<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図18を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図9参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、所定の条件(図19のS1410参照)が成立した場合には、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1始動口64、第2始動口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1始動口64、第2始動口640、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口63等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図19参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、2つの第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37Aには、発光手段である複数のLED37Aaと7セグメント表示器37Abとが設けられている。他方の第1図柄表示装置37Bもまた同様に、発光手段である複数のLED37Baと7セグメント表示器37Bbとが設けられている。
第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、これらの第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1始動口64へ入球したか、第2始動口640へ入球したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1始動口64へ入球した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2始動口640へ入球した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
複数のLED37Aa,37Baは、いずれも、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37Ab,37Bbは、いずれも、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37Aa,37Baは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1始動口64及び第2始動口640へ入球があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、16R確変大当たりと16R通常大当たりが用意されている。LED37Aa,37Baには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「16R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「16R通常大当たり」は、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2始動口640へ球が入球し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2始動口640へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2始動口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2始動口640へ球が入球しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2始動口640へ球が入球し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2始動口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2始動口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2始動口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1始動口64及び第2始動口640への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図19参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図9参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されと、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2始動口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2始動口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2始動口640へ球が入球しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2始動口640へ球が入球しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左方および右方において遊技盤に組み付けられ、遊技領域を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置83にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1始動口64が配設されている。この第1始動口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図9参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37AのLED37Aaで示される。
一方、可変表示装置ユニット80の正面視右方には、球が入球し得る第2始動口640が配設されている。この第2始動口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図19参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37BのLED37Baで示される。
また、第1始動口64および第2始動口640は、それぞれ、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1始動口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2始動口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1始動口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2始動口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1始動口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2始動口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2始動口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2始動口640へ入球しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2始動口640へ入球しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2始動口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1始動口64に球が入球した場合と第2始動口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として16R確変大当たりとなる確率は、第2始動口640へ球が入球した場合のほうが第1始動口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1始動口64は、第2始動口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2始動口640に付随する電動役物640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2始動口640に入球しづらいので、電動役物のない第1始動口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1始動口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、第2始動口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2始動口640に入球しやすい状態であるので、第2始動口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2始動口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1始動口64の下方には、特定入賞口65aを有する可変入賞装置65が配設されている。パチンコ機10においては、第1始動口64及び第2始動口640への入球に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37AのLED37Aaを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定の条件が成立するまで(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、いずれも上記した所定の条件が成立すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。詳細には、後述するが、閉状態では、特定入賞口65aが釘により閉鎖される(遊技球の入球が規制される開口幅に設定される)位置に駆動モータM(図19参照)を駆動して、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLED37Aa,LED37Baが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。一般入賞口63,始動口64,640、特定入賞口65aのいずれにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図19参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図9参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、可変入賞装置65について説明する。図4(a)は、可変入賞装置65の正面図であり、図4(b)は、図4(a)のIVb方向から視た可変入賞装置65の側面図であり、図4(c)は、図4(b)のIVc−IVc線における可変入賞装置65の断面図であり、図4(d)は、図4(a)のIVd−IVd線における可変入賞装置65の断面図である。なお、図4(b)及び図4(d)では、駆動モータMを模式的に図示している。
図4に示すように、可変入賞装置65は、遊技盤13(図5(a)参照)に対して回転可能に保持される回転部材650と、その回転部材650を回転させるための駆動力を付与する駆動モータMとを主に備えている。
回転部材650は、円板状の円板部651と、その円板部651の正面側(図4(b)下側)に固着される入球部652とを備えている。
円板部651は、その裏面側(図4(b)上側)における中心部分に立設された回転軸651aと、その回転軸651aからオフセットした位置に少なくとも遊技球が流入可能な開口面積を有して切欠形成された流入口651bとを備えている。
なお、本実施の形態では、円板部651の外縁部分から中心側へ向けて流入口651bが切欠形成されているが、円板部651の外縁部分を残存させつつ流入口651bを切り抜くことにより形成してもよい。
入球部652は、円板部651の正面側に対向して配設される対向壁653と、その対向壁653を円板部651に連結する連結壁654とを備えている。
対向壁653は、回転部材650の正面視において流入口651bと対応する位置に配設され、円板部651との対向間隔が遊技球の外径よりも大きな寸法に設定されている。
連結壁654は、流入口651bへの遊技球の流入を規制するための部位であり、流入口651bの周縁に沿って正面視略U字状に延設されている。連結壁654は、その両端部分が円板部651の外縁部分に位置しており、連結壁654の両端部分の間には遊技球の外径の略2倍分の間隔が空けられている。
入球部652は、連結壁654の両端部分の間に形成された開口領域が、遊技球が入球可能な特定入賞口65aとして構成され、その特定入賞口65aから入球した遊技球は、対向壁653と連結壁654とに囲まれた内部空間である収容部655に収容される。
連結壁654のうち特定入賞口65aに対向する位置に配設される部位である第1連結壁654aは、その内周面が流入口651b側へ近接するにつれて特定入賞口65aとの対向間隔が大きくなるように傾斜している。これにより、収容部655に収容されて第1連結壁654aの内周面に着地した遊技球を、その第1連結壁654aの内周面の傾斜によって流入口651b側へ誘導することができる。
また、連結壁654のうち第1連結壁654aの一方側(図4(b)右側)に連設される第2連結壁654bは、その内周面が流入口651bへ近接するにつれて連結壁654のうち第1連結壁654aの他方側(図4(b)左側)に連設される第3連結壁654cの内周面との対向間隔が大きくなるように傾斜している。これにより、収容部655に収容された第2連結壁654bの内周面に着地した遊技球を、その第2連結壁654bの内周面の傾斜によって流入口651b側へ誘導することができる。
このように、特定入賞口65aから収容部655に入球した遊技球を遊技盤13の裏面側に取り込むことができる。よって、収容部655の内部で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる。
ここで、本実施の形態では、流入口651bの内周面が、第1連結壁654a及び第2連結壁654bの各内周面と面一状に連設されている。これにより、第1連結壁654a及び第2連結壁654bの各内周面に着地した遊技球を、流入口651bに円滑に取り込むことができる。
なお、第1連結壁654a及び第2連結壁654bの各内周面は、流入口651bの内周面と面一状に連設される必要はなく、第1連結壁654a及び第2連結壁654bの各内周面から流入口651bへ遊技球を取り込むことが可能であれば(遊技球を流入口651bから裏面側へ取り込むことが可能な開口領域が確保されていれば)、流入口651bの内周面よりも流入口651b側へ張り出していてもよい。これにより、第1連結壁654a及び第2連結壁654bの各内周面に着地した遊技球が、円板部651に引っ掛かって流入口651bへの流入が阻害されることを回避できる。
駆動モータMは、回転部材650に回転駆動力を付与するステッピングモータであり、駆動軸Maが円板部651の回転軸651aに連結されている。駆動軸Maには、ロータリーエンコーダから構成される回転位置検出センサSが装着されており、その回転位置検出センサSによって遊技盤13に対する回転部材650の回転位置が検出される。
なお、本実施形態では、ロータリーエンコーダから構成される回転位置検出センサSによって、回転部材650の角度を検出するように構成したが、それに限らず、回転部材650が原点位置(図5(b)に示す位置)となった場合に、回転部材650の一部(例えば、回転部材650から突出片を背面側に突出させて、その突出片)をフォトセンサで検出するように構成して、原点位置のみを検出するように構成してもよい。このような場合には、電源投入時等の初期設定処理で、ステッピングモータを定められた回動方向(例えば、時計まわり方向)に回動させて、フォトセンサがオンした箇所を原点位置として設定して、ステップカウンタを0に設定し、ステップカウンタの値で、回転部材650の位置を判別するように構成してもよい。
次に、図5を参照して、遊技盤13と可変入賞装置65との配置関係について説明する。図5は、遊技盤13の部分拡大正面図であり、図5(a)には、可変入賞装置65が設置される前の遊技盤13が図示され、図5(b)には、可変入賞装置65が設置された状態の遊技盤13が図示されている。なお、図5(a)では、図面を簡素化するため、遊技盤13の裏面側に配設される第1通路691及び第2通路692(図8(a)参照)などの図示を省略している。
図5(a)に示すように、遊技盤13には正面視円形状の孔部13aが開口形成され、その孔部13aの外径が円板部651(図5(b)参照)の外径よりもやや大きな寸法に設定されている。
孔部13aの周囲には、孔部13aの左方に形成される第1閉鎖部671と、孔部13aの右上方に形成される第2閉鎖部672と、孔部13aの右下方に形成される第3閉鎖部673と、第1閉鎖部671及び第2閉鎖部672の間であって孔部13aの上方に形成される第1開放部681と、第2閉鎖部672及び第3閉鎖部673の間であって孔部13aの右方に形成される第2開放部682と、第1閉鎖部671及び第3閉鎖部673の間であって孔部13aの下方に形成される排球部683と、が形成されている。
第1閉鎖部671、第2閉鎖部672及び第3閉鎖部673は、流入口651b(図5(b)参照)への遊技球の流入を規制する部位であり、第1開放部681、第2開放部682及び排球部683は、遊技球が通過可能な流路として構成される部位である。
第1閉鎖部671、第2閉鎖部672及び第3閉鎖部673は、孔部13aを囲むように遊技盤13に植立された複数の釘によりそれぞれ構成され、それら複数の釘は、隣り合う釘どうしの間隔が遊技球の外径よりも小さな寸法に設定されている。これにより、第1閉鎖部671、第2閉鎖部672又は第3閉鎖部673に衝突する遊技球は、流入口651bへの流入が規制される。
第1開放部681は、第1閉鎖部671を構成する複数の釘のうち最も第2閉鎖部672に近接した位置に配設される釘N1と、第2閉鎖部672を構成する釘のうち第1閉鎖部671に近接した位置に配設された釘N2との間に形成された流路である。
第1開放部681は、その流路幅(釘N1と釘N2との間隔)が遊技球の外径よりもやや大きな寸法に設定されている。
第2開放部682は、第2閉鎖部672を構成する2本の釘のうち第3閉鎖部673に近接した位置に配設された釘N3と、第3閉鎖部673を構成する複数の釘のうち最も第2閉鎖部672に近接した位置に配設された釘N4との間に形成された流路である。
第2開放部682は、その流路幅(即ち、釘N3と釘N4との間隔)が遊技球の外径よりも大きな寸法に設定されている。
なお、第2開放部682の流路幅は、第1開放部681よりも流路幅が大きな寸法に設定され、第1開放部681の流路幅は、特定入賞口65aの開口幅よりも小さな寸法に設定されている。
遊技盤13には、釘N4から右上方へ向けて複数の釘が列設されており、それら複数の釘が、遊技球を第2開放部682へ誘導するための誘導路として機能する。
排球部683は、第1閉鎖部671を構成する複数の釘のうち第3閉鎖部673に最も近接した位置に配設される釘N5と、第3閉鎖部673を構成する複数の釘のうち第1閉鎖部671に最も近接した位置に配設される釘N6との間に形成された流路である。
可変入賞装置65の下方にはアウト口66(図2参照)が形成されているので、排球部683を通過した遊技球を円滑にアウト口66へ案内することができる。
排球部683は、その流路幅(釘N5と釘N6との間隔)が少なくとも遊技球の外径よりも大きな寸法(例えば、遊技球の直径の3倍)に設定されている。
なお、排球部683の流路幅は、第1開放部681及び第2開放部682の流路幅よりも大きな寸法に設定されることが好ましい。これにより、第1開放部681及び第2開放部682の双方から短時間に多くの遊技球が流入した場合であっても、遊技球を排球部683から下流側へ円滑に流下させることができる。
図5(b)に示すように、可変入賞装置65は、遊技盤13に装着された状態において、円板部651が孔部13aの内部に収容され、円板部651の正面側(図5(b)紙面手前側)が遊技盤13の正面側と面一になるように配置されている。これにより、円板部651を遊技盤13の一部として構成することができ、円板部651の正面側に遊技球を流下させるための空間を形成することができる。
また、孔部13aは、流入口651bが配設される位置を除くほとんどの領域が円板部651によって閉鎖される。従って、特定入賞口65aに入球した遊技球については、流入口651b(孔部13a)から遊技盤13の裏面側に流入させることができるが、特定入賞口65aから外れて流下した遊技球については、そのまま排球部683から下流側へ流下する。
駆動モータMの駆動軸Ma(図4(d)参照)から回転軸651a(図4(d)参照)に回転駆動力が付与されると、回転部材650が回転し、それに伴って入球部652が回転変位する。このとき、特定入賞口65aは、回転部材650の径方向外方へ向けられた状態で回転軸651aを中心とする円周上に沿って変位する。
なお、回転部材650の変位態様としては、特定入賞口65aへの遊技球の入球が規制される閉鎖状態(通常状態)と、特定入賞口65aへの遊技球の入球が可能な第1開放状態および第2開放状態とがある。以下、図6及び図7を参照して、回転部材650の変位態様について説明する。
図6(a)は、閉鎖状態における遊技盤13の部分拡大正面図であり、図6(b)は、第1開放状態における遊技盤13の部分拡大正面図である。図7(a)は、第2開放状態における遊技盤13の部分拡大正面図であり、図7(b)は、第2開放状態から閉鎖状態へ移行する際における回転部材650の変位態様を模式的に表した遊技盤13の部分拡大正面図である。なお、図6及び図7では、図面を簡素化して説明をわかり易くするため、入球部652を断面視すると共に、第1開放部681又は第2開放部682を通過する遊技球の流下態様を模式的に図示している。
図6(a)に示すように、開放状態(第1開放状態または第2開放状態)から閉鎖状態へ移行する場合には、駆動モータMを制御し、特定入賞口65aが第1閉鎖部671と対向する位置に到達するまで回転部材650を回転させる。
この閉鎖状態では、特定入賞口65aが第1閉鎖部671に対向した状態で回転部材650が静止する。特定入賞口65aが第1閉鎖部671へ向けられ、第1開放部681および第2開放部682と流入口651bとの間には、入球部652の側壁面として構成される連結壁654が配設される。
第2連結壁654bの先端部分と第1閉鎖部671を構成する釘との最短距離、及び、第3連結壁654cの先端部分と第1閉鎖部671を構成する釘との最短距離は、遊技球の外径よりも小さな寸法に設定されている。即ち、第2連結壁654bと第1閉鎖部671との間、及び、第3連結壁654cと第1閉鎖部671との間を遊技球が通過することが規制されている。
よって、第1開放部681及び第2開放部682を通過した遊技球が、流入口651bに流入することを規制できる。
入球部652は、第2連結壁654bの先端部分が釘N1付近に位置し、第2連結壁654bと第2閉鎖部672との間隔(釘N2との間隔)が遊技球の外径よりも大きな寸法となる位置で静止している。よって、第1開放部681を通過した遊技球を、排球部683へ向けて円滑に流下させることができる。即ち、第1開放部681を通過した遊技球が第2連結壁654bと第2閉鎖部672との間で詰まることを抑制できるので、第1開放部681内で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる。
入球部652は、第2連結壁654bと第3閉鎖部673との間隔が遊技球の外径よりも広くなる位置で静止している。よって、第2開放部682を通過した遊技球を、排球部683へ向けて円滑に流下させることができる。即ち、第2開放部682を通過した遊技球が連結壁654と第3閉鎖部673との間で詰まることを抑制できるので、第2開放部682内で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる。
なお、入球部652が円板部651の回転中心からオフセットした位置に配設されているので、その分、閉鎖状態では、連結壁654と第2閉鎖部672および第3閉鎖部673との間隔、即ち、第1開放部681又は第2開放部682を通過した遊技球を排球部683まで流下させるための流路を広くすることができる。
さらに、排球部683は、その流路幅が第1開放部681及び第2開放部682の流路幅よりも大きな寸法に設定されているので、第1開放部681及び第2開放部682から同時に多量の遊技球が通過した場合であっても、円滑に遊技球を排球部683から下流側へ流下させることができる。
なお、閉鎖状態では、入球部652が、連結壁654のうち第1開放部681に対向する第2連結壁654bの外壁面を第2連結壁654bの先端部分から第1連結壁654a側へ向けて下降傾斜させた状態で静止する。よって、第1開放部681を通過した遊技球が、第2連結壁654bの先端側へ転動することを防止できる。即ち、遊技球が排球部683へ向けて流下せずに第2連結壁654bと第1閉鎖部671との間に滞留することを回避できる。
このように、閉鎖状態では、遊技球の特定入賞口65aへの進入が規制され、第1開放部681及び第2開放部682を通過する遊技球は、いずれも特定入賞口65aに入球することなく、排球部683から下流側へ流下する。
次に、図6(b)を参照して、第1開放状態について説明する。図6(b)に示すように、閉鎖状態から第1開放状態へ移行する場合、駆動モータMを制御し、特定入賞口65aが第1開放部681へ向けられた位置に到達するまで回転部材650を回転させる。
この第1開放状態では、特定入賞口65aが第1開放部681に対向した状態で回転部材650が静止する。よって、第1開放部681を通過した遊技球を、特定入賞口65aに入球させ、流入口651bに流入させることができる。
また、第3連結壁654cの先端部分が釘N1よりも回転部材650の周方向他側(図6(b)反時計回り方向側、図6(b)左側)に位置し、第2連結壁654bの先端部分が釘N2よりも回転部材650の周方向一側(図6(b)時計回り方向側、図6(b)右側)に位置した状態で入球部652が静止する。よって、第1開放部681を通過した遊技球を円滑に特定入賞口65aに入球させることができる。
第2開放部682と流入口651bとの間には、入球部652の側壁面として構成される連結壁654が配設される。さらに、第2連結壁654bの先端部分と第2閉鎖部672との最短距離(釘N2,N3との間隔)、及び、第3連結壁654cの先端部分と第1閉鎖部671との最短距離(釘N1との間隔)が、遊技球の外径よりも小さな寸法に設定される。即ち、第2連結壁654bと第2閉鎖部672との間、及び、第3連結壁654cと第1閉鎖部671との間を遊技球が通過することが規制されている。
よって、第2開放部682を通過した遊技球が、流入口651bに流入することを規制できる。
また、入球部652は、連結壁654と第3閉鎖部673との間隔が、遊技球の外径よりも大きな寸法となる位置で静止している。よって、第2開放部682を通過した遊技球を、排球部683へ向けて円滑に流下させることができる。即ち、第2開放部682を通過した遊技球が連結壁654と第3閉鎖部673との間で詰まることを抑制できるので、第2開放部682内で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる。
なお、入球部652が円板部651の回転中心からオフセットした位置に配設されているので、その分、第1開放状態では、連結壁654と第3閉鎖部673との間隔、即ち、第2開放部682を通過した遊技球を排球部683まで流下させるための流路を広くすることができる。
さらに、入球部652が、連結壁654のうち第2開放部682と対向する第2連結壁654bの外壁面を第2連結壁654bの先端部分から第1連結壁654a側へ向けて下降傾斜させた状態で静止する。よって、第2開放部682を通過した遊技球を排球部683へ向けて円滑に流下させることができる。
このように、第1開放状態では、第1開放部681を通過する遊技球が特定入賞口65aへ入球することを可能としつつ、第2開放部682を通過する遊技球を排球部683から下流側へ円滑に流下させることができる。
本実施の形態では、通常時では可変入賞装置65が閉鎖状態となっているのに対し、後述する「大当たりA」又は「大当たりC」になると、回転部材650が一方向側(図6(a)時計回り方向)への回転を開始し、第1開放状態へ移行する。その後、第1開放状態への移行が完了した後に後述する閉鎖条件が成立すると、回転部材650が他方向側(図6(b)の反時計回り方向)への回転を開始し、第1開放状態から閉鎖状態へ移行する。これら閉鎖状態から第1開放状態への移行と第1開放状態から閉鎖状態への移行とは、反復して(本実施の形態では16回)行われる。
ここで、閉鎖状態から第1開放状態へ移行する際に、回転部材650を他方向側(図6(a)反時計回り方向)に回転させると、回転部材650が回転する過程で特定入賞口65aが一時的に第2開放部682へ向けられる。このタイミングで遊技球が第2開放部682を通過した場合には、遊技球が特定入賞口65aへ入球される。
同様に、第1開放状態から閉鎖状態へ移行する際に、回転部材650を一方向側(図6(b)に示す時計回り方向)に回転させると、回転部材650が回転する過程で特定入賞口65aが一時的に第2開放部682へ向けられる。このタイミングで遊技球が第2開放部682を通過した場合には、遊技球が特定入賞口65aへ入球される。
これに対し、本実施の形態では、閉鎖状態から第1開放状態へ移行する際には回転部材650を一方向側へ回転させ、第1開放状態から閉鎖状態へ移行する際には、回転部材650を他方向側に回転させることで、第2開放部682を通過した遊技球が特定入賞口65aへ入球されることを回避できる。
また、第1開放部681が第1閉鎖部671の一方向側(図6(a)時計回り方向、図6(a)右側)に隣接している。従って、閉鎖状態から第1開放状態へ移行する場合に特定入賞口65aを一方向側へ変位させることで、閉鎖状態から第1開放状態への移行を素早く行うことができる。
次に、図7を参照して、第2開放状態について説明する。図7(a)に示すように、閉鎖状態から第2開放状態へ移行する場合、駆動モータMを制御し、特定入賞口65aが第2開放部682へ向けられた位置に到達まで回転部材650を回転させる。
この第2開放状態では、特定入賞口65aが第2開放部682に対向した状態で回転部材650が静止する。よって、第2開放部682を通過した遊技球を、特定入賞口65aに入球させ、流入口651bに流入させることができる。
また、第3連結壁654cの先端部分が釘N3付近に位置し、第2連結壁654bの先端部分が釘N4よりも回転部材650の周方向一側(図7(a)時計回り方向側、図7(a)下側)に位置した状態で入球部652が静止する。よって、第2開放部682を通過した遊技球を円滑に特定入賞口65aに入球させることができる。
第2開放状態では、入球部652は、第2連結壁654bの内周面が第2連結壁654bの先端部分から第1連結壁654a側へ向けて下降傾斜した状態で静止する。よって、一旦特定入賞口65aに入球した遊技球が特定入賞口65aから飛び出ることを抑制できる。
なお、第2開放部682は、その流路幅が第1開放部681よりも大きな寸法に設定されている。従って、第2開放状態では、第1開放状態(図6(b)参照)よりも遊技球を特定入賞口65aへ効率よく入球させることができる。
また、第1開放部681は、その流路幅が特定入賞口65aの開口幅よりも小さな寸法に設定されているので、特定入賞口65aへの入球し易さを容易に調整することができる。即ち、特定入賞口65aの開口幅が可変に構成される場合と比べて、可変入賞装置65の構造を簡素化できる。
第2開放状態では、第1開放部681と流入口651bとの間に、入球部652の側壁面として構成される連結壁654が配設される。さらに、第3連結壁654cの先端部分と第2閉鎖部672との最短距離(釘N3との間隔)、及び、第2連結壁654bの先端部分と第3閉鎖部673との最短距離(釘N4との間隔)が、遊技球の外径よりも小さな寸法に設定される。即ち、第3連結壁654cと第2閉鎖部672との間、及び、第2連結壁654bと第3閉鎖部673との間を遊技球が通過することが規制されている。
よって、第1開放部681を通過した遊技球が、流入口651bに流入することを規制できる。
入球部652は、連結壁654と第1閉鎖部671との間隔が遊技球の外径よりも広くなる位置で静止している。よって、第1開放部681を通過した遊技球を、排球部683へ向けて円滑に流下させることができる。即ち、第1開放部681を通過した遊技球が連結壁654と第1閉鎖部671との間で詰まることを抑制できるので、第1開放部681内で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる。
なお、入球部652が円板部651の回転中心からオフセットした位置に配設されているので、その分、第2開放状態では、連結壁654と第1閉鎖部671との間隔、即ち、第1開放部681を通過した遊技球を排球部683まで流下させるための流路を広くすることができる。
入球部652は、第2開放状態では、連結壁654のうち第1開放部681に対向する第3連結壁654cの外壁面を第3連結壁654cの先端部分から第1連結壁654a側へ向けて下降傾斜させた状態で静止する。よって、第1開放部681を通過した遊技球が、第3連結壁654cの先端側へ転動することを防止できる。即ち、遊技球が排球部683へ向けて流下せずに第3連結壁654cと第2閉鎖部672との間に滞留することを回避できる。
このように、第2開放状態では、第2開放部682を通過する遊技球が特定入賞口65aへ入球することを可能としつつ、第1開放部681を通過する遊技球を排球部683から下流側へ円滑に流下させることができる。
本実施の形態では、通常時では可変入賞装置65が閉鎖状態となっているのに対し、後述する「大当たりB」又は「大当たりD」になると、回転部材650が他方向側(図7(a)反時計回り方向)への回転を開始し、第2開放状態へ移行する。その後、第2開放状態への移行が完了した後に後述する閉鎖条件が成立すると、回転部材650が一方向側(図7(a)の時計回り方向)への回転を開始し、第2開放状態から閉鎖状態へ移行する。これら閉鎖状態から第2開放状態への移行と第2開放状態から閉鎖状態への移行とは、反復して(本実施の形態では16回)行われる。
ここで、閉鎖状態から第2開放状態へ移行する際に、回転部材650を一方向側(図7(a)時計回り方向)に回転させると、回転部材650が回転する過程で特定入賞口65aが一時的に第1開放部681へ向けられる。このタイミングで遊技球が第1開放部681を通過した場合には、遊技球が特定入賞口65aへ入球される。
同様に、第2開放状態から閉鎖状態へ移行する際に、回転部材650を他方向側(図7(a)反時計回り方向)に回転させると、回転部材650が回転する過程で特定入賞口65aが一時的に第1開放部681へ向けられる。このタイミングで遊技球が第1開放部681を通過した場合には、遊技球が特定入賞口65aへ入球される。
これに対し、本実施の形態では、閉鎖状態から第2開放状態へ移行する際には回転部材650を他方向側へ回転させ、第2開放状態から閉鎖状態へ移行する際には、回転部材650を一方向側に回転させることで、第1開放部681を通過した遊技球が特定入賞口65aへ入球されることを回避できる。
また、閉鎖状態から第2開放状態への移行および第2開放状態から閉鎖状態への移行を行う場合に、特定入賞口65aは下方向けられた状態で回転軸651a(図4(b)参照)を中心とする円周上を回転変位する。よって、特定入賞口65aに遊技球が入球することを抑制できる。
