JP2005007095A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【目的】保留記憶を一括して消化する処理が実行された後の遊技結果内容に対して、遊技者の興趣を向上させることができる遊技機を提供する。
【構成】所定の条件が成立したとき、数値データ記憶手段に記憶された数値データのうち複数の数値データに対応した可変表示を同時に実行し、複数の数値データに対応した表示結果を事前判定手段による判定結果に基づいて導出する表示結果一括導出手段を備え、数値データ記憶手段に記憶された数値データの中に特定表示結果となる数値データが含まれる場合には、特定表示結果となる数値データが含まれない場合よりも、複数の数値データに対応した表示結果を導出する割合を高くする。
【選択図】 図6
【構成】所定の条件が成立したとき、数値データ記憶手段に記憶された数値データのうち複数の数値データに対応した可変表示を同時に実行し、複数の数値データに対応した表示結果を事前判定手段による判定結果に基づいて導出する表示結果一括導出手段を備え、数値データ記憶手段に記憶された数値データの中に特定表示結果となる数値データが含まれる場合には、特定表示結果となる数値データが含まれない場合よりも、複数の数値データに対応した表示結果を導出する割合を高くする。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示装置を含み、前記始動条件の成立後、可変表示の開始条件の成立に基づいて前記複数種類の識別情報を可変表示させた後に表示結果を導出表示させて当該可変表示の表示結果が特定表示結果となったとき遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、保留記憶数が所定数を超過したとき、一定のまとまった数の保留記憶を一括して消化するもの(例えば、特許文献1参照。)は提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−019297号公報(第4−5頁、図7)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来技術の場合、保留記憶の中に大当りが含まれるか否かに拘わらず、保留記憶数(始動記憶数、若しくは数値データの個数)が所定数を超過したことを契機として、一定のまとまった個数の保留記憶を一括して消化していた。つまり、保留記憶を一括して消化する処理の実行と大当りの発生との間に因果関係は無く、したがって保留記憶を一括して消化する処理が実行されたとしても、それに起因して遊技者が大当りに対する期待感を抱くことは無かった。しかして、保留記憶を一括して消化する処理が実行された後の遊技結果内容に対して、遊技者の興趣をいまひとつ向上させることが出来なかった。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、保留記憶を一括して消化する処理(複数個の数値データに対応した可変表示を同時に実行し、表示結果を導出する表示結果一括導出処理)が実行された後の遊技結果内容に対して、遊技者の興趣を向上させることができる遊技機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明においては、所定の始動条件の成立(始動口スイッチ14aにおける検出)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)の可変表示(変動)を行い表示結果(停止図柄)を導出表示する可変表示装置(可変表示装置9)を含み、前記始動条件の成立後、可変表示の開始条件の成立(図柄の変動が行われておらず、且つ大当り遊技状態でもない状態となること)に基づいて前記複数種類の識別情報を可変表示させた後に表示結果を導出表示させて当該可変表示の表示結果が特定表示結果(大当り図柄)となったとき遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、前記識別情報を含むデータを記憶するデータ記憶手段(キャラクタROM)と、該データ記憶手段に記憶されたデータを用いて前記可変表示装置を表示制御する表示制御手段(図柄制御基板80に搭載されたCPU)と、前記可変表示に関わる決定に用いられ、所定の数値範囲内(0〜316)で数値データ(大当り判定用乱数の生成カウンタから抽出したカウント値)を更新する数値データ更新手段(大当り判定用乱数の生成カウンタ)と、前記始動条件の成立時に前記数値データ更新手段から数値データを抽出し、該抽出された数値データを当該始動条件に対応して抽出順番が特定可能に記憶すると共に、前記数値データのうち未だ前記開始条件が成立していない始動条件に対応する数値データを予め定めた上限数(例えば20個)まで記憶する数値データ記憶手段(RAM55の保存領域)と、前記数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数を特定可能に表示するメモリ表示制御手段(図柄制御基板80に搭載されたCPU)と、前記数値データ記憶手段に記憶される数値データが所定の判定値と合致するか否かに基づいて前記特定表示結果を表示するか否かの判定を行う事前判定手段(ステップS126の大当り判定処理)と、所定の条件が成立したとき、前記数値データ記憶手段に記憶された前記数値データのうち複数個の数値データに対応した可変表示を同時に実行し、前記複数個の数値データに対応した表示結果を前記事前判定手段による判定結果に基づいて導出する表示結果一括導出処理(一括消化処理)を行う表示結果一括導出手段(ステップS53の一括消化設定処理)と、前記数値データ記憶手段に記憶された前記数値データの個数を判定する数値データ数判定手段(ステップS111)と、 前記数値データ記憶手段に記憶された数値データに、前記所定の判定値と合致する数値データがあるか否かを判定する数値データ判定手段(ステップS123からステップS128のループ処理)と、前記数値データ数判定手段によって前記数値データの個数が所定個数以上と判定されたとき、前記表示結果一括導出手段によって前記表示結果一括導出処理を行うか否かを決定する一括導出決定手段(ステップS130)と、を含み、前記一括導出決定手段は、前記数値データ判定手段によって前記数値データ記憶手段に前記所定の判定値と合致する数値データがあると判定されたとき前記表示結果一括導出手段によって前記表示結果一括導出処理を行う割合を、前記数値データ判定手段によって前記数値データ記憶手段に前記所定の判定値と合致する数値データがないと判定されたとき前記表示結果一括導出手段によって前記表示結果一括導出処理を行う割合より、高くなるように前記一括導出決定手段が決定を行うときに用いる決定データ(判定値)を構成した一括導出決定テーブル(図7の一括消化判定テーブル)を用いて決定することを特徴とする。
このように構成することにより、複数個の数値データに対応した表示結果を導出したときには、遊技者は特定遊技状態の発生を予測するため、複数個の数値データに対応した表示結果を導出する表示結果一括導出処理に対する遊技者の興趣を向上させることが出来る。
【0006】
また、請求項2の発明においては、前記表示結果一括導出手段によって前記複数個の数値データに対応した表示結果を導出したとき、前記複数個の数値データの個数(例えば、図8(F)に示す特別図柄始動記憶数表示画像121の「7→1」において、7と1の差である6)を報知する導出個数報知手段を有することを特徴とする。
このように構成することにより、報知された数値データの個数によって、遊技者は導出された数値データの個数を確認できることにより、複数個の数値データに基づく表示結果を導出する際でも、特定表示結果となる可能性を有する数値データが無効になってはいないか、という疑念を抱く余地が無くなる。また、遊技者はいくつの数値データに基づく表示結果が導出されるのかを一目瞭然に認識することができる。
【0007】
また、請求項3の発明においては、前記一括導出決定手段は、該一括導出決定手段によって前記表示結果一括導出処理を行うと決定されたとき、前記表示結果一括導出手段によって導出する数値データの個数を選択する一括導出数選択手段(ステップS130)を含み、前記一括導出数選択手段は、前記数値データ判定手段によって前記数値データ記憶手段に前記所定の判定値と合致する数値データがあると判定されたとき、前記表示結果一括導出手段によって特定の個数(例えば7個)の数値データを導出する割合(例えば130/200)を、前記表示結果一括導出手段によって非特定の個数(例えば7個以外の個数)の数値データを導出する割合(例えば70/200)より、高くなるように前記一括導出数選択手段が選択を行うときに用いる選択データ(判定値)を構成した一括導出数選択テーブル(図7の一括消化判定テーブル)を用いて選択することを特徴とする。このように構成することにより、表示結果一括導出手段によって特定の個数の数値データを導出したときの特定遊技状態となる割合と、特定の個数以外の個数の数値データを導出したときの特定遊技状態となる割合が異なるため、まとめて数値データを導出する演出(図8(F)から図9(D)の図柄決定用のレース)に対する遊技者の興趣を向上させることが出来る。
【0008】
また、請求項4の発明においては、前記データ記憶手段には、前記数値データ記憶手段に記憶された前記数値データの個数を表す表示パターンとして予め定められた複数の数値データ表示パターン(数値データ変動パターン)に対応した複数の数値データ表示データが記憶され、前記複数の数値データ表示パターンは、前記数値データ記憶手段に記憶された前記数値データの個数に応じて所定のキャラクタ画像(特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像120)の形態(太り具合若しくは痩せ具合)を変化させる数値データ数表示キャラクタ変化パターンを含み、前記メモリ表示制御手段は、前記数値データ表示データを用い、前記数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数に応じて前記キャラクタ画像の形態を変化させることを特徴とする。
このように構成することにより、数値データの個数を所定のキャラクタ画像の形態を変化させることによって、数値データの個数の表示のバリエーションが豊富になり、遊技の興趣を向上させることが出来る。また、複数の数値データに基づく表示結果を導出することにより、数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数の表現を所定のキャラクタ画像の形態を変化させて表現した場合でも、変化を顕著に表現することが容易となり、遊技者は変化を一目瞭然に認識することが可能となる。その為、演出を遊技者の視覚に効果的に働きかけることが可能となる。
【0009】
また、請求項5の発明においては、前記表示制御手段は、前記表示結果一括導出手段によって、複数個の数値データに対応した可変表示を同時に実行するとき、前記複数個の数値データに対応した表示結果のうち1つの表示結果を導出する(図8(F)から図9(D)において一括消化する6個の始動記憶のうちの大当り遊技状態となる1個の始動記憶に対応して大当り図柄を表示する)ことを特徴とする。
このように構成することにより、複数個の数値データに対応した表示結果を1つにまとめて導出表示するため、遊技者は導出結果の把握を容易に行うことができる。
【0010】
さらに、請求項6の発明においては、前記所定の始動条件の成立後、可変表示の開始条件の成立に基づいて前記可変表示装置に前記表示結果を導出表示するときに実行される識別情報の可変表示パターン(変動パターン)をその導出表示以前に予め定められた複数の可変表示パターンから決定する可変表示パターン事前決定手段(ステップS302の変動パターン設定処理)を備え、前記可変表示パターン事前決定手段は、前記一括導出決定手段によって前記表示結果一括導出処理を行うことが決定されたとき(ステップS130で消化する始動記憶数を1個より多い個数に決定したとき)と、前記一括導出決定手段によって前記表示結果一括導出処理を行わないことが決定されたとき(ステップS130で消化する始動記憶数を1個数に決定したとき)とで、異なる可変表示パターンを決定することを特徴とする。
このように構成することにより、表示結果一括導出処理が実行されるか否かに基づいて、異なる可変表示パターンが用いられる。これにより、多彩な演出の実現が可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例である第1種パチンコ遊技機の全体の構成について図1を参照して説明する。図1はパチンコ遊技機(遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機(第一種パチンコ遊技機)を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、例えばコイン遊技機やスロット機等であってもよい。
【0012】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられる額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
【0013】
図1に示すように、ガラス扉枠2の下部には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下方には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されており、本実施形態における遊技は遊技領域7に遊技球を発射することにより行われる。
【0014】
遊技領域7の中央付近には、ほぼ長円形状に形成された装飾部材110が設けられている。装飾部材110には、それぞれが識別情報として識別可能な図柄を可変表示する特別図柄可変表示部8を備えた可変表示装置9が設けられている。可変表示装置9には、特別図柄の変動を行って、停止図柄を導出表示する図柄表示部「左」8a、図柄表示部「中」8b、図柄表示部「右」8cが、特別図柄可変表示部8の殆んどの領域を占めて、ほぼ横並びに設けられている。なお、後述するが本発明は複数の始動記憶(数値データ)を一括して消化(実行)する機能を有する。そして複数の始動記憶を一括して消化する際に実行される演出のあいだは、上記した図柄表示部「左」8a、図柄表示部「中」8b、図柄表示部「右」8cは、図8(F)で示すように特別図柄可変表示部8の左側方上部に縮小して設けられる。
【0015】
因みに、本発明において用いる「消化」とは、始動記憶に基づいて可変表示装置9において図柄の可変表示を行い停止図柄を導出表示することである。
【0016】
なお、可変表示装置9の右側方上部には、後述する始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数の多寡に関して、人を模したキャラクタ画像の太り具合(痩せ具合)によりアナログ的に表示する特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像120と、現時点における始動記憶数および始動記憶数の変動状況を報知する特別図柄始動記憶数表示画像121が表示される。
【0017】
特別図柄始動記憶数表示画像121は、有効始動入賞(本実施形態では始動記憶数が20未満のときの始動入賞)がある毎に、表示する数値を1増やす。そして、可変表示装置9における図柄の変動が開始される毎に、表示している数値を1減らす。但し、複数の始動記憶を一括して消化する際には、表示している数値から今回の変動で一括して消化される始動記憶の数を減算する。
【0018】
特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像120は、上記した特別図柄始動記憶数表示画像121の数値の増減に伴いアナログ的にキャラクタ画像の太り具合(痩せ具合)を変化させる。例えば、キャラクタ画像は、始動記憶数が増加すれば太り、減少すれば痩せるように表示される。
【0019】
上記した機能を有する可変表示装置9は、後述する始動口スイッチ14aにおける検出の後、可変表示の開始条件の成立に基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての図柄の変動(可変表示)を行って停止図柄(表示結果)を導出表示する可変表示装置である。なお、可変表示の開始条件の成立している場合とは、特別図柄可変表示部8において特別図柄の変動が行われておらず、且つ、大当り遊技状態でもない場合である。
【0020】
当該可変表示装置9は、CRT表示装置により構成される。但し、可変表示装置9はCRTに限らず、LCD、FED、PDP、EL、LED等いずれの画像表示器から構成してもよい。
【0021】
本実施形態においては、後述する事前判定手段が可変表示装置9に特別図柄の0〜9の数字が3つ揃った特定表示結果を導出表示すると決定した場合(本実施形態の場合、一括消化設定処理によって一括消化される複数の数値データの中に特別図柄の0〜9の数字が3つ揃った特定表示結果が含まれる場合)、当該表示後に遊技者に有利な大当り(特定遊技状態)となるように制御され、可変表示装置9に導出表示する3つの特別図柄の0〜9の数字が揃わないと決定した場合(本実施形態の場合、一括消化設定処理によって一括消化される複数の数値データの中に特別図柄の0〜9の数字が3つ揃った特定表示結果が含まれない場合)、ハズレとなるように制御される。また、事前判定手段が、可変表示装置9に導出表示すると決定した特別図柄が、0〜9の特定表示結果のうちの奇数で揃った場合、大当り終了後に確変状態に制御され、同じく可変表示装置9に導出表示すると決定した特別図柄が0〜9の特定表示結果のうちの0及び偶数で揃った場合、大当り終了後に通常遊技状態に制御される。なお、確変状態とは、大当り(特定遊技状態)となる確率が通常遊技状態時より高いと共に、可変表示装置9における可変表示の可変表示時間が通常遊技状態時より短い状態である。
【0022】
装飾部材110の上部には、LEDにより構成された普通図柄表示器10が設けられている。この普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報を可変表示可能なものである。
【0023】
装飾部材110の下方には、前述した始動入賞口14が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下方には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0024】
さらに可変入賞球装置15の下方には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口42を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口42内の経路を切り換えるためのソレノイド21A(図2に符号のみを記載)も設けられている。
【0025】
可変入賞球装置15の左側方に設けられたゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄始動記憶数が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動記憶の値が1増やされる。
【0026】
普通図柄表示器10の近傍には、普通図柄始動記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41(図2に符号のみを記載)が設けられている。上記したゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0027】
