本発明に係る遊技機の形態について説明する。なお、本発明に係る遊技機の概念的な各種の構成について説明した後に、本発明に係る遊技機の具体的な各種の構成について説明する。
本発明の遊技機は、
ステッピングモータと、
前記ステッピングモータにより駆動される可動部材と、
前記ステッピングモータの回転軸の回転角度に応じて、第1検出状態を表す第1検出信号又は前記第1検出状態と異なる第2検出状態を表す第2検出信号を選択的に出力する回転検出装置と、
前記回転検出装置からの信号に基づいて前記ステッピングモータの駆動異常を検知する駆動異常検知手段と、
を含む遊技機であって、
前記駆動異常検知手段が、
前記回転検出装置からの信号を定期的に監視する駆動監視手段と、
前記駆動監視手段による前記第1検出信号の検知に応じて、所定の基準値から離れる方向にずれた値に駆動監視情報を更新し、前記駆動監視手段による前記第2検出信号の検知に応じて、前記基準値に復帰する方向にずれた値に前記駆動監視情報を更新する駆動監視情報更新手段と、
前記駆動監視情報が前記基準値と異なる所定の第1駆動判定閾値に到達してから前記基準値と前記第1駆動判定閾値との間の所定の第2駆動判定閾値に復帰するまでの時間が所定の第1許容時間範囲外である場合及び前記駆動監視情報が前記第2駆動判定閾値に復帰してから前記第1駆動判定閾値に到達するまでの時間が所定の第2許容時間範囲外である場合に、前記ステッピングモータの前記駆動異常と判断する駆動異常判定手段と、
を含み、
前記駆動監視情報の値が前記基準値である場合からの前記第1検出状信号の複数回の検知に応じて、前記駆動監視情報の値が前記第1駆動判定閾値に到達し、
前記駆動監視情報の値が前記基準値と異なる所定の相対最大値である場合からの前記第2検出信号の複数回の検知に応じて、前記駆動監視情報の値が前記第2駆動判定閾値に復帰することを特徴としている。
また、本発明の遊技機は、
ステッピングモータと、
前記ステッピングモータにより駆動される可動部材と、
前記ステッピングモータの回転軸の回転角度に応じて、第1検出状態を表す第1検出信号又は前記第1検出状態と異なる第2検出状態を表す第2検出信号を選択的に出力する回転検出装置と、
前記回転検出装置からの信号に基づいて前記ステッピングモータの駆動異常を検知する駆動異常検知手段と、
を含む遊技機であって、
前記駆動異常検知手段が、
前記回転検出装置からの信号を定期的に監視する駆動監視手段と、
前記駆動監視手段による前記第1検出信号の検知に応じて、所定の基準値から離れる方向にずれた値に駆動監視情報を更新し、前記駆動監視手段による前記第2検出信号の検知に応じて、前記基準値に復帰する方向にずれた値に前記駆動監視情報を更新する駆動監視情報更新手段と、
前記駆動監視情報の値が前記基準値と異なる所定の駆動判定離隔閾値に到達してから、所定の復帰判定閾値に一旦復帰した後に前記駆動判定離隔閾値に再度到達するまでの時間が所定の許容到達間隔時間範囲外である場合に、前記ステッピングモータの前記駆動異常と判断する駆動異常判定手段と、
を含み、
前記駆動監視情報の値が前記基準値である場合からの前記第1検出信号の複数回の検知に応じて、前記駆動監視情報の値が前記駆動判定離隔閾値に到達することを特徴としている。
また、本発明の遊技機は、
ステッピングモータと、
前記ステッピングモータにより駆動される可動部材と、
前記ステッピングモータの回転軸の回転角度に応じて、第1検出状態を表す第1検出信号又は前記第1検出状態と異なる第2検出状態を表す第2検出信号を選択的に出力する回転検出装置と、
前記回転検出装置からの信号に基づいて前記ステッピングモータの駆動異常を検知する駆動異常検知手段と、
を含む遊技機であって、
前記駆動異常検知手段が、
前記回転検出装置からの信号を定期的に監視する駆動監視手段と、
前記駆動監視手段による前記第1検出信号の検知に応じて、所定の基準値から離れる方向にずれた値に駆動監視情報を更新し、前記駆動監視手段による前記第2検出信号の検知に応じて、前記基準値に復帰する方向にずれた値に前記駆動監視情報を更新する駆動監視情報更新手段と、
前記駆動監視情報の値が前記基準値と異なる所定の到達判定閾値に到達した後に所定の駆動判定復帰閾値に復帰してから、前記到達判定閾値に再度到達した後に所定の駆動判定復帰閾値に再度復帰するまでの時間が所定の許容復帰間隔時間範囲外である場合に、前記ステッピングモータの前記駆動異常と判断する駆動異常判定手段と、
を含み、
前記駆動監視情報の値が前記基準値と異なる所定の相対最大値である場合からの前記第2検出信号の複数回の検知に応じて、前記駆動監視情報の値が前記駆動判定復帰閾値に復帰することを特徴としている。
本発明に係る遊技機は、ステッピングモータと、ステッピングモータにより駆動される可動部材と、ステッピングモータの回転軸の回転角度に応じて、第1検出状態を表す第1検出信号又は第1検出状態と異なる第2検出状態を表す第2検出信号を選択的に出力する回転検出装置と、回転検出装置からの信号に基づいてステッピングモータの駆動異常を検知する駆動異常検知手段とを含んでいる。ステッピングモータ、可動部材及び回転検出装置は公知のいかなる構成と同一であってもよい。
駆動異常検知手段は、回転検出装置からの信号を定期的に監視する駆動監視手段と、回転検出装置からの信号に基づいて駆動監視情報を更新する駆動監視情報更新手段と、駆動監視情報に基づいてステッピングモータの駆動状態を判定する駆動異常判定手段とを含んでいる。
駆動監視手段は、回転検出装置からの信号が第1検出信号であるか第2検出信号であるかに基づいて、回転検出状態が第1検出状態であるか第2検出状態であるかを検知する。ここで、「第1検出信号であるか第2検出信号であるかに基づいて」には、回転検出手段からの信号そのもの種類に応じて回転検出状態を検知する場合、及び、回転検出手段からの信号に対するフィルタリング処理の結果に応じて回転検出状態を検知する場合を含意している。なお、フィルタリングとは、ノイズ等による振動の誤検出を防止するために、回転検出装置からの信号の複数回の定期的な検出によってその検出パターンが所定のパターンである場合に、回転検出装置が第1検出状態又は第2検出状態であると検知することを意味する。フィルタリングは、ハードウェア的なフィルタリングであってもよいし、ソフトウェア的なフィルタリングであってもよい。
駆動監視情報更新手段は、駆動監視手段による第1検出信号の検知に応じて、基準値から離れる方向にずれた値に駆動監視情報を更新し、駆動監視手段による前記第2検出信号の検知に応じて、基準値に復帰する方向にずれた値に駆動監視情報を更新する。
ここで、「基準値から離れる方向にずれた値」とは、更新後の駆動監視情報と基準値との差分絶対値が更新前の駆動監視情報と基準値との差分絶対値よりも大きいという条件を満たす値を意味する。同様に、「基準値に復帰する方向にずれた値」とは、更新後の駆動監視情報と基準値との差分絶対値が更新前の駆動監視情報と基準値との差分絶対値よりも小さいという条件を満たす値を意味する。
駆動監視情報更新手段による駆動監視情報の更新形態としては、例えば、駆動監視情報を回転検出装置の第1検出状態の検知に応じて増加させ、回転検出装置の第2検出状態の検知に応じて減少させる形態や、その逆に、駆動監視情報を回転検出装置の第1検出状態の検知に応じて減少させ、回転検出装置の第2検出状態の検知に応じて増加させる形態が挙げられる。更に具体的には、「0」を基準値として、駆動監視情報を回転検出装置の第1検出状態の検知に応じて増加させ、回転検出装置の第2検出状態の検知に応じて減少させる形態や、「0」以外の値(例えば、「−256」や「−128」)を基準値として、駆動監視情報を回転検出装置の第1検出状態の検知に応じて増加させ、回転検出装置の第2検出状態の検知に応じて減少させる形態や、「0」を基準値として、駆動監視情報を回転検出装置の第1検出状態の検知に応じて減少させ、回転検出装置の第2検出状態の検知に応じて増加させる形態や、「0」以外の値(例えば、「255」や「127」)を基準値として、駆動監視情報を回転検出装置の第1検出状態の検知に応じて減少させ、回転検出装置の第2検出状態の検知に応じて増加させる形態が例示できる。
また、駆動監視情報更新手段による駆動監視情報の更新形態としては、回転検出装置の第1検出状態の検知に応じて、単一の演算式に基づく演算を行って駆動監視情報を更新する形態や、駆動監視情報の値等の状況に依存して複数の演算式のいずれか1つを選択的し、選択された演算式に基づく演算を行って駆動監視情報を更新する形態が挙げられる。駆動監視情報を回転検出装置の第2検出状態の検知に応じた演算についても同様である。更に、駆動監視情報更新手段による駆動監視情報の更新形態としては、第1検出状態の検知と第2検出状態との検知に応じて、同一の演算を行って駆動監視情報を更新する形態や、第1検出状態の検知と第2検出状態との検知に応じて、異なる演算を行って駆動監視情報を更新する形態が挙げられる。
駆動異常判定手段は、駆動部材の定常駆動時において、駆動監視情報が基準値と異なる所定の第1駆動判定閾値に到達してから基準値と第1駆動判定閾値との間の所定の第2駆動判定閾値に復帰するまでの時間が所定の第1許容時間範囲外である場合及び駆動監視情報が第2駆動判定閾値に復帰してから第1駆動判定閾値に到達するまでの時間が所定の第2許容時間範囲外である場合に、ステッピングモータの駆動異常と判断する。
ここで、「第1駆動判定閾値に到達する」とは、駆動監視情報が第1駆動判定閾値を含まない基準値側の値(基準値と第1駆動判定閾値との間の値)から、第1駆動判定閾値と同一の値又は基準値と反対側の値(第1駆動判定閾値と相対最大絶対値との間の値)となる場合を意味する。同様に、「第1駆動判定閾値に到達する」とは、駆動監視情報が第1駆動判定閾値を含まない基準値側の値(基準値と第1駆動判定閾値との間の値)から、第1駆動判定閾値と同一の値又は基準値と反対側の値(第1駆動判定閾値と相対最大絶対値との間の値)となる場合を意味する。「第2駆動判定閾値に到達する」とは、駆動監視情報が第1駆動判定閾値を含まない基準値側の値(基準値と第1駆動判定閾値との間の値)から、第1駆動判定閾値と同一の値又は基準値と反対側の値(第1駆動判定閾値と相対最大絶対値との間の値)に更新される場合を意味する。同様に、「第2駆動判定閾値に復帰する」とは、駆動監視情報が、第2駆動判定閾値を含まない基準値と反対側の値(第2駆動判定閾値と相対最大絶対値との間の値)から、第2駆動判定閾値と同一の値又は基準値側の値(基準値と第2駆動判定閾値との間の値)に更新される場合を意味する。「第1駆動判定閾値」と「第2駆動判定閾値」とは異なる値であってもよいし、同一の値であってもよい。また、「第1許容時間範囲」と「第2許容時間範囲」とは異なる値であってもよいし、同一の値であってもよい。
駆動監視情報の値が基準値である場合からの第1検出信号の複数回の検知に応じて、駆動監視情報の値は第1駆動判定閾値に到達し、駆動監視情報の値が相対最大値である場合からの第2検出信号の複数回の検知に応じて、駆動監視情報の値は第2駆動判定閾値に到達する。ここで、「所定の相対最大値」とは、駆動監視情報が取り得る値のうちで基準値との差分絶対値が最も大きい値を意味し、その値が駆動監視情報の最大値である場合や駆動監視情報の最小値である場合を含意している。
上記の構成であれば、回転検出手段からの信号の出力状態に基づいて駆動監視情報が段階的に変化するために、ステッピングモータと回転検出手段との設置誤差等の各種の作製誤差に依存せずにステッピングモータの回転振動に基づくチャタリングによる回転検出手段の状態移行の検知における時間的なずれが抑制でき、これによって、ステッピングモータの回転振動に伴う可動部材の駆動異常の誤検知を簡便かつ高精度に抑制できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Aとも称す。
上記の手段Aに記載の遊技機において、
前記駆動監視情報更新手段が、
前記駆動監視手段による前記第1検出信号の検知に応じた前記駆動監視情報の更新において、前記駆動監視情報が前記相対最大値と異なる値である場合に前記駆動監視情報を前記基準値離れる方向にずれた値に変更し、前記駆動監視情報が前記相対最大値である場合に前記駆動監視情報を前記相対最大値に維持し、
前記駆動監視手段による前記第2検出信号の検知に応じた前記駆動監視情報の更新において、前記駆動監視情報が前記基準値と異なる値である場合に前記基準値に復帰する方向にずれた値に前記駆動監視情報を変更し、駆動監視情報が前記基準値である場合に前記駆動監視情報を前記基準値に維持する構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、回転検出装置の検出状態が第1検出状態から第2検出状態へ状態移行する近傍及び第2検出状態から第1検出状態へ状態移行する近傍における駆動監視情報の値を、それぞれ、基準値及び相対最大値に維持できることによって、回転検出装置の状態移行から駆動異常判定手段による駆動異常であるか否かの判定までの時間が均一化されて駆動異常の判定精度が向上する。
上記の手段A又はBに記載の遊技機において、
前記可動部材は、前記ステッピングモータによる駆動に応じて、通常遊技状態より遊技球の獲得に関して有利な高利益遊技状態へ移行させる高利益移行領域への遊技媒体の誘導確率を変化させる構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、遊技者にとって過度に不利益な状態や過度に有利な状態が維持されることが抑制でき、健全な遊技状態を維持することができる。また、ステッピングモータの作動を強制的に停止させることや異物によって可動部材を強制的に固定すること等によって可動部材を誘導確率の高い状態に維持させる不正行為を確実かつ迅速に検知できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Cとも称す。
上記の遊技機A〜Cに記載の遊技機において、
前記基準値は、0であり、
前記駆動監視情報は、0以上の整数値であり、
前記駆動監視情報更新手段は、前記駆動監視情報の値が前記相対最大値としての所定の最大値と異なる値である場合における前記第1検出信号の検知に応じて、前記駆動監視情報の値を増加させ、
前記駆動監視情報の値が前記基準値と異なる値である場合における前記第2検出信号の検知に応じて、前記駆動監視情報の値を減少させる構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、駆動監視情報を更新する演算処理が簡素化され、また、所定の大きさの記憶領域において、基準値を0以外とする場合や駆動監視情報が正数以外の値をとる場合に比べて、駆動監視情報の可変域(ダイナミックレンジ)を最大限に大きくできる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Dとも称す。
上記の遊技機Dに記載の遊技機において、
前記駆動監視情報の値が前記基準値である場合からの前記第1検出信号の所定回数の検知に応じて、前記駆動監視情報の値が前記第1駆動判定閾値に到達し、
前記駆動監視情報の値が前記最大値である場合からの前記第2検出信号の所定回数の検知に応じて、前記駆動監視情報の値が前記第2駆動判定閾値に復帰する構成であることが好ましい。
ここで、「所定の回数」とは、ステッピングモータの種類やステッピングモータの駆動方式の種類や駆動監視情報の可変域の種類に応じて最適化される回数であり、具体的には、駆動監視手段によって、ステッピングモータの駆動における同一励磁相が維持されている基準励磁継続期間に監視される回数以上の回数を意味している。第1駆動判定閾値に到達するまでの所定の回数と第2駆動判定値に復帰するまでの所定の回数とは、同一回数であってもよいし、異なる回数であってもよい。
上記の構成であれば、ステッピングモータの回転振動に伴う可動部材の駆動異常の誤検知を更に高精度に抑制できる。これは、少なくとも、励磁継続期間に監視される回数以上にわたってチャタリングが発生することは実質的にないからである。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Eとも称す。
上記の遊技機Eに記載の遊技機において、
前記駆動監視情報の値が前記基準値である場合の前記第1検出信号の1回の検知後における前記第2検出信号の所定の回数の検知に応じて、前記駆動監視情報の値が前記第1駆動判定閾値以上の値を維持し、
前記駆動監視情報が前記最大値である場合の前記第2検出信号の1回の検知後における前記第1検出信号の所定の回数の検知に応じて、前記駆動監視情報の値が前記第2駆動判定閾値以下の値を維持する構成であることが好ましい。
ここで、「所定の回数」とは、ステッピングモータの種類やステッピングモータの駆動方式の種類や駆動監視情報の可変域の種類に応じて最適化される回数であり、具体的には、駆動監視手段によって、ステッピングモータの駆動における同一励磁相が維持されている基準励磁継続期間に監視される回数以上を意味している。第1駆動判定閾値を維持する際の所定の回数と第2駆動判定閾値を維持する際の所定の回数とは、同一回数であってもよいし、異なる回数であってもよい。更に、遊技機Dにおける所定回数と遊技機Eにおける所定の回数とは同一回数であってもよいし、異なる値であってもよい。
上記の構成であれば、ステッピングモータの回転振動に基づくチャタリングが発生したとしても、駆動監視情報を第2駆動判定閾値と第1駆動判定閾値との間に自己整合的に維持できるために、第1駆動判定閾値に到達したか否か及び第2駆動判定閾値に復帰したか否かの判定処理が簡素化できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Fとも称す。
上記の遊技機D〜Fに記載の遊技機において、
前記駆動監視情報の値が前記最大値と異なる値である場合の前記第1検出信号の任意の連続する2回の検知において、今回の検知に基づく増加幅が実質的に前回の検知に基づく増加幅未満であり、
前記駆動監視情報の値が前記基準値と異なる値である場合の前記第2検出信号の任意の連続する2回の検知に応じて、今回の検知に基づく減少幅が実質的に前回の検知に基づく減少幅を超えて大きい構成であることが好ましい。
「今回の検知に基づく増加幅が実質的に前回の検知に基づく増加幅未満である」には、駆動監視情報の値が最大値の近傍である駆動監視情報の増加の最終段階においては同一増加幅(具体的には「1」)で増加し、最終段階以外の大半においては前回の検知に基づく増加幅未満で増加させる構成を含意している。
上記の構成であれば、回転検出装置の第1検出状態から第2検出状態への状態移行及び第2検出状態から第1検出状態への移行において、移行の開始時近傍における駆動監情報を急峻に変化させることができ、ステッピングモータの回転振動に基づくチャタリングが発生したとしても駆動監視情報を第2駆動判定閾値と第1駆動判定閾値との間に更に良好に維持できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Gとも称す。
上記の遊技機Gに記載の遊技機において、
前記駆動監視情報の値が前記最大値と異なる値である場合の前記第1検出信号の検知に応じて、前記駆動監視情報の値は1より小さい所定の第1の乗算因子を乗算し更に所定の加算因子を加算する演算に対応する演算に基づいて更新され、
前記駆動監視情報の値が前記基準値と異なる値である場合の前記第2検出信号の検知に応じて、前記駆動監視情報の値は1より小さい所定の第2の乗算因子を乗算する演算に対応する演算に基づいて更新される構成であることが好ましい。
ここで、駆動監視情報の更新において演算結果の値が整数でない場合には、演算結果の値は整数にキャスティングされることとする。キャスティングとしては、例えば、少数点以下の切り捨てや、少数点以下の切り上げや四捨五入等が挙げられる。なお、一般的には、少数点以下の切り捨てが実行される。
上記の構成であれば、簡便に遊技機Gの構成の遊技機を実現できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Hとも称す。
上記の遊技機D〜Hに記載の遊技機において、
前記第1の乗算因子と前記第2の乗算因子とが同一である構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、第1検出信号の検知に応じて駆動監視情報を更新する場合の演算と、第2検出信号の検知に応じて駆動監視情報を更新する場合の演算との一部を共通化できるために、演算処理及びそのプログラムを簡素化できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Iとも称す。
上記の遊技機Iに記載の遊技機において、
前記駆動監視情報の値が前記最大値である場合の前記第1検出信号の検知に応じて、前記駆動監視情報の値は、前記駆動監視情報の値が前記最大値と異なる値である場合における演算と同一の演算に基づいて自己整合的に前記最大値を維持し、
前記駆動監視情報の値が前記基準値である場合の前記第2検出信号の検知に応じて、前記駆動監視情報の値は、前記駆動監視情報の値が前記最大値と異なる値である場合における演算と同一の演算に基づいて自己整合的に前記基準値を維持する構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、演算結果が駆動監視情報の記憶領域の上限値を超えた場合の付加的な処理が不要となり、また、演算結果が駆動監視情報の記憶領域の下限値を下回った場合の付加的な処理が不要となるために、演算処理及びそのプログラムを簡素化できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Jとも称す。
上記の遊技機Jに記載の遊技機において、
前記駆動監視情報の値をXとし、前記第1の乗算因子及び前記第2の乗算因子の各々をA/B(A<B)で表される同一の既約分数とし、前記加算因子を所定の上限値Mに対して[M×(B−A)/B]で表される正数をCとし、
前記駆動監視情報更新手段は、前記第1検出信号の検知に応じて、[X×A/B]+Cに対応する演算に基づいて前記駆動監視情報を更新し、前記第1検出信号の検知に応じて、[X×A/B]に対応する演算に基づいて前記駆動監視情報を更新する構成であることが好ましい。
ここで、[Z]は、Zを実数とした場合に、Zを超えない最大の整数を表す演算子(ガウス括弧)である。
上記の構成であれば、上記の遊技機Jの構成の遊技機を簡便に実現できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Kとも称す。
上記の手段J又はKに記載の遊技機において、
前記既約分数の分母が2の正数乗の値である構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、割り算に対応する演算をビットシフトによる演算によって行えるために、演算処理が簡素化できると共に高速化できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Lとも称す。
上記の手段Lに記載の遊技機において、
