本発明に係る遊技機は、以下の構成をとる。
手段1.
本発明に係る遊技機は、
遊技者による操作に応じてベット操作情報を生成するベット操作手段と、
前記ベット操作情報に対応付けられた所定の投入数を保持する投入数保持手段と、
遊技媒体を内部に投入する投入手段と、
前記投入手段により投入される前記遊技媒体の通過を検出して一対の通過検出情報を生成する一対の通過検出手段と、
前記ベット操作情報の検知に応じて前記投入手段による前記遊技媒体の投入を開始させ、前記一対の通過検出手段による前記所定の投入数の前記遊技媒体の通過の検知に応じて前記遊技媒体の投入を終了させる投入制御手段と、
所定の検出順序を保持する通過順序情報保持手段と、
前記一対の通過検出情報の検出順序が前記所定の検出順序と同一である場合に正常な通過と判定する通過判定手段と、
前記通過判定手段による前記正常な通過の検知に応じて通過数を計測する通過数計測手段と、
前記通過判定手段による前記正常な通過と異なる異常な通過の検知に応じてエラー制御を行うエラー制御手段と、
を含む遊技機であって、
前記投入手段により投入される前記遊技媒体の通過を検出して補助通過検出情報を生成する補助通過検出手段と、
所定の補助通過時間を保持する補助通過時間保持手段と、
前記一対の通過検出手段による前記正常な通過の検知からの補助通過時間を計測する補助通過時間計測手段と、
前記補助通過検出情報の検知に応じて、前記補助通過時間が前記所定の補助通過時間未満である場合に前記正常な通過と判定する補助通過判定手段と、
前記複数の補助通過判定手段による前記正常な通過の検知に応じて補助通過数を計測する補助通過数計測手段と、
前記通過数と前記補助通過数とを比較して、前記通過数が前記所定の投入数以上であり、かつ前記補助通過数が前記通過数以上である場合に、正常なベットと判定するベット判定手段とを更に含み、
前記エラー制御手段が、前記ベット判定手段による前記正常なベットと異なる異常なベットの検知に応じてエラー制御を更に行うことを特徴としている。
上記の構成であれば、一対の通過検出手段と共に補助通過検出手段を設けたことによって、遊技媒体の投入に関する不正行為を良好に防止できる。また、偶発的な所定の投入数を超える過剰な遊技媒体の投入が行われたとしても、不正行為の防止効果を低減させることなく、円滑な遊技進行の阻害を抑制できる。「ベット」とは遊技を行うために遊技媒体を賭けることと意味する。また、「一対の通過検出手段による所定の投入数の遊技媒体の通過の検知に応じて遊技媒体の投入を終了させる」とは、所定の投入数番目の遊技媒体の通過の検知に応じて投入を終了させることを意味する。また、「所定の投入数番目の遊技媒体の通過の検知に応じて」とは、一対の通過検出手段の一方による先の通過開始の検知に応じてもよいし、一対の通過検出手段の一方による先の通過終了の検知に応じてもよいし、一対の通過検出手段の他方による後の通過開始の検知に応じてもよい。
手段2.
上記の手段1の遊技機において、
所定の通過時間を保持する通過時間保持手段と、前記所定数の遊技媒体の各々に対して、前記一対の通過検出情報に基づいて前記一対の通過検出手段を通過する通過時間を計測する通過時間計測手段とを更に含み、
前記通過判定手段が、前記一対の通過検出情報の前記検出順序が前記所定の検出順序と同一であると共に、前記通過時間が前記所定の通過時間未満である場合に、前記正常な通過と判定することを特徴としている。
上記の構成であれば、一対の通過検出手段を通過する時間が更に監視されて通過時間が所定の通過時間以上である場合にはエラー報知が行われることによって、不正行為を更に良好に抑制することができる。
手段3.
上記の手段1又は2の遊技機において、
前記所定の通過時間と前記通過時間とに基づいて通過許可期間を制御する通過許可期間制御手段と、補助通過時間と前記補助通過時間とに基づいて補助通過許可期間を制御する補助通過許可期間制御手段と、前記ベット操作情報の検知と前記最終遊技媒体に対する前記補助通過時間の前記所定の補助通過時間への到達の検知とに応じて補助通過容認期間を制御する補助通過容認期間制御手段とを更に含み、
前記通過判定手段が、前記所定数の遊技媒体の各々に対して、前記通過順序保持手段及び前記通過許可期間制御手段を参照して、前記検出順序が前記所定の通過順序と同一である前記通過許可期間内の通過を前記正常な通過と判定し、
前記補助通過判定手段が、前記投入予定数の遊技媒体の各々に対して、前記補助通過期間制御手段を参照して前記補助通過許可期間内の通過を正常な通過と判定し、
前記エラー制御手段が、前記補助通過容認期間外における前記一対の通過検出情報及び前記補助通過検出情報のいずれかの検知に応じて、エラー制御を更に行うことを特徴としている。
上記の構成であれば、エラー制御手段が、第1補助通過容認期間外において第1上流通過検出信号、一対の通過検出情報のいずれかを検知した場合に、エラー処理を行うために、不正行為を更に良好に防止できる。また、一対の通過検出手段に対して通過が許容される期間と補助通過検出手段に対して通過の許容される期間とをそれらのうち遅く終了する期間によって共通化させることによって、エラーを検知するための処理負担を軽減ができる。更に、過剰な遊技媒体が投入されてしまう場合においても、不正行為に対する防止効果を低減させることなく円滑な遊技進行を実現できる。
手段4.
上記の手段3の遊技機において、
前記ベット操作情報の検知と前記振分数の遊技媒体のうち最後に投入される最終遊技媒体に対する前記一対の通過検出情報の検知に応じて投入期間を制御する投入期間制御手段を更に含み、
前記通過許可期間制御手段が、前記投入期間内における前記通過判定手段による前記一対の通過検出情報の検知に基づいて、前記通過許可期間を制御することを特徴としている。
この構成であれば、通過許可期間を簡便に制御でき、処理負荷の低減により遊技機の動作安定性及び遊技進行の円滑性を向上させることができる。
手段5.
上記の手段1〜4の遊技機において、
前記ベット判定手段は、前記通過数が前記所定の投入数以上であり、前記通過数が所定の通過許容数以下であり、前記補助通過数が前記通過数以上であり、かつ、前記補助通過数が所定の補助通過許容数以下である場合に、前記正常な通過と判定することを特徴としている。
上記の構成であれば、通過数に許容範囲の上限を設けたことによって、通過数に上限を設けない場合に比べて、不正行為に対する防止効果を向上させることができる。これは、通常の遊技媒体の場合、その投入が機構的に制限されるために無尽蔵に投入されることはないからである。同様に、上記の構成であれば、補助通過数に許容範囲の上限を設けたことによって、補助通過数に上限を設けない場合に比べて、不正行為に対する防止効果を向上させることができる。
手段6.
上記の手段5の遊技機において、
前記補助通過許容数は、前記所定の投入数より1だけ大きい値であることを特徴としている。
この構成であれば、補助通過許容数を(所定の投入数+1)の値までに制限することによって、不正行為に対する防止効果を更に向上させることができる。
手段7.
上記の手段4又は5の遊技機において、
前記通過許容数は、前記所定の投入数より1だけ大きい値であることを特徴としている。
この構成であれば、通過許容数を所定の投入数+1の値までに制限することによって、不正行為に対する防止効果を良好に向上させることができる。
手段8.
上記の手段5又は6の遊技機において、
前記通過許容数は、前記所定の投入数と同一の値であることを特徴としている。
この構成であれば、通過許容数を所定の投入数と同数である場合に制限することによって、不正行為に対する防止効果を更に向上させることができる。
手段9.
本発明に係る遊技機は、
遊技者による操作に応じてベット操作情報を生成するベット操作手段と、
前記ベット操作情報に対応付けられた所定の投入数を保持する投入数保持手段と、
前記ベット操作情報の検知に応じて、前記所定の投入数を参照して複数の投入系統の各々に対する振分数を決定する振分制御手段と、
前記複数の投入系統に1つずつ対応し、遊技媒体を内部に投入する複数の投入手段と、
前記複数の投入系統に1つずつ対応し、前記複数の投入手段のうち同一投入系統の投入手段により投入される前記遊技媒体の通過を検出して一対の通過検出情報を生成する複数の一対の通過検出手段と、
前記複数の投入系統に1つずつ対応し、前記ベット操作情報の検知に応じて前記複数の投入手段による前記遊技媒体の投入を開始させ、前記複数の一対の通過検出手段のうち同一投入系統の一対の通過検出手段による前記振分数の前記遊技媒体の通過の検知に応じて前記遊技媒体の投入を終了させる複数の投入制御手段と、
所定の検出順序を保持する通過順序情報保持手段と、
前記複数の投入系統に1つずつ対応し、前記複数の一対の通過検出手段のうち同一投入系統の前記一対の通過検出手段からの前記一対の通過検出情報の検出順序が前記所定の検出順序と同一である場合に正常な通過と判定する複数の通過判定手段と、
前記複数の通過検知手段の各々による前記正常な通過の検知に基づいて通過数を計測する通過数計測手段と、
前記通過判定手段による前記正常な通過と異なる異常な通過の検知に応じてエラー制御を行うエラー制御手段と、
を含む遊技機であって、
前記複数の投入系統に1つずつ対応し、前記複数の投入手段のうち同一投入系統の投入手段により投入される前記遊技媒体の通過を検出して補助通過検出情報を生成する複数の補助通過検出手段と、
所定の補助通過時間を保持する補助通過時間保持手段と、
前記複数の投入系統に1つずつ対応し、前記複数の一対の通過検出手段のうち同一投入系統の一対の通過検出手段による前記正常な通過の検知からの補助通過時間を計測する複数の補助通過時間計測手段と、
前記複数の投入系統に1つずつ対応し、前記複数の補助通過時間計測手段のうち同一投入系統の補助通過時間計測手段からの前記補助通過検出情報の検知に応じて、前記補助通過時間が前記所定の補助通過時間未満である場合に前記正常な通過と判定する複数の補助通過判定手段と、
前記複数の補助通過判定手段による前記正常な通過の検知に応じて補助通過数を計測する補助通過数計測手段と、
前記通過数と前記補助通過数とを比較して、前記通過数が前記所定の投入数以上であり、かつ前記補助通過数が前記通過数以上である場合に、正常なベットと判定するベット判定手段とを更に含み、
前記エラー制御手段が、前記ベット判定手段による前記正常なベットと異なる異常なベットの検知に応じてエラー制御を更に行うことを特徴としている。
上記の構成であれば、一対の通過検出手段と共に補助通過検出手段を設けたことによって、遊技媒体の投入に関する不正行為を良好に防止できる。また、偶発的な所定の投入数を超える過剰な遊技媒体の投入が行われたとしても、不正行為の防止効果を低減させることなく、円滑な遊技進行の阻害を抑制できる。更に、上記の構成であれば、投入予定数の遊技媒体を複数の投入系統に分割して同時に行えるために、遊技媒体の投入に要する時間を低減できる。これによって、遊技進行が更に円滑となる。
手段10.
上記の手段9の遊技機において、
所定の通過時間を保持する通過時間保持手段と、前記複数の投入系統に1つずつ対応し、前記所定振分数の遊技媒体の各々に対して、前記一対の通過検出情報に基づいて前記一対の通過検出手段を通過する通過時間を計測する複数の通過時間計測手段とを更に含み、
前記複数の通過判定手段の各々が、前記所定振分数の遊技媒体の各々に対して、前記一対の通過検出情報の前記検出順序が前記所定の検出順序と同一であると共に、前記通過時間が前記所定の通過時間未満である場合に、前記正常な通過と判定することを特徴としている。
上記の構成であれば、一対の通過検出手段を通過する時間が更に監視されて通過時間が所定の通過時間以上である場合にはエラー報知が行われることによって、不正行為を更に良好に抑制することができる。
手段11.
上記の手段9又は10の遊技機において、
前記複数の投入系統に1つずつ対応し、前記所定の通過時間と前記通過時間とに基づいて通過許可期間を制御する複数の通過許可期間制御手段と、前記複数の投入系統に1つずつ対応し、前記所定の補助通過時間と前記補助通過時間とに基づいて補助通過許可期間を制御する複数の補助通過許可期間制御手段と、前記複数の投入系統に1つずつ対応し、前記ベット操作情報の検知と前記振分数の遊技媒体のうち最後に投入される最終遊技媒体に対する前記補助通過時間の前記所定の補助通過時間への到達の検知とに応じて補助通過容認期間を制御する補助通過容認期間制御手段とを更に含み、
前記通過判定手段が、前記投入予定数の遊技媒体の各々に対して、前記通過順序保持手段及び前記通過許可期間制御手段を参照して、前記検出順序が前記所定の通過順序と同一である前記通過許可期間内の通過を前記正常な通過と判定し、
前記補助通過判定手段が、前記投入予定数の遊技媒体の各々に対して、前記補助通過期間制御手段を参照して前記補助通過許可期間内の通過を正常な通過と判定し、
前記エラー制御手段が、前記補助通過容認期間外における前記一対の通過検出情報及び前記補助通過検出情報のいずれかの検知に応じて、エラー制御を更に行うことを特徴としている。
上記の構成であれば、エラー制御手段が、第1補助通過容認期間外において第1上流通過検出信号、一対の通過検出情報のいずれかを検知した場合に、エラー処理を行うために、不正行為を更に良好に防止できる。また、一対の通過検出手段に対して通過が許容される期間と補助通過検出手段に対して通過の許容される期間とをそれらのうち遅く終了する期間によって共通化させることによって、エラーを検知するための処理負担を軽減できる。更に、過剰な遊技媒体が投入されてしまう場合においても、不正行為に対する防止効果を低減させることなく円滑な遊技進行を実現できる。
手段12.
上記の手段11の遊技機において、
前記複数の投入系統に1つずつ対応し、前記ベット操作情報の検知と前記振分数の遊技媒体のうち最後に投入される最終遊技媒体に対する前記一対の通過検出情報の検知とに応じて投入期間を制御する投入期間制御手段を更に含み、
前記通過許可期間制御手段が、前記投入期間内における前記通過判定手段による前記一対の通過検出情報の検知に基づいて、前記通過許可期間を制御することを特徴としている。
上記の構成であれば、処理負荷の低減を確実に実現でき、遊技機の動作安定性及び遊技進行の円滑性を確実に向上させることができる。
手段13.
上記の手段9〜12の遊技機において、
前記通過数計測手段が、前記複数の通過判定手段の各々による前記正常な通過の検知に応じて通過数を更新し、
前記補助通過数計測手段が、前記複数の補助通過判定手段の各々による前記正常な通過の検知に応じて補助通過数を更新することを特徴としている。
この構成であれば、複数の投入系統に分けた投入において、良好に補助通過数を計測することができる。
手段14.
上記の手段9〜12の遊技機において、
前記通過数計測手段が、前記複数の投入系統に1つずつ対応し、振分通過数を計測する複数の振分通過数計測手段と、前記複数の投入系統ごとの前記振分通過数を加算して前記通過数を算出する通過数算出手段とを含み、
前記補助通過数計測手段が、前記複数の投入系統に1つずつ対応し、振分補助通過数を計測する複数の振分補助通過数計測手段と、前記複数の投入系統ごとの前記振分補助通過数を加算して前記通過数を算出する補助通過数算出手段とを含むことを特徴としている。
上記の構成であれば、複数の投入系統に分けた投入において、良好に通過数及び補助通過数を計測することができる。また、投入系統に依存せずに通過数や補助通過数を算出する場合に比べて、振分補助通過数の情報を用いて更にエラー発生要件等を厳しく制限することも可能となる。
手段15.
上記の手段13又は14の遊技機において、
前記ベット判定手段は、前記通過数が前記所定の投入数以上であり、前記通過数が所定の通過許容数以下であり、前記補助通過数が前記通過数以上であり、かつ、前記補助通過数が所定の補助通過許容数以下である場合に、前記正常な通過と判定することを特徴としている。
この構成であれば、上記の手段5の遊技機の場合と同様の効果を奏する。
手段16.
上記の手段15の遊技機において、
前記補助通過許容数が、前記所定の投入数より前記複数の投入系統の系統数だけ大きい値であることを特徴としている。
この構成であれば、上記の手段4の遊技機の場合と同様の効果を奏する。
手段17.
上記の手段15の遊技機において、
前記補助通過許容数が、前記所定の投入数より1だけ大きい値であることを特徴としている。
上記の構成であれば、円滑な遊技進行を阻害することなく、不正行為に対する防止効果を更に向上させることができる。なお、これは、遊技媒体の過剰な投入は稀な偶発的な事象であるために、複数の投入系統に振り分けて投入動作を行う場合にとしても、それらの各投入系統において同時に起こることはほぼ有り得ないために、上記のように補助通過数の許容範囲を厳密に制限したとしても、円滑な遊技進行を阻害することとはならないからである。
手段18.
上記の手段15〜17の遊技機において、
前記通過許容数が、前記所定の投入数より前記複数の投入系統の系統数だけ大きい値であることを特徴としている。
この構成であれば、上記の手段6の遊技機と同様の効果を奏する。
手段19.
上記の手段15〜17の遊技機において、
前記通過許容数が、前記所定の投入数より1だけ大きい値であることを特徴としている。
この構成であれば、上記の手段7と遊技機と同様の効果を奏する。
手段20.
上記の手段15〜17の遊技機において、
前記通過許容数が、前記所定の投入数と同一の値であることを特徴としている。
上記の構成であれば、上記の手段8の遊技機と同様の効果を奏する。
手段21.
上記の手段14の遊技機において、
前記ベット判定手段は、前記複数の投入系統ごとに、前記振分通過数が前記振分数以上であり、前記振分通過数が所定の振分通過許容数以下であり、前記振分補助通過数が前記振分通過数以上であり、かつ、前記振分補助通過数が所定の振分補助通過許容数以下である場合に、前記正常な通過と判定することを特徴としている。
上記の構成であれば、複数の振分通過数及び複数の振分補助通過数の情報に基づいて正常なベットの判定を行うために、各投入系統を識別しないで通過数及び補助通過数によって正常なベットの判定を行う場合に比べて、正常な判定において更に厳しい条件を課すことができる。これによって、不正行為に対する防止効果を更に向上させることができる。
手段22.
上記の手段21の遊技機において、
前記複数の投入系統の各々に対応する前記振分補助通過許容数が、前記複数の投入系統の各々に対応する前記振分数より1だけ大きい値であることを特徴としている。
この構成であれば、各振分補助通過許容数を(所定の振分数+1)の値までに制限することによって、不正行為に対する防止効果を更に向上させることができる。
手段23.
上記の手段21〜22の遊技機において、
前記複数の投入系統の各々に対応する前記振分通過許容数が、前記複数の投入系統の各々に対応する前記振分数より1だけ大きい値であることを特徴とする。
この構成であれば、各振分通過許容数を所定の投入数+1の値までに制限することによって、不正行為に対する防止効果を良好に向上させることができる。
手段24.
上記の手段21〜22の遊技機において、
前記複数の投入系統の各々に対応する前記振分通過許容数が、前記複数の投入系統の各々に対応する前記振分数と同一の値であることを特徴とする。
この構成であれば、各振分通過許容数を所定の投入数と同数である場合に制限することによって、不正行為に対する防止効果を更に向上させることができる。
手段25.
上記の手段1〜24の遊技機において、
遊技者による遊技開始操作に応じて遊技開始操作情報を生成する遊技開始操作手段を更に含み、
前記ベット判定手段が、前記遊技開始情報に応じて、前記通過数と前記補助通過数とを比較することを特徴としている。
上記の構成であれば、ベット数の変更がないことが確定する状況において、通過数と補助通過数とを比較するために、正常なベットか否か判定する処理を簡素化できる。
手段26.
上記の手段1〜24の遊技機において、
前記ベット判定手段による正常なベットの検知に応じて、前記補助通過数から前記所定の投入数を減じた過剰通過数と同数の遊技媒体の実質的な返却を制御する返却制御手段を更に含むことを特徴としている。
上記の構成であれば、過剰に投入された遊技媒体を実質的に返却することによって、遊技者にとっての不利益を抑制できる。実質的な返却とは、例えば、現物遊技媒体の払出や次回のベット処理おけるベット数の変更により遊技媒体を返却することを意味する。
手段27.
上記の手段26の遊技機において、
前記返却制御手段が、前記補助通過数から前記所定の投入数を減じて前記過剰通過数を算出する過剰通過数算出手段と、前記過剰通過数を次回の遊技まで一時的に保持する過剰通過数保持手段とを含み、
前記投入制御手段が、前記過剰通過数保持手段に保持された前回の遊技の過剰通過数を更に参照して、前記所定の投入数を前記所定の投入数から前記差分数を減じた値に更新し、
前記通過数計測手段が、前記通過数を前記前回の遊技の過剰通過数だけ増加させ、
前記補助通過数計測手段が、前記補助通過数を前記前回の遊技の過剰通過数だけ増加させることを特徴としている。
上記の構成であれば、過剰に投入された遊技媒体を次回のベットに回すことによって過剰な遊技媒体を返却することが確実にできる。
手段28.
上記の手段26の遊技機において、
前記遊技媒体を払い出す払出手段を更に含み、
前記返却制御手段が、前記過剰通過数を算出する過剰通過数算出手段と、前記過剰通過数を参照して前記払出手段を制御する払出制御手段とを含み、
前記払出手段が、前記過剰通過数と同数の遊技媒体を払い出すことを特徴としている。
上記の構成であれば、過剰に投入された遊技媒体を今回の遊技において払い出すことによって、過剰な遊技媒体を確実に返却することができる。
手段29.
