JP2015157210A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】払出球とフリッカとの干渉等に起因するエラー処理の誤発動を防止して、円滑な遊技進行を確保すると共に、遊技機の稼働率低下を防止することを可能とした遊技機を提供する。【解決手段】エラー監視用第1信号(払出中信号)を出力すると共に複数のカウントスイッチ信号の入力の度毎にエラー監視用第2信号(カウント信号)を出力する複数のエラー監視信号出力手段207と、第1信号及び第2信号の出力制御を行う複数のエラー監視信号出力制御手段206と、第1信号及び第2信号に基づいて払出期間中以外の期間に遊技球の通過が検出さたか否かを判定して所定のエラー制御を行うエラー制御手段とを含み、エラー監視信号出力制御手段207は、払出期間中以外の期間であっても複数のフリッカが閉じられた後所定期間経過するまではエラー制御手段によるエラー発生の認定がされない不監視状態を発現するように第1信号及び第2信号の出力制御を行う。【選択図】 図52

Description

本発明は、遊技媒体として遊技球を使用する遊技機に関する。
近年、回胴式遊技機(スロットマシン)として、パチンコ機等と同様の遊技球を遊技媒体に使用する球式回胴遊技機が開発されている。このような球式回胴遊技機は、パチンコ機を設置するための既存の島設備に設置できる点で従来のメダル式回胴遊技機に比べて有利である。
このような球式回胴遊技機においては、例えば遊技玉5個がメダル式回胴遊技機の遊技媒体であるメダル1枚と同価値とされていることから、入賞の際などに払出される遊技媒体の数量は一般的に多い。したがって、多量の遊技球を素早く且つ正確にカウントしながら払い出す必要があり、そのような払出機構として、遊技球を払出すための球通路をゲート手段を用いて遊技球が通過することを許容又は禁止するように構成したものが知られている。ゲート手段の代表例として、フリッカがある。このようなフリッカを備えた払出機構は、遊技球を払出すための球通路にフリッカを設けると共に、球通路を通過する遊技球をカウントするためのカウントセンサを設け、フリッカにより球通路を遊技球通過許容状態とし遊技球の払出を開始してから前記カウントセンサによる遊技球のカウント数が予定払出個数に達したときに、フリッカにより球通路を遊技球通過禁止状態するように構成されている。
一方、このような払出機構を備えた遊技機においては、ワイヤを払出口から挿入するなどして不正に遊技球を払出させるような不正行為を防止する観点から、フリッカにより球通路が閉鎖された後にカウントセンサが遊技球の通過を検出すると、賞球払出中以外の払い出しとみなされ、所定のエラー処理が実行され、遊技機の稼動が直ちに停止するようになっている。
特開2005−261778号公報
しかしながら、上記構成の遊技機においては、ゲート手段が遊技球通過禁止状態になるときに、フリッカが最後の遊技球に衝突して、最後の遊技球が加速されるので、その直前に球通路を通過した先行遊技球との間隔が短いときなどには、先行遊技球と最後の遊技球が衝突して、最後の遊技球が上に跳ね返り、これに起因してカウントセンサが1つの遊技球を複数の遊技球と誤検出するようなチャタリングが発生するおそれが増大する。このようなチャタリングの発生に起因して、賞球払出中以外の払い出しとみなされて所定のエラー処理が実行され、遊技が中断する事態が生じていた。このような遊技の中断は、遊技者にとっては円滑な遊技の進行の妨げとなり、遊技ホールにとっては遊技機の稼働率低下を招くことになり大きな影響を及ぼすことになるといった問題がある。
そこで、本発明は、払出球とフリッカとの干渉等に起因するエラー処理の誤発動を防止して、円滑な遊技進行を確保するとともに、遊技機の稼働率低下を防止することを可能とした遊技機を提供することを目的としている。
本発明に係る遊技機は、
遊技を統括すると共に入賞に伴った個数の遊技球の払出指示信号を送信する主制御手段と、貸出の制御を行うと共に貸出要求に伴った個数の遊技球の払出指示信号を送信する貸出制御手段と、主制御手段又は貸出制御手段からの遊技球の払出指示信号に基づいた個数の遊技球の払い出しを統括的に制御する払出制御手段とを備えた遊技機であって、
遊技球を貯留する貯留手段と、
貯留手段にそれぞれ連通される複数の払出通路と、
複数の払出通路にそれぞれ設けられ、払出通路に導入された遊技球の通過を検出する複数の遊技球検出手段と、
複数の払出通路にそれぞれ設けられ、遊技球検出手段よりも上方に設けられ払出通路を遊技球が通過することを許容又は禁止する複数のゲート手段と、
複数の開閉部材にそれぞれ設けられ、ゲート手段を駆動する複数のゲート手段用駆動手段とを備え、
前記払出制御手段は、
前記遊技球の払出指示に基づく払出個数を複数の払出通路にそれぞれほぼ均等に振り分ける振分手段と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、対応する遊技球検出手段の検出信号に基づいて遊技球の個数を計数する複数の計数手段と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、前記振分手段により振り分け設定された払出通路の個別払出個数を保持する複数の払出個数保持手段と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、計数手段からの個数情報と、払出個数保持手段に保持されている個別払出個数とに基づいて当該払出通路における最終の遊技球であるか否かを判定する複数の判定手段と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、前記判定手段の判定結果に基づき、検出された遊技球が当該払出通路における最終の遊技球である場合、ゲート手段を遊技球通過禁止状態と信号をゲート手段用駆動手段に出力する複数のゲート手段用駆動制御手段と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、払出処理中であることを示すエラー監視用第1信号を生成して出力すると共に、遊技球検出手段からの遊技球検出信号の入力の度毎にエラー監視用第2信号を生成して出力する複数のエラー監視信号出力手段と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、エラー監視信号出力手段の出力制御を行うエラー監視信号出力制御手段であって、エラー監視用第1信号及びエラー監視用第2信号の出力制御を第1制御態様で実行するように構成されているか、又は第1出力制御態様と制御内容が異なる第2制御態様で実行するように構成された複数のエラー監視信号出力制御手段と、
を備えると共に、前記エラー監視信号出力制御手段が実行する第1制御態様としては、エラー監視用第1信号に関しては、払出処理の開始に伴い信号出力を開始させ且つその後出力状態を維持すると共に判定手段の判定結果が最終の遊技球である場合には払出処理終了後であっても最終の遊技球の判定後所定時間経過するまでエラー監視用第1信号の出力停止を遅らせ、エラー監視用第2信号に関しては、最終遊技球の判定後であっても遊技球検出信号が入力された場合エラー監視用第2信号を生成して出力するように制御し、
前記主制御手段は、前記払出制御手段から送信された各払出通路毎のエラー監視用第1信号及びエラー監視用第2信号に基づいて、各払出通路毎に払出期間中以外の期間に遊技球の通過が検出さたか否かを判定して、肯定判定の場合には所定のエラー制御を行うエラー制御手段を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、エラー監視信号出力制御手段が、払出期間中に加えて、払出期間中以外の期間であってもゲート手段が遊技球通過禁止状態となった後所定期間経過するまでは、エラー制御手段によるエラー発生の認定がされない不監視状態を発現するように、エラー監視用第1信号及びエラー監視用第2信号の出力制御を行うことにより、ゲート手段が遊技球通過禁止状態となった後所定期間経過するまでに、チャタリングが発生して遊技球検出手段により遊技球が検出されても、エラーの発生がないことが担保される。従って、エラーの発生による遊技の中断が生じることはなく、遊技者は快適に遊技に興じることができ、また、遊技機ホールは遊技の中断がないので、遊技機の稼動率の低下を防止できる。
球式回胴遊技機の正面図である。 球式回胴遊技機の正面側斜視図である。 外枠に対してドアブロックを開放した状態を示す斜視図である。 前面ブロックに対して払出ブロック及び遊技ブロックを開放した状態を示す斜視図である。 前面ブロックの分解斜視図である。 上皿ユニットの斜視図である。 (A)図は上皿ユニットの平面図で、(B)図は上皿ユニットの底面図である。 上皿ユニットの分解斜視図である。 上皿球止め部の分解斜視図である。 上皿球止め部及びセレクタの要部拡大縦断面図であって、遊技球案内路と球通路を連通させた状態を示す図である。 上皿球止め部及びセレクタの要部拡大縦断面図であって、遊技球案内路と球通路を遮断した状態を示す図である。 上皿ユニットからセレクタを取り外した状態を示す要部拡大縦断面図である。 上皿球抜き操作部及びセレクタの一部横断面図であって、球通路と案内通路とを返却シャッタにて遮断した状態を示す図である。 上皿球抜き操作部及びセレクタの一部横断面図であって、球通路と案内通路とを連通させた状態を示す図である。 セレクタの分解斜視図である。 セレクタの後方側から見た斜視図である。 払出ブロックの背面図である。 払出ブロックから払出制御装置及び電源制御装置を取り外した状態を示す背面図である。 払出ブロックの前方側から見た斜視図である。 球切れ検出装置の構成を示すケースレールの要部拡大縦断面図であって、ケースレール内に十分な個数の遊技球が補給されている状態を示す図である。 球切れ検出装置の構成を示すケースレールの要部拡大縦断面図であって、ケースレール内に十分な個数の遊技球が補給されていない状態を示す図である。 払出ブロックから払出装置及び払出中継端子板の取付台を取り外した状態を示す分解斜視図である。 払出装置の縦断面図であって、払出動作をしていない状態を示す図である。 払出装置の縦断面図であって、払出動作をしている状態を示す図である。 払出装置の縦断面図であって、払出装置の球抜き操作をしている状態を示す図である。 遊技ブロックの分解斜視図である。 遊技パネルの正面図である。 図柄シールの展開図である。 回胴ユニットの一部分解斜視図である。 球式回胴遊技機の制御系を示す接続図である。 第1の形態に係る球式回胴遊技機の電気的な構成例を表すブロック図。 主制御基板の停電割込み処理の一例を表すフローチャート。 主制御基板のタイマ割込み処理の一例を表すフローチャート。 主制御基板のタイマ割込み処理において実行されるバックアップ処理の一例を詳細に表すフローチャート。 主制御基板のメイン処理の一例を表すフローチャート。 主制御基板の通常遊技処理の一例を表すフローチャート。 主制御基板の通常遊技処理における変動待機処理の一例を表すフローチャート。 主制御基板の通常遊技処理における回転制御処理の一例を表すフローチャート。 主制御基板の通常遊技処理における役物作動中処理の一例を表すフローチャート。 主制御基板の通常遊技処理における役物作動判定処理の一例を表すフローチャート。 払出制御基板におけるコマンド割込み処理の一例を表すフローチャート。 払出制御基板におけるタイマ割込み処理の一例を表すフローチャート。 払出制御基板におけるメイン処理の一例を表すフローチャート。 払出制御基板のメイン処理における遊技球払出処理の一例を表すフローチャート。 払出制御基板の遊技球払出処理における払出個数振分処理の一例を表すフローチャート。 払出制御基板の遊技球払出処理における払出実行処理の一例を表すフローチャート。 サブ制御基板におけるタイマ割込み処理の一例を表すフローチャート。 サブ制御基板におけるコマンド割込み処理の一例を表すフローチャート。 サブ制御基板におけるメイン処理の一例を表すフローチャート。 サブ制御基板のメイン処理における短周期タイマ処理の一例を表すフローチャート。 サブ制御基板のメイン処理における長周期タイマ処理の一例を表すフローチャート。 第1の形態に係る球式回胴遊技機の払出エラー制御に関する構成の一例を機能的な観点から表したブロック図。 第1の形態に係る球式回胴遊技機における払出エラー制御の一例を表すタイミングチャート。 第1の形態に係る球式回胴遊技機におけるフリッカの閉塞動作の一例を表す模式的な説明図。 従来の球式回胴遊技機における不監視時間カウンタを用いたカウント信号(エラー監視用の第2信号)の出力制御を行わない場合の払出エラーの発生状況を表す説明図。 第2の形態に係る球式回胴遊技機の払出エラー制御に関する構成の一例を表すブロック図。 第2の形態に係る球式回胴遊技機における払出エラー制御の一例を表すタイミングチャート。 第3の形態に係る球式回胴遊技機の払出エラー制御に関する構成の一例を表すブロック図。 第3の形態に係る球式回胴遊技機における払出エラー制御の一例を表すタイミングチャート。 第4の形態に係る球式回胴遊技機の払出エラー制御に関する構成の一例を表すブロック図。 第4の形態に係る球式回胴遊技機における払出エラー制御の一例を表すタイミングチャート。 本発明に係る球式回胴遊技機の払出エラー制御の変化例を表すタイミングチャート。 本発明に係る球式回胴遊技機の他の変化例を表すフローチャート。 本発明に係る球式回胴遊技機の払出エラー制御に関する構成の変化例を表すブロック図。
手段1:本発明に係る遊技機は、
遊技球を貯留する貯留手段(遊技球タンク32)と、貯留手段に連通される払出通路(球通路33d)と、払出通路に導入された遊技球の通過を検出する遊技球検出手段(カウントセンサ33h)と、遊技球検出手段よりも上方に設けられ払出通路を遊技球が通過することを許容又は禁止するゲート手段(フリッカ33b)と、ゲート手段を駆動するゲート手段用駆動手段(払出ソレノイド33c)とを備えると共に、所定の遊技球払出指示に基づいて払い出しを行なうように構成された遊技機であって、
前記遊技球検出手段の検出信号に基づいて遊技球の個数を計数する計数手段(払出個数計数手段204a)と、
前記遊技球払出指示に基づいた遊技球の払出個数を保持する払出個数保持手段(払出個数保持手段203a)と、
計数手段からの個数情報と、払出個数保持手段に保持されている払出個数とに基づいて最終の遊技球であるか否かを判定する判定手段(最終球判定手段205a)と、
前記判定手段の判定結果に基づき、検出された遊技球が最終の遊技球である場合、ゲート手段を遊技球通過禁止状態とする信号を前記ゲート手段用駆動手段に出力するゲート手段用駆動制御手段(払出ソレノイド制御手段208a)と、
払出中であることを示すエラー監視用第1信号(払出中信号)を生成して出力すると共に、遊技球検出手段からの遊技球検出信号の入力の毎にエラー監視用第2信号(カウント信号)を生成して出力するエラー監視信号出力手段(エラー監視信号出力手段207a)と、
前記エラー監視信号出力手段から出力されるエラー監視用第1信号及びエラー監視用第2信号の出力制御を各信号毎に個別に行うエラー監視信号出力制御手段(エラー監視信号出力制御手段206a)と、
前記エラー監視用第1信号及びエラー監視用第2信号に基づいて、払出期間中以外の期間に遊技球の通過が検出さたか否かを判定して、肯定判定の場合には所定のエラー制御を行うエラー制御手段(エラー監視手段101、エラー処理手段102)と、
を含み、
前記エラー監視信号出力制御手段は、払出期間中に加えて、払出期間中以外の期間であってもゲート手段が遊技球通過禁止状態となった後所定期間経過するまでは、前記エラー制御手段によるエラー発生の認定がされない不監視状態を発現するように、エラー監視用第1信号及びエラー監視用第2信号のいずれかの出力制御を行うことを特徴とする。
上記の如く、エラー監視信号出力制御手段が、払出期間中に加えて、払出期間中以外の期間であってもゲート手段が遊技球通過禁止状態となった後所定期間経過するまでは、エラー制御手段によるエラー発生の認定がされない不監視状態を発現するように、エラー監視用第1信号及びエラー監視用第2信号の出力制御を行うことにより、ゲート手段が遊技球通過禁止状態となった後所定期間経過するまでに、チャタリングが発生して遊技球検出手段により遊技球が検出されても、エラーの発生がないことが担保される。従って、エラーの発生による遊技の中断が生じることはなく、遊技者は快適に遊技に興じることができ、また、遊技機ホールは遊技の中断がないので、遊技機の稼動率の低下を防止できる。
また、エラー監視用第1信号として払出中信号を使用し、エラー監視用第2信号としてカウント信号を使用することができ、このような構成の場合には、既存の信号(払出中信号、カウント信号)の出力を所定のタイミングとなるように制御する構成とすることにより本発明を実現できる。従って、既存の回路やプログラムの変更・追加等が極めて少なくてよく、製造コストを低減することが可能となる。
なお、本発明に係る遊技機は、計数手段、払出個数保持手段、判定手段、開閉部材駆動制御手段、エラー監視信号出力手段、エラー監視信号出力制御手段、及びエラー制御手段の全てが同一基板上に構成されていてもよく、また、エラー制御手段と計数手段等の手段とが別の基板上に分離された構成、例えば、エラー制御手段は主制御基板に構成され、計数手段等の手段は払出基板に構成されるような、別の基板上に分離された構成であってもよい。
手段2:手段1の遊技機において、
前記遊技球検出手段が遊技球を検出する検出位置では、前記ゲート手段の先端が遊技球の中心軸よりも上方位置に当たるように構成されたことを特徴とする。
上記構成であれば、ゲート手段により、最終遊技球と最終遊技球に後続する遊技球とを確実に且つ短い時間で分離して、払出通路を閉じることができる。加えて、ゲート手段の先端が遊技球の中心軸よりも上方位置に当たるので、遊技球を円滑に落下させることが可能となる。また、可能な限り早い時期に払出通路を閉鎖できるので、払出通路から異物を侵入させる不正行為を防止する観点からは好ましい。
一方、遊技球の落下速度が大きくなることから、最終遊技球が先行遊技球と衝突して跳ね返りに起因して遊技球検出手段付近でチャタリングが発生する頻度が大きくなる。しかしながら、上記のようにエラー監視信号出力制御手段の出力制御により、ゲート手段が遊技球通過禁止状態となった後所定期間経過するまで不監視状態が発現されるので、最終遊技球に起因したチャタリングが発生して遊技球が検出されても、エラーが発生しないことが担保されている。そのため、チャタリングが発生する頻度が大きくても、特に支障が生じることはない。
手段3:手段1又は2の遊技機において、
前記エラー監視信号出力制御手段(206a)は、エラー監視用第1信号に関しては、払出処理の終了に伴い信号出力を停止し、エラー監視用第2信号に関しては、ゲート手段が遊技球通過禁止状態となった後所定期間経過するまで前記エラー監視用第2信号の出力不可状態を発動させるように制御することを特徴する。
上記構成によれば、エラー監視用第1信号に関しては、払出処理の終了に伴い信号出力を停止する。即ち、エラー監視用第1信号は払出中を示す信号であるから、原則どおり払出処理の終了に伴い出力を停止する。これにより、エラー制御手段は、最終遊技球の判定後に払出期間が終了し、それ以降は払出期間中以外の期間と判断し、エラー監視用第1信号が入力されると、エラーと判定する監視状態となる。一方、エラー監視用第2信号に関しては、ゲート手段が遊技球通過禁止状態となった後所定期間経過するまでエラー監視用第2信号の出力不可状態を発動させる。これにより、エラー制御手段には所定期間経過するまでエラー監視用第2信号が入力されないので、払出期間中以外の期間であっても、エラーの判断がなく、エラーが発生しないことになる。このことは、払出期間中以外の期間であっても、ゲート手段が遊技球通過禁止状態となった後所定時間経過するまで、不監視状態の発現が延長されたことを意味する。従って、最終遊技球に起因したチャタリングが発生して遊技球検出手段により遊技球が検出されても、エラーが発生しないことが担保されている。
手段4:手段3の遊技機において、
前記エラー監視信号出力制御手段(206a)は、
払出処理の開始に伴いエラー監視用第1信号の出力を開始させ且つその後出力状態を維持すると共に判定手段の判定結果が最終の遊技球である場合には出力を停止する第1信号制御手段(第1信号制御手段211a)と、
前記所定期間を計測する計測手段(不監視時間カウンタ215a)と、
前記計測手段が作動状態中であることを示す第1状態情報か、不作動状態中であることを示す第2状態情報かのいずれかの状態情報を保持する状態情報保持手段(払出個数不監視フラグ保持手段213a)と、
計測手段の作動時に状態情報保持手段の保持内容を第2状態情報から第1状態情報に変更し、計測手段の作動終了時に状態情報保持手段の保持内容を第1状態情報から第2状態情報に変更する変更手段(払出個数不監視フラグ設定手段214a)と、
前記遊技球検出手段から遊技球検出信号が入力される毎に、前記状態情報保持手段の保持内容を参照して、計測手段が不作動中であればエラー監視用第2信号を出力させ、計測手段が作動中であればエラー監視用第2信号の出力を禁止する第2信号制御手段(第1信号制御手段212a)と、
を備えたことを特徴とする。
上記構成であれば、払出期間中のみエラー監視用第1信号が主制御手段に出力される。一方、エラー監視用第2信号に関しては、計測手段が不作動中の場合は主制御手段に出力され、計測手段が作動中の場合は主制御手段に出力されない。このように上記構成により、第2出力制御を実行するエラー監視信号出力制御手段を実現できる。
手段5:手段1又は2の遊技機において、
前記エラー監視信号出力制御手段(エラー監視信号出力制御手段206´a)は、エラー監視用第1信号に関しては、払出処理の開始に伴い信号出力を開始させ且つその後出力状態を維持すると共に払出処理終了後であってもゲート手段が遊技球通過禁止状態となった後所定時間経過するまでエラー監視用第1信号の出力停止を遅らせ、エラー監視用第2信号に関しては、最終遊技球の判定後であっても遊技球検出信号が入力された場合エラー監視用第2信号を生成して出力するように制御することを特徴とする。
上記構成によれば、エラー監視用第1信号に関しては、払出処理の開始に伴い信号出力を開始させ且つその後出力状態を維持すると共にゲート手段が遊技球通過禁止状態となった後所定期間経過するまでエラー監視用第1信号の出力停止を遅らせる。つまり、エラー監視用第1信号は払出中を示す信号であるから、払出処理の開始から払出処理終了まで出力されるのが原則であるが、本発明ではゲート手段が遊技球通過禁止状態となった後所定期間経過するまでエラー監視用第1信号の出力停止を遅らせる。そうすると、実際には払出期間は終了しているが、エラー制御手段は、所定期間経過するまで払出期間であると判断する。このことは、不監視状態が所定期間延長されたことを意味する。一方、エラー監視用第2信号に関しては、最終遊技球の判定後であっても遊技球検出信号が入力された場合、エラー監視用第2信号を生成して出力する。しかしながら、エラー制御手段は、所定期間経過するまで払出期間であると判断しているので、最終遊技球に関するエラー監視用第2信号の入力後に、遊技球に関するエラー監視用第2信号が入力されても、不監視状態期間中であることからエラーと判断せず、エラーが発生しないことになる。
手段6:手段5の遊技機において、
前記エラー監視信号出力制御手段(エラー監視信号出力制御手段206´a)は、
前記判定手段の判定結果が最終の遊技球である場合に作動を開始し、前記所定期間を計測して所定期間経過時に告知信号を出力する計測手段(不監視時間カウンタ215a)と、
払出処理の開始に伴いエラー監視用第1信号の出力を開始させ且つその後出力状態を維持すると共に前記計測手段から告知信号が入力されとエラー監視用第1信号の出力を停止させる第1信号制御手段(第1信号制御手段211´a)と、
前記遊技球検出手段から遊技球検出信号が入力される毎に、エラー監視用第2信号を出力させる第2信号制御手段(第2信号制御手段212´a)と、
を備えたことを特徴とする。
上記の如く、第1信号制御手段は、計測手段からの告知信号の入力によりエラー監視用第1信号の出力を停止させる。これにより、本来的には、払出中を示すエラー監視用第1信号は払出処理終了後に停止させるものであるが、本発明では所定期間経過後までエラー監視用第1信号の出力の停止を遅延させる。つまり、エラー監視用第1信号の出力停止が所定期間遅延されることになる。このことは、不監視状態が発現されている払出期間に所定期間分だけ不監視期間が付加されたことを意味する。従って、最終の遊技球の検出後に、チャタリングに起因して遊技球が検出されても、エラーの発生はない。
手段7:手段1〜6の遊技機において、
前記エラー監視信号出力制御手段は、
前記遊技球検出手段の検出結果に基づき、最終の遊技球の通過開始から通過完了までの時間を計測する通過時間計測手段(球通過時間計測手段221a)と、
遊技球が遊技球検出手段を通過する基準通過時間を記憶する基準通過時間記憶手段(基準通貨時間記憶手段222a)と、
通過時間計測手段により計測された通過時間と、基準通過時間記憶手段に記憶されている基準通過時間とを比較して、通過時間が基準通過時間より大きい場合には前記計測手段に設定される所定時間を第1所定時間に変更し、通過時間が基準通過時間より小さい場合には前記計測手段(不監視時間カウンタ215Aa)に設定される所定時間を第1所定時間より長い第2所定時間に変更する所定時間変更設定手段(払出個数不監視時間変更手段214a)と、
を備えたことを特徴とする。
ここで、「基準通過時間」とは、本発明者が実験により多数の遊技球の通過時間を計測した計測値についての平均値である。
上記構成により、最終遊技球の通過時間の変化に応じて、計測手段に設定される所定期間が変更される。具体的には、最終遊技球の通過時間が基準通過時間より大きい場合には、短い第1所定時間に変更される。つまり、最終遊技球の通過時間が基準通過時間より大きい場合には最終遊技球の速度が小さいと判断される。そうすると、最終遊技球が先行する遊技球に衝突する可能性が低い。しかも、仮に衝突したとしても、最終遊技球の速度が小さいので、跳ね返りによるチャタリングは発生しないと考えられる。従って、計測手段に設定される所定期間を零にすることも考えられる。しかしながら、チャタリングの発生は、最終遊技球が先行遊技球と衝突する場合に限らず、最終遊技球が排出通路内で横揺を起こす場合にも生じことが知られている。そこで、かかる横揺に起因するチャタリングを考慮すると、計測手段に所定期間を設定しておくことが好ましい。但し、横揺に起因するチャタリングは、ゲート手段が遊技球通過禁止状態となった時点から極めて短い時間で生じることから、計測手段に設定される所定期間を短くしても、エラーの発生はない。そして、計測手段に設定される所定期間を短くするということは、不監視期間を短くすることを意味し、不正行為の防止の向上を図ること観点からも好ましい。
一方、最終遊技球の通過時間が基準通過時間より小さい場合には第1所定時間よりも長い第2所定時間に変更される。つまり、最終遊技球の通過時間が基準通過時間より小さい場合には最終遊技球の速度が大きいと判断される。そうすると、最終遊技球が先行する遊技球に衝突する可能性が高く、チャタリングの発生が大きいと考えられる。そこで、計測手段に設定される所定期間を長くし、チャタリングに起因したエラーの発生が生じないようにした。なお、上記のように横揺に起因するチャタリングは、ゲート手段が遊技球通過禁止状態となった時点から極めて短い時間で生じることから、長い所定期間の設定により横揺に起因するチャタリングに基づくエラーの発生も防止されている。
手段8:手段1〜6の遊技機において、
前記エラー監視信号出力制御手段は、
遊技球検出手段の検出結果に基づき、最終遊技球の1個前の遊技球の通過完了から最終遊技球の通過開始までの時間を計測する球間隔計測手段(球間隔計測手段231a)と、
最終遊技球の1個前の遊技球の通過完了から最終遊技球の通過開始までの基準球間隔時間を記憶する基準球間隔時間記憶手段(基準球間隔時間保持手段232a)と、
球間隔計測手段により計測された球間隔時間と、基準球間隔時間記憶手段に記憶されている基準球間隔時間とを比較して、計測球間隔時間が基準球間隔時間より小さい場合には前記計測手段に設定される所定時間を長い第1所定時間に変更し、計測球間隔時間が基準球間隔時間より大きい場合には前記計測手段に設定される所定時間を第1所定時間より短い第2所定時間に変更する所定時間変更設定手段(不監視時間変更手段214Ba)と、
を備えたことを特徴とする。
ここで、「基準球間隔時間」とは、本発明者が実験により多数の遊技球に関する球間隔時間を計測した計測値についての平均値である。
上記構成により、最終遊技球の1個前の遊技球の通過完了から最終遊技球の通過開始までの時間(計測球間隔時間)の変化に応じて、計測手段に設定される所定期間が変更される。具体的には、計測球間隔時間が基準球間隔時間より小さい場合には、長い第1所定時間に変更される。つまり、計測球間隔時間が基準球間隔時間より小さい場合には、最終遊技球と1個前の遊技球(先行遊技球)との間隔が小さいと判断される。そうすると、最終遊技球が先行遊技球に衝突する可能性が高く、チャタリングの発生が大きいと考えられる。そこで、計測手段に設定される所定期間を長くし、チャタリングに起因したエラーの発生が生じないようにした。
一方、計測球間隔時間が基準球間隔時間より大きい場合には、第1所定時間より短い第2所定時間に変更される。つまり、計測球間隔時間が基準球間隔時間より大きい場合には、最終遊技球と1個前の遊技球(先行遊技球)との間隔が大きいと判断される。そうすると、最終遊技球が先行遊技球に衝突する可能性は低い。しかも、仮に衝突したとしても、最終遊技球と先行遊技球との間隔が大きいので、チャタリングは発生しないと考えられる。従って、計測手段に設定される所定期間を零にすることも考えられる。しかしながら、チャタリングの発生は、最終遊技球が先行遊技球と衝突する場合に限らず、最終遊技球が排出通路内で横揺を起こす場合にも生じことが知られている。そこで、かかる横揺に起因するチャタリングを考慮すると、計測手段に所定期間を設定しておくことが好ましい。但し、横揺に起因するチャタリングは、ゲート手段が遊技球通過禁止状態となった時点から極めて短い時間で生じることから、短い所定時間に設定すれば充分である。
