以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、内枠12と前面枠14と下皿ユニットとが開放された状態におけるパチンコ機10の斜視図であり、図3は、内枠12の開閉を検出する内枠スイッチSW1の構造を示す模式図であり、図4はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図5はパチンコ機10の背面図である。なお、図2においては、便宜上、遊技盤13及びガラスユニット16を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。遊技場においては、外枠11の外周面が遊技場の島と呼ばれる設置箇所に固定される。内枠12、前面枠14および下皿ユニット15は、外枠11に対して前面側に開放可能に構成されるので、パチンコ機10の前面側からは触れられない裏面側や内部に対しての点検や調整は、外枠11に対して内枠12等を前面側に開放して行われる。
外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12は、矩形状に形成されたABS樹脂製の内枠ベース25(図2参照)を主体に構成されており、内枠ベース25の中央部には略円形状の中央窓25a(図2参照)が形成されている。内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図4参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112aやその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
本実施形態のパチンコ機10では、図2に示すように、外枠11と内枠12との間に、内枠12の開放および閉鎖を検出する内枠スイッチSW1(SW1a,SW1b)が設けられており、内枠12と前面枠14との間には、前面枠14の開放および閉鎖を検出する前面枠スイッチSW2(SW2a,SW2b)が設けられている。内枠スイッチSW1は、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aと、内枠12の外枠11と対向する面に配設された絶縁性部材から構成される雄型スイッチSW1bとから構成される。また、前面枠スイッチSW2は、内枠12の前面枠14と対向する面に配設された雌型スイッチSW2aと、前面枠14の内枠12と対向する面に配設された雄型スイッチSW2bとから構成される。
ここで、図3を参照して、内枠スイッチSW1および前面枠スイッチSW2の構造について説明する。なお、内枠スイッチSW1と前面枠スイッチSW2とは同一の構造であるので、内枠スイッチSW1についてその構造を説明し、前面枠スイッチSW2についてはその説明を省略する。なお、図3(a)は、内枠12が閉鎖されている場合における内枠スイッチSW1の状態(オフ状態,遮断状態)を示す模式図である。また、図3(b)は、内枠12が開放されている場合における内枠スイッチSW1の状態(オン状態,導通状態)を示す模式図である。
図3(a)に示すように、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aには、導電部材である金属から構成される一対の端子対SW1cが内蔵されている。
ここで、内枠12が閉鎖されている場合には、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aに、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bが内挿される。雌型スイッチSW1a内に内挿された雄型スイッチSW1bは、端子対SW1cの間へ介挿されて端子対SW1c同士の接触を妨げる。このように、内枠12が閉鎖されている場合には、端子対SW1c同士の接触は絶縁性の雄型スイッチSW1bによって妨げられるので、内枠スイッチSW1はオフされた(導通が遮断された)状態となる。
一方、図3(b)に示すように、内枠12が開放されている場合には、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bが、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aから引き抜かれる。雌型スイッチSW1a内の端子対SW1cは、互いに対向する方向に付勢力が発生する構造であるため、雄型スイッチSW1bが雌型スイッチSW1aから引き抜かれた状態では、端子対SW1c同士が接触する。よって、内枠12が開放されている場合には、内枠スイッチSW1はオンされた(導通された)状態となる。
このように、内枠スイッチSW1は、内枠12が閉鎖された場合にはオフされる(遮断状態となる)一方で、内枠12が開放された場合にはオンされる(導通状態となる)。この内枠スイッチSW1の構造は、図3に図示した形状に限られるものではなく、内枠12が閉鎖された場合に内枠スイッチSW1がオフされ、内枠12が開放された場合に内枠スイッチSW1がオンされる構造であれば良い。これは、前面枠スイッチSW2の構造についても同様である。
なお、内枠スイッチSW1は、内枠12が開放されている状態と内枠12が閉鎖されている状態とを区別可能であればよい。つまり、以下に示す制御方法(例えば、枠開閉監視処理(図13参照))とは異なる制御方法を用いることによって、内枠12が閉鎖された場合にはオンされ、内枠12が開放された場合にはオフされる構造のスイッチを内枠スイッチSW1として使用することができる。同様に、前面枠14が閉鎖された場合にはオンされ、前面枠14が開放された場合にはオフされる構造のスイッチを前面枠スイッチSW2として使用することができる。
図1に示すように、前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図4参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図4に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14cを通じて内枠13の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図4の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図4の右側上部)には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、上述したパチンコ機10が確変中とは、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態である。さらに、本実施形態における確変中は、第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64(図4参照)へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が時短中とは、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64(図4参照)へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。なお、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)で構成される第2図柄表示装置82とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37にて停止図柄(確変大当たり図柄、普通大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37により示されると共に保留ランプ85の点灯個数においても示される。保留ランプ85は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82は、第2図柄の表示部83と保留ランプ84とを有し、球が第2入球口67を通過する毎に、表示部83において表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に保留ランプ84においても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(ソレノイド209(図6参照)の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66と第2入球口(スルーゲート)67とが設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図5に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、内枠開放中フラグ203aと、前面枠開放中フラグ203bとを有している。内枠開放中フラグ203aは、内枠12が、外枠11(パチンコ機10の本体となる枠)に対して開放中であるか否かを示すフラグである。この内枠開放中フラグ203aは、内枠12が開放された場合、即ち、内枠スイッチSW1がオンされた場合に、オンされる。一方、内枠開放中フラグ203aは、内枠12が閉鎖された場合、即ち、内枠スイッチSW1がオフされた場合に、オフされる。よって、内枠開放中フラグ203aがオンであれば、内枠12が開放中であることを示す。
前面枠開放中フラグ203bは、前面枠14が、内枠12に対して開放中であるか否かを示すフラグである。この前面枠開放中フラグ203bは、前面枠14が開放された場合、即ち、前面枠スイッチSW2がオンされた場合に、オンされる。一方、前面枠開放中フラグ203bは、前面枠14が閉鎖された場合、即ち、前面枠スイッチSW2がオフされた場合に、オフされる。よって、前面枠開放中フラグ203bがオンであれば、前面枠14が開放中であることを示す。
また、RAM203は、上記のフラグだけでなく、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアや、各種のフラグおよびカウンタや、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)などを備えている。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図10参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図9参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図16参照)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置82や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続されている。
また、入出力ポート205には、内枠スイッチSW1と前面枠スイッチSW2が接続されている。内枠スイッチSW1のオン/オフ状態及び前面枠スイッチSW2のオン/オフ状態は、入出力ポート205を介してMPU201へ入力されることにより、MPU201によって検出される。
また、入出力ポート205には、外部出力端子板261が接続されている。外部出力端子板261は、ホールコンピュータ262が接続可能に構成されている。かかる外部出力端子板261は、主制御装置110から出力される信号やデータ(例えば、内枠12が開放中であることを示す内枠開放中信号や、前面枠14が開放中であることを示す前面枠開放中信号)を受信し、その信号やデータをホールコンピュータ262へ中継する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを備えている。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図16参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33や表示ランプ34など)における点灯および消灯の出力、表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを備えている。
音声ランプ制御装置113のRAM223は、内枠開放中フラグ223aと、前面枠開放中フラグ223bと、内枠報知回数カウンタ223cと、前面枠報知回数カウンタ223dと、内枠報知計時カウンタ223eと、前面枠報知計時カウンタ223fとを有している。
内枠開放中フラグ223aは、主制御装置110のRAM203に設けられた内枠開放中フラグ203aと同様に、内枠12が、外枠11に対して開放中であるか否かを示すフラグである。この内枠開放中フラグ223aがオンであれば、内枠12が開放中であることを示す。なお、内枠開放中フラグ223aは、内枠12が開放されたことを示す内枠開放コマンドを主制御装置110から受信した場合にオンされ、一方で、内枠12が閉鎖されたことを示す内枠閉鎖コマンドを主制御装置110から受信した場合にオフされる。
前面枠開放中フラグ223bは、主制御装置110のRAM203に設けられた前面枠開放中フラグ203bと同様に、前面枠14が、内枠12に対して開放中であるか否かを示すフラグである。この前面枠開放中フラグ223bがオンであれば、前面枠14が開放中であることを示す。なお、前面枠開放中フラグ223bは、前面枠14が開放されたことを示す前面枠開放コマンドを主制御装置110から受信した場合にオンされ、一方で、前面枠14が閉鎖されたことを示す前面枠閉鎖コマンドを主制御装置110から受信した場合にオフされる。
内枠報知回数カウンタ223cは、内枠12が開放した場合に、その1回の開放中に行われる間欠的な報知の実行回数を計数するカウンタである。この内枠報知回数カウンタ223cは、主制御装置110から内枠開放コマンドを受信する毎に0クリアされ、内枠12の開放に対する報知が実行される毎に1加算される。
前面枠報知回数カウンタ223dは、前面枠14が開放した場合に、その1回の開放中に行われる間欠的な報知の実行回数を計数するカウンタである。この前面枠報知回数カウンタ223dは、主制御装置110から前面枠開放コマンドを受信する毎に0クリアされ、前面枠14の開放に対する報知が実行される毎に1加算される。
内枠報知計時カウンタ223eは、内枠12の開放に対して報知を行う場合の報知間隔を計時するカウンタである。この内枠報知計時カウンタ223eは、内枠開放コマンドを受信した場合に、0クリアされる。さらに、後述する内枠開放時処理(図26参照)の中で報知を行うための処理である内枠開放報知処理が実行された場合、あるいは、後述する前面枠開放時処理(図23参照)の実行中に内枠の開放に対する報知のタイミングに到達した場合もまた、0クリアされる。そして、内枠12又は前面枠14が開放されている間に亘って実行される内枠開放時処理(図26参照)又は前面枠開放時処理(図23参照)の実行間隔である所定時間(本実施形態では、2ms)毎に1ずつ加算される。
前面枠報知計時カウンタ223fは、前面枠14の開放に対して報知を行う場合の報知間隔を計時するカウンタである。この前面枠報知計時カウンタ223fは、前面枠開放コマンドを受信した場合に、0クリアされる。さらに、後述する前面枠開放時処理(図23参照)の中で、報知を行うための処理である前面枠開放報知処理が実行された場合に、0クリアされる。そして、内枠12又は前面枠14が開放されている間に亘って実行される前面枠開放時処理(図23参照)の実行間隔である所定時間(本実施形態では、2ms)毎に1ずつ加算される。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226やランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを備えている。
入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。
ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、内枠開放中フラグ233aと、前面枠開放中フラグ233bとを有している。
内枠開放中フラグ233aは、主制御装置110のRAM203に設けられた内枠開放中フラグ203aと同様に、内枠12が、外枠11に対して開放中であるか否かを示すフラグである。この内枠開放中フラグ233aがオンであれば、内枠12が開放中であることを示す。なお、内枠開放中フラグ233aは、内枠12が開放されたことを示す内枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113から受信した場合にオンされ、一方で、内枠12が閉鎖されたことを示す内枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113から受信した場合にオフされる。
前面枠開放中フラグ233bは、主制御装置110のRAM203に設けられた前面枠開放中フラグ203bと同様に、前面枠14が、内枠12に対して開放中であるか否かを示すフラグである。この前面枠開放中フラグ233bがオンであれば、前面枠14が開放中であることを示す。なお、前面枠開放中フラグ233bは、前面枠14が開放されたことを示す前面枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113から受信した場合にオンされ、一方で、前面枠14が閉鎖されたことを示す前面枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113から受信した場合にオフされる。
また、ワークRAM233は、図示されないフラグとして、演出許可がされているか否かを示す演出許可フラグや、変動表示を開始すべきか否かを示す変動開始フラグを有している。なお、演出許可フラグ(図示せず)は、主制御装置110の初期設定の処理後に送信される演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113を介して受信するとオンされ、電源断の発生によりオフされる。また、変動開始フラグ(図示せず)は、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに対応するコマンドを音声ランプ制御装置113から受信した場合にオンされ、第3図柄表示装置81において変動表示が開始されるとオフされる。
キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)などのキャラクタ情報が記憶されたキャラクタ情報メモリ(図示せず)を有している。この図示されないキャラクタ情報メモリに記憶されているキャラクタ情報としては、変動表示される第3図柄の数字データ(例えば、0〜9)や、数字データ以外の図柄データ(例えば、箱の図柄やヘルメットの図柄(図7(b))参照)、背景図柄、予告キャラクタ図柄やキャラクタ図柄(例えば、男の子(図7(b)参照))などが記憶されている。
