JP2018051371A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技者が退屈してしまうことを抑制して、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供すること。
【解決手段】第1入球口に遊技球が入球したことが第1検出手段により検出される。また、第2入球口に遊技球が入球したことが第2検出手段により検出される。第1検出手段または第2検出手段により遊技球が入球したことが検出されたことに基づいて所定の判定が判定手段により実行される。その判定手段の判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。第1入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な開口部に入球した遊技球の数が予め定められた個数となった場合に、その個数目の遊技球を第2入球口へ入球し易い第1流路に振り分け、予め定められた個数目の遊技球以外の遊技球を第1流路よりも第2入球口へ入球し難い第2流に振り分け手段により振り分けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
従来より、始動口への遊技球の入賞に伴って抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。始動口に入賞する遊技球の入賞頻度を調整することができるように、始動口の入り口付近に遊技釘が遊技球の大きさよりも若干広い間隔で配置されている。その遊技釘の間隔を調整することで、始動口への遊技球の入賞頻度を遊技機の製造時等に設定する構成が知られている。
このような遊技機において、一定時間の間、始動口に遊技球が入賞しない場合に、液晶画面上に、遊技機の説明等が表示されるデモ表示が表示される。
特開2013−52176号公報
この種のパチンコ機において、始動口への入賞頻度を低く設定したり、変動演出の時間が短く設定されると、変動演出が実行終了してから、次の新たな変動演出が開始されるまでに、長い待機時間が発生してしまい、デモ表示が液晶表示画面上で表示されてしまうことで、遊技者を退屈させてしまう虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が退屈してしまうことを抑制して、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技球が入球可能な第1入球口とその第1入球口とは異なる遊技球が入球可能な第2入球口と、前記第1入球口に遊技球が入球したことを検出する第1検出手段と、前記第2入球口に遊技球が入球したことを検出する第2検出手段と、前記第1検出手段または前記第2検出手段により遊技球が入球したことが検出されたことに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、その判定手段の判定結果を示す識別情報を表示する表示手段とを有し、前記第1入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な開口部と、その開口部に入球した遊技球の数が予め定められた個数となった場合に、その個数目の遊技球を前記第2入球口へ入球し易い第1流路に振り分け、前記予め定められた個数目の遊技球以外の遊技球を前記第1流路よりも前記第2入球口へ入球し難い第2流路に振り分けることが可能な振り分け手段とを有するものである。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、遊技領域に単位時間に所定個数の遊技球を発射可能な発射手段と、前記表示手段に予め定められた所定時間以上の間、前記識別情報の動的表示が開始されないと判定した場合に、特定の表示態様の動的表示の開始を設定する特定表示設定手段とを有し、前記予め定められた個数は、前記所定時間の間に前記発射手段により発射される遊技球の数よりも少なく設定されているものである。
請求項1記載の遊技機によれば、第1入球口に遊技球が入球したことが第1検出手段により検出される。また、第2入球口に遊技球が入球したことが第2検出手段により検出される。第1検出手段または第2検出手段により遊技球が入球したことが検出されたことに基づいて所定の判定が判定手段により実行される。その判定手段の判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。
第1入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な開口部に入球した遊技球の数が予め定められた個数となった場合に、その個数目の遊技球を第2入球口へ入球し易い第1流路に振り分け、予め定められた個数目の遊技球以外の遊技球を第1流路よりも第2入球口へ入球し難い第2流に振り分け手段により振り分けられる。
これにより、第1入球口に遊技球が入球しなかった場合にも、所定個数毎に第2入球口に遊技球を入球させることができる。よって、第1入球口に入球しなかった場合にも、所定個数毎に第2入球口に入球することで、識別情報が動的表示開始される頻度を高めることができ、遊技者が飽きてしまうことを抑制できるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域に単位時間に所定個数の遊技球が発射手段により発射される。表示手段に予め定められた所定時間以上の間、識別情報の動的表示が開始されないと判定した場合に、特定の表示態様の動的表示の開始が特定表示設定手段により設定される。所定時間の間に発射手段により発射される遊技球の数よりも少なく予め定められた個数が設定される。
これにより、特定の表示態様が表示される期間よりも前に、第2入球口に遊技球が振り分けられるので、遊技球を発射している状態で、特定の表示態様が表示されることを抑制できる。よって、遊技者が遊技に集中することができるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 振り分け装置と可変入賞装置と第2入球口との拡大図である。 振り分け部材の拡大図である。 パチンコ機の背面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 各種カウンタの概要を示す図である。 (a)は、主制御装置のROMの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、主制御装置のRAMの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(d)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される先読み処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される振り分け処理を示したフローチャートである。 第2実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される振り分け処理2を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される不正検知処理を示したフローチャートである。
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に第1特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が第2入球口640へ入球した場合に第2特別図柄(第1図柄)の抽選が行われる。なお、以下、第1特別図柄と第2特別図柄との両方を示す場合には、特別図柄として省略して示す。球が普通始動ゲート67を通過した場合に普通図柄の抽選が行われる。第1入球口64、第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が例えば、16回(16ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」の3種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64または第2入球口640へ入球すると、その入球回数は最大4回までそれぞれ保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64または第2入球口640についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、本実施形態における構成では、第2入球口640に対する保留球が第1入球口64に対する保留球よりも優先して第2特別図柄の変動表示が開始される。
ここで、第1入球口64は、遊技領域に上部に配置された可変表示装置ユニット80の下方に設けられており、球発射ユニット112aより遊技領域に発射された遊技球が一番先に入賞することが可能な位置に配置されている。第1入球口64の下方には、第1入球口64に入賞しなかった遊技球を受けて誘導口700へと遊技球を誘導する誘導路710が配置されている。この誘導路710は、遊技領域を落下する遊技球を受けることが可能なように、前方に突出した壁部形状で構成されている。誘導路700の壁部は、可変表示装置ユニット80の左側を通過して、第1入球口64に入賞しなかった遊技球をすべて受けることが可能なように、可変表示装置ユニット80の右側下部に接するように壁部が配置されており、第1入球口64の下方まで傾斜した壁部が形成され、その傾斜の最下流位置となる第1入球口64の直下に誘導口700が形成されている。さらに、その誘導口700より左方向に向けて上方に傾斜した壁部が遊技領域に左端部に配置されている飾り部材まで形成されている。このように、第1入球口64に入賞しなかった遊技球を受けて誘導口700へ確実に誘導することができる。
誘導口700に遊技球が入球すると、誘導口とその下方に配置された振り分け装置650とを結ぶ連結路720により振り分け装置650へと遊技球が誘導される。連結路720は、誘導口700に入球した遊技球が振り分け装置650へと流下することが可能な通路で構成されており、振り分け装置650に設けられた連通口662へと遊技球が誘導されるように構成されている。
図3を参照して、振り分け装置650の構成について説明する。振り分け装置650は、連通口662に入球した遊技球を第2入球口640へと誘導する構成を有している。詳細には、振り分け装置650には、6つの振り分け部材(650a〜650f)をそれぞれ有している。この振り分け部材(650a〜650f)は、それぞれ同形状に構成され、遊技球をそれぞれ受けて回動することにより左右の方向に遊技球を振り分けることができるように構成されている。図4は、この第1振り分け部材650aを示した図である。なお、そのたの振り分け部材(650b〜650f)も同一の形状で構成されているので、その図示と説明を省略する。
第1振り分け部材650aは、半円形状の外形で構成されている。半円形状で構成された円の中心位置には、振り分け装置650のベース部(遊技盤13に取り付けられる部材)に回動可能に固定するための軸部653aが設けられている。その軸部653aから前方に突出した壁部が垂直上方と水平方向に向けて設けられている。この壁部により、半円形状の部材が左右方向に均等に円の中心位置から仕切られることで、左側に形成される左側受け部651aと右側に形成される右側受け部652aとが形成される。左側受け部651aと右側受け部652aとは、遊技球を受けることが可能に構成されており、遊技球を受けるとその遊技球の重さにより左右に回動するように構成されている。詳細には、左側受け部651aに遊技球を受けると第1振り分け部材650aは、左方向に回動する。また、右側受け部652aに遊技球を受けると右方向に第1振り分け部材650aは回動することとなる。
ここで、図4に示すように第1振り分け部材650aは、半円形状の中心から円周方向に垂直に伸びた壁部の端部に磁石910aが配置されている。また、第1振り分け部材650aのベース部には、第1振り分け部材650aの磁石910aがパチンコ機10の垂直上方を向いた位置にベース側磁石900aが配置されている。このベース側磁石900aは、第1振り分け部材650aの磁石910aとパチンコ機10の垂直上方の位置で対抗するように配置されている。また、磁石910aとベース側磁石900aとは、それぞれ面する側が反発する極となるように配置されている。また、第1振り分け部材650aは、磁石900aが初直上方に向いた位置から左右に90度回動した位置で停止表示するようにストッパー部材(図示せず)が設けられている。即ち、左右にそれぞれ最大に回動すると、左側受け部651aまたは右側受け部652aが垂直上方に向いた位置で停止するように構成されている。
このように構成することで、振り分け部材900aは、磁石910aとベース側磁石900aとが互いに反発することで、垂直上方の位置で停止することがなく左右どちらかに回動した位置で停止されるように構成されるので、上方より落下してくる遊技球が第1振り分け部材650aの中心位置から垂直上方に向かって突出した壁部に当たってしまい遊技球が左右に均等に振り分けられることができない不具合を抑制できる。
ここで、図3及び図4を参照して、連通口662から入球した遊技球が振り分け装置650で第2入球口640まで誘導される流れについて説明する。図3に示すように、連通口662から入球した遊技球は、垂直下方に流下して連通口662の下方に設けられた遊技球が通過可能なゲート型の透過型センサである入球センサ661によって遊技球が通過したことが検出される。この入球センサ661によって、振り分け装置650に入球した遊技球の数がカウントされる。その入球センサ661の直下には、第1振り分け部材650aが配置されている。第1振り分け部材650aの左側受け部651aが上方を向いている場合には、流下する遊技球を左側受け部651aが受けて、第1振り分け部材650aが左方向に回動して、遊技球を隔壁670aで形成された左側の流路である第1流路671aへと振り分ける。振り分けられた遊技球は、第1流路671aの出口に設けられているゲート型の透過型センサである第1排出センサ690aを通過して振り分け装置650の外部へと排出される。排出された遊技球は、可変入賞装置65の方向に流下して、可変入賞装置65に入賞しない場合には、遊技領域の最下部に設けられたアウト口に入球する。
一方、第1振り分け部材650aの右側受け部652aが上方を向いている状態では、連通口661より流下した遊技球を右側受け部652aが第1振り分け部材650aの右下方に配置された第2振り分け部材へと配置される。この第2振り分け部材650bは、第1振り分け部材650aの右側受け部652aにより振り分けられた遊技球が第2振り分け部材650bの中心より円周方向に垂直に突出している壁部がパチンコ機10の垂直方向を向いた位置に落下する位置に配置されている。そして、第2振り分け部材650bの左側受け部651bが上方を向いている状態では、その右側受け部651bで第1振り分け部材650aの左側受け部652aより振り分けられた遊技球を受けて、隔壁670aと隔壁670bとの間に形成された第2流路671bへと遊技球を振り分ける。第2流路671bに振り分けられた遊技球は、第2流路671bの出口に設けられている第2排出センサ690bを通過して振り分け装置650の外部へと排出される。なお、第2排出センサ690bは、第1排出センサ690aと同様の構成である。第2流路671bより排出された遊技球も第1流路671aより排出された遊技球と同様に遊技領域を流下する。
また、第2振り分け部材650bの右側受け部652bが上方を向いている状態では、第1振り分け部材650aの左側受け部652aからの遊技球を第2振り分け部材650bの右側受け部652bで遊技球を受けて、第3振り分け部材650cへと遊技球を振り分ける。ここで、第3振り分け部材650cが配置されている位置も第2振り分け部材650bが配置されている位置と同様に、上流側の振り分け部材(第2振り分け部材650b)より振り分けられた遊技球が円周形状の中心位置から垂直に突出した壁部がパチンコ機10の垂直上方に向いた位置に流下するように配置されている。同様に、第4振り分け部材650dは、第3振り分け部材650cの右側受け部652c、第5振り分け部材650eは第4振り分け部材650dの右側受け部652d、第6振り分け部材650fは第5振り分け部材650eの右側受け部652eにより受けられた遊技球が振り分けられて(振り分け部材が右方向に回動して)流下する遊技球を垂直方向に突出した壁部の先端がパチンコ機10の垂直方向に向いた位置に落下する位置にそれぞれ配置されている。
さらに、第3〜第5振り分け部材(650c〜650e)の右側受け部(652c〜652e)により受けた遊技球が振り分けられる場合には、次の1つ下流側に配置されている振り分け部材へと遊技球が振り分けられる。そして、第6振り分け部材650fの右側受け部652fにより振り分けられた遊技球は、その右側下方に配置されている第2入球口640へと入球するように誘導される第7流路671gに振り分けられて、第2入球口640へ入球するように構成されている。一方、第3〜第6振り分け部材(650c〜650f)の左側受け部(652c〜652f)が遊技球を受けて振り分けられた遊技球は、それぞれ第3流路671c〜第6流路671fを流下して、振り分け装置650の外部へと排出される。なお、排出される各遊技球は、各流路の出口に設けられている第3〜第6排出センサ690c〜690fにより検出されて、その後、可変入賞装置65の方向へ排出されて可変入賞装置65に入賞しなかった遊技球は、アウト口へと入球する構成となっている。
ここで、遊技球を左側受け部、右側受け部で受けて振り分け部材が回動した後には、左側受け部で遊技球を受けて回動した場合には右側受け部が、右側受け部で遊技球を受けて回動した場合には左側受け部が、それぞれ垂直上方側を向いた状態となる。勢いよく遊技球の重さにより振り分け部材が回動した場合に、回動上限角度まで回動した後に、反動により反対方向へと回動した場合にも、磁石910aとベース磁石900aとがそれぞれ反発する極(本実施形態では、S極とS極)で配置されているので、磁力の反発力により回動が規制されて、再び同じ受け部が上方を向くことが抑制できる構成となっている。このように、交互に上方を向く受け部が変わるので、遊技球を交互に振り分けることができる。
ここで、第1〜第6振り分け部材(650a〜650f)の左側受け部(651a〜651f)が上方を向いた状態である場合に第2入球口640に遊技球が入球するまでの流れについて説明する。連通口662より1球目の遊技球が振り分け装置650に入球すると、第1振り分け部材650aの右側受け部651aで遊技球を受けて、第1流路671aに遊技球が振り分けられる。その場合に、第1振り分け部材650aは、右側受け部652aを上方に向けた位置で維持される。次に、2球目の遊技球が入球すると、第1振り分け部材650aの右側受け部652aにより第2振り分け部材650bへと遊技球が振り分けられる。第2振り分け部材650bへと振り分けられた遊技球は、第2振り分け部材650bの左側受け部651bで遊技球を受けて、第2流路671bへ遊技球を振り分ける。
次に、3球目の遊技球が入球すると、第1振り分け部材650は、左側受け部651aを上方に位置した状態で維持されているので、左側受け部651aで遊技球を受けて、第1流路671aへと遊技球を振り分ける。その後、第1振り分け部材650aの左側受け部652aが上方を向いた位置で維持されるので、第4球目の遊技球は、第2振り分け部材650bへと振り分けられる。第2振り分け部材650bへと振り分けられた遊技球は、2球目の遊技球により右側受け部652bが上方に向いた位置で維持されているので、右側受け部652bにより第3振り分け部材650cへと振り分けられる。このように、第1振り分け部材の遊技球は、2球毎に次の振り分け部材へと遊技球を振り分け、第2振り分け部材650bは、4球毎に次の振り分け部材へと遊技球を振り分けることが分かる。ここで、計算により、第3振り分け部材650cは、2×2×2=8であることから8球毎、同様に第4振り分け部材650dは16球毎、第5振り分け部材650eは32球毎に次の振り分け部材へと遊技球を振り分ける。その結果、第6振り分け部材650fは64球毎に第2入球口640へと遊技球を振り分けることが分かる。
このように、振り分け装置650へと第1入球口64に入賞しなかった遊技球を誘導するように構成することで、所定個数の遊技球(本実施形態では、64個)が振り分け入賞装置650に入球すると1球の遊技球が第2入球口640へと入球するように構成することができる。
ここで、本実施形態では、球発射ユニット112aは、遊技球が発射される強さ(ストローク)に関わらず、一定間隔毎(一定周期毎)に遊技球が発射される構成となっている。本実施形態では、1分間に100発の遊技球が発射される構成となっている。また、本実施形態では、1分間(60秒間)の間、特別図柄の変動表示が新たに開始されないと、第3図柄表示装置81にパチンコ機10の内容を説明するためのデモ表示の表示が開始されるように構成されている。特別図柄の変動が停止して、第1特別図柄、第2特別図柄に対して、それぞれ保留球が記憶されていないと、新たな特別図柄の変動開始が次に第1入球口64または第2入球口640に遊技球が入球するまで、待機状態となる。その間、遊技球の発射が可変表示装置ユニット80の左側を遊技球がすべて流下するような強さで発射されていれば、1分間に100発の遊技球が第1入球口64へ向けて発射されることとなる。この場合に、すべての遊技球が第1入球口64に入球しなかったとしても、64球目の遊技球が誘導口700に入球して、連通口662を介して振り分け装置650に入球すると、その64球目の遊技球が第2入球口640へと入球して特別図柄の変動表示が開始されることとなる。1分で100球の遊技球が発射されることから、64球目の遊技球が発射されるまでに要する時間は、約38.4秒となり、それから遊技球が流下して、第2入球口640へ入球するまでの時間を考慮しても、デモ表示が開始されるまでの時間以下で特別図柄の変動を開始させることができる。
このように、第1入球口64に入球する頻度が低く、長時間の間、第1入球口64に遊技球が入らないような状態が発生しても、一定個数毎に、第2入球口640へ遊技球を入球させることができるので、遊技者が退屈してしまい、早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる。さらに、遊技店側が第1入球口64に入球し難いように第1入球口64の入り口付近に配置された遊技釘の幅を狭く設定した場合にも、一定個数が発射される毎に、第2入球口640へ遊技球が入賞しやすく構成することができるので、遊技者が著しく不利になってしまうことを抑制できる。
詳細については、後述するが、本実施形態では、第2入球口640への入賞に基づく特別図柄の抽選により大当たりとなった場合には、図9(c)に示すように、「大当たりA(16ラウンド確変)」が第1入球口64に入賞した場合よりも選択され易いように構成したので、第2入球口640に遊技球が入球することを遊技者により期待させることができる。
また、本実施形態における構成では、特別図柄の変動時間を短く構成して、遊技の効率を上げるように設定しても、デモ表示が表示され難く構成されているので、遊技者が退屈してしまう不具合を抑制できる。
次に、図2に示すように、遊技領域には、誘導路710の下方(遊技領域に略中央)に振り分け装置650に入球した遊技球の数を報知するカウンタLED680が設けられている。このカウンタLED680は、入球センサ661に遊技球が検出される度に、1ずつ更新されて、第2入球口640に入球する入球個数である64まで更新された後、次に入球センサ661により遊技球の入球が検出されると、初期値である「00」に更新される。第1〜第6振り分け部材には、回転センサ653が設けられており、各振り分け部材の回転位置を検出することができるように構成されている。よって、カウンタLED680は、各振り分け部材の回転位置から第2入球口640に入球するまでの残り個数を判別してカウンタLED680にパチンコ機10に電源が投入された際の初期設定で表示するように構成されている。このように構成することで、遊技者に正確な入球数を報知することができる。
なお、本実施形態では、カウンタLED680は、振り分け装置650へ入球した個数を表示するように構成したが、第2入球口640へ入球するまでの個数を示すように構成してもよい。
また、本実施形態では、初期設定で、各振り分け部材の位置を判別して、入球個数を判別して表示するように構成したが、それに限らず、電源投入時等は、各振り分け部材の位置に関わらず初期値である「00」で表示するように構成しておき、第2入球口640へ遊技球が入球した時点で補正して正しい入球数を表示するように構成してもよい。このように構成することで、電源投入時には、あとどのくらいで第2入球口640に入球するかを遊技者が判別することを困難にして、遊技者に予測する楽しみを提供することができる。
なお、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特別入賞口65aは、振り分け装置650の第1〜第5流路(671a〜671e)の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、振り分け装置650へ遊技球を入球させようとして遊技球を発射することで、特別入賞口65aにも遊技球を入球させることができ、さらに、振り分け装置650へも遊技球を入球させることができる。よって、所定個数毎に第2入球口640へも遊技球を入球させることができ、特別遊技状態の終了後にも、第2特別図柄の変動がすぐに開始させることができる。
また、本実施形態では、第1入球口64に入球しなかった遊技球をすべて誘導口700へ誘導して、振り分け装置650へ入球させるように構成したが、それに限らず、第1入球口64に入球しなかった遊技球のうちいくつかを誘導させるように構成してもよい。
また、本実施形態では、カウンタLED680により振り分け装置650に入球した遊技球の数を常に遊技者に報知するように構成したがそれに限らず、常時は、カウンタLEDで表示をせず、所定の抽選を実行し、当選した場合に報知するように構成してもよい。この場合、第3図柄表示装置81で表示される特別図柄の演出で、大当たりとならない場合に、遊技の演出で遊技者に入球数を知ることができる権利を与える演出を行うように構成することで、大当たりとならなかった場合でも、遊技の演出を楽しむことができる。よって、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制できる。
一方、普通始動ゲート67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物が開放され、第2入球口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通始動ゲート67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通始動ゲート67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
本実施形態では、第6流路671fより振り分け装置650の外部に排出された遊技球は、普通図柄の当たりとなり電動役物640aが開放状態となっている場合には、第2入球口640へ入球し易くなる。よって、振り分け装置640に所定個数(本実施形態では、64個)の遊技球が入球するよりも前に、第2入球口640へ遊技球を入球させることができ、遊技者に新鮮味のある遊技を行わせることができる。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。
「大当たりA」、「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16R大当たり)となる。「大当たりA」は、その後、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次に大当たりするまでの間はパチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。「大当たりB」では、「大当たりB」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(16R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間、即ち、大当たり終了後から次の大当たりまでの間のことを、特別図柄の確変期間と称す。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間、即ち、大当たり終了後から特別図柄の抽選が所定回数(100回)終了するまでの間のことを、普通図柄の時短期間と称す。尚、説明を分かり易くするために、特別図柄の抽選回数を用いて普通図柄の時短期間を示す。例えば、所定回数が100回であれば、普通図柄の時短期間が100回であると記載する。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に関わらず大当たり時のラウンド数を共通とし、その大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えている。これに対して、大当たりの種別に応じてラウンド数を変えても良いし、大当たりの種別の一部のみラウンド数を変えても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)を開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たり終了後に、「特別図柄の高確率状態」および「普通図柄の時短状態」となるが、「特別図柄の高確率状態」が終了した後に、「普通図柄の時短状態」となるように構成しても良い。
また、本実施形態では、大当たり種別が「大当たりA」になると、その「大当たりA」終了後から次の大当たりまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりB」になると、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるが、時短状態の継続期間は任意に定めればよい。例えば、大当たり種別が「大当たりA」になると、その「大当たりA」終了後から特別図柄の抽選が30回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりB」になると、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が60回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。また、特別図柄の抽選回数に代えて、所定時間(例えば、2分から5分など)が経過するまで、普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。その後、特別図柄の大当たりになると、「特別図柄の高確率状態」へ移行すると共に、「普通図柄の時短状態」へ移行する。その後、特別図柄の大当たりになって「特別図柄の低確率状態」から「特別図柄の高確率状態」へ移行すると、その状態は、「大当たりA」になると、その特別図柄の大当たり終了後から次の大当たりまで継続される。次の大当たりが「大当たりB」になると、「特別図柄の低確率状態」に戻る。
尚、「特別図柄の高確率状態」が継続されている間に、次の大当たりが「大当たりA」になると、「特別図柄の高確率状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から次の大当たりまで継続される。
また、「大当たりB」になって、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行すると、その状態は、その特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が所定回数(例えば、100回)終了するまで継続される。一方、特別図柄の大当たりになった後、所定回数分の特別図柄の抽選が終了するまでに、新たな特別図柄の大当たりにならないと、「普通図柄の通常状態」に戻る。
そして、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに「大当たりB」になると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から、100回の特別図柄の抽選が終了するまで継続される。
その結果、本実施形態では、「普通図柄の時短状態」の継続期間中に新たに特別図柄の大当たりになると、新たな大当たりになるまでに残っていた普通図柄の時短期間が無効となる。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「大当たりB」であれば、「7」を除く奇数番号である「1,3,5,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
続けて、第3図柄表示装置81において行われる大当たり演出について説明する。
主制御装置110では、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、特別図柄の抽選が行われ、その後、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドが送信され、その結果、第3図柄表示装置81では、第1図柄表示装置37の変動表示に応じて第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われる場合には、まず、第3図柄の高速変動表示が開始され、その後、予め定められた時間(例えば、10秒〜60秒など)が経過すると、第3図柄の中速変動表示へ切り替わり、更に、第3図柄の低速変動表示へ切り替わる。ここで、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、同一番号の主図柄(第3図柄)が揃う停止表示が行われ変動演出が終了し、続けて、大当たり演出が開始される。一方、特別図柄の抽選結果が外れである場合には、同一番号の主図柄(第3図柄)が揃わない停止表示が行われて変動演出が終了し、保留されている始動入賞があれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、次の変動演出が開始される。
