JP2021000564A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】始動条件の成立タイミングで当否乱数カウンタの値を先読みする場合に、処理時間の増大による不具合の発生を抑制できる遊技機を提供すること。【解決手段】本発明の遊技機によれば、第1の判定手段による判定を行う場合には、その判定に先立って、遊技媒体が通過した始動手段の中から、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段が選定手段(第1の判定手段の一部)により選定されるので、始動条件に成立に伴って取得した乱数カウンタの値に対する判定に費やされる処理時間の増大を抑制することができる。よって、許容される処理時間内で実行すべき全ての処理を完遂することができ、遊技の進行に不具合が発生することを防止することができる。【選択図】図15

Description

本発明は、パチンコ機等に代表される遊技機に関するものである。
始動条件の成立(始動入賞)を契機として、液晶表示装置などの表示装置において特別図柄のスクロールなどの変動表示を行った後、予め定められた図柄の並びで停止した場合に、所謂「大当たり」と称する遊技者に有利な特別遊技状態が発生し、大量の遊技媒体が払出可能な状態となるパチンコ機などの遊技機がある。
かかるタイプの遊技機の多くは、変動表示中に始動条件が新たに成立すると、その新たな始動条件の成立に基づく変動表示を、現在実行中の変動表示が終了するまで保留(待機)させることができるように構成されている(例えば、特許文献1)。
従来、上述のように変動表示を保留できる遊技機は、始動条件が成立する毎に、特別遊技状態を発生させるか否かを決定するための当否乱数カウンタや変動態様の種別を決定するための種別カウンタなどの各種乱数カウンタの値を、メモリに順次記憶しておき、変動表示の開始タイミングで、メモリに記憶されている値の中で時期的に最も古い値に基づいて変動表示態様を設定し、そのように設定された態様の変動表示を実行するものが主流であった。
これに対し、始動条件が成立する毎に、かかる始動条件の成立タイミングで当否乱数カウンタの値が特別遊技状態を発生させる値であるか否かを、変動表示の開始タイミングにおける確認に先立って確認(先読み)し、その確認結果に基づき、それ以前から保留されていた変動表示の実行時(保留消化時)等における演出性の向上を図るものが考えられる。
例えば、始動条件の成立タイミングでの確認結果が特別遊技状態を発生させる値であった場合に、それ以前から保留されていた変動表示において特定の報知(例えば、予告演出の表示)を行うことにより、保留されていた変動表示が外れに対応するものであっても、その後に特別遊技状態が発生するかもしれないという期待感を遊技者に持たせることが可能となる。
特開2000−342784号公報
また、例えば、遊技性を向上させる等といった目的で、始動条件の成立に関わる球の通過口を複数個所に設けることが考えられる。このように、始動条件の成立に関わる球の通過口を複数個所に設けた場合には、同時又はほぼ同時に複数の始動条件が成立する可能性が生じる。同時又はほぼ同時に成立する始動条件の数(成立数)が多いほど、始動条件が成立した場合に当否乱数カウンタの値が特別遊技状態を発生させる値であるか否かの確認処理(先読み)に費やされる時間が増大する。
一般的に、遊技機において遊技を制御する処理の多くは、定期的に(例えば、4ms毎や2ms毎に)繰り返す処理の中で実行されており、当否乱数カウンタの値が特別遊技状態を発生させる値であるか否かの確認処理も、かかる定期的に繰り返す処理の中で実行される。この確認処理は、当否乱数カウンタの値を、予め設定されている大当たり値と比較することによって行われ、1の当否乱数カウンタの値を確認する場合であっても、比較的長い処理時間を要する。
よって、当否乱数カウンタの値が特別遊技状態を発生させる値であるか否かの確認処理に費やされる時間が上述のように長くなる可能性が高い遊技機にて、始動条件が成立した場合に当否乱数カウンタの値が特別遊技状態を発生させる値であるか否かの確認処理を行うと、確認処理に費やされる処理時間が原因となって、メイン処理やタイマ割込処理の処理間隔の中で全ての処理を完了できず、遊技の進行に不具合が生じる虞があった。
本発明は、上記例示した事情などを鑑みてなされたものであり、始動条件が成立した場合に当否乱数カウンタの値を先読みする際、処理時間の増大による不具合の発生を抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技媒体が通過可能な位置に配置されて遊技媒体の通過を始動条件として検出する始動手段と、表示装置と、前記始動条件の1成立に対し、1の変動表示を前記表示装置にて表示させる変動表示制御手段と、1の変動表示の終了を示す停止表示が予め決められた停止表示である場合に、遊技状態を通常状態に比べて遊技者にとって有利な特別遊技状態とする特別遊技状態発生手段とを備えたものであって、乱数カウンタと、前記始動手段に遊技媒体が通過したことに基づいて始動条件が成立する毎に、前記乱数カウンタの値を取得する乱数カウンタ値取得手段と、その乱数カウンタ値取得手段により取得された乱数カウンタの値を、予め設定されている値と比較して該乱数カウンタの値に対する判定を行う第1の判定手段と、その第1の判定手段による判定対象である乱数カウンタの値に対応する変動表示の開始を保留可能な変動保留手段と、前記変動保留手段により保留されている変動表示を開始する前に、該変動表示に対応する乱数カウンタの値に基づき、該変動表示の終了後における遊技状態を判定する第2の判定手段とを備え、前記変動表示制御手段は、前記第2の判定手段による判定後に、該第2の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対応し前記変動保留手段により保留されている変動表示を前記表示装置にて開始する変動開始手段と、その変動開始手段による前記変動表示の開始後に、前記第2の判定手段による判定に応じた停止表示を前記表示装置に表示して該変動表示を終了する停止表示手段とを含んで構成され、前記第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行う報知手段を備え、前記始動手段は、複数設けられており、前記第1の判定手段は、遊技媒体が通過した前記始動手段の中から、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段を選定する選定手段を含み、該選定手段により選定された始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対して前記判定を行うものである。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記報知手段は、前記第1の判定手段により、前記第2の判定手段により判定される停止表示後の遊技状態が特別遊技状態である可能性が高いと判定された場合に、前記報知を行う。
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記報知手段は、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により1又は複数の変動表示が保留されているときに、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行うものであり、前記報知手段は、前記報知を行う場合に、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により保留されていた変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、該報知を行う。
請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記変動保留手段により保留されている変動表示の回数を記憶する保留回数記憶手段を備え、前記報知手段は、前記保留回数記憶手段に記憶されている回数に応じた確率で前記報知を行う。
請求項1記載の遊技機によれば、始動手段に遊技媒体が通過したことに基づいて始動条件が成立すると、その成立毎に、乱数カウンタの値が乱数カウンタ値取得手段により取得され、取得された乱数カウンタの値に対する判定が第1の判定手段により行われる。この第1の判定手段では、取得された乱数カウンタの値と予め設定されている値とを比較することにより、該判定を行う。
この第1の判定手段による判定対象である乱数カウンタの値に対応する変動表示は、変動保留手段によって開始が保留される。そして、保留されている変動表示を開始する場合には、その開始前に、該変動表示に対応する乱数カウンタの値に基づき、該変動表示の終了後における遊技状態が、第2の判定手段によって判定される。
この第2の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対応する保留中の変動表示は、該第2の判定手段による判定後に変動開始手段によって開始される。このように開始された変動表示は、第2の判定手段による判定に応じた停止表示が停止表示手段によって表示されて終了する。
ここで、第1の判定手段により乱数カウンタの値に対して所定の判定が得られた場合には、報知手段により、報知が行われる。このとき、報知は、第1の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対して第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が停止表示手段によって表示装置に表示される前に行われる。
よって、1の始動条件が成立した場合に、その始動条件の成立に対して行われる変動表示が第2の判定手段により行った判定(即ち、変動表示後における遊技状態)に応じた停止表示で停止する前に、第1の判定手段により所定の判定が得られたか否かを遊技者に報せることができるという効果がある。
ここで、例えば、第1の判定手段が、第2の判定手段によって変動表示後に特別遊技状態などの有利な遊技状態が発生する可能性が高いか否かを判定するものであれば、遊技者は、報知手段による報知を受けた場合に、第1の判定手段による判定対象となった始動条件の成立に基づいて実行される変動表示の後に有利な遊技状態が発生する可能性が高いものであることを認識することができ、有利な遊技状態の発生に対する期待感を遊技者に持たせることができる。
また、報知の対象にされた始動条件の成立の前に1又は複数の変動表示が保留されている場合には、報知の対象にされた始動条件の成立に基づく変動表示の実行に先立って消化される保留中の変動表示の実行期間を利用して、該始動条件の成立によって取得された特別遊技状態の発生に関わる乱数カウンタの値を判定(先読み)して報知することができるので、特別遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を煽る演出など、遊技の演出性を向上させることができる。
また、請求項1記載の遊技機では、始動手段が複数設けられているので、始動手段が単数である場合に比べて遊技の進行が複雑化されるため、その分、飽き難い遊技を遊技者に提供することができる。
しかし、始動手段を複数設けたことにより、遊技性が向上する一方で、同時又はほぼ同時のタイミングで複数の始動条件が成立する可能性が生じる。同時又はほぼ同時のタイミングでの始動条件の成立数が多いほど、始動条件の成立に伴って取得された乱数カウンタの値に対する判定(先読み)に費やされる処理時間が増大する。かかる処理時間の増大によって許容される処理時間内で他の処理が完了できなくなり、遊技の進行に不具合を生じる虞がある。
これに対し、請求項1記載の遊技機によれば、第1の判定手段による判定を行う場合には、その判定に先立って、遊技媒体が通過した始動手段の中から、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段が選定手段(第1の判定手段の一部)により選定されるので、始動条件に成立に伴って取得した乱数カウンタの値に対する判定に費やされる処理時間の増大を抑制することができる。よって、許容される処理時間内で実行すべき全ての処理を完遂することができ、遊技の進行に不具合が発生することを防止することができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。第2の判定手段により判定される停止表示後の遊技状態が特別遊技状態である可能性が高いと、第1の判定手段によって判定された場合に、報知手段による報知が行われる。よって、第1の判定手段による判定対象となった乱数カウンタの値を取得する契機となった始動条件の成立以前に保留されていた変動表示の実行期間を利用して、該始動条件の成立によって取得された乱数カウンタの値が特別遊技状態である可能性が高いことを報知することができるので、特別遊技状態の発生に対する期待感を遊技者に抱かせることができ、高い遊技性を遊技者に提供することができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。報知を行う場合には、該報知の対象にされた始動条件の成立(即ち、第1の判定手段によって所定の判定が得られた始動条件の成立)の前に変動表示保留手段によって保留されていた変動表示の実行期間中に、報知が行われる。よって、報知の対象にされた始動条件の成立から、その始動条件の成立に基づく変動表示が実行されるまでの間に、保留中であった変動表示をまたいで、該報知を行うことができる。
よって、第1の判定手段が、第2の判定手段によって変動表示後に特別遊技状態などの有利な遊技状態が発生する可能性が高いか否かを判定するものであれば、保留中であった変動表示をまたいで行う報知によって、有利な遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を煽る演出を行うことができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機は、請求項3記載の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。報知手段により報知が行われる確率が、保留回数記憶手段に記憶されている回数、即ち、変動保留手段により保留されている変動表示の回数に応じて決まるので、遊技者の期待感を、変動保留手段により保留されている変動表示の回数に応じて変化させることができる。よって、遊技に抑揚がつき、遊技者が遊技を単調に感じることを抑制することができるので、遊技者に遊技を長く続けさせることができるという効果がある。
一実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 各種カウンタの概要を示す模式図である。 保留回数コマンドのビット構成を示す模式図である。 (a)は、表示画面が横スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定を示した模式図であり、(b)は、表示画面が縦スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定を示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 図9のメイン処理の中で実行される変動処理を示すフローチャートである。 (a)は、図10の変動処理の中で実行される特図B保留球格納エリア順送り処理であり、(b)は、図10の変動処理の中で実行される特図A保留球格納エリア順送り処理である。 図10の変動処理の中で実行される変動開始処理を示すフローチャートである。 タイマ割込処理を示すフローチャートである。 図13のタイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 図12の始動入賞処理の中で実行される特図A保留回数コマンド設定処理を示すフローチャートである。 図12の始動入賞処理の中で実行される特図B保留回数コマンド設定処理を示すフローチャートである。 NMI割込処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 図19のメイン処理の中で実行されるコマンド判定処理を示すフローチャートである。 図20のコマンド判定処理の中で実行される特図A先読み予告設定処理を示すフローチャートである。 図20のコマンド判定処理の中で実行される特図B先読み予告設定処理を示すフローチャートである。 図19のメイン処理の中で実行される装飾図柄演出設定処理を示すフローチャートである。 図23の装飾図柄演出設定処理の中で実行される停止図柄設定処理を示すフローチャートである。 図23の装飾図柄演出設定処理の中で実行される先読み予告フラグ更新処理を示すフローチャートである。 表示制御処理のMPUにより実行される外部割込処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 図27のメイン処理の中で実行される変動表示処理を示すフローチャートである。 変形例としての特図B保留回数コマンド設定処理を示すフローチャートである。 第3図柄表示装置に表示される変動表示の変形例を示す模式図である。 変形例としてのメイン処理を示すフローチャートである。 図31のメイン処理が実行される場合におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64,640等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示(動的表示)の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口A64、第1入球口B640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。
一般入賞口63、第1入球口A64、第1入球口B640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14cを通じて内枠13の前面側から視認することができる。
以下に、遊技盤13の構成について説明する。遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、2つの第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37Aには、発光手段である複数のLED37Aaと7セグメント表示器37Abとが設けられている。他方の第1図柄表示装置37Bもまた同様に、発光手段である複数のLED37Baと7セグメント表示器37Bbとが設けられている。
第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。これらの第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入球口A64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第1入球口B640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
より具体的には、複数のLED37Aaは、第1入球口A64への球の通過(始動入賞)に基づく変動表示中であるか否かを点灯状態によって示すと共に、第1入球口A64への始動入賞を契機として行われた抽選の結果(本実施形態では、15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、又は、外れ)を、変動表示を停止する際の停止表示(停止図柄)として点灯状態によって示す。
同様に、複数のLED37Baは、第1入球口B640への球の通過(始動入賞)に基づく変動表示中であるか否かを点灯状態によって示すと共に、第1入球口B640への始動入賞を契機として行われた抽選の結果(本実施形態では、15R確変大当たり、15R通常大当たり、又は、外れ)を、変動表示を停止する際の停止表示(停止図柄)を点灯状態によって示す。
また、複数のLED37Aa及び複数のLED37Baは、それぞれ、第1入球口A64へ球が通過したが変動表示の開始が保留されている回数(保留回数)及び第1入球口B640への始動入賞に対する変動表示の保留回数を点灯状態によって示す。なお、本実施形態におけるLED37Aa,37Baは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成されており、その発光色の組合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
7セグメント表示装置37Ab,37Bbは、それぞれ、第1入球口A64及び第1入球口B640への始動入賞を契機として行われた抽選の結果として生じた大当たり中のラウンド数や、エラー表示を行うものである。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67(スルーゲート)の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)で構成される第2図柄表示装置82とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦又は横にスクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
本実施形態における第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bにて停止図柄が表示されるまでの間に、球が第1入球口A64又は第1入球口B640を通過した(始動入賞した)場合には、1の始動入賞によって行うべき1の変動表示が保留(待機)される。本実施形態のパチンコ機10は、第1入球口A64への始動入賞を最大4回まで保留し、第1入球口B640への始動入賞を最大4回まで保留できるように構成されている。
保留ランプ85Aは、第3図柄表示装置81の上方向かって左側に配設された最大保留数分の4つのランプによって構成され、その点灯個数(点灯状態)によって第1入球口A64への始動入賞に対する変動表示の保留回数を報知するものである。なお、第1入球口A64への始動入賞に対する変動表示の保留回数は、この保留ランプ85Aの点灯状態と、上述したLED37Aaの点灯状態によって示される。
一方、保留ランプ85Bは、第3図柄表示装置81の上方向かって右側に配設された最大保留数分の4つのランプによって構成され、その点灯個数(点灯状態)によって第1入球口B640への始動入賞に対する変動表示の保留回数を報知するものである。なお、第1入球口B640への始動入賞に対する変動表示の保留回数は、この保留ランプ85Bの点灯状態と、上述したLED37Baの点灯状態によって示される。
なお、保留ランプ85A,85Bを削除し、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字や図形で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留回数が示されるので、保留ランプ85A,85Bにより点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82は、第2図柄の表示部(LED)83と、保留ランプ(第2図柄保留ランプ)84とを有し、球が第2入球口67を通過する毎に、表示部83において表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定の当選図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口B640が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37Aにより表示されると共に保留ランプ84においても点灯表示される。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口A64と同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ84を設けることなく、第1図柄表示装置37Aを用いて保留回数を表示するものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が通過(入球)し得る第1入球口A64が配設されている。第1入球口A64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチA(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチAのオンに起因して主制御装置110で利益抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37AのLED37Aaにて行われる。
第1入球口A64の下方には、球が通過し得る第1入球口B640が配設されている。この第1入球口B640の入口側には、可動する電動役物(図示せず)が配設されている。この電動役物は、図示されないソレノイドによって閉鎖位置又は開放位置のいずれかに位置するものである。
この電動役物の位置が閉鎖位置であるか開放位置であるかに応じて、球の通過度(又は通過難易度)が変化する。具体的に、この電動役物が閉鎖位置にある場合には、第1入球口B640への球の通過が困難(場合によっては不可能)となる。一方、閉鎖位置にある電動役物が開放位置へ移動すると、それによって、第1入球口B640への球の通過が易化する。
なお、本実施形態では、図2に示すように、第1入球口A64と第1入球口B640とが比較的広く離間されており、第1入球口B640に付随する電動役物(図示せず)が閉鎖された状態であっても球が入球可能であるように構成されている。
第1入球口B640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチB(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチBのオンに起因して主制御装置110で利益抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37BのLED37Baにて行われる。
また、第1入球口A64および第1入球口B640は、それぞれ、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口A64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第1入球口B640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口A64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第1入球口B640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口A64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を3個とし、第1入球口B640へ球が入球した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、第1入球口A64への球の通過を契機として行われる利益抽選により、15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、又は、外れのいずれかが抽選結果として得られるよう構成されている。その一方で、第1入球口B640への球の通過を契機として行われる利益抽選により、15R確変大当たり、15R通常大当たり、又は、外れのいずれかが抽選結果として得られるよう構成されている。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり遊技の後に高確率状態となる大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり遊技の後に高確率状態となる大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり遊技の後に、低確率状態となる大当たりのことである。
なお、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率(大当たりが生じる確率)が高くなった状態、いわゆる確率変動中(確変中)の状態であり、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態である。一方で、「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。
本実施形態のパチンコ機10は、高確率状態(確変中の状態)において、大当たり確率が高くなることに加えて、後述する第2図柄の当たり確率が高くなって第1入球口B640へ球が入球し易くなるよう構成されている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、「15R通常大当たり」による最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり遊技の後に、少なくとも所定の変動回数(例えば、100変動回数)の期間に亘って後述する第2図柄の当たり確率が高くなって第1入球口B640へ球が入球し易い遊技の状態を生じるよう構成されている。
なお、以後の説明において、大当たり遊技後に、低確率状態となると共に、後述する第2図柄の当たり確率が高くなって第1入球口B640へ球が入球し易い遊技の状態を「時短状態」又は「時短中」と称することがある。
確変中(高確率状態)又は時短中では、第1入球口B640が頻繁に開放されるようになるので、第1入球口B640への始動入賞の頻度が高まり、その結果、第1入球口B640への始動入賞を契機とする大当たり抽選の頻度が高まる。また、第1入球口B640への始動入賞の頻度が高まったことにより、玉持ちのよい状態が生じる。
なお、確変中又は時短中において、低確率状態であり時短中でない状態に比べて第2図柄の当たり確率を高くする代わりに、第1入球口B640に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間を長くしたり、1回の当たりで電動役物が開放する回数を多くしたりするものとしても良い。
第1入球口B640の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、その抽選のトリガ(契機)となった第1入球口A64又は第1入球口B640に応じた第1図柄表示装置37AのLED37Aa又は第1図柄表示装置37BのLED37Baを大当たりの停止図柄となるように点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(ソレノイド209(図4参照)の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37AのLED37Aa又は第1図柄表示装置37BのLED37Baが大当たりに対応する態様で点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66と第2入球口(スルーゲート)67とが設けられている。いずれの入賞口63,64,640,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
ROM202は、高確率時当たり値テーブル202aと、低確率時当たり値メモリ202bとを有している。高確率時当たり値テーブル202aは、高確率時(高確率状態)において大当たりとなる乱数の値が設定されたテーブルであり、低確率時当たり値テーブル202bは、低確率時(低確率状態)において大当たりとなる乱数の値が設定されたテーブルである。
これらのテーブル202a,202bは、後述する変動開始処理(図12参照)において、後述する実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に対する判定を行う場合に参照される。より具体的には、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に対する判定を行う場合に、遊技状態が高確率状態(確変中)であれば、高確率時当たり値テーブル202aが参照され、一方、低確率状態であれば、低確率時当たり値テーブル202bが参照される。
また、高確率時当たり値テーブル202a及び低確率時当たり値テーブル202bは、後述する始動入賞処理(図14参照)において、球が第1入球口A64へ球が通過したタイミングで後述する特図A保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に対する判定を行う場合、あるいは、球が第1入球口B640へ球が通過したタイミングで後述する特図B保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に対する判定を行う場合にも参照される。このときも、遊技状態が高確率状態(確変中)であれば、高確率時当たり値テーブル202aが参照され、一方、低確率状態であれば、低確率時当たり値テーブル202bが参照される。
なお、本実施形態では、高確率時当たり値テーブル202aには、大当たりとなる乱数として20個の値が格納されており、低確率時当たり値テーブル202bには、大当たりとなる乱数として、2個の値が格納されている。よって、本実施形態のパチンコ機10は、高確率時における大当たり確率が、低確率時の10倍であるよう構成されている。
RAM203は、特図A保留球格納エリア203aと、特図B保留球格納エリア203bと、実行エリア203cと、特図A保留回数カウンタ203dと、特図B保留回数カウンタ203eと、特図判別フラグ203fとを有している。
特図A保留球格納エリア203aは、第1入球口A64への入賞(球の通過)があった場合に、その入賞タイミングに合わせて取得されたデータ、より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1(図5参照)、第1当たり種別カウンタC2(図5参照)、及び停止パターン選択カウンタC3(図5参照)の各値をそれぞれ記憶する領域である。
この特図A保留球格納エリア203aは、第1入球口A64への複数回の入賞に対し、所定の最大回数(本実施形態では4回)分のデータ(各カウンタC1〜C3の各値)を最も古いものから時系列に記憶することができるよう構成されている。
特図B保留球格納エリア203bは、第1入球口B640への入賞(球の通過)があった場合に、その入賞タイミングに合わせて取得されたデータ、より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1(図5参照)、第1当たり種別カウンタC2(図5参照)、及び停止パターン選択カウンタC3(図5参照)の各値をそれぞれ記憶する領域である。
この特図B保留球格納エリア203bは、第1入球口B640への複数回の入賞に対し、所定の最大回数(本実施形態では4回)分のデータ(各カウンタC1〜C3の各値)を最も古いものから時系列に記憶することができる。
実行エリア203cは、後述する変動開始処理(図12参照)において、大当たりの抽選や、第1図柄表示装置37A,37Bの変動表示の態様(変動態様)や停止表示の態様(停止図柄)を設定する場合に参照されるデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が記憶される領域である。
この実行エリア203cには、上述した特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留格納エリア203bに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3の各値)の中から、所定の規則に基づいて1のデータが移動され、記憶される。
より具体的には、特図B保留格納エリア203bに少なくとも1のデータが記憶されている場合(即ち、特図B保留回数カウンタ203eの値が1以上である場合)には、特図B保留格納エリア203bに記憶されているデータの中で時間的に最も古い入賞(第1入球口B640への最古の入賞)に対応するデータが実行エリア203cに移動され、実行エリア203cに記憶される。
また、特図B保留格納エリア203bに1つもデータが記憶されていない場合(即ち、特図B保留回数カウンタ203eの値が0である場合)には、特図A保留格納エリア203bに記憶されているデータがあれば、その中から時間的に最も古い入賞(第1入球口A64への最古の入賞)に対応するデータが実行エリア203cに移動され、実行エリア203cに記憶される。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1入球口B640への入賞タイミングに合わせて取得されたデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が優先的に消化されるよう構成されている。
特図A保留回数カウンタ203dは、第1入球口A64への入賞が保留された数、即ち、第1図柄表示装置37Aにおける変動表示の保留回数(作動保留球数)を計数するカウンタである。
この特図A保留回数カウンタ203dは、第1入球口A64へ入賞する毎に1ずつ加算され、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示が第1図柄表示装置37Aにて開始される毎に1ずつ減算される。なお、上述した通り、本実施形態では、第1入球口A64への入賞に対する最大の保留回数は4回に構成されているので、特図A保留回数カウンタ203dは「4」を最大値とするカウンタとして構成される。また、この特図A保留回数カウンタ203dは、RAM203の初期化時に「0」に初期化される。
詳細は後述するが、第1入球口A64へ入賞し、特図A保留回数カウンタ203dが1加算される毎に、特図A保留回数カウンタ203dの値(即ち、保留回数)が、特図A保留回数コマンド(図6参照)によって音声ランプ制御装置113に通知される。特図A保留回数コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、特図A保留回数コマンドに含まれている保留回数カウンタ203dの値に基づいて、保留ランプ85Aを保留回数に応じた個数だけ点灯する。
特図B保留球カウンタ203eは、第1入球口B640への入賞が保留された数、即ち、第1図柄表示装置37Bおける変動表示の保留回数(作動保留球数)を計数するカウンタである。
この特図B保留回数カウンタ203eは、第1入球口B640へ入賞する毎に1ずつ加算され、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示が第1図柄表示装置37Bにて開始される毎に1ずつ減算される。なお、上述した通り、本実施形態では、第1入球口B640への入賞に対する最大の保留回数は4回に構成されているので、特図B保留回数カウンタ203eは「4」を最大値とするカウンタとして構成される。また、この特図B保留回数カウンタ203eは、RAM203の初期化時に「0」に初期化される。
詳細は後述するが、第1入球口B640へ入賞し、特図B保留回数カウンタ203eが1加算される毎に、特図B保留回数カウンタ203eの値(即ち、保留回数)が、特図B保留回数コマンド(図6参照)によって音声ランプ制御装置113に通知される。特図B保留回数コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、特図B保留回数コマンドに含まれている保留回数カウンタ203eの値に基づいて、保留ランプ85Bを保留回数に応じた個数だけ点灯する。
特図判別フラグ203fは、実行エリア203cに記憶されたデータに基づいて変動パターンコマンドを設定する場合に、実行エリア203cに記憶されたデータが、特図B保留格納エリア203bから移動されたデータであるか、特図A保留格納エリア203aから移動されたデータであるかを判別するフラグである。
より具体的には、この特図判別フラグ203fが、オンであれば、実行エリア203cに記憶されたデータが、特図B保留格納エリア203bから移動されたデータである、即ち、第1入球口B640への入賞タイミングに合わせて取得されたデータであることを示す。
一方、特図判別フラグ203fが、オフであれば、実行エリア203cに記憶されたデータが、特図A保留格納エリア203aから移動されたデータである、即ち、第1入球口A64への入賞タイミングに合わせて取得されたデータであることを示す。
詳細は後述するが、変動開始処理(図12参照)において、特図判別フラグ203fがオンであれば、そのときにおける変動種別カウンタCS1(図5参照)の値に基づき、特図B変動パターンコマンドを設定し、その後、設定した特図B変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113へ出力する。その結果、図柄の縦スクロールによる変動表示が第3図柄表示装置81に表示される(図7(b)参照)。
一方で、特図判別フラグ203fがオフであれば、そのときにおける変動種別カウンタCS1(図5参照)の値に基づき、特図A変動パターンコマンドを設定し、その後、設定した特図B変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113へ出力する。その結果、図柄の横スクロールによる変動表示が第3図柄表示装置81に表示される(図7(a)参照)。
このように、特図判別フラグ203fの状態に基づいて変動パターンコマンドを区別可能に設定することにより、第3図柄表示装置81に表示される図柄のスクロール方向によって、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示であるか、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示であるかを区別可能にすることができる。なお、特図判別フラグ203fは、RAM203の初期化時にオフに初期化される。
また、RAM203は、上記以外に、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。
RAM203への書き込みはメイン処理(図11参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図10参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が直ちに実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A、第1図柄表示装置37B、第2図柄表示装置83や、第2図柄保留ランプ84や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続されている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置226における音声の出力、ランプ表示装置227における点灯および消灯の出力、変動表示(変動演出)や先読み予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。なお、音声出力装置226は、図示しないスピーカなどから構成され、ランプ表示装置227は、電飾部29〜33、表示ランプ34、保留ランプ85A、保留ランプ85Bなどから構成される。
音声ランプ制御装置113の演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113のROM222は、先読み予告判定テーブル222aを有している。先読み予告判定テーブル222aは、主制御装置110から第3図柄表示装置81に先読み予告演出の表示を許可する通知があった場合に、先読み予告決定確率を設定するためのテーブルである。なお、先読み予告決定確率は、先読み予告演出の表示を許可する通知を受けた場合に、第3図柄表示装置81に先読み予告演出を開始させることを決定する確率である。
なお、本実施形態において、「先読み予告演出」とは、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞時に、その入賞によって実行される変動表示の開始タイミングにおける抽選(以下、「当否抽選」と称する)に先立って行われる抽選(以下、「先読み抽選」と称する)の結果が、当否抽選において大当たり(15R確変大当たり、2R確変大当たり、又は15R通常大当たり)の結果が得られる可能性が高いことを示唆(報知)する予告演出の一種である。
詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10における先読み予告演出は、第3図柄表示装置81によって行われ、第1入球口A64又は第1入球口B640への始動入賞時に行われる先読み抽選により、当否抽選の抽選結果が大当たりである可能性が高いと判定された場合に、先読み抽選の対象とされた始動入賞より前に保留(待機)されていた1又は複数の変動表示を、先読み予告演出用の変動態様(例えば、先読み予告演出を行わない場合の変動内容に、停止図柄の表示後に泡を発生させる演出が付加された態様)にすると共に、所定の組み合わせを所定の図柄の組み合わせ(例えば、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」)が各変動表示の停止図柄とするものである。
本実施形態では、先読み予告判定テーブル222aは、後述する特図A保留回数カウンタ223a又は特図保留回数カウンタ223bが取り得る2から4までの値のそれぞれに対し、異なる先読み予告決定範囲が対応付けられたテーブルとして構成される。なお、「先読み予告決定範囲」とは、先読み予告判定カウンタ223eの値のうち、先読み予告演出の開始を決定する条件とする範囲である。
より具体的には、本実施形態における先読み予告判定テーブル222aは、特図A保留回数カウンタ223a又は特図保留回数カウンタ223bの値が「2」である場合には、「0〜15」が先読み予告決定範囲として対応付けられ、特図A保留回数カウンタ223a又は特図保留回数カウンタ223bの値が「3」である場合には、「0〜39」が先読み予告決定範囲として対応付けられ、特図A保留回数カウンタ223a又は特図保留回数カウンタ223bの値が「4」である場合には、「0〜63」が先読み予告決定範囲として対応付けられたテーブルとして構成される。
このように、本実施形態における先読み予告判定テーブル222aは、先読み予告確率が、保留回数(特図A保留回数カウンタ223a又は特図保留回数カウンタ223bの値)に応じて変わるので、遊技者の期待感を、変動待機手段により待機されている変動表示の回数に応じて変化させることができる。よって、遊技に抑揚がつき、遊技者が遊技を単調に感じることを抑制することができるので、遊技者に遊技を長く続けさせることができる。
特に、本実施形態における先読み予告判定テーブル222aは、特図A保留回数カウンタ223a又は特図保留回数カウンタ223bの値が大きくなるほど、先読み予告決定範囲が広くなるように構成されている。先読み予告決定範囲が広いほど、先読み予告演出を行うことが決定され易くなり、先読み予告決定確率が高くなるので、本実施形態における先読み予告判定テーブル222aによれば、主制御装置110における変動表示の保留回数が多いほど、先読み予告決定確率が高い。
そのため、保留回数が大きいほど先読み予告決定確率を高く設定することにより、1の先読み予告演出に含まれる変動演出(1の始動入賞に対する1の変動表示)の数が多くなる可能性が高くなる。1の先読み予告演出に含まれる変動演出の数が多いほど、遊技者は、通常の演出とは異なる演出が行われたと感じ易くなるので、遊技者に対して、特別な期待感を持たせることができる。
また、変動表示の保留回数は、一般的に小さい値をとることが多いため、保留回数が小さい場合には、頻繁に先読み予告演出が行われないように抑制することができる一方、保留回数が大きくなった場合に、先読み予告演出が行われ易くすることができる。
なお、詳細は後述するが、主制御装置110から第3図柄表示装置81に先読み予告演出の表示を許可するか否かは、保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド又は特図B保留回数コマンド)に含まれる先読み予告許可フラグ(図6参照)の値によって通知される。この先読み予告許可フラグが先読み予告演出の表示を許可する値であった場合には、MPU221は、先読み予告判定テーブル222aと、先読み予告判定カウンタ223eの値とを比較し、先読み予告判定カウンタ223eの値が先読み予告判定テーブル222aで示される範囲にあるときに、第3図柄表示装置81に先読み予告演出を開始させることを決定する。
RAM223は、特図A保留回数カウンタ223aと、特図B保留回数カウンタ223bと、先読み予告判定カウンタ223eと、特図A先読み予告フラグ223dと、特図B先読み予告フラグ223eと、特図判別フラグ223fとを有している。
特図A保留回数カウンタ223aは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動表示であって、主制御装置110において保留されている第1入球口A64への入賞に基づく変動表示の回数(保留回数、待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
詳細は後述するが、主制御装置110は、第1入球口A64への入賞に伴って特図A保留回数カウンタ203dが1加算される毎に、特図A保留回数カウンタ203dの値を、特図A保留回数コマンド(図6参照)によって音声ランプ制御装置113に通知する。音声ランプ制御装置113は、かかる特図A保留回数コマンドを受信した場合に、特図A保留回数コマンドに含まれる、主制御装置110の特図A保留回数カウンタ203dの値(即ち、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示の保留回数)を特図A保留回数カウンタ223aに格納する。
この特図A保留回数カウンタ223aは、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示の指示コマンドである特図A変動パターンコマンドを主制御装置110から受信した場合に、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動態様(変動表示の態様)が設定されると、1減算される。
特図B保留回数カウンタ223bは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動表示であって、主制御装置110において保留されている第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の回数(保留回数、待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
詳細は後述するが、主制御装置110は、第1入球口B640への入賞に伴って特図B保留回数カウンタ203eが1加算される毎に、特図B保留回数カウンタ203eの値を、特図B保留回数コマンド(図6参照)によって音声ランプ制御装置113に通知する。音声ランプ制御装置113は、かかる特図B保留回数コマンドを受信した場合に、特図B保留回数コマンドに含まれる、主制御装置110の特図B保留回数カウンタ203eの値(即ち、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の保留回数)を特図B保留回数カウンタ223bに格納する。
この特図B保留回数カウンタ223bは、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の指示コマンドである特図B変動パターンコマンドを主制御装置110から受信した場合に、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動態様が設定されると、1減算される。
上述の通り、音声ランプ制御装置113に設けられた特図A保留回数カウンタ223a及び特図B保留回数カウンタ223bの値は、主制御装置110より送信されるコマンドに従って更新される。よって、特図A保留回数カウンタ223a及び特図B保留回数カウンタ223bの値は、主制御装置110の特図A保留回数カウンタ203d及び特図B保留回数カウンタ203eの値と同期させながら、更新することができる。
特図A保留回数カウンタ223aの値は、保留ランプ85Aの点灯処理に用いられ、特図B保留回数カウンタ223bは、保留ランプ85Bの点灯処理に用いられる。即ち、保留ランプ85A及び保留ランプ85Bは、それぞれ、特図A保留回数カウンタ223aの値及び特図A保留回数カウンタ223aの値に応じた個数のランプが点灯され、残りのランプは消灯される。
また、詳細は後述するが、特図A保留回数カウンタ223a及び特図B保留回数カウンタ223bの値は、先読み予告判定テーブル222aから、保留回数に応じた先読み予告決定範囲を設定する場合にも用いられる。
さらに、特図A保留回数カウンタ223a及び特図B保留回数カウンタ223bの値は、それぞれ、先読み予告演出の実行が決定された場合における特図A先読み予告フラグ223c及び特図B先読み予告フラグ223dの設定にも用いられる。
特図A先読み予告フラグ223cは、主制御装置110に保留された第1入球口A64への入賞に基づく変動表示(保留球)毎に、その変動表示(保留球)における先読み予告実行の有無を設定するフラグである。また、特図B先読み予告フラグ223dは、主制御装置110に保留された第1入球口B640への入賞に基づく変動表示(保留球)毎に、その変動表示(保留球)における先読み予告実行の有無を設定するフラグである。
特図A先読み予告フラグ223c及び特図B先読み予告フラグ223dは、どちらも、1バイト(8ビット)の変数として構成されており、第3ビットから第0ビット(下位4ビット)の各ビットに対して、各保留回数に対応した変動表示(保留球)がそれぞれ割り当てられている。
具体的には、特図A先読み予告フラグ223c及び特図B先読み予告フラグ223dの第0ビットには、保留回数が「1」の変動表示(第1保留球)が割り当てられ、第1ビットには、保留回数が「2」の変動表示(第2保留球)が割り当てられ、第2ビットには、保留回数が「3」の変動表示(第3保留球)が割り当てられ、第3ビットには、保留回数が「4」の変動表示(第4保留球)が割り当てられている。
特図A先読み予告フラグ223c及び特図B先読み予告フラグ223dの各ビットには、そのビットに割り当てられた保留球における先読み予告演出の実行の有無がそれぞれ設定される。具体的には、「1」が設定されたビットに対応する変動表示(保留球)において、先読み予告が実行される。
詳細は後述するが、音声ランプ制御装置113が、特図A保留回数コマンド又は特図B保留回数コマンド(図6参照)を主制御装置110から受信したことに基づいて先読み予告演出の開始を決定した場合には、その時点における特図A保留回数カウンタ223a又は特図B保留回数カウンタ223bの値(即ち、主制御装置110において保留されている、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の回数)に基づき、今回の保留球より前に保留された保留球に対応するビットが全て「1」に設定される。その結果、今回の保留球より前に保留されていた1又は複数の保留球に基づく全ての変動表示に亘って、先読み予告演出用の変動態様(例えば、先読み予告演出を行わない場合の変動内容に、停止図柄の表示後に泡を発生させる演出が付加された態様)が現出する。
一方、「0」が設定されたビットに対応する変動表示(保留球)では、先読み予告演出は実行されない。なお、特図A先読み予告フラグ223c及び特図B先読み予告フラグ223dの第7ビットから第4ビット(上位4ビット)は、いずれも未使用の領域として「0」が設定される。
先読み予告判定カウンタ223eは、先読み予告演出開始の決定に使用するカウンタで、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図20参照)の実行毎に1回更新される。先読み予告判定カウンタ223eの更新は、例えば、0〜127の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり127)に達した後0に戻ることによって行われる。
詳細は後述するが、保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド又は特図B保留回数コマンド)に含まれる先読み予告許可フラグ(図6参照)の値が先読み予告演出の表示を許可する値であった場合に、先読み予告判定カウンタ223eの値と、先読み予告判定テーブル222aとの比較を行い、先読み予告判定カウンタ223eの値が先読み予告判定テーブル222aで示される範囲にあるときに、第3図柄表示装置81にて先読み予告演出を行うことを決定する。
特図判別フラグ223fは、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが、特図B変動パターンコマンドであるか、特図A変動パターンコマンドであるかを判別するフラグである。
より具体的には、この特図判別フラグ223fが、オンであれば、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが、特図B変動パターンコマンドであることを示す。一方で、特図判別フラグ223fが、オフであれば、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが、特図A変動パターンコマンドであることを示す。なお、特図判別フラグ223fは、RAM203の初期化時にオフに初期化される。
詳細は後述するが、装飾図柄演出設定処理(図25参照)において、特図判別フラグ223fがオンであれば、受信した特図B変動パターンコマンドが示す変動態様(図柄の変動時間)の変動演出を設定すると共に、設定した変動演出と、その変動演出が第1入球口B640への入賞に基づくことを示す情報とを含む表示用特図B変動パターンコマンドを表示制御装置114へ出力する。その結果、表示制御装置114は、表示用特図B変動パターンコマンドに従う変動表示(縦スクロールの変動表示:図7(b)参照)を開始する。
一方で、特図判別フラグ223fがオフであれば、受信した特図A変動パターンコマンドが示す変動態様(図柄の変動時間)の変動演出を設定すると共に、設定した変動演出と、その変動演出が第1入球口A64への入賞に基づくことを示す情報とを含む表示用特図A変動パターンコマンドを表示制御装置114へ出力する。その結果、表示制御装置114は、表示用特図A変動パターンコマンドに従う変動表示(横スクロールの変動表示:図7(a)参照)を開始する。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを有している。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、図示されない演出許可フラグや変動開始フラグなどを有している。
なお、図示されない演出許可フラグは、主制御装置110の初期設定の処理後に送信される演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113を介して受信するとオンされ、電源断の発生によりオフされるフラグである。また、図示されない変動開始フラグは、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに対応するコマンドを、音声ランプ制御装置113を介して受信した場合にオンされると共に第3図柄表示装置81において変動表示が開始されたらオフされるフラグである。
キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)などのキャラクタ情報が記憶されたキャラクタ情報メモリ(図示せず)を有している。このキャラクタ情報メモリ(図示せず)に記憶されているキャラクタ情報としては、変動表示される第3図柄のキャラクタ図柄や、背景図柄や、予告キャラクタ図柄などが記憶されている。
なお、キャラクタ情報メモリには、記憶するデータ量を少なくするために、上述したようなキャラクタ情報が圧縮形式のデータで記憶されている。本実施形態では、キャラクタ情報は約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのキャラクタ情報が、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタ情報メモリに記憶されている。キャラクタ情報メモリに圧縮形式のデータとして記憶されているキャラクタ情報は、読み出されると、解凍された後にビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域(図示せず)に書き込まれる。
ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される表示内容(変動表示の演出パターンや、リーチ演出時の演出内容など)に対応する演出データが記憶される表示用領域(図示せず)と、キャラクタROM235のキャラクタ情報メモリ(図示せず)に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を解凍したデータが記憶されるキャラクタ情報記憶領域(図示せず)とを有している。
なお、ビデオRAM234には、第1入球口A64に基づく横スクロールの変動表示に対する演出データと、第1入球口B640に基づく縦スクロールの変動表示に対する演出データとが記憶されている。第1入球口A64に基づく変動表示を行う場合には、設定された変動態様に応じた横スクロール用の演出データが使用され、第1入球口B640に基づく変動表示を行う場合には、設定された変動態様に応じた縦スクロール用の演出データが使用される。
また、本実施形態のパチンコ機10では、先読み予告演出を行わない通常の態様で変動表示を行うための演出データに加え、停止図柄の表示後に泡を発生させる点において通常の態様と異なる先読み予告演出用の変動態様での変動表示を行うための演出データも、ビデオRAM234に記憶されている。先読み予告演出の表示を行う場合には、通常の態様での変動表示用の演出データではなく、先読み予告演出用の変動態様での変動表示用の演出データが使用される。
ビデオRAM234における図示されない表示用記憶領域は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するためのメモリであり、その表示用記憶領域の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。また、図示されないキャラクタ情報記憶領域には、背景図柄や装飾図柄などの素材となるキャラクタデータが記憶され、このキャラクタ情報記憶領域から第3図柄表示装置81に表示するための必要なデータが読み出されて表示用記憶領域に書き込まれる。
なお、キャラクタ情報をビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域(図示せず)に記憶させるのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためであり、キャラクタ情報をキャラクタROM235から直接、ビデオRAM234の表示用記憶領域(図示せず)に直接書き込む場合、読み出すデータ量が大きいと読み出しに時間を有しスムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができないからである。更に、RAMにおいて表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるためである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208や、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧のうち、各制御装置110〜114等が必要とする電圧を各々に供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図17参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図5を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられる保留球格納エリア203aやカウンタ等について説明する。これらの保留球格納エリア203aやカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定、第2図柄表示装置82の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、第2図柄表示装置82の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、メイン処理(図11参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図13参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。
また、RAM203には、上述の通り、特図A保留球格納エリア203aと、特図B保留球格納エリア203bとが設けられている。特図A保留球格納エリア203a及び特図B保留球格納エリア203bは、それぞれ、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)から構成されている。また、RAM203には、1つの実行エリアから構成される実行エリア203cが設けられている。
特図A保留球格納エリア203a及び特図B保留球格納エリア203bには、それぞれ、第1入球口A64又は第1入球口B640への球の入賞タイミングに合わせて取得されるカウンタC1〜C3の各値が格納される。
より具体的には、第1入球口A64に球が通過した(入賞した)場合には、第1当たり乱数カウンタバッファに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値、第1当たり種別カウンタバッファに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値、及び、停止パターン選択カウンタバッファに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値が、特図A保留球格納エリア203aに格納される。
一方、第1入球口B640に球が通過した場合には、第1当たり乱数カウンタバッファに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値、第1当たり種別カウンタバッファに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値、及び、停止パターン選択カウンタバッファに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値が、特図B保留球格納エリア203bに格納される。
詳細は図10及び図11を参照しつつ後述するが、特図A保留球格納エリア203aに格納されるデータ(即ち、特図A保留球格納エリア203aを構成する保留エリアに格納された各値)、及び、特図B保留球格納エリア203bに格納されるデータ(即ち、特図B保留球格納エリア203bを構成する保留エリアに格納された各値)のうち、1のデータが、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bに表示される変動表示を開始する毎に、実行エリア203cへと移動される。
なお、本実施形態では、特図B保留球格納エリア203bに格納されるデータが優先的に実行エリア203cへと移動されるように構成されている。即ち、特図B保留球格納エリア203bに1つでもデータが記憶されていれば、そのデータが特図B保留球格納エリア203bに格納されるより前に特図A保留格納エリア203bに格納されたデータがあったとしても、特図B保留格納エリア203bに記憶されているデータが実行エリア203cへと移動される。
かかるデータシフトの結果として実行エリア203c内に格納されているデータが変動開始処理(図12参照)において参照され、その参照データに従う変動表示及び停止表示が第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bに行われる。
次に、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜699の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり699)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態では、タイマ割込処理毎に1回(図13参照))更新され、球が第1入球口A64又は第1入球口B640に入賞したタイミングで特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留球格納エリア203bに格納される。
第1当たり乱数カウンタC1の値のうち、大当たりとなる値の数は、高確率時と低確率時とで2種類設定されている。具体的には、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は20で、その値は「7,40,72,106,133.171,209,241,278,319,357,391,426,467,503,541,573,602,648,685」であり、これらの値は、高確率時当たり値テーブル202aに格納されている。一方、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「7,357」であり、これらの値は、低確率時当たり値テーブル202bに格納されている。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜699)、タイマ割込処理(図13参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図11参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を決定すると共に、大当たりの場合に第1図柄表示装置37A,37Bに表示される表示態様を決定するものである。本実施形態では、第1当たり種別カウンタC2は、0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。この第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施形態では、タイマ割込処理毎に1回(図13参照))更新され、球が第1入球口A64又は第1入球口B640に入賞したタイミングで特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留球格納エリア203bに格納される。
本実施形態では、第1入球口A64への入賞(始動入賞)に基づく抽選であるか、第1入球口B640への始動に基づく抽選であるかに応じて、選択可能な大当たり種別の種類が異なるよう構成されている。
具体的には、第1入球口A64への入賞(始動入賞)に基づく抽選、即ち、実行エリア203cに格納されたデータに対する判定を行う際の特図判別フラグ203fの状態がオフである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が0から39までの値のいずれかであれば、大当たり種別は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行すると共に少なくとも100変動回数の間は時短状態となる15R通常大当たりに決定される。また、第1当たり種別カウンタC2の値が40から59までの値のいずれかであれば、大当たり種別は、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たり(2R確変大当たり)に決定される。さらに、第1当たり種別カウンタC2の値が60から99までの値のいずれかであれば、大当たり種別は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たり(15R確変大当たり)に決定される。
一方、第1入球口B640への入賞に基づく抽選、即ち、実行エリア203cに格納されたデータに対する判定を行う際の特図判別フラグ203fの状態がオンである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が0から39までの値のいずれかであれば、大当たり種別は15R通常大当たりに決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が40から99までの値のいずれかであれば、大当たり種別は15R確変大当たりに決定される。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、第1入球口B640への球の通過(始動入賞)に基づいて選択され得る大当たり種別は、2R確変大当たりを含まない点において、第1入球口A64への始動入賞に基づいて選択され得る大当たり種別と異なる。
ここで、15R通常大当たりの選択確率は、第1入球口A64への入賞であっても、第1入球口B640への入賞であっても同じ(40/100)であるので、2R確変大当たりが選択されない第1入球口B640への入賞の方が、第1入球口A64への入賞に比べ、15R確変大当たりの選択確率が高くなる。よって、第1入球口B640の方が、第1入球口A64に比べて、遊技者にとって有利な入球口であるといえる。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態では、タイマ割込処理毎に1回(図13参照))更新され、球が第1入球口A64又は第1入球口B640に入賞したタイミングで特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留球格納エリア203bに格納される。
なお、停止パターン選択カウンタC3の値(乱数値)から停止パターンを選択するために参照されるテーブル(図示せず)はMPU201内に設けられており、停止パターンは、このテーブルと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて選択される。ここで、かかるテーブルは、停止パターンの選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか等に応じて、停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が0〜89と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。この高確率状態で選択されるテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
