以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、内枠12と前面枠14と下皿ユニット15とが開放された状態におけるパチンコ機10の斜視図であり、図3は、内枠12の開閉を検出する内枠スイッチSW1の構造を示す模式図であり、図4はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図5はパチンコ機10の背面図である。なお、図2においては、便宜上、遊技盤13及びガラスユニット16を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを有している。遊技場においては、外枠11の外周面が遊技場の島と呼ばれる設置箇所に固定される。内枠12、前面枠14および下皿ユニット15は、外枠11に対して前面側に開放可能に構成されるので、パチンコ機10の前面側からは触れられない裏面側や内部に対しての点検や調整は、外枠11に対して内枠12等を前面側に開放して行われる。
外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12は、矩形状に形成されたABS樹脂製の内枠ベース25(図2参照)を主体に構成されており、内枠ベース25の中央部には略円形状の中央窓25a(図2参照)が形成されている。内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図4参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112aやその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
本実施形態のパチンコ機10では、図2に示すように、外枠11と内枠12との間に、内枠12の開放および閉鎖を検出する内枠スイッチSW1(SW1a,SW1b)が設けられており、内枠12と前面枠14との間には、前面枠14の開放および閉鎖を検出する前面枠スイッチSW2(SW2a,SW2b)が設けられている。内枠スイッチSW1は、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aと、内枠12の外枠11と対向する面に配設された絶縁性部材から構成される雄型スイッチSW1bとから構成される。また、前面枠スイッチSW2は、内枠12の前面枠14と対向する面に配設された雌型スイッチSW2aと、前面枠14の内枠12と対向する面に配設された雄型スイッチSW2bとから構成される。
ここで、図3を参照して、内枠スイッチSW1および前面枠スイッチSW2の構造について説明する。なお、内枠スイッチSW1と前面枠スイッチSW2とは同一の構造であるので、内枠スイッチSW1についてその構造を説明し、前面枠スイッチSW2についてはその説明を省略する。なお、図3(a)は、内枠12が閉鎖されている場合における内枠スイッチSW1の状態(オフ状態、遮断状態)を示す模式図である。また、図3(b)は、内枠12が開放されている場合における内枠スイッチSW1の状態(オン状態、導通状態)を示す模式図である。
図3(a)に示すように、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aには、導電部材である金属から構成される一対の端子対SW1cが内蔵されている。
ここで、内枠12が閉鎖されている場合には、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aに、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bが内挿される。雌型スイッチSW1a内に内挿された雄型スイッチSW1bは、端子対SW1cの間へ介挿されて端子対SW1c同士の接触を妨げる。このように、内枠12が閉鎖されている場合には、端子対SW1c同士の接触は絶縁性の雄型スイッチSW1bによって妨げられるので、内枠スイッチSW1はオフされた(導通が遮断された)状態となる。
一方、図3(b)に示すように、内枠12が開放されている場合には、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bが、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aから引き抜かれる。雌型スイッチSW1a内の端子対SW1cは、互いに対向する方向に付勢力が発生する構造であるため、雄型スイッチSW1bが雌型スイッチSW1aから引き抜かれた状態では、端子対SW1c同士が接触する。よって、内枠12が開放されている場合には、内枠スイッチSW1はオンされた(導通された)状態となる。
このように、内枠スイッチSW1は、内枠12が閉鎖された場合にはオフされる(遮断状態となる)一方で、内枠12が開放された場合にはオンされる(導通状態となる)。この内枠スイッチSW1の構造は、図3に図示した形状に限られるものではなく、内枠12が閉鎖された場合に内枠スイッチSW1がオフされ、内枠12が開放された場合に内枠スイッチSW1がオンされる構造であれば良い。これは、前面枠スイッチSW2の構造についても同様である。
なお、内枠スイッチSW1は、内枠12が開放されている状態と内枠12が閉鎖されている状態とを区別可能であればよい。つまり、以下に示す制御方法(例えば、枠開閉監視処理(図14参照))とは異なる制御方法を用いることによって、内枠12が閉鎖された場合にはオンされ、内枠12が開放された場合にはオフされる構造のスイッチを内枠スイッチSW1として使用することができる。同様に、前面枠14が閉鎖された場合にはオンされ、前面枠14が開放された場合にはオフされる構造のスイッチを前面枠スイッチSW2として使用することができる。
図1に示すように、前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図6参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図4参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112a(図6参照)の駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図4に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14cを通じて内枠13の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図4の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図4の右側上部)には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、上述したパチンコ機10が確変中とは、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態である。さらに、本実施形態における確変中は、第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64(図4参照)へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が時短中とは、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64(図4参照)へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。なお、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)で構成される第2図柄表示装置82とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する表示制御装置114(図6参照)によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37にて停止図柄(確変大当たり図柄、普通大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37により示されると共に保留ランプ85の点灯個数においても示される。保留ランプ85は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82は、第2図柄の表示部83と保留ランプ84とを有し、球が第2入球口67を通過する毎に、表示部83において表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に保留ランプ84においても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30s経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(ソレノイド209(図6参照)の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66と第2入球口(スルーゲート)67とが設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図5に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に設けられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、枠開放フラグ203aと、枠開放コマンド送信フラグ203bと、枠閉鎖コマンド送信フラグ203cとを有している。枠開放フラグ203aは、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放中であるか(即ち、内枠12および前面枠14の両方が開放中であるかを含む)否かを示すフラグである。この枠開放フラグ203aは、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放された場合、即ち、内枠スイッチSW1または前面枠スイッチSW2の少なくとも一方がオンされた(導通した)場合に、オンされる。一方、枠開放フラグ203aは、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖された場合、即ち、内枠スイッチSW1および前面枠スイッチSW2の両方がオフされた(遮断した)場合に、オフされる。よって、枠開放フラグ203aがオンであれば、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放中であることを示している。
枠開放コマンド送信フラグ203bは、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放され、その開放に伴い、MPU201から音声ランプ制御装置113へ枠開放コマンドが1回送信されたか否かを示すフラグである。この枠開放コマンド送信フラグ203bは、後述する主制御装置110のメイン処理(図11参照)で、まず「オフ」に設定される。そして、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放され、MPU201により枠開放コマンドが1回送信されると、「オン」に設定される。なお、枠開放コマンド送信フラグ203bは、開放された内枠12または前面枠14が閉鎖され(内枠12および前面枠14の両方が閉鎖され)、MPU201から音声ランプ制御装置113へ枠閉鎖コマンドが1回送信されると、再び「オフ」に設定される。
枠閉鎖コマンド送信フラグ203cは、開放された内枠12または前面枠14が閉鎖され(内枠12および前面枠14の両方が閉鎖され)、その閉鎖に伴い、MPU201から音声ランプ制御装置113へ枠閉鎖コマンドが1回送信されたか否かを示すフラグである。この枠閉鎖コマンド送信フラグ203cは、後述する主制御装置110のメイン処理(図11参照)で、まず「オン」に設定される。そして、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放され、MPU201により枠開放コマンドが1回送信されると、「オフ」に設定される。そして、枠閉鎖コマンド送信フラグ203cは、開放された内枠12または前面枠14が閉鎖され(内枠12および前面枠14の両方が閉鎖され)、MPU201により枠閉鎖コマンドが1回送信されると、再び「オン」に設定される。
なお、枠閉鎖コマンド送信フラグ203cが主制御装置110のメイン処理(図11参照)で、まず「オン」に設定される理由について説明する。例えば、遊技場の開店準備等によってパチンコ機10への電源供給が開始された場合には、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されているのが通常である。ここで、枠閉鎖コマンドは、開放された内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に(内枠12および前面枠14の両方が閉鎖された場合に)、1回送信されるコマンドである。よって、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されているということは、枠閉鎖コマンドがMPU201によって既に1回送信されていると考えることができる。従って、枠閉鎖コマンド送信フラグ203cは、主制御装置110のメイン処理で、まず「オン」に設定されるのである。付け加えると、パチンコ機10への電源供給が開始された場合に、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されていても(開放された内枠12または前面枠14が閉鎖されず、枠閉鎖コマンドが未送信であっても)、枠閉鎖コマンド送信フラグ203cは「オン」に設定されるが、その後に、MPU201により枠開放コマンドが1回送信されると、枠閉鎖コマンド送信フラグ203cは正常な値である「オフ」に設定される。よって、パチンコ機10への電源供給が開始された場合に、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されていても何ら問題ない。
また、RAM203は、上記のフラグだけでなく、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアや、各種のフラグおよびカウンタや、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)などを備えている。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図11参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図10参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図18参照)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置82や、図示しないスイッチ群やセンサ群等からなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続されている。
また、入出力ポート205には、内枠スイッチSW1と前面枠スイッチSW2が接続されている。内枠スイッチSW1のオン/オフ状態および前面枠スイッチSW2のオン/オフ状態は、入出力ポート205を介してMPU201へ入力されることにより、MPU201によって検出される。なお、内枠スイッチSW1および前面枠スイッチSW2は並列接続されているので、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されると、その開放がMPU201によって検出される。
また、入出力ポート205には、外部出力端子板261が接続されている。外部出力端子板261は、ホールコンピュータ262が接続可能に構成されている。かかる外部出力端子板261は、主制御装置110から出力される信号やデータ(例えば、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放中であることを示す枠開放中信号)を受信し、その信号やデータをホールコンピュータ262へ中継する。
また、入出力ポート205には、音声ランプ制御装置113へ各種コマンドを伝達するバスラインBL1および音声ランプ制御装置113へストローブ信号SG3を伝達するバスラインBL2が接続されている。各種コマンド(例えば、枠開放コマンドや枠閉鎖コマンド)がMPU201により音声ランプ制御装置113へバスラインBL1を介して送信開始されると、MPU201により音声ランプ制御装置113へバスラインBL2を介してストローブ信号SG3が出力される。なお、音声ランプ制御装置113(MPU221)は、バスラインBL2を介してMPU201から送信されたストローブ信号SG3を受信すると、バスラインBL1を介してMPU201から送信されている各種コマンドの受信を開始する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを備えている。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図18参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33や表示ランプ34など)における点灯および消灯の出力、表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを備えている。
音声ランプ制御装置113のRAM223は、枠開放フラグ223aと、枠開放報知回数カウンタ223bと、枠開放報知計時カウンタ223cと、枠閉鎖報知フラグ223dと、枠閉鎖報知回数カウンタ223eと、枠閉鎖報知計時カウンタ223fと、コマンド受信メモリ223gとを有している。
枠開放フラグ223aは、主制御装置110のRAM203に設けられた枠開放フラグ203aと同様に、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放中であるか(内枠12および前面枠14の両方が開放中であるかを含む)否かを示すフラグである。この枠開放フラグ223aがオンであれば、電飾部29〜33および表示ランプ34を用いて、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放中であることを発光により報知する枠開放時処理(図24参照)が実行される。なお、枠開放フラグ223aは、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されたことを示す枠開放コマンドを主制御装置110から受信した場合にオンされ、一方で、開放された内枠12または前面枠14が閉鎖されたことを示す(内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されたことを示す)枠閉鎖コマンドを主制御装置110から受信した場合にオフされる。
枠開放報知回数カウンタ223bは、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放された場合に、その1回の開放中に実行される枠開放時処理(図24参照)による発光報知の実行回数を計数するカウンタである。この枠開放報知回数カウンタ223bは、主制御装置110から枠開放コマンドを受信する毎に0クリアされ、内枠12または前面枠14の少なくとも一方の開放に対する発光による報知の態様が切り換わる度に1加算される。
枠開放報知計時カウンタ223cは、枠開放時処理(図24参照)で実行される発光による報知の報知態様の切り換え間隔(期間)を計時するカウンタである。この枠開放報知計時カウンタ223cは、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されている間に亘って実行される枠開放時処理(図24参照)の実行間隔である所定時間(本実施形態では、1ms)毎に1ずつ加算される。そして、この枠開放報知計時カウンタ223cは、枠開放時処理(図24参照)の実行中に、電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる発光による報知の態様を切り換えるタイミングに到達した場合に、0クリアされる。また、この枠開放報知計時カウンタ223cは、枠開放コマンドを受信した場合にも、0クリアされる。
枠閉鎖報知フラグ223dは、開放された内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に(内枠12および前面枠14の両方が閉鎖された場合に)、その閉鎖から所定期間(本実施形態では、30s)、電飾部29〜33および表示ランプ34を用いて、内枠12または前面枠14が以前に開放されていたことを発光により報知する枠閉鎖時処理(図26参照)を実行させるためのフラグである。この枠閉鎖報知フラグ223dは、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放して、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されていることを示す枠開放報知処理(図24参照)が行われた場合に、オンとなる。枠閉鎖報知フラグ223dがオンされると、開放された内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に(内枠12および前面枠14の両方が閉鎖された場合に)、枠12または前面枠14が以前に開放されていたことを、電飾部29〜33および表示ランプ34を用いて報知する枠閉鎖時処理(図26参照)が実行される。なお、枠閉鎖報知フラグ223dは、開放された内枠12または前面枠14が閉鎖され、その閉鎖から所定期間(本実施形態では、30s)が経過すると、オフとなる。
枠閉鎖報知回数カウンタ223eは、開放された内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に(内枠12および前面枠14の両方が閉鎖された場合に)実行される枠閉鎖時処理(図26参照)による発光報知の実行回数を計数するカウンタである。この枠閉鎖報知回数カウンタ223eは、主制御装置110から枠閉鎖コマンドを受信する毎に0クリアされ、開放された内枠12または前面枠14の閉鎖に対する発光による報知の態様が切り換わる度に1加算される。
枠閉鎖報知計時カウンタ223fは、枠閉鎖時処理(図26参照)で実行される発光による報知の報知態様の切り換え間隔(期間)を計時するカウンタである。この枠閉鎖報知計時カウンタ223fは、開放された内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に実行される枠閉鎖時処理(図26参照)の実行間隔である所定時間(本実施形態では、1ms)毎に1ずつ加算される。そして、この枠閉鎖報知計時カウンタ223fは、枠閉鎖時処理(図26参照)の実行中に、電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる発光による報知の態様を切り換えるタイミングに到達した場合に、0クリアされる。また、この枠閉鎖報知計時カウンタ223fは、枠閉鎖コマンドを受信した場合にも、0クリアされる。