なお、キャラクタ情報メモリには、記憶するデータ量を少なくするために、上記のようなキャラクタ情報が圧縮形式のデータで記憶されている。なお、本実施形態では、キャラクタ情報は約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのキャラクタ情報が、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタ情報メモリに記憶されている。キャラクタ情報メモリに圧縮形式のデータとして記憶されているキャラクタ情報は、読み出されると、解凍された後に、ビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域(図示せず)に書き込まれる。
ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される表示内容(変動表示の演出パターンや、リーチ演出時の演出内容など)に対応する演出データが記憶される表示用記憶領域(図示せず)と、キャラクタROM235のキャラクタ情報メモリ(図示せず)に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を解凍したデータが記憶されるキャラクタ情報記憶領域(図示せず)とを備えている。
図示されない表示用記憶領域は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するものであり、その表示用記憶領域の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。また、図示されないキャラクタ情報記憶領域には、背景図柄や装飾図柄などの素材となるキャラクタデータが記憶され、このキャラクタ情報記憶領域から第3図柄表示装置81に表示するための必要なデータが読み出されて表示用記憶領域(図示せず)に書き込まれる。
なお、キャラクタ情報をビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域(図示せず)に記憶させるのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためであり、キャラクタ情報をキャラクタROM235から直接、表示用記憶領域(図示せず)に直接書き込む場合、読み出すデータ量が大きいと読み出しに時間を有しスムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができないからである。更に、RAMにおいて表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるためである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図5参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図16参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
ここで、図7を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図7は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図7(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図7(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。ここで、高確率状態とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動(確変)の時をいう。また、通常状態(低確率状態)とは、確変でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。
図7(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmには、左・中・右の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、前述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列には、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第3図柄が設定され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。この主表示領域Dmには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの予告領域Ds1〜Ds3に等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1,Ds3は、ソレノイド(図示せず)で電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2は、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
図7(b)に示すように、実際の表示画面では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1,Ds3が覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1,Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81の表示画面は、原則として上下の表示領域Dm,Dsに区分されているが、各表示領域Dm,Dsを跨いでより大きく第3図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、図8を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示装置82の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示装置82の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、メイン処理(図10参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図14参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への球の入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込処理(図14参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図10参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの際の第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、本実施形態では、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。なお、大当たり後に高確率状態となる乱数の値は「1,2,3」であり、大当たり後に低確率状態となる乱数の値は「0,4」であり、2種類の当たり種別が決定される。よって、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、高確率状態と低確率状態との2種類の大当たりに対応した表示態様と、はずれに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つが選択される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。
また、停止パターン選択カウンタC3には、停止パターンの選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか(即ち保留個数)等に応じて、停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が0〜5と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態で保留球格納エリアに各乱数値が格納されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。また、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定される。変動種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に基づいて、表示制御装置114により第3表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1,CS2の値は、後述するメイン処理(図10参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」ともいう。本実施形態の第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3により選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算したり、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算したり、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。なお、変動種別カウンタCS3は、停止パターン選択カウンタC3と同様に、演出パターンが選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられ、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるよう構成されている。
上述したように、変動種別カウンタCS1,CS2により図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3により決定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図14参照)の実行毎に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図14参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図10参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図9から図16のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図14は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。このタイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理(図15参照)を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
ここで、図15を参照して、S504の処理で実行される始動入賞処理を説明する。図15は、タイマ割込処理(図14参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、第1図柄表示装置37の作動保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。第1入球口64への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S602:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S603)、更に、前記ステップS503で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S604)。一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S602:No)、S603及びS604の各処理をスキップし、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。
図16は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出発射制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図9を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図9は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図5参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、図10のS214の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
次に、図10を参照して、上記した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図10は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S207の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する(S201)。具体的には、S501のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。さらに、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図11を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
S206の処理後、枠開閉監視処理を実行する(S207)。なお、この枠開閉監視処理(S207)における詳細な処理については図13を参照して後述する。本実施形態のパチンコ機では、内枠12及び前面枠14の両方が閉鎖されていない場合、即ち、内枠12又は前面枠14の少なくとも一方が開放されている場合には、この枠開閉監視処理の中で遊技を一時的に停止する処理が実行される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S208)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S208:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S209)、既に所定時間が経過していれば(S209:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S209:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を繰り返し実行する(S210,S211)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S210)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S211)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
ここで、S201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S208の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S208:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理(図16参照)が実行されたということなので、S212以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S212)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S213)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S214)、RAM203のアクセスを禁止して(S215)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S208の処理は、S201〜S207で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS210とS211の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図11を参照して、変動処理(S204)について説明する。図11は、メイン処理(図10参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S303)。作動保留球数Nが0であれば(S303:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S303:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S304)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S305)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S306)。なお、変動開始処理については、図12を参照して後述する。
S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S308)。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は4ms毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様が設定される(S309)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に高確率状態となる図柄か低確率状態となる図柄かが決定される。本実施形態では、大当たり後に高確率状態になる場合には赤色のLEDを点灯させ、低確率状態になる場合には緑色のLEDを点灯させ、外れである場合には青色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S309の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドが設定される(S310)。音声ランプ制御装置113は、この停止コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して停止指示をする。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。
