本発明に係る遊技機の最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、遊技機が遊技球体を遊技媒体とする回胴式遊技機(以下、「遊技球式回胴遊技機」と称す)である場合を挙げるが、遊技球体やコイン等を遊技媒体とする遊技機一般に適用できる。また、回胴式遊技機であっても、以下で説明する具体的な形態には限定されず、本発明の主旨から逸脱しない限りにおいて、その設計を適宜に変更してもよい。
図1は本実施形態の球式回胴遊技機10の正面図であり、図2は球式回胴遊技機10の正面側斜視図であり、図3は外枠11に対してドアブロック12を開けた状態を示す斜視図であり、図4は前面ブロック20に対して払出ブロック30及び遊技ブロック40を開けた状態を示す斜視図である。
図1乃至図3に示すように、この球式回胴遊技機10は、当該球式回胴遊技機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持されたドアブロック12とを備えている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、軽量化を図るために、樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。ドアブロック12は、外枠11に対してヒンジ13,13によって開閉可能に取り付けられ、その開閉軸線は球式回胴遊技機10の正面からみて左側で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にしてドアブロック12が前方側に十分に開放できるようになっている。
ドアブロック12は、図4に示すように、球式回胴遊技機10の前面を構成する前面ブロック20と、前面ブロック20に対して後方側へ開閉可能に取着された払出ブロック30と、前面ブロック20に対して後方側へ開閉可能に取着され、前面ブロック20及び払出ブロック30にて被包される遊技ブロック40とからなる。
(前面ブロックの構成)
図5は前面ブロック20の分解斜視図である。図5に示すように、前面ブロック20は、前面パネル100、前面ブロック枠200、回胴表示パネル22、パネル押え枠24、上皿ユニット300、および、セレクタ400(遊技球投入装置)を備える。
前面パネル100は、図1、図2及び図5に示すように、遊技ブロック40の前面に設けられた遊技領域を露出するための窓孔102を有し、窓孔102を囲むようにして上効果LEDカバー部104、上スピーカ部106,106、右中効果LEDカバー部108、左中効果LEDカバー部110、中央パネル部112が配設されている。
上効果LEDカバー部104、右中効果LEDカバー部108及び左中効果LEDカバー部110は、それぞれ前面パネル100の裏側から取り付けられた図示しない発光ダイオード(LED)等の発光装置を覆っている。前記発光装置は、遊技の進行に伴い点灯したり、点滅したりして遊技の視覚的演出を行うものである。
上スピーカ部106,106は、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりして遊技の聴覚的演出を行うものである。
中央パネル部112は、無色透明のガラスで構成され、所定の入賞条件及び当該入賞条件を満たした場合に払い出される遊技球の個数(賞球数)や遊技方法などが記載された図示しない情報掲載パネルを露出するための部位である。前記情報掲載パネルの表示内容を見やすくするために、中央パネル部112の内側には蛍光灯41k(図27参照)が設置される。中央パネル部112の左側方には1ベットボタン114(図1参照)が配設されている。中央パネル部112の右側方には汎用ボタン116,118(図1,2参照)が配設されている。汎用ボタン116,118は例えば遊技モードの切替えや液晶画面における表示モードの切替えなど、遊技機の機種ごとにその用途を適宜設定可能なボタンである。中央パネル部112の汎用ボタン116等よりもさらに右側方には、前面ブロック開閉用のドアキーシリンダ202の前面(鍵穴)を露出させるキーシリンダ挿通孔120を設けてある。また、中央パネル部112の下方には、前方側へ突出した操作パネル部122が配設されている。
操作パネル部122には、図面左側から順に、後述する回胴L,M,R(図27参照)の回転を開始させるための始動レバー124と、左回胴Lの回転を停止させるための左回胴停止ボタン126Lと、中回胴Mの回転を停止させるための中回胴停止ボタン126Mと、右回胴Rの回転を停止させるための右回胴停止ボタン126Rと、上皿302から下皿128へ遊技球を流す操作をするための上皿球抜きレバー386を露出させるための小窓孔130とを設けてある。始動レバー124は、遊技者がゲームを開始するときに手で押下して操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。所定数の遊技球がベットされているときにこの始動レバー124が操作されると、各回胴L,M,Rが一斉に回転し始める。始動レバー124の基端部上方には、各回胴L,M,Rの回転準備が整った状態、つまり所定数の遊技球がセレクタ400にて取り込まれ、始動レバー124の操作受付可能な状態を報知するための始動レバーLED132を埋設してある。また、各回胴停止ボタン126L,126M,126Rの周囲には、各回胴停止ボタン126L,126M,126Rの操作受付可能な状態を報知するための回胴停止ボタンLED134L,134M,134Rを埋設してある。各回胴停止ボタンLED134L,134M,134Rは、それぞれ対応する回胴L,M,Rが等速回転しているときに点灯し、対応する回胴L,M,Rの回転が停止すると消灯する。操作パネル部122の下方には、遊技球を貯留するための下皿128が配設されている。
下皿128の奥面には、前面ブロック枠200に設けた下スピーカ部204を覆う下スピーカカバー部136と、上皿302から下皿128へ流れてくる遊技球の出口となり、かつ、後述する払出装置33(図17参照)から直接遊技球が払い出されてくることもある下皿払出口138とを設けてある。また、下皿128の前面下部には、下皿128から下皿128の下方に配置した図示しない遊技球収容ケース(いわゆるドル箱)に遊技球を落とす操作をするための下皿球抜きレバー140を設けてある。つまり、図2に示すように、下皿128の底面には開口部142を設けてあり、通常は開口部142を閉塞板144にて閉じてある。下皿球抜きレバー140にて閉塞板144をスライド操作することで、開口部142を開口させて下皿128から遊技球を落下させる構成になっている。また、下皿128の左側方には灰皿146を設けてある。操作パネル部122及び下皿128の両側には、それぞれ左下効果LEDカバー部148及び右下効果LEDカバー部150を設けてある。左下効果LEDカバー部148及び右下効果LEDカバー部150は、それぞれ前面パネル100の裏側から取り付けられた図示しない発光ダイオード等の発光装置を覆うものである。なお、前面パネル100は、合成樹脂製、例えばABS(アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン)樹脂で構成してある。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
前面ブロック枠200は、図5に示すように、前面パネル100よりも若干小さい矩形状の枠体で、前面パネル100の裏側にネジ止めされる。前面ブロック枠200の下部には下スピーカカバー部136にて覆われる聴覚的演出用の下スピーカ部204を取り付けてある。上下にスピーカ部106,204を設けることで臨場感あふれる聴覚的演出を行うことができる。また、前面ブロック枠200の左側部には回転軸206を設け、右側部にはドア開閉機構208を設けてある。図中の符号202はドア開閉機構208を構成するキーシリンダである。ドアキーシリンダ202に図示しない鍵を挿入して右側へ回転させると、外枠11に対して係止する係止爪210,210が下方向に回動し、外枠11に対する係止が解除される。逆に、ドアキーシリンダ202に図示しない鍵を挿入して左側へ回転させると、払出ブロック30に対して係止する係止爪212,212が下方向に回動し、払出ブロック30に対する係止が解除される。なお、図中の符号214は、下皿払出口138に連なる誘導通路である。
回胴表示パネル22は、無色透明のガラス板で、前面パネル100の窓孔102の形状に対応した形状の略台形状とされる。また、回胴表示パネル22は、遊技機設置島内を通行中の人がつまづいて衝突するなどしても割れないように十分な強度をもって形成されている。