大当たり演出は、オープニング演出が行われる期間と、ラウンド演出が行われる期間と、エンディング演出が行われる期間との3つの期間に分けられる。オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知して、遊技者の期待感を高めるための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。また、エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知すると共に、大当たり終了後に遊技者に付与される遊技価値(普通図柄の時短期間)を遊技者に報知する(時短期間表示を行う)、または、保留されている特別図柄の抽選において抽選結果が大当たりとなることを遊技者に報知する(確定演出表示を行う)ための演出である。尚、エンディング演出において、遊技価値(普通図柄の時短期間)が遊技者に報知されることを「時短期間表示」が行われると称し、保留されている特別図柄の抽選において抽選結果が大当たりとなることが遊技者に報知されることを「確定演出表示」が行われると称す。
第3図柄表示装置81において大当たり演出が行われる場合には、まず、第3図柄の停止表示がなされるタイミングに合わせて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へオープニングコマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置81では、変動演出に続けて、オープニング演出が開始される。
次に、オープニング演出が終了するタイミングに合わせて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ第1ラウンドを示すラウンド数コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置81では、オープニング演出に続けて、第1ラウンドに対応するラウンド演出が開始される。本実施形態では、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行した後、その状態は、特定入賞口65aの開閉が16回繰り返されるまで(16ラウンド)継続される。
第1ラウンドが開始され、特定入賞口65aが開放された後、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)が経過すると、特定入賞口65aが閉鎖されると共に、第1ラウンドが終了する。すると、直ぐに第2ラウンドの開始タイミングとなり、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ第2ラウンドを示すラウンド数コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置81では、第1ラウンドに対応するラウンド演出に続けて、第2ラウンドに対応するラウンド演出が開始される。第2ラウンドが開始されると、第1ラウンドの場合と同様に、特定入賞口65aの開閉制御が行われる。その後は、新たなラウンドが開始されるタイミングとなる毎に、新たなラウンド数を示すラウンド数コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されると共に、特定入賞口65aの開閉制御が行われる。これにより、第1ラウンドから第16ラウンドまでの各ラウンド演出が順番に実行される。
そして、特定入賞口65aの開閉が16回(16ラウンド)終了したタイミングに合わせて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へエンディングコマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置81では、エンディング演出が開始される。上述したように、エンディング演出では、特別遊技状態の終了が遊技者に報知されると共に、時短期間表示が行われる(大当たり終了後に遊技者に付与される遊技価値(普通図柄の時短期間)が遊技者に報知される)、または、確定演出表示が行われる(保留されている特別図柄の抽選において抽選結果が大当たりとなることが遊技者に報知される)。エンディング演出において「時短期間表示」が行われるか、「確定演出表示」が行われるかは、今回の特別図柄の大当たり種別や、保留されている特別図柄の大当たり種別などに基づいて選択される。
第3図柄表示装置81において「時短期間表示」が行われる場合には、例えば、第3図柄表示装置81の画面右下に、「チャンス100回」(期間情報の一例)と表示される。この画面は、特別図柄の抽選がなされ、抽選結果が「大当たりB」である場合に表示されるものであり、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでは、普通図柄の時短状態が継続されることを意味する。遊技者は、この画面が表示されると、これから普通図柄の時短状態が継続される期間(普通図柄の時短期間)を容易に認識することができる。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第1入球口64へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期間感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
一方、第3図柄表示装置81において「確定演出表示」が行われる場合には、例えば、第3図柄表示装置81の画面右下に、「スーパーチャンス!」(別の情報一例)と表示される。この画面は、保留されている特別図柄の抽選うち、何れかの抽選がなされた場合に抽選結果が必ず大当たりとなることを意味する。遊技者は、この画面が表示されると、保留されている特別図柄の抽選において特別図柄の大当たりになることを認識できるので、確実に特別図柄の大当たりになるという期待感を、遊技者に対して持たせることができる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が普通始動ゲート67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が普通始動ゲート67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が普通始動ゲート67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通始動ゲート67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図7を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図8を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図10参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図19参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図10参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図19参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄大当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この特別図柄大当たり乱数テーブルは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。尚、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)と、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は3個あり、その乱数値である「7,107,282」は、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が3なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/100」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は30個あり、その値である「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」は、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が30なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
尚、本実施形態では、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図9(c)に示すように、第1入球口64への入賞に対する抽選である場合には、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜30」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「31〜59」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。さらに、値が「60〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」となる。一方、第2入球口640への入賞に対する抽選である場合には、乱数値が「0〜59」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「60〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」となる。
このように、第1入球口64への入賞よりも第2入球口640に対する入賞のほうが、確変となる割合は変わらないものの、16ラウンド確変大当たりである「大当たりA」となる割合が高く設定されている。よって、第2入球口640に入球することを遊技者により有利であると感じさせることができる。従って、第1入球口64へ入賞が少なくなるように、第1入球口64付近に配置されている釘の間隔が調整されている場合であっても、振り分け装置650への入球数が増えるので、遊技者はそのことに魅力を感じて遊技を続けることができる。
本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、3種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC)が決定されるように構成されている。尚、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、特別図柄大当たり種別テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
尚、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図19参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターンテーブルには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA・大当たりB・大当たりC共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通図柄当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図8(b)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、普通図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通始動ゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通始動ゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図10参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図19参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図7に戻り、説明を続ける。RAM203は、図8に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図19参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図18参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図9(b)に示すように、第1特別図柄保留球格納エリア203aと、第2特別図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄実行エリア203cと、特別図柄保留球数カウンタ203dと、普通図柄保留球格納エリア203eと、普通図柄保留球数カウンタ203fと、時短中カウンタ203g、確変フラグ203hとを有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、第1入球口64への入賞に基づいて取得した第1特別図柄に対応する各データを保留球毎(入賞順)に最大4つの保留球まで記憶する記憶エリアである。
第2特別図柄保留球格納エリア203bは、、第2入球口640への入賞に基づいて取得した第2特別図柄に対応する各データを保留球毎(入賞順)に最大4つの保留球まで記憶する記憶エリアである。
第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bは、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)をそれぞれ有している。これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203b(第2特別図柄保留球格納エリア203bが優先)の保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、特別図柄実行エリア203cへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
特別図柄実行エリア203cは、上述したように、特別図柄の変動を新たに開始する場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各データがシフトされて記憶される記憶エリアである。この特別図柄実行エリア203cには、次の新たな特別図柄の変動開始するデータが記憶されるまで記憶されており、電源断等が発生しても、データが失われないように設定されている。
特別図柄保留球数カウンタ203dは、第1入球口64、第2入球口640それぞれへの入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される(図13のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図11のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図11のS206、図20のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223cによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球格納エリア203eは、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bと同様に、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有し、特別図柄実行エリア203cと同様に実行エリアを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの普通始動ゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通始動ゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球が普通始動ゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図16のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図15のS605参照)。
球が左右何れかの普通始動ゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図16のS705)。一方、球が左右何れかの普通始動ゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図16のS703:No)。
時短中カウンタ203gは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203gは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、特別図柄の大当たりと判定される度に、その大当たり種別に応じた値が設定される。即ち、特別図柄の大当たりになった場合には、時短中カウンタ203gの値が幾つであるかに関わらず、大当たり種別に応じた値が新たに設定される。
具体的には、大当たり種別が「大当たりC」であると判定されると100に設定される(図11のS213参照)。その後、時短中カウンタ203gの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図11のS221)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203gの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203gの値が0であれば、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図15のS610,S611参照)。
また、本実施形態では、第1入球口64への球の入賞を3回のタイマ割込処理にわたって検出している。具体的には、1のタイマ割込処理(1回目のタイマ割込処理)で第1入球口64に対応して設けられた第1入球口スイッチ(図示せず)がオフであることを検出した後、続くタイマ割込処理(2回目のタイマ割込処理)で第1入球口スイッチがオンであることを検出し、さらに続くタイマ割込処理(3回目のタイマ割込処理)で第1入球口スイッチがオンであることを検出した場合に、第1入球口64に球の入賞があったことを検出する。これにより、ノイズの影響によって第1入球口スイッチの出力が変動した場合に、球の入賞の誤検出を防ぐことができるようになっている。このように、第1入球口64への球の入賞を3回のタイマ割込処理にわたって検出するので、あるタイマ割込処理で第1入球口64への入賞が検出された場合、次のタイマ割込処理では絶対に第1入球口64への入賞は検出されない。よって、繰り返し実行されるタイマ割込処理のうち、実行順序が連続する2つのタイマ割込処理において共に、始動入賞が検出されることはない。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
<音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
また、音声ランプ制御装置113の入出力ポートには、排出センサ690、入球センサ661、回転センサ653、カウンタLED680が電気的に通信可能に接続されている。
排出センサ690は、図3に示すように第1〜第7排出センサ(690a〜690g)で構成されており、遊技球が通過可能な開口部をそれぞれ有しており、その開口部を遊技球が通過したことを検出することが可能な透過型のセンサである。この排出センサ690により振り分け装置650より排出される遊技球の数を計数することができる。排出センサ690は、遊技球の通過を検出すると、第1〜第7排出センサ(690a〜690g)を識別可能な信号で遊技球の排出を音声ランプ制御装置113に対して通知する信号を出力する。
入球センサ661は、図3に示すように、連通口662から流入する遊技球が通過可能な開口部を有しており、その開口部を通過する遊技球を検出可能に構成された透過型のセンサである。これにより、振り分け装置650に入球する遊技球の数をカウントすることができる。なお、連通口662より流入する遊技球はすべて、入球センサ661を通過する構成となっている。
回転センサ653は、第1〜第6振り分け部材650a〜650fのそれぞれに配置されており、それぞれの回転角度を検出する角度センサである。この回転センサ653は、第1〜第6振り分け部材650の磁石900aがパチンコ機10の垂直方向を向いた状態で0度となるように設定されており、右方向に回動するとプラスの値、左方向に回動するとマイナスの値を示す信号を音声ランプ制御装置113に対して出力する。この信号により音声ランプ制御装置113は、第1〜第6振り分け部材(650a〜650f)のそれぞれの状態(回動位置)を認識することができる。
カウンタLED680は、図2に示すように、遊技領域の略中心位置に配置されて、振り分け装置650への遊技球の入球数を表示する7セグの表示装置である。このカウンタLED680に表示される入球数は、入球カウンタ223eの値に基づいて表示され、0〜64の値で表示される。
これにより、遊技者は、あと何球が振り分け装置650に入球したら第2入球口640へ遊技球が入球するかを判別することができる。なお、電源投入時には、立ち上げ処理(図20参照)により各振り分け部材の位置が判別され、その位置より入球カウンタ223eの値が設定されることにより、正しく第2入球口640に入球するまでに必要な個数を遊技者に認識できるように報知できる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、入球カウンタ223eと、排出カウンタ223fと、入球後時間カウンタ223gとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、第1特別図柄と第2特別図柄と共通して対応する1つの実行エリアと、第1特別図柄と第2特別図柄とのそれぞれに対応した4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図30のS1408参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図22のS1402参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図23のS1502参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図21参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図22のS1405参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図23のS1507参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別をそのまま設定する。
入球カウンタ223eは、振り分け装置650に入球した個数をカウントするカウンタである。この入球カウンタ223eは、入球センサ661がオンすることに基づいて1ずつカウントされる(図24のS1605参照)。また、0〜64までの間で更新され、最大値である64から更新されると初期値である0に更新される。
なお、本実施形態では、入球カウンタ223eは、第2入球口640に入球することとなる入球個数である64を最大値としたが、それに限らず、電源断されるまでの入球数をカウントするように構成してもよい。
排出カウンタ223fは、振り分け装置650より第1〜第7排出センサ(690a〜690g)のいずれかより振り分け装置650外へと排出された個数をカウントするカウンタである。排出カウンタ223fは、第1〜第7排出センサ(690a〜690g)のいずれかがオンしている場合に、そのオンしている数が加算されて更新される(図24のS1610参照)。なお、この排出カウンタ223fは、0〜64までの間で更新され、最大値である64を越えて更新される場合には初期値である0に更新されるように構成されている。
なお、上述した入球カウンタ223eと排出カウンタ223fとは、振り分け装置650に入球した数と排出された数とが一致するかを比較することにより、不正に振り分け装置650内に遊技球が入球されていないかを判別するためのカウンタである。
入球後時間カウンタ223gは、振り分け装置650に遊技球が入球してから次の遊技球が入球するまでの時間を計測するためのカウンタである。この入球後時間カウンタ223gは、入球センサ661がオンすることに基づいて、初期値である0にリセットされる(図24のS1606参照)。入球センサ661がオンしていないと振り分け処理(図24、S1313)が実行される毎に判別される度に1ずつカウントされて更新される。なお、このカウンタの値は、振り分け処理(図24、S1313)の実行周期によりカウンタの値から経過時間が判別される。この入球後時間カウンタ223gの値により、振り分け装置650に最後に遊技球が入球してから25秒以上が経過したと判別した場合に、入球カウンタ223eと排出カウンタ223fとの値が比較されて、一致するかの判別を実行することで、不正が行われていないかの検出が実行される(図24のS1611〜S1613参照)。
このように、最後に振り分け装置650に入球してから25秒が経過してから入球数と排出数との比較を行うことで、振り分け装置650内と流下している遊技球があり、正確な入球数と排出数とが認識できない不具合を抑制できる。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図30参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図10を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図24参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図10から図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図10は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、図11〜図14を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通始動ゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図15および図16を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図11を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図11は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図17参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。その後、特別図柄変動開始処理を実行する(S204)。この特別図柄変動開始処理(S204)については、図12を参照して詳細について説明する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S205)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S205:No)、本処理を終了する。
一方、S205の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S205:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S206)。停止図柄の設定は、図11を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S204)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCとなる場合には赤色と青色とのLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S207)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S207:Yes)、3種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB、大当たりC)のうち、大当たり種別が何であるかを判定し(S208)、大当たり種別が大当たりAであれば、確変フラグ203hをオンに設定し(S209)、大当たり遊技のラウンド回数を16ラウンドに設定する(S210)。また、大当たり種別が大当たりBであれば、確変フラグ203hをオンに設定し(S211)、大当たり遊技のラウンド回数を8ラウンドに設定する(S212)。大当たり種別が大当たりCであれば、時短中カウンタ203gに100を設定し(S213)、ラウンド回数を16ラウンドに設定する。そして、特別図柄の大当たりの開始を設定し(S215)、本処理を終了する。S215の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図19参照)の大当たり制御処理(S1004)が実行された場合に、オープニングコマンドが設定される。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S207の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S207:No)、時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判定し(S215)、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば(S215:Yes)、時短中カウンタ203gの値を1減算して(S216)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203gの値が0であれば(S215:No)、S216の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図12を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S204)について説明する。図12は、特別図柄変動開始処理(S204)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S204)は、タイマ割込処理(図10参照)の特別図柄変動処理(図11参照)の中で実行される処理であり、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球数カウンタ203dのうち、第2特別図柄の保留球数(N2)が0より大きいか判別する(S301)。N2の値が0より大きい値であれば、保留球数(N2)より1減算して更新し(S302)、保留球数コマンドを設定する(S303)。第2特別図柄保留球格納エリア203bのデータをシフトする(S304)。その後、S309の処理を実行する。
一方、S301の処理において、第2特別図柄の保留球数(N2)が0であると判別した場合には(S301:No)、第1特別図柄の保留球数(N1)の値が0であるか判別する(S305)。第1特別図柄の保留球数(N1)の値が0でないと判別した場合には(S305:Yes)、第1特別図柄の保留球数(N1)の値を1減算して更新し(S306)、保留球数コマンドを設定する(S307)。第1特別図柄保留球格納エリア203aのデータをシフトする(S308)。その後、S309の処理を実行する。
このように、本実施形態では、第2特別図柄に保留球が記憶されている場合には、第1特別図柄の保留球よりも優先して実行される。よって、振り分け装置650に入球して第2入球口640に入球するとすぐに第2特別図柄の変動が開始されることとなり、遊技者が有利な当たりになることを期待させることができる。
次に、S309の処理では、変動開始する第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bのデータが設定されている特別図柄実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S309)。
次に、確変フラグがオン、即ち、高確率遊技状態中(確変中)であるか判定する(S310)。確変中である場合は(S310:Yes)、S309の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S311)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている30の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」の30個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S310の処理において、確変中でない場合は(S310:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるので、S309の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S312)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている3の乱数値と1つ1つ比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「7,107,282」の3個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S313の処理へ移行する。
