以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。よって、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて、構成部材の再利用が容易にされている。本実施形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11を樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成するようにしてもよい。
内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂により構成されている。ABS樹脂は、材料コストが安価で、メッキ等ののりが良く装飾性に優れ、耐衝撃性が大きいので、内枠12の構成材料として好適である。内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて球発射ハンドル18の設置箇所の反対側に上下に延設されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようにされている。開閉軸線は球発射ハンドル18の反体側に設けられているので、内枠12を大きく開放することができる。通常パチンコホールでは、パチンコ機10は互いに隣接して配設されるので、開閉軸線を球発射ハンドル18側に設けると、内枠12と共に開放される球発射ハンドル18が隣のパチンコ機10に当接して開放量が減少してしまうからである。
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲で内枠12を覆うようにして前面枠セット14が取り付けられている。下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。この内枠12の外周には、前面側へ突設された外周壁が形成されており、その外周壁の内側に前面枠セット14が配設される。即ち、内枠12に前面枠セット14を取り付けた状態では、前面枠セット14の側面外周は、内枠12の外周壁により囲繞されるので、内枠12と前面枠セット14との間への針金等の挿入を困難なものにして、不正行為を抑制することができる。
内枠12の上部には、円柱状に突出した押しボタン型の開閉スイッチ25が設けられている。この開閉スイッチ25は、前面枠セット14の開閉状態を検出するためのスイッチである。前面枠セット14が内枠12に対して閉じられている場合には開閉スイッチ25が押圧状態となり、逆に、前面枠セット14が内枠12に対して開放されている場合には開閉スイッチ25は非押圧の突出状態となって、前面枠セット14の開閉状態を検出する。また、内枠12の左上部(図2参照)には、配線孔26が穿設されている。配線孔26は、前面枠セット14の配線を内枠12を通過させて遊技盤30の裏面に配設するための孔である。配線孔26の角部にはRが形成されており、配線孔26内に配線される各コードが、角部で損傷しないようにされている。なお、図4に示す通り、遊技盤30の左上部にも配線孔26に対応して、配線孔37が穿設されている。
図3は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である。図3では、便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。図3に示すように、下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16から排出された球が下皿15内に貯留可能に構成されている。下皿ユニット13は、内枠12と同様に、難燃性のABS樹脂により形成されている。必ずしも、この下皿15のすべてをABS樹脂で形成することは必要でないが、少なくとも下皿15の表面部分、即ち下皿15の表面層と下皿15奥方の前面パネルとをABS樹脂で形成することが好ましい。下皿15には、火のついた煙草が放置される危険があるので、少なくともその表面部分を難燃性のABS樹脂で形成することにより、パチンコ機10の損傷や火災の発生を抑止できるからである。なお、前面パネルには、図示しないスピーカからの音を出力するためのスピーカ孔24が穿設されている。
下皿15の正面下方部には、下皿15に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー17が設けられている。この球抜きレバー17は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿15の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー17の操作は、通常、下皿15の下方に、下皿15から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。また、下皿15の右方には、球発射ハンドル18が下皿ユニット13から手前側へ突出した状態で配設されると共に、下皿15の左方には灰皿が片持状に取着されている。灰皿は下皿15に回転可能に取着された軸と共に手前方向及び奥方向へ回転可能にされている。このように、下皿15の一側に球発射ハンドル18を、他側に灰皿を配設することにより、下皿ユニット13の左右の美的バランスを保ってパチンコ機10の装飾性を向上させている。
一方、図1に示すように、下皿15の上方における前面枠セット14には、球受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、球を一旦貯留し、一列に整列させながら球発射装置へ導出するためのものである。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方において内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたが、本実施形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。これは、本実施形態の前面枠セット14は、従来のパチンコ機より大きく形成した遊技領域を外部から視認できるようにするために略楕円形状に大きく欠成された窓部101を備えているので、前面枠セット14の強度を少しでも向上させるべく、該前面枠セット14に上皿19を一体化して形成しているのである。この上皿19も下皿15と同様に、少なくとも表面層が難燃性のABS樹脂にて形成されている。なお、遊技領域が、従来のパチンコ機に比べて如何に大きく形成されているかについては後述する。
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。この樹脂ベース20の後側には、遊技盤30が内枠12に対して着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板より構成され、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。即ち、遊技盤30を、従来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域を、従来のパチンコ機より大きく形成しているのである。
次に、図4を参照して遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30には、複数の一般役物入賞装置31と、球が入賞することによって後述する開閉部材33a1(図5及び図6参照)を開閉駆動させると共に可動部材31a(図9a参照)を上下駆動させる役物開放口32L,32C,32Rと、球が入賞することによって遊技者に所定の遊技価値(大当たり)を付与するV入賞口(図示せず)へ球を導出するV案内部33b4a(図6及び図7参照)を有した役物可変入賞装置33等とがルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30の前面側から木ネジ等により取付けられている。
周知の通り前記一般役物入賞装置31、役物開放口32L,32C,32R、並びに、役物可変入賞装置33に内蔵されたV案内部33b4a及び非V案内部33b4b(図6及び図7参照)に球が入球し、後述する各検出スイッチから所定の出力がなされると(所謂、入賞)、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤30には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
役物開放口32L,32C,32Rは、遊技盤30下方に3つ設けられている。中央の役物開放口32Cに球が入球し、その役物開放口32Cに配設された中開放口スイッチ222C(図29参照)によって球が検出されると、役物可変入賞装置33の開閉部材33a1が2回開閉駆動すると共に、その左右に配設された一般役物入賞装置31の可動部材31aがそれぞれ2回上下駆動するように構成されている。また、左側の役物開放口32Lに球が入球し、その役物開放口32Lに配設された左開放口スイッチ222L(図29参照)によって球が検出されると、役物可変入賞装置33の開閉部材33a1が1回開閉駆動すると共に、その左側に配設された一般役物入賞装置31の可動部材31aが1回上下駆動するように構成されている。同様に、右側の役物開放口32Rに球が入球し、その役物開放口32Rに配設された右開放口スイッチ222R(図29参照)によって球が検出されると、役物可変入賞装置33の開閉部材33a1が1回開閉駆動すると共に、その右側に配設された一般役物入賞装置31の可動部材31aが1回上下駆動するように構成されている。
ここで、図5及び図6を参照して、役物可変入賞装置33について説明する。図5は、役物可変入賞装置33の斜視図であり、図6は、役物可変入賞装置33の分解斜視図である。役物可変入賞装置33は、複数の部材を組み立てて構成しており、役物部33aと、回転体部33bとで構成されている。
役物部33aは、開閉部材33a1と、その開閉部材33a1を開閉駆動させる開閉部材駆動ソレノイド33a2と、役物可変入賞装置33に入賞した球を検出する役物入賞検出スイッチ33a3と、大当たり時に役物可変入賞装置33に入賞した球をV案内部33b4aへ入球させ易くするための役物33a4と、その役物33a4を駆動させる役物駆動モータ33a5と、大当たりのラウンド数を表示するラウンド表示部33a6と、遊技盤30の前面に取着される前面部材33a8と、その前面部材33a8の背面に配設される背面部材33a9と、役物可変入賞装置33に入賞した球を球誘導部材33b3へ誘導する第1誘導経路33a7とを備えている。
また、回転体部33bは、役物可変入賞装置33へ入賞した球を後述する回転体33b6へ誘導する第2誘導経路33b1及び第3誘導経路33b2を有した球誘導部材33b3と、V案内部33b4a又は非V案内部33b4bのいずれかに球を振り分ける振分装置としての回転体33b6と、その回転体33b6を回転駆動させる回転体駆動モータ33b7と、V案内部33b4aに入球した球を検出するV入賞検出スイッチ33b8とを備えている。
役物可変入賞装置33に入賞した球は、役物部33aに形成された第1誘導経路33a7(図5参照)を流下して球誘導部材33b3へ誘導される。球誘導部材33b3に誘導された球は、球誘導部材33b3に設けられた振分部材33b9によって第2誘導経路33b1又は第3誘導経路33b2のいずれかに振り分けられ、その一方の誘導経路を流下し、回転体33b6への流入領域33b10(図7参照)へ流入する。流入領域33b10へ流入した球は、回転体33b6に設けられたV案内部33b4a又は非V案内部33b4bのいずれかに振り分けられて入球する。V案内部33b4aに球が入球した場合には、その球は回転体33b6の下方に設けられたV入賞検出スイッチ33b8で検出され、V入賞検出スイッチ33b8によって球が検出されることに基づいて、開閉部材33a1及び役物33a4を所定駆動させて、役物可変入賞装置33に球が入賞し易い大当たりが発生する。一方、非V案内部33b4bに球が入球した場合には、その球は役物可変入賞装置33と回収通路216(図15参照)との間に設けられた非V入賞検出スイッチ223(図15参照)によって検出される。
ここで、役物可変入賞装置33の各構成部材について説明する。開閉部材33a1は、遊技領域に打ち込まれた球を役物可変入賞装置33内へ入賞し易くするための部材であり、役物可変入賞装置33の左右両側に配設されている。この開閉部材33a1は、球が遊技領域の左右いずれかの役物開放口32L,32Rへ入球した場合には1回、中央の役物開放口32Cへ入球した場合には2回、開閉部材駆動ソレノイド33a2により開閉駆動するように構成されている。
開閉部材駆動ソレノイド33a2は、上記した開閉部材33a1を駆動するために開閉部材33a1と連結されており、役物部33aの背面側(図6の紙面右側)、即ち、遊技盤30に役物可変入賞装置33を配設した場合に遊技者から視認できない位置に配設されている。この開閉部材駆動ソレノイド33a2は、役物開放口32L,32C,32Rに球が入球することによってオンされ、この開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンされることによって、開閉部材駆動ソレノイド33a2と連結された開閉部材33a1が開放駆動し、役物可変入賞装置33内に球が入賞し得る状態となるように構成されている。
役物入賞検出スイッチ33a3は、役物可変入賞装置33内に入賞した球を検出するためのスイッチである。なお、役物入賞検出スイッチ33a3は、後述する球誘導部材33b3へ球を誘導する第1誘導経路33a7に配設されているので、役物可変入賞装置33内に球が入球された直後に、その入球された球を検出することができる。
役物駆動モータ33a5は、役物33a4を所定駆動させるためのものであり、役物部33aの背面側(図6の紙面右側)、即ち、遊技盤30に役物可変入賞装置33を配設した場合に遊技者から視認できない位置に配設されている。この役物駆動モータ33a5は、V案内部33b4aに球が入球した場合に発生する大当たり時において役物33a4を所定駆動させ、役物可変入賞装置33に入賞した球をV案内部33b4aへ誘導し得るように構成されている。
前面部材33a8は、その上部に、開閉部材33a1が開放した場合に球が流入する入口33a8aが設けられている。入口33a8aから流入した球は、前面部材33a8と背面部材33a9とで形成される第1誘導経路33a7(図5参照)を介して回転体33b6まで誘導される。役物可変入賞装置33は、この前面部材33a8を遊技盤30にビス止めすることにより遊技盤30に装着される。
球誘導部材33b3は、役物可変入賞装置33に入賞した球をV案内部33b4a及び非V案内部33b4bを有した回転体33b6へ誘導するための部材である。ここで、図7及び図8を参照して球誘導部材33b3について説明する。図7(a)は、役物可変入賞装置33の回転体部33bの平面図であり、図7(b)は、役物可変入賞装置33の回転体部33bの正面図であり、図8は、役物可変入賞装置33の球誘導部材33bを部分的に拡大視した模式図である。球誘導部材33b3は、第1誘導経路33a7によって誘導された球をその第1誘導経路33a7の左右の誘導経路(第2誘導経路33b1、第3誘導経路33b2)に振り分ける振分部材33b9と、その振分部材33b9によって振り分けられた球を誘導する第2誘導経路33b1及び第3誘導経路33b2と、その第2誘導経路33b1又は第3誘導経路33b2によって誘導された球が流入する流入領域33b10とを備えている。
振分部材33b9は、その上面が正面視略三角形状(図7(b)参照)に形成されており、第1誘導経路33a7を流下する球の流下方向に対して左右同一勾配の勾配面33b9a,33b9bで構成されている。この振分部材33b9は、第2誘導経路33b1及び第3誘導経路33b2の上方に設けられている。第1誘導経路33a7を流下した球は、この振分部材33b9によって、略1/2の確率で第2誘導経路33b1又は第3誘導経路33b2に振り分けられ、各誘導経路に転がり落ちる。
第2誘導経路33b1と第3誘導経路33b2とは、左右対称の上面視略円弧状に形成されている。第2誘導経路33b1は、球が流下する底面33b1aとその底面33b1aの両縁から立設される側壁33b1b,33b1cとから形成される溝で形成されている。第3誘導経路33b2も同様に、球が流下する底面33b2aとその底面33b2aの両縁から立設される側壁33b2b,33b2cとから形成される溝で形成されている。第2誘導経路33b1及び第3誘導経路33b2は、流入領域33b10へ向かって下降傾斜している。このため、第1誘導経路33a7を流下した球は、自重によって流入領域33b10へ向かって第2誘導経路33b1又は第3誘導経路33b2を流下する。
第2誘導経路33b1の底面33b1aには、球誘導部材33b3の上方へ突出すると共に第2誘導経路33b1に沿って下流に向かって下降傾斜したリブ33b11が底面33b1aに固定されて設けられている。振分部材33b9によって第2誘導経路33b1に振り分けられた球は、リブ33b11上を流下する。一方、第3誘導経路33b2にはリブ33b11は設けられていないので、球は第3誘導経路33b2の底面33b2aを流下する。振分部材33b9によって、第1誘導経路33a7を流下した球が第2誘導経路33b1側に振り分けられる場合には、球は、振分部材33b9からリブ33b11の頂部33b12a近傍上に転がり落ちる(図8参照)。一方、第3誘導経路33b2側に振り分けられる場合には、球は、振分部材33b9から第3誘導経路33b2の底面33b2aに落ちる。このため、それぞれの誘導経路(第2誘導経路33b1及び第3誘導経路33b2)を流下する流下開始位置の高さが異なる。更に、球が転がり落ちた位置からリブ33b11が設けられている第2誘導経路33b1の区間と、それに対置した第3誘導経路33b2の区間では経路の勾配が異なる。よって、第2誘導経路33b1では、球は、第3誘導経路33b2より高い位置からリブ33b11上を流下し、一方、第3誘導経路33b2では、球は第2誘導経路33b1より低い位置からリブ33b11より勾配の小さい第3誘導経路33b2の底面33b2aを流下する(図8参照)。従って、第2誘導経路33b1と第3誘導経路33b2とにおいて、球の流下速度を異ならせることができるので、球が流入領域33b10へ流入するタイミングを誘導経路によって異ならせることができる。
また、回転体部33bは、リブ33b11の前面(図7(a)の紙面下側)を遊技領域の前面側に向けて役物部33aと一体化される。リブ33b11の前面側(図7(a)の紙面下側)即ち、リブ33b11の遊技領域の前面側には、リブ33b11を遊技領域の前面側から遮蔽する遮蔽壁33b12,33b13が第2誘導経路33b1及び第3誘導経路33b2の側壁として設けられている(図7参照)。このため、リブ33b11は、遮蔽壁33b12によって、遊技領域の前面側(遊技者側)から遮蔽される。また、リブ33b11は、第2誘導経路33b1に沿って互いに隙間を保って2個設けられている。このため、第2誘導領域33b1を流下する球は、この隙間上を流下するので、第2誘導経路33b1をスムーズに流下させることができる。
ここで、遮蔽壁33b12は、遮蔽壁33b12の最頂部33b12aとリブ33b11の最頂部33b11aとの高さの差(B)が、球の直径(A)より小さく形成されている(図8参照)。このため、第2誘導経路33b1を流下する球が遮蔽壁33b12によって完全に遊技者側から遮蔽されずに、遊技者に、その球の一部が視認される。
図6に戻って、役物可変入賞装置33の各構成部材についての説明を続ける。流入領域33b10は、第2誘導経路33b1及び第3誘導経路33b2の終端にそれぞれ設けられており、それぞれの誘導経路を流下した球は、この流入領域33b10へ流入し、回転体33b6によってV案内部33b4a又は非V案内部33b4bのいずれかに振り分けられる。
ここで、V案内部33b4aの下方には、図示しないストッパが配設されている。このストッパは、大当たり中において1のラウンドが開始されると、V案内部33b4aの下方部分を閉塞し、V案内部33b4aに入賞した球を後述するV入賞検出スイッチ33b8へ流下させないようにする部材である。このストッパは、大当たり中において、例えば、役物可変入賞装置33に10個の球が入賞した場合や、開閉部材33a1が18回開放された場合に、V案内部33b4aの閉塞状態を解除して、V案内部33b4aに入球している球がV入賞検出スイッチ33b8に流下させ得るように構成されている。
回転体33b6は、流入領域33b10に流入した球をV案内部33b4a又は非V案内部33b4bへ振り分けるための部材である。回転体33b6は、上面視略円形状に形成されると共に、外周に流入領域33b10へ流入した球を受入可能な10個の球受入部33b4を有している。球受入部33b4の内、一つはV案内部33b4aとされ、残りの9個は非V案内部33b4bとされている。回転体33b6は、後述する回転体駆動モータ33b7によって1方向に回転駆動されている。役物可変入賞装置33に入賞した球が、流入領域33b10へ流入すると、回転体33b6によってV案内部33b4a又は非V案内部33b4bへ振り分けられる。よって、簡単な構成で振分装置を構成することができる。
回転体駆動モータ33b7は、回転体33b6を回転駆動させるために回転体33b6と連結されており、回転体部33bの下側(図6の紙面下側)に配設されていると共に、遊技盤30に役物可変入賞装置33を配設した場合に遊技者から視認できない位置に配設されている。この回転体駆動モータ33b7は、ステッピングモータで構成されており、後述する主制御装置261から出力されるパルス信号に基づいて回転体33b6を駆動させるように構成されている。
V入賞検出スイッチ33b8は、V案内部33b4aへ入球した球を検出するためのスイッチであり、回転体33b6の下側(図6の紙面下側)に配設されている。このV入賞検出スイッチ33b8によって球が検出されることにより、後述する主制御装置261においてラウンド抽選を行い、そのラウンド抽選の抽選結果に基づいた大当たりが発生するように構成されている。なお、ラウンド抽選の抽選結果は、役物部33aに配設されたラウンド表示部33a6に表示されるように構成されている。
以上説明したように、役物可変入賞装置33に入賞した球は、第1誘導経路33a7を流下して、球誘導部材33b3に設けられた振分部材33b9によって第2誘導経路33b1又は第3誘導経路33b2のいずれか一方に振り分けられる。振分部材33b9によって振り分けられた球は、第2誘導経路33b1又は第3誘導経路33b2のいずれか一方を流下する。ここで、第2誘導経路33b1と第3誘導経路33b2とでは球の流下速度が異なるように構成されている。即ち、第2誘導経路33b1にはその経路に沿って下降傾斜したリブ33b11が設けられており、一方、第3誘導経路33b2には設けられていない。第2誘導経路33b1に振り分けられた球は、リブ33b11上を流下するので、第3誘導経路33b2に比べて高速で流下する。このため、球が流入領域33b10へ流入するタイミングが誘導経路によって異なるので、遊技者は球が役物可変入賞装置33内に入球する毎に、期待感を味わうことができる。
次に、図9及び図10を参照して、一般役物入賞装置31について説明する。図9は、一般役物入賞装置31の斜視図であり、図10は、一般役物入賞装置31の分解斜視図である。一般役物入賞装置31は、その正面視略中央に、上下移動する可動部材31aと、その可動部材31aを収容する可動装置ケース31bと、その可動装置ケース31bの背面に取着され各種部品を固定する部品固定部材31cと、その部品固定部材31cの背面に設けられる可動部材駆動ソレノイド31dとから構成されている。
可動部材31aは、宇宙人を模して形成されたキャラクタ本体31a1と、キャラクタ本体31a1を支持する支持部材31a2と、可動部材31aを取り付けるための突出部材31a3とから構成されている。
可動部材31aは、支持部材31a2と、キャラクタ本体31a1と、突出部材31a3とをネジ等によって一体化して形成されている。突出部材31a3には、可動部材31aの背面に向かって突出する突出部が設けられ、突出部を後述する部品固定部材31cの連結部に連結させて、連結部の背面からネジ等によって可動部材駆動ソレノイド31dと連結固定されている。
可動装置ケース31bは、可動部材31aを収容するためのものであり、前面枠部材31b1と、一般役物入賞装置31を遊技盤30に装着するための取付部材31b2と、無色透明の合成樹脂で形成された背面部材31b3と、部品固定部材31b4とを備えている。この可動装置ケース31bは、背面部材31b3の前面側に前面枠部材31b1と取付部材31b3とをネジ等で固定し、背面部材31b3の背面側に部品固定部材31b4をネジ等で固定して一体化されたものである。
可動装置ケース31bの背面部材31b3は、図10に示すように、中央下部に横長略矩形状の貫通孔を有する形状に形成され、その周縁部は前方(図10の左下方向)に僅かに突出している。前面枠部材31b1は、背面部材31b3の周縁とほぼ同一の断面を有した筒状に形成されている。取付部材31b2は、板状に形成されており、その中央下部には前面枠部材31b1の内周に沿って開口が設けられている。取付部材31b2を挟んで背面部材31b3と前面枠部材31b1とが可動装置ケース31bとして一体化されると、一面側が開口した開口空間が形成され、その開口空間内に可動部材31aが収容される。即ち、背面部材31b3が、開口空間の背面を形成すると共に、前面枠部材31b1が、背面部材31b3の周縁部から前方に突出した筒状の部位を形成し、可動部材31aの周囲と背面とが可動装置ケース31bに囲われて収容された状態となる。
また、可動装置ケース31bは、その可動部材31aを遊技者側に向けつつ、取付部材31b2をビス止めすることにより遊技盤30に装着される。なお、可動部材31aを遊技者側に向けるとは、可動装置ケース31bに対して可動部材31aを遊技者側に配置することを意味しており、可動部材31aを構成するキャラクタの向き(例えば、キャラクタを構成する宇宙人の顔の向き)を意味するものではない。
ここで、前面枠部材31b1は、遊技盤30に装着された状態において取付部材31b2よりも遊技盤30の前面側に配置されるので、遊技盤30に対して前面枠部材31b1が遊技者側に突出する。よって、遊技者に対して一般役物入賞装置31の存在を強く印象づけることができ、一般役物入賞装置31の存在価値を向上させることができる。
また、遊技盤30より突出した前面枠部材31b1は、その開口の口元が遊技盤30の前面側に配設されるガラス板に僅かな隙間を隔てて配置される。このため、パチンコ機10のガラス板で、可動装置ケース31bの開口が封鎖された状態となり、遊技盤30とガラス板との間に形成される遊技領域を流下する球は、可動装置ケース31bの外周面によって囲われた開口空間内に進入することがない。よって、遊技領域を流下する球が可動部材31aに衝突して可動部材31aが破損することを防止することができる。
更に、前面枠部材31b1の中央上部には、上方に開口した入賞口が設けられ、その入賞口の両脇から左右両側に向けては、下降傾斜した正面視略円弧状の傾斜面が形成されている。遊技領域を流下する球が前面枠部材31b1の真上にくると、その球は入賞口に入賞して、その入賞口に配設された検出スイッチ(図示せず)により球が検出されることに基づいて、所定数(例えば、15個)の賞球の払い出しが行われる。入賞口から逸れた球は、入賞口の左右両脇を頂部として左右両側に下降傾斜した傾斜面に沿って下方(下流側)へ流下する。よって、前面枠部材31b1の外周に沿って球が円滑に流下することとなり、前面枠部材31b1の内側に配置される可動部材31aの前面側を球が流下することがなく、可動部材31aの視認性を高めてその動作時に遊技者に注意を向けさせることができる。なお、必ずしも前面枠部材31b1の中央上部に入賞口を設ける必要はなく、上面を正面視円弧状又は三角形状に形成して、頂部および下降傾斜した傾斜面を形成しても良い。
また、可動装置ケース31b内の可動部材31aは、可動部材駆動ソレノイド31dが非通電の状態においては開口空間の下側に配置され、可動部材駆動ソレノイド31dが通電状態になると、上方に一定量移動する。この可動部材駆動ソレノイド31dの通電によって可動部材31aが最高の高さに達した位置においても、可動装置ケース31bは、上部に隙間が残るように十分に大きく形成されている。このため、可動部材31aは、隙間の大きさ分だけ更に大きな別形状の可動部材(例えば、リーチ棒を模した部材)に交換しても、上下移動による可動部材の動作を損なうことがない。即ち、可動部材31aが上方に移動した場合に可動部材31aが可動装置ケース31bと接触する大きさまでは、可動部材の移動量を確保しつつ可動部材を拡張又は変形させることができるのである。よって、可動部材の移動量を確保しつつ一般役物入賞装置31に適用し得る可動部材の形状の適用範囲を広くすることができ、可動部材31aとは形状の異なる多様な形状の可動部材を一般役物入賞装置31に交換して使用することができる。
部品固定部材31b4は、可動部材駆動ソレノイド31dを支持して可動装置ケース31bに連結するための部材であり、無色透明の合成樹脂で形成されており、背面部材31b3の背面からネジ等によって該背面部材31b3と連結されている。また、部品固定部材31b4の下部には、前記した突出部31a3を貫通させるための貫通孔が穿設されている。
背面部材31b3の下部にも、可動部材31aの突出部31a3を貫通させるための貫通孔が穿設されており、可動部材31aの突出部31a3は、背面部材31b3及び部品固定部材31b4の各貫通孔に差し込まれて貫通している。これにより、可動装置ケース31bの前面側に配置される可動部材31aは、可動装置ケース31b(部品固定部材31b4)の背面側に固定される可動部材駆動ソレノイド31dに連結される。
