JP2005211119A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技者にとっての射幸心を煽りすぎてしまうことによる不具合を抑制することのできる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機10は、外枠11と内枠12とを備え、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉自在に設けられている。前面枠セット14の後側には遊技盤が装着され、遊技盤には第1契機対応口、第2契機対応口、可変表示装置などが設けられている。そして、第1契機対応口への遊技球の入球に基づいて可変表示装置にて図柄が変動表示される。図柄が特定の組合せで確定停止された場合には第1類大当たり状態が発生する。また、遊技形態の切換え条件の成立状態となると、第1類大当たり状態が発生し得る第1類遊技形態とは異なる第2類遊技形態が設定され、遊技者は、第2類大当たり状態が発生し得る第2類遊技形態での遊技を行うこととなる。さらに、適宜、遊技者へ注意を促す喚起表示が行われる。
【選択図】 図1
【解決手段】パチンコ機10は、外枠11と内枠12とを備え、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉自在に設けられている。前面枠セット14の後側には遊技盤が装着され、遊技盤には第1契機対応口、第2契機対応口、可変表示装置などが設けられている。そして、第1契機対応口への遊技球の入球に基づいて可変表示装置にて図柄が変動表示される。図柄が特定の組合せで確定停止された場合には第1類大当たり状態が発生する。また、遊技形態の切換え条件の成立状態となると、第1類大当たり状態が発生し得る第1類遊技形態とは異なる第2類遊技形態が設定され、遊技者は、第2類大当たり状態が発生し得る第2類遊技形態での遊技を行うこととなる。さらに、適宜、遊技者へ注意を促す喚起表示が行われる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
従来から、遊技盤に向けて発射された遊技球が始動口に入球したことに応答して所定の確率(例えば350分の1の確率 )で大当たり抽選を行い、その抽選結果が大当たりであれば、遊技者に有利な大当り状態(特別遊技状態)を発生させるパチンコ機いわゆる第1種パチンコ機が知られている。
この種のパチンコ機では、例えば遊技球が始動口に入球したことに応答して大当たり抽選を行うとともに、所定の可変表示装置において識別情報としての図柄が変動表示され、抽選結果が大当たりであれば、変動表示されていた図柄が「777」など特定の組合せで確定停止され、大当たり状態が発生する。そして、大当り状態が発生すると、可変入賞装置の大入賞口が所定時間開放され、当該大入賞口へ遊技球を入球させることにより、遊技者は多数の遊技球を賞球として獲得することができる。
さらに、近年では、特定条件が成立した場合、例えば大当たり図柄が「777」等の奇数で揃った場合に、大当たり状態の終了後、次の大当たり状態の発生確率が高確率(例えば50分の1)となる高確率モード(いわゆる確変モード)が付与されたり、遊技球を始動口に入球しやすくするとともに、図柄の変動表示時間を短くして、遊技者の獲得した遊技球が減少しにくい状況で遊技を進行できる時間短縮モード(いわゆる時短モード)が付与されるパチンコ機も見受けられる(例えば、特許文献1参照。)
特開2003−154110号公報
しかしながら、上記パチンコ機等の遊技機では、場合によっては、大当り状態が多数回(例えば、十数回)連続して発生してしまうおそれがあった。その結果、短時間で遊技者が大量の賞球を獲得可能となり、遊技者の射幸心を著しく煽るおそれがあった。
上記従来例のように、いったん大当たり状態が発生し特定条件が成立すると、その後も続けて大当たり状態が発生し易くなるように構成されたパチンコ機、特に確変モードが付与されるパチンコ機では、その傾向が強い。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者にとっての射幸心を煽りすぎてしまうことによる不具合を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、特定発生条件の成立した場合には遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
各種入球手段への遊技球の入球に基づき、各入球手段に対応する所定数の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
規定時間内における前記特別遊技状態の発生回数を記憶していく記憶手段と、
所定の表示手段において、少なくとも前記規定時間内における特別遊技状態の発生回数を表示するための特定表示処理を実行可能な表示制御手段と、
前記規定時間内における特別遊技状態の発生回数を判別可能な判別手段と、
前記規定時間内における特別遊技状態の発生回数が規定値に達した場合には、前記発生回数が規定値に達したことについて遊技者へ注意を促す喚起処理を実行可能な喚起手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、特定発生条件の成立した場合には遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
各種入球手段への遊技球の入球に基づき、各入球手段に対応する所定数の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
規定時間内における前記特別遊技状態の発生回数を記憶していく記憶手段と、
所定の表示手段において、少なくとも前記規定時間内における特別遊技状態の発生回数を表示するための特定表示処理を実行可能な表示制御手段と、
前記規定時間内における特別遊技状態の発生回数を判別可能な判別手段と、
前記規定時間内における特別遊技状態の発生回数が規定値に達した場合には、前記発生回数が規定値に達したことについて遊技者へ注意を促す喚起処理を実行可能な喚起手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
上記手段1によれば、規定時間内における特別遊技状態の発生回数を表示することにより、遊技者に対して、遊技状況をより的確に把握させることができる。さらに、規定時間内における特別遊技状態の発生回数が規定値に達した場合には、上記喚起処理が行われるように構成されている。上記特別遊技状態の発生回数を表示しているだけでは、遊技者の注意を常時惹きつけておくことは困難であるが、適宜、上記喚起処理を行うことにより遊技者の注意を惹きつけ、より確実に上記効果を奏することができる。結果として、遊技者に対し遊技の行い過ぎ等を自覚させ、遊技者自らが休憩を取るなどして遊技の行い過ぎ等を自主規制することができる。
従って、仮に、規定時間内における特別遊技状態の発生回数が規定値に達した場合、すなわち上記喚起処理が行われる場合が、遊技者が短時間で大量の遊技価値を獲得可能な状況となり得る場合であれば、遊技者の獲得し得る遊技価値の数、すなわち遊技価値の付与数を抑えることができるとともに、ひいては遊技者の射幸心を著しく煽るおそれを抑制することができる。
また、上記手段では、遊技者が大量に遊技価値を獲得しやすい特別遊技状態の発生回数を、上記喚起処理を行うか否かの判断基準にしているため、より確実に上記おそれを抑制することができる。また、上記判別手段による判別処理が行われる所定のタイミングとしては、特別遊技状態の発生時や略定期的に行うこと等が考えられる。
また、前記判別手段によって判別された数値に基づいて(規定時間内における特別遊技状態の発生回数が特定値に達した場合に)、所定の規制処理が働くように構成された遊技機においては、前記規制処理が働く前段階において遊技者へ注意が促されることとなり、特段の効果を発揮することとなる。このような遊技機としては、例えば、所定条件の成立に基づき特別遊技状態の終了後に付加価値(例えば確変モード等)が付与されるよう構成されるとともに、予め定められた所定回数を超えて前記付加価値の付与が継続しないように制御するもの、いわゆるリミッタ制御を行う遊技機が一例として挙げられる。また、遊技形態を、第1の規定数の遊技価値を遊技者が獲得可能な第1の特別遊技状態が発生し得る第1の遊技形態と、前記第1の規定数より少ない第2の規定数の遊技価値を遊技者が獲得可能な第2の特別遊技状態が発生し得る第2の遊技形態とに切換え可能に構成されるとともに、前記第1の遊技形態において、規定時間内における前記第1の特別遊技状態の発生回数が特定値に達した場合には、遊技形態が前記第2の遊技形態に切り換わるような遊技機が一例として挙げられる。
一般的に、パチンコ機等の遊技機は、比較的長時間(例えば10時間)の試射試験を実施して、その間における、遊技者に付与され得る遊技価値の数(賞球数)が所定の範囲内におさまるように設計されている。しかし、より短時間でみると、従来の遊技機では、遊技者が大量の遊技価値を獲得可能な状況が発生し、遊技者の射幸心を著しく煽るおそれがあった。その点、上記手段によれば、このような不具合を抑制することができる。
また、以下の手段においても同様であるが、遊技価値の付与には、現実の遊技価値としての賞球(遊技球)の払出しが含まれる。この場合、賞球が遊技価値に相当し、賞球の払出しを行う払出制御手段が遊技価値付与手段に相当する。また、遊技価値の付与には、仮想的な遊技価値として、賞球数を記憶すること又は記憶された賞球数を所定の表示手段において表示させることが含まれることとしてもよい。この場合、記憶されたものが遊技価値に相当する。
また、以下の手段においても同様であるが、上記特定表示処理を実行するための所定の表示手段としては、識別情報などを変動表示する遊技機においては当該変動表示を行うための表示手段が一例として挙げられる。もちろん、このような表示手段とは別途設けられた表示手段において特定表示処理を行うようにしてもよい。
手段2.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、特定発生条件の成立した場合には遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
各種入球手段への遊技球の入球に基づき、各入球手段に対応する所定数の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
規定時間内における前記遊技価値の付与数を記憶していく記憶手段と、
所定の表示手段において、少なくとも前記規定時間内における遊技価値の付与数を表示するための特定表示処理を実行可能な表示制御手段と、
前記規定時間内における遊技価値の付与数を判別可能な判別手段と、
前記規定時間内における遊技価値の付与数が規定値に達した場合には、前記遊技価値の付与数が規定値に達したことについて遊技者へ注意を促す喚起処理を実行可能な喚起手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、特定発生条件の成立した場合には遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
各種入球手段への遊技球の入球に基づき、各入球手段に対応する所定数の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
規定時間内における前記遊技価値の付与数を記憶していく記憶手段と、
所定の表示手段において、少なくとも前記規定時間内における遊技価値の付与数を表示するための特定表示処理を実行可能な表示制御手段と、
前記規定時間内における遊技価値の付与数を判別可能な判別手段と、
前記規定時間内における遊技価値の付与数が規定値に達した場合には、前記遊技価値の付与数が規定値に達したことについて遊技者へ注意を促す喚起処理を実行可能な喚起手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
上記手段2によれば、上記手段1のように特別遊技状態の発生回数を表示したり、当該特別遊技状態の発生回数に基づいて喚起処理を行う代わりに、遊技価値の付与数を表示したり、当該遊技価値の付与数に基づいて喚起処理を行うことにより、上記手段1と同様の効果が奏される。但し、上記手段2では、遊技価値の付与数を、上記喚起処理を行うか否かの判断基準にしているため、各種入球手段への遊技球の入球に基づいた遊技価値の付与数も考慮することができ、例えば遊技価値の付与数を抑える制御を行う上で、より正確な判断を行うことができるとともに、より適切なタイミングで上記喚起処理を行うことができる。また、上記判別手段による判別処理が行われる所定のタイミングとしては、特別遊技状態の発生時や略定期的に行うことに加えて、特別遊技状態の発生中において略定期的に、例えば各ラウンド毎に行うこと等も考えられる。また、以下の手段においても同様のことが言えるが、上記リミッタ制御を行う遊技機や、上記遊技形態が切り換わる遊技機などのように、前記判別手段によって判別された数値に基づいて(手段2においては、規定時間内における遊技価値の付与数が特定値に達した場合に)、所定の規制処理が働くように構成された遊技機においては、上記手段1と同様に、特段の効果を発揮することとなる。
手段3.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、特定発生条件の成立した場合には遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
各種入球手段への遊技球の入球に基づき、各入球手段に対応する所定数の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
規定時間内における前記特別遊技状態の発生回数及び遊技球の発射数を記憶していく記憶手段と、
前記規定時間内における遊技球の発射数に対する、前記規定時間内における特別遊技状態の発生回数の割合を算出可能な算出手段と、
所定の表示手段において、少なくとも前記規定時間内における遊技球の発射数、前記規定時間内における特別遊技状態の発生回数及び前記算出された割合のうち少なくとも1つを表示するための特定表示処理を実行可能な表示制御手段と、
前記算出された割合を判別可能な判別手段と、
前記算出された割合が規定値に達した場合には、前記算出された割合が規定値に達したことについて遊技者へ注意を促す喚起処理を実行可能な喚起手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、特定発生条件の成立した場合には遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
各種入球手段への遊技球の入球に基づき、各入球手段に対応する所定数の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
規定時間内における前記特別遊技状態の発生回数及び遊技球の発射数を記憶していく記憶手段と、
前記規定時間内における遊技球の発射数に対する、前記規定時間内における特別遊技状態の発生回数の割合を算出可能な算出手段と、
所定の表示手段において、少なくとも前記規定時間内における遊技球の発射数、前記規定時間内における特別遊技状態の発生回数及び前記算出された割合のうち少なくとも1つを表示するための特定表示処理を実行可能な表示制御手段と、
前記算出された割合を判別可能な判別手段と、
前記算出された割合が規定値に達した場合には、前記算出された割合が規定値に達したことについて遊技者へ注意を促す喚起処理を実行可能な喚起手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
上記手段3によれば、規定時間内における遊技球の発射数に対する、規定時間内における特別遊技状態の発生回数の割合(比率)が規定値に達した場合、例えば前記割合が、1時間内における遊技球の発射数6000発に対し、1時間内における特別遊技状態の発生回数5回という規定値(発射数6000:発生回数5)に、発生回数4回を超え達した場合には、上記喚起処理が行われる。従って、規定時間内における特別遊技状態の発生回数の割合が規定値に達したという、遊技者が短時間に大量の遊技価値を獲得してしまいそうな状況下において、遊技者に対し遊技の行い過ぎ等を自覚させ、遊技者自らが休憩を取るなどして遊技の行い過ぎ等を自主規制することができる。ひいては、遊技者の射幸心を著しく煽るおそれを抑制することができる。つまり、上記手段1のように特別遊技状態の発生回数を表示したり、当該特別遊技状態の発生回数に基づいて喚起処理を行う代わりに、特別遊技状態の発生回数の割合等を表示したり、当該特別遊技状態の発生回数の割合等に基づいて喚起処理を行うことにより、上記手段1と同様の効果が奏される。但し、上記手段3では、遊技者が実際に遊技を行ったことを意味する遊技球の発射数をベースとして、特別遊技状態の発生回数の割合を、上記喚起処理を行うか否かの判断基準にしているため、遊技者の遊技進行に見合った、より正確な判断を行うことができ、ひいてはより適切なタイミングで上記喚起処理を行うことができる。
手段4.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、特定発生条件の成立した場合には遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
各種入球手段への遊技球の入球に基づき、各入球手段に対応する所定数の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
規定時間内における前記遊技価値の付与数及び遊技球の発射数を記憶していく記憶手段と、
前記規定時間内における遊技球の発射数に対する、前記規定時間内における遊技価値の付与数の割合を算出可能な算出手段と、
所定の表示手段において、少なくとも前記規定時間内における遊技球の発射数、前記規定時間内における遊技価値の付与数及び前記算出された割合のうち少なくとも1つを表示するための特定表示処理を実行可能な表示制御手段と、
前記算出された割合を判別可能な判別手段と、
前記算出された割合が規定値に達した場合には、前記算出された割合が規定値に達したことについて遊技者へ注意を促す喚起処理を実行可能な喚起手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、特定発生条件の成立した場合には遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
各種入球手段への遊技球の入球に基づき、各入球手段に対応する所定数の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
規定時間内における前記遊技価値の付与数及び遊技球の発射数を記憶していく記憶手段と、
前記規定時間内における遊技球の発射数に対する、前記規定時間内における遊技価値の付与数の割合を算出可能な算出手段と、
所定の表示手段において、少なくとも前記規定時間内における遊技球の発射数、前記規定時間内における遊技価値の付与数及び前記算出された割合のうち少なくとも1つを表示するための特定表示処理を実行可能な表示制御手段と、