手段9:手段1〜8の遊技機において、
前記エラー制御手段は、
エラー監視用第1信号及びエラー監視用第2信号に基づいて払出期間中以外の期間に遊技球の通過が検出さたか否かを判定して肯定判定の場合にはエラー信号を出力するエラー監視手段(エラー監視手段101)と、エラー監視手段からのエラー信号に基づいて所定のエラー制御を行うエラー処理手段(エラー処理手段102)とを有し、
エラー監視手段は、
遊技球の払出処理状態中であることを示す第1状態情報か、遊技球の払出処理状態中以外の状態であることを示す第2状態情報かのいずれかを保持する第2の状態保持手段(エラー情報保持手段812)と、
前記エラー監視用第1信号が入力されると、その入力開始時に第2状態情報に設定されていた第2の状態保持手段の保持内容を第1状態情報に変更し、前記エラー監視用第1信号の入力停止により、第2の状態保持手段の保持内容を第1状態情報から第2状態情報に変更する変更手段(エラー情報変更手段813)と、
前記エラー監視用第2信号が入力される度毎に、第2の状態保持手段の保持内容を参照して、払出期間中以外の期間に遊技球の通過が検出さたか否かを判定し、判定結果が肯定判定の場合にエラー信号をエラー処理手段に出力するエラー監視判定手段(エラー監視判定手段813)と、
を備えたことを特徴とする。
上記構成により、エラー監視用第1信号及びエラー監視用第2信号に基づいて、払出期間中以外の期間に遊技球の通過が検出さたか否かを判定して、肯定判定の場合には所定のエラー制御を行うエラー制御手段が実現される。
手段10:手段1〜9の遊技機において、
遊技を統括すると共に入賞に伴った個数の遊技球の払出指示信号を送信する主制御手段(主制御手段45a)と、主制御手段からの遊技球の払出指示信号に基づいて遊技球の払い出しを行う払出装置とを備え、
前記払出装置は、前記貯留手段、前記払出通路、前記遊技球検出手段、前記開閉部材、前記駆動手段、及び、入賞に伴った個数の遊技球の払出指示に基づいた個数の遊技球の払い出しを制御する払出制御手段(払出制御手段37a)を有し、
前記払出制御手段は、前記計数手段、前記払出個数保持手段、前記判定手段、前記開閉部材駆動制御手段、前記エラー監視信号出力手段、及び、前記エラー監視信号出力制御手段を有しており、
前記主制御手段は前記エラー制御手段を有していることを特徴とする。
手段11:手段1〜9の遊技機において、
前記遊技球の払出指示には、入賞に伴った個数の遊技球の払出指示に加えて、貸出要求に伴った個数の遊技球の払出指示も含まれることを特徴とする。
上記構成であれば、貸出装置を有する遊技機の場合にも適用することができる。
手段12:手段11の遊技機において、
遊技を統括すると共に入賞に伴った個数の遊技球の払出指示信号を送信する主制御手段と、貸出の制御を行うと共に貸出要求に伴った個数の遊技球の払出指示信号を送信する貸出制御手段と、主制御手段又は貸出制御手段からの遊技球の払出指示信号に基づいて遊技球の払い出しを行う払出装置とを備え、
前記払出装置は、前記貯留手段、前記払出通路、前記遊技球検出手段、前記ゲート手段、前記ゲート手段用駆動手段、及び、入賞又は貸出要求に伴った個数の遊技球の払出指示に基づいた個数の遊技球の払い出しを制御する払出制御手段を有し、
前記払出制御手段は、前記計数手段、前記払出個数保持手段、前記判定手段、前記ゲート手段用駆動制御手段、前記エラー監視信号出力手段、及び、前記エラー監視信号出力制御手段を有しており、
前記主制御手段は前記エラー制御手段を有していることを特徴とする。
手段13:
遊技を統括すると共に入賞に伴った個数の遊技球の払出指示信号を送信する主制御手段と、主制御手段からの遊技球の払出指示信号に基づいた個数の遊技球の払い出しを統括的に制御する払出制御手段とを備えた遊技機であって、
遊技球を貯留する貯留手段と、
貯留手段にそれぞれ連通される複数の払出通路と、
複数の払出通路にそれぞれ設けられ、払出通路に導入された遊技球の通過を検出する複数の遊技球検出手段と、
複数の払出通路にそれぞれ設けられ、遊技球検出手段よりも上方に設けられ払出通路を遊技球が通過することを許容又は禁止する複数のゲート手段と、
複数のゲート手段にそれぞれ設けられゲート手段を駆動する複数のゲート手段用駆動手段とを備え、
前記払出制御手段は、
前記遊技球の払出指示に基づく払出個数を複数の払出通路にそれぞれほぼ均等に振り分ける振分手段(払出個数振分制御手段202)と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、対応する遊技球検出手段の検出信号に基づいて遊技球の個数を計数する複数の計数手段と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、前記振分手段により振り分け設定された払出通路の個別払出個数を保持する複数の払出個数保持手段と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、計数手段からの個数情報と、払出個数保持手段に保持されている個別払出個数とに基づいて当該払出通路における最終の遊技球であるか否かを判定する複数の判定手段と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、前記判定手段の判定結果に基づき、検出された遊技球が当該払出通路における最終の遊技球である場合、ゲート手段を遊技球通過禁止状態とする信号を前記ゲート手段用駆動手段に出力する複数のゲート手段用駆動制御手段と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、払出処理中であることを示すエラー監視用第1信号を生成して出力すると共に、遊技球検出手段からの遊技球検出信号の入力の毎にエラー監視用第2信号を生成して出力する複数のエラー監視信号出力手段と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、エラー監視信号出力手段の出力制御を行うエラー監視信号出力制御手段であって、エラー監視用第1信号及びエラー監視用第2信号の出力制御を第1制御態様で実行するように構成されているか、又は第1出力制御態様と制御内容が異なる第2制御態様で実行するように構成された複数のエラー監視信号出力制御手段と、
を備えると共に、
前記エラー監視信号出力制御手段が実行する第1制御態様としては、エラー監視用第1信号に関しては、払出処理の開始に伴い信号出力を開始させ且つその後出力状態を維持すると共に判定手段の判定結果が最終の遊技球である場合には払出処理終了後であっても最終の遊技球の判定後所定時間経過するまでエラー監視用第1信号の出力停止を遅らせ、エラー監視用第2信号に関しては、最終遊技球の判定後であっても遊技球検出信号が入力された場合エラー監視用第2信号を生成して出力するように制御し、
前記エラー監視信号出力制御手段が実行する第2制御態様としては、エラー監視用第1信号に関しては、払出処理の終了に伴い信号出力を停止し、エラー監視用第2信号に関しては、最終の遊技球の判定後所定時間経過するまで前記エラー監視用第2信号の出力不可状態を発動させるように制御され、
前記主制御手段は、前記払出制御手段から送信された各払出通路毎のエラー監視用第1信号及びエラー監視用第2信号に基づいて、各払出通路毎に払出期間中以外の期間に遊技球の通過が検出さたか否かを判定して、肯定判定の場合には所定のエラー制御を行うエラー制御手段を備えたことを特徴とする。
上記構成であれば、入賞に伴った所定個数の遊技球を複数の払出通路に分割して同時に払い出すことができ、遊技球の払出に要する時間を低減できる。これにより、遊技進行が円滑となる。
手段14:
遊技を統括すると共に入賞に伴った個数の遊技球の払出指示信号を送信する主制御手段と、貸出の制御を行うと共に貸出要求に伴った個数の遊技球の払出指示信号を送信する貸出制御手段と、主制御手段又は貸出制御手段からの遊技球の払出指示信号に基づいた個数の遊技球の払い出しを統括的に制御する払出制御手段とを備えた遊技機であって、
遊技球を貯留する貯留手段と、
貯留手段にそれぞれ連通される複数の払出通路と、
複数の払出通路にそれぞれ設けられ、払出通路に導入された遊技球の通過を検出する複数の遊技球検出手段と、
複数の払出通路にそれぞれ設けられ、遊技球検出手段よりも上方に設けられ払出通路を遊技球が通過することを許容又は禁止する複数のゲート手段と、
複数の開閉部材にそれぞれ設けられ、ゲート手段を駆動する複数のゲート手段用駆動手段とを備え、
前記払出制御手段は、
前記遊技球の払出指示に基づく払出個数を複数の払出通路にそれぞれほぼ均等に振り分ける振分手段と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、対応する遊技球検出手段の検出信号に基づいて遊技球の個数を計数する複数の計数手段と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、前記振分手段により振り分け設定された払出通路の個別払出個数を保持する複数の払出個数保持手段と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、計数手段からの個数情報と、払出個数保持手段に保持されている個別払出個数とに基づいて当該払出通路における最終の遊技球であるか否かを判定する複数の判定手段と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、前記判定手段の判定結果に基づき、検出された遊技球が当該払出通路における最終の遊技球である場合、ゲート手段を遊技球通過禁止状態と信号をゲート手段用駆動手段に出力する複数のゲート手段用駆動制御手段と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、払出処理中であることを示すエラー監視用第1信号を生成して出力すると共に、遊技球検出手段からの遊技球検出信号の入力の度毎にエラー監視用第2信号を生成して出力する複数のエラー監視信号出力手段と、
前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、エラー監視信号出力手段の出力制御を行うエラー監視信号出力制御手段であって、エラー監視用第1信号及びエラー監視用第2信号の出力制御を第1制御態様で実行するように構成されているか、又は第1出力制御態様と制御内容が異なる第2制御態様で実行するように構成された複数のエラー監視信号出力制御手段と、
を備えると共に、前記エラー監視信号出力制御手段が実行する第1制御態様としては、エラー監視用第1信号に関しては、払出処理の開始に伴い信号出力を開始させ且つその後出力状態を維持すると共に判定手段の判定結果が最終の遊技球である場合には払出処理終了後であっても最終の遊技球の判定後所定時間経過するまでエラー監視用第1信号の出力停止を遅らせ、エラー監視用第2信号に関しては、最終遊技球の判定後であっても遊技球検出信号が入力された場合エラー監視用第2信号を生成して出力するように制御し、
前記主制御手段は、前記払出制御手段から送信された各払出通路毎のエラー監視用第1信号及びエラー監視用第2信号に基づいて、各払出通路毎に払出期間中以外の期間に遊技球の通過が検出さたか否かを判定して、肯定判定の場合には所定のエラー制御を行うエラー制御手段を備えたことを特徴とする。
上記構成により、入賞又は貸出要求に伴った所定個数の遊技球を複数の払出通路に分割して同時に払い出すことができ、遊技球の払出に要する時間を低減できる。これにより、遊技進行が円滑となる。
本発明に係る遊技機の最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、遊技機が遊技球体を遊技媒体とする回胴式遊技機(以下、「遊技球式回胴遊技機」と称す)である場合を挙げるが、遊技球体やコイン等を遊技媒体とする遊技機一般に適用できる。また、回胴式遊技機であっても、以下で説明する具体的な形態には限定されず、本発明の主旨から逸脱しない限りにおいて、その設計を適宜に変更してもよい。
図1は本実施形態の球式回胴遊技機10の正面図であり、図2は球式回胴遊技機10の正面側斜視図であり、図3は外枠11に対してドアブロック12を開けた状態を示す斜視図であり、図4は前面ブロック20に対して払出ブロック30及び遊技ブロック40を開けた状態を示す斜視図である。
図1乃至図3に示すように、この球式回胴遊技機10は、当該球式回胴遊技機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持されたドアブロック12とを備えている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、軽量化を図るために、樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。ドアブロック12は、外枠11に対してヒンジ13,13によって開閉可能に取り付けられ、その開閉軸線は球式回胴遊技機10の正面からみて左側で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にしてドアブロック12が前方側に十分に開放できるようになっている。
ドアブロック12は、図4に示すように、球式回胴遊技機10の前面を構成する前面ブロック20と、前面ブロック20に対して後方側へ開閉可能に取着された払出ブロック30と、前面ブロック20に対して後方側へ開閉可能に取着され、前面ブロック20及び払出ブロック30にて被包される遊技ブロック40とからなる。
(前面ブロックの構成)
図5は前面ブロック20の分解斜視図である。図5に示すように、前面ブロック20は、前面パネル100、前面ブロック枠200、回胴表示パネル22、パネル押え枠24、上皿ユニット300、および、セレクタ400(遊技球投入装置)を備える。
前面パネル100は、図1、図2及び図5に示すように、遊技ブロック40の前面に設けられた遊技領域を露出するための窓孔102を有し、窓孔102を囲むようにして上効果LEDカバー部104、上スピーカ部106,106、右中効果LEDカバー部108、左中効果LEDカバー部110、中央パネル部112が配設されている。
上効果LEDカバー部104、右中効果LEDカバー部108及び左中効果LEDカバー部110は、それぞれ前面パネル100の裏側から取り付けられた図示しない発光ダイオード(LED)等の発光装置を覆っている。前記発光装置は、遊技の進行に伴い点灯したり、点滅したりして遊技の視覚的演出を行うものである。
上スピーカ部106,106は、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりして遊技の聴覚的演出を行うものである。
中央パネル部112は、無色透明のガラスで構成され、所定の入賞条件及び当該入賞条件を満たした場合に払い出される遊技球の個数(賞球数)や遊技方法などが記載された図示しない情報掲載パネルを露出するための部位である。前記情報掲載パネルの表示内容を見やすくするために、中央パネル部112の内側には蛍光灯41k(図27参照)が設置される。中央パネル部112の左側方には1ベットボタン114(図1参照)が配設されている。中央パネル部112の右側方には汎用ボタン116,118(図1,2参照)が配設されている。汎用ボタン116,118は例えば遊技モードの切替えや液晶画面における表示モードの切替えなど、遊技機の機種ごとにその用途を適宜設定可能なボタンである。中央パネル部112の汎用ボタン116等よりもさらに右側方には、前面ブロック開閉用のドアキーシリンダ202の前面(鍵穴)を露出させるキーシリンダ挿通孔120を設けてある。また、中央パネル部112の下方には、前方側へ突出した操作パネル部122が配設されている。
操作パネル部122には、図面左側から順に、後述する回胴L,M,R(図27参照)の回転を開始させるための始動レバー124と、左回胴Lの回転を停止させるための左回胴停止ボタン126Lと、中回胴Mの回転を停止させるための中回胴停止ボタン126Mと、右回胴Rの回転を停止させるための右回胴停止ボタン126Rと、上皿302から下皿128へ遊技球を流す操作をするための上皿球抜きレバー386を露出させるための小窓孔130とを設けてある。始動レバー124は、遊技者がゲームを開始するときに手で押下して操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。所定数の遊技球がベットされているときにこの始動レバー124が操作されると、各回胴L,M,Rが一斉に回転し始める。始動レバー124の基端部上方には、各回胴L,M,Rの回転準備が整った状態、つまり所定数の遊技球がセレクタ400にて取り込まれ、始動レバー124の操作受付可能な状態を報知するための始動レバーLED132を埋設してある。また、各回胴停止ボタン126L,126M,126Rの周囲には、各回胴停止ボタン126L,126M,126Rの操作受付可能な状態を報知するための回胴停止ボタンLED134L,134M,134Rを埋設してある。各回胴停止ボタンLED134L,134M,134Rは、それぞれ対応する回胴L,M,Rが等速回転しているときに点灯し、対応する回胴L,M,Rの回転が停止すると消灯する。操作パネル部122の下方には、遊技球を貯留するための下皿128が配設されている。
下皿128の奥面には、前面ブロック枠200に設けた下スピーカ部204を覆う下スピーカカバー部136と、上皿302から下皿128へ流れてくる遊技球の出口となり、かつ、後述する払出装置33(図17参照)から直接遊技球が払い出されてくることもある下皿払出口138とを設けてある。また、下皿128の前面下部には、下皿128から下皿128の下方に配置した図示しない遊技球収容ケース(いわゆるドル箱)に遊技球を落とす操作をするための下皿球抜きレバー140を設けてある。つまり、図2に示すように、下皿128の底面には開口部142を設けてあり、通常は開口部142を閉塞板144にて閉じてある。下皿球抜きレバー140にて閉塞板144をスライド操作することで、開口部142を開口させて下皿128から遊技球を落下させる構成になっている。また、下皿128の左側方には灰皿146を設けてある。操作パネル部122及び下皿128の両側には、それぞれ左下効果LEDカバー部148及び右下効果LEDカバー部150を設けてある。左下効果LEDカバー部148及び右下効果LEDカバー部150は、それぞれ前面パネル100の裏側から取り付けられた図示しない発光ダイオード等の発光装置を覆うものである。なお、前面パネル100は、合成樹脂製、例えばABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂で構成してある。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
前面ブロック枠200は、図5に示すように、前面パネル100よりも若干小さい矩形状の枠体で、前面パネル100の裏側にネジ止めされる。前面ブロック枠200の下部には下スピーカカバー部136にて覆われる聴覚的演出用の下スピーカ部204を取り付けてある。上下にスピーカ部106,204を設けることで臨場感あふれる聴覚的演出を行うことができる。また、前面ブロック枠200の左側部には回転軸206を設け、右側部にはドア開閉機構208を設けてある。図中の符号202はドア開閉機構208を構成するキーシリンダである。ドアキーシリンダ202に図示しない鍵を挿入して右側へ回転させると、外枠11に対して係止する係止爪210,210が下方向に回動し、外枠11に対する係止が解除される。逆に、ドアキーシリンダ202に図示しない鍵を挿入して左側へ回転させると、払出ブロック30に対して係止する係止爪212,212が下方向に回動し、払出ブロック30に対する係止が解除される。なお、図中の符号214は、下皿払出口138に連なる誘導通路である。
回胴表示パネル22は、無色透明のガラス板で、前面パネル100の窓孔102の形状に対応した形状の略台形状とされる。また、回胴表示パネル22は、遊技機設置島内を通行中の人がつまづいて衝突するなどしても割れないように十分な強度をもって形成されている。
表示パネル押え枠24は、前面パネル100との間に回胴表示パネル22を介在させて前面ブロック枠200にネジ止めされる。表示パネル押え枠24は、回胴表示パネル22の形状に対応した略台形状とされ、所定の奥行きをもって形成される。つまり、前面パネル100の窓孔102が中央パネル部112よりも前方に張り出しており、この張り出し長さに対応した奥行きをもって形成される。
上皿ユニット300は、遊技球を貯留する上皿302を有する部材で、中央パネル部112と操作パネル部122の間の開口部152を閉塞するように、操作パネル部122の裏側に取り付けられる。上皿302は、所望の深さでかつ図示上左側から右側へと下る傾斜をもって形成される。上皿ユニット300の前壁上面部には、左側部にマックスベットボタン304を、右側部に球貸出ボタン306及びカード返却ボタン308を配設してある。マックスベットボタン304にはマックスベットボタンLED(図示略)を埋設してある。前記マックスベットボタンLEDは、遊技球のベット可能な状態を遊技者に報知するためのものである。
図6乃至図8を参照して上皿ユニット300についてさらに詳しく説明する。なお、図6は上皿ユニット300の拡大斜視図で、図7(A)は上皿ユニット300の平面図で、図7(B)は上皿ユニット300の底面図で、図8は上皿ユニット300の分解斜視図である。但し、図8では図6及び図7(A)に示すフード部310の図示を省略している。
図6乃至図8に示すように、上皿ユニット300の奥面左端部には、上皿払出口312を設けてある。本実施形態では、一度に払い出される賞球数がパチンコ機に比べて球式回胴遊技機10の方が多く、大量の賞球を瞬時に払い出すという観点から、従来の球式回胴遊技機やパチンコ機(以下、これらをまとめて「従来の遊技機」と称する。)の払出口よりも上皿払出口312の横幅を大きく設定してある。この実施形態では、上皿払出口312の奥方の横幅H1が遊技球4個を並べた幅(約44mm)以上でかつ遊技球5個を並べた幅(約55mm)以下とされる。上皿払出口312は、奥側から前方側へ拡開したテーパー状をなし、その前側の横幅H2は、概ね遊技球7個を並べた幅(約77mm)とされる。
また、上皿ユニット300は前後方向の略中央部よりも後方側を覆うフード部310を有する。このフード部310は、上皿302の奥壁の上部を構成すると共に、中央パネル部112の底面部を構成する部材でもある。つまり、本実施形態では、遊技ブロック40に装着される後述する回胴ユニット43の前部が前方側へ出っ張っており、その下方をフード部310で覆うようになっている。そして、上皿302の奥壁が中央パネル部112よりも奥まった位置に形成され、前記回胴ユニット43の下方に位置する。こうすることで、外枠11を基準とした上皿302の前方への突出長さを従来の遊技機と同程度に設定しても、上皿302の奥行きが大きくなっている分だけ、従来の遊技機よりも大量の遊技球を上皿302に貯留できる構成になっている。
図8に示すように、上皿ユニット300は、上皿ユニット本体320と、上皿ユニット本体320にネジ止めされるフード部310(図6及び図7(A)参照)と、球貸出ボタン306と、カード返却ボタン308と、内側カバー330と、外側カバー340と、CR操作表示部350と、上皿球止め部360と、上皿球抜き操作部380とから構成される。
上皿ユニット本体320は、上記の如く上皿302を有する部材で、上皿302の下流側部分には、複数(例えば3つ)に分岐した遊技球案内路322a,322b,322cを設けてある。遊技球案内路322a,322b,322cは、遊技球を整列状態にしてセレクタ400へ順次案内する部位である。遊技球案内路322a,322b,322cの前方側には、下側からCR操作表示部350を介して上皿球抜き操作部380を装着するための取付部323を設けてある。取付部323の表側には、左側から順に、矩形状の窓孔324と、円形状の窓孔325と、中央部に貫通孔326,327を有する一対の凹部328,329とを設けてある。矩形状の窓孔324は、CR操作表示部350の複数(例えば3つ)の7セグLEDからなる度数表示部352を露出させるためのものである。円形状の窓孔325は、球貸出ボタンLED354を露出させるためのものである。一対の凹部328,329は、球貸出ボタン306及びカード返却ボタン308を装着する部位である。
内側カバー330と外側カバー340は、それぞれ球貸出ボタン306及びカード返却ボタン308を露出させるための一対の孔332,334,342,344を有する。内側カバー330は、一対の孔332,334の周縁部にて各ボタン306,308のフランジ306a,308aを押えることで、各ボタン306,308を凹部328,329に取り付けるためのものである。外側カバー340は、各ボタン306,308の押し代を規制するためのもので、各ボタン306,308の先端部が一対の孔342,344から若干突出するように構成されている。各ボタン306,308の押し代を規制することで、CR操作表示部350の球貸出スイッチ356及びカード返却スイッチ358の破損を防止できる。
CR操作表示部350は、上記の度数表示部352、球貸出ボタンLED354、球貸出スイッチ356及びカード返却スイッチ358を備える。度数表示部352は、球式回胴遊技機10に隣接して配置される図示しないCRユニットにカードを挿入することで当該カードの残額に相当する度数を表示する部位である。例えば当該カードの残額の1/100の値を度数として表示する。球貸出ボタンLED354は、遊技球の貸し出しを行える状態であることを点灯により遊技者に報知する部位である。すなわち、前記CRユニットに挿入されたカードに残額があるときは、球貸出ボタンLED354を点灯させて、遊技球の貸し出しを行える状態であると報知し、前記CRユニットに挿入されたカードに残額がないときや前記CRユニットにカードが挿入されていないときは、球貸出ボタンLED354を消灯させて、遊技球の貸し出しを行えない状態であると報知する。また、遊技球の貸し出しを行っているときには、球貸出ボタンLED354を点滅させて、遊技球の貸し出しを行っていることを報知し、この点滅状態のときにも球貸出ボタン306の操作を受け付けない構成とされる。球貸出スイッチ356は、球貸出ボタン306を押すことで、遊技球を貸し出すためのものである。カード返却スイッチ358は、カード返却ボタン308を押すことで、前記CRユニットからカードを返却するためのものである。
上皿球止め部360は、遊技球案内路322a,322b,322cの下側に取り付けられ、遊技球案内路322a,322b,322cからセレクタ400へと連なる球通路402a(402b,402c)(図10,11,13参照)の入口を開閉するものである。詳しくは、セレクタ400の故障等によりセレクタ400を取り替える必要が生じたときに、球通路402a(402b,402c)を閉鎖して上皿302から遊技球が毀れ落ちないようにするためのものである。
図9は上皿球止め部360の分解斜視図である。また、図10及び図11は上皿球止め部360及びセレクタ400を後方側から見た縦断面図であって、図10は球通路402a(402b,402c)の入口を開いた状態を、図11は球通路402a(402b,402c)の入口を閉じた状態をそれぞれ示している。図9に示すように、上皿球止め部360は、ケーシング361と、軸部材362と、開閉部材363とからなっている。
ケーシング361は、上方が開口した中空直方体状の箱であり、その両側部には、上皿ユニット本体320にネジ止めするためのフランジ364,365を設けてある。ケーシング361の前壁部366には、軸部材362の先端を回転自在に支持する先受け部367を設けてあり、後壁部368には軸部材362の基端側を受ける基受け部369を設けてある。また、ケーシング361の内底面には、軸部材362の中間部を受ける中受け部370,371を設けてある。なお、図中の符号372は後壁部368から後方側へ突出したストッパである。ストッパ372は、軸部材362の回転を規制する部位である。
軸部材362は、ケーシング361に対して開閉部材363をスライドさせるためのものである。軸部材362の基端部には、ケーシング361の背面側に配設される操作ハンドル373を設けてある。操作ハンドル373の前面側には、ストッパ372にて係止される円弧状の突出部374を設けてある。ケーシング361の内部に格納される軸部材362の先端側部分には、周方向に概ね90度の間隔を隔てて三対の押圧部375a,375bを設けてある。各押圧部375a,375bは舌片状に形成され、それぞれ軸部材362の半径方向に突出している。
開閉部材363は、球通路402a,402b,402cを閉じるための閉塞部376,376,376を有する。この実施形態では、上皿302の下流側部分に3本の遊技球案内路322a,322b,322cを設けてあるので、遊技球案内路322a,322b,322cの本数と同じ3つの閉塞部376,376,376を設けてある。開閉部材363は、ケーシング361に対してスライド自在に嵌着される本体部377と、本体部377の下側に軸部材362を跨ぐように設けられた一対の被押圧部378a,378bと、本体部377から一側方へ突出した3本のアーム379,379,379とを有し、各アーム379,379,379の先端に上向きに突出した閉塞部376,376,376を設けてある。
軸部材362の突出部374をケーシング361のストッパ372に接当させた状態では、図10に示すように、一方の押圧部375aが略水平方向を向いて開閉部材363の一方の被押圧部378aを押圧する。このとき、他方の押圧部375bは略鉛直方向下向きに維持される。図10の状態から操作ハンドル373を球式回胴遊技機10の背面から見て時計回りに回転させると、図11に示すように、他方の押圧部375bが略水平方向を向いて開閉部材363の他方の被押圧部378bを押圧し、開閉部材363が球通路402a(402b,402c)側へスライドする。これにより閉塞部376が球通路402の入口の大きさを狭めて遊技球を通せなくする。図11の状態から操作ハンドル373を反時計回りに回転させると、図10に示すように、遊技球が球通路402に流入可能な状態に戻る。
