以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され、外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けらている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22が後述する特殊リーチの演出時(特定の変動態様時)に操作されると、その操作された回数に応じてリーチで行われる動的表示が変更される。なお、特殊リーチの演出時に枠ボタン22が押されることで動的表示が変化する制御については後述する。また、枠ボタン22は、図柄列の変動表示中に、大当たりの期待度を表示したり、リーチへの発展の期待度を表示するためにも操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され、賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14cを通じて内枠13の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。なお、上述したパチンコ機10が確変中とは、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態である。さらに、本実施の形態の確変中は、第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64(図3参照)へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が時短中とは、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64(図3参照)へ球が入球し易い遊技の状態であり、パチンコ機10が通常中とは、確変中および時短中でない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。なお、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)で構成される第2図柄表示装置82とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施の形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37にて停止図柄(確変大当たり図柄、普通大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37により示されると共に保留ランプ85の点灯個数においても示される。保留ランプ85は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。なお、本実施の形態においては、第1入球口64への入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82は、第2図柄の表示部83と保留ランプ84とを有し、球が第2入球口67を通過する毎に、表示部83において表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に保留ランプ84においても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施の形態のように、表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するためのソレノイドとを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際にはソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66と第2入球口(スルーゲート)67とが設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図13参照)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置82や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ206が接続されている。
払出制御装置111は、払出モータ216により賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを備えている。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図13参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33や表示ランプ34など)における点灯および消灯の出力、表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを備えている。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227や枠ボタン22がそれぞれ接続されている。
ROM222は、特殊変動パターン記憶領域222aを備えており、その特殊変動パターン記憶領域222aには、主制御装置110において特殊な変動パターンが決定された場合に(図10のS404,S408参照)、第3図柄表示装置81で表示される特殊な変動表示のパターン(変動態様)がテーブル化されて記憶されている。後述する音声ランプ制御装置113において立ち上げ処理(図16参照)が実行されると、その立ち上げ処理内で特殊変動表示パターンのテーブルが特殊変動パターン記憶領域222aから読み出されて、RAM223の所定の領域に書き込まれる。
また、RAM223は、枠ボタン有効タイマ223a、特殊演出フラグ223b、押下回数カウンタ223c、表示図柄カウンタ223d、変動表示設定完了フラグ223e、表示図柄設定フラグ223f、設定時間経過フラグ223gとを備えている。枠ボタン有効タイマ223aは、後述する特殊リーチの演出中に枠ボタン22が操作可能となる時間を計測するためのタイマであり、特殊リーチの演出が開始されてからの経過時間が記憶される。特殊演出フラグ223bは、特殊リーチの演出が行われることを記憶するためのフラグであり、主制御装置110において特殊リーチの演出が選択された場合にオンされ、次の変動が開始される場合にオフされる。押下回数カウンタ223cは、特殊リーチの演出が開始されてから枠ボタン有効タイマ223aが所定時間を計測するまでの間に枠ボタン22が操作された回数を記憶するカウンタであり、枠ボタン22が所定回数操作され表示図柄カウンタ223dの値に1が加算される毎に初期値(本実施の形態では値0)が設定されると共に、枠ボタン有効タイマ223cにより所定時間が計測されると初期値が設定される。表示図柄カウンタ223dは、枠ボタン22の押下回数に応じた値が記憶されるカウンタであり、枠ボタン22が所定回数操作される毎に値1が加算されると共に、次の変動が開始される場合に値0が設定される。変動表示設定フラグ223eは、後述する第3図柄表示装置81の変動表示処理(図19参照)において、第3図柄表示装置81で表示される演出の設定が完了した場合にオンされると共に、次の変動が開始される場合にオフされるフラグである。表示図柄設定フラグ223fは、表示図柄カウンタ223dの値が変更されたことを記憶しておくためのフラグであり、表示図柄カウンタ223dの値に1が加算された場合にオンされると共に、次の変動が開始される場合にオフされる。設定時間経過フラグ223gは、枠ボタン有効タイマ223aにより所定時間(本実施の形態では10秒)が計測されるとオンされると共に、次の変動が開始される際にオフされるフラグである。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを備えている。入力ポート237の入力側には、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234とキャラクタROM235とが接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。また、出力ポート238には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、変動開始フラグ233aと、特殊変動フラグ233bと、表示パターン233cとを備えている。
変動開始フラグ233aは、第3図柄表示装置81において変動表示を開始させるためのフラグであり、第3図柄表示装置81で表示される表示態様を指示する変動パターンコマンドを受信するとオンされ、第3図柄表示装置81において変動表示が開始されたらオフされる。特殊変動フラグ233bは、特殊リーチが行われることを記憶するためのフラグであり、音声ランプ制御装置113から送信される変動パターンコマンドが特殊変動パターンである場合にオンされ、音声ランプ制御装置113から送信される停止コマンドを受信した場合にオフされる。表示パターン233cには、特殊リーチの演出時に第3図柄表示装置81に表示される表示態様のパターンが記憶されており、表示制御装置114の立ち上げ時にROM232から必要なデータが読み出されて記憶される。また、表示パターン233cに記憶される表示態様のパターンは、テーブル化されており、音声ランプ制御装置113から送信される表示図柄コマンドに対応したパターンが読み出されて選択される。
キャラクタROM235には、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や第3図柄)などの表示用のキャラクタ情報が記憶されている。キャラクタ情報としては、変動表示される第3図柄の数字データ(例えば0〜9)や、数字データ以外の図柄データ(例えば箱の図柄やヘルメットの図柄(図5(b)参照))、背景図柄、予告キャラクタ図柄やキャラクタ図柄(例えば男の子(図5(b)参照))などが記憶されている。なお、本実施の形態では、上記したキャラクタ情報は、約1024Mバイトで構成されており、その1024Mバイトのキャラクタ情報が約768Mバイトに圧縮されて記憶されている。よって、キャラクタROM235から読み出されたキャラクタ情報は、解凍された後にビデオRAM234に記憶される。
ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM234に設けられた表示用の記憶領域(図示せず)の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。
なお、キャラクタROM235のキャラクタ情報をビデオRAM234に記憶させるのは、ROMよりRAMの方が処理速度が高速であると共にRAMにおいて表示データの加工(例えば、変動図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるからである。さらに、第3図柄表示装置81の表示態様を変更する度に、キャラクタ情報を読み出してビデオRAM234に直接書き込む場合、読み出すデータ量が大きいと読み出しに時間を有しスムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができないからである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)を有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各々に必要な動作電圧を各制御装置110〜114に対して供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチや、ソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へバックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合にバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
ここで、図5を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図5は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図5(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図5(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施の形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。ここで、高確率状態とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動(確変中)の時をいう。また、低確率状態とは、確変でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態(時短中または通常中)をいう。