そして、S311またはS312の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S313)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S313:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S314)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄大当たり種別テーブルに格納されている乱数値とを比較し、3種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB、大当たりC)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1特別図柄の変動であれば、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜30」の範囲にあれば、大当たりA(16R大当たり、特別図柄の確変)であると判定し、「31〜59」の範囲にあれば、大当たりB(8R大当たり、特別図柄の確変)であると判定し、「60〜99」の範囲にあれば、大当たりC(16R大当たり、時短回数100回)であると判定する(図9(c)参照)。一方、第2特別図柄の変動であれば、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜59」の範囲にあれば、大当たりA(16R大当たり、特別図柄の確変)であると判定し、「60〜99」の範囲にあれば、大当たりC(16R大当たり、時短回数100回)であると判定する(図9(c)参照)。
このS314の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S315)。S315の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA・大当たりB・大当たりC共用の変動パターンとしては、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとしては、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。
S313の処理において、特別図柄の外れである判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S316)。S316の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S317)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S315の処理またはS317の処理が終わると、次に、S315の処理またはS317の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S318)。次いで、S314又はS316の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S318)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図19)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S319の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
なお、本実施形態では、第2特別図柄の変動では、第1特別図柄よりも、当否判定結果が外れである場合にスーパーリーチ等の変動時間が長い変動パターンが選択され易く構成されている。これにより、振り分け装置650に64球の遊技球が入球して第2入球口640に入球して特別図柄の変動が開始されると比較的長い変動時間の変動パターンが選択されるので、その時間に遊技者が遊技球を発射することで、より振り分け装置650へ遊技球を入球させることとなる。第2特別図柄の変動が終わると、振り分け装置650への入球数が64個に近づいているので、遊技者は、再び64個入球させることを苦に思わずに遊技を行うことができる。よって、遊技者により長時間遊技を行わせることができる。
次に、始動入賞情報処理(S105)を説明する。図13のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図13は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図10参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S404)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、S407の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図19参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S406)、本処理を終了する。尚、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S407の処理では、S401〜S406までと同一の処理が第2入球口640への入球に対して実行される。なお、第1特別図柄保留球数格納エリア203aが第2特別図柄保留球数格納エリア203bに置き換えて実行される。
S412の処理が実行された後には、先読み処理を実行する(S413)。先読み処理(S413)については、図14を参照して、詳細について説明する。
図14は、先読み処理(S413)を示したフローチャートである。先読み処理(S413)では、まず、第1入球口64または第2入球口640に入球したか判別する(S501)。第1入球口64または第2入球口640に入球したと判別した場合には(S501:Yes)、取得した各カウンタ値を変動開始時の遊技状態(確変か通常か)に基づいて当否判定を実行する(S502)。
S502で実行した当否判定結果が大当たりであるか判別する(S503)。当否判定結果が大当たりであると判別した場合には(S503:Yes)、大当たり入賞コマンドを設定する(S504)。一方、S503の処理において、当否判定結果が外れであると判別した場合には(S503:No)、外れ入賞コマンドを設定する(S505)。その後、この処理を終了する。なお、S501の処理において、第1入球口64または第2入球口640に入球していないと判別した場合には(S501:No)、この処理を終了する。
次に、図15を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図15は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図10参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判定する(S608)。尚、時短中カウンタ203gは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203gの値が1以上である場合は(S608:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S609)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、特別入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図9(d)参照)。
S608の処理において、時短中カウンタ203gの値が0である場合は(S608:No)、S611の処理へ移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図9(d)参照)。
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判定し(S614)、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、時短中カウンタ203gの値が0である場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
S619の処理では、時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判定し(S619)、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば(S619:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S620)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203gの値が0であれば(S619:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S621)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83にいおいて停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83にいおいて停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図26参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図26参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図16のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図17は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図17参照)の中で実行され、普通始動ゲート67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通始動ゲート67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、普通始動ゲート67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通始動ゲート67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球が普通始動ゲート67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が普通始動ゲート67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、球が普通始動ゲート67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。尚、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図17は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図18を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図18は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS912へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS912へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、図26のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S912の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S913,S914)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。RAMの初期化処理(S913,S914)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S913)、その後、RAM203の初期値を設定する(S914)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S911)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図19を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図19は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図10参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図10参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図11参照)や始動入賞処理(図13参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図示なし)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図15参照)のS625の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図12参照)のS308の処理またはS310の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図12参照)のS308の処理またはS310の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図12参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図15参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図15参照)のS623の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図15参照)のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
ここで、S1001〜S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図17のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1008の処理は、S1001〜S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
<音声ランプ制御処理113により実行される制御処理について>
次に、図20から図24を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図20を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図20は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1316の電源断処理(図21参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1202)。図21を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図21のS1315参照)、S1316の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1316の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1202:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1316の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1203)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1206の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1203:Yes)、S1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1203:No)、S1208へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1203:Yes)、S1204へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1316の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1203:No)、S1208へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1202:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1316の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1204の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1204)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1205:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1206)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1205:No)、RAM223の異常を報知して(S1207)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1208の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1208)。電源断フラグはS1316の電源断処理の実行時にオンされる(図21のS1317参照)。つまり、電源断フラグは、S1316の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1316の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1208:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1209)、RAM223の初期値を設定する(S1210)。
S1210の後には、回転センサ653より第1〜第6振り分け部材(650a〜650f)のそれぞれの位置(左側受け部、右側受け部のいずれが上方を向いているか)を判別して、その判別した位置より入球数を算出して、入球カウンタ223eに設定する(S1211)。その後、割込み許可を設定して(S1212)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。ここで、立ち上げ処理(図20参照)で入球カウンタ223eの値が設定されると、カウンタLED680に対して、入球カウンタ223eの値に基づいた値が表示される。このように、電源がパチンコ機10に投入されると、各振り分け部材の位置が判別されて、正確な値がカウンタLED680に表示されるので、遊技者に正しい情報を報知することができる。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1208:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1209をスキップして、処理をS1210へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定して(S1212)、メイン処理へ移行する。
なお、S1209のクリア処理をスキップするのは、S1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至った場合には、S1204の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図21を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図21は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1301の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1301)、1m秒以上経過していなければ(S1301:No)、S1302〜S1310の処理を行わずにS1311の処理へ移行する。S1301の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1302〜S1310が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1311の変動表示設定処理や、S1312のコマンド判定処理や、S1313およびS1314のカウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1312の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1311の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1301の処理で1m秒以上経過していれば(S1301:Yes)、まず、S1303〜S1312の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1302)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1308の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1303)、その後電源投入報知処理を実行する(S1304)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1305の処理へ移行する。
S1305の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1306)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1307)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1307の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1308)、その後音編集・出力処理を実行する(S1309)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1309の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1310)、S1311の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1308のランプ編集処理が実行される。なお、S1309の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1311の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1311)。このコマンド判定処理の詳細については、図30を参照して後述する。コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1312)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図33を参照して後述する。
S1312の処理が終わると、振り分け処理(S1313)が実行される。振り分け処理(S1313)については、図24を参照して詳細について説明するが、振り分け装置650に遊技球が入球したかの判別や、振り分け装置650から遊技球が排出されたかの判別が実行される。そして、入球カウンタ223eの更新を実行して、カウンタLED680の表示を更新する処理が実行される。この振り分け処理(S1313)については、図24を参照して後述する。
S1314の処理では、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1314)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1315の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1315:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1316)、電源断処理を実行する(S1317)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1318)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1314の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1314:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1315)、RAM223が破壊されていなければ(S1317:No)、S1301の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1315:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図22を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1311)について説明する。図30は、このコマンド判定処理(S1311)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1311)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図29参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1401)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1401:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1402)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1403)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図33参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1401:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1404)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1404:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1405)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1406)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図33参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1404:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1407)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1407:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1408)。また、S1408の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1408の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1408の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。尚、S1408の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1407の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1407:No)、次いで、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1419)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1312)について説明する。図33は、この変動表示設定処理(S1312)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1312)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図29参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1701)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1701:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1706の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1701:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1702)、次いで、コマンド判定処理(図30参照)のS1403の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1703)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1704)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1705)。S1705の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1706の処理へ移行する。
S1706の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1706)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1706:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1706:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S1707)、次いで、コマンド判定処理(図30参照)のS1406の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1708)。
次いで、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S1709)、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1710)。
次に、図24を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される振り分け処理(S1313)について説明する。図24は、この振り分け処理(S1313)の内容を示したフローチャートである。
振り分け処理(S1313)では、まず、第2入球口640に遊技球が入球(入賞)したか判別する(S1601)。第2入球口640に遊技球が入球したと判別された場合には(S1601:Yes)、第6振り分け部材650fの位置は正常(本実施形態では、左側受け部651fが上方を向いた位置)であるか回転センサ653より判別される。第6振り分け部材650fの位置が正常であると判別された場合には(S1602:Yes)、S1604の処理を実行する。一方、S1602の処理において、第6振り分け部材650fの位置が異常であると判別した場合には(S1602:No)、表示用エラーコマンドの設定を実行する(S1603)。この表示用エラーコマンドは、表示制御装置114に対して出力され、表示制御装置114では、このコマンドを受信することで、第3図柄表示装置81にエラーを示す文字や図柄、背景色を表示して異常が発生したことを報知する。
一方、S1601の処理において、第2入球口640に遊技球が入球していないと判別した場合には(S1601:No)、振り分け装置650に遊技球が入球したか、即ち、入球センサ661がオンであるか判別する(S1604)。入球センサ661がオンであると判別した場合には(S1604:Yes)、入球カウンタ223eの値に1加算して更新し(S1605)、入球後時間カウンタ223gの値をリセットする(S1606)。その後、更新された入球カウンタ223eの値に基づいて、カウンタLED680の表示を更新する処理を実行する(S1608)。その後、S1609の処理を実行する。
このように、振り分け装置650に遊技球が入球することに基づいて、入球後時間カウンタ223gの値がリセットされるので、正しく振り分け装置650に遊技球が入球してから次に振り分け装置650に遊技球が入球するまでの時間を計測することができる。
一方、S1604の処理において、入球センサ661がオフである、即ち、振り分け装置650に遊技球が入球していないと判別した場合には(S1604:No)、入球後時間カウンタ223gの値が経過時間に対応したカウンタ値(本実施形態では、1加算)だけ加算する(S1607)。その後、S1609の処理を実行する。S1609の処理では、第1〜第6排出センサ(690a〜690f)のうちいずれかはオンであるか判別する(S1609)。第1〜第6排出センサ(690a〜690f)のうち、いずれかがオンであると判別した場合には、オンになっている排出センサの数を排出カウンタ223fに加算する(S1610)。その後、S1611の処理を実行する。なお、この排出カウンタ223fは、上限値である64個を越えると、その上限値分を減算した値に更新される構成となっている。一方、S1609の処理において、排出センサがいずれもオンでないと判別した場合には(S1609:No)、S1611の処理を実行する。