図11の如く球通路402の入口を狭めた状態にすると、図12に示すように、遊技球案内路322a(322b,322c)に遊技球を貯留した状態でセレクタ400を取り外すことができる。
図8の上皿球抜き操作部380は、操作パネル部122の小窓孔130から球式回胴遊技機10の前面に露出される上皿球抜きレバー386を有し、このレバー操作により上皿302から下皿128へと遊技球を流すためのものである。図10及び図11に示すように、セレクタ400は、上皿302から下皿128へと遊技球を案内する案内通路404a,404b,404cと、ベットボタン114,304の操作により上皿302から遊技球を回収して球式回胴遊技機10の外部へ排出する排出通路406a,406b,406cとを有する。上皿球抜き操作部380は、図10及び図11に示す返却シャッタ420を動かして、球通路402a(402b,402c)と案内通路404a(404b,404c)とを連通又は遮断させるためのものである。
図13及び図14は上皿球抜き操作部380及びセレクタ400の一部横断面図であって、図13は球通路402a(402b,402c)と案内通路404a(404b,404c)とを遮断した状態を、図14は球通路402a(402b,402c)と案内通路404a(404b,404c)とを連通させた状態をそれぞれ示している。
図13及び図14に示すように、上皿球抜き操作部380は、CR操作表示部350を介して上皿ユニット本体320の下側に取り付けられるベース部381と、ベース部381に立設した支軸382,383を中心に回動する回動片384及び押圧片385と、ベース部381の前面に沿ってスライドする上皿球抜きレバー386とを有する。回動片384の基部384aには上皿球抜きレバー386に枢着される連結部384bを設けてある。また、回動片384の基部384aは、コイルバネ387を介してベース部381に連結される。回動片384の先端部には二又状の把持部384cを設けてある。把持部384cは、押圧片385の基部385aに設けた凸部385bを摺動自在に把持する部位である。押圧片385の先端部には、返却シャッタ420を押圧する押圧部385cを設けてある。なお、図13及び図14において、セレクタ400の中空突出部408には、返却シャッタ420を押圧片385側へ押圧するコイルバネ430(図15参照)を格納してある。また、返却シャッタ420は、図15に示すように、遊技球案内路322a,322b,322cに対応した個数の窓孔422a,422b,422cを有し、各窓孔422a,422b,422cの側方に球通路402a,402b,402cと案内通路404a,404b,404cを遮断する遮断壁424a,424b,424cを有する。また、各窓孔422a,422b,422cの下部には球通路402a,402b,402c側へ延在する舌片426a,426b,426cを設けてある。各舌片426a,426b,426cは、球通路402a,402b,402cから各窓孔422a,422b,422cに遊技球を案内する部位である。
図13の状態は、上皿球抜きレバー386を操作していない状態である。つまり、コイルバネ387にて回動片384が反時計回りに引っ張られると共に、回動片384にて押圧片385が時計回りに引っ張られて、押圧部385cが返却シャッタ420の片端部から離れている状態である。この状態では、返却シャッタ420の遮断壁424a,424b,424cにて球通路402a,402b,402cと案内通路404a,404b,404cとが遮断され、球通路402a,402b,402cから案内通路404a,404b,404cへ遊技球が通過不可となる。図13の状態から上皿球抜きレバー386を摘んで図の下向き(実際には球式回胴遊技機10の正面から見て右側から左側)に動かすと、図14に示すように、上皿球抜きレバー386に随伴して回動片384が時計回りに回転すると共に、回動片384にて押圧片385が反時計回りに回転させられ、押圧部385cが返却シャッタ420を押圧する。返却シャッタ420が押圧部385cにて押圧されると、返却シャッタ420の各窓孔422a,422b,422cを介して球通路402a,402b,402cと案内通路404a,404b,404cとが連通し、球通路402a,402b,402cから案内通路404a,404b,404cへ遊技球が通過可能となる。図14の状態で上皿球抜きレバー386から手を離すと、コイルバネ430にて返却シャッタ420が前方側へ押圧され、図13の状態に戻る。
図15はセレクタ400の分解斜視図で、図16はセレクタ400の背面側から見た斜視図である。セレクタ400は、上皿球止め部360の斜め下方に取り付けられ、遊技者によるベットボタン114,304の操作に基づき上皿302に貯留された遊技球を所定数ずつ取り込む装置である。そして、所定数(例えば15個)の遊技球が取り込まれる毎にその都度の遊技(ゲーム)の開始条件が成立し、遊技開始の準備が整えられるようになっている。このとき、遊技球は所定数ずつ取り込まれた後、排出通路406a,406b,406cを介して球式回胴遊技機10の外部に排出される。
セレクタ400は、図15に示すように、遊技球案内路322a,322b,322cに対応した個数の複数(例えば3つ)の遊技球投入部410a,410b,410cと、上記した返却シャッタ420及びコイルバネ430と、返却スイッチ基板440と、中空突出部408を有し、かつ、コイルバネ430及び返却スイッチ基板440を被覆するバネ・基板カバー450と、セレクタ中継端子板462を中継端子板カバー464で被覆したセレクタ中継装置460とを備える。このセレクタ400は、複数の遊技球投入部410a,410b,410cを併設することで、遊技球の投入を迅速に行えるようになっている。なお、各遊技球投入部410a,410b,410cは互いにほぼ同じ構造になっており、説明が重複するので、ここでは、最背面側の遊技球投入部410aについてのみ説明する。
遊技球投入部410aは、図15に示すように、ケーシング411aとカバー412aからなる樹脂製の筐体を有し、この筐体の内部に、投入フリッカ413aと、投入ソレノイド414aと、通過センサ415aと、カウントセンサ416aとを備える。ケーシング411aの外表面は、隣接する遊技球投入部410bのカバー412bに対する取付面になっており、カバー412aの外表面は、バネ・基板カバー450に対する取付面になっている。また、ケーシング411a,411b,411cとカバー412a,412b,412cを組み付けると、図16に示すように、その上部に球通路402a,402b,402cを構成する樋状部417a,417b,417cが形成される。つまり、球通路402a,402b,402cは、図10及び図11に示すように、樋状部417a,417b,417cの上部を上皿ユニット本体320の底部320aにて覆うことで構成される。球通路402a,402b,402cの下流側には、斜め下方へ延びる案内通路404a,404b,404cとほぼ鉛直下向きに延びる排出通路406a,406b,406cとの分岐部がある。
投入フリッカ413aは、図10及び図11に示すように、排出通路406aを開閉するための部材である。投入フリッカ413aは、基端側部分413a1と先端側部分413a2が支軸413a3にて回転可能に連結されている。投入フリッカ413aの基端側部分413a1及び先端側部分413a2は、それぞれケーシング411aの支軸411a1,411a2にて回転可能に支持される。投入フリッカ413aの基端部には、投入ソレノイド414aの舌片414a1を把持する把持部413a4を設けてある。また、投入フリッカ413aの先端部には、排出通路406aを開閉するための開閉部413a5を設けてある。なお、図13及び図14における符号413b5,413c5は、それぞれ遊技球投入部410b,410cの投入フリッカの開閉部である。
投入ソレノイド414aは、図10及び図11に示すように、ベットボタン114,304の操作により通電されて作動し、ピストン414a2を上方へ縮まらせるものである。ピストン414a2の先端には、つまみ部414a3を装着してある。つまみ部414a3はピストン414a2の半径方向に延びる上記舌片414a1を有する。また、ピストン414a2には、コイルバネ414a4を外装してある。コイルバネ414a4は、投入ソレノイド414aの本体部分414a5とつまみ部414a3とを離間させる方向に付勢している。つまり、投入ソレノイド414aへの通電を切ったときに、コイルバネ414a4の付勢力により、ピストン414a2が下方へ伸びるようになっている。
ベットボタン114,304を押すと投入ソレノイド414aに通電され、ピストン414a2が縮まって投入フリッカ413aの基端側部分413a1を図示上反時計回りに回転させる。これと同時に投入フリッカ413aの先端側部分413a2は図示上時計回りに回転して排出通路406aを開き、球通路402aに待機している遊技球が自然落下可能な状態となる。逆に、投入ソレノイド414aの通電を切ると、コイルバネ414a4の付勢力によりピストン41a2が伸びて投入フリッカ413aの基端側部分413a1を図示上時計回りに回転させる。これと同時に投入フリッカ413aの先端側部分413a2は図示上反時計回りに回転して開閉部413a5にて排出通路406aを閉じ、遊技球が自然落下不可能な状態となる。
通過センサ415aは、排出通路406aであって投入フリッカ413aの開閉部413a5のすぐ下流側に配置され、遊技球が正常に取り込まれたか否かを検知するためのものである。通過センサ415aは、投入フリッカ413aの先端側部分413a2を取り囲むように横断面略コ字形状とされ、投入フリッカ413aよりも前面側又は背面側のいずれか一方側に発光素子を設け、他方側に受光素子を設けた構成とされる。また、発光素子及び受光素子はそれぞれ上下一対でかつ遊技球1個分の径よりも短い間隔で設けてある。上側の素子415a1にて遊技球を検知したのち上側及び下側の素子415a1,415a2にて同時に遊技球を検知し、次いで下側の素子415a2のみ遊技球を検知することが所定時間内に行われたときは、遊技球が正規に取り込まれたと判定される。逆に、上側の素子415a1にて遊技球を検知したのち所定時間経過しても下側の素子415a2が遊技球を検知しないときや、下側の素子415a2にて遊技球を検知したのち上側及び下側の素子415a1,415a2にて同時に遊技球を検知し、次いで上側の素子415a1のみ遊技球を検知したときは、遊技球が不正な手段にて投入されたと判定し、球式回胴遊技機10にエラーが発生した旨を報知すると共に遊技が禁止されるようになっている。故に、例えば、遊技球に紐等を付けてあたかも遊技球が取り込まれたようにするなどの不正行為が防止できるようになっている。
カウントセンサ416aは、遊技球投入部410aにて投入された遊技球を計数するためのものである。より詳しくは、通過センサ415aにてエラーが発生せずに取り込まれた遊技球を計数するものである。カウントセンサ416aにて検知した遊技球の個数が所定値(例えば5個、10個又は15個)に達すると、投入ソレノイド414aの通電が切られ、投入フリッカ413aにて排出通路406aを閉鎖する構成になっている。
また、セレクタ400は、複数の遊技球投入部410a,410b,410cを組み付けると共に各遊技球投入部410a,410b,410cに返却シャッタ420を挿入し、最背面側のカバー412aに取着した返却スイッチ基板440をバネ・基板カバー450にて被覆した構成とされる。
上記の如く、上皿球抜きレバー386を操作すると、返却シャッタ420がスライドし、上皿302から案内通路404a,404b,404cを経て下皿128へ遊技球が流れる。このとき、返却シャッタ420が返却スイッチ基板440にて検知され、この検知結果に基づき、ベットボタン114,304の操作受付を不能にする状態が発生する。このとき、図示しないベットボタンLEDは消灯して、ベットボタン114,304の操作受付が不能な状態であると遊技者に報知する。
また、セレクタ400は、複数の遊技球投入部410a,410b,410cを組み付けると共にその一側部に取り付けたセレクタ中継端子板462を中継端子板カバー464にて被覆した構成とされる。セレクタ中継端子板462は、通過センサ415aやカウントセンサ416aの検出結果をデジタル信号に変換して後述する主制御装置45に送信するものである。
(払出ブロックの構成)
図4に示すように、払出ブロック30は、前面ブロック20に対して開閉自在に取り付けられている。払出ブロック30の開閉軸線は球式回胴遊技機10の正面からみて左側で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして払出ブロック30が後方側に十分に開放できるようになっている。
また、払出ブロック30は、ドア開閉機構208にて前面ブロック20とロックされる。詳しくは、ドア開閉機構208の係止爪212,212が払出ブロック30の係合部31a,31aに係止しており、図示しないドアキーをドアキーシリンダ202に差し込んで左に回転させることで係止爪212,212の係止を解除する構成とされる。また、払出ブロック30は、ワンタッチ式の止め具31b(図3,4参照)を有し、この止め具31bによっても前面ブロック20と連結される。
図17は払出ブロック30の背面図である。同図に示すように、払出ブロック30は、払出ブロック本体31に、貸出用及び賞球用としての遊技球を貯留する遊技球タンク32と、遊技球を払い出す払出装置33と、遊技球タンク32から払出装置33へと遊技球を案内するタンクレール34及びケースレール35と、払出中継端子板36と、遊技球の払出動作を制御する払出制御装置37と、遊技球の電源を制御する電源制御装置38と、球式回胴遊技機10を前記CRユニットに接続するためのCRユニット接続端子板39とを取り付けた構成とされる。
払出ブロック本体31は、その中央に後方側へ張り出して遊技ブロック40を被包する保護カバー部31cを有する。この保護カバー部31cを取り囲むように、遊技球タンク32、タンクレール34、ケースレール35、払出装置33、払出中継端子板36、CRユニット接続端子板39、払出制御装置37、および、電源制御装置38が装着されている。
図18は払出ブロック30から払出制御装置37及び電源制御装置38を取り外した状態を示す背面図で、図19は払出ブロック30を正面側から見た斜視図である。図18の破線は遊技球タンク32からの遊技球のフローを示しており、同図に示すように、払出ブロック本体31は、払出装置33から遊技球を上皿302へ案内する上皿誘導通路31dと、払出装置33から遊技球を下皿128へ案内する下皿誘導通路31eと、払出装置33から遊技球を球式回胴遊技機10の外部へ排出する排出通路31fを有する。下皿誘導通路31eは、上皿誘導通路31dが遊技球で溢れたときに、払出装置33から遊技球が導入される。また、図19に示すように、上皿誘導通路31dは、払出ブロック30の前面側で開口した出口部31d1を有し、この出口部31d1が上皿ユニット300の上皿払出口312に連なっている。同様に、下皿誘導通路31eは、払出ブロック30の前面側で開口した出口部31e1を有し、この出口部31e1が前面ブロック20の下皿払出口138に連なっている。
なお、図19において、符号31gは払出ブロック本体31の正面側から見て左側端部に設けられた回転軸部である。回転軸部31gは上下一対で設けてある。各回転軸部31gは、払出ブロック本体31からブラケット31hが略水平方向に延び出しており、このブラケット31hから下方に突出している。前面ブロック20には、この回転軸部31gを落とし込む環状の軸受部(図示略)を設けてあり、前面ブロック20と払出ブロック30の着脱が容易な構成となっている。
遊技球タンク32は、上方に開口した横長の箱型容器で、遊技機設置島内の遊技球循環設備から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク32の底部は緩やかに傾斜している。遊技球タンク32の底部の下流側端部はタンクレール34へ遊技球を送るために開口している。
タンクレール34は、図17及び図18に示すように、遊技球タンク32の下方に取り付けられ、例えば横方向4列の樋状通路(図示略)を有する。前記樋状通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜している。タンクレール34には、遊技球が積み重なって流れないように整流する4つの振り子34a,34b(図22参照)が2行2列で取り付けられている。振り子34a,34bの下流側には、タンクレール34からケースレール35へ遊技球が流れるのを阻止するための球止めレバー34cを取り付けてある。
ケースレール35は、図17及び図18に示すように、タンクレール34の下流側に縦向きに配置されている。ケースレール35は、遊技球が勢いよく流れないように波状のうねりをもって左右に湾曲した球通路35aを有し、その上部には、球切れ検出装置35bを組み付けてある。球切れ検出装置35bは、ケースレール35の内部に遊技球が十分にないこと、つまりケースレール35よりも上流側で球詰りが発生してケースレール35に遊技球が十分に補給されていないことを検出するものである。この球切れ検出装置35bの検出結果に基づき、球詰りエラーが報知される。なお、ケースレール35は、タンクレール34の前記樋状通路の個数に対応して前後方向に複数(例えば4つ)連結させた状態で配設してある(図22参照)。
図20及び図21は球切れ検出装置35bの構成を示すケースレール35の要部縦断面図であって、図20はケースレール35に十分な個数の遊技球がある状態を、図21はケースレール35に十分な個数の遊技球がない状態をそれぞれ示している。
図20及び図21に示すように、球切れ検出装置35bは、スイッチ片35b1と球切れ検出スイッチ基板35b2とで構成される。スイッチ片35b1は、支軸35cにてケースレール35に回転自在に取り付けられ、支軸35cから半径方向下方に延びてケースレール35内の球通路35aを閉塞可能な板状の揺動部35b11を有する。また、スイッチ片35b1は、支軸35cよりも上方でかつ支軸35cよりも一方側に偏った偏心部35b12を有し、さらに偏心部35b12から一方側に突出したスイッチ部35b13を有する。球切れ検出スイッチ基板35b2は、スイッチ片35b1の一方側に設置され、スイッチ片35b1の回転に追従してスイッチ部35b13を検出できる構成となっている。
図20に示すように、ケースレール35内に十分に遊技球がある場合は、揺動部35b11が遊技球によって押されてほぼ鉛直下向きになり、球通路35aの側壁となる。この場合には、スイッチ部35b13が球切れ検出スイッチ基板35b2から離間して検出されない。一方、ケースレール35の上流側で球詰りが発生している場合、ケースレール35には遊技球が補給されずに遊技球の払い出しのみが行われ、図21に示すように、ケースレール35内の遊技球が不足するようになる。図21の場合、偏心部35b12とスイッチ部35b13の自重でスイッチ片35b1が回転し、揺動部35b11にて球通路35aが閉塞される。このとき、スイッチ部35b13が球切れ検出スイッチ基板35b2にて検出され、この検出結果に基づき球切れエラーが報知される。ケースレール35の上流側での球詰りを解消すると、遊技球がケースレール35に流れ込み、揺動部35b11が押圧されて球切れスイッチ基板35b2によってスイッチ部35b13が検出されない正常な状態に戻る。
図22は払出ブロック30から払出装置33及び払出装置33の下方に配設される払出中継端子板36の取付台36a,36bを取り外した状態を示す分解斜視図である。払出装置33は、所定の入賞条件を満たすことで、或いは図示しないCRユニットにカードを挿入した状態で球貸出ボタン306を押すことで、所定数の遊技球を払い出すためのものである。この実施形態では、パチンコ機の最大の賞球数が15球であるのに対し、球式回胴遊技機10の最大の賞球数は75球であり、パチンコ機に比べて球式回胴遊技機10の最大の賞球数が多いという観点から、パチンコ機よりも払出装置33を多く設け、賞球の払い出しを迅速に行えるようにしている。つまり、パチンコ機は2つの払出装置33を備えていれば遊技を迅速に進行できたが、球式回胴遊技機10の場合は賞球数が多くかつ賞球が全て払い出されなければ次のゲームを開始できないという制約があるので、本実施形態では、4つの払出装置33を前後方向に併設して賞球の払い出しの迅速化を図り、遊技を遅滞なく進行できるようにしてある。
なお、図22に示す取付台36a,36bは、2つ割りの構成とされ、背面側から見て左側に上皿誘導通路31d及び下皿誘導通路31eに連なる球通路36a1,36b1を有し、右側に排出通路31fに連なる球通路36a2,36b2を有する。一方の球通路36a1,36b1の上部は、それぞれ上皿誘導通路31d側にやや傾いて下皿誘導通路31eよりも上皿誘導通路31dに遊技球を導きやすくなっている。また、一方の球通路36a1,36b1の下部は、上皿誘導通路31d及び下皿誘導通路31eを跨ぐように、テーパー状に末広がりとなっている。他方の球通路36a2,36b2は、背面側の球通路36a2が前面側の球通路36b2に合流し、前面側で排出通路31fに連なるよう構成されている。
図23は払出装置33の構成を示す縦断面図である。同図に示すように、払出装置33は、ケーシング33aと図示しないカバーからなる樹脂製の筐体を有し、この筐体の内部に、払出フリッカ33bと、払出ソレノイド33cとを備える。ケーシング33aの内部には球通路33dが形成され、その下流側には、ほぼ鉛直下向きに延びる払出通路33eと、斜め下方へ延びる排出通路33fとの分岐部がある。この分岐部には、切替片33gが配設されており、通常は切替片33gをほぼ鉛直上向きに維持して遊技球が払出通路33eを通るようになっている。
払出フリッカ33bは、図23に示すように、球通路33dを開閉するための部材である。払出フリッカ33bは、基端側部分33b1と先端側部分33b2が支軸33b3にて回転可能に連結されている。払出フリッカ33bの基端側部分33b1及び先端側部分33b2は、それぞれケーシング33aの支軸33a1,33a2にて回転可能に支持される。払出フリッカ33bの基端部には、払出ソレノイド33cの舌片33c1を把持する把持部33b4を設けてある。また、払出フリッカ33bの先端部には、球通路33dを開閉するための開閉部33b5を設けてある。
払出ソレノイド33cは、所定の入賞条件を満たすことにより、或いは図示しないCRユニットにカードを挿入した状態で球貸出ボタン306を押すことにより通電されて作動し、ピストン33c2を上方へ縮まらせるものである。ピストン33c2の先端には、つまみ部33c3を装着してある。つまみ部33c3はピストン33c2の半径方向に延びる上記舌片33c1を有する。また、ピストン33c2には、コイルバネ33c4を外装してある。コイルバネ33c4は、払出ソレノイド33cの本体部分33c5とつまみ部33c3とを離間させる方向に付勢している。つまり、払出ソレノイド33cへの通電を切ったときに、コイルバネ33c4の付勢力により、ピストン33c2が下方へ伸びるようになっている。
図23に示すように、球通路33dが払出フリッカ33bの開閉部33b5にて閉鎖された状態で、所定の入賞条件が成立したり、或いは度数表示部352に残度数がある状態で球貸出ボタン306が押されたりすると、払出ソレノイド33cに通電される。そうすると、図24に示すように、ピストン33c2が縮まって払出フリッカ33bの基端側部分33b1を図示上反時計回りに回転させる。これと同時に払出フリッカ33bの先端側部分33b2は図示上時計回りに回転して球通路33dを開き、遊技球が自然落下可能な状態となる。逆に、払出ソレノイド33cの通電を切ると、コイルバネ33c4の付勢力によりピストン33c2が伸びて払出フリッカ33bの基端側部分33b1を図示上時計回りに回転させる。これと同時に払出フリッカ33bの先端側部分33b2は図示上反時計回りに回転して球通路33dを閉じ、遊技球が自然落下不可能な状態、つまり図23に示す状態に戻る。
また、払出装置33には、横断面略コ字形状のカウントセンサ33hを装着してある。カウントセンサ33hは、払出フリッカ33bの開閉部33b5のすぐ下流側に配置され、球通路33dを落下する遊技球を計数するためのものである。カウントセンサ33hにて検知した遊技球の個数が所定値(例えば35個、75個、125個又は250個)に達すると、払出ソレノイド33cの通電が切られ、払出フリッカ33bにて球通路33dを閉鎖する構成になっている。
また、払出ソレノイド33cの下方には、つまみ部33c3を上下動させるための略L字形状の押圧片33iを設けてある。押圧片33iは、ケーシング33aの支軸33a3に回転自在に取り付けられており、先端部33i1にてつまみ部33c3を上方へ押圧するものである。
ケーシング33aの外部には、図17,18,22に示すように、略扇形状の操作レバー33jを配設してある。図23及び図24において、符号33a4は操作レバー33jの回転軸である。操作レバー33jには、切替片33gの中間部に設けた突起部33g1と、押圧片33iの基端部に設けた突起部33i2とを連結してある。つまり、操作レバー33jを回転操作すると、切替片33gと押圧片33iが連動する構成になっている。操作レバー33jを図示上反時計回りに操作すると、図25に示すように、切替片33gにて払出通路33eが閉鎖されると共に球通路33dと排出通路33fが連通する。一方で、押圧片33iにて払出ソレノイド33cのつまみ部33c3が押し上げられ、払出フリッカ33bが球通路33dを開く。タンクレール34に設けた球止めレバー34cにて遊技球が流れるのを阻止しつつ操作レバー33jを上記の如く操作すると、球止めレバー34cから下流側の遊技球が球式回胴遊技機10の外部に排出される。払出装置33やケースレール34が故障した場合には、上記のように球止めレバー34cから下流側の遊技球を球式回胴遊技機10の外部に排出した状態で払出装置33やケースレール34を取り替えることができる。
図17に戻り、払出制御装置37、電源制御装置38及びCRユニット接続端子板39について説明する。払出制御装置37は、賞球や貸出球の払い出しを制御するもので、周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む払出制御基板37aを具備している。
電源制御装置38は、各種制御装置等で要する所定の電源電圧を生成し出力するものである。また、電源制御装置38には、電源スイッチ38aのほか、RAM消去用のリセットスイッチ38b、打止切替スイッチ38c、および、設定変更キーシリンダ38dが設けられている。電源スイッチ38aは、オンされるとCPUを始めとする各部に電源を供給する。リセットスイッチ38bはこれを押しながら同時に電源スイッチ38aをオンするとRAMの内容がリセットされ、電源スイッチ38aがオンされている状態で押されるとエラー状態がリセットされる。打止切替スイッチ38cは、ビッグボーナスの終了時点で遊技を一時停止するか否かを切り替えるためのものである。設定変更キーシリンダ38dは、設定変更装置を構成するものである。前記設定変更装置は、球式回胴遊技機10の出球率が予め複数段階(例えば6段階)に定められており、出球率をいずれかの段階に設定するものである。設定変更の手順は次の通りである。まず、電源スイッチ38aをオフにした状態で、設定変更キーシリンダ38dに図示しない設定変更キーを挿入して時計回りに90度回転させる。この状態で、電源スイッチ38aをオンにすると、後述する遊技ブロック40の前面の7セグLED表示部41g(図27参照)に現在の出球率(設定)が数値「1」〜「6」のいずれかで表示される。次いで、リセットスイッチ38bを押していくと、7セグLED表示部41gに表示される数字が変化して1ずつ増加していく(但し、「6」の場合には「1」に戻る。)。7セグLED表示部41gに「1」〜「6」のいずれかの数字を表示させた状態で、始動レバー124を押下すると、出球率(設定)が確定される。
CRユニット接続端子板39は、球式回胴遊技機10の前面の球貸出ボタン306及び図示しないCRユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置37に出力するものである。なお、CRユニットを介さずに球貸し装置等から上皿302に遊技球が直接貸し出される現金機では、CRユニット接続端子板39は不要である。
上記払出制御装置37及び電源制御装置38は、透明樹脂材料等よりなる基板ケースにそれぞれ制御基板を収容した構成とされる。
(遊技ブロックの構成)
図4に示すように、遊技ブロック40は、前面ブロック20に対して開閉自在に取り付けられている。遊技ブロック40の開閉軸線は払出ブロック30の開閉軸線と同じで、払出ブロック30と同様に、落とし込み構造にて開閉自在に取り付けてある。また、遊技ブロック40は、ワンタッチ式の止め具40aを有し、この止め具40aによって払出ブロック30と連結固定される。なお、払出ブロック30側には、止め具40aを引っ掛けるための止め金具31iを固着してある。つまり、遊技ブロック40は、払出ブロック30と一体になって前面ブロック20に対して開閉され、払出ブロック30との連結を解除してから払出ブロック30に対して前方側へ回動する構成とされる。遊技ブロック40は、球式回胴遊技機10の中核をなす主要なブロックで、このような遊技ブロック40を上記の如く着脱容易な構成とすることで、遊技ブロック40の取り替えが可能となる。遊技ブロック40を取り替えることで、全く別の遊技性をもった遊技機に変えることができ、遊技機の新台入替えの低コスト化を図ることができる。