前記算出された割合を判別可能な判別手段と、
前記算出された割合が規定値に達した場合には、前記算出された割合が規定値に達したことについて遊技者へ注意を促す喚起処理を実行可能な喚起手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
上記手段4によれば、規定時間内における遊技球の発射数に対する、規定時間内における遊技価値の付与数の割合(比率)が規定値に達した場合、例えば前記割合が、1時間内における遊技球の発射数6000発に対し、1時間内における遊技価値の付与数10000という規定値(発射数6000:付与数10000)に、付与数9999を超え達した場合には、上記喚起処理が行われる。従って、規定時間内における遊技価値の付与数の割合が規定割合に達したという、遊技者が短時間に大量の遊技価値を獲得してしまいそうな状況下において、遊技者に対し遊技の行い過ぎ等を自覚させ、遊技者自らが休憩を取るなどして遊技の行い過ぎ等を自主規制することができる。ひいては、遊技者の射幸心を著しく煽るおそれを抑制することができる。つまり、上記手段1のように特別遊技状態の発生回数を表示したり、当該特別遊技状態の発生回数に基づいて喚起処理を行う代わりに、遊技価値の付与数の割合等を表示したり、当該遊技価値の付与数の割合等に基づいて喚起処理を行うことにより、上記手段1と同様の効果が奏される。但し、上記手段4では、遊技者が実際に遊技を行ったことを意味する遊技球の発射数をベースとして、遊技価値の付与数の割合を、上記喚起処理を行うか否かの判断基準にしているため、各種入球手段への遊技球の入球に基づいた遊技価値の付与数も考慮することができ、例えば遊技価値の付与数を抑える制御を行う上で、より正確な判断を行うことができるとともに、より適切なタイミングで上記喚起処理を行うことができる。また、上記判別手段による判別処理が行われる所定のタイミングとしては、特別遊技状態の発生時や略定期的に行うことに加えて、特別遊技状態の発生中において略定期的に、例えば各ラウンド毎に行うこと等も考えられる。
手段5.前記規定値として複数の値を設定し、前記判別手段により判別された数値に応じて、前記喚起処理における注意形態を変化させるよう構成したことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段5によれば、判別手段により判別された数値に応じて(上記各種手段に記載されたような規定時間内における特別遊技状態の発生回数や、規定時間内における遊技価値の付与数等に応じて)、喚起処理における注意形態が変化する。要するに、判別された数値が大きいほど、すなわち特別遊技状態の発生回数や遊技価値の付与数等が多いほど強い注意形態(例えば「要注意」と表示する等)で遊技者へ注意を促し、判別された数値が小さいほど、すなわち特別遊技状態の発生回数や遊技価値の付与数等が少ないほど弱い注意形態(例えば「気をつけてください」と表示する等)で遊技者へ注意を促すといったように、多段階的に注意形態を変化させることができる。従って、遊技状況の変化に対応して、遊技状況に応じたより適切な注意形態で遊技者へ注意を促すことができる。結果として、上記各種手段の効果をさらに高めることができる。
手段6.前記喚起処理は、所定の表示手段において遊技者へ注意を促すための表示処理を含むことを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
従って、上記喚起手段としては、所定の表示手段を制御する所定の表示制御手段や、遊技機のメイン制御を行う主制御手段等が一例として挙げられる。また、所定の表示手段としては、上記各手段において上記特定表示処理を実行するための表示手段や、識別情報などを変動表示する遊技機においては当該変動表示を行うための表示手段が一例として挙げられる。もちろん、これらの表示手段とは別途設けられた表示手段において遊技者へ注意を促す表示処理を行うようにしてもよい。なお、この場合における上記注意形態を変化させる喚起処理としては、例えば、判別された数値が大きいほど、「要注意」等のような強い調子の表示形態で遊技者へ注意を促し、判別された数値が小さいほど、「気をつけてください」等といった弱い調子の表示形態で遊技者へ注意を促すといった表示処理が一例として挙げられる。
手段7.前記喚起処理は、所定の音声発生手段において遊技者へ注意を促すための音声発生処理を含むことを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
従って、上記喚起手段としては、所定の音声発生手段(例えばスピーカ等)を制御する音声制御手段や、遊技機のメイン制御を行う主制御手段等が一例として挙げられる。なお、この場合における上記注意形態を変化させる喚起処理としては、例えば、判別された数値が大きいほど、「要注意」等のような強い調子の音声発生形態で遊技者へ注意を促し、判別された数値が小さいほど、「気をつけてください」等といった弱い調子の音声発生形態で遊技者へ注意を促すといった音声発生処理が一例として挙げられる。また、音量の強弱を変化させるような構成としてもよい。
手段8.前記喚起処理は、所定の発光手段において遊技者へ注意を促すための発光処理を含むことを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の遊技機。
従って、上記喚起手段には、所定の発光手段(例えばランプ等)を制御する発光制御手段や、遊技機のメイン制御を行う主制御手段等が一例として挙げられる。なお、この場合における上記注意形態を変化させる喚起処理としては、例えば、判別された数値が大きいほど、輝度の高い発光形態で遊技者へ注意を促し、判別された数値が小さいほど、輝度の低い発光形態で遊技者へ注意を促すといった発光処理が一例として挙げられる。
手段9.遊技者が操作可能な操作手段を備え、当該操作手段の操作に基づいて前記発射手段が遊技球を弾いて発射するよう構成されるとともに、
前記操作手段に設けられ、当該操作手段を振動させる振動手段と、
前記喚起手段の少なくとも1つとして、前記振動手段を制御する振動制御手段とを備え、
前記振動手段を駆動し、前記操作手段を振動させる振動処理を前記喚起処理の少なくとも1つとして実行するよう構成されていることを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
前記操作手段に設けられ、当該操作手段を振動させる振動手段と、
前記喚起手段の少なくとも1つとして、前記振動手段を制御する振動制御手段とを備え、
前記振動手段を駆動し、前記操作手段を振動させる振動処理を前記喚起処理の少なくとも1つとして実行するよう構成されていることを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
上記手段9によれば、操作手段を操作し、遊技を行っている遊技者に対して、より確実に遊技者へ注意を促すことができる。なお、この場合における上記注意形態を変化させる喚起処理としては、例えば、判別された数値が大きいほど、振動の大きな振動形態で遊技者へ注意を促し、判別された数値が小さいほど、振動の小さな振動形態で遊技者へ注意を促すといった振動処理が一例として挙げられる。
手段10.特定付与条件の成立に基づき、前記特別遊技状態の終了後において所定の付加価値を付与可能な付加価値付与手段を備えたことを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の遊技機。
なお、所定の付加価値が付与されることには、遊技モードが通常モードよりも価値の高い特別モードとなることが含まれる。例えば、特別遊技状態の終了後、次の特別遊技状態の発生確率が高確率となる高確率モードとなったり、遊技球(遊技価値)が減少しにくい状況で遊技を進行できる特別モードとなることが例として挙げられる。ここで、遊技球(遊技価値)が減少しにくい状況で遊技を進行できる特別モードとしては、遊技球を始動入球手段に入球しやすくするとともに、識別情報の変動表示時間を短くする時間短縮モードが挙げられる。また、特定付与条件が成立することとしては、例えば特別遊技状態が発生する際、表示手段にて特定の停止態様で確定停止表示された識別情報が予め定められた特定の種類のものであることが挙げられる。加えて、前記付加価値を付与するか否かの抽選を行う付与抽選手段を備えた構成としてもよい。付与抽選手段としては、例えば、表示手段にて確定停止表示される識別情報の種類を決定するものが挙げられる。
手段11.前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき前記特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段と、
複数の識別情報を変動表示可能に構成され、前記抽選の抽選結果に基づいた停止態様で前記識別情報を確定停止表示可能な表示手段とを備え、
前記抽選において前記特別遊技状態を発生させる旨の抽選結果が得られ、かつ、前記識別情報が特定の停止態様で確定停止表示された場合において前記特定発生条件が成立し前記特別遊技状態が発生するよう構成されていることを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機。
複数の識別情報を変動表示可能に構成され、前記抽選の抽選結果に基づいた停止態様で前記識別情報を確定停止表示可能な表示手段とを備え、
前記抽選において前記特別遊技状態を発生させる旨の抽選結果が得られ、かつ、前記識別情報が特定の停止態様で確定停止表示された場合において前記特定発生条件が成立し前記特別遊技状態が発生するよう構成されていることを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機。
上記手段11によれば、表示手段において複数の識別情報が変動表示され、抽選結果に基づいた停止態様で確定停止表示が行われる遊技機において、上記各手段による効果を得ることができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(レールユニットの球案内通路)と、前記遊技領域内に配置された各遊技部品(入球手段、可変入賞手段、表示手段等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球を略鉛直方向に延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)に導く球通路(レールユニットの球案内通路)と、前記遊技領域内に配置された各遊技部品(入球手段、可変入賞手段、表示手段等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機。」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機は、遊技領域の拡張されてなる弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「後述する発明の実施形態に記載された従来に比べて遊技領域を拡張するための技術的構成のうち少なくとも1つを含んでなる弾球遊技機。」が挙げられる。
D.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する外枠11と内枠12とに対して、前面枠セット14を開放し、下皿ユニット13を取り外した状態を示す斜視図である。但し、図2では便宜上、後述する遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。
図1,2に示すように、遊技機としてのパチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に、内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。従って、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて構成部材の再利用が容易な構成となっている。本実施形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。
また、内枠12及び前面枠セット14は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により構成されている。両者の成形に合成樹脂を用いることにより、金属製素材を用いた場合と比較してより複雑な形状に対応できるとともに、生産コストの増大を抑制することもできる。また、ABSを用いる利点としては、ポリカーボネイト等の樹脂素材と比較して、生産コストが低い、粘性が強く衝撃に強い等が挙げられる。加えて、例えば前面枠セット14の前面側等の意匠面にメッキ等のコーティング処理を施す場合において、その処理を比較的容易に行いやすく、外観品質のより高いものが製造できるというメリットがある。
さて、内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側(後述するハンドル18の設置箇所の反対側)に上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようになっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲に対応して前面枠セット14が取り付けられている。下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。図3は、パチンコ機10より前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。なお、内枠12の前面側には、その周囲(前面枠セット14に対応する部分)においてリブR1が突設されている。そして、前面枠セット14の閉時には、前面枠セット14がリブR1の内側に嵌まり込んだ状態となる。この構成により、前面枠セット14と内枠12との間の隙間から針金等を進入させることが困難となり、不正防止の役割を果たす。
下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されているが、その中でも特に下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル23とは難燃性のABS樹脂にて成形されている。このため、この部分は燃え難くなっている。なお、符号24はスピーカ249(図2参照)からの音出力口であり、符号25は下皿15内から遊技球を下方へと排出するための球抜きレバーである。
下皿15よりも右方には、手前側に突出して遊技球発射ハンドル(以下単に「ハンドル」という)18が配設されている。つまり、ハンドル18は、内枠12の開閉軸線とは反対側にあたるパチンコ機10の正面からみて右側に位置しており、ハンドル18の突出に関わりなく内枠12の開放時における所定の開放量を確保できる。また、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。なお、灰皿26は、下皿15の左側辺部より左方へ突出した図示しない軸棒によって回動可能に支持された、いわゆる片持ち構造となっている。ハンドル18は、本実施形態における操作手段を構成する。
一方、下皿15の上方において球受皿としての上皿19が設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置の方へ導出するための球受皿である。なお、上皿19は、前面枠セット14において、ガラスを支持するガラス枠部と一体的に形成されている。従来のパチンコ機ではガラス枠の下方の内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前面枠セット14に対し直接的かつ一体的に上皿19が設けられているため、後述するように前面枠セット14のフレーム部分の幅が従来に比べ比較的細いものであっても、前面枠セット14(ガラス枠部)の所定の強度を確保することができる。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。なお、樹脂ベース20には、前面枠セット14の開放を検知する開放検知センサ22が設けられている。また、図示しないが内枠12の開放を検知する開放検知スイッチも設けられている。
次に、遊技盤30の構成を図4を用いて説明する。遊技盤30には、一般入賞口31a,31b、第1可変入賞手段としての第1可変入賞装置ユニット32、第2入球手段としての第2契機対応口(第2始動口)33a,33b、第1入球手段としての第1契機対応口(第1始動口)34、第2可変入賞手段としての第2可変入賞装置ユニット37、一般契機対応口(スルーゲート)38、左可変表示装置39a,中可変表示装置39b、右可変表示装置39c等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。なお、中可変表示装置39bは、第2可変入賞装置ユニット32の上部に一体的に組み付けられている(図21参照)。第1契機対応口34が、本実施形態における始動入球手段を構成する。
ここで、一般入賞口31a,31b等の配設位置について説明する。遊技盤30の略中央部において第2可変入賞装置ユニット37が配設され、第2可変入賞装置ユニット37の左右側方においてそれぞれ可変表示装置39a,39cが配設され、第2可変入賞装置ユニット37の下方において第1契機対応口34が配設され、第1契機対応口34の下方において第1可変入賞装置ユニット32が配設され、第1契機対応口34の左右側方においてそれぞれ第2契機対応口33a,33bが配設され、各第2契機対応口33a,33bの左及び右外方において一般入賞口31a,31bが配設されている。周知の通り前記一般入賞口31a,31b、第1可変入賞装置ユニット32、第2契機対応口33a,33b、第1契機対応口34、第2可変入賞装置ユニット37等の各種入球手段に遊技球が入球し、後述する検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の遊技価値としての所定数の賞品球(賞球)が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞部(入賞装置、入賞口、始動口等)に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車27等の各種部材(役物)が配設されている。なお、本実施形態では、上記各種装置や釘等の配置構成、後述するように、第2の特別遊技状態としての第2類大当たり状態の発生中における第2可変入賞装置ユニット37の羽根405a,405bの開放処理1回の実行につき、羽根405a,405bの開閉動作が所定回数行われる構成、第1の特別遊技状態としての第1類大当たり状態の発生中において、第1可変入賞装置ユニット32のシャッタが所定時間の経過又は所定個数の遊技球の入球があるまで開放する構成などにより、第2類大当たり状態の発生中において、発射された遊技球が第2可変入賞装置ユニット37へ入球し得る割合(入球率)は、第1類大当たり状態の発生中において、発射された遊技球が第1可変入賞装置ユニット32へ入球し得る割合(入球率)より低くなるよう構成されている。なお、前記第1類大当たり状態が、本実施形態における特別遊技状態に相当する。