これに加え、第1閉鎖部671を回転部材650の回転軸651aよりも下方となる位置まで延設し、第2開放部682の下方に第3閉鎖部673を設けることにより、排球部683を通過した遊技球をアウト口66(図2参照)へ案内しやすくすることができる。
なお、第2連設壁654b及び第3連結壁654cの先端側に位置する外周面が遊技球の形状に倣った円弧状に凹設形成されている。
これにより、回転部材650が他方向側(図7(a)反時計回り方向)へ回転する場合(閉鎖状態から第2開放状態へ移行する場合)には、図7(b)に示す状態(特定入賞口65aが下方へ向けられた状態)において第3連結壁654cと第3閉鎖部673との間に流下した遊技球を、第3連設壁654cの先端部分における外周面によって掬い上げることができる。また、第2開放状態への移行が完了するまでに、第3連結壁654cの外周面が回転部材650の先端部分から第1連結壁654a側へ向けて下降傾斜する状態となるまで入球部652が変位するので、掬い上げられた遊技球を、第3連設壁654cの外周面上を転動させて、排球部683へ向けて流下させることができる。
これにより、図7(b)に示す状態において第3連結壁654cと第3閉鎖部673との間に流下した遊技球が挟まることに起因して回転部材650の回転が規制されることを回避できる。
また、回転部材650が一方向側(図7(a)時計回り方向)へ回転する場合(第2開放状態から閉鎖状態へ移行する場合)に、図7(b)に示す状態において第2連結壁654bと第1閉鎖部671との間に流下した遊技球を、第2連設壁654bの先端部分における外周面によって掬い上げることができる。また、閉鎖状態への移行が完了するまでに、第2連結壁654bの外周面が回転部材650の先端部分から第1連結壁654a側へ向けて下降傾斜する状態となるまで入球部652が変位するので、掬い上げられた遊技球を、第2連設壁654bの外周面上を転動させて、排球部683へ向けて流下させることができる。
これにより、図7(b)に示す状態において第2連結壁654bと第1閉鎖部671との間に流下した遊技球が挟まることに起因して回転部材650の回転が規制されることを回避できる。
また、流入口651bが円板部651に形成され、その円板部651に入球部652が固着されることで、回転部材650を回転させる際には流入口651bと入球部652とが一体的に変位する。即ち、入球部652と流入口651bとの相対位置にズレが生じることを防止できるので、入球部652に取り込まれた遊技球を確実に流入口651bへ誘導することができる。さらに、特定入賞口65aから外れて流下する遊技球が流入口651bに流入することを回避できる。
以上説明したように、回転部材650の円板部651が収容される孔部13aの周囲には、第1閉鎖部671,第1開放部681、第2閉鎖部672、第2開放部682、第3閉鎖部673、排球部683がこの順序が形成され、特定入賞口65aが回転軸651aを中心とする円周上に沿って回転変位する。
通常時において、可変入賞装置65は、特定入賞口65aが第1閉鎖部671へ向けられた状態で回転部材650が静止し、特定入賞口65aから流入口651bへの流入が規制される。これに対し、大当たり(「大当たりA」〜「大当たりD」)になると、可変入賞装置65は、駆動モータMを駆動させて回転部材650を回転させることにより、特定入賞口65aが第1開放部681へ向けられた位置で静止する第1開放状態、又は、特定入賞口65aが第2開放部682へ向けられた位置で静止する第2開放状態へ移行する。これにより、特定入賞口65aから流入口651bへの流入が可能となる。
可変入賞装置65は、特定入賞口65aへの遊技球の進入が規制された閉鎖状態(通常状態)から特定入賞口65aへの遊技球の進入が許容された開放状態(第1開放状態または第2開放状態)へ移行するので、遊技者に対し、入球部652の変位態様に応じて(特定入賞口65aが向けられた方向に応じて)遊技球の発射の仕方を変えるように仕向けることができるので、遊技者が享受する遊技性を向上させることができる。
また、第2開放部682は、第1開放部681よりも流路幅が大きな寸法に設定されている分、遊技球を通過させやすくすることができるので、第2開放状態では第1開放状態よりも遊技球を特定入賞口65aへ進入させやすくすることができる。このように、特定入賞口65aの開口幅(連結壁654の両端部分どうしの対向間隔)を変えることなく特定入賞口65aへの遊技球の進入し易さを変化させることができるので、特定入賞口65aの開口幅を変えるための構造を不要とすることができる分、可変入賞装置65の構成を簡素化できる。
さらに、入球部652の変位態様(特定入賞口65が向けられる方向)により遊技球の特定入賞口65aへの進入しやすさを変更することができるので、遊技の多様性を図ることができる。
また、流入口651bが遊技盤13に対して相対変位可能に構成されているので、特定入賞口65aの向きに応じて流入口651bを変位させることで、特定入賞口65aに進入した遊技球を流入口651bに円滑に取り込むことができる。
さらに、流入口651bが円板部651に形成され、駆動モータMを動作させて円板部651を回転させることによって流入口651bが遊技盤13に対して相対変位するので、流入口651bを遊技盤13に対して相対変位可能に構成するための構造を簡素化できる。
また、流入口651bが形成された入球部652に円板部651が固定されているので、駆動モータMの動作によって特定入賞口65aと流入口651bとを一体的に変位させることができる。これにより、特定入賞口65aの変位と流入口651bの変位とにズレが生じることを防止できるので、特定入賞口65aから進入した遊技球を流入口651bに円滑に取り込むことができる。
さらに、流入口651b及び入球部652(特定入賞口65a)の双方を駆動モータMで変位させることができる。即ち、1つの駆動源で流入口651b及び入球部652(特定入賞口65a)の双方を変位させることができるので、流入口651bと入球部652とを別々の駆動源によって変位させる場合と比べて、製造コストの低減を図ることができると共に、可変入賞装置65の制御を簡素化することができる。
従来のパチンコ機10では、開口幅(横方向)の異なる扉型の入賞装置をそれぞれ設けることで、遊技者が得ることのできる賞球が可変する大当たり遊技を実行するように構成したものがあった。また、同じ入賞装置を異なる位置(例えば、入球口64の下方と、可変表示ユニット80の右側)にそれぞれ設けて、異なる流下方向からの遊技球が入球し易いように構成されている(例えば、入球口64の下方に設けた入賞装置では、可変表示ユニット80の左側を流下した遊技球が入球し易い、可変表示ユニット80の右側に設けられた入賞装置は可変表示ユニット80の右側を流下した遊技球が入球しやすい)ものがあった。
上記したパチンコ機10では、可変入賞装置65を複数設けることで、設置スペースや、コスト増等の課題があった。しかしながら、本実施形態における可変入賞装置65では、一つの可変入賞装置65で構成されているが、2つの異なる流下方向から遊技球が入球し易い状態に可変可能に構成されている。また、開口幅も異なることから、同じ数の遊技球が開口部まで到達したとしても、入球する頻度を変えることができる。このように、2種類の異なる機能を有しながらも、一つの可変入賞装置65で構成されているので、コストを削減できる。また、省スペース化を実現できる。
次に、図8を参照して、遊技盤13の裏面側に配設される第1通路691及び第2通路692について説明する。図8(a)は、遊技盤13の部分拡大裏面図であり、図8(b)は、図8(a)のVIIIb−VIIIb線における遊技盤13の部分拡大断面図であり、図8(c)は、図8(a)のVIIIc−VIIIc線における遊技盤13の部分拡大断面図である。なお、図8(a)では、パチンコ機10の裏面側から遊技盤13を視た図を模式的に図示し、図面を簡素化して説明をわかり易くするため、第1開放状態および第2開放状態における流入口651bの位置を破線で模式的に図示している。図8(b)では、可変入賞装置65が第1開放状態へ移行した状態における遊技盤13の断面を模式的に図示し、図8(c)では、可変入賞装置65が第2開放状態へ移行した状態における遊技盤13の断面を模式的に図示している。
図8(a)に示すように、遊技盤13のうち孔部13a(図5(a)参照)が正面側に形成される部位の裏面側には、収容部655に収容された遊技球をパチンコ機10(図1参照)の外部へ移送する第1通路691及び第2通路692が設けられている。
第1通路691及び第2通路692は、その正面側(図8(a)紙面奥側)が開放された溝状の部材であり、第1通路691及び第2通路692の正面側を遊技盤13の裏面側に当接させることによって遊技球を移送可能な閉じた通路が形成される。
図8(b)に示すように、可変入賞装置65が第1開放状態へ移行した状態では、流入口651bと第1通路691とが連通する。これにより、第1開放状態において特定入賞口65aに入球して収容部655に収容された遊技球は、流入口651bから第1通路691を介してパチンコ機10の外部へ移送される。
入球部652は、第1連結壁654aの内周面が流入口651bへ向けて特定入賞口65aから離間するように傾斜している。これにより、第1開放状態では、第1連結壁654aの内周面が対向壁653側から流入口651b側へ向けて下降傾斜した状態で入球部652が静止する。よって、特定入賞口65aに入球して第1連結壁654aに着地した遊技球を、第1連結壁654aの傾斜により流入口651b側へ誘導することができる。
さらに、第1開放状態では、第1連結壁654aの内周面と流入口651bの内周面とが面一状に連設されているので、第1連結壁654aに誘導された遊技球を流入口651bから第1通路691へ円滑に案内することができる。
従って、複数の遊技球が短時間で連続して特定入賞口65aに進入した場合であっても、収容部655の内部で遊技球の球詰まりが発生することを抑制できる。
一方、第1開放状態では、第2通路692が円板部651によって閉鎖されるので、第2開放部682を通過した遊技球が第2通路692に流入することを防止することができる。
図8(c)に示すように、可変入賞装置65が第2開放状態へ移行した状態では、流入口651bと第2通路692とが連通する。これにより、第2開放状態において特定入賞口65aに入球して収容部655に収容された遊技球は、流入口651bから第2通路692を介してパチンコ機10の外部へ移送される。
なお、入球部652は、第2連結壁654bの内周面が流入口651bへ向けて第3連結壁654cから離間するように傾斜している。これにより、第2開放状態では、第2連結壁654bの内周面が対向壁653側から流入口651b側へ向けて下降傾斜した状態で入球部652が静止する。よって、特定入賞口65aに入球して第2連結壁654bに着地した遊技球を、第2連結壁654bの傾斜によって流入口651b側へ誘導することができる。
さらに、第2開放状態では、第1連結壁654a及び第2連結壁654bの内周面と流入口651bの内周面とが面一状に連設されているので、第2連結壁654bに誘導された遊技球を流入口651bから第2通路692へ円滑に案内することができる。
従って、複数の遊技球が短時間で連続して特定入賞口65aに入球した場合であっても、収容部655の内部で遊技球の球詰まりが発生することを抑制できる。
一方、第2開放状態では、第1通路691が円板部651によって閉鎖される。これにより、第1開放部681を通過した遊技球が第1通路691に流入することを防止することができる。
なお、本実施の形態では、後述するように、大当たり種別が「大当たりA」又は「大当たりC」の場合よりも「大当たりB」又は「大当たりD」の場合の方が、遊技球が特定入賞口65aに入球したことにより払い出される賞球の数が多くなるように設定されている。これにより、異なる遊技価値が付与される。よって、遊技の多様化を図ることができるので、遊技者の享受する遊技性を向上させることができる。
大当たり種別が「大当たりA」又は「大当たりC」の場合では、特定入賞口65aは、第1開放部681へ向けられた第1開放状態となり、第1開放部681を通過して特定入賞口65aに入球した遊技球が流入口651bに流入して第1通路691に取り込まれるのに対し、大当たり種別が「大当たりB」又は「大当たりD」の場合では、特定入賞口65aは、第2開放部682へ向けられた第2開放状態となり、第2開放部682を通過して特定入賞口65aに入球した遊技球が流入口651bに流入して第2通路692に取り込まれる
このように、第1開放状態では遊技球が第1通路691に取り込まれるのに対し、第2開放状態では遊技球が第2通路692に取り込まれる。よって、特定入賞口65aに入球した遊技球が、いずれの大当たり種別において入球した遊技球であるのかについて、容易に判別することができる。
なお、本実施の形態では、第1開放状態において特定入賞口65aを通過した遊技球と第2開放状態において特定入賞口65aを通過した遊技球とで別々の通路(第1通路691、第2通路)に取り込まれる場合について説明したが、第1開放状態において特定入賞口65aを通過した遊技球と第2開放状態において特定入賞口65aを通過した遊技球とで共通の通路に取り込まれるように構成してもよい。
次に、図9を参照して、上記第1実施の形態における本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図9は、第1実施の形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。
ここで、図10を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図10は、各種カウンタの概要を示す図である。
図10に示すように、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図14参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図24参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、特別図柄の保留球を記憶するための4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、特別図柄の特別図柄保留球実行エリアが設けられている。特別図柄保留球格納エリア203aの各エリアには、始動口(第1始動口64、第2始動口640)への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値がそれぞれ格納される。
また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかのスルーゲート67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
ここで、図11及び図12を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。図11(a)は、主制御装置におけるROM202の内容の一部を模式的に示した模式図であり、図11(b)は、主制御装置におけるRAM203の内容の一部を模式的に示した模式図である。図12(a)は、主制御装置における特別図柄大当たり乱数テーブル202aの内容を模式的に示した模式図であり、図12(b)は、主制御装置における大当たり種別選択テーブル202bの内容を示した模式図であり、図12(c)は、主制御装置における普通当たり乱数テーブル202cの内容を模式的に示した模式図である。
図11及び図12に示すように、第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1(図10参照)の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図14参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図24参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が始動口に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄大当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この特別図柄大当たり乱数テーブルは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルと、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が始動口に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。本実施形態では、大当たり種別は、「大当たりA」と「大当たりB」と「大当たりC」と「大当たりD」の4種類が設定されており、第1当たり種別カウンタC2によって、「大当たりA」と「大当たりB」と「大当たりC」と「大当たりD」のいずれか1つが決定される。そして、その大当たり種別を示す表示態様が大当たり図柄として第1図柄表示装置37に表示される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個であり、その乱数値である「7」は、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/400」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「0〜9」は、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/40」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図示しない大当たり種別選択テーブルに設定される、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜20」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」、乱数値が「21〜59」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」、となる。乱数値が「60〜80」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」、乱数値が「81〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりD」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、4種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)が決定されるように構成されている。尚、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、特別図柄大当たり種別テーブル202bにより設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図24参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202dは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかのスルーゲート67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通当たり乱数テーブル202cによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。さらに、普通図柄の当たりの種別は、通常当たりと長時間当たりとが設定されており、それぞれ第2当たり乱数カウンタC4の値が設定されている。
ここで、普通図柄の通常当たりは、通常遊技状態(低確率遊技状態)、大当たり遊技状態では、0.2秒の開放時間で電動役物640aが開放状態に作動される動作が、1回実行される当たりである。また、時短中、確変期間においては、2秒間の開放時間で電動役物640aが開放状態に作動される動作が、2回繰り返される当たりである。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜20」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示され、第2始動口640が「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2始動口640が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通当たり乱数テーブル202cに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2始動口640に付随する電動役物640aが「2秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、電動役物640aの開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2始動口640aへ球が入球し易い状態となる。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2始動口640が「2秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図14参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図24参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図9に戻って説明する。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図24参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図22参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図21参照)が即座に実行される。
ここで、図11を参照して、主制御装置におけるROMについて説明する。図11(a)は、主制御装置におけるROMの内容の一部を模式的に示した模式図であり、図11(b)は、主制御装置におけるRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。
図11(b)に示すように、RAM203は、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、時短中カウンタ203eと、確変フラグ203fと、回動量記憶エリア203gと、回転位置記憶エリア203hと、ラウンドカウンタ203iと、開放フラグ203jと、ステップカウンタ203kと、励磁カウンタ203lと、その他メモリエリア203zとを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、特別図柄に対する1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が始動口(第1始動口64、第2始動口640)へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかのスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、始動口(第1始動口64又は第2始動口640)の入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、始動口へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図15のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図15のS206、図18のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図20のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図19のS605参照)。
球が左右何れかのスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図20のS705)。一方、球が左右何れかのスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図20のS703:No)。
時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、特別図柄の大当たりと判定される度に、その大当たり種別に応じた値が設定される。即ち、特別図柄の大当たりになった場合には、時短中カウンタ203eの値が幾つであるかに関わらず、大当たり種別に応じた値が新たに設定される。
確変フラグ203fは、遊技状態が確変である場合にオンに設定されるフラグである。
回動量記憶エリア203gは、主制御装置110において特別図柄の抽選が実行され、特別図柄の大当たりと判定された場合に、その大当たり種別に応じて設定されている可変入賞装置65における回転部材650の回動量の値が格納される領域である。
大当たり種別が「大当たりA」又は「大当たりC」である場合には、回動量記憶エリア203gに「2」の設定値(駆動モータ回動量データ)が格納される。これは、回転部材650が原点位置(図6(a)参照))から一方向(図6(a)時計回り方向)へ40度回転させて、図6(a)に示す閉鎖状態から図6(b)に示す第1開放状態へ移行することを示す制御データである。
一方、大当たり種別が「大当たりB」又は「大当たりD」である場合には、回動量記憶エリア203gに「−13」の設定値(駆動モータ回動量データ)が格納される。これは、回転部材650が原点位置(図6(a)参照)から他方向(図6(a)反時計回り方向)へ260度回転させて、図6(a)に示す閉鎖状態から図7(a)に示す第2開放状態へ移行することを示す制御データである。
回動量記憶エリア203gには、主制御装置110のMPU201が実行する大当たり設定処理(図17、S212)のS324,S326,S330,S332の処理によりそれぞれ大当たり種別に対応した駆動モータ回動量データが設定される。この駆動モータ回動量データの値に基づいて、後述するステップカウンタ203k、励磁カウンタ203lが加算されるか減算されるかを決定し、それぞれのデータが更新されることで、駆動モータM(ステッピングモータ)の回転方向が決定し、駆動モータ(パルス信号)の出力が設定される。なお、本実施形態では、励磁カウンタ203lに基づいて、駆動モータMのモータドライバ(図示せず)に駆動データが出力され、駆動モータMの制御が実行される。駆動モータの制御については、すでに公知であるので、その詳細については省略する。
回転位置記憶エリア203hは、回転位置検出センサS(図9参照)によって検出された回転部材650の回転位置、即ち、特定入賞口65aの向きに関する検出値が格納される。
なお、回転位置検出センサSは、主制御装置110の入出力ポートに電気的に接続されており(図9参照)、回転部材650の回動角度を計測可能なロータリーエンコーダで構成されている。この回転位置検出センサSは、駆動モータMの駆動軸Ma(図4(b)参照)に取り付けられており、駆動軸Maの回動量を検出可能に構成されている。可変入賞装置65が閉鎖状態である場合(特定入賞口65aが第1閉鎖部671へ向けられている状態、図6(a)参照)を0(原点位置)とし、その原点位置からの回転角度を示す値が格納される。
また、本実施の形態では、説明をわかり易くするため、回転部材650の回転位置を18段階に分割し、回転位置検出センサSによる検出値に応じて回転位置記憶エリア203hには、「0〜17」の値が格納されるものとする。例えば、回転部材650が原点位置から一方向へ20度(他方向へ340度)回転した位置にある場合には、回転位置記憶エリア203hに「1」が検出値として格納され、回転部材650が原点位置から一方向へ240度(他方向へ120度)回転した位置にある場合には、回転位置記憶エリア203hに「12」が検出値として格納される。
ラウンドカウンタ203iは、大当たり演出中に実行されるラウンド数を計数するためのカウンタである。大当たり演出中に、1ラウンド分のラウンド演出が開始される度にラウンドカウンタ203iに1を加算する。主制御装置110から送信されるラウンド数コマンドが音声ランプ制御装置113を介して受信された場合に、そのラウンド数コマンドから抽出されたラウンド数に対応する値が記憶される。具体的には、ラウンド1なら値1が記憶され、ラウンド16なら値16が記憶される。
開放フラグ203jは、可変入賞装置65を開放してもよい開放許可状態(入球状態)であることを示すフラグである。この開放フラグ203jは、可変入賞装置65を閉鎖状態から開放状態(第1開放状態または第2開放状態)へ移行する、及び、特定入賞口65が開放されている際にオンに設定される(図25のS1105参照)。一方、可変入賞装置65を閉鎖状態とする条件が成立(本実施形態では、10球入賞するか、30秒経過)すると、オフに設定される。
ステップカウンタ203kは、ステッピングモータから構成される駆動モータMの原点位置からのステップ数(パルス数)を記憶するための記憶エリアである。ステップカウンタ203kには、励磁カウンタ203lを1加算した場合(駆動モータMを正回転方向(一方向)に1パルス回動させた場合)には、1加算されて更新される。逆に、励磁カウンタ203lを1減算した場合(駆動モータMを逆回転方向(他方向)に1パルス回動させて場合)には、1減算して更新される。また、電源投入時等の初期設定時には、正回転方向に回転部材650を回動させて、回動部材650が原点位置(本実施形態では、図5(b)に示した位置(特定入賞口65aが真上を向いた位置(図6(b)参照)から一方向(図6(b)時計回り方向)に320度回転した位置)を回転位置検出センサSが検出したことに基づいて、初期値である0がステップカウンタ203kに設定される。このように、ステップカウンタ203kに記憶される値により、駆動モータMを原点位置から何パルスどの方向に回動させた状態であるかを判断することができる構成となっている。
なお、本実施の形態では、閉鎖状態から一方向へ40度回転した状態を第1開放状態とし、閉鎖状態から他方向へ260度回転した状態を第2開放状態とする。本実施の形態では、大当たり種別が「大当たりA」又は「大当たりC」である場合であって、可変入賞装置65を閉鎖状態から第1開放状態へ移行する際には、回動量記憶エリア203gに「2」が格納され(図17のS324,S330参照)、回転位置記憶エリア203hの値が「2」となるまで、駆動モータMを一方向へ回転駆動させ、回転部材650を一方向へ回転させる。また、大当たり種別が「大当たりB」又は「大当たりD」である場合であって、可変入賞装置65を閉鎖状態から第2開放状態へ移行する際には、回動量記憶エリア203gに「−13」が格納され(図17のS326,S332参照)、回転位置記憶エリア203hの値が「−13」となるまで、駆動モータMを他方向へ回転駆動させ、回転部材650を他方向へ回転させる(図26のS1123〜S1126)。
同様に、本実施の形態では、大当たり種別が「大当たりA」又は「大当たりC」である場合であって、可変入賞装置65を第1開放状態から閉鎖状態へ移行する際には、回動量記憶エリア203gに「0」が格納され、回転位置記憶エリア203hの値が「0」となるまで、駆動モータMを他方向へ回転駆動させ、回転部材650を他方向へ回転させる。また、大当たり種別が「大当たりB」又は「大当たりD」である場合であって、可変入賞装置65を第2開放状態から閉鎖状態へ移行する際には、回動量記憶エリア203gに「0」が格納され、回転位置記憶エリア203hの値が「0」となるまで、駆動モータMを一方向へ回転駆動させ、回転部材650を一方向へ回転させる(図26のS1129,S1131〜S1133)。
励磁カウンダ203lは、駆動モータMを回転駆動させるための駆動データを設定するためのカウンタであり、励磁テーブル(図示せず)から励磁カウンタ203lが更新される毎に励磁制御データを取得し、駆動モータMを駆動制御して回転部材650を回転させる。
具体的には、励磁カウンタ203lは、0〜359の範囲で更新されるカウンタであり、そのカウンタ値に基づいて対応する励磁制御データが出力され、そのカウンタ値に基づいて、励磁される層を指示する励磁制御データが出力される。本実施形態では、励磁カウンタ203lの値が「0」から加算されて更新され、再び「0」に更新されると360度駆動モータMが回転するように構成されている。これにより、1パルスでの回動量は1度となる。また、励磁カウンタ203lの値に対応して出力される励磁制御データは、励磁される層を個別に指示するものであるから、励磁カウンタ203lの値を減算して更新することにより、駆動モータMは、一方向に1度ずつ回動することとなる。
図9に戻って説明する。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、駆動モータM、回転位置検出センサSなどが接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図21参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイド(発射手段)および電磁石(調節手段)を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される背景モードを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、図13を参照して、音声ランプ制御処理におけるROM222及びRAM223について説明する。図13(a)は、音声ランプ制御装置におけるROM222の内容の一部を模式的に示した模式図であり、図13(b)は、音声ランプ制御装置におけるRAM223の内容の一部を模式的に示した模式図である。
図13(a)に示すように、音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターン選択テーブル222aが格納されている。
図13(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、特別図柄保留球数カウンタ223a、普通図柄保留球数カウンタ223b、変動開始フラグ223c、停止種別選択フラグ223d、演出カウンタ223e、大当たり種別記憶エリア223f、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
なお、演出カウンタ223eは、特別図柄の大当たりである場合に、その大当たり種別に応じて「0〜198」の範囲内で設定されるカウンタであり、「0〜49」であれば報知判定値であるとして、特別図柄の大当たり種別に基づいた表示用発射報知コマンドを設定する。
また、大当たり種別記憶エリア223fには、特別図柄の大当たりである場合に、その大当たり種別(「大当たりA」〜「大当たりD」のいずれか)が格納される。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図29参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図18を参照して後述する。
図9に戻って説明する。電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、電動役物640a(図2参照)を駆動するためのソレノイド209、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図15参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図24参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図22参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図21参照)が即座に実行される。
<主制御装置110の制御処理について>