次に、図12を参照して、変動開始処理について説明する。図12は、変動処理(図11参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示したフローチャートである。変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には第1当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時には「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり時の表示態様が設定される(S402)。S402の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、大当たり後に高確率状態へ移行するか低確率状態へ移行するかが設定される。大当たり後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で停止表示される大当たりの停止図柄が音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114で設定される。即ち、S402の処理により大当たり後の移行状態を設定することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が設定される。なお、第1当たり種別カウンタC2の数値0〜4のうち、「0,4」の場合は、以後、低確率状態に移行し、「1,2,3」の場合は高確率状態に移行する。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S403)。S403の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
なお、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。
S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、外れ時の表示態様が設定される(S404)。S404の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるか、及び作動保留個数Nに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンが決定され(S405)、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S403の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
S403の処理またはS405の処理が終わると、第1及び第2種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に加減算される演出時間が決定される(S406)。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81の変動時間が設定される。本実施形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3の値に応じて、変動表示の時間を変更しない場合と変動表示時間を1秒加算する場合、変動表示時間を2秒加算する場合、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81で大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動図柄の変動時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラを表示させる演出、1の変動図柄の変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S403又はS405の処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定し(S407)、S402又はS404の処理で設定された停止図柄に応じて停止図柄コマンドを設定する(S408)。そして、S406の処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定して(S409)、変動処理へ戻る。
次に、図13を参照して、枠開閉監視処理(S207)について説明する。図13は、メイン処理(図10参照)の中で実行される枠開閉監視処理(S207)を示すフローチャートである。この枠開閉監視処理(S207)では、まず、内枠スイッチSW1がオンされたか、即ち、内枠スイッチSW1の状態がオフからオンへ変化したかを確認し(S1201)、内枠スイッチSW1がオンされた場合には(S1201:Yes)、内枠開放中フラグ203aをオンする(S1202)。
S1202の処理後、内枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ出力する(S1203)。詳細は後述するが、S1203の処理によって内枠開放コマンドが出力されると、音声ランプ制御装置113はその内枠開放コマンドを受信し、音声ランプ制御装置113のRAM223内に設けられている内枠開放中フラグ223aをオンする。つまり、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から出力される内枠開放コマンドによって、内枠12の開放を検出することができる。
S1203の処理後、外部出力端子板261へ内枠開放中信号の出力を開始し(S1204)、S1205の処理へ移行する。S1204の処理によって外部出力端子板261へ出力された内枠開放中信号は、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ伝達される。ホールコンピュータ262は、外部出力端子板261を介して内枠開放中信号を受信することによって、内枠12が開放中であることを検出することができる。
一方で、S1201の処理により内枠スイッチSW1がオンされたと確認されなかった場合には(S1201;No)、内枠スイッチSW1がオフされたか、即ち、内枠スイッチSW1の状態がオンからオフへ変化したかを確認する(S1212)。S1212の処理により確認した結果、内枠スイッチSW1がオフされた場合には(S1212:Yes)、内枠開放中フラグ203aをオフする(S1213)。
S1213の処理後、内枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ出力する(S1214)。詳細は後述するが、S1214の処理によって内枠閉鎖コマンドが出力されると、音声ランプ制御装置113はその内枠閉鎖コマンドを受信し、音声ランプ制御装置113における内枠開放中フラグ223aをオフする。つまり、音声ランプ制御装置113は、S1214の処理によって出力される内枠閉鎖コマンドによって、内枠12の閉鎖を検出することができる。
S1214の処理後、出力中の内枠開放中信号をオフし(S1215)、S1205の処理へ移行する。S1215の処理により内枠開放中信号がオフされると、外部出力端子板261を介して内枠開放中信号を受信していたホールコンピュータ262は、内枠12が閉鎖され、内枠12の開放期間が終了したことを検出することができる。
また、S1212の処理により内枠スイッチSW1がオフされたと確認されなかった場合には(S1212;No)、内枠スイッチSW1の状態に変化がなかったということであるので、そのままS1205の処理へ移行する。
S1205では、前面枠スイッチSW2がオンされたか、即ち、前面枠スイッチSW2の状態がオフからオンへ変化したかを確認する(S1205)。S1205の処理により確認した結果、前面枠スイッチSW2がオンされた場合には(S1205:Yes)、前面枠開放中フラグ203bをオンする(S1206)。
S1206の処理後、前面枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ出力する(S1207)。詳細は後述するが、S1207の処理によって前面枠開放コマンドが出力されると、音声ランプ制御装置113はその前面枠開放コマンドを受信し、音声ランプ制御装置113のRAM223内に設けられている前面枠開放中フラグ223bをオンする。つまり、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から出力される前面枠開放コマンドによって、前面枠14の開放を検出することができる。
S1207の処理後、外部出力端子板261へ前面枠開放中信号の出力を開始し(S1208)、S1209の処理へ移行する。S1208の処理によって外部出力端子板261へ出力された前面枠開放中信号は、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ伝達される。ホールコンピュータ262は、外部出力端子板261を介して前面枠開放中信号を受信することによって、前面枠14が開放中であることを検出することができる。
一方で、S1205の処理により前面枠スイッチSW2がオンされたと確認されなかった場合には(S1205;No)、前面枠スイッチSW2がオフされたか、即ち、前面枠スイッチSW2の状態がオンからオフへ変化したかを確認する(S1216)。S1216の処理により確認した結果、前面枠スイッチSW2がオフされた場合には(S1216:Yes)、前面枠開放中フラグ203bをオフする(S1217)。
S1217の処理後、前面枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ出力する(S1218)。詳細は後述するが、S1218の処理によって前面枠閉鎖コマンドが出力されると、音声ランプ制御装置113はその前面枠閉鎖コマンドを受信し、音声ランプ制御装置113における前面枠開放中フラグ223bをオフする。つまり、音声ランプ制御装置113は、S1218の処理によって出力される前面枠閉鎖コマンドによって、前面枠14の閉鎖を検出することができる。
S1218の処理後、出力中の前面枠開放中信号をオフし(S1219)、S1209の処理へ移行する。S1219の処理により前面枠開放中信号がオフされると、外部出力端子板261を介して前面枠開放中信号を受信していたホールコンピュータ262は、前面枠14が閉鎖され、前面枠14の開放期間が終了したことを検出することができる。
また、S1216の処理により前面枠スイッチSW2がオフされたと確認されなかった場合には(S1216;No)、前面枠スイッチSW2の状態に変化がなかったということであるので、そのままS1209の処理へ移行する。
S1209では、内枠開放中フラグ203aがオンであるか、即ち、内枠12が開放中であるかを確認する(S1209)。S1209の処理により確認した結果、内枠開放中フラグ203aがオンであれば(S1209:Yes)、遊技停止処理(S1211)へ移行する。
一方で、S1209の処理により確認した結果、内枠開放中フラグ203aがオフであれば(S1209:No)、前面枠開放中フラグ203bがオンであるか、即ち、前面枠14が開放中であるかを確認する(S1210)。
S1210の処理により確認した結果、前面枠開放中フラグ203bがオンであれば(S1210:Yes)、この場合もまた、遊技停止処理(S1211)へ移行する。つまり、内枠12又は前面枠14の少なくとも一方が開放されている場合には、遊技停止処理(S1211)が実行される。
この遊技停止処理(S1211)では、遊技状態を一時的に停止するための処理を実行すると共に、開放されている枠(内枠12、前面枠14)に応じた開放中信号(内枠開放中信号、前面枠開放中信号)を外部出力端子板261へ出力する。かかる遊技停止処理(S1211)の実行後は、S1201の処理へ移行し、内枠スイッチSW1及び前面枠スイッチSW2の状態を繰り返し監視する。なお、この遊技停止処理(S1211)では、S208と同様にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かの確認も行っており、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていることが確認された場合には、処理をS212(図10参照)の処理へ移行する。
一方で、S1210の処理により確認した結果、前面枠開放中フラグ203bがオフであれば(S1210:No)、枠閉鎖時処理を実行した後(S1220)、枠開放監視処理(S207)を終了して、メイン処理(図10参照)へ戻る。よって、内枠12又は前面枠14のいずれも開放されていない(内枠12及び前面枠14の両方が閉鎖されている)場合には、枠閉鎖時処理(S1220)が実行される。
この枠閉鎖時処理(S1220)が、枠(内枠12、前面枠14)の開放によって遊技状態が停止されているときに実行された場合には、その開放によって停止されていた遊技状態を復帰させるための処理を実行する。一方で、遊技状態が停止されていない場合、即ち、内枠12も前面枠14も閉鎖状態が継続されている場合には、何も行うことなく、枠開放監視処理(S207)を終了する。
次に、図17及び図18を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される払出制御について説明する。図17は、払出制御装置111の立ち上げ処理を示すフローチャートであり、この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、RAMアクセスを許可すると共に(S802)、外部割込ベクタの設定を行う(S803)。
その後は、MPU211内のRAM213に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S804)、記憶されていなければ(S804:No)、バックアップデータは記憶されていないので、処理をS811へ移行する。RAM213に電源断の発生情報が記憶されていれば(S804:Yes)、RAM判定値を算出し(S805)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S805:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS811へ移行する。図18のS917の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM213の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM213の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S811,S812のRAMの初期化処理では、RAM213の全ての領域を0クリアした後(S811)、RAM213の初期値を設定する(S812)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S809)、割込みを許可して(S810)、メイン処理へ移行する。
一方、電源断の発生情報が設定されており(S804:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S806:Yes)、RAM213にバックアップされたデータを保持したまま、電源遮断の発生情報をクリアすると共に(S807)、賞球の払い出しを待機させるために、払出許可フラグ213dをオフする(S808)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S809)、割込みを許可して(S810)、メイン処理へ移行する。
次に、図18を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行されるメイン処理を説明する。このメイン処理は、まず主制御装置110からの賞球コマンドや払出復帰コマンド、払出初期化コマンドを受信し、それらコマンドの種別を判定するコマンド判定処理を行う(S901)。該処理では、主制御装置110から送信された正常なコマンドを受信すると、払出許可フラグがオンされ、賞球や貸出球の払い出しが許可される。
コマンド判定処理(S901)が終わると、払い出しが許可されているか否か、即ち、払出許可フラグの状態が判別され(S902)、払い出しが許可されていなければ(S902:No)、未だ主制御装置110は立ち上がった状態にないので、かかる場合には、コマンド判定処理(S901)において払い出しの許可がなされるまでコマンド判定処理(S901)を繰り返し実行する。一方、S902の処理において払い出しが許可されていれば(S902:Yes)、状態復帰スイッチ120をチェックし、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S903)。
その後、下皿50の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S904)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿50の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S905)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には、払出制御装置111に設けた7セグメントLEDにより報知する(S906)。
次に、S907〜S909の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つ記憶した総賞球個数が0でなければ(S907:No,S908:No)、賞球の払い出しを行うために賞球制御処理を開始する(S909)。一方、賞球の払出不可状態(S907:Yes)または総賞球個数が0であれば(S908:Yes)、貸球払出の処理に移行する。
S910〜S912の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S910:No,S911:Yes)、貸球を払い出しために貸球制御処理を開始する。一方、貸球の払出不可状態(S910:Yes)または貸球払出要求を受信していない場合には(S911:No)、処理をS913へ移行する。また、貸球制御処理(S912)の終了後も、同様に、処理をS913へ移行する。