図5(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmには、左・中・右の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3は、前述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3は、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列は、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第3図柄で構成されており、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。この主表示領域Dmには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの予告領域Ds1〜Ds3に等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1,Ds3は、ソレノイドで電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2は、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
図5(b)に示すように、実際の表示画面では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1,Ds3が覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1,Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81の表示画面は、原則として上下の表示領域Dm,Dsに区分されているが、各表示領域Dm,Dsを跨いでより大きく第3図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、図6を参照して、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。図6は、主制御装置110に備えられた各種カウンタの概要を示した図である。本実施の形態では、主制御装置110内のMPU201は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とを用いることとしている。また、第2図柄表示装置82の抽選には第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への球の入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しくは、第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込(図11参照)毎に1回更新されると共にメイン処理(図8参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの際の第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、本実施の形態では、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。なお、大当たり後に高確率状態となる乱数の値は「1,2,3」であり、大当たり後に低確率状態となる乱数の値は「0,4」であり、2種類の当たり種別が決定される。よって、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、高確率状態と低確率状態との2種類の大当たりに対応した表示態様と、はずれに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様があり、そのうちの1つが選択される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。
また、停止パターン選択カウンタC3には、停止パターンの選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか(即ち保留個数)等に応じて、停止パターンの選択比率を変更するためである。例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が0〜5と狭くなると共に、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態で保留球格納エリアに各乱数値が格納されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1,CS2の値は、後述するメイン処理(図8参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1は、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ、特殊リーチ等の大まかな表示態様を決定するものである。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。また、第2変動種別カウンタCS2は、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定するものである。変動種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113により第3表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定することも可能である。
変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」ともいう。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3により選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算する演出パターン、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算する演出パターンや、変動時間を加減算しない演出パターンのうち、いずれかの演出パターンが選択される。なお、変動種別カウンタCS3は、停止パターン選択カウンタC3と同様に、演出パターンが選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられ、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるよう構成されている。
上述したように、変動種別カウンタCS1,CS2により図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3により決定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施の形態ではタイマ割込毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込(図11参照)毎に1回更新されると共にメイン処理(図8参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図7から図13のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2ミリ秒(以下「ms」で表す)周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図11は、タイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ122(図3参照)を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738)に達した際0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では250)に達した際0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
ここで、図12を参照して、S504の処理で実行される始動入賞処理を説明する。図12は、タイマ割込処理(図11参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示したフローチャートである。始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、第1図柄表示装置37の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。第1入球口64への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S602:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S603)、更に、前記ステップS503で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S604)。一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S602:No)、S603及びS604の各処理をスキップし、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。
図13は、NMI割込処理を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出発射制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図7を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図7は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施の形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS110へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終わらなかった可能性があるので、この場合にも、処理をS110へ移行する。RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS110へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S110の処理では、サブ側の制御装置に対して初期化モードであることを認識させるために、払出制御装置111に対して払出初期化コマンドを送信する(S110)。その後、RAM203の初期化処理(S111、S112)に移行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122(図3参照)を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S111、S112)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM203の初期化処理に移行する。即ち、S111とS112のRAMの初期化処理では、RAM203の使用領域を0にクリアし(S111)、RAM203の初期値を設定する(S112)。その後、S113の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源遮断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置に対して復帰モードであることを認識させるために、払出制御装置111に対して払出復帰コマンドを送信し(S109)、S113の処理へ移行する。S113の処理では、割込みを許可して、その後、後述するメイン処理に移行する。
次に、図8を参照して、立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図8は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する(S201)。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。さらに、球の発射を行う場合に、発射制御装置112に球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図9を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまでの間、即ち次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738、250)に達した際0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113など)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出してその値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合にはS201の処理から開始される状態となっている。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様にS201の処理から開始できる状態である。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始できる。従って、電源遮断時の処理と立ち上げ時の処理を簡略化できるので、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図9を参照して、変動処理(S204)について説明する。図9は、メイン処理(図8参照)の中で実行される変動処理(S204)を示したフローチャートである。変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S303)。作動保留球数Nが0であれば(S303:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S303:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S304)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S305)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S306)。なお、変動開始処理については図10を参照して後述する。