表示パネル押え枠24は、前面パネル100との間に回胴表示パネル22を介在させて前面ブロック枠200にネジ止めされる。表示パネル押え枠24は、回胴表示パネル22の形状に対応した略台形状とされ、所定の奥行きをもって形成される。つまり、前面パネル100の窓孔102が中央パネル部112よりも前方に張り出しており、この張り出し長さに対応した奥行きをもって形成される。
上皿ユニット300は、遊技球を貯留する上皿302を有する部材で、中央パネル部112と操作パネル部122の間の開口部152を閉塞するように、操作パネル部122の裏側に取り付けられる。上皿302は、所望の深さでかつ図示上左側から右側へと下る傾斜をもって形成される。上皿ユニット300の前壁上面部には、左側部にマックスベットボタン304を、右側部に球貸出ボタン306及びカード返却ボタン308を配設してある。マックスベットボタン304にはマックスベットボタンLED(図示略)を埋設してある。前記マックスベットボタンLEDは、遊技球のベット可能な状態を遊技者に報知するためのものである。
図6乃至図8を参照して上皿ユニット300についてさらに詳しく説明する。なお、図6は上皿ユニット300の拡大斜視図で、図7(A)は上皿ユニット300の平面図で、図7(B)は上皿ユニット300の底面図で、図8は上皿ユニット300の分解斜視図である。但し、図8では図6及び図7(A)に示すフード部310の図示を省略している。
図6乃至図8に示すように、上皿ユニット300の奥面左端部には、上皿払出口312を設けてある。本実施形態では、一度に払い出される賞球数がパチンコ機に比べて球式回胴遊技機10の方が多く、大量の賞球を瞬時に払い出すという観点から、従来の球式回胴遊技機やパチンコ機(以下、これらをまとめて「従来の遊技機」と称する。)の払出口よりも上皿払出口312の横幅を大きく設定してある。この実施形態では、上皿払出口312の奥方の横幅H1が遊技球4個を並べた幅(約44mm)以上でかつ遊技球5個を並べた幅(約55mm)以下とされる。上皿払出口312は、奥側から前方側へ拡開したテーパー状をなし、その前側の横幅H2は、概ね遊技球7個を並べた幅(約77mm)とされる。
また、上皿ユニット300は前後方向の略中央部よりも後方側を覆うフード部310を有する。このフード部310は、上皿302の奥壁の上部を構成すると共に、中央パネル部112の底面部を構成する部材でもある。つまり、本実施形態では、遊技ブロック40に装着される後述する回胴ユニット43の前部が前方側へ出っ張っており、その下方をフード部310で覆うようになっている。そして、上皿302の奥壁が中央パネル部112よりも奥まった位置に形成され、前記回胴ユニット43の下方に位置する。こうすることで、外枠11を基準とした上皿302の前方への突出長さを従来の遊技機と同程度に設定しても、上皿302の奥行きが大きくなっている分だけ、従来の遊技機よりも大量の遊技球を上皿302に貯留できる構成になっている。
図8に示すように、上皿ユニット300は、上皿ユニット本体320と、上皿ユニット本体320にネジ止めされるフード部310(図6及び図7(A)参照)と、球貸出ボタン306と、カード返却ボタン308と、内側カバー330と、外側カバー340と、CR操作表示部350と、上皿球止め部360と、上皿球抜き操作部380とから構成される。
上皿ユニット本体320は、上記の如く上皿302を有する部材で、上皿302の下流側部分には、複数(例えば3つ)に分岐した遊技球案内路322a,322b,322cを設けてある。遊技球案内路322a,322b,322cは、遊技球を整列状態にしてセレクタ400へ順次案内する部位である。遊技球案内路322a,322b,322cの前方側には、下側からCR操作表示部350を介して上皿球抜き操作部380を装着するための取付部323を設けてある。取付部323の表側には、左側から順に、矩形状の窓孔324と、円形状の窓孔325と、中央部に貫通孔326,327を有する一対の凹部328,329とを設けてある。矩形状の窓孔324は、CR操作表示部350の複数(例えば3つ)の7セグLEDからなる度数表示部352を露出させるためのものである。円形状の窓孔325は、球貸出ボタンLED354を露出させるためのものである。一対の凹部328,329は、球貸出ボタン306及びカード返却ボタン308を装着する部位である。
内側カバー330と外側カバー340は、それぞれ球貸出ボタン306及びカード返却ボタン308を露出させるための一対の孔332,334,342,344を有する。内側カバー330は、一対の孔332,334の周縁部にて各ボタン306,308のフランジ306a,308aを押えることで、各ボタン306,308を凹部328,329に取り付けるためのものである。外側カバー340は、各ボタン306,308の押し代を規制するためのもので、各ボタン306,308の先端部が一対の孔342,344から若干突出するように構成されている。各ボタン306,308の押し代を規制することで、CR操作表示部350の球貸出スイッチ356及びカード返却スイッチ358の破損を防止できる。
CR操作表示部350は、上記の度数表示部352、球貸出ボタンLED354、球貸出スイッチ356及びカード返却スイッチ358を備える。度数表示部352は、球式回胴遊技機10に隣接して配置される図示しないCRユニットにカードを挿入することで当該カードの残額に相当する度数を表示する部位である。例えば当該カードの残額の1/100の値を度数として表示する。球貸出ボタンLED354は、遊技球の貸し出しを行える状態であることを点灯により遊技者に報知する部位である。すなわち、前記CRユニットに挿入されたカードに残額があるときは、球貸出ボタンLED354を点灯させて、遊技球の貸し出しを行える状態であると報知し、前記CRユニットに挿入されたカードに残額がないときや前記CRユニットにカードが挿入されていないときは、球貸出ボタンLED354を消灯させて、遊技球の貸し出しを行えない状態であると報知する。また、遊技球の貸し出しを行っているときには、球貸出ボタンLED354を点滅させて、遊技球の貸し出しを行っていることを報知し、この点滅状態のときにも球貸出ボタン306の操作を受け付けない構成とされる。球貸出スイッチ356は、球貸出ボタン306を押すことで、遊技球を貸し出すためのものである。カード返却スイッチ358は、カード返却ボタン308を押すことで、前記CRユニットからカードを返却するためのものである。
上皿球止め部360は、遊技球案内路322a,322b,322cの下側に取り付けられ、遊技球案内路322a,322b,322cからセレクタ400へと連なる球通路402a(402b,402c)(図10,11,13参照)の入口を開閉するものである。詳しくは、セレクタ400の故障等によりセレクタ400を取り替える必要が生じたときに、球通路402a(402b,402c)を閉鎖して上皿302から遊技球が毀れ落ちないようにするためのものである。
図9は上皿球止め部360の分解斜視図である。また、図10及び図11は上皿球止め部360及びセレクタ400を後方側から見た縦断面図であって、図10は球通路402a(402b,402c)の入口を開いた状態を、図11は球通路402a(402b,402c)の入口を閉じた状態をそれぞれ示している。図9に示すように、上皿球止め部360は、ケーシング361と、軸部材362と、開閉部材363とからなっている。
ケーシング361は、上方が開口した中空直方体状の箱であり、その両側部には、上皿ユニット本体320にネジ止めするためのフランジ364,365を設けてある。ケーシング361の前壁部366には、軸部材362の先端を回転自在に支持する先受け部367を設けてあり、後壁部368には軸部材362の基端側を受ける基受け部369を設けてある。また、ケーシング361の内底面には、軸部材362の中間部を受ける中受け部370,371を設けてある。なお、図中の符号372は後壁部368から後方側へ突出したストッパである。ストッパ372は、軸部材362の回転を規制する部位である。
軸部材362は、ケーシング361に対して開閉部材363をスライドさせるためのものである。軸部材362の基端部には、ケーシング361の背面側に配設される操作ハンドル373を設けてある。操作ハンドル373の前面側には、ストッパ372にて係止される円弧状の突出部374を設けてある。ケーシング361の内部に格納される軸部材362の先端側部分には、周方向に概ね90度の間隔を隔てて三対の押圧部375a,375bを設けてある。各押圧部375a,375bは舌片状に形成され、それぞれ軸部材362の半径方向に突出している。
