JP2008055005A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】扉式の入賞口に入賞する遊技球数のばらつきを抑えることができる遊技機を提供すること。
【解決手段】可変入賞装置65は、開閉扉660が開姿勢から閉姿勢に回動動作する場合には、誘導部663が収容空間677側から遊技領域側へ回動するので、開閉扉660が閉姿勢へ回動すると、誘導部663(溝666)を通過中の未入賞の球が、収容空間677内から遊技領域側に排出される。よって、開閉扉660の開閉動作が1回行われる間に、予め定めた所定個数以上の球が特定入賞口672に入賞することを低減することができる。従って、大当たり中に開閉扉660が複数回開閉動作した場合にも、特定入賞口672に入賞する球数のばらつきを抑えることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、パチンコ機等に代表される遊技機に関するものである。
従来、例えば、遊技の制御を行う主制御装置と、その主制御装置で行われる遊技の制御に伴った表示を、液晶画面を有する表示装置で行わせる表示制御装置とを備えたパチンコ機が知られている。このパチンコ機では、液晶画面で複数の図柄列が動的表示され、その図柄列を構成する図柄が所定の組合わせで停止表示された場合に、遊技者に有利な遊技価値を付与する大当たりが発生する。
この大当たりが発生すると、特定の入賞口に付随する1枚扉が所定回数開閉動作して、多くの賞球が払い出される。1枚扉の開閉動作は、下端が回転軸となり、上端が遊技領域側(特定の入賞口とは反対側)に回動して行われる。また、1枚扉と特定の入賞口との間には、球を収容する収容空間が設けられており、1枚扉が開姿勢となると、その1枚扉により遊技領域を流下する球が受け止められ、収容空間内に球が流入する。収容空間に流入された球は、特定の入賞口方向へ誘導され、特定の入賞口に入賞した球の通過が球検出センサにより検出されると、賞球が払い出される。1枚扉は、開姿勢の状態で所定数(例えば10個)の球の通過が球検出センサにより検出されると閉姿勢となり(1枚扉の1回の開閉動作で1ラウンド)、この1枚扉の開閉動作が所定回数(例えば16ラウンド)行われると、大当たりが終了する。
特開2003−205104号公報
上述したパチンコ機は、1枚扉が遊技領域側に回動して所定数の球の通過が球検出センサにより検出されると、1枚扉が開姿勢から閉姿勢に回動するが、所定数の最後の球(例えば10個目の球)が球検出センサにより検出されるとき、既に収容空間内に球が収容されていることがある。そのため、1枚扉の1回の開閉動作で必要以上の球が入賞してしまうことがあった。
また、1枚扉は下端を回転軸として上端が遊技領域側から回動して開姿勢から閉姿勢となるので、1枚扉が閉姿勢に回動する際には、その1枚扉と収容空間の遊技領域側の開口との間で、収容空間に流入する球を挟んでしまうこともある。1枚扉と収容空間の開口との間に球が挟まると、1枚扉が閉姿勢に回動したにも関わらず、収容空間の開口が閉鎖されないので、必要以上の球が入賞してしまうことがあった。
さらに、1枚扉が閉姿勢に回動するタイミングで流下する球を受け止めると、その衝突の力が1枚扉を開姿勢にする方向に作用するので、1枚扉が閉姿勢となるまでの時間が長引くこともある。よって、1枚扉の開姿勢の状態が長くなるので、1枚扉に衝突した最後の球を収容空間に誘導するだけでなく、さらに球が収容空間に収容され易くなってしまい、必要以上の球が入賞してしまうことがあった。
一般的に、パチンコ機は、遊技領域に打ち込まれた発射数および遊技者に払い出される賞球数などの各条件に基づいて予め大当たりの抽選確率などの仕様が設定されているので、賞球の払出数が最も多くなる大当たり時の賞球数にばらつきが大きいと、抽選確率を設定する際に参照された条件と、実際に遊技された場合の条件とが異なってしまう。よって、1枚扉を付随した入賞口に入賞する球数にばらつきが大きいと、予め定めた仕様とは異なる意図しない仕様のパチンコ機となり易いという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、扉式の入賞口に入賞する遊技球数のばらつきを抑えることができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下する遊技球が入賞する入賞口と、その入賞口へ入賞した遊技球の通過を検出する検出手段とを備え、その検出手段により前記入賞口を通過する遊技球が検出されると、所定の遊技価値が付与されるものであり、前記入賞口と遊技領域との間に所定空間を有して形成され、前記遊技領域から流入した遊技球を収容する収容部と、その収容部の前記遊技領域側の開口を開閉すると共に、前記収容部の前記開口を閉鎖する閉姿勢において前記遊技球の流下方向の上流側で且つ前記収容部の前記開口を開放する開姿勢において前記収容部の所定空間内に位置する開閉上流部と、その開閉上流部より前記閉姿勢において前記流下方向の下流側に位置する開閉下流部とを有する開閉部材と、その開閉部材を回転可能に支持する回転軸と、その回転軸を中心として前記開閉部材を第1方向に駆動させて前記開姿勢にすると共に、前記回転軸を中心として前記開閉部材を反第1方向に駆動させて前記閉姿勢にする駆動手段と、前記開閉上流部に凸設される突出部とを備え、前記開閉部材が開姿勢となると、前記開閉部材の開閉上流部が前記収容部の所定空間内に位置し前記開閉部材の開閉下流部が前記遊技領域に突出すると共に、前記突出部が前記収容部の開口の一部を覆い、前記開閉部材が閉姿勢となると、前記開閉部材の開閉上流部および開閉下流部の前記入賞口へ遊技球を案内する案内面が前記遊技領域側に位置すると共に、前記突出部が前記遊技領域に突出する。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記入賞口は、前記収容部の開口面に平行する方向で且つ前記遊技球の流下方向に直交する方向となる第2方向において前記収容部の開口の中央から離れた位置に設けられ、前記突出部は、前記開閉部材の前記第2方向において、前記入賞口が設けられた側の第1の端部からその第1の端部に対向する第2の端部側に向かって延設される。
請求項1記載の遊技機によれば、遊技領域に打ち込まれた遊技球が入賞口に入賞し、その入賞した遊技球が検出手段により検出されると、所定の遊技価値が付与される。収容部の開口は、開閉部材により開閉され、その開閉部材は、駆動手段により回転軸が第1方向に駆動されると開姿勢となり、駆動手段により回転軸が反第1方向に駆動されると閉姿勢となる。また、開閉部材は、開閉上流部と開閉下流部とを有しており、回転軸が第1方向に駆動されて開姿勢となると、開閉上流部が収容部の所定空間内に位置すると共に開閉下流が遊技領域に位置するので、遊技領域を流下する遊技球は、遊技領域に突出した開閉下流部により受け止められ、その受け止められた遊技球が収容部の所定空間に位置する開閉上流部を通り入賞口へ案内され入賞がなされる。また、回転軸が反第1方向に駆動されて開閉部材が閉姿勢となると、開閉上流部および開閉下流部の遊技球の案内面が遊技領域に位置するので、開姿勢から閉姿勢に回動する際に開閉上流部を通過している未入賞の遊技球を収容部から遊技領域に排出することができる。従って、必要な遊技球の通過が検出手段により検出された場合に開閉部材を閉姿勢へ回動させることで、必要以上の遊技球が入賞口に入賞することを抑制することができるという効果がある。
特に、遊技領域に打ち込まれる遊技球数に対して付与される遊技価値が予め定められている場合には、1回の開閉部材の開閉動作で入賞する遊技球数にばらつきがあると、予め定めた遊技機の仕様とは異なる意図しない仕様の遊技機となってしまう。しかし、本遊技機によれば、1回の開閉動作で必要以上の遊技球が入賞口に入賞することを抑制できるので、入賞する遊技球数のばらつきを少なくでき、予め定めた遊技機の仕様に対して極端に異なる仕様の遊技機となることを低減することができるという効果がある。
また、開閉上流部および開閉下流部は、遊技球を入賞口へ案内する案内面となるので、その案内面に汚れなどが付着していると遊技球がスムーズに動作できず、入賞に時間がかかったり遊技球が詰まってしまう場合があるが、開閉部材が閉姿勢となると、開閉上流部および開閉下流部の案内面が遊技領域側に位置するので、汚れを発見した場合に簡単に除去が行える。よって、案内面の汚れなどによって遊技球がスムーズに流れずに入賞までに時間がかかったり遊技球が詰まったりすることを低減することができるという効果がある。また、例えば、遊技球が汚れなどにより開閉上流部または開閉下流部の案内面に付着してしまった場合には、遊技者が遊技を続行することで付着した遊技球と流下する遊技球が接触して、その付着した遊技球を自然に落下させることができる。よって、付着した遊技球を取り除くために遊技を中断する回数が少なくなるので、遊技者に不快感を与えることを低減する遊技機を提供することができるという効果がある。
また、開閉部材は、開姿勢の状態で遊技球を開閉下流部で受け止めるているので、遊技球が開閉下流部に衝突して生じる力は、開閉下流部が閉姿勢に回動する方向に作用する。従って、遊技球を受ける際に作用する力によって開閉部材の閉姿勢への回動の妨げとなることがないのでスムーズな閉動作が行え、必要以上の遊技球が入賞口に入賞することを抑制することができるという効果がある。
また、突出部は、開閉部材が開姿勢となると、収容部の開口の一部を覆うので、その突出部に接触した遊技球は、入賞口へ入賞する前に一旦速度が減速される。一般的に、遊技球が勢い良く入賞口に入賞すると、その遊技球がばたつくので、1の遊技球の通過を複数の遊技球の通過と誤検出してしまったり、検出手段を破損してしまうなどの弊害が生じやすくなるが、開閉下流部が受け止めた遊技球の少なくとも一部は突出部との接触により入賞口への入賞の前に減速されるので、上記弊害の発生を低減することができるという効果がある。また、収容部内を通過する遊技球の速度を減速できばたつきを抑制できるので、開閉部材が収容部に遊技球を収納する方向に動作する場合に比べて、開閉部材が閉動作する際に収容部の開口と開閉部材との間で遊技球を挟んでしまうことが少なくなる。従って、開口部材が閉姿勢に回動したにも関わらず、収容部の開口と開閉部材との間が挟まれた遊技球によって開放されたままとなり、必要以上の遊技球が入賞口に入賞することを低減することができるという効果がある。さらに、突出部は、開閉部材が閉姿勢となると、遊技領域に突出するので、遊技領域を流下する遊技球の一部が突出部と接触して、その流下速度が減速される。よって、開閉部材より下流側に位置する他の入賞口や役物などに衝突する際のエネルギーが抑制されるので、その下流側に位置する他の入賞口や役物が損傷することを少なくすることができるという効果がある。
ここで、従来の一枚扉のように、下端が回転軸となり上端が遊技領域側に回動する場合には、例えば、遊技領域の下方から板状部材(又は線状部材)などを侵入させ、一枚扉の上端に板状部材を引っ掛けて強制的に回動させて、必要以上の遊技球を入賞させる行為が行われることも考えられる。しかし、本遊技機によれば、開閉部材の上端に板状部材を引っ掛けて回動させようとした場合には、開閉下流部が遊技領域側に突出するように回動するので、板状部材の引っかかりを解除したり切断することができ、強制的に開閉部材を回動させる行為を困難にすることができる。よって、開閉部材が強制的に回動させられて必要以上の球が入賞口に入賞させられる行為を低減することができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、収容部の開口の中央から離れた位置に入賞口が形成され、その入賞口が設けられた側の第1の端部から対向する第2の端部側に突出部が延設されているので、開閉下流部に受け止められた遊技球の大半は、突出部と接触して収納部への進入速度が減速された後に、第2の端部側から開閉上流部を通過して入賞口に入賞する。よって、遊技球が入賞口に達するまでの距離が長くなるので遊技球の整流効果が高くなり、その結果、球のばたつきを低減でき遊技球の通過数の誤検出や検出手段の破損の発生を低減することができるという効果がある。
なお、請求項1又は2に記載の遊技機において、抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となった場合に特別遊技が実行され、その特別遊技中に開閉部材の開閉動作が所定回数行われる場合には、1回の開閉動作で必要以上の遊技球が入賞口に入賞すると、その分特別遊技で付与される遊技価値にばらつきが生じてしまう。しかし、本遊技機によれば、1回の開閉動作で必要以上の遊技球が入賞口に入賞することを低減できるので、特別遊技で付与する遊技価値のばらつきを少なくすることができる。その結果、予め定めた遊技機の仕様に対して極端に異なる仕様の遊技機となることを低減することができるという効果がある。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され、外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けらている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22が後述する特殊リーチの演出時(特定の変動態様時)に操作されると、その操作された回数に応じてリーチで行われる動的表示が変更される。なお、特殊リーチの演出時に枠ボタン22が押されることで動的表示が変化する制御については後述する。また、枠ボタン22は、図柄列の変動表示中に、大当たりの期待度を表示したり、リーチへの発展の期待度を表示するためにも操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され、賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14cを通じて内枠13の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。なお、上述したパチンコ機10が確変中とは、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態である。さらに、本実施の形態の確変中は、第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が時短中とは、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態であり、パチンコ機10が通常中とは、確変中および時短中でない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。なお、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)で構成される第2図柄表示装置82とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施の形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37にて停止図柄(確変大当たり図柄、普通大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37により示されると共に保留ランプ85の点灯個数においても示される。保留ランプ85は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。なお、本実施の形態においては、第1入球口64への入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82は、第2図柄の表示部83と保留ランプ84とを有し、球が第2入球口67を通過する毎に、表示部83において表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に保留ランプ84においても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施の形態のように、表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されている。この可変入賞装置65について、図3〜図5を参照して詳細に説明する。図3は、可変入賞装置65を分解した斜視図である。図4は、開閉扉660が閉姿勢の状態を示した断面図であり、図4(a)は、図3のIVa−IVa線における可変入賞装置65が組み付けられた状態の断面図であり、図4(b)は、図4(a)のIVb−IVb線における断面図である。図5は、開閉扉660が開姿勢の状態を示した断面図であり、図5(a)は、図3のVa−Va線における可変入賞装置65が組み付けられた状態の断面図であり、図5(b)は、図5(a)のVb−Vb線における断面図である。