S913の処理では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ134の制御(バイブモータ制御)を実行する(S913)。その後は、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S914)、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S914:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていないので、かかる場合には、処理をS901へ移行して、S901からS913のメイン処理を繰り返し実行する。
一方、S914の処理において、電源断の発生情報が記憶されていれば(S914:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図16のNMI割込処理が実行されたということである。よって、かかる場合には、各割込処理の発生の禁止をし(S915)、主制御装置110から送信されるコマンドの受信漏れを防止するために、再度コマンド判定処理を実行する(S916)。そして、RAM判定値を算出してRAM213に保存し(S917)、RAM213のアクセスを禁止して(S918)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、例えば、RAM判定値は、RAM213のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S914の処理は、払出制御装置111のメイン処理の1サイクルが終わるタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断前の状態から復帰する場合には、処理を立ち上げ処理の終了後、S901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、メイン処理を開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU211が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S801)において、スタックポインタを所定値(初期値)に設定することで、処理をS901から開始することができる。従って、払出制御装置111の制御負担を軽減することができると共に、払出制御装置111が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。また、各処理が終わったタイミングで電源断の処理が実行されるので、RAM213にバックアップする情報量を少なくすることができる。
次に、図19から図27を参照して、音声ランプ制御装置113で行われる処理について説明する。図19は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を示したフローチャートであり、この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1116の電源断処理(図20参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002)。図20を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図20のS1113参照)、S1116の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1115の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1003:Yes)、S1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1003:No)、S1008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM22のデータ破壊と判断され(S1003:Yes)、S1004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM22のデータは正常と判断されて(S1003:No)、S1008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1116の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005:No)、RAM223の異常を報知して(S1007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良い。
S1008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1008)。電源断フラグはS1116の電源断処理の実行時にオンされるので(図20のS1115参照)、図20を参照して後述する通り、電源断フラグは、S1115の処理によってオンされる。つまり、電源断フラグは、S1116の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了しない状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1009)、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1009をスキップして、処理をS1010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。
なお、S1009のクリア処理をスキップするのは、S1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至った場合には、S1004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図20を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図20は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから1ms以上が経過したか否かが判別され(S1101)、1ms以上経過していなければ(S1101:No)、S1102〜S1109の処理を行わずにS1110の処理へ移行する。S1101の処理で、1ms経過したか否かを判別するのは、S1102〜S1109が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ms以内)で編集する必要がないのに対して、S1110の各カウンタの更新処理やS1111のコマンドの受信処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。これにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止できる。
S1101の処理で1ms以上経過していれば(S1101:Yes)、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1107の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1102)、その後電源投入報知処理を実行する(S1103)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1104の処理へ移行する。
S1104の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1105)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、作動保留球Nに応じて保留ランプ85を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1106)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1106の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理が実行され(S1107)、その後音編集・出力処理が実行される(S1108)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力させる。
その後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1109)、S1110の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドや演出時間加算コマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1107のランプ編集処理やS1108の音編集・出力処理の演出時間が設定される。
S1110の処理では、第3図柄表示装置81の変動表示処理が実行される。この変動表示処理では、音声ランプ制御装置113に搭載された複数のカウンタ(大当たり時の停止図柄を設定するカウンタ、外れ時の停止図柄を選択するカウンタなど)が更新され、そのカウンタの値と主制御装置110から送信される変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づき第3図柄表示装置81で停止表示される図柄を設定したり、変動表示のパターン(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)などが設定される。その停止図柄や変動パターンは、コマンドとして表示制御装置114に送信される。
S1110の処理では、例えば、主制御装置110から送信される変動パターンのコマンドが「完全外れ」である場合、完全外れに対応した複数のパターンのうち完全外れAパターンが選択され、第3図柄表示装置81で完全外れAパターンの演出が行われるよう表示制御装置110に対してコマンドが送信される。よって、主制御装置110により決定された1の変動パターンに対して、第3図柄表示装置81で表示される詳細な変動パターンが音声ランプ制御装置113で決定されるので、主制御装置110の制御負担を軽減することができる。さらに、主制御装置110において決定される各演出のパターンを少なくできるので、ROM202の記憶容量を少なくすることができ、コスト低減を図ることができる。
そして、主制御装置110からのコマンドを受信するコマンド受信処理を実行する(S1111)。このコマンド受信処理(S1111)によって主制御装置110からのコマンドを受信した場合には、そのコマンドに応じて音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM233に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信する。なお、このコマンド受信処理(S1111)については、図21を参照しつつ後述する。
コマンド受信処理(S1111)の実行後は、枠閉鎖時復帰処理を実行する(S1112)。この枠閉鎖時復帰処理(S1112)は、主制御装置110において内枠12又は前面枠14の開放によって一時的に停止されていた遊技が復帰した場合に、その復帰に合わせて音声ランプ制御装置113での制御を復帰させる処理である。なお、遊技の停止が行われていない場合には、S1112の処理は省略される。
S1112の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1113)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1113:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1115)、電源断処理を実行する(S1116)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1117)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1113:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1114)、RAM223が破壊されていなければ(S1114:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1114:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図21を参照して、上述したコマンド受信処理(S1111)について説明する。図21は、上述したメイン処理(図20参照)の中で実行されるコマンド受信処理(S1111)を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理(S1111)では、まず、コマンドの受信を行い(S1301)、内枠開放コマンドを受信したかを確認し(S1302)、内枠開放コマンドを受信した場合には(S1302:Yes)、内枠開放中フラグ223aをオンする(S1303)。
S1303の処理後、内枠報知回数カウンタ223cを0クリアし(S1304)、内枠報知計時カウンタ223eを0クリアし(S1305)、内枠開放コマンドを表示制御装置114へ出力し(S1306)、S1307の処理へ移行する。詳細は後述するが、S1306の処理によって内枠開放コマンドが出力されると、表示制御装置114はその内枠開放コマンドを受信し、表示制御装置114のワークRAM233内に設けられている内枠開放中フラグ233aをオンする。つまり、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から出力される内枠開放コマンドによって、内枠12の開放を検出することができる。
一方で、S1302の処理により確認した結果、内枠開放コマンドを受信していなければ(S1302:No)、S1303〜S1306の処理をスキップして、S1307の処理へ移行する。
S1307では、前面枠開放コマンドを受信したかを確認する(S1307)。S1307の処理により確認した結果、前面枠開放コマンドを受信した場合には(S1307:Yes)、前面枠開放中フラグ223bをオンする(S1308)。
S1308の処理後、前面枠報知回数カウンタ223dを0クリアし(S1309)、前面枠報知計時カウンタ223fを0クリアし(S1310)、前面枠開放コマンドを表示制御装置114へ出力し(S1311)、S1312の処理へ移行する。詳細は後述するが、S1312の処理によって前面枠開放コマンドが出力されると、表示制御装置114はその前面枠開放コマンドを受信し、表示制御装置114のワークRAM233内に設けられている前面枠開放中フラグ233bをオンする。つまり、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から出力される前面枠開放コマンドによって、前面枠14の開放を検出することができる。
一方で、S1308の処理により確認した結果、前面枠開放コマンドを受信していなければ(S1308:No)、S1309〜S1313の処理をスキップして、S1314の処理へ移行する。
S1312では、内枠閉鎖コマンドを受信したかを確認する(S1312)。S1312の処理により確認した結果、内枠閉鎖コマンドを受信した場合には(S1312:Yes)、内枠開放中フラグ223aをオフし(S1313)、内枠閉鎖コマンドを表示制御装置114へ出力し(S1314)、S1315の処理へ移行する。詳細は後述するが、S1314の処理によって内枠閉鎖コマンドが出力されると、表示制御装置114はその内枠閉鎖コマンドを受信し、内枠開放中フラグ233aをオフする。つまり、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から出力される内枠閉鎖コマンドによって、内枠12の閉鎖を検出することができる。
一方で、S1312の処理により確認した結果、内枠閉鎖コマンドを受信していなければ(S1312:No)、S1313,S1314の処理をスキップして、S1315の処理へ移行する。
S1315では、前面枠閉鎖コマンドを受信したかを確認する(S1315)。S1315の処理により確認した結果、前面枠閉鎖コマンドを受信した場合には(S1315:Yes)、前面枠開放中フラグ223bをオフし(S1316)、前面枠閉鎖コマンドを表示制御装置114へ出力し(S1317)、S1318の処理へ移行する。詳細は後述するが、S1317の処理によって前面枠閉鎖コマンドが出力されると、表示制御装置114はその前面枠閉鎖コマンドを受信し、前面枠開放中フラグ233bをオフする。つまり、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から出力される前面枠閉鎖コマンドによって、前面枠14の閉鎖を検出することができる。
一方で、S1315の処理により確認した結果、前面枠閉鎖コマンドを受信していなければ(S1315:No)、S1316,S1317の処理をスキップして、S1318の処理へ移行する。
S1318では、その他の受信コマンドに応じた処理を行う(S1318)。S1318の処理後、このコマンド処理(S1111)を終了し、メイン処理(図20参照)へ戻る。なお、S1301の処理によってコマンドが受信されなかった場合には、このS1321の処理は省略する。
次に、図22を参照して、タイマ割込処理について説明する。図22は、音声ランプ制御装置113のMPU221により定期的(本実施形態では、2ms)に実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
このタイマ割込処理では、まず、前面枠開放中フラグ223bがオンであるか、即ち、前面枠14が開放中であるかを確認する(S1401)。ここで、前面枠開放中フラグ223bがオンであれば(S1401:Yes)、図23を参照しつつ後述する前面枠開放時処理を実行し(S1402)、このタイマ割込処理を終了する。
一方で、S1401の処理により確認した結果、前面枠開放中フラグ223bがオフであれば(S1401:No)、内枠開放中フラグ223aがオンであるか、即ち、内枠12が開放中であるかを確認する(S1403)。
S1403の処理により確認した結果、内枠開放中フラグ223aがオンであれば(S1403:Yes)、図23を参照しつつ後述する前面枠開放時処理を実行し(S1402)、このタイマ割込処理を終了する。
また、S1403の処理により確認した結果、内枠開放中フラグ223aがオフであれば(S1403:No)、この場合には、内枠12又は前面枠14のどちらも閉鎖されているので、そのままタイマ割込処理を終了する。
よって、このタイマ割込処理によれば、前面枠開放中フラグ223bがオンである場合には、内枠開放中フラグ223aがオンであるかオフであるかとは無関係に、前面枠開放時処理(S1402)が実行される。従って、本実施形態のパチンコ機10では、内枠12と前面枠14との両方が開放されている場合には、前面枠14の開放に対する報知が優先的に実行される。