なお、可変表示装置39a〜39cは、それぞれ表示部として液晶ディスプレイを有した液晶表示装置であって、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。そして、第1契機対応口34への入賞を所定の契機として、識別情報としての第1図柄(特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置(特別図柄表示装置)としての役割を果たす。例えば、可変表示装置39a〜39cの各表示部には、それぞれ1つの図柄列(識別情報列)が表示される。各図柄列は複数種類の図柄(識別情報)によって構成されており、これら図柄が図柄列毎に(可変表示装置39a〜39c毎に)可変表示される。なお、後述するように、左可変表示装置39aの表示部の下部には、規定時間内(過去1時間内)に発射された遊技球の数(総発射数)、規定時間内に払い出された総賞球数(遊技価値の付与数)、前記遊技球の総発射数に対する前記総賞球数の比率(割合)を表示するための表示領域40a(図40参照)が設けられている。また、右可変表示装置39cの表示部の下部には、後述する喚起表示が行われる表示領域40b(図41等参照)が設けられている。なお、本実施形態において、可変表示装置39a〜39cは第1図柄(識別情報)を変動表示する表示手段を構成する。そのうち、左可変表示装置39aは上記遊技球の総発射数等を表示する特定表示処理が行われる表示手段を構成し、右可変表示装置39cは遊技者へ注意を促すための表示処理(喚起処理)が行われる表示手段を構成する。従って、表示制御装置45は、本実施形態における表示制御手段,喚起手段を構成する。
第2可変入賞装置ユニット37の下部には、一般契機対応口38の通過を契機として第2図柄(普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置(普通図柄表示装置)41が設けられている(図21参照)。第2図柄表示装置41は、第2図柄用の表示部43と保留ランプ44とを有し、遊技球が一般契機対応口38を通過する毎に例えば表示部43による表示図柄(第2図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に第1契機対応口34が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。第2図柄表示装置41の表示部43における第2図柄の変動表示中に、新たに遊技球が一般契機対応口38を通過した場合には、その分の第2図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。しかし、かかる最大保留回数は、これに限定されるものではない。例えば、8回分の第2図柄の変動表示を待機させるべく、最大保留回数を8回に設定することとしてもよい。
第1可変入賞装置ユニット32は、開閉可能に構成され、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、第1類大当たり(第1の特別遊技状態の発生)の際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、第1契機対応口34に対し遊技球が入賞すると可変表示装置39a〜39cでそれぞれ図柄が変動表示され、その停止後の各可変表示装置39a〜39cにおける確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなったこと(特定の停止態様で確定停止表示されたこと)を必要条件に、遊技者にとって有利な第1の特別遊技状態(第1類大当たり状態)が発生する。そして、第1可変入賞装置ユニット32の大入賞口が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態になるよう構成されている。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、第1可変入賞装置ユニット32の大入賞口が所定回数繰り返し開放される。可変表示装置39a〜39cの図柄変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応口34に入賞した場合には、その分の図柄変動表示は、その時点で行われている図柄変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、図柄変動表示が待機(保留、記憶)されることとなる。この保留される図柄変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が第2可変入賞装置ユニット37の上部に設けられた保留ランプ46(図21参照)にて点灯表示されるようになっている。しかし、最大保留回数は、これに限定されるものではない。例えば、8回分の図柄変動表示を待機させるべく、最大保留回数を8回に設定することとしてもよい。
さて、次に第2可変入賞装置ユニット37について図21〜図23を参照してより詳しく説明する。第2可変入賞装置ユニット37は、図示しない電気配線を通じて後述する主制御装置261(主基板)に接続されており、主制御装置261により制御される。なお、既述した中可変表示装置39bや第2図柄表示装置41等については、ここでの説明を省略する。
図21は、第2可変入賞装置ユニット37の正面図である。第2可変入賞装置ユニット37は、略中空形状の本体部401と、該本体部401の下部において遊技球振分け機構402と、該遊技球振分け機構402の上方において上下動を行う移動体403と、本体部401の上部に設けられた遊技球転動部404と、該遊技球転動部404の左右両側部において開閉可能に軸支された一対の開閉部材としての羽根405a,405bと、遊技球転動部404の奥側から遊技球振分け機構402へと遊技球を導く誘導通路406とを備えている。なお、誘導通路406の中途位置において後述する第2類カウントスイッチ223bが設けられている。
図22は遊技球振分け機構402の斜視図であり、図23は遊技球振分け機構402の一部を示す分解斜視図である。遊技球振分け機構402は、ベース部411と、該ベース部411の上部に取着された囲枠部412と、ベース部411に固定されたモータ413と、囲枠部412の凹部412aに嵌め込まれ、かつモータ413の回転軸413aに回転可能に軸支された回転体414とを備えている。
回転体414は、その周縁に沿って複数(本実施の形態では10個)の収容部を有している。複数の収容部は、複数(本実施の形態では8個)の第1収容部421、1つの第2収容部422、及び1つの第3収容部423によって構成されている。前記第1収容部421は、遊技球が回転体414の半径外方向に転出可能なように下面が傾斜した略U字状に構成されている。第2収容部422は、回転体414の円周方向に沿って架け渡された架橋下面を有し、遊技球が前記架橋下面から回転体414の中心方向に向けて転出可能なように図示しない落下口を備えた構成となっている。第3収容部423は、遊技球が回転体414の半径外方向に転出しないように遊技球を抱えることができるよう構成されている。なお、本実施の形態では、回転体414は、後述する第2の遊技形態としての第2類遊技形態における通常時や第2類大当たり状態(第2の特別遊技状態)の発生時において常時回転を継続するよう構成されている。
一方、上記囲枠部412の凹部412aには、その側壁部において第1通過口425が形成され、その底部において第2通過口426及び第3通過口427が形成されている。便宜上、符号は省略するが、もちろんベース部411にも第2通過口426及び第3通過口427に対応して孔部が設けられている。
第1通過口425は、前記第1収容部421に収容された遊技球を図示しない球排出部に排出するためのものである。つまり、回転体414が回転して、遊技球を収容した第1収容部425の位置が第1通過口425の位置と一致したとき、第1収容部421から遊技球が排出されるようになっている。
第2通過口426は、回転体414の中心軸寄りに形成されており、前記第2収容部422に収容された遊技球を図示しない球排出部に排出するためのものである。つまり、回転体414が回転して、遊技球を収容した第2収容部422の落下口の位置が第2通過口426の位置と一致したとき、第2収容部422から遊技球が排出されるようになっている。
第3通過口427は、回転体414の周縁寄りに形成されており、前記第3収容部423に収容された遊技球を図示しない球排出部に排出するためのものである。つまり、回転体414が回転して、遊技球を収容した第3収容部423の位置が第3通過口427の位置と一致したとき、第3収容部423から遊技球が排出されるようになっている。なお、第3通過口427は、後述する第2類特定領域スイッチ223aが配置された図示しない第2類特定領域に繋がっており、第3通過口427から排出された遊技球はこの第2類特定領域スイッチ223aによって検出される。つまり、第1収容部421及び第2収容部422は第2類特定領域に繋がっていない第1通過口425や第2通過口426へ遊技球を導く機能を持ち、第3収容部423は第2類特定領域に繋がっている第3通過口427へ遊技球を導く機能を有する。
また、第1通過口425の近傍において当該第1通過口425を遮蔽する第1遮蔽機構431が設けられ、第3通過口427の近傍において当該第3通過口427を遮蔽する第2遮蔽機構432が設けられている。
第1遮蔽機構431は、ベース部411と囲枠部412との間に回動可能に軸支された作動部435と、該作動部435を駆動する第1ソレノイド436とを備えている。作動部435には第1通過口425を閉鎖する第1シャッタ437が設けられている。そして、通常時、つまり第1ソレノイド436の非励磁状態において第1シャッタ437は第1通過口425を開状態とする位置にあり、第1ソレノイド436が励磁されると、作動部435が回動し、第1シャッタ437は第1通過口425を閉状態とする位置に移動する。従って、第1シャッタ437により第1通過口425が閉鎖され、遊技球が第1通過口425を通過できなくなる。
第2遮蔽機構432は、ベース部411と囲枠部412との間に回動可能に軸支された作動部441と、該作動部441を駆動する第2ソレノイド442とを備えている。作動部441には第3通過口427を閉鎖する第2シャッタ443が設けられている。そして、通常時、つまり第2ソレノイド442の非励磁状態において第2シャッタ443は第3通過口427を開状態とする位置にあり、第2ソレノイド442が励磁されると、作動部441が回動し、第2シャッタ443は第3通過口427を閉状態とする位置に移動する。従って、第2シャッタ443により第3通過口427が閉鎖され、遊技球が第3通過口427を通過できなくなる。
なお、図8に示すように、上記第2可変入賞装置ユニット37には、移動体403を上下動するための移動体用モータD1と、羽根405a,405bを開閉するための羽根用ソレノイドD2,D3とが設けられている。
図4の説明に戻り、遊技盤30には、発射手段としての遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成形品にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール構成部(内レール部)51と外レール構成部(外レール取付け部)52とを有する。内レール構成部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されている。また、一部(主に左側部)が内レール構成部51に向かい合うようにして外レール構成部52が形成されている。かかる場合、内レール構成部51と外レール構成部52とにより主として誘導レールが構成され、これら各レール構成部51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール構成部51及び外レール構成部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール構成部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール構成部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻される。外レール構成部52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。なお、本実施形態では、外レール構成部52及び摺動プレート55によって、いわゆる従来の外レールに相当するものが構成されている。そして、内外レール構成部51,52及び摺動プレート55をレールユニット50としてユニット化することにより、従来の内外レールを別々に設けた構成に比べて、取付け作業が容易となり作業性が向上する。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジN等の固定手段が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなれるようになっている。さらに本実施形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。なお、左下のフランジ56においては他の部分(左上部,右上部及び右下部のフランジ56)と比較して、より多く固定手段が使用されている。これは、上記誘導レール及び球案内通路の位置をより適正な位置に固定するためであり、これにより遊技球発射装置から発射された遊技球がより安定して遊技盤30上部へ案内される。加えて、固定手段の数を増やすことでレールユニット50をより強固に固定でき、仮にレールユニット50の成形時において歪みが生じたとしても、その歪みを吸収する効果がある。
内レール構成部51及び外レール構成部52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール構成部51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレート(図のS1,S2)を貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール構成部51,52)により略円形状に区画形成されており、特に本実施形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施形態では、外レール構成部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール構成部52の極左位置から内レール構成部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール構成部51の極左位置から内レール構成部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール構成部51及び外レール構成部52によって囲まれる領域のうち、内外レール構成部51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール構成部52によってではなく内レール構成部51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール構成部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール構成部52によって特定される。
従って、本実施形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
本実施形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62と一体的に樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないことから、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施形態では、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、さらに発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合特に、発射レール61を、遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の左右方向の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。また、発射レール61を上記構成とするため、本実施形態では金属板62も従来のものより比較的大きなものとし、それを固定する固定手段の数も従来に比べ多くしている。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。因みに、本実施形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール構成部52に沿って流れ、外レール構成部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール構成部51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになる。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置している。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果がある。
また、上記前面枠セット14側の球出口には、発射される遊技球を検出するための発射球検出手段としての発射球検出スイッチSW1(図1参照)が設けられている。発射球検出スイッチSW1は、図示しない電気配線を通じて後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられている。詳しい図面の開示は省略するが、シャッタ68は、その下辺部に沿って設けられた軸部を軸心として回動可能となるとともに、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられるようになっている。なお、前面枠セット14の開放状態においては、遊技球は下皿15へ排出されるようになっている。従って、上述したように、前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られたシール等(図4のS1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71から上記シール等を貼り付けることも可能である。
また、樹脂ベース20には窓孔21の左上方において略四角形状の小窓72が設けられ、小窓72に対応して遊技盤30の左上部にも略四角形状の孔部73(図4参照)が設けられている。そして、後述する前面枠セット14の電飾部102、103等と接続される各種電気配線(図示略)が小窓72及び孔部73を通して本パチンコ機10の背面側から導かれている。