S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された加算時間に応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S308)。本実施の形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。なお、変動処理は、4ms毎に実行されるが、その変動処理毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者にLEDの点灯色の変化を確認させるために、変動処理では、実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行い、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたらリセット(値0)される。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様が設定される(S309)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に高確率状態となる図柄か低確率状態となる図柄かが決定される。本実施の形態では、大当たり後に高確率状態になる場合には赤色のLEDを点灯させ、低確率状態になる場合には緑色のLEDを点灯させ、外れである場合には青色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S309の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドが設定される(S310)。この停止コマンドを音声ランプ制御装置113が受信して表示制御装置114に停止指示をする。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。
次に、図10を参照して変動開始処理を説明する。図10は、変動処理(図9参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示したフローチャートである。変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には第1当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時には「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり時の表示態様が設定される(S402)。S402の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、大当たり後に高確率状態に移行するか低確率状態に移行するかが設定される。大当たり後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で停止表示される大当たりの停止図柄が音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114で設定される。即ち、S402の処理で、大当たり後の移行状態を設定することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が設定される。なお、第1当たり種別カウンタC2の数値0〜4のうち、「0,4」の場合は以後低確率状態に移行し、「1,2,3」の場合は高確率状態に移行する。
次に、特殊大当たりであるか否かが判別される(S403)。特殊大当たりか否かの判別は、変動種別カウンタCS1の値に基づき判別され、特殊大当たりであると判別されると(S403:Yes)、変動パターンに特殊大当たり変動パターンが決定される(S404)。S404の処理で特殊変動パターンが決定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が特殊変動パターンに応じて設定されると共に第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。一方、S403の処理において、特殊大当たりでないと判別されると(S403:No)、変動パターンに大当たり時の変動パターンが決定される(S405)。S405の処理で変動パターンが決定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。具体的には、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
なお、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め定められている。但し、上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。
S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、外れ時の表示態様が設定される(S406)。S406の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施の形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるか、及び作動保留個数Nに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、特殊外れであるか否かが判別される(S407)。特殊外れか否かの判別は、停止パターン選択カウンタC3により前後外れリーチが選択された場合に、変動種別カウンタCS1の値に基づき判別され、特殊外れであると判別されると(S407:Yes)、変動パターンに特殊外れ変動パターンが決定される(S408)。S408の処理で特殊外れ変動パターンが決定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が特殊外れ変動パターンに応じて設定されると共に第3図柄表示装置81において外れ図柄が停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。一方、S407の処理において、特殊大当たりでないと判別されると(S407:No)、変動パターンに外れ時の変動パターンが決定され(S409)、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。具体的には、S405の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
変動パターンが決定されると(S404、S405、S408、S409)、第1及び第2種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に加減算される演出時間が決定される(S410)。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81の変動時間が設定される。本実施の形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3の値に応じて、変動表示の時間を変更しない場合と変動表示時間を1秒加算する場合、変動表示時間を2秒加算する場合、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81で大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動図柄の変動時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラクタを表示させる演出、1の変動図柄の変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S404、S405、S408又はS409の処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定し(S411)、S402又はS406の処理で設定された停止図柄に応じて停止図柄コマンドを設定する(S412)。そして、S410の処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定して(S413)、変動処理へ戻る。
次に、図14及び図15を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される払出制御について説明する。図14は、払出制御装置111の立ち上げ処理を示したフローチャートであり、この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、RAMアクセスを許可すると共に(S802)、外部割込ベクタの設定を行う(S803)。
その後は、MPU211内のRAM213に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S804)、記憶されていなければ(S804:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終わらなかった可能性があるので、処理をS810へ移行する。RAM213に電源断の発生情報が記憶されていれば(S804:Yes)、RAM判定値を算出し(S805)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S805:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS810へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM213の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM213の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S810の処理〜S812の処理のRAMの初期化処理では、RAM213の全ての領域を0にクリアし(S810)、RAM213の初期値を設定する(S811)。その後、MPU211周辺デバイスの初期設定を行い(S812)、S813の処理へ移行し割込みを許可してメイン処理へ移行する。
一方、電源断の発生情報が設定されており(S804:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S806:Yes)、電源遮断の発生情報をクリアすると共に(S807)、賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする(S808)。また、MPU211周辺デバイスの初期設定を行い(S809)、S813の処理へ移行し割込みを許可してメイン処理へ移行する。
図15は、払出制御装置111内のMPU211により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理は、まず主制御装置110からの賞球コマンドや発射制御装置112へ送信されるコマンドなどを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(S901)。コマンド判定処理では、主制御装置110から送信されるコマンド(払出初期化コマンド、払出復電コマンド、賞球コマンドなど)を受信すると払出許可フラグがオンされ払い出しが許可される。
コマンド判定処理(S901)が終わると、払い出しが許可されているか否かが判別され(S902)、払い出しが許可されていなければ(S902:No)、コマンド判定処理(S901)において払い出しが許可されるまでコマンド判定処理(S901)を繰り返し実行する。一方、S902の処理において払い出しが許可されていれば(S902:Yes)、状態復帰スイッチ120(図3参照)をチェックし状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S903)。状態復帰動作とは、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)する動作である。
その後、下皿50(図1参照)の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S904)。即ち、下皿満タンスイッチ(図示せず)の検出信号により下皿50の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S905)。即ち、タンク球無しスイッチ(図示せず)の検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置111に設けた7セグメントLED(図示せず)により報知する(S906)。