次に、図23を参照して、上述した前面枠開放時処理(S1402)について説明する。図23は、タイマ割込処理(図22参照)の中で実行される前面枠開放時処理(S1402)を示すフローチャートである。
図23に示すように、この前面枠開放時処理(S1402)では、まず、前面枠報知計時カウンタ223fに1加算し(S1501)、前面枠報知回数カウンタ223dの値が9以下であるかを確認する(S1502)。
S1502の処理により確認した結果、前面枠報知回数カウンタ223dの値が9以下である場合には(S1502:Yes)、前面枠報知計時カウンタ223fの値が1000であるか、即ち、前面枠14の開放から2s経過したか、又は、前回の報知との間隔が2sに到達したかを確認する(S1503)。
S1503の処理により確認した結果、前面枠報知計時カウンタ223fの値が1000であれば(S1503:Yes)、前面枠14の開放から2s経過したか、前回の報知との間隔が2sに到達したかのいずれかであるので、前面枠14が開放されていることを外部に報知する後述の前面枠開放報知処理を実行する(S1504)。
そして、前面枠開放報知処理(S1504)の実行後は、前面枠報知回数カウンタ223dに1加算し(S1505)、前面枠報知計時カウンタ223fを0クリアし(S1506)、内枠12が開放している場合における内枠報知回数カウンタ223c及び内枠報知計時カウンタ223eを更新する後述の内枠更新処理を実行して(S1507)、この前面枠開放時処理(S1402)を終了する。
一方で、S1503の処理により確認した結果、前面枠報知計時カウンタ223fの値が1000に未だ到達していなければ(S1503:No)、S1504〜S1506の処理をスキップして、内枠更新処理(S1507)を実行する。
また、S1502の処理により確認した結果、前面枠報知回数カウンタ223dの値が9を超えている場合には(S1502:No)、前面枠報知回数カウンタ223dの値が11以下、即ち、前面枠報知回数カウンタ223dの値が10又は11であるかを確認する(S1508)。
S1508の処理により確認した結果、前面枠報知回数カウンタ223dの値が11以下である場合には(S1508:Yes)、前面枠報知計時カウンタ223fの値が2000であるか、即ち、前回の報知との間隔が4sに到達したかを確認する(S1509)。
S1509の処理により確認した結果、前面枠報知計時カウンタ223fの値が2000であれば(S1509:Yes)、前回の報知との間隔が4sに到達したので、前面枠開放報知処理(S1504)へ移行する。
一方で、S1509の処理により確認した結果、前面枠報知計時カウンタ223fの値が2000に未だ到達していなければ(S1509:No)、内枠更新処理(S1507)へ移行する。
また、S1508の処理により確認した結果、前面枠報知回数カウンタ223dの値が11を超えている場合には(S1508:No)、前面枠報知回数カウンタ223dの値が13以下、即ち、前面枠報知回数カウンタ223dの値が12又は13であるかを確認する(S1510)。
S1510の処理により確認した結果、前面枠報知回数カウンタ223dの値が13以下である場合には(S1510:Yes)、前面枠報知計時カウンタ223fの値が4000であるか、即ち、前回の報知との間隔が8sに到達したかを確認する(S1511)。
S1511の処理により確認した結果、前面枠報知計時カウンタ223fの値が4000であれば(S1511:Yes)、前回の報知との間隔が8sに到達したので、前面枠開放報知処理(S1504)へ移行する。
一方で、S1511の処理により確認した結果、前面枠報知計時カウンタ223fの値が4000に未だ到達していなければ(S1511:No)、内枠更新処理(S1507)へ移行する。
また、S1510の処理により確認した結果、前面枠報知回数カウンタ223dの値が13を超えている場合には(S1510:No)、前面枠報知回数カウンタ223dの値が14であるかを確認する(S1512)。
S1512の処理により確認した結果、前面枠報知回数カウンタ223dの値が14である場合には(S1512:Yes)、前面枠報知計時カウンタ223fの値が8000であるか、即ち、前回の報知との間隔が16sに到達したかを確認する(S1513)。
S1513の処理により確認した結果、前面枠報知計時カウンタ223fの値が8000であれば(S1513:Yes)、前回の報知との間隔が16sに到達したので、前面枠開放報知処理(S1504)へ移行する。
一方で、S1513の処理により確認した結果、前面枠報知計時カウンタ223fの値が8000に未だ到達していなければ(S1513:No)、内枠更新処理(S1507)へ移行する。
また、S1510の処理により確認した結果、前面枠報知回数カウンタ223dの値が14でない、即ち、前面枠報知回数カウンタ223dの値が14を超える値である場合には、前面枠報知計時カウンタ223fの値が16000であるか、即ち、前回の報知との間隔が32sに到達したかを確認する(S1514)。
S1514の処理により確認した結果、前面枠報知計時カウンタ223fの値が16000であれば(S1514:Yes)、前回の報知との間隔が32sに到達したので、前面枠開放報知処理(S1504)へ移行する。
一方で、S1514の処理により確認した結果、前面枠報知計時カウンタ223fの値が16000に未だ到達していなければ(S1514:No)、内枠更新処理(S1507)へ移行する。
よって、この前面枠開放時処理(S1402)によれば、前面枠14の開放後、まず、2s間隔で10回の報知が行われる。10回目の報知が行われた後は、4秒間隔で2回(11回目、12回目)の報知が行われ、次いで、8秒間隔で2回(13回目、14回目)の報知が行われる。そして、14回目の報知後、16秒間隔で15回目の報知が行われ、その後の報知(即ち、16回目以降の報知)は32秒間隔で行われる。
次に、図24を参照して、上述した前面枠開放報知処理(S1504)について説明する。図24は、前面枠開放報知処理(S1504)を示すフローチャートである。図24に示すように、この前面枠開放報知処理(S1504)では、まず、電飾部29〜33及び表示ランプ34(ランプ表示装置227の一部)を点灯することによって、少なくとも前面枠14が開放されていることに対する報知を視覚的に行う(S1801)。
S1801の処理後、前面枠報知回数カウンタ223dの値が9以下であるかを確認し(S1802)、前面枠報知回数カウンタ223dの値が9以下であれば(S1802:Yes)、音声出力装置226の音量を小に設定し(S1803)、S1804の処理へ移行する。
一方で、S1802の処理により確認した結果、前面枠報知回数カウンタ223dの値が9を超える場合には(S1802:No)、前面枠報知回数カウンタ223dの値が14以下であるかを確認する(S1806)。
S1806の処理により確認した結果、前面枠報知回数カウンタ223dの値が14以下、即ち、10以上14以下である場合には(S1806:Yes)、音声出力装置226の音量を中に設定し(S1807)、S1804の処理へ移行する。
一方で、S1806の処理により確認した結果、前面枠報知回数カウンタ223dの値が14を超える場合には(S1806:No)、音声出力装置226の音量を大に設定し(S1807)、S1804の処理へ移行する。
S1804では、音声出力装置226から「扉が開いています」と音声で報知を行う(S1804)。そして、S1804の処理後は、電飾部29〜33及び表示ランプ34を消灯し(S1805)、この前面枠開放報知処理(S1504)を終了する。
よって、この前面枠開放報知処理(S1504)によれば、前面枠14の開放後、10回目の報知までは、音量が小の状態で音声報知が行われる。その後、音量が中に上げられ、11回目から15回目の音声報知が行われ、それ以降(16回目以降)では、大の音量が大で音声報知が行われる。
次に、図25を参照して、上述した内枠更新処理(S1507)について説明する。図25は、内枠更新処理(S1507)を示すフローチャートである。図25に示すように、この内枠更新処理(S1507)では、まず、内枠開放中フラグ223aがオン、即ち、内枠12が開放中であるかを確認する(S1601)。
S1601の処理により確認した結果、内枠開放中フラグ223aがオフであれば(S1601:No)、内枠12は閉鎖されているので、そのまま、この内枠更新処理(S1507)を終了する。
一方で、S1601の処理により確認した結果、内枠開放中フラグ223aがオンであれば(S1601:Yes)、内枠報知計時カウンタ223eに1加算し(S1602)、内枠報知回数カウンタ223cの値が9以下であるかを確認する(S1603)。
S1603の処理により確認した結果、内枠報知回数カウンタ223cの値が9以下である場合には(S1603:Yes)、内枠報知計時カウンタ223eの値が1000であるか、即ち、内枠12の開放から2s経過したか、又は、前回の報知もしくは報知タイミングとの間隔が2sに到達したかを確認する(S1604)。
S1604の処理により確認した結果、内枠報知計時カウンタ223eの値が1000であれば(S1604:Yes)、内枠12の開放から2s経過したか、前回の報知又は報知タイミングとの間隔が2sに到達したかのいずれかであるので、前面枠14の開放に対する報知を優先するために実際の報知は行わないが、内枠12の開放に対する報知のタイミングであるとみなし、内枠報知回数カウンタ223cに1加算し(S1605)、内枠報知計時カウンタ223eを0クリアし(S1606)、この内枠更新処理(S1507)を終了する。
一方で、S1603の処理により確認した結果、内枠報知回数カウンタ223cの値が9を超えている場合には(S1603:No)、内枠報知回数カウンタ223cの値が10であるかを確認する(S1607)。
S1607の処理により確認した結果、内枠報知回数カウンタ223cの値が10である場合には(S1607:Yes)、内枠報知計時カウンタ223eの値が4000であるか、即ち、前回の報知もしくは報知タイミングとの間隔が8sに到達したかを確認する(S1608)。
S1608の処理により確認した結果、内枠報知計時カウンタ223eの値が4000であれば(S1608:Yes)、前回の報知又は報知タイミングとの間隔が8sに到達したかのいずれかであるので、S1605の処理へ移行し、内枠報知回数カウンタ223cの更新と内枠報知計時カウンタ223eの初期化とを行う。
一方で、内枠報知計時カウンタ223eの値が4000に未だ到達していなければ(S1608:No)、内枠12の開放に対する報知のタイミングに到達していないので、そのまま、この内枠更新処理(S1507)を終了する。
また、S1607の処理により確認した結果、内枠報知回数カウンタ223cの値が10でない、即ち、内枠報知回数カウンタ223cの値が10を超える値である場合には(S1607:No)、内枠報知計時カウンタ223eの値が16000であるか、即ち、前回の報知又は報知タイミングとの間隔が32sに到達したかを確認する(S1609)。
S1609の処理により確認した結果、内枠報知計時カウンタ223eの値が16000であれば(S1609:Yes)、前回の報知又は報知タイミングとの間隔が32sに到達したので、S1605の処理へ移行し、内枠報知回数カウンタ223cの更新と内枠報知計時カウンタ223eの初期化とを行う。
一方で、内枠報知計時カウンタ223eの値が16000に未だ到達していなければ(S1609:No)、内枠12の開放に対する報知のタイミングに到達していないので、そのまま、この内枠更新処理(S1507)を終了する。
よって、この内枠更新処理(S1507)によれば、内枠14の開放後、まず、2s間隔で10回、次いで、8秒間隔で1回、その後は32秒間隔の報知が行われたとみなされ、その都度、内枠報知回数カウンタ223cの値が更新される。
本実施形態のパチンコ機10では、内枠12と前面枠14との両方が同時に開放されている場合には、前面枠14の開放に対する報知が優先的に実行されるように構成されているので、かかる場合には内枠12の開放に対する報知が行われないが、内枠12の開放期間に応じて報知が実行されているとみなして内枠報知回数カウンタ223c及び内枠報知回数カウンタ223cの値が更新されるので、内枠12と前面枠14との両方が開放されている状態から前面枠14のみが閉鎖されたときには、内枠12の開放期間に応じた報知間隔をそのまま引き継ぐことができる。
次に、図26を参照して、上述した内枠開放時処理(S1404)について説明する。図26は、タイマ割込処理(図22参照)の中で実行される内枠開放時処理(S1404)を示すフローチャートである。
図26に示すように、この内枠開放時処理(S1404)では、まず、内枠報知計時カウンタ223eに1加算し(S1701)、内枠報知回数カウンタ223cの値が9以下であるかを確認する(S1702)。
S1702の処理により確認した結果、内枠報知回数カウンタ223cの値が9以下である場合には(S1702:Yes)、内枠報知計時カウンタ223eの値が1000であるか、即ち、内枠14の開放から2s経過したか、又は、前回の報知もしくは報知タイミングとの間隔が2sに到達したかを確認する(S1703)。
S1703の処理により確認した結果、内枠報知計時カウンタ223eの値が1000であれば(S1703:Yes)、内枠12の開放から2s経過したか、前回の報知もしくは報知タイミングとの間隔が2sに到達したかのいずれかであるので、内枠12が開放されていることを外部に報知する後述の内枠開放報知処理を実行する(S1704)。
そして、内枠開放報知処理(S1704)の実行後は、内枠報知回数カウンタ223cに1加算し(S1705)、内枠報知計時カウンタ223eを0クリアして(S1706)、この内枠開放時処理(S1404)を終了する。
一方で、S1703の処理により確認した結果、内枠報知計時カウンタ223eの値が1000に未だ到達していなければ(S1703:No)、そのまま、この内枠開放時処理(S1404)を終了する。
また、S1702の処理により確認した結果、内枠報知回数カウンタ223cの値が9を超えている場合には(S1702:No)、内枠報知回数カウンタ223cの値が10であるかを確認する(S1707)。
S1707の処理により確認した結果、内枠報知回数カウンタ223cの値が10である場合には(S1707:Yes)、内枠報知計時カウンタ223eの値が4000であるか、即ち、前回の報知又は報知タイミングとの間隔が8sに到達したかを確認する(S1708)。
S1708の処理により確認した結果、内枠報知計時カウンタ223eの値が4000であれば(S1708:Yes)、前回の報知又は報知タイミングとの間隔が8sに到達したので、内枠開放報知処理(S1704)へ移行する。
一方で、S1708の処理により確認した結果、内枠報知計時カウンタ223eの値が4000に未だ到達していなければ(S1708:No)、そのまま、この内枠開放時処理(S1404)を終了する。
また、S1707の処理により確認した結果、内枠報知回数カウンタ223cの値が10でない、即ち、内枠報知回数カウンタ223cの値が10を超える値である場合には(S1707:No)、内枠報知計時カウンタ223eの値が16000であるか、即ち、前回の報知又は報知タイミングとの間隔が32sに到達したかを確認する(S1709)。
S1709の処理により確認した結果、内枠報知計時カウンタ223eの値が16000であれば(S1709:Yes)、前回の報知又は報知タイミングとの間隔が32sに到達したので、内枠開放報知処理(S1704)へ移行する。
一方で、内枠報知計時カウンタ223eの値が16000に未だ到達していなければ(S1709:No)、内枠12の開放に対する報知のタイミングに到達していないので、そのまま、この内枠開放時処理(S1404)を終了する。
よって、この内枠開放時処理(S1404)によれば、内枠12の開放後、まず、2s間隔で10回の報知が行われる。10回目の報知が行われた後は、8秒間隔で11回目の報知が行われ、その後の報知(即ち、12回目以降の報知)は32秒間隔で行われる。
次に、図27を参照して、上述した内枠開放報知処理(S1704)について説明する。図27は、内枠開放報知処理(S1704)を示すフローチャートである。図27に示すように、この内枠開放報知処理(S1704)では、まず、電飾部29〜33及び表示ランプ34(ランプ表示装置227の一部)を点灯することによって、内枠12が開放されていることに対する報知を視覚的に行う(S1901)。
S1901の処理後、内枠報知回数カウンタ223cの値が9以下であるかを確認し(S1902)、内枠報知回数カウンタ223cの値が9以下であれば(S1902:Yes)、音声出力装置226の音量を小に設定し(S1903)、S1904の処理へ移行する。
一方で、S1902の処理により確認した結果、内枠報知回数カウンタ223cの値が9を超える場合には(S1902:No)、内枠報知回数カウンタ223cの値が11以下であるかを確認する(S1906)。
S1906の処理により確認した結果、内枠報知回数カウンタ223cの値が11以下、即ち、10又は11である場合には(S1906:Yes)、音声出力装置226の音量を中に設定し(S1907)、S1904の処理へ移行する。
一方で、S1906の処理により確認した結果、内枠報知回数カウンタ223cの値が11を超える場合には(S1906:No)、音声出力装置226の音量を大に設定し(S1907)、S1904の処理へ移行する。
S1904では、音声出力装置226から「枠が開いています」と音声で報知を行う(S1904)。そして、S1904の処理後は、電飾部29〜33及び表示ランプ34を消灯し(S1905)、この内枠開放報知処理(S1704)を終了する。
よって、この内枠開放報知処理(S1704)によれば、内枠12の開放後、10回目の報知までは、音量が小の状態で音声報知が行われる。その後、音量が中に上げられ、11回目及び12回目の音声報知が行われ、それ以降(13回目以降)では、大の音量で音声報知が行われる。
ここで、図28を参照して、上述した前面枠開放時処理(図23参照)及び内枠開放時処理(図26参照)の結果として行われる報知のタイミングを具体的に説明する。図28(a)は、本実施形態のパチンコ機10において前面枠14が開放された場合に、音声出力装置226及びランプ表示装置227(電飾部29〜33及び表示ランプ34)から出力される報知のタイミングを示す模式図であり、図28(b)は、本実施形態のパチンコ機10において内枠12が開放された場合に、音声出力装置226及びランプ表示装置227(電飾部29〜33及び表示ランプ34)から出力される報知のタイミングを示す模式図である。なお、図28(a)及び(b)において、黒丸「●」が報知のタイミングを示している。