S1611の処理では、振り分け装置650に遊技球が入球してから次の遊技球が入球するまでの間が、25秒以上経過しているか判別する(S1611)。ここでは、入球後時間カウンタ223gの値により判別する。入球後時間カウンタ223gの値が25秒以上であると判別した場合には(S1611:Yes)、入球カウンタ223eと排出カウンタ223fとの値は一致するか、即ち、入球数と排出数が一致するか判別する(S1612)。入球数と排出数が一致すると判別した場合には(S1612:Yes)、この処理を終了する。一方、S1612の処理において、入球数と排出数とが不一致であると判別した場合には(S1612:No)、表示用エラー報知コマンドを設定する(S1613)。その後、この処理を終了する。
このように、振り分け装置650に遊技球が入球した後、一定時間(本実施形態では、25秒)入球しない場合に、入球数と排出数とが一致するかの判別を実行するので、振り分け装置650内を流下している遊技球が無くなった状態が発生すると一致しているかの判別を行うことができる。よって、正確に一致、不一致を判別することができる。振り分け装置650に不正な方法で多量に入球させられいた場合にも、遊技者の切り替わり等で不正を判別することができ、継続して不正が行われることを抑制できる。
なお、本実施形態では、可変表示装置ユニット80の左側の遊技領域より流下して、第1入球口64へ入賞しなかった遊技球をすべて誘導口700へ入球するように誘導路710により誘導されるように構成したが、それに限らず、誘導路710に開口部を設けて、いくつかの遊技球は誘導口700へ入球しないように構成してもよい。
また、本実施形態では、振り分け装置650から排出される遊技球が可変入賞装置65に入賞するように振り分け装置650の下方に可変入賞装置65を配置するように構成したが、それに限らず、誘導路700の一部(例えば、誘導口700の右側)に遊技球が通過可能な開口部を設けて、その開口部を通過する遊技球が入球可能な位置に可変入賞装置65を配置する。この可変入賞装置65は、可変表示装置ユニット80の右側を通過して流下する遊技球も入球可能な位置に配置する。このように構成することで、大当たり遊技が開始された場合に、遊技者は、第2入球口640に対応する保留球が最大数の4個となり、振り分け装置65への入球数が63個となったところで、可変表示装置ユニット80の右側を遊技球が流下するように遊技球を発射するように操作ハンドル51を操作することで、大当たり遊技後に、第2特別図柄の変動が開始されて、保留球が1球消化された後に振り分け装置650へ遊技球を1球入球させるとすぐに第2入球口640へ入球させることができる。よって、大当たり遊技後に消費する遊技球の数を少なくすることができる。
なお、本実施形態では、表示制御装置114の詳細な説明について省略したが、第3図柄表示装置81に対して、画像を表示する制御が実行されるが、公知の制御であるので、その詳細な図示と説明を省略する。
なお、表示制御装置114において、特別図柄の変動が停止表示されると、その後の時間が計測されて、所定時間(本実施形態では、1分間)経過しても次の特別図柄の変動表示が開始されない場合には、第3図柄表示装置81に遊技機の説明等を表示するデモ表示が表示される。特別図柄の変動表示が開始されると計測していた時間をリセットするしょりが実行される。
遊技者は、遊技中にデモ画面が表示されると、極端に第1入球口64または第2入球口640への入球数が少なく設定されていると判断するが、本実施形態では、デモ画面が表示されるよりも前に、第2入球口640へ遊技球が入球するように設定したので、遊技者に遊技機の設定(入球割合)について不満に思わせる不具合を抑制できる。
<第2実施形態におけるパチンコ機10について>
次に、図25〜図27を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上記した第1実施形態の構成では、振り分け装置650に対して、不正に多量な遊技球が入球させられていないかを、遊技者の切り替わり等の所定時間、振り分け装置650に遊技球が入球しない状態で判定するように構成した。それに対して、本第2実施形態における構成では、遊技者が遊技中している際中、即ち、振り分け装置650に頻繁に遊技球が入球している状態でも不正が行われていないかを判別することができる構成とした点で第1実施形態とは相違する。その他の第1実施形態と同一の構成については、その詳細な説明は省略する。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図25を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図25は、この第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。本第2実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のRAM223には、第1実施形態に対して、入球後時間カウンタ223gが削除され、入賞間隔カウンタ223h、入球上限フラグ223iがそれぞれ追加されている。その他の構成については、第1実施形態と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
入賞間隔カウンタ223hは、第2入球口640に遊技球が入球してから次に第2入球口640に遊技球が入球するまでの時間を計測するためのカウンタである。この入賞間隔カウンタ223hは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する振り分け処理2(図26、S1320)のS1629の処理により第2入球口640に入球していないと判別された場合に経過時間が更新される。一方、S1622の処理において、第2入球口640に入球したと判別されて、その場合に入賞間隔カウンタ223hの値が正常であると判別された場合に、入賞間隔カウンタ223hの値がリセットされて更新される。
このように、入賞間隔カウンタ223hは、第2入球口640に入球した間隔を計測するためのカウンタである。本実施形態の構成では、低確率遊技状態では、普通図柄の当たりとなり電動役物640aが開放している状態で無いと、所定個数毎に第2入球口640に入球することとなり、短時間に連続して第2入球口640に入球することが困難な構成となっている。そのため、入賞間隔カウンタ223hにより第2入球口640に入球する間隔を計測して、その値を判別することで、不正に第2入球口640に遊技球が入球されていないかを判別できる。よって、早期に不正を検知することができる。
入球上限フラグ223iは、入球カウンタ223eが上限値まで更新された後に更新されて初期値に更新されたことを示すフラグである。この入球上限フラグ223iは、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される振り分け処理2(図26、S1320)のS1626の処理によりオンに設定される。一方、不正検知処理(図27、S1628)のS1707の処理おいてオフに設定される。
このように、入球カウンタ223eの値が初期値に更新されたことを示すフラグを設定することで、排出カウンタ223fの値が上限値(64)以上となった場合に、入球上限フラグ223hが更新されているかを判別することで、入球センサ661を介さずに不正に振り分け装置650に遊技球が入球されていないかを判別することができる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図26〜図27を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。本第2実施形態では、第1実施形態に対して、第1実施形態における振り分け処理(図24、S1313)が振り分け処理2(図26、S1320)に変更されている。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明を省略する。
図26を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される振り分け処理2(S1320)について説明する。図26は、この振り分け処理2(S1320)を示したフローチャートである。
S1601〜S1603までの各処理は、第1実施形態と同一の処理である。S1603の処理が実行された後、S1602の処理において、第6振り分け部材650fの位置が正常であると判別した場合には(S1602:Yes)、入賞間隔カウンタ223hの値が基準値(本実施形態では、38秒以上)であるか判別する(S1621)。入賞間隔カウンタ223hの値が基準値以上であると判別した場合には(S1621:Yes)、入賞間隔カウンタ223hの値をリセットする(S1622)。一方、入賞間隔カウンタ223hの値が基準値未満であると判別した場合には(S1621:No)、普通図柄の高確率状態(時短中または確変中)であるか判別する(S1623)。普通図柄の高確率状態であると判別した場合には(S1623:Yes)、S1622の処理を実行する。一方、S1623の処理において、普通図柄の低確率状態であると判別した場合には(S1623:No)、表示用エラー報知コマンドを設定する(S1624)。
S1604〜S1605の各処理は、第1実施形態と同一の処理である。S1625の処理では、入球カウンタ223eの値が上限値(本実施形態では、64)を越えているいるか判別する(S1625)。上限値を越えていると判別した場合には(S1625:Yes)、入球上限フラグ223iをオンに設定する(S1626)。入球カウンタ223eの値を初期値である0にリセットする(S1627)。一方、S1625の処理において、入球カウンタ223eが上限値以下であると判別した場合には(S1625:No)、S1608の処理を実行する。S1608の処理では、カウンタLED680の表示を更新する処理を実行する。その後、不正検知処理を実行する(S1628)。一方、S1601の処理において、第2入球口に入球していないと判別した場合には(S1601:No)、入賞間隔カウンタ223hを経過時間分更新する(S1629)。その後、S1604の処理を実行する。なお、不正検知処理(S1628)については、図27を参照して、詳細について説明する。
図27は、不正検知処理(S1628)を示したフローチャートである。不正検知処理(S1628)では、まず、第1〜第6排出センサ(690a〜690f)のいずれかはオンであるか判別する(S1701)。第1〜第6排出センサ(690a〜690f)のうち、いずれかがオンであると判別された場合には(S1701:Yes)、オンになっている排出センサの数を排出カウンタ223fの値に加算する(S1702)。排出カウンタ223fの値は、上限値(本実施形態では64)より大きい値であるか判別する(S1703)。排出カウンタ223fの値が上限値より大きい値であると判別した場合には(S1703:Yes)、入球上限フラグ223iはオンであるか判別する(S1704)。入球上限フラグ223iがオンであると判別した場合には(S1704:Yes)、排出カウンタ223fより上限値を減算して、排出カウンタ223fに設定する(S1705)。その後、S1707の処理を実行する。一方、入球上限フラグ223iがオフであると判別した場合には(S1704:No)、表示用エラー報知コマンドを設定する(S1706)。その後、S1707の処理を実行する。S1707の処理では、入球上限フラグ223iをオフに設定する(S1707)。その後、この処理を終了する。
このように、排出カウンタ223fの値が上限値を越える場合に、入球上限フラグ223iがオンであるかを判別することで、入球数と排出数とが大きく不一致となっていないかを判別することができる。よって、遊技の途中で、振り分け装置650内を遊技球が流下している状態であっても、入球数と排出数との比較を行うことができ、不正をより早く検知することができる。
上記実施形態においては、第1入球口64、第2入球口640への入賞および普通始動ゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>
遊技球が入球可能な第1入球口とその第1入球口とは異なる遊技球が入球可能な第2入球口と、前記第1入球口に遊技球が入球したことを検出する第1検出手段と、前記第2入球口に遊技球が入球したことを検出する第2検出手段と、前記第1検出手段または前記第2検出手段により遊技球が入球したことが検出されたことに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、その判定手段の判定結果を示す識別情報を表示する表示手段とを有した遊技機において、前記第1入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な開口部と、その開口部に入球した遊技球の数が予め定められた個数となった場合に、その個数目の遊技球を前記第2入球口へ入球し易い第1流路に振り分け、前記予め定められた個数目の遊技球以外の遊技球を前記第1流路よりも前記第2入球口へ入球し難い第2流路に振り分けることが可能な振り分け手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、第1入球口に遊技球が入球したことが第1検出手段により検出される。また、第2入球口に遊技球が入球したことが第2検出手段により検出される。第1検出手段または第2検出手段により遊技球が入球したことが検出されたことに基づいて所定の判定が判定手段により実行される。その判定手段の判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。第1入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な開口部に入球した遊技球の数が予め定められた個数となった場合に、その個数目の遊技球を第2入球口へ入球し易い第1流路に振り分け、予め定められた個数目の遊技球以外の遊技球を第1流路よりも第2入球口へ入球し難い第2流に振り分け手段により振り分けられる。これにより、第1入球口に遊技球が入球しなかった場合にも、所定個数毎に第2入球口に遊技球を入球させることができる。よって、第1入球口に入球しなかった場合にも、所定個数毎に第2入球口に入球することで、識別情報が動的表示開始される頻度を高めることができ、遊技者が飽きてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1において、前記振り分け手段は、前記開口部に入球した遊技球を前記第1流路とその第1流路とは異なる第2流路に振り分ける第1振り分け部材と、前記第1振り分け部材により前記第1流路に振り分けられた遊技球を前記第2流路と前記第2入球口へと振り分ける第2振り分け部材とを少なくとも有しているものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開口部に入球した遊技球を第1流路とその第1流路とは異なる第2流路に振り分ける第1振り分け部材と、第1振り分け部材により第1流路に振り分けられた遊技球を第2流路と第2入球口へと振り分ける第2振り分け部材とが振り分け手段に設けられているので、第1振り分け部材に第1流路に振り分けられた遊技球が第2振り分け部材により第2入球口へと振り分けられるかを楽しむことができるという効果がある。
遊技機A2において、前記第1振り分け部材は、回動可能に固定される第1回動軸部と、前記開口部に入球した遊技球を受け入れて、その受け入れた遊技球により第1方向に前記第1振り分け部材を回動させることで遊技球を前記第1流路に振り分けることが可能な第1受け部と、前記開口部に入球した遊技球を受け入れて、前記第1方向とは反対方向の第2方向に前記振り分け部材を回動させることで遊技球を前記第2流路に振り分けることが可能な第2受け部とを有し、前記第2振り分け部材は、回動可能に固定された第2回動軸部と、前記第1振り分け部材により前記第1流路に振り分けられた遊技球を受け入れて、その受け入れた遊技球により前記第1方向に前記第2振り分け部材を回動させることで遊技球を前記第2入球口へ振り分けることが可能な第3受け部と前記第2振り分け部材を前記第2方向へ回動させることで遊技球を前記第2流路へ振り分けることが可能な第4受け部とを有しているものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1回動軸部により第1振り分け部材が回動可能に固定される。開口部に入球した遊技球を第1振り分け部材の第1受け部に受け入れて、その受け入れた遊技球により第1方向に第1振り分け部材を回動させることで遊技球が第1流路に振り分けられる。また、開口部に入球した遊技球を第1振り分け部材の第2受け部に受け入れて、第1方向とは反対方向の第2方向に振り分け部材を回動させることで遊技球が第2流路に振り分けられる。第2振り分け部材が、第2回動軸部により回動可能に固定される。第1振り分け部材により第1流路に振り分けられた遊技球を第2振り分け部材の第3受け部に受け入れて、その受け入れた遊技球により第1方向に第2振り分け部材を回動させることで遊技球が第2入球口へ振り分けられる。第2振り分け部材の第4受け部に遊技球を受け入れて、第2方向へ回動させることで遊技球が第2流路へ振り分けられる。これにより、第1振り分け部材と第2振り分け部材との位置関係により振り分けられる流路が変化するので、遊技者は、事前にどの流路に振り分けられるかを予測できる。よって、振り分けられる流路を予測することを楽しむことができ、遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できる。
遊技機A1からA3のいずれかの遊技機において、前記第1入球口の下側に配置されて、前記第1入球口に入球しなかった遊技球を前記開口部へと誘導する誘導部材を有するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1から遊技機A3のいずれかの奏する効果に加え、第1入球口に入球しなかった遊技球を開口部へと誘導する誘導部材が第1入球口の下側に配置されるので、第1入球口に入球しなかった遊技球をより開口部へと入球させやすくできるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記振り分け部材は、前記第1振り分け部材を複数有し、その各第1振り分け部材のうち、最も上流側に配置される前記第1振り分け部材は、開口部から入球した遊技球を前記第1受け部または第2受け部で受け入れ可能に配置され、その他の前記各第1振り分け部材は、上流側の第1振り分け部材により前記第1流路に振り分けられた遊技球を前記第1受け部または前記第2受け部で受け入れ可能な位置に順に配置されるものであり、前記第2振り分け部材は、前記複数の第1振り分け部材のうち、最も下流側に配置される前記第1振り分け部材により前記第1流路に振り分けられた遊技球を前記第3受け部または前記第4受け部で受け入れ可能な位置に配置するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振り分け部材には第1振り分け部材が複数設けられる。その各第1振り分け部材のうち、最も上流側に配置され記第1振り分け部材が、開口部から入球した遊技球を第1受け部または第2受け部で受け入れられるように配置される。その他の各第1振り分け部材が、上流側の第1振り分け部材により第1流路に振り分けられた遊技球を第1受け部また記第2受け部で受け入れ可能な位置に順に配置される。複数の第1振り分け部材のうち、最も下流側に配置される第1振り分け部材により第1流路に振り分けられた遊技球を第3受け部または第4受け部で受け入れ可能な位置に第2振り分け部材が配置される。これにより、第1振り分け部材と第2振り分け部材とのそれぞれの状態により第2入球口に振り分けられるか否かを設定することができる。よって、遊技者が複数の振り分け部材より遊技球が第2入球口に振り分けられるまでの遊技球の流れを楽しませることができるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記開口部に入球した遊技球の数をカウントする入球数カウント手段と、その入球数カウント手段によるカウント値に基づいて、開口部に入球した遊技球の数を表示することが可能な入球数表示手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開口部に入球した遊技球の数が入球数カウント手段によりカウントされる。その入球数カウント手段によるカウント値に基づいて、開口部に入球した遊技球の数が入球数表示手段により表示される。これにより、遊技者は、表示されるカウント値の値に基づいて、第2入球口に入球するまでに必要な開口部に入球する遊技球の数を判別できる。よって、遊技者が分かり易く遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機A6において、前記入球数カウント手段のカウント値が前記予め定められた個数を越えた場合に初期値にリセットするリセット手段を有するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、入球数カウント手段のカウント値が予め定められた個数を越えた場合にリセット手段により初期値にリセットされるので、第2入球口に振り分けられるまでの数をより容易に報知できるという効果がある。
遊技機A1から遊技機A7のいずれかにおいて、前記振り分け手段は、前記第2流路に振り分けられた遊技球の数をカウントする排出数カウント手段と、所定条件の成立に基づいて、前記入球数カウント手段の値と前記排出数カウント手段の値とを比較する比較手段と、その比較手段により比較された結果が予め定められた基準値以上であると判別した場合に、所定の不正処理を実行する不正処理実行手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2流路に振り分けられた遊技球の数が振り分け手段の排出数カウント手段によりカウントされる。所定条件の成立に基づいて、入球数カウント手段の値と排出数カウント手段の値とが振り分け手段の比較手段により比較される。その比較手段により比較された結果が予め定められた基準値以上であると判別した場合に、所定の不正処理が不正処理実行手段により実行される。よって、不正に振り分け手段に遊技球が入球されているかを判別することができ、不正による被害を抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、遊技領域に単位時間に所定個数の遊技球を発射可能な発射手段と、前記表示手段に予め定められた所定時間以上の間、前記識別情報の動的表示が開始されないと判定した場合に、特定の表示態様の動的表示の開始を設定する特定表示設定手段とを有し、前記予め定められた個数は、前記所定時間の間に前記発射手段により発射される遊技球の数よりも少なく設定されているものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域に単位時間に所定個数の遊技球が発射手段により発射される。表示手段に予め定められた所定時間以上の間、識別情報の動的表示が開始されないと判定した場合に、特定の表示態様の動的表示の開始が特定表示設定手段により設定される。所定時間の間に発射手段により発射される遊技球の数よりも少なく予め定められた個数が設定される。これにより、特定の表示態様が表示される期間よりも前に、第2入球口に遊技球が振り分けられるので、遊技球を発射している状態で、特定の表示態様が表示されることを抑制できる。よって、遊技者が遊技に集中することができるという効果がある。
<特徴B群>
遊技球が入球可能な第1入球口とその第1入球口とは異なる遊技球が入球可能な第2入球口と、前記第1入球口に遊技球が入球したことを検出する第1検出手段と、前記第2入球口に遊技球が入球したことを検出する第2検出手段と、前記第1検出手段または前記第2検出手段により遊技球が入球したことが検出されたことに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、その判定手段の判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、前記判定手段により実行された判定結果が所定の結果である場合に、遊技球が入球可能となる特典入球手段と、その特典入球手段に遊技球が入球したことを検出する第3検出手段と、その第3検出手段により遊技球が入球したことが検出された場合に、遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段とを有した遊技機において 前記第1入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な開口部と、その開口部に入球した遊技球の数が予め定められた個数となった場合に、その個数目の遊技球を前記第2入球口へ入球し易い第1流路に振り分け、前記予め定められた個数目の遊技球以外の遊技球を前記第1流路よりも前記第2入球口へ入球し難い第2流路に振り分けることが可能な振り分け手段とを有し、前記特典入球手段は、前記開口部に入球した遊技球のうち、少なくとも前記振り分け手段により前記第2流路に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に配置されたものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、第1入球口に遊技球が入球したことが第1検出手段により検出される。また、第2入球口に遊技球が入球したことが第2検出手段により検出される。第1検出手段または第2検出手段により遊技球が入球したことが検出されたことに基づいて所定の判定が判定手段により実行される。その判定手段の判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。判定手段により実行された判定結果が所定の結果である場合に、遊技球が特典入球手段に入球可能にされる。その特典入球手段に遊技球が入球したことが第3検出手段により検出される。その第3検出手段により遊技球が入球したことが検出された場合に、遊技者に有利となる特典が特典付与手段により付与される。第1入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な開口部に入球した遊技球の数が予め定められた個数となった場合に、その個数目の遊技球が振り分け手段により第2入球口へ入球し易い第1流路に振り分けられる。予め定められた個数目の遊技球以外の遊技球が振り分け手段により第1流路よりも第2入球口へ入球し難い第2流路に振り分けられる。特典入球手段は、開口部に入球した遊技球のうち、少なくとも振り分け手段により第2流路に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に特典入球手段が配置される。これにより、振り分け手段に遊技球を入球させながら特典遊技を実行することができる。よって、特典遊技中に予め定められた個数以上を入球させて第2入球口へ遊技球を入球させたり、予め定められた個数に近い数の遊技球を入球させて特典遊技後により早期に第2入球口へ遊技球を入球させることができる。従って、より遊技者に有利な遊技機を提供することで、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機B1において、前記特典遊技実行手段により実行される特典遊技が実行される場合に、第1特典遊技と、前記第1特典遊技よりも遊技者に付与される特典が小となる第2特典遊技とを決定する特典遊技種別決定手段を有し、前記第2特典遊技は、前記第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて前記判定手段により所定の抽選結果であると判別された場合に、前記第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づく場合よりも前記特典遊技種別決定手段により決定され易く設定されているものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段により実行される特典遊技が実行される場合に、第1特典遊技と、第1特典遊技よりも遊技者に付与される特典が小となる第2特典遊技とが特典遊技種別決定手段により決定される。第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて判定手段により所定の抽選結果であると判別された場合に、第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づく場合よりも特典遊技種別決定手段により決定され易く第2特典遊技が設定されている。よって、第2入球口に入球することを遊技者により魅力的に感じさせ、遊技に早期に飽きることを抑制できるという効果がある。
遊技機B2において、前記第2特典遊技は、前記第1特典遊技よりも特典入球手段を遊技球が入球可能な状態に長い時間維持するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、前記第2特典遊技では、第1特典遊技よりも特典入球手段を遊技球が入球可能な状態に長い時間維持されるので、より振り分け手段に多くの遊技球を入球させて第2入球口に遊技球が入球し易くできるという効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記第1検出手段または前記第2検出手段により遊技球が検出された場合に、前記判定手段により判定される入球情報を取得する入球情報取得手段と、その入球情報取得手段により取得された前記入球情報を記憶する入球情報記憶手段と、前記入球情報記憶手段に記憶された入球情報が前記判定手段により判定された結果に基づいて前記識別情報を前記表示手段に表示する動的表示実行手段とを有し、前記動的表示実行手段は、前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報に対して、順に一つずつその入球情報に対応した識別情報の動的表示を開始し、前記入球情報記憶手段に前記第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、前記入球情報取得手段により取得された入球情報が記憶されている場合には、前記第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、取得された前記入球情報よりも優先して対応する前記識別情報の動的表示が開始されるものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1検出手段または第2検出手段により遊技球が検出された場合に、判定手段により判定される入球情報が入球情報取得手段により取得される。その入球情報取得手段により取得された入球情報が入球情報記憶手段により記憶される。入球情報記憶手段に記憶された入球情報が判定手段により判定された結果に基づいて識別情報が動的表示実行手段により表示手段に表示される。入球情報記憶手段に記憶されている入球情報に対して、順に一つずつその入球情報に対応した識別情報の動的表示が動的表示実行手段により開始される。また、入球情報記憶手段に第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、入球情報取得手段により取得された入球情報が記憶されている場合には、第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、取得された前記入球情報よりも優先して対応する識別情報の動的表示が動的表示実行手段により開始される。よって、第2入球口に入球するとそれに対応する動的表示が早期に開始されるので、遊技者に第2入球口に入球したことを分かり易くできるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機C1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機C2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機C3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
64 第1入球口(第1入球口)
81 第3図柄表示装置(表示手段)
112a 発射ユニット(発射手段)
208 各種スイッチ(第1検出手段、第2検出手段)
640 第2入球口(第2入球口)
650 振り分け装置(振り分け手段)
700 誘導口(開口部の一部)
S313 判定手段の一部
本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
従来より、始動口への遊技球の入賞に伴って抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。始動口に入賞する遊技球の入賞頻度を調整することができるように、始動口の入り口付近に遊技釘が遊技球の大きさよりも若干広い間隔で配置されている。その遊技釘の間隔を調整することで、始動口への遊技球の入賞頻度を遊技機の製造時等に設定する構成が知られている。
このような遊技機において、一定時間の間、始動口に遊技球が入賞しない場合に、液晶画面上に、遊技機の説明等が表示されるデモ表示が表示される。
特開2013−52176号公報
この種のパチンコ機において、始動口への入賞頻度を低く設定したり、変動演出の時間が短く設定されると、変動演出が実行終了してから、次の新たな変動演出が開始されるまでに、長い待機時間が発生してしまい、デモ表示が液晶表示画面上で表示されてしまうことで、遊技者を退屈させてしまう虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が退屈してしまうことを抑制して、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技球が入球可能な第1入球口とその第1入球口とは異なる遊技球が入球可能な第2入球口と、前記第1入球口に遊技球が入球したことを検出する第1検出手段と、前記第2入球口に遊技球が入球したことを検出する第2検出手段と、前記第1検出手段または前記第2検出手段により遊技球が入球したことが検出されたことに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、その判定手段の判定結果を示す識別情報を表示する表示手段とを有し、前記第1入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な開口部と、その開口部に入球した遊技球の数が予め定められた個数となった場合に、その個数目の遊技球を前記第2入球口へ入球し易い第1流路に振り分け、前記予め定められた個数目の遊技球以外の遊技球を前記第1流路よりも前記第2入球口へ入球し難い第2流路に振り分けることが可能な振り分け手段とを有するものである。