コマンド受信メモリ223gは、バスラインBL1を介して主制御装置110から送信された各種コマンドを記憶するメモリである。このコマンド受信メモリ223gには、枠開放コマンド、枠閉鎖コマンドに加え、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等が記憶される。なお、音声ランプ制御装置113のMPU221は、コマンド受信メモリ223gに記憶されたコマンドを解読し、解読したコマンドに応じた制御を行う。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226やランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
ランプ表示装置227は、IN1端子およびIN2端子に入力される信号(電圧)がオンであるか否かにより、電飾部29〜33および表示ランプ34の発光による報知の態様を最大4段階で切り換える装置である。ランプ表示装置227は、電飾部29〜33および表示ランプ34と、電飾部29〜33および表示ランプ34の発光による報知の態様を切り換える回路から構成されている。なお、ランプ表示装置227により最大4段階で切り換えられる電飾部29〜33および表示ランプ34の発光による報知の態様とは、赤色による発光の照度を最大4段階で切り換えるものを示している。
ここで、図7を参照して、ランプ表示装置227の具体的な構成について説明する。図7は、ランプ表示装置227内部の回路構成を示した図である。なお、図7においては、代表として、表示ランプ34に接続される回路を図示している。電飾部29〜33については、図7に示す表示ランプ34に接続される回路と同一の回路がランプ表示装置227内にそれぞれ設けられ、それぞれ設けられた回路のIN1端子およびIN2端子が、表示ランプ34と同様に、入出力ポート225内の別のアドレスとなる出力ポートに各々接続されている構成である。よって、電飾部29〜33については、その図示を省略すると共にその説明を省略する。
表示ランプ34に接続される回路は、論理積回路AND1〜AND3と、論理否定回路NOT1〜NOT2と、スイッチング素子である電界効果トランジスタFET1〜FET3と、抵抗R1〜R7と、直流電源DC1とから構成されている。ここで、抵抗R1〜R6は同一の抵抗値を用いている。
直流電源DC1、論理積回路AND1〜AND3および論理否定回路NOT1〜NOT2の電源端子(図示せず)は、図示しない電源線により電源部251と接続されているので、直流電源DC1、論理積回路AND1〜AND3および論理否定回路NOT1〜NOT2には、電源部251から供給される5ボルトの直流電圧が供給されている。
直流電源DC1は、表示ランプ34に接続される回路に5ボルトの直流電圧を供給する電源であり、直流電源DC1の出力端子は、直流電源DC1から直流電圧と共に供給される直流電流を制限する抵抗R7の一端と接続されている。抵抗R7の他端は、電界効果トランジスタFET1〜FET3の各ドレイン端子と接続されている。
電界効果トランジスタFET1のソース端子は、抵抗R1の一端と接続されており、その抵抗R1の他端は、赤色の発光ダイオードから構成される表示ランプ34のアノード端子と接続されている。なお、表示ランプ34のカソード端子は、グランドされている。
電界効果トランジスタFET2のソース端子は、抵抗R2の一端と接続されており、その抵抗R2の他端は、抵抗R3の一端と接続されている。そして、抵抗R3の他端は、赤色の発光ダイオードから構成される表示ランプ34のアノード端子と接続されている。
電界効果トランジスタFET3のソース端子は、抵抗R4の一端と接続されており、その抵抗R4の他端は、抵抗R5の一端と接続されている。そして、抵抗R5の他端は、抵抗R6の一端と接続されており、その抵抗R6の他端は、赤色の発光ダイオードから構成される表示ランプ34のアノード端子と接続されている。
また、電界効果トランジスタFET1のゲート端子は、論理積回路AND1の出力端子と接続されている。この論理積回路AND1の入力端子の一方は、IN1端子を介して、入出力ポート225と接続されており、論理積回路AND1の入力端子の他方は、IN2端子を介して、入出力ポート225と接続されている。
電界効果トランジスタFET2のゲート端子は、論理積回路AND2の出力端子と接続されている。この論理積回路AND2の入力端子の一方は、IN1端子を介して、入出力ポート225と接続されており、論理積回路AND2の入力端子の他方は、論理否定回路NOT1の出力端子と接続されている。その論理否定回路NOT1の入力端子は、IN2端子を介して、入出力ポート225と接続されている。
電界効果トランジスタFET3のゲート端子は、論理積回路AND3の出力端子と接続されている。この論理積回路AND3の入力端子の一方は、論理否定回路NOT2の出力端子と接続されている。その論理否定回路NOT2の入力端子は、IN1端子を介して、入出力ポート225と接続されている。また、論理積回路AND3の入力端子の他方は、IN2端子を介して、入出力ポート225と接続されている。
上記の接続により、入出力ポート225からIN1端子へ出力される信号(電圧)が5ボルト、即ちオンであると共に、入出力ポート225からIN2端子へ出力される信号(電圧)が5ボルト、即ちオンであれば、論理積回路AND1の出力端子から5ボルトの直流電圧が出力され、電界効果トランジスタFET1が導通状態となる。なお、このとき、論理積回路AND2,AND3の出力端子からは、ゼロボルトが出力されるので、電界効果トランジスタFET2,FET3は遮断状態となる。このように、入出力ポート225からIN1端子へ出力される信号(電圧)がオンであると共に、入出力ポート225からIN2端子へ出力される信号(電圧)がオンであれば、電界効果トランジスタFET1が導通するので、直流電圧DC1から供給される直流電圧を抵抗R7および抵抗R1で電圧降下させた直流電圧が表示ランプ34に印加される。
また、入出力ポート225からIN1端子へ出力される信号(電圧)が5ボルト、即ちオンである一方で、入出力ポート225からIN2端子へ出力される信号(電圧)がゼロボルト、即ちオフであれば、論理積回路AND2の出力端子から5ボルトの直流電圧が出力され、電界効果トランジスタFET2が導通状態となる。なお、このとき、論理積回路AND1,AND3の出力端子からは、ゼロボルトが出力されるので、電界効果トランジスタFET1,FET3は遮断状態となる。このように、入出力ポート225からIN1端子へ出力される信号(電圧)がオンである一方で、入出力ポート225からIN2端子へ出力される信号(電圧)がオフであれば、電界効果トランジスタFET2が導通するので、直流電圧DC1から供給される直流電圧を抵抗R7、抵抗R2および抵抗R3で電圧降下させた直流電圧が表示ランプ34に印加される。
また、入出力ポート225からIN1端子へ出力される信号(電圧)がゼロボルト、即ちオフである一方で、入出力ポート225からIN2端子へ出力される信号(電圧)が5ボルト、即ちオンであれば、論理積回路AND3の出力端子から5ボルトの直流電圧が出力され、電界効果トランジスタFET3が導通状態となる。なお、このとき、論理積回路AND1,AND2の出力端子からは、ゼロボルトが出力されるので、電界効果トランジスタFET1,FET2は遮断状態となる。このように、入出力ポート225からIN1端子へ出力される信号(電圧)がオフである一方で、入出力ポート225からIN2端子へ出力される信号(電圧)がオンであれば、電界効果トランジスタFET3が導通するので、直流電圧DC1から供給される直流電圧を抵抗R7、抵抗R4、抵抗R5および抵抗R6で電圧降下させた直流電圧が表示ランプ34に印加される。
最後に、入出力ポート225からIN1端子へ出力される信号(電圧)がゼロボルト、即ちオフであると共に、入出力ポート225からIN2端子へ出力される信号(電圧)がゼロボルト、即ちオフであれば、論理積回路AND1〜AND3の出力端子からは、ゼロボルトが出力されるので、電界効果トランジスタFET1〜FET3はいずれも、遮断状態となる。このように、入出力ポート225からIN1端子へ出力される信号(電圧)がオフであると共に、入出力ポート225からIN2端子へ出力される信号(電圧)がオフであれば、電界効果トランジスタFET1〜FET3はいずれも遮断状態となるので、直流電圧DC1から供給される直流電圧は、表示ランプ34に印加されない。
ここで、上述の通り、抵抗R1〜R6は全て同じ抵抗値であるので、入出力ポート225からIN1端子へ出力される信号(電圧)がオンであると共に、入出力ポート225からIN2端子へ出力される信号(電圧)がオンである場合が、表示ランプ34に印加される電圧が最大値となり、表示ランプ34の発光による照度(赤色の照度)は最大となる。なお、以後、表示ランプ34(各電飾部29〜33を含む)の赤色発光による照度が最大となる場合を、「最大照度」と称す。
そして、入出力ポート225からIN1端子へ出力される信号(電圧)がオンである一方で、入出力ポート225からIN2端子へ出力される信号(電圧)がオフである場合には、表示ランプ34に印加される電圧は最大値の次に高くなり(2番目に高くなり)、表示ランプ34の発光による照度は最大照度の次に高くなる(2番目に高くなる)。なお、以後、表示ランプ34(各電飾部29〜33を含む)の赤色発光による照度が2番目に高くなる場合を、「第2照度」と称す。
また、入出力ポート225からIN1端子へ出力される信号(電圧)がオフである一方で、入出力ポート225からIN2端子へ出力される信号(電圧)がオンである場合には、表示ランプ34に印加される電圧は2番目の次に高くなり(3番目に高くなり)、表示ランプ34の発光による照度は第2照度の次に高くなる(3番目に高くなる)。なお、以後、表示ランプ34(各電飾部29〜33を含む)の赤色発光による照度が3番目に高くなる場合を、「第3照度」と称す。
そして、入出力ポート225からIN1端子へ出力される信号(電圧)がオフであると共に、入出力ポート225からIN2端子へ出力される信号(電圧)がオフである場合には、表示ランプ34に印加される電圧はゼロボルトとなり、表示ランプ34の発光は行われない。なお、以後、表示ランプ34(各電飾部29〜33を含む)の発光が行われない場合を、「消灯」と称す。
このように、表示ランプ34に接続される回路は、入出力ポート225からIN1端子へ出力される信号(電圧)と、入出力ポート225からIN2端子へ出力される信号(電圧)とに応じて、表示ランプ34に印加される電圧を最大4段階で変化させる。これにより、表示ランプ34は、赤色発光の照度を最大4段階で変化させて、発光による報知を行う。
なお、表示ランプ34(各電飾部29〜33を含む)は、赤色発光の照度を変化させて、発光による報知を行ったが、赤色に代えて、青色や黄色の発光の照度を変化させて、発光による報知を行っても良い。
ここで、電飾部29〜33については、前述の通り、表示ランプ34に接続される回路と同一の回路がランプ表示装置227内にそれぞれ設けられ、それぞれ設けられた回路のIN1端子およびIN2端子が、入出力ポート225内の別のアドレスとなる出力ポートに各々接続されているので、各電飾部29〜33を独立に発光させると共に、その発光による照度も独立に変化させることができる。
図6の説明に戻る。表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを備えている。
入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。
ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、内枠開放フラグ233aを有している。
枠開放フラグ233aは、主制御装置110のRAM203に設けられた枠開放フラグ203aと同様に、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放中であるか(内枠12および前面枠14の両方が開放中であるかを含む)否かを示すフラグである。この枠開放フラグ223aがオンであれば、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放中であることを示す。なお、枠開放フラグ223aは、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されたことを示す枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113から受信した場合にオンされ、一方で、開放された内枠12または前面枠14が閉鎖されたことを示す(内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されたことを示す)枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113から受信した場合にオフされる。
また、ワークRAM233は、図示されないフラグとして、演出許可がされているか否かを示す演出許可フラグや、変動表示を開始すべきか否かを示す変動開始フラグを有している。なお、演出許可フラグ(図示せず)は、主制御装置110の初期設定の処理後に送信される演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113を介して受信するとオンされ、電源断の発生によりオフされる。また、変動開始フラグ(図示せず)は、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに対応するコマンドを音声ランプ制御装置113から受信した場合にオンされ、第3図柄表示装置81において変動表示が開始されるとオフされる。
キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)などのキャラクタ情報が記憶されたキャラクタ情報メモリ(図示せず)を有している。この図示されないキャラクタ情報メモリに記憶されているキャラクタ情報としては、変動表示される第3図柄の数字データ(例えば、0〜9)や、数字データ以外の図柄データ(例えば、箱の図柄やヘルメットの図柄(図7(b))参照)、背景図柄、予告キャラクタ図柄やキャラクタ図柄(例えば、男の子(図7(b)参照))などが記憶されている。
なお、キャラクタ情報メモリには、記憶するデータ量を少なくするために、上記のようなキャラクタ情報が圧縮形式のデータで記憶されている。なお、本実施形態では、キャラクタ情報は約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのキャラクタ情報が、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタ情報メモリに記憶されている。キャラクタ情報メモリに圧縮形式のデータとして記憶されているキャラクタ情報は、読み出されると、解凍された後に、ビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域(図示せず)に書き込まれる。
ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される表示内容(変動表示の演出パターンや、リーチ演出時の演出内容など)に対応する演出データが記憶される表示用記憶領域(図示せず)と、キャラクタROM235のキャラクタ情報メモリ(図示せず)に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を解凍したデータが記憶されるキャラクタ情報記憶領域(図示せず)とを備えている。
図示されない表示用記憶領域は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するものであり、その表示用記憶領域の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。また、図示されないキャラクタ情報記憶領域には、背景図柄や装飾図柄などの素材となるキャラクタデータが記憶され、このキャラクタ情報記憶領域から第3図柄表示装置81に表示するための必要なデータが読み出されて表示用記憶領域(図示せず)に書き込まれる。
なお、キャラクタ情報をビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域(図示せず)に記憶させるのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためであり、キャラクタ情報をキャラクタROM235から直接、表示用記憶領域(図示せず)に直接書き込む場合、読み出すデータ量が大きいと読み出しに時間を有しスムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができないからである。更に、RAMにおいて表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるためである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図5参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図18参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
ここで、図8を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図8は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図8(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図8(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。ここで、高確率状態とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動(確変)の時をいう。また、通常状態(低確率状態)とは、確変でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。
図8(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmには、左・中・右の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、前述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列には、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第3図柄が設定され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。この主表示領域Dmには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの予告領域Ds1〜Ds3に等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1,Ds3は、ソレノイド(図示せず)で電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2は、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
図8(b)に示すように、実際の表示画面では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1,Ds3が覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1,Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81の表示画面は、原則として上下の表示領域Dm,Dsに区分されているが、各表示領域Dm,Dsを跨いでより大きく第3図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、図9を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示装置82の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示装置82の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、メイン処理(図11参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図16参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への球の入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込処理(図16参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図11参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの際の第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、本実施形態では、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。なお、大当たり後に高確率状態となる乱数の値は「1,2,3」であり、大当たり後に低確率状態となる乱数の値は「0,4」であり、2種類の当たり種別が決定される。よって、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、高確率状態と低確率状態との2種類の大当たりに対応した表示態様と、はずれに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つが選択される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。
