以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例である第1種パチンコ遊技機の全体の構成について図1を参照して説明する。図1はパチンコ遊技機(遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例として第一種パチンコ遊技機であるパチンコ遊技機1を示すが、本発明は第一種パチンコ遊技機に限られず、第二種パチンコ遊技機又は第三種パチンコ遊技機であっても良い。さらに、パチンコ遊技機(第一種〜第三種)にさえ限定されること無く、例えばコイン遊技機やスロット機等であっても良い。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられる額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、ガラス扉枠2の下部には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下方には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と、遊技者が打球を発射する際に操作する操作ノブ5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、当該板状体に取り付けられた種々の部品とにより構成された構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されており、本実施形態における遊技は遊技領域7に遊技球を発射することにより行われる。
遊技領域7の中央付近には、横長のほぼ長円形状に形成された装飾部材110が設けられている。装飾部材110には、それぞれが識別情報として識別可能な図柄を可変表示する特別図柄可変表示部8を備えた可変表示装置9が設けられている。可変表示装置9には、特別図柄の変動を行って、停止図柄を導出表示する図柄表示部「左」8a、図柄表示部「中」8b、図柄表示部「右」8cが、ほぼ横並びに設けられている。
因みに、本発明において用いる「消化」とは、始動記憶に基づいて可変表示装置9において図柄の可変表示を行い停止図柄を導出表示することである。
上記した機能を有する可変表示装置9は、後述する始動口スイッチ14aにおける検出および可変表示の開始条件の成立に基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての図柄の変動(可変表示)を行って停止図柄(表示結果)を導出表示する可変表示装置である。但し、可変表示の開始条件の成立している場合とは、可変表示装置9の特別図柄可変表示部8において特別図柄の変動が行われておらず、且つ、大当り遊技状態でもない場合である。
この実施の形態の可変表示装置9は、CRT表示装置により構成されるものであるが、このCRT表示装置に限らず、LCD、FED、PDP、EL、LED等いずれの画像表示器から構成されたものでも良い。
本実施形態においては、後述する表示結果事前判定手段が可変表示装置9に特別図柄の0〜9の数字が3つ揃った大当り図柄(特定表示結果)を導出表示すると決定した場合、当該表示後に遊技者に有利な大当り遊技状態(特定遊技状態)となるように制御され、可変表示装置9に導出表示する3つの特別図柄の0〜9の数字が揃わないと決定した場合、ハズレとなるように制御される。
また、本実施形態では表示結果事前判定手段が、可変表示装置9に導出表示すると決定した特別図柄が0〜9の特定表示結果のうちの何れかで揃った場合、大当り遊技状態の終了後に制御される遊技状態を、予め設けられた特別遊技状態決定テーブル(図7乃至図9を参照)を用いて、確変遊技状態、時短遊技状態、あるいは通常遊技状態のうちの何れかの遊技状態に決定するものである。
なお、確変遊技状態とは、大当り(特定遊技状態)となる確率が通常遊技状態時より高いと共に、可変表示装置9における可変表示の可変表示時間が通常遊技状態時より短い状態であり、時短遊技状態とは、可変表示装置9における可変表示の可変表示時間が通常遊技状態時より短く、且つ、大当りとなる確率が通常遊技状態時と同じ状態である。また、通常遊技状態とは確変遊技状態、時短遊技状態、そして特定遊技状態以外の遊技状態である。
装飾部材110の上部には、LEDにより構成された普通図柄表示器10が設けられている。この普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報を可変表示可能なものである。
装飾部材110の下部には、特別図柄始動記憶表示器40が設けられている。この特別図柄始動記憶表示器40は、有効始動入賞(本実施形態では始動記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、表示する数値を1増やす。そして、可変表示装置9における図柄の変動が開始される毎に、表示している数値を1減らす。
装飾部材110の下方には、前述した始動入賞口14が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面側に誘導され、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下方には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
さらに可変入賞球装置15の下方には、大当り遊技状態(特定遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口42を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面側に誘導された入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面側には、大入賞口42内の入賞球の経路を切り換えるためのソレノイド21A(図2に符号のみを記載)も設けられている。
可変入賞球装置15の左側方に設けられたゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出され且つ普通図柄始動記憶数が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動記憶数の値が1増加される。
普通図柄表示器10の近傍には、普通図柄始動記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41(図2に符号のみを記載)が設けられている。上記したゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
本実施形態の普通図柄表示器10では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器10における可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
