JP2016120378A - 遊技機 - Google Patents

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大輔 三木
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Abstract

【課題】 遊技機において、複数回の許容振動の繰り返しによる過剰振動との誤検知を簡便かつ高精度に抑制し、また、前面ブロックの開放に伴う振動に基づいて遊技進行が停止されることを抑制して不正目的の故意の振動の検知精度を向上させる。
【解決手段】 遊技機の構成を、振動検出装置の検出状態に基づいて振動強度推測情報の値を増減させ、振動強度推測情報の値が基準値と過度振動閾値との間の許容振動範囲と異なる値となった場合に過度振動と判定し、過度振動の判定に応じて開始される不正利益享受監視期間内における遊技盤の利益付与部へ進入した遊技媒体の検出に応じて遊技進行を停止させるが、前面ブロックの開放状態における利益付与部へ進入した遊技媒体の検出に応じては遊技進行を停止させない構成とする。
【選択図】 図28

Description

本発明は、弾球遊技機や回胴遊技機に代表される遊技機に関し、詳しくは、外部からの加振を検知できる遊技機に関する。
従来の典型的な弾球遊技機には、振動が加えられたことを検出する振動検出装置が設けられていた。これは、不正に遊技球を獲得する又はその獲得を促進する目的(以下、「不正目的」)で故意に振動が加えられることがあるためである。弾球遊技機には、遊技球が遊技領域を流下する場合、遊技球が入賞に応じて払い出される場合、払い出し用の遊技球が供給される場合等の正常な遊技中においても微小な振動が加わったり、不正目的ではないにして、遊技球の発射操作を行うために弾球遊技機に触れる場合、遊技球を上皿に投入する場合、下皿の下方に配置される遊技球の貯留箱を移動させる場合等においても不測の振動が加わったりする場合がある。不正目的の故意の振動とその他の振動を厳密に識別することは難しいが、一般的に、正常な遊技中の振動や不測の振動は、不正目的である可能性の高い振動よりも弱いために、つまり、振幅や振動時間が小さいために、従来においては、振動検出装置からのアナログ信号の出力振幅やアナログ信号又はデジタル信号の出力時間に基づいて、加えられた振動の強さを推定し、所定の強さ以上の振動と推定された場合に過剰振動と判定してその発生を報知する構成となっている。過剰振動の発生が報知されることによって遊技機の設置ホール(以下、「遊技ホール」と略記する)の管理者や従業者等は過剰振動の発生した弾球遊技機の近傍にいなくても過剰振動の発生を認識できる。これによって、他の善良な遊技者に不快感を与えることなく、故意に振動を加えた可能性の高い遊技者を監視でき、その遊技者が不正目的で振動を加えているのか否かを特定することもできる。
振動強度の判断において、検出子の振れ角や検出子の移動時の加速度の大きさに応じた振幅のアナログ信号を出力する振動検出装置が用いられるときには、そのアナログ信号に基づいて所定の振幅以上の振動を検知した場合に、強い振動であると判断していた。アナログ信号の振幅で判断する場合には、その振幅は振動強度を良好に指標する値であるために、振動強度を精度よく推定できる。しかし、この場合、アナログ信号に基づいて振幅の大きさをデジタル情報に変換するAD変換器等のハードウェアが必要となり、弾球遊技機の構成が複雑化してしまう。したがって、近年においては、所定の振れ角以上の振動や所定の加速度以上の振動を検出したときにオン状態(又は、オフ状態)のデジタル信号を出力する振動検出装置が主に用いられるようになってきた。この場合の振動強度の判断においては、そのデジタル信号のオン状態が所定の期間内に所定の時間以上の振動を検知した場合に強い振動であると判断している。
オン状態のデジタル信号の出力時間で判断する場合には、一回の振動に伴ってオン状態のデジタル信号が間欠的に出力されるためにその終了のタイミングを検知することは困難であるために、オン状態のデジタル信号が出力されてからの所定の期間が設定されており、その期間内においてデジタル信号がオン状態であった時間(定期的な監視による検出回数)を逐次に加算し、その累積値が所定の値を超えた場合に強い振動であると判断している。なお、その所定の期間の終了時に累積値はリセットされる。このようなリセットを行わなければ、微小な振動が断続的に複数回加えられた場合であってもそれらが全て加算され、その結果、誤って強い振動であると判断してしまうからである。このような複数回の微小な振動の蓄積によって強い振動であると誤検知されてしまうことを抑制するためには、微小な振動である場合にはオン状態のデジタル信号が出力されないように振動検出装置におけるオン状態の判定を厳しくすることも考えられるが、厳しくするとオン状態のデジタル信号の累積出力時間と振動強度との相関が更に希薄になり、その結果、振動強度の推定精度が低下することともなる。
特開2005−312592号公報
従来のデジタル信号に基づいた振動強度の判定においては、一回の振動の開始を検知すると共にオン状態のデジタル信号の累積出力時間をリセットするために、ソフトウェアタイマやハードウェアタイマを設けて、そのタイマの制御を行わなければならず、少なくとも制御負担が増加する。
また、一般的な振動検出装置においては、特に強い振動の場合には一回の振動に伴って間欠的にオン状態のデジタル信号が出力され、その出力パターンは、振動の開始された直後の初期段階において振動の収束していく後期段階よりもオン状態の期間が短くなる傾向があり、またオフ状態の期間の間隔も短くなる傾向がある。したがって、オン状態のデジタル信号の累積出力時間によって振動強度を良好に推定するためには、一回の振動の開始から終了までの全期間にわたる累積出力時間を測定することが好ましい。これにより、累積出力時間をリセットするまでの期間を短くすれば、複数回の振動の蓄積による誤検知を抑制できるかのように思われるが、オン状態のデジタル信号の累積出力時間と振動強度との相関が更に希薄になり、その結果、振動強度の精度が低下することともなる。
また、一般的な振動検出装置においては、一回の振動に伴って間欠的にオン状態のデジタル信号が出力されるために、連続的に故意の振動が与えられた場合には、各回の振動の開始の検知精度が低下する場合もある。例えば、短期間における連続した加振(2度突き)による2回目の振動で遊技球を所定の入賞口等に不正に誘導した場合、1回目の振動は強い振動であると判断されるが、2回目の振動に対しては、その途中で一旦累積出力時間が一旦リセットされてしまい、最終的に弱い振動であると判定される場合もある。この場合には、その入賞口等への遊技球が入球した時点では強い振動が検知されておらず何らの報知も行われていない状態であることもあり、その結果、その入賞が振動によるものであったのか、そうでなかったのかの判断が曖昧になることもある。つまり、このような不正目的で振動を加える不正行為に対する対策の観点からも更なる改良の余地があった。
更に、遊技盤の遊技領域内に堆積した遊技球を取り除くために遊技盤の前面を覆う前面ブロックを開放する場合には、不正目的で故意に振動を与える場合と同様の強度の振動が発生すると共に、遊技領域内の遊技球の堆積が解除されて一部の遊技球が入賞口等へ進入することもある。この場合、不正行為によって遊技球を入賞口等へ誘導した場合と遊技機にとって区別がつかない。したがって、不正行為によって遊技球が入賞口等へ誘導されたか否かの判断精度を向上させる観点からも更なる改良の余地があった。
なお、上記においては、遊技機が弾球遊技機である場合について説明したが、同様の課題は、弾球遊技機に限らず、遊技球を遊技媒体とする回胴遊技機やメダルを遊技媒体とする回胴遊技機等を含む遊技機一般についても成り立つ。
そこで、本発明の遊技機では、所定の振動状態の発生を好適に検知する。
上記の課題を解決するために、本発明の遊技機は、
開閉可能に連結された第1ブロック及び第2ブロックと、
前記第1ブロック及び第2ブロックの開閉状態を検出する開閉検出装置と、
振動することにより第1状態と第2状態とをとる振動検出装置と、
を含む遊技機であって、
前記振動検出装置の状態を周期的に監視して、前記振動検出装置が前記第2状態である場合に所定の基準値から離れる値に判定情報を更新し、前記振動検出装置が前記第1状態である場合に前記基準値に近づく値に前記判定情報を更新する判定情報更新手段と、
前記判定情報が前記基準値と所定の閾値との間の範囲と異なる値となった場合に所定の振動状態と判定する振動判定手段と、
を含み、
前記判定情報更新手段は、前記開閉検出装置による開状態の検出に基づいて、前記判定情報の更新を停止する、
ことを特徴としている。
本発明に係る遊技機であれば、所定の振動状態の発生を好適に検知できる。
遊技機の一例を表す斜視図。 遊技機の開放状態の一例を表す斜視図。 遊技機の開放状態の他の一例を表す斜視図。 遊技機の一例を表す正面図。 遊技盤の一例を表す正面図。 遊技盤の一例を表す背面図。 遊技盤の一例を表す透視背面図。 センタ役物の一例を表す正面図。 センタ役物の一例を表すA−A断面図。 センタ役物の一例を表す正面側の分解斜視図。 センタ役物の一例を表す背面側の分解斜視図。 センタ役物のドラムの一例を表す正面側の分解斜視図。 センタ役物のドラムの一例を表す背面側の分解斜視図。 センタ役物の動作の一例の一部を模式的に表す説明図。 センタ役物の動作の一例の一部を模式的に表す説明図。 中上可変入賞装置の動作の一例を表す正面図。 右中可変入賞装置の動作の一例を表す正面図。 左下可変入賞装置の動作の一例を表す正面図。 中下可変入賞装置の動作の一例を表す正面図。 右下可変入賞装置の動作の一例を表す正面図。 左中可変入賞装置の動作の一例を表す正面図。 遊技機の一例を表す背面図。 遊技機の電気的構成の一例を表すブロック図。 主制御装置で実行されるタイマ割込み処理の一例を表すフローチャート。 スイッチ監視処理の一例を表すフローチャート。 センタ役物入球処理の一例を表すフローチャート。 発射制御処理の一例を表すフローチャート。 第1の実施形態における振動センサ監視処理の一例の前段部を表すフローチャート。 第1の実施形態における振動センサ監視処理の一例の後段部を表すフローチャート。 主制御装置で実行される主制御メイン処理の一例を表すフローチャート。 主制御メイン処理における制御開始処理の一例を示すフローチャート。 過剰振動の検知方法を定性的に表すタイミングチャート。 微少振動の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャート。 過剰振動の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャート。 過度振動の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャート。 過度振動の検知後のセンタ役物への入球の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャート。 第1の実施形態における前面枠セットの開放操作に伴う過度振動の発生後のセンタ役物への入球の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャート。 遊技盤の遊技領域に遊技球が堆積した状態の一例を表す遊技機の正面図 第2の実施形態における振動センサ監視処理の一例の前段部を表すフローチャート。 第2の実施形態における前面枠セットの開放操作に伴う過度振動の発生後のセンタ役物への入球の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャート。 第3の実施形態における振動センサ監視処理の一例の前段部を表すフローチャート。 第3の実施形態における振動センサ監視処理の一例の後段部を表すフローチャート。 第3の実施形態における前面枠セットの開放操作に伴う過度振動の発生後のセンタ役物への入球の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャート。 第3の実施形態における前面枠セットの開放操作に伴う過度振動の発生後のセンタ役物への入球の検知に応じた遊技機の動作の他の一例を定性的に表すタイミングチャート。 第4の実施形態における振動センサ監視処理の一例の前段部を表すフローチャート。 第4の実施形態における振動センサ監視処理の一例の後段部を表すフローチャート。 第4の実施形態における前面枠セットの閉鎖操作に伴う過度振動の発生後のセンタ役物への入球の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャート。 第5の実施形態における振動センサ監視処理の一例の前段部を表すフローチャート。 第5の実施形態における振動センサ監視処理の一例の後段部を表すフローチャート。 第5の実施形態における内枠セットの開閉操作に伴う過度振動の発生後のセンタ役物への入球の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャート。
本発明に係る遊技機の形態について説明する。なお、本発明に係る遊技機の各種の概念的な構成について説明した後に、本発明に係る遊技機の各種の具体的な構成について説明する。
〔概念的な構成〕
本発明に係る遊技機は、遊技媒体の獲得に関して有利な利益付与部及び利益付与部へ進入した遊技媒体を検出する媒体検出装置を含む遊技盤を備える基体ブロックと、基体ブロックに開閉自在に取着され、閉鎖状態において遊技盤の前方側を覆う前面窓を含む前面ブロックと、前記前面ブロックが閉鎖状態であるか開放状態であるかを検出する前面ブロック開閉検出装置と、振動を検出する振動検出装置とを含む遊技機を含んでいる。
遊技盤における利益付与部としては、例えば、(1)遊技媒体の進入によって遊技媒体の獲得に対して通常遊技状態より有利な少なくとも1種類の利益遊技状態のいずれかへの移行が確定する振分構造物、(2)遊技媒体の進入によって少なくとも1種類の利益遊技状態への移行の機構的な抽選の実施される振分構造物の内部における所定の利益遊技状態への移行が確定する領域及び通路、(3)遊技媒体の進入によって通常遊技状態の維持と少なくとも1種類の利益遊技状態への移行との機構的な抽選の実施される振分構造物の内部における所定の利益遊技状態への移行が確定する領域及び通路、並びに、(4)遊技媒体の進入によって少なくとも1種類の利益遊技状態へ移行させるか否かの電子的な抽選の実施が確定する構造物が挙げられる。利益付与部が上記の構成1〜3である場合には、媒体検出装置における遊技媒体の検出に応じて状態移行の確定が検知される。ここで、状態移行の確定の検知とは、利益遊技状態へ状態移行することが確定的であることが検知されることを意味し、状態移行がその検知に応じて直ぐに実行される場合のみならず、その後に他の契機に基づいて実行される場合を含意している。また、利益付与部が上記の構成4である場合には、媒体検出装置における遊技媒体の検出に応じて状態移行の抽選の確定が検知される。ここで、状態移行の抽選の確定の検知とは、状態移行の抽選の実施されることが確定的であることが検知されることを意味し、状態移行の抽選がその検知に応じて直ぐに実施される場合のみならず、その後に他の契機に基づいて実施される場合を含意している。
振動検出装置としては、例えば、検出子の基準位置からの位置ズレを検出する手段、検出子の移動の速度を検出する手段、検出子の移動の加速度を検出する装置が挙げられる。
本発明に係る遊技機は、更に、振動強度推測情報を更新する振動強度推測情報更新手段と、振動強度推測情報に基づいて過度振動であるか否かを判定する過度振動判定手段と、遊技進行を停止させる遊技進行強制停止手段と、遊技進行強制停止手段による前記遊技進行の停止を阻止する遊技進行停止阻止手段とを含んでいる。
振動強度推測情報更新手段は、振動検出装置による振動の検出に基づいて、所定の基準値から離れる方向にずれた値に振動強度推測情報を更新し、前記振動強度推測情報が前記基準値と異なる値である場合における振動検出装置による振動の非検出に基づいて、基準値に復帰する方向にずれた値に振動強度推測情報を更新する。「振動検出装置による振動の検出に基づいて」には、振動検出装置からの振動を検出していることを表す生信号(振動センサ信号)そのものの出力状態に応じる場合及びその出力状態のフィルタリングの結果に応じる場合を含意している。同様に、「振動検出装置による振動の非検出に基づいて」には、振動検出装置からの振動を検出していないことを表す生信号そのものの出力状態に応じる場合、及び、その出力状態のフィルタリングの結果に応じる場合を含意している。なお、フィルタリングとは、ノイズ等による振動の誤検出を防止するために、生信号の複数回の定期的な検出によってその検出パターンが所定のパターンである場合に振動と検知することを意味する。フィルタリングは、ハードウェア的なフィルタリングであってもよいし、ソフトウェア的なフィルタリングであってもよい。また、「所定の基準値から離れる方向にずれた値」とは、更新後の振動強度推測情報と基準値との差分絶対値が更新前の振動強度推測情報と基準値との差分絶対値よりも大きいという条件を満たす値を意味する。同様に、「基準値に復帰する方向にずれた値」とは、更新後の振動強度推測情報と基準値との差分絶対値が更新前の振動強度推測情報と基準値との差分絶対値よりも小さいという条件を満たす値を意味する。
振動強度推測情報更新手段による振動強度推定情報の更新形態としては、例えば、振動強度推測情報を、振動の検出に基づいて増加させ、振動の非検出に基づいて減少させる形態や、その逆に、振動の検出に基づいて減少させ、振動の非検出に基づいて増加させる形態が挙げられる。また、更新形態としては、例えば、「0」を基準値として、振動強度推測情報を振動の検出に応じて増加させ、振動の非検出に応じて減少させる形態、「0」以外の値(例えば、「−256」や「−128」)を基準値として、振動強度推測情報を振動の検出に応じて増加させ、振動の非検出に応じて減少させる形態、「0」を基準値として、振動強度推測情報を振動の検出に応じて減少させ、振動の非検出に応じて増加させる形態、「0」以外の値(例えば、「255」や「127」)を基準値として、振動強度推測情報を振動の検出に応じて減少させ、振動の非検出に応じて増加させる形態が挙げられる。
過度振動判定手段は、振動強度推測情報が振動強度推測情報更新手段における更新により基準値と所定の過度振動閾値との間の許容振動範囲と異なる値となった場合に過度振動と判定する。ここで、「基準値と所定の過度振動閾値との間の許容振動範囲」とは、基準値及び過度振動閾値の双方を含む範囲、基準値及び過度振動閾値の少なくとも一方を含まない範囲を含意している。また、「許容振動範囲と異なる値となった場合」とは、振動強度推測情報が、振動強度推測情報更新手段における一回の更新によって、許容振動範囲内の値から許容振動範囲外の値に変化する場合及び許容振動範囲外の値である場合を含意している。
遊技進行強制停止手段は、過度振動判定手段による過度振動の判定に応じて開始される所定の不正利益享受監視期間内における媒体検出装置による遊技媒体の検出に応じて遊技進行を停止させる。「遊技進行を停止させる」とは、遊技機の制御全体を停止させる場合に限らず、遊技者の操作に応じた動作の制御を停止させたり、その動作の制御を無効化したりすることによって、遊技者による遊技機の作動を実質的に不能にする場合を含意している。したがって、遊技進行の停止後において、遊技者の操作に依存しない所定の報知等の制御が実行されていてもよい。
遊技進行停止阻止手段は、前面ブロック開閉検出装置による前面ブロックの開放状態の検出に基づいて、前記遊技進行強制停止手段による前記遊技進行の停止を阻止する。「前面ブロック開閉検出装置による前面ブロックの開放状態の検出に基づいて」には、前面ブロック開閉検出装置からの前面ブロックの開放状態であることを表す生信号そのものの出力状態に応じる場合、及び、その出力状態のフィルタリングの結果に応じる場合を含意している。「遊技進行強制停止手段による遊技進行の停止を阻止する」とは、遊技進行強制停止手段における遊技進行を停止させる判断を阻止する場合や遊技進行強制停止手段において遊技進行の停止の判断はなされるが実際に遊技進行が停止させることを阻止する場合を含意している。
上記の構成であれば、振動検出装置により振動が検出されている場合には振動強度推測情報が増加して振動検出装置により振動が検出されていない場合には振動強度推測情報が減少すること、又は、その逆に、振動検出装置により振動が検出されている場合には振動強度推測情報が減少して振動検出装置により振動が検出されていない場合には振動強度推測情報が増加することと、振動強度推測情報が基準値に到達した場合には振動強度推測情報が更新されないこととによって、振動強度推測情報を自己整合的に基準値にリセットできると共に通常時には基準値に維持できる。したがって、許容振動が繰り返し発生したとしても振動強度推測情報が積算されることを抑制でき、許容振動の繰り返しに基づいて許容範囲を外れるような過度振動であると誤検知されることを抑制できる。また、従来のようにリセット時期を決定するタイマ等を設ける必要がなく、遊技機の構成及び過剰振動の検知の制御が複雑化されることを抑制できる。また、短期間に連続して複数の振動が加えられる場合、つまり、前回の振動が完全に収束する前に次の振動が加えられるような不正目的である可能性が高い場合において、2回目以降の振動において振動強度推測情報が強制的にリセットされることがなく、また、振動強度推測情報の更新が連続的に再開されるために、連続した振動であっても良好に検知できる。
また、故意の過度振動によって利益状態へ移行させた場合に遊技進行が停止されることによって、不正遊技者が不正に遊技媒体を獲得することを防止できる。また、不正利益享受監視期間を前面ブロックの閉鎖状態において過度振動が検知された後に限ることによって、不正を意図しない大きな振動が加わったとしても所定の期間後には通常の遊技となるために、円滑な遊技進行を確保できる。
更に、遊技盤の遊技領域内に堆積した遊技媒体を取り除くために前面ブロックを開放する場合のように、不正振動誘導の目的で故意に振動を与える場合と同様の強度の振動が発生し、かつその振動によって遊技媒体の堆積が解除されて一部の遊技媒体が利益付与部に進入した場合であっても遊技進行は停止されないために、不正振動誘導の場合との識別性が向上する。したがって、不正振動誘導の検知精度が向上する。上記の構成の遊技機を以下において「遊技機A」とも称す。
上記の遊技機Aにおいて、前記振動強度推測情報更新手段は、前記振動検出装置による振動の検出に基づいて、所定の基準値から離れる方向に所定の振動検知値だけずれた値に振動強度推測情報を更新し、前記振動強度推測情報が前記基準値と異なる値である場合における前記振動検出装置による振動の非検出に基づいて、前記基準値に復帰する方向に所定の非振動検知値だけずれた値に前記振動強度推測情報を更新する構成であることが好ましい。なお、上記の構成の遊技機を以下において「遊技機B」とも称す。
上記の遊技機Bであれば、振動強度推測情報の更新において加算又は減算のみを行えばよいために、乗算が除算を行う場合に比べて、その更新に必要なプログラムが簡素化できると共に更新処理が高速化される。
上記の遊技機A又はBにおいて、前記媒体検出手段が、遊技媒体の獲得に対して通常遊技状態より有利な利益遊技状態への移行の確定を検知する構成であることが好ましい。なお、上記の構成の遊技機を以下において「遊技機C」とも称す。
上記の遊技機A又はBにおいて、前記媒体検出手段による遊技媒体の検出に応じて、遊技媒体の獲得に対して通常遊技状態より有利な利益遊技状態への移行の抽選をする抽選手段を更に含む構成であることが好ましい。なお、上記の構成の遊技機(以下において「遊技機D」とも称す)。
上記の遊技機A〜Dにおいて、前記過度振動の検知後における前記許容振動範囲の値への復帰であるか否かを判定して、前記許容振動範囲の値への復帰である場合に前記過度振動の振動収束と検知する過度振動収束検知手段を更に含み、
前記不正利益享受監視期間が、前記過度振動検知手段による前記収束開始の検知からの所定の時間の経過に応じて終了する構成であることが好ましい。なお、上記の構成の遊技機を以下において「遊技機E」とも称す。
上記の構成であれば、過度振動が検知されてから、過度振動が収束に向かった後に所定の時間が経過するまでの期間を不正利益享受監視期間とできるために、複数回の不正振動が加えられる様な場合であっても、利益付与部へ進入した遊技媒体の検出に基づいて確実に遊技進行を停止させることができる。また、過度振動の発生を検知する閾値と過度振動の収束を検知する閾値とを共通化したことによって制御処理が簡素化できる。
上記の遊技機Aにおいて、
前記遊技進行停止阻止手段が、前記開閉検出装置による前記前面ブロックの開放状態の検出に基づいて前記過度振動判定手段による前記過度振動との判定を阻止して、前記遊技進行強制停止手段による前記遊技進行の停止を阻止する構成であることが好ましい。なお、上記の構成の遊技機を以下において「遊技機F」とも称す。
上記の構成であれば、前面ブロックの開放操作に応じて過度振動と同様の振動が発生したとしても過度振動判定手段によって過度振動と判定されないために、不正利益享受監視期間が設定されない。これによって、前面ブロックの開放操作の直後に媒体検出手段が遊技媒体を検出したとしても遊技進行が停止されることを防止できる。
上記の遊技機Bにおいて、
前記遊技進行停止阻止手段が、前記開閉検出装置による前記前面ブロックの開放状態の検出に基づいて前記振動強度推測情報を強制的に前記基準値に更新して、前記過度振動判定手段において前記過度振動と判定されることを阻止する構成であることが好ましい。なお、上記の構成の遊技機を以下において「遊技機G」とも称す。
上記の構成であれば、前面ブロックの開放操作に応じて過度振動と同様の振動が発生したとしても振動強度推測情報が基準値を維持するために、過度振動判定手段によって過度振動と判定されることが抑制できる。
上記の遊技機Bにおいて、
前記遊技進行停止阻止手段が、前記開閉検出装置による前記前面ブロックの開放状態が検出されている場合における前記振動検出装置による振動の検出に基づく前記振動強度推測情報の更新を阻止して、前記過度振動判定手段において前記過度振動と判定されることを阻止する構成であることが好ましい。なお、上記の構成の遊技機を以下において「遊技機H」とも称す。
上記の構成であれば、前面ブロックの開放操作に応じて過度振動と同様の振動が発生したとしても振動強度推測情報が開閉検出装置によって前面ブロックの開放状態が検出された後に減少するために、過度振動判定手段によって過度振動と判定されることが抑制できる。
上記の遊技機Aにおいて、
前記遊技進行停止阻止手段が、前記開閉検出装置による前記前面ブロックの開放状態の検出に基づいて、前記過度振動判定手段による前記過度振動との判定に依存せずに、前記遊技進行強制停止手段による前記遊技進行の停止との判定を阻止する構成であることが好ましい。なお、上記の構成の遊技機を以下において「遊技機I」とも称す。
上記の構成であれば、前面ブロックの開放操作に応じて過度振動と同様の振動が発生したとしても、不正利益享受監視期間が設定されないために、前面ブロックの開放操作の直後に媒体検出手段が遊技媒体を検出したとしても遊技進行が停止されることを防止できる。
