以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠13の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、上述したパチンコ機10が確変中とは、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態である。更に、本実施の形態における確変中は、第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が時短中とは、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。なお、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)で構成される第2図柄表示装置82とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施の形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37にて停止図柄(確変大当たり図柄、普通大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37により示されると共に保留ランプ85の点灯個数においても示される。保留ランプ85は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。なお、本実施の形態においては、第1入球口64への入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82は、第2図柄の表示部83と保留ランプ84とを有し、球が第2入球口67を通過する毎に、表示部83において表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定図柄(本実施の形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に保留ランプ84においても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施の形態のように、表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の内部構成について説明する。図4は、内枠12と前面枠14と下皿ユニット15とが開放された状態におけるパチンコ機10の斜視図である。
パチンコ機10には、その外殻を形成する外枠11が設けられ、この外枠11に対して内枠12が開閉可能に支持される。遊技場においては、外枠11の外周面が遊技場の島と呼ばれる設置箇所に固定される。内枠12、前面枠14および下皿ユニット15は、外枠11に対して前面側に開放可能に構成されるので、パチンコ機10の前面側からは触れられない裏面側や内部に対しての点検や調整は、外枠11に対して内枠12等を前面側に開放して行われる。
外枠11には、内枠12を支持するために正面視左側の上下2カ所に金属製の上ヒンジ(図示せず)および下ヒンジ(図示せず)が取り付けられている。この上ヒンジおよび下ヒンジが設けられた側を開閉の軸として内枠12は開閉可能に支持される。
内枠12は、矩形状に形成されたABS樹脂製の内枠ベース55を主体に構成されており、内枠ベース55の中央部には略円形状の中央窓55aが形成されている。内枠ベース55の裏面側には遊技盤13の取付部が設けられ、遊技盤13が着脱可能に装着される。
内枠ベース55の中央窓55aの下側は、前面側が開放した凹状に窪んで形成されており、その奥側には、平面状の取付面52bが形成されている。取付面52bには、球を遊技盤13の前面に発射するための発射ユニット140や、上皿17および下皿50に球を排出する通路を形成する通路形成部材54等が取り付けられる。
外枠11と内枠12との間には、内枠12の開放および閉鎖を検出するスイッチSW1が設けられており、内枠12と前面枠14との間には、前面枠14の開放および閉鎖を検出するスイッチSW2が設けられている。
ここで、図5を参照して、スイッチSW1およびスイッチSW2の構造について説明する。なお、スイッチSW1とスイッチSW2とは同一の構造であるので、スイッチSW1について構造を説明し、スイッチSW2についてはその説明を省略する。
図5は、スイッチSW1の断面図である。図5(a)は、内枠12が閉鎖された状態におけるスイッチSW1の状態(遮断状態)を示した断面図である。また、図5(b)は、内枠12が開放された状態におけるスイッチSW1の状態(導通状態)を示した断面図である。
図5(a)に示すように、外枠11の内枠12と対向する面に配設されたスイッチSW1には、閉鎖された状態の内枠12に当接する可動軸SW1aと、その可動軸SW1aに配設される導電部材である金属から構成された導体板SW1−1aと、その導体板SW1−1aと対向する位置に配設される金属から構成された一対の端子板SW1−1bと、その一対の端子板SW1−1bをそれぞれ筐体SW1bに配設する支持板SW1−1cと、導体板SW1−1a上の一対の端子板SW1−1bに対向する面とは反対の面に配設され、導体板SW1−1aに対して一対の端子板SW1−1bへの方向に付勢力を発生させる一対のスプリングSW1cとが設けられている。
図5(a)に示すように、内枠12が閉鎖された状態においては、可動軸SW1aが内枠12に当接し、可動軸SW1aが筐体SW1bに押し込まれた状態となる。よって、導体板SW1−1aと一対の端子板SW1−1bとの接触が妨げられる。従って、内枠12が閉鎖された状態においては、スイッチSW1は、導通が遮断された状態となる。
一方、図5(b)に示すように、内枠12が開放された状態においては、可動軸SW1aと内枠12との当接が解除されるので、一対のスプリングSW1cの付勢力により、導体板SW1−1aと一対の端子板SW1−1bとが接触する。よって、内枠12が開放された状態においては、スイッチSW1は、導通された状態となる。
このように、スイッチSW1は、内枠12が閉鎖された状態では遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では導通状態となる。なお、スイッチSW1の構造は、図5に記載した形状に限られるものではなく、内枠12が閉鎖された状態では、スイッチSW1が遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では、スイッチSW1が導通状態となる構造であれば良い。これは、スイッチSW2の構造についても同様である。
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更に、RAM203は、オフ中枠開放フラグ203aとオン中枠開放フラグ203bとを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図12参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図11参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
オフ中枠開放フラグ203aは、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通した場合に、オンとなるフラグである(後述する主制御装置110の立ち上げ処理のS112の処理)。このオフ中枠開放フラグ203aがオンされることにより、MPU201は、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14の開放が行われたことを検出することができる。なお、パチンコ機10の電源がオンされて、オフ中枠開放検出フラグ203aがオンとなっていることがMPU201によって検出されると、MPU201は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知を行う。これにより、パチンコ機10は、パチンコ機10の電源オフ中に内枠12または前面枠14の開放が行われたことを不特定多数(店員、遊技客等)の者に報知することができる(パチンコ機10の電源オフ中に内枠12または前面枠14の開放があったパチンコ機10を特定することができる)。また、パチンコ機10の電源がオンされて、オフ中枠開放検出フラグ203aがオンとなっていることがMPU201によって検出されると、MPU201は、ホールコンピュータ262へパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。このパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。このホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することで、パチンコ機10の電源オフ中に内枠12または前面枠14の開放があったパチンコ機10を特定することができる。
ただし、前述の通り、パチンコ機10の電源がオフである場合に、内枠12または前面枠14が開放されていれば、パチンコ機10の電源がオンされるとオフ中枠開放フラグ203aをオンするので、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機10を、ホールコンピュータ262を用いることなく特定することが可能である。よって、本実施形態のパチンコ機10によれば、ホールコンピュータ262を24時間動作し続けていない遊技場でも、パチンコ機10の電源がオフである間に内枠12または前面枠14が開放されると、そのパチンコ機10を特定することができる。
オン中枠開放フラグ203bは、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通した場合に、オンとなるフラグである(タイマ割込処理のS506の処理(図15参照))。このオン中枠開放フラグ203bは、開放された内枠12または開放された前面枠14が閉鎖されると、タイマ割込処理のS507の処理でオフされる。このオン中枠開放フラグ203bがオンされることにより、MPU201は、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14の開放が行われたことを検知することができる。なお、オン中枠開放検出フラグ203bがオンとなると、MPU201は、オン中枠開放検出フラグ203bがオフとなるまで、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知を行う。これにより、パチンコ機10は、パチンコ機10の電源オン中に内枠12または前面枠14の開放が行われたことを不特定多数の者に報知することができる。また、オン中枠開放検出フラグ203bがオンとなっていることがMPU201によって検出されると、MPU201は、ホールコンピュータ262へパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。このパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。このホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することで、パチンコ機10の電源オン中に内枠12または前面枠14の開放があったパチンコ機10を特定することができる。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置82や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続されている。
また、入出力ポート205には、24時間動作し続けるホールコンピュータ262が接続されている。オフ中枠開放フラグ203aがオンになっているか、またはオン中枠開放フラグ203bがオンとなっていれば、MPU201は、入出力ポート205を介してホールコンピュータ262へ、パルス幅が約1m秒のパルス信号を出力する(メイン処理のS206またはS209の処理(図12参照))。
また、主制御装置110には、スイッチSW1が導通することにより内枠12の開放を検出すると共に、スイッチSW2が導通することにより前面枠14の開放を検出する枠開放検出回路260が設けられている。枠開放検出回路260には、内枠12の開放を検出するスイッチSW1と、前面枠14の開放を検出するスイッチSW2とが接続されている。なお、スイッチSW1およびスイッチSW2と枠開放検出回路260との接続には、信号の入出力を行う入出力部(入出力ポート205(ラッチ回路等)とは異なる、図示せず)を介して接続が行われている。
また、枠開放検出回路260には、入出力ポート205と接続され、入出力ポート205から出力された入力信号SG3を入力する入力端子と、入出力ポート205と接続され、入出力ポート205へ出力信号SG4を出力する出力端子とが設けられている。
枠開放検出回路260には、詳細は図7で後述するが、コンデンサCD1が内蔵されている。枠開放検出回路260の入力端子へ入力信号SG3が入力されると、コンデンサCD1の充電が行われる。一方、内枠12が開放されてスイッチSW1が導通した場合、または前面枠14が開放されてスイッチSW2が導通した場合には、コンデンサCD1の放電が行われる。そして、コンデンサCD1の放電が行われた場合には、枠開放検出回路260の出力端子から出力信号SG4が入出力ポート205へ出力される。具体的には、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放され、コンデンサCD1の放電が行われた場合には、即座に、枠開放検出回路260の出力端子から出力信号SG4が入出力ポート205へ出力される。一方、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放され、コンデンサCD1の放電が行われた場合には、パチンコ機10の電源がオンされたときに、枠開放検出回路260の出力端子から出力信号SG4が入出力ポート205へ出力される。
これは、パチンコ機10の電源がオンされている場合には、その期間中、枠開放検出回路260へ電力が供給され、枠開放検出回路260が動作しているので、コンデンサCD1の放電が行われると、即座にそれを検出して枠開放検出回路260の出力端子から出力信号SG4を出力することができるからである。
一方、パチンコ機10の電源がオフされている場合には、枠開放検出回路260への電力供給が停止され、枠開放検出回路260が停止中であるので、コンデンサCD1の放電が行われても、それを検出して枠開放検出回路260の出力端子から出力信号SG4を出力することができない。よって、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放されて、コンデンサCD1の放電が行われた場合には、パチンコ機10の電源がオンされたときに、枠開放検出回路260の出力端子から出力信号SG4を出力するのである。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33や表示ランプ34など)における点灯および消灯の出力、表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226やランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを有している。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や第3図柄)などの演出用のデータを記憶したメモリである。ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM234の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きを介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図17参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
なお、パチンコ機10では、停電監視回路252およびRAM消去スイッチ回路253は、電源装置115内に設けられていたが、これに限られず、停電監視回路252またはRAM消去スイッチ回路253の一方の回路が主制御装置110内に設けられていても良い。また、停電監視回路252およびRAM消去スイッチ回路253の両方の回路が主制御装置110内に設けられていても良い。RAM消去スイッチ回路253が主制御装置110内に設けられている場合には、RAM消去スイッチ112も主制御装置110内に設けられる。
次に、図7を参照して、枠開放検出回路260を説明する。図7は、枠開放検出回路260の電気的構成を示した回路図である。パチンコ機10の電源がオフされている場合であっても、内枠12の開放または前面枠14の開放を検出する枠開放検出回路260は、5ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC1および直流電源DC2と、電界効果トランジスタFET1およびFET2と、ダイオードD1と、抵抗R1およびR2と、コンデンサCD1と、シュミットトリガインバータIC1とを主に有している。
スイッチSW1が導通することにより内枠12の開放を検出すると共に、スイッチSW2が導通することにより前面枠14の開放を検出するために、枠開放検出回路260は、上記の部品が図7に示す回路図に従って接続される。なお、スイッチSW1とスイッチSW2とは並列接続された上で枠開放検出回路260に接続されているので、いずれか一方のスイッチが導通すれば、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。
直流電源DC1は、電界効果トランジスタFET1を介して、コンデンサCD1へ5ボルトの直流電圧(電力)を供給する電源である。直流電源DC1への電力は、電源装置115に設けられた電源部251から図示しない電源経路を通じて供給される。よって、パチンコ機10の電源がオンされると、直流電源DC1は5ボルトの直流電圧を供給する一方、パチンコ機10の電源がオフされると、直流電源DC1は5ボルトの直流電圧の供給を停止する。この直流電源DC1は、電界効果トランジスタFET1のドレイン端子Dと接続される。この電界効果トランジスタFET1のソース端子Sは、ダイオードD1のアノード端子と接続され、電界効果トランジスタFET1のゲート端Gは、枠開放検出回路260の入力端子と接続されている。
電界効果トランジスタFET1は、ゲート端子Gに印加される電圧に応じて、即ち、枠開放検出回路260の入力端子への入力信号SG3の入力に応じて、ドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間の導通、遮断を切り換えるスイッチング素子である。パチンコ機10の電源がオンされて、枠開放検出回路260の入力端子に最大値5ボルトの入力信号SG3が入力されると、電界効果トランジスタFET1のゲート端子Gに5ボルトの電圧が印加されて、電界効果トランジスタFET1のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通する。これにより、直流電源DC1から5ボルトの直流電圧が供給されている場合に、枠開放検出回路260の入力端子に入力信号SG3が入力されると、直流電源DC1から供給される5ボルトの直流電圧がダイオードD1のアノード端子に印加される。
一方、枠開放検出回路260の入力端子に入力信号SG3が入力されていない場合には、電界効果トランジスタFET1のゲート端子Gに電圧が印加されないので、電界効果トランジスタFET1のドレイン端子Dとソース端子Sとの導通は遮断される。これにより、直流電源DC1から5ボルトの直流電圧が供給されていても、枠開放検出回路260の入力端子に入力信号SG3が入力されていない場合には、直流電源DC1から供給される5ボルトの直流電圧がダイオードD1のアノード端子に印加されることはない(ダイオードD1のアノード端子の電圧はゼロボルトとなる)。なお、枠開放検出回路260の入力端子に入力信号SG3が入力されていない場合には、パチンコ機10の電源がオフされている場合と、パチンコ機10の電源がオンされて、立ち上げ処理内のS114の処理が実行されるまでの期間の2つの場合がある。
抵抗値が10kΩの抵抗R1は、コンデンサCD1に流れ込む電流を制限する抵抗である。この抵抗R1の一端は、ダイオードD1のカソード端子と接続されており、抵抗R1の他端は、コンデンサCD1のプラス端子、スイッチSW1の一端、スイッチSW2の一端および電界効果トランジスタFET2のゲート端子Gと接続されている。なお、コンデンサCD1のマイナス端子、スイッチSW1の他端およびスイッチSW2の他端は、グランドされている。
容量が1F(ファラッド)のコンデンサCD1は、直流電源DC1から供給される電圧に伴う電荷を蓄える電解コンデンサである。このコンデンサCD1は、直流電源DC1から5ボルトの直流電圧が供給されると共に、内枠12および前面枠14が閉鎖され、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合に、枠開放検出回路260の入力端子に入力信号SG3が入力されると、電荷を蓄える(充電される)。そして、コンデンサCD1は、内枠12および前面枠14が閉鎖され、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合に、枠開放検出回路260の入力端子に入力信号SG3が入力されないときには、蓄えた電荷を保持する。更に、コンデンサCD1は、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通された場合には、蓄えた電荷の放電を行う。