請求項1記載の遊技機によれば、第1入球口に遊技球が入球したことが第1検出手段により検出される。また、第2入球口に遊技球が入球したことが第2検出手段により検出される。第1検出手段または第2検出手段により遊技球が入球したことが検出されたことに基づいて所定の判定が判定手段により実行される。その判定手段の判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。
第1入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な開口部に入球した遊技球の数が予め定められた個数となった場合に、その個数目の遊技球を第2入球口へ入球し易い第1流路に振り分け、予め定められた個数目の遊技球以外の遊技球を第1流路よりも第2入球口へ入球し難い第2流に振り分け手段により振り分けられる。
これにより、第1入球口に遊技球が入球しなかった場合にも、所定個数毎に第2入球口に遊技球を入球させることができる。よって、第1入球口に入球しなかった場合にも、所定個数毎に第2入球口に入球することで、識別情報が動的表示開始される頻度を高めることができ、遊技者が飽きてしまうことを抑制できるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 振り分け装置と可変入賞装置と第2入球口との拡大図である。 振り分け部材の拡大図である。 パチンコ機の背面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 各種カウンタの概要を示す図である。 (a)は、主制御装置のROMの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、主制御装置のRAMの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(d)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される先読み処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される振り分け処理を示したフローチャートである。 第2実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される振り分け処理2を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される不正検知処理を示したフローチャートである。
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に第1特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が第2入球口640へ入球した場合に第2特別図柄(第1図柄)の抽選が行われる。なお、以下、第1特別図柄と第2特別図柄との両方を示す場合には、特別図柄として省略して示す。球が普通始動ゲート67を通過した場合に普通図柄の抽選が行われる。第1入球口64、第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が例えば、16回(16ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」の3種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64または第2入球口640へ入球すると、その入球回数は最大4回までそれぞれ保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64または第2入球口640についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、本実施形態における構成では、第2入球口640に対する保留球が第1入球口64に対する保留球よりも優先して第2特別図柄の変動表示が開始される。
ここで、第1入球口64は、遊技領域に上部に配置された可変表示装置ユニット80の下方に設けられており、球発射ユニット112aより遊技領域に発射された遊技球が一番先に入賞することが可能な位置に配置されている。第1入球口64の下方には、第1入球口64に入賞しなかった遊技球を受けて誘導口700へと遊技球を誘導する誘導路710が配置されている。この誘導路710は、遊技領域を落下する遊技球を受けることが可能なように、前方に突出した壁部形状で構成されている。誘導路700の壁部は、可変表示装置ユニット80の左側を通過して、第1入球口64に入賞しなかった遊技球をすべて受けることが可能なように、可変表示装置ユニット80の右側下部に接するように壁部が配置されており、第1入球口64の下方まで傾斜した壁部が形成され、その傾斜の最下流位置となる第1入球口64の直下に誘導口700が形成されている。さらに、その誘導口700より左方向に向けて上方に傾斜した壁部が遊技領域に左端部に配置されている飾り部材まで形成されている。このように、第1入球口64に入賞しなかった遊技球を受けて誘導口700へ確実に誘導することができる。
誘導口700に遊技球が入球すると、誘導口とその下方に配置された振り分け装置650とを結ぶ連結路720により振り分け装置650へと遊技球が誘導される。連結路720は、誘導口700に入球した遊技球が振り分け装置650へと流下することが可能な通路で構成されており、振り分け装置650に設けられた連通口662へと遊技球が誘導されるように構成されている。
図3を参照して、振り分け装置650の構成について説明する。振り分け装置650は、連通口662に入球した遊技球を第2入球口640へと誘導する構成を有している。詳細には、振り分け装置650には、6つの振り分け部材(650a〜650f)をそれぞれ有している。この振り分け部材(650a〜650f)は、それぞれ同形状に構成され、遊技球をそれぞれ受けて回動することにより左右の方向に遊技球を振り分けることができるように構成されている。図4は、この第1振り分け部材650aを示した図である。なお、そのたの振り分け部材(650b〜650f)も同一の形状で構成されているので、その図示と説明を省略する。
第1振り分け部材650aは、半円形状の外形で構成されている。半円形状で構成された円の中心位置には、振り分け装置650のベース部(遊技盤13に取り付けられる部材)に回動可能に固定するための軸部653aが設けられている。その軸部653aから前方に突出した壁部が垂直上方と水平方向に向けて設けられている。この壁部により、半円形状の部材が左右方向に均等に円の中心位置から仕切られることで、左側に形成される左側受け部651aと右側に形成される右側受け部652aとが形成される。左側受け部651aと右側受け部652aとは、遊技球を受けることが可能に構成されており、遊技球を受けるとその遊技球の重さにより左右に回動するように構成されている。詳細には、左側受け部651aに遊技球を受けると第1振り分け部材650aは、左方向に回動する。また、右側受け部652aに遊技球を受けると右方向に第1振り分け部材650aは回動することとなる。
ここで、図4に示すように第1振り分け部材650aは、半円形状の中心から円周方向に垂直に伸びた壁部の端部に磁石910aが配置されている。また、第1振り分け部材650aのベース部には、第1振り分け部材650aの磁石910aがパチンコ機10の垂直上方を向いた位置にベース側磁石900aが配置されている。このベース側磁石900aは、第1振り分け部材650aの磁石910aとパチンコ機10の垂直上方の位置で対抗するように配置されている。また、磁石910aとベース側磁石900aとは、それぞれ面する側が反発する極となるように配置されている。また、第1振り分け部材650aは、磁石900aが初直上方に向いた位置から左右に90度回動した位置で停止表示するようにストッパー部材(図示せず)が設けられている。即ち、左右にそれぞれ最大に回動すると、左側受け部651aまたは右側受け部652aが垂直上方に向いた位置で停止するように構成されている。
このように構成することで、振り分け部材900aは、磁石910aとベース側磁石900aとが互いに反発することで、垂直上方の位置で停止することがなく左右どちらかに回動した位置で停止されるように構成されるので、上方より落下してくる遊技球が第1振り分け部材650aの中心位置から垂直上方に向かって突出した壁部に当たってしまい遊技球が左右に均等に振り分けられることができない不具合を抑制できる。
ここで、図3及び図4を参照して、連通口662から入球した遊技球が振り分け装置650で第2入球口640まで誘導される流れについて説明する。図3に示すように、連通口662から入球した遊技球は、垂直下方に流下して連通口662の下方に設けられた遊技球が通過可能なゲート型の透過型センサである入球センサ661によって遊技球が通過したことが検出される。この入球センサ661によって、振り分け装置650に入球した遊技球の数がカウントされる。その入球センサ661の直下には、第1振り分け部材650aが配置されている。第1振り分け部材650aの左側受け部651aが上方を向いている場合には、流下する遊技球を左側受け部651aが受けて、第1振り分け部材650aが左方向に回動して、遊技球を隔壁670aで形成された左側の流路である第1流路671aへと振り分ける。振り分けられた遊技球は、第1流路671aの出口に設けられているゲート型の透過型センサである第1排出センサ690aを通過して振り分け装置650の外部へと排出される。排出された遊技球は、可変入賞装置65の方向に流下して、可変入賞装置65に入賞しない場合には、遊技領域の最下部に設けられたアウト口に入球する。
一方、第1振り分け部材650aの右側受け部652aが上方を向いている状態では、連通口661より流下した遊技球を右側受け部652aが第1振り分け部材650aの右下方に配置された第2振り分け部材へと配置される。この第2振り分け部材650bは、第1振り分け部材650aの右側受け部652aにより振り分けられた遊技球が第2振り分け部材650bの中心より円周方向に垂直に突出している壁部がパチンコ機10の垂直方向を向いた位置に落下する位置に配置されている。そして、第2振り分け部材650bの左側受け部651bが上方を向いている状態では、その右側受け部651bで第1振り分け部材650aの左側受け部652aより振り分けられた遊技球を受けて、隔壁670aと隔壁670bとの間に形成された第2流路671bへと遊技球を振り分ける。第2流路671bに振り分けられた遊技球は、第2流路671bの出口に設けられている第2排出センサ690bを通過して振り分け装置650の外部へと排出される。なお、第2排出センサ690bは、第1排出センサ690aと同様の構成である。第2流路671bより排出された遊技球も第1流路671aより排出された遊技球と同様に遊技領域を流下する。
また、第2振り分け部材650bの右側受け部652bが上方を向いている状態では、第1振り分け部材650aの左側受け部652aからの遊技球を第2振り分け部材650bの右側受け部652bで遊技球を受けて、第3振り分け部材650cへと遊技球を振り分ける。ここで、第3振り分け部材650cが配置されている位置も第2振り分け部材650bが配置されている位置と同様に、上流側の振り分け部材(第2振り分け部材650b)より振り分けられた遊技球が円周形状の中心位置から垂直に突出した壁部がパチンコ機10の垂直上方に向いた位置に流下するように配置されている。同様に、第4振り分け部材650dは、第3振り分け部材650cの右側受け部652c、第5振り分け部材650eは第4振り分け部材650dの右側受け部652d、第6振り分け部材650fは第5振り分け部材650eの右側受け部652eにより受けられた遊技球が振り分けられて(振り分け部材が右方向に回動して)流下する遊技球を垂直方向に突出した壁部の先端がパチンコ機10の垂直方向に向いた位置に落下する位置にそれぞれ配置されている。
さらに、第3〜第5振り分け部材(650c〜650e)の右側受け部(652c〜652e)により受けた遊技球が振り分けられる場合には、次の1つ下流側に配置されている振り分け部材へと遊技球が振り分けられる。そして、第6振り分け部材650fの右側受け部652fにより振り分けられた遊技球は、その右側下方に配置されている第2入球口640へと入球するように誘導される第7流路671gに振り分けられて、第2入球口640へ入球するように構成されている。一方、第3〜第6振り分け部材(650c〜650f)の左側受け部(652c〜652f)が遊技球を受けて振り分けられた遊技球は、それぞれ第3流路671c〜第6流路671fを流下して、振り分け装置650の外部へと排出される。なお、排出される各遊技球は、各流路の出口に設けられている第3〜第6排出センサ690c〜690fにより検出されて、その後、可変入賞装置65の方向へ排出されて可変入賞装置65に入賞しなかった遊技球は、アウト口へと入球する構成となっている。
ここで、遊技球を左側受け部、右側受け部で受けて振り分け部材が回動した後には、左側受け部で遊技球を受けて回動した場合には右側受け部が、右側受け部で遊技球を受けて回動した場合には左側受け部が、それぞれ垂直上方側を向いた状態となる。勢いよく遊技球の重さにより振り分け部材が回動した場合に、回動上限角度まで回動した後に、反動により反対方向へと回動した場合にも、磁石910aとベース磁石900aとがそれぞれ反発する極(本実施形態では、S極とS極)で配置されているので、磁力の反発力により回動が規制されて、再び同じ受け部が上方を向くことが抑制できる構成となっている。このように、交互に上方を向く受け部が変わるので、遊技球を交互に振り分けることができる。
ここで、第1〜第6振り分け部材(650a〜650f)の左側受け部(651a〜651f)が上方を向いた状態である場合に第2入球口640に遊技球が入球するまでの流れについて説明する。連通口662より1球目の遊技球が振り分け装置650に入球すると、第1振り分け部材650aの右側受け部651aで遊技球を受けて、第1流路671aに遊技球が振り分けられる。その場合に、第1振り分け部材650aは、右側受け部652aを上方に向けた位置で維持される。次に、2球目の遊技球が入球すると、第1振り分け部材650aの右側受け部652aにより第2振り分け部材650bへと遊技球が振り分けられる。第2振り分け部材650bへと振り分けられた遊技球は、第2振り分け部材650bの左側受け部651bで遊技球を受けて、第2流路671bへ遊技球を振り分ける。
次に、3球目の遊技球が入球すると、第1振り分け部材650は、左側受け部651aを上方に位置した状態で維持されているので、左側受け部651aで遊技球を受けて、第1流路671aへと遊技球を振り分ける。その後、第1振り分け部材650aの左側受け部652aが上方を向いた位置で維持されるので、第4球目の遊技球は、第2振り分け部材650bへと振り分けられる。第2振り分け部材650bへと振り分けられた遊技球は、2球目の遊技球により右側受け部652bが上方に向いた位置で維持されているので、右側受け部652bにより第3振り分け部材650cへと振り分けられる。このように、第1振り分け部材の遊技球は、2球毎に次の振り分け部材へと遊技球を振り分け、第2振り分け部材650bは、4球毎に次の振り分け部材へと遊技球を振り分けることが分かる。ここで、計算により、第3振り分け部材650cは、2×2×2=8であることから8球毎、同様に第4振り分け部材650dは16球毎、第5振り分け部材650eは32球毎に次の振り分け部材へと遊技球を振り分ける。その結果、第6振り分け部材650fは64球毎に第2入球口640へと遊技球を振り分けることが分かる。
このように、振り分け装置650へと第1入球口64に入賞しなかった遊技球を誘導するように構成することで、所定個数の遊技球(本実施形態では、64個)が振り分け入賞装置650に入球すると1球の遊技球が第2入球口640へと入球するように構成することができる。
ここで、本実施形態では、球発射ユニット112aは、遊技球が発射される強さ(ストローク)に関わらず、一定間隔毎(一定周期毎)に遊技球が発射される構成となっている。本実施形態では、1分間に100発の遊技球が発射される構成となっている。また、本実施形態では、1分間(60秒間)の間、特別図柄の変動表示が新たに開始されないと、第3図柄表示装置81にパチンコ機10の内容を説明するためのデモ表示の表示が開始されるように構成されている。特別図柄の変動が停止して、第1特別図柄、第2特別図柄に対して、それぞれ保留球が記憶されていないと、新たな特別図柄の変動開始が次に第1入球口64または第2入球口640に遊技球が入球するまで、待機状態となる。その間、遊技球の発射が可変表示装置ユニット80の左側を遊技球がすべて流下するような強さで発射されていれば、1分間に100発の遊技球が第1入球口64へ向けて発射されることとなる。この場合に、すべての遊技球が第1入球口64に入球しなかったとしても、64球目の遊技球が誘導口700に入球して、連通口662を介して振り分け装置650に入球すると、その64球目の遊技球が第2入球口640へと入球して特別図柄の変動表示が開始されることとなる。1分で100球の遊技球が発射されることから、64球目の遊技球が発射されるまでに要する時間は、約38.4秒となり、それから遊技球が流下して、第2入球口640へ入球するまでの時間を考慮しても、デモ表示が開始されるまでの時間以下で特別図柄の変動を開始させることができる。
このように、第1入球口64に入球する頻度が低く、長時間の間、第1入球口64に遊技球が入らないような状態が発生しても、一定個数毎に、第2入球口640へ遊技球を入球させることができるので、遊技者が退屈してしまい、早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる。さらに、遊技店側が第1入球口64に入球し難いように第1入球口64の入り口付近に配置された遊技釘の幅を狭く設定した場合にも、一定個数が発射される毎に、第2入球口640へ遊技球が入賞しやすく構成することができるので、遊技者が著しく不利になってしまうことを抑制できる。
詳細については、後述するが、本実施形態では、第2入球口640への入賞に基づく特別図柄の抽選により大当たりとなった場合には、図9(c)に示すように、「大当たりA(16ラウンド確変)」が第1入球口64に入賞した場合よりも選択され易いように構成したので、第2入球口640に遊技球が入球することを遊技者により期待させることができる。
また、本実施形態における構成では、特別図柄の変動時間を短く構成して、遊技の効率を上げるように設定しても、デモ表示が表示され難く構成されているので、遊技者が退屈してしまう不具合を抑制できる。
次に、図2に示すように、遊技領域には、誘導路710の下方(遊技領域に略中央)に振り分け装置650に入球した遊技球の数を報知するカウンタLED680が設けられている。このカウンタLED680は、入球センサ661に遊技球が検出される度に、1ずつ更新されて、第2入球口640に入球する入球個数である64まで更新された後、次に入球センサ661により遊技球の入球が検出されると、初期値である「00」に更新される。第1〜第6振り分け部材には、回転センサ653が設けられており、各振り分け部材の回転位置を検出することができるように構成されている。よって、カウンタLED680は、各振り分け部材の回転位置から第2入球口640に入球するまでの残り個数を判別してカウンタLED680にパチンコ機10に電源が投入された際の初期設定で表示するように構成されている。このように構成することで、遊技者に正確な入球数を報知することができる。
なお、本実施形態では、カウンタLED680は、振り分け装置650へ入球した個数を表示するように構成したが、第2入球口640へ入球するまでの個数を示すように構成してもよい。
また、本実施形態では、初期設定で、各振り分け部材の位置を判別して、入球個数を判別して表示するように構成したが、それに限らず、電源投入時等は、各振り分け部材の位置に関わらず初期値である「00」で表示するように構成しておき、第2入球口640へ遊技球が入球した時点で補正して正しい入球数を表示するように構成してもよい。このように構成することで、電源投入時には、あとどのくらいで第2入球口640に入球するかを遊技者が判別することを困難にして、遊技者に予測する楽しみを提供することができる。
なお、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特別入賞口65aは、振り分け装置650の第1〜第5流路(671a〜671e)の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、振り分け装置650へ遊技球を入球させようとして遊技球を発射することで、特別入賞口65aにも遊技球を入球させることができ、さらに、振り分け装置650へも遊技球を入球させることができる。よって、所定個数毎に第2入球口640へも遊技球を入球させることができ、特別遊技状態の終了後にも、第2特別図柄の変動がすぐに開始させることができる。
また、本実施形態では、第1入球口64に入球しなかった遊技球をすべて誘導口700へ誘導して、振り分け装置650へ入球させるように構成したが、それに限らず、第1入球口64に入球しなかった遊技球のうちいくつかを誘導させるように構成してもよい。
また、本実施形態では、カウンタLED680により振り分け装置650に入球した遊技球の数を常に遊技者に報知するように構成したがそれに限らず、常時は、カウンタLEDで表示をせず、所定の抽選を実行し、当選した場合に報知するように構成してもよい。この場合、第3図柄表示装置81で表示される特別図柄の演出で、大当たりとならない場合に、遊技の演出で遊技者に入球数を知ることができる権利を与える演出を行うように構成することで、大当たりとならなかった場合でも、遊技の演出を楽しむことができる。よって、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制できる。
一方、普通始動ゲート67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物が開放され、第2入球口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通始動ゲート67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通始動ゲート67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
本実施形態では、第6流路671fより振り分け装置650の外部に排出された遊技球は、普通図柄の当たりとなり電動役物640aが開放状態となっている場合には、第2入球口640へ入球し易くなる。よって、振り分け装置640に所定個数(本実施形態では、64個)の遊技球が入球するよりも前に、第2入球口640へ遊技球を入球させることができ、遊技者に新鮮味のある遊技を行わせることができる。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。
「大当たりA」、「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16R大当たり)となる。「大当たりA」は、その後、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次に大当たりするまでの間はパチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。「大当たりB」では、「大当たりB」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(16R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間、即ち、大当たり終了後から次の大当たりまでの間のことを、特別図柄の確変期間と称す。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間、即ち、大当たり終了後から特別図柄の抽選が所定回数(100回)終了するまでの間のことを、普通図柄の時短期間と称す。尚、説明を分かり易くするために、特別図柄の抽選回数を用いて普通図柄の時短期間を示す。例えば、所定回数が100回であれば、普通図柄の時短期間が100回であると記載する。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に関わらず大当たり時のラウンド数を共通とし、その大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えている。これに対して、大当たりの種別に応じてラウンド数を変えても良いし、大当たりの種別の一部のみラウンド数を変えても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)を開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たり終了後に、「特別図柄の高確率状態」および「普通図柄の時短状態」となるが、「特別図柄の高確率状態」が終了した後に、「普通図柄の時短状態」となるように構成しても良い。
また、本実施形態では、大当たり種別が「大当たりA」になると、その「大当たりA」終了後から次の大当たりまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりB」になると、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるが、時短状態の継続期間は任意に定めればよい。例えば、大当たり種別が「大当たりA」になると、その「大当たりA」終了後から特別図柄の抽選が30回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりB」になると、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が60回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。また、特別図柄の抽選回数に代えて、所定時間(例えば、2分から5分など)が経過するまで、普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。その後、特別図柄の大当たりになると、「特別図柄の高確率状態」へ移行すると共に、「普通図柄の時短状態」へ移行する。その後、特別図柄の大当たりになって「特別図柄の低確率状態」から「特別図柄の高確率状態」へ移行すると、その状態は、「大当たりA」になると、その特別図柄の大当たり終了後から次の大当たりまで継続される。次の大当たりが「大当たりB」になると、「特別図柄の低確率状態」に戻る。
尚、「特別図柄の高確率状態」が継続されている間に、次の大当たりが「大当たりA」になると、「特別図柄の高確率状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から次の大当たりまで継続される。
また、「大当たりB」になって、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行すると、その状態は、その特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が所定回数(例えば、100回)終了するまで継続される。一方、特別図柄の大当たりになった後、所定回数分の特別図柄の抽選が終了するまでに、新たな特別図柄の大当たりにならないと、「普通図柄の通常状態」に戻る。
そして、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに「大当たりB」になると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から、100回の特別図柄の抽選が終了するまで継続される。
その結果、本実施形態では、「普通図柄の時短状態」の継続期間中に新たに特別図柄の大当たりになると、新たな大当たりになるまでに残っていた普通図柄の時短期間が無効となる。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「大当たりB」であれば、「7」を除く奇数番号である「1,3,5,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
続けて、第3図柄表示装置81において行われる大当たり演出について説明する。
主制御装置110では、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、特別図柄の抽選が行われ、その後、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドが送信され、その結果、第3図柄表示装置81では、第1図柄表示装置37の変動表示に応じて第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われる場合には、まず、第3図柄の高速変動表示が開始され、その後、予め定められた時間(例えば、10秒〜60秒など)が経過すると、第3図柄の中速変動表示へ切り替わり、更に、第3図柄の低速変動表示へ切り替わる。ここで、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、同一番号の主図柄(第3図柄)が揃う停止表示が行われ変動演出が終了し、続けて、大当たり演出が開始される。一方、特別図柄の抽選結果が外れである場合には、同一番号の主図柄(第3図柄)が揃わない停止表示が行われて変動演出が終了し、保留されている始動入賞があれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、次の変動演出が開始される。
大当たり演出は、オープニング演出が行われる期間と、ラウンド演出が行われる期間と、エンディング演出が行われる期間との3つの期間に分けられる。オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知して、遊技者の期待感を高めるための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。また、エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知すると共に、大当たり終了後に遊技者に付与される遊技価値(普通図柄の時短期間)を遊技者に報知する(時短期間表示を行う)、または、保留されている特別図柄の抽選において抽選結果が大当たりとなることを遊技者に報知する(確定演出表示を行う)ための演出である。尚、エンディング演出において、遊技価値(普通図柄の時短期間)が遊技者に報知されることを「時短期間表示」が行われると称し、保留されている特別図柄の抽選において抽選結果が大当たりとなることが遊技者に報知されることを「確定演出表示」が行われると称す。
第3図柄表示装置81において大当たり演出が行われる場合には、まず、第3図柄の停止表示がなされるタイミングに合わせて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へオープニングコマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置81では、変動演出に続けて、オープニング演出が開始される。
次に、オープニング演出が終了するタイミングに合わせて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ第1ラウンドを示すラウンド数コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置81では、オープニング演出に続けて、第1ラウンドに対応するラウンド演出が開始される。本実施形態では、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行した後、その状態は、特定入賞口65aの開閉が16回繰り返されるまで(16ラウンド)継続される。
第1ラウンドが開始され、特定入賞口65aが開放された後、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)が経過すると、特定入賞口65aが閉鎖されると共に、第1ラウンドが終了する。すると、直ぐに第2ラウンドの開始タイミングとなり、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ第2ラウンドを示すラウンド数コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置81では、第1ラウンドに対応するラウンド演出に続けて、第2ラウンドに対応するラウンド演出が開始される。第2ラウンドが開始されると、第1ラウンドの場合と同様に、特定入賞口65aの開閉制御が行われる。その後は、新たなラウンドが開始されるタイミングとなる毎に、新たなラウンド数を示すラウンド数コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されると共に、特定入賞口65aの開閉制御が行われる。これにより、第1ラウンドから第16ラウンドまでの各ラウンド演出が順番に実行される。
そして、特定入賞口65aの開閉が16回(16ラウンド)終了したタイミングに合わせて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へエンディングコマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置81では、エンディング演出が開始される。上述したように、エンディング演出では、特別遊技状態の終了が遊技者に報知されると共に、時短期間表示が行われる(大当たり終了後に遊技者に付与される遊技価値(普通図柄の時短期間)が遊技者に報知される)、または、確定演出表示が行われる(保留されている特別図柄の抽選において抽選結果が大当たりとなることが遊技者に報知される)。エンディング演出において「時短期間表示」が行われるか、「確定演出表示」が行われるかは、今回の特別図柄の大当たり種別や、保留されている特別図柄の大当たり種別などに基づいて選択される。