また、内枠12の図3の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
また、内枠12にはアース用金具E1,E2が設けられている(図3参照)。アース用金具E1,E2は、内枠12の背面側において所定の金属部品と接続されている。そして、前面枠セット14が閉じられた状態において、アース用金具E1,E2が後述する補強板131,132と当接することにより短絡するようになっている。
次に、前面枠セット14について図1,図5を参照しつつ説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。本実施形態において、窓部101の上端(外レール構成部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置ユニット35も比較的上方に配置することができるようになっている。前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール構成部52の左端部はもちろん、内レール構成部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール構成部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール構成部51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
加えて、図1に示すように、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図られる。
前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。つまり、補強板131〜134において、樹脂パーツ135の絶縁効果により電気が環状に通ることを防止している。これにより、補強板131〜134におけるノイズのループや環状通電による磁界の発生を抑制することができる。
図5の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3等参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりが防止できる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となる。故に、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されるようになっている。
前述の通り本実施形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内外のレール構成部51,52により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール構成部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うようにして前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール構成部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール構成部52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
さらに、レールカバー140の裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた状態において、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール構成部51にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させにくくなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14が開閉可能に装着されるようになる。ここで、前記支持機構について支持金具81,82及び支持金具151,152の関連性をふまえてより詳しく説明する。支持金具151は略棒状をなし、その上部の径が下部の径より太くなっている。上記支持孔83の切欠の幅は、前記支持金具151の上部の太さより狭く、下部の太さより広くなっている。前面枠セット14の装着手順としては、まず前記支持金具151の下部を前記切欠を介して支持孔83に挿入し、次に支持金具82の突起軸84に支持金具152を差込む。そして、前記切欠位置に対応して前記支持金具151の上部を位置させることで、支持金具151が支持孔83から外れなくなり、前面枠セット14の装着が完了する。
なお、前面枠セット14の施錠機構は、内枠12の施錠機構と一体的となっており、当該一体となった施錠機構G1(図6参照)の本体部は内枠12の背面側に設けられている。そのため、図3では、施錠機構G1から内枠12の前面側に突出した係止爪T1,T2のみが示されている。そして、係止爪T1,T2が前面枠セット14の背面側に係止されることにより、前面枠セット14が施錠された状態となる。
ここで、前記施錠機構G1の構成について図8等を参照して説明する。施錠機構G1は、遊技機本体を構成する内枠12の左右一側部(右側部、図8の左側)に上下方向へ延びるようにかつ上下方向へ移動可能となるように設けられた長尺状の連動部材G2と、内枠12の前記一側部のうち遊技領域の最大幅となる位置とは異なる位置に設けられ連動部材G2を上側又は下側に選択的に移動させる鍵部材G3(図1等参照)とを備え、該鍵部材G3の操作による連動部材G2の上下一方への移動により内枠12の施錠が解除されるとともに、連動部材G2の上下他方への移動により前面枠セット14の施錠が解除されるように構成されている。
次に、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図である。
先ずはじめに、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
実際には、図7の概略図に示すように各ユニット201〜203が配置され、取り付けられている。なお図7において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
詳しくは、第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201が機体に対して固定保持されるようになっている。
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202が機体に対して固定保持されるようになっている。
さらに、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部に対応してそれぞれ回動式の係止部M8,M9が(機体側に)設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203が機体に対して固定保持されるようになっている。
この場合、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
一方、図8は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態でその構成を示す背面図である。また、図9は内枠12を後方より見た斜視図である。ここでは図8及び図9を用いて内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替えることができるよう構成されており、図8にはロック状態を示す。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で内枠12外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具である。
また、図8では便宜上省略してあるが、第2可変入賞装置ユニット37の背後には、可変表示装置39a〜39cを制御する表示制御装置45(図24参照)が着脱可能に取り付けられている。
また、遊技盤30の裏面には、第2可変入賞装置ユニット37を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成形品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、上述した一般入賞口31a,31b、第1可変入賞装置ユニット32、第2契機対応口33a,33b、第1契機対応口34、第2可変入賞装置ユニット37(それぞれ図3参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、内枠12にやはり樹脂製(例えばポリカーボネイト樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図8に仮想線で例示するように、一般入賞口31a,31b等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤17が遊技盤取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられており、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、さらにその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して可変入賞装置32(大入賞口)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入球検出手段としての入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31a,31bに対応する位置にはそれぞれ入賞口スイッチ221が設けられている。
また、第1可変入賞装置ユニット32には、第1類特定領域スイッチ222aと第1類カウントスイッチ222bとが設けられている。第1類特定領域スイッチ222aは、第1類大当たり状態で第1可変入賞装置ユニット32に入賞した遊技球が図示しない第1類特定入球手段としての第1類特定領域(第1類大当たり状態の継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、第1類カウントスイッチ222bは入賞球をカウントするスイッチである。
また、第2可変入賞装置ユニット37には、第2類特定領域スイッチ223aと第2類カウントスイッチ223bとが設けられている。上述したように第2類特定領域スイッチ223aは、第2類大当たり状態で第2可変入賞装置ユニット37に入賞した遊技球が第2類特定入球手段としての第2類特定領域(第2類大当たり状態の継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、第2類カウントスイッチ223bは入賞球をカウントするスイッチである。
また、第1契機対応口34に対応する位置には第1契機対応口(第1始動口)スイッチ224aが設けられ、第2契機対応口33a,33bに対応する位置にはそれぞれ第2契機対応口(第2始動口)スイッチ224bが設けられ、一般契機対応口(スルーゲート)38に対応する位置には一般契機対応口(ゲート)スイッチ225が設けられている。
上記各スイッチ221〜225は入球検出手段として機能し、これらにより入球手段としての各種入賞部(一般入賞口31a,31b等)へ遊技球の入賞が検知される。そして、その検出信号が主基板(主制御装置261)へと入力される。
一般契機対応口スイッチ225、第2類特定領域スイッチ223a及び第2類カウントスイッチ223bは図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、さらにこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。また、入賞口スイッチ221、第1類特定領域スイッチ222a及び第1類カウントスイッチ222bは電気配線を介して入賞口中継基板227に接続され、さらにこの入賞口中継基板227が電気配線を介して主基板(主制御装置261)に接続されている。これに対し、第1契機対応口スイッチ224a、第2契機対応口スイッチ224bは中継基板を経ることなく電気配線を介して直接主基板(主制御装置261)に接続されている。
その他図示は省略するが、第1可変入賞装置ユニット32には、大入賞口を開閉するための開閉部材としてのシャッタ、当該シャッタを駆動し大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイド、入賞球を第1類特定領域に導くための入賞球振分板、それを駆動する入賞球振分板ソレノイド等が設けられている。また、第1契機対応口34には、電動役物(羽根)を開放するための第1契機対応口(始動口)ソレノイドが設けられている。なお、図8,9において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。これらセットハンドル228や発射モータ229等により上記遊技球発射装置が構成されている。本実施形態における遊技球発射装置は、1分間に100発の遊技球を発射できるように、すなわち0.6秒間隔で発射できるよう構成されている。
上記入賞感知機構(検出手段)にて各々検出された検出結果は、後述する主基板(主制御装置261)に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の賞球(遊技球)の払出しが実施される。かかる場合、各種入賞部(入賞装置、入賞口、始動口等)に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施形態のパチンコ機10では、各種入賞部毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。なお、賞球(遊技球)の払出個数は、各入賞部(一般入賞口31a,31b等)に対応している。例えば、本実施の形態では、一般入賞口31a,31b、第2契機対応口33a,33b及び第1契機対応口34に対応する払出個数は4個、第1可変入賞装置ユニット32に対応する払出個数は15個、第2可変入賞装置ユニット37に対応する払出個数は10個と設定されている。
また、裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の右下部において符号232は上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)であり、同左上部において符号233は係止爪片である。
また、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12にはその右端部に長尺状の支持金具235が取り付けられており、その構成を図10に示す。図10に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、図8,9に示すように、第2制御基板ユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット用の支持金具と裏パックユニット用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具である。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。すなわち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている(図9参照)。なお、従来、遊技球分配部245に相当する部分が裏パックユニット203側に設けられていたため、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)を通じて裏パックユニット203を押すことにより、内枠12と遊技球分配部245に相当する部分との間に隙間が生じ、その隙間を通じて針金等を差し込み、内部機器を操作するといった不正行為が考えられた。そこで本パチンコ機10では、遊技球分配部245として内枠12側に設け、なおかつ固定手段によって固定することにより、そのような不正行為を防止している。さらに、遊技球分配部245の上端面は遊技盤30の下端面が設置される高さ位置に合わせて形成されており、遊技盤30の取外しの妨げとならないように工夫されている。
また、内枠12の下端部には、下皿15に向けて設置された音声発生手段としての上記スピーカ249の背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
次に、第1制御基板ユニット201を図11〜図14を用いて説明する。図11は第1制御基板ユニット201の正面図、図12は同ユニット201の斜視図、図13は同ユニット201の分解斜視図、図14は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印手段としての封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図11等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨を容易に発見できる。
但し、主基板には、上記各ケーブルコネクタのコネクタを接続するための端子部が設けられており、該端子部は、基板ボックス263から露出状態となっている。かかる端子部の露出は、他の基板及び基板ボックスについても同様である。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主基板)又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。音声ランプ制御装置262は、本実施形態における音声制御手段,発光制御手段を構成する。
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネイト樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成形品であっても良い。
そして、一方の基板搭載面252上に主制御装置261(主基板)が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図12等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できる。また、各制御装置が効率良く設置できるようになる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図13及び図14に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合が回避できる。また、主制御装置261は第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