可動部材駆動ソレノイド31dは、可動部材31aに駆動力を付与して可動部材31aを上方へ移動させるものであり、一般的な電磁ソレノイドで構成されたものである。可動部材駆動ソレノイド31dは、左右両側に突出した部分に穴が設けられ、ネジ等でねじ止めすることによって部品固定部材31b4の背面に固定されている。
可動部材駆動ソレノイド31dの下端には、突出部材31a3と可動部材駆動ソレノイド31dとを連結するための連結部材31d1が設けられており、可動部材駆動ソレノイド31dが駆動することによって、可動部材31aが上下移動する。連結部材31d1は、正面視略矩形状に形成され、その上部に可動部材駆動ソレノイド31dを固定する固定部を有し、その下部に突出部材31a3の突出部を連結するための連結部を有している。この連結部には、前面側に突出して突出部材31a3の突出部先端を外方より支持する円筒状の部分と、その背面側に穿設されてネジ等を挿通するためのねじ穴とが設けられている。可動部材31aは、この連結部において、突出部材31a3の突出部の先端を支持しつつ連結部材31d1の背面側から挿通されるネジ等によって連結部材31d1と連結固定される。
連結部材31d1と連結する突出部材31a3の突出部は、可動装置ケース31bの背面を貫通し、可動装置ケース31bの背面に取り付けられた可動部材駆動ソレノイド31dの連結部材31d1と直接的に連結される。このため、可動部材31aと可動部材駆動ソレノイド31dとの間にリンク機構を介さずに可動部材31aと可動部材駆動ソレノイド31dとを連結することができる。よって、可動部材31aと可動部材駆動ソレノイド31dとの間の構成を簡略化することができ、製造コストを低減することができる。
また、突出部材31a3の突出部は、ネジ等によって連結部材31d1と連結固定される。このため、可動部材31aと可動部材駆動ソレノイド31dとを連結固定した後にも、ネジ等を操作して(緩めて)、可動部材31aと可動部材駆動ソレノイド31dとの連結固定を解除し、可動部材31aを取り外すことができる。よって、可動部材31aの脱着が可能となる。
ここで、可動装置ケース31bが遊技盤30に装着された状態で可動部材31aを脱着する方法について説明する。可動部材31aを取り外す場合には、まず、連結部材31d1の背面側(遊技盤30の背面側)から、連結部材31d1と可動部材31aの突出部材31a3の突出部とを連結固定しているネジ等を外す。その後、可動装置ケース31bの開口側から、部品固定部材31b4に穿設された貫通孔と背面部材31b3に穿設された貫通孔とから突出部材31a3の突出部を抜き出しつつ、可動部材31aを可動装置ケース31bの開口から取り出す。以上の作業によって、可動装置ケース31bが遊技盤30に装着された状態で可動部材31aを取り外すことができる。
一方、可動部材31aを取り付ける場合には、まず、可動部材31aを、可動装置ケース31bの開口から、突出部材31a3の突出部を背面部材b3に穿設された貫通孔と部品固定部材31b4に穿設された貫通孔とに貫通させつつ差し込む。その後、突出部材の突出部を連結部材31d1の連結部に連結させ、連結部材31d1の背面側(遊技盤30の背面側)からネジ等によって連結部材31d1と可動部材31aとを連結固定する。以上の作業によって、可動装置ケース31bが遊技盤30に装着された状態で可動部材31aを取り付けることができる。
このように、一般役物入賞装置31の背面における連結部材31d1の背面からネジ等を止める、又は、外すことにより、可動装置ケース31bが遊技盤30に装着された状態で、可動部材31aを脱着することができる。よって、突出部材31a3と連結部材31d1とが開口空間内においてネジ等によって連結固定する場合に比べて、脱着作業の作業スペースが制限されず、作業性が向上する。従って、可動部材31aが故障或いは破損した場合には、一般役物入賞装置31が遊技盤30に装着された状態で可動部材31aを容易に脱着することができるので、脱着作業に要する時間が短くなり、修理に要する時間を短くすることができる。
更に、可動装置ケース31bの背面を貫通する突出部材31a3の突出部を共通の形状とした可動部材であれば、他の部分の形状が異なっていても容易に可動部材同士を交換することができる。即ち、可動部材を他の可動部材と交換することにより容易に同一機種のバリエーションを増加させることができる。例えば、一の遊技場における同一機種間で、半分の遊技機にはマンモスを模した可動部材を使用し、残りの半分の遊技機にはマンモスからカラスを模した可動部材に交換して使用することができ、同一機種のバリエーションを多様にすることができる。更に、一の遊技場において、複数種類の可動部材を用意しておけば、例えば、所定期日毎に可動部材を交換して、同一機種のバリエーションを多様にすることができる。
図4に戻って説明する。遊技盤30には、球発射装置から発射された球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された球はレールユニット50を通じて遊技領域に案内される。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール部51と外レール取付部52とを有する。内レール部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されると共に、外レール取付部52は、その一部(主に左側部)が内レール部51に向かい合うようにして形成されている。これら内レール部51と外レール取付部52とにより誘導レールが構成され、この内レール部51と外レール取付部52とが所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、即ち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール取付部52には、球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール取付部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム54に当たって、勢いが減衰されて跳ね返される。外レール取付部52の内側面には、球の飛翔をより滑らかなものとするべく、長尺状のステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなれる。更に、本実施形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、即ち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路の入口には、その球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール部51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)へ導くためのものである。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレートを貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられており、この貼着スペースK1,K2を確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。このように、遊技盤30自体に証紙等の貼着スペースK1,K2を設けているので、証紙を遊技盤30に直接貼付することにより、その証紙により遊技盤30を一義的に特定することができる。即ち、遊技盤の不正な交換を容易に発見することができる。
従来のパチンコ機では、レールは遊技盤に直接打ち込まれていた。しかし、上述するように本実施形態のパチンコ機10では、レールユニット50は、フランジ56にネジ等が挿通されて遊技盤30に締結されている。即ち、本実施形態では、遊技盤30を、従来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域を、従来のパチンコ機より大きく形成しているので、レールを遊技盤に直接打ち込むことができないため、レールユニット50をフランジ56と共に樹脂で一体成形し、このフランジ56をネジ止め等して遊技盤30に締結している。かかる構成を採用した本実施形態によれば、廃棄時にレールユニット50を遊技盤30から容易に取り外すことができるので、樹脂成形されるレールユニット50を容易にリサイクルすることができる。なお、球の発射を安定して行わせるために、球の発射側のレールユニット50は、より多くのネジにより他のレールユニット50の部分に増してしっかりと固定されている。このレールユニット50を構成する樹脂材料としては、摩擦抵抗の小さいフッ素入りのポリカーボネートが好適である。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部に略円形状に区画形成されており、特に、本実施形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施形態では、外レール取付部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール取付部52の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール部51の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール部51及び外レール取付部52によって囲まれる領域のうち、内レール部51及び外レール取付部52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール取付部52によってではなく内レール部51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール取付部52によって特定される。従って、本実施形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更に460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。即ち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更には460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。即ち、遊技領域の高さは、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
本実施形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。更に好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。更には、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
なお、遊技領域が左右方向に拡張されているので、風車、複数の釘(球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、役物可変入賞装置33の左右両側の遊技領域での球の挙動を一層面白くすることができる。また、遊技領域が上下方向にも拡張されているので、更に風車、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の球の挙動をより一層面白くすることができる。
図3に戻って説明する。前記樹脂ベース20において、窓孔21の下方(遊技盤30の下方)には、球発射装置より発射された直後の球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後、前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて遊技領域に案内される。
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないので、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施形態では、球の発射位置を低くすると共に発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(即ち発射レール61を立ち上げるようにし)、更に発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保している。これにより、球発射装置から発射された球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合、特に、発射レール61を、球発射装置の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間が形成され、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、球発射装置から発射された球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15へ排出される。本実施形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール61の先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール取付部52に沿って流れ、外レール取付部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール部51側へ跳ね上がるものもある。跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内される。よって、ファール球と次に発射される球との干渉を抑制することができる。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から球が1つずつ供給される。この際、本実施形態では球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側とにそれぞれガイド部材65,66を設置したので、前面枠セット14側の球出口から供給される球は常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作を実現できる。
また、球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い球が発射される。この打球槌に関しては軽量化が望まれているので、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなる。
排出口67は上皿19に通じており、この排出口67を介して球が上皿19に排出される(払い出される)。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられており、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67を閉鎖するように構成されている。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられるように構成されている。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
図3に示すように、樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部の貼着スペースK1に張られたシール等は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
図3における内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。また、前面枠セット14の図9の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14を開閉可能に装着することができる。更に、支持金具81の支持孔83は切欠を有し、且つ図9に図示する通り支持金具151の下端部は補足形成されているので、支持金具151を支持孔83から完全に抜かなくても、支持金具151の細い部分を支持孔83の切欠に通すことによって前面枠セット14を内枠12(パチンコ機10)から容易に取り外すことができる。
次に、図1及び図11を参照して、前面枠セット14について説明する。図11は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には、遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。この窓部101の略中央部を直線状に形成してもよい。本実施形態において、窓部101の上端(外レール取付部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の役物可変入賞装置30を比較的上方に配置することができる。なお、前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、更に望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図10では右側に示されている)、即ち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール取付部52の左端部はもちろん、内レール部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように球が一時的に視認困難となったとしても、それは、球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール取付部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール部51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
加えて、前面枠セット14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行って、大当たり中であることを報知する。更に、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。
また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。環状電飾部102が手前に凸に形成されているのに対し、小窓107は平らに形成されている。前述した通り、小窓107の背面には、証紙等のシールやプレートを貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられているので、そこに貼着されたシール等の内容を、スキャナなどの読み取り装置によって光学的に読み取り可能とするために平らにされているのである。また、小窓107部分を平らに形成することによって、2台のパチンコ機10間に配設される球貸機(図示せず)の貸し球レールがパチンコ機10から遊技者側へ出っ張らないようにして、球貸機を配設することができる。
窓部101の下方には貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には、球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化を図ることができる。
図11に示すように、前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図9の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。この樹脂パーツ135により、金属製の補強板131〜134が前面枠セット14にて環状にループ接続されるのを防いでいる。金属製の補強板131〜134が環状にループ接続されていると、球の発射動作に伴う電磁ノイズが遊技盤30の前面に配設された前面枠セット14の周囲をループし、遊技盤30に悪影響を及ぼして、パチンコ機10の誤動作を誘発するが、本実施形態のパチンコ機10では、樹脂パーツ135により、金属製の補強板131〜134の環状接続を回避しているので、かかるノイズの悪影響を抑制することができる。なお、金属製の補強板131〜134の一部に樹脂パーツ135を使用することによる強度の低下は、その樹脂パーツ135にリブを設けたり、樹脂パーツ135の厚さを増して、補っている。
図11の右側の補強板131には、その中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりを防止することができる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等を抑制することができる。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となって、発射レール61から球がこぼれ落ちないように機能している。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着される。
前述の通り本実施形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内レール部51及び外レール取付部52により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、球発射装置より発射された球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うように前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
また、レールカバー140の右端部(即ち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図11の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
更に、レールカバー140には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図11の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた場合には、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール部51にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良い。かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させ難くなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
次に、図12から図17を参照して、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図12はパチンコ機10の背面図であり、図13はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。図14は、パチンコ機10裏面における第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203の配置を示す模式図であり、図15は、内枠12及び遊技盤30の構成を示す背面図である。図16は、内枠12を後方より見た斜視図であり、図17は、遊技盤30を後方より見た斜視図である。
まず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、更に、球を供給するための球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称する。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成について後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、更にこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
実際には、図14の概略図に示すように、各ユニット201〜203が配置され、取り付けられている。なお、図14において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1の軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4の軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
更に、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
一方、図15は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態を示す背面図である。また、図16は、内枠12を後方より見た斜視図であり、図17は、遊技盤30を後方より見た斜視図である。ここでは図15〜図17を用いて、内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替え可能に構成されている。図15は、係止固定具211,212がロック位置にある状態を示している。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は、金属片を折り曲げ形成したL型の金具で構成され、遊技盤30を固定した状態では内枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具で構成される。
遊技盤30の中央には、役物可変入賞装置ユニット35が配置されている。役物可変入賞装置ユニット35においては、役物可変入賞装置33(図4参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、役物可変入賞装置33が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、役物可変入賞装置33に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤30の裏面には、役物可変入賞装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した球を回収するための球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般役物入賞装置31、役物開放口32L,32C,32R及び役物可変入賞装置33(それぞれ図3参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10の外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図14に仮想線で例示するように、一般役物入賞装置31等に入賞した球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、更に排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった球も排出通路218を介してパチンコ機10の外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤30の取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられているので、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、更にその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機10の前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金等を利用し役物可変入賞装置33(大入賞口)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などへの球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般役物入賞装置31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、役物開放口32L,32C,32Rには左・中・右の各開放口スイッチ222L,222C(紙面奧側に設けられているため図示せず),222Rが設けられ、非V案内部33b4bから回収通路216へ繋がる排球経路には非V入賞検出スイッチ223が設けられている。なお、非V入賞検出スイッチ223は、役物可変入賞装置33内に入球した球が非V案内部33b4bに振り分けられ、役物可変入賞装置33外(排球領域)へ排球されたことを検出するスイッチである。
入賞口スイッチ221、各開放口スイッチ222L,222C,222R及び非V入賞検出スイッチ223は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板(図示せず)に接続され、更にこの盤面中継基板が後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。その他図示は省略するが、図15において、パチンコ機10の裏面左下方部には打球槌等を備えるセットハンドル228が配設され、その右横には発射モータ229が配設されている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(即ち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