本実施形態の普通図柄表示器10では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器10における可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
【0028】
さらに、特別遊技状態としての確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
【0029】
なお、特定遊技状態とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。例えば大入賞口42の状態が遊技球の入賞し易い、すなわち遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態となる為の権利が発生した状態、景品遊技媒体払い出しの条件が成立し易くなる状態などの、所定の遊技価値が付与された状態である。
【0030】
パチンコ遊技機1では、上記したように特別図柄(識別情報)を表示する可変表示装置9における表示結果が、予め定められた特定の表示結果となることを、通常、「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入賞口42が所定回数開放して遊技球が入賞し易い大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個数(例えば10個)の大入賞口42への入賞があると大入賞口42は閉成する。そして、大入賞口42の開放回数は、所定回数(例えば15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞回数が所定個数に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口42は閉成する。また、大入賞口42が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口42内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終了する。
【0031】
なお、リーチとは、停止した図柄(リーチ図柄)が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄(リーチ変動図柄)については変動表示が行われていること、全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動している状態である。
【0032】
具体的には、予め定められた複数の表示領域に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行われている状態(例えば左、中、右の表示領域のうち左、中の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で右の表示領域は未だ変動表示が行われている状態)、有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われてどの状態が表示されても同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)である。
【0033】
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。
【0034】
またリーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
【0035】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,34、39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33、34、39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,34a,39aによって検出される。遊技領域7の左右両側部には、遊技中に点滅表示される飾りランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音や音声を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の上方には天枠ランプ28a、左側方には左枠ランプ28b、および右側方には右枠ランプ28cが設けられている。
【0036】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
【0037】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が変動を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。上記した始動口スイッチ14aにおける検出は、所定の始動条件の成立である。
【0038】
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄となった後に、大当り遊技状態に移行する。この大当り遊技状態においては、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放される。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0039】
すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機(遊技機)1は、上記した始動口スイッチ14aにおける検出の後、可変表示装置9における変動が実行中でない、若しくは実行中の変動が停止したこと(可変表示の開始条件の成立)に基づいて複数種類の図柄を変動させた後に表示結果を導出表示させて、大当り図柄(特定表示結果)となったときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態(特定遊技状態)に制御するものである。
【0040】
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
【0041】
確変遊技状態とは可変表示装置9における変動の変動時間が通常遊技状態時より短いとともに大当り遊技状態となる割合が通常遊技状態時よりも高い遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0042】
次に、本発明に係る遊技制御手段の回路構成について、図2を参照して説明する。図2は、本発明に係る遊技制御手段となる主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70、発射制御基板91および図柄制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,34a、39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301Aおよびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口42内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
【0043】
なお、図2には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,34a、39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301A等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。スイッチと称されているものがセンサと称されているもの等でもよいこと、すなわち、スイッチが遊技媒体検出手段の一例であることは、他の実施形態でも同様である。
【0044】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0045】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データ、始動記憶数、所定条件の成立数、等を記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。本実施形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
【0046】
さらに、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部は、電源基板(図示しない)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
【0047】
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0048】
本実施形態では、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設けられている普通図柄始動記憶表示器41、および飾りランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51、球切れランプ52、の表示制御を行う。
【0049】
なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよく、本実施形態および他の実施形態で用いられているLEDも他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例である。
【0050】
また、特別図柄を可変表示する可変表示装置9、並びに普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御は、図柄制御基板80に搭載されている表示制御用CPU(図示しない)によって行われる。
【0051】
すなわち、図柄制御基板80に搭載されている表示制御用CPUは、後述する事前判定手段による決定に基づいて、後述するキャラクタROM(データ記憶手段)に記憶されたデータを用いて可変表示装置(可変表示装置)9を表示制御する表示制御手段である。
【0052】
図柄制御基板80に搭載されている表示制御用CPUは、同じく図柄制御基板80に搭載されている制御データROM(図示しない)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からINT信号が入力されると、入力バッファ回路(図示しない)を介して表示制御コマンドを受信する。
【0053】
そして、表示制御用CPUは、受信した表示制御コマンドに従って、可変表示装置9に表示される画像の表示制御を行う。具体的には、表示制御コマンドに応じた指令をVDP(図示しない)に与える。VDPは、キャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。VDPは、入力したデータに従って可変表示装置9に表示するための画像データを生成し、R,G,B信号および同期信号を可変表示装置9に出力する。
【0054】
上記したキャラクタROMの画像テーブルには、キャラクタ、背景、表示図柄に関するデータが格納されている。つまり、キャラクタROMは、図柄(識別情報)及び後述する特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像120、特別図柄決定演出用キャラクタ画像122a〜d等を含むデータを記憶するデータ記憶手段である。
【0055】
また、図柄制御基板80のキャラクタROM(データ記憶手段)には、RAM(数値データ記憶手段)55に記憶された乱数値(数値データ)の個数を表す変動パターン(表示パターン)として予め定められた複数の数値データ表示パターンに対応した複数の数値データ表示データが記憶される。
【0056】
上記した複数の数値データ表示パターンは、RAM(数値データ記憶手段)55に記憶された乱数値の数(数値データの個数)に応じて、特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像(所定のキャラクタ画像)120の太り具合や痩せ具合(形態)を変化させる数値データ数表示キャラクタ変化パターンを含む。
【0057】
また、上記した図柄制御基板80に搭載されている表示制御用CPUは、RAM(数値データ記憶手段)55に記憶された数値データの個数を特定可能に表示するメモリ表示制御手段であって、数値データ表示データを用い、RAM(数値データ記憶手段)55に記憶された数値データの個数に応じて特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像(所定のキャラクタ画像)120の太り具合や痩せ具合(形態)を変化させる。
【0058】
各制御手段は遊技機に設けられている電気部品の制御を行うので、以下、各制御手段を電気部品制御手段といい、電気部品制御手段が搭載された基板を電気部品制御基板ということがある。電気部品とは、遊技機に設けられている部品(機構部品や回路等)であって電気的に動作するものである。電気部品制御手段として、例えば、電気部品としての球払出装置を制御する払出制御手段、電気部品としての演出用の可変表示部の制御を行う表示制御手段、電気部品としての演出制御用の発光体(ランプやLED)の制御を行うランプ制御手段、電気部品としての演出用のスピーカからの音発生の制御を行う音制御手段がある。また、演出用の電気部品を制御する表示制御手段、ランプ制御手段、音制御手段等を演出制御手段ということがある。
【0059】
なお、図2で示したように本実施形態は、主基板31から各制御基板に対してそれぞれ個別に送信される制御コマンドに基づいて制御が行われる。すなわち、主基板31から、音制御基板70、ランプ制御基板35、さらに図柄制御基板80に対してそれぞれに固有の制御コマンドが送信されることにより制御されるものである。しかし、このような方法に限らず、例えば主基板31と、上記した各制御基板との間に演出制御基板を1つ設け、主基板31は当該演出制御基板にのみ単一の制御信号を送信し、当該演出制御基板は主基板31から受信した制御信号に基づいて上記した各制御基板ごとに生成した制御信号を各制御基板に送信するようにしても良い。また、主基板31から先ずは図柄制御基板80に対してのみ制御コマンドが送信され、当該制御コマンドを受信した図柄制御基板80からそれぞれ音制御基板70、及びランプ制御基板35に制御コマンドを送信するようにしても良い。このように構成することによって、各制御基板に対する制御が単一の制御信号に基づいて行なわれるので、一貫した演出が容易となる。また、主基板31は演出に関する大きな方向を示す決定のみを行い、演出に関する細かな具体的事項については、各制御基板がそれぞれ個別に決定することが可能となる。したがって、主基板31の制御上の負担が軽減される。
【0060】
以上のように構成されたパチンコ遊技機1の動作について以下に説明する。パチンコ遊技機1に対して電源が投入されると、主基板31のCPU56は、メイン処理を実行する(図示しない)。メイン処理においてCPU56は、先ず必要な初期設定をするための初期化処理を完了させると、割込禁止状態とした後、表示用乱数及び初期値用乱数の更新処理を実行し、続いて割込許可状態とした後、最初に割込禁止状態としたステップに移行することでループ処理が実行される。
【0061】
本実施形態は、上記したループ処理中において、2mS毎にタイマ割込処理が実行されるように設定されている。CPU56は、該タイマ割込処理において、遊技制御に用いられる大当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う。CPU56は、さらに初期値決定用乱数を生成する為のカウンタのカウント値を更新する処理及び表示用乱数を生成する為のカウンタのカウント値を更新する処理を行う。
【0062】
つまり、本実施形態は、可変表示装置9における可変表示に関わる決定に用いられ、所定の数値範囲で数値データとしての乱数値(例えば、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、等)を更新する数値データ更新手段を備えている。数値データ更新手段は、CPU56が実行するメイン処理および2mSごとに実行されるタイマ割込処理にて数値データを更新する。具体的には、乱数(例えば、大当り判定用乱数)を生成する為のカウンタ(例えば、大当り判定用乱数カウンタ)のカウントアップ(1加算)を行う。
【0063】
CPU56は、上記したタイマ割込処理の中の、続いて実行される特別図柄プロセス処理において、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御する。具体的には特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択され、選択された処理を順次実行していく。
【0064】
このような、特別図柄プロセス処理の各処理について図3を参照して説明する。図3は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【0065】
CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理を行い(ステップS310)、上記した始動口スイッチ14aにおける検出の有無の判定が行われ(ステップS311)、検出が行われたことによってスイッチがON状態になっていたら、始動口スイッチ通過処理が実行され(ステップS312)、続いて内部状態に応じてステップS300〜ステップS308のうちの何れかの処理を行う。
【0066】
特別図柄通常処理(ステップS300)では、特別図柄の可変表示を開始できる状態となるまで待機する。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動記憶数を確認する。始動記憶数が0でなければ、消化する始動記憶数を決定し、特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否かを決定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
【0067】
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)では、特別図柄の変動後の左中右図柄の停止図柄を決定する。複数の始動記憶を一括して消化する場合は、一括して消化する全ての始動記憶に対応して各停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0068】
変動パターン設定処理(ステップS302)では、特別図柄の変動の変動パターンを、後述する変動パターン決定用乱数の値に応じて決定すると共に、変動時間タイマをスタートさせる。このとき、図柄制御基板80に対して、左中右の最終停止図柄と変動パターン(変動態様)を指令する情報とが送信される。
【0069】
したがって、ステップS302の変動パターン設定処理は、始動口スイッチ14aにおける検出(所定の始動条件の成立)後、変動(可変表示)の開始条件の成立に基づいて可変表示装置9に(停止図柄)表示結果を導出表示するときに実行される図柄(識別情報)の変動パターン(可変表示パターン)をその導出表示以前に予め定められた複数の変動パターンから決定する可変表示パターン事前決定手段である。
【0070】