また、停止パターン選択カウンタC3には、停止パターンの選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか(即ち保留個数)等に応じて、停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が0〜5と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態で保留球格納エリアに各乱数値が格納されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。また、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定される。変動種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に基づいて、表示制御装置114により第3表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1,CS2の値は、後述するメイン処理(図11参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」ともいう。本実施形態の第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3により選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算したり、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算したり、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。なお、変動種別カウンタCS3は、停止パターン選択カウンタC3と同様に、演出パターンが選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられ、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるよう構成されている。
上述したように、変動種別カウンタCS1,CS2により図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3により決定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図16参照)の実行毎に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図16参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図11参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図10から図18のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図16は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。このタイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S701)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S702)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S703)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理(図17参照)を実行し(S704)、発射制御処理を実行して(S705)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
ここで、図17を参照して、S704の処理で実行される始動入賞処理を説明する。図17は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行される始動入賞処理(S704)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S801)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S801:Yes)、第1図柄表示装置37の作動保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S802)。第1入球口64への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S802:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S803)、更に、前記ステップS703で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S804)。一方、第1入球口64への入賞がないか(S801:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S802:No)、S803及びS804の各処理をスキップし、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。
図18は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S901)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出発射制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図10を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図10は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施形態では1s)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図5参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、図11のS214の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
次に、図11を参照して、上記した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理およびS216の枠開閉監視処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、枠開放コマンド送信フラグ203bをオフに設定し、枠閉鎖コマンド送信フラグ203cをオンに設定する(S207)。これにより、枠開放コマンド送信フラグ203bおよび枠閉鎖コマンド送信フラグ203cの初期設定が完了する(S207)。その後、S201の処理に移行する。
S201の処理では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する(S201)。具体的には、S701のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。さらに、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図12を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
S206の処理後、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S208)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S208:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S209)、既に所定時間が経過していれば(S209:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S209:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を繰り返し実行する(S210,S211)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S210)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S211)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
S211の処理後、枠開閉監視処理を実行する(S216)。なお、この枠開閉監視処理(S216)における詳細な処理については図14を参照して後述する。本実施形態のパチンコ機10では、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されていない場合、即ち、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されている場合には、この枠開閉監視処理の中で遊技を一時的に停止する処理が実行される。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S208の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S208:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理(図18参照)が実行されたということなので、S212〜S215の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S212)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S213)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S214)、RAM203のアクセスを禁止して(S215)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S208の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS210、S211およびS216の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS207の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS207の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S207の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図12を参照して、変動処理(S204)について説明する。図12は、メイン処理(図11参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S303)。作動保留球数Nが0であれば(S303:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S303:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S304)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S305)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S306)。なお、変動開始処理については、図13を参照して後述する。
S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S308)。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は4ms毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様が設定される(S309)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に高確率状態となる図柄か低確率状態となる図柄かが決定される。本実施形態では、大当たり後に高確率状態になる場合には赤色のLEDを点灯させ、低確率状態になる場合には緑色のLEDを点灯させ、外れである場合には青色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S309の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドが設定される(S310)。音声ランプ制御装置113は、この停止コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して停止指示をする。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。
次に、図13を参照して、変動開始処理について説明する。図13は、変動処理(図12参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示したフローチャートである。変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には第1当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時には「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり時の表示態様が設定される(S402)。S402の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、大当たり後に高確率状態へ移行するか低確率状態へ移行するかが設定される。大当たり後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で停止表示される大当たりの停止図柄が音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114で設定される。即ち、S402の処理により大当たり後の移行状態を設定することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が設定される。なお、第1当たり種別カウンタC2の数値0〜4のうち、「0,4」の場合は、以後、低確率状態に移行し、「1,2,3」の場合は高確率状態に移行する。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S403)。S403の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
なお、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。
S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、外れ時の表示態様が設定される(S404)。S404の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるか、及び作動保留個数Nに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンが決定され(S405)、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S403の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
S403の処理またはS405の処理が終わると、第1及び第2種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に加減算される演出時間が決定される(S406)。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81の変動時間が設定される。本実施形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3の値に応じて、変動表示の時間を変更しない場合と変動表示時間を1秒加算する場合、変動表示時間を2秒加算する場合、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81で大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動図柄の変動時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラを表示させる演出、1の変動図柄の変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S403又はS405の処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定し(S407)、S402又はS404の処理で設定された停止図柄に応じて停止図柄コマンドを設定する(S408)。そして、S406の処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定して(S409)、変動処理へ戻る。
次に、図14を参照して、枠開閉監視処理(S216)について説明する。図14は、メイン処理(図11参照)の中で実行される枠開閉監視処理(S216)を示すフローチャートである。この枠開閉監視処理(S216)では、まず、内枠スイッチSW1または前面枠スイッチSW2がオンか否かを判定し(S501)、内枠スイッチSW1または前面枠スイッチSW2がオンである場合には(S501:Yes)、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されているので、枠開放フラグ203aをオンする(S502)。
S502の処理後、外部出力端子板261へ枠開放中信号の出力を開始し(S503)、S504の処理へ移行する。S503の処理によって外部出力端子板261へ出力された枠開放中信号は、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ伝達される。ホールコンピュータ262は、外部出力端子板261を介して枠開放中信号を受信することによって、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放中であることを検出することができる。
一方で、S501の処理により内枠スイッチSW1または前面枠スイッチSW2がオンであると判定されなかった場合には(S501:No)、内枠スイッチSW1および前面枠スイッチSW2がオフであるので、即ち、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されているので、枠開放フラグ203aをオフする(S507)。
S507の処理後、出力中の枠開放中信号を停止して(S508)、S504の処理へ移行する。S508の処理により枠開放中信号が停止されると、外部出力端子板261を介して枠開放中信号を受信していたホールコンピュータ262は、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されたことを検出することができる。
S504の処理では、内枠12または前面枠14の少なくともいずれか一方が開放されたことを示す枠開放コマンド、或いは内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されたことを示す枠閉鎖コマンドのいずれかを、内枠12または前面枠14の開放、或いは内枠12および前面枠14の閉鎖に伴い1回だけ音声ランプ制御装置113へ送信する枠コマンド送信処理が実行される(S504)。
なお、詳細は図15を参照して後述するが、S504の処理によって枠開放コマンドが出力されると、音声ランプ制御装置113はその枠開放コマンドを受信し、音声ランプ制御装置113のRAM223内に設けられている枠開放フラグ223aをオンする。つまり、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から出力される枠開放コマンドによって、内枠12または前面枠14の少なくともいずれか一方の開放を検出することができる。
また、S504の処理によって枠閉鎖コマンドが出力されると、音声ランプ制御装置113はその枠閉鎖コマンドを受信し、音声ランプ制御装置113の枠開放フラグ223aをオフする。つまり、音声ランプ制御装置113は、S504の処理によって出力される枠閉鎖コマンドによって、内枠12および前面枠14の両方の閉鎖を検出することができる。
S504の処理後、枠開放フラグ203aがオンであるか、即ち、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されているか否かを判定する(S505)。
S505の処理により、枠開放フラグ203aがオンであれば(S505:Yes)、遊技停止処理(S506)へ移行する。つまり、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されている場合には、遊技停止処理(S506)が実行される。
この遊技停止処理(S506)では、遊技状態を一時的に停止するための処理を実行すると共に、枠開放中信号を外部出力端子板261へ出力する。かかる遊技停止処理(S506)の実行後は、S501の処理へ移行し、内枠スイッチSW1および前面枠スイッチSW2の状態を繰り返し監視する。なお、この遊技停止処理(S506)では、S208と同様にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かの確認も行っており、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていることが確認された場合には、処理をS212(図11参照)の処理へ移行する。
一方で、S505の処理により、枠開放フラグ203aがオフであれば(S505:No)、枠閉鎖時処理を実行した後(S509)、この枠開放監視処理(S216)を終了して、メイン処理(図11参照)へ戻る。よって、内枠12または前面枠14のいずれも開放されていない(内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されている)場合には、枠閉鎖時処理(S509)が実行される。
この枠閉鎖時処理(S509)が、内枠12または前面枠14の少なくともいずれか一方の開放によって遊技状態が停止されているときに実行された場合には、その開放によって停止されていた遊技状態を復帰させるための処理を実行する。一方で、遊技状態が停止されていないときに実行された場合、即ち、内枠12も前面枠14も閉鎖状態が継続されているときに実行された場合には、何も行うことなく、枠開放監視処理(S216)を終了する。
次に、図15を参照して、枠コマンド送信処理(S504)について説明する。図15は、枠開閉監視処理(図14参照)の中で実行される枠コマンド送信処理を示したフローチャートである。この枠コマンド送信処理では、まず、枠開放フラグ203aがオンであるか否か、即ち、内枠12または前面枠14の少なくともいずれか一方が開放されているか否かが判定される(S611)。