開閉部材363は、球通路402a,402b,402cを閉じるための閉塞部376,376,376を有する。この実施形態では、上皿302の下流側部分に3本の遊技球案内路322a,322b,322cを設けてあるので、遊技球案内路322a,322b,322cの本数と同じ3つの閉塞部376,376,376を設けてある。開閉部材363は、ケーシング361に対してスライド自在に嵌着される本体部377と、本体部377の下側に軸部材362を跨ぐように設けられた一対の被押圧部378a,378bと、本体部377から一側方へ突出した3本のアーム379,379,379とを有し、各アーム379,379,379の先端に上向きに突出した閉塞部376,376,376を設けてある。
軸部材362の突出部374をケーシング361のストッパ372に接当させた状態では、図10に示すように、一方の押圧部375aが略水平方向を向いて開閉部材363の一方の被押圧部378aを押圧する。このとき、他方の押圧部375bは略鉛直方向下向きに維持される。図10の状態から操作ハンドル373を球式回胴遊技機10の背面から見て時計回りに回転させると、図11に示すように、他方の押圧部375bが略水平方向を向いて開閉部材363の他方の被押圧部378bを押圧し、開閉部材363が球通路402a(402b,402c)側へスライドする。これにより閉塞部376が球通路402の入口の大きさを狭めて遊技球を通せなくする。図11の状態から操作ハンドル373を反時計回りに回転させると、図10に示すように、遊技球が球通路402に流入可能な状態に戻る。
図11の如く球通路402の入口を狭めた状態にすると、図12に示すように、遊技球案内路322a(322b,322c)に遊技球を貯留した状態でセレクタ400を取り外すことができる。
図8の上皿球抜き操作部380は、操作パネル部122の小窓孔130から球式回胴遊技機10の前面に露出される上皿球抜きレバー386を有し、このレバー操作により上皿302から下皿128へと遊技球を流すためのものである。図10及び図11に示すように、セレクタ400は、上皿302から下皿128へと遊技球を案内する案内通路404a,404b,404cと、ベットボタン114,304の操作により上皿302から遊技球を回収して球式回胴遊技機10の外部へ排出する排出通路406a,406b,406cとを有する。上皿球抜き操作部380は、図10及び図11に示す返却シャッタ420を動かして、球通路402a(402b,402c)と案内通路404a(404b,404c)とを連通又は遮断させるためのものである。
図13及び図14は上皿球抜き操作部380及びセレクタ400の一部横断面図であって、図13は球通路402a(402b,402c)と案内通路404a(404b,404c)とを遮断した状態を、図14は球通路402a(402b,402c)と案内通路404a(404b,404c)とを連通させた状態をそれぞれ示している。
図13及び図14に示すように、上皿球抜き操作部380は、CR操作表示部350を介して上皿ユニット本体320の下側に取り付けられるベース部381と、ベース部381に立設した支軸382,383を中心に回動する回動片384及び押圧片385と、ベース部381の前面に沿ってスライドする上皿球抜きレバー386とを有する。回動片384の基部384aには上皿球抜きレバー386に枢着される連結部384bを設けてある。また、回動片384の基部384aは、コイルバネ387を介してベース部381に連結される。回動片384の先端部には二又状の把持部384cを設けてある。把持部384cは、押圧片385の基部385aに設けた凸部385bを摺動自在に把持する部位である。押圧片385の先端部には、返却シャッタ420を押圧する押圧部385cを設けてある。なお、図13及び図14において、セレクタ400の中空突出部408には、返却シャッタ420を押圧片385側へ押圧するコイルバネ430(図15参照)を格納してある。また、返却シャッタ420は、図15に示すように、遊技球案内路322a,322b,322cに対応した個数の窓孔422a,422b,422cを有し、各窓孔422a,422b,422cの側方に球通路402a,402b,402cと案内通路404a,404b,404cを遮断する遮断壁424a,424b,424cを有する。また、各窓孔422a,422b,422cの下部には球通路402a,402b,402c側へ延在する舌片426a,426b,426cを設けてある。各舌片426a,426b,426cは、球通路402a,402b,402cから各窓孔422a,422b,422cに遊技球を案内する部位である。
図13の状態は、上皿球抜きレバー386を操作していない状態である。つまり、コイルバネ387にて回動片384が反時計回りに引っ張られると共に、回動片384にて押圧片385が時計回りに引っ張られて、押圧部385cが返却シャッタ420の片端部から離れている状態である。この状態では、返却シャッタ420の遮断壁424a,424b,424cにて球通路402a,402b,402cと案内通路404a,404b,404cとが遮断され、球通路402a,402b,402cから案内通路404a,404b,404cへ遊技球が通過不可となる。図13の状態から上皿球抜きレバー386を摘んで図の下向き(実際には球式回胴遊技機10の正面から見て右側から左側)に動かすと、図14に示すように、上皿球抜きレバー386に随伴して回動片384が時計回りに回転すると共に、回動片384にて押圧片385が反時計回りに回転させられ、押圧部385cが返却シャッタ420を押圧する。返却シャッタ420が押圧部385cにて押圧されると、返却シャッタ420の各窓孔422a,422b,422cを介して球通路402a,402b,402cと案内通路404a,404b,404cとが連通し、球通路402a,402b,402cから案内通路404a,404b,404cへ遊技球が通過可能となる。図14の状態で上皿球抜きレバー386から手を離すと、コイルバネ430にて返却シャッタ420が前方側へ押圧され、図13の状態に戻る。
図15はセレクタ400の分解斜視図で、図16はセレクタ400の背面側から見た斜視図である。セレクタ400は、上皿球止め部360の斜め下方に取り付けられ、遊技者によるベットボタン114,304の操作に基づき上皿302に貯留された遊技球を所定数ずつ取り込む装置である。そして、所定数(例えば15個)の遊技球が取り込まれる毎にその都度の遊技(ゲーム)の開始条件が成立し、遊技開始の準備が整えられるようになっている。このとき、遊技球は所定数ずつ取り込まれた後、排出通路406a,406b,406cを介して球式回胴遊技機10の外部に排出される。
セレクタ400は、図15に示すように、遊技球案内路322a,322b,322cに対応した個数の複数(例えば3つ)の遊技球投入部410a,410b,410cと、上記した返却シャッタ420及びコイルバネ430と、返却スイッチ基板440と、中空突出部408を有し、かつ、コイルバネ430及び返却スイッチ基板440を被覆するバネ・基板カバー450と、セレクタ中継端子板462を中継端子板カバー464で被覆したセレクタ中継装置460とを備える。このセレクタ400は、複数の遊技球投入部410a,410b,410cを併設することで、遊技球の投入を迅速に行えるようになっている。なお、各遊技球投入部410a,410b,410cは互いにほぼ同じ構造になっており、説明が重複するので、ここでは、最背面側の遊技球投入部410aについてのみ説明する。
遊技球投入部410aは、図15に示すように、ケーシング411aとカバー412aからなる樹脂製の筐体を有し、この筐体の内部に、投入フリッカ413aと、投入ソレノイド414aと、通過センサ415aと、カウントセンサ416aとを備える。ケーシング411aの外表面は、隣接する遊技球投入部410bのカバー412bに対する取付面になっており、カバー412aの外表面は、バネ・基板カバー450に対する取付面になっている。また、ケーシング411a,411b,411cとカバー412a,412b,412cを組み付けると、図16に示すように、その上部に球通路402a,402b,402cを構成する樋状部417a,417b,417cが形成される。つまり、球通路402a,402b,402cは、図10及び図11に示すように、樋状部417a,417b,417cの上部を上皿ユニット本体320の底部320aにて覆うことで構成される。球通路402a,402b,402cの下流側には、斜め下方へ延びる案内通路404a,404b,404cとほぼ鉛直下向きに延びる排出通路406a,406b,406cとの分岐部がある。