前記第1駆動判定閾値は、前記駆動監視情報の値が前記基準値である場合からの連続する前記第1検出信号の所定の標準回数の検知に応じた値以下であり、前記駆動監視情報の値が前記基準値である場合からの連続する前記第1検出信号の前記標準回数より1だけ少ない回数の検知に応じた値を超えて大きく、
前記第2駆動判定閾値は、前記駆動監視情報の値が前記最大値である場合からの前記第2検出信号の連続する前記標準回数の検知に応じた値以上であり、前記駆動監視情報の値が前記最大値である場合からの連続する前記第2検出信号の前記標準回数より1だけ少ない回数の検知に応じた値より小さい構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、回転検出装置の第2検出状態から第1検出状態への状態移行の判定に必要な時間が、回転検出装置の第1検出状態から第2検出状態への状態移行の判定に必要な時間と実質的に同一となるために、それらの状態移行の判定において個別の処理を実行する必要がなくなり、その判定処理が簡素化できる。ここで、実質的に同一とは、チャタリングが発生しない場合は厳密に同じであるが、チャタリングの発生形態によっては異なる場合があってもよいことを意味する。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Lとも称す。
上記の遊技機K〜Mに記載の遊技機において、
前記既約分数の分母は4であり、
前記既約分数の分子は3であり、
前記加算因子は63である構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、上記の遊技機K〜Mの構成の遊技機を確実に実現できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Nとも称す。
上記の遊技機A〜遊技機Nに記載の遊技機において、
前記回転検出装置は、発光素子及び前記発光素子から放出された検査光を受光する受光素子を含む光スイッチと、前記ステッピングモータの前記回転軸が一回転する過程の一部において前記受光素子への前記検査光の到達を遮断する遮光部材とを含み、前記遮光部材が前記検査光を遮断しているか否かに応じて前記第1検出信号又は前記第1検出信号を選択的に出力する構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、ステッピングモータの回転軸の回転位置に応じた信号を簡便かつ確実に出力することができる。また、非接触型の検出形態であるために、接触型の検出形態のセンサ等を用いる場合に比べて、可動部材の円滑な動作が阻害されることを防止できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Oとも称す。
上記の遊技機Oに記載の遊技機において、
前記回転検出装置において前記第1検出状態に移行してから前記第2検出状態へ移行するまでの間隔と前記第2検出状態に移行してから前記第1検出状態へ移行するまでの間隔とが、実質的に同一である構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、駆動異常判定手段における第1許容時間範囲と第2許容時間範囲とを同一の範囲とすることができるために、ステッピングモータの駆動状態を判定する処理が簡素化できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Pとも称す。
上記の遊技機Pに記載の遊技機において、
前記回転検出装置は、前記ステッピングモータの前記回転軸の一回転する過程においてに前記第1検出状態と前記第2検出状態との間を実質的に一度ずつ移行する構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、ステッピングモータの駆動状態を判定する時間間隔は長くなるが、駆動監視情報が第1駆動判定閾値や第2駆動判定閾値を跨いで更新されたか否かの判定回数が減少するために、チャタリング自体の発生回数を低減できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Qとも称す。
上記の手段A〜Qに記載の遊技機において、
前記駆動監視情報更新手段は、前記駆動監視情報が前記第1駆動判定閾値に到達してから前記第2駆動判定閾値に復帰するまでの時間が前記第1許容時間範囲外であるかの判定及び前記駆動監視情報が前記第2駆動判定閾値に復帰してから第1駆動判定閾値に到達するまでの時間が前記第2許容時間範囲外であるかの判定のうち前記ステッピングモータの作動開始後における初めての判定においては、前記ステッピングモータの前記駆動異常と判断しない構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、ステッピングモータを停止させる際に、その回転軸を特定の回転位置で停止させる等の特別の操作を行わなくても、ステッピングモータの作動開始に伴って駆動異常と判定されることを防止できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Rとも称す。
上記の遊技機Rに記載の遊技機において、
前記ステッピングモータは、前記遊技機の立上後において定常的に作動し、
前記駆動監視情報更新手段は、前記駆動監視情報が前記第1駆動判定閾値に到達してから前記第2駆動判定閾値に復帰するまでの時間が前記第1許容時間範囲外であるかの判定及び前記駆動監視情報が前記第2駆動判定閾値に復帰してから第1駆動判定閾値に到達するまでの時間が前記第2許容時間範囲外であるかの判定のうち前記遊技機の立上後における初めての判定のみにおいて、前記ステッピングモータの前記駆動異常とは判断しない構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、遊技機を停止させる際に、ステッピングモータの回転軸を特定の回転位置で停止させる等の特別の操作を行わなくても、遊技機の立上に伴うステッピングモータの作動開始時に駆動異常と判定されることを防止できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Sとも称す。
上記の遊技機C〜Sに記載の遊技機において、
遊技媒体の流入する入球口と、前記高利益移行領域を含む複数の領域とが形成され、前記入球口から流入した遊技球を前記複数種類の領域のいずれかへ誘導する振分構造体を更に含み、
前記可動部材は、前記ステッピングモータによる駆動に応じて、前記入球口から流入した遊技球が前記高利益移行領域へ誘導される確率を変化させる構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、遊技者にとって過度に不利益な状態や過度に有利な状態が維持されることが抑制でき、健全な遊技状態を維持することができる。また、ステッピングモータの作動を強制的に停止させることや異物によって可動部材を強制的に固定すること等によって可動部材を誘導確率の高い状態に維持させる不正行為を確実かつ迅速に検知できる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Tとも称す。
上記の手段Tに記載の遊技機において、
前記可動部材は、前記ステッピングモータの前記回転軸の回転に応じて、前記ステッピングモータの前記回転軸と異なる方向を中心軸として所定の角度範囲内で周期的に回動し、
前記回転検出装置は、前記可動部材が往復運動の中央近傍に位置している場合において、前記第1検出状態と前記第2検出状態との間を移行する構成であることが好ましい。
上記の構成であれば、振分構造体と可動部材とによって遊技媒体が挟まれる等の別途の理由によるチャタリングが発生することを防止できる。これは、往復運動の両端近傍に可動部材が位置している場合には、遊技媒体が挟まれる等によって可動部材の移動が制限される場合があり、このような可動部材の移動が制限された場合にはステッピングモータは上述の場合と異なる回転振動が発生するからである。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Uとも称す。
上記の遊技機A〜Uに記載の遊技機において、
前記駆動異常検知手段による前記ステッピングモータの駆動異常の検知に基づいて、前記駆動異常の発生を報知する報知手段を更に含む構成であることが好ましい。
ここで、報知手段による報知は、遊技者や遊技ホールの従業者に対してのみ行われてもよいし、遊技者や従業者に対しては行わずに遊技ホールの管理者(管理コンピュータ)に対してのみ行われてもよいし、それらの双方に対して行われてもよい。報知手段としては、例えば、発光によって視覚的に報知する発光報知手段、音や音声や音楽で聴覚的に報知する音響報知手段、文字や図形や画像によって視覚的に報知する画像報知手段及び信号の出力によって遊技機から外部の装置に報知する信号送信報知手段が挙げられる。
上記の構成であれば、遊技機から報知が行われることによって、遊技者や遊技ホールの従業者や遊技ホールの管理者等の所定の人が迅速に可動部材の駆動異常を検知することができる。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Vとも称す。
本発明の遊技機は、上記の遊技機Aの場合と駆動異常検知手段は異なるものの上記の遊技機Aと実質的に同一の効果を奏する構成とすることもできる。具体的には、駆動異常検知手段が、回転検出装置からの信号を定期的に監視する駆動監視手段と、駆動監視手段による前記第1検出信号の検知に応じて、所定の基準値から離れる方向にずれた値に駆動監視情報を更新し、駆動監視手段による前記第2検出信号の検知に応じて、基準値に復帰する方向にずれた値に駆動監視情報を更新する駆動監視情報更新手段と、駆動監視情報の値が基準値と異なる所定の駆動判定離隔閾値に到達してから、所定の復帰判定閾値に一旦復帰した後に駆動判定離隔閾値に再度到達するまでの時間が所定の許容到達間隔時間範囲外である場合に、前記ステッピングモータの前記駆動異常と判断する駆動異常判定手段とを含み、駆動監視情報の値が基準値である場合からの前記第1検出信号の複数回の検知に応じて、駆動監視情報の値が駆動判定離隔閾値に到達する構成とすることもできる。
ここで、「駆動判定離隔閾値」とは、上記の遊技機Aにおける第1駆動判定閾値と同義である。また、「復帰判定閾値」とは、上記の遊技機Aにおける第2駆動判定閾値に相当するが、復帰判定閾値は、第2駆動判定閾値のように基準値と異なる値の場合に限らず、基準値と同一の値であってもよい。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Wとも称す。
この遊技機Wにおける駆動監視情報更新手段において、遊技機Aの場合と同様に、駆動監視情報の値が基準値と異なる所定の相対最大値である場合からの第2検出信号の複数回の検知に応じて、駆動監視情報の値が復帰判定値に到達する構成とすることもできる。また、上記の遊技機B〜Uについて説明した構成と部分的又は全体的に同一の構成を適用することもできる。なお、これらの構成を適用した場合の効果は遊技機Aについて説明した場合と実質的に同一であるために、効果の再度の記載は省略する。
また、本発明の遊技機は、上記の遊技機Aの場合と駆動異常検知手段は異なるものの上記の遊技機Aと実質的に同一の効果を奏する構成とすることもできる。具体的には、駆動異常検知手段が、回転検出装置からの信号を定期的に監視する駆動監視手段と、駆動監視手段による第1検出信号の検知に応じて、所定の基準値から離れる方向にずれた値に駆動監視情報を更新し、駆動監視手段による第2検出信号の検知に応じて、基準値に復帰する方向にずれた値に駆動監視情報を更新する駆動監視情報更新手段と、駆動監視情報の値が基準値と異なる所定の到達判定閾値に到達した後に所定の駆動判定復帰閾値に復帰してから、到達判定閾値に再度到達した後に所定の駆動判定復帰閾値に再度復帰するまでの時間が所定の許容復帰間隔時間範囲外である場合に、ステッピングモータの駆動異常と判断する駆動異常判定手段とを含み、駆動監視情報の値が基準値と異なる所定の相対最大値である場合からの第2検出信号の複数回の検知に応じて、駆動監視情報の値が駆動判定復帰閾値に到達する構成とすることもできる。
ここで、「駆動判定復帰閾値」とは、上記の遊技機Aにおける第2駆動判定閾値と同義である。また、「到達判定閾値」とは、上記の遊技機Aにおける第1駆動判定閾値に相当するが、到達判定閾値は、第1駆動判定閾値のように基準値と異なる値の場合に限らず、所定の相対最大値と同一の値であってもよい。なお、以下においては、上記の構成の遊技機を遊技機Xとも称す。
遊技機Xにおける駆動監視情報更新手段において、遊技機Aの場合と同様に、駆動監視情報の値が駆動監視情報の値が基準値である場合からの前記第1検出信号の複数回の検知に応じて、駆動監視情報の値が駆動判定離隔閾値に到達する構成とすることもできる。また、遊技機Xにおいて、上記の遊技機B〜Uについて説明した構成と部分的又は全体的に同一の構成を適用することもできる。なお、これらの構成を適用した場合の効果は遊技機Aについて説明した場合と実質的に同一であるために、効果の再度の記載は省略する。
更に、本発明の遊技機は、上記の遊技機Wと上記の遊技機Xとを複合した構成とすることもできる。
本発明に係る具体的な形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、遊技機として弾球遊技機(以下、「パチンコ機」と称す)の一具体例を挙げて説明するが、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜に設計が変更されてもよい。
〔第1の実施形態〕
実施形態1のパチンコ機について説明する。図1はパチンコ機の一例を表す斜視図であり、図2はその正面図である。なお、図1及び図2においては、遊技盤の図示は省略している。図1及び図2に示されたように、パチンコ機100は、その外殻を形成する外枠101と、この外枠101の一側部に開閉可能に支持された内枠102とを備えている。内枠102は、外枠101に対して、パチンコ機100の正面から見て左側の上下方向に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に十分に開放できる。内枠102には、大別すると、内枠102の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット103と、最下部に取り付けられた下皿ユニット104と、下皿ユニット104よりも上側の範囲の樹脂ベース(図示せず)と、この樹脂ベースの後側に取り付けられる後述の遊技盤200(図3参照)とが設けられている。
前面枠セット103は、窓枠111と、窓枠111の周囲に設けられた各種の枠発光装置121〜125と、窓枠101の下方に設けられた貸出操作装置130と、貸出操作装置130の下方において前方側に突出するように設けられた上皿140と、上皿140の後方であって正面から視認できない部分に設けられた発射装置150(図13参照)と、を含んでいる。窓枠111により形成された窓部112からは遊技盤200(図3参照)の遊技領域が視認できる。
枠発光装置121〜125は、センタ役物41への遊技球の入球や、大利益遊技状態への移行及び小利益遊技状態への移行等における遊技状態の変化に応じて、点灯したり点滅したりするように発光態様が制御されて、その遊技中の演出効果を高める役割を果たす。また、パチンコ機100の作動中において各種の異常、例えば、センタ役物210の可動振分部材の駆動異常が発生した場合にその発生を報知したり、パチンコ機100に対して不正な行為、例えば、磁気作用による遊技球のセンタ役物210や大利益状態移行誘導路への強制的な誘導や振動による遊技球の強制的な誘導が行われた場合や動的振分部材の強制停止による大利益状態移行誘導路への強制的な誘導が行われた場合にその発生を報知したりする。
貸球操作装置130は、パチンコ機100の側方に配置された外部のカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額情報を表示する度数表示部131と、遊技球の貸し出しの指示を入力する貸球指示部132と、投入された紙幣やカード等の返却指示を入力する返却指示部133とを含んでいる。カードユニットに紙幣や残額が有るカード等が投入されると、それらの金額に対応する数値が度数表示部133に表示される。この状態で貸球指示部132が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸し出しが行われ、度数表示部131の表示がその貸し出しに応じた数値だけ減少した数値に更新される。また、返却指示部133が操作されると、残額に応じた紙幣の等価物や残額を記録したカードが返却される。なお、カードユニットを介さずに外部の球貸し装置(図示せず)から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機(通称、現金機)では貸球操作装置130は不要である。
上皿140は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、貸球操作装置130への貸出操作に応じて貸し出された遊技球を一旦貯留すると共に、遊技球を一列に整列させながら発射装置150の方(図2中の右方)へ順次に案内する。
発射装置150は、上皿140に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構(図示せず)と、球送り機構を駆動する球送りソレノイド151(図14参照)と、発射位置に配置された遊技球を遊技盤200に向けて発射する発射機構(図示せず)と、発射機構を駆動する発射ソレノイド152(図14参照)とを備えている。発射装置150は、後述する発射操作装置170の操作に応じて作動する。
下皿ユニット104は、上皿140が満杯になった場合等に排出口160Aより排出される遊技球を停留する下皿160と、上皿140に貯留された遊技球の発射指示を入力する発射操作装置170(〔遊技球射出手段〕の一種)と、裏面側の遊技者によって視認できない部分に設けられ、音響出力口181を通して音響を出力する音響装置180(図14参照)とを含んでいる。
下皿160は、底面に開口161Aの形成された球受部161と、球受部161の開口161Aを閉塞させたり開放させたりする球抜き機構162と、球抜き機構162を作動させる球抜きレバー163とを備えている。球抜きレバー163を左側に移動させると、球受部161の底面の開口161Aが開放され、下皿160内に停留されている遊技球が開口161Aを通して外部に排出される。また、排出口160Aの奥側には下皿160に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検知する球溢れスイッチ164(図14参照)が設けられている。
発射操作装置170は、前方に突出する台座171と、台座171の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル172と、発射ハンドル172の回転操作量を検知する可変抵抗器173(図14参照)と、発射ハンドル172に遊技者が接触していることを検出する接触センサ174(図14参照)と、発射ハンドル172の回転操作に伴う遊技球の発射を強制的に無効化する発射停止スイッチ175(図2参照)とを含んでいる。遊技者による発射ハンドル172の回転操作に応じて、その回転操作量に対応する強度で発射装置150から遊技球が射出される。なお、接触センサ174によって発射ハンドル172と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ175の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル172が回転操作されていても発射装置150から遊技球は射出されない。
ここで、遊技盤200について説明する。図3は、遊技盤の一例を表す正面図であり、図4は、遊技盤の一例を表す背面図である。遊技盤200は、図3に示されたように、基体201と、基体201に取り付けられた内外二重に一体形成された内レール202及び外レール203で構成されるレールユニットと、内レール202の先端(図3中の左上部)に取着された戻り球防止部材204と、外レール203の先端(図3中の右上部)に取着された返しゴム205と、レールユニットによって区画された略円形状の遊技領域内において基体201に設けられ、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える多数の釘206や複数の風車207等の流下変化部材と、センタ役物210等の役物と、中央可変入賞装置242等の各種の入賞装置とを備えている。
内レール202及び外レール203で構成されるレールユニットは、発射装置150(図13参照)から発射された遊技球を遊技盤200の上部へ案内する。内レール202は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール202に向かい合うように外レール203が形成されている。内レール202と外レール203とが所定間隔を隔てて並行する部分(左側部)により球案内通路が形成されている。戻り球防止部204は、一旦、内レール202及び外レール203間の球案内通路から遊技領域へ案内された遊技球が球案内通路内に戻ってしまうことを防止する。また、返しゴム205は、所定以上の勢いで発射された遊技球を遊技領域の中央方向に跳ね返らせる。遊技領域の下端部にはアウト口206が設けられており、各種の入賞装置や役物に入球しなかった遊技球はこのアウト口206を通って基体201の背面側に形成された球排出路(図示せず)へ案内される。
また、発射装置150からレールユニットにより形成される球案内通路へ遊技球を誘導する発射レール(図示せず)と外レール203との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路(図示せず)が形成されている。これによって、仮に発射装置150から発射された遊技球が戻り球防止部204まで至らず球案内通路を逆戻りする場合には、その遊技球はファール球通路を介して下皿160(図1参照)に返却される。
遊技領域の概ね中央には、センタ役物210(利益種別振分装置)が設けられている。センタ役物210には天入賞口210T、中左入賞口210L(〔流入口〕の一種)及び中右入賞口210R(〔流入口〕の一種)が形成されている。中右入賞口210L及び右入賞口210Rからセンタ役物210に遊技球が流入すると、遊技状態は大利益遊技状態又は小利益遊技状態へ移行することとなる。なお、センタ役物210の構成については別途に詳述する。
遊技盤200は、センタ役物210の左側及び右側のそれぞれに配置された左上普通入賞装置231及び右上普通入賞装置232を備えている。左上普通入賞装置231及び右上普通入賞装置232の各々の入賞口の大きさは変化しないである。左上普通入賞装置231や右上普通入賞装置232に遊技球が流入した場合には、所定の個数(本形態では10球)の遊技球が賞球として払い出されることとなる。