図28(a)に示すように、少なくとも前面枠14が開放された場合には、最初の10回は、2s間隔で電飾部29〜33及び表示ランプ34の点灯と音声出力装置226からの音声出力による報知がなされる。
11回目及び12回目の報知は、報知間隔がさらに長くなり、4s間隔で行われる。さらに、13回目及び14回目の報知は8s間隔となる。そして、15回目の報知は16s間隔となり、16回目以降の報知は32s間隔で行われる。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、前面枠14の開放期間が長くなる(長期化する)に従って、出力される報知の間隔が長くなるように構成されている。よって、前面枠14が開放されてから時間が経過する程に、単位時間当たりの報知回数が次第に減少することになり、報知が周囲へ及ぼす悪影響を抑制することができる。
また、開放初期は比較的密な頻度で報知されることになるので、外部に対し前面枠14の開放に対する注意を喚起することができ、前面枠14が不正行為者によって不正に開放されることを牽制することができると共に、前面枠14の開放による遊技盤13への不正、例えば、不正な釘曲げや、利益性の高い入賞口への遊技球の手入れなどを防止することができる。
同様に、図28(b)に示すように、内枠12が開放された場合には、最初の10回の報知が2s間隔で行われ、11回目の報知は8s間隔で行われ、12回目以降の報知は32秒間隔で行われる。
よって、内枠12が開放された場合も、前面枠14の開放に対する報知と同様に、内枠12の開放期間が長くなる(長期化する)に従って、出力される報知の間隔が長くなるように構成されているので、単位時間当たりの報知回数が次第に減少し、報知が周囲へ及ぼす悪影響を抑制することができる。さらに、開放初期では、外部に対し内枠12の開放に対する注意を喚起することができるので、内枠12が不正行為者によって不正に開放されることを牽制することができる。その結果、内枠12の開放による各制御装置、特に、主制御装置110に対して行われる不正な改変、例えば、所謂「ぶら下げ基板」を取り付けたり、主制御装置110自体を不正な基板に取り替えたりなどを防止することができる。
また、図28(a)及び(b)に示すように、前面枠14及び内枠12の両方共に、開放期間が長くなる(長期化する)に従って、報知の強度が高まる(本実施形態では、報知音声の音量が大きくなる)ように構成されている。
具体的には、前面枠14又は内枠12の開放から20s間である第1報知期間(即ち、前面枠14又は内枠12における開放から10回目の報知まで)では、小の音量で音声報知が行われ、次の40s間である第2報知期間(即ち、前面枠14の開放に対する11回目から15回目までの報知、又は、内枠12の開放に対する11回目及び12回目の報知)では、中の音量で音声報知が行われ、その後、枠が閉鎖されるまでの期間である第3報知期間では、大の音量で音声報知が行われる。
上述のように、枠(前面枠14、内枠12)の開放期間が長くなるに従って出力される報知の間隔を長くした場合、報知が周囲へ及ぼす悪影響を抑制することができる一方で、報知間隔が長いことによる枠が開放されていることに対する注意が散漫になり、不正を招く懸念が生じる。
しかし、本実施形態のパチンコ機10では、枠の開放期間が長くなるに従って、報知の強度が高まるように構成されているので、外部に対し枠(前面枠14、内枠12)が開放されたことに対する注意を十分に喚起することができる。
ところで、図28(a)及び(b)から明らかなように、本実施形態のパチンコ機10では、前面枠14及び内枠12の両方共に、開放期間が長くなるに従って、報知間隔が長くなるように構成されているが、その報知間隔の増分は、内枠12の方が前面枠14に比べ大きく設定されている。
一般的に、内枠12は、各制御装置(主制御装置110や払出制御装置111など)を取り扱う場合に開放される。例えば、遊技中にパチンコ機10の動作(例えば、賞球の払い出しや遊技媒体の発射など)に不具合が生じた場合には、ホールの係員によって内枠12が開放され、各制御装置のチェック(例えば、配線や電気的接触のチェックなど)が行われる。かかるチェックには、通常、ある程度の時間を要するため、遊技中の不具合のために内枠12が開放された場合には、比較的長い期間に亘って内枠12が開放されたままとされることが多い。
その一方で、前面枠14は、一般的に、遊技球による遊技が行われる遊技領域(遊技盤13)を露出させる場合に開放される。例えば、遊技中に遊技領域にて不具合が生じた場合(例えば、遊技領域に配置される役物の不具合や、遊技領域内を流下する遊技球の球詰まりなど)には、ホールの係員によって前面枠14が開放されて不具合の解消が図られる。かかる不具合の解消は比較的早期に完了するので、遊技中の不具合のために前面枠14が開放された場合の開放期間は、内枠12が開放された場合に比べて短いことが多い。
よって、より長く開放されることの多い内枠12が開放された場合の開放間隔に対する開放期間に応じた増分を、前面枠14が開放された場合の開放間隔に対する増分よりも大きくすることにより、開放期間が長くなることに伴う報知回数の増加を抑制することができる。
従って、内枠12の開放期間が前面枠14の開放期間より長くなるとしても、全体の報知回数として、内枠12の開放時における報知回数と前面枠14の開放時における報知回数とを大きく異ならないようにすることができる。従って、長期間に亘って開放される可能性の高い内枠12が開放された場合に、その開放に対する報知が周囲に及ぼす悪影響を抑制し得る。
ここで、図28(a)及び(b)から明らかなように、本実施形態のパチンコ機10では、前面枠14及び内枠12の両方共に、開放から20s間は同じ報知間隔で報知を行うが、20sを超えると、報知間隔の増分が相異するように構成されている。よって、前面枠14が開放された場合であっても、内枠12が開放された場合であっても、開放初期では外部に対して同様の注意喚起を促すことができるので、いずれの枠(前面枠14、内枠12)に対する不正な開放も同様に牽制できると共に、不正な開放による各制御装置や遊技盤への不正行為を防止することができるのである。
また、上述したように、本実施形態のパチンコ機10では、前面枠14と内枠12との両方が開放されている場合には、前面枠14の開放に対する報知が優先的に実行される。即ち、前面枠14と内枠12との両方が同時に開放されている場合には開放期間に応じて長くする際の増分が、前面枠14が開放された場合の開放間隔に対する増分(即ち、増分の少ない方)とされる。よって、不正な開放を牽制できると共に、不正な開放による各制御装置や遊技盤への不正行為を防止することができるのである。
次に、図29から図31を参照して、表示制御装置114で行われる処理について説明する。なお、説明の便宜上、図31の外部割込処理を先に説明し、その後、図29のメイン処理を説明する。
図31は、表示制御装置114内のMPU231により実行される外部割込処理を示したフローチャートであり、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信した場合に実行される。この外部割込処理が実行されると、S2201,S2202,S2203,S2204の処理により、受信したコマンドの判定が行われる。
具体的には、受信したコマンドが前面枠開放コマンドであるか否かを確認し(S2201)、受信したコマンドが前面枠開放コマンドであると判定された場合には(S2201:Yes)、前面枠14が開放されたことを示すので、前面枠開放フラグ233bをオンし(S2206)、外部割込処理を終了する。
S2201の処理により確認した結果、受信したコマンドが前面枠開放コマンドでないと判定された場合には(S2201:No)、受信したコマンドが前面枠閉鎖コマンドであるか否かを確認する(S2202)。ここで、受信したコマンドが前面枠閉鎖コマンドであると判定された場合には(S2202:Yes)、前面枠14が閉鎖されたことを示すので、前面枠開放フラグ233bをオフし(S2207)、外部割込処理を終了する。
一方で、S2202の処理により確認した結果、受信したコマンドが前面枠閉鎖コマンドでないと判定された場合には(S2202:No)、受信したコマンドが内枠開放コマンドであるか否かを確認する(S2203)。S2203の処理により確認した結果、受信したコマンドが内枠開放コマンドであると判定された場合には(S2203:Yes)、内枠12が開放されたことを示すので、内枠開放フラグ233aをオンし(S2208)、外部割込処理を終了する。
S2203の処理により確認した結果、受信したコマンドが内枠開放コマンドでないと判定された場合には(S2203:No)、受信したコマンドが内枠閉鎖コマンドであるか否かを確認する(S2204)。このとき、受信したコマンドが内枠閉鎖コマンドであると判定された場合には(S2204:Yes)、内枠12が閉鎖されたことを示すので、内枠開放フラグ233aをオフし(S2209)、外部割込処理を終了する。
一方で、S2204の処理により確認した結果、受信したコマンドが内枠閉鎖コマンドでないと判定された場合には(S2204:No)、その他の受信したコマンドに対応した処理を実行し(S2205)、外部割込処理を終了する。なお、S2205で実行される処理としては、例えば、受信したコマンドが演出許可コマンドであれば、ワークRAM233内の演出許可フラグ(図示せず)をオンする。また、受信したコマンドが変動パターンコマンドであれば、ワークRAM233内の変動開始フラグ(図示せず)をオンする。また、受信したコマンドが停止コマンドであれば、第3図柄表示装置81で行われている変動を停止する処理が実行される。
図29は、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時に起動される。まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2001)。具体的には、MPU231を初期設定し、ワークRAM233,ビデオRAM234の記憶をクリアする処理などが行われる。その後、キャラクタROM235内のキャラクタ情報メモリ(図示せず)に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し(S2002)、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM234内のキャラクタ情報記憶領域(図示せず)に記憶する(S2003)。更に、初期画面を表示するために、キャラクタ情報記憶領域に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM234内の表示用記憶領域(図示せず)に書き込む(S1204)。
次に、主制御装置110から送信される演出許可コマンドを受信したかを判定するためにワークRAM233内の演出許可フラグ(図示せず)がオンされているか否かを判別し(S2005)、演出許可フラグがオンでなければ(S2005:No)、演出許可フラグがオンされるまで、S2006以降の処理を待機する。
S2005の処理の結果、演出許可フラグがオンされていれば(S2005:Yes)、大当たり中であるか否かが判別され(S2006)、大当たり中でなければ(S2006:No)、ワークRAM233内の変動開始フラグ(図示せず)がオンされているか否かが判別される(S2007)。その結果、変動開始フラグがオンされていれば(S2007:Yes)、1サイクル後のS2007の処理で既に変動開始されていることを判別可能とするために変動開始フラグをオフして(S2008)、第3図柄表示装置81の表示画面に変動パターンコマンドに対応した変動を開始させる(S2009)。
一方、S2007の処理で確認した結果、変動開始フラグがオフであった場合(S2007:No)、又は、S2009の処理で変動が開始されると、変動演出処理が行われる(S2010)。変動演出処理では、変動表示が継続して行われる場合には、キャラクタ情報や演出パターン情報が更新して設定され(ビデオRAM234内のキャラクタ情報記憶領域からのキャラクタ情報の新たな抽出と、ビデオRAM234内の表示用記憶領域への抽出されたキャラクタ情報の書き込み)、変動表示が行われていない場合には特に処理を行わずに、後述する枠開放報知処理(S2011)へ移行する。
S2011の処理後、第3図柄表示装置81における演出を行う処理(S2006〜S2010,S2013)を20ms毎に実行するために、S2006の処理が開始されてから20ms以上が経過したか否かを確認する(S2012)。S2012の処理により確認した結果、20msが未だ経過していなければ、20ms以上を経過するまで待機し(S2012:No)、20ms以上が経過していれば(S2012:Yes)、その処理をS2006の処理へ移行する。
また、S2006の処理の結果、大当たり中であれば(S2006:Yes)、大当たりの演出処理が実行される(S2013)。大当たり演出処理では、ラウンド数を更新したり、賞球数を更新したり、ラウンド毎に異なる背景の画像などの更新(ビデオRAM234内のキャラクタ情報記憶領域からのキャラクタ情報の新たな抽出と、ビデオRAM234内の表示用記憶領域への抽出されたキャラクタ情報の書き込み)を行う。大当たり演出処理(S2013)の終了後は、その処理を枠開放報知処理(S2011)に移行する。
次に、図30を参照して、上述した枠開放報知処理(S2011)について説明する。図30は、メイン処理(図29参照)の中で実行される枠開放報知処理(S2011)を示すフローチャートである。
図30に示すように、この枠開放報知処理(S2011)では、まず、前面枠開放中フラグ233bがオンであるかを確認する(S2101)。S2101の処理により確認した結果、前面枠開放中フラグ233bがオン、即ち、前面枠14が開放されている場合には(S2101:Yes)、第3図柄表示装置81に「扉が開いています」と表示し(S2102)、S2101へ移行する。
S2101の処理により確認した結果、前面枠開放中フラグ233bがオフである場合には(S2101:No)、内枠開放中フラグ233aがオンであるかを確認する(S2103)。
S2103の処理により確認した結果、内枠開放中フラグ233aがオン、即ち、内枠12が開放されている場合には(S2103:Yes)、第3図柄表示装置81に「枠が開いています」と表示し(S2104)、S2101へ移行する。
一方で、S2103の処理により確認した結果、内枠開放中フラグ233aがオフ、即ち、前面枠14も内枠12も閉鎖されている場合には(S2103:No)、枠閉鎖時復帰処理を実行し(S2103)、枠開放報知処理(S2011)を終了する。この枠閉鎖時復帰処理(S2103)は、主制御装置110において内枠12又は前面枠14の開放によって一時的に停止されていた遊技が復帰した場合に、その復帰に合わせて表示制御装置114での制御を復帰させる処理である。なお、遊技の停止が行われていない場合には、S2011の処理は省略される。
よって、この枠開放報知処理(S2011)によれば、少なくとも前面枠14が開放されている間に亘って連続的に第3図柄表示装置81に「扉が開いています」と表示(報知)され、内枠12が開放されている間に亘って連続的に第3図柄表示装置81に「扉が開いています」と表示(報知)される。なお、このような第3図柄表示装置81を使用する報知は、音声出力装置226からの音声報知や、飾部29〜33及び表示ランプ34の点灯による報知と同様に、間欠的な報知(表示)としてもよい。
以上、説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、開放可能な枠(内枠12,前面枠14)が開放された場合には、開放を外部に報せるべく間欠的な報知がされるが、その間欠的な報知の報知間隔は、枠の開放が検出されてからの開放期間に応じて、変更されるように構成されている。このように、報知間隔が変更されることにより、枠(内枠12,前面枠14)の不正な開放を牽制できる上に、報知が周囲へ及ぼす影響を低減させる方向へ改善することができる。
特に、本実施形態のパチンコ機10では、報知間隔は、枠(内枠12,前面枠14)の開放期間が長くなるに従い長い間隔とされているので、枠が開放されてから時間が経過する程に、単位時間当たりの報知回数が次第に減少することになり、報知が周囲へ及ぼす悪影響を抑制することができる。その一方で、開放初期は比較的密な頻度で報知されることになるので、外部に対し枠(内枠12,前面枠14)の開放に対する注意を喚起することができ、不正な開放を牽制できると共に、不正な開放による制御装置(主制御装置110など)や遊技盤13への不正行為を防止することができる。
以上、一実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、内枠スイッチSW1及び前面枠スイッチSW2が主制御装置110に入力される構成としたが、これらのスイッチSW1,SW2を、外部への報知を可能とする装置(例えば、音声出力装置226、ランプ表示装置227、第3図柄表示装置81など)を制御する制御装置(音声ランプ制御装置113や、表示制御装置114)に直接入力させる構成としてもよい。
なお、外部への報知を可能とする装置にスイッチSW1,SW2を入力させる場合には、外部出力端子板261を、接続先の制御装置(例えば、スイッチSW1,SW2が音声ランプ制御装置113に入力される場合には、音声ランプ制御装置113)に接続するように構成し、該接続先の制御装置(音声ランプ制御装置113など)から内枠開放中信号、前面枠開放中信号を外部出力端子板261へ出力するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、MPU201が内枠スイッチSW1及び前面枠スイッチSW2の状態を検出し、開放が検出された場合には、MPU201による制御によって信号(内枠開放中信号、前面枠開放中信号)を外部出力端子板261へ出力する構成としたが、内枠スイッチSW1及び前面枠スイッチSW2の状態を回路(枠検出回路)によってハード的に検出し、開放が検出された場合に該回路から信号を外部出力端子板261へ出力する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、内枠スイッチSW1及び前面枠スイッチSW2として、枠(内枠12、前面枠14)が閉鎖された場合にオフされ、枠(内枠12、前面枠14)が開放された場合にオンされる構造のスイッチを用いたが、枠の開閉を検出できるものであれば、この構造のスイッチに限定されない。例えば、押圧によってオンされるボタン型のスイッチのように、枠(内枠12、前面枠14)が閉鎖された場合にオンされ、枠(内枠12、前面枠14)が開放された場合にオフされる構造のスイッチを用いてもよい。あるいは、光センサなど、枠の開閉を検出可能なセンサを利用してもよい。