まず、図3を参照して、可変入賞装置65の構成について説明する。可変入賞装置65は、遊技盤60に固定される第1ベース部材650と、その第1ベース部材650に回動可能に取り付けられる開閉扉660と、第1ベース部材650に固定される第2ベース部材670と、特定入賞口検出スイッチ207と、第2ベース部材670に固定され主制御装置110(図7参照)と電気的に接続される中継基板ユニット680とを備えている。
第1ベース部材650には、その略中央部分に開口651が形成されている。その開口651の水平方向X(図3矢印X方向)両側の上下方向Y(図3矢印Y方向)の略中央には、後述する開閉扉660の回転軸661が回動可能に取り付けられる取付溝652が形成されている。また、開口651の上下方向Yの下端部には、開閉扉660が閉姿勢の時にその開閉扉660の下端部(球受け部664)と当接して開閉扉660の回動を規制する規制部653が設けられている。なお、本実施形態では、上下方向Yが球の流下方向であり、水平方向Xが開口651の面に平行で且つ球の流下方向に直交する方向である。
開閉扉660は、略板状に形成されており、上下方向Yの中央に回転軸661が水平方向Xに亘って設けられている。回転軸661の水平方向Xの一方の端部(図3左側)には、歯車662が設けられている。この歯車662と、後述する駆動モータ674(図7参照)の歯車675とが連結されて、駆動モータ674の駆動力が回転軸661に伝達され、その結果として、開閉扉660がA方向(図4(b)参照)及びB方向(図5(b)参照)へ回動される。また、開閉扉660は、回転軸661より上下方向Yの上端部(図3上側)が、開姿勢となった場合に後述する特定入賞口672方向に球を誘導する誘導部663であり、回転軸661より上下方向Yの下端部(図3下側)が、開姿勢となった場合に遊技領域を流下する球を受け止める球受け部664である。
さらに、開閉扉660には、誘導部663と球受け部664との連接部(間)から、回転軸661が設けられた面の反対側(図3矢印Z方向の第1ベース部材650側、遊技領域側)に突出した板状の突出部665が凸設されている。この突出部665は、開閉扉660の一方の端部(図3右側、第1の端部)から他方の端部側(図3左側、第2の端部)に向かって延設されている。その突出部665の延設された先端と開閉扉660の他方の端部との間には、球受け部664から誘導部665に球を通過させる空間が形成されている。
また、誘導部663には、開閉扉660の矢印X方向に亘って溝666が形成されている。この溝666は、歯車662が設けられた側(図3左側)の溝幅が広く、反対側(図3右側)に向かって徐々に溝幅が狭くなるように形成されている。また、溝666は、開閉扉660が開姿勢となった場合に、溝幅が広い方から狭い方に下降傾斜し、その傾斜により球を特定入賞口672方向に誘導する。さらに、溝幅が狭くなる側の端部は、特定入賞口672方向に球を誘導するために円弧に形成されている。よって、誘導部663を通過する球は、溝666によって整流されつつ誘導されるので、球がばたつくことが抑制される。なお、溝666は、球受け部664から誘導部663に球が移動する側の溝幅が広く形成される方が好ましい。これは、誘導部663に移動する球を溝666内にスムーズに進入させ、球が溝666に進入する際にその球の進入が阻害されて、入賞までの時間がかかったり球詰まりなどの弊害の発生を少なくするためである。
第2ベース部材670は、第1ベース部材650に取り付けられる部材であり、水平方向Xの中央部分に、第1ベース部材650に取り付けられた状態で所定の空間を形成する空間形成部材671が凸設されている。この空間形成部材671により形成される空間が、遊技領域を流下する球を収容する収容空間(収容部)677である。空間形成部材671により形成される収容空間677内には、特定入賞口672が形成されている。この特定入賞口672は、空間形成部材671の一方の隅(図3右側の側壁)に隣接して設けられている。また、特定入賞口672の下方には、開閉扉660が開姿勢となった場合に、開閉扉660の誘導部663と当接して回転動作を規制する規制部673が設けられている。
また、空間形成部材671の特定入賞口672が形成された側の反対側(図3左側)には、開閉扉660を開閉駆動する駆動モータ674が配設されている。この駆動モータ674の回転軸には、歯車675が固着されており、この歯車675と開閉扉660の歯車662とが連結されて、駆動モータ674の駆動力が回転軸661に伝達される。本実施形態では、駆動モータ674は、ステップ数が200(1ステップにつき1.8度)のステッピングモータであり、主制御装置110の制御によって、必要な角度(距離)分の駆動が指示(パルス出力)される。この駆動モータ674は、2つのコイルを有しており、一方のコイルがコイルa1及びコイルa2で構成されると共に、他方のコイルがコイルb1及びコイルb2で構成され、このコイルa1,a2,b1,b2に電流を決まった順番に流すことで、駆動モータ674の正転駆動および逆転駆動がなされ、電流が流されるコイルa1,a2,b1,b2が変更されると1パルス分駆動したことになる。なお、第1ベース部材650の規制部653と、第2ベース部材670の規制部673とを設けて、開閉扉670の回転を規制可能に構成されているので、ステッピングモータではなく、前後動作するソレノイドによって、開閉扉660を開閉動作させる駆動手段を構成しても良い。
中継基板ユニット680には、特定入賞口検出スイッチ207が嵌め込まれる嵌合穴681が形成されている。この嵌合穴681に嵌め込まれる特定入賞口検出スイッチ207により、特定入賞口672を通過した球が検出される。中継基板ユニット680の背面側(図3矢印Z方向奧側)には、中継基板682が取り付けられており、この中継基板682を介して、特定入賞口検出スイッチ207の検出結果が主制御装置110に送信されると共に、駆動モータ674の駆動指示が主制御装置110から送信される。
次に、図4を参照して、可変入賞装置65が組み付けられた状態について説明する。図4に示すように、可変入賞装置65は、開閉扉660が閉姿勢の状態では、第1ベース部材650の前面と、開閉扉660(誘導部663と球受け部664)の前面とが、略同一平面上に位置している。また、突出部665は、遊技領域側(図4(a)下側、図4(b)左側)に突出しているので、遊技領域を流下する球の一部は、突出部665に接触する。その結果、突出部665と接触した球の流下速度が減速されるので、その減速された球が可変入賞装置65より下流側に位置する部材に衝突する際のエネルギーが抑制される。よって、可変入賞装置65より下流側に位置する部材が損傷することを少なくすることができる。本実施形態では、可変入賞装置65より下流側に位置する部材がレール61とアウト口66となっているので、レール61とアウト口66が損傷することを少なくできる。
なお、本実施形態では、可変入賞装置65を第1入球口64の下流側に配設するものとしたが、可変入賞装置65を第1入賞口の上流側に配設しても良い。例えば、可変表示装置ユニット80(図2参照)の左右両側またはいずれか一方に可変入賞装置65を配設しても良い。可変入賞装置65が遊技領域の上流側に配設されれば、その下流側に位置する多数の入賞口や役物が損傷することを少なくすることができる。
次に、図5を参照して、可変入賞装置65が開姿勢となった場合について説明する。なお、開閉扉660が閉姿勢から開姿勢へ変化する場合には、誘導部663が特定入賞口672(収容空間677側)に球を案内する通路を形成する位置に回動すると共に、球受け部664が遊技領域を流下する球を受け止める位置(遊技領域側)に回動する(図4(b)矢印A方向、第1方向)。
図5に示すように、開閉扉660が開姿勢となると、誘導部663及び球受け部664が、遊技領域側から収容空間677側(特定入賞口672方向)へ下降傾斜(図5(a)矢印Z方向の手前から奧側への下降傾斜)する位置まで、駆動モータ674により回転駆動される。また、図5(a)に示すように、突出部665は、開閉扉660が開姿勢となると、誘導部663と球受け部664とが連通する先端側(図5(a)左端側)に向かうほど、遊技領域側から収容空間677側へ傾斜している。言い換えれば、突出部665の特定入賞口672が設けられた側の端部(図5(a)右側)より反対側の先端(図5(a)左側の先端)の方が、特定入賞口672が形成された側壁677aに近くなっている。
遊技領域を流下する球は、まず、球受け部664に受け止められ、その球受け部664の傾斜により突出部665の方へ誘導される。そして、球受け部664の傾斜と突出部665の傾斜とにより、突出部665の先端側(図5(a)左側)へ誘導され、球受け部664から誘導部663に球が移動する。球受け部664から誘導部663に移動した球は、誘導部663に形成された溝666内に進入し、その溝666の傾斜により特定入賞口672の方へ誘導される。その後、特定入賞口672を通過した球は、特定入賞口検出スイッチ207により通過が検出され、その通過を検出した信号が主制御装置110に入力される。なお、後述するが、特定入賞口検出スイッチ207からの信号を主制御装置110が受信すると、払出制御装置111に対して賞球の払い出しが指示される。
また、図5(b)に示すように、開閉扉660が開姿勢となると、突出部665の突出先端(図5(b)矢印Y方向上側の先端)と第1ベース部材650の開口651との間に、球が通過できない大きさの隙間が形成される。言い換えれば、突出部665の突出先端と第1ベース部材650の開口651(収容空間677の開口)との最短距離が、球の直径より短い長さとなっている。よって、遊技領域を流下する球は、球受け部664に必ず衝突して、その一部の球は突出部665にも衝突するし、突出部665に衝突しない球は特定入賞口672が形成された側壁677aに衝突するので、直接特定入賞口672に入賞することを防止することができる。また、球受け部664から誘導部663に球が移動する位置と特定入賞口672とが両側端部に位置していることから、球が特定入賞口672に達するまでの移動距離が長くなるので、球の整流効果を高めることができる。例えば、球が勢い良く特定入賞口672に入賞すると、その勢いにより球がばたつくので、特定入賞口検出スイッチ207が誤検出したり、特定入賞口672及び特定入賞口検出スイッチ207を破損してしまう場合があるが、上述したように、突出部665、球受け部664及び誘導部662によって整流効果が高められるので、球のばたつきを抑制でき、球の入賞数の誤検出や破損の発生を低減することができる。さらに、球が特定入賞口672に達するまでの移動距離が長くなると、球の勢いが弱くなる(速度が遅くなる)ので、必要以上(本実施形態では10個以上)の球が入賞することを抑制することができる。
なお、開閉扉660が、開姿勢から閉姿勢へ変化する場合には、誘導部663が特定入賞口672(遊技領域側)に回動すると共に、球受け部664が収容空間677側に回動して行われる(図5(b)矢印B方向、反第1方向)。
ここで、回転軸661は、開閉部材660に連接して設けられているので、開閉扉660の回転の軸心が開閉扉660から離れている場合と比較して、開閉扉660の移動距離を短くすることができる。よって、開閉扉660が開姿勢から閉姿勢になるまでの所要時間が短くなるので、開閉扉660が閉姿勢へ回動している間に収容空間677に流入する球を減らすことができる。
ここで、大当たりについて説明する。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉姿勢である開閉扉660(図4の状態)が、所定時間(例えば、30秒)経過するまで、或いは、所定個数(例えば、10個)の球が入賞するまで開姿勢となる(図5の状態)。
この開閉扉660は、所定時間が経過すると閉鎖され(閉姿勢となり)、その閉鎖後、再度、その開閉扉660が所定時間開放される(開姿勢となる)。この開閉扉660の開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。なお、大当たり中の開閉扉660の制御についての詳細な説明は、図14を参照して後述する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。可変入賞装置65とは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、可変入賞装置65の開閉扉660が所定時間開放され、その開閉扉660の開放中に、球が特定入賞口672内へ入賞することを契機として可変入賞装置65とは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
以上、説明したように、本実施形態の可変入賞装置65は、開閉扉660が開姿勢から閉姿勢に回動動作する場合には、誘導部663が収容空間677側から遊技領域側(図5(b)矢印B方向)へ回動するので、開閉扉660が閉姿勢へ回動すると、誘導部663(溝666)を通過中の球が特定入賞口672へ入賞することなく遊技領域側に排出される。よって、開閉扉660の開閉動作が1回行われる間に、必要以上(予め定めた所定個数以上、本実施形態では10個)の球が特定入賞口672に入賞することを低減することができる。一般的に、パチンコ機10は、遊技領域に発射された球数と払い出される賞球数とに応じた大当たりの抽選確率(パチンコ機10の仕様)が定められている。そのため、賞球が最も多く払い出される大当たり中に特定入賞口672に入賞する球数にばらつきがあると、予め定めた仕様と、実際に遊技が行われた際の仕様とが異なり、意図しない仕様のパチンコ機となってしまう。しかし、パチンコ機10の可変入賞装置65は、開閉扉660が閉姿勢へ回動する場合に、収容空間677に流入した未入賞の球をその収容空間677から遊技領域に排出できるので、必要以上の球が特定入賞口672に入賞することを低減でき、予め定めた仕様と実際に遊技が行われ場合の仕様が極端に異なることを低減することができる。
また、特定入賞口672へ誘導される球は、球受け部664、突出部665及び誘導部663を通るので、その球受け部664、突出部665及び誘導部663に汚れが付着していると、球がスムーズに移動せずに入賞に時間がかかったり球詰まりの原因となるが、開閉扉660が閉姿勢となると、誘導部663、球受け部664及び突出部665が遊技領域側に露出するので、汚れを発見した時点でその汚れを簡単に除去できる。よって、球をスムーズに通過させることができ、入賞時間を短くできるし、球詰まりの発生を少なくすることができる。また、通路の汚れや球の汚れなどにより球が開閉扉660に付着してしまった場合には、開閉扉660が閉姿勢となった状態で、その付着した球が流下する球と衝突するので、付着した球を遊技中に自然に除去することができる。よって、付着した球を取り除くために遊技を中断することが少なくなるので、遊技している遊技者に不快感を与えることを低減することができる。
また、開閉扉660は、閉姿勢となった状態(図4(b)の状態)で、回転軸661より球の流下方向下流側に球受け部664が位置するので、球受け部664に球が衝突した際に作用する力が開閉扉660が閉姿勢へ回動する方向に作用する。球受け部664に球が衝突した際に作用する力が開閉扉660の閉姿勢への回動の妨げとなると、開閉扉660が閉姿勢となるまでの時間が若干長引いてしまい、余分に収容空間677に球が流入することも考えられる。しかし、球受け部664に球が衝突した際に作用する力が開閉扉660が閉姿勢へ回動する方向に作用するので、収容空間677に流入する球が増えることを低減できる。その結果、所定数以上の球が特定入賞口672に入賞し易くなることを低減することができる。