なお、複数の始動記憶を一括して消化する場合でも、変動パターンを1つだけ指定する情報が図柄制御基板80に対して送信される。この際に送信される変動パターンは、一括消化するか否かによって異なった変動パターンコマンドにする。また、図柄制御基板80に対しては、上記した変動パターン指定の表示制御コマンドと併せて、一括消化する始動記憶数を指定する一括消化数指定の表示制御コマンドと、一括して消化する全ての始動記憶のうちの1つの始動記憶(大当りとなる始動記憶が含まれない場合は、全ての始動記憶のうちの何れか1つの始動記憶であり、大当りとなる始動記憶が含まれる場合は、大当りとなる始動記憶)に対応した左中右の各最終停止図柄指定の表示制御コマンドが、送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
【0071】
特別図柄変動処理(ステップS303)では、上記したステップS302においてスタートした変動時間タイマが示す所定の時間が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0072】
特別図柄停止処理(ステップS304)では、可変表示装置9において表示される全図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す演出制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄の組合せが大当り図柄となる場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。停止図柄の組合せが大当り図柄とならない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に移行するように更新する。
【0073】
また、複数の始動記憶を一括して消化する際においても、特別図柄停止を示す演出制御コマンドが1回だけ送信される状態に設定する。つまり、一括消化する始動記憶の中に停止図柄の組合せが大当り図柄となる始動記憶が含まれる場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。一括消化する始動記憶の中に停止図柄の組合せが大当り図柄となる始動記憶が含まれない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に移行するように更新する。
【0074】
大入賞口開放前処理(ステップS305)では、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化すると共に、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
【0075】
大入賞口開放中処理(ステップS306)では、大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを図柄制御基板80に送出する制御及び大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。
【0076】
特定領域有効時間処理(ステップS307)では、V入賞スイッチ22の検出の有無を監視して、大当り遊技状態に関する継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態に関する継続条件が成立し、且つ、残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態に関する継続条件が成立しなかった場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に移行するように更新する。
【0077】
大当り終了処理(ステップS308)では、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に移行するように更新する。
【0078】
では、上記した特別図柄プロセス処理の始動口スイッチ通過処理について、図4を参照して説明する。図4は、上記した特別図柄プロセス処理における、ステップS312の始動口スイッチ通過処理の一例を示すフローチャートである。
【0079】
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、始動記憶数が最大値である20に達しているか否かの判定を行う(ステップS111)。
【0080】
すなわち、ステップS111は、後述するRAM55の特別図柄判定用バッファ(数値データ記憶手段)に記憶される乱数値の数(数値データの個数)を判定する数値データ数判定手段である。
【0081】
ステップS111の判定の結果、20に達していない場合、始動記憶カウンタの値に1加算し(ステップS112)、大当り判定用乱数、はずれ図柄決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数、等の各乱数の値を抽出し、それらの値を始動記憶数の値に対応したRAM55の保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。
【0082】
すなわち、RAM55の保存領域(特別図柄判定用バッファ)は、始動口スイッチ14aにおける検出(始動条件の成立)時に後述する大当り判定用乱数を生成するカウンタ(数値データ更新手段)から乱数値(数値データ)を抽出し、該抽出された乱数値を当該始動口スイッチ14aにおける検出に対応して抽出順番が特定可能に記憶すると共に、乱数値のうち未だ前記開始条件が成立していない始動条件に対応する乱数値を20(予め定めた上限数)まで記憶する数値データ記憶手段である。
【0083】
そして、特別図柄の変動時間を短縮するか否かの判定を行うための変動時間短縮判定時間をセットする(ステップS114)。
【0084】
次に、上記した特別図柄プロセス処理のうち、ステップS300の特別図柄通常処理について図5を参照して説明する。図5は、上記した特別図柄プロセス処理における、ステップS300の特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。
【0085】
特別図柄通常処理において、CPU56は、現時点において特別図柄の変動を開始できる状態にあるか否かの判定を行う(ステップS51)。つまり、内部状態(特別図柄プロセスフラグの値)がステップS300を示しているか否かを確認する。そして、ステップS51において特別図柄の変動を開始できる状態にある場合、次に始動記憶数の値が0であるか否かの判定を行う(ステップS52)。具体的には始動入賞カウンタのカウンタ値が0であるか否かを判定する。
【0086】
ステップS52において始動記憶数の値が0でないと判定された場合、次に本実施形態の要部である一括消化設定処理(ステップS53)を行う。複数の始動記憶に基づく特別図柄の変動を同時に実行することによって複数の始動記憶を一括して消化する当該一括消化設定処理については後に詳述する。ステップS53において一括消化設定処理が完了すると、続いて始動記憶数から検査回数カウンタのカウント値(K)を減算して、保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。つまり、ステップS53の一括消化設定処理で設定された始動記憶数に対応した保存領域の対象範囲だけシフトする。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS55)。次に、前述の一括消化設定処理について、図6を参照して説明する。
【0087】
次に、前述の一括消化設定処理について、図6を参照して説明する。図6は、上記した特別図柄通常処理における、ステップS53の一括消化設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0088】
一括消化設定処理において、CPU56は、先ず始動記憶カウンタの値を処理数として設定し(ステップS121)、続いて検査回数カウンタの値(K)を0に設定する(ステップS122)。なお、検査回数カウンタ(K)は、後述するステップS123からステップS128のループ処理の繰り返し回数をカウントするためのカウンタである。
【0089】
CPU56は、処理数から1減算し(ステップS123)、Kに1加算した値を更にKに設定し(ステップS124)、始動記憶数としてのKに対応したRAM55の保存領域(特別図柄判定用バッファ)に保存されている大当り判定用乱数を読み出す(ステップS125)。大当り判定用乱数を読み出すと、続いてRAM55の保存領域(数値データ記憶手段)に記憶される大当り判定用乱数(数値データ)が所定の判定値と合致するか否かに基づいて大当り図柄(特定表示結果)を表示するか否かの判定を行う事前判定手段としての大当り判定モジュールを実行する(ステップS126)。
【0090】
つまりCPU56は、先ず現時点における遊技状態が、確変中であるか否かの判定を行い、確変中である場合は、予め設定された大当り判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することを決定し、確変中でない場合は、同じく大当り判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することを決定する。そして、高確率時のテーブルあるいは低確率時のテーブルに設定された大当り判定値の中に、ステップS125でロードした大当り判定用乱数に一致する大当り判定値があるか否かを判定し、一致する大当り判定値がある場合には大当り遊技状態に制御することが決定され、一致する大当り判定値がない場合には大当り遊技状態に制御されないことが決定される。
【0091】
すなわち、先ずCPU56は、入賞口スイッチ14aにおける検出に基づき、図柄の変動(可変表示)に関わる決定に用いられ、0〜316の範囲内(所定の数値範囲内)で更新して大当り判定用乱数を生成するカウンタ(数値データ更新手段)から乱数値(数値データ)を抽出し、抽出した乱数を、前述したようにRAM55の始動記憶数に対応した保存領域に記憶する。
【0092】
次に上記保存領域に記憶された乱数を用いて、本実施形態の事前判定手段によりRAM(数値データ記憶手段)55に記憶される乱数値(数値データ)が大当り判定値(所定の判定値)と合致するか否かに基づいて、大当り図柄(特定表示結果)を表示するか否かの判定がなされるものである。
【0093】
このようなステップS126の大当り判定処理の結果として大当りとするか否かの判定が行われ(ステップS127)、大当りでないと判定された場合、次に処理数が0ではないか否かの判断が実行される(ステップS128)。ステップS128の判断の結果、処理数≠0すなわち未処理の始動記憶がある場合、ステップS123に移行して、ステップS127の判定結果として大当りとなるか、若しくはステップS128の判断結果として処理数=0すなわち全ての始動記憶に対する検査が終了するまで、ステップS123〜ステップS128のループ処理が実行される。つまり、始動記憶の抽出された順位の早いものから順番にステップS123〜ステップS128のループ処理が行われ、当該ループ処理は、その過程においてステップS127において大当りと判定されるか、ステップS128において処理数が0となるまで繰り返し実行される。
【0094】
つまり、ステップS123からステップS128のループ処理は、RAM(数値データ記憶手段)55に記憶される乱数値(数値データ)に、大当り判定値(所定の判定値)と合致する乱数値があるか否かを判定する、本実施形態の数値データ判定手段である。
【0095】
上記したステップS128の結果として処理数=0であると判断された場合、Kの値に基づいて後述するハズレ時の一括消化判定テーブル(図7参照)を設定する(ステップS129)。
【0096】
一括消化判定テーブルが設定されると、一括消化判定用乱数を抽出し、該一括消化判定用乱数を一括消化判定テーブルに設定された判定値と照合する。その結果、始動記憶の一括消化処理を実行するか否か、また実行する場合の一括消化する始動記憶数の決定が行われる(ステップS130)。
【0097】
つまり、ステップS130は、始動記憶の一括消化処理(表示結果一括導出処理)を実行するか否かを決定する一括導出決定手段である、とともに、表示結果一括導出処理を行うと決定されたとき、導出する数値データの個数を選択する一括導出数選択手段でもある。
【0098】
なお、ステップS127において大当りであると判定された場合、大当りフラグをセットし(ステップS131)、Kの値に基づいて大当り時の一括消化判定テーブル(図7参照)を設定し(ステップS132)、ステップS130に移行する。
【0099】
このように、ステップS53の一括消化設定処理は、所定の条件が成立したとき、RAM(数値データ記憶手段)55に記憶される乱数値(数値データ)のうち複数個の乱数値に対応した変動(可変表示)を同時に実行し、複数個の乱数値に対応した表示結果をステップS126の大当り判定処理(事前判定手段)による判定結果に基づいて導出する表示結果一括導出手段である。
【0100】
上記したステップS129またはステップS132において設定される一括消化判定テーブルについて、次に図7に一例を示して説明する。図7は、上記した一括消化設定処理における、ステップS129またはステップS132で設定される一括消化判定テーブルの一例を示す説明図である。具体的には上記した一括消化設定処理のステップS124で設定されるKの値が8である場合の一括消化判定テーブルの一例を示すものである。なお、図7にはK=8の場合の一括消化判定テーブルのみを例示したが、本実施形態には該テーブルを含めて、Kの値が1から20(始動記憶の上限数)までのそれぞれに対応した20種類の一括消化判定テーブルが設けられている。
【0101】
図7に示す一括消化判定テーブルは、K=8であって且つ全ての始動記憶数としての8個の始動記憶の内に大当り遊技状態となる始動記憶が含まれない場合(所謂ハズレ時)の一括消化判定テーブルと、K=8であって且つ抽出の順位としての最後(8個目)の始動記憶が大当り遊技状態となる始動記憶である場合(所謂大当り時)の一括消化判定テーブルと、で構成される。そして、一括消化設定処理のステップS130において抽出される一括消化判定用乱数(0〜199)に対応して判定値(0〜199)が振り分けられ、各判定値ごとに一括消化処理の実行の有無、また消化する始動記憶数(1個〜8個)が設定されている。
【0102】
図7に示すハズレ時の一括消化判定テーブルについて説明すると、消化する始動記憶数が1個の場合、すなわち一括消化処理が実行されない場合には、0〜199の200個の判定値のうち193個(0〜192)の判定値が振り分けられている。また、消化する始動記憶数が2〜8個の場合、すなわち一括消化処理が実行される場合には、各「消化する始動記憶数」に対して判定値が1個ずつ、合計7個の判定値が振り分けられている。したがって、この場合に一括消化処理が実行される割合は、7/200となる。
【0103】
次いで、図7に示す大当り時の一括消化判定テーブルについて説明すると、消化する始動記憶数が1個の場合、すなわち一括消化処理が実行されない場合には、0〜199の200個の判定値のうち20個(0〜19)の判定値が振り分けられている。また、消化する始動記憶数が2〜8個の場合、すなわち一括消化処理が実行される場合には、残りの180個(20〜199)の判定値がそれぞれに振り分けられている。したがって、この場合に一括消化処理が実行される割合は、180/200となる。
【0104】
このことから解るように、大当り時に一括消化処理が実行される割合は、ハズレ時に一括消化処理が実行される割合よりも高くなるように、一括消化判定テーブルには判定値が振り分けられている。
【0105】
したがって、一括消化設定処理のステップS130(一括導出決定手段)は、一括消化設定処理のステップS123〜ステップS128のループ処理(数値データ判定手段)によってRAM(数値データ記憶手段)55に所定の判定値と合致する乱数値(数値データ)があると判定されたときステップS53の一括消化設定処理(表示結果一括導出手段)によって一括消化処理(表示結果一括導出処理)を行う割合を、一括消化設定処理のステップS123〜ステップS128のループ処理によってRAM55に所定の判定値と合致する乱数値がないと判定されたときステップS53の一括消化設定処理によって一括消化処理を行う割合より、高くなるように一括消化設定処理のステップS130が決定を行うときに用いる判定値(決定データ)を構成した一括消化判定テーブル(一括導出決定テーブル)を用いて決定するものである。
【0106】
また、図7に示す大当り時の一括消化判定テーブルにおいて、「消化する始動記憶数」が7の場合には前述の如く200個の判定値のうち、130個(60〜189)の判定値が振り分けられている。これに対して他の「消化する始動記憶数」にはそれぞれ10個ずつ、すなわち7以外の全ての「消化する始動記憶数」には合計して70個の判定値が振り分けられている。つまり、この場合、特定の「消化する始動記憶数」としての7が選択される割合は、非特定の「消化する始動記憶数」としての7以外の全ての始動記憶数が選択される割合である70/200よりも高い130/200に設定されている。
【0107】
したがって、一括消化設定処理のステップS130(一括導出数選択手段)は、ステップS123からステップS128のループ処理(数値データ判定手段)によってRAM(数値データ記憶手段)55に所定の判定値と合致する乱数値(数値データ)があると判定されたとき、ステップS53の一括消化設定処理(表示結果一括導出手段)によって7個(特定の個数)の乱数値(数値データ)を導出する割合を、ステップS53の一括消化設定処理によって7個以外(非特定の個数)の乱数値を導出する割合より、高くなるようにステップS130が選択を行うときに用いる判定値(選択データ)を構成した一括消化判定テーブル(一括導出数選択テーブル)を用いて選択するものである。
【0108】
次に、表示制御手段の動作を説明する。図柄制御基板80に搭載された表示制御用CPU(図示しない)が実行するメイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための2mSタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる。その後、表示制御用CPUは、タイマ割込フラグの監視の確認を行うループ処理に移行する。
【0109】
タイマ割込が発生すると、図柄制御基板80に搭載された表示制御用CPUは、タイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制御用CPUは、そのフラグをクリアし、以下の表示制御処理を実行する。
【0110】
本実施形態では、タイマ割込は2mS毎に実行される。すなわち、表示制御処理は、2mS毎に起動される。また、本実施形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御処理を実行してもよい。
【0111】
表示制御処理において、図柄制御基板80に搭載された表示制御用CPUは、まず、受信した表示制御コマンドを解析する(コマンド解析処理)。次いで表示制御用CPUは、表示制御プロセス処理を行う。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、乱数カウンタを更新する処理を実行する。その後、前述のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
【0112】
上記したコマンド解析処理において、表示制御用CPU(図示しない)は、受信コマンドバッファに格納された、主基板31から受信された表示制御コマンドの内容を確認する。
【0113】
コマンド解析処理において、表示制御用CPUは、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、表示制御用CPUは、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す。なお、読み出し後には読出ポインタの値を+1しておく。