上記の手段26の遊技機において、
前記遊技媒体を払い出す払出手段を更に含み、
前記返却制御手段が、前記過剰通過数を次回の遊技まで一時的に保持する過剰通過数保持手段を更に含み、
前記払出手段が、前記過剰数算出手段による前記過剰通過数の算出前に、前記過剰通過数保持手段に保持された前回の過剰通過数と同数の遊技媒体を払い出すことを特徴としている。
上記の構成であれば、過剰に投入された遊技媒体を次回の遊技において払い出すことによって、過剰な遊技媒体を確実に返却することができる。
本発明に係る遊技機の最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、遊技機が遊技球体を遊技媒体とする回胴式遊技機(以下、「球式回胴遊技機」と称す)である場合を挙げるが、遊技球体やコイン等を遊技媒体とする遊技機一般に適用できる。また、回胴式遊技機であっても、以下で説明する具体的な形態には限定されず、本発明の主旨から逸脱しない限りにおいて、その設計を適宜に変更してもよい。
図1は本実施形態の球式回胴遊技機10の正面図であり、図2は球式回胴遊技機10の正面側斜視図であり、図3は外枠11に対してドアブロック12を開けた状態を示す斜視図であり、図4は前面ブロック20に対して払出ブロック30及び遊技ブロック40を開けた状態を示す斜視図である。
図1乃至図3に示すように、この球式回胴遊技機10は、当該球式回胴遊技機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持されたドアブロック12とを備えている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、軽量化を図るために、樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。ドアブロック12は、外枠11に対してヒンジ13,13によって開閉可能に取り付けられ、その開閉軸線は球式回胴遊技機10の正面からみて左側で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にしてドアブロック12が前方側に十分に開放できるようになっている。
ドアブロック12は、図4に示すように、球式回胴遊技機10の前面を構成する前面ブロック20と、前面ブロック20に対して後方側へ開閉可能に取着された払出ブロック30と、前面ブロック20に対して後方側へ開閉可能に取着され、前面ブロック20及び払出ブロック30にて被包される遊技ブロック40とからなる。
(前面ブロックの構成)
図5は前面ブロック20の分解斜視図である。図5に示すように、前面ブロック20は、前面パネル100、前面ブロック枠200、回胴表示パネル22、パネル押え枠24、上皿ユニット300、および、セレクタ400(遊技球投入装置)を備える。
前面パネル100は、図1、図2及び図5に示すように、遊技ブロック40の前面に設けられた遊技領域を露出するための窓孔102を有し、窓孔102を囲むようにして上効果LEDカバー部104、上スピーカ部106,106、右中効果LEDカバー部108、左中効果LEDカバー部110、中央パネル部112が配設されている。
上効果LEDカバー部104、右中効果LEDカバー部108及び左中効果LEDカバー部110は、それぞれ前面パネル100の裏側から取り付けられた図示しない発光ダイオード(LED)等の発光装置を覆っている。前記発光装置は、遊技の進行に伴い点灯したり、点滅したりして遊技の視覚的演出を行うものである。
上スピーカ部106,106は、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりして遊技の聴覚的演出を行うものである。
中央パネル部112は、無色透明のガラスで構成され、所定の入賞条件及び当該入賞条件を満たした場合に払い出される遊技球の個数(賞球数)や遊技方法などが記載された図示しない情報掲載パネルを露出するための部位である。前記情報掲載パネルの表示内容を見やすくするために、中央パネル部112の内側には蛍光灯41k(図27参照)が設置される。中央パネル部112の左側方には1ベットボタン114(図1参照)が配設されている。中央パネル部112の右側方には汎用ボタン116,118(図1,2参照)が配設されている。汎用ボタン116,118は例えば遊技モードの切替えや液晶画面における表示モードの切替えなど、遊技機の機種ごとにその用途を適宜設定可能なボタンである。中央パネル部112の汎用ボタン116等よりもさらに右側方には、前面ブロック開閉用のドアキーシリンダ202の前面(鍵穴)を露出させるキーシリンダ挿通孔120を設けてある。また、中央パネル部112の下方には、前方側へ突出した操作パネル部122が配設されている。
操作パネル部122には、図面左側から順に、後述する回胴L,M,R(図27参照)の回転を開始させるための始動レバー124と、左回胴Lの回転を停止させるための左回胴停止ボタン126Lと、中回胴Mの回転を停止させるための中回胴停止ボタン126Mと、右回胴Rの回転を停止させるための右回胴停止ボタン126Rと、上皿302から下皿128へ遊技球を流す操作をするための上皿球抜きレバー386を露出させるための小窓孔130とを設けてある。始動レバー124は、遊技者がゲームを開始するときに手で押下して操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。所定数の遊技球がベットされているときにこの始動レバー124が操作されると、各回胴L,M,Rが一斉に回転し始める。始動レバー124の基端部上方には、各回胴L,M,Rの回転準備が整った状態、つまり所定数の遊技球がセレクタ400にて取り込まれ、始動レバー124の操作受付可能な状態を報知するための始動レバーLED132を埋設してある。また、各回胴停止ボタン126L,126M,126Rの周囲には、各回胴停止ボタン126L,126M,126Rの操作受付可能な状態を報知するための回胴停止ボタンLED134L,134M,134Rを埋設してある。各回胴停止ボタンLED134L,134M,134Rは、それぞれ対応する回胴L,M,Rが等速回転しているときに点灯し、対応する回胴L,M,Rの回転が停止すると消灯する。操作パネル部122の下方には、遊技球を貯留するための下皿128が配設されている。
下皿128の奥面には、前面ブロック枠200に設けた下スピーカ部204を覆う下スピーカカバー部136と、上皿302から下皿128へ流れてくる遊技球の出口となり、かつ、後述する払出装置33(図17参照)から直接遊技球が払い出されてくることもある下皿払出口138とを設けてある。また、下皿128の前面下部には、下皿128から下皿128の下方に配置した図示しない遊技球収容ケース(いわゆるドル箱)に遊技球を落とす操作をするための下皿球抜きレバー140を設けてある。つまり、図2に示すように、下皿128の底面には開口部142を設けてあり、通常は開口部142を閉塞板144にて閉じてある。下皿球抜きレバー140にて閉塞板144をスライド操作することで、開口部142を開口させて下皿128から遊技球を落下させる構成になっている。また、下皿128の左側方には灰皿146を設けてある。操作パネル部122及び下皿128の両側には、それぞれ左下効果LEDカバー部148及び右下効果LEDカバー部150を設けてある。左下効果LEDカバー部148及び右下効果LEDカバー部150は、それぞれ前面パネル100の裏側から取り付けられた図示しない発光ダイオード等の発光装置を覆うものである。なお、前面パネル100は、合成樹脂製、例えばABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂で構成してある。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
前面ブロック枠200は、図5に示すように、前面パネル100よりも若干小さい矩形状の枠体で、前面パネル100の裏側にネジ止めされる。前面ブロック枠200の下部には下スピーカカバー部136にて覆われる聴覚的演出用の下スピーカ部204を取り付けてある。上下にスピーカ部106,204を設けることで臨場感あふれる聴覚的演出を行うことができる。また、前面ブロック枠200の左側部には回転軸206を設け、右側部にはドア開閉機構208を設けてある。図中の符号202はドア開閉機構208を構成するキーシリンダである。ドアキーシリンダ202に図示しない鍵を挿入して右側へ回転させると、外枠11に対して係止する係止爪210,210が下方向に回動し、外枠11に対する係止が解除される。逆に、ドアキーシリンダ202に図示しない鍵を挿入して左側へ回転させると、払出ブロック30に対して係止する係止爪212,212が下方向に回動し、払出ブロック30に対する係止が解除される。なお、図中の符号214は、下皿払出口138に連なる誘導通路である。
回胴表示パネル22は、無色透明のガラス板で、前面パネル100の窓孔102の形状に対応した形状の略台形状とされる。また、回胴表示パネル22は、遊技機設置島内を通行中の人がつまづいて衝突するなどしても割れないように十分な強度をもって形成されている。
表示パネル押え枠24は、前面パネル100との間に回胴表示パネル22を介在させて前面ブロック枠200にネジ止めされる。表示パネル押え枠24は、回胴表示パネル22の形状に対応した略台形状とされ、所定の奥行きをもって形成される。つまり、前面パネル100の窓孔102が中央パネル部112よりも前方に張り出しており、この張り出し長さに対応した奥行きをもって形成される。
上皿ユニット300は、遊技球を貯留する上皿302を有する部材で、中央パネル部112と操作パネル部122の間の開口部152を閉塞するように、操作パネル部122の裏側に取り付けられる。上皿302は、所望の深さでかつ図示上左側から右側へと下る傾斜をもって形成される。上皿ユニット300の前壁上面部には、左側部にマックスベットボタン304を、右側部に球貸出ボタン306及びカード返却ボタン308を配設してある。マックスベットボタン304にはマックスベットボタンLED(図示略)を埋設してある。前記マックスベットボタンLEDは、遊技球のベット可能な状態を遊技者に報知するためのものである。
図6乃至図8を参照して上皿ユニット300についてさらに詳しく説明する。なお、図6は上皿ユニット300の拡大斜視図で、図7(A)は上皿ユニット300の平面図で、図7(B)は上皿ユニット300の底面図で、図8は上皿ユニット300の分解斜視図である。但し、図8では図6及び図7(A)に示すフード部310の図示を省略している。
図6乃至図8に示すように、上皿ユニット300の奥面左端部には、上皿払出口312を設けてある。本実施形態では、一度に払い出される賞球数がパチンコ機に比べて球式回胴遊技機10の方が多く、大量の賞球を瞬時に払い出すという観点から、従来の球式回胴遊技機やパチンコ機(以下、これらをまとめて「従来の遊技機」と称する。)の払出口よりも上皿払出口312の横幅を大きく設定してある。この実施形態では、上皿払出口312の奥方の横幅H1が遊技球4個を並べた幅(約44mm)以上でかつ遊技球5個を並べた幅(約55mm)以下とされる。上皿払出口312は、奥側から前方側へ拡開したテーパー状をなし、その前側の横幅H2は、概ね遊技球7個を並べた幅(約77mm)とされる。
また、上皿ユニット300は前後方向の略中央部よりも後方側を覆うフード部310を有する。このフード部310は、上皿302の奥壁の上部を構成すると共に、中央パネル部112の底面部を構成する部材でもある。つまり、本実施形態では、遊技ブロック40に装着される後述する回胴ユニット43の前部が前方側へ出っ張っており、その下方をフード部310で覆うようになっている。そして、上皿302の奥壁が中央パネル部112よりも奥まった位置に形成され、前記回胴ユニット43の下方に位置する。こうすることで、外枠11を基準とした上皿302の前方への突出長さを従来の遊技機と同程度に設定しても、上皿302の奥行きが大きくなっている分だけ、従来の遊技機よりも大量の遊技球を上皿302に貯留できる構成になっている。
図8に示すように、上皿ユニット300は、上皿ユニット本体320と、上皿ユニット本体320にネジ止めされるフード部310(図6及び図7(A)参照)と、球貸出ボタン306と、カード返却ボタン308と、内側カバー330と、外側カバー340と、CR操作表示部350と、上皿球止め部360と、上皿球抜き操作部380とから構成される。
上皿ユニット本体320は、上記の如く上皿302を有する部材で、上皿302の下流側部分には、複数(例えば3つ)に分岐した遊技球案内路322a,322b,322cを設けてある。遊技球案内路322a,322b,322cは、遊技球を整列状態にしてセレクタ400へ順次案内する部位である。遊技球案内路322a,322b,322cの前方側には、下側からCR操作表示部350を介して上皿球抜き操作部380を装着するための取付部323を設けてある。取付部323の表側には、左側から順に、矩形状の窓孔324と、円形状の窓孔325と、中央部に貫通孔326,327を有する一対の凹部328,329とを設けてある。矩形状の窓孔324は、CR操作表示部350の複数(例えば3つ)の7セグLEDからなる度数表示部352を露出させるためのものである。円形状の窓孔325は、球貸出ボタンLED354を露出させるためのものである。一対の凹部328,329は、球貸出ボタン306及びカード返却ボタン308を装着する部位である。
内側カバー330と外側カバー340は、それぞれ球貸出ボタン306及びカード返却ボタン308を露出させるための一対の孔332,334,342,344を有する。内側カバー330は、一対の孔332,334の周縁部にて各ボタン306,308のフランジ306a,308aを押えることで、各ボタン306,308を凹部328,329に取り付けるためのものである。外側カバー340は、各ボタン306,308の押し代を規制するためのもので、各ボタン306,308の先端部が一対の孔342,344から若干突出するように構成されている。各ボタン306,308の押し代を規制することで、CR操作表示部350の球貸出スイッチ356及びカード返却スイッチ358の破損を防止できる。
CR操作表示部350は、上記の度数表示部352、球貸出ボタンLED354、球貸出スイッチ356及びカード返却スイッチ358を備える。度数表示部352は、球式回胴遊技機10に隣接して配置される図示しないCRユニットにカードを挿入することで当該カードの残額に相当する度数を表示する部位である。例えば当該カードの残額の1/100の値を度数として表示する。球貸出ボタンLED354は、遊技球の貸し出しを行える状態であることを点灯により遊技者に報知する部位である。すなわち、前記CRユニットに挿入されたカードに残額があるときは、球貸出ボタンLED354を点灯させて、遊技球の貸し出しを行える状態であると報知し、前記CRユニットに挿入されたカードに残額がないときや前記CRユニットにカードが挿入されていないときは、球貸出ボタンLED354を消灯させて、遊技球の貸し出しを行えない状態であると報知する。また、遊技球の貸し出しを行っているときには、球貸出ボタンLED354を点滅させて、遊技球の貸し出しを行っていることを報知し、この点滅状態のときにも球貸出ボタン306の操作を受け付けない構成とされる。球貸出スイッチ356は、球貸出ボタン306を押すことで、遊技球を貸し出すためのものである。カード返却スイッチ358は、カード返却ボタン308を押すことで、前記CRユニットからカードを返却するためのものである。
上皿球止め部360は、遊技球案内路322a,322b,322cの下側に取り付けられ、遊技球案内路322a,322b,322cからセレクタ400へと連なる球通路402a(402b,402c)(図10,11,13参照)の入口を開閉するものである。詳しくは、セレクタ400の故障等によりセレクタ400を取り替える必要が生じたときに、球通路402a(402b,402c)を閉鎖して上皿302から遊技球が毀れ落ちないようにするためのものである。
図9は上皿球止め部360の分解斜視図である。また、図10及び図11は上皿球止め部360及びセレクタ400を後方側から見た縦断面図であって、図10は球通路402a(402b,402c)の入口を開いた状態を、図11は球通路402a(402b,402c)の入口を閉じた状態をそれぞれ示している。図9に示すように、上皿球止め部360は、ケーシング361と、軸部材362と、開閉部材363とからなっている。
ケーシング361は、上方が開口した中空直方体状の箱であり、その両側部には、上皿ユニット本体320にネジ止めするためのフランジ364,365を設けてある。ケーシング361の前壁部366には、軸部材362の先端を回転自在に支持する先受け部367を設けてあり、後壁部368には軸部材362の基端側を受ける基受け部369を設けてある。また、ケーシング361の内底面には、軸部材362の中間部を受ける中受け部370,371を設けてある。なお、図中の符号372は後壁部368から後方側へ突出したストッパである。ストッパ372は、軸部材362の回転を規制する部位である。
軸部材362は、ケーシング361に対して開閉部材363をスライドさせるためのものである。軸部材362の基端部には、ケーシング361の背面側に配設される操作ハンドル373を設けてある。操作ハンドル373の前面側には、ストッパ372にて係止される円弧状の突出部374を設けてある。ケーシング361の内部に格納される軸部材362の先端側部分には、周方向に概ね90度の間隔を隔てて三対の押圧部375a,375bを設けてある。各押圧部375a,375bは舌片状に形成され、それぞれ軸部材362の半径方向に突出している。
開閉部材363は、球通路402a,402b,402cを閉じるための閉塞部376,376,376を有する。この実施形態では、上皿302の下流側部分に3本の遊技球案内路322a,322b,322cを設けてあるので、遊技球案内路322a,322b,322cの本数と同じ3つの閉塞部376,376,376を設けてある。開閉部材363は、ケーシング361に対してスライド自在に嵌着される本体部377と、本体部377の下側に軸部材362を跨ぐように設けられた一対の被押圧部378a,378bと、本体部377から一側方へ突出した3本のアーム379,379,379とを有し、各アーム379,379,379の先端に上向きに突出した閉塞部376,376,376を設けてある。
軸部材362の突出部374をケーシング361のストッパ372に接当させた状態では、図10に示すように、一方の押圧部375aが略水平方向を向いて開閉部材363の一方の被押圧部378aを押圧する。このとき、他方の押圧部375bは略鉛直方向下向きに維持される。図10の状態から操作ハンドル373を球式回胴遊技機10の背面から見て時計回りに回転させると、図11に示すように、他方の押圧部375bが略水平方向を向いて開閉部材363の他方の被押圧部378bを押圧し、開閉部材363が球通路402a(402b,402c)側へスライドする。これにより閉塞部376が球通路402の入口の大きさを狭めて遊技球を通せなくする。図11の状態から操作ハンドル373を反時計回りに回転させると、図10に示すように、遊技球が球通路402に流入可能な状態に戻る。
図11の如く球通路402の入口を狭めた状態にすると、図12に示すように、遊技球案内路322a(322b,322c)に遊技球を貯留した状態でセレクタ400を取り外すことができる。
図8の上皿球抜き操作部380は、操作パネル部122の小窓孔130から球式回胴遊技機10の前面に露出される上皿球抜きレバー386を有し、このレバー操作により上皿302から下皿128へと遊技球を流すためのものである。図10及び図11に示すように、セレクタ400は、上皿302から下皿128へと遊技球を案内する案内通路404a,404b,404cと、ベットボタン114,304の操作により上皿302から遊技球を回収して球式回胴遊技機10の外部へ排出する排出通路406a,406b,406cとを有する。上皿球抜き操作部380は、図10及び図11に示す返却シャッタ420を動かして、球通路402a(402b,402c)と案内通路404a(404b,404c)とを連通又は遮断させるためのものである。
図13及び図14は上皿球抜き操作部380及びセレクタ400の一部横断面図であって、図13は球通路402a(402b,402c)と案内通路404a(404b,404c)とを遮断した状態を、図14は球通路402a(402b,402c)と案内通路404a(404b,404c)とを連通させた状態をそれぞれ示している。
図13及び図14に示すように、上皿球抜き操作部380は、CR操作表示部350を介して上皿ユニット本体320の下側に取り付けられるベース部381と、ベース部381に立設した支軸382,383を中心に回動する回動片384及び押圧片385と、ベース部381の前面に沿ってスライドする上皿球抜きレバー386とを有する。回動片384の基部384aには上皿球抜きレバー386に枢着される連結部384bを設けてある。また、回動片384の基部384aは、コイルバネ387を介してベース部381に連結される。回動片384の先端部には二又状の把持部384cを設けてある。把持部384cは、押圧片385の基部385aに設けた凸部385bを摺動自在に把持する部位である。押圧片385の先端部には、返却シャッタ420を押圧する押圧部385cを設けてある。なお、図13及び図14において、セレクタ400の中空突出部408には、返却シャッタ420を押圧片385側へ押圧するコイルバネ430(図15参照)を格納してある。また、返却シャッタ420は、図15に示すように、遊技球案内路322a,322b,322cに対応した個数の窓孔422a,422b,422cを有し、各窓孔422a,422b,422cの側方に球通路402a,402b,402cと案内通路404a,404b,404cを遮断する遮断壁424a,424b,424cを有する。また、各窓孔422a,422b,422cの下部には球通路402a,402b,402c側へ延在する舌片426a,426b,426cを設けてある。各舌片426a,426b,426cは、球通路402a,402b,402cから各窓孔422a,422b,422cに遊技球を案内する部位である。
図13の状態は、上皿球抜きレバー386を操作していない状態である。つまり、コイルバネ387にて回動片384が反時計回りに引っ張られると共に、回動片384にて押圧片385が時計回りに引っ張られて、押圧部385cが返却シャッタ420の片端部から離れている状態である。この状態では、返却シャッタ420の遮断壁424a,424b,424cにて球通路402a,402b,402cと案内通路404a,404b,404cとが遮断され、球通路402a,402b,402cから案内通路404a,404b,404cへ遊技球が通過不可となる。図13の状態から上皿球抜きレバー386を摘んで図の下向き(実際には球式回胴遊技機10の正面から見て右側から左側)に動かすと、図14に示すように、上皿球抜きレバー386に随伴して回動片384が時計回りに回転すると共に、回動片384にて押圧片385が反時計回りに回転させられ、押圧部385cが返却シャッタ420を押圧する。返却シャッタ420が押圧部385cにて押圧されると、返却シャッタ420の各窓孔422a,422b,422cを介して球通路402a,402b,402cと案内通路404a,404b,404cとが連通し、球通路402a,402b,402cから案内通路404a,404b,404cへ遊技球が通過可能となる。図14の状態で上皿球抜きレバー386から手を離すと、コイルバネ430にて返却シャッタ420が前方側へ押圧され、図13の状態に戻る。
図15はセレクタ400の分解斜視図で、図16はセレクタ400の背面側から見た斜視図である。セレクタ400は、上皿球止め部360の斜め下方に取り付けられ、遊技者によるベットボタン114,304の操作に基づき上皿302に貯留された遊技球を所定数ずつ取り込む装置である。そして、所定数(例えば15個)の遊技球が取り込まれる毎にその都度の遊技(ゲーム)の開始条件が成立し、遊技開始の準備が整えられるようになっている。このとき、遊技球は所定数ずつ取り込まれた後、排出通路406a,406b,406cを介して球式回胴遊技機10の外部に排出される。