さらに、特別遊技状態としての確変遊技状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変遊技状態等の所定の状態では、普通図柄表示器10における変動時間(可変表示時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
なお、変動時間とは、可変表示装置9において特別図柄(識別情報)を変動(可変表示)させた後に停止図柄(表示結果)を導出表示させるまでの時間である。
パチンコ遊技機1では、上記したように特別図柄(識別情報)を表示する可変表示装置9における表示結果が、予め定められた特定の表示結果となることを、通常、「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入賞口42が所定回数開放して遊技球が入賞し易い大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行する。そして、各開放期間において、所定個数(例えば10個)の大入賞口42への入賞があると大入賞口42は閉成する。そして、大入賞口42の開放回数は、所定回数(例えば15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞回数が所定個数に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口42は閉成する。また、大入賞口42が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口42内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終了する。
なお、本発明の大当り遊技状態(特定遊技状態)は、上記に限らず以下に示す(1)〜(5)の制御のうちいずれか1つの制御又は組み合わせた制御を実行する状態であれば良い。
(1) 打玉の入賞を容易にする第一の状態と、打玉が入賞できない又は入賞し難い第二の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的又は間欠的に第一の状態にする制御
(2) 特定の入賞又は通過領域での打玉の検出を介在させ、打玉の入賞を容易にする第一の状態と、打玉が入賞できない又は入賞し難い第二の状態と、に変化可能な可変入賞装置に対して所定時間連続的又は間欠的に第一の状態にする制御
(3) 打玉の入賞に関わらず所定数の景品玉を直接排出する制御
(4) 有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御
(5) 得点があることに基づいて遊技可能なパチンコ遊技機に対して得点を付与する制御。
また、リーチとは、停止した図柄(リーチ図柄)が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄(リーチ変動図柄)については変動表示が行われていること、全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動している状態である。
具体的には、予め定められた複数の表示領域に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行われている状態(例えば左、中、右の表示領域のうち左、中の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で右の表示領域は未だ変動表示が行われている状態)、有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われてどの状態が表示されても同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)である。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。
またリーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,34、39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33、34、39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,34a,39aによって検出される。遊技領域7の左右両側部には、遊技中に点滅表示される飾りランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音や音声を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の上方には天枠ランプ28a、左側方には左枠ランプ28b、および右側方には右枠ランプ28cが設けられている。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が変動を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。上記した始動口スイッチ14aにおける検出は、所定の始動条件の成立である。
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄となった後に、大当り遊技状態に移行する。この大当り遊技状態においては、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放される。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機(遊技機)1は、上記した始動口スイッチ14aにおける検出の後、可変表示装置9における変動が実行中でない、若しくは実行中の変動が停止したこと(可変表示の開始条件の成立)に基づいて複数種類の図柄を変動させた後に表示結果を導出表示させて、大当り図柄(特定表示結果)となったときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態(特定遊技状態)に制御するものである。
次に、本発明に係る遊技制御手段の回路構成について、図2を参照して説明する。図2は、本発明に係る遊技制御手段となる主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音制御基板61、発射制御基板62および図柄制御基板60も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、満タンスイッチ48、入賞口スイッチ29a,30a,33a,34a、39a、球切れスイッチ17、クリアスイッチ19および賞球カウントスイッチ18からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口42内の入賞球の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