投入フリッカ413aは、図10及び図11に示すように、排出通路406aを開閉するための部材である。投入フリッカ413aは、基端側部分413a1と先端側部分413a2が支軸413a3にて回転可能に連結されている。投入フリッカ413aの基端側部分413a1及び先端側部分413a2は、それぞれケーシング411aの支軸411a1,411a2にて回転可能に支持される。投入フリッカ413aの基端部には、投入ソレノイド414aの舌片414a1を把持する把持部413a4を設けてある。また、投入フリッカ413aの先端部には、排出通路406aを開閉するための開閉部413a5を設けてある。なお、図13及び図14における符号413b5,413c5は、それぞれ遊技球投入部410b,410cの投入フリッカの開閉部である。
投入ソレノイド414aは、図10及び図11に示すように、ベットボタン114,304の操作により通電されて作動し、ピストン414a2を上方へ縮まらせるものである。ピストン414a2の先端には、つまみ部414a3を装着してある。つまみ部414a3はピストン414a2の半径方向に延びる上記舌片414a1を有する。また、ピストン414a2には、コイルバネ414a4を外装してある。コイルバネ414a4は、投入ソレノイド414aの本体部分414a5とつまみ部414a3とを離間させる方向に付勢している。つまり、投入ソレノイド414aへの通電を切ったときに、コイルバネ414a4の付勢力により、ピストン414a2が下方へ伸びるようになっている。
ベットボタン114,304を押すと投入ソレノイド414aに通電され、ピストン414a2が縮まって投入フリッカ413aの基端側部分413a1を図示上反時計回りに回転させる。これと同時に投入フリッカ413aの先端側部分413a2は図示上時計回りに回転して排出通路406aを開き、球通路402aに待機している遊技球が自然落下可能な状態となる。逆に、投入ソレノイド414aの通電を切ると、コイルバネ414a4の付勢力によりピストン41a2が伸びて投入フリッカ413aの基端側部分413a1を図示上時計回りに回転させる。これと同時に投入フリッカ413aの先端側部分413a2は図示上反時計回りに回転して開閉部413a5にて排出通路406aを閉じ、遊技球が自然落下不可能な状態となる。
通過センサ415aは、排出通路406aであって投入フリッカ413aの開閉部413a5のすぐ下流側に配置され、遊技球が正常に取り込まれたか否かを検知するためのものである。通過センサ415aは、投入フリッカ413aの先端側部分413a2を取り囲むように横断面略コ字形状とされ、投入フリッカ413aよりも前面側又は背面側のいずれか一方側に発光素子を設け、他方側に受光素子を設けた構成とされる。また、発光素子及び受光素子はそれぞれ上下一対でかつ遊技球1個分の径よりも短い間隔で設けてある。上側の素子415a1にて遊技球を検知したのち上側及び下側の素子415a1,415a2にて同時に遊技球を検知し、次いで下側の素子415a2のみ遊技球を検知することが所定時間内に行われたときは、遊技球が正規に取り込まれたと判定される。逆に、上側の素子415a1にて遊技球を検知したのち所定時間経過しても下側の素子415a2が遊技球を検知しないときや、下側の素子415a2にて遊技球を検知したのち上側及び下側の素子415a1,415a2にて同時に遊技球を検知し、次いで上側の素子415a1のみ遊技球を検知したときは、遊技球が不正な手段にて投入されたと判定し、球式回胴遊技機10にエラーが発生した旨を報知すると共に遊技が禁止されるようになっている。故に、例えば、遊技球に紐等を付けてあたかも遊技球が取り込まれたようにするなどの不正行為が防止できるようになっている。
カウントセンサ416aは、遊技球投入部410aにて投入された遊技球を計数するためのものである。より詳しくは、通過センサ415aにてエラーが発生せずに取り込まれた遊技球を計数するものである。カウントセンサ416aにて検知した遊技球の個数が所定値(例えば5個、10個又は15個)に達すると、投入ソレノイド414aの通電が切られ、投入フリッカ413aにて排出通路406aを閉鎖する構成になっている。
また、セレクタ400は、複数の遊技球投入部410a,410b,410cを組み付けると共に各遊技球投入部410a,410b,410cに返却シャッタ420を挿入し、最背面側のカバー412aに取着した返却スイッチ基板440をバネ・基板カバー450にて被覆した構成とされる。
上記の如く、上皿球抜きレバー386を操作すると、返却シャッタ420がスライドし、上皿302から案内通路404a,404b,404cを経て下皿128へ遊技球が流れる。このとき、返却シャッタ420が返却スイッチ基板440にて検知され、この検知結果に基づき、ベットボタン114,304の操作受付を不能にする状態が発生する。このとき、図示しないベットボタンLEDは消灯して、ベットボタン114,304の操作受付が不能な状態であると遊技者に報知する。
また、セレクタ400は、複数の遊技球投入部410a,410b,410cを組み付けると共にその一側部に取り付けたセレクタ中継端子板462を中継端子板カバー464にて被覆した構成とされる。セレクタ中継端子板462は、通過センサ415aやカウントセンサ416aの検出結果をデジタル信号に変換して後述する主制御装置45に送信するものである。
(払出ブロックの構成)
図4に示すように、払出ブロック30は、前面ブロック20に対して開閉自在に取り付けられている。払出ブロック30の開閉軸線は球式回胴遊技機10の正面からみて左側で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして払出ブロック30が後方側に十分に開放できるようになっている。
また、払出ブロック30は、ドア開閉機構208にて前面ブロック20とロックされる。詳しくは、ドア開閉機構208の係止爪212,212が払出ブロック30の係合部31a,31aに係止しており、図示しないドアキーをドアキーシリンダ202に差し込んで左に回転させることで係止爪212,212の係止を解除する構成とされる。また、払出ブロック30は、ワンタッチ式の止め具31b(図3,4参照)を有し、この止め具31bによっても前面ブロック20と連結される。
図17は払出ブロック30の背面図である。同図に示すように、払出ブロック30は、払出ブロック本体31に、貸出用及び賞球用としての遊技球を貯留する遊技球タンク32と、遊技球を払い出す払出装置33と、遊技球タンク32から払出装置33へと遊技球を案内するタンクレール34及びケースレール35と、払出中継端子板36と、遊技球の払出動作を制御する払出制御装置37と、遊技球の電源を制御する電源制御装置38と、球式回胴遊技機10を前記CRユニットに接続するためのCRユニット接続端子板39とを取り付けた構成とされる。
払出ブロック本体31は、その中央に後方側へ張り出して遊技ブロック40を被包する保護カバー部31cを有する。この保護カバー部31cを取り囲むように、遊技球タンク32、タンクレール34、ケースレール35、払出装置33、払出中継端子板36、CRユニット接続端子板39、払出制御装置37、および、電源制御装置38が装着されている。
図18は払出ブロック30から払出制御装置37及び電源制御装置38を取り外した状態を示す背面図で、図19は払出ブロック30を正面側から見た斜視図である。図18の破線は遊技球タンク32からの遊技球のフローを示しており、同図に示すように、払出ブロック本体31は、払出装置33から遊技球を上皿302へ案内する上皿誘導通路31dと、払出装置33から遊技球を下皿128へ案内する下皿誘導通路31eと、払出装置33から遊技球を球式回胴遊技機10の外部へ排出する排出通路31fを有する。下皿誘導通路31eは、上皿誘導通路31dが遊技球で溢れたときに、払出装置33から遊技球が導入される。また、図19に示すように、上皿誘導通路31dは、払出ブロック30の前面側で開口した出口部31d1を有し、この出口部31d1が上皿ユニット300の上皿払出口312に連なっている。同様に、下皿誘導通路31eは、払出ブロック30の前面側で開口した出口部31e1を有し、この出口部31e1が前面ブロック20の下皿払出口138に連なっている。
なお、図19において、符号31gは払出ブロック本体31の正面側から見て左側端部に設けられた回転軸部である。回転軸部31gは上下一対で設けてある。各回転軸部31gは、払出ブロック本体31からブラケット31hが略水平方向に延び出しており、このブラケット31hから下方に突出している。前面ブロック20には、この回転軸部31gを落とし込む環状の軸受部(図示略)を設けてあり、前面ブロック20と払出ブロック30の着脱が容易な構成となっている。