セレクタ400は、図15に示すように、遊技球案内路322a,322b,322cに対応した個数の複数(例えば3つ)の遊技球投入部410a,410b,410cと、上記した返却シャッタ420及びコイルバネ430と、返却スイッチ基板440と、中空突出部408を有し、かつ、コイルバネ430及び返却スイッチ基板440を被覆するバネ・基板カバー450と、セレクタ中継端子板462を中継端子板カバー464で被覆したセレクタ中継装置460とを備える。このセレクタ400は、複数の遊技球投入部410a,410b,410cを併設することで、遊技球の投入を迅速に行えるようになっている。なお、各遊技球投入部410a,410b,410cは互いにほぼ同じ構造になっており、説明が重複するので、ここでは、最背面側の遊技球投入部410aについてのみ説明する。
遊技球投入部410aは、図15に示すように、ケーシング411aとカバー412aからなる樹脂製の筐体を有し、この筐体の内部に、投入フリッカ413aと、投入ソレノイド414aと、通過センサ415aと、カウントセンサ416aとを備える。ケーシング411aの外表面は、隣接する遊技球投入部410bのカバー412bに対する取付面になっており、カバー412aの外表面は、バネ・基板カバー450に対する取付面になっている。また、ケーシング411a,411b,411cとカバー412a,412b,412cを組み付けると、図16に示すように、その上部に球通路402a,402b,402cを構成する樋状部417a,417b,417cが形成される。つまり、球通路402a,402b,402cは、図10及び図11に示すように、樋状部417a,417b,417cの上部を上皿ユニット本体320の底部320aにて覆うことで構成される。球通路402a,402b,402cの下流側には、斜め下方へ延びる案内通路404a,404b,404cとほぼ鉛直下向きに延びる排出通路406a,406b,406cとの分岐部がある。
投入フリッカ413aは、図10及び図11に示すように、排出通路406aを開閉するための部材である。投入フリッカ413aは、基端側部分413a1と先端側部分413a2が支軸413a3にて回転可能に連結されている。投入フリッカ413aの基端側部分413a1及び先端側部分413a2は、それぞれケーシング411aの支軸411a1,411a2にて回転可能に支持される。投入フリッカ413aの基端部には、投入ソレノイド414aの舌片414a1を把持する把持部413a4を設けてある。また、投入フリッカ413aの先端部には、排出通路406aを開閉するための開閉部413a5を設けてある。なお、図13及び図14における符号413b5,413c5は、それぞれ遊技球投入部410b,410cの投入フリッカの開閉部である。
投入ソレノイド414aは、図10及び図11に示すように、ベットボタン114,304の操作により通電されて作動し、ピストン414a2を上方へ縮まらせるものである。ピストン414a2の先端には、つまみ部414a3を装着してある。つまみ部414a3はピストン414a2の半径方向に延びる上記舌片414a1を有する。また、ピストン414a2には、コイルバネ414a4を外装してある。コイルバネ414a4は、投入ソレノイド414aの本体部分414a5とつまみ部414a3とを離間させる方向に付勢している。つまり、投入ソレノイド414aへの通電を切ったときに、コイルバネ414a4の付勢力により、ピストン414a2が下方へ伸びるようになっている。
ベットボタン114,304を押すと投入ソレノイド414aに通電され、ピストン414a2が縮まって投入フリッカ413aの基端側部分413a1を図示上反時計回りに回転させる。これと同時に投入フリッカ413aの先端側部分413a2は図示上時計回りに回転して排出通路406aを開き、球通路402aに待機している遊技球が自然落下可能な状態となる。逆に、投入ソレノイド414aの通電を切ると、コイルバネ414a4の付勢力によりピストン41a2が伸びて投入フリッカ413aの基端側部分413a1を図示上時計回りに回転させる。これと同時に投入フリッカ413aの先端側部分413a2は図示上反時計回りに回転して開閉部413a5にて排出通路406aを閉じ、遊技球が自然落下不可能な状態となる。
通過センサ415aは、排出通路406aであって投入フリッカ413aの開閉部413a5のすぐ下流側に配置され、遊技球が正常に取り込まれたか否かを検知するためのものである。通過センサ415aは、投入フリッカ413aの先端側部分413a2を取り囲むように横断面略コ字形状とされ、投入フリッカ413aよりも前面側又は背面側のいずれか一方側に発光素子を設け、他方側に受光素子を設けた構成とされる。また、発光素子及び受光素子はそれぞれ上下一対でかつ遊技球1個分の径よりも短い間隔で設けてある。上側の素子415a1にて遊技球を検知したのち上側及び下側の素子415a1,415a2にて同時に遊技球を検知し、次いで下側の素子415a2のみ遊技球を検知することが所定時間内に行われたときは、遊技球が正規に取り込まれたと判定される。逆に、上側の素子415a1にて遊技球を検知したのち所定時間経過しても下側の素子415a2が遊技球を検知しないときや、下側の素子415a2にて遊技球を検知したのち上側及び下側の素子415a1,415a2にて同時に遊技球を検知し、次いで上側の素子415a1のみ遊技球を検知したときは、遊技球が不正な手段にて投入されたと判定し、球式回胴遊技機10にエラーが発生した旨を報知すると共に遊技が禁止されるようになっている。故に、例えば、遊技球に紐等を付けてあたかも遊技球が取り込まれたようにするなどの不正行為が防止できるようになっている。
カウントセンサ416aは、遊技球投入部410aにて投入された遊技球を計数するためのものである。より詳しくは、通過センサ415aにてエラーが発生せずに取り込まれた遊技球を計数するものである。カウントセンサ416aにて検知した遊技球の個数が所定値(例えば5個、10個又は15個)に達すると、投入ソレノイド414aの通電が切られ、投入フリッカ413aにて排出通路406aを閉鎖する構成になっている。
また、セレクタ400は、複数の遊技球投入部410a,410b,410cを組み付けると共に各遊技球投入部410a,410b,410cに返却シャッタ420を挿入し、最背面側のカバー412aに取着した返却スイッチ基板440をバネ・基板カバー450にて被覆した構成とされる。
上記の如く、上皿球抜きレバー386を操作すると、返却シャッタ420がスライドし、上皿302から案内通路404a,404b,404cを経て下皿128へ遊技球が流れる。このとき、返却シャッタ420が返却スイッチ基板440にて検知され、この検知結果に基づき、ベットボタン114,304の操作受付を不能にする状態が発生する。このとき、図示しないベットボタンLEDは消灯して、ベットボタン114,304の操作受付が不能な状態であると遊技者に報知する。
また、セレクタ400は、複数の遊技球投入部410a,410b,410cを組み付けると共にその一側部に取り付けたセレクタ中継端子板462を中継端子板カバー464にて被覆した構成とされる。セレクタ中継端子板462は、通過センサ415aやカウントセンサ416aの検出結果をデジタル信号に変換して後述する主制御装置45に送信するものである。
(払出ブロックの構成)
図4に示すように、払出ブロック30は、前面ブロック20に対して開閉自在に取り付けられている。払出ブロック30の開閉軸線は球式回胴遊技機10の正面からみて左側で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして払出ブロック30が後方側に十分に開放できるようになっている。
また、払出ブロック30は、ドア開閉機構208にて前面ブロック20とロックされる。詳しくは、ドア開閉機構208の係止爪212,212が払出ブロック30の係合部31a,31aに係止しており、図示しないドアキーをドアキーシリンダ202に差し込んで左に回転させることで係止爪212,212の係止を解除する構成とされる。また、払出ブロック30は、ワンタッチ式の止め具31b(図3,4参照)を有し、この止め具31bによっても前面ブロック20と連結される。
図17は払出ブロック30の背面図である。同図に示すように、払出ブロック30は、払出ブロック本体31に、貸出用及び賞球用としての遊技球を貯留する遊技球タンク32と、遊技球を払い出す払出装置33と、遊技球タンク32から払出装置33へと遊技球を案内するタンクレール34及びケースレール35と、払出中継端子板36と、遊技球の払出動作を制御する払出制御装置37と、遊技球の電源を制御する電源制御装置38と、球式回胴遊技機10を前記CRユニットに接続するためのCRユニット接続端子板39とを取り付けた構成とされる。
払出ブロック本体31は、その中央に後方側へ張り出して遊技ブロック40を被包する保護カバー部31cを有する。この保護カバー部31cを取り囲むように、遊技球タンク32、タンクレール34、ケースレール35、払出装置33、払出中継端子板36、CRユニット接続端子板39、払出制御装置37、および、電源制御装置38が装着されている。
図18は払出ブロック30から払出制御装置37及び電源制御装置38を取り外した状態を示す背面図で、図19は払出ブロック30を正面側から見た斜視図である。図18の破線は遊技球タンク32からの遊技球のフローを示しており、同図に示すように、払出ブロック本体31は、払出装置33から遊技球を上皿302へ案内する上皿誘導通路31dと、払出装置33から遊技球を下皿128へ案内する下皿誘導通路31eと、払出装置33から遊技球を球式回胴遊技機10の外部へ排出する排出通路31fを有する。下皿誘導通路31eは、上皿誘導通路31dが遊技球で溢れたときに、払出装置33から遊技球が導入される。また、図19に示すように、上皿誘導通路31dは、払出ブロック30の前面側で開口した出口部31d1を有し、この出口部31d1が上皿ユニット300の上皿払出口312に連なっている。同様に、下皿誘導通路31eは、払出ブロック30の前面側で開口した出口部31e1を有し、この出口部31e1が前面ブロック20の下皿払出口138に連なっている。
なお、図19において、符号31gは払出ブロック本体31の正面側から見て左側端部に設けられた回転軸部である。回転軸部31gは上下一対で設けてある。各回転軸部31gは、払出ブロック本体31からブラケット31hが略水平方向に延び出しており、このブラケット31hから下方に突出している。前面ブロック20には、この回転軸部31gを落とし込む環状の軸受部(図示略)を設けてあり、前面ブロック20と払出ブロック30の着脱が容易な構成となっている。
遊技球タンク32は、上方に開口した横長の箱型容器で、遊技機設置島内の遊技球循環設備から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク32の底部は緩やかに傾斜している。遊技球タンク32の底部の下流側端部はタンクレール34へ遊技球を送るために開口している。
タンクレール34は、図17及び図18に示すように、遊技球タンク32の下方に取り付けられ、例えば横方向4列の樋状通路(図示略)を有する。前記樋状通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜している。タンクレール34には、遊技球が積み重なって流れないように整流する4つの振り子34a,34b(図22参照)が2行2列で取り付けられている。振り子34a,34bの下流側には、タンクレール34からケースレール35へ遊技球が流れるのを阻止するための球止めレバー34cを取り付けてある。
ケースレール35は、図17及び図18に示すように、タンクレール34の下流側に縦向きに配置されている。ケースレール35は、遊技球が勢いよく流れないように波状のうねりをもって左右に湾曲した球通路35aを有し、その上部には、球切れ検出装置35bを組み付けてある。球切れ検出装置35bは、ケースレール35の内部に遊技球が十分にないこと、つまりケースレール35よりも上流側で球詰りが発生してケースレール35に遊技球が十分に補給されていないことを検出するものである。この球切れ検出装置35bの検出結果に基づき、球詰りエラーが報知される。なお、ケースレール35は、タンクレール34の前記樋状通路の個数に対応して前後方向に複数(例えば4つ)連結させた状態で配設してある(図22参照)。
図20及び図21は球切れ検出装置35bの構成を示すケースレール35の要部縦断面図であって、図20はケースレール35に十分な個数の遊技球がある状態を、図21はケースレール35に十分な個数の遊技球がない状態をそれぞれ示している。
図20及び図21に示すように、球切れ検出装置35bは、スイッチ片35b1と球切れ検出スイッチ基板35b2とで構成される。スイッチ片35b1は、支軸35cにてケースレール35に回転自在に取り付けられ、支軸35cから半径方向下方に延びてケースレール35内の球通路35aを閉塞可能な板状の揺動部35b11を有する。また、スイッチ片35b1は、支軸35cよりも上方でかつ支軸35cよりも一方側に偏った偏心部35b12を有し、さらに偏心部35b12から一方側に突出したスイッチ部35b13を有する。球切れ検出スイッチ基板35b2は、スイッチ片35b1の一方側に設置され、スイッチ片35b1の回転に追従してスイッチ部35b13を検出できる構成となっている。
図20に示すように、ケースレール35内に十分に遊技球がある場合は、揺動部35b11が遊技球によって押されてほぼ鉛直下向きになり、球通路35aの側壁となる。この場合には、スイッチ部35b13が球切れ検出スイッチ基板35b2から離間して検出されない。一方、ケースレール35の上流側で球詰りが発生している場合、ケースレール35には遊技球が補給されずに遊技球の払い出しのみが行われ、図21に示すように、ケースレール35内の遊技球が不足するようになる。図21の場合、偏心部35b12とスイッチ部35b13の自重でスイッチ片35b1が回転し、揺動部35b11にて球通路35aが閉塞される。このとき、スイッチ部35b13が球切れ検出スイッチ基板35b2にて検出され、この検出結果に基づき球切れエラーが報知される。ケースレール35の上流側での球詰りを解消すると、遊技球がケースレール35に流れ込み、揺動部35b11が押圧されて球切れスイッチ基板35b2によってスイッチ部35b13が検出されない正常な状態に戻る。
図22は払出ブロック30から払出装置33及び払出装置33の下方に配設される払出中継端子板36の取付台36a,36bを取り外した状態を示す分解斜視図である。払出装置33は、所定の入賞条件を満たすことで、或いは図示しないCRユニットにカードを挿入した状態で球貸出ボタン306を押すことで、所定数の遊技球を払い出すためのものである。この実施形態では、パチンコ機の最大の賞球数が15球であるのに対し、球式回胴遊技機10の最大の賞球数は75球であり、パチンコ機に比べて球式回胴遊技機10の最大の賞球数が多いという観点から、パチンコ機よりも払出装置33を多く設け、賞球の払い出しを迅速に行えるようにしている。つまり、パチンコ機は2つの払出装置33を備えていれば遊技を迅速に進行できたが、球式回胴遊技機10の場合は賞球数が多くかつ賞球が全て払い出されなければ次のゲームを開始できないという制約があるので、本実施形態では、4つの払出装置33を前後方向に併設して賞球の払い出しの迅速化を図り、遊技を遅滞なく進行できるようにしてある。
なお、図22に示す取付台36a,36bは、2つ割りの構成とされ、背面側から見て左側に上皿誘導通路31d及び下皿誘導通路31eに連なる球通路36a1,36b1を有し、右側に排出通路31fに連なる球通路36a2,36b2を有する。一方の球通路36a1,36b1の上部は、それぞれ上皿誘導通路31d側にやや傾いて下皿誘導通路31eよりも上皿誘導通路31dに遊技球を導きやすくなっている。また、一方の球通路36a1,36b1の下部は、上皿誘導通路31d及び下皿誘導通路31eを跨ぐように、テーパー状に末広がりとなっている。他方の球通路36a2,36b2は、背面側の球通路36a2が前面側の球通路36b2に合流し、前面側で排出通路31fに連なるよう構成されている。
図23は払出装置33の構成を示す縦断面図である。同図に示すように、払出装置33は、ケーシング33aと図示しないカバーからなる樹脂製の筐体を有し、この筐体の内部に、払出投入フリッカ33bと、払出ソレノイド33cとを備える。ケーシング33aの内部には球通路33dが形成され、その下流側には、ほぼ鉛直下向きに延びる払出通路33eと、斜め下方へ延びる排出通路33fとの分岐部がある。この分岐部には、切替片33gが配設されており、通常は切替片33gをほぼ鉛直上向きに維持して遊技球が払出通路33eを通るようになっている。
払出投入フリッカ33bは、図23に示すように、球通路33dを開閉するための部材である。払出投入フリッカ33bは、基端側部分33b1と先端側部分33b2が支軸33b3にて回転可能に連結されている。払出投入フリッカ33bの基端側部分33b1及び先端側部分33b2は、それぞれケーシング33aの支軸33a1,33a2にて回転可能に支持される。払出投入フリッカ33bの基端部には、払出ソレノイド33cの舌片33c1を把持する把持部33b4を設けてある。また、払出投入フリッカ33bの先端部には、球通路33dを開閉するための開閉部33b5を設けてある。
払出ソレノイド33cは、所定の入賞条件を満たすことにより、或いは図示しないCRユニットにカードを挿入した状態で球貸出ボタン306を押すことにより通電されて作動し、ピストン33c2を上方へ縮まらせるものである。ピストン33c2の先端には、つまみ部33c3を装着してある。つまみ部33c3はピストン33c2の半径方向に延びる上記舌片33c1を有する。また、ピストン33c2には、コイルバネ33c4を外装してある。コイルバネ33c4は、払出ソレノイド33cの本体部分33c5とつまみ部33c3とを離間させる方向に付勢している。つまり、払出ソレノイド33cへの通電を切ったときに、コイルバネ33c4の付勢力により、ピストン33c2が下方へ伸びるようになっている。
図23に示すように、球通路33dが払出投入フリッカ33bの開閉部33b5にて閉鎖された状態で、所定の入賞条件が成立したり、或いは度数表示部352に残度数がある状態で球貸出ボタン306が押されたりすると、払出ソレノイド33cに通電される。そうすると、図24に示すように、ピストン33c2が縮まって払出投入フリッカ33bの基端側部分33b1を図示上反時計回りに回転させる。これと同時に払出投入フリッカ33bの先端側部分33b2は図示上時計回りに回転して球通路33dを開き、遊技球が自然落下可能な状態となる。逆に、払出ソレノイド33cの通電を切ると、コイルバネ33c4の付勢力によりピストン33c2が伸びて払出投入フリッカ33bの基端側部分33b1を図示上時計回りに回転させる。これと同時に払出投入フリッカ33bの先端側部分33b2は図示上反時計回りに回転して球通路33dを閉じ、遊技球が自然落下不可能な状態、つまり図23に示す状態に戻る。
また、払出装置33には、横断面略コ字形状のカウントセンサ33hを装着してある。カウントセンサ33hは、払出投入フリッカ33bの開閉部33b5のすぐ下流側に配置され、球通路33dを落下する遊技球を計数するためのものである。カウントセンサ33hにて検知した遊技球の個数が所定値(例えば35個、75個、125個又は250個)に達すると、払出ソレノイド33cの通電が切られ、払出投入フリッカ33bにて球通路33dを閉鎖する構成になっている。
また、払出ソレノイド33cの下方には、つまみ部33c3を上下動させるための略L字形状の押圧片33iを設けてある。押圧片33iは、ケーシング33aの支軸33a3に回転自在に取り付けられており、先端部33i1にてつまみ部33c3を上方へ押圧するものである。
ケーシング33aの外部には、図17,18,22に示すように、略扇形状の操作レバー33jを配設してある。図23及び図24において、符号33a4は操作レバー33jの回転軸である。操作レバー33jには、切替片33gの中間部に設けた突起部33g1と、押圧片33iの基端部に設けた突起部33i2とを連結してある。つまり、操作レバー33jを回転操作すると、切替片33gと押圧片33iが連動する構成になっている。操作レバー33jを図示上反時計回りに操作すると、図25に示すように、切替片33gにて払出通路33eが閉鎖されると共に球通路33dと排出通路33fが連通する。一方で、押圧片33iにて払出ソレノイド33cのつまみ部33c3が押し上げられ、払出投入フリッカ33bが球通路33dを開く。タンクレール34に設けた球止めレバー34cにて遊技球が流れるのを阻止しつつ操作レバー33jを上記の如く操作すると、球止めレバー34cから下流側の遊技球が球式回胴遊技機10の外部に排出される。払出装置33やケースレール34が故障した場合には、上記のように球止めレバー34cから下流側の遊技球を球式回胴遊技機10の外部に排出した状態で払出装置33やケースレール34を取り替えることができる。
図17に戻り、払出制御装置37、電源制御装置38及びCRユニット接続端子板39について説明する。払出制御装置37は、賞球や貸出球の払い出しを制御するもので、周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む払出制御基板37aを具備している。
電源制御装置38は、各種制御装置等で要する所定の電源電圧を生成し出力するものである。また、電源制御装置38には、電源スイッチ38aのほか、RAM消去用のリセットスイッチ38b、打止切替スイッチ38c、および、設定変更キーシリンダ38dが設けられている。電源スイッチ38aは、オンされるとCPUを始めとする各部に電源を供給する。リセットスイッチ38bはこれを押しながら同時に電源スイッチ38aをオンするとRAMの内容がリセットされ、電源スイッチ38aがオンされている状態で押されるとエラー状態がリセットされる。打止切替スイッチ38cは、ビッグボーナスの終了時点で遊技を一時停止するか否かを切り替えるためのものである。設定変更キーシリンダ38dは、設定変更装置を構成するものである。前記設定変更装置は、球式回胴遊技機10の出球率が予め複数段階(例えば6段階)に定められており、出球率をいずれかの段階に設定するものである。設定変更の手順は次の通りである。まず、電源スイッチ38aをオフにした状態で、設定変更キーシリンダ38dに図示しない設定変更キーを挿入して時計回りに90度回転させる。この状態で、電源スイッチ38aをオンにすると、後述する遊技ブロック40の前面の7セグLED表示部41g(図27参照)に現在の出球率(設定)が数値「1」〜「6」のいずれかで表示される。次いで、リセットスイッチ38bを押していくと、7セグLED表示部41gに表示される数字が変化して1ずつ増加していく(但し、「6」の場合には「1」に戻る。)。7セグLED表示部41gに「1」〜「6」のいずれかの数字を表示させた状態で、始動レバー124を押下すると、出球率(設定)が確定される。
CRユニット接続端子板39は、球式回胴遊技機10の前面の球貸出ボタン306及び図示しないCRユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置37に出力するものである。なお、CRユニットを介さずに球貸し装置等から上皿302に遊技球が直接貸し出される現金機では、CRユニット接続端子板39は不要である。
上記払出制御装置37及び電源制御装置38は、透明樹脂材料等よりなる基板ケースにそれぞれ制御基板を収容した構成とされる。
(遊技ブロックの構成)
図4に示すように、遊技ブロック40は、前面ブロック20に対して開閉自在に取り付けられている。遊技ブロック40の開閉軸線は払出ブロック30の開閉軸線と同じで、払出ブロック30と同様に、落とし込み構造にて開閉自在に取り付けてある。また、遊技ブロック40は、ワンタッチ式の止め具40aを有し、この止め具40aによって払出ブロック30と連結固定される。なお、払出ブロック30側には、止め具40aを引っ掛けるための止め金具31iを固着してある。つまり、遊技ブロック40は、払出ブロック30と一体になって前面ブロック20に対して開閉され、払出ブロック30との連結を解除してから払出ブロック30に対して前方側へ回動する構成とされる。遊技ブロック40は、球式回胴遊技機10の中核をなす主要なブロックで、このような遊技ブロック40を上記の如く着脱容易な構成とすることで、遊技ブロック40の取り替えが可能となる。遊技ブロック40を取り替えることで、全く別の遊技性をもった遊技機に変えることができ、遊技機の新台入替えの低コスト化を図ることができる。