上記の遊技機Fにおいて、
前記遊技進行停止阻止手段が、前記開閉検出装置による前記前面ユニットの開放状態の検出に基づいて、前記不正利益享受監視期間を強制的に終了させる構成であることが好ましい。なお、上記の構成の遊技機を以下において「遊技機J」とも称す。
上記の構成であれば、前面ブロックの開放操作に応じて過度振動と同様の振動が発生したとしても、不正利益享受監視期間が開閉検出装置によって前面ブロックの開放状態が検出された後に強制的に終了されるために、前面ブロックの開放操作の直後に媒体検出手段が遊技媒体を検出したとしても遊技進行が停止されることを防止できる。
上記の遊技機A〜Jにおいて、
前記遊技進行停止阻止手段が、前記前面ブロック開閉検出装置による前記前面ブロックの開放状態から閉鎖状態への移行の検知からの所定の前面ブロック閉鎖後期間において、前記遊技進行強制停止手段による前記遊技進行の停止を更に阻止する構成であることが好ましい。ここで、「所定の前面ブロック閉鎖後期間」としては、前面ブロックの閉鎖状態への移行からの一定期間、前面ブロックの閉鎖状態への移行からその後の閉鎖操作に伴う振動の収束から一定期間が経過するまでの期間が挙げられる。なお、上記の構成の遊技機を以下において「遊技機K」とも称す。
上記の構成であれば、前面ブロックの閉鎖操作に応じて過度振動と同様の振動が発生した直後に遊技盤に射出された遊技媒体が利益付与部へ進入したとしても、遊技進行の停止が防止される。これによって、前面ブロックを閉鎖した直後から遊技を再開できるために、遊技進行の円滑性が阻害されない。なお、閉鎖操作の直後から振動を加え続けるような不正を識別性する観点からは、所定の閉鎖後期間が前面ブロックの閉鎖状態への移行からの一定期間であることが好ましい。
所定の前面ブロック閉鎖後期間における遊技進行の停止を阻止する形態としては、上記の開放操作の場合と同様の手法を適用することができ、例えば、閉鎖後期間において、振動強度推測情報を強制的に基準値に更新したり、振動強度推測情報の更新を阻止したりして過度振動判定手段による過度振動との判定を阻止する形態や、閉鎖後期間において、不正利益享受監視期間を強制的に終了させたりして、過度振動判定手段による過度振動との判定に依存せずに遊技進行強制停止手段による遊技進行の停止との判定を阻止する構成が挙げられる。
上記の遊技機A〜Kにおいて、
前記基体ブロックを開閉自在に支持する外囲体と、
前記外囲体に対して前記基体ブロックが閉鎖状態であるか開放状態であるかを検出する基体ブロック開閉検出装置と、
を更に備え、
前記遊技進行停止阻止手段が、前記基体ブロック開閉検出装置による前記基体ブロックの開放状態の検出に基づいて、前記遊技進行強制停止手段による前記遊技進行の停止を阻止する構成とすることが好ましい。なお、上記の構成の遊技機を以下において「遊技機L」とも称す。
基体ブロックを開放する場合やその後の遊技媒体の詰まりを解消する場合のように不正振動誘導の目的で故意に振動を与える場合と同様の強度の振動が発生する場合であって、かつその振動によって遊技媒体が利益付与部に進入した場合であっても遊技進行は停止されないために、不正振動誘導の場合との識別性が向上する。したがって、不正振動誘導の検知精度が向上する。
基体ブロックの開放状態の検出に基づいて遊技進行の停止を阻止する形態としては、上記の前面ブロックの開放操作の場合と実質的に同一の手法を適用することができる。なお、上記の前面ブロックの開放操作の場合の説明における前面ブロック及び前面ブロック開閉検出装置をそれぞれ基体ブロック及び基体ブロック開閉検出装置と読み替えることとして、具体的な形態についての重複する説明は省略する。
上記の遊技機A〜Jにおいて、
前記遊技進行停止阻止手段が、前記前面ブロック開閉検出装置による前記前面ブロックの開放状態から閉鎖状態への移行の検知からの所定の基体ブロック閉鎖後期間において、前記遊技進行強制停止手段による前記遊技進行の停止を更に阻止する構成であることが好ましい。ここで、「所定の基体ブロック閉鎖後期間」としては、基体ブロックの閉鎖状態への移行からの一定期間、基体ブロックの閉鎖状態への移行からその後の閉鎖操作に伴う振動の収束から一定期間が経過するまでの期間が挙げられる。なお、上記の構成の遊技機を以下において「遊技機M」とも称す。
上記の構成であれば、基体ブロックの閉鎖操作に応じて過度振動と同様の振動が発生した直後に遊技盤に射出された遊技媒体が利益付与部へ進入したとしても、遊技進行の停止が防止される。これによって、基体ブロックを閉鎖した直後から遊技を再開できるために、遊技進行の円滑性が阻害されない。なお、閉鎖操作の直後から振動を加え続けるような不正を識別性する観点からは、所定の基体ブロック閉鎖後期間が基体ブロックの閉鎖状態への移行からの一定期間であることが好ましい。
基体ブロックの閉鎖状態の検出に基づいて遊技進行の停止を阻止する形態としては、上記の前面ブロックの閉鎖操作の場合と実質的に同一の手法を適用することができる。なお、上記の前面ブロックの閉鎖操作の場合の説明における前面ブロック及び前面ブロック開閉検出装置をそれぞれ基体ブロック及び基体ブロック開閉検出装置と読み替えることとして、具体的な形態についての重複する説明は省略する。
前記振動検出装置は、前記振動に応じて移動する検出子の移動状態が所定の許容範囲である場合と前記検出子の移動状態が所定の許容移動範囲を超えている場合とで異なる出力状態の振動センサ信号を出力し、前記振動強度推測情報更新手段が、前記振動センサ信号の出力状態に基づいて前記振動強度推測情報を更新する構成であることが好ましい。「検出子の移動状態」とは、基準位置からの検出子の位置ズレや振れ角、検出子の移動速度又は検出子の移動時の加速度で識別される状態である。また、「許容移動範囲」とは、移動状態が位置ズレで識別される場合には位置範囲を意味し、移動状態が振れ角で識別される場合には振れ角度範囲を意味し、移動状態が移動速度で識別される場合には速度範囲を意味し、移動状態が加速度で識別される場合には加速度範囲を意味する。この構成であれば、微少な振動である場合には振動センサ信号が出力されないために、通常の遊技中において振動強度推測情報を実質的に基準値に維持することができる。これによって、許容振動と過度振動との識別力が向上する。また、遊技機の設置における角度ズレ等によって常に振動が検出されることを良好に防止できる。
前記過度振動判定手段は、前記振動強度推測情報が前記過度振動閾値を越える所定の振動臨界値に到達している場合における前記振動検出装置による振動の検出に基づいて、前記振動強度推測情報を前記振動臨界値に維持する構成であることが好ましい。「過剰振動閾値を越える所定の振動臨界値」とは、振動の検出に基づいて振動検知値が増加する場合には過度振動閾値よりも大きい値であり、振動の検出に基づいて振動検知値が減少する場合には過度振動閾値よりも小さい値であることを意味する。この構成であれば、振動強度推測情報が想定される値を遥かに越えた場合等において、所定の範囲内で循環的に更新されること、具体的には、振動強度推測情報が最大値から最小値に変更されたり、最小値から最大値に変更されたりすることを防止できる。なお、通常のソフトウェアタイマやハードウェアタイマの場合には、上述のように循環的に更新されてしまう。
前記振動強度推測情報更新手段における前記非振動検知値が前記振動検知値より小さい構成であることが好ましい。この構成であれば、振動の検出に基づいて急峻に振動強度推測情報を増加させ、振動の非検出に基づいて緩やかに振動強度推測情報を減少させたり、又はその逆に、振動の検出に基づいて急峻に振動強度推測情報を減少させ、振動の非検出に基づいて緩やかに振動強度推測情報を増加させたりできるために、振動強度推測情報が振動強度を良好に指標する値となる。また、時間的に近接して複数回の過度振動が加えられた場合には、それらを良好に積算できると共に、時間的に近接していない複数回の振動に対してはそれらの個別の振動に応じて許容振動であるか過度振動であるかを判定できる。これは、一度の振動で所望の不正が完了できなければ即座に少なくとも一度過度振動を更に加えて所望の不正を実現しようとして、1度だけではなく時間的に連続して過度振動が加えられる可能性が高いためである。
前記振動強度推測情報更新手段における前記非振動検知値及び前記振動検知値が整数である構成であることが好ましい。この構成であれば、振動強度推測情報が整数となり、振動強度推測情報が実数である場合よりも、振動強度推測情報を保持する領域を低減できると共に、振動強度推測情報の更新に係る処理を簡素化及び高速化できるからである。
前記振動強度推測情報更新手段において更新される前記振動強度推測情報が、0以上の整数の範囲内の値である構成であることが好ましい。この構成であれば、振動強度推測情報が正負の双方の値をとる場合よりも、振動強度推測情報を保持する領域を低減できると共に、振動強度推測情報の更新に係る処理を簡素化及び高速化できるからである。
上記の遊技機Aにおいて、
前記振動強度推測情報更新手段が、
前記振動検出装置による振動の検出に基づく前記振動強度推測情報の更新において、前記振動強度推測情報が前記相対最大値と異なる値である場合に前記振動強度推測情報を前記基準値から離れる方向にずれた値に変更し、前記振動強度推測情報が前記相対最大値である場合に前記振動強度推測情報を前記相対最大値に維持し、
前記振動検出装置による振動の非検出に基づく前記振動強度推測情報の更新において、前記振動強度推測情報が前記基準値と異なる値である場合に前記基準値に復帰する方向にずれた値に前記振動強度推測情報を変更し、前記振動強度推測情報が前記基準値である場合に前記振動強度推測情報を前記基準値に維持する構成であることが好ましい。なお、上記の構成の遊技機を以下において「遊技機N」とも称す。
上記の構成であれば、振動強度推測情報の値を、それぞれ、基準値及び相対最大値に維持できることによって、過度振動の発生及び過度振動の収束を検知する時間精度が向上し、過度振動の発生や遊技停止の判定精度が向上する。
上記の遊技機Nにおいて、
前記基準値は、0であり、
前記振動強度推測情報は、0以上の整数値であり、
前記振動強度推測情報更新手段は、前記振動強度推測情報の値が前記相対最大値としての所定の最大値と異なる値である場合における前記振動検出装置による振動の検出に基づいて、前記振動強度推測情報の値を増加させ、
前記振動強度推測情報の値が前記基準値と異なる値である場合における前記振動検出装置による振動の非検出に基づいて、前記振動強度推測情報の値を減少させる構成であることが好ましい。なお、上記の構成の遊技機を以下において「遊技機O」とも称す。
上記の構成であれば、振動強度推測情報を更新する演算処理が簡素化され、また、所定の大きさの記憶領域において、基準値を0以外とする場合や振動強度推測情報が正数以外の値をとる場合に比べて、振動強度推測情報の可変域(ダイナミックレンジ)を最大限に大きくできる。
上記の遊技機Oにおいて、
前記振動強度推測情報の値が前記最大値と異なる値である場合の前記第1検出信号の検知に応じて、前記振動強度推測情報の値は1より小さい所定の第1の乗算因子を乗算し更に所定の加算因子を加算する演算に対応する演算に基づいて更新され、
前記振動強度推測情報の値が前記基準値と異なる値である場合の前記第2検出信号の検知に応じて、前記振動強度推測情報の値は1より小さい所定の第2の乗算因子を乗算する演算に対応する演算に基づいて更新される構成であることが好ましい。
ここで、振動強度推測情報の更新において演算結果の値が整数でない場合には、演算結果の値は整数にキャスティングされることとする。キャスティングとしては、例えば、少数点以下の切り捨てや、少数点以下の切り上げや四捨五入等が挙げられる。なお、一般的には、少数点以下の切り捨てが実行される。
上記の構成であれば、簡便に遊技機Oの構成の遊技機を実現できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Pとも称す。
上記の遊技機N〜Pにおいて、
前記第1の乗算因子と前記第2の乗算因子とが同一である構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、前記振動検出装置による振動の検出に基づいて振動強度推測情報を更新する場合の演算と、前記振動検出装置による振動の非検出に基づいて振動強度推測情報を更新する場合の演算との一部を共通化できるために、演算処理及びそのプログラムを簡素化できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を「遊技機Q」とも称す。
上記の遊技機Qにおいて、
前記振動強度推測情報の値が前記最大値である場合の前記振動検出装置による振動の検出に基づいて、前記振動強度推測情報の値は、前記振動強度推測情報の値が前記最大値と異なる値である場合における演算と同一の演算に基づいて自己整合的に前記最大値を維持し、
前記振動強度推測情報の値が前記基準値である場合の前記振動検出装置による振動の非検出に基づいて、前記振動強度推測情報の値は、前記振動強度推測情報の値が前記最大値と異なる値である場合における演算と同一の演算に基づいて自己整合的に前記基準値を維持する構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、演算結果が振動強度推測情報の記憶領域の上限値を超えた場合の付加的な処理が不要となり、また、演算結果が振動強度推測情報の記憶領域の下限値を下回った場合の付加的な処理が不要となるために、演算処理及びそのプログラムを簡素化できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Rとも称す。
上記の遊技機Rにおいて、
前記振動強度推測情報の値をXとし、前記第1の乗算因子及び前記第2の乗算因子の各々をA/B(A<B)で表される同一の既約分数とし、前記加算因子を所定の上限値Mに対して[M×(B−A)/B]で表される正数をCとし、
前記振動強度推測情報更新手段は、前記振動検出装置による振動の検出に基づいて、[X×A/B]+Cに対応する演算に基づいて前記振動強度推測情報を更新し、前記振動検出装置による振動の非検出に基づいて、[X×A/B]に対応する演算に基づいて前記振動強度推測情報を更新する構成であることが好ましい。
ここで、[Z]は、Zを実数とした場合に、Zを超えない最大の整数を表す演算子(ガウス括弧)である。
上記の構成であれば、上記の遊技機Rの構成の遊技機を簡便に実現できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Sとも称す。
上記の遊技機R又はSにおいて、
前記既約分数の分母が2の正数乗の値である構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、割り算に対応する演算をビットシフトによる演算によって行えるために、演算処理が簡素化できると共に高速化できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Tとも称す。
上記の遊技機Cにおいて、
遊技盤が、遊技媒体が流入する前記利益付与部としての流入口が形成され、前記流入口から流入した遊技媒体を複数の案内通路のいずれか1つへ選択的に流入させる振分機構を含む利益種別振分装置、及び、前記複数の案内通路のうちの遊技媒体の流入した案内通路の相違に応じて異なる利益状態で作動する少なくとも1つの利益供与装置を更に含み、
前記遊技盤に遊技媒体を射出する遊技媒体射出装置と、
前記少なくとも1つの利益供与手段へ流入した遊技媒体を検出する少なくとも1つの入賞検出装置と、
遊技媒体の払い出しを行う払出装置と、
前記少なくとも1つの入賞検出装置による遊技媒体の検出に基づいて、前記払出装置による遊技媒体の払い出しを制御する払出制御手段と、
を更に含み、
前記媒体検出装置が、前記利益種別振分装置の前記流入口へ流入した遊技媒体を検出し、
前記遊技進行停止手段が、不正利益享受監視期間としての利益状態移行監視期間における前記媒体検出装置による前記流入口への遊技媒体の流入の検出に応じて、前記遊技媒体射出装置による遊技媒体の射出を強制的に停止させる構成であることが好ましい。なお、この構成の遊技機を以下において「遊技機U」とも称す。
この構成であれば、遊技媒体の射出を強制的に停止することで、簡便に遊技進行を停止できる。また、振分機構による振分結果に依存せずに何らかの利益遊技状態へ移行するが振分結果によって利益の度合いは異なる遊技機において、利益供与装置が利益状態に移行したとしても遊技媒体の射出が停止されることによって、遊技球の利益供与装置への入賞に伴う賞球の払出が実行されることを抑制できる。
上記の遊技機Uにおいて、
前記媒体検出装置が、前記利益種別振分装置の前記流入口へ流入した遊技媒体を、前記振分機構に到達する前に検出すること構成であることが更に好ましい。なお、この構成の遊技機を以下において「遊技機V」とも称す。
この構成であれば、利益遊技状態へ移行する契機となる各案内通路への遊技媒体の流入よりも早いタイミング、つまり、利益種別振分装置の流入口への流入によって利益状態への移行を確定できるために、実質的に利益供与装置が利益状態に移行する前に、遊技媒体の射出を停止できる。したがって、遊技媒体の射出の停止から実際的な利益状態への移行までの時間を長く確保でき、遊技媒体の射出が停止された際に遊技盤上を流下中である遊技媒体が利益状態へ移行したいずれかの利益供与装置へ入賞することを更に良好に抑制できる。
上記の遊技機Uにおいて、
前記複数の案内通路へ流入した遊技媒体を検出する少なくとも1つの入賞検出装置を更に含み、
前記払出制御手段が、更に、前記少なくとも1つの入賞検出手段による遊技媒体の検出に基づいて、前記払出手段による遊技媒体の払い出しを制御する構成であることが好ましい。
この構成であれば、入賞検出装置によって遊技媒体が検出されるよりも前に媒体検出装置による遊技媒体の検出によって遊技進行が停止されるために、利益遊技状態へ移行させる契機となった遊技媒体の入賞に係る賞球の払い出しも停止することができる。これによって、利益遊技状態への移行後のみならず、故意の過度振動で入賞させた遊技媒体に対する賞球を不正遊技者が獲得することも防止できる。
上記の遊技機Uにおいて、
前記複数の案内通路へ流入した遊技媒体との接触により前記少なくとも1つの利益供与装置を機構的に作動させて所定の利益状態に移行させる利益状態移行機構を更に備える構成であることが好ましい。
この構成であれば、各種の利益供与装置を利益状態に移行させるための制御が不要となるために制御処理が簡素化される。また、この構成では、流入口に遊技媒体が進入した場合には確実に利益遊技状態へ移行することとなり、上述のように、遊技媒体の利益供与装置への入賞に伴う賞球による被害が大きくなると予想されるが、遊技媒体の射出が停止されることによってその影響を良好に低減できることとなる。
上記の遊技機Uにおいて、
前記複数の案内通路が、2つの通路であり、
前記利益状態移行機構が、前記2つの通路のうちの一方の通路へ流入した遊技媒体との接触によって機構的に作動する第1の利益状態移行機構と、前記2つの通路のうちの他方の通路へ流入した遊技媒体との接触によって機構的に作動する第2の利益状態移行機構とを更に備え、
前記少なくとも1つの利益供与装置が、第1の利益状態移行装置の作動に応じて前記通常状態における入賞難化状態から前記入賞難化状態よりも遊技媒体の入賞の容易な入賞易化状態に移行する第1の利益供与装置と、第2の利益状態移行手段の作動に応じて前記入賞難化状態から前記入賞易化状態に移行する第2の利益供与装置とを含む構成であることが好ましい。
この構成であれば、この構成であれば、簡便に利益度合いの異なる利益遊技状態を実現でき、遊技の向趣性を向上させることができる。
本発明に係る遊技機は、更に、過度振動の発生を報知する報知手段と、過度振動検知手段による過度振動の検知に応じて報知手段を制御する報知制御手段とを含む構成であることが好ましい。報知手段は、外部に過度振動の発生を報知できる構成であれば、公知のいかなる構成と同一であってもよい。報知手段による報知は、遊技者や遊技ホールの従業者に対してのみ行われてもよいし、遊技者や従業者に対しては行わずに遊技ホールの管理者(管理コンピュータ)に対してのみ行われてもよいし、それらの双方に対して行われてもよい。報知手段としては、例えば、発光によって視覚的に報知する発光報知手段、音や音声や音楽で聴覚的に報知する音響報知手段、文字や図形や画像によって視覚的に報知する画像報知手段及び信号の出力によって遊技機の外部の装置に報知する信号送信報知手段が挙げられる。この構成であれば、過度振動が発生した場合に、その発生を簡便にかつ確実に近隣の遊技者や遊技ホールの従業者に対して報知できる。
〔具体的な構成〕
本発明に係る具体的な形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、遊技機として弾球遊技機の一具体例を挙げて説明するが、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜に設計が変更されてもよい。
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態の遊技機について説明する。図1〜図3は遊技機の一例を表す斜視図であり、図4はその正面図である。図1〜図3に示されたように、遊技機100は、その外殻を形成する外枠101と、この外枠101の一側部に開閉可能に支持された遊技機本体とを備えている。遊技機本体は、外枠101に対して、遊技機100の正面から見て左側の上下方向に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に十分に開放できる内枠セット102と、内枠セット102の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット103と、内枠セット102の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた背面セット104とを備えている。
遊技機100は、更に、外枠101に対して内枠セット102が閉鎖されている場合において外枠101と内枠セット102とを開閉不能に施錠する内枠施錠機構105(図2のみ)と、内枠セット102に対して前面枠セット103が閉鎖されている場合において内枠セット102と前面枠セット103とを開閉不能に施錠する前面枠施錠機構106(図3のみ)と、内枠施錠機構105による外枠101と内枠セット102との施錠及び前面枠施錠機構106による内枠セット102と前面枠セット103との施錠を開錠するために操作される共通の錠開閉操作機構119とを備えている。錠開閉操作機構119(図1のみ)に所定の開閉鍵が挿入されて、開閉鍵が右に回転されると内枠施錠機構105が作動して外枠101と内枠セット102との施錠が解除され、一方、開閉鍵が左に回転されると内枠施錠機構106が作動して内枠セット102と前面枠セット103との施錠が解除される。
内枠セット102には、内枠セット102が外枠101に対して開かれたことを検出する内枠スイッチ108(図22参照)が設けられており、内枠セット102が開かれると、内枠スイッチ108のオフ状態を表す信号が遊技ホール内の管理コンピュータ(図示せず)に出力される。また、内枠スイッチ108には、前面枠セット103が内枠セット102に対して開かれたことを検出する前面枠スイッチ109(図3のみ)が設けられており、前面枠セット103が開かれると、前面枠スイッチ109のオフ状態を表す信号が管理コンピュータに出力される。
図1、図3及び図4に示されたように、前面枠セット103は、大別すると、前面枠110と、前面枠110の前面側に設けられた開口を有する窓枠111と、窓枠111の開口を塞ぐように窓枠111に固定された前面透明板112と、窓枠111の開口の周囲に設けられた各種の枠発光装置121〜125と、窓枠111の下側において前方側に突出するように設けられた上皿140と、上皿140の突出部に設けられた貸出操作装置130と、最下部に取り付けられた下皿160と、下皿160の右側方に設けられた発射操作装置170と、窓枠111の上方両側に設けられた各種の音響装置180を備えている。なお、窓枠111の開口からは及び前面透明板112を通して遊技盤200(図3参照)の遊技領域が視認できる。
枠発光装置121〜125は、後述する昼間型遊技状態時、夜間型遊技状態時や羽根開放時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御されその遊技中の演出効果を高める役割を果たす。また、遊技機100の作動中において各種の異常等が発生した場合にその発生を報知したり、遊技機100に対して不正な行為、例えば、磁気作用による遊技球の誘導や振動による遊技球の誘導が行われた場合にその発生を報知したりする。
貸球操作装置130は、外部のカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカードの残額情報を表示する度数表示部131と、残額が有る場合に球貸しの指示を入力する球貸しボタン132と、投入されたカード等の返却指示を入力する返却ボタン133とを含んでいる。遊技機100の側方に配置された図示しないに紙幣や残額が有るカード等を投入すると、それらの金額に対応する数値が度数表示部133に表示される。この状態で球貸しボタン132が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸し出しが行われ、度数表示部131の表示がその貸し出しに応じた数値だけ減少した数値に更新される。また、返却ボタン133が操作されると、残額に応じた紙幣の等価物や残額を記録したカードが返却される。なお、カードユニットを介さずに外部の球貸し装置(図示せず)から上皿に遊技球が直接貸し出される遊技機(通称、現金機)では貸球操作装置130は不要である。
上皿140は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、貸球操作装置130の貸出操作に応じて貸し出された遊技球を一旦貯留すると共に、遊技球を一列に整列させながら発射装置150の方(右方)へ順次に案内する。
下皿160は、上皿140が満タンになった場合等に排出口160Aより排出される遊技球を停留するものであって、底面に開口161Aの形成された球受部161と、球受部161の開口161Aを閉塞させたり開放させたりする球抜き機構162と、球抜き機構162を作動させる球抜きレバー163とを備えている。球抜きレバー163を左側に移動させると、球受部161の底面の開口161Aが開放され、下皿160内に停留されている遊技球が開口を通して外部に排出される。また、排出口160Aの奥側には下皿160に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検知する球溢れスイッチ164(図23参照)が設けられている。