取付台251には、図11等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図8等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図8等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図8等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定されるようになる。なお、支持金具231及び支軸256が前記図7の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、第2制御基板ユニット202を図15〜図17を用いて説明する。図15は第2制御基板ユニット202の正面図、図16は同ユニット202の斜視図、図17は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者によるハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成形品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が取付台303を介して搭載されている。
また、取付台301には、図15等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図8等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図8等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図7の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、パチンコ機10の背面から見た背面図を図18に示し、分解斜視図を図19に示す。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも第2可変入賞装置ユニット37や可変表示装置39a〜39cを囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図19に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。なお、バイブレータ360は、パチンコ機の設計変更等による位置変更や故障時等における交換が容易になるよう、モータ等の振動体が本体部であるケース内に収容されたバイブレータ・ユニットとして構成されており、当該ユニットが着脱可能なようにタンクレール356に取付けられている。なお、前記バイブレータ・ユニットは、その本体部(ケース面)がタンクレール356に密着せず、本体部から突出した足部(振動伝達子)を介してタンクレール356の側面に取付けられており、そのバイブ振動がより効果的にタンクレール356に伝達されるよう構成されている。
タンクレール356の構成ついて詳述すると、図20に示すように、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355より落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、さらにその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消されるようになっている。なお、レール本体361が黒色の導電性ポリカーボネイト樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネイト樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
図18,19の説明に戻り、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネイト樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
また、裏パック351には、図18等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図8等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図8等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図8等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。また、本実施形態では、多くの遊技球が貯留され比較的負荷のかかるタンク355の近傍の係止部M8として、回動式のI型の留め具が採用されている。このため、ナイラッチ等の固定具を用いた場合に比べてより確実に裏パックユニット203(タンク355)の係止を行うことができる。このとき、図8等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図7の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する(図7参照)。
また、裏パックユニット203のベース部353には、外部中継端子板230用の開口部391が設けられており、裏パックユニット203の固定された状態でも、外部中継端子板230の取外し及び操作が可能となっている。
なお、上述してきた構成により、主制御装置261(基板ボックス263)の取外しを行おうとした場合には、まず裏パックユニット203を開け(又は取外し)、次に第1制御基板ユニット201を開け(又は取外し)、そして、固定具267を解除操作するという複雑な過程をふむことにより、ようやく行うことができる。このため、主制御装置261(基板ボックス263)の取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できるようになっている。
さて、図24は、本パチンコ機10の電気的構造を示したブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。主制御装置261は、本実施の形態における特別遊技状態発生手段、抽選手段、記憶手段、判別手段、算出手段、付加価値付与手段、喚起手段を構成する。
CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
また、主制御装置261には各種計数カウンタが設定されている。例えば、上記発射球検出スイッチSW1からの検出信号に基づき、発射球数を計数する発射球数計数カウンタや、払い出される賞球数を計数する賞球数計数カウンタ等が設定されている。そして、これらの計数値は、上記RAM503に記憶される。より詳しくは、規定時間内における遊技球の総発射数と、規定時間内における総賞球数とが、それぞれRAM503の所定記憶エリアに記憶される。前記規定時間は、本実施形態では60分と設定されている。従って、RAM503には、過去60分間に発射された遊技球数と、過去60分間に払い出された賞球数とが記憶される。この記憶エリアは、後述する主制御装置261の遊技形態設定処理が行われる毎に常にデータ更新され、常に最新の60分間に発射された遊技球数(総発射数)と、払い出された賞球数(総賞球数)とが記憶されるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI割込み処理(図28参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理(図26参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図28の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスパス及びデータパスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置45、第1可変入賞装置ユニット32、第2可変入賞装置ユニット37や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより遊技価値としての賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。払出制御装置311は、本実施の形態における遊技価値付与手段や払出制御手段を構成する。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理(図28参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理(図36参照)において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技機の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される(図9参照)。
表示制御装置45は、可変表示装置39a〜39cにおける第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示と、遊技球の発射数等を表示する後述する状況表示と、遊技者へ注意を促す後述する喚起表示とを制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入出力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入出力ポート527には主制御装置261が接続されている。また、入出力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して一方の出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力には第2図柄表示装置41(表示部43)や、音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置たる第1図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261から送信される表示コマンド(後述する変動パターンコマンド等)に基づいて可変表示装置39a〜39c及び第2図柄表示装置41の表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、可変表示装置39a〜39cに表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、可変表示装置39a〜39cの表示内容が変更される。キャラクタROM525は、可変表示装置39a〜39cに表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して可変表示装置39a〜39cに表示させるものである。
可変表示装置39a〜39cには、それぞれ1つの図柄列が設定されており、図柄列毎に図柄(第1図柄)が変動表示される(図40等参照)。より詳しくは、左可変表示装置39aには左図柄列が設定され、中可変表示装置39bには中図柄列が設定され、右可変表示装置39cには右図柄列が設定されている。本実施形態では、例えば第1図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付すよう構成されており、数字の昇順又は降順に第1図柄が表示されて一連の図柄列が構成されている。そして、周期性をもって第1図柄が上から下へと変動表示されるようになっている。この場合において、左図柄列においては、第1図柄が降順(付された数字が減る順)に表示され、中図柄列及び右図柄列においては、同じく第1図柄が昇順(付された数字が増える順)に表示される。そして、左図柄列(左可変表示装置39a)→右図柄列(右可変表示装置39c)→中図柄列(中可変表示装置39b)の順に変動表示が停止し、その停止時に可変表示装置39a〜39cで第1図柄が大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、各可変表示装置39a〜39cに確定停止表示される第1図柄が同一となる組合せ)で揃えば、大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている(第1類大当たり状態が開始される)。なお、本実施の形態において、各可変表示装置39a〜39cに同一の第1図柄が確定停止表示されることが、識別情報が特定の停止態様で確定停止表示されることに相当する。
さらに、図40に示すように、左可変表示装置39aの表示部の下部に設けられた表示領域40aにおいて、遊技状況を遊技者に告げる状況表示が行われる。より詳しくは、規定時間内(過去1時間内)に発射された遊技球の総数(総発射数)、規定時間内に払い出された総賞球数、及び、前記遊技球の発射数に対する前記総賞球数の比率(割合)が表示される。なお、前記状況表示を行うための処理が本実施形態における特定表示処理に相当する。また、詳しくは後述するが、右可変表示装置39cの表示部の下部に設けられた表示領域40bにおいては、図41〜43に示すように、適宜、遊技者へ注意を促す喚起表示が行われる。なお、上記喚起表示を行うための処理が本実施形態における、遊技者へ注意を促すための表示処理(喚起処理)に相当する。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図28のNMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
さて次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の基本的な動作について説明する。なお、本実施形態では、遊技形態が後述する第1の遊技形態としての第1類遊技形態と第2の遊技形態としての第2類遊技形態とに切換え設定されるように構成されているため、以下の説明では、適宜各遊技形態に場合分けして説明する。
本実施形態では、主制御装置261内のCPU501は、第1類遊技形態の遊技が行われるに際し各種カウンタ情報を用いて可変表示装置39a〜39cの抽選(第1類大当たり抽選)や図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図25に示すように、可変表示装置39a〜39cの大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、可変表示装置39a〜39cの大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、可変表示装置39a〜39cが外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、可変表示装置39a〜39cの変動パターン選出(選択)に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。また、RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とからなる記憶エリアとしての保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1契機対応口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1契機対応口34に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、第1類遊技形態における低確率時(通常モード)と高確率時(確変モード、すなわち通常モードよりも価値の高い特別モード)とで2種類設定されており、本実施形態では、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。つまり、後述するような特定付加条件の成立に基づき、第1類大当たり状態の終了後において所定の付加価値としての確変モードが付与されることとなる。なお、確変モード(高確率時)とは、予め定められた確率変動図柄によって第1類大当たりとなり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変状態のときをいい、通常モード(低確率時)とはそのような確変状態でないときをいう。
大当たり図柄カウンタC2は、第1類大当たりの際、可変表示装置39a〜39cの変動停止時の図柄(確定停止表示される図柄)を決定するものであり、本実施形態では、可変表示装置39a〜39cにおいて第1図柄が10通り設定されていることから、10個(0〜9)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり図柄カウンタC2は、0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり9)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1契機対応口34に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、可変表示装置39a〜39cの抽選確率の状態や変動開始時の始動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1契機対応口34に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等、第1図柄のリーチ種別(リーチ演出パターン,リーチ演出態様)やその他大まかな図柄の変動態様(変動パターン)が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの経過時間、つまり変動時間などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組み合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する第1類通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該第1類通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、可変表示装置39a〜39cによる第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、可変表示装置39a〜39cの第1類大当たり抽選が外れとなった時に左図柄列第1図柄、中図柄列第1図柄、右図柄列第1図柄の停止図柄(外れ図柄)を決定するためのものであり、左・中・右図柄列ではそれぞれ10個の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に10個(0〜9)のカウンタ値がそれぞれ用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の停止図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また図示は省略するが、第2図柄表示装置41の抽選には第2図柄乱数カウンタC4が用いられる。第2図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの一般契機対応口38を通過した時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理をフローチャート図を参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理(図26参照)と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理(図27参照)と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理(図28参照)とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずはじめにタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図27は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図27において、先ずステップS201では、各種スイッチ221〜225等の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ221〜225等(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチ221〜225等の状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS202では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。また、続くステップS203では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。その後、CPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