次に、図14から図26のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図14は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C2、C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、その後、始動口(第1始動口64、第2始動口640)への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図15〜図18を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図19及び図20を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図15を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図15は、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図14参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。S207の処理が実行された後には、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図16を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図16を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たり種別(「大当たりA」〜「大当たりD」のいずれか)が決定される。
尚、本実施形態では、「大当たりA」又は「大当たりC」になる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、「大当たりB」又は「大当たりD」になる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、大当たり設定処理を実行する(S212)。なお、大当たり設定処理については、図17を参照して後述する。
S211の処理において、今回の抽選結果が大当たりでなければ(S211:No)、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S213)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S213:Yes)、時短中カウンタ203eの値を1減算して(S214)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S213:No)、S214の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図16を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図16は、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図14参照)の特別図柄変動処理(図15参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理(S208)では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値を取得する(S301)。
次に、現在、遊技状態が確変期間中(高確率遊技状態)であるか判別する(S302)。なお、確変期間であるか否かの判断は、図示を省略した確変フラグ203fがオンであるか判別することにより実行される。この確変フラグは、「大当たりA」又は「大当たりB」に基づく大当たり遊技が終了したことに基づいて、オンに設定される。一方、大当たり遊技の開始に基づいて、オフに設定される。
確変中であると判別された場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S303の処理に移行する。S303の処理では、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜9」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であると判別した場合には(S302:No)、S304の処理を実行する。S304の処理では、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「7」の1個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
S305の処理では、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄大当たり種別テーブルに格納されている乱数値とを比較し、4種類ある特別図柄の大当たり(「大当たりA」〜「大当たりD」)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜20」の範囲にあれば、「大当たりA(16R大当たり、大当たり遊技後次の大当たりまで確変期間)」であると判定し、「21〜59」の範囲であれば、「大当たりB(16R大当たり、大当たり遊技後次の大当たりまで確変期間)」であると判定し、「60〜80」の範囲にあれば、「大当たりC(16R大当たり、普通図柄の時短期間100回)」である判定し、「81〜99」の範囲にあれば、「大当たりD(16R大当たり、普通図柄の時短期間100回)」であると判定する。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(「大当たりA」〜「大当たりD」)に応じて第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(「大当たりA」〜「大当たりD」)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
なお、変動パターンにおいて、主制御装置110では、当否判定結果を報知する第3図柄の変動時間を決定し、音声ランプ制御装置113に対して通知する。音声ランプ制御装置113では、その変動時間と当否判定結果に従い、実際に第3図柄表示装置81に表示する変動表示態様の内容(変動パターン)を決定する。主制御装置110では、外れリーチの表示態様であっても、音声ランプ制御装置113では、リーチ表示態様としない外れの表示態様に同じ変動時間であれば切り替えることもできるように構成されている。これにより、多様な表示態様を表示させることができ、演出を多様化することができる。
S305の処理において、特別図柄の外れである判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示する変動時間(変動パターン)を設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S307又はS309の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図24)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図17を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり設定処理(S212)について説明する。図17は、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり設定処理(S212)を示したフローチャートである。この大当たり設定処理(S212)は、タイマ割込処理(図14参照)の特別図柄変動処理(図15参照)の中で実行される処理であり、特別図柄の大当たりである場合に、その大当たりの種別に応じて、回転部材650の回転量(駆動モータMの回動量)を回動量記憶エリア203gに設定し、大当たり種別コマンドを設定する。
大当たり設定処理(S212)では、まず、大当たりフラグ(図示せず)をオンに設定する(S321)。この大当たりフラグは、大当たり遊技中であるか否かを判断するためのフラグである。特定図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであると判定された場合に、4種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA〜D)のうち、大当たり種別が大当たりA又は大当たりBであるか否か判定する(S322)。
S322の処理において、今回の抽選結果が大当たりA又は大当たりBであれば(S322:Yes)、確変フラグ203fをオンに設定し(S323)、次いで大当たり種別が大当たりAであるか否かについて判定する(S324)。
S323の処理において、今回の抽選結果が大当たりAであれば(S324:Yes)、大当たり種別選択テーブル202b(図12(b)参照)に基づき、駆動モータMの回動量データの値「2」を回動量記憶エリア203gに設定する(S325)。そのS325の処理により回動量記憶エリア203gに駆動モータMの回動量データを設定した後は、大当たりAを示す大当たり種別コマンドを設定し(S326)、本処理を終了する。
S324の処理において、今回の抽選結果が大当たりAでなければ(S324:No)、今回の抽選結果は大当たりBなので、大当たり種別選択テーブル202bに基づき、駆動モータMの回動量データの値「−13」を回動量記憶エリア203gに設定する(S327)。そのS327の処理により回動量記憶エリア203gに駆動モータMの回動量データを設定した後は、大当たりBを示す大当たり種別コマンドを設定し(S328)、本処理を終了する。
S322の処理において、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであると判定された場合に、4種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA〜D)のうち、大当たり種別が大当たりA又は大当たりBでない場合(S322:No)、大当たり種別が大当たりC又は大当たりDである。この場合、時短中カウンタ203eに100を設定する(S329)。
S329の処理により時短中カウンタに100を設定した後は、今回の抽選結果の大当たり種別が大当たりCであるか否か判定する(S330)。
S330の処理において、今回の抽選結果が大当たりCであれば(S330:Yes)、大当たり種別選択テーブル202bに基づき、駆動モータMの回動量データの値「2」を回動量記憶エリア203gに設定する(S331)。そのS331の処理により回動量記憶エリア203gに駆動モータMの回動量データを設定した後は、大当たりCを示す大当たり種別コマンドを設定し(S332)、本処理を終了する。
S330の処理において、今回の抽選結果が大当たりCでなければ(S330:No),今回の抽選結果は大当たりDなので、大当たり種別選択テーブル202bに基づき、駆動モータMの回動量データの値「−13」を回動量記憶エリア203gに設定する(S333)。そのS333の処理により回動量記憶エリア203gに駆動モータMの回動量データを設定した後は、大当たりDを示す大当たり種別コマンドを設定し(S334)、本処理を終了する。
このように、大当たりフラグがオンに設定されたことに基づき、大当たり種別に応じた駆動モータMの制御が行われる。よって、駆動モータMの制御を簡素化できる。
次に、図18を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図18は、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図14参照)の中で実行され、始動口(第1始動口64、第2始動口640)への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が始動口に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、始動口への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が始動口に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、始動口への入賞がないか(S401:No)、或いは、始動口への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、S407の処理へ移行する。一方、始動口への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す特別図柄の保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223aに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。尚、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S407の処理において、S405の処理で取得した各カウンタの値に基づいて、変動開始時における当否判定結果を判別する(S407)。S407で判別した当否判定結果について判別する(S408)。当否判定結果が大当たりであると判別した場合には(S408:Yes)、大当たり入賞コマンドを設定する(S409)。一方、当否判定結果が外れであると判別した場合には(S408:No)、外れ入賞コマンドを設定する(S410)。S409,S410の処理が終了した後には、この処理を終了する。
次に、図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図19は、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図14参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2始動口640に付随する電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定する(S608)。尚、時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203eの値が1以上である場合は(S608:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S609)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。
これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第2始動口640に付随する電動役物640aが開放されて、特定入賞口65aに入球させようとした球が、第1始動口64に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特定入賞口65aは、第1始動口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第2始動口640に球が入ることを抑制していても、第1始動口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1始動口64及び第2始動口640についての保留球数は最大(4回)になる。
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなく、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する。
S608の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S608:No)、S611の処理へ移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜20」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,21〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する。
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S614)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第2始動口640に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2始動口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2始動口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
S619の処理では、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S619)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S619:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S620)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S619:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S621)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2始動口640の開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2始動口640へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図24参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第2始動口64に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図24参照)の電動役物作動処理(S1005)のその他の処理(S1134参照)において電動役物640aの開閉処理が実行された場合に、その電動役物640aの開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物640aの開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図20は、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図14参照)の中で実行され、スルーゲート67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球がスルーゲート67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、スルーゲート67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球がスルーゲート67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球がスルーゲート67を通過していないか(S701:No)、或いは、球がスルーゲート67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、S706の処理へ移行する。一方、球がスルーゲート67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、S706の処理へ移行する。尚、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図21は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図22を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図22は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。また、駆動モータMを時計回り方向に回動させて、回転位置検出センサSが原点位置である0度を検出位置まで回動させる初期動作処理が実行される。なお、所定時間(例えば、5秒間)駆動モータMを動作させても、回転位置検出センサSが原点位置を検出しない場合には、エラーフラグ等をオンに設定して、立ち上げ処理終了後に、警報音や、第3図柄表示装置81にエラー表示を行うエラー処理を実行するように構成されている。
なお、本実施形態では、回転位置検出センサSとして、ロータリーエンコーダを用いたが、原点位置を示す突出片等を回転部材650に設けて、その回転部材650が原点位置となった場合に突出片がフォトセンサをオン(またはオフ)にするように構成することで、原点位置を設定するように構成してもよい。このような構成では、ステッピングモータを制御するステップカウンタの値を原点位置が検出されたことに基づいてリセットして、そのステップカウンタの値で、回転部材650の回転位置を判別して制御するように構成する。このように構成することで、回転位置検出センサSが必要なくなるので、コストを低減することができる。
次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS913へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS913へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS913へ移行する。なお、図24のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S913の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S914,S915)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S914,S915)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S914,S915)を実行する。RAMの初期化処理(S914,S915)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S914)、その後、RAM203の初期値を設定する(S915)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、回転部材650の回転位置を電源遮断時の状態に復帰させる大当たり復帰処理を実行し、その後、S911の処理へ移行する。なお、大当たり復帰処理については、図23を参照して後述する。
S911の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S912)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり復帰処理(S910)について説明する。図23は、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり復帰処理を示したフローチャートである。この大当たり復帰処理は、立ち上げ処理(図22参照)の中で実行される処理であり、電源遮断時にRAM消去スイッチ122がオンされていない場合であって、可変入賞装置65の作動中に電源が遮断されていた場合に、回転部材650の回転位置を電源遮断時の状態に復帰させる。
大当たり復帰処理(S910)では、まず、電源装置115に設けられたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判定する(S921)。
S921の処理において、RAM消去スイッチ122がオンされていれば(S921:Yes)、RAMの初期化処理が実行されており、回転部材650を電源遮断時の状態へ復帰させることができないので、本処理を終了する。その一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S921:No)、RAMの初期化処理が実行されていないので、次いで、大当たりフラグ(図示せず)がオンされているか否かを判定する(S922)。
S922の処理において、大当たりフラグがオンされていなければ(S922:No)、電源遮断時において、特定入賞口65aが閉鎖されていた(可変入賞装置65が閉鎖状態であった)と判断されるので、本処理を終了する。その一方、大当たりフラグがオンされていれば(S922:Yes)、特別図柄の大当たり中に電源が遮断時において、特別図柄の大当たり状態(入球状態)であったと判断されるので、次いで、開放フラグ203jがオンされているか否かを判定する判定する(S923)。
S923の処理において、開放フラグ203jがオンされていなければ、特定入賞口65aが閉鎖されていたと判断されるので、本処理を終了する。その一方、開放フラグ203jがオンされていれば(S923:Yes)、特定入賞口65aが開放状態(第1開放状態または第2開放状態)であるか、閉鎖状態から開放状態または開放状態から閉鎖状態へ移行する途中で電源が遮断されたと判断できる。この場合、S906の処理に移行し、回動量記憶エリア203gに記憶されている駆動モータMの回動量データと回転位置記憶エリア203hに記憶されている回転部材650の回転位置データとに基づいて、駆動モータMの駆動データを設定し(S924)、本処理を終了する。
このように、大当たり復帰処理(図23、S910)では、パチンコ機10に電源が投入された場合に、バックアップされている情報から、電源が断される前の状態が大当たり中であったかを判別して、大当たり中であれば、特定入賞口65aを電源断される前の開放状態に復帰される処理が実行される。よって、大当たり遊技中に、停電等の予期せぬ不具合等によりパチンコ機10の電源が断されたとしても、その開放状態が復帰されるように構成されているので、遊技者の利益を守ることができる。よって、公正性の高い遊技を提供できるので、遊技者の不満を低下させ、安心感のある遊技を提供することができる。
次に、図24を参照して、立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図24は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図14参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図14参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図15参照)や始動入賞処理(図18参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口65a等を開放又は閉鎖するための大当たり制御処理(S1004)及び電動役物作動処理(S1005)を実行する。大当たり制御処理(S1004)及び電動役物作動処理(S1005)では、大当たり状態のラウンド毎に可変入賞装置65の回転部材650を回転させて特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件(閉鎖条件)が成立すると、回転部材650を回転させて特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図16参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図16参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図16参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図16参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図19参照)のS623の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図19参照)のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
ここで、S1001〜S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図21のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1008の処理は、S1001〜S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図25を参照して、主記憶装置110中のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1004)について説明する。図25は、主記憶装置110中のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1004)を示したフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004)は、メイン処理(図24参照)の中で実行される処理であり、可変入賞装置65の閉鎖状態から開放状態へ、又は、開放状態から閉鎖状態への切り替えを開始するための処理である。
大当たり制御処理(S1004)では、まず、大当たりフラグ(図示せず)がオフからオンへ切り替わったか否かを判定するかを判定する(S1101)。オフからオンに切り替わったかの判別については、前回の判定の値を記憶しておき、その値と対比をして判定を行う。
S1101の処理において、大当たりフラグがオフからオンへ切り替わった場合には(S1101:Yes)、特別図柄変動開始処理(図15参照)によって行われた特別図柄の抽選結果が大当たりとなり、新たな大当たり遊技が開始されたと判断されるので、その特別図柄の大当たりの種別に対応した値(本実施の形態では16)をラウンドカウンタ203iに設定し(S1102)、本処理を終了する。一方、S1101の処理において、大当たりフラグがオフからオンへ切り替わっていない場合(S1101:No)、即ち、大当たりフラグがオフのまま又はオンのままである場合には、次いで、大当たりフラグがオンであるか否か否かを判定する(S1103)。
S1103の処理において、大当たりフラグがオンでなければ(S1103:No)、特別図柄の大当たり中ではないと判断されるので、本処理を終了する。一方、S1103の処理において、大当たりフラグがオンであれば(S1103:Yes))、次いで、特定入賞口65aの開放を開始するタイミングであるか否か(2回目以降の新たなラウンドが開始されるタイミングであり、可変入賞装置65の閉鎖状態から開放状態への移行を開始するタイミングであるか否か)を判定する(S1104)。
S1104の処理において、特定入賞口65aの開放を開始するタイミングであれば(S1104:Yes)、開放フラグ203jをオンに設定する(S1105)。S1105の処理により開放フラグ203jをオンに設定した後は、新たに開始するラウンド数を示すラウンドコマンドを設定し(S1106)、その後にラウンドカウンタ203iの値に1を減算して(S1107)、本処理を終了する。
なお、開放フラグ203jがオンに設定されることで、後述する電動役物作動処理(図26、S1005)では、回転部材650を回転させるための処理が実行される。
一方、S1104の処理において、特定入賞口65aの開放を開始するタイミングでなければ(S1104:No)、次いで、可変入賞装置65を閉鎖するタイミングであるか否か(可変入賞装置65の開放状態から閉鎖状態への移行を開始するタイミングであるか否かを判定する(S1108)。
S1108の処理において、特定入賞口65aの閉鎖条件が成立していなければ(S1108:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1108の処理において、特定入賞口65aの閉鎖条件が成立していれば(S1108:Yes)、開放フラグ203jをオフに設定し(S1109)、その後に閉鎖中フラグをオンに設定して(S1110)、本処理を終了する。
次に、図26を参照して、主記憶装置110中のMPU201により実行される電動役物作動処理(S1005)について説明する。図26は、主記憶装置110中のMPU201により実行される電動役物作動処理(S1005)を示したフローチャートである。この電動役物作動処理は(S1005)は、メイン処理(図24参照)の中で上記した大当たり制御処理S1004(図23参照)の後に実行される処理であり、大当たり種別に応じて駆動モータMを駆動し、回転部材650を回転させるための処理である。
図26に示すように、電動役物作動処理(S1005)では、まず、開放フラグ203jがオンであるか否かを判定する(S1121)。
S1121の処理において、開放フラグ203jがオンであれば(S1121:Yes)、回転位置検出センサSの検出結果に基づき、回転部材650の回転位置を回転位置記憶エリア203hに設定する(S1122)。具体的には、回転部材650の原点位置に対する回転位置を回転位置検出センサSによって検出し、その検出結果に応じた検出値を
回転位置記憶エリア20hに設定する。なお、回転位置記憶エリア20hには、回転位置検出センサSの検出値を設定する代わりに、ステップカウンタ203kの値を設定してもよい。この場合には、次にS1123の処理では、ステップカウンタ203kが示す値により回転部材650の回転角度を判別することとなる。
S1122の処理が終了すると、そのS1122の処理において回転位置記憶エリア203hに設定された回転部材650の回転位置(回転位置記憶エリア203hに格納された値)と、回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量(回動量記憶エリア203gに格納された駆動モータMの回動量データの値)とが一致しているか否かを判定する(S1123)。
S1122の処理において、回転位置記憶エリア203hに設定された現在の回転部材650の回転位置と回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量とが一致していれば(S1023:Yes)、可変入賞装置65が開放状態である(第1開放状態(図6(b)参照)または第2開放状態(図7(a)参照)への移行が完了している)と判断されるので、本処理を終了する。
一方、S1122の処理において、回転位置記憶エリア203hに設定された現在の回転部材650の回転位置と回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量とが一致していなければ(S1124:No)、可変入賞装置65が閉鎖状態から第1開放状態または第2開放状態へ移行している途中であると判断されるので、次いで、回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量データが負の値であるか否かを判定する(S1124)。
S1124の処理において、回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量データが正の値であれば(S1124:No)、可変入賞装置65が閉鎖状態から第1開放状態へ移行する途中であって、回転部材650を一方向(図7(a)時計回り方向)へ回転させている途中であると判断される。
よって、駆動モータMを駆動させて回転部材650を一方向へ回転させるため、ステップカウンタ203k及び励磁カウンタ203lに1を加算し(S1125)、S1134の処理へ移行する。
一方、S1124の処理において、回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量データが負の値であれば(S1124:Yes)、可変入賞装置65が閉鎖状態から第2開放状態へ移行する途中であって、回転部材650を他方向(図7(a)反時計回り方向)へ回転させている途中であると判断される。
よって、駆動モータMを駆動させて回転部材650を他方向へ回転させるため、ステップカウンタ203k及び励磁カウンタ203lから1を減算し(S1126)、S1134の処理へ移行する。
S1121の処理において、開放フラグ203jがオンでなければ(S1121:No)、次いで、閉鎖中フラグがオンであるか否かを判定する(S1127)。