また、遊技領域を流下する球は、球受け部664に必ず衝突し、突出部665又は特定入賞口672が形成された側壁677aに衝突して、溝666により整流されながら特定入賞口672に案内されるので、球の勢いが弱くなる(速度が遅くなる)。よって、開閉扉が660が閉姿勢となる場合には、低速で動作する球を遊技領域に排出するよう動作するので、遊技領域側から収容空間側へ回動する従来の開閉扉と比べて、流下する球を誘導部663と第1ベース部材650の開口651との間で挟み込むことを少なくすることができる。よって、誘導部663と第1ベース部材650の開口651との間で球を挟んでしまい開口651が閉鎖されないために、収容空間677へ必要以上の球が流入することを低減することができる。
また、可変入賞装置65は、遊技領域の下方に設けられているので、可変入賞装置65の開閉扉が、従来の一枚扉のように下端が回転軸となり上端が遊技領域側に回動する場合には、例えば、遊技領域の下方からセル板やピアノ線などを侵入させ、一枚扉の上端にセル板やピアノ線を引っ掛けて強制的に回動させて、必要以上の遊技球を入賞させる不正行為が行われることもあった。しかし、本遊技機によれば、開閉扉660の上端にセル板やピアノ線を引っ掛けて回動させようとした場合には、球受け部664が遊技領域側に突出するように回動するので、セル板の引っかかりを解除できるし、ピアノ線を切断することができ、強制的に開閉扉660を回動させる不正行為を防止することができる。よって、開閉扉660が強制的に回動させられて必要以上の球が特定入賞口672に入賞させられることを防止することができる。さらに、開閉扉660は、誘導部663が収容空間677内に侵入すると共に球受け部664が遊技領域に突出する方向に回動するので、セル板やピアノ線で、強制的に回動させる行為自体を困難にすることができる。
図2に戻って説明する。遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66と第2入球口(スルーゲート)67とが設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、図6を参照して、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図6は、パチンコ機10の背面図である。
図6に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図7参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図7参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図7を参照して、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、パチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
RAM203の作業エリアには、開閉扉開放フラグ203a、閉鎖タイマ203b、開放タイマ203c、特定入賞カウンタ203d、ラウンドカウンタ203e及び駆動モータカウンタ203fが備えられている。開閉扉開放フラグ203aは、開閉扉660の状態(開姿勢および閉姿勢)を示すフラグであり、駆動モータ674が開方向へ駆動されるとオンされ(図14のS506参照)、駆動モータ674が閉方向へ駆動されるとオフされる(図14のS513参照)。閉鎖タイマ203bは、開閉扉660が閉姿勢へ動作開始してからの時間情報が記憶されるタイマであり、開閉扉開放フラグ203aがオフされると初期値(値0)が設定され(図14のS510参照)、2ms毎に1ずつカウントアップされる(図15のS609参照)。開放タイマ203cは、開閉扉660が開姿勢へ動作開始してからの時間情報が記憶されるタイマであり、開閉扉開放フラグ203aがオンされると初期値(値0)が設定され(図14のS505参照)、2ms毎に1ずつカウントアップされる(図15のS608参照)。特定入賞カウンタ203dは、特定入賞口672を通過した球数が記憶されるカウンタであり、特定入賞口検出スイッチ207により球の通過が検出される毎に1が加算され(図15のS616参照)、1のラウンドが終了すると初期値が設定される(図14のS512参照)。ラウンドカウンタ203eは、大当たり中のラウンド数を記憶するカウンタであり、開閉扉660が開姿勢から閉姿勢となり1のラウンドが終了する毎に1が加算される(図14のS514参照)。駆動モータカウンタ203fは、駆動モータ674を駆動するパルスを出力する(駆動モータに流される電流のコイルを変更する)間隔を設定するためのカウンタであり、1パルスが出力される(コイルが変更される)毎に初期値(値0)が設定され(図15のS614参照)、駆動モータ674の駆動が指示された後に2msが経過する毎に1ずつカウントアップされる(図15のS612参照)。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置82、特定入賞口検出スイッチ207、駆動モータ674や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ206が接続されている。
払出制御装置111は、払出モータ216により賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを備えている。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33や表示ランプ34など)における点灯および消灯の出力、表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを備えている。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227や枠ボタン22がそれぞれ接続されている。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを備えている。入力ポート237の入力側には、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234とキャラクタROM235とが接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。また、出力ポート238には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
キャラクタROM235には、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や第3図柄)などの表示用のキャラクタ情報が記憶されている。キャラクタ情報としては、変動表示される第3図柄の数字データ(例えば0〜9)や、数字データ以外の図柄データ(例えば箱の図柄やヘルメットの図柄(図8(b)参照))、背景図柄、予告キャラクタ図柄やキャラクタ図柄(例えば男の子(図8(b)参照))などが記憶されている。なお、本実施の形態では、上記したキャラクタ情報は、約1024Mバイトで構成されており、その1024Mバイトのキャラクタ情報が約768Mバイトに圧縮されて記憶されている。よって、キャラクタROM235から読み出されたキャラクタ情報は、解凍された後にビデオRAM234に記憶される。
ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM234に設けられた表示用の記憶領域(図示せず)の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。
なお、キャラクタROM235のキャラクタ情報をビデオRAM234に記憶させるのは、ROMよりRAMの方が処理速度が高速であると共にRAMにおいて表示データの加工(例えば、変動図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるからである。さらに、第3図柄表示装置81の表示態様を変更する度に、キャラクタ情報を読み出してビデオRAM234に直接書き込む場合、読み出すデータ量が大きいと読み出しに時間を有しスムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができないからである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図6参照)を有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各々に必要な動作電圧を各制御装置110〜114に対して供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチや、ソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へバックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合にバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
ここで、図8を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図8は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図8(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図8(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施の形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。ここで、高確率状態とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動(確変中)の時をいう。また、低確率状態とは、確変でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態(時短中または通常中)をいう。
図8(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmには、左・中・右の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3は、前述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3は、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列は、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第3図柄で構成されており、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。この主表示領域Dmには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの予告領域Ds1〜Ds3に等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1,Ds3は、ソレノイドで電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2は、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
図8(b)に示すように、実際の表示画面では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1,Ds3が覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1,Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81の表示画面は、原則として上下の表示領域Dm,Dsに区分されているが、各表示領域Dm,Dsを跨いでより大きく第3図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、図9を参照して、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。図9は、主制御装置110に備えられた各種カウンタの概要を示した図である。本実施の形態では、主制御装置110内のMPU201は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とを用いることとしている。また、第2図柄表示装置82の抽選には第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への球の入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しくは、第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込(図15参照)毎に1回更新されると共にメイン処理(図11参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの際の第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、本実施の形態では、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。なお、大当たり後に高確率状態となる乱数の値は「1,2,3」であり、大当たり後に低確率状態となる乱数の値は「0,4」であり、2種類の当たり種別が決定される。よって、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、高確率状態と低確率状態との2種類の大当たりに対応した表示態様と、はずれに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様があり、そのうちの1つが選択される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。
また、停止パターン選択カウンタC3には、停止パターンの選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか(即ち保留個数)等に応じて、停止パターンの選択比率を変更するためである。例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が0〜5と狭くなると共に、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態で保留球格納エリアに各乱数値が格納されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1,CS2の値は、後述するメイン処理(図11参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1は、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ、特殊リーチ等の大まかな表示態様を決定するものである。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。また、第2変動種別カウンタCS2は、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定するものである。変動種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113により第3表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定することも可能である。
