、図40の実線で示されたように、右ゲートスイッチ12Rのオン移行フラグの設定を待たずに、時刻tf’において不正振動誘導と判断できる。つまり、破線で示された上記の遊技機100の場合に比べて、早く不正振動誘導を検知できる。また、これに応じて抽選状態フラグを解除して、振分抽選期間を終了させている。
第3変化例の遊技機であれば、上記の遊技機100の場合と実質的に同一の効果を奏する。更に、不正振動誘導が迅速に検知されると共に、不要な期間にまで振分抽選状態が維持されることが防止できる。なお、第3変化例の特徴部分は、上記の第1変化例や上記の第2変化例に対しても複合して適用できる。
上記の遊技機100において、振動検知カウンタC1の更新量を増加させる振分抽選状態が入球スイッチ11による遊技球の検出から右ゲートスイッチ12R又は左ゲートスイッチ12Lによる遊技球の検知までの期間である構成について説明したが、本発明においては、振分抽選状態が入球スイッチ11による遊技球の検出から振動検知カウンタC1の値が基準値に復帰するまでの期間である構成とすることもできる。