なお、図2には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、満タンスイッチ48、入賞口スイッチ29a,30a,33a,34a、39a、球切れスイッチ17、賞球カウントスイッチ18等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。スイッチと称されているものがセンサと称されているもの等でもよいこと、すなわち、スイッチが遊技媒体検出手段の一例であることは、他の実施形態でも同様である。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データ、始動記憶数、所定条件の成立数、等を記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。本実施形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
さらに、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部は、電源基板(図示しない)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存されるようになっている。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板62上の回路によって制御される駆動モータ44で駆動される。そして、駆動モータ44の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板62上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球を発射するように制御される。
本実施形態では、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設けられている特別図柄始動記憶表示器40、普通図柄始動記憶表示器41および飾りランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51、球切れランプ52、の表示制御を行う。
なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよく、本実施形態および他の実施形態で用いられているLEDも他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例である。
また、特別図柄を可変表示する可変表示装置9、並びに普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御は、図柄制御基板60に搭載されている表示制御用CPU(図示しない)によって行われる。
図柄制御基板60に搭載されている表示制御用CPUは、同じく図柄制御基板60に搭載されている制御データROM(図示しない)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からのINT信号の入力を契機として、入力バッファ回路(図示しない)を介して表示制御コマンドを受信する。
そして、表示制御用CPUは、受信した表示制御コマンドに従って、可変表示装置9に表示される画像の表示制御を行う。具体的には、表示制御コマンドに応じた指令をVDP(図示しない)に与える。VDPは、キャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。VDPは、入力したデータに従って可変表示装置9に表示するための画像データを生成し、R,G,B信号および同期信号を可変表示装置9に出力する。
上記したキャラクタROMの画像テーブルには、キャラクタ、背景、表示図柄に関するデータが格納されている。
各制御手段は遊技機に設けられている電気部品の制御を行うので、以下、各制御手段を電気部品制御手段といい、電気部品制御手段が搭載された基板を電気部品制御基板ということがある。電気部品とは、遊技機に設けられている部品(機構部品や回路等)であって電気的に動作するものである。電気部品制御手段として、例えば、電気部品としての球払出装置63を制御する払出制御手段、電気部品としての演出用の可変表示部の制御を行う表示制御手段、電気部品としての演出制御用の発光体(ランプやLED)の制御を行うランプ制御手段、電気部品としての演出用のスピーカからの音発生の制御を行う音制御手段がある。また、演出用の電気部品を制御する表示制御手段、ランプ制御手段、音制御手段等を演出制御手段ということがある。
なお、図2で示したように本実施形態は、主基板31から各制御基板に対してそれぞれ個別に送信される制御コマンドに基づいて制御が行われる。すなわち、主基板31から、音制御基板61、ランプ制御基板35、さらに図柄制御基板60に対してそれぞれに固有の制御コマンドを送信することにより制御されるものである。しかし、このような方法に限らず、例えば主基板31と、上記した各制御基板との間に演出制御基板を1つ設け、主基板31は当該演出制御基板にのみ単一の制御信号を送信し、当該演出制御基板は主基板31から受信した制御信号に基づいて上記した各制御基板ごとに生成した制御信号を各制御基板に送信するようにしても良い。また、主基板31から先ずは図柄制御基板60に対してのみ制御コマンドが送信され、当該制御コマンドを受信した図柄制御基板60からそれぞれ音制御基板61、及びランプ制御基板35に制御コマンドを送信するようにしても良い。このように構成することによって、各制御基板に対する制御が単一の制御信号に基づいて行なわれるので、一貫した演出が容易となる。また、主基板31は演出に関する大きな方向を示す決定のみを行い、演出に関する細かな具体的事項については、各制御基板がそれぞれ個別に決定することが可能となる。したがって、主基板31の制御上の負担が軽減される。
以上のように構成されたパチンコ遊技機1の動作について以下に説明する。パチンコ遊技機1に対して電源が投入されると、主基板31のCPU56は、メイン処理を実行する(図示しない)。メイン処理においてCPU56は、先ず必要な初期設定をするための初期化処理を完了させると、割込禁止状態とした後、表示用乱数及び初期値用乱数の更新処理を実行し、続いて割込許可状態とした後、最初に割込禁止状態としたステップに移行することでループ処理が実行される。
本実施形態は、上記したループ処理中において、2mS毎にタイマ割込処理が実行されるように設定されている。CPU56は、該タイマ割込処理において、遊技制御に用いられる大当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う。CPU56は、さらに初期値決定用乱数を生成する為のカウンタのカウント値を更新する処理及び表示用乱数を生成する為のカウンタのカウント値を更新する処理を行う。
つまり、本実施形態は、可変表示装置9における可変表示に関わる決定に用いられ、所定の数値範囲で数値データとしての乱数値(例えば、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、等)を更新する乱数の生成カウンタを備えている。乱数の生成カウンタは、CPU56が実行するメイン処理および2mSごとに実行されるタイマ割込処理にて数値データを更新する。具体的には、乱数(例えば、大当り判定用乱数)を生成する為のカウンタ(例えば、大当り判定用乱数カウンタ)のカウントアップ(1加算)を行う。