また、遊技盤30の裏面には、衝撃センサ80が設けられている。この衝撃センサ80は、3軸加速度センサと、その3軸加速度センサからの出力値に基づいて衝撃を検出する検出回路とを備えており、検出回路により衝撃が検出された場合に、検出信号をMPU521へ出力するものである。本実施形態では、かかる衝撃センサ80によって衝撃が検出された場合(MPU521へ検出信号を出力した場合)に、かかる衝撃が不正行為の疑われる状況にて生じたものであるか否かを後述する衝撃監視処理(図42参照)や衝撃検出後監視処理(図43参照)にて吟味するように構成されている。
裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の右下部には上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)232が設けられ、同左上部には係止爪片233が設けられている。
内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12の右端部には、図18に示す長尺状の支持金具235が取り付けられている。図18に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット202用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット203用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット202用の支持金具と裏パックユニット203用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具である。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための球分配部245が設けられている。即ち、球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。また、内枠12の下端部には、下皿15に設置されたスピーカ(図示せず)の背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
次に、図19〜図22を参照して、第1制御基板ユニット201を説明する。図19は第1制御基板ユニット201の正面図であり、図20は同ユニット201の斜視図であり、図21は同ユニット201の分解斜視図であり、図22は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図19等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結される。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。即ち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して音声ランプ制御装置262に出力される。
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い。
一方の基板搭載面252上には、主制御装置261が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上には、音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置される。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているので、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図19等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できると共に、各制御装置を効率良く設置できる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、役物可変入賞装置33やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図21及び図22に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合を回避できる。また、主制御装置261は第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
取付台251には、図20等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図15等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図15等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図15等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。なお、支持金具231及び支軸256が前記図13の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、図23〜図25を参照して、第2制御基板ユニット202を説明する。図23は第2制御基板ユニット202の正面図であり、図24は同ユニット202の斜視図であり、図25は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機10の前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ358a部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータ358aが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されるので、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
また、取付台301には、図23等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図15等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図15等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図14の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、図26及び図27を参照して、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と球の払出機構部352とを一体化したものであり、図26はパチンコ機10の背面から見た裏パックユニット203の背面図を示しており、図27はその分解斜視図を示している。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも役物可変入賞装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の役物可変入賞装置ユニット35等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。即ち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、更にタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された球は図27に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際には、バイブレータ360を駆動することによって球詰まりを解消できるようになっている。このバイブレータ360は、ユニット化されているので、タンクレール356へ容易に取り付けることができる。
図28を参照してタンクレール356の構成ついて詳述すると、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355から落下してきた球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、更にその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の球群が流れ込んできても、球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消される。なお、レール本体361は、黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
図26及び図27に戻って説明する。払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
また、裏パック351には、図26等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図15等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図15等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図14等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。固定具242及び係止孔387の部分にナイラッチを使用しないのは、図26における係止孔387の左隣に球を貯留するタンク355が設けられるので、この部分を強固に固定するためである。固定具242の固定時には、図15等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図13の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。
次に、図29を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図29は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込処理(図34参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図30参照)において実行される。なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
また、RAM503は、バックアップエリア503aの他に、V入賞フラグ503bと、ラウンド抽選カウンタ503cと、ラウンドメモリ503dと、開閉部材カウンタ503eと、役物入賞カウンタ503fと、開放回数カウンタ503gと、開放時間タイマ503hと、閉鎖時間タイマ503iと、役物通過カウンタ503jとを有している。
V入賞フラグ503bは、大当たり中か否かを認識するためのフラグである。このV入賞フラグ503bは、通常の遊技状態、即ち、既にV入賞フラグ503bがオンされていない状態において、V入賞検出スイッチ33b8によって球が検出された場合にオンされ、逆に、大当たり発生時に設定されたラウンド数を実行した場合(即ち、後述するラウンドメモリ503dの値が「0」となった場合)、又は、役物駆動モータ33b7がオフされてから所定時間(例えば、1秒)が経過してもV入賞検出スイッチ33b8によって球が検出されなかった場合に(所謂、パンク)、オフされるように構成されている。
ラウンド抽選カウンタ503cは、大当たりのラウンド数を決定するためのカウンタであり、「0」〜「2」の範囲で更新されるように構成されている。このラウンド抽選カウンタ503cは、大当たりが発生した場合、即ち、通常の遊技状態においてV入賞検出スイッチ33b8によって球が検出された場合に参酌され、その時点でのラウンド抽選カウンタ503cの値に基づいて、その大当たりのラウンド数が決定される。具体的には、V入賞検出スイッチ33b8によって球が検出された時点において、ラウンド抽選カウンタ503cの値が「0」であった場合には1ラウンドの大当たり遊技が選定され、また、ラウンド抽選カウンタ503cの値が「1」であった場合には7ラウンドの大当たり遊技が選定され、更に、ラウンド抽選カウンタ503cの値が「2」であった場合には15ラウンドの大当たり遊技が選定されるように構成されている。
ラウンドメモリ503dは、前記したラウンド抽選カウンタ503cによって抽選された大当たりのラウンド数を記憶しておくためのメモリである。このラウンドメモリ503dの値は、大当たりが発生した場合にラウンド抽選カウンタ503cで抽選された値が加算されるように構成されている。具体的には、大当たりが発生した場合にラウンドメモリ503dに加算される値は、ラウンド抽選カウンタ503cの値が「0」であったときには「1」が加算され、ラウンド抽選カウンタ503cの値が「1」であったときには「7」が加算され、ラウンド抽選カウンタ503cの値が「2」であったときには「15」が加算される。逆に、大当たり時にV入賞検出スイッチ33b8によって球が検出される毎に、1ずつ減算されるように構成されている。また、大当たりのラウンド中に所定時間が経過してもV入賞検出スイッチ33b8によって球が検出されない場合(所謂、パンク)には、ラウンドメモリ503dの値が初期化(0クリア)されるように構成されている。
開閉部材カウンタ503eは、大当たり中において開閉部材33a1の開放回数、即ち、開閉部材駆動ソレノイド33dの通電回数を計数するカウンタである。この開閉部材カウンタ503eの値は、大当たり時おいて開閉部材駆動ソレノイド33dをオン(通電)した場合に「1」加算され、逆に、1ラウンドの大当たり遊技が終了した場合(ラウンドメモリ503dの値が「1」減算された場合)、又は、大当たりのラウンド中に所定時間が経過してもV入賞検出スイッチ33b8によって球が検出されない場合(所謂、パンク)に、初期化(0クリア)されるように構成されている。本実施形態のパチンコ機10では、1ラウンドの大当たり遊技において、この開閉部材カウンタ503eの値が「18」となった場合、即ち、開閉部材駆動ソレノイド33dの通電が18回行われた場合に、予め定めた1ラウンドの遊技時間が経過したと判断して、そのラウンドを終了させるように構成されている。
役物入賞カウンタ503fは、大当たり中において役物可変入賞装置33に入賞した球を計数するカウンタである。この役物入賞カウンタ503fは、大当たり遊技中において役物入賞検出スイッチ33a3によって球が検出された場合に「1」加算され、逆に、1のラウンドが終了した場合、即ち、ラウンドメモリ503dの値が「1」減算された場合に、初期化(0クリア)されるように構成されている。本実施形態のパチンコ機10では、1ラウンドの大当たり遊技において、この役物入賞カウンタ503gの値が「10」となった場合、即ち、1のラウンドが開始されてから(開閉部材駆動ソレノイド33dが通電されてから)、役物可変入賞装置33内に10個の球の入賞が確認された場合に、予め定めた1ラウンドの遊技価値が付与されたと判断して、そのラウンドを終了させるように構成されている。
開放回数カウンタ503gは、通常の遊技中(大当たり中以外の遊技中)において、役物可変入賞装置33に設けられた開閉部材33a1の開閉駆動の残り回数を記憶するカウンタである。前述した通り、開閉部材33a1は、球が遊技盤30の遊技領域に設けられた中央の役物開放口32Cに入球すると2回、左右の役物開放口32L,32Rに入球するとそれぞれ1回ずつ開閉駆動する。よって、開放回数カウンタ503gの値は、中央の役物開放口32Cに設けられる中開放口スイッチ222Cが球を検出すると2に設定され、左右の役物開放口32L,32Rに設けられる左又は右開放口スイッチ222L,222Rが球を検出すると1に設定される。また、開放回数カウンタ503gの値が1以上であれば、開閉部材33a1の開閉駆動が行われる。開放回数カウンタ503gの値は、開閉部材33a1が開放された状態から閉鎖され所定時間が経過したとき、即ち、開閉部材駆動ソレノイド33a2が開閉駆動を1回行う毎に、1ずつ減算される。
開放時間タイマ503hは、開閉駆動される開閉部材33a1の開放時間を計時するタイマである。開放時間タイマ503hには、開閉部材33a1の開放時に、即ち開閉部材駆動ソレノイド33a2のオン時に初期値が設定され、設定された値は4ms毎に実行される通常処理(図31参照)、具体的には、開閉部材開放処理(図32参照)において1ずつ減算される。減算の結果、開放時間タイマ503hの値が0になると、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオフされて、開閉部材33a1が閉鎖される。
一方、閉鎖時間タイマ503iは、開放後の開閉部材33a1の最小閉鎖時間を計時するタイマである。閉鎖時間タイマ503iには、開閉部材33a1の閉鎖時に、即ち開閉部材駆動ソレノイド33a2のオフ時に初期値が設定され、設定された値は4ms毎に実行される通常処理(図31参照)、具体的には、開閉部材開放処理(図32参照)において1ずつ減算される。減算の結果、閉鎖時間タイマ503iの値が0になると、開閉部材33a1の最小閉鎖時間が経過したことになるので、その場合には、開放回数カウンタ503gの値が1以上であれば、再度開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンされて、開閉部材33a1が開放される。
役物通過カウンタ503jは、通常の遊技中(通常状態)において、役物可変入賞装置33に残存する球を計数するカウンタである。この役物通過カウンタ503jは、役物入賞検出スイッチ33a3によって球が検出された場合に1が加算され、逆に、非V入賞検出スイッチ223によって球が検出された場合に1が減算されるように構成されている。なお、通常の遊技状態、即ち、V入賞フラグ503bがオンされていない状態において、V入賞検出スイッチ223によって球が検出された場合には、遊技の状態が通常状態から大当たり状態に移行するため、この役物通過カウンタ503jは初期化(0クリア)される。即ち、役物入賞検出スイッチ33a3と非V入賞検出スイッチ223との検出結果に基づき、通常の遊技中において、役物可変入賞装置33内に球が残存している状況(本実施例では、球の残存数)を記憶する記憶手段である。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、音声ランプ制御装置262、各開放口スイッチ222L,222C,222R、役物入賞検出スイッチ33a3、V入賞検出スイッチ33b8、非V入賞検出スイッチ223、開閉部材駆動ソレノイド33a2、役物駆動モータ33a5、回転体駆動モータ33b7、又は、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511には、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とが内蔵されている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、球発射ハンドル18の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置262は、各種スピーカ(スピーカ246など)からの音声の出力(聴覚的出力)、各種ランプ(環状電飾部102や、中央電飾部103や、上皿電飾部104や、賞球ランプ105や、エラー表示ランプ106など)の点灯および消灯による視覚的出力などを制御するものである。
演算装置であるMPU521には、そのMPU521により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM522と、ワークメモリ等として使用されるRAM523とが内蔵されている。RAM523は、役物通過カウンタ523aと、V入賞フラグ523bと、衝撃有りフラグ523cと、経過時間カウンタ523dとを有している。
役物通過カウンタ523aは、主制御装置261に設けられている役物通過カウンタ503jと同様に、通常の遊技中(通常状態)において、役物可変入賞装置33に残存する球を計数するカウンタである。この役物通過カウンタ523aは、音声ランプ制御装置262が、役物入賞検出スイッチ33a3によって球が検出されたことを示す役物入賞コマンドを主制御装置261から受信した場合に、1が加算され,一方で、非V入賞検出スイッチ223によって球が検出されたことを示す非V入賞検出コマンドを主制御装置261から受信した場合に、1が減算されるように構成されている。また、音声ランプ制御装置262が、通常の遊技状態においてV入賞検出スイッチ223による球の検出があったことを示すV入賞コマンドを、主制御装置261から受信した場合には、遊技の状態が通常状態から大当たり状態へ移行することに伴い、役物通過カウンタ523aは初期化(0クリア)される。即ち、役物通過カウンタ523aもまた、主制御装置261に設けられている役物通過カウンタ503jと同様に、役物入賞検出スイッチ33a3と非V入賞検出スイッチ223との検出結果に基づき、通常の遊技中において、役物可変入賞装置33内に球が残存している状況(本実施例では、球の残存数)を記憶する記憶手段である。
V入賞フラグ523bは、通常状態において、大当たり状態への移行の契機となるV入賞検出スイッチ223による球の検出があったか否かを示すフラグである。このV入賞フラグ523bは、音声ランプ制御装置262が、通常の遊技状態においてV入賞検出スイッチ223によって球が検出されたことを示すV入賞コマンドを主制御装置261から受信した場合にオンされる。一方、このV入賞フラグ523bは、音声ランプ制御装置262が、V入賞フラグ503がオフされたことを示す大当たり終了コマンドを主制御装置261から受信した場合にオフされる。
衝撃有りフラグ523cは、衝撃検出後監視処理(図44参照)を実行すべき衝撃が衝撃センサ80によって検出されたか否かを示すフラグであり、この衝撃有りフラグ523cがオンである場合には、衝撃検出後監視処理を実行すべき衝撃が衝撃センサ80によって検出されたことを示し、その結果として、衝撃検出後監視処理(図44参照)が実行される。
この衝撃有りフラグ523cは、オフの状態において衝撃センサ80による衝撃の検出が確認されるとオンされ、その後、衝撃検出後監視処理(図44参照)を実行すべき期間中においてオンが継続される。そして、衝撃検出後監視処理の実行が不要になった場合にオフされる。なお、「衝撃検出後監視処理の実行が不要になる場合」とは、衝撃センサ80により衝撃が検出されてから衝撃有りフラグ523cがオンされてから所定の監視期間(本実施形態では、5s)以内にV入賞フラグ523bがオンされることがなかった場合、又は、衝撃センサ80により衝撃が検出されてから所定の監視期間以内にV入賞フラグ523bがオンされたために、不正行為の疑いを報知する第3報知処理(図44参照)が行われた場合である。
経過時間カウンタ523bは、衝撃センサ80によって検出された衝撃に対する監視を必要とする監視期間を計時するカウンタである。この経過時間カウンタ523bには、衝撃有りフラグ523cがオフである場合に衝撃センサ80による衝撃の検出が確認されると、予め規定されている監視期間(本実施形態では、5s)に相当する初期値が設定されるように構成されている。そのように経過時間カウンタ523bに設定された値は、音声ランプ制御装置262にて2ms毎に実行されるメイン処理(図41参照)、具体的には、衝撃検出後監視処理(図44参照)の中で1ずつ減算される。減算の結果、経過時間カウンタ523bが0になると、衝撃センサ80によって検出された衝撃に対する監視を必要とする監視期間が経過したことを示す。
音声ランプ制御装置262のMPU521には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン524を介して入出力ポート525が接続されている。入出力ポート525には、主制御装置261、衝撃センサ80、スピーカ246、環状電飾部102、中央電飾部103、上皿電飾部104、賞球ランプ105、エラー表示ランプ106などがそれぞれ接続されている。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323を有するRAM消去スイッチ回路543とを有している。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては、払出制御装置311を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323が押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップエリア503a,513aのデータをクリアする。
次に、図30から図36のフローチャートを参照して、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ミリ秒(以下「ms」で表す)周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。
図30は、主制御装置261内のMPU501により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。メイン処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(例えば1秒程度)を実行する。払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信した後(S102)、RAM503のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS114へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM503のバックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS114へ移行する。バックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS114へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323が押されていれば、RAMの初期化処理(S114〜S116)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(S114〜S116)に移行する。即ち、S114からのRAMの初期化処理では、RAM503の使用領域を0にクリアし(S114)、RAM503の初期値を設定する(S115)。その後、割込みを許可して(S116)、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323がオンされておらず(S104:No)、電源遮断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、処理をS108へ移行して復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、復電時の処理では、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S108)、電源遮断の発生情報をクリアする(S109)。次に、サブ側の制御装置を電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時のコマンドを送信し(S110)、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる(S111)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S112)、割込みが許可状態であれば(S112:Yes)、割込みを許可し(S113)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S112:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
次に、図31のフローチャートを参照して通常処理を説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S204の各処理が実行され、その残余時間でS205が実行される構成となっている。
通常処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する(S201)。具体的には、音声ランプ制御装置262に対して遊技状況に関連したコマンド(例えば、役物入賞検出コマンドや、V入賞検出コマンドや、非V入賞検出コマンドや、大当たり終了コマンドなど)を送信したり、入賞検知情報があった場合に、払出制御装置311に対して獲得球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。
次に、ラウンド抽選カウンタ503cの値を更新する(S202)。具体的には、ラウンド抽選カウンタ503cの値を「1」加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では「2」)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、ラウンド抽選カウンタ503cの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
次に、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、開閉部材開放処理を行い(S204)、通常の遊技中における開閉部材33a1の開閉動作の制御が実行される。その後、大当たり処理を行い(S205)、大当たり判定や大当たり遊技等が実行され、その他の各処理を実行する(S206)。そして、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち、前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S207)、所定時間が経過していなければ(S207:No)、所定時間が経過するまで待機する一方、所定時間が経過していれば(S207:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