枠開放フラグ203aがオンであると判定された場合には(S611:Yes)、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されているので、枠開放コマンドおよびストローブ信号SG3を音声ランプ制御装置113へ送信する処理であるS612以降の処理に移行する。S612の処理では、枠開放コマンド送信フラグ203bがオフか否かが判定される。枠開放コマンド送信フラグ203bがオフであると判定された場合には(S612:Yes)、内枠12または前面枠14の少なくともいずれか一方が開放されてから音声ランプ制御装置113へ枠開放コマンドを未だ送信していないので、これを送信すべく、枠開放コマンドの送信を開始する(S613)。その後、1μsの間、処理を待機して(S614)、ストローブ信号SG3の送信を開始する(S615)。このストローブ信号SG3が音声ランプ制御装置113により受信されると、音声ランプ制御装置113は、枠開放コマンドを受信開始する。なお、枠開放コマンドの送信を開始した後、S614の処理で1μsの間、処理を待機し、その後にストローブ信号SG3の送信を開始するのは、主制御装置110の入出力ポート205から出力される枠開放コマンドを安定化させるためである。
S615の処理後、ストローブ信号SG3の送信開始から(S615の処理開始から)、1μsが経過したか否かが判定される(S616)。ストローブ信号SG3の送信開始から1μsが経過していれば(S616:Yes)、ストローブ信号SG3の送信を終了する(S617)。このS614〜S617の処理により、枠開放コマンドの送信開始から1μs後にストローブ信号SG3の送信が開始され、その送信開始されたストローブ信号SG3は1μsの間、音声ランプ制御装置113へ送信される(ストローブ信号SG3のパルス幅は1μsとなる)。
一方、ストローブ信号SG3の送信開始から1μsが経過していなければ(S616:No)、ストローブ信号SG3の送信を終了せずに(ストローブ信号SG3を送信継続したまま)、この枠コマンド送信処理を終了する。なお、ストローブ信号SG3の送信開始から1μsが経過したか否かは、ストローブ信号SG3が送信開始されてからの経過時間を計時するカウンタ(MPU201内に設けられている、図示せず)の計時に基づいて判定している。これは、後述するS626の各処理においても同様である。
S617の処理が実行された場合には、枠開放コマンドの送信開始から1msが経過したか否かが判定される(S618)。枠開放コマンドの送信開始から1msが経過していれば(S618:Yes)、枠開放コマンドの送信を終了する(S619)。このS613,S618およびS619の処理により、枠開放コマンドが1msの間、音声ランプ制御装置113へ送信される。一方、枠開放コマンドの送信開始から1msが経過していなければ(S618:No)、枠開放コマンドの送信を終了せずに(枠開放コマンドを送信継続したまま)、この枠コマンド送信処理を終了する。なお、枠開放コマンドの送信開始から1msが経過したか否かは、枠開放コマンドが送信開始されてからの経過時間を計時するカウンタ(MPU201内に設けられている、図示せず)の計時に基づいて判定している。
S619の処理が実行された場合には、音声ランプ制御装置113への枠開放コマンドの送信が完了するので、枠開放コマンド送信フラグ203bをオンにする(S620)。その後、枠閉鎖コマンド送信カウンタ203cをオフにする(S621)。枠開放コマンドは、S613〜S619の処理で既に音声ランプ制御装置113へ送信されたが、枠閉鎖コマンドは、未だ音声ランプ制御装置113へ送信されていないので、S621の処理で、枠閉鎖コマンド送信フラグ203cをオフに設定するのである。
なお、S612の処理で、枠開放コマンド送信カウンタ203bがオンであれば(S612:No)、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放したことを示す枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ既に1回送信しているので、S613〜S621の処理をスキップし、この枠コマンド送信処理を終了する。
ここで、ストローブ信号SG3の送信開始から1μsが経過すると共に(S616の処理で「Yes」と判定されると共に)、枠開放コマンドの送信開始から1msが経過するまで(S618の処理で「Yes」と判定されるまで)、言い換えれば、枠開放コマンド送信フラグ203bがオンとなるまで、S612の処理では「Yes」と判定され続ける。このとき、S612の処理で「Yes」と判定された後に実行されるS613〜S615の処理は、最初に1度実行された後には、スキップされるように処理が構成されている。つまり、枠開放コマンド送信フラグ203bがオンとなるまではS612の処理で「Yes」と判定されるが、この場合にS613〜S615の処理が既に実行開始されていれば、S613〜S615の処理をスキップしてS616の処理に移行するように処理が構成されている。よって、枠開放コマンド送信フラグ203bがオンとなるまで、S613〜S615の処理が1回を超えて繰り返し実行されることはない。
次に、S611の処理で、枠開放フラグ203aがオフであると判定された場合には(S611:No)、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されているので、枠閉鎖コマンドおよびストローブ信号SG3を音声ランプ制御装置113へ送信する処理であるS622以降の処理に移行する。S622の処理では、枠閉鎖コマンド送信フラグ203cがオフか否かが判定される。枠閉鎖コマンド送信フラグ203cがオフであれば(S622:Yes)、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されてから音声ランプ制御装置113へ枠閉鎖コマンドを未だ送信していないので、これを送信すべく、枠閉鎖コマンドの送信を開始する(S623)。その後、1μsの間、処理を待機して(S624)、ストローブ信号SG3の送信を開始する(S625)。このストローブ信号SG3が音声ランプ制御装置113により受信されると、音声ランプ制御装置113は、枠閉鎖コマンドを受信開始する。なお、枠閉鎖コマンドの送信を開始した後、S624の処理で1μsの間、処理を待機し、その後にストローブ信号SG3の送信を開始するのは、枠開放コマンドの場合と同様の理由による(コマンドの安定化)。
S625の処理後、ストローブ信号SG3の送信開始から(S625の処理開始から)、1μsが経過したか否かが判定される(S626)。ストローブ信号SG3の送信開始から1μsが経過していれば(S626:Yes)、ストローブ信号SG3の送信を終了する(S627)。このS624〜S627の処理により、枠閉鎖コマンドの送信開始から1μs後にストローブ信号SG3の送信が開始され、その送信開始されたストローブ信号SG3は1μsの間、音声ランプ制御装置113へ送信される(ストローブ信号SG3のパルス幅は1μsとなる)。
一方、ストローブ信号SG3の送信開始から1μsが経過していなければ(S626:No)、ストローブ信号SG3の送信を終了せずに(ストローブ信号SG3を送信継続したまま)、この枠コマンド送信処理を終了する。
S627の処理が実行された場合には、枠閉鎖コマンドの送信開始から1msが経過したか否かが判定される(S628)。枠閉鎖コマンドの送信開始から1msが経過していれば(S628:Yes)、枠閉鎖コマンドの送信を終了する(S629)。このS623,S628およびS629の処理により、枠閉鎖コマンドが1msの間、音声ランプ制御装置113へ送信される。一方、枠閉鎖コマンドの送信開始から1msが経過していなければ(S628:No)、枠閉鎖コマンドの送信を終了せずに(枠閉鎖コマンドを送信継続したまま)、この枠コマンド送信処理を終了する。なお、枠閉鎖コマンドの送信開始から1msが経過したか否かは、枠閉鎖コマンドが送信開始されてからの経過時間を計時するカウンタ(MPU201内に設けられている、図示せず)の計時に基づいて判定している。
S629の処理が実行された場合には、音声ランプ制御装置113への枠閉鎖コマンドの送信が完了するので、枠閉鎖コマンド送信フラグ203cをオンにする(S630)。その後、枠開放コマンド送信フラグ203bをオフにする(S631)。枠閉鎖コマンドは、S623〜S629の処理で既に音声ランプ制御装置113へ送信されたが、枠開放コマンドは、未だ音声ランプ制御装置113へ送信されていないので、S631の処理で、枠開放コマンド送信フラグ203bをオフに設定するのである。
なお、S622の処理で、枠閉鎖コマンド送信フラグ203cがオンであれば(S622:No)、開放された内枠12または開放された前面枠14が閉鎖したことを示す枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ既に1回送信しているので、S623〜S631の処理をスキップし、この枠コマンド送信処理を終了する。
ここで、ストローブ信号SG3の送信開始から1μsが経過すると共に(S626の処理で「Yes」と判定されると共に)、枠閉鎖コマンドの送信開始から1msが経過するまで(S628の処理で「Yes」と判定されるまで)、言い換えれば、枠閉鎖コマンド送信フラグ203cオンとなるまで、S622の処理では「Yes」と判定され続ける。このとき、S622の処理で「Yes」と判定された後に実行されるS623〜S625の処理は、前述したS613〜S615の処理と同様、最初に1度実行された後には、スキップされるように処理が構成されている。よって、枠閉鎖コマンド送信フラグ203cがオンとなるまで、S623〜S625の処理が1回を超えて繰り返し実行されることはない。
このように、枠コマンド送信処理(S504)では、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放され、その開放を示す枠開放コマンドが未だ送信されていない場合には、主制御装置110は、内枠開放コマンドを1msの間、音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信する。また、内枠開放コマンドの送信開始から1μsが経過すると、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113へストローブ信号SG3を1μsの間、1回だけ送信する。
枠開放コマンドと同様に、枠閉鎖コマンドも、そのコマンドが未だに送信されていない場合に限り、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信される。よって、パチンコ機10では、主制御装置110のコマンド送信回数を低減して、メイン処理での処理負担を軽減することができる。
次に、図19から図27を参照して、音声ランプ制御装置113で行われる処理について説明する。図19は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を示したフローチャートであり、この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1116の電源断処理(図20参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002)。図20を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図22の外部割込み処理参照)、S1116の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1116の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1003:Yes)、S1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1003:No)、S1008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1003:Yes)、S1004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1003:No)、S1008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1116の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005:No)、RAM223の異常を報知して(S1007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良い。
S1008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1008)。電源断フラグはS1116の電源断処理の実行時にオンされるので(図20のS1115参照)、図20を参照して後述する通り、電源断フラグは、S1115の処理によってオンされる。つまり、電源断フラグは、S1116の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了しない状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1009)、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1009をスキップして、処理をS1010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。
なお、S1009のクリア処理をスキップするのは、S1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至った場合には、S1004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図20を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図20は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから1ms以上が経過したか否かが判別され(S1101)、1ms以上経過していると判定されなければ(S1101:No)、S1102〜S1110の処理を行わずにS1111の処理へ移行する。S1101の処理で、1ms経過したか否かを判別するのは、S1102〜S1109が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ms以内)で編集する必要がないのに対して、S1111の各カウンタの更新処理やS1112のコマンドの判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。これにより、主制御装置110から送信されるコマンドを受信すると、即座にその受信したコマンドに応じた制御を実行することができる。
S1101の処理で1ms以上経過していると判定されると(S1101:Yes)、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1107の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1102)、その後電源投入報知処理を実行する(S1103)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30s)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1104の処理へ移行する。
S1104の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1105)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、作動保留球Nに応じて保留ランプ85を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1106)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1106の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理が実行され(S1107)、その後音編集・出力処理が実行される(S1108)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力させる。
その後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1109)、S1110の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドや演出時間加算コマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1107のランプ編集処理やS1108の音編集・出力処理の演出時間が設定される。
S1110の処理では、内枠12と前面枠14との状態(内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されているか、または内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されているか)に対応して、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる発光による報知を実行させる枠状態対応処理(S1110)が実行される。その後、S1111の処理へ移行する。なお、この枠状態対応処理(S1110)の詳細は、図23を参照して後述する。
S1111の処理では、第3図柄表示装置81の変動表示処理が実行される。この変動表示処理では、音声ランプ制御装置113に搭載された複数のカウンタ(大当たり時の停止図柄を設定するカウンタ、外れ時の停止図柄を選択するカウンタなど)が更新され、そのカウンタの値と主制御装置110から送信される変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づき第3図柄表示装置81で停止表示される図柄を設定したり、変動表示のパターン(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)などが設定される。その停止図柄や変動パターンは、コマンドとして表示制御装置114に送信される。
S1111の処理では、例えば、主制御装置110から送信される変動パターンのコマンドが「完全外れ」である場合、完全外れに対応した複数のパターンのうち完全外れAパターンが選択され、第3図柄表示装置81で完全外れAパターンの演出が行われるよう表示制御装置110に対してコマンドが送信される。よって、主制御装置110により決定された1の変動パターンに対して、第3図柄表示装置81で表示される詳細な変動パターンが音声ランプ制御装置113で決定されるので、主制御装置110の制御負担を軽減することができる。さらに、主制御装置110において決定される各演出のパターンを少なくできるので、ROM202の記憶容量を少なくすることができ、コスト低減を図ることができる。
そして、S1112の処理では、主制御装置110から受信したコマンドを判定するコマンド判定処理を実行する(S1112)。このコマンド判定処理によって、受信したコマンドが音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであると判定された場合には、そのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、受信したコマンドが表示制御装置114で用いるコマンドであると判定された場合には、そのコマンドを表示制御装置114に送信する。なお、このコマンド判定処理(S1112)については、図21を参照して後述する。
コマンド判定処理(S1112)が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1113)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1113:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1115)、電源断処理を実行する(S1116)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1117)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1113:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1114)、RAM223が破壊されていなければ(S1114:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1114:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図21を参照して、上述したコマンド判定処理(S1112)について説明する。図21は、上述したメイン処理(図20参照)の中で実行されるコマンド判定処理(S1112)を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理(S1112)では、まず、コマンド受信メモリ223gに記憶されたコマンドは、枠開放コマンドであるか否かが判定される(S1201)。
ここで、図22を参照して、主制御装置110から送信された各種コマンドを受信して、コマンド受信メモリ223gに記憶する外部割込み処理について説明する。図22は、音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221で実行される外部割込み処理を示したフローチャートである。この外部割込み処理は、主制御装置110から出力されたストローブ信号SG3を受信した場合に(ストローブ信号SG3が5ボルトである場合に)、実行される。外部割込み処理が実行されると、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ各種コマンドが送信開始されているので、この各種コマンドを受信して、受信した各種コマンドをコマンド受信メモリ223gに記憶する(S1301)。その後、外部割込み処理を終了する。
図21の説明に戻る。S1201の処理で、コマンド受信メモリ223gに枠開放コマンドが記憶されていると判定された場合には(S1201:Yes)、内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放されているので、枠開放フラグ223aをオンする(S1202)。なお、S1201の処理で、コマンド受信メモリ223gに枠開放コマンドが記憶されていると一旦判定されると(S1201:Yes)、枠開放コマンドは、コマンド受信メモリ223gから消去される。よって、S1201の処理が繰り返し実行されることはない。これは、後述するS1206の処理でも同様である。