CPU56は、上記したタイマ割込処理の中の、続いて実行される特別図柄プロセス処理において、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序に従って制御する。具体的には、設定されている特別図柄プロセスフラグに基づいて該当する処理が選択され、選択された処理を順次実行していく。
このような、特別図柄プロセス処理の各処理について図3を参照して説明する。図3は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理を行い(ステップS310)、上記した始動口スイッチ14aにおける検出の有無の判定を実行する(ステップS311)。判定の結果、検出が行われたことによってスイッチがON状態になっていたら、始動口スイッチ通過処理が実行され(ステップS312)、続いて内部状態すなわち特別図柄プロセスフラグに応じてステップS300〜ステップS308のうちの何れかの処理を行う。
特別図柄通常処理(ステップS300)では、特別図柄の可変表示を開始できる状態となるまで待機する。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動記憶数を確認する。始動記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果として大当りとするか否かを決定し、さらに本実施形態では特別遊技設定処理を実行して、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)では、特別図柄の変動後の左中右図柄の停止図柄を決定する。但し、本実施形態の場合、大当り図柄の決定は上記した特別遊技設定処理において行われるため、該特別図柄停止図柄設定処理においてはハズレ図柄の決定のみが行われる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
変動パターン設定処理(ステップS302)では、特別図柄の変動の変動パターンを、後述する変動パターン決定用乱数の値に応じて決定すると共に、変動時間タイマをスタートさせる。このとき、図柄制御基板60に対して、左中右の最終停止図柄と変動パターン(変動態様)を指令する情報とが送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
特別図柄変動処理(ステップS303)では、上記したステップS302においてスタートした変動時間タイマが示す所定の時間が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304)では、可変表示装置9において表示される全図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す演出制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄の組合せが大当り図柄となる場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。停止図柄の組合せが大当り図柄とならない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に移行するように更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS305)では、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化すると共に、ソレノイド21を駆動して大入賞口42を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306)では、大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを図柄制御基板60に送出する制御及び大入賞口42の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口42の閉成条件が成立したら、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。
特定領域有効時間処理(ステップS307)では、V入賞スイッチ22の検出の有無を監視して、大当り遊技状態に関する継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態に関する継続条件が成立し、且つ、残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態に関する継続条件が成立しなかった場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に移行するように更新する。
大当り終了処理(ステップS308)では、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御手段(図6参照)に行わせるための制御を行う。さらに、後述する特別遊技設定処理のステップS131における決定結果に基づいて、当該大当り遊技状態終了後に確変遊技状態、時短遊技状態、あるいは通常遊技状態のいずれかの遊技状態に移行する制御を行う。具体的には、当該大当り遊技状態終了後に制御される遊技状態が確変遊技状態であれば確変フラグをセットするとともに、確変回数カウンタをセットする。また、当該大当り遊技状態終了後に制御される遊技状態が時短遊技状態であれば時短フラグをセットするとともに、時短回数カウンタをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に移行するように更新する。
すなわち、ステップS308の大当り終了処理は、大当り遊技状態(特定遊技状態)の終了後、大当り遊技状態とは異なる通常遊技状態と、通常遊技状態とは異なるとともに通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態としての確変遊技状態あるいは時短遊技状態と、を含む複数の遊技状態のうちの何れかの遊技状態に移行制御する移行制御手段である。
なお、本実施形態は上記したように、ステップS308の大当り終了処理(移行制御手段)により移行制御される特別遊技状態として、可変表示装置9における図柄(識別情報)を変動(可変表示)させた後に表示結果を導出表示させるまでの時間である変動時間(可変表示時間)が通常遊技状態時より短いとともに大当り図柄(特定表示結果)となる確率が通常遊技状態時よりも高い確変遊技状態(第1特別遊技状態)と、変動時間が通常遊技状態時より短いとともに大当り図柄となる確率が通常遊技状態時と同じ時短遊技状態(第2特別遊技状態)と、を含むものである。