第3図柄表示装置81において「時短期間表示」が行われる場合には、例えば、第3図柄表示装置81の画面右下に、「チャンス100回」(期間情報の一例)と表示される。この画面は、特別図柄の抽選がなされ、抽選結果が「大当たりB」である場合に表示されるものであり、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでは、普通図柄の時短状態が継続されることを意味する。遊技者は、この画面が表示されると、これから普通図柄の時短状態が継続される期間(普通図柄の時短期間)を容易に認識することができる。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第1入球口64へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期間感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
一方、第3図柄表示装置81において「確定演出表示」が行われる場合には、例えば、第3図柄表示装置81の画面右下に、「スーパーチャンス!」(別の情報一例)と表示される。この画面は、保留されている特別図柄の抽選うち、何れかの抽選がなされた場合に抽選結果が必ず大当たりとなることを意味する。遊技者は、この画面が表示されると、保留されている特別図柄の抽選において特別図柄の大当たりになることを認識できるので、確実に特別図柄の大当たりになるという期待感を、遊技者に対して持たせることができる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が普通始動ゲート67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が普通始動ゲート67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が普通始動ゲート67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通始動ゲート67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図7を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図8を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図10参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図19参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図10参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図19参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄大当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この特別図柄大当たり乱数テーブルは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。尚、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)と、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は3個あり、その乱数値である「7,107,282」は、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が3なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/100」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は30個あり、その値である「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」は、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が30なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
尚、本実施形態では、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図9(c)に示すように、第1入球口64への入賞に対する抽選である場合には、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜30」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「31〜59」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。さらに、値が「60〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」となる。一方、第2入球口640への入賞に対する抽選である場合には、乱数値が「0〜59」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「60〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」となる。
このように、第1入球口64への入賞よりも第2入球口640に対する入賞のほうが、確変となる割合は変わらないものの、16ラウンド確変大当たりである「大当たりA」となる割合が高く設定されている。よって、第2入球口640に入球することを遊技者により有利であると感じさせることができる。従って、第1入球口64へ入賞が少なくなるように、第1入球口64付近に配置されている釘の間隔が調整されている場合であっても、振り分け装置650への入球数が増えるので、遊技者はそのことに魅力を感じて遊技を続けることができる。
本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、3種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC)が決定されるように構成されている。尚、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、特別図柄大当たり種別テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
尚、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図19参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターンテーブルには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA・大当たりB・大当たりC共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通図柄当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図8(b)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、普通図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通始動ゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通始動ゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図10参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図19参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図7に戻り、説明を続ける。RAM203は、図8に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図19参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図18参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図9(b)に示すように、第1特別図柄保留球格納エリア203aと、第2特別図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄実行エリア203cと、特別図柄保留球数カウンタ203dと、普通図柄保留球格納エリア203eと、普通図柄保留球数カウンタ203fと、時短中カウンタ203g、確変フラグ203hとを有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、第1入球口64への入賞に基づいて取得した第1特別図柄に対応する各データを保留球毎(入賞順)に最大4つの保留球まで記憶する記憶エリアである。
第2特別図柄保留球格納エリア203bは、、第2入球口640への入賞に基づいて取得した第2特別図柄に対応する各データを保留球毎(入賞順)に最大4つの保留球まで記憶する記憶エリアである。
第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bは、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)をそれぞれ有している。これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203b(第2特別図柄保留球格納エリア203bが優先)の保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、特別図柄実行エリア203cへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
特別図柄実行エリア203cは、上述したように、特別図柄の変動を新たに開始する場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各データがシフトされて記憶される記憶エリアである。この特別図柄実行エリア203cには、次の新たな特別図柄の変動開始するデータが記憶されるまで記憶されており、電源断等が発生しても、データが失われないように設定されている。
特別図柄保留球数カウンタ203dは、第1入球口64、第2入球口640それぞれへの入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される(図13のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図11のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図11のS206、図20のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223cによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球格納エリア203eは、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bと同様に、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有し、特別図柄実行エリア203cと同様に実行エリアを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの普通始動ゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通始動ゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球が普通始動ゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図16のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図15のS605参照)。
球が左右何れかの普通始動ゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図16のS705)。一方、球が左右何れかの普通始動ゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図16のS703:No)。
時短中カウンタ203gは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203gは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、特別図柄の大当たりと判定される度に、その大当たり種別に応じた値が設定される。即ち、特別図柄の大当たりになった場合には、時短中カウンタ203gの値が幾つであるかに関わらず、大当たり種別に応じた値が新たに設定される。
具体的には、大当たり種別が「大当たりC」であると判定されると100に設定される(図11のS213参照)。その後、時短中カウンタ203gの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図11のS221)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203gの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203gの値が0であれば、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図15のS610,S611参照)。
また、本実施形態では、第1入球口64への球の入賞を3回のタイマ割込処理にわたって検出している。具体的には、1のタイマ割込処理(1回目のタイマ割込処理)で第1入球口64に対応して設けられた第1入球口スイッチ(図示せず)がオフであることを検出した後、続くタイマ割込処理(2回目のタイマ割込処理)で第1入球口スイッチがオンであることを検出し、さらに続くタイマ割込処理(3回目のタイマ割込処理)で第1入球口スイッチがオンであることを検出した場合に、第1入球口64に球の入賞があったことを検出する。これにより、ノイズの影響によって第1入球口スイッチの出力が変動した場合に、球の入賞の誤検出を防ぐことができるようになっている。このように、第1入球口64への球の入賞を3回のタイマ割込処理にわたって検出するので、あるタイマ割込処理で第1入球口64への入賞が検出された場合、次のタイマ割込処理では絶対に第1入球口64への入賞は検出されない。よって、繰り返し実行されるタイマ割込処理のうち、実行順序が連続する2つのタイマ割込処理において共に、始動入賞が検出されることはない。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
<音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
また、音声ランプ制御装置113の入出力ポートには、排出センサ690、入球センサ661、回転センサ653、カウンタLED680が電気的に通信可能に接続されている。
排出センサ690は、図3に示すように第1〜第7排出センサ(690a〜690g)で構成されており、遊技球が通過可能な開口部をそれぞれ有しており、その開口部を遊技球が通過したことを検出することが可能な透過型のセンサである。この排出センサ690により振り分け装置650より排出される遊技球の数を計数することができる。排出センサ690は、遊技球の通過を検出すると、第1〜第7排出センサ(690a〜690g)を識別可能な信号で遊技球の排出を音声ランプ制御装置113に対して通知する信号を出力する。
入球センサ661は、図3に示すように、連通口662から流入する遊技球が通過可能な開口部を有しており、その開口部を通過する遊技球を検出可能に構成された透過型のセンサである。これにより、振り分け装置650に入球する遊技球の数をカウントすることができる。なお、連通口662より流入する遊技球はすべて、入球センサ661を通過する構成となっている。
回転センサ653は、第1〜第6振り分け部材650a〜650fのそれぞれに配置されており、それぞれの回転角度を検出する角度センサである。この回転センサ653は、第1〜第6振り分け部材650の磁石900aがパチンコ機10の垂直方向を向いた状態で0度となるように設定されており、右方向に回動するとプラスの値、左方向に回動するとマイナスの値を示す信号を音声ランプ制御装置113に対して出力する。この信号により音声ランプ制御装置113は、第1〜第6振り分け部材(650a〜650f)のそれぞれの状態(回動位置)を認識することができる。
カウンタLED680は、図2に示すように、遊技領域の略中心位置に配置されて、振り分け装置650への遊技球の入球数を表示する7セグの表示装置である。このカウンタLED680に表示される入球数は、入球カウンタ223eの値に基づいて表示され、0〜64の値で表示される。
これにより、遊技者は、あと何球が振り分け装置650に入球したら第2入球口640へ遊技球が入球するかを判別することができる。なお、電源投入時には、立ち上げ処理(図20参照)により各振り分け部材の位置が判別され、その位置より入球カウンタ223eの値が設定されることにより、正しく第2入球口640に入球するまでに必要な個数を遊技者に認識できるように報知できる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、入球カウンタ223eと、排出カウンタ223fと、入球後時間カウンタ223gとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、第1特別図柄と第2特別図柄と共通して対応する1つの実行エリアと、第1特別図柄と第2特別図柄とのそれぞれに対応した4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図30のS1408参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図22のS1402参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図23のS1502参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図21参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図22のS1405参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図23のS1507参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別をそのまま設定する。
入球カウンタ223eは、振り分け装置650に入球した個数をカウントするカウンタである。この入球カウンタ223eは、入球センサ661がオンすることに基づいて1ずつカウントされる(図24のS1605参照)。また、0〜64までの間で更新され、最大値である64から更新されると初期値である0に更新される。
なお、本実施形態では、入球カウンタ223eは、第2入球口640に入球することとなる入球個数である64を最大値としたが、それに限らず、電源断されるまでの入球数をカウントするように構成してもよい。
排出カウンタ223fは、振り分け装置650より第1〜第7排出センサ(690a〜690g)のいずれかより振り分け装置650外へと排出された個数をカウントするカウンタである。排出カウンタ223fは、第1〜第7排出センサ(690a〜690g)のいずれかがオンしている場合に、そのオンしている数が加算されて更新される(図24のS1610参照)。なお、この排出カウンタ223fは、0〜64までの間で更新され、最大値である64を越えて更新される場合には初期値である0に更新されるように構成されている。
なお、上述した入球カウンタ223eと排出カウンタ223fとは、振り分け装置650に入球した数と排出された数とが一致するかを比較することにより、不正に振り分け装置650内に遊技球が入球されていないかを判別するためのカウンタである。
入球後時間カウンタ223gは、振り分け装置650に遊技球が入球してから次の遊技球が入球するまでの時間を計測するためのカウンタである。この入球後時間カウンタ223gは、入球センサ661がオンすることに基づいて、初期値である0にリセットされる(図24のS1606参照)。入球センサ661がオンしていないと振り分け処理(図24、S1313)が実行される毎に判別される度に1ずつカウントされて更新される。なお、このカウンタの値は、振り分け処理(図24、S1313)の実行周期によりカウンタの値から経過時間が判別される。この入球後時間カウンタ223gの値により、振り分け装置650に最後に遊技球が入球してから25秒以上が経過したと判別した場合に、入球カウンタ223eと排出カウンタ223fとの値が比較されて、一致するかの判別を実行することで、不正が行われていないかの検出が実行される(図24のS1611〜S1613参照)。
このように、最後に振り分け装置650に入球してから25秒が経過してから入球数と排出数との比較を行うことで、振り分け装置650内と流下している遊技球があり、正確な入球数と排出数とが認識できない不具合を抑制できる。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図30参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図10を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図24参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図10から図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図10は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、図11〜図14を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通始動ゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図15および図16を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図11を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図11は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図17参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。その後、特別図柄変動開始処理を実行する(S204)。この特別図柄変動開始処理(S204)については、図12を参照して詳細について説明する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S205)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S205:No)、本処理を終了する。
一方、S205の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S205:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S206)。停止図柄の設定は、図11を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S204)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCとなる場合には赤色と青色とのLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S207)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S207:Yes)、3種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB、大当たりC)のうち、大当たり種別が何であるかを判定し(S208)、大当たり種別が大当たりAであれば、確変フラグ203hをオンに設定し(S209)、大当たり遊技のラウンド回数を16ラウンドに設定する(S210)。また、大当たり種別が大当たりBであれば、確変フラグ203hをオンに設定し(S211)、大当たり遊技のラウンド回数を8ラウンドに設定する(S212)。大当たり種別が大当たりCであれば、時短中カウンタ203gに100を設定し(S213)、ラウンド回数を16ラウンドに設定する。そして、特別図柄の大当たりの開始を設定し(S215)、本処理を終了する。S215の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図19参照)の大当たり制御処理(S1004)が実行された場合に、オープニングコマンドが設定される。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S207の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S207:No)、時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判定し(S215)、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば(S215:Yes)、時短中カウンタ203gの値を1減算して(S216)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203gの値が0であれば(S215:No)、S216の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図12を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S204)について説明する。図12は、特別図柄変動開始処理(S204)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S204)は、タイマ割込処理(図10参照)の特別図柄変動処理(図11参照)の中で実行される処理であり、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球数カウンタ203dのうち、第2特別図柄の保留球数(N2)が0より大きいか判別する(S301)。N2の値が0より大きい値であれば、保留球数(N2)より1減算して更新し(S302)、保留球数コマンドを設定する(S303)。第2特別図柄保留球格納エリア203bのデータをシフトする(S304)。その後、S309の処理を実行する。
一方、S301の処理において、第2特別図柄の保留球数(N2)が0であると判別した場合には(S301:No)、第1特別図柄の保留球数(N1)の値が0であるか判別する(S305)。第1特別図柄の保留球数(N1)の値が0でないと判別した場合には(S305:Yes)、第1特別図柄の保留球数(N1)の値を1減算して更新し(S306)、保留球数コマンドを設定する(S307)。第1特別図柄保留球格納エリア203aのデータをシフトする(S308)。その後、S309の処理を実行する。
このように、本実施形態では、第2特別図柄に保留球が記憶されている場合には、第1特別図柄の保留球よりも優先して実行される。よって、振り分け装置650に入球して第2入球口640に入球するとすぐに第2特別図柄の変動が開始されることとなり、遊技者が有利な当たりになることを期待させることができる。
次に、S309の処理では、変動開始する第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bのデータが設定されている特別図柄実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S309)。
次に、確変フラグがオン、即ち、高確率遊技状態中(確変中)であるか判定する(S310)。確変中である場合は(S310:Yes)、S309の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S311)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている30の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」の30個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S310の処理において、確変中でない場合は(S310:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるので、S309の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S312)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている3の乱数値と1つ1つ比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「7,107,282」の3個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S313の処理へ移行する。
そして、S311またはS312の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S313)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S313:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S314)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄大当たり種別テーブルに格納されている乱数値とを比較し、3種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB、大当たりC)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1特別図柄の変動であれば、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜30」の範囲にあれば、大当たりA(16R大当たり、特別図柄の確変)であると判定し、「31〜59」の範囲にあれば、大当たりB(8R大当たり、特別図柄の確変)であると判定し、「60〜99」の範囲にあれば、大当たりC(16R大当たり、時短回数100回)であると判定する(図9(c)参照)。一方、第2特別図柄の変動であれば、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜59」の範囲にあれば、大当たりA(16R大当たり、特別図柄の確変)であると判定し、「60〜99」の範囲にあれば、大当たりC(16R大当たり、時短回数100回)であると判定する(図9(c)参照)。
このS314の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S315)。S315の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA・大当たりB・大当たりC共用の変動パターンとしては、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとしては、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。
S313の処理において、特別図柄の外れである判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S316)。S316の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S317)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S315の処理またはS317の処理が終わると、次に、S315の処理またはS317の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S318)。次いで、S314又はS316の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S318)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図19)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S319の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
なお、本実施形態では、第2特別図柄の変動では、第1特別図柄よりも、当否判定結果が外れである場合にスーパーリーチ等の変動時間が長い変動パターンが選択され易く構成されている。これにより、振り分け装置650に64球の遊技球が入球して第2入球口640に入球して特別図柄の変動が開始されると比較的長い変動時間の変動パターンが選択されるので、その時間に遊技者が遊技球を発射することで、より振り分け装置650へ遊技球を入球させることとなる。第2特別図柄の変動が終わると、振り分け装置650への入球数が64個に近づいているので、遊技者は、再び64個入球させることを苦に思わずに遊技を行うことができる。よって、遊技者により長時間遊技を行わせることができる。