発射操作装置170は、上皿140に貯留された遊技球の発射指示を入力する装置であって、前方に突出する台座171と、台座171の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル172と、発射ハンドル172の回転操作量を検知する可変抵抗器173(図23参照)と、発射ハンドル172に遊技者が接触していることを検出する接触センサ174(図23参照)と、発射ハンドル172の回転に伴う発射操作を無効化する発射停止スイッチ175(図4参照)とを含んでいる。遊技者による発射ハンドル172の回転操作に応じて、その回転操作量に対応する強度で発射装置150から遊技球が射出される。なお、接触センサ174によって発射ハンドル172と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ175の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル172が回転操作されていても発射装置150から遊技球は射出されない。
音響装置180は、遊技進行に応じた演出や各種の異常の発生に応じた報知を音声や音楽や単純機械音等の音響によって出力する。
内枠セット102は、枠体101に対して開閉自在に支持される内枠190を備え、内枠190には、大別すると、遊技盤200と、発射操作装置170への操作に基づいて遊技球を遊技盤200に射出する発射装置150と、内枠190や遊技盤200の背面側に設けられた各種の制御装置等を備えている。
発射装置150は、発射操作装置170の概ね後方側に設けられており、上皿140に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構153(図3参照)と、球送り機構153を駆動する球送りソレノイド151(図23参照)と、発射位置に配置された遊技球を遊技盤200に向けて発射する発射機構154(図3参照)と、発射機構154を駆動する発射ソレノイド152(図23参照)とを備えている。
遊技盤200は、遊技性を決定する主要部である。ここで、遊技盤200について詳細に説明する。図5は、遊技盤の一例を表す正面図であり、図6及び図7は、遊技盤の一例を表す背面図である。遊技盤200は、図5に示されたように、基体201と、基体201に取り付けられた内外二重に一体形成された内レール202及び外レール203で構成されるレールユニットと、内レール202の先端(図5及び図7の左上部)に取着された戻り球防止部材204と、外レール203の先端に取着された返しゴム205と、基体201におけるレールユニットにより略円形状に区画された遊技領域内に設けられた多数の釘、複数の風車、各種の役物、各種の入賞装置等とを含んでいる。
内レール202及び外レール203で構成されるレールユニットは、発射装置150(図22及び図23参照)から発射された遊技球を遊技盤200の上部へ案内する。内レール202は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール202に向かい合うようにして外レール203が形成されている。内レール202と外レール203とが所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。戻り球防止部204は、一旦、内レール202及び外レール203間の球案内通路から遊技領域へ案内された遊技球が球案内通路内に戻ってしまうことを防止する。また、返しゴム205は、所定以上の勢いで発射された遊技球を遊技領域の中央方向に跳ね返らせる。遊技領域の下端部にはアウト口206が設けられており、各種の入賞装置や役物に入球しなかった遊技球はこのアウト口206を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。
また、発射装置150からレールユニットにより形成される球案内通路へ遊技球を誘導する発射レール(図示せず)と外レール203との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路が形成されている。これによって、仮に発射装置150から発射された遊技球が戻り球防止部204まで至らず球案内通路を逆戻りする場合には、その遊技球はファール球通路を介して下皿160(図1参照)に返却される。
遊技領域の中央には、センタ役物41が設けられている。センタ役物41には天入賞口42及び中上入賞口43が形成されている。なお、センタ役物41の構成については、別途に詳述する。
センタ役物41の左右には、それぞれ、左上普通入賞装置44及び右上普通入賞装置45が配置されている。左上普通入賞装置44及び右上普通入賞装置45の各々の入賞口の大きさは不変である。左上普通入賞装置44又は右上普通入賞装置45に遊技球が入球した場合には、所定の個数(本形態では10球)の遊技球が賞球として払い出されることとなる。
センタ役物41の下には、中央可変入賞装置46が配置され、中央可変入賞装置46は、一対の可動翼46Tが左右両側に回動して開閉することによって、入賞口の大きさが変化する入賞装置である。なお、中央可変入賞装置46の前面には「太陽」を模した装飾が施されている。中央可変入賞装置46の直上には3本の釘が三角形状に寄せて配置されており、可動翼46Tが閉じている状態(進入禁止状態:図中の点線)ではこれらの釘に阻止されて遊技球は中央可変入賞装置46に進入できない。中央可変入賞装置46の下には、中下普通入賞装置47A及び中下可変入賞装置47Bが上下に隣接して配置されている。中下普通入賞装置47Aは左上入賞装置44及び右上入賞装置45と実質的に同一の構成であり、中下可変入賞装置47Bは中央入賞装置46と実質的に同一の構成である。中下普通入賞装置47Aと中下可変入賞装置47Bとは同一の部品内に一体的に形成されている。中下可変入賞装置47Bは、その可動翼47Tが閉じている状態(進入禁止状態:図中の点線)では中下普通入賞装置47Aによってその入賞口が閉塞されて遊技球が進入できない体勢となるように中下普通入賞装置47Aの直下に近接して配置されている。中下普通入賞装置47A及び中下可変入賞装置47Bの右上方には、右下普通入賞装置48A及び右下可変入賞装置48Bが上下に並置するように配置され、右下普通入賞装置48A及び右下可変入賞装置48Bの右上方には、右中普通入賞装置49A及び右中可変入賞装置49Bが上下に並置するように配置されている。中下普通入賞装置47A及び中下可変入賞装置47Bの左上方には、左下普通入賞装置55A及び左下可変入賞装置55Bが上下に並置するように配置され、左下普通入賞装置55A及び左下可変入賞装置55Bの左上方には、左中普通入賞装置56A及び左中可変入賞装置56Bが上下に並置するように配置されている。中下普通入賞装置47A、右下普通入賞装置48A、右中普通入賞装置49A、左下普通入賞装置55A及び左中普通入賞装置56Aの各々は、丸形の遊技領域の下縁に沿って円弧状に延びる列をなすように配置されており、それらの構成は実質的に同一である。同様に、中下可変入賞装置47B、右下可変入賞装置48B、右中可変入賞装置49B、左下可変入賞装置55B及び左中可変入賞装置56Bの各々は、丸形の遊技領域の下縁に沿って円弧状に延びる列をなすように配置されており、それらの構成は実質的に同一である。ただし、左端に位置する左中可変入賞装置56Bに限っては、その前面に「太陽」に代えて「星」を模した装飾が施されている。
中下普通入賞装置47A、右下普通入賞装置48A、右中普通入賞装置49A、左下普通入賞装置55A及び左中普通入賞装置56Aに遊技球が入球した場合には、所定の個数(本形態では10球)の遊技球が賞球として払い出されることとなる。また、中央可変入賞装置46、中下可変入賞装置47B、右下可変入賞装置48B、右中可変入賞装置49A、左下可変入賞装置55B及び左中可変入賞装置56Bに遊技球が入球した場合にも、所定の個数(本形態では10球)の遊技球が賞球として払い出されることとなる。
基体201の裏面側には、図6又は図7に示されたように、各種の制御装置、各種の発光装置、各種の信号中継装置、各種のスイッチ、各種のセンサや各種の可変入賞装置の駆動機構が配置されている。具体的には、以下のように構成されている。センタ役物41の裏面側には、後述する発光装置415、センタ役物中継装置431H及びセンサ中継装置431Lが配置され、センタ役物41の左右には、左上普通入賞装置44及び右上普通入賞装置45のそれぞれの裏側に、前方に光を射出する左上発光装置44S及び右上発光装置45Sが配置されている。センタ役物41の後方には、基体201の盤面に設置された各種の発光装置に接続される盤面中継装置211が、センタ役物41の右下部(図6上では左下部)に端部が一部重なるようにして配置されている。更に、盤面中継装置211の後方には、左上発光装置44S及び右上発光装置45Sを両端部で覆うように横長に延びるサブ制御装置940が配置され、サブ制御装置940の右下の隅部(図6上では左下の隅部)にはサブ中継装置213が配置されている。サブ制御装置940及びサブ中継装置213は、図7に示す概略横長の直方体形状の基板ケース212Cの内部に収容されている。なお、サブ制御装置940の動作については電気的な構成の説明において詳述する。
基体201の裏面において、サブ制御装置940の左右には、縦長に延びる左縁発光装置214L及び右縁発光装置214Rがそれぞれ配置されており、遊技領域における左右両側縁にそれぞれ設けられた左縁装飾部61L及び右縁装飾部61Rにおいて前方に光を射出するようになっている。基体201の裏面側の下部には、図6に示されたように、中央可変入賞装置46、中下可変入賞装置47B、右下可変入賞装置48B、右中可変入賞装置49B、左下可変入賞装置55B及び左中可変入賞装置56Bの裏側に、それぞれ、前方に光を射出するための中央発光装置46S、中下発光装置47S、右下発光装置48S、右中発光装置49S、左下発光装置55S及び左中発光装置56Sが配置されている。また、図7に示されたように、中央可変入賞装置46、中下可変入賞装置47B、右下可変入賞装置48B、右中可変入賞装置49B、左下可変入賞装置55B及び左中可変入賞装置56Bの概ね直下の裏側に、それぞれ、進入した遊技球を検出する中央可変入賞口スイッチ13、中下可変入賞口スイッチ14、右下可変入賞口スイッチ15、右中可変入賞口スイッチ16、左下可変入賞口スイッチ17及び左中可変入賞口スイッチ18が配置されている。また、中下可変入賞口スイッチ14及び右下可変入賞口スイッチ15との間には、天入賞口42、右上普通入賞装置45、右下普通入賞装置48A及び右中普通入賞装置46Aのいずれかにへ進入した遊技球を共通で検出する右普通入賞口スイッチ19Rが配置され、中下可変入賞口スイッチ14及び左下可変入賞口スイッチ17との間には、中上入賞口43、右上普通入賞装置45、右下普通入賞装置48A及び右中普通入賞装置46Aのいずれかにへ進入した遊技球を共通で検出する左普通入賞口スイッチ19Lが配置されている。中央発光装置46S、中下発光装置47S及び右下発光装置48Sのほぼ中間の位置には、各種の入賞口スイッチ13,14,15,16,17,18,19L,19Rが接続される盤面スイッチ中継装置215が配置されている。更に、盤面スイッチ中継装置215の後方には、横長に延びる主制御装置920が配置され、主制御装置920の右端(図6中では左端)に隣接して、電源監視装置910が配置されている。主制御装置920及び電源監視装置910は、概略横長の直方体形状の基板ケース216Cに収容されている。なお、主制御装置920及び電源監視基板910については、電気的な構成の説明において詳述する。
ここで、センタ役物41について詳細に説明する。図8はセンタ役物の一例を表す正面図であり、図9はセンタ役物の一例を表す断面図であり、図10はセンタ役物の一例を表す正面側から見た分解斜視図であり、図11はセンタ役物の一例を表す背面側から見た分解斜視図である。また、図12はセンタ役物のドラムの一例を表す正面側から見た分解斜視図であり、図13はセンタ役物のドラムの一例を表す背面側から見た分解斜視図である。
センタ役物41は、図8に示されたように、上端部を除き正面視概略丸形状であって、遊技領域中央部のやや広い面積を占める最も大型の役物となっており、図9〜図11に示されたように、いずれもほぼ対応する概略丸形の外形を有する前側部材411、中間部材412及び後側部材413の3つの部材を前側からこの順に重合してなる構造体を有し、この構造体の各部位に可動部材や装飾部材等の多数の部材が取り付けられて構成されている。
図10及び図11に示されたように、前側部材411は、センタ役物41の前側部を包囲する正面視概略円環状で、前後方向に所定の奥行を有する周壁をなす枠状の部材となっている。前側部材411の周壁の上端部は比較的に平坦な周面(それ以外の部位よりも曲率の小さい周面)となっており、前側端縁にはガイドレールが設けられ、遊技球が転動する転動面411Sを構成している。周壁の前側端縁には、全周にわたり不定の間隔をおいて、中央へむけて細長く突出する装飾用の複数の突起411Pが形成され、これら突起411Pのうち下端部のいくつかは別体として成形されて前側部材411の周壁の前側端縁に取り付けられ、それ以外のものは周壁の前側端縁に一体的に形成されている。周壁の後側端縁には、複数箇所に、後方へ円柱状に突出し内部にネジ孔が形成された螺入部411Rが形成されている。前側部材411の外周面には、全周にわたって、装飾をなすように不定形に放射状に延出するフランジ411Fが形成され、フランジ411Fに穿設されたネジ挿通孔でセンタ役物41が基体201の前面にネジにより固定されるようになっている。
前側部材411のフランジ411Fは、図8にも示されたように、上端部で最も大きく延出して上端フランジ411Tを形成している。上端フランジ411Tには下端縁中央から上側へ拡がる切欠が形成されており、上端フランジ411Tは全体として前側部材411の周壁の上端部から上方へ概略ループ状に延出する形状となっている。上端フランジ411Tの上部中央には入球口が穿設され、図9及び図11にも示されたように、入球口に対応して、上端フランジ411Tの裏側には、正面視U字状で後方へ延びる溝部411Gが形成され、上端フランジ411Tの表側には、前方に突出し上方が開口していて遊技球を入球口に案内する受け部411Eが設けられており、これにより天入賞口42が構成されている。
中間部材412は、図10及び図11に示されたように、前側部材411にほぼ対応する、上端部がやや大きく延出する正面視概略円形の外周形状を有し、中央に円形状の開口412Sが形成された概略円板状の部材となっている。中間部材412は主として、センタ役物41の外周部を構成する前側部材411と、センタ役物41の中央部に配置される後述のドラム414との間の円環状(ドーナツ状)のスペースを背面側から閉塞する背板として機能する。中間部材412は透明樹脂よりなり、表側面及び裏側面のほぼ全面に多数の凹凸が連続的に形成されており、後述する発光装置415から射出された光を拡散させながら前方に透過させるようになっている。中間部材412の表側面における下部の左右2箇所には、靴を履いた足の形状を模した装飾部材416がそれぞれ固定され、中間部材412の右側部、左側部、右上側部及び左上側部の4箇所には、左右両手の形をそれぞれ模した左右の可動装飾部材(以下、「手形可動装飾部材」とも称す)417R、417Lならびに鉦(チャイム)の形をそれぞれ模した左右の可動装飾部材(以下、「鉦形可動装飾部材」とも称す)418R、418Lの4個の可動装飾部材がそれぞれ連結される操作棒419R、419L、420R、420Lを挿通する長孔421がそれぞれ形成されている。中間部材412における上端の延出部は、前側部材411における上端フランジ411Tの切欠を通して前方に露出し、この露出部の下端中央には中上入賞口43が形成されている。中間部材412の最上端部(頂部)には、U字形状の凹部412Rが形成されており、凹部412R内に前側部材411の溝部411Gが嵌入するようになっている。中間部材412の外周部には、後方に延出する周壁が形成されてセンタ役物41の外周面の一部(中間部)を構成しているとともに、前側部材411の複数の螺入部411Rにそれぞれ対応する位置に、螺入部411Rを挿通する挿通孔が内部に形成された係止部422がそれぞれ形成されている。
後側部材413は、前側部材411にほぼ対応する、上端部がやや大きく延出する正面視概略円形の外周形状(即ち中間部材412と略同一の外周形状)を有する概略円板状の部材であり、ドラム414、発光装置415等の種々の部品が支持固定される支持部材として機能するとともに、後述するように遊技球をドラム414内に導入しかつ該ドラム414から排出された遊技球を外部へ案内する機能も有するものとなっている。後側部材413の中央には、ドラム414の一部を嵌合させて固定する概略半円形状の嵌合孔413Sが穿設されている。嵌合孔413Sの下方には、後述する球排出部413Eが形成され、嵌合孔413Sの上方には、図9に示されたように、後述する係合片423が保持されている。後側部材413の右側部、左側部、右上側部及び左上側部の4箇所には、中間部材412の4つの長孔421に対応する長孔424がそれぞれ形成されている。後側部材413における前側面の上部中央には、中間部材412の中上入賞口43に連通し下方へ延びる球誘導路413Pが形成されている。後側部材413の最上端部(頂部)には、U字形状の凹部413Rが形成されており、凹部413Rは前側部材411の溝部411Gに連通して、天入賞口42に入球した遊技球を後方に案内するようになっている。後側部材413の前側面には、左右2つの分割体から分割構成され、全体として中央部が概略円形に開口した概略円板状の発光装置415が支持固定され、発光装置415の前側の基板表面には多数のLED(図示省略)が搭載されていて前方に光を射出するようになっている。後側部材413の右下部及び左下部には、発光装置415を外部に配線するハーネス(図示省略)を挿通する挿通口413Dがそれぞれ穿設されている。後側部材413における後側面の右上部及び左上部にはそれぞれ演出ソレノイド425R、425Lがそれぞれ配置固定され、演出ソレノイド425R、425Lにより、アームを介して操作棒419R、419L、420R、420Lが中間部材412及び後側部材413の長孔421、424内でそれぞれ往復動するように駆動され、これにより手形可動装飾部材417R、417L及び鉦形可動装飾部材418R、418Lの4個の可動装飾部材が揺動するようになっている。また、球誘導路413Pの途上には、球誘導路413P内を通過する遊技球を検知する入球スイッチ11が設置され、球排出部413Eの下端部には、球排出部413Eから排出される遊技球を検知する左ゲートスイッチ12L及び右ゲートスイッチ12Rが設置され、更に、球誘導路413Pの直上、即ち天入賞口42と中上入賞口43との間の位置には、遊技球を磁気吸着させて不正に入賞口に誘導する不正行為を検知する磁気センサ430が設置されている。後側部材413の外周部には、前方に延出する周壁が形成されてセンタ役物41の外周面の一部(後側部)を構成しているとともに、前側部材411の複数の螺入部411Rにそれぞれ対応する位置に、ネジ挿通孔が形成されたネジ止め部428がそれぞれ形成されており、前側部材411、中間部材412及び後側部材413を前側からこの順に重合した状態で、ネジ止め部428を通して後側からネジを前側部材411の螺入部411Rに螺入することにより、これら3つの部材が固定されるようになっている。
後側部材413の裏面側において、演出ソレノイド425R、425Lにより操作棒419R、419L、420R、420Lが駆動される機構の動作スペースは、裏側カバー429により覆われるようになっている。裏側カバー429は、後側部材413の概略円形の正面形状において、中央よりやや下方の高さ位置と上端よりやや下方の高さ位置との間の帯域の形状に対応する、両側縁が円弧状に湾曲した概略台形の正面形状を有し、かつ演出ソレノイド425R、425L、操作棒419R、419L、420R、420L、アームの駆動軸等を含んで構成される駆動機構を包含し得る厚さ(奥行)を有し、前面側が開放されていて駆動機構を裏側から覆うカバーとなっている。裏側カバー429の下端面には、後側部材413の球排出部413Eに対応する概略直方体状の突出部429Eが一体的に形成されており、突出部429Eが、ドラム414から排出された遊技球を外部へ案内する排球通路の後側部を構成している(即ち遊技球の排出口を後側から覆う部材となっている)。裏側カバー429の背面には、発光装置415及び演出ソレノイド425R、425Lに接続されるセンタ役物中継装置431Hと、入球スイッチ11、左ゲートスイッチ12L、右ゲートスイッチ12R及び磁気センサ430と接続されるセンサ中継装置431Lとが上下に配置されている。また、センサ中継装置431Lには、更に、遊技機100に衝撃が加えられたことを検出する振動センサ10が搭載されている。
ドラム414は、図12及び図13に示されたように、前面側が開放され、前方から回転体432が内部に収容されるように構成された、正面視円形で一定の奥行を有する内槽414Nを内部に備え、外周部が円筒形の周壁414Pで覆われた部材となっており、前側の周縁部は時計の文字盤を模した装飾形状を有するように成形されている。上記周壁414Pの上端部及び下端部はそれぞれ、遊技球の案内経路を回避するよう、後側端縁から方形状に切欠いた形状となっている。内槽414Nの背面における中央には、回転体432の回転軸を内部に回転自在に支承する円柱状の軸受突起414Eが後方に突出するように一体的に形成され、軸受突起414Eの根幹部(立ち上がり部)には、この部分を上方から覆うようにして、下縁が直線で上縁が円弧状の正面視半円形(扇形)の段状突起414Sが一体的に形成されている。段状突起414Sは前記後側部材413の嵌合孔413Sに対応し、段状突起414Sの内部には、内槽414Nの内奥面から、上側半分の半円状に延びる規制溝(図示せず)が穿設されている。内槽414Nの背面における右上部、左上部及び下端部の3箇所には、内部にネジ孔を有し円柱状に突出する螺入部414Bがそれぞれ形成され、上端よりやや下方の左右2箇所には、螺入部414Bとほぼ同様の構成を有する、係合片423取付用の螺入部414Rがそれぞれ形成されている。内槽414Nの上端部には入球口414Hが穿設されており、上方に位置する球誘導路413Pに連通しているとともに、入球口414Hは内槽414Nの上面から背面にかけて穿設されており、係合片423の動作スペースを確保するための切欠ともなっている。内槽414Nの下端部には、下面から背面にかけて、排球口414Lが穿設されている。
ドラム414は、図12及び図13に示されたように、中間部材の開口412Sに前側から嵌挿され、後側部材413の嵌合孔413Sに段状突起414Sを嵌入するようにして後側部材413の前側面に当接させ、後側部材413の後側から螺入部414Bにネジを螺入することにより後側部材413に固定される。
回転体432は、図14及び図15に示されたように、ドラム414の内槽414Nの内部形状に対応する円盤状の部材となっており、円板の一方面において、中央に回転軸が連結される円柱状の軸支持部432Aが突設され、軸支持部432Aに隣接する位置に、円板面に対し垂直な体勢となるように規制ピン432Pが支持固定され、規制ピン432Pの先端部はドラム414の内槽414Nの規制溝に嵌入して規制溝内を往復動し、これにより回転体432が図中の矢印A1に示されたようにほぼ上側半分の半円に相当する角度範囲内でのみ円運動(回転)し得るように規制されるようになっている。なお、規制溝は半円をなすように(即ち180°の範囲にわたって)延びているが、規制ピン432Pの移動範囲は、該規制ピン432Pの径の分だけ、規制溝の両端よりも内側寄りの範囲内に制限されて小さく、この角度範囲は、厳密には180°よりも小さい角度範囲(本実施形態では約150〜160°程度の角度範囲)となっている。円板の外周縁より若干内側には周壁432Dが形成され、周壁432D上において、ほぼ対向する位置にある2点すなわち回転体432の回転方向において互いに180°(厳密には約170°程度)離れた2点の位置には、中央にむかって陥入した形状を有し遊技球が収容される球収容部432R,432Lがそれぞれ形成されている。
回転体432を構成する円板において、周壁432Dが形成された面とは反対側の面には、回転体432の半分にほぼ等しい半円形状のフリップ432Fが取り付けられている。回転体432の当該面上の周縁部において、球収容部432R、432Lの形成位置を結ぶ直線に直交する直径上にある2点の位置には、回転体432の径方向に延びる軸挿通孔を内部に有する軸支突起432Bがそれぞれ突設されており、フリップ432Fは、直線状の辺縁(回転体432の直径に重なる辺縁)に沿って軸ピン432Gが挿通され、軸ピン432Gの両端が軸支突起432Bにそれぞれ軸支されることにより、回転体432に回動自在に保持されている。更に、軸支突起432Bの両側(回転体432の周方向に沿って並ぶ両側)には、軸支突起432Bから両側へ離れるにつれ突出高さが漸次大きくなる傾斜を有するスペーサ432Sがそれぞれ形成されており、上記フリップ432Fは、スペーサ432Sが介在することにより、図9に示されたように回転体432の面上から所定の小角度だけ浮き上がった体勢に保持されるようになっている。回転体432の表面及びフリップ432Fの両面には、後述するように所定の図柄が表示されている。
回転体432は、図9に示されたように、ドラム414の内槽414Nの内部に(前述の通り180°よりやや小さい角度範囲内で)回転自在に保持されている。また、後側部材413には、回転体432の上端部に対応する位置に、所定の取付部材(図示せず)を介して係合片423が取り付けられている。係合片423は、左右方向に架設された軸423Aを中心として回動自在に軸支されている。このとき、係合片423において、軸423Aより前側の部分は後側の部分に比してより長く延出するが軽量となるように、具体的には、後側の部分が側面視三角状に折り返した形状とすることで比較的に重量が大となるように成形されており、本来は後側部分が重みにより下方に向かうように、前側部分が上方に向かうように傾斜する方向に荷重がかかるが、取付部材に一体的に形成された横架部413Hの上に係合片423の後側部分が支承され、これにより、通常は前側部分が水平に前方を向くよりもやや下方に傾斜し、前側部分が前方の回転体432の上端部まで(より具体的には球収容部432R、432Lの内部まで)突き出した体勢(以下、この体勢を「係合体勢」と称す)に保持されるようになっている。これに対し、後述するように係合片423の前側部分の上に上方から遊技球が到達すると、遊技球の重みにより係合片423の前側部分が係合体勢にあるときよりも下方に押し下げられる(以下、この体勢を「解除体勢」と称す)。
ここで、センタ役物41の動作について、図8と共に図14及び図15を参照しながら説明する。図14及び図15は、センタ役物の動作を模式的に表す説明図であり、その動作に関連する部分のみを簡略化して示している。なお、図14(A)、図14(C)、図15(A)及び図15(C)は異なる動作段階における模式的な正面図であり、図14(B)、図14(D)、図15(B)及び図15(D)は異なる動作段階における模式的な縦断面図である。