次に、S907〜S909の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つ記憶した総賞球個数が0でなければ(S907:No,S908:No)、賞球の払い出しを行うために賞球制御処理を開始する(S909)。一方、賞球の払出不可状態(S907:Yes)または総賞球個数が0であれば(S908:Yes)、貸球払出の処理に移行する。
S910〜S912の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S910:No,S911:Yes)、貸球を払い出しために貸球制御処理を開始する。一方、貸球の払出不可状態(S910:Yes)または貸球払出要求を受信していない場合(S911:No)、S912の処理が終わった場合には、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ134(図3参照)の制御(バイブモータ制御)を実行する(S913)。
その後は、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S914)、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S914:No)、S901の処理へ戻りメイン処理を繰り返し実行する。
一方、S914の処理において、電源断の発生情報が記憶されていれば(S914:Yes)、電源が遮断されたことになるので、各割込処理の発生の禁止をし(S915)、主制御装置110から送信されるコマンドの受信漏れを防止するために再度コマンド判定処理を実行する(S916)。そして、RAM判定値を算出してRAM213に保存し(S917)、RAM213のアクセスを禁止して(S918)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、例えば、RAM判定値は、RAM213のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S914の処理は、払出制御装置111のメイン処理の1サイクルが終わるタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断前の状態から復帰する場合にはS901の処理から開始される状態となっている。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様にS901の処理から開始できる状態である。よって、電源遮断時の処理において、MPU211が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S801)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始できる。従って、電源遮断時の処理と立ち上げ時の処理とを簡略化できるので、払出制御装置111の制御負担を軽減することができると共に、払出制御装置111が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。また、各処理が終わったタイミングで電源断の処理が実行されるので、RAM213にバックアップする情報量を少なくすることができる。
次に、図16から図21を参照して、音声ランプ制御装置113で行われる処理について説明する。図16は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を示したフローチャートであり、この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1115の電源断処理の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002)。図17を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図17のS1112参照)、S1115の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1115の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1003:Yes)、S1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1003:No)、S1008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が電源が完全に断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM22のデータ破壊と判断され(S1003:Yes)、S1004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM22のデータは正常と判断されて(S1003:No)、S1008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1115の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005:No)、RAM223の異常を報知して(S1007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良い。
S1008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1008)。電源断フラグはS1115の電源断処理の実行時にオンされるので(図17のS1114参照)、電源断フラグがオンされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理を実行した後に開始された場合である。従って、かかる場合には(S1008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1009)、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に断された後に開始されたためにS1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1009をスキップして、処理をS1010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定する(S1011)。S1011の処理で割込処理が設定されると、特殊変動パターン記憶領域222aから特殊変動表示パターンのテーブルを読み出して、RAM223の所定の領域(図示せず)に書き込み(S1012)、その後、メイン処理へ移行する。なお、本実施の形態では、S1012の処理で特殊変動表示パターンのテーブルを読み出しているが、立ち上げ処理内であればどのタイミングで読み出しを実行するものとしても良い。
また、S1009のクリア処理をスキップするのは、S1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至った場合には、S1004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図17を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図17は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから1ms以上が経過したか否かが判別され(S1101)、1ms以上経過していなければ(S1101:No)、S1102〜S1109の処理を行わずにS1110の処理へ移行する。S1101の処理で、1ms経過したか否かを判別するのは、S1102〜S1109が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ms以内)で編集する必要がないのに対して、S1110の各カウンタの更新処理やS1111のコマンドの受信処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。これにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止できる。
S1101の処理で1ms以上経過していれば(S1101:Yes)、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1107の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1102)、その後電源投入報知処理を実行する(S1103)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1104の処理へ移行する。
S1104の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1105)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、作動保留球Nに応じて保留ランプ85を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1106)。この枠ボタン入力監視・演出処理について、図18を参照して説明する。
図18は、MPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理を示したフローチャートである。S1106の処理が実行されると、枠ボタン22が操作されて入力がなされたか否かが判別され(S1201)、枠ボタン22が操作されていなければ(S1201:No)、枠ボタン入力監視・演出処理を終了する。一方、枠ボタン22が操作されている場合は(S1201:Yes)、特殊演出フラグ223bがオンされているか否かが判別され(S1202)、特殊演出フラグ223bがオンされていなければ(S1202:No)、その他の枠ボタン22の処理が実行される(S1203)。なお、特殊演出フラグ223bは、コマンドの受信処理(図20参照)においてオンされるが、その説明については後述する。また、S1203のその他の枠ボタン22の処理は、例えば、変動表示の開始時に第3図柄表示装置81に予告キャラクタが出現し、且つ枠ボタン22が押された場合に、今回の変動による大当たりの期待値を表示させたり、リーチ発展への期待値を表示させるためのコマンドを設定する処理である。
S1202の処理において、特殊演出フラグ223bがオンされていれば(S1202:Yes)、枠ボタン22の枠ボタン有効タイマ223aにより計測された経過時間が10秒以上経過したか否かが判別される(S1204)。枠ボタン22の枠ボタン有効タイマ223aが10秒以内であれば(S1204:No)、押下回数カウンタ223cの値に1を加算して(S1205)、枠ボタン入力監視・演出処理を終了する。一方、枠ボタン有効タイマ223aが10秒を越えていれば(S1204:Yes)、枠ボタン22の操作を無効とするために設定時間経過フラグ223gをオンして(S1206)、枠ボタン入力監視・演出処理を終了する。なお、S1204の処理で枠ボタン有効タイマ223aが10秒以内であるか否かを判別しているのは、本実施の形態の特殊リーチの演出時間の15秒より短い10秒を枠ボタン22の操作の有効時間として設定しているからである。枠ボタン22の操作の有効時間を特殊リーチの演出時間より短くすることで、枠ボタン22の押下回数に応じた演出を遊技者が確認することができるので、遊技者は、第3図柄表示装置81の演出を集中して視認することができる。なお、枠ボタン22の操作の有効時間を特殊リーチの演出時間としても良い。この構成とすれば、特殊リーチの演出時間の間、枠ボタン22を操作することができるので、遊技者の遊技への参加時間を長くすることができる。
図17に戻って音声ランプ制御装置113のメイン処理について説明する。枠ボタン入力監視・演出処理(S1106)が終わると、ランプ編集処理が実行され(S1107)、その後音編集・出力処理が実行される(S1108)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力させる。
その後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1109)、S1110の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドや演出時間加算コマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1107のランプ編集処理やS1108の音編集・出力処理の演出時間が設定される。なお、上述したように、変動パターンコマンドに特殊変動パターンの情報が含まれている場合には、演出時間が15秒に設定される。
S1110の処理では、第3図柄表示装置81の変動表示処理が実行される。この第3図柄表示装置81の変動表示処理について、図19を参照して説明する。
図19は、MPU221により実行される第3図柄表示装置81の変動表示処理を示したフローチャートである。この変動表示処理では、主に第3図柄表示装置81で行われる図柄列の動的表示の表示態様が設定される。S1110の処理が実行されると、まず、変動表示設定完了フラグ223eがオンされているか否かが判別される(S1301)。変動表示設定完了フラグ223eがオンであれば(S1301:Yes)、既に、第3図柄表示装置81の変動演出の設定が完了しているので、変動表示処理を終了し、変動表示設定フラグ223eがオフであれば(S1301:No)、第3図柄表示装置81の変動の演出を設定するためにS1302の処理へ移行する。