遊技球タンク32は、上方に開口した横長の箱型容器で、遊技機設置島内の遊技球循環設備から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク32の底部は緩やかに傾斜している。遊技球タンク32の底部の下流側端部はタンクレール34へ遊技球を送るために開口している。
タンクレール34は、図17及び図18に示すように、遊技球タンク32の下方に取り付けられ、例えば横方向4列の樋状通路(図示略)を有する。前記樋状通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜している。タンクレール34には、遊技球が積み重なって流れないように整流する4つの振り子34a,34b(図22参照)が2行2列で取り付けられている。振り子34a,34bの下流側には、タンクレール34からケースレール35へ遊技球が流れるのを阻止するための球止めレバー34cを取り付けてある。
ケースレール35は、図17及び図18に示すように、タンクレール34の下流側に縦向きに配置されている。ケースレール35は、遊技球が勢いよく流れないように波状のうねりをもって左右に湾曲した球通路35aを有し、その上部には、球切れ検出装置35bを組み付けてある。球切れ検出装置35bは、ケースレール35の内部に遊技球が十分にないこと、つまりケースレール35よりも上流側で球詰りが発生してケースレール35に遊技球が十分に補給されていないことを検出するものである。この球切れ検出装置35bの検出結果に基づき、球詰りエラーが報知される。なお、ケースレール35は、タンクレール34の前記樋状通路の個数に対応して前後方向に複数(例えば4つ)連結させた状態で配設してある(図22参照)。
図20及び図21は球切れ検出装置35bの構成を示すケースレール35の要部縦断面図であって、図20はケースレール35に十分な個数の遊技球がある状態を、図21はケースレール35に十分な個数の遊技球がない状態をそれぞれ示している。
図20及び図21に示すように、球切れ検出装置35bは、スイッチ片35b1と球切れ検出スイッチ基板35b2とで構成される。スイッチ片35b1は、支軸35cにてケースレール35に回転自在に取り付けられ、支軸35cから半径方向下方に延びてケースレール35内の球通路35aを閉塞可能な板状の揺動部35b11を有する。また、スイッチ片35b1は、支軸35cよりも上方でかつ支軸35cよりも一方側に偏った偏心部35b12を有し、さらに偏心部35b12から一方側に突出したスイッチ部35b13を有する。球切れ検出スイッチ基板35b2は、スイッチ片35b1の一方側に設置され、スイッチ片35b1の回転に追従してスイッチ部35b13を検出できる構成となっている。
図20に示すように、ケースレール35内に十分に遊技球がある場合は、揺動部35b11が遊技球によって押されてほぼ鉛直下向きになり、球通路35aの側壁となる。この場合には、スイッチ部35b13が球切れ検出スイッチ基板35b2から離間して検出されない。一方、ケースレール35の上流側で球詰りが発生している場合、ケースレール35には遊技球が補給されずに遊技球の払い出しのみが行われ、図21に示すように、ケースレール35内の遊技球が不足するようになる。図21の場合、偏心部35b12とスイッチ部35b13の自重でスイッチ片35b1が回転し、揺動部35b11にて球通路35aが閉塞される。このとき、スイッチ部35b13が球切れ検出スイッチ基板35b2にて検出され、この検出結果に基づき球切れエラーが報知される。ケースレール35の上流側での球詰りを解消すると、遊技球がケースレール35に流れ込み、揺動部35b11が押圧されて球切れスイッチ基板35b2によってスイッチ部35b13が検出されない正常な状態に戻る。
図22は払出ブロック30から払出装置33及び払出装置33の下方に配設される払出中継端子板36の取付台36a,36bを取り外した状態を示す分解斜視図である。払出装置33は、所定の入賞条件を満たすことで、或いは図示しないCRユニットにカードを挿入した状態で球貸出ボタン306を押すことで、所定数の遊技球を払い出すためのものである。この実施形態では、パチンコ機の最大の賞球数が15球であるのに対し、球式回胴遊技機10の最大の賞球数は75球であり、パチンコ機に比べて球式回胴遊技機10の最大の賞球数が多いという観点から、パチンコ機よりも払出装置33を多く設け、賞球の払い出しを迅速に行えるようにしている。つまり、パチンコ機は2つの払出装置33を備えていれば遊技を迅速に進行できたが、球式回胴遊技機10の場合は賞球数が多くかつ賞球が全て払い出されなければ次のゲームを開始できないという制約があるので、本実施形態では、4つの払出装置33を前後方向に併設して賞球の払い出しの迅速化を図り、遊技を遅滞なく進行できるようにしてある。
なお、図22に示す取付台36a,36bは、2つ割りの構成とされ、背面側から見て左側に上皿誘導通路31d及び下皿誘導通路31eに連なる球通路36a1,36b1を有し、右側に排出通路31fに連なる球通路36a2,36b2を有する。一方の球通路36a1,36b1の上部は、それぞれ上皿誘導通路31d側にやや傾いて下皿誘導通路31eよりも上皿誘導通路31dに遊技球を導きやすくなっている。また、一方の球通路36a1,36b1の下部は、上皿誘導通路31d及び下皿誘導通路31eを跨ぐように、テーパー状に末広がりとなっている。他方の球通路36a2,36b2は、背面側の球通路36a2が前面側の球通路36b2に合流し、前面側で排出通路31fに連なるよう構成されている。
図23は払出装置33の構成を示す縦断面図である。同図に示すように、払出装置33は、ケーシング33aと図示しないカバーからなる樹脂製の筐体を有し、この筐体の内部に、払出フリッカ33bと、払出ソレノイド33cとを備える。ケーシング33aの内部には球通路33dが形成され、その下流側には、ほぼ鉛直下向きに延びる払出通路33eと、斜め下方へ延びる排出通路33fとの分岐部がある。この分岐部には、切替片33gが配設されており、通常は切替片33gをほぼ鉛直上向きに維持して遊技球が払出通路33eを通るようになっている。
払出フリッカ33bは、図23に示すように、球通路33dを開閉するための部材である。払出フリッカ33bは、基端側部分33b1と先端側部分33b2が支軸33b3にて回転可能に連結されている。払出フリッカ33bの基端側部分33b1及び先端側部分33b2は、それぞれケーシング33aの支軸33a1,33a2にて回転可能に支持される。払出フリッカ33bの基端部には、払出ソレノイド33cの舌片33c1を把持する把持部33b4を設けてある。また、払出フリッカ33bの先端部には、球通路33dを開閉するための開閉部33b5を設けてある。
払出ソレノイド33cは、所定の入賞条件を満たすことにより、或いは図示しないCRユニットにカードを挿入した状態で球貸出ボタン306を押すことにより通電されて作動し、ピストン33c2を上方へ縮まらせるものである。ピストン33c2の先端には、つまみ部33c3を装着してある。つまみ部33c3はピストン33c2の半径方向に延びる上記舌片33c1を有する。また、ピストン33c2には、コイルバネ33c4を外装してある。コイルバネ33c4は、払出ソレノイド33cの本体部分33c5とつまみ部33c3とを離間させる方向に付勢している。つまり、払出ソレノイド33cへの通電を切ったときに、コイルバネ33c4の付勢力により、ピストン33c2が下方へ伸びるようになっている。
図23に示すように、球通路33dが払出フリッカ33bの開閉部33b5にて閉鎖された状態で、所定の入賞条件が成立したり、或いは度数表示部352に残度数がある状態で球貸出ボタン306が押されたりすると、払出ソレノイド33cに通電される。そうすると、図24に示すように、ピストン33c2が縮まって払出フリッカ33bの基端側部分33b1を図示上反時計回りに回転させる。これと同時に払出フリッカ33bの先端側部分33b2は図示上時計回りに回転して球通路33dを開き、遊技球が自然落下可能な状態となる。逆に、払出ソレノイド33cの通電を切ると、コイルバネ33c4の付勢力によりピストン33c2が伸びて払出フリッカ33bの基端側部分33b1を図示上時計回りに回転させる。これと同時に払出フリッカ33bの先端側部分33b2は図示上反時計回りに回転して球通路33dを閉じ、遊技球が自然落下不可能な状態、つまり図23に示す状態に戻る。