S1202の処理後、枠開放報知回数カウンタ223bを0クリアし(S1203)、枠開放報知計時カウンタ223cを0クリアし(S1204)、枠開放コマンドを表示制御装置114へ出力し(S1205)、S1206の処理へ移行する。詳細は後述するが、S1205の処理によって枠開放コマンドが出力されると、表示制御装置114はその枠開放コマンドを受信し、表示制御装置114のワークRAM233内に設けられている枠開放フラグ233aをオンする。つまり、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から出力される枠開放コマンドによって、内枠12または前面枠14の少なくとも一方の開放を検出することができる。
一方、S1201の処理により、コマンド受信メモリ223gに枠開放コマンドが記憶されていると判定されなかった場合には(S1201:No)、S1202〜S1205の処理をスキップして、S1206の処理へ移行する。
S1206の処理では、コマンド受信メモリ223gに記憶されたコマンドは、枠閉鎖コマンドであるか否かが判定される(S1206)。S1206の処理により、コマンド受信メモリ223gに枠閉鎖コマンドが記憶されていると判定された場合には(S1206:Yes)、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されているので、枠開放フラグ223aをオフし(S1207)、枠閉鎖報知回数カウンタ223eを0クリアし(S1208)、枠閉鎖報知計時カウンタ223fを0クリアし(S1209)、枠閉鎖コマンドを表示制御装置114へ出力し(S1210)、S1211の処理へ移行する。詳細は後述するが、S1210の処理によって枠閉鎖コマンドが出力されると、表示制御装置114はその枠閉鎖コマンドを受信し、枠開放フラグ233aをオフする。つまり、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から出力される枠閉鎖コマンドによって、内枠12および前面枠14の閉鎖を検出することができる。
一方で、S1206の処理により、コマンド受信メモリ223gに枠閉鎖コマンドが記憶されていると判定されなかった場合には(S1206:No)、S1207〜S1210の処理をスキップして、S1211の処理へ移行する。
S1211の処理では、その他の受信コマンドに応じた処理を行う(S1211)。S1211の処理後、このコマンド判定処理(S1112)を終了し、メイン処理(図20参照)へ戻る。
次に、図23を参照して、上述した枠状態対応処理(S1110)について説明する。図23は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される枠状態対応処理を示すフローチャートである。
この枠状態対応処理(S1110)では、まず、枠開放フラグ223aがオンであるか、即ち、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されているか否かを判定する(S1401)。ここで、枠開放フラグ223aがオンであれば(S1401:Yes)、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されているので、図24を参照して後述する枠開放時処理を実行し(S1402)、この枠状態対応処理を終了する。
一方、S1401の処理により、枠開放フラグ223aがオフであると判定された場合には(S1401:No)、枠閉鎖報知フラグ223dがオンであるか、即ち、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖され、その閉鎖から所定期間(本実施形態では、30s)内であるか否かが判定される(S1403)。
S1403の処理により、枠閉鎖報知フラグ223dがオンであると判定された場合には(S1403:Yes)、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖され、その閉鎖から所定期間(本実施形態では、30s)内であるので、図26を参照して後述する枠閉鎖時処理を実行し(S1404)、この枠状態対応処理を終了する。
また、S1403の処理により、枠閉鎖報知フラグ223dがオフであると判定された場合には(S1403:No)、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖され、その閉鎖から所定期間(本実施形態では、30s)を経過しているので、そのまま、この枠状態対応処理を終了する。
次に、図24を参照して、上述した枠開放時処理(S1402)について説明する。図24は、枠状態対応処理(図23参照)の中で実行される枠開放時処理(S1402)を示すフローチャートである。
図24に示すように、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放された場合に実行される枠開放時処理(S1402)では、まず、枠開放報知計時カウンタ223cに1加算し(S1501)、枠開放報知計時カウンタ223cの値が1000であるか、即ち、枠開放報知処理(S1503)の処理が実行されて、各電飾部29〜33および表示ランプ34によって行われる発光が最大照度または消灯のいずれか一方に切り換わってから、1sが経過したかを判定する(S1502)。ここで、この枠開放時処理(S1402)が設けられる枠状態対応処理(S1110)は、1ms毎に実行されるので(図20参照)、枠開放報知計時カウンタ223cの値が1000であれば、1sが経過したことを示している。
S1502の処理により、枠開放報知計時カウンタ223cの値が1000に未だ到達していなければ(S1502:No)、各電飾部29〜33および表示ランプ34によって行われる発光が最大照度または消灯のいずれか一方に切り換わってから1sが経過していないので、各電飾部29〜33および表示ランプ34によって行われる発光の態様を切り換えずに、即ち、枠開放報知回数カウンタ223bに加算せずに、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されていることを発光により外部に報知する枠開放報知処理を実行する(S1503)。なお、枠開放報知処理(S1503)については、図25を参照して後述する。
そして、枠開放報知処理(S1503)の実行後は、この枠開放時処理(S1402)を終了する。
一方、S1502の処理により、枠開放報知計時カウンタ223cの値が1000であると判定された場合には(S1502:Yes)、各電飾部29〜33および表示ランプ34によって行われる発光が最大照度または消灯のいずれか一方に切り換わってから1sが経過しているので、枠開放報知計時カウンタ223cを0クリアして(S1504)、各電飾部29〜33および表示ランプ34によって行われる発光による報知の態様を切り換えるために、枠開放報知回数カウンタ223bに1加算する(S1505)。そして、音声出力装置226を用いて「枠が開いています」と音声で報知を行う(S1506)。その後、この枠開放時処理(S1402)を終了する。
上述した通り、枠開放時処理では、各電飾部29〜33および表示ランプ34によって行われる発光が最大照度または消灯のいずれか一方に切り換わってから1sが経過していれば、枠開放報知回数カウンタ223bを1加算することで各電飾部29〜33および表示ランプ34によって行われる発光による報知の態様を切り換えると共に、音声出力装置226を用いて「枠が開いています」と音声で報知を行う。
次に、図25を参照して、上述した枠開放報知処理(S1503)について説明する。図25は、枠開放時処理(図24参照)の中で実行される枠開放報知処理(S1503)を示すフローチャートである。
図25に示すように、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されていることを発光により外部に報知する枠開放報知処理(S1503)では、まず、枠開放報知回数カウンタ223bの値は、0または偶数か否かが判定される(S1601)。枠開放報知回数カウンタ223bの値が、0または偶数であると判定されると(S1601:Yes)、ランプ表示装置227のIN1端子への出力をオンする、即ちランプ表示装置227のIN1端子へ5ボルトの電圧を出力すると共に、ランプ表示装置227のIN2端子への出力をオンする、即ちランプ表示装置227のIN2端子へ5ボルトの電圧を出力する(S1602)。これにより、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる発光は最大照度となる(図7参照)。
一方、枠開放報知回数カウンタ223bの値が0または偶数であると判定されない場合には(S1601:No)、即ち、枠開放報知回数カウンタ223bの値が奇数である場合には、ランプ表示装置227のIN1端子への出力をオフする、即ちランプ表示装置227のIN1端子へゼロボルトの電圧を出力すると共に、ランプ表示装置227のIN2端子への出力をオフする、即ちランプ表示装置227のIN2端子へゼロボルトの電圧を出力する(S1603)。これにより、各電飾部29〜33および表示ランプ34に印加される電圧はゼロボルトとなり、各電飾部29〜33および表示ランプ34の発光は行われず、消灯した状態となる。
このように、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されている場合には、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されるまで、オンオフを1sで切り換える枠開放報知回数カウンタ223bの状態に応じて、各電飾部29〜33および表示ランプ34は、最大照度での発光と消灯を繰り返す(点滅を繰り返す)。
S1602またはS1603の処理後、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖された場合に、上述した枠閉鎖時処理(S1404)を所定期間中(本実施形態では、30s)、実行させるために、枠閉鎖報知フラグ223dをオンして(S1604)、この枠開放報知処理(S1503)を終了する。
次に、図26を参照して、上述した枠閉鎖時処理(S1404)について説明する。図26は、枠状態対応処理(図23参照)の中で実行される枠閉鎖時処理(S1404)を示すフローチャートである。
図26に示すように、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖され、その閉鎖から所定期間(本実施形態では、30s)内である場合に実行される枠閉鎖時処理(S1404)では、まず、枠閉鎖報知計時カウンタ223fに1加算し(S1701)、枠閉鎖報知計時カウンタ223fの値が1000であるか、即ち、枠閉鎖報知処理(S1703)の処理が実行されて、各電飾部29〜33および表示ランプ34によって行われる発光が最大照度、第2照度、第3照度または消灯のいずれかに切り換わってから、1sが経過したかを判定する(S1702)。ここで、この枠閉鎖時処理(S1404)が設けられる枠状態対応処理(S1110)は、1ms毎に実行されるので(図20参照)、枠閉鎖報知計時カウンタ223fの値が1000であれば、1sが経過したことを示している。
S1702の処理により、枠閉鎖報知計時カウンタ223fの値が1000に未だ到達していなければ(S1702:No)、各電飾部29〜33および表示ランプ34によって行われる発光が最大照度、第2照度、第3照度または消灯のいずれかに切り換わってから1sが経過していないので、各電飾部29〜33および表示ランプ34によって行われる発光の態様を切り換えずに、即ち、枠閉鎖報知回数カウンタ223eに加算せずに、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が以前に開放されていたことを発光により外部に報知する枠閉鎖報知処理を実行する(S1703)。なお、枠閉鎖報知処理(S1703)については、図27を参照して後述する。
そして、枠閉鎖報知処理(S1703)の実行後は、この枠閉鎖時処理(S1404)を終了する。
一方、S1702の処理により、枠閉鎖報知計時カウンタ223fの値が1000であると判定された場合には(S1702:Yes)、各電飾部29〜33および表示ランプ34によって行われる発光が最大照度、第2照度、第3照度または消灯のいずれかに切り換わってから1sが経過しているので、枠閉鎖報知計時カウンタ223fを0クリアして(S1704)、各電飾部29〜33および表示ランプ34によって行われる発光による報知の態様を切り換えるために、枠閉鎖報知回数カウンタ223eに1加算し(S1705)、この枠閉鎖時処理(S1404)を終了する。
上述した通り、枠閉鎖時処理では、各電飾部29〜33および表示ランプ34によって行われる発光が最大照度、第2照度、第3照度または消灯のいずれかに切り換わってから1sが経過していれば、枠閉鎖報知回数カウンタ223eを1加算することで各電飾部29〜33および表示ランプ34によって行われる発光による報知の態様を切り換える。
次に、図27を参照して、上述した枠閉鎖報知処理(S1703)について説明する。図27は、枠閉鎖時処理(図26参照)の中で実行される枠閉鎖報知処理(S1703)を示すフローチャートである。
図27に示すように、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖され、その閉鎖から所定期間(本実施形態では、30s)、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が以前に開放されていたことを発光により外部に報知する枠閉鎖報知処理(S1703)では、まず、枠閉鎖報知回数カウンタ223eの値が、30か否かが判定される(S1801)。枠閉鎖報知回数カウンタ223eは、前述の通り、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖された場合に、1s毎に1加算されるので、枠閉鎖報知回数カウンタ223eの値が、30であれば、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖され、その閉鎖から所定期間である30sが経過したことを示している。
S1801の処理で、枠閉鎖報知回数カウンタ223eの値が30であると判定されない場合には(S1801:No)、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖され、その閉鎖から所定期間である30sを経過していないので、各電飾部29〜33および表示ランプ34の発光による報知を行うS1802以降の処理へ移行する。
S1802の処理では、枠閉鎖報知回数カウンタ223eの値が、0または4の倍数であるか否かが判定される(S1802)。枠閉鎖報知回数カウンタ223eの値が、0または4の倍数であると判定された場合には(S1802:Yes)、ランプ表示装置227のIN1端子への出力をオンする、即ちランプ表示装置227のIN1端子へ5ボルトの電圧を出力すると共に、ランプ表示装置227のIN2端子への出力をオンする、即ちランプ表示装置227のIN2端子へ5ボルトの電圧を出力する(S1803)。これにより、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる発光は最大照度となる(図7参照)。
一方、枠閉鎖報知回数カウンタ223eの値が、0または4の倍数であると判定されない場合には(S1802:No)、S1804の処理へ移行し、枠閉鎖報知回数カウンタ223eの値が、奇数か否かが判定される(S1804)。枠閉鎖報知回数カウンタ223eの値が、奇数であると判定された場合には(S1804:Yes)、ランプ表示装置227のIN1端子への出力をオンする、即ちランプ表示装置227のIN1端子へ5ボルトの電圧を出力する一方で、ランプ表示装置227のIN2端子への出力をオフする、即ちランプ表示装置227のIN2端子へゼロボルトの電圧を出力する(S1805)。これにより、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる発光は第2照度となる(図7参照)。
また、S1804の処理で、枠閉鎖報知回数カウンタ223eの値が、奇数であると判定されない場合には(S1804:No)、ランプ表示装置227のIN1端子への出力をオフする、即ちランプ表示装置227のIN1端子へゼロボルトの電圧を出力する一方で、ランプ表示装置227のIN2端子への出力をオンする、即ちランプ表示装置227のIN2端子へ5ボルトの電圧を出力する(S1806)。これにより、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる発光は第3照度となる(図7参照)。
このように、枠閉鎖報知回数カウンタ223eの値が30でなければ、即ち、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖され、その閉鎖から所定期間である30sが経過していなければ、S1803、S1805またはS1806の処理を繰り返し実行して、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる発光による報知の態様を、1s毎に、最大照度→第2照度→第3照度→第2照度→最大照度の順で変化させる。
S1801の処理で、枠閉鎖報知回数カウンタ223eの値が30であると判定された場合には(S1801:Yes)、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖され、その閉鎖から所定期間である30sを経過しているので、各電飾部29〜33および表示ランプ34の発光による報知を終了する処理であるS1807以降の処理へ移行する。
S1807の処理では、ランプ表示装置227のIN1端子への出力をオフする、即ちランプ表示装置227のIN1端子へゼロボルトの電圧を出力すると共に、ランプ表示装置227のIN2端子への出力をオフする、即ちランプ表示装置227のIN2端子へゼロボルトの電圧を出力する(S1807)。これにより、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる発光は消灯となる(図7参照)。
その後、枠閉鎖時処理(図26参照)を実行させるフラグである枠閉鎖報知フラグ223dをオフして(S1808)、枠閉鎖時復帰処理を実行する(S1809)。この枠閉鎖時復帰処理(S1809)は、主制御装置110において内枠12または前面枠14の少なくとも一方の開放によって一時的に停止されていた遊技が復帰した場合に、その復帰に合わせて音声ランプ制御装置113での制御を復帰させる処理である。枠閉鎖時復帰処理(S1809)の実行後、この枠閉鎖報知処理を終了する。
上述した通り、枠閉鎖報知処理(S1703)では、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖され、その閉鎖から所定期間である30sが経過していなければ、S1803、S1805またはS1806の処理を繰り返し実行して、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる発光による報知の態様を、消灯状態を除いて、1s毎に、最大照度→第2照度→第3照度→第2照度→最大照度の順で変化させる。そして、閉鎖から所定期間である30sが経過していれば、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる発光を消灯する。
ここで、図28を参照して、上述した枠開放時処理(図24参照)および枠閉鎖時処理(図26参照)の結果として、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる発光による報知の態様を具体的に説明する。図28(a)は、本実施形態のパチンコ機10において内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放され、枠開放時処理が実行された場合の、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる発光による報知の態様を示した模式図であり、図28(b)は、本実施形態のパチンコ機10において内枠12および前面枠14の両方が閉鎖され、その閉鎖から所定期間中(本実施形態では30sの間)、枠閉鎖時処理が実行された場合の、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる発光による報知の態様を示した模式図である。なお、図28(a)および(b)においては、黒丸「●」によって、発光による報知の態様が切り換わるタイミングを示している。
内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放された場合には、枠開放時処理(図24参照)が実行され、図28(a)に示すように、まず、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる赤色発光が最大照度となる報知の態様となる。そして、内枠12または前面枠14の少なくとも一方の開放から1sが経過すると、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる赤色発光が消灯となる報知の態様となる。その後、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる赤色発光は、最大照度と消灯とを1s毎に繰り返す報知の態様となる(赤色点滅による報知の態様となる)。この各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる赤色発光は、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されるまで繰り返し実行される。なお、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖された場合には、パチンコ機10は、枠開放時処理(図24参照)を終了し(赤色点滅による報知の態様を終了し)、枠閉鎖報知処理(図26参照)を実行する。