図26は遊技ブロック40の分解斜視図である。同図に示すように、遊技ブロック40は、前面パネル100の窓孔102から露出される遊技パネル41を有する。遊技パネル41は、上下一対の窓孔41a,41bを有する。上側の窓孔41aは、遊技パネル41の裏側に取り付けられる液晶表示装置42の表示画面を露出させるためのもので、下側の窓孔41bは、同じく遊技パネル41の裏側に取り付けられる回胴ユニット43を露出させるためのものである。また、遊技パネル41の裏側には、回胴ユニット43の一側方に主取付台44を介して主制御装置45が取り付けられ、液晶表示装置42の後方に副取付台46を介して副制御装置47が取り付けられる。主制御装置45は、遊技パネル41と直交するように縦長状に配置される。このような配置としたのは、ある程度の奥行きをもって形成される回胴ユニット43の側方位置を主制御装置45の取付位置として有効に利用して省スペース化を図るためである。また、副制御装置47は、液晶表示装置42の後方でかつ回胴ユニット43の上方に傾斜させた状態で配置される。つまり、回胴ユニット43の上部後方側が傾斜しており、この傾斜に沿って副制御装置47を斜めに配置することでも省スペース化が図られる。
図27は遊技ブロック40の正面図である。なお、図27では便宜上回胴ユニット43から複数(例えば21個)の図柄を一列に付した、図28に示す帯状の図柄シール43L,43M,43Rを取り外した状態を示している。
図27に示すように、遊技パネル41の下側の窓孔41bからは、回胴ユニット43の3つの回胴L,M,Rが露出している。詳しくは、各回胴L,M,Rに貼り付けられる図柄シール43L,43M,43Rの図柄のうちそれぞれ3つずつ下側の窓孔41bから露出される。図では各図柄シール43L,43M,43Rの図柄を見やすくするように配置された、左右一対の9組のLED43L1,43M1,43R1が3行3列で露出している。
遊技パネル41の下側の窓孔41bの左側方には、有効ライン表示部41cを設けてある。有効ライン表示部41cは、中央に1ベット表示部41c1が配置され、その上下に2ベット表示部41c2,41c2が配置され、最上段と最下段に3ベット表示部41c3,41c3が配置されており、遊技球のベット数に応じて所望のベット表示部41c1〜41c3を点灯させる。具体的には、ベット数が0球〜4球であれば全て消灯状態のままで、ベット数が5球〜9球であれば1ベット表示部41c1のみが点灯し、10球〜14球であれば1ベット表示部41c1及び2ベット表示部41c2,41c2が点灯し、15球であれば全てのベット表示部41c1〜41c3が点灯する。つまり、1ベットボタン114を押すと、上皿302に貯留された遊技球が最大5個までセレクタ400に取り込まれ、遊技球が5個取り込まれた時点で1ベット表示部41c1が点灯する。さらに1ベットボタン114を押すと、同様に遊技球が5個取り込まれた時点で2ベット表示部41c2,41c2が点灯する。さらにまた1ベットボタン114を押すと、同様に遊技球が5個取り込まれた時点で3ベット表示部41c3,41c3が点灯する。なお、マックスベットボタン304を押すと、上皿302に貯留された遊技球が最大15個までセレクタ400に取り込まれ、遊技球が5個取り込まれる度に1ベット表示部41c1、2ベット表示部41c2,41c2、3ベット表示部41c3,41c3が順次点灯していく。1ベット表示部41c1のみが点灯しているときは、有効ラインが上中下三段のうちの中段一列で、1ベット表示部41c1及び2ベット表示部41c2,41c2が点灯しているときは、有効ラインが上中下段三列で、全てのベット表示部41c1〜41c3が点灯しているときは、有効ラインが上中下段三列と対角ライン二列の合わせて五列となる。
遊技パネル41の上側の窓孔41aの両側には、電動役物41d,41eが配設されている。また、下側の窓孔41bの右側方には、上から順に、電動役物41f、7セグLED表示部41g、LED表示部41hが配設されている。これらの電動役物41d,41e,41fは、遊技上の演出やビッグボーナス又はレギュラーボーナスの確定報知などに使用される。7セグLED表示部41gは、遊技球のベット数や払出数、エラーコード、ボーナス中の総払出数、設定変更時の6段階の設定などを表示する部位である。LED表示部41hには、4つのLEDが配設されている。そのうち上3つのLEDはベット数表示部41h1を構成する。ベット数表示部41h1は、セレクタ400に投入された遊技球数に対応する個数のLEDを点灯させてベット数を1〜3の範囲内で表示するものである。残る1つのLEDは、再遊技表示部41h2である。再遊技表示部41h2は、図28に示す図柄シール43L,43M,43Rの図柄のうち略扇形の枠に「再」と表示したリプレイ図柄が有効ライン上に揃ったときに点灯し、次のゲームを遊技球のベットなしで遊技できることを報知するものである。なお、リプレイ図柄が有効ライン上に揃ったのち所定時間経過後に始動レバー124を押下すると回胴L,M,Rの回転に伴って、再遊技表示部41h2は消灯する。
また、下側の窓孔41bの下方には、中央パネル部112から露出される前記情報掲載パネル(図示略)が取り付けられる。前記情報掲載パネルの片端には、証紙41iと型式名シール41jが貼付される。また、前記情報掲載パネルの内側には、破線で示すように、前記情報掲載パネルを後方側から照らすための蛍光灯41kが配設される。
液晶表示装置42は、通常遊技中の小役当選の報知演出や遊技状態が通常遊技状態からボーナス状態に遷移することを示唆するための示唆演出、ビッグボーナス又はレギュラーボーナス中の演出、ボーナス中の小役ゲーム数やJACゲーム数の表示、特定の遊技状態(例えば、リプレイが当選しやすいRT状態)であることを報知する演出、回胴停止ボタン126L,126M,126Rの押下のタイミングや押下順を報知する演出などを行うためのものである。
図29は回胴ユニット43の一部分解斜視図である。回胴ユニット43は、3つの回胴(いわゆるリール)L,M,Rを有し、各回胴L,M,Rを回胴ユニット枠43aに収納したものである。各回胴L,M,Rは、同様の構成とされるため、ここでは右回胴Rを例に挙げて説明する。
右回胴Rは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材43R2の外周面に21個の図柄(識別要素)が等間隔で描かれた図柄シール43Rを巻き付けたものであり、円筒骨格部材43R2を円盤状の補強板43R3を介して右回胴用ステッピングモータ43R4の回転軸43R5に取り付けてある。
右回胴用ステッピングモータ43R4は、回胴ユニット枠43aの内部に垂設されるモータプレート43R6にネジ止めされており、このモータプレート43R6には発光素子と受光素子とが一対となった回胴位置検出センサ43R7が設置されている。回胴位置検出センサ43R7を構成する一対のフォトセンサ(図示はしない)は、所定の間隔を保持してセンサ筐体内に配される。
円筒骨格部材43R2の5つの車輻43R8のうちの1つには、軸方向に延び出したセンサカットバン43R9を取り付けてある。このセンサカットバン43R9は、回胴位置検出センサ43R7の両素子の間隙を通過できるように位置合わせがなされている。そして、右回胴Rが1回転するごとにセンサカットバン43R9の先端部の通過を回胴位置検出センサ43R7が検出し、検出の都度主制御装置45に検出信号を出力する。主制御装置45はこの検出信号に基づいて右回胴Rの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。なお、各回胴L,M,Rに巻かれる図柄シール43L,43M,43Rは、それぞれに描かれた図柄の順序や発生頻度が異なったものが使用される。
ステッピングモータ43R4は、504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)により右回胴Rが1周するように設定されており、この励磁パルスによって回転位置が制御される。すなわち、右回胴Rが1周すると21図柄が順々に遊技パネル41の下側の窓孔41bから露出するため、ある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、回胴位置検出センサ43R7の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が窓孔41bから露出しているかを認識したり、任意の図柄を窓孔41bから露出させたりする制御を行うことができる。
ステッピングモータ43R4として、この実施形態では、1−2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用している。ステッピングモータ43R4はハイブリッド型や2相に限らず、4相あるいは5相のステッピングモータなど、種々のステッピングモータを使用することができる。
ステッピングモータ43R4に対する駆動信号(駆動信号用データ)は、励磁データとしてモータドライバ70に与えられる。この励磁データは主制御基板45aのRAM45a3に格納されており、CPU45a1(図32参照)からの指令に基づいて入出力ポート45a4に、適切な励磁データが出力されることになる。この励磁データによってステッピングモータ43R4に対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号(電流)が通電される。
主制御装置45は、球式回胴遊技機10の主たる制御を司るもので、具体的には、始動レバー124からの信号を受信して成立役(ビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役、リプレイ)の抽選を行い、当該抽選結果に基づき副制御装置47及び払出制御装置37に指令信号を発するものである。主制御装置45の構成は、図32に示すように、主たる制御を司るCPU45a1、遊技プログラムを記憶したROM45a2、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM45a3、各種機器との連絡をとる入出力ポート45a4、各種抽選の際に用いられる乱数発生回路45a5、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路45a6等を含む主制御基板45aと、この主制御基板45aを収容する透明樹脂材料等よりなる基板ケース45b(45b1,45b2、図26参照)とからなる。
副制御装置47は、主制御装置45から発せられる指令信号(コマンド)に基づき、遊技演出用の各種LEDカバー部104,108,110,148,150にて被覆される図示しない発光装置(LED)の点灯・点滅や上下スピーカ106,204から発せられる効果音、液晶表示装置42にて表示される表示態様などの制御を行うものである。副制御装置47の構成は、主制御装置45と同様、上記の各種LED、上下スピーカ106,204及び液晶表示装置42の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、入出力ポート等を含む副制御基板47aと、この副制御基板47aを収容する透明樹脂材料等よりなる基板ケース47b(47b1,47b2)とからなる。
(球式回胴遊技機の制御系)
球式回胴遊技機10の制御系について説明する。図30は球式回胴遊技機10の制御系を示すブロック図である。
主制御基板45aは、図30に示すように、演算処理手段であるCPU45a1を中心とするマイクロコンピュータとして構成された制御手段として機能し、処理プログラムを記憶するROM(あるいはフラッシュメモリ)45a2、一時的にデータを記憶する作業用(ワーキング用)のRAM45a3、入出力ポート45a4などが内部バスを介してこのCPU45a1に接続されている。
主制御基板45aの入出力ポート45a4には、リセットスイッチ38bからのリセット信号、設定キースイッチ38d1からの設定信号、ベットボタン114からの1ベット信号、マックスベットボタン304からの最大ベット信号、セレクタ400に取り込まれた遊技球を検出するカウントセンサ416a1,416b1,416c1からの補助通過検出信号、セレクタ400に取り込まれた遊技球を検出する通過センサ415a,415b,415cにおける上側の素子415a1,415b1,415c1からの上流通過検出信号及び通過センサ415a,415b,415cにおける下側の素子415a2,415b2,415c2からの下流通過検出信号、始動レバー124からの変動開始信号、左、中、右回胴停止ボタン126L,126M,126Rからの停止信号、回胴位置検出センサ43L7,43M7,43R7からの検出信号、払出装置33から払い出される遊技球を検出するカウントセンサ33hからのカウントスイッチ信号に基づくカウント信号、ケースレール35内の遊技球を検出する球切れ検出装置35bからの遊技球検出信号、払出期間中を表す払出中信号などが入力される。
また、主制御基板45aの入出力ポート45a4からは、ベットボタン114,304からのベット信号に基づく投入ソレノイド414a,414b,414cの駆動信号、通過センサ415a,415b,415cの計数値に基づく投入ソレノイド414a,414b,414cの駆動停止信号、始動レバー124からの変動開始信号及び回胴停止ボタン126L,126M,126Rからの停止指令信号に基づく回胴用ステッピングモータ43L4,43M4,43R4の駆動信号などが出力される。また、液晶表示装置42にて表示される演出内容やスピーカ106,204から発せられる効果音、上LEDカバー部104等で被覆された各種発光装置(LED)の点灯・点滅などを制御する制御信号が副制御基板47aに出力される。
上述したCPU45a1は、このCPU45a1によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM45a2と、このROM45a2内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのワーキング用のRAM45a3の他に、図示はしないが周知のように割り込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路など球式回胴遊技機10において必要な各種の処理回路が内蔵されている。
ROM45a2とRAM45a3とによってメインメモリが構成され、各種の処理を実行するための処理プログラム(出力制御情報生成用処理プログラムを含む)は、処理プログラムの一部として上述したROM45a2に記憶されている。RAM45a3内は、機能的には複数の作業エリア(メモリエリア)が確保されている。周知のようにCPU45a1内に設けられたプログラムカウンタの値を保存するためのスタックメモリ(スタックメモリ用のエリア)の他に、この例では停電フラグを記憶する停電フラグメモリ45a31、スタックポインタを保存するスタックポインタ保存用メモリ45a32、RAM45a3に保存されているデータのチェックサムに関連した補正値を保存するチェックサム補正値用メモリ45a33、さらには復電時に使用される復電コマンドバッファ45a34や復電コマンドカウンタ45a35や残り払出個数カウンタ45a36などのメモリエリアが確保されている。
RAM45a3内にセットされたスタックポインタ保存用メモリ45a32は、球式回胴遊技機10の電源切断時にCPU45a1内のスタックポインタの値を退避させて保存しておくためのメモリである。スタックポインタの値は停電処理の初期において、スタックポインタ保存用メモリ45a32にセーブされる。復電処理の始めにスタックポインタに対する復帰処理が行われ、スタックポインタ保存用メモリ45a32に保存されている値がCPU45a1内のスタックポインタに取り込まれる。スタックポインタの内容はバックアップされているRAM45a3内に設けられたスタックポインタ保存用メモリ45a32内に退避させて保存されている。
RAM45a3内のチェックサム補正値用メモリ45a33は、停電処理時にRAM45a3内のデータから算出したチェックサムを、「0(ゼロ)」とするための補正値を記憶させておくメモリである。
復電コマンドバッファ45a34は、電源復旧時(停電の復旧時又は電源再投入時)に主制御基板45aから副制御基板47aに送信される復電処理用のコマンド(復電コマンド)を一時的に記憶するバッファである。復電コマンドは復電処理の実行を副制御基板47aに知らせるためのコマンドとして使用される。復電コマンドはRAM45a3に記憶されている一般のコマンドに優先して副制御基板47aに送信される。
復電コマンドカウンタ45a35は、復電コマンドバッファ45a34に記憶されている復電コマンドのバイト数を記憶するカウンタである。復電コマンドは2バイト構成であって、他のコマンド(スピーカ駆動用コマンドなど)と同じくバイト単位で副制御基板47aに送信される。
RAM45a3には後述するように電源制御装置38内に設けられた電源制御基板からバックアップ電圧が供給され、球式回胴遊技機10の電源が切断された後でもデータが消失しないようになされている。
入出力ポート45a4には、副制御基板47aなどのI/O装置の他に、ホール管理装置(図示はしない)などに情報を送信できる外部集中端子板や、電源制御基板38’に設けられた停電監視回路38f、さらには投入ソレノイド414a,414b,414cや払出制御基板37aなどが接続されている。
前記電源制御基板には主制御基板45aを始めとして球式回胴遊技機10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部38eや、上述した停電監視回路38fなどが搭載されている。
停電監視回路38fは電源の切断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ38aによる電源切断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路38fは、電源部38eから出力される直流24ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば22ボルト未満まで低下したときに電源が切断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU45a1と入出力ポート45a4のそれぞれに供給され、CPU45a1ではこの停電信号を認識することで、停電時処理が実行される。
電源部38eからは出力電圧が22ボルト未満まで低下した場合でも、主制御基板45aなどの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間として、主制御基板45aによる停電時処理を実行するのに十分な時間が確保されている。
また、主制御基板45aは、電源部38eから安定化駆動電圧が供給されるのと同時にリセットスイッチ38bからリセット信号が送信されると、RAM45a3に書き込まれた情報を消去し、電源部38eから安定化駆動電圧が供給されている状態でリセットスイッチ38bからリセット信号が送信されると、エラー状態をリセットする。
さらに、電源オフ時に設定キースイッチ38d1をオンにしてから電源オンにした状態、つまり電源オフ時に設定変更キーシリンダ38dに設定キーを差し込んで回転させてから電源オンにした状態にすると、球式回胴遊技機10の出球率を変更可能な状態が発生する。この状態で、リセットスイッチ38bからリセット信号が送信されると、球式回胴遊技機10のボーナス確率や小役確率を変更し、当該変更結果を設定値「1」〜「6」の数字で7セグLED表示部41g(図27参照)に出力する。そして、7セグLED表示部41gに「1」〜「6」のいずれかの数字を表示させた状態で、始動レバー124から設定確定信号を受信すると、球式回胴遊技機10の出球率(設定)を確定する。
次に、払出制御基板37aについて説明する。図31は、払出制御基板37aの構成を表わすブロック図である。払出制御基板37aは、概ね主制御基板45aと同様の構成であり、CPU37a1を備え、処理プログラムを記憶するROM(あるいはフラッシュメモリ)37a2、一時的にデータを記憶する作業用(ワーキング用)のRAM37a3、入出力ポート37a4などが内部バスを介してこのCPU37a1に接続されている。ここで、RAM37a3に設けられた各種メモリ、フラグ、カウンタについて説明する。
コマンド受信フラグ37a31は、主制御基板45aやカードユニットからのコマンドを払出制御基板37aが受信した場合に設定され、コマンド受信を確認した場合に解除されるフラグである。
払出状態カウンタ37a32は、払出制御基板37aによって遊技球を払い出す状態が、主制御基板45aから送信される払出コマンドによって払い出される状態か、カードユニットから送信される貸球払出要求信号(コマンド)によって払い出される状態かを記憶するためのカウンタである。本実施形態では、払出状態カウンタ37a32の値が「1」であれば、賞球の払い出しを行う状態であり、払出状態カウンタ37a32の値が「2」であれば、貸球の払い出しを行う状態である。
賞球個数カウンタ37a33は、主制御基板45aから送信される払出コマンドの種類に応じた遊技球の払出個数を記憶するカウンタである。本実施形態では、払出コマンドの種類に応じた払出個数は、主に5個〜75個の範囲内であり、入賞役などにより異なる。なお、払出コマンドの種類に応じた払出個数は、停電などにより遊技球の払い出しが途中で終了した場合には、払い出されなかった遊技球数に応じて、1〜4個が設定される場合もある。
総払出個数カウンタ37a34は、その回の遊技球払出処理S4108(図43参照)によって払い出される遊技球の総数を記憶するカウンタである。払出コマンドにより払い出される場合には、賞球個数カウンタ37a33の値が記憶され、貸球払出要求により払い出される場合には、「25」が記憶される。なお、本実施形態では、貸球払出要求により払い出される場合に総払出個数カウンタに記憶される値を「25」とした。これは、球貸しボタンが1回操作された場合に払い出される遊技球数が25球であるからである。そのため、球貸出ボタン306が1回操作された場合に払い出される遊技球数が異なる場合には、その異なる遊技球数に対応した値が記憶されるよう構成しても良い。さらに、球貸出ボタン306の操作された回数nに応じて、25×nの値を記憶するよう構成しても良い。
払出予定個数カウンタ37a35〜37a38は、4つの払出装置33の各々に1つずつ対応する計4つの球通路33dでの払出予定個数をそれぞれ記憶するカウンタである。4つの球通路33dにそれぞれ対応して、第1条〜第4条の払出予定個数カウンタ37a35〜37a38が設けられている。第1条は遊技機10の最も正面側の払出装置33の球通路33dに対応し、第2条は遊技機10の正面側から2番目の払出装置33の球通路に対応し、第3条は遊技機10の正面側から3番目の払出装置33の球通路に対応し、第4条は遊技機10の最も背面側の球通路に対応する。払出予定個数カウンタ37a35〜37a38の値は、払出個数振分処理(S4219)によって設定され、その値は払出実行処理(S4222)によって減算される。払出予定個数カウンタ37a35〜37a38の値が「0」となると、その条の遊技球払出処理S4108が終了する。
払出条ポインタ37a39は、第1条〜第4条の球通路33dを指定するためのポインタである。第1条〜第4条に対応して「1」〜「4」の整数の範囲で更新される。払出個数振分処理S4219(図44参照)や払出実行処理S4222(図44参照)は、払出条ポインタ37a39の値を指定して、第1条から第4条の球通路33d毎に行われる。
払出リトライフラグ310〜313は、第1条〜第4条の球通路33dにおいて遊技球の払出動作を行うことができるか否かを記憶するフラグである。4条の球通路33dにそれぞれ対応して、第1条〜第4条のフラグ払出リトライフラグ310〜313が設けられている。払出リトライフラグ310〜313が設定されていれば払出動作可能であり、解除されていれば払出動作不可能である。払出リトライフラグ310〜313は、遊技球払出処理S4108の開始時に、全て一旦設定される。そして、払出実行処理S4222の進行に伴って、払出動作が不可能となった球通路33dに対応した払出リトライフラグ(310〜313)が順に解除される。全条の払出リトライフラグ310〜313がオフされると、その回の遊技球払出処理(S4108)は終了する。
払出ソレノイド作動フラグ314〜317は、払出ソレノイドのオン状態(通電状態)又はオフ状態(非通電状態)を表すフラグである。4つの球通路(33d等)にそれぞれ設けられた各払出ソレノイド33cに対応して、第1条〜第4条の払出ソレノイド作動フラグ314〜317が設けられている。払出ソレノイド作動フラグ314〜317が設定されていれば、対応する払出ソレノイドがオン状態になり(S4225)、対応するフリッカ33bが作動して、遊技球の払い出しが許容される。一方、払出ソレノイド作動フラグ314〜317が解除されていれば、対応する払出ソレノイドがオフ状態になり(S4225)、フリッカ33bが作動して遊技球の払い出しが禁止される。
払出遊技球カウンタ318〜321は、フリッカ33bの作動により球通路33dが開放されてから経過した時間、払出カウントセンサ33hにより払出開始が検知されてから経過した時間、又は、それらの最大の待ち時間(タイムアウト時間)に達した後に経過した時間に対応した値が記憶されるカウンタである。
払出タイマ割込実行フラグ322は、タイマ割込み処理(図42参照)が実行されたことを示すフラグである。払出実行処理S4222を同一の条に対して連続して行うと、1個の遊技球の払い出しを、2個以上の払い出しとして誤って検出することがある。よって、タイマ割込み処理の1回の実行につき、4条の各々に対して払出実行処理S4222を1回だけ実行させるために、払出タイマ割込実行フラグ322を設けている。具体的には、タイマ割込み処理の実行毎に、払出タイマ割込実行フラグ322を設定する(S4015)。そして、払出タイマ割込実行フラグ322が設定されている場合に限り、払出実行処理を開始可能とし、その開始の際に払出タイマ割込実行フラグ322を解除する。
球有りフラグ323は、ケースレール35の球通路35a内に所定数以上の遊技球が貯留されている状態か否かを記憶するためのフラグである。本実施形態では、所定数の遊技球は80個であり、これは、1回の最大払出個数が75個であるためである。
払出個数不監視フラグ324〜327は、カウントセンサ33hからの各カウントスイッチ信号に基づく主制御基板45aへの各カウント信号の生成を行わない不監視期間中であることを示すフラグである。
不監視時間カウンタ328〜331は、カウントセンサ33hからの各カウントスイッチ信号に基づく主制御基板45aへの各カウント信号の生成を行わない不監視期間の継続時間に対応した値が記憶されるタイマカウンタである。なお、本形態においては、各不監視時間カウンタ(328〜331)は、タイマ割込み処理の1回の実行ごと1だけ減算された値に更新される。
主制御基板45aにおいて実行される制御処理について説明する。主制御基板45aの制御処理は、外部電力の供給再開や電源スイッチ38aのオン操作等による復電に伴って起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。なお、割込み処理としては、NMI端子における停電信号の受信に応じて割込みをかける停電割込み処理と、タイマによる時間計測によって定期的に割込みをかけるタイマ割込み処理とがある。
まず、停電割込み処理について説明する。図32は、主制御基板45aにおける停電割込み処理の一例を表すフローチャートである。停電状態が発生した場合、電源制御基板38’の電源監視回路300bで停電信号が生成され、主制御基板45aに対して出力される。主制御基板45aにおいては、CPU45a1のNMI端子が停電信号を受信し、停電信号の受信に応じて停電フラグを設定する割込み処理(以下、「停電割込み処理」と称する)が実行される。
停電割込み処理においては、まず、現在使用しているレジスタのデータをRAM45a3内のバックアップ領域に退避させる(「レジスタ退避処理」S101)。レジスタ退避処理S101の後に、停電フラグが設定される(「停電フラグ設定処理」S102)。停電フラグは、RAM45a3内の特定のエリア(停電フラグメモリ45a31)に保持され、停電状態の発生を表す情報である。停電フラグ設定処理S102後に、自身の割込みにおける処理の終了がCPU45a1に知らせられる(「割込み終了宣言処理」S103)。割込み終了宣言処理の後に、レジスタ退避処理S101においてRAM45a3のバックアップ領域に退避させたレジスタのデータをCPU45a1のレジスタに復帰させる(「レジスタ復帰処理」S104)。レジスタ復帰処理S104の後に、新たな割込みが許可される(「割込み許可処理」S105)。割込み許可処理S103の完了によって停電割込み処理が終了する。なお、使用中のレジスタのデータを破壊せずに停電フラグ設定処理S102が行える場合には、レジスタ退避処理S101及びレジスタ復帰処理S104を省くことができる。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図33は、主制御基板45aにおけるタイマ割り込み処理の一例を表すフローチャートである。主制御基板45aにおいては、定期的にタイマ割込み処理が行われる。本形態においては、タイマ割込み処理は、実質的に1.49ms[ミリ秒]の周期で行われる。
タイマ割込み処理において、まず、後述するメイン処理における通常処理で使用している全てのレジスタの情報が、RAM45a3のバックアップ領域に格納される(「レジスタ退避処理」S201)。レジスタ退避処理S201の後に、停電フラグが設定されているか否かが確認される(S202)。停電フラグが設定されている場合には、バックアップ処理S203が実行される。
ここで、バックアップ処理S203について詳細に説明する。図34は、主制御基板45aにおけるタイマ割込み処理内で実行されるバックアップ処理を表すフローチャートである。
バックアップ処理S203では、図43に示されたように、まず、リングバッファに蓄積されている各種のコマンドの送信が終了しているか否かが判定される(S301)。それらのコマンドの送信が終了していない場合には、バックアップ処理S203が一旦終了されて、制御がタイマ割込み処理に復帰する。なお、これは、バックアップ処理S203の開始前に、コマンドの送信を完了させるための制御である。一方、それらのコマンドの送信が完了している場合には、CPU45a1のスタックポインタの値が、RAM45a3内のスタックポインタ保存メモリ45a32に保存される(「スタックポインタ保存処理」S302)。スタックポインタ保存処理S302の後に、後述するRAM判定値がクリアされると共に、入出力ポート45a4における出力ポートの出力状態がクリアされて図示しない全てのアクチュエータがオフ状態になる(「停止処理」S303)。