具体的には、パチンコ機10の電源がオンされて、直流電源DC1から5ボルトの直流電圧が供給されると共に、内枠12および前面枠14が閉鎖され、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合に、枠開放検出回路260の入力端子に入力信号SG3が入力されると、電界効果トランジスタFET1のゲート端子Gに5ボルトの電圧が印加される。すると、電界効果トランジスタFET1のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通するので、コンデンサCD1は、コンデンサCD1の容量1F(ファラッド)とコンデンサCD1に印加された直流電圧(直流電源DC1から供給される5ボルトからダイオードD1での電圧降下約0.7ボルトを引いた約4.3ボルト)との積により求まる電荷を蓄える(充電状態となる)。
そして、コンデンサCD1は、パチンコ機10の電源がオフされて、直流電源DC1からの5ボルトの直流電圧の供給が停止されると共に、内枠12および前面枠14が閉鎖され、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合には、蓄えた電荷を保持する。この場合には、コンデンサCD1に蓄えた電荷を放電する経路が、ダイオードD1、スイッチSW1、スイッチSW2および電界効果トランジスタFET1のゲート端子Gにより遮断されるので、コンデンサCD1は充電状態を保持することができるのである。
更に、コンデンサCD1は、パチンコ機10の電源がオフされて、直流電源DC1からの5ボルトの直流電圧の供給が停止されている場合に、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通されたときには、蓄えた電荷をスイッチSW1またはスイッチSW2を介してグランドに放電する。このコンデンサCD1の放電により、コンデンサCD1に蓄えられた電荷がゼロとなるので、枠開放検出回路260は、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14の開放が行われたことを検出することができる。
その後、内枠12および前面枠14が閉鎖され、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断された後に、パチンコ機10の電源が再びオンされて、直流電源DC1から5ボルトの直流電圧が供給されたとしても、枠開放検出回路260の入力端子に入力信号SG3が入力されるまでは、電界効果トランジスタFET1のゲート端子Gに5ボルトの電圧が印加されない。これにより、電界効果トランジスタFET1のドレイン端子Dとソース端子Sとは遮断状態となるので、コンデンサCD1は、パチンコ機10の電源が再びオンされても、枠開放検出回路260の入力端子に入力信号SG3が入力されるまでは、放電状態を保持する。なお、MPU201は、パチンコ機10の電源がオンされた後に、枠開放検出回路260の入力端子に入力信号SG3が入力されるまでの期間を利用して、コンデンサCD1が放電状態にあるか否かを立ち上げ処理(図11参照)で判定する。これにより、MPU201は、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14の開放が行われたことを検出することができる。
その後、枠開放検出回路260の入力端子に入力信号SG3が入力されると、電界効果トランジスタFET1のゲート端子Gに5ボルトの電圧が印加される。すると、電界効果トランジスタFET1のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通するので、放電状態で保持されていたコンデンサCD1は、再び充電状態となる。これにより、枠開放検出回路260は、再び、内枠12または前面枠14の開放を検出可能な状態に設定される。この動作に基づいて、コンデンサCD1は充電と放電を繰り返す。
なお、パチンコ機10の電源がオンされると、その後は、パチンコ機10の電源がオフされるまで、枠開放検出回路260の入力端子には入力信号SG3が入力され続ける。よって、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通されたときには、コンデンサCD1は、蓄えた電荷をスイッチSW1またはスイッチSW2を介してグランドに放電するが、その開放された内枠12または開放された前面枠14が閉鎖され、導通状態であったスイッチSW1または導通状態であったスイッチSW2が遮断されると、コンデンサCD1は放電状態を保つことなく、即座に充電される。従って、パチンコ機10の電源がオンされ、枠開放検出回路260の入力端子に入力信号SG3が入力されている場合には、コンデンサCD1は、内枠12または前面枠14が開放される度に放電が行われることになる。
このコンデンサCD1のプラス端子には、抵抗R1を介して、ダイオードD1のカソード端子が接続されており、このダイオードD1が電流の逆流防止機能を果たしているので、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通し、コンデンサCD1の放電が行われている場合でも、その放電に伴って発生する電圧が直流電源DC1に印加されることはなく、直流電源DC1が損傷することはない。
電界効果トランジスタFET2は、ゲート端子Gに印加される電圧、即ち、コンデンサCD1に印加される電圧に応じてドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間の導通、遮断を切り換えるスイッチング素子である。電界効果トランジスタFET2のゲート端子Gは、抵抗R1の他端、コンデンサCD1のプラス端子、スイッチSW1の一端およびスイッチSW2の一端と接続されている。
電界効果トランジスタFET2は、コンデンサCD1が充電されている場合には、ゲート端子Gに4.3ボルトの電圧が印加されるので、ドレイン端子Dとソース端子Sとを導通させる。一方、電界効果トランジスタFET2は、コンデンサCD1が放電されている場合には、ゲート端子Gに電圧が印加されないので、ドレイン端子Dとソース端子Sとの導通を遮断する。
電界効果トランジスタFET2のドレイン端子Dは、シュミットトリガインバータIC1の入力端子および抵抗値が10kΩの抵抗R2の一端と接続されている。この抵抗R2の他端は、直流電源DC2と接続されている。なお、電界効果トランジスタFET2のソース端子Sは、グランドされている。
直流電源DC2は、抵抗R2を介して、シュミットトリガインバータIC1の入力端子に5ボルトの直流電圧を入力する電源である。直流電源DC2への電力は、電源装置115に設けられた電源部251から図示しない電源経路を通じて供給される。よって、パチンコ機10の電源がオンされると、直流電源DC2は5ボルトの直流電圧を出力する一方、パチンコ機10の電源がオフされると、直流電源DC2は5ボルトの直流電圧の出力を停止する。
シュミットトリガインバータIC1は、入力端子に入力された電圧を成形すると共に、入力された電圧を反転して出力端子から出力する半導体回路である。シュミットトリガインバータIC1の入力端子は、抵抗R2の一端と接続されると共に、電界効果トランジスタFET2のドレイン端子Dと接続されている。一方、シュミットトリガインバータIC1の出力端子は、枠開放検出回路260の出力端子と接続されている。なお、シュミットトリガインバータIC1の電源端子は、図示を省略するが、直流電源DC2と接続されている。このシュミットトリガインバータIC1は、入力端子に入力される電圧が2.5ボルト以上となると、出力端子から出力される電圧をゼロボルトにする一方、入力端子に入力される電圧が2.5ボルト未満となると、出力端子から5ボルトの電圧を出力する。なお、パチンコ機10の電源がオフされて、直流電源DC2から5ボルトの電圧が供給されていない場合には、シュミットトリガインバータIC1は当然に動作しないので、シュミットトリガインバータIC1の出力端子から出力される電圧はゼロボルトになる。
パチンコ機10の電源がオンされているときに、コンデンサCD1が充電状態にあり、電界効果トランジスタFET2のゲート端子Gに4.3ボルトの電圧が印加され、電界効果トランジスタFET2のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通している場合には、直流電源DC2から供給される5ボルトの電圧が全て抵抗R2に印加されるので、シュミットトリガインバータIC1へ入力される電圧はゼロボルトとなる。よって、この場合には、シュミットトリガインバータIC1の出力端子から5ボルトの電圧が出力される。
一方、パチンコ機10の電源がオンされているときに、コンデンサCD1が放電状態にあり、電界効果トランジスタFET2のゲート端子Gに電圧が印加されず、電界効果トランジスタFET2のドレイン端子Dとソース端子Sとの導通が遮断している場合には、直流電源DC2から供給される5ボルトの電圧が全て電界効果トランジスタFET2のドレイン端子Dに印加されるので、シュミットトリガインバータIC1へ入力される電圧は約5ボルトとなる。よって、この場合には、シュミットトリガインバータIC1の出力端子は電圧が出力されない(シュミットトリガインバータIC1の出力端子の電圧はゼロボルトとなる)。
つまり、パチンコ機10の電源がオンされたときに、既に、コンデンサCD1が放電状態にある場合には、シュミットトリガインバータIC1の出力端子から出力される電圧はゼロボルトとなる(枠開放検出回路260の出力端子の電圧はゼロボルトとなる)。シュミットトリガインバータIC1の出力端子の電圧がゼロボルトとなると、出力信号SG4が出力されている状態となる(出力信号SG4は、負論理であるため。なお、入力信号SG3は、正論理である)。パチンコ機10の電源がオンされたときに、出力信号SG4が出力されていると、MPU201は、コンデンサCD1が既に放電状態にあると、立ち上げ処理(図11参照)で判定する。これにより、MPU201は、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14の開放が行われたことを検出することができる。
一方、パチンコ機10の電源がオンされたときに、コンデンサCD1が充電状態にある場合には、シュミットトリガインバータIC1の出力端子から出力される電圧は5ボルトとなる(枠開放検出回路260の出力端子の電圧は5ボルトとなる)。この場合には、パチンコ機10の電源がオンされたときに、出力信号SG4が出力されていない状態となる。なお、パチンコ機10では、シュミットトリガインバータIC1を使用したが、シュミットトリガインバータIC1に代えて、波形を反転させるだけのインバータ回路を使用しても良い。
なお、電界効果トランジスタFET2は、ゲート端子Gに印加される電圧が2.5ボルトを越えると、ドレイン端子Dとソース端子Sとを導通させる。よって、コンデンサCD1に蓄えられた電荷がパチンコ機10の電源がオフされている間に自己放電により減少し、コンデンサCD1の電圧が低下しても、このコンデンサCD1の電圧が2.5ボルトを越えていれば、パチンコ機10の電源がオンされたときに、コンデンサCD1が充電状態にあるとされ、シュミットトリガインバータIC1の出力端子から出力される電圧は5ボルトとなる(出力信号SG4が出力されていない状態となる)。ここで、コンデンサCD1に蓄えられた電荷がパチンコ機10の電源がオフされている間に自己放電により減少し、コンデンサCD1の電圧が2.5ボルト以下となるのは、パチンコ機10の電源がオフされて約15時間経過した後となる。よって、通常の使用においては、パチンコ機10の電源がオフされている間にコンデンサCD1の電圧が2.5ボルト以下となることは、まずない。ただし、コンデンサCD1の電圧が2.5ボルト以下となるまでの時間を約15時間よりも長くしたい場合には、コンデンサCD1の容量値を1Fよりも大きくすれば良い。
次に、パチンコ機10の電源がオンされている間にコンデンサCD1が放電状態となった場合には、シュミットトリガインバータIC1の出力端子から出力される電圧はゼロボルトとなる(枠開放検出回路260の出力端子の電圧はゼロボルトとなる)。シュミットトリガインバータIC1の出力端子の電圧がゼロボルトとなると、出力信号SG4が出力されている状態となる。パチンコ機10の電源がオンされている間に出力信号SG4が出力されていると、MPU201は、コンデンサCD1が放電状態になったと、タイマ割込処理(図15参照)で判定する。これにより、MPU201は、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14の開放が行われたことを検出することができる。
一方、パチンコ機10の電源がオンされている間にコンデンサCD1が充電状態である場合には、シュミットトリガインバータIC1の出力端子から出力される電圧は5ボルトとなる(枠開放検出回路260の出力端子の電圧は5ボルトとなる)。この場合には、出力信号SG4が出力されていない状態となる。
上述したように、枠開放検出回路260は、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放されて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通し、充電状態にあるコンデンサCD1が放電状態となると、パチンコ機10の電源がオンされたときに、出力信号SG4を出力する。一方、枠開放検出回路260は、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放されず(閉鎖されており)、コンデンサCD1が充電状態のままであれば、パチンコ機10の電源がオンされたときに、出力信号SG4を出力しない。これにより、MPU201は、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14の開放が行われたことを検出することができる。
なお、詳細は後述するが、パチンコ機10の電源がオンされたときに、出力信号SG4が出力されると、MPU201は、立ち上げ処理(図11参照)で、オフ中枠開放フラグ203aをオンする。オフ中枠開放フラグ203aがオンであれば、MPU201は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知を行う。これにより、パチンコ機10は、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14の開放があったことを不特定多数の者に報知することができる。また、オフ中枠開放フラグ203aがオンであれば、MPU201は、ホールコンピュータ262へパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。
ここで、遊技場が民間の警備会社と防犯契約を交わしている場合があり、この場合には、遊技場への侵入者があると、直ちに警備会社の警備員が遊技場へ駆けつける。しかし、不正行為は短時間で行われるので、警備員が駆けつけたときには、大抵の場合、既に侵入者は遊技場から逃げ出してしまっている。よって、民間の警備会社と防犯契約を交わしていたとしても、まず、侵入者によりパチンコ機10に不正が行われたのか否かが分からないという問題点があった。更には、侵入者により不正が行われたことが分かったとしても、一体、どのパチンコ機10に不正行為が行われたのかまでは判別できないという問題点があった。不正行為がなされたパチンコ機10は、正常な状態に戻さなければならないが、どのパチンコ機10に不正行為がなされたか分からない場合には、すべてのパチンコ機10の内枠12および前面枠14を開放して、1台ずつ検査しなければならず、多数のパチンコ機10が設置されている遊技場でこの作業を行うことは相当な重労働であった。
しかし、本実施形態のパチンコ機10によれば、オフ中枠開放フラグ203aがオンであれば、MPU201は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知を行う。これにより、パチンコ機10の電源がオフである間に内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機10を特定することができる。更に、パチンコ機10は、ホールコンピュータ262へパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号によっても、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機10を特定することができる。
ただし、前述の通り、パチンコ機10の電源がオフである場合に内枠12または前面枠14が開放されていれば、コンデンサCD1が放電されるので、パチンコ機10の電源がオンされるとオフ中枠開放フラグ203aがオンされる。これにより、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機10を、ホールコンピュータ262を用いることなく特定することが可能である。よって、本実施形態のパチンコ機10によれば、ホールコンピュータ262を24時間動作し続けていない遊技場でも、パチンコ機10の電源がオフである間に内枠12または前面枠14が開放されると、そのパチンコ機10を特定することができる。
なお、詳細は後述するが、パチンコ機10の電源がオンされている間に出力信号SG4が出力されると、MPU201は、タイマ割込処理(図15参照)で、オン中枠開放フラグ203bをオンする。オン中枠開放フラグ203bがオンであれば、MPU201は、オン中枠開放検出フラグ203bがオフとなるまで、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知を行う。これにより、パチンコ機10は、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14の開放があったことを不特定多数の者に報知することができる(パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14の開放があったパチンコ機10を特定することができる)。また、オン中枠開放フラグ203bがオンであれば、MPU201は、ホールコンピュータ262へパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。このパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。このホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することによっても、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14の開放があったパチンコ機10を特定することができる。
次に、図8を参照して、内枠12または前面枠14が開放された場合の枠開放検出回路260の動作について説明する。図8は、直流電源DC1および直流電源DC2の出力電圧(パチンコ機10の電源の状態)と、スイッチSW1またはスイッチSW2の状態(内枠12または前面枠14の状態)と、枠開放検出回路260の入力端子の電圧(入力信号SG3の状態)と、コンデンサCD1の電圧(電界効果トランジスタFET2のゲート端子Gの電圧)と、シュミットトリガインバータIC1の入力端子の電圧と、枠開放検出回路260の出力端子の電圧(シュミットトリガインバータIC1の出力端子の電圧、出力信号SG4の状態)との関係を示したタイミングチャートである。なお、スイッチSW1およびスイッチSW2は、図7で前述した通り、並列接続されているので、図8においては、一纏めにして図示している。また、コンデンサCD1へは、t1時以前に充電が行われているものとする。
まずは、枠開放検出回路260の入力端子の電圧がゼロボルトとなっている(入力信号SG3の入力が停止状態となっている)t1時以前〜t4時までの枠開放検出回路260の動作について説明する。
図8(a)に示すように、直流電源DC1および直流電源DC2の出力電圧がゼロボルトである場合に(パチンコ機10の電源がオフされている場合に)、図8(b)に示すように、t1時に、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通すると、図8(d)に示すように、コンデンサCD1の放電が開始され(t1時)、コンデンサCD1の電圧(電界効果トランジスタFET2のゲート端子Gの電圧)は、4.3ボルトからゼロボルトへ降下を開始する(t1時)。その後、図8(b)に示すように、t2時に、開放された内枠12または前面枠14が閉鎖され、導通したスイッチSW1またはスイッチSW2が遮断すると、コンデンサCD1へ充電が可能な状態となる(t2時)。ただし、このときには、図8(a)に示すように、パチンコ機10の電源がオフされ、直流電源DC1から供給される5ボルトの電圧が停止されているので、コンデンサCD1の充電は行われず、放電された状態となる(t2時)。
なお、図8(e)に示すように、t1時以前からt3時まで、シュミットトリガインバータIC1の入力端子の電圧がゼロボルトになっているのは、図8(a)に示すように、t1時以前からt3時までは、パチンコ機10の電源がオフされて、直流電源DC2から5ボルトの電圧が供給されないので、シュミットトリガインバータIC1の入力端子に電圧が印加されないからである。また、図8(f)に示すように、t1時以前からt3時まで、枠開放検出回路260の出力端子の電圧がゼロボルトになっているのは(シュミットトリガインバータIC1の出力端子の電圧がゼロボルトになっているのは)、コンデンサCD1の放電によるものではなく、図8(a)に示すように、t1時以前からt3時までは、パチンコ機10の電源がオフされて、直流電源DC2から5ボルトの電圧が供給されないので、シュミットトリガインバータIC1が動作停止しているからである。
次に、図8(a)に示すように、t3時に、パチンコ機10の電源がオンされ、直流電源DC1および直流電源DC2の出力電圧が5ボルトとなると、シュミットトリガインバータIC1の電源端子に直流電源DC2から5ボルトの電圧が供給され、シュミットトリガインバータIC1は動作を開始する(t3時)。このとき、図8(d)に示すように、コンデンサCD1の電圧はゼロボルトであるので、電界効果トランジスタFET2のゲート端子Gの電圧もゼロボルトとなり、電界効果トランジスタFET2のドレイン端子Dとソース端子Sとが遮断状態となる(t3時)。よって、図8(e)に示すように、シュミットトリガインバータIC1の入力端子には5ボルトが入力される(t3時)。これにより、図8(f)に示すように、シュミットトリガインバータIC1の出力端子の電圧は変化せず、やはりゼロボルトとなる(t3時)。よって、枠開放検出回路260の出力端子から出力信号SG4が出力される(t3時)。