(1)図5に示された遊技領域において、センタ役物41の上方に飛来する遊技球のうち一部の遊技球は天入賞口42に入賞して、所定の遊技球の払い出しが行われることとなるが、大多数は、天入賞口42に入賞せずに流下を継続する。天入賞口42に入賞せずに流下する遊技球の一部は転動面411Sへ進入するが、大多数は、転動面411Sへ進入せずに流下を継続する。転動面411Sへ進入した遊技球の大多数は、転動面411S上を左右方向に転動してその一方端から転落し、センタ役物41の右下方又は左下方へと流下していくが、少数の遊技球は、転動面411S上を転動する過程で中上入賞口43に入球することとなる。
(2)中上入賞口43に入球した遊技球は、図14(A)及び図14(B)に示されたように、球誘導路413P内を通り、その途上で入球スイッチ11により入球を検知されながら下方へ落下し、球誘導路413Pの下端に連通するドラム414の内槽414Nの入球口414H(受球位置)に入球する。入球スイッチ11による遊技球の検出に応じて、発光装置415の発光、可動装飾部材417R、417L、418R、418Lの駆動、音響装置180からの音響又はこれらの組み合わせから構成される所定の興趣演出が開始される。入球口414Hから内槽414N内に入った遊技球は、前述のように、係合片423の前側部分を押し下げ係合片423を解除体勢としながら、回転体432の球収容部432R内に収容される。
(3)回転体432の球収容部432R内に遊技球が収容されると、図14(A)中の矢印A2に示されたように、遊技球M1の重みにより回転体432を右回り(時計回り)に回転させるように力が働く。この状態では、係合片423は解除体勢にあって回転体432の回転を規制していないが、一方の球収容部432Rが同図に示されたように上端に位置するとき、規制ピン432Pが規制溝414Gの左端に位置するようになっており、回転体432の左回り(反時計回り)方向の回転は規制されている。また、このように回転体432が最大限に左回り方向に回転した位置にあるときに、球収容部432Rは、同図に示されたようにその底部がやや右寄りに偏って位置するように形成され、更に、球収容部432Rの右側の内壁は平面状であるが左側の内壁は正面視円弧状の湾曲面状に成形されており、これにより、遊技球M1が右寄りに案内されやすいようになっている。したがって、回転体432は、球収容部432R内に遊技球M1を受容すると、矢印A2に示されたように右回り(時計回り)方向に回転する。
この右回りの回転開始時点では、フリップ432Fは自重により垂下されて一方面が前方に露出するとともに他方面が裏側に隠蔽された体勢にあり、回転体432の表面のうちの一方の半分(下側の半分)がフリップ432Fに覆われて隠蔽されるとともに他方の半分(上側の半分)が前方に露出した体勢となっており、フリップ432Fの露出面と回転体432の表面の露出部分とが、あわせて一つの円形の表示領域を構成しており、この表示領域に、特定の内容を表す一つの図柄(図示せず)が表示されるようになっている(以下、この図柄を便宜的に「夜間型図柄」と称す)。
(4)回転体432が右回り(時計回り)方向に回転する途上で、図14(C)及び図14(D)に示されたようにフリップ432Fの固定端である直線状の辺縁(軸ピン432Gが挿通されて回転体432に軸支された辺縁;以下、「軸支端縁」と称す)432Xが鉛直となる位置を右回り(時計回り)方向に超過すると、図14(C)中の矢印A3に示されたようにフリップ432Fが自重により右下方向に落下するように反転して裏返る。このとき、フリップ432Fは前述のようにスペーサ432Sにより回転体432の面上から所定の小角度だけ浮き上がった体勢に保持されているので、上記のような落下動作がより容易かつ確実になされるようになっており、また、この落下動作は、回転体432が引き続き右回り(時計回り)方向に回転する運動を更に付勢する作用も奏する。また、フリップ432Fが上記のように反転すると、フリップ432F及び回転体432の表面における露出部分と隠蔽部分とも反転して、別の表示領域が現れ、夜間型図柄と異なる(対照的な)内容を表す特定の一つの図柄(図示省略)が表示されるようになっている(以下、この図柄を便宜的に「昼間型図柄」と称す)。
(5)回転体432が更に右回り(時計回り)方向に回転して、図15(A)及び図15(B)に示されたように遊技球M1を収容した球収容部432Rが内槽414Nの排球口414Lに連通する位置(排球位置)まで到達すると、遊技球M1が球収容部432Rから下方に落下して、排球口414Lから排出される。
このとき、排球口414Lの直下には、排球口414Lの開口面積及び形状に対応する寸法及び概略横長の箱体状の外形を有する、後側部材413の球排出部413Eが位置し、排球口414Lに連通している。球排出部413Eは、中央に方形状の隔壁413Tが形成されて内部が左右に2つの室すなわち左室C1及び右室C2に仕切られた構成となっており、左室C1及び右室C2の各室中央には、後方にむけて下傾する上端縁を有する台形状の案内リブG1、G2がそれぞれ立設されている。遊技球M1は、排球口414Lに到達した後、図15(A)中の矢印A4に示されたように右側の案内リブG2の上端縁に沿って後下方に案内されつつ、排球口414Lから排出されていく。この間、同図に示されたように遊技球M1は、案内リブG2上を移動することにより、回転体432と排球口414Lとを跨ぐ体勢に保持されつつ排出されていく。換言すれば、案内リブG2の上端縁は、遊技球M1を回転体432と排球口414Lとに跨がるような高さ位置の範囲内に保持しつつ後下方に案内し得るような高さ及び勾配を有するように形成されている。
本実施形態では、案内リブG2は、隔壁413Tの右側面から右方に距離d1=約6.5mmだけ移動した位置、即ち上方の球収容部432Rから出てきた遊技球M1をそのほぼ中央で下方から支承し得る位置に形成され、前後方向の幅w1=約15mm、後側端縁の高さh1=約11mm、前側端縁の高さh2=約5mmとなっており、図15(A)及び図15(B)に示されたように、上方からきた遊技球M1を受けた時点で、遊技球M1をその中心Oの高さ位置が回転体432の下端の高さ位置にほぼ等しくなるような高さ位置で下方から支承し得るような高さ位置に形成されている。
上記のように球収容部432Rが排球位置、具体的には球排出部413Eの右室C2の上方に位置するとき、規制ピン432Pが規制溝414Gの右端に位置するようになっており、これにより、球収容部432Rが遊技球M1を収容したまま排球位置を超過して回転しないよう、回転体432の右回り(時計回り)方向の回転は規制される。したがって、このときの位置は回転体432が最大限に右回り方向に回転した位置すなわち右回り方向の限界位置であるが、これまで回転体432は上述のように遊技球M1の重みにより回転運動をしてきているので、この限界位置で反発力が生じ、これまでとは逆の方向すなわち左回り(反時計回り)方向に戻るように弾む(バウンドする)挙動をとろうとする。もしこのようなバウンド動作がなされると、球収容部432Rが上端部の入球口414Hすなわち受球位置にまで戻ってしまい、後述するようなもう一方の球収容部432Lによる遊技球の案内(受け渡し)動作へと正しく移行されなくなる惧れもあるが、ここで、上記のように遊技球M1が回転体432と排球口414Lとを跨ぐ体勢に保持されつつ排出されることにより、回転体432が遊技球M1によりロックされて排球位置に保持され、バウンド動作が抑止される。即ち、遊技球M1が回転体432と排球口414Lとを跨ぐ体勢にあると、回転体432が左回り(反時計回り)方向にバウンドしようとしても、遊技球M1が排球口414Lに拘束された(引っかかった)体勢となっていて左回り(反時計回り)方向には動き得ず、このため回転体432の左回り(反時計回り)方向への動きも遊技球M1に阻止される。つまり、遊技球M1が、回転体432と排球口414Lとを跨ぐように位置して回転体432を排球位置にロックする「かんぬき」のように機能するのである。
(6)案内リブG2の上端縁に沿って後下方に案内された遊技球M1は、図15(C)及び図15(D)に示されたように、後方で裏側カバー429の突出部429Eの内面に行当って下方へ案内され、右ゲートスイッチ12Lにより検知されながら、センタ役物41から下方へ排出されていく。裏側カバー429の突出部429Eは、左右に長く延びる直方体状の内部空間が中央の隔壁により左右に2つの区画すなわち左区画429L及び右区画429Rに分割され、これら左区画429L及び右区画429Rはそれぞれ排出部413Eの左室C1及び右室C2に連通して、左側通路及び右側通路の2通路から構成される排球通路の後側部を構成している。左区画429L及び右区画429Rの各区画の内部における後上の隅部には、後下方へ下傾する下端縁を有するガイドリブ429Gがそれぞれ突設されており、遊技球を下方へ案内するようになっている。また、左ゲートスイッチ12L及び右ゲートスイッチ12Rは、突出部429Eの左区画429L及び右区画429Rの直下に配置されており、遊技球が左側通路及び右側通路のいずれから排出されたかが検知される。この検知結果に応じて興趣演出がなされる。
遊技球M1が排球口414Lから排出され、回転体432から完全に離脱すると、遊技球M1による回転体432の回転の規制すなわち「かんぬき」様の機能も解除されるが、これよりも以前に、即ち遊技球M1が回転体432から完全に離脱しておらず回転体432が排球位置にロックされているうちに、係合片423が係合体勢に復帰して、その前側部分が前方の回転体432の上端部まで突き出し、今度はかわって上端に位置するもう一方の球収容部432Lの内壁に係合し、これにより回転体432が引き続き排球位置にロックされる。係合片423は、前述のように遊技球M1の通過によって解除体勢となった後、回転体432が回転している間はその回転運動を規制しないが、回転体432が最大限にまで回転して遊技球M1を収容した球収容部432Rが排球位置に達すると、これにともなってもう一方の球収容部432Lが上端部に達し、球収容部432Lの内部空間により係合片423の前方に動作スペースが再び確保されて係合体勢に復帰する動作が可能となる。ただし、この係合片423の復帰動作は、回転体432が右回り方向の限界位置に達した時点よりも若干遅れて開始されるため、回転体432が右回り方向の限界位置に達すると、当初は前述の通り遊技球M1が回転体432の回転を規制するように機能し、この遊技球M1によるロック機能が解除されるよりもやや早く、このロック機能を引き継ぐような形で、係合片423が回転体432を引き続き排球位置にロックするように機能する。
(7)上述のように、遊技球M1が回転体432の球収容部432R内に収容され、ドラム414の内槽414Nにおける内周面の右側半分に沿って上端から下端部まで案内され、右側通路から排出されると、連絡通路により、基体201の裏側において更に下方に案内される。連絡通路は、センタ役物41の右側通路に連通して下方に延びる右側連絡通路と、センタ役物41の左側通路に連通して下方に延びる左側連絡通路とを左右に並置するようにして構成されている(図示省略)。
連絡通路の下方には、図7に示されたように、右リンク機構L1が配置され、右リンク機構L1の下方には下リンク機構L2が配置され、更に右リンク機構L1の左方(図7上では右方)には左リンク機構L3が配置されている。右リンク機構L1においては、図16(A)に示されたように、右側連絡通路に案内されて上方から入球してきた遊技球M1は、図16(B)に示されたように、第1アームR1の先端に載って自重により第1アームR1を押し下げ、第1アームR1はリンク機構により第2アームR2を介して第3アームR3の先端を押し下げ、第3アームR3の先端は中央可変入賞装置46の可動翼(チューリップ)46Tを開放するように駆動する。またこのとき、図17(A)及び図17(B)に示されたように、第3アームR3には第4アームR4を介して第5アームR5が連結されており、第5アームR5が、第3アームR3と連動して、右中可変入賞装置49Bの可動翼49Tを開放するように駆動する。
遊技球M1は、第1アームR1を押し下げた後、第1アームR1の先端から落下して、下方に設置された下リンク機構L2に案内される。下リンク機構L2においては、図18(A)に示されたように、上方から入球してきた遊技球M1は、右リンク機構L1における第1アームR1〜第3アームR3の場合と同様に、図18(B)に示されたように、第6アームR6の先端に載って自重により第6アームR6を押し下げ、第6アームR6はリンク機構により第7アームR7を介して第8アームR8の先端を押し下げ、第8アームR8の先端は左下可変入賞装置55Bの可動翼55Tを開放するように駆動する。またこのとき、図19(A)及び図19(B)に示されたように、第8アームR8には第9アームR9を介して第10アームR10が連結されており、第10アームR10が、第8アームR8と連動して、中下可変入賞装置47Bの可動翼47Tを開放するように駆動する。更にまたこのとき、図20(A)及び図20(B)に示されたように、第9アームR9には第10アームR10と共に第11アームR11が連結されており(即ち、第9アームR9は左右に延びるように架設され、左端には第8アームR8が、中央には第10アームR10が、右端には第11アームR11がそれぞれ連結されている)、第11アームR11が、第8アームR8と連動して、右下可変入賞装置48Bの可動翼48Tを開放するように駆動する。上記のように駆動した後の右リンク機構L1及び下リンク機構L2は、錘(図示せず)により、それぞれ駆動する前の体勢に復帰するようになっており、また、開放した状態の5対の可動翼46T、49T、55T、47T、48Tの各々は、この後において遊技球が入球することにより閉じるようになっている。なお、入球した遊技球に基づく機構的な動作によって、各可動翼46T、49T、55T、47T、48Tは閉じられる。
遊技球M1が右側連絡通路から下方に案内されて右リンク機構L1を通過すると、右リンク機構L1が作動して中央可変入賞装置46及び右中可変入賞装置49Bの各々の可動翼46T、49Tが一斉に開放され、この後、遊技球M1が下リンク機構L2を通過すると、下リンク機構L2が作動して左下可変入賞装置55B、中下可変入賞装置47B及び右下可変入賞装置48Bのそれぞれの可動翼55T、47T、48Tが一斉に開放される。これによって、5つの可変入賞装置46,49B,55B,47B,48Bが入賞禁止状態から入賞許可状態へ移行することとなり、遊技機100は、遊技球が比較的に入賞しやすい大利益遊技状態となる。以下において、5つの可変入賞装置46,49B,55B,47B,48Bが入賞許可状態に移行した後の遊技状態を「昼間型遊技状態」と称す。
昼間型遊技状態への移行に応じて入賞許可状態に移行する5つの可変入賞装置46、49B、55B、47B、48Bの各々には、上述のように前面に「太陽」を模した装飾が統一して施されており、一方、この時点ではセンタ役物41における回転体432の前面には昼間型図柄が表示されているが、昼間型図柄は「太陽」と関連する内容の図柄となっており、したがって、昼間型図柄への変化は、演出効果と共に、昼間型遊技状態に移行することを遊技者に報知する機能も奏する。
(8)昼間型遊技状態への移行後に、別の遊技球が中上入賞口43に入球すると、その遊技球は、上記の昼間型遊技状態への移行の場合と同様に、球誘導路413P内を通って下方へ落下し、ドラム414の内槽414Nの入球口414H(受球位置)に入球して、係合片423を解除体勢としながら、回転体432のもう一方の球収容部432L内に収容される。このとき、回転体432の上端部に位置する球収容部432Lは、下端部の排球位置に位置する球収容部432Rと左右対称をなすように形成されている。即ち、両球収容部432R、432Lはフリップ432Fの軸支端縁432Xに関して線対称となるように形成されている。したがって、昼間型遊技状態への移行後に球収容部432L内に収容された遊技球は、前述のように遊技球がドラム414内で右側を通るように案内される場合とは左右対称の軌道を描くようにして、即ち、ドラム414の内槽414Nにおける内周面の左側半分に沿って上端から下端部まで案内される。この過程において、フリップ432Fが再び反転して、夜間型図柄が表示される。
下端部まで案内された遊技球は、球排出部413Eの左室C1の上方に到達し、前記と全く同様に、左側の案内リブG1の上端縁に沿って後下方に案内されつつ、排球口414Lから排出されていく。案内リブG1を含め、左室C1は右室C2と左右対称に構成されており、遊技球は、右側の場合と全く同様に、案内リブG1上を移動することにより、回転体432と排球口414Lとを跨ぐ体勢に保持されつつ排出されていく。このとき、規制ピン432Pは規制溝414Gの左端に位置して回転体432の左回り(反時計回り)方向の回転は規制され、回転体432は左回り方向の限界位置にあるが、前記右側の場合と全く同様に、遊技球が回転体432と排球口414Lとを跨ぐ体勢に保持されつつ排出されることにより、回転体432が遊技球によりロックされて排球位置に保持され、バウンド動作が抑止される。
左側の案内リブG1の上端縁に沿って後下方に案内された遊技球は、後方で裏側カバー429の突出部429Eにおける左区画429Lの内面に行当って下方へ案内され、排球センサ427の左側の検出部427Lにより検知されながら、センタ役物41から下方へ排出されていく。また一方で、係合片423が昼間型遊技状態への移行の場合と同様にして係合体勢に復帰し、この時点で上端に復帰している球収容部432Rの内壁に係合し、これにより回転体432が引き続き排球位置にロックされる。即ち、回転体432及び係合片423は、前述のように遊技球が中上入賞口43に入球して昼間型遊技状態に移行するより以前の状態に復帰してこの状態に保持される。
(9)遊技球が上述のようにドラム414内で左側を通るように案内され、左側通路から排出されると、左側連絡通路を通り、下方に配置された左リンク機構L3に案内される。左リンク機構L3においては、図21(A)に示されたように、左側連絡通路に案内されて上方から入球してきた遊技球M11は、図21(B)に示されたように、第12アームR12の先端に載って自重により第12アームR12を押し下げ、第12アームR12はリンク機構により第13アームR13を介して第14アームR14の先端を押し下げ、第14アームR14の先端は左中可変入賞装置56Bの可動翼56Tを開放するように駆動する。
遊技球M1が左側連絡通路から下方に案内されて左リンク機構L3を通過すると、左リンク機構L3が作動して、左中可変入賞装置56Bの可動翼(チューリップ)56Tが開放される。これによって、左中可変入賞装置56Bが入賞許可状態に移行し、遊技機10は、遊技球が比較的に入賞し易い小利益遊技状態に移行する。以下において、左中可変入賞装置56Bが入賞許可状態に移行した後であって昼間型遊技状態へ移行するまでの遊技状態を「夜間型遊技状態」と称す。
夜間型遊技状態への移行によって開放される左中可変入賞装置56Bには、上述のように前面に「星」を模した装飾が施されており、一方、この時点ではセンタ役物41における回転体432の前面には夜間型図柄が表示されているが、夜間型図柄は「星」と関連する内容の図柄となっており、したがって、夜間型図柄への変化は、演出効果と共に、夜間型遊技状態に移行することを遊技者に報知する機能も奏する。
以上で説明したように、センタ役物41は、中上入賞口43に入球した遊技球を右下方向と左下方向とに交互に案内する。この案内方向に応じて、「太陽」の装飾を有する5つの可変入賞装置46,49B,55B,47B,48Bに連結された右リンク機構L1及び下リンク機構L2と、「星」の装飾を有する左中可変入賞装置56Bに連結された左リンク機構L3とが交互に作動することで、大利益遊技状態への移行と小利益遊技状態への移行とが交互に行われる。
遊技機100の背面側の構成について説明する。図22は、遊技機の一例を表す背面図である。遊技機100にはその背面(内枠及び遊技盤200の背面)において、各種の制御装置や中継装置が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねて配置されている。なお、遊技盤200の背面に設けられる各種の装置については遊技盤200の説明に付随して説明したために、それら以外の構成についてのみ詳細に説明する。
各種の制御装置を2つの取付台に分けて搭載してユニット化し、それらを個別に内枠セット12又は遊技盤200の裏面に装着するようにしている。具体的には、主制御装置920、電源監視装置910(図7参照)及びサブ制御装置940(図7参照)がユニット化され、払出制御装置930及び電源・発射制御装置900及びカードユニット中継装置950がユニット化されている。また、払出装置358及び保護カバー351も別途にユニット化されている。各ユニットは、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されている。これによって、各ユニットやその他の構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することができる。
払出制御装置930は、払出装置358による賞球の払い出しや貸球の貸し出しを制御する。払出制御装置930は、主制御装置920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止されている。電源・発射制御装置900は、遊技者による発射操作装置170の操作に基づく遊技球の射出を主制御装置920と協同して制御する。また、電源・発射制御装置900は、外部電力を各種の制御装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する。また、カードユニット中継装置950は、球貸操作装置130(図1参照)及びカードユニットに電気的に接続され、球貸操作装置130とカードユニットとの間の信号を中継したり、カードユニットと払出制御装置930との間の信号を中継したりする。カードユニットを介さずに外部の球貸装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される遊技機(通称、現金機)では、カードユニット中継装置950は不要である。
背面セット104は、内枠セットに開閉自在に支持された裏パック351と、裏パックに設けられ、遊技球を払い出したり貸し出したりする払出装置358と、払出装置358から放出される遊技球を貯留する払出機構部352とを備えている。
裏パック351は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、遊技機100の後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された形状をなし、少なくともセンタ役物41を囲むのに十分な大きさを有する(但し本形態では、サブ制御装置940も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。これによって、主制御装置920及びサブ制御装置940における発熱の放熱性を向上させている。なお、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることもできる。
裏パック351のベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、タンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、更にタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。タンクレール356とケースレール357との接続部の近傍にはタンク355及びタンクレール356に遊技球が補給されているか否かを検出する貯留球スイッチ363(図23参照)が設けられている。払出装置358は、ケースレール357の最下流部に設けられ、払出計数スイッチ362(図23参照)による払出個数を監視しながら払出モータ361等の所定の電気的に駆動される構成により必要個数の遊技球の払い出しを適宜に行う。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示せず)等を通して上皿140に供給される。タンクレール356と、タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360とは一体的にユニット化されており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じたとしても、バイブレータ360を駆動することで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置930から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継装置381が設置されると共に、電源・発射制御装置900への外部電力の取り込みを制御する電源スイッチ382が設置されている。電源スイッチ382には、所定の外部電力(本形態では交流24V)が供給されており、遊技機100は電源スイッチ382がオン状態へ移行した場合に通電状態へ移行することとなり、逆に、電源スイッチ382がオン状態へ移行した場合には停電状態へ移行することとなる。