図26は遊技ブロック40の分解斜視図である。同図に示すように、遊技ブロック40は、前面パネル100の窓孔102から露出される遊技パネル41を有する。遊技パネル41は、上下一対の窓孔41a,41bを有する。上側の窓孔41aは、遊技パネル41の裏側に取り付けられる液晶表示装置42の表示画面を露出させるためのもので、下側の窓孔41bは、同じく遊技パネル41の裏側に取り付けられる回胴ユニット43を露出させるためのものである。また、遊技パネル41の裏側には、回胴ユニット43の一側方に主取付台44を介して主制御装置45が取り付けられ、液晶表示装置42の後方に副取付台46を介して副制御装置47が取り付けられる。主制御装置45は、遊技パネル41と直交するように縦長状に配置される。このような配置としたのは、ある程度の奥行きをもって形成される回胴ユニット43の側方位置を主制御装置45の取付位置として有効に利用して省スペース化を図るためである。また、副制御装置47は、液晶表示装置42の後方でかつ回胴ユニット43の上方に傾斜させた状態で配置される。つまり、回胴ユニット43の上部後方側が傾斜しており、この傾斜に沿って副制御装置47を斜めに配置することでも省スペース化が図られる。
図27は遊技ブロック40の正面図である。なお、図27では便宜上回胴ユニット43から複数(例えば21個)の図柄を一列に付した、図28に示す帯状の図柄シール43L,43M,43Rを取り外した状態を示している。
図27に示すように、遊技パネル41の下側の窓孔41bからは、回胴ユニット43の3つの回胴L,M,Rが露出している。詳しくは、各回胴L,M,Rに貼り付けられる図柄シール43L,43M,43Rの図柄のうちそれぞれ3つずつ下側の窓孔41bから露出される。図では各図柄シール43L,43M,43Rの図柄を見やすくするように配置された、左右一対の9組のLED43L1,43M1,43R1が3行3列で露出している。
遊技パネル41の下側の窓孔41bの左側方には、有効ライン表示部41cを設けてある。有効ライン表示部41cは、中央に1ベット表示部41c1が配置され、その上下に2ベット表示部41c2,41c2が配置され、最上段と最下段に3ベット表示部41c3,41c3が配置されており、遊技球のベット数に応じて所望のベット表示部41c1〜41c3を点灯させる。具体的には、ベット数が0球〜4球であれば全て消灯状態のままで、ベット数が5球〜9球であれば1ベット表示部41c1のみが点灯し、10球〜14球であれば1ベット表示部41c1及び2ベット表示部41c2,41c2が点灯し、15球であれば全てのベット表示部41c1〜41c3が点灯する。つまり、1ベットボタン114を押すと、上皿302に貯留された遊技球が最大5個までセレクタ400に取り込まれ、遊技球が5個取り込まれた時点で1ベット表示部41c1が点灯する。さらに1ベットボタン114を押すと、同様に遊技球が5個取り込まれた時点で2ベット表示部41c2,41c2が点灯する。さらにまた1ベットボタン114を押すと、同様に遊技球が5個取り込まれた時点で3ベット表示部41c3,41c3が点灯する。なお、マックスベットボタン304を押すと、上皿302に貯留された遊技球が最大15個までセレクタ400に取り込まれ、遊技球が5個取り込まれる度に1ベット表示部41c1、2ベット表示部41c2,41c2、3ベット表示部41c3,41c3が順次点灯していく。1ベット表示部41c1のみが点灯しているときは、有効ラインが上中下三段のうちの中段一列で、1ベット表示部41c1及び2ベット表示部41c2,41c2が点灯しているときは、有効ラインが上中下段三列で、全てのベット表示部41c1〜41c3が点灯しているときは、有効ラインが上中下段三列と対角ライン二列の合わせて五列となる。
遊技パネル41の上側の窓孔41aの両側には、電動役物41d,41eが配設されている。また、下側の窓孔41bの右側方には、上から順に、電動役物41f、7セグLED表示部41g、LED表示部41hが配設されている。これらの電動役物41d,41e,41fは、遊技上の演出やビッグボーナス又はレギュラーボーナスの確定報知などに使用される。7セグLED表示部41gは、遊技球のベット数や払出数、エラーコード、ボーナス中の総払出数、設定変更時の6段階の設定などを表示する部位である。LED表示部41hには、4つのLEDが配設されている。そのうち上3つのLEDはベット数表示部41h1を構成する。ベット数表示部41h1は、セレクタ400に投入された遊技球数に対応する個数のLEDを点灯させてベット数を1〜3の範囲内で表示するものである。残る1つのLEDは、再遊技表示部41h2である。再遊技表示部41h2は、図28に示す図柄シール43L,43M,43Rの図柄のうちリプレイ図柄が有効ライン上に揃ったときに点灯し、次のゲームを遊技球のベットなしで遊技できることを報知するものである。なお、リプレイ図柄が有効ライン上に揃ったのち所定時間経過後に始動レバー124を押下すると回胴L,M,Rの回転に伴って、再遊技表示部41h2は消灯する。
また、下側の窓孔41bの下方には、中央パネル部112から露出される前記情報掲載パネル(図示略)が取り付けられる。前記情報掲載パネルの片端には、証紙41iと型式名シール41jが貼付される。また、前記情報掲載パネルの内側には、破線で示すように、前記情報掲載パネルを後方側から照らすための蛍光灯41kが配設される。
液晶表示装置42は、通常遊技中の小役当選の報知演出や遊技状態が通常遊技状態からボーナス状態に遷移することを示唆するための示唆演出、ビッグボーナス又はレギュラーボーナス中の演出、ボーナス中の小役ゲーム数やJACゲーム数の表示、特定の遊技状態(例えば、リプレイが当選しやすいRT状態)であることを報知する演出、回胴停止ボタン126L,126M,126Rの押下のタイミングや押下順を報知する演出などを行うためのものである。
図29は回胴ユニット43の一部分解斜視図である。回胴ユニット43は、3つの回胴(いわゆるリール)L,M,Rを有し、各回胴L,M,Rを回胴ユニット枠43aに収納したものである。各回胴L,M,Rは、同様の構成とされるため、ここでは右回胴Rを例に挙げて説明する。
右回胴Rは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材43R2の外周面に21個の図柄(識別要素)が等間隔で描かれた図柄シール43Rを巻き付けたものであり、円筒骨格部材43R2を円盤状の補強板43R3を介して右回胴用ステッピングモータ43R4の回転軸43R5に取り付けてある。
右回胴用ステッピングモータ43R4は、回胴ユニット枠43aの内部に垂設されるモータプレート43R6にネジ止めされており、このモータプレート43R6には発光素子と受光素子とが一対となった回胴位置検出センサ43R7が設置されている。回胴位置検出センサ43R7を構成する一対のフォトセンサ(図示はしない)は、所定の間隔を保持してセンサ筐体内に配される。
円筒骨格部材43R2の5つの車輻43R8のうちの1つには、軸方向に延び出したセンサカットバン43R9を取り付けてある。このセンサカットバン43R9は、回胴位置検出センサ43R7の両素子の間隙を通過できるように位置合わせがなされている。そして、右回胴Rが1回転するごとにセンサカットバン43R9の先端部の通過を回胴位置検出センサ43R7が検出し、検出の都度主制御装置45に検出信号を出力する。主制御装置45はこの検出信号に基づいて右回胴Rの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。なお、各回胴L,M,Rに巻かれる図柄シール43L,43M,43Rは、それぞれに描かれた図柄の順序や発生頻度が異なったものが使用される。
ステッピングモータ43R4は、504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)により右回胴Rが1周するように設定されており、この励磁パルスによって回転位置が制御される。すなわち、右回胴Rが1周すると21図柄が順々に遊技パネル41の下側の窓孔41bから露出するため、ある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、回胴位置検出センサ43R7の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が窓孔41bから露出しているかを認識したり、任意の図柄を窓孔41bから露出させたりする制御を行うことができる。
ステッピングモータ43R4として、この実施形態では、1−2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用している。ステッピングモータ43R4はハイブリッド型や2相に限らず、4相あるいは5相のステッピングモータなど、種々のステッピングモータを使用することができる。
ステッピングモータ43R4に対する駆動信号(駆動信号用データ)は、励磁データとしてモータドライバ70に与えられる。この励磁データは主制御基板45aのRAM45a3に格納されており、CPU45a1(図32参照)からの指令に基づいて入出力ポート45a4に、適切な励磁データが出力されることになる。この励磁データによってステッピングモータ43R4に対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号(電流)が通電される。
主制御装置45は、球式回胴遊技機10の主たる制御を司るもので、具体的には、始動レバー124からの信号を受信して成立役(ビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役、リプレイ)の抽選を行い、当該抽選結果に基づき副制御装置47及び払出制御装置37に指令信号を発するものである。主制御装置45の構成は、図32に示すように、主たる制御を司るCPU45a1、遊技プログラムを記憶したROM45a2、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM45a3、各種機器との連絡をとる入出力ポート45a4、各種抽選の際に用いられる乱数発生回路45a5、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路45a6等を含む主制御基板45aと、この主制御基板45aを収容する透明樹脂材料等よりなる基板ケース45b(45b1,45b2、図26参照)とからなる。
副制御装置47は、主制御装置45から発せられる指令信号に基づき、遊技演出用の各種LEDカバー部104,108,110,148,150にて被覆される図示しない発光装置(LED)の点灯・点滅や上下スピーカ106,204から発せられる効果音、液晶表示装置42にて表示される表示態様などの制御を行うものである。副制御装置47の構成は、主制御装置45と同様、上記の各種LED、上下スピーカ106,204及び液晶表示装置42の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、入出力ポート等を含む副制御基板47aと、この副制御基板47aを収容する透明樹脂材料等よりなる基板ケース47b(47b1,47b2)とからなる。
(球式回胴遊技機の制御系)
球式回胴遊技機10の制御系について説明する。図30は球式回胴遊技機10の制御系を示すブロック図である。
主制御基板45aは、図30に示すように、演算処理手段であるCPU45a1を中心とするマイクロコンピュータとして構成された制御手段として機能し、処理プログラムを記憶するROM(あるいはフラッシュメモリ)45a2、一時的にデータを記憶する作業用(ワーキング用)のRAM45a3、入出力ポート45a4などが内部バスを介してこのCPU45a1に接続されている。
主制御基板45aの入出力ポート45a4には、リセットスイッチ38bからのリセット信号、設定キースイッチ38d1からの設定信号信号、ベットボタン114からの1ベット信号、マックスベットボタン304からの最大ベット信号、セレクタ400に取り込まれた遊技球を検出するカウントセンサ416a1,416b,416cからの補助通過検出信号、通過センサ415a1,415b1,415c1からの上流通過検出信号、通過センサ415a2,415b2,415c2からの下流通過検出信号、始動レバー124からの変動開始信号、左、中、右回胴停止ボタン126L,126M,126Rからの停止信号、回胴位置検出センサ43L7,43M7,43R7からの位置検出信号、払出装置33から払い出される遊技球を検出するカウントセンサ33hからの検出信号、ケースレール35内の遊技球を検出する球切れ検出装置35bからの遊技球検出信号などが入力される。
また、主制御基板45aの入出力ポート45a4からは、ベットボタン114,304からのベット信号に基づく投入ソレノイド414a,414b,414cの駆動信号、カウントセンサ416a,416b,416cの計数値に基づく投入ソレノイド414a,414b,414cの駆動停止信号、始動レバー124からの変動開始信号に基づく回胴用ステッピングモータ43L4,43M4,43R4の駆動信号、回胴停止ボタン126L,126M,126Rからの停止指令信号に基づく回胴用ステッピングモータ43L4,43M4,43R4の駆動停止信号、回胴位置検出センサ43L7,43M7,43R7からの検出信号に基づく払出ソレノイド33cの駆動信号、カウントセンサ33hの計数値に基づく払出ソレノイド33cの駆動停止信号などが出力される。また、液晶表示装置42にて表示される演出内容やスピーカ106,204から発せられる効果音、上LEDカバー部104等で被覆された各種発光装置(LED)の点灯・点滅などを制御する制御信号が副制御基板47aに出力される。
上述したCPU45a1は、このCPU45a1によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM45a2と、このROM45a2内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのワーキング用のRAM45a3の他に、図示はしないが周知のように割り込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路など球式回胴遊技機10において必要な各種の処理回路が内蔵されている。
ROM45a2とRAM45a3によってメインメモリが構成され、各種の処理を実行するための処理プログラム(出力制御情報生成用処理プログラムを含む)は、処理プログラムの一部として上述したROM45a2に記憶されている。
RAM45a3内は、機能的には複数の作業エリア(メモリエリア)が確保されている。周知のようにCPU45a1内に設けられたプログラムカウンタの値を保存するためのスタックメモリ(スタックメモリ用のエリア)の他に、この例では停電フラグを記憶する停電フラグメモリ45a31、スタックポインタを保存するスタックポインタ保存用メモリ45a32、RAM45a3に保存されているデータのチェックサムに関連した補正値を保存するチェックサム補正値用メモリ45a33、さらには復電時に使用される復電コマンドバッファ45a34や復電コマンドカウンタ45a35などのメモリエリアが確保されている。
RAM45a3内にセットされたスタックポインタ保存用メモリ45a32は、球式回胴遊技機10の電源切断時にCPU45a1内のスタックポインタの値を退避させて保存しておくためのメモリである。スタックポインタの値は停電処理の初期において、スタックポインタ保存用メモリ45a32にセーブされる。復電処理の始めにスタックポインタに対する復帰処理が行われ、スタックポインタ保存用メモリ45a32に保存されている値がCPU45a1内のスタックポインタに取り込まれる。スタックポインタの内容はバックアップされているRAM45a3内に設けられたスタックポインタ保存用メモリ45a32内に退避させて保存されている。
RAM45a3内のチェックサム補正値用メモリ45a33は、停電処理時にRAM45a3内のデータから算出したチェックサムを、「0(ゼロ)」とするための補正値を記憶させておくメモリである。
復電コマンドバッファ45a34は、電源復旧時(停電の復旧時又は電源再投入時)に主制御基板45aから副制御基板47aに送信される復電処理用のコマンド(復電コマンド)を一時的に記憶するバッファである。復電コマンドは復電処理の実行を副制御基板47aに知らせるためのコマンドとして使用される。復電コマンドはRAM45a3に記憶されている一般のコマンドに優先して副制御基板47aに送信される。
復電コマンドカウンタ45a35は、復電コマンドバッファ45a34に記憶されている復電コマンドのバイト数を記憶するカウンタである。復電コマンドは2バイト構成であって、他のコマンド(スピーカ駆動用コマンドなど)と同じくバイト単位で副制御基板47aに送信される。
RAM45a3には後述するように電源制御装置38内に設けられた電源制御基板38’からバックアップ電圧が供給され、球式回胴遊技機10の電源が切断された後でもデータが消失しないようになされている。
入出力ポート45a4には、副制御基板47aなどのI/O装置の他に、ホール管理装置(図示はしない)などに情報を送信できる外部集中端子板や、前記電源制御基板38’に設けられた停電監視回路38f、さらには投入ソレノイド414a,414b,414cや払出制御基板37aなどが接続されている。
前記電源制御基板38’には主制御基板45aを始めとして球式回胴遊技機10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部38eや、上述した停電監視回路38fなどが搭載されている。
停電監視回路38fは電源の切断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ38aによる電源切断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路38fは、電源部38eから出力される直流24ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば22ボルト未満まで低下したときに電源が切断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU45a1と入出力ポート45a4のそれぞれに供給され、CPU45a1ではこの停電信号を認識することで、停電時処理が実行される。
電源部38eからは出力電圧が22ボルト未満まで低下した場合でも、主制御基板45aなどの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間として、主制御基板45aによる停電時処理を実行するのに十分な時間が確保されている。
また、主制御基板45aは、電源部38eから安定化駆動電圧が供給されるのと同時にリセットスイッチ38bからリセット信号が送信されると、RAM45a3に書き込まれた情報を消去し、電源部38eから安定化駆動電圧が供給されている状態でリセットスイッチ38bからリセット信号が送信されると、エラー状態をリセットする。
さらに、電源オフ時に設定キースイッチ38d1をオンにしてから電源オンにした状態、つまり電源オフ時に設定変更キーシリンダ38dに設定キーを差し込んで回転させてから電源オンにした状態にすると、球式回胴遊技機10の出球率を変更可能な状態が発生する。この状態で、リセットスイッチ38bからリセット信号が送信されると、球式回胴遊技機10のボーナス確率や小役確率を変更し、当該変更結果を設定値「1」〜「6」の数字で7セグLED表示部41g(図27参照)に出力する。そして、7セグLED表示部41gに「1」〜「6」のいずれかの数字を表示させた状態で、始動レバー124から設定確定信号を受信すると、球式回胴遊技機10の出球率(設定)を確定する。
主制御基板45aにおいて実行される制御処理について説明する。主制御基板45aの制御処理は、外部電力の供給再開や電源スイッチ38aのオン操作等による復電に伴って起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。なお、割込み処理としては、NMI端子における停電信号の受信に応じて割込みをかける停電割込み処理と、タイマによる時間計測によって定期的に割込みをかけるタイマ割込み処理とがある。
まず、停電割込み処理について説明する。図31は、主制御基板45aにおける停電割込み処理の一例を表すフローチャートである。停電状態が発生した場合、電源制御基板38’の停電監視回路38fで停電信号が生成され、主制御基板45aに対して出力される。主制御基板45aにおいては、CPU45a1のNMI端子が停電信号を受信し、停電信号の受信に応じて停電フラグを設定する割込み処理(以下、「停電割込み処理」と称する)が実行される。
停電割込み処理においては、まず、現在使用しているレジスタのデータをRAM45a3内のバックアップ領域に退避させる(「レジスタ退避処理」S101)。レジスタ退避処理S101の後に、停電フラグが設定される(「停電フラグ設定処理」S102)。停電フラグは、RAM45a3内の特定のエリア(停電フラグメモリ45a31)に保持され、停電状態の発生を表す情報である。停電フラグ設定処理S102後に、自身の割込みにおける処理の終了がCPU45a1に知らせられる(「割込み終了宣言処理」S103)。割込み終了宣言処理の後に、レジスタ退避処理S101においてRAM45a3のバックアップ領域に退避させたレジスタのデータをCPU45a1のレジスタに復帰させる(「レジスタ復帰処理」S104)。レジスタ復帰処理S104の後に、新たな割込みが許可される(「割込み許可処理」S105)。割込み許可処理S103の完了によって停電割込み処理が終了する。なお、使用中のレジスタのデータを破壊せずに停電フラグ設定処理S102が行える場合には、レジスタ退避処理S101及びレジスタ復帰処理S103を省くことができる。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図32は、主制御基板45aにおけるタイマ割り込み処理を表すフローチャートである。主制御基板45aにおいては、定期的にタイマ割込み処理が行われる。本形態においては、タイマ割込み処理は、実質的に1.49ms[ミリ秒]の周期で行われる。
タイマ割込み処理において、まず、後述するメイン処理における通常処理で使用している全てのレジスタの情報が、RAM45a3のバックアップ領域に格納される(「レジスタ退避処理」S201)。レジスタ退避処理S201の後に、停電フラグが設定されているか否かが確認される(S202)。停電フラグが設定されている場合には、バックアップ処理S203が実行される。
ここで、バックアップ処理S203について詳細に説明する。図33は、主制御基板におけるタイマ割込み処理内で実行されるバックアップ処理を表すフローチャートである。
バックアップ処理では、図33に示されたように、まず、リングバッファに蓄積されている各種のコマンドの送信が終了しているか否かが判定される(S301)。それらのコマンドの送信が終了していない場合には、バックアップ処理が一旦終了されて、制御がタイマ割込み処理に復帰する。なお、これは、バックアップ処理の開始前に、コマンドの送信を完了させるための制御である。一方、それらのコマンドの送信が完了している場合には、CPU45a1のスタックポインタの値が、RAM45a3内のバックアップ領域に保存される(「スタックポインタ保存処理」S302)。スタックポインタ保存処理S302の後に、後述するRAM判定値がクリアされると共に、入出力ポート45a4における出力ポートの出力状態がクリアされて図示しない全てのアクチュエータがオフ状態になる(「停止処理」S303)。