次に、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖された場合には、その閉鎖から所定期間である30s間、枠閉鎖時処理(図26参照)が実行される。枠閉鎖時処理(図26参照)では、図28(b)に示すように、まず、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる赤色発光が最大照度となる報知の態様となる。そして、内枠12および前面枠14の両方の閉鎖から1sが経過すると、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる赤色発光が第2照度となる報知の態様となる。次に、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる赤色発光が第2照度になってから1sが経過すると、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる赤色発光が第3照度となる報知の態様となる。その後、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる赤色発光が第3照度になってから1sが経過すると、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる赤色発光が、再び第2照度となる報知の態様となる。更に、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる赤色発光が、再び第2照度になってから1sが経過すると、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる赤色発光が、再び最大照度となる報知の態様となる。つまり、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる赤色発光による報知の態様を、消灯状態を除いて、1s毎に、最大照度→第2照度→第3照度→第2照度→最大照度の順で変化させる。なお、この各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる赤色発光は、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖され、その閉鎖から所定期間である30s間が経過するまで繰り返し実行される。
このように、パチンコ機10は、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されると、その閉鎖から所定期間である30s間、各電飾部29〜33および表示ランプ34で発光による報知を行う。よって、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放され、例えば不正行為が行われ、その後、開放された内枠12または前面枠14が短時間のうちに閉鎖されたとしても、その閉鎖された内枠12または前面枠14が以前に開放されていたことを、その閉鎖から30s間、発光により報知することができる。従って、パチンコ機10に行われた不正行為の発見を容易にすることができる。なお、上記の不正行為とは、内枠12の開放による各制御装置、特に、主制御装置110に対して行われる不正な改変、例えば、所謂「ぶら下げ基板」を取り付けたり、主制御装置110自体を不正な基板に取り替えたりなどの不正や、前面枠14の開放による遊技盤13への不正、例えば、不正な釘曲げや、利益性の高い入賞口への遊技球の手入れなどの行為が例示される。
また、パチンコ機10は、図28(b)から明らかなように、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖された場合には、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる発光による報知の態様を、消灯状態を除いて、1s毎に、最大照度→第2照度→第3照度→第2照度→最大照度の順で繰り返し変化させる報知の態様とする。このように、発光による報知の態様を段階的に円滑な変化とすることで、不正行為者には、発光の態様の変化を気付かせ難くして、発光の態様の変化が、閉鎖された内枠12または前面枠14が以前に開放状態であったことを示す報知であることを把握させ難くすることができる。一方で、発光の態様の変化が、閉鎖された内枠12または前面枠14が以前に開放状態であったことを示す報知であることを予め知っている例えば店員等は、発光の態様の変化によって、閉鎖された内枠12または前面枠14が以前に開放状態であったことを、容易に把握することができる。
また、パチンコ機10は、図28(a)および(b)から明らかなように、内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放された場合には、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行う発光による報知の態様を、最大照度と消灯とを1s毎に繰り返す報知の態様とする(点滅による報知の態様とする)。一方、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖された場合には、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる発光による報知の態様を、消灯状態を除いて、1s毎に、最大照度→第2照度→第3照度→第2照度→最大照度の順で繰り返し変化させる報知の態様とする。よって、内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放された場合の発光による報知の態様と、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖された場合の発光による報知の態様とは、明らかに異なる発光の態様となる。よって、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放状態であるのか、閉鎖された内枠12または前面枠14が以前に開放状態であったのかを、明確に区別して報知することができる。
次に、図29から図31を参照して、表示制御装置114で行われる処理について説明する。なお、説明の便宜上、図31の外部割込処理を先に説明し、その後、図29のメイン処理を説明する。
図31は、表示制御装置114内のMPU231により実行される外部割込処理を示したフローチャートであり、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信した場合に実行される。この外部割込処理が実行されると、S2201,S2202の処理により、受信したコマンドの判定が行われる。
具体的には、受信したコマンドが枠開放コマンドであるか否かを判定し(S2201)、受信したコマンドが枠開放コマンドであると判定された場合には(S2201:Yes)、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されたことを示すので、枠開放フラグ233aをオンし(S2203)、外部割込処理を終了する。
S2201の処理により、受信したコマンドが枠開放コマンドでないと判定された場合には(S2201:No)、受信したコマンドが枠閉鎖コマンドであるか否かを判定する(S2202)。ここで、受信したコマンドが枠閉鎖コマンドであると判定された場合には(S2202:Yes)、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されたことを示すので、枠開放フラグ233aをオフし(S2204)、外部割込処理を終了する。
一方で、S2202の処理により、受信したコマンドが枠閉鎖コマンドでないと判定された場合には(S2202:No)、その他の受信したコマンドに対応した処理を実行し(S2205)、外部割込処理を終了する。なお、S2205で実行される処理としては、例えば、受信したコマンドが演出許可コマンドであれば、ワークRAM233内の演出許可フラグ(図示せず)をオンする。また、受信したコマンドが変動パターンコマンドであれば、ワークRAM233内の変動開始フラグ(図示せず)をオンする。また、受信したコマンドが停止コマンドであれば、第3図柄表示装置81で行われている変動を停止する処理が実行される。
図29は、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時に起動される。まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2001)。具体的には、MPU231を初期設定し、ワークRAM233、ビデオRAM234の記憶をクリアする処理などが行われる。その後、キャラクタROM235内のキャラクタ情報メモリ(図示せず)に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し(S2002)、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM234内のキャラクタ情報記憶領域(図示せず)に記憶する(S2003)。更に、初期画面を表示するために、キャラクタ情報記憶領域に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM234内の表示用記憶領域(図示せず)に書き込む(S2004)。
次に、主制御装置110から送信される演出許可コマンドを受信したかを判定するためにワークRAM233内の演出許可フラグ(図示せず)がオンされているか否かを判別し(S2005)、演出許可フラグがオンでなければ(S2005:No)、演出許可フラグがオンされるまで、S2006以降の処理を待機する。
S2005の処理の結果、演出許可フラグがオンされていれば(S2005:Yes)、大当たり中であるか否かが判定され(S2006)、大当たり中でなければ(S2006:No)、ワークRAM233内の変動開始フラグ(図示せず)がオンされているか否かが判別される(S2007)。その結果、変動開始フラグがオンされていれば(S2007:Yes)、1サイクル後のS2007の処理で既に変動開始されていることを判別可能とするために変動開始フラグをオフして(S2008)、第3図柄表示装置81の表示画面に変動パターンコマンドに対応した変動を開始させる(S2009)。
一方、S2007の処理で確認した結果、変動開始フラグがオフであった場合(S2007:No)、又は、S2009の処理で変動が開始されると、変動演出処理が行われる(S2010)。変動演出処理では、変動表示が継続して行われる場合には、キャラクタ情報や演出パターン情報が更新して設定され(ビデオRAM234内のキャラクタ情報記憶領域からのキャラクタ情報の新たな抽出と、ビデオRAM234内の表示用記憶領域への抽出されたキャラクタ情報の書き込み)、変動表示が行われていない場合には特に処理を行わずに、図30で後述する枠開放報知実行処理(S2011)へ移行する。
S2011の処理後、第3図柄表示装置81における演出を行う処理(S2006〜S2010,S2013)を20ms毎に実行するために、S2006の処理が開始されてから20ms以上が経過したか否かを確認する(S2012)。S2012の処理により確認した結果、20msが未だ経過していなければ、20ms以上を経過するまで待機し(S2012:No)、20ms以上が経過していれば(S2012:Yes)、その処理をS2006の処理へ移行する。
また、S2006の処理の結果、大当たり中であれば(S2006:Yes)、大当たりの演出処理が実行される(S2013)。大当たり演出処理では、ラウンド数を更新したり、賞球数を更新したり、ラウンド毎に異なる背景の画像などの更新(ビデオRAM234内のキャラクタ情報記憶領域からのキャラクタ情報の新たな抽出と、ビデオRAM234内の表示用記憶領域への抽出されたキャラクタ情報の書き込み)を行う。大当たり演出処理(S2013)の終了後は、その処理を枠開放報知実行処理(S2011)に移行する。
次に、図30を参照して、上述した枠開放報知実行処理(S2011)について説明する。図30は、メイン処理(図29参照)の中で実行される枠開放報知実行処理(S2011)を示すフローチャートである。
図30に示すように、この枠開放報知実行処理(S2011)では、まず、枠開放フラグ233aがオンであるかを判定する(S2101)。S2101の処理により、枠開放フラグ233aがオン、即ち、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されている場合には(S2101:Yes)、第3図柄表示装置81に「枠が開いています」と表示し(S2102)、S2101へ移行する。
一方、S2101の処理により、枠開放フラグ233aがオフ、即ち、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されている場合には(S2101:No)、枠閉鎖時処理を実行し(S2103)、枠開放報知実行処理(S2011)を終了する。この枠閉鎖時処理(S2103)は、内枠12または前面枠14の少なくとも一方の開放によって一時的に停止されていた主制御装置110における遊技が復帰した場合に、その復帰に合わせて表示制御装置114での制御を復帰させる処理である。なお、遊技の停止が行われていない場合には、枠閉鎖時処理(S2103)は省略される。
よって、この枠開放報知実行処理(S2011)によれば、内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放されている場合には、その開放期間中、第3図柄表示装置81に連続的に「枠が開いています」と表示(報知)される。なお、このような第3図柄表示装置81を使用する報知は、音声出力装置226からの音声報知と同様に、間欠的な報知(表示)としてもよい。
以上、説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されると、その閉鎖から所定期間である30s間、各電飾部29〜33および表示ランプ34で発光による報知を行う。よって、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放され、例えば不正行為が行われ、その後、開放された内枠12または前面枠14が短時間のうちに閉鎖されたとしても、その閉鎖された内枠12または前面枠14が以前に開放されていたことを、その閉鎖から30s間、発光により報知することができる。従って、パチンコ機10に行われた不正行為の発見を容易にすることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行う点滅による報知、即ち、内枠12または前面枠14の開放を示す報知は、内枠12または前面枠14のいずれか一方でも開放されると実行されるが、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行う最大照度→第2照度→第3照度→第2照度→最大照度の順で変化させる報知、即ち、内枠12および前面枠14の閉鎖を示す報知は、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されない限り、実行されない。よって、内枠12および前面枠14の閉鎖を示す報知を、内枠12および前面枠14の両方の閉鎖が確実に行われた場合に限って実行させることができる。
次に、図32から図34を参照して、第2実施形態のパチンコ機を説明する。第2実施形態のパチンコ機は、第1実施形態のパチンコ機10の電気的構成を一部変更し、第1実施形態のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113で実行される枠閉鎖時処理(図26参照)を変更し、更に、第1実施形態のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113で実行される枠閉鎖報知処理(図27参照)を変更したものである。
まず、図32を参照して、第2実施形態のパチンコ機の電気的構成について説明する。図32は、第2実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。なお、第2実施形態のパチンコ機は、第1実施形態のパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113内のRAM223に枠閉鎖後計時カウンタ223hを追加したものである。この追加以外は、第2実施形態のパチンコ機の電気的構成と、第1実施形態のパチンコ機10の電気的構成とは同一となっている。よって、図32に示す第2実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図では、第1実施形態のパチンコ機10のブロック図と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
枠閉鎖後計時カウンタ223hは、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖された場合に、その閉鎖からの経過時間を計時するカウンタである。この枠閉鎖後計時カウンタ223hは、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖された場合に実行される枠閉鎖時処理(図33参照)の実行間隔である所定時間(本実施形態では、1ms)毎に1ずつ加算される。そして、この枠閉鎖後計時カウンタ223hは、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されてから所定期間である30sが経過し、枠閉鎖時処理(図33参照)の実行が終了すると、0クリアされる。
次に、図33を参照して、第2実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221で実行される枠閉鎖時処理について説明する。図33は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠閉鎖時処理を示したフローチャートである。
なお、図33に示す第2実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113(MPU221)で実行される枠閉鎖時処理は、第1実施形態のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113(MPU221)で実行される枠閉鎖時処理(図26参照)に対して、S1706〜S1708の処理を追加している。この追加以外は、第2実施形態のパチンコ機の枠閉鎖時処理(図33参照)と第1実施形態のパチンコ機10の枠閉鎖時処理(図26参照)とは同一の処理となっている。よって、図33に示す第2実施形態のパチンコ機の枠閉鎖時処理では、図26で前述した第1実施形態のパチンコ機10の枠閉鎖時処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第2実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221で実行される枠閉鎖時処理では、まず、枠閉鎖後計時カウンタ223hに1加算し(S1706)、枠閉鎖後計時カウンタ223hの値が2000以上であるか、即ち、内枠12または前面枠14が閉鎖され、その閉鎖から(枠閉鎖時処理が実行開始されてから)、2s以上が経過したか否かが判定される(S1707)。ここで、この枠閉鎖時処理(S1404)が設けられる枠状態対応処理(S1110)は、1ms毎に実行されるので(図20参照)、枠閉鎖後計時カウンタ223hの値が2000以上であれば、枠閉鎖時処理が実行開始されてから2s以上が経過したことを示している。
S1706の処理により、枠閉鎖後計時カウンタ223hの値が2000に未だ到達していなければ(S1707:No)、ランプ表示装置227のIN1端子への出力をオフする、即ちランプ表示装置227のIN1端子へゼロボルトの電圧を出力すると共に、ランプ表示装置227のIN2端子への出力をオフする、即ちランプ表示装置227のIN2端子へゼロボルトの電圧を出力する(S1708)。これにより、各電飾部29〜33および表示ランプ34に印加される電圧はゼロボルトとなり、各電飾部29〜33および表示ランプ34の赤色発光は行われず、消灯した状態となる。
一方、S1706の処理により、枠閉鎖後計時カウンタ223hの値が2000以上であれば(S1707:Yes)、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖され、その閉鎖から(枠閉鎖時処理が実行開始されてから)2s以上が経過しているので、その後の30s間、内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放されていたことを赤色発光により外部に報知する枠閉鎖報知処理等(S1701〜S1705)を実行する。
上述した通り、第2実施形態のパチンコ機によれば、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖された場合でも、即座に枠閉鎖報知処理(S1703)を実行するのではなく、その閉鎖から2sが経過した後に、枠閉鎖報知処理(S1703)を実行する。よって、例えばパチンコ機に何らかの不具合が発生して、その不具合を取り除くために内枠12または前面枠14の開放を店員が正規に行い、その後、その開放された内枠12または前面枠14の閉鎖を行った場合に(内枠12および前面枠14の両方が閉鎖された場合に)、その内枠12および前面枠14の両方の閉鎖後の2s間は、発光による報知を一旦中断することができる。この発光による報知が一旦中断されることで、開放された内枠12または前面枠14の閉鎖を行った店員は(内枠12および前面枠14の両方の閉鎖を行った店員は)、その内枠12および前面枠14の両方が確実に閉鎖されたことを認識することができる。
なお、上記の不具合としては、例えば、遊技中におけるパチンコ機の動作(例えば、賞球の払い出しや遊技媒体の発射など)の不具合や、遊技盤13に配置される役物の不具合や、遊技盤13を流下する遊技球の球詰まりなどの不具合等が例示される。
次に、図34を参照して、第2実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221で実行される枠閉鎖報知処理について説明する。図34は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠閉鎖報知処理を示したフローチャートである。
なお、図34に示す第2実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113(MPU221)で実行される枠閉鎖報知処理は、第1実施形態のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113(MPU221)で実行される枠閉鎖報知処理(図27参照)に対して、S1810の処理を追加している。この追加以外は、第2実施形態のパチンコ機の枠閉鎖報知処理(図34参照)と第1実施形態のパチンコ機10の枠閉鎖報知処理(図27参照)とは同一の処理となっている。よって、図34に示す第2実施形態のパチンコ機の枠閉鎖報知処理では、図27で前述した第1実施形態のパチンコ機10の枠閉鎖報知処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第2実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221で実行される枠閉鎖報知処理では、まず、枠閉鎖報知回数カウンタ223eの値が、30か否かが判定される(S1801)。枠閉鎖報知回数カウンタ223eは、枠閉鎖報知処理(S1703)が実行開始されると、1s毎に1加算されるので(図33のS1705参照)、枠閉鎖報知回数カウンタ223eの値が、30であれば、枠閉鎖報知処理(S1703)の実行開始から所定期間である30sが経過したことを示している。