(遊技機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、遊技機100の電気的構成について説明する。図23は、遊技機100の電気的構成を表すブロック図である。遊技機100は、電源・発射制御装置900、電源監視装置910、主制御装置920、払出制御装置930、サブ制御装置940等の制御装置を備えている。なお、図23には、各種の信号を中継するだけの回路装置については省略している。以下に、これらの主要な装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御装置900は、遊技機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置170の操作に応じて発射装置150の駆動を制御する発射制御部902と、強制初期化スイッチ107や球溢れスイッチ164の作動状態に応じてそれらから出力される強制初期化信号や球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧の電力(例えば、直流12ボルト)、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧の電力(例えば、直流5ボルト)、RAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を生成して、電源監視装置910、主制御装置920、払出制御装置930、サブ制御装置940等に供給する。具体的には、電源監視装置910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、主制御装置920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が電源監視装置910の電力中継部411を介して供給され、払出制御装置930及びサブ制御装置940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が直接的に供給され、発射制御部902に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。電源部401には、電源スイッチ382が接続されており、電源スイッチ382がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ382をオフ状態にしたり、電源スイッチ382を介して電源部401に接続される電源プラグを外部電力供給コンセントから抜脱したりすることによって遊技機100の内部への電力の供給が停止する場合や、外部電力自体の供給が停止する場合を「停電状態」と総称する。なお、電源部401は、停電状態の発生後においても所定の期間にわたり所定の電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御装置920及び払出制御装置930は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、球送りソレノイド151及び発射ソレノイド152の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド151及び発射ソレノイド152が駆動されることによって遊技球の実際に射出される。球送りソレノイド151及び発射ソレノイド152は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル172に触れていることが接触センサ174からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ175が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御装置920に出力する。また、発射許可信号と、発射異常信号に基づいて主制御装置920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射装置150に出力する。これにより発射装置150は発射ソレノイド制御信号に応じて発射ソレノイド152を駆動し、その結果、発射ハンドル172の回転操作量(可変抵抗器173の抵抗値)に応じた強さで遊技球が発射される。
信号中継部903は、強制初期化スイッチ107が押下された場合に、主制御装置920へオン状態の強制初期化信号を出力する。なお、主制御装置920においては、オン状態の強制初期化信号の受信に応じて主制御装置920のRAMに保存された保存情報が初期化されることとなる。また、信号中継部903は、球溢れスイッチ107が遊技球を検出した場合に、主制御装置920へオン状態の球溢れ信号を出力する。なお、主制御装置920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御装置930に低速払出信号を出力することとなり、低速払出信号を受信した払出制御装置930は、払出装置382からの遊技球の払出速度を低速化させることとなる。逆に、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御装置930に高速払出信号を出力することとなり、低速払出信号を受信した払出制御装置930は、払出装置382からの遊技球の払出速度を高速化させることとなる。
停電監視装置910は、電源・発射制御装置900からの電力供給状態を監視し、停電状態の発生に応じて、主制御装置920及び払出制御装置930へ停電信号を出力する停電監視部911と、電源・発射制御装置900と主制御装置920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電の発生と判断して、オン状態の停電信号を主制御装置920及び払出制御装置930へ出力する。主制御装置920及び払出制御装置930は、オン状態の停電信号の受信によって停電の発生を認識することとなる。
主制御装置920は、遊技機100の動作を統括的に制御する。主制御装置920には、1チップマイコンとしてのMPUが搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPUと、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROMと、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAMとを含んでいる。主制御装置920には、その他、タイマ回路、カウンタ回路、クロック発生回路、信号送受信回路などの各種回路が搭載されている。主制御装置920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板400からバックアップ電圧の電力供給によって内部データを保持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御装置930は、主制御装置920からの指示に応じた遊技球の払い出し動作や球貸操作装置130の操作に応じた遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御装置930は、主制御装置920と同様に、1チップマイコンとしてのMPU、タイマ回路、カウンタ回路、クロック発生回路、信号送受信回路などの各種回路が搭載されている。払出制御装置920のMPUを構成するRAMも、停電状態においても内部データを保持できる構成となっている。
サブ制御装置940は、主制御装置920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。
主制御装置920によって実行される制御について説明する。主制御装置920で実行される制御は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では1ms(ミリ秒)」周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。以下においては、便宜上、タイマ割込み処理について説明し、その後メイン処理について説明する。
図24はタイマ割込み処理を示したフローチャートである。タイマ割込み処理では、まず、割込み制御の開始における処理を各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(「割込み開始処理」S1001)。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値を設定する。その後に、実質的な遊技機の制御に係る処理が順次実行される。
割込み開始処理S1001の後に、発射制御信号及び球送り制御信号が主制御装置920の外部に出力される(「発射関連信号出力処理」S1002)。具体的には、発射出力用バッファ(RAMの一部の領域)に格納された発射ソレノイド駆動フラグ(発射ソレノイド駆動情報の一種)及び球送りソレノイド駆動フラグ(球送りソレノイド駆動情報の一種)が発射関連信号用の信号送信回路(信号送受信回路の一種)に出力される。発射ソレノイド駆動フラグは、発射ソレノイド152の駆動状態(作動状態又は停止状態)を識別する1ビット情報であって、発射制御処理S1008において、発射ソレノイド152を作動させる場合に設定され、発射ソレノイドを停止させる場合に解除される。また、球送りソレノイド駆動フラグは、球送りソレノイド152の駆動状態(作動状態又は停止状態)を識別する1ビット情報であって、発射制御処理S1008において、球送りソレノイド151を作動させる場合に設定され、球送りソレノイド151を停止させる場合に解除される。本形態においては、発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグと共に他の後述する各種のフラグを含め、フラグが設定されている場合にはその値は「1」であり、フラグが解除されている場合にはその値は「0」であることを意味することとする。なお、本発明においては駆動状態とフラグの値の組合せを逆の構成とすることもできる。発射ソレノイド駆動フラグが設定されている場合及び発射ソレノイド駆動フラグが解除されている場合には、それぞれ、発射関連信号用の信号送信回路からオン状態の発射制御信号及びオフ状態の発射制御信号が主制御装置920の外部に出力され、球送りソレノイド駆動フラグが設定されている場合及び球送りソレノイド駆動フラグが解除されている場合には、それぞれ、発射関連信号用の信号送信回路からオン状態の球送り制御信号及びオフ状態の球送り制御信号が主制御装置920の外部に出力される。発射制御信号及び球送り制御信号の出力状態は次回のタイマ割込み処理まで維持される。本形態においては、発射制御信号及び球送り制御信号を含め各種の制御信号の出力状態(オフ状態及びオン状態)は、その出力電圧の相違によって識別されることとするが、各種の制御信号はアクティブな状態において電圧が高い状態であってもよいし、アクティブな状態において電圧の低い状態であってもよい。なお、本発明においては、波形等によって識別される状態であってもよい。発射制御信号及び球送り制御信号は電源監視装置910及び電源・発射制御装置900の発射制御部を介して発射装置150に入力され、その入力に基づいて、発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151が駆動される。具体的には、オン状態の発射制御信号が入力されると、発射ソレノイド152が停止状態である場合には作動状態に移行され、既に作動状態である場合にはその状態を維持する。逆に、オフ状態の発射制御信号が入力されると、発射ソレノイド152が既に停止状態である場合にはその状態を維持し、作動状態である場合には停止状態に移行される。
発射関連信号出力処理S1002の後に、払出制御装置930やサブ制御装置940へのデータ信号(コマンド信号)の送信制御に用いられるストローブ信号及び遊技機の設置ホールの管理コンピュータ等の外部装置(図示せず)へ所定の情報を提供するために用いられる外部報知信号が外部出力される(「送信制御・外部報知の信号出力処理」S1003)。具体的には、送信制御・外部報知出力バッファ(RAMの一部の領域)に格納された払出系用ストローブ制御フラグ、サブ系用ストローブ制御フラグ、不正検知フラグ、入賞フラグ、小利益状態移行フラグ、大利益状態移行フラグ及びセンタ役物入球フラグの設定状態に応じた情報が送信制御・外部報知信号用の信号送信回路に出力される。送信制御・外部報知信号用の送受信回路からの出力制御は上記の発射関連信号用の信号送受信回路の場合と同様である。
送信制御・外部報知の信号出力処理S1003の後に、電源監視装置910の電源監視部911から出力されている停電信号の入力状態を検出し、その検出結果に基づいて停電状態であるか否かが検知され、停電状態である場合には停電発生情報(RAMの一部の領域)に所定の停電状態値が設定され、停電状態でない通電状態の場合には停電情報に停電状態値と異なる所定の通電状態値が設定される(「停電情報更新処理」S1004)。具体的には、所定の回数(本形態では2回)のタイマ割込みにおいてオン状態の停電信号を連続して検出した場合に、停電状態であると認定されて停電フラグに所定の値が設定される。
停電情報更新処理S1004の後に、不正が検知されているか否かが判定される(S1005)。具体的には、不正検知情報が不正発生を表す所定の不正発生値であるか否かが判定される。不正検知情報は、通常は不正発生値と異なる所定の値であるが、磁気センサ監視処理S1009において磁気センサ430の感知に基づく不正が検知された場合及びスイッチ監視処理S1007の後述するセンタ役物入球処理S1108(図26参照)において所定の遊技停止監視期間における入球スイッチ11の感知に基づく不正が検知された場合に不正発生値に変更される。
判定処理S1005において不正が検知されていないと判定された場合(S1005:N)には、主制御装置920に接続されている各種のスイッチの出力状態がスイッチ信号用の信号受信回路(信号送受信回路の一種)から入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、スイッチごとに、今回のタイマ割込みで読み込まれたその出力状態(以下、「今回の出力状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで読み込まれた出力状態(以下、「前回の出力状態」と略記する)と、前々回のタイマ割込みで読み込まれた出力状態(以下、「前々回の出力状態」と略記する)とに基づいて出力状態の変更が検知され、その検知後に、次回のタイマ割込みにおける出力状態の変更の検知のために、今回の出力状態及び前回の出力状態が、それぞれ、前回の出力状態及び前々回の出力状態として循環的に更新保存される(「スイッチ読込処理」S1006)。具体的には、各スイッチに対して、前々回の出力状態がオフ状態であり、前回の出力状態及び今回の出力状態の双方がオン状態である場合にオン状態移行と検知されてスイッチの種類に応じたオン移行フラグ(RAMの一部の領域)が設定され、前回の出力状態を保持する前回オン状態フラグ(RAMの一部の領域)及び前々回オン状態フラグ(RAMの一部の領域)が更新(設定又は解除)される。複数回のタイマ割込みにおけるスイッチの出力状態に基づいて出力状態や出力状態の変更を検知することによってノイズ耐性を向上させることができる。このように複数回にわたる出力状態のパターンに応じて出力状態や出力状態の変更を検知する処理は一般的にフィルタリング処理と称される。本形態においてはソフトウェア的にフィルタリング処理を行うが、本発明においてはハードウェア的にフィルタリング処理を行う構成であってもよいし、フィルタリング処理を行わない構成であってもよい。
スイッチ読込処理S1006において、具体的には、中央可変入賞口スイッチ13、左中可変入賞口スイッチ14、左下可変入賞口スイッチ15、中下可変入賞口スイッチ16、右中可変入賞口スイッチ17、右下可変入賞口スイッチ18、左普通入賞口スイッチ19L、右普通入賞口スイッチ19R、入球スイッチ11、左ゲートスイッチ12L及び右ゲートスイッチ12Rの出力状態が読み込まれる。更に、本形態においては、払出制御装置930を介して前面枠スイッチ109の出力状態も読み込まれる。なお、本スイッチ読込処理S1006においては、強制初期化スイッチ107の出力状態は読み込まれない。
スイッチ読込処理S1006の後に、スイッチ読込処理S1006における各種のスイッチのオン移行フラグの状態に応じた個別の処理が順次に実行される(「スイッチ監視処理」S1007)。ここで、スイッチ監視処理S1007について図25を参照しながら説明する。図25は、スイッチ監視処理S1007の一例を表すフローチャートである。
スイッチ監視処理S1007において、まず、中央可変入賞口スイッチ13のオン移行フラグが設定されている場合には、入賞個数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、中央可変入賞コマンドがリングバッファ(RAMの一部の領域)に格納される(「中央可変入賞処理」S1101)。なお、中央可変入賞コマンドを含めリングバッファに格納された各種のコマンドは、主制御装置920のメイン処理におけるサブ系情報出力処理S1305においてサブ制御装置940に出力されることとなる。中央可変入賞処理S1101の後に、左中可変入賞口スイッチ18のオン移行フラグが設定されている場合には、入賞個数カウンタの値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、左中可変入賞コマンドがリングバッファに格納される(「左中可変入賞処理」S1102)。左中可変入賞処理S1102の後に、左下可変入賞口スイッチ17のオン移行フラグが設定されている場合には、入賞個数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、左下可変入賞コマンドがリングバッファに格納される(「左下可変入賞処理」S1103)。左下可変入賞処理S1103の後に、中下可変入賞口スイッチ14のオン移行フラグが設定されている場合には、入賞個数カウンタの値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、中下可変入賞コマンドがリングバッファに格納される(「中下可変入賞処理」S1104)。中下可変入賞処理S1104の後に、右中可変入賞口スイッチ16のオン移行フラグが設定されている場合には、入賞個数カウンタの値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、右中可変入賞コマンドがリングバッファに格納される(「右中可変入賞処理」S1105)。右中可変入賞処理S1105の後に、右下可変入賞口スイッチ15のオン移行フラグが設定されている場合には、入賞個数カウンタの値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、右下可変入賞コマンドがリングバッファに格納される(「右下可変入賞処理」S1106)。
右下可変入賞処理S1106の後に、左普通入賞口スイッチ19Lのオン移行フラグが設定されている場合には、入賞個数カウンタの値が現在値に「1」だけ加算した値に更新されると共に普通入賞個数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、また、右入賞口スイッチ19Rのオン移行フラグが設定されている場合には、入賞個数カウンタ及び普通入賞個数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新される(「普通入賞処理」S1107)。
普通入賞処理S1107の後に、入球スイッチ11のオン移行フラグの状態に応じて、センタ役物入球処理S1108が実行される。ここで、センタ役物入球処理S1108について詳細に説明する。図26は、センタ役物入球処理の一例を表すフローチャートである。
センタ役物入球処理S1108において、図26に示されたように、まず、入球スイッチ11のオン移行フラグが設定されているか否かが判定される(S101)。入球スイッチ11のオン移行フラグが設定されていない場合には実質的にいかなる処理も実行せずにセンタ役物入球処理S1108が終了する。入球スイッチ11のオン移行フラグが設定されている場合(S101:Y)には、遊技停止監視タイマT1(「タイマT1」とも略記する)が「0」(基準値)であるか否かが判定される(S102)。遊技停止監視タイマT1は、振動センサ10による所定の条件を満たす振動の検知に基づいて作動するタイマである。遊技停止監視タイマT1が「0」である場合は、所定の条件を満たす振動が検知されていない状態や、所定の条件を満たす振動が検知されたが所定の遊技停止監視期間が終了している場合を意味し、遊技停止監視タイマT1が「0」でない場合は、所定の条件を満たす振動が検知され、所定の遊技停止監視期間が終了していない場合を意味する。なお、遊技停止監視タイマT1は、振動センサ監視処理S1010において設定される。遊技停止監視タイマT1が「0」である場合(S102:Y)には、入球個数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新される(「入球個数更新処理」S103)。入球個数更新処理S102の後に、入球コマンドがリングバッファに格納される(「入球コマンド設定処理」S104)。
判定処理S102において遊技停止監視タイマT1が「0」以外であると判定された場合(S102:N)には、不正検知情報に所定の不正発生値が設定される(「不正検知情報更新処理」S105)。不正検知情報更新処理S105の後に、送信制御・外部報知出力バッファの不正検知フラグが設定される(「不正報知設定処理」S106)。なお、不正検知フラグが設定されると、次回のタイマ割込み処理の送信制御・外部報知の信号出力処理S1003(図24参照)において遊技機の外部の監理コンピュータ等にオン状態の不正検知信号が出力され、一旦停電状態に移行させるまで不正検知信号のオン状態が維持されることとなる。不正報知設定処理S106の後に、発射出力用バッファの発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグが解除され(「発射関連情報設定処理」S107)、停止状態の発射制御信号及び停止状態の球送り制御信号が主制御装置920の外部に出力される(「発射関連信号出力処理」S108)。なお、発射関連信号出力処理S108は、発射関連信号出力処理S1002(図24)と実質的に同一の処理である。これによって、発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151が強制的に停止状態に移行することとなり、遊技進行が強制的に停止される。なお、不正検知情報更新処理S105において不正検知情報に所定の不正発生値が設定された後は、判定処理S1005(図24参照)において不正検知と判定されることとなり(S1005:Y)、発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151の駆動状態を更新する発射制御処理S1008(図24参照)がスキップされることによって、一旦停電状態へ移行するまで発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151の停止状態が維持される。また、不正振動誘導検知コマンドがサブ制御装置940に出力される(「不正振動誘導検知コマンド出力処理」S109)。これによって、不正振動誘導を検知したことを表す報知が発光装置121〜125及び音響装置180において開始されることとなる。なお、この報知も一旦停電状態へ移行するまで継続される。
センタ役物入球処理S1108の後に、図25に示されたように、左ゲートスイッチ12Lのオン移行フラグが設定されている場合には、左ゲート通過個数カウンタの値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、左ゲート通過コマンドがリングバッファに格納される(「左ゲート通過処理」S1109)。左ゲート通過処理S1108の後に、右ゲートスイッチ12Rのオン移行フラグが設定されている場合には、右ゲート通過個数カウンタの値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、右ゲート通過コマンドがリングバッファに格納される(「右ゲート通過処理」S1110)。
中央可変入賞処理S1101から右ゲート通過処理S1110で構成されるスイッチ監視処理S1007の後に、図24に示されたように、発射装置150における発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151の駆動を制御するための発射関連情報が設定される(「発射制御処理」S1008)。具体的には、発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグの状態が更新される。ここで、発射制御処理S1008について、詳細に説明する。図27は、発射制御処理の一例を表すフローチャートである。
発射制御処理S1108において、図27に示されたように、まず、発射操作装置170からの発射許可信号がオン状態であるか否かが判定される(S1201)。発射許可信号の出力状態は、発射ハンドル172が所定の角度以上の角度だけ回転されており、接触センサ174が遊技者との接触を感知しているオン状態であり、かつ、発射停止スイッチ175が操作されていない場合にオン状態であり、その他の場合はオフ状態である。また、発射停止信号(異常信号2)がオン状態であるか否かが判定される(S1202)。通常の遊技中においては、発射許可信号はオン状態を維持し、発射停止信号はオフ状態を維持している。発射許可信号がオン状態であり、かつ、発射停止信号がオフ状態であると判定された場合には、発射周期タイマ(RAMの一部の領域)の値が、「0」であるか否かが判定される(S1203)。発射周期タイマは、遊技球の発射間隔を規制するためのタイマであって、通常、その値が「0」であれば連続する2回の発射間隔期間の狭間を意味し、その値が「0」以外であれば発射間隔期間内であることを意味している。なお、本判定処理S1203では、発射操作装置170が操作されたまま停電状態から復帰するような特殊な場合を除き、発射周期タイマの値が「0」であると判定されることはない。
発射周期タイマの値が「0」でない場合には、その値が現在値から「1」だけ減算された値に更新される(「発射周期タイマ更新処理」S1204)。発射周期タイマ更新処理S1204の後に、再度、発射周期タイマが「0」であるか否かが判定される(S1205)。なお、本判定処理S1205では、発射周期タイマの値が「0」であれば今回の発射間隔期間の終端であることを意味している。判定処理S1205において発射周期タイマが「0」であると判定された場合には、今回の発射間隔期間が終了するために次回の発射間隔期間における発射制御の準備として、球送りタイマの値が所定の規定値(本形態では、約74msに相当する「74」)に設定され(「球送りタイマ設定処理」S1206)、また、発射タイマの値が所定の規定値(本形態では、約12msに相当する「12」)に設定される(「発射タイマ設定処理」S1207)。ここで、球送りタイマは球送りソレノイド151の作動期間を決定するタイマであり、発射タイマは発射ソレノイド152の作動期間を決定するタイマである。球送りタイマ設定処理S1206及び発射タイマ設定処理S1207の後に、次回の発射間隔期間における発射制御の準備として、発射周期タイマの値が所定の規定値(本形態では、約602msに相当する「602」)に設定される(「発射周期タイマ設定処理」S1208)。
判定処理S1205において発射周期タイマが「0」でないと判定された場合(S1205N)には、今回の発射間隔期間は終了しないために、球送りタイマ設定処理S1206、発射タイマ設定処理S1207及び発射周期タイマ設定処理S1208がスキップされる。
判定処理S1201において発射許可信号がオン状態でないと判定された場合(S1201:N)、判定処理S1202において発射停止信号がオン状態であると判定された場合(S1202:Y)、判定処理S1203において発射周期タイマの値が「0」であると判定された場合(S1203:Y)のいずれかに該当するときには、発射周期タイマ更新処理S1204〜発射タイマ設定処理S1207がスキップされて、発射周期タイマ設定処理S1208が実行される。