では、上記した特別図柄プロセス処理における始動口スイッチ通過処理について、図4を参照して説明する。図4は、上記した特別図柄プロセス処理における、ステップS312の始動口スイッチ通過処理の一例を示すフローチャートである。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、始動記憶数が最大値である4に達しているか否かの判定を行う(ステップS111)。ステップS111の判定の結果、4に達していない場合、始動記憶カウンタの値に1加算し(ステップS112)、大当り判定用乱数、はずれ図柄決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数、等の各乱数の値を抽出し、それらの値を始動記憶数の値に対応したRAM55の保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。そして、特別図柄の変動時間を短縮するか否かの判定を行うための変動時間短縮判定時間をセットする(ステップS114)。
次に、上記した特別図柄プロセス処理のうち、ステップS300の特別図柄通常処理について図5を参照して説明する。図5は、上記した特別図柄プロセス処理における、ステップS300の特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。
特別図柄通常処理において、CPU56は、現時点において特別図柄の変動を開始できる状態にあるか否かの判定を行う(ステップS51)。つまり、内部状態(特別図柄プロセスフラグの値)がステップS300を示しているか否かを確認する。そして、ステップS51において特別図柄の変動を開始できる状態にある場合、次に始動記憶数の値が0であるか否かの判定を行う(ステップS52)。具体的には始動入賞カウンタのカウント値が0であるか否かを判定する。
ステップS52において始動記憶数の値が0でないと判定された場合、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数格納バッファ領域に格納する(ステップS53)と共に、始動入賞記憶数の値を1減算して各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2、3、4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファ領域に格納した大当り判定用乱数を読み出し(ステップS55)、大当り判定用乱数が所定の判定値と合致するか否かに基づいて大当り図柄(特定表示結果)を表示するか否かの判定を行う大当り判定モジュールを実行する(ステップS56)。大当りとするか否かの判定を行い(ステップS57)、大当りとすることに決定して場合に、CPU56は大当りフラグをセットする(ステップS58)。次いで、本実施形態の要部である特別遊技設定処理が実行される(ステップS59)。なお、以下ステップS60〜ステップS63において、確変フラグがセットされている場合には確変フラグまたは確変回数カウンタを処理の対象とし、時短フラグがセットされている場合には時短フラグまたは時短回数カウンタを処理の対象とする。次いで、確変回数カウンタあるいは時短回数カウンタを1加算し(ステップS60)、その確変回数カウンタあるいは時短回数カウンタのカウント値が設定回数と合致するか否かの判定を行う(ステップS61)。ステップS61の判定結果が合致するのであれば、確変回数カウンタあるいは時短回数カウンタをリセットし(ステップS62)、確変フラグあるいは時短フラグをリセットする(ステップS63)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS64)。
次に、前述の特別遊技設定処理について、図6を参照して説明する。図6は、上記した特別図柄通常処理における、ステップS59の特別遊技設定処理の一例を示すフローチャートである。
特別遊技設定処理において、CPU56は、先ず前述のステップS53で読み出してRAM55の乱数格納バッファ領域に格納した各乱数のうち、大当り図柄決定用乱数を読み出し、当該乱数に基づいて大当り図柄を決定する(ステップS121)。なお、CPU56は、ステップS121で決定した大当り図柄を大当り図柄バッファに格納し、続くステップS301の特別図柄停止図柄設定処理において当該決定結果に基づき特別図柄の停止図柄を設定するものである。つまりステップS121は、始動口スイッチ14aにおける検出(始動条件の成立)に基づいて可変表示装置9に導出表示する図柄(表示結果)をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段である。
次いで、確変フラグがセットされているか否かの判定を行い(ステップS122)、確変フラグがセットされているならば確変フラグをリセットし(ステップS123)、確変遊技状態に制御される可変表示回数をカウントする確変回数カウンタをリセットする(ステップS124)。そして、後述する確変時特別遊技状態決定テーブル(図7参照)を設定する(ステップS125)。
ステップS122において、確変フラグがセットされていないと判定されたならば、次に時短フラグがセットされているか否かの判定を実行する(ステップS126)。ステップS126の判定の結果、時短フラグがセットされているならば時短フラグをリセットし(ステップS127)、時短遊技状態に制御される可変表示回数をカウントする時短回数カウンタをリセットする(ステップS128)。そして、後述する時短時特別遊技状態決定テーブル(図8参照)を設定する(ステップS129)。
ステップS126の判定の結果、時短フラグがセットされていないならば、後述する通常時特別遊技状態決定テーブル(図9参照)を設定する(ステップS130)。
次に、上記したステップS125、ステップS129、ステップS130においてそれぞれ設定された各遊技状態時の特別遊技状態決定テーブルを用いて、大当り遊技状態終了後に制御される遊技状態と、当該遊技状態に制御される可変表示装置9における変動回数を決定する(ステップS131)。
具体的には、ステップS121で決定した大当り図柄と、RAM55の乱数格納バッファ領域に格納した特別遊技決定用乱数(0〜199)に基づき、各遊技状態時の特別遊技状態決定テーブルに割り振られた判定値と照合して、前記した遊技状態および当該遊技状態に制御される変動回数を一時に決定する。
すなわち、ステップS131は、大当り遊技状態(特定遊技状態)の終了後、大当り図柄(特定表示結果)が表示されるまで、あるいは可変表示装置9における変動回数(可変表示回数)が予め定められた設定回数に達するまで複数の遊技状態として確変遊技状態、時短遊技状態、および通常遊技状態のうちの何れの遊技状態に移行制御するかを、移行制御する前に決定するとともに、決定した遊技状態に移行制御された変動回数を各特別遊技状態決定テーブルに設定された複数の変動回数のうち何れの変動回数とするかを決定する遊技状態決定手段である。
また、ステップS131の遊技状態決定手段は、上記したステップS121(表示結果事前決定手段)によって決定された大当り図柄(特定表示結果)の種類と、大当り図柄を導出表示するときに制御されている遊技状態の種類と、に基づいて確変遊技状態あるいは時短遊技状態に移行制御される変動回数を決定する機能を有する。