停止処理S303の後に、RAM判定値が新たに算出されてチェックサム補正値用メモリに保存される(「RAM判定値保存処理」S304)。RAM判定値は、RAM45a3のワーク領域におけるチェックサム値の2の補数である。ここで、チェックサム値の2の補数とは、2進数表現においてチェックサム値の各桁(ビット)を反転した場合に生成される値である。この場合、RAM45a3のチェックサム値とRAM判定値との排他的論理和(「FFFF」)に1加算した値は「0」である。本形態では、RAM判定値としてチェックサム値の補数を用いたが、本発明においては、RAM判定値としてチェックサム値そのものを用いてもよい。
RAM判定値保存処理S304の後に、RAM45a3へのアクセスが禁止される(「RAMアクセス禁止処理」S305)。その後は、内部電力の完全な遮断によって処理が実行できなくなるのに備えて、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤って設定される場合等を考慮して、図示しないが、無限ループに入る前には停電信号がまだ入力されているか否かが確認される。停電信号が出力されていなければ、内部電源が復旧していることになるために、RAM45a3の書き込みが許可されると共に停電フラグが解除され、タイマ割込み処理に復帰する。一方、停電信号が継続して入力されていれば、そのまま無限ループに入る(図示せず)。
このように、バックアップ処理S203の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理が優先される。コマンドの送信処理終了後にバックアップ処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中でバックアップ処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果、停電時の処理に関するプログラムを簡略化してROM45a2の小容量化を図ることができる。
電源制御基板38’の電源部38eは、停電状態が発生した後においても、停電割込み処理及びバックアップ処理を完了するために十分な時間にわたって、制御系の駆動電力として使用されるバックアップ電力を出力する。このバックアップ電力によって、停電割込み処理及びタイマ割込み処理のバックアップ処理が行われる。本形態では、停電発生後の30ms[ミリ秒]の間、バックアップ電力が出力され続けるようになっている。
タイマ割込み処理の説明に戻り、図33に示されたように、判定処理S202において停電フラグが設定されていないと判定された場合には、誤動作の発生を監視するためのウォッチドッグタイマが初期化され、CPU45a1自身に対して割込み許可が出される(「割込み終了宣言処理」S204)。割込み終了宣言処理S204の後に、左駆動停止フラグ、中駆動停止フラグ及び右駆動停止フラグを参照して、各回胴(L,M,R)を回転させるために各ステッピングモータ(43L4,43M4,43R4)に回胴駆動信号が送信される(「ステッピングモータ制御処理」S205)。具体的には、左駆動停止フラグが設定されていなければ、左回胴Lのステッピングモータ43L4に回胴駆動信号を送信する。中回胴M及び右回胴Rについても左回胴Lの場合と同様である。ステッピングモータ制御処理S205の後に、入出力ポート45a4に接続された各種の装置におけるスイッチの状態変化が監視される(「スイッチ読込処理」S206)。スイッチ読込処理S206の後に入出力ポート45a4に接続された各種の装置におけるセンサの状態変化が監視される(「センサ監視処理」S207)。センサ監視処理S207の後に、各種のカウンタの値や各種のタイマの値が演算される(「タイマ演算処理」S208)。タイマ演算処理S208の後に、差球(ベット総数と獲得総数との差分)を集計するためにベット球数や獲得球数が、外部集中端子板126へ出力される(「差球カウント処理」S209)。
差球カウント処理S209の後に、リングバッファに蓄積された各種のコマンドが、副制御基板47aに送信される(「コマンド出力処理」S210)。コマンド出力処理S210の後に、7セグLED表示部41g等に表示されるセグメントデータが設定される(「セグメントデータ設定処理」S211)。セグメントデータ設定処理S211で設定されたセグメントデータが7セグLED表示部41g等のうち所定のセグメントデータ表示装置に送信される(「セグメントデータ表示処理」S212)。これにより、7セグLED表示部41g等は、受信したセグメントデータに対応する数字、文字、記号などを表示する。入出力ポート45a4からI/O装置へのデータが出力される(「ポート出力処理」S213)。ポート出力処理S213の後に、レジスタ退避処理S201においてバックアップ領域に退避させた各レジスタのデータがそれぞれCPU45a1内の対応するレジスタに復帰される(「レジスタ復帰処理」S214)。レジスタ復帰処理S214の後に、次回のタイマ割込みが許可される(「割込み許可処理」S215)。以上の処理を経て一連のタイマ割込み処理が終了する。
主制御基板45aにおけるメイン処理について説明する。図35は、主制御基板45aのメイン処理の一例を表すフローチャートである。主制御基板45aのメイン処理は、停電状態から復帰した場合に実行される。
主制御基板45aのメイン処理では、まず、スタックポインタの初期値が設定される(「スタックポインタ設定処理」S401)。スタックポインタ設定処理の後に、割込み処理を許可する割込みモードが設定される(「割込みモード設定処理」S402)。割込みモード設定処理S402の後に、CPU45a1内のレジスタ群やI/O装置等に対する各種の設定等が行われる(「レジスタ設定処理」S403)。
レジスタ設定処理S403の後に、設定キーが設定キースイッチ38d1に挿入され、所定の操作(右回転操作等)がされているか否かが判定される(S404)。設定キー操作がされていると判定された場合には、所定の複数種類の確率設定(本形態では「設定1」〜「設定6」の6段階設定)のうちから選択される1つの確率設定の設定値を保持する所定の領域を除くRAM45a3の全領域のデータが、強制的にクリアされる(「強制的RAMクリア処理」S405)。強制的RAMクリア処理S405の後に、現在の設定値の再設定(設定の打ち直し)を行うことができる(「確率設定選択処理」S406)。なお、設定値の変更においては、リセットスイッチ38bの操作及び始動レバー124の操作が援用される。確率設定処理S406の後に、通常遊技処理へ移行する。
判定処理S404において設定キースイッチ38d1の操作がされていないと判定された場合には、選択されている確率設定の設定値が所定の範囲(「1」〜「6」)内の値であるか否かが判定される(S407)。なお、停電状態の発生時から停電状態からの復帰時までの間に、RAM45a3が機械的又は電気的に破壊される等の異常事態が発生しない限り、設定値は所定の範囲内の値しかとらない。設定値が所定の範囲内の値である場合には、停電フラグが設定されているか否かが判定される(S408)。停電フラグが設定されている場合には、RAM45a3のワーク領域のチェックサム値が新たに算出され、新たなチェックサム値が正常であるか否かが判定される。新たなチェックサム値が正常とは、新たなチェックサム値と停電状態の発生前のチェックサム値が同一であること、つまり、新たなチェックサム値とRAM45a3のバックアップ領域に保持されているRAM判定値との排他的論理和に1加算した値が「0」であることを意味する。この値は、新たなチェックサム値と停電状態の発生前のチェックサム値とが同一である場合には「0」となり、異なる場合には「0」以外となる。停電状態の発生時から停電状態からの復帰時までの間に、RAM45a3が機械的又は電気的に破壊される等の異常事態が発生しない限り、この値は「0」以外にはならない。
判定処理S407において確率設定の設定値が所定の範囲内の値でないと判定された場合、判定処理S408において停電フラグが設定されていないと判定された場合、又は、判定処理S409において新たなチェックサム値とRAM判定値との排他的論理和に1加算した値が「0」以外であると判定された場合には、割込み処理が禁止される(「割込み禁止設定処理」S416)。割込み禁止設定処理S416の後に、入出力ポート45a4の全ての出力ポートがクリアされて、入出力ポート45a4に接続された全てのアクチュエータがオフ状態になる(「全出力ポートクリア処理」S417)。全出力ポートクリア処理S417の後に、エラーの発生を報知させるための処理が行われる(「エラー報知処理」S418)。なお、このエラー報知状態は、リセットスイッチ38bが操作されるまで継続する。
判定処理S409において新たなチェックサム値が正常であると判定された場合には、スタックポインタ保存メモリ45a32に保存されたスタックポインタの値がCPU45a1のスタックポインタに書き込まれ、スタックポインタの値が停電状態の発生前の値に復帰する(「スタックポインタ復帰処理」S410)。これによって、停電状態からの復帰後において、停電状態の発生により中断された処理から再開できるようになる。スタックポインタ復帰処理S410の後に、停電状態からの復帰を表す復電コマンドが設定される(「復電コマンド設定処理」S411)。これにより、復電コマンドが副制御基板47aに送信されることとなる。
復電コマンド設定処理S411の後に、打止切換スイッチ38cの状態が、RAM45a3の所定の領域に格納される(「遊技形態設定処理」S412)。
遊技形態設定処理S412の後に、各種の装置のセンサの値が初期化される(「センサ初期化処理」S413)。センサ初期化処理S413の後に、停電フラグが解除される(「停電フラグ解除処理」S414)。停電フラグ解除処理S414の後に、払出中に停電が発生した等の場合、払出を再開させるための払出コマンドを設定する(「払出コマンド設定処理」S415)。払出コマンド設定処理S415の後に、スタックポインタの示す停電状態の発生前の番地における処理から再開される。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理におけるバックアップ処理S203(図33参照)後の割込み終了宣言処理S204が実行される。
通常時の遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について説明する。図36は、主制御基板45aで実行される通常遊技処理の一例を表すフローチャートである。
主制御基板45aの通常遊技処理は、メイン処理における確率設定処理S406(図35参照)の後に実行される。通常遊技処理では、図36に示されたように、まず、割込み許可を設定する(「割込み許可設定処理」S601)。割込み許可設定処理S601の後に、遊技形態を決定する打止切換スイッチ38cの状態及び自動精算スイッチの状態がRAM45a3に格納される(「遊技形態設定処理」S602)。なお、遊技形態設定処理S602は、メイン処理における遊技形態設定処理S412(図35参照)と同一の処理である。
遊技形態設定処理S602の後には、下述のループ処理に移行する。なお、以下においては、連続遊技中である場合について説明する。
RAM45a3において一回の遊技ごとに変化する情報を保持する領域のデータをクリアする(「遊技情報クリア処理」S603)。具体的には、前回の遊技に関連する情報をクリアする。クリアされる情報としては、例えば、乱数に関連する情報、回胴L,M,Rの制御に関連する情報、入賞に関連する情報及びエラーに関連する情報が挙げられる。入賞に関連する情報には、入賞図柄、入賞ライン及び獲得遊技球数等の情報が含まれる。
遊技情報クリア処理S603の後に、変動開始信号が入力されるまで、所定の処理を行いながら待機する(「変動待機処理」S604)。ここで、変動待機処理S604について、図37を参照しながら詳細に説明する。図37は、変動待機処理S604の一例を表すフローチャートである。
変動待機処理S604では、まず、遊技監視タイマが設定される(「遊技監視タイマ設定処理」S701)。ここで、遊技監視タイマが設定されるとは、そのタイマの値がリセットされ、かつそのタイマによる新たな時間計測がスタートすることを意味する。遊技監視タイマは、遊技間隔を測定するタイマであって、遊技者によって遊技されていない時間が所定の時間を経過した場合に、液晶表示装置42の画像を所定の画像(デモストレーション画像)に移行させるために用いられる。
遊技監視タイマ設定処理S701の後に、前回の遊技で再遊技に入賞したか否かが判定され、再遊技に入賞していた場合には、自動的に、前回の遊技のベット数と同数の遊技球が自動的にベットされる(「自動ベット処理」S702)。
自動ベット処理S702の後に、セレクタ400においてエラーが発生しているか否かが確認され、エラーが発生している場合には、スピーカ106、LED41g,41h、液晶表示装置42等にエラーを報知させるためのセレクタエラーコマンドが設定される(「セレクタエラー報知処理」S703)。例えば、遊技球の投入期間中以外において、通過センサ415a、415b,415cから上流通過検出信号や下流通過検出信号を受信した場合が挙げられる。なお、リングバッファに格納されたセレクタエラーコマンドは、その格納後に実行されるタイマ割込み処理のコマンド出力処理S210において副制御基板47aに出力される。また、以下において、リングバッファに格納される各種のコマンドは、セレクタエラーコマンドの場合と同様に、それらの格納後に実行されるタイマ割込み処理のコマンド出力処理S210において副制御基板47aに出力される。
セレクタエラー報知処理S703の後に、払出装置33でエラーが発生しているか否かが判定され、払出装置33でエラーが発生している場合には、スピーカ106、LED41g,41h、液晶表示装置42等にエラーを報知させるための払出エラーコマンドが設定される(「払出エラー報知処理」S704)。具体的には、払出基板37aからの払出中信号がオン状態であるか否か、及び、各種のカウントセンサ33hからのカウントスイッチ信号に基づく払出基板37aからのカウント信号がオン状態であるか否かが判定される。この判定結果が、払出中信号がオン状態(払出期間中)でないにも関わらず、いずれかのカウントスイッチ信号がオン状態である場合には、エラー処理が実行されると共に、払出エラーコマンドが設定される。これによって、遊技を進行できない状態となり、エラー発生が報知される。なお、同様の払出エラー報知処理は、他の処理中においても遊技者からの何らかの入力を待っている状態、例えば、リール回転中におけるリール停止待ち状態においても実行される。
払出エラー報知処理S704の後に、返却ボタン308の操作が行われているか否かを判定して、返却中であれば他のボタン等の操作による入力が禁止される(「返却処理」S705)。
返却処理S705の後に、図37に示されたように、1ベットボタン114又はマックスベットボタン304が操作されているか否かが確認され、いずれかのベットボタンが操作されている場合には所定の遊技球がベットされる(「遊技球ベット処理」S706)。なお、投入された遊技球の個数が、通過センサ415a,415b,415cで計数され、かつ、別途に、カウントセンサ416a,416b,416cによっても計数される。
遊技球ベット処理S706の終了後に、ベット数が最小規定数未満であるか否かが判定される(S707)。ベット数が最小規定数未満である場合には、セレクタエラー処理S703から判定処理S707までが繰り返される。一方、ベット数が最小規定数未満でない場合には、始動レバー124の操作に応じた変動開始信号が受信されているか否かが判定される(S708)。変動開始信号が受信されていない場合には、セレクタエラー処理S703から判定処理S708までが繰り返される。一方、変動開始信号が受信されている場合には、遊技球ベット処理S706において通過センサ415a,415b,415cによって計数された遊技球の個数と、カウントセンサ416a,416b,416cによって計数された遊技球の個数とを比較する(「投入球数比較処理」S709)。また、投入球数比較処理S709において、比較の結果、それらの個数が一致しなければエラー処理が行われる。以上の処理過程(S701〜S709)を経て、変動待機処理S604が完了する。
変動待機処理S604の後に、図36に示されたように、始動レバー124が操作された際にハードウェア的にラッチされた乱数カウンタの値が読み出されてRAM45a3に格納される(「乱数作成処理」S605)。始動レバー124が操作された際に乱数カウンタをハードウェア的にラッチすることによって、始動レバー124の操作と乱数値の取得とを時間的に同期させている。なお、ソフトウェアで乱数カウンタの値を読み出すこともできるが、この場合には、始動レバー124の操作から乱数値の取得までの時間が、ハードウェア的にラッチする場合よりも不均一になる。
乱数作成処理S605の後に、確率設定、ベット数及び遊技状態に応じた乱数テーブルを参照して、乱数作成処理S605で取得した乱数値に応じた当選役が決定され、当選役の種別に応じた当選フラグ(例えば、ビッグボーナス当選フラグ、レギュラーボーナス当選フラグ、チェリー当選フラグ、ベル当選フラグ、スイカ当選フラグ、再遊技当選フラグ)が設定され、当選役の種別を表す当選役コマンドと確率設定の設定値を表す設定値コマンドとが設定される(「内部抽選処理」S606)。当選役として、例えば、ビックボーナス役(以下、「BB」とも称す)、レギュラーボーナス役(以下、「RB」とも称す)、各種の小役(本形態では、チェリー役、ベル役、スイカ役)、再遊技役及びハズレ役が挙げられる。なお、一回の遊技において複数種類の当選役が選択されてもよい。
内部抽選処理S606の後に、当選役、ベット数及び遊技状態に基づいて、ROM45a2に保持された手動停止制御テーブル群から各回胴(L,M,R)の制御に用いる1つの手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして選択され、参照制御テーブルのテーブル番号がRAM45a3の所定の領域に格納される(「回転初期化処理」S607)。当選役がハズレ以外のときには、この参照制御テーブルに従って、当選役を入賞させる有効ライン等が決まり、また、当選役に応じた図柄がその有効ライン上以外を通過中に各回胴(L,M,R)に対応する各回胴停止ボタン(126L,126M,126R)が操作された場合に、当選役を所定の有効ラインに可能な限り入賞させるために所定の範囲(5図柄未満)内で余分に回胴を回転させるスベリ制御が行われる。当選役がハズレの場合にも、他の当選役を入賞させないために、同様のスベリ制御が行われる。この参照制御テーブルは、必ず参照されるわけではなく、本形態では、各回胴停止ボタン(126L,126M,126R)が所定の順序(例えば、「左回胴停止ボタン126L→中回胴停止ボタン126M→右回胴停止操作部126R」及び「左回胴停止ボタン126L→右回胴停止操作部126R→中回胴停止ボタン126M」の順序)で操作された場合に参照され、他の操作順序の場合には、手動停止制御テーブル群からの参照制御テーブルの再選択や他の制御方法によって又はそれらを援用して所定の図柄パターンを停止させる。更に、自動的に図柄表示の変動を停止する場合には、ROM45a2に保持された自動停止制御テーブルを参照して、所定の図柄パターンで停止させる。
回転初期化処理S607の後に、図柄変動待機処理S608が実行される。図柄変動待機処理S608では、まず、図柄変動監視タイマによる測定時間が所定の規定時間(例えば、4.1秒)以上であるか否かが判定される。ここで、「図柄変動監視タイマ」は、前回の図柄表示の変動開始時点からの経過時間を測定するタイマである。図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間未満である場合には、規定時間の経過を待つ状態(以下、「変動待機状態」と称する)であることを表す変動待機コマンド(内部状態コマンドの一種)がリングバッファに格納される。なお、変動待機状態であることが変動待機状態表示装置(図示せず)によって遊技者に報知される。その後、図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間以上となるまで、変動待機状態の報知が行われたまま、図柄変動監視タイマによる測定時間が所定の規定時間以上であるか否かの判定が繰り返される。一方、図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間以上である場合には、図柄変動監視タイマがリセットスタートされ、規定時間待機状態の報知を停止し、所定の規定時間が経過した状態であることを表す規定時間経過コマンド(内部状態コマンドの一種)と、外部集中端子板に出力するためのベット数コマンドとがリングバッファに格納される。その後、RAM45a3の所定の領域における図柄表示変動ユニットの各ステッピングモータ(43L4,43M4,43R4)の制御に関連する情報が回転開始用に初期設定される。なお、ステッピングモータ(43L4,43M4,43R4)の実際の駆動は、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理S205(図33参照)で制御される。
図柄変動待機処理S608の後に、図柄表示変動ユニット103における各回胴(L,M,R)の回転を制御する回転制御処理S609が実行される。ここで、回転制御処理S609について詳細に説明する。図38は、回転制御処理S609の一例を表すフローチャートである。
回転制御処理S609において、RAM45a3の所定の領域における各回胴(L,M,R)の回転に関する情報が初期化され、全ての回胴(L,M,R)が回転中であることを表す全回胴回転コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)と図柄表示変動ユニット103において図柄表示変動状態であることを表す図柄変動状態コマンド(内部状態コマンドの一種)とがリングバッファに格納される(「回転開始処理」S1101)。回転開始処理S1101の後に、所定の停止待機時間が経過するまで待機する(「図柄停止待機処理」S1102)。図柄停止待機処理S1102における「所定の停止待機時間」は、各回胴(L,M,R)の回転開始から一定速度の定常回転に至るまでに要する平均時間と概ね同一の時間である。図柄停止待機処理S1102の後に、全ての回胴(L,M,R)の回転が定常回転である否かが判定される(S1103)。具体的には、それらの回転が定常回転であるか否かは、最後に回転を開始した回胴に対応する回胴位置検出センサ43R7からの検出信号が受信されているか否かで判定されており、その検出信号が受信されている場合にはそれらの回転は定常回転であると判断し、その検出信号が受信されていなければいずれかの回胴の回転は定常回転でないと判断している。それらの回転が定常回転でない場合には、判定処理S1103が繰り返し実行される。なお、本形態では全ての回胴(L,M,R)は同時に回転を開始する。
判定処理S1103において全ての回胴の回転が定常回転であると判定された場合には、自動停止までの図柄表示の変動時間を測定する自動停止タイマを設定する(「自動停止タイマ設定処理」S1104)。自動停止タイマ設定処理S1104の後に、自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を超えているか否かが判定される(S1105)。自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を越えていなければ、以下の手動により図柄表示の変動を停止させる処理が実行される。
左回胴停止ボタン126Lの操作に応じた左停止信号が受信されているか否かが判定される(S1106)。左停止信号が受信されていない場合には、中回胴停止ボタン126Mの操作に応じた中停止信号が受信されているか否かが判定される(S1107)。中停止信号が受信されていない場合には、右回胴停止ボタンの操作に応じた右停止信号が受信されているか否かが判定される(S1108)。右停止信号が受信されていない場合、つまり、左停止信号、右停止信号及び右停止信号のいずれもが受信されていない場合には、判定処理S1106が実行される。
判定処理S1106において左停止信号が受信されていると判定された場合には、左停止フラグが設定されているか否かが判定される(S1109)。「左停止フラグ」は、左回胴Lが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転初期化処理S607において解除されている。左停止フラグが設定されている場合は、左回胴Lが既に停止していることを表し、左停止フラグが解除されている場合は、左回胴Lが回転していることを表す。左停止フラグが設定されている場合には、判定処理S1106が実行され、一方、左停止フラグが解除されている場合には、左回胴停止処理S1110が実行される。左回胴停止処理S1110において、まず、回転初期化処理S607で選択された参照制御テーブルを参照して、左回胴Lを回転させる左ステッピングモータ43L4が停止される。左ステッピングモータ43L4の停止後に、左停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、左回胴Lが停止していることを表す左回胴停止コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)及び左回胴Lの停止図柄を表す左回胴図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。「停止回胴数」は、停止している回胴の個数を表し、回転開始処理S1101において「0」にリセットされる。
ここで、左ステッピングモータ43L4を停止させる際の制御について詳細に説明する。現在の回胴駆動信号送信数に基づいて、参照制御テーブルが参照されて回胴駆動信号の送信回数が決定される。ビッグボーナス役、レギュラーボーナス役、各種の小役及び再遊技役のいずれかの当選フラグが設定されている場合には、当選フラグの設定されていない役が成立することがない限りにおいて、可能な限り有効ラインのいずれか沿って当選役の図柄パターンが停止するように、送信回数が決定される。例えば、下段ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという小役に当選し、「スイカ」図柄が上段を通過するタイミングで左回胴停止操作部231が操作された場合には、下段に停止するように図柄2つ分だけ左回胴Lを滑らせる。なお、滑らせることのできる範囲は予め決められており、左回胴停止ボタン126Lの操作のタイミングによっては、下段に「スイカ」図柄が停止しないこともある。この場合においても、中段又は上段に「スイカ」図柄を停止できる場合には、予定入賞ラインに関わらず、中段又は上段に「スイカ」図柄を停止するように制御される。「回胴駆動信号送信数」は、左ステッピングモータ43L4へ送信された回胴駆動信号の送信数を表しており、その値は、回胴位置検出センサ43L7からの検出信号の受信に応じて「0」にリセットされる。なお、具体的には、左回胴停止処理S1110では、回胴駆動信号送信数を参照しながら、決定された送信回数分の回胴駆動信号の送信が終了したことを確認して左駆動停止フラグ(駆動変更情報の一種)を設定する。なお、図33に示されたタイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理S205においては、左停止フラグの設定を確認して回胴駆動信号の送信を停止する。これにより、送信回数を決定した後に、回胴駆動信号が、左ステッピングモータ43L4にその回数だけ繰り返し送信される。
左回胴停止処理S1110の後に、停止回胴数が3であるか否かが判定される(S1111)。停止回胴数が3でない場合、つまり、少なくとも1つの回胴が回転中である場合(図柄表示の変動中)には、参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S1112)。未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される(「制御テーブル変更処理」S1113)。制御テーブル変更処理S1113においては、左回胴Lの停止位置と共に中回胴M及び右回胴Rのうちの既に停止している回胴の停止位置が参照される。参照制御テーブルの変更が必要な場合としては、例えば、当選役以外の役が入賞する場合が挙げられる。
判定処理S1107において中停止信号が受信されていると判定された場合には、中停止フラグが設定されているか否かが判定される(S1114)。「中停止フラグ」は、左停止フラグの場合と同様に、中回胴Mが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転開始処理S1101において解除されている。中停止フラグが設定されている場合には、判定処理S1106が実行される。一方、中停止フラグが解除されている場合には、停止回胴数が0であるか否かが判定される(S1115)。停止回胴数が0でない場合には、中回胴停止処理S1117が実行される。一方、停止回胴数が0である場合には、手動停止制御テーブル群のうち所定の手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして再設定され(「制御テーブル再設定処理」S1116)、制御テーブル再設定処理S1116の後に、中回胴停止処理S1117が実行される。なお、中回胴停止処理S1117は、左回胴停止処理S1110の場合と同様の処理である。中回胴停止処理S1117において、まず、参照制御テーブルを参照して、中駆動停止フラグ(駆動変更情報の一種)が設定されて中回胴装置170Mにおける中ステッピングモータが停止される。中ステッピングモータを停止させる際の制御は、左ステッピングモータ43L4を停止させる際の制御と概ね同一である。中ステッピングモータ43M4の停止後に、中停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、かつ、中回胴Mが停止していることを表す中回胴停止コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)及び中回胴Mの停止図柄を表す中回胴図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