次に、始動入賞情報処理(S105)を説明する。図13のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図13は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図10参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S404)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、S407の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図19参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S406)、本処理を終了する。尚、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S407の処理では、S401〜S406までと同一の処理が第2入球口640への入球に対して実行される。なお、第1特別図柄保留球数格納エリア203aが第2特別図柄保留球数格納エリア203bに置き換えて実行される。
S412の処理が実行された後には、先読み処理を実行する(S413)。先読み処理(S413)については、図14を参照して、詳細について説明する。
図14は、先読み処理(S413)を示したフローチャートである。先読み処理(S413)では、まず、第1入球口64または第2入球口640に入球したか判別する(S501)。第1入球口64または第2入球口640に入球したと判別した場合には(S501:Yes)、取得した各カウンタ値を変動開始時の遊技状態(確変か通常か)に基づいて当否判定を実行する(S502)。
S502で実行した当否判定結果が大当たりであるか判別する(S503)。当否判定結果が大当たりであると判別した場合には(S503:Yes)、大当たり入賞コマンドを設定する(S504)。一方、S503の処理において、当否判定結果が外れであると判別した場合には(S503:No)、外れ入賞コマンドを設定する(S505)。その後、この処理を終了する。なお、S501の処理において、第1入球口64または第2入球口640に入球していないと判別した場合には(S501:No)、この処理を終了する。
次に、図15を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図15は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図10参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判定する(S608)。尚、時短中カウンタ203gは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203gの値が1以上である場合は(S608:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S609)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、特別入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図9(d)参照)。
S608の処理において、時短中カウンタ203gの値が0である場合は(S608:No)、S611の処理へ移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図9(d)参照)。
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判定し(S614)、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、時短中カウンタ203gの値が0である場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
S619の処理では、時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判定し(S619)、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば(S619:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S620)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203gの値が0であれば(S619:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S621)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83にいおいて停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83にいおいて停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図26参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図26参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図16のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図17は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図17参照)の中で実行され、普通始動ゲート67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通始動ゲート67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、普通始動ゲート67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通始動ゲート67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球が普通始動ゲート67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が普通始動ゲート67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、球が普通始動ゲート67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。尚、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図17は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図18を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図18は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS912へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS912へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、図26のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S912の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S913,S914)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。RAMの初期化処理(S913,S914)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S913)、その後、RAM203の初期値を設定する(S914)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S911)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図19を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図19は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図10参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図10参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図11参照)や始動入賞処理(図13参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図示なし)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図15参照)のS625の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図12参照)のS308の処理またはS310の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図12参照)のS308の処理またはS310の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図12参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図15参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図15参照)のS623の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図15参照)のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
ここで、S1001〜S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図17のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1008の処理は、S1001〜S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
<音声ランプ制御処理113により実行される制御処理について>
次に、図20から図24を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図20を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図20は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1316の電源断処理(図21参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1202)。図21を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図21のS1315参照)、S1316の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1316の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1202:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1316の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1203)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1206の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1203:Yes)、S1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1203:No)、S1208へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1203:Yes)、S1204へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1316の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1203:No)、S1208へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1202:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1316の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1204の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1204)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1205:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1206)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1205:No)、RAM223の異常を報知して(S1207)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1208の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1208)。電源断フラグはS1316の電源断処理の実行時にオンされる(図21のS1317参照)。つまり、電源断フラグは、S1316の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1316の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1208:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1209)、RAM223の初期値を設定する(S1210)。
S1210の後には、回転センサ653より第1〜第6振り分け部材(650a〜650f)のそれぞれの位置(左側受け部、右側受け部のいずれが上方を向いているか)を判別して、その判別した位置より入球数を算出して、入球カウンタ223eに設定する(S1211)。その後、割込み許可を設定して(S1212)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。ここで、立ち上げ処理(図20参照)で入球カウンタ223eの値が設定されると、カウンタLED680に対して、入球カウンタ223eの値に基づいた値が表示される。このように、電源がパチンコ機10に投入されると、各振り分け部材の位置が判別されて、正確な値がカウンタLED680に表示されるので、遊技者に正しい情報を報知することができる。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1208:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1209をスキップして、処理をS1210へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定して(S1212)、メイン処理へ移行する。
なお、S1209のクリア処理をスキップするのは、S1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至った場合には、S1204の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図21を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図21は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1301の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1301)、1m秒以上経過していなければ(S1301:No)、S1302〜S1310の処理を行わずにS1311の処理へ移行する。S1301の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1302〜S1310が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1311の変動表示設定処理や、S1312のコマンド判定処理や、S1313およびS1314のカウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1312の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1311の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1301の処理で1m秒以上経過していれば(S1301:Yes)、まず、S1303〜S1312の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1302)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1308の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1303)、その後電源投入報知処理を実行する(S1304)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1305の処理へ移行する。
S1305の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1306)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1307)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1307の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1308)、その後音編集・出力処理を実行する(S1309)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1309の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1310)、S1311の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1308のランプ編集処理が実行される。なお、S1309の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1311の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1311)。このコマンド判定処理の詳細については、図30を参照して後述する。コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1312)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図33を参照して後述する。
S1312の処理が終わると、振り分け処理(S1313)が実行される。振り分け処理(S1313)については、図24を参照して詳細について説明するが、振り分け装置650に遊技球が入球したかの判別や、振り分け装置650から遊技球が排出されたかの判別が実行される。そして、入球カウンタ223eの更新を実行して、カウンタLED680の表示を更新する処理が実行される。この振り分け処理(S1313)については、図24を参照して後述する。
S1314の処理では、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1314)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1315の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1315:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1316)、電源断処理を実行する(S1317)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1318)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1314の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1314:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1315)、RAM223が破壊されていなければ(S1317:No)、S1301の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1315:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図22を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1311)について説明する。図30は、このコマンド判定処理(S1311)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1311)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図29参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1401)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1401:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1402)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1403)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図33参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1401:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1404)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1404:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1405)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1406)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図33参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1404:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1407)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1407:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1408)。また、S1408の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1408の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1408の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。尚、S1408の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1407の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1407:No)、次いで、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1419)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1312)について説明する。図33は、この変動表示設定処理(S1312)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1312)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図29参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1701)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1701:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1706の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1701:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1702)、次いで、コマンド判定処理(図30参照)のS1403の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1703)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1704)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1705)。S1705の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1706の処理へ移行する。
S1706の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1706)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1706:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1706:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S1707)、次いで、コマンド判定処理(図30参照)のS1406の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1708)。
次いで、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S1709)、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1710)。
次に、図24を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される振り分け処理(S1313)について説明する。図24は、この振り分け処理(S1313)の内容を示したフローチャートである。
振り分け処理(S1313)では、まず、第2入球口640に遊技球が入球(入賞)したか判別する(S1601)。第2入球口640に遊技球が入球したと判別された場合には(S1601:Yes)、第6振り分け部材650fの位置は正常(本実施形態では、左側受け部651fが上方を向いた位置)であるか回転センサ653より判別される。第6振り分け部材650fの位置が正常であると判別された場合には(S1602:Yes)、S1604の処理を実行する。一方、S1602の処理において、第6振り分け部材650fの位置が異常であると判別した場合には(S1602:No)、表示用エラーコマンドの設定を実行する(S1603)。この表示用エラーコマンドは、表示制御装置114に対して出力され、表示制御装置114では、このコマンドを受信することで、第3図柄表示装置81にエラーを示す文字や図柄、背景色を表示して異常が発生したことを報知する。
一方、S1601の処理において、第2入球口640に遊技球が入球していないと判別した場合には(S1601:No)、振り分け装置650に遊技球が入球したか、即ち、入球センサ661がオンであるか判別する(S1604)。入球センサ661がオンであると判別した場合には(S1604:Yes)、入球カウンタ223eの値に1加算して更新し(S1605)、入球後時間カウンタ223gの値をリセットする(S1606)。その後、更新された入球カウンタ223eの値に基づいて、カウンタLED680の表示を更新する処理を実行する(S1608)。その後、S1609の処理を実行する。
このように、振り分け装置650に遊技球が入球することに基づいて、入球後時間カウンタ223gの値がリセットされるので、正しく振り分け装置650に遊技球が入球してから次に振り分け装置650に遊技球が入球するまでの時間を計測することができる。
一方、S1604の処理において、入球センサ661がオフである、即ち、振り分け装置650に遊技球が入球していないと判別した場合には(S1604:No)、入球後時間カウンタ223gの値が経過時間に対応したカウンタ値(本実施形態では、1加算)だけ加算する(S1607)。その後、S1609の処理を実行する。S1609の処理では、第1〜第6排出センサ(690a〜690f)のうちいずれかはオンであるか判別する(S1609)。第1〜第6排出センサ(690a〜690f)のうち、いずれかがオンであると判別した場合には、オンになっている排出センサの数を排出カウンタ223fに加算する(S1610)。その後、S1611の処理を実行する。なお、この排出カウンタ223fは、上限値である64個を越えると、その上限値分を減算した値に更新される構成となっている。一方、S1609の処理において、排出センサがいずれもオンでないと判別した場合には(S1609:No)、S1611の処理を実行する。
S1611の処理では、振り分け装置650に遊技球が入球してから次の遊技球が入球するまでの間が、25秒以上経過しているか判別する(S1611)。ここでは、入球後時間カウンタ223gの値により判別する。入球後時間カウンタ223gの値が25秒以上であると判別した場合には(S1611:Yes)、入球カウンタ223eと排出カウンタ223fとの値は一致するか、即ち、入球数と排出数が一致するか判別する(S1612)。入球数と排出数が一致すると判別した場合には(S1612:Yes)、この処理を終了する。一方、S1612の処理において、入球数と排出数とが不一致であると判別した場合には(S1612:No)、表示用エラー報知コマンドを設定する(S1613)。その後、この処理を終了する。
このように、振り分け装置650に遊技球が入球した後、一定時間(本実施形態では、25秒)入球しない場合に、入球数と排出数とが一致するかの判別を実行するので、振り分け装置650内を流下している遊技球が無くなった状態が発生すると一致しているかの判別を行うことができる。よって、正確に一致、不一致を判別することができる。振り分け装置650に不正な方法で多量に入球させられいた場合にも、遊技者の切り替わり等で不正を判別することができ、継続して不正が行われることを抑制できる。
なお、本実施形態では、可変表示装置ユニット80の左側の遊技領域より流下して、第1入球口64へ入賞しなかった遊技球をすべて誘導口700へ入球するように誘導路710により誘導されるように構成したが、それに限らず、誘導路710に開口部を設けて、いくつかの遊技球は誘導口700へ入球しないように構成してもよい。
また、本実施形態では、振り分け装置650から排出される遊技球が可変入賞装置65に入賞するように振り分け装置650の下方に可変入賞装置65を配置するように構成したが、それに限らず、誘導路700の一部(例えば、誘導口700の右側)に遊技球が通過可能な開口部を設けて、その開口部を通過する遊技球が入球可能な位置に可変入賞装置65を配置する。この可変入賞装置65は、可変表示装置ユニット80の右側を通過して流下する遊技球も入球可能な位置に配置する。このように構成することで、大当たり遊技が開始された場合に、遊技者は、第2入球口640に対応する保留球が最大数の4個となり、振り分け装置65への入球数が63個となったところで、可変表示装置ユニット80の右側を遊技球が流下するように遊技球を発射するように操作ハンドル51を操作することで、大当たり遊技後に、第2特別図柄の変動が開始されて、保留球が1球消化された後に振り分け装置650へ遊技球を1球入球させるとすぐに第2入球口640へ入球させることができる。よって、大当たり遊技後に消費する遊技球の数を少なくすることができる。
なお、本実施形態では、表示制御装置114の詳細な説明について省略したが、第3図柄表示装置81に対して、画像を表示する制御が実行されるが、公知の制御であるので、その詳細な図示と説明を省略する。
なお、表示制御装置114において、特別図柄の変動が停止表示されると、その後の時間が計測されて、所定時間(本実施形態では、1分間)経過しても次の特別図柄の変動表示が開始されない場合には、第3図柄表示装置81に遊技機の説明等を表示するデモ表示が表示される。特別図柄の変動表示が開始されると計測していた時間をリセットするしょりが実行される。
遊技者は、遊技中にデモ画面が表示されると、極端に第1入球口64または第2入球口640への入球数が少なく設定されていると判断するが、本実施形態では、デモ画面が表示されるよりも前に、第2入球口640へ遊技球が入球するように設定したので、遊技者に遊技機の設定(入球割合)について不満に思わせる不具合を抑制できる。
<第2実施形態におけるパチンコ機10について>