一方、低確率状態であれば、第1入球口A64又は第1入球口B640への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が0〜79と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。この低確率状態で選択されるテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口A64又は第1入球口B640への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、この低確率状態で選択されるテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
なお、この停止パターンを選択するために参照されるテーブルは、高確率状態であるか低確率状態であるかだけでなく、保留個数に応じて異なるようにしたり、実行エリア203cに格納されている値が、第1入球口A64への入賞に基づく値であるか、第1入球口B640への入賞に基づく値であるかに応じて異なるように構成してもよい。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、表示制御装置114により第3表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図11参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。
第2当たり乱数カウンタC4の値は、例えば定期的に(本実施形態では、タイマ割込処理毎に1回(図13参照))更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、確変中及び時短中において、当選することとなる乱数の範囲は、その数が増加する(例えば、180に増加する)よう変更される。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図13参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図11参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図6を参照して、保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド、特図B保留回数コマンド)の構成について説明する。図6は、保留回数コマンドのビット構成を示す模式図である。
図6に示すように、保留回数コマンドは、2バイトのコマンドとして構成される。なお、以下の説明において、2バイトのコマンドのうち、上位側のバイトを上位バイトと称し、下位側のバイトを下位バイトと称する。また、各バイトにおいて、最上位ビット(MSB)を「第7ビット」とし、最下位ビット(LSB)を「第0ビット」として、説明を行う。
保留回数コマンドは、上位バイトの第7ビットから第5ビットが、固定値「011」(2進数)で構成されており、これによって、本コマンドが保留回数コマンドであることを示す。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信したコマンドのうち、上位バイトの第7ビットから第5ビットの値を確認し、その値が「011」(2進数)である場合に、受信したコマンドが保留回数コマンドと判別することができる。
また、保留回数コマンドにおける上位バイトの第4ビットは、特図判別フラグである。この上位バイトの第4ビット(特図判別フラグ)の値が「0」であれば、第1入球口A64への入賞による保留回数コマンド、即ち、特図A保留回数コマンドであることを表す。一方、上位バイトの第4ビットの値が「1」であれば、第1入球口B640への入賞による保留回数コマンド、即ち、特図B保留回数コマンドであることを表す。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した保留回数コマンドのうち、上位バイトの第4ビットの値に基づき、受信した保留回数コマンドが、特図A保留回数コマンドであるか、特図B保留回数コマンドであるかを判別することができる。
また、保留回数コマンドのうち、下位バイトは、保留回数で構成される。主制御装置110は、保留回数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する場合に、第1入球口A64への球の入賞によって1加算された特図A保留回数カウンタ203dの値、又は、第1入球口B640への球の入賞によって1加算された特図B保留回数カウンタ203eの値を、保留回数コマンドの下位バイトの第2ビットから第0ビットを用いて2進数で設定する。一方、保留回数コマンドの下位バイトの第7ビットから第3ビットには、すべて0を設定する。これにより、保留回数コマンドの下位バイト全体で、第1入球口A64又は第1入球口B640への球の入賞に基づいて第1図柄表示装置37で行われる変動表示の保留回数を表すことができる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から保留回数コマンドを受信すると、受信した保留回数コマンドの下位バイトから、主制御装置110に保留された変動表示の保留回数を抽出する。このように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において特図A保留回数カウンタ203d又は特図B保留回数カウンタ203eが1加算される毎に、かかる保留回数コマンドによって、主制御装置110に保留されている変動表示の保留回数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の保留回数カウンタ223aによって管理される変動表示の保留回数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留回数が変更されてしまった場合であっても、次に受信する保留回数コマンドによって、正しい値に修正することができる。
この保留回数コマンドは、第3図柄表示装置81に先読み予告演出の表示を許可するか否かを音声ランプ制御装置113に指示する先読み予告許可コマンドとしての役割も担っている。保留回数コマンドにおける先読み予告許可コマンドとしての役割は、保留回数コマンドの上位バイトの第3ビットで表わされる先読み予告許可フラグによって果たされる。
この先読み予告許可フラグは、第3図柄表示装置81に先読み予告演出の表示を許可するか否かを示すものである。具体的には、先読み予告許可フラグの値が「1」であれば、第3図柄表示装置81に先読み予告演出の表示を許可することを表す。一方で、先読み予告許可フラグの値が「0」であれば、第3図柄表示装置81に先読み予告演出の表示を許可しないことを表す。
保留回数コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信された場合、音声ランプ制御装置113は、保留回数コマンドの上位バイトの第3ビット(即ち、先読み予告許可フラグ)の値を確認し、その値が「1」であれば、先読み予告判定テーブル222aに基づく所定の確率(先読み予告確率)で先読み予告の開始を決定する。
ここで、先読み予告許可フラグの設定は、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞時に行われる先読み抽選の結果に基づいて行われ(図15及び図16参照)、先読み抽選の結果が「大当たり」であれば、先読み予告許可フラグに「1」が設定され、一方で、先読み抽選の結果が「外れ」であれば、「0」が設定される。
ところで、先読み抽選、及び、その後に行われる当否抽選(即ち、始動入賞に合わせて取得されたデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が実行エリア203に移動され、変動表示の開始タイミングにて行われる抽選)は、それぞれ、抽選が行われるときの遊技状態に応じた当たり値テーブル(高確率時当たり値テーブル202a又は低確率時当たり値テーブル202b)が用いられる。
そのため、先読み抽選の結果が「大当たり」であっても、その後に行われる当否抽選による抽選結果は「外れ」となる場合もある。即ち、保留回数コマンドにおける予告許可フラグ(上位バイトの第4ビット)の値が「1」であったとしても、その後に行われる当否抽選の結果が「大当たり」であるとは限らない。換言すれば、保留回数コマンドにおける予告許可フラグの値が「1」である場合には、の後に行われる当否抽選の結果が「大当たり」である可能性が高いことを示す。
よって、保留回数コマンドにおける予告許可フラグによる先読み予告演出の表示の許可は、先読み抽選の結果、その後に行われる当否抽選の結果が「大当たり」である可能性が高い場合においてなされるものであるので、先読み予告演出が第3図柄表示装置81に表示された場合、遊技者に対して高い期待感を持たせることができる。
このように、先読み予告の開始の決定は、主制御装置110から保留回数コマンドを受信した音声ランプ制御装置113において行われる。よって、主制御装置110は、先読み予告演出に係る処理のうち、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞タイミングで行われる先読み抽選の結果に基づく先読み予告演出の許可判断(即ち、保留回数コマンドにおける先読み予告許可フラグの設定)だけを行えばよく、主制御装置110における処理を抽選処理に集中させることができる。また、音声ランプ制御装置113に処理能力の高いMPU221を使用すれば、先読み予告演出の演出態様を多種多様に設定することができる。
また、保留回数コマンドにおける上位バイトの第1ビットから第0ビット(下位2ビット)は、先読み予告演出終了後の遊技状態(先読み予告後遊技状態)、即ち、その保留回数コマンドに対応する始動入賞時に行われた先読み抽選の結果が、「15R確変大当たり」であるか、「2R確変大当たり」であるか、「15R通常大当たり」であるか、「外れ」であるかを表すビットである。
具体的には、保留回数コマンドにおける上位バイトの下位2ビットの値が「11」(2進数)である場合には「15R確変大当たり」、「10」(2進数)である場合には「2R確変大当たり」、「01」(2進数)である場合には「15R通常大当たり」、「00」(2進数)である場合には「外れ」であることを示す。
上述の通り、本実施形態における保留回数コマンドは、1の保留回数コマンドにより、保留回数と先読み予告許可フラグとの2つの情報を、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信することができる。よって、かかる1の保留回数コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、先読み予告演出の実行が許可されたか否かを正確に把握することができることに加え、先読み予告演出が加えられる保留された変動表示の数(保留回数)を正確に把握することができる。そのため、変動表示の保留回数と、先読み予告許可フラグとが別のコマンドによって主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信される場合と比較して、音声ランプ制御装置113における制御を容易にすることができる。
次に、図7を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図7は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図であり、図7(a)は、表示画面が横スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定とを示した模式図であり、図7(b)は、表示画面が縦スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定とを示した模式図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄からなる10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。これらの主図柄及び副図柄は、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されることによって図柄列を構成している。これらの各図柄列は、第1入球口A64又は第1入球口B640球が1回通過する毎に、変動表示が開始される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第3図柄表示装置81に表示される変動表示が、第1入球口A64に基づくものであるか、第1入球口B640に基づくものであるかに応じて異なるように構成されている。
具体的には、第1入球口A64に基づく変動表示である場合には、図7(a)に示すように、各図柄列毎に主図柄及び副図柄が周期性をもって右から左(矢印X方向)へスクロール(横スクロール)するように変動表示される。なお、図7(a)に示すように、横スクロール時には、各図柄列は、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。この場合、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
一方で、第1入球口B640に基づく変動表示である場合には、図7(b)に示すように、各図柄列毎に主図柄及び副図柄が周期性をもって上から下(矢印Y方向)へスクロール(縦スクロール)するように変動表示される。なお、図6(b)に示すように、縦スクロール時には、各図柄列は、左・中・右の3つの図柄列Z1’,Z2’,Z3’が表示される。この場合、左図柄列Z1’においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2’及び右図柄列Z1’においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
図7(a)及び図7(b)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面には、それぞれ、各図柄列(Z1〜Z3又はZ1’〜Z3’)毎に左・中・右又は上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。
ここで、第3図柄表示装置81の表示画面には、縦スクロール時及び横スクロール時のいずれの場合も5つの有効ラインが設定されている。具体的には、図7(a)に示すように、横スクロール時には、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つのラインが有効ラインとして設定されている。また、図7(b)に示すように、縦スクロール時には、上ラインL1’、中ラインL2’、下ラインL3’、右上がりラインL4’、左上がりラインL5’の5つのラインが有効ラインとして設定されている。
主制御装置110による当否抽選の結果が大当たりであれば、縦又は横にスクロールする変動表示は、大当たりの種別(本実施形態では、15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり)毎に予め規定されている図柄の組み合わせからなる停止図柄が、いずれかの有効ライン上に並んだ状態で終了し、その後、当否抽選によって得られた大当たりの種別に応じた大当たり遊技が発生する。
本実施形態では、「15R確変大当たり」である場合には、全て同一の高確率図柄(奇数番号に対応する主図柄)からなる停止図柄が表示され、「15R通常大当たり」である場合には、全て同一の低確率図柄(偶数番号に対応する主図柄)からなる停止図柄が表示される。また、「2R確変大当たり」である場合には、全てが同一でない特定の図柄の組み合わせ(例えば、「タコ(1)・ハリセンボン(2)・カメ(3)」)からなる停止図柄が表示される。
なお、横スクロールの場合(図7(a))には、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、縦スクロールの場合(図7(b))には、左図柄列Z1’→右図柄列Z3’→中図柄列Z2’の順に変動表示が停止する。
次に、図8から図19のフローチャートを参照して、主制御装置110のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。
まず、図8を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図8は、主制御装置110のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
図8に示すように、この立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、図9のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述した通り、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ123を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ123が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ123がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110では、割込みを許可して、図9を参照して後述するメイン処理に移行する(S110)。
次に、図9を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図9は、主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)や、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ送信(出力)する(S201)。この外部出力処理(S201)により、例えば、S501のスイッチ読み込み処理(図13参照)によって検出された入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理(S201)により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、種別コマンド、停止コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信したり、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37A,37Bによる表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図10を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを大当たり種別に応じたラウンド数だけ繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口B640に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2の更新(S209)と変動種別カウンタCS1の更新(S210)とを繰り返し実行する。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
次に、変動種別カウンタCS1の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に、変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理(図17参照)が実行されたので、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。
まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。
よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図10を参照して、変動処理(S204)について説明する。図10は、メイン処理(図9参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。
図10に示すように、この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中でなければ(S302:No)、特図B保留回数カウンタ203eの値が0よりも大きいか否かを判別する(S303)。
このとき、特図B保留回数カウンタ203eの値が0よりも大きければ(S303:Yes)、特図B保留球格納エリア203bに格納されたデータのうち、最古のデータを実行エリア203cへ移動する特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)を実行する。なお、この特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)において実行される詳細な処理は、図11(b)を参照しつつ後述する。
特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)の実行後は、実行エリア203cに格納されるデータに基づいて、第1図柄表示装置37Bでの変動表示の開始と第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示を開始させるための各種コマンドの設定を行う変動開始処理を実行して(S305)、変動処理(S204)を終了し、メイン処理(図9参照)へ戻る。なお、変動開始処理(S305)において実行される詳細な処理は、図12を参照して後述する。
一方で、S303の処理により確認した結果、特図B保留回数カウンタ203eの値が0であれば(S303:No)、特図A保留回数カウンタ203dの値が0よりも大きいか否かを判別する(S306)。
S306の処理により確認した結果、特図A保留回数カウンタ203dの値が0よりも大きければ(S306:Yes)、特図A保留球格納エリア203aに格納されたデータのうち、最古のデータを実行エリア203cへ移動する特図A保留球格納エリア順送り処理を実行して(S307)、変動開始処理(S305)へ移行する。この特図A保留球格納エリア順送り処理(S307)において実行される詳細な処理は、図11(a)を参照しつつ後述する。
このように、本パチンコ機10で実行される変動処理(S204)によれば、特図B保留回数カウンタ203eの値が1以上であれば、特図A保留回数カウンタ203dの値とは無関係に、必ず、特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)が実行され、特図B保留球格納エリア203bに格納されたデータに基づく変動表示が第1図柄表示装置37A及び第3図柄表示装置81で開始される。
よって、本パチンコ機10では、第1入球口B640への入賞タイミングに合わせて取得されたデータが優先的に消化される。即ち、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示が優先的に実行される。
上述した通り、第1入球口B640の方が、第1入球口A64に比べて、遊技者にとって有利な入球口として構成されているので、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示を優先的に実行することにより、特図B保留球格納エリア203bに格納されている(つまり、保留中の)データが残存する間は、遊技者にとって有利な状況となる。従って、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示を優先的に実行することによって、遊技に抑揚をつけることができ、遊技者が遊技を単調に感じて遊技を止めてしまうことを防止することができる。
一方で、S306の処理により確認した結果、特図A保留回数カウンタ203dの値が0であれば(S306:No)、保留(待機)されている変動表示が存在しないので、そのまま変動処理(S204)を終了して、メイン処理(図9参照)へ戻る。
また、S302の処理において、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S308)。第1図柄表示装置37A,37Bの変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S309)、変動処理(S204)を終了して、メイン処理(図9参照)へ戻る。
本実施形態では、第1図柄表示装置37AのLED37Aa又は第1図柄表示装置37Bの37Baは、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、この変動処理は、メイン処理において実行されるサブルーチンであるので、4ms毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37A,37Bの変動時間が経過していれば(S308:Yes)、第1図柄表示装置37A,37Bの停止表示(停止図柄)が設定される(S310)。この停止表示の設定は、後述する変動開始処理(図12参照)におけるS404又はS410の処理により、実行エリア203cに格納されたデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて設定された表示態様に基づいて設定される。
本実施形態では、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりであった場合に、第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別が「15R確変大当たり」である場合には、LED37Aa又はLED37Baにおける赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させ、大当たり種別が「2R確変大当たり」である場合には、LED37Aa又はLED37Baにおける赤色のLEDと青色のLEDとを点灯させ、大当たり種別が「15R通常大当たり」である場合には、LED37Aa又はLED37Baにおける緑色のLEDと青色のLEDとを点灯させる。一方、第1当たり乱数カウンタC1の値が外れであった場合には、LED37Aa又はLED37Baにおける青色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S310の処理後、大当たりである場合に変動表示後に実行される大当たり遊技に関する設定や、時短中における変動表示の実行回数を計数する時短カウンタ(図示せず)の更新を行う変動終了処理を実行する(S311)。
S311の処理後、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示の停止を、S309の処理により設定された第1図柄表示装置37A,37Bにおける停止表示とを同調させるために停止コマンドを設定し(S312)、変動処理(S204)を終了して、メイン処理(図9参照)へ戻る。音声ランプ制御装置113は、S312の処理により設定された停止コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して停止指示をする。第3図柄表示装置81は、変動パターンコマンドが示す変動時間が経過すると変動表示を停止し、停止コマンドを受信することで、第1入球口A64又は第1入球口B640への1の入賞に基づいて第3図柄表示装置81にて行われる1の変動表示(変動演出)を終了する。
次に、図11(a)を参照して、上述した特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)について説明する。図11(a)は、変動処理(図10参照)の中で実行される特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)を示すフローチャートである。
図11(a)に示すように、この特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)では、まず、特図B保留球格納エリア203bにおける保留第1エリアのデータ(各カウンタC1〜C3の各値)を実行エリア203cへ移動する(S351)。
S351の処理後、特図B保留球格納エリア203bにおける保留第2エリア〜保留第4エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリアへ移動(シフト)し(S352)、特図B保留回数カウンタ203eから1減算する(S353)。そして、特図判別フラグ203fをオンして(S354)、特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)を終了し、変動処理(図10参照)へ戻る。
次に、図11(b)を参照して、上述した特図A保留球格納エリア順送り処理(S307)について説明する。図11(b)は、変動処理(図10参照)の中で実行される特図A保留球格納エリア順送り処理(S307)を示すフローチャートである。
図11(b)に示すように、この特図A保留球格納エリア順送り処理(S307)では、まず、特図A保留球格納エリア203aにおける保留第1エリアのデータ(各カウンタC1〜C3の各値)を実行エリア203cへ移動する(S361)。
S361の処理後、特図A保留球格納エリア203aにおける保留第2エリア〜保留第4エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリアへ移動(シフト)し(S362)、特図A保留回数カウンタ203dから1減算する(S363)。そして、特図判別フラグ203fをオフして(S364)、特図A保留球格納エリア順送り処理(S307)を終了し、変動処理(図10参照)へ戻る。
次に、図12を参照して、上述した変動開始処理(S305)について説明する。図12は、変動処理(図10参照)の中で実行される変動開始処理(S305)を示すフローチャートである。
図12に示すように、この変動開始処理(S305)では、まず、確変中であるか否かを確認し(S401)、確変中であれば(S401:Yes)、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時当たり値テーブル202aに格納されている各値(各当たり値)の全てとを比較し(S402)、S403の処理へ移行する。
上述した通り、高確率時当たり値テーブル202aには、大当たりとなる値として20の値、具体的には、「7,40,72,106,133.171,209,241,278,319,357,391,426,467,503,541,573,602,648,685」が格納されている。よって、S402では、これら20の値の1つ1つを、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と比較する。
一方で、S401の処理により確認した結果、確変中でない、即ち、通常中又は時短中である場合には(S401:No)、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時当たり値テーブル202bに格納されている各値の全てとを比較し(S409)、S403の処理へ移行する。
上述した通り、低確率時当たり値テーブル202bには、大当たりとなる値として2の値、具体的には、「7,357」が格納されている。よって、S409では、これら2の値の1つ1つを、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と比較する。
S403では、S402又はS409において比較を行った結果、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値か否かを判別する(S403)。
S403の処理により確認した結果、大当たりとなる値であると判別された場合、即ち、高確率時当たり値テーブル202a又は低確率時当たり値テーブル202bに格納される値の中に、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に一致する値があった場合には(S403:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり時の表示態様(大当たりの種別)の設定を行う(S404)。
上述した通り、本パチンコ機10は、第1入球口A64への入賞であるか、第1入球口B640への入賞であるかに応じて、設定可能な大当たりの種別が異なるよう構成されている。よって、S404では、特図判別フラグ203fの値に基づいて大当たり時の表示態様を設定する。
具体的には、特図判別フラグ203fの状態がオフである場合、即ち、第1入球口A64への入賞に基づく大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が0から39までの値のいずれかであれば、大当たり時の表示態様(大当たりの種別)は「15R通常大当たり」に設定され、第1当たり種別カウンタC2の値が40から59までの値のいずれかであれば、大当たり時の表示態様は「2R確変大当たり」に設定され、第1当たり種別カウンタC2の値が60から99までの値のいずれかであれば、大当たり時の表示態様は「15R確変大当たり」に設定される。
一方で、特図判別フラグ203fの状態がオンである場合、即ち、第1入球口B640への入賞に基づく大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が0から39までの値のいずれかであれば、大当たり時の表示態様は「15R通常大当たり」に設定され、第1当たり種別カウンタC2の値が40から99までの値のいずれかであれば、大当たり時の表示態様は「15R確変大当たり」に設定される。
なお、S404の処理により設定された大当たり時の表示態様に基づき、第1図柄表示装置37A,37Bの停止表示の表示態様(LED37Aa,37Baの点灯状態)及び第3図柄表示装置81における停止表示の表示態様が決定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S405)。具体的には、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。このS405の処理により変動パターン(変動時間)が設定されると、その結果として、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動時間が決定されると共に、第3図柄表示装置81において停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
一方、S403の処理により確認した結果、大当たりとなる値でないと判別された場合、即ち、高確率時当たり値テーブル202a又は低確率時当たり値テーブル202bに格納される値の中に、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に一致する値がなかった場合には(S403:No)、外れ時の表示態様を設定する(S410)。
S410の処理では、実行エリア203cに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定すると共に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定する。本実施形態では、上述の通り、高確率状態(確変中)であるか、低確率状態(通常中、時短中)であるかに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S411)。具体的には、S405の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。このS411の処理により変動パターン(変動時間)が設定されると、その結果として、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動時間が決定されると共に、第3図柄表示装置81において停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
S405又はS411の処理後は、特図判別フラグ203fがオンであるかを確認する(S406)。このとき、特図判別フラグ203fがオフであれば(S406:No)、特図A変動パターンコマンドを設定する(S407)。一方、特図判別フラグ203fがオンであれば(S406:Yes)、特図B変動パターンコマンドを設定する(S412)。
なお、S407において設定される特図A変動パターンコマンド及びS412において設定される特図B変動パターンコマンドは、S405又はS411の処理により決定された変動パターン(変動時間)に応じて設定される。
S407又はS412の処理後は、種別コマンドを設定して(S408)、変動開始処理(S305)を終了し、変動処理(図10参照)へ戻る。このとき、種別コマンドは、S404により設定された大当たり時の表示態様(即ち、15R確変大当たり、2R確変大当たり、又は15R通常大当たり)、あるいは、S410により設定された外れ時の表示態様(即ち、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、又は完全外れ)に応じて設定される。
S407又はS412の処理によって設定された変動パターンコマンド(特図A変動パターンコマンド又は特図B変動パターンコマンド)、及び、種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファ(図示せず)に記憶され、メイン処理(図9参照)のS201の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
次に、図13は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、699,99,99,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
その後は、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に伴う始動入賞処理(図14参照)を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図14のフローチャートを参照して、上述した始動入賞処理(S504)について説明する。図14は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。
図14に示すように、この始動入賞処理(S504)では、まず、球が第1入球口A64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。S601の処理により確認した結果、球が第1入球口A64に入賞したと判別された場合には(S601:Yes)、特図A保留回数カウンタ203dの値、即ち、第1図柄表示装置37Aの保留回数(作動保留球数)が予め規定されている上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。
S602の処理により確認した結果、特図A保留回数カウンタ203dの値が4未満、即ち、保留回数が4未満であれば(S602:Yes)、特図A保留回数カウンタ203dに1加算する(S603)。
次いで、タイマ割込処理(図13参照)におけるS503の処理により更新されて対応する各カウンタバッファに格納された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、特図A保留球格納エリア203aのうち空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S604)。
S604の処理後、特図A保留回数カウンタ203dの値(即ち、保留回数)及び先読み予告許可フラグの情報を含む特図A保留回数コマンドを設定する特図A保留回数コマンド設定処理を実行し(S605)、S606の処理へ移行する。なお、特図A保留回数コマンド設定処理(S605)において実行される詳細な処理は、図15を参照しつつ後述する。
一方、S601の処理により確認した結果、第1入球口A64への入賞がないと判別された場合には(S601:No)、S602〜S605の処理をスキップして、S606の処理へ移行する。
S606では、球が第1入球口B640に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S606)。S606の処理により確認した結果、球が第1入球口B640に入賞したと判別された場合には(S606:Yes)、特図B保留回数カウンタ203eの値、即ち、第1図柄表示装置37Bの保留回数が予め規定されている上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S607)。
S607の処理により確認した結果、特図B保留回数カウンタ203eの値が4未満、即ち、保留回数が4未満であれば(S607:Yes)、特図B保留回数カウンタ203eに1加算する(S608)。
次いで、タイマ割込処理(図13参照)におけるS503の処理により更新されて対応する各カウンタバッファに格納された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、特図B保留球格納エリア203bのうち空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S609)。
S609の処理後、特図B保留回数カウンタ203eの値(即ち、保留回数)及び先読み予告許可フラグの情報を含む特図B保留回数コマンドを設定する特図B保留回数コマンド設定処理を実行し(S610)、始動入賞処理(S504)を終了する。なお、特図B保留回数コマンド設定処理(S610)において実行される詳細な処理は、図16を参照しつつ後述する。
一方、S606の処理により確認した結果、第1入球口B640への入賞がないと判別された場合には(S606:No)、S607〜S610の処理をスキップして、始動入賞処理(S504)を終了する。
次に、図15を参照して、上述した特図A保留回数コマンド設定処理(S605)について説明する。図15は、始動入賞処理(図14参照)の中で実行される特図A保留回数コマンド設定処理(S605)を示すフローチャートである。
この特図A保留回数コマンド設定処理(S605)では、まず、確変中であるか否かを確認する(S621)。このとき、確変中でなければ(S621:No)、時短中であるか否かを確認する(S622)。
S622の処理により確認した結果、時短中でなければ(S622:No)、S604(図14参照)において特図A保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値(即ち、特図A保留球格納エリア203aにおける特図A保留回数カウンタ203dの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値)に対し、先読み抽選を行う(S623)。
具体的に、S623では、特図A保留球格納エリア203aにおける特図A保留回数カウンタ203dの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時当たり値テーブル202bに格納されている各値(本実施形態では、「7」又は「357」)の全てとを比較する。
S623の処理による比較を行った結果、特図A保留球格納エリア203aにおける特図A保留回数カウンタ203dの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であるか否かを判別する(S624)。
S624の処理により確認した結果、大当たりとなる値ではなく外れ値であると判別された場合、即ち、低確率時当たり値テーブル202bに格納される値の中に、特図A保留球格納エリア203aにおける特図A保留回数カウンタ203dの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に一致する値がなかった場合には(S624:No)、「60H」を特図A保留回数コマンドの上位バイトとして設定して(S628)、S627の処理へ移行する。
S628の処理の結果、第7〜第5ビットが「011」の固定値で構成され、第4ビットの特図判定フラグが、特図A保留回数コマンドであることを示す「0」に設定されると共に、第3ビットの先読み予告許可フラグが「0」(先読み予告演出不可)に設定され、下位2ビット(第1〜第0ビット)の先読み予告後遊技状態が「00」(外れ)に設定された特図A保留回数コマンドの上位バイトが設定される。
一方、S624の処理により確認した結果、大当たりとなる値であると判別された場合、即ち、低確率時当たり値テーブル202bに格納される値の中に、特図A保留球格納エリア203aにおける特図A保留回数カウンタ203dの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に一致する値があった場合には(S624:Yes)、その第1当たり乱数カウンタC1と同じ保留エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり種別が「15R通常大当たり」であるかを確認する(S625)。
S625の処理により確認した結果、大当たり種別が「15R通常大当たり」であれば(S625:Yes)、「69H」を特図A保留回数コマンドの上位バイトとして設定して(S626)、S627の処理へ移行する。これにより、第7〜第5ビットが「011」の固定値で構成され、第4ビットの特図判定フラグが、特図A保留回数コマンドであることを示す「0」に設定されると共に、第3ビットの先読み予告許可フラグが「1」(先読み予告演出可)に設定され、下位2ビット(第1〜第0ビット)の先読み予告後遊技状態が「01」(15R通常大当たり)に設定された特図A保留回数コマンドの上位バイトが設定される。
一方で、S625の処理により確認した結果、大当たり種別が「15R通常大当たり」でなければ(S625:No)、大当たり種別が「15R確変大当たり」であるかを確認する(S629)。
S629の処理により確認した結果、大当たり種別が「15R確変大当たり」であれば(S629:Yes)、「6BH」を特図A保留回数コマンドの上位バイトとして設定して(S630)、S627の処理へ移行する。これにより、第7〜第5ビットが「011」の固定値で構成され、第4ビットの特図判定フラグが、特図A保留回数コマンドであることを示す「0」に設定されると共に、第3ビットの先読み予告許可フラグが「1」(先読み予告演出可)に設定され、下位2ビット(第1〜第0ビット)の先読み予告後遊技状態が「11」(15R確変大当たり)に設定された特図A保留回数コマンドの上位バイトが設定される。
また、S629の処理により確認した結果、大当たり種別が「15R通常大当たり」でなければ(S629:No)、大当たり種別は「2R確変大当たり」であるので、この場合には、「6AH」を特図A保留回数コマンドの上位バイトとして設定して(S631)、S627の処理へ移行する。これにより、第7〜第5ビットが「011」の固定値で構成され、第4ビットの特図判定フラグが、特図A保留回数コマンドであることを示す「0」に設定されると共に、第3ビットの先読み予告許可フラグが「1」(先読み予告演出可)に設定され、下位2ビット(第1〜第0ビット)の先読み予告後遊技状態が「10」(2R確変大当たり)に設定された特図A保留回数コマンドの上位バイトが設定される。
一方で、S621の処理により確認した結果、確変中である場合(S621:Yes)、又は、S622の処理により確認した結果、時短中である場合には(S622:Yes)、S623の処理へ移行し、「60H」を特図A保留回数コマンドの上位バイトとして設定する。
S627では、特図A保留回数カウンタ203dの値(即ち、第1入球口A64への入賞の保留回数)を特図A保留回数コマンドの下位バイトの第2ビットから第0ビットに設定すると共に、特図A保留回数コマンドの第7ビットから第3ビットにすべて0を設定して、特図A保留回数コマンドの下位バイトを設定する(S627)。
S627の処理後、特図A保留回数コマンド設定処理(S605)を終了する。この特図A保留回数コマンド設定処理(S605)により設定された特図A保留回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに格納され、メイン処理(図9参照)のS201の処理で、この特図A保留回数コマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
次に、図16を参照して、上述した特図B保留回数コマンド設定処理(S610)について説明する。図16は、始動入賞処理(図14参照)の中で実行される特図B保留回数コマンド設定処理(S610)を示すフローチャートである。
この特図B保留回数コマンド設定処理(S610)では、まず、確変中であるか否かを確認し(S641)、確変中であれば(S641:Yes)、S609(図14参照)において特図B保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値(即ち、特図B保留球格納エリア203aにおける特図B保留回数カウンタ203eの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値)に対し、先読み抽選を行う(S642)。
具体的に、S642では、特図B保留球格納エリア203bにおける特図B保留回数カウンタ203eの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時当たり値テーブル202aに格納されている各値(20の当たり値の各々)の全てとを比較する。
一方で、S641の処理により確認した結果、確変中でなければ(S641:No)、時短中であるか否かを確認する(S647)。このとき、時短中であれば(S647:Yes)、S609(図14参照)において特図B保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に対し、先読み抽選を行う(S648)。
具体的に、S648では、特図B保留球格納エリア203bにおける特図B保留回数カウンタ203eの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時当たり値テーブル203bに格納されている各値(2の当たり値の各々)の全てとを比較する。
S642又はS648の処理による比較を行った結果、特図B保留球格納エリア203bにおける特図B保留回数カウンタ203eの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であるか否かを判別する(S643)。
S643の処理により確認した結果、大当たりとなる値ではなく外れ値であると判別された場合、即ち、高確率当たり値テーブル202a又は低確率時当たり値テーブル202bに格納される値の中に、特図B保留球格納エリア203bにおける特図B保留回数カウンタ203eの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に一致する値がなかった場合には(S643:No)、「70H」を特図B保留回数コマンドの上位バイトとして設定して(S649)、S646の処理へ移行する。
S649の処理の結果、第7〜第5ビットが「011」の固定値で構成され、第4ビットの特図判定フラグが、特図B保留回数コマンドであることを示す「1」に設定されると共に、第3ビットの先読み予告許可フラグが「0」(先読み予告演出不可)に設定され、下位2ビット(第1〜第0ビット)の先読み予告後遊技状態が「00」(外れ)に設定された特図B保留回数コマンドの上位バイトが設定される。
一方、S643の処理により確認した結果、大当たりとなる値であると判別された場合、即ち、高確率当たり値テーブル202a又は低確率時当たり値テーブル202bに格納される値の中に、特図B保留球格納エリア203bにおける特図B保留回数カウンタ203eの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に一致する値があった場合には(S643:Yes)、その第1当たり乱数カウンタC1と同じ保留エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり種別が「15R通常大当たり」であるかを確認する(S644)。
S644の処理により確認した結果、大当たり種別が「15R通常大当たり」であれば(S644:Yes)、「79H」を特図B保留回数コマンドの上位バイトとして設定して(S645)、S646の処理へ移行する。これにより、第7〜第5ビットが「011」の固定値で構成され、第4ビットの特図判定フラグが、特図B保留回数コマンドであることを示す「1」に設定されると共に、第3ビットの先読み予告許可フラグが「1」(先読み予告演出可)に設定され、下位2ビット(第1〜第0ビット)の先読み予告後遊技状態が「01」(15R通常大当たり)に設定された特図B保留回数コマンドの上位バイトが設定される。
一方で、S644の処理により確認した結果、大当たり種別が「15R通常大当たり」でなければ(S644:No)、大当たり種別が「15R確変大当たり」であるかを確認する(S650)。
S650の処理により確認した結果、大当たり種別が「15R確変大当たり」であれば(S650:Yes)、「7BH」を特図B保留回数コマンドの上位バイトとして設定して(S651)、S646の処理へ移行する。これにより、第7〜第5ビットが「011」の固定値で構成され、第4ビットの特図判定フラグが、特図B保留回数コマンドであることを示す「1」に設定されると共に、第3ビットの先読み予告許可フラグが「1」(先読み予告演出可)に設定され、下位2ビット(第1〜第0ビット)の先読み予告後遊技状態が「11」(15R確変大当たり)に設定された特図B保留回数コマンドの上位バイトが設定される。
また、S650の処理により確認した結果、大当たり種別が「15R通常大当たり」でなければ(S650:No)、大当たり種別は「2R確変大当たり」であるので、この場合には、「7AH」を特図B保留回数コマンドの上位バイトとして設定して(S652)、S646の処理へ移行する。これにより、第7〜第5ビットが「011」の固定値で構成され、第4ビットの特図判定フラグが、特図B保留回数コマンドであることを示す「1」に設定されると共に、第3ビットの先読み予告許可フラグが「1」(先読み予告演出可)に設定され、下位2ビット(第1〜第0ビット)の先読み予告後遊技状態が「10」(2R確変大当たり)に設定された特図B保留回数コマンドの上位バイトが設定される。
一方で、S641の処理により確認した結果、確変中でなく(S641:No)、かつ、S647の処理により確認した結果、時短中でない場合には(S647:No)、S646の処理へ移行し、「70H」を特図B保留回数コマンドの上位バイトとして設定する。
S646では、特図B保留回数カウンタ203eの値(即ち、第1入球口B640への入賞の保留回数)を特図B保留回数コマンドの下位バイトの第2ビットから第0ビットに設定すると共に、特図B保留回数コマンドの第7ビットから第3ビットにすべて0を設定して、特図B保留回数コマンドの下位バイトを設定する(S646)。
S646の処理後、特図B保留回数コマンド設定処理(S610)を終了する。この特図B保留回数コマンド設定処理(S610)により設定された特図B保留回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに格納され、メイン処理(図9参照)のS201の処理で、この特図B保留回数コマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
本実施形態のパチンコ機10によれば、上述した特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)及び特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)によって、入賞した第1入球口(第1入球口A64、第1入球口B640)に応じた保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド、特図B保留回数コマンド)が設定されるので、第1入球口A64への入賞の保留回数及び第1入球口B640への入賞の保留回数を、音声ランプ制御装置113に通知することができる。
これらの保留回数コマンドは、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)のS623又は特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)のS642,S648において行われる先読み抽選の結果に基づいて設定される先読み予告許可フラグ(上位バイトの第3ビット)が含まれている。
音声ランプ装置113は、主制御装置110から保留回数コマンドを受信した場合に、かかる先読み予告許可フラグが、当否抽選の結果が「大当たり」である可能性が高いことを示す「1」であれば、所定の確率で、先読み予告演出を第3図柄表示装置81にて実行(表示)する。第3図柄表示装置81に表示された先読み予告を遊技者に視認させることによって、遊技者に大当たりの発生に対する高い期待感を持たせることができ、それによって、高い遊技性を遊技者に付与することができる。
ここで、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)によれば、第1入球口A64への入賞に対し、処理の時期における遊技状態が確変中でも時短中でもない通常状態(通常中)である場合には、S623の処理(先読み抽選)を行うが、確変中又は時短中である場合には、かかる先読み抽選を行わない。
一方、特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)によれば、第1入球口B640への入賞に対し、処理の時期における遊技状態が確変中又は時短中である場合には、S642又はS648の処理(先読み抽選)を行うが、確変中でも時短中でもない通常状態(通常中)である場合には、かかる先読み抽選を行わない。
換言すれば、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞があった場合に、特図A保留回数コマンド設定処理又は特図B保留回数コマンド設定処理を実行する時期が、確変中又は時短中であれば、第1入球口B640への入賞のみを選定して先読み抽選を行い、その一方で、通常状態(通常中)であれば、第1入球口A64への入賞のみを選定して先読み抽選を行う。
このように、先読み抽選を行う時期の遊技状態に応じて、入賞に対して先読み抽選を行う第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)を選定するので、入賞したにもかかわらず、先読み抽選が実行されないこともあり、その結果として、第1入球口A64又は第1入球口B640への全ての入賞を対象として先読み抽選を行う場合に比べて、先読み抽選の実行回数を低減することができる。
よって、先読み抽選の実行回数が低減した分だけ、特図A保留回数コマンド設定処理又は特図B保留回数コマンド設定処理に要する処理時間も、第1入球口A64又は第1入球口B640への全ての入賞を対象として先読み抽選を行う場合に比べて低減し、結果として、1回のタイマ割込処理(図13参照)に要する処理時間も低減することができる。
上述した通り、先読み抽選(S623,S642,S648)では、先読み抽選の対象とする第1当たり乱数カウンタC1の値に対し、高確率時当たり値テーブル202a又は低確率時当たり値テーブル202bに格納されている各値の全てにおいて比較する(総当たりで比較する)ことによって行われる。そのため、比較対象とする値が多いほど、先読み抽選に要する処理時間が長くなり、20の値が格納されている高確率時当たり値テーブル202aを用いる確変中における先読み抽選は比較的長い処理時間を要する。
本実施形態のパチンコ機10の主制御装置110は、タイマ割込処理(図13参照)が2ms間隔で行われるので、先読み抽選に費やされる時間が長くなり過ぎ、1回のタイマ割込処理(図13参照)に要する処理時間が実行間隔である2msを超えてしまうと、次のタイマ割込処理が実行できず、正常な遊技進行ができない状況が生じる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、遊技の主要な処理が4ms間隔で実行されるメイン処理(図9参照)にて行われている。ここで、タイマ割込処理(図13参照)に要する時間が長すぎると、実行間隔である4ms以内で処理しなければならない遊技の主要な処理を完遂することができない状況が生じ得る。遊技の主要な処理を完遂することができなくなった場合もまた、正常な遊技進行が不可能となる。
しかしながら、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技状態に応じて先読み抽選の対象とする入球口を選定するので、1回のタイマ割込処理(図13参照)に要する処理時間が低減され、遊技を正常に進行させるために許容される処理時間(即ち、タイマ割込処理の実行間隔を超えない処理時間であると共に、4ms間隔で実行されるメイン処理などの他の処理に影響しない処理時間)を超えることを防止することができる。
特に、本実施形態のパチンコ機10は、確変中又は時短中において、第1入球口B640に付随する電動役物が頻繁に開放されるよう構成されている。よって、確変中又は時短中では、通常中に比べ、球が第1入球口B640を通過する(始動入賞する)機会が増える。
よって、第1入球口B640への入賞が生じ易い遊技状態において、かかる第1入球口B640が先読み抽選の対象となる入球口として設定されることにより、入賞機会の増える第1入球口B640への入賞に対する先読み抽選が必ず実行され、その結果に応じた先読み予告演出を第3図柄表示装置81に表示することが可能となる。
また、かかる第1入球口B640は、第1入球口A64に比べて、遊技者にとって有利な入球口であるので、入賞機会が増え、遊技者が利益を得やすい状況において、第1入球口B640への入賞に対する先読み抽選が必ず実行される。よって、遊技者が利益を得やすい状況において、大当たりの可能性が高いことを示す先読み予告演出を第3図柄表示装置81に表示させることができ、かかる先読み予告演出を視認する遊技者に、より高い期待感を持たせることができる。
図17は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上述したNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出発射制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図18から図25を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図18を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図18は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を示したフローチャートであり、この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1115の電源断処理(図19参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002)。図19を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図19のS1112参照)、S1115の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1115の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1106の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1003:Yes)、S1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1003:No)、S1007へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1003:Yes)、S1004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1003:No)、S1007へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1115の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005:No)、RAM223の異常を報知して(S1011)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良い。
S1007の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1007)。電源断フラグはS1115の電源断処理の実行前にオンされる(図19のS1114参照)。つまり、電源断フラグは、S1115の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1007の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1007:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1008)、RAM223の初期値を設定した後(S1009)、割込み許可を設定して(S1010)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1007の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004からS1006の処理を経由してS1007の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1007:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1008をスキップして、処理をS1009へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1009)、割込み許可を設定して(S1010)、メイン処理へ移行する。
なお、S1008のクリア処理をスキップするのは、S1004からS1006の処理を経由してS1007の処理へ至った場合には、S1004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図19を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図19は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1101)、1m秒以上経過していなければ(S1101:No)、S1102〜S1109の処理を行わずにS1110の処理へ移行する。S1101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1102〜S1109が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1110の装飾図柄演出設定処理における各カウンタの更新処理(図23参照)やS1111のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止できる。
S1101の処理で1m秒以上経過していれば(S1101:Yes)、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1107の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1102)、その後電源投入報知処理を実行する(S1103)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1104の処理へ移行する。
S1104の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1105)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特図A保留回数カウンタ223aの値に応じて保留ランプ85Aを点灯させると共に、特図B保留回数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ85Bを点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1106)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1106の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理が実行され(S1107)、その後音編集・出力処理が実行される(S1108)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1108の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1109)、S1110の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1107のランプ編集処理が実行される。なお、S1108の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1110の処理(装飾図柄演出設定処理)では、第3図柄表示装置81における変動演出(変動表示)や先読み予告演出の演出態様を設定し、表示制御装置114に対し、設定した態様を指示するコマンドを送信する処理である。この装飾図柄演出設定処理の詳細については、図23を参照して後述する。そして、変動表示処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1111)。このコマンド判定処理の詳細については、図20を参照して後述する。
S1111の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1112)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1112の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1112:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1114)、電源断処理を実行する(S1115)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1116)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1112の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1112:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1113)、RAM223が破壊されていなければ(S1113:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1113:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図20を参照して、上述したコマンド判定処理(S1111)について説明する。図20は、上述したメイン処理(図19参照)の中で実行されるコマンド判定処理(S1111)を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理(S1111)では、まず、先読み予告演出の開始の決定判断に用いる先読み予告判定カウンタ223eを更新する(S1201)。具体的には、先読み予告判定カウンタ223eの値を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、127)に達した際、それぞれ0にクリアする。
次いで、RAM223に設けられたコマンド記憶領域(図示せず)から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110から受信したコマンドが特図A変動パターンコマンドであるかを確認する(S1202)。
S1202の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが特図A変動パターンコマンドであれば(S1202:Yes)、特図判別フラグ223fをオフし(S1209)、RAM223に設けられた変動開始フラグ(図示せず)をオンする(S1210)。S1210の処理後、受信した特図A変動パターンコマンドから変動時間を抽出して(S1211)、コマンド判定処理(S1111)を終了し、メイン処理に戻る。
一方で、S1202の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが特図A変動パターンコマンドでなければ(S1202:No)、主制御装置110から受信したコマンドが特図B変動パターンコマンドであるかを確認する(S1203)。
S1203の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが特図B変動パターンコマンドであれば(S1203:Yes)、特図判別フラグ223fをオンし(S1212)、S1210及びS1211の処理を実行した後、コマンド判定処理(S1111)を終了し、メイン処理に戻る。なお、特図B変動パターンコマンドを受信した場合には、S1211において、受信した特図B変動パターンコマンドから変動時間を抽出する。
ここで、S1211の処理によって抽出された変動時間は、RAM223内の所定の領域に記憶され、後述する装飾図柄変動表示処理(図25参照)において変動演出の態様を設定する場合に用いられる。
一方、S1203の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが特図B変動パターンコマンドでなければ(S1203:No)、主制御装置110から受信したコマンドが種別コマンドであるかを確認する(S1204)。
S1204の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが種別コマンドであれば(S1204:Yes)、受信した種別コマンドから停止図柄の表示態様(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)を抽出して(S1213)、コマンド判定処理(S1111)を終了し、メイン処理に戻る。
なお、S1213の処理により抽出された停止図柄の表示態様は、RAM223内の所定の領域に記憶され、後述する停止図柄設定処理(図24参照)において停止図柄の設定に用いられる。