【0114】
なお、この実施の形態の表示制御用RAM(図示しない)が備える上記したコマンド受信バッファは、主基板31から送信される各表示制御コマンドを、受信した順番が特定可能となるように記憶するものである。
【0115】
次に、受信した表示制御コマンドが左特別図柄指定の表示制御コマンドであれば、表示制御用CPUは、該表示制御コマンドで示される左特別図柄を示すデータを、上記した左特別図柄格納領域に格納する。また、受信した表示制御コマンドが中特別図柄指定の表示制御コマンドであれば、表示制御用CPUは、該表示制御コマンドで示される中特別図柄を示すデータを、上記した中特別図柄格納領域に格納する。そして、受信した表示制御コマンドが右特別図柄指定の表示制御コマンドであれば、表示制御用CPUは、該表示制御コマンドで示される右特別図柄を示すデータを、上記した右特別図柄格納領域に格納する。このような左中右特別図柄の格納処理が完了すると左中右特別図柄受信フラグをセットする。
【0116】
また、受信した表示制御コマンドが変動パターン指定の表示制御コマンドであれば、表示制御用CPUは、そのコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納し、変動パターン受信フラグをセットする。
【0117】
受信した表示制御コマンドが始動記憶数指定の表示制御コマンドであれば、表示制御用CPUは、RAMにおける始動入賞数記憶領域の始動記憶数を表示制御コマンドで指定された数に更新する。また、可変表示装置9において特別図柄始動記憶数表示画像121の数値及び特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像120の太り具合(痩せ具合)を更新する。
【0118】
そして、先に読み出した受信コマンドがその他の表示制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するフラグをセットする。
【0119】
表示制御用CPUは、表示制御のメイン処理において、上記したコマンド解析処理が完了すると、続いて表示制御プロセス処理を行う。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じて、以下に説明する各処理のうちのいずれかの処理が選択され実行される。
【0120】
変動パターンコマンド受信待ち処理では、コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の表示制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。
【0121】
演出設定処理では、表示制御用CPUは、先ず受信した変動パターンコマンドが一括消化コマンドであると確認された場合に、一括消化フラグがセットされる。一括消化フラグがセットされているならば、始動記憶数または始動記憶数の変動状態を表示する特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像120、および特別図柄始動記憶数表示画像121の表示態様を決定する。続いて、上記したコマンド解析処理において解析した左中右特別図柄指定の表示制御コマンドに従って、特別図柄の停止図柄の数と種類のうち少なくともいずれか1つを決定する。特別図柄の停止図柄に関する決定が完了すると、次に、変動パターンコマンドで指示された変動時間を、変動時間タイマにセットする。
【0122】
なお、一括消化する場合の変動時間は、受信した変動パターンコマンドに基づき、表示制御用CPUが変動パターンコマンドで指定されたプロセスデータを選択し各プロセスデータのプロセスタイマ設定値に基づき、一括消化する変動パターンの変動時間を設定する。
【0123】
図柄変動開始処理では、上記した特別図柄の変動が開始されるように制御する。本実施形態の一括消化処理が実行される場合、後述する停止図柄を決定するレースの演出とともに特別図柄の変動が開始される。
【0124】
図柄変動中処理では、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、特別図柄の停止制御を行う。
【0125】
図柄停止待ち処理では、変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
【0126】
大当り表示処理では、変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
【0127】
大当り遊技中処理では、大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の表示制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
【0128】
上記したように図柄制御基板80に搭載された表示制御用CPUは、主基板31から受信した表示制御コマンドに基づいて表示制御を行う。次に本発明における始動記憶の一括消化設定処理が実行された際に、如何なる態様で表示されるかを、以下に示す図8および図9に基づき説明する。
【0129】
図8及び図9は、本実施形態の一括消化設定処理が実行された場合の可変表示装置9における表示の一例を示す画像イメージ図である。
【0130】
先ず、本実施形態において、消化する始動記憶が1個の場合、すなわち一括消化が行われない場合の表示態様の一例を図8(A)〜(E)に基づき説明する。
【0131】
図8(A)には、可変表示装置9の特別図柄可変表示部8に、前回の変動の結果として1組のはずれ図柄が導出表示されている状態が示される。この場合、図柄表示部8aには左図柄として1、図柄表示部8bには中図柄として4、図柄表示部8cには右図柄として5、が表示される。
【0132】
また、特別図柄可変表示部8の右側方上部には、始動記憶数が多ければ太り、少なければ痩せる、特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像120がアナログ表示される。さらに該特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像120に重なるようにして、始動記憶数の変動状態を示唆する特別図柄始動記憶数表示画像121が表示される。
【0133】
図8(A)には特別図柄始動記憶数表示画像121として、「7」と表示されている。これは、前回の変動の結果、現時点の始動記憶数が7であることを示唆するものである。なお、該特別図柄始動記憶数表示画像121における他の表示態様として、後述する図8(F)に示す表示態様がある。
【0134】
次に図8(B)で示すように、可変表示装置9の図柄表示部8a〜cに表示される左中右の特別図柄は、すべて変動を開始する。なお、特別図柄始動記憶数表示画像121が、図8(A)の7から6に1減少していることからわかるように、今回の変動は7個の始動記憶のうちの1個の始動記憶を消化することに基づく変動である。当該変動は、図8(C)で左図柄表示部8aが2を、図8(D)で右図柄表示部8cが3を、そして最後に図8(E)で中図柄表示部8bが1を導出してハズレ図柄が確定表示され終了する。
【0135】
なお、図8(B)において6であった特別図柄始動記憶数表示画像121が、図8(C)で8が表示されているが、これは図8(B)から図8(C)における特別図柄の変動中に、始動記憶数が6個から2個増加して8個となったことを示唆する。
【0136】
次に、本実施形態において、一括消化が行われる場合の表示態様の一例を図8(F)〜(H)および図9(A)〜(D)に基づき説明する。
【0137】
図8(E)でハズレ図柄が確定表示され、続いていくつかの変動が行われた後、図8(F)に示すとおり始動記憶の一括消化処理が実行される。図8(F)には「7→1」と表示されるが、これは現時点における始動記憶数7が、今回の変動において6消化されて1となることを示唆している。つまり今回の変動で一括して消化する始動記憶数を、表示する消化の前後の始動記憶数の差によって示している。具体的には、始動入賞口14に遊技球が入賞して、入賞口スイッチ14aにおける検出が行われると、ステップS312の始動口スイッチ通過処理において始動記憶カウンタのカウント値が1加算された値が、この場合上記した、消化前の始動記憶数7となる。さらにステップS53の一括消化設定処理の、ステップS130において決定する「一括消化する始動記憶数」が6と決定した場合、消化前の始動記憶数7から6を減算した結果である1が、消化後の始動記憶数として表示される。
【0138】
このように、本実施形態は、ステップS53の一括消化設定処理(表示結果一括導出手段)によって複数個の乱数(数値データ)に対応した停止図柄(表示結果)を導出したとき、複数個の乱数の個数(数値データの個数)を報知する導出個数報知手段を有する。
【0139】
なお、1回の変動において複数の始動記憶をまとめて消化する場合、当該変動は複数の始動記憶のうちの何れか1つの始動記憶に基づいて実行される。つまり、複数の始動記憶のうちに大当り遊技状態となる始動記憶が含まれない場合(図6のステップS128において処理数が0であると判断されたとき)、複数の始動記憶のうちの何れか1つの始動記憶に基づいて変動が行われハズレ図柄が導出され、複数の始動記憶のうちに大当り遊技状態となる始動記憶が含まれる場合(図6のステップS127において大当りであると判断されたとき)、複数の始動記憶のうちの大当り遊技状態となる始動記憶に基づいて変動が行われ大当り図柄が導出される。
【0140】
すなわち、図柄制御基板80に搭載されたCPU(表示制御手段)は、ステップS53の一括消化設定処理(表示結果一括導出手段)によって、複数個の乱数(数値データ)に対応した変動(可変表示)を同時に実行するとき、複数個の乱数に対応した停止図柄(表示結果)のうち1つの停止図柄を導出するものである。
【0141】
また、上記したように図柄表示部8a〜cは、特別図柄可変表示部の上部左側方に移動し、縮小して表示される。図柄表示部8a〜cに表示される左中右の特別図柄は、変動を開始する。
【0142】
変動の開始とともに、左中右の各特別図柄の停止図柄を決定する演出として、各々に識別情報と同じ0〜9のゼッケンを付した10台の車によるレースが、1図柄を1個決定するにつき1回のレースが演出表示される。図示のとおり、特別図柄決定演出用キャラクタ画像122aには3、特別図柄決定演出用キャラクタ画像122bには6、特別図柄決定演出用キャラクタ画像122cには7、特別図柄決定演出用キャラクタ画像122dには8、のゼッケンが付されている。そして、各レースの優勝車に付されたゼッケンの数字が左中右特別図柄の確定図柄として決定されるものである。なお、上記したように特別図柄決定演出用キャラクタ画像として、0から9の識別情報に対応して10台の車が設定されるが、便宜上、図には特別図柄決定演出用キャラクタ画像122a〜dの4種類(3,6,7,8)を示した。
【0143】
左図柄決定用のレースの結果として、図8(G)で示すように特別図柄決定演出用キャラクタ画像122cが優勝すると、左図柄は優勝した特別図柄決定演出用キャラクタ画像122cのゼッケンに示される7と決定される。
【0144】
図8(H)で示すように左図柄表示部8aは7が表示されるとともに、続いて右図柄決定用のレースが開始される。
【0145】
右図柄決定用のレースの結果として、図9(A)で示すように特別図柄決定演出用キャラクタ画像122cが優勝すると、右図柄は優勝した特別図柄決定演出用キャラクタ画像122cのゼッケンに示される7と決定される。
【0146】
図9(B)で示すように右図柄表示部8cは7が表示されるとともに、続いて中図柄決定用のレースが開始される。
【0147】
中図柄決定用のレースの結果として、図9(C)で示すように特別図柄決定演出用キャラクタ画像122cが優勝すると、中図柄は優勝した特別図柄決定演出用キャラクタ画像122cのゼッケンに示される7と決定される。これによって、左中右の特別図柄が777の大当り図柄に決定する。
【0148】
図9(D)で示すように図柄表示部8a〜cには777が確定表示されるとともに、特別図柄始動記憶数表示画像121は、7個の始動記憶のうちの6個を消化した結果として、1が表示される。
【0149】
本実施形態では、上記したように一括消化処理を実行しない場合(図8(B)〜図8(E))と、一括消化処理を実行した場合(図8(F)〜図9(D))は、異なる表示態様で変動が行われるように設定されている。
【0150】
すなわち、ステップS302の変動パターン設定処理(可変表示パターン事前決定手段)は、一括消化設定処理のステップS130(一括導出決定手段)によって一括消化処理(表示結果一括導出処理)を行うことが決定されたときと、一括消化設定処理のステップS130によって一括消化処理を行わないことが決定されたときとで、ステップS130で決定した消化する始動記憶数が1個であるか、あるいは1個より多い個数であるかに基づいて、異なる変動パターン(可変表示パターン)を決定するものである。
【0151】
なお、この実施形態は、上記したように、一括消化設定処理のステップS130によって一括消化処理を行うことが決定されたときと、一括消化設定処理のステップS130によって一括消化処理を行わないことが決定されたときとで、異なる変動パターンに決定されるが、これに限定する必要は無い。つまり、一括消化処理の実行の可否にかかわらず、決定される変動パターンは常に1種類の変動パターンであっても良い。
【0152】
また、本実施形態は、例えば、図8(F)に示すように、複数個の始動記憶に対応した表示結果を導出するとき、導出個数報知手段によって、複数個の始動記憶の数すなわち一括消化する始動記憶の数を、特別図柄始動記憶数表示画像121の「7→1」において、7と1の差である6として報知するものであるが、このような報知の方法に限定することなく、例えば、上記した7と1の差である「6」を特別図柄始動記憶数表示画像121の「7→1」とは別に表示するものでも良い。
【0153】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、請求項1の発明においては、複数個の数値データに対応した表示結果を導出したときには、遊技者は特定遊技状態の発生を予測するため、複数個の数値データに対応した表示結果を導出する表示結果一括導出処理に対する遊技者の興趣を向上させることが出来る。
【0154】
また、請求項2の発明においては、報知された数値データの個数によって、遊技者は導出された数値データの個数を確認できることにより、複数個の数値データに基づく表示結果を導出する際でも、特定表示結果となる可能性を有する数値データが無効になってはいないか、という疑念を抱く余地が無くなる。また、遊技者はいくつの数値データに基づく表示結果が導出されるのかを一目瞭然に認識することができる。
【0155】
また、請求項3の発明においては、表示結果一括導出手段によって特定の個数の数値データを導出したときの特定遊技状態となる割合と、特定の個数以外の個数の数値データを導出したときの特定遊技状態となる割合が異なるため、まとめて数値データを導出する演出に対する遊技者の興趣を向上させることが出来る。
【0156】
また、請求項4の発明においては、数値データの個数を所定のキャラクタ画像の形態を変化させることによって、数値データの個数の表示のバリエーションが豊富になり、遊技の興趣を向上させることが出来る。また、複数の数値データに基づく表示結果を導出することにより、数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数の表現を所定のキャラクタ画像の形態を変化させて表現した場合でも、変化を顕著に表現することが容易となり、遊技者は変化を一目瞭然に認識することが可能となる。その為、演出を遊技者の視覚に効果的に働きかけることが可能となる。
【0157】
また、請求項5の発明においては、複数個の数値データに対応した表示結果を1つにまとめて導出表示するため、遊技者は導出結果の把握を容易に行うことができる。
【0158】
さらに、請求項6の発明においては、表示結果一括導出処理が実行されるか否かに基づいて、異なる可変表示パターンが用いられる。これにより、多彩な演出の実現が可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。
【図3】CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図4】始動口スイッチ通過処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】一括消化設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】一括消化判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図8】本実施形態の一括消化設定処理が実行された場合の可変表示装置9における表示の一例を示す画像イメージ図である。
【図9】本実施形態の一括消化設定処理が実行された場合の可変表示装置9における表示の一例を示す画像イメージ図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機(遊技機)
9 可変表示装置(可変表示装置)
55 RAM(数値データ記憶手段)
120 特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像(キャラクタ画像)