図28は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断して図28のNMI割込み処理を開始する。図28のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号SK1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電流供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
図28のNMI割込み処理において、先ずステップS301では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し、続くステップS302では、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する。さらに、ステップS303では、電源断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し、ステップS304では、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。
ステップS305ではRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップS306では、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号SK1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図28のNMI割込み処理を開始する。その内容は図28に関して説明した通りである(但し、ステップS304の電源断通知コマンドの送信は除く)。
また、図26は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ずはじめに、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。また、ステップS102では、払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信し、続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS105では、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS106ではRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期化処理を実行する。また、ステップS116では割込み許可を設定し、後述する遊技形態設定処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。さらに、ステップS112,S113では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
次に、遊技形態設定処理の流れを図29のフローチャートを参照しながら説明する。この遊技形態設定処理は4msec周期の定期処理として実行される。先ずステップS401において後述する第1類大当たり状態又は第2類大当たり状態が発生中であるか否かを判別する。ここで肯定判別された場合には、当該ステップS401を繰り返し行う。
一方、否定判別された場合には、ステップS402において、遊技形態の切換え条件が成立しているか(切換え条件の成立状態となっているか)否かを判別する。具体的には、まず、RAM503に記憶された上記規定時間内における遊技球の総発射数と、規定時間内における総賞球数とから、前記遊技球の総発射数に対する前記総賞球数の比率(割合)を算出するとともに、この算出された比率(総賞球数/遊技球の総発射数)の値を判別する。そして、当該判別値が特定値(本実施形態では2.5)に達しているか否か判別する、すなわち、規定時間内における総賞球数が、規定時間内における遊技球の総発射数の2.5倍に達したか否かを判別し、この値に達している旨の判別結果が得られた場合には、前記切換え条件の成立状態となる。
ステップS402において否定判別された場合、つまり前記判別値(算出された比率)が特定値である「2.5」に達していない旨の判別結果が得られた場合には、前記切換え条件の非成立状態となり、ステップS403に移行する。そして、ステップS403において遊技形態を第1類遊技形態に設定し、後述する第1類通常処理へ移行する。なお、予め第1類遊技形態が設定されている場合には、第1類通常処理を新たに開始するのではなく、実行中の第1類通常処理が継続して行われることとなる。
一方、肯定判別された場合には、ステップS404において遊技形態を第2類遊技形態に設定し、後述する第2類通常処理へ移行する。なお、予め第2類遊技形態が設定されている場合には、第2類通常処理を新たに開始するのではなく、実行中の第2類通常処理が継続して行われることとなる。
つまり、遊技形態設定処理によって、第1類大当たり状態が発生し得る第1類遊技形態と、第2類大当たり状態が発生し得る第2類遊技形態とが切換えられることとなる。但し、第1類大当たり状態の発生中において前記切換え条件の成立状態となった場合には、第1類大当たり状態の終了を待って第2類遊技形態の設定を行い、第2類大当たり状態の発生中において前記切換え条件の非成立状態となった場合には、第2類大当たり状態の終了を待って第1類遊技形態の設定を行うこととなる。
なお、上記遊技形態設定処理に合わせて、主制御装置261は表示制御装置45に対して上記状況表示を行う旨の状況表示コマンドを送信する。これにより、表示制御装置45は上記状況表示を行うための特定表示処理を実行する。つまり、図40に示すように、上記表示領域40aにおいて、規定時間内(過去1時間内)に発射された遊技球の数(総発射数)、規定時間内に払い出された総賞球数、前記総発射数に対する前記総賞球数の比率が表示される。
さらに、主制御装置261は、上記算出された比率の判別値(総賞球数/遊技球の総発射数)を得た際に、当該判別値が第1の規定値(本実施形態では「1.0」)に達している場合には、主制御装置261は表示制御装置45に対して第1の喚起表示を行う旨の喚起表示コマンドを送信する。これにより、表示制御装置45は第1の喚起表示を行うべく第1の特定表示処理を実行する。そして、上記表示領域40bにおいては、図41に示すように第1の喚起表示として「気を付けましょう」の文字が表示される。
また、主制御装置261は、上記判別値が第2の規定値(本実施形態では「1.6」)に達している場合には、主制御装置261は表示制御装置45に対して第2の喚起表示を行う旨の喚起表示コマンドを送信する。これにより、表示制御装置45は第2の喚起表示を行うべく第2の特定表示処理を実行する。そして、上記表示領域40bにおいては、図42に示すように第2の喚起表示として「要注意」の文字が表示される。
また、主制御装置261は、上記判別値が第3の規定値(本実施形態では「2.2」)に達している場合には、主制御装置261は表示制御装置45に対して第3の喚起表示を行う旨の喚起表示コマンドを送信する。これにより、表示制御装置45は第3の喚起表示を行うべく第3の特定表示処理を実行する。そして、上記表示領域40bにおいては、図43に示すように第3の喚起表示として「警告」の文字が表示される。
さらに、上記判別値が上記特定値(第4の規定値)である「2.5」に達している場合には、上述した遊技形態の切換えを行う前段階において、上記表示領域40bでは「オーバー」の文字が表示される(図示略)。
次に、第1類通常処理の流れを図30のフローチャートを参照しながら説明する。この第1類通常処理では第1類遊技形態の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501の処理はパチンコ機の起動時や第2類遊技形態から第1類遊技形態に切換え設定された際に実行され、その後は遊技形態が切り換わらない限りステップS502〜S509の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS511,S512のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
図30において、先ずステップS501では、第2類遊技形態の無効化処理を実行する。具体的には、第2契機対応口33a,33bへ遊技球が入球した場合でも、後述するような第2可変入賞装置ユニット37の開放処理が行われないようにすることで、第2可変入賞装置ユニット37ひいては第2類特定領域へ遊技球が入球できないようにして、第2類大当たり状態の発生条件である第2類特別条件が成立しないようにする。すなわち、第2類特別条件が成立することを無効化する。但し、第2契機対応口33a,33bへの入賞に対する賞球の払出しは通常どおり行われる。
続くステップS502では、第1契機対応口34への入賞に伴う始動入賞処理を実行する。より詳しくは、遊技球が第1契機対応口34に入賞したか否かを第1契機対応口スイッチ224aの検出情報により(第1契機対応口スイッチ224aからの検出信号の入力があったか否かにより)判別する。そして、遊技球の入賞があったと判別されると、可変表示装置39a〜39cの始動保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで、第1契機対応口34への入賞があり、且つ始動保留球数N<4である場合には、始動保留球数Nを1インクリメントする。続いて第1図柄の当落に関わる乱数を取得する。具体的には、更新された大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。
ステップS503では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、可変表示装置39a〜39cによる第1図柄の変動表示に際して、開始信号としての開始コマンド、停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定信号としての確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。より詳しくは、まず、第1図柄の変動表示を開始させるための開始コマンドが送出され、第1図柄の変動開始後において、変動パターンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンドの順で第1類通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで確定コマンドが送出されるようになっている。また、開始コマンド、停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を入力した表示制御装置45は、かかる各種コマンドに基づいて、可変表示装置39a〜39c及び第2図柄表示装置41の表示態様を決定し、該表示態様を可変表示装置39a〜39c及び第2図柄表示装置41において表示するようになっている。なお、上記開始コマンドを省略し、変動パターンコマンドが開始コマンドの役割を果たしてもよい。つまり、表示制御装置45は、変動パターンコマンドを受信すると、第1図柄の変動表示を開始するような構成としてもよい。
次に、ステップS504では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS505では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明すると、図31に示すように、ステップS601では、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS602では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。そして、左図柄列の更新時期(ステップS601がYES)であればステップS603に進み、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS602がYES)であればステップS604に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、右図柄列の更新時期(ステップS601、S602が共にNO)であればステップS605に進み、右図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS603〜S605の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新に際しては、上述のとおりランダムな更新が行われるようになっている。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、第1類通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS606では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせがリーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組み合わせである場合、さらにステップS607では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチの組み合わせである場合、ステップS608に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせである場合には、ステップS609に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組み合わせである場合、ステップS610では、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが外れ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄の組み合わせになっていれば、ステップS611に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS606、S610が共にNOの場合は、左・中・右で図柄が揃っている、すなわち大当たりの状態に相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
外れ図柄カウンタの更新処理の後、図30のステップS506では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS507では、可変表示装置39a〜39cによる第1図柄の変動表示を行うための第1図柄変動処理を実行する。この第1図柄変動処理により、第1類大当たり判定や第1図柄の変動態様(変動パターン)の設定などが行われる。但し、第1図柄変動処理の詳細は後述する。
その後、ステップS508では、第1類大当たり状態となる場合において第1可変入賞装置ユニット32の大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する。すなわち、第1類大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間(本実施形態では30秒)が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(本実施形態では10個)だけ入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が第1類特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数(本実施形態では15回)繰り返し実行する。つまり、第1類大当たり状態の発生中において、第1可変入賞装置ユニット32が所定時間の経過又は所定個数の遊技球の入球があるまで開放する開放処理が実行され、遊技球が第1類特定領域へ入球することを条件に前記開放処理が規定回数実行される。
また、ステップS509では、第2図柄表示装置41による第2図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が一般契機対応口38を通過したことを条件に、その都度の第2図柄乱数カウンタC4が取得されると共に第2図柄表示装置41の表示部43にて第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると第1契機対応口34が所定時間開放される。なお説明は省略したが、第2図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図27に示すタイマ割込処理にて更新されるようになっている。
その後、ステップS510では、次の第1類通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の第1類通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の第1類通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS511,S512)。つまり、ステップS511では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