停止処理S303の後に、RAM判定値が新たに算出されてバックアップ領域に保存される(「RAM判定値保存処理」S304)。RAM判定値は、RAM45a3のワーク領域におけるチェックサム値の2の補数である。ここで、チックサム値の2の補数とは、2進数表現においてチェックサム値の各桁(ビット)を反転した場合に生成される値である。この場合、RAM45a3のチェックサム値とRAM判定値との排他的論理和(「FFFF」)に1加算した値は「0」である。本形態では、RAM判定値としてチェックサム値の補数を用いたが、本発明においては、RAM判定値としてチェックサム値そのものを用いてもよい。
RAM判定値保存処理S304の後に、RAM45a3へのアクセスが禁止される(「RAMアクセス禁止処理」S305)。その後は、内部電力の完全な遮断によって処理が実行できなくなるのに備えて、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤って設定される場合等を考慮して、図示しないが、無限ループに入る前には停電信号がまだ入力されているか否かが確認される。停電信号が出力されていなければ、内部電源が復旧していることになるために、RAM45a3の書き込みが許可されると共に停電フラグが解除され、タイマ割込み処理に復帰する。一方、停電信号が継続して入力されていれば、そのまま無限ループに入る(図示せず)。
このように、バックアップ処理S203の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理が優先される。コマンドの送信処理終了後にバックアップ処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中でバックアップ処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果、停電時の処理に関するプログラムを簡略化してROM45a2の小容量化を図ることができる。
電源制御基板38’の電源部38eは、停電状態が発生した後においても、停電割込み処理及びバックアップ処理を完了するために十分な時間にわたって、制御系の駆動電力として使用されるバックアップ電力を出力する。このバックアップ電力によって、停電割込み処理及びタイマ割込み処理のバックアップ処理が行われる。本形態では、停電発生後の30ms[ミリ秒]の間、バックアップ電力が出力され続けるようになっている。
タイマ割込み処理の説明に戻り、図32に示されたように、判定処理S202において停電フラグが設定されていないと判定された場合には、誤動作の発生を監視するためのウォッチドッグタイマが初期化され、CPU45a1自身に対して割込み許可が出される(「割込み終了宣言処理」S204)。割込み終了宣言処理S204の後に、左駆動停止フラグ、中駆動停止フラグ及び右駆動停止フラグを参照して、各回胴(L,M,R)を回転させるために各ステッピングモータ(43L4,43M4,43R4)に回胴駆動信号が送信される(「ステッピングモータ制御処理」S205)。具体的には、左駆動停止フラグが設定されていなければ、左回胴Lのステッピングモータ43L4に回胴駆動信号を送信する。中回胴M及び右回胴Rについても左回胴Lの場合と同様である。ステッピングモータ制御処理S205の後に、入出力ポート45a4に接続された各種の装置におけるスイッチの状態変化が監視される(「スイッチ読込処理」S206)。スイッチ読込処理S206の後に入出力ポート45a4に接続された各種の装置におけるセンサの状態変化が監視される(「センサ監視処理」S207)。センサ監視処理S207の後に、各種のカウンタの値や各種のタイマの値が演算される(「タイマ演算処理」S208)。タイマ演算処理S208の後に、差枚数(ベット総数と獲得総数との差分)を集計するためにベット数や獲得遊技球数が、外部集中端子板126へ出力される(「差枚数カウント処理」S209)。
差枚数カウント処理S209の後に、リングバッファに蓄積された各種のコマンドが、副制御基板47aに送信される(「コマンド出力処理」S210)。コマンド出力処理S210の後に、クレジット数表示装置105、獲得数表示装置115等に表示されるセグメントデータが設定される(「セグメントデータ設定処理」S211)。セグメントデータ設定処理S211で設定されたセグメントデータが所定のセグメントデータ表示装置に送信される(「セグメントデータ表示処理」S212)。これにより、セグメントデータ表示装置は、受信したセグメントデータに対応する数字、文字、記号などを表示する。入出力ポート45a4からI/O装置へのデータが出力される(「ポート出力処理」S213)。ポート出力処理S213の後に、レジスタ退避処理S201においてバックアップ領域に退避させた各レジスタのデータがそれぞれCPU45a1内の対応するレジスタに復帰される(「レジスタ復帰処理」S214)。レジスタ復帰処理S214の後に、次回のタイマ割込みが許可される(「割込み許可処理」S215)。以上の処理を経て一連のタイマ割込み処理が終了する。
主制御基板45aにおけるメイン処理について説明する。図34は、主制御基板45aのメイン処理を表すフローチャートである。主制御基板45aのメイン処理は、停電状態から復帰した場合に実行される。
主制御基板45aのメイン処理では、まず、スタックポインタの初期値が設定される(「スタックポインタ設定処理」S401)。スタックポインタ設定処理の後に、割込み処理を許可する割込みモードが設定される(「割込みモード設定処理」S402)。割込みモード設定処理S402の後に、CPU45a1内のレジスタ群やI/O装置等に対する各種の設定等が行われる(「レジスタ設定処理」S403)。
レジスタ設定処理S403の後に、設定キーが設定キースイッチ38d1に挿入され、所定の操作(右回転操作等)がされているか否かが判定される(S404)。設定キー操作がされていると判定された場合には、所定の複数種類の確率設定(本形態では「設定1」〜「設定6」の6段階設定)のうちから選択される1つの確率設定の設定値を保持する所定の領域を除くRAM45a3の全領域のデータが、強制的にクリアされる(「強制的RAMクリア処理」S405)。強制的RAMクリア処理S405の後に、現在の設定値の再設定(設定の打ち直し)を行うことができる(「確率設定選択処理」S406)。なお、設定値の変更においては、リセットスイッチ38bの操作及び始動レバー124の操作が援用される。確率設定処理S406の後に、通常遊技処理へ移行する。
判定処理S404において設定キースイッチ38d1の操作がされていないと判定された場合には、選択されている確率設定の設定値が所定の範囲(「1」〜「6」)内の値であるか否かが判定される(S407)。なお、停電状態の発生時から停電状態からの復帰時までの間に、RAM45a3が機械的又は電気的に破壊される等の異常事態が発生しない限り、設定値は所定の範囲内の値しかとらない。設定値が所定の範囲内の値である場合には、停電フラグが設定されているか否かが判定される(S408)。停電フラグが設定されている場合には、RAM45a3のワーク領域のチェックサム値が新たに算出され、新たなチェックサム値が正常であるか否かが判定される。新たなチェックサム値が正常とは、新たなチェックサム値と停電状態の発生前のチェックサム値が同一であること、つまり、新たなチェックサム値とRAM45a3のバックアップ領域に保持されているRAM判定値との排他的論理和に1加算した値が「0」であることを意味する。この値は、新たなチェックサム値と停電状態の発生前のチェックサム値とが同一である場合には「0」となり、異なる場合には「0」以外となる。停電状態の発生時から停電状態からの復帰時までの間に、RAM45a3が機械的又は電気的に破壊される等の異常事態が発生しない限り、この値は「0」以外にはならない。
判定処理S407において確率設定の設定値が所定の範囲内の値でないと判定された場合、判定処理S408において停電フラグが設定されていないと判定された場合、又は、判定処理S409において新たなチェックサム値とRAM判定値との排他的論理和に1加算した値が「0」以外であると判定された場合には、割込み処理が禁止される(「割込み禁止設定処理」S416)。割込み禁止設定処理S416の後に、入出力ポート45a4の全ての出力ポートがクリアされて、入出力ポート45a4に接続された全てのアクチュエータがオフ状態になる(「全出力ポートクリア処理」S417)。全出力ポートクリア処理S417の後に、エラーの発生を報知させるための処理が行われる(「エラー報知処理」S418)。なお、このエラー報知状態は、リセットスイッチ38bが操作されるまで継続する。
判定処理S409において新たなチェックサム値が正常であると判定された場合には、バックアップ領域に保存されたスタックポインタの値がCPU45a1のスタックポインタに書き込まれ、スタックポインタの値が停電状態の発生前の値に復帰する(「スタックポインタ復帰処理」S410)。これによって、停電状態からの復帰後において、停電状態の発生により中断された処理から再開できるようになる。スタックポインタ復帰処理S410の後に、停電状態からの復帰を表す復電コマンドが副制御基板47aに送信される(「復電コマンド送信処理」S411)。
復電コマンド送信処理S411の後に、打止切替スイッチ38cの状態が、RAM45a3の所定の領域に格納される(「遊技形態設定処理」S412)。
遊技形態設定処理S412の後に、各種の装置のセンサの値が初期化される(「センサ初期化処理」S413)。センサ初期化処理S413の後に、停電フラグが解除される(「停電フラグ解除処理」S414)。停電フラグ解除処理S414の後に、払出中に停電が発生した等の場合、払出を再開させるための払出コマンドを設定する(「払出コマンド設定処理」S415)。払出コマンド設定処理S415の後に、スタックポインタの示す停電状態の発生前の番地における処理から再開される。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理におけるバックアップ処理S203(図32参照)後の割込み終了宣言処理S204が実行される。
通常時の遊技に関わる主要な制御を行う通常遊技処理について説明する。図35は、主制御基板45aで実行される通常遊技処理の一例を表すフローチャートである。
主制御基板45aの通常遊技処理は、メイン処理における確率設定処理S406(図34参照)の後に実行される。通常処理では、図35に示されたように、まず、割込み許可を設定する(「割込み許可設定処理」S601)。割込み許可設定処理S601の後に、遊技形態を決定する打ち止めスイッチの状態及び自動精算スイッチの状態がRAM45a3に格納される(「遊技形態設定処理」S602)。なお、遊技形態設定処理S602は、メイン処理における遊技形態設定処理S412(図34参照)と同一の処理である。
遊技形態設定処理S602の後には、下述のループ処理に移行する。なお、以下においては、連続遊技中である場合について説明する。
RAM45a3において一回の遊技ごとに変化する情報を保持する領域のデータをクリアする(「遊技情報クリア処理」S603)。具体的には、前回の遊技に関連する情報をクリアする。クリアされる情報としては、例えば、乱数に関連する情報、回胴L,M,Rの制御に関連する情報、入賞に関連する情報及びエラーに関連する情報が挙げられる。入賞に関連する情報には、入賞図柄、入賞ライン及び獲得遊技球数等の情報が含まれる。
遊技情報クリア処理S603の後に、変動開始信号が入力されるまで、所定の処理を行いながら待機する(「変動待機処理」S604)。ここで、変動待機処理S604について、図36を参照しながら詳細に説明する。図36は、変動待機処理S604の一例を表すフローチャートである。
変動待機処理S604では、まず、遊技監視タイマが設定される(「遊技監視タイマ設定処理」S701)。ここで、遊技監視タイマが設定されるとは、そのタイマの値がリセットされ、かつそのタイマによる新たな時間計測がスタートすることを意味する。遊技監視タイマは、遊技間隔を測定するタイマであって、遊技者によって遊技されていない時間が所定の時間を経過した場合に、補助表示装置の画像を所定の画像(デモストレーション画像)に移行させるために用いられる。
遊技監視タイマ設定処理S701の後に、前回の遊技で再遊技に入賞したか否かが判定され、再遊技に入賞していた場合には、自動的に、前回の遊技のベット数と同数の遊技球が自動的にベットされる(「自動ベット処理」S702)。
自動ベット処理S702の後に、投入遊技球検出装置203においてエラーが発生しているか否かが確認され、エラーが発生している場合には、音響装置110、発光装置117、補助表示装置118等にエラーを報知させるためのセレクタエラーコマンドが設定される(「セレクタエラー報知処理」S703)。例えば、遊技球の投入許容期間外において、通過センサ415a、415b,415cから上流通過検出信号や下流通過検出信号を受信した場合が挙げられる。なお、リングバッファに格納されたセレクタエラーコマンドは、その格納後に実行されるタイマ割込み処理のコマンド出力処理S210において副制御基板47aに出力される。また、以下において、リングバッファに格納される各種のコマンドは、セレクタエラーコマンドの場合と同様に、それらの格納後に実行されるタイマ割込み処理のコマンド出力処理S210において副制御基板47aに出力される。
セレクタエラー報知処理S703の後に、払出装置33でエラーが発生しているか否かが判定され、払出装置109でエラーが発生している場合には、音響装置110、発光装置117、補助表示装置118等にエラーを報知させるための払出エラーコマンドが設定される(「払出エラー報知処理」S704)。払出エラー報知処理S704の後に、返却ボタン308の操作が行われているか否かを判定して、返却中であれば他のボタン等の操作による入力が禁止される(「遊技球返却処理」S705)。
遊技球返却処理S705の後に、図36に示されたように、1ベットボタン114又はマックスベットボタン304が操作されているか否かが確認され、いずれかのベットボタンが操作されている場合には所定の遊技球がベットされる(「遊技球ベット処理」S706)。なお、投入された遊技球の個数が、通過センサ415a,415b,415cで計数され、かつ、別途に、カウントセンサ416a,416b,416cによっても計数される。なお、遊技球ベット処理S706は、本発明の特徴部分であるために別途に詳細に説明する。
遊技球ベット処理S706の終了後に、図36に示されたように、ベット数が最小規定数未満であるか否かが判定される(S707)。ベット数が最小規定数未満である場合には、セレクタエラー報知処理S703から判定処理S707までが繰り返される。一方、ベット数が最小規定数未満でない場合には、始動レバー124の操作に応じた変動開始信号が受信されているか否かが判定される(S708)。変動開始信号が受信されていない場合には、セレクタエラー報知処理S703から判定処理S708までが繰り返される。一方、変動開始信号が受信されている場合には、遊技球ベット処理S706において通過センサ415a,415b,415cによって計数された遊技球の個数と、カウントセンサ416a,416b,416cによって計数された遊技球の個数とを比較する(「投入球数比較処理」S709)。また、投入球数比較処理S709において、比較の結果、通過センサ415a,415b,415cによって計測される個数(通過数)がベットボタン114,304に応じた所定数(所定の投入数)以上であり、カウントセンサ416a,416b,416cによって計数された遊技球の個数(補助通過数)が通過センサ415a,415b,415cによって計測される個数が個数以上でなければエラー処理が行われる。なお、投入球数比較処理S709は、本発明の特徴部分であるために、別途に詳細に説明する。以上の処理過程(S701〜S709)を経て、変動待機処理S604が完了する。
変動待機処理S604の後に、図35に示されたように、始動レバー124が操作された際にハードウェア的にラッチされた乱数カウンタの値が読み出されてRAM45a3に格納される(「乱数作成処理」S605)。始動レバー124が操作された際に乱数カウンタをハードウェア的にラッチすることによって、始動レバー124の操作と乱数値の取得とを時間的に同期させている。なお、ソフトウェアで乱数カウンタの値を読み出すこともできるが、この場合には、変動開始操作装置113の操作から乱数値の取得までの時間が、ハードウェア的にラッチする場合よりも不均一になる。
乱数作成処理S605の後に、確率設定、ベット数及び遊技状態に応じた乱数テーブルを参照して、乱数作成処理S605で取得した乱数値に応じた当選役が決定され、当選役の種別に応じた当選フラグ(例えば、ビッグボーナス当選フラグ、レギュラーボーナス当選フラグ、チェリー当選フラグ、ベル当選フラグ、スイカ当選フラグ、再遊技当選フラグ)が設定され、当選役の種別を表す当選役コマンドと確率設定の設定値を表す設定値コマンドとが設定される(「内部抽選処理」S606)。当選役として、例えば、ビックボーナス役(以下、「BB」とも称す)、レギュラーボーナス役(以下、「RB」とも称す)、各種の小役(本形態では、チェリー役、ベル役、スイカ役)、再遊技役及びハズレ役が挙げられる。なお、一回の遊技において複数種類の当選役が選択されてもよい。
内部抽選処理S606の後に、当選役、ベット数及び遊技状態に基づいて、ROM45a2に保持された手動停止制御テーブル群から各回胴(L,M,R)の制御に用いる1つの手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして選択され、参照制御テーブルのテーブル番号がRAM45a3の所定の領域に格納される(「回転初期化処理」S607)。当選役がハズレ以外のときには、この参照制御テーブルに従って、当選役を入賞させる有効ライン等が決まり、また、当選役に応じた図柄がその有効ライン上以外を通過中に各回胴(L,M,R)に対応する各回胴停止ボタン(126L,126M,126R)が操作された場合に、当選役を所定の有効ラインに可能な限り入賞させるために所定の範囲(5図柄未満)内で余分に回胴を回転させるスベリ制御が行われる。当選役がハズレの場合にも、他の当選役を入賞させないために、同様のスベリ制御が行われる。この参照制御テーブルは、必ず参照されるわけではなく、本形態では、各回胴停止ボタン(126L,126M,126R)が所定の順序(例えば、「左回胴停止ボタン126L→中回胴停止ボタン126M→右回胴停止操作部126R」及び「左回胴停止ボタン126L→右回胴停止操作部126R→中回胴停止ボタン126M」の順序)で操作された場合に参照され、他の操作順序の場合には、手動停止制御テーブル群からの参照制御テーブルの再選択や他の制御方法によって又はそれらを援用して所定の図柄パターンを停止させる。更に、自動的に図柄表示の変動を停止する場合には、ROM45a2に保持された自動停止制御テーブルを参照して、所定の図柄パターンで停止させる。
回転初期化処理S607の後に、図柄変動待機処理S608が実行される。図柄変動待機処理S608では、まず、図柄変動監視タイマによる測定時間が所定の規定時間(例えば、4.1秒)以上であるか否かが判定される。ここで、「図柄変動監視タイマ」は、前回の図柄表示の変動開始時点からの経過時間を測定するタイマである。図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間未満である場合には、規定時間の経過を待つ状態(以下、「変動待機状態」と称する)であることを表す変動待機コマンド(内部状態コマンドの一種)がリングバッファに格納される。なお、変動待機状態であることが変動待機状態表示装置(図示せず)によって遊技者に報知される。その後、図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間以上となるまで、変動待機状態の報知が行われたまま、図柄変動監視タイマによる測定時間が所定の規定時間以上であるか否かの判定が繰り返される。一方、図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間以上である場合には、図柄変動監視タイマがリセットスタートされ、規定時間待機状態の報知を停止し、所定の規定時間が経過した状態であることを表す規定時間経過コマンド(内部状態コマンドの一種)と、外部集中端子板に出力するためのベット数コマンドとがリングバッファに格納される。その後、RAM45a3の所定の領域における図柄表示変動ユニットの各ステッピングモータ(43L4,43M4,43R4)の制御に関連する情報が回転開始用に初期設定される。なお、ステッピングモータ(43L4,43M4,43R4)の実際の駆動は、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理S205(図32参照)で制御される。
図柄変動待機処理S608の後に、図柄表示変動ユニット103における各回胴(L,M,R)の回転を制御する回転制御処理S609が実行される。ここで、回転制御処理S609について詳細に説明する。図37は、回転制御処理S609の一例を表すフローチャートである。
回転制御処理S609において、RAM45a3の所定の領域における各回胴(L,M,R)の回転に関する情報が初期化され、全ての回胴(L,M,R)が回転中であることを表す全回胴回転コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)と図柄表示変動ユニット103において図柄表示変動状態であることを表す図柄変動状態コマンド(内部状態コマンドの一種)とがリングバッファに格納される(「回転開始処理」S1101)。回転開始処理S1101の後に、所定の停止待機時間が経過するまで待機する(「図柄停止待機処理」S1102)。図柄停止待機処理S1102における「所定の停止待機時間」は、各回胴(L,M,R)の回転開始から一定速度の定常回転に至るまでに要する平均時間と概ね同一の時間である。図柄停止待機処理S1102の後に、全ての回胴(L,M,R)の回転が定常回転である否かが判定される(S1103)。具体的には、それらの回転が定常回転であるか否かは、最後に回転を開始した回胴に対応する回胴基準点検出装置からの位置検出信号が受信されているか否かで判定されており、その位置検出信号が受信されている場合にはそれらの回転は定常回転であると判断し、その位置検出信号が受信されていなければいずれかの回胴の回転は定常回転でないと判断している。それらの回転が定常回転でない場合には、判定処理S1103が繰り返し実行される。なお、本形態では全ての回胴(L,M,R)は同時に回転を開始する。
判定処理S1103において全ての回胴の回転が定常回転であると判定された場合には、自動停止までの図柄表示の変動時間を測定する自動停止タイマを設定する(「自動停止タイマ設定処理」S1104)。自動停止タイマ設定処理S1104の後に、自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を超えているか否かが判定される(S1105)。自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を越えていなければ、以下の手動により図柄表示の変動を停止させる処理が実行される。
左回胴停止ボタン126Lの操作に応じた左停止信号が受信されているか否かが判定される(S1106)。左停止信号が受信されていない場合には、中回胴停止ボタン126Mの操作に応じた中停止信号が受信されているか否かが判定される(S1107)。中停止信号が受信されていない場合には、右回胴停止ボタンの操作に応じた右停止信号が受信されているか否かが判定される(S1108)。右停止信号が受信されていない場合、つまり、左停止信号、右停止信号及び右停止信号のいずれもが受信されていない場合には、判定処理S1106が実行される。