なお、本実施形態は上記したように、各遊技状態時の特別遊技状態決定テーブルを用いることで、大当り遊技状態後の遊技状態および当該遊技状態に制御される変動回数を1段階で決定する方法を説明したが、これに限らず、大当り遊技状態後の遊技状態の決定と、当該遊技状態に制御される変動回数の決定とを別の段階で、すなわち2段階で決定する方法を採用しても良い。
では、上記したステップS59の特別遊技設定処理において用いた各遊技状態時の特別遊技状態決定テーブルについて、以下図7乃至図9を参照して説明する。
図7は、本実施形態における特別遊技設定処理のステップS125で設定される確変時特別遊技状態決定テーブルの一例を示す説明図である。図示のとおり、図柄として上記ステップS121で決定した大当り図柄(特定表示結果)として0〜9までの複数の大当り図柄が設けられている。
そして各大当り図柄ごとに時短回数および確変回数が、本実施形態では2種類ずつ設定され、さらに前述の特別遊技決定用乱数に対応した判定値が各時短回数あるいは各確変回数に割り振られている。
つまり、本実施形態において前述の特別遊技設定処理のステップS131(遊技状態決定手段)では、ステップS121で決定した大当り図柄の種類が同一で且つ、ステップS125、ステップS129、あるいはステップS130で設定した特別遊技状態決定テーブルが同一である、すなわち大当り図柄を導出表示するときに制御された遊技状態が同一のときにも、異なる設定回数に決定するものである。
但し、本実施形態は図示のとおり、大当り図柄が0または偶数の場合、確変回数および判定値は設定されておらず、つまり確変遊技状態への移行は行われないように制御される。これは大当り図柄の導出表示時が、確変遊技状態時に限らず時短遊技状態時、あるいは通常遊技状態時においても同様である。したがって、以下図8および図9においても、大当り図柄が0または偶数の場合、確変回数および判定値は設定されていない。
なお、ここでいう時短回数とは、時短遊技状態に制御された変動回数(可変表示回数)であり、確変回数とは、確変遊技状態に制御された変動回数(可変表示回数)である。
具体的にテーブルの内容を説明すると、例えば、確変遊技状態時に大当り図柄が2となった場合には、時短回数として30回には0〜99、40回には100〜199の判定値が割り振られている。
さらに、確変遊技状態時に大当り図柄が7となった場合には、時短回数として120回には0〜49、150回には50〜99の判定値が割り振られ、確変回数として130回には100〜149、150回には150〜199の判定値が割り振られている。
図8は、本実施形態における特別遊技設定処理のステップS129で設定される時短時特別遊技状態決定テーブルの一例を示す説明図である。図示のとおり、テーブルの構成は上記した図7の確変時特別遊技状態決定テーブルと同様である。
例えば、時短遊技状態時に大当り図柄が2となった場合には、時短回数として10回には0〜99、20回には100〜199の判定値が割り振られている。
さらに、時短遊技状態時に大当り図柄が7となった場合には、時短回数として80回には0〜49、100回には50〜99の判定値が割り振られ、確変回数として80回には100〜149、100回には150〜199の判定値が割り振られている。
図9は、本実施形態における特別遊技設定処理のステップS130で設定される通常時特別遊技状態決定テーブルの一例を示す説明図である。
例えば、通常遊技状態時に大当り図柄が2となった場合には、時短回数として0回には0〜99、5回には100〜199の判定値が割り振られている。
さらに、時短遊技状態時に大当り図柄が7となった場合には、時短回数として45回には0〜49、50回には50〜99の判定値が割り振られ、確変回数として45回には100〜149、50回には150〜199の判定値が割り振られている。
また、図9の通常時特別遊技状態決定テーブルにおける大当り図柄が2、4、6、および8に対応し、且つ判定値が0〜99のときの時短回数には、0回が設定されている。上記した特別遊技設定処理のステップS131では、当該テーブルの時短回数として0回が選択されることにより、決定される大当り遊技状態終了後に移行制御される遊技状態は、通常遊技状態となる。
では次に、上記した各特別遊技状態決定テーブルを総合して説明する。前述した例として大当り図柄が2となった場合の時短回数は、確変時特別遊技状態決定テーブルで30回あるいは40回、時短時特別遊技状態決定テーブルで10回あるいは20回、通常時特別遊技状態決定テーブルで0回あるいは5回、が設定されている。つまり、大当り図柄が2となった場合の時短回数は、通常時特別遊技状態決定テーブルより時短時特別遊技状態決定テーブルの方が多い回数を設定されており、さらに時短時特別遊技状態決定テーブルより確変時特別遊技状態決定テーブルの方が多い回数を設定されている。本実施形態は、上記した大当り図柄が2となった場合に限らず、他の大当り図柄となった場合にも同様の設定がなされている。
したがって、ステップS131の遊技状態決定手段では、時短遊技状態時(第2特別遊技状態時)に決定される確変回数あるいは時短回数(設定回数)が通常遊技状態時に決定される確変回数あるいは時短回数より多く、確変遊技状態時(第1特別遊技状態時)に決定される確変回数あるいは時短回数が時短遊技状態時に決定される確変回数あるいは時短回数より多く、決定データを構成した確変時特別遊技状態決定テーブル、時短時特別遊技状態決定テーブル、あるいは通常時特別遊技状態決定テーブルを用いて決定する。
次に、表示制御手段の動作について説明する。図柄制御基板60に搭載された表示制御用CPU(図示しない)が実行するメイン処理では、まず、RAM領域のクリアおよび各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための2mSタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる。その後、表示制御用CPUは、タイマ割込フラグに関する監視結果の確認を行うループ処理に移行する。
上記したループ処理中にタイマ割込が発生すると、図柄制御基板60に搭載された表示制御用CPUは、タイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制御用CPUは、そのフラグをクリアし、以下の表示制御処理を実行する。
本実施形態では、タイマ割込は2mS毎に実行される。すなわち、2mS毎に表示制御処理は起動されることになる。また、本実施形態のタイマ割込処理ではフラグセットのみが行われ、具体的な表示制御処理についてはメイン処理において実行されるものとなっているが、必ずしもこのような機能の分担に限定することはなく、例えばタイマ割込処理において、フラグセットのみならず表示制御処理さえも実行するようにしても良い。