遊技盤200は、センタ役物210の下に配置された中央可変入賞装置242を備えており、中央可変入賞装置242の入賞口の大きさは、一対の可動翼242Aが左右両側に回動することによって変化する。一対の可動翼242Aが閉じている閉止状態(なお、以下においては、「流入禁止状態」とも称す)では入賞口の大きさが小さく、遊技球は中央可変入賞装置242の直上に配置されて三角形状に整列した3本の釘に阻止されて入賞口に進入できない。一方、一対の可動翼242Aが開いている開止状態(なお、以下においては、「流入許容状態」とも称す)では入賞口の大きさが大きく、遊技球は中央可変入賞装置242の直上に配置された3本の釘を迂回して入賞口に進入できる。なお、図3においては、一対の可動翼242Aが開止状態である場合が示されている。
遊技盤200は、中央可変入賞装置242の下方に配置され、上下に隣接して整列している中下普通入賞装置233及び中下可変入賞装置243を備えている。中下普通入賞装置233は左上入賞装置231や右上入賞装置232と表面装飾は異なるものの実質的に同一の構成であり、中下可変入賞装置243は中央可変入賞装置242と表面装飾は異なるものの実質的に同一の構成である。中下普通入賞装置233と中下可変入賞装置243とは同一の部品内に一体的に形成され、中下複合入賞装置を構成している。中下可変入賞装置243の流入禁止状態において遊技球は中下普通入賞装置233に阻止されて中下可変入賞装置243に進入できないが、流入許容状態おいて遊技球は中下普通入賞装置233を迂回して中下可変入賞装置243に進入できる。なお、図3においては、中下可変入賞装置243が流入禁止状態である場合が示されている。また、遊技盤200は、中下普通入賞装置233及び中下可変入賞装置243を含む中下複合入賞装置の左上方に配置された左下普通入賞装置234及び左下可変入賞装置244を含む左下複合入賞装置と、更に左上方に配置された左中普通入賞装置235及び左中可変入賞装置245を含む左中複合入賞装置と、中下普通入賞装置233及び中下可変入賞装置243の右上方に配置された右下普通入賞装置236及び右下可変入賞装置246を含む右下複合入賞装置と、更に右上方に配置された右中普通入賞装置237及び右中可変入賞装置247を含む右中複合入賞装置とを備えている。左下複合入賞装置、左中複合入賞装置、右下複合入賞装置及び右中複合入賞装置は、中下複合入賞装置と実質的に同一の構成である。
中下普通入賞装置233、右下普通入賞装置236、右中普通入賞装置237、左下普通入賞装置234及び左中普通入賞装置235に遊技球が流入した場合には、所定の個数(本形態では10球)の遊技球が賞球として払い出されることとなる。また、中央可変入賞装置242、中下可変入賞装置243、左下可変入賞装置244、左中可変入賞装置245、右下可変入賞装置246及び右中可変入賞装置247に遊技球が流入した場合にも、所定の個数(本形態では10球)の遊技球が賞球として払い出されることとなる。
遊技盤200は、左上普通入賞装置231、右上普通入賞装置232、中央可変入賞装置242、中下可変入賞装置243、左下可変入賞装置244、左中可変入賞装置245、右下可変入賞装置246及び右中可変入賞装置247の各々を裏側から発光させる入賞口発光装置290(図14参照)を備えている。また、遊技盤200は、図3及び図4に示されたように、遊技領域の左右端に配置された左縁発光装置208及び右縁発光装置209を備えている。
遊技盤200は、図4に示されたように、基体201の背面側に、各種の入賞装置231〜237,242〜247に進入した遊技球を検出する入賞口スイッチ261〜267,272〜277を備えている。また、遊技盤200は、センタ役物210に天入賞口210Tを通って進入した後にセンタ役物210から排出された遊技球を検出する天入賞口スイッチ269と、センタ役物210に中左入賞口210L及び中右入賞口210Rのいずれかを通って進入し、左小利益状態移行通路216(図6参照)に誘導された後にセンタ役物210から排出された遊技球を検出する左ゲートスイッチ278と、センタ役物210に中左入賞口210L及び中右入賞口210Rのいずれかを通って進入し、右小利益状態移行通路217(図6参照)に誘導された後に遊技球をセンタ役物210から排出された遊技球を検出する右ゲートスイッチ279とを備えている。
遊技盤200は、基体201の背面側に、センタ役物210に中左入賞口210L及び中右入賞口210Rのいずれかを通って進入して大利益状態移行通路218(図6参照)に誘導された後にセンタ役物210から排出された遊技球によって作動され、中下可変入賞装置243、左下可変入賞装置244、左中可変入賞装置245、右下可変入賞装置246及び右中可変入賞装置247を流入許容状態へ移行させることによって遊技状態を大利益遊技状態へ移行させる駆動機構280が設けられている。なお、大利益状態移行通路218ではなく左小利益状態移行通路216又は右小利益状態移行通路217に誘導された後にセンタ役物210から排出された遊技球は中央可変入賞装置242を流入許容状態へ移行させ、これによって、遊技状態が小利益遊技状態となる。一旦、流入許容状態へ移行した各可変入賞装置242〜247は、遊技球が入賞口から流入するまで流入許容状態を維持し、遊技球が入賞口から流入すると流入禁止状態へ移行する。
ここで、センタ役物210について詳細に説明する。図5はセンタ役物の一例を部分的に表す斜視図であり、図6はセンタ役物の一例を表す正面図であり、図7はセンタ役物の一例を表す背面図であり、図8はセンタ役物の一例を表す断面図であり、図9はセンタ役物の一例の動作を表す斜視図である。なお、図8に示された断面図は、図6におけるA−A矢視断面図である。また、図9(A)及び図9(B)には、それぞれ、振分部材12が左移動限界及び右移動限界まで移動した状態が示されている。また、図5、図9(A)及び図9(B)においては、センタ役物210の上側の一部を取り外した状態が示されている。
センタ役物210には、図5、図6及び図7に示されたように、遊技球が転動する上流側ステージ211(図5及び図6のみ)と、上流側ステージ211から流下した遊技球が転動する下流側ステージ212(図5及び図6のみ)と、中左入賞口210L(図6のみ)から流入した遊技球を上流側ステージ211に誘導する奥方誘導部213A、落下部213B及び前方誘導部213Cからなる左誘導通路213(図5及び図6のみ)と、中右入賞口210R(図6のみ)から流入した遊技球を上流側ステージ211に誘導する奥方誘導部214A、落下部214B及び前方誘導部214Cからなる右誘導通路214(図5及び図6のみ)と、下流側ステージ212から流出した遊技球が自然落下する落下空間Pと連通する左小利益状態移行通路216(図5及び図6のみ)と、落下空間Pと連通する右小利益状態移行通路217と、落下空間Pと連通する大利益状態移行通路218とが形成されている。
センタ役物210は、図5〜図8に示されたように、支軸11(図8のみ)に回動自在に軸支された振分部材12、振分部材12を所定の角度の範囲内で周期的に回動させる振分モータ13(図7及び図8のみ)及び振分モータ13からの動力を振分部材12に伝達する動力伝達部材14(図8のみ)を含む振分装置10と、振分モータ13の駆動を監視する駆動監視装置20(図7及び図8のみ)とを備えている。
振分部材10には、図5及び図8に示されたように、大利益状態移行通路218へ遊技球を誘導する桶状通路12Aが形成されており、桶状通路12Aに遊技球が流入した場合には、遊技状態は大利益遊技状態へ移行することとなる。なお、下流側ステージ212から落下する遊技球が桶状通路12Aに流入しなかった場合には、落下空間P内での落下が継続されて、左小利益状態移行通路216及び右小利益状態移行通路217のいずれか一方に流入することとなる。
振分部材12は、振分モータ13の作動中において、振分部材12の先端が図5に示されたような中央位置から図9(A)に示されたような右端位置を経て中央位置に復帰し、その後、中央位置から図9(B)に示されたような左端位置を経て中央位置に復帰する一連の動作(以下においては「振分動作」とも称す)を繰り返す。この振分動作において振分部材12は目視によっては滑らかに運動する。なお、本形態においては、振分部材12は、パチンコ機100への電源投入後は振分動作を継続する。下流側ステージ212から落下する遊技球が振分部材12の桶状通路12Aに流入する確率(以下においては「振分確率」とも称す)は、下流側ステージ212から遊技球が落下する際の振分部材12の位置によって変化する。具体的には、振分確率は、振分部材12の先端が中央位置に配置されているときに下流側ステージ212から遊技球が落下した場合において最も高確率であり、振分部材12の先端が中央位置から左端位置側又は右端位置側に離れるにつれて低下し、振分部材12の先端が左端位置又は右端位置に配置されているときに下流側ステージ212から遊技球が落下した場合において最も低確率となる。
センタ役物210は、図5及び図6に示されたように、上流側ステージ211の上方かつ奥方に配置されたキャラクタ体219を備えており、左誘導通路213又は右誘導通路214を遊技球が通過することによってキャラクタ体219による駆動演出が実行される。また、センタ役物210は、キャラクタ体219の背後から発光演出を行う発光装置220を備えている。
センタ役物210は、図5に示されたように、左誘導通路213、具体的には落下部213B(図5及び図6参照)を通過する遊技球を検出する中左入賞口スイッチ221と、右誘導通路214、具体的には落下部213Bを通過する遊技球を検出する中右入賞口スイッチ222とを備えており、中左入賞口スイッチ221又は中右入賞口スイッチ222が遊技球を検出することによって、所定の個数(本形態では10個)の遊技球を払い出す制御が実行されることとなり、また、発光装置200による発光演出が開始されることとなる。更に、センタ役物210は、図7に示されたように、大利益状態移行通路218を通過する遊技球を検出する中央ゲートスイッチ223を備えており、中央ゲートスイッチ223が遊技球を検出することによって、発光装置200による発光演出が停止され、左縁発光装置208及び右縁発光装置209等による大利益遊技状態に対応する発光演出や音響装置180による大利益遊技状態に対応する音響演出が開始される。なお、これらの演出は、大利益遊技状態への移行に伴い開止状態に移行する可変入賞装置244〜247が全て流入禁止状態に移行した場合に終了する。
ここで、振分装置10及び駆動監視装置20の動作について詳細に説明する。図10は振分装置及び駆動監視装置の一例を表す分解斜視図であり、図11は振分装置の動作を模式的に表す説明図であり、図12は駆動監視装置の動作を模式的に表す説明図である。図11及び図12には、その動作に関連する部分のみを簡略化して示しており、図11(A)、図11(B)、図11(C)及び図11(D)の各々は、異なる動作段階における模式的な上面図である。また、図12(B)〜図12(D)の各々は、それぞれ、図11(A)〜図11(D)各々示された場合と同一動作段階における模式的な正面図である。
振分装置10の振分部材12には、図10及び図11(A)に示されたように、支軸11(図8参照)が挿通される軸受け孔12Bを挟んで桶状通路12Aとは反対側に、左右一対の動力受け部12C,12Dとが形成されており、動力受け部12C及び動力受け部12Dの間に動力伝達部材14に形成された動力伝達部14Cが配置される。動力伝達部材14の基体部14Aの中心には、振分モータ13の回転軸13Aが嵌挿される挿通孔14Bが形成されており、振分モータ13の作動に伴って挿通孔14Bを中心として回転する。このとき、動力伝達部14Cは挿通孔14Bから放射方向の外側にずらして基体部14Aに形成されているために、上下左右に移動することとなる。
具体的には、図11(A)(図5も参照)に示された場合の振分モータ13の回転角度を0度として、振分モータ13の回転角度が0度から90度まで変化する回転に応じて、振分部材12の動力伝達部14Cは回転によって正面視で左上方に移動し、この移動に伴って振分部材12の動力受け部12Cが押圧されて振分部材12の桶状通路12Aの先端が右側に移動する。振分モータ13の回転角度が90度である場合において、桶状通路12Aの先端は、図11(B)及び図9(A)に示されたように、図11(A)に示された中央位置から最も離れた右端位置に移動している。その後、振分モータ13の回転角度が90度から180度まで変化する回転に応じて、動力伝達部14Cは回転によって正面視で右上方に移動し、この移動に伴って動力受け部12Dが押圧されて桶状通路12Aの先端が左側に移動する。振分モータ13の回転角度が180度である場合において、図11(C)(図5も参照)に示されたように中央位置に復帰する。その後、動力伝達部14Cは、振分モータ13の回転角度が180から270度までは正面視で右下方に移動し、この移動に伴って動力受け部12Dが押圧されて桶状通路12Aの先端が左側に移動する。振分モータ13の回転角度が270度である場合において、桶状通路12Aの先端は、図11(D)及び図9(B)に示されたように、図11(A)及び図11(C)に示された中央位置から最も離れた左端位置に移動している。その後、振分モータ13の回転角度が270度から360度(0度)まで変化する回転に応じて、動力伝達部14Cは回転によって正面視で左下方に移動し、この移動に伴って振分部材12の動力受け部12Cが押圧されて、桶状通路12Aの先端が右側に移動する。振分モータ13の回転角度が0度(360度)である場合において、図11(A)(図5も参照)に示されたように中央位置に復帰する。これによって、一往復の振分動作が終了する。
駆動監視装置20は、図10及び図12(A)に示されたように、振分装置10の動力伝達部材14の下方に配置された光スイッチ21と、動力伝達部材14の基体部14Aに設けられ、振分モータ13の回転に伴って回転して光スイッチ21の検出状態を変化させる半円形状の遮光板22とを備えている。光スイッチ21は、発光素子21Aと、発光素子21Aに対向して配置され、発光素子21Aから射出される検査光を受光する受光素子21Bとを備えており、光スイッチ21の検出状態は、振分モータ13の回転に伴って遮光板22が発光素子21Aと受光素子21Bとの間を通過することによって変化する。つまり、受光素子21Bが検査光を受光している場合がオン状態であり、遮光板22によって検査光が遮断されて受光素子21Bが検査光を受光していない場合がオフ状態である。
具体的には、図12(A)に示されたように、振分モータ13の回転角度が0度近傍である場合において、光スイッチ21の検出状態がオン状態からオフ状態に変化する。回転角度が0度近傍から図12(B)に示された90度を経て図12(C)に示された180度近傍まで変化する振分モータ13の回転において、光スイッチ21の検出状態はオフ状態を維持する。その後、図12(C)に示されたように、振分モータ13の回転角度が180度近傍である場合において、光スイッチ21の検出状態がオフ状態からオン状態に変化する。その後、回転角度が180度近傍から図12(D)に示された270度を経て図12(D)に示された360度(0度)近傍まで変化する振分モータ13の回転において、光スイッチ21の検出状態はオン状態を維持する。
光スイッチ21の検出状態が、所定の最短許容時間以上であり所定の最長許容時間以下である所定の許容時間範囲内にオン状態からオフ状態へ変化し、また、その所定の許容時間範囲内にオフ状態からオン状態へ変化しない場合には、振分モータ13の駆動異常であると判断されて、枠発光装置121〜125、左縁発光装置208、右縁発光装置209等が所定の発光色や所定の点灯パターン等で発光する。
パチンコ機100は、図4に示されたように、遊技盤200の背面側に配置された主制御装置920と、主制御装置920に隣接する電源監視装置910とを備えている。主制御装置920及び電源監視装置910は、概略横長の直方体形状の基板ケース216Cに収容されている。また、パチンコ機100は、遊技盤200の背面側に配置されたサブ制御装置940が配置を備えている。サブ制御装置940は、概略横長の直方体形状の基板ケース212Cの内部に収容されている。なお、主制御装置920、電源監視装置910及びサブ制御装置940については電気的な構成の説明において詳述する。
(パチンコ機の背面構成)
パチンコ機100の背面側の構成について説明する。図13は、パチンコ機の一例を表す背面図である。パチンコ機100にはその背面(内枠102及び遊技盤200の背面)において、各種の制御装置や各種の中継装置が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねて配置されており、更に、遊技球を払い出したり貸し出したりする払出装置358や保護カバー354等が取り付けられている。なお、遊技盤200の背面に設けられる各種の装置については遊技盤200の説明に付随して説明したために、それら以外の構成についてのみ詳細に説明する。
各種の制御装置を2つの取付台に分けて搭載してユニット化し、それらを個別に内枠12又は遊技盤200の裏面に装着するようにしている。具体的には、主制御装置920、電源監視装置910及びサブ制御装置940(図14参照)がユニット化され、払出制御装置930及び電源・発射制御装置900及びカードユニット中継装置950がユニット化されている。また、払出装置358及び保護カバー351も別途にユニット化されている。各ユニットは、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されている。これによって、各ユニットやその他の構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することができる。
払出制御装置930は、払出装置358による賞球の払い出しや貸球の貸し出しを制御する。払出制御装置930は、主制御装置920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止されている。電源・発射制御装置900は、遊技者による発射操作装置170の操作に基づく遊技球の射出を主制御装置920と協同して制御する。また、電源・発射制御装置900は、外部電力を各種の制御装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する。また、カードユニット中継装置950は、球貸操作装置130(図1参照)及びカードユニットに電気的に接続され、球貸操作装置130とカードユニットとの間の信号を中継したり、カードユニットと払出制御装置930との間の信号を中継したりする。カードユニットを介さずに外部の球貸装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される遊技機(通称、現金機)では、カードユニット中継装置950は不要である。
裏パック351は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された形状をなし、少なくともセンタ役物210を囲むのに十分な大きさを有する(但し本形態では、サブ制御装置940も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。これによって、主制御装置920及びサブ制御装置940における発熱の放熱性を向上させている。なお、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることもできる。
ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、タンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、更にタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。タンクレール356とケースレール357との接続部の近傍にはタンク355及びタンクレール356に遊技球が補給されているか否かを検出する貯留球スイッチ363(図14参照)が設けられている。払出装置358は、ケースレール357の最下流部に設けられ、払出計数スイッチ362(図14参照)による払出個数を監視しながら払出モータ361等の所定の電気的に駆動される構成により必要個数の遊技球の払い出しを適宜に行う。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示せず)等を通して上皿140に供給される。タンクレール356と、タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360とは一体的にユニット化されており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じたとしても、バイブレータ360を駆動することで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置930から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継装置381が設置されると共に、外部電力の電源・発射制御装置900への取り込みを制御する電源スイッチ382が設置されている。電源スイッチ382には、所定の外部電力(本形態では交流24V)が供給されており、パチンコ機100は電源スイッチ382がオン状態へ移行した場合に通電状態へ移行することとなり、逆に、電源スイッチ382がオン状態へ移行した場合には停電状態へ移行することとなる。
内枠102の右上側には、内枠102が外枠101に対して開かれたことを検出する内枠スイッチ108が設けられており、内枠12が開かれると、内枠スイッチ108から遊技ホール内の管理コンピュータ(図示せず)に検出信号が出力される。また、内枠スイッチ108の左方には、前面枠スイッチ109が設けられており、前面枠セット103が開かれると、前面枠スイッチ109から管理コンピュータに検出信号が出力される。