また、払出装置33には、横断面略コ字形状のカウントセンサ33hを装着してある。カウントセンサ33hは、払出フリッカ33bの開閉部33b5のすぐ下流側に配置され、球通路33dを落下する遊技球を計数するためのものである。カウントセンサ33hにて検知した遊技球の個数が所定値(例えば35個、75個、125個又は250個)に達すると、払出ソレノイド33cの通電が切られ、払出フリッカ33bにて球通路33dを閉鎖する構成になっている。
また、払出ソレノイド33cの下方には、つまみ部33c3を上下動させるための略L字形状の押圧片33iを設けてある。押圧片33iは、ケーシング33aの支軸33a3に回転自在に取り付けられており、先端部33i1にてつまみ部33c3を上方へ押圧するものである。
ケーシング33aの外部には、図17,18,22に示すように、略扇形状の操作レバー33jを配設してある。図23及び図24において、符号33a4は操作レバー33jの回転軸である。操作レバー33jには、切替片33gの中間部に設けた突起部33g1と、押圧片33iの基端部に設けた突起部33i2とを連結してある。つまり、操作レバー33jを回転操作すると、切替片33gと押圧片33iが連動する構成になっている。操作レバー33jを図示上反時計回りに操作すると、図25に示すように、切替片33gにて払出通路33eが閉鎖されると共に球通路33dと排出通路33fが連通する。一方で、押圧片33iにて払出ソレノイド33cのつまみ部33c3が押し上げられ、払出フリッカ33bが球通路33dを開く。タンクレール34に設けた球止めレバー34cにて遊技球が流れるのを阻止しつつ操作レバー33jを上記の如く操作すると、球止めレバー34cから下流側の遊技球が球式回胴遊技機10の外部に排出される。払出装置33やケースレール34が故障した場合には、上記のように球止めレバー34cから下流側の遊技球を球式回胴遊技機10の外部に排出した状態で払出装置33やケースレール34を取り替えることができる。
図17に戻り、払出制御装置37、電源制御装置38及びCRユニット接続端子板39について説明する。払出制御装置37は、賞球や貸出球の払い出しを制御するもので、周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む払出制御基板37aを具備している。
電源制御装置38は、各種制御装置等で要する所定の電源電圧を生成し出力するものである。また、電源制御装置38には、電源スイッチ38aのほか、RAM消去用のリセットスイッチ38b、打止切替スイッチ38c、および、設定変更キーシリンダ38dが設けられている。電源スイッチ38aは、オンされるとCPUを始めとする各部に電源を供給する。リセットスイッチ38bはこれを押しながら同時に電源スイッチ38aをオンするとRAMの内容がリセットされ、電源スイッチ38aがオンされている状態で押されるとエラー状態がリセットされる。打止切替スイッチ38cは、ビッグボーナスの終了時点で遊技を一時停止するか否かを切り替えるためのものである。設定変更キーシリンダ38dは、設定変更装置を構成するものである。前記設定変更装置は、球式回胴遊技機10の出球率が予め複数段階(例えば6段階)に定められており、出球率をいずれかの段階に設定するものである。設定変更の手順は次の通りである。まず、電源スイッチ38aをオフにした状態で、設定変更キーシリンダ38dに図示しない設定変更キーを挿入して時計回りに90度回転させる。この状態で、電源スイッチ38aをオンにすると、後述する遊技ブロック40の前面の7セグLED表示部41g(図27参照)に現在の出球率(設定)が数値「1」〜「6」のいずれかで表示される。次いで、リセットスイッチ38bを押していくと、7セグLED表示部41gに表示される数字が変化して1ずつ増加していく(但し、「6」の場合には「1」に戻る。)。7セグLED表示部41gに「1」〜「6」のいずれかの数字を表示させた状態で、始動レバー124を押下すると、出球率(設定)が確定される。
CRユニット接続端子板39は、球式回胴遊技機10の前面の球貸出ボタン306及び図示しないCRユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置37に出力するものである。なお、CRユニットを介さずに球貸し装置等から上皿302に遊技球が直接貸し出される現金機では、CRユニット接続端子板39は不要である。
上記払出制御装置37及び電源制御装置38は、透明樹脂材料等よりなる基板ケースにそれぞれ制御基板を収容した構成とされる。
(遊技ブロックの構成)
図4に示すように、遊技ブロック40は、前面ブロック20に対して開閉自在に取り付けられている。遊技ブロック40の開閉軸線は払出ブロック30の開閉軸線と同じで、払出ブロック30と同様に、落とし込み構造にて開閉自在に取り付けてある。また、遊技ブロック40は、ワンタッチ式の止め具40aを有し、この止め具40aによって払出ブロック30と連結固定される。なお、払出ブロック30側には、止め具40aを引っ掛けるための止め金具31iを固着してある。つまり、遊技ブロック40は、払出ブロック30と一体になって前面ブロック20に対して開閉され、払出ブロック30との連結を解除してから払出ブロック30に対して前方側へ回動する構成とされる。遊技ブロック40は、球式回胴遊技機10の中核をなす主要なブロックで、このような遊技ブロック40を上記の如く着脱容易な構成とすることで、遊技ブロック40の取り替えが可能となる。遊技ブロック40を取り替えることで、全く別の遊技性をもった遊技機に変えることができ、遊技機の新台入替えの低コスト化を図ることができる。
図26は遊技ブロック40の分解斜視図である。同図に示すように、遊技ブロック40は、前面パネル100の窓孔102から露出される遊技パネル41を有する。遊技パネル41は、上下一対の窓孔41a,41bを有する。上側の窓孔41aは、遊技パネル41の裏側に取り付けられる液晶表示装置42の表示画面を露出させるためのもので、下側の窓孔41bは、同じく遊技パネル41の裏側に取り付けられる回胴ユニット43を露出させるためのものである。また、遊技パネル41の裏側には、回胴ユニット43の一側方に主取付台44を介して主制御装置45が取り付けられ、液晶表示装置42の後方に副取付台46を介して副制御装置47が取り付けられる。主制御装置45は、遊技パネル41と直交するように縦長状に配置される。このような配置としたのは、ある程度の奥行きをもって形成される回胴ユニット43の側方位置を主制御装置45の取付位置として有効に利用して省スペース化を図るためである。また、副制御装置47は、液晶表示装置42の後方でかつ回胴ユニット43の上方に傾斜させた状態で配置される。つまり、回胴ユニット43の上部後方側が傾斜しており、この傾斜に沿って副制御装置47を斜めに配置することでも省スペース化が図られる。
図27は遊技ブロック40の正面図である。なお、図27では便宜上回胴ユニット43から複数(例えば21個)の図柄を一列に付した、図28に示す帯状の図柄シール43L,43M,43Rを取り外した状態を示している。
図27に示すように、遊技パネル41の下側の窓孔41bからは、回胴ユニット43の3つの回胴L,M,Rが露出している。詳しくは、各回胴L,M,Rに貼り付けられる図柄シール43L,43M,43Rの図柄のうちそれぞれ3つずつ下側の窓孔41bから露出される。図では各図柄シール43L,43M,43Rの図柄を見やすくするように配置された、左右一対の9組のLED43L1,43M1,43R1が3行3列で露出している。
遊技パネル41の下側の窓孔41bの左側方には、有効ライン表示部41cを設けてある。有効ライン表示部41cは、中央に1ベット表示部41c1が配置され、その上下に2ベット表示部41c2,41c2が配置され、最上段と最下段に3ベット表示部41c3,41c3が配置されており、遊技球のベット数に応じて所望のベット表示部41c1〜41c3を点灯させる。具体的には、ベット数が0球〜4球であれば全て消灯状態のままで、ベット数が5球〜9球であれば1ベット表示部41c1のみが点灯し、10球〜14球であれば1ベット表示部41c1及び2ベット表示部41c2,41c2が点灯し、15球であれば全てのベット表示部41c1〜41c3が点灯する。つまり、1ベットボタン114を押すと、上皿302に貯留された遊技球が最大5個までセレクタ400に取り込まれ、遊技球が5個取り込まれた時点で1ベット表示部41c1が点灯する。さらに1ベットボタン114を押すと、同様に遊技球が5個取り込まれた時点で2ベット表示部41c2,41c2が点灯する。さらにまた1ベットボタン114を押すと、同様に遊技球が5個取り込まれた時点で3ベット表示部41c3,41c3が点灯する。なお、マックスベットボタン304を押すと、上皿302に貯留された遊技球が最大15個までセレクタ400に取り込まれ、遊技球が5個取り込まれる度に1ベット表示部41c1、2ベット表示部41c2,41c2、3ベット表示部41c3,41c3が順次点灯していく。1ベット表示部41c1のみが点灯しているときは、有効ラインが上中下三段のうちの中段一列で、1ベット表示部41c1及び2ベット表示部41c2,41c2が点灯しているときは、有効ラインが上中下段三列で、全てのベット表示部41c1〜41c3が点灯しているときは、有効ラインが上中下段三列と対角ライン二列の合わせて五列となる。