判定処理S1106において左停止信号が受信されていると判定された場合には、左停止フラグが設定されているか否かが判定される(S1109)。「左停止フラグ」は、左回胴Lが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転初期化処理S607において解除されている。左停止フラグが設定されている場合は、左回胴Lが既に停止していることを表し、左停止フラグが解除されている場合は、左回胴Lが回転していることを表す。左停止フラグが設定されている場合には、判定処理S1105が実行され、一方、左停止フラグが解除されている場合には、左回胴停止処理S1110が実行される。左回胴停止処理S1110において、まず、回転初期化処理S607で選択された参照制御テーブルを参照して、左回胴Lを回転させる左ステッピングモータ43L4が停止される。左ステッピングモータ43L4の停止後に、左停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、左回胴Lが停止していることを表す左回胴停止コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)及び左回胴Lの停止図柄を表す左回胴図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。「停止回胴数」は、停止している回胴の個数を表し、回転開始処理S1101において「0」にリセットされる。
ここで、左ステッピングモータ43L4を停止させる際の制御について詳細に説明する。現在の回胴駆動信号送信数に基づいて、参照制御テーブルが参照されて回胴駆動信号の送信回数が決定される。ビッグボーナス役、レギュラーボーナス役、各種の小役及び再遊技役のいずれかの当選フラグが設定されている場合には、当選フラグの設定されていない役が成立することがない限りにおいて、可能な限り有効ラインのいずれか沿って当選役の図柄パターンが停止するように、送信回数が決定される。例えば、下段ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという小役に当選し、「スイカ」図柄が上段を通過するタイミングで左回胴停止操作部231が操作された場合には、下段に停止するように図柄2つ分だけ左回胴Lを滑らせる。なお、滑らせることのできる範囲は予め決められており、左回胴停止ボタン126Lの操作のタイミングによっては、下段に「スイカ」図柄が停止しないこともある。この場合においても、中段又は上段に「スイカ」図柄を停止できる場合には、予定入賞ラインに関わらず、中段又は上段に「スイカ」図柄を停止するように制御される。「回胴駆動信号送信数」は、左ステッピングモータ43L4へ送信された回胴駆動信号の送信数を表しており、その値は、回胴位置検出センサ43L7からの位置検出信号の受信に応じて「0」にリセットされる。なお、具体的には、左回胴停止処理S1110では、回胴駆動信号送信数を参照しながら、決定された送信回数分の回胴駆動信号の送信が終了したことを確認して左駆動停止フラグ(駆動変更情報の一種)を設定する。なお、図32に示されたタイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理S205においては、左停止フラグの設定を確認して回胴駆動信号の送信を停止する。これにより、送信回数を決定した後に、回胴駆動信号が、左ステッピングモータ43L4にその回数だけ繰り返し送信される。
左回胴停止処理S1110の後に、停止回胴数が3であるか否かが判定される(S1111)。停止回胴数が3でない場合、つまり、少なくとも1つの回胴が回転中である場合(図柄表示の変動中)には、参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S1112)。未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される(「制御テーブル変更処理」S1113)。制御テーブル変更処理S1113においては、左回胴Lの停止位置と共に中回胴M及び右回胴Rのうちの既に停止している回胴の停止位置が参照される。参照制御テーブルの変更が必要な場合としては、例えば、当選役以外の役が入賞する場合が挙げられる。
判定処理S1107において中停止信号が受信されていると判定された場合には、中停止フラグが設定されているか否かが判定される(S1114)。「中停止フラグ」は、左停止フラグの場合と同様に、中回胴Mが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転開始処理S1101において解除されている。中停止フラグが設定されている場合には、判定処理S1105が実行される。一方、中停止フラグが解除されている場合には、停止回胴数が0であるか否かが判定される(S1115)。停止回胴数が0でない場合には、中回胴停止処理S1117が実行される。一方、停止回胴数が0である場合には、手動停止制御テーブル群のうち所定の手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして再設定され(「制御テーブル再設定処理」S1116)、制御テーブル再設定処理S1116の後に、中回胴停止処理S1117が実行される。なお、中回胴停止処理S1117は、左回胴停止処理S1110の場合と同様の処理である。中回胴停止処理S1117において、まず、参照制御テーブルを参照して、中駆動停止フラグ(駆動変更情報の一種)が設定されて中回胴装置170Mにおける中ステッピングモータ43M4が停止される。中ステッピングモータ43M4を停止させる際の制御は、左ステッピングモータ43L4を停止させる際の制御と概ね同一である。中ステッピングモータ43M4の停止後に、中停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、かつ、中回胴Mが停止していることを表す中回胴停止コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)及び中回胴Mの停止図柄を表す中回胴図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
中回胴停止処理S1117の後に、停止回胴数が3であるか否かが判定される(S1118)。停止回胴数が3でない場合には、未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S1119)。参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される(「制御テーブル変更処理」S1120)。制御テーブル変更処理S1120においては、中回胴Mの停止位置と共に左回胴L及び右回胴Rのうちの既に停止している回胴の停止位置(停止図柄)が参照される。
判定処理S1108において右停止信号が受信されていると判定された場合には、右停止フラグが設定されているか否かが判定される(S1121)。「右停止フラグ」は、左停止フラグ及び中停止フラグの場合と同様に、右回胴Rが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転開始処理S1101において解除されている。右停止フラグが設定されている場合には、判定処理S1105が実行される。一方、右停止フラグが解除されている場合には、停止回胴数が0であるか否かが判定される(S1122)。停止回胴数が0でない場合には、右回胴停止処理S1124が実行される。一方、停止回胴数が0である場合には、手動停止制御テーブル群のうち所定の手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして再設定され(「制御テーブル再設定処理」S1123)、制御テーブル再設定処理S1123の後に、右回胴停止処理S1124が実行される。なお、右回胴停止処理S1117は、左回胴停止処理S1110と同様の処理である。右回胴停止処理S1117において、まず、選択されている手動停止制御テーブルを参照して、右駆動停止フラグが設定されて右回胴装置170Rにおける右ステッピングモータ43R4が停止される。右ステッピングモータ43R4を停止させる際の制御は、左ステッピングモータ43L4を停止させる際の制御と概ね同一である。右ステッピングモータ43R4の停止後に、右停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、かつ、右回胴Rが停止していることを表す右回胴停止コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)及び右回胴の停止図柄を表す右回胴図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
右回胴停止処理S1124の後に、停止回胴数が3であるか否かが判定される(S1125)。停止回胴数が3でない場合には、未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S1126)。参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される(「制御テーブル変更処理」S1127)。制御テーブル変更処理S1127においては、右回胴Rの停止位置と共に左回胴L及び中回胴Mのうちの既に停止している回胴の停止位置(停止図柄)が参照される。
判定処理S1105において、自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を越えている場合には、現在回転中の全ての回胴の回転を停止させる(「自動停止処理」S1128)。自動停止処理S1128の後、並びに、判定処理S1111、判定処理S1115及び判定処理S1125において停止回胴数が「3」であると判定された場合に、自動停止タイマを解除する。
ここで、自動停止処理S1128について詳細に説明する。自動停止処理S1128では、まず、既に停止している回胴の停止位置(停止図柄)を参照して、ROM45a2に保持された自動停止制御テーブル群から1つのテーブルが参照制御テーブルとして設定される。その後に、左停止フラグが設定されているか否かが判定され、左停止フラグが設定されていない場合には、左回胴Lの回転が停止される。次に、中停止フラグが設定されているか否かが判定され、中停止フラグが設定されていない場合には、中回胴Mの回転が停止される。その後に、右停止フラグが設定されているか否かが判定されて、右停止フラグが設定されていない場合には、右回胴Rの回転が停止される。
回転制御処理S609の後に、図35に示されたように、入賞確認処理S610が実行される。入賞確認処理S610において、まず、有効ラインごとの図柄パターンが入賞図柄パターンであるか否かが判定され、当選フラグの成立している役が入賞しているか否かと、当選フラグの成立している役以外が入賞していないこととが検査される。本形態では、ベット数が1であれば中段ラインの図柄パターンが検査され、ベット数が2であれば中段ライン、上段ライン及び下段ラインの各々の図柄パターンが検査され、ベット数が3であれば、5つの組合せラインの全ての図柄パターンが検査される。当選役以外の役が1つでも入賞している場合には、入賞エラーの発生を報知させるためのエラー処理が実行される。一方、当選役のみが入賞している場合には、入賞した全ての当選役に対応する入賞フラグ(例えば、ビッグボーナス入賞フラグ、レギュラーボーナス入賞フラグ、チェリー入賞フラグ、ベル入賞フラグ、スイカ入賞フラグ、再遊技入賞フラグ)が設定される。また、入賞した各当選役に対応する獲得遊技球数が最大獲得遊技球数を超えない範囲内において加算されることによって、最終的に獲得遊技球数が決定される。更に、入賞確認処理S610においては、入賞役の種類の情報を含む入賞役コマンド、入賞ラインの種類の情報を含む入賞ラインコマンド及び入賞エラーの情報を含む入賞役エラーコマンドがリングバッファに格納される。
入賞確認処理S610の後に、獲得遊技球数の情報を含む払出コマンドが設定される(「獲得球払出処理」S611)。獲得遊技球払出処理S611の後に、図35に示されたように、再遊技処理S612が行われる。再遊技処理S612では、入賞確認処理S610において再遊技が入賞していると判定されている場合に、内部状態を再遊技に設定する等の各種の処理が行われる。また、次回の遊技が再遊技であることを表す再遊技コマンド(内部状態コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
再遊技処理S612の後に、役物作動中処理S613が行われる。役物作動中処理S613では、ビッグボーナス及びレギュラーボーナス等の役物作動中の処理が行われる。ここで、役物作動中処理S613について詳細に説明する。図38は、役物作動中処理の一例を表すフローチャートである。
役物作動中処理S613では、内部状態がビッグボーナスであるか否かが判定される(S1301)。内部状態がビッグボーナスである場合には、更に、内部状態がJACゲームであるか小役ゲームであるかが判定される(S1302)。JACゲームでない場合には、JACゲームへの移行契機となるJACIN図柄パターン(本形態では再遊技図柄の3つ揃いで兼用)が有効ライン上に表示されたか否かが判定される(S1303)。JACIN図柄パターンが有効ライン上に表示されている場合には、JACゲームに関する初期化が行われる(「JAC開始処理」S1304)。JAC初期化処理S1304では、内部状態がビッグボーナス中のJACゲームに設定され、JAC数及びJAC成立数がそれぞれ所定の値に設定される。一方、有効ライン上にJACIN図柄パターンが表示されていない場合には、JAC初期化処理S1304がスキップされる。
判定処理S1302において内部状態がJACゲームであると判定されている場合には、JACゲーム数を1だけ減少させる(「JAC数更新処理」S1305)。JAC数更新処理S1305の後に、JAC図柄パターン(本形態では再遊技図柄の3つ揃いで兼用)が有効ライン上に表示されているか否かが判定される(S1306)。JAC図柄パターンが有効ライン上に表示されている場合には、JAC成立数を1だけ減少させる(「JAC成立数更新処理」S1307)。一方、JAC図柄パターンが有効ライン上に表示されていない場合には、JAC成立数更新処理S1307をスキップする。その後、JAC数又はJAC成立数が0であるか否かが判定される(S1308,S1309)。JAC数又はJAC成立数が0である場合には、内部状態が小役ゲームに変更される(「JAC終了処理」S1310)。一方、JAC数及びJAC成立数が0でない場合には、JAC終了処理S1310をスキップする。
上記の処理S1302〜S1310の所定の過程を経た後に、入賞確認処理S610で算出された獲得遊技球数が獲得総数に加算され、獲得総数が更新される(「獲得総数更新処理」S1311)。なお、獲得総数は、ビッグボーナスの開始時に下述する役物作動判定処理S614において初期化されている。獲得総数更新処理S1311の後に、獲得総数が獲得規定数以上であるか否かが判定される(S1312)。獲得総数が獲得規定数以上である場合には、ビッグボーナスの終了処理が行われる(「BB終了処理」S1313)。一方、獲得総数が獲得規定数未満である場合には、BB終了処理S1313がスキップされる。上記の処理過程を経て役物作動中処理S613が終了する。
判定処理S1301において内部状態がビッグボーナスでないと判定された場合には、内部状態がレギュラーボーナスであるか否かが判定される(S1314)。内部状態がレギュラーボーナスでない場合には、本処理が終了する。一方、内部状態がレギュラーボーナスである場合には、JACゲーム数を1だけ減少させる(「JAC数更新処理」S1315)。JAC数は、レギュラーボーナスの開始時に下述する役物作動判定処理S614において所定数に初期化されている。なお、レギュラーボーナスにおけるJAC数は、ビッグボーナスにおけるJAC数と異なっていてもよい。JAC数更新処理S1315の後に、JAC図柄パターン(本形態では再遊技図柄の3つ揃いで兼用)が有効ライン上に表示されているか否かが判定される(S1316)。JAC図柄パターンが有効ライン上に表示されている場合には、JAC成立数を1だけ減少させる(「JAC成立数更新処理」S1317)。JAC成立数は、レギュラーボーナスの開始時に下述する役物作動判定処理S614(図35参照)において所定数に初期化されている。なお、レギュラーボーナスにおけるJAC成立数は、ビッグボーナスにおけるJAC成立数と異なっていてもよい。一方、JAC図柄パターンが有効ライン上に表示されていない場合には、JAC成立数更新処理S1317をスキップする。その後、JAC数又はJAC成立数が0であるか否かが判定される(S1318,S1319)。JAC数又はJAC成立数が0である場合には、内部状態が小役ゲームに変更される(「JAC終了処理」S1320)。一方、JAC数及びJAC成立数が0でない場合には、JAC終了処理S1320をスキップする。上記の処理過程を経て役物作動中処理S613が終了する。
役物作動中処理S613の後に、図39に示されたように、役物作動判定処理S614が行われる。役物作動判定処理S614では、ビッグボーナス(BB)に当選したことを表すビッグボーナスの当選フラグが設定されているか否かが判定される(S1401)。ビッグボーナスの当選フラグが設定されている場合、ビッグボーナスが入賞したことを表すビッグボーナスの入賞フラグが設定されているか否かが判定される(S1402)。ビッグボーナスの入賞フラグが設定されている場合には、ビッグボーナスを開始するための処理を実行する(「BB開始処理」S1403)。一方、ビッグボーナスの入賞フラグが設定されていない場合には、BB開始処理S1403をスキップする。
判定処理S1401においてビッグボーナスの当選フラグが設定されていなければ、レギュラーボーナス(RB)に当選したことを表すレギュラーボーナスの当選フラグが設定されているか否かが判定される(S1404)。レギュラーボーナスの当選フラグが設定されている場合、レギュラーボーナスが入賞したことを表すレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されているか否かが判定される(S1405)。ビッグボーナスの入賞フラグが設定されている場合には、レギュラーボーナスを開始するための処理を実行する(「RB開始処理」S1406)。一方、レギュラーボーナスの入賞フラグが設定されていない場合には、RB開始処理S1406をスキップする。上記の処理過程を経て役物作動判定処理S614が終了する。
役物作動判定処理S614の後に、図35に示されたように、遊技進行表示処理S615が実行される。遊技進行表示処理S615では、内部状態がビッグボーナスやレギュラーボーナスである場合には、JACゲームの残りゲーム数や1回のビッグボーナスにおける獲得遊技球の総数等を表示するためのデータが設定される。また、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の終了後に、再遊技の当選確率が通常遊技状態よりも高いリプレイタイム(「RT」)等の特定遊技状態に移行させる場合には、内部状態を特定遊技状態に設定し、特定遊技状態であることを表す特定遊技状態コマンド(内部状態コマンドの一種)をリングバッファに格納する。
払出制御基板37aにより実行される制御処理について説明する。払出制御基板37aの制御処理は、外部電力の供給再開や電源スイッチ38aのオン操作等による復電に伴って起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。なお、割込み処理としては、NMI端子における停電信号の受信に応じて割込みをかける停電割込み処理がある。
まず、停電割込み処理においては、停電信号の受信に応じて、停電状態か否かが判定される。停電状態である場合には、各種の制御信号や制御コマンドの送信を停止する。一方、停電状態でない場合、例えば、ノイズ等によって停電割込み処理が呼び出された場合には、停電発生前の状態から制御を再開する。
次に、メイン処理について説明する。図40は、払出制御基板37aのメイン処理の一例を表すフローチャートである。メイン処理では、まず、払出制御基板37a自体の初期化が行われる(「初期化処理」S1601)。初期化処理S1601の後に、通常状態における制御を行う以下のループ処理に移行する。
初期化処理S1601の後に、主制御基板45aからの払出コマンドを受信しているか否かが判定されて、払出コマンドを受信している場合には、払出数を設定する(「払出数設定処理」S1602)。払出設定処理S1602の後に、下皿満タンスイッチの状態変化が確認され、下皿が満タンである状態に変化した場合には、一方、下皿満タンフラグを設定し、下皿が満タンでない状態に変化した場合には、下皿満タンフラグが解除される(「下皿満タン確認処理」S1603)。下皿満タン確認処理S1603の後に、球切れスイッチの状態変化が確認されて、タンクレール34における貯留球が球切れである状態に変化した場合には、球切れフラグを設定し、一方、球切れでない状態に変化した場合には、球切れフラグが解除される(「球切れ確認処理」S1604)。
球切れ確認処理S1604の後に、下皿満タンフラグ及び球切れフラグが設定されているか否かが判定される(S1605)。下皿満タンフラグ及び球切れフラグのいずれかが設定されている場合には、下皿満タンの状態及び球切れ状態であることを知らせるために、それぞれ、下皿満タンコマンド及び球切れコマンドが設定され、主制御基板45aに送信される(「報知処理」S1606)。なお、これらのコマンドは、主制御基板45aを介して、副制御基板47aに回送され、下皿満タンの状態及び球切れ状態であることが液晶表示装置42等によって報知される。
報知処理S1606の後に、払出が不可能な何らかの状態にあるか否かが判定される(S1607)。払出が可能な状態である場合には、払出数が0であるか否かが判定される(S1608)。払出数が0でない場合には、払出投入フリッカが作動されて遊技球が払い出される(「払出制御処理」S1609)。一方、払出数が0である場合には、払出制御処理がスキップされる。また、判定処理S1607において払出が不可能な場合にも払出制御処理S1609はスキップされる。
払出制御処理S1609の後に、貸球が不可能な何らかの状態にあるか否かが判定される(S16010)。貸球が可能な状態である場合には、貸球の要求があるか否かが判定される(S1611)。貸球の要求がある場合には、払出投入フリッカが作動されて遊技球が貸し出される(「貸球制御処理」S1612)。一方、貸球の要求がない場合には、貸球制御処理S1609がスキップされる。また、判定処理S1607において払出が不可能な場合にも払出制御処理S1609はスキップされる。通常時においては、払出数設定処理S1602〜貸球制御処理S1602が繰り返し実行される。
副制御基板47aにより実行される制御処理について説明する。副制御基板47aの制御処理は、外部電力の停電からの復帰や電源のオン等による電源復帰に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。MPUにおける割込み処理としては、定期的なタイマ割込み処理と、定期的なコマンド割込み処理とがある。
タイマ割込み処理について説明する。図41は、副制御基板47aにおけるタイマ割込み処理の一例を表すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、概ね1msの周期で実行される。タイマ割込み処理では、まず、割込みフラグが読み込まれる(「割込みフラグ読み込み処理」S2001)。割込みフラグ読み込み処理S2001の後に、割込みフラグが有効であるか否かが判定される(S2002)。具体的には、CPUに対する各種の割込みのうちのタイマ割込みであることを確認する。割込みフラグが有効である場合には、割込みタイマカウンタのインクリメントが行われて割込みタイマカウンタが更新される(「割込みタイマカウンタ更新処理」S2003)。割込みタイマカウンタ更新処理S2003の後に、タイマ割込みに関する割込みフラグが解除される(「割込みフラグ解除処理」S2004)。これによって、CPUに対する次回のタイマ割込み処理が実行できるようになる。判定処理S2002において割込みフラグが有効でないと判定された場合は、他の割込み処理であるために、割込みタイマカウンタ更新処理S2003及び割込みフラグ解除処理S2004がスキップされる。
コマンド割込み処理について詳細に説明する。図42は、副制御基板47aにおけるコマンド割込み処理を表すフローチャートである。コマンド割込み処理は、主制御基板45aからのコマンドの送信に応じて実行される。主制御基板45aにおけるコマンド送信は概ね1.49msの周期で行われるために、本処理は、概ね1.49msの周期で実行される。