(パチンコ機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図14は、パチンコ機100の電気的構成を表すブロック図である。パチンコ機100は、電源・発射制御装置900、電源監視装置910、主制御装置920、払出制御装置930、サブ制御装置940等の制御装置を備えている。なお、図14には、各種の信号を中継するだけの回路装置については省略している。以下に、これらの主要な装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御装置900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置170の操作に応じて発射装置150の駆動を制御する発射制御部902と、強制初期化スイッチ107や球溢れスイッチ164の作動状態に応じてそれらから出力される強制初期化信号や球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧の電力(例えば、直流12ボルト)、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧の電力(例えば、直流5ボルト)、RAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を生成して、電源監視装置910、主制御装置920、払出制御装置930、サブ制御装置940等に供給する。具体的には、電源監視装置910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、主制御装置920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が電源監視装置910の電力中継部411を介して供給され、払出制御装置930及びサブ制御装置940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が直接的に供給され、発射制御部902に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。電源部401には、電源スイッチ382が接続されており、電源スイッチ382がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ382をオフ状態にしたり、電源スイッチ382を介して電源部401に接続される電源プラグを外部電力供給コンセントから抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止する場合や、外部電力自体の供給が停止する場合を「停電状態」と総称する。なお、電源部401は、停電状態の発生後においても所定の期間にわたり所定の電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御装置920及び払出制御装置930は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、球送りソレノイド151及び発射ソレノイド152の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド151及び発射ソレノイド152が駆動されることによって遊技球の実際に射出される。球送りソレノイド151及び発射ソレノイド152は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル172に触れていることが接触センサ174からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ175が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御装置920に出力する。また、発射許可信号と、発射異常信号に基づいて主制御装置920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射装置150に出力する。これにより発射装置150は発射ソレノイド制御信号に応じて発射ソレノイド152を駆動し、その結果、発射ハンドル172の回転操作量(可変抵抗器173の抵抗値)に応じた強さで遊技球が発射される。
信号中継部903は、強制初期化スイッチ107が押下された場合に、主制御装置920へオン状態の強制初期化信号を出力する。なお、主制御装置920においては、オン状態の強制初期化信号の受信に応じて主制御装置920のRAMに保存された保存情報が初期化されることとなる。また、信号中継部903は、球溢れスイッチ107が遊技球を検出した場合に、主制御装置920へオン状態の球溢れ信号を出力する。なお、主制御装置920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御装置930に低速払出信号を出力することとなり、低速払出信号を受信した払出制御装置930は、払出装置382からの遊技球の払出速度を低速化させることとなる。逆に、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御装置930に高速払出信号を出力することとなり、低速払出信号を受信した払出制御装置930は、払出装置382からの遊技球の払出速度を高速化させることとなる。
停電監視装置910は、電源・発射制御装置900からの電力供給状態を監視し、停電状態の発生に応じて、主制御装置920及び払出制御装置930へ停電信号を出力する停電監視部911と、電源・発射制御装置900と主制御装置920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電の発生と判断して、オン状態の停電信号を主制御装置920及び払出制御装置930へ出力する。主制御装置920及び払出制御装置930は、オン状態の停電信号の受信によって停電の発生を認識することとなる。
主制御装置920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御装置920には、1チップマイコンとしてのMPUが搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPUと、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROMと、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAMとを含んでいる。主制御装置920には、その他、タイマ回路、カウンタ回路、クロック発生回路、信号送受信回路などの各種回路が搭載されている。主制御装置920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板400からバックアップ電圧の電力供給によって内部データを保持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御装置930は、主制御装置920からの指示に応じた遊技球の払い出し動作や球貸操作装置130の操作に応じた遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御装置930は、主制御装置920と同様に、1チップマイコンとしてのMPU、タイマ回路、カウンタ回路、クロック発生回路、信号送受信回路などの各種回路が搭載されている。払出制御装置920のMPUを構成するRAMも、停電状態においても内部データを保持できる構成となっている。
サブ制御装置940は、主制御装置920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。
主制御装置920によって実行される制御について説明する。主制御装置920で実行される制御は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では1ms(ミリ秒)」周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。以下においては、便宜上、タイマ割込み処理について説明し、その後メイン処理について説明する。
図15はタイマ割込み処理を示したフローチャートである。タイマ割込み処理では、まず、割込み制御の開始における処理を各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(「割込み開始処理」S1001)。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値を設定する。その後に、実質的な遊技機の制御に係る処理が順次実行される。
割込み開始処理S1001の後に、発射制御信号及び球送り制御信号が主制御装置920の外部に出力される(「発射関連信号出力処理」S1002)。具体的には、発射出力用バッファ(RAMの一部の領域)に格納された発射ソレノイド駆動フラグ(発射ソレノイド駆動情報の一種)及び球送りソレノイド駆動フラグ(球送りソレノイド駆動情報の一種)が発射関連信号用の信号送信回路(信号送受信回路の一種)に出力される。発射ソレノイド駆動フラグは、発射ソレノイド152の駆動状態(作動状態又は停止状態)を識別する1ビット情報であって、発射制御処理S1008において、発射ソレノイド152を作動させる場合に設定され、発射ソレノイド152を停止させる場合に解除される。また、球送りソレノイド駆動フラグは、球送りソレノイド152の駆動状態(作動状態又は停止状態)を識別する1ビット情報であって、発射制御処理S1008において、球送りソレノイド151を作動させる場合に設定され、球送りソレノイド151を停止させる場合に解除される。本形態においては、発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグと共に他の後述する各種のフラグを含め、フラグが設定されている場合にはその値は「1」であり、フラグが解除されている場合にはその値は「0」であることを意味することとする。なお、本発明においては駆動状態とフラグの値の組合せを逆の構成とすることもできる。発射ソレノイド駆動フラグが設定されている場合及び発射ソレノイド駆動フラグが解除されている場合には、それぞれ、発射関連信号用の信号送信回路からオン状態の発射制御信号及びオフ状態の発射制御信号が主制御装置920の外部に出力され、球送りソレノイド駆動フラグが設定されている場合及び球送りソレノイド駆動フラグが解除されている場合には、それぞれ、発射関連信号用の信号送信回路からオン状態の球送り制御信号及びオフ状態の球送り制御信号が主制御装置920の外部に出力される。発射制御信号及び球送り制御信号の出力状態は次回のタイマ割込み処理まで維持される。本形態においては、発射制御信号及び球送り制御信号を含め各種の制御信号の出力状態(オフ状態及びオン状態)は、その出力電圧の相違によって識別されることとするが、各種の制御信号はアクティブ状態において電圧が高い状態であってもよいし、アクティブ状態において電圧の低い状態であってもよい。なお、本発明においては、波形等によって識別される状態であってもよい。発射制御信号及び球送り制御信号は電源監視装置910及び電源・発射制御装置900の発射制御部を介して発射装置150に入力され、その入力に基づいて、発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151が駆動される。具体的には、オン状態の発射制御信号が入力されると、発射ソレノイド152が停止状態である場合には作動状態に移行され、既に作動状態である場合にはその状態を維持する。逆に、オフ状態の発射制御信号が入力されると、発射ソレノイド152が既に停止状態である場合にはその状態を維持し、作動状態である場合には停止状態に移行される。
発射関連信号出力処理S1002の後に、払出制御装置930やサブ制御装置940へのデータ信号(コマンド信号)の送信制御に用いられるストローブ信号及び遊技機の設置ホールの管理コンピュータ等の外部装置(図示せず)へ所定の情報を提供するために用いられる外部報知信号が外部出力される(「送信制御・外部報知の信号出力処理」S1003)。具体的には、送信制御・外部報知出力バッファ(RAMの一部の領域)に格納された払出系用ストローブ制御フラグ、サブ系用ストローブ制御フラグ、不正検知フラグ、入賞フラグ、小利益遊技状態移行フラグ、大利益遊技状態移行フラグ及びセンタ役物入球フラグの設定状態に応じた情報が送信制御・外部報知信号用の信号送信回路に出力される。送信制御・外部報知信号用の送受信回路からの出力制御は上記の発射関連信号用の信号送受信回路の場合と同様である。
送信制御・外部報知の信号出力処理S1003の後に、電源監視装置910の電源監視部911から出力されている停電信号の入力状態を検出し、その検出結果に基づいて停電状態であるか否かが検知され、停電状態である場合には停電発生情報(RAMの一部の領域)に所定の停電状態値が設定され、停電状態でない通電状態の場合には停電情報に停電状態値と異なる所定の通電状態値が設定される(「停電情報更新処理」S1004)。具体的には、所定の回数(本形態では2回)のタイマ割込みにおいてオン状態の停電信号を連続して検出した場合に、停電状態であると認定されて停電フラグに所定の値が設定される。
停電情報更新処理S1004の後に、不正が検知されているか否かが判定される(S1005)。具体的には、不正検知情報が不正発生を表す所定の不正発生値であるか否かが判定される。不正検知情報は、通常は不正発生値と異なる所定の値であるが、磁気センサ監視処理S1009において磁気センサ430(図14参照)の感知に基づく不正が検知された場合及びスイッチ監視処理S1007の後述するセンタ役物入球処理S1108において所定の遊技停止監視期間における中左入賞口スイッチ221及び中右入賞口スイッチ222のいずれかの感知又は中央ゲートスイッチ223の感知に基づく不正が検知された場合に不正発生値に変更される。
判定処理S1005において不正が検知されていないと判定された場合(S1005:N)には、主制御装置920に接続されている各種のスイッチの出力状態がスイッチ信号用の信号受信回路(信号送受信回路の一種)から入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれる(「スイッチ読込処理」S1006)。なお、必要に応じて、スイッチの種類に応じたフィルタリング処理が実行される。例えば、今回のタイマ割り込みで読み込まれたその出力状態(以下、「今回の出力状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで読み込まれた出力状態(以下、「前回の出力状態」と略記する)と、前々回のタイマ割込みで読み込まれた出力状態(以下、「前々回の出力状態」と略記する)とに基づいて出力状態の変更が検知され、その検知後に、次回のタイマ割込みにおける出力状態の変更の検知のために、今回の出力状態及び前回の出力状態が、それぞれ、前回の出力状態及び前々回の出力状態として循環的に更新保存される。具体的には、各スイッチに対して、前々回の出力状態がオフ状態であり、前回の出力状態及び今回の出力状態の双方がオン状態である場合にオン状態移行と検知されてスイッチの種類に応じたオン移行フラグ(RAMの一部の領域)が設定され、前回の出力状態を保持する前回オン状態フラグ(RAMの一部の領域)及び前々回オン状態フラグ(RAMの一部の領域)が更新(設定又は解除)される。複数回のタイマ割込みにおけるスイッチの出力状態に基づいて出力状態や出力状態の変更を検知することによってノイズ耐性を向上させることができる。このように複数回にわたる出力状態のパターンに応じて出力状態や出力状態の変更を検知する処理は一般的にフィルタリング処理と称される。本形態においてはソフトウェア的にフィルタリング処理を行うが、ハードウェア的にフィルタリング処理を行う構成であってもよいし、フィルタリング処理を行わない構成であってもよい。
スイッチ読込処理S1006において、具体的には、各種の入賞装置231〜237,242〜247の入賞口スイッチ261〜267,272〜277、天入賞口スイッチ269、左ゲートスイッチ278、右ゲートスイッチ279及びセンタ役物210の中左入賞口スイッチ221、中右入賞口スイッチ222、中央ゲートスイッチ223の出力状態が読み込まれる。なお、本スイッチ読込処理S1006においては、強制初期化スイッチ107の出力状態は読み込まれない。
スイッチ読込処理S1006の後に、スイッチ読込処理S1006における各種のスイッチのオン移行フラグの状態に応じた個別の処理が順次に実行される(「スイッチ監視処理」S1007)。具体的には、以下の処理が実行される。
各種の可変入賞装置242〜247の入賞口スイッチ272〜277のオン移行フラグが設定されている場合には、入賞個数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、種類別の入賞コマンドがリングバッファ(RAMの一部の領域)に格納される。なお、中央可変入賞コマンドを含めリングバッファに格納された各種のコマンドは、主制御装置920のメイン処理におけるサブ系情報出力処理S1305においてサブ制御装置940に出力されることとなる。
中左入賞口スイッチ221及び中右入賞口スイッチ222のオン移行フラグの状態に応じて、センタ役物入球処理が実行される。具体的には、以下の処理が実行される。中左入賞口スイッチ221又は中右入賞口スイッチ222のオン移行フラグが設定されている場合であって、所定の条件を満たす振動が検知されていない状態や、所定の条件を満たす振動が検知されたが所定の遊技停止監視期間が終了している場合には、入球個数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新される。入球個数更新処理S102の後に、種類別の入賞コマンドがリングバッファに格納される。遊技停止監視タイマT1が「0」でない場合は、所定の条件を満たす振動が検知され、所定の遊技停止監視期間が終了していない場合を意味する。なお、遊技停止監視期間の開始及び終了は、振動センサ監視処理S1010において設定される。中左入賞口スイッチ221又は中右入賞口スイッチ222のオン移行フラグが設定されている場合であって、所定の条件を満たす振動が検知され、所定の遊技停止監視期間が終了していない場合には、不正検知情報(RAMの一部の領域)に所定の不正発生値が設定され、送信制御・外部報知出力バッファ(RAMの一部の領域)の不正検知フラグ(RAMの一部の領域)が設定され、発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151が強制的に停止状態に移行させられて遊技進行が強制的に停止され、不正振動誘導検知コマンドがサブ制御装置940に出力される。なお、不正検知フラグが設定されると、次回のタイマ割込み処理の送信制御・外部報知の信号出力処理S1003(図15参照)において遊技機の外部の監理コンピュータ等にオン状態の不正検知信号が出力され、一旦停電状態に移行させるまで不正検知信号のオン状態が維持される。また、発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151の停止状態は、一旦停電状態へ移行するまで維持される。また、不正振動誘導検知コマンドが出力されることによって、不正振動誘導を検知したことを表す報知が発光装置121〜125及び音響装置180において開始されることとなり、この報知も一旦停電状態へ移行するまで継続される。
左ゲートスイッチ278や右ゲートスイッチ279や中央ゲートスイッチ223のオン移行フラグが設定されている場合には、種類別のゲート通過個数カウンタの値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され、種類別のゲート通過コマンドがリングバッファに格納される。
スイッチ監視処理S1007の後に、発射装置150における発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151の駆動を制御するための発射関連情報(発射ソレノイド駆動フラグ及び球送りソレノイド駆動フラグ)が更新される(「発射制御処理」S1008)。具体的には、遊技球を発射装置150から射出する発射間隔が約602msに規制される。更に詳細には、発射間隔期間の始端から約74msの間に渡ってオン状態の球送り制御信号が出力されて球送りソレノイド151の作動状態が維持され、その後、発射間隔期間の終端までその停止状態が維持される。また、発射間隔期間の始端から約12msの間に渡ってオン状態の発射制御信号が出力されて発射ソレノイド152の作動状態が維持され、その後、発射間隔期間の終端までその停止状態が維持される。
発射制御処理S1008の後に、振分モータ13の回転状態を監視する処理が実行される(「振分モータ回転監視処理」S1009)。図16は、振分モータ監視処理の一例を表すフローチャートである。振分モータ監視処理S1009においては、図16に示されたように、まず、振分モータ13の駆動状態の前回の判断からの時間を計測する回転監視タイマが更新される(「回転監視タイマ更新処理」S101)。具体的には、回転監視タイマの値が現在値から「1」だけ大きい値に変更される。なお、回転監視タイマは振分モータ13の駆動状態の判断後に「0」にリセットされる。回転監視タイマ設定処理S101の後に、光スイッチ21からの検出信号に基づいて光スイッチ21の状態移行を検知して、振分モータ13の駆動状態の判断タイミングを決定するための駆動監視情報を更新する(「駆動監視情報更新処理」S102)。
ここで、駆動監視情報更新処理について説明する。図17は、駆動監視情報更新処理の一例を表すフローチャートである。駆動監視情報更新処理S102においては、駆動監視情報の値が3倍される(「3倍演算処理」S201)。3倍演算処理S201の後に、駆動監視情報の値が下位ビット側に2ビットだけシフトされる(「2ビットシフト演算処理」S202)。これによって、駆動監視情報の値を「4」で割った商を抽出することができる。2ビットシフト演算処理S202の後に、スイッチ読込処理S1006で読み込まれた今回の光スイッチ21からの検出信号に基づく光スイッチ21の検出認定状態が、オン検出認定状態であるかオフ検出認定状態であるかが判定される(S203)。その検出認定状態がオン検出認定状態である場合(S203:Y)には、駆動監視情報に「63」が加算されて(「63加算処理」S204)、駆動監視情報更新処理S102が終了する。一方、オフ検知状態である場合(S203:N)には、63加算処理S204がスキップされて、駆動監視情報更新処理S102が終了する。なお、振分モータ13の回転軸の一回転に応じて、駆動監視情報の値は、概ね、所定の最大値まで増加して最大値に維持された後に、所定の最小値まで減少して最小値に維持される推移パターンで変動する。
駆動監視情報更新処理の後に、検知状態フラグが設定されているか否かが判定される(S103)。検知状態フラグは、光スイッチ21の作動に対する検知状態がオン検知状態であるかオフ検知状態であるかを識別するフラグである。ここで、オン検知状態とは、駆動監視情報がオフ移行閾値以下からオン移行閾値に到達した後であってオフ移行閾値に復帰していない状態であり、オン検知状態とは、駆動監視情報がオン移行閾値以上からオフ移行閾値に復帰した後であって、オフ移行閾値に到達していない状態である。検知状態フラグは、オン検知状態においては設定されており、逆に、オフ検知状態において解除されている。
判定処理S103において検知状態フラグが設定されていると判定された場合には、駆動監視情報がオン移行閾値以上であるか否かが判定される(S104)。一方、判定処理S103において検知状態フラグが解除されていると判定された場合には、駆動監視情報がオフ移行閾値未満の値であるか否かが判定される(S105)。検知状態フラグが設定されていない状態で駆動監視情報がオン移行閾値以上となった場合、つまり、オフ検知状態からオン検知状態への移行と判断された場合、及び、検知状態フラグが設定されている状態で駆動監視情報がオフ移行閾値未満となった場合、つまり、オン検知状態からオフ検知状態への移行と判断された場合には、状態移行時の処理(S106〜S112)が実行され、その他の場合には、状態移行時の処理(S106〜S112)がスキップされる。
状態移行時の処理において、まず、検知状態フラグが反転される(「検知状態フラグ変更処理」S106)。具体的には、検知状態フラグが設定されている場合には解除され、検知状態フラグが解除されている場合には設定される。