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示装置を含み、前記始動条件の成立後、可変表示の開始条件の成立に基づいて前記複数種類の識別情報を可変表示させた後に表示結果を導出表示させて当該可変表示の表示結果が特定表示結果となったとき遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、保留記憶数が所定数を超過したとき、一定のまとまった数の保留記憶を一括して消化するもの(例えば、特許文献1参照。)は提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−019297号公報(第4−5頁、図7)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来技術の場合、保留記憶の中に大当りが含まれるか否かに拘わらず、保留記憶数(始動記憶数、若しくは数値データの個数)が所定数を超過したことを契機として、一定のまとまった個数の保留記憶を一括して消化していた。つまり、保留記憶を一括して消化する処理の実行と大当りの発生との間に因果関係は無く、したがって保留記憶を一括して消化する処理が実行されたとしても、それに起因して遊技者が大当りに対する期待感を抱くことは無かった。しかして、保留記憶を一括して消化する処理が実行された後の遊技結果内容に対して、遊技者の興趣をいまひとつ向上させることが出来なかった。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、保留記憶を一括して消化する処理(複数個の数値データに対応した可変表示を同時に実行し、表示結果を導出する表示結果一括導出処理)が実行された後の遊技結果内容に対して、遊技者の興趣を向上させることができる遊技機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明においては、所定の始動条件の成立(始動口スイッチ14aにおける検出)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)の可変表示(変動)を行い表示結果(停止図柄)を導出表示する可変表示装置(可変表示装置9)を含み、前記始動条件の成立後、可変表示の開始条件の成立(図柄の変動が行われておらず、且つ大当り遊技状態でもない状態となること)に基づいて前記複数種類の識別情報を可変表示させた後に表示結果を導出表示させて当該可変表示の表示結果が特定表示結果(大当り図柄)となったとき遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、前記識別情報を含むデータを記憶するデータ記憶手段(キャラクタROM)と、該データ記憶手段に記憶されたデータを用いて前記可変表示装置を表示制御する表示制御手段(図柄制御基板80に搭載されたCPU)と、前記可変表示に関わる決定に用いられ、所定の数値範囲内(0〜316)で数値データ(大当り判定用乱数の生成カウンタから抽出したカウント値)を更新する数値データ更新手段(大当り判定用乱数の生成カウンタ)と、前記始動条件の成立時に前記数値データ更新手段から数値データを抽出し、該抽出された数値データを当該始動条件に対応して抽出順番が特定可能に記憶すると共に、前記数値データのうち未だ前記開始条件が成立していない始動条件に対応する数値データを予め定めた上限数(例えば20個)まで記憶する数値データ記憶手段(RAM55の保存領域)と、前記数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数を特定可能に表示するメモリ表示制御手段(図柄制御基板80に搭載されたCPU)と、前記数値データ記憶手段に記憶される数値データが所定の判定値と合致するか否かに基づいて前記特定表示結果を表示するか否かの判定を行う事前判定手段(ステップS126の大当り判定処理)と、所定の条件が成立したとき、前記数値データ記憶手段に記憶された前記数値データのうち複数個の数値データに対応した可変表示を同時に実行し、前記複数個の数値データに対応した表示結果を前記事前判定手段による判定結果に基づいて導出する表示結果一括導出処理(一括消化処理)を行う表示結果一括導出手段(ステップS53の一括消化設定処理)と、前記数値データ記憶手段に記憶された前記数値データの個数を判定する数値データ数判定手段(ステップS111)と、 前記数値データ記憶手段に記憶された数値データに、前記所定の判定値と合致する数値データがあるか否かを判定する数値データ判定手段(ステップS123からステップS128のループ処理)と、前記数値データ数判定手段によって前記数値データの個数が所定個数以上と判定されたとき、前記表示結果一括導出手段によって前記表示結果一括導出処理を行うか否かを決定する一括導出決定手段(ステップS130)と、を含み、前記一括導出決定手段は、前記数値データ判定手段によって前記数値データ記憶手段に前記所定の判定値と合致する数値データがあると判定されたとき前記表示結果一括導出手段によって前記表示結果一括導出処理を行う割合を、前記数値データ判定手段によって前記数値データ記憶手段に前記所定の判定値と合致する数値データがないと判定されたとき前記表示結果一括導出手段によって前記表示結果一括導出処理を行う割合より、高くなるように前記一括導出決定手段が決定を行うときに用いる決定データ(判定値)を構成した一括導出決定テーブル(図7の一括消化判定テーブル)を用いて決定することを特徴とする。
このように構成することにより、複数個の数値データに対応した表示結果を導出したときには、遊技者は特定遊技状態の発生を予測するため、複数個の数値データに対応した表示結果を導出する表示結果一括導出処理に対する遊技者の興趣を向上させることが出来る。
【0006】
また、請求項2の発明においては、前記表示結果一括導出手段によって前記複数個の数値データに対応した表示結果を導出したとき、前記複数個の数値データの個数(例えば、図8(F)に示す特別図柄始動記憶数表示画像121の「7→1」において、7と1の差である6)を報知する導出個数報知手段を有することを特徴とする。
このように構成することにより、報知された数値データの個数によって、遊技者は導出された数値データの個数を確認できることにより、複数個の数値データに基づく表示結果を導出する際でも、特定表示結果となる可能性を有する数値データが無効になってはいないか、という疑念を抱く余地が無くなる。また、遊技者はいくつの数値データに基づく表示結果が導出されるのかを一目瞭然に認識することができる。
【0007】
また、請求項3の発明においては、前記一括導出決定手段は、該一括導出決定手段によって前記表示結果一括導出処理を行うと決定されたとき、前記表示結果一括導出手段によって導出する数値データの個数を選択する一括導出数選択手段(ステップS130)を含み、前記一括導出数選択手段は、前記数値データ判定手段によって前記数値データ記憶手段に前記所定の判定値と合致する数値データがあると判定されたとき、前記表示結果一括導出手段によって特定の個数(例えば7個)の数値データを導出する割合(例えば130/200)を、前記表示結果一括導出手段によって非特定の個数(例えば7個以外の個数)の数値データを導出する割合(例えば70/200)より、高くなるように前記一括導出数選択手段が選択を行うときに用いる選択データ(判定値)を構成した一括導出数選択テーブル(図7の一括消化判定テーブル)を用いて選択することを特徴とする。このように構成することにより、表示結果一括導出手段によって特定の個数の数値データを導出したときの特定遊技状態となる割合と、特定の個数以外の個数の数値データを導出したときの特定遊技状態となる割合が異なるため、まとめて数値データを導出する演出(図8(F)から図9(D)の図柄決定用のレース)に対する遊技者の興趣を向上させることが出来る。
【0008】
また、請求項4の発明においては、前記データ記憶手段には、前記数値データ記憶手段に記憶された前記数値データの個数を表す表示パターンとして予め定められた複数の数値データ表示パターン(数値データ変動パターン)に対応した複数の数値データ表示データが記憶され、前記複数の数値データ表示パターンは、前記数値データ記憶手段に記憶された前記数値データの個数に応じて所定のキャラクタ画像(特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像120)の形態(太り具合若しくは痩せ具合)を変化させる数値データ数表示キャラクタ変化パターンを含み、前記メモリ表示制御手段は、前記数値データ表示データを用い、前記数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数に応じて前記キャラクタ画像の形態を変化させることを特徴とする。
このように構成することにより、数値データの個数を所定のキャラクタ画像の形態を変化させることによって、数値データの個数の表示のバリエーションが豊富になり、遊技の興趣を向上させることが出来る。また、複数の数値データに基づく表示結果を導出することにより、数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数の表現を所定のキャラクタ画像の形態を変化させて表現した場合でも、変化を顕著に表現することが容易となり、遊技者は変化を一目瞭然に認識することが可能となる。その為、演出を遊技者の視覚に効果的に働きかけることが可能となる。
【0009】
また、請求項5の発明においては、前記表示制御手段は、前記表示結果一括導出手段によって、複数個の数値データに対応した可変表示を同時に実行するとき、前記複数個の数値データに対応した表示結果のうち1つの表示結果を導出する(図8(F)から図9(D)において一括消化する6個の始動記憶のうちの大当り遊技状態となる1個の始動記憶に対応して大当り図柄を表示する)ことを特徴とする。
このように構成することにより、複数個の数値データに対応した表示結果を1つにまとめて導出表示するため、遊技者は導出結果の把握を容易に行うことができる。
【0010】
さらに、請求項6の発明においては、前記所定の始動条件の成立後、可変表示の開始条件の成立に基づいて前記可変表示装置に前記表示結果を導出表示するときに実行される識別情報の可変表示パターン(変動パターン)をその導出表示以前に予め定められた複数の可変表示パターンから決定する可変表示パターン事前決定手段(ステップS302の変動パターン設定処理)を備え、前記可変表示パターン事前決定手段は、前記一括導出決定手段によって前記表示結果一括導出処理を行うことが決定されたとき(ステップS130で消化する始動記憶数を1個より多い個数に決定したとき)と、前記一括導出決定手段によって前記表示結果一括導出処理を行わないことが決定されたとき(ステップS130で消化する始動記憶数を1個数に決定したとき)とで、異なる可変表示パターンを決定することを特徴とする。
このように構成することにより、表示結果一括導出処理が実行されるか否かに基づいて、異なる可変表示パターンが用いられる。これにより、多彩な演出の実現が可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例である第1種パチンコ遊技機の全体の構成について図1を参照して説明する。図1はパチンコ遊技機(遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機(第一種パチンコ遊技機)を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、例えばコイン遊技機やスロット機等であってもよい。
【0012】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられる額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
【0013】
図1に示すように、ガラス扉枠2の下部には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下方には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されており、本実施形態における遊技は遊技領域7に遊技球を発射することにより行われる。
【0014】
遊技領域7の中央付近には、ほぼ長円形状に形成された装飾部材110が設けられている。装飾部材110には、それぞれが識別情報として識別可能な図柄を可変表示する特別図柄可変表示部8を備えた可変表示装置9が設けられている。可変表示装置9には、特別図柄の変動を行って、停止図柄を導出表示する図柄表示部「左」8a、図柄表示部「中」8b、図柄表示部「右」8cが、特別図柄可変表示部8の殆んどの領域を占めて、ほぼ横並びに設けられている。なお、後述するが本発明は複数の始動記憶(数値データ)を一括して消化(実行)する機能を有する。そして複数の始動記憶を一括して消化する際に実行される演出のあいだは、上記した図柄表示部「左」8a、図柄表示部「中」8b、図柄表示部「右」8cは、図8(F)で示すように特別図柄可変表示部8の左側方上部に縮小して設けられる。
【0015】
因みに、本発明において用いる「消化」とは、始動記憶に基づいて可変表示装置9において図柄の可変表示を行い停止図柄を導出表示することである。
【0016】
なお、可変表示装置9の右側方上部には、後述する始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数の多寡に関して、人を模したキャラクタ画像の太り具合(痩せ具合)によりアナログ的に表示する特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像120と、現時点における始動記憶数および始動記憶数の変動状況を報知する特別図柄始動記憶数表示画像121が表示される。
【0017】
特別図柄始動記憶数表示画像121は、有効始動入賞(本実施形態では始動記憶数が20未満のときの始動入賞)がある毎に、表示する数値を1増やす。そして、可変表示装置9における図柄の変動が開始される毎に、表示している数値を1減らす。但し、複数の始動記憶を一括して消化する際には、表示している数値から今回の変動で一括して消化される始動記憶の数を減算する。
【0018】
特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像120は、上記した特別図柄始動記憶数表示画像121の数値の増減に伴いアナログ的にキャラクタ画像の太り具合(痩せ具合)を変化させる。例えば、キャラクタ画像は、始動記憶数が増加すれば太り、減少すれば痩せるように表示される。
【0019】
上記した機能を有する可変表示装置9は、後述する始動口スイッチ14aにおける検出の後、可変表示の開始条件の成立に基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての図柄の変動(可変表示)を行って停止図柄(表示結果)を導出表示する可変表示装置である。なお、可変表示の開始条件の成立している場合とは、特別図柄可変表示部8において特別図柄の変動が行われておらず、且つ、大当り遊技状態でもない場合である。
【0020】
当該可変表示装置9は、CRT表示装置により構成される。但し、可変表示装置9はCRTに限らず、LCD、FED、PDP、EL、LED等いずれの画像表示器から構成してもよい。
【0021】
本実施形態においては、後述する事前判定手段が可変表示装置9に特別図柄の0〜9の数字が3つ揃った特定表示結果を導出表示すると決定した場合(本実施形態の場合、一括消化設定処理によって一括消化される複数の数値データの中に特別図柄の0〜9の数字が3つ揃った特定表示結果が含まれる場合)、当該表示後に遊技者に有利な大当り(特定遊技状態)となるように制御され、可変表示装置9に導出表示する3つの特別図柄の0〜9の数字が揃わないと決定した場合(本実施形態の場合、一括消化設定処理によって一括消化される複数の数値データの中に特別図柄の0〜9の数字が3つ揃った特定表示結果が含まれない場合)、ハズレとなるように制御される。また、事前判定手段が、可変表示装置9に導出表示すると決定した特別図柄が、0〜9の特定表示結果のうちの奇数で揃った場合、大当り終了後に確変状態に制御され、同じく可変表示装置9に導出表示すると決定した特別図柄が0〜9の特定表示結果のうちの0及び偶数で揃った場合、大当り終了後に通常遊技状態に制御される。なお、確変状態とは、大当り(特定遊技状態)となる確率が通常遊技状態時より高いと共に、可変表示装置9における可変表示の可変表示時間が通常遊技状態時より短い状態である。
【0022】
装飾部材110の上部には、LEDにより構成された普通図柄表示器10が設けられている。この普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報を可変表示可能なものである。
【0023】
装飾部材110の下方には、前述した始動入賞口14が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下方には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0024】
さらに可変入賞球装置15の下方には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口42を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口42内の経路を切り換えるためのソレノイド21A(図2に符号のみを記載)も設けられている。
【0025】
可変入賞球装置15の左側方に設けられたゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄始動記憶数が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動記憶の値が1増やされる。
【0026】
普通図柄表示器10の近傍には、普通図柄始動記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41(図2に符号のみを記載)が設けられている。上記したゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0027】
本実施形態の普通図柄表示器10では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器10における可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
【0028】
さらに、特別遊技状態としての確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
【0029】
なお、特定遊技状態とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。例えば大入賞口42の状態が遊技球の入賞し易い、すなわち遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態となる為の権利が発生した状態、景品遊技媒体払い出しの条件が成立し易くなる状態などの、所定の遊技価値が付与された状態である。
【0030】
パチンコ遊技機1では、上記したように特別図柄(識別情報)を表示する可変表示装置9における表示結果が、予め定められた特定の表示結果となることを、通常、「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入賞口42が所定回数開放して遊技球が入賞し易い大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個数(例えば10個)の大入賞口42への入賞があると大入賞口42は閉成する。そして、大入賞口42の開放回数は、所定回数(例えば15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞回数が所定個数に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口42は閉成する。また、大入賞口42が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口42内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終了する。
【0031】
なお、リーチとは、停止した図柄(リーチ図柄)が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄(リーチ変動図柄)については変動表示が行われていること、全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動している状態である。
【0032】
具体的には、予め定められた複数の表示領域に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行われている状態(例えば左、中、右の表示領域のうち左、中の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で右の表示領域は未だ変動表示が行われている状態)、有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われてどの状態が表示されても同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)である。
【0033】
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。
【0034】
またリーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