S1302の処理では、リーチ演出か否かが判別される。リーチ演出か否かの判別は、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドの情報が、大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのどれに対応しているかを確認することで行われる。変動パターンコマンドの情報が完全外れであればリーチ演出でないので(S1302:No)、外れ変動演出が設定されると共に、第3図柄表示装置81における変動の演出が設定されたので変動表示設定完了フラグ223eをオンして(S1303)、変動表示処理を終了する。なお、外れ変動演出の設定は、外れ時の変動パターンを選択するためのカウンタ(図示せず)の値に基づいて、複数の外れ変動パターンから1の外れ変動パターンを選択することで行われる。よって、主制御装置110により決定された1のコマンドに対して、第3図柄表示装置81で表示される詳細な変動パターンが音声ランプ制御装置113で決定されるので、主制御装置110の制御負担を軽減することができる。さらに、主制御装置110において決定される各演出のパターンを少なくできるので、ROM202の記憶容量を少なくすることができ、コスト低減を図ることができる。
一方、S1302の処理でリーチ演出(変動パターンコマンドの情報が大当たり、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチのいずれか)であると判別されると(S1302)、大当たりか否かが判別され(S1304)、大当たりでなければ(S1304:No)、S1305の処理へ移行し、大当たりであれば(S1304:Yes)、S1316の処理へ移行する。なお、大当たりか否かの判別は、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドの情報が大当たりであるか否かに基づいて確認される。
S1305の処理では、特殊演出フラグ223bがオンされているか否かが判別され(S1305)、特殊演出フラグ223bがオフであれば(S1305:No)、その他の外れリーチ演出を設定すると共に、第3図柄表示装置81における変動の演出が設定されたので変動表示設定完了フラグ223eをオンして(S1306)、変動表示処理を終了する。その他の外れリーチ演出の設定は、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチに対応したカウンタ(図示せず)の値に基づいて、複数の外れリーチの変動パターンから1の外れリーチの変動パターンが設定されると共に、停止表示される図柄が設定される。なお、上記同様に、音声ランプ制御装置113により詳細なリーチ演出や停止図柄を選択しているので、主制御装置110の制御負担を軽減できると共に、ROM202の記憶容量を少なくすることができる。
S1305の処理で特殊演出フラグ223bがオンであれば(S1305:Yes)、変更回数Xの値が1より大きいか否かが判別される(S1307)。変更回数Xの値が1より大きければ(S1307:Yes)、S1308〜S1312の処理が所定の回数(実行回数)実行されていないので、S1308の処理へ移行する。S1308の処理では、押下回数カウンタ223cの値が押下回数Yより大きな値であるか否かが判別される(S1308)。なお、変更回数Xと押下回数Yとは、後述する主制御装置110からのコマンドの受信処理(S1111)において設定される。
S1308の処理で押下回数カウンタ223cの値が押下回数Yより大きな値と判別されると(S1308:Yes)、第3図柄表示装置81の表示態様を期待度が高い演出に設定するために、表示図柄カウンタ223dの値に1を加算する(S1309)。その後、枠ボタン22が再度押下回数Yに対応した回数操作されたか否かを判別するために、押下回数カウンタ223cの値を0に設定し(S1310)、第3図柄表示装置81における表示態様が1回変更されたことになるので、変更回数Xの値から1を減算する(S1311)。そして、表示図柄カウンタ223dの値が0にセットし直されることを防止するために、表示図柄設定フラグ233fをオンして(S1312)、S1328の処理へ移行する。なお、本実施の形態では、表示図柄カウンタ223dの値が大きいほど、即ち、枠ボタン22が操作される回数が多くなるほど、第3図柄表示装置81の表示態様が期待度の高い動的表示に設定される。本実施形態では、リーチ演出の1つとして図24(a)に示すリーチ演出が行われ、枠ボタン22の操作された回数が多いほど、「7」の図柄が停止位置(図23の点線部分)に近づく表示態様(綱が右側に引かれる表示態様)に設定されると共に、枠ボタン22の操作回数が少ないほど、「7」の図柄が停止位置から離れる表示態様(綱が左側に引かれる表示態様)が設定される。よって、遊技者は、図柄の動作を確認することで、大当たりへの期待度を容易に認識することができる。なお、第3図柄表示装置81で行われる演出の詳細については後述する。
一方、S1308の処理で押下回数カウンタ233cの値が押下回数Yより小さな値であれば(S1308:No)、表示図柄設定フラグ223fがオンされているか否かが判別される(S1313)。表示図柄設定フラグ223fがオフであれば(S1313:No)、遊技者による枠ボタン22の操作が押下回数Yに一度も達していないので、第3図柄表示装置81の表示態様を期待度が低い演出に設定するために、表示図柄カウンタ223dの値に0を設定して(S1315)、S1328の処理へ移行する。一方、S1313の処理で表示図柄設定フラグ223fがオンであれば(S1313:Yes)、表示図柄カウンタ223dの値を0に設定することなくS1328の処理へ移行する。なお、詳細な説明は後述するが、S1315の処理で表示図柄カウンタ223dの値に0が設定されると、大当たりに対応した図柄(例えば図24(a)では「7」の表示図柄)が第3図柄表示装置81の停止位置から離れる表示態様が設定される(図25(b)参照)。
ここで、S1307の処理へ戻って説明する。S1307の処理で変更回数Xの値が1以下と判別されると(S1307:No)、S1308〜S1312の処理が所定の回数実行されたこととなるので、S1308の処理へは移行せずに、S1314の処理へ移行する。
S1314の処理では、設定時間経過フラグ223gがオンされているか否かが判別される(S1314)。S1307〜1315の処理は、外れ時の処理であるので、第3図柄表示装置81に停止表示する図柄は外れ図柄でなくてはならない。また、設定時間経過フラグ223gがオンされている場合は(S1314:Yes)、枠ボタン22の操作有効期間が終わっているので、それ以上押下回数カウンタ223cの値が増えることがない。よって、第3図柄表示装置81の表示態様を外れとするために、表示図柄カウンタ223dの値に0を設定して(S1315)、S1328の処理へ移行する。一方、設定時間経過フラグ223gがオフされていれば(S1314:No)、枠ボタン22の操作有効期間であるので、そのままS1328の処理へ移行する。
S1304の処理へ戻って説明する。S1304の処理で、大当たりであると判別されると(S1304:Yes)、特殊演出フラグ223bがオンされているか否かが判別される(S1316)。特殊演出フラグ223bがオフされていれば(S1316:No)、その他の大当たりリーチ演出を設定し(S1315)、変動表示処理を終了する。大当たりリーチ演出の設定は、大当たり時の停止図柄を選択する図柄選択カウンタ(図示せず)や、大当たり時のリーチ演出を選択するリーチ選択カウンタ(図示せず)により、リーチ演出とその停止図柄が設定される。なお、上記同様に、音声ランプ制御装置113により詳細なリーチ演出や停止図柄を選択しているので、主制御装置110の制御負担を軽減できると共に、ROM202の記憶容量を少なくすることができる。
S1316の処理で特殊演出フラグ223bがオンされていれば(S1316:Yes)、変更回数Xの値が1より大きいか否かが判別され(S1318)、変更回数Xの値が1より大きければ(S1318:No)、S1307の処理と同様に、S1319〜S1324の処理が所定の回数(実行回数)実行されていないので、S1319の処理へ移行する。
S1319の処理では、設定時間経過フラグ223gがオンされているか否かが判別される(S1319)。S1318〜S1327の処理は、大当たり時の処理であるので、第3図柄表示装置81に停止表示する図柄は大当たり図柄でなくてはならない。また、設定時間経過フラグ223gがオンされている場合は(S1319:Yes)、枠ボタン22の操作有効期間が終わっているので、それ以上押下回数カウンタ223cの値が増えることがない。よって、第3図柄表示装置81の表示態様を大当たりとするために、表示図柄カウンタ223dの値を最大値に設定して(S1327)、S1328の処理へ移行する。S1327の処理で表示図柄カウンタ223dの値に設定される最大値とは、S1407の処理で設定される変更回数Xから1を減算した値である。変更回数Xは、第3図柄表示装置81に表示される図柄数(図24(a)では5つの図柄)に対応しているので、図24(a)に示す表示態様では、表示図柄カウンタ223dの値に設定される最大値が4となる。表示図柄カウンタ223dの値に最大値が設定されると、大当たりに対応した図柄(例えば図24(a)では「7」の表示図柄)が第3図柄表示装置81の停止位置に表示される表示態様が設定される。また、S1319の処理で設置時間経過フラグ223gがオフであれば(S1319:No)、まだ枠ボタン22の操作の有効期間であるので、そのままS1320の処理へ移行する。このS1319の処理を設けることにより、大当たり時には、遊技者が枠ボタン22を操作していなくても、表示図柄カウンタ223dに大当たり図柄に対応した最大値が設定されるので、主制御装置110により抽選された結果を正確に表示することができる。
S1320の処理では、押下回数カウンタ223cの値が押下回数Yより大きな値か否かが判別され、押下回数カウンタ223cの値が押下回数Yより大きいな値と判別されると(S1320:Yes)、第3図柄表示装置81の表示態様を期待度が高い演出に設定するために、表示図柄カウンタ223dの値に1を加算する(S1321)。その後、枠ボタン22が再度押下回数Yに対応した回数操作されたか否かを判別するために、押下回数カウンタ223cの値を0に設定し(S1322)、第3図柄表示装置81における表示態様が1回変更されたこととなるので、変更回数Xの値から1を減算する(S1323)。そして、表示図柄カウンタ223dの値が0にセットし直されることを防止するために、表示図柄設定フラグ233fをオンして(S1324)、S1328の処理へ移行する。
一方、S1320の処理で押下回数カウンタ233cの値が押下回数Yより小さな値であれば(S1320:No)、表示図柄設定フラグ223fがオンされているか否かが判別される(S1325)。表示図柄設定フラグ223fがオフであれば(S1325:No)、遊技者による枠ボタン22の操作が押下回数Yに一度も達していないので、第3図柄表示装置81の表示態様を期待度が低い演出に設定するために、表示図柄カウンタ223dの値に0を設定して(S1326)、S1328の処理へ移行する。一方、S1325の処理で表示図柄設定フラグ223fがオンであれば(S1325:Yes)、表示図柄カウンタ223dの値を0に設定することなくS1328の処理へ移行する。
ここで、S1318の処理に戻って説明する。S1318の処理で、変更回数Xの値が1以下であれば(S1318:No)、S1319〜S1324の処理が所定の回数実行されたこととなるので、S1319の処理へは移行せずに、S1328の処理へ移行する。
S1328の処理では、S1307〜S1315の処理またはS1318〜S1327の処理で、枠ボタン22の操作回数に基づいて設定された表示図柄カウンタ223dの値に応じて、表示制御装置114に送信される表示図柄コマンドが設定される(S1328)。この表示図柄コマンドは、表示図柄カウンタ223dに対応して0〜最大値(S1407の処理で設定された変更回数X−1)の値が設定される。その後、設定時間経過フラグ223gがオンされているか否かを判別し(S1329)、設定時間経過フラグ223gがオフされていれば(S1329:No)、枠ボタン22の操作の有効期間であるので、特に処理を行わずに変動表示処理を終了する。一方、設定時間経過フラグ223gがオンされていれば(S1329:Yes)、それ以上、押下回数カウンタ223cの値が増加することがないので、押下回数カウンタ223cの値に0を設定すると共に(S1330)、変動表示設定完了フラグ223eをオンして(S1331)、変動表示処理を終了する。S1330の処理で、押下回数カウンタ223cの値に0を設定することにより、次回特殊リーチの演出が行われる場合には、押下回数カウンタ223cの値が0(初期値)となるので、枠ボタン22が操作された回数を正確に記憶することができる。
図17に戻って説明する。S1110の処理が終わると、主制御装置110からのコマンドの受信処理が実行される(S1111)。このコマンドの受信処理について、図20を参照して説明する。
図20は、MPU221により実行される主制御装置110からのコマンドの受信処理を示したフローチャートである。S1111の処理が実行されると、主制御装置110からコマンドを受信したか否かが判別され(S1401)、コマンドを受信していなければ(S1401:No)、コマンドの受信処理を終了し、コマンドを受信していれば(S1401:Yes)、受信したコマンドが変動パターンコマンドであるか否かが判別される(S1402)。