変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」ともいう。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3により選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算する演出パターン、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算する演出パターンや、変動時間を加減算しない演出パターンのうち、いずれかの演出パターンが選択される。なお、変動種別カウンタCS3は、停止パターン選択カウンタC3と同様に、演出パターンが選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられ、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるよう構成されている。
上述したように、変動種別カウンタCS1,CS2により図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3により決定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施の形態ではタイマ割込毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込(図15参照)毎に1回更新されると共にメイン処理(図11参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図10から図17のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2ミリ秒(以下「ms」で表す)周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図15は、タイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S601)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ122(図6参照)を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S602)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738)に達した際0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では250)に達した際0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S603)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S604)、発射制御処理を実行する(S605)。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
S606の処理では、大当たり中であるか否かが判別され(S606)、大当たり中でなければ(S606:No)、そのままタイマ割込み処理を終了し、大当たり中であれば(S606:Yes)、S607の処理へ移行する。
S607の処理では、開閉扉開放フラグ203aがオンされているか否かが判別される(S607)。開閉扉開放フラグ203aがオンされていれば(S607:Yes)、開閉扉660の開姿勢への指示がなされてからの時間を計時するために、開放タイマ203cの値を1加算し(S608)、開閉扉開放フラグ203aがオフされていれば(S607:No)、開閉扉660の閉姿勢への指示がなされてからの時間を計時するために、閉鎖タイマ203bの値を1加算し(S609)、S610の処理へ移行する。
S610の処理では、駆動モータ674の開姿勢または閉姿勢への駆動指示がなされているか否かが判別され(S610)、駆動モータ674の開姿勢または閉姿勢への駆動指示がなされていなければ(S610:No)、S611〜S614の駆動モータ674を駆動させるための処理を行わずにS615の処理へ移行し、駆動モータ674の開姿勢または閉姿勢への駆動指示がなされていれば(S610:Yes)、S611の処理へ移行する。
S611の処理では、駆動モータカウンタ203fの値が4以上であるか否かが判別される(S611)。これは、本実施形態では、駆動モータ674を駆動するためのパルスが8ms毎に出力され、このタイマ割込み処理が2ms毎に実行されるからである。S611の処理で、駆動モータカウンタ203fの値が4より小さければ(S611:No)、駆動モータ674を駆動するためのパルスを出力するタイミングでないので、駆動モータカウンタ203fの値に1を加算して(S612)、S615の処理へ移行する。一方、駆動モータカウンタ203fの値が4以上であれば(S611:Yes)、駆動モータ674を駆動するためのパルスを出力するタイミングとなるので、主制御装置110から駆動モータ674に流されるコイルa1,a2,b1,b2を変更し(S613)、再度8msを計時するために、駆動モータカウンタ203fの値を初期値(例えば、値0)に設定し(S614)、S615の処理へ移行する。なお、本実施形態では、駆動モータ674を開姿勢または閉姿勢へ駆動させるためのパルス数は60パルスであるので、S613の処理によりコイルa1,a2,b1,b2に流される電流が60回変更された場合に、60パルスが出力されたことになる。また、S610の処理では、駆動モータ674の開姿勢または閉姿勢への駆動指示がなされた後に、パルスが60回出力された(コイルの変更が60回行われた)か否かを判別している。また、パルス数は、図示しないカウンタに記憶されており、S613の処理が実行される毎に、1が加算または減算される。
S615の処理では、特定入賞口検出スイッチ207により球の通過が検出されたか否かが判別される(S615)。S615の処理で、特定入賞口検出スイッチ207により球の通過が検出されていれば(S615:Yes)、特定入賞口カウンタ203dの値に1を加算して(S616)、タイマ割込処理を終了する。一方、特定入賞口検出スイッチ207により球の通過が検出されていなければ(S615:No)、S616の処理を実行せずに、タイマ割込処理を終了する。なお、S615の処理で、特定入賞口検出スイッチ207による球の通過は、特定入賞口検出スイッチ207がオフからオンに変化し、その後オフとなった場合に検出される。
ここで、図16を参照して、S604の処理で実行される始動入賞処理を説明する。図16は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行される始動入賞処理(S604)を示したフローチャートである。始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S701)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S701:Yes)、第1図柄表示装置37の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S702)。第1入球口64への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S702:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S703)、更に、前記ステップS603で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S704)。一方、第1入球口64への入賞がないか(S701:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S702:No)、S703及びS704の各処理をスキップし、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。
図17は、NMI割込処理を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出発射制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図10を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図10は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施の形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図6参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS110へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終わらなかった可能性があるので、この場合にも、処理をS110へ移行する。RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS110へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S110の処理では、サブ側の制御装置に対して初期化モードであることを認識させるために、払出制御装置111に対して払出初期化コマンドを送信する(S110)。その後、RAM203の初期化処理(S111、S112)に移行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122(図6参照)を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S111、S112)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM203の初期化処理に移行する。即ち、S111とS112のRAMの初期化処理では、RAM203の使用領域を0にクリアし(S111)、RAM203の初期値を設定する(S112)。その後、S113の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源遮断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置に対して復帰モードであることを認識させるために、払出制御装置111に対して払出復帰コマンドを送信し(S109)、S113の処理へ移行する。S113の処理では、割込みを許可して、その後、後述するメイン処理に移行する。
次に、図11を参照して、立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する(S201)。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。さらに、球の発射を行う場合に、発射制御装置112に球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図12を参照して後述する。変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の開閉扉660を開放又は閉鎖するための開閉扉開閉処理を実行する(S205)。なお、開閉扉開閉処理の詳細は図14を参照して後述する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまでの間、即ち次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738、250)に達した際0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113など)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出してその値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合にはS201の処理から開始される状態となっている。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様にS201の処理から開始できる状態である。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始できる。従って、電源遮断時の処理と立ち上げ時の処理を簡略化できるので、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図12を参照して、変動処理(S204)について説明する。図12は、メイン処理(図11参照)の中で実行される変動処理(S204)を示したフローチャートである。変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S303)。作動保留球数Nが0であれば(S303:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S303:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S304)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S305)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S306)。なお、変動開始処理については図13を参照して後述する。
S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された加算時間に応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S308)。本実施の形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。なお、変動処理は、4ms毎に実行されるが、その変動処理毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者にLEDの点灯色の変化を確認させるために、変動処理では、実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行い、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたらリセット(値0)される。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様が設定される(S309)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に高確率状態となる図柄か低確率状態となる図柄かが決定される。本実施の形態では、大当たり後に高確率状態になる場合には赤色のLEDを点灯させ、低確率状態になる場合には緑色のLEDを点灯させ、外れである場合には青色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S309の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドが設定される(S310)。この停止コマンドを音声ランプ制御装置113が受信して表示制御装置114に停止指示をする。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。