そして、図8(c)に示すように、t4時に、枠開放検出回路260の入力端子の電圧が5ボルトとなると(枠開放検出回路260の入力端子へ入力信号SG3が入力されると)、図8(d)に示すように、コンデンサCD1への充電が開始され、コンデンサCD1の電圧がゼロボルトから上昇を開始する(t4時)。これに伴い、電界効果トランジスタFET2のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通を開始して、図8(e)に示すように、シュミットトリガインバータIC1の入力端子の電圧が5ボルトから降下を開始する(t4時)。そして、シュミットトリガインバータIC1の入力端子の電圧が2.5ボルト未満になると、図8(f)に示すように、シュミットトリガインバータIC1の出力端子の電圧(枠開放検出回路260の出力端子の電圧)は、5ボルトになる(t4時)。これにより、枠開放検出回路260の出力端子から出力されていた出力信号SG4が停止される。更に、枠開放検出回路260は、再び、内枠12または前面枠14の開放が検出可能な状態に設定される。
ここで、図8(a)に示すように、t3時に、パチンコ機10の電源がオンされて、直流電源DC1および直流電源DC2の出力電圧が5ボルトとなっても、t3時に、枠開放検出回路260の入力端子へ入力信号SG3が入力されるのではなく(枠開放検出回路260の入力端子の電圧が5ボルトになるのではなく)、図8(c)に示すように、t4時に、枠開放検出回路260の入力端子へ入力信号SG3が入力され、コンデンサCD1への充電が開始されるのは、このt3時からt4時の間に次の動作が行われるからである。まず、t3時に、パチンコ機10の電源がオンされると(直流電源DC1および直流電源DC2の出力電圧が5ボルトとなると)、MPU201は立ち上げ処理(図11参照)を実行し、この立ち上げ処理内のS111の処理で、枠開放検出回路260の出力端子から出力信号SG4が出力されていることを検出して、オフ中枠開放フラグ203aをオンする(S112の処理)。そして、このS111およびS112の処理が終わった後のt4時に、枠開放検出回路260の入力端子へ入力信号SG3が入力されて、コンデンサCD1の充電が開始される(t4時)。このように、パチンコ機10は、パチンコ機10の電源がt3時にオンされても、すぐに枠開放検出回路260の入力端子へ入力信号SG3を入力させて、コンデンサCD1の充電を開始するのではなく、一旦、枠開放検出回路260の出力端子から出力信号SG4が出力されていることを検出し(S111の処理)、オフ中枠開放フラグ203aをオンした後で(S112の処理の後で)、枠開放検出回路260の入力端子へ入力信号SG3を入力させて、コンデンサCD1の充電を開始する(t4時)。この一連の動作によって、パチンコ機10は、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放されたことを確実に検出することができるのである。
次に、枠開放検出回路260の入力端子の電圧が5ボルトとなっている(入力信号SG3が入力状態となっている)t4時〜t9時までの枠開放検出回路260の動作について説明する。
図8(c)に示すように、t4時に、枠開放検出回路260の入力端子の電圧が5ボルトとなると(入力信号SG3が入力状態となると)、図8(d)に示すように、t4時に、コンデンサCD1の充電が完了し、出力信号SG4が停止される。更に、枠開放検出回路260は、再び、内枠12または前面枠14の開放が検出可能な状態に設定される。
そして、図8(b)に示すように、t5時に、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通すると、図8(d)に示すように、コンデンサCD1の放電が開始され(t5時)、コンデンサCD1の電圧(電界効果トランジスタFET2のゲート端子Gの電圧)は、4.3ボルトからゼロボルトへ降下を開始する(t5時)。すると、電界効果トランジスタFET2のドレイン端子Dとソース端子Sとの導通を遮断し、図8(e)に示すように、シュミットトリガインバータIC1の入力端子の電圧は、ゼロボルトから上昇を開始する(t5時)。そして、図8(e)に示すように、t5時に、シュミットトリガインバータIC1の入力端子の電圧が2.5ボルト以上になると、これに伴い、図8(f)に示すように、t5時に、シュミットトリガインバータIC1の出力端子の電圧はゼロボルトになる(出力信号SG4が出力される)。出力信号SG4が出力されると、MPU201は、この出力信号SG4を、タイマ割込処理のS505の処理(図15参照)で検出し、S506の処理でオン中枠開放フラグ203bをオンする。これにより、パチンコ機10は、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放されたことを検出することができる。
その後、図8(b)に示すように、t6時に、開放された内枠12または前面枠14が閉鎖されると、導通したスイッチSW1またはスイッチSW2が遮断する。このとき、図8(c)に示すように、枠開放検出回路260の入力端子には入力信号SG3が入力されているので(枠開放検出回路260の入力端子の電圧は5ボルトになっているので)、図8(d)に示すように、t6時に、コンデンサCD1へ充電が開始される。すると、電界効果トランジスタFET2のゲート端子Gの電圧が上昇を開始し(t6時)、電界効果トランジスタFET2のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通し、図8(e)に示すように、シュミットトリガインバータIC1の入力端子の電圧が降下を開始する(t6時)。そして、シュミットトリガインバータIC1の入力端子の電圧が2.5ボルト未満となると、シュミットトリガインバータIC1の出力端子の電圧がゼロボルトから5ボルトに切り換わる(枠開放検出回路260の出力端子から出力されている出力信号SG4を停止する、t6時)これにより、枠開放検出回路260は、再び、内枠12または前面枠14の開放が検出可能な状態に設定される(t6時)。
次に、図8(b)に示すように、t7時に、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通すると、図8(d)に示すように、コンデンサCD1の放電が開始され(t7時)、コンデンサCD1の電圧(電界効果トランジスタFET2のゲート端子Gの電圧)は、4.3ボルトからゼロボルトへ降下を開始する(t7時)。すると、電界効果トランジスタFET2のドレイン端子Dとソース端子Sとの導通を遮断し、図8(e)に示すように、シュミットトリガインバータIC1の入力端子の電圧は、ゼロボルトから上昇を開始する(t7時)。そして、図8(e)に示すように、t7時に、シュミットトリガインバータIC1の入力端子の電圧が2.5ボルト以上になると、これに伴い、図8(f)に示すように、t7時に、シュミットトリガインバータIC1の出力端子の電圧はゼロボルトになる(出力信号SG4が出力される)。出力信号SG4が出力されると、MPU201は、この出力信号SG4を、タイマ割込処理のS505の処理(図15参照)で検出し、S506の処理でオン中枠開放フラグ203bをオンする。t5時からt7時までの動作で分かるように、パチンコ機10は、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放される度に、その開放を検出することができる。
その後、図8(b)に示すように、t8時に、開放された内枠12または前面枠14が閉鎖されると、導通したスイッチSW1またはスイッチSW2が遮断する。このとき、図8(c)に示すように、枠開放検出回路260の入力端子には入力信号SG3が入力されているので(枠開放検出回路260の入力端子の電圧は5ボルトになっているので)、図8(d)に示すように、t8時に、コンデンサCD1へ充電が開始される。すると、電界効果トランジスタFET2のゲート端子Gの電圧が上昇を開始し(t8時)、電界効果トランジスタFET2のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通し、図8(e)に示すように、シュミットトリガインバータIC1の入力端子の電圧が降下を開始する(t8時)。そして、シュミットトリガインバータIC1の入力端子の電圧が2.5ボルト未満となると、シュミットトリガインバータIC1の出力端子の電圧がゼロボルトから5ボルトに切り換わる(枠開放検出回路260の出力端子から出力されている出力信号SG4を停止する、t8時)これにより、枠開放検出回路260は、再び、内枠12または前面枠14の開放が検出可能な状態に設定される(t8時)。
このように、枠開放検出回路260は、パチンコ機10の電源がオンされて、直流電源DC1および直流電源DC2から5ボルトの電圧が供給されると共に、入力端子に入力信号SG3が入力されていれば(枠開放検出回路260の入力端子の電圧が5ボルトであれば)、内枠12または前面枠14が開放される度に、コンデンサCD1の放電を行う。よって、パチンコ機10の電源がオンされて、枠開放検出回路260の入力端子に入力信号SG3が入力されていれば、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14の開放を、その開放の度に検出することができる。
最後に、枠開放検出回路260の入力端子の電圧がゼロボルトとなり(入力信号SG3の入力が停止状態となり)、再び枠開放検出回路260の入力端子の電圧が5ボルトとなる(入力信号SG3が入力状態となる)t9時〜t11時以降の枠開放検出回路260の動作について説明する。
図8(a)に示すように、t9時に、パチンコ機10の電源がオフされ、直流電源DC1および直流電源DC2から供給される5ボルトの電圧が停止すると(ゼロボルトになると)、図8(c)に示すように、t9時に、入力信号SG3の入力も停止状態となる(枠開放検出回路260の入力端子の電圧もゼロボルトとなる)。また、直流電源DC1および直流電源DC2から供給される5ボルトの電圧停止に伴い、図8(f)に示すように、t9時に、枠開放検出回路260の出力端子の電圧もゼロボルトになる(シュミットトリガインバータIC1の出力端子の電圧もゼロボルトになる)。なお、図8(e)に示すように、シュミットトリガインバータIC1の入力端子の電圧は、t8時に既にゼロボルトとなっているので、パチンコ機10の電源がオフされるt9時以降も、特に変化は無くゼロボルトが維持される。
一方で、図8(a)に示すように、t9時に、パチンコ機10の電源がオフされ、直流電源DC1および直流電源DC2から供給される5ボルトの電圧が停止しても(ゼロボルトになっても)、図8(d)に示すように、コンデンサCD1は充電状態を維持するので、コンデンサCD1の電圧は4.3ボルトを維持する(t9時)。
そして、図8(a)に示すように、t10時に、パチンコ機10の電源が再びオンされ、直流電源DC1および直流電源DC2の出力電圧が5ボルトとなると、シュミットトリガインバータIC1の電源端子に直流電源DC2から5ボルトの電圧が供給され、シュミットトリガインバータIC1は動作を開始する(t10時)。このとき、t9時からt10時の間に、内枠12または前面枠14の開放は行われていないので、図8(d)に示すように、コンデンサCD1の電圧は4.3ボルトを維持している(t10時)。よって、電界効果トランジスタFET2のゲート端子Gの電圧は4.3ボルトとなり、電界効果トランジスタFET2のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通状態となる(t10時)。従って、図8(e)に示すように、シュミットトリガインバータIC1の入力端子の電圧はゼロボルトとなり(t10時)、図8(f)に示すように、シュミットトリガインバータIC1の出力端子の電圧は5ボルトとなる(出力信号SG4は出力停止状態となる、t10時)。
その後、図8(c)に示すように、t11時に、枠開放検出回路260の入力端子の電圧が5ボルトとなり(入力信号SG3が入力状態となり)、電界効果トランジスタFET1のゲート端子Gに5ボルトの電圧が印加され、電界効果トランジスタFET1のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通すると、直流電源DC1から供給される電圧により、コンデンサCD1に再び4.3ボルトの電圧が印加される。
ここで、図8(a)に示すように、t10時に、パチンコ機10の電源がオンされて、直流電源DC1および直流電源DC2の出力電圧が5ボルトとなっても、t10時に、枠開放検出回路260の入力端子へ入力信号SG3が入力されるのではなく(枠開放検出回路260の入力端子の電圧が5ボルトになるのではなく)、図8(c)に示すように、t11時に、枠開放検出回路260の入力端子へ入力信号SG3が入力され、コンデンサCD1への充電が開始されるのは、t10時からt11時の間に、立ち上げ処理(図11参照)がMPU201により実行され、この立ち上げ処理内のS111の処理で、枠開放検出回路260の出力端子から出力信号SG4が出力されていないことを検出するためである。
上述したように、枠開放検出回路260は、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放されて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通し、充電状態にあるコンデンサCD1が放電状態となると、パチンコ機10の電源がオンされたときに、枠開放検出回路260の出力端子の電圧をゼロボルトにする(出力信号SG4を出力する)。一方、枠開放検出回路260は、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放されず(閉鎖されており)、コンデンサCD1が充電状態のままであれば、パチンコ機10の電源がオンされたときに、枠開放検出回路260の出力端子の電圧を5ボルトにする(出力信号SG4を出力しない)。これにより、MPU201は、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14の開放が行われたことを検出することができる。
また、枠開放検出回路260は、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放されて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通し、充電状態にあるコンデンサCD1が放電状態となると、即座に枠開放検出回路260の出力端子の電圧をゼロボルトにする(出力信号SG4を出力する)。一方、枠開放検出回路260は、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放されず(閉鎖されており)、コンデンサCD1が充電状態のままであれば、枠開放検出回路260の出力端子の電圧を5ボルトにする(出力信号SG4を出力しない)。これにより、MPU201は、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14の開放が行われたことを検出することができる。
なお、本実施形態では、内枠12または前面枠14のいずれかの開放があった場合にコンデンサCD1の放電を行い、内枠12または前面枠14の開放が行われたことを検出したが、これに限られるものではない。内枠12と前面枠14とのどちらが開放したかを別々に枠開放検出回路260で検出したい場合には、次の構成にすれば良い。まず、本実施形態で使用した枠開放検出回路260を1つ新たに設け、スイッチSW1に並列接続されたスイッチSW2を切断し、その切断したスイッチSW2を新たに設けた枠開放検出回路260に接続する。具体的には、切断したスイッチSW2の一端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD1のプラス端子、電界効果トランジスタFET2のゲート端子Gおよび抵抗R1の一端に接続すると共に、切断したスイッチSW2の他端を、新たに設けた枠開放検出回路260のグランドに接続する。そして、新たに設けた枠開放検出回路260の入力端子を既存の枠開放検出回路260の入力端子とは異なるアドレスの入出力ポート205に接続すると共に、新たに設けた枠開放検出回路260の出力端子を既存の枠開放検出回路260の出力端子とは異なるアドレスの入出力ポート205に接続すれば良い。このように新たに枠開放検出回路260を設け、その新たに設けた枠開放検出回路260に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路260には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合には、既存の枠開放検出回路260に設けたコンデンサCD1を放電する一方、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合には、新たに設けた枠開放検出回路260に設けたコンデンサCD1を放電する。これにより、内枠12と前面枠14とのどちらが開放したかを別々に検出することができる。
次に、図9を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図9は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図9(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図9(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施の形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。ここで、高確率状態とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動(確変)の時をいう。また、通常状態(低確率状態)とは、確変でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。
図9(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmには、左・中・右の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列には、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第3図柄が設定され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。この主表示領域Dmには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの予告領域Ds1〜Ds3に等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1,Ds3は、ソレノイド(図示せず)で電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2は、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
図9(b)に示すように、実際の表示画面では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1,Ds3が覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1,Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施の形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81の表示画面は、原則として上下の表示領域Dm,Dsに区分されているが、各表示領域Dm,Dsを跨いでより大きく第3図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、図10を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示装置82の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示装置82の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、メイン処理(図12参照)の実行間隔である4m秒間隔、またはタイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2m秒間隔で更新され、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への球の入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込処理(図15参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図12参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの際の第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、本実施の形態では、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。なお、大当たり後に高確率状態となる乱数の値は「1,2,3」であり、大当たり後に低確率状態となる乱数の値は「0,4」であり、2種類の当たり種別が決定される。よって、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、高確率状態と低確率状態との2種類の大当たりに対応した表示態様と、はずれに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つが選択される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。