また、ステップS512では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS504と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS502〜S509の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができるようになる。
次に、前記ステップS507の第1図柄変動処理を図32のフローチャートを参照して説明する。
図32において、ステップS701では、今現在第1類大当たり中であるか否かを判別する。なお、第1類大当たり中には、第1類大当たりの際に可変表示装置39a〜39cで表示される第1類大当たりの最中と第1類大当たり終了後の所定時間の最中とが含まれる。続くステップS702では、可変表示装置39a〜39cによる第1図柄の変動表示中であるか否かを判別する。そして、第1類大当たり中でなくさらに第1図柄の変動表示中でもない場合、ステップS703に進み、可変表示装置39a〜39cの始動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、第1類大当たり中であるか、又は始動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。
また、第1類大当たり中、第1図柄の変動表示中の何れでもなく且つ始動保留球数N>0であれば、ステップS704に進む。ステップS704では、始動保留球数Nを1減算する。ステップS705では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS706では、変動開始処理を実行する。ここで、図33のフローチャートを用いて変動開始処理の詳細を説明すると、ステップS801では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて第1類大当たりか否かを判別する。具体的には、第1類大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。
第1類大当たりであると判別された場合、ステップS802では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、すなわち大当たり図柄を図示しないテーブル(大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する。このとき、停止図柄コマンドには大当たり図柄カウンタC2の数値0〜9に対応する10通りの大当たり図柄の何れかが設定される。これら大当たり図柄のうち予め定められた特定図柄で揃った場合には以後確変モードに移行するが、特定図柄でない図柄(非特定図柄)でそろった場合には確変モードに移行しない。つまり、第1類大当たり状態が発生する際、特定の停止態様で確定停止表示された第1図柄が予め定められた特定の種類のもの(特定図柄)である場合に、確変モードが付与されるための特定付与条件が成立する。
次に、ステップS803で、第1類大当たり時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、上述したように第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの経過時間、つまり変動時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチ演出パターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。
一方、ステップS801で大当たりではないと判定された場合には、ステップS804で、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生か否かを判別し、リーチ発生の場合、さらにステップS805で、同じくリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて前後外れリーチであるか否かを判別する。本実施形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0〜238の何れかであり、そのうち「0,1」が前後外れリーチに該当し、「2〜21」が前後外れ以外リーチに該当し、「22〜238」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
前後外れリーチ発生の場合、ステップS806に進み、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS807では、前後外れリーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、前記ステップS803と同様に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1、CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの経過時間、つまり変動時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。なお、下記のステップS809でも同様であるが、変動パターン(リーチ演出パターン等)の決定は、所定のテーブルを参酌して行われる。
また、前後外れ以外リーチ発生の場合、ステップS808に進み、RAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS809では、前後外れ以外リーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS803等と同様である。
第1類大当たりでなくリーチでもない場合、ステップS810に進み、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS811では、完全外れ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、リーチ発生しないことで、遊技者の興味は薄れ、多様な図柄変動態様は要求されない。そこで本実施形態では、ステップS811において、第1変動種別カウンタCS1だけを用いて(すなわち第2変動種別カウンタCS2を使わずに)図柄変動態様を決定する。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のそれぞれで図柄停止コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS702がYES、すなわち第1図柄の変動表示中である場合には、ステップS707に進み、変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、第1図柄の変動パターンに応じて当該第1図柄の変動時間が決められており、この変動時間が経過した時にステップS707が肯定判別される。そして、ステップS708では、変動の停止と確認のために設定されている停止図柄を確定コマンドとして設定し、その後本処理を終了する。
以上詳述したように、第1類遊技形態が設定されている場合には、第1契機対応口34への遊技球の入球に基づき、第1類大当たり状態を発生させるか否かの抽選を行い、可変表示装置39a〜39cにて第1図柄が変動表示され、前記抽選の抽選結果に基づいた停止態様で確定停止表示される。そして、前記抽選において第1類大当たり状態を発生させる旨の抽選結果が得られ、かつ、第1図柄が上記大当たり図柄の組合せで揃えば第1類特別条件(本実施形態における特定発生条件)が成立し、第1類大当たり状態が発生する。つまり、第1類遊技形態は、いわゆる従来の第1種パチンコ機等と同様の遊技形態である。
遊技者は、第1類大当たり状態の発生1回につき、第1の規定数の遊技価値(賞球)を獲得可能となる。本実施形態における前記第1の規定数は、第1可変入賞装置ユニット32への遊技球の一入賞に対する賞球数(15個)×第1類大当たり状態の一ラウンド中に第1可変入賞装置ユニット32へ入賞した遊技球数(設定では最高で10個、場合によってはそれ以上にも以下にもなり得る)×ラウンド数(最高で15回)である。すなわち、第1類遊技形態では、前記第1の規定数である2250個の賞球を獲得可能となる。
次に、第2類通常処理の流れを図34のフローチャートを参照しながら説明する。この第2類通常処理では第2類遊技形態の主要な処理が実行される。
まず始めに、ステップS901では、第1類遊技形態の無効化処理を実行する。具体的には、第1契機対応口34へ遊技球が入球した場合でも、上記第1類通常処理が行われないようにする。つまり、上記第1類遊技形態における始動入賞処理、第1類大当たり抽選、可変表示装置39a〜39cの始動保留球数Nの記憶処理、第1図柄の変動処理等が行われないようにして、第1類大当たり状態の発生条件である第1類特別条件が成立しないようにする。すなわち、第1類特別条件が成立することを無効化する。但し、第1契機対応口34への入賞に対する賞球の払出しは通常どおり行われる。
続くステップS902では、第2契機対応口33a,33bへの入賞に伴う始動入賞処理を実行する。より詳しくは、遊技球が第2契機対応口33a,33bに入賞したか否かを第2契機対応口スイッチ224bの検出情報により(第2契機対応口スイッチ224bからの検出信号の入力があったか否かにより)判別する。そして、遊技球の入賞がない場合には、この始動入賞処理を繰り返し行う。
一方、遊技球の入賞があったと判別されると、続くステップS903において、第2可変入賞装置ユニット37の駆動処理を実行する。なお、前記駆動処理に合わせて、第2契機対応口33a,33bへの遊技球の入球に関する払出許可コマンドを払出制御装置311へ出力する処理も行われる。
前記駆動処理が実行されると、第2可変入賞装置ユニット37において羽根405a,405bが所定時間だけ開放状態となる。なお、第2契機対応口スイッチ224bから検出信号を受信した場合には羽根405a,405bが1回開放される。そして、羽根405a,405bが開状態のときに、遊技球が第2可変入賞装置ユニット37内に入ると、遊技球は遊技球転動部404から誘導通路406を介して遊技球振分け機構402へ導かれる。このとき、第2類カウントスイッチ223bによって遊技球が検出され、検出信号が主制御装置261へ送信される。そして、ステップS904において、入賞確認処理が実行される。入賞確認処理が実行されると、当該入賞に関する払出許可コマンドを払出制御装置311へ出力する処理が行われる。
その後、ステップS905では、第2類特別遊技状態発生確認処理が行われる。遊技球が遊技球振分け機構402へ導かれると、遊技球は回転体414のいずれかの収容部に収容される。ここで、遊技球が第3収容部423に収容された場合には、遊技球が上記第2類特定領域に導かれ、第2類特定領域スイッチ223aによって検出される。この第2類特別遊技状態発生確認処理では、この検出信号を受信したか否か、すなわち遊技球が第2類特定領域に入賞したか否かを判別する。そして、遊技球が入賞していない場合には、ステップS902へ移行する。一方、遊技球が第2類特定領域に入賞した場合には、ステップS906において第2類特別遊技状態としての第2類大当たり状態を発生させる第2類特別遊技状態発生処理が実行され、当該第2類特別遊技状態発生処理の終了とともにステップS902へ移行する。つまり、第2類通常処理おいては、ステップS901の処理が第1類遊技形態から第2類遊技形態に切換え設定された場合にのみ実行され、その後は遊技形態が切り換わらない限り遊技状況に応じてステップS902〜S906の処理が繰り返し実行される構成となっている。
次に、第2類特別遊技状態発生処理の流れを図35のフローチャートを参照しながら説明する。まず始めに、ステップS1001では、第2可変入賞装置ユニット37の駆動処理を実行する。具体的には、羽根405a,405bの開閉処理、及び、遊技球停留処理が行われる。前記開閉処理が実行されると、羽根405a,405bの開閉が所定回数(例えば18回)行われる。遊技球停留処理が実行されると、主制御装置261から第1遮蔽機構431及び第2遮蔽機構432へ制御信号が送信され、第1ソレノイド436及び第2ソレノイド442が励磁される。これにより、第1通過口425及び第3通過口427が閉鎖され、第1収容部421又は第3収容部423に収容された遊技球は、通過口425,427から排出されず、各収容部に停留する。そして、ステップS1002において、入賞処理が行われる。この入賞処理が実行されると、当該入賞に関する払出許可コマンドを払出制御装置311へ出力する処理と、第2類カウントスイッチ223bから検出信号に基づき入賞数をカウントする入賞数カウント処理が行われる。
続くステップS1003では、ラウンド終了判別処理が実行される。ラウンド終了判別処理は、所定終了条件を満たしているか否か、例えば前記駆動処理が開始されてから所定時間経過したか、前記入賞カウント数が所定個数(本実施の形態では10個)に達したか等を判別し、所定終了条件を満たしていない場合には、ステップS1002に戻る。又、所定条件を満たしている場合には、その後ステップS1004においてラウンド終了処理を実行する。具体的には、遊技球停留解除処理が実行される。すなわち、主制御装置261から第1遮蔽機構431及び第2遮蔽機構432へ制御信号が送信され、第1ソレノイド436及び第2ソレノイド442が非励磁状態に戻される。これにより、第1通過口425及び第3通過口427が開放され、第1収容部421又は第3収容部423に収容された遊技球が、通過口425,427から排出される。そして、続くステップS1005ではラウンド継続判別処理を実行する。この処理では、所定継続条件を満たしているか否か、より詳しくは遊技球が第2類特定領域に入賞したか否か、かつ、所定のラウンド回数(本実施形態では8回)に達していないか否かを判別し、所定継続条件を満たしている場合には、ステップS1001に戻る。つまり、第2類大当たり状態の発生中においては、第2可変入賞装置ユニット37を所定時間開放する開放処理が実行され、遊技球が第2類特定領域へ入球することを条件に前記開放処理が規定回数(本実施形態では8回)実行されることとなる。又、所定継続条件を満たしていない場合には、本第2類特別遊技状態発生処理を終了し、上記通常処理に戻る。
なお、本実施の形態では、通常、遊技球振分け機構402へ導かれた遊技球が第3収容部423に収容される確率は1/10である。しかし、上記第2類大当たり状態が発生して上記遊技球停留処理が行われることにより、初めに導かれてきた遊技球が第1収容部421に収容され停留した場合には、次に導かれてきた遊技球が第3収容部423に収容される確率は1/9となる。このように、第3収容部423に遊技球が収容されないまま、遊技球振分け機構402へ次々に遊技球が導かれ、第1収容部423に収容され停留されていったとすると、第3収容部423に遊技球が収容される確率は、第1収容部421に停留している遊技球の数に応じて高くなる。なお、第2収容部422には遊技球が停留されないため、第3収容部423に収容される確率は最大で1/2となる。
以上詳述したように、第2類遊技形態が設定されている場合には、第2契機対応口33a,33bへの遊技球の入球に基づき、第2可変入賞装置ユニット37の開放処理が行われる。そして、この開放状態のときに、遊技球が第2可変入賞装置ユニット37内に入り、当該遊技球が第2類特定領域へ入球した場合には、第2類特別条件が成立し、第2類大当たり状態が発生する。つまり、第2類遊技形態は、いわゆる従来の第2種パチンコ機等と同様の遊技形態である。
遊技者は、第2類大当たり状態の発生1回につき、前記第1の規定数より少ない第2の規定数の遊技価値(賞球)を獲得可能となる。本実施形態における前記第2の規定数は、第2可変入賞装置ユニット37への遊技球の一入賞に対する賞球数(10個)×第2類大当たり状態の一ラウンド中に第2可変入賞装置ユニット37へ入賞した遊技球数(設定では最高で10個、場合によってはそれ以上にも以下にもなり得る)×ラウンド数(最高で8回)である。すなわち、第2類遊技形態では、前記第2の規定数である800個の賞球を獲得可能となる。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図36は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS1101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。また、ステップS1102では、主制御装置261から送信される払出許可コマンドを受信するまで待機する。そして、払出許可コマンドを受信した時点でステップS1103に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS1104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、CPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS1105では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS1106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS1107ではRAM判定値を算出し、続くステップS1108では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS1115等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM513の初期化処理(ステップS1115等)に移行する。つまり、ステップS1115ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS1116ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS1117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行うと共に、ステップS1118では割込み許可を設定し、後述する払出制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS1109では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS1110では、電源断の発生情報をクリアする。また、ステップS1111では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS1112では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS1113,S1114では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
次に、払出制御処理の流れを図37のフローチャートを参照しながら説明する。