次に、図13を参照して変動開始処理を説明する。図13は、変動処理(図12参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示したフローチャートである。変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には第1当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時には「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり時の表示態様が設定される(S402)。S402の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、大当たり後に高確率状態に移行するか低確率状態に移行するかが設定される。大当たり後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で停止表示される大当たりの停止図柄が音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114で設定される。即ち、S402の処理で、大当たり後の移行状態を設定することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が設定される。なお、第1当たり種別カウンタC2の数値0〜4のうち、「0,4」の場合は以後低確率状態に移行し、「1,2,3」の場合は高確率状態に移行する。
次に、変動パターンに大当たり時の変動パターンが決定される(S403)。S403の処理で変動パターンが決定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。具体的には、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
なお、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め定められている。但し、上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。
S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、外れ時の表示態様が設定される(S404)。S404の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施の形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるか、及び作動保留個数Nに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、変動パターンに外れ時の変動パターンが決定される(S405)。S405の処理で外れ変動パターンが決定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が外れ変動パターンに応じて設定されると共に第3図柄表示装置81において外れ図柄が停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。具体的には、S403の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
変動パターンが決定されると(S403、S405)、第1及び第2種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に加減算される演出時間が決定される(S406)。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81の変動時間が設定される。本実施の形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3の値に応じて、変動表示の時間を変更しない場合と変動表示時間を1秒加算する場合、変動表示時間を2秒加算する場合、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81で大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動図柄の変動時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラクタを表示させる演出、1の変動図柄の変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S403又はS405の処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定し(S407)、S402又はS404の処理で設定された停止図柄に応じて停止図柄コマンドを設定する(S408)。そして、S406の処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定して(S409)、変動処理へ戻る。
次に、図14及び図22を参照して、開閉扉開閉処理について説明する。図14は、メイン処理(図11参照)の中で実行される開閉扉開閉処理(S205)を示したフローチャートである。図22は、駆動モータ674に流す電流のタイミングを示したタイミングチャートである。また、図22の横軸tは、時間を示しており、右側に向かうほど時間が経過している。さらに、図22の「H」及び「L」は、コイルに電流が流されているか否かを示しており、「H」の場合に電流が流されている状態となり、「L」の場合に電流が流されていない状態となる。
開閉扉開閉処理が実行されると、実行されている遊技状態が大当たり中であるか否かが判別され(S501)、大当たり中でなければ(S501:No)、閉鎖タイマ203b、開放タイマ203c、特定入賞カウンタ203d及びラウンドカウンタ203eに記憶される値に初期値を設定して(S516)、開閉扉開閉処理を終了する。
S516の処理は、大当たりの開始時に各タイマ及びカウンタの値を初期値にするために設けられている。そのため、S516の処理に代えて、S501の処理とS502の処理との間に、大当たりの開始時かを判別する処理と、各タイマ及びカウンタの値を初期値に設定する初期値設定処理(S516の処理と同じ処理)を追加し、大当たりの開始時である場合(初回)のみ初期値設定処理を実行するものとしても良い。
一方、S501の処理で、実行されている遊技状態が大当たり中であれば(S501:No)、開閉扉開放フラグ203aがオンであるか否かが判別され(S502)、開閉扉開放フラグ203aがオフであれば(S502:No)、大当たりの開始時で開閉扉660が閉姿勢の状態であるか、又は、1ラウンドが終わり開閉扉660が閉姿勢となった状態である。そのため、開閉扉660を開姿勢へ動作する前に、開閉扉660が完全に閉姿勢の状態となっているか否かを確認するために、閉鎖タイマ203bに記憶される値が1sに対応した値(本実施形態では、2ms毎のタイマ割込み処理で1ずつカウントアップ(S609参照)されるので、閉鎖タイマ203dの値が500)より大きいか否かが判別される(S503)。なお、本実施形態では、開閉扉660の開姿勢から閉姿勢への動作、及び、閉姿勢から開姿勢への動作は、主制御装置110から指示があってから約0.5sで動作完了する。よって、S503の処理では、次の閉姿勢から開姿勢への動作の遅延時間を含めて、閉鎖タイマ203bに記憶される値が1sに対応した値より大きいか否かを判別している。
S503の処理で、閉鎖タイマ203bに記憶される値が1sに対応した値より大きければ(S503:Yes)、開閉扉660が既に閉姿勢となっているので、駆動モータ674の開方向への駆動が開始される(S504)。S504の処理では、駆動モータ674を開方向へ所定角度回転駆動させるパルス数(60パルス)が設定される。そのS504の処理で設定されたパルス数に応じて、タイマ割込み処理(図15参照)内で8ms毎に駆動モータ674が1パルス分ずつ駆動され、開閉扉660が開姿勢となる方向(矢印A方向(図4(b)参照))に回動される。即ち、8ms間隔が60回繰り返されるので、60×8ms=480msとなり、約0.5sで開閉扉660が開姿勢へ回動する。また、開閉扉660は、誘導部663が閉姿勢の状態から収容空間677側に約108°(=60×1.8°)回動するので、開閉扉660は開姿勢の状態で特定入賞口672方向に下降傾斜し、球が誘導され易くなっている。
具体的には、図22(a)に示すように、まず、コイルa1に電流を流し、その後、コイルb1、コイルa2、コイルb2の順番に電流を流す。コイルa1には、8ms〜16msの間に電流が流され、コイルb1には、16ms〜24msの間に電流が流され、コイルa2には、24ms〜32msの間に電流が流され、コイルb2には、32ms〜40msの間に電流が流される。さらに、コイルa1には、40ms〜48msの間に電流が流され、コイルb1には、48ms〜56msの間に電流が流されている。この各コイルa1,b1,a2,b2に繰り返し電流が流されることで、駆動モータ674が駆動され、開閉扉660が閉姿勢から開姿勢の方向に回動される。
駆動モータ674の開方向への駆動が開始されると、開閉扉660の開姿勢への指示がなされてからの時間を計時するために、開放タイマ203cに記憶される値を初期値に設定し(S505)、開閉扉開放フラグ203aをオンして(S506)、S507の処理へ移行する。
一方、S502の処理で、既に開閉扉開放フラグ203aがオンされていれば(S502:Yes)、開閉扉660が開姿勢となっている(又は開姿勢への駆動中となっている)ので、S503〜S506の処理を実行せずにS507の処理へ移行する。また、S503の処理で、閉鎖タイマ203bに記憶される値が1sに対応する値に達していなければ(S503:No)、開閉扉660が閉姿勢となった後に遅延時間が経過していないので、S503〜S506の処理を行わずにS507の処理へ移行する。
S507の処理では、特定入賞カウンタ203dに記憶される値が10より小さいか否かが判別される(S507)。これは、本実施形態の大当たり中の1ラウンドは、10個の球の入賞(通過)が検出されると終了するからである。そのため、特定入賞カウンタ203dに記憶される値が10以上となると(S507:No)、S509〜S514の1ラウンドの終了処理を実行する。
S509〜S514の処理では、まず、駆動モータ674を閉方向へ駆動させる(S509)。S509の処理では、上述したS504の処理と同様に、駆動モータ674を閉方向へ所定角度回転駆動させるパルス数(60パルス)が設定され、開閉扉660が開姿勢から閉姿勢となる方向(矢印B方向(図5(b)参照))に回動する。具体的には、開姿勢への動作と反対となるので、コイルb2、コイルa2、コイルb1、コイルa1の順番に電流が流される。駆動モータ674の閉方向への駆動が開始されると、開閉扉660が閉姿勢になるまでの時間を計時するために、閉鎖タイマ203bに記憶されている値を初期値に設定し(S510)、駆動モータ674の閉姿勢への動作が完了したか否かが判別される(S511)。なお、S511の処理では、駆動モータ674を閉姿勢へ動作させるパルス(図15のS613の処理のコイルの変更)が、60回行われたか否かに基づいて判別される。S511の処理で、駆動モータ674の閉姿勢への動作が完了していなければ(S511:No)、S515の処理へ移行し、駆動モータ674の閉姿勢への動作が完了していれば(S511:Yes)、開閉扉開放フラグ203aをオフして(S512)、特定入賞カウンタ203dに記憶されている値を初期値に設定し(S513)、開閉扉660が閉姿勢に回動すると、1のラウンドが終了したことになるので、ラウンドカウンタ203eの値に1を加算して(S514)、S515の処理へ移行する。
また、S507の処理で、特定入賞カウンタ203dに記憶されている値が10より小さければ(S507:Yes)、未だ、所定個数の球の入賞が検出されていないので、次に、開放タイマ203cに記憶される値が30sに対応した値(本実施形態では、2ms毎のタイマ割込み処理で1ずつカウントアップされる(S608参照)ので、閉鎖タイマ203dの値が15000)より大きいか否かが判別される(S508)。なお、S508の処理で開放タイマ203cに記憶される値を確認しているのは、本実施形態の1ラウンドの終了が、特定入賞672に10個以上の球が入賞した場合か、開閉扉660が30s以上開姿勢となった場合であるかである。
S508の処理で、開放タイマ203cに記憶される値が30sに対応した値より大きければ(S508:Yes)、10個の球の入賞が検出された場合(S507:No)と同様に、S509〜S514の1ラウンドの終了処理を実行し、開放タイマ203cに記憶される値が30sに対応した値に達していなければ(S508:No)、S509〜S514の処理を行わずに、S515の処理へ移行する。
S515の処理では、ラウンドカウンタ203eに記憶されている値が16以上となった否かが判別され(S515)、ラウンドカウンタ203eに記憶されている値が16以上であれば(S515:Yes)、大当たり中に行われるラウンド数が終了したことになるので、大当たりの終了を指示して(S516)、開閉扉開閉処理を終了する。一方、ラウンドカウンタ203eに記憶されている値が16より小さければ(S515:No)、大当たり中に行われるラウンド数が終了していないので、S516の処理を行わずに、開閉扉開閉処理を終了する。
以上、開閉扉開閉処理で説明したように、開閉扉660が開姿勢の状態で、特定入賞口672への入賞数が10個に達すると、開閉扉660を開姿勢から閉姿勢に駆動させている。また、図5(b)に示したように、特定入賞口672の直ぐ下流側に特定入賞口検出スイッチ207が配設されているので、特定入賞口672を通過した球はその通過が早期に検出される。よって、特定入賞口672への入賞数が10個に達したら早期に開閉扉660を閉姿勢へ駆動できるので、開閉扉660の誘導部663(収容空間677)に位置する球を特定入賞口672に未入賞とすることができ、ほぼ毎回10個の入賞数とすることができる。なお、特定入賞口672と特定入賞口検出スイッチ207とは、極力近づけた方が球の通過を早期に検出できるので、特定入賞口672に特定入賞口検出スイッチ207を設ける構成としても良い。
次に、図18及び図19を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される払出制御について説明する。図18は、払出制御装置111の立ち上げ処理を示したフローチャートであり、この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、RAMアクセスを許可すると共に(S902)、外部割込ベクタの設定を行う(S903)。
その後は、MPU211内のRAM213に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S904)、記憶されていなければ(S904:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終わらなかった可能性があるので、処理をS910へ移行する。RAM213に電源断の発生情報が記憶されていれば(S904:Yes)、RAM判定値を算出し(S905)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S905:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS910へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM213の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM213の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S910の処理〜S912の処理のRAMの初期化処理では、RAM213の全ての領域を0にクリアし(S910)、RAM213の初期値を設定する(S911)。その後、MPU211周辺デバイスの初期設定を行い(S912)、S913の処理へ移行し割込みを許可してメイン処理へ移行する。
一方、電源断の発生情報が設定されており(S904:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S906:Yes)、電源遮断の発生情報をクリアすると共に(S907)、賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする(S908)。また、MPU211周辺デバイスの初期設定を行い(S909)、S913の処理へ移行し割込みを許可してメイン処理へ移行する。