中回胴停止処理S1117の後に、停止回胴数が3であるか否かが判定される(S1118)。停止回胴数が3でない場合には、未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S1119)。参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される(「制御テーブル変更処理」S1120)。制御テーブル変更処理S1120においては、中回胴Mの停止位置と共に左回胴L及び右回胴Rのうちの既に停止している回胴の停止位置(停止図柄)が参照される。
判定処理S1108において右停止信号が受信されていると判定された場合には、右停止フラグが設定されているか否かが判定される(S1121)。「右停止フラグ」は、左停止フラグ及び中停止フラグの場合と同様に、右回胴Rが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転開始処理S1101において解除されている。右停止フラグが設定されている場合には、判定処理S1106が実行される。一方、右停止フラグが解除されている場合には、停止回胴数が0であるか否かが判定される(S1122)。停止回胴数が0でない場合には、右回胴停止処理S1124が実行される。一方、停止回胴数が0である場合には、手動停止制御テーブル群のうち所定の手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして再設定され(「制御テーブル再設定処理」S1123)、制御テーブル再設定処理S1123の後に、右回胴停止処理S1124が実行される。なお、右回胴停止処理S1117は、左回胴停止処理S1110と同様の処理である。右回胴停止処理S1117において、まず、選択されている手動停止制御テーブルを参照して、右駆動停止フラグが設定されて右回胴装置170Rにおける右ステッピングモータが停止される。右ステッピングモータを停止させる際の制御は、左ステッピングモータ43L4を停止させる際の制御と概ね同一である。右ステッピングモータ43R4の停止後に、右停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、かつ、右回胴Rが停止していることを表す右回胴停止コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)及び右回胴の停止図柄を表す右回胴図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
右回胴停止処理S1124の後に、停止回胴数が3であるか否かが判定される(S1125)。停止回胴数が3でない場合には、未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S1126)。参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される(「制御テーブル変更処理」S1127)。制御テーブル変更処理S1127においては、右回胴Rの停止位置と共に左回胴L及び中回胴Mのうちの既に停止している回胴の停止位置(停止図柄)が参照される。
判定処理S1105において、自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を越えている場合には、現在回転中の全ての回胴の回転を停止させる(「自動停止処理」S1128)。自動停止処理S1128の後、並びに、判定処理S1111、判定処理S1115及び判定処理S1125において停止回胴数が「3」であると判定された場合に、自動停止タイマを解除する(「自動停止タイマ解除処理」S1129)。
ここで、自動停止処理S1128について詳細に説明する。自動停止処理S1128では、まず、既に停止している回胴の停止位置(停止図柄)を参照して、ROM45a2に保持された自動停止制御テーブル群から1つのテーブルが参照制御テーブルとして設定される。その後に、左停止フラグが設定されているか否かが判定され、左停止フラグが設定されていない場合には、左回胴Lの回転が停止される。次に、中停止フラグが設定されているか否かが判定され、中停止フラグが設定されていない場合には、中回胴Mの回転が停止される。その後に、右停止フラグが設定されているか否かが判定されて、中停止フラグが設定されていない場合には、中回胴Rの回転が停止される。
回転制御処理S609の後に、図36に示されたように、入賞確認処理S610が実行される。入賞確認処理S610において、まず、有効ラインごとの図柄パターンが入賞図柄パターンであるか否かが判定され、当選フラグの成立している役が入賞しているか否かと、当選フラグの成立している役以外が入賞していないこととが検査される。本形態では、ベット数が1であれば中段ラインの図柄パターンが検査され、ベット数が2であれば中段ライン、上段ライン及び下段ラインの各々の図柄パターンが検査され、ベット数が3であれば、5つの組合せラインの全ての図柄パターンが検査される。当選役以外の役が1つでも入賞している場合には、入賞エラーの発生を報知させるためのエラー処理が実行される。一方、当選役のみが入賞している場合には、入賞した全ての当選役に対応する入賞フラグ(例えば、ビッグボーナス入賞フラグ、レギュラーボーナス入賞フラグ、チェリー入賞フラグ、ベル入賞フラグ、スイカ入賞フラグ、再遊技入賞フラグ)が設定される。また、入賞した各当選役に対応する獲得遊技球数が最大獲得遊技球数を超えない範囲内において加算されることによって、最終的に獲得遊技球数が決定される。更に、入賞確認処理S610においては、入賞役の種類の情報を含む入賞役コマンド、入賞ラインの種類の情報を含む入賞ラインコマンド及び入賞エラーの情報を含む入賞役エラーコマンドがリングバッファに格納される。
入賞確認処理S610の後に、獲得遊技球数の情報を含む払出コマンドが設定される(「獲得球払出処理」S611)。獲得遊技球払出処理S611の後に、再遊技処理S612が行われる。再遊技処理S612では、入賞確認処理S610において再遊技が入賞していると判定されている場合に、内部状態を再遊技に設定する等の各種の処理が行われる。また、次回の遊技が再遊技であることを表す再遊技コマンド(内部状態コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
再遊技処理S612の後に、役物作動中処理S613が行われる。役物作動中処理S613では、ビッグボーナス及びレギュラーボーナス等の役物作動中の処理が行われる。ここで、役物作動中処理S613について詳細に説明する。図39は、役物作動中処理の一例を表すフローチャートである。
役物作動中処理S613では、内部状態がビッグボーナスであるか否かが判定される(S1301)。内部状態がビッグボーナスである場合には、更に、内部状態がJACゲームであるか小役ゲームであるかが判定される(S1302)。JACゲームでない場合には、JACゲームへの移行契機となるJACIN図柄パターン(本形態では再遊技図柄の3つ揃いで兼用)が有効ライン上に表示されたか否かが判定される(S1303)。JACIN図柄パターンが有効ライン上に表示されている場合には、JACゲームに関する初期化が行われる(「JAC初期化処理」S1304)。JAC初期化処理S1304では、内部状態がビッグボーナス中のJACゲームに設定され、JAC数及びJAC成立数がそれぞれ所定の値に設定される。一方、有効ライン上にJACIN図柄パターンが表示されていない場合には、JAC初期化処理S1304がスキップされる。
判定処理S1302において内部状態がJACゲームであると判定されている場合には、JACゲーム数を1だけ減少させる(「JAC数更新処理」S1305)。JAC数更新処理S1305の後に、JAC図柄パターン(本形態では再遊技図柄の3つ揃いで兼用)が有効ライン上に表示されているか否かが判定される(S1306)。JAC図柄パターンが有効ライン上に表示されている場合には、JAC成立数を1だけ減少させる(「JAC成立数更新処理」S1307)。一方、JAC図柄パターンが有効ライン上に表示されていない場合には、JAC成立数更新処理S1307をスキップする。その後、JAC数又はJAC成立数が0であるか否かが判定される(S1308,S1309)。JAC数又はJAC成立数が0である場合には、内部状態が小役ゲームに変更される(「JAC終了処理」S1310)。一方、JAC数及びJAC成立数が0でない場合には、JAC終了処理S1310をスキップする。
上記の処理S1302〜S1310の所定の過程を経た後に、入賞確認処理S610で算出された獲得遊技球数が獲得総数に加算され、獲得総数が更新される(「獲得総数更新処理」S1311)。なお、獲得総数は、ビッグボーナスの開始時に下述する役物作動判定処理S614において初期化されている。獲得総数更新処理S1311の後に、獲得総数が獲得規定数以上であるか否かが判定される(S1312)。獲得総数が獲得規定数以上である場合には、ビッグボーナスの終了処理が行われる(「BB終了処理」S1313)。一方、獲得総数が獲得規定数未満である場合には、BB終了処理S1313がスキップされる。上記の処理過程を経て役物作動中処理S613が終了する。
判定処理S1301において内部状態がビッグボーナスでないと判定された場合には、内部状態がレギュラーボーナスであるか否かが判定される(S1314)。内部状態がレギュラーボーナスでない場合には、本処理が終了する。一方、内部状態がレギュラーボーナスである場合には、JACゲーム数を1だけ減少させる(「JAC数更新処理」S1315)。JAC数は、レギュラーボーナスの開始時に下述する役物作動判定処理S614において所定数に初期化されている。なお、レギュラーボーナスにおけるJAC数は、ビッグボーナスにおけるJAC数と異なっていてもよい。JAC数更新処理S1315の後に、JAC図柄パターン(本形態では再遊技図柄の3つ揃いで兼用)が有効ライン上に表示されているか否かが判定される(S1316)。JAC図柄パターンが有効ライン上に表示されている場合には、JAC成立数を1だけ減少させる(「JAC成立数更新処理」S1317)。JAC成立数は、レギュラーボーナスの開始時に下述する役物作動判定処理S614(図36参照)において所定数に初期化されている。なお、レギュラーボーナスにおけるJAC成立数は、ビッグボーナスにおけるJAC成立数と異なっていてもよい。一方、JAC図柄パターンが有効ライン上に表示されていない場合には、JAC成立数更新処理S1317をスキップする。その後、JAC数又はJAC成立数が0であるか否かが判定される(S1318,S1319)。JAC数又はJAC成立数が0である場合には、内部状態が小役ゲームに変更される(「RB終了処理」S1320)。一方、JAC数及びJAC成立数が0でない場合には、JAC終了処理S1320をスキップする。上記の処理過程を経て役物作動中処理S613が終了する。
役物作動中処理S613の後に、図36に示されたように、役物作動判定処理S614が行われる。図40は、役物作動判定処理S614の一例を表すフローチャートである。役物作動判定処理S614では、図40に示されたように、ビッグボーナス(BB)に当選したことを表すビッグボーナスの当選フラグが設定されているか否かが判定される(S1401)。ビッグボーナスの当選フラグが設定されている場合、ビッグボーナスが入賞したことを表すビッグボーナスの入賞フラグが設定されているか否かが判定される(S1402)。ビッグボーナスの入賞フラグが設定されている場合には、ビッグボーナスを開始するための処理を実行する(「BB開始処理」S1403)。一方、ビッグボーナスの入賞フラグが設定されていない場合には、BB開始処理S1403をスキップする。
判定処理S1401においてビッグボーナスの当選フラグが設定されていなければ、レギュラーボーナス(RB)に当選したことを表すレギュラーボーナスの当選フラグが設定されているか否かが判定される(S1404)。レギュラーボーナスの当選フラグが設定されている場合、レギュラーボーナスが入賞したことを表すレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されているか否かが判定される(S1405)。ビッグボーナスの入賞フラグが設定されている場合には、レギュラーボーナスを開始するための処理を実行する(「RB開始処理」S1406)。一方、レギュラーボーナスの入賞フラグが設定されていない場合には、RB開始処理S1406をスキップする。上記の処理過程を経て役物作動判定処理S614が終了する。
役物作動判定処理S614の後に、図36に示されたように、遊技進行表示処理S615が実行される。遊技進行表示処理S615では、内部状態がビッグボーナスやレギュラーボーナスである場合には、JACゲームの残りゲーム数や1回のビッグボーナスにおける獲得遊技球の総数等を表示するためのデータが設定される。また、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の終了後に、再遊技の当選確率が通常遊技状態よりも高いリプレイタイム(「RT」)等の特定遊技状態に移行させる場合には、内部状態を特定遊技状態に設定し、特定遊技状態であることを表す特定遊技状態コマンド(内部状態コマンドの一種)をリングバッファに格納する。
払出制御基板37aにより実行される制御処理について説明する。払出制御基板37aの制御処理は、外部電力の供給再開や電源スイッチ38aのオン操作等による復電に伴って起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。なお、割込み処理としては、主制御基板45aからの各種のコマンドの受信に応じて割込みをかけるコマンド割込み処理と、定期的(本形態では2ms)に繰返し実行されるタイマ割込み処理がある。説明の便宜上、まず、割込み処理について説明した後にメイン処理について説明する。
まず、コマンド割込み処理について説明する。図41は、払出制御基板37aのコマンド割込処理を表すフローチャートである。コマンド割込処理は、払出制御基板37aが主制御基板45aからのコマンドを受信した場合に実行される。図41に示されたように、コマンド割込処理が実行されると、まず、受信したコマンドが受信用のデータバッファに格納される(「コマンド受信処理」S3901)。コマンド受信処理S3901の後に、コマンド受信フラグ37a31が設定される(「コマンド受信フラグ設定処理」S3902)。コマンド受信フラグ設定処理S3902の終了より外部割込処理は終了する。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図42は、払出制御基板37aのタイマ割込み処理を表すフローチャートである。図42に示されたように、タイマ割込み処理において、まず、コマンド受信フラグ37a31が設定されているか否かが判定される(S4001)。コマンド受信フラグ37a31が設定されている場合、受信用のデータバッファに格納されているコマンドを読み出す(「コマンド読出処理」S4002)。コマンド読出処理S4002の後に、コマンド受信フラグ37a31が解除される(「コマンド受信フラグ解除処理」S4003)。コマンド受信フラグ解除処理S4003の後に、読み出されたコマンドが払出コマンドであるか否かが判定される(S4004)。払出コマンドである場合には、払出コマンドの種類に応じた賞球個数(払出個数)を賞球個数カウンタ37a33に設定する(「賞球個数カウンタ設定処理」S4005)。一方、読み出されたコマンドが払出コマンドでない場合には、賞球個数カウンタ設定処理S4005がスキップされる。判定処理S4001においてコマンド受信フラグ37a31が設定されていないと判定された場合には、コマンド読出処理S4002〜賞球個数カウンタ設定処理S4005がスキップされる。
次に、オーバーフロー検出スイッチ(図示せず)からの検出信号の状態が確認され、その受信状態に基づいて下皿満タン状態の設定制御がなされる(「下皿満タン状態設定処理」S4006)。具体的には、オーバーフロー検出スイッチからの検出信号が200msの間継続して検出されている「下皿満タン中」の場合には、下皿満タン状態が設定され、その他の場合においては下皿満タン状態が解除される。
下皿満タン状態設定処理S4006の後に、各球切れ検出装置35bからの遊技球検出信号の受信状態が確認され、その受信状態に基づいて球有り状態の設定制御がなされる(「球有り状態設定処理」S4006)。具体的には、以下のようにして球有り状態の設定制御がなされる。まず、全ての遊技球検出信号がオン状態であるか否かが判定され、つまり、球通路33d,35a内の全てに所定数以上の遊技球が貯留されているか否かが判定される。全ての遊技球検出信号がオン状態である場合には、その状態が2000ms継続しているか否かが確認される。遊技球検出信号のオン状態が2000ms経過している場合には、全ての球通路35a内に所定数(本形態では20個)以上の遊技球があることになるので、球有りフラグ323が設定されて球有り状態設定処理S4006が終了し、遊技球検出信号のオン状態が2000ms経過していない場合には、そのまま球有り状態設定処理S4006が終了する。一方、遊技球検出信号のうち少なくとも1つがオフ状態である場合には、その状態が200ms継続しているか否かが判定され、その状態が200ms経過している場合には、球有りフラグ323が解除されて球有り状態設定処理S4006が終了し、その状態が200ms継続していない場合には、そのまま球有り状態設定処理S4006が終了する。
球有り状態設定処理S4007の後に、下皿満タン状態設定処理S4006又は球有り状態設定処理S4007における状態が報知すべき状態である場合に、その状態が報知される(「状態報知処理」S4008)。具体的には、「下皿球満タン中」の場合に、スピーカ106,204からの音声によりその旨を遊技者に知らせたり、液晶表示装置42により画像によりその旨を遊技者に知らせたりする。また、遊技球タンク32内に遊技球が貯留されてない場合(球有りフラグ323が解除されている場合)にも同様にその旨を遊技者に知らせたりする。
状態報知処理S4008の後に、賞球払出不可状態か否かが判定される(S4009)。なお、賞球払出不可状態とは、貸球の払い出しが現在実行中の場合である。賞球払出不可状態でない場合には、賞球個数カウンタ37a33の値が「0」であるか否かが判定される(S4010)。賞球個数カウンタ37a33の値が「0」である場合には、払出コマンドに基づいて払い出す遊技球がないので、S4012の処理へ移行し、賞球個数カウンタ37a33の値が「0」でなければ、払出コマンドに基づいて払い出す遊技球があるので、払出状態カウンタ37a32に「1」を設定する(「払出状態カウンタ設定処理」S4011)。判定処理S4009において賞球払出不可状態であると判定された場合や判定処理S4010において賞球個数カウンタの値が「0」である場合には、次の処理に移行する。
次に、貸球払出不可状態であるか否かが判定される(S4012)。なお、貸球払出不可状態とは、賞球の払い出しが現在実行中の場合である。貸球払出不可状態でない場合、カードユニットから貸球払出要求のコマンドを受信しているか否かが判定される(S4013)。貸球払出要求のコマンドを受信している場合には、賞球の払い出しを行うために払出状態カウンタ37a32に「2」を設定する(「払出状態カウンタ設定処理」S4014)。一方、貸球払出要求のコマンドを受信していない場合には、払出状態カウンタ設定処理S4014がスキップされる。また、S4012において貸球払出不可状態であると判定された場合、判定処理S4013及び払出状態カウンタ設定処理S4014がスキップされる。
次に、払出タイマ割込実行フラグを設定する(「払出タイマ割込実行フラグ設定処理」S4015)。払出タイマ割込み実行フラグ設定処理S4015の後に、カウントセンサ33hからのカウントスイッチ検出信号の受信状態を確認する(「カウントセンサ確認処理」S4016)。
次に、払出個数不監視フラグが設定されているか否かが判定される(S4017)。払出個数不監視フラグ(324〜327)が設定されている場合には、設定されている払出個数不監視フラグに対応付けられた不監視時間カウンタ(328〜331)の値が「1」だけ減算されて新たな値に更新される(「不監視時間カウンタ更新処理」S4018)。不監視時間カウンタ(328〜331)の値が「0」となった場合は、設定された時間(タイムアウト時間)が経過したこととなる。なお、不監視時間カウンタ(328〜331)の値が「1」以上である場合のみ更新を行い、不監視時間カウンタ(328〜331)の値が「0」である場合にはそれ以上の更新を行わないよう構成されている。一方、払出個数不監視フラグが設定されていない場合には、不監視時間カウンタ更新処理S4018がスキップされる。
次に、払出ソレノイド作動フラグ314〜317が設定されているか否かが判定される(S4019)。いずれかの払出ソレノイド作動フラグ(314〜317)が設定されている場合には、それに対応付けられた払出遊技球カウンタ318〜321の値が「1」だけ減算されて新たな値に更新される(「払出遊技球カウンタ更新処理」S4020)。払出遊技球カウンタ318〜321の値が「0」となった場合に、設定された時間(タイムアウト時間)が計測されたこととなる。なお、払出遊技球カウンタの値が「1」以上である場合のみ更新を行い、払出遊技球カウンタの値が「0」である場合にはそれ以上の更新は行われない。払出遊技球カウンタ更新処理S4020の終了によって、タイマ割込み処理が終了する。
払出制御基板37aにおけるメイン処理について説明する。図43は、払出制御基板37aのメイン処理の一例を表すフローチャートである。図43に示されたように、メイン処理では、まず、CPU周辺のレジスタ群やI/O装置等に対する各種の設定が行われる(「初期設定処理」S4101)。初期設定処理S4101の後に、RAM37a3へのアクセスが許可され(「RAMアクセス許可処理」S4102)、外部割込みベクタが設定される(「外部割込みベクタ設定処理」S4103)。外部割込みベクタ設定処理S4103の後に、RAM37a3の全ての領域を「0」にクリアした(S4104)後に、RAM37a3に初期値が設定され(「RAM初期設定処理」S4105)、CPU37a1の他の周辺デバイスの初期設定が行われる(「CPU周辺デバイス初期設定処理」S4106)。CPU周辺デバイス初期設定処理S4106の後に、割込み許可が設定され(S4107)、遊技球払出処理S4108が繰り返し実行される。通常ゲーム時には主制御基板45aからの払出コマンドの受信に応じて払出コマンドの種類に基づいた賞球数の遊技球を払い出すと共に、貸球払出要求がされた場合に25個の遊技球を払い出す処理である。
ここで、遊技球払出処理S4108について詳細に説明する。図44は、遊技球払出処理S4108の一例を表すフローチャートである。図44に示されたように、遊技球払出処理S4108では、まず、払出状態カウンタ37a32の値が「0」であるか否かが判定される(S4201)。払出状態カウンタ37a32が「0」である場合、つまり、払出コマンドが受信されていない場合、カウントセンサ33hからのカウントスイッチ信号の受信が検知されているか否かが判定される(S4202)。カウントスイッチ信号の受信が検知されている場合には、主制御基板45aにカウント信号の出力するための処理を行う(「カウント信号出力処理」S4203)。一方、カウントスイッチ信号の受信が検知されていない場合には、カウント信号出力処理S4203がスキップされる。また、判定処理S4201において払出状態カウンタ37a32の値が「0」以外であると判定された場合には、判定処理S4202及びカウント信号出力処理S4203がスキップされる。
次に、球有りフラグ323が設定されているか否かが判定される(S4204)。球有りフラグ323が設定されていない場合、ケースレール35の球通路35a内に所定数以上の遊技球が貯留されていない状態であるために遊技球の払い出しを行えないので、遊技球払出処理S4108が終了する。一方、球有りフラグ323が設定されている場合、遊技球の払い出しを行うためにS4205以降の処理へ移行する。
判定処理S4204において球有りフラグ323が設定されていると判定された場合には、払出状態カウンタ37a32の値が確認され(S4205,S4207)、その値が「1」でもなく「2」でもない場合には、遊技球を払い出す状況でないので、遊技球払出処理S4108が終了する。払出状態カウンタ37a32の値が「1」である場合には、払出コマンドに基づいた遊技球の払い出しを行う状態であるので、賞球個数カウンタ37a32の値を総払出個数カウンタ37a34に設定する(「総払出個数カウンタ設定処理」S4206)。一方、払出状態カウンタ37a32の値が「2」である場合には、総払出個数カウンタ37a34の値に「25」を設定する(「総払出個数カウンタ設定処理」S4208)。総払出個数カウンタ37a34の値として「25」を設定するのは、本実施形態では、貸球払出要求信号を1回受信する毎に、遊技球を25個ずつ払い出すからである。
総払出個数カウンタ設定処理S4206,S4208において、総払出個数カウンタ37a34の値が設定されると、第1条〜第4条払出リトライフラグ310〜313をそれぞれ設定して(「全条の払出リトライフラグ設定処理」S1209)、4つの球通路33dのすべてについて、払出処理が行われるように初期設定する。
全条の払出リトライフラグ設定処理S4209の後に、主制御基板45aへの払出中信号(エラー監視用の第1信号)の出力が開始される(「払出中信号出力開始処理」S4210)。
払出中信号出力開始処理S4210の後に、いずれかの払出リトライフラグ(310〜313)が設定されているか否かを判定し(S4211)、全ての払出リトライフラグ310〜313が設定されていなければ、エラー処理を実行して、遊技球の未払出がある状態で払出が不能となったことを報知する(「エラー処理」S4212)。エラー処理S1208は無限ループとなっており、該エラーは、遊技機10をリセットすることによって解消できる。一方、いずれかの払出リトライフラグ310〜313が設定されていれば、総払出個数カウンタ37a34の値が「0」であるか否かが判定され(S4213)、総払出個数カウンタ37a34の値が「0」であれば、払出状態カウンタ37a32の値が「2」であるか否かが判定される(S4214)。払出状態カウンタ37a32の値が「2」であれば、貸出終了信号をCRユニットに出力し(「貸出終了信号出力処理」S4215)、一方、払出状態カウンタ37a32の値が「2」でなければ、貸球払出要求信号に基づく払い出しでないので、貸出終了信号出力処理S4215がスキップされる。次に、払出状態カウンタ37a32の値に「0」が設定され(「払出状態カウンタ初期化処理」S4216)、遊技球払出処理S4108が終了する。なお、払出状態カウンタ37a32の値に「0」が設定されると、賞球払出が許可状態となると共に貸球払出が許可状態となる。
なお、判定処理S4213の前に、いずれかの条の払出リトライフラグ310〜313が状態であるか否かを確認し、1つの条でも払出リトライフラグ310〜313が設定されていなければ、球詰まりなどの異常が発生している可能性があるので、エラー処理を行うよう構成しても良い。即ち、払出装置33の球通路33dの1つでも詰まっていれば、ケースレール35の球通路35aに80個以上の遊技球が貯留されていたとしても、遊技球の払い出しが確実に行えない場合があるが、エラー処理を実行して異常を解除するよう促すことで、遊技球の払い出しを確実に行うことができる。
判定処理S4213において総払出個数カウンタ37a34の値が「0」でなければ、全条の払出リトライフラグ310〜313が設定されているか否かを判定する(S4217)。判定処理4217において、いずれかの払出リトライフラグ310〜313が解除されていれば、後述するようにいずれかの条において遊技球の払い出しが滞ったこととなるので、遊技球を再振り分けする前に所定時間待機し(「ウェイト処理」S4218)、その後に、払出個数振分処理S4219へ移行する。なお、本形態では、ウェイト処理S4218におけるウェイト時間は、80msである。このウェイト処理S4218は、フリッカ33bによって遊技球の球通路33dが閉鎖された場合における払出通路33eよりも上流側にある遊技球のばたつきを抑制するために設けられている。一方、全条の払出リトライフラグが設定されている場合には、ウェイト処理S4218を行わずに払出個数振分処理S4219へ移行する。
遊技球の払出が行われる4つの球通路33dで均等に遊技球の払い出しを行うために、各球通路33dがそれぞれ何個ずつ払い出すかの払出予定個数を振り分ける(「払出個数振分処理」S4219)。なお、本処理については別途に詳細に説明する。
払出個数振分処理S4219の後に、払出タイマ割込実行フラグ322が設定されているか否かが判定される(S4220)。払出タイマ割込実行フラグ322が設定されていれば、払出条ポインタ37a39へ最大値「4」を設定する(「払出条ポインタ最大値設定処理」S4221)。
払出条ポインタ最大値設定処理S4221の後に、払出個数振分処理S4219によって各球通路33dに対して振り分けられ、各球通路33dにおいて払い出しが開始された際の遊技球の個数をカウントすると共に、その払い出しの終了を管理する処理を実行する(「払出実行処理」S4222)。なお、本処理については別途に詳細に説明する。