次に、図25〜図27を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上記した第1実施形態の構成では、振り分け装置650に対して、不正に多量な遊技球が入球させられていないかを、遊技者の切り替わり等の所定時間、振り分け装置650に遊技球が入球しない状態で判定するように構成した。それに対して、本第2実施形態における構成では、遊技者が遊技中している際中、即ち、振り分け装置650に頻繁に遊技球が入球している状態でも不正が行われていないかを判別することができる構成とした点で第1実施形態とは相違する。その他の第1実施形態と同一の構成については、その詳細な説明は省略する。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図25を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図25は、この第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。本第2実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のRAM223には、第1実施形態に対して、入球後時間カウンタ223gが削除され、入賞間隔カウンタ223h、入球上限フラグ223iがそれぞれ追加されている。その他の構成については、第1実施形態と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
入賞間隔カウンタ223hは、第2入球口640に遊技球が入球してから次に第2入球口640に遊技球が入球するまでの時間を計測するためのカウンタである。この入賞間隔カウンタ223hは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する振り分け処理2(図26、S1320)のS1629の処理により第2入球口640に入球していないと判別された場合に経過時間が更新される。一方、S1622の処理において、第2入球口640に入球したと判別されて、その場合に入賞間隔カウンタ223hの値が正常であると判別された場合に、入賞間隔カウンタ223hの値がリセットされて更新される。
このように、入賞間隔カウンタ223hは、第2入球口640に入球した間隔を計測するためのカウンタである。本実施形態の構成では、低確率遊技状態では、普通図柄の当たりとなり電動役物640aが開放している状態で無いと、所定個数毎に第2入球口640に入球することとなり、短時間に連続して第2入球口640に入球することが困難な構成となっている。そのため、入賞間隔カウンタ223hにより第2入球口640に入球する間隔を計測して、その値を判別することで、不正に第2入球口640に遊技球が入球されていないかを判別できる。よって、早期に不正を検知することができる。
入球上限フラグ223iは、入球カウンタ223eが上限値まで更新された後に更新されて初期値に更新されたことを示すフラグである。この入球上限フラグ223iは、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される振り分け処理2(図26、S1320)のS1626の処理によりオンに設定される。一方、不正検知処理(図27、S1628)のS1707の処理おいてオフに設定される。
このように、入球カウンタ223eの値が初期値に更新されたことを示すフラグを設定することで、排出カウンタ223fの値が上限値(64)以上となった場合に、入球上限フラグ223hが更新されているかを判別することで、入球センサ661を介さずに不正に振り分け装置650に遊技球が入球されていないかを判別することができる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図26〜図27を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。本第2実施形態では、第1実施形態に対して、第1実施形態における振り分け処理(図24、S1313)が振り分け処理2(図26、S1320)に変更されている。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明を省略する。
図26を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される振り分け処理2(S1320)について説明する。図26は、この振り分け処理2(S1320)を示したフローチャートである。
S1601〜S1603までの各処理は、第1実施形態と同一の処理である。S1603の処理が実行された後、S1602の処理において、第6振り分け部材650fの位置が正常であると判別した場合には(S1602:Yes)、入賞間隔カウンタ223hの値が基準値(本実施形態では、38秒以上)であるか判別する(S1621)。入賞間隔カウンタ223hの値が基準値以上であると判別した場合には(S1621:Yes)、入賞間隔カウンタ223hの値をリセットする(S1622)。一方、入賞間隔カウンタ223hの値が基準値未満であると判別した場合には(S1621:No)、普通図柄の高確率状態(時短中または確変中)であるか判別する(S1623)。普通図柄の高確率状態であると判別した場合には(S1623:Yes)、S1622の処理を実行する。一方、S1623の処理において、普通図柄の低確率状態であると判別した場合には(S1623:No)、表示用エラー報知コマンドを設定する(S1624)。
S1604〜S1605の各処理は、第1実施形態と同一の処理である。S1625の処理では、入球カウンタ223eの値が上限値(本実施形態では、64)を越えているいるか判別する(S1625)。上限値を越えていると判別した場合には(S1625:Yes)、入球上限フラグ223iをオンに設定する(S1626)。入球カウンタ223eの値を初期値である0にリセットする(S1627)。一方、S1625の処理において、入球カウンタ223eが上限値以下であると判別した場合には(S1625:No)、S1608の処理を実行する。S1608の処理では、カウンタLED680の表示を更新する処理を実行する。その後、不正検知処理を実行する(S1628)。一方、S1601の処理において、第2入球口に入球していないと判別した場合には(S1601:No)、入賞間隔カウンタ223hを経過時間分更新する(S1629)。その後、S1604の処理を実行する。なお、不正検知処理(S1628)については、図27を参照して、詳細について説明する。
図27は、不正検知処理(S1628)を示したフローチャートである。不正検知処理(S1628)では、まず、第1〜第6排出センサ(690a〜690f)のいずれかはオンであるか判別する(S1701)。第1〜第6排出センサ(690a〜690f)のうち、いずれかがオンであると判別された場合には(S1701:Yes)、オンになっている排出センサの数を排出カウンタ223fの値に加算する(S1702)。排出カウンタ223fの値は、上限値(本実施形態では64)より大きい値であるか判別する(S1703)。排出カウンタ223fの値が上限値より大きい値であると判別した場合には(S1703:Yes)、入球上限フラグ223iはオンであるか判別する(S1704)。入球上限フラグ223iがオンであると判別した場合には(S1704:Yes)、排出カウンタ223fより上限値を減算して、排出カウンタ223fに設定する(S1705)。その後、S1707の処理を実行する。一方、入球上限フラグ223iがオフであると判別した場合には(S1704:No)、表示用エラー報知コマンドを設定する(S1706)。その後、S1707の処理を実行する。S1707の処理では、入球上限フラグ223iをオフに設定する(S1707)。その後、この処理を終了する。
このように、排出カウンタ223fの値が上限値を越える場合に、入球上限フラグ223iがオンであるかを判別することで、入球数と排出数とが大きく不一致となっていないかを判別することができる。よって、遊技の途中で、振り分け装置650内を遊技球が流下している状態であっても、入球数と排出数との比較を行うことができ、不正をより早く検知することができる。
上記実施形態においては、第1入球口64、第2入球口640への入賞および普通始動ゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>
遊技球が入球可能な第1入球口とその第1入球口とは異なる遊技球が入球可能な第2入球口と、前記第1入球口に遊技球が入球したことを検出する第1検出手段と、前記第2入球口に遊技球が入球したことを検出する第2検出手段と、前記第1検出手段または前記第2検出手段により遊技球が入球したことが検出されたことに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、その判定手段の判定結果を示す識別情報を表示する表示手段とを有した遊技機において、前記第1入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な開口部と、その開口部に入球した遊技球の数が予め定められた個数となった場合に、その個数目の遊技球を前記第2入球口へ入球し易い第1流路に振り分け、前記予め定められた個数目の遊技球以外の遊技球を前記第1流路よりも前記第2入球口へ入球し難い第2流路に振り分けることが可能な振り分け手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、第1入球口に遊技球が入球したことが第1検出手段により検出される。また、第2入球口に遊技球が入球したことが第2検出手段により検出される。第1検出手段または第2検出手段により遊技球が入球したことが検出されたことに基づいて所定の判定が判定手段により実行される。その判定手段の判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。第1入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な開口部に入球した遊技球の数が予め定められた個数となった場合に、その個数目の遊技球を第2入球口へ入球し易い第1流路に振り分け、予め定められた個数目の遊技球以外の遊技球を第1流路よりも第2入球口へ入球し難い第2流に振り分け手段により振り分けられる。これにより、第1入球口に遊技球が入球しなかった場合にも、所定個数毎に第2入球口に遊技球を入球させることができる。よって、第1入球口に入球しなかった場合にも、所定個数毎に第2入球口に入球することで、識別情報が動的表示開始される頻度を高めることができ、遊技者が飽きてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1において、前記振り分け手段は、前記開口部に入球した遊技球を前記第1流路とその第1流路とは異なる第2流路に振り分ける第1振り分け部材と、前記第1振り分け部材により前記第1流路に振り分けられた遊技球を前記第2流路と前記第2入球口へと振り分ける第2振り分け部材とを少なくとも有しているものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開口部に入球した遊技球を第1流路とその第1流路とは異なる第2流路に振り分ける第1振り分け部材と、第1振り分け部材により第1流路に振り分けられた遊技球を第2流路と第2入球口へと振り分ける第2振り分け部材とが振り分け手段に設けられているので、第1振り分け部材に第1流路に振り分けられた遊技球が第2振り分け部材により第2入球口へと振り分けられるかを楽しむことができるという効果がある。
遊技機A2において、前記第1振り分け部材は、回動可能に固定される第1回動軸部と、前記開口部に入球した遊技球を受け入れて、その受け入れた遊技球により第1方向に前記第1振り分け部材を回動させることで遊技球を前記第1流路に振り分けることが可能な第1受け部と、前記開口部に入球した遊技球を受け入れて、前記第1方向とは反対方向の第2方向に前記振り分け部材を回動させることで遊技球を前記第2流路に振り分けることが可能な第2受け部とを有し、前記第2振り分け部材は、回動可能に固定された第2回動軸部と、前記第1振り分け部材により前記第1流路に振り分けられた遊技球を受け入れて、その受け入れた遊技球により前記第1方向に前記第2振り分け部材を回動させることで遊技球を前記第2入球口へ振り分けることが可能な第3受け部と前記第2振り分け部材を前記第2方向へ回動させることで遊技球を前記第2流路へ振り分けることが可能な第4受け部とを有しているものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1回動軸部により第1振り分け部材が回動可能に固定される。開口部に入球した遊技球を第1振り分け部材の第1受け部に受け入れて、その受け入れた遊技球により第1方向に第1振り分け部材を回動させることで遊技球が第1流路に振り分けられる。また、開口部に入球した遊技球を第1振り分け部材の第2受け部に受け入れて、第1方向とは反対方向の第2方向に振り分け部材を回動させることで遊技球が第2流路に振り分けられる。第2振り分け部材が、第2回動軸部により回動可能に固定される。第1振り分け部材により第1流路に振り分けられた遊技球を第2振り分け部材の第3受け部に受け入れて、その受け入れた遊技球により第1方向に第2振り分け部材を回動させることで遊技球が第2入球口へ振り分けられる。第2振り分け部材の第4受け部に遊技球を受け入れて、第2方向へ回動させることで遊技球が第2流路へ振り分けられる。これにより、第1振り分け部材と第2振り分け部材との位置関係により振り分けられる流路が変化するので、遊技者は、事前にどの流路に振り分けられるかを予測できる。よって、振り分けられる流路を予測することを楽しむことができ、遊技に早期に飽きてしまうのを抑制できる。
遊技機A1からA3のいずれかの遊技機において、前記第1入球口の下側に配置されて、前記第1入球口に入球しなかった遊技球を前記開口部へと誘導する誘導部材を有するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1から遊技機A3のいずれかの奏する効果に加え、第1入球口に入球しなかった遊技球を開口部へと誘導する誘導部材が第1入球口の下側に配置されるので、第1入球口に入球しなかった遊技球をより開口部へと入球させやすくできるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記振り分け部材は、前記第1振り分け部材を複数有し、その各第1振り分け部材のうち、最も上流側に配置される前記第1振り分け部材は、開口部から入球した遊技球を前記第1受け部または第2受け部で受け入れ可能に配置され、その他の前記各第1振り分け部材は、上流側の第1振り分け部材により前記第1流路に振り分けられた遊技球を前記第1受け部または前記第2受け部で受け入れ可能な位置に順に配置されるものであり、前記第2振り分け部材は、前記複数の第1振り分け部材のうち、最も下流側に配置される前記第1振り分け部材により前記第1流路に振り分けられた遊技球を前記第3受け部または前記第4受け部で受け入れ可能な位置に配置するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振り分け部材には第1振り分け部材が複数設けられる。その各第1振り分け部材のうち、最も上流側に配置され記第1振り分け部材が、開口部から入球した遊技球を第1受け部または第2受け部で受け入れられるように配置される。その他の各第1振り分け部材が、上流側の第1振り分け部材により第1流路に振り分けられた遊技球を第1受け部また記第2受け部で受け入れ可能な位置に順に配置される。複数の第1振り分け部材のうち、最も下流側に配置される第1振り分け部材により第1流路に振り分けられた遊技球を第3受け部または第4受け部で受け入れ可能な位置に第2振り分け部材が配置される。これにより、第1振り分け部材と第2振り分け部材とのそれぞれの状態により第2入球口に振り分けられるか否かを設定することができる。よって、遊技者が複数の振り分け部材より遊技球が第2入球口に振り分けられるまでの遊技球の流れを楽しませることができるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記開口部に入球した遊技球の数をカウントする入球数カウント手段と、その入球数カウント手段によるカウント値に基づいて、開口部に入球した遊技球の数を表示することが可能な入球数表示手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開口部に入球した遊技球の数が入球数カウント手段によりカウントされる。その入球数カウント手段によるカウント値に基づいて、開口部に入球した遊技球の数が入球数表示手段により表示される。これにより、遊技者は、表示されるカウント値の値に基づいて、第2入球口に入球するまでに必要な開口部に入球する遊技球の数を判別できる。よって、遊技者が分かり易く遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機A6において、前記入球数カウント手段のカウント値が前記予め定められた個数を越えた場合に初期値にリセットするリセット手段を有するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、入球数カウント手段のカウント値が予め定められた個数を越えた場合にリセット手段により初期値にリセットされるので、第2入球口に振り分けられるまでの数をより容易に報知できるという効果がある。
遊技機A1から遊技機A7のいずれかにおいて、前記振り分け手段は、前記第2流路に振り分けられた遊技球の数をカウントする排出数カウント手段と、所定条件の成立に基づいて、前記入球数カウント手段の値と前記排出数カウント手段の値とを比較する比較手段と、その比較手段により比較された結果が予め定められた基準値以上であると判別した場合に、所定の不正処理を実行する不正処理実行手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2流路に振り分けられた遊技球の数が振り分け手段の排出数カウント手段によりカウントされる。所定条件の成立に基づいて、入球数カウント手段の値と排出数カウント手段の値とが振り分け手段の比較手段により比較される。その比較手段により比較された結果が予め定められた基準値以上であると判別した場合に、所定の不正処理が不正処理実行手段により実行される。よって、不正に振り分け手段に遊技球が入球されているかを判別することができ、不正による被害を抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、遊技領域に単位時間に所定個数の遊技球を発射可能な発射手段と、前記表示手段に予め定められた所定時間以上の間、前記識別情報の動的表示が開始されないと判定した場合に、特定の表示態様の動的表示の開始を設定する特定表示設定手段とを有し、前記予め定められた個数は、前記所定時間の間に前記発射手段により発射される遊技球の数よりも少なく設定されているものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域に単位時間に所定個数の遊技球が発射手段により発射される。表示手段に予め定められた所定時間以上の間、識別情報の動的表示が開始されないと判定した場合に、特定の表示態様の動的表示の開始が特定表示設定手段により設定される。所定時間の間に発射手段により発射される遊技球の数よりも少なく予め定められた個数が設定される。これにより、特定の表示態様が表示される期間よりも前に、第2入球口に遊技球が振り分けられるので、遊技球を発射している状態で、特定の表示態様が表示されることを抑制できる。よって、遊技者が遊技に集中することができるという効果がある。
<特徴B群>
遊技球が入球可能な第1入球口とその第1入球口とは異なる遊技球が入球可能な第2入球口と、前記第1入球口に遊技球が入球したことを検出する第1検出手段と、前記第2入球口に遊技球が入球したことを検出する第2検出手段と、前記第1検出手段または前記第2検出手段により遊技球が入球したことが検出されたことに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、その判定手段の判定結果を示す識別情報を表示する表示手段と、前記判定手段により実行された判定結果が所定の結果である場合に、遊技球が入球可能となる特典入球手段と、その特典入球手段に遊技球が入球したことを検出する第3検出手段と、その第3検出手段により遊技球が入球したことが検出された場合に、遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段とを有した遊技機において 前記第1入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な開口部と、その開口部に入球した遊技球の数が予め定められた個数となった場合に、その個数目の遊技球を前記第2入球口へ入球し易い第1流路に振り分け、前記予め定められた個数目の遊技球以外の遊技球を前記第1流路よりも前記第2入球口へ入球し難い第2流路に振り分けることが可能な振り分け手段とを有し、前記特典入球手段は、前記開口部に入球した遊技球のうち、少なくとも前記振り分け手段により前記第2流路に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に配置されたものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、第1入球口に遊技球が入球したことが第1検出手段により検出される。また、第2入球口に遊技球が入球したことが第2検出手段により検出される。第1検出手段または第2検出手段により遊技球が入球したことが検出されたことに基づいて所定の判定が判定手段により実行される。その判定手段の判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。判定手段により実行された判定結果が所定の結果である場合に、遊技球が特典入球手段に入球可能にされる。その特典入球手段に遊技球が入球したことが第3検出手段により検出される。その第3検出手段により遊技球が入球したことが検出された場合に、遊技者に有利となる特典が特典付与手段により付与される。第1入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な開口部に入球した遊技球の数が予め定められた個数となった場合に、その個数目の遊技球が振り分け手段により第2入球口へ入球し易い第1流路に振り分けられる。予め定められた個数目の遊技球以外の遊技球が振り分け手段により第1流路よりも第2入球口へ入球し難い第2流路に振り分けられる。特典入球手段は、開口部に入球した遊技球のうち、少なくとも振り分け手段により第2流路に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に特典入球手段が配置される。これにより、振り分け手段に遊技球を入球させながら特典遊技を実行することができる。よって、特典遊技中に予め定められた個数以上を入球させて第2入球口へ遊技球を入球させたり、予め定められた個数に近い数の遊技球を入球させて特典遊技後により早期に第2入球口へ遊技球を入球させることができる。従って、より遊技者に有利な遊技機を提供することで、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機B1において、前記特典遊技実行手段により実行される特典遊技が実行される場合に、第1特典遊技と、前記第1特典遊技よりも遊技者に付与される特典が小となる第2特典遊技とを決定する特典遊技種別決定手段を有し、前記第2特典遊技は、前記第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて前記判定手段により所定の抽選結果であると判別された場合に、前記第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づく場合よりも前記特典遊技種別決定手段により決定され易く設定されているものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段により実行される特典遊技が実行される場合に、第1特典遊技と、第1特典遊技よりも遊技者に付与される特典が小となる第2特典遊技とが特典遊技種別決定手段により決定される。第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて判定手段により所定の抽選結果であると判別された場合に、第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づく場合よりも特典遊技種別決定手段により決定され易く第2特典遊技が設定されている。よって、第2入球口に入球することを遊技者により魅力的に感じさせ、遊技に早期に飽きることを抑制できるという効果がある。
遊技機B2において、前記第2特典遊技は、前記第1特典遊技よりも特典入球手段を遊技球が入球可能な状態に長い時間維持するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、前記第2特典遊技では、第1特典遊技よりも特典入球手段を遊技球が入球可能な状態に長い時間維持されるので、より振り分け手段に多くの遊技球を入球させて第2入球口に遊技球が入球し易くできるという効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記第1検出手段または前記第2検出手段により遊技球が検出された場合に、前記判定手段により判定される入球情報を取得する入球情報取得手段と、その入球情報取得手段により取得された前記入球情報を記憶する入球情報記憶手段と、前記入球情報記憶手段に記憶された入球情報が前記判定手段により判定された結果に基づいて前記識別情報を前記表示手段に表示する動的表示実行手段とを有し、前記動的表示実行手段は、前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報に対して、順に一つずつその入球情報に対応した識別情報の動的表示を開始し、前記入球情報記憶手段に前記第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、前記入球情報取得手段により取得された入球情報が記憶されている場合には、前記第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、取得された前記入球情報よりも優先して対応する前記識別情報の動的表示が開始されるものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1検出手段または第2検出手段により遊技球が検出された場合に、判定手段により判定される入球情報が入球情報取得手段により取得される。その入球情報取得手段により取得された入球情報が入球情報記憶手段により記憶される。入球情報記憶手段に記憶された入球情報が判定手段により判定された結果に基づいて識別情報が動的表示実行手段により表示手段に表示される。入球情報記憶手段に記憶されている入球情報に対して、順に一つずつその入球情報に対応した識別情報の動的表示が動的表示実行手段により開始される。また、入球情報記憶手段に第2検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、入球情報取得手段により取得された入球情報が記憶されている場合には、第1検出手段により遊技球が検出されたことに基づいて、取得された前記入球情報よりも優先して対応する識別情報の動的表示が動的表示実行手段により開始される。よって、第2入球口に入球するとそれに対応する動的表示が早期に開始されるので、遊技者に第2入球口に入球したことを分かり易くできるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機C1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機C2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機C3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来より、始動口への遊技球の入賞に伴って抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。始動口に入賞する遊技球の入賞頻度を調整することができるように、始動口の入り口付近に遊技釘が遊技球の大きさよりも若干広い間隔で配置されている。その遊技釘の間隔を調整することで、始動口への遊技球の入賞頻度を遊技機の製造時等に設定する構成が知られている。
このような遊技機において、一定時間の間、始動口に遊技球が入賞しない場合に、液晶画面上に、遊技機の説明等が表示されるデモ表示が表示される(例えば、特許文献1:特開2013−52176号公報)。
この種のパチンコ機において、始動口への入賞頻度を低く設定したり、変動演出の時間が短く設定されると、変動演出が実行終了してから、次の新たな変動演出が開始されるまでに、長い待機時間が発生してしまい、デモ表示が液晶表示画面上で表示されてしまうことで、遊技者を退屈させてしまう虞があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が退屈してしまうことを抑制して、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技球が入球可能な第1入球口とその第1入球口とは異なる遊技球が入球可能な第2入球口と、前記第1入球口に遊技球が入球したことを検出する第1検出手段と、前記第2入球口に遊技球が入球したことを検出する第2検出手段と、前記第1検出手段または前記第2検出手段により遊技球が入球したことが検出されたことに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、その判定手段の判定結果を示す識別情報を表示する表示手段とを有し、前記第1入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な開口部と、その開口部に入球した遊技球の数が予め定められた個数となった場合に、その個数目の遊技球を前記第2入球口へ入球し易い第1流路に振り分け、前記予め定められた個数目の遊技球以外の遊技球を前記第1流路よりも前記第2入球口へ入球し難い第2流路に振り分けることが可能な振り分け手段とを有するものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、遊技領域に単位時間に所定個数の遊技球を発射可能な発射手段と、前記表示手段に予め定められた所定時間以上の間、前記識別情報の動的表示が開始されないと判定した場合に、特定の表示態様の動的表示の開始を設定する特定表示設定手段とを有し、前記予め定められた個数は、前記所定時間の間に前記発射手段により発射される遊技球の数よりも少なく設定されているものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、第1入球口に遊技球が入球したことが第1検出手段により検出される。また、第2入球口に遊技球が入球したことが第2検出手段により検出される。第1検出手段または第2検出手段により遊技球が入球したことが検出されたことに基づいて所定の判定が判定手段により実行される。その判定手段の判定結果を示す識別情報が表示手段により表示される。
第1入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な開口部に入球した遊技球の数が予め定められた個数となった場合に、その個数目の遊技球を第2入球口へ入球し易い第1流路に振り分け、予め定められた個数目の遊技球以外の遊技球を第1流路よりも第2入球口へ入球し難い第2流に振り分け手段により振り分けられる。
これにより、第1入球口に遊技球が入球しなかった場合にも、所定個数毎に第2入球口に遊技球を入球させることができる。よって、第1入球口に入球しなかった場合にも、所定個数毎に第2入球口に入球することで、識別情報が動的表示開始される頻度を高めることができ、遊技者が飽きてしまうことを抑制できるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域に単位時間に所定個数の遊技球が発射手段により発射される。表示手段に予め定められた所定時間以上の間、識別情報の動的表示が開始されないと判定した場合に、特定の表示態様の動的表示の開始が特定表示設定手段により設定される。所定時間の間に発射手段により発射される遊技球の数よりも少なく予め定められた個数が設定される。
これにより、特定の表示態様が表示される期間よりも前に、第2入球口に遊技球が振り分けられるので、遊技球を発射している状態で、特定の表示態様が表示されることを抑制できる。よって、遊技者が遊技に集中することができるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機)
64 第1入球口(第1入球口)
81 第3図柄表示装置(表示手段)
112a 発射ユニット(発射手段)
208 各種スイッチ(第1検出手段、第2検出手段)
640 第2入球口(第2入球口)
650 振り分け装置(振り分け手段)
700 誘導口(開口部の一部)
S313 判定手段の一部

Claims (2)

  1. 遊技球が入球可能な第1入球口と、
    その第1入球口とは異なる遊技球が入球可能な第2入球口と、
    前記第1入球口に遊技球が入球したことを検出する第1検出手段と、
    前記第2入球口に遊技球が入球したことを検出する第2検出手段と、
    前記第1検出手段または前記第2検出手段により遊技球が入球したことが検出されたことに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、
    その判定手段の判定結果を示す識別情報を表示する表示手段とを有した遊技機において、
    前記第1入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な開口部と、
    その開口部に入球した遊技球の数が予め定められた個数となった場合に、その個数目の遊技球を前記第2入球口へ入球し易い第1流路に振り分け、前記予め定められた個数目の遊技球以外の遊技球を前記第1流路よりも前記第2入球口へ入球し難い第2流路に振り分けることが可能な振り分け手段とを有するものであることを特徴とする遊技機。
  2. 遊技領域に単位時間に所定個数の遊技球を発射可能な発射手段と、
    前記表示手段に予め定められた所定時間以上の間、前記識別情報の動的表示が開始されないと判定した場合に、特定の表示態様の動的表示の開始を設定する特定表示設定手段とを有し、
    前記予め定められた個数は、前記所定時間の間に前記発射手段により発射される遊技球の数よりも少なく設定されているものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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