また、停止パターン選択カウンタC3には、停止パターンの選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか(即ち保留個数)等に応じて、停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が0〜5と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態で保留球格納エリアに各乱数値が格納されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。また、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定される。変動種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に基づいて、表示制御装置114により第3表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1,CS2の値は、後述するメイン処理(図12参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」ともいう。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3により選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算したり、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算したり、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。なお、変動種別カウンタCS3は、停止パターン選択カウンタC3と同様に、演出パターンが選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられ、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるよう構成されている。
上述したように、変動種別カウンタCS1,CS2により図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3により決定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施の形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図15参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図12参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図11から図17のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2m秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図15は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2m秒毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
その後、枠開放検出回路260から入出力ポート205へ出力されている出力信号SG4を読み込み(S504)、枠開放検出回路260から出力信号SG4が出力されているか否かを判定する(S505)。なお、前述の通り、出力信号SG4は負論理で判定されるので、枠開放検出回路260から出力信号SG4が出力されているか否かは、出力信号SG4がゼロボルトか否かで判定される。枠開放検出回路260から出力信号SG4が出力されていると判定されると(S505:Yes)、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放されているということであるので、オン中枠開放フラグ203bをオンにする(S506)。一方、枠開放検出回路260から出力信号SG4が出力されていないと判定されると(S505:No)、パチンコ機10の電源オン中であるが内枠12および前面枠14は閉鎖されているということであるので、オン中枠開放フラグ203bをオフにする(S507)。
ここで、S505の判定に伴い、オフ中枠開放フラグ203aではなく、オン中枠開放フラグ203bをオンオフするのは、次の理由による。タイマ割込処理が実行開始されるタイミングは、パチンコ機10の電源がオンされて、立ち上げ処理の最後の処理であるS115の処理で割込み許可が設定された後となる(図11参照)。S115の処理が実行された後は、メイン処理に移行する。よって、タイマ割込処理が実行されているということは、MPU201の処理が既にメイン処理に移行していることを示している。従って、S504の処理で読み込んだ出力信号SG4は、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放されて、その開放に基づき、枠開放出力回路260から出力された信号となる。この理由から、S505の判定に伴い、オフ中枠開放フラグ203aではなく、オン中枠開放フラグ203bをオンオフするのである。
S506またはS507の処理後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理(図16参照)を実行し(S508)、発射制御処理を実行して(S509)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
ここで、図16のフローチャートを参照して、S508の処理で実行される始動入賞処理を説明する。図16は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行される始動入賞処理(S508)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、第1図柄表示装置37の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。第1入球口64への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S602:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S603)、更に、前記ステップS503で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S604)。一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S602:No)、S603及びS604の各処理をスキップし、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。
図17は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出発射制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図11を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図11は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。なお、この立ち上げ処理が実行開始されるのと同時に、枠開放検出回路260に設けられた直流電源DC1および直流電源DC2から5ボルトの電圧が供給開始される。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行すると共に、枠開放検出回路260へ入力する入力信号SG3を停止する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、枠開放検出回路260へ入力する入力信号SG3をゼロボルトに設定する。そして、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施の形態では1秒)を実行する(S102)。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。このウェイト処理により、主制御装置110のメイン処理への移行は、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のメイン処理への移行よりも後になる。よって、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、主制御装置110から送信されたコマンドを確実に受信することができる(払出制御装置111、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114が主制御装置110からのコマンドを受信ミスすることを防止することができる)。
その後は、RAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS116へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS116へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS116へ移行する。なお、図12のS220の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S116の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S116)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S117、S118)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S117、S118)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S117、S118)を実行する。RAMの初期化処理(S117、S118)では、RAM203の使用領域を0クリアと共に、オフ中枠開放フラグ203aをオフにする(S117)、その後、RAM203の初期値を設定する(S118)。RAM203の初期化処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアし(S108)、払出制御装置111へ払出復帰コマンドを送信して(S109)、S110の処理に移行する。
S110の処理では、枠開放検出回路260から入出力ポート205へ出力されている出力信号SG4を読み込む(S110)。そして、枠開放検出回路260から出力信号SG4が出力されているか否かが判定される(S111)。なお、前述の通り、出力信号SG4は負論理であるので、枠開放検出回路260から出力信号SG4が出力されているか否かは、出力信号SG4がゼロボルトか否かで判定される。枠開放検出回路260から出力信号SG4が出力されていると判定されると(S111:Yes)、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放されたということであるので、オフ中枠開放フラグ203aをオンにする(S112)。一方、枠開放検出回路260から出力信号SG4が出力されていないと判定されると(S111:No)、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12および前面枠14の開放は行われなかった(内枠12および前面枠14は閉鎖されていた)ということであるので、S112の処理をスキップする。
ここで、S111の判定に伴い、オン中枠開放フラグ203bではなく、オフ中枠開放フラグ203aをオンするのは、次の理由による。パチンコ機10の電源がオンされると、この立ち上げ処理が実行され、S101の処理で、枠開放検出回路260への入力信号SG3を停止する(ゼロボルトにする)。これにより、パチンコ機10の電源がオンされることに伴い、枠開放検出回路260に設けられた直流電源DC1および直流電源DC2から5ボルトの電圧が供給開始され、枠開放検出回路260が動作開始したとしても、枠開放検出回路260に設けられたコンデンサCD1の充電は開始されない。つまり、コンデンサCD1の状態は、パチンコ機10の電源がオフされている間の状態を保持している。そして、この状態のまま(コンデンサCD1の状態が保持されたまま)、枠開放検出回路260から出力されている出力信号SG4を読み込む(S110)。よって、S110の処理で読み込んだ出力信号SG4は、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放されて、その開放に基づいて、枠開放出力回路260から出力された信号となる。従って、S111の判定に伴い、オン中枠開放フラグ203bではなく、オフ中枠開放フラグ203aをオンするのである。
S111で「No」と判定されると、またはS112が実行されると、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S113)、S114の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
その後、枠開放検出回路260へ入力信号SG3を出力する(S114)。具体的には、枠開放検出回路260への入力信号SG3を5ボルトに設定し、枠開放検出回路260に設けられたコンデンサCD1の充電を開始する。その後は、パチンコ機10の電源がオフとなるまで、コンデンサCD1への充電が継続して行われる。S114の処理後、S115の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
上述した通り、パチンコ機10の電源がオンされると、枠開放検出回路260から入出力ポート205へ出力されている出力信号SG4を読み込む(S110)。そして、枠開放検出回路260から出力信号SG4が出力されていれば(S111:Yes)、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放されたということであるので、オフ中枠開放フラグ203aをオンにする(S112)。
なお、S111およびS112の処理は、S109の処理が完了した直後またはS118の処理が完了した直後に実行される。つまり、S111およびS112の処理は、MPU201の各種設定が完了すると直ちに実行される。よって、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放された場合には、その開放をS111およびS112の処理により直ちに検出することができる。
また、パチンコ機の電源がオフされている間に不正行為者により、内枠12または前面枠14が一旦開放され、コンデンサCD1が放電された場合には、不正行為者は、次の動作をしなければ、パチンコ機の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14の開放が行われたことを示す痕跡を消すことができない。まず、パチンコ機10の電源をオンして立ち上げ処理を終了させてコンデンサCD1の充電を行い、その後、パチンコ機10の電源をオフする。次に、再びパチンコ機10の電源をオンすると共に、RAM消去スイッチ122を操作する。この手順を踏まなければ、一旦オンされたオフ中枠開放フラグ203aをオフすることができない。よって、パチンコ機の電源がオフされている間に不正行為者により内枠12または前面枠14が開放された場合には、不正行為者によってその痕跡を消去することは不可能である。
次に、図12を参照して、上記した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図12は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS201〜S214の各処理が実行され、その残余時間でS215〜S217の各処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する(S201)。具体的には、S501のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。さらに、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む(S203)。その後、オフ中枠開放フラグ203aがオンか否かが判定される(S204)。オフ中枠開放フラグ203aがオンであれば(S204:Yes)、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放されているので、音声ランプ制御装置113へオフ中枠開放コマンドを送信する(S205)。なお、音声ランプ制御装置113は、オフ中枠開放コマンドを受信すると、音声出力装置226およびランプ表示装置227を制御して、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14の開放があったことの報知を開始する。
S205の処理が終了すると、ホールコンピュータ262へパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力する(S206)。なお、この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。このホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することで、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放されたパチンコ機10を特定することができる。なお、S206の処理では、まず、パルス信号を出力開始すると共に計時を行うカウンタをスタートさせ、そのカウンタが1m秒となった場合にパルス信号の出力を停止するように構成すれば良い。
一方、オフ中枠開放フラグ203aがオフであれば(S204:No)、オン中枠開放フラグ203bがオンか否か判定される(S207)。オン中枠開放フラグ203bがオンであれば(S207:Yes)、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放されているので、音声ランプ制御装置113へオン中枠開放コマンドを送信する(S208)。なお、音声ランプ制御装置113は、オン中枠開放コマンドを受信すると、音声出力装置226およびランプ表示装置227を制御して、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放されている旨の報知を開始する。
S208の処理が終了すると、ホールコンピュータ262へパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力する(S209)。なお、この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。
オン中枠開放フラグ203bがオフであれば(S207:No)、音声ランプ制御装置113へオン中枠閉鎖コマンドを送信する(S210)。なお、音声ランプ制御装置113は、オン中枠閉鎖コマンドを受信すると、音声出力装置226およびランプ表示装置227で行われていた報知を終了する。
S206、S209またはS210の処理終了後、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S211)。なお、変動処理の詳細は図13を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S212)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S213)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S214)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S214:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施の形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S215)、既に所定時間が経過していれば(S215:Yes)、処理をS201へ移行し、上述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S215:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を繰り返し実行する(S216,S217)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S216)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S217)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
ここで、S201〜S213の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S214の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S214:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図17のNMI割込処理が実行されたということなので、S218以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S218)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S219)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S220)、RAM203のアクセスを禁止して(S221)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S214の処理は、S201〜S213で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS215からS217の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