コマンド割込み処理では、まず、主制御基板45aからのストローブ信号が正常であるか否かが判定される(S2101)。ストローブ信号が正常であれば、コマンドデータを取得する(「コマンドデータ取得処理」S2102)。コマンドデータ取得処理S2102の後に、その内容が正常であるか否かが判定される(S2103)。コマンドデータが正常である場合には、コマンドを受信し(「コマンド受信処理」S2104)、コマンド受信処理S2104の後に、リトライカウンタ値が所定のリトライ最大値に変更される(「リトライカウンタ値最大化処理」S2105)。
判定処理S2101においてストローブ信号が正常でないと判定された場合には、リトライカウンタ値が所定のリトライ最大数に変更される(S2106)。また、判定処理S2103においてコマンドデータが正常でないと判定された場合には、リトライカウンタ値が変更される(「リトライカウンタ更新処理」S2107)。この変更においては、リトライカウンタ値が1だけ増加する。リトライカウンタ値を変更する処理(S2105,S2106,S2107)の後に、リトライカウンタ値が最大値であるか否かが判定される(S2108)。リトライカウンタ値が最大値である場合には、割込みフラグを読み込む(「割込みフラグ読込処理」S2109)。割込みフラグ読込処理S2109の後に、リトライカウンタの値が初期値(「0」)にクリアされる(「リトライカウンタクリア処理」S2110)。リトライカウンタクリア処理S2110の後に、割込みフラグが解除される(「割込みフラグ解除処理」S2111)。割込みフラグの解除によって、次回のコマンド割込み処理が実行できるようになる。
リトライカウンタ値が最大値でない場合、つまり、ストローブ信号は正常であるがコマンドデータが正常でない場合には、割込みフラグ読込処理S2109、リトライカウンタクリア処理S2110及び割込みフラグ解除処理S2111がスキップされる。なお、所定のタイミングでのコマンドデータの取得は、リトライカウンタ値が所定のリトライ最大値に到達するまで繰り返される。
副制御基板47aで実行されるメイン処理について詳細に説明する。図43は、副制御基板のメイン処理の一例を表すフローチャートである。
メイン処理では、まず、電源制御基板38’からの内部電力の供給に応じて、副制御基板47a自身の初期化及び副制御基板47aに接続された液晶表示装置42等の周辺装置の初期化が行われる(「初期化処理」S2201)。初期化処理S2201の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S2202)。ここで、システム状態は、供給電圧が所定の電圧以下であることを表す電圧低下状態と、副制御基板47a及び副制御基板47aに接続された周辺装置が初期化中であることを表す初期化状態と、供給電圧が所定の電圧であって通常遊技を行えることを表す通常状態とを含意する。なお、初期化状態は、初期化処理S2201中に選択される。
判定処理S2202においてシステム状態が電圧低下状態であると判定された場合には、後述する停電処理S2211が実行される。一方、システム状態が電圧低下状態でない場合には、割込みタイマカウンタの値に変更があるか否かが判定される(S2203)。割込みタイマカウンタの値に変更がある場合には、割込みタイマカウンタが更新される(「割込みタイマカウンタ更新処理」S2204)。割込みタイマカウンタ更新処理S2204において、割込みタイマカウンタの値は1だけ減少する。割込みタイマカウンタ更新処理S2204の後に、後述する短周期タイマ処理S2205が行われる。短周期タイマ処理S2205の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S2206)。システム状態が電圧低下状態でない場合には、主制御基板45aからの何らかのコマンドが受信されているか否かが判定される(S2207)。コマンドが受信されている場合には、後述する受信コマンド確認処理S2208が行われる。一方、コマンドが受信されていない場合には、受信コマンド確認処理S2208がスキップされる。受信コマンド確認処理S2208の後に、演出の詳細を決定する乱数のベース値が更新される(「乱数ベース値更新処理」S2209)。乱数ベース値更新処理S2209の後は、判定処理S2202に移行する。システム状態が電圧低下状態でない場合には、上記の各処理(S2202〜S2209)が順次に繰り返し実行される。
判定処理S2202及び判定処理S2206においてシステム状態が電圧低下状態でないと判定された場合には、レジスタデータやスタックデータが外部RAMに保存される(「バックアップ処理」S2210)。バックアップ処理S2210の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S2211)。システム状態が電圧低下状態である場合には、判定処理S2211が繰り返し実行される。一方、電圧低下状態でない場合には、電圧低下状態の解消がノイズ等による誤作動でないことを確認するために所定の時間(本形態においては30ms)待機する(「ウェイト処理」S2212)。ウェイト処理S2212の後に、再度、システム状態が電圧低下状態であるか否かを再度判定する(S2213)。システム状態が電圧低下状態である場合には、判定処理S2211に戻る。一方、システム状態が電圧低下状態でない場合には、内部電力の供給が正常に再開したと判断して、メイン処理を起動するための処理を行う(「起動処理」S2214)。起動処理S2214の後に、初期化処理S2201に戻り、メイン処理が再開される。
副制御基板47aのメイン処理における短周期タイマ処理S2205について詳細に説明する。図44は、短周期タイマ処理S2205の一例を表すフローチャートである。図45は、短周期タイマ処理S2205中において実行される長周期タイマ処理S2306の一例を表すフローチャートである。
タイマ割込み処理が実質的に1msごとに実行されることによって、短周期タイマ処理S2205も実質的に1msごとに実行される。短周期タイマ処理2205では、図44に示されたように、まず、起動時コマンド確認処理S2301が実行される。起動時コマンド確認処理S2301では、起動処理S2216の実行後の2秒以内に主制御基板45aから何らかのコマンドを受信しているか否かが確認される。主制御基板45aから何らのコマンドも受信していない場合には、主制御基板45aの起動が正常に行われなかったと判断してエラー発生を報知する処理が行われる。一方、主制御基板45aから何らかのコマンドを受信している場合には、本処理を終了し、デバイス制御処理S2302に移行する。
デバイス制御処理S2302では、下述する受信コマンド確認処理S2209(図43)において受信が確認された各種のコマンドに応じて、液晶表示装置42、スピーカ106,204、発光装置41g、41h、132、134L1等の駆動制御が行われる。具体的には、それらを制御するための信号が送信される。
システム状態変更処理S2303では、システム状態に変化があるか否かが判定され、判定結果に応じて、電圧低下状態を表す電圧低下フラグ及び初期化状態を表す初期化中フラグが設定又は解除される。システム状態に変化があればその変化に応じた処理が実行される。なお、電圧低下フラグ及び初期化中フラグが解除されている場合には、システム状態は通常状態であるとみなされ、本処理は終了する。システム状態変更処理S2303の後に、電圧監視処理S2304が実行される。
電圧監視処理S2304では、電源基板109から供給される内部電力の電圧が所定の電圧以下であるか否かが判定され、内部電圧が所定の電圧以下の場合には、電圧低下フラグが解除されていれば電圧低下フラグが設定され、一方、内部電圧が所定の電圧以下でない場合には、電圧低下フラグが設定されていれば電圧低下フラグが解除される。電圧低下チェック処理S2304の後に、下述する長周期タイマ処理S2305が実行される。
長周期タイマ処理S2305の後に、液晶表示装置42、スピーカ106,204、発光装置41g,41h,132,134L1等を制御するためのデータが更新される(「報知データ変更処理」S2307)。
ここで、長周期タイマ処理S2306について説明する。図45は、長周期タイマ処理S2306の一例を表すフローチャートである。
長周期タイマ処理S2306では、長周期タイマカウンタの値に短周期タイマカウンタの値が加算され、長周期タイマカウンタが更新される(「長周期タイマカウンタ加算処理」S2401)。長周期タイマカウンタ更新処理S2401の後に、長周期タイマカウンタの値が10以上であるか否かが判定される(S2402)。判定処理S2402によって、概ね短周期タイマカウンタの10回の更新ごとに、以下の処理が実行されることになる。短周期タイマカウンタの更新が概ね1msごとに行われるために、以下の処理は、概ね10msごとに実行されることになる。
判定処理2402において長周期タイマカウンタの値が10未満であると判定された場合には、本処理は終了する。一方、長周期タイマカウンタの値が10以上である場合には、長周期タイマカウンタの値が10だけ減少され、長周期タイマカウンタの値が更新される(「長周期タイマカウンタ減算処理」S2403)。長周期タイマカウンタ減算処理S2403の後に、副制御基板47aのROMに保持されている各種の発光装置(発光装置117等)に対する複数の発光パターンを含む発光データテーブルから所望の発光パターンのデータを取り出し、出力用のデータバッファに格納する(「発光データ更新処理」S2404)。なお、格納されたデータは短周期タイマ処理S2206におけるデバイス制御処理2303によって出力される。
発光パターンデータ更新処理S2404の後に、発光演出と音響演出とを同期させるための処理が実行される(「発光・音響同期処理」S2405)。発光・音声同期処理S2405の後に、音声演出が行われている状況下において、遊技者によって何らかの入力が行われることなく所定の時間(本形態では30秒)以上にわたって放置されている場合には、音声演出の音量が小音量に変更される(「音響フェードアウト処理」S2406)。また、遊技者によって何らかの入力が行われることなく、所定の時間(本形態では50秒)以上経過しているかを確認して、デモストレーションフラグを設定する(「デモストレーション開始確認処理」S2407)。なお、デモストレーションフラグの設定によって、補助表示装置118において所定のデモストレーション演出が開始される。デモストレーション処理S2407の後に、音量変更操作装置(図示せず)における音量調節スイッチ(図示せず)の音量設定が確認され、音響装置110に対するエラー報知時や演出時の音量が更新される(「音量設定処理」S2408)。上記の処理過程(S2401〜S2408)を経て、長周期タイマ処理S2306が終了する。
〔本発明に関連する主たる構成〕
本発明の球式回胴遊技機10の主たる特徴部分の構成について図46及び図47を参照しながら説明する。図46は、遊技球(遊技媒体の一種)のベットに関連する構成を機能的な観点から表したブロック図である。図47は、遊技球のベットに関連する制御の一例を表わすタイミングチャートである。
球式回胴遊技機10は、1ベットボタン114及びマックスベットボタン304で実現されるベット操作手段71と、遊技球投入部410a、遊技球投入部410b及び遊技球投入部410cによってそれぞれ実現される第1投入系統の投入手段(以下、「第1投入手段」と略記する)72a、第2投入系統の投入手段(以下、「第2投入手段」と略記する)72b及び第3投入系統の投入手段(以下、「第3投入手段」と略記する)72cと、始動レバー124によって実現される遊技開始操作手段73と、通過センサ415a1によって実現される第1投入系統の上流通過検出手段(以下、「第1上流通過検出手段」と略記する)74a及び通過センサ415a2によって実現される第1投入系統の下流通過検出手段(以下、「第1下流通過検出手段」と略記する)75aから構成される第1投入系統の一対の通過検出手段と、通過センサ415b1によって実現される第2投入系統の上流通過検出手段74b(以下、「第2上流通過検出手段」と略記する)及び通過センサ415b2によって実現される第2投入系統の下流通過検出手段(以下、「第2下流通過検出手段」と略記する)75bから構成される第2投入系統の一対の通過検出手段と、通過センサ415c1によって実現される第3投入系統の上流通過検出手段(以下、「第3上流通過検出手段」と略記する)74c及び通過センサ415c2によって実現される第3投入系統の下流通過検出手段(以下、「第3下流通過検出手段」と略記する)75cから構成される第3投入系統の一対の通過検出手段と、カウントセンサ416aによって実現される第1投入系統の補助通過検出手段(以下、「第1補助通過検出手段」と略記する)76aと、カウントセンサ416bによって実現される第2投入系統の補助通過検出手段(以下、「第2補助通過検出手段」と略記する)76bと、通過センサ416cによって実現される第3投入系統の補助通過検出手段(以下、「第3補助通過検出手段」と略記する)76cとを含んでいる。ベット操作手段71は、操作に応じて、1ベットボタン114に対応する1ベット信号(ベット操作情報の一種)又はマックスベットボタン304に対応する最大ベット信号(ベット操作情報の一種)を生成する。遊技開始操作手段73は、その操作に応じて、変動開始信号を生成する。
また、球式回胴遊技機10は、1ベット信号に対応付けられた所定の投入数(本形態では5球)及び最大ベット信号に対応付けられた所定の投入数(本形態では15球)を保持する投入数保持手段80と、第1投入系統〜第3投入系統に共通な振分制御手段81と、第1投入手段72aを駆動する第1投入系統の第1投入制御手段(以下、「第1投入制御手段」と略記する)82aと、第2投入手段72bを駆動する第2投入系統の第2投入系統の投入制御手段82b(以下、「第2投入制御手段」と略記する)と、第3投入手段72cを駆動する第3投入系統の投入制御手段82c(以下、「第3投入制御手段」と略記する)と、第1投入系統に対する第1投入期間を制御する第1投入系統の投入期間制御手段83a(以下、「第1投入期間制御手段」と略記する)と、第2投入系統に対する第2投入期間を制御する第2投入系統の投入期間制御手段83b(以下、「第2投入期間制御手段」と略記する)と、第3投入系統に対する第3投入期間を制御する第3投入系統の投入期間制御手段(以下、「第3投入期間制御手段」と略記する)83cとを含んでいる。振分制御手段81は、1ベット信号に応じて5球の遊技球を、一方、最大ベット信号の受信の検知に応じて15球の遊技球を、第1投入系統、第2投入系統及び第3投入系統に振り分ける。以下において、第1投入系統、第2投入系統及び第3投入系統に割り当てられた遊技球の個数を、それぞれ、第1振分数、第2振分数及び第3振分数と称する。第1投入期間制御手段83aは、ベット操作信号に応じて第1投入期間を開始し、第1投入系統の最終遊技球(最終遊技媒体)に対する第1上流通過検出信号の受信の検知に応じて第1投入期間を終了する。同様に、第2投入期間制御手段83bは、ベット操作信号に応じて第2投入期間を開始し、第2投入系統の最終遊技媒体に対する第2上流通過検出信号の受信の検知に応じて第2投入期間を終了し、第3投入期間制御手段83cは、ベット操作信号に応じて第3投入期間を開始し、第3投入系統の最終遊技媒体に対する第3上流通過検出信号の受信の検知に応じて第3投入期間を終了する。
また、球式回胴遊技機10は、第1投入系統〜第3投入系統に対して共通である所定の検出順序を保持する第1投入系統〜第3投入系統に共通の通過順序情報保持手段84と、第1投入系統〜第3投入系統に所定の通過時間を保持する第1投入系統〜第3投入系統に共通の通過時間保持手段85と、第1投入系統の通過時間計測手段(以下、「第1通過時間計測手段」と略記する)86aと、第2投入系統の通過時間計測手段(以下、「第2通過時間計測手段」と略記する)86aと、第3投入系統の通過時間計測手段(以下、「第3通過時間計測手段」と略記する)86aと、第1投入系統の通過許可期間制御手段(以下、「第1通過許可期間制御手段」と略記する)87aと、第2投入系統の通過許可期間制御手段(以下、「第2通過許可期間制御手段」と略記する)87bと、第3投入系統の通過許可期間制御手段(以下、「第3通過許可期間制御手段」と略記する)87cと、第1投入系統の通過判定手段(以下、「第1通過判定手段」と略記する)88aと、第2投入系統の通過判定手段(以下、「第2通過判定手段」と略記する)88bと、第3投入系統の通過判定手段(以下、「第3通過判定手段」と略記する)88cと、第1通過判定手段88a、第2通過判定手段88b及び第3通過判定手段88cの各々における正常な通過の検知に応じて通過数を1つだけ増加させることによって補助通過数を更新する第1投入系統〜第3投入系統に共通の通過数計測手段89とを含んでいる。
第1通過時間計測手段86a、第2通過時間計測手段86b及び第3通過時間計測手段86cは、それぞれ、第1上流通過検出手段74a及び第1下流通過検出手段75aを通過する通過時間、第2上流通過検出手段74b及び第2下流通過検出手段75bを通過する通過時間及び第3上流通過検出手段74c及び第3下流通過検出手段75cを通過する通過時間を計測する。
第1通過許可期間制御手段87aは、第1投入期間内における第1通過判定手段88aによる第1上流通過検出信号の受信の検知と所定の通過時間と第1通過時間とに基づいて第1通過許可期間を制御する。同様に、第2通過許可期間制御手段87bは、第2投入期間内における第2通過判定手段88bによる第2上流通過検出信号の受信の検知と所定の通過時間と第2通過時間とに基づいて第2通過許可期間を制御し、第3通過許可期間制御手段87cは、第3投入期間内における第3通過判定手段88cによる第3上流通過検出信号の受信の検知と所定の通過時間と第3通過時間とに基づいて第3通過許可期間を制御する。
第1通過判定手段88aは、第1上流通過検出信号及び第2下流通過検出信号の受信を概ね定期的に監視しており、第1投入系統に振り分けられた遊技球の各々に対して、第1上流通過検出信号及び第1下流通過検出信号の受信の順序(検出順序)が所定の順序(所定の検出順序)と同一である第1通過許可期間内の通過を正常な通過と判定する。同様に、第2通過判定手段88bは、第2上流通過検出信号及び第2下流通過検出信号の受信を概ね定期的に監視しており、第2投入系統に振り分けられた遊技球の各々に対して、第2上流通過検出信号及び第2下流通過検出信号の受信の順序が所定の順序と同一である第2通過許可期間内の通過を正常な通過と判定し、第3通過判定手段88cは、第3上流通過検出信号及び第3下流通過検出信号の受信を概ね定期的に監視しており、第3投入系統に振り分けられた遊技球の各々に対して、第3上流通過検出信号及び第3下流通過検出信号の受信の順序が所定の順序と同一である第3通過許可期間内の通過を正常な通過と判定する。
また、球式回胴遊技機10は、所定の補助通過時間を保持する第1投入系統〜第3投入系統に共通の補助通過時間保持手段91と、第1投入系統の補助通過時間計測手段(以下、「第1補助通過時間計測手段」と略記する)93aと、第2投入系統の補助通過時間計測手段(以下、「第2補助通過時間計測手段」と略記する)93bと、第3投入系統の補助通過時間計測手段(以下、「第3補助通過時間計測手段」と略記する)93cと、第1投入系統の補助通過許可期間制御手段(以下、「第1補助通過許可期間制御手段」と略記する)94aと、第2投入系統の補助通過許可期間制御手段(以下、「第2補助通過許可期間制御手段」と略記する)94bと、第3投入系統の補助通過許可期間制御手段(以下、「第3補助通過許可期間制御手段」と略記する)94cと、第1投入系統の補助通過判定手段(以下、「第1補助通過判定手段」と略記する)95aと、第2投入系統の補助通過判定手段(以下、「第2補助通過判定手段」と略記する)95bと、第3投入系統の補助通過判定手段(以下、「第3補助通過判定手段」と略記する)95cと、第1補助通過判定手段95a、第2補助通過判定手段95b及び第3補助通過判定手段95cの各々による正常な通過の検知に応じて補助通過数を1つだけ増加させることによって補助通過数を更新する第1投入系統〜第3投入系統に共通の補助通過数計測手段96と、変動開始信号の受信の検知に応じて通過数と補助通過数とを比較して、正常なベットであるか異常なベットであるかを判定する第1投入系統〜第3投入系統に共通のベット判定手段97と、第1投入系統の補助通過容認期間制御手段(以下、「第1補助通過容認期間制御手段」と略記する)98a、第2投入系統の補助通過容認期間制御手段(以下、「第2補助通過容認期間制御手段」と略記する)98b及び第3投入系統の補助通過容認期間制御手段(以下、「第3補助通過容認期間制御手段」と略記する)98cとを含んでいる。
第1補助通過時間計測手段93a、第2補助通過時間計測手段93b、第3補助通過時間計測手段93cは、それぞれ、第1下流通過検出信号、第2下流通過検出信号及び第3下流通過検出信号の受信終了の検知からの時間(補助通過時間)を測定する。
第1補助通過許可期間制御手段94a、第2補助通過許可期間制御手段94b、第3補助通過許可期間制御手段94cは、それぞれ、第1下流通過検出信号、第2下流通過検出信号及び第3下流通過検出信号の受信終了の検知と所定の通過時間と第1補助通過時間とに基づいて補助通過許可期間を制御する。
第1補助通過判定手段95aは、第1振分数の遊技媒体の各々に対して第1補助通過時間が所定の補助通過時間未満である場合に正常な通過と判定する。同様に、第2補助通過判定手段95bは、第2振分数の遊技媒体の各々に対して第2補助通過時間が所定の補助通過時間未満である場合に正常な通過と判定し、第3補助通過判定手段95cは、第3振分数の遊技媒体の各々に対して第3補助通過時間が所定の補助通過時間未満である場合に正常な通過と判定する。
ベット判定手段97は、通過数が15球(所定の投入数)であり、補助通過数が通過数以上であり、かつ、補助通過数が16球(補助通過許容数)以下である場合に正常なベットと判定し、それ以外の場合に以上なベットと判定する。具体的には、ベット判定手段97は、補助通過許容差分数を保持する補助通過許容差分数保持手段(図示せず)と、補助通過許容差分数と投入数保持手段に保持された所定の投入数とを加算して補助通過許容数を算出する補助通過許容数算出手段と、通過数と所定の投入数を比較し、かつ補助通過数と補助通過許容数とを比較して、正常なベットか異常なベットかを判定する比較手段とを含む構成である。
第1補助通過容認期間制御手段98aは、ベット操作信号の受信の検知に応じて実質的に開始されて第1補助通過時間の所定の補助通過時間への到達に応じて終了する第1補助通過容認期間を制御する。同様に、第1補助通過容認期間制御手段98bは、ベット操作信号の受信の検知に応じて実質的に開始されて第2補助通過時間の所定の補助通過時間への到達に応じて終了する第2補助通過容認期間を制御し、第3補助通過容認期間制御手段98cは、ベット操作信号の受信の検知に応じて実質的に開始されて第3補助通過時間の所定の補助通過時間への到達に応じて終了する第3補助通過容認期間を制御する。
また、球式回胴遊技機10は、エラー信号を生成し、エラー制御を行うエラー制御手段99と、スピーカ(音響装置)(106,204)、LED(発光装置)(41g、41h、132、134L1)及び液晶表示装置(補助表示装置)42によって実現される報知手段77、エラー情報に応じて報知手段を制御するエラー報知制御手段78とを含んでいる。エラー制御手段99は、第1補助通過容認期間の期間内における第1通過判定手段88aによる異常な通過の検知、第1補助通過容認期間の期間外における第1上流通過検出信号、第1下流通過検出信号及び第1補助通過検出信号のいずれかの検知に応じてエラー制御を行う。なお、第1通過許可期間と第1補助通過許可期間とは異なる時間に終了するが、第1補助通過許可時間と同一の時間に終了する補助通過許容期間を参照して、第1上流通過検出信号、第1下流通過検出信号及び第1補助通過検出信号のいずれかの検知に応じてエラー制御を行う。同様に、エラー制御手段99は、第2補助通過容認期間の期間内における第2通過判定手段88bによる異常な通過の検知、第2補助通過容認期間の期間外における第2上流通過検出信号、第2下流通過検出信号及び第2補助通過検出信号のいずれかの検知に応じてエラー制御を行い、また、第3補助通過容認期間の期間内における第3通過判定手段88cによる異常な通過の検知、第3補助通過容認期間の期間外における第3上流通過検出信号、第3下流通過検出信号及び第3補助通過検出信号のいずれかの検知に応じてエラー制御を行う。更に、ベット判定手段97による異常なベットの検出に応じてエラー制御を行う。