S1127の処理において、閉鎖中フラグがオンでなければ(S1127:No)、可変入賞装置65が閉鎖状態である(閉鎖状態への移行が完了している)と判断されるので、本処理を終了する。一方、S1127の処理において、閉鎖中フラグがオンであれば(S1127:Yes)、可変入賞装置65が第1開放状態または第2開放状態から閉鎖状態へ移行している途中であると判断されるので、次いで、現在の回転部材650の回転位置を回転位置記憶エリア203hに設定する(S1128)。具体的には、S1122の処理と同様に、回転部材650の原点位置に対する回転位置を回転位置検出センサSによって検出し、その検出結果に応じた値を回転位置記憶エリア203hに格納する。
なお、この場合においても、回転位置記憶エリア203には、回転位置検出センサSの検出を設定する代わりに、ステップカウンタ203kの値を設定してもよい。
S1128の処理が終了すると、そのS1128の処理において回転位置記憶エリア203hに設定された回転部材650の回転位置が原点位置であるか、即ち、回転位置記憶エリア203hに格納された値が「0」であるか否かを判定する(S1129)。
S1129の処理において、回転位置記憶エリア203hに設定された現在の回転部材650の回転位置が原点位置(回転位置記憶エリア203hに設定された値が「0」)であれば(S1129:Yes)、可変入賞装置65の開放状態(第1開放状態または第2開放状態)から閉鎖状態への移行が完了したと判定されるので、閉鎖中フラグをオフに設定し(S1105)、S1134の処理へ移行する。
一方、S1129の処理において、回転位置記憶エリア203hに設定された現在の回転部材650の回転位置が原点位置でなければ(S1127:No)、可変入賞装置65が第1開放状態または第2開放状態から閉鎖状態へ移行する途中であると判断されるので、次いで、回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量データが負の値であるか否かを判定する(S1131)。
S1131の処理において、回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量データが負の値であれば(S1131:Yes)、可変入賞装置65が第1開放状態から閉鎖状態へ移行する途中であって、回転部材650を他方向(図7(a)反時計回り方向)へ回転させている途中であると判断される。
よって、駆動モータMを駆動させて回転部材650を他方向へ回転させるため、ステップカウンタ203k及び励磁カウンタ203lから1を減算し(S1132)、S1134の処理へ移行する。
一方、S1131の処理において、回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量データが正の値であれば(S1131:No)、可変入賞装置65が第2開放状態から閉鎖状態へ移行する途中であって、回転部材650を一方向(図7(a)時計回り方向)へ回転させている途中であると判断される。
よって、駆動モータMを駆動させて回転部材650を一方向へ回転させるため、ステップカウンタ203k及び励磁カウンタ203lに1を加算し(S1133)、S1134の処理へ移行する。
S1134の処理では、例えば、第2始動口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図19参照)のS625の処理によって電動役物640aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物640aの開閉制御を開始する。尚、この電動役物640aの開閉制御は、普通図柄変動処理における図26のS616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
このように、本実施形態の構成では、閉鎖状態(図6(a)参照)から第1開放状態(図6(b)参照)へ移行する場合には、回転部材650を一方向(図6(a)時計回り方向)に回動させ、閉鎖状態から第2開放状態(図7(a)参照)へ移行する場合には、回転部材650を他方向(図6(a)反時計回り方向)へ回動させる。このように構成することで、閉鎖状態から第1開放状態へ移行する場合には、第2開放状態を経由せずに第1開放状態へ移行することができる。同様に、閉鎖状態から第2開放状態へ移行する場合には、第1開放状態を経由せずに第2開放状態へ移行することができる。
<音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図27から図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図27を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図27は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1316の電源断処理(図28参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1202)。図28を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図28のS1313参照)、S1316の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1316の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1202:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1316の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1203)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1206の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1203:Yes)、S1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1203:No)、S1208へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1203:Yes)、S1204へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1203:No)、S1208へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1202:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1316の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1204の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1204)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1205:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1206)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1205:No)、RAM223の異常を報知して(S1207)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1208の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1208)。電源断フラグはS1316の電源断処理の実行時にオンされる(図28のS1315参照)。つまり、電源断フラグは、S1316の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1316の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1208:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1209)、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定して(S1211)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1208:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1209をスキップして、処理をS1210へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定して(S1211)、メイン処理へ移行する。
なお、S1209のクリア処理をスキップするのは、S1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至った場合には、S1204の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図28を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図28は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1301の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1301)、1m秒以上経過していなければ(S1301:No)、S1302〜S1310の処理を行わずにS1311の処理へ移行する。S1301の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1302〜S1310が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1311のコマンド判定処理や、S1312の変動表示設定処理や、図示を省略した各種カウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1311の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1312の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1301の処理で1m秒以上経過していれば(S1301:Yes)、まず、S1303〜S1314の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1302)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1308の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1303)、その後電源投入報知処理を実行する(S1304)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1305の処理へ移行する。
S1305の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1306)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1307)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1308)、その後音編集・出力処理を実行する(S1309)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1309の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1310)、S1311の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1308のランプ編集処理が実行される。なお、S1309の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1311の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1311)。このコマンド判定処理の詳細については、図29を参照して後述する。このコマンド判定処理(図29、S1311)の処理が実行された後には、変動表示設定処理が実行される(S1312)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図30を参照して後述する。
S1312の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1313)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
S1317の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1313:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1315)、電源断処理を実行する(S1316)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1321)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する(S1317)。
一方、S1313の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1313:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1314)、RAM223が破壊されていなければ(S1314:No)、S1301の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1318:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1311)について説明する。図29は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1311)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1311)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図24参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1401)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1401:Yes)、変動開始フラグ223dをオンに設定し(S1402)、受信した変動パターンコマンドに基づいて変動パターンを抽出して(S1403)、メイン処理に戻る。
S1401の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S1401:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1404)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1404:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1405)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1406)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図30参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1404:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1407)。S1407の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1407:No)、メイン処理に戻る。一方、保留球数コマンドを受信した場合には(S1407:Yes)、受信した大当たり種別コマンドに基づいた大当たり種別を示すデータを大当たり種別記憶エリア223fに設定する(S1408)。
S1408の処理の終了後は、演出カウンタ223eを取得し(S1409)、その取得した演出カウンタが報知判定値であるか否かを判定する(S1410)。S1410の処理において、演出カウンタ223eが報知判定値でなければ(S1410:No)、メイン処理に戻る。一方、S1410の処理において、演出カウンタ223eが報知判定値であれば(演出カウンタ223eの値が「0〜49」であれば)、大当たり種別に基づいて表示用発射報知コマンドを設定する。
この表示用発射報知コマンドでは、大当たり遊技が開始される前に、大当たり種別に応じた遊技球の発射の仕方(「左打ち」または「右打ち」)を遊技者に報知する。遊技者は、その報知に応じた遊技球の発射の仕方を行うことで、特定入賞口65aへ遊技球を入球させやすくすることができる。
このように、音声ランプ制御装置113では、取得した演出カウンタ223eの値に基づいて、遊技球の発射の仕方を報知するか否かを抽選しているので、報知があるか否かにより、遊技者に対して大当たりの価値を高く又は低く感じさせることができる。
即ち、報知がある場合には、可変入賞装置65が閉鎖状態(図6(a)参照)から第1開放状態(図6(b))又は第2開放状態(図7(a)参照)のいずれの開放状態へ移行するのかを、遊技者は回転部材650(図5(b)参照)の回転が開始される前に知ることができる。よって、ラウンド毎の特定入賞口65aの最大開放時間に制限がある場合には、報知がなされることによっては早めに遊技球の発射の仕方を調整できるので、より多くの遊技球を特定入賞口65aに進入させることができる。
一方、報知がない場合には、可変入賞装置65が閉鎖状態から第1開放状態又は第2開放状態のいずれの開放状態へ移行するのかについて、回転部材650の回動が開始してから知ることになる。
このように、音声ランプ制御装置114による報知の有無について抽選を行うことで、遊技の多様化を図ることができるので、遊技者が享受する遊技性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、1ラウンドの最大時間を30秒としたが、例えば10秒等に短く設定してもよい。この場合、発射の方向を遊技者に対してより早く報知することによって、遊技者は多くの遊技球を特定入賞口65aに進入(入賞)させることができるので、遊技者に付与する価値を高めることができる。
S1407の処理において、大当たり種別コマンドを受信していない場合には(S1409:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1412)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1312)について説明する。図30は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1312)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1312)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図28参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1501)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1501:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1506の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1501:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1502)、次いで、変動パターンコマンドから選択した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1503)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1504)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。また、ここで選択された各予告内容についても通知される。
S1506の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1506:No)、この処理を終了する。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1506:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S1507)、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得し、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S1508)、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1509)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。S1509の処理が実行された後には、この処理を終了する。
<第1実施形態の変形例1>
次に、第1実施形態の変形例1について説明する。第1実施形態では、回転部材650が回動されるタイミングは大当たり遊技の開始時に限られていた。しかしながら、本変形例1では、特定の変動パターン(本実施形態では、スーパーリーチの変動パターン)が変動表示されて、変動表示が終了するタイミング(第3図柄が停止表示されるタイミング)で回転部材650が左右方向(時計回り方向と反時計回り方向)とにそれぞれ5度ずつ素早く4往復回動するように構成されている。
このように構成することで、回動部材650の釘と開口部との間に球詰まりが発生した場合にも、球詰まりを定期的に解消することができる。
詳細には、主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動処理(図15、S104)のS209の処理において、変動時間が経過していると判別された場合に(S209:Yes)、変動していた変動パターンがスーパーリーチの変動パターンであったかを判別する。変動していた変動パターンの種別がスーパーリーチであったと判別された場合には、揺れ動作フラグをオンに設定する。この揺れ動作フラグは、回動部材650の球詰まり防止動作(左右に5度素早く4往復回動する動作)を実行するか否かを示すフラグである。その後、S210の処理を実行する。一方、変動していた変動パターンの種別がスーパーリーチでないと判別された場合には、S210の処理を実行する。
また、主制御装置110のMPU201が実行するメイン処理(図24参照)のS1003の処理の後に、揺れ動作実行処理が追加されている。この揺れ動作実行処理では、まず、揺れ動作フラグがオンであるかを判別する。揺れ動作フラグがオンであると判別した場合には、ステッピングモータに対して、揺れ動作実行データを設定する。この揺れ動作実行データは、左右方向に5度ずつ回動するデータが設定される。なお、このデータは所定のステップ数が自動的にステッピングモータのモータドライバに出力されるように構成されている。その後、揺れ動作フラグをオフに設定して、この処理を終了する。一方、揺れ動作フラグがオフであると判別した場合には、この処理を終了する。
また、大当たり制御処理(S1004)の一番初めに揺れ動作フラグがオンであるかを判別して揺れ動作フラグがオフになるまで、それ以降の処理をスキップするように構成する。このように構成することで、揺れ動作が終了するまで、大当たりの動作(回転部材650)が開放動作されることが遅延することができる。
本変形例では、スーパーリーチの変動後に揺れ動作が実行されるように構成したので、大当たりの場合に選択される確率が比較的に高いスーパーリーチの後に、回動部材650が動作するので、遊技者は、当否判定結果が大当たりでないかと期待することができる。その後、実際に当否判定結果が大当たりである場合には、回動部材650が開放動作を始める。一方、当否判定結果が外れの変動パターンであった場合には、揺れ動作のみで終わり、次の特別図柄の変動開始が実行される。これにより、遊技者は、揺れ動作が実行されると、大当たりとなってどちら側に回動するかを期待することができる。
また、スーパーリーチは、大当たり遊技後の時短中や確変状態中に選択され易く構成されているので、球詰まりが発生し易い大当たり遊技後に、揺れ動作を実行することができ、球詰まりを素早く解消できる。
<第1実施形態の変形例2>
次に、第1実施形態の変形例2について説明する。第1実施形態では、大当たりA、大当たりCの場合には、時計回り方向に、大当たりB、大当たりDでは反時計回り方向にそれぞれ等速で回動するように構成されていることについて説明した。しかしながら、本変形例2では、大当たりA〜Dでともに時計回り方向に回転部材650を回動させて、その回動時間によって大当たりの場合に入球口653へ入球する遊技球の数が可変するように構成した。
具体的には、大当たりA、大当たりCであれば、時計回り方向に5秒間回動し続け、その後、反時計回りに回動して入球規制位置に戻る。また、大当たりB、大当たりDであれば、時計回り方向に10秒間回動し続け、その後、反時計回りに回動して入球規制位置に戻る。
本変形例2では、5秒間、回転部材650が時計回りに回動すると、入球口653が開口部681のと対向する位置まで回動(約40度)されるような速度で回動される。一方、10秒間、回転部材650が入球口682と対向する位置まで回動(100度)されるような速度で回動される。このように、回動秒数が多くなると、入球口653に遊技球が入球可能となる開放期間が長くなるので、より入球口653へ遊技球を入球させることができる。
なお、本変形例2では、大当たりA及び大当たりC、大当たりB及び大当たりDでそれぞれ開放時間が設定されていたが、それに限らず、大当たりした場合に、複数の開放時間より開放時間を抽選により決定するように構成してもよい。
<第1実施形態の変形例3>
次に、第1実施形態の変形例3について説明する。第1実施形態では、回転部材650を回動させる速度は、大当たりA及び大当たりC、大当たりB及び大当たりDでそれぞれ同速にあるように構成した。しかしながら、本変形例3では、開口部681と開口部682に対向する位置まで、入球口653が到達する時間が同じとなるように、回転部材650を時計回りと反時計回りとで回動する速度を可変する構成である。
具体的には、時計回りに回動した場合には、40度回動させた位置が開放位置となり、反時計回りに回動させた場合には、260度回動させた位置が開放位置となるので、反時計回りに回動する速度を時計回りに回動する速度の6.5倍に設定する。このように構成することで、入球口653が開放位置となる速度を大当たり種別が変わっても同じにすることができる。
よって、大当たり遊技が開始されて、遊技者が遊技球を入球口653に入球させることが可能となるまでの、実際の大当たり遊技開始時間を大当たり種別が異なっても同じにすることができる。よって、大当たり遊技が開始されて、遊技球を入球させることが可能となる時間をほぼ同一にできるので、遊技者が遊技球の発射を長時間待たなければならない不具合を抑制できる。
次に、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、連結壁654の両端が円板部651の外縁部分に位置する場合について説明したが、第2実施の形態では連結壁654の両端が円板部651の外縁よりも円板部651の径方向外方へ張り出している。なお、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
まず、図31を参照して、可変入賞装置2065について説明する。図31(a)は、第2実施の形態における可変入賞装置2065の正面図であり、図31(b)は、図31(a)のXXXIb方向から視た可変入賞装置2065の側面図であり、図31(c)は、図31(b)のXXXIc−XXXIc線における可変入賞装置2065の断面図であり、図31(d)は、図31(a)のXXXId−XXXId線における可変入賞装置2065の断面図である。なお、図31(b)及び図31(d)では、駆動モータMを模式的に図示している。
図31に示すように、可変入賞装置2065は、遊技盤2013(図32(a)参照)に対して回転可能に保持される回転部材2650と駆動モータMとを主に備えている。
回転部材2650は、円板部651と、その円板部651の正面側(図31(b)下側)に固着される入球部2652とを備えている。
入球部2652は、円板部651の正面側に対向して配設される対向壁2653と、その対向壁2653を円板部651に連結する連結壁2654とを備えている。
対向壁2653は、回転部材2650の正面視において流入口651bに対応する位置に配設され、円板部651との対向間隔が遊技球の外径よりも大きな寸法に設定されている。
連結壁2654は、遊技球の通過を規制するための部位であり、流入口651bの周縁に沿って正面視略U字状に延設されている。連結壁2654は、その両端部分が円板部651の外縁部分よりも円板部651の径方向外方へ張り出しており、連結壁2654の両端部分との間には遊技球の外径の2倍以上の間隔が空けられている。
入球部2652は、連結壁2654の両端部分の間に形成された開口領域が特定入賞口65aとして構成され、その特定入賞口65aが円板部651の外側に配設される。特定入賞口2065aに入球した遊技球は、対向壁653と連結壁654とに囲まれた内部空間である収容部655に収容される。
次に、図32及び図33を参照して、遊技盤2013と可変入賞装置2065との配置関係について説明する。図32及び図33は、遊技盤2013の部分拡大正面図である。なお、図32(a)には、可変入賞装置2065が設置される前の遊技盤2013が図示され、図32(b)には、可変入賞装置2065が設置された状態の遊技盤2013が図示されている。また、図32(a)では、図面を簡素化するため、遊技盤2013の裏面側に配設される第1通路691及び第2通路692(図8(a)参照)などの図示を省略している。図32(b)には閉鎖状態における遊技盤2013が、図33(a)には第1開放状態における遊技盤2013が、図33(b)には第2開放状態における遊技盤2013がそれぞれ図示されており、図面を簡素化して説明をわかり易くするため、入球部2652を断面視している。
図32(a)に示すように、孔部13aの周囲には、孔部13aの左方に形成される第1閉鎖部2671と、孔部13aの右上方に形成される第2閉鎖部2672と、孔部13aの右下方に形成される第3閉鎖部2673と、第1閉鎖部2671及び第2閉鎖部2672の間であって孔部13aの上方に形成される第1開放部2681と、第2閉鎖部2672及び第3閉鎖部2673の間であって孔部13aの右方に形成される第2開放部2682と、第1閉鎖部2671及び第3閉鎖部2673の間であって孔部13aの下方に形成される排球部2683と、が形成されている。
第1閉鎖部2671、第2閉鎖部2672及び第3閉鎖部2673は、遊技球の流入孔651bへの流入を規制する部位であり、第1開放部2681、第2開放部2682及び排球部2683は、遊技球が通過可能な流路として構成される部位である。
第1閉鎖部2671、第2閉鎖部2672及び第3閉鎖部2673は、孔部13aを囲むように遊技盤2013に植立された複数の釘によりそれぞれ構成され、それら複数の釘は、隣り合う釘どうしの間隔が遊技球の外径よりも小さな寸法に設定されている。
第1開放部2681は、第1閉鎖部2671を構成する複数の釘のうち最も第2閉鎖部2672に近接した位置に配設される釘N21と、第2閉鎖部2672を構成する釘のうち第1閉鎖部2671に近接した位置に配設された釘N22との間に形成された流路である。
第1開放部2681は、その流路幅(釘N21と釘N22との間隔)が遊技球の外径よりもやや大きな寸法に設定されている。
第2開放部2682は、第2閉鎖部2672を構成する2本の釘のうち第3閉鎖部2673に近接した位置に配設された釘N23と、第3閉鎖部2673を構成する複数の釘のうち最も第2閉鎖部2672に近接した位置に配設された釘N24との間に形成された流路である。
第2開放部2682は、その流路幅(即ち、釘N23と釘N24との間隔)が遊技球の外径よりもやや大きな寸法に設定されている。
なお、第2開放部2682の流路幅は、第1開放部2681よりも流路幅が大きく設定され、第1開放部2681の流路幅は、特定入賞口2065aの開口幅よりも小さな寸法に設定されている。
排球部683は、第1閉鎖部2671を構成する複数の釘のうち第3閉鎖部2673に最も近接した位置に配設される釘N25と、第3閉鎖部2673を構成する複数の釘のうち第1閉鎖部2671に最も近接した位置に配設される釘N26との間に形成された流路である。
排球部2683は、その流路幅(釘N25と釘N26との間隔)が第1開放部2681及び第2開放部2682よりも大きな寸法に設定されている。これにより、第1開放部2681及び第2開放部2682の双方から短時間に多くの遊技球が流入した場合であっても、遊技球を排球部683から下流側へ円滑に流下させることができる。
図32(b)に示すように、可変入賞装置2065は、遊技盤2013に装着された状態において、円板部651の正面側が遊技盤2013の正面側と面一となるように配置されている。
孔部13aは、流入口651bが配設される位置を除く領域が、円板部651によって遊技球が通過不能に閉鎖されている。従って、特定入賞口2065aに入球した遊技球は、流入口651へ流入可能であるが、特定入賞口2065aから外れた遊技球は、流入口651bに流入されずに排球部683から下流側へ流下する
駆動モータMの駆動軸Maから回転軸651aに回転駆動力が付与されると、回転部材2650が回転し、入球部2652が回転変位する。このとき、特定入賞口2065は、回転部材650の径方向外方へ向けられた状態で回転軸651aを中心とする円周上に沿って変位する。
図32(b)に示すように、開放状態(第1開放状態、第2開放状態)から閉鎖状態へ移行する場合には、駆動モータM(図31(b)参照)を制御し、特定入賞口2065aが第1閉鎖部2671と対向する位置に到達するまで回転部材2650を回転させる。
この閉鎖状態では、特定入賞口2065aが第1閉鎖部2671に対向した状態で回転部材2650が静止し、第1開放部2681及び第2開放部2682と流入口651bとの間には、入球部2652の側壁面として構成される連結壁2654が配設される。
第2連結壁2654bの先端部分と第1閉鎖部2671を構成する釘との最短距離、及び、第3連結壁2654cの先端部分と第1閉鎖部2671を構成する釘との最短距離は、遊技球の外径よりも小さな寸法に設定されている。即ち、第2連結壁2654bと第1閉鎖部2671との間、及び、第3連結壁2654cと第1閉鎖部2671との間を遊技球が通過することが規制されている。
よって、第1開放部2681及び第2開放部2682を通過した遊技球が、流入口2651bに流入することを規制できる。
入球部2652は、第2連結壁2654bの先端部分が釘N21付近に位置し、第2連結壁2654bと第2閉鎖部2672との間隔(釘N22との間隔)が遊技球の外径よりも大きな寸法となる位置で静止している。よって、第1開放部2681を通過した遊技球を、排球部2683へ向けて円滑に流下させることができる。即ち、第1開放部2681を通過した遊技球が第2連結壁2654bと第2閉鎖部2672との間で詰まることを抑制できるので、第1開放部2681内で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる。
入球部2652は、第2連結壁2654bと第3閉鎖部2673との間隔が遊技球の外径よりも広くなる位置で静止している。よって、第2開放部2682を通過した遊技球を、排球部2683へ向けて円滑に流下させることができる。即ち、第2開放部2682を通過した遊技球が連結壁2654と第3閉鎖部2673との間で詰まることを抑制できるので、第2開放部2682内で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる。