S1801の処理で、枠閉鎖報知回数カウンタ223eの値が30であると判定されない場合には(S1801:No)、枠閉鎖報知処理(S1703)の実行開始から所定期間である30sを経過していないので、各電飾部29〜33および表示ランプ34の発光による報知を行うS1802以降の処理へ移行する。
一方、S1801の処理で、枠閉鎖報知回数カウンタ223eの値が30であると判定された場合には(S1801:Yes)、枠閉鎖報知処理(S1703)の実行開始から所定期間である30sを経過しているので、各電飾部29〜33および表示ランプ34の発光による報知を終了する処理であるS1807以降の処理へ移行する。
S1807の処理では、ランプ表示装置227のIN1端子への出力をオフする、即ちランプ表示装置227のIN1端子へゼロボルトの電圧を出力すると共に、ランプ表示装置227のIN2端子への出力をオフする、即ちランプ表示装置227のIN2端子へゼロボルトの電圧を出力する(S1808)。これにより、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる赤色発光は消灯となる(図7参照)。
その後、枠閉鎖時処理(図33参照)を実行させるフラグである枠閉鎖報知フラグ223dをオフし(S1808)、枠閉鎖後計時カウンタ223hの値を0クリアして(S1810)、枠閉鎖時復帰処理を実行する(S1809)。この枠閉鎖時復帰処理(S1809)の実行後、この枠閉鎖報知処理を終了する。
上述した通り、枠閉鎖報知回数カウンタ223eは、枠閉鎖報知処理(S1703)の実行開始から所定期間である30sを経過して、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる赤色発光が消灯となると、これに合わせて0クリアされる。よって、次回、開放された内枠12または前面枠14が閉鎖された場合には(内枠12および前面枠14の両方が閉鎖された場合には)、その閉鎖からの経過時間を正しく計時することができる。
以上、一実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
各実施形態におけるパチンコ機では、内枠12または前面枠14の少なくとも一方の開放を示す報知、即ち、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行う点滅による報知における最大照度と、内枠12および前面枠14の両方の閉鎖を所定期間示す報知、即ち、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行う最大照度→第2照度→第3照度→第2照度→最大照度の順で変化させる報知における最大照度とを、同一の照度としたが(図28(a)および(b)参照)、これに限られるものではない。即ち、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行う点滅による報知における最大照度よりも、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行う最大照度→第2照度→第3照度→第2照度→最大照度の順で変化させる報知における最大照度を高くしても良い。この場合には、内枠12または前面枠14の少なくとも一方の開放を示す報知よりも、内枠12および前面枠14の両方の閉鎖を所定期間示す報知の方を目立たせることができる。よって、閉鎖された内枠12または前面枠14が以前に開放状態であったことを、強調して報知することができる。
なお、上記とは逆に、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行う最大照度→第2照度→第3照度→第2照度→最大照度の順で変化させる報知における最大照度よりも、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行う点滅による報知における最大照度を高くしても良い。
各実施形態におけるパチンコ機では、内枠12または前面枠14の少なくとも一方の開放を示す報知、即ち、点滅による報知を行う発光装置と、内枠12および前面枠14の両方の閉鎖を所定期間示す報知、即ち、最大照度→第2照度→第3照度→第2照度→最大照度の順で変化させる報知を行う発光装置とを、同一の発光装置(各電飾部29〜33および表示ランプ34)としたが、これに限られるものではない。即ち、点滅による報知を行う発光装置を、例えば電飾部30および電飾部32とする一方、最大照度→第2照度→第3照度→第2照度→最大照度の順で変化させる報知を行う発光装置を、例えば電飾部29、電飾部31、電飾部33および表示ランプ34としても良い。この場合には、点滅による報知を行う発光装置と、最大照度→第2照度→第3照度→第2照度→最大照度の順で変化させる報知を行う発光装置とで、異なる発光装置を使用するので、内枠12または前面枠14の少なくとも一方の開放を示す報知と、内枠12および前面枠14の両方の閉鎖を所定期間示す報知とは、明らかに異なる発光の態様となる。よって、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放状態であるのか、閉鎖された内枠12または前面枠14が以前に開放状態であったのかを、明確に区別して報知することができる。
各実施形態におけるパチンコ機では、内枠12または前面枠14の開放を示す報知として、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行う点滅による報知を行い、内枠12および前面枠14の閉鎖を所定期間示す報知として、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行う最大照度→第2照度→第3照度→第2照度→最大照度の順で変化させる報知を行ったが、これに限られるものではない。即ち、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放状態であることを示す報知と、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖状態であることを所定期間示す報知とを、同一の発光の態様としても良い。具体的には、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放状態であることを示す報知と、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖状態であることを所定期間示す報知とを、両方共に、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行う点滅による報知としても良いし、或いは、両方共に、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行う最大照度→第2照度→第3照度→第2照度→最大照度の順で変化させる報知としても良い。
また、各実施形態におけるパチンコ機では、内枠12または前面枠14の開放を示す報知と内枠12および前面枠14の閉鎖を所定期間示す報知とを、共に、各電飾部29〜33および表示ランプ34による発光で行ったがこれに限られるものではない。即ち、各電飾部29〜33および表示ランプ34による発光に代えて、音声出力装置226から出力される電子音を使用して、内枠12または前面枠14の開放を示す報知と内枠12および前面枠14の閉鎖を所定期間示す報知とを行っても良い。なお、この構成の場合には、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放状態であることを示す報知と、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖状態であることを所定期間示す報知とを、両方共に、同じ電子音で報知しても良いし、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放状態であることを示す報知と、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖状態であることを所定期間示す報知とを、別々の電子音で報知しても良い。また、内枠12または前面枠14の開放を示す報知を、音声出力装置226から出力される電子音を使用して行い、内枠12および前面枠14の閉鎖を所定期間示す報知を、各電飾部29〜33および表示ランプ34を使用して行っても良い。これとは逆に、内枠12または前面枠14の開放を示す報知を、各電飾部29〜33および表示ランプ34を使用して行い、内枠12および前面枠14の閉鎖を所定期間示す報知を、音声出力装置226から出力される電子音を使用して行っても良い。
また、各実施形態におけるパチンコ機では、内枠スイッチSW1および前面枠スイッチSW2の状態(オン/オフ)が主制御装置110に入力される構成としたが、これらのスイッチSW1,SW2の状態を、外部への報知を可能とする装置(例えば、音声出力装置226、ランプ表示装置227、第3図柄表示装置81など)を制御する制御装置(音声ランプ制御装置113や、表示制御装置114)に直接入力させる構成としてもよい。
なお、外部への報知を可能とする装置にスイッチSW1,SW2の状態(オン/オフ)を入力させる場合には、外部出力端子板261を、接続先の制御装置(例えば、スイッチSW1,SW2の状態が音声ランプ制御装置113に入力される場合には、音声ランプ制御装置113)に接続するように構成し、この接続先の制御装置(音声ランプ制御装置113など)から枠開放中信号を外部出力端子板261へ出力するようにしてもよい。
また、各実施形態におけるパチンコ機では、MPU201が内枠スイッチSW1および前面枠スイッチSW2の状態を検出し、いずれか一方の開放が検出された場合には、MPU201による制御によって枠開放中信号を外部出力端子板261へ出力する構成としたが、内枠スイッチSW1および前面枠スイッチSW2の状態を電子回路により構成される枠検出回路によってハード的に検出し、いずれか一方の開放が検出された場合に、この枠検出回路から枠開放中信号を外部出力端子板261へ出力する構成としてもよい。
また、各実施形態におけるパチンコ機では、内枠スイッチSW1および前面枠スイッチSW2として、枠(内枠12、前面枠14)が閉鎖された場合にオフされ、枠(内枠12、前面枠14)が開放された場合にオンされる構造のスイッチを用いたが、枠の開閉を検出できるものであれば、この構造のスイッチに限定されない。例えば、押圧によってオンされるボタン型のスイッチのように、枠(内枠12、前面枠14)が閉鎖された場合にオンされ、枠(内枠12、前面枠14)が開放された場合にオフされる構造のスイッチを用いてもよい。或いは、光センサなど、枠の開閉を検出可能なセンサを利用してもよい。
また、各実施形態におけるパチンコ機では、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されたことを契機として1の枠開放コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力し、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されたことを契機として1の枠閉鎖コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力する構成とした。かかる構成により、枠開放コマンドおよび枠閉鎖コマンドの受信を契機として、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放中であることを音声ランプ制御装置113に認識させた。
これに換えて、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放されたことを契機として、主制御装置110から音声ランプ制御装置113への、枠開放コマンドの出力を開始し、内枠12または前面枠14の少なくとも一方の開放中はこの枠開放コマンドを出力し続け、枠が閉鎖されたことを契機としてこの枠開放コマンドの出力を停止する構成とし、枠開放コマンドの受信期間中が、内枠12または前面枠14の少なくとも一方が開放中であることを音声ランプ装置113に認識させる構成としてもよい。
また、各実施形態におけるパチンコ機では、内枠12が開放された場合と前面枠14が開放された場合とで共通のコマンドである枠開放コマンドを使用したが、これに限られるものではなく、内枠12が開放された場合に内枠開放コマンドを使用し、前面枠14が開放された場合に前面枠開放コマンドを使用しても良い。そして、音声ランプ制御装置113は、内枠開放コマンドを受信した場合と、前面枠開放コマンドを受信した場合とで、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行う点滅による報知の態様を変えるように構成しても良い。この場合には、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる点滅によって、内枠12が開放されているのか、前面枠14が開放されているのかを、区別して報知することができる。
また、各実施形態におけるパチンコ機では、開放された内枠12が閉鎖された場合と開放された前面枠14が閉鎖された場合とで共通のコマンドである枠閉鎖コマンドを使用したが、これに限られるものではなく、内枠12が閉鎖された場合に内枠閉鎖コマンドを使用し、前面枠14が閉鎖された場合に前面枠閉鎖コマンドを使用しても良い。そして、音声ランプ制御装置113は、内枠閉鎖コマンドを受信した場合と、前面枠閉鎖コマンドを受信した場合とで、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行う発光の照度を変化させる報知の態様を変えるように構成しても良い。この場合には、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行われる発光の照度の変化によって、閉鎖以前に、内枠12が開放されていたのか、前面枠14が開放されていたのかを、区別して報知することができる。
また、各実施形態におけるパチンコ機では、主制御装置110からコマンド(枠開放コマンドや枠閉鎖コマンドなど)を受信した側の制御装置(音声ランプ制御装置113)が、各電飾部29〜33および表示ランプ34で行う発光による報知の態様を変化させる制御を行う構成としたが、枠(内枠12および前面枠14)の開閉を検出した主制御装置110が各電飾部29〜33および表示ランプ34で行う発光による報知の態様を変化させる制御を行う構成であってもよい。
また、第2実施形態におけるパチンコ機では、図33に示すように、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されてから2s間を、各電飾部29〜33および表示ランプ34の発光を行わず、消灯した状態としたが、これに限られず、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されてから、例えば1s間や3s間を、各電飾部29〜33および表示ランプ34の発光を行わずに、消灯した状態としても良い。
また、各実施形態におけるパチンコ機では、枠開閉監視処理(図14参照)において、内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放中である場合(即ち、枠開放フラグ203aがオンである場合)に、遊技停止処理(S506)からS501へ戻り、内枠12および前面枠14の両方が閉鎖されたことが検出されるまで、S501〜S508の処理がループされる。これに換えて、S503またはS508の処理後、S505,S506,S509の処理を行うことなく、枠開放中信号や、開放されていた枠(内枠12または前面枠14)が閉鎖された場合に出力される復帰信号などを外部出力端子板261へ出力する処理を行い、枠開閉監視処理を終了する構成(即ち、枠開閉監視処理がループされない構成)としてもよい。
また、上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしても良い。また、表示制御装置114に音声ランプ制御装置113を接続して、表示制御装置114から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113に送信するよう構成しても良い。さらに、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とを1の制御装置として構成するものとしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
スロットマシンは、回胴などを内側に設置する略箱状の筐体(本体)と、その筐体の前面を開閉する前面扉(扉体)とによって外形が形成されている。スロットマシンの内部には、遊技の主な制御を行う主制御装置が設置されると共に、遊技者に付与するメダルなどが貯留されている。よって、かかるスロットマシンに対し、上記実施形態において例示したパチンコ機10と同様に、開放された前面扉が閉鎖された場合に、その閉鎖から所定期間である30s間、スロットマシンに設けられる発光装置で発光による報知を行うように構成することで、前面扉が開放されて、例えば不正行為が行われ、その後、開放された前面扉が短時間のうちに閉鎖されたとしても、その閉鎖された前面扉が以前に開放されていたことを、その閉鎖から30s間、発光により報知することができる。これにより、例えばスロットマシンに対して行われた不正行為の発見を容易にすることができるのである。なお、スロットマシンに対して行われる不正行為(前面扉の不正な開放による不正行為)とは、例えば、制御装置(主制御装置や払出制御装置など)の交換や遊技者の遊技価値となるメダルの盗難などの不正行為が例示される。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、前記本体に対して前記扉体が開放された場合にその開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に報知を行う報知手段とを備えた遊技機において、前記報知手段により行われる報知の態様を示す第1報知態様を設定する第1報知態様設定手段と、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その扉体の開放期間中、前記第1報知態様設定手段により設定される第1報知態様での報知を前記報知手段に実行させる第1実行手段と、前記報知手段により行われる報知の態様を示す第2報知態様を設定する第2報知態様設定手段と、前記開放が検出された扉体の閉鎖が前記扉開放検出手段により検出された場合に、その扉体の閉鎖後の所定期間中、前記第2報知態様設定手段により設定される第2報知態様での報知を前記報知手段に実行させる第2実行手段とを備えていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、扉体が開放され、その開放が扉開放検出手段により検出されると、第1実行手段は、その扉体の開放期間中、第1報知態様設定手段により設定される第1報知態様での報知を、報知手段に実行させる。そして、開放された扉体が閉鎖され、その閉鎖が扉開放検出手段により検出されると、第2実行手段は、その扉体の閉鎖後の所定期間中、第2報知態様設定手段により設定される第2報知態様での報知を、報知手段に実行させる。このように、第2実行手段は、開放された扉体が閉鎖された場合にも、所定期間中、報知手段に報知を実行させる。よって、扉体が開放されて、例えば不正行為が遊技機に行われ、その後、開放された扉体が短時間のうちに閉鎖されたとしても、その閉鎖された扉体が以前に開放状態であったことを、所定期間中、報知することができる。従って、例えば遊技機に行われた不正行為の発見を容易にすることができる。なお、第1報知態様設定手段により設定される第1報知態様での報知手段による報知の態様と、第2報知態様設定手段により設定される第2報知態様での報知手段による報知の態様とは、同一の構成でも、異なる構成でも良い。
遊技機1において、前記第1報知態様設定手段により設定される第1報知態様での前記報知手段による報知の態様と、前記第2報知態様設定手段により設定される第2報知態様での前記報知手段による報知の態様とは、異なる構成であることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、第1報知態様設定手段により設定される第1報知態様での報知手段による報知の態様と、第2報知態様設定手段により設定される第2報知態様での報知手段による報知の態様とは、異なる構成であるので、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出された場合に報知手段により行われる報知と、扉開放検出手段によって扉体の閉鎖が検出された場合に報知手段により行われる報知とは、異なる報知の態様となる。よって、扉体が開放状態であるのか、閉鎖された扉体が以前に開放状態であったのかを、明確に区別して報知することができる。
遊技機1または2において、前記第2実行手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の閉鎖が検出されてからの経過時間を計時する第2計時手段と、その第2計時手段により計時される経過時間が予め定められた期間を経過するまで、前記報知手段に実行させる報知を禁止する実行禁止手段と、前記第2計時手段により計時される経過時間が予め定められた期間を経過すると、前記実行禁止手段による禁止を解除する禁止解除手段とを備えていることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、第2計時手段により計時される経過時間が、即ち、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出されてからの経過時間が、予め定められた期間を経過するまでは、実行禁止手段は、報知手段に実行させる報知を禁止する。その後、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出されてからの経過時間が、予め定められた期間を経過すると、禁止解除手段は、実行禁止手段による禁止を解除する。このように、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出されても、その検出からの経過時間が予め定められた期間を経過するまでは、報知を禁止する。よって、例えば遊技機に何らかの不具合が発生して、その不具合を取り除くために扉体の開放が正規に行われ、その後、その開放された扉体の閉鎖が行われた場合には、その扉体の閉鎖後の予め定められた期間に、報知の禁止が一旦行われるので、開放された扉体の閉鎖を行った者(例えば、店員等)は、扉体が確実に閉鎖されたことを認識することができる。