ここで、遊技球をベットする際の遊技球の投入制御について概ね時系列に沿って説明する。なお、マックスベットボタン304が操作された場合も1ベットボタン114が操作された場合も投入数が異なる以外は概ね投入動作及び投入制御が同一であるために、以下において、マックスベットボタン304が操作された場合についてのみ説明する。また、第1投入系統、第2投入系統及び第3投入系統における遊技球の投入動作及び投入時の制御は、概ね同一であるために、第2投入系統及び第3投入系統についての詳細な説明を一部省略する。
ベット操作手段71からの最大ベット信号に応じて、振分制御手段81が、第1投入手段72aに対する第1振分数、第2投入手段72bに対する第2振分数及び第3投入手段72cに対する第3振分数にそれぞれ5個(振分数)の遊技球を割り当てる。なお、振分数は、所定の一定数である。遊技球の振分数が決定した後に、第1投入制御手段82aが第1投入手段72aを作動させる。同様に、第2投入制御手段82b及び第3投入制御手段82cが、それぞれ、第2投入手段72b及び第3投入手段72cを作動させる。第1投入手段72aの駆動に応じて、第1投入期間制御手段83aが第1投入期間を開始し、第1補助通過容認期間制御手段93aが第1通過容認期間を開始する。同様に、第2投入期間、第3投入期間、第2通過容認期間及び第3通過容認期間が開始される。
第1通過判定手段88aは、概ね定期的に第1上流通過検出信号及び第1下流通過検出信号の受信を確認しており、第1上流通過検出信号及び第1下流通過検出信号の受信順序(検出順序)が正しいか否かを通過順序保持手段84における所定の通過順序を参照して判定する。第1遊技球に対する第1上流通過検出信号の受信の検知に応じて、第1通過判定手段88aは、第1の順序を満たすことを確認して、第1遊技球の通過が始まったことを検知する。第1の順序を満たすことの検知に応じて、第1通過許可期間制御手段87aが、第1通過許可期間を開始させ、かつ第1通過時間計測手段86aにおける通過時間の測定を開始させる。第1通過許可期間制御手段87aは、通過時間が通過時間保持手段85に保持された所定の通過時間(本形態では、200ms)に到達した場合には、第1通過許可期間を中断する。次に、第1遊技球に対する第1上流通過検出信号及び第1下流通過検出信号の双方の受信の検知に応じて、第2の順序を満たすこと及び第1通過許可期間内であることを確認する。同様に、第1遊技球に対する第1下流通過検出信号のみの受信の検知に応じて、第3の順序を満たすこと及び第1通過許可期間内であることを確認する。次に、第1遊技球の第1上流通過検出信号及び第1下流通過検出信号の双方が受信されていないことの検知に応じて、第4の順序を満たすことを確認して通過順序が正しことを検知し、第1通過許可期間内であることを確認して所定の通過時間内の通過完了であることを検知する。これによって、第1通過判定手段88aは、第1遊技球の通過が正常な通過であると判定する。第1遊技球に対する正常な通過の検知に応じて、通過数計測手段89が、通過数を1だけ増加させる。また、第1遊技球に対する正常な通過の検知に応じて、第1補助通過許可期間制御手段94aは、第1補助通過許可期間を開始させ、かつ第1補助通過時間計測手段93aにおける補助通過時間の測定を開始させる。第1補助通過許可期間制御手段93aは、通過時間が補助通過時間保持手段91に保持された所定の補助通過時間(本形態では、370ms)に到達した場合には、第1補助通過許可期間を中断する。
第1遊技球の投入において、第1通過判定手段88aは、第1上流通過検出信号と第1下流通過検出信号の受信順序を監視している。具体的には、第1上流通過検出信号及び第1下流通過検出信号の双方が受信されていない状態から第1上流通過検出信号のみが受信されている第1通過状態に移行する第1の順序を満たし、第1通過状態から第1上流通過検出信号及び第1下流通過検出信号の双方が受信されている第2通過状態に移行する第2の順序を満たし、第2通過状態から第1下流通過検出信号のみが受信されている第3通過状態に移行する第3の順序を満たし、第3通過状態から第1上流通過検出信号及び第1下流通過信号の双方が受信されていない状態に移行する第4の順序を満たす場合以外は、異常な通過と判定する。また、第1通過判定手段88aは、第1上流通過検出信号及び第1下流通過検出信号の受信を監視する際に、第1通過許可期間内であるか否かも確認しており、通過許可期間外であれば、異常な通過と判定する。このような異常な通過の検知に応じて、エラー制御手段99は、エラー処理を行うと共に、副制御基板47aにエラーコマンド(エラー情報)を送信する。副制御基板47aでは、エラーコマンドの受信の検知に応じて、エラー報知制御手段78が、報知手段77にエラーを音響、発光及び画像表示によって報知させる。
通過判定手段88aによる第1遊技球の正常な通過の検知後、補助通過判定手段95aは、補助通過検出手段76aからの補助通過検出信号の受信を監視しており、補助通過検出信号の受信終了の検知に応じて、補助通過期間内であるかを確認する。補助通過期間内であれば、補助通過判定手段95aは、第1遊技球の通過を正常な通過と判定する。補助通過判定手段95aによる通常な通過の検知に応じて、補助通過数計数手段96は、補助通過数を1だけ増加させる。なお、補助通過検出信号の受信終了の検知の際に補助通過許可期間外であれば、異常な通過と判定する。このような異常な通過の検知に応じて、エラー制御手段99は、エラー処理を行うと共に、エラー報知制御手段78を介して報知手段77にエラーを音響、発光及び画像表示によって報知させる。
第2遊技球に対する第1上流通過検出信号の受信の検知に応じて、第1通過判定手段88aは、第1の順序を満たすことを確認して、第2遊技球の通過が始まったことを検知する。第1の順序を満たすことの検知に応じて、第1通過許可期間制御手段87aは、第1通過許可期間を再開して、通過時間計測手段86aにおける通過時間の測定を開始させる。なお、第1遊技球の通過開始から所定の通過時間が経過していない場合(第1通過許可期間中)に第2遊技球に対する第1上流通過検出信号が受信された場合には、通過時間をリセットしてから測定を再開させる。この場合には、第1遊技球に対する通過許可期間と第2遊技球に対する通過許可期間は連続した期間となる。以下、第1遊技球の場合と同様に、第1通過判定手段88aは、検出順序が正しこと及び通過許可期間内であることの検知によって、第2遊技球の通過が正常な通過であるか否かを判定し、第2遊技球の正常な通過の検知に応じて、通過数計測手段89は、通過数を1だけ増加させる。同様にして、第3遊技球及び第4遊技球の通過が正常な通過であるか否かが判定され、正常な通過である場合には、通過数が更新される。
また、通過判定手段88aによる第2遊技球に対する正常な通過の検知に応じて、第1補助通過許可期間制御手段94aは、第1補助通過許可期間を再開して、補助通過時間計測手段93aにおける補助通過時間の測定を開始させる。なお、通過判定手段88aによる第1遊技球の正常な通過の検知から所定の補助通過時間が経過していない場合(第2通過許可期間中)に、第2遊技球に対する正常な通過が通過判定手段88aによって検知された場合には、補助通過時間をリセットしてから測定を再開させる。この場合には、図47に示されたように、第1遊技球に対する補助通過許可期間と第2遊技球に対する補助通過許可期間は連続した期間となる。以下、第1遊技球の場合と同様に、第2遊技球に対する補助通過検出信号の受信終了が補助通過許可期間内であることの検知に応じて、補助通過数を1だけ増加させる。同様にして、第3遊技球及び第4遊技球の通過が正常な通過であるか否かが判定され、正常な通過である場合には、補助通過数が更新される。
最終遊技球(第5遊技球)の第1上流通過検出信号の受信の検知に応じて、第1通過判定手段88aは、第1の順序を満たすことを確認して、最終遊技球の通過が始まったことを検知する。第1の順序を満たすことの検知に応じて、第1通過許可期間制御手段87aが、通過許可期間を再開して、通過時間計測手段86aにおける通過時間の測定を開始させる。第4遊技球の通過開始から所定の通過時間が経過していない場合には、通過時間をリセットしてから測定を再開させる。また、最終遊技球に対する第1の順序が満たされたことの検知に応じて、第1投入期間制御手段83aが第1投入期間を終了させる。更に、最終遊技球に対する第1の順序が満たされたことの検知からの所定の通過時間の経過に応じて、第1通過許可期間が終了する。以下、第1遊技球の場合と同様に、第1通過判定手段88aは、検出順序が正しこと及び通過許可期間内であることの検知によって、最終遊技球の通過が正常な通過であるか否かを判定し、第2遊技球に対する正常な通過の検知に応じて、通過数計測手段89は、通過数を1だけ増加させる。
通過判定手段88aにおける最終遊技球の正常な通過の検知に応じて、第1補助通過許可期間制御手段94aは、第1補助通過許可期間を再開して、補助通過時間計測手段93aにおける補助通過時間の測定を開始させる。第5遊技球に対する補助通過検出信号の受信終了が補助通過許可期間内であることの検知に応じて、補助通過数計測手段96は、補助通過数を1だけ増加させる。また、通過判定手段88aにおける最終遊技球の正常な通過の検知から所定の補助通過時間の経過に応じて、補助通過期間制御手段94aが第1補助通過許可期間を終了させ、補助通過容認期間制御手段93aが第1補助通過容認期間を終了させる。
第1補助通過容認期間外において、通過判定手段88aが第1上流通過検出信号及び第1下流通過検出信号の少なくとも一方の受信を検知した場合、及び、補助通過判定手段95aが補助通過検出信号を検知した場合には、エラー制御手段99は、エラー処理を行うと共に、エラー報知制御手段78を介して報知手段77にエラーを音響、発光及び画像表示によって報知させる。
第2投入系統に対しても上記の第1投入系統の場合と同様に、図47に示されたように、第2補助通過許容期間、第2投入期間、第2通過許可期間及び第2補助通過許可期間とが決定される。また、第3投入系統に対しても上記の第1投入系統の場合と同様に、図47に示されたように、第3補助通過許容期間、第3投入期間、第3通過許可期間及び第3補助通過許可期間とが決定される。
本形態の球式回胴遊技機10であれば、ベット操作に応じた所定数の遊技球を複数の投入系統に振り分けて投入することによって、1つの投入系統のみで投入する場合に比べて、遊技球のベットに要する時間を短縮することができるために、円滑に遊技を継続することができる。
本形態の球式回胴遊技機10であれば、各投入系統において一対の通過検出手段(上流通過検出手段74a及び下流通過検出手段75a等)と共に補助通過検出手段を設けて、全投入系統の一対の通過検出手段によって計数される通過数と全投入系統の補助通過検出手段によって計数される補助通過数との一致を確認することによって、一対の通過検出手段又は複数対の通過検出手段を設けた場合に比べて、不正具を用いて遊技球を仮想的に投入する不正行為を防止できる。また、一対の通過検出手段の通過から補助通過検出手段の通過までの補助通過時間を監視することによって、上記のような不正行為を良好に防止できる。また、本形態の遊技機であれば、一対の通過検出手段(光作用による遊技球の通過検出)と補助通過検出手段(磁気的作用による遊技球の通過検出)とが異なる原理に基づいて遊技球の通過を検出するために、単一の原理の1又は複数の通過検出手段のみを備える場合に比べて、上記のような不正行為を更に良好に防止できる。また、補助通過検出手段が磁気的作用によって遊技球の通過を検出するために、一般的な金属製の遊技球よりも安価な樹脂製等の球体を投入することによって遊技を行う不正行為を防止できる。
本形態の球式回胴遊技機10であれば、遊技球の通過の判定において通過許可期間の情報を用いて処理負荷を低減させることによって、遊技機の動作安定性及び遊技進行の円滑性を向上させている。通過許可期間は、具体的には、所定のフラグの設定及び解除によって制御できるために、通過許可期間内であるか否かの判定が1ビット又は数ビットの情報を参照することによって決定できるが、タイマ等の測定値、又は、その測定値及び所定の補助通過時間の値とを参照する場合には、それらの情報量がフラグのビット数よりも遙かに多いために処理負荷が増える。
本形態の球式回胴遊技機10であれば、エラー制御手段99が、第1補助通過容認期間外において第1上流通過検出信号、第1下流通過検出信号及び第1補助通過検出信号のいずれかを検知した場合に、エラー処理を行うために、更に不正行為を良好に防止できる。なお、他の投入系統についても同様である。また、第1上流通過検出手段74a及び第1下流通過検出手段75aに対して通過が許容される期間(第1通過許容期間)と補助通過検出手段76aに対して通過の許容される期間(第1補助通過許容期間)とをそれらのうち遅く終了する期間によって共通化させることによって、エラーを検知するための処理負担を軽減することができる。なお、他の投入系統についても同様である。
本発明の球式回胴遊技機10では、投入フリッカ413a,413b、413cの閉塞動作が間に合わずに、偶発的に第6遊技球が排出通路406a,406b,406cに進入する場合も考慮している。上記のように、第1上流通過検出手段74a及び下流通過検出手段75aと補助通過検出手段76aとに対する遊技球の通過の許容期間(第1〜第3補助通過容認期間)を共通化した場合には、図47に示されたように、投入フリッカ413aに挟まれる等によって第1通過判定手段88aによってはその通過が計測されず、補助通過判定手段95aによってはその通過が計測されるタイミングで、第6遊技球が第1上流通過検出手段74a、第1下流通過検出手段75a及び第1補助通過検出手段76aを通過する場合が考えられるからである。具体的には、第6遊技球に対する第1下流通過検出信号の受信が第5遊技球に対する第1通過許可期間内に終了せず、第6遊技球に対する第1補助通過検出信号の受信が第5遊技球に対する第1補助通過許可期間内に終了する場合である。このような場合、通過数と補助通過数との一致を、エラーを発生させないための要件とすると、少なくとも所定数の遊技球が正常にベットされているにも関わらず通過数と補助通過数が異なることによってエラーが発生されることとなり、円滑な遊技進行を阻害することになる。なお、他の投入系統についても同様である。
したがって、本発明の球式回胴遊技機10では、第6遊技球が投入されてしまう場合をも考慮して、通過数が所定の投入数である限りにおいて、補助通過数が通過数以上である場合に、エラーとしない構成としている。これによって、不正行為に対する防止効果を低減することなく、円滑な遊技進行の阻害を抑制している。また、本発明の球式回胴遊技機10では、補助通過数が通過数を同数又はそれより1つだけ大きい数である場合にのみ、エラーを発生させない構成とすることによって、更に不正行為に対する防止効果の低減を抑制している。なお、第6遊技球の投入は稀な偶発的な事象であるために、複数の投入系統に振り分けて投入動作を行ったとしても、それらの各投入系統において同時に起こることはほぼ有り得ないために、上記のように補助通過数の許容範囲を厳密に制限したとしても、円滑な遊技進行を阻害することとはならない。
第6遊技球等が投入されてしまう場合を考慮した場合、第6遊技球が通過判定手段で正常な通過として判定され、遊技数が所定の投入数を超える場合も考えられる。しかし、本発明の球式回胴遊技機10では、第6遊技球が投入フリッカ413a,413b、413cの閉塞動作までに通過して、第5遊技球に対する通過許可期間内に上流通過検出手段74a,74b,74c及び下流通過検出手段75a,75b,75cの通過を完了することは、ほぼ有り得ない。したがって、本発明の球式回胴遊技機10では、通過数に対しては所定の投入数との厳密な一致を要求することによって、円滑な遊技進行を阻害することなく、不正行為に対する防止効果を更に向上させている。また、第6遊技球が第5遊技球に対する通過許可期間内に上流通過検出手段及び下流通過検出手段の通過を完了するような場合が発生した場合、投入手段71における投入フリッカの開閉機構の故障や性能劣化、上流通過検出手段74a,74b,74c又は下流通過検出手段75a,75b,75cにおける感度の低下等の故障や性能劣化が発生している可能性が高くなるために、一時的に円滑な遊技進行が阻害されるとしても、可能な限り早く球式回胴遊技機10の設置ホールに球式回胴遊技機10の故障や性能劣化を報知するために、遊技数が所定の投入数を超える場合にはエラーとすることが好ましい。
以下において、球式回胴遊技機10の変化例について説明する。
上記においては、ベット判定手段97は、通過数が所定の投入数と同数であり、補助通過数が通過数以上であり、かつ通過数が所定の投入数より1だけ大きい値である場合に、正常なベットと判定する場合について説明したが、本発明においては、通過数が投入数以上であり、かつ補助通過数が通過数以上である場合に、正常なベットと判定する構成であってもよい。好ましくは、通過数が所定の投入数以上であり、通過数が所定の通過許容数以下であり、補助通過数が通過数以上であり、かつ、補助通過数が所定の補助通過許容数以下である場合に、正常な通過と判定する場合である。この場合、通過許容数が処理上で予め保持される値や算出されるいずれかの値と同値でない場合には、ベット判定手段が、通過許容数を保持する通過許容数保持手段を更に備えた構成や、所定の投入数と通過許容数との差分数が0でない場合その差分数を保持する許容差分数保持手段及び通過数と所定の投入数と差分数に基づいて比較を行うための演算手段とを更に備える構成とする。同様に、補助通過許容数が処理上で予め保持される値や算出されるいずれかの値と同値でない場合には、ベット判定手段が、補助通過許容数を保持する通過許容数保持手段を更に備えた構成や、所定の投入数と通過許容数との差分数を保持する許容差分数保持手段及び通過数と所定の投入数と差分数に基づいて比較を行うための演算手段とを更に備える構成とする。
通過許容数として好ましい値は、所定の投入数より複数の投入系統の系統数(本形態においては「3」)だけ大きい値(本形態では「18」)の場合である。より好ましくは、通過許容数が所定の投入数より1だけ大きい値(本形態では「16」)の場合である。通過許容数が所定の投入数と同一の値の場合(通過数が所定の投入数と同一の場合)である。また、補助通過許容数として好ましい値は、所定の投入数より複数の投入系統の系統数だけ大きい値の場合である。更に好ましくは、補助通過許容数が、所定の投入数より1だけ大きい値の場合である。
上記においては、複数の投入系統に共通な通過数計測手段と、複数の投入系統に共通な補助通過手段とを備え、複数の投入系統を識別せずに通過数及び補助通過数を計測する場合について説明したが、各投入系統を識別して計測した後にそれらを加算することによって通過数及び補助通過数を決定してもよい。例えば、複数の投入系統に1つずつ対応し、振分通過数を計測する複数の振分通過数計測手段と、複数の投入系統ごとの振分通過数を加算して通過数を算出する通過数算出手段と、複数の投入系統に1つずつ対応し、振分補助通過数を計測する複数の振分補助通過数計測手段と、複数の投入系統ごとの振分補助通過数を加算して通過数を算出する補助通過数算出手段とを含む構成が挙げられる。具体的には、第1振分通過数を計測する第1投入系統の振分通過計測手段と、第2振分通過数を計測する第2投入系統の振分通過計測手段と、第3振分通過数を計測する第3投入系統の振分通過計測手段と、第1振分通過数、第2振分通過数及び第3振分通過数を加算して通過数を算出する通過数算出手段と、第1振分補助通過数を計測する第1投入系統の振分補助通過計測手段と、第2振分補助通過数を計測する第2投入系統の振分補助通過計測手段と、第3振分補助通過数を計測する第3投入系統の振分補助通過計測手段と、第1振分通過数、第2振分通過数及び第3振分通過数を加算して通過数を算出する補助通過数算出手段とを含む構成が挙げられる。
また、本発明においては、各投入系統を識別して計測した後にそれらを加算することによって通過数及び補助通過数を決定する場合には、ベット判定手段が、以下のようにして、正常なベットを判定してもよい。複数の投入系統ごとに、振分通過数が振分数以上であり、振分通過数が所定の振分通過許容数以下であり、振分補助通過数が振分通過数以上であり、かつ、振分補助通過数が所定の振分補助通過許容数以下である場合に、正常な通過と判定する。具体的には、例えば、第1振分通過数が第1振分数以上、第1投入系統〜第3投入系統に共通な所定の振分通過許容数以下であること、第2振分通過数が第2振分数以上、所定の振分通過許容数以下であること、第3振分通過数が第3振分数以上、所定の振分通過許容数以下であること、第1振分補助通過数が第1振分通過数以上、第1投入系統〜第3投入系統に共通な所定の振分補助通過許容数以下であること、第2振分通過数が第2振分通過数以上、所定の振分補助通過許容数以下であること、第3振分通過数が所定の第3振分通過数以上、所定の振分補助通過許容数以下であることの全てを満たす場合に、正常なベットを判定する。
上記においては、複数の投入系統によって遊技球の投入を行う場合について説明したが、1つの投入系統のみによって遊技球の投入を行う構成であってもよい。この場合、振分制御手段は必要がなくなり、また、複数の投入系統に対応して備える各種の複数の手段は1つの手段のみでよい。
上記においては、遊技開始操作情報の受信の検知に応じて正常なベットか否かの判定を行う場合について説明したが、その他の外部からの各種の入力情報に応じてその判定を行ってもよいし、内部制御において所定のタイミングでその判定を行ってもよい。
上記においては、過剰に遊技球が投入されたときであっても正常なベットと判定された場合にはエラーとしない構成について説明したが、本発明においては、エラーとしないと共に、過剰に投入された遊技球を実質的に返却する構成であってもよい。この場合、過剰に投入された遊技球を現物球で払い出すことによって返却してもよいし、次回のベットに当てることによって仮想的に返却してもよい。現物遊技球によって返却する場合には、今回の遊技において返却してもよいし、次回の遊技において返却してもよい。
過剰に投入された遊技球を次回のベットに当てる構成としては、具体的には、例えば、前記補助通過数から前記所定の投入数を減じて前記過剰通過数を算出する過剰通過数算出手段と、前記過剰通過数を次回の遊技まで一時的に保持する過剰通過数保持手段とを更に含み、投入制御手段が、過剰通過数保持手段に保持された前回の遊技の過剰通過数を更に参照して、所定の投入数を所定の投入数から差分数を減じた値に更新し、通過数計測手段が通過数を前回の遊技の過剰通過数だけ増加させ、補助通過数計測手段が補助通過数を前回の遊技の過剰通過数だけ増加させる構成が挙げられる。
過剰に投入された遊技球を今回の遊技において現物遊技球によって返却する構成としては、具体的には、例えば、遊技媒体を払い出す払出手段と、過剰通過数を算出する過剰通過数算出手段と、過剰通過数を参照して払出手段を制御する払出制御手段とを含み、払出手段が過剰通過数と同数の遊技媒体を払い出す構成が挙げられる。
過剰に投入された遊技球を次回の遊技において現物遊技球によって返却する構成としては、遊技媒体を払い出す払出手段と、過剰通過数を次回の遊技まで一時的に保持する過剰通過数保持手段を更に含み、払出手段が、過剰数算出手段による過剰通過数の算出前に、過剰通過数保持手段に保持された前回の過剰通過数と同数の遊技媒体を払い出す構成が挙げられる。
また本形態のように遊技球の投入においてフリッカの近傍で遊技球の投入経路が屈曲する場合、更に、遊技球の投入経路がフリッカの後方で垂直となる場合には、遊技球の投入をモータ等で1つずつ送り出すよりも迅速に投入を行えるが、この部分の通過によって遊技球の落下速度等が均一でなくなる場合が発生し易くなる。したがって、フリッカの近傍で遊技球の投入経路が屈曲する場合は、特に本発明の構成を採用することが好ましい。