回転監視タイマの値が、許容時間範囲の始期に対応する許容時間下限閾値未満であるか否かが判定される(S107)。回転監視タイマの値が許容下限閾値以上である場合には、駆動異常阻止フラグが解除される(「駆動異常阻止フラグ解除処理」S108)。駆動異常阻止フラグの解除後に、駆動異常フラグが解除されているか否かが判定され(S109)、駆動異常フラグが設定されている場合には、駆動異常フラグが解除され(「駆動異常フラグ解除処理」S110)、駆動異常状態が終了する。また、駆動異常状態の解消に伴って駆動異常報知を停止させるためにサブ制御装置940に送信されるコマンドが設定される(「駆動異常報知停止処理」S111)。なお、実際のコマンドの出力は、送信制御・外部報知の信号出力処理S1003(図15参照)において実行される。駆動異常報知停止処理S111の後に、回転監視タイマが解除される(「回転監視タイマ解除処理」S112)。一方、駆動異常フラグが解除されている場合には、駆動異常フラグ解除処理S110及び駆動異常報知停止処理S108がスキップされて、回転監視タイマ解除処理S112が実行される。
判定処理S107において回転監視タイマの値が許容下限閾値未満であると判定された場合には、駆動異常阻止フラグが設定されているか否かが判定される(S113)。駆動異常阻止フラグが解除されている場合には、駆動異常阻止フラグが解除される(「駆動異常阻止フラグ解除処理」S114)。なお、駆動異常阻止フラグ解除処理S114は、判定処理S113から移行した場合には、実効的な機能は果たさず、駆動異常阻止フラグの解除状態が維持される。駆動異常阻止フラグ解除処理S114の後に、駆動異常フラグが設定されているか否かが判定され(S115)、駆動異常フラグが設定されていない場合には、駆動異常フラグが設定され(「駆動異常フラグ設定処理」S116)、駆動異常状態が開始される。また、駆動異常状態の発生に伴って駆動異常報知を開始させるためにサブ制御装置に送信されるコマンドが設定される(「駆動異常報知開始処理」S117)。なお、実際のコマンドの出力は、送信制御・外部報知の信号出力処理S1003(図15参照)において実行される。駆動異常報知開始処理S117の後に、回転監視タイマ解除処理S112において、回転監視タイマが解除される。一方、駆動異常フラグが設定されている場合には、駆動異常フラグ解除処理S116及び駆動異常報知停止処理S1117がスキップされて、回転監視タイマ解除処理S110が実行される。
回転監視タイマ解除処理S112の後(状態移行時の処理の終了後)に、判定処理S104及び判定処理S105において状態移行が検知されていない場合(S104:N、S105Y)には、許容時間範囲の終期に対応する許容時間上限閾値以上であるか否かが判定される(S118)。回転監視タイマの値が許容時間下限閾値以上である場合には、駆動異常阻止フラグ解除処理S114に戻り、駆動異常検知時の処理が実行される。なお、判定処理S107は、回転監視タイマ解除処理S112から移行した場合には、回転監視タイマ解除処理S112において回転監視タイマが解除されているために必ず否定判定となり、実効的な機能を果たさない。回転監視タイマの値が許容時間上限閾値以下である場合には、振分モータ監視処理S1009が終了する。振分監視処理S1009は、上記のように、回転監視タイマ更新処理S101〜判定処理S118で構成されている。
振分モータ回転監視処理S1009の後に、振分モータ13としてのステッピングモータを駆動させる処理が実行される(「振分モータ駆動処理」S1010)。図18は、振分モータ駆動処理の一例を表すフローチャートである。図18に示されたように、振分モータ駆動処理S1010において、まず、振分モータ13を駆動させるための各励磁相の励磁時間を制御するための振分モータ制御タイマの値が更新される(「振分モータ制御タイマ更新処理」S301)。具体的には、振分モータ制御タイマの値が、現在値から「1」だけ加算された値に変更される。振分モータ制御タイマ更新処理S301の後に、振分モータ制御タイマが励磁相移行間隔に対応する値であるか否かが判定され(S302)、振分モータ制御タイマが励磁相移行間隔に対応する値である場合には、振分モータ制御タイマが解除され(「振分モータ制御タイマ解除処理」S303)、所定の励磁パターンに従った次の励磁相が選択される(「励磁相移行処理」S304)。励磁相移行処理S304の後に、励磁相移行処理S304で選択された励磁相に対応する励磁相データが励磁パターンデータ(ROMの一部の領域に保持)から抽出されて出力バッファに設定される(「励磁相データ更新処理」S304)。一方、判定処理S302において振分モータ制御タイマが励磁相移行間隔に対応する値未満である場合には、励磁相を変更する必要がないために、振分モータ制御タイマ解除処理S301及び振分モータ制御タイマ更新処理S301がスキップされるとともに、励磁相データ更新処理S305において前回と同一の励磁相データが維持される。
振分モータ駆動処理S1010の後に、磁気センサ430からの磁気センサ信号が監視され、磁気センサ信号に基づいて不正が検知される(「磁気センサ監視処理」S1011)。具体的には、磁気を検出していないことを表すオフ状態の磁気センサ信号が検知されてからその後50回のタイマ割込みにおいて連続してオン状態の磁気センサ信号が検知された場合に不正磁気誘導と検知されて、発射ソレノイド152及び球送りソレノイド151が強制的に停止状態に移行することとなり、遊技進行が強制的に停止される。また、不正磁気誘導検知コマンドがサブ制御装置940に出力され、不正磁気誘導を検知したことを表す報知が発光装置121〜125及び音響装置180において開始されることとなる。遊技進行の強制停止状態及び不正磁気誘導の報知状態は一旦停電状態に移行させるまで継続する。
磁気センサ監視処理S1011の後に、振動センサ10からの振動センサ信号が監視され、磁気センサ信号に基づいて不正振動誘導が検知される(「振動センサ監視処理」S1012)。振動センサ監視処理S1012において、振動センサ10からの振動センサ信号がオン状態である場合には、振動検知カウンタC1の値が現在値に所定の振動検知値(本形態では「3」)だけ加算した値に更新される。なお、振動検知カウンタC1の値が規定最大値(本形態では、「255」)を越えた場合には、振動検知カウンタC1が規定最大値に設定される。一方、振動センサ信号がオフ状態である場合には、振動検知カウンタC1の値が現在値から所定の非振動検知値(本形態では「1」)だけ減算した値に更新される。なお、更新前の振動検知カウンタC1の値が基準値である場合には、振動検知カウンタC1は更新されない。
更新後の振動検知カウンタC1の値が基準値である場合であって、過剰振動フラグF1が設定されている場合には、過剰振動フラグF1が解除され、過剰振動報知停止コマンドが主制御装置920からサブ制御装置940に出力され、また、振動検知カウンタC1が基準値に設定される。
また、更新後の振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値(本形態では「90」)以上であって、振動検知フラグF1が設定されていない場合には、振動検知フラグF1が設定され、また、過剰振動報知開始コマンドが主制御装置920からサブ制御装置940に出力される。なお、サブ制御装置940では、過剰振動報知開始コマンドの受信に応じて、枠発光装置121〜125及び音響装置180を作動させて、それらに過剰振動の発生を報知させる。一方、更新後の振動検知カウンタC1の値が過剰振動閾値以上であって、振動検知フラグF1が設定されているときにおいて、振動検知カウンタC1の値が過度振動閾値(本形態では「240」)以上である場合には、遊技停止監視タイマT1の値が所定の規定値(本形態では1.5秒に相当する「1500」)に設定される。遊技停止監視タイマT1に「0」以外の値が設定されている期間が遊技停止監視期間であり、遊技停止監視期間に中左入賞口スイッチ210L、中右入賞口スイッチ210Rが遊技球を感知した場合には、上述のように不正振動誘導が発生したとして遊技進行が停止されることとなる。
振動センサ監視処理S1012の後に、タイマ割込みの実行回数を表す割込み数(RAMの一部の領域)の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新される(「割込み数更新処理」S1013)。割込み数更新処理S1011の実行によってタイマ割込み処理が終了する。
次に、主制御装置920によって実行されるメイン処理について説明する。図19は主制御装置のメイン処理(図中には「主制御メイン処理」と略記)の一例を表すフローチャートである。停電状態からの復帰に応じて実行されるメイン処理において、図19に示されたように、まず、主制御装置920を立ち上げるための処理や各種の情報を初期設定する処理が実行される(「制御開始処理」S1301)。ここで、制御開始処理S1301について詳細に説明する。図20は、制御開始処理の一例を表すフローチャートである。制御開始処理S1301において、図20に示されたように、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値が設定される(「プログラム開始処理」S1401)。プログラム開始処理S1401の後に、払出制御装置930及びサブ制御装置940等が立ち上がるまで、所定の時間だけ待機する(「周辺装置立上待機処理」S1402)。周辺装置立上待機処理S1402の後に、電源・発射制御装置900の強制初期化スイッチ107からの強制初期化信号がオン状態であるか否かによって、RAMに保持されている各種の情報を強制的に初期化するか否かが判定される(S1403)。強制初期化信号がオフ状態である場合(S1403:N)には、停電発生情報(RAMの一部の領域)が所定の停電発生値に設定されているか否かが判定される(S1404)。停電発生情報が停電発生値である場合(S1404:Y)には、前回の停電状態への移行時に制御終了処理S1413においてRAMの所定の領域のチェックサムの2の補数に対応するRAM判定値が算出されているために、RAMの同一の領域のチェックサムが算出されて、算出されたチェックサムとRAM判定値とに基づいて保持情報が正常に保持されているか否かが判定される(S1405)。保持情報が正常に保持されている場合(S1405:Y)には、停電発生情報が所定の基準値に更新され(「停電発生情報解除処理」S1406)、また、保持情報がRAMの所定の領域に復帰される(「保持情報復帰処理」S1407)。保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に復帰することとなる。但し、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していたとしても場合には、それらのエラー状態は全て解除される。
判定処理S1403において強制初期化信号がオン状態であると判定された場合(S1403:Y)、判定処理S1404において停電発生情報に停電発生値が設定されていないと判定された場合(S1404:N)及び判定処理S1405において保持情報が正常に保持されていない場合(S1405:N)には、RAMの保持情報が初期化され(「保持情報初期化処理」S1408)、また、初期化コマンドが主制御装置920から払出制御装置930及びサブ制御装置940の双方に出力される(「初期化コマンド出力処理」S1409)。初期化コマンドを受信した払出制御装置930及びサブ制御装置940の各々においては、所定の初期化処理が実行されることとなる。
保持情報復帰処理S1407及び初期化コマンド出力処理S1409の後に、立上直後に振分モータ13が駆動異常と判断されることを防止するために、駆動異常阻止フラグが設定される(「駆動異常阻止フラグ設定処理」S1410)。
駆動異常阻止フラグ処理S1410の後に、タイマ割込み等の各種の割込み制御のモードが設定される(「割込みモード設定処理」S1410)。割込みモード設定処理S1410の後に、各種の割込みが許可される(「割込み許可処理」S1411)。割込み許可処理S1411の終了によって制御開始処理S1301が終了する。
制御開始処理S1301は、停電状態からの復帰後において一度だけ実行され、その後は、図19に示されたように、停電状態へ移行しない限り繰り返し実行されるループ処理に移行する。
ループ処理において、まず、タイマ割込み等の各種の割込みが禁止される(「割込み禁止処理」S1302)。割込み禁止処理S1302の後に、不正検知情報が所定の不正発生値であるか否かによって不正が検知されているか否かが判定される(S1303)。不正が検知されていない場合(S1303:N)には、パチンコ機100の外部の監理コンピュータ等に送信される各種の外部報知信号の出力状態を制御するための各種の外部報知情報が状況に応じて更新される(「外部報知情報更新処理」S1304)。具体的には、センタ役物210の内部における中央ゲートスイッチ218を遊技球が通過したこと、つまり、大利益遊技状態へ移行したことを報知するための中央ゲート通過報知フラグ(外部報知情報の一種)が中央ゲート通過個数カウンタの値を参照して更新され、中央ゲート通過個数カウンタの値が更新される。また、センタ役物210へ中左入賞口210L又は中右入賞口210Rを通して遊技球が進入したこと、つまり、大利益状態及び小利益状態を区別することなく利益状態へ移行したことを報知するためのセンタ役物入球報知フラグ(外部報知情報の一種)が入球個数カウンタの値を参照して更新され、入球個数カウンタの値が更新される。また、センタ役物210の内部における左ゲートスイッチ278又は右ゲートスイッチ279を遊技球が通過したこと、つまり、小利益遊技状態へ移行したことを報知するための左右ゲート通過報知フラグ(外部報知情報の一種)が左右ゲート通過個数カウンタの値を参照して更新され、左右ゲート通過個数カウンタの値が更新される。最後に、各種の一般入賞口を遊技球が通過したことを報知するための普通入賞報知フラグ(外部報知情報の一種)が普通入賞個数カウンタの値を参照して更新され、普通入賞個数カウンタの値が更新される。なお、外部報知情報の一種である不正検知フラグの更新は、スイッチ監視処理S1007におけるセンタ役物入球処理によって行われる。
外部報知情報更新処理S1304の後に、リングバッファに格納されている各種のコマンドが格納順に主制御装置920からサブ制御装置940に出力される(「サブ系情報出力処理」S1305)。サブ系情報出力処理S1305において、各種のコマンドの出力に伴い送信制御信号もサブ制御装置940に出力される。サブ系情報出力処理S1305の後に、入賞個数カウンタの値や各種の払出状態情報に基づいて各種のコマンドが主制御装置920から払出制御装置930に出力される(「払出系情報出力処理」S1306)。払出系情報出力処理S1306において、入賞コマンドの出力に伴い送信制御信号も払出制御装置930に出力される。なお、本形態においては、入賞時に払い出すべき遊技球の個数は入賞口の種類に依存せず同一であるために、1種類の入賞コマンドを入賞回数だけ出力するように制御しているが、入賞に応じて払出個数を算出して払出個数に応じて異なるコマンドを出力する構成であってもよい。また、本発明においては、入賞時に払い出すべき遊技球の個数が異なる複数種類の入賞口を備える構成であってもよく、この場合には、入賞口の種類ごとに異なる入賞コマンドを入賞回数だけ出力してもよいし、入賞に応じて払出個数を算出して払出個数に応じて異なるコマンドを出力してもよい。本形態においては、サブ系情報出力処理S1305及び払出系情報出力処理S1306が割込みによって中断されることがない様に、これらの処理は割込みを禁止した状態で実行している。これによって、サブ系情報出力処理S1305及び払出系情報出力処理S1306が簡素化できるからである。また、本形態においては、1回のループ処理のサブ系情報出力処理S1305及び払出系情報出力処理S1306において出力されるコマンドの総数が所定の個数(例えば、「4」)以下に規制されており、1回のループ処理が所定の時間(例えば、4ms)以内に終了するように構成されている。
払出系情報出力処理S1306の後に、タイマ割込み等の各種の割込みが許可される(「割込み許可処理」S1307)。割込み許可処理S1307の後に、払出制御装置930から出力される賞球計数信号(払出装置358から払い出される遊技球の払出計数スイッチ362による検出に応じた信号)の出力状態及び賞球計数信号の受信状況を監視する払出中タイマ(RAMの一部の領域)の値に基づいて賞球の払い出し状態が確認され、状況に応じて払い出し中であるか否かを識別する払出中フラグ(払出状態情報の一種)が更新され、また、払出フラグが設定された場合には払出開始コマンドがリングバッファに格納され、払出フラグが解除された場合には払出終了コマンドがリングバッファに格納される(「賞球払出状態監視処理」S1308)。なお、サブ制御装置940は、払出報知開始コマンドの受信によって枠発光装置121〜125による払出中の報知を開始させ、払出報知開始コマンドの受信によって払出中の報知を終了させることとなる。
賞球払出状態監視処理S1308の後に、払出制御装置930から出力される異常信号の出力状態に基づいて払出装置358における異常の発生や払出制御装置に接続された内枠スイッチ108、前面枠スイッチ109、貯留球スイッチ363による異常の検出が確認され、状況に応じて払出関連の異常発生中であるか否かを識別する払出異常フラグ(払出状態情報の一種)が更新され、また、払出異常フラグが設定された場合にはリングバッファに払出異常発生コマンドが格納され、払出異常フラグが解除された場合にはリングバッファに払出異常解消コマンドが格納される(「払出異常監視処理」S1309)。なお、サブ制御装置940は、払出異常発生コマンドの受信によって枠発光装置121〜125や音響装置180による払出中の報知を開始させ、払出異常解消コマンドの受信によって払出中の報知を終了させることとなる。
賞球払出状態監視処理S1309の後に、球溢れスイッチ164の検出状態に基づく球溢れ信号の出力上体に基づいて下皿160における遊技球の貯留状態が確認され、状況に応じて下皿160が満タンあるか否かを識別する球溢れフラグ(払出状態情報の一種)が更新され、また、球溢れフラグが設定された場合にはリングバッファに球溢れ発生コマンドが格納され、球溢れフラグが解除された場合にはリングバッファに球溢れ解消コマンドが格納される(「下皿貯留状態監視処理」S13010)。なお、サブ制御装置940は、球溢れ発生コマンドの受信によって枠発光装置121〜125や音響装置180による下皿満タンの報知を開始させ、球溢れ解消コマンドの受信によって下皿満タンの報知を終了させることとなる。
判定処理S1303において不正が検知されている場合には、遊技進行の停止状態を維持するために外部報知情報更新処理S1304〜下皿貯留状態監視処理S1310がスキップされ、タイマ割込み等の各種の割込みを許可する処理(「割込み許可処理」S1311)のみが実行される。これによって、各種の情報が更新されたり周辺装置の状態が変更されたりすることを防止できる。また、割込み許可処理S1311を実行することによって停電信号の監視が継続できるために、遊技進行の停止状態を解除するために必要な停電状態への移行に際して、正常に制御処理を終了させることができることとなる。
下皿貯留状態監視処理S1310及び割込み許可処理S1311の後に、停電発生情報が停電発生値であるか否かによって停電状態に移行しているか否かが判定される(S1312)。停電状態に移行していない場合(S1312:N)には、タイマ割込みの割込み数が所定の値(本形態では「4」)であるか否かによって、前回のループ処理が終了してから所定の回数(本形態では4回)だけタイマ割込みが実行されたか否かが判定され(S1313)、所定の回数のタイマ割込みが実行されていない場合(S1313:N)には、判定処理S1312に戻る。これによって、停電状態への移行を監視しながら所定の回数のタイマ割込みが実行されるまで待つこととなり、ループ処理が一定時間間隔で実行されることとなる。一方、所定の回数のタイマ割込みが実行されたと判定された場合(S1313:Y)には、割込み数が基準値(本形態では「0」)に初期化され(「割込み数初期化処理」S1314)、その後、割込み禁止処理S1302に戻る。
判定処理S1312において停電状態へ移行していると判定された場合(S1312:Y)には、割込みが禁止され、停電状態へ移行したことを表す停電コマンドがサブ制御装置940に出力され、発射関連信号用の信号送信回路及び送信制御・外部報知信号用の信号送信回路の出力状態がオフ状態に設定され、RAMの所定の領域のチェックサムの2の補数に対応するRAM判定値RAMが算出される(「制御終了処理」S1315)。その後は、無限ループに入り、停電状態から復帰するまで待機することとなる。
(本発明の特徴部分に関連する主たる構成)
本発明の主たる特徴部分である振分モータ13(振分部材12)の駆動異常の検知に関連する構成についてまとめて説明する。
パチンコ機100は、図5〜図12を参照して説明したように、中左入賞口210L(〔入球口〕の一種)及び中右入賞口210R(〔入球口〕の一種)から入球した遊技球を、通常遊技状態より遊技球の獲得に関して有利な小利益遊技状態へ遊技状態を移行させることとなる左小利益状態移行通路216若しくは右小利益状態移行通路217又は小利益遊技状態よりも更に有利な大利益遊技状態(〔高利益遊技状態〕の一種)へ遊技状態を移行させることとなる大利益状態移行通路218(〔高利益移行領域〕の一種)へ機構的に振り分けるセンタ役物210(利益種別抽選装置)と、小利益遊技状態において流下許容状態となる中央可変入賞装置242と、大利益遊技状態において流下許容状態に移行する可変入賞装置243〜247とを備えている。センタ役物210は、大利益状態移行通路218への遊技球の振分確率(〔誘導確率〕の一種)を時間的に変化させる振分装置10を備えており、振分装置10の振分確率は、振分モータ13(〔ステッピングモータ〕の一種)の作動に応じた動力伝達部材14を介した振分部材の移動によって変化させている。なお、本形態では、振分モータ13は、ステップ角度が1度の4相ステッピングモータである。更に、センタ役物210は、光スイッチ21と、光スイッチ21の検出状態を変化させる遮光板22とで構成される駆動検出装置20(〔回転検出装置〕の一種)を備えており、光スイッチ21は、振分モータ13の回転軸13Aの回転角度に応じて、発光素子21Aと受光素子21Bとの間に遮光板22が位置しておらず検査光が遮断されていないオン検出状態(〔第1検出状態〕の一種)において所定の電圧(例えば5V)のオン信号(〔第1検出信号〕の一種)を出力し、発光素子21Aと受光素子21Bとの間に遮光板22が位置して検査光が遮断されているオフ検出状態(〔第2検出状態〕の一種)においてオン信号と電圧の異なる所定の電圧(例えば0.5V)のオフ信号(〔第2検出信号〕の一種)を出力する。
パチンコ機100は、図14に示されたように、主制御装置920を備えており、光スイッチ21及び振分モータ13は、主制御装置920の入出力ポートを介して主制御装置920に接続されている。以下においては、振分モータ13の駆動状態の検知に関連する遊技機の動作を概ね時系列に沿って説明する。