一方、S1204の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが種別コマンドでなければ(S1204:No)、主制御装置110から受信したコマンドが停止コマンドであるかを確認する(S1205)。
S1205の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが停止コマンドであれば(S1205:Yes)、受信した停止コマンドを表示制御装置114へ出力し(S1214)、コマンド判定処理(S1111)を終了し、メイン処理に戻る。
また、S1205の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが停止コマンドでなければ(S1205:No)、主制御装置110から受信したコマンドが特図A保留回数コマンドであるかを確認する(S1206)。
S1206の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが特図A保留回数コマンドであれば(S1206:Yes)、受信した特図A保留回数コマンドに基づいて、図21を参照して後述する特図A先読み予告設定処理を実行して(S1215)、コマンド判定処理(S1111)を終了し、メイン処理に戻る。
一方、S1206の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが特図A保留回数コマンドでなければ(S1206:No)、主制御装置110から受信したコマンドが特図B保留回数コマンドであるかを確認する(S1207)。
S1207の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが特図B保留回数コマンドであれば(S1207:Yes)、受信した特図B保留回数コマンドに基づいて、図22を参照して後述する特図B先読み予告設定処理を実行して(S1216)、コマンド判定処理(S1111)を終了し、メイン処理に戻る。
また、S1207の処理により確認した結果、主制御装置110から特図B保留回数コマンドを受信していない場合には(S1207:No)、その他のコマンドを受信したか確認し、受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1208)、コマンド判定処理(S2112)を終了し、メイン処理(図19参照)に戻る。
S2204の処理において、受信したその他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM233に記憶する。あるいは、受信したその他のコマンドが、表示制御装置114で用いるコマンドであれば、そのコマンドを表示制御装置114へ出力する。
次に、図21を参照して、上述した特図A先読み予告設定処理(S1215)について説明する。図21は、コマンド判定処理(図20参照)の中で実行される特図A先読み予告設定処理(S1215)を示すフローチャートである。
特図A先読み予告設定処理(S1215)では、まず、特図A保留回数コマンドの下位バイトの値を、特図A保留回数カウンタ223aに格納する(S1301)。ここで、特図A保留回数コマンドの下位バイトの値は、主制御装置110の特図A保留回数カウンタ203dの値(即ち、第1入球口A64の入賞に基づく変動表示の保留回数)である。
よって、音声ランプ制御装置113は、受信した特図A保留回数コマンドにより、特図A保留回数カウンタ223aの値を、主制御装置110の特図A保留回数カウンタ203dの値に設定することができ、その結果、音声ランプ制御装置113は、第1入球口A64の入賞に基づく変動表示の保留回数を知ることができる。
S1301の処理後、特図A保留回数カウンタ223aの値が1以下であるかを確認し(S1302)、1以下であれば(S1302:Yes)、音声ランプ制御装置113が今回受信した特図A保留回数コマンドに対応する第1入球口A64への入賞より前に保留されていた変動表示(第1入球口A64への入賞に基づく変動表示)が存在しないので、この場合には、特図A先読み予告設定処理(S1215)を終了する。
一方、S1302の処理により確認した結果、特図A保留回数カウンタ223aの値が1より大きい値(即ち、2、3、又は4)であれば(S1302:No)、音声ランプ制御装置113が今回受信した特図A保留回数コマンドに対応する第1入球口A64への入賞より前に保留されていた変動表示(第1入球口A64への入賞に基づく変動表示)を用いた先読み予告演出が可能であるので、この場合には、S1303の処理へ移行する。
S1303では、特図A先読み予告フラグ223cの第1保留球に対応するビットが1であるか否か、即ち、先読み予告演出が既に実行中であるか否かを確認する(S1303)。
S1303の処理により確認した結果、特図A先読み予告フラグ223cの第1保留球に対応するビットが1であれば(S1303:Yes)、先読み予告演出が実行中であるので、特図A先読み予告設定処理(S1215)を終了する。これにより、先読み予告演出の実行が既に設定されていた場合には、受信した特図A保留回数コマンドに含まれる先読み予告許可フラグの値が「1」であっても、先読み予告演出の実行が新たに設定されることを防ぐことができるので、先読み予告演出が重複して設定され、先読み予告が延々と続くことを防ぐことができる。
一方、S1303の処理により確認した結果、特図A先読み予告フラグ223cの第1保留球に対応するビットが0であった場合には(S1303:No)、特図A保留回数コマンドの上位バイトの第3ビット(即ち、先読み予告許可フラグ)が1であるか否かを確認する(S1304)。
S1304の処理により確認した結果、特図A保留回数コマンドの上位バイトの第3ビットが1であった場合には(S1304:Yes)、主制御装置110が先読み予告演出を許可するとの判断を行っているので、先読み予告判定テーブル222aと先読み予告判定カウンタ223eとを比較する(S1305)。より具体的には、先読み予告判定テーブル222aから、特図A保留回数カウンタ223aの値(即ち、第1入球口A64の入賞に基づく変動表示の保留回数)に対応付けられた先読み予告決定範囲を特定し、その先読み予告決定範囲と先読み予告判定カウンタ223cとを比較する。
次いで、S1305による比較に基づいて、先読み予告演出を開始するか否かを確認する(S1306)。このとき、先読み予告判定カウンタ223eの値が、特図A保留回数カウンタ223aの値に応じた先読み予告決定範囲に含まれていれば、先読み予告演出を開始すると判定され、含まれていなければ、先読み予告演出を開始しないと判定される。
S1306の処理により確認した結果、先読み予告演出を開始する場合には(S1306:Yes)、特図A保留回数カウンタ223aの値(第1入球口A64の入賞に基づく変動表示の保留回数)に基づいて、特図A先読み予告フラグ223cの内、今回の保留球より前に保留された保留球に対応するビットを全て「1」に設定し(S1307)、特図A先読み予告設定処理(S1215)を終了する。
S1307の処理の結果、音声ランプ制御装置113が今回受信した特図A保留回数コマンドに対応する第1入球口A64への入賞より前に保留されていた、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示の全てにおいて、先読み予告演出(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」からなる停止図柄が表示された後に、泡を発生させる演出)が実行される。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、上述した通り、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示が、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示より優先的に実行される。特図A先読み予告設定処理(S1215)によれば、S1307において、特図A先読み予告フラグ223cが、先読み予告演出が実行されるよう一度設定されると、第1入球口A64への入賞に対する先読み予告演出は、特図A先読み予告フラグ223cの第1保留球に対応するビットが0になるまで実行される。
よって、第1入球口A64への入賞に対する先読み予告演出が終了する前に、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示が割り込んだとしても、その第1入球口B640への入賞に基づく変動表示が終了すると、再び、第1入球口A64への入賞に対する先読み予告演出を再開することができる。そのため、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示が終了に続いて、第1入球口A64への入賞に基づく大当たりの発生を遊技者に期待させることができ、抑揚のある遊技を提供することができる。
次に、図22を参照して、上述した特図B先読み予告設定処理(S1216)について説明する。図22は、コマンド判定処理(図20参照)の中で実行される特図B先読み予告設定処理(S1216)を示すフローチャートである。
特図B先読み予告設定処理(S1216)では、まず、特図B保留回数コマンドの下位バイトの値を、特図B保留回数カウンタ223bに格納する(S1321)。ここで、特図B保留回数コマンドの下位バイトの値は、主制御装置110の特図B保留回数カウンタ203eの値(即ち、第1入球口B640の入賞に基づく変動表示の保留回数)である。
よって、音声ランプ制御装置113は、受信した特図B保留回数コマンドにより、特図B保留回数カウンタ223bの値を、主制御装置110の特図B保留回数カウンタ203eの値に設定することができ、その結果、音声ランプ制御装置113は、第1入球口B640の入賞に基づく変動表示の保留回数を知ることができる。
S1321の処理後、特図B保留回数カウンタ223bの値が1以下であるかを確認し(S1322)、1以下であれば(S1322:Yes)、音声ランプ制御装置113が今回受信した特図B保留回数コマンドに対応する第1入球口B640への入賞より前に保留されていた変動表示(第1入球口B640への入賞に基づく変動表示)が存在しないので、この場合には、特図B先読み予告設定処理(S1216)を終了する。
一方、S1322の処理により確認した結果、特図B保留回数カウンタ223bの値が1より大きい値(即ち、2、3、又は4)であれば(S1332:No)、音声ランプ制御装置113が今回受信した特図B保留回数コマンドに対応する第1入球口B640への入賞より前に保留されていた変動表示(第1入球口B640への入賞に基づく変動表示)を用いた先読み予告演出が可能であるので、この場合には、S1323の処理へ移行する。
S1323では、特図B先読み予告フラグ223dの第1保留球に対応するビットが1であるか否か、即ち、先読み予告演出が既に実行中であるか否かを確認する(S1323)。
S1323の処理により確認した結果、特図B先読み予告フラグ223dの第1保留球に対応するビットが1であれば(S1323:Yes)、先読み予告演出が実行中であるので、特図B先読み予告設定処理(S1216)を終了する。これにより、先読み予告演出の実行が既に設定されていた場合であっても、先読み予告演出が重複して設定されず、先読み予告が延々と続くことを防ぐことができる。
一方、S1323の処理により確認した結果、特図B先読み予告フラグ223dの第1保留球に対応するビットが0であった場合には(S1323:No)、特図B保留回数コマンドの上位バイトの第3ビット(即ち、先読み予告許可フラグ)が1であるか否かを確認する(S1324)。
S1324の処理により確認した結果、特図B保留回数コマンドの上位バイトの第3ビットが1であった場合には(S1324:Yes)、先読み予告判定テーブル222aと先読み予告判定カウンタ223eとを比較する(S1325)。より具体的には、先読み予告判定テーブル222aから、特図B保留回数カウンタ223bの値(即ち、第1入球口B640の入賞に基づく変動表示の保留回数)に対応付けられた先読み予告決定範囲を特定し、その先読み予告決定範囲と先読み予告判定カウンタ223cとを比較する。
次いで、S1325による比較に基づいて、先読み予告演出を開始するか否かを確認する(S1326)。このとき、先読み予告判定カウンタ223eの値が、特図B保留回数カウンタ223bの値に応じた先読み予告決定範囲に含まれていれば、先読み予告演出を開始すると判定され、含まれていなければ、先読み予告演出を開始しないと判定される。
S1326の処理により確認した結果、先読み予告演出を開始する場合には(S1326:Yes)、特図B保留回数カウンタ223bの値(第1入球口B640の入賞に基づく変動表示の保留回数)に基づいて、特図B先読み予告フラグ223dの内、今回の保留球より前に保留された保留球に対応するビットを全て「1」に設定し(S1327)、特図B先読み予告設定処理(S1216)を終了する。
S1327の処理の結果、音声ランプ制御装置113が今回受信した特図B保留回数コマンドに対応する第1入球口B640への入賞より前に保留されていた、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の全てにおいて、先読み予告演出(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」からなる停止図柄が表示された後に、泡を発生させる演出)が実行される。
本実施形態のパチンコ機10によれば、上述した特図B先読み予告設定処理(図22参照)及び特図A先読み予告設定処理(図21参照)によって、特図A先読み予告フラグ223c又は特図B先読み予告フラグ223dに先読み演出予告を行う設定がされた保留球が存在する場合は、その保留球に対して先読み予告演出が第3図柄表示装置81にて表示され、そのような保留球が存在しない場合には、先読み予告演出は表示されない。
このように、音声ランプ制御装置113は、特図A又は特図B保留回数コマンドを受信し、受信した保留回数コマンドの上位バイトの第3ビット(先読み予告許可フラグ)が1の場合に、所定の先読み予告決定確率(即ち、先読み予告判定カウンタ223eが先読み予告決定範囲内となる確率)で、先読み予告の開始が決定される。よって、先読み予告演出が行われた場合に、遊技者に対して、大当たりへの移行に対する期待感を持たせることができる。
ここで、先読み予告決定確率は、保留回数カウンタ223a,223bの値(即ち、保留回数)に応じて変化するので、遊技者に対し、保留回数に応じて異なる期待感を持たせることができ、抑揚があって飽きさせない遊技を遊技者に提供することができる。
次に、図23を参照して、上述した装飾図柄演出設定処理(S1110)について説明する。図23は、上述したメイン処理(図19参照)の中で実行される装飾図柄演出設定処理(S1110)を示すフローチャートである。
上述した通り、この装飾図柄演出設定処理(S1110)は、主制御装置110から受信したコマンドに基づき、第3図柄表示装置81で行う変動表示の態様(変動態様)と停止図柄の態様を設定し、表示制御装置114に対して、設定した変動態様を指示するコマンド、及び、設定した停止図柄の態様を指示するコマンドを出力する処理である。
装飾図柄演出設定処理(S1110)では、まず、RAM223に設けられた変動態様を設定するカウンタの更新処理を実行し(S1401)、RAM223に設けられた変動開始フラグ(図示せず)がオンか否かを確認する(S1402)。ここで、変動開始フラグがオンではない(即ち、オフである)場合には(S1402:No)、主制御装置110より変動パターンコマンド(特図A変動パターンコマンド又は特図B変動パターンコマンド)を受信していない状態であるので、この変動表示処理を終了して、メイン処理に戻る。
一方、S1402の処理により確認した結果、変動開始フラグがオンである場合には(S1402:Yes)、変動開始フラグをオフし(S1403)、コマンド判定処理(図23参照)におけるS1211の処理において変動パターンコマンドより抽出された変動時間を、RAM223より取得する(S1404)。
S1404の処理後、処理中の変動パターンコマンド(特図A変動パターンコマンド又は特図B変動パターンコマンド)に応じた先読み予告フラグ(特図A先読み予告フラグ223c又は特図B先読み予告フラグ223d)の第1保留球に対応するビットが1であるか否かを確認する(S1405)。なお、処理中の変動パターンコマンドが、特図A変動パターンコマンドであるか、特図B変動パターンコマンドであるかは、特図判別フラグ223fの状態に基づいて判別することができる。
S1405の処理により確認した結果、処理中の変動パターンコマンドに応じた先読み予告フラグの第1保留球に対応するビットが0であれば(S1405:No)、先読み予告演出を実行しないので、S1404において取得した変動時間に基づいて変動態様を設定する(S1406)。
具体的には、まず、取得した変動時間が、外れ変動に相当する時間(例えば、10秒)であるか、ノーマルリーチ変動に相当する時間(例えば、15秒)であるか、スーパーリーチ変動に相当する時間(例えば、30秒)であるかを判別する。
そして、RAM223に設けられた変動態様を設定するカウンタの値に基づいて、変動時間から判別された変動表示の種別(即ち、外れ変動、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動)に対して準備されている複数の変動態様(先読み予告演出用でない変動態様)の中から、1の変動態様(演出態様)を設定する。
なお、特図A変動パターンコマンドの受信に基づいて設定される変動態様は、変動表示時に図柄が横スクロールする変動態様であり、特図B変動パターンコマンドの受信に基づいて設定される変動態様は、変動表示時に図柄が縦スクロールする変動態様である。
一方、S1405の処理により確認した結果、処理中の変動パターンコマンドに応じた先読み予告フラグの第1保留球に対応するビットが1であれば(S1405:Yes)、先読み予告演出を実行するので、先読み予告演出用の変動態様を設定する(S1411)。
具体的には、上述したS1406と同様に、まず、RAM223に設けられた変動態様を設定するカウンタの値に基づいて、取得した変動時間が示す変動表示の種別に対して準備されている複数の先読み予告演出用の変動態様の中から、1の変動態様(演出態様)を設定する。なお、本実施形態における「先読み予告演出用の変動態様」は、先読み予告演出を行わない場合の変動内容に、停止図柄の表示後に泡を発生させる演出が付加された態様である。
S1406又はS1411の処理後、特図判別フラグ223fがオンであるかを確認し(S1407)、特図判別フラグ223fがオフであれば(S1407:No)、処理中の変動パターンコマンドは、第1入球口A64への入賞に基づく特図A変動パターンコマンドであるので、S1406又はS1411の処理によって設定された変動態様を指示する表示用特図A変動パターンコマンドを表示制御装置114へ出力する(S1408)。
一方、S1407の処理により確認した結果、特図判別フラグ223fがオンであれば(S1408:Yes)、処理中の変動パターンコマンドは、第1入球口B640への入賞に基づく特図B変動パターンコマンドであるので、S1406又はS1411の処理によって設定された変動態様を指示する表示用特図B変動パターンコマンドを表示制御装置114へ出力する(S1412)。
S1408又はS1412の処理の結果、表示用制御装置114は、音声ランプ制御装置113から受信した表示用変動パターンコマンド(表示用特図A変動パターンコマンド又は表示用特図B変動パターンコマンド)に従う態様の変動表示を第3図柄表示装置81にて開始する。
このとき、表示用制御装置114が受信した表示用変動パターンコマンドが、先読み予告演出用の変動態様を指示するものであれば、表示制御装置114による制御によって、先読み予告演出(本実施形態では、先読み予告演出を行わない場合の変動内容に、停止図柄の表示後に泡を発生させる演出が付加されている変動表示)が第3図柄表示装置81に表示される。
S1408又はS1412の処理後、第3図柄表示装置81にて行われる変動表示の終了時に表示される停止図柄を設定し、設定した停止図柄を指示する表示用停止図柄コマンドを表示制御装置114へ出力する停止図柄設定処理を実行する(S1409)。なお、この停止図柄設定処理(S1409)において実行される詳細な処理は、図24を参照して後述する。
停止図柄設定処理(S1409)の実行後、保留球の消費(保留球に対応する変動表示の設定の完了)に合わせて、先読み予告フラグ223c,223dの内容を更新する先読み予告フラグ更新処理を実行し(S1410)、装飾図柄演出設定処理(S1110)を終了し、メイン処理(図19参照)に戻る。
次に、図24を参照して、上述した停止図柄設定処理(S1409)について説明する。図24は、装飾図柄演出設定処理(図23参照)の中で実行される停止図柄設定処理(S1409)を示すフローチャートである。
停止図柄設定処理(S1409)では、まず、RAM223に設けられた停止図柄を設定するカウンタ(大当たり時の停止図柄を設定するカウンタ、外れ時の停止図柄を選択するカウンタ)の更新処理を実行する(S1501)。
S1501の処理後、コマンド判定処理(図23参照)におけるS1213の処理において種別コマンドより抽出された停止図柄の表示態様を、RAM223より取得する(S1502)。次いで、特図判別フラグ223fがオンであるかを確認する(S1503)。
S1503の処理により確認した結果、特図判別フラグ223fがオフであれば(S1503:No)、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示の停止図柄の設定を行うための処理中であるので、特図A先読み予告フラグ223cの第1保留球に対応するビットが1であるか否かを確認する(S1504)。
ここで、特図A先読み予告フラグ223cの第1保留球に対応するビットが1であれば(S1504:Yes)、先読み予告演出を実行するので、チャンス目(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」)を停止図柄として設定する(S1505)。
一方、S1504の処理により確認した結果、特図A先読み予告フラグ223cの第1保留球に対応するビットが0であれば(S1504:No)、先読み予告演出を実行しないので、S1502において取得した停止図柄の態様に応じた停止図柄を設定する(S1509)。
具体的には、取得した停止図柄の態様が、大当たり時の態様(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり)であれば、かかる大当たり時の態様と、RAM223に設けられた大当たり時の停止図柄を設定するカウンタの値とに基づいて停止図柄設定する。また、取得した停止図柄の態様が、外れ時の態様(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)であれば、かかる外れ時の態様と、RAM223に設けられた外れ時の停止図柄を設定するカウンタの値とに基づいて停止図柄設定する。
また、S1503の処理により確認した結果、特図判別フラグ223fがオンであれば(S1503:Yes)、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の停止図柄の設定を行うための処理中であるので、特図B先読み予告フラグ223dの第1保留球に対応するビットが1であるか否かを確認する(S1507)。
S1507の処理により確認した結果、特図B先読み予告フラグ223dの第1保留球に対応するビットが1であれば(S1507:Yes)、先読み予告演出を実行するので、チャンス目(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」)を停止図柄として設定する(S1508)。
一方、S1507の処理により確認した結果、特図B先読み予告フラグ223dの第1保留球に対応するビットが0であれば(S1507:No)、先読み予告演出を実行しないので、S1509へ移行し、S1502において取得した停止図柄の態様に応じた停止図柄を設定する。
S1505,S1508、又はS1509の処理後、設定された停止図柄を指示する表示用停止図柄コマンドを表示制御装置114へ出力し(S1506)、停止図柄設定処理(S1409)を終了する。
S1506の処理の結果、表示用制御装置114は、音声ランプ制御装置113から受信した表示用停止図柄コマンドに従う停止図柄を第3図柄表示装置81に停止表示し、表示用変動パターンコマンド(表示用特図A変動パターンコマンド又は表示用特図B変動パターンコマンド)の受信によって開始された変動表示を終了する。
このとき、表示用制御装置114が受信した表示用停止図柄コマンドが、先読み予告演出における停止図柄の態様を指示するものであれば、表示制御装置114による制御によって、第3図柄表示装置81にて行われる変動表示の終了時に、チャンス目(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」)が停止表示される。
次に、図25を参照して、上述した先読み予告フラグ更新処理(S1410)について説明する。図25は、装飾図柄演出設定処理(図23参照)の中で実行される先読み予告フラグ更新処理(S1410)を示すフローチャートである。
先読み予告フラグ更新処理(S1410)では、まず、特図判別フラグ223fがオンであるかを確認する(S1601)。このとき、特図判別フラグ223fがオフであれば(S1601:No)、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示に対する設定を行うための処理中であるので、特図A先読み予告フラグ223cの内容を右1ビットだけシフトさせる共に、空いたビット(第7ビット)に0を書き込む(S1602)。次いで、特図A保留回数カウンタ223aの値を1減算して(S1118)、先読み予告フラグ更新処理(S1410)を終了する。
一方、S1601の処理により確認した結果、特図判別フラグ223fがオフであれば(S1601:No)、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示に対する設定を行うための処理中であるので、特図B先読み予告フラグ223dの内容を右1ビットだけシフトさせる共に、空いたビット(第7ビット)に0を書き込み(S1604)、特図B保留回数カウンタ223bの値を1減算して(S1605)、先読み予告フラグ更新処理(S1410)を終了する。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113が、主制御装置110から受信した、変動パターンコマンド(特図A変動パターンコマンド又は特図B変動パターンコマンド)によって示される変動時間、種別コマンドによって示される停止図柄の態様、保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド又は特図B保留回数コマンド)によって示される先読み予告許可フラグに基づいて、第3図柄表示装置81で表示される変動態様の詳細や、停止図柄、先読み予告演出の有無を設定する。
一般的に、パチンコ機では大当たりの抽選を主制御装置110によって行うが、その抽選処理の遅延や誤動作を防止するために、主制御装置に係る処理負荷を小さく抑えることが要求される。本実施形態のパチンコ機10は、変動表示や先読み予告演出を第3図柄表示装置81に表示する仕様であるが、主制御装置110は、変動表示や先読み予告演出に関する大まかな設定と、その設定を音声ランプ制御装置113へ通知するためのコマンド送信とを行うだけであるので、主制御装置110に係る処理負荷の増大を抑制することができる。また、主制御装置110において決定される各演出のパターンを少なくすることができるので、ROM202の記憶容量を少なくでき、主制御装置110のコスト低減を図ることができる。
さらに、音声ランプ制御装置113のMPU221として処理能力の高いMPUを搭載することにより、主制御装置110からの各種コマンドを受けて、様々な変動態様を設定することができる。また、先読み予告演出の実行にかかる処理に高い負荷が必要な場合であっても、容易に先読み予告演出を行うことができる。これにより、主制御装置110の処理負荷を抑えても、第3図柄表示装置81に対して、種々の演出を実行させることができ、遊技者を飽きさせない演出の工夫を行うことができる。
次に、図26から図28を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。表示制御装置114のMPU231により実行される処理には、大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、コマンドを受信した場合に実行される外部割込処理とがある。
図26は、表示制御装置114内のMPU231により実行される外部割込処理を示したフローチャートであり、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信した場合に実行される。
外部割込処理が実行されると、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドが演出許可コマンドであるかを確認し(S2001)、受信したコマンドが演出許可コマンドであれば(S2001:Yes)、ワークRAM233の演出許可フラグ(図示せず)をオンして(S2005)、外部割込処理を終了する。
S2001の処理により確認した結果、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドが演出許可コマンドでなければ(S2001:No)、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドが表示用特図A変動パターンコマンドであるかを確認する(S2002)。
ここで、受信したコマンドが表示用特図A変動パターンコマンドであれば(2002::Yes)、ワークRAM233の変動開始フラグ(図示せず)をオンし(S2007)、受信した表示用特図A変動パターンコマンドから変動態様を抽出し(S2008)、外部割込処理を終了する。
一方、S2002の処理により確認した結果、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドが表示用特図A変動パターンコマンドでなければ(S2002:No)、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドが表示用特図B変動パターンコマンドであるかを確認する(S2003)。
S2003の処理により確認した結果、受信したコマンドが表示用特図B変動パターンコマンドであれば(2003::Yes)、ワークRAM233の変動開始フラグ(図示せず)をオンし(S2007)、受信した表示用特図B変動パターンコマンドから変動態様を抽出してワークRAM233の所定領域に格納し(S2008)、外部割込処理を終了する。
また、S2003の処理により確認した結果、受信したコマンドが表示用特図B変動パターンコマンドでなければ(2003::No)、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドが表示用停止図柄コマンドであるかを確認する(S2004)。
S2004の処理により確認した結果、受信したコマンドが表示用停止図柄コマンドであれば(2004::Yes)、受信した表示用停止図柄コマンドから停止図柄を抽出してワークRAM233の所定領域に格納し(S2009)、外部割込処理を終了する。
一方、S2004の処理により確認した結果、受信したコマンドが表示用停止図柄コマンドでなければ(2004::No)、その他の受信したコマンドに対応した処理を実行して(S2005)、外部割込処理を終了する。例えば、受信したコマンドが停止コマンドであれば、第3図柄表示装置81で行われている変動表示を停止する処理が実行される。
次に、図27を参照して、表示制御装置114により実行されるメイン処理について説明する。図27は、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時に起動される。
まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2101)。具体的には、MPU231を初期設定し、ワークRAM233、ビデオRAM234の記憶をクリアする処理などが行われる。
初期設定処理(S2101)の実行後、キャラクタROM235のキャラクタ情報メモリ(図示せず)に記憶されている圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し(S2102)、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域(図示せず)に記憶する(S2103)。
さらに、初期画面を表示するために、ビデオRAM234に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、S1303の処理で解凍したキャラクタ情報を記憶したビデオRAM234内の領域(キャラクタ情報記憶領域)とは異なるビデオRAM234内の領域(表示用記憶領域)に、抽出したキャラクタ情報を書き込む(S2104)。
S2104の処理後、ワークRAM233に設けられている演出許可フラグ(図示せず)がオンされているかを確認する(S2105)。S2105の処理により確認した結果、演出許可フラグがオフであれば(S2105:No)、主制御装置110から演出許可コマンドを未だ受信していないので、かかる場合には、演出許可コマンドが受信されるまで、即ち、演出許可フラグがオンされるまで、S2106以降の処理を待機する。
S2105の処理により確認した結果、演出許可フラグがオンされていれば(S2105:Yes)、S2104の処理で抽出したキャラクタ情報を第3図柄表示装置81に表示させる。そして、S2106以降の処理に移行する。
S2106の処理では、第3図柄表示装置81で実行されている表示が大当たり中であるか否かを判別し(S2106)、大当たり中でなければ(S2106:No)、第3図柄表示装置81に変動演出を表示させる変動演出処理を実行して(S2107)、S2108の処理へ移行する。なお、この変動演出処理(S2107)の詳細な処理については、図28を参照して後述する。
一方、S2106により確認した結果、大当たり中であれば(S2106:Yes)、大当たり演出処理が実行される(S2109)。大当たり演出処理では、ラウンド数を更新したり、ラウンド毎に異なる背景の画像などの更新(ビデオRAM234からのキャラクタ情報の新たな抽出と抽出されたキャラクタ情報のビデオRAM234への書き込み)を行う。大当たり演出処理(S2109)の終了後は、その処理をS2108の処理に移行する。
S2108では、第3図柄表示装置81における演出を行う処理(S2106,S2107,S2109)を20ミリ秒(20ms)毎に実行するために、S2106の処理が開始されてから20ms以上が経過したか否かを確認する(S2108)。
S2108の処理により確認した結果、未だ20msが経過していなければ(S2108:No)、20ms以上が経過するまで処理を待機し、その一方で、20ms以上が経過していれば(S2108:Yes)、その処理をS2106の処理へ移行する。そして、S2106からS2109の処理は、電源がオフ(あるいは遮断)されるまで、繰り返し実行される。
次に、図28を参照して、上述した変動演出処理(S2107)について説明する。図28は、上述したメイン処理(図25参照)の中で実行される変動演出処理(S2107))を示すフローチャートである。
変動表示処理(S2107)では、まず、第3図柄表示装置81で実行されている表示が変動中であるかを確認し(S2201)、変動中でなければ(S2201:No)、ワークRAM233に設けられている変動開始フラグ(図示せず)がオンであるかを確認する(S2202)。
S2202の処理により確認した結果、変動開始フラグがオンであれば(S2202:Yes)、変動開始フラグをオフし(S2203)、ワークRAM233に設けられた変動時間を計時するための変動時間カウンタ(図示せず)を0にリセットして(S2204)、S2205の処理へ移行する。
一方、S2201の処理により確認した結果、変動中であれば(S2201:Yes)、変動時間カウンタ(図示せず)を更新して(S2208)、S2205の処理へ移行する。なお、変動時間カウンタの更新は、変動時間カウンタの値を読み出し、その値に1加算して、加算した値を変動時間カウンタに書き戻すことによって行われる。
S2205では、主制御装置110からの停止コマンドの受信の有無を確認して、変動演出時間内であるか否かを判別する(S2205)。このとき、停止コマンドの受信がなく、変動演出時間内であると判別された場合には(S2205:Yes)、外部割込処理(図25参照)のS2008において表示用変動パターンコマンド(表示用特図A変動パターンコマンド又は表示用特図B変動パターンコマンド)から抽出された変動態様に対応する変動演出データから、変動時間カウンタに示される変動経過時間(変動演出が開始されてからの経過時間)に応じた変動演出データをビデオRAM234より読み出し、ビデオRAM234の変動演出用領域(図示せず)に記憶する(S2206)。
S2206の処理後、変動演出用領域に記憶された変動演出データに対応する画像を第3図柄表示装置81のLCDに表示して(S2207)、変動演出処理(S2107)を終了する。
一方、S2205の処理の結果、停止コマンドの受信があり、変動開始からの経過時間が変動演出時間を超えたと判別された場合(S2205:No)、外部割込処理(図25参照)のS2009において抽出された停止図柄を第3図柄表示装置81に停止表示(図柄停止)して(S2210)、変動演出処理を終了する。
また、S2202の処理により確認した結果、変動開始フラグがオフであれば(S2202:No)には、その他の表示処理、例えば、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に表示される客待ち演出などの表示を実行して(S2209)、変動演出処理(S2107)を終了する。
この変動演出処理(S2107)によれば、音声ランプ制御装置113から受信した表示用変動パターンコマンド(表示用特図A変動パターンコマンド又は表示用特図B変動パターンコマンド)から抽出された変動態様の変動表示が第3図柄表示装置81に表示される。
上述した通り、音声ランプ制御装置113が先読み予告の実行を決定した場合には、先読み予告演出用の変動態様を指示する表示用変動パターンコマンドが出力される。表示制御装置114は、先読み予告演出用の変動態様を指示する表示用変動パターンコマンド(表示用特図A変動パターンコマンド又は表示用特図B変動パターンコマンド)を受信した場合、先読み予告演出(本実施形態では、先読み予告演出を行わない場合の変動内容に、停止図柄の表示後に泡を発生させる演出が付加されている変動表示)が第3図柄表示装置81に表示される。
また、音声ランプ制御装置113が先読み予告の実行を決定した場合には、先読み予告演出における停止図柄の態様を指示する表示用停止図柄コマンドが出力される。表示制御装置114は、先読み予告演出における停止図柄の態様を指示する表示用停止図柄コマンドを受信した場合には、第3図柄表示装置81にて行われる変動表示の終了時に、チャンス目(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」)が停止表示される。
このように、音声ランプ制御装置113が先読み予告の実行を決定したことに基づいて、第3図柄表示装置81では、対象となる変動表示において先読み予告演出(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」からなる停止図柄が表示された後に、泡を発生させる演出)が実行される。
ここで、音声ランプ制御装置113は、主制御手段110から受信した保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド又は特図B保留回数コマンド)に含まれている先読み予告演出許可フラグの値が、先読み予告演出を許可する値(本実施形態では、1)であった場合に、その保留回数コマンドに対応する第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞より前に保留されていた、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の全てにおいて、先読み予告演出が行われる。
よって、本実施形態のパチンコ機10によれば、大当たりが発生する可能性の高い入賞があった場合に、かかる入賞に対する停止図柄が第3図柄表示装置81に表示される前に、先読み予告演出(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」からなる停止図柄が表示された後に、泡を発生させる演出)を実行することにより、そのような先読み予告演出を視認した遊技者に、大当たりの発生に対する期待感を抱かせることができる。
この先読み予告演出は、先読み予告演出を行わない変動表示の内容に付加される特定の表示(本実施形態では、停止図柄の表示後に発生する泡)と、その変動表示の終了時に表示される特定の停止図柄(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」となるチャンス目)とから構成される演出である。
ここで、第3図柄表示装置81に表示される内容、特に、始動入賞を契機として実行される変動表示とその変動表示の終了時に表示される停止図柄は、当否抽選の結果の提示に関連するものであるので、一般的に、遊技者が遊技中に主に視線を向ける先の1つである。よって、先読み抽選の結果を報知する場合に、変動表示の内容に付加される特定の表示や特定の停止図柄を用いた先読み予告演出を行うことにより、大当たりが発生する可能性が高いことを遊技者に伝達しやすい。
以上、説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞(始動条件の成立)があった場合に、その入賞によって実行される変動表示の開始タイミングにおける当否抽選に先立って先読み抽選を行い、その先読み抽選の結果、当否抽選において大当たりの結果が得られる可能性が高いと判定された場合に、先読み抽選の対象となった第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞より前に保留されていた変動表示(より具体的には、先読み抽選の対象になった入賞があった入球口と同じ種類の入球口への入賞に基づく保留されていた変動表示)の実行期間において、先読み予告演出(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」に並ぶ停止図柄が表示された後に、泡を発生させる演出)が実行され、それによって、先読み抽選の結果を報知する。
よって、遊技者は、先読み予告演出を認識した場合に、大当たり発生の可能性が高いことを認識することができる。特に、報知の対象にされた入賞から、その入賞に基づく変動表示が実行されるまでの間に、保留(待機)中であった変動表示をまたいで、該報知が行われるので、遊技者は、保留されていた変動表示の実行中に、近い将来に大当たりが発生するかもしれないと期待を持ちながら遊技を進めることができる。
しかし、先読み抽選の対象とする入球口を複数(第1入球口A64,第1入球口B640)設けたことにより、これらの入球口にほぼ同時に球が通過した場合、1回のタイマ割込処理の中で、2回の先読み抽選を行う可能性が生じる。その結果、先読み抽選に費やされる時間が長くなり過ぎ、定期的に実行されるメイン処理(図9参照)やタイマ割込処理(図13参照)を正常に実行するのに許容される時間を超え、正常な遊技進行が不可能となるという虞があった。
これに対し、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技状態に応じて先読み抽選の対象とする入球口を選定する。よって、第1入球口A64又は第1入球口B640への全ての入賞を対象として先読み抽選を行う場合に比べて、先読み抽選の実行回数を低減することができるので、1回のタイマ割込処理(図13参照)に要する処理時間の増大を抑制することができ、定期的に実行されるメイン処理(図9参照)やタイマ割込処理(図13参照)を正常に実行するのに許容される時間を超えることを防止することができる。
以上、一実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態における特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)によれば、処理時における遊技状態が、確変中であるか、時短中である場合に先読み抽選を行う構成としたが、通常中においても、先読み抽選を行う構成としてもよい。
換言すれば、上記実施形態によれば、ほぼ同時のタイミングで第1入球口A64と第1入球口B640との両方に球が通過した場合に、先読み抽選を行う時期(特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)及び特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)の実行時期)が通常中(通常状態)である場合には、第1入球口A64への入賞に対してのみ先読み判定を行い、第1入球口B640への入賞に対する先読み判定を行わない。これに対し、先読み抽選を行う時期(特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)及び特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)の実行時期)が通常中である場合には、第1入球口A64への入賞に対してだけでなく、第1入球口B640への入賞に対する先読み判定も行うよう構成してもよい。
図29を参照して、より具体的に説明する。図29は、変形例としての特図B保留回数コマンド設定処理を示すフローチャートである。なお、図29に示すフローチャートにおいて、上述した特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図29に示すように、処理時における遊技状態が、確変中又は時短中である場合だけでなく、通常中である場合においても、先読み抽選を行う場合には、S641の処理により確認した結果、確変中である場合には(S641:Yes)、S642の処理へ移行し、一方で、確変中でない、即ち、時短中又は通常中である場合には(S641:No)、S648へ移行する。
一般的に、通常状態は、先読み抽選の対象となる第1当たり乱数カウンタC1の値と比較される値(低確率時当たり値テーブル202bに格納されている値)の数が比較的少なく設定されているので、先読み抽選に費やされる処理時間も比較的短く、他の処理の実行に及ぼす影響は小さい。よって、通常状態では、第1入球口A64への入賞と第1入球口B640への入賞との両方、即ち、先読み抽選の対象となる全ての入球口への入賞に対し先読み抽選が行われるので、かかる先読み抽選の頻度を高くすることができる。その結果、報知が行われる確率が高まり、報知による遊技の演出性及び遊技者が抱く期待感をより高めることができる。
また、上記実施形態における特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)によれば、処理時における遊技状態が通常中である場合にのみ先読み抽選を行い、確変中又は時短中である場合には先読み抽選を行わない構成としたが、通常中だけでなく時短中である場合にも先読み抽選を行う構成としてもよい。
一般的に、時短中は、先読み抽選の対象となる第1当たり乱数カウンタC1の値と比較される値(低確率時当たり値テーブル202bに格納されている値)の数が比較的少なく設定されているので、先読み抽選に費やされる処理時間も比較的短く、他の処理の実行に及ぼす影響は小さい。よって、第1入球口A64への入賞に対し、先読み抽選時期における遊技状態が通常中である場合でだけでなく、時短中を含めることにより、かかる先読み抽選の頻度を高くすることができる。その結果、報知が行われる確率が高まり、報知による遊技の演出性及び遊技者が抱く期待感をより高めることができる。
また、上記実施形態における特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)によれば、処理時における遊技状態が確変中である場合は、先読み抽選を必ず行う構成としたが、処理時における遊技状態が確変中であっても、先読み抽選を行わない場合を設ける構成としてもよい。例えば、確変中であっても先読み抽選を行わない期間を定期的に設けたり、変動表示が実行される回数あたりに発生した大当たりの割合が所定の値を超えた場合に、確変中であっても先読み抽選を行わないようにするようにしてもよい。
あるいは、処理時における遊技状態が確変中である場合は、高確率時当たり値テーブル202aに格納されている値を間引くことにより、第1当たり乱数カウンタC1に対する比較対象とする値の数を減らすよう構成してもよい。
一般的に、確変中は、先読み抽選の対象となる第1当たり乱数カウンタC1の値と比較される値(高確率時当たり値テーブル202aに格納されている値)の数が比較的多く設定されており、先読み抽選に費やされる時間も比較的長くなるので、第1当たり乱数カウンタC1に対して、高確率時当たり値テーブル202aに格納されている値との比較を行う機会を減らしたり、比較する値の数を減らしたりすることにより、遊技を進行させるための処理に許容される時間を超えることを抑制することができる。
また、上記実施形態では、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)又は特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)において、先読み抽選を行うか否かを判定する遊技状態が、確変中、時短中、又は通常中のいずれであるかを確認する構成としたが、これらの状態(確変中、時短中、通常中)以外の遊技状態が設定されている場合には、その遊技状態を選択肢の1つとして加える構成としてもよい。例えば、高確率時当たり値テーブル202aに格納されている値より少なく、低確率時当たり値テーブル202bに格納されている値より多い数の値が格納されている第3の当たり値テーブルがある場合に、その第3の当たり値テーブルを用いる遊技状態があれば、その遊技状態を選択肢の1つとして加えることができる。
また、上記実施形態では、第1入球口A64に球が通過した(入賞した)場合に、その入賞に合わせて取得された各カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3)の値を格納する特図A保留球格納エリア203aと、第1入球口B640に入賞した場合に、その入賞に合わせて取得された各カウンタC1〜C3の値を格納する特図B保留球格納エリア203bとを別々に設ける構成とした。
これに換えて、第1入球口A64又は第1入球口B640へ入賞した場合に、入賞順に各カウンタC1〜C3の値を格納する1の保留球格納エリアを設ける構成としてもよい。例えば、8つの保留エリア(保留第1〜第8エリア)を有する1の保留球格納エリアを設け、第1入球口A64へ入賞したか、第1入球口B640へ入賞したかにかかわらず、合計8つのデータ(各カウンタの値)を格納する構成としてもよい。
かかる構成とした場合、本実施形態のように、特図A保留回数カウンタ203dと特図B保留回数カウンタ203eとを別々に設けず、1の保留回数カウンタとすればよい。また、例えば、各カウンタC1〜C3の値に加え、入賞した入球口を特定するフラグを1の保留エリアに格納すると、保留されているデータ(変動表示)が、第1入球口A64への入賞によるものか、第1入球口B640への入賞によるものかを区別させることができる。
なお、1の保留球格納エリアに入賞順にデータ(各カウンタの値)を格納するよう構成したとき、第1入球口B640への入賞に基づいて行われた先読み抽選の結果として報知(先読み予告演出)を行う場合に、先読み予告演出を行う変動表示(保留されていた変動表示)には、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示も含まれ得る。
また、上記実施形態では、特図A保留球格納エリア203aと特図B保留球格納エリア203bとに共通する1の実行エリア203cを設ける構成としたが、特図A保留球格納エリア203aと特図B保留球格納エリア203bとに、それぞれ、実行エリアを設ける構成としてもよい。
また、上記実施形態では、第1入球口A64への入賞が最大4回まで保留され、第1入球口B640への入賞が最大4回まで保留されるように構成したが、それぞれの最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口A64に対する最大保留回数と、第1入球口B640に対する最大保留回数とが異なっていても良い。
また、上記実施形態では、始動条件の成立(始動入賞)にかかわる入球口である第1入球口として、第1入球口A64と、第1入球口B640とを設ける構成としたが、第1入球口A64でも第1入球口B640でもない、別の種類(例えば、構造が異なる、賞球数が異なる、抽選結果の種類や数が異なる)の第1入球口を設けてもよい。なお、第1入球口A64でも第1入球口B640でもない、別の種類である第1入球口は、1種類でも複数種類であってもよい。
第1入球口A64や第1入球口B640とは異なる種類の第1入球口が設けられている構成とされた場合にも、上記実施形態と同様に、先読み抽選を行う第1入球口を遊技状態に応じて選定することにより、定期的に実行されるメイン処理(図9参照)やタイマ割込処理(図13参照)を正常に実行するのに許容される時間を超えることを防止することができる。
また、上記実施形態では、始動条件の成立(始動入賞)にかかわる入球口である第1入球口として、1の第1入球口A64と、1の第1入球口B640とを設ける構成としたが、第1入球口A64の数は、複数であってもよい。同様に、第1入球口B640の数も、複数であってもよい。また、第1入球口A64の数と、第1入球口B640の数は、異なっていてもよい。
また、上記実施形態では、種類の異なる第1入球口(第1入球口A64、第1入球口B640)を設ける構成としたが、第1入球口A64又は第1入球口B640のいずれか一方の第1入球口が複数設けられている構成としてもよい。例えば、第1入球口A64のような電動役物を有さないタイプの第1入球口が複数設けられている構成であってもよい。
なお、第1入球口A64や第1入球口B640が複数ある場合には、同じ種類の第1入球口(例えば、第1入球口A64)の中で、一部の第1入球口への入賞に対しては、先読み抽選を行わないよう構成してもよい。また、同じ種類の第1入球口の中で、先読み抽選を行う条件とする遊技状態を異ならせてもよい。
また、上記実施形態では、第1入球口A64と第1入球口B640とを比較的広く離間し、第1入球口B640に付随する電動役物(図示せず)が閉鎖された状態であっても球が入球可能であるように構成した(図2参照)。
これに換えて、第1入球口A64と第1入球口B640との配置間隔を図1に示した場合より狭くし、第1入球口B640に付随する電動役物の開放時には球が入球可能であるが、閉鎖時には球が入球できないように第1入球口A64と第1入球口B640とを配置するような構成であってもよい。あるいは、第1入球口A64と第1入球口B640との間に釘や障害物等を設け、第1入球口B640に付随する電動役物の閉鎖時には球が入球できない構成としてもよい。
また、上記実施形態では、各カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3など)を、いずれも、第1入球口A64への入賞時及び第1入球口B640への入賞時に使用する1のカウンタとしたが、これらのカウンタの全て又は一部を、第1入球口A64への入賞時に使用するカウンタと、第1入球口B640への入賞時に使用するカウンタとの2つにする構成であってもよい。
かかる場合、第1入球口A64用と第1入球口B640用とに別々設けたカウンタの全範囲(即ち、取り得る値の数)は、同じに構成しても異なるように構成してもよい。例えば、第1当たり乱数カウンタC1を第1入球口A64用と第1入球口B640用とで2つ設けた場合には、第1入球口A64用の第1当たり乱数カウンタC1の全範囲(即ち、取り得る値の数)と、第1入球口B640用の第1当たり乱数カウンタC1の全範囲とをそれぞれ同じに構成しても、互いに異なるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞があった場合に、その入賞タイミングに合わせて取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止パターン選択カウンタC3の値を、特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留球格納エリア203bに格納する構成とした。
これに換えて、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に伴って特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留球格納エリア203bに格納するカウンタの値を、上記実施形態において例示した3種類のカウンタの値(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止パターン選択カウンタC3の値)のうち、いずれか1つとしてもよい。
あるいは、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に伴って特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留球格納エリア203bに格納するカウンタの値を、上記実施形態において例示した3種類のカウンタの値のうち、いずれか2種類のカウンタの値(例えば、第1当たり乱数カウンタC1と第1当たり種別カウンタC2の値、又は、第1当たり乱数カウンタC1と停止パターン選択カウンタC3の値、など)としてもよい。
あるいは、上記実施形態において例示した3種類のカウンタの値に加え、他の1又は複数種類のカウンタの値を、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に伴って特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留球格納エリア203bに格納する構成としてもよい。また、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞した場合に、上記実施形態において例示した3種類のカウンタではなく、他の1又は複数種類のカウンタから値を取得し、そのカウンタ値を特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留球格納エリア203bに格納する構成であってもよい。
また、上記実施形態では、第1入球口A64への入賞があった場合には、各カウンタ値を特図A保留球格納エリア203aに格納し、第1入球口B640への入賞があった場合には、各カウンタ値を特図A保留球格納エリア203aに格納する構成とした。
これに換えて、第1入球口A64への入賞であっても、第1入球口B640への入賞であっても、その入賞タイミングに合わせて取得した各カウンタ値を、共通の保留球格納エリアへ格納する構成としてもよい。なお、かかる構成とする場合には、入賞タイミングに合わせて取得した各カウンタ値と共に、入賞のあった第1入球口を示す情報を、共通の保留球格納エリアへ格納することにより、保留球格納エリアに格納された各カウンタ値が、第1入球口A64への入賞に基づくものであるか、第1入球口B640への入賞に基づくものであるかを区別することができる。
また、上記実施形態では、第1入球口A64へ入賞した場合であっても、第1入球口B640へ入賞した場合であっても、高確率状態であれば、高確率時当たり値テーブル202aを用い、低確率状態であれば、低確率時当たり値テーブル202bを用いる構成としたが、第1入球口A64へ入賞した場合に用いられる高確率時当たり値テーブルと、第1入球口B640へ入賞した場合に用いられる高確率時当たり値テーブルとを別々に設けるように構成してもよい。同様に、第1入球口A64へ入賞した場合に用いられる低確率時当たり値テーブルと、第1入球口B640へ入賞した場合に用いられる低確率時当たり値テーブルとを別々に設けるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、第1入球口A64への入賞に基づいて第3図柄表示装置81に表示される変動表示を横スクロールの変動表示とし、第1入球口B640への入賞に基づいて第3図柄表示装置81に表示される変動表示を縦スクロールの変動表示とすることによっていずれの第1入球口へ入賞したかを区別可能とした。
これに換えて、第1入球口A64への入賞であっても、第1入球口B640への入賞であっても、スクロール方向を同じ方向(例えば、縦スクロール)とし、入賞した第1入球口に応じた特徴的な表示を第3図柄表示装置81に表示するような構成としてもよい。
ここで、かかる構成の一例として、図30を参照して説明する。図30は、第3図柄表示装置81に表示される変動表示の変形例を示す模式図である。なお、図30において、上記実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図30に示すように、この変形例では、変動表示や停止表示として表示される主図柄や副図柄などの図柄に加え、画面下方の左右両隅にそれぞれシンボル51aとシンボル51bとが第3図柄表示装置81に表示されるように構成されている。なお、シンボル51aにおける斜線のハッチングはこのシンボル51aが点滅表示していることを表し、シンボル51bにおける黒色のハッチングはこのシンボル51aが停止表示していることを表している。
図30に示すように、第3図柄表示装置81にに変動表示又は停止表示がされている最中に、2つのシンボル51a,51bのいずれを点滅表示とするかによって入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)を視覚的に区別させることができる。例えば、第1入球口A64へ入賞した場合には、シンボル51aを点滅表示させてシンボル51bを停止表示させ、一方で、第1入球口B640へ入賞した場合には、シンボル51aを停止表示させてシンボル51bを点滅表示させることによって、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかを遊技者に区別させることができる。
なお、入賞した第1入球口に応じた特徴的な表示としては、図30に例示したシンボル51a,51bの形状(即ち、丸形)に限定されず、他の形状や文字などであってもよい。また、入賞した第1入球口を区別可能にする特徴的な表示の表示態様としては、図30に例示したシンボル51a,51bを点滅表示させる態様に限らず、一方を点灯して一方を消灯する態様や、一方のシンボルの輝度を他方のシンボルの輝度より高くするなど、互いが区別可能となる表示態様であれば適用できる。
また、上記実施形態では、第1入球口A64への入賞に基づいて第3図柄表示装置81に表示される変動表示は横スクロールの変動表示であり、第1入球口B640への入賞に基づいて第3図柄表示装置81に表示される変動表示は縦スクロールの変動表示としたが、第1入球口A64への入賞であっても、第1入球口B640への入賞であっても、区別することなく、入賞時に取得された各カウンタの値に応じた変動表示を第3図柄表示装置81に表示させるよう構成してもよい。かかる場合には、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力される変動パターンコマンドを、特図A変動パターンコマンドと特図B変動パターンコマンドと区別せずに共通の変動パターンコマンドとすればよい。同様に、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へ出力される表示用変動パターンコマンドを、表示用特図A変動パターンコマンドと表示用特図B変動パターンコマンドと区別せずに共通の表示用変動パターンコマンドとすればよい。
また、第3図柄表示装置81に表示される変動表示は、図柄を縦又は横方向にスクロールさせるものに限定されず、L字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、変動表示としては、図柄をスクロールするものに限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、上記実施形態では、先読み予告演出を第3図柄表示装置81に現出させることにより、先読み抽選の結果を報知する構成としたが、報知態様としては、第3図柄表示装置に表示される演出に限定されるものではなく、第1図柄表示装置37A,37Bや、第2図柄表示装置82(83)を用いる報知であってもよい。あるいは、第4の図柄表示装置がある場合には、その第4の図柄表示装置を用いて報知を行うよう構成してもよい。
あるいは、スピーカ(音声出力装置226の一部)から出力される音又は音声によって報知を行うものであってもよいし、ランプ(ランプ表示装置227の一部)の点灯や点滅などによって報知を行うものであってもよい。ランプを用いて報知を行う場合には、点灯又は点滅する色を所定の色又は所定の組み合わせとすることによって報知するようにしてもよい。また、遊技盤13上設けられた電動役物の動作によって報知を行うよう構成してもよい。
また、上記実施形態では、ビデオRAM234に先読み予告演出用の変動態様の演出データが記憶されており、先読み予告演出を行う場合には、かかる専用の演出データを読み出して表示する構成としたが、先読み予告演出を行わない変動表示の演出データと、先読み予告演出時に付加する画像の画像データとを準備しておき、先読み予告演出を行う場合に、これらのデータをアルファブレンドによって合成し、先読み予告演出用の変動表示を得る構成としてもよい。
また、上記実施形態では、先読み予告演出を、先読み予告演出を行わない変動表示の内容に付加される特定の表示(停止図柄の表示後に発生する泡)と、その変動表示の終了時に表示される特定の停止図柄(「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」となるチャンス目)とから構成される演出として構成したが、先読み予告演出を行わない変動表示の内容に付加される特定の表示、又は、変動表示の終了時に表示される特定の停止図柄の表示のいずれか一方を先読み予告演出としてもよい。
また、上記実施形態では、先読み予告演出としての、先読み予告演出を行わない変動表示の内容に付加される特定の表示として、「停止図柄の表示後に発生する泡」を例示したが、1の変動表示内において特定の表示を現出させるタイミングは限定されない。
また、上記実施形態では、特図A保留回数カウンタ223a又は特図B保留回数カウンタ223bの値が1以下である場合には、先読み抽選の対象となった入賞より前に保留されていた変動表示が存在しないので、先読み予告演出が実行されない構成としたが、特図A保留回数カウンタ223a又は特図B保留回数カウンタ223bの値が1である場合であっても、先読み予告演出を行う構成としてもよい。
なお、かかる場合には、先読み予告演出が、変動表示が終了する前(停止図柄が表示される前)に先読み抽選の結果を報知する演出となる。また、先読み予告判定テーブル222aの中に、特図A保留回数カウンタ223a又は特図保留回数カウンタ223bの値が「1」である場合の先読み予告決定範囲も含まれることになる。
また、上記実施形態における特図A先読み予告設定処理(図21参照)によれば、先読み予告演出を開始する場合には、特図A先読み予告フラグ223cの内、今回の保留球より前に保留された保留球に対応するビットを全て「1」に設定するので、報知(先読み予告演出)の対象となった入賞に対する変動表示では、報知を行わない。特図B先読み予告設定処理(図22参照)においても同様に、報知(先読み予告演出)の対象となった入賞に対する変動表示では、報知を行わない。かかる構成に換えて、特図A先読み予告設定処理(図21参照)又は特図B先読み予告設定処理(図22参照)において、先読み予告演出を開始する場合には、先読み予告フラグ223c,223dの内、今回の保留球以前(今回の保留球も含む)に保留された保留球に対応するビットを全て「1」に設定し、報知の対象となった入賞に対する変動表示においても報知(先読み予告演出)を行う構成としてもよい。なお、かかる場合には、先読み予告演出が、変動表示が終了する前に先読み抽選の結果を報知する演出となる。
また、上記実施形態における特図A先読み予告設定処理(図21参照)又は特図B先読み予告設定処理(図22参照)によれば、先読み予告演出を開始する場合には、先読み予告フラグ223c,223dの内、今回の保留球より前に保留された保留球に対応するビットを全て「1」に設定するので、報知の対象となった入賞より前に保留されていた変動表示が実行される毎に先読み予告演出が実行される。これに換えて、報知の対象となった入賞より前に保留されていた変動表示の全てに対して先読み予告演出を実行せず、一部の変動表示に対して先読み予告演出を実行する構成としてもよい。
この場合、例えば、特図A先読み予告設定処理(図21参照)又は特図B先読み予告設定処理(図22参照)において、先読み予告演出を開始する場合(即ち、S1306におけるYesの分岐処理が実行された場合)には、さらに、先読み予告フラグ223c,223dの内、今回の保留球より前に保留された保留球に対応するビットに対して抽選を行い、先読み予告を行う保留球を選定してもよい。
あるいは、特図A先読み予告設定処理(図21参照)又は特図B先読み予告設定処理(図22参照)において、先読み予告演出を開始する場合に、先読み予告フラグ223c,223dの内、今回の保留球より前に保留された保留球に対応するビットに対し、所定間隔(例えば、1つおきのビット)又はランダムに抽出されたビットに対して抽選を行い、先読み予告を行う保留球を選定してもよい。
あるいは、特図A先読み予告設定処理(図21参照)又は特図B先読み予告設定処理(図22参照)において、先読み予告演出を開始する場合には、先読み予告フラグ223c,223dの内、今回の保留球より前に保留された保留球に対応するビットを、所定間隔(例えば、1つおき)又はランダムに「1」に設定するようにしてもよい。
あるいは、特図A先読み予告設定処理(図21参照)又は特図B先読み予告設定処理(図22参照)において、先読み予告演出を開始する場合に、報知の対象となった入賞より前に保留されていた変動表示のうち、所定の停止図柄(例えば、完全外れ)となる変動表示に対し、先読み予告演出を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、先読み抽選の結果、大当たり(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R確変大当たり)が発生する可能性が高い場合に、先読み予告演出を許可する(即ち、保留回数コマンドにおける先読み予告許可フラグを1に設定する)構成したが、例えば、先読み抽選の結果、特定の大当たり(例えば、15R確変大当たり)が発生する可能性が高い場合にのみ、先読み予告演出を許可する構成してもよい。
また、上記実施形態では、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)又は特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)において、大当たり(15R通常大当たり、15R確変大当たり、2R確変大当たり)である場合にのみ、保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド又は特図B保留回数コマンド)に含まれる先読み予告許可フラグが、先読み予告演出の表示を許可する値(即ち、「1」)に設定されるように構成した。
これに換えて、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)又は特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)において、大当たりのときだけでなく、外れのときにも、保留回数コマンドに含まれる先読み予告許可フラグを「1」とし、外れの場合にも先読み予告演出が表示され得るよう構成してもよい。この場合、保留回数コマンドに含まれる先読み予告許可フラグを「1」とする外れ態様(外れ時の表示態様)としては、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、及び、完全外れの全てとしてもよいし、これら3種類の外れ態様のうち、一部の外れ態様(いずれか1種類の外れ態様、又は、いずれか2種類の外れ態様の組み合わせ)としてもよい。
このように、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に基づく先読み抽選の結果が外れの場合(即ち、当否抽選の結果が外れの場合)であっても、先読み予告演出が表示され得るので、当否抽選の結果として外れが連続するような場合であっても、先読み予告演出が表示されたことによって遊技者に対して高い期待感を持たせることが可能となる。
なお、先読み抽選の結果が外れのときにも保留回数コマンドに含まれる先読み予告許可フラグを「1」に設定する構成とする場合には、音声ランプ制御装置113に、先読み予告判定テーブル222aとは別に、外れである場合(即ち、保留回数コマンドの上位バイトの下位2ビットが「00」である場合)に使用する先読み予告判定テーブル(外れ時先読み予告判定テーブル)を設ける構成してもよい。
このとき、外れ時先読み予告判定テーブルにおける各保留回数に対応する先読み予告決定範囲を、大当たり時に使用する先読み予告判定テーブル222aにおける同一の保留回数に対応する先読み予告決定範囲と同一又はそれより狭くなるようにすることにより、先読み予告演出終了後の遊技状態が「外れ」となる場合には、頻繁に先読み予告演出が行われないように抑制することができる。
また、上記実施形態では、先読み抽選の結果が大当たりであれば、大当たりの種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R確変大当たり)とは無関係に先読み予告判定テーブル222aに基づき、先読み予告の実行を決定する構成としたが、大当たりの種別に応じて異なる先読み予告判定テーブルを音声ランプ制御装置113に設け、大当たりの種別に応じた先読み予告判定テーブルを使用する構成としてもよい。