表示制御処理において、図柄制御基板60に搭載された表示制御用CPUは、まず、受信した表示制御コマンドを解析するコマンド解析処理を実行する。次いで表示制御用CPUは、表示制御プロセス処理を行う。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じて予め設定された各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、乱数カウンタを更新する処理を実行する。その後、前述のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
上記したコマンド解析処理において、表示制御用CPU(図示しない)は、主基板31から受信された後で受信コマンドバッファに格納された、表示制御コマンドの内容を確認する。
すなわち、先ず表示制御用CPUは、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否かを確認する。格納されているか否かの確認は、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、表示制御用CPUは、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す。なお、読み出し後には読出ポインタの値を+1しておく。
なお、この実施の形態の表示制御用RAM(図示しない)が備える上記したコマンド受信バッファは、主基板31から送信される各表示制御コマンドを、受信した順番が特定可能となるように記憶するものである。
次に、受信した表示制御コマンドが左特別図柄指定の表示制御コマンドであれば、表示制御用CPUは、該表示制御コマンドで示される左特別図柄を示すデータを、上記した左特別図柄格納領域に格納する。また、受信した表示制御コマンドが中特別図柄指定の表示制御コマンドであれば、表示制御用CPUは、該表示制御コマンドで示される中特別図柄を示すデータを、上記した中特別図柄格納領域に格納する。そして、受信した表示制御コマンドが右特別図柄指定の表示制御コマンドであれば、表示制御用CPUは、該表示制御コマンドで示される右特別図柄を示すデータを、上記した右特別図柄格納領域に格納する。このような左中右特別図柄の格納処理が完了すると、これに基づいて左中右特別図柄受信フラグをセットする。
また、受信した表示制御コマンドが変動パターン指定の表示制御コマンドであれば、表示制御用CPUは、そのコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納し、変動パターン受信フラグをセットする。
受信した表示制御コマンドが始動記憶数指定の表示制御コマンドであれば、表示制御用CPUは、RAMにおける始動入賞数記憶領域の始動記憶数を表示制御コマンドで指定された数に更新する。
そして、読み出した受信コマンドがその他の表示制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するフラグをセットする。
表示制御用CPUは、表示制御のメイン処理において、上記したコマンド解析処理が完了すると、続いて表示制御プロセス処理を行う。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じて、以下に説明する各処理のうちからいずれかの処理を選択して実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理では、コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターン指定コマンド)を受信したか否かを確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否かを確認する。因みに変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理において変動パターン指定の表示制御コマンドの受信が確認された場合にセットされるものである。
演出設定処理では、表示制御用CPUは、上記したコマンド解析処理において解析した左中右特別図柄指定の表示制御コマンドに従って、特別図柄の停止図柄を決定する。特別図柄の停止図柄に関する決定が完了すると、次に、変動パターンコマンドで指示された変動時間を、変動時間タイマにセットする。
図柄変動開始処理では、上記した特別図柄の変動が開始されるように制御する。
図柄変動中処理では、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、特別図柄の停止制御を行う。
図柄停止待ち処理では、変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
大当り表示処理では、変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
大当り遊技中処理では、大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の表示制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
上記したように、図柄制御基板60に搭載された表示制御用CPUは、主基板31から受信した表示制御コマンドに基づいて表示制御を行う。次に本発明における特別遊技設定処理が実行された際に、可変表示装置9において如何なる態様で表示されるかを、以下に示す図10乃至図13に基づき説明する。
図10乃至図13は、本実施形態の特別遊技設定処理が実行された場合の可変表示装置9における表示の一例を示す画像イメージ図である。
先ず、上記した始動口スイッチ14aにおける検出に基づき、図10(A)で示すように、可変表示装置9に設けられた特別図柄可変表示部8の左図柄表示部8a、中図柄表示部8b、および右図柄表示部8cにおいて、それぞれ特別図柄の変動を開始する。図10(B)で左図柄表示部8aに7を導出表示し、図10(C)で右図柄表示部8cに同じく7を導出表示し、さらに図10(D)で中図柄表示部8bに7を導出表示することにより、大当り図柄が確定表示され大当り遊技状態となると、図10(E)で示すように、大当り遊技状態の発生を報知する特定遊技状態開始表示「大当り!」70が表示される。
大当り遊技状態が終了すると、図10(F)に示すように特定遊技状態終了表示「大当り終了!」71が表示される。続いて、図10(G)に示すように、キャラクタ画像72を表示するとともに、図10(D)で大当りとなったときの遊技状態が通常遊技状態であった旨を報知する遊技状態結果表示「通常遊技状態で大当りだったよ!」73と、続いて時短遊技状態に制御される旨を報知する遊技状態予告表示「次は時短だよ!」74が表示される。次いで、時短遊技状態に制御される変動回数である時短回数の抽選演出が実行される。可変表示装置9には図10(H)に示すように、変動回数決定抽選画像75が表示されて抽選演出が実行された後、複数の変動回数の中から今回の時短回数として50回が選択され、選択結果を図10(I)で示すように、抽選結果表示「時短50回!」76を表示して、遊技者に時短遊技状態に制御された変動を50回行う旨の報知をする。