次に、図32を参照して、上述した開閉部材開放処理(S204)について説明する。図32は、図31の通常処理の中で実行される開閉部材開放処理を示すフローチャートである。この開閉部材開放処理では、開閉部材駆動ソレノイド33a2のオン又はオフの制御などが実行される。
図32に示すように、この開閉部材開放処理(S204)では、まず、開放回数カウンタ503gの値が0より大きいか否かが確認され(S320)、開放回数カウンタ503gの値が0であれば(S320:No)、開閉部材33a1の開閉駆動が不要なので、本開閉部材開放処理を終了する。一方、S320の処理において、開放回数カウンタ503gの値が0より大きければ(S320:Yes)、開閉部材33a1を少なくとも1回以上開放駆動する必要があるので、S321以降の処理へ移行する。
具体的には、S320の処理により確認した結果、開放回数カウンタ503gの値が0より大きければ(S320:Yes)、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンされているか否かが確認され(S321)、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンされていれば(S321:Yes)、S322の処理をスキップしてS323の処理へ移行する。一方、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンされていなければ(S321:No)、開閉部材駆動ソレノイド33a2をオンして開閉部材33a1を開放状態へ変化させると共に、その開閉部材33a1の開放時間を計測するために開放時間タイマ503hに初期値を設定する(S322)。なお、開放時間タイマ503hは、通常処理が4ms毎の処理サイクルとなるため、例えば、開放時間が約400msの場合では、初期値が100に設定される。
その後、開閉部材33a1が開放されてから設定された時間が経過したか否かを確認するため、開放時間タイマ503hの値が0となったか否かが確認され(S323)、開放時間タイマ503hの値が0でなければ(S323:No)、開閉部材33a1の開放状態が設定された時間を経過していないので、開放時間タイマ503hの値を1減算し(S324)、この開閉部材開放処理(S204)を終了する。
一方、S323の処理において、開放時間タイマ503hの値が0であれば(S323:Yes)、開閉部材33a1の開放状態が設定された時間を経過したことになるので、開閉部材駆動ソレノイド33a2をオフすると共に、開閉部材33a1の閉鎖時間を計測するために閉鎖時間タイマ503iに初期値を設定する(S325)。なお、本実施形態では、閉鎖時間タイマ503iの初期値が250と設定され、開閉部材33a1が次回の動作可能となるのは、1000ms後となる。
そして、開閉部材33a1が閉鎖され設定された時間が経過したか否かを確認するため、閉鎖時間タイマ503iの値が0となったか否かが確認され(S326)、閉鎖時間タイマ503iの値が0でなければ(S326:No)、開閉部材33a1の閉鎖状態が設定された時間を経過していなので、閉鎖時間タイマ503iの値を1減算し(S327)、この開閉部材開放処理(S204)を終了する。
一方、S326の処理において、閉鎖時間タイマ503iの値が0であれば(S326:Yes)、開閉部材33a1の閉鎖状態が設定された時間を経過したことになり、開閉部材33a1の開閉駆動が1サイクル終わったことになるので、開放回数カウンタ503gの値を1減算して(S328)、この開閉部材開放処理(S204)を終了する。即ち、開閉部材33a1は、開放状態から閉鎖状態へ変化した後に所定の時間が経過しないと、開放回数カウンタ503gの値が減算されないため、その所定時間が経過するまでの間、次回の開閉駆動が禁止されるように構成されている。
この開閉部材開放処理(S204)によれば、本実施形態のパチンコ機10では、閉鎖時間タイマ503iが所定時間を計測しないと、開閉部材33a1が次の開放状態へ変化することを禁止しているので、開閉部材33a1が開放状態へ変化するのに所定時間を有する。よって、開閉部材33a1が閉鎖されると同時に球が役物可変入賞装置33内に入球した場合であっても、その閉鎖時間タイマ503iが所定時間を計測するまでの間に、入球した球を役物入賞検出スイッチ33a3によって確実に検出することができ、パチンコ機10の遊技の信頼性を向上することができる。
次に、図33を参照して、上述した大当たり処理(S205)について説明する。図33は、大当たり処理のフローチャートである。この大当たり処理では、大当たり遊技において各スイッチの検出結果等に応じて各役物の駆動制御等が実行される。
図33に示すように、この大当たり処理(S204)では、まず、V入賞フラグ503bがオンされているか否かを確認する(S221)。確認の結果、V入賞フラグ503bがオンされていなければ(S221:No)、大当たりが発生していないので、この大当たり処理を終了する。一方、V入賞フラグ503bがオンされていれば(S221:Yes)、大当たり中であるので、次に、ラウンドメモリ503dの値が0より大きいか否か、即ち、大当たりのラウンドが残っているか否かを確認する(S222)。確認の結果、ラウンドメモリ503dの値が0より大きければ(S222:Yes)、大当たりのラウンドが残っている状態であるので、次に、ラウンド開始時か否かを確認する(S223)。ラウンド開始時であれば(S223:Yes)、役物駆動モータ33a5をオンして(S224)、役物33a4によってV案内部33b4aへ球を入球させ易くし、処理をS225へ移行する。一方、ラウンド開始時でなければ(S223:No)、役物駆動モータ33a5は既にオンされているので、S224の処理をスキップして、処理をS225へ移行する。
S225の処理では、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンされているか否かを確認する(S225)。開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンされていなければ(S225:No)、開閉部材33a1を開放させるために開閉部材駆動ソレノイド33a2をオンして(S226)、開閉部材33a1が1回開放されたことを示すために開閉部材カウンタ503eの値に1を加算し(S227)、処理をS228へ移行する。一方、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンされている場合は(S225:Yes)、S226及びS227の処理をスキップして、処理をS228へ移行する。
S228の処理では、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンされてから所定時間(例えば、1秒)経過したか否かを確認する(S228)。開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンされてから所定時間が経過している場合は(S228:Yes)、開閉部材駆動ソレノイド33a2をオフして(S229)、開閉部材カウンタ503fの値が18か否かを確認する(S230)。本実施形態では、大当たり中における1のラウンド遊技の時間を略定期的に開閉駆動する開閉部材33a1の駆動回数で計数しており、この開閉部材カウンタ503eの値を確認することによって、1のラウンド遊技における規定時間が経過したか否かを確認することができる。開閉部材カウンタ503eの値を確認した結果、開閉部材カウンタ503eの値が18でなければ(S230:No)、処理をS231へ移行する。なお、S228の処理において、開閉部材駆動ソレノイド33a2がオンされてから所定時間が経過していない場合は(S228:No)、S229及びS230の処理をスキップして、処理をS231へ移行する。また、S230の処理において、開閉部材カウンタ503eの値が「18」であった場合には(S230:Yes)、処理を後述するS234へ移行する。
S231の処理では、役物入賞検出スイッチ33a3がオンされたか否かを確認する(S231)。役物入賞検出スイッチ33a3がオンされていれば(S231:Yes)、役物入賞カウンタ503fの値に1を加算する(S232)。なお、役物入賞検出スイッチ33a3がオンされ役物可変入賞装置33内への入球が確認されると、その入球した球に応じた賞球個数(入賞検知情報)が設定され、通常処理のS201の処理において払出制御基板311に送信される。
次に、役物入賞カウンタ503fの値が10であるか否かを確認する(S233)。確認の結果、役物入賞カウンタ503fの値が10であれば(S233:Yes)、1のラウンド遊技において役物可変入賞装置33に10個の球が入賞したということなので、そのラウンド遊技を終了させるために、役物駆動モータ33a5をオフし(S234)、処理をS235へ移行する。
なお、S231の処理において、役物入賞検出スイッチ33a3がオンされていない場合は(S231:No)、S232〜S234の処理をスキップして、処理をS235へ移行する。また、S233の処理において、役物入賞カウンタ503fの値が10でない場合には(S233:No)、役物可変入賞装置33内に10個の球が入賞していないので、S234の処理をスキップして、処理をS235へ移行する。
S235の処理では、役物駆動モータ33a5をオフしてから所定時間(例えば、1秒)が経過したか否かを確認する(S235)。確認の結果、役物駆動モータ33a5をオフしてから所定時間が経過していなければ(S235:No)、次に、V入賞検出スイッチ33b8がオンされたか否かを確認する(S236)。V入賞検出スイッチ33b8がオンされていれば(S236:Yes)、ラウンドメモリ503dの値から1減算し(S237)、開閉部材カウンタ503eの値を0クリアすると共に(S238)、役物入賞カウンタ503fの値を0クリアして(S239)、この大当たり処理を終了する。一方、S236の処理において、V入賞検出スイッチ33b8がオンされていない場合は(S236:No)、1のラウンド遊技中であるので、S237〜S239の処理をスキップして、この大当たり処理を終了させる。
なお、S222の処理においてラウンドメモリ503dの値が0であった場合(S222:No)、又は、S235の処理において役物駆動モータ33a5をオフしてから所定時間が経過した場合には(S235:Yes)、大当たり遊技を終了させるために、処理をS240へ移行し、V入賞フラグ503bをオフして(S240)、ラウンドメモリ503dの値を0クリアし(S241)、大当たり終了コマンドの設定を行い(S242)、処理をS238へ移行する。S242の処理の結果として、大当たり終了コマンドが設定されると、通常処理(図31参照)において次に実行される外部出力処理(S201)により大当たり終了コマンドが音声ランプ制御装置262へ出力される。
図34は、タイマ割込処理によって2ms(ミリ秒)毎に実行されるスイッチ読み込み処理を示すフローチャートである。スイッチ読み込み処理では、各スイッチの状態が検出され、その検出結果に応じてメモリやカウンタにそれぞれの所定値が設定される。
まず、V入賞フラグ503bがオンされているか否かを確認し(S301)、V入賞フラグ503bがオンされていれば、(S301:Yes)、S302〜S316の処理をスキップしてS317の処理へ移行する。これは、V入賞フラグ503bがオンしている状態では、上述した大当たり処理(図33参照)が実行され、その大当たり処理内で必要となるスイッチの読み込みが行われるからである。
一方、S301の処理において、V入賞フラグ503bがオンされていなければ(S301:No)、各役物開放口32L,32C,32Rに配設されている開放口スイッチ222L,222C,222Rの状態を検出する開放口スイッチ読み込み処理を実行する(S302)。
ここで、図35を参照して、この開放口スイッチ読み込み処理(S302)について具体的に説明する。図35は、スイッチ読み込み処理の中で実行される開放口スイッチ読み込み処理(S302)を示すフローチャートである。
図35に示すように、開放口スイッチ読み込み処理(S302)では、まず、役物通過カウンタ503jの値が0より大きいか否かを確認し(S501)、さらに開放回数カウンタ503gの値が0より大きいか否かを確認する(S502)。
S501の処理により確認した結果、役物通過カウンタ503iの値が0より大きければ(S501:Yes)、役物可変入賞装置33内に球が残存している状況となるので、開閉部材33a1が設定された回数以上、開放状態へ変化することを禁止するために、S502〜S506の処理を行うことなく、この開放口スイッチ読み込み処理(S302)を終了し、スイッチ読み込み処理(図34参照)へ戻る。
また、開放回数カウンタ503gの値が0より大きければ(S502:Yes)、開閉部材33a1が役物開放口32L,32C,32Rへの入球に伴う開閉駆動中であるので、S503〜S506の処理を行うことなく、この開放口スイッチ読み込み処理(S302)を終了し、スイッチ読み込み処理(図34参照)へ戻る。
一方で、役物通過カウンタ503iの値が0であると共に開放回数カウンタ503gの値が0である場合、即ち、役物可変入賞装置33内に球が残存しておらず、かつ、開閉部材33a1が役物開放口32L,32C,32Rへの入球に伴う開閉駆動中でない場合には(S501:No,S502:No)、右開放口スイッチ222R又は左開放口スイッチ222Lがオンされたか否かを確認する(S503)。
S503の処理により確認した結果、右開放口スイッチ222R又は左開放口スイッチ222Lがオンされている場合には(S503:Yes)、開放回数カウンタ503gの値を1に設定し(S506)、この開放口スイッチ読み込み処理(S302)を終了し、スイッチ読み込み処理(図34参照)へ戻る。S506の処理の結果、開閉部材33a1が1回開閉駆動される。
一方で、S503の処理により確認した結果、右開放口スイッチ222R又は左開放口スイッチ222Lのいずれもオンされていない場合には(S503:No)、中開放口スイッチ222Cがオンされたか否かを確認し(S504)、中開放口スイッチ222Cがオンされていれば(S504:Yes)、開放回数カウンタ503gの値を2に設定し(S505)、この開放口スイッチ読み込み処理(S302)を終了し、スイッチ読み込み処理(図34参照)へ戻る。S505の処理の結果、開閉部材33a1が2回開閉駆動される。
また、S504の処理により確認した結果、中開放口スイッチ222Cがオンされていない場合には(S504:No)、そのまま、この開放口スイッチ読み込み処理(S302)を終了し、スイッチ読み込み処理(図34参照)へ戻る。
図34に戻って説明する。上述した開放口スイッチ読み込み処理(S302)の実行後は、役物入賞検出スイッチ33a3がオンされたか否かを確認し(S303)、役物入賞検出スイッチ33a3がオンされていれば(S303:Yes)、役物通過カウンタ503jの値を1加算し(S304)、役物入賞検出コマンドの設定を行い(S305)、S306の処理へ移行する。S305の処理の結果として、役物入賞検出コマンドが設定されると、通常処理(図31参照)において次に実行される外部出力処理(S201)により役物入賞検出コマンドが音声ランプ制御装置262へ出力される。
また、S303及びS304の処理は、開閉部材33a1が設定された回数を開閉駆動する間に、役物可変入賞装置33内に球が幾つ入球したかを調べ、その球の個数を記憶する処理である。なお、S303の処理により確認した結果、役物入賞検出スイッチ33a3がオンされていた場合には、役物可変入賞装置33内に入球した球の個数に応じた賞球個数(入賞検知情報)が設定され、通常処理(図31参照)において次に実行される外部出力処理(S201)によりコマンドが払出制御基板311に送信される。
一方で、S303の処理により確認した結果、役物入賞検出スイッチ33a3がオンされていなければ(S303:No)、S304,S305の処理をスキップしてS306の処理へ移行する。
S306の処理では、役物通過カウンタ503jの値が0より大きいか否かを確認する(S306)。S306の処理により確認した結果、その役物通過カウンタ503jの値が0であれば(S306:No)、役物可変入賞装置33内に球が入球していないこととなり、後述する非V入賞検出スイッチ223及びV入賞検出スイッチ33b8がオンされたか否かの確認をする必要がないので、S315の処理へ移行する。
一方、S306の処理により確認した結果、役物通過カウンタ503jの値が0より大きければ(S306:Yes)、役物可変入賞装置33内に球が残存しているので、その球が役物可変入賞装置33より排球されたか否かを確認するため、非V入賞検出スイッチ223がオンされたか否かを確認する(S307)。その結果、非V入賞検出スイッチ223がオンされていれば(S307:Yes)、役物可変入賞装置33内の球が1つ役物可変入賞装置33外へ排球されたことになるので、役物通過カウンタ503iの値を1減算し(S308)、非V入賞検出コマンドの設定を行い(S309)、S310の処理へ移行する。S310の処理の結果として、非V入賞検出コマンドが設定されると、通常処理(図31参照)において次に実行される外部出力処理(S201)により非V入賞検出コマンドが音声ランプ制御装置262へ出力される。
S307の処理により確認した結果、非V入賞検出スイッチ223がオンされていなければ(S307:No)、S308,S309の処理をスキップしてS312の処理へ移行する。S307及びS308の処理は、役物可変入賞装置33内の球が幾つ排球されたかを調べ、その球の個数を減算して記憶する処理である。
S310の処理では、再度、役物通過カウンタ503iの値が0より大きいか否かを確認する(S310)。S310の処理により確認した結果、役物通過カウンタ503iの値が0であれば(S310:No)、役物可変入賞装置33内に球が残存していないので、S315の処理へ移行する。一方で、S310の処理により確認した結果、役物通過カウンタ503iの値が0より大きければ(S310:Yes)、V入賞検出スイッチ33b8がオンされたか否かを確認する(S311)。
即ち、S311の処理では、役物入賞検出スイッチ33a3によって役物可変入賞装置33内に入球する球が検出されてから、非V入賞検出スイッチ223によって役物可変入賞装置33外へ球が排球されるまでの間において、V入賞検出スイッチ33b8が検出されるか否かが判断されていることになる。よって、本実施形態では、役物入賞検出スイッチ33a3をオンさせずに、球を強制的にV案内部33b4aに入賞させた場合に、V入賞検出スイッチ33b8がオンしたか否かの判断を行わないので、不正行為などを防止することもでき、パチンコホールに損失を与えることを防止できる。
S311の処理により確認した結果、V入賞検出スイッチ33b8がオンされていれば(S311:Yes)、大当たりの発生となるので、V入賞フラグ503bをオンすると共に、役物通過カウンタ503iと開放回数カウンタ503gの値を0クリアする(S312)。その後、大当たり発生となるので、その時点におけるラウンド抽選カウンタ503cの値をラウンドメモリ503dへ加算する(S313)。
S313の処理後、V入賞検出コマンドの設定を行い(S314)、S315の処理へ移行する。S314の処理の結果として、V入賞検出コマンドが設定されると、通常処理(図31参照)において次に実行される外部出力処理(S201)によりV入賞検出コマンドが音声ランプ制御装置262へ出力される。
一方、S311の処理において、V入賞検出スイッチ33b8がオンされていなければ(S311:No)、S315の処理へ移行する。S315の処理では、その他のスイッチ読み込み処理が実行される(S315)。その他のスイッチ読み込み処理(S315)では、主に、各開放口スイッチ222R,222C,222Lや、その他の入賞口などがオンされたか否かが確認され、いずれかのスイッチがオンされた場合に、その入賞に対応した賞球個数(入賞検知情報)が設定され、通常処理(図31参照)において次に実行される外部出力処理(S201)によりコマンドが払出制御基板に送信される。その他のスイッチ読み込み処理(S315)を実行することにより、大当たり処理(S205)の実行中や、各開放口スイッチ222R,222C,222Lの検出をスキップする場合(図35におけるS501:Yes,S502:Yes)であっても、入賞に対応した賞球個数を確実に払い出すことができ、遊技者に損失を与えることを防止できる。
なお、S312の処理において、役物通過カウンタ503iと開放回数カウンタ503gの値を0クリアしているのは、大当たり処理(図33参照)が終了して通常の遊技状態へ移行した場合に、開閉部材33a1の開閉駆動の制御の誤動作を防止するためである。よって、大当たり状態から通常の遊技状態へ移行する際には、役物通過カウンタ503iと開放回数カウンタ503gの値が既に0クリアされているので、その後の処理をスムーズに行うことができる。また、役物通過カウンタ503iと開放回数カウンタ503gの値を0クリアするタイミングは、大当たり状態が終了するまでの間であれば、いつ実行するものとしても良い。
このスイッチ読み込み処理によれば、役物入賞検出スイッチ33a3によって入球した球を検出すると、役物通過カウンタ503jの値が0より大きくなるので、役物可変入賞装置33内に球が残存するか否かを確実に判断することができる。役物可変入賞装置33内に球が残存していると判断された場合には(図35におけるS501:Yes)、開閉部材33a1を開放させるために確認される各開放口スイッチ222R,222C,222Lの検出(図35におけるS503,S504)を実行しないので、開閉部材33a1が、設定された回数以上に閉鎖状態から開放状態へ変化することを禁止でき、役物可変入賞装置33内に新たな球が入球することを防止できる。よって、役物可変入賞装置33内に入球した球が、役物可変入賞装置33外へ排球されるまで、役物可変入賞装置33における次の遊技を行わず、パチンコ機10の設計者が設計する際に予め設定したV案内部33b4aに球が振り分けられる期待値(設計値)と、実際の遊技が行われた場合にV案内部33b4aに振り分けられる期待値(実測値)とが近似する。従って、設計値と実測値とが異なりその設計値と実測値とを近似させるために、複雑な設計をしなくて良いので、設計者の設計時における負担を軽減することができる。
さらに、V入賞検出スイッチ33b8による球の検出を、役物入賞検出スイッチ33a3によって役物可変入賞装置33内に球が入球したことが検出されてから、非V入賞検出スイッチ223によって入球された球が排球されるまでの間に行っている。従来のパチンコ機は、役物入賞検出スイッチによって球の入球が確認されてから所定時間のあいだ、V入賞検出スイッチによる球の検出を行うので、所定時間経過後にV入賞検出スイッチによって球の検出が行われても大当たりが付与されないなどの弊害があった。しかし、本実施例のパチンコ機10では、入球した球が役物可変入賞装置33外へ排球されるまで、V入賞検出スイッチ33b8の検出を行うので、V案内部33b4aに振り分けられた球を確実に検出でき、遊技者に損失を与えることを防止できる。
図36は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置261のMPU501により実行される。このNMI割込処理により、電源遮断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から主制御装置261内のMPU501のNMI端子に出力され、MPU501は実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始する。図36のNMI割込処理のプログラムは、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号SG1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行される。
NMI割込処理では、まず、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し(S801)、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する(S802)。更に、電源遮断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し(S803)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する(S804)。RAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する(S805)。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後は、RAM503のアクセスを禁止して(S806)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、停電の発生等による電源遮断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号SG1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から払出制御装置311内のMPU511のNMI端子に出力され、MPU511は実行中の制御を中断して図36のNMI割込処理を開始する。その内容はステップS804の電源遮断通知コマンドの送信を行なわない点を除き上記説明と同様である。
次に、図37を参照して、払出制御装置311内のMPU511により実行される払出制御について説明する。図37は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。次に、主制御装置261から送信される払出許可コマンドの受信を待機する(S902:No)。そして、払出許可コマンドを受信すると(S902:Yes)、RAMアクセスを許可すると共に(S903)、外部割込ベクタの設定を行う(S904)。
その後は、MPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押されているか否かを判別し(S905)、オンされていれば(S905:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS915へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323がオンされていなければ(S905:No)、更にRAM513のバックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S906)、記憶されていなければ(S906:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS915へ移行する。バックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S906:Yes)、RAM判定値を算出し(S907)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S908:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS915へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S915からのRAMの初期化処理では、RAM513の使用領域を0にクリアし(S915)、RAM513の初期値を設定する(S916)。その後、MPU511周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S917)、割込みを許可して(S918)、後述する払出制御処理(図38参照)に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されておらず(S905:No)、電源遮断の発生情報が設定されており(S906:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S908:Yes)、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S909)、電源遮断の発生情報をクリアする(S910)。また、MPU511周辺デバイスの初期設定を行い(S911)、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる(S912)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S913)、割込みが許可状態であれば(S913:Yes)、割込みを許可し(S914)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S913:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
次に、図38のフローチャートを参照して、上述した払出制御処理を説明する。図38は、払出制御装置311で実行される払出制御処理を示すフローチャートである。この払出制御処理は、払出制御装置311のメイン処理に続いて実行される。払出制御処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する(S1001)。発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い(S1002)、状態復帰スイッチ321をチェックした結果、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S1003)。