図37において、ステップS1201では、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する。ステップS1202では、発射制御装置312に対して発射許可の設定を行う。また、ステップS1203では、状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
その後、ステップS1204では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS1205では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS1206では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS1207〜S1209では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1201で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS1207,S1208が共にNO)、ステップS1209に進み、賞球制御処理(後述する図38)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば(ステップS1207、S1208の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
その後、ステップS1210〜S1212では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1210がNO、S1211がYES)、ステップS1212に進み、貸球制御処理(後述する図39)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1210がYES又はS1211がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
ステップS1213では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS1214では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
ここで、図38に示す賞球制御処理において、ステップS1301では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS13102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1303に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図37の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1304に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1305に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図37の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1306に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1307で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図37の払出制御処理に戻る。
また、図39に示す貸球制御処理において、ステップS1401では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1402では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1403に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図37の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1404に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1405に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図37の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1406に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1407で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図37の払出制御処理に戻る。
以上詳述したように、本実施の形態では、通常時(切換え条件の非成立状態)には、遊技形態が、遊技者が約2250個の賞球を獲得可能な第1類遊技形態に設定され、規定時間内(1時間)における、遊技球の総発射数に対する総賞球数の比率が特定値である「2.5」に達した場合には、遊技形態が切り換わり、約800個の賞球を遊技者が獲得可能な第2類遊技形態となる。また、第2類大当たり状態の発生中において、発射された遊技球が第2可変入賞装置ユニット37へ入球し得る割合(入球率)が、第1類大当たり状態の発生中において、発射された遊技球が第1可変入賞装置ユニット32へ入球し得る割合(入球率)より低くなるよう構成されている。従って、規定時間内(1時間)における、遊技球の総発射数に対する総賞球数の比率が特定値である「2.5」に達している場合には、通常時に比べ、遊技者の獲得し得る賞球数を抑えることができる。結果として、遊技者が短時間で大量の賞球を獲得してしまいそうな状況下において、賞球数を抑える制御を行うことができ、このような状況の発生を抑制することができる。ひいては、遊技者の射幸心を著しく煽るおそれを抑制することができる。
なお、遊技形態の切換えのタイミングを、1時間内における、遊技球の総発射数に対する総賞球数の比率が特定値である「2.5」に達した場合と設定したのは、本実施形態のパチンコ機を、少なくとも遊技球の試射試験を1時間行った場合において、獲得する遊技球(賞球)の総数が発射させた遊技球の総数の三倍に満たないような構成とするためである。つまり、1時間内に獲得する遊技球(賞球)の総数が発射させた遊技球の総数の三倍以上となる状況を、遊技者が短時間(1時間)で大量の賞球を獲得してしまう状況と見なしている。上記条件を満たすためには、本実施形態では1時間で約6000発の遊技球を発射できることから、1時間以内に6000×3=18000個の遊技球(賞球)を獲得できないように設定しなければならない。また、前記獲得する遊技球(賞球)の総数には、第1類大当たり中における第1可変入賞装置ユニット32への入賞に基づくもの以外にも、他の入賞部へ入賞に基づくものも含まれるため、本実施形態では、ある程度の余裕を見て、1時間内における、遊技球の総発射数に対する総賞球数の比率が特定値である「2.5」に達した場合を遊技形態の切換えのタイミングとして設定した。
また、確変モード等が付与されるタイプのパチンコ機の中には、従来、遊技者にとっての射幸心を抑制するため、予め定められた所定回数を超えて確変モードの付与が継続しないように制御するもの、いわゆるリミッタ制御を行うパチンコ機もある。しかし、この種のパチンコ機では、確変モードの付与が所定回数を超えて行われないため、場合によっては遊技者が確変モードを付与され得る権利を得たにも関わらず、確変モードの付与が行われないといったこともあり得るため、遊技者が不利益感を抱くおそれがある。この点、本実施形態によれば、そのような不利益感を抱かせることなく、遊技者にとっての射幸心を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、上記状況表示や喚起表示を行うことにより、遊技者に対して、遊技状況をより的確に把握させ、遊技者に対し遊技の行い過ぎ等を自覚させることができる。ひいては、遊技者自らが休憩を取るなどして遊技の行い過ぎ等を自主規制することができる。また、本実施形態のように、規定時間内(1時間)における、遊技球の総発射数に対する総賞球数の比率が特定値である「2.5」に達した場合に、所定の規制処理が働くように構成された遊技機においては、前記規制処理が働く前段階において遊技者へ注意が促されることとなり、特段の効果を発揮することとなる。
また、上記遊技球の総発射数に対する総賞球数の比率の数値に応じて、上記喚起表示における注意形態が変化する。具体的には、数値が大きいほど、「警告」等のような強い調子の表示形態で遊技者へ注意を促し、数値が小さいほど、「気を付けましょう」等といった弱い調子の表示形態で遊技者へ注意を促すようになっている。従って、遊技状況の変化に対応して、遊技状況に応じたより適切な注意形態で遊技者へ注意を促すことができる。
また、本実施の形態では、遊技者が実際に遊技を行ったことを意味する遊技球の発射数をベースとして、賞球数(遊技価値の付与数)の比率を、遊技形態の切換えを行うか否かや、上記喚起表示を行うか否かの判断基準にしているため、各種入球手段への遊技球の入球に基づいた賞球数も考慮することができ、賞球数を抑える制御を行う上で、より正確な判断を行うことができるとともに、より適切なタイミングで上記遊技形態の切換え処理や上記喚起表示処理を行うことができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態における第1類遊技形態では確変モードが設定されるよう構成し、当該確変モードの概念として、大当たり確率が高められることに加えて、(1)第2図柄表示装置41の表示部43にて第2図柄の当たり状態になる確率を通常時に比べて高め、第1契機対応口34の羽根を開放させる機会を増やすこと、(2)第2図柄表示装置41の表示部43における抽選時間(第2図柄の変動時間)を短くすること、(3)第1契機対応口34の羽根の開放時間を長くすること(及び/又は入賞個数を多くすること)、(4)可変表示装置39a〜39cにおける第1図柄の変動時間を短くすること、(5)大当たり確率が通常モードに比べて高くなることの全ての事項が実行されることとした。これに対し、(5)の大当たり確率が高められることに加えて、(1)〜(4)のいずれか1つを満たすことを、確変モードとしてとらえてもよい。また、付加価値としての遊技モード(特別モード)として、確変モードではなく、遊技球が減少しにくい状況で遊技を進行できる時間短縮モード(時短モード)を採用してもよい。時短モードとしては、(1)〜(4)の任意の組合せ(例えば(1)と(2)、(1)と(3)、(1)と(4)、(2)と(3)、(2)と(4)、(3)と(4)、(1)と(2)と(3)、(1)と(2)と(4)、(1)と(3)と(4)、(2)と(3)と(4))を採用できる。
さらに、時短モード、確変モードとしては、次回の大当たり時まで継続されるようにしてもよいし、第1図柄の所定変動回数だけ継続され、その後通常モードに切り替えられるようにしてもよい。また、時短モードや確変モードが選択された場合には、大当たり状態が2回又はそれ以上発生するまで、当該時短モードや確変モードが継続されるようにしてもよい。併せて、大当たり図柄に応じて、時短モードや確変モードの継続回数(大当たり状態の継続発生回数)を可変とするようにしてもよい。もちろん、確変モードや時短モードが付与されない構成を採用してもよい。
(b)上記実施形態では、大当たり状態が発生する際、特定の停止態様で確定停止表示された第1図柄が予め定められた特定の種類のもの(確率変動図柄)である場合に、特定付与条件が成立し、大当たり状態の終了後に確変モードが付与される。これに限らず、例えば、確変モードを付与するか否かの抽選を行う付与抽選手段を備え、例えば大当たり抽選とほぼ同時期に確変モードを付与するか否かの抽選を行ったり、大当たり状態の終了後に行うような構成としてもよい。
(c)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機や他の遊技機等として実施することも可能である。例えば、図柄表示装置において複数の図柄が変動表示され、所定の停止態様で確定停止表示が行われる遊技機、いわゆる従来の第1種パチンコ機等と同様の遊技形態を有するパチンコ機や、始動入球手段へ遊技球が入球することを契機として可変入球手段が開状態となり、特定入球手段(Vゾーン)への遊技球の入球に基づき大当たり状態が発生するような遊技機、いわゆる従来の第2種パチンコ機等と同様の遊技形態を有するパチンコ機等として実施することも可能である。また、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるような遊技形態(通称、2回権利物、3回権利物と称される)を有するパチンコ機として実施してもよい。また、確変モードに代えて、時短モード等が発生するパチンコ機として実施してもよい。もちろん、確変モード等が発生しないパチンコ機として実施してもよい。また、賞球の払出しに、代えて又は加えて、仮想的な遊技価値としての、記憶された賞球の数を所定の表示手段において表示させるパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機や、それに類する雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。
(d)上記実施の形態では、表示手段として可変表示装置39a〜39cを採用している。しかし、表示手段の構成はこれに限られるものではなく、1つの可変表示装置に複数の図柄列を表示する構成としてもよし、液晶表示装置である可変表示装置39a〜39cに代えて、回転ドラム式の表示装置を採用してもよい。また、前記複数の図柄列を変動表示する可変表示装置において上記状況表示や喚起表示を行う構成としてもよい。また、上記状況表示や喚起表示を行うための表示装置を、図柄変動表示用の可変表示装置とは別に設けた構成としてもよい。
(e)上記実施の形態では、喚起表示(喚起処理)を行うか否かを、規定時間内における遊技球の総発射数に対する総賞球数の比率を判断基準にして決定しているが、判断基準とするものは前記比率に限られるものではない。例えば、規定時間内における上記第1類大当たり状態の発生回数、規定時間内における総賞球数、又は、規定時間内における遊技球の総発射数に対する上記第1類大当たり状態の発生回数の比率を判断基準にしてもよい。つまり、規定時間内における上記第1類大当たり状態の発生回数、規定時間内における総賞球数、又は、規定時間内における遊技球の総発射数に対する上記第1類大当たり状態の発生回数の比率が規定値に達した否かを判定し、当該判定結果に基づいて上記同様の喚起表示を行うようにしてもよい。
(f)上記実施の形態では、喚起処理として上記喚起表示が行われるように構成されているが、喚起処理の形態はこれに限られるものではなく、上記喚起表示に代えて又は加えて、以下の処理を喚起処理として実行するようにしてもよい。
例えば、所定の音声発生手段としての上記スピーカ249において遊技者へ注意を促すための音声発生処理を行うようにしてもよい。さらに、注意形態を変化させる喚起処理として、例えば、上記実施形態と同様に判別値(上記遊技球の総発射数に対する総賞球数の比率の値)が大きいほど、「警告」等のような強い調子の音声発生形態で遊技者へ注意を促し、判別値が小さいほど、「気を付けましょう」等といった弱い調子の音声発生形態で遊技者へ注意を促すといった音声発生処理が行われるようにしてもよい。これに代えて又は加えて、音量の強弱を変化させるような構成としてもよい。この場合、喚起手段には、上記スピーカ249を制御する音声制御手段としての音声ランプ制御装置262が含まれる。
また、所定の発光手段としての上記各種ランプにおいて遊技者へ注意を促すための発光処理を行うようにしてもよい。さらに、注意形態を変化させる喚起処理として、例えば、判別値が大きいほど、輝度の高い発光形態で遊技者へ注意を促し、判別値が小さいほど、輝度の低い発光形態で遊技者へ注意を促すといった発光処理が行われるようにしてもよい。この場合、喚起手段には、上記各種ランプを制御する発光制御手段としての音声ランプ制御装置262が含まれる。
また、操作手段としての上記ハンドル18に、当該ハンドル18を振動させる振動手段としてのバイブレータを備え、当該バイブレータを駆動しハンドル18を振動させる振動処理を行うようにしてもよい。このようにすれば、ハンドル18を握り、遊技を行っている遊技者に対して、より確実に注意を促すことができる。さらに、注意形態を変化させる喚起処理として、判別値が大きいほど、振動の大きな振動形態で遊技者へ注意を促し、判別値が小さいほど、振動の小さな振動形態で遊技者へ注意を促すといった振動処理が行われるようにしてもよい。この場合、喚起手段には、上記バイブレータを駆動制御する振動制御手段である主制御装置261が含まれる。
(g)一旦、第2類遊技形態が設定された後、通常状態(切換え条件の非成立状態)となった場合においても、所定復帰条件が成立するまで、例えば所定数の遊技球が発射されたり、所定個数の遊技球が第2可変入賞装置ユニット37などへ入球するまで、第1類遊技形態への切換え設定が禁止されるようにしてもよい。このようにすれば、所定期間、遊技者に第2類遊技形態で遊技を行わせることができ、遊技者が短時間で大量の賞球を獲得してしまいそうな状況の発生をより確実に抑制することができる。この場合、主制御装置261が禁止手段を構成する。
10…遊技機としてのパチンコ機、30…遊技領域を構成する遊技盤、32…第1可変入賞装置ユニット、33a,33b…第2契機対応口、34…始動入球手段としての第1契機対応口、37…第2可変入賞装置ユニット、39a〜39c…表示手段を構成する可変表示装置、40a,40b…表示領域、45…表示制御手段,喚起手段を構成する表示制御装置、261…特別遊技状態発生手段,抽選手段、記憶手段、判別手段、算出手段、付加価値付与手段、喚起手段を構成する主基板(主制御装置)、311…遊技価値付与手段,払出制御手段を構成する払出制御装置。
Claims (1)
- 遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、特定発生条件の成立した場合には遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
各種入球手段への遊技球の入球に基づき、各入球手段に対応する所定数の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
規定時間内における前記特別遊技状態の発生回数を記憶していく記憶手段と、
所定の表示手段において、少なくとも前記規定時間内における特別遊技状態の発生回数を表示するための特定表示処理を実行可能な表示制御手段と、
前記規定時間内における特別遊技状態の発生回数を判別可能な判別手段と、
前記規定時間内における特別遊技状態の発生回数が規定値に達した場合には、前記発生回数が規定値に達したことについて遊技者へ注意を促す喚起処理を実行可能な喚起手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
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