電源スイッチ382がオン状態に移行させてパチンコ機100を立ち上げると、光スイッチ21及び振分モータ13の作動が開始され、電源・発射制御装置900の電源部901からの電力が遮断されるまで継続する。光スイッチ21の検出状態は定期的(本形態においては実質的に2ms毎)に監視される(図15の「スイッチ読込監視処理」;〔駆動監視手段〕の一種の一部)。
振分モータ13の回転軸13Aは、パチンコ機100の立上に応じて、前回の電源遮断時の停止位置に対応して不定の回転角度から回転を開始する。したがって、立上直後に振分モータ13の駆動が異常であると判定されることを防止するために、この回転の開始に先立って、立上時異常阻止フラグ(主制御装置920のRAMの所定の記憶領域)が設定される。なお、この立上直後における駆動異常との検知を防止するための制御については通常時の振分モータ13の定常作動状態における動作の説明後に説明する。
振分モータ13としての4相ステッピングモータは、1−2相励磁方式によるハーフステップ駆動によって駆動される。図21は、振分モータの駆動方式を表す説明図である。振分モータ13は、具体的には、図21に示されたように、(A+B)励磁相、B励磁相、(B+反転A)励磁相、反転A励磁相、(反転A+反転B)励磁相、反転B励磁相、(反転B+A)励磁相、A励磁相の順序(励磁パターン)で循環的に励磁され、各励磁相の励磁は4回のタイマ割込み期間(実質的に8msに相当)にわたって継続的する(振分モータ駆動処理S1010)。更に詳細には、図21の第2列の励磁相データに示されたような励磁相パターンデータが主制御装置920のROMの所定の記憶領域に連続的に記憶されており、各励磁相に対応する励磁データが4回のタイマ割込み毎(図18のS301、S302:N)に参照アドレスが循環的に変更されて(S304)、参照アドレスに対応する励磁相データが出力バッファ(主制御装置920のRAMの所定の記憶領域)に設定される(S305)ことによって、振分モータ13に出力される(図15のS1003)。ここで、A励磁相、B励磁相、反転A励磁相、反転B励磁相は1相励磁相(単相励磁相)である。なお、反転A励磁相及び反転B励磁相は、それぞれ、A励磁相及びB励磁相の逆励磁状態を意味している。また、(A+B)励磁相、(B+反転A)励磁相、(反転A+反転B)励磁相、(反転B+A)励磁相は2相励磁相(複合励磁相)であり、例えば、(A+B)励磁相は、A励磁相とB励磁相とが同時に励磁される励磁相を意味している。振分モータ13は、1相励磁相による安定角度の間隔をステップ角度θとして、ステップ角度θの半分の角度(以下、駆動ステップ角度とも称す)θ/2ずつ回転が進行する。なお、本形態では、振分モータ13のステップ角度は1度であるために、0.5度ずつ回転が進行し、励磁パターンに従った720回の励磁相の循環的な変更によって回転軸13Aが1回転する。この1−2相励磁方式である場合には、1相励磁相のみによって駆動される1相励磁方式や2相励磁相のみによって駆動される2相励磁方式のようにステップ角度θずつ回転が進行する場合に比べて滑らかに回転が進行する。
ここで、振分モータ13の1−2相励磁方式による駆動に基づく、定常回転状態における回転軸13Aの回転角度の時間推移について説明する。図22は、振分モータの回転動作の一例を定性的に表すグラフである。振分モータ13の回転軸13Aは、図22に示されたように、駆動ステップ角度θ/2ずつ段階的に回転する。なお、図22には、振分モータ13の励磁相が、時刻t1以前のA励磁相から、時刻t1において(A+B)励磁相に変更され、時刻t2においてB励磁相に変更され、時刻t3において(B+反転A)励磁相に変更され、時刻t4において反転A励磁相に変更され、時刻t5において(反転A+反転B)励磁相に変更され、時刻t6において反転B励磁相に変更され、時刻t7において(反転B+A)励磁相に変更され、時刻t8においてA励磁相に変更される。詳細には、各励磁相の安定角度(回転角度θi(i=0〜359)及び回転角度θi+θ/2(i=0〜359))まで回転した後にその安定角度の近傍でオーバーシュートとアンダーシュートを繰り返しながら振動し、振動が収束する前に次の励磁相の安定角度に向かって回転を開始する。なお、一般的に、1相励磁相の場合よりも2相励磁相の場合の方が、正方向及び負方向を問わず安定角度へ引き込む回転トルクが大きいために、オーバーシュートやアンダーシュートの最大振幅が小さくなり、また、振動が収束するまでの時間(セトリングタイム)が短くなる。振分モータ13の回転軸13Aの回転は、目視によっては滑らかに回転しているように見えても各安定角度の近傍で振動しながら段階的に進行するために、光スイッチ21の検出状態も定常的なオン検出状態と定常的なオフ検出状態との間の状態移行近傍においてオン信号とオフ信号とが短期間に切り替わることとなり、安定角度の近傍で振動がない理想的な場合と異なる検出状態を表す信号(チャタリング信号)が発生する。
ここで、振分モータ13の回転振動に基づくチャタリングの発生パターンについて具体例に基づいて説明する。図23はチャタリングの発生形態の一例を定性的に表すグラフであり、図24はチャタリングの発生形態の他の一例を定性的に表すグラフであり、図25はチャタリングの発生形態の更に他の一例を定性的に表すグラフである。
図23には、光スイッチ21の検出状態がオン検出状態からオフ検出状態に移行する境界が、安定角度θi(=θ0)と安定角度θi+θ/2との間の回転角度であって、安定角度θiの第1オーバーシュートの振幅範囲内の境界回転角度θXである場合が示されている。なお、安定角度近傍において振動が発生しない理想的な場合には、時刻tX3までは光スイッチ21からオン信号が出力され、時刻tX3以降は光スイッチ21からオフ信号が出力される。したがって、時刻t12のタイマ割込み処理において主制御装置920において認定される光スイッチ21の検出状態(以下、「光スイッチの検出認定状態」と略記する)がオン検出認定状態からオフ検出認定状態に移行する。
図23に示された場合には、理想的な場合と異なり、回転振動の第1オーバーシュートによって時刻tX1において光スイッチ21の検出状態がオン検出状態からオフ検出状態に移行して光スイッチ21からの検出信号がオン信号からオフ信号に変化し、時刻tX2までオフ信号の出力状態が維持される。これに伴って、時刻tX1と時刻tX2との間の時刻t02のタイマ割り込み処理において、光スイッチ21の検出認定状態がオン検出認定状態からオフ検出認定状態に移行する。その後、時刻tX2において光スイッチ21からの検出信号がオフ信号からオン信号に変化し、理想的な場合と同様に、時刻tX3までオン信号の出力状態が維持される。これに伴って、時刻tX2と時刻tX3との間の時刻t03に実行されるタイマ割込み処理において光スイッチ21の検出認定状態がオフ検出認定状態からオン検出認定状態に移行し、時刻t04及び時刻t11のタイマ割込み処理においても光スイッチ21の検出認定状態がオン検出認定状態に維持される。その後、理想的な場合と同様に、時刻tX3において光スイッチ21からの検出信号がオン信号からオフ信号に変化し、振分モータ13の回転軸13Aが概ね半回転するまでオフ信号の出力状態が維持される。これに伴って、時刻tX3後の時刻t12に実行されるタイマ割込み処理において光スイッチ21の検出認定状態がオン検出認定状態からオフ検出認定状態に移行して、その後は、オフ検出認定状態が維持される。このように、光スイッチ21から出力される時刻tX1から時刻tX2までのオフ信号が理想的な場合の出力状態と異なるチャタリング信号であり、時刻t02から時刻t03までの光スイッチ21のオフ検出認定状態がチャタリング検知状態である。このチャタリング信号やチャタリング検知状態は光スイッチ21における理想的な場合のオン検出状態からオフ検出状態への移行に先立って発生する。
また、図24には、光スイッチ21の検出状態がオン検出状態からオフ検出状態に移行する境界が、安定角度θi(=θ0)と安定角度θi−θ/2との間の回転角度であって、安定角度θiの第1アンダーシュートの振幅範囲内の回転角度θYである場合が示されている。なお、安定角度近傍において振動が発生しない理想的な場合には、光スイッチ21から時刻tY1までは光スイッチ21からオン信号が出力され、時刻tY1以降は光スイッチ21からオフ信号が出力される。したがって、時刻t02のタイマ割込み処理において光スイッチ21の検出認定状態がオン検出認定状態からオフ検出認定状態に移行する。
図24に示された場合には、理想的な場合と同様に、時刻tY1において光スイッチ21からの検出信号がオン信号からオフ信号に変化し、時刻tY2までオフ信号の出力状態が維持される。これに伴って、時刻tY1と時刻tY2との間の時刻t02のタイマ割り込み処理において、光スイッチ21の検出認定状態がオン検出認定状態からオフ検出認定状態に移行する。その後、理想的な場合と異なり、時刻tY2において光スイッチ21からの検出信号がオフ信号からオン信号に変化し、時刻tY3までオン信号の出力状態が維持される。これに伴って、時刻tY2と時刻tY3との間の時刻t03のタイマ割込み処理において光スイッチ21の検出認定状態がオフ検出認定状態からオン検出認定状態に移行する。その後、時刻tY3において光スイッチ21からの検出信号がオン信号からオフ信号に変化し、時刻tY4まで理想的な場合と同様にオフ信号の出力状態が維持される。これに伴って、時刻tY3と時刻tY4との間の時刻t04のタイマ割込み処理において光スイッチ21の検出認定状態がオン検出認定状態からオフ検出認定状態に移行する。その後、時刻tY4において光スイッチ21からの検出信号がオン信号からオフ信号に変化し、時刻tY5まで理想的な場合と異なるオフ信号の出力状態が維持される。なお、時刻tY4と時刻tY5との間において、タイマ割り込み処理が実行されないために、光スイッチ21の検出認定状態は変化せず、オフ検出認定状態が維持される。その後、時刻tY5において光スイッチ21の検出状態がオン検出状態からオフ検出状態に移行して光スイッチ21からの検出信号がオン信号からオフ信号に変化し、理想的な場合と同様に、振分モータ13の回転軸13Aが概ね半回転するまでオフ信号の出力状態が維持される。これに伴って、時刻tY5後の時刻t11のタイマ割込み処理において光スイッチ21の検出認定状態がオン検出認定状態からオフ検出認定状態に移行して、その後は、オフ検出認定状態が維持される。このように、光スイッチ21から出力される時刻tY2から時刻tY3までのオン信号及び時刻tY4から時刻tY5までのオン信号が理想的な場合の出力状態と異なるチャタリング信号であり、時刻t03から時刻t04までの光スイッチ21のオフ検出認定状態がチャタリング検知状態である。このチャタリング信号やチャタリング検知状態は光スイッチ21における理想的な場合のオン検出状態からオフ検出状態への移行後に出力される。
なお、上記においては光スイッチ21の検出状態がオン検出状態からオフ検出状態に移行する場合のみについて説明したが、光スイッチ21の検出状態がオフ検出状態からオン検出状態に移行する場合、つまり、振分モータ13の回転軸13Aが半回転した回転角度θ179の近傍の場合においてもオン及びオフが反転すること以外は同様であるために、上記の説明においてオンをオフ、オフをオンと読み替えることとして重複する説明及び図示は省略する。
図23及び図24を参照して光スイッチ21の検出認定状態の主要な推移パターン例について説明したが、光スイッチ21の検出状態がオン検出状態からオフ検出状態に移行する境界回転角度の安定角度からのズレ幅の相違によってチャタリング信号の出力パターンが多様に変化するために、光スイッチ21の検出認定状態も上記の具体例に限らず多様な推移パターンを示すこととなる。また、チャタリング信号の出力パターンが同一であったとしてもタイマ割り込みのタイミングによって光スイッチ21の検出認定状態のパターンが変化する。更に、振分モータ13の発熱や経時劣化に基づくや回転抵抗の変化によってもチャタリング信号の出力パターンや光スイッチ21の検出認定状態の推移パターンが変化する。なお、振分モータ13の回転振動は、励磁パターンを更に複雑化させて駆動ステップ角度以下の角度を単位として回転させるマイクロステップ駆動を採用したとしても、回転振動の振幅や減衰時間は減少するものの、回転振動自体を阻止することは実質的に不可能である。
図23に示されたように安定角度θiの第1オーバーシュートの振幅と安定角度θi+θ/2の第1アンダーシュートの振幅とが重複しない回転振動及び図24に示されたように安定角度θiの第1アンダーシュートの振幅と安定角度θi−θ/2の第1オーバーシュートの振幅とが重複しない回転振動の場合のような一般的な回転振動に基づくチャタリング検知状態は、振分モータ13を駆動する際の各励磁相の励磁期間(本形態では、4回タイマ割込み)以下の期間内において発生する可能性がある。
図23に示されたように安定角度θiの第1オーバーシュートの振幅と安定角度θi+θ/2の第1アンダーシュートの振幅とが重複しない場合には、安定角度θiの第1オーバーシュートの最大振幅と安定角度θi+θ/2の第1アンダーシュートの最大振幅との間の回転角度を境界回転角度に設定できれば、回転振動によるチャタリング信号の発生を阻止できるが、特に、比較的低速であり、かつ、滑らかに回転させるためには駆動ステップ角度(本形態では0.5度)を小さくする必要があり、このような角度精度を保つのは極めて困難となる。更に、図25に示されたように、低速であり、かつ、滑らかに回転させる場合には、安定角度θiの第1オーバーシュートの振幅と安定角度θi+θ/2の第1アンダーシュートの振幅とが重複する場合もある。このような場合には、角度精度に依存せず、実質的にチャタリング信号が発生することとなる。なお、上記の事象は、図24に示されたように安定角度θiの第1アンダーシュートの振幅と安定角度θi−θ/2の第1オーバーシュートの振幅とが重複しない場合についても実質的に同一であるために、重複する説明は省略する。
図25は、光スイッチ21の検出状態がオン検出状態からオフ検出状態に移行する境界が、安定角度θi(=θ0)と安定角度θi+θ/2との間の回転角度であって、安定角度θiの第1オーバーシュートの振幅範囲内であり、かつ、安定角度θi+θ/2の第1アンダーシュートの振幅の範囲内である境界回転角度θzの場合が示されている。なお、安定角度近傍において振動が発生しない理想的な場合には、時刻tZ3までは光スイッチ21からオン信号が出力され、時刻tZ3以降は光スイッチ21からオフ信号が出力される。したがって、時刻t12のタイマ割込み処理において光スイッチ21の検知状態がオン検知状態からオフ検知状態に移行する。図25に示された場合には、光スイッチ21から出力される時刻tZ1から時刻tZ2までのオン信号及び時刻tZ4から時刻tZ5までのオン信号が理想的な場合の出力状態と異なるチャタリング信号であり、時刻t02から時刻t03までの光スイッチ21のオフ検出認定状態及び時刻t13から時刻t14までの光スイッチ21のオフ検出認定状態がチャタリング検知状態である。このチャタリング信号やチャタリング検知状態は光スイッチ21における理想的な場合の状態移行の前及び後の双方において出力される。このような特殊な回転振動に基づくチャタリング検知状態は、振分モータ13を駆動する際の各励磁相の励磁期間(本形態では、4回タイマ割込み)の2倍以下、実質的には各励磁相の励磁期間+2以下の期間内において発生する可能性がある。
光スイッチ21の検出認定状態の時間推移に応じて振分モータ13の駆動状態の検知について説明する。具体的には、光スイッチ21の検出認定状態の時間推移に応じて更新される駆動監視情報(主制御装置920のRAMの所定の記憶領域に保持)に基づいて振分モータ13の駆動状態を検知するための判断タイミングが決定され、前回の判断タイミングから今回の判断タイミングまでの時間が所定の時間範囲内であるか否かによって振分モータ13の駆動状態が正常であるか異常であるかが検知される。以下においては、まず、駆動監視情報の更新について説明した後に、振分モータ13の駆動状態の判断について説明する。
光スイッチ21の検出認定状態の時間推移に応じた駆動監視情報の更新について説明する。図26は、駆動監視情報の時間推移の一例を定性的に表すグラフである。なお、図26には、光スイッチ21のオフ検出状態からオン検出状態への状態移行及びオン検出状態からオフ検出状態への状態移行において、それぞれ、図23に示された光スイッチ21の検出認定状態及びその反転状態の時間推移に応じた駆動監視情報の時間推移が示されている。図27及び図28は、それぞれ、光スイッチ21のオフ検出状態からオン検出状態への状態移行及びオン検出状態からオフ検出状態への状態移行における駆動監視情報の更新パターン例を表す説明図である。なお、図27及び図28の第1列の割込み回数は、理想的な光スイッチ21の状態移行からの割込み回数を表し、図27の第2列のパターンXA、第3列のパターンYA及び第4列のパターンZAは、それぞれ、図23、図24及び図25に示された光スイッチ21の検出認定状態の時間推移に対してオン・オフが反転した場合を表し、図28の第2列のパターンXB、第3列のパターンYB及び第4列のパターンZBは、それぞれ、図23、図24及び図25に示された光スイッチ21の検出認定状態の時間推移と同一の場合を表している。更に、図27及び図28の第5列の理想パターンA及び理想パターンBには、理想的な光スイッチ21の検出認定状態の時間推移を参考のために示している。また、図29は、駆動監視情報の時間推移の一特性を表す説明図である。なお、図27〜図29において、xはチャタリング検知状態を表し、〔〕は主制御装置920において光スイッチ21の検知状態移行と判定される場合を表している。
駆動監視情報は、光スイッチ21の検出認定状態がオン検出認定状態及びオフ検出認定状態である場合には、駆動監視情報の値をXとして、タイマ割込み毎に、それぞれ、下記数式1及び下記数式2と等価な演算に基づいて更新される(図16のS102)。具体的には、前回のタイマ割込み処理によって更新された駆動監視情報の値が3倍された後に(図17のS201)、2ビットだけ下位ビット側へシフトされる(図17のS202)。その後、光スイッチ21の検出認定状態がオン検出認定状態である場合(図17のS203:Y)には「63」だけ加算され(図17のS204)、光スイッチ21の検出認定状態がオフ検出認定状態である場合(S203:N)には加算されない(S204のスキップ)。
(数式1)
[X×3/4]+63
(数式2)
[X×3/4]
なお、上記の数式1及び数式2において、[Z]は、Zを実数とした場合に、Zを超えない最大の整数([]内の演算結果の商)を抽出する演算子(通称、ガウス括弧とも称される)である。駆動監視情報の初期値(基準値)を0とした場合、これらの数式に基づいて更新される駆動監視情報は0以上の整数値となる。
まず、光スイッチ21の検出認定状態が、光スイッチ21の検出状態の状態移行の境界回転角度の近傍において図23に示されたような時間推移パターン又はそのオン・オフが反転した時間推移パターンを示す場合について説明する。
図26に示されたように、時刻t0において、光スイッチ21の検出認定状態がオフ検出認定状態に維持され、主制御装置920において光スイッチ21の検出認定状態に基づいて検知される光スイッチ21の検出状態(以下、「光スイッチの検知状態」と略記する)が、駆動監視情報の値が「10」以下、図中では「0」に継続的に維持されたオフ検知状態である。なお、オフ検知状態においては、検知状態フラグ(主制御装置920のRAMの所定の記憶領域)が解除されている。時刻t1(=tA)のタイマ割込み処理において、チャタリングによって、光スイッチ21の検出認定状態がオン検出認定状態に変化するために、数式1に基づいて駆動監視情報の値が増加する。具体的には、図27の第2列に示されたように、駆動監視情報の値は「63」に増加する。その後、時刻t2(=tB)〜時刻t4のタイマ割込み処理において、光スイッチ21の検出認定状態がオフ検出認定状態であるために、上記の数式2に基づいて駆動監視情報が減少する。具体的には、図27の第2列に示されたように、駆動監視情報の値は「47」、「35」、「26」と減少する。その後、時刻t5(=tC)〜時刻t15(=tD)のタイマ割込み処理において、光スイッチ21の検出認定状態がオン検出認定状態であるために、数式1に基づいて駆動監視情報の値が増加し、時刻t15のタイマ割込み処理において、駆動監視情報の値がオン検知閾値(〔第1駆動判定閾値〕の一種:本形態では、「240」)(主制御装置920のROMの所定の記憶領域に保持)に到達する。具体的には、時刻t15のタイマ割込み処理において、駆動監視情報の値が「238」から「241」に増加する。これによって、主制御装置920において光スイッチ21の検知状態がオン検知状態であると認識され、検知状態フラグが設定される。このように、駆動監視情報の値がオン検知閾値に到達する時刻tDが、振分モータ13の駆動状態を判定する第1判定タイミングとなる。その後、時刻t16〜時刻t21(=tE)のタイマ割込み処理において、光スイッチ21の検出認定状態がオン検出認定状態であるために、数式1に基づいて駆動監視情報の値が増加し、時刻t21のタイマ割込み処理において、駆動監視情報の値が最大値(〔所定の相対最大値〕の一種:本形態では、「249」)に到達する。具体的には、時刻t21のタイマ割込み処理において、駆動監視情報の値が「248」から「249」に増加する。その後、時刻t22〜時刻t1440のタイマ割込み処理において、光スイッチ21の検出認定状態がオン検出認定状態であるために、数式1に基づいて駆動監視情報の値が更新されるが、その値は最大値に維持される。
時刻t1441(=tF)のタイマ割込み処理において、チャタリングによって、光スイッチ21の検出認定状態がオフ検出認定状態に変化するために、数式2に基づいて駆動監視情報の値が減少する。具体的には、図28の第2列に示されたように、駆動監視情報の値は「186」に減少する。その後、時刻t1442(=tG)〜時刻t1444のタイマ割込み処理において、光スイッチ21の検出認定状態がオン検出認定状態であるために、上記の数式1に基づいて駆動監視情報が増加する。具体的には、図28の第2列に示されたように、駆動監視情報の値は「202」、「214」、「223」と増加する。その後、時刻t1445(=tH)〜時刻t1455(=tI)のタイマ割込み処理において、光スイッチ21の検出認定状態がオン検出認定状態であるために、数式2に基づいて駆動監視情報の値が減少し、時刻t1455のタイマ割込み処理において、駆動監視情報の値がオフ検知閾値(〔第2駆動判定閾値〕の一種:本形態では、「10」)(主制御装置920のROMの所定の記憶領域に保持)に到達する。具体的には、時刻t1455のタイマ割込み処理において、駆動監視情報の値が「12」から「9」に減少する。これによって、主制御装置920において光スイッチ21の検知状態がオフ検知状態であると認識され、検知状態フラグが解除される。駆動監視情報の値がオフ検知閾値に到達する時刻tIが、振分モータ13の駆動状態を判定する第2判定タイミングとなる。その後、時刻t1456〜時刻t1461(=tJ)のタイマ割込み処理において、光スイッチ21の検出認定状態がオフ検出認定状態であるために、数式2に基づいて駆動監視情報の値が減少し、時刻t1461のタイマ割込み処理において、駆動監視情報の値が基準値(本形態では、「0」)に到達する。具体的には、時刻t1461のタイマ割込み処理において、駆動監視情報の値が「1」から「0」に減少する。その後、時刻t1462〜時刻t2880のタイマ割込み処理において、光スイッチ21の検出認定状態がオフ検出認定状態であるために、数式2に基づいて駆動監視情報の値が更新されるが、その値は最小値に維持される。