なお、入球部2652が円板部651の回転中心からオフセットした位置に配設され、連結壁2654の先端部分が孔部13aから径方向外方へ張り出している分、第1閉鎖部2671、第2閉鎖部2672及び第3閉鎖部2673を構成する釘が孔部13aから径方向外方へ離間した位置に植立されている。よって、閉鎖状態では、連結壁2654と第2閉鎖部2672および第3閉鎖部2673との間隔、即ち、第1開放部2681又は第2開放部2682を通過した遊技球を排球部2683まで流下させるための流路を広くすることができる。
さらに、排球部2683は、その流路幅が第1開放部2681及び第2開放部2682の流路幅よりも大きな寸法に設定されているので、第1開放部2681及び第2開放部2682から同時に多量の遊技球が通過した場合であっても、円滑に遊技球を排球部2683から下流側へ流下させることができる。
このように、閉鎖状態では、遊技球の特定入賞口2065aへの進入が規制され、第1開放部2681及び第2開放部2682を通過する遊技球は、いずれも特定入賞口2065aに入球することなく、排球部2683から下流側へ流下する。
次に、図33(a)を参照して、第1開放状態について説明する。図33(a)に示すように、第1開放状態へ移行する場合、駆動モータMを制御し、特定入賞口2065aが第1開放部2681へ向けられた位置に到達するまで回転部材2650を回転させる。
この第1開放状態では、特定入賞口2065aが第1開放部2681に対向した状態で回転部材2650が静止する。よって、第1開放部2681を通過した遊技球を、特定入賞口2065aに入球させ、流入口651bに流入させることができる。
また、第3連結壁2654cの先端部分が釘N21よりも回転部材2650の周方向他側(図33(a)反時計回り方向側、図33(a)左側)に位置し、第2連結壁2654bの先端部分が釘N22よりも回転部材2650の周方向一側(図33(a)時計回り方向側、図33(a)右側)に位置した状態で入球部2652が静止する。よって、第1開放部2681を通過した遊技球を円滑に特定入賞口2065aに入球させることができる。
第2開放部2682と流入口651bとの間には、入球部2652の側壁面として構成される連結壁2654が配設される。さらに、第2連結壁2654bの先端部分と第2閉鎖部2672との最短距離(釘N22,N23との間隔)、及び、第3連結壁2654cの先端部分と第1閉鎖部2671との最短距離(釘N21との間隔)が、遊技球の外径よりも小さな寸法に設定される。即ち、第2連結壁2654bと第2閉鎖部2672との間、及び、第3連結壁2654cと第1閉鎖部2671との間を遊技球が通過することが規制されている。
よって、第2開放部2682を通過した遊技球が、流入口651bに流入することを規制できる。
また、入球部2652は、連結壁2654と第3閉鎖部2673との間隔が、遊技球の外径よりも大きな寸法となる位置で静止している。よって、第2開放部2682を通過した遊技球を、排球部2683へ向けて円滑に流下させることができる。即ち、第2開放部2682を通過した遊技球が連結壁2654と第3閉鎖部2673との間で詰まることを抑制できるので、第2開放部2682内で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる
なお、入球部2652が円板部651の回転中心からオフセットした位置に配設され、連結壁2654の先端部分が孔部13aから径方向外方へ張り出している分、第2閉鎖部2672及び第3閉鎖部2673を構成する釘が孔部13aから径方向外方へ離間した位置に植立されている。よって、閉鎖状態では、連結壁2654と第3閉鎖部2673との間隔、即ち、第2開放部2682を通過した遊技球を排球部2683まで流下させるための流路を広くすることができる。
このように、第1開放状態では、第1開放部2681を通過する遊技球が特定入賞口2065aへ入球することを可能としつつ、第2開放部2682を通過する遊技球を排球部2683から下流側へ円滑に流下させることができる。
次に、図33(b)を参照して、第2開放状態について説明する。図33(b)に示すように、閉鎖状態から第2開放状態へ移行する場合、駆動モータMを制御し、特定入賞口2065aが第2開放部2682へ向けられた位置に到達まで回転部材2650を回転させる。
この第2開放状態では、特定入賞口2065aが第2開放部2682に対向した状態で回転部材2650が静止する。よって、第2開放部2682を通過した遊技球を、特定入賞口2065aに入球させ、流入口651bに流入させることができる。
また、第3連結壁2654cの先端部分が釘N23付近に位置し、第2連結壁2654bの先端部分が釘N24よりも回転部材2650の周方向一側(図33(b)時計回り方向側、図33(b)下側)に位置した状態で入球部2652が静止する。よって、第2開放部2682を通過した遊技球を円滑に特定入賞口2065aに入球させることができる。
第2開放状態では、入球部2652は、第2連結壁2654bの内周面が第2連結壁2654bの先端部分から第1連結壁2654a側へ向けて下降傾斜した状態で静止する。よって、一旦特定入賞口2065aに入球した遊技球が特定入賞口2065aから飛び出ることを抑制できる。
なお、第2開放部2682は、その流路幅が第1開放部2681よりも大きな寸法に設定されている。従って、第2開放状態では、第1開放状態(図33(a)参照)よりも遊技球を特定入賞口2065aへ効率よく入球させることができる。
また、第1開放部2681は、その流路幅が特定入賞口2065aの開口幅よりも小さな寸法に設定されているので、特定入賞口2065aへの入球し易さを容易に調整することができる。即ち、特定入賞口2065aの開口幅が可変に構成される場合と比べて、可変入賞装置2065の構造を簡素化できる。
第2開放状態では、第1開放部2681と流入口651bとの間に、入球部2652の側壁面として構成される連結壁2654が配設される。さらに、第3連結壁2654cの先端部分と第2閉鎖部2672との最短距離(釘N23との間隔)、及び、第2連結壁2654bの先端部分と第3閉鎖部2673との最短距離(釘N24との間隔)が、遊技球の外径よりも小さな寸法に設定される。即ち、第3連結壁2654cと第2閉鎖部2672との間、及び、第2連結壁2654bと第3閉鎖部2673との間を遊技球が通過することが規制されている。
よって、第1開放部2681を通過した遊技球が、流入口651bに流入することを規制できる。
入球部652は、連結壁2654と第1閉鎖部2671との間隔が遊技球の外径よりも広くなる位置で静止している。よって、第1開放部2681を通過した遊技球を、排球部2683へ向けて円滑に流下させることができる。即ち、第1開放部2681を通過した遊技球が連結壁2654と第1閉鎖部2671との間で詰まることを抑制できるので、第1開放部2681内で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる。
なお、入球部2652が円板部651の回転中心からオフセットした位置に配設され、連結壁2654の先端部分が孔部13aから径方向外方へ張り出している分、第12671を構成する釘が孔部13aから径方向外方へ離間した位置に植立されている。よって、第2開放状態では、連結壁2654と第1閉鎖部2671との間隔、即ち、第1開放部2681を通過した遊技球を排球部2683まで流下させるための流路を広くすることができる。
さらに、特定入賞口2065aが円板部651の外方に配置されているので、特定入賞口2065aの開口幅を大きくしつつ、流入口651bの開口面積を小さくすることができる。これにより、流入口651bの開口面積を小さくして、流入口651bに取り込まれた遊技球を外部へ案内する第1通路691及び第2通路692の大型化を回避できる。よって、遊技盤2013の裏面側の配置スペースのうち第1通路691及び第2通路692が占めるスペースを小さくすることができる。
その一方、特定入賞口2065aの開口幅を大きく確保することで、特定入賞口2065aに遊技球が進入しやすい状態であると遊技者に視認されやすくすることができる。よって、特定入賞口2065aに遊技球を進入させやすくなるとの期待感を高めることができる。
このように、第2開放状態では、第2開放部682を通過する遊技球が特定入賞口65aへ入球することを可能としつつ、第1開放部681を通過する遊技球を排球部683から下流側へ円滑に流下させることができる。
以上説明したように、可変入賞装置2065は、特定入賞口2065aへの遊技球の進入が規制された閉鎖状態(通常状態)から特定入賞口2065aへの遊技球の進入が許容された開放状態(第1開放状態または第2開放状態)へ移行するので、遊技者に対し、入球部2652の変位態様に応じて(特定入賞口2065aが向けられた方向に応じて)遊技球の発射の仕方を変えるように仕向けることができるので、遊技者が享受する遊技性を向上させることができる。
次に、第3実施の形態について説明する。第1実施の形態では、流入口651bが円板部651に形成され、円板部651に連結された入球部652と流入口651bとが一体的に変位する場合について説明したが、第3実施の形態では、流入口3651bが遊技盤3013に形成され、流入口3651bに対して入球部3652が回転変位する。なお、上記した各実施の形態と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。
まず、図34を参照して、可変入賞装置3065について説明する。図34(a)は、第3実施の形態における可変入賞装置3065の正面図であり、図34(b)は、可変入賞装置3065の裏面図であり、図34(c)は、図34(a)のXXXIVc方向から視た可変入賞装置3065の側面図である。なお、図34(b)及び図34(c)では、駆動モータMの図示を省略している。
図34に示すように、可変入賞装置3065は、遊技盤3013(図35(a)参照)に対して回転可能に保持される入球部3652と駆動モータM(図4(b)参照)とを主に備えている。
入球部3652は、滴状に形成される板状の対向壁3653と、その対向壁3653の外縁部分に立設される連結壁3654とを備えている。
対向壁3653は、遊技盤3013の正面側に対向して配設される部位であり、対向壁3653の裏面側には駆動モータMの駆動軸Ma(図4(b)参照)が連結される回転軸3651aが立設されている。
連結壁3654は、遊技球の通過を規制するための部位であり、円弧状に形成される第1連結壁3654aと、その第1連結壁3654aの一端側(図34(b)左側端部)から直線状に延設される第2連結壁3654bと、第1連結壁3654aの他端側(図34(b)右側端部)から直線状に延設される第3連結壁3654cとを備え、第2連結壁3654b及び第3連結壁3654cの対向間隔が第1連結壁3654aから離間するにつれて小さくなっている。
なお、連結壁3654の両端部分(第2連結壁3654bの先端部分および第3連結壁3654cの先端部分)の間には遊技球の外径寸法よりも大きな間隔が空けられている。
入球部3652は、連結壁3654の両端部分の間に形成された領域が特定入賞口3065aとして構成され、特定入賞口3065aに入球した遊技球は、対向壁3653と連結壁3654とに囲まれた内部空間である収容部3655に収容される。
また、回転軸3651aは、連結壁3654との間隔が少なくとも遊技球の外径よりも大きな寸法に設定されている。これにより、特定入賞口3065から収容部3655へ入球した遊技球が回転軸3651aと連結壁3654との間に挟まって収容部3655内で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる。
次に、図35及び図36を参照して、遊技盤3013と可変入賞装置3065との配置関係について説明する。図35及び図36は、遊技盤3013の部分拡大正面図である。図35(a)には、可変入賞装置3065が設置される前の遊技盤3013が図示され、図35(a)には、可変入賞装置3065が設置された状態の遊技盤3013が図示されている。図35(a)では、図面を簡素化するため、遊技盤3013の裏面側に配設される部材の図示を省略している。また、図35(b)には閉鎖状態における遊技盤3013が、図36(a)には第1開放状態における遊技盤3013が、図36(b)には第2開放状態における遊技盤3013がそれぞれ図示されており、図面を簡素化して説明をわかり易くするため、入球部3652を断面視している。
図35(a)に示すように、遊技盤3013は、入球部3652の回転軸3651aが挿通される挿通孔3013aと、その挿通孔3013aの下方に開口形成された半円状の流入口3651bとを備えている。
流入口3651bは、遊技球が2つ以上入球可能な開口寸法に形成されており、流入口3651bの周囲に形成された第1閉鎖部3671、第2閉鎖部3672、第3閉鎖部3673、第1開放部3681、第2開放部3682及び排球部3683との間隔が少なくとも遊技球の外径よりも大きな寸法に設定されている。
遊技盤3013の裏面側には、遊技球を外部へ移送するための通路(図示せず)が配設されており、その通路が流入口3651bに連通されている。
流入口3651bは、遊技盤3013に形成されているので、流入口が可変に構成される場合や複数の流入口を遊技盤3013に設ける場合と比べて、遊技盤3013全体に対して流入口3651が占めるスペースを小さくすることができる。
また、流入口3651bを挿通孔3013aよりも下方に形成することで、遊技球を外部へ移送するための通路を挿通孔3013aよりも下方に配置することができる。この場合、挿通孔3013aの上方にスペースを確保することができるので、そのスペースに他の部材を配置することができる。例えば、このスペースに駆動モータMを配置することにより、パチンコ機10の厚さ寸法(図35(a)紙面垂直方向における寸法)を小さくすることができる。
図35(b)に示すように、入球部3652は、回転軸3651aが挿通孔3013aに挿通されて遊技盤3013の裏面側へ突出され、その回転軸3651aの突出部分に駆動モータMの駆動軸Ma(図4(b)参照)が連結されている。この状態では、入球部3652が遊技盤3013に対して回転可能に軸支され、駆動モータMから回転軸3651aに回転駆動力が付与されることで、回転部材3650が遊技盤3013に対して回転変位する。
回転部材3650を回転させて閉鎖状態へ移行する場合には、駆動モータM(図4(b)参照)を制御し、特定入賞口3065aが第1閉鎖部3671へ向けられる位置に到達するまで入球部3652を回転変位させる。
この閉鎖状態では、特定入賞口3065aが第1閉鎖部3671に対向した状態で入球部3652が静止し、第1開放部3681及び第2開放部3682と流入口3651bとの間には、入球部3652の側壁面として構成される連結壁3654が配設される。
入球部3652は、第2連結壁3654bの先端部分および第3連結壁3654cの先端部分と第1閉鎖部3671を構成する釘との最短距離は、遊技球の外径よりも小さな寸法に設定されている。即ち、第2連結壁3654b及び第3連結壁3654cと第1閉鎖部3671との間を遊技球が通過することが規制されている。
よって、第1開放部3681及び第2開放部3682を通過した遊技球が、流入口3651bに流入することを規制できる。
入球部3652は、第2連結壁3654bの先端部分が釘N31付近に位置し、第2連結壁3654bと第2閉鎖部との最短距離(釘32との距離)が遊技球の外径よりも大きくなる位置で静止している。よって、第1開放部3681を通過した遊技球を、排球部3683へ向けて円滑に流下させることができる。即ち、第1開放部3681を通過した遊技球が第2連結壁3654bと第2閉鎖部3672との間で詰まることを抑制できるので、第1開放部3671内で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる。
入球部3652は、連結壁3654と第3閉鎖部3673との間隔が遊技球の外径よりも大きくなる位置で静止している。よって、第2開放部3682を通過した遊技球を、排球部3683へ向けて円滑に流下させることができる。即ち、第2開放部3682を通過した遊技球が連結壁3654と第3閉鎖部3673との間で詰まることを抑制できるので、第2開放部3682内で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる。
さらに、閉鎖状態において、入球部3652は、連結壁3654のうち第1開放部3681に対向する第2連結壁3654bの外壁面を第2連結壁3654bから第1連結壁3654a側へ向けて下降傾斜させた状態で静止する。よって、第1開放部3681を通過した遊技球が、第2連結壁3654bの先端側へ転動することを防止できる。即ち、遊技球が排球部3683へ向けて流下せずに第2連結壁3654bと第1閉鎖部3671との間に滞留することを回避できる。
このように、閉鎖状態では、遊技球の特定入賞口3065aへの流入が規制され、第1開放部3681及び第2開放部3682を通過する遊技球は、いずれも特定入賞口3065aに入球することなく、排球部3683から下流側へ流下する。
次に、図36(a)を参照して、第1開放状態について説明する。図36(a)に示すように、閉鎖状態から第1開放状態へ移行する場合には、駆動モータM(図4(b)参照)を制御し、特定入賞口3065aが第1開放部3681に対向する位置に到達するまで入球部3652を回転変位させる。
この第1開放状態では、特定入賞口3065aが第1開放部3681に対向した状態で入球部3652が静止する。よって、第1開放部3681を通過した遊技球を、特定入賞口3065aから流入口3651bに流入させることができる。
また、第3連結壁3654cの先端部分が釘N31よりも回転部材3650の周方向他側(図36(a)反時計回り方向側、図36(a)左側)に位置し、第2連結壁3654bの先端部分が釘N32よりも回転部材3650の周方向一側(図36(a)時計回り方向側、図36(a)右側)に位置した状態で入球部3652が静止する。よって、第1開放部3681を通過した遊技球を円滑に特定入賞口3065aに入球させることができる。
第2開放部3682と流入口3651bとの間には、入球部3652の側壁面として構成される連結壁3654が配設される。さらに、第2連結壁3654bの先端部分と第2閉鎖部3672との最短距離(釘N32,N33との間隔)、及び、第3連結壁3654cの先端部分と第1閉鎖部3671との最短距離(釘N31との間隔)が、遊技球の外径よりも小さな寸法に設定される。即ち、第2連結壁3654bと第2閉鎖部3672との間、及び、第3連結壁3654cと第1閉鎖部3671との間を遊技球が通過することが規制されている。
よって、第2開放部3682を通過した遊技球が、流入口3651bに流入することを規制できる。
また、入球部3652は、連結壁3654と第3閉鎖部3673との間隔が、遊技球の外径よりも大きな寸法となる位置で静止している。よって、第2開放部6382を通過した遊技球を、排球部3683へ向けて円滑に流下させることができる。即ち、第2開放部3682を通過した遊技球が連結壁3654と第3閉鎖部3673との間で詰まることを抑制できるので、第2開放部3682内で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる
さらに、入球部3652が、連結壁3654のうち第2開放部3682と対向する第2連結壁3654bの外壁面を第2連結壁3654bの先端部分から第1連結壁3654a側へ向けて下降傾斜させた状態で静止する。よって、第2開放部3682を通過した遊技球を排球部3683へ向けて円滑に流下させることができる。
また、第1開放状態では、第1連結壁3654aが第1開放部3681に対向した状態で静止しているので、特定入賞口3065aに入球した遊技球を第1連結壁3654aで受け止めることができる。
さらに、第1連結壁3654aは、第1開放部3681と対向する面の曲率が、流入口3651bの内周面のうち上方側を向く面(流入口3651bの下側部分を構成する円弧状部分)の曲率と同等に設定され、第1開放状態では、第1連結壁3654aの第1開放部3681と対向する面と流入口3651bの内周面のうち上方側を向く面(流入口3651bの下端部分)とが面一状に配設される。これにより、第1連結壁3654aの内周面で受け止めた遊技球を、流入口3651bに円滑に取り込むことができる。
なお、第1開放状態では、第1連結壁3654aの第1開放部3681と対向する面が対向壁3653から流入口3651b側へ向けて下降傾斜していることが好ましい。これにより、第1連結壁3654aに着地した遊技球を、その第1連結壁3654aの内周面の傾斜によって流入口3651b側へ誘導することができる。
このように、第1開放状態では、特定入賞口3065aが向けられた第1開放部3681を除き、流入孔3651bの周囲が連結壁3654によって包囲されているので、第1開放部3681を通過した遊技球のみを特定入賞口3065aに入球させて流入口3651bに流入させることができ、第2開放部3682を通過した遊技球を流入口に3651bに流入させずに排球部3683へ向けて流下させることができる。
よって、第1開放部3681を通過する遊技球が特定入賞口3065aへ入球することを可能としつつ、第2開放部3682を通過する遊技球を排球部3683から下流側へ円滑に流下させることができる。
次に、図36(b)を参照して、第2開放状態について説明する。図36(b)に示すように、第2開放状態へ移行する場合には、駆動モータM(図4(b)参照)を制御し、特定入賞口3065aが第2開放部3682へ向けられた位置に到達まで回転部材650を回転させる。
この第2開放状態では、特定入賞口3065aが第2開放部3682に対向した状態で回転部材3650が静止する。よって、第2開放部3682を通過した遊技球を、特定入賞口3065aに入球させ、流入口3651bに流入させることができる。
また、第3連結壁3654cの先端部分が釘N33付近に位置し、第2連結壁3654bの先端部分が釘N34よりも回転部材3650の周方向一側(図36(b)時計回り方向側、図36(b)下側)に位置した状態で入球部3652が静止する。これにより、第2開放部3682を通過した遊技球を円滑に特定入賞口3065aに入球させることができる。
第2開放状態では、入球部3652は、第2連結壁3654bの内周面が第2連結壁3654bの先端部分から第1連結壁3654a側へ向けて下降傾斜した状態で静止する。よって、一旦特定入賞口3065aに入球した遊技球が特定入賞口3065aから飛び出ることを抑制できる。
なお、第2開放部3682は、その流路幅が第1開放部3681よりも大きな寸法に設定されている。従って、第2開放状態では、第1開放状態(図36(a)参照)よりも遊技球を特定入賞口3065aへ効率よく入球させることができる。
また、第1開放部3681は、その流路幅が特定入賞口3065aの開口幅よりも小さな寸法に設定されているので、特定入賞口3065aへの入球し易さを容易に調整することができる。即ち、特定入賞口3065aの開口幅が可変に構成される場合と比べて、可変入賞装置3065の構造を簡素化できる。
第2開放状態では、第1開放部3681と流入口3651bとの間に、入球部3652の側壁面として構成される連結壁3654が配設される。さらに、第3連結壁3654cの先端部分と第2閉鎖部3672との最短距離(釘N33との間隔)、及び、第2連結壁3654bの先端部分と第3閉鎖部3673との最短距離(釘N34との間隔)が、遊技球の外径よりも小さな寸法に設定される。即ち、第3連結壁3654cと第2閉鎖部3672との間、及び、第2連結壁3654bと第3閉鎖部3673との間を遊技球が通過することが規制されている。
よって、第1開放部3681を通過した遊技球が、流入口651bに流入することを規制できる。
入球部3652は、連結壁3654と第1閉鎖部3671との間隔が遊技球の外径よりも大きな寸法となる位置で静止している。よって、第1開放部3681を通過した遊技球を、排球部3683へ向けて円滑に流下させることができる。即ち、第1開放部3681を通過した遊技球が連結壁3654と第1閉鎖部3671との間で詰まることを抑制できるので、第1開放部3681内で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる。
入球部3652は、第2開放状態では、連結壁3654のうち第1開放部3681に対向する第3連結壁3654cの外壁面を第3連結壁3654cの先端部分から第1連結壁3654a側へ向けて下降傾斜させた状態で静止する。よって、第1開放部3681を通過した遊技球が、第3連結壁3654cの先端側へ転動することを防止できる。即ち、遊技球が排球部3683へ向けて流下せずに第3連結壁3654cと第2閉鎖部3672との間に滞留することを回避できる。
さらに、第2連結壁3654bの内周面が第2開放部3682から流入口3651bへ向けて下降傾斜しているので、一旦特定入賞口3065aから収容部3655へ入球された遊技球が特定入賞口3065aから飛び出ることを抑制できる。
また、第2開放状態では、第1連結壁3654aの内周面(流入孔3651bが配設される側を向く面)の少なくとも一部が、流入口3651bの内周面のうちの円弧状部分と略面一となっている。これにより、第1連結壁3654aの内周面に着地した遊技球を、流入口3651bに円滑に取り込むことができる。
第2開放状態では、第2開放部3682から流入口3651bまでの流路とその流路の下方部分との間に第2連結壁3654bが配設される。即ち、第2連結壁3654は、第2開放部3682を通過した遊技球を流入口3651bへ誘導するための誘導路として機能する。
よって、第2開放部3682と流入口3651bとの間隔を広くすることで、閉鎖状態および第1開放状態では、第2開放部3682を通過した遊技球を第3閉鎖部3673と連結壁3654との間から排球部3683へ向けて円滑に流下させることができる。一方、第2開放状態では、第2連結壁3654bによって第2開放部3682を通過した遊技球を流入口3651bに案内することができる。
第2開放状態では、第1連結壁3654aの内周面(流入口3651bが配設される側を向く面)が対向壁3653から流入口3651b側(図36(b)紙面手前側から奥側)へ向けて下降傾斜するように形成されることが好ましい。これにより、第2連結壁3654bを転動して第1連結壁3654aに着地した遊技球を、その第1連結壁3654aの内周面の傾斜によって流入口3651b側へ誘導することができる。
このように、第2開放状態では、特定入賞口3065aが向けられた第2開放部3682を除き、流入孔3651bの周囲が連結壁3654によって包囲されているので、第2開放部3682を通過した遊技球のみを特定入賞口3065aに入球させて流入口3651bに流入させることができ、第1開放部3681を通過した遊技球を流入口に3651bに流入させずに排球部3683へ向けて流下させることができる。
よって、第2開放状態では、第2開放部3682を通過する遊技球が特定入賞口3065aへ入球することを可能としつつ、第1開放部3681を通過する遊技球を排球部3683から下流側へ円滑に流下させることができる。
また、流入口3651bが遊技盤3013に形成され、流入口3651bが変位した場合であっても流入口3651bの位置は変位しないので、流入口3651bに取り込まれて収容部655に収容された遊技球をパチンコ機の外部へ移送する通路(図示せず)の構造を簡素化できる。その結果、遊技機の裏面側における通路以外の配置スペースを広く確保することができる。
次に、第4実施の形態について説明する。第1実施の形態では、特定入賞口65aの開口幅が不変である場合について説明したが、第4実施の形態では、特定入賞口4065aの開口幅が可変に構成されている。なお、上記した各実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
まず、図37を参照して、可変入賞装置4065の概略構成について説明する。図37は、第4実施の形態における可変入賞装置4065の分解図である。
図37に示すように、可変入賞装置4065は、遊技盤4013(図41(a)参照)に対して回転可能に保持される回転部材4650と、その回転部材4650の正面側(図37左側)に配設される回動体4652と、回転部材4650の裏面側(図37右側)に配設される回動レバー4656と、その回動レバー4656に付勢力を付与するねじりばね4657と、駆動モータMとを備え、回転部材4650、回動体4652、回動レバー4656及びねじりばね4657とは、連結ボルト4658によって連結される。
回動体4652と回動レバー4656とは、円板部4651を挟んだ状態で連結され、回転部材4650に回動可能に保持されている。よって、回動レバー4656を回転部材4650に対して一方向側へ回転させると、それに伴って回動体4652が回転部材4650に対して一方向側へ回転する。
次に、図38を参照して、回動体4652及び回動レバー4656について説明する。図38(a)は、回動体4652の正面図であり、図38(b)は、図38(a)のXXXVIIIb−XXXVIIIb線における回動体4652の断面図であり、図38(c)は、回動レバー4656の正面図である。
図38(a)及び図38(b)に示すように、回動体4652は、一の方向(図38(a)上下方向)を長手方向とする板状の板状部4652aと、その板状部4652aの長手方向一端側(図38(a)下側)に形成される基端部4652bと、その基端部4652bの裏面側(図38(b)右側)に凸設される軸部4652cと、その軸部4652cの凸設先端部分に形成される嵌合凸部4652dとを備えている。
板状部4652aは、基端部4652bの外周面から延設され、板状部4652aの一面側(図38(a)右側)が平坦面状に形成されている。また、板状部4652aは、その他面側(図38(a)左側)の先端部分が遊技球の形状に倣った円弧状に形成され、基端部4652bの外周面に滑らかに連設されている。
基端部4652b、軸部4652c及び嵌合凸部4652dには、連結ボルト4658(図37参照)が挿通可能な孔が形成され、軸部4652cの外形が略円形状に形成されると共に、嵌合凸部4652dの外形が回動体4652の裏面側(図38(b)右側)から視て略正方形状に形成されている。
図38(c)に示すように、回動レバー4656は、一の方向(図38(c)上下方向)を長手方向とする板状のレバー部4656aと、そのレバー部4656aの長手方向一端側(図38(c)上側)に形成される一対の結合部4656b,4656cと、それら一対の結合部4656b,4656cのうち正面側(図38(c)左側)に位置する結合部4656bに凹設される嵌合凹部4656dとを備えている。
レバー部4656aは、一対の結合部4656b,4656cの外周面から延設されており、レバー部4656aの両面側(図38(c)左側および右側の面)が平坦面状に形成されている。
一対の結合部4656b,4656cは、前後方向(図38(c)左右方向)に間隔を空けて配設されており、それら一対の結合部4656b,4656cの間にねじりばね4657(図37参照)が配設される。
嵌合凹部4656dは、回動体4652の嵌合凸部4652dが嵌合される部位であり、嵌合凹部4656dの内周面が嵌合凸部4652dの外形に対応した略正方形状に形成されている。
一対の結合部4656b,4656c及び嵌合凹部4656dには、連結ボルト4658が挿通可能な孔が形成され、その連結ボルト4658を一対の結合部4656b,4656cの内周面に螺入することで、連結ボルト4658が一対の結合部4656b,4656cに固定される。
次に、図39を参照して、回転部材4650について説明する。図39(a)は、回転部材4650の正面図であり、図39(b)は、回転部材4650の裏面図であり、図39(c)は、図39(a)のXXXIXc−XXXIXc方向から視た回転部材4650の側面図である。
図39に示すように、回転部材4650は、円盤状の円板部4651と、その円板部4651の軸心部分に穿設される挿通孔4651aと、その挿通孔4651aからオフセットした位置に切欠形成される流入口4651bと、円板部4651の正面側(図39(c)下側)に対向して配設される対向壁4653と、その対向壁4653を円板部4651に連結する連結壁4654と、円板部4651の裏面側(図39(c)上側)に固着される動力伝達部4659とを備えている。
円板部4651は、その正面側における挿通孔4651aの周縁部分に回動体4652の基端部4652bを配設するためのスペースが確保され、そのスペースの外縁部分から外方へ向けて連結壁4654が延設されている。
対向壁4653は、円板部4651の正面視において流入口4651bと対応する位置に配設され、円板部4651との対向間隔が遊技球の外径よりも大きな寸法に設定されている。
連結壁4654は、その一部分が円板部4651における中心部分から外方へ向けて延設されており、その延設部分の先端が円板部4651の外縁部分に位置している。また、連結壁4654は、その延設部分の一面側(図39(a)反時計回り方向を向く面)が平坦面状に形成され、円板部4651へ近接するにつれて連結壁4654の他面側(図39(a)時計回り方向側を向く面)へ向けて傾斜し、連結壁4654の一面側と流入口4651bの内周面とが面一状に連設されている。
動力伝達部4659は、駆動モータMの駆動軸Ma(図37参照)からの回転駆動力を円板部4651に伝達するための部位である。
動力伝達部4659は、円板部4651の裏面側に立設される第1係止部4660と、その第1係止部4660に連結されるモータ連結部4661とを備えている。
第1係止部4660は、一の方向(図39(b)上下方向)を長手方向とする板状の部位であり、挿通孔4651aからオフセットした位置に第1係止部4660の一端(図39(b)上側端部)が配設されている。第1係止部4660は、その一端から円板部4651の外周側へ向けて延設され、第1係止部4660の他端(図39(b)下側端部)が円板部4651の外縁部分よりも円板部4651の内側に位置している。
モータ連結部4661は、モータ駆動部Mの駆動軸Ma(図37参照)に連結される筒状の部位であり、円板部4651の裏面側から前後方向(図39(c)上下方向)に所定の間隔を空けた位置であって、挿通孔4651aと同心となる位置で第1係止部4660の一端側(図39(c)紙面手前側)に保持されている。
また、円板部4651の裏面側には、第1係止部4660と周方向において対向する位置に板状の第2係止部4662が立設されている。
第2係止部4662は、一の方向(図39(b)上下方向)を長手方向とする板状の部位であり、挿通孔4651aから一の方向へ所定の間隔を空けた位置に第2係止部4661の一端(図39(b)上側)が配設されている。第2係止部4662は、その一端から円板部4651の外周側へ向けて延設され、第2係止部4662の他端が円板部4651の外縁部分よりも内側に位置している。
ここで、図37に戻り、可変入賞装置4065の組立構造について説明する。可変入賞装置4065は、円板部4651の正面側(図37左側)に回動体4652が、円板部4651の裏面側(図37右側)に回動レバー4656がそれぞれ配設されている。
回動体4652は、軸部4652cを円板部4651の挿通孔4651aに挿通させると、嵌合凸部4652dが円板部4651の裏面側から突出する。その突出した嵌合凸部4652dに対し、円板部4651の裏面側から回動レバー4656の嵌合凹部4656d(図38(c)参照)を嵌合させることで、板状部4652aとレバー部4656aとの間に円板部4651が挟まれた状態で回動体4652と回動レバー4656とが連結される。
なお、嵌合凸部4652dの外形が略正方形状に形成され、その嵌合凸部4652dが嵌合凹部4656dに嵌合しているので、回動体4652と回動レバー4656とを一体的に変位させることができる。
このとき、回動レバー4656のうち一対の結合部4656b,4656cが円板部4651とモータ連結部4661との間に配設され、一対の結合部4656b,4656cに形成された孔が、挿通孔4651a及びモータ連結部4661と同心状に配置される。
この状態で、一対の結合部4656b,4656cの間にねじりばね4657の筒状部分を介設し、挿通孔4651aと、回動体4652及び回動レバー4656に形成された孔と、ねじりばね4657とに連結ボルト4658を挿通し、その連結ボルト4658を回動レバー4656の一対の結合部4656b,4656cに螺合させることによって、回動体4652と回動レバー4656とねじりばね4657とが回転可能に保持される。