その後、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S1004)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S1005)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する(S1006)。
次に、S1007〜S1009の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つS1001の処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(S1007:No,S1008:No)、図38に示す賞球制御処理を開始する(S1009)。一方、賞球の払出不可状態(S1007:Yes)又は総賞球個数が0であれば(S1008:Yes)、貸球払出の処理に移行する。なお、賞球制御処理は後述する。
S1010〜S1012の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S1010:No,S1011:Yes)、図40に示す貸球制御処理を開始する。一方、貸球の払出不可状態(S1010:Yes)又は貸球払出要求を受信していなければ(S1011:No)、後続の球抜き処理を実行する(S1013)。なお、貸球制御処理は後述する。
球抜き処理(S1013)では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続いて、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する(S1014)。その後は、払出制御処理の先頭に戻り、以降は前述した処理を繰り返す。
次に、図39のフローチャートを参照し、上述した賞球制御処理(S1009)を説明する。図39は、払出制御処理(図38参照)の中で実行される賞球制御処理(S1009)を示すフローチャートである。この賞球制御処理(S1009)では、まず、払出モータ358aを正方向回転駆動させて賞球の払出を実行する(S1101)。払出モータ358aの回転が正常であるか否かを払出回転センサの検出結果により判別し(S1102)、正常でなければ(S1102:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1103)、その後、図38の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1102:Yes)、球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1104)。球のカウントが正常でなければ(S1104:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1105)、その後、払出制御処理(図38参照)に戻る。
更に、球のカウントが正常であれば(S1104:Yes)、払出カウントスイッチによる球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別し(S1106)、払出が完了していれば(S1106:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1107)、その後、払出制御処理(図38参照)に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1106:No)、そのまま、払出制御処理(図38参照)に戻る。
次に、図40のフローチャートを参照し、上述した貸球制御処理(S1012)を説明する。図40は、払出制御処理(図38参照)の中で実行される貸球制御処理(S1012)を示すフローチャートである。この貸球制御処理(S1012)では、まず、払出モータ358aを逆方向回転駆動させて貸球の払出を実行する(S1201)。払出モータ358aの回転が正常であるか否かを払出回転センサの検出結果により判別し(S1202)、正常でなければ(S1202:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1203)、その後、払出制御処理(図38参照)に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1202:Yes)、球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1204)。球のカウントが正常でなければ(S1204:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1205)、その後、払出制御処理(図38参照)に戻る。
更に、球のカウントが正常であれば(S1204:Yes)、払出カウントスイッチによる球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別し(S1206)、払出が完了していれば(S1206:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1207)、その後、図38の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1206:No)、そのまま、払出制御処理に戻る(図38参照)。
次に、図41を参照して、音声ランプ制御装置262内のMPU521により実行される制御について説明する。図41は、音声ランプ制御装置262のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
図41に示すように、まず、立ち上げ処理(S1301)として、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する初期設定処理を実行すると共に、RAM523の初期値の設定や、割り込みの設定を行う。
立ち上げ処理(S1301)の実行後、衝撃有りフラグ523cがオンであるか否かを確認する(S1302)。S1302の処理により確認した結果、衝撃有りフラグ523cがオフであれば(S1302:No)、監視を必要とする衝撃が検出されておらず、パチンコ機10が受ける衝撃に対する監視を行う衝撃監視処理を実行する(S1303)。一方で、S1302の処理により確認した結果、衝撃有りフラグ523cがオンであれば、衝撃検出後における遊技状態の変化を監視する衝撃検出後監視処理を実行する(S1310)。なお、衝撃監視処理(S1303)及び衝撃検出後監視処理(S1310)にて実行される具体的処理については、それぞれ、図43及び図44を参照しつつ後述する。
衝撃監視処理(S1303)又は衝撃検出後監視処理(S1310)の実行後、環状電飾部102、中央電飾部103、上皿電飾部104、賞球ランプ105、エラー表示ランプ106などの各ランプの点灯態様を設定し、設定された点灯態様で各ランプを点灯するンプ出力処理を実行する(S1304)。また、スピーカ246から出力すべき音の出力パターンを設定すると共に、設定された出力パターンで音声をスピーカ246から出力する音出力処理を実行する(S1305)。
次いで、主制御装置261からのコマンド受信があるか否かを確認する(S1306)。ここで、S1306の処理により確認した結果、主制御装置261からのコマンド受信がある場合には(S1306:Yes)、その受信したコマンドが遊技状況に関連するコマンドであれば、図42を参照しつつ後述する遊技状況検出処理を実行する(S1307)。
遊技状況検出処理(S1307)の実行後、遊技状況に関連するコマンドに対し、そのコマンドに対応した処理(その他受信処理)を実行し(S1308)、S1302〜S1308,S1310を次に実行するタイミングに至ったか否か、即ち、前回のS1302の処理の開始から所定時間(本実施形態では2ms)が経過したか否かを判別する(S1309)。
S1309の処理により確認した結果、所定時間が経過していなければ(S1309:No)、所定時間が経過するまで待機する一方、所定時間が経過していれば(S1309:Yes)、処理をS1302へ移行し、前述したS1302以降の各処理を繰り返し実行する。
また、S1306の処理により確認した結果、主制御装置261からのコマンド受信がなければ(S1306:No)、S1307,S1308の処理をスキップして、S1308へ移行する。
次に、図42のフローチャートを参照して、上述した遊技状況検出処理(S1307)について説明する。図42は、図41のメイン処理の中で実行される遊技状況検出処理(S1307)を示すフローチャートである。
図42に示すように、この遊技状況検出処理(S1307)では、まず、S1306(図41参照)の処理にて受信が確認された主制御装置261からのコマンドが、遊技状況に関するコマンド、即ち、役物入賞検出コマンド、非V入賞検出コマンド、V入賞コマンド、又は大当たり終了コマンドであるかを確認する(S1401)。
なお、本実施形態では、本発明の理解を容易にする目的で、遊技状況に関するコマンドを、役物入賞検出コマンド、非V入賞検出コマンド、V入賞コマンド、及び大当たり終了コマンドのみとし、これらの4種のコマンドに基づいて遊技状況検出処理(S1307)にて遊技状況を検出するように構成したが、遊技状況に関するコマンドはこれら4種のコマンドに限定されるものではなく、例えば、開放口スイッチ222L,222C、222Rが球を検出したことを示すコマンドや、閉鎖中の開閉部材33a1が開放したことを示すコマンドや、開放中の開閉部材33a1が閉鎖したことを示すコマンドなどを、必要に応じて使用し、遊技状況を検出する構成であってもよい。
S1401の処理により確認した結果、S1306(図41参照)の処理にて受信が確認された主制御装置261からのコマンドが、遊技状況に関するコマンドでなければ(S1401:No)、この遊技状況検出処理(S1307)を終了し、メイン処理(図41参照)へ戻り、その他受信処理を実行する(S1308)。
一方、S1401の処理により確認した結果、S1306(図41参照)の処理にて受信が確認された主制御装置261からのコマンドが、遊技状況に関するコマンドであれば(S1401:Yes)、V入賞フラグ523bがオンであるか否かを確認する(S1402)。
S1402の処理により確認した結果、V入賞フラグ523bがオフであれば(S1402:No)、主制御装置261から、役物入賞検出スイッチ33a3がオンされたことを示す役物入賞検出コマンドを受信したか否かを確認する(S1403)。
S1403の処理により確認した結果、役物入賞検出コマンドを受信した場合には(S1403:Yes)、役物通過カウンタ523aの値を1加算し(S1404)、S1405の処理へ移行する。
ここで、上述したスイッチ読み込み処理(図34参照)によれば、役物入賞検出スイッチ33a3がオンされた場合には、S305の処理によって役物入賞検出コマンドが設定されると共に、S304の処理によって主制御装置261の役物通過カウンタ503jの値が1加算される。よって、S1404の処理によって役物通過カウンタ523aの値に1加算されることにより、かかる役物通過カウンタ523aの値は、S304(図34参照)の処理によって1加算された主制御装置261の役物通過カウンタ503jの値と等しくなる。即ち、音声ランプ制御装置262の役物通過カウンタ523aは、主制御装置261の役物通過カウンタ503jへの加算に追従して加算され、結果として、役物通過カウンタ503jの値と等しい値を示す(等しい値を記憶する)。
一方で、S1403の処理により確認した結果、役物入賞検出コマンドが受信されていなければ(S1403:No)、S1404の処理をスキップして、S1405の処理へ移行する。
S1405の処理では、役物通過カウンタ523aの値が0より大きいかを確認する(S1405)。S1405の処理により確認した結果、役物通過カウンタ523aの値が0であれば(S1405:No)、役物可変入賞装置33内に球が残存していないこととなり、後述する非V入賞検出コマンドやV入賞検出コマンドを受信したか否かにかかわらず実行すべき処理がないので、遊技状況に関連する受信コマンドをクリアして(S1411)、この遊技状況検出処理(S1307)を終了する。
一方で、S1405の処理により確認した結果、役物通過カウンタ523aの値が0より大きい場合には(S1405:Yes)、役物可変入賞装置33内に球が残存しているので、その球が役物可変入賞装置33より排球(排出)されることがあったか否かを確認するため、非V入賞検出スイッチ223によって球が検出されたことを示す非V入賞検出コマンドを受信したか否かを確認する(S1406)。
S1406の処理により確認した結果、非V入賞検出コマンドを受信した場合には(S1406:Yes)、役物可変入賞装置33内に残存していた球が1つ役物可変入賞装置33外へ排球されているので、役物通過カウンタ523aの値を1減算し(S1407)、S1408の処理へ移行する。
ここで、上述したスイッチ読み込み処理(図34参照)によれば、非V入賞検出スイッチ223がオンされた場合には、S309の処理によって非V入賞検出コマンドが設定されると共に、S308の処理によって主制御装置261の役物通過カウンタ503jの値が1減算される。よって、S1408の処理によって役物通過カウンタ523aの値が1減算されることにより、かかる役物通過カウンタ523aの値は、S308(図34参照)の処理によって1減算された主制御装置261の役物通過カウンタ503jの値と等しくなる。即ち、音声ランプ制御装置262の役物通過カウンタ523aは、主制御装置261の役物通過カウンタ503jに対する減算に追従して減算され、結果として、役物通過カウンタ503jの値と等しい値を示す(等しい値を記憶する)。
一方で、S1406の処理により確認した結果、非V入賞検出コマンドが受信されていなければ(S1406:No)、S1407の処理をスキップして、S1408の処理へ移行する。
S1408の処理では、再度、役物通過カウンタ523aの値が0より大きいかを確認する(S1408)。S1408の処理により確認した結果、役物通過カウンタ523aの値が0であれば(S1408:No)、役物可変入賞装置33内に球が残存していないので、S1411の処理へ移行する。
一方で、S1408の処理により確認した結果、役物通過カウンタ523aの値が0より大きい場合には(S1405:Yes)、V入賞検出スイッチ223によって球が検出されたことを示すV入賞コマンドを受信したか否かを確認する(S1409)。
S1409の処理により確認した結果、V入賞検出コマンドを受信した場合には(S1409:Yes)、大当たりの発生となるので、V入賞フラグ523bをオンすると共に、役物通過カウンタ523aの値を0クリアし(S1410)、S1411の処理へ移行する。即ち、S1410の処理によってV入賞フラグ523bがオンされた結果として、音声ランプ制御装置262が大当たりの発生を把握することとなる。
ここで、上述したスイッチ読み込み処理(図34参照)によれば、V入賞検出スイッチ33b8がオンされた場合には、S314の処理によってV入賞検出コマンドが設定されると共に、S312の処理によって主制御装置261の役物通過カウンタ503jの値が0クリアされる。よって、S1410の処理によって役物通過カウンタ523aの値が0クリアされることにより、かかる役物通過カウンタ523aの値は、S312(図34参照)の処理によって0クリアされた主制御装置261の役物通過カウンタ503jの値と等しくなる。即ち、音声ランプ制御装置262の役物通過カウンタ523aは、主制御装置261の役物通過カウンタ503jの0クリアに追従して0クリアされ、結果として、役物通過カウンタ503jの値と等しい値を示す(等しい値を記憶する)。
一方で、S1409の処理により確認した結果、V入賞検出コマンドが受信されていなければ(S1409:No)、S1411の処理へ移行する。
また、S1402の処理により確認した結果、V入賞フラグ523bがオンであれば(S1402:Yes)、主制御装置261においてV入賞フラグ503bがオフされた(即ち、大当たりが終了した)ことを示す大当たり終了コマンドを受信したか否かを確認し(S1412)、大当たり終了コマンドを受信した場合には(S1412:Yes)、大当たりが終了したので、V入賞フラグ523bをオフし(S1413)、S1411の処理へ移行する。即ち、S1413の処理によってV入賞フラグ523bがオフされた結果として、音声ランプ制御装置262が大当たりの終了を把握することとなる。
一方、S1412の処理により確認した結果、大当たり終了コマンドを受信していない場合には(S1412:No)、大当たりは未だ終了していないので、何も行うことなく、S1411の処理へ移行する。
よって、この遊技状況検出処理(S1307)によれば、主制御装置261から受信した遊技状況に関連するコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置262は、主制御装置261にて設定された役物通過カウンタ503jが示す役物可変入賞装置33内に残存する球の数(残存数)や、大当たりの発生や、大当たりの終了など、現在の遊技状況を把握することができる。
次に、図43のフローチャートを参照して、上述した衝撃監視処理(S1303)について説明する。図43は、図41のメイン処理の中で実行される衝撃監視処理(S1303)を示すフローチャートである。
図43に示すように、この衝撃監視処理(S1303)では、まず、衝撃センサ80により衝撃が検出されたかを確認し(S1501)、衝撃が検出されていなければ(S1501:No)、この衝撃監視処理(S1303)を終了する。
一方で、S1501の処理により確認した結果、衝撃センサ80により衝撃が検出された場合には(S1501:Yes)、衝撃有りフラグ523cをオンし(S1502)、経過時間カウンタ523dに監視期間に相当する初期値(本実施形態では、5s(5秒))を設定する(S1503)。なお、この経過時間カウンタ523dは、メイン処理の処理サイクル毎に実行される衝撃検出後監視処理(図44参照)の実行毎に1ずつ減算される。本実施形態では、メイン処理が2ms毎の処理サイクルとなるため、例えば、経過時間カウンタ523dに設定される初期値が5sである場合には、S1503において経過時間カウンタ523dに設定される初期値は2500である。
S1503の処理後、役物通過カウンタ523aの値が0より大きいか否か、即ち、役物可変入賞装置33内に球が残存するか否かを確認する(S1504)。S1504の処理により確認した結果、役物通過カウンタ523aの値が0より大きい場合、即ち、役物可変入賞装置33内に残存する球がある場合には(S1504:Yes)、中央電飾部103を5秒間点灯させる第2報知処理を実行し(S1505)、この衝撃監視処理(S1303)を終了する。
ところで、V入賞口(図示せず)へ球を導出するV案内部33b4aを有する役物可変入賞装置33内に球が残存する状況でパチンコ機10が衝撃を受けた場合、その衝撃は、球をV案内部33b4aに振り分けたり、非V案内部33b4bへ振り分けられそうな球を一時的に阻止したりするなどの不正目的で不正行為者から意図的に与えられたものであることが強く疑われる。よって、衝撃センサ80により衝撃が検出された場合に役物可変入賞装置33内に球が残存すると確認(判定)することによって、検出された衝撃(揺れ)が不正行為の疑いがあるか否かを確実に区別することができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、役物可変入賞装置33内に球が残存している状況において、衝撃センサ80によって衝撃が検出された場合、即ち、不正行為の疑いがある状況で衝撃が検出された場合には、検出された衝撃を不正行為の疑いのある異常な衝撃(特定の衝撃)と判定し、外部から目に留まりやすい中央電飾部103が5秒間と比較的長い間点灯する第2報知処理(S1505)が実行される。よって、不正行為が疑われる衝撃(揺れ)の存在をホール管理者などに確実に報知することができ、その結果、不正行為を確実に防止することができる。
再度、図43に戻って説明する。S1504の処理により確認した結果、役物通過カウンタ523aの値が0である場合、即ち、役物可変入賞装置33内に残存する球がない場合には(S1504:No)、エラー表示ランプ106を1秒間点灯させる第1報知処理を実行し(S1506)、この衝撃監視処理(S1303)を終了する。
ところで、役物可変入賞装置33内に球が残存しない状況でパチンコ機10が衝撃を受けた場合、受けた衝撃が不正行為によるものであるとの疑わしさは、役物可変入賞装置33内に球が残存する状況でパチンコ機10が衝撃を受けた場合に比べて小さいと想定される。しかし、本実施形態のパチンコ機10によれば、不正行為の実施可能性が低くとも、外部への報知を行う第1報知処理(S1506)が実行されるので、ホール管理者などに対し、衝撃が検出されたことが注意喚起されるので、不正行為を確実に防止することができる。
また、第1報知処理(S1506)では、第2報知処理(S1505)による報知に使用される中央電飾部103に比べ目立ち難いエラー表示ランプ106を使用すると共に、その点灯時間も、第2報知処理(S1505)による報知に比べて短い1秒間とされている。即ち、第1報知処理(S1506)による報知は、第2報知処理(S1505)による報知に比べて、外部への訴求力の弱い態様で行われている。よって、本実施形態のパチンコ機10によれば、不正行為の疑いの度合いに応じた強度で報知がされるので、不正行為とは無関係な衝撃が過度の訴求力でもって外部へ報知されることを抑制することができる。
次に、図44のフローチャートを参照して、上述した衝撃検出後監視処理(S1310)について説明する。図44は、図41のメイン処理の中で実行される衝撃検出後監視処理(S1310)を示すフローチャートである。この衝撃検出後監視処理(S1310)は、上述したように、図41のメイン処理において、衝撃有りフラグ523cがオンである場合に実行される処理であり、衝撃センサ80による衝撃の検出後における遊技状態の変化を監視する処理である。
図44に示すように、この衝撃検出後監視処理(S1310)では、まず、経過時間カウンタ523dの値を1減算し(S1601)、その結果として経過時間カウンタ523dの値が0になったかを確認する(S1602)。
S1602の処理により確認した結果、経過時間カウンタ523dの値が0より大きければ(S1602:No)、V入賞フラグ523bがオンであるかを確認する(S1603)。
S1603の処理により確認した結果、V入賞フラグ523bがオンであれば(S1603:Yes)、中央電飾部103及び環状電飾部102を30秒間点灯させる第3報知処理を実行し(S1604)、衝撃有りフラグ523cをオフし(S1605)、この衝撃検出後監視処理(S1310)を終了する。
ところで、衝撃センサ80によって衝撃(揺れ)が検出されてからある程度の期間内に球がV入賞口(図示せず)を通過した場合には、検出された衝撃が、V入賞口(図示せず)へ球を導出するV案内部33b4aに球を振り分けて利益(遊技価値)を得る目的で意図的に与えられた衝撃であると想定される。よって、本実施形態のパチンコ機10によれば、衝撃センサ80によって衝撃が検出されてから所定時間(5秒)以内に球がV入賞口(図示せず)を通過して大当たりが発生するか否かを監視し、大当たりが発生した場合には、第3報知処理(S1604)が実行されて、外部から目に留まりやすい中央電飾部103及び環状電飾部102が30秒間とかなり長い間点灯されるので、不正行為が強く疑われる衝撃(揺れ)の存在をホール管理者などに確実に報知することができ、その結果、不正行為を確実に防止することができる。
また、第3報知処理(S1604)では、第2報知処理(S1505)による報知に使用される中央電飾部103だけでなく、更に環状電飾部102を使用すると共に、その点灯時間も、第2報知処理(S1505)による報知に比べてかなり長い30秒間とされている。即ち、第3報知処理(S1604)による報知は、第2報知処理(S1505)による報知に比べて、外部への訴求力の強い態様で行われている。よって、本実施形態のパチンコ機10によれば、不正行為が同じように強く疑われる場合であっても、大当たりの発生といった遊技価値の付与に直結する状況においてより強度の高い報知が行われるので、不正行為によって遊技場が受ける利益損失を有効に抑制することができる。
再度、図44に戻って説明する。S1603の処理により確認した結果、V入賞フラグ523bがオフであれば(S1603:No)、大当たりの発生が確認されないので、何も行うことなくこの衝撃検出後監視処理(S1310)を終了する。この場合、メイン処理の処理サイクルである2ms後に、この衝撃検出後監視処理(S1310)が再び実行されることになる。
また、S1602の処理により確認した結果、経過時間カウンタ523dの値が0である場合には(S1602:Yes)、衝撃センサ80によって衝撃が検出されてから5秒以内における大当たりの発生が確認されなかったので、この場合には、衝撃有りフラグ523cをオフし(S1605)、この衝撃検出後監視処理(S1310)を終了する。
以上説明したように、第1実施形態のパチンコ機10によれば、衝撃センサ80により衝撃が検出された場合には、検出されたときに監視領域としての役物可変入賞装置33内に球が残存していたか否かに応じて、検出された衝撃の正当性が吟味される。ここで、役物可変入賞装置33内に球が残存している状況において、衝撃センサ80によって衝撃が検出された場合には、検出された衝撃が不正行為によるものであると疑われる。よって、役物可変入賞装置33内に球が残存している状況において、衝撃センサ80によって衝撃が検出された場合に、その衝撃が、第2報知処理を実行すべき不正行為の疑いのある異常な衝撃であると判定されるので、衝撃センサ80により検出された衝撃が異常な衝撃であるか否かの区別を確実に行うことができることになる。
なお、第1実施形態のパチンコ機10によれば、不正行為の有無を監視すべき監視領域として役物可変入賞装置33が採用されている。かかる役物可変入賞装置33は、役物入賞検出スイッチ33a3による役物可変入賞装置33内へと入賞(進入)した球の検出と、非V入賞検出スイッチ223による役物可変入賞装置33外へと排出された球の検出とに基づいて内部に残存する球の数(残存数)が取得されるので、監視領域内に球が存在するか否かを正確に把握することができ、異常な衝撃であるか否かの検出を正確に行い得る。
また、第1実施形態のパチンコ機10によれば、衝撃センサ80によって衝撃が検出された場合に、その衝撃が、役物可変入賞装置33内に球が残存している状況において、衝撃センサ80によって衝撃が検出されたものであり、不正行為の疑いのある異常な衝撃であると判定された場合には、不正対策処理として、第2報知処理(S1505)の実行による外部への視覚的な報知(中央電飾部103の点灯)が行われるので、ホール管理者などが異常な衝撃の存在を把握するところとなり、不正行為によって遊技場が被る損害を確実に抑制できる。
また、第1実施形態のパチンコ機10によれば、役物可変入賞装置33内に球が残存している状況において、衝撃センサ80によって衝撃が検出された場合に第2報知処理を実行する一方で、役物可変入賞装置33内に球が残存していない状況において、衝撃センサ80によって衝撃が検出された場合にも、第1報知処理(S1506)の実行による外部への視覚的な報知(エラー表示ランプ106の点灯)が行われる。一般的に、役物可変入賞装置33内に球が残存していない状況において、衝撃センサ80によって検出された衝撃は、偶発した衝撃など不正行為によらない衝撃である可能性が高い。しかし、このように不正行為の実施可能性の低い場合であっても外部へ報知を行うことによって、ホール管理者などに対し、衝撃が検出されたことが注意喚起されるので、不正行為を確実に防止することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10によれば、第1報知処理(S1506)による報知は、第2報知処理(S1505)による報知に比べて、外部への訴求力が弱い態様で行われており、不正行為の疑いの度合いに応じた強度で報知がされるので、不正行為とは無関係な衝撃が過度の訴求力でもって外部へ報知されることを抑制することができる。一般論として、不正行為とは無関係な揺れ(衝撃)に対し、過度の訴求力でもって報知がなされたとすると、正当に遊技に興じる遊技者に気分を損ね、不信感を抱かせる恐れがあるなどの問題を生じるが、不正行為とは無関係な衝撃が過度の訴求力でもって外部へ報知されることを抑制することができる第1実施形態のパチンコ機10によれば、かかる問題の発生を抑制することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10によれば、衝撃センサ80により衝撃が検出された場合には、その検出後から所定の監視期間(5秒)以内に遊技状態が変化したかに応じて吟味される。ここで、衝撃センサ80によって衝撃(揺れ)が検出されてからある程度の期間内に球が大当たり発生に関わるV入賞口(図示せず)を通過した場合には、検出された衝撃が不正行為によるものであると疑われる。よって、第1実施形態のパチンコ機10によれば、衝撃センサ80によって衝撃が検出されてから所定の監視期間(5秒)以内に球がV入賞口(図示せず)を通過して大当たりが発生した場合に、その衝撃が、第3報知処理を実行すべき不正行為の疑いのある異常な衝撃であると判定されるので、衝撃センサ80により検出された衝撃が異常な衝撃であるか否かの区別を確実に行うことができることになる。