例えば、15R通常大当たりと確変大当たり(2R確変大当たり、15R確変大当たり)とで別々の先読み予告判定テーブルを設け、先読み予告演出終了後の遊技状態が15R通常大当たりであるか(即ち、保留回数コマンドの上位バイトの下位2ビットが「01」である場合)、確変大当たりであるかに(即ち、保留回数コマンドの上位バイトの下位2ビットが「10」又は「11」である場合)応じて、使用する先読み予告判定テーブルを変更する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド,特図B保留回数コマンド)の下位2ビットに、先読み予告後の遊技状態が設定される構成としたが、15R確変大当たり、2R確変大当たり、及び15R通常大当たりは、全て、大当たりであることを示す共通の値(例えば「11」)に設定する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、先読み抽選の結果が外れであれば、外れ態様(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)を区別することなく、保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド,特図B保留回数コマンド)の下位2ビットを「00」とする構成としたが、外れ態様に応じて異なる値を設定するよう構成してもよい。なお、先読み予告後の遊技状態を設定するビット数を、2ビット(本実施形態では、上位バイトの下位2ビット)ではなく、2ビット以上の構成(例えば、上位バイトの下位3ビットなど)としてもよい。
また、上記実施形態では、音声ランプ制御装置113が受信した保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド,特図B保留回数コマンド)における先読み予告許可フラグが1であった場合に、音声ランプ制御装置113が、先読み予告判定テーブル222aと先読み予告判定カウンタ223eとに基づいて先読み予告演出の実行を決定する構成としたが、主制御装置110において先読み予告演出の実行まで決定し、コマンドによって先読み予告演出の実行を音声ランプ制御装置113へ指示する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、先読み予告判定テーブル222aは、保留回数(特図A保留回数カウンタ223a又は特図保留回数カウンタ223bの値)に応じて先読み予告確率が変化する構成としたが、保留回数に依らず先読み予告確率を同じにする構成としてもよい。
また、上記実施形態では、上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。
また、上記実施形態では、メイン処理(図9参照)において、遊技を進行するための主要な処理を4ms間隔で行い、初期値乱数カウンタCINI1,CINI2や変動種別カウンタCS1の更新を残余時間で行い、2ms毎に起動されるタイマ割込処理(図13参照)において、始動入賞処理などを行う構成とした。これに換えて、メイン処理(図9参照)で行われていた遊技を進行するための主要な処理(S201〜S206)を、図13のタイマ割込処理の中で実行する構成としてもよい。
かかる変形例について、図31及び図32を参照して具体的に説明する。図31は、変形例としてのメイン処理を示すフローチャートであり、図32は、図31のメイン処理が実行される場合におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。なお、なお、図31及び図32に示すフローチャートにおいて、上述したメイン処理(図9参照)又はタイマ割込処理(図13参照)と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図31に示すメイン処理は、図9のメイン処理に換えて、図8の立ち上げ処理の後に実行される処理である。図31に示すように、かかる変形例のメイン処理では、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行し(S209)、変動種別カウンタCS1の更新を実行した後(S210)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かの判別を行う(S207)。
このS207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、処理をS209へ移行し、S209,S210の処理を繰り返し実行する。
一方で、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する(S212)。次いで、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
図32に示すタイマ割込処理は、図13のタイマ割込処理に換えて実行される処理であり、図13のタイマ割込処理と同様に、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。
図32に示すように、かかる変形例のタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行し(S201)、変動種別カウンタCS1の値を更新し(S202)、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、上述した変動処理(図10参照)を実行する(S204)。変動処理(S204)の終了後は、大当たり処理を実行し(S205)、第2図柄制御処理を実行する(S206)。
S206の処理後、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行し(S501)、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。次いで、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。S503の処理後、上述した始動入賞処理(図14参照)を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。
なお、上述した変形例としてのメイン処理(図31参照)の中で実行されるS207,S211〜S214の処理を、図31のメイン処理では実行せず、上述した変形例としてのタイマ割込処理(図32参照)の中で実行するよう構成してもよい。
かかる構成を採用する場合に、図32のタイマ割込処理の中でS207,S211〜S214の処理が実行される位置は特に限定されるものではないが、例えば、図32のタイマ割込処理が起動すると、まず、S207の判別処理を実行し、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、S211〜S214の処理を実行し、その後、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続するように構成し、その一方で、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていない場合には(S207:No)、S201の処理から順に図32に示す処理を実行するよう構成することができる。
また、上述した変形例としてのタイマ割込処理(図32参照)の中で実行される各処理の実行順序は、図32に示す順序に限定されず、例えば、図32のタイマ割込処理が起動すると、まず、S501〜S505の処理を実行し、次いで、S201〜S206の処理を実行する構成としてもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技媒体が通過可能な位置に配置されて遊技媒体の通過を始動条件として検出する始動手段と、表示装置と、前記始動条件の1成立に対し、1の変動表示を前記表示装置にて表示させる変動表示制御手段と、1の変動表示の終了を示す停止表示が予め決められた停止表示である場合に、遊技状態を通常状態に比べて遊技者にとって有利な特別遊技状態とする特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機において、乱数カウンタと、前記始動手段に遊技媒体が通過したことに基づいて始動条件が成立する毎に、前記乱数カウンタの値を取得する乱数カウンタ値取得手段と、その乱数カウンタ値取得手段により取得された乱数カウンタの値を、予め設定されている値と比較して該乱数カウンタの値に対する判定を行う第1の判定手段と、その第1の判定手段による判定対象である乱数カウンタの値に対応する変動表示の開始を保留可能な変動保留手段と、前記変動保留手段により保留されている変動表示を開始する前に、該変動表示に対応する乱数カウンタの値に基づき、該変動表示の終了後における遊技状態を判定する第2の判定手段とを備え、前記変動表示制御手段は、前記第2の判定手段による判定後に、該第2の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対応し前記変動保留手段により保留されている変動表示を前記表示装置にて開始する変動開始手段と、その変動開始手段による前記変動表示の開始後に、前記第2の判定手段による判定に応じた停止表示を前記表示装置に表示して該変動表示を終了する停止表示手段とを含んで構成され、前記第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行う報知手段を備え、前記始動手段は、複数設けられており、前記第1の判定手段は、遊技媒体が通過した前記始動手段の中から、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段を選定する選定手段を含み、該選定手段により選定された始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対して前記判定を行うものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、始動手段に遊技媒体が通過したことに基づいて始動条件が成立すると、その成立毎に、乱数カウンタの値が乱数カウンタ値取得手段により取得され、取得された乱数カウンタの値に対する判定が第1の判定手段により行われる。この第1の判定手段では、取得された乱数カウンタの値と予め設定されている値とを比較することにより、該判定を行う。
この第1の判定手段による判定対象である乱数カウンタの値に対応する変動表示は、変動保留手段によって開始が保留される。そして、保留されている変動表示を開始する場合には、その開始前に、該変動表示に対応する乱数カウンタの値に基づき、該変動表示の終了後における遊技状態が、第2の判定手段によって判定される。
この第2の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対応する保留中の変動表示は、該第2の判定手段による判定後に変動開始手段によって開始される。このように開始された変動表示は、第2の判定手段による判定に応じた停止表示が停止表示手段によって表示されて終了する。
ここで、第1の判定手段により乱数カウンタの値に対して所定の判定が得られた場合には、報知手段により、報知が行われる。このとき、報知は、第1の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対して第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が停止表示手段によって表示装置に表示される前に行われる。
よって、1の始動条件が成立した場合に、その始動条件の成立に対して行われる変動表示が第2の判定手段により行った判定(即ち、変動表示後における遊技状態)に応じた停止表示で停止する前に、第1の判定手段により所定の判定が得られたか否かを遊技者に報せることができる。
ここで、例えば、第1の判定手段が、第2の判定手段によって変動表示後に特別遊技状態などの有利な遊技状態が発生する可能性が高いか否かを判定するものであれば、遊技者は、報知手段による報知を受けた場合に、第1の判定手段による判定対象となった始動条件の成立に基づいて実行される変動表示の後に有利な遊技状態が発生する可能性が高いものであることを認識することができ、有利な遊技状態の発生に対する期待感を遊技者に持たせることができる。
また、報知の対象にされた始動条件の成立の前に1又は複数の変動表示が保留されている場合には、報知の対象にされた始動条件の成立に基づく変動表示の実行に先立って消化される保留中の変動表示の実行期間を利用して、該始動条件の成立によって取得された特別遊技状態の発生に関わる乱数カウンタの値を判定(先読み)して報知することができるので、特別遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を煽る演出など、遊技の演出性を向上させることができる。
また、遊技機A1では、始動手段が複数設けられているので、始動手段が単数である場合に比べて遊技の進行が複雑化されるため、その分、飽き難い遊技を遊技者に提供することができる。
しかし、始動手段を複数設けたことにより、遊技性が向上する一方で、同時又はほぼ同時に複数の始動条件が成立する可能性が生じる。同時又はほぼ同時に成立した始動条件の数(成立数)が多いほど、始動条件の成立に伴って取得された乱数カウンタの値に対する判定(先読み)に費やされる処理時間が増大する。かかる処理時間の増大によって許容される処理時間内で他の処理が完了できなくなり、遊技の進行に不具合を生じる虞がある。
これに対し、遊技機A1によれば、第1の判定手段による判定を行う場合には、その判定に先立って、遊技媒体が通過した始動手段の中から、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段が選定手段(第1の判定手段の一部)により選定されるので、始動条件に成立に伴って取得した乱数カウンタの値に対する判定に費やされる処理時間の増大を抑制することができる。よって、許容される処理時間内で実行すべき全ての処理を完遂することができ、遊技の進行に不具合が発生することを防止することができる。
なお、遊技機A1に含まれる各構成としては、上述した実施形態にて例示した構成を一例として対応付けることができる。例えば、始動手段としては、第1入球口A64,第1入球口B640が対応し、表示装置としては、第3図柄表示装置81が対応する。
また、変動表示制御手段としては、変動処理(図10参照)と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応し、特別遊技状態発生手段としては、S205の処理が対応する。
また、乱数カウンタとしては、第1当たり乱数カウンタC1,第1あたり種別乱数カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3が対応し、乱数カウンタ値取得手段としては、S604,S609の処理が対応する。
また、第1の判定手段としては、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)におけるS621〜S623の処理、特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)におけるS641,S642,S647,S648の処理が対応する。また、変動保留手段としては、特図A保留球格納エリア203a,特図B保留球格納エリア203bが対応する。また、第2の判定手段としては、S401,S402,S409の処理が対応する。
また、変動開始手段としては、S407,S412の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応し、停止表示処理としては、S312の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応する。
また、報知手段としては、S605,S610の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応する。また、選定手段としては、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)におけるS621,S622の処理、特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)におけるS641,S647の処理が対応する。
遊技機A1において、前記報知手段は、前記第1の判定手段により、前記第2の判定手段により判定される停止表示後の遊技状態が特別遊技状態である可能性が高いと判定された場合に、前記報知を行うことを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、第2の判定手段により判定される停止表示後の遊技状態が特別遊技状態である可能性が高いと、第1の判定手段によって判定された場合に、報知手段による報知が行われる。よって、第1の判定手段による判定対象となった乱数カウンタの値を取得する契機となった始動条件の成立以前に保留されていた変動表示の実行期間を利用して、該始動条件の成立によって取得された乱数カウンタの値が特別遊技状態である可能性が高いことを報知することができるので、特別遊技状態の発生に対する期待感を遊技者に抱かせることができ、高い遊技性を遊技者に提供することができる。
遊技機A1又は2において、前記報知手段は、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により1又は複数の変動表示が保留されているときに、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行うものであり、前記報知手段は、前記報知を行う場合に、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により保留されていた変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、該報知を行うことを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、報知を行う場合には、該報知の対象にされた始動条件の成立(即ち、第1の判定手段によって所定の判定が得られた始動条件の成立)の前に変動保留手段によって保留されていた変動表示の実行期間中に、報知が行われる。よって、報知の対象にされた始動条件の成立から、その始動条件の成立に基づく変動表示が実行されるまでの間に、保留中であった変動表示をまたいで、該報知を行うことができる。
よって、第1の判定手段が、第2の判定手段によって変動表示後に特別遊技状態などの有利な遊技状態が発生する可能性が高いか否かを判定するものであれば、保留中であった変動表示をまたいで行う報知によって、有利な遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を煽る演出を行うことができる。
遊技機A3において、前記報知手段は、前記変動保留手段により保留されていた変動表示を前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示する際に、該変動保留手段により保留されていた変動表示の全て又は一部に付加される特定の表示によって前記報知を行うことを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、報知を行う場合には、変動保留手段により保留されていた変動表示のうち、全て又は一部の変動表示の内容に付加される特定の表示によって報知を行う。一般的に、表示装置に表示される変動表示は、遊技中に、遊技者が主に視線を向ける先の1つである。よって、かかる変動表示の内容に付加する表示を用いて報知を行うことにより、第1の判定による判定結果を遊技者に伝達し易い。
遊技機A3又はA4において、前記報知手段は、前記変動保留手段により保留されていた変動表示を前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示する際に、該変動保留手段により保留されていた変動表示の全て又は一部の変動表示に対する停止表示を特定の停止表示にすることによって前記報知を行うことを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、報知を行う場合には、変動保留手段により保留されていた変動表示のうち、全て又は一部の変動表示に対する停止表示を特定の停止表示にすることによって報知を行う。一般的に、表示装置に表示される変動表示は、遊技中に、遊技者が主に視線を向ける先の1つである。よって、かかる変動表示の終了を示す停止表示を用いて報知を行うことにより、第1の判定による判定結果を遊技者に伝達し易い。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記複数の始動手段は、1又は複数の第1の始動手段と、1又は複数の第2の始動手段とから構成され、前記第2の始動手段は、遊技媒体の通過経路の入口側に設けられ、通過度が変化するよう動作される可動手段を含んで構成されるものであり、前記可動手段は、遊技状態が第1の遊技状態にある場合に比べ、第2の遊技状態にある場合における通過度が易化される頻度が高頻度となるよう動作され、前記選定手段は、前記第1の判定手段による判定時期における遊技状態が第1の遊技状態である場合には、前記第1の始動手段を選定する第1選定手段と、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態が第2の遊技状態である場合には、前記第2の始動手段を選定する第2選定手段とを有していることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、始動手段は、第1の始動手段と、遊技媒体の通過経路の入口側に設けられた可動手段を有し遊技状態に応じて遊技媒体の通過度が変化する第2の始動手段とから構成される。よって、異なる種類の始動手段が設けられているので、遊技が多様化されて、飽き難い遊技を遊技者に提供することができる。
また、遊技機A6によれば、第1の判定手段による判定時期における遊技状態が第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態である場合には、始動手段の中から第2の始動手段が第2選定手段(選定手段の一部)によって選定される。その一方で、第1の判定手段による判定時期における遊技状態が第1の遊技状態である場合には、始動手段の中から第1の始動手段が第1選定手段(選定手段の一部)によって選定される。
ここで、第2の始動手段の可動手段は、第1の遊技状態に比べ、第2の遊技状態における通過度が易化される頻度が高頻度となるように動作されるので、第2の遊技状態にある場合には、遊技媒体が第2の始動手段を通過する機会がより多くなる。よって、そのような第2の遊技状態にある場合に、第1の判定手段による判定を行う始動手段として第2の始動手段を選定することにより、通過機会の増える始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立によって取得された乱数カウンタの値に対する判定(先読み)の結果を報知することができる。
なお、遊技機A6に含まれる各構成としては、上述した実施形態にて例示した構成を一例として対応付けることができる。例えば、第1の始動手段としては、第1入球口A64が対応し、第2の始動手段としては、第1入球口B640が対応する。また、可動手段としては、第1入球口B640に付随する電動役物が対応する。なお、上記実施形態において、「通常中(通常状態)」が第1の遊技状態に対応し、「確変中」や「時短中」が第2の遊技状態に対応する。
遊技機A6において、前記報知手段は、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に該始動条件を成立させた始動手段と同じ種類の始動手段への遊技媒体の通過に基づく1又は複数の変動表示が前記変動保留手段により保留されているときに、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行うものであり、前記報知手段は、前記報知を行う場合に、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により保留されていた該始動条件を成立させた始動手段と同じ種類の始動手段への遊技媒体の通過に基づく変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、該報知を行うことを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、報知を行う場合には、該報知の対象にされた始動条件の成立(即ち、第1の判定手段によって所定の判定が得られた始動条件の成立)の前に、変動保留手段によって保留されていた、該始動条件を成立させた始動手段と同じ種類の始動手段への遊技媒体の通過に基づく変動表示の実行期間中に、報知が行われる。よって、報知の対象にされた始動条件の成立から、その始動条件の成立に基づく変動表示が実行されるまでの間に、保留中であった変動表示をまたいで、該報知を行うことができる。
よって、第1の判定手段が、第2の判定手段によって変動表示後に特別遊技状態などの有利な遊技状態が発生する可能性が高いか否かを判定するものであれば、保留中であった変動表示をまたいで行う報知によって、有利な遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を煽る演出を行うことができる。
遊技機A6又はA7において、前記第1の遊技状態は、前記通常状態であり、前記第1選定手段は、前記第1の遊技状態において、前記第1の始動手段に加えて、前記第2の始動手段を選定することを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、第1の判定手段による判定時期の遊技状態が通常状態である場合には、第1の始動手段に加えて、第2の始動手段も第1選定手段(選定手段の一部)によって選定される。一般的に、通常状態は、第1の判定手段による判定を行うために乱数カウンタの値と比較される値の数が比較的少なく設定されているので、第1の判定手段による判定に費やされる処理時間が他の処理の実行に及ぼす影響は小さい。よって、かかる通常状態において、第1の始動手段と第2の始動手段との両方、即ち、全ての始動手段が第1の判定手段による判定を行う始動手段として選定されるので、第1の判定手段による判定の頻度を高くすることができる。その結果、報知が行われる確率が高まり、報知による遊技の演出性をより向上させることができる。
遊技機A6からA8のいずれかにおいて、前記第2の遊技状態は、前記特別遊技状態発生手段により生じた前記特別遊技状態の終了後から所定条件の成立によって前記通常状態に戻るまでの間に生じる所定の遊技状態であり、前記第2の遊技状態は、前記第1の判定手段による判定を行うために前記乱数カウンタの値と比較される前記予め設定されている値の数が前記通常状態に比べて多い第3の遊技状態と、前記第1の判定手段による判定を行うために前記乱数カウンタの値と比較される前記予め設定されている値の数が前記第3の遊技状態に比べて少ない第4の遊技状態とを含んで構成され、前記第2選定手段は、前記第4の遊技状態において、前記第2の始動手段に加えて、前記第1の始動手段を選定することを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、第2の遊技状態が、第1の判定手段による判定を行うために乱数カウンタの値との比較に用いられるべく予め設定されている値の数が通常状態に比べて多い第3の遊技状態と、第1の判定手段による判定を行うために乱数カウンタの値との比較に用いられるべく予め設定されている値の数が該第3の遊技状態に比べて少ない第4の遊技状態とを含んで構成されている場合に、第1の判定手段による判定時期の遊技状態が、第2の遊技状態であり、かつ、第4の遊技状態であれば、第2の始動手段に加えて、第1の始動手段も第2選定手段(選定手段の一部)によって選定される。
よって、第2の遊技状態であっても、第1の判定手段による判定に費やされる処理時間が比較的短く、他の処理の実行に及ぼす影響が小さい第4の状態において、第1の始動手段と第2の始動手段との両方、即ち、全ての始動手段が第1の判定手段による判定を行う始動手段として選定されるので、第1の判定手段による判定の頻度を高くすることができる。その結果、報知が行われる確率が高まり、報知による遊技の演出性をより向上させることができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記複数の始動手段は、1又は複数の第1の始動手段と、1又は複数の第2の始動手段とから構成され、前記選定手段は、前記第1の判定手段による判定時期における遊技状態が、該第1の判定手段による判定を行うために前記乱数カウンタの値と比較される前記予め設定されている値の数が第1の遊技状態より多い第2の遊技状態である場合には、遊技媒体が通過した始動手段の中から、前記第2の始動手段を選定することを特徴とする遊技機A10。
比較対象になる値が多いほど、第1の判定手段による判定に費やされる時間が長くなるが、遊技機A10によれば、比較対象になる値が多い遊技状態(第2の遊技状態)において、第2の始動手段のみが選択されるので、第1の判定手段による判定に費やされる処理時間の増大を有効に抑制することができる。
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により1又は複数の変動表示が保留されているときに、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行うものであり、前記報知手段は、前記報知を行う場合に、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により保留されていた1又は複数の変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、前記保留されていた変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示される毎に、少なくとも1の報知を行うことを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、報知を行う場合には、該報知の対象にされた始動条件の成立(即ち、第1の判定手段によって所定の判定が得られた始動条件の成立)の前に変動保留手段によって保留されていた1又は複数の変動表示の実行期間中に、保留されていた変動表示のうち、1の変動表示に対して1の報知が行われる。
よって、1の変動表示毎に1の報知が行われるので、第1の判定による判定結果を遊技者に伝達し易い。また、報知の対象にされた始動条件の成立の前に保留されていた変動表示の数が多いほど、報知の対象にされた始動条件の成立に基づく変動表示が停止するまでに行われる報知の回数が多くなるので、連続して行われる報知の回数が増えるに従い、第1の判定手段による判定結果に対するより大きな期待感を遊技者に抱かせることができる。
遊技機A1からA11のいずれかにおいて、前記変動保留手段により保留されている変動表示の回数を記憶する保留回数記憶手段を備え、前記報知手段は、前記保留回数記憶手段に記憶されている回数に応じた確率で前記報知を行うことを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、報知手段により報知が行われる確率が、保留回数記憶手段に記憶されている回数、即ち、変動保留手段により保留されている変動表示の回数に応じて決まるので、遊技者の期待感を、変動保留手段により保留されている変動表示の回数に応じて変化させることができる。よって、遊技に抑揚がつき、遊技者が遊技を単調に感じることを抑制することができるので、遊技者に遊技を長く続けさせることができる。
なお、遊技機A12に含まれる保留回数記憶手段としては、上述した実施形態にて例示した構成を一例として対応付けることができる。例えば、上記実施形態において、保留回数記憶手段としては、特図A保留回数カウンタ223a,特図B保留回数カウンタ223bが対応する。
遊技媒体が通過可能な位置に配置されて遊技媒体の通過を始動条件として検出する始動手段と、表示装置と、前記始動条件の1成立に対し、1の変動表示を前記表示装置にて表示させる変動表示制御手段と、1の変動表示の終了を示す停止表示が予め決められた停止表示である場合に、遊技状態を通常状態に比べて遊技者にとって有利な特別遊技状態とする特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機において、乱数カウンタと、前記始動手段に遊技媒体が通過したことに基づいて始動条件が成立する毎に、前記乱数カウンタの値を取得する乱数カウンタ値取得手段と、その乱数カウンタ値取得手段により取得された乱数カウンタの値を、予め設定されている値と比較して該乱数カウンタの値に対する判定を行う第1の判定手段と、その第1の判定手段による判定対象である乱数カウンタの値に対応する変動表示の開始を保留可能な変動保留手段と、前記変動保留手段により保留されている変動表示を開始する前に、該変動表示に対応する乱数カウンタの値に基づき、該変動表示の終了後における遊技状態を判定する第2の判定手段とを備え、前記変動表示制御手段は、前記第2の判定手段による判定後に、該第2の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対応し前記変動保留手段により保留されている変動表示を前記表示装置にて開始する変動開始手段と、その変動開始手段による前記変動表示の開始後に、前記第2の判定手段による判定に応じた停止表示を前記表示装置に表示して該変動表示を終了する停止表示手段とを含んで構成され、前記第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行う報知手段を備え、前記始動手段は、複数設けられており、前記第1の判定手段は、遊技媒体が前記始動手段を通過した場合に、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段以外への遊技媒体の通過に対して前記判定を行うことを禁止する判定禁止手段を含んでいることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、始動手段に遊技媒体が通過したことに基づいて始動条件が成立すると、その成立毎に、乱数カウンタの値が乱数カウンタ値取得手段により取得され、取得された乱数カウンタの値に対する判定が第1の判定手段により行われる。この第1の判定手段では、取得された乱数カウンタの値と予め設定されている値とを比較することにより、該判定を行う。
ここで、第1の判定手段により乱数カウンタの値に対して所定の判定が得られた場合には、報知手段により報知が行われる。このとき、報知は、第1の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対して第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が停止表示手段によって表示装置に表示される前に行われる。
よって、1の始動条件が成立した場合に、その始動条件の成立に対して行われる変動表示が第2の判定手段により行った判定(即ち、変動表示後における遊技状態)に応じた停止表示で停止する前に、第1の判定手段により所定の判定が得られたか否かを遊技者に報せることができる。
また、遊技機A13では、始動手段が複数設けられているので、始動手段が単数である場合に比べて遊技の進行が複雑化されるため、その分、飽き難い遊技を遊技者に提供することができる。
しかし、始動手段を複数設けたことにより、遊技性が向上する一方で、同時又はほぼ同時に複数の始動条件が成立する可能性が生じる。同時又はほぼ同時に成立した始動条件の数(成立数)が多いほど、始動条件の成立に伴って取得された乱数カウンタの値に対する判定(先読み)に費やされる処理時間が増大する。かかる処理時間の増大によって許容される処理時間内で他の処理が完了できなくなり、遊技の進行に不具合を生じる虞がある。
これに対し、遊技機A13によれば、遊技媒体が前記始動手段を通過した場合であっても、第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段以外への遊技媒体の通過に対しては、第1の判定手段による判定を行うことが判定禁止手段(第1の判定手段の一部)によって禁止される。よって、第1の判定手段によって判定を行う回数の増大を抑制でき、その結果、第1の判定手段による判定に費やされる処理時間の増大を抑制することができる。よって、許容される処理時間内で実行すべき全ての処理を完遂することができ、遊技の進行に不具合が発生することを防止することができる。
なお、遊技機A13に含まれる各構成としては、上述した実施形態にて例示した構成を一例として対応付けることができる。例えば、始動手段としては、第1入球口A64,第1入球口B640が対応し、表示装置としては、第3図柄表示装置81が対応する。
また、変動表示制御手段としては、変動処理(図10参照)と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応し、特別遊技状態発生手段としては、S205の処理が対応する。
また、乱数カウンタとしては、第1当たり乱数カウンタC1,第1あたり種別乱数カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3が対応し、乱数カウンタ値取得手段としては、S604,S609の処理が対応する。
また、第1の判定手段としては、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)におけるS621〜S623の処理、特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)におけるS641,S642,S647,S648の処理が対応する。また、変動保留手段としては、特図A保留球格納エリア203a,特図B保留球格納エリア203bが対応する。また、第2の判定手段としては、S401,S402,S409の処理が対応する。
また、変動開始手段としては、S407,S412の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応し、停止表示処理としては、S312の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応する。
また、報知手段としては、S605,S610の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応する。また、判定禁止手段としては、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)におけるS621のYesへの分岐処理、S622のYesへの分岐処理、特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)におけるS641のNoへの分岐処理,S647のNoへの分岐処理が対応する。
遊技媒体が通過可能な位置に配置されて遊技媒体の通過を始動条件として検出する始動手段と、表示装置と、前記始動条件の1成立に対し、1の変動表示を前記表示装置にて表示させる変動表示制御手段と、1の変動表示の終了を示す停止表示が予め決められた停止表示である場合に、遊技状態を通常状態に比べて遊技者にとって有利な特別遊技状態とする特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機において、乱数カウンタと、前記始動手段に遊技媒体が通過したことに基づいて始動条件が成立する毎に、前記乱数カウンタの値を取得するカウンタ値取得手段と、前記カウンタ値取得手段により取得された乱数カウンタの値を、予め設定されている値と比較して該乱数カウンタの値に対する判定を行う第1の判定手段と、その第1の判定手段による判定対象である乱数カウンタの値に対応する変動表示の開始を保留可能な変動保留手段と、前記変動保留手段により保留されている変動表示を開始する前に、該変動表示に対応する乱数カウンタの値に基づき、該変動表示の終了後における遊技状態を判定する第2の判定手段とを備え、前記変動表示制御手段は、前記第2の判定手段による判定後に、該第2の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対応し前記変動保留手段により保留されている変動表示を前記表示装置にて開始する変動開始手段と、その変動開始手段による前記変動表示の開始後に、前記第2の判定手段による判定に応じた停止表示を前記表示装置に表示して該変動表示を終了する停止表示手段とを含んで構成され、前記第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行われた判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行う報知手段を備え、前記始動手段は、1又は複数の第1の始動手段と、前記第1の始動手段へ遊技媒体が通過した場合に比べて遊技者に有利な1又は複数の第2の始動手段とから構成され、前記第2の始動手段は、遊技媒体の通過経路の入口側に設けられ、通過度が変化するよう動作される可動手段を含んで構成されるものであり、前記可動手段は、遊技状態が第1の遊技状態にある場合に比べ、第2の遊技状態にある場合における通過度が易化される頻度が高頻度となるよう動作され、前記第1の判定手段は、遊技媒体が通過した前記始動手段の中から、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段を選定する選定手段を含み、該選定手段により選定された始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対して前記判定を行うものであり、前記選定手段は、前記第1の判定手段による判定時期における遊技状態が第1の遊技状態である場合には、前記第1の始動手段を選定する第1選定手段と、前記第1の判定手段による判定時期における遊技状態が第2の遊技状態である場合には、前記第2の始動手段を選定する第2選定手段とを有していることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、始動手段に遊技媒体が通過したことに基づいて始動条件が成立すると、その成立毎に、乱数カウンタの値が乱数カウンタ値取得手段により取得され、取得された乱数カウンタの値に対する判定が第1の判定手段により行われる。この第1の判定手段では、取得された乱数カウンタの値と予め設定されている値とを比較することにより、該判定を行う。
この第1の判定手段による判定対象である乱数カウンタの値に対応する変動表示は、変動保留手段によって開始が保留される。そして、保留されている変動表示を開始する場合には、その開始前に、該変動表示に対応する乱数カウンタの値に基づき、該変動表示の終了後における遊技状態が、第2の判定手段によって判定される。
この第2の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対応する保留中の変動表示は、該第2の判定手段による判定後に変動開始手段によって開始される。このように開始された変動表示は、第2の判定手段による判定に応じた停止表示が停止表示手段によって表示されて終了する。
ここで、第1の判定手段により乱数カウンタの値に対して所定の判定が得られた場合には、報知手段により、報知が行われる。このとき、報知は、第1の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対して第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が停止表示手段によって表示装置に表示される前に行われる。
よって、1の始動条件が成立した場合に、その始動条件の成立に対して行われる変動表示が第2の判定手段により行った判定(即ち、変動表示後における遊技状態)に応じた停止表示で停止する前に、第1の判定手段により所定の判定が得られたか否かを遊技者に報せることができる。
ここで、例えば、第1の判定手段が、第2の判定手段によって変動表示後に特別遊技状態などの有利な遊技状態が発生する可能性が高いか否かを判定するものであれば、遊技者は、報知手段による報知を受けた場合に、第1の判定手段による判定対象となった始動条件の成立に基づいて実行される変動表示の後に有利な遊技状態が発生する可能性が高いものであることを認識することができ、有利な遊技状態の発生に対する期待感を遊技者に持たせることができる。
また、報知の対象にされた始動条件の成立の前に1又は複数の変動表示が保留されている場合には、報知の対象にされた始動条件の成立に基づく変動表示の実行に先立って消化される保留中の変動表示の実行期間を利用して、該始動条件の成立によって取得された特別遊技状態の発生に関わる乱数カウンタの値を判定(先読み)して報知することができるので、特別遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を煽る演出など、遊技の演出性を向上させることができる。
また、遊技機B1は、遊技媒体の通過経路の入口側に可動手段が設けられ、第1の始動手段より遊技者にとって有利な第2の始動手段を有しており、この第2の始動手段における可動手段は、第1の遊技状態に比べ、第2の遊技状態における通過度が易化される頻度が高頻度となるように動作される。そのため、遊技状態が第2の遊技状態になると、遊技媒体は第2の始動手段へ通過し易くなり、その分、遊技者の有利度も増大する。
よって、遊技機B1によれば、第1の始動手段と第2の始動手段とを設けたことにより、遊技が多様化される上に、遊技状態に応じて遊技者の有利度が変化するので、遊技の進行に抑揚をつけることができ、飽き難い遊技を遊技者に提供することができる。
しかし、第1の始動手段と第2の始動手段とを設けたことにより、遊技性が向上する一方で、始動手段が複数になるために、同時又はほぼ同時に複数の始動条件が成立する可能性が生じる。同時又はほぼ同時に成立した始動条件の数(成立数)が多いほど、始動条件の成立に伴って取得された乱数カウンタの値に対する判定(先読み)に費やされる処理時間が増大する。かかる処理時間の増大によって許容される処理時間内で他の処理が完了できなくなり、遊技の進行に不具合を生じる虞がある。
これに対し、遊技機B1によれば、第1の判定手段による判定を行う場合には、その判定に先立って、遊技媒体が通過した始動手段の中から、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段が選定手段(第1の判定手段の一部)により選定されるので、始動条件に成立に伴って取得した乱数カウンタの値に対する判定に費やされる処理時間の増大を抑制することができる。よって、許容される処理時間内で実行すべき全ての処理を完遂することができ、遊技の進行に不具合が発生することを防止することができる。
また、遊技機B1によれば、第1の判定手段による判定時期における遊技状態が第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態である場合には、始動手段の中から第2の始動手段が第2選定手段(選定手段の一部)によって選定される。その一方で、第1の判定手段による判定時期における遊技状態が第1の遊技状態である場合には、始動手段の中から第1の始動手段が第1選定手段(選定手段の一部)によって選定される。
ここで、第2の始動手段の可動手段は、第1の遊技状態に比べ、第2の遊技状態における通過度が易化される頻度が高頻度となるように動作されるので、第2の遊技状態にある場合には、遊技媒体が第2の始動手段を通過する機会がより多くなる。よって、そのような第2の遊技状態にある場合に、第1の判定手段による判定を行う始動手段として第2の始動手段を選定することにより、通過機会の増える始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立によって取得された乱数カウンタの値に対する判定(先読み)の結果を報知することができる。
なお、遊技機B1に含まれる各構成としては、上述した実施形態にて例示した構成を一例として対応付けることができる。例えば、始動手段としては、第1入球口A64,第1入球口B640が対応し、表示装置としては、第3図柄表示装置81が対応する。
また、変動表示制御手段としては、変動処理(図10参照)と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応し、特別遊技状態発生手段としては、S205の処理が対応する。
また、乱数カウンタとしては、第1当たり乱数カウンタC1,第1あたり種別乱数カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3が対応し、乱数カウンタ値取得手段としては、S604,S609の処理が対応する。
また、第1の判定手段としては、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)におけるS621〜S623の処理、特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)におけるS641,S642,S647,S648の処理が対応する。また、変動保留手段としては、特図A保留球格納エリア203a,特図B保留球格納エリア203bが対応する。また、第2の判定手段としては、S401,S402,S409の処理が対応する。
また、変動開始手段としては、S407,S412の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応し、停止表示処理としては、S312の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応する。また、報知手段としては、S605,S610の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応する。
また、第1の始動手段としては、第1入球口A64が対応し、第2の始動手段としては、第1入球口B640が対応する。また、可動手段としては、第1入球口B640に付随する電動役物が対応する。
また、第1選定手段(選定手段の一部)としては、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)におけるS621,S622の処理、第2選定手段(選定手段の一部)としては、特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)におけるS641,S647の処理が対応する。なお、上記実施形態において、「通常中(通常状態)」が第1の遊技状態に対応し、「確変中」や「時短中」が第2の遊技状態に対応する。
遊技機B1において、前記変動保留手段は、前記第1の始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対する変動表示の開始を保留可能な第1の変動保留手段と、前記第2の始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対する変動表示の開始を保留可能な第2の変動保留手段とから構成され、前記変動開始手段は、前記第2の変動保留手段により保留されている変動表示が存在する場合には、該第2の変動保留手段により保留されている変動表示を開始し、前記第2の変動保留手段により保留されている変動表示が存在しない場合には、前記第1の変動保留手段により保留されている変動表示を開始するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、第2の変動保留手段により保留されている、第2の始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対する変動表示が存在する場合には、該第2の変動保留手段により保留されている変動表示が変動開始手段によって開始される。その一方で、第2の変動保留手段により保留されている変動表示が存在しない場合には、第1の変動保留手段により保留されている、第1の始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対する変動表示が、変動開始手段によって開始される。即ち、第2の変動保留手段により保留されている変動表示が優先的に開始される。
ここで、遊技機B2は、第2の始動手段に遊技媒体が通過したときの方が、第1の始動手段へ遊技媒体が通過したときに比べて遊技者に有利となるよう構成されているので、変動保留手段によって保留中の変動表示のうち、第2の変動保留手段により保留されている変動表示を優先的に開始させることにより、第2の変動保留手段により保留されている変動表示が残存する間は、遊技者にとって有利な状況を生じさせることができる。よって、遊技に抑揚をつけることができ、遊技者が遊技を単調に感じて遊技を止めてしまうことを防止することができる。
なお、遊技機B2に含まれる各構成としては、上述した実施形態にて例示した構成を一例として対応付けることができる。例えば、第1の変動保留手段としては、特図A保留球格納エリア203aが対応し、第2の変動保留手段としては、特図B保留球格納エリア203bが対応する。
遊技機B2において、前記報知手段は、(1)前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立が前記第1の始動手段への遊技媒体の通過によるものであり、該始動条件の成立より前に前記第1の変動保留手段により保留されている1又は複数の変動表示が存在する場合に、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得たとき、又は、(2)前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立が前記第2の始動手段への遊技媒体の通過によるものであり、該始動条件の成立より前に前記第2の変動保留手段により保留されている1又は複数の変動表示が存在する場合に、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得たときに、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行うものであり、前記報知手段は、前記報知を行う場合に、(a)前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立が前記第1の始動手段への遊技媒体の通過によるものであれば、該始動条件の成立より前に前記第1の変動保留手段により保留されている変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、該報知を行い、一方で、(b)前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立が前記第2の始動手段への遊技媒体の通過によるものであれば、該始動条件の成立より前に前記第2の変動保留手段により保留されている変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、該報知を行うことを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、報知を行う場合には、該報知の対象にされた始動条件の成立(即ち、第1の判定手段によって所定の判定が得られた始動条件の成立)の前に保留されていた、該始動条件を成立させた始動手段と同じ種類の始動手段への遊技媒体の通過に基づく変動表示の実行期間中に、報知が行われる。よって、報知の対象にされた始動条件の成立から、その始動条件の成立に基づく変動表示が実行されるまでの間に、保留中であった変動表示をまたいで、該報知を行うことができる。よって、第1の判定手段が、第2の判定手段によって変動表示後に特別遊技状態などの有利な遊技状態が発生する可能性が高いか否かを判定するものであれば、保留中であった変動表示をまたいで行う報知によって、有利な遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を煽る演出を行うことができる。
遊技機B3において、前記報知手段は、前記変動保留手段により保留されていた変動表示を前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示する際に、該変動保留手段により保留されていた変動表示の全て又は一部に付加される特定の表示によって前記報知を行うことを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、報知を行う場合には、変動保留手段により保留されていた変動表示のうち、全て又は一部の変動表示の内容に付加される特定の表示によって報知を行う。一般的に、表示装置に表示される変動表示は、遊技中に、遊技者が主に視線を向ける先の1つである。よって、かかる変動表示の内容に付加する表示を用いて報知を行うことにより、第1の判定による判定結果を遊技者に伝達し易い。
遊技機B3又はB4において、前記報知手段は、前記変動保留手段により保留されていた変動表示を前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示する際に、該変動保留手段により保留されていた変動表示の全て又は一部の変動表示に対する停止表示を特定の停止表示にすることによって前記報知を行うことを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、報知を行う場合には、変動保留手段により保留されていた変動表示のうち、全て又は一部の変動表示に対する停止表示を特定の停止表示にすることによって報知を行う。一般的に、表示装置に表示される変動表示は、遊技中に、遊技者が主に視線を向ける先の1つである。よって、かかる変動表示の終了を示す停止表示を用いて報知を行うことにより、第1の判定による判定結果を遊技者に伝達し易い。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記第1の遊技状態は、前記通常状態であり、前記第1選定手段は、前記第1の遊技状態において、前記第1の始動手段に加えて、前記第2の始動手段を選定することを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、第1の判定手段による判定時期の遊技状態が通常状態である場合には、第1の始動手段に加えて、第2の始動手段も第1選定手段(選定手段の一部)によって選定される。一般的に、通常状態は、第1の判定手段による判定を行うために乱数カウンタの値と比較される値の数が比較的少なく設定されているので、第1の判定手段による判定に費やされる処理時間が他の処理の実行に及ぼす影響は小さい。よって、かかる通常状態において、第1の始動手段と第2の始動手段との両方、即ち、全ての始動手段が第1の判定手段による判定を行う始動手段として選定されるので、第1の判定手段による判定の頻度を高くすることができる。その結果、報知が行われる確率が高まり、報知による遊技の演出性をより向上させることができる。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記第2の遊技状態は、前記特別遊技状態発生手段により生じた前記特別遊技状態の終了後から所定条件の成立によって前記通常状態に戻るまでの間に生じる所定の遊技状態であり、前記第2の遊技状態は、前記第1の判定手段による判定を行うために前記乱数カウンタの値と比較される前記予め設定されている値の数が前記通常状態に比べて多い第3の遊技状態と、前記第1の判定手段による判定を行うために前記乱数カウンタの値と比較される前記予め設定されている値の数が前記第3の遊技状態に比べて少ない第4の遊技状態とを含んで構成され、前記第2選定手段は、前記第4の遊技状態において、前記第2の始動手段に加えて、前記第1の始動手段を選定することを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、第2の遊技状態が、第1の判定手段による判定を行うために乱数カウンタの値との比較に用いられるべく予め設定されている値の数が通常状態に比べて多い第3の遊技状態と、第1の判定手段による判定を行うために乱数カウンタの値との比較に用いられるべく予め設定されている値の数が該第3の遊技状態に比べて少ない第4の遊技状態とを含んで構成されている場合に、第1の判定手段による判定時期の遊技状態が、第2の遊技状態であり、かつ、第4の遊技状態であれば、第2の始動手段に加えて、第1の始動手段も第2選定手段(選定手段の一部)によって選定される。
よって、第2の遊技状態であっても、第1の判定手段による判定に費やされる処理時間が比較的短く、他の処理の実行に及ぼす影響が小さい第4の状態において、第1の始動手段と第2の始動手段との両方、即ち、全ての始動手段が第1の判定手段による判定を行う始動手段として選定されるので、第1の判定手段による判定の頻度を高くすることができる。その結果、報知が行われる確率が高まり、報知による遊技の演出性をより向上させることができる。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記第2の遊技状態は、前記第1の判定手段による判定を行うために前記乱数カウンタの値と比較される前記予め設定されている値の数が前記通常状態に比べて多い状態であることを特徴とする遊技機B8。
比較対象になる値が多いほど、第1の判定手段による判定に費やされる時間が長くなるが、遊技機B8によれば、比較対象になる値が多い遊技状態(第2の遊技状態)において、第2の始動手段のみが選択されるので、第1の判定手段による判定に費やされる処理時間の増大を有効に抑制することができる。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記第1の判定手段により、前記第2の判定手段により判定される停止表示後の遊技状態が特別遊技状態である可能性が高いと判定された場合に、前記報知を行うことを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、第2の判定手段により判定される停止表示後の遊技状態が特別遊技状態である可能性が高いと、第1の判定手段によって判定された場合に、報知手段による報知が行われる。よって、第1の判定手段による判定対象となった乱数カウンタの値を取得する契機となった始動条件の成立以前に保留されていた変動表示の実行期間を利用して、該始動条件の成立によって取得された乱数カウンタの値が特別遊技状態である可能性が高いことを報知することができるので、特別遊技状態の発生に対する期待感を遊技者に抱かせることができ、高い遊技性を遊技者に提供することができる。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により1又は複数の変動表示が保留されているときに、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行うものであり、前記報知手段は、前記報知を行う場合に、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により保留されていた1又は複数の変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、前記保留されていた変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示される毎に、少なくとも1の報知を行うことを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、報知を行う場合には、該報知の対象にされた始動条件の成立(即ち、第1の判定手段によって所定の判定が得られた始動条件の成立)の前に変動保留手段によって保留されていた1又は複数の変動表示の実行期間中に、保留されていた変動表示のうち、1の変動表示に対して1の報知が行われる。
よって、1の変動表示毎に1の報知が行われるので、第1の判定による判定結果を遊技者に伝達し易い。また、報知の対象にされた始動条件の成立の前に保留されていた変動表示の数が多いほど、報知の対象にされた始動条件の成立に基づく変動表示が停止するまでに行われる報知の回数が多くなるので、連続して行われる報知の回数が増えるに従い、第1の判定手段による判定結果に対するより大きな期待感を遊技者に抱かせることができる。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、前記変動保留手段は、前記第1の始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対する変動表示の開始を保留可能な第1の変動保留手段と、前記第2の始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対する変動表示の開始を保留可能な第2の変動保留手段とから構成され、前記変動開始手段は、前記第2の変動保留手段により保留されている変動表示が存在する場合には、該第2の変動保留手段により保留されている変動表示を開始し、前記第2の変動保留手段により保留されている変動表示が存在しない場合には、前記第1の変動保留手段により保留されている変動表示を開始するものであり、前記報知手段は、(1)前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立が前記第1の始動手段への遊技媒体の通過によるものであり、該始動条件の成立より前に前記第1の変動保留手段により保留されている1又は複数の変動表示が存在する場合に、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得たとき、又は、(2)前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立が前記第2の始動手段への遊技媒体の通過によるものであり、該始動条件の成立より前に前記第2の変動保留手段により保留されている1又は複数の変動表示が存在する場合に、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得たときに、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行うものであり、前記報知手段は、前記報知を行う場合に、(a)前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立が前記第1の始動手段への遊技媒体の通過によるものであれば、該始動条件の成立より前に前記第1の変動保留手段により保留されている変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、該第1の変動保留手段により保留されていた変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示される毎に、少なくとも1の報知を行い、一方で、(b)前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立が前記第2の始動手段への遊技媒体の通過によるものであれば、該始動条件の成立より前に前記第2の変動保留手段により保留されている変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、該第2の変動保留手段により保留されていた変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示される毎に、少なくとも1の報知を行うことを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、第2の変動保留手段により保留されている、第2の始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対する変動表示が存在する場合には、該第2の変動保留手段により保留されている変動表示が変動開始手段によって開始される。その一方で、第2の変動保留手段により保留されている変動表示が存在しない場合には、第1の変動保留手段により保留されている、第1の始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対する変動表示が、変動開始手段によって開始される。即ち、第2の変動保留手段により保留されている変動表示が優先的に開始される。
ここで、遊技機B11は、第2の始動手段に遊技媒体が通過したときの方が、第1の始動手段へ遊技媒体が通過したときに比べて遊技者に有利となるよう構成されているので、変動保留手段によって保留中の変動表示のうち、第2の変動保留手段により保留されている変動表示を優先的に開始させることにより、第2の変動保留手段により保留されている変動表示が残存する間は、遊技者にとって有利な状況を生じさせることができる。よって、遊技に抑揚をつけることができ、遊技者が遊技を単調に感じて遊技を止めてしまうことを防止することができる。
また、遊技機B11によれば、報知を行う場合には、該報知の対象にされた始動条件の成立(即ち、第1の判定手段によって所定の判定が得られた始動条件の成立)の前に保留されていた、該始動条件を成立させた始動手段と同じ種類の始動手段への遊技媒体の通過に基づく変動表示の実行期間中に、保留されていた変動表示のうち、1の変動表示に対して1の報知が行われる。
よって、1の変動表示毎に1の報知が行われるので、第1の判定による判定結果を遊技者に伝達し易い。また、報知の対象にされた始動条件の成立の前に保留されていた変動表示の数が多いほど、報知の対象にされた始動条件の成立に基づく変動表示が停止するまでに行われる報知の回数が多くなるので、連続して行われる報知の回数が増えるに従い、第1の判定手段による判定結果に対するより大きな期待感を遊技者に抱かせることができる。
遊技機B1からB11のいずれかにおいて、前記変動保留手段により保留されている変動表示の回数を記憶する保留回数記憶手段を備え、前記報知手段は、前記保留回数記憶手段に記憶されている回数に応じた確率で前記報知を行うことを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、報知手段により報知が行われる確率が、保留回数記憶手段に記憶されている回数、即ち、変動保留手段により保留されている変動表示の回数に応じて決まるので、遊技者の期待感を、変動保留手段により保留されている変動表示の回数に応じて変化させることができる。よって、遊技に抑揚がつき、遊技者が遊技を単調に感じることを抑制することができるので、遊技者に遊技を長く続けさせることができる。
なお、遊技機B12に含まれる保留回数記憶手段としては、上述した実施形態にて例示した構成を一例として対応付けることができる。例えば、上記実施形態において、保留回数記憶手段としては、特図A保留回数カウンタ223a,特図B保留回数カウンタ223bが対応する。
遊技機A1からA13のいずれか、又は、遊技機B1からB12のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機X1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA13のいずれか、又は、遊技機B1からB12のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機X2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA13のいずれか、又は、遊技機B1からB12のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機X3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
64 第1入球口A(始動手段)
640 第1入球口B(始動手段)
81 第3図柄表示装置(表示装置)
本発明は、パチンコ機等に代表される遊技機に関するものである。
始動条件の成立(始動入賞)を契機として、液晶表示装置などの表示装置において柄のスクロールなどの変動表示を行った後、予め定められた図柄の並びで停止した場合に、所謂「たり」と称する遊技者に有利な特別遊技状態が発生し、大量の遊技媒体が払出可能な状態となるパチンコ機などの遊技機がある。
かかるタイプの遊技機の多くは、変動表示中に始動入賞検出されると、その新たな始動入賞検出に基づく変動表示の開始を、現在実行中の変動表示が終了するまで保留(待機)させることができるように構成されている(例えば、特許文献1)。
特開2000−342784号公報
上記例示したような遊技機においては、興趣の向上が望まれている。
本発明は、上記例示した事情などを鑑みてなされたものであり、好適に興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技媒体通過を検出する検出手段と、乱数情報を発生させる乱数情報発生手段と、前記検出手段により遊技媒体の通過が検出されたことに基づいて前記乱数情報発生手段により発生された乱数情報を取得する乱数情報取得手段と、その乱数情報取得手段により取得された乱数情報に基づいて判定を行う判定手段と、その判定手段の判定結果に基づいて表示手段に変動表示開始から変動表示終了までの変動表示を実行させる変動表示制御手段と、を備え、前記変動表示終了の際に予め決められた停止表示が行われた場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能なものであり、前記検出手段は、第1検出手段と第2検出手段とを含み、その第2検出手段への遊技媒体の通過の難易を変化させるように動作される可変手段を備え、その可変手段は、遊技状態が第1状態にある場合よりも第2状態にある場合に、前記第2検出手段へ遊技媒体が通過し易くなるように動作されるものであり、前記変動表示制御手段は、前記第1検出手段により遊技媒体の通過が検出されたことに基づく変動表示と、前記第2検出手段により遊技媒体の通過が検出されたことに基づく変動表示とを同時に実行することなく前記表示手段に変動表示を実行させるものであり、前記遊技機は、前記判定手段による判定が行われる前に、前記乱数情報取得手段により取得された乱数情報に基づいて判定を行う先読判定手段と、その先読判定手段による判定において所定の判定結果が得られたことに基づいて、その先読判定手段による判定対象とされた乱数情報に対して前記判定手段による判定結果に基づいた前記変動表示が開始される前に、前記所定の判定結果に基づく報知を行う手段と、を備え、前記先読判定手段は、前記乱数情報取得手段により取得された乱数情報に基づいて前記遊技者に有利な特別遊技状態が発生し得るか否かを判定する特別遊技状態先読判定手段と、前記乱数情報取得手段により取得された乱数情報に基づいて前記遊技者に有利な特別遊技状態後に生じ得る遊技状態の種別を判定する種別先読判定手段と、を含むことにより前記所定の判定結果を得ることが可能であり、前記報知を行う手段は、前記特別遊技状態先読判定手段により判定された前記遊技者に有利な特別遊技状態が発生し得るか否かの判定結果を使用すること、および、前記種別先読判定手段により判定された前記遊技者に有利な特別遊技状態後に生じ得る遊技状態の種別の判定結果を使用することによる報知を実行可能であり、遊技状態が前記第1状態にある場合に、前記第1検出手段により遊技媒体の通過が検出されたことに基づき前記乱数情報取得手段により取得された乱数情報に基づいて、前記先読判定手段にて所定の判定結果が得られたことに基づき、前記報知を行うが、前記第2検出手段による遊技媒体の通過の検出に基づき前記乱数情報取得手段により取得された乱数情報に基づいては前記報知を行わない手段と、遊技状態が前記第2状態にある場合に、前記第2検出手段により遊技媒体の通過が検出されたことに基づき前記乱数情報取得手段により取得された乱数情報に基づいて、前記先読判定手段にて所定の判定結果が得られたことに基づき、前記報知を行うが、前記第1検出手段による遊技媒体の通過の検出に基づき前記乱数情報取得手段により取得された乱数情報に基づいては前記報知を行わない手段と、を備えている。