払出実行処理S4222の後に、払出条ポインタ37a39が最小値「1」であるか否かが判定される(S4223)。払出条ポインタが「1」でなければ、払出条ポインタ37a39の値を「1」だけ減少させて(「払出条ポインタ減算処理」S4224)、払出実行処理S4222に戻る。一方、払出条ポインタが「1」であれば、各払出ソレノイド作動フラグ(314〜317)に基づいて各払出ソレノイド33cが駆動される(「全条の払出ソレノイド作動制御処理」S4225)。具体的には、各条において、払出ソレノイド作動フラグ(314〜317)が新たに設定された場合には払出ソレノイド33cがオン状態に変更され、払出ソレノイド作動フラグ(314〜317)が既に設定されていた場合には払出ソレノイド33cのオン状態が維持され、払出ソレノイド作動フラグ(314〜317)が新たに解除された場合には払出ソレノイド33cがオフ状態に変更され、払出ソレノイド作動フラグ(314〜317)が既に解除されていた場合には払出ソレノイド33cのオフ状態が維持される。
全条の払出ソレノイド作動制御処理S4225の後に、第1条〜第4条払出遊技球カウンタ318〜321の値の全てが「0」であるか否かが判定される(S4226)。第1条〜第4条払出遊技球カウンタ318〜321の値の全てが「0」である場合には、判定処理S4211に戻る。一方、第1条〜第4条払出遊技球カウンタ318〜321の値のいずれかが「0」でなければ、払出タイマ割込み実行フラグ322を解除して(「払出タイマ割込実行フラグ解除処理」S4227)、判定処理S4220に戻る。以上のように、遊技球払出処理S4108は、判定処理S4201〜払出タイマ割込実行フラグ解除処理S4227によって実現される。
ここで、払出個数振分処理S4219について詳細に説明する。図45は、払出個数振分処理S4219の一例を表したフローチャートである。図45に示されたように、払出個数振分処理S4219では、まず、総払出個数カウンタ37a34の値をスタックエリアヘ退避する(「総払出個数カウンタ値退避処理」S4301)。次に、各球通路33dでの払出予定個数を記憶する第1条〜第4条払出予定個数カウンタ37a35〜37a38の全ての値を全て「0」にクリアし(「全条の払い出し予定個数カウンタ初期化処理」S4202)、更に、払出条ポインタ37a39へ最大値「4」を設定する(「払出条ポインタ最大値設定処理」S4303)。払出条ポインタ37a39は、4つの球通路33dのうち、遊技機10の前面側に配設される球通路33dから遊技機10の背面側に配設される球通路33dまでを順次に繰返し指定する(具体的には、4,3,2,1,4,・・・と更新される)。
払出条ポインタ37a39の値が示す当該条の払出リトライフラグ(310〜313)が設定されているか否かを判定し(S4304)、当該条の払出リトライフラグ(310〜313)が設定されていれば、当該条に対応する球通路33dを使用しての遊技球の払い出しは可能であるので、当該条の払出予定個数カウンタ(37a35〜37a38)の値を「1」だけ加算して、1個の遊技球を当該条に対応する球通路33dから払い出すように振り分ける(「当該条の払出予定個数カウンタ加算処理」S4305)。更に、当該条の払出ソレノイド作動フラグ(314〜317)を設定し(「当該条の払い出しソレノイド作動フラグ設定処理」S4306)、最初の遊技球が投入されるまでの最大の待ち時間(タイムアウト時間、検出時間)に対応した値「180」を当該条の払出遊技球カウンタ(318〜321)に設定し(「当該条の払出遊技球カウンタ設定処理」S4307)、総払出個数カウンタ37a34の値を「1」だけ減算する(「総払出個数カウンタ減算処理」S4308)。なお、本実施形態では、遊技球タンク32内に遊技球がある状態において払出フリッカ33bによって球通路33dが開放され、球通路33dを流下する最初の遊技球が正常に払出力ウントセンサ33hに到達するまでの時間が約10msであるために、より十分余裕をもった時間として360msが最大の待ち時間として設定される。このように十分余裕を持った時間を設定するのは、球通路33dにおける遊技球の流下時に生じるばたつきを考慮しているからである。また、第1条〜第4条払出遊技球カウンタ318〜321の値は、タイマ割込み処理が実行される毎に「1」だけ減算される。そのタイマ割込み処理は上述したように2ms毎に繰り返し実行されるために、第1条〜第4条払出遊技球カウンタ318〜321に「180」を設定することによって360msを指定したことになる。
また、当該条の払出ソレノイド作動フラグ設定処理4306において、当該条の払出ソレノイド作動フラグ(314〜327)を設定することにより、全条の払出ソレノイド作動制御処理S4225(図44参照)において当該条の払出ソレノイド33cがオン状態になり、フリッカ33bによって球通路33dが開放されてその条における払出動作が開始される。
次に、総払出個数カウンタ37a34の値が「0」であるか否かを判定して(S4308)、総払出個数カウンタ37a34の値が「0」でなければ、遊技球の振り分けは完了していないので、払出条ポインタ37a39の値を更新する。具体的には、払出条ポインタ37a39が最小値「1」であるか否かを判定して(S4311)、払出条ポインタ37a39の値が最小値「1」でなく「4」,「3」又は「2」であれば、払出条ポインタ37a39の値を「1」だけ減算して(「払出条ポインタ減算処理」S4312)、判定処理S4304に戻る。一方、払出条ポインタ37a39の値が「1」であれば、払出条ポインタ最大値設定処理S4303に戻る。
判定処理S4309において総払出個数カウンタ37a34の値が「0」であると判定された場合には、払い出すべき全ての個数の遊技球の振り分けが完了したことになるので、総払出個数カウンタ値退避処理S4301で退避しておいた総払出個数カウンタ37a34の値を復帰して(「総払出個数カウンタ値復帰処理」S4313)、この払出個数振分処理S4219を終了する。
また、判定処理S4304において払出条ポインタ37a39の値が示す条の払出リトライフラグ(310〜313)が設定されていなければ、当該条を使用しての遊技球の払出は不可能であるために、当該条への遊技球の振り分けが行われないように、当該条の払出予定個数カウンタ加算処理S4305から判定処理S4309までをスキップすると共に、当該条に対応した各情報や値を初期化して(「当該条の初期化処理」S4310)、判定処理S4311へ移行する。当該条の初期化処理S4310では、当該条の払出予定個数カウンタ(37a35〜37a38)、当該条の払出ソレノイド作動フラグ(314〜317)、当該条の払出遊技球カウンタ(318〜321)などの、下述する払出実行処理S4222で使用される情報や値が初期化される。
ここで、払出実行処理S4222について詳細に説明する。図46は、払出実行処理S4222を表すフローチャートである。図46に示されたように、払出実行処理S4222では、まず、当該条の払出遊技球カウンタ(318〜321)の値が「0」であるか否かが判定され(S4401)、その値が「0」であれば、既に当該条に対応する払出動作は終了しているので、この払出実行処理S4222を終了する。
判定処理S4401において当該条の払出遊技球カウンタ(318〜321)の値が「0」でなければ、当該条の不監視時間カウンタ(328〜331)の値が「0」であるか否かが判定される。当該条の不監視時間カウンタ(328〜331)の値が「0」であれば、カウントセンサ33hからのカウントスイッチ信号の受信状態(S4403,S4408,S4414)を確認することなく、判定処理S4414に移行する。一方、当該条の不監視時間カウンタ(328〜331)の値が「0」でなければ、当該条の払出力ウントセンサ33hによる遊技球の通過完了が検知されているか否かが判定され(S4403)、遊技球の通過が完了していなければ、後述する判定処理S4408に移行する。一方、当該条の払出力ウントセンサ33hによる遊技球の通過完了が検知されていれば、遊技球の払い出しを1個検出したものとして、総払出個数カウンタ37a34の値を「1」だけ減算し(「総払出個数カウンタ減算処理」S4404)、かつ当該条の払出予定個数カウンタ(37a35〜37a38)の値を「1」だけ減算する(「当該条の払出予定個数カウンタ減算処理」S4405)。当該条の払出予定個数カウンタ減算処理S4405の後に、当該条の払出予定個数カウンタ(37a35〜37a38)の値が「0」であるか否かが判定され(S4406)、その値が「0」であれば、当該条で払い出される予定であった全ての遊技球の払出が完了したこととなるので、払出中信号の出力が停止されて(「払出中信号出力停止処理」S4407)、払出実行処理S4222が終了する。一方、判定処理S4406において当該条の払出予定個数カウンタ(37a35〜37a38)の値が「0」以外であれば、払出実行処理S4222が終了する。。
判定処理S4403において当該条のカウントセンサ33hによる遊技球の通過完了が検知されていなければ、当該条のカウントセンサ33hによる遊技球の通過開始が検知されているか否かが判定される(S4408)。遊技球の通過開始は、払出力ウントセンサ33hからのカウントスイッチ信号の立上りの検知によって確認される。また、判定処理S4403における遊技球の通過完了は、カウントスイッチ信号の立ち下がりによって検知される。
判定処理S4408で遊技球の通過開始が検知されていなければ、払出実行処理S4222を終了し、遊技球の通過開始が検知されていれば、その通過開始された遊技球が通過完了するまでの最大の待ち時間(タイムアウト時間、通過時間)を設定するために、当該条の払出遊技球カウンタ(318〜321)の値に「150」を設定する(「当該条の払出遊技球カウンタ設定処理」S4409)。なお、本実施形態では、遊技球タンク32内に遊技球がある状態において1つの遊技球の通過開始が検知されてから次の遊技球が正常に通過開始するまでの時間が約10msであるために、これよりも十分余裕を待った時間として300msを最大の待ち時間として設定する。このように十分余裕を待った時間を設定するのは、遊技球の流下時に生じるばたつきを考慮しているからである。なお、上述のように、当該条の払出遊技球カウンタ(318〜321)の値に「150」を設定することにより、最大の待ち時間として300msを設定したことになる。
当該条の払出遊技球カウンタ設定処理S4409の後に、主制御基板45aにカウント信号(エラー監視用の第2信号)を出力する制御が行われる(「カウント信号出力処理」S4410)。
当該条の払出予定個数カウンタ(37a35〜37a38)の値が「1」であるか否かが判定され(S4111)、その値が「1」でなければ、まだ払い出しすべき遊技球があるので、一旦、払出実行処理S4222を終了する。一方、判定処理S4411において当該条の払出予定個数カウンタ(37a35〜37a38)の値が「1」であれば、当該条の不監視時間カウンタ(324〜327)を設定し、かつ当該条の不監視時間カウンタ(328〜331)の値に所定値(本形態では「50」)を設定する(「当該条の不監視時間カウンタ設定処理」S4412)。なお、第1条〜第4条払出個数不監視フラグ(324〜327)は、対応する不監視時間カウンタ(328〜331)のタイムアップに応じて解除される。また、本形態では、当該条の不監視時間カウンタ(328〜331)の値に「50」を設定することにより、最大の待ち時間として100msを設定したことになる。また、その通過を開始した遊技球は、その球通路33dで払い出されるべき最後の1個の遊技球(以下において、「最終遊技球」とも称す)であり過剰な遊技球が払い出されてしまうことを防止するために、当該条の払出ソレノイド作動フラグ(314〜317)を解除する(「当該条の払出ソレノイド作動フラグ解除処理」S4413)。これにより、図44の全条の払出ソレノイド作動制御処理S4225の実行の際に、該当する球通路33dの払出ソレノイド33cがオフ状態にされ、払出フリッカ33bの閉塞によって当該球通路33dでの遊技球の払出動作が終了する。
判定処理S4402において当該条の不監視時間カウンタ(328〜331)の値が「0」以外である場合、判定処理S4406において当該条の払出予定個数カウンタ(37a35〜37a38)の値が「1」以上である場合、判定処理S4408において当該条のカウントセンサ33hによる遊技球の通過開始が検知されていない場合には、払出実行処理S4222が終了する。
一方、判定処理S4401において当該条の払出遊技球カウンタ(318〜321)の値が「0」であれば、遊技球の通過途中を検知しているか否かを判定する(S4414)。遊技球の通過途中は、払出カウントセンサ33hからのカウントスイッチ信号がオン状態であることによって検知される。通過途中であれば、遊技球が何らかの原因で払出力ウントセンサ33h内に詰まっている(滞留している)、又は不正行為によって払出フリッカ33bが強制的に開放されたことによる遊技球の異常な通過と考えられるために、エラー処理を実行して、遊技球の通過エラーの発生を報知する(「エラー処理」S4419)。エラー処理S4419は無限ループとなっており、該エラーは、遊技球の滞留状態を解消した上で、リセットすることによって解消できる。なお、該エラーを、その滞留状態の解除によって解消するように構成しても良い。以上のように、タイムアウトが確認された直後に、遊技球が正常に通過完了したか否かの確認をしているので、設定したタイムアウト時間(360ms又は300ms)に対して誤差が少ない状態で、遊技球が通過完了したか否かを確認することができる。
判定処理S4414においてエラーが検出されなかった場合には、当該条の払出ソレノイド作動フラグ(314〜317)が設定されているか否かが判定される(S4415)。当該条の払出ソレノイド作動フラグ(314〜317)が解除されていれば、当該球通路33dにおける遊技球の払い出しがすべて終了しているので、払出実行処理S4222を終了する。一方、当該条の払出ソレノイド作動フラグ(314〜317)が設定されていれば、当該条の払出ソレノイド作動フラグ(314〜317)を解除し(「当該条の払出ソレノイド作動フラグ解除処理」S4416)、当該条の払出リトライフラグを解除し(「当該条の払出ソレノイド作動フラグ解除処理」S4417)、当該条の払出遊技球カウンタ(318〜321)に最大の待ち時間として「50」を設定する(「当該条の払出遊技球カウンタ設定処理」S4419)。本形態では、当該条の払出遊技球カウンタ(318〜321)の値に「50」を設定することにより、最大の待ち時間として100msを設定したことになる。
副制御基板47aにより実行される制御処理について説明する。副制御基板47aの制御処理は、外部電力の停電からの復帰や電源のオン等による電源復帰に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。CPUにおける割込み処理としては、定期的なタイマ割込み処理と、定期的なコマンド割込み処理とがある。
タイマ割込み処理について説明する。図47は、副制御基板47aにおけるタイマ割込み処理の一例を表すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、概ね1msの周期で実行される。タイマ割込み処理では、まず、割込みフラグが読み込まれる(「割込みフラグ読み込み処理」S2001)。割込みフラグ読み込み処理S2001の後に、割込みフラグが有効であるか否かが判定される(S2002)。具体的には、CPUに対する各種の割込みのうちのタイマ割込みであることを確認する。割込みフラグが有効である場合には、割込みタイマカウンタのインクリメントが行われて割込みタイマカウンタが更新される(「割込みタイマカウンタ更新処理」S2003)。割込みタイマカウンタ更新処理S2003の後に、タイマ割込みに関する割込みフラグが解除される(「割込みフラグ解除処理」S2004)。これによって、CPUに対する次回のタイマ割込み処理が実行できるようになる。判定処理S2002において割込みフラグが有効でないと判定された場合は、他の割込み処理であるために、割込みタイマカウンタ更新処理S2003及び割込みフラグ解除処理S2004がスキップされる。
コマンド割込み処理について詳細に説明する。図48は、副制御基板47aにおけるコマンド割込み処理を表すフローチャートである。コマンド割込み処理は、主制御基板45aからのコマンドの送信に応じて実行される。主制御基板45aにおけるコマンド送信は概ね1.49msの周期で行われるために、本処理は、概ね1.49msの周期で実行される。
コマンド割込み処理では、まず、主制御基板45aからのストローブ信号が正常であるか否かが判定される(S2101)。ストローブ信号が正常であれば、コマンドデータを取得する(「コマンドデータ取得処理」S2102)。コマンドデータ取得処理S2102の後に、その内容が正常であるか否かが判定される(S2103)。コマンドデータが正常である場合には、コマンドを受信し(「コマンド受信処理」S2104)、コマンド受信処理S2104の後に、リトライカウンタ値が所定のリトライ最大値に変更される(「リトライカウンタ値最大化処理」S2105)。
判定処理S2101においてストローブ信号が正常でないと判定された場合には、リトライカウンタ値が所定のリトライ最大数に変更される(S2106)。また、判定処理S2103においてコマンドデータが正常でないと判定された場合には、リトライカウンタ値が変更される(「リトライカウンタ更新処理」S2107)。この変更においては、リトライカウンタ値が1だけ増加する。リトライカウンタ値を変更する処理(S2105,S2106,S2107)の後に、リトライカウンタ値が最大値であるか否かが判定される(S2108)。リトライカウンタ値が最大値である場合には、割込みフラグを読み込む(「割込みフラグ読込処理」S2109)。割込みフラグ読込処理S2109の後に、リトライカウンタの値が初期値(「0」)にクリアされる(「リトライカウンタクリア処理」S2110)。リトライカウンタクリア処理S2110の後に、割込みフラグが解除される(「割込みフラグ解除処理」S2111)。割込みフラグの解除によって、次回のコマンド割込み処理が実行できるようになる。
リトライカウンタ値が最大値でない場合、つまり、ストローブ信号は正常であるがコマンドデータが正常でない場合には、割込みフラグ読込処理S2109、リトライカウンタクリア処理S2110及び割込みフラグ解除処理S2111がスキップされる。なお、所定のタイミングでのコマンドデータの取得は、リトライカウンタ値が所定のリトライ最大値に到達するまで繰り返される。
副制御基板47aで実行されるメイン処理について詳細に説明する。図49は、副制御基板のメイン処理の一例を表すフローチャートである。
メイン処理では、まず、電源制御基板38’からの内部電力の供給に応じて、副制御基板47a自身の初期化及び副制御基板47aに接続された液晶表示装置42等の周辺装置の初期化が行われる(「初期化処理」S2201)。初期化処理S2201の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S2202)。ここで、システム状態は、供給電圧が所定の電圧以下であることを表す電圧低下状態と、副制御基板47a及び副制御基板47aに接続された周辺装置が初期化中であることを表す初期化状態と、供給電圧が所定の電圧であって通常遊技を行えることを表す通常状態とを含意する。なお、初期化状態は、初期化処理S2201中に選択される。
判定処理S2202においてシステム状態が電圧低下状態であると判定された場合には、後述する停電処理S2211が実行される。一方、システム状態が電圧低下状態でない場合には、割込みタイマカウンタの値に変更があるか否かが判定される(S2203)。割込みタイマカウンタの値に変更がある場合には、割込みタイマカウンタが更新される(「割込みタイマカウンタ更新処理」S2204)。割込みタイマカウンタ更新処理S2204において、割込みタイマカウンタの値は1だけ減少する。割込みタイマカウンタ更新処理S2204の後に、後述する短周期タイマ処理S2205が行われる。短周期タイマ処理S2205の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S2206)。システム状態が電圧低下状態でない場合には、主制御基板45aからの何らかのコマンドが受信されているか否かが判定される(S2207)。コマンドが受信されている場合には、後述する受信コマンド確認処理S2208が行われる。一方、コマンドが受信されていない場合には、受信コマンド確認処理S2208がスキップされる。受信コマンド確認処理S2208の後に、演出の詳細を決定する乱数のベース値が更新される(「乱数ベース値更新処理」S2209)。乱数ベース値更新処理S2209の後は、判定処理S2202に移行する。システム状態が電圧低下状態でない場合には、上記の各処理(S2202〜S2209)が順次に繰り返し実行される。
判定処理S2202及び判定処理S2206においてシステム状態が電圧低下状態でないと判定された場合には、レジスタデータやスタックデータが外部RAMに保存される(「バックアップ処理」S2210)。バックアップ処理S2210の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S2211)。システム状態が電圧低下状態である場合には、判定処理S2211が繰り返し実行される。一方、電圧低下状態でない場合には、電圧低下状態の解消がノイズ等による誤作動でないことを確認するために所定の時間(本形態においては30ms)待機する(「ウェイト処理」S2212)。ウェイト処理S2212の後に、再度、システム状態が電圧低下状態であるか否かを再度判定する(S2213)。システム状態が電圧低下状態である場合には、判定処理S2211に戻る。一方、システム状態が電圧低下状態でない場合には、内部電力の供給が正常に再開したと判断して、メイン処理を起動するための処理を行う(「起動処理」S2214)。起動処理S2214の後に、初期化処理S2201に戻り、メイン処理が再開される。
副制御基板47aのメイン処理における短周期タイマ処理S2205について詳細に説明する。図50は、短周期タイマ処理S2205の一例を表すフローチャートである。タイマ割込み処理が実質的に1msごとに実行されることによって、短周期タイマ処理S2205も実質的に1msごとに実行される。短周期タイマ処理2205では、図50に示されたように、まず、起動時コマンド確認処理S2301が実行される。起動時コマンド確認処理S2301では、起動処理S2216の実行後の2秒以内に主制御基板45aから何らかのコマンドを受信しているか否かが確認される。主制御基板45aから何らのコマンドも受信していない場合には、主制御基板45aの起動が正常に行われなかったと判断してエラー発生を報知する処理が行われる。一方、主制御基板45aから何らかのコマンドを受信している場合には、本処理を終了し、デバイス制御処理S2302に移行する。
デバイス制御処理S2302では、下述する受信コマンド確認処理S2208(図49)において受信が確認された各種のコマンドに応じて、液晶表示装置42、スピーカ106,204、発光装置41g、41h、132、134L1等の駆動制御が行われる。具体的には、それらを制御するための信号が送信される。
システム状態変更処理S2303では、システム状態に変化があるか否かが判定され、判定結果に応じて、電圧低下状態を表す電圧低下フラグ及び初期化状態を表す初期化中フラグが設定又は解除される。システム状態に変化があればその変化に応じた処理が実行される。なお、電圧低下フラグ及び初期化中フラグが解除されている場合には、システム状態は通常状態であるとみなされ、本処理は終了する。システム状態変更処理S2303の後に、電圧監視処理S2304が実行される。
電圧監視処理S2304では、電源基板109から供給される内部電力の電圧が所定の電圧以下であるか否かが判定され、内部電圧が所定の電圧以下の場合には、電圧低下フラグが解除されていれば電圧低下フラグが設定され、一方、内部電圧が所定の電圧以下でない場合には、電圧低下フラグが設定されていれば電圧低下フラグが解除される。電圧低下チェック処理S2304の後に、下述する長周期タイマ処理S2305が実行される。
長周期タイマ処理S2305の後に、液晶表示装置42、スピーカ106,204、発光装置41g,41h,132,134L1等を制御するためのデータが更新される(「報知データ変更処理」S2307)。
ここで、長周期タイマ処理S2306について説明する。図51は、長周期タイマ処理S2306の一例を表すフローチャートである。長周期タイマ処理S2306では、長周期タイマカウンタの値に短周期タイマカウンタの値が加算され、長周期タイマカウンタが更新される(「長周期タイマカウンタ加算処理」S2401)。長周期タイマカウンタ更新処理S2401の後に、長周期タイマカウンタの値が10以上であるか否かが判定される(S2402)。判定処理S2402によって、概ね短周期タイマカウンタの10回の更新ごとに、以下の処理が実行されることになる。短周期タイマカウンタの更新が概ね1msごとに行われるために、以下の処理は、概ね10msごとに実行されることになる。
判定処理2402において長周期タイマカウンタの値が10未満であると判定された場合には、本処理は終了する。一方、長周期タイマカウンタの値が10以上である場合には、長周期タイマカウンタの値が10だけ減少され、長周期タイマカウンタの値が更新される(「長周期タイマカウンタ減算処理」S2403)。長周期タイマカウンタ減算処理S2403の後に、副制御基板47aのROMに保持されている各種の発光装置(発光装置117等)に対する複数の発光パターンを含む発光データテーブルから所望の発光パターンのデータを取り出し、出力用のデータバッファに格納する(「発光データ更新処理」S2404)。なお、格納されたデータは短周期タイマ処理S2206におけるデバイス制御処理2303によって出力される。
発光パターンデータ更新処理S2404の後に、発光演出と音響演出とを同期させるための処理が実行される(「発光・音響同期処理」S2405)。発光・音声同期処理S2405の後に、音声演出が行われている状況下において、遊技者によって何らかの入力が行われることなく所定の時間(本形態では30秒)以上にわたって放置されている場合には、音声演出の音量が小音量に変更される(「音響フェードアウト処理」S2406)。また、遊技者によって何らかの入力が行われることなく、所定の時間(本形態では50秒)以上経過しているかを確認して、デモストレーションフラグを設定する(「デモストレーション開始確認処理」S2407)。なお、デモストレーションフラグの設定によって、液晶表示装置42において所定のデモストレーション演出が開始される。デモストレーション処理S2407の後に、音量変更操作装置(図示せず)における音量調節スイッチ(図示せず)の音量設定が確認され、音響装置106,204に対するエラー報知時や演出時の音量が更新される(「音量設定処理」S2408)。上記の処理過程(S2401〜S2408)を経て、長周期タイマ処理S2306が終了する。
〔本発明に関連する主たる構成〕
本発明の実施形態に係る遊技球式回胴遊技機の主たる特徴部分の構成について図52〜図56を参照しながら説明する。図52および図53は、本発明の実施形態1の特徴部分に係る機能ブロック図である。図54は、本発明の実施形態1の特徴部分に係る制御の一例を表わすタイミングチャートである。なお、図54は、総払出個数が75のときに、第1条から第4条の各払出装置にそれぞれ、18個、19個、19個、19個の遊技球の払出個数が振り分けられた例を示す。
前掲の説明から明らかなように、本実施形態の遊技機においては、主制御基板45aは、エラー監視用第1信号及びエラー監視用第2信号に基づいて払出期間中以外の期間に遊技球の通過が検出さたか否かを判定して肯定判定の場合にはエラー信号を出力するエラー監視手段101と、エラー監視手段101からのエラー信号に基づいて所定のエラー制御を行うエラー処理手段102とを有する。払出制御基板37aは、遊技球払出制御手段201と、払出個数振分手段202と、各条に対応する払出個数保持手段(払出予定個数カウンタ37a35〜37a38)203a〜203dと、各条に対応する遊技球計数手段204a〜204dと、各条に対応する最終球判定手段205a〜205dと、各条に対応するエラー監視信号出力制御手段206a〜206dと、各条に対応するエラー監視信号出力手段207a〜207dと、各条に対応する払出ソレノイド制御手段208a〜208dとを有する。ここで、エラー監視信号出力制御手段206a〜206dの各々は、図53に示すように、第1信号制御手段211a〜211d、第2信号制御手段212a〜212d、払出個数不監視フラグ保持手段(払出個数不監視フラグ324〜327)213a〜213d、払出個数不監視フラグ設定手段214a〜214d及び不監視時間計測手段215a〜215d(不監視時間カウンタ328〜331)を含む。
次いで、図54を参照して、払出処理の動作について説明する。
払出コマンド設定処理S415(図35参照)又は獲得球払出処理S611にて設定された、遊技球の総払出個数に関する情報を含む払出コマンドが主制御基板45aの賞球払出制御手段801から払出制御基板37a側に入力される(図54の時刻t1)と、遊技球払出手段201は、入力された払出コマンドから総払出個数に関する情報を抽出し、抽出された総払出個数を総払出個数カウンタ37a34(図31参照)に設定し(図44のS4206、S4208)、処理を払出個数振分手段202に受け渡す。尚、球貸出ボタン306(図6参照)の操作に応じた貸出要求に伴う場合は、貸球払出要求信号が球貸出スイッチ356から払出制御基板37a側に入力される。
払出個数振分手段202は、総払出個数が設定された総払出個数カウンタ37a34の値が0になるまで1ずつ減算し(S4308)、値を1減算する毎に第4条から第1条の払出予定個数カウンタ37a35〜37a39(図31参照)に降順で1ずつ加算することを繰り返して、総払出個数を各条に振り分けていく。このようにして、各条の払出装置33に振り分けられた遊技球の払出個数(払出予定個数カウンタ37a35〜37a38の値)は、払出個数保持手段203a〜203dにより保持される。