遊技パネル41の上側の窓孔41aの両側には、電動役物41d,41eが配設されている。また、下側の窓孔41bの右側方には、上から順に、電動役物41f、7セグLED表示部41g、LED表示部41hが配設されている。これらの電動役物41d,41e,41fは、遊技上の演出やビッグボーナス又はレギュラーボーナスの確定報知などに使用される。7セグLED表示部41gは、遊技球のベット数や払出数、エラーコード、ボーナス中の総払出数、設定変更時の6段階の設定などを表示する部位である。LED表示部41hには、4つのLEDが配設されている。そのうち上3つのLEDはベット数表示部41h1を構成する。ベット数表示部41h1は、セレクタ400に投入された遊技球数に対応する個数のLEDを点灯させてベット数を1〜3の範囲内で表示するものである。残る1つのLEDは、再遊技表示部41h2である。再遊技表示部41h2は、図28に示す図柄シール43L,43M,43Rの図柄のうち略扇形の枠に「再」と表示したリプレイ図柄が有効ライン上に揃ったときに点灯し、次のゲームを遊技球のベットなしで遊技できることを報知するものである。なお、リプレイ図柄が有効ライン上に揃ったのち所定時間経過後に始動レバー124を押下すると回胴L,M,Rの回転に伴って、再遊技表示部41h2は消灯する。
また、下側の窓孔41bの下方には、中央パネル部112から露出される前記情報掲載パネル(図示略)が取り付けられる。前記情報掲載パネルの片端には、証紙41iと型式名シール41jが貼付される。また、前記情報掲載パネルの内側には、破線で示すように、前記情報掲載パネルを後方側から照らすための蛍光灯41kが配設される。
液晶表示装置42は、通常遊技中の小役当選の報知演出や遊技状態が通常遊技状態からボーナス状態に遷移することを示唆するための示唆演出、ビッグボーナス又はレギュラーボーナス中の演出、ボーナス中の小役ゲーム数やJACゲーム数の表示、特定の遊技状態(例えば、リプレイが当選しやすいRT状態)であることを報知する演出、回胴停止ボタン126L,126M,126Rの押下のタイミングや押下順を報知する演出などを行うためのものである。
図29は回胴ユニット43の一部分解斜視図である。回胴ユニット43は、3つの回胴(いわゆるリール)L,M,Rを有し、各回胴L,M,Rを回胴ユニット枠43aに収納したものである。各回胴L,M,Rは、同様の構成とされるため、ここでは右回胴Rを例に挙げて説明する。
右回胴Rは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材43R2の外周面に21個の図柄(識別要素)が等間隔で描かれた図柄シール43Rを巻き付けたものであり、円筒骨格部材43R2を円盤状の補強板43R3を介して右回胴用ステッピングモータ43R4の回転軸43R5に取り付けてある。
右回胴用ステッピングモータ43R4は、回胴ユニット枠43aの内部に垂設されるモータプレート43R6にネジ止めされており、このモータプレート43R6には発光素子と受光素子とが一対となった回胴位置検出センサ43R7が設置されている。回胴位置検出センサ43R7を構成する一対のフォトセンサ(図示はしない)は、所定の間隔を保持してセンサ筐体内に配される。
円筒骨格部材43R2の5つの車輻43R8のうちの1つには、軸方向に延び出したセンサカットバン43R9を取り付けてある。このセンサカットバン43R9は、回胴位置検出センサ43R7の両素子の間隙を通過できるように位置合わせがなされている。そして、右回胴Rが1回転するごとにセンサカットバン43R9の先端部の通過を回胴位置検出センサ43R7が検出し、検出の都度主制御装置45に検出信号を出力する。主制御装置45はこの検出信号に基づいて右回胴Rの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。なお、各回胴L,M,Rに巻かれる図柄シール43L,43M,43Rは、それぞれに描かれた図柄の順序や発生頻度が異なったものが使用される。
ステッピングモータ43R4は、504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)により右回胴Rが1周するように設定されており、この励磁パルスによって回転位置が制御される。すなわち、右回胴Rが1周すると21図柄が順々に遊技パネル41の下側の窓孔41bから露出するため、ある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、回胴位置検出センサ43R7の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が窓孔41bから露出しているかを認識したり、任意の図柄を窓孔41bから露出させたりする制御を行うことができる。
ステッピングモータ43R4として、この実施形態では、1−2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用している。ステッピングモータ43R4はハイブリッド型や2相に限らず、4相あるいは5相のステッピングモータなど、種々のステッピングモータを使用することができる。
ステッピングモータ43R4に対する駆動信号(駆動信号用データ)は、励磁データとしてモータドライバ70に与えられる。この励磁データは主制御基板45aのRAM45a3に格納されており、CPU45a1(図32参照)からの指令に基づいて入出力ポート45a4に、適切な励磁データが出力されることになる。この励磁データによってステッピングモータ43R4に対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号(電流)が通電される。
主制御装置45は、球式回胴遊技機10の主たる制御を司るもので、具体的には、始動レバー124からの信号を受信して成立役(ビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役、リプレイ)の抽選を行い、当該抽選結果に基づき副制御装置47及び払出制御装置37に指令信号を発するものである。主制御装置45の構成は、図32に示すように、主たる制御を司るCPU45a1、遊技プログラムを記憶したROM45a2、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM45a3、各種機器との連絡をとる入出力ポート45a4、各種抽選の際に用いられる乱数発生回路45a5、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路45a6等を含む主制御基板45aと、この主制御基板45aを収容する透明樹脂材料等よりなる基板ケース45b(45b1,45b2、図26参照)とからなる。
副制御装置47は、主制御装置45から発せられる指令信号(コマンド)に基づき、遊技演出用の各種LEDカバー部104,108,110,148,150にて被覆される図示しない発光装置(LED)の点灯・点滅や上下スピーカ106,204から発せられる効果音、液晶表示装置42にて表示される表示態様などの制御を行うものである。副制御装置47の構成は、主制御装置45と同様、上記の各種LED、上下スピーカ106,204及び液晶表示装置42の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、入出力ポート等を含む副制御基板47aと、この副制御基板47aを収容する透明樹脂材料等よりなる基板ケース47b(47b1,47b2)とからなる。
(球式回胴遊技機の制御系)
球式回胴遊技機10の制御系について説明する。図30は球式回胴遊技機10の制御系を示すブロック図である。
主制御基板45aは、図30に示すように、演算処理手段であるCPU45a1を中心とするマイクロコンピュータとして構成された制御手段として機能し、処理プログラムを記憶するROM(あるいはフラッシュメモリ)45a2、一時的にデータを記憶する作業用(ワーキング用)のRAM45a3、入出力ポート45a4などが内部バスを介してこのCPU45a1に接続されている。