時刻t2880以後において、駆動監視情報は、時刻t1〜時刻t2880と実質的に同様の時間推移を繰り返し辿ることとなる。
主制御装置920において光スイッチ21の検出認定状態が、光スイッチ21の検出状態の状態移行の境界回転角度の近傍において図24に示されたような時間推移パターン又はそのオン・オフが反転した時間推移パターンを示すときには、光スイッチ21の検知状態の時間推移は、光スイッチ21のオフ検出状態からオン検出状態へ移行する境界回転角度の近傍において図27の第3列に示されたパターンYAを示し、光スイッチ21のオン検出状態からオフ検出状態へ移行する境界回転角度の近傍において図28の第3列に示されたパターンYBを示す。また、主制御装置920において光スイッチ21の検出認定状態が、光スイッチ21の検出状態の状態移行の境界回転角度の近傍において図25に示されたような時間推移パターン又はそのオン・オフが反転した時間推移パターンを示すときには、光スイッチ21の検知状態の時間推移は、光スイッチ21のオフ検出状態からオン検出状態へ移行する境界回転角度の近傍において図27の第4列に示されたパターンZAを示し、光スイッチ21のオン検出状態からオフ検出状態へ移行する境界回転角度の近傍において図28の第4列に示されたパターンZBを示す。
ここで、上記の数式1及び数式2に従った駆動監視情報の時間推移の特徴並びにオン検知閾値及びオフ検知閾値の選定の特徴について説明する。図27の第5列に示されたように、駆動監視情報の値が基準値である場合から光スイッチ21のオン検出認定状態が連続して継続した場合に、駆動監視情報の値はタイマ割込み毎に順次に増加して、所定の値(最大値)となった後はその値が自己整合的に維持される。また、駆動監視情報の値の増加量がタイマ割込み毎に順次に減少する。つまり、駆動監視情報の値の数列が収束するように数式1が選択されている。同様に、駆動監視情報の値が最大値である場合から光スイッチ21のオフ検出認定状態が連続して継続した場合に、駆動監視情報の値はタイマ割込み毎に順次に減少して、所定の値(最小値)となった後はその値が自己整合的に維持される。また、駆動監視情報の値の減少量がタイマ割込み毎に順次に減少する。つまり、駆動監視情報の値の数列が収束するように数式2が選択されている。具体的には、駆動監視情報の値として取り得てよい上限値(M)を8ビットの数値の最大値「255」として、数式1は、[X×A/B]+[M×(B−A)/B](但しA及びBはA<Bを満たす正数)を満たすように選択されている。これによって、駆動監視情報の値が上限値Mを越えず、上限値Mに近い値(本形態では、「249」)に収束する。更に、駆動監視情報の値の収束の速さを最適化させるためにA及びBの値としてそれぞれ「3」及び「4」が選択されている。また、数式2は、駆動監視情報の値として取り得てよい下限値(L)を8ビットの数値の最小値「0」として、数式1は、[X×C/D]+L(但しC及びDはC<Dを満たす正数)を満たすように選択されている。更に、駆動監視情報の値の収束の速さを最適化させると共に、数1による駆動監視情報の値の収束の速さを一致させるためにA及びBの値としてそれぞれ「3」及び「4」が選択されている。なお、数1及び数2における乗算因子を共通化することによってそれらの演算プログラムも簡素化される。
オン検知閾値「240」は、図27の第5列に示されたように、駆動監視情報の値が基準値「0」である場合からの複数回(本形態では11回)のタイマ割込みにおいて光スイッチ21の検出認定状態が連続してオン検出認定状態である場合に、駆動監視情報の値がオン検知閾値に到達するように選定されている。また、オン検知閾値「240」は、駆動監視情報の値が最大値「249」である場合における振分モータ13の回転振動に起因する一般的なチャタリングに基づいて光スイッチ21の検出認定状態が一度でもオフ検出認定状態となった場合に、図29の第2列に示されたように、複数回(本形態では6回)のタイマ割込みにおいて光スイッチ21の検出認定状態が連続してオン検出認定状態とならない限りオン検知閾値以上に戻らないように選定されている。これによって、光スイッチ21の検出状態のオン状態移行の境界回転角度の近傍において、一般的なチャタリングに基づいて一旦駆動監視情報の値が「0」からずれた場合には、図27の第1列及び第2列に示されたように、駆動監視情報は「240」未満の値に維持される。なお、本形態では、更に、振分モータ13の回転振動に起因する特殊なチャタリングが発生する可能性も考慮しており、特殊なチャタリングに基づいて一旦駆動監視情報の値が「0」からずれた場合にも、図29の第1列に示されたように、駆動監視情報は「240」未満の値に維持される。
また、オフ検知閾値「10」は、駆動監視情報の値が最大値「249」である場合からの複数回(本形態では11回)のタイマ割込みにおいて光スイッチ21の検出認定状態が連続してオフ検出認定状態である場合に、駆動監視情報の値がオン検知閾値に復帰するように選定されている。また、オフ検知閾値「10」は、駆動監視情報の値が最小値「0」である場合における振分モータ13の回転振動に起因する一般的なチャタリングに基づいて光スイッチ21の検出認定状態が一度でもオン検出認定状態となった場合に、図29の第3列に示されたように、複数回(本形態では6回)のタイマ割込みにおいて光スイッチ21の検出認定状態が連続してオフ検出認定状態とならない限りオフ検知閾値以下に戻らないように選定されている。これによって、光スイッチ21の検出状態のオフ状態移行の境界回転角度の近傍において一旦駆動監視情報の値が「249」からずれた場合には、図28の第2列及び第3列に示されたように、駆動監視情報は「10」を超える大きな値に維持される。なお、本形態では、更に、振分モータ13の回転振動に起因する特殊なチャタリングが発生する可能性も考慮しており、特殊なチャタリングに基づいて一旦駆動監視情報の値が「0」からずれた場合にも、図28の第4列に示されたように、駆動監視情報は「240」未満の値に維持される。
ここで、振分モータ13の駆動状態の判定について説明する。図30は、振分モータの正常な駆動状態における遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャートである。図31〜図33の各々は、振分モータの異常な駆動状態における遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャートである。
図30に示されたように、時刻tDのタイマ割り込みにおいて駆動監視情報の値がオン検知閾値「240」以上となってから時刻tIのタイマ割込みにおいて駆動監視情報の値がオフ検知閾値「10」以下になるまでの時間が、許容下限時間TA以上であって許容上限時間TB未満である場合に、振分モータ13の駆動状態は正常であると判定される。一方、図31に示されたように、時刻tD1から許容下限時間TA未満の時間しか経過していない時刻tI1において駆動監視情報の値がオフ検知閾値「10」以下となった場合や、図32及び図32に示されたように、時刻tD2,tD3から許容上限時間TB以上の時間が経過する時刻tK,tK’において駆動監視情報の値がオフ検知閾値「10」以下にならない場合には、振分モータ13の駆動状態は異常であると判定される。
同様に、駆動監視情報の値が時刻tIのタイマ割り込みにおいてオフ検知閾値「10」以下となってから時刻tD’のタイマ割込みにおいてオン検知閾値「240」以上になるまでの時間が、許容下限時間TA以上であって許容上限時間TB未満である場合に、振分モータ13の駆動状態は正常であると判定される。一方、時刻tIから許容上限時間TB以上の時間が経過しても駆動監視情報の値がオン状態閾値「240」以上にならない場合や、時刻tIから許容下限時間TA未満の時間しか経過していないときに駆動監視情報の値がオン検知閾値「240」以上となった場合には、振分モータ13の駆動状態は異常であると判定される。
振分モータ13の駆動状態は異常であると判定された場合には、枠発光装置121〜125、左縁発光装置208及び右発光装置209によってその異常の発生が報知される。なお、この報知は、振分モータ13の駆動状態が正常に戻るまで継続される。なお、この報知期間は、図31〜図33に示された駆動異常フラグが設定されている期間と実質的に同一である。
振分モータ13の駆動状態の判定について、図26及び図30を参照しながら概ね時系列に沿って詳細に説明する。時刻tDのタイマ割り込みの直前において振分モータ13が正常に駆動している場合、検知状態フラグが解除されたオフ検知状態であり、時刻tDは前回のオフ検知状態からオン検知状態への移行からの経過時間を計測する回転監視タイマの値が許容下限時間に対応する許容時間下限閾値以上であって許容上限時間に対応する許容時間上限閾値未満の範囲内であり、駆動異常フラグは解除されている。なお、駆動異常阻止フラグは既に解除されていることとする。
時刻tDのタイマ割込みにおいて、駆動監視情報の値が「238」から「241」に更新されると(図16のS102)、検知状態フラグが設定されておらず(図16のS103:N)、また、駆動監視情報の値がオン検知閾値「240」以上である(図16のS104:Y)ために、検知状態フラグが解除状態から設定状態に変更される(図16のS106)。また、回転監視タイマの値は許容下限時間に対応する許容時間下限閾値「1390(2780msに相当)」以上である(図16のS107:N)ために、駆動異常阻止フラグが解除状態に維持され(図16のS108)、更に駆動異常フラグが解除されているために(図16のS109:Y)、回転監視タイマの値が「0」にリセットされる(図16のS112)。なお、回転監視タイマのリセットによって回転監視タイマの値は許容時間上限閾値「1590(3180msに相当)」未満である(図16のS118:N)ために、本タイマ割込みにおける振分モータ13の駆動状態の判定に関与する処理が終了する。
時刻tDのタイマ割り込みの後から時刻tFのタイマ割込み前までの時刻tDからの経過時間が許容上限時間TB未満である各タイマ割込みにおいて、回転監視タイマが「1」だけ増加し(S101)、光スイッチ21の検出認定状態がオン検出認定状態に維持されるために駆動監視情報の値が「240」以上に維持される(S102)。このとき、検知状態フラグが設定されており(S103:Y)、駆動監視情報がオフ検知閾値「10」を越えて大きい値に維持されており(S105:Y)、また、回転監視タイマの値も許容時間上限閾値「1590」未満である(S118:N)ために、各タイマ割込みにおける振分モータ13の駆動状態の判定に関与する処理が終了する。したがって、これらの各タイマ割込みにおいて、振分モータ13の駆動状態は異常とは判断されない。
時刻tFのタイマ割り込みから時刻tIの割込みの直前までの時刻tDからの経過時間が許容上限時間TB未満である各タイマ割込みにおいて、回転監視タイマが「1」だけ増加し(S101)、光スイッチ21の検出認定状態がチャタリングの発生する場合を除きオフ検出認定状態に維持されるために、駆動監視情報の値が実質的に減少する(S102)。このとき、検知状態フラグが設定されており(S103:Y)、駆動監視情報の値がオフ検知閾値「10」を越えて大きい値に維持されており(S105:Y)、また、回転監視タイマの値も許容時間上限閾値「1590」未満である(S118:N)ために、各タイマ割込みにおける振分モータ13の駆動状態の判定に関与する処理が終了する。したがって、これらの各タイマ割込みにおいて、振分モータ13の駆動状態は異常とは判断されない。
時刻tDからの経過時間が許容上限時間TB未満である時刻tIのタイマ割込みにおいて、回転監視タイマの値が「1」だけ増加して「1440」に変更される(S101)と共に、駆動監視情報の値が「12」から「9」に更新されると(S102)、検知状態フラグが設定されており(S103:Y)、また、駆動監視情報の値がオフ検知閾値「10」以下である(S105:N)ために、検知状態フラグが設定状態から解除状態に変更される(S106)。また、回転監視タイマの値は許容時間下限閾値「1390」以上である(S107:N)ために、駆動異常阻止フラグが解除状態に維持され(S108)、更に駆動異常フラグが解除されている(S109:Y)ために、回転監視タイマの値が「0」にリセットされる(S112)。なお、回転監視タイマのリセットによって回転監視タイマの値は許容時間上限閾値「1590」未満である(S118:N)ために、本タイマ割込みにおける振分モータ13の駆動状態の判定に関与する処理が終了する。したがって、時刻tIの割込みにおいても振分モータ13の駆動状態は異常とは判断されず、振分モータ13の回転軸13Aが時刻tDから時刻tIにかけて正常に半回転したと検知される。
時刻tIのタイマ割り込みの後から時刻tA’(図26においては時刻tAを参照)のタイマ割込み前までの時刻tIからの経過時間が許容上限時間TB未満である各タイマ割込みにおいて、回転監視タイマが「1」だけ増加し(S101)、光スイッチ21の検出認定状態がオフ検出認定状態に維持されるために、駆動監視情報が「10」以下の値に維持される(S102)。このとき、検知状態フラグが解除されており(S103:N)、駆動監視情報がオン検知閾値「240」未満に維持されており(S104:N)、また、回転監視タイマの値も許容時間上限閾値「1590」未満である(S118:N)ために、各タイマ割込みにおける振分モータ13の駆動状態の判定に関与する処理が終了する。したがって、これらの各タイマ割込みにおいて、振分モータ13の駆動状態は異常とは判断されない。
時刻tA’のタイマ割り込みから時刻tD’ (図26においては時刻tDを参照)の割込みの直前までの時刻tIからの経過時間が許容上限時間TA未満である各タイマ割込みにおいて、回転監視タイマが「1」だけ増加し(S101)、光スイッチ21の検出認定状態がチャタリングの発生する場合を除きオン検出認定状態に維持されるために、駆動監視情報が実質的に増加する(S102)。このとき、検知状態フラグが解除されており(S103:N)、駆動監視情報がオン検知閾値「240」未満に維持されており(S104:N)、また、回転監視タイマの値も許容時間上限閾値「1590」未満である(S118:N)ために、各タイマ割込みにおける振分モータ13の駆動状態の判定に関与する処理が終了する。したがって、これらの各タイマ割込みにおいて、振分モータ13の駆動状態は異常とは判断されない。
時刻tIからの経過時間が許容上限時間TB未満である時刻tD’のタイマ割込みにおいて、時刻tDのタイマ割込みと同様に、回転監視タイマの値が「1」だけ増加して「1440」に変更される(S101)と共に、駆動監視情報の値が「238」から「241」に更新されると(S102)、検知状態フラグが解除されており(S103:N)、また、駆動監視情報の値がオン検知閾値「240」以上である(S104:Y)ために、検知状態フラグが解除状態から設定状態に変更される(S106)。また、回転監視タイマの値は許容下限時間に対応する許容時間下限閾値「1390」以上である(S107:N)ために、駆動異常阻止フラグが解除状態に維持され(S108)、更に駆動異常フラグが解除されているために(S109:Y)、回転監視タイマの値が「0」にリセットされる(S112)。なお、回転監視タイマのリセットによって回転監視タイマの値は許容時間上限閾値「1590」未満である(S118:N)ために、本タイマ割込みにおける振分モータ13の駆動状態の判定に関与する処理が終了する。これによって、時刻tD’の割込みにおいても振分モータ13の駆動状態は異常とは判断されず、振分モータ13の回転軸13Aが時刻tIから時刻tD’にかけて正常に半回転したと検知される。
時刻tDから時刻tD’までの処理が繰り返し実行されることによって、恒常的に振分モータ13の駆動状態を回転軸13Aの半回転毎に監視している。なお、上記のように振分モータ13が正常に駆動されている場合には、駆動異常フラグが設定されることはなく、駆動異常フラグは解除状態に維持される。
駆動異常形態1
図30に示されたような振分モータ13が正常に作動している場合と異なり、振分モータ13が正常に駆動されない場合について説明する。
図31に示されたように、時刻tD1からの経過時間が許容下限時間TA未満となる時刻tI1のタイマ割込みにおいて、回転監視タイマの値が「1」だけ増加して「1440」に変更される(S101)と共に、駆動監視情報の値が「12」から「9」に更新されると(S102)、検知状態フラグが設定されており(S103:Y)、また、駆動監視情報の値がオフ検知閾値「10」以下である(S105:N)ために、検知状態フラグが設定状態から解除状態に変更される(S106)。また、回転監視タイマの値は許容時間下限閾値「1390」未満であり(S107:Y)、駆動異常阻止フラグが解除されている(図16のS113:N)ために、駆動異常フラグが解除状態に維持され(図16のS114)、更に駆動異常フラグが解除されているために(図16のS115:N)、駆動異常フラグが設定される(図16のS116)。これによって、主制御装置920において振分モータ13の駆動状態が異常であると判断される。更に、駆動異常との判断に応じて、枠発光装置121〜125、左縁発光装置208及び右発光装置209等によってその異常の発生の報知を開始させるためにサブ制御装置940に報知開始コマンドが送信される(図16のS117及び図15のS1003)。また、振分モータ13の駆動状態が正常に戻ったことを検知するために回転監視タイマの値が「0」にリセットされる(S112)。なお、回転監視タイマのリセットによって回転監視タイマの値は許容時間上限閾値「1590」未満である(S118:N)ために、本タイマ割込みにおける振分モータ13の駆動状態の判定に関与する処理が終了する。
時刻tI1の後は、時刻tD後と同様にして、振分モータ13の駆動状態の監視が継続される。時刻tI1からの経過時間が許容下限時間TA以上である時刻tD1’のタイマ割込みの直前までの各タイマ割り込みにおいて、回転監視タイマが「1」だけ増加し(S101)、光スイッチ21の検出認定状態に応じて駆動監視情報が更新される(S102)。このとき、検知状態フラグが解除されており(S103:Y)、駆動監視情報の値がオフ検知閾値「240」未満に維持されており(S104:N)、また、回転監視タイマの値も許容時間上限閾値「1590」未満である(S118:N)ために、各タイマ割込みにおける振分モータ13の駆動状態の判定に関与する処理が終了する。なお、これらの各タイマ割込みにおいて、振分モータ13の駆動状態は異常とは判断されないが、駆動異常フラグが解除されない(図16のS110のスキップ)ために駆動異常状態は継続し、また、枠発光装置121〜125、左縁発光装置208及び右発光装置209等による異常の報知を停止させるための報知停止コマンドがサブ制御装置に送信されない(図16のS111のスキップ)ために異常の報知は継続する。
その後、時刻tI1からの経過時間が許容下限時間TA以上である時刻tD1’のタイマ割込みにおいて、光スイッチ21の検知状態がオフ検知状態からオン検知状態へ移行し(S103:N及び図16のS104:Y)、回転監視タイマが許容時間下限値「1390」以上であると判定された場合(S107:N)には、駆動異常フラグが設定されている(S109:N)ために、振分モータ13の駆動状態の異常が解消されたとして駆動異常フラグが解除され(図16のS110)、また、左縁発光装置208及び右発光装置209等による異常の報知を停止させるためにサブ制御装置940に報知停止コマンドが送信される(図16のS111及びS1003)。
また、図30に示されたような振分モータ13が正常に作動している場合と異なり、振分モータ13が正常に駆動されない場合について説明する。
図32及び図33に示されたように、時刻tD2,tD3からの経過時間が許容上限時間TB以上となる時刻tKのタイマ割込みにおいて、回転監視タイマの値が「1」だけ増加して「1590」に変更される(S101)と共に、駆動監視情報の値が「249」に維持されている(S102)場合には、検知状態フラグが設定されており(S103:Y)、駆動監視情報の値がオフ検知閾値「10」を超えて大きい値であり(S104:N)、また、回転監視タイマの値は許容時間上限閾値「1590」と同一であり(S118:Y)、駆動異常阻止フラグが解除されている(S113:N)ために、駆動異常阻止フラグが解除状態に維持され(S114)、その後、駆動異常フラグが解除されているために(S115:N)、駆動異常フラグが設定される(S116)。これによって、主制御装置920において振分モータ13の駆動状態が異常であると判断される。更に、駆動異常との判断に応じて、その異常の発生の報知を開始させるためにサブ制御装置940に報知開始コマンドが送信される(S117及びS1003)。また、振分モータ13の駆動状態が正常に戻ったことを検知するために回転監視タイマの値が「0」にリセットされる(S112)。なお、回転監視タイマのリセットによって回転監視タイマの値は許容時間上限閾値「1590」未満である(S118:N)ために、本タイマ割込みにおける振分モータ13の駆動状態の判定に関与する処理が終了する。
振分モータ13の駆動状態が正常に戻ったことが検知される前であって再度回転監視タイマが許容時間上限閾値「1590」になる場合と異なる各タイマ割込みにおいては、回転監視タイマが「1」だけ増加し(S101)、光スイッチ21の検出認定状態がオン検出認定状態に維持されるために、駆動監視情報の値が「249」に維持される(S102)。このとき、検知状態フラグが設定されており(S103:Y)、駆動監視情報がオフ検知閾値「10」を越えて大きい値に維持されており(S105:Y)、また、回転監視タイマの値も許容時間上限閾値「1590」未満である(S118:N)ために、各タイマ割込みにおける振分モータ13の駆動状態の判定に関与する処理が終了する。なお、これらの各タイマ割込みにおいて、振分モータ13の駆動状態は異常とは判断されないが、駆動異常フラグが解除されない(S110のスキップ)ために駆動異常状態は継続し、また、枠発光装置121〜125、異常の報知を停止させるための報知停止コマンドがサブ制御装置940に送信されない(S111のスキップ)ために異常の報知は継続する。