図10(J)で示す可変表示装置9では、各図柄表示部8a、8b、および8cにおいて、それぞれ特別図柄の変動を開始する。そして今回の変動が、上記した時短遊技状態に制御された50回の変動のうちの1回目の変動である旨を示唆する変動回数表示「1/50」77が表示される。
本実施形態の、主基板31から受信した表示制御コマンドに基づいて図柄制御基板60の表示制御用CPUが変動回数表示77を表示する処理は、時短遊技状態あるいは確変遊技状態(特別遊技状態)に制御される変動回数(設定回数)を報知する特別報知手段である。
なお、本実施形態の変動回数表示77は、前述のとおり既に実行された変動回数を表示するものであるが、決定した実行回数を完了するまでの残回数を表示するものでも良い。つまり、変動回数表示77は、ステップS308の大当り終了処理(移行制御手段)によって時短遊技状態あるいは確変遊技状態(特別遊技状態)に移行制御された後、時短遊技状態あるいは確変遊技状態が終了するまで、時短遊技状態あるいは確変遊技状態において実行された変動回数または特別遊技設定処理のステップS131(遊技状態決定手段)により決定された設定回数と時短遊技状態あるいは確変遊技状態において実行された変動回数との差である残回数を報知するものである。
可変表示装置9では、図11(A)に示すように、左図柄表示部8aに3を導出表示し、右図柄表示部8cに5を導出表示し、続く図11(B)で中図柄表示部8bに4を導出表示することにより、345のハズレ図柄が確定表示され、今回すなわち時短遊技状態に制御される50回の変動のうちの1回目の変動の結果はハズレとなる。このようにして、時短遊技状態に制御される変動が継続して実行される。
図11(C)で示すように、それぞれ各図柄表示部8a、8b、および8cにおいて、変動回数表示「30/50」77が示すように、50回中の30回目の変動を開始する。図11(D)で左図柄表示部8aに7を導出表示し、右図柄表示部8cに共に7を導出表示し、さらに図11(E)で中図柄表示部8bに7を導出表示することにより、大当り図柄が確定表示され大当り遊技状態となると、図11(F)で示すように、特定遊技状態開始表示「大当り!」70が表示される。
大当り遊技状態が終了すると、図11(G)に示すように特定遊技状態終了表示「大当り終了!」71が表示される。続いて、図11(H)に示すように、キャラクタ画像72を表示するとともに、図11(E)で大当りとなったときの遊技状態が時短遊技状態であった旨を報知する遊技状態結果表示「時短中に大当りになったよ!」73と、続いて確変遊技状態に制御される旨を報知する遊技状態予告表示「次は確変だよ!」74が表示される。次いで、確変遊技状態に制御される変動回数である確変回数の抽選演出が実行される。可変表示装置9には図11(I)に示すように、変動回数決定抽選画像75が表示されて抽選演出が実行された後、複数の変動回数の中から今回の確変回数として100回が選択され、選択結果を図11(J)で示すように、抽選結果表示「確変100回!」76を表示して、遊技者に確変遊技状態に制御された変動を100回行う旨の報知をする。
図12(A)で示すように、各図柄表示部8a、8b、および8cにおいて、それぞれ特別図柄の変動を開始する。そして今回の変動が、上記した確変遊技状態に制御された100回の変動のうちの1回目の変動である旨を示唆する変動回数表示「1/100」77が表示される。
可変表示装置9では、図12(B)に示すように、左図柄表示部8aに1を導出表示し、右図柄表示部8cに2を導出表示し、続く図12(C)で中図柄表示部8bに3を導出表示することにより、132のハズレ図柄が確定表示され、今回すなわち確変遊技状態に制御される100回の変動のうちの1回目の変動の結果はハズレとなる。このようにして、確変遊技状態に制御される変動が継続して実行される。
図12(D)で示すように、それぞれ各図柄表示部8a、8b、および8cにおいて、変動回数表示「90/100」77が示すように、100回中の90回目の変動を開始する。図12(E)で左図柄表示部8aに7を導出表示し、右図柄表示部8cに共に7を導出表示し、さらに図12(F)で中図柄表示部8bに7を導出表示することにより、大当り図柄が確定表示され大当り遊技状態となると、図12(G)で示すように、特定遊技状態開始表示「大当り!」70が表示される。
大当り遊技状態が終了すると、図12(H)に示すように特定遊技状態終了表示「大当り終了!」71が表示される。続いて、図12(I)に示すように、キャラクタ画像72を表示するとともに、図12(F)で大当りとなったときの遊技状態が確変遊技状態であった旨を報知する遊技状態結果表示「確変中に大当りになったよ!」73と、続いて時短遊技状態に制御される旨を報知する遊技状態予告表示「次は時短だよ!」74が表示される。次いで、時短遊技状態に制御される変動回数である時短回数の抽選演出が実行される。可変表示装置9には図12(J)に示すように、変動回数決定抽選画像75が表示されて抽選演出が実行された後、複数の変動回数の中から今回の時短回数として120回が選択され、選択結果を図13(A)で示すように、抽選結果表示「時短120回!」76を表示して、遊技者に時短遊技状態に制御された変動を120回行う旨の報知をする。
なお、上記した図10(G)、図11(H)、および図12(I)において表示した遊技状態結果表示73は、始動口スイッチ14aによる検出後(始動条件の成立後)、変動(可変表示)の開始条件の成立に基づいて可変表示装置9により0から9の図柄(複数種類の識別情報)を変動させた後に大当り図柄(特定表示結果)を導出表示したときの遊技状態を報知する遊技状態報知手段である。
そして、図13(B)で示すように、各図柄表示部8a、8b、および8cにおいて、それぞれ特別図柄の変動を開始する。そして今回の変動が、上記した時短遊技状態に制御された120回の変動のうちの1回目の変動である旨を示唆する変動回数表示「1/120」77が表示される。
なお、本実施形態は、特別遊技設定処理のステップS131で決定された確変遊技状態に制御される所定回数の変動中において、大当り遊技状態が発生しなかった場合は、当該確変遊技状態に制御される所定回数の変動が終了した後、時短遊技状態に制御される方法を採用しても良い。また、該時短遊技状態に制御される変動回数を予めステップS131において確変遊技状態に制御される所定回数の決定に伴って決定しても良いし、あるいは大当り遊技状態が発生しないと決定した後で再度抽選して決定しても良い。
さらに、本実施形態は、ステップS121の表示結果事前決定手段によって決定された大当り図柄(特定表示結果)の種類と、大当り図柄を導出表示するときに制御されている遊技状態と、に基づいて時短遊技状態あるいは確変遊技状態に移行制御される変動回数を決定する遊技状態決定手段を備えるものを説明したが、これに限らず、例えば、時短遊技状態あるいは確変遊技状態に移行制御される変動回数と、大当り図柄を導出表示するときに制御されている遊技状態と、に基づいて大当り図柄(特定表示結果)の種類を決定する特定表示結果決定手段を備えたものでも良い。