また、第1実施形態のパチンコ機10によれば、衝撃センサ80によって検出された衝撃が、その衝撃から所定の監視期間(5秒)以内に大当たりが発生したことにより不正行為の疑いのある異常な衝撃であると判定された場合には、不正対策処理として、第3報知処理(S1604)の実行による外部への視覚的な報知(中央電飾部103及び環状電飾部102の点灯)が行われるので、ホール管理者などが異常な衝撃の存在を把握するところとなり、不正行為によって遊技場が被る損害を確実に抑制できる。
また、第1実施形態のパチンコ機10によれば、第3報知処理(S1604)による報知は、第2報知処理(S1505)による報知に比べて、外部への訴求力が弱い態様で行われており、不正行為が同じように強く疑われる場合であっても、大当たりの発生といった遊技価値の付与に直結する状況においてより強度の高い報知が行われるので、不正行為によって遊技場が受ける利益損失を有効に抑制することができる。
また、第1実施形態のパチンコ機10によれば、衝撃センサ80は音声ランプ制御装置262に接続されており、音声ランプ制御装置262は、かかる衝撃センサ80からの入力と、主制御装置261から入力された遊技状況に関連するコマンドとに基づき、衝撃センサ80によって検出された衝撃に不正行為の疑いがあるか否かの判定を制御するように構成されている。音声ランプ制御装置262などのサブ側の制御装置(周辺制御装置)の処理能力は、しばしば、主制御装置261の制御能力より高くされており、かかる処理能力の高い音声ランプ制御装置262にて、衝撃センサ80によって検出された衝撃に不正行為の疑いがあるか否かの判定を制御させることにより、処理効率が向上すると共に、主制御装置261に対する過負荷を抑制することができる。また、音声ランプ制御装置262にて、衝撃センサ80によって検出された衝撃に不正行為の疑いがあるか否かの判定を制御させることにより、不正行為の疑いがあると判定された場合の報知を容易に実現できる。
次に、図45から図48を参照して、パチンコ機10の第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、衝撃センサ80により衝撃が検出された場合には、検出されたときに監視領域としての役物可変入賞装置33内に球が残存していたか否かに応じて、検出された衝撃の正当性を吟味した。
これに対し、第2実施形態では、役物開放口32L,32C,32Rへの入球に基づいて、衝撃センサ80により検出された衝撃の正当性を吟味する。なお、この第2実施形態において、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図45は、第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図45に示すように、第2実施形態のパチンコ機10において、音声ランプ制御装置262のRAM523は、役物通過カウンタ523a(図29参照)に換えて、開放回数カウンタ523eと、第1監視カウンタ523fとを有している。
開放回数カウンタ523eは、主制御装置261に設けられている開放回数カウンタ503gと同様に、通常の遊技中(大当たり中以外の遊技中)において、役物可変入賞装置33に設けられた開閉部材33a1の開閉駆動の残り回数を記憶するカウンタである。この開放回数カウンタ523eは、音声ランプ制御装置262が、中開放口スイッチ222cが球を検出したことを示す第1の開放口通過検出コマンドを主制御装置261から受信した場合に2が設定され,一方で、左又は右開放口スイッチ222L,222Rが球を検出したことを示す第2の開放口通過コマンドを主制御装置261から受信した場合に1が設定されるように構成されている。また、開放回数カウンタ523eは、音声ランプ制御装置262が、開閉部材駆動ソレノイド33a2の開閉駆動が1回分終了したことを示す開放回数減算コマンドを主制御装置261から受信した場合に1減算されるように構成されている。
第1監視カウンタ523fは、役物開放口32L,32C,32Rへの入球後における衝撃の有無を監視する期間を計時するカウンタである。この第1監視カウンタ523fは、音声ランプ制御装置262が、中央の役物開放口32Cに配設された開放口スイッチ222Cによって球が検出されたことを示す第1の開放口通過検出コマンドを主制御装置261から受信した場合に、予め規定されている監視期間(本実施形態では、8s)に相当する第1の初期値が設定されるように構成されている。また、第1監視カウンタ523fは、音声ランプ制御装置262が、左又は右の中央の役物開放口32L,32Rに配設された開放口スイッチ222L,222Rによって球が検出されたことを示す第2の開放口通過検出コマンドを主制御装置261から受信した場合に、予め規定されている監視期間(本実施形態では、7s)に相当する第1の初期値が設定されるように構成されている。
ここで、第1又は第2の開放口通過検出コマンドの受信に伴って上述のように第1監視カウンタ523fに設定された値は、2ms毎に実行されるメイン処理(図41参照)、具体的には、第2実施形態における衝撃監視処理(図49参照)の中で1ずつ減算される。減算の結果、第1監視カウンタ523fが0になると、衝撃センサ80によって検出された衝撃に対する監視を必要とする監視期間が経過したことを示す。
なお、役物開放口32L,32C,32Rへ球が入球したことに伴って第1監視カウンタ523fに設定される監視期間は、役物開放口32L,32C,32Rへ球が入球したことに伴って開放部材33a1が開放されたことにより、役物可変入賞装置33内に入球した球に対して不正行為が行われる可能性が高いと推測される期間であり、役物開放口32L,32C,32Rへ球が入球したことに伴う開閉部材33a1の開放期間や、役物可変入賞装置33内へ入球した球が排球されるまでの期間を考慮したものである。
次に、図46を参照して、通常処理(図31参照)の一部として主制御装置501にて実行される第2実施形態の開閉部材開放処理(S204)について説明する。図46は、第2実施形態の開閉部材開放処理(S204)を示すフローチャートである。
図46に示すように、第2実施形態の開閉部材開放処理(S204)では、第1実施形態の開閉部材開放処理(図32参照)と同様にS320〜S328の処理を実行する。そして、S328の処理後、即ち、開放回数カウンタ503gの値を1減算した後、開放回数減算コマンドを設定し(S601)、開閉部材開放処理(S204)を終了し、通常処理(図31参照)へ戻る。
S601の処理の結果として、開放回数減算コマンドが設定されると、通常処理(図31参照)において次に実行される外部出力処理(S201)により開放回数減算コマンドが音声ランプ制御装置262へ出力される。よって、かかる開放回数減算コマンドは、開閉部材33a1の開閉駆動が1サイクル終了すると、その都度、音声ランプ制御装置262へ出力される。
次に、図47を参照して、スイッチ読み込み処理(図31参照)の一部として主制御装置501にて実行される第2実施形態の開放口スイッチ読み込み処理(S302)について説明する。図47は、第2実施形態の開放口スイッチ読み込み処理(S302)を示すフローチャートである。
図47に示すように、第2実施形態の開放口スイッチ読み込み処理(S302)では、第1実施形態の開放口スイッチ読み込み処理(図35参照)と同様にS501〜S506の処理を実行する。そして、S505の処理後、即ち、開放回数カウンタ503gを2に設定した後、第1の開放口通過検出コマンドを設定し(S521)、開放口スイッチ読み込み処理(S302)を終了し、スイッチ読み込み処理(図34参照)へ戻る。
また、図47に示すように、S506の処理後、即ち、開放回数カウンタ503gを1に設定した後、第2の開放口通過検出コマンドを設定し(S522)、開放口スイッチ読み込み処理(S302)を終了し、スイッチ読み込み処理(図34参照)へ戻る。
S521又はS522の処理の結果として、第1の開放口通過検出コマンド又は第2の開放口通過検出コマンドが設定されると、通常処理(図31参照)において次に実行される外部出力処理(S201)により、設定された第1又は第2の開放口通過検出コマンドが音声ランプ制御装置262へ出力される。
次に、図48を参照して、メイン処理(図41参照)の一部として音声ランプ制御装置262にて実行される第2実施形態の遊技状況検出処理(S1307)について説明する。図48は、第2実施形態の遊技状況検出処理(S1307)を示すフローチャートである。
図48に示すように、第2実施形態の遊技状況検出処理(S1307)では、まず、主制御装置261から受信したコマンドが遊技状況に関するコマンドであるかを確認する(S1401)。なお、この第2実施形態では、V入賞コマンド、第1の開放口通過検出コマンド、第2の開放口通過検出コマンド、及び開放回数減算コマンドを、遊技状況に関するコマンドと規定する。
S1401の処理により確認した結果、主制御装置261から受信したコマンドが遊技状況に関するコマンドでなければ(S1401:No)、この遊技状況検出処理(S1307)を終了し、メイン処理(図41参照)へ戻る。一方で、主制御装置261から受信したコマンドが遊技状況に関するコマンドであれば(S1401:Yes)、V入賞フラグ523bがオンであるかを確認する(S1402)。
S1402の処理により確認した結果、V入賞フラグ523bがオフであれば(S1402:No)、V入賞検出スイッチ223によって球が検出されたことを示すV入賞コマンドを受信したか否かを確認する(S1409)。
S1409の処理により確認した結果、V入賞検出コマンドを受信した場合には(S1409:Yes)、V入賞フラグ523bをオンすると共に、開放回数カウンタ523eの値を0クリアし(S1421)、S1422の処理へ移行する。一方で、S1409の処理により確認した結果、V入賞検出コマンドが受信されていなければ(S1409:No)、S1421の処理をスキップして、S1422の処理へ移行する。
S1422の処理では、開放回数カウンタ523eの値が0より大きいかを確認する(S1422)。S1422の処理により確認した結果、開放回数カウンタ523eの値が0であれば(S1422:No)、開閉部材33a1が役物開放口32L,32C,32Rへの入球に伴う開閉駆動中ではないので、中央の役物開放口32Cに配設された開放口スイッチ222Cによって球が検出されたことを示す第1の開放口通過検出コマンドを受信したか否かを確認する(S1423)。
S1423の処理により確認した結果、第1の開放口通過検出コマンドを受信した場合には(S1423:Yes)、開放回数カウンタ523eの値を2に設定し(S1424)、第1監視カウンタ523fに監視期間に相当する第1の初期値(本実施形態では、8s(8秒))を設定し(S1425)、S1426の処理へ移行する。一方で、S1423の処理により確認した結果、第1の開放口通過検出コマンドが受信されていなければ(S1423:No)、S1424,S1425の処理をスキップして、S1426の処理へ移行する。
S1426の処理では、左又は右の役物開放口32L,32Rに配設された開放口スイッチ222L,222Rによって球が検出されたことを示す第2の開放口通過検出コマンドを受信したか否かを確認する(S1426)。
S1426の処理により確認した結果、第2の開放口通過検出コマンドを受信した場合には(S1426:Yes)、開放回数カウンタ523eの値を1に設定し(S1427)、第1監視カウンタ523fに監視期間に相当する第2の初期値(本実施形態では、7s(7秒))を設定し(S1428)、遊技状況に関連する受信コマンドをクリアして(S1411)、この遊技状況検出処理(S1307)を終了し、メイン処理(図41参照)へ戻る。一方で、S1426の処理により確認した結果、第2の開放口通過検出コマンドが受信されていなければ(S1426:No)、S1427,S1428の処理をスキップして、S1411の処理へ移行する。
なお、第1監視カウンタ523fは、メイン処理(図41参照)の処理サイクル毎に実行される第2実施形態の衝撃監視処理(図49参照)の実行毎に1ずつ減算される。メイン処理は2ms毎の処理サイクルであるので、S1425において第1監視カウンタに設定される第1の初期値は4000であり、S1428において第1監視カウンタに設定される第2の初期値は3500である。
また、S1422の処理により確認した結果、開放回数カウンタ523eの値が0より大きい場合には(S1422:Yes)、開閉部材33a1が役物開放口32L,32C,32Rへの入球に伴う開閉駆動中であるので、開閉部材駆動ソレノイド33a2の開閉駆動が1回分終了したことを示す開放回数減算コマンドを受信したか否かを確認する(S1429)。
S1429の処理により確認した結果、開放回数減算コマンドを受信した場合には(S1426:Yes)、開放回数カウンタ523eの値を1減算し(S1430)、S1411の処理へ移行する。一方で、S1429の処理により確認した結果、開放回数減算コマンドが受信されていなければ(S1429:No)、S1430の処理をスキップして、S1411の処理へ移行する。
ここで、上述した開放口スイッチ読み込み処理(図47参照)によれば、開放口スイッチ222Cによって球が検出された場合には、S521の処理によって第1の開放口通過検出コマンドが設定されると共に、S505の処理によって主制御装置261の開放回数カウンタ503gの値が2に設定される。一方で、開放口スイッチ222L,222Rによって球が検出された場合には、S522の処理によって第2の開放口通過検出コマンドが設定されると共に、S506の処理によって主制御装置261の開放回数カウンタ503gの値が1に設定される。
さらに、上述した開閉部材開放処理(図46参照)によれば、開閉部材33a1の開閉駆動が1サイクル終了する毎に、S601の処理によって開放回数減算コマンドが設定されると共に、S328の処理によって主制御装置261の開放回数カウンタ503gの値が1減算される。
よって、音声ランプ制御装置262が第1の開放口通過検出コマンドを受信した場合には、S1424が実行されて開放回数カウンタ523eに2が設定され、一方で、音声ランプ制御装置262が第2の開放口通過検出コマンドを受信した場合には、S1427が実行されて開放回数カウンタ523eに1が設定されるので、かかる開放回数カウンタ523eに設定される初期値は、S505又はS506(図47参照)の処理によって設定される主制御装置261の開放回数カウンタ503gの値と等しくなる。その後、S1430の処理によって開放回数カウンタ523eの値が1減算されるので、かかる開放回数カウンタ523eの値は、S328(図46参照)の処理によって1減算された主制御装置261の開放回数カウンタ503gの値に等しい。
即ち、音声ランプ制御装置262の開放回数カウンタ523eは、主制御装置261の開放回数カウンタ503gに対する値の設定に追従して値が設定され、結果として、開放回数カウンタ503gの値と等しい値を示す(等しい値を記憶する)。
また、S1402の処理により確認した結果、V入賞フラグ523bがオンであれば(S1402:Yes)、大当たり終了コマンドを受信したか否かを確認し(S1412)、大当たり終了コマンドを受信した場合には(S1412:Yes)、V入賞フラグ523bをオフし(S1413)、S1411の処理へ移行する。一方、S1412の処理により確認した結果、大当たり終了コマンドを受信していない場合には(S1412:No)、何も行うことなく、S1411の処理へ移行する。
よって、図48に示す第2実施形態の遊技状況検出処理(S1307)によれば、主制御装置261から受信した遊技状況に関連するコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置262は、開閉部材33a1の開閉駆動の契機となる役物開放口32L,32C,32Rへの入球があったか否か、大当たりの発生や、大当たりの終了など、現在の遊技状況を把握することができる。
次に、図49を参照して、メイン処理(図41参照)の一部として音声ランプ制御装置262にて実行される第2実施形態の衝撃監視処理(S1303)について説明する。図49は、第2実施形態の衝撃監視処理(S1303)を示すフローチャートである。
図49に示すように、第2実施形態の衝撃監視処理(S1303)では、まず、第1監視カウンタ523fの値を1減算する(S1521)。S1521の処理後、衝撃センサ80により衝撃が検出されたかを確認し(S1501)、衝撃が検出されていなければ(S1501:No)、この衝撃監視処理(S1303)を終了する。
一方で、S1501の処理により確認した結果、衝撃センサ80により衝撃が検出された場合には(S1501:Yes)、衝撃有りフラグ523cをオンし(S1502)、経過時間カウンタ523dに監視期間に相当する初期値(本実施形態では、5s(5秒))を設定する(S1503)。
S1503の処理後、第1監視カウンタ523fの値が0より大きいか否か、即ち、役物開放口32L,32C,32Rへの入球後の監視期間内であるか否かを確認する(S1522)。S1522の処理により確認した結果、第1監視カウンタ523fの値が0より大きい場合、即ち、役物開放口32L,32C,32Rへの入球後の監視期間内である場合には(S1522:Yes)、第1実施形態と同様に、中央電飾部103を5秒間点灯させる第2報知処理を実行し(S1505)、この衝撃監視処理(S1303)を終了する。
ところで、V入賞口(図示せず)へ球を導出するV案内部33b4aを有する役物可変入賞装置33は、役物開放口32L,32C,32Rへの入球を契機として開閉部材33a1が開放される。即ち、役物開放口32L,32C,32Rへの入球を契機として、役物可変入賞装置33内への入球は、開閉部材33a1が閉鎖されている常態に比べて容易な状態となる。そのため、役物開放口32L,32C,32Rへ球が入球した場合には、役物可変入賞装置33内に球が入球し易くなることにより、役物可変入賞装置33内に入球する可能性が高まり、その結果として、役物可変入賞装置33内に入球した球に対して不正が行われる可能性が高くなる。
よって、役物開放口32L,32C,32Rへ球が入球してから所定の監視期間内にパチンコ機10が受けた衝撃は、役物可変入賞装置33内に入球した球をV案内部33b4aに振り分けたり、非V案内部33b4bへ振り分けられそうな球を一時的に阻止したりするなどの不正目的で不正行為者から意図的に与えられたものであることが強く疑われる。従って、衝撃センサ80による衝撃が、役物開放口32L,32C,32Rへ球が入球してから所定の監視期間内に検出されたと確認(判定)することによって、検出された衝撃(揺れ)が不正行為の疑いがあるか否かを確実に区別することができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、役物開放口32L,32C,32Rへ球が入球してから所定の監視期間内に衝撃センサ80によって衝撃が検出された場合、即ち、不正行為の疑いがある状況で衝撃が検出された場合には、検出された衝撃を不正の疑いのある異常な衝撃(特定の衝撃)と判定し、外部から目に留まりやすい中央電飾部103が5秒間と比較的長い間点灯する第2報知処理(S1505)が実行される。よって、不正行為が疑われる衝撃(揺れ)の存在をホール管理者などに確実に報知することができ、その結果、不正行為を確実に防止することができる。
再度、図49に戻って説明する。S1522の処理により確認した結果、第1監視カウンタ523fの値が0である場合、即ち、役物開放口32L,32C,32Rへの入球後の監視期間外である場合には(S1522:No)、第1実施形態と同様に、エラー表示ランプ106を1秒間点灯させる第1報知処理を実行し(S1506)、この衝撃監視処理(S1303)を終了する。
ところで、役物開放口32L,32C,32Rへの入球後の監視期間外である場合にパチンコ機10が受けた衝撃は、その衝撃が不正行為によるものであるとの疑わしさは、該監視期間内にパチンコ機10が衝撃を受けた場合に比べて小さいと想定される。しかし、本実施形態のパチンコ機10によれば、不正行為の実施可能性が低くとも、外部への報知を行う第1報知処理(S1506)が実行されるので、ホール管理者などに対し、衝撃が検出されたことが注意喚起されるので、不正行為を確実に防止することができる。
以上説明したように、第2実施形態のパチンコ機10によれば、衝撃センサ80により衝撃が検出された場合には、役物開放口32L,32C,32Rへの入球後の監視期間内であるか否かに応じて、検出された衝撃の正当性が吟味される。ここで、役物開放口32L,32C,32Rへの入球後の監視期間内、即ち、不正行為の疑いがある状況において、衝撃センサ80によって衝撃が検出された場合には、検出された衝撃が不正行為によるものであると疑われる。よって、該監視期間内に衝撃センサ80によって衝撃が検出された場合に、その衝撃が、第2報知処理を実行すべき不正行為の疑いのある異常な衝撃であると判定されるので、衝撃センサ80により検出された衝撃が異常な衝撃であるか否かの区別を確実に行うことができることになる。
次に、図50から図52を参照して、パチンコ機10の第3実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、衝撃センサ80により検出された衝撃に対する正当性の吟味を役物可変入賞装置33内に残存する球数に基づいて行ったが、この第3実施形態では、役物可変入賞装置33内への入球が検出されたことに基づいて、衝撃センサ80により検出された衝撃の正当性を吟味する。なお、この第3実施形態において、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図50は、第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図50に示すように、第3実施形態のパチンコ機10において、音声ランプ制御装置262のRAM523は、役物通過カウンタ523a(図29参照)に換えて、第2監視カウンタ523gを有している。
第2監視カウンタ523gは、役物可変入賞装置33内に球が入球した後における衝撃の有無を監視する期間を計時するカウンタである。この第2監視カウンタ523gは、音声ランプ制御装置262が、役物入賞検出スイッチ33a3がオンされた、即ち、役物可変入賞装置33内へ球が入球したことを示す役物入賞検出コマンドを主制御装置261から受信した場合に、予め規定されている監視期間(本実施形態では、6s)に相当する初期値が設定されるように構成されている。
ここで、役物入賞検出コマンドの受信に伴って上述のように第2監視カウンタ523gに設定された値は、2ms毎に実行されるメイン処理(図41参照)、具体的には、第3実施形態における衝撃監視処理(図52参照)の中で1ずつ減算される。減算の結果、第2監視カウンタ523gが0になると、衝撃センサ80によって検出された衝撃に対する監視を必要とする監視期間が経過したことを示す。
なお、役物可変入賞装置33内へ球が入球したことに伴って第2監視カウンタ523gに設定される監視期間は、役物可変入賞装置33内に入球した球に対して不正が行われる可能性が高いと推測される期間であり、役物可変入賞装置33内へ入球した球が排球されるまでの期間を考慮したものである。
次に、図51を参照して、メイン処理(図41参照)の一部として音声ランプ制御装置262にて実行される第3実施形態の遊技状況検出処理(S1307)について説明する。図51は、第3実施形態の遊技状況検出処理(S1307)を示すフローチャートである。
図51に示すように、第3実施形態の遊技状況検出処理(S1307)では、まず、主制御装置261から受信したコマンドが遊技状況に関するコマンドであるかを確認する(S1401)。なお、この第3実施形態では、V入賞コマンド、及び役物入賞検出コマンドを、遊技状況に関するコマンドと規定する。
S1401の処理により確認した結果、主制御装置261から受信したコマンドが遊技状況に関するコマンドでなければ(S1401:No)、この遊技状況検出処理(S1307)を終了し、メイン処理(図41参照)へ戻る。一方で、主制御装置261から受信したコマンドが遊技状況に関するコマンドであれば(S1401:Yes)、V入賞フラグ523bがオンであるかを確認する(S1402)。
S1402の処理により確認した結果、V入賞フラグ523bがオフであれば(S1402:No)、役物入賞検出コマンドを受信したか否かを確認する(S1403)。
S1403の処理により確認した結果、役物入賞検出コマンドを受信した場合には(S1403:Yes)、第2監視カウンタ523gに監視期間に相当する初期値(本実施形態では、6s(6秒))を設定し(S1441)、S1409の処理へ移行する。一方で、S1403の処理により確認した結果、役物入賞検出コマンドが受信されていなければ(S1403:No)、S1441の処理をスキップして、S1409の処理へ移行する。
なお、第2監視カウンタ523gは、メイン処理(図41参照)の処理サイクル毎に実行される第3実施形態の衝撃監視処理(図52参照)の実行毎に1ずつ減算される。メイン処理は2ms毎の処理サイクルであるので、S1441において第2監視カウンタに設定される初期値は3000である。
S1409の処理では、V入賞コマンドを受信したか否かを確認する(S1409)。S1409の処理により確認した結果、V入賞検出コマンドを受信した場合には(S1409:Yes)、V入賞フラグ523bをオンし(S1442)、遊技状況に関連する受信コマンドをクリアして(S1411)、この遊技状況検出処理(S1307)を終了し、メイン処理(図41参照)へ戻る。一方で、S1409の処理により確認した結果、V入賞検出コマンドが受信されていなければ(S1409:No)、S1442の処理をスキップして、S1411の処理へ移行する。
また、S1402の処理により確認した結果、V入賞フラグ523bがオンであれば(S1402:Yes)、大当たり終了コマンドを受信したか否かを確認し(S1412)、大当たり終了コマンドを受信した場合には(S1412:Yes)、V入賞フラグ523bをオフし(S1413)、S1411の処理へ移行する。一方、S1412の処理により確認した結果、大当たり終了コマンドを受信していない場合には(S1412:No)、何も行うことなく、S1411の処理へ移行する。
よって、図51に示す第3実施形態の遊技状況検出処理(S1307)によれば、主制御装置261から受信した遊技状況に関連するコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置262は、役物可変入賞装置33内への入球があったか否か、大当たりの発生や、大当たりの終了など、現在の遊技状況を把握することができる。
次に、図52を参照して、メイン処理(図41参照)の一部として音声ランプ制御装置262にて実行される第3実施形態の衝撃監視処理(S1303)について説明する。図52は、第3実施形態の衝撃監視処理(S1303)を示すフローチャートである。
図52に示すように、第3実施形態の衝撃監視処理(S1303)では、まず、第2監視カウンタ523gの値を1減算する(S1551)。S1551の処理後、衝撃センサ80により衝撃が検出されたかを確認し(S1501)、衝撃が検出されていなければ(S1501:No)、この第3実施形態の衝撃監視処理(S1303)を終了する。
一方で、S1501の処理により確認した結果、衝撃センサ80により衝撃が検出された場合には(S1501:Yes)、衝撃有りフラグ523cをオンし(S1502)、経過時間カウンタ523dに監視期間に相当する初期値(本実施形態では、5s(5秒))を設定する(S1503)。
S1503の処理後、第2監視カウンタ523gの値が0より大きいか否か、即ち、役物可変入賞装置33内への入球後の監視期間内であるか否かを確認する(S1552)。S1552の処理により確認した結果、第2監視カウンタ523gの値が0より大きい場合、即ち、役物可変入賞装置33内への入球後の監視期間内である場合には(S1552:Yes)、第1実施形態と同様に、中央電飾部103を5秒間点灯させる第2報知処理を実行し(S1505)、この衝撃監視処理(S1303)を終了する。
ところで、V入賞口(図示せず)へ球を導出するV案内部33b4aを有する役物可変入賞装置33内に球が入球した場合には、入球した球に対して不正が行われる可能性が高い。よって、役物可変入賞装置33内に球が入球した状況でパチンコ機10が衝撃を受けた場合、その衝撃は、球をV案内部33b4aに振り分けたり、非V案内部33b4bへ振り分けられそうな球を一時的に阻止したりするなどの不正目的で不正行為者から意図的に与えられたものであることが強く疑われる。従って、衝撃センサ80による衝撃が、役物可変入賞装置33内に球が入球してから所定の監視期間内に検出されたと確認(判定)することによって、検出された衝撃(揺れ)が不正行為の疑いがあるか否かを確実に区別することができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、役物可変入賞装置33内へ球が入球してから所定の監視期間内に衝撃センサ80によって衝撃が検出された場合、即ち、不正行為の疑いがある状況で衝撃が検出された場合には、検出された衝撃を不正の疑いのある異常な衝撃(特定の衝撃)と判定し、外部から目に留まりやすい中央電飾部103が5秒間と比較的長い間点灯する第2報知処理(S1505)が実行される。よって、不正行為が疑われる衝撃(揺れ)の存在をホール管理者などに確実に報知することができ、その結果、不正行為を確実に防止することができる。
再度、図52に戻って説明する。S1552の処理により確認した結果、第2監視カウンタ523gの値が0である場合、即ち、役物可変入賞装置33内への入球後の監視期間外である場合には(S1552:No)、第1実施形態と同様に、エラー表示ランプ106を1秒間点灯させる第1報知処理を実行し(S1506)、この衝撃監視処理(S1303)を終了する。