振分モータ13の駆動状態が正常に戻ったことが検知される前であって再度回転監視タイマが許容時間上限閾値「1590」になる各タイマ割込みにおいては、回転監視タイマの値が「1」だけ増加して「1590」に変更される(S101)と共に、駆動監視情報の値が「249」に維持されている(S102)場合には、検知状態フラグが設定されており(S103:Y)、駆動監視情報の値がオフ検知閾値「10」を超えて大きい値であり(S104:N)、また、回転監視タイマの値は許容時間上限閾値「1590」と同一である(S118:Y)ために、駆動異常阻止フラグが解除状態に維持され(S114)、更に駆動異常フラグが設定されているために(S115:Y)、振分モータ13の駆動状態が正常に戻ったことを検知するために再度回転監視タイマの値が「0」にリセットされる(S112)。回転監視タイマのリセットによって回転監視タイマの値は許容時間上限閾値「1590」未満である(S118:N)ために、本タイマ割込みにおける振分モータ13の駆動状態の判定に関与する処理が終了する。なお、これらの各タイマ割込みにおいて、振分モータ13の駆動状態は異常と判断されるが、既に駆動異常フラグが設定されているために再度駆動異常フラグは設定されず(S116のスキップ)に駆動異常状態が継続され、既に異常の報知が実行されているために再度報知停止コマンドをサブ制御装置940に送信することなく(S117のスキップ)、異常の報知が継続される。
図32に示されたように、振分モータ13の駆動状態が異常と判断された前回のタイマ割込みの時刻tKからの経過時間が許容下限時間TA以上である時刻tI2のタイマ割込みにおいて、光スイッチ21の検知状態がオン検知状態からオフ検知状態へ移行し(S103:Y及びS105:N)、回転監視タイマが許容時間下限閾値「1390」以上であると判定された場合(S107:N)には、駆動異常フラグが設定されている(S109:N)ために、振分モータ13の駆動状態の異常が解消されたとして駆動異常フラグが解除され(S110)、また、その異常の報知を停止させるためにサブ制御装置940に報知停止コマンドが送信される。一方、図33に示されたように、時刻tI3のタイマ割込みにおいて光スイッチ21の検知状態がオン検知状態からオフ検知状態へ移行した(S103:Y及びS105:N)ものの、前回のタイマ割込みの時刻tK’からの経過時間が許容下限時間TA未満である場合や許容上限時間TB以上である場合には、振分モータ13の駆動状態が異常と判断された前回のタイマ割込みの時刻tI3からの経過時間が許容下限時間TA以上であり許容上限時間TB未満である時刻tD3’のタイマ割込みにおいて、光スイッチ21の検知状態がオフ検知状態からオン検知状態へ移行し(S103:Y及びS105:N)、回転監視タイマが許容時間下限閾値「1390」以上であり(S107:N)、駆動異常フラグが設定されている(S109:N)ために、振分モータ13の駆動状態の異常が解消されたとして駆動異常フラグが解除され(S110)、また、その異常の報知を停止させるためにサブ制御装置940に報知停止コマンドが送信される。
上記においては、図31〜図33を参照して、光スイッチ21の検知状態がオフ検知状態からオン検知状態へ移行した後に振分モータ13の駆動状態が異常と判断される場合について説明したが、光スイッチ21の検知状態がオフ検知状態からオン検知状態へ移行した後に振分モータ13の駆動状態の異常の判断についても、オン・オフが反転すること以外は実質的に同一であるために、重複する説明は省略する。
ここで、遊技機100の立上直後における振分モータ13の駆動状態の判定について説明する。図34〜図37は、振分モータの駆動開始直後の正常な駆動状態における遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャートである。
振分モータ13の駆動開始における回転角度が概ね0度から6.25度(許容時間下限閾値に依存)までの角度範囲である場合には、図34に示されたように、時刻tLの駆動開始の直後から駆動監視情報が増加し、時刻tLからの経過時間が許容下限時間TA未満である時刻tD4のタイマ割込みにおいて、駆動監視情報がオン検知閾値「240」に到達する(S103:N,S104:Y,S107:Y)。しかし、駆動異常阻止フラグが設定されている(S113:Y)ために、振分モータ13の駆動状態は異常とは判定されない(S116のスキップ)。また、駆動異常阻止フラグは、設定状態に維持される(S114のスキップ)。その後、時刻tD4からの経過時間が許容下限時間TA以上であって許容上限時間TB未満である時刻tI4のタイマ割込みにおいて、駆動監視情報がオフ検知閾値「10」に復帰し(S103:Y,S105:N,S107:N)、振分モータ13の駆動状態は異常ではないと判定される(S116のスキップ)。このタイマ割込みにおいて、駆動異常阻止フラグが解除される(S108:Y)。なお、駆動異常フラグは解除されているために(S109:Y)、駆動異常フラグの解除や駆動異常報知停止コマンドの出力は行われない(S110及びS111のスキップ)。時刻tI4のタイマ割込み以降は、図30〜図33を参照して上記において説明したようにして振分モータ13の駆動状態が監視される。
振分モータ13の駆動開始における回転角度が概ね6.25度から180度までの角度範囲である場合には、図35に示されたように、時刻tLの駆動開始の直後から駆動監視情報が増加し、時刻tLからの経過時間が許容下限時間TA未満である時刻tD5のタイマ割込みにおいて、駆動監視情報がオン検知閾値「240」に到達する(S103:N,S104:Y,S107:Y)。しかし、駆動異常阻止フラグが設定されている(S113:Y)ために、振分モータ13の駆動状態は異常とは判定されない(S116のスキップ)。また、駆動異常阻止フラグは、設定状態に維持される(S114のスキップ)。その後、時刻tD5からの経過時間が許容下限時間TA未満である時刻tI5のタイマ割込みにおいて、駆動監視情報がオフ検知閾値「10」に復帰する(S103:Y,S105:N,S107:Y)。しかし、駆動異常阻止フラグが設定されている(S113:Y)ために、振分モータ13の駆動状態は異常とは判定されない(S116のスキップ)。また、駆動異常阻止フラグは、設定状態に維持される(S114のスキップ)。その後、時刻tI5からの経過時間が許容下限時間TA以上であって許容上限時間TB未満である時刻tD5’のタイマ割込みにおいて、駆動監視情報が再度オン検知閾値「240」に到達し(S103:Y,S104:N,S107:N)、振分モータ13の駆動状態は異常ではないと判定される(S116のスキップ)。このタイマ割込みにおいて、駆動異常阻止フラグが解除される(S108:Y)。なお、駆動異常フラグは解除されているために(S109:Y)、駆動異常フラグの解除や駆動異常報知停止コマンドの出力は行われない(S110及びS111のスキップ)。時刻tD5’のタイマ割込み以降は、図30〜図33を参照して上記において説明したようにして振分モータ13の駆動状態が監視される。
振分モータ13の駆動開始における回転角度が概ね180度から186.25度までの角度範囲である場合には、図36に示されたように、時刻tLの駆動開始の直後から所定の時間まで駆動監視情報が基準値「0」に維持された後に、駆動監視情報は増加を開始する。時刻tLからの経過時間が許容下限時間TA以上であって許容上限時間TB未満である時刻tD6のタイマ割込みにおいて、駆動監視情報がオン検知閾値「240」に到達し(S103:N,S104:Y,S107:N)、振分モータ13の駆動状態は異常ではないと判定される(S116のスキップ)。このタイマ割込みにおいて、駆動異常阻止フラグが解除される(S108:Y)。なお、駆動異常フラグは解除されているために(S109:Y)、駆動異常フラグの解除や駆動異常報知停止コマンドの出力は行われない(S110及びS111のスキップ)。時刻tD6のタイマ割込み以降は、図30〜図33を参照して上記において説明したようにして振分モータ13の駆動状態が監視される。
振分モータ13の駆動開始における回転角度が概ね186.25度から360度(0度)までの角度範囲である場合には、図37に示されたように、時刻tLの駆動開始の直後から所定の時間まで駆動監視情報が基準値「0」に維持された後に、駆動監視情報は増加を開始する。時刻tLからの経過時間が許容下限時間TA未満である時刻tD7のタイマ割込みにおいて、駆動監視情報がオン検知閾値「240」に到達する(S103:N,S104:Y,S107:Y)。しかし、駆動異常阻止フラグが設定されている(S113:Y)ために、振分モータ13の駆動状態は異常とは判定されない(S116のスキップ)。また、駆動異常阻止フラグは、設定状態に維持される(S114のスキップ)。その後、時刻tD7からの経過時間が許容下限時間TA以上であって許容上限時間TB未満である時刻tI4のタイマ割込みにおいて、駆動監視情報がオフ検知閾値「10」に復帰し(S103:Y,S105:N,S107:N)、振分モータ13の駆動状態は異常ではないと判定される(S116のスキップ)。このタイマ割込みにおいて、駆動異常阻止フラグが解除される(S108:Y)。なお、駆動異常フラグは解除されているために(S109:Y)、駆動異常フラグの解除や駆動異常報知停止コマンドの出力は行われない(S110及びS111のスキップ)。時刻tI7のタイマ割込み以降は、図30〜図33を参照して上記において説明したようにして振分モータ13の駆動状態が監視される。
上記の第1の実施形態に係る遊技機100であれば、光スイッチ21からの信号の出力状態に基づいて駆動監視情報が段階的に変化するために、振分モータ13と光スイッチ21との設置誤差等の各種の作製誤差に依存せずに振分モータ13の回転振動に基づくチャタリングによる光スイッチの状態移行の検知における時間的なずれが抑制でき、これによって、振分モータ13の回転振動に伴う振分部材12の駆動異常の誤検知を簡便かつ高精度に抑制できる。
また、光スイッチ21の検出状態がオン検出状態からオフ検出状態へ状態移行する近傍及びオフ検出状態からオン検出状態へ状態移行する近傍における駆動監視情報の値を、それぞれ、基準値及び相対最大値に維持できることによって、光スイッチ21の状態移行から駆駆動異常であるか否かの判定までの時間が均一化されて駆動異常の判定精度が向上する。
また、振分モータ13による駆動に応じて通常遊技状態より遊技球の獲得に関して有利な高利益遊技状態へ移行させる高利益移行領域への遊技媒体の誘導確率を変化させる振分部材12に対して適用して、振分モータ13や振分部材12に対する不測の駆動異常時にはその発生が報知させるために、遊技者にとって過度に不利益な状態や過度に有利な状態が永続的に維持されることが抑制でき、健全な遊技状態を維持することができる。また、振分モータ13の作動を強制的に停止させることや異物によって振分部材12を強制的に固定すること等によって振分部材を誘導確率の高い状態に維持させる不正行為を確実かつ迅速に検知できる。
また、駆動監視情報の更新式として上記の数式1及び数2を用いると共にオン検知閾値及びオフ検知閾値を最適化したことによって、駆動監視情報を更新する演算処理が簡素化され、また、所定の大きさの記憶領域において、基準値を0以外とする場合や駆動監視情報が正数以外の値をとる場合に比べて、駆動監視情報の可変域(ダイナミックレンジ)を最大限に大きくできる。また、上記の数式1及び数式2によって、駆動監視情報の基準値と上限値が自己整合的に決定されるために、それらの値を跨ぐ場合の処理が不要となり、演算処理が簡素化されると共に高速化できる。また、駆動監視情報の値が基準値である場合からのオン検出信号の所定回数、具体的には振分モータ13の駆動における同一励磁相が維持されている励磁期間(4回のタイマ割込み)に監視される回数以上の回数(本形態では11回)の検知に応じて、駆動監視情報の値がオン検知閾値に到達し、駆動監視情報の値が最大値「249」である場合からのオフ検出信号の所定回数、具体的には基準励磁継続期間(4割込み)に監視される回数以上の回数(本形態では11回)の検知に応じて、駆動監視情報の値が前記第2駆動判定閾値に復帰するために、振分モータ13の回転振動に伴う振分部材12の駆動異常の誤検知を更に高精度に抑制できる。これは、図23及び図24を参照して説明したように通常4割込み以上にわたってチャタリングが発生することは実質的にないからである。なお、本形態では、図25を参照して説明したような特殊な場合も考慮されている。更に、振分モータ13の回転振動に基づくチャタリングが発生したとしても、図27〜図29を参照して説明したように、駆動監視情報をオフ検知閾値とオン検知閾値との間に自己整合的に維持できるために、オフ検知閾値に到達したか否か及びオフ検知閾値に復帰したか否かの判定処理が簡素化できる。また、図26〜図18に示されたように、光スイッチ21のオン検出状態からオフ検出状態への状態移行及びオフ検出状態からオン検出状態への移行において、移行の開始時近傍における駆動監視情報を急峻に変化させることができ、振分モータ13の回転振動に基づくチャタリングが発生したとしても駆動監視情報をオフ検知閾値とオン検知閾値との間に更に良好に維持できる。また、図23及び図24に示された標準的なチャタリングが発生したとしても、図27及び図28に示されたように、振分モータ13に回転振動が発生しない理想的な場合に比べて、3回のタイマ割込み期間以上のずれが発生しないために、極めて厳密にかつ高速に光スイッチ21の状態移行を検知できる。なお、図25に示された特殊なチャタリングが発生する場合であっても4回のタイマ割込み期間以上のずれが発生しない。
〔第2の実施形態〕
上記の第1の実施形態においては、振分モータ13の回転軸13Aの半回転毎に、その駆動状態を判定したが、第2の実施形態においては、振分モータ13の回転軸13Aの1回転毎に、その駆動状態を判定する。図38は振分モータの正常な駆動状態における遊技機の動作の他の一例を定性的に表すタイミングチャートであり、図39は振分モータ監視処理の一例を表すフローチャートであり、図40〜図42は、振分モータの駆動開始近傍における正常な駆動状態における遊技機の動作の他の一例を定性的に表すタイミングチャートである。
図38に示されたように、オン検知閾値「240」(〔駆動判定離隔閾値〕の一種)に到達してから次回のオン検知閾値に到達するまでの経過時間が許容下限時間TC(許容時間下限閾値「2780」)以上であり許容下限時間TD(許容時間上限閾値「3030」)未満である許容時間範囲(〔許容到達間隔時間範囲〕の一種)の場合であって、その範囲内において駆動監視情報が一旦オフ検知閾値「10」(〔復帰判定閾値〕の一種)未満となっていた場合に、振分モータ13の駆動状態は正常であると判定する。
ここで、図38に示されたように遊技機100を動作させる制御について説明する。なお、図39に示された振分モータ監視処理S1009以外の処理は実質的に上記の第1の実施形態と同一であるために、その他の処理についての説明は省略する。また、図16に示された振分モータ監視処理S1009と実質的に同一の処理については同一の参照符号を付すこととして、その説明を省略する。
図39に示されたように、図16の場合の検知状態フラグ変更処理S106と異なり、検知状態フラグの変更が、検知状態フラグ設定処理S106’と検知状態フラグ解除処理106”とに分割されており、それぞれ、判定処理S104において駆動監視情報がオン検知閾値以上である場合及び判定処理S105において駆動監視情報がオン検知閾値以下である場合に実行される。また、本形態においては、光スイッチ21のオン検知状態からオフ検知状態への移行の際には、振分モータ13の駆動状態の判定を行う必要がないために、検知状態フラグ解除処理S106”後においては、駆動状態の判定処理(S107〜S112)がスキップされる。これによって、図38に示されたように、振分モータ13の回転軸13Aが1回転する毎に、その駆動状態が正常であるか否かが判定できる。
本形態においては、オン検知閾値に到達してから次回のオン検知閾値に到達するまでの経過時間が許容下限時間TC未満である場合や、許容下限時間TD以上である場合に、振分モータ13の駆動状態は異常であると判定される。また、オン検知閾値に到達してから次回のオン検知閾値に到達するまでに、オフ検知閾値以下に一度も復帰せずに再度オン検知閾値に到達した場合も、振分モータ13の駆動状態は異常であると判定される。なお、振分モータ13の駆動状態が異常であると判定された場合には、上記の第1の実施形態の場合と同様にその発生が報知される。
ここで、遊技機100の立上直後における振分モータ13の駆動状態の判定について説明する。図40〜図42は、振分モータの駆動開始直後の正常な駆動状態における遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャートである。振分モータ13の駆動開始における回転角度が概ね0度から6.25度(許容時間下限閾値に依存)までの角度範囲である場合には、図40に示されたように、時刻tD8のタイマ割込みにおいて、振分モータ13の駆動開始である時刻tLからの経過時間は許容下限時間TC未満であるが駆動異常阻止フラグが設定されているために、駆動異常とは判定されない。その後、時刻tD8のタイマ割込みからの経過時間が許容下限時間TC以上であり許容下限時間TD未満である時刻tD8’のタイマ割込みにおいて、振分モータ13の駆動状態が正常であると判定されると共に、駆動異常阻止フラグが解除される。また、振分モータ13の駆動開始における回転角度が概ね6.25度から180度までの角度範囲である場合には、図41に示されたように、時刻tD9及び時刻tD9’のタイマ割込みにおいて、それぞれ、時刻tL振分モータ13の駆動開始及び時刻tD9のタイマ割り込みからの経過時間は許容下限時間TC未満であるが駆動異常阻止フラグが設定されているために、駆動異常とは判定されない。その後、時刻tD9’のタイマ割込みからの経過時間が許容下限時間TC以上であり許容下限時間TD未満である時刻tD9”のタイマ割込みにおいて、振分モータ13の駆動状態が正常であると判定されると共に、駆動異常阻止フラグが解除される。また、振分モータ13の駆動開始における回転角度が概ね180度から360度(0度)までの角度範囲である場合には、図42に示されたように、時刻tD10のタイマ割込みにおいて、時刻tLの振分モータ13の駆動開始からの経過時間は許容下限時間TC未満であるが駆動異常阻止フラグが設定されているために、駆動異常とは判定されない。その後、時刻tD10のタイマ割込みからの経過時間が許容下限時間TC以上であり許容下限時間TD未満である時刻tD10’のタイマ割込みにおいて、振分モータ13の駆動状態が正常であると判定されると共に、駆動異常阻止フラグが解除される。
上記の第2の実施形態の遊技機であれば、上記の第1の実施形態の遊技機と実質的に同一の効果を奏する。
〔第3の実施形態〕
上記の第1の実施形態においては、振分モータ13の回転軸13Aの半回転毎に、その駆動状態を判定したが、第3の実施形態においては、振分モータ13の回転軸13Aの1回転毎に、その駆動状態を判定する。図43は振分モータの正常な駆動状態における遊技機の動作の他の一例を定性的に表すタイミングチャートであり、図44は振分モータ監視処理の一例を表すフローチャートであり、図45〜図47は、振分モータの駆動開始近傍における正常な駆動状態における遊技機の動作の他の一例を定性的に表すタイミングチャートである。
図43に示されたように、オフ検知閾値「10」(〔駆動判定復帰閾値〕の一種)に到達してから次回のオフ検知閾値に到達するまでの経過時間が許容下限時間TC(許容時間下限閾値「2780」)以上であり許容下限時間TD(許容時間上限閾値「3030」)未満である許容時間範囲(〔許容復帰間隔時間範囲〕の一種)の場合であって、その範囲内において駆動監視情報が一旦オン検知閾値「240」(〔到達判定閾値〕の一種)以上となっていた場合に、振分モータ13の駆動状態は正常であると判定する。
ここで、図43に示されたように遊技機100を動作させる制御について説明する。なお、図44に示された振分モータ監視処理S1009以外の処理は実質的に上記の第1の実施形態と同一であるために、その他の処理についての説明は省略する。また、図16に示された振分モータ監視処理S1009と実質的に同一の処理については同一の参照符号を付すこととして、その説明を省略する。
図44に示されたように、図16の場合の検知状態フラグ変更処理S106と異なり、検知状態フラグの変更が、検知状態フラグ設定処理S106’と検知状態フラグ解除処理106”とに分割されており、それぞれ、判定処理S104において駆動監視情報がオン検知閾値以上である場合及び判定処理S105において駆動監視情報がオン検知閾値以下である場合に実行される。また、本形態においては、光スイッチ21のオフ検知状態からオン検知状態への移行の際には、振分モータ13の駆動状態の判定を行う必要がないために、検知状態フラグ解除処理S106’後においては、駆動状態の判定処理(S107〜S112)がスキップされる。これによって、図43に示されたように、振分モータ13の回転軸13Aが1回転する毎に、その駆動状態が正常であるか否かが判定できる。
本形態においては、オフ検知閾値に到達してから次回のオフ検知閾値に到達するまでの経過時間が許容下限時間TC未満である場合や、許容下限時間TD以上である場合に、振分モータ13の駆動状態は異常であると判定される。また、オフ検知閾値に到達してから次回のオフ検知閾値に到達するまでに、オン検知閾値以上に一度も到達せずに再度オフ検知閾値に到達した場合も、振分モータ13の駆動状態は異常であると判定される。なお、振分モータ13の駆動状態が異常であると判定された場合には、上記の第1の実施形態の場合と同様にその発生が報知される。
ここで、遊技機100の立上直後における振分モータ13の駆動状態の判定について説明する。図45〜図47は、振分モータの駆動開始直後の正常な駆動状態における遊技機の動作の一例を定性的に表すタイミングチャートである。振分モータ13の駆動開始における回転角度が概ね0度から180度までの角度範囲である場合には、図45に示されたように、時刻tI11のタイマ割込みにおいて、振分モータ13の駆動開始である時刻tLからの経過時間は許容下限時間TC未満であるが駆動異常阻止フラグが設定されているために、駆動異常とは判定されない。その後、時刻tI11のタイマ割込みからの経過時間が許容下限時間TC以上であり許容下限時間TD未満である時刻tI11’のタイマ割込みにおいて、振分モータ13の駆動状態が正常であると判定されると共に、駆動異常阻止フラグが解除される。また、振分モータ13の駆動開始における回転角度が概ね180度から186.25度(許容時間下限閾値に依存)までの角度範囲である場合には、図46に示されたように、時刻tLの振分モータ13の駆動開始からの経過時間が許容下限時間TC以上であって許容上限時間TD未満である時刻tD12のタイマ割込みにおいて、振分モータ13の駆動状態が正常であると判定されると共に、駆動異常阻止フラグが解除される。また、振分モータ13の駆動開始における回転角度が概ね186.25度から360度(0度)までの角度範囲である場合には、図47に示されたように、時刻tI13のタイマ割込みにおいて、振分モータ13の駆動開始である時刻tLからの経過時間は許容下限時間TC未満であるが駆動異常阻止フラグが設定されているために、駆動異常とは判定されない。その後、時刻tI13のタイマ割込みからの経過時間が許容下限時間TC以上であり許容下限時間TD未満である時刻tI13’のタイマ割込みにおいて、振分モータ13の駆動状態が正常であると判定されると共に、駆動異常阻止フラグが解除される。
上記の第3の実施形態の遊技機であれば、上記の第1の実施形態の遊技機と実質的に同一の効果を奏する。