その後、発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグが解除される(「発射関連情報解除処理」S1209)。発射関連情報解除処理S1209の後に、発射タイマの値が「0」であるか否かが判定されて(S1210)、発射タイマの値が「0」でない場合(S1210:N)には、発射ソレノイド152の作動期間中であるために、その値が現在値から「1」だけ減算した値に更新され(「発射タイマ更新処理」S1211)、発射ソレノイド駆動フラグ(図中は「発射フラグ」と略記)が設定される(「発射フラグ設定処理」S1212)。一方、発射タイマの値が「0」である場合(S1210:Y)には、発射タイマ更新処理S1211及び発射フラグ更新処理S1212がスキップされて、発射タイマは「0」を維持し、発射ソレノイド駆動フラグは発射関連情報解除処理S1209における解除に伴いその解除状態を維持することとなる。引き続き、球送りタイマの値が「0」であるか否かが判定されて(S1213)、球送りタイマの値が「0」でない場合(S1213:N)には、球送りソレノイド151の作動期間中であるために、その値が現在値から「1」だけ減算した値に更新され(「球送りタイマ更新処理」S1214)、球送りソレノイド駆動フラグ(図中は「球送りフラグ」と略記)が設定される(「球送りフラグ設定処理」S1215)。一方、球送りタイマの値が「0」である場合(S1213:Y)には、球送りタイマ更新処理S1211及び球送りフラグ更新処理S1212がスキップされて、球送りタイマは「0」を維持し、発射ソレノイド駆動フラグは発射関連情報解除処理S1209における解除に伴いその解除状態を維持することとなる。発射制御処理S1008で更新された発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグの情報に基づいて、次回のタイマ割込み処理における発射関連信号出力処理S1002(図24参照)によって発射制御信号及び球送り制御信号が主制御装置920から出力される。
タイマ割込み処理が繰り返し実行されることによって、発射間隔が約602msに規制される。また、発射間隔期間の始端から約74msの間に渡ってオン状態の球送り制御信号が出力されて球送りソレノイド151の作動状態が維持され、その後、発射間隔期間の終端までその停止状態が維持される。また、発射間隔期間の始端から約12msの間に渡ってオン状態の発射制御信号が出力されて発射ソレノイド152の作動状態が維持され、その後、発射間隔期間の終端までその停止状態が維持される。これによって、発射間隔期間に1球の遊技球が発射装置150から射出される。
発射制御処理S1008の後に、図24に示されたように、磁気センサ430からの磁気センサ信号が監視され、磁気センサ信号に基づいて不正が検知される(「磁気センサ監視処理」S1009)。具体的には、磁気を検出していないことを表すオフ状態の磁気センサ信号が検知されてからその後50回のタイマ割込みにおいて連続してオン状態の磁気センサ信号が検知された場合に不正磁気誘導と検知されて、図26に示された不正検知情報更新処理S105〜発射関連信号出力処理S108と実質的に同一の処理が実行される。これによって、発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151が強制的に停止状態に移行することとなり、遊技進行が強制的に停止される。また、磁気センサ監視処理S1009においては、不正振動誘導検知コマンドに代えて不正磁気誘導検知コマンドがサブ制御装置940に出力され、不正磁気誘導を検知したことを表す報知が発光装置121〜125及び音響装置180において開始されることとなる。遊技進行の強制停止状態及び不正磁気誘導の報知状態は一旦停電状態に移行させるまで継続する。
磁気センサ監視処理S1009の後に、振動センサ10からの振動センサ信号が監視され、振動センサ信号に基づいて不正振動誘導が検知される(「振動センサ監視処理」S1010)。ここで、振動センサ監視処理S1010について説明する。図28は、振動センサ監視処理の一例を表すフローチャートである。
振動センサ監視処理S1010において、図28に示されたように、まず、遊技停止監視タイマT1(図中では「タイマT1」と略記)の値が所定の基準値(本形態では「0」)であるか否かが判定され(S201)、遊技停止監視タイマT1の値が基準値でない場合(S201:N)には、遊技停止監視タイマT1の値が現在値から「1」だけ減じた値に更新され(「タイマT1更新処理」S202)、一方、遊技停止監視タイマT1の値が基準値である場合(S201:Y)には、タイマT1更新処理S202がスキップされて基準値が維持される。タイマT1更新処理S201の後に、前面枠開閉状態フラグF2(図中では「フラグF2」と略記)が解除されているか否かによって前面枠セット103が閉鎖状態であるか開放状態であるかが判定される(S203)。ここで、前面枠開閉状態フラグF2は、前面枠スイッチ109からの前面枠スイッチ信号の出力状態に基づいて前面枠セット103の開閉状態を表すフラグであり、スイッチ読込処理S1006において、オン状態の前面枠スイッチ信号が検知されている前面枠セット103の開放状態において設定され、オフ状態の前面枠スイッチ信号が出力されている前面枠セット103の閉鎖状態において解除される。
判定処理S203において前面枠開閉状態フラグF2が設定されていると判定された場合(S203:N)には、振動センサ10からの振動センサ信号がオン状態であるか否かによって振動検知状態であるか否かが判定される(S204)。振動センサ信号がオン状態である場合(S204:Y)には、振動検知カウンタC1(図中では「カウンタC1」と略記)の値が現在値に所定の振動検知値(本形態では「3」)だけ加算した値に更新される(「カウンタC1更新処理」S205)。カウンタC1更新処理S205の後に、振動検知カウンタC1の値が規定最大値(本形態では、「255」)以上であるか否かが判定され(S206)、規定最大値を越えている場合には、振動検知カウンタC1が規定最大値に設定され(「カウンタC1設定処理」S207)、規定最大値を越えていない場合には、カウンタC1設定処理S206がスキップされて更新値が維持される。
一方、判定処理S204において振動センサ信号がオフ状態であると判定された場合(S204:N)には、振動検知カウンタC1の値が基準値(本形態では「0」)であるか否かが判定される(S208)。振動検知カウンタC1の値が基準値でない場合(S208:N)には、振動検知カウンタC1の値が、現在値から所定の非振動検知値(本形態では「1」)だけ減算した値に更新される(「カウンタC1更新処理」S209)。カウンタC1更新処理S209の後に、更新後の振動検知カウンタC1の値が基準値であるか否かが判定される(S210)。更新後の振動検知カウンタC1の値が基準値である場合(S210:N)には、振動検知フラグF1(図中では「フラグF1」と略記)が解除されているか否かが判定される(S211)。振動検知フラグF1が解除されていない場合、つまり、振動検知フラグF1が設定されている場合(S211:N)には、振動検知フラグF1が解除され(「フラグF1解除処理」S212)、過剰振動報知停止コマンドが主制御装置920からサブ制御装置940に出力され(「過剰振動報知停止コマンド出力処理」S213)、また、振動検知カウンタC1が基準値に設定される(「カウンタC1設定処理」S214)。
判定処理S211において振動検知フラグF1が解除されていると判定された場合(S211:Y)には、フラグF1解除処理S212〜カウンタC1設定処理S214がスキップされる。また、判定処理S210において振動検知カウンタC1の値が基準値でないと判定された場合(S210:Y)には、判定処理S211〜カウンタC1設定処理S214がスキップされる。また、判定処理S208において振動検知カウンタC1が基準値であると判定された場合(S208:Y)には、カウンタC1更新処理S209〜カウンタC1設定処理S214がスキップされる。
判定処理S203において前面枠開閉状態フラグF2が設定されていると判定された場合(S203)には、振動検知カウンタC1が強制的に解除される(「カウンタC1解除処理」S215)。具体的には、振動検知カウンタC1が基準値(「0」)に設定される。カウンタC1解除処理S215の後に、振動検知フラグF1が解除されているか否かが判定され(S216)、振動検知フラグF1が設定されている場合(S216:N)には、振動検知フラグF1が解除され、過剰振動報知停止コマンドが主制御装置920からサブ制御装置940に出力される。一方、振動検知フラグF1が設定されている場合(S216:N)には、フラグF1解除処理S217及び過剰振動報知停止コマンド出力処理S218がスキップされる。
カウンタC1設定処理S207,S214等の後に、図29に示されたように、振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値(本形態では「90」)未満であるか否かが判定される(「過剰振動判定処理」S219)。振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値以上である場合(S219:N)には、振動検知フラグF1が設定されているか否かが判定され(S220)、振動検知フラグF1が設定されていない場合(S220:N)には、振動検知フラグF1が設定され(「フラグF1設定処理」S221)、また、過剰振動報知開始コマンドが主制御装置920からサブ制御装置940に出力される(「過剰振動報知開始コマンド出力処理」S222)。なお、サブ制御装置940では、過剰振動報知開始コマンドの受信に応じて、枠発光装置121〜125及び音響装置180を作動させて、それらに過剰振動の発生を報知させる。一方、振動検知フラグF1が設定されていると判定された場合(S220:Y)には、振動検知カウンタC1の値が過度振動閾値(本形態では「240」)未満であるか否かが判定され(「過度振動判定処理」S223)、その値が過度振動閾値以上である場合(S223:N)には、遊技停止監視タイマT1(図中には「タイマT1」と略記)の値が所定の規定値(本形態では1.5秒に相当する「1500」)に設定される(「タイマT1設定処理」S224)。一方、振動検知カウンタC1の値が過度振動閾値未満であると判定された場合(S223:Y)には、タイマT1設定処理S224がスキップされ、遊技停止監視タイマT1の値は維持される。遊技停止監視タイマT1に「0」以外の値が設定されている期間が遊技停止監視期間であり、遊技停止監視期間に入球スイッチ11が遊技球を感知した場合には、上述のように遊技進行が停止されることとなる。
判定処理S201〜タイマT1設定処理S224で構成される振動センサ監視処理S1010の後に、図24に示されたように、タイマ割込みの実行回数を表す割込み数(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新される(「割込み数更新処理」S1011)。割込み数更新処理S1011の実行によってタイマ割込み処理が終了する。
次に、主制御装置920によって実行されるメイン処理について説明する。図30は主制御装置のメイン処理(図中には「主制御メイン処理」と略記)の一例を表すフローチャートである。停電状態からの復帰に応じて実行されるメイン処理において、図30に示されたように、まず、主制御装置920を立ち上げるための処理や各種の情報を初期設定する処理が実行される(「制御開始処理」S1301)。ここで、制御開始処理S1301について詳細に説明する。図31は、制御開始処理の一例を表すフローチャートである。制御開始処理S1301において、図31に示されたように、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値が設定される(「プログラム開始処理」S1401)。プログラム開始処理S1401の後に、払出制御装置930及びサブ制御装置940等が立ち上がるまで、所定の時間だけ待機する(「周辺装置立上待機処理」S1402)。周辺装置立上待機処理S1402の後に、電源・発射制御装置900の強制初期化スイッチ107からの強制初期化信号がオン状態であるか否かによって、RAMに保持されている各種の情報を強制的に初期化するか否かが判定される(S1403)。強制初期化信号がオフ状態である場合(S1403:N)には、停電発生情報(RAMの一部の領域)が所定の停電発生値に設定されているか否かが判定される(S1404)。停電発生情報が停電発生値である場合(S1404:Y)には、前回の停電状態への移行時に制御終了処理S1413においてRAMの所定の領域のチェックサムの2の補数に対応するRAM判定値が算出されているために、RAMの同一の領域のチェックサムが算出されて、算出されたチェックサムとRAM判定値とに基づいて保持情報が正常に保持されているか否かが判定される(S1405)。保持情報が正常に保持されている場合(S1405:Y)には、停電発生情報が所定の基準値に更新され(「停電発生情報解除処理」S1406)、また、保持情報がRAMの所定の領域に復帰される(「保持情報復帰処理」S1407)。保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に復帰することとなる。但し、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していたとしても場合には、それらのエラー状態は全て解除される。
判定処理S1403において強制初期化信号がオン状態であると判定された場合(S1403:Y)、判定処理S1404において停電発生情報に停電発生値が設定されていないと判定された場合(S1404:N)及び判定処理S1405において保持情報が正常に保持されていない場合(S1405:N)には、RAMの保持情報が初期化され(「保持情報初期化処理」S1408)、また、初期化コマンドが主制御装置920から払出制御装置930及びサブ制御装置940の双方に出力される(「初期化コマンド出力処理」S1409)。初期化コマンドを受信した払出制御装置930及びサブ制御装置940の各々においては、所定の初期化処理が実行されることとなる。
保持情報復帰処理S1407及び初期化コマンド出力処理S1409の後に、タイマ割込み等の各種の割込み制御のモードが設定される(「割込みモード設定処理」S1410)。割込みモード設定処理S1410の後に各種の割込みが許可される(「割込み許可処理」S1411)。割込み許可処理S1411の終了によって制御開始処理S1301が終了する。
制御開始処理S1301は、停電状態からの復帰後において一度だけ実行され、その後は、図30に示されたように、停電状態へ移行しない限り繰り返し実行されるループ処理に移行する。
ループ処理において、まず、タイマ割込み等の各種の割込みが禁止される(「割込み禁止処理」S1302)。割込み禁止処理S1302の後に、不正検知情報が所定の不正発生値であるか否かによって不正が検知されているか否かが判定される(S1303)。不正が検知されていない場合(S1303:N)には、遊技機100の外部の監理コンピュータ等に送信される各種の外部報知信号の出力状態を制御するための各種の外部報知情報が状況に応じて更新される(「外部報知情報更新処理」S1304)。具体的には、センタ役物41の内部における右ゲートスイッチ12Rを遊技球が通過したこと、つまり、大利益状態へ移行したことを報知するための右ゲート通過報知フラグ(外部報知情報の一種)が右ゲート通過個数カウンタの値を参照して更新され、右ゲート通過個数カウンタの値が更新される。また、センタ役物41へ中上入賞口43を通して遊技球が進入したこと、つまり、大利益状態及び小利益状態を区別することなく利益状態へ移行したことを報知するためのセンタ役物入球報知フラグ(外部報知情報の一種)が入球個数カウンタの値を参照して更新され、入球個数カウンタの値が更新される。また、センタ役物41の内部における左ゲートスイッチ12Lを遊技球が通過したこと、つまり、小利益状態(夜間型遊技状態)へ移行したことを報知するための左ゲート通過報知フラグ(外部報知情報の一種)が左ゲート通過個数カウンタの値を参照して更新され、左ゲート通過個数カウンタの値が更新される。最後に、各種の一般入賞口を遊技球が通過したことを報知するための普通入賞報知フラグ(外部報知情報の一種)が普通入賞個数カウンタの値を参照して更新され、普通入賞個数カウンタの値が更新される。なお、外部報知情報の一種である不正検知フラグの更新は、センタ役物入球処理S1108における不正検知フラグ設定処理S106(図26参照)によって行われる。
外部報知情報更新処理S1304の後に、リングバッファに格納されている各種のコマンドが格納順に主制御装置920からサブ制御装置940に出力される(「サブ系情報出力処理」S1305)。サブ系情報出力処理S1305において、各種のコマンドの出力に伴い送信制御信号もサブ制御装置940に出力される。サブ系情報出力処理S1305の後に、入賞個数カウンタの値や各種の払出状態情報に基づいて各種のコマンドが主制御装置920から払出制御装置930に出力される(「払出系情報出力処理」S1306)。払出系情報出力処理S1306において、入賞コマンドの出力に伴い送信制御信号も払出制御装置930に出力される。なお、本形態においては、入賞時に払い出すべき遊技球の個数は入賞口の種類に依存せず同一であるために、1種類の入賞コマンドを入賞回数だけ出力するように制御しているが、入賞に応じて払出個数を算出して払出個数に応じて異なるコマンドを出力する構成であってもよい。また、本発明においては、入賞時に払い出すべき遊技球の個数が異なる複数種類の入賞口を備える構成であってもよく、この場合には、入賞口の種類ごとに異なる入賞コマンドを入賞回数だけ出力してもよいし、入賞に応じて払出個数を算出して払出個数に応じて異なるコマンドを出力してもよい。本形態においては、サブ系情報出力処理S1305及び払出系情報出力処理S1306が割込みによって中断されることがない様に、これらの処理は割込みを禁止した状態で実行している。これによって、サブ系情報出力処理S1305及び払出系情報出力処理S1306が簡素化できるからである。また、本形態においては、1回のループ処理のサブ系情報出力処理S1305及び払出系情報出力処理S1306において出力されるコマンドの総数が所定の個数(例えば、「4」)以下に規制されており、1回のループ処理が所定の時間(例えば、4ms)以内に終了するように構成されている。
払出系情報出力処理S1306の後に、タイマ割込み等の各種の割込みが許可される(「割込み許可処理」S1307)。割込み許可処理S1307の後に、払出制御装置930から出力される賞球計数信号(払出装置358から払い出される遊技球の払出計数スイッチ362による検出に応じた信号)の出力状態及び賞球計数信号の受信状況を監視する払出中タイマ(RAMの一部の領域)の値に基づいて賞球の払い出し状態が確認され、状況に応じて払い出し中であるか否かを識別する払出中フラグ(払出状態情報の一種)が更新され、また、払出フラグが設定された場合には払出開始コマンドがリングバッファに格納され、払出フラグが解除された場合には払出終了コマンドがリングバッファに格納される(「賞球払出状態監視処理」S1308)。なお、サブ制御装置940は、払出報知開始コマンドの受信によって枠発光装置121〜125による払出中の報知を開始させ、払出報知開始コマンドの受信によって払出中の報知を終了させることとなる。
賞球払出状態監視処理S1308の後に、払出制御装置930から出力される異常信号の出力状態に基づいて払出装置358における異常の発生や払出制御装置930に接続された内枠スイッチ108、前面枠スイッチ109、貯留球スイッチ363による異常の検出が確認され、状況に応じて払出関連の異常発生中であるか否かを識別する払出異常フラグ(払出状態情報の一種)が更新され、また、払出異常フラグが設定された場合にはリングバッファに払出異常発生コマンドが格納され、払出異常フラグが解除された場合にはリングバッファに払出異常解消コマンドが格納される(「払出異常監視処理」S1309)。なお、サブ制御装置940は、払出異常発生コマンドの受信によって枠発光装置121〜125や音響装置180による払出中の報知を開始させ、払出異常解消コマンドの受信によって払出中の報知を終了させることとなる。
賞球払出状態監視処理S1309の後に、球溢れスイッチ164の検出状態に基づく球溢れ信号の出力上体に基づいて下皿160における遊技球の貯留状態が確認され、状況に応じて下皿160が満タンあるか否かを識別する球溢れフラグ(払出状態情報の一種)が更新され、また、球溢れフラグが設定された場合にはリングバッファに球溢れ発生コマンドが格納され、球溢れフラグが解除された場合にはリングバッファに球溢れ解消コマンドが格納される(「下皿貯留状態監視処理」S13010)。なお、サブ制御装置940は、球溢れ発生コマンドの受信によって枠発光装置121〜125や音響装置180による下皿満タンの報知を開始させ、球溢れ解消コマンドの受信によって下皿満タンの報知を終了させることとなる。
判定処理S1303において不正が検知されている場合には、遊技進行の停止状態を維持するために外部報知情報更新処理S1304〜下皿貯留状態監視処理S1310がスキップされ、タイマ割込み等の各種の割込みを許可する処理(「割込み許可処理」S1311)のみが実行される。これによって、各種の情報が更新されたり周辺装置の状態が変更されたりすることを防止できる。また、割込み許可処理S1311を実行することによって停電信号の監視が継続できるために、遊技進行の停止状態を解除するために必要な停電状態への移行に際して、正常に制御処理を終了させることができることとなる。
下皿貯留状態監視処理S1310及び割込み許可処理S1311の後に、停電発生情報が停電発生値であるか否かによって停電状態に移行しているか否かが判定される(S1312)。停電状態に移行していない場合(S1312:N)には、タイマ割込みの割込み数が所定の値(本形態では「4」)であるか否かによって、前回のループ処理が終了してから所定の回数(本形態では4回)だけタイマ割込みが実行されたか否かが判定され(S1313)、所定の回数のタイマ割込みが実行されていない場合(S1313:N)には、判定処理S1312に戻る。これによって、停電状態への移行を監視しながら所定の回数のタイマ割込みが実行されるまで待つこととなり、ループ処理が一定時間間隔で実行されることとなる。一方、所定の回数のタイマ割込みが実行されたと判定された場合(S1313:Y)には、割込み数が基準値(本形態では「0」)に初期化され(「割込み数初期化処理」S1314)、その後、割込み禁止処理S1302に戻る。
判定処理S1312において停電状態へ移行していると判定された場合(S1312:Y)には、割込みが禁止され、停電状態へ移行したことを表す停電コマンドがサブ制御装置940に出力され、発射関連信号用の信号送信回路及び送信制御・外部報知信号用の信号送信回路の出力状態がオフ状態に設定され、RAMの所定の領域のチェックサムの2の補数に対応するRAM判定値RAMが算出される(「制御終了処理」S1315)。その後は、無限ループに入り、停電状態から復帰するまで待機することとなる。
(本発明に係る振動検知に関連する主たる構成)
本発明の主たる特徴部分である振動検知及びそれに基づく動作に関連する構成についてまとめて説明する。遊技機100は、上述のように、外枠101(〔外囲体〕の一種;図1〜図4参照)と、内枠セット102(〔基体ブロック〕の一種;図1〜図4参照)と、遊技盤200と、窓部(〔前面窓〕の一種;図1〜図4参照)を有する前面枠セット103(〔前面ブロック〕の一種;図1〜図4参照)と、振動センサ10(〔振動検出装置〕の一種;図7、図9、図23参照)と、発射装置150(〔遊技媒体射出装置〕の一種の一部;図22及び図23参照)と、発射操作装置170(図22参照)と、主制御装置920(図6及び図23参照)と、払出装置382(〔払出装置〕の一種;図22参照)と、払出制御装置930(〔払出制御手段〕の一種;図22及び図23参照)と、枠発光装置121〜125(〔報知手段〕の一種の一部;図4及び図23参照)と、音響装置180(〔報知手段〕の一種の一部;図23参照)と、サブ制御装置940(〔報知制御手段〕の一種)とを備えている。遊技盤200は、中上入賞口43(〔利益付与部〕の一種)が形成されたセンタ役物41(〔利益種別振分装置〕の一種;図5及び図8参照)と、入球スイッチ11(〔媒体検出装置〕の一種;図7、図9及び図23参照)と、左普通入賞口スイッチ19L(〔入賞検知装置〕の一種;図7及び図23参照)と、複数の可変入賞装置(〔利益供与装置〕の一種の一部;具体的には、図5及び図23に示された中央可変入賞装置46、中下可変入賞装置47B、右下可変入賞装置48B、右中可変入賞装置49B、左下可変入賞装置55B及び左中可変入賞装置56B)と、複数の可変入賞口スイッチ(〔入賞検出装置〕の一種;具体的には、図7及び図23に示された中央可変入賞口スイッチ13、中下可変入賞装置14、右下可変入賞装置15、右中可変入賞口スイッチ16、左下可変入賞口スイッチ17及び左中可変入賞装置18)と、複数のリンク機構(〔利益供与装置〕の一種の一部;具体的には、右リンク機構L1、下リンク機構L2及び左リンク機構L3;図7参照)とを備えている。
振動センサ10は、遊技機100の振動に伴って移動する検出子(図示せず)を備え、検出子の移動に基づいて振動を検出する。振動センサ10からは、所定の大きさ以上の振動が検出されている場合にオン状態の振動センサ信号が出力され、それ以外の場合にはオフ状態の振動センサ信号が出力される。一回の加振に対してオン状態の振動センサ信号が連続的又は間欠的に出力される。なお、大きな振動が加えられた場合には、通常、オン状態の振動センサ信号は間欠的に出力される。振動センサ信号の出力状態は、定期的、具体的には主制御装置920のタイマ割込み周期である1ms周期毎に、主制御装置920に読み込まれ(図24のスイッチ読込処理S1006)、加えられた振動の大きさ等を推定するために、その出力状態が監視される(図24及び図28の振動センサ監視処理S1010)。
センタ役物41は、主にドラム414(図12及び図13参照)及び回転体432(図12及び図13参照)で構成される振分機構(〔振分装置〕の一種の一部)を備え、遊技球が中上入賞口43(図5及び図8参照)を通してセンタ役物41に進入した場合には、大利益遊技状態(〔利益遊技状態〕の一種)又は小利益遊技状態(〔利益遊技状態〕の一種)のいずれかの利益遊技状態に移行することとなる。具体的には、中上入賞口43を通してセンタ役物41に進入した遊技球は、振分機構によって、右ゲートスイッチ12R(図7及び図23参照)の設けられた流下通路又は左ゲートスイッチ12L(図7及び図23参照)の設けられた流下通路のいずれかに機構的に振り分けられる。右ゲートスイッチ12Rの設けられた流下通路に案内された遊技球は右リンク機構L1(図7参照)及び下リンク機構L2(図7参照)を順次に作動させることとなり、右リンク機構L1及び下リンク機構L2の作動によって、一部の可変入賞装置(具体的には、中央可変入賞装置46、右中可変入賞装置49B、左下可変入賞装置55B、中下可変入賞装置47B及び右下可変入賞装置48B;図5参照)が入賞許可状態へ移行する。なお、この移行が大利益遊技状態への移行である。同様に、左ゲートスイッチ12Lの設けられた流下通路に案内された遊技球は左リンク機構L3(図7参照)を作動させることとなり、左リンク機構L3の作動によって、他の可変入賞装置(具体的には、左中可変入賞装置56B;図5参照)が入賞許可状態に移行する。なお、この移行が小利益遊技状態への移行である。