本発明の遊技機によれば、好適に興趣の向上を図ることができるという効果がある。
一実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 各種カウンタの概要を示す模式図である。 保留回数コマンドのビット構成を示す模式図である。 (a)は、表示画面が横スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定を示した模式図であり、(b)は、表示画面が縦スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定を示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 図9のメイン処理の中で実行される変動処理を示すフローチャートである。 (a)は、図10の変動処理の中で実行される特図B保留球格納エリア順送り処理であり、(b)は、図10の変動処理の中で実行される特図A保留球格納エリア順送り処理である。 図10の変動処理の中で実行される変動開始処理を示すフローチャートである。 タイマ割込処理を示すフローチャートである。 図13のタイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 図12の始動入賞処理の中で実行される特図A保留回数コマンド設定処理を示すフローチャートである。 図12の始動入賞処理の中で実行される特図B保留回数コマンド設定処理を示すフローチャートである。 NMI割込処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 図19のメイン処理の中で実行されるコマンド判定処理を示すフローチャートである。 図20のコマンド判定処理の中で実行される特図A先読み予告設定処理を示すフローチャートである。 図20のコマンド判定処理の中で実行される特図B先読み予告設定処理を示すフローチャートである。 図19のメイン処理の中で実行される装飾図柄演出設定処理を示すフローチャートである。 図23の装飾図柄演出設定処理の中で実行される停止図柄設定処理を示すフローチャートである。 図23の装飾図柄演出設定処理の中で実行される先読み予告フラグ更新処理を示すフローチャートである。 表示制御処理のMPUにより実行される外部割込処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 図27のメイン処理の中で実行される変動表示処理を示すフローチャートである。 変形例としての特図B保留回数コマンド設定処理を示すフローチャートである。 第3図柄表示装置に表示される変動表示の変形例を示す模式図である。 変形例としてのメイン処理を示すフローチャートである。 図31のメイン処理が実行される場合におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64,640等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示(動的表示)の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口A64、第1入球口B640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。
一般入賞口63、第1入球口A64、第1入球口B640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14cを通じて内枠13の前面側から視認することができる。
以下に、遊技盤13の構成について説明する。遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、2つの第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37Aには、発光手段である複数のLED37Aaと7セグメント表示器37Abとが設けられている。他方の第1図柄表示装置37Bもまた同様に、発光手段である複数のLED37Baと7セグメント表示器37Bbとが設けられている。
第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。これらの第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入球口A64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第1入球口B640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
より具体的には、複数のLED37Aaは、第1入球口A64への球の通過(始動入賞)に基づく変動表示中であるか否かを点灯状態によって示すと共に、第1入球口A64への始動入賞を契機として行われた抽選の結果(本実施形態では、15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、又は、外れ)を、変動表示を停止する際の停止表示(停止図柄)として点灯状態によって示す。
同様に、複数のLED37Baは、第1入球口B640への球の通過(始動入賞)に基づく変動表示中であるか否かを点灯状態によって示すと共に、第1入球口B640への始動入賞を契機として行われた抽選の結果(本実施形態では、15R確変大当たり、15R通常大当たり、又は、外れ)を、変動表示を停止する際の停止表示(停止図柄)を点灯状態によって示す。
また、複数のLED37Aa及び複数のLED37Baは、それぞれ、第1入球口A64へ球が通過したが変動表示の開始が保留されている回数(保留回数)及び第1入球口B640への始動入賞に対する変動表示の保留回数を点灯状態によって示す。なお、本実施形態におけるLED37Aa,37Baは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成されており、その発光色の組合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
7セグメント表示装置37Ab,37Bbは、それぞれ、第1入球口A64及び第1入球口B640への始動入賞を契機として行われた抽選の結果として生じた大当たり中のラウンド数や、エラー表示を行うものである。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67(スルーゲート)の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)で構成される第2図柄表示装置82とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦又は横にスクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
本実施形態における第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bにて停止図柄が表示されるまでの間に、球が第1入球口A64又は第1入球口B640を通過した(始動入賞した)場合には、1の始動入賞によって行うべき1の変動表示が保留(待機)される。本実施形態のパチンコ機10は、第1入球口A64への始動入賞を最大4回まで保留し、第1入球口B640への始動入賞を最大4回まで保留できるように構成されている。
保留ランプ85Aは、第3図柄表示装置81の上方向かって左側に配設された最大保留数分の4つのランプによって構成され、その点灯個数(点灯状態)によって第1入球口A64への始動入賞に対する変動表示の保留回数を報知するものである。なお、第1入球口A64への始動入賞に対する変動表示の保留回数は、この保留ランプ85Aの点灯状態と、上述したLED37Aaの点灯状態によって示される。
一方、保留ランプ85Bは、第3図柄表示装置81の上方向かって右側に配設された最大保留数分の4つのランプによって構成され、その点灯個数(点灯状態)によって第1入球口B640への始動入賞に対する変動表示の保留回数を報知するものである。なお、第1入球口B640への始動入賞に対する変動表示の保留回数は、この保留ランプ85Bの点灯状態と、上述したLED37Baの点灯状態によって示される。
なお、保留ランプ85A,85Bを削除し、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字や図形で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留回数が示されるので、保留ランプ85A,85Bにより点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82は、第2図柄の表示部(LED)83と、保留ランプ(第2図柄保留ランプ)84とを有し、球が第2入球口67を通過する毎に、表示部83において表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定の当選図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口B640が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37Aにより表示されると共に保留ランプ84においても点灯表示される。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口A64と同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ84を設けることなく、第1図柄表示装置37Aを用いて保留回数を表示するものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が通過(入球)し得る第1入球口A64が配設されている。第1入球口A64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチA(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチAのオンに起因して主制御装置110で利益抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37AのLED37Aaにて行われる。
第1入球口A64の下方には、球が通過し得る第1入球口B640が配設されている。この第1入球口B640の入口側には、可動する電動役物(図示せず)が配設されている。この電動役物は、図示されないソレノイドによって閉鎖位置又は開放位置のいずれかに位置するものである。
この電動役物の位置が閉鎖位置であるか開放位置であるかに応じて、球の通過度(又は通過難易度)が変化する。具体的に、この電動役物が閉鎖位置にある場合には、第1入球口B640への球の通過が困難(場合によっては不可能)となる。一方、閉鎖位置にある電動役物が開放位置へ移動すると、それによって、第1入球口B640への球の通過が易化する。
なお、本実施形態では、図2に示すように、第1入球口A64と第1入球口B640とが比較的広く離間されており、第1入球口B640に付随する電動役物(図示せず)が閉鎖された状態であっても球が入球可能であるように構成されている。
第1入球口B640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチB(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチBのオンに起因して主制御装置110で利益抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37BのLED37Baにて行われる。
また、第1入球口A64および第1入球口B640は、それぞれ、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口A64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第1入球口B640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口A64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第1入球口B640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口A64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を3個とし、第1入球口B640へ球が入球した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、第1入球口A64への球の通過を契機として行われる利益抽選により、15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、又は、外れのいずれかが抽選結果として得られるよう構成されている。その一方で、第1入球口B640への球の通過を契機として行われる利益抽選により、15R確変大当たり、15R通常大当たり、又は、外れのいずれかが抽選結果として得られるよう構成されている。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり遊技の後に高確率状態となる大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり遊技の後に高確率状態となる大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり遊技の後に、低確率状態となる大当たりのことである。
なお、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率(大当たりが生じる確率)が高くなった状態、いわゆる確率変動中(確変中)の状態であり、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態である。一方で、「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。
本実施形態のパチンコ機10は、高確率状態(確変中の状態)において、大当たり確率が高くなることに加えて、後述する第2図柄の当たり確率が高くなって第1入球口B640へ球が入球し易くなるよう構成されている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、「15R通常大当たり」による最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり遊技の後に、少なくとも所定の変動回数(例えば、100変動回数)の期間に亘って後述する第2図柄の当たり確率が高くなって第1入球口B640へ球が入球し易い遊技の状態を生じるよう構成されている。
なお、以後の説明において、大当たり遊技後に、低確率状態となると共に、後述する第2図柄の当たり確率が高くなって第1入球口B640へ球が入球し易い遊技の状態を「時短状態」又は「時短中」と称することがある。
確変中(高確率状態)又は時短中では、第1入球口B640が頻繁に開放されるようになるので、第1入球口B640への始動入賞の頻度が高まり、その結果、第1入球口B640への始動入賞を契機とする大当たり抽選の頻度が高まる。また、第1入球口B640への始動入賞の頻度が高まったことにより、玉持ちのよい状態が生じる。
なお、確変中又は時短中において、低確率状態であり時短中でない状態に比べて第2図柄の当たり確率を高くする代わりに、第1入球口B640に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間を長くしたり、1回の当たりで電動役物が開放する回数を多くしたりするものとしても良い。
第1入球口B640の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、その抽選のトリガ(契機)となった第1入球口A64又は第1入球口B640に応じた第1図柄表示装置37AのLED37Aa又は第1図柄表示装置37BのLED37Baを大当たりの停止図柄となるように点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(ソレノイド209(図4参照)の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37AのLED37Aa又は第1図柄表示装置37BのLED37Baが大当たりに対応する態様で点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66と第2入球口(スルーゲート)67とが設けられている。いずれの入賞口63,64,640,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
ROM202は、高確率時当たり値テーブル202aと、低確率時当たり値メモリ202bとを有している。高確率時当たり値テーブル202aは、高確率時(高確率状態)において大当たりとなる乱数の値が設定されたテーブルであり、低確率時当たり値テーブル202bは、低確率時(低確率状態)において大当たりとなる乱数の値が設定されたテーブルである。
これらのテーブル202a,202bは、後述する変動開始処理(図12参照)において、後述する実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に対する判定を行う場合に参照される。より具体的には、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に対する判定を行う場合に、遊技状態が高確率状態(確変中)であれば、高確率時当たり値テーブル202aが参照され、一方、低確率状態であれば、低確率時当たり値テーブル202bが参照される。
また、高確率時当たり値テーブル202a及び低確率時当たり値テーブル202bは、後述する始動入賞処理(図14参照)において、球が第1入球口A64へ球が通過したタイミングで後述する特図A保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に対する判定を行う場合、あるいは、球が第1入球口B640へ球が通過したタイミングで後述する特図B保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に対する判定を行う場合にも参照される。このときも、遊技状態が高確率状態(確変中)であれば、高確率時当たり値テーブル202aが参照され、一方、低確率状態であれば、低確率時当たり値テーブル202bが参照される。
なお、本実施形態では、高確率時当たり値テーブル202aには、大当たりとなる乱数として20個の値が格納されており、低確率時当たり値テーブル202bには、大当たりとなる乱数として、2個の値が格納されている。よって、本実施形態のパチンコ機10は、高確率時における大当たり確率が、低確率時の10倍であるよう構成されている。
RAM203は、特図A保留球格納エリア203aと、特図B保留球格納エリア203bと、実行エリア203cと、特図A保留回数カウンタ203dと、特図B保留回数カウンタ203eと、特図判別フラグ203fとを有している。
特図A保留球格納エリア203aは、第1入球口A64への入賞(球の通過)があった場合に、その入賞タイミングに合わせて取得されたデータ、より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1(図5参照)、第1当たり種別カウンタC2(図5参照)、及び停止パターン選択カウンタC3(図5参照)の各値をそれぞれ記憶する領域である。
この特図A保留球格納エリア203aは、第1入球口A64への複数回の入賞に対し、所定の最大回数(本実施形態では4回)分のデータ(各カウンタC1〜C3の各値)を最も古いものから時系列に記憶することができるよう構成されている。
特図B保留球格納エリア203bは、第1入球口B640への入賞(球の通過)があった場合に、その入賞タイミングに合わせて取得されたデータ、より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1(図5参照)、第1当たり種別カウンタC2(図5参照)、及び停止パターン選択カウンタC3(図5参照)の各値をそれぞれ記憶する領域である。
この特図B保留球格納エリア203bは、第1入球口B640への複数回の入賞に対し、所定の最大回数(本実施形態では4回)分のデータ(各カウンタC1〜C3の各値)を最も古いものから時系列に記憶することができる。
実行エリア203cは、後述する変動開始処理(図12参照)において、大当たりの抽選や、第1図柄表示装置37A,37Bの変動表示の態様(変動態様)や停止表示の態様(停止図柄)を設定する場合に参照されるデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が記憶される領域である。
この実行エリア203cには、上述した特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留格納エリア203bに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3の各値)の中から、所定の規則に基づいて1のデータが移動され、記憶される。
より具体的には、特図B保留格納エリア203bに少なくとも1のデータが記憶されている場合(即ち、特図B保留回数カウンタ203eの値が1以上である場合)には、特図B保留格納エリア203bに記憶されているデータの中で時間的に最も古い入賞(第1入球口B640への最古の入賞)に対応するデータが実行エリア203cに移動され、実行エリア203cに記憶される。
また、特図B保留格納エリア203bに1つもデータが記憶されていない場合(即ち、特図B保留回数カウンタ203eの値が0である場合)には、特図A保留格納エリア203bに記憶されているデータがあれば、その中から時間的に最も古い入賞(第1入球口A64への最古の入賞)に対応するデータが実行エリア203cに移動され、実行エリア203cに記憶される。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1入球口B640への入賞タイミングに合わせて取得されたデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が優先的に消化されるよう構成されている。
特図A保留回数カウンタ203dは、第1入球口A64への入賞が保留された数、即ち、第1図柄表示装置37Aにおける変動表示の保留回数(作動保留球数)を計数するカウンタである。
この特図A保留回数カウンタ203dは、第1入球口A64へ入賞する毎に1ずつ加算され、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示が第1図柄表示装置37Aにて開始される毎に1ずつ減算される。なお、上述した通り、本実施形態では、第1入球口A64への入賞に対する最大の保留回数は4回に構成されているので、特図A保留回数カウンタ203dは「4」を最大値とするカウンタとして構成される。また、この特図A保留回数カウンタ203dは、RAM203の初期化時に「0」に初期化される。
詳細は後述するが、第1入球口A64へ入賞し、特図A保留回数カウンタ203dが1加算される毎に、特図A保留回数カウンタ203dの値(即ち、保留回数)が、特図A保留回数コマンド(図6参照)によって音声ランプ制御装置113に通知される。特図A保留回数コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、特図A保留回数コマンドに含まれている保留回数カウンタ203dの値に基づいて、保留ランプ85Aを保留回数に応じた個数だけ点灯する。
特図B保留球カウンタ203eは、第1入球口B640への入賞が保留された数、即ち、第1図柄表示装置37Bおける変動表示の保留回数(作動保留球数)を計数するカウンタである。
この特図B保留回数カウンタ203eは、第1入球口B640へ入賞する毎に1ずつ加算され、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示が第1図柄表示装置37Bにて開始される毎に1ずつ減算される。なお、上述した通り、本実施形態では、第1入球口B640への入賞に対する最大の保留回数は4回に構成されているので、特図B保留回数カウンタ203eは「4」を最大値とするカウンタとして構成される。また、この特図B保留回数カウンタ203eは、RAM203の初期化時に「0」に初期化される。
詳細は後述するが、第1入球口B640へ入賞し、特図B保留回数カウンタ203eが1加算される毎に、特図B保留回数カウンタ203eの値(即ち、保留回数)が、特図B保留回数コマンド(図6参照)によって音声ランプ制御装置113に通知される。特図B保留回数コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、特図B保留回数コマンドに含まれている保留回数カウンタ203eの値に基づいて、保留ランプ85Bを保留回数に応じた個数だけ点灯する。
特図判別フラグ203fは、実行エリア203cに記憶されたデータに基づいて変動パターンコマンドを設定する場合に、実行エリア203cに記憶されたデータが、特図B保留格納エリア203bから移動されたデータであるか、特図A保留格納エリア203aから移動されたデータであるかを判別するフラグである。
より具体的には、この特図判別フラグ203fが、オンであれば、実行エリア203cに記憶されたデータが、特図B保留格納エリア203bから移動されたデータである、即ち、第1入球口B640への入賞タイミングに合わせて取得されたデータであることを示す。
一方、特図判別フラグ203fが、オフであれば、実行エリア203cに記憶されたデータが、特図A保留格納エリア203aから移動されたデータである、即ち、第1入球口A64への入賞タイミングに合わせて取得されたデータであることを示す。
詳細は後述するが、変動開始処理(図12参照)において、特図判別フラグ203fがオンであれば、そのときにおける変動種別カウンタCS1(図5参照)の値に基づき、特図B変動パターンコマンドを設定し、その後、設定した特図B変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113へ出力する。その結果、図柄の縦スクロールによる変動表示が第3図柄表示装置81に表示される(図7(b)参照)。
一方で、特図判別フラグ203fがオフであれば、そのときにおける変動種別カウンタCS1(図5参照)の値に基づき、特図A変動パターンコマンドを設定し、その後、設定した特図B変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113へ出力する。その結果、図柄の横スクロールによる変動表示が第3図柄表示装置81に表示される(図7(a)参照)。
このように、特図判別フラグ203fの状態に基づいて変動パターンコマンドを区別可能に設定することにより、第3図柄表示装置81に表示される図柄のスクロール方向によって、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示であるか、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示であるかを区別可能にすることができる。なお、特図判別フラグ203fは、RAM203の初期化時にオフに初期化される。
また、RAM203は、上記以外に、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。
RAM203への書き込みはメイン処理(図11参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図10参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が直ちに実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A、第1図柄表示装置37B、第2図柄表示装置83や、第2図柄保留ランプ84や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続されている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置226における音声の出力、ランプ表示装置227における点灯および消灯の出力、変動表示(変動演出)や先読み予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。なお、音声出力装置226は、図示しないスピーカなどから構成され、ランプ表示装置227は、電飾部29〜33、表示ランプ34、保留ランプ85A、保留ランプ85Bなどから構成される。
音声ランプ制御装置113の演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113のROM222は、先読み予告判定テーブル222aを有している。先読み予告判定テーブル222aは、主制御装置110から第3図柄表示装置81に先読み予告演出の表示を許可する通知があった場合に、先読み予告決定確率を設定するためのテーブルである。なお、先読み予告決定確率は、先読み予告演出の表示を許可する通知を受けた場合に、第3図柄表示装置81に先読み予告演出を開始させることを決定する確率である。
なお、本実施形態において、「先読み予告演出」とは、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞時に、その入賞によって実行される変動表示の開始タイミングにおける抽選(以下、「当否抽選」と称する)に先立って行われる抽選(以下、「先読み抽選」と称する)の結果が、当否抽選において大当たり(15R確変大当たり、2R確変大当たり、又は15R通常大当たり)の結果が得られる可能性が高いことを示唆(報知)する予告演出の一種である。
詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10における先読み予告演出は、第3図柄表示装置81によって行われ、第1入球口A64又は第1入球口B640への始動入賞時に行われる先読み抽選により、当否抽選の抽選結果が大当たりである可能性が高いと判定された場合に、先読み抽選の対象とされた始動入賞より前に保留(待機)されていた1又は複数の変動表示を、先読み予告演出用の変動態様(例えば、先読み予告演出を行わない場合の変動内容に、停止図柄の表示後に泡を発生させる演出が付加された態様)にすると共に、所定の組み合わせを所定の図柄の組み合わせ(例えば、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」)が各変動表示の停止図柄とするものである。
本実施形態では、先読み予告判定テーブル222aは、後述する特図A保留回数カウンタ223a又は特図保留回数カウンタ223bが取り得る2から4までの値のそれぞれに対し、異なる先読み予告決定範囲が対応付けられたテーブルとして構成される。なお、「先読み予告決定範囲」とは、先読み予告判定カウンタ223eの値のうち、先読み予告演出の開始を決定する条件とする範囲である。
より具体的には、本実施形態における先読み予告判定テーブル222aは、特図A保留回数カウンタ223a又は特図保留回数カウンタ223bの値が「2」である場合には、「0〜15」が先読み予告決定範囲として対応付けられ、特図A保留回数カウンタ223a又は特図保留回数カウンタ223bの値が「3」である場合には、「0〜39」が先読み予告決定範囲として対応付けられ、特図A保留回数カウンタ223a又は特図保留回数カウンタ223bの値が「4」である場合には、「0〜63」が先読み予告決定範囲として対応付けられたテーブルとして構成される。
このように、本実施形態における先読み予告判定テーブル222aは、先読み予告確率が、保留回数(特図A保留回数カウンタ223a又は特図保留回数カウンタ223bの値)に応じて変わるので、遊技者の期待感を、変動待機手段により待機されている変動表示の回数に応じて変化させることができる。よって、遊技に抑揚がつき、遊技者が遊技を単調に感じることを抑制することができるので、遊技者に遊技を長く続けさせることができる。
特に、本実施形態における先読み予告判定テーブル222aは、特図A保留回数カウンタ223a又は特図保留回数カウンタ223bの値が大きくなるほど、先読み予告決定範囲が広くなるように構成されている。先読み予告決定範囲が広いほど、先読み予告演出を行うことが決定され易くなり、先読み予告決定確率が高くなるので、本実施形態における先読み予告判定テーブル222aによれば、主制御装置110における変動表示の保留回数が多いほど、先読み予告決定確率が高い。
そのため、保留回数が大きいほど先読み予告決定確率を高く設定することにより、1の先読み予告演出に含まれる変動演出(1の始動入賞に対する1の変動表示)の数が多くなる可能性が高くなる。1の先読み予告演出に含まれる変動演出の数が多いほど、遊技者は、通常の演出とは異なる演出が行われたと感じ易くなるので、遊技者に対して、特別な期待感を持たせることができる。
また、変動表示の保留回数は、一般的に小さい値をとることが多いため、保留回数が小さい場合には、頻繁に先読み予告演出が行われないように抑制することができる一方、保留回数が大きくなった場合に、先読み予告演出が行われ易くすることができる。
なお、詳細は後述するが、主制御装置110から第3図柄表示装置81に先読み予告演出の表示を許可するか否かは、保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド又は特図B保留回数コマンド)に含まれる先読み予告許可フラグ(図6参照)の値によって通知される。この先読み予告許可フラグが先読み予告演出の表示を許可する値であった場合には、MPU221は、先読み予告判定テーブル222aと、先読み予告判定カウンタ223eの値とを比較し、先読み予告判定カウンタ223eの値が先読み予告判定テーブル222aで示される範囲にあるときに、第3図柄表示装置81に先読み予告演出を開始させることを決定する。
RAM223は、特図A保留回数カウンタ223aと、特図B保留回数カウンタ223bと、先読み予告判定カウンタ223eと、特図A先読み予告フラグ223dと、特図B先読み予告フラグ223eと、特図判別フラグ223fとを有している。
特図A保留回数カウンタ223aは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動表示であって、主制御装置110において保留されている第1入球口A64への入賞に基づく変動表示の回数(保留回数、待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
詳細は後述するが、主制御装置110は、第1入球口A64への入賞に伴って特図A保留回数カウンタ203dが1加算される毎に、特図A保留回数カウンタ203dの値を、特図A保留回数コマンド(図6参照)によって音声ランプ制御装置113に通知する。音声ランプ制御装置113は、かかる特図A保留回数コマンドを受信した場合に、特図A保留回数コマンドに含まれる、主制御装置110の特図A保留回数カウンタ203dの値(即ち、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示の保留回数)を特図A保留回数カウンタ223aに格納する。
この特図A保留回数カウンタ223aは、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示の指示コマンドである特図A変動パターンコマンドを主制御装置110から受信した場合に、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動態様(変動表示の態様)が設定されると、1減算される。
特図B保留回数カウンタ223bは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動表示であって、主制御装置110において保留されている第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の回数(保留回数、待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
詳細は後述するが、主制御装置110は、第1入球口B640への入賞に伴って特図B保留回数カウンタ203eが1加算される毎に、特図B保留回数カウンタ203eの値を、特図B保留回数コマンド(図6参照)によって音声ランプ制御装置113に通知する。音声ランプ制御装置113は、かかる特図B保留回数コマンドを受信した場合に、特図B保留回数コマンドに含まれる、主制御装置110の特図B保留回数カウンタ203eの値(即ち、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の保留回数)を特図B保留回数カウンタ223bに格納する。
この特図B保留回数カウンタ223bは、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の指示コマンドである特図B変動パターンコマンドを主制御装置110から受信した場合に、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動態様が設定されると、1減算される。
上述の通り、音声ランプ制御装置113に設けられた特図A保留回数カウンタ223a及び特図B保留回数カウンタ223bの値は、主制御装置110より送信されるコマンドに従って更新される。よって、特図A保留回数カウンタ223a及び特図B保留回数カウンタ223bの値は、主制御装置110の特図A保留回数カウンタ203d及び特図B保留回数カウンタ203eの値と同期させながら、更新することができる。
特図A保留回数カウンタ223aの値は、保留ランプ85Aの点灯処理に用いられ、特図B保留回数カウンタ223bは、保留ランプ85Bの点灯処理に用いられる。即ち、保留ランプ85A及び保留ランプ85Bは、それぞれ、特図A保留回数カウンタ223aの値及び特図A保留回数カウンタ223aの値に応じた個数のランプが点灯され、残りのランプは消灯される。
また、詳細は後述するが、特図A保留回数カウンタ223a及び特図B保留回数カウンタ223bの値は、先読み予告判定テーブル222aから、保留回数に応じた先読み予告決定範囲を設定する場合にも用いられる。
さらに、特図A保留回数カウンタ223a及び特図B保留回数カウンタ223bの値は、それぞれ、先読み予告演出の実行が決定された場合における特図A先読み予告フラグ223c及び特図B先読み予告フラグ223dの設定にも用いられる。
特図A先読み予告フラグ223cは、主制御装置110に保留された第1入球口A64への入賞に基づく変動表示(保留球)毎に、その変動表示(保留球)における先読み予告実行の有無を設定するフラグである。また、特図B先読み予告フラグ223dは、主制御装置110に保留された第1入球口B640への入賞に基づく変動表示(保留球)毎に、その変動表示(保留球)における先読み予告実行の有無を設定するフラグである。
特図A先読み予告フラグ223c及び特図B先読み予告フラグ223dは、どちらも、1バイト(8ビット)の変数として構成されており、第3ビットから第0ビット(下位4ビット)の各ビットに対して、各保留回数に対応した変動表示(保留球)がそれぞれ割り当てられている。
具体的には、特図A先読み予告フラグ223c及び特図B先読み予告フラグ223dの第0ビットには、保留回数が「1」の変動表示(第1保留球)が割り当てられ、第1ビットには、保留回数が「2」の変動表示(第2保留球)が割り当てられ、第2ビットには、保留回数が「3」の変動表示(第3保留球)が割り当てられ、第3ビットには、保留回数が「4」の変動表示(第4保留球)が割り当てられている。
特図A先読み予告フラグ223c及び特図B先読み予告フラグ223dの各ビットには、そのビットに割り当てられた保留球における先読み予告演出の実行の有無がそれぞれ設定される。具体的には、「1」が設定されたビットに対応する変動表示(保留球)において、先読み予告が実行される。
詳細は後述するが、音声ランプ制御装置113が、特図A保留回数コマンド又は特図B保留回数コマンド(図6参照)を主制御装置110から受信したことに基づいて先読み予告演出の開始を決定した場合には、その時点における特図A保留回数カウンタ223a又は特図B保留回数カウンタ223bの値(即ち、主制御装置110において保留されている、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の回数)に基づき、今回の保留球より前に保留された保留球に対応するビットが全て「1」に設定される。その結果、今回の保留球より前に保留されていた1又は複数の保留球に基づく全ての変動表示に亘って、先読み予告演出用の変動態様(例えば、先読み予告演出を行わない場合の変動内容に、停止図柄の表示後に泡を発生させる演出が付加された態様)が現出する。
一方、「0」が設定されたビットに対応する変動表示(保留球)では、先読み予告演出は実行されない。なお、特図A先読み予告フラグ223c及び特図B先読み予告フラグ223dの第7ビットから第4ビット(上位4ビット)は、いずれも未使用の領域として「0」が設定される。
先読み予告判定カウンタ223eは、先読み予告演出開始の決定に使用するカウンタで、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図20参照)の実行毎に1回更新される。先読み予告判定カウンタ223eの更新は、例えば、0〜127の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり127)に達した後0に戻ることによって行われる。
詳細は後述するが、保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド又は特図B保留回数コマンド)に含まれる先読み予告許可フラグ(図6参照)の値が先読み予告演出の表示を許可する値であった場合に、先読み予告判定カウンタ223eの値と、先読み予告判定テーブル222aとの比較を行い、先読み予告判定カウンタ223eの値が先読み予告判定テーブル222aで示される範囲にあるときに、第3図柄表示装置81にて先読み予告演出を行うことを決定する。
特図判別フラグ223fは、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが、特図B変動パターンコマンドであるか、特図A変動パターンコマンドであるかを判別するフラグである。
より具体的には、この特図判別フラグ223fが、オンであれば、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが、特図B変動パターンコマンドであることを示す。一方で、特図判別フラグ223fが、オフであれば、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが、特図A変動パターンコマンドであることを示す。なお、特図判別フラグ223fは、RAM203の初期化時にオフに初期化される。
詳細は後述するが、装飾図柄演出設定処理(図25参照)において、特図判別フラグ223fがオンであれば、受信した特図B変動パターンコマンドが示す変動態様(図柄の変動時間)の変動演出を設定すると共に、設定した変動演出と、その変動演出が第1入球口B640への入賞に基づくことを示す情報とを含む表示用特図B変動パターンコマンドを表示制御装置114へ出力する。その結果、表示制御装置114は、表示用特図B変動パターンコマンドに従う変動表示(縦スクロールの変動表示:図7(b)参照)を開始する。
一方で、特図判別フラグ223fがオフであれば、受信した特図A変動パターンコマンドが示す変動態様(図柄の変動時間)の変動演出を設定すると共に、設定した変動演出と、その変動演出が第1入球口A64への入賞に基づくことを示す情報とを含む表示用特図A変動パターンコマンドを表示制御装置114へ出力する。その結果、表示制御装置114は、表示用特図A変動パターンコマンドに従う変動表示(横スクロールの変動表示:図7(a)参照)を開始する。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを有している。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、図示されない演出許可フラグや変動開始フラグなどを有している。
なお、図示されない演出許可フラグは、主制御装置110の初期設定の処理後に送信される演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113を介して受信するとオンされ、電源断の発生によりオフされるフラグである。また、図示されない変動開始フラグは、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに対応するコマンドを、音声ランプ制御装置113を介して受信した場合にオンされると共に第3図柄表示装置81において変動表示が開始されたらオフされるフラグである。
キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)などのキャラクタ情報が記憶されたキャラクタ情報メモリ(図示せず)を有している。このキャラクタ情報メモリ(図示せず)に記憶されているキャラクタ情報としては、変動表示される第3図柄のキャラクタ図柄や、背景図柄や、予告キャラクタ図柄などが記憶されている。
なお、キャラクタ情報メモリには、記憶するデータ量を少なくするために、上述したようなキャラクタ情報が圧縮形式のデータで記憶されている。本実施形態では、キャラクタ情報は約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのキャラクタ情報が、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタ情報メモリに記憶されている。キャラクタ情報メモリに圧縮形式のデータとして記憶されているキャラクタ情報は、読み出されると、解凍された後にビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域(図示せず)に書き込まれる。
ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される表示内容(変動表示の演出パターンや、リーチ演出時の演出内容など)に対応する演出データが記憶される表示用領域(図示せず)と、キャラクタROM235のキャラクタ情報メモリ(図示せず)に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を解凍したデータが記憶されるキャラクタ情報記憶領域(図示せず)とを有している。
なお、ビデオRAM234には、第1入球口A64に基づく横スクロールの変動表示に対する演出データと、第1入球口B640に基づく縦スクロールの変動表示に対する演出データとが記憶されている。第1入球口A64に基づく変動表示を行う場合には、設定された変動態様に応じた横スクロール用の演出データが使用され、第1入球口B640に基づく変動表示を行う場合には、設定された変動態様に応じた縦スクロール用の演出データが使用される。
また、本実施形態のパチンコ機10では、先読み予告演出を行わない通常の態様で変動表示を行うための演出データに加え、停止図柄の表示後に泡を発生させる点において通常の態様と異なる先読み予告演出用の変動態様での変動表示を行うための演出データも、ビデオRAM234に記憶されている。先読み予告演出の表示を行う場合には、通常の態様での変動表示用の演出データではなく、先読み予告演出用の変動態様での変動表示用の演出データが使用される。
ビデオRAM234における図示されない表示用記憶領域は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するためのメモリであり、その表示用記憶領域の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。また、図示されないキャラクタ情報記憶領域には、背景図柄や装飾図柄などの素材となるキャラクタデータが記憶され、このキャラクタ情報記憶領域から第3図柄表示装置81に表示するための必要なデータが読み出されて表示用記憶領域に書き込まれる。
なお、キャラクタ情報をビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域(図示せず)に記憶させるのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためであり、キャラクタ情報をキャラクタROM235から直接、ビデオRAM234の表示用記憶領域(図示せず)に直接書き込む場合、読み出すデータ量が大きいと読み出しに時間を有しスムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができないからである。更に、RAMにおいて表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるためである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208や、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧のうち、各制御装置110〜114等が必要とする電圧を各々に供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図17参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図5を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられる保留球格納エリア203aやカウンタ等について説明する。これらの保留球格納エリア203aやカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定、第2図柄表示装置82の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bの表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、第2図柄表示装置82の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、メイン処理(図11参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図13参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。
また、RAM203には、上述の通り、特図A保留球格納エリア203aと、特図B保留球格納エリア203bとが設けられている。特図A保留球格納エリア203a及び特図B保留球格納エリア203bは、それぞれ、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)から構成されている。また、RAM203には、1つの実行エリアから構成される実行エリア203cが設けられている。
特図A保留球格納エリア203a及び特図B保留球格納エリア203bには、それぞれ、第1入球口A64又は第1入球口B640への球の入賞タイミングに合わせて取得されるカウンタC1〜C3の各値が格納される。
より具体的には、第1入球口A64に球が通過した(入賞した)場合には、第1当たり乱数カウンタバッファに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値、第1当たり種別カウンタバッファに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値、及び、停止パターン選択カウンタバッファに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値が、特図A保留球格納エリア203aに格納される。
一方、第1入球口B640に球が通過した場合には、第1当たり乱数カウンタバッファに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値、第1当たり種別カウンタバッファに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値、及び、停止パターン選択カウンタバッファに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値が、特図B保留球格納エリア203bに格納される。
詳細は図10及び図11を参照しつつ後述するが、特図A保留球格納エリア203aに格納されるデータ(即ち、特図A保留球格納エリア203aを構成する保留エリアに格納された各値)、及び、特図B保留球格納エリア203bに格納されるデータ(即ち、特図B保留球格納エリア203bを構成する保留エリアに格納された各値)のうち、1のデータが、第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bに表示される変動表示を開始する毎に、実行エリア203cへと移動される。
なお、本実施形態では、特図B保留球格納エリア203bに格納されるデータが優先的に実行エリア203cへと移動されるように構成されている。即ち、特図B保留球格納エリア203bに1つでもデータが記憶されていれば、そのデータが特図B保留球格納エリア203bに格納されるより前に特図A保留格納エリア203bに格納されたデータがあったとしても、特図B保留格納エリア203bに記憶されているデータが実行エリア203cへと移動される。
かかるデータシフトの結果として実行エリア203c内に格納されているデータが変動開始処理(図12参照)において参照され、その参照データに従う変動表示及び停止表示が第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bに行われる。
次に、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜699の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり699)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態では、タイマ割込処理毎に1回(図13参照))更新され、球が第1入球口A64又は第1入球口B640に入賞したタイミングで特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留球格納エリア203bに格納される。
第1当たり乱数カウンタC1の値のうち、大当たりとなる値の数は、高確率時と低確率時とで2種類設定されている。具体的には、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は20で、その値は「7,40,72,106,133.171,209,241,278,319,357,391,426,467,503,541,573,602,648,685」であり、これらの値は、高確率時当たり値テーブル202aに格納されている。一方、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「7,357」であり、これらの値は、低確率時当たり値テーブル202bに格納されている。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜699)、タイマ割込処理(図13参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図11参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を決定すると共に、大当たりの場合に第1図柄表示装置37A,37Bに表示される表示態様を決定するものである。本実施形態では、第1当たり種別カウンタC2は、0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。この第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施形態では、タイマ割込処理毎に1回(図13参照))更新され、球が第1入球口A64又は第1入球口B640に入賞したタイミングで特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留球格納エリア203bに格納される。
本実施形態では、第1入球口A64への入賞(始動入賞)に基づく抽選であるか、第1入球口B640への始動に基づく抽選であるかに応じて、選択可能な大当たり種別の種類が異なるよう構成されている。
具体的には、第1入球口A64への入賞(始動入賞)に基づく抽選、即ち、実行エリア203cに格納されたデータに対する判定を行う際の特図判別フラグ203fの状態がオフである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が0から39までの値のいずれかであれば、大当たり種別は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行すると共に少なくとも100変動回数の間は時短状態となる15R通常大当たりに決定される。また、第1当たり種別カウンタC2の値が40から59までの値のいずれかであれば、大当たり種別は、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たり(2R確変大当たり)に決定される。さらに、第1当たり種別カウンタC2の値が60から99までの値のいずれかであれば、大当たり種別は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たり(15R確変大当たり)に決定される。
一方、第1入球口B640への入賞に基づく抽選、即ち、実行エリア203cに格納されたデータに対する判定を行う際の特図判別フラグ203fの状態がオンである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が0から39までの値のいずれかであれば、大当たり種別は15R通常大当たりに決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が40から99までの値のいずれかであれば、大当たり種別は15R確変大当たりに決定される。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、第1入球口B640への球の通過(始動入賞)に基づいて選択され得る大当たり種別は、2R確変大当たりを含まない点において、第1入球口A64への始動入賞に基づいて選択され得る大当たり種別と異なる。
ここで、15R通常大当たりの選択確率は、第1入球口A64への入賞であっても、第1入球口B640への入賞であっても同じ(40/100)であるので、2R確変大当たりが選択されない第1入球口B640への入賞の方が、第1入球口A64への入賞に比べ、15R確変大当たりの選択確率が高くなる。よって、第1入球口B640の方が、第1入球口A64に比べて、遊技者にとって有利な入球口であるといえる。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態では、タイマ割込処理毎に1回(図13参照))更新され、球が第1入球口A64又は第1入球口B640に入賞したタイミングで特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留球格納エリア203bに格納される。
なお、停止パターン選択カウンタC3の値(乱数値)から停止パターンを選択するために参照されるテーブル(図示せず)はMPU201内に設けられており、停止パターンは、このテーブルと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて選択される。ここで、かかるテーブルは、停止パターンの選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか等に応じて、停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が0〜89と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。この高確率状態で選択されるテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
一方、低確率状態であれば、第1入球口A64又は第1入球口B640への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が0〜79と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。この低確率状態で選択されるテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口A64又は第1入球口B640への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、この低確率状態で選択されるテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
なお、この停止パターンを選択するために参照されるテーブルは、高確率状態であるか低確率状態であるかだけでなく、保留個数に応じて異なるようにしたり、実行エリア203cに格納されている値が、第1入球口A64への入賞に基づく値であるか、第1入球口B640への入賞に基づく値であるかに応じて異なるように構成してもよい。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、表示制御装置114により第3表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図11参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。
第2当たり乱数カウンタC4の値は、例えば定期的に(本実施形態では、タイマ割込処理毎に1回(図13参照))更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、確変中及び時短中において、当選することとなる乱数の範囲は、その数が増加する(例えば、180に増加する)よう変更される。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図13参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図11参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図6を参照して、保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド、特図B保留回数コマンド)の構成について説明する。図6は、保留回数コマンドのビット構成を示す模式図である。
図6に示すように、保留回数コマンドは、2バイトのコマンドとして構成される。なお、以下の説明において、2バイトのコマンドのうち、上位側のバイトを上位バイトと称し、下位側のバイトを下位バイトと称する。また、各バイトにおいて、最上位ビット(MSB)を「第7ビット」とし、最下位ビット(LSB)を「第0ビット」として、説明を行う。
保留回数コマンドは、上位バイトの第7ビットから第5ビットが、固定値「011」(2進数)で構成されており、これによって、本コマンドが保留回数コマンドであることを示す。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信したコマンドのうち、上位バイトの第7ビットから第5ビットの値を確認し、その値が「011」(2進数)である場合に、受信したコマンドが保留回数コマンドと判別することができる。
また、保留回数コマンドにおける上位バイトの第4ビットは、特図判別フラグである。この上位バイトの第4ビット(特図判別フラグ)の値が「0」であれば、第1入球口A64への入賞による保留回数コマンド、即ち、特図A保留回数コマンドであることを表す。一方、上位バイトの第4ビットの値が「1」であれば、第1入球口B640への入賞による保留回数コマンド、即ち、特図B保留回数コマンドであることを表す。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した保留回数コマンドのうち、上位バイトの第4ビットの値に基づき、受信した保留回数コマンドが、特図A保留回数コマンドであるか、特図B保留回数コマンドであるかを判別することができる。
また、保留回数コマンドのうち、下位バイトは、保留回数で構成される。主制御装置110は、保留回数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する場合に、第1入球口A64への球の入賞によって1加算された特図A保留回数カウンタ203dの値、又は、第1入球口B640への球の入賞によって1加算された特図B保留回数カウンタ203eの値を、保留回数コマンドの下位バイトの第2ビットから第0ビットを用いて2進数で設定する。一方、保留回数コマンドの下位バイトの第7ビットから第3ビットには、すべて0を設定する。これにより、保留回数コマンドの下位バイト全体で、第1入球口A64又は第1入球口B640への球の入賞に基づいて第1図柄表示装置37で行われる変動表示の保留回数を表すことができる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から保留回数コマンドを受信すると、受信した保留回数コマンドの下位バイトから、主制御装置110に保留された変動表示の保留回数を抽出する。このように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において特図A保留回数カウンタ203d又は特図B保留回数カウンタ203eが1加算される毎に、かかる保留回数コマンドによって、主制御装置110に保留されている変動表示の保留回数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の保留回数カウンタ223aによって管理される変動表示の保留回数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留回数が変更されてしまった場合であっても、次に受信する保留回数コマンドによって、正しい値に修正することができる。
この保留回数コマンドは、第3図柄表示装置81に先読み予告演出の表示を許可するか否かを音声ランプ制御装置113に指示する先読み予告許可コマンドとしての役割も担っている。保留回数コマンドにおける先読み予告許可コマンドとしての役割は、保留回数コマンドの上位バイトの第3ビットで表わされる先読み予告許可フラグによって果たされる。
この先読み予告許可フラグは、第3図柄表示装置81に先読み予告演出の表示を許可するか否かを示すものである。具体的には、先読み予告許可フラグの値が「1」であれば、第3図柄表示装置81に先読み予告演出の表示を許可することを表す。一方で、先読み予告許可フラグの値が「0」であれば、第3図柄表示装置81に先読み予告演出の表示を許可しないことを表す。
保留回数コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信された場合、音声ランプ制御装置113は、保留回数コマンドの上位バイトの第3ビット(即ち、先読み予告許可フラグ)の値を確認し、その値が「1」であれば、先読み予告判定テーブル222aに基づく所定の確率(先読み予告確率)で先読み予告の開始を決定する。
ここで、先読み予告許可フラグの設定は、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞時に行われる先読み抽選の結果に基づいて行われ(図15及び図16参照)、先読み抽選の結果が「大当たり」であれば、先読み予告許可フラグに「1」が設定され、一方で、先読み抽選の結果が「外れ」であれば、「0」が設定される。
ところで、先読み抽選、及び、その後に行われる当否抽選(即ち、始動入賞に合わせて取得されたデータ(各カウンタC1〜C3の各値)が実行エリア203に移動され、変動表示の開始タイミングにて行われる抽選)は、それぞれ、抽選が行われるときの遊技状態に応じた当たり値テーブル(高確率時当たり値テーブル202a又は低確率時当たり値テーブル202b)が用いられる。
そのため、先読み抽選の結果が「大当たり」であっても、その後に行われる当否抽選による抽選結果は「外れ」となる場合もある。即ち、保留回数コマンドにおける予告許可フラグ(上位バイトの第4ビット)の値が「1」であったとしても、その後に行われる当否抽選の結果が「大当たり」であるとは限らない。換言すれば、保留回数コマンドにおける予告許可フラグの値が「1」である場合には、の後に行われる当否抽選の結果が「大当たり」である可能性が高いことを示す。
よって、保留回数コマンドにおける予告許可フラグによる先読み予告演出の表示の許可は、先読み抽選の結果、その後に行われる当否抽選の結果が「大当たり」である可能性が高い場合においてなされるものであるので、先読み予告演出が第3図柄表示装置81に表示された場合、遊技者に対して高い期待感を持たせることができる。
このように、先読み予告の開始の決定は、主制御装置110から保留回数コマンドを受信した音声ランプ制御装置113において行われる。よって、主制御装置110は、先読み予告演出に係る処理のうち、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞タイミングで行われる先読み抽選の結果に基づく先読み予告演出の許可判断(即ち、保留回数コマンドにおける先読み予告許可フラグの設定)だけを行えばよく、主制御装置110における処理を抽選処理に集中させることができる。また、音声ランプ制御装置113に処理能力の高いMPU221を使用すれば、先読み予告演出の演出態様を多種多様に設定することができる。
また、保留回数コマンドにおける上位バイトの第1ビットから第0ビット(下位2ビット)は、先読み予告演出終了後の遊技状態(先読み予告後遊技状態)、即ち、その保留回数コマンドに対応する始動入賞時に行われた先読み抽選の結果が、「15R確変大当たり」であるか、「2R確変大当たり」であるか、「15R通常大当たり」であるか、「外れ」であるかを表すビットである。
具体的には、保留回数コマンドにおける上位バイトの下位2ビットの値が「11」(2進数)である場合には「15R確変大当たり」、「10」(2進数)である場合には「2R確変大当たり」、「01」(2進数)である場合には「15R通常大当たり」、「00」(2進数)である場合には「外れ」であることを示す。
上述の通り、本実施形態における保留回数コマンドは、1の保留回数コマンドにより、保留回数と先読み予告許可フラグとの2つの情報を、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信することができる。よって、かかる1の保留回数コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、先読み予告演出の実行が許可されたか否かを正確に把握することができることに加え、先読み予告演出が加えられる保留された変動表示の数(保留回数)を正確に把握することができる。そのため、変動表示の保留回数と、先読み予告許可フラグとが別のコマンドによって主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信される場合と比較して、音声ランプ制御装置113における制御を容易にすることができる。
次に、図7を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図7は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図であり、図7(a)は、表示画面が横スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定とを示した模式図であり、図7(b)は、表示画面が縦スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定とを示した模式図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄からなる10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。これらの主図柄及び副図柄は、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されることによって図柄列を構成している。これらの各図柄列は、第1入球口A64又は第1入球口B640球が1回通過する毎に、変動表示が開始される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第3図柄表示装置81に表示される変動表示が、第1入球口A64に基づくものであるか、第1入球口B640に基づくものであるかに応じて異なるように構成されている。
具体的には、第1入球口A64に基づく変動表示である場合には、図7(a)に示すように、各図柄列毎に主図柄及び副図柄が周期性をもって右から左(矢印X方向)へスクロール(横スクロール)するように変動表示される。なお、図7(a)に示すように、横スクロール時には、各図柄列は、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。この場合、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
一方で、第1入球口B640に基づく変動表示である場合には、図7(b)に示すように、各図柄列毎に主図柄及び副図柄が周期性をもって上から下(矢印Y方向)へスクロール(縦スクロール)するように変動表示される。なお、図6(b)に示すように、縦スクロール時には、各図柄列は、左・中・右の3つの図柄列Z1’,Z2’,Z3’が表示される。この場合、左図柄列Z1’においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2’及び右図柄列Z1’においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