また、上記実施形態では、枠(内枠12又は前面枠14)が開放されたことを契機として1の枠開放コマンド(内枠開放コマンド又は前面枠開放コマンド)を主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力し、枠(内枠12又は前面枠14)が閉鎖されたことを契機として1の枠閉鎖コマンド(内枠閉鎖コマンド又は前面枠閉鎖コマンド)を主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力する構成とした。かかる構成により、音声ランプ制御装置113に、枠開放コマンド及び枠閉鎖コマンドの受信によって、枠(内枠12又は前面枠14)の開放期間を認識させた。
これに換えて、枠(内枠12又は前面枠14)が開放されたことを契機として、主制御装置110から音声ランプ制御装置113への、枠開放コマンド(内枠開放コマンド又は前面枠開放コマンド)の出力を開始し、枠の開放中は該枠開放コマンドを出力し続け、枠が閉鎖されたことを契機として該枠開放コマンドの出力を停止する構成とし、枠開放コマンドの受信期間中が枠(内枠12又は前面枠14)の開放期間であると音声ランプ装置113に認識させる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、内枠12が開放された場合に内枠開放コマンドを使用し、前面枠14が開放された場合に前面枠開放コマンドを使用する構成としたが、内枠12と前面枠14とでコマンドの種類を区別することなく、内枠12が開放された場合であっても前面枠14が開放された場合であっても共通の枠開放コマンドを出力する構成としてもよい。内枠閉鎖コマンド及び前面枠閉鎖コマンドについても同様に、内枠12と前面枠14とでコマンドの種類を区別することなく、内枠12が閉鎖された場合であっても前面枠14が閉鎖された場合であっても共通の枠閉鎖コマンドを出力する構成にすることができる。
また、上記実施形態では、内枠12が開放された場合には内枠開放コマンドを出力し、内枠12が閉鎖された場合には内枠閉鎖コマンドを出力する構成としたが、開放と閉鎖とでコマンドの種類を区別することなく、内枠12が開放された場合であっても閉鎖された場合であっても共通のコマンド(内枠開閉コマンド)を出力する構成としてもよい。前面枠14についても同様に、前面枠14が開放された場合であっても閉鎖された場合であっても、コマンドの種類を区別せず、共通のコマンド(内枠開閉コマンド)を出力する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、主制御装置110からコマンド(内枠開放コマンドや前面枠開放コマンドなど)を受信した側の制御装置(音声ランプ制御装置113)が報知間隔の制御を行う構成としたが、枠の開閉を検出した主制御装置110が報知間隔の制御を行う構成であってもよい。
また、上記実施形態では、枠(内枠12、前面枠14)の開放期間が長くなるに従って、報知間隔が長くなると共に、音声出力装置226から出力される報知音声の音量が大きくなるように構成したが、音量の変更を行うことなく、報知間隔のみが枠の開放期間と共に長くなるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、枠(内枠12、前面枠14)の開放期間が長くなるに従って、音声出力装置226から出力される報知音声の音量が大きくなるように構成したが、報知音声の音量に限らず、枠の開放期間が長くなるに従って音声以外による報知の強度を高くする構成としてもよい。なお、音声以外による報知の強度としては、例えば、ランプ表示装置267を点灯(発光)させた場合の発光量や点灯色の強度などが挙げられる。
なお、上記実施形態のパチンコ機10のように、枠(内枠12、前面枠14)の開放期間に応じて報知音声の音量を変更する(即ち、開放期間が長い程、報知強度を高くする)ことによって、パチンコ機10から遠く離れた位置にも枠(内枠12、前面枠14)の開放を報せることができ、報知間隔を長くすることによって周囲へ及ぼす悪影響を抑制しつつも、外部に対し枠の開放に対する注意を十分に喚起することができる。その結果、不正な開放の牽制及び制御装置(例えば、主制御装置110)や遊技盤13への不正行為の抑止を実現できる。
また、上記実施形態では、内枠12の開放に対する報知態様と前面枠12の開放に対する報知態様とが、音声出力装置226から出力される音声の内容以外は同じに構成したが、内枠12の開放に対する報知態様と前面枠12の開放に対する報知態様とで異なる報知態様としても、枠の開放期間に応じて報知間隔を変更することにより、上記実施形態において奏した効果と同様に効果を奏することができる。
また、上記実施形態では、内枠報知計時カウンタ223e及び前面枠報知計時カウンタ223fを用いて、それぞれ、内枠12及び前面枠14の報知間隔を各報知間隔毎に計時するように構成しているが、内枠12又は前面枠14の開放から閉鎖されるまでの期間を連続して計時し、所定の報知間隔に達したと判定される毎に報知をさせるように構成してもよい。あるいは、報知回数を計数する内枠報知回数カウンタ223c及び前面枠報知回数カウンタ223dを使用せずに、内枠12又は前面枠14の開放から閉鎖されるまでの期間を連続して計時するカウンタ又はタイマを用いて、予め規定された報知スケジュールに基づいて報知をさせるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、図28に示すように、内枠12又は前面枠14が開放されてから2秒後に1回目の報知が行われる構成としたが、内枠12又は前面枠14が開放された場合に1回目の報知を行うよう構成してもよい。
また、上記実施形態では、枠開閉監視処理(図13参照)において、内枠12又は前面枠14のいずれか一方が開放中である場合(即ち、内枠開放中フラグ203a又は前面枠開放中フラグ203bのいずれか一方がオンである場合)に、遊技停止処理(S1211)からS1201へ戻り、内枠12及び前面枠14の両方が閉鎖されたことが検出されるまで、S1201〜S1219の処理がループされる。これに換えて、S1208、S1219、又はS1216におけるNoの分岐処理後、S1209〜S1211,S1220の処理を行うことなく、内枠開放中信号や前面枠開放中信号や開放されていた枠が閉鎖された場合に出力される復帰信号などを外部出力端子板261へ出力する処理を行い、枠開閉監視処理を終了する構成(即ち、枠開閉監視処理がループされない構成)としてもよい。
また、上記実施形態では、前面枠開放報知処理(図24参照)が1回実行される毎に、まず、S1801の処理によって電飾部29〜33及び表示ランプ34の点灯を行い、その後、S1804の処理によって「扉が開いています」との音声報知が行われると、S1805の処理によって、点灯されていた電飾部29〜33及び表示ランプ34を消灯する構成としたが、S1801の処理によって電飾部29〜33及び表示ランプ34を点灯した後、その点灯を所定期間(例えば、次回の点灯に影響を与えない数秒程度の期間)だけ維持してから消灯する構成としてもよい。あるいは、S1801の処理によって電飾部29〜33及び表示ランプ34を点灯した後、所定期間(例えば、次回の点灯に影響を与えない数秒程度の期間)だけ点滅させてから消灯する構成としてもよい。
同様に、上記実施形態では、内枠開放報知処理(図27参照)が1回実行される毎に、まず、S1901の処理によって電飾部29〜33及び表示ランプ34の点灯を行い、その後、S1904の処理によって「枠が開いています」との音声報知が行われると、S1905の処理によって、点灯されていた電飾部29〜33及び表示ランプ34を消灯する構成としたが、S1901の処理によって電飾部29〜33及び表示ランプ34を点灯した後、その点灯を所定期間(例えば、次回の点灯に影響を与えない数秒程度の期間)だけ維持してから消灯する構成としてもよい。あるいは、S1901の処理によって電飾部29〜33及び表示ランプ34を点灯した後、所定期間(例えば、次回の点灯に影響を与えない数秒程度の期間)だけ点滅させてから消灯する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしても良い。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成しても良い。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
スロットマシンは、回胴などを内側に設置する略箱状の筐体(本体)と、その筐体の前面を開閉する前面扉(扉体)とによって外形が形成されている。スロットマシンの内部には、遊技の主な制御を行う主制御装置が設置されると共に、遊技者に付与するメダルなどが貯留されている。よって、かかるスロットマシンに対し、上記実施形態において例示したパチンコ機10と同様に、前面扉が開放された場合に、開放を外部に報せるべく間欠的な報知を行い、その間欠的な報知の報知間隔を、前面扉の開放が検出されてからの開放期間に応じて変更されるように構成することにより、前面扉の不正な開放を牽制できる上に、報知が周囲へ及ぼす影響を低減させる方向へ改善することができる。
また、報知間隔を、前面扉の開放期間が長くなるに従い長い間隔とすることにより、前面扉が開放されてから時間が経過する程に、単位時間当たりの報知回数が次第に減少することになり、報知が周囲へ及ぼす悪影響を抑制することができる。その一方で、開放初期は比較的密な頻度で報知されることになるので、外部に対し前面扉の開放に対する注意を喚起することができ、不正な開放を牽制できると共に、前面扉の不正な開放による制御装置(主制御装置や払出制御装置など)や遊技者の遊技価値となるメダルの盗難などの不正行為を防止することができる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機および変形例を示す。本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、前記本体に対して前記扉体が開放された場合に、その開放を検出可能な開放検出手段と、その検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に報知を行う報知手段とを備えた遊技機において、前記報知手段は、前記開放検出手段により前記扉体の開放が検出されている間に亘って間欠的な報知を行うものであり、前記開放検出手段により前記扉体の開放が検出されてからの開放期間に応じて、前記報知手段によって行われる前記間欠的な報知の間隔を変更する報知間隔変更手段を備えていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、本体に対する扉体の開放が開放検出手段によって検出されると、該扉体が開放されている間に亘って報知手段により間欠的な報知が行われるが、その際には、間欠的な報知の間隔が、報知間隔変更手段により、扉体の開放期間に応じて変更される。よって、間欠的な報知の間隔を変更することにより、不正な開放を牽制できる上に、報知が周囲へ及ぼす悪影響を低減させる方向へ改善することができる。
例えば、開放期間が長くなるに伴って報知の間隔を長くする傾向(時に、前回の報知間隔より報知間隔が短くなることを含む)にすることにより、扉体が開放されてから時間が経過する程に、単位時間当たりの報知回数が次第に減少することになり、報知が周囲へ及ぼす悪影響を抑制することができる。その一方で、開放初期は比較的密な頻度で報知されることになるので、外部に対し扉体の開放に対する注意を喚起することができ、不正な開放を牽制できる。また、一般的に、扉体の背面側(裏面側)や扉体の開放によって開口する本体の内部には、遊技の制御を行う制御手段(制御装置)が配置されていることが多いので、不正な開放による制御手段(制御装置)などへの不正行為を防止することが可能となる。
なお、上記実施形態において、遊技機1における報知手段としては、S1504,S1704の処理が該当し、遊技機1における報知間隔変更手段としては、前面枠開放時処理(図23参照)におけるS1502,S1503,S1508,S1509,S1510,S1512〜S1514の処理、及び、内枠開放時処理(図26参照)におけるS1702,S1703,S2707〜S1709の処理が該当する。
遊技機1において、前記報知間隔変更手段は、前記開放期間が長くなるに従って前記報知手段による前記間欠的な報知の間隔を長くするものであることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、本体に対する扉体の開放が開放検出手段によって検出されると、該扉体が開放されている間に亘って報知手段により間欠的な報知が行われるが、その際には、報知の間隔が、該扉体の開放期間が長くなるに従って長くなるよう、報知間隔変更手段によって変更される。
よって、扉体が開放されてから時間が経過する程に、単位時間当たりの報知回数が次第に減少することになり、報知が周囲へ及ぼす悪影響を抑制することができる。その一方で、開放初期は比較的密な頻度で報知されることになるので、外部に対し扉体の開放に対する注意を喚起することができ、不正な開放を牽制できると共に、不正な開放による制御手段(制御装置)や遊技盤への不正行為を防止することができる。
遊技機2において、前記扉体は、前記本体の前面を開閉する第1扉体と、その第1扉体における前記本体とは反対側の面に設けられ該第1扉体に対して開閉する第2扉体とを含んで構成されるものであり、前記開放検出手段は、前記本体に対する前記第1扉体の開放を検出可能な第1開放検出手段と、前記第1扉体に対する前記第2扉体の開放を検出可能な第2開放検出手段とを含んで構成されるものであり、前記報知間隔変更手段は、前記第1開放検出手段により前記第1扉体の開放が検出された場合に該第1扉体の開放期間が長くなるに従って前記報知手段による前記間欠的な報知の間隔を長くする第1報知間隔変更手段と、前記第2開放検出手段により前記第2扉体の開放が検出された場合に該第2扉体の開放期間が長くなるに従って前記報知手段による前記間欠的な報知の間隔を長くする第2報知間隔変更手段とを含んで構成されるものであり、前記第1報知間隔変更手段によって前記間欠的な報知の間隔を長くする際の増分と、前記第2報知間隔変更手段によって前記間欠的な報知の間隔を長くする際の増分とが異なることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、本体の前面を開閉する扉体は、本体の前面を開閉する第1扉体と、その第1扉体における本体とは反対側を開閉する第2扉体とを含んで構成されており、本体に対する第1扉体の開放は第1開放検出手段(開放検出手段の一部)により検出され、第1扉体に対する第2扉体の開放は第2開放検出手段(開放検出手段の一部)により検出される。
ここで、第1開放検出手段により第1扉体の開放が検出された場合には、報知手段による間欠的な報知の間隔が、第1扉体の開放期間が長くなるに従って長くなるように第1報知間隔変更手段(報知間隔変更手段の一部)によって変更され、その一方で、第2開放検出手段により第2扉体の開放が検出された場合には、報知手段による間欠的な報知の間隔が、第2扉体の開放期間が長くなるに従って長くなるように第2報知間隔変更手段(報知間隔変更手段の一部)によって変更される。
このとき、第1報知間隔変更手段によって間欠的な報知の間隔を長くする際の増分と、第2報知間隔変更手段によって間欠的な報知の間隔を長くする際の増分とが異なるように変更されるので、扉体(第1扉体,第2扉体)の特性に応じた報知間隔を実現することができる。
例えば、一般的に、本体の前面を開閉する第1扉体は、該第1扉体の背面側(裏面側)に設けられている制御手段(遊技の制御を行う制御装置)を取り扱う場合に開放される。遊技中に遊技機の動作(例えば、賞球の払い出しや遊技媒体の発射など)に不具合が生じた場合には、ホールの係員によって第1扉体が開放され、制御手段のチェック(例えば、配線や電気的接触のチェックなど)が行われる。かかるチェックには、通常、ある程度の時間を要するため、遊技中の不具合のために第1扉体が開放された場合には、比較的長い期間に亘って第1扉体が開放されたままとされることが多い。
一方で、第1扉体における本体とは反対側を開閉する第2扉体は、一般的に、遊技媒体による遊技が行われる遊技領域を露出させる場合に開放される。遊技中に遊技領域にて不具合が生じた場合(例えば、遊技領域に配置される役物の不具合や、遊技領域内を流下する遊技球の球詰まりなど)には、ホールの係員によって第2扉体が開放されて不具合の解消が図られる。かかる不具合の解消は比較的早期に完了するので、遊技中の不具合のために第2扉体が開放された場合の開放期間は、第1扉体が開放された場合に比べて短いことが多い。
よって、長く開放されることの多い第1扉体が開放された場合の開放間隔に対する開放期間に応じた増分を、第2扉体が開放された場合の開放間隔に対する増分よりも大きくすることにより、開放期間が長くなることに伴う報知回数の増加を抑制できるので、第1扉体の開放期間が第2扉体の開放期間より長くなるとしても、全体の報知回数として、第1扉体の開放時における報知回数と第2扉体の開放時における報知回数とを大きく異ならないようにすることができる。従って、扉体の開放を報せる報知が周囲に及ぼす悪影響を抑制できる。
なお、上記実施形態において、遊技機3における第1報知間隔変更手段としては、内枠開放時処理(図26参照)におけるS1702,S1703,S1707〜S1709の処理が該当し、遊技機3における第2報知間隔変更手段としては、前面枠開放時処理(図23参照)におけるS1502,S1503,S1508,S1509,S1510,S1512〜S1514の処理が該当する。
遊技機3において、前記第1開放検出手段によって前記第1扉体の開放が検出された場合に前記第1報知間隔変更手段によって前記間欠的な報知の間隔を長くする際の増分は、前記第2開放検出手段によって前記第2扉体の開放が検出された場合に前記第2報知間隔変更手段によって前記間欠的な報知の間隔を長くする際の増分に比べて大きいことを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、第1報知間隔変更手段によって間欠的な報知の間隔を長くする際の増分が、第2報知間隔変更手段によって間欠的な報知の間隔を長くする際の増分に比べて大きくされるので、長く開放されることの多い第1扉体が開放された場合の開放間隔を、開放期間に応じて長くする際の増分を、第2扉体が開放された場合の開放間隔に対する増分よりも大きくすることにより、開放期間が長くなることに伴う報知回数の増加を抑制できるので、第1扉体の開放期間が第2扉体の開放期間より長くなるとしても、全体の報知回数として、第1扉体の開放時における報知回数と第2扉体の開放時における報知回数とを大きく異ならないようにすることができる。従って、扉体の開放を報せる報知が周囲に及ぼす悪影響を抑制できる。