図19は、払出制御装置111内のMPU211により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理は、まず主制御装置110からの賞球コマンドや発射制御装置112へ送信されるコマンドなどを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(S1001)。コマンド判定処理では、主制御装置110から送信されるコマンド(払出初期化コマンド、払出復電コマンド、賞球コマンドなど)を受信すると払出許可フラグがオンされ払い出しが許可される。
コマンド判定処理(S1001)が終わると、払い出しが許可されているか否かが判別され(S1002)、払い出しが許可されていなければ(S1002:No)、コマンド判定処理(S1001)において払い出しが許可されるまでコマンド判定処理(S1001)を繰り返し実行する。一方、S1002の処理において払い出しが許可されていれば(S1002:Yes)、状態復帰スイッチ120(図6参照)をチェックし状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S1003)。状態復帰動作とは、例えば、払出モータ216(図7参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)する動作である。
その後、下皿50(図1参照)の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S1004)。即ち、下皿満タンスイッチ(図示せず)の検出信号により下皿50の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S1005)。即ち、タンク球無しスイッチ(図示せず)の検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置111に設けた7セグメントLED(図示せず)により報知する(S1006)。
次に、S1007〜S1009の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つ記憶した総賞球個数が0でなければ(S1007:No,S1008:No)、賞球の払い出しを行うために賞球制御処理を開始する(S1009)。一方、賞球の払出不可状態(S1007:Yes)または総賞球個数が0であれば(S1008:Yes)、貸球払出の処理に移行する。
S1010〜S1012の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S1010:No,S1011:Yes)、貸球を払い出しために貸球制御処理を開始する。一方、貸球の払出不可状態(S910:Yes)または貸球払出要求を受信していない場合(S1011:No)、S1012の処理が終わった場合には、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ134(図6参照)の制御(バイブモータ制御)を実行する(S1013)。
その後は、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1014)、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1014:No)、S1001の処理へ戻りメイン処理を繰り返し実行する。
一方、S1014の処理において、電源断の発生情報が記憶されていれば(S1014:Yes)、電源が遮断されたことになるので、各割込処理の発生の禁止をし(S1015)、主制御装置110から送信されるコマンドの受信漏れを防止するために再度コマンド判定処理を実行する(S1016)。そして、RAM判定値を算出してRAM213に保存し(S1017)、RAM213のアクセスを禁止して(S1018)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、例えば、RAM判定値は、RAM213のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1014の処理は、払出制御装置111のメイン処理の1サイクルが終わるタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断前の状態から復帰する場合にはS901の処理から開始される状態となっている。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様にS901の処理から開始できる状態である。よって、電源遮断時の処理において、MPU211が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始できる。従って、電源遮断時の処理と立ち上げ時の処理とを簡略化できるので、払出制御装置111の制御負担を軽減することができると共に、払出制御装置111が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。また、各処理が終わったタイミングで電源断の処理が実行されるので、RAM213にバックアップする情報量を少なくすることができる。
次に、図20及び図21を参照して、音声ランプ制御装置113で行われる処理について説明する。図20は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を示したフローチャートであり、この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1215の電源断処理の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1102)。図21を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図21のS1212参照)、S1215の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1215の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1102:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1215の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1103)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1106の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1103:Yes)、S1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1103:No)、S1108へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が電源が完全に断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM22のデータ破壊と判断され(S1103:Yes)、S1104へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1215の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM22のデータは正常と判断されて(S1103:No)、S1108へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1102:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1215の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1104の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1104)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1105:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1106)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1105:No)、RAM223の異常を報知して(S1107)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良い。
S1108の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1108)。電源断フラグはS1215の電源断処理の実行時にオンされるので(図21のS1214参照)、電源断フラグがオンされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1215の電源断処理を実行した後に開始された場合である。従って、かかる場合には(S1108:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1109)、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、割込み許可を設定して(S1111)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に断された後に開始されたためにS1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1108:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1109をスキップして、処理をS1110へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、割込み許可を設定して(S1111)、メイン処理へ移行する。
また、S1109のクリア処理をスキップするのは、S1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至った場合には、S1104の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図21を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図21は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから1ms以上が経過したか否かが判別され(S1201)、1ms以上経過していなければ(S1201:No)、S1202〜S1209の処理を行わずにS1210の処理へ移行する。S1201の処理で、1ms経過したか否かを判別するのは、S1202〜S1209が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ms以内)で編集する必要がないのに対して、S1210の各カウンタの更新処理やS1211のコマンドの受信処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。これにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止できる。
S1201の処理で1ms以上経過していれば(S1201:Yes)、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1207の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1202)、その後電源投入報知処理を実行する(S1203)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1204の処理へ移行する。
S1204の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1205)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、作動保留球Nに応じて保留ランプ85を点灯させる処理が行われる。
その後、ランプ編集処理が実行され(S1206)、その後音編集・出力処理が実行される(S1207)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力させる。
その後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1208)、S1209の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドや演出時間加算コマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1206のランプ編集処理やS1207の音編集・出力処理の演出時間が設定される。
S1209の処理では、第3図柄表示装置81の変動表示処理が実行される。この変動表示処理では、音声ランプ制御装置113に搭載された複数のカウンタ(大当たり時の停止図柄を設定するカウンタ、外れ時の停止図柄を選択するカウンタなど)が更新され、そのカウンタの値と主制御装置110から送信される変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づき第3図柄表示装置81で停止表示される図柄を設定したり、変動表示のパターン(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)などが設定される。その停止図柄や変動パターンは、コマンドとして表示制御装置114に送信される。
S1209の処理では、例えば、主制御装置110から送信される変動パターンのコマンドが「完全外れ」である場合、完全外れに対応した複数のパターンのうち完全外れAパターンが選択され、第3図柄表示装置81で完全外れAパターンの演出が行われるよう表示制御装置110に対してコマンドが送信される。また、停止図柄コマンドが大当たりとなる図柄で且つ、その大当たり後に高確率状態となる場合、複数の図柄の中から1の図柄(1〜9のうちの奇数図柄)が選択され、第3図柄表示装置81で奇数図柄が停止するよう表示制御装置110に対してコマンドが送信される。よって、主制御装置110により決定された1のコマンドに対して、第3図柄表示装置81で表示される詳細な変動パターンや停止図柄などが音声ランプ制御装置113で決定されるので、主制御装置110の制御負担を軽減することができる。さらに、主制御装置110において決定される各演出のパターンや停止図柄を少なくできるので、ROM202の記憶容量を少なくすることができ、コスト低減を図ることができる。
S1210の処理では、主制御装置110から送信されるコマンドの受信処理が実行され、S1211の処理へ移行する。コマンドの受信処理では、受信したコマンドの各情報をRAM223の所定エリアに記憶したり、使用済みの情報を消去する処理などが行われる。