ところで、役物可変入賞装置33内への入球後の監視期間外である場合にパチンコ機10が受けた衝撃は、その衝撃が不正行為によるものであるとの疑わしさは、該監視期間内にパチンコ機10が衝撃を受けた場合に比べて小さいと想定される。しかし、本実施形態のパチンコ機10によれば、不正行為の実施可能性が低くとも、外部への報知を行う第1報知処理(S1506)が実行されるので、ホール管理者などに対し、衝撃が検出されたことが注意喚起されるので、不正行為を確実に防止することができる。
以上説明したように、第3実施形態のパチンコ機10によれば、衝撃センサ80により衝撃が検出された場合には、役物可変入賞装置33内への入球後の監視期間内であるか否かに応じて、検出された衝撃の正当性が吟味される。ここで、役物可変入賞装置33内への入球後の監視期間内、即ち、不正行為の疑いがある状況において、衝撃センサ80によって衝撃が検出された場合には、検出された衝撃が不正行為によるものであると疑われる。よって、該監視期間内に衝撃センサ80によって衝撃が検出された場合に、その衝撃が、第2報知処理を実行すべき不正行為の疑いのある異常な衝撃であると判定されるので、衝撃センサ80により検出された衝撃が異常な衝撃であるか否かの区別を確実に行うことができることになる。
以上、各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、衝撃センサ80により検出された衝撃の正当性についての吟味を、上記第1実施形態では、役物可変入賞装置33内に残存する球があるか否かに応じて行い、上記第2実施形態では、役物開放口32L,32C,32Rへの入球に基づいて行い、上記第3実施形態では、役物可変入賞装置33内への入球に基づいて行ったが、上記各実施形態を適宜組み合わせて衝撃センサ80により検出された衝撃の正当性についての吟味を行うように構成してもよい。
即ち、衝撃センサ80により検出された衝撃の正当性についての吟味を、(1)役物可変入賞装置33内に残存する球の数、(2)役物開放口32L,32C,32Rへの入球、及び、(3)役物可変入賞装置33内への入球の各々に基づいて行うことに限らず、(1)と(2)とに基づいて行うように構成してもよいし、(1)と(3)とに基づいて行うように構成してもよいし、(2)と(3)とに基づいて行うように構成してもよいし、(1)と(2)と(3)とに基づいて行うように構成してもよい。
かかる変形例の一つとして、例えば、衝撃センサ80により検出された衝撃の正当性についての吟味を、(1)役物可変入賞装置33内に残存する球の数と、(2)役物開放口32L,32C,32Rへの入球とに基づいて行う場合について説明する。
このように、衝撃センサ80により検出された衝撃の正当性についての吟味を、(1)と(2)とに基づいて行う場合には、第1実施形態のパチンコ機10の構成(図29参照)に、開放回数カウンタ523eと第1監視カウンタ523fとを有するパチンコ機において、図42に示す第1実施形態の遊技状況検出処理と図48に示す第2実施形態の遊技状況検出処理とを組み合わせた遊技状況検出処理を実行する。
かかる組み合わせの遊技状況検出処理の実行により、役物通過カウンタ523aの値が、主制御装置261から出力された役物入賞検出コマンドと非入賞検出コマンドとV入賞検出コマンドとに基づいて設定されると共に、第1監視カウンタ523fの値が、第1の開放口通過検出コマンドと第2の開放口通過検出コマンドとに基づいて設定される。そして、衝撃センサ80により検出された衝撃の正当性についての吟味を、役物通過カウンタ523aの値と第1監視カウンタ523fの値とに基づいて行う。
図53は、衝撃監視処理(S1303)に対する変形例の1つを示すフローチャートである。図53に示す衝撃監視処理(S1303)もまた、上述した各実施形態と同様に、メイン処理(図41参照)の一部として音声ランプ制御装置262のMPU521で実行される処理である。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図53に示すように、この変形例における衝撃監視処理(S1303)では、まず、第1監視カウンタ523fの値を1減算する(S1521)。S1521の処理後、衝撃センサ80により衝撃が検出されたかを確認し(S1501)、衝撃が検出されていなければ(S1501:No)、この衝撃監視処理(S1303)を終了する。
一方で、S1501の処理により確認した結果、衝撃センサ80により衝撃が検出された場合には(S1501:Yes)、衝撃有りフラグ523cをオンし(S1502)、経過時間カウンタ523dに監視期間に相当する初期値を設定する(S1503)。
S1503の処理後、役物通過カウンタ523aの値が0より大きいか否かを確認する(S1504)。S1504の処理により確認した結果、役物通過カウンタ523aの値が0より大きい場合には(S1504:Yes)、中央電飾部103を5秒間点灯させる第2報知処理を実行し(S1505)、この衝撃監視処理(S1303)を終了する。
一方で、S1504の処理により確認した結果、役物通過カウンタ523aの値が0である場合には(S1504:No)、第1監視カウンタ523fの値が0より大きいか否かを確認する(S1522)。S1522の処理により確認した結果、第1監視カウンタ523fの値が0より大きい場合には(S1522:Yes)、第2報知処理を実行し(S1505)、この衝撃監視処理(S1303)を終了する。
また、S1522の処理により確認した結果、第1監視カウンタ523fの値が0である場合には(S1522:No)、役物可変入賞装置33内に残存する球がなく、かつ、役物開放口32L,32C,32Rへの入球後の監視期間外であるので、エラー表示ランプ106を1秒間点灯させる第1報知処理を実行し(S1506)、この衝撃監視処理(S1303)を終了する。
なお、図53に示す衝撃監視処理(S1303)では、役物通過カウンタ523aの値が0より大きい場合(S1504:Yes)、及び、第1監視カウンタ523fの値が0より大きい場合(S1522:Yes)のいずれも、衝撃センサ80により検出された衝撃に対する不正行為の疑わしさを報知する第2報知処理(S1505)を実行するように構成したが、役物通過カウンタ523aの値が0より大きい場合(S1504:Yes)と、第1監視カウンタ523fの値が0より大きい場合(S1522:Yes)とで、報知態様が異なるように構成してもよい。
また、図53に示す衝撃監視処理(S1303)では、役物通過カウンタ523aの値が0であり、かつ、第1監視カウンタ523fの値が0である場合に(S1504:No,S1522:No)、第1報知処理(S1506)を実行するように構成したが、役物通過カウンタ523aの値が0である場合(S1504:No)と、第1監視カウンタ523fの値が0である場合(S1522:No)とで報知態様が異なるように構成してもよい。
同様に、上記各実施形態を適宜組み合わせて衝撃センサ80により検出された衝撃の正当性についての吟味を行う場合には、上述した図53の衝撃監視処理のように、衝撃に対する疑わしさのある複数の状況に対して同じ報知態様の報知を行うように構成してもよいし、衝撃に対する疑わしさのある各状況に応じて報知態様が異なるように構成してもよい。
上記各実施形態では、S1302〜S1310の処理を、メイン処理の中で所定時間毎(上記実施形態では、2ms毎)に繰り返し実行される処理として説明したが、これらの処理を、所定時間毎(例えば、上記実施形態に対応する時間としては2ms毎)に起動するタイマ割込処理の中で実行させるように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、役物可変入賞装置33内に球が残存する状況でパチンコ機10が衝撃を受けた場合に、かかる衝撃に不正行為の疑いがあるものと判定して第2報知処理(S1505)を実行するように構成したが、パチンコ機10が受けた衝撃が疑わしいものであるか否かの判定は、役物可変入賞装置33内に球が残存するか否かという状況に限定されるものではない。例えば、役物可変入賞装置33内に球が入球する状況を推測できる開閉部材33a1の開放中に衝撃センサ80が衝撃を検出した場合など、不正行為の発生し易い特定の遊技状況下で衝撃センサ80が衝撃を検出した場合に、かかる衝撃に不正行為の疑いがあるものと判定するように構成してもよい。
従って、上記第1実施形態では、本発明の理解を容易にする目的で、遊技状況に関するコマンドを、役物入賞検出コマンド、非V入賞検出コマンド、V入賞コマンド、及び大当たり終了コマンドのみとしたが、これらに限定されるものではない。例えば、開放口スイッチ222L,222C、222Rが球を検出したことを示すコマンドや、閉鎖中の開閉部材33a1が開放したことを示すコマンドや、開放中の開閉部材33a1が閉鎖したことを示すコマンドや、パチンコ機が始動条件の成立に伴う抽選を実行するタイプのものである場合に、抽選結果が大当たりとなる確率が上昇したことを示すコマンドなどを、不正行為による衝撃を抽出する上で把握したい遊技状況に応じて利用することができる。
また、上記各実施形態では、特定領域としてのV案内部33b4a又は普通領域としての非V案内部33b4bのいずれかへ球を振り分ける振分装置(振り分け部)としての回転体33b6を有する役物可変入賞装置33を備えたパチンコ機10を例示したが、本発明は、構造的に特定領域と普通領域とを振り分ける振り分け部を有するパチンコ機であれば、種々のパチンコ機に適用可能である。
構造的に特定領域と普通領域とを振り分ける振り分け部としては、例えば、球が通過可能な複数(例えば、3つ)の穴を有し、通過する穴の位置に応じて特定領域と普通領域とを振り分ける皿状の振分部材(所謂、クルーン)が挙げられる。また、遊技盤30における遊技領域において前方に張り出したステージ状の振分部材(所謂、センターフレームに設けられたステージ)であって、そのステージ上にて球を流動させた場合に、その球が、特定領域方向へ球を放出する特定部位を経てステージから落ちるか、それ以外の部位を経てステージから落ちるかに応じて特定領域と普通領域とを振り分ける振分部材などが、構造的に特定領域と普通領域とを振り分ける振り分け部の別例として挙げられる。
また、上記各実施形態では、不正行為の有無を監視すべき監視領域として、V案内部33b4a(特定領域)、非V案内部33b4b(普通領域)、及び回転体33b6(振り分け部)を有する役物可変入賞装置33を採用するように構成したが、役物可変入賞装置33のような構造物に限定されず、その監視領域内に特定領域、普通領域、及び振り分け部を有していれば、釘やセンサなどの配列によって形成される境界線によって区切られた所定の領域を採用するように構成してもよい。役物可変入賞装置33のような構造物ではなく、境界線によって区切られた所定の領域を監視領域として採用した場合には、境界線を越えて監視領域外から監視領域内へ流入(進入)する球をセンサなどによって随時検出すると共に、境界線を越えて監視領域内から監視領域外へ排出される球をセンサなどによって随時検出することによって、監視領域内に球が存在するか否かを判別することができる。また、クルーンやステージなどの振り分け部材の表面にセンサを設けて、クルーンやステージなどの振り分け部材上に球が存在するか否かを判別するような構成であってもよい。
また、上記各実施形態では、役物可変入賞装置33は開閉部材33a1を有しており、かかる開閉部材33a1開放した場合に、球が入口33a8aを介して役物可変入賞装置33内(即ち、監視領域内)へ流入するように構成したが、開閉部材33a1がなく、常時、球が入口を介して監視領域(例えば、役物可変入賞装置33のような構造物やクルーン系の振分役物)内へ流入できるような構成であってもよい。あるいは、釘などの障害物の配置によって監視領域(例えば、役物可変入賞装置33のような構造物やクルーン系の振分役物)の入口を通過し難くした構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、役物開放口32L,32C,32Rに入球したことによって開閉部材33a1を開放して役物可変入賞装置33へ入球を可能とし、その結果として球がV案内部33b4aへ振り分けられた場合に、役物可変入賞装置33に球が入賞し易い大当たりを発生するタイプのパチンコ機10を例示したが、役物開放口32L,32C,32Rに入球したことによって内部抽選を行い、その結果が所定の結果であった場合に役物可変入賞装置33に球が入賞し易い大当たりを発生するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができる。
また、上記各実施形態では、役物可変入賞装置33へ入球した球がV案内部33b4a(特定領域)へ振り分けられた場合に、役物可変入賞装置33に球が入賞し易い大当たりを発生するタイプのパチンコ機10を例示したが、特定領域に振り分けられたことによって、大当たりが生じる確率が上昇する状態(所謂、確変状態)を発生するタイプのパチンコ機であったり、特定領域に振り分けられたことによって、賞球が付与される入賞口に付随する開閉部材の開放時間や開放回数が増加される状態を発生するタイプのパチンコ機であってもよい。なお、「賞球が付与される入賞口に付随する開閉部材」としては、例えば、開閉部材33a1が挙げられるが、これに限定されるものではない。
また、上記各実施形態では、衝撃センサ80を利用する構成としたが、かかる衝撃センサ80は加速度センサの1種であり、パチンコ機10が受けた揺れを検出できるものであれば、衝撃センサ80に限らず種々の加速度センサ(例えば、加速度センサの1種である振動センサ)を使用することができる。よって、上記各実施形態では、衝撃センサ80の検出結果である「衝撃量(衝撃の大きさ)」を利用したが、パチンコ機10が受けた揺れを表すパラメータであれば、衝撃量に限定されず、振動を表す振幅量や振動周期など種々のパラメータを利用することが可能である。
また、上記各実施形態では、3軸加速度センサとその3軸加速度センサからの出力値に基づいて衝撃を検出する検出回路とを備え、検出回路により衝撃が検出された場合に、検出信号をMPU521へ出力する衝撃センサ80を利用する構成としたが、3軸加速度センサからの出力値をMPU521へ入力し、MPU521おいて衝撃があったか否かを検出する構成であってもよい。
また、上記各実施形態では、振動センサ80を音声ランプ制御装置262へ接続し、音声ランプ制御装置262において、かかる衝撃センサ80からの入力と、主制御装置261から入力された遊技状況に関連するコマンドとに基づき、衝撃センサ80によって検出された衝撃に不正行為の疑いがあるか否かの判定を制御するように構成したが、振動センサ80を主制御装置261へ接続し、主制御装置261において、かかる衝撃センサ80からの入力と、主制御装置261にて検出された遊技状況(例えば、第1実施形態において、役物可変入賞装置33内における球の残存数や大当たり発生など)とに基づき、衝撃センサ80によって検出された衝撃に不正行為の疑いがあるか否かの判定を制御するように構成してもよい。
このように主制御装置261において、衝撃センサ80によって検出された衝撃に不正行為の疑いがあるか否かの判定を制御するように構成した場合には、衝撃センサ80によって検出された衝撃に対する判定結果に応じたコマンドを音声ランプ制御装置262へ出力し、音声ランプ制御装置262にて報知を行うように構成すればよい。また、不正行為が疑われる状況(例えば、第1実施形態における、役物可変入賞装置33内に球が残存する状況)でパチンコ機10が衝撃を受けたときや、衝撃センサ80によって衝撃が検出されてから所定期間内に球がV入賞口(図示せず)を通過したときなど、不正行為が疑われたときに、発射制御装置312へ発射停止コマンドを出力したり、主制御装置261の電源を遮断したりなどの遊技停止の措置を図るように構成してもよい。なお、振動センサ80に接続された音声ランプ制御装置262が、振動センサ80からの入力を主制御装置261へ出力するように構成してもよい。
また、上記各実施形態では、衝撃センサ80を使用し、衝撃センサ80により検出された衝撃に不正行為の疑いがあるか否かを吟味する構成であったが、衝撃センサ80に換えて、磁気センサを使用し、その検出結果に基づいて不正行為の疑いの有無を吟味する構成としてもよい。
従来、上述したパチンコ機10に対し、遊技球が鉄製であることに着目した上で、磁石などの磁性体を利用して行われる不正行為がある。具体的には、役物可変入賞装置33内に入球した球がV案内部33b4a(特定領域)又は非V案内部33b4b(普通領域)へ振り分けられる寸前に、ガラス137越しに磁性体を近づけ、磁力によって球を磁性体に引き寄せて、球がV案内部33b4aへ振り分けられるようにコントロールする不正行為がある。
そこで、役物可変入賞装置(センター役物)33の裏面、特に、V案内部33b4aの近傍や開閉部材33a1の近傍となる位置の裏面側に、磁気センサを配置することにより、かかる磁気センサにより磁気が検出された場合に、その磁気が不正行為によるものであるか否かを吟味することができる。
例えば、衝撃センサ80に換えて、磁気センサを使用する場合には、上記各実施形態の衝撃監視処理(図43,図49,図52)において、衝撃センサ80により衝撃が検出されたかを確認する処理(S1501)に換えて、磁気センサにより磁気が検出されたかを確認する処理を実行するように構成すればよい。
あるいは、上記各実施形態で使用した衝撃センサ80に換えて、物体を検出可能なセンサ(例えば、発光素子から発光される光が検知対象物体により反射されて戻ってきた反射光を受光素子で受光することによって検知対象物体を検知する反射型の光センサ(例えば、赤外線センサ)や、超音波センサや、レーザセンサや、レーダセンサなど)を使用し、その検出結果に基づいて不正行為の疑いの有無を吟味する構成としてもよい。
例えば、遊技盤30の表面における役物可変入賞装置33の近傍、特に、開閉部材33a1の近傍やV案内部33b4aの近傍に、反射型の赤外線センサを配設することにより、球を役物可変入賞装置33へ入球させようとしたり、球をV案内部33b4aへ振り分けようとする目的で、不正行為者が、ガラス137越しに、役物可変入賞装置33の近傍(開閉部材33a1の近傍やV案内部33b4aの近傍など)に磁性体を近づけたり、叩いたりする際に、パチンコ機10へ近づく手や磁性体などを検出することが可能となる。よって、かかるセンサによって物体が検出された場合に、検出された物体が不正行為によるものであるか否かを吟味することができる。
ここで、例えば、衝撃センサ80に換えて、物体を検出可能なセンサを使用する場合には、上記各実施形態の衝撃監視処理(図43,図49,図52)において、衝撃センサ80により衝撃が検出されたかを確認する処理(S1501)に換えて、物体を検出可能なセンサ(例えば、赤外線センサなど)により物体が検出されたかを確認する処理を実行するように構成すればよい。
なお、上述した磁気センサと物体を検出可能なセンサとを組み合わせて使用し、各センサによる検出結果に基づいて不正行為の疑いの有無を吟味する構成としてもよい。また、上述した磁気センサ又は物体を検出可能なセンサと衝撃センサ80と組み合わせて使用したり、利用可能な全てのセンサ(例えば、磁気センサ、物体を検出可能なセンサ、及び衝撃センサ80の3種類のセンサ)を組み合わせて使用し、各センサによる検出結果に基づいて不正行為の疑いの有無を吟味する構成としてもよい。複数のセンサを組み合わせて使用して不正行為の疑いの有無を吟味する場合には、1のセンサからの検出結果のみによって不正行為の疑いがあるか否かを判定する構成であってもよいし、複数のセンサからの検出結果から総合的に不正行為の疑いがあるか否かを判定する構成であってもよい。また、衝撃センサ80や磁気センサや物体を検出可能なセンサ以外にも、不正行為の種類に応じたセンサを使用し、その検出結果に基づいて不正行為の疑いの有無を吟味することもできる。
また、上記各実施形態では、第1報知処理(S1506)、第2報知処理(S1505)、第3報知処理(S1604)のいずれも、中央電飾部103などのランプの点灯によって視覚的に外部へ報知するものとしたが、これに換えて又はこれと併用して、スピーカ246から音声を出力して聴覚的に報知を行うように構成してもよい。なお、視覚的に報知を行う場合には、ランプの点灯だけでなく点滅などの種々の点灯態様を使用でき、聴覚的に報知を行う場合には、音声の種類や音量などを変えた種々の出力態様を使用することができる。
また、上記各実施形態では、第1報知処理(S1506)、第2報知処理(S1505)、第3報知処理(S1604)のいずれも、中央電飾部103などのランプの点灯によって視覚的に外部へ報知するものとしたが、これに換えて又はこれと併用して、外部出力端子板(図示せず)を介してホールコンピュータなどの外部装置(図示せず)へ報知コマンド又は所定の信号を出力する構成としてもよい。外部装置へ報知コマンドや所定の信号が出力された結果として、ホール管理者はかかる外部装置を介して間接的にパチンコ機10が衝撃を受けたことを把握することができる。
なお、外部出力端子板(図示せず)を介してホールコンピュータなどの外部装置(図示せず)へ報知コマンド又は所定の信号を出力する場合には、それらの報知コマンドや信号を受信した外部装置が、受信した報知コマンドや信号に基づいて、衝撃センサ80によって検出された衝撃がどの状況であるか、即ち、第1報知処理(S1506)、第2報知処理(S1505)、第3報知処理(S1604)のいずれが実行される状況であるかを区別し、その区別に応じた不正対策処理(報知やパチンコ機の停止など)を実行するような構成であってもよい。
また、上記各実施形態では、不正行為の実施可能性が低い状況(例えば、第1実施形態における、役物可変入賞装置33内に球が残存していない状況)において、衝撃センサ80によって衝撃が検出された場合に、第1報知処理(S1506)を実行する構成としたが、このように不正行為の実施可能性が低い状況下で検出された撃に対しては報知(不正対策処理)を実行しないように構成してもよい。かかる構成とすることによって、不正行為とは無関係な揺れ(衝撃)に対して報知が行われることを抑制することができる。
また、上記各実施形態では、不正行為が疑われる状況(例えば、第1実施形態における、役物可変入賞装置33内に球が残存する状況)でパチンコ機10が衝撃を受けた場合には第2報知処理(S1505)を実行し、衝撃センサ80によって衝撃が検出されてから所定期間内に球がV入賞口(図示せず)を通過した場合には第3報知処理(S1604)を実行するように構成したが、不正行為が疑われる状況(例えば、役物可変入賞装置33内に球が残存する状況)でパチンコ機10が衝撃を受けた場合、及び衝撃センサ80によって衝撃が検出されてから所定期間内に球がV入賞口(図示せず)を通過した場合のどちらも、不正行為が疑われる場合には変わりないので、いずれか一方の場合に対してのみ報知処理を行うように構成してもよい。
つまり、不正行為が疑われる状況(例えば、役物可変入賞装置33内に球が残存する状況)でパチンコ機10が衝撃を受けた場合であっても第2報知処理(S1505)は実行せず、衝撃センサ80によって衝撃が検出されてから所定期間内に球がV入賞口(図示せず)を通過した場合に第3報知処理(S1604)を実行するような構成や、衝撃センサ80によって衝撃が検出されてから所定期間内に球がV入賞口(図示せず)を通過した場合であっても第3報知処理(S1604)は実行せず、不正行為が疑われる状況(例えば、役物可変入賞装置33内に球が残存する状況)でパチンコ機10が衝撃を受けた場合に第2報知処理(S1505)を実行するような構成であってもよい。
なお、役物可変入賞装置33内に球が残存する状況でパチンコ機10が衝撃を受けたか否かとは無関係に、衝撃センサ80によって衝撃が検出されてから所定期間内に球がV入賞口(図示せず)を通過したときにのみ第3報知処理(S1604)を実行するような構成とする場合には、役物可変入賞装置33内に球が残存するか否かの判定は不要となるため、役物通過カウンタ523aは不要となる。
また、不正行為が疑われる状況(例えば、役物可変入賞装置33内に球が残存する状況)でパチンコ機10が衝撃を受けたか否かとは無関係に、衝撃センサ80によって衝撃が検出されてから所定期間内に球がV入賞口(図示せず)を通過したときにのみ第3報知処理(S1604)を実行するような構成とする場合には、衝撃センサ80によって衝撃が検出されてから所定期間経っても球がV入賞口(図示せず)を通過することがなかったとき、即ち、衝撃検出後監視処理(図44参照)におけるS1602のYesの分岐処理の後に、単に衝撃が検出されたことを示す第1報知処理と同様の報知処理(第4報知処理)を実行するように構成してもよい。かかる報知処理(第4報知処理)を実行することにより、ホール管理者などに対し、衝撃が検出されたことが注意喚起されるので、不正行為を確実に防止することができる。
なお、かかる報知処理を実行する場合には、第3報知処理(S1604)による報知に比べて、外部への訴求力が弱い態様で行われることが好ましい。即ち、上記各実施形態における第1報知処理(S1506)による報知と第2報知処理(S1505)による報知との関係と同様に、不正行為の疑いの度合いに応じた強度で報知を行うことによって、不正行為とは無関係な衝撃が過度の訴求力でもって外部へ報知されることを抑制することができる。
また、上記各実施形態では、衝撃監視処理(図43,図49,図52参照)におけるS1503の処理において経過時間カウンタ523dに監視期間に相当する初期値を設定し、メイン処理(図41参照)の処理サイクル毎(2ms毎)に減算し、0になった場合に監視期間が経過したと判定する構成としたが、衝撃監視処理(図43,図49,図52参照)におけるS1503の処理において経過時間カウンタ523dに初期値として0を設定し、メイン処理(図41参照)の処理サイクル毎(2ms毎)に減算し、監視期間に相当する値になった場合に監視期間が経過したと判定する構成としてもよい。
また、上記第1実施形態では、役物通過カウンタ523aの値によって役物可変入賞装置33内に残存する球の数(残存数)を取得する構成としたが、役物通過カウンタ523aに換えて、主制御装置261から受信した役物入賞検出コマンドに基づいて役物可変入賞装置33内に入賞(進入)した球の数を計数する入賞数カウンタと、主制御装置261から受信した非V入賞検出コマンドに基づいて役物可変入賞装置33から排出された球の数を計数する排球数カウンタとをそれぞれ設け、入賞数カウンタの値から排球数カウンタの値を減算することによって、役物可変入賞装置33内に残存する球の数(残存数)を取得する構成としてもよい。
また、上記第1実施形態では、役物通過カウンタ523aの値は、主制御装置261から役物入賞検出コマンドを受信した場合に1加算され、主制御装置261から非V入賞検出コマンドを受信した場合に1減算されるように構成したが、主制御装置261は役物通過カウンタ503jの値を示すコマンドを音声ランプ制御装置262へ出力し、そのコマンドの受信によって役物通過カウンタ523aの値を設定する構成としてもよい。
また、上記第1実施形態では、非V入賞検出スイッチ223は、非V案内部33b4bに振り分けられた球が排球されることを検出するものとしたが、役物可変入賞装置33のV案内部33b4a又は非V案内部33b4bより外部へ排球される球の全てを検出するものとしてもよい。かかる場合では、役物可変入賞装置33より外部へ排球される球の個数を正確に検出できるので、役物可変入賞装置33内に残存する球の個数を正確に検出することができる。
また、上記第2実施形態では、音声ランプ制御装置262が主制御装置261から第1の開放口通過検出コマンドを受信した場合(即ち、中央の役物開放口32Cへ球が入球し、中開放口スイッチ222Cがオンされた場合)には、第1監視カウンタ523fに第1の初期値(第2実施形態では、8s)が設定され、一方で、第2の開放口通過検出コマンドを受信した場合(即ち、左又は右の役物開放口32L,32Rへ球が入球し、左又は右の開放口スイッチ222L.222Rがオンされた場合)には、第2の初期値(第2実施形態では、7s)が設定される構成とした。即ち、第1の初期値と第2の初期値とが異なる値となるように構成したが、第1の初期値と第2の初期値とを同じ値とする構成としてもよい。
また、上記第2実施形態では、開放回数カウンタ523eの値は、音声ランプ制御装置262が主制御装置から第1又は第2の開放口通過検出コマンドを受信した場合に初期値(2又は1)に設定され、開放回数減算コマンドを受信した場合に1減算されるように構成したが、主制御装置261は開放回数カウンタ503gの値を示すコマンドを音声ランプ制御装置262へ出力し、そのコマンドの受信によって開放回数カウンタ523eの値を設定する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、パチンコ機10として、LCDなどの表示装置が設けられていないタイプのものを例示したために、衝撃センサ80を音声ランプ制御装置262に接続し、この衝撃センサ80によって衝撃が検出された場合に、かかる衝撃が不正行為の疑われる状況にて生じたものであるか否かの吟味を、音声ランプ制御装置262にて実行される衝撃監視処理(図43,図49,図52参照)や衝撃検出後監視処理(図44参照)によって行う構成とした。
これに対し、LCDなどの表示装置が設けられているタイプのパチンコ機には、かかる表示装置を制御する表示制御装置が搭載される。かかる表示制御装置は、例えば、音声ランプ制御装置262の入出力ポート525に接続することができ、この場合には、主制御装置261から音声ランプ制御装置262へ各コマンドを送信し、音声ランプ制御装置262から表示制御装置に対して各コマンドに基づく表示の指示がなされるよう構成することができる。
このように、パチンコ機が表示制御装置を有する構成である場合に、衝撃センサ80を表示制御手段に接続し、この衝撃センサ80によって衝撃が検出された場合に、衝撃監視処理(図43,図49,図52参照)や衝撃検出後監視処理(図44参照)に対応する処理を表示制御手段によって実行し、検出された衝撃が不正行為の疑われる状況にて生じたものであるか否かの吟味を行うように構成してもよい。