S1402の処理で受信したコマンドが変動パターンコマンドでなければ(S1402:No)、その他のコマンド受信処理を実行する(S1403)。その他のコマンド受信処理は、受信したコマンドに応じて音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い処理結果をRAM233に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信する。
一方、受信したコマンドが変動パターンコマンドであれば(S1402:Yes)、新たに、第3図柄表示装置81において変動が開始されるので、特殊演出フラグ223b、変動表示設定完了フラグ223e、表示図柄設定フラグ223f及び設定時間経過フラグ223gをオフすると共に、表示図柄カウンタ223dの値を0に設定する(S1404)。その後、受信した変動パターンコマンドに含まれる情報に基づいて、特殊変動パターンのコマンドであるか否かが判別され(S1405)、特殊変動パターンのコマンドでなければ(S1405:No)、コマンドの受信処理を終了し、特殊変動パターンのコマンドであれば(S1405:Yes)、枠ボタン22の枠ボタン有効タイマ223aの値に初期値を設定すると共に、特殊演出フラグ223bをオンする(S1406)。
S1406の処理が終わると、S1012の処理で読み出した特殊変動表示パターンのテーブルから1の特殊変動表示パターンが選択され、その特殊変動表示パターンに基づいて変更回数Xと押下回数Yとが設定される(S1407)。本実施の形態では、8個の特殊変動パターンを有しており、8個の特殊変動パターンはそれぞれ1/8の確率で選択され、同確率で選択されるよう構成されている。この特殊変動表示パターンのテーブルについて図21を参照して説明する。
図21に示すように、特殊変動表示パターンのテーブルは、パターンNo1〜No8の8つの特殊変動表示パターンと、その8つの特殊変動表示パターンそれぞれに対応した変更回数X(実行回数)及び押下回数Y(既定回数)とで構成されている。変更回数Xは、特殊変動表示パターンのパターンNo1〜No8に対応して2〜9の値となっており、押下回数Yは、パターンNo1〜No8に対応して30,15,10,8,6,5,4,4となっている。例えば、特殊変動表示パターンのパターンNoが4であった場合、特殊リーチが実行された場合には、第3図柄表示装置81にリーチ図柄の他に5つの図柄が表示される(図24(a)参照)。第3図柄表示装置81に表示される図柄の数は、変更回数Xに対応しており、即ち、図柄の数分、枠ボタン22を操作することで停止表示する図柄を変更することができる。また、押下回数Yは、押下回数カウンタ223cと比較される値であり、押下回数カウンタ223cの値が押下回数Yより大きくなった場合に(S1308:Yes、S1320:Yes)、表示図柄カウンタ223dの値に1が加算される(S1309、S1321)よう構成されているので、枠ボタン22が同じ回数操作されたとしても選択された特殊変動表示パターンに応じて表示図柄カウンタ223dの値が異なる。よって、枠ボタン22を同じ回数操作した場合の第3図柄表示装置81に表示される表示態様が異なるので、パチンコ機10の遊技性が向上し、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。なお、本実施の形態では、特殊変動表示パターンNoは、それぞれ1/8の確率で選択される構成となっているが、例えば、パターンNoが小さいほど選択される確率を低くしても良いし、パターンNoが大きいほど選択される確率を低くするなど、特殊変動パターンNo毎に異なる選択率にしても良い。さらに、大当たりである場合に、特殊変動パターンのパターンNoが小さい方が選択され易くし、外れである場合に、特殊変動パターンNoのパターンNoが大きい方が選択され易くしても良い。この構成とすれば、大当たりの場合には、大当たりの図柄が停止位置に近い状態で表示され、反対に、外れの場合には、大当たりの図柄が停止位置から離れた状態で表示されるので、見た目で大当たりに近い状態であるときほど大当たりにすることができる。よって、遊技者は、大当たりに近い状態で表示された場合に、大当たりを期待して枠ボタン22を操作することで、実際に大当たりが発生し易い。そのため、枠ボタン22の操作意欲を高めることができる。また、特殊変動表示パターンのテーブルを、変更回数Xの値が小さいほど押下回数Yを小さい値にしても良いし、変更回数Xの値が大きいほど押下回数Yを大きい値にしても良い。
S1407の処理で変更回数Xと押下回数Yとが設定されると、その特殊変動表示パターンに対応して、表示制御装置114に送信される特殊変動表示コマンドが設定され(S1408)、受信処理を終了する。S1408の処理で設定される特殊変動表示コマンドは、変更回数Xに応じて設定され、この特殊変動表示コマンドにより第3図柄表示装置81に表示される図柄数が表示制御装置114で設定される。
図17に戻って説明する。S1111の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1112)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1112の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1112:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1114)、電源断処理を実行する(S1115)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1116)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1112の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1112:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1113)、RAM223が破壊されていなければ(S1113:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1113:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図22〜図26を参照して、表示制御装置114で行われる処理と第3図柄表示装置81の表示態様の変化について説明する。なお、説明の便宜上、図23の外部割込み処理を先に説明し、その後、図22のメイン処理を説明する。
図23は、表示制御装置114内のMPU241により実行される外部割込み処理を示したフローチャートであり、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信した場合に実行される。外部割込み処理が実行されると、受信したコマンドが変動パターンコマンドであるか否かが判別される(S1601)。受信したコマンドが変動パターンコマンドであれば(S1601:Yes)、第3図柄表示装置81において変動表示を開始させるために、ワークRAM233の変動開始フラグ233aをオンすると共に、特殊変動であるか否かが不明であるので特殊変動フラグ233aを一度オフする(S1602)。その後、受信した変動パターンコマンドが特殊変動パターンか否かが判別され(S1603)、特殊変動パターンでなければ(S1603:No)、外部割込み処理を終了し、特殊変動パターンであれば(S1603:Yes)、特殊変動フラグ233bをオンして(S1604)、外部割込み処理を終了する。
一方、S1601の処理で、受信したコマンドが変動パターンコマンドでなければ(S1601:No)、特殊変動表示コマンドであるか否かが判別され(S1605)、特殊変動表示コマンドであれば(S1605:Yes)、特殊リーチ時に第3図柄表示装置81で表示される図柄数を設定する(S1606)。これは、特殊変動表示コマンド(変更回数X)が5であれば、図24(a)に示すように「3」〜「7」の5つの図柄が表示されるよう設定され、特殊変動表示コマンド(変更回数X)が3であれば、図24(b)に示すように、「5」〜「7」の3つの図柄が表示されるよう設定される。
一方、S1603の処理で、受信したコマンドが特殊変動表示コマンドでなければ(S1603:No)、受信したコマンドが表示図柄コマンドであるか否かが判別され(S1607)、表示図柄コマンドであれば(S1607:Yes)、特殊リーチ演出時の第3図柄表示装置81に停止表示される図柄が設定され(S1608)、外部割込処理を終了する。S1608の処理では、表示図柄コマンドに対応した表示態様のパターンをワークRAM233の表示パターン233cから選択することで、停止表示される図柄が設定される。なお、本実施の形態では、図24(a)に示すように、特殊リーチは、リーチ演出時に停留している図柄(図23では「7」)に対して、5つの図柄(図24(a)では「3」〜「7」の図柄)が表示される。表示図柄コマンドは、表示図柄カウンタ223dの値に応じて決められており、表示図柄カウンタ223dの0〜4の値が、第3図柄表示装置81の停止位置(図24(a)の破線部分)に表示される表示図柄「3」〜「7」に対応している。即ち、図24(a)に示す状態(停止位置に「5」の表示図柄が表示されている状態)で、表示図柄コマンド(表示図柄カウンタ223d)の値が4となると、停止位置に表示される表示図柄が「5」から「6」へ移動し、「6」の表示図柄が停止位置に表示される表示態様のパターンが選択され、図24(a)に示す点線部分(停止位置)に「6」の表示図柄が表示された後に表示図柄が「6」から「7」へ移動し、「7」の表示図柄が停止位置に表示される表示態様のパターンが選択される。また、図24(a)に示す状態で、表示図柄コマンドの値が3となると、表示図柄が「5」から「6」へ移動し「6」の表示図柄が停止位置に表示される表示態様のパターンが選択され、表示図柄コマンドの値が2の場合は表示態様のパターンの選択は行われず、表示図柄コマンドの値が1の場合は、表示図柄が「5」から「4」へ移動し「4」の表示図柄が停止位置に表示される表示態様のパターンが選択され、表示図柄コマンドの値が0の場合、表示図柄が「5」から「4」へ移動し「4」の表示図柄が停止位置に表示される表示態様のパターンが選択され、図24(a)に示す点線部分(停止位置)に「4」の表示図柄が表示された後に表示図柄が「4」から「3」へ移動し「3」の表示図柄が停止位置に表示される表示態様のパターンが選択される。また、一旦、「3」の表示図柄が停止位置に表示された状態で、枠ボタン22が操作されて表示図柄コマンドの値が4になった場合は、表示図柄が「3」から「4」、「4」から「5」、「5」から「6」、「6」から「7」へそれぞれ移動し停止位置に表示図柄がそれぞれ表示される表示態様のパターンが連続して選択される。反対に、「7」の表示図柄が停止位置に表示された状態で、表示図柄コマンドの値が0になった場合は、表示図柄が「7」から「6」、「6」から「5」、「5」から「4」、「4」から「3」へそれぞれ移動し停止位置に表示図柄がそれぞれ表示される表示態様のパターンが連続して選択される。よって、本実施の形態では、表示パターン233cには、大当たりを構成する図柄(例えば「7」の表示図柄)に対して、一方向(図24(a)左方向)に連続して並んだ表示図柄の4(X)番目の表示図柄から3(X−1)番目の表示図柄、3(X−1)番目の表示図柄から2番目(X−2)の表示図柄、2(X−2)番目の表示図柄から1番目(X−3、隣)の表示図柄へ(1つ右隣の表示図柄へ)移動して表示する表示態様のパターンと、1番目の表示図柄から2番目の表示図柄、2番目の表示図柄から3番目の表示図柄、3番目の表示図柄から4番目の表示図柄へ(1つ左隣の表示図柄へ)移動して表示する表示態様のパターンとの8つの表示態様のパターンが10種類のリーチ(0〜9の図柄のリーチ)に対応して80個記憶されている。さらに、第3図柄表示装置81に表示される図柄が3つ〜4つ及び6つ〜9つの図柄が表示される場合に対応するパターンが全て記憶されている。よって、変動パターンコマンドにより設定されるリーチ図柄と、特殊変動表示コマンドにより設定される図柄数と、表示図柄コマンドの値とに基づいて表示パターン233cに記憶される表示態様のパターンが読み出されて選択される。
S1607の処理で、受信したコマンドが表示図柄コマンドでなければ(S1607:No)、停止コマンドであるか否かが判別され(S1609)、停止コマンドであれば(S1609:Yes)、第3図柄表示装置81の変動表示の終了を設定して(S1610)、外部割込み処理を終了する。
一方、S1609の処理で、受信したコマンドが停止コマンドでなければ(S1609:No)、その他のコマンドの受信処理を実行して(S1611)、外部割込み処理を終了する。その他のコマンド受信処理では、受信したコマンドに対応した処理を行う。例えば、客待ち演出時の表示を指示するコマンドなどが含まれており、客待ち処理としてキャラクタなどが動作する画像を表示する。
図22は、表示制御装置114内のMPU241により実行されるメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時に起動される。まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1501)。具体的には、MPU231を初期設定し、ワークRAM233,ビデオRAM234の記憶をクリアする処理などが行われる。