S1211の処理では、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かが判別される(S1211)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1211の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1211:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1213)、電源断処理を実行する(S1214)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1215)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1211の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1211:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1212)、RAM223が破壊されていなければ(S1212:No)、S1201の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1212:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図23を参照して、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、開閉部材660を主に誘導部663、球受け部664及び突出部665で構成し、球受け部664により受け止めた球を突出部665が誘導部663方向に誘導し、その誘導部663により球を特定入賞口672へ誘導する構成とした。これに代えて、第2の実施形態では、開閉部材1660を1枚板で構成し、遊技領域に設けられた流入部材1700により流下する球を開閉部材1660方向へ誘導する構成とした。即ち、第2の実施形態は、第1の実施形態に対して、可変入賞装置1065及び流入部材1700の構成が異なっている。よって、可変入賞装置1065及び流入部材1700以外の構成は第1の実施形態の構成と同一となるので、その第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図23は、第2の実施形態の可変入賞装置1065と流入部材1700との断面図である。なお、図23は、開閉部材1660が開姿勢の状態を図示している。
図23に示すように、第2の実施形態の可変入賞装置1065は、第1の実施形態と同様に、遊技盤60に固定される第1ベース部材1650と、その第1ベース部材1650に回動可能に取り付けられる開閉扉1660と、第1ベース部材1650に固定される第2ベース部材1670と、特定入賞口検出スイッチ207と、第2ベース部材1670に固定され主制御装置110と電気的に接続される中継基板ユニット1680とを備えている。
第1ベース部材1650には、その略中央部分に開口1651が形成されている。開閉扉1660は、略板状に形成されており、その下端部に設けられた回転軸1661と、開閉扉1660が閉姿勢となった場合にその回動を規制する規制部1667とを備えている。また、開閉扉1660には、第1の実施形態と同一形状の溝1666が形成されている。なお、図示しないが、第2の実施形態の開閉扉1660は、従来から行われている前後動作するソレノイドとカム機構によって開閉動作が行われる。
第2ベース部材1670には、第1の実施形態と同一形状の空間形成部材1671、特定入賞口1672及び規制部1673が設けられており、駆動モータ674が設けられた位置に、図示しないソレノイド及びカム機構を配置するスペースが設けられている。また、中継基板ユニット1680には、第1の実施形態と同一形状の嵌合穴1681及び中継基板1682が設けられている。
流入部材1700は、可変入賞装置1065に対向する位置に設けられており、上流側から下流側(図23矢印Y方向上側から下側)に向けて、可変入賞装置1065(開口1651)側に傾斜した傾斜部1701を有している。この傾斜部1701の傾斜によって、遊技領域を流下する球が空間形成部材1671により形成される収容空間1677に流入される。
また、図示するように、流入部材1700と開閉扉1660との最短距離t1は、球の直径t2より長くなるように配置されているので、開閉扉1660が閉姿勢の状態では、遊技領域を流下する球は、流入部材1700に接触した後に、更に下流側に流下する。よって、流入部材1700に接触することで、球の流下速度が減速されるので、流下部材1700より下方に位置する部材に衝突するエネルギーが抑制され、その下流側の部材が損傷することを少なくすることができる。
また、開閉扉1660が開姿勢から閉姿勢に回動する場合には、開閉扉1660が遊技領域側(図23矢印C方向)に回動するので、開閉扉1660を通過している未入賞の球を収容空間1677から遊技領域に排出することができる。よって、第1の実施形態と同様に、開閉扉1660の1回の開閉動作で必要以上の球が特定入賞口1672に入賞することを低減することができる。
以上、一実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施の形態では、上記各実施の形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしても良い。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成しても良い。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしても良い。
また、上記第1の実施形態では、誘導部663、球受け部664及び突出部665により流下する遊技球を特定入賞口672に誘導し、上記第2の実施形態では、1枚板の開閉扉1660と流入部材1700とにより流下する遊技球を特定入賞口672に誘導したが、誘導部663、球受け部664及び突出部665を有する可変入賞装置65の対向位置に流入部材を設ける構成としても良い。即ち、第1の実施形態のパチンコ機10に対して、さらに流入部材1700を追加した構成としても良い。
また、上記第1の実施形態では、突出部665を開閉部材660の水平方向(図3矢印X方向)において、一方の端部(図3右側)から他方の端部(図3左側)に延設される構成としたが、矢印Z方向において、少なくとも特定入賞口672と交わる位置に突出部が設けられる構成としても良い。即ち、開口651の一部を覆う位置に突出部が設けられていれば良く、突出部との接触により収容空間677に流入する一部の球の進入速度を減速できる構成であれば、突出部の大きさや形状、凸設位置は、如何なるものであっても良い。
また、上記実施の形態では、特定入賞口672は、空間形成部材671に隣接する位置で且つ、開口651に対向する面に形成されるものとしたが、突出部665の延設先端(図3矢印X方向の左側の先端)から離れている位置であれば、その形成位置は特に限定されない。なお、突出部665の延設先端から極力離れた方が整流効果が高くなるので、本実施形態の位置、又は、空間形成部材671の図3右側の側壁自体に、特定入賞口672を形成することが好ましい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
さらに、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向或いはL字形などの所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、図柄と共に或いは図柄とは別に、識別情報として用いられる。
以下に、本発明の遊技機および変形例を示す。遊技球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下する遊技球が入賞する入賞口と、その入賞口へ入賞した遊技球の通過を検出する検出手段とを備え、その検出手段により前記入賞口を通過する遊技球が検出されると、所定の遊技価値が付与される遊技機において、前記入賞口と遊技領域との間に所定空間を有して形成され、前記遊技領域から流入した遊技球を収容する収容部と、その収容部の前記遊技領域側の開口を開閉する開閉部材と、その開閉部材を回転可能に支持する回転軸と、その回転軸を中心として前記開閉部材を第1方向に駆動させて前記収容部の前記開口を開放する開姿勢にすると共に、前記回転軸を中心として前記開閉部材を反第1方向に駆動させて前記収容部の前記開口を閉鎖する閉姿勢にする駆動手段とを備え、前記開閉部材が開姿勢となると、前記開閉部材の少なくとも一部が前記収容部の所定空間内に位置すると共に、前記開閉部材が閉姿勢となると、前記開閉部材の前記入賞口へ遊技球を案内する案内面が前記遊技領域側に位置することを特徴とする遊技機0。
遊技機0によれば、遊技領域に打ち込まれた遊技球が入賞口に入賞し、その入賞した遊技球が検出手段により検出されると、所定の遊技価値が付与される。収容部の開口は、開閉部材により開閉され、その開閉部材は、駆動手段により回転軸が第1方向に駆動されると開姿勢となり、駆動手段により回転軸が反第1方向に駆動されると閉姿勢となる。また、開閉部材は、回転軸が第1方向に駆動されて開姿勢となると、少なくとも一部が収容部の所定空間内に位置するので、入賞口へ入賞する遊技球は開閉部材の案内面によって案内される。また、回転軸が反第1方向に駆動されて開閉部材が閉姿勢となると、遊技球の案内面が遊技領域に位置するので、開姿勢から閉姿勢に回動する際に入賞口へ案内されている未入賞の遊技球を収容部から遊技領域に排出することができる。従って、必要な遊技球の通過が検出手段により検出された場合に開閉部材を閉姿勢へ回動させることで、必要以上の遊技球が入賞口に入賞することを抑制することができる。特に、遊技領域に打ち込まれる遊技球数に対して付与される遊技価値が予め定められている場合には、1回の開閉部材の開閉動作で入賞する遊技球数にばらつきがあると、予め定めた遊技機の仕様とは異なる意図しない仕様の遊技機となってしまう。しかし、本遊技機によれば、1回の開閉動作で必要以上の遊技球が入賞口に入賞することを抑制できるので、入賞する遊技球数のばらつきを少なくでき、予め定めた遊技機の仕様に対して極端に異なる仕様の遊技機となることを低減することができる。
また、開閉部材は、遊技球を入賞口へ案内する案内面となるので、その案内面に汚れなどが付着していると遊技球がスムーズに動作できず、入賞に時間がかかったり遊技球が詰まってしまう場合があるが、開閉部材が閉姿勢となると案内面が遊技領域側に位置するので、汚れを発見した場合に簡単に除去が行える。よって、案内面の汚れなどによって遊技球がスムーズに流れずに入賞までに時間がかかったり遊技球が詰まったりすることを低減することができる。また、例えば、遊技球が汚れなどにより開閉部材の案内面に付着してしまった場合には、遊技者が遊技を続行することで付着した遊技球と流下する遊技球が接触して、その付着した遊技球を自然に落下させることができる。よって、付着した遊技球を取り除くために遊技を中断する回数が少なくなるので、遊技者に不快感を与えることを低減する遊技機を提供することができる。
遊技球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下する遊技球が入賞する入賞口と、その入賞口へ入賞した遊技球の通過を検出する検出手段とを備え、その検出手段により前記入賞口を通過する遊技球が検出されると、所定の遊技価値が付与される遊技機において、前記入賞口と遊技領域との間に所定空間を有して形成され、前記遊技領域から流入した遊技球を収容する収容部と、その収容部の前記遊技領域側の開口を開閉すると共に、前記収容部の前記開口を閉鎖する閉姿勢において前記遊技球の流下方向の上流側で且つ前記収容部の前記開口を開放する開姿勢において前記収容部の所定空間内に位置する開閉上流部と、その開閉上流部より前記閉姿勢において前記流下方向の下流側に位置する開閉下流部とを有する開閉部材と、その開閉部材を回転可能に支持する回転軸と、その回転軸を中心として前記開閉部材を第1方向に駆動させて前記開姿勢にすると共に、前記回転軸を中心として前記開閉部材を反第1方向に駆動させて前記閉姿勢にする駆動手段と、前記開閉上流部に凸設される突出部とを備え、前記開閉部材が開姿勢となると、前記開閉部材の開閉上流部が前記収容部の所定空間内に位置し前記開閉部材の開閉下流部が前記遊技領域に突出すると共に、前記突出部が前記収容部の開口の一部を覆い、前記開閉部材が閉姿勢となると、前記開閉部材の開閉上流部および開閉下流部の前記入賞口へ遊技球を案内する案内面が前記遊技領域側に位置すると共に、前記突出部が前記遊技領域に突出することを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、遊技領域に打ち込まれた遊技球が入賞口に入賞し、その入賞した遊技球が検出手段により検出されると、所定の遊技価値が付与される。収容部の開口は、開閉部材により開閉され、その開閉部材は、駆動手段により回転軸が第1方向に駆動されると開姿勢となり、駆動手段により回転軸が反第1方向に駆動されると閉姿勢となる。また、開閉部材は、開閉上流部と開閉下流部とを有しており、回転軸が第1方向に駆動されて開姿勢となると、開閉上流部が収容部の所定空間内に位置すると共に開閉下流が遊技領域に位置するので、遊技領域を流下する遊技球は、遊技領域に突出した開閉下流部により受け止められ、その受け止められた遊技球が収容部の所定空間に位置する開閉上流部を通り入賞口へ案内され入賞がなされる。また、回転軸が反第1方向に駆動されて開閉部材が閉姿勢となると、開閉上流部および開閉下流部の遊技球の案内面が遊技領域に位置するので、開姿勢から閉姿勢に回動する際に開閉上流部を通過している未入賞の遊技球を収容部から遊技領域に排出することができる。従って、必要な遊技球の通過が検出手段により検出された場合に開閉部材を閉姿勢へ回動させることで、必要以上の遊技球が入賞口に入賞することを抑制することができる。
特に、遊技領域に打ち込まれる遊技球数に対して付与される遊技価値が予め定められている場合には、1回の開閉部材の開閉動作で入賞する遊技球数にばらつきがあると、予め定めた遊技機の仕様とは異なる意図しない仕様の遊技機となってしまう。しかし、本遊技機によれば、1回の開閉動作で必要以上の遊技球が入賞口に入賞することを抑制できるので、入賞する遊技球数のばらつきを少なくでき、予め定めた遊技機の仕様に対して極端に異なる仕様の遊技機となることを低減することができる。
また、開閉上流部および開閉下流部は、遊技球を入賞口へ案内する案内面となるので、その案内面に汚れなどが付着していると遊技球がスムーズに動作できず、入賞に時間がかかったり遊技球が詰まってしまう場合があるが、開閉部材が閉姿勢となると、開閉上流部および開閉下流部の案内面が遊技領域側に位置するので、汚れを発見した場合に簡単に除去が行える。よって、案内面の汚れなどによって遊技球がスムーズに流れずに入賞までに時間がかかったり遊技球が詰まったりすることを低減することができる。また、例えば、遊技球が汚れなどにより開閉上流部または開閉下流部の案内面に付着してしまった場合には、遊技者が遊技を続行することで付着した遊技球と流下する遊技球が接触して、その付着した遊技球を自然に落下させることができる。よって、付着した遊技球を取り除くために遊技を中断する回数が少なくなるので、遊技者に不快感を与えることを低減する遊技機を提供することができる。
また、開閉部材は、開姿勢の状態で遊技球を開閉下流部で受け止めるているので、遊技球が開閉下流部に衝突して生じる力は、開閉下流部が閉姿勢に回動する方向に作用する。従って、遊技球を受ける際に作用する力によって開閉部材の閉姿勢への回動の妨げとなることがないのでスムーズな閉動作が行え、必要以上の遊技球が入賞口に入賞することを抑制することができるという効果がある。
また、突出部は、開閉部材が開姿勢となると、収容部の開口の一部を覆うので、その突出部に接触した遊技球は、入賞口へ入賞する前に一旦速度が減速される。一般的に、遊技球が勢い良く入賞口に入賞すると、その遊技球がばたつくので、1の遊技球の通過を複数の遊技球の通過と誤検出してしまったり、検出手段を破損してしまうなどの弊害が生じやすくなるが、開閉下流部が受け止めた遊技球の少なくとも一部は突出部との接触により入賞口への入賞の前に減速されるので、上記弊害の発生を低減することができるという効果がある。また、収容部内を通過する遊技球の速度を減速できばたつきを抑制できるので、開閉部材が収容部に遊技球を収納する方向に動作する場合に比べて、開閉部材が閉動作する際に収容部の開口と開閉部材との間で遊技球を挟んでしまうことが少なくなる。従って、開口部材が閉姿勢に回動したにも関わらず、収容部の開口と開閉部材との間が挟まれた遊技球によって開放されたままとなり、必要以上の遊技球が入賞口に入賞することを低減することができるという効果がある。さらに、突出部は、開閉部材が閉姿勢となると、遊技領域に突出するので、遊技領域を流下する遊技球の一部が突出部と接触して、その流下速度が減速される。よって、開閉部材より下流側に位置する他の入賞口や役物などに衝突する際のエネルギーが抑制されるので、その下流側に位置する他の入賞口や役物が損傷することを少なくすることができるという効果がある。