上述した通り、オフ中枠開放フラグ203aがオンされていれば(S204:Yes)、パチンコ機10は、音声ランプ制御装置113へオフ中枠開放コマンドを送信する(S205)。音声ランプ制御装置113は、オフ中枠開放コマンドを受信すると、音声出力装置226およびランプ表示装置227を制御して、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14の開放があったことの報知を開始する。また、オフ中枠開放フラグ203aがオンされていれば(S204:Yes)、ホールコンピュータ262へパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力する(S206)。この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。このホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することで、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放されたパチンコ機10を特定することができる。
また、オン中枠開放フラグ203bがオンされていれば(S207:Yes)、パチンコ機10は、音声ランプ制御装置113へオン中枠開放コマンドを送信する(S208)。音声ランプ制御装置113は、オン中枠開放コマンドを受信すると、音声出力装置226およびランプ表示装置227を制御して、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放されている旨の報知を開始する。また、オン中枠開放フラグ203bがオンされていれば(S207:Yes)、ホールコンピュータ262へパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力する(S209)。この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。
次に、図13を参照して、変動処理(S211)について説明する。図13は、メイン処理(図12参照)の中で実行される変動処理(S211)を示すフローチャートである。この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S303)。作動保留球数Nが0であれば(S303:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S303:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S304)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S305)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S306)。なお、変動開始処理については、図14を参照して後述する。
S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S308)。
本実施の形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は4m秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4秒毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様が設定される(S309)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に高確率状態となる図柄か低確率状態となる図柄かが決定される。本実施の形態では、大当たり後に高確率状態になる場合には赤色のLEDを点灯させ、低確率状態になる場合には緑色のLEDを点灯させ、外れである場合には青色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S309の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドが設定される(S310)。音声ランプ制御装置113は、この停止コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して停止指示をする。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。
次に、図14を参照して、変動開始処理について説明する。図14は、変動処理(図13参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示したフローチャートである。変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。上述した通り通常の低確率時には第1当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時には「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり時の表示態様が設定される(S402)。S402の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、大当たり後に高確率状態へ移行するか低確率状態へ移行するかが設定される。大当たり後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で停止表示される大当たりの停止図柄が音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114で設定される。即ち、S402の処理により大当たり後の移行状態を設定することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が設定される。なお、第1当たり種別カウンタC2の数値0〜4のうち、「0,4」の場合は、以後、低確率状態に移行し、「1,2,3」の場合は高確率状態に移行する。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S403)。S403の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
なお、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。
S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、外れ時の表示態様が設定される(S404)。S404の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施の形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるか、及び作動保留個数Nに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンが決定され(S405)、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S403の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
S403の処理またはS405の処理が終わると、第1及び第2種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に加減算される演出時間が決定される(S406)。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81の変動時間が設定される。本実施の形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3の値に応じて、変動表示の時間を変更しない場合と変動表示時間を1秒加算する場合、変動表示時間を2秒加算する場合、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81で大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動図柄の変動時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラを表示させる演出、1の変動図柄の変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S403又はS405の処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定し(S407)、S402又はS404の処理で設定された停止図柄に応じて停止図柄コマンドを設定する(S408)。そして、S406の処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定して(S409)、変動処理へ戻る。
次に、図18から図20を参照して、音声ランプ制御装置113で行われる処理について説明する。図18は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を示したフローチャートであり、この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。また、枠開放報知処理内のS1202の処理やS1204の処理が実行されている場合には(図20参照)、その処理を終了する(S1202で行われる報知やS1204で行われる報知を終了する)。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1115の電源断処理(図19参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002)。図19を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図19のS1112参照)、S1115の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1115の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1003:Yes)、S1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1003:No)、S1008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1003:Yes)、S1004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1003:No)、S1008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1115の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005:No)、RAM223の異常を報知して(S1007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良い。
S1008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1008)。電源断フラグはS1115の電源断処理の実行時にオンされるので(図19のS1114参照)、図19を参照して後述する通り、電源断フラグは、S1114の処理によってオンされる。つまり、電源断フラグは、S1115の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了しない状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1009)、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1009をスキップして、処理をS1010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。
なお、S1009のクリア処理をスキップするのは、S1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至った場合には、S1004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図19を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図19は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1101)、1m秒以上経過していなければ(S1101:No)、S1102〜S1109の処理を行わずにS1110の処理へ移行する。S1101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1102〜S1109が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1110の各カウンタの更新処理やS1111のコマンドの受信処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。これにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止できる。
S1101の処理で1m秒以上経過していれば(S1101:Yes)、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1107の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1102)、その後、電源投入報知処理を実行する(S1103)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1104の処理へ移行する。
S1104の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1105)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、作動保留球Nに応じて保留ランプ85を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1106)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1106の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理が実行され(S1107)、その後音編集・出力処理が実行される(S1108)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
その後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1109)、S1110の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドや演出時間加算コマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1107のランプ編集処理やS1108の音編集・出力処理の演出時間が設定される。
S1110の処理では、第3図柄表示装置81の変動表示処理が実行される。この変動表示処理では、音声ランプ制御装置113に搭載された複数のカウンタ(大当たり時の停止図柄を設定するカウンタ、外れ時の停止図柄を選択するカウンタなど)が更新され、そのカウンタの値と主制御装置110から送信される変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づき第3図柄表示装置81で停止表示される図柄を設定したり、変動表示のパターン(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)などが設定される。その停止図柄や変動パターンは、コマンドとして表示制御装置114に送信される。
S1110の処理では、例えば、主制御装置110から送信される変動パターンのコマンドが「完全外れ」である場合、完全外れに対応した複数のパターンのうち完全外れAパターンが選択され、第3図柄表示装置81で完全外れAパターンの演出が行われるよう表示制御装置110に対してコマンドが送信される。よって、主制御装置110により決定された1の変動パターンに対して、第3図柄表示装置81で表示される詳細な変動パターンが音声ランプ制御装置113で決定されるので、主制御装置110の制御負担を軽減することができる。さらに、主制御装置110において決定される各演出のパターンを少なくできるので、ROM202の記憶容量を少なくすることができ、コスト低減を図ることができる。
そして、主制御装置110からのコマンドを受信する(S1111)。主制御装置110からのコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をワークRAM233に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信する。
S1111の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1112)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1112の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1112:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1114)、電源断処理を実行する(S1115)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1116)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1112の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1112:No)、内枠12または前面枠14のいずれか一方の開放、または内枠12および前面枠14の両方の開放があった場合に、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知を行う扉開放報知処理(S1113)を実行する。
ここで、図20を参照して、扉開放報知処理(S1113)について説明する。図20は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される扉開放報知処理を示したフローチャートである。この扉開放報知処理は、オフ中枠開放コマンド、オン中枠開放コマンドまたはオン中枠閉鎖コマンドのいずれかのコマンドを音声ランプ制御装置113が受信したか否かを判定し、その判定に応じて報知を実行開始または実行終了する処理である。
扉開放報知処理では、まず、S1111の処理(図19参照)で、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放したことを示すオフ中枠開放コマンドを受信したか否かが判定される(S1201)。オフ中枠開放コマンドを受信した場合には(S1201:Yes)、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放したことを、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知開始する(S1202)。具体的には、この報知では、例えば、ランプ表示装置227を用いて、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放したことを示すために、例えば、1秒間に1回の点滅を実行開始したり、音声出力装置226を用いて、「点検して下さい」と電子音で報知開始したりする。これにより、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放されたことを不特定多数の者に報知することができる。
S1202の処理後、この枠開放報知処理を終了する。なお、このS1202の処理による報知が既に実行されているときに、S1111の処理で再度、オフ中枠開放コマンドを受信した場合には(S1201:Yes)、S1202の処理を改めて行うのではなく、既に実行されているS1202の処理を継続して実行する。
一方、S1111の処理(図19参照)で、オフ中枠開放コマンドを受信していない場合には(S1201:No)、S1111の処理(図19参照)で、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放したことを示すオン中枠開放コマンドを受信したか否かが判定される(S1203)。オン中枠開放コマンドを受信した場合には(S1203:Yes)、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放したことを、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知開始する(S1204)。具体的には、この報知では、例えば、ランプ表示装置227を用いて、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放したことを示すために、例えば、2秒間に1回の点滅を実行開始させたり、音声出力装置226を用いて、「扉が開いています」と電子音で報知開始したりする。これにより、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放されたことを不特定多数の者に報知することができる。