【0035】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,34、39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33、34、39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,34a,39aによって検出される。遊技領域7の左右両側部には、遊技中に点滅表示される飾りランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音や音声を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の上方には天枠ランプ28a、左側方には左枠ランプ28b、および右側方には右枠ランプ28cが設けられている。
【0036】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
【0037】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が変動を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。上記した始動口スイッチ14aにおける検出は、所定の始動条件の成立である。
【0038】
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄となった後に、大当り遊技状態に移行する。この大当り遊技状態においては、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放される。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0039】
すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機(遊技機)1は、上記した始動口スイッチ14aにおける検出の後、可変表示装置9における変動が実行中でない、若しくは実行中の変動が停止したこと(可変表示の開始条件の成立)に基づいて複数種類の図柄を変動させた後に表示結果を導出表示させて、大当り図柄(特定表示結果)となったときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態(特定遊技状態)に制御するものである。
【0040】
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
【0041】
確変遊技状態とは可変表示装置9における変動の変動時間が通常遊技状態時より短いとともに大当り遊技状態となる割合が通常遊技状態時よりも高い遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0042】
次に、本発明に係る遊技制御手段の回路構成について、図2を参照して説明する。図2は、本発明に係る遊技制御手段となる主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70、発射制御基板91および図柄制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,34a、39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301Aおよびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口42内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
【0043】
なお、図2には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,34a、39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301A等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。スイッチと称されているものがセンサと称されているもの等でもよいこと、すなわち、スイッチが遊技媒体検出手段の一例であることは、他の実施形態でも同様である。
【0044】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0045】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データ、始動記憶数、所定条件の成立数、等を記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。本実施形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
【0046】
さらに、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部は、電源基板(図示しない)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
【0047】
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0048】
本実施形態では、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設けられている普通図柄始動記憶表示器41、および飾りランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51、球切れランプ52、の表示制御を行う。
【0049】
なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよく、本実施形態および他の実施形態で用いられているLEDも他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例である。
【0050】
また、特別図柄を可変表示する可変表示装置9、並びに普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御は、図柄制御基板80に搭載されている表示制御用CPU(図示しない)によって行われる。
【0051】
すなわち、図柄制御基板80に搭載されている表示制御用CPUは、後述する事前判定手段による決定に基づいて、後述するキャラクタROM(データ記憶手段)に記憶されたデータを用いて可変表示装置(可変表示装置)9を表示制御する表示制御手段である。
【0052】
図柄制御基板80に搭載されている表示制御用CPUは、同じく図柄制御基板80に搭載されている制御データROM(図示しない)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からINT信号が入力されると、入力バッファ回路(図示しない)を介して表示制御コマンドを受信する。
【0053】
そして、表示制御用CPUは、受信した表示制御コマンドに従って、可変表示装置9に表示される画像の表示制御を行う。具体的には、表示制御コマンドに応じた指令をVDP(図示しない)に与える。VDPは、キャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。VDPは、入力したデータに従って可変表示装置9に表示するための画像データを生成し、R,G,B信号および同期信号を可変表示装置9に出力する。
【0054】
上記したキャラクタROMの画像テーブルには、キャラクタ、背景、表示図柄に関するデータが格納されている。つまり、キャラクタROMは、図柄(識別情報)及び後述する特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像120、特別図柄決定演出用キャラクタ画像122a〜d等を含むデータを記憶するデータ記憶手段である。
【0055】
また、図柄制御基板80のキャラクタROM(データ記憶手段)には、RAM(数値データ記憶手段)55に記憶された乱数値(数値データ)の個数を表す変動パターン(表示パターン)として予め定められた複数の数値データ表示パターンに対応した複数の数値データ表示データが記憶される。
【0056】
上記した複数の数値データ表示パターンは、RAM(数値データ記憶手段)55に記憶された乱数値の数(数値データの個数)に応じて、特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像(所定のキャラクタ画像)120の太り具合や痩せ具合(形態)を変化させる数値データ数表示キャラクタ変化パターンを含む。
【0057】
また、上記した図柄制御基板80に搭載されている表示制御用CPUは、RAM(数値データ記憶手段)55に記憶された数値データの個数を特定可能に表示するメモリ表示制御手段であって、数値データ表示データを用い、RAM(数値データ記憶手段)55に記憶された数値データの個数に応じて特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像(所定のキャラクタ画像)120の太り具合や痩せ具合(形態)を変化させる。
【0058】
各制御手段は遊技機に設けられている電気部品の制御を行うので、以下、各制御手段を電気部品制御手段といい、電気部品制御手段が搭載された基板を電気部品制御基板ということがある。電気部品とは、遊技機に設けられている部品(機構部品や回路等)であって電気的に動作するものである。電気部品制御手段として、例えば、電気部品としての球払出装置を制御する払出制御手段、電気部品としての演出用の可変表示部の制御を行う表示制御手段、電気部品としての演出制御用の発光体(ランプやLED)の制御を行うランプ制御手段、電気部品としての演出用のスピーカからの音発生の制御を行う音制御手段がある。また、演出用の電気部品を制御する表示制御手段、ランプ制御手段、音制御手段等を演出制御手段ということがある。
【0059】
なお、図2で示したように本実施形態は、主基板31から各制御基板に対してそれぞれ個別に送信される制御コマンドに基づいて制御が行われる。すなわち、主基板31から、音制御基板70、ランプ制御基板35、さらに図柄制御基板80に対してそれぞれに固有の制御コマンドが送信されることにより制御されるものである。しかし、このような方法に限らず、例えば主基板31と、上記した各制御基板との間に演出制御基板を1つ設け、主基板31は当該演出制御基板にのみ単一の制御信号を送信し、当該演出制御基板は主基板31から受信した制御信号に基づいて上記した各制御基板ごとに生成した制御信号を各制御基板に送信するようにしても良い。また、主基板31から先ずは図柄制御基板80に対してのみ制御コマンドが送信され、当該制御コマンドを受信した図柄制御基板80からそれぞれ音制御基板70、及びランプ制御基板35に制御コマンドを送信するようにしても良い。このように構成することによって、各制御基板に対する制御が単一の制御信号に基づいて行なわれるので、一貫した演出が容易となる。また、主基板31は演出に関する大きな方向を示す決定のみを行い、演出に関する細かな具体的事項については、各制御基板がそれぞれ個別に決定することが可能となる。したがって、主基板31の制御上の負担が軽減される。
【0060】
以上のように構成されたパチンコ遊技機1の動作について以下に説明する。パチンコ遊技機1に対して電源が投入されると、主基板31のCPU56は、メイン処理を実行する(図示しない)。メイン処理においてCPU56は、先ず必要な初期設定をするための初期化処理を完了させると、割込禁止状態とした後、表示用乱数及び初期値用乱数の更新処理を実行し、続いて割込許可状態とした後、最初に割込禁止状態としたステップに移行することでループ処理が実行される。
【0061】
本実施形態は、上記したループ処理中において、2mS毎にタイマ割込処理が実行されるように設定されている。CPU56は、該タイマ割込処理において、遊技制御に用いられる大当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う。CPU56は、さらに初期値決定用乱数を生成する為のカウンタのカウント値を更新する処理及び表示用乱数を生成する為のカウンタのカウント値を更新する処理を行う。
【0062】
つまり、本実施形態は、可変表示装置9における可変表示に関わる決定に用いられ、所定の数値範囲で数値データとしての乱数値(例えば、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、等)を更新する数値データ更新手段を備えている。数値データ更新手段は、CPU56が実行するメイン処理および2mSごとに実行されるタイマ割込処理にて数値データを更新する。具体的には、乱数(例えば、大当り判定用乱数)を生成する為のカウンタ(例えば、大当り判定用乱数カウンタ)のカウントアップ(1加算)を行う。
【0063】
CPU56は、上記したタイマ割込処理の中の、続いて実行される特別図柄プロセス処理において、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御する。具体的には特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択され、選択された処理を順次実行していく。
【0064】
このような、特別図柄プロセス処理の各処理について図3を参照して説明する。図3は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【0065】
CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理を行い(ステップS310)、上記した始動口スイッチ14aにおける検出の有無の判定が行われ(ステップS311)、検出が行われたことによってスイッチがON状態になっていたら、始動口スイッチ通過処理が実行され(ステップS312)、続いて内部状態に応じてステップS300〜ステップS308のうちの何れかの処理を行う。
【0066】
特別図柄通常処理(ステップS300)では、特別図柄の可変表示を開始できる状態となるまで待機する。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動記憶数を確認する。始動記憶数が0でなければ、消化する始動記憶数を決定し、特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否かを決定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
【0067】
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)では、特別図柄の変動後の左中右図柄の停止図柄を決定する。複数の始動記憶を一括して消化する場合は、一括して消化する全ての始動記憶に対応して各停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0068】
変動パターン設定処理(ステップS302)では、特別図柄の変動の変動パターンを、後述する変動パターン決定用乱数の値に応じて決定すると共に、変動時間タイマをスタートさせる。このとき、図柄制御基板80に対して、左中右の最終停止図柄と変動パターン(変動態様)を指令する情報とが送信される。
【0069】
したがって、ステップS302の変動パターン設定処理は、始動口スイッチ14aにおける検出(所定の始動条件の成立)後、変動(可変表示)の開始条件の成立に基づいて可変表示装置9に(停止図柄)表示結果を導出表示するときに実行される図柄(識別情報)の変動パターン(可変表示パターン)をその導出表示以前に予め定められた複数の変動パターンから決定する可変表示パターン事前決定手段である。
【0070】
なお、複数の始動記憶を一括して消化する場合でも、変動パターンを1つだけ指定する情報が図柄制御基板80に対して送信される。この際に送信される変動パターンは、一括消化するか否かによって異なった変動パターンコマンドにする。また、図柄制御基板80に対しては、上記した変動パターン指定の表示制御コマンドと併せて、一括消化する始動記憶数を指定する一括消化数指定の表示制御コマンドと、一括して消化する全ての始動記憶のうちの1つの始動記憶(大当りとなる始動記憶が含まれない場合は、全ての始動記憶のうちの何れか1つの始動記憶であり、大当りとなる始動記憶が含まれる場合は、大当りとなる始動記憶)に対応した左中右の各最終停止図柄指定の表示制御コマンドが、送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
【0071】
特別図柄変動処理(ステップS303)では、上記したステップS302においてスタートした変動時間タイマが示す所定の時間が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0072】
特別図柄停止処理(ステップS304)では、可変表示装置9において表示される全図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す演出制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄の組合せが大当り図柄となる場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。停止図柄の組合せが大当り図柄とならない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に移行するように更新する。
【0073】
また、複数の始動記憶を一括して消化する際においても、特別図柄停止を示す演出制御コマンドが1回だけ送信される状態に設定する。つまり、一括消化する始動記憶の中に停止図柄の組合せが大当り図柄となる始動記憶が含まれる場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。一括消化する始動記憶の中に停止図柄の組合せが大当り図柄となる始動記憶が含まれない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に移行するように更新する。
【0074】
大入賞口開放前処理(ステップS305)では、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化すると共に、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
【0075】
大入賞口開放中処理(ステップS306)では、大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを図柄制御基板80に送出する制御及び大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。
【0076】
特定領域有効時間処理(ステップS307)では、V入賞スイッチ22の検出の有無を監視して、大当り遊技状態に関する継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態に関する継続条件が成立し、且つ、残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態に関する継続条件が成立しなかった場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に移行するように更新する。
【0077】
大当り終了処理(ステップS308)では、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に移行するように更新する。
【0078】