図7(a)及び図7(b)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面には、それぞれ、各図柄列(Z1〜Z3又はZ1’〜Z3’)毎に左・中・右又は上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。
ここで、第3図柄表示装置81の表示画面には、縦スクロール時及び横スクロール時のいずれの場合も5つの有効ラインが設定されている。具体的には、図7(a)に示すように、横スクロール時には、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つのラインが有効ラインとして設定されている。また、図7(b)に示すように、縦スクロール時には、上ラインL1’、中ラインL2’、下ラインL3’、右上がりラインL4’、左上がりラインL5’の5つのラインが有効ラインとして設定されている。
主制御装置110による当否抽選の結果が大当たりであれば、縦又は横にスクロールする変動表示は、大当たりの種別(本実施形態では、15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり)毎に予め規定されている図柄の組み合わせからなる停止図柄が、いずれかの有効ライン上に並んだ状態で終了し、その後、当否抽選によって得られた大当たりの種別に応じた大当たり遊技が発生する。
本実施形態では、「15R確変大当たり」である場合には、全て同一の高確率図柄(奇数番号に対応する主図柄)からなる停止図柄が表示され、「15R通常大当たり」である場合には、全て同一の低確率図柄(偶数番号に対応する主図柄)からなる停止図柄が表示される。また、「2R確変大当たり」である場合には、全てが同一でない特定の図柄の組み合わせ(例えば、「タコ(1)・ハリセンボン(2)・カメ(3)」)からなる停止図柄が表示される。
なお、横スクロールの場合(図7(a))には、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、縦スクロールの場合(図7(b))には、左図柄列Z1’→右図柄列Z3’→中図柄列Z2’の順に変動表示が停止する。
次に、図8から図19のフローチャートを参照して、主制御装置110のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。
まず、図8を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図8は、主制御装置110のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
図8に示すように、この立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS111へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS111へ移行する。なお、図9のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述した通り、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ123を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ123が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ123がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110では、割込みを許可して、図9を参照して後述するメイン処理に移行する(S110)。
次に、図9を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図9は、主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)や、外部出力端子板261を介してホールコンピュータ262へ送信(出力)する(S201)。この外部出力処理(S201)により、例えば、S501のスイッチ読み込み処理(図13参照)によって検出された入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理(S201)により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、種別コマンド、停止コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信したり、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37A,37Bによる表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図10を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを大当たり種別に応じたラウンド数だけ繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口B640に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2の更新(S209)と変動種別カウンタCS1の更新(S210)とを繰り返し実行する。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
次に、変動種別カウンタCS1の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に、変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理(図17参照)が実行されたので、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。
まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。
よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図10を参照して、変動処理(S204)について説明する。図10は、メイン処理(図9参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。
図10に示すように、この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中でなければ(S302:No)、特図B保留回数カウンタ203eの値が0よりも大きいか否かを判別する(S303)。
このとき、特図B保留回数カウンタ203eの値が0よりも大きければ(S303:Yes)、特図B保留球格納エリア203bに格納されたデータのうち、最古のデータを実行エリア203cへ移動する特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)を実行する。なお、この特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)において実行される詳細な処理は、図11(b)を参照しつつ後述する。
特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)の実行後は、実行エリア203cに格納されるデータに基づいて、第1図柄表示装置37Bでの変動表示の開始と第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示を開始させるための各種コマンドの設定を行う変動開始処理を実行して(S305)、変動処理(S204)を終了し、メイン処理(図9参照)へ戻る。なお、変動開始処理(S305)において実行される詳細な処理は、図12を参照して後述する。
一方で、S303の処理により確認した結果、特図B保留回数カウンタ203eの値が0であれば(S303:No)、特図A保留回数カウンタ203dの値が0よりも大きいか否かを判別する(S306)。
S306の処理により確認した結果、特図A保留回数カウンタ203dの値が0よりも大きければ(S306:Yes)、特図A保留球格納エリア203aに格納されたデータのうち、最古のデータを実行エリア203cへ移動する特図A保留球格納エリア順送り処理を実行して(S307)、変動開始処理(S305)へ移行する。この特図A保留球格納エリア順送り処理(S307)において実行される詳細な処理は、図11(a)を参照しつつ後述する。
このように、本パチンコ機10で実行される変動処理(S204)によれば、特図B保留回数カウンタ203eの値が1以上であれば、特図A保留回数カウンタ203dの値とは無関係に、必ず、特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)が実行され、特図B保留球格納エリア203bに格納されたデータに基づく変動表示が第1図柄表示装置37A及び第3図柄表示装置81で開始される。
よって、本パチンコ機10では、第1入球口B640への入賞タイミングに合わせて取得されたデータが優先的に消化される。即ち、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示が優先的に実行される。
上述した通り、第1入球口B640の方が、第1入球口A64に比べて、遊技者にとって有利な入球口として構成されているので、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示を優先的に実行することにより、特図B保留球格納エリア203bに格納されている(つまり、保留中の)データが残存する間は、遊技者にとって有利な状況となる。従って、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示を優先的に実行することによって、遊技に抑揚をつけることができ、遊技者が遊技を単調に感じて遊技を止めてしまうことを防止することができる。
一方で、S306の処理により確認した結果、特図A保留回数カウンタ203dの値が0であれば(S306:No)、保留(待機)されている変動表示が存在しないので、そのまま変動処理(S204)を終了して、メイン処理(図9参照)へ戻る。
また、S302の処理において、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S308)。第1図柄表示装置37A,37Bの変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S309)、変動処理(S204)を終了して、メイン処理(図9参照)へ戻る。
本実施形態では、第1図柄表示装置37AのLED37Aa又は第1図柄表示装置37Bの37Baは、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、この変動処理は、メイン処理において実行されるサブルーチンであるので、4ms毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37A,37Bの変動時間が経過していれば(S308:Yes)、第1図柄表示装置37A,37Bの停止表示(停止図柄)が設定される(S310)。この停止表示の設定は、後述する変動開始処理(図12参照)におけるS404又はS410の処理により、実行エリア203cに格納されたデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて設定された表示態様に基づいて設定される。
本実施形態では、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりであった場合に、第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別が「15R確変大当たり」である場合には、LED37Aa又はLED37Baにおける赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させ、大当たり種別が「2R確変大当たり」である場合には、LED37Aa又はLED37Baにおける赤色のLEDと青色のLEDとを点灯させ、大当たり種別が「15R通常大当たり」である場合には、LED37Aa又はLED37Baにおける緑色のLEDと青色のLEDとを点灯させる。一方、第1当たり乱数カウンタC1の値が外れであった場合には、LED37Aa又はLED37Baにおける青色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S310の処理後、大当たりである場合に変動表示後に実行される大当たり遊技に関する設定や、時短中における変動表示の実行回数を計数する時短カウンタ(図示せず)の更新を行う変動終了処理を実行する(S311)。
S311の処理後、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示の停止を、S309の処理により設定された第1図柄表示装置37A,37Bにおける停止表示とを同調させるために停止コマンドを設定し(S312)、変動処理(S204)を終了して、メイン処理(図9参照)へ戻る。音声ランプ制御装置113は、S312の処理により設定された停止コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して停止指示をする。第3図柄表示装置81は、変動パターンコマンドが示す変動時間が経過すると変動表示を停止し、停止コマンドを受信することで、第1入球口A64又は第1入球口B640への1の入賞に基づいて第3図柄表示装置81にて行われる1の変動表示(変動演出)を終了する。
次に、図11(a)を参照して、上述した特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)について説明する。図11(a)は、変動処理(図10参照)の中で実行される特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)を示すフローチャートである。
図11(a)に示すように、この特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)では、まず、特図B保留球格納エリア203bにおける保留第1エリアのデータ(各カウンタC1〜C3の各値)を実行エリア203cへ移動する(S351)。
S351の処理後、特図B保留球格納エリア203bにおける保留第2エリア〜保留第4エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリアへ移動(シフト)し(S352)、特図B保留回数カウンタ203eから1減算する(S353)。そして、特図判別フラグ203fをオンして(S354)、特図B保留球格納エリア順送り処理(S304)を終了し、変動処理(図10参照)へ戻る。
次に、図11(b)を参照して、上述した特図A保留球格納エリア順送り処理(S307)について説明する。図11(b)は、変動処理(図10参照)の中で実行される特図A保留球格納エリア順送り処理(S307)を示すフローチャートである。
図11(b)に示すように、この特図A保留球格納エリア順送り処理(S307)では、まず、特図A保留球格納エリア203aにおける保留第1エリアのデータ(各カウンタC1〜C3の各値)を実行エリア203cへ移動する(S361)。
S361の処理後、特図A保留球格納エリア203aにおける保留第2エリア〜保留第4エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリアへ移動(シフト)し(S362)、特図A保留回数カウンタ203dから1減算する(S363)。そして、特図判別フラグ203fをオフして(S364)、特図A保留球格納エリア順送り処理(S307)を終了し、変動処理(図10参照)へ戻る。
次に、図12を参照して、上述した変動開始処理(S305)について説明する。図12は、変動処理(図10参照)の中で実行される変動開始処理(S305)を示すフローチャートである。
図12に示すように、この変動開始処理(S305)では、まず、確変中であるか否かを確認し(S401)、確変中であれば(S401:Yes)、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時当たり値テーブル202aに格納されている各値(各当たり値)の全てとを比較し(S402)、S403の処理へ移行する。
上述した通り、高確率時当たり値テーブル202aには、大当たりとなる値として20の値、具体的には、「7,40,72,106,133.171,209,241,278,319,357,391,426,467,503,541,573,602,648,685」が格納されている。よって、S402では、これら20の値の1つ1つを、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と比較する。
一方で、S401の処理により確認した結果、確変中でない、即ち、通常中又は時短中である場合には(S401:No)、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時当たり値テーブル202bに格納されている各値の全てとを比較し(S409)、S403の処理へ移行する。
上述した通り、低確率時当たり値テーブル202bには、大当たりとなる値として2の値、具体的には、「7,357」が格納されている。よって、S409では、これら2の値の1つ1つを、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と比較する。
S403では、S402又はS409において比較を行った結果、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値か否かを判別する(S403)。
S403の処理により確認した結果、大当たりとなる値であると判別された場合、即ち、高確率時当たり値テーブル202a又は低確率時当たり値テーブル202bに格納される値の中に、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に一致する値があった場合には(S403:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり時の表示態様(大当たりの種別)の設定を行う(S404)。
上述した通り、本パチンコ機10は、第1入球口A64への入賞であるか、第1入球口B640への入賞であるかに応じて、設定可能な大当たりの種別が異なるよう構成されている。よって、S404では、特図判別フラグ203fの値に基づいて大当たり時の表示態様を設定する。
具体的には、特図判別フラグ203fの状態がオフである場合、即ち、第1入球口A64への入賞に基づく大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が0から39までの値のいずれかであれば、大当たり時の表示態様(大当たりの種別)は「15R通常大当たり」に設定され、第1当たり種別カウンタC2の値が40から59までの値のいずれかであれば、大当たり時の表示態様は「2R確変大当たり」に設定され、第1当たり種別カウンタC2の値が60から99までの値のいずれかであれば、大当たり時の表示態様は「15R確変大当たり」に設定される。
一方で、特図判別フラグ203fの状態がオンである場合、即ち、第1入球口B640への入賞に基づく大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が0から39までの値のいずれかであれば、大当たり時の表示態様は「15R通常大当たり」に設定され、第1当たり種別カウンタC2の値が40から99までの値のいずれかであれば、大当たり時の表示態様は「15R確変大当たり」に設定される。
なお、S404の処理により設定された大当たり時の表示態様に基づき、第1図柄表示装置37A,37Bの停止表示の表示態様(LED37Aa,37Baの点灯状態)及び第3図柄表示装置81における停止表示の表示態様が決定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S405)。具体的には、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。このS405の処理により変動パターン(変動時間)が設定されると、その結果として、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動時間が決定されると共に、第3図柄表示装置81において停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
一方、S403の処理により確認した結果、大当たりとなる値でないと判別された場合、即ち、高確率時当たり値テーブル202a又は低確率時当たり値テーブル202bに格納される値の中に、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に一致する値がなかった場合には(S403:No)、外れ時の表示態様を設定する(S410)。
S410の処理では、実行エリア203cに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定すると共に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定する。本実施形態では、上述の通り、高確率状態(確変中)であるか、低確率状態(通常中、時短中)であるかに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S411)。具体的には、S405の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。このS411の処理により変動パターン(変動時間)が設定されると、その結果として、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動時間が決定されると共に、第3図柄表示装置81において停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
S405又はS411の処理後は、特図判別フラグ203fがオンであるかを確認する(S406)。このとき、特図判別フラグ203fがオフであれば(S406:No)、特図A変動パターンコマンドを設定する(S407)。一方、特図判別フラグ203fがオンであれば(S406:Yes)、特図B変動パターンコマンドを設定する(S412)。
なお、S407において設定される特図A変動パターンコマンド及びS412において設定される特図B変動パターンコマンドは、S405又はS411の処理により決定された変動パターン(変動時間)に応じて設定される。
S407又はS412の処理後は、種別コマンドを設定して(S408)、変動開始処理(S305)を終了し、変動処理(図10参照)へ戻る。このとき、種別コマンドは、S404により設定された大当たり時の表示態様(即ち、15R確変大当たり、2R確変大当たり、又は15R通常大当たり)、あるいは、S410により設定された外れ時の表示態様(即ち、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、又は完全外れ)に応じて設定される。
S407又はS412の処理によって設定された変動パターンコマンド(特図A変動パターンコマンド又は特図B変動パターンコマンド)、及び、種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファ(図示せず)に記憶され、メイン処理(図9参照)のS201の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
次に、図13は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、699,99,99,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
その後は、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に伴う始動入賞処理(図14参照)を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図14のフローチャートを参照して、上述した始動入賞処理(S504)について説明する。図14は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。
図14に示すように、この始動入賞処理(S504)では、まず、球が第1入球口A64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。S601の処理により確認した結果、球が第1入球口A64に入賞したと判別された場合には(S601:Yes)、特図A保留回数カウンタ203dの値、即ち、第1図柄表示装置37Aの保留回数(作動保留球数)が予め規定されている上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。
S602の処理により確認した結果、特図A保留回数カウンタ203dの値が4未満、即ち、保留回数が4未満であれば(S602:Yes)、特図A保留回数カウンタ203dに1加算する(S603)。
次いで、タイマ割込処理(図13参照)におけるS503の処理により更新されて対応する各カウンタバッファに格納された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、特図A保留球格納エリア203aのうち空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S604)。
S604の処理後、特図A保留回数カウンタ203dの値(即ち、保留回数)及び先読み予告許可フラグの情報を含む特図A保留回数コマンドを設定する特図A保留回数コマンド設定処理を実行し(S605)、S606の処理へ移行する。なお、特図A保留回数コマンド設定処理(S605)において実行される詳細な処理は、図15を参照しつつ後述する。
一方、S601の処理により確認した結果、第1入球口A64への入賞がないと判別された場合には(S601:No)、S602〜S605の処理をスキップして、S606の処理へ移行する。
S606では、球が第1入球口B640に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S606)。S606の処理により確認した結果、球が第1入球口B640に入賞したと判別された場合には(S606:Yes)、特図B保留回数カウンタ203eの値、即ち、第1図柄表示装置37Bの保留回数が予め規定されている上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S607)。
S607の処理により確認した結果、特図B保留回数カウンタ203eの値が4未満、即ち、保留回数が4未満であれば(S607:Yes)、特図B保留回数カウンタ203eに1加算する(S608)。
次いで、タイマ割込処理(図13参照)におけるS503の処理により更新されて対応する各カウンタバッファに格納された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、特図B保留球格納エリア203bのうち空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S609)。
S609の処理後、特図B保留回数カウンタ203eの値(即ち、保留回数)及び先読み予告許可フラグの情報を含む特図B保留回数コマンドを設定する特図B保留回数コマンド設定処理を実行し(S610)、始動入賞処理(S504)を終了する。なお、特図B保留回数コマンド設定処理(S610)において実行される詳細な処理は、図16を参照しつつ後述する。
一方、S606の処理により確認した結果、第1入球口B640への入賞がないと判別された場合には(S606:No)、S607〜S610の処理をスキップして、始動入賞処理(S504)を終了する。
次に、図15を参照して、上述した特図A保留回数コマンド設定処理(S605)について説明する。図15は、始動入賞処理(図14参照)の中で実行される特図A保留回数コマンド設定処理(S605)を示すフローチャートである。
この特図A保留回数コマンド設定処理(S605)では、まず、確変中であるか否かを確認する(S621)。このとき、確変中でなければ(S621:No)、時短中であるか否かを確認する(S622)。
S622の処理により確認した結果、時短中でなければ(S622:No)、S604(図14参照)において特図A保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値(即ち、特図A保留球格納エリア203aにおける特図A保留回数カウンタ203dの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値)に対し、先読み抽選を行う(S623)。
具体的に、S623では、特図A保留球格納エリア203aにおける特図A保留回数カウンタ203dの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時当たり値テーブル202bに格納されている各値(本実施形態では、「7」又は「357」)の全てとを比較する。
S623の処理による比較を行った結果、特図A保留球格納エリア203aにおける特図A保留回数カウンタ203dの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であるか否かを判別する(S624)。
S624の処理により確認した結果、大当たりとなる値ではなく外れ値であると判別された場合、即ち、低確率時当たり値テーブル202bに格納される値の中に、特図A保留球格納エリア203aにおける特図A保留回数カウンタ203dの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に一致する値がなかった場合には(S624:No)、「60H」を特図A保留回数コマンドの上位バイトとして設定して(S628)、S627の処理へ移行する。
S628の処理の結果、第7〜第5ビットが「011」の固定値で構成され、第4ビットの特図判定フラグが、特図A保留回数コマンドであることを示す「0」に設定されると共に、第3ビットの先読み予告許可フラグが「0」(先読み予告演出不可)に設定され、下位2ビット(第1〜第0ビット)の先読み予告後遊技状態が「00」(外れ)に設定された特図A保留回数コマンドの上位バイトが設定される。
一方、S624の処理により確認した結果、大当たりとなる値であると判別された場合、即ち、低確率時当たり値テーブル202bに格納される値の中に、特図A保留球格納エリア203aにおける特図A保留回数カウンタ203dの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に一致する値があった場合には(S624:Yes)、その第1当たり乱数カウンタC1と同じ保留エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり種別が「15R通常大当たり」であるかを確認する(S625)。
S625の処理により確認した結果、大当たり種別が「15R通常大当たり」であれば(S625:Yes)、「69H」を特図A保留回数コマンドの上位バイトとして設定して(S626)、S627の処理へ移行する。これにより、第7〜第5ビットが「011」の固定値で構成され、第4ビットの特図判定フラグが、特図A保留回数コマンドであることを示す「0」に設定されると共に、第3ビットの先読み予告許可フラグが「1」(先読み予告演出可)に設定され、下位2ビット(第1〜第0ビット)の先読み予告後遊技状態が「01」(15R通常大当たり)に設定された特図A保留回数コマンドの上位バイトが設定される。
一方で、S625の処理により確認した結果、大当たり種別が「15R通常大当たり」でなければ(S625:No)、大当たり種別が「15R確変大当たり」であるかを確認する(S629)。
S629の処理により確認した結果、大当たり種別が「15R確変大当たり」であれば(S629:Yes)、「6BH」を特図A保留回数コマンドの上位バイトとして設定して(S630)、S627の処理へ移行する。これにより、第7〜第5ビットが「011」の固定値で構成され、第4ビットの特図判定フラグが、特図A保留回数コマンドであることを示す「0」に設定されると共に、第3ビットの先読み予告許可フラグが「1」(先読み予告演出可)に設定され、下位2ビット(第1〜第0ビット)の先読み予告後遊技状態が「11」(15R確変大当たり)に設定された特図A保留回数コマンドの上位バイトが設定される。
また、S629の処理により確認した結果、大当たり種別が「15R通常大当たり」でなければ(S629:No)、大当たり種別は「2R確変大当たり」であるので、この場合には、「6AH」を特図A保留回数コマンドの上位バイトとして設定して(S631)、S627の処理へ移行する。これにより、第7〜第5ビットが「011」の固定値で構成され、第4ビットの特図判定フラグが、特図A保留回数コマンドであることを示す「0」に設定されると共に、第3ビットの先読み予告許可フラグが「1」(先読み予告演出可)に設定され、下位2ビット(第1〜第0ビット)の先読み予告後遊技状態が「10」(2R確変大当たり)に設定された特図A保留回数コマンドの上位バイトが設定される。
一方で、S621の処理により確認した結果、確変中である場合(S621:Yes)、又は、S622の処理により確認した結果、時短中である場合には(S622:Yes)、S623の処理へ移行し、「60H」を特図A保留回数コマンドの上位バイトとして設定する。
S627では、特図A保留回数カウンタ203dの値(即ち、第1入球口A64への入賞の保留回数)を特図A保留回数コマンドの下位バイトの第2ビットから第0ビットに設定すると共に、特図A保留回数コマンドの第7ビットから第3ビットにすべて0を設定して、特図A保留回数コマンドの下位バイトを設定する(S627)。
S627の処理後、特図A保留回数コマンド設定処理(S605)を終了する。この特図A保留回数コマンド設定処理(S605)により設定された特図A保留回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに格納され、メイン処理(図9参照)のS201の処理で、この特図A保留回数コマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
次に、図16を参照して、上述した特図B保留回数コマンド設定処理(S610)について説明する。図16は、始動入賞処理(図14参照)の中で実行される特図B保留回数コマンド設定処理(S610)を示すフローチャートである。
この特図B保留回数コマンド設定処理(S610)では、まず、確変中であるか否かを確認し(S641)、確変中であれば(S641:Yes)、S609(図14参照)において特図B保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値(即ち、特図B保留球格納エリア203aにおける特図B保留回数カウンタ203eの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値)に対し、先読み抽選を行う(S642)。
具体的に、S642では、特図B保留球格納エリア203bにおける特図B保留回数カウンタ203eの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時当たり値テーブル202aに格納されている各値(20の当たり値の各々)の全てとを比較する。
一方で、S641の処理により確認した結果、確変中でなければ(S641:No)、時短中であるか否かを確認する(S647)。このとき、時短中であれば(S647:Yes)、S609(図14参照)において特図B保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に対し、先読み抽選を行う(S648)。
具体的に、S648では、特図B保留球格納エリア203bにおける特図B保留回数カウンタ203eの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時当たり値テーブル203bに格納されている各値(2の当たり値の各々)の全てとを比較する。
S642又はS648の処理による比較を行った結果、特図B保留球格納エリア203bにおける特図B保留回数カウンタ203eの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であるか否かを判別する(S643)。
S643の処理により確認した結果、大当たりとなる値ではなく外れ値であると判別された場合、即ち、高確率当たり値テーブル202a又は低確率時当たり値テーブル202bに格納される値の中に、特図B保留球格納エリア203bにおける特図B保留回数カウンタ203eの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に一致する値がなかった場合には(S643:No)、「70H」を特図B保留回数コマンドの上位バイトとして設定して(S649)、S646の処理へ移行する。
S649の処理の結果、第7〜第5ビットが「011」の固定値で構成され、第4ビットの特図判定フラグが、特図B保留回数コマンドであることを示す「1」に設定されると共に、第3ビットの先読み予告許可フラグが「0」(先読み予告演出不可)に設定され、下位2ビット(第1〜第0ビット)の先読み予告後遊技状態が「00」(外れ)に設定された特図B保留回数コマンドの上位バイトが設定される。
一方、S643の処理により確認した結果、大当たりとなる値であると判別された場合、即ち、高確率当たり値テーブル202a又は低確率時当たり値テーブル202bに格納される値の中に、特図B保留球格納エリア203bにおける特図B保留回数カウンタ203eの値に対応する保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に一致する値があった場合には(S643:Yes)、その第1当たり乱数カウンタC1と同じ保留エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり種別が「15R通常大当たり」であるかを確認する(S644)。
S644の処理により確認した結果、大当たり種別が「15R通常大当たり」であれば(S644:Yes)、「79H」を特図B保留回数コマンドの上位バイトとして設定して(S645)、S646の処理へ移行する。これにより、第7〜第5ビットが「011」の固定値で構成され、第4ビットの特図判定フラグが、特図B保留回数コマンドであることを示す「1」に設定されると共に、第3ビットの先読み予告許可フラグが「1」(先読み予告演出可)に設定され、下位2ビット(第1〜第0ビット)の先読み予告後遊技状態が「01」(15R通常大当たり)に設定された特図B保留回数コマンドの上位バイトが設定される。
一方で、S644の処理により確認した結果、大当たり種別が「15R通常大当たり」でなければ(S644:No)、大当たり種別が「15R確変大当たり」であるかを確認する(S650)。
S650の処理により確認した結果、大当たり種別が「15R確変大当たり」であれば(S650:Yes)、「7BH」を特図B保留回数コマンドの上位バイトとして設定して(S651)、S646の処理へ移行する。これにより、第7〜第5ビットが「011」の固定値で構成され、第4ビットの特図判定フラグが、特図B保留回数コマンドであることを示す「1」に設定されると共に、第3ビットの先読み予告許可フラグが「1」(先読み予告演出可)に設定され、下位2ビット(第1〜第0ビット)の先読み予告後遊技状態が「11」(15R確変大当たり)に設定された特図B保留回数コマンドの上位バイトが設定される。
また、S650の処理により確認した結果、大当たり種別が「15R通常大当たり」でなければ(S650:No)、大当たり種別は「2R確変大当たり」であるので、この場合には、「7AH」を特図B保留回数コマンドの上位バイトとして設定して(S652)、S646の処理へ移行する。これにより、第7〜第5ビットが「011」の固定値で構成され、第4ビットの特図判定フラグが、特図B保留回数コマンドであることを示す「1」に設定されると共に、第3ビットの先読み予告許可フラグが「1」(先読み予告演出可)に設定され、下位2ビット(第1〜第0ビット)の先読み予告後遊技状態が「10」(2R確変大当たり)に設定された特図B保留回数コマンドの上位バイトが設定される。
一方で、S641の処理により確認した結果、確変中でなく(S641:No)、かつ、S647の処理により確認した結果、時短中でない場合には(S647:No)、S646の処理へ移行し、「70H」を特図B保留回数コマンドの上位バイトとして設定する。
S646では、特図B保留回数カウンタ203eの値(即ち、第1入球口B640への入賞の保留回数)を特図B保留回数コマンドの下位バイトの第2ビットから第0ビットに設定すると共に、特図B保留回数コマンドの第7ビットから第3ビットにすべて0を設定して、特図B保留回数コマンドの下位バイトを設定する(S646)。
S646の処理後、特図B保留回数コマンド設定処理(S610)を終了する。この特図B保留回数コマンド設定処理(S610)により設定された特図B保留回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに格納され、メイン処理(図9参照)のS201の処理で、この特図B保留回数コマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
本実施形態のパチンコ機10によれば、上述した特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)及び特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)によって、入賞した第1入球口(第1入球口A64、第1入球口B640)に応じた保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド、特図B保留回数コマンド)が設定されるので、第1入球口A64への入賞の保留回数及び第1入球口B640への入賞の保留回数を、音声ランプ制御装置113に通知することができる。
これらの保留回数コマンドは、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)のS623又は特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)のS642,S648において行われる先読み抽選の結果に基づいて設定される先読み予告許可フラグ(上位バイトの第3ビット)が含まれている。
音声ランプ装置113は、主制御装置110から保留回数コマンドを受信した場合に、かかる先読み予告許可フラグが、当否抽選の結果が「大当たり」である可能性が高いことを示す「1」であれば、所定の確率で、先読み予告演出を第3図柄表示装置81にて実行(表示)する。第3図柄表示装置81に表示された先読み予告を遊技者に視認させることによって、遊技者に大当たりの発生に対する高い期待感を持たせることができ、それによって、高い遊技性を遊技者に付与することができる。
ここで、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)によれば、第1入球口A64への入賞に対し、処理の時期における遊技状態が確変中でも時短中でもない通常状態(通常中)である場合には、S623の処理(先読み抽選)を行うが、確変中又は時短中である場合には、かかる先読み抽選を行わない。
一方、特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)によれば、第1入球口B640への入賞に対し、処理の時期における遊技状態が確変中又は時短中である場合には、S642又はS648の処理(先読み抽選)を行うが、確変中でも時短中でもない通常状態(通常中)である場合には、かかる先読み抽選を行わない。
換言すれば、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞があった場合に、特図A保留回数コマンド設定処理又は特図B保留回数コマンド設定処理を実行する時期が、確変中又は時短中であれば、第1入球口B640への入賞のみを選定して先読み抽選を行い、その一方で、通常状態(通常中)であれば、第1入球口A64への入賞のみを選定して先読み抽選を行う。
このように、先読み抽選を行う時期の遊技状態に応じて、入賞に対して先読み抽選を行う第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)を選定するので、入賞したにもかかわらず、先読み抽選が実行されないこともあり、その結果として、第1入球口A64又は第1入球口B640への全ての入賞を対象として先読み抽選を行う場合に比べて、先読み抽選の実行回数を低減することができる。
よって、先読み抽選の実行回数が低減した分だけ、特図A保留回数コマンド設定処理又は特図B保留回数コマンド設定処理に要する処理時間も、第1入球口A64又は第1入球口B640への全ての入賞を対象として先読み抽選を行う場合に比べて低減し、結果として、1回のタイマ割込処理(図13参照)に要する処理時間も低減することができる。
上述した通り、先読み抽選(S623,S642,S648)では、先読み抽選の対象とする第1当たり乱数カウンタC1の値に対し、高確率時当たり値テーブル202a又は低確率時当たり値テーブル202bに格納されている各値の全てにおいて比較する(総当たりで比較する)ことによって行われる。そのため、比較対象とする値が多いほど、先読み抽選に要する処理時間が長くなり、20の値が格納されている高確率時当たり値テーブル202aを用いる確変中における先読み抽選は比較的長い処理時間を要する。
本実施形態のパチンコ機10の主制御装置110は、タイマ割込処理(図13参照)が2ms間隔で行われるので、先読み抽選に費やされる時間が長くなり過ぎ、1回のタイマ割込処理(図13参照)に要する処理時間が実行間隔である2msを超えてしまうと、次のタイマ割込処理が実行できず、正常な遊技進行ができない状況が生じる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、遊技の主要な処理が4ms間隔で実行されるメイン処理(図9参照)にて行われている。ここで、タイマ割込処理(図13参照)に要する時間が長すぎると、実行間隔である4ms以内で処理しなければならない遊技の主要な処理を完遂することができない状況が生じ得る。遊技の主要な処理を完遂することができなくなった場合もまた、正常な遊技進行が不可能となる。
しかしながら、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技状態に応じて先読み抽選の対象とする入球口を選定するので、1回のタイマ割込処理(図13参照)に要する処理時間が低減され、遊技を正常に進行させるために許容される処理時間(即ち、タイマ割込処理の実行間隔を超えない処理時間であると共に、4ms間隔で実行されるメイン処理などの他の処理に影響しない処理時間)を超えることを防止することができる。
特に、本実施形態のパチンコ機10は、確変中又は時短中において、第1入球口B640に付随する電動役物が頻繁に開放されるよう構成されている。よって、確変中又は時短中では、通常中に比べ、球が第1入球口B640を通過する(始動入賞する)機会が増える。
よって、第1入球口B640への入賞が生じ易い遊技状態において、かかる第1入球口B640が先読み抽選の対象となる入球口として設定されることにより、入賞機会の増える第1入球口B640への入賞に対する先読み抽選が必ず実行され、その結果に応じた先読み予告演出を第3図柄表示装置81に表示することが可能となる。
また、かかる第1入球口B640は、第1入球口A64に比べて、遊技者にとって有利な入球口であるので、入賞機会が増え、遊技者が利益を得やすい状況において、第1入球口B640への入賞に対する先読み抽選が必ず実行される。よって、遊技者が利益を得やすい状況において、大当たりの可能性が高いことを示す先読み予告演出を第3図柄表示装置81に表示させることができ、かかる先読み予告演出を視認する遊技者に、より高い期待感を持たせることができる。
図17は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上述したNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出発射制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図18から図25を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図18を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図18は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を示したフローチャートであり、この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1115の電源断処理(図19参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002)。図19を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図19のS1112参照)、S1115の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1115の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1106の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1003:Yes)、S1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1003:No)、S1007へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1003:Yes)、S1004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1003:No)、S1007へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1115の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005:No)、RAM223の異常を報知して(S1011)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良い。
S1007の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1007)。電源断フラグはS1115の電源断処理の実行前にオンされる(図19のS1114参照)。つまり、電源断フラグは、S1115の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1007の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1007:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1008)、RAM223の初期値を設定した後(S1009)、割込み許可を設定して(S1010)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1007の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004からS1006の処理を経由してS1007の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1007:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1008をスキップして、処理をS1009へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1009)、割込み許可を設定して(S1010)、メイン処理へ移行する。
なお、S1008のクリア処理をスキップするのは、S1004からS1006の処理を経由してS1007の処理へ至った場合には、S1004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図19を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図19は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1101)、1m秒以上経過していなければ(S1101:No)、S1102〜S1109の処理を行わずにS1110の処理へ移行する。S1101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1102〜S1109が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1110の装飾図柄演出設定処理における各カウンタの更新処理(図23参照)やS1111のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止できる。
S1101の処理で1m秒以上経過していれば(S1101:Yes)、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1107の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1102)、その後電源投入報知処理を実行する(S1103)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1104の処理へ移行する。
S1104の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1105)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特図A保留回数カウンタ223aの値に応じて保留ランプ85Aを点灯させると共に、特図B保留回数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ85Bを点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1106)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1106の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理が実行され(S1107)、その後音編集・出力処理が実行される(S1108)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1108の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1109)、S1110の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1107のランプ編集処理が実行される。なお、S1108の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1110の処理(装飾図柄演出設定処理)では、第3図柄表示装置81における変動演出(変動表示)や先読み予告演出の演出態様を設定し、表示制御装置114に対し、設定した態様を指示するコマンドを送信する処理である。この装飾図柄演出設定処理の詳細については、図23を参照して後述する。そして、変動表示処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1111)。このコマンド判定処理の詳細については、図20を参照して後述する。
S1111の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1112)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1112の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1112:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1114)、電源断処理を実行する(S1115)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1116)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1112の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1112:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1113)、RAM223が破壊されていなければ(S1113:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1113:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図20を参照して、上述したコマンド判定処理(S1111)について説明する。図20は、上述したメイン処理(図19参照)の中で実行されるコマンド判定処理(S1111)を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理(S1111)では、まず、先読み予告演出の開始の決定判断に用いる先読み予告判定カウンタ223eを更新する(S1201)。具体的には、先読み予告判定カウンタ223eの値を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、127)に達した際、それぞれ0にクリアする。
次いで、RAM223に設けられたコマンド記憶領域(図示せず)から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110から受信したコマンドが特図A変動パターンコマンドであるかを確認する(S1202)。
S1202の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが特図A変動パターンコマンドであれば(S1202:Yes)、特図判別フラグ223fをオフし(S1209)、RAM223に設けられた変動開始フラグ(図示せず)をオンする(S1210)。S1210の処理後、受信した特図A変動パターンコマンドから変動時間を抽出して(S1211)、コマンド判定処理(S1111)を終了し、メイン処理に戻る。
一方で、S1202の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが特図A変動パターンコマンドでなければ(S1202:No)、主制御装置110から受信したコマンドが特図B変動パターンコマンドであるかを確認する(S1203)。
S1203の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが特図B変動パターンコマンドであれば(S1203:Yes)、特図判別フラグ223fをオンし(S1212)、S1210及びS1211の処理を実行した後、コマンド判定処理(S1111)を終了し、メイン処理に戻る。なお、特図B変動パターンコマンドを受信した場合には、S1211において、受信した特図B変動パターンコマンドから変動時間を抽出する。
ここで、S1211の処理によって抽出された変動時間は、RAM223内の所定の領域に記憶され、後述する装飾図柄変動表示処理(図25参照)において変動演出の態様を設定する場合に用いられる。
一方、S1203の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが特図B変動パターンコマンドでなければ(S1203:No)、主制御装置110から受信したコマンドが種別コマンドであるかを確認する(S1204)。
S1204の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが種別コマンドであれば(S1204:Yes)、受信した種別コマンドから停止図柄の表示態様(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)を抽出して(S1213)、コマンド判定処理(S1111)を終了し、メイン処理に戻る。
なお、S1213の処理により抽出された停止図柄の表示態様は、RAM223内の所定の領域に記憶され、後述する停止図柄設定処理(図24参照)において停止図柄の設定に用いられる。
一方、S1204の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが種別コマンドでなければ(S1204:No)、主制御装置110から受信したコマンドが停止コマンドであるかを確認する(S1205)。
S1205の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが停止コマンドであれば(S1205:Yes)、受信した停止コマンドを表示制御装置114へ出力し(S1214)、コマンド判定処理(S1111)を終了し、メイン処理に戻る。
また、S1205の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが停止コマンドでなければ(S1205:No)、主制御装置110から受信したコマンドが特図A保留回数コマンドであるかを確認する(S1206)。
S1206の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが特図A保留回数コマンドであれば(S1206:Yes)、受信した特図A保留回数コマンドに基づいて、図21を参照して後述する特図A先読み予告設定処理を実行して(S1215)、コマンド判定処理(S1111)を終了し、メイン処理に戻る。
一方、S1206の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが特図A保留回数コマンドでなければ(S1206:No)、主制御装置110から受信したコマンドが特図B保留回数コマンドであるかを確認する(S1207)。
S1207の処理により確認した結果、主制御装置110から受信したコマンドが特図B保留回数コマンドであれば(S1207:Yes)、受信した特図B保留回数コマンドに基づいて、図22を参照して後述する特図B先読み予告設定処理を実行して(S1216)、コマンド判定処理(S1111)を終了し、メイン処理に戻る。
また、S1207の処理により確認した結果、主制御装置110から特図B保留回数コマンドを受信していない場合には(S1207:No)、その他のコマンドを受信したか確認し、受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1208)、コマンド判定処理(S2112)を終了し、メイン処理(図19参照)に戻る。
S2204の処理において、受信したその他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM233に記憶する。あるいは、受信したその他のコマンドが、表示制御装置114で用いるコマンドであれば、そのコマンドを表示制御装置114へ出力する。
次に、図21を参照して、上述した特図A先読み予告設定処理(S1215)について説明する。図21は、コマンド判定処理(図20参照)の中で実行される特図A先読み予告設定処理(S1215)を示すフローチャートである。
特図A先読み予告設定処理(S1215)では、まず、特図A保留回数コマンドの下位バイトの値を、特図A保留回数カウンタ223aに格納する(S1301)。ここで、特図A保留回数コマンドの下位バイトの値は、主制御装置110の特図A保留回数カウンタ203dの値(即ち、第1入球口A64の入賞に基づく変動表示の保留回数)である。
よって、音声ランプ制御装置113は、受信した特図A保留回数コマンドにより、特図A保留回数カウンタ223aの値を、主制御装置110の特図A保留回数カウンタ203dの値に設定することができ、その結果、音声ランプ制御装置113は、第1入球口A64の入賞に基づく変動表示の保留回数を知ることができる。
S1301の処理後、特図A保留回数カウンタ223aの値が1以下であるかを確認し(S1302)、1以下であれば(S1302:Yes)、音声ランプ制御装置113が今回受信した特図A保留回数コマンドに対応する第1入球口A64への入賞より前に保留されていた変動表示(第1入球口A64への入賞に基づく変動表示)が存在しないので、この場合には、特図A先読み予告設定処理(S1215)を終了する。
一方、S1302の処理により確認した結果、特図A保留回数カウンタ223aの値が1より大きい値(即ち、2、3、又は4)であれば(S1302:No)、音声ランプ制御装置113が今回受信した特図A保留回数コマンドに対応する第1入球口A64への入賞より前に保留されていた変動表示(第1入球口A64への入賞に基づく変動表示)を用いた先読み予告演出が可能であるので、この場合には、S1303の処理へ移行する。
S1303では、特図A先読み予告フラグ223cの第1保留球に対応するビットが1であるか否か、即ち、先読み予告演出が既に実行中であるか否かを確認する(S1303)。
S1303の処理により確認した結果、特図A先読み予告フラグ223cの第1保留球に対応するビットが1であれば(S1303:Yes)、先読み予告演出が実行中であるので、特図A先読み予告設定処理(S1215)を終了する。これにより、先読み予告演出の実行が既に設定されていた場合には、受信した特図A保留回数コマンドに含まれる先読み予告許可フラグの値が「1」であっても、先読み予告演出の実行が新たに設定されることを防ぐことができるので、先読み予告演出が重複して設定され、先読み予告が延々と続くことを防ぐことができる。
一方、S1303の処理により確認した結果、特図A先読み予告フラグ223cの第1保留球に対応するビットが0であった場合には(S1303:No)、特図A保留回数コマンドの上位バイトの第3ビット(即ち、先読み予告許可フラグ)が1であるか否かを確認する(S1304)。
S1304の処理により確認した結果、特図A保留回数コマンドの上位バイトの第3ビットが1であった場合には(S1304:Yes)、主制御装置110が先読み予告演出を許可するとの判断を行っているので、先読み予告判定テーブル222aと先読み予告判定カウンタ223eとを比較する(S1305)。より具体的には、先読み予告判定テーブル222aから、特図A保留回数カウンタ223aの値(即ち、第1入球口A64の入賞に基づく変動表示の保留回数)に対応付けられた先読み予告決定範囲を特定し、その先読み予告決定範囲と先読み予告判定カウンタ223cとを比較する。
次いで、S1305による比較に基づいて、先読み予告演出を開始するか否かを確認する(S1306)。このとき、先読み予告判定カウンタ223eの値が、特図A保留回数カウンタ223aの値に応じた先読み予告決定範囲に含まれていれば、先読み予告演出を開始すると判定され、含まれていなければ、先読み予告演出を開始しないと判定される。
S1306の処理により確認した結果、先読み予告演出を開始する場合には(S1306:Yes)、特図A保留回数カウンタ223aの値(第1入球口A64の入賞に基づく変動表示の保留回数)に基づいて、特図A先読み予告フラグ223cの内、今回の保留球より前に保留された保留球に対応するビットを全て「1」に設定し(S1307)、特図A先読み予告設定処理(S1215)を終了する。
S1307の処理の結果、音声ランプ制御装置113が今回受信した特図A保留回数コマンドに対応する第1入球口A64への入賞より前に保留されていた、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示の全てにおいて、先読み予告演出(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」からなる停止図柄が表示された後に、泡を発生させる演出)が実行される。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、上述した通り、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示が、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示より優先的に実行される。特図A先読み予告設定処理(S1215)によれば、S1307において、特図A先読み予告フラグ223cが、先読み予告演出が実行されるよう一度設定されると、第1入球口A64への入賞に対する先読み予告演出は、特図A先読み予告フラグ223cの第1保留球に対応するビットが0になるまで実行される。
よって、第1入球口A64への入賞に対する先読み予告演出が終了する前に、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示が割り込んだとしても、その第1入球口B640への入賞に基づく変動表示が終了すると、再び、第1入球口A64への入賞に対する先読み予告演出を再開することができる。そのため、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示が終了に続いて、第1入球口A64への入賞に基づく大当たりの発生を遊技者に期待させることができ、抑揚のある遊技を提供することができる。
次に、図22を参照して、上述した特図B先読み予告設定処理(S1216)について説明する。図22は、コマンド判定処理(図20参照)の中で実行される特図B先読み予告設定処理(S1216)を示すフローチャートである。
特図B先読み予告設定処理(S1216)では、まず、特図B保留回数コマンドの下位バイトの値を、特図B保留回数カウンタ223bに格納する(S1321)。ここで、特図B保留回数コマンドの下位バイトの値は、主制御装置110の特図B保留回数カウンタ203eの値(即ち、第1入球口B640の入賞に基づく変動表示の保留回数)である。
よって、音声ランプ制御装置113は、受信した特図B保留回数コマンドにより、特図B保留回数カウンタ223bの値を、主制御装置110の特図B保留回数カウンタ203eの値に設定することができ、その結果、音声ランプ制御装置113は、第1入球口B640の入賞に基づく変動表示の保留回数を知ることができる。
S1321の処理後、特図B保留回数カウンタ223bの値が1以下であるかを確認し(S1322)、1以下であれば(S1322:Yes)、音声ランプ制御装置113が今回受信した特図B保留回数コマンドに対応する第1入球口B640への入賞より前に保留されていた変動表示(第1入球口B640への入賞に基づく変動表示)が存在しないので、この場合には、特図B先読み予告設定処理(S1216)を終了する。
一方、S1322の処理により確認した結果、特図B保留回数カウンタ223bの値が1より大きい値(即ち、2、3、又は4)であれば(S1332:No)、音声ランプ制御装置113が今回受信した特図B保留回数コマンドに対応する第1入球口B640への入賞より前に保留されていた変動表示(第1入球口B640への入賞に基づく変動表示)を用いた先読み予告演出が可能であるので、この場合には、S1323の処理へ移行する。
S1323では、特図B先読み予告フラグ223dの第1保留球に対応するビットが1であるか否か、即ち、先読み予告演出が既に実行中であるか否かを確認する(S1323)。
S1323の処理により確認した結果、特図B先読み予告フラグ223dの第1保留球に対応するビットが1であれば(S1323:Yes)、先読み予告演出が実行中であるので、特図B先読み予告設定処理(S1216)を終了する。これにより、先読み予告演出の実行が既に設定されていた場合であっても、先読み予告演出が重複して設定されず、先読み予告が延々と続くことを防ぐことができる。
一方、S1323の処理により確認した結果、特図B先読み予告フラグ223dの第1保留球に対応するビットが0であった場合には(S1323:No)、特図B保留回数コマンドの上位バイトの第3ビット(即ち、先読み予告許可フラグ)が1であるか否かを確認する(S1324)。
S1324の処理により確認した結果、特図B保留回数コマンドの上位バイトの第3ビットが1であった場合には(S1324:Yes)、先読み予告判定テーブル222aと先読み予告判定カウンタ223eとを比較する(S1325)。より具体的には、先読み予告判定テーブル222aから、特図B保留回数カウンタ223bの値(即ち、第1入球口B640の入賞に基づく変動表示の保留回数)に対応付けられた先読み予告決定範囲を特定し、その先読み予告決定範囲と先読み予告判定カウンタ223cとを比較する。
次いで、S1325による比較に基づいて、先読み予告演出を開始するか否かを確認する(S1326)。このとき、先読み予告判定カウンタ223eの値が、特図B保留回数カウンタ223bの値に応じた先読み予告決定範囲に含まれていれば、先読み予告演出を開始すると判定され、含まれていなければ、先読み予告演出を開始しないと判定される。
S1326の処理により確認した結果、先読み予告演出を開始する場合には(S1326:Yes)、特図B保留回数カウンタ223bの値(第1入球口B640の入賞に基づく変動表示の保留回数)に基づいて、特図B先読み予告フラグ223dの内、今回の保留球より前に保留された保留球に対応するビットを全て「1」に設定し(S1327)、特図B先読み予告設定処理(S1216)を終了する。
S1327の処理の結果、音声ランプ制御装置113が今回受信した特図B保留回数コマンドに対応する第1入球口B640への入賞より前に保留されていた、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の全てにおいて、先読み予告演出(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」からなる停止図柄が表示された後に、泡を発生させる演出)が実行される。
本実施形態のパチンコ機10によれば、上述した特図B先読み予告設定処理(図22参照)及び特図A先読み予告設定処理(図21参照)によって、特図A先読み予告フラグ223c又は特図B先読み予告フラグ223dに先読み演出予告を行う設定がされた保留球が存在する場合は、その保留球に対して先読み予告演出が第3図柄表示装置81にて表示され、そのような保留球が存在しない場合には、先読み予告演出は表示されない。