初期設定の処理が終わると、割込み許可が設定され(S1502)、キャラクタROM235からキャラクタ情報が読み出されてRAM234に記憶され、そのキャラクタ情報が第3図柄表示装置81で行われる演出データに設定される(S1503)。
S1503の処理で、キャラクタ情報が演出データに設定されたら、大当たり中であるか否かが判別され(S1504)、大当たり中であれば(S1504:Yes)、大当たり処理を実行して(S1505)、S1512の処理へ移行する。一方、大当たり中でなければ(S1504:No)、変動開始フラグ233aがオンされているか否かが判別される(S1506)。なお、S1505の大当たりの処理は、処理が実行される毎に必要なキャラクタ情報がRAM234の表示用の領域に記憶され、その記憶されたキャラクタ情報に基づいて行われる。
S1504の処理の結果、変動開始フラグ233aがオンされていれば(S1504:Yes)、1の変動パターンコマンドで1の変動開始とするために変動開始フラグ233cをオフして(S1507)、第3図柄表示装置81の表示画面に変動パターンコマンドに対応した変動表示を開始させる(S1508)。
一方、S1506の処理で確認した結果、変動開始フラグ233cがオフであった場合(S1506:No)、又は、S1508の処理で変動が開始されると、特殊変動フラグ233bがオンであるか否かが判別される(S1509)。特殊変動フラグ233bがオフであれば(S1509:No)、普通変動演出処理が実行され(S1510)、特殊変動フラグ233bがオンであれば(S1509:Yes)、特殊変動演出処理が実行され(S1511)、変動演出処理(S1510、S1511)が終わったらS1512の処理へ移行する。なお、変動演出処理(S1510、S1511)は、変動中でなければ特に処理を行わずにS1512の処理へ移行する。また、停止コマンドを受信した場合には、変動が停止される。変動演出処理(S1510、S1511)は、図柄列をスクロールしたり、背景図柄を変更したり、予告キャラを表示したり詳細な演出が行われる。そのため、その都度、必要な画像を読み出して変動を継続して行う。なお、S1511の特殊変動演出処理における表示態様については後述する。
S1512の処理では、第3図柄表示装置81における演出を行う処理(S1504〜S1511)を20ms毎に実行するために、S1504の処理が開始されてから20ms以上が経過したか否かが判別され、20ms以上経過していなければ(S1512:No)、20ms以上経過するまで待機し、20ms以上が経過すれば(S1512:Yes)、S1504の処理へ移行する。
ここで、図24〜図26を参照して、S1511の処理の特殊変動演出処理について説明する。図24は、特殊変動演出処理で実行される第3図柄表示装置81の表示態様を示した図であり、図24(a)は、第3表示図柄装置81に5つの図柄が表示される特殊リーチを示しており、図24(b)は、第3図柄表示装置81に3つの図柄が表示される特殊リーチを示している。図25は、枠ボタン22の操作回数に応じた第3図柄表示装置81の表示態様を示した図であり、図25(a)は、枠ボタン22が操作された場合の表示態様を示しており、図25(b)は、枠ボタン22が操作されない場合の表示態様を示している。図26は、変動表示の終了時の第3図柄表示装置81の表示態様を示した図であり、図26(a)は、逆転パターンにおける大当たりの表示態様であり、図26(b)は、負けパターンにおける外れの表示態様を示している。
S1511の処理で特殊変動演出処理が実行されると、図柄列の変動表示が継続され、その後、図24に示すようなリーチ演出が表示される。本実施の形態では、図24(a)について説明し、図24(b)についての説明は省略する。
図24(a)に示すように、特殊リーチが実行されると、上段に「7」の図柄のリーチ図柄が表示され、中段中央の停止位置に「5」の図柄が表示され、その左右にそれぞれ2つの図柄(左側に「7」の図柄と「6」の図柄、右側に「4」の図柄と「3」の図柄)が表示されている。また、下段中央には、遊技者に枠ボタン22の操作を促すための「連打してね」の表示がなされている。
図25(a)は、遊技者が枠ボタン22を少なくとも24回以上操作した状態を示しており、表示図柄コマンドの情報が「3」に対応したパターンが表示パターン233cから読み出され、そのパターンに基づいた表示がなされた状態を示している。この状態は、枠ボタン22が8回以上操作されて押下回数カウンタ223cの値が押下回数Y(本実施の形態では「8」)より大きくなり(S1308:Yes又はS1320:Yes)、表示図柄カウンタ223dの値に1が加算される処理(S1309又はS1321)が3回実行されたこととなる。よって、遊技者により枠ボタン22が多く操作されているので、第3図柄表示装置81の表示態様が期待度の高い演出となり、中段中央の停止位置に「6」の図柄が表示されている。図25(a)は、図24(a)に示した状態より、「7」の図柄が停止位置(図中の点線部分)に近づいているので、遊技者は、枠ボタン22を操作することで、「7」の図柄が停止位置に移動する期待感を持つことができる。なお、図示しないが、枠ボタン22が少なくとも32回以上操作されると、表示図柄コマンドの情報が「4」となり、中段中央の停止位置に「7」の図柄が表示され、さらに遊技者に期待感を持たせることができる。
図25(b)は、枠ボタン22が操作されていない場合、又は、枠ボタン22が操作されたとしても8回以下の場合を示しており、表示図柄コマンドの情報が「0」に対応した状態であり、中段中央の停止位置には「3」の図柄が表示されている。図25(b)は、図24(a)に示した状態より、「7」の図柄が停止位置から離れているので、枠ボタン22を操作しないと、「7」の図柄が停止位置から離れていくことを遊技者は認識することができる。よって、リーチ図柄(例えば「7」)に対応した図柄を基準として連続した5つの図柄(例えば「3」〜「7」)が第3図柄表示装置81に表示され、5つの図柄が左右(一方向)に動作することで、大当たりへの期待感を遊技者に与えているので、パチンコ機1の遊技経験が少ない遊技者であっても、大当たりへの期待感の高低を容易に認識することができる。
なお、表示図柄コマンドの状態が「0」であり、図25(b)の表示態様が設定されたとしても、その後、枠ボタン22を操作した場合には、その枠ボタン22が操作された回数に応じて、例えば図25(a)の表示態様が設定される。よって、遊技者が枠ボタン22を操作することで、「7」の図柄が停止位置に近づくので、遊技者の枠ボタン22の操作意欲を高めることができる。また、本実施の形態では、枠ボタン22が操作された回数に応じて、5つの表示態様(「3」〜「7」の図柄がそれぞれ停止する表示態様)を設定可能に構成したが、外れと大当たりとの2つの表示態様(「3」又は「7」の図柄が停止する表示態様)に設定するものとしても良し、3つ及び4つの表示態様に設定するものとしても良い。。この構成とした場合、音声ランプ制御装置113の変動表示処理(図19参照)において、第3図柄表示装置81で選択される表示態様のパターン数に応じて、押下回数カウンタ223bと比較する回数を設定する。また、第3図柄表示装置81で設定される表示態様のパターンを少なくすれば、制御負担を軽減することができる。よって、パチンコ機10の仕様に合わせて、第3図柄表示装置81で設定される表示態様のパターン数を適宜設定するものとしても良い。
図25(a)及び図25(b)に示したように、枠ボタン22を操作することで、表示態様が変更されるが、大当たりであるか外れであるかは、主制御装置110の第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて決められている。よって、第1当たり乱数カウンタC1により設定された表示態様にならないと、正確な制御が実行されないこととなる。そこで、現在の特殊リーチにより大当たりが発生する場合で且つ、中段中央の停止位置に大当たり図柄(本実施の形態では「7」の図柄)が停止表示されていない場合には、図26(a)に示すように、綱が一気に右側に引かれて停止位置に「7」の図柄を停止させる逆転パターンの表示態様が設定される。これは、特殊リーチの終了するタイミングに表示図柄コマンドの値が「0」〜「3」である場合に対応した演出である。なお、枠ボタン22が複数回操作され、表示図柄コマンドの値が「4」であれば、そのまま大当たりとして変動を終了する。
また、現在の特殊リーチが外れであり、且つ、中段中央の停止位置に大当たり図柄が停止表示されている場合には、図26(b)に示すように、綱が一気に左側にひかれて停止位置に「3」の図柄を停止表示させる負けパターンの表示態様が設定される。これは、特殊リーチの終了するタイミングに表示図柄コマンドの値が「4」である場合に対応した演出である。なお、枠ボタン22が複数回操作され、表示図柄コマンドの値が「4」以外であれば、そのまま外れとして変動を終了する。
以上、説明したように、パチンコ機10は、枠ボタン22の操作回数に応じて第3図柄表示装置81で表示される特殊リーチの表示態様(動的表示)が変更される。その表示態様の変更は、枠ボタン22の操作回数が多いほど、大当たりへ近くなる表示態様となる。即ち、枠ボタン22の操作回数が多いほど、大当たりへの期待感が高くなる表示態様が設定される。さらに、第3図柄表示装置81で行われる特殊リーチは、大当たりに対応した図柄を含む連続した図柄が一方向又はその一方向に対して逆方向に動作する演出なので、遊技経験の少ない遊技者であっても、大当たりに対応した図柄の動作に基づいて大当たりへ移行する表示図柄が停止位置に近いか否かを容易に認識することができる。よって、特殊リーチの演出時に枠ボタン22の操作意欲を高めることができ、その結果、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
また、第3図柄表示装置81で行われる特殊リーチは、大当たりに対応した図柄に対して、外れ図柄の数が異なって表示されるので、遊技性が固定的にならない。よって、特殊リーチが第3図柄表示装置81で行われたとしても、遊技性が固定的であるために遊技者の枠ボタン22の操作意欲が低下してしまうこを低減できる。
また、枠ボタン22を20回以上操作して停止位置に大当たり図柄が停止した状態で、そのまま大当たりとなると、遊技者は、次回の特殊リーチにおいても枠ボタン22を操作して大当たりとなることを期待する。よって、遊技者の枠ボタン22の操作意欲を高めることができ、遊技への参加意欲を高めることができる。反対に、枠ボタン22を操作せずに停止位置に外れ図柄が停止している状態から逆転パターンにより大当たりとなると、遊技者は、枠ボタン22を操作しておけば期待度の高い演出を見ることができたと認識するので、次回の特殊リーチにおいて枠ボタン22の操作意欲が高くなる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
次に、図27〜図29を参照して、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態のパチンコ機10は、枠ボタン22の押下回数に応じて第3図柄表示装置81の表示態様を変更するよう構成した。これに対して、第2の実施の形態は、枠ボタン22の押下回数に応じて第3図柄表示装置81の表示態様を変更するだけでなく、押下回数を第3図柄表示装置81に表示するよう構成している。なお、第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図27は、第2の実施の形態の表示制御装置1114(図示せず)のMPU1221(図示せず)により実行される枠ボタン22の枠ボタン入力監視・演出処理を示したフローチャートである。
第2の実施の形態の表示制御装置1114で行われる枠ボタン入力監視・演出処理では、枠ボタン有効タイマ223aが10秒経過していない状態で(S1204:No)、押下回数カウンタ223bの値に1が加算されると(S1205)、押下回数に応じた押下回数コマンドが設定され(S1701)、枠ボタン入力監視・演出処理が終了する。
図28は、第2の実施の形態の表示制御装置1114(図示せず)のMPU1231(図示せず)により実行される外部割込み処理を示したフローチャートである。
第2の実施の形態の表示制御装置1114で行われる外部割込み処理では、音声ランプ制御装置1113から送信される押下回数コマンドを受信した場合の処理が追加されている。押下回数コマンドの受信を判別する処理は、表示図柄コマンドを受信したか否かを判別する処理(S1607)と、停止コマンドを受信したか否かを判別する処理(S1609)との間で行われている。これは、少なくとも停止コマンドの受信を判別する前に押下回数コマンドの受信を確認することで、第3図柄表示装置81での変動表示が終了する前に押下回数の表示を正確に行うことができるからである。
表示図柄コマンドを受信していないと判別されると(S1607:No)、押下回数コマンドを受信したか否かが判別される(S1801)。押下回数コマンドを受信していなければ(S1801:No)、S1609の処理へ移行して停止コマンドの受信を判別し、押下回数コマンドを受信していれば(S1802:Yes)、その押下回数コマンドに対応した押下回数が設定される(S1802)。S1802の処理で押下回数が設定されると、第3図柄表示装置81の画面上に現在の枠ボタン22の押下回数が表示される(図29参照)。
図29は、第2の実施の形態の特殊変動演出処理で実行される第3図柄表示装置81の表示態様を示した図である。図29に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面の下段に「只今15回 もっとたたけ!!」の表示がなされている。