最後に、モータ連結部4661に駆動モータMの駆動軸Maを連結する。これにより、駆動モータMを駆動させると、その駆動力が回転部材4650に付与され、回転部材4650が回転する。
次に、図40を参照して、可変入賞装置4065の構造について説明する。図40(a)は、可変入賞装置4065の正面図であり、図40(b)は、可変入賞装置4065の裏面図であり、図40(c)は、図40(a)のXXXXc方向から見た可変入賞装置4065の上面図である。
図40に示すように、回動体4652及び回動レバー4656は、円板部4651に回転可能に保持され、回動レバー4656が円板部4651に対して回転すると、それに伴って回動体4652が円板部4651に対して回転する。
回動レバー4656は、レバー部4656aの先端部分(図40(b)下側端部)が円板部4651の外縁部分よりも外方へ張り出し、レバー部4656aの一面側(図40(b)時計回り方向を向く面)と第1係止部4660の一面側(図40(b)反時計回り方向を向く面)とが円板部4651の周方向において対向して配置される。
また、レバー部4656aの一面側と第1係止部4660の一面側との間にはねじりばね4657が配設され、ねじりばね4657の一端側が回動レバー4656のレバー部4656aに当接されると共に、ねじりばね4657の他端側が第1係止部4660に当接されている。これにより、回動レバー4656が第1係止部4660に対して離間する方向(図40(b)反時計回り方向)へ付勢される。
回動レバー4656は、ねじればね4657に付勢されることで他面側(図40(b)反時計回り方向を向く面)が第2係止部4662に係止される。
よって、円板部4651の正面側では、回動体4652とその回動体4652の一面側(図40(a)時計回り方向を向く面)に対向する連結壁4654とが間隔を空けた状態で保持され、円板部4651の外周側へ向けられた回動体4652の先端部分と連結壁4654の先端部分との間に形成された開口領域が特定入賞口4065aとして構成される。
特定入賞口4065aは、その開口幅(図40(c)左右方向の寸法)が少なくとも遊技球の外径よりもやや大きな寸法に設定され、遊技球が入球可能に構成されている。特定入賞口4065aに入球した遊技球は、対向壁4653と連結壁4654と回動体4652とにより囲まれた内部空間である収容部4655に収容される。
次に、図41及び図42を参照して、遊技盤4013と可変入賞装置4065との配置関係について説明する。図41及び図42は、遊技盤4013の部分拡大正面図である。
図41及び図42では、図面を簡素化してその説明をわかり易くするため、対向壁4653の図示を省略すると共に回動体4652及び連結壁4654を断面視し、流入口4651b及び回動レバー4656、ねじりばね4657、第1係止部4660、第2係止部4662を模式的に図示している。また、図41(a)では、閉鎖状態における遊技盤4013が、図41(b)では第1開放状態における遊技盤4013が、図42(a)では閉鎖状態から第2開放状態へ移行する途中の遊技盤4013が、図42(b)では第2開放状態における遊技盤4013がそれぞれ図示されている。
図41(a)に示すように、遊技盤4013には、孔部13aの外縁部分であって回動レバー4656のレバー部4656aの先端部分が移動する軌跡上に、板状の第3係止部4013bが立設されている。
第3係止部4013bは、その一面側(図41(a)反時計回り方向を向く面)と第1係止部4660の一面側(図41(a)時計回り方向を向く面)との間にレバー部4656aが配置され、回転部材4650が遊技盤4013に対して相対回転し、回動体4652の板状部4652aの先端部分が釘N43付近まで変位した際に、レバー部4656aが第3係止部4013bに係止されるように構成されている。
ここで、第1係止部4660及び第2係止部4662が円板部4651に立設され、第3係止部4013bが遊技盤4013に立設されているので、円板部4651が遊技盤4013に対して相対回転すると、第1係止部4660及び第2係止部4662と第3係止部4013bとの周方向における間隔が変わる。
従って、第1係止部4660と第3係止部4013bとの周方向における間隔が第1係止部4660と第2係止部4662との間隔よりも広い場合には、レバー部4656aは第2係止部4662に係止される。その一方、第1係止部4660と第3係止部4013bとの周方向における間隔が第1係止部4660と第2係止部4662との周方向における間隔よりも狭い場合には、レバー部4656aが第3係止部4013bに係止される。
次に、閉鎖状態における可変入賞装置4065と遊技盤4013の位置関係について説明する。開放状態(第1開放状態、第2開放状態)から閉鎖状態へ移行する場合には、駆動モータM(図37参照)を制御し、特定入賞口4065aが第2閉鎖部4672へ向けられた位置に到達するまで回転部材4650を回転させる。
閉鎖状態では、特定入賞口4065aが第2閉鎖部4672に対向した状態で回転部材4650が静止し、第1開放部4681及び第2開放部4682と流入口4651bとの間には、回動4652又は連結壁4654が配設される。
回動体4652の板状部4652aの先端部分が釘N42付近に位置し、連結壁4654の先端部分が釘N43付近に位置し、板状部4652a及び連結壁4654と第2閉鎖部4672との間を遊技球が通過することが規制されている。
よって、第1開放部4681及び第2開放部4682を通過した遊技球が、流入口4651bに流入することを規制できる。
回動体4652は、板状部4652aの先端部分と第1閉鎖部4671との最短距離(釘N41との距離)が、遊技球の外径よりも大きな寸法となる位置で静止している。よって、第1開放部4681を通過した遊技球を、排球部4683へ向けて円滑に流下させることができる。即ち、第1開放部4681を通過した遊技球が板状部4652aと第1閉鎖部4671との間で詰まることを抑制できるので、第1開放部4681内で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる。
連結壁4654は、第3閉鎖部4673との間隔が遊技球の外径よりも大きな寸法となる位置で静止している。よって、第2開放部4682を通過した遊技球を、排球部4683から下流側へ向けて円滑に流下させることができる。即ち、第2開放部4682を通過した遊技球が連結壁4654と第3閉鎖部4673との間で詰まることを抑制できるので、第2開放部4682内で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる。
さらに、第1開放部4681に対向する板状部4652aの外壁面(図41(a)反時計回り方向を向く面)が、板状部4652aの先端部分から基端部4652b側へ向けて下降傾斜しているので、第1開放部4681を通過した遊技球が、板状部4652aの先端側へ転動することを防止できる。即ち、遊技球が排球部4683へ向けて流下せずに板状部4652aと第2閉鎖部4672との間に滞留することを回避できる。
また、第2開放部4682に対向する連結壁4654の外周面(図41(a)時計回り方向を向く面)が、連結壁4654の先端部分から円板部4651の軸心側へ向けて下降傾斜しているので、第2開放部4682を通過した遊技球が、連結壁4654の先端側へ転動することを防止できる。即ち、遊技球が排球部4683へ向けて流下せずに連結壁4654と第2閉鎖部4672との間に滞留することを回避できる。
なお、閉鎖状態では、第3係止部4013cと第1係止部4660との周方向における間隔が、第2係止部4662と第1係止部4660との周方向における間隔よりも小さくなるので、レバー部4656aは、第2係止部4662に係止される。
ここで、閉鎖状態では、特定入賞口4065aの開口幅を最も小さくした状態が維持される。これにより、閉鎖状態では、回動体4652及び第1閉鎖部4671の間隔と、連結壁4654及び第3閉鎖部4673との間隔とを広く確保できるので、第1開放部4681及び第2開放部4682を通過した遊技球を排球部4683へ円滑に流下させることができる。
このように、閉鎖状態では、遊技球の特定入賞口4065aへの流入が規制され、第1開放部4681及び第2開放部4682を通過した遊技球は、いずれも特定入賞口4065aに入球することなく、排球部4683から下流側へ流下する。
次に、図41(b)を参照して、第1開放状態について説明する。図41(b)に示すように、第1開放状態へ移行する場合、駆動モータM(図37参照)を制御し、特定入賞口4065aが第2閉鎖部4672へ向けられる位置へ到達するまで回転部材4650を他方向側(図41(b)反時計回り方向)へ回転させる。
第1開放状態では、特定入賞口4065aが第1開放部4681に対向した状態で回転部材4650が静止する。よって、第1開放部4681を通過した遊技球を特定入賞口4065aに入球させ、流入口4651bに流入させることができる。
回動体4652は、板状体4652aの先端部分が第1閉鎖部4671(釘N41)の付近に位置した状態で静止し、連結壁4654aは、その先端部分が第2閉鎖部(釘N42、N43)の付近に位置した状態で静止する。よって、第1開放部4681を通過した遊技球を円滑に特定入賞口4065aに入球させることができる。
第2開放部4682と流入口4651bとの間には連結壁4654が配設され、連結壁4654は、その先端部分が第2閉鎖部4672(釘N42,N43)との間隔が遊技球の外径よりも小さな寸法となる位置で静止する。また、回動体4652は、板状体4652aの先端部分が第1閉鎖部4671を構成する釘との最短距離が遊技球の外径よりも小さな寸法となる位置で静止する。これにより、連結壁4654及び第2閉鎖部4672の間と、板状体4652a及び第1閉鎖部4671の間を遊技球が通過することが規制されている。
よって、第2開放部4682を通過した遊技球が、特定入賞口4065aに入球し、琉球港4651bに流入することを規制できる。
また、連結壁4654は、第3閉鎖部4673との間隔が遊技球の外径よりも大きな寸法となる位置で静止する。よって、第2開放部4682を通過した遊技球を、排球部4683へ向けて円滑に流下させることができる。即ち、第2開放部4682を通過した遊技球が連結壁4654と第3閉鎖部4673との間で詰まることを抑制できるので、第2開放部4682内で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる。
さらに、連結壁4654の外壁面が連結壁4654の先端部分から円板部4651の中心側へ向けて下降傾斜しているので、第2開放部4682を通過した遊技球が、連結壁4654の先端側へ転動することを防止できる。即ち、遊技球が排球部4683へ向けて流下せずに連結壁4654と第2閉鎖部4672との間に滞留することを回避できる。
なお、第1開放状態では、閉鎖状態と同様に、特定入賞口4065の開口幅を最も小さくした状態が維持される。これにより、第1閉鎖部4671及び第3閉鎖部4673と回動体4652及び連結壁4654との間隔を広く確保することができるので、第2開放部4682を通過した遊技球を排球部4683へ向けて円滑に流下させることができる。
また、閉鎖状態から第1開放状態へ移行する際に、特定入賞口65aの開口幅の調整を行うことを不要とすることができるので、閉鎖状態から第1開放状態または第1開放状態から閉鎖状態への移行を素早く行うことができる。
ここで、閉鎖状態から第1開放状態へ移行する際、回転部材4650が遊技盤4013に対して他方向側(図41(b)反時計回り方向)へ回転し、第1開放状態から閉鎖状態へ移行する際には、回転部材4650が遊技盤4013に対して一方向側(図41(b)時計回り方向)へ回転する。第1開放部4681は第2閉鎖部4672と隣接しているので、閉鎖状態から第1開放状態へ、又は、第1開放状態から閉鎖状態へ移行する際の回転部材4650の回転移動量を小さくできる。その結果、閉鎖状態から第1開放状態へ、又は、第1開放状態から閉鎖状態への移行を速やかに行うことができる。
このように、第1開放状態では、第1開放部681を通過した遊技球が特定入賞口4065aへ入球することを可能としつつ、第2開放部682を通過した遊技球を排出部4683から下流側へ円滑に流下させることができる。
なお、閉鎖状態から第1開放状態へ移行する際、回転部材4650の他方向側への回転に伴って第1係止部4660及び第2係止部4662が他方向側へ回転変位する。これにより、第1係止部4660は、第3係止部4013bから離間する方向へ変位するため、第1係止部4660と第3係止部4013bとの間隔は閉鎖状態よりも大きくなる。
よって、レバー部4656aは他方向側へ変位する第2係止部4660に押圧され、円板部4651と一体的に他方向側へ回転変位する。その結果、回動体4652は、板状部4652aと連結壁4654との対向間隔を維持しつつ連結壁4654と一体的に他方向側へ変位し、板状部4652aの先端部分が釘N41よりもやや左側(図41(b)反時計回り方向側)に位置した状態で静止する。
一方、第1開放状態から閉鎖状態へ移行する際には、回転部材4650の一方向側への回転に伴って第1係止部4660及び第2係止部4662が一方向側へ回転移動する。
このとき、第2係止部4662が第1係止部4660から離間するのに対し、レバー部4656aがねじりばね4657によって第1係止部4660から離間する方向へ付勢されるので、その付勢力によってレバー部4656aが第2係止部4662に追随して一方向側へ変位する。その結果、レバー部4656aが第2係止部4662に押圧された状態が維持され、回動レバー4656は円板部4651と一体的に一方向側へ回転する。
これにより、回動体4652は、連結壁4654との対向間隔を維持した状態で連結壁4654と一体的に一方向側へ回転変位し、回動体4652の先端部分が釘N42付近に位置した状態で静止する。
このように、第1開放状態から閉鎖状態へ移行する際には、ねじりばね4657の付勢力を利用して回動体4652を一方向へ回転変位させることができるので、第1開放状態から閉鎖状態への移行を速やかに行うことができる。その結果、第1開放状態から閉鎖状態へ移行する際に遊技球が特定入賞口4065aへ入球することを抑制できる。
次に、図42を参照して、第2開放状態について説明する。図42に示すように、第2開放状態へ移行する場合には、駆動モータM(図37参照)を制御し、特定入賞口4065aが第2開放部4682へ向けられた位置に到達するまで回転部材4650を回転させる。
閉鎖状態から第2開放状態へ移行する際には、回転部材4650が遊技盤4013に対して一方向側(図42(a)時計回り方向)へ回転し、第2開放状態から閉鎖状態へ移行する際には、回転部材4650が遊技盤4013に対して他方向側(図42(a)反時計回り方向)へ回転する。第2開放部4682は第2閉鎖部4671と隣接しているので、閉鎖状態から第2開放状態へ、又は、第2開放状態から閉鎖状態へ移行する際の回転部材4650の回転移動量を小さくできる。その結果、閉鎖状態から第2開放状態へ、又は、第2開放状態から閉鎖状態への移行を速やかに行うことができる。
なお、閉鎖状態から第2開放状態へ移行する際に、回転部材4650の回転に伴って第1係止部4660及び第2係止部4662が一方向側へ回転変位する。これにより、第1係止部4660が第3係止部4013bに近接する方向へ変位し、第1係止部4660と第3係止部4013bとの間隔は閉鎖状態よりも狭くなる。
円板部4651が一方向側へ一定量回転し、回動体4652の板状部4652aの先端部分が釘N43付近まで変位すると、第2係止部4662の周方向における位置が第3係止部4013bと一致し、第2係止部4662と第1係止部4660との周方向における間隔が、第3係止部4013bと第1係止部4660との間隔と一致する(図42(a)参照)。
この状態から更に回転部材4650が一方向側へ回転し、第1係止部4660が第3係止部4013に近接すると、第2係止部4662と第1係止部4660との周方向における間隔が、第3係止部4013bと第1係止部4660との間隔よりも広くなる。
このとき、レバー部4656aが第3係止部4013bに係止されるので、それ以上の回動レバー4656の変位が規制され、第1係止部4659とレバー部4656aとの周方向における間隔が小さくなる。
これに伴い、回転部材4650の正面側では、回動体4652の回転が規制された状態で、連結壁4654が一方向側へ回転変位する。その結果、回動体4652と連結壁4654との対向間隔が広がることで特定入賞口4065aの開口幅が徐々に広くなり、連結壁4654の先端部分が釘N44よりもやや下側(図42(b)下側)まで変位した状態で回転部材4650が静止する。
このようにして、特定入賞口4065aが第2開放部4682へ向けられた状態で回転部材4650が静止するので、第2開放部4682を通過した遊技球を特定入賞口4065aから流入口4651bに流入させることができる。
一方、第2開放状態から閉鎖状態へ移行する際には、回転部材4650の他方向側への回転に伴って第1係止部4660及び第2係止部4662が他方向側へ回転変位する。
このとき、第1係止部4660が第3係止部4013bから離間する方向へ変位し、第1係止部4660と第3係止部4013bとの間隔が広がる。
ここで、第2開放状態から閉鎖状態へ移行する初期段階では、第3係止部4013bと第1係止部4660との間隔が第2係止部4662と第1係止部4660との間隔よりも狭い。そのため、回転部材4650が回転を開始しても、レバー部4656aがねじりばね4657の付勢力によって第1係止部4660から離間する方向へ付勢され、第3係止部4013bに押圧された状態が維持されるので、回動レバー4656は回動しない。
その結果、回転部材4650正面側では、連結壁4654が他方向側へ回転変位するのに対し、回動体4652は回動変位することなく静止しているので、特定入賞口4065aの開口幅が徐々に小さくなる。
その後、回転部材4650が一定量回転し、第2係止部4662と第1係止部4660との周方向における間隔が第3係止部4013bと第1係止部4660との周方向における間隔よりも狭くなると、レバー部4656aが第2係止部4662に押圧されて第3係止部4013bから離間し、回動レバー4656が回転部材4650と一体的に他方向側へ回転変位する。
これにより、回転部材4650の正面側では、特定入賞口4065aの開口幅が最も小さくなった状態まで連結壁4654が回動体4652に近接すると、回動体4652と連結壁4654との対向間隔が維持された状態で回動体4652と連結壁4654とが一体的に他方向側へ回転変位し、回動体4652の先端部分が釘N42付近に位置した状態で静止する。
このように、第2開放状態から閉鎖状態へ移行する際には、ねじりばね4657の付勢力を利用して回動体4652を他方向側へ回転変位させることができるので、第2開放状態から閉鎖状態への移行を速やかに行うことができる。その結果、第2開放状態から閉鎖状態へ移行する際に遊技球が特定入賞口4065aへ入球することを抑制できる。
また、可変入賞装置4065は、連結壁4654が円板部4651に固定されると共に回動体4652が円板部4651に回転可能に軸支され、回動体4652を円板部4651に対して回転変位させることで、回動体4652と連結壁4654とが近接または離間し、特定入賞口4065aの開口幅が変更される。よって、回動体4652と連結壁4654の双方が円板部4651に相対回転可能に構成される場合と比べて、回転部材4650の構成を簡素化できる。
さらに、可変入賞装置4065では、駆動モータMによる回転部材4650への駆動力の付与と、ねじりばね4657による付勢力の付与とによって特定入賞口4065aの開口幅を可変に構成することができる。よって、特定入賞口4065aの開口幅を変更するための駆動源として駆動モータMとは別個のモータを設ける場合と比べて、駆動源(モータ)の増加を回避することができる分、製造コストの低減を図ることができると共に、可変入賞装置4065の制御を簡素化することができる。
第2開放状態では、特定入賞口4065aが第2開放部4682に対向した状態で回転部材4650が静止するので、特定入賞口4065aが第2開放部4682へ向けて開放される。よって、第2開放部4682を通過した遊技球を特定入賞口4065aから収容部4655へ入球させることができる。
第2開放状態では、特定入賞口4065aが第2開放部4682に対向した状態で回動体4652及び連結壁4654が静止する。よって、第2開放部4682を通過した遊技球を特定入賞口4065aに入球させ、流入口4651bに流入させることができる。
また、回動体4652は、板状体4652aの先端部分が第2閉鎖部4672(釘N43)の付近に位置した状態で静止し、連結壁4654aは、その先端部分が第3閉鎖部(釘N443)の付近に位置した状態で静止する。よって、第2開放部4682を通過した遊技球を円滑に特定入賞口4065aに入球させることができる。
第1開放部4681と流入口4651bとの間には回動体4652が配設され、その回動体4652は、板状体4652aの先端部分が第2閉鎖部4672(釘N42,N43)との間隔が遊技球の外径よりも小さな寸法となる位置で静止する。また、連結壁4654は、その先端部分が第3閉鎖部4673(釘N44)を構成する釘との最短距離が遊技球の外径よりも小さな寸法となる位置で静止する。これにより、板状体4652a及び第2閉鎖部4672の間と、連結壁4654及び第3閉鎖部4673の間とを遊技球が通過することが規制されている。
よって、第1開放部4681を通過した遊技球が、特定入賞口4065aに入球し、琉球港4651bに流入することを規制できる。
また、回動体4652は、板状体4652aと第1閉鎖部4671との間隔が遊技球の外径よりも大きな寸法となる位置で静止する。よって、第1開放部4681を通過した遊技球を、排球部4683へ向けて円滑に流下させることができる。即ち、第1開放部4681を通過した遊技球が連結壁4654と第1閉鎖部4671との間で詰まることを抑制できるので、第1開放部4681内で遊技球の球詰まりが発生することを防止できる。
さらに、回動体4652は、第1開放部4681を向く板状体4652aの外壁面が、その先端部分から基端部4652b側へ向けて下降傾斜させた状態で静止するので、第1開放部4681を通過した遊技球が、板状部4652aの先端側へ転動することを防止できる。即ち、遊技球が排球部4683へ向けて流下せずに板状部4652aと第2閉鎖部4672との間に滞留することを回避できる。
このように、第2開放状態では、第2開放部4682を通過した遊技球が特定入賞口4065aへ入球することを可能としつつ、第1開放部4681を通過した遊技球を排球部4683へ円滑に流下させることができる。
第2開放部4682は、第1開放部4681よりも流路幅が広く設定され、第2開放状態では第1開放状態よりも特定入賞口4065aの開口幅が広くなるので、第2開放状態では第1開放状態よりも流入口4651側へ向けて効率よく流入させやすくすることができる。
また、第2閉鎖部4672と第2開放部4682とが隣接しているので、閉鎖状態から第2開放状態へ、又は、第2開放状態から閉鎖状態へ移行する際に、遊技球の特定入賞口65aへの進入を抑制できる。
以上説明したように、可変入賞装置4065は、特定入賞口4065aの開口幅を変えることで、特定入賞口4065aへの入球し易さを変えることができる。よって、遊技の多様化を図ることができる。
また、回転部材4650を回転駆動させる駆動モータMとねじりばね4657を用いて
特定入賞口4065aの開口幅を変えることができるので、特定入賞口4065aの開口幅を変えるために別に駆動源を用いる場合と比べて、製造コストの削減を図ることができる。
なお、本実施の形態では、回転部材4650を駆動モータMとねじりばね4657との双方を同時に利用して特定入賞口4065aの開口幅を調整しているが、ねじりばね4657の付勢力のみを利用してもよい。
次に、第5実施の形態について説明する。第4実施の形態では、閉鎖状態から第1開放状態および第2開放状態へ移行する場合に、回動体4652及び連結壁4654の双方を回転変位させる場合について説明したが、第5実施の形態では、閉鎖状態から第1開放状態または第2開放状態へ移行する場合に、第11回動体5652又は第2回動体5654のいずれか一方を回転変位させる。なお、上記した各実施の形態と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図43及び図44は、第5実施の形態における遊技盤4013の部分拡大正面図であり、図43(a)には、閉鎖状態における遊技盤4013が、図43(b)には、第1開放状態における遊技盤4013が、図44には、第2開放状態における遊技盤4013がそれぞれ図示されている。なお、図43及び図44では、図面を簡素化してその説明をわかり易くするため、第1回動体5652及び第2回動体5654を断面視している。
図43(a)に示すように、回転部材5650は、扇形状の第1扇形部材5651cと、その第1部材5651cと同心状に配設された扇形状の第2扇形部材5651dと、第1扇形部材5651cの周方向一端側(図43(a)時計回り方向側端部)に立設される第1回動体5652と、第2扇形部材5651dの周方向他端側(図43(a)反時計回り方向側端部)に立設される第2回動体5654と、を主に備えている。
第1扇形部材5651cと第2扇形部材5651dとは、回転可能に保持されており、それら第1扇形部材5651cと第2扇形部材5651dとがそれぞれ別個の駆動源(図示せず)に連結され、その駆動源を別々に駆動することによって第1扇形部材5651cと第2扇形部材5651dとを独立して回転変位させることができる。
回転部材5650は、第1回動体5652の一面側(図43(a)時計回り方向を向く面)と第2回動体5654の他面側(図43(a)時計回り方向を向く面)とが対向配置されている。第1回動体5652の先端部分と第2回動体5654の先端部分との間に形成され、回転部材5650の径方向外方へ向けられた開口領域が特定入賞口5065aとして構成され、特定入賞口5065aに入球した遊技球は、第1回動体5652の一面側と第2回動体5654の他面側との間に形成された流入口5651bへ流入し、遊技盤4013の裏面側に回収される。
図43(a)に示す閉鎖状態では、特定入賞口5065aが第2閉鎖部4672へ向けられており、第1部材5651cは第1回動体5652の先端部分が釘N42付近に到達したところで静止し、第2部材5651dは第2回動体5654の先端部分釘N43付近に到達した位置で静止している。これにより、第1開放部4681及び第2開放部5682を通過した遊技球が、特定入賞口5065aに入球し、流入口5651bに流入することを規制できる。
なお、閉鎖状態では、第1部材5651cの一部と第2部材5651dとの一部が重なっている。これにより、孔部13aは、流入口5651bを除くほとんどの領域が第1部材5651c及び第2部材5651dによって閉鎖されている。
図43(b)に示すように、閉鎖状態から第1開放状態へ移行する場合には、第1部材5651cを回転変位させて第1回動体5652を第2回動体564から離間させることにより、特定入賞口5065aの開口幅が大きくなる。第1部材5651cは、第1回動体5651の先端部分が釘N41付近まで到達したところでと静止する。これにより、特定入賞口5651aが第1開放部4681へ向けられて開放され、第1開放部4681を通過した遊技球を特定入賞口5065aから流入口5651bへ流入させることが可能となる。
このとき、第2部材5651dは、閉鎖状態と同じ位置で静止しているが、第2回動体5652の先端部分が釘N43付近まで到達した位置で静止しているので、第2開放部4682を通過した遊技球が、特定入賞口5065aに入球し、流入口5651bに流入することを規制することができる。
図43(b)に示すように、閉鎖状態から第1開放状態へ移行する場合には、第1部材5651cを回転変位させて第1回動体5652を第2回動体564から離間させることにより、特定入賞口5065aの開口幅が大きくなる。第1部材5651cは、第1回動体5651の先端部分が釘N41付近まで到達したところでと静止する。これにより、特定入賞口5651aが第1開放部4681へ向けられて開放され、第1開放部4681を通過した遊技球を特定入賞口5065aから流入口5651bへ流入させることが可能となる。
このとき、第2部材5651dは、閉鎖状態と同じ位置で静止しているが、第2回動体5654の先端部分が釘N43付近まで到達した位置で静止しているので、第2開放部4682を通過した遊技球が、特定入賞口5065aに入球し、流入口5651bに流入することを規制することができる。
図44に示すように、閉鎖状態から第2開放状態へ移行する場合には、第2部材5651dを回転変位させて第2回動体5654を第1回動体562から離間させることにより、特定入賞口5065aの開口幅が大きくなる。第2部材5651dは、第2回動体5652の先端部分が釘N44付近まで到達したところでと静止する。これにより、特定入賞口5651aが第2開放部4682へ向けられて開放され、第2開放部4682を通過した遊技球を特定入賞口5065aから流入口5651bへ流入させることが可能となる。
このとき、第1部材5651bは、閉鎖状態と同じ位置で静止しているが、第1回動体5652の先端部分が釘N43付近まで到達した位置で静止しているので、第1開放部4681を通過した遊技球が、特定入賞口5065aに入球し、流入口5651bに流入することを規制することができる。
このように、第5実施の形態では、第1部材5651c又は第2部材5651dのいずれか一方を回転変位させることで、特定入賞口5065aを第1開放部4681又は第2開放部4682へ向けて開放させることができる。よって、可変入賞装置5065の構造を簡素化することができる。
次に、図45から図48を参照して、第6実施の形態について説明する。第1実施の形態では、回転部材650の回転速度が一定であるのに対し、第6実施の形態では、大当たり種別に応じて回転部材650の回転速度を変化させる場合について説明する。なお、上記した各実施形態と同一の構成においては、その図示と説明を省略する。
まず、図45を参照して、第1変形例におけるパチンコ機の電気的構成について説明する。図45は、第1変形例の主制御装置におけるRAMの内容の一部を模式的に示した模式図である。なお、第1実施の形態に対する相違点について説明し、第1実施の形態と同一の構成については、その詳細な説明は省略する。
図45に示すように、第1変形例における音声ランプ制御装置113のMPU201のRAM203には、第1実施の形態に対して、スピードカウンタ203mが追加されている。その他の構成については、第1実施の形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
スピードカウンタ203mは、回転部材650の回転速度レベルを記憶するためのカウンタであり、大当たり種別に応じた回転速度レベルが設定される。スピードカウンタ203mは、大当たり種別に応じた速度レベルの値が設定され、スピードカウンタ203mが0となった場合に、ステップカウンタ203k及び励磁カウンタ203lが1加算または減算される。スピードカウンタ203mに設定される速度レベルの値が大きいほど、スピードカウンタ203mの値が0になるまでに多くの時間を要するため、その分、可変入賞装置65が閉鎖状態から開放状態(第1開放状態または第2開放状態)へ、又は開放状態から閉鎖状態へ移行する際に要する時間が長くなる。
次に、図46を参照して、特別図柄大当たり乱数テーブルについて説明する。図46は、主制御装置における大当たり種別選択テーブル202dの内容を示した模式図である。
図46(a)に示すように、第1変形例では、大当たり種別として、「大当たりE」から「大当たりL」の8種類が設定されており、第1当たり種別カウンタC2によって、「大当たりE」から「大当たりL」のいずれか1つが決定される。そして、その大当たり種別を示す表示態様が大当たり図柄として第1図柄表示装置37に表示される。
回動量記憶エリア203g(図45(b)参照)では、主制御装置110において特別図柄の抽選が実行され、特別図柄の大当たりと判定された場合に、その大当たり種別に応じた駆動モータMの回動量データの値が設定される。
即ち、大当たり種別が「大当たりE」、「大当たりF」、「大当たりI」又は「大当たりJ」である場合には、回動量記憶エリア203gに「2」が格納される。これは、回転部材650が原点位置から一方向(図6(a)時計回り方向)へ40度回転させて、図7(a)に示す閉鎖状態から図6(b)に示す第1開放状態へ移行することを意味する。
一方、大当たり種別が「大当たりG」、「大当たりH」、「大当たりK」又は「大当たりL」である場合には、回動量記憶エリア203gに「−13」が格納される。これは、回転部材650が原点位置から他方向(図6(a)反時計回り方向)へ260度回転させて、図6(a)に示す閉鎖状態から図7(a)に示す第2開放状態へ移行することを意味する。
また、大当たり種別が「大当たりE」、「大当たりG」、「大当たりI」又は「大当たりK」である場合には、スピードカウンタ203mに速度レベルの値として「1」が格納される。一方、大当たり種別が「大当たりF」、「大当たりH」、「大当たりJ」又は「大当たりL」である場合には、スピードカウンタ203mに速度レベルの値として「2」が格納される。
なお、速度レベルの値が「1」である場合には、速度レベルの値が「2」である場合と比べて、駆動モータMの回転速度が高速となる。即ち、速度レベルの値が「1」である場合には、速度レベルの値が「2」である場合と比べて、閉鎖状態から開放状態(第1開放状態または第2開放状態)へ、又は、開放状態から閉鎖状態への移行が完了するまでに要する時間が短くなる。その結果、速度レベルの値が「2」の場合では、速度レベルの値が「1」である場合と比べて、開放状態から閉鎖状態へ移行する際の回転部材650の移動中に特定入賞口65aへ遊技球を進入させることが可能となる時間を長くなる。これにより、遊技者が享受する遊技性を向上させることができる。
次に、図47を参照して、主記憶装置110中のMPU201により実行される大当たり制御処理2(S1020)について説明する。図47は、大当たり制御処理(S1020)を示したフローチャートである。この大当たり制御処理(S1020)は、メイン処理(図24参照)の中で実行される処理であり、可変入賞装置65の閉鎖状態から開放状態へ、又は、開放状態から閉鎖状態への切り替えを開始するための処理であり、上記実施の形態における大当たり制御処理(S1004)の代わりに実行される。
大当たり制御処理2(S1020)では、まず、大当たりフラグがオフからオンへ切り替わったか否かを判定するかを判定する(S1101)。
S1101の処理において、大当たりフラグがオフからオンへ切り替わった場合には(S1101:Yes)、特別図柄変動開始処理(図15参照)によって行われた特別図柄の抽選結果が大当たりとなり、新たな大当たり遊技が開始されたと判断されるので、その特別図柄の大当たりの種別に対応した値(本実施の形態では16)をラウンドカウンタ203iに設定し(S1102)、本処理を終了する。一方、S1101の処理において、大当たりフラグがオフからオンへ切り替わっていない場合には(S1101:No)、次いで、大当たりフラグがオンであるか否か否かを判定する(S1103)。
S1103の処理において、大当たりフラグがオンでなければ(S1103:No)、特別図柄の大当たり中ではないと判断されるので、本処理を終了する。一方、S1103の処理において、大当たりフラグがオンであれば(S1103:Yes))、次いで、特定入賞口65aの開放を開始するタイミングであるか否か(2回目以降の新たなラウンドが開始されるタイミングであり、可変入賞装置65の閉鎖状態から開放状態への移行を開始するタイミングであるか否か)を判定する(S1104)。
S1104の処理において、特定入賞口65aの開放を開始するタイミングであれば(S1104:Yes)、開放フラグ203jをオンに設定する(S1105)。S1105の処理により開放フラグ203jをオンに設定した後は、新たに開始するラウンド数を示すラウンドコマンドを設定し(S1106)、その後にラウンドカウンタ203iの値に1を減算し、更に、特別図柄大当たり乱数テーブル202dに基づき、大当たり種別に応じた回転部材650の回転速度レベルのうち第1ラウンドにおける速度レベルのデータ(大当たり種別が「大当たりM」、「大当たりN」「大当たりP」「大当たりQ」の場合には「2」、大当たり種別が「大当たりO」、「大当たりR」の場合には「5」)をスピードカウンタ203mに設定して、本処理を終了する。