更に、S1111の処理(図19参照)で、オン中枠開放コマンドを受信していない場合には(S1203:No)、S1111の処理(図19参照)で、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12および前面枠14が閉鎖していることを示すオン中枠閉鎖コマンドを受信したか否かが判定される(S1205)。オン中枠閉鎖コマンドを受信した場合には(S1205:Yes)、S1204の処理で開始した報知を終了する(S1206)。その後、この枠開放報知処理を終了する。なお、S1111の処理(図19参照)で、オン中枠閉鎖コマンドを受信していない場合には(S1203:No)、この枠開放報知処理を終了する。
上述の通り、音声ランプ制御装置113は、S1111(図19参照)の処理でオフ中枠開放コマンドを受信した場合には、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放したことを、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知開始する(S1202)。なお、この報知は、RAM消去スイッチ122を操作すると共に、パチンコ機10の電源をオンして、主制御装置110の立ち上げ処理のS117の処理で、オフ中枠開放フラグ203aがオフされるまで継続して行われる。
このように、一旦オンされたオフ中枠開放フラグ203aをオフするには、RAM消去スイッチ122を操作すると共に、パチンコ機10の電源をオンして、S117の処理で使用RAM領域をクリアしない限り、オフ中枠開放フラグ203aをオフすることができない。よって、パチンコ機10の電源がオンされた場合には、パチンコ機10は、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14の開放が行われたことを確実に不特定多数の者に報知することができる。
また、上述の通り、音声ランプ制御装置113は、S1111(図19参照)の処理でオン中枠開放コマンドを受信した場合には、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放したことを、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知開始する(S1204)。なお、この報知は、内枠12および前面枠14が閉鎖され、枠閉鎖コマンドを受信するまで継続して行われるので、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放中であることを不特定多数の者に報知することができる。
図19の説明に戻る。扉開放報知処理(S1113)の実行後、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1117)、RAM223が破壊されていなければ(S1117:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1117:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
以上、説明したように、枠開放検出回路260は、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放されて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通し、充電状態にあるコンデンサCD1が放電状態となると、パチンコ機10の電源がオンされたときに、出力端子から出力信号SG4を出力する(枠開放検出回路260の出力端子の電圧をゼロボルトにする)。一方、枠開放検出回路260は、パチンコ機10の電源がオフされている場合に内枠12または前面枠14が開放されず(閉鎖されており)、コンデンサCD1が充電状態のままであれば、パチンコ機10の電源がオンされたときに、出力端子から出力信号SG4を出力しない(枠開放検出回路260の出力端子の電圧を5ボルトにする)。これにより、MPU201は、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14の開放が行われたことを検出することができる。
また、MPU201は、パチンコ機10の電源がオンされたときに、枠開放検出回路260の出力端子から出力信号SG4が出力されているか否かで、コンデンサCD1が放電状態にあるか否かを、立ち上げ処理内で判定する。そして、パチンコ機10の電源がオンされたときに、枠開放検出回路260の出力端子から出力信号SG4が出力されていれば、MPU201は、立ち上げ処理で、オフ中枠開放フラグ203aをオンする。すると、MPU201は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知を行う。これにより、パチンコ機10は、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14の開放があったことを不特定多数の者に報知することができる。また、オフ中枠開放検出フラグ203aがオンとなっていることがMPU201によって検出されると、MPU201は、ホールコンピュータ262へパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。
ここで、遊技場が民間の警備会社と防犯契約を交わしている場合があり、この場合には、遊技場への侵入者があると、直ちに警備会社の警備員が遊技場へ駆けつける。しかし、不正行為は短時間で行われるので、警備員が駆けつけたときには、大抵の場合、既に侵入者は遊技場から逃げ出してしまっている。よって、民間の警備会社と防犯契約を交わしていたとしても、まず、侵入者によりパチンコ機10に不正が行われたのか否かが分からないという問題点があった。更には、侵入者により不正が行われたことが分かったとしても、一体、どのパチンコ機10に不正行為が行われたのかまでは判別できないという問題点があった。不正行為がなされたパチンコ機10は、正常な状態に戻さなければならないが、どのパチンコ機10に不正行為がなされたか分からない場合には、すべてのパチンコ機10の内枠12および前面枠14を開放して、1台ずつ検査しなければならず、多数のパチンコ機10が設置されている遊技場でこの作業を行うことは相当な重労働であった。
しかし、本実施形態のパチンコ機10によれば、オフ中枠開放フラグ203aがオンであれば、MPU201は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知を行う。これにより、パチンコ機10の電源がオフである間に内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機10を特定することができる。更に、パチンコ機10は、ホールコンピュータ262へパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号によっても、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機10を特定することができる。
ただし、前述の通り、パチンコ機10の電源がオフである場合に内枠12または前面枠14が開放されていれば、コンデンサCD1が放電されるので、パチンコ機10の電源がオンされるとオフ中枠開放フラグ203aがオンされる。これにより、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機10を、ホールコンピュータ262を用いることなく特定することが可能である。よって、本実施形態のパチンコ機10によれば、ホールコンピュータ262を24時間動作し続けていない遊技場でも、パチンコ機10の電源がオフである間に内枠12または前面枠14が開放されると、そのパチンコ機10を特定することができる。
また、枠開放検出回路260は、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放されて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通し、充電状態にあるコンデンサCD1が放電状態となると、出力端子から出力信号SG4を出力する(枠開放検出回路260の出力端子の電圧をゼロボルトにする)。一方、枠開放検出回路260は、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放されず(閉鎖されており)、コンデンサCD1が充電状態のままであれば、出力端子から出力信号SG4を出力しない(枠開放検出回路260の出力端子の電圧を5ボルトにする)。これにより、MPU201は、パチンコ機10の電源がオンされている場合には当然に、内枠12または前面枠14の開放が行われたことを検出することができる。
また、MPU201は、立ち上げ処理が終了すると、枠開放検出回路260の出力端子から出力信号SG4が出力されているか否かで、コンデンサCD1が放電状態にあるか否かを、タイマ割込処理で判定する。そして、枠開放検出回路260の出力端子から出力信号SG4が出力されていれば、MPU201は、タイマ割込処理で、オン中枠開放フラグ203bをオンする。すると、MPU201は、オン中枠開放検出フラグ203bがオフとなるまで(開放された内枠12または前面枠14が閉鎖されるまで)、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知を行う。これにより、パチンコ機10は、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14の開放があったことを不特定多数の者に報知することができる(パチンコ機10の電源オン中に内枠12または前面枠14の開放があったパチンコ機10を特定することができる)。また、オン中枠開放検出フラグ203bがオンとなっていることがMPU201によって検出されると、MPU201は、ホールコンピュータ262へパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。このパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。このホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することによっても、パチンコ機10の電源オン中に内枠12または前面枠14の開放があったパチンコ機10を特定することができる。
なお、本実施形態では、内枠12または前面枠14のいずれかの開放があった場合にコンデンサCD1の放電を行い、内枠12または前面枠14の開放が行われたことを検出したが、これに限られるものではない。内枠12と前面枠14とのどちらが開放したかを別々に枠開放検出回路260で検出して、内枠12と前面枠14とのどちらかが開放したかを別々に報知を行うと共に、内枠12と前面枠14とのどちらが開放したかを別々にホールコンピュータ262に記憶させたい場合には、次の構成にすれば良い。
まず、本実施形態で使用した枠開放検出回路260を1つ新たに設け、スイッチSW1に並列接続されたスイッチSW2を切断し、その切断したスイッチSW2を新たに設けた枠開放検出回路260に接続する。具体的には、切断したスイッチSW2の一端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD1のプラス端子、電界効果トランジスタFET2のゲート端子Gおよび抵抗R1の一端に接続すると共に、切断したスイッチSW2の他端を、新たに設けた枠開放検出回路260のグランドに接続する。そして、新たに設けた枠開放検出回路260の入力端子を既存の枠開放検出回路260の入力端子とは異なるアドレスの入出力ポート205に接続すると共に、新たに設けた枠開放検出回路260の出力端子を既存の枠開放検出回路260の出力端子とは異なるアドレスの入出力ポート205に接続すれば良い。このように新たに枠開放検出回路260を設け、その新たに設けた枠開放検出回路260に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路260には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合には、既存の枠開放検出回路260に設けたコンデンサCD1を放電する一方、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合には、新たに設けた枠開放検出回路260に設けたコンデンサCD1を放電することで、内枠12と前面枠14とのどちらが開放したかを別々に検出することができる。
次に、オフ中枠開放フラグ203aを、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12が開放されたことを示すオフ中内枠開放フラグと、パチンコ機10の電源がオフされている間に前面枠14が開放されたことを示すオフ中前面枠開放フラグとに分ける。そして、立ち上げ処理のS110の処理では、既存の枠開放検出回路260から入出力ポート205へ出力されている出力信号SG4を読み込むと共に、新たに設けた枠開放検出回路260から入出力ポート205へ出力されている出力信号SG4を読み込む。
そして、立ち上げ処理のS111の処理では、既存の枠開放検出回路260から出力信号SG4が出力されているか否かを判定して、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12が開放されたか否かを判定すると共に、新たに設けた枠開放検出回路260から出力信号SG4が出力されているか否かを判定して、パチンコ機10の電源がオフされている間に前面枠14が開放されたか否かを判定する。立ち上げ処理のS112の処理では、S111の判定に基づき、オフ中内枠開放フラグまたはオフ中前面枠開放フラグのいずれか一方、又はオフ中内枠開放フラグとオフ中前面枠開放フラグとの両方をオンする。そして、メイン処理のS204の処理では、オフ中内枠開放フラグがオンか否かを判定すると共に、オフ中前面枠開放フラグがオンか否かを判定する。オフ中内枠開放フラグがオンであれば、S205の処理で、音声ランプ制御装置113へオフ中内枠開放コマンドを送信して、S206の処理ではホールコンピュータ262へパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。一方、オフ中前面枠開放フラグがオンであれば、S205の処理で、音声ランプ制御装置113へオフ中前面枠開放コマンドを送信して、S206の処理ではホールコンピュータ262へパルス幅2m秒のパルス信号を出力する。また、音声ランプ制御装置113は、オフ中内枠開放コマンドを受信した場合とオフ中前面枠開放コマンドを受信した場合とで異なる態様の報知を行う。例えば、音声出力装置226から異なる警告音を出したり、ランプ表示装置227の点灯の態様を異ならせる。
このように、音声ランプ制御装置へ送信するコマンドを、オフ中内枠開放フラグがオンである場合と、オフ中前面枠開放フラグがオンである場合とで分けることで、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12が開放されたのか、前面枠14が開放されたのかを別々に不特定多数の者に報知することができる。また、ホールコンピュータ262へ出力するパルス信号のパルス幅を、オフ中内枠開放フラグがオンである場合と、オフ中前面枠開放フラグがオンである場合とで分けることで、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12が開放されたのか、前面枠14が開放されたのかを別々にホールコンピュータ262によって特定することができる。
更に、オン中枠開放フラグ203bを、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12が開放されたことを示すオン中内枠開放フラグと、パチンコ機10の電源がオンされている間に前面枠14が開放されたことを示すオン中前面枠開放フラグとに分ける。そして、タイマ割込処理のS504の処理では、既存の枠開放検出回路260から入出力ポート205へ出力されている出力信号SG4を読み込むと共に、新たに設けた枠開放検出回路260から入出力ポート205へ出力されている出力信号SG4を読み込む。
そして、タイマ割込処理のS505の処理では、既存の枠開放検出回路260から出力信号SG4が出力されているか否かを判定して、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12が開放されたか否かを判定すると共に、新たに設けた枠開放検出回路260から出力信号SG4が出力されているか否かを判定して、パチンコ機10の電源がオンされている間に前面枠14が開放されたか否かを判定する。タイマ割込処理のS506の処理では、S505の判定に基づき、オン中内枠開放フラグまたはオン中前面枠開放フラグのいずれか一方、又はオン中内枠開放フラグとオン中前面枠開放フラグとの両方をオンする。また、タイマ割込処理のS507の処理では、S505の判定に基づき、オン中内枠開放フラグまたはオン中前面枠開放フラグのいずれか一方、又はオン中内枠開放フラグとオン中前面枠開放フラグとの両方をオフする。そして、メイン処理のS207の処理では、オン中内枠開放フラグがオンか否かを判定すると共に、オン中前面枠開放フラグがオンか否かを判定する。オン中内枠開放フラグがオンであれば、S208の処理で音声ランプ制御装置113へオン中内枠開放コマンドを送信して、S209の処理ではホールコンピュータ262へパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。一方、オン中前面枠開放フラグがオンであれば、S208の処理で音声ランプ制御装置113へオン中前面枠開放コマンドを送信して、S209の処理ではホールコンピュータ262へパルス幅2m秒のパルス信号を出力する。また、音声ランプ制御装置113は、オン中内枠開放コマンドを受信した場合とオン中前面枠開放コマンドを受信した場合とで異なる態様の報知を行う。例えば、音声出力装置226から異なる警告音を出したり、ランプ表示装置227の点灯の態様を異ならせる。
このように、音声ランプ制御装置へ送信するコマンドを、オン中内枠開放フラグがオンである場合と、オン中前面枠開放フラグがオンである場合とで分けることで、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12が開放されたのか、前面枠14が開放されたのかを別々に不特定多数の者に報知することができる。また、ホールコンピュータ262へ出力するパルス信号のパルス幅を、オン中内枠開放フラグがオンである場合と、オン中前面枠開放フラグがオンである場合とで分けることで、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12が開放されたのか、前面枠14が開放されたのかを別々にホールコンピュータ262によって特定することができる。
なお、本実施形態においては、入出力ポート205から出力されるパルス信号を、パチンコ機10とは設置場所が異なるホールコンピュータ262へ出力したが、これに限られるものではない。ホールコンピュータ262の機能を有する専用の記憶装置をパチンコ機10毎に設け、その専用の記憶装置を、主制御装置110等が設けられる各パチンコ機10の背面側に配設しても良い。この場合には、より良くは、主制御装置110、払出制御装置111および発射制御装置112のように、専用の記憶装置を基板ボックスに収納し、その基板ボックスに設けられたボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)する。そして、ボックスベースとボックスカバーとの連結部に、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シール(図示せず)を貼付する。
次に、図21から図23を参照して、第2実施形態のパチンコ機を説明する。第2実施形態のパチンコ機は、第1実施形態のパチンコ機10の立ち上げ処理、タイマ割込処理およびメイン処理を変更したものである。具体的には、第2実施形態のパチンコ機は、オフ中枠開放フラグ203aがオンされた場合に計時を開始するオフ中枠開放フラグオンカウンタ203c(図示せず)をRAM203に設け、そのオフ中枠開放フラグオンカウンタ203cによる計時期間が所定期間を経過すると(本実施形態では5分間を経過すると)、オンとなったオフ中枠開放フラグ203aをオフにするものである。
この第2実施形態のパチンコ機によれば、オフ中枠開放フラグ203aがオンされてから5分を経過すると、オフ中枠開放フラグ203aがオフされる。これにより、音声ランプ制御装置113は、実行していた報知(S1202の処理)を終了する。よって、RAM消去スイッチ122を操作すると共に、パチンコ機10の電源をオンしない限り、オフ中枠開放フラグ203aをオフすることができない(音声ランプ制御装置113による報知を終了することができない)第1実施形態のパチンコ機10と比較して、オフ中枠開放フラグ203aがオンされることにより実行される報知を適正期間(5分間)に留めることができる。なお、第2実施形態のパチンコ機は、第1実施形態のパチンコ機10と同様に、RAM消去スイッチ122を操作すると共に、パチンコ機10の電源をオンしても、オフ中枠開放フラグ203aをオフすることができる。