また、前記払出コマンドが遊技球払出手段201に入力されたことをエラー監視信号出力制御手段206a〜206d内部の第1信号制御手段211a〜211dが検知すると、第1信号制御手段211a〜211dは、各条の払出中信号(エラー監視用第1信号)をオン状態にする指示を含む第1信号制御信号をエラー監視信号出力手段207a〜206dに送信し(S4210)、これに応じてエラー監視信号出力手段207a〜207dは各条の払出中信号をオン状態にする(S4210、図54の時刻t21、t22、t23、t24)。一方、遊技球払出手段201は、賞球払出制御手段801からの払出コマンド又は球貸出スイッチ356からの貸球払出要求信号払出コマンドを受信すると、各条に振り分けられた遊技球の払い出しを開始するよう払出ソレノイド制御手段208a〜208dに指示する(S4419)。払出ソレノイド制御手段208a〜208dは、払い出しが行われる各条の払出ソレノイド作動フラグ314〜317をオン状態にする(全条の払出ソレノイド作動フラグ設定処理S4306、図54の時刻t31、t32、t33、t34)。これにより払出ソレノイド作動フラグ314〜317が設定された条の払出ソレノイド33cへの通電が開始され、各条の払出フリッカ33bが作動して球通路33dが開放される。
各条の払出フリッカ33bが作動して(全条の払出ソレノイド作動制御処理S4225)球通路33dが開放されると遊技球の球通路33dにおける流下が開始され、遊技球の流下に応じて、遊技球の通過開始時に立上り(例えば、図54の時刻t41、t42、t43、t44)、遊技球の通過完了時に立ち下がる(例えば、図54の時刻t51、t52、t53、t54)カウントスイッチ信号が各条のカウントセンサ33hから出力される。各条のカウントセンサ33hから出力されたカウントスイッチ信号は、遊技球計数手段204a〜204d及びエラー監視信号出力制御手段206a〜206d内部の第2信号制御手段212a〜212dに入力される。
遊技球計数手段204a〜204dは、対応する条のカウントスイッチ信号の立下りを検知する毎に払出個数保持手段203a〜203dに保持された対応する条の払出個数を1ずつ減算する。
また、第2信号制御手段212a〜212dは、対応する条のカウントスイッチ信号の立上りを検出する毎に、カウント信号(エラー監視用第2信号)の送信指示を含む第2信号制御信号を対応する条のエラー監視信号出力手段207a〜207dに送信し、これに応じてエラー監視信号出力手段207a〜207dは対応する条のカウント信号を出力する(S4410、例えば図54の時刻t41´、t42´、t43´、t44´)。
ここで、エラー監視手段101は、遊技球が不正に払出されることを防止するために各条のカウント信号を監視する手段であり、エラー監視手段101が、各条の払出中信号がオフ状態であるときに対応する条のカウント信号を受信すると、対応する条において不正に遊技球が払い出されたものとして、エラー信号をエラー処理手段102に送信する。エラー処理手段102は、エラー監視手段101からのエラー信号を受信すると所定のエラー処理を実行する。このような機能を有するエラー監視手段101は、具体的には、図64に示すように、遊技球の払出処理状態中であることを示す第1状態情報か、遊技球の払出処理状態中以外の状態であることを示す第2状態情報かのいずれかを保持するエラー情報保持手段812と、払出中信号が入力されると、その入力開始時に第2状態情報に設定されていた第2の状態保持手段の保持内容を第1状態情報に変更し、払出中信号の入力停止により、第2の状態保持手段の保持内容を第1状態情報から第2状態情報に変更するエラー情報変更手段813と、カウント信号が入力される毎に、エラー情報保持手段812の保持内容を参照して、払出期間中以外の期間に遊技球の通過が検出さたか否かを判定し、判定結果が肯定判定の場合にエラー信号をエラー処理手段102に出力するエラー監視判定手段813と備えている。
最終球判定手段205a〜205dは、払出個数保持手段203a〜203dに保持された対応する条の払出個数と、対応する条の第2信号制御手段212a〜212dが検出するカウントスイッチ信号の立上りとを監視しており、第2信号制御手段212a〜212dにより各条の最後の遊技球に対応するカウントスイッチ信号の立上りが検出されたと判定したとき(図53の時刻t61、t62、t63、t64)に、対応する条の最終球判定信号を出力する。最終球判定手段205a〜205dからの最終球判定信号は、対応する条の払出ソレノイド制御手段208a〜208d、対応する条のエラー監視信号出力手段206a〜206d内部の第1信号制御手段211a〜211d及び対応する条の不監視時間計測手段215a〜215dとに入力される。
払出ソレノイド制御手段208a〜208dは、最終球判定手段205a〜205dからの最終球判定信号が入力されると、対応する条の払出ソレノイド作動フラグ314〜317を解除する(時刻t71、t72、t73、t74)。これにより、対応する条の払出ソレノイド33cへの払出ソレノイド制御手段208a〜208dからの通電が停止されて、対応する条の球通路33dが払出フリッカ33bにより閉鎖される。
また、各条の第1信号制御手段211a〜211dは、最終球判定信号が入力されると、対応する条の払出中信号をオフ状態にする指示を含む第1信号制御信号を対応する条のエラー監視信号出力手段207a〜207dに送信し、これに応じてエラー監視信号出力手段207a〜207dは対応する条の払出中信号をオフ状態にする(S4407、図54の時刻t81、t82、t83、t84)。
また、不監視時間計測手段215a〜215dは、最終球判定信号が入力されると、対応する条について所定時間(例えば、100ms)の不監視時間を自らに設定し、設定された不監視時間を減算するようにして計時を開始する。不監視時間計測手段215が不監視時間(不監視時間カウンタ328〜331の値)の計時を開始すると、払出個数不監視フラグ設定手段214は払出個数不監視フラグ保持手段213a〜213dが保持する対応する条の払出個数不監視フラグ(324〜327)を設定して(図54の時刻t91、t92、t93、t94)、不監視時間計測手段215a〜215dが不監視時間の計時を行っている間、その状態を維持する。不監視時間計測手段215a〜215dが不監視時間の計時を終了して告知信号を払出個数不監視フラグ設定手段214a〜214dに出力すると、払出個数不監視フラグ設定手段214a〜214dは払出個数不監視フラグ保持手段213a〜213dに保持された払出個数不監視フラグ324〜327を解除する(図54の時刻t91´、t92´、t93´、t94´)。
第2信号制御手段212a〜212dは、各条の払出個数不監視フラグ324〜327を監視しており、払出個数不監視フラグ324〜327が設定されている間、対応する条のカウントセンサ33hからカウントスイッチ信号が入力されても、それに対応するカウント信号(エラー監視用第2信号)の送信指示を含む第2信号制御信号を対応する条のエラー監視信号出力手段207a〜207dに送信しない。したがって、各条の払出中信号がオフ状態であるときに対応する条のカウントセンサ33hが遊技球を検出してもエラー監視手段101が対応する条のカウント信号をエラー監視信号出力手段207a〜207dから受信することはないので、エラー監視手段101からエラー処理手段102にエラー信号は送信されず、エラー処理は実行されない。以下、このような不監視時間を設けた理由を詳述する。
図55に示すように、実施形態の遊技機においては、払出予定個数を超えた遊技球の払出しを防止するために、払出ソレノイド作動フラグ314〜317の解除により払出フリッカ33bが閉じられるときに、払出フリッカ33bの先端33b21が球通路33dを流下する最後の遊技球(W1)の中心軸Iよりも上側の部分に衝突するように払出フリッカ33bの作動タイミングを設定して、可能な限り早い時期に球通路33dを閉鎖するようにしている。このため、払出フリッカ33bとの衝突により最後の遊技球(W1)が加速され、その直前に球通路33dを通過した遊技球(W2)との間隔Dが短いときなどには、これと最後の遊技球(W1)が衝突して上に跳ね返り、カウントセンサ33hが1つの遊技球を複数の遊技球と誤検出するようなチャタリングが発生するおそれが増大する。
このように、本実施形態においては、最後の遊技球(W1)と払出フリッカ33bとの干渉に起因してカウントセンサ33hが遊技球数を誤検出するおそれが増大するため、これに対処して、各条の最後の遊技球に対応するカウントスイッチ信号の立上りが検出され(図54の時刻t61、t62、t63、t64)、各条の払出ソレノイド作動フラグ314〜317が解除されてから所定時間にわたって、対応する条の払出個数不監視フラグ324〜327を設定し、払出個数不監視フラグ324〜327が設定された期間はカウントセンサ33hが遊技球を検出しても、対応する条の第2信号制御手段212a〜212dがカウント信号を出力しないようにしている。このため、前記チャタリング等に起因したカウントセンサ33hの誤検出が発生した場合(図54の時刻t101、t102、t103、t104)にも、エラー監視手段101がエラー信号を出力することがなく、前記チャタリング等に起因するエラーの誤検知が防止される。
なお、上記エラーの発生を防止するためには、チャタリングの発生を防げばよいことから、例えば、最後の遊技球と後続する遊技球との間にフリッカの先端が突入するようにフリッカの作動タイミングを設定することが考えられる。このように構成すれば、最後の遊技球がフリッカと干渉しないので、チャタリングの発生を抑制できるからである。しかしながら、このような構成では、最後遊技球に後続する遊技球の速度が大きいと、フリッカが閉じられる前に、最後遊技球に後続する遊技球が通過してしまう場合が想定され、払出予定個数を超えた遊技球の払出しを完全に防止できない恐れがある。従って、払出予定個数を超えた遊技球の払出防止の観点から、本実施の形態のようにフリッカの先端が遊技球の中心軸よりも上方位置に当たるように払出フリッカ33bの作動タイミングが設定された構成の方が好ましい。そこで、本実施の形態では、最後遊技球によるチャタリングの発生を前提として、チャタリング等に起因するエラーの誤検知を防止するようにしたものである。
ここで、前記不監視時間を100msとしたのは、発明者らの実験によって、チャタリング(最後の遊技球の跳ね返り)に起因したカウントセンサ33hの遊技球の誤検出が発生する期間が、当該条のソレノイド作動フラグ314〜317が解除されてから最大で46msであることが判明したからである。つまり、誤検出が発生する危険性を完全に担保するため、余裕期間を見越して、最大期間46msの約2倍の100msとしたものである。
このように、本実施形態の遊技機では、各条の払出装置33において、当該条に振り分けられた払出個数の最後の遊技球の通過が開始された時点から所定時間(例えば、100ms)は、カウントセンサ33hからカウントスイッチ信号が入力されたときにもこれに対応するカウント信号を送信しないようにしたので、前記チャタリングなどに起因して誤ってエラー処理が実行されるのを防止することが可能となる。したがって、円滑な遊技進行を確保することが可能となる。
〔第2の形態〕
本実施形態2は、エラー監視信号出力制御手段の出力制御が上記実施形態1と異なるものであり、具体的には、払出中信号に関しては、払出処理の開始に伴い信号出力を開始させ且つその後出力状態を維持すると共に払出処理終了後であってもフリッカが閉じられた後所定時間経過するまで払出中信号の出力停止を遅らせ、カウント信号に関しては、最終遊技球の判定後であってもカウントスイッチ信号が入力された場合カウント信号を生成して出力するように制御することを特徴とするものである。
図56は本発明の実施形態2に係るエラー監視信号出力制御手段の機能ブロック図である。図57はエラー監視信号出力制御手段の制御動作を示すタイミングチャートである。なお、本実施の形態においても、総払出個数が75のときに、第1条から第4条の各払出装置にそれぞれ、18個、19個、19個、19個の遊技球の払出個数が振り分けられた場合の例を示している。
エラー監視信号出力制御手段206´a〜206´dは、不監視時間計測手段215a〜215dと、第1信号制御手段211´a〜211´dと、第2信号制御手段212´a〜212´dとを有する。本実施形態2に係る第1信号制御手段211´a〜211´dは、払出処理の開始に伴い各条の払出中信号の出力を開始させ且つその後出力状態を維持すると共に不監視時間計測手段215a〜21dから告知信号が入力されと各条の払出中信号の出力を停止させるようにエラー監視信号出力手段207a〜207dを制御する(図57参照)。第2信号制御手段212´a〜212´dは、カウントセンサ33hからカウントスイッチ信号が入力される度毎に、カウント信号を出力させるようにエラー監視信号出力手段207a〜207dを制御する(図57参照)。
上記構成によれば、払出中信号に関しては、払出処理の開始に伴い信号出力を開始させ且つその後出力状態を維持すると共にフリッカ33hが閉じられた後所定期間経過するまで払出中信号の出力停止を遅らせる。つまり、払出中信号は払出中を示す信号であるから、払出処理の開始から払出処理終了まで出力されるのが原則であるが、本実施形態2ではフリッカが閉じられた後所定期間経過するまで払出中信号の出力停止を遅らせる。そうすると、実際には払出期間は終了しているが、エラー監視手段101は、所定期間経過するまで払出期間であると判断する。即ち、不監視状態が所定期間付加されたことを意味する。一方、カウント信号に関しては、最終遊技球の判定後であってもカウントスイッチ信号が入力された場合、カウント信号を生成して出力する。しかしながら、エラー監視手段101は、所定期間経過するまで払出期間(不監視状態期間)であると判断しているので、最終遊技球の検出後にカウント信号が入力されても、不監視状態期間中であることからエラーと判断せず、エラーが発生しないことになる。
〔第3の形態〕
本発明の実施形態3の遊技球式回胴遊技機の主たる特徴部分の構成について図58及び図59を参照しながら説明する。図58は、本発明の実施形態3の特徴部分に関わる機能ブロック図である。図59は、本発明の実施形態3の特徴部分に関わる制御の一例を表わすタイミングチャートである。なお、図59は、18個の払出個数が振り分けられた第1条を抽出したものである。
実施形態3は、実施形態1を改変したものであり、実施形態3の遊技機においては図58に示すように、エラー監視信号出力手段206Aa〜206Adが、第1信号制御手段211Aa〜211Ad、第2信号制御手段212Aa〜212Ad、払出個数不監視フラグ保持手段213Aa〜213Ad、払出個数不監視フラグ設定手段214Aa〜214Ad、不監視時間計測手段215Aa〜215Ad、球通過時間計測手段221a〜221d、基準通過時間記憶手段222及び不監視時間変更手段223a〜223dを含むものとされる。実施形態2のその他の構成は実施形態1と同一であるため、その部分についての詳細説明は省略する。
実施形態3の遊技機では、球通過時間計測手段211a〜211dが、最終球判定手段205Aa〜205Adにより各条の最後の払出球と判定された遊技球について、カウントセンサ33hからのカウントスイッチ信号の立上りから立下りまでの時間、つまり当該カウントスイッチ信号がオン状態である期間(球通過時間という)Tw(図59のTw1、Tw2参照)を計算し、その計算結果を不監視時間変更手段223に送る。
不監視時間カウンタ215Aa〜215Adは、最終球判定信号が入力されると、対応する条について実施形態1の所定時間(100ms)よりは短い所定時間(例えば、50ms)の不監視時間を自らにセットし、セットされた不監視時間を減算するようにして計時を開始する。
不監視時間変更手段223a〜223dは、球通過時間Twが基準通過時間Tr1以下であれば(図59(b)参照)、つまりTw≦Tr1であるときは、遊技球が流下する速度が大きくチャタリング(直前の遊技球と衝突しての跳ね返り)が発生する可能性が大きいものとして、前記実施形態1の所定時間よりも短い所定時間の不監視時間を計時している不監視時間カウンタ215Aa〜215Adに、前記短くした分の時間(この例では50ms(=100ms−50ms))を加算する。これにより、実施形態1と同一の長さの不監視時間が不監視時間カウンタ215Aa〜215Adにより計時される。なお、基準通過時間Tr1は、本発明者が実験により多数の遊技球の通過時間を計測した計測値についての平均値である。
また、不監視時間変更手段223a〜223dは、球通過時間計測手段221a〜221dにより計算された球通過時間Twと基準通過時間記憶手段222に記憶された基準通過時間Tr1とを比較し、球通過時間Twが基準通過時間Tr1よりも長ければ(図59(a)参照)、つまりTr1<Twであるときは、遊技球が流下する速度が小さくチャタリングが発生する可能性は小さいものとして、前記短くした分の時間の加算は行わない。これにより、不監視時間計測手段215Aa〜215Adにより前記実施形態1の所定時間よりも短い所定時間(例えば、50ms)の不監視時間の計時が終了したときにエラー監視手段によるエラーの監視が開始されるので、エラー監視手段がエラー監視をしない期間が短縮される。
このように、実施形態3の遊技機では、球通過時間Twが基準通過時間Tr1よりも長く、遊技球の流下速度が小さいときには、最後の遊技球が直前の遊技球と衝突して跳ね返る可能性が小さいものとして、エラー監視手段101がエラーの監視を行わない不監視時間を短くするので、チャタリングに起因するエラーの誤検知をほとんどの場合に防止しながら不正に遊技球が払出されることを防止するためのエラー監視を最大限の期間にわたって行うことが可能となる。
上記においては、2種類の不監視時間を用いたが、本発明においては、球通過時間Twが基準通過時間Tr1よりも短い場合にのみ不監視時間を設け、球通過時間Twが基準通過時間Tr1よりも小さい場合には不監視時間を設けない構成であってもよい。なお、チャタリングが発生する要因としては、最後の遊技球が直前の遊技球と衝突する場合だけではなく、払出カウントセンサの通過中における遊技球のばたつきによる場合もある。したがって、上記のように2種類の不監視時間を選択的に用いる構成が好ましい。なお、遊技球のばたつきによるチャタリングは、最後の遊技球が直前の遊技球と衝突する場合に比べて、払出終了による払出フリッカ33bの作動後の極めて短い時間内に発生する。好ましくは、2種類の不監視時間のうち一方を直線の遊技球との衝突によるチャタリングを実質的に防止できる時間(例えば上記のように100ms)に設定し、他方をばたつきによるチャタリングを実質的に防止できる時間に設定する場合である。
〔第4の形態〕
本発明の実施形態4の遊技球式回胴遊技機の主たる特徴部分の構成について図60及び図61を参照しながら説明する。図60は、本発明の実施形態4の特徴部分に関わる機能ブロック図である。図61は、本発明の実施形態4の特徴部分に関わる制御の一例を表わすタイミングチャートである。なお、図61は、18個の遊技球の払出個数が振り分けられた第1条の例を示す。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態4を説明する。実施形態4は、実施形態3を改変したものであり、実施形態4の遊技機においては、図60に示すように、最終球判定手段205a〜205dに代えて最終球・直前球判定手段205Ba〜205Bdを設けるとともに、エラー監視信号出力手段206Ba〜206Bdが、第1信号制御手段211Ba〜211Bd、第2信号制御手段212Ba〜212Bd、払出個数不監視フラグ保持手段213Ba〜213Bd、払出個数不監視フラグ設定手段214Ba〜214Bd、不監視時間計測手段215Ba〜215Bd、球通過時間計測手段231a〜231d、基準球間隔時間記憶手段232及び不監視時間変更手段233a〜233dを含むものとされる。実施形態4のその他の構成は実施形態3と同一であるため、その部分についての詳細説明は省略する。
実施形態4の遊技機では、球間隔計測手段231a〜231dが、最終球・直前球判定手段205Ba〜205Bdにより各条の最後の払出球およびその直前の払出球と判定された各遊技球について、前記直前の払出球のカウントスイッチ信号の立下りから前記最後の払出球のカウントスイッチ信号の立上りまでの時間(球間隔という)Td(図61のTd1、Td2参照)を計算し、その計算結果を不監視時間設定変更手段233a〜233dに送る。不監視時間変更手段233a〜233dは、球間隔計測手段231a〜231dにより計測された球間隔時間Tdと基準球間隔記憶手段232に記憶された基準球間隔時間Tr2とを比較し、球間隔時間Tdが基準球間隔時間Tr2よりも長ければ、つまりTr2<Tdであるときは、最後の遊技球とその直前の遊技球との間隔が大きくチャタリング(直前の遊技球と衝突しての跳ね返り)が発生する可能性は小さいものとして、基準の不監視時間(実施形態1では100ms)を短縮してエラー監視手段がエラー監視をしない期間を短縮するために、前記最後の払出球のカウントスイッチ信号の立上りが検出されたときに、基準の不監視時間よりも短い不監視期間(例えば、50ms)を不監視時間計測手段215Ba〜215Bdにセットする。なお、「基準球間隔時間Tr2」とは、本発明者が実験により多数の遊技球に関する球間隔時間を計測した計測値についての平均値である。
また、不監視時間変更手段233a〜233dは、球間隔時間Tdが基準球間隔時間Tr2以下であれば、つまりTd≦Tr1であるときは、最後の遊技球とその直前の遊技球との間隔が小さくチャタリング(直前の遊技球と衝突しての跳ね返り)が発生する可能性が大きいものとして、基準の不監視時間の変更は特に行わない。
このように、実施形態4の遊技機では、球間隔時間Tdが基準球間隔時間Tr2よりも大きく、最後の遊技球とその直前の遊技球との間隔が大きいときには、最後の遊技球が直前の遊技球と衝突して跳ね返る可能性が小さいものとして、エラー監視手段101がエラーの監視を行わない不監視時間を短くするので、チャタリングに起因するエラーの誤検知をほとんどの場合に防止しながら不正に遊技球が払出されることを防止するためのエラー監視を最大限の期間行うことが可能となる。
(その他の事項)
上記実施形態では、カウントスイッチ信号の立上りで払出個数不監視フラグを設定するようにしたけれども、図62に示すように、カウントスイッチ信号の立下りで払出個数不監視フラグ324〜327を設定にするようにしてもよい。
また、上記実施形態では、各条毎に個別の払出信号を用いて対応する払出個数不監視フラグ324〜327の解除時に対応する払出信号を解除にするようにしたけれども、図63に示すように、各条共通とした払出信号を用いて、各条払出個数不監視フラグ324〜327のうち最も遅く解除される払出個数不監視フラグ324〜327の解除時に共通払出信号をオフ状態にするようにしてもよい。
また、上記の実施形態3においては、球通過時間計測手段221を含む構成により、最後に投入される遊技球の速度を払出カウントセンサ33hの通過時間の測定によって検知してチャタリングに起因するエラー発生の可能性を推測し、その可能性がある場合にはチャタリングによるエラーの発生を防止する措置を十分に講じ、その可能性が極めて低い場合には、不正行為に対する対策を強化した。また、上記の実施形態4においては、球間隔時間計測手段231を含む構成によって、最後に払出される遊技球とその直前に払出される遊技球との間隔を通過開始の時間差の測定によって検知してチャタリングに起因するエラー発生の可能性を推測し、その可能性がある場合には、チャタリングによるエラー発生を防止する措置を十分に講じ、その可能性が極めて低い場合には、不正行為に対する対策を強化した。本発明では、実施形態3及び実施形態4の構成を複合した構成であってもよい。チャタリングは最後に払出される遊技球とその直前に払出される遊技球の間隔が小さく、最後の直前に払い出される遊技球の速度が遅い場合に発生しやすいために、それらを複合することによって、チャタリングに起因するエラー発生の可能性を推測する精度を飛躍的に高めることができる。更に、最後に払出される遊技球の速度を払出カウントセンサ33hの通過時間の測定し、チャタリングは最後に払出される遊技球とその直前に払出される遊技球の間隔と最後の直前に払出される遊技球と最後の遊技球との速度差に基づいてチャタリングに起因するエラー発生の可能性を推測することが好ましい。この場合、更に高精度でチャタリングに起因するエラー発生の可能性を判定できるからである。
また、上記実施形態では球式回胴遊技機について説明したけれども、本発明は弾球式遊技機についても適用できる。
本発明は、球式回胴遊技機及び弾球式遊技機(パチンコ機)等の遊技機に適している。
33c:払出ソレノイド(開閉部材駆動手段)
33b:払出フリッカ(開閉部材)
33d:球通路
33e:払出通路
33h:カウントセンサ
101:エラー監視手段
102:エラー処理手段
201a〜201d:遊技球払出制御手段
202:払出個数振分手段
203a〜203d:払出個数保持手段
204a〜204d:遊技球計数手段
205a〜205d:最終球判定手段
205Ba〜205Bd:最終球・直線球判定手段
206a〜206d,206’a〜206’d,206Aa〜206Ad,206Ba〜206Bd,206Ca〜206Cd:エラー監視信号出力制御手段
207a〜207d,207Ca〜207Cd:エラー監視信号出力手段
208a〜208d:払出ソレノイド制御手段
211a〜211d,211’a〜211’d,211Aa〜211Ad,211Ba〜211Bd:第1信号出力制御手段
212a〜212d,212’a〜212’d,212Aa〜212Ad,211Ba〜211Bd:第2信号出力制御手段
213a〜213d,213Aa〜213Ad:払出個数不監視フラグ保持手段
214a〜214d,214Ba〜214Bd:払出個数不監視フラグ設定手段
215a〜215d,215Aa〜215Ad,215Ba〜215Bd:不監視時間カウンタ
221a〜221d:球通過時間計測手段
222:基準通過時間記憶手段
223a〜223d:不監視時間変更手段
231a〜231d:球間隔計測手段
232:基準球間隔保持手段
233a〜233d:不監視時間変更手段
800:貸出球払出制御手段
801:賞球払出制御手段
811:エラー情報変更手段
812:エラー情報保持手段
813:エラー監視判定手段

Claims (1)

  1. 遊技を統括すると共に入賞に伴った個数の遊技球の払出指示信号を送信する主制御手段と、貸出の制御を行うと共に貸出要求に伴った個数の遊技球の払出指示信号を送信する貸出制御手段と、主制御手段又は貸出制御手段からの遊技球の払出指示信号に基づいた個数の遊技球の払い出しを統括的に制御する払出制御手段とを備えた遊技機であって、
    遊技球を貯留する貯留手段と、
    貯留手段にそれぞれ連通される複数の払出通路と、
    複数の払出通路にそれぞれ設けられ、払出通路に導入された遊技球の通過を検出する複数の遊技球検出手段と、
    複数の払出通路にそれぞれ設けられ、遊技球検出手段よりも上方に設けられ払出通路を遊技球が通過することを許容又は禁止する複数のゲート手段と、
    複数の開閉部材にそれぞれ設けられ
    、ゲート手段を駆動する複数のゲート手段用駆動手段とを備え、
    前記払出制御手段は、
    前記遊技球の払出指示に基づく払出個数を複数の払出通路にそれぞれほぼ均等に振り分ける振分手段と、
    前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、対応する遊技球検出手段の検出信号に基づいて遊技球の個数を計数する複数の計数手段と、
    前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、前記振分手段により振り分け設定された払出通路の個別払出個数を保持する複数の払出個数保持手段と、
    前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、計数手段からの個数情報と、払出個数保持手段に保持されている個別払出個数とに基づいて当該払出通路における最終の遊技球であるか否かを判定する複数の判定手段と、
    前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、前記判定手段の判定結果に基づき、検出された遊技球が当該払出通路における最終の遊技球である場合、ゲート手段を遊技球通過禁止状態と信号をゲート手段用駆動手段に出力する複数のゲート手段用駆動制御手段と、
    前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、払出処理中であることを示すエラー監視用第1信号を生成して出力すると共に、遊技球検出手段からの遊技球検出信号の入力の度毎にエラー監視用第2信号を生成して出力する複数のエラー監視信号出力手段と、
    前記複数の払出通路にそれぞれ対応して設けられ、エラー監視信号出力手段の出力制御を行うエラー監視信号出力制御手段であって、エラー監視用第1信号及びエラー監視用第2信号の出力制御を第1制御態様で実行するように構成されているか、又は第1出力制御態様と制御内容が異なる第2制御態様で実行するように構成された複数のエラー監視信号出力制御手段と、
    を備えると共に、前記エラー監視信号出力制御手段が実行する第1制御態様としては、エラー監視用第1信号に関しては、払出処理の開始に伴い信号出力を開始させ且つその後出力状態を維持すると共に判定手段の判定結果が最終の遊技球である場合には払出処理終了後であっても最終の遊技球の判定後所定時間経過するまでエラー監視用第1信号の出力停止を遅らせ、エラー監視用第2信号に関しては、最終遊技球の判定後であっても遊技球検出信号が入力された場合エラー監視用第2信号を生成して出力するように制御し、
    前記主制御手段は、前記払出制御手段から送信された各払出通路毎のエラー監視用第1信号及びエラー監視用第2信号に基づいて、各払出通路毎に払出期間中以外の期間に遊技球の通過が検出さたか否かを判定して、肯定判定の場合には所定のエラー制御を行うエラー制御手段を備えたことを特徴とする遊技機。
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