ここで、従来の一枚扉のように、下端が回転軸となり上端が遊技領域側に回動する場合には、例えば、遊技領域の下方から板状部材(又は線状部材)などを侵入させ、一枚扉の上端に板状部材を引っ掛けて強制的に回動させて、必要以上の遊技球を入賞させる行為が行われることも考えられる。しかし、本遊技機によれば、開閉部材の上端に板状部材を引っ掛けて回動させようとした場合には、開閉下流部が遊技領域側に突出するように回動するので、板状部材の引っかかりを解除したり切断することができ、強制的に開閉部材を回動させる行為を困難にすることができる。よって、開閉部材が強制的に回動させられて必要以上の球が入賞口に入賞させられる行為を低減することができるという効果がある。
遊技機1において、前記入賞口は、前記収容部の開口面に平行する方向で且つ前記遊技球の流下方向に直交する方向となる第2方向において前記収容部の開口の中央から離れた位置に設けられ、前記突出部は、前記開閉部材の前記第2方向において、前記入賞口が設けられた側の第1の端部からその第1の端部に対向する第2の端部側に向かって延設されることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、収容部の開口の中央から離れた位置に入賞口が形成され、その入賞口が設けられた側の第1の端部から対向する第2の端部側に突出部が延設されているので、開閉下流部に受け止められた遊技球の大半は、突出部と接触して収納部への進入速度が減速された後に、第2の端部側から開閉上流部を通過して入賞口に入賞する。よって、遊技球が入賞口に達するまでの距離が長くなるので遊技球の整流効果が高くなり、その結果、球のばたつきを低減でき遊技球の通過数の誤検出や検出手段の破損の発生を低減することができる。
遊技機2において、前記開閉上流部には、前記第1の端部から前記第2の端部側に向かって溝幅が広くなると共に、前記開閉部材が前記開姿勢となった状態で前記2の端部側から前記第1の端部に向かって下降傾斜する溝部が形成されていることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、開閉上流部には、第1の端部から第2の端部側に向かって溝幅が広くなると共に第2の端部側から第1の端部に向かって傾斜した溝部が形成されているので、開閉上流部を通過する遊技球は溝部により入賞口方向へ誘導される。さらに、入賞口に近づくにつれて溝幅が狭くなるので、溝部を通過する遊技球の整流効果を高めることができる。また、第2の端部側の溝幅が広くなっているので、開閉下流部から開閉上流部に流れた遊技球が溝部に進入し易い構造となっている。第2の端部側の溝部の溝幅が狭いと、その溝部に遊技球が進入しづらくなり、開閉上流部と開閉下流部との間で遊技球が停留してしまったりばたつくことが考えられるが、第2の端部側の溝部の溝幅が広くなっているので、遊技球が溝部内にスムーズに案内され、遊技球が停留したりばたつくことを低減することができる。
遊技機1から3のいずれかにおいて、前記突出部は、前記開閉部材が前記開姿勢となった状態で、その開閉部材から突出した先端と前記収容部の開口の上流側の縁との最短距離が、前記遊技球の直径より短くなる長さに形成されていることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、開閉部材が開姿勢となった状態で、その開閉部材の突出先端と収容部の開口の上流側の縁との最短距離が、遊技球の直径より短くなる長さに形成されているので、開閉下流部に受け止められた遊技球が突出部の突出先端を飛び越えて直接収容部に収容されることを防止できる。よって、開閉下流部に受け止められた遊技球は、突出部の先端を越えずに第2の端部側に誘導されので、遊技球が入賞口まで誘導される距離が長くなり、遊技球の整流効果を高めることができる。
遊技機1から4のいずれかにおいて、前記回転軸は、前記開閉上流部と前記開閉下流部との連接部分で且つ、前記開閉部材の前記突出部が凸設された面の裏側面に連接されていることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、開閉上流部と開閉下流部との連結部分で且つ、突出部が凸設された面の裏側面に回転軸が連接されているので、回転軸が開閉部材から離れた位置に設けられる場合と比較して、開閉部材の開閉動作により動作する距離を短くすることができる。その結果、開姿勢から閉姿勢への開閉部材の動作時間が短くなり必要以上の遊技球が収容部に流入することを低減することができる。
遊技機0から5のいずれかにおいて、所定の抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となった場合に、遊技者に有利な遊技価値を付与する特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、その特別遊技実行手段により前記特別遊技が実行されている状態で、所定条件が成立した場合に、前記駆動手段を制御して前記開閉部材を前記開姿勢または閉姿勢に駆動させる駆動制御手段とを備え、前記特別遊技は、前記駆動制御手段による前記開閉部材の開姿勢から閉姿勢に姿勢が変化する開閉動作が所定回数行われることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となった場合に特別遊技が特別遊技実行手段により実行され、その特別遊技が実行されている場合に、開閉部材の開閉動作が所定回数行われる。開閉部材が所定回数開閉動作する場合に、1回の開閉動作で必要以上の遊技球が入賞口に入賞すると、その分特別遊技で付与される遊技価値にばらつきが生じてしまう。しかし、本遊技機によれば、1回の開閉動作で必要以上の遊技球が入賞口に入賞することを低減できるので、特別遊技で付与する遊技価値のばらつきを少なくすることができる。その結果、予め定めた遊技機の仕様に対して極端に異なる仕様の遊技機となることを低減することができる。
なお、所定条件としては、入賞口に入賞する遊技球数の通過が検出手段により所定数より多く検出された場合であっても良いし、開閉部材が開姿勢となってから所定時間が経過した場合であっても良い。
遊技球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下する遊技球が入賞する入賞口と、その入賞口へ入賞した遊技球の通過を検出する検出手段とを備え、その検出手段により前記入賞口を通過する遊技球が検出されると、所定の遊技価値が付与される遊技機において、前記入賞口と遊技領域との間に所定空間を有して形成され、前記遊技領域から流入した遊技球を収容する収容部と、その収容部の前記遊技領域側の開口を開閉する開閉部材と、その開閉部材を回転可能に支持する回転軸と、その回転軸を中心として前記開閉部材を第1方向に駆動させて前記収容部の前記開口を開放する開姿勢にすると共に、前記回転軸を中心として前記開閉部材を反第1方向に駆動させて前記収容部の前記開口を閉鎖する閉姿勢にする駆動手段と、前記遊技領域内の前記収容部の開口に対向する位置に配設され、前記遊技球の流下方向上流側から前記収容部の開口方向に向かって傾斜した傾斜部を有し、前記収容部内に前記遊技球を流入させる流入部材とを備え、前記開閉部材は、前記開姿勢となると前記収容部の所定空間内に位置すると共に、前記閉姿勢となると前記入賞口に遊技球を案内する案内面が遊技領域側に位置することを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、遊技領域に打ち込まれた遊技球が入賞口に入賞し、その入賞した遊技球が検出手段により検出されると、所定の遊技価値が付与される。収容部の開口は、開閉部材により開閉され、その開閉部材は、駆動手段により回転軸が第1方向に駆動されると開姿勢となり、駆動手段により回転軸が反第1方向に駆動されると閉姿勢となる。また、収容部の開口に対応する遊技領域には、遊技球を収容部に流入させる流入部材が設けられているので、開閉部材が開姿勢となると、遊技領域を流下する遊技球を効率よく収容部に収容することができる。また、回転軸が反第1方向に駆動されて開閉部材が閉姿勢となると、開閉部材の案内面が遊技領域側に位置するので、開姿勢から閉姿勢に回動する際に案内面を通過中の遊技球を、収容部から遊技領域に排出することができる。従って、必要な遊技球の通過が検出手段により検出された場合に開閉部材を閉姿勢へ回動させることで、必要以上の遊技球が入賞口に入賞することを抑制することができる。
特に、遊技領域に打ち込まれる球数に対して付与される遊技価値が予め定められている場合には、1回の開閉部材の開閉動作で入賞する遊技球数にばらつきがあると、予め定めた遊技機の仕様とは異なる意図しない仕様の遊技機となってしまう。しかし、本遊技機によれば、1回の開閉動作で必要以上の遊技球が入賞口に入賞することを抑制できるので、入賞する遊技球数のばらつきを少なくでき、予め定めた遊技機の仕様に対して極端に異なる仕様の遊技機となることを低減することができる。
また、開閉部材は、遊技球を入賞口に案内する案内面となるので、その案内面に汚れなどが付着していると遊技球がスムーズな動作ができずに、入賞に時間がかかったり遊技球が詰まってしまう場合があるが、開閉部材が閉姿勢となると、その遊技球の案内面が遊技領域側に位置するので、汚れを発見した場合に簡単に除去が行える。よって、案内面の汚れなどによって遊技球がスムーズに流れずに入賞までに時間がかかったり遊技球が詰まったりすることを低減することができる。また、例えば、遊技球が汚れなどにより開閉部材に付着してしまった場合には、遊技者が遊技を続行することで付着した遊技球と流下する遊技球が接触して、その付着した遊技球を自然に落下させることができる。よって、付着した遊技球を取り除くために遊技を中断する回数が少なくなるので、遊技者に不快感を与えることを低減する遊技機を提供することができる。
また、流入部材は、上流側から収容部の開口方向に傾斜した傾斜部を有しているので、遊技領域を流下する遊技球の一部が流入部材の傾斜部と接触して、その流下速度が減速される。よって、流入部材より下流側に位置する他の入賞口や役物などに遊技球が衝突するエネルギーを抑制できるので、流入部材より下流側に位置する入賞口や役物などが損傷することを少なくすることができる。
遊技機0から7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機8。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機0から7のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機9。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機0から7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機10。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
ここで、本実施の形態において、遊技機6の抽選手段としては図13のS401の処理が該当し、遊技機6の駆動制御手段としては図11のS205の処理が該当する。
一実施の形態におけるパチンコ機の正面図である。 遊技盤の正面図である。 可変入賞装置を分解した斜視図である。 開閉扉が閉姿勢の状態を示した断面図であり、(a)は、図3のIVa−IVa線における可変入賞装置が組み付けられた状態の断面図であり、(b)は、図4(a)のIVb−IVb線における断面図である。 開閉扉が開姿勢の状態を示した断面図であり、(a)は、図3のVa−Va線における可変入賞装置が組み付けられた状態の断面図であり、(b)は、図5(a)のVb−Vb線における断面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 各種カウンタの概要を示した図である。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 図11のメイン処理の中で実行される変動処理を示したフローチャートである。 図12の変動処理の中で実行される変動開始処理を示したフローチャートである。 メイン処理の中で実行される開閉扉開閉処理を示したフローチャートである。 タイマ割込処理を示したフローチャートである。 図15のタイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示したフローチャートである。 NMI割込処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 駆動モータに流す電流のタイミングを示したタイミングチャートである。 第2の実施形態の可変入賞装置と流入部材との断面図である。
符号の説明
10 パチンコ機(遊技機)
110 主制御装置
207 特定入賞口検出スイッチ(検出手段)
651,1651 開口(収容部の開口)
660,1660 開閉扉(開閉部材)
661,1661 回転軸
665 突出部
666,1666 溝(溝部)
672,1672 特定入賞口(入賞口の1つ)
674 駆動モータ(駆動手段)
677,1777 収容空間(収容部)
1700 流入部材
A 開閉扉の開姿勢への回動方向(第1方向)
B 開閉扉の閉姿勢への回動方向(反第1方向)
X 水平方向(第2方向)
Y 上下方向(流下方向)

Claims (2)

  1. 遊技球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下する遊技球が入賞する入賞口と、その入賞口へ入賞した遊技球の通過を検出する検出手段とを備え、その検出手段により前記入賞口を通過する遊技球が検出されると、所定の遊技価値が付与される遊技機において、
    前記入賞口と遊技領域との間に所定空間を有して形成され、前記遊技領域から流入した遊技球を収容する収容部と、
    その収容部の前記遊技領域側の開口を開閉すると共に、前記収容部の前記開口を閉鎖する閉姿勢において前記遊技球の流下方向の上流側で且つ前記収容部の前記開口を開放する開姿勢において前記収容部の所定空間内に位置する開閉上流部と、その開閉上流部より前記閉姿勢において前記流下方向の下流側に位置する開閉下流部とを有する開閉部材と、
    その開閉部材を回転可能に支持する回転軸と、
    その回転軸を中心として前記開閉部材を第1方向に駆動させて前記開姿勢にすると共に、前記回転軸を中心として前記開閉部材を反第1方向に駆動させて前記閉姿勢にする駆動手段と、
    前記開閉上流部に凸設される突出部とを備え、
    前記開閉部材が開姿勢となると、前記開閉部材の開閉上流部が前記収容部の所定空間内に位置し前記開閉部材の開閉下流部が前記遊技領域に突出すると共に、前記突出部が前記収容部の開口の一部を覆い、
    前記開閉部材が閉姿勢となると、前記開閉部材の開閉上流部および開閉下流部の前記入賞口へ遊技球を案内する案内面が前記遊技領域側に位置すると共に、前記突出部が前記遊技領域に突出することを特徴とする遊技機。
  2. 前記入賞口は、前記収容部の開口面に平行する方向で且つ前記遊技球の流下方向に直交する方向となる第2方向において前記収容部の開口の中央から離れた位置に設けられ、
    前記突出部は、前記開閉部材の前記第2方向において、前記入賞口が設けられた側の第1の端部からその第1の端部に対向する第2の端部側に向かって延設されることを特徴とする請求項1記載の遊技機。


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