では、上記した特別図柄プロセス処理の始動口スイッチ通過処理について、図4を参照して説明する。図4は、上記した特別図柄プロセス処理における、ステップS312の始動口スイッチ通過処理の一例を示すフローチャートである。
【0079】
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、始動記憶数が最大値である20に達しているか否かの判定を行う(ステップS111)。
【0080】
すなわち、ステップS111は、後述するRAM55の特別図柄判定用バッファ(数値データ記憶手段)に記憶される乱数値の数(数値データの個数)を判定する数値データ数判定手段である。
【0081】
ステップS111の判定の結果、20に達していない場合、始動記憶カウンタの値に1加算し(ステップS112)、大当り判定用乱数、はずれ図柄決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数、等の各乱数の値を抽出し、それらの値を始動記憶数の値に対応したRAM55の保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。
【0082】
すなわち、RAM55の保存領域(特別図柄判定用バッファ)は、始動口スイッチ14aにおける検出(始動条件の成立)時に後述する大当り判定用乱数を生成するカウンタ(数値データ更新手段)から乱数値(数値データ)を抽出し、該抽出された乱数値を当該始動口スイッチ14aにおける検出に対応して抽出順番が特定可能に記憶すると共に、乱数値のうち未だ前記開始条件が成立していない始動条件に対応する乱数値を20(予め定めた上限数)まで記憶する数値データ記憶手段である。
【0083】
そして、特別図柄の変動時間を短縮するか否かの判定を行うための変動時間短縮判定時間をセットする(ステップS114)。
【0084】
次に、上記した特別図柄プロセス処理のうち、ステップS300の特別図柄通常処理について図5を参照して説明する。図5は、上記した特別図柄プロセス処理における、ステップS300の特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。
【0085】
特別図柄通常処理において、CPU56は、現時点において特別図柄の変動を開始できる状態にあるか否かの判定を行う(ステップS51)。つまり、内部状態(特別図柄プロセスフラグの値)がステップS300を示しているか否かを確認する。そして、ステップS51において特別図柄の変動を開始できる状態にある場合、次に始動記憶数の値が0であるか否かの判定を行う(ステップS52)。具体的には始動入賞カウンタのカウンタ値が0であるか否かを判定する。
【0086】
ステップS52において始動記憶数の値が0でないと判定された場合、次に本実施形態の要部である一括消化設定処理(ステップS53)を行う。複数の始動記憶に基づく特別図柄の変動を同時に実行することによって複数の始動記憶を一括して消化する当該一括消化設定処理については後に詳述する。ステップS53において一括消化設定処理が完了すると、続いて始動記憶数から検査回数カウンタのカウント値(K)を減算して、保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。つまり、ステップS53の一括消化設定処理で設定された始動記憶数に対応した保存領域の対象範囲だけシフトする。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS55)。次に、前述の一括消化設定処理について、図6を参照して説明する。
【0087】
次に、前述の一括消化設定処理について、図6を参照して説明する。図6は、上記した特別図柄通常処理における、ステップS53の一括消化設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0088】
一括消化設定処理において、CPU56は、先ず始動記憶カウンタの値を処理数として設定し(ステップS121)、続いて検査回数カウンタの値(K)を0に設定する(ステップS122)。なお、検査回数カウンタ(K)は、後述するステップS123からステップS128のループ処理の繰り返し回数をカウントするためのカウンタである。
【0089】
CPU56は、処理数から1減算し(ステップS123)、Kに1加算した値を更にKに設定し(ステップS124)、始動記憶数としてのKに対応したRAM55の保存領域(特別図柄判定用バッファ)に保存されている大当り判定用乱数を読み出す(ステップS125)。大当り判定用乱数を読み出すと、続いてRAM55の保存領域(数値データ記憶手段)に記憶される大当り判定用乱数(数値データ)が所定の判定値と合致するか否かに基づいて大当り図柄(特定表示結果)を表示するか否かの判定を行う事前判定手段としての大当り判定モジュールを実行する(ステップS126)。
【0090】
つまりCPU56は、先ず現時点における遊技状態が、確変中であるか否かの判定を行い、確変中である場合は、予め設定された大当り判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することを決定し、確変中でない場合は、同じく大当り判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することを決定する。そして、高確率時のテーブルあるいは低確率時のテーブルに設定された大当り判定値の中に、ステップS125でロードした大当り判定用乱数に一致する大当り判定値があるか否かを判定し、一致する大当り判定値がある場合には大当り遊技状態に制御することが決定され、一致する大当り判定値がない場合には大当り遊技状態に制御されないことが決定される。
【0091】
すなわち、先ずCPU56は、入賞口スイッチ14aにおける検出に基づき、図柄の変動(可変表示)に関わる決定に用いられ、0〜316の範囲内(所定の数値範囲内)で更新して大当り判定用乱数を生成するカウンタ(数値データ更新手段)から乱数値(数値データ)を抽出し、抽出した乱数を、前述したようにRAM55の始動記憶数に対応した保存領域に記憶する。
【0092】
次に上記保存領域に記憶された乱数を用いて、本実施形態の事前判定手段によりRAM(数値データ記憶手段)55に記憶される乱数値(数値データ)が大当り判定値(所定の判定値)と合致するか否かに基づいて、大当り図柄(特定表示結果)を表示するか否かの判定がなされるものである。
【0093】
このようなステップS126の大当り判定処理の結果として大当りとするか否かの判定が行われ(ステップS127)、大当りでないと判定された場合、次に処理数が0ではないか否かの判断が実行される(ステップS128)。ステップS128の判断の結果、処理数≠0すなわち未処理の始動記憶がある場合、ステップS123に移行して、ステップS127の判定結果として大当りとなるか、若しくはステップS128の判断結果として処理数=0すなわち全ての始動記憶に対する検査が終了するまで、ステップS123〜ステップS128のループ処理が実行される。つまり、始動記憶の抽出された順位の早いものから順番にステップS123〜ステップS128のループ処理が行われ、当該ループ処理は、その過程においてステップS127において大当りと判定されるか、ステップS128において処理数が0となるまで繰り返し実行される。
【0094】
つまり、ステップS123からステップS128のループ処理は、RAM(数値データ記憶手段)55に記憶される乱数値(数値データ)に、大当り判定値(所定の判定値)と合致する乱数値があるか否かを判定する、本実施形態の数値データ判定手段である。
【0095】
上記したステップS128の結果として処理数=0であると判断された場合、Kの値に基づいて後述するハズレ時の一括消化判定テーブル(図7参照)を設定する(ステップS129)。
【0096】
一括消化判定テーブルが設定されると、一括消化判定用乱数を抽出し、該一括消化判定用乱数を一括消化判定テーブルに設定された判定値と照合する。その結果、始動記憶の一括消化処理を実行するか否か、また実行する場合の一括消化する始動記憶数の決定が行われる(ステップS130)。
【0097】
つまり、ステップS130は、始動記憶の一括消化処理(表示結果一括導出処理)を実行するか否かを決定する一括導出決定手段である、とともに、表示結果一括導出処理を行うと決定されたとき、導出する数値データの個数を選択する一括導出数選択手段でもある。
【0098】
なお、ステップS127において大当りであると判定された場合、大当りフラグをセットし(ステップS131)、Kの値に基づいて大当り時の一括消化判定テーブル(図7参照)を設定し(ステップS132)、ステップS130に移行する。
【0099】
このように、ステップS53の一括消化設定処理は、所定の条件が成立したとき、RAM(数値データ記憶手段)55に記憶される乱数値(数値データ)のうち複数個の乱数値に対応した変動(可変表示)を同時に実行し、複数個の乱数値に対応した表示結果をステップS126の大当り判定処理(事前判定手段)による判定結果に基づいて導出する表示結果一括導出手段である。
【0100】
上記したステップS129またはステップS132において設定される一括消化判定テーブルについて、次に図7に一例を示して説明する。図7は、上記した一括消化設定処理における、ステップS129またはステップS132で設定される一括消化判定テーブルの一例を示す説明図である。具体的には上記した一括消化設定処理のステップS124で設定されるKの値が8である場合の一括消化判定テーブルの一例を示すものである。なお、図7にはK=8の場合の一括消化判定テーブルのみを例示したが、本実施形態には該テーブルを含めて、Kの値が1から20(始動記憶の上限数)までのそれぞれに対応した20種類の一括消化判定テーブルが設けられている。
【0101】
図7に示す一括消化判定テーブルは、K=8であって且つ全ての始動記憶数としての8個の始動記憶の内に大当り遊技状態となる始動記憶が含まれない場合(所謂ハズレ時)の一括消化判定テーブルと、K=8であって且つ抽出の順位としての最後(8個目)の始動記憶が大当り遊技状態となる始動記憶である場合(所謂大当り時)の一括消化判定テーブルと、で構成される。そして、一括消化設定処理のステップS130において抽出される一括消化判定用乱数(0〜199)に対応して判定値(0〜199)が振り分けられ、各判定値ごとに一括消化処理の実行の有無、また消化する始動記憶数(1個〜8個)が設定されている。
【0102】
図7に示すハズレ時の一括消化判定テーブルについて説明すると、消化する始動記憶数が1個の場合、すなわち一括消化処理が実行されない場合には、0〜199の200個の判定値のうち193個(0〜192)の判定値が振り分けられている。また、消化する始動記憶数が2〜8個の場合、すなわち一括消化処理が実行される場合には、各「消化する始動記憶数」に対して判定値が1個ずつ、合計7個の判定値が振り分けられている。したがって、この場合に一括消化処理が実行される割合は、7/200となる。
【0103】
次いで、図7に示す大当り時の一括消化判定テーブルについて説明すると、消化する始動記憶数が1個の場合、すなわち一括消化処理が実行されない場合には、0〜199の200個の判定値のうち20個(0〜19)の判定値が振り分けられている。また、消化する始動記憶数が2〜8個の場合、すなわち一括消化処理が実行される場合には、残りの180個(20〜199)の判定値がそれぞれに振り分けられている。したがって、この場合に一括消化処理が実行される割合は、180/200となる。
【0104】
このことから解るように、大当り時に一括消化処理が実行される割合は、ハズレ時に一括消化処理が実行される割合よりも高くなるように、一括消化判定テーブルには判定値が振り分けられている。
【0105】
したがって、一括消化設定処理のステップS130(一括導出決定手段)は、一括消化設定処理のステップS123〜ステップS128のループ処理(数値データ判定手段)によってRAM(数値データ記憶手段)55に所定の判定値と合致する乱数値(数値データ)があると判定されたときステップS53の一括消化設定処理(表示結果一括導出手段)によって一括消化処理(表示結果一括導出処理)を行う割合を、一括消化設定処理のステップS123〜ステップS128のループ処理によってRAM55に所定の判定値と合致する乱数値がないと判定されたときステップS53の一括消化設定処理によって一括消化処理を行う割合より、高くなるように一括消化設定処理のステップS130が決定を行うときに用いる判定値(決定データ)を構成した一括消化判定テーブル(一括導出決定テーブル)を用いて決定するものである。
【0106】
また、図7に示す大当り時の一括消化判定テーブルにおいて、「消化する始動記憶数」が7の場合には前述の如く200個の判定値のうち、130個(60〜189)の判定値が振り分けられている。これに対して他の「消化する始動記憶数」にはそれぞれ10個ずつ、すなわち7以外の全ての「消化する始動記憶数」には合計して70個の判定値が振り分けられている。つまり、この場合、特定の「消化する始動記憶数」としての7が選択される割合は、非特定の「消化する始動記憶数」としての7以外の全ての始動記憶数が選択される割合である70/200よりも高い130/200に設定されている。
【0107】
したがって、一括消化設定処理のステップS130(一括導出数選択手段)は、ステップS123からステップS128のループ処理(数値データ判定手段)によってRAM(数値データ記憶手段)55に所定の判定値と合致する乱数値(数値データ)があると判定されたとき、ステップS53の一括消化設定処理(表示結果一括導出手段)によって7個(特定の個数)の乱数値(数値データ)を導出する割合を、ステップS53の一括消化設定処理によって7個以外(非特定の個数)の乱数値を導出する割合より、高くなるようにステップS130が選択を行うときに用いる判定値(選択データ)を構成した一括消化判定テーブル(一括導出数選択テーブル)を用いて選択するものである。
【0108】
次に、表示制御手段の動作を説明する。図柄制御基板80に搭載された表示制御用CPU(図示しない)が実行するメイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための2mSタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる。その後、表示制御用CPUは、タイマ割込フラグの監視の確認を行うループ処理に移行する。
【0109】
タイマ割込が発生すると、図柄制御基板80に搭載された表示制御用CPUは、タイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制御用CPUは、そのフラグをクリアし、以下の表示制御処理を実行する。
【0110】
本実施形態では、タイマ割込は2mS毎に実行される。すなわち、表示制御処理は、2mS毎に起動される。また、本実施形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御処理を実行してもよい。
【0111】
表示制御処理において、図柄制御基板80に搭載された表示制御用CPUは、まず、受信した表示制御コマンドを解析する(コマンド解析処理)。次いで表示制御用CPUは、表示制御プロセス処理を行う。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、乱数カウンタを更新する処理を実行する。その後、前述のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
【0112】
上記したコマンド解析処理において、表示制御用CPU(図示しない)は、受信コマンドバッファに格納された、主基板31から受信された表示制御コマンドの内容を確認する。
【0113】
コマンド解析処理において、表示制御用CPUは、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、表示制御用CPUは、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す。なお、読み出し後には読出ポインタの値を+1しておく。
【0114】
なお、この実施の形態の表示制御用RAM(図示しない)が備える上記したコマンド受信バッファは、主基板31から送信される各表示制御コマンドを、受信した順番が特定可能となるように記憶するものである。
【0115】
次に、受信した表示制御コマンドが左特別図柄指定の表示制御コマンドであれば、表示制御用CPUは、該表示制御コマンドで示される左特別図柄を示すデータを、上記した左特別図柄格納領域に格納する。また、受信した表示制御コマンドが中特別図柄指定の表示制御コマンドであれば、表示制御用CPUは、該表示制御コマンドで示される中特別図柄を示すデータを、上記した中特別図柄格納領域に格納する。そして、受信した表示制御コマンドが右特別図柄指定の表示制御コマンドであれば、表示制御用CPUは、該表示制御コマンドで示される右特別図柄を示すデータを、上記した右特別図柄格納領域に格納する。このような左中右特別図柄の格納処理が完了すると左中右特別図柄受信フラグをセットする。
【0116】
また、受信した表示制御コマンドが変動パターン指定の表示制御コマンドであれば、表示制御用CPUは、そのコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納し、変動パターン受信フラグをセットする。
【0117】
受信した表示制御コマンドが始動記憶数指定の表示制御コマンドであれば、表示制御用CPUは、RAMにおける始動入賞数記憶領域の始動記憶数を表示制御コマンドで指定された数に更新する。また、可変表示装置9において特別図柄始動記憶数表示画像121の数値及び特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像120の太り具合(痩せ具合)を更新する。
【0118】
そして、先に読み出した受信コマンドがその他の表示制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するフラグをセットする。
【0119】
表示制御用CPUは、表示制御のメイン処理において、上記したコマンド解析処理が完了すると、続いて表示制御プロセス処理を行う。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じて、以下に説明する各処理のうちのいずれかの処理が選択され実行される。
【0120】
変動パターンコマンド受信待ち処理では、コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の表示制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。
【0121】
演出設定処理では、表示制御用CPUは、先ず受信した変動パターンコマンドが一括消化コマンドであると確認された場合に、一括消化フラグがセットされる。一括消化フラグがセットされているならば、始動記憶数または始動記憶数の変動状態を表示する特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像120、および特別図柄始動記憶数表示画像121の表示態様を決定する。続いて、上記したコマンド解析処理において解析した左中右特別図柄指定の表示制御コマンドに従って、特別図柄の停止図柄の数と種類のうち少なくともいずれか1つを決定する。特別図柄の停止図柄に関する決定が完了すると、次に、変動パターンコマンドで指示された変動時間を、変動時間タイマにセットする。
【0122】