一方、S1104の処理において、特定入賞口65aの開放を開始するタイミングでなければ(S1104:No)、次いで、可変入賞装置65を閉鎖するタイミングであるか否か(可変入賞装置65の開放状態から閉鎖状態への移行を開始するタイミングであるか否かを判定する(S1108)。
S1108の処理において、特定入賞口65aの閉鎖条件が成立していなければ(S1108:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1108の処理において、特定入賞口65aの閉鎖条件が成立していれば(S1108:Yes)、開放フラグ203jをオフに設定し(S1109)、その後に閉鎖中フラグをオンに設定して(S1110)、本処理を終了する。
このように、大当たりフラグがオンに設定されたことに基づき、大当たり種別に応じた駆動モータMの制御が行われる。よって、駆動モータMの制御を簡素化できる。
次に、図48を参照して、主記憶装置110中のMPU201により実行される電動役物作動処理2(S1030)について説明する。図48は、電動役物作動処理2(S1030)を示したフローチャートである。この電動役物作動処理2は(S1030)は、メイン処理(図24参照)の中で上記した大当たり制御処理2S1020(図47参照)の後に実行される処理であり、大当たり種別に応じて駆動モータMを駆動し、回転部材650を回転させるための処理である。なお、この、電動役物作動処理2(S1030)は、上記実施の形態における電動役物作動処理(S1005)の代わりに実行される。
図48に示すように、電動役物作動処理(S1030)では、まず、開放フラグ203jがオンであるか否かを判定する(S1151)。
S1151の処理において、開放フラグ203jがオンであれば(S1151:Yes)、現在の回転部材650の回転位置を回転位置記憶エリア203hに設定する(S1152)。
S1152の処理が終了すると、そのS1152の処理において回転位置記憶エリア203hに設定された回転部材650の回転位置と、回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量データとが一致しているか否かを判定する(S1153)。
S1153の処理において、回転位置記憶エリア203hに設定された現在の回転部材650の回転位置と回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量データとが一致していれば(S1053:Yes)、可変入賞装置65が開放状態である(第1開放状態または第2開放状態への移行が完了している)と判断されるので、本処理を終了する。一方、S1122の処理において、回転位置記憶エリア203hに設定された現在の回転部材650の回転位置と回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量データとが一致していなければ(S1124:No)、スピードカウンタ203mを1減算し(S1154)、次に、スピードカウンタ203mに設定された速度レベルが「0」であるか否かを判定する(S1155)。
S1155の処理において、スピードカウンタ203mに設定された速度レベルの値が「0」でなければ(S1155:No)、その他の処理(S1134)へ移行する。一方、S1155の処理において、スピードカウンタ203mに設定された速度レベルの値が「0」であれば(S1155:Yes)、次いで、スピードカウンタ203mにラウンド数に応じた速度レベルの数値を設定する。具体的には、特別図柄大当たり乱数テーブル202dに基づき、ラウンド数コマンダに設定されたラウンド数に応じた速度レベルの値をスピードカウンタ203mに設定する(S1156)。
S1156の処理が終了すると、次に、回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量データが負の値であるか否かを判定する(S1157)。
S1157の処理において、回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量データが負の値でなければ(S1124:No)、可変入賞装置65が閉鎖状態から第1開放状態へ移行する途中であって、回転部材650を一方向(図7(a)時計回り方向)へ回転させている途中であると判断される。
よって、駆動モータMを駆動させて回転部材650を一方向へ回転させるため、ステップカウンタ203k及び励磁カウンタ203lに1を加算し(S1158)、その他の処理(S1134)の処理へ移行する。
一方、S1157の処理において、回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量データが負の値であれば(S1157:Yes)、可変入賞装置65が閉鎖状態から第2開放状態へ移行する途中であって、回転部材650を他方向(図7(a)反時計回り方向)へ回転させている途中であると判断される。
よって、駆動モータMを駆動させて回転部材650を他方向へ回転させるため、ステップカウンタ203k及び励磁カウンタ203lから1を減算し(S1159)、S1134の処理へ移行する。
S1151の処理において、開放フラグ203jがオンでなければ(S1151:No)、次いで、閉鎖中フラグがオンであるか否かを判定する(S1160)。
S1160の処理において、閉鎖中フラグがオンでなければ(S1160:No)、可変入賞装置65が閉鎖状態である(閉鎖状態への移行が完了している)と判断されるので、S1134の処理へ移行する。
一方、S1160の処理において、閉鎖中フラグがオンであれば(S1160:Yes)、可変入賞装置65が第1開放状態または第2開放状態から閉鎖状態へ移行している途中であると判断されるので、次いで、現在の回転部材650の回転位置を回転位置記憶エリア203hに設定する(S1161)。
S1161の処理が終了すると、そのS1161の処理において回転位置記憶エリア203hに設定された回転部材650の回転位置が原点位置であるか否かを判定する(S1162)。
S1162の処理において、回転位置記憶エリア203hに設定された現在の回転部材650の回転位置が原点位置であれば(S1162:Yes)、可変入賞装置65の開放状態(第1開放状態または第2開放状態)から閉鎖状態への移行が完了したと判定されるので、閉鎖中フラグをオフに設定し(S1163)、S1134の処理へ移行する。
一方、S1162の処理において、回転位置記憶エリア203hに設定された現在の回転部材650の回転位置が原点位置でなければ(S1162:No)、可変入賞装置65が第1開放状態または第2開放状態から閉鎖状態へ移行する途中であると判断されるので、スピードカウンタ203mを1減算し(S1164)、次に、スピードカウンタ203mに設定された速度レベルが「0」であるか否かを判定する(S1165)。
S1165の処理において、スピードカウンタ203mに設定された速度レベルの値が「0」でなければ(S1165:No)、S1134の処理へ移行する。
一方、S1165の処理において、スピードカウンタ203mに設定された速度レベルの値が「0」であれば(S1165:Yes)、次いで、スピードカウンタ203mにラウンド数に応じた速度レベルの数値を設定する(S1166)。
S1166の処理が終了すると、次に、回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量データが負の値であるか否かを判定する(S1167)。
S1167の処理において、回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量データが負の値であれば(S1167:Yes)、可変入賞装置65が第1開放状態から閉鎖状態へ移行する途中であって、回転部材650を他方向(図7(a)反時計回り方向)へ回転させている途中であると判断される。よって、駆動モータMを駆動させて回転部材650を他方向へ回転させるため、ステップカウンタ203k及び励磁カウンタ203lから1を減算し(S1168)、S1134の処理へ移行する。
一方、S1167の処理において、回動量記憶エリア203gに設定されている駆動モータMの回動量データが負の値でなければ(S1167:No)、可変入賞装置65が第2開放状態から閉鎖状態へ移行する途中であって、回転部材650を一方向(図7(a)時計回り方向)へ回転させている途中であると判断される。よって、駆動モータMを駆動させて回転部材650を一方向へ回転させるため、ステップカウンタ203k及び励磁カウンタ203lに1を加算し(S1169)、S1134の処理へ移行する。
このように、第1変形例では、大当たりの種別に応じて、開放状態(第1開放状態または第2開放状態)から閉鎖状態へ移行する際における回転部材650の回転速度(特定入賞口65aの変位速度)が異なる速度に設定される。よって、回転部材650の回転速度が遅く設定される大当たり種別では、回転部材650の回転速度が速く設定される大当たり種別よりも、開放状態から閉鎖状態へ移行する過程において特定入賞口65aへの遊技球の進入が可能な期間が長くなる。
特に、本実施の形態では、第2開放部682の流路幅が遊技球の外径の略2倍に設定されているので、第2開放状態から遊技盤13の正面視における時計回り方向(図6(a)時計回り方向)へ特定入賞口65aが変位する際に、特定入賞口65aの変位が開始されてから一定期間の間(特定入賞口65aが第2開放状態において静止する位置(開放位置)から第3連結壁654cの先端部分と釘N4との間隔が遊技球の外径と同等となる位置(入球可能位置)まで変位するまでの間)は、第2開放部682を通過させた遊技球を特定入賞口65aへ進入させることが可能となる。
従って、回転部材650の回転速度が遅くなるほど、特定入賞口65aへより多くの遊技球を進入させることができる。
このように、特定入賞口65aの変位速度を可変に構成し、開放状態から閉鎖状態へ移行する過程における特定入賞口65aへの遊技球の進入し易さを調整可能とすることによって、開放状態から閉鎖状態へ特定入賞口65aを変位させる過程において遊技球が特定入賞口65aへ進入することへの期待感を、特定入賞口65aの変位速度によって変化させることができるので、遊技者が享受する遊技性を向上させることができる。
なお、閉鎖状態から開放状態へ移行する際の回転部材650の回転速度と開放状態から閉鎖状態へ移行する際の回転部材650の回転速度とは、同一の速度に設定してもよく、異なる速度に設定してもよい。
閉鎖状態から開放状態へ移行する際の回転部材650の回転速度と開放状態から閉鎖状態へ移行する際の回転部材650の回転速度とを同一の速度とすることによって、回転部材650の回転速度に関する制御を簡素化することができる。
また、例えば、S1108(図47参照)における閉鎖条件として、閉鎖状態から開放状態への移行を開始してから所定時間を経過した後に開放状態から閉鎖状態への移行が開始されるように構成されている場合には、
一方、閉鎖状態から開放状態へ移行する際の回転部材650の回転速度と開放状態から閉鎖状態へ移行する際の回転部材650の回転速度とを異なる速度とすることによって、遊技の多様化を図ることができる。
例えば、S1108(図47参照)における閉鎖条件として、特定入賞口65aへの遊技球の入球数(入賞数)が所定の数量に達した場合に開放状態から閉鎖状態への移行を開始するように設定した場合には、通常状態から開放状態へ移行する際の回転部材650の回転速度よりも開放状態から閉鎖状態へ移行する際の回転部材650の回転速度を遅く(早く)することで、ラウンド毎における特定入賞口65aへの遊技球の入球数が増加させることへの期待感を大きく(小さく)することができる。
次に、図49を参照して第7実施の形態について説明する。第1実施の形態では、・・であるのに対し、第7実施の形態では、大当たり種別に関わらず閉鎖状態から開放状態へ移行する際の回転部材650の回転方向を同一にしつつ、ラウンド毎に回転部材650の回転角度を変える場合について説明する。図49は、第7実施の形態の主制御装置における大当たり種別選択テーブル202eの内容を示した模式図である。なお、上記した各実施形態と同一の構成においては、その図示と説明を省略する。
図49に示すように、第7実施の形態では、大当たり種別として、「大当たりM」から「大当たりR」の6種類が設定されており、第1当たり種別カウンタC2によって、「大当たりM」から「大当たりR」のいずれか1つが決定される。そして、その大当たり種別を示す表示態様が大当たり図柄として第1図柄表示装置37に表示される。
各大当たり種別では、1つの大当たりが8つのラウンドから構成されており、大当たり種別が「大当たりM」又は「大当たりP」である場合であって、ラウンドカウンタ203iの値が「1〜3,5,7,8」である場合には、回動量記憶エリア203gに回動量データの値として「2」が設定される。これは、回転部材650が原点位置から一方向(図6(a)時計回り方向)へ40度回転させて、図6(a)に示す閉鎖状態から図6(b)に示す第1開放状態へ移行することを意味する。また、ラウンドカウンタ203iの値が「4,6」である場合には、回動量記憶エリア203gに回動量データの値として「5」が設定される。これは、回転部材650が原点位置から一方向へ100度回転させて、図6(a)に示す閉鎖状態から図6(b)に示す第1開放状態へ移行することを意味する。
また、大当たり種別が「大当たりN」又は「大当たりQ」である場合には、ラウンドカウンタ203iの値に関わらず、回動量記憶エリア203gに回動量データの値として「2」が設定され、大当たり種別が「大当たりO」又は「大当たりR」である場合には、ラウンドカウンタ203iの値に関わらず、回動量記憶エリア203gに回動量データの値として「5」が設定される。
このように、大当たり種別に応じて特定入賞口65aの向きを変えることで、遊技者が享受する遊技性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、大当たり種別がいずれに場合であっても回動量記憶エリア203gに設定される値は正の値である。即ち、閉鎖状態から第1開放状態へ移行する場合であっても第2開放状態へ移行する場合であっても、特定入賞口65aは遊技盤13の正面視における時計回り方向へ回転変位する。従って、遊技者は、特定入賞口65aが第1開放部681(図6(b)参照)へ向けられた状態で静止するのか、第2開放部682(図7(a)参照)へ向けられた状態で静止するのか、を予め判断することが困難なので、遊技者の享受する遊技性を向上させることができる。
このように、第2変形例では、1つの大当たり(特典遊技)が8つのラウンド(小特典遊技)から構成され、大当たり種別によってはラウンド毎に特定入賞口65aの変位速度(回転部材650の回転速度)を変化させることができる。これにより、遊技の多様化を図ることができるので、遊技者が享受する遊技性を向上させることができる。
また、ラウンド毎における特定入賞口65aの変位速度は、大当たり種別選択テーブル202eにより大当たり種別ごとに予め決められている。よって、各ラウンドが開始される度に変位速度を決定するための抽選を行う場合と比べて、特定入賞口65aの制御を簡素化することができる。
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態のうちの一の実施形態における一部または全部の構成を、他の実施形態における一部または全部の構成と組み合わせて、或いは、置き換えて、パチンコ機10を構成しても良い。
上記各実施の形態では、可変入賞装置65,2065,3065,4065,5065が、遊技領域のうち第1始動口64の下方に配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、遊技領域の他の位置に配設してもよい。
上記各実施形態では、遊技球の通過を規制する閉鎖部として、第1閉鎖部671,2671,3671,4671と、第2閉鎖部672,2672,3672,4672と、第3閉鎖部673,2673,3673,4673とを備え、遊技球の通過を許容する開放部として、第1開放部681,2681,3681,4681と、第2開放部682,2682,3682,4682とを備え、それら閉鎖部および開放部が可変入賞装置65,2065,3065,4065,5065の上流側に配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、閉鎖部の数を2つ以下または4つ以上設けてもよく、開放部の数を1つ又は3つ以上設けてもよい。また、閉鎖部を省略して流入が自由に行われるように構成されていてもよい。
上記各実施の形態では、第1閉鎖部671,2671,3671,4671、第2閉鎖部672,2672,3672,4672及び第3閉鎖部673,2673,3673,4673が複数の釘によって構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1閉鎖部671,2671,3671,4671と、第2閉鎖部672,2672,3672,4672と、第3閉鎖部673,2673,3673,4673が他の部材、例えば、遊技盤に立設された板状の部材等から構成されていてもよい。
また、第1閉鎖部671,2671,3671,4671、第2閉鎖部672,2672,3672,4672及び第3閉鎖部673,2673,3673,4673をカバー体から構成し、そのカバー体を遊技盤13,2013,3013,4013に装着してもよく、第1閉鎖部671,2671,3671,4671、第2閉鎖部672,2672,3672,4672及び第3閉鎖部673,2673,3673,4673が遊技盤またはカバー体から出没可能に構成されていてもよい。さらに、第1閉鎖部671,2671,3671,4671、第2閉鎖部672,2672,3672,4672及び第3閉鎖部673,2673,3673,4673を1つのユニットとして構成してもよい。
上記各実施の形態では、第2開放部682,2682,3682,4682が第1開放部681,2681,3681,4681よりも開口幅が大きい場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1開放部と第2開放部との開口幅を同一寸法にしてもよく、第1開放部の開口幅を第2開放部の開口幅よりも大きな寸法に設定してもよい。
上記各実施の形態では、第1開放状態において遊技球が特定入賞口65a,2065a,3065a,4065a,5065aに入球した場合と第2開放状態において遊技球が特定入賞口65a,2065a,3065a,4065a,5065aに入球した場合とで、払い出される賞球の数が異なる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、払い出される賞球の数が同一であってもよい。
上記各実施の形態では、第1開放部681,2681,3681,4681を可変入賞装置65,2065,3065,4065,5065の上方に形成し、第2開放部682,2682,3682,4682を可変入賞装置65,2065,3065,4065,5065の右方に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1開放部または第2開放部が少なくとも流入口651b,3651b,4651b,5651bの上流側に形成されていればよい。
上記各実施の形態では、第1開放部681,2681,3681,4681又は第2開放部682,2682,3682,4682のいずれか一方からの特定入賞口65a,2065a,3065a,4065a,5065aへの遊技球が入球可能な状態では、第1開放部681,2681,3681,4681又は第2開放部681,2682,3682,4682のいずれか他方からの特定入賞口65a,2065a,3065a,4065a,5065aへの遊技球の入球が規制される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1開放部681,2681,3681,4681及び第2開放部682,2682,3682,4682の双方から同時に特定入賞口65a,2065a,3065a,4065a,5065aへの遊技球の入球を可能に構成してもよい。
上記第1及び第2実施の形態では、第1開放状態において流入孔651bに流入した遊技球が第1通路691に取り込まれ、第2開放状態において流入孔651bに流入した遊技球が第2通路692に取り込まれる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1開放状態において流入孔651bに流入した遊技球と第2開放状態において流入孔651bに流入した遊技球とが共通の通路に取り込まれるように構成してもよい。
上記第1実施から第3実施の形態では、第1閉鎖部671,2671,3671が、回転軸651a,3651aよりも下方側まで延設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1閉鎖部は、少なくとも特定入賞口65a,2065a,3065aが第1閉鎖部へ向けられた状態で特定入賞口65a,2065a,3065aへの遊技球の入球を規制できるように構成されていればよい。
上記各実施の形態では、特定入賞口65a,2065a,3065a,4065a,5065aが駆動モータMによる駆動力の付与によって所定の円周上を変位するように構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、特定入賞口が駆動力の付与によってスライド移動するように構成されていてもよい。例えば、特定入賞口が変位する領域の上流側に閉鎖部(第1閉鎖部、第2閉鎖部など)および開放部(第1開放部、第2開放部など)を形成し、特定入賞口への遊技球の進入を規制する場合には特定入賞口が閉鎖部の下方に配置され、特定入賞口への遊技球の進入を許容する場合には特定入賞口が開放部の下方に配置されるように入球部等を変位させてもよい。
上記各実施の形態では、第1閉鎖部671,2671,3671,4671と第3閉鎖部673,2673,3673,4673との間に排球部683,2683,3683,4683が形成され、特定入賞口65a,2065a,3065a,4065a,5065aから外れた遊技球を排球部683,2683,3683,4683から下流側へ流下させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、排球部の代わりにアウト口を設けてもよい。
上記各実施の形態では、特定入賞口65a,2065a,3065a,4065a,5065aを第1閉鎖部671,2671,3671又は第2閉鎖部4672に向けることによって特定入賞口65a,2065a,3065a,4065a,5065aへの遊技球の進入を規制する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、特定入賞口65a,2065a,3065a,4065a,5065aを排球部683,2683,3683,4683へ向けることによって特定入賞口5a,2065a,3065a,4065a,5065aへの遊技球の入球を規制してもよい。この場合、特定入賞口65a,2065a,3065a,4065a,5065aが排球部683,2683,3683,4683へ向けられた状態において、第2連結壁654b,2654b,3654b又は連結壁654と釘N5,N25,N35,N45との間隔、及び、第3連結壁654c,2654c,3654c又は回動体4652と釘N6,N26,N36,N46との間隔を、少なくとも遊技球の外径よりも大きな寸法に設定することで、第1開放部681,2681,3681,4681又は第2開放部682,2682,3682,4682を通過して流下領域へ流入した遊技球を排球部683,2683,3683,4683から下流側へ流下させることができる。
上記第1実施から第3実施の形態では、閉鎖状態において特定入賞口65a,2065a,3065aが第1閉鎖部671,2671,3671へ向けられ、上記第4実施および第5実施の形態では、特定入賞口4065a,5065aが第2閉鎖部4671へ向けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、特定入賞口65a,2065a,3065a,4065a,5065aへの遊技球の入球が規制されていれば、どの方向へ向けられていてもよい。
また、閉鎖状態において、閉鎖状態から第1開放状態へ移行する場合と第2開放状態へ移行する場合とで、特定入賞口65a,2065a,3065a,4065a,5065aの変位距離が同等となる位置で静止させてもよい。これにより、閉鎖状態から第1開放状態へ移行する場合と第2開放状態へ移行する場合で、移行を開始してから終了するまでにかかる時間を同等に設定しやすくすることができる。
上記第4実施の形態では、連結壁4654が円板部4651に固定され、回動体4652が円板部4651に回転可能に軸支される場合について説明したが、必ずこれに限られるものではなく、連結壁4654が円板部4651に回転可能に保持されていてもよい。
上記第4実施の形態では、閉鎖状態において、遊技球の進入が可能な程度に開放された状態の特定入賞口4065aを第2閉鎖部4672へ向けることによって特定入賞口4065aへの遊技球の進入が規制される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、回動体4652の先端部分と連結壁4654の先端部分とを当接させて特定入賞口4065aを閉鎖してもよく、特定入賞口4065aの開口幅を遊技球の外径よりも小さな寸法に設定することによって特定入賞口4065aへの遊技球の進入を規制してもよい。
また、本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113と、表示制御装置114とを別々に設けているが、代わりに、それぞれの装置113,114を一体化し、一つの装置として設けても良い。
また、上記実施形態では、まず、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へコマンドが送信され、音声ランプ制御装置113によりコマンドが受信されると、音声ランプ制御装置113において表示制御装置114へ送信すべきコマンドが決定され、その後、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へコマンドが送信されるように構成されている。これに対して、まず、主制御装置110から表示制御装置114へコマンドが送信し、表示制御装置114によりコマンドが受信されたら、表示制御装置114において音声ランプ制御装置113へ送信すべきコマンドを決定させ、その後、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113へコマンドを送信するように構成しても良い。
上記実施形態では、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、音声ランプ制御装置113により背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドが生成され、表示制御装置114によってその背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示される背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信したコマンドの内容に基づいて、遊技機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、例えば、遊技状態の変更にあわせて、背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドを生成してもよい。これにより、表示制御装置114では、その背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更することができる。また、表示制御装置114が直接遊技機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更してもよい。
また、表示制御装置114は、表示データテーブル、転送データテーブル、追加データテーブルや合成データテーブルの規定に従って背面画像を変更してもよい。
また、上記実施形態では、振動センサの出力信号を音声ランプ制御装置113に入力し、音声ランプ制御装置113にて振動エラーが検出された場合、エラーコマンドを表示制御装置114へ送信することにより、表示制御装置114にて第3図柄表示装置81へ即座に警告画像を表示させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振動センサの出力信号を主制御装置110へ入力し、主制御装置110にて振動エラーを検出して、主制御装置110からそのエラーを通知するエラーコマンドを音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のいずれかへ送信するようにしてもよい。そして、音声ランプ制御装置113に対してエラーコマンドが送信される場合は、音声ランプ制御装置113がそのエラーコマンドを受けて、表示制御装置114へ更にそのエラーを通知するエラーコマンドを送信するようにしてもよい。
上記実施形態では、主制御装置110が、音声ランプ制御装置113に対して通知する始動入賞時に取得した各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2)の情報を、保留球数コマンドに含める場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、別のコマンドによって、始動入賞時に取得した各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2)の情報を音声ランプ制御装置113に通知してもよい。
上記実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記実施形態において、球が入球した場合に特別図柄の大当たりの抽選が開始される第1始動口64aと第2始動口640aとの2つが遊技盤13に配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1始動口64a又は第2始動口640aのいずれか1つ、又は、第1始動口64a及び第2始動口640aと独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される3つ以上の始動口が遊技盤13に配設されていてもよい。
なお、複数の始動口を設ける場合、各始動口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの始動口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの始動口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、始動口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された始動口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された始動口に対する保留球数カウンタを1減らせば、始動口毎に保留球数をカウントすることができる。
上記実施形態では、主制御装置110において特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記実施形態においては、第1始動口64及び第2始動口640への入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1始動口64及び第2始動口640への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
なお、上記実施形態におけるパチンコ機10では、閉鎖状態から開放状態へ、又は、開放状態から閉鎖状態へ移行する際の可変入賞装置65の回転速度が一定である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、大当たり種別に応じて可変入賞装置65の回転速度を変化させてもよい。
上記実施形態におけるパチンコ機10では、閉鎖状態から開放状態へ、又は、開放状態から閉鎖状態へ移行する際の可変入賞装置65の回転方向を変化させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、大当たり種別に関わらず、閉鎖状態から開放状態へ移行する際の回転方向を同一にしてもよい。同様に、大当たり種別に関わらず、閉鎖状態から開放状態へ移行する際の回転方向を同一にしてもよい。
さらに、上記実施形態におけるパチンコ機10では、回転部材650の回転角度はすべてのラウンドにおいて一定である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ラウンド毎に回転部材650の回転角度を変えてもよい。
また、上記第6実施の形態では、スピードカウンタ203mに設定される値が「1」又は「2」の2つの値である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、スピードカウンタ203mに設定される値を3つ以上にしてもよい。これにより、回転部材650の回転速度をより多様に変化させることができるので、遊技者が享受する遊技性をより向上させることができる。
上記第6実施の形態では、ラウンド毎における特定入賞口65aの変位速度が大当たり種別選択テーブル202dにより大当たり種別ごとに予め決められている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、各ラウンドが開始される度に変位速度を決定するための抽選を行ってもよい。これにより、閉鎖状態から開放状態へ移行する際に第1開放状態から第2開放状態のいずれの状態に移行するかについての予測がより困難となるので、遊技のさらなる多様化を図ることができる。
なお、上記各実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。例えば、上記各実施の形態および上記第1、第2変形例では、1つの大当たり毎のラウンド数が8又は16である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、1つの大当たり毎のラウンド数が1又は8及び16以外の複数であってもよい。
なお、上記した、各実施形態及び変形例の一部または全部を組み合わせてもよい。また、制御処理については、構成の実施形態に適用して実施するように構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(入球口を変位させることで遊技球の入球し易さを調整)
判定条件の成立に基づいて当否判定を実行する判定手段と、その判定手段により当たりと判定されたことに基づいて入球可能な開放状態に設定される入球口と、その入球口が開放状態となる場合に遊技球が入球可能な第1位置またはその第1位置よりも遊技球が入球し難い第2位置に前記入球口を変位させる変位手段と、前記判定手段により当たりと判定された場合に、前記入球口を前記第1位置または前記第2位置のいずれの位置に変位させるかを決定する位置決定手段と、その位置決定手段により決定された位置に前記入球口を変位させる変位制御手段と、を備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、判定手段により当たりと判定されたことに基づいて開放状態となる場合に、変位手段によって入球口を第1位置または第2位置のいずれか一方に変位させることができる。これにより、遊技者に対し、遊技球の発射の仕方を入球口の変位に応じて変更するように仕向けることができるので、遊技者が享受する遊技性を向上させることができる。また、入球口が第2位置に変位した場合では、入球口が第1位置に変位した場合と比べて、遊技球が入球口へ入球し難く、入球口を第1位置または第2位置のいずれの位置に変位させるかが位置決定手段によって決定される。これにより、入球口の変位によって入球口への入球し易さを変えることができるので、遊技者が享受する遊技性を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記変位手段は、前記入球口を回転移動させることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、変位手段によって入球口を回転移動させることで入球口が第1位置または第2位置へ変位するので、入球口を変位させるための構成を簡素化できるという効果がある。