オフ中枠開放フラグオンカウンタ203c(図示せず)は、パチンコ機10の電源が投入されて、立ち上げ処理(図21)が実行され、オフ中枠開放フラグ203aがオンされるS112の処理(図21参照)から所定期間(本実施形態では5分間)が経過したか否かを計時するカウンタである。このオフ中枠開放フラグオンカウンタ203cは、オフ中枠開放フラグ203aがオンされた直後のS119の処理で「0(ゼロ)」に設定され、タイマ割込処理(図22参照)が実行される度に(2m秒毎に)、1ずつカウントアップされる。そして、このカウントアップが、「150000(5分)」を超え、「150001」となるとカウントアップを終了する。よって、オフ中枠開放フラグオンカウンタ203cにより、オフ中枠開放フラグ203aがオンされてから5分間が経過したか否かを計時することができる。なお、このオフ中枠開放フラグオンカウンタ203cを、主制御装置110内ではなく、音声ランプ制御装置113内のMPU221のRAM223に設けても良い。
なお、第2実施形態のパチンコ機のオフ中枠開放フラグ203aがオンとなるのは、第1実施形態のパチンコ機10のオフ中枠開放フラグ203aと同様、パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14が開放され、充電状態のコンデンサCD1が放電された場合である(立ち上げ処理のS112の処理(図21参照))。一方、第2実施形態のパチンコ機のオフ中枠開放フラグ203aがオフとなるのは、第1実施形態のパチンコ機10のオフ中枠開放フラグ203aと同様、RAM消去スイッチ122を操作して、立ち上げ処理のS117の処理で(図21参照)、使用RAM領域がクリアされた場合に加えて、オフ中枠開放フラグ203aがオンされてから5分間が経過した場合となる(メイン処理のS224の処理(図23参照)。
次に、図21を参照して、第2実施形態のパチンコ機のMPU201で実行される立ち上げ処理について説明する。図21は、第2実施形態のパチンコ機のMPU201で実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。なお、図11で上述した第1実施形態のパチンコ機10の立ち上げ処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第2実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、第1実施形態のパチンコ機10の立ち上げ処理にS119の処理を追加している。第2実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、オフ中枠開放フラグ203aがオンされるS112の処理後、オフ中枠開放フラグオンカウンタ203cを「0(ゼロ)」に設定する(S119)。その後、S113の処理に移行する。なお、S111の処理で「No」と判定された場合には(パチンコ機10の電源がオフされている間に内枠12または前面枠14は開放されていない場合には)、S112およびS119の処理をスキップするので、オフ中枠開放フラグオンカウンタ203cを「0」に設定する処理は行われない。
次に、図22を参照して、第2実施形態のパチンコ機のMPU201で実行されるタイマ割込処理について説明する。図22は、第2実施形態のパチンコ機のMPU201で実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。この第2実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理は、第1実施形態のパチンコ機10のタイマ割込処理と同様に、主制御装置110のMPU201により例えば2m秒毎に実行される。なお、図15で上述した第1実施形態のパチンコ機10のタイマ割込処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第2実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理では、第1実施形態のパチンコ機10のタイマ割込処理に、S510およびS511の処理を追加している。第2実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理では、S503の処理後、オフ中枠開放フラグオンカウンタ203cのカウント値は、「150001」より大きいか否かが判定される(S510)。なお、タイマ割込処理は2m秒毎に実行されるので、オフ中枠開放フラグオンカウンタ203cのカウント値が「150000」であれば、150000(カウント値)×2m秒で300秒(5分)となり、S112の処理でオフ中枠開放フラグ203aがオンされてから5分が経過したことを示している。
オフ中枠開放フラグオンカウンタ203cのカウント値が「150000」以下であれば(S510:No)、S112の処理でオフ中枠開放フラグ203aがオンされてから5分が経過していないので、オフ中枠開放フラグオンカウンタ203cのカウント値を「1」カウントアップする(S511)。一方、オフ中枠開放フラグオンカウンタ203cのカウント値が「150000」より大きければ、即ち、オフ中枠開放フラグオンカウンタ203cのカウント値が「150001」であれば(S510:Yes)、S112の処理でオフ中枠開放フラグ203aがオンされてから5分が経過しているので、S510の処理をスキップして、オフ中枠開放フラグオンカウンタ203cのカウントアップを停止する。
そして、S510の処理で「Yes」と判定された場合およびS511の処理が終了した場合には、S504の処理に移行する。
次に、図23を参照して、第2実施形態のパチンコ機のMPU201で実行されるメイン処理について説明する。図23は、第2実施形態のパチンコ機のMPU201で実行されるメイン処理を示すフローチャートである。なお、図12で上述した第1実施形態のパチンコ機10のメイン処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第2実施形態のパチンコ機のメイン処理では、第1実施形態のパチンコ機10のメイン処理に、S223およびS224の処理を追加している。第2実施形態のパチンコ機のメイン処理では、S204の処理で「Yes」と判定された後(オフ中枠開放フラグ203aがオンであると判定された後)、オフ中枠開放フラグオンカウンタ203cのカウント値は「150000」より大きいか否か(S223)、即ち、S112の処理で枠開放フラグ203aがオンされてから5分が経過したか否かが判定される(S223)。オフ中枠開放フラグオンカウンタ203cのカウント値が「150000」以下であると判定されると(S223:No)、S112の処理で枠開放フラグ203aがオンされてから5分が経過していないので、音声ランプ制御装置113へオフ中枠開放コマンドを送信して(S205)、ホールコンピュータ262へパルス幅が1m秒のパルス信号を出力する(S206)。その後、S211の処理に移行する。
一方、オフ中枠開放フラグオンカウンタ203cのカウント値が「150000」より大きいと判定されると(S223:Yes)、S112の処理で枠開放フラグ203aがオンされてから5分が経過しているので、オフ中枠開放フラグ203aをオフにする(S224)。なお、このS224の処理では、オフ中枠開放フラグ203aをオフにすることに加え、音声ランプ制御装置113で実行されていた報知(S1202の処理)を終了させるオフ中枠閉鎖コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。このオフ中枠閉鎖コマンドが音声ランプ制御装置113により受信されると、音声ランプ制御装置113は、実行していた報知(S1202の処理)を終了する。
このように、第2実施形態のパチンコ機によれば、オフ中枠開放フラグ203aがオンされると、オフ中枠開放フラグオンカウンタ203cによる計時を開始し、そのオフ中枠開放フラグオンカウンタ203cによる計時期間が5分間を経過すると、オンとなったオフ中枠開放フラグ203aをオフにする。これにより、音声ランプ制御装置113は、実行していた報知(S1202の処理)を終了する。よって、RAM消去スイッチ122を操作すると共に、パチンコ機10の電源をオンしない限り、オフ中枠開放フラグ203aをオフすることができない(音声ランプ制御装置113による報知を終了することができない)第1実施形態のパチンコ機10と比較して、オフ中枠開放フラグ203aがオンされることにより実行される報知を適正期間(5分間)に留めることができる。なお、前述の通り、第2実施形態のパチンコ機は、第1実施形態のパチンコ機10と同様に、RAM消去スイッチ122を操作すると共に、パチンコ機10の電源をオンしても、オフ中枠開放フラグ203aをオフすることができる。
なお、第2実施形態のパチンコ機のMPU201で実行されるメイン処理においては、S205の処理では、オフ中枠開放フラグオンカウンタ203cのカウント開始に伴って、音声ランプ制御装置113へオフ中枠開放コマンドを1回送信して、その後はオフ中枠開放コマンドの送信を停止する。そして、S224の処理で音声ランプ制御装置113へオフ中枠閉鎖コマンドを1回送信するように構成しても良い。
次に、図24および図25を参照して、第3実施形態のパチンコ機を説明する。第3実施形態のパチンコ機は、第1実施形態のパチンコ機10で使用された枠開放検出回路260の回路構成を変更して枠開放検出回路270とし、その回路変更に伴い、第1実施形態のパチンコ機10の立ち上げ処理を変更したものである。第1実施形態のパチンコ機10では、パチンコ機10の電源がオンされてから立ち上げ処理内のS114の処理が実行されるまで、枠開放検出回路260への入力信号SG3を停止して、その出力開始を待機させた。これに対し、第3実施形態のパチンコ機は、パチンコ機の電源がオンされると入力信号SG3を待機させることなく枠開放検出回路270へ出力して、この出力された入力信号SG3を枠開放検出回路270に設けた遅延回路DLで遅延させるものである。
この第3実施形態のパチンコ機によれば、出力された入力信号SG3を枠開放検出回路270に設けた遅延回路DLで遅延させることができるので、パチンコ機の電源オンに合わせて、枠開放検出回路270への入力信号SG3を出力開始することができる。よって、入力信号SG3の出力開始を待機させる処理が不要となるので、立ち上げ処理のプログラム容量を削減することができる。
まず、図24を参照して、第3実施形態のパチンコ機の枠開放検出回路270について説明する。図24は、第3実施形態のパチンコ機の枠開放検出回路270の電気的構成を示した回路図である。なお、図7で上述した第1実施形態のパチンコ機10の枠開放検出回路260と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第3実施形態のパチンコ機の枠開放検出回路270では、第1実施形態のパチンコ機10の枠開放検出回路260に遅延回路DLを追加している。遅延回路DLは、出力された入力信号SG3を遅延させる回路である。
遅延回路DLは、抵抗値が1.5MΩの抵抗R3と、容量が1μFのコンデンサCD2と、シュミットトリガインバータIC2およびシュミットトリガインバータIC3とを有している。抵抗R3の一端は、枠開放検出回路270の入力端子と接続され、抵抗R3の他端は、コンデンサCD2の一端およびシュミットトリガインバータIC2の入力端子と接続されている。コンデンサCD2の他端はグランドされている。また、シュミットトリガインバータIC2の出力端子は、シュミットトリガインバータIC3の入力端子と接続されており、シュミットトリガインバータIC3の出力端子は、電界効果トランジスタFET1のゲート端子Gと接続されている。なお、シュミットトリガインバータIC2およびシュミットトリガインバータIC3の電源端子は、図示しないが、直流電源DC1に接続されている。そして、シュミットトリガインバータIC2およびシュミットトリガインバータIC3は、第1実施形態のパチンコ機10で使用されたシュミットトリガインバータIC1と同一の素子である。よって、このシュミットトリガインバータIC2およびシュミットトリガインバータIC3は、入力端子に入力される電圧が2.5ボルト以上となると、出力端子から出力される電圧をゼロボルトにする一方、入力端子に入力される電圧が2.5ボルト未満となると、出力端子から5ボルトの電圧を出力する。
抵抗R3とコンデンサCD2との組み合わせにより、入力された入力信号SG3を一定期間遅延させた後、シュミットトリガインバータIC2の入力端子へ入力させる。具体的には、抵抗R3の抵抗値を1.5MΩとし、コンデンサCD2の容量を1μFとして、時定数を1.5秒に設定しているので、入力信号SG3が抵抗R3の一端に入力されてから、約1.1秒後に、シュミットトリガインバータIC2の入力端子に印加される電圧を2.5ボルト以上する。
入力信号SG3が抵抗R3の一端に入力されてから、約1.1秒後に、シュミットトリガインバータIC2の入力端子に印加される電圧が2.5ボルト以上となると、シュミットトリガインバータIC2の出力端子からゼロボルトが出力される。すると、シュミットトリガインバータIC3の入力端子の電圧はゼロボルトとなり、シュミットトリガインバータIC3の出力端子からは5ボルトの電圧が出力される。これにより、抵抗R3の一端に入力された入力信号SG3(枠開放検出回路270の入力端子に入力された入力信号SG3)が電界効果トランジスタFET1のゲート端子に入力されるまでの時間を約1.1秒遅延させることができる。よって、パチンコ機の電源オンに合わせて、枠開放検出回路270に入力信号SG3が入力されても、その入力信号を遅延回路DLで約1.1秒遅延させることができる。従って、入力信号SG3の出力開始を待機させる処理(第1実施形態のパチンコ機10のS114の処理)が不要となるので、立ち上げ処理のプログラム容量を削減することができる。
次に、図25を参照して、第3実施形態のパチンコ機のMPU201で実行される立ち上げ処理について説明する。図25は、第3実施形態のパチンコ機のMPU201で実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。なお、図11で上述した第1実施形態のパチンコ機10の立ち上げ処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第3実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、第1実施形態のパチンコ機10の立ち上げ処理のS114の処理を削除している。そして、第3実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、第1実施形態のパチンコ機10の立ち上げ処理のS101の処理を、S120の処理に変更している。第3実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、まず、初期設定を行うと共に、枠開放検出回路270へ入力信号SG3を出力する(入力信号SG3を5ボルトにする、S120)。その後、S102の処理に移行する。そして、S102からS112の処理が終了すると、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信して(S113)、割込み許可を設定し(S115)、この立ち上げ処理を終了する。第3実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、S102のウェイト処理で1秒間の待機が行われる以外は、0.1秒単位の時間を必要とする処理はない。よって、パチンコ機の電源オンに合わせて、S120の処理によって枠開放検出回路270に入力信号SG3が入力されても、その入力信号SG3が電界効果トランジスタFET1のゲート端子Gに印加されるのは約1.1秒後である。つまり、コンデンサCD1の充電が開始されるのは、立ち上げ処理が終了してメイン処理に移行した後となる。従って、パチンコ機の電源オンに合わせて、枠開放検出回路270に入力信号SG3を入力しても、パチンコ機10の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放されたか否かをコンデンサCD1の状態によって判定するS110およびS111の処理を確実に実行することができるのである。
上述した通り、第3実施形態のパチンコ機によれば、入力信号SG3を枠開放検出回路270に設けた遅延回路DLで遅延させることができるので、パチンコ機の電源オンに合わせて、枠開放検出回路270へ出力信号SG3を出力開始することができる。よって、入力信号SG3の出力開始を待機させる処理が不要となるので、立ち上げ処理のプログラム容量を削減することができる。
なお、第3実施形態のパチンコ機では、枠開放検出回路270の入力端子と電界効果トランジスタFET1のゲート端子Gとの間に遅延回路DLを設けた。これに代えて、電界効果トランジスタFET1を削除し、遅延回路DLの抵抗R3の一端を直流電源DC1に接続し、シュミットトリガインバータIC3の出力端子をダイオードD1のアノード端子に接続しても良い。この構成の場合には、直流電源DC1から供給される直流電圧を遅延させることができるので、枠開放検出回路270へ入力信号SG3を出力する処理であるS120の処理が不要となる。
以上、一実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
第1実施形態から第3実施形態に記載した各パチンコ機をそれぞれ組み合わせて、各実施形態の有する機能を備えるパチンコ機を実現することが可能であることは言うまでもない。
第1実施形態から第3実施形態では、オフ中枠開放フラグ203aがオンである場合に、音声ランプ制御装置113へオフ中枠開放コマンドを送信し、ホールコンピュータ262へパルス幅が1m秒のパルス信号を出力したが、これに限られるものではない。オフ中枠開放フラグ203aがオンである場合には、第1実施形態から第3実施形態のパチンコ機とは逆に、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113へコマンドを送信せず、ホールコンピュータ262へもパルス信号を出力しない一方で、オフ中枠開放フラグ203aがオフである場合には、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113へコマンドを送信し、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力するように構成しても良い。そして、このように主制御装置110を構成した場合には、音声ランプ制御装置113は、パチンコ機の電源オンから所定時間内に主制御装置110からのコマンドを受信しない場合に、パチンコ機の電源オフ中に内枠12または前面枠14が開放されたと判定するように構成すれば良い。同様に、ホールコンピュータ262は、パチンコ機の電源オンから所定時間内に主制御装置110からのパルス信号を受信しない場合に、パチンコ機の電源オフ中に内枠12または前面枠14が開放されたと判定するように構成すれば良い。上記の構成により、オフ中枠開放フラグ203aがオンである場合には、音声ランプ制御装置113へコマンドを送信せず、ホールコンピュータ262へもパルス信号を出力しないパチンコ機を実現することができる。
上記の第1実施形態から第3実施形態では、パチンコ機からホールコンピュータ262へパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力して、ホールコンピュータ262に内枠12または前面枠14の開放を記憶させたが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ機にEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)やバックアップRAMを設ける。そして、このEEPROMやバックアップRAMと、入出力ポート205とをバスラインを介して接続する。この構成により、EEPROMやバックアップRAMに、内枠12または前面枠14の開放を記憶させることができる。そして、パチンコ機の電源がオンされた場合に、EEPROMやバックアップRAMの記憶をMPU201によって確認する。これにより、内枠12または前面枠14の開放を、ホールコンピュータ262を使用することなく、パチンコ機を用いて検知することができる。つまり、ホールコンピュータ262の役割を、EEPROMやバックアップRAMに担わせることができる(請求項に記載の「特定装置」の役割を、EEPROMやバックアップRAMに担わせることができる)。なお、バックアップRAMには、RAM203を用いても良い。
また、第1実施形態から第3実施形態では、内枠12または前面枠14の開放が行われた場合に、音声ランプ制御装置113を用いて報知を実行したが、これに限られるものではない。内枠12または前面枠14の開放が行われた場合には、音声ランプ制御装置113を用いた報知に加え、表示制御装置114を用いて報知を実行しても良い。この場合には、音声ランプ制御装置113がオフ中枠開放コマンドを受信すると、音声ランプ制御装置113は表示制御装置114へオフ中枠開放コマンドを送信する。そして、表示制御装置114はオフ中枠開放コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81へ「点検して下さい」と表示開始するように構成すれば良い。また、音声ランプ制御装置113がオン中枠開放コマンドを受信すると、音声ランプ制御装置113は表示制御装置114へオン中枠開放コマンドを送信する。そして、表示制御装置114はオン中枠開放コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81へ「扉が開放されています」と表示開始するように構成すれば良い。この構成により、音声ランプ制御装置113の報知に加え、表示制御装置113でも報知を行うので、更に分かり易く、内枠12または前面枠14が開放したことを不特定多数の者に報知することができる。
また、第1実施形態から第3実施形態では、パチンコ機の電源がオンされている間に内枠12または前面枠14が開放されたか否かを判定するS505の処理と、S505の処理での判定に応じて、オン中枠開放フラグ203bをオンするS506の処理と、オン中枠開放フラグ203bをオフするS507の処理とを、タイマ割込処理で実行していたが、これに限られるものではない。このS505〜S507の処理を、メイン処理の4m秒周期の定期処理内で実行しても良い。