入球スイッチ11は、中上入賞口43を通してセンタ役物41に進入した遊技球を振分機構へ到達する前に検出する。入球スイッチ11からは、遊技球が検出されている場合にオン状態の入球検出信号が出力され、その他の場合にはオフ状態の入球検出信号が出力される。入球検出信号の出力状態は、定期的に、具体的には主制御装置920のタイマ割込み周期である1ms周期毎に監視されており、入球検出信号の出力状態に基づいて、入球スイッチ11のオン移行状態が検知されて、入球スイッチ11のオン移行フラグが設定される(図24のスイッチ読込処理S1006)。
左普通入賞口スイッチ19Lは、中上入賞口43を通してセンタ役物41に進入した遊技球を所定のリンク機構L1〜L3を作動させた後に検出する。左普通入賞口スイッチ19Lからは、遊技球が検出されている場合にオン状態の普通入賞検出信号が出力され、その他の場合にはオフ状態の普通入賞検出信号が出力される。普通入賞検出信号の出力状態は、入球スイッチ11の場合と同様に監視されており、普通入賞検出信号の出力状態に基づいて、左普通入賞口スイッチ19Lのオン移行状態が検知されて、左普通入賞口スイッチ19Lのオン移行フラグが設定される(図24のスイッチ読込処理S1006)。また、複数の可変入賞口スイッチ13〜18についても、左普通入賞口スイッチ19Lの場合と同様に監視されている。いずれかの入賞口スイッチ13〜18及び19Lのオン移行フラグが設定された場合には、払出装置358によって所定の個数の遊技球が払い出されることとなる。
ここで、主制御装置920により実行される振動を検知する制御について説明する。前面枠開閉状態フラグF2が解除されている前面枠セット103の閉鎖状態(S203:N)における振動センサ10からのオン状態の振動センサ信号の検出(S204:Y)に応じて、振動検知カウンタC1の値に「3(〔振動検知値〕の一種)」が加算される(S205)。なお、本形態における振動検知カウンタC1は8ビット情報(「0」〜「255」)である。加算した結果、振動検知カウンタC1の値が「255(規定最大値)」を越える場合には(S206:Y)、振動検知カウンタC1の値が「255」に再設定される(S207)。具体的には、加算に際してキャリーフラグが設定された場合(S206:Y)に、振動検知カウンタC1の値が最大値である「255」に設定される。これによって、振動センサ信号がオン状態である期間において、振動検知カウンタC1の値は「3」ずつ増加し、その値が「255」に到達した場合には「255」に維持されることとなる。
一方、前面枠開閉状態フラグF2が解除されている前面枠セット103の閉鎖状態(S203:N)におけるオフ状態の振動センサ信号の検出(S204:N)に応じて、振動検知カウンタC1の値から「1(〔非振動検知値〕の一種)」が減算される(S209)。具体的には、減算前に振動検知カウンタC1の値が「0(〔基準値〕の一種)」である場合(S208:Y)には、減算を実行せず(S209のスキップ)、また、減算に際してゼロフラグが設定された場合に、振動検知カウンタC1の値として「0」が設定される。これによって、振動検知カウンタC1の値は、振動が発生していない場合には「0」に維持されることとなり、また、振動が発生した後においては、振動中又は振動停止後の振動センサ信号がオフ状態である期間において「1」ずつ減少し、その値が「0」に到達した場合には、「0」に維持されることとなる。
前面枠開閉状態フラグF2が設定されている前面枠セット103の開放状態において(S205:Y)は、振動センサ信号の出力状態に関わらず振動検知カウンタC1は強制的に基準値である「0」に設定される(S215)。
遊技機100に大きな振動が加えられた場合には、通常、振動検知カウンタC1の値は大きな値まで増加する。したがって、振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値(例えば「90」)以上である場合(S219:N)には、故意に遊技機100を殴打する等の過剰振動と検知されて、振動検知フラグF1が未だ設定されていない場合(S220:N)には振動検知フラグF1が設定される(S221)。また、過剰振動との検知に応じて、所定の枠発光装置121〜125の発光によって過剰振動の発生が報知される。具体的には、過剰振動との検知に応じて、主制御装置920からサブ制御装置940に過剰振動報知開始コマンドが出力され(S222)、過剰振動報知開始コマンドを受信したサブ制御装置940によって所定の枠発光装置121〜125が作動され、過剰振動発生の報知が実行される。なお、振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値以上でない場合(S219:Y)には、振動が発生していたとしても過剰振動とは判定されないために、振動検知フラグF1が設定されず(S221のスキップ)、また、過剰振動報知開始コマンドが出力されない(S222のスキップ)。したがって、過剰振動発生の報知も行われない。
振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値を越え、更に「240(〔過度振動閾値〕の一種)」以上となった場合(S223:N)には、センタ役物41の中上入賞口43に遊技球を誘導するための不正振動誘導である可能性が極めて高いために、中上入賞口43を介したセンタ役物41への遊技球の進入の監視が開始される。具体的には、遊技停止監視タイマT1の値に「1500(規定値)」が設定される(S224)。遊技停止監視タイマT1は、振動検知カウンタC1の値が「240」に減少した後における主制御装置920のタイマ割込みごとに「1」だけ減算される(S202)。なお、遊技停止監視タイマT1の値が「0」である場合(S201:Y)には、減算は実行されない(S202のスキップ)。したがって、遊技停止監視タイマT1に「0」以外の値が設定されている期間が遊技停止監視期間(〔不正利益享受監視期間〕の一種)であり、その始端は振動検知カウンタC1が「240」以上となったときであり、その終端は振動検知カウンタC1が「240」以下となってから実質的に1500msが経過したときである。
中上入賞口43を通したセンタ役物41への遊技球の進入によって入球スイッチ11のオン移行フラグが設定されている場合(S101:Y)であり、遊技停止監視期間である場合(S102:N)には、不正振動誘導の発生と検知して、不正検知情報に所定の不正発生値が設定され(S105)、強制的に遊技進行が停止される。具体的には、発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグが解除される(S107)と共に、それらのフラグ状態に応じてオフ状態の発射制御信号及びオフ状態の球送り制御信号が出力される(S108)。これによって、発射装置150が強制的に停止状態となり、以降は、不正検知情報に不正発生値が設定されていることによって(S1005:Y)、発射装置150の駆動状態を含め各種のスイッチ等の状態が更新されないために(S1008〜S1010のスキップ)、遊技進行が永続的に停止される。また、外部の監理コンピュータ等へ不正振動誘導の発生が報知される。具体的には、不正検知フラグが設定され(S106)、不正検知フラグの設定に応じて、不正検出信号が監理コンピュータ等に出力される。不正検出信号を受信した監理コンピュータは不正の発生を報知する。また、枠発光装置121〜125及び音響装置180によって、不正振動誘導の発生が報知される。具体的には、不正振動誘導との検知に応じて、不正振動誘導検知コマンドが出力され(S109)、不正振動誘導検知コマンドを受信したサブ制御装置940によって枠発光装置121〜125及び音響装置180が作動され、不正振動誘導の発生が報知される。
ここで、振動が加えられた場合の遊技機の動作について、概ね時系列に沿って具体的に説明する。図32は、過剰振動の検知方法を定性的に表すタイミングチャートである。なお、図32において、時刻t9以降における振動センサ信号は図示を省略したがオフ状態を維持することとする。図32に示されたように、時刻t0において振動センサ信号がオン状態に移行すると、振動検知カウンタC1の値がタイマ割込み周期ごとに「3」ずつ増加し、振動センサ信号がオフ状態に移行するまでその増加は継続する。その後、時刻t1において振動センサ信号がオフ状態に移行すると、振動検知カウンタC1の値がタイマ割込み周期ごとに「1」ずつ減少し、振動センサ信号がオフ状態に移行するまでその減少は継続する。なお、図32には、振動検知カウンタC1の値が時刻t0から時刻t1まで滑らかに増加し、時刻t1から時刻t2まで滑らかに減少するかのように示されているが正確には階段状に変化している。他の区間における増加及び減少の場合も同様である。その後、振動センサ信号の出力状態に応じて、振動検知カウンタC1の値は、時刻t2〜時刻t3、時刻t4〜時刻t5及び時刻t6〜時刻t7において増加し、時刻t3〜時刻t4、時刻t5〜時刻t6、時刻t7〜時刻t8、時刻t4〜時刻t5において減少する。なお、時刻taにおいて振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値である「90」以上となると、過剰振動の発生と検知される。時刻t8において振動センサ信号がオン状態となると振動検知カウンタC1の値は同様に増加するが、時刻tmにおいて規定最大値である「255」に到達するとその値が維持される。なお、時刻tbにおいて振動検知カウンタC1の値が過度振動閾値である「240」以上となると、過度振動の発生と検知される。振動センサ信号の出力状態に応じて更新される。時刻t9において振動センサ信号がオフ状態となると振動検知カウンタC1の値が減少し、その値が基準値である「0」に到達するまで減少する。なお、振動検知カウンタC1の値が「0」である場合には、振動センサ信号がオフ状態であってもその値を維持する。
ここで、振動検知カウンタC1の値に応じた遊技機100の動作について説明する。図33は振動検知カウンタC1の値の最大値が「90」未満である微少振動に基づく遊技機の動作を定性的に表すフローチャートであり、図34は振動検知カウンタC1の値の最大値が過剰振動閾値以上過度振動閾値未満である過剰振動に基づく遊技機の動作を定性的に表すフローチャートであり、図35及び図36の各々は振動検知カウンタC1の値が過度振動閾値以上となる過度振動に基づく遊技機の動作を定性的に表すフローチャートである。なお、図35には遊技進行が続行される場合が示され、図36には遊技進行が停止される場合が示されている。
図33に示されたように、振動検知カウンタC1の最大値が「90」未満である場合(S219:Y)には、振動検知フラグF1の状態は解除状態(図中のOFF)に維持されるために(S221のスキップ)、枠発光装置121〜125によって過剰振動の発生の報知(図中の発光報知)が行われることはない(図中のOFF)(S222のスキップ)。また、遊技停止監視タイマT1が作動せず(S224のスキップ)、その値が「0」に維持されるために、入球スイッチ11のオン移行フラグが図33に示されたように解除状態を維持している場合(S101:N)に限らず、設定状態に移行した場合(S101:Y)であっても遊技停止監視タイマT1が「0」であるために(S102:Y)、不正検知情報は不正非発生値(図中のOFF)を維持する(S105のスキップ)。したがって、音響装置180によって不正振動誘導の報知(図中の音響報知)が行われることも、外部の監理コンピュータ等に不正振動誘導の発生を報知させるための信号の出力(図中の外部送信報知)が行われることもない(S106及びのS109スキップ)。また、不正振動誘導と検知されていないために(S1305:N)、発射許可信号がオン状態である場合には、通常の場合と同様に、球送りソレノイド駆動フラグ及び発射ソレノイド駆動フラグが周期的に制御されて(S1008)、発射装置150は周期ごとに遊技球を1球ずつ射出する。
次に、振動検知カウンタC1の最大値が「90」以上であり「240」未満である場合について説明する。なお、図33に示された微少振動の場合との相違についてのみ詳細に説明する。図34に示されたように、時刻tdにおいて振動検知カウンタC1の値が「90」以上となったときに(S219:N)、振動検知フラグF1が解除されているために(S220:Y)、振動検知フラグF1が設定される(S221)。また、過剰振動報知開始コマンドがサブ制御装置940に出力され(S222)、枠発光装置121〜125によって過剰振動の発生の報知(図中の発光報知)が開始される(図中のON)。その後、時刻teにおいて振動検知カウンタC1の値が「0」に復帰すると(S210:N)、振動検知フラグF1が解除され(S211)、また、過剰振動報知停止コマンドがサブ制御装置940に出力される(S213)。なお、過剰振動報知停止コマンドを受信したサブ制御装置940は、その受信から所定の時間Ta(例えば、5秒)の経過後に、枠発光装置121〜125による過剰振動の発生の報知を停止する。
次に、振動検知カウンタC1の値が「240」以上となるが、入球スイッチ11のオン移行フラグが設定されない場合、つまり、大きな振動が与えられた直後にセンタ役物41の中上入賞口43に遊技球が進入しなかった場合について説明する。なお、図34に示された過剰振動の場合との相違についてのみ詳細に説明する。図35に示されたように、時刻tfにおいて振動検知カウンタC1の値が「240」以上となったときに(S223:N)、遊技停止監視タイマT1が規定値である「1500」に設定される(S224)。なお、振動検知カウンタC1の値が「0」以外である場合(S201:N)には、タイマ割込みごとに遊技停止監視タイマT1の値は「1」だけ減算されるが(S202)、振動検知カウンタC1の値が「240」以上である場合には繰り返し、その値に「1500」が設定されるために(S224)、時刻tgにおいて振動検知カウンタC1の値が「240」未満となるまでは、実質的に「1500」に維持される。時刻tgにおいて振動検知カウンタC1の値が「240」未満となると、遊技停止監視タイマT1の値は「1」ずつ小さくなる(S202)。なお、遊技停止監視タイマT1が「0」以外の値をとる時刻tfから時刻tiまでの間が遊技停止監視期間である。時刻thにおいて遊技停止監視タイマT1の値が「0」に復帰すると(S210:N)、振動検知フラグF1が解除され(S212)、また、過剰振動報知停止コマンドがサブ制御装置940に出力される(S213)。なお、過剰振動報知停止コマンドを受信したサブ制御装置940は、その受信から所定の時間Ta(例えば、5秒)の経過後に、枠発光装置121〜125による過剰振動の発生の報知を停止する。
次に、振動検知カウンタC1の値が「240」以上となり、遊技停止タイマT1が解除される前に入球スイッチ11のオン移行フラグが設定された場合、つまり、大きな振動が与えられた直後にセンタ役物41の中上入賞口43に遊技球が進入した場合について説明する。図36に示されたように、時刻tfから時刻tiまでの遊技停止監視期間内の時刻Tjにおいて入球スイッチ11のオン移行フラグが設定されると(S101:Y)、遊技停止監視タイマT1が「0」以外の値であるために(S102:N)、不正振動誘導の発生と検知されて、不正検知情報に所定の不正発生値が設定される(S105)。また、不正振動誘導の検知に応じて不正検知フラグが設定される(S106)。不正検知フラグの設定に応じて不正検出信号が監理コンピュータ等の外部装置に送信され、この不正検出信号によって不正振動誘導の発生が外部に報知(図中の外部送信報知)されることとなる(次回のタイマ割込みにおけるS1003)。また、不正振動誘導の検知に応じて、球送りソレノイド駆動フラグ及び発射ソレノイド駆動フラグが強制的に解除される(S107)と共に、オフ状態の球送り制御信号及びオフ状態の発射制御信号が電源監視装置910を介して電源・発射制御装置900の発射制御部912に出力される。発射制御部912は、オフ状態の球送り制御信号の受信に応じて球送りソレノイド151を停止状態に強制的に移行させ、また、オフ状態の発射制御信号の受信に応じて発射ソレノイド152を停止状態に強制的に移行させることとなる。これによって、発射装置150の動作が停止し、遊技進行が停止されることとなる。更に、不正振動誘導の検知に応じて、不正誘導検知コマンドがサブ制御装置940に出力される(S109)。これによって、不正誘導検知コマンドを受信したサブ制御装置940は、各種の枠発光装置121〜125による発光報知を継続させると共に、音響装置180による不正発生の報知(図中の音響報知)を開始させる。
不正振動誘導の検知に伴う処理の実行後(S105〜S109)においては、不正検知情報に所定の不正発生値が設定されているために(S1303:Y)、タイマ割込みを許可する処理(S1311)と停電状態への移行に関する処理(S1312,S1315)のみが実行される。また、タイマ割込みにおいても、不正検知情報に所定の不正発生値が設定されているために(S1005:Y)、球送り制御信号及び発射制御信号の出力(S1002)と、外部報知に関する信号の出力(S1003)と、電源監視装置910からの停電信号の出力状態の監視のみが実行される。なお、球送り制御信号や発射制御信号の出力状態は変更されないために(S1008のスキップ)、発射装置150は不正振動誘導の検知直後において強制的に停止された状態を維持することとなる。また、遊技機100の内部状態が実質的に変更されないために(S1006〜S1010のスキップ)、外部報知の出力状態も変更されず、不正振動誘導の検知直後における出力状態を維持することとなる。更に、サブ制御装置940への各種のコマンドが送信されないために、サブ制御装置940によって制御される枠発光装置121〜125や音響装置180等の各種の装置の作動形態は変更されない。これによって、不正振動誘導の発生に関連する発光報知や音響報知が維持される。なお、この状況は、電源スイッチ382をオフ状態にしたり、電源プラグを電力供給コンセントから抜脱させて停電状態に移行させたりするまで継続する。停電状態に移行させると、電源監視装置910からオン状態の停電信号が主制御装置920に出力される。そのオン状態の停電信号を主制御装置920が受信すると、停電発生情報に所定の停電発生値が設定されて(S1004)、停電状態への移行と検知される(S1312:Y)。これによって、主制御装置920の制御が終了し(S1315)、また、払出制御装置930及びサブ制御装置940の制御が終了する。
なお、不正振動誘導の発生の検知後に、一旦、停電状態へ移行させてから、電源スイッチ382をオン状態にしたり、電源プラグを電力供給コンセントに挿入させたりして通電状態へ移行させたりすると、各種のエラー状態や報知状態や各種の装置の駆動状態が所定の通常の状態に復帰する(S1407)。
最後に、前面枠セット103への開放操作に伴って大きな振動が与えられた直後にセンタ役物41の中上入賞口43に遊技球が進入した場合について説明する。図37は、前面枠セットの開放操作に伴う過度振動の発生後のセンタ役物への入球の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャートである。なお、図40においては、比較のために、前面枠セット103の閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新されたときの遊技停止監視期間内において入球スイッチ11のオン移行フラグが設定された場合が破線で示されている。以下においては、図36に示された過度振動の場合との相違についてのみ詳細に説明する。
図37に示されたように、時刻tkにおいて前面枠セット103への開放操作が開始されて振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値以上となった後に、前面枠スイッチ109がオフ状態となり、時刻tlにおいて、前面枠スイッチ109からオフ状態の前面枠スイッチ信号が検知されると、前面枠スイッチ109の開閉状態を表す前面枠開閉状態フラグF2が解除される(S1006)。前面枠開閉状態フラグF2の解除に応じて(S203:Y)、振動検知カウンタC1の値が基準値である「0」に強制的に変更され(S215)、振動検知フラグF1が既に設定されている(S216:N)ために振動検知フラグが解除され(S217)、過剰振動報知停止コマンドが出力される(S218)。これによって、過剰振動報知が停止される。時刻tl後は、オフ状態の前面枠スイッチ信号が検知されている限り前面枠開閉状態フラグF2の解除状態が維持され(S1006)、前面枠開閉状態フラグF2の解除状態が維持されている(S203:Y)ために、振動検知カウンタC1の値が振動センサ信号の出力状態に依存せずに「0」に維持される(S205及びS213のスキップ)。これによって、前面枠セット103の閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新されたとすれば過度振動と検知される場合であっても、振動検知カウンタC1の値が過度振動閾値以上となることが抑制される。また、前面枠セット103の開放状態への移行に伴う振動によって、遊技停止監視タイマT1が設定されることも抑制される(S224のスキップ)。つまり、前面枠セット103の閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新された場合の遊技停止監視期間内の時刻tjにおいて、入球スイッチ11のオン移行フラグが設定されたとしても、不正検知情報が不正検知値に変更されたり、不正検知フラグが設定されたりすることが抑制される。
図37に示された場合と異なり、振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値未満であるときに前面枠スイッチ109からオフ状態の前面枠スイッチ信号が検知された場合や、一旦過剰振動停止コマンドが出力された時刻tl後のように、振動検知フラグF1が解除されている(S216:Y)には、振動検知フラグF1の再度の解除は実行されず(S217のスキップ)、過剰振動報知停止コマンドの再度の出力は実行されない(S218のスキップ)。なお、前面枠開閉状態フラグF2の解除に応じて過剰振動発生の報知を停止する場合について説明したが、この報知に代えて前面枠セット103の開放状態を表す所定の報知を開始させてもよい。
本形態の遊技機100であれば、振動センサ10により振動が検出されている場合には振動検知カウンタC1の値が増加して振動センサ10により振動が検出されていない場合には振動検知カウンタC1の値が減少することと、振動検知カウンタC1の値が基準値に到達した場合には振動検知カウンタC1の値が更新されないこととによって、振動検知カウンタC1の値を自己整合的に基準値にリセットできる。したがって、許容振動が繰り返し発生したとしても振動検知カウンタC1の値が積算されることを抑制でき、許容振動の繰り返しに基づいて許容振動範囲を外れるような誤検知を抑制できる。また、従来のようにリセット時期を決定するタイマ等を設ける必要がなく、遊技機100の構成及び過剰振動の検知の制御が複雑化されることを抑制できる。また、短期間に連続して複数の振動が加えられる場合、つまり、前回の振動が完全に収束する前に次の振動が加えられるような不正目的である可能性が高い場合において、2回目以降の振動において振動検知カウンタC1が強制的にリセットされることがなく、また、振動検知カウンタC1の更新が連続的に再開されるために、連続した振動であっても良好に検知できる。
更に、図38に示されたように、遊技盤200の遊技領域内に堆積した遊技球99を取り除くために前面枠セット103を開放する場合のように、不正振動誘導の目的で故意に振動を与える場合と同様の強度の振動が発生し、かつその振動によって遊技球の堆積が解除されて一部の遊技球99が中上入賞口43を通してセンタ役物41に進入した場合であっても遊技進行は停止されないために、不正振動誘導の場合との識別性が向上する。したがって、不正振動誘導の検知精度、特に、遊技機100から離隔した場所において遊技機100からの不正検出信号に基づく不正振動誘導の検知精度が向上する。
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態の遊技機について説明する。なお、上記の実施形態1の遊技機100と実質的に同一の構成については、同一の参照符号を付すこととしてその詳細な説明を省略する。本実施形態の遊技機において、前面枠セット103の開放操作に伴う振動に基づいて遊技進行が停止されることを抑制することは上記の実施形態1と同一であるが、その実現方法が異なっている。図39は、振動センサ監視処理の一例の前段部を表すフローチャートである。なお、振動センサ監視処理の一例の後段部は、図29に示された場合と同一である。また、図40は、前面枠セットの開放操作に伴う過度振動の発生後のセンタ役物への入球の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャートである。なお、図40においては、比較のために、前面枠セット103の閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新されたときの遊技停止監視期間内において入球スイッチ11のオン移行フラグが設定された場合が破線で示されている。
本実施形態の振動センサ監視処理S1010は、図39に示されたように、前面枠開閉状態フラグF2の状態を判定する判定処理S203において前面枠開閉状態フラグF2が設定されている場合、つまり、前面枠セット103が開放状態である場合には、図28に示された場合のような処理群S215〜S218に代えて、振動センサ10からのオフ状態の振動センサ信号が検知されている場合と同一の処理群S208〜S214が実行される。図39に示されたフローチャートに従う場合の遊技機の動作について概ね時系列に沿って説明する。以下においては、図37に示された上記の第1の実施形態の場合との相違部分についてのみ詳細に説明する。
図40に示されたように、時刻tkにおいて前面枠セット103への開放操作が開始されて振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値以上となった時刻td後に、前面枠スイッチ109がオフ状態となり、時刻tlにおいて、前面枠スイッチ109からオフ状態の前面枠スイッチ信号が検知されると、前面枠スイッチ109の開閉状態を表す前面枠開閉状態フラグF2が解除される(S1006)。前面枠開閉状態フラグF2の解除に応じて(S203:Y)、前面枠スイッチ信号の出力状態に関わらずに(S204のスキップ)、オフ状態の前面枠スイッチ信号が検知されている場合(S204:N)と同様にして、振動検知カウンタC1の値が更新される。具体的には、振動検知カウンタC1の値が「0」ではないので(S208:N)、その値が現在値から「1」だけ小さい値に変更される(S209)。時刻tlの後は、オフ状態の前面枠スイッチ信号が検知されている限り(S204:N)、振動検知カウンタC1の値が「0」に戻る時刻th’まで、振動センサ信号の出力状態に依存せずに、その値が現在値から「1」だけ小さい値に変更される(S209)。時刻th’の後は、オフ状態の前面枠スイッチ信号が検知されている限り(S203:Y)、振動センサ信号の出力状態に依存せずに、その値が「0」に維持される(S215)。これによって、前面枠セット103の閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新されたとすれば過度振動と検知される場合であっても、振動検知カウンタC1の値が時刻tlにおける値を超えて大きくなることが抑制される。したがって、前面枠セットの開放状態への移行に伴う振動によって、遊技停止監視タイマT1が設定されることも抑制される(S224のスキップ:図29参照)。つまり、前面枠セット103の閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新された場合の遊技停止監視期間内の時刻tjにおいて入球スイッチのオン移行フラグが設定されたとしても、不正検知情報が不正検知値に変更されたり、不正検知フラグが設定されたりすることが抑制される。