また、衝撃センサ80を音声ランプ制御装置262に接続し、衝撃センサ80によって衝撃が検出された場合に、衝撃が検出された信号を表示制御装置へ出力し、表示制御装置にて、衝撃監視処理(図43,図49,図52参照)や衝撃検出後監視処理(図44参照)に対応する処理を実行するように構成してもよい。
なお、LCDなどの表示装置が設けられているタイプのパチンコ機において、主制御装置262から表示制御装置へ直接コマンドを送信する構成であったり、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成であったり、音声ランプ制御装置と表示制御装置とが1の制御装置とされた構成であってもよく、これらの構成をとる場合に、衝撃センサ80を音声ランプ制御装置又は表示制御装置のいずれに接続しても、上記各実施形態のパチンコ機10と同様に作用させることができる。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、所謂パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
以下に本発明の遊技機および変形例を示す。特定領域と、その特定領域とは異なる普通領域と、遊技媒体を前記特定領域又は前記普通領域のいずれかに振り分ける振り分け部と、前記特定領域を通過する遊技媒体を検出する特定領域通過検出手段と、その特定領域通過検出手段により前記遊技媒体が検出された場合に、該検出前と比較して遊技者に有利な遊技価値が付与され得る遊技状態へ移行する移行手段とを備えた遊技機において、揺れを検出する揺れ検出手段と、その揺れ検出手段によって揺れが検出された場合に、その検出からの経過期間を計測する計時手段と、その計時手段により計測された経過期間が予め規定された期間に到達する前に、前記特定領域を通過した遊技媒体が前記特定領域通過検出手段によって検出された場合に、前記揺れ検出手段により検出された揺れを特定の揺れであると判定する揺れ判定手段とを備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、振り分け部によって遊技媒体が特定領域か普通領域かのいずれかに振り分けられた結果として、特定領域を通過した遊技媒体が特定領域通過手段によって検出された場合には、移行手段によって、該検出前と比較して遊技者に有利な遊技価値が付与され得る遊技状態へ移行する。なお、「検出前と比較して遊技者に有利な遊技価値が付与され得る遊技状態」としては、例えば、検出前に比べて多量の賞球を得ることが可能な状態(所謂、大当たり状態)、検出前に比べて大当たりが生じる確率が上昇する状態(所謂、確変状態)、入球(入賞)によって賞球が付与される入賞口に付随する開閉部材の開放時間や開放回数が検出前に比べて増加される状態などが挙げられる。
ところで、揺れ検出手段によって揺れが検出されてからある程度の期間内に遊技媒体が特定領域を通過した場合には、検出された揺れが、遊技媒体を特定領域に振り分けて利益(遊技価値)を得る目的で意図的に与えられた揺動(例えば、振動や衝撃の付与)であると想定される。
ここで、遊技機A1によれば、揺れ検出手段によって揺れが検出されると、その検出からの経過期間が計時手段によって計測され、その計時手段により計測された経過期間が予め規定された期間に到達する前に、特定領域通過検出手段により、特定領域を通過した遊技媒体が検出された場合には、揺れ検出手段により検出された揺れが特定の揺れであると、揺れ判定手段によって判定される。
よって、揺れ検出手段によって揺れが検出されてから所定期間内に遊技媒体が特定領域を通過した場合、即ち、遊技者に有利な遊技価値が付与され得る状況が生じた場合に、検出された揺れを不正行為の疑いがある特定の揺れと判断することにより、検出された揺れが不正行為の疑いを有するか否かの区別を確実に行うことができる。その結果、不正行為によって生じた揺れ(例えば、振動や衝撃)を確実に検出し得る。
また、このように、揺れ検出手段によって検出された揺れに不正行為の疑いを有するか否かの区別を確実に行うことができるので、ホール管理者などに識別可能な報知(音声、ランプ点灯、映像など)や、外部装置(例えば、ホールコンピュータなどの外部管理装置)への報知や、遊技の停止などの種々の対策の実施が可能となり、その結果、不正行為によって遊技場が被る損害を確実に抑制できる。
なお、遊技機A1において、揺れ検出手段により「揺れを検出する」とは、検出装置(センサ)から出力された揺れに起因する信号に基づいて遊技機内部の処理によって遊技機本体の揺れを検出するだけでなく、揺れを検出可能な装置(センサ)によって揺れが検出されたことを示す検出結果を遊技機が受信することを含むことを意図している。
遊技機A1において、前記揺れ判定手段により特定の揺れであると判定された場合に、所定の不正対策を実行する第1不正対策実行手段を備えていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、揺れ判定手段により特定の揺れであると判定された場合に、第1不正対策実行手段によって所定の不正対策が実行されるので、不正行為によって遊技場が被る損害を確実に抑制できる。
なお、第1不正対策実行手段による「所定の不正対策」としては、例えば、ランプ点灯や映像出力や音声出力などによる視覚的又は聴覚的な報知や、遊技機を管理する外部装置(例えば、ホールコンピュータ)へ特定の揺れの存在を報知する信号又はコマンドの出力や、球発射装置の停止や電源遮断などによる遊技の停止などが挙げられる。
遊技機A2において、前記第1不正対策実行手段は、視覚的又は聴覚的な出力あるいは通信可能に接続された遊技外部の装置である外部装置への信号出力又はコマンド出力により、前記特定の揺れの存在を外部へ報知するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、揺れ検出手段により検出された揺れが特定の揺れであると揺れ判定手段により判定された場合に、第1不正対策実行手段によって所定の不正対策として、視覚的又は聴覚的な出力あるいは通信可能に接続された外部装置(遊技外部の装置)への信号出力又はコマンド出力が実行されるので、ホール管理者などが直接又は外部装置を介して間接的に特定の揺れの存在を把握するところとなり、不正行為によって遊技場が被る損害を確実に抑制できる。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記揺れ判定手段により特定の揺れであると判定された場合に、所定の不正対策を実行する第1不正対策実行手段と、前記揺れ検出手段により揺れが検出されたが、前記計時手段により計測された経過期間が予め規定された期間に到達する前に前記特定領域通過検出手段により検出された前記遊技媒体が皆無であった場合に、前記第1不正対策実行手段による不正対策と異なる不正対策を行う第2不正対策実行手段とを備えていることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、揺れ検出手段により検出された揺れが特定の揺れであると揺れ判定手段により判定された場合に、第1不正対策実行手段によって所定の不正対策が実行される。その一方で、揺れ検出手段によって揺れが検出されたとしても、計時手段により計測された経過期間が予め規定された期間に到達する前に特定領域通過検出手段により検出された遊技媒体が皆無であった場合、即ち、揺れ検出手段により検出された揺れが特定の揺れではないと揺れ判定手段により判定された場合には、第1不正対策実行手段によって実行される不正対策と異なる(例えば、第1不正対策実行手段によって実行される不正対策と比較して軽度の不正対策)が第2不正対策実行手段によって実行される。
ここで、揺れ検出手段によって揺れが検出されたとしても、計時手段により計測された経過期間が予め規定された期間に到達する前に特定領域通過検出手段により検出された遊技媒体が皆無であった場合、即ち、揺れ検出手段によって検出された揺れが特定の揺れではないと揺れ判定手段によって判定される状況は、不正行為があまり疑われない状況であると想定される。しかし、かかる状況においても、遊技機に揺れがあったことに対し、第2不正対策実行手段によって実行される不正対策と異なる不正対策を実行することによって、不正行為をより確実に防止することができる。
なお、不正行為があまり疑われない状況において遊技機に揺れがあった場合に実行される不正対策を、不正行為が疑われる状況において遊技機に揺れがあった場合に比べて軽度なものにすることによって、不正行為の疑いの度合いに応じた強度の不正対策が実行されることとなり、不正行為とは無関係な衝撃に対し過度の不正対策が実行されることを抑制し得る。
なお、遊技機A4において、第2不正対策実行手段による「不正対策」としては、例えば、ランプ点灯や映像出力や音声出力などによる視覚的又は聴覚的な報知や、遊技機を管理する外部装置(例えば、ホールコンピュータ)へ特定の揺れの存在を報知する信号又はコマンドの出力などが挙げられる。
遊技機A4において、前記第1不正対策実行手段及び前記第2不正対策実行手段により実行される不正対策は、いずれも、視覚的又は聴覚的な出力によって前記特定の揺れの存在を外部へ報知するものであり、前記第2不正対策実行手段による視覚的又は聴覚的な出力は、前記第1不正対策実行手段による視覚的又は聴覚的な出力と異なる態様で行われるものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、第2不正対策実行手段によって実行される視覚的又は聴覚的な出力は、第1不正対策実行手段によって実行される視覚的又は聴覚的な出力と異なる態様(例えば、第1不正対策実行手段によって実行される視覚的又は聴覚的な出力に比べて、外部に対する訴求力が弱い態様)で行われる。
よって、不正行為があまり疑われない状況において、遊技機に揺れがあったことに対しても、外部に対して注意喚起がされるので、不正行為をより確実に防止できる。なお、不正行為があまり疑われない状況において遊技機に揺れがあった場合に実行される報知(視覚的又は聴覚的な出力)を、不正行為が疑われる状況において遊技機に揺れがあった場合に比べて外部への訴求力が弱い態様で行うことによって、不正行為の疑いの度合いに応じた訴求力で報知が実行されることとなり、不正行為とは無関係な衝撃に対し過度の訴求力でもって不正対策が実行されることを抑制し得る。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、遊技に関する主な制御を行う装置であって、前記特定領域通過検出手段により前記遊技媒体が検出された場合には、該検出前と比較して遊技者に有利な遊技価値が付与され得る遊技状態への移行手段による移行を行う主制御装置と、その主制御装置による制御に基づいて従属的に周辺制御を行う周辺制御装置とを備え、前記主制御手段は、前記特定領域通過検出手段により前記遊技媒体が検出されたことを示す信号又はコマンドを前記周辺制御手段へ出力する遊技状況出力手段を備え、前記周辺制御手段は、前記揺れ検出手段による揺れの検出を行い、前記揺れ検出手段による検出結果と前記遊技状況出力手段により前記主制御手段から入力された信号又はコマンドとに基づいて前記揺れ判定手段による判定を行うものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、主制御装置における遊技状況出力手段によって特定領域通過検出手段により遊技媒体が検出されたことを示す信号又はコマンドが周辺制御手段へ出力される。このように主制御装置から出力された信号又はコマンドと、揺れ検出手段によって検出された揺れとに基づいて、揺れ判定手段による判定が周辺制御手段において実行される。ここで、揺れ検出手段による揺れの検出もまた周辺制御手段において実行される。なお、主制御装置は、特定領域通過検出手段により遊技媒体が検出された場合に、該検出前と比較して遊技者に有利な遊技価値が付与され得る遊技状態への移行手段による移行など、遊技に関する主な制御を行う装置である。
周辺制御装置の処理能力を主制御装置の処理能力より高くすることがしばしば行われており、かかる処理能力の高い周辺制御装置に、揺れ検出手段によって検出された揺れに不正行為の疑いがあるか否かを判定させる各処理を制御させることにより、処理効率が向上すると共に、主制御装置に対する過負荷を抑制することができる。
遊技機A6において、前記周辺制御装置は、前記主制御装置による制御に基づいて視覚的又は聴覚的な出力を制御する装置であることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、揺れ検出手段によって検出された揺れに不正行為の疑いがあるか否かを判定させる各処理が、遊技に関する主な制御を行う主制御装置ではなく、その主制御装置による制御に基づいて従属的に視覚的又は聴覚的な出力の制御を行う周辺制御装置によって制御される。
視覚的又は聴覚的な出力を制御する周辺制御装置の処理能力を、主制御装置の処理能力より高くすることがしばしば行われており、かかる処理能力の高い周辺制御装置に、揺れ検出手段によって検出された揺れに不正行為の疑いがあるか否かを判定させる各処理を制御させることにより、処理効率が向上すると共に、主制御装置に対する過負荷を抑制することができる。
また、揺れ検出手段によって検出された揺れに不正行為の疑いがあるか否かを判定させる各処理を視覚的又は聴覚的な出力を制御する周辺制御装置により行うことにより、振動判定手段による判定結果が特定の振動を示すものであった場合に、視覚的又は聴覚的な出力といった不正対策の制御を容易に実現できる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機A8。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機A9。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機A10。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
特定領域と、その特定領域とは異なる普通領域と、遊技媒体を前記特定領域又は前記普通領域のいずれかに振り分ける振り分け部と、前記特定領域を通過する遊技媒体を検出する特定領域通過検出手段と、その特定領域通過検出手段により前記遊技媒体が検出された場合に、該検出前と比較して遊技者に有利な遊技価値が付与され得る遊技状態へ移行する移行手段とを備えた遊技機において、該遊技機本体又は該遊技機近傍における状態の変化を検出する状態検出手段と、その状態検出手段によって前記状態の変化が検出された場合に、その検出からの経過期間を計測する計時手段と、その計時手段により計測された経過期間が予め規定された期間に到達する前に、前記特定領域を通過した遊技媒体が前記特定領域通過検出手段によって検出された場合に、前記状態検出手段により検出された前記状態の変化を有意な変化であると判定する状態判定手段とを備えていることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、振り分け部によって遊技媒体が特定領域か普通領域かのいずれかに振り分けられた結果として、特定領域を通過した遊技媒体が特定領域通過手段によって検出された場合には、移行手段によって、該検出前と比較して遊技者に有利な遊技価値が付与され得る遊技状態へ移行する。なお、「検出前と比較して遊技者に有利な遊技価値が付与され得る遊技状態」としては、例えば、検出前に比べて多量の賞球を得ることが可能な状態(所謂、大当たり状態)、検出前に比べて大当たりが生じる確率が上昇する状態(所謂、確変状態)、入球(入賞)によって賞球が付与される入賞口に付随する開閉部材の開放時間や開放回数が検出前に比べて増加される状態などが挙げられる。
ところで、状態検出手段によって検出される遊技機本体や遊技機近傍における状態の変化(例えば、遊技機本体に生じた振動や衝撃などの揺れや、遊技機が受ける磁気強度の増加や、遊技機への物体の接近など)は、不正行為者が不正行為を行った結果として生じることが多い。ここで、遊技機本体に生じた振動や衝撃などの揺れや、遊技機が受ける磁気強度の増加や、遊技機への物体の接近などの状態変化が状態検出手段によって検出されてから、ある程度の期間内に遊技媒体が特定領域を通過した場合には、検出された状態の変化が、不正行為者が遊技媒体を特定領域に振り分けて利益(遊技価値)を得る目的で行った不正行為に起因する状態変化(例えば、不正行為によって遊技機本体に生じた振動や衝撃などの揺れや、磁性体を用いる不正行為の結果として遊技機が受ける磁気強度の増加や、不正行為の実行に伴う遊技機への物体の接近など)であると想定される。
遊技機B1によれば、遊技機本体や遊技機近傍における状態の変化が状態検出手段によって検出されると、その検出からの経過期間が計時手段によって計測され、その計時手段により計測された経過期間が予め規定された期間に到達する前に、特定領域通過検出手段により、特定領域を通過した遊技媒体が検出された場合には、状態検出手段によって検出された状態の変化が不正行為などに起因する異常を疑い得る有意な変化であると、状態判定手段によって判定される。
なお、状態検出手段により変化が生じたか否かを検出する「遊技機本体又は遊技機近傍における状態の変化」としては、例えば、遊技機本体における揺れ(振動や邀撃など)の発生又は揺れ量の変化や、遊技機本体が受ける磁気強度の変化又は遊技機近傍における磁場の発生や、遊技機本体への物体の接近又は遊技機近傍における物体の出現など、不正行為者による不正行為に伴って遊技機本体又は遊技機近傍に生じる状態の変化が挙げられる。また、遊技機B1の「状態検出手段」としては、上記各実施形態における衝撃センサ80や、磁気センサや、光学的センサ(例えば、赤外線センサ)のような物体を検出可能なセンサが例示される。
よって、状態検出手段によって状態の変化が検出されてから所定期間内に遊技媒体が特定領域を通過した場合、即ち、遊技者に有利な遊技価値が付与され得る状況が生じた場合に、検出された状態変化を不正行為の疑いがある有意な変化であると判断することにより、検出された状態変化が不正行為の疑いを有するか否かの区別を確実に行うことができる。その結果、不正行為によって生じた状態の変化(例えば、不正行為によって遊技機本体に生じた振動や衝撃などの揺れや、磁性体を用いる不正行為の結果として遊技機が受ける磁気強度の増加や、不正行為の実行に伴う遊技機への物体の接近など)を確実に検出し得る。
また、このように、状態検出手段によって検出された状態の変化が、不正行為の疑いのある有意な状態変化であるか否かの区別を確実に行うことができるので、ホール管理者などに識別可能な報知(音声、ランプ点灯、映像など)や、外部装置(例えば、ホールコンピュータなどの外部管理装置)への報知や、遊技の停止などの種々の対策の実施が可能となり、その結果、不正行為によって遊技場が被る損害を確実に抑制できる。
なお、遊技機B1において、状態検出手段により「状態の変化を検出する」とは、検出装置(センサ)から出力された状態の変化(振動や衝撃などの揺れや、磁気強度の変化や、物体の接近など)に起因する信号に基づいて遊技機内部の処理によって、遊技機本体や遊技機近傍において状態の変化が生じたことを検出するだけでなく、状態の変化を検出可能な装置(センサ)によって、遊技機本体や遊技機近傍における状態の変化が検出されたことを示す検出結果を遊技機が受信することを含むことを意図している。
遊技機B1において、前記状態判定手段により、前記状態検出手段により検出された前記状態の変化が有意な変化であると判定された場合に、所定の不正対策を実行する第1不正対策実行手段を備えていることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、状態検出手段により検出された状態の変化が状態判定手段によって不正行為を疑い得る有意な変化であると判定された場合に、第1不正対策実行手段によって所定の不正対策が実行されるので、不正行為によって遊技場が被る損害を確実に抑制できる。
なお、第1不正対策実行手段による「所定の不正対策」としては、例えば、ランプ点灯や映像出力や音声出力などによる視覚的又は聴覚的な報知や、遊技機を管理する外部装置(例えば、ホールコンピュータ)へ、遊技機本体又は遊技機近傍において有意な状態変化があったことを報知する信号又はコマンドの出力や、球発射装置の停止や電源遮断などによる遊技の停止などが挙げられる。
遊技機B2において、前記第1不正対策実行手段は、視覚的又は聴覚的な出力あるいは通信可能に接続された遊技外部の装置である外部装置への信号出力又はコマンド出力により、前記有意な変化の存在を外部へ報知するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、状態検出手段により検出された状態の変化が状態判定手段によって不正行為を疑い得る有意な変化であると判定された場合に、第1不正対策実行手段によって所定の不正対策として、視覚的又は聴覚的な出力あるいは通信可能に接続された外部装置(遊技外部の装置)への信号出力又はコマンド出力が実行されるので、ホール管理者などが直接又は外部装置を介して間接的に、遊技機本体又は遊技機近傍における有意な状態変化の存在を把握するところとなり、不正行為によって遊技場が被る損害を確実に抑制できる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記状態判定手段により、前記状態検出手段により検出された前記状態の変化が有意な変化であると判定された場合に、所定の不正対策を実行する第1不正対策実行手段と、前記状態検出手段により前記状態の変化が検出されたが、前記計時手段により計測された経過期間が予め規定された期間に到達する前に前記特定領域通過検出手段により検出された前記遊技媒体が皆無であった場合に、前記第1不正対策実行手段による不正対策と異なる不正対策を行う第2不正対策実行手段とを備えていることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、状態検出手段により検出された状態の変化が状態判定手段により不正行為を疑い得る有意な変化であると判定された場合に、第1不正対策実行手段によって所定の不正対策が実行される。その一方で、状態検出手段によって状態の変化が検出されたとしても、計時手段により計測された経過期間が予め規定された期間に到達する前に特定領域通過検出手段により検出された遊技媒体が皆無であった場合、即ち、状態検出手段により検出された状態の変化が状態判定手段により有意な変化ではないと判定された場合には、第1不正対策実行手段によって実行される不正対策と異なる(例えば、第1不正対策実行手段によって実行される不正対策と比較して軽度の不正対策)が第2不正対策実行手段によって実行される。
ここで、状態検出手段によって状態の変化が検出されたとしても、計時手段により計測された経過期間が予め規定された期間に到達する前に特定領域通過検出手段により検出された遊技媒体が皆無であった場合、即ち、状態検出手段により検出された状態の変化が状態判定手段により有意な変化ではないと判定される状況は、不正行為があまり疑われない状況であると想定される。しかし、かかる状況においても、遊技機本体又は遊技機近傍に状態の変化があったことに対し、第2不正対策実行手段によって実行される不正対策と異なる不正対策を実行することによって、不正行為をより確実に防止することができる。
なお、不正行為があまり疑われない状況において実行される不正対策を、不正行為が疑われる状況において実行される不正対策に比べて軽度なものにすることによって、不正行為の疑いの度合いに応じた強度の不正対策が実行されることとなり、不正行為とは無関係の状態変化に対し過度の不正対策が実行されることを抑制し得る。
なお、遊技機B4において、第2不正対策実行手段による「不正対策」としては、例えば、ランプ点灯や映像出力や音声出力などによる視覚的又は聴覚的な報知や、遊技機を管理する外部装置(例えば、ホールコンピュータ)へ、有意な状態変化の存在を報知する信号又はコマンドの出力などが挙げられる。
遊技機B4において、前記第1不正対策実行手段及び前記第2不正対策実行手段により実行される不正対策は、いずれも、視覚的又は聴覚的な出力によって前記有意な変化の存在を外部へ報知するものであり、前記第2不正対策実行手段による視覚的又は聴覚的な出力は、前記第1不正対策実行手段による視覚的又は聴覚的な出力と異なる態様で行われるものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、第2不正対策実行手段によって実行される視覚的又は聴覚的な出力は、第1不正対策実行手段によって実行される視覚的又は聴覚的な出力と異なる態様(例えば、第1不正対策実行手段によって実行される視覚的又は聴覚的な出力に比べて、外部に対する訴求力が弱い態様)で行われる。
よって、不正行為があまり疑われない状況において、遊技機本体又は遊技機近傍における状態変化が検出されたことに対しても、外部に対して注意喚起がされるので、不正行為をより確実に防止できる。
なお、不正行為があまり疑われない状況において実行される報知(視覚的又は聴覚的な出力)を、不正行為が疑われる状況において実行される報知に比べて外部への訴求力が弱い態様で行うことによって、不正行為の疑いの度合いに応じた訴求力で報知が実行されることとなり、不正行為とは無関係な状態変化に対し過度の訴求力でもって不正対策が実行されることを抑制し得る。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、遊技に関する主な制御を行う装置であって、前記特定領域通過検出手段により前記遊技媒体が検出された場合には、該検出前と比較して遊技者に有利な遊技価値が付与され得る遊技状態への移行手段による移行を行う主制御装置(例えば、主制御装置261や、その主制御装置261におけるMPU501)と、その主制御装置による制御に基づいて従属的に周辺制御を行う周辺制御装置(例えば、音声ランプ制御装置262や、その音声ランプ制御装置262におけるMPU521)とを備え、前記主制御手段は、前記特定領域通過検出手段により前記遊技媒体が検出されたことを示す信号又はコマンドを前記周辺制御手段へ出力する遊技状況出力手段を備え、前記周辺制御手段は、前記状態検出手段による前記状態の変化の検出を行い、前記状態検出手段による検出結果と前記遊技状況出力手段により前記主制御手段から入力された信号又はコマンドとに基づいて前記状態判定手段による判定を行うものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、主制御装置における遊技状況出力手段によって特定領域通過検出手段により遊技媒体が検出されたことを示す信号又はコマンドが周辺制御手段へ出力される。このように主制御装置から出力された信号又はコマンドと、状態検出手段によって検出された状態の変化とに基づいて、状態判定手段による判定が周辺制御手段において実行される。ここで、状態検出手段による状態変化の検出もまた周辺制御手段において実行される。なお、主制御装置は、特定領域通過検出手段により遊技媒体が検出された場合に、該検出前と比較して遊技者に有利な遊技価値が付与され得る遊技状態への移行手段による移行など、遊技に関する主な制御を行う装置である。
周辺制御装置の処理能力を主制御装置の処理能力より高くすることがしばしば行われており、かかる処理能力の高い周辺制御装置に、状態検出手段によって検出された状態変化に不正行為の疑いがあるか否かを判定させる各処理を制御させることにより、処理効率が向上すると共に、主制御装置に対する過負荷を抑制することができる。
遊技機B6において、前記周辺制御装置は、前記主制御装置による制御に基づいて視覚的又は聴覚的な出力を制御する装置であることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、状態検出手段によって検出された状態変化に不正行為の疑いがあるか否かを判定させる各処理が、遊技に関する主な制御を行う主制御装置ではなく、その主制御装置による制御に基づいて従属的に視覚的又は聴覚的な出力の制御を行う周辺制御装置によって制御される。
視覚的又は聴覚的な出力を制御する周辺制御装置の処理能力を、主制御装置の処理能力より高くすることがしばしば行われており、かかる処理能力の高い周辺制御装置に、状態検出手段によって検出された状態変化に不正行為の疑いがあるか否かを判定させる各処理を制御させることにより、処理効率が向上すると共に、主制御装置に対する過負荷を抑制することができる。
また、状態検出手段によって検出された状態変化に不正行為の疑いがあるか否かを判定させる各処理を視覚的又は聴覚的な出力を制御する周辺制御装置により行うことにより、振動判定手段による判定結果が特定の振動を示すものであった場合に、視覚的又は聴覚的な出力といった不正対策の制御を容易に実現できる。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機B8。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機B9。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機B10。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
ここで、上記各実施形態において請求項1載の移行手段としては、S221におけるYesの分岐処理が該当し、請求項1記載の状態判定手段としては、S1602におけるNoの分岐処理及びS1603におけるYesの分岐処理が該当する。また、上記各実施形態において、請求項2及び4記載の第1不正対策実行手段としては、S1604の処理が該当し、請求項4記載の第2不正対策実行手段としては、第4報知処理が該当する。