また、第1実施形態から第3実施形態では、オフ中枠開放フラグ203aがオンである場合には、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知を行うと共に、ホールコンピュータ262へ1m秒のパルス信号を出力したが、これに限られるものではない。即ち、オフ中枠開放フラグ203aがオンである場合には、ホールコンピュータ262へ1m秒のパルス信号を出力させず、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知だけを行うように構成しても良い。また、逆に、オフ中枠開放フラグ203aがオンである場合には、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知を行わず、ホールコンピュータ262へのパルス信号の出力だけを行うように構成しても良い。
また、例えば、上記各実施の形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしても良い。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成しても良い。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしても良い。
また、上記実施の形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を、第3図柄表示装置81の一部においても、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良く、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留回数を通知するように構成しても良い。
また、上記実施の形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
本発明を上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、前記遊技機の電源がオフされている場合に、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出されると、その扉体の開放検出に伴って状態を変化させる状態変化手段と、その状態変化手段の状態を、前記遊技機の電源がオンされた場合に検出する状態検出手段と、その状態検出手段によって前記状態変化手段の状態変化が検出された場合には、所定の信号を出力する出力手段とを備えていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、遊技機の電源がオフされ制御手段が終了した状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、状態変化手段は扉体の開放検出に伴って状態を変化させる。そして、状態検出手段は、遊技機の電源がオンされた場合に状態変化手段の状態を検出する。状態検出手段により状態変化手段の状態変化が検出されると、出力手段は所定の信号を出力する。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為により扉体が開放されても、その扉体の開放を検出して、遊技機の電源がオンされた場合には所定の信号を出力することができる。従って、遊技機の電源がオフされている場合にも扉体の開放を把握することができる。
なお、制御手段は、扉体と本体とにより形成される空間内に設けられるのが一般的である。更に言うと、扉体と本体とにより形成される空間内とは、扉体の閉鎖時に手を触れることができない扉体の背面または背面側(本体の背面側も含む)を示している。
遊技機1において、前記出力手段は、前記状態検出手段によって前記遊技機の電源がオンされた場合に前記状態変化手段の状態変化が検出されると、前記扉体の開放を記憶する記憶手段と、その記憶手段に扉体の開放が記憶されている場合に、所定の信号を出力する記憶出力手段を備えていることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、遊技機の電源がオンされると、状態検出手段は、状態変化手段の状態を検出する。遊技機の電源がオフされている間に扉体が開放されて、状態変化手段の状態が変化していることが状態検出手段により検出されると、記憶手段は扉体の開放を記憶する。そして、記憶手段に扉体の開放が記憶されていれば、記憶出力手段は所定の信号を出力する。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為により扉体が開放されても、その扉体の開放を検出して、遊技機の電源がオンされた場合にはその扉体の開放を記憶手段に記憶させることができると共に、所定の信号を出力することができる。従って、遊技機の電源がオフされている場合にも扉体の開放を把握することができる。
遊技機1または2において、前記状態変化手段は、前記遊技機の電源がオンされている場合に、その遊技機の電源から供給される電力により充電される一方、少なくとも前記遊技機の電源がオフされている場合に、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出されると、その開放検出に伴って放電を行うものであることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、遊技機の電源がオンされている場合には、状態変化手段は、遊技機の電源から供給される電力により充電が行われる。一方、少なくとも遊技機の電源がオフされている場合に、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されると、その開放検出に伴って、状態変化手段は放電を行う。よって、遊技機の電源がオフされている場合であっても、扉体の開放が行われると、状態変化手段が放電されることでその充電量を減少させることができる。従って、遊技機の電源がオフされている間に行われた扉体の開放を、状態変化手段の充電量の減少により把握することができる。
遊技機3において、前記状態変化手段は、前記遊技機の電源がオンされている場合に、前記遊技機の電源から供給される電力に伴う電荷を蓄える蓄電手段により構成され、前記扉開放検出手段は、その蓄電手段に電気的に接続されており、前記遊技機の電源がオフされ、前記扉体が閉鎖されている場合には、前記蓄電手段とグランドとの電気的接続を遮断する一方、前記遊技機の電源がオフされているときに前記扉体が開放された場合には、前記蓄電手段とグランドとを電気的に接続して、その蓄電手段に蓄えられた電荷を放電する開閉手段により構成されていることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、蓄電手段は、遊技機の電源がオンされている場合には、その遊技機の電源から供給される電力に伴う電荷を蓄える。そして、扉開放検出手段を構成する開閉手段は、遊技機の電源がオフされている場合に扉体が閉鎖されていれば、蓄電手段とグランドとの電気的接続を遮断する。一方、扉開放検出手段を構成する開閉手段は、遊技機の電源がオフされている場合に扉体が開放されると、蓄電手段とグランドとを電気的に接続して蓄電手段の電荷を減少させる。よって、遊技機の電源がオフされている間に行われた扉体の開放を、蓄電手段の電荷の減少により把握することができる。
遊技機3または4において、前記遊技機の電源がオンされると、その電源オン時から所定期間経過した後に前記状態変化手段への電力供給を開始する供給開始手段を備え、前記状態検出手段は、その供給開始手段により前記状態変化手段への電力供給が開始されるまでの前記所定期間内で前記状態変化手段の状態を検出するように構成されていることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、供給開始手段は、遊技機の電源がオンされると、その電源オン時から所定期間経過した後に状態変化手段への電力供給を開始する。ここで、状態検出手段は、供給開始手段により状態変化手段への電力供給が開始されるまでの所定期間内で状態変化手段の状態を検出する。よって、遊技機の電源がオンされた場合には、まず、状態変化手段の充電量が低下しているか否かを検出して、即ち、遊技機の電源がオフされている間に扉体の開放が行われたか否かを検出して、その後に、供給開始手段による状態変化手段の充電を開始させることができる。従って、遊技機の電源がオフされている場合に扉体の開放が行われても、その扉体の開放を確実に把握して、その後に、状態変化手段の充電を開始させることができる。
遊技機3または4において、前記遊技機の電源がオンされると、そのオンされた遊技機から供給される電力を入力し、その入力した電力を所定期間経過した後に前記状態変化手段へ出力してその状態変化手段への電力供給を開始する第2供給開始手段を備え、前記状態検出手段は、その第2供給開始手段により前記状態変化手段への電力供給が開始されるまでの前記所定期間内で前記状態変化手段の状態を検出するように構成されていることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、第2供給開始手段は、遊技機の電源がオンされると、そのオンされた遊技機から供給される電力を入力し、その入力した電力を所定時間経過した後に状態変化手段へ出力して、その状態変化手段への電力供給を開始する。ここで、状態検出手段は、第2供給開始手段により状態変化手段への電力供給が開始されるまでの所定期間内で状態変化手段の状態を検出する。よって、遊技機の電源がオンされた場合には、まず、状態変化手段の充電量が低下しているか否かを検出して、即ち、遊技機の電源がオフされている間に扉体の開放が行われたか否かを検出して、その後に、第2供給開始手段により状態変化手段の充電を開始させることができる。従って、遊技機の電源がオフされている場合に扉体の開放が行われても、その扉体の開放を確実に把握して、その後に、状態変化手段の充電を開始させることができる。
遊技機5または6において、遊技機の電源オフ後もデータを保持可能なバックアップ手段と、前記バックアップ手段に保持されたデータが有効か否かを判定する判定手段と、その判定手段により有効と判定された場合に、前記バックアップ手段に保持されたデータを使用して電源オフ前の状態に復帰させる復帰手段と、前記判定手段により否有効と判定された場合に、前記バックアップ手段に保持されたデータを初期化する初期化手段とを備え、前記状態検出手段は、前記復帰手段または初期化手段のいずれかの手段の実行後に、前記状態変化手段の状態を検出するように構成されていることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、遊技機の電源がオンされた場合には、復帰手段の実行後または初期化手段の実行後に、即ち、制御手段の各種設定が完了した後に、状態検出手段は、状態変化手段の状態を検出する。よって、遊技機の電源がオフされている場合に扉体の開放が行われたか否か、即ち、状態変化手段の充電量が低下しているか否かを、遊技機の電源がオンされて制御手段の各種設定が完了した後に素早く検出することができる。従って、遊技機の電源がオフされている場合に扉体の開放が行われても、その扉体の開放を確実に把握することができる。
遊技機2から7のいずれかにおいて、前記記憶手段に記憶された前記扉体の開放を消去可能な状態に設定する消去手段を備え、前記記憶手段に記憶された前記扉体の開放は、前記消去手段により前記扉体の開放が消去可能な状態に設定されると共に、前記遊技機の電源がオンされて前記制御手段が立ち上げられた場合に消去が実行されるものであることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、遊技機の電源がオンされて記憶手段に記憶された扉体の開放は、その扉体の開放が消去手段により消去可能な状態に設定されると共に、遊技機の電源が再びオンされて制御手段が立ち上げられた場合に消去が行われる。つまり、第1に、記憶手段に記憶された扉体の開放を消去手段により消去可能な状態に設定し、第2に、遊技機の電源を再びオンして制御手段を立ち上げた場合に、初めて、扉体の開放が消去される。よって、一度、遊技機の電源がオンされて扉体の開放が記憶手段に記憶されると、上記の手順を踏まなければ、扉体の開放を記憶手段から消去することができない。従って、不正行為者による扉体の開放の消去を困難にすることができる。
遊技機1から8のいずれかにおいて、前記状態検出手段によって前記遊技機の電源がオンされたときに前記状態変化手段の状態変化が検出された場合には、予め定められた信号を特定装置へ出力する特定出力手段を備えていることを特徴とする遊技機9。
遊技機9によれば、遊技機の電源がオフされている間に扉体が開放されて状態変化手段の状態が変化し、その状態の変化が、遊技機の電源がオンされたときに状態検出手段により検出されると、特定出力手段は予め定められた信号を特定装置へ出力する。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別することができる。
なお、複数の遊技機毎に設けられた特定出力手段から出力される予め定められた信号を1の特定装置で受信しても良いし、遊技機毎に特定装置を設け、その特定装置を各遊技機に配設しても良い。特定装置を各遊技機に配設する場合には、ボックスベースと、そのボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを互いに連結させて、そのボックスカバーとボックスベースとにより形成される空間内に特定装置を収納する。そして、ボックスカバーとボックスベースとを封印ユニットにより開封不能に連結する。更に、ボックスカバーとボックスベースとの連結部には、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シールを貼着する。その上で、扉体の背面または背面側に特定装置を配設すれば良い。
<その他>
パチンコ機では、遊技領域に打ち込まれた球が図柄作動口へ入球すると、その入球のタイミングで抽選が行われる(例えば、特許文献1:特開2001−198332号公報)。また、スロットマシンや遊技球を使用した回胴式遊技機では、スタートレバーを操作すると、その操作したタイミングで抽選が行われる。抽選の結果、例えば大当たりになると、大量の賞球やコインの払い出しが可能な状態となる。この抽選および大当たりを決定するための制御は、主制御装置によって行われるので、主制御装置が不正行為の対象になり易い。
具体的な不正行為としては、例えば、主制御装置を、大当たりが頻繁に発生する不正なものに取り替えたり、或いは、主制御装置に不正な基板(例えば「ぶら下げ基板」)を接続して、大当たりを不正に発生させるものなどがある。また、パチンコ機の場合、遊技盤面上に打ち込まれている釘を不正に曲げて、入賞口や図柄作動口へ球が入球し易くする不正行為もある。
パチンコ機の場合、主制御装置は遊技盤の裏面に装着されている。遊技盤の裏面には、枠体が設けられ、その枠体の前面には、遊技盤が装着される内枠が設けられている。この内枠は、枠体に対して開閉可能にされている。また、内枠の前面には、ガラス枠が設けられ、このガラス枠は、内枠に対して開閉可能にされている。よって、不正行為者が遊技盤面や主制御装置に対して不正行為を行う場合には、内枠またはガラス枠を開放しなければならないが、内枠またはガラス枠が開放された場合には、その開放がセンサによって検出され、遊技場を管理するホールコンピュータへ報知される他、内枠またはガラス枠が開放された旨をランプ点灯や音声出力などによって外部へ報知させることで、どのパチンコ機に対して不正行為がなされたかを容易に把握することができる。
しかしながら、遊技場の閉店後の例えば深夜に、不正行為者が侵入し、その侵入者が内枠またはガラス枠を開放して不正行為を行った場合、そのときにはパチンコ機の電源は断されており、パチンコ機は停止しているので、内枠またはガラス枠の開放を検知することができず、その開放を把握することは非常に困難であるという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技機の電源がオフされている間に扉体の開放が行われた場合に、その開放を把握可能とすることができる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1記載の遊技機は、本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、遊技の制御を行う制御手段とを備えたものであり、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、前記遊技機の電源がオフされている場合に、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出されると、その扉体の開放検出に伴って状態を変化させる状態変化手段と、その状態変化手段の状態を、前記遊技機の電源がオンされた場合に検出する状態検出手段と、その状態検出手段によって前記状態変化手段の状態変化が検出された場合には、所定の信号を出力する出力手段とを備えている。なお、制御手段は、扉体と本体とにより形成される空間内に設けられるのが一般的である。更に言うと、扉体と本体とにより形成される空間内とは、扉体の閉鎖時に手を触れることができない扉体の背面または背面側(本体の背面側も含む)を示している。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記出力手段は、前記状態検出手段によって前記遊技機の電源がオンされた場合に前記状態変化手段の状態変化が検出されると、前記扉体の開放を記憶する記憶手段と、その記憶手段に扉体の開放が記憶されている場合に、所定の信号を出力する記憶出力手段を備えている。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想1または2に記載の遊技機において、前記状態変化手段は、前記遊技機の電源がオンされている場合に、その遊技機の電源から供給される電力により充電される一方、少なくとも前記遊技機の電源がオフされている場合に、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出されると、その開放検出に伴って放電を行うものである。
技術的思想4記載の遊技機は、技術的思想3記載の遊技機において、前記状態変化手段は、前記遊技機の電源がオンされている場合に、前記遊技機の電源から供給される電力に伴う電荷を蓄える蓄電手段により構成され、前記扉開放検出手段は、その蓄電手段に電気的に接続されており、前記遊技機の電源がオフされ、前記扉体が閉鎖されている場合には、前記蓄電手段とグランドとの電気的接続を遮断する一方、前記遊技機の電源がオフされているときに前記扉体が開放された場合には、前記蓄電手段とグランドとを電気的に接続して、その蓄電手段に蓄えられた電荷を放電する開閉手段により構成されている。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技機の電源がオフされ制御手段が終了した状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、状態変化手段は扉体の開放検出に伴って状態を変化させる。そして、状態検出手段は、遊技機の電源がオンされた場合に状態変化手段の状態を検出する。状態検出手段により状態変化手段の状態変化が検出されると、出力手段は所定の信号を出力する。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為により扉体が開放されても、その扉体の開放を検出して、遊技機の電源がオンされた場合には所定の信号を出力することができる。従って、遊技機の電源がオフされている場合にも扉体の開放を把握することができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技機の電源がオンされると、状態検出手段は、状態変化手段の状態を検出する。遊技機の電源がオフされている間に扉体が開放されて、状態変化手段の状態が変化していることが状態検出手段により検出されると、記憶手段は扉体の開放を記憶する。そして、記憶手段に扉体の開放が記憶されていれば、記憶出力手段は所定の信号を出力する。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為により扉体が開放されても、その扉体の開放を検出して、遊技機の電源がオンされた場合にはその扉体の開放を記憶手段に記憶させることができると共に、所定の信号を出力することができる。従って、遊技機の電源がオフされている場合にも扉体の開放を把握することができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技機の電源がオンされている場合には、状態変化手段は、遊技機の電源から供給される電力により充電が行われる。一方、少なくとも遊技機の電源がオフされている場合に、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されると、その開放検出に伴って、状態変化手段は放電を行う。よって、遊技機の電源がオフされている場合であっても、扉体の開放が行われると、状態変化手段が放電されることでその充電量を減少させることができる。従って、遊技機の電源がオフされている間に行われた扉体の開放を、状態変化手段の充電量の減少により把握することができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想3記載の遊技機の奏する効果に加え、蓄電手段は、遊技機の電源がオンされている場合には、その遊技機の電源から供給される電力に伴う電荷を蓄える。そして、扉開放検出手段を構成する開閉手段は、遊技機の電源がオフされている場合に扉体が閉鎖されていれば、蓄電手段とグランドとの電気的接続を遮断する。一方、扉開放検出手段を構成する開閉手段は、遊技機の電源がオフされている場合に扉体が開放されると、蓄電手段とグランドとを電気的に接続して蓄電手段の電荷を減少させる。よって、遊技機の電源がオフされている間に行われた扉体の開放を、蓄電手段の電荷の減少により把握することができるという効果がある。