遊技機4において、前記第1開放検出手段により前記第1扉体の開放が検出され、かつ、前記第2開放検出手段により前記第2扉体の開放が検出されている場合には、前記第2報知間隔変更手段による前記間欠的な報知の間隔の変更を優先して行うことを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、第1開放検出手段により第1扉体の開放が検出され、かつ、第2開放検出手段により第2扉体の開放が検出されている場合、即ち、第1扉体と第2扉体との両方が同時に開放されている場合には、第2報知間隔変更手段による間欠的な報知の間隔の変更が優先して行なわれる。つまり、第1扉体と第2扉体との両方が同時に開放されている場合には開放期間に応じて長くする際の増分が、第2扉体が開放された場合の開放間隔に対する増分(即ち、増分の少ない方)とされる。よって、不正な開放を牽制できると共に、不正な開放による制御手段(制御装置)や遊技盤への不正行為を防止することができる。
遊技機3から5のいずれかにおいて、前記第1報知間隔変更手段によって前記間欠的な報知の間隔を長くする際の増分と前記第2報知間隔変更手段によって前記間欠的な報知の間隔を長くする際の増分との相異は、前記第1開放検出手段又は前記第2開放検出手段によって前記第1扉体又は第2扉体の開放が検出されてから所定の期間が経過した後に生じることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、第1報知間隔変更手段によって間欠的な報知の間隔を長くする際の増分と第2報知間隔変更手段によって前記間欠的な報知の間隔を長くする際の増分との相異が、第1扉体又は第2扉体が開放されてから所定の期間が経過した後に生じるように構成されている。従って、第1扉体及び第2扉体は共に、所定の期間に至るまでの開放初期では、報知間隔の初期値から同じ増分で報知間隔が変更される。よって、第1扉体が開放された場合であっても、第2扉体が開放された場合であっても、開放初期では外部に対して同様の注意喚起を促すことができるので、いずれの扉体に対する不正な開放も同様に牽制できると共に、不正な開放による制御手段(制御装置)や遊技盤への不正行為を防止することができる。
遊技機3から6のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記第1開放検出手段によって前記第1扉体の開放が検出された場合と前記第2開放検出手段によって前記第2扉体の開放が検出された場合との両方の場合において、各開放の検出から所定の期間に亘って略同一の間隔で報知を行うものであり、前記第1報知間隔変更手段及び前記第2報知間隔変更手段は、前記各開放の検出から前記所定の期間を越えた場合において前記間欠的な報知の間隔の変更を行うものであることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、第1扉体が開放された場合と第2扉体が開放された場合との両方の場合において、各開放に対する報知手段による報知は、各開放の検出から所定の期間に亘って略同一の間隔で行われ、該所定の期間の経過後に、第1報知間隔変更手段及び第2報知間隔変更手段による報知間隔の変更が行われる。
よって、第1扉体が開放された場合であっても、第2扉体が開放された場合であっても、開放初期では外部に対して同様の注意喚起を促すことができるので、いずれの扉体に対する不正な開放も同様に牽制できると共に、不正な開放による制御手段(制御装置)や遊技盤への不正行為を防止することができる。そして、その後は、扉体(第1扉体,第2扉体)の特性に応じた報知間隔を実現することができるので、扉体の開放を報せる報知が周囲に及ぼす悪影響の抑制が可能となる。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記開放検出手段により前記扉体の開放が検出されてからの開放期間が長くなるに従い、前記報知手段による報知の強度を高める報知強度変更手段を備えていることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、本体に対する扉体の開放が開放検出手段によって検出されると、該扉体が開放されている間に亘って報知手段により間欠的な報知が行われるが、その際には、報知の強度(例えば、音声出力時の音量や、ランプ点灯時の発光量や、ランプ点灯色の強度など)が、該扉体の開放期間が長くなるに従って該強度が高くなるよう、報知強度変更手段によって変更される。
よって、扉体が開放されてから時間が経過する程、報知の強度が高まるので、外部に対し扉体の開放に対する注意喚起を有効に促すことができる。従って、報知の間隔が扉体の開放期間が長くなるに従って長くされた場合であっても、扉体が開放されてから時間が経過するに程、報知強度が高まるので、報知間隔を長くすることによって周囲へ及ぼす悪影響を抑制しつつも、外部に対し扉体の開放に対する注意を十分に喚起することができ、不正な開放の牽制及び制御手段(制御装置)や遊技盤への不正行為の抑止を実現できる。
なお、上記実施形態において、遊技機8における報知強度変更手段としては、前面枠開放報知処理(図24参照)におけるS1802,S1803,S1806〜S1808の処理、及び、内枠開放報知処理(図27参照)におけるS1902,S1903,S1906〜S1908の処理が該当する。
遊技機8において、前記報知強度変更手段は、前記報知手段による報知音量を変更するものであることを特徴とする遊技機9。
遊技機9によれば、本体に対する扉体の開放が開放検出手段によって検出されると、該扉体が開放されている間に亘って報知手段により間欠的な報知が行われるが、その際には、報知手段による報知音量(音声出力時の音量)が上げられるので、遊技機から離れた位置にも扉体の開放を報せることができ、報知間隔を長くすることによって周囲へ及ぼす悪影響を抑制しつつも、外部に対し扉体の開放に対する注意を十分に喚起することができ、不正な開放の牽制及び制御手段(制御装置)や遊技盤への不正行為の抑止を実現できる。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記扉体の背面側に配置され遊技の制御を行う制御手段を備えていることを特徴とする遊技機10。
遊技機10によれば、扉体の背面側(裏面側)には、遊技の制御を行う制御手段(制御装置)が配置されているので、不正な開放による制御手段(制御装置)や遊技盤への不正行為を確実に防止することができる。
なお、上記実施形態において、遊技機10における制御手段としては、主制御装置110、払出制御装置111、発射制御装置112、音声ランプ制御装置113、表示制御装置114などの、遊技の制御を行うための制御装置が該当する。
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機11。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機12。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機13。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来、パチンコ機などの遊技機は、遊技機本体の前面側に開閉可能な扉体を設け、該遊技機本体の前面を開放可能に構成されることが一般的である(例えば、特許文献1:特開2007−111100号公報)。ここで、かかる扉体が、遊技機本体に対して開閉可能に取り付けられた内枠と、その内枠に対して開閉可能に取り付けられたガラス扉(前面枠)とから構成されることもまた一般的である。
遊技機の一種であるパチンコ機では、内枠の裏面側から遊技盤が装着されており、かかる遊技盤の遊技領域はガラス扉の開放によって露出させることができる。よって、遊技中に遊技領域内に不具合が生じた場合(例えば、遊技領域に配置される役物の不具合や、遊技領域内を流下する遊技球の球詰まりなど)には、ホールの係員によってガラス扉が開放され不具合の解消が図られる。
一方、遊技盤の裏面側には、遊技の制御を行う制御装置が取り付けられており、遊技機本体に対して内枠が閉鎖されている場合には、制御装置は、遊技機本体と内枠とにより形成される空間等(例えば、内枠の裏面側等)に収納されている。遊技中に、遊技機の動作に不具合(例えば、賞球が払い出されない、遊技球が発射されないなど)が生じた場合には、ホールの係員によって内枠が開放され、制御装置のチェック(例えば、配線や電気的接触のチェックなど)が行われる。
ところで、遊技機の一種であるパチンコ機では、所定のタイミングで抽選が行われ、その抽選によって所定の結果(例えば、大当たり)が得られた場合に大量の遊技媒体(遊技球やコイン)が払出可能となる。かかる抽選は、制御装置(例えば、主制御装置)によって制御されるので、不当に大当たりを発生させ大量の遊技媒体を不正に払い出させる目的で、かかる制御装置が不正行為者によって不正に改変されるという事例がしばしば発生している。なお、不正な改変の具体例としては、制御装置に不正な基板(例えば、「ぶら下げ基板」)を取り付けたり、該制御装置自体を不正な基板に取り替えたり、該制御装置のCPUを不正用のCPUに取り替えたりなどが挙げられる。よって、内枠は、不正行為者が制御装置に不正を施す目的で不正に開放されることがある。
また、不正行為者は、遊技領域に設置された球案内用の釘を不正に曲げて抽選の契機となる入賞口への遊技球の入賞を有利なものとしたり(所謂、釘曲げゴト)、利益性の高い入賞口(例えば、特定入賞口)へ、手で、直接遊技球を入れたりなどの不正行為を行うことがある。そのため、ガラス扉もまた、不正に開放されることがある。
内枠及びガラス扉は、上述のように不正に開放されることがしばしば起こり得るため、内枠又はガラス扉の開放を検出した場合に、ランプ点灯や音声出力などによって、内枠又はガラス扉が開放された旨を外部へ報知し、不正な開放を防止する遊技機が提案されている。
しかしながら、内枠及びガラス扉等の開放可能扉は、遊技中に生じた不具合を解決する目的で正当に開放される場合も多々あるので、開放可能扉の開放が検出される度に、ランプ点灯や音声出力などの報知が行われるとなると、周囲の遊技者が遊技に集中できなくなるなど、周囲に対して悪影響を及ぼすという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、周囲への悪影響を抑制しつつ、不正な開放を抑止し得る遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために、技術的思想1の遊技機は、本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、前記本体に対して前記扉体が開放された場合に、その開放を検出可能な開放検出手段と、その検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に報知を行う報知手段とを備えたものであって、前記報知手段は、前記開放検出手段により前記扉体の開放が検出されている間に亘って間欠的な報知を行うものであり、前記開放検出手段により前記扉体の開放が検出されてからの開放期間に応じて、前記報知手段によって行われる前記間欠的な報知の間隔を変更する報知間隔変更手段を備えている。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記報知間隔変更手段は、前記開放期間が長くなるに従って前記報知手段による前記間欠的な報知の間隔を長くするものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記扉体は、前記本体の前面を開閉する第1扉体と、その第1扉体における前記本体とは反対側の面に設けられ該第1扉体に対して開閉する第2扉体とを含んで構成されるものであり、前記開放検出手段は、前記本体に対する前記第1扉体の開放を検出可能な第1開放検出手段と、前記第1扉体に対する前記第2扉体の開放を検出可能な第2開放検出手段とを含んで構成されるものであり、前記報知間隔変更手段は、前記第1開放検出手段により前記第1扉体の開放が検出された場合に該第1扉体の開放期間が長くなるに従って前記報知手段による前記間欠的な報知の間隔を長くする第1報知間隔変更手段と、前記第2開放検出手段により前記第2扉体の開放が検出された場合に該第2扉体の開放期間が長くなるに従って前記報知手段による前記間欠的な報知の間隔を長くする第2報知間隔変更手段とを含んで構成されるものであり、前記第1報知間隔変更手段によって前記間欠的な報知の間隔を長くする際の増分と、前記第2報知間隔変更手段によって前記間欠的な報知の間隔を長くする際の増分とが異なる。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記開放検出手段により前記扉体の開放が検出されてからの開放期間が長くなるに従い、前記報知手段による報知の強度を高める報知強度変更手段を備えている。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、本体に対する扉体の開放が開放検出手段によって検出されると、該扉体が開放されている間に亘って報知手段により間欠的な報知が行われるが、その際には、間欠的な報知の間隔が、報知間隔変更手段により、扉体の開放期間に応じて変更される。よって、間欠的な報知の間隔を変更することにより、不正な開放を牽制できる上に、報知が周囲へ及ぼす悪影響を低減させる方向へ改善することができるという効果がある。
例えば、開放期間が長くなるに伴って報知の間隔を長くする傾向(時に、前回の報知間隔より報知間隔が短くなることを含む)にすることにより、扉体が開放されてから時間が経過する程に、単位時間当たりの報知回数が次第に減少することになり、報知が周囲へ及ぼす悪影響を抑制することができる。その一方で、開放初期は比較的密な頻度で報知されることになるので、外部に対し扉体の開放に対する注意を喚起することができ、不正な開放を牽制できる。また、一般的に、扉体の背面側(裏面側)や扉体の開放によって開口する本体の内部には、遊技の制御を行う制御手段(制御装置)が配置されていることが多いので、不正な開放による制御手段(制御装置)などへの不正行為を防止することが可能となる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。本体に対する扉体の開放が開放検出手段によって検出されると、該扉体が開放されている間に亘って報知手段により間欠的な報知が行われるが、その際には、報知の間隔が、該扉体の開放期間が長くなるに従って長くなるよう、報知間隔変更手段によって変更される。
よって、扉体が開放されてから時間が経過する程に、単位時間当たりの報知回数が次第に減少することになり、報知が周囲へ及ぼす悪影響を抑制することができるという効果がある。その一方で、開放初期は比較的密な頻度で報知されることになるので、外部に対し扉体の開放に対する注意を喚起することができ、不正な開放を牽制できると共に、不正な開放による制御手段(制御装置)や遊技盤への不正行為を防止することができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。本体の前面を開閉する扉体は、本体の前面を開閉する第1扉体と、その第1扉体における本体とは反対側を開閉する第2扉体とを含んで構成されており、本体に対する第1扉体の開放は第1開放検出手段(開放検出手段の一部)により検出され、第1扉体に対する第2扉体の開放は第2開放検出手段(開放検出手段の一部)により検出される。
ここで、第1開放検出手段により第1扉体の開放が検出された場合には、報知手段による間欠的な報知の間隔が、第1扉体の開放期間が長くなるに従って長くなるように第1報知間隔変更手段(報知間隔変更手段の一部)によって変更され、その一方で、第2開放検出手段により第2扉体の開放が検出された場合には、報知手段による間欠的な報知の間隔が、第2扉体の開放期間が長くなるに従って長くなるように第2報知間隔変更手段(報知間隔変更手段の一部)によって変更される。
このとき、第1報知間隔変更手段によって間欠的な報知の間隔を長くする際の増分と、第2報知間隔変更手段によって間欠的な報知の間隔を長くする際の増分とが異なるように変更されるので、扉体(第1扉体,第2扉体)の特性に応じた報知間隔を実現することができるという効果がある。
例えば、一般的に、本体の前面を開閉する第1扉体は、該第1扉体の背面側(裏面側)に設けられている制御手段(遊技の制御を行う制御装置)を取り扱う場合に開放される。遊技中に遊技機の動作(例えば、賞球の払い出しや遊技媒体の発射など)に不具合が生じた場合には、ホールの係員によって第1扉体が開放され、制御手段のチェック(例えば、配線や電気的接触のチェックなど)が行われる。かかるチェックには、通常、ある程度の時間を要するため、遊技中の不具合のために第1扉体が開放された場合には、比較的長い期間に亘って第1扉体が開放されたままとされることが多い。
一方で、第1扉体における本体とは反対側を開閉する第2扉体は、一般的に、遊技媒体による遊技が行われる遊技領域を露出させる場合に開放される。遊技中に遊技領域にて不具合が生じた場合(例えば、遊技領域に配置される役物の不具合や、遊技領域内を流下する遊技球の球詰まりなど)には、ホールの係員によって第2扉体が開放されて不具合の解消が図られる。かかる不具合の解消は比較的早期に完了するので、遊技中の不具合のために第2扉体が開放された場合の開放期間は、第1扉体が開放された場合に比べて短い。
よって、長く開放されることの多い第1扉体が開放された場合の開放間隔を、開放期間に応じて長くする際の増分を、第2扉体が開放された場合の開放間隔に対する増分よりも大きくすることにより、開放期間が長くなることに伴う報知回数の増加を抑制できるので、第1扉体の開放期間が第2扉体の開放期間より長くとも、全体の報知回数を、第2扉体の開放時の報知回数と大きく異ならない回数とすることができる。従って、扉体の開放を報せる報知が周囲に及ぼす悪影響を抑制できる。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。本体に対する扉体の開放が開放検出手段によって検出されると、該扉体が開放されている間に亘って報知手段により間欠的な報知が行われるが、その際には、報知の強度(例えば、音声出力時の音量や、ランプ点灯時の発光量や、ランプ点灯色の強度など)が、該扉体の開放期間が長くなるに従って該強度が高くなるよう、報知強度変更手段によって変更される。
よって、扉体が開放されてから時間が経過する程、報知の強度が高まるので、外部に対し扉体の開放に対する注意喚起を有効に促すことができるという効果がある。従って、報知の間隔が扉体の開放期間が長くなるに従って長くされる場合であっても、扉体が開放されてから時間が経過する程、報知強度が高まるので、報知間隔を長くすることによって周囲へ及ぼす悪影響を抑制しつつも、外部に対し扉体の開放に対する注意を十分に喚起することができ、不正な開放の牽制及び制御手段(制御装置)や遊技盤への不正行為の抑止を実現できる。