遊技機A2において、前記変位制御手段は、前記入球状態に設定されていない通常状態では、前記入球口への遊技球の入球が規制される規制位置に前記入球口を変位させることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、通常状態では入球口への遊技球の入球が規制されるので、変位手段による入球口の変位を通して入球口への入球を規制または許容することができるという効果がある。
遊技機A2又はA3において、遊技球を発射する発射手段と、その発射手段により発射された遊技球を前記第1位置に案内する第1案内流路と、前記発射手段により発射された遊技球を前記第2位置に案内する第2案内流路と、それら第1案内流路または第2案内流路のいずれか一方に遊技球を流下させるように、前記発射手段から発射される遊技球の発射力を遊技者の操作に基づいて調節する調節手段と、を備えていることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、入球口が第1位置に変位した場合には第1案内流路を通過させることによって遊技球を入球口へ入球させやすくすることができ、入球口が第2位置に変位した場合には第2案内流路を通過させることによって遊技球を入球口へ入球させやすくすることができる。また、遊技者は、入球口の変位に応じて調節手段を操作することにより、遊技球が第1案内流路または第2案内流路を通過するように遊技球の発射力を調整することで、遊技球を入球口へ効率よく入球させることができる。よって、遊技者が享受する遊技性を向上させることができるという効果がある。
遊技機A4において、前記第2案内流路では、前記第1案内流路よりも流路幅が大きな寸法に設定されていることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、第2案内流路の流路幅を第1案内流路の流路幅よりも大きな寸法に設定することにより、入球口が第2位置に変位した状態では、入球口が第1位置に変位した状態と比べて、遊技球を入球口へ効率よく入球させることができるという効果がある。
遊技機A5において、前記入球口の回転方向一方側から視た場合に、前記規制位置、前記第1位置または前記第2位置のいずれか一方および前記第1位置または前記第2位置のいずれか他方がこの順序で配設され、前記変位制御手段は、前記位置決定手段の決定により前記入球口を前記規制位置から前記第1位置または前記第2位置のいずれか他方に変位させる場合に、前記入球口を前記規制位置から回転方向他方側に回転変位させることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、入球口の回転方向一方側から視た場合に、規制位置、第1位置または第2位置のいずれか一方および第1位置または第2位置のいずれか他方がこの順序で配設され、変位制御手段は、入球口を第1位置または第2位置のいずれか他方に変位させる場合に、入球口を回転方向他方側に回転変位させるので、入球口を規制位置から第1位置または第2位置のいずれか他方へ変位させる過程で、入球口が第1位置または第2位置のいずれか一方を経由することを回避できる。これにより、入球口を規制位置から第1位置または第2位置のいずれか他方へ変位させる過程で、第1位置または第2位置のいずれか一方を通過した遊技球が入球口に入球することを回避できるという効果がある。
遊技機A5において、前記入球口の回転方向一方側から視た場合に、前記規制位置、前記第1位置または前記第2位置のいずれか一方および前記第1位置または前記第2位置のいずれか他方がこの順序で配設され、前記変位制御手段は、前記位置決定手段の決定により前記入球口を前記規制位置から前記第1位置または前記第2位置のいずれか他方に変位させる場合に、前記入球口を前記規制位置から回転方向一方側に回転変位させることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、入球口の回転方向一方側から視た場合に、規制位置、第1位置または第2位置のいずれか一方および第1位置または第2位置のいずれか他方がこの順序で配設され、変位制御手段は、入球口を第1位置または第2位置のいずれか他方に変位させる場合に、入球口を回転方向他方側に回転変位させるので、入球口が規制位置から第1位置または第2位置のいずれか一方を経由して第1位置または第2位置のいずれか他方へ変位するように構成することができる。この場合、規制位置から第1位置または第2位置のいずれか他方へ入球口を変位させる過程で、入球口が第1位置または第2位置のいずれか一方を通過する際に第1位置または第2位置のいずれか一方を通過した遊技球を入球口に入球させることができる。従って、遊技者に対し、入球口が第1位置または第2位置のいずれか一方を通過するタイミングで遊技球が入球口へ入球されるような遊技球の発射の仕方を行うように仕向けることができる。よって、遊技者が享受する遊技性を向上させることができるという効果がある。
遊技機A7において、前記変位制御手段は、前記位置決定手段の決定により前記入球口を前記規制位置から前記第1位置または前記第2位置のいずれか一方に変位させる場合には、前記入球口を前記規制位置から回転方向一方側に回転変位させることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、入球口を規制位置から第1位置または第2位置のいずれか一方に変位させる場合には、入球口が回転方向一方側に回転変位するので、入球口が規制位置から第1位置へ変位する場合と第2位置へ変位する場合とで、入球口が変位する方向を同一に設定することができる。よって、開放状態に設定された場合に、入球口が第1位置または第2位置のいずれに変位するのかについての予測を難しくさせることができるので、遊技者の享受する遊技性を向上させることができるという効果がある。
<特徴B群>(ブドウ防止)
遊技球が入球可能な開口を有する入球口と、その入球口へ遊技球を案内する第1開放部および第2開放部と、所定の条件が成立したことに基づいて、前記第1開放部または前記第2開放部に案内された遊技球の前記開口への入球が困難な規制位置から前記第1開放部に前記開口が面する第1位置または前記第2開放部に前記開口が面する第2位置に前記入球口を変位させる変位手段と、その変位手段により前記入球口の変位を制御する変位制御手段と、前記入球口が前記規制位置に変位した場合に、前記第1開放部または前記第2開放部を通過した遊技球を前記入球口の外部へ流下させる流下部を備えていることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、所定の条件が成立した場合には、遊技球の開口への入球が困難な規制位置から第1開放部に開口が面した第1位置または第2開放部に開口が面した第2位置に入球口が変位する。これにより、遊技者に対し、遊技球の発射の仕方を入球口の変位に応じて変更するように仕向けることができるので、遊技者が享受する遊技性を向上させることができる。さらに、入球口が規制位置に変位した場合に、第1開放部または第2開放部を通過した遊技球を流下部によって入球口の外部へ流下させることができるので、第1開放部または第2開放部において球詰まりが発生することを抑制できるという効果がある。
遊技機B1において、前記入球口が前記第1位置に変位した場合には、前記第2開放部を通過した遊技球が前記流下部から前記入球口の外部へ流下し、前記入球口が前記第2位置に変位した場合には、前記第1開放部を通過した遊技球が前記流下部から前記入球口の外部へ流下することを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、入球口が第1位置に変位した場合には、第2開放部を通過した遊技球が流下部から入球口の外部へ流下するので、第2開放部において球詰まりが発生することを抑制できる。また、入球口が第2位置に変位した場合には、第1開放部を通過した遊技球が流下部から入球口の外部へ流下するので、第1開放部において球詰まりが発生することを抑制できるという効果がある。
遊技機B1又はB2において、遊技球の通過を規制する閉鎖部を備え、前記入球口が前記規制位置に変位した場合には、前記開口が前記閉鎖部に面していることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、入球口が規制位置に変位した場合には、開口が遊技球の通過を規制する閉鎖部に面しているので、入球口への遊技球の入球を規制するための構成を簡素化できるという効果がある。
遊技機B3において、前記入球口が前記規制位置に変位した場合に、前記開口と前記閉鎖部との間隔が外径よりも小さな寸法に設定されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、入球口が規制位置に変位した場合に、開口と閉鎖部との間隔が外径よりも小さな寸法に設定されるので、第1開放部および第2開放部に案内された遊技球が開口と閉鎖部との間を通過することを防止できる。よって、第1開放部および第2開放部に案内された遊技球が入球口に入球することを回避できるという効果がある。
遊技機B3又はB4において、前記規制位置、前記第1位置および前記第2位置がこの順序で並設され、前記入球口が前記第2位置に変位した場合に、前記第1開放部に案内された遊技球が、前記入球部と前記閉鎖部との間を通過して前記流下部へ誘導されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B3又はB4の奏する効果に加え、入球口が第2位置に変位した場合に、第1開放部に案内された遊技球が入球部と閉鎖部との間を通過して流下部へ誘導されるので、遊技球を円滑に入球部の外部へ流下させることができるという効果がある。
遊技機B1からB5において、前記流下部は、前記第1開放部および前記第2開放部よりも流路幅が大きいことを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5の奏する効果に加え、流下部は、第1開放部および第2開放部よりも流路幅が大きいので、入球部が規制位置に変位した場合に、第1開放部および第2開放部の双方から短時間に多量の遊技球が流下したとしても、遊技球を流下部から入球部の下方へ円滑に案内することができるという効果がある。
<特徴C群>(入球口の位置により、賞球の数が異なる。)
変位可能に構成される入球口と、その入球口が第1位置に変位した場合に、前記入球口に入球した遊技球を回収可能な第1回収通路と、その第1回収通路を通過する遊技球を検出する第1検出手段と、前記入球口が第1位置とは異なる第2位置に変位した場合に、前記入球口に入球した遊技球を回収可能な第2回収通路と、その第2回収通路を通過する遊技球を検出する第2検出手段と、前記第1検出手段および前記第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて賞球を払い出す払出手段と、その払出手段により払い出す賞球の払出数を設定する払出設定手段と、を備え、前記払出設定手段は、遊技球が前記第1検出手段により検出された場合と前記第2検出手段により検出された場合とで、異なる払出数を設定することを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、入球口が第1位置に変位した場合に払い出される賞球の払出数と入球口が第2位置に変位した場合に払い出される賞球の払出数とを異なる払出数に設定される。即ち、遊技球を入球させた際の入球口の位置によって遊技者が得られる遊技価値が異なるので、遊技者の享受する遊技性を向上させることができる。また、第1位置に変位した入球口に入球した遊技球が第1回収通路に回収され、第2位置に変位した入球口に入球した遊技球が第2回収通路に回収される。払出手段は、第1回収通路を通過した遊技球を第1検出手段によって検出し、第2回収通路を通過した遊技球を第2検出手段によって検出できるので、払出手段の制御を簡素化できるという効果がある。
遊技機C1において、前記第1回収通路または前記第2回収通路を開放または閉鎖する開閉部材を備え、前記開閉部材は、変位可能に構成され、前記入球口が前記第1位置に変位した場合には前記第1回収通路を開放して前記入球部と連通させつつ前記第2回収通路を閉鎖し、前記入球口が前記第2位置に変位した場合には前記第2回収通路を開放して前記入球部と連通させつつ前記第1回収通路を閉鎖することを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、入球口が第1位置に変位した場合には、第1回収通路を開放して入球部と連通させつつ第2回収通路を閉鎖するので、第2回収通路に誤って遊技球に入球することを回避できる。また、入球口が第2位置に変位した場合には、第2回収通路を開放して入球部と連通させつつ第1回収通路を閉鎖するので、第1回収通路に誤って遊技球が入球することを回避できるという効果がある。
遊技機C2において、前記開閉部材は、前記入球口と一体的に形成されていることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、開閉部材は入球口と一体的に形成されているので、入球口の変位に伴って開閉部材を変位させることができる。これにより、入球口の変位と開閉部材の変位とにズレが生じることを回避できるので、入球口に入球した遊技球を1回収通路または第2回収通路へ円滑に送ることができるという効果がある。
<特徴D群>(固定された流入口に対して入球口が回転 →(下位)入球口の回転軸より下方に流入口および回収通路を形成し、回転軸の上方にモータを配置するためのスペースを確保)
遊技球が入球可能な開口を有する入球口と、その入球口に入球された遊技球が流入する流入口と、前記流入口に対して前記入球口を回転させて前記開口の向きを少なくとも第1方向または第2方向に向ける回転手段と、を備え、前記流入口は、前記回転手段により前記入球口の開口が前記第1方向または前記第2方向へ向けられた場合に、遊技球が流入可能な流入領域が確保される位置に配置されることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、流入口に対して入球口を回転させることで開口が向けられる方向が変わるので、遊技者に対し、遊技球の発射の仕方を変えるように仕向けることができる。よって、遊技の多様化を図ることができるので、遊技者の享受する遊技性を向上させることができる。さらに、入球口を回転させて開口の向きを変えることにより、遊技者に対して遊技球の発射の仕方を変えるように仕向けることができるので、複数の入球口を別個に設けることにより遊技者に対して発射の仕方を変えるように仕向ける場合と比べて、全体に占める入球口のスペースを小さくすることができ、製造コストの削減を図ることができる。また、入球口を第1位置または第2位置に回転させた場合に、遊技球が流入可能な流入口の流入領域が確保されるので、入球口に入球された遊技球を円滑に流入口に流入させることができるという効果がある。
遊技機D1において、前記流入口は、少なくとも前記入球口の開口が前記第1方向または前記第2方向へ向けられた場合に、前記流入口の全体が前記入球口に包囲または覆設されていることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、少なくとも入球口の開口が第1方向または第2方向へ向けられた場合に、流入口の全体が入球口に包囲または覆設されているので、入球口の開口が第1方向または第2方向へ向けられた場合に入球口に入球した遊技球を円滑に流入口に流入させることができるという効果がある。
遊技機D1又はD2において、前記流入口は、その内周面の少なくとも一部が下方へ向けて凸となる円弧状に形成されていることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、流入口の内周面の少なくとも一部が下方へ向けて凸となる円弧状に形成されているので、遊技球を流入口に流入させやすくすることができるという効果がある。
遊技機D3において、前記入球口は、前記駆動手段に連結される回転軸を備え、その回転軸を中心として回転するように構成され、前記入球口の内周面の少なくとも一部が前記回転軸を中心とする円弧状に形成され、前記流入口は、その内周面の少なくとも一部が、前記回転軸を中心とする円弧状に形成され、少なくとも前記入球口の開口が前記第1方向または前記第2方向へ向けられた状態では、前記流入口の内周面に形成される円弧状部分の少なくとも一部が前記入球口の内周面に形成される円弧状部分と面一状に連なっていることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、少なくとも入球口の開口が第1方向または第2方向へ向けられた状態では、流入口の内周面に形成される円弧状部分の少なくとも一部が入球口の内周面に形成される円弧状部分と面一状に連なっているので、入球口に入球した遊技球を円滑に流入させることができる。また、入球口の内周面に形成される円弧状部分と流入口の内周面に形成される円弧状部分とが、回転軸を中心とする円弧状に形成されているので、入球口が回転軸を中心として回転した場合に、入球口の内周面に形成される円弧状部分と流入口の内周面に形成される円弧状部分とが面一に連設される部分をより多くすること形成することができるという効果がある。
遊技機D4において、前記流入口に流入した遊技球が誘導される誘導流路を備え、前記流入口は、前記入球口を回転させた場合に一定の位置に留まることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、入球口を回転させて開口の向きが第1方向または第2方向へ向けられた場合であっても流入口が一定の位置に留まるので、入球口の回転に伴って流入口が変位する場合と比べて、誘導流路の構造を簡素化でき、全体において誘導流路が占めるスペースを小さくすることができるという効果がある。
遊技機D5において、前記流入口および前記誘導流路は、前記回転軸の下方に配設されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、流入口および誘導流路は、回転軸の下方に配設されるので、回転軸の上方に他の部材を配置するためのスペースを確保できるという効果がある。
<特徴E群>(入球口の開口寸法が可変 →(下位)一方(両方)の変位により開口寸法が可変、駆動源は1つ)
互いに近接または離間する方向へ変位可能な第1部材および第2部材を有し、それら第1部材および第2部材の間を開口領域とする遊技球が入球可能な入球口と、遊技球を案内可能な第1案内流路および第2案内流路と、前記第1部材および前記第2部材をそれぞれ独立して変位させる変位手段と、を備え、前記変位手段により前記第1部材が前記第2部材から離間する方向へ変位した場合には、前記第1案内流路に案内された遊技球が前記入球口に入球可能となり、前記第2部材が前記第1部材から離間する方向へ変位した場合には、前記第2案内流路に案内された遊技球が前記入球口に入球可能となることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、第1部材が第2部材から離間する方向へ変位した場合には、第1案内流路に案内された遊技球が入球口に入球可能となり、第2部材が第1部材から離間する方向へ変位した場合には、第2案内流路に案内された遊技球が入球口に入球可能となる。従って、第1部材または第2部材の変位に応じて第1案内流路または第2案内流路に遊技球を流下させる遊技球の発射の仕方を行うように遊技者に仕向けることができる。このように、遊技の多様化を図ることができるので、遊技者の享受する遊技性を向上させることができるという効果がある。
遊技機E1において、前記入球口は、前記第1案内流路に案内された遊技球が入球口に入球可能な状態では、前記第2案内流路に案内された遊技球が入球口に入球可能な状態よりも開口領域が大きいことを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、第1案内流路に案内された遊技球が入球口に入球可能な状態では、第2案内流路に案内された遊技球が入球口に入球可能な状態よりも開口領域が大きいので、第1案内流路に案内された遊技球を第2案内流路に案内された遊技球よりも効率よく入球口に入球させることができる。よって、入球口の変位態様に応じて遊技者に付与される遊技価値を変えることができるので、遊技の多様化を図ることができるという効果がある。
遊技機E1又はE2において、前記入球口は、第1案内流路に案内された遊技球が入球口に入球可能な状態では、第2案内流路に案内された遊技球の入球口への入球が規制され、第2案内流路に案内された遊技球が入球口に入球可能な状態では、第1案内流路に案内された遊技球の入球口への入球が規制されることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、遊技球の発射の仕方を変えることによる遊技価値の違いを明確にすることができる。よって、遊技者が享受する遊技性を向上させることができるという効果がある。
遊技機E1からE3において、前記第1部材と前記第2部材とは、同一の駆動源から駆動力が付与されることにより変位可能に構成されていることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3の奏する効果に加え、第1部材と第2部材とが、同一の駆動源から駆動力が付与されることにより変位可能に構成されているので、第1部材と第2部材とが別々の駆動源から駆動力が付与される場合と比べて、部品コストの削減を図ることができるという効果がある。
遊技機E1からE4において、前記入球口は、第1案内流路に案内された遊技球が入球口に入球可能な状態または第2案内流路に案内された遊技球が入球口に入球可能な状態における遊技球の入球し易さを可変に構成されることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4の奏する効果に加え、第1案内流路に案内された遊技球が入球口に入球可能な状態または第2案内流路に案内された遊技球が入球口に入球可能な状態における遊技球の入球口への入球し易さを可変に構成されるので、遊技の多様化を図ることができるという効果がある。
遊技機E5において、前記入球口は、前記第1案内流路に案内された遊技球が前記入球口に入球可能な状態または前記第2案内流路に案内された遊技球が前記入球口に入球可能な状態の継続時間が可変に構成されていることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、第1案内流路に案内された遊技球が入球口に入球可能な状態または第2案内流路に案内された遊技球が入球口に入球可能な状態の継続時間を可変に構成することによって、入球口への遊技球の入球し易さを変えることができる。よって、遊技の多様化を図ることができるという効果がある。
遊技機E5又はE6において、前記入球口は、前記第1部材または前記第2部材の変位速度が可変に構成されていることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E5又はE6の奏する効果に加え、第1部材または前記第2部材の変位速度が可変に構成されることによって、入球口への遊技球の入球し易さを変えることができる。よって、遊技の多様化を図ることができるという効果がある。
遊技機E5又はE6において、前記入球口は、前記第1部材または前記第2部材の変位量が可変に構成されていることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E7によれば、遊技機E5又はE6の奏する効果に加え、第1部材または第2部材の変位量、即ち、第2部材または第1部材から離間する方向への変位に伴う開口領域の大きさを変えることによって、入球口への遊技球の入球し易さを変えることができる。よって、遊技の多様化を図ることができるという効果がある。
<特徴F群>(入球口が回転する期間を制御)
判定条件の成立に基づいて、当否判定を実行する判定手段と、遊技球が入球することに基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与する入球口と、その入球口への入球を制限する制限手段と、前記判定手段によって当たりと判定されることに基づいて、前記制限手段と前記入球口との位置関係を可変させる可変手段と、その可変手段により前記制限手段と前記入球口との位置関係を可変させる期間を制御する期間制御手段と、その期間制御手段により制御される複数の異なる期間から1の期間を決定する期間決定手段とを備え、前記可変手段により前記制限手段と前記入球口との位置関係を可変させる期間が長いほど、前記入球口に遊技球が入球しやすい位置関係となるものであることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技球が入球することに基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与する入球口への入球が、制限手段によって制限される。判定条件の成立に基づいて、当否判定を実行する判定手段によって当たりと判定されることに基づいて、制限手段と入球口との位置関係が可変手段によって可変される。その可変手段により制限手段と入球口との位置関係を可変させる期間が期間制御手段によって制御され、その期間制御手段により制御される複数の異なる期間から1の期間が期間決定手段によって決定される。また、可変手段により制限手段と入球口との位置関係を可変させる期間が長いほど、入球口に遊技球が入球しやすい位置関係となる。これにより、期間決定手段によって決定される期間の長さに応じて、入球口への遊技球の入球のしやすさが変化するので、当たりと判定されることに基づいて遊技者が得られる遊技価値を異ならせることができる。よって、1の入球口のみで、得られる遊技価値の異なる複数の当たりの種別を設けることができるので、遊技機の製造コストを削減することができるという効果がある。
遊技機F1において、前記期間決定手段によって決定された期間が経過した場合に、前記制限手段と前記入球口との位置関係を、前記可変手段により可変する前の位置関係に初期化する初期化手段を備えることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、期間決定手段によって決定された期間が経過した場合に、制限手段と入球口との位置関係が、初期化手段によって可変手段により可変する前の位置関係に初期化されるので、期間決定手段によって決定された機関が経過した後も、遊技球が入球しやすい状態に保たれてしまうことを抑制できる。これにより、遊技者に対して過剰に遊技価値が付与され、ホールに対して損害を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機F1又はF2において、前記可変手段は、前記入球口を遊技盤に対して交差する方向を軸として回転させることにより、前記制限手段と前記入球口との位置関係を可変させるものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、入球口を遊技盤に対して交差する方向を軸として回転させることにより、制限手段と入球口との位置関係が可変手段によって可変されるので、遊技者が制限手段と入球口との位置関係を容易に視認することができるという効果がある。
遊技機F3において、前記可変手段は、前記入球口を等速で回転させるものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、可変手段によって入球口が等速で回転されるので、入球口の動作が不自然になることを抑制でき、遊技者に対して公平感を抱かせることができるという効果がある。
<特徴G群>(所定契機で球詰まり動作を実行)
遊技球が入球することが可能な開口部を有した入球口と、その入球口の開口部と対向する位置に配置されて、前記開口部へ遊技球が入球することを規制する規制部材と、前記開口部に遊技球が入球可能となる開口領域が形成される位置である開口位置に前記入球口を移動させることが可能な移動手段と、第1移動条件の成立に基づいて、前記移動手段により前記入球口を前記開口位置に移動させ、第2移動条件の成立に基づいて、前記移動手段により前記入球口を前記開口領域が形成されない移動範囲で前記入球口を移動させるように制御する移動制御手段とを有することを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技球が入球することが可能な開口部を有した入球口の開口部と対向する位置に配置されて、開口部へ遊技球が入球することが規制部材により規制される。開口部に遊技球が入球可能となる開口領域が形成される位置である開口位置に入球口が移動手段により移動される。第1移動条件の成立に基づいて、移動手段により入球口を開口位置に移動させ、第2移動条件の成立に基づいて、移動手段により入球口を開口領域が形成されない移動範囲で入球口が移動されるように移動制御手段により制御される。これにより、第2移動条件が成立すると、開口領域が形成されない移動範囲で入球口が移動されるので、開口部と規制部材との間で、球詰まり等の不具合が発生していた場合にそれを解消できる。よって、不具合を早期に解消することができるという効果がある。
遊技機G1において、判定条件の成立に基づいて、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段とを有し、前記第2移動条件は、前記識別情報の動的表示態様が終了したことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定条件の成立に基づいて、判定が判定手段により実行される。その判定手段による判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。その表示手段に表示される識別情報の動的表示態様が動的表示態様決定手段により決定される。識別情報の動的表示態様が終了したことに基づいて第2移動条件が成立される。これにより、識別情報の動的表示態様が終了したタイミングで第2移動条件が成立するので、定期的に入球口を開口領域が形成されない範囲で可動させることができる。よって、定期的に球詰まり等の不具合を解消することができるという効果がある。
遊技機G2において、前記第1移動条件は、前記判定手段による判定結果が特定の判定結果であることを示す前記識別情報が表示された後に、成立するものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、第1移動条件は、判定手段による判定結果が特定の判定結果であることを示す前記識別情報が表示された後に、第1移動条件が成立されるので、第2移動条件が成立したのか、第1移動条件が成立したのかを遊技者が予測する楽しみが増え、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機G1からG3のいずれかにおいて、前記移動手段により前記開口位置に前記入球口が移動されていない状態で、遊技球が入球したかを判別する入球判別手段と、その入球判別手段により遊技球が入球したと判別したことに基づいて、所定の異常処理を実行する異常処理手段とを有するものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G1からG3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、移動手段により開口位置に入球口が移動されていない状態で、遊技球が入球したかが入球判別手段により判別される。その入判別手段により遊技球が入球したと判別したことに基づいて、所定の異常処理が異常処理手段により実行される。これにより、開口位置に入球口が移動されていない状態にもかかわらず、遊技球が不正に入球口に入球される不具合を抑制できる。よって、不正による被害を低減できるという効果がある。
遊技機A1からA8,B1からB6,C1からC3,D1からD6,E1からE8,F1からF4,G1からG4のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA8,B1からB6,C1からC3,D1からD6,E1からE8,F1からF4,G1からG4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA8,B1からB6,C1からC3,D1からD6,E1からE8,F1からF4,G1からG4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機において、横長矩形状の特定入賞口を有する可変入賞装置を備えたものがある。この可変入賞装置は、通常時では、特定入賞口が開閉板に覆われることで遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっており、遊技者に有利な遊技価値を付与する大当たりが発生すると、開閉板が前面下側へ傾倒し、特定入賞口に遊技球が入賞しやすい開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する(例えば、特許文献1:特開2011−078836号公報)。
しかしながら、上記した従来の可変入賞装置と同様の構造を採用した遊技機が多く存在するため、上記した従来の可変入賞装置を採用した遊技機を見た遊技者は、その遊技機で遊技をしたことがない場合であっても可変入賞装置の動作態様を容易に予測することができる。その結果、遊技者が享受する遊技性が低下するという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者が享受する遊技性を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、判定条件の成立に基づいて当否判定を実行する判定手段と、その判定手段により当たりと判定されたことに基づいて入球可能な開放状態に設定される入球口と、その入球口が開放状態となる場合に遊技球が入球可能な第1位置またはその第1位置よりも遊技球が入球し難い第2位置に前記入球口を変位させる変位手段と、前記判定手段により当たりと判定された場合に、前記入球口を前記第1位置または前記第2位置のいずれの位置に変位させるかを決定する位置決定手段と、その位置決定手段により決定された位置に前記入球口を変位させる変位制御手段と、を備えている。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記変位手段は、前記入球口を回転移動させる。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記変位制御手段は、前記入球状態に設定されていない通常状態では、前記入球口への遊技球の入球が規制される規制位置に前記入球口を変位させるものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、判定手段により当たりと判定されたことに基づいて開放状態となる場合に、変位手段によって入球口を第1位置または第2位置のいずれか一方に変位させることができる。これにより、遊技者に対し、遊技球の発射の仕方を入球口の変位に応じて変更するように仕向けることができるので、遊技者が享受する遊技性を向上させることができる。
また、入球口が第2位置に変位した場合では、入球口が第1位置に変位した場合と比べて、遊技球が入球口へ入球し難く、入球口を第1位置または第2位置のいずれの位置に変位させるかが位置決定手段によって決定される。これにより、入球口の変位によって入球口への入球し易さを変えることができるので、遊技者が享受する遊技性を向上させることができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、変位手段によって入球口を回転移動させることで入球口が第1位置または第2位置へ変位するので、入球口を変位させるための構成を簡素化できるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、通常状態では入球口への遊技球の入球が規制されるので、変位手段による入球口の変位を通して入球口への入球を規制または許容することができるという効果がある。