このように、音声ランプ制御装置113は、特図A又は特図B保留回数コマンドを受信し、受信した保留回数コマンドの上位バイトの第3ビット(先読み予告許可フラグ)が1の場合に、所定の先読み予告決定確率(即ち、先読み予告判定カウンタ223eが先読み予告決定範囲内となる確率)で、先読み予告の開始が決定される。よって、先読み予告演出が行われた場合に、遊技者に対して、大当たりへの移行に対する期待感を持たせることができる。
ここで、先読み予告決定確率は、保留回数カウンタ223a,223bの値(即ち、保留回数)に応じて変化するので、遊技者に対し、保留回数に応じて異なる期待感を持たせることができ、抑揚があって飽きさせない遊技を遊技者に提供することができる。
次に、図23を参照して、上述した装飾図柄演出設定処理(S1110)について説明する。図23は、上述したメイン処理(図19参照)の中で実行される装飾図柄演出設定処理(S1110)を示すフローチャートである。
上述した通り、この装飾図柄演出設定処理(S1110)は、主制御装置110から受信したコマンドに基づき、第3図柄表示装置81で行う変動表示の態様(変動態様)と停止図柄の態様を設定し、表示制御装置114に対して、設定した変動態様を指示するコマンド、及び、設定した停止図柄の態様を指示するコマンドを出力する処理である。
装飾図柄演出設定処理(S1110)では、まず、RAM223に設けられた変動態様を設定するカウンタの更新処理を実行し(S1401)、RAM223に設けられた変動開始フラグ(図示せず)がオンか否かを確認する(S1402)。ここで、変動開始フラグがオンではない(即ち、オフである)場合には(S1402:No)、主制御装置110より変動パターンコマンド(特図A変動パターンコマンド又は特図B変動パターンコマンド)を受信していない状態であるので、この変動表示処理を終了して、メイン処理に戻る。
一方、S1402の処理により確認した結果、変動開始フラグがオンである場合には(S1402:Yes)、変動開始フラグをオフし(S1403)、コマンド判定処理(図23参照)におけるS1211の処理において変動パターンコマンドより抽出された変動時間を、RAM223より取得する(S1404)。
S1404の処理後、処理中の変動パターンコマンド(特図A変動パターンコマンド又は特図B変動パターンコマンド)に応じた先読み予告フラグ(特図A先読み予告フラグ223c又は特図B先読み予告フラグ223d)の第1保留球に対応するビットが1であるか否かを確認する(S1405)。なお、処理中の変動パターンコマンドが、特図A変動パターンコマンドであるか、特図B変動パターンコマンドであるかは、特図判別フラグ223fの状態に基づいて判別することができる。
S1405の処理により確認した結果、処理中の変動パターンコマンドに応じた先読み予告フラグの第1保留球に対応するビットが0であれば(S1405:No)、先読み予告演出を実行しないので、S1404において取得した変動時間に基づいて変動態様を設定する(S1406)。
具体的には、まず、取得した変動時間が、外れ変動に相当する時間(例えば、10秒)であるか、ノーマルリーチ変動に相当する時間(例えば、15秒)であるか、スーパーリーチ変動に相当する時間(例えば、30秒)であるかを判別する。
そして、RAM223に設けられた変動態様を設定するカウンタの値に基づいて、変動時間から判別された変動表示の種別(即ち、外れ変動、ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動)に対して準備されている複数の変動態様(先読み予告演出用でない変動態様)の中から、1の変動態様(演出態様)を設定する。
なお、特図A変動パターンコマンドの受信に基づいて設定される変動態様は、変動表示時に図柄が横スクロールする変動態様であり、特図B変動パターンコマンドの受信に基づいて設定される変動態様は、変動表示時に図柄が縦スクロールする変動態様である。
一方、S1405の処理により確認した結果、処理中の変動パターンコマンドに応じた先読み予告フラグの第1保留球に対応するビットが1であれば(S1405:Yes)、先読み予告演出を実行するので、先読み予告演出用の変動態様を設定する(S1411)。
具体的には、上述したS1406と同様に、まず、RAM223に設けられた変動態様を設定するカウンタの値に基づいて、取得した変動時間が示す変動表示の種別に対して準備されている複数の先読み予告演出用の変動態様の中から、1の変動態様(演出態様)を設定する。なお、本実施形態における「先読み予告演出用の変動態様」は、先読み予告演出を行わない場合の変動内容に、停止図柄の表示後に泡を発生させる演出が付加された態様である。
S1406又はS1411の処理後、特図判別フラグ223fがオンであるかを確認し(S1407)、特図判別フラグ223fがオフであれば(S1407:No)、処理中の変動パターンコマンドは、第1入球口A64への入賞に基づく特図A変動パターンコマンドであるので、S1406又はS1411の処理によって設定された変動態様を指示する表示用特図A変動パターンコマンドを表示制御装置114へ出力する(S1408)。
一方、S1407の処理により確認した結果、特図判別フラグ223fがオンであれば(S1408:Yes)、処理中の変動パターンコマンドは、第1入球口B640への入賞に基づく特図B変動パターンコマンドであるので、S1406又はS1411の処理によって設定された変動態様を指示する表示用特図B変動パターンコマンドを表示制御装置114へ出力する(S1412)。
S1408又はS1412の処理の結果、表示用制御装置114は、音声ランプ制御装置113から受信した表示用変動パターンコマンド(表示用特図A変動パターンコマンド又は表示用特図B変動パターンコマンド)に従う態様の変動表示を第3図柄表示装置81にて開始する。
このとき、表示用制御装置114が受信した表示用変動パターンコマンドが、先読み予告演出用の変動態様を指示するものであれば、表示制御装置114による制御によって、先読み予告演出(本実施形態では、先読み予告演出を行わない場合の変動内容に、停止図柄の表示後に泡を発生させる演出が付加されている変動表示)が第3図柄表示装置81に表示される。
S1408又はS1412の処理後、第3図柄表示装置81にて行われる変動表示の終了時に表示される停止図柄を設定し、設定した停止図柄を指示する表示用停止図柄コマンドを表示制御装置114へ出力する停止図柄設定処理を実行する(S1409)。なお、この停止図柄設定処理(S1409)において実行される詳細な処理は、図24を参照して後述する。
停止図柄設定処理(S1409)の実行後、保留球の消費(保留球に対応する変動表示の設定の完了)に合わせて、先読み予告フラグ223c,223dの内容を更新する先読み予告フラグ更新処理を実行し(S1410)、装飾図柄演出設定処理(S1110)を終了し、メイン処理(図19参照)に戻る。
次に、図24を参照して、上述した停止図柄設定処理(S1409)について説明する。図24は、装飾図柄演出設定処理(図23参照)の中で実行される停止図柄設定処理(S1409)を示すフローチャートである。
停止図柄設定処理(S1409)では、まず、RAM223に設けられた停止図柄を設定するカウンタ(大当たり時の停止図柄を設定するカウンタ、外れ時の停止図柄を選択するカウンタ)の更新処理を実行する(S1501)。
S1501の処理後、コマンド判定処理(図23参照)におけるS1213の処理において種別コマンドより抽出された停止図柄の表示態様を、RAM223より取得する(S1502)。次いで、特図判別フラグ223fがオンであるかを確認する(S1503)。
S1503の処理により確認した結果、特図判別フラグ223fがオフであれば(S1503:No)、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示の停止図柄の設定を行うための処理中であるので、特図A先読み予告フラグ223cの第1保留球に対応するビットが1であるか否かを確認する(S1504)。
ここで、特図A先読み予告フラグ223cの第1保留球に対応するビットが1であれば(S1504:Yes)、先読み予告演出を実行するので、チャンス目(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」)を停止図柄として設定する(S1505)。
一方、S1504の処理により確認した結果、特図A先読み予告フラグ223cの第1保留球に対応するビットが0であれば(S1504:No)、先読み予告演出を実行しないので、S1502において取得した停止図柄の態様に応じた停止図柄を設定する(S1509)。
具体的には、取得した停止図柄の態様が、大当たり時の態様(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり)であれば、かかる大当たり時の態様と、RAM223に設けられた大当たり時の停止図柄を設定するカウンタの値とに基づいて停止図柄設定する。また、取得した停止図柄の態様が、外れ時の態様(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)であれば、かかる外れ時の態様と、RAM223に設けられた外れ時の停止図柄を設定するカウンタの値とに基づいて停止図柄設定する。
また、S1503の処理により確認した結果、特図判別フラグ223fがオンであれば(S1503:Yes)、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の停止図柄の設定を行うための処理中であるので、特図B先読み予告フラグ223dの第1保留球に対応するビットが1であるか否かを確認する(S1507)。
S1507の処理により確認した結果、特図B先読み予告フラグ223dの第1保留球に対応するビットが1であれば(S1507:Yes)、先読み予告演出を実行するので、チャンス目(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」)を停止図柄として設定する(S1508)。
一方、S1507の処理により確認した結果、特図B先読み予告フラグ223dの第1保留球に対応するビットが0であれば(S1507:No)、先読み予告演出を実行しないので、S1509へ移行し、S1502において取得した停止図柄の態様に応じた停止図柄を設定する。
S1505,S1508、又はS1509の処理後、設定された停止図柄を指示する表示用停止図柄コマンドを表示制御装置114へ出力し(S1506)、停止図柄設定処理(S1409)を終了する。
S1506の処理の結果、表示用制御装置114は、音声ランプ制御装置113から受信した表示用停止図柄コマンドに従う停止図柄を第3図柄表示装置81に停止表示し、表示用変動パターンコマンド(表示用特図A変動パターンコマンド又は表示用特図B変動パターンコマンド)の受信によって開始された変動表示を終了する。
このとき、表示用制御装置114が受信した表示用停止図柄コマンドが、先読み予告演出における停止図柄の態様を指示するものであれば、表示制御装置114による制御によって、第3図柄表示装置81にて行われる変動表示の終了時に、チャンス目(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」)が停止表示される。
次に、図25を参照して、上述した先読み予告フラグ更新処理(S1410)について説明する。図25は、装飾図柄演出設定処理(図23参照)の中で実行される先読み予告フラグ更新処理(S1410)を示すフローチャートである。
先読み予告フラグ更新処理(S1410)では、まず、特図判別フラグ223fがオンであるかを確認する(S1601)。このとき、特図判別フラグ223fがオフであれば(S1601:No)、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示に対する設定を行うための処理中であるので、特図A先読み予告フラグ223cの内容を右1ビットだけシフトさせる共に、空いたビット(第7ビット)に0を書き込む(S1602)。次いで、特図A保留回数カウンタ223aの値を1減算して(S1118)、先読み予告フラグ更新処理(S1410)を終了する。
一方、S1601の処理により確認した結果、特図判別フラグ223fがオフであれば(S1601:No)、第1入球口B640への入賞に基づく変動表示に対する設定を行うための処理中であるので、特図B先読み予告フラグ223dの内容を右1ビットだけシフトさせる共に、空いたビット(第7ビット)に0を書き込み(S1604)、特図B保留回数カウンタ223bの値を1減算して(S1605)、先読み予告フラグ更新処理(S1410)を終了する。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113が、主制御装置110から受信した、変動パターンコマンド(特図A変動パターンコマンド又は特図B変動パターンコマンド)によって示される変動時間、種別コマンドによって示される停止図柄の態様、保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド又は特図B保留回数コマンド)によって示される先読み予告許可フラグに基づいて、第3図柄表示装置81で表示される変動態様の詳細や、停止図柄、先読み予告演出の有無を設定する。
一般的に、パチンコ機では大当たりの抽選を主制御装置110によって行うが、その抽選処理の遅延や誤動作を防止するために、主制御装置に係る処理負荷を小さく抑えることが要求される。本実施形態のパチンコ機10は、変動表示や先読み予告演出を第3図柄表示装置81に表示する仕様であるが、主制御装置110は、変動表示や先読み予告演出に関する大まかな設定と、その設定を音声ランプ制御装置113へ通知するためのコマンド送信とを行うだけであるので、主制御装置110に係る処理負荷の増大を抑制することができる。また、主制御装置110において決定される各演出のパターンを少なくすることができるので、ROM202の記憶容量を少なくでき、主制御装置110のコスト低減を図ることができる。
さらに、音声ランプ制御装置113のMPU221として処理能力の高いMPUを搭載することにより、主制御装置110からの各種コマンドを受けて、様々な変動態様を設定することができる。また、先読み予告演出の実行にかかる処理に高い負荷が必要な場合であっても、容易に先読み予告演出を行うことができる。これにより、主制御装置110の処理負荷を抑えても、第3図柄表示装置81に対して、種々の演出を実行させることができ、遊技者を飽きさせない演出の工夫を行うことができる。
次に、図26から図28を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。表示制御装置114のMPU231により実行される処理には、大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、コマンドを受信した場合に実行される外部割込処理とがある。
図26は、表示制御装置114内のMPU231により実行される外部割込処理を示したフローチャートであり、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信した場合に実行される。
外部割込処理が実行されると、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドが演出許可コマンドであるかを確認し(S2001)、受信したコマンドが演出許可コマンドであれば(S2001:Yes)、ワークRAM233の演出許可フラグ(図示せず)をオンして(S2005)、外部割込処理を終了する。
S2001の処理により確認した結果、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドが演出許可コマンドでなければ(S2001:No)、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドが表示用特図A変動パターンコマンドであるかを確認する(S2002)。
ここで、受信したコマンドが表示用特図A変動パターンコマンドであれば(2002::Yes)、ワークRAM233の変動開始フラグ(図示せず)をオンし(S2007)、受信した表示用特図A変動パターンコマンドから変動態様を抽出し(S2008)、外部割込処理を終了する。
一方、S2002の処理により確認した結果、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドが表示用特図A変動パターンコマンドでなければ(S2002:No)、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドが表示用特図B変動パターンコマンドであるかを確認する(S2003)。
S2003の処理により確認した結果、受信したコマンドが表示用特図B変動パターンコマンドであれば(2003::Yes)、ワークRAM233の変動開始フラグ(図示せず)をオンし(S2007)、受信した表示用特図B変動パターンコマンドから変動態様を抽出してワークRAM233の所定領域に格納し(S2008)、外部割込処理を終了する。
また、S2003の処理により確認した結果、受信したコマンドが表示用特図B変動パターンコマンドでなければ(2003::No)、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドが表示用停止図柄コマンドであるかを確認する(S2004)。
S2004の処理により確認した結果、受信したコマンドが表示用停止図柄コマンドであれば(2004::Yes)、受信した表示用停止図柄コマンドから停止図柄を抽出してワークRAM233の所定領域に格納し(S2009)、外部割込処理を終了する。
一方、S2004の処理により確認した結果、受信したコマンドが表示用停止図柄コマンドでなければ(2004::No)、その他の受信したコマンドに対応した処理を実行して(S2005)、外部割込処理を終了する。例えば、受信したコマンドが停止コマンドであれば、第3図柄表示装置81で行われている変動表示を停止する処理が実行される。
次に、図27を参照して、表示制御装置114により実行されるメイン処理について説明する。図27は、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時に起動される。
まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2101)。具体的には、MPU231を初期設定し、ワークRAM233、ビデオRAM234の記憶をクリアする処理などが行われる。
初期設定処理(S2101)の実行後、キャラクタROM235のキャラクタ情報メモリ(図示せず)に記憶されている圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し(S2102)、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM234のキャラクタ情報記憶領域(図示せず)に記憶する(S2103)。
さらに、初期画面を表示するために、ビデオRAM234に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、S1303の処理で解凍したキャラクタ情報を記憶したビデオRAM234内の領域(キャラクタ情報記憶領域)とは異なるビデオRAM234内の領域(表示用記憶領域)に、抽出したキャラクタ情報を書き込む(S2104)。
S2104の処理後、ワークRAM233に設けられている演出許可フラグ(図示せず)がオンされているかを確認する(S2105)。S2105の処理により確認した結果、演出許可フラグがオフであれば(S2105:No)、主制御装置110から演出許可コマンドを未だ受信していないので、かかる場合には、演出許可コマンドが受信されるまで、即ち、演出許可フラグがオンされるまで、S2106以降の処理を待機する。
S2105の処理により確認した結果、演出許可フラグがオンされていれば(S2105:Yes)、S2104の処理で抽出したキャラクタ情報を第3図柄表示装置81に表示させる。そして、S2106以降の処理に移行する。
S2106の処理では、第3図柄表示装置81で実行されている表示が大当たり中であるか否かを判別し(S2106)、大当たり中でなければ(S2106:No)、第3図柄表示装置81に変動演出を表示させる変動演出処理を実行して(S2107)、S2108の処理へ移行する。なお、この変動演出処理(S2107)の詳細な処理については、図28を参照して後述する。
一方、S2106により確認した結果、大当たり中であれば(S2106:Yes)、大当たり演出処理が実行される(S2109)。大当たり演出処理では、ラウンド数を更新したり、ラウンド毎に異なる背景の画像などの更新(ビデオRAM234からのキャラクタ情報の新たな抽出と抽出されたキャラクタ情報のビデオRAM234への書き込み)を行う。大当たり演出処理(S2109)の終了後は、その処理をS2108の処理に移行する。
S2108では、第3図柄表示装置81における演出を行う処理(S2106,S2107,S2109)を20ミリ秒(20ms)毎に実行するために、S2106の処理が開始されてから20ms以上が経過したか否かを確認する(S2108)。
S2108の処理により確認した結果、未だ20msが経過していなければ(S2108:No)、20ms以上が経過するまで処理を待機し、その一方で、20ms以上が経過していれば(S2108:Yes)、その処理をS2106の処理へ移行する。そして、S2106からS2109の処理は、電源がオフ(あるいは遮断)されるまで、繰り返し実行される。
次に、図28を参照して、上述した変動演出処理(S2107)について説明する。図28は、上述したメイン処理(図25参照)の中で実行される変動演出処理(S2107))を示すフローチャートである。
変動表示処理(S2107)では、まず、第3図柄表示装置81で実行されている表示が変動中であるかを確認し(S2201)、変動中でなければ(S2201:No)、ワークRAM233に設けられている変動開始フラグ(図示せず)がオンであるかを確認する(S2202)。
S2202の処理により確認した結果、変動開始フラグがオンであれば(S2202:Yes)、変動開始フラグをオフし(S2203)、ワークRAM233に設けられた変動時間を計時するための変動時間カウンタ(図示せず)を0にリセットして(S2204)、S2205の処理へ移行する。
一方、S2201の処理により確認した結果、変動中であれば(S2201:Yes)、変動時間カウンタ(図示せず)を更新して(S2208)、S2205の処理へ移行する。なお、変動時間カウンタの更新は、変動時間カウンタの値を読み出し、その値に1加算して、加算した値を変動時間カウンタに書き戻すことによって行われる。
S2205では、主制御装置110からの停止コマンドの受信の有無を確認して、変動演出時間内であるか否かを判別する(S2205)。このとき、停止コマンドの受信がなく、変動演出時間内であると判別された場合には(S2205:Yes)、外部割込処理(図25参照)のS2008において表示用変動パターンコマンド(表示用特図A変動パターンコマンド又は表示用特図B変動パターンコマンド)から抽出された変動態様に対応する変動演出データから、変動時間カウンタに示される変動経過時間(変動演出が開始されてからの経過時間)に応じた変動演出データをビデオRAM234より読み出し、ビデオRAM234の変動演出用領域(図示せず)に記憶する(S2206)。
S2206の処理後、変動演出用領域に記憶された変動演出データに対応する画像を第3図柄表示装置81のLCDに表示して(S2207)、変動演出処理(S2107)を終了する。
一方、S2205の処理の結果、停止コマンドの受信があり、変動開始からの経過時間が変動演出時間を超えたと判別された場合(S2205:No)、外部割込処理(図25参照)のS2009において抽出された停止図柄を第3図柄表示装置81に停止表示(図柄停止)して(S2210)、変動演出処理を終了する。
また、S2202の処理により確認した結果、変動開始フラグがオフであれば(S2202:No)には、その他の表示処理、例えば、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に表示される客待ち演出などの表示を実行して(S2209)、変動演出処理(S2107)を終了する。
この変動演出処理(S2107)によれば、音声ランプ制御装置113から受信した表示用変動パターンコマンド(表示用特図A変動パターンコマンド又は表示用特図B変動パターンコマンド)から抽出された変動態様の変動表示が第3図柄表示装置81に表示される。
上述した通り、音声ランプ制御装置113が先読み予告の実行を決定した場合には、先読み予告演出用の変動態様を指示する表示用変動パターンコマンドが出力される。表示制御装置114は、先読み予告演出用の変動態様を指示する表示用変動パターンコマンド(表示用特図A変動パターンコマンド又は表示用特図B変動パターンコマンド)を受信した場合、先読み予告演出(本実施形態では、先読み予告演出を行わない場合の変動内容に、停止図柄の表示後に泡を発生させる演出が付加されている変動表示)が第3図柄表示装置81に表示される。
また、音声ランプ制御装置113が先読み予告の実行を決定した場合には、先読み予告演出における停止図柄の態様を指示する表示用停止図柄コマンドが出力される。表示制御装置114は、先読み予告演出における停止図柄の態様を指示する表示用停止図柄コマンドを受信した場合には、第3図柄表示装置81にて行われる変動表示の終了時に、チャンス目(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」)が停止表示される。
このように、音声ランプ制御装置113が先読み予告の実行を決定したことに基づいて、第3図柄表示装置81では、対象となる変動表示において先読み予告演出(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」からなる停止図柄が表示された後に、泡を発生させる演出)が実行される。
ここで、音声ランプ制御装置113は、主制御手段110から受信した保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド又は特図B保留回数コマンド)に含まれている先読み予告演出許可フラグの値が、先読み予告演出を許可する値(本実施形態では、1)であった場合に、その保留回数コマンドに対応する第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞より前に保留されていた、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に基づく変動表示の全てにおいて、先読み予告演出が行われる。
よって、本実施形態のパチンコ機10によれば、大当たりが発生する可能性の高い入賞があった場合に、かかる入賞に対する停止図柄が第3図柄表示装置81に表示される前に、先読み予告演出(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」からなる停止図柄が表示された後に、泡を発生させる演出)を実行することにより、そのような先読み予告演出を視認した遊技者に、大当たりの発生に対する期待感を抱かせることができる。
この先読み予告演出は、先読み予告演出を行わない変動表示の内容に付加される特定の表示(本実施形態では、停止図柄の表示後に発生する泡)と、その変動表示の終了時に表示される特定の停止図柄(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」となるチャンス目)とから構成される演出である。
ここで、第3図柄表示装置81に表示される内容、特に、始動入賞を契機として実行される変動表示とその変動表示の終了時に表示される停止図柄は、当否抽選の結果の提示に関連するものであるので、一般的に、遊技者が遊技中に主に視線を向ける先の1つである。よって、先読み抽選の結果を報知する場合に、変動表示の内容に付加される特定の表示や特定の停止図柄を用いた先読み予告演出を行うことにより、大当たりが発生する可能性が高いことを遊技者に伝達しやすい。
以上、説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞(始動条件の成立)があった場合に、その入賞によって実行される変動表示の開始タイミングにおける当否抽選に先立って先読み抽選を行い、その先読み抽選の結果、当否抽選において大当たりの結果が得られる可能性が高いと判定された場合に、先読み抽選の対象となった第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞より前に保留されていた変動表示(より具体的には、先読み抽選の対象になった入賞があった入球口と同じ種類の入球口への入賞に基づく保留されていた変動表示)の実行期間において、先読み予告演出(本実施形態では、「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」に並ぶ停止図柄が表示された後に、泡を発生させる演出)が実行され、それによって、先読み抽選の結果を報知する。
よって、遊技者は、先読み予告演出を認識した場合に、大当たり発生の可能性が高いことを認識することができる。特に、報知の対象にされた入賞から、その入賞に基づく変動表示が実行されるまでの間に、保留(待機)中であった変動表示をまたいで、該報知が行われるので、遊技者は、保留されていた変動表示の実行中に、近い将来に大当たりが発生するかもしれないと期待を持ちながら遊技を進めることができる。
しかし、先読み抽選の対象とする入球口を複数(第1入球口A64,第1入球口B640)設けたことにより、これらの入球口にほぼ同時に球が通過した場合、1回のタイマ割込処理の中で、2回の先読み抽選を行う可能性が生じる。その結果、先読み抽選に費やされる時間が長くなり過ぎ、定期的に実行されるメイン処理(図9参照)やタイマ割込処理(図13参照)を正常に実行するのに許容される時間を超え、正常な遊技進行が不可能となるという虞があった。
これに対し、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技状態に応じて先読み抽選の対象とする入球口を選定する。よって、第1入球口A64又は第1入球口B640への全ての入賞を対象として先読み抽選を行う場合に比べて、先読み抽選の実行回数を低減することができるので、1回のタイマ割込処理(図13参照)に要する処理時間の増大を抑制することができ、定期的に実行されるメイン処理(図9参照)やタイマ割込処理(図13参照)を正常に実行するのに許容される時間を超えることを防止することができる。
以上、一実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態における特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)によれば、処理時における遊技状態が、確変中であるか、時短中である場合に先読み抽選を行う構成としたが、通常中においても、先読み抽選を行う構成としてもよい。
換言すれば、上記実施形態によれば、ほぼ同時のタイミングで第1入球口A64と第1入球口B640との両方に球が通過した場合に、先読み抽選を行う時期(特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)及び特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)の実行時期)が通常中(通常状態)である場合には、第1入球口A64への入賞に対してのみ先読み判定を行い、第1入球口B640への入賞に対する先読み判定を行わない。これに対し、先読み抽選を行う時期(特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)及び特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)の実行時期)が通常中である場合には、第1入球口A64への入賞に対してだけでなく、第1入球口B640への入賞に対する先読み判定も行うよう構成してもよい。
図29を参照して、より具体的に説明する。図29は、変形例としての特図B保留回数コマンド設定処理を示すフローチャートである。なお、図29に示すフローチャートにおいて、上述した特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図29に示すように、処理時における遊技状態が、確変中又は時短中である場合だけでなく、通常中である場合においても、先読み抽選を行う場合には、S641の処理により確認した結果、確変中である場合には(S641:Yes)、S642の処理へ移行し、一方で、確変中でない、即ち、時短中又は通常中である場合には(S641:No)、S648へ移行する。
一般的に、通常状態は、先読み抽選の対象となる第1当たり乱数カウンタC1の値と比較される値(低確率時当たり値テーブル202bに格納されている値)の数が比較的少なく設定されているので、先読み抽選に費やされる処理時間も比較的短く、他の処理の実行に及ぼす影響は小さい。よって、通常状態では、第1入球口A64への入賞と第1入球口B640への入賞との両方、即ち、先読み抽選の対象となる全ての入球口への入賞に対し先読み抽選が行われるので、かかる先読み抽選の頻度を高くすることができる。その結果、報知が行われる確率が高まり、報知による遊技の演出性及び遊技者が抱く期待感をより高めることができる。
また、上記実施形態における特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)によれば、処理時における遊技状態が通常中である場合にのみ先読み抽選を行い、確変中又は時短中である場合には先読み抽選を行わない構成としたが、通常中だけでなく時短中である場合にも先読み抽選を行う構成としてもよい。
一般的に、時短中は、先読み抽選の対象となる第1当たり乱数カウンタC1の値と比較される値(低確率時当たり値テーブル202bに格納されている値)の数が比較的少なく設定されているので、先読み抽選に費やされる処理時間も比較的短く、他の処理の実行に及ぼす影響は小さい。よって、第1入球口A64への入賞に対し、先読み抽選時期における遊技状態が通常中である場合でだけでなく、時短中を含めることにより、かかる先読み抽選の頻度を高くすることができる。その結果、報知が行われる確率が高まり、報知による遊技の演出性及び遊技者が抱く期待感をより高めることができる。
また、上記実施形態における特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)によれば、処理時における遊技状態が確変中である場合は、先読み抽選を必ず行う構成としたが、処理時における遊技状態が確変中であっても、先読み抽選を行わない場合を設ける構成としてもよい。例えば、確変中であっても先読み抽選を行わない期間を定期的に設けたり、変動表示が実行される回数あたりに発生した大当たりの割合が所定の値を超えた場合に、確変中であっても先読み抽選を行わないようにするようにしてもよい。
あるいは、処理時における遊技状態が確変中である場合は、高確率時当たり値テーブル202aに格納されている値を間引くことにより、第1当たり乱数カウンタC1に対する比較対象とする値の数を減らすよう構成してもよい。
一般的に、確変中は、先読み抽選の対象となる第1当たり乱数カウンタC1の値と比較される値(高確率時当たり値テーブル202aに格納されている値)の数が比較的多く設定されており、先読み抽選に費やされる時間も比較的長くなるので、第1当たり乱数カウンタC1に対して、高確率時当たり値テーブル202aに格納されている値との比較を行う機会を減らしたり、比較する値の数を減らしたりすることにより、遊技を進行させるための処理に許容される時間を超えることを抑制することができる。
また、上記実施形態では、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)又は特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)において、先読み抽選を行うか否かを判定する遊技状態が、確変中、時短中、又は通常中のいずれであるかを確認する構成としたが、これらの状態(確変中、時短中、通常中)以外の遊技状態が設定されている場合には、その遊技状態を選択肢の1つとして加える構成としてもよい。例えば、高確率時当たり値テーブル202aに格納されている値より少なく、低確率時当たり値テーブル202bに格納されている値より多い数の値が格納されている第3の当たり値テーブルがある場合に、その第3の当たり値テーブルを用いる遊技状態があれば、その遊技状態を選択肢の1つとして加えることができる。
また、上記実施形態では、第1入球口A64に球が通過した(入賞した)場合に、その入賞に合わせて取得された各カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3)の値を格納する特図A保留球格納エリア203aと、第1入球口B640に入賞した場合に、その入賞に合わせて取得された各カウンタC1〜C3の値を格納する特図B保留球格納エリア203bとを別々に設ける構成とした。
これに換えて、第1入球口A64又は第1入球口B640へ入賞した場合に、入賞順に各カウンタC1〜C3の値を格納する1の保留球格納エリアを設ける構成としてもよい。例えば、8つの保留エリア(保留第1〜第8エリア)を有する1の保留球格納エリアを設け、第1入球口A64へ入賞したか、第1入球口B640へ入賞したかにかかわらず、合計8つのデータ(各カウンタの値)を格納する構成としてもよい。
かかる構成とした場合、本実施形態のように、特図A保留回数カウンタ203dと特図B保留回数カウンタ203eとを別々に設けず、1の保留回数カウンタとすればよい。また、例えば、各カウンタC1〜C3の値に加え、入賞した入球口を特定するフラグを1の保留エリアに格納すると、保留されているデータ(変動表示)が、第1入球口A64への入賞によるものか、第1入球口B640への入賞によるものかを区別させることができる。
なお、1の保留球格納エリアに入賞順にデータ(各カウンタの値)を格納するよう構成したとき、第1入球口B640への入賞に基づいて行われた先読み抽選の結果として報知(先読み予告演出)を行う場合に、先読み予告演出を行う変動表示(保留されていた変動表示)には、第1入球口A64への入賞に基づく変動表示も含まれ得る。
また、上記実施形態では、特図A保留球格納エリア203aと特図B保留球格納エリア203bとに共通する1の実行エリア203cを設ける構成としたが、特図A保留球格納エリア203aと特図B保留球格納エリア203bとに、それぞれ、実行エリアを設ける構成としてもよい。
また、上記実施形態では、第1入球口A64への入賞が最大4回まで保留され、第1入球口B640への入賞が最大4回まで保留されるように構成したが、それぞれの最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口A64に対する最大保留回数と、第1入球口B640に対する最大保留回数とが異なっていても良い。
また、上記実施形態では、始動条件の成立(始動入賞)にかかわる入球口である第1入球口として、第1入球口A64と、第1入球口B640とを設ける構成としたが、第1入球口A64でも第1入球口B640でもない、別の種類(例えば、構造が異なる、賞球数が異なる、抽選結果の種類や数が異なる)の第1入球口を設けてもよい。なお、第1入球口A64でも第1入球口B640でもない、別の種類である第1入球口は、1種類でも複数種類であってもよい。
第1入球口A64や第1入球口B640とは異なる種類の第1入球口が設けられている構成とされた場合にも、上記実施形態と同様に、先読み抽選を行う第1入球口を遊技状態に応じて選定することにより、定期的に実行されるメイン処理(図9参照)やタイマ割込処理(図13参照)を正常に実行するのに許容される時間を超えることを防止することができる。
また、上記実施形態では、始動条件の成立(始動入賞)にかかわる入球口である第1入球口として、1の第1入球口A64と、1の第1入球口B640とを設ける構成としたが、第1入球口A64の数は、複数であってもよい。同様に、第1入球口B640の数も、複数であってもよい。また、第1入球口A64の数と、第1入球口B640の数は、異なっていてもよい。
また、上記実施形態では、種類の異なる第1入球口(第1入球口A64、第1入球口B640)を設ける構成としたが、第1入球口A64又は第1入球口B640のいずれか一方の第1入球口が複数設けられている構成としてもよい。例えば、第1入球口A64のような電動役物を有さないタイプの第1入球口が複数設けられている構成であってもよい。
なお、第1入球口A64や第1入球口B640が複数ある場合には、同じ種類の第1入球口(例えば、第1入球口A64)の中で、一部の第1入球口への入賞に対しては、先読み抽選を行わないよう構成してもよい。また、同じ種類の第1入球口の中で、先読み抽選を行う条件とする遊技状態を異ならせてもよい。
また、上記実施形態では、第1入球口A64と第1入球口B640とを比較的広く離間し、第1入球口B640に付随する電動役物(図示せず)が閉鎖された状態であっても球が入球可能であるように構成した(図2参照)。
これに換えて、第1入球口A64と第1入球口B640との配置間隔を図1に示した場合より狭くし、第1入球口B640に付随する電動役物の開放時には球が入球可能であるが、閉鎖時には球が入球できないように第1入球口A64と第1入球口B640とを配置するような構成であってもよい。あるいは、第1入球口A64と第1入球口B640との間に釘や障害物等を設け、第1入球口B640に付随する電動役物の閉鎖時には球が入球できない構成としてもよい。
また、上記実施形態では、各カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3など)を、いずれも、第1入球口A64への入賞時及び第1入球口B640への入賞時に使用する1のカウンタとしたが、これらのカウンタの全て又は一部を、第1入球口A64への入賞時に使用するカウンタと、第1入球口B640への入賞時に使用するカウンタとの2つにする構成であってもよい。
かかる場合、第1入球口A64用と第1入球口B640用とに別々設けたカウンタの全範囲(即ち、取り得る値の数)は、同じに構成しても異なるように構成してもよい。例えば、第1当たり乱数カウンタC1を第1入球口A64用と第1入球口B640用とで2つ設けた場合には、第1入球口A64用の第1当たり乱数カウンタC1の全範囲(即ち、取り得る値の数)と、第1入球口B640用の第1当たり乱数カウンタC1の全範囲とをそれぞれ同じに構成しても、互いに異なるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞があった場合に、その入賞タイミングに合わせて取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止パターン選択カウンタC3の値を、特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留球格納エリア203bに格納する構成とした。
これに換えて、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に伴って特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留球格納エリア203bに格納するカウンタの値を、上記実施形態において例示した3種類のカウンタの値(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止パターン選択カウンタC3の値)のうち、いずれか1つとしてもよい。
あるいは、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に伴って特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留球格納エリア203bに格納するカウンタの値を、上記実施形態において例示した3種類のカウンタの値のうち、いずれか2種類のカウンタの値(例えば、第1当たり乱数カウンタC1と第1当たり種別カウンタC2の値、又は、第1当たり乱数カウンタC1と停止パターン選択カウンタC3の値、など)としてもよい。
あるいは、上記実施形態において例示した3種類のカウンタの値に加え、他の1又は複数種類のカウンタの値を、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に伴って特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留球格納エリア203bに格納する構成としてもよい。また、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞した場合に、上記実施形態において例示した3種類のカウンタではなく、他の1又は複数種類のカウンタから値を取得し、そのカウンタ値を特図A保留球格納エリア203a又は特図B保留球格納エリア203bに格納する構成であってもよい。
また、上記実施形態では、第1入球口A64への入賞があった場合には、各カウンタ値を特図A保留球格納エリア203aに格納し、第1入球口B640への入賞があった場合には、各カウンタ値を特図A保留球格納エリア203aに格納する構成とした。
これに換えて、第1入球口A64への入賞であっても、第1入球口B640への入賞であっても、その入賞タイミングに合わせて取得した各カウンタ値を、共通の保留球格納エリアへ格納する構成としてもよい。なお、かかる構成とする場合には、入賞タイミングに合わせて取得した各カウンタ値と共に、入賞のあった第1入球口を示す情報を、共通の保留球格納エリアへ格納することにより、保留球格納エリアに格納された各カウンタ値が、第1入球口A64への入賞に基づくものであるか、第1入球口B640への入賞に基づくものであるかを区別することができる。
また、上記実施形態では、第1入球口A64へ入賞した場合であっても、第1入球口B640へ入賞した場合であっても、高確率状態であれば、高確率時当たり値テーブル202aを用い、低確率状態であれば、低確率時当たり値テーブル202bを用いる構成としたが、第1入球口A64へ入賞した場合に用いられる高確率時当たり値テーブルと、第1入球口B640へ入賞した場合に用いられる高確率時当たり値テーブルとを別々に設けるように構成してもよい。同様に、第1入球口A64へ入賞した場合に用いられる低確率時当たり値テーブルと、第1入球口B640へ入賞した場合に用いられる低確率時当たり値テーブルとを別々に設けるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、第1入球口A64への入賞に基づいて第3図柄表示装置81に表示される変動表示を横スクロールの変動表示とし、第1入球口B640への入賞に基づいて第3図柄表示装置81に表示される変動表示を縦スクロールの変動表示とすることによっていずれの第1入球口へ入賞したかを区別可能とした。
これに換えて、第1入球口A64への入賞であっても、第1入球口B640への入賞であっても、スクロール方向を同じ方向(例えば、縦スクロール)とし、入賞した第1入球口に応じた特徴的な表示を第3図柄表示装置81に表示するような構成としてもよい。
ここで、かかる構成の一例として、図30を参照して説明する。図30は、第3図柄表示装置81に表示される変動表示の変形例を示す模式図である。なお、図30において、上記実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図30に示すように、この変形例では、変動表示や停止表示として表示される主図柄や副図柄などの図柄に加え、画面下方の左右両隅にそれぞれシンボル51aとシンボル51bとが第3図柄表示装置81に表示されるように構成されている。なお、シンボル51aにおける斜線のハッチングはこのシンボル51aが点滅表示していることを表し、シンボル51bにおける黒色のハッチングはこのシンボル51aが停止表示していることを表している。
図30に示すように、第3図柄表示装置81にに変動表示又は停止表示がされている最中に、2つのシンボル51a,51bのいずれを点滅表示とするかによって入賞した第1入球口(第1入球口A64又は第1入球口B640)を視覚的に区別させることができる。例えば、第1入球口A64へ入賞した場合には、シンボル51aを点滅表示させてシンボル51bを停止表示させ、一方で、第1入球口B640へ入賞した場合には、シンボル51aを停止表示させてシンボル51bを点滅表示させることによって、第1入球口A64へ入賞したか第1入球口B640へ入賞したかを遊技者に区別させることができる。
なお、入賞した第1入球口に応じた特徴的な表示としては、図30に例示したシンボル51a,51bの形状(即ち、丸形)に限定されず、他の形状や文字などであってもよい。また、入賞した第1入球口を区別可能にする特徴的な表示の表示態様としては、図30に例示したシンボル51a,51bを点滅表示させる態様に限らず、一方を点灯して一方を消灯する態様や、一方のシンボルの輝度を他方のシンボルの輝度より高くするなど、互いが区別可能となる表示態様であれば適用できる。
また、上記実施形態では、第1入球口A64への入賞に基づいて第3図柄表示装置81に表示される変動表示は横スクロールの変動表示であり、第1入球口B640への入賞に基づいて第3図柄表示装置81に表示される変動表示は縦スクロールの変動表示としたが、第1入球口A64への入賞であっても、第1入球口B640への入賞であっても、区別することなく、入賞時に取得された各カウンタの値に応じた変動表示を第3図柄表示装置81に表示させるよう構成してもよい。かかる場合には、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力される変動パターンコマンドを、特図A変動パターンコマンドと特図B変動パターンコマンドと区別せずに共通の変動パターンコマンドとすればよい。同様に、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へ出力される表示用変動パターンコマンドを、表示用特図A変動パターンコマンドと表示用特図B変動パターンコマンドと区別せずに共通の表示用変動パターンコマンドとすればよい。
また、第3図柄表示装置81に表示される変動表示は、図柄を縦又は横方向にスクロールさせるものに限定されず、L字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、変動表示としては、図柄をスクロールするものに限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、上記実施形態では、先読み予告演出を第3図柄表示装置81に現出させることにより、先読み抽選の結果を報知する構成としたが、報知態様としては、第3図柄表示装置に表示される演出に限定されるものではなく、第1図柄表示装置37A,37Bや、第2図柄表示装置82(83)を用いる報知であってもよい。あるいは、第4の図柄表示装置がある場合には、その第4の図柄表示装置を用いて報知を行うよう構成してもよい。
あるいは、スピーカ(音声出力装置226の一部)から出力される音又は音声によって報知を行うものであってもよいし、ランプ(ランプ表示装置227の一部)の点灯や点滅などによって報知を行うものであってもよい。ランプを用いて報知を行う場合には、点灯又は点滅する色を所定の色又は所定の組み合わせとすることによって報知するようにしてもよい。また、遊技盤13上設けられた電動役物の動作によって報知を行うよう構成してもよい。
また、上記実施形態では、ビデオRAM234に先読み予告演出用の変動態様の演出データが記憶されており、先読み予告演出を行う場合には、かかる専用の演出データを読み出して表示する構成としたが、先読み予告演出を行わない変動表示の演出データと、先読み予告演出時に付加する画像の画像データとを準備しておき、先読み予告演出を行う場合に、これらのデータをアルファブレンドによって合成し、先読み予告演出用の変動表示を得る構成としてもよい。
また、上記実施形態では、先読み予告演出を、先読み予告演出を行わない変動表示の内容に付加される特定の表示(停止図柄の表示後に発生する泡)と、その変動表示の終了時に表示される特定の停止図柄(「カメ(3)・サメ(4)・タコ(1)」となるチャンス目)とから構成される演出として構成したが、先読み予告演出を行わない変動表示の内容に付加される特定の表示、又は、変動表示の終了時に表示される特定の停止図柄の表示のいずれか一方を先読み予告演出としてもよい。
また、上記実施形態では、先読み予告演出としての、先読み予告演出を行わない変動表示の内容に付加される特定の表示として、「停止図柄の表示後に発生する泡」を例示したが、1の変動表示内において特定の表示を現出させるタイミングは限定されない。
また、上記実施形態では、特図A保留回数カウンタ223a又は特図B保留回数カウンタ223bの値が1以下である場合には、先読み抽選の対象となった入賞より前に保留されていた変動表示が存在しないので、先読み予告演出が実行されない構成としたが、特図A保留回数カウンタ223a又は特図B保留回数カウンタ223bの値が1である場合であっても、先読み予告演出を行う構成としてもよい。
なお、かかる場合には、先読み予告演出が、変動表示が終了する前(停止図柄が表示される前)に先読み抽選の結果を報知する演出となる。また、先読み予告判定テーブル222aの中に、特図A保留回数カウンタ223a又は特図保留回数カウンタ223bの値が「1」である場合の先読み予告決定範囲も含まれることになる。
また、上記実施形態における特図A先読み予告設定処理(図21参照)によれば、先読み予告演出を開始する場合には、特図A先読み予告フラグ223cの内、今回の保留球より前に保留された保留球に対応するビットを全て「1」に設定するので、報知(先読み予告演出)の対象となった入賞に対する変動表示では、報知を行わない。特図B先読み予告設定処理(図22参照)においても同様に、報知(先読み予告演出)の対象となった入賞に対する変動表示では、報知を行わない。かかる構成に換えて、特図A先読み予告設定処理(図21参照)又は特図B先読み予告設定処理(図22参照)において、先読み予告演出を開始する場合には、先読み予告フラグ223c,223dの内、今回の保留球以前(今回の保留球も含む)に保留された保留球に対応するビットを全て「1」に設定し、報知の対象となった入賞に対する変動表示においても報知(先読み予告演出)を行う構成としてもよい。なお、かかる場合には、先読み予告演出が、変動表示が終了する前に先読み抽選の結果を報知する演出となる。
また、上記実施形態における特図A先読み予告設定処理(図21参照)又は特図B先読み予告設定処理(図22参照)によれば、先読み予告演出を開始する場合には、先読み予告フラグ223c,223dの内、今回の保留球より前に保留された保留球に対応するビットを全て「1」に設定するので、報知の対象となった入賞より前に保留されていた変動表示が実行される毎に先読み予告演出が実行される。これに換えて、報知の対象となった入賞より前に保留されていた変動表示の全てに対して先読み予告演出を実行せず、一部の変動表示に対して先読み予告演出を実行する構成としてもよい。
この場合、例えば、特図A先読み予告設定処理(図21参照)又は特図B先読み予告設定処理(図22参照)において、先読み予告演出を開始する場合(即ち、S1306におけるYesの分岐処理が実行された場合)には、さらに、先読み予告フラグ223c,223dの内、今回の保留球より前に保留された保留球に対応するビットに対して抽選を行い、先読み予告を行う保留球を選定してもよい。
あるいは、特図A先読み予告設定処理(図21参照)又は特図B先読み予告設定処理(図22参照)において、先読み予告演出を開始する場合に、先読み予告フラグ223c,223dの内、今回の保留球より前に保留された保留球に対応するビットに対し、所定間隔(例えば、1つおきのビット)又はランダムに抽出されたビットに対して抽選を行い、先読み予告を行う保留球を選定してもよい。
あるいは、特図A先読み予告設定処理(図21参照)又は特図B先読み予告設定処理(図22参照)において、先読み予告演出を開始する場合には、先読み予告フラグ223c,223dの内、今回の保留球より前に保留された保留球に対応するビットを、所定間隔(例えば、1つおき)又はランダムに「1」に設定するようにしてもよい。
あるいは、特図A先読み予告設定処理(図21参照)又は特図B先読み予告設定処理(図22参照)において、先読み予告演出を開始する場合に、報知の対象となった入賞より前に保留されていた変動表示のうち、所定の停止図柄(例えば、完全外れ)となる変動表示に対し、先読み予告演出を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、先読み抽選の結果、大当たり(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R確変大当たり)が発生する可能性が高い場合に、先読み予告演出を許可する(即ち、保留回数コマンドにおける先読み予告許可フラグを1に設定する)構成したが、例えば、先読み抽選の結果、特定の大当たり(例えば、15R確変大当たり)が発生する可能性が高い場合にのみ、先読み予告演出を許可する構成してもよい。
また、上記実施形態では、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)又は特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)において、大当たり(15R通常大当たり、15R確変大当たり、2R確変大当たり)である場合にのみ、保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド又は特図B保留回数コマンド)に含まれる先読み予告許可フラグが、先読み予告演出の表示を許可する値(即ち、「1」)に設定されるように構成した。
これに換えて、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)又は特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)において、大当たりのときだけでなく、外れのときにも、保留回数コマンドに含まれる先読み予告許可フラグを「1」とし、外れの場合にも先読み予告演出が表示され得るよう構成してもよい。この場合、保留回数コマンドに含まれる先読み予告許可フラグを「1」とする外れ態様(外れ時の表示態様)としては、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、及び、完全外れの全てとしてもよいし、これら3種類の外れ態様のうち、一部の外れ態様(いずれか1種類の外れ態様、又は、いずれか2種類の外れ態様の組み合わせ)としてもよい。
このように、第1入球口A64又は第1入球口B640への入賞に基づく先読み抽選の結果が外れの場合(即ち、当否抽選の結果が外れの場合)であっても、先読み予告演出が表示され得るので、当否抽選の結果として外れが連続するような場合であっても、先読み予告演出が表示されたことによって遊技者に対して高い期待感を持たせることが可能となる。
なお、先読み抽選の結果が外れのときにも保留回数コマンドに含まれる先読み予告許可フラグを「1」に設定する構成とする場合には、音声ランプ制御装置113に、先読み予告判定テーブル222aとは別に、外れである場合(即ち、保留回数コマンドの上位バイトの下位2ビットが「00」である場合)に使用する先読み予告判定テーブル(外れ時先読み予告判定テーブル)を設ける構成してもよい。
このとき、外れ時先読み予告判定テーブルにおける各保留回数に対応する先読み予告決定範囲を、大当たり時に使用する先読み予告判定テーブル222aにおける同一の保留回数に対応する先読み予告決定範囲と同一又はそれより狭くなるようにすることにより、先読み予告演出終了後の遊技状態が「外れ」となる場合には、頻繁に先読み予告演出が行われないように抑制することができる。
また、上記実施形態では、先読み抽選の結果が大当たりであれば、大当たりの種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R確変大当たり)とは無関係に先読み予告判定テーブル222aに基づき、先読み予告の実行を決定する構成としたが、大当たりの種別に応じて異なる先読み予告判定テーブルを音声ランプ制御装置113に設け、大当たりの種別に応じた先読み予告判定テーブルを使用する構成としてもよい。
例えば、15R通常大当たりと確変大当たり(2R確変大当たり、15R確変大当たり)とで別々の先読み予告判定テーブルを設け、先読み予告演出終了後の遊技状態が15R通常大当たりであるか(即ち、保留回数コマンドの上位バイトの下位2ビットが「01」である場合)、確変大当たりであるかに(即ち、保留回数コマンドの上位バイトの下位2ビットが「10」又は「11」である場合)応じて、使用する先読み予告判定テーブルを変更する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド,特図B保留回数コマンド)の下位2ビットに、先読み予告後の遊技状態が設定される構成としたが、15R確変大当たり、2R確変大当たり、及び15R通常大当たりは、全て、大当たりであることを示す共通の値(例えば「11」)に設定する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、先読み抽選の結果が外れであれば、外れ態様(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)を区別することなく、保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド,特図B保留回数コマンド)の下位2ビットを「00」とする構成としたが、外れ態様に応じて異なる値を設定するよう構成してもよい。なお、先読み予告後の遊技状態を設定するビット数を、2ビット(本実施形態では、上位バイトの下位2ビット)ではなく、2ビット以上の構成(例えば、上位バイトの下位3ビットなど)としてもよい。
また、上記実施形態では、音声ランプ制御装置113が受信した保留回数コマンド(特図A保留回数コマンド,特図B保留回数コマンド)における先読み予告許可フラグが1であった場合に、音声ランプ制御装置113が、先読み予告判定テーブル222aと先読み予告判定カウンタ223eとに基づいて先読み予告演出の実行を決定する構成としたが、主制御装置110において先読み予告演出の実行まで決定し、コマンドによって先読み予告演出の実行を音声ランプ制御装置113へ指示する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、先読み予告判定テーブル222aは、保留回数(特図A保留回数カウンタ223a又は特図保留回数カウンタ223bの値)に応じて先読み予告確率が変化する構成としたが、保留回数に依らず先読み予告確率を同じにする構成としてもよい。
また、上記実施形態では、上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。
また、上記実施形態では、メイン処理(図9参照)において、遊技を進行するための主要な処理を4ms間隔で行い、初期値乱数カウンタCINI1,CINI2や変動種別カウンタCS1の更新を残余時間で行い、2ms毎に起動されるタイマ割込処理(図13参照)において、始動入賞処理などを行う構成とした。これに換えて、メイン処理(図9参照)で行われていた遊技を進行するための主要な処理(S201〜S206)を、図13のタイマ割込処理の中で実行する構成としてもよい。
かかる変形例について、図31及び図32を参照して具体的に説明する。図31は、変形例としてのメイン処理を示すフローチャートであり、図32は、図31のメイン処理が実行される場合におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。なお、なお、図31及び図32に示すフローチャートにおいて、上述したメイン処理(図9参照)又はタイマ割込処理(図13参照)と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図31に示すメイン処理は、図9のメイン処理に換えて、図8の立ち上げ処理の後に実行される処理である。図31に示すように、かかる変形例のメイン処理では、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行し(S209)、変動種別カウンタCS1の更新を実行した後(S210)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かの判別を行う(S207)。
このS207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、処理をS209へ移行し、S209,S210の処理を繰り返し実行する。
一方で、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する(S212)。次いで、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
図32に示すタイマ割込処理は、図13のタイマ割込処理に換えて実行される処理であり、図13のタイマ割込処理と同様に、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。
図32に示すように、かかる変形例のタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行し(S201)、変動種別カウンタCS1の値を更新し(S202)、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、上述した変動処理(図10参照)を実行する(S204)。変動処理(S204)の終了後は、大当たり処理を実行し(S205)、第2図柄制御処理を実行する(S206)。
S206の処理後、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行し(S501)、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。次いで、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。S503の処理後、上述した始動入賞処理(図14参照)を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。
なお、上述した変形例としてのメイン処理(図31参照)の中で実行されるS207,S211〜S214の処理を、図31のメイン処理では実行せず、上述した変形例としてのタイマ割込処理(図32参照)の中で実行するよう構成してもよい。
かかる構成を採用する場合に、図32のタイマ割込処理の中でS207,S211〜S214の処理が実行される位置は特に限定されるものではないが、例えば、図32のタイマ割込処理が起動すると、まず、S207の判別処理を実行し、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、S211〜S214の処理を実行し、その後、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続するように構成し、その一方で、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていない場合には(S207:No)、S201の処理から順に図32に示す処理を実行するよう構成することができる。
また、上述した変形例としてのタイマ割込処理(図32参照)の中で実行される各処理の実行順序は、図32に示す順序に限定されず、例えば、図32のタイマ割込処理が起動すると、まず、S501〜S505の処理を実行し、次いで、S201〜S206の処理を実行する構成としてもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技媒体が通過可能な位置に配置されて遊技媒体の通過を始動条件として検出する始動手段と、表示装置と、前記始動条件の1成立に対し、1の変動表示を前記表示装置にて表示させる変動表示制御手段と、1の変動表示の終了を示す停止表示が予め決められた停止表示である場合に、遊技状態を通常状態に比べて遊技者にとって有利な特別遊技状態とする特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機において、乱数カウンタと、前記始動手段に遊技媒体が通過したことに基づいて始動条件が成立する毎に、前記乱数カウンタの値を取得する乱数カウンタ値取得手段と、その乱数カウンタ値取得手段により取得された乱数カウンタの値を、予め設定されている値と比較して該乱数カウンタの値に対する判定を行う第1の判定手段と、その第1の判定手段による判定対象である乱数カウンタの値に対応する変動表示の開始を保留可能な変動保留手段と、前記変動保留手段により保留されている変動表示を開始する前に、該変動表示に対応する乱数カウンタの値に基づき、該変動表示の終了後における遊技状態を判定する第2の判定手段とを備え、前記変動表示制御手段は、前記第2の判定手段による判定後に、該第2の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対応し前記変動保留手段により保留されている変動表示を前記表示装置にて開始する変動開始手段と、その変動開始手段による前記変動表示の開始後に、前記第2の判定手段による判定に応じた停止表示を前記表示装置に表示して該変動表示を終了する停止表示手段とを含んで構成され、前記第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行う報知手段を備え、前記始動手段は、複数設けられており、前記第1の判定手段は、遊技媒体が通過した前記始動手段の中から、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段を選定する選定手段を含み、該選定手段により選定された始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対して前記判定を行うものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、始動手段に遊技媒体が通過したことに基づいて始動条件が成立すると、その成立毎に、乱数カウンタの値が乱数カウンタ値取得手段により取得され、取得された乱数カウンタの値に対する判定が第1の判定手段により行われる。この第1の判定手段では、取得された乱数カウンタの値と予め設定されている値とを比較することにより、該判定を行う。
この第1の判定手段による判定対象である乱数カウンタの値に対応する変動表示は、変動保留手段によって開始が保留される。そして、保留されている変動表示を開始する場合には、その開始前に、該変動表示に対応する乱数カウンタの値に基づき、該変動表示の終了後における遊技状態が、第2の判定手段によって判定される。
この第2の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対応する保留中の変動表示は、該第2の判定手段による判定後に変動開始手段によって開始される。このように開始された変動表示は、第2の判定手段による判定に応じた停止表示が停止表示手段によって表示されて終了する。
ここで、第1の判定手段により乱数カウンタの値に対して所定の判定が得られた場合には、報知手段により、報知が行われる。このとき、報知は、第1の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対して第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が停止表示手段によって表示装置に表示される前に行われる。
よって、1の始動条件が成立した場合に、その始動条件の成立に対して行われる変動表示が第2の判定手段により行った判定(即ち、変動表示後における遊技状態)に応じた停止表示で停止する前に、第1の判定手段により所定の判定が得られたか否かを遊技者に報せることができる。
ここで、例えば、第1の判定手段が、第2の判定手段によって変動表示後に特別遊技状態などの有利な遊技状態が発生する可能性が高いか否かを判定するものであれば、遊技者は、報知手段による報知を受けた場合に、第1の判定手段による判定対象となった始動条件の成立に基づいて実行される変動表示の後に有利な遊技状態が発生する可能性が高いものであることを認識することができ、有利な遊技状態の発生に対する期待感を遊技者に持たせることができる。
また、報知の対象にされた始動条件の成立の前に1又は複数の変動表示が保留されている場合には、報知の対象にされた始動条件の成立に基づく変動表示の実行に先立って消化される保留中の変動表示の実行期間を利用して、該始動条件の成立によって取得された特別遊技状態の発生に関わる乱数カウンタの値を判定(先読み)して報知することができるので、特別遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を煽る演出など、遊技の演出性を向上させることができる。
また、遊技機A1では、始動手段が複数設けられているので、始動手段が単数である場合に比べて遊技の進行が複雑化されるため、その分、飽き難い遊技を遊技者に提供することができる。
しかし、始動手段を複数設けたことにより、遊技性が向上する一方で、同時又はほぼ同時に複数の始動条件が成立する可能性が生じる。同時又はほぼ同時に成立した始動条件の数(成立数)が多いほど、始動条件の成立に伴って取得された乱数カウンタの値に対する判定(先読み)に費やされる処理時間が増大する。かかる処理時間の増大によって許容される処理時間内で他の処理が完了できなくなり、遊技の進行に不具合を生じる虞がある。
これに対し、遊技機A1によれば、第1の判定手段による判定を行う場合には、その判定に先立って、遊技媒体が通過した始動手段の中から、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段が選定手段(第1の判定手段の一部)により選定されるので、始動条件に成立に伴って取得した乱数カウンタの値に対する判定に費やされる処理時間の増大を抑制することができる。よって、許容される処理時間内で実行すべき全ての処理を完遂することができ、遊技の進行に不具合が発生することを防止することができる。
なお、遊技機A1に含まれる各構成としては、上述した実施形態にて例示した構成を一例として対応付けることができる。例えば、始動手段としては、第1入球口A64,第1入球口B640が対応し、表示装置としては、第3図柄表示装置81が対応する。
また、変動表示制御手段としては、変動処理(図10参照)と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応し、特別遊技状態発生手段としては、S205の処理が対応する。
また、乱数カウンタとしては、第1当たり乱数カウンタC1,第1あたり種別乱数カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3が対応し、乱数カウンタ値取得手段としては、S604,S609の処理が対応する。