なお、一括消化する場合の変動時間は、受信した変動パターンコマンドに基づき、表示制御用CPUが変動パターンコマンドで指定されたプロセスデータを選択し各プロセスデータのプロセスタイマ設定値に基づき、一括消化する変動パターンの変動時間を設定する。
【0123】
図柄変動開始処理では、上記した特別図柄の変動が開始されるように制御する。本実施形態の一括消化処理が実行される場合、後述する停止図柄を決定するレースの演出とともに特別図柄の変動が開始される。
【0124】
図柄変動中処理では、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、特別図柄の停止制御を行う。
【0125】
図柄停止待ち処理では、変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
【0126】
大当り表示処理では、変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
【0127】
大当り遊技中処理では、大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の表示制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
【0128】
上記したように図柄制御基板80に搭載された表示制御用CPUは、主基板31から受信した表示制御コマンドに基づいて表示制御を行う。次に本発明における始動記憶の一括消化設定処理が実行された際に、如何なる態様で表示されるかを、以下に示す図8および図9に基づき説明する。
【0129】
図8及び図9は、本実施形態の一括消化設定処理が実行された場合の可変表示装置9における表示の一例を示す画像イメージ図である。
【0130】
先ず、本実施形態において、消化する始動記憶が1個の場合、すなわち一括消化が行われない場合の表示態様の一例を図8(A)〜(E)に基づき説明する。
【0131】
図8(A)には、可変表示装置9の特別図柄可変表示部8に、前回の変動の結果として1組のはずれ図柄が導出表示されている状態が示される。この場合、図柄表示部8aには左図柄として1、図柄表示部8bには中図柄として4、図柄表示部8cには右図柄として5、が表示される。
【0132】
また、特別図柄可変表示部8の右側方上部には、始動記憶数が多ければ太り、少なければ痩せる、特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像120がアナログ表示される。さらに該特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像120に重なるようにして、始動記憶数の変動状態を示唆する特別図柄始動記憶数表示画像121が表示される。
【0133】
図8(A)には特別図柄始動記憶数表示画像121として、「7」と表示されている。これは、前回の変動の結果、現時点の始動記憶数が7であることを示唆するものである。なお、該特別図柄始動記憶数表示画像121における他の表示態様として、後述する図8(F)に示す表示態様がある。
【0134】
次に図8(B)で示すように、可変表示装置9の図柄表示部8a〜cに表示される左中右の特別図柄は、すべて変動を開始する。なお、特別図柄始動記憶数表示画像121が、図8(A)の7から6に1減少していることからわかるように、今回の変動は7個の始動記憶のうちの1個の始動記憶を消化することに基づく変動である。当該変動は、図8(C)で左図柄表示部8aが2を、図8(D)で右図柄表示部8cが3を、そして最後に図8(E)で中図柄表示部8bが1を導出してハズレ図柄が確定表示され終了する。
【0135】
なお、図8(B)において6であった特別図柄始動記憶数表示画像121が、図8(C)で8が表示されているが、これは図8(B)から図8(C)における特別図柄の変動中に、始動記憶数が6個から2個増加して8個となったことを示唆する。
【0136】
次に、本実施形態において、一括消化が行われる場合の表示態様の一例を図8(F)〜(H)および図9(A)〜(D)に基づき説明する。
【0137】
図8(E)でハズレ図柄が確定表示され、続いていくつかの変動が行われた後、図8(F)に示すとおり始動記憶の一括消化処理が実行される。図8(F)には「7→1」と表示されるが、これは現時点における始動記憶数7が、今回の変動において6消化されて1となることを示唆している。つまり今回の変動で一括して消化する始動記憶数を、表示する消化の前後の始動記憶数の差によって示している。具体的には、始動入賞口14に遊技球が入賞して、入賞口スイッチ14aにおける検出が行われると、ステップS312の始動口スイッチ通過処理において始動記憶カウンタのカウント値が1加算された値が、この場合上記した、消化前の始動記憶数7となる。さらにステップS53の一括消化設定処理の、ステップS130において決定する「一括消化する始動記憶数」が6と決定した場合、消化前の始動記憶数7から6を減算した結果である1が、消化後の始動記憶数として表示される。
【0138】
このように、本実施形態は、ステップS53の一括消化設定処理(表示結果一括導出手段)によって複数個の乱数(数値データ)に対応した停止図柄(表示結果)を導出したとき、複数個の乱数の個数(数値データの個数)を報知する導出個数報知手段を有する。
【0139】
なお、1回の変動において複数の始動記憶をまとめて消化する場合、当該変動は複数の始動記憶のうちの何れか1つの始動記憶に基づいて実行される。つまり、複数の始動記憶のうちに大当り遊技状態となる始動記憶が含まれない場合(図6のステップS128において処理数が0であると判断されたとき)、複数の始動記憶のうちの何れか1つの始動記憶に基づいて変動が行われハズレ図柄が導出され、複数の始動記憶のうちに大当り遊技状態となる始動記憶が含まれる場合(図6のステップS127において大当りであると判断されたとき)、複数の始動記憶のうちの大当り遊技状態となる始動記憶に基づいて変動が行われ大当り図柄が導出される。
【0140】
すなわち、図柄制御基板80に搭載されたCPU(表示制御手段)は、ステップS53の一括消化設定処理(表示結果一括導出手段)によって、複数個の乱数(数値データ)に対応した変動(可変表示)を同時に実行するとき、複数個の乱数に対応した停止図柄(表示結果)のうち1つの停止図柄を導出するものである。
【0141】
また、上記したように図柄表示部8a〜cは、特別図柄可変表示部の上部左側方に移動し、縮小して表示される。図柄表示部8a〜cに表示される左中右の特別図柄は、変動を開始する。
【0142】
変動の開始とともに、左中右の各特別図柄の停止図柄を決定する演出として、各々に識別情報と同じ0〜9のゼッケンを付した10台の車によるレースが、1図柄を1個決定するにつき1回のレースが演出表示される。図示のとおり、特別図柄決定演出用キャラクタ画像122aには3、特別図柄決定演出用キャラクタ画像122bには6、特別図柄決定演出用キャラクタ画像122cには7、特別図柄決定演出用キャラクタ画像122dには8、のゼッケンが付されている。そして、各レースの優勝車に付されたゼッケンの数字が左中右特別図柄の確定図柄として決定されるものである。なお、上記したように特別図柄決定演出用キャラクタ画像として、0から9の識別情報に対応して10台の車が設定されるが、便宜上、図には特別図柄決定演出用キャラクタ画像122a〜dの4種類(3,6,7,8)を示した。
【0143】
左図柄決定用のレースの結果として、図8(G)で示すように特別図柄決定演出用キャラクタ画像122cが優勝すると、左図柄は優勝した特別図柄決定演出用キャラクタ画像122cのゼッケンに示される7と決定される。
【0144】
図8(H)で示すように左図柄表示部8aは7が表示されるとともに、続いて右図柄決定用のレースが開始される。
【0145】
右図柄決定用のレースの結果として、図9(A)で示すように特別図柄決定演出用キャラクタ画像122cが優勝すると、右図柄は優勝した特別図柄決定演出用キャラクタ画像122cのゼッケンに示される7と決定される。
【0146】
図9(B)で示すように右図柄表示部8cは7が表示されるとともに、続いて中図柄決定用のレースが開始される。
【0147】
中図柄決定用のレースの結果として、図9(C)で示すように特別図柄決定演出用キャラクタ画像122cが優勝すると、中図柄は優勝した特別図柄決定演出用キャラクタ画像122cのゼッケンに示される7と決定される。これによって、左中右の特別図柄が777の大当り図柄に決定する。
【0148】
図9(D)で示すように図柄表示部8a〜cには777が確定表示されるとともに、特別図柄始動記憶数表示画像121は、7個の始動記憶のうちの6個を消化した結果として、1が表示される。
【0149】
本実施形態では、上記したように一括消化処理を実行しない場合(図8(B)〜図8(E))と、一括消化処理を実行した場合(図8(F)〜図9(D))は、異なる表示態様で変動が行われるように設定されている。
【0150】
すなわち、ステップS302の変動パターン設定処理(可変表示パターン事前決定手段)は、一括消化設定処理のステップS130(一括導出決定手段)によって一括消化処理(表示結果一括導出処理)を行うことが決定されたときと、一括消化設定処理のステップS130によって一括消化処理を行わないことが決定されたときとで、ステップS130で決定した消化する始動記憶数が1個であるか、あるいは1個より多い個数であるかに基づいて、異なる変動パターン(可変表示パターン)を決定するものである。
【0151】
なお、この実施形態は、上記したように、一括消化設定処理のステップS130によって一括消化処理を行うことが決定されたときと、一括消化設定処理のステップS130によって一括消化処理を行わないことが決定されたときとで、異なる変動パターンに決定されるが、これに限定する必要は無い。つまり、一括消化処理の実行の可否にかかわらず、決定される変動パターンは常に1種類の変動パターンであっても良い。
【0152】
また、本実施形態は、例えば、図8(F)に示すように、複数個の始動記憶に対応した表示結果を導出するとき、導出個数報知手段によって、複数個の始動記憶の数すなわち一括消化する始動記憶の数を、特別図柄始動記憶数表示画像121の「7→1」において、7と1の差である6として報知するものであるが、このような報知の方法に限定することなく、例えば、上記した7と1の差である「6」を特別図柄始動記憶数表示画像121の「7→1」とは別に表示するものでも良い。
【0153】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、請求項1の発明においては、複数個の数値データに対応した表示結果を導出したときには、遊技者は特定遊技状態の発生を予測するため、複数個の数値データに対応した表示結果を導出する表示結果一括導出処理に対する遊技者の興趣を向上させることが出来る。
【0154】
また、請求項2の発明においては、報知された数値データの個数によって、遊技者は導出された数値データの個数を確認できることにより、複数個の数値データに基づく表示結果を導出する際でも、特定表示結果となる可能性を有する数値データが無効になってはいないか、という疑念を抱く余地が無くなる。また、遊技者はいくつの数値データに基づく表示結果が導出されるのかを一目瞭然に認識することができる。
【0155】
また、請求項3の発明においては、表示結果一括導出手段によって特定の個数の数値データを導出したときの特定遊技状態となる割合と、特定の個数以外の個数の数値データを導出したときの特定遊技状態となる割合が異なるため、まとめて数値データを導出する演出に対する遊技者の興趣を向上させることが出来る。
【0156】
また、請求項4の発明においては、数値データの個数を所定のキャラクタ画像の形態を変化させることによって、数値データの個数の表示のバリエーションが豊富になり、遊技の興趣を向上させることが出来る。また、複数の数値データに基づく表示結果を導出することにより、数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数の表現を所定のキャラクタ画像の形態を変化させて表現した場合でも、変化を顕著に表現することが容易となり、遊技者は変化を一目瞭然に認識することが可能となる。その為、演出を遊技者の視覚に効果的に働きかけることが可能となる。
【0157】
また、請求項5の発明においては、複数個の数値データに対応した表示結果を1つにまとめて導出表示するため、遊技者は導出結果の把握を容易に行うことができる。
【0158】
さらに、請求項6の発明においては、表示結果一括導出処理が実行されるか否かに基づいて、異なる可変表示パターンが用いられる。これにより、多彩な演出の実現が可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。
【図3】CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図4】始動口スイッチ通過処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】一括消化設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】一括消化判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図8】本実施形態の一括消化設定処理が実行された場合の可変表示装置9における表示の一例を示す画像イメージ図である。
【図9】本実施形態の一括消化設定処理が実行された場合の可変表示装置9における表示の一例を示す画像イメージ図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機(遊技機)
9 可変表示装置(可変表示装置)
55 RAM(数値データ記憶手段)
120 特別図柄始動記憶数表示用キャラクタ画像(キャラクタ画像)
Claims (6)
- 所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示装置を含み、
前記始動条件の成立後、可変表示の開始条件の成立に基づいて前記複数種類の識別情報を可変表示させた後に表示結果を導出表示させて当該可変表示の表示結果が特定表示結果となったとき遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機において、
前記識別情報を含むデータを記憶するデータ記憶手段と、
該データ記憶手段に記憶されたデータを用いて前記可変表示装置を表示制御する表示制御手段と、
前記可変表示に関わる決定に用いられ、所定の数値範囲内で数値データを更新する数値データ更新手段と、
前記始動条件の成立時に前記数値データ更新手段から数値データを抽出し、該抽出された数値データを当該始動条件に対応して抽出順番が特定可能に記憶すると共に、前記数値データのうち未だ前記開始条件が成立していない始動条件に対応する数値データを予め定めた上限数まで記憶する数値データ記憶手段と、
前記数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数を特定可能に表示するメモリ表示制御手段と、
前記数値データ記憶手段に記憶される数値データが所定の判定値と合致するか否かに基づいて前記特定表示結果を表示するか否かの判定を行う事前判定手段と、
所定の条件が成立したとき、前記数値データ記憶手段に記憶された前記数値データのうち複数個の数値データに対応した可変表示を同時に実行し、前記複数個の数値データに対応した表示結果を前記事前判定手段による判定結果に基づいて導出する表示結果一括導出処理を行う表示結果一括導出手段と、
前記数値データ記憶手段に記憶された前記数値データの個数を判定する数値データ数判定手段と、
前記数値データ記憶手段に記憶された数値データに、前記所定の判定値と合致する数値データがあるか否かを判定する数値データ判定手段と、
前記数値データ数判定手段によって前記数値データの個数が所定個数以上と判定されたとき、前記表示結果一括導出手段によって前記表示結果一括導出処理を行うか否かを決定する一括導出決定手段と、を含み、
前記一括導出決定手段は、
前記数値データ判定手段によって前記数値データ記憶手段に前記所定の判定値と合致する数値データがあると判定されたとき前記表示結果一括導出手段によって前記表示結果一括導出処理を行う割合を、前記数値データ判定手段によって前記数値データ記憶手段に前記所定の判定値と合致する数値データがないと判定されたとき前記表示結果一括導出手段によって前記表示結果一括導出処理を行う割合より、高くなるように前記一括導出決定手段が決定を行うときに用いる決定データを構成した一括導出決定テーブルを用いて決定することを特徴とする遊技機。 - 前記表示結果一括導出手段によって前記複数個の数値データに対応した表示結果を導出したとき、前記複数個の数値データの個数を報知する導出個数報知手段を有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記一括導出決定手段は、該一括導出決定手段によって前記表示結果一括導出処理を行うと決定されたとき、前記表示結果一括導出手段によって導出する数値データの個数を選択する一括導出数選択手段を含み、
前記一括導出数選択手段は、
前記数値データ判定手段によって前記数値データ記憶手段に前記所定の判定値と合致する数値データがあると判定されたとき、前記表示結果一括導出手段によって特定の個数の数値データを導出する割合を、前記表示結果一括導出手段によって非特定の個数の数値データを導出する割合より、高くなるように前記一括導出数選択手段が選択を行うときに用いる選択データを構成した一括導出数選択テーブルを用いて選択することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。 - 前記データ記憶手段には、前記数値データ記憶手段に記憶された前記数値データの個数を表す表示パターンとして予め定められた複数の数値データ表示パターンに対応した複数の数値データ表示データが記憶され、
前記複数の数値データ表示パターンは、前記数値データ記憶手段に記憶された前記数値データの個数に応じて所定のキャラクタ画像の形態を変化させる数値データ数表示キャラクタ変化パターンを含み、
前記メモリ表示制御手段は、前記数値データ表示データを用い、前記数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数に応じて前記キャラクタ画像の形態を変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の遊技機。 - 前記表示制御手段は、前記表示結果一括導出手段によって、複数個の数値データに対応した可変表示を同時に実行するとき、前記複数個の数値データに対応した表示結果のうち1つの表示結果を導出することを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の遊技機。
- 前記所定の始動条件の成立後、可変表示の開始条件の成立に基づいて前記可変表示装置に前記表示結果を導出表示するときに実行される識別情報の可変表示パターンをその導出表示以前に予め定められた複数の可変表示パターンから決定する可変表示パターン事前決定手段を備え、
前記可変表示パターン事前決定手段は、前記一括導出決定手段によって前記表示結果一括導出処理を行うことが決定されたときと、前記一括導出決定手段によって前記表示結果一括導出処理を行わないことが決定されたときとで、異なる可変表示パターンを決定することを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の遊技機。
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