なお、時刻th’において振動検知カウンタC1の値が基準値に戻ると(S210:N)、振動検知フラグF1が既に設定されているために(S211:N)、振動検知フラグF1が解除され(S212)、過剰振動報知停止コマンドが出力される(S213)。これによって、過剰振動報知が停止される。
図40に示された場合と異なり、振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値未満であるときに前面枠スイッチ109からオフ状態の前面枠スイッチ信号が検知された場合や、一旦過剰振動停止コマンドが出力された時刻tl後のように、振動検知フラグF1が解除されている場合(S216:Y)には、振動検知フラグF1の再度の解除は実行されず(S217のスキップ)、過剰振動報知停止コマンドの再度の出力は実行されない(S218のスキップ)。なお、前面枠開閉状態フラグF2の解除に応じて過剰振動発生の報知を停止する場合について説明したが、この報知に代えて前面枠セット103の開放状態を表す所定の報知を開始させてもよい。
本実施形態の遊技機であれば、上記の第1の実施形態の遊技機と実質的に同一の効果を奏する。また、本実施形態の遊技機であれば、振動センサ監視処理のプログラムが簡素化される。
〔第3の実施形態〕
第3の実施形態の遊技機について説明する。なお、上記の実施形態1の遊技機100と実質的に同一の構成については、同一の参照符号を付すこととしてその詳細な説明を省略する。本実施形態の遊技機において、前面枠セット103の開放操作に伴う振動に基づいて遊技進行が停止されることを抑制することは上記の第1の実施形態及び第2の実施形態と同一であるが、その実現方法が異なっている。以下においては、上記の第1の実施形態及び第2の実施形態との相違部分についてのみ詳細に説明する。図41及び図42は、それぞれ、振動センサ監視処理の一例の前段部及び後段部を表すフローチャートである。また、図43及び図44は、前面枠セットの開放操作に伴う過度振動の発生後のセンタ役物への入球の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャートである。なお、図43及び図44においては、比較のために、前面枠セット103の閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新されたときの遊技停止監視期間内において入球スイッチ11のオン移行フラグが設定された場合が破線で示されている。
本実施形態の振動センサ監視処理S1010において、図41に示されたように、前面枠開閉状態フラグF2の状態を判定する判定処理S203において前面枠開閉状態フラグF2が設定されている場合、つまり、前面枠セットが開放状態である場合には、図28に示された場合のような処理群215〜S218に代えて、遊技停止監視タイマT1を強制的に解除するタイマT1解除処理S215’が実行される。なお、本実施形態においては、遊技停止監視タイマT1を強制的に解除するとは、その値が基準値である「0」に変更又は維持されることを意味している。また、図42に示されたように、判定処理S220において振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値以上であると判定された後(S220:N)に、前面枠開閉状態フラグF2の状態を判定する判定処理S225が実行され、前面枠開閉状態フラグF2が解除されている場合(S225:Y)、つまり、前面枠セット103が開放状態である場合には、遊技停止監視タイマT1が設定されない(S224のスキップ)。図41及び図42に示されたフローチャートに従う場合の遊技機の動作について概ね時系列に沿って説明する。以下においては、図37に示された上記の第1の実施形態の場合との相違部分についてのみ詳細に説明する。
図43に示されたように、時刻tkにおいて前面枠セット103への開放操作が開始されて振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値以上となる時刻tdと過度振動閾値以上となる時刻tfとの間の時刻tlにおいて、前面枠スイッチ109からオフ状態の前面枠スイッチ信号が検知されると、前面枠スイッチ109の開閉状態を表す前面枠開閉状態フラグF2が解除される(S1006)。前面枠開閉状態フラグF2が解除されたために(S203:Y)、遊技停止監視タイマT1が解除される(S215’)。ここでは、遊技停止監視タイマT1の値が「0」に維持される。なお、振動検知カウンタC1及び振動検知フラグF1は、時刻tl及びその後においても、前面枠開閉状態フラグF2に依存せずに、前面枠開閉状態フラグF2が設定されている場合と同様に推移する。時刻tfにおいて振動検知カウンタC1の値が過度振動閾値以上となった場合(S223:N)であっても、前面枠開閉状態フラグF2が解除されている場合(S225:Y)には、遊技停止監視タイマT1の値が規定値の「1500」には変更されない。つまり、時刻tl後は、オフ状態の前面枠スイッチ信号が検知されている限り、遊技停止監視タイマT1の値は「0」に維持される。これによって、前面枠セット103の閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新された場合の遊技停止監視期間内の時刻tjにおいて、入球スイッチのオン移行フラグが設定されたとしても、不正検知情報が不正検知値に変更されたり、不正検知フラグが設定されたりすることが抑制される。
図43に示された場合と異なり、図44に示されたように、過度振動閾値以上となる時刻tf後の時刻tl’において、前面枠スイッチ109からオフ状態の前面枠スイッチ信号が検知される場合、例えば、前面枠セット103を開放しようと操作したにも関わらず前面枠セット103が引っ掛かって円滑に開放されなかった場合や前面枠セット103に対する開放操作を行うために開閉鍵の挿入や開錠が円滑に行えなかった場合であっても、前面枠開閉状態フラグF2の解除(S203:Y)に応じて迅速に遊技停止監視タイマT1が解除される(S215’)ために、前面枠セット103の開放操作に伴う振動に起因する遊技進行の停止が更に良好に抑制される。
本実施形態の遊技機であれば、上記の第1の実施形態の遊技機と実質的に同一の効果を奏する。また、本実施形態の遊技機であれば、更に、前面枠セット103が円滑に開放されなかった場合や、開閉鍵の挿入や開錠が円滑に行えなかった場合であって、その振動によって遊技球の堆積が解除されて一部の遊技球が中上入賞口43を通してセンタ役物41に進入した場合であっても遊技進行の停止を良好に抑制できる。したがって、上記の第1の実施形態の遊技機の場合よりも不正振動誘導の識別性が向上し、不正振動誘導の検知精度が更に向上する。
〔第4の実施形態〕
第4の実施形態の遊技機について説明する。なお、上記の第1の実施形態の遊技機100と実質的に同一の構成については、同一の参照符号を付すこととしてその詳細な説明を省略する。本実施形態の遊技機において、上記の第1の実施形態と同様に前面枠セット103の開放操作に伴う振動に基づいて遊技進行が停止されることを抑制すると共に、更に、前面枠セット103の閉鎖操作に伴う振動に基づいて遊技進行が停止されることを抑制する構成である。以下においては、上記の第1の実施形態との相違についてのみ詳細に説明する。図45及び図46は、それぞれ、振動センサ監視処理の一例の前段部及び後段部を表すフローチャートである。また、図47は、前面枠セットの開閉操作に伴う過度振動の発生後のセンタ役物への入球の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャートである。なお、図47においては、比較のために、上記の第1の実施形態の場合のタイミングチャートが破線で示されている。
本実施形態のスイッチ読込処理S1006においては、図示しないが、前面枠スイッチ109からの前面枠スイッチ信号に基づいて、更に、前面枠セット103の開放状態から閉塞状態への移行を表すオン移行フラグF3が設定される。
本実施形態の振動センサ監視処理S1010において、図45に示されたように、前面枠開閉状態フラグF2の状態を判定する判定処理S203より前に、遊技停止監視タイマT1の場合と同様に、前面枠閉鎖後期間タイマT2の値が基準値(「0」)であるか否かを判定する処理S301と、前面枠閉鎖後期間タイマT2の値が基準値と異なる場合にその値を「1」だけ小さい値に変更するタイマT2更新処理S302とが実行される。ここで、前面枠閉鎖後期間タイマT2は、前面枠スイッチ109のオン移行フラグF3が設定されてからの時間が所定の一定期間である内枠閉鎖後期間(〔基体ブロック閉鎖後期間〕の一種)内であるか否かの判断に用いられるタイマであり、その値が基準値と異なる値である場合は内枠閉鎖後期間内である。また、判定処理S203において前面枠開閉状態フラグF2が設定されていると判定された場合(S205:N)に、前面枠閉鎖後期間タイマT2の値が基準値と異なる前面枠開閉後期間であるか否かを判定する処理S303を実行して、その値が基準値と同一である前面枠閉鎖後期間外の場合には、上記の第1の実施形態における前面枠103の閉鎖状態と同一の処理(S204〜S214)を実行し、一方、その値が基準値と異なる前面枠閉鎖後期間内の場合には、上記の第1の実施形態における前面枠103の開放状態と同一の処理(S215〜S218)を実行する。
また、本実施形態の振動センサ監視処理S1010において、図46に示されたように、前面枠スイッチ109のオン移行フラグF3が設定されているか否かによって前面枠セット103が開放状態から閉鎖状態へ移行したか否かを判定する判定処理S304が実行され、判定処理S304において前面枠セット103が開放状態から閉鎖状態へ移行したと判定された場合には、前面枠スイッチ109のオン移行フラグF3を解除するフラグF3解除処理S305と、前面枠閉鎖後期間タイマT2に規定値である「750」(0.75秒に相当)を設定するタイマT2設定処理S306とが実行される。
図45及び図46に示されたフローチャートに従う場合の遊技機の動作について概ね時系列に沿って説明する。以下においては、図37に示された上記の第1の実施形態の場合との相違部分についてのみ詳細に説明する。図47に示されたように、時刻tmにおいて前面枠セット103への閉鎖操作が開始されても、時刻tnの前までは前面枠セット103の開放状態であるために、振動検知カウンタC1の値が基準値に維持される。時刻tnにおいて前面枠スイッチ109からのオン状態の前面枠スイッチ信号が検知されると、前面枠スイッチ109の開閉状態を表す前面枠開閉状態フラグF2が解除される(S1006)。また、その直後の時刻toにおいて前面枠スイッチ109のオン移行フラグF3が設定される(S1006)。前面枠スイッチ109のオン移行フラグF3が設定されると(S304:N)、オン移行フラグF3が解除される(S305)と共に前面枠閉鎖後期間タイマT2が規定値である「750」に設定される(S306)。これによって、前面枠閉鎖後期間が開始される。時刻to後においては、前面枠閉鎖後期間タイマT2の値が基準値と異なる値である限り(S301:N)、前面枠閉鎖後期間タイマT2の値は「1」ずつ減少し(S302)、また、振動検知カウンタC1の値が前面枠セット103の開閉状態及び振動センサ信号の出力状態に依存せずに、振動検知カウンタC1の値は基準値である「0」に維持される(S215)。なお、時刻tpにおいて、前面枠閉鎖後期間タイマT2の値が基準値に復帰し、これによって、前面枠閉鎖後期間が終了する。したがって、前面枠セット103の定常的な閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新されたとすれば過度振動と検知される場合であっても、振動検知カウンタC1の値が過度振動閾値以上となることが抑制される。また、前面枠セット103の閉鎖状態への移行に伴う振動によって、遊技停止監視タイマT1が設定されることも抑制される(S224のスキップ)。つまり、前面枠セット103の定常的な閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新された場合の遊技停止監視期間内の時刻tj’において、入球スイッチ11のオン移行フラグが設定されたとしても、不正検知情報が不正検知値に変更されたり、不正検知フラグが設定されたりすることが抑制される。
本実施形態の遊技機であれば、上記の第1の実施形態の遊技機100と同一の効果を奏すると共に、前面枠セット103の閉鎖操作に応じて過度振動と同様の振動が発生した直後に遊技盤200に射出された遊技媒体が中上入賞口43へ進入したとしても、遊技進行の停止が抑制される。これによって、前面枠セット103を閉鎖した直後から遊技を再開できるために、遊技進行の円滑性が阻害されない。また、所定の基体閉鎖後期間が前面枠セット103の閉鎖状態への移行からの一定期間であるために、前面枠セット103の閉鎖操作の直後から振動を加え続けて前面枠閉鎖後期間を強制的に継続させるような不正が抑制される。これによって、不正振動誘導の識別性及びその発生の検知性が更に向上する。
〔第5の実施形態〕
第5の実施形態の遊技機について説明する。なお、上記の第1の実施形態の遊技機100と実質的に同一の構成については、同一の参照符号を付すこととしてその詳細な説明を省略する。本実施形態の遊技機において、上記の第1の実施形態と同様に前面枠セット103の開放操作に伴う振動に基づいて遊技進行が停止されることを抑制すると共に上記の第2の実施形態と同様に前面枠セット103の閉鎖操作に伴う振動に基づいて遊技進行が停止されることを抑制し、更に、内枠セット102(図2参照)の開閉操作に伴う振動に基づいて遊技進行が停止されることを抑制する構成である。以下においては、上記の第1の実施形態との相違についてのみ詳細に説明する。図48及び図49は、それぞれ、振動センサ監視処理の一例の前段部及び後段部を表すフローチャートである。また、図47は、前面枠セットの開閉操作に伴う過度振動の発生後のセンタ役物への入球の検知に応じた遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャートである。なお、図50においては、比較のために、上記の第1の実施形態の場合のタイミングチャートが破線で示されている。
本実施形態のスイッチ読込処理S1006においては、図示しないが、更に、前面枠スイッチ109からの前面枠スイッチ信号に基づいて前面枠セット103の開放状態から閉塞状態への移行を表すオン移行フラグF3と、前面枠スイッチ109からの前面枠スイッチ信号に基づいて前面枠セット103の開放状態から閉塞状態への移行を表すオン移行フラグF3と、内枠スイッチ108からの内枠スイッチ信号に基づく内枠開閉状態フラグF4と、内枠スイッチ108からの内枠スイッチ信号に基づいて内枠セット102の開放状態から閉塞状態への移行を表すオン移行フラグF5が設定される。なお、内枠スイッチ108が払出制御装置930に接続されているために、内枠スイッチ108からの内枠スイッチ信号は、前面枠スイッチ信号と同様に、払出制御装置940を介して主制御装置920に伝達される。
本実施形態の振動センサ監視処理S1010において、図48に示されたように、前面枠開閉状態フラグF2の状態を判定する判定処理S203より前に、遊技停止監視タイマT1の場合と同様に、本体閉鎖後期間タイマT3の値が基準値(本形態では「0」)であるか否かを判定する処理S401と、本体閉鎖後期間タイマT3の値が基準値と異なる場合にその値を「1」だけ小さい値に変更するタイマT3更新処理S402とが実行される。ここで、本体閉鎖後期間タイマT3は、内枠セット102の閉鎖状態において前面枠スイッチ109のオン移行フラグF3が設定されてからの時間又は前面枠セット103の閉鎖状態において内枠スイッチ108のオン移行フラグF5が設定されてからの時間が所定の一定期間である本体閉鎖後期間(〔基体閉鎖後期間〕の一種)内であるか否かの判断に用いられるタイマであり、その値が基準値と異なる値である場合は本体閉鎖後期間内である。また、判定処理S203において前面枠開閉状態フラグF2が設定された前面枠103の閉鎖状態であると判定された場合(S205:N)に、内枠開閉状態フラグF4が解除されている内枠セット102の開放状態であるか否かを判定する判定処理S403や本体開閉後期間タイマT3の値が基準値(「0」)と異なる本体閉鎖後期間内であるか否かを判定する処理S404を実行して、内枠セット102の閉鎖状態である場合(S403:N)かつ内枠閉鎖後期間外である場合(S404:N)には、上記の第1の実施形態における前面枠103の閉鎖状態と同一の処理(S204〜S214)を実行し、一方、内枠セット102の開放状態である場合(S403:Y)又は本体閉鎖後期間内である場合(S404:Y)には、上記の第1の実施形態における前面枠103の開放状態と同一の処理(S215〜S218)を実行する。
更に、図49に示されたように、前面枠スイッチ108のオン移行フラグF3が設定されているか否かによって前面枠セット103が開放状態から閉鎖状態へ移行したか否かを判定する判定処理S405が実行され、また、判定処理S304において前面枠セット103が閉鎖状態へ移行したと判定されない場合(S405:Y)には、内枠スイッチ108のオン移行フラグF5が設定されているか否かによって内枠セット102が開放状態から閉鎖状態へ移行したか否かを判定する判定処理S409が実行される。判定処理S405において前面枠セット103が閉鎖状態へ移行したと判定された場合(S405:N)には、前面枠スイッチ109のオン移行フラグF3を解除するフラグF3解除処理S406が実行され、その後、内枠開閉状態フラグF4が解除されているか否かによって内枠セット102が開放状態であるか否かを判定する判定処理S407が実行されて、内枠セット102が閉塞状態である場合には本体閉鎖後期間タイマT3に規定値である「750」(0.75秒に相当)を設定するタイマT3設定処理S408が実行される。同様に、判定処理S409において内枠セット102が閉鎖状態へ移行したと判定された場合(S409:N)には、内枠スイッチ108のオン移行フラグF5を解除するフラグF5解除処理S410が実行され、その後、前面枠開閉状態フラグF3が設定されているか否かによって前面枠セット103が閉塞状態であるか否かを判定する判定処理S411が実行されて、前面枠セット103が閉塞状態である場合には本体閉鎖後期間タイマT3に規定値である「750」(0.75秒に相当)を設定するタイマT3設定処理S408が実行される。なお、前面枠セット103が閉鎖状態へ移行したとしても内枠セット102が開放状態である場合(S405:N,S407:Y)や、内枠セット102が閉鎖状態へ移行したとしても前面枠セット103が開放状態である場合(S405:Y,S409:N,S411:Y)や、前面枠セット103及び内枠セット102が閉塞状態へ移行しなかった場合は、本体閉鎖後期間タイマT3の値が規定値に変更されず、その値は基準値に維持される。図48及び図49に示されたフローチャートに従う場合の遊技機の動作について概ね時系列に沿って説明する。以下においては、図37に示された上記の第1の実施形態の場合との相違部分についてのみ詳細に説明する。
図50に示されたように、時刻tqにおいて内枠セット102への開放操作が開始されて振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値以上となった後に、内枠スイッチ108がオフ状態となり、時刻trにおいて、内枠スイッチ108からオフ状態の内枠スイッチ信号が検知されると、内枠スイッチ108の開閉状態を表す内枠開閉状態フラグF4が解除される(S1006)。内枠開閉状態フラグF4の解除に応じて(S403:Y)、振動検知カウンタC1の値が基準値である「0」に強制的に変更され(S215)、振動検知フラグF1が既に設定されている(S216:N)ために振動検知フラグF1が解除され(S217)、過剰振動報知停止コマンドが出力される(S218)。これによって、過剰振動報知が停止される。時刻tr後は、オフ状態の内枠スイッチ信号が検知されている限り内枠開閉状態フラグF4の解除状態が維持され(S1006)、内枠開閉状態フラグF4の解除状態が維持されている(S403:Y)ために、振動検知カウンタC1の値が振動センサ信号の出力状態に依存せずに「0」に維持される(S205及びS213のスキップ)。これによって、内枠セット102の定常的な閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新されたとすれば過度振動と検知される場合であっても、振動検知カウンタC1の値が過度振動閾値以上となることが抑制される。また、内枠セット102の開放状態への移行に伴う振動によって、遊技停止監視タイマT1が設定されることも抑制される(S224のスキップ)。つまり、内枠セット102の定常的な閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新された場合の遊技停止監視期間内の時刻tvにおいて、入球スイッチ11のオン移行フラグが設定されたとしても、不正検知情報が不正検知値に変更されたり、不正検知フラグが設定されたりすることが抑制される。
時刻tsにおいて内枠セット102への閉鎖操作が開始されても、時刻ttの前までは内枠セット102の開放状態であるために、振動検知カウンタC1の値が基準値に維持される。時刻ttにおいて内枠スイッチ108からのオン状態の内枠スイッチ信号が検知されると、内枠スイッチ108の開閉状態を表す内枠開閉状態フラグF4が解除される(S1006)。また、その直後の時刻tuにおいて内枠スイッチ108のオン移行フラグF5が設定される(S1006)。内枠スイッチ108のオン移行フラグF5が前面枠スイッチ109のオン移行フラグF3や前面開閉状態フラグF2が設定されていない前面枠セット103の閉鎖状態において設定された(S404:N、S405:Y,S409:N,S411:Y)ために、オン移行フラグF5が解除される(S410)と共に本体閉鎖後期間タイマT3に規定値である「750」が設定される(S411)。これによって、本体閉鎖後期間が開始される。時刻tu後においては、本体閉鎖後期間タイマT3の値が基準値と異なる値である限り(S404:N)、本体閉鎖後期間タイマT2の値は「1」ずつ減少し(S402)、また、振動検知カウンタC1の値が内枠セット102の開閉状態及び振動センサ信号の出力状態に依存せずに、振動検知カウンタC1の値は基準値である「0」に維持される(S215)。なお、時刻twにおいて、本体閉鎖後期間タイマT3の値が基準値に復帰し、これによって、本体閉鎖後期間が終了する。したがって、内枠セット102の定常的な閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新されたとすれば過度振動と検知される場合であっても、振動検知カウンタC1の値が過度振動閾値以上となることが抑制される。また、内枠セット102の閉鎖状態への移行に伴う振動によって、遊技停止監視タイマT1が設定されることも抑制される(S224のスキップ)。つまり、内枠セット102の定常的な閉鎖時と同様に振動検知カウンタC1が更新された場合の遊技停止監視期間内の時刻tv’において、入球スイッチ11のオン移行フラグが設定されたとしても、不正検知情報が不正検知値に変更されたり、不正検知フラグが設定されたりすることが抑制される。
本実施形態の遊技機であれば、上記の第1の実施形態及び上記の第2の実施形態と同一の効果を奏すると共に、内枠セット102を開放する場合のように、不正振動誘導の目的で故意に振動を与える場合と同様の強度の振動が発生し、その振動によって遊技球の堆積が解除されて一部の遊技球が中上入賞口43を通してセンタ役物41に進入したとしても遊技進行は停止されないために、不正振動誘導の場合との識別性が更に向上する。したがって、不正振動誘導の検知精度、特に、遊技機から離隔した場所において遊技機からの不正検出信号に基づく不正振動誘導の検知精度が向上する。
また、本実施形態の遊技機であれば、内枠セット102の閉鎖操作に応じて過度振動と同様の振動が発生した直後に遊技盤200に射出された遊技媒体が中上入賞口43へ進入したとしても、遊技進行の停止が抑制される。これによって、内枠セット102を閉鎖した直後から遊技を再開できるために、遊技進行の円滑性が阻害されない。また、本体閉鎖後期間が内枠セット102の閉鎖状態における前面枠セット103の閉鎖状態への移行及び前面枠セット103の閉鎖状態における内枠セット102の閉鎖状態への移行からの一定期間であるために、前面枠セット103又は内枠セット102への閉鎖操作の直後から振動を加え続けて本体閉鎖後期間を強制的に継続させるような不正が抑制される。これによって、不正振動誘導の識別性及びその発生の検知性が更に向上する。
本発明は、弾球遊技機及び回胴遊技機等の遊技機に適している。
10:振動センサ
11:入球スイッチ
41:センタ役物
43:中上入賞口
100:遊技機
101:外枠
102:内枠セット
103:前面枠セット
108:内枠スイッチ
109:前面枠スイッチ
121〜125:枠発光装置
150:発射装置
151:球送りソレノイド
152:発射ソレノイド
180:音響装置
358:払出装置
382:電源スイッチ
414:ドラム
432:回転体
920:主制御装置
930:払出制御装置
940:サブ制御装置

Claims (1)

  1. 開閉可能に連結された第1ブロック及び第2ブロックと、
    前記第1ブロック及び第2ブロックの開閉状態を検出する開閉検出装置と、
    振動することにより第1状態と第2状態とをとる振動検出装置と、
    を含む遊技機であって、
    前記振動検出装置の状態を周期的に監視して、前記振動検出装置が前記第2状態である場合に所定の基準値から離れる値に判定情報を更新し、前記振動検出装置が前記第1状態である場合に前記基準値に近づく値に前記判定情報を更新する判定情報更新手段と、
    前記判定情報が前記基準値と所定の閾値との間の範囲と異なる値となった場合に所定の振動状態と判定する振動判定手段と、
    を含み、
    前記判定情報更新手段は、前記開閉検出装置による開状態の検出に基づいて、前記判定情報の更新を停止する、
    ことを特徴とする遊技機。
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