遊技機1から3のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に発光による報知を行う発光報知手段を備え、前記第2報知態様設定手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の閉鎖が検出されてからの経過時間を計時する第1計時手段と、その第1計時手段により計時される経過時間に応じて前記発光報知手段による発光の照度が変化する発光の態様を、前記第2報知態様として設定する照度設定手段とを備えていることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、照度設定手段は、第1計時手段により計時される経過時間に応じて発光報知手段による発光の照度が変化する発光の態様を、第2報知態様として設定する。よって、開放された扉体が閉鎖され、その閉鎖が扉開放検出手段により検出された場合には、所定期間中、発光報知手段による発光の照度を経過時間に応じて変化させるので、発光の態様を円滑に変化させることができる。このように、発光の照度が経過時間に応じて円滑に変化するので、不正行為者には、発光の態様の変化を気付かせ難くして、発光の態様の変化が、閉鎖された扉体が以前に開放状態であったことを示す報知であることを把握させ難くすることができる。一方で、発光の態様の変化が、閉鎖された扉体が以前に開放状態であったことを示す報知であることを予め知っている例えば遊技場の店員等は、発光の態様の変化によって、閉鎖された扉体が以前に開放状態であったことを、容易に把握することができる。
遊技機4において、前記第1報知態様設定手段は、前記発光報知手段による発光が点滅となる発光の態様を前記第1報知態様として設定する点滅設定手段を備え、前記照度設定手段は、前記第1計時手段により計時される経過時間に応じて変化する前記発光報知手段による発光の照度が、予め定められた照度を超える照度で変化する発光の態様を前記第2報知態様として設定する制限照度設定手段を備えていることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、点滅設定手段は、発光報知手段による発光が点滅となる発光の態様を第1報知態様として設定する。これにより、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合には、発光報知手段による発光は点灯と消灯を繰り返す。また、制限照度設定手段は、第1計時手段により計時される経過時間に応じて、即ち、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出されてからの経過時間に応じて、発光報知手段による発光の照度が、予め定められた照度を超える照度で変化する発光の態様を第2報知態様として設定する。これにより、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合には、発光報知手段による発光は、所定期間中、消灯を行わず、予め定められた照度を超える照度で変化する。このように、発光報知手段による発光は、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合には、点灯と消灯を繰り返す一方で、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合には、消灯を行わず、予め定められた照度を超える照度で変化する。よって、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合に発光報知手段によって行われる発光による報知と、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合に発光報知手段によって行われる発光による報知とは、明らかに異なる発光の態様となる。従って、扉体が開放状態であるのか、閉鎖された扉体が以前に開放状態であったのかを、明確に区別して報知することができる。
遊技機4または5において、前記第1報知態様設定手段は、少なくとも前記第1報知態様における発光報知手段による発光の最大照度を、前記第1報知態様として設定するものであり、前記第2報知態様設定手段は、少なくとも前記第2報知態様における発光報知手段による発光の最大照度を、前記第2報知態様として設定するものであり、その第2報知態様設定手段が第2報知態様として設定する前記発光報知手段による発光の最大照度は、前記第1報知態様設定手段が第1報知態様として設定する前記発光報知手段による発光の最大照度よりも、高い照度に設定されていることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、第2報知態様設定手段が第2報知態様として設定する発光報知手段による発光の最大照度は、第1報知態様設定手段が第1報知態様として設定する発光報知手段による発光の最大照度よりも高い照度に設定されている。これにより、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合に発光報知手段によって行われる発光の最大照度よりも、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合に発光報知手段によって行われる発光の最大照度の方が高い照度となる。よって、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合よりも、開放された扉体の閉鎖が扉開放検出手段によって検出された場合の方が、発光報知手段により行われる発光を目立たせることができる。従って、閉鎖された扉体が以前に開放状態であったことを、強調して報知することができる。
遊技機4から6のいずれかにおいて、前記扉体は、前記本体に対して開閉される内枠と、その内枠に対して開閉される透明板支持扉とを有して構成され、前記発光報知手段は、前記透明板支持扉の前面の複数個所に配設され、その配設された複数箇所毎に独立して前記発光による報知を実行可能に構成されており、前記第1実行手段および第2実行手段は、前記複数個所に配設された発光報知手段をそれぞれ組み合わせて、その組み合わせた発光報知手段により前記発光による報知をそれぞれ実行させるものであり、前記第1実行手段によって前記発光による報知を実行する前記発光報知手段の組み合わせと、前記第2実行手段によって前記発光による報知を実行する前記発光報知手段の組み合わせとは、異なる構成であることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、発光報知手段は、内枠に対して開閉される透明板支持扉の前面の複数個所に配設されており、その配設された複数個所毎に独立して発光による報知を実行可能に構成されている。そして、第1実行手段および第2実行手段は、複数個所に配設された発光報知手段をそれぞれ組み合わせて、その組み合わせた発光報知手段により発光による報知をそれぞれ実行させる。ここで、発光による報知を第1実行手段によって実行させる発光報知手段の組み合わせと、発光による報知を第2実行手段によって実行させる発光報知手段の組み合わせとは、異なる構成となっている。よって、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合に発光報知手段によって行われる発光による報知と、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合に発光報知手段によって行われる発光による報知とは、明らかに異なる発光の態様となる。従って、扉体が開放状態であるのか、閉鎖された扉体が以前に開放状態であったのかを、明確に区別して報知することができる。
遊技機4から7のいずれかにおいて、前記扉体は、前記本体に対して開閉される内枠と、その内枠に対して開閉される透明板支持扉とを有して構成され、前記扉開放検出手段は、前記内枠と透明板支持扉とにそれぞれ設けられており、前記第1実行手段は、前記扉開放検出手段により前記内枠または透明板支持扉の少なくとも一方の開放が検出された場合に、前記第1報知態様設定手段により設定される第1報知態様で前記発光による報知を前記発光報知手段に実行させるものであり、前記第2実行手段は、前記扉開放検出手段により前記内枠および透明板支持扉の両方の閉鎖が検出された場合に、前記第2報知態様設定手段により設定される第2報知態様で前記発光による報知を前記発光報知手段に実行させるものであることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、第1実行手段は、内枠または透明板支持扉の少なくとも一方の開放が扉開放検出手段により検出された場合に、第1報知態様設定手段により設定される第1報知態様で、発光報知手段に発光による報知を実行させる。一方、第2実行手段は、内枠および透明板支持扉の両方の閉鎖が扉開放検出手段により検出された場合に、第2報知態様設定手段により設定される第2報知態様で、発光報知手段に発光による報知を実行させる。よって、第1報知態様設定手段により設定される第1報知態様での発光による報知は、内枠または透明板支持扉のいずれか一方の開放が行われた場合であっても、発光報知手段に実行させることができる一方で、第2報知態様設定手段により設定される第2報知態様での発光による報知は、内枠および透明板支持扉の両方の閉鎖が確実に行われた場合に、発光報知手段に実行させることができる。
遊技機1から8のいずれかにおいて、前記扉体の背面側に配設され遊技の制御を行う制御手段を備えていることを特徴とする遊技機9。
遊技機9によれば、扉体の背面側、即ち扉体の裏面側に、遊技の制御を行う制御手段(制御装置)を配置しているので、扉体の不正な開放による制御手段(制御装置)への不正行為を確実に防止することができる。
<その他>
従来、パチンコ機などの遊技機は、遊技機本体の前面側に開閉可能な扉体を設け、この遊技機本体の前面を開放可能に構成されることが一般的である(例えば、特許文献1:特開2007−111100号公報)。ここで、かかる扉体が、遊技機本体に対して開閉可能に取り付けられた内枠と、その内枠に対して開閉可能に取り付けられたガラス扉(前面枠)とから構成されることもまた一般的である。
遊技機の一種であるパチンコ機では、内枠の裏面側から遊技盤が装着されており、かかる遊技盤の遊技領域はガラス扉の開放によって露出させることができる。よって、遊技中に遊技領域内に不具合が生じた場合(例えば、遊技領域に配置される役物の不具合や、遊技領域内を流下する遊技球の球詰まりなど)には、ホールの係員によってガラス扉が開放され不具合の解消が図られる。
一方、遊技盤の裏面側には、遊技の制御を行う制御装置が取り付けられており、遊技機本体に対して内枠が閉鎖されている場合には、制御装置は、遊技機本体と内枠とにより形成される空間等(例えば、内枠の裏面側等)に収納されている。遊技中に、遊技機の動作に不具合(例えば、賞球が払い出されない、遊技球が発射されないなど)が生じた場合には、ホールの係員によって内枠が開放され、制御装置のチェック(例えば、配線や電気的接触のチェックなど)が行われる。
ところで、遊技機の一種であるパチンコ機では、所定のタイミングで抽選が行われ、その抽選によって所定の結果(例えば、大当たり)が得られた場合に大量の遊技媒体(遊技球やコイン)が払出可能となる。かかる抽選は、制御装置(例えば、主制御装置)によって制御されるので、不当に大当たりを発生させ大量の遊技媒体を不正に払い出させる目的で、かかる制御装置が不正行為者によって不正に改変されるという事例がしばしば発生している。なお、不正な改変の具体例としては、制御装置に不正な基板(例えば、「ぶら下げ基板」)を取り付けたり、この制御装置自体を不正な基板に取り替えたり、この制御装置のCPUを不正用のCPUに取り替えたりなどが挙げられる。よって、内枠は、不正行為者が制御装置に不正を施す目的で不正に開放されることがある。
また、不正行為者は、遊技領域に設置された球案内用の釘を不正に曲げて抽選の契機となる入賞口への遊技球の入賞を有利なものとしたり(所謂、釘曲げゴト)、利益性の高い入賞口(例えば、特定入賞口)へ、手で、直接遊技球を入れたりなどの不正行為を行うことがある。そのため、ガラス扉もまた、不正に開放されることがある。
内枠及びガラス扉は、上述のように不正に開放されることがしばしば起こり得るため、内枠又はガラス扉の開放を検出した場合に、その開放期間中、ランプ点灯や音声出力などによって、内枠又はガラス扉が開放された旨を外部へ報知し、不正な開放を防止する遊技機が提案されている。
しかしながら、内枠又はガラス扉が開放された場合に、その開放期間中に限って報知を行う遊技機では、不正行為者による不正行為が比較的短時間のうちに実行が完了した場合には、報知時間も比較的短時間に留まってしまうので、不正行為を発見し難いという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、不正行為の発見を容易にすることができる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1記載の遊技機は、本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、前記本体に対して前記扉体が開放された場合にその開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に報知を行う報知手段とを備えたものであり、前記報知手段により行われる報知の態様を示す第1報知態様を設定する第1報知態様設定手段と、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その扉体の開放期間中、前記第1報知態様設定手段により設定される第1報知態様での報知を前記報知手段に実行させる第1実行手段と、前記報知手段により行われる報知の態様を示す第2報知態様を設定する第2報知態様設定手段と、前記開放が検出された扉体の閉鎖が前記扉開放検出手段により検出された場合に、その扉体の閉鎖後の所定期間中、前記第2報知態様設定手段により設定される第2報知態様での報知を前記報知手段に実行させる第2実行手段とを備えている。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記第1報知態様設定手段により設定される第1報知態様での前記報知手段による報知の態様と、前記第2報知態様設定手段により設定される第2報知態様での前記報知手段による報知の態様とは、異なる構成である。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想1または2に記載の遊技機において、前記第2実行手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の閉鎖が検出されてからの経過時間を計時する第2計時手段と、その第2計時手段により計時される経過時間が予め定められた期間を経過するまで、前記報知手段に実行させる報知を禁止する実行禁止手段と、前記第2計時手段により計時される経過時間が予め定められた期間を経過すると、前記実行禁止手段による禁止を解除する禁止解除手段とを備えている。
技術的思想4記載の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記報知手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に発光による報知を行う発光報知手段を備え、前記第2報知態様設定手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の閉鎖が検出されてからの経過時間を計時する第1計時手段と、その第1計時手段により計時される経過時間に応じて前記発光報知手段による発光の照度が変化する発光の態様を、前記第2報知態様として設定する照度設定手段とを備えている。
技術的思想5記載の遊技機は、技術的思想4記載の遊技機において、前記第1報知態様設定手段は、前記発光報知手段による発光が点滅となる発光の態様を前記第1報知態様として設定する点滅設定手段を備え、前記照度設定手段は、前記第1計時手段により計時される経過時間に応じて変化する前記発光報知手段による発光の照度が、予め定められた照度を超える照度で変化する発光の態様を前記第2報知態様として設定する制限照度設定手段を備えている。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、扉体が開放され、その開放が扉開放検出手段により検出されると、第1実行手段は、その扉体の開放期間中、第1報知態様設定手段により設定される第1報知態様での報知を、報知手段に実行させる。そして、開放された扉体が閉鎖され、その閉鎖が扉開放検出手段により検出されると、第2実行手段は、その扉体の閉鎖後の所定期間中、第2報知態様設定手段により設定される第2報知態様での報知を、報知手段に実行させる。このように、第2実行手段は、開放された扉体が閉鎖された場合にも、所定期間中、報知手段に報知を実行させる。よって、扉体が開放されて、例えば不正行為が遊技機に行われ、その後、開放された扉体が短時間のうちに閉鎖されたとしても、その閉鎖された扉体が以前に開放状態であったことを、所定期間中、報知することができる。従って、例えば遊技機に行われた不正行為の発見を容易にすることができるという効果がある。なお、第1報知態様設定手段により設定される第1報知態様での報知手段による報知の態様と、第2報知態様設定手段により設定される第2報知態様での報知手段による報知の態様とは、同一の構成でも、異なる構成でも良い。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1報知態様設定手段により設定される第1報知態様での報知手段による報知の態様と、第2報知態様設定手段により設定される第2報知態様での報知手段による報知の態様とは、異なる構成であるので、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出された場合に報知手段により行われる報知と、扉開放検出手段によって扉体の閉鎖が検出された場合に報知手段により行われる報知とは、異なる報知の態様となる。よって、扉体が開放状態であるのか、閉鎖された扉体が以前に開放状態であったのかを、明確に区別して報知することができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1または2に記載の遊技機の奏する効果に加え、第2計時手段により計時される経過時間が、即ち、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出されてからの経過時間が、予め定められた期間を経過するまでは、実行禁止手段は、報知手段に実行させる報知を禁止する。その後、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出されてからの経過時間が、予め定められた期間を経過すると、禁止解除手段は、実行禁止手段による禁止を解除する。このように、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出されても、その検出からの経過時間が予め定められた期間を経過するまでは、報知を禁止する。よって、例えば遊技機に何らかの不具合が発生して、その不具合を取り除くために扉体の開放が正規に行われ、その後、その開放された扉体の閉鎖が行われた場合には、その扉体の閉鎖後の予め定められた期間に、報知の禁止が一旦行われるので、開放された扉体の閉鎖を行った者(例えば、店員等)は、扉体が確実に閉鎖されたことを認識することができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、照度設定手段は、第1計時手段により計時される経過時間に応じて発光報知手段による発光の照度が変化する発光の態様を、第2報知態様として設定する。よって、開放された扉体が閉鎖され、その閉鎖が扉開放検出手段により検出された場合には、所定期間中、発光報知手段による発光の照度を経過時間に応じて変化させるので、発光の態様を円滑に変化させることができる。このように、発光の照度が経過時間に応じて円滑に変化するので、不正行為者には、発光の態様の変化を気付かせ難くして、発光の態様の変化が、閉鎖された扉体が以前に開放状態であったことを示す報知であることを把握させ難くすることができる。一方で、発光の態様の変化が、閉鎖された扉体が以前に開放状態であったことを示す報知であることを予め知っている例えば遊技場の店員等は、発光の態様の変化によって、閉鎖された扉体が以前に開放状態であったことを、容易に把握することができるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想4記載の遊技機の奏する効果に加え、点滅設定手段は、発光報知手段による発光が点滅となる発光の態様を第1報知態様として設定する。これにより、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合には、発光報知手段による発光は点灯と消灯を繰り返す。また、制限照度設定手段は、第1計時手段により計時される経過時間に応じて、即ち、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出されてからの経過時間に応じて、発光報知手段による発光の照度が、予め定められた照度を超える照度で変化する発光の態様を第2報知態様として設定する。これにより、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合には、発光報知手段による発光は、所定期間中、消灯を行わず、予め定められた照度を超える照度で変化する。このように、発光報知手段による発光は、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合には、点灯と消灯を繰り返す一方で、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合には、消灯を行わず、予め定められた照度を超える照度で変化する。よって、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合に発光報知手段によって行われる発光による報知と、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合に発光報知手段によって行われる発光による報知とは、明らかに異なる発光の態様となる。従って、扉体が開放状態であるのか、閉鎖された扉体が以前に開放状態であったのかを、明確に区別して報知することができるという効果がある。