また、第1の判定手段としては、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)におけるS621〜S623の処理、特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)におけるS641,S642,S647,S648の処理が対応する。また、変動保留手段としては、特図A保留球格納エリア203a,特図B保留球格納エリア203bが対応する。また、第2の判定手段としては、S401,S402,S409の処理が対応する。
また、変動開始手段としては、S407,S412の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応し、停止表示処理としては、S312の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応する。
また、報知手段としては、S605,S610の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応する。また、選定手段としては、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)におけるS621,S622の処理、特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)におけるS641,S647の処理が対応する。
遊技機A1において、前記報知手段は、前記第1の判定手段により、前記第2の判定手段により判定される停止表示後の遊技状態が特別遊技状態である可能性が高いと判定された場合に、前記報知を行うことを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、第2の判定手段により判定される停止表示後の遊技状態が特別遊技状態である可能性が高いと、第1の判定手段によって判定された場合に、報知手段による報知が行われる。よって、第1の判定手段による判定対象となった乱数カウンタの値を取得する契機となった始動条件の成立以前に保留されていた変動表示の実行期間を利用して、該始動条件の成立によって取得された乱数カウンタの値が特別遊技状態である可能性が高いことを報知することができるので、特別遊技状態の発生に対する期待感を遊技者に抱かせることができ、高い遊技性を遊技者に提供することができる。
遊技機A1又は2において、前記報知手段は、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により1又は複数の変動表示が保留されているときに、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行うものであり、前記報知手段は、前記報知を行う場合に、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により保留されていた変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、該報知を行うことを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、報知を行う場合には、該報知の対象にされた始動条件の成立(即ち、第1の判定手段によって所定の判定が得られた始動条件の成立)の前に変動保留手段によって保留されていた変動表示の実行期間中に、報知が行われる。よって、報知の対象にされた始動条件の成立から、その始動条件の成立に基づく変動表示が実行されるまでの間に、保留中であった変動表示をまたいで、該報知を行うことができる。
よって、第1の判定手段が、第2の判定手段によって変動表示後に特別遊技状態などの有利な遊技状態が発生する可能性が高いか否かを判定するものであれば、保留中であった変動表示をまたいで行う報知によって、有利な遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を煽る演出を行うことができる。
遊技機A3において、前記報知手段は、前記変動保留手段により保留されていた変動表示を前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示する際に、該変動保留手段により保留されていた変動表示の全て又は一部に付加される特定の表示によって前記報知を行うことを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、報知を行う場合には、変動保留手段により保留されていた変動表示のうち、全て又は一部の変動表示の内容に付加される特定の表示によって報知を行う。一般的に、表示装置に表示される変動表示は、遊技中に、遊技者が主に視線を向ける先の1つである。よって、かかる変動表示の内容に付加する表示を用いて報知を行うことにより、第1の判定による判定結果を遊技者に伝達し易い。
遊技機A3又はA4において、前記報知手段は、前記変動保留手段により保留されていた変動表示を前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示する際に、該変動保留手段により保留されていた変動表示の全て又は一部の変動表示に対する停止表示を特定の停止表示にすることによって前記報知を行うことを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、報知を行う場合には、変動保留手段により保留されていた変動表示のうち、全て又は一部の変動表示に対する停止表示を特定の停止表示にすることによって報知を行う。一般的に、表示装置に表示される変動表示は、遊技中に、遊技者が主に視線を向ける先の1つである。よって、かかる変動表示の終了を示す停止表示を用いて報知を行うことにより、第1の判定による判定結果を遊技者に伝達し易い。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記複数の始動手段は、1又は複数の第1の始動手段と、1又は複数の第2の始動手段とから構成され、前記第2の始動手段は、遊技媒体の通過経路の入口側に設けられ、通過度が変化するよう動作される可動手段を含んで構成されるものであり、前記可動手段は、遊技状態が第1の遊技状態にある場合に比べ、第2の遊技状態にある場合における通過度が易化される頻度が高頻度となるよう動作され、前記選定手段は、前記第1の判定手段による判定時期における遊技状態が第1の遊技状態である場合には、前記第1の始動手段を選定する第1選定手段と、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態が第2の遊技状態である場合には、前記第2の始動手段を選定する第2選定手段とを有していることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、始動手段は、第1の始動手段と、遊技媒体の通過経路の入口側に設けられた可動手段を有し遊技状態に応じて遊技媒体の通過度が変化する第2の始動手段とから構成される。よって、異なる種類の始動手段が設けられているので、遊技が多様化されて、飽き難い遊技を遊技者に提供することができる。
また、遊技機A6によれば、第1の判定手段による判定時期における遊技状態が第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態である場合には、始動手段の中から第2の始動手段が第2選定手段(選定手段の一部)によって選定される。その一方で、第1の判定手段による判定時期における遊技状態が第1の遊技状態である場合には、始動手段の中から第1の始動手段が第1選定手段(選定手段の一部)によって選定される。
ここで、第2の始動手段の可動手段は、第1の遊技状態に比べ、第2の遊技状態における通過度が易化される頻度が高頻度となるように動作されるので、第2の遊技状態にある場合には、遊技媒体が第2の始動手段を通過する機会がより多くなる。よって、そのような第2の遊技状態にある場合に、第1の判定手段による判定を行う始動手段として第2の始動手段を選定することにより、通過機会の増える始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立によって取得された乱数カウンタの値に対する判定(先読み)の結果を報知することができる。
なお、遊技機A6に含まれる各構成としては、上述した実施形態にて例示した構成を一例として対応付けることができる。例えば、第1の始動手段としては、第1入球口A64が対応し、第2の始動手段としては、第1入球口B640が対応する。また、可動手段としては、第1入球口B640に付随する電動役物が対応する。なお、上記実施形態において、「通常中(通常状態)」が第1の遊技状態に対応し、「確変中」や「時短中」が第2の遊技状態に対応する。
遊技機A6において、前記報知手段は、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に該始動条件を成立させた始動手段と同じ種類の始動手段への遊技媒体の通過に基づく1又は複数の変動表示が前記変動保留手段により保留されているときに、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行うものであり、前記報知手段は、前記報知を行う場合に、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により保留されていた該始動条件を成立させた始動手段と同じ種類の始動手段への遊技媒体の通過に基づく変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、該報知を行うことを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、報知を行う場合には、該報知の対象にされた始動条件の成立(即ち、第1の判定手段によって所定の判定が得られた始動条件の成立)の前に、変動保留手段によって保留されていた、該始動条件を成立させた始動手段と同じ種類の始動手段への遊技媒体の通過に基づく変動表示の実行期間中に、報知が行われる。よって、報知の対象にされた始動条件の成立から、その始動条件の成立に基づく変動表示が実行されるまでの間に、保留中であった変動表示をまたいで、該報知を行うことができる。
よって、第1の判定手段が、第2の判定手段によって変動表示後に特別遊技状態などの有利な遊技状態が発生する可能性が高いか否かを判定するものであれば、保留中であった変動表示をまたいで行う報知によって、有利な遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を煽る演出を行うことができる。
遊技機A6又はA7において、前記第1の遊技状態は、前記通常状態であり、前記第1選定手段は、前記第1の遊技状態において、前記第1の始動手段に加えて、前記第2の始動手段を選定することを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、第1の判定手段による判定時期の遊技状態が通常状態である場合には、第1の始動手段に加えて、第2の始動手段も第1選定手段(選定手段の一部)によって選定される。一般的に、通常状態は、第1の判定手段による判定を行うために乱数カウンタの値と比較される値の数が比較的少なく設定されているので、第1の判定手段による判定に費やされる処理時間が他の処理の実行に及ぼす影響は小さい。よって、かかる通常状態において、第1の始動手段と第2の始動手段との両方、即ち、全ての始動手段が第1の判定手段による判定を行う始動手段として選定されるので、第1の判定手段による判定の頻度を高くすることができる。その結果、報知が行われる確率が高まり、報知による遊技の演出性をより向上させることができる。
遊技機A6からA8のいずれかにおいて、前記第2の遊技状態は、前記特別遊技状態発生手段により生じた前記特別遊技状態の終了後から所定条件の成立によって前記通常状態に戻るまでの間に生じる所定の遊技状態であり、前記第2の遊技状態は、前記第1の判定手段による判定を行うために前記乱数カウンタの値と比較される前記予め設定されている値の数が前記通常状態に比べて多い第3の遊技状態と、前記第1の判定手段による判定を行うために前記乱数カウンタの値と比較される前記予め設定されている値の数が前記第3の遊技状態に比べて少ない第4の遊技状態とを含んで構成され、前記第2選定手段は、前記第4の遊技状態において、前記第2の始動手段に加えて、前記第1の始動手段を選定することを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、第2の遊技状態が、第1の判定手段による判定を行うために乱数カウンタの値との比較に用いられるべく予め設定されている値の数が通常状態に比べて多い第3の遊技状態と、第1の判定手段による判定を行うために乱数カウンタの値との比較に用いられるべく予め設定されている値の数が該第3の遊技状態に比べて少ない第4の遊技状態とを含んで構成されている場合に、第1の判定手段による判定時期の遊技状態が、第2の遊技状態であり、かつ、第4の遊技状態であれば、第2の始動手段に加えて、第1の始動手段も第2選定手段(選定手段の一部)によって選定される。
よって、第2の遊技状態であっても、第1の判定手段による判定に費やされる処理時間が比較的短く、他の処理の実行に及ぼす影響が小さい第4の状態において、第1の始動手段と第2の始動手段との両方、即ち、全ての始動手段が第1の判定手段による判定を行う始動手段として選定されるので、第1の判定手段による判定の頻度を高くすることができる。その結果、報知が行われる確率が高まり、報知による遊技の演出性をより向上させることができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記複数の始動手段は、1又は複数の第1の始動手段と、1又は複数の第2の始動手段とから構成され、前記選定手段は、前記第1の判定手段による判定時期における遊技状態が、該第1の判定手段による判定を行うために前記乱数カウンタの値と比較される前記予め設定されている値の数が第1の遊技状態より多い第2の遊技状態である場合には、遊技媒体が通過した始動手段の中から、前記第2の始動手段を選定することを特徴とする遊技機A10。
比較対象になる値が多いほど、第1の判定手段による判定に費やされる時間が長くなるが、遊技機A10によれば、比較対象になる値が多い遊技状態(第2の遊技状態)において、第2の始動手段のみが選択されるので、第1の判定手段による判定に費やされる処理時間の増大を有効に抑制することができる。
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により1又は複数の変動表示が保留されているときに、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行うものであり、前記報知手段は、前記報知を行う場合に、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により保留されていた1又は複数の変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、前記保留されていた変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示される毎に、少なくとも1の報知を行うことを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、報知を行う場合には、該報知の対象にされた始動条件の成立(即ち、第1の判定手段によって所定の判定が得られた始動条件の成立)の前に変動保留手段によって保留されていた1又は複数の変動表示の実行期間中に、保留されていた変動表示のうち、1の変動表示に対して1の報知が行われる。
よって、1の変動表示毎に1の報知が行われるので、第1の判定による判定結果を遊技者に伝達し易い。また、報知の対象にされた始動条件の成立の前に保留されていた変動表示の数が多いほど、報知の対象にされた始動条件の成立に基づく変動表示が停止するまでに行われる報知の回数が多くなるので、連続して行われる報知の回数が増えるに従い、第1の判定手段による判定結果に対するより大きな期待感を遊技者に抱かせることができる。
遊技機A1からA11のいずれかにおいて、前記変動保留手段により保留されている変動表示の回数を記憶する保留回数記憶手段を備え、前記報知手段は、前記保留回数記憶手段に記憶されている回数に応じた確率で前記報知を行うことを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、報知手段により報知が行われる確率が、保留回数記憶手段に記憶されている回数、即ち、変動保留手段により保留されている変動表示の回数に応じて決まるので、遊技者の期待感を、変動保留手段により保留されている変動表示の回数に応じて変化させることができる。よって、遊技に抑揚がつき、遊技者が遊技を単調に感じることを抑制することができるので、遊技者に遊技を長く続けさせることができる。
なお、遊技機A12に含まれる保留回数記憶手段としては、上述した実施形態にて例示した構成を一例として対応付けることができる。例えば、上記実施形態において、保留回数記憶手段としては、特図A保留回数カウンタ223a,特図B保留回数カウンタ223bが対応する。
遊技媒体が通過可能な位置に配置されて遊技媒体の通過を始動条件として検出する始動手段と、表示装置と、前記始動条件の1成立に対し、1の変動表示を前記表示装置にて表示させる変動表示制御手段と、1の変動表示の終了を示す停止表示が予め決められた停止表示である場合に、遊技状態を通常状態に比べて遊技者にとって有利な特別遊技状態とする特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機において、乱数カウンタと、前記始動手段に遊技媒体が通過したことに基づいて始動条件が成立する毎に、前記乱数カウンタの値を取得する乱数カウンタ値取得手段と、その乱数カウンタ値取得手段により取得された乱数カウンタの値を、予め設定されている値と比較して該乱数カウンタの値に対する判定を行う第1の判定手段と、その第1の判定手段による判定対象である乱数カウンタの値に対応する変動表示の開始を保留可能な変動保留手段と、前記変動保留手段により保留されている変動表示を開始する前に、該変動表示に対応する乱数カウンタの値に基づき、該変動表示の終了後における遊技状態を判定する第2の判定手段とを備え、前記変動表示制御手段は、前記第2の判定手段による判定後に、該第2の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対応し前記変動保留手段により保留されている変動表示を前記表示装置にて開始する変動開始手段と、その変動開始手段による前記変動表示の開始後に、前記第2の判定手段による判定に応じた停止表示を前記表示装置に表示して該変動表示を終了する停止表示手段とを含んで構成され、前記第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行う報知手段を備え、前記始動手段は、複数設けられており、前記第1の判定手段は、遊技媒体が前記始動手段を通過した場合に、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段以外への遊技媒体の通過に対して前記判定を行うことを禁止する判定禁止手段を含んでいることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、始動手段に遊技媒体が通過したことに基づいて始動条件が成立すると、その成立毎に、乱数カウンタの値が乱数カウンタ値取得手段により取得され、取得された乱数カウンタの値に対する判定が第1の判定手段により行われる。この第1の判定手段では、取得された乱数カウンタの値と予め設定されている値とを比較することにより、該判定を行う。
ここで、第1の判定手段により乱数カウンタの値に対して所定の判定が得られた場合には、報知手段により報知が行われる。このとき、報知は、第1の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対して第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が停止表示手段によって表示装置に表示される前に行われる。
よって、1の始動条件が成立した場合に、その始動条件の成立に対して行われる変動表示が第2の判定手段により行った判定(即ち、変動表示後における遊技状態)に応じた停止表示で停止する前に、第1の判定手段により所定の判定が得られたか否かを遊技者に報せることができる。
また、遊技機A13では、始動手段が複数設けられているので、始動手段が単数である場合に比べて遊技の進行が複雑化されるため、その分、飽き難い遊技を遊技者に提供することができる。
しかし、始動手段を複数設けたことにより、遊技性が向上する一方で、同時又はほぼ同時に複数の始動条件が成立する可能性が生じる。同時又はほぼ同時に成立した始動条件の数(成立数)が多いほど、始動条件の成立に伴って取得された乱数カウンタの値に対する判定(先読み)に費やされる処理時間が増大する。かかる処理時間の増大によって許容される処理時間内で他の処理が完了できなくなり、遊技の進行に不具合を生じる虞がある。
これに対し、遊技機A13によれば、遊技媒体が前記始動手段を通過した場合であっても、第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段以外への遊技媒体の通過に対しては、第1の判定手段による判定を行うことが判定禁止手段(第1の判定手段の一部)によって禁止される。よって、第1の判定手段によって判定を行う回数の増大を抑制でき、その結果、第1の判定手段による判定に費やされる処理時間の増大を抑制することができる。よって、許容される処理時間内で実行すべき全ての処理を完遂することができ、遊技の進行に不具合が発生することを防止することができる。
なお、遊技機A13に含まれる各構成としては、上述した実施形態にて例示した構成を一例として対応付けることができる。例えば、始動手段としては、第1入球口A64,第1入球口B640が対応し、表示装置としては、第3図柄表示装置81が対応する。
また、変動表示制御手段としては、変動処理(図10参照)と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応し、特別遊技状態発生手段としては、S205の処理が対応する。
また、乱数カウンタとしては、第1当たり乱数カウンタC1,第1あたり種別乱数カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3が対応し、乱数カウンタ値取得手段としては、S604,S609の処理が対応する。
また、第1の判定手段としては、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)におけるS621〜S623の処理、特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)におけるS641,S642,S647,S648の処理が対応する。また、変動保留手段としては、特図A保留球格納エリア203a,特図B保留球格納エリア203bが対応する。また、第2の判定手段としては、S401,S402,S409の処理が対応する。
また、変動開始手段としては、S407,S412の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応し、停止表示処理としては、S312の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応する。
また、報知手段としては、S605,S610の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応する。また、判定禁止手段としては、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)におけるS621のYesへの分岐処理、S622のYesへの分岐処理、特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)におけるS641のNoへの分岐処理,S647のNoへの分岐処理が対応する。
遊技媒体が通過可能な位置に配置されて遊技媒体の通過を始動条件として検出する始動手段と、表示装置と、前記始動条件の1成立に対し、1の変動表示を前記表示装置にて表示させる変動表示制御手段と、1の変動表示の終了を示す停止表示が予め決められた停止表示である場合に、遊技状態を通常状態に比べて遊技者にとって有利な特別遊技状態とする特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機において、乱数カウンタと、前記始動手段に遊技媒体が通過したことに基づいて始動条件が成立する毎に、前記乱数カウンタの値を取得するカウンタ値取得手段と、前記カウンタ値取得手段により取得された乱数カウンタの値を、予め設定されている値と比較して該乱数カウンタの値に対する判定を行う第1の判定手段と、その第1の判定手段による判定対象である乱数カウンタの値に対応する変動表示の開始を保留可能な変動保留手段と、前記変動保留手段により保留されている変動表示を開始する前に、該変動表示に対応する乱数カウンタの値に基づき、該変動表示の終了後における遊技状態を判定する第2の判定手段とを備え、前記変動表示制御手段は、前記第2の判定手段による判定後に、該第2の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対応し前記変動保留手段により保留されている変動表示を前記表示装置にて開始する変動開始手段と、その変動開始手段による前記変動表示の開始後に、前記第2の判定手段による判定に応じた停止表示を前記表示装置に表示して該変動表示を終了する停止表示手段とを含んで構成され、前記第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行われた判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行う報知手段を備え、前記始動手段は、1又は複数の第1の始動手段と、前記第1の始動手段へ遊技媒体が通過した場合に比べて遊技者に有利な1又は複数の第2の始動手段とから構成され、前記第2の始動手段は、遊技媒体の通過経路の入口側に設けられ、通過度が変化するよう動作される可動手段を含んで構成されるものであり、前記可動手段は、遊技状態が第1の遊技状態にある場合に比べ、第2の遊技状態にある場合における通過度が易化される頻度が高頻度となるよう動作され、前記第1の判定手段は、遊技媒体が通過した前記始動手段の中から、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段を選定する選定手段を含み、該選定手段により選定された始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対して前記判定を行うものであり、前記選定手段は、前記第1の判定手段による判定時期における遊技状態が第1の遊技状態である場合には、前記第1の始動手段を選定する第1選定手段と、前記第1の判定手段による判定時期における遊技状態が第2の遊技状態である場合には、前記第2の始動手段を選定する第2選定手段とを有していることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、始動手段に遊技媒体が通過したことに基づいて始動条件が成立すると、その成立毎に、乱数カウンタの値が乱数カウンタ値取得手段により取得され、取得された乱数カウンタの値に対する判定が第1の判定手段により行われる。この第1の判定手段では、取得された乱数カウンタの値と予め設定されている値とを比較することにより、該判定を行う。
この第1の判定手段による判定対象である乱数カウンタの値に対応する変動表示は、変動保留手段によって開始が保留される。そして、保留されている変動表示を開始する場合には、その開始前に、該変動表示に対応する乱数カウンタの値に基づき、該変動表示の終了後における遊技状態が、第2の判定手段によって判定される。
この第2の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対応する保留中の変動表示は、該第2の判定手段による判定後に変動開始手段によって開始される。このように開始された変動表示は、第2の判定手段による判定に応じた停止表示が停止表示手段によって表示されて終了する。
ここで、第1の判定手段により乱数カウンタの値に対して所定の判定が得られた場合には、報知手段により、報知が行われる。このとき、報知は、第1の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対して第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が停止表示手段によって表示装置に表示される前に行われる。
よって、1の始動条件が成立した場合に、その始動条件の成立に対して行われる変動表示が第2の判定手段により行った判定(即ち、変動表示後における遊技状態)に応じた停止表示で停止する前に、第1の判定手段により所定の判定が得られたか否かを遊技者に報せることができる。
ここで、例えば、第1の判定手段が、第2の判定手段によって変動表示後に特別遊技状態などの有利な遊技状態が発生する可能性が高いか否かを判定するものであれば、遊技者は、報知手段による報知を受けた場合に、第1の判定手段による判定対象となった始動条件の成立に基づいて実行される変動表示の後に有利な遊技状態が発生する可能性が高いものであることを認識することができ、有利な遊技状態の発生に対する期待感を遊技者に持たせることができる。
また、報知の対象にされた始動条件の成立の前に1又は複数の変動表示が保留されている場合には、報知の対象にされた始動条件の成立に基づく変動表示の実行に先立って消化される保留中の変動表示の実行期間を利用して、該始動条件の成立によって取得された特別遊技状態の発生に関わる乱数カウンタの値を判定(先読み)して報知することができるので、特別遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を煽る演出など、遊技の演出性を向上させることができる。
また、遊技機B1は、遊技媒体の通過経路の入口側に可動手段が設けられ、第1の始動手段より遊技者にとって有利な第2の始動手段を有しており、この第2の始動手段における可動手段は、第1の遊技状態に比べ、第2の遊技状態における通過度が易化される頻度が高頻度となるように動作される。そのため、遊技状態が第2の遊技状態になると、遊技媒体は第2の始動手段へ通過し易くなり、その分、遊技者の有利度も増大する。
よって、遊技機B1によれば、第1の始動手段と第2の始動手段とを設けたことにより、遊技が多様化される上に、遊技状態に応じて遊技者の有利度が変化するので、遊技の進行に抑揚をつけることができ、飽き難い遊技を遊技者に提供することができる。
しかし、第1の始動手段と第2の始動手段とを設けたことにより、遊技性が向上する一方で、始動手段が複数になるために、同時又はほぼ同時に複数の始動条件が成立する可能性が生じる。同時又はほぼ同時に成立した始動条件の数(成立数)が多いほど、始動条件の成立に伴って取得された乱数カウンタの値に対する判定(先読み)に費やされる処理時間が増大する。かかる処理時間の増大によって許容される処理時間内で他の処理が完了できなくなり、遊技の進行に不具合を生じる虞がある。
これに対し、遊技機B1によれば、第1の判定手段による判定を行う場合には、その判定に先立って、遊技媒体が通過した始動手段の中から、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段が選定手段(第1の判定手段の一部)により選定されるので、始動条件に成立に伴って取得した乱数カウンタの値に対する判定に費やされる処理時間の増大を抑制することができる。よって、許容される処理時間内で実行すべき全ての処理を完遂することができ、遊技の進行に不具合が発生することを防止することができる。
また、遊技機B1によれば、第1の判定手段による判定時期における遊技状態が第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態である場合には、始動手段の中から第2の始動手段が第2選定手段(選定手段の一部)によって選定される。その一方で、第1の判定手段による判定時期における遊技状態が第1の遊技状態である場合には、始動手段の中から第1の始動手段が第1選定手段(選定手段の一部)によって選定される。
ここで、第2の始動手段の可動手段は、第1の遊技状態に比べ、第2の遊技状態における通過度が易化される頻度が高頻度となるように動作されるので、第2の遊技状態にある場合には、遊技媒体が第2の始動手段を通過する機会がより多くなる。よって、そのような第2の遊技状態にある場合に、第1の判定手段による判定を行う始動手段として第2の始動手段を選定することにより、通過機会の増える始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立によって取得された乱数カウンタの値に対する判定(先読み)の結果を報知することができる。
なお、遊技機B1に含まれる各構成としては、上述した実施形態にて例示した構成を一例として対応付けることができる。例えば、始動手段としては、第1入球口A64,第1入球口B640が対応し、表示装置としては、第3図柄表示装置81が対応する。
また、変動表示制御手段としては、変動処理(図10参照)と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応し、特別遊技状態発生手段としては、S205の処理が対応する。
また、乱数カウンタとしては、第1当たり乱数カウンタC1,第1あたり種別乱数カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3が対応し、乱数カウンタ値取得手段としては、S604,S609の処理が対応する。
また、第1の判定手段としては、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)におけるS621〜S623の処理、特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)におけるS641,S642,S647,S648の処理が対応する。また、変動保留手段としては、特図A保留球格納エリア203a,特図B保留球格納エリア203bが対応する。また、第2の判定手段としては、S401,S402,S409の処理が対応する。
また、変動開始手段としては、S407,S412の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応し、停止表示処理としては、S312の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応する。また、報知手段としては、S605,S610の処理と、その結果として音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114にて実行される各処理が対応する。
また、第1の始動手段としては、第1入球口A64が対応し、第2の始動手段としては、第1入球口B640が対応する。また、可動手段としては、第1入球口B640に付随する電動役物が対応する。
また、第1選定手段(選定手段の一部)としては、特図A保留回数コマンド設定処理(図15参照)におけるS621,S622の処理、第2選定手段(選定手段の一部)としては、特図B保留回数コマンド設定処理(図16参照)におけるS641,S647の処理が対応する。なお、上記実施形態において、「通常中(通常状態)」が第1の遊技状態に対応し、「確変中」や「時短中」が第2の遊技状態に対応する。
遊技機B1において、前記変動保留手段は、前記第1の始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対する変動表示の開始を保留可能な第1の変動保留手段と、前記第2の始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対する変動表示の開始を保留可能な第2の変動保留手段とから構成され、前記変動開始手段は、前記第2の変動保留手段により保留されている変動表示が存在する場合には、該第2の変動保留手段により保留されている変動表示を開始し、前記第2の変動保留手段により保留されている変動表示が存在しない場合には、前記第1の変動保留手段により保留されている変動表示を開始するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、第2の変動保留手段により保留されている、第2の始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対する変動表示が存在する場合には、該第2の変動保留手段により保留されている変動表示が変動開始手段によって開始される。その一方で、第2の変動保留手段により保留されている変動表示が存在しない場合には、第1の変動保留手段により保留されている、第1の始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対する変動表示が、変動開始手段によって開始される。即ち、第2の変動保留手段により保留されている変動表示が優先的に開始される。
ここで、遊技機B2は、第2の始動手段に遊技媒体が通過したときの方が、第1の始動手段へ遊技媒体が通過したときに比べて遊技者に有利となるよう構成されているので、変動保留手段によって保留中の変動表示のうち、第2の変動保留手段により保留されている変動表示を優先的に開始させることにより、第2の変動保留手段により保留されている変動表示が残存する間は、遊技者にとって有利な状況を生じさせることができる。よって、遊技に抑揚をつけることができ、遊技者が遊技を単調に感じて遊技を止めてしまうことを防止することができる。
なお、遊技機B2に含まれる各構成としては、上述した実施形態にて例示した構成を一例として対応付けることができる。例えば、第1の変動保留手段としては、特図A保留球格納エリア203aが対応し、第2の変動保留手段としては、特図B保留球格納エリア203bが対応する。
遊技機B2において、前記報知手段は、(1)前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立が前記第1の始動手段への遊技媒体の通過によるものであり、該始動条件の成立より前に前記第1の変動保留手段により保留されている1又は複数の変動表示が存在する場合に、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得たとき、又は、(2)前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立が前記第2の始動手段への遊技媒体の通過によるものであり、該始動条件の成立より前に前記第2の変動保留手段により保留されている1又は複数の変動表示が存在する場合に、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得たときに、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行うものであり、前記報知手段は、前記報知を行う場合に、(a)前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立が前記第1の始動手段への遊技媒体の通過によるものであれば、該始動条件の成立より前に前記第1の変動保留手段により保留されている変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、該報知を行い、一方で、(b)前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立が前記第2の始動手段への遊技媒体の通過によるものであれば、該始動条件の成立より前に前記第2の変動保留手段により保留されている変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、該報知を行うことを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、報知を行う場合には、該報知の対象にされた始動条件の成立(即ち、第1の判定手段によって所定の判定が得られた始動条件の成立)の前に保留されていた、該始動条件を成立させた始動手段と同じ種類の始動手段への遊技媒体の通過に基づく変動表示の実行期間中に、報知が行われる。よって、報知の対象にされた始動条件の成立から、その始動条件の成立に基づく変動表示が実行されるまでの間に、保留中であった変動表示をまたいで、該報知を行うことができる。よって、第1の判定手段が、第2の判定手段によって変動表示後に特別遊技状態などの有利な遊技状態が発生する可能性が高いか否かを判定するものであれば、保留中であった変動表示をまたいで行う報知によって、有利な遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を煽る演出を行うことができる。
遊技機B3において、前記報知手段は、前記変動保留手段により保留されていた変動表示を前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示する際に、該変動保留手段により保留されていた変動表示の全て又は一部に付加される特定の表示によって前記報知を行うことを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、報知を行う場合には、変動保留手段により保留されていた変動表示のうち、全て又は一部の変動表示の内容に付加される特定の表示によって報知を行う。一般的に、表示装置に表示される変動表示は、遊技中に、遊技者が主に視線を向ける先の1つである。よって、かかる変動表示の内容に付加する表示を用いて報知を行うことにより、第1の判定による判定結果を遊技者に伝達し易い。
遊技機B3又はB4において、前記報知手段は、前記変動保留手段により保留されていた変動表示を前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示する際に、該変動保留手段により保留されていた変動表示の全て又は一部の変動表示に対する停止表示を特定の停止表示にすることによって前記報知を行うことを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、報知を行う場合には、変動保留手段により保留されていた変動表示のうち、全て又は一部の変動表示に対する停止表示を特定の停止表示にすることによって報知を行う。一般的に、表示装置に表示される変動表示は、遊技中に、遊技者が主に視線を向ける先の1つである。よって、かかる変動表示の終了を示す停止表示を用いて報知を行うことにより、第1の判定による判定結果を遊技者に伝達し易い。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記第1の遊技状態は、前記通常状態であり、前記第1選定手段は、前記第1の遊技状態において、前記第1の始動手段に加えて、前記第2の始動手段を選定することを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、第1の判定手段による判定時期の遊技状態が通常状態である場合には、第1の始動手段に加えて、第2の始動手段も第1選定手段(選定手段の一部)によって選定される。一般的に、通常状態は、第1の判定手段による判定を行うために乱数カウンタの値と比較される値の数が比較的少なく設定されているので、第1の判定手段による判定に費やされる処理時間が他の処理の実行に及ぼす影響は小さい。よって、かかる通常状態において、第1の始動手段と第2の始動手段との両方、即ち、全ての始動手段が第1の判定手段による判定を行う始動手段として選定されるので、第1の判定手段による判定の頻度を高くすることができる。その結果、報知が行われる確率が高まり、報知による遊技の演出性をより向上させることができる。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記第2の遊技状態は、前記特別遊技状態発生手段により生じた前記特別遊技状態の終了後から所定条件の成立によって前記通常状態に戻るまでの間に生じる所定の遊技状態であり、前記第2の遊技状態は、前記第1の判定手段による判定を行うために前記乱数カウンタの値と比較される前記予め設定されている値の数が前記通常状態に比べて多い第3の遊技状態と、前記第1の判定手段による判定を行うために前記乱数カウンタの値と比較される前記予め設定されている値の数が前記第3の遊技状態に比べて少ない第4の遊技状態とを含んで構成され、前記第2選定手段は、前記第4の遊技状態において、前記第2の始動手段に加えて、前記第1の始動手段を選定することを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、第2の遊技状態が、第1の判定手段による判定を行うために乱数カウンタの値との比較に用いられるべく予め設定されている値の数が通常状態に比べて多い第3の遊技状態と、第1の判定手段による判定を行うために乱数カウンタの値との比較に用いられるべく予め設定されている値の数が該第3の遊技状態に比べて少ない第4の遊技状態とを含んで構成されている場合に、第1の判定手段による判定時期の遊技状態が、第2の遊技状態であり、かつ、第4の遊技状態であれば、第2の始動手段に加えて、第1の始動手段も第2選定手段(選定手段の一部)によって選定される。
よって、第2の遊技状態であっても、第1の判定手段による判定に費やされる処理時間が比較的短く、他の処理の実行に及ぼす影響が小さい第4の状態において、第1の始動手段と第2の始動手段との両方、即ち、全ての始動手段が第1の判定手段による判定を行う始動手段として選定されるので、第1の判定手段による判定の頻度を高くすることができる。その結果、報知が行われる確率が高まり、報知による遊技の演出性をより向上させることができる。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記第2の遊技状態は、前記第1の判定手段による判定を行うために前記乱数カウンタの値と比較される前記予め設定されている値の数が前記通常状態に比べて多い状態であることを特徴とする遊技機B8。
比較対象になる値が多いほど、第1の判定手段による判定に費やされる時間が長くなるが、遊技機B8によれば、比較対象になる値が多い遊技状態(第2の遊技状態)において、第2の始動手段のみが選択されるので、第1の判定手段による判定に費やされる処理時間の増大を有効に抑制することができる。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記第1の判定手段により、前記第2の判定手段により判定される停止表示後の遊技状態が特別遊技状態である可能性が高いと判定された場合に、前記報知を行うことを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、第2の判定手段により判定される停止表示後の遊技状態が特別遊技状態である可能性が高いと、第1の判定手段によって判定された場合に、報知手段による報知が行われる。よって、第1の判定手段による判定対象となった乱数カウンタの値を取得する契機となった始動条件の成立以前に保留されていた変動表示の実行期間を利用して、該始動条件の成立によって取得された乱数カウンタの値が特別遊技状態である可能性が高いことを報知することができるので、特別遊技状態の発生に対する期待感を遊技者に抱かせることができ、高い遊技性を遊技者に提供することができる。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により1又は複数の変動表示が保留されているときに、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行うものであり、前記報知手段は、前記報知を行う場合に、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により保留されていた1又は複数の変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、前記保留されていた変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示される毎に、少なくとも1の報知を行うことを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、報知を行う場合には、該報知の対象にされた始動条件の成立(即ち、第1の判定手段によって所定の判定が得られた始動条件の成立)の前に変動保留手段によって保留されていた1又は複数の変動表示の実行期間中に、保留されていた変動表示のうち、1の変動表示に対して1の報知が行われる。
よって、1の変動表示毎に1の報知が行われるので、第1の判定による判定結果を遊技者に伝達し易い。また、報知の対象にされた始動条件の成立の前に保留されていた変動表示の数が多いほど、報知の対象にされた始動条件の成立に基づく変動表示が停止するまでに行われる報知の回数が多くなるので、連続して行われる報知の回数が増えるに従い、第1の判定手段による判定結果に対するより大きな期待感を遊技者に抱かせることができる。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、前記変動保留手段は、前記第1の始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対する変動表示の開始を保留可能な第1の変動保留手段と、前記第2の始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対する変動表示の開始を保留可能な第2の変動保留手段とから構成され、前記変動開始手段は、前記第2の変動保留手段により保留されている変動表示が存在する場合には、該第2の変動保留手段により保留されている変動表示を開始し、前記第2の変動保留手段により保留されている変動表示が存在しない場合には、前記第1の変動保留手段により保留されている変動表示を開始するものであり、前記報知手段は、(1)前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立が前記第1の始動手段への遊技媒体の通過によるものであり、該始動条件の成立より前に前記第1の変動保留手段により保留されている1又は複数の変動表示が存在する場合に、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得たとき、又は、(2)前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立が前記第2の始動手段への遊技媒体の通過によるものであり、該始動条件の成立より前に前記第2の変動保留手段により保留されている1又は複数の変動表示が存在する場合に、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得たときに、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行うものであり、前記報知手段は、前記報知を行う場合に、(a)前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立が前記第1の始動手段への遊技媒体の通過によるものであれば、該始動条件の成立より前に前記第1の変動保留手段により保留されている変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、該第1の変動保留手段により保留されていた変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示される毎に、少なくとも1の報知を行い、一方で、(b)前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立が前記第2の始動手段への遊技媒体の通過によるものであれば、該始動条件の成立より前に前記第2の変動保留手段により保留されている変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、該第2の変動保留手段により保留されていた変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示される毎に、少なくとも1の報知を行うことを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、第2の変動保留手段により保留されている、第2の始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対する変動表示が存在する場合には、該第2の変動保留手段により保留されている変動表示が変動開始手段によって開始される。その一方で、第2の変動保留手段により保留されている変動表示が存在しない場合には、第1の変動保留手段により保留されている、第1の始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対する変動表示が、変動開始手段によって開始される。即ち、第2の変動保留手段により保留されている変動表示が優先的に開始される。
ここで、遊技機B11は、第2の始動手段に遊技媒体が通過したときの方が、第1の始動手段へ遊技媒体が通過したときに比べて遊技者に有利となるよう構成されているので、変動保留手段によって保留中の変動表示のうち、第2の変動保留手段により保留されている変動表示を優先的に開始させることにより、第2の変動保留手段により保留されている変動表示が残存する間は、遊技者にとって有利な状況を生じさせることができる。よって、遊技に抑揚をつけることができ、遊技者が遊技を単調に感じて遊技を止めてしまうことを防止することができる。
また、遊技機B11によれば、報知を行う場合には、該報知の対象にされた始動条件の成立(即ち、第1の判定手段によって所定の判定が得られた始動条件の成立)の前に保留されていた、該始動条件を成立させた始動手段と同じ種類の始動手段への遊技媒体の通過に基づく変動表示の実行期間中に、保留されていた変動表示のうち、1の変動表示に対して1の報知が行われる。
よって、1の変動表示毎に1の報知が行われるので、第1の判定による判定結果を遊技者に伝達し易い。また、報知の対象にされた始動条件の成立の前に保留されていた変動表示の数が多いほど、報知の対象にされた始動条件の成立に基づく変動表示が停止するまでに行われる報知の回数が多くなるので、連続して行われる報知の回数が増えるに従い、第1の判定手段による判定結果に対するより大きな期待感を遊技者に抱かせることができる。
遊技機B1からB11のいずれかにおいて、前記変動保留手段により保留されている変動表示の回数を記憶する保留回数記憶手段を備え、前記報知手段は、前記保留回数記憶手段に記憶されている回数に応じた確率で前記報知を行うことを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、報知手段により報知が行われる確率が、保留回数記憶手段に記憶されている回数、即ち、変動保留手段により保留されている変動表示の回数に応じて決まるので、遊技者の期待感を、変動保留手段により保留されている変動表示の回数に応じて変化させることができる。よって、遊技に抑揚がつき、遊技者が遊技を単調に感じることを抑制することができるので、遊技者に遊技を長く続けさせることができる。
なお、遊技機B12に含まれる保留回数記憶手段としては、上述した実施形態にて例示した構成を一例として対応付けることができる。例えば、上記実施形態において、保留回数記憶手段としては、特図A保留回数カウンタ223a,特図B保留回数カウンタ223bが対応する。
遊技機A1からA13のいずれか、又は、遊技機B1からB12のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機X1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA13のいずれか、又は、遊技機B1からB12のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機X2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA13のいずれか、又は、遊技機B1からB12のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機X3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
始動条件の成立(始動入賞)を契機として、液晶表示装置などの表示装置において特別図柄のスクロールなどの変動表示を行った後、予め定められた図柄の並びで停止した場合に、所謂「大当たり」と称する遊技者に有利な特別遊技状態が発生し、大量の遊技媒体が払出可能な状態となるパチンコ機などの遊技機がある。
かかるタイプの遊技機の多くは、変動表示中に始動条件が新たに成立すると、その新たな始動条件の成立に基づく変動表示を、現在実行中の変動表示が終了するまで保留(待機)させることができるように構成されている(例えば、特許文献1:特開2000−342784号公報)。
従来、上述のように変動表示を保留できる遊技機は、始動条件が成立する毎に、特別遊技状態を発生させるか否かを決定するための当否乱数カウンタや変動態様の種別を決定するための種別カウンタなどの各種乱数カウンタの値を、メモリに順次記憶しておき、変動表示の開始タイミングで、メモリに記憶されている値の中で時期的に最も古い値に基づいて変動表示態様を設定し、そのように設定された態様の変動表示を実行するものが主流であった。
これに対し、始動条件が成立する毎に、かかる始動条件の成立タイミングで当否乱数カウンタの値が特別遊技状態を発生させる値であるか否かを、変動表示の開始タイミングにおける確認に先立って確認(先読み)し、その確認結果に基づき、それ以前から保留されていた変動表示の実行時(保留消化時)等における演出性の向上を図るものが考えられる。
例えば、始動条件の成立タイミングでの確認結果が特別遊技状態を発生させる値であった場合に、それ以前から保留されていた変動表示において特定の報知(例えば、予告演出の表示)を行うことにより、保留されていた変動表示が外れに対応するものであっても、その後に特別遊技状態が発生するかもしれないという期待感を遊技者に持たせることが可能となる。
また、例えば、遊技性を向上させる等といった目的で、始動条件の成立に関わる球の通過口を複数個所に設けることが考えられる。このように、始動条件の成立に関わる球の通過口を複数個所に設けた場合には、同時又はほぼ同時に複数の始動条件が成立する可能性が生じる。同時又はほぼ同時に成立する始動条件の数(成立数)が多いほど、始動条件が成立した場合に当否乱数カウンタの値が特別遊技状態を発生させる値であるか否かの確認処理(先読み)に費やされる時間が増大する。
一般的に、遊技機において遊技を制御する処理の多くは、定期的に(例えば、4ms毎や2ms毎に)繰り返す処理の中で実行されており、当否乱数カウンタの値が特別遊技状態を発生させる値であるか否かの確認処理も、かかる定期的に繰り返す処理の中で実行される。この確認処理は、当否乱数カウンタの値を、予め設定されている大当たり値と比較することによって行われ、1の当否乱数カウンタの値を確認する場合であっても、比較的長い処理時間を要する。
よって、当否乱数カウンタの値が特別遊技状態を発生させる値であるか否かの確認処理に費やされる時間が上述のように長くなる可能性が高い遊技機にて、始動条件が成立した場合に当否乱数カウンタの値が特別遊技状態を発生させる値であるか否かの確認処理を行うと、確認処理に費やされる処理時間が原因となって、メイン処理やタイマ割込処理の処理間隔の中で全ての処理を完了できず、遊技の進行に不具合が生じる虞があった。
本技術的思想は、上記例示した事情などを鑑みてなされたものであり、始動条件が成立した場合に当否乱数カウンタの値を先読みする際、処理時間の増大による不具合の発生を抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1記載の遊技機は、遊技媒体が通過可能な位置に配置されて遊技媒体の通過を始動条件として検出する始動手段と、表示装置と、前記始動条件の1成立に対し、1の変動表示を前記表示装置にて表示させる変動表示制御手段と、1の変動表示の終了を示す停止表示が予め決められた停止表示である場合に、遊技状態を通常状態に比べて遊技者にとって有利な特別遊技状態とする特別遊技状態発生手段とを備えたものであって、乱数カウンタと、前記始動手段に遊技媒体が通過したことに基づいて始動条件が成立する毎に、前記乱数カウンタの値を取得する乱数カウンタ値取得手段と、その乱数カウンタ値取得手段により取得された乱数カウンタの値を、予め設定されている値と比較して該乱数カウンタの値に対する判定を行う第1の判定手段と、その第1の判定手段による判定対象である乱数カウンタの値に対応する変動表示の開始を保留可能な変動保留手段と、前記変動保留手段により保留されている変動表示を開始する前に、該変動表示に対応する乱数カウンタの値に基づき、該変動表示の終了後における遊技状態を判定する第2の判定手段とを備え、前記変動表示制御手段は、前記第2の判定手段による判定後に、該第2の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対応し前記変動保留手段により保留されている変動表示を前記表示装置にて開始する変動開始手段と、その変動開始手段による前記変動表示の開始後に、前記第2の判定手段による判定に応じた停止表示を前記表示装置に表示して該変動表示を終了する停止表示手段とを含んで構成され、前記第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行う報知手段を備え、前記始動手段は、複数設けられており、前記第1の判定手段は、遊技媒体が通過した前記始動手段の中から、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段を選定する選定手段を含み、該選定手段により選定された始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対して前記判定を行うものである。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記報知手段は、前記第1の判定手段により、前記第2の判定手段により判定される停止表示後の遊技状態が特別遊技状態である可能性が高いと判定された場合に、前記報知を行う。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記報知手段は、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により1又は複数の変動表示が保留されているときに、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行うものであり、前記報知手段は、前記報知を行う場合に、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により保留されていた変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、該報知を行う。
技術的思想4記載の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記変動保留手段により保留されている変動表示の回数を記憶する保留回数記憶手段を備え、前記報知手段は、前記保留回数記憶手段に記憶されている回数に応じた確率で前記報知を行う。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、始動手段に遊技媒体が通過したことに基づいて始動条件が成立すると、その成立毎に、乱数カウンタの値が乱数カウンタ値取得手段により取得され、取得された乱数カウンタの値に対する判定が第1の判定手段により行われる。この第1の判定手段では、取得された乱数カウンタの値と予め設定されている値とを比較することにより、該判定を行う。
この第1の判定手段による判定対象である乱数カウンタの値に対応する変動表示は、変動保留手段によって開始が保留される。そして、保留されている変動表示を開始する場合には、その開始前に、該変動表示に対応する乱数カウンタの値に基づき、該変動表示の終了後における遊技状態が、第2の判定手段によって判定される。
この第2の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対応する保留中の変動表示は、該第2の判定手段による判定後に変動開始手段によって開始される。このように開始された変動表示は、第2の判定手段による判定に応じた停止表示が停止表示手段によって表示されて終了する。
ここで、第1の判定手段により乱数カウンタの値に対して所定の判定が得られた場合には、報知手段により、報知が行われる。このとき、報知は、第1の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対して第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が停止表示手段によって表示装置に表示される前に行われる。
よって、1の始動条件が成立した場合に、その始動条件の成立に対して行われる変動表示が第2の判定手段により行った判定(即ち、変動表示後における遊技状態)に応じた停止表示で停止する前に、第1の判定手段により所定の判定が得られたか否かを遊技者に報せることができるという効果がある。
ここで、例えば、第1の判定手段が、第2の判定手段によって変動表示後に特別遊技状態などの有利な遊技状態が発生する可能性が高いか否かを判定するものであれば、遊技者は、報知手段による報知を受けた場合に、第1の判定手段による判定対象となった始動条件の成立に基づいて実行される変動表示の後に有利な遊技状態が発生する可能性が高いものであることを認識することができ、有利な遊技状態の発生に対する期待感を遊技者に持たせることができる。
また、報知の対象にされた始動条件の成立の前に1又は複数の変動表示が保留されている場合には、報知の対象にされた始動条件の成立に基づく変動表示の実行に先立って消化される保留中の変動表示の実行期間を利用して、該始動条件の成立によって取得された特別遊技状態の発生に関わる乱数カウンタの値を判定(先読み)して報知することができるので、特別遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を煽る演出など、遊技の演出性を向上させることができる。
また、技術的思想1記載の遊技機では、始動手段が複数設けられているので、始動手段が単数である場合に比べて遊技の進行が複雑化されるため、その分、飽き難い遊技を遊技者に提供することができる。
しかし、始動手段を複数設けたことにより、遊技性が向上する一方で、同時又はほぼ同時のタイミングで複数の始動条件が成立する可能性が生じる。同時又はほぼ同時のタイミングでの始動条件の成立数が多いほど、始動条件の成立に伴って取得された乱数カウンタの値に対する判定(先読み)に費やされる処理時間が増大する。かかる処理時間の増大によって許容される処理時間内で他の処理が完了できなくなり、遊技の進行に不具合を生じる虞がある。
これに対し、技術的思想1記載の遊技機によれば、第1の判定手段による判定を行う場合には、その判定に先立って、遊技媒体が通過した始動手段の中から、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段が選定手段(第1の判定手段の一部)により選定されるので、始動条件に成立に伴って取得した乱数カウンタの値に対する判定に費やされる処理時間の増大を抑制することができる。よって、許容される処理時間内で実行すべき全ての処理を完遂することができ、遊技の進行に不具合が発生することを防止することができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。第2の判定手段により判定される停止表示後の遊技状態が特別遊技状態である可能性が高いと、第1の判定手段によって判定された場合に、報知手段による報知が行われる。よって、第1の判定手段による判定対象となった乱数カウンタの値を取得する契機となった始動条件の成立以前に保留されていた変動表示の実行期間を利用して、該始動条件の成立によって取得された乱数カウンタの値が特別遊技状態である可能性が高いことを報知することができるので、特別遊技状態の発生に対する期待感を遊技者に抱かせることができ、高い遊技性を遊技者に提供することができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。報知を行う場合には、該報知の対象にされた始動条件の成立(即ち、第1の判定手段によって所定の判定が得られた始動条件の成立)の前に変動表示保留手段によって保留されていた変動表示の実行期間中に、報知が行われる。よって、報知の対象にされた始動条件の成立から、その始動条件の成立に基づく変動表示が実行されるまでの間に、保留中であった変動表示をまたいで、該報知を行うことができる。
よって、第1の判定手段が、第2の判定手段によって変動表示後に特別遊技状態などの有利な遊技状態が発生する可能性が高いか否かを判定するものであれば、保留中であった変動表示をまたいで行う報知によって、有利な遊技状態の発生に対する遊技者の期待感を煽る演出を行うことができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機は、技術的思想3記載の遊技機の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。報知手段により報知が行われる確率が、保留回数記憶手段に記憶されている回数、即ち、変動保留手段により保留されている変動表示の回数に応じて決まるので、遊技者の期待感を、変動保留手段により保留されている変動表示の回数に応じて変化させることができる。よって、遊技に抑揚がつき、遊技者が遊技を単調に感じることを抑制することができるので、遊技者に遊技を長く続けさせることができるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機)
81 第3図柄表示装置(表示手段)
C1 第1当たり乱数カウンタ(乱数情報発生手段)
S402,S403,S409 (判定手段)
S405,S411 (変動表示制御手段)
S604,S609 (乱数情報取得手段)
S623,S624 (先読判定手段、特別遊技状態先読判定手段)
S642,S643,S648 (先読判定手段、特別遊技状態先読判定手段)
S625,S626,S629〜S631 (先読判定手段、種別先読判定手段)
S644,S645,S650〜S652 (先読判定手段、種別先読判定手段)
S626,S630,S631 (報知を行う手段)
S645,S651,S652 (報知を行う手段)

Claims (4)

  1. 遊技媒体が通過可能な位置に配置されて遊技媒体の通過を始動条件として検出する始動手段と、表示装置と、前記始動条件の1成立に対し、1の変動表示を前記表示装置にて表示させる変動表示制御手段と、1の変動表示の終了を示す停止表示が予め決められた停止表示である場合に、遊技状態を通常状態に比べて遊技者にとって有利な特別遊技状態とする特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機において、
    乱数カウンタと、
    前記始動手段に遊技媒体が通過したことに基づいて始動条件が成立する毎に、前記乱数カウンタの値を取得する乱数カウンタ値取得手段と、
    その乱数カウンタ値取得手段により取得された乱数カウンタの値を、予め設定されている値と比較して該乱数カウンタの値に対する判定を行う第1の判定手段と、
    その第1の判定手段による判定対象である乱数カウンタの値に対応する変動表示の開始を保留可能な変動保留手段と、
    前記変動保留手段により保留されている変動表示を開始する前に、該変動表示に対応する乱数カウンタの値に基づき、該変動表示の終了後における遊技状態を判定する第2の判定手段とを備え、
    前記変動表示制御手段は、
    前記第2の判定手段による判定後に、該第2の判定手段による判定対象とされた乱数カウンタの値に対応し前記変動保留手段により保留されている変動表示を前記表示装置にて開始する変動開始手段と、
    その変動開始手段による前記変動表示の開始後に、前記第2の判定手段による判定に応じた停止表示を前記表示装置に表示して該変動表示を終了する停止表示手段とを含んで構成され、
    前記第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行う報知手段を備え、
    前記始動手段は、複数設けられており、
    前記第1の判定手段は、遊技媒体が通過した前記始動手段の中から、該第1の判定手段による判定時期における遊技状態に対して予め定められている始動手段を選定する選定手段を含み、該選定手段により選定された始動手段への遊技媒体の通過による始動条件の成立に対して前記判定を行うものであることを特徴とする遊技機。
  2. 前記報知手段は、前記第1の判定手段により、前記第2の判定手段により判定される停止表示後の遊技状態が特別遊技状態である可能性が高いと判定された場合に、前記報知を行うことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記報知手段は、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により1又は複数の変動表示が保留されているときに、該第1の判定手段により前記乱数カウンタの値に対して所定の判定を得た場合に、該第1の判定手段による判定対象とされた前記乱数カウンタの値に対して前記第2の判定手段により行った判定に応じた停止表示が前記停止表示手段によって前記表示装置に表示される前に、報知を行うものであり、
    前記報知手段は、前記報知を行う場合に、前記第1の判定手段による判定対象とされた始動条件の成立より前に前記変動保留手段により保留されていた変動表示が前記変動表示制御手段によって前記表示装置に表示されている期間中に、該報知を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記変動保留手段により保留されている変動表示の回数を記憶する保留回数記憶手段を備え、
    前記報知手段は、前記保留回数記憶手段に記憶されている回数に応じた確率で前記報知を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
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