以上、説明したように、第2の実施の形態では、枠ボタン22の押下回数が表示されるので、遊技者は、枠ボタン22の押下回数を確認しつつ特殊リーチの演出を視認することができる。よって、枠ボタン22の押下回数が増加する毎に、停止位置に大当たり図柄が近づく表示態様となるので、遊技者の枠ボタン22の操作意欲を高めることができ、その結果、遊技への参加意欲を高めることができる。
また、枠ボタン22が操作された回数とは別に、第3図柄表示装置81に所定回数(例えば20回)以上の操作を促す表示情報を表示するよう構成していも良い。この構成とすれば、遊技者は、実際に枠ボタン22が操作された回数と所定回数とを視認することができるので、所定回数に達するまで枠ボタン22を操作する意欲が高くなる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
以上、一実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施の形態では、主制御装置110から送信されるコマンドを音声ランプ制御装置113が受信すると共に、音声ランプ制御装置113に枠ボタン22を接続する構成としたために、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示図柄コマンドを送信するよう構成したが、主制御装置110から送信されるコマンドを表示制御装置114が受信すると共に、表示制御装置114に枠ランプ22を接続する構成として、表示制御装置114において枠ボタン22の押下回数に応じて表示態様を設定するものとしても良い。この構成とすれば、表示制御装置114のみで枠ランプ22の押下回数に応じた制御を行えるので、簡略化した制御を行うことができる。
また、上記各実施の形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしても良い。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成しても良い。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしても良い。
また、上記実施の形態では、枠ボタン22の操作の有効時間が経過すると(S1314:Yes)、表示図柄カウンタ223dの値に0を設定し、大当たり図柄から一番離れて位置する表示図柄が停止位置に表示されるよう構成したが、リーチ演出が終了する際に、大当たり図柄が停止位置に表示されなければよいので、表示図柄カウンタ223dに設定される値の最大値から1を減算した値、最大値から2を減算した値など、他の表示図柄が表示されるよう構成しても良い。即ち、図19のS1315の処理で表示図柄カウンタ223dの値に0が設定される処理に代えて、最大値ー1を設定したり、最大値ー2を設定する処理を行う。また、最大値ー1から0の数字を所定の確率で選択して表示図柄をランダムに設定するものとしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
さらに、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向或いはL字形などの所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、図柄と共に或いは図柄とは別に、識別情報として用いられる。
以下に、本発明の遊技機および変形例を示す。請求項1から8のいずれかに記載の遊技機において、前記表示装置で行われる識別情報の動的表示は、複数の識別情報列が変動して表示されるものであり、前記特定の変動態様は、前記複数の識別情報列の一部が停留すると共に、その停留した識別情報列が前記予め定めた表示結果の一部を構成して前記所定の遊技価値の付与を遊技者に期待させるものであり、前記変動態様選択手段は、前記識別情報列が動的表示する変動時間を設定する時間情報を選択することで、1の変動態様を選択するものであり、前記表示制御手段は、前記変動態様選択手段により前記特定の変動態様に対応した時間情報が選択された場合に、前記入力手段の操作が有効となる操作有効時間を、前記変動態様選択手段により選択された時間情報に基づいて設定する時間設定手段を備えていることを特徴とする遊技機1。遊技機1によれば、特定の変動態様の変動時間を設定する時間情報が変動態様選択手段により選択され、その時間情報に基づいて入力手段の操作が有効となる操作有効時間が時間設定手段により設定される。よって、表示制御手段において、特定の変動態様が行われる時間に対して入力手段の操作が有効となる期間を正確に設定することができる。
なお、変動態様選択手段に選択される時間情報は、変動時間のみを設定するものに限らず、表示装置で行われる複数種類の演出パターンから演出パターンを特定する情報を含むものであっても良い。演出パターンには、例えば、当たりリーチ演出や、外れリーチ演出、スーパーリーチ演出、リーチ予告演出などがあり、リーチ予告をした後にリーチ演出を行うパターンや、リーチ予告を行わずにスーパーリーチ演出を行うパターンなど、時間情報により変動時間と演出パターンの組み合わせとを特定して各種演出を設定しても良い。
請求項1から8のいずれかに記載の遊技機または遊技機1において、前記表示制御手段は、前記動的表示選択手段により1の動的表示情報が選択された場合に、前記回数記憶手段に記憶される入力情報の入力回数と比較される既定回数を設定する既定回数設定手段と、その既定回数設定手段により設定された既定回数と前記回数記憶手段に記憶される入力情報の入力回数とを比較して判断する比較判断手段と、その比較判断手段の判断結果に対応した数値が記憶される数値記憶手段と、前記回数記憶手段に記憶される入力情報の入力回数が、前記既定回数設定手段により設定された既定回数より大きいと前記比較判断手段により判断された場合に、前記数値記憶手段に記憶される数値に所定値を加算又は減算する加減算手段と、その加減算手段によって前記数値記憶手段に記憶される数値に所定値が加算又は減算された場合に、前記回数記憶手段に記憶されている入力情報の入力回数を初期化する第1初期化手段と、前記動的表示選択手段により1の動的表示情報が選択された場合に、前記数値記憶手段に記憶される数値に前記加減算手段によって所定値が加算又は減算される処理の実行回数を設定する実行回数設定手段とを備え、前記数値記憶手段に記憶される数値に、前記加減算手段によって所定値が加算又は減算される処理が、前記実行回数設定手段により設定された実行回数に達していない場合には、前記表示装置の停止位置に前記第2識別情報を表示し、前記抽選手段により前記特別遊技へ移行すると抽選された場合で且つ、前記停止位置に前記第2識別情報が表示されている場合には、前記変動態様の動的表示が終了する前に、前記表示装置の停止位置に前記第1識別情報を表示することを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、数値記憶手段に記憶される数値に加減算手段によって所定値が加算又は減算される処理が、実行回数設定手段により設定された実行回数に達っしていないと、表示装置の停止位置に第2識別情報が表示され、特別遊技へ移行する場合には、変動態様の動的表示が終了する前に、第1識別情報が停止位置に表示される。よって、遊技者が入力手段を操作しない場合に、停止表示される識別情報の組合わせが、予め定めた識別情報の組合わせとなるので、次に特定の変動態様が行われる際には、遊技者は、特別遊技への移行を期待して入力手段を操作する。よって、遊技者の入力手段の操作意欲を高めることができる。
遊技機2において、前記表示制御手段は、前記数値記憶手段に記憶される数値に、前記加減算手段によって所定値が加算又は減算される処理が、前記実行回数設定手段により設定された実行回数に達した場合に、前記既定回数設定手段により設定された既定回数と、前記回数記憶手段に記憶される入力情報の入力回数とを前記比較判断手段により比較して判断する処理の実行を禁止する禁止手段とを備えていることを特徴とする遊技機3。遊技機3によれば、数値記憶手段に記憶される数値に加減算手段によって所定値が加算又は減算される処理が実行回数に達すると、既定回数と入力情報の入力回数とを比較判断手段により比較して判断する処理が禁止手段により禁止されるので、必要回数以上、比較判断手段により入力回数と既定回数とを比較して判断する処理が実行されることを禁止することができる。よって、表示制御手段における制御負担を軽減することがでいる。
請求項1から8のいずれかに記載の遊技機または遊技機1から3のいずれかにおいて、前記特定の変動態様が開始されてからの経過時間を計測可能な計測手段を備え、前記設定手段は、前記特定の変動態様の開始から所定時間経過したことが前記計測手段により計測されると、前記抽選手段の抽選結果が特別遊技へ移行する場合には前記表示装置の停止位置に停止表示される識別情報を前記第1識別情報に設定すると共に、前記抽選手段の抽選結果が特別遊技へ移行しない場合には、前記表示装置の停止位置に停止表示される識別情報を前記第1識別情報以外の識別情報に設定することを特徴とする遊技機4。遊技機4によれば、特定の変動態様の開始から所定時間経過したことが計測手段に計測されると、抽選手段の抽選結果に応じた識別情報が停止表示されるようて設定手段により設定されるので、抽選結果に応じた識別情報の組合わせを確実に停止表示させることができる。
遊技機4において、前記表示制御手段は、前記特定の変動態様の開始から所定時間経過したことが前記計測手段により計測された場合に、前記回数記憶手段に記憶されている入力情報の入力回数を初期化する第2初期化手段を備えていることを特徴とする遊技機5。遊技機5によれば、特定の変動態様の開始から所定時間が経過した場合に、回数記憶手段に記憶される入力情報の入力回数が第2初期化手段により初期化されるので、入力手段の操作が有効となる期間を過ぎたら、回数記憶手段に記憶される回数が初期化される。よって、次回の特定の変動態様が行われる場合には、回数記憶手段の値が初期値となっているので、入力情報の入力回数を正確に記憶することができる。
ここで、遊技機4又は5において、計測手段により計測される所定時間とは、特定の変動態様の開始から終了までの時間としても良いし、特定の変動態様の開始から終了前の一定の時間としても良い。所定時間を特定の変動態様の開始から終了までの時間とすれば、特定の変動態様が終了するまで入力手段の操作が有効となるので、遊技者は長い時間遊技に参加することができる。一方、所定時間を特定の変動態様の開始から終了前の一定の時間とすれば、その一定の時間の経過後から特定の変動態様が終了するまでの間、入力手段の操作回数に応じた動的表示が行われるので、遊技者は表示装置を注視して遊技に集中することができる。また、所定時間を入力手段の操作回数に応じて変更しても良い。この構成では、入力手段の操作回数が少ないほど所定時間を短く設定すると共に、入力手段の操作回数が多いほど所定時間を長く設定すれば、遊技者が入力手段を操作するほど、表示装置の表示態様が変化する時間が長くなるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
請求項1から8のいずれかに記載の遊技機または遊技機1から5のいずれかにおいて、前記主制御手段と表示制御手段とは、各種電子部品が搭載された異なる基板にそれぞれ設けられおり、前記入力手段は、前記表示制御装置が設けられた基板に対して接続されていることを特徴とする遊技機6。遊技機6によれば、表示制御手段が設けられた基板に入力手段が接続されているので、主制御手段の制御負担を軽減することができる。これは、入力手段が主制御手段に接続されていると、主制御手段が入力手段の入力を判断する処理と、入力手段の入力情報を表示制御手段に送信する処理とが余分に必要となるからである。
請求項1から8のいずれかに記載の遊技機または遊技機1から6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機7。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
請求項1から8のいずれかに記載の遊技機または遊技機1から6のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機8。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
請求項1から8のいずれかに記載の遊技機または遊技機1から6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機9。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
ここで、本実施の形態において、請求項1記載の抽選手段としては図10のS401の処理が該当し、請求項1記載の変動態様選択手段としては図10のS404、S405、S408及びS409の処理が該当し、請求項1記載の動的表示選択手段としては図20のS1407の処理が該当し、請求項1記載の設定手段としては図19及び図30のS1328の処理が該当し、請求項4記載の比較判断手段としては図19及び図30のS1308の処理とS1320の処理とが該当し、請求項4記載の加算する場合の加減算手段としては図19及び図30のS1309及びS1321の処理が該当し、請求項4記載の第1初期化手段としては図19及び図30のS1310及びS1322の処理が該当し、請求項8記載の回数表示手段としては図28のS1802の処理が該当する。