主制御基板45aの入出力ポート45a4には、リセットスイッチ38bからのリセット信号、設定キースイッチ38d1からの設定信号、ベットボタン114からの1ベット操作信号、マックスベットボタン304からの最大ベット操作信号、セレクタ400に取り込まれた遊技球を検出するカウントセンサ416a1,416b1,416c1からの補助通過検出信号、セレクタ400に取り込まれた遊技球を検出する通過センサ415a,415b,415cにおける上側の素子415a1,415b1,415c1からの上流通過検出信号及び通過センサ415a,415b,415cにおける下側の素子通過センサ415a2,415b2,415c2からの下流通過検出信号、始動レバー124からの変動開始信号、左、中、右回胴停止ボタン126L,126M,126Rからの停止信号、回胴位置検出センサ43L7,43M7,43R7からの検出信号、払出装置33から払い出される遊技球を検出するカウントセンサ33hからのカウントスイッチ信号に基づくカウント信号、ケースレール35内の遊技球を検出する球切れ検出装置35bからの遊技球検出信号、払出期間中を表す払出中信号などが入力される。
また、主制御基板45aの入出力ポート45a4からは、ベットボタン114,304からのベット操作信号に基づく投入ソレノイド414a,414b,414cの駆動信号、通過センサ415a,415b,415cの計数値に基づく投入ソレノイド414a,414b,414cの駆動停止信号、始動レバー124からの変動開始信号及び回胴停止ボタン126L,126M,126Rからの停止指令信号に基づく回胴用ステッピングモータ43L4,43M4,43R4の駆動信号などが出力される。また、液晶表示装置42にて表示される演出内容やスピーカ106,204から発せられる効果音、上LEDカバー部104等で被覆された各種発光装置(LED)の点灯・点滅などを制御する制御信号が副制御基板47aに出力される。
上述したCPU45a1は、このCPU45a1によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM45a2と、このROM45a2内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのワーキング用のRAM45a3の他に、図示はしないが周知のように割り込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路など球式回胴遊技機10において必要な各種の処理回路が内蔵されている。
ROM45a2とRAM45a3とによってメインメモリが構成され、各種の処理を実行するための処理プログラム(出力制御情報生成用処理プログラムを含む)は、処理プログラムの一部として上述したROM45a2に記憶されている。RAM45a3内は、機能的には複数の作業エリア(メモリエリア)が確保されている。周知のようにCPU45a1内に設けられたプログラムカウンタの値を保存するためのスタックメモリ(スタックメモリ用のエリア)の他に、この例では停電フラグを記憶する停電フラグメモリ、スタックポインタを保存するスタックポインタ保存用メモリ、RAM45a3に保存されているデータのチェックサムに関連した補正値を保存するチェックサム補正値用メモリ、さらには復電時に使用される復電コマンドバッファや復電コマンドカウンタなどのメモリエリアが確保されている。
RAM45a3内にセットされたスタックポインタ保存用メモリは、球式回胴遊技機10の電源切断時にCPU45a1内のスタックポインタの値を退避させて保存しておくためのメモリである。スタックポインタの値は停電処理の初期において、スタックポインタ保存用メモリにセーブされる。復電処理の始めにスタックポインタに対する復帰処理が行われ、スタックポインタ保存用メモリに保存されている値がCPU45a1内のスタックポインタに取り込まれる。スタックポインタの内容はバックアップされているRAM45a3内に設けられたスタックポインタ保存用メモリ内に退避させて保存されている。
RAM45a3内のチェックサム補正値用メモリは、停電処理時にRAM45a3内のデータから算出したチェックサムを、「0(ゼロ)」とするための補正値を記憶させておくメモリである。
復電コマンドバッファは、電源復旧時(停電の復旧時又は電源再投入時)に主制御基板45aから副制御基板47aに送信される復電処理用のコマンド(復電コマンド)を一時的に記憶するバッファである。復電コマンドは復電処理の実行を副制御基板47aに知らせるためのコマンドとして使用される。復電コマンドはRAM45a3に記憶されている一般のコマンドに優先して副制御基板47aに送信される。
復電コマンドカウンタは、復電コマンドバッファに記憶されている復電コマンドのバイト数を記憶するカウンタである。復電コマンドは2バイト構成であって、他のコマンド(スピーカ駆動用コマンドなど)と同じくバイト単位で副制御基板47aに送信される。
ここで、RAM45a3において遊技球の投入に関連するメモリ領域について説明する。図31は、RAM45a3の遊技球の投入に関連する領域を部分的に表したブロック図である。
投入済個数カウンタA901は、遊技球のベットに際して、各条の通過センサ415a〜cからの2種類の通過検出信号(上側の素子415a1からの上流通過検出信号及び下側の素子415a2からの下流通過検出信号)に基づいて投入が検知された遊技球の総数を記憶するカウンタである。投入済個数カウンタA901の値が所定の規定数(通常遊技状態時には「15」、「10」又は「5」、JACゲーム時には「5」)であれば、新たな遊技を開始できる。投入済個数カウンタA901の値は、始動レバー124の操作に応じた新たな遊技の開始によって「0」にクリアされる。
投入済個数カウンタB902は、遊技球ベットに際して、各条のカウントセンサ416a〜cからの2種類の通過検出信号に基づいて投入が検知された遊技球の総数を記憶するカウンタである。投入済個数カウンタB902の値は、始動レバー124の操作に応じた新たな遊技の開始によって「0」にクリアされる。
総投入個数カウンタ903は、遊技球のベットに際して投入すべき遊技球の総数を記憶するカウンタである。
第1条投入予定個数カウンタ904aは、遊技球投入装置400の遊技球投入部410aによって投入される予定の遊技数の個数(以下、「投入予定個数」と称す)を記憶するカウンタである。同様に、第2条投入予定個数カウンタ904b及び第3条投入予定個数カウンタ904cは、それぞれ、遊技球投入部410b及び遊技球投入部410cに対応する投入予定個数を記憶するカウンタである。投入予定個数カウンタの値が「0」となると、その条の投入処理が終了する。
投入条ポインタ905は、第1条〜第3条の投入条(遊技球投入部410a〜c)を指定するためのポインタである。その値は、第1条から第3条に対応して「1」〜「3」の整数の範囲内で更新される。
第1条投入リトライフラグ906aは、遊技球投入部410aが遊技球の投入動作を行うことができるか否かを記憶するフラグである。同様に、第2条投入リトライフラグ906b及び第3条投入リトライフラグ906cは、それぞれ、遊技球投入部410b及び遊技球投入部410cが遊技球の投入動作を行えるか否かを記憶するフラグである。各遊技球投入部410a〜906cは、対応する投入リトライフラグ906a〜906cが設定されていれば投入動作可能であり、解除されていれば投入動作不可能である。各投入リトライフラグ906a〜906cは、遊技球ベット処理の開始時に一旦設定され、対応する遊技球投入部410a〜410cの投入動作が不可能な状態に陥った場合に解除される。
第1条投入ソレノイド作動フラグ907aは、第1条の投入ソレノイド414aのオン又はオフを制御するためのフラグである。第2条投入ソレノイド作動フラグ907b及び第3条投入ソレノイド作動フラグ907cは、それぞれ、第2条の投入ソレノイド414b及び第3条の投入ソレノイド414cを制御するためのフラグである。各条において、実質的に、投入ソレノイド作動フラグ907(907a〜907c)が設定されていれば投入ソレノイド(414a〜414c)はオン状態であり、解除されていればオフ状態である。
投入タイマ割込実行フラグ908は、タイマ割込処理が実行されたことを示すフラグである。先行のタイマ割込み処理の終了から後続のタイマ割込み処理の開始までの間に、投入実行処理が同一の条に対して連続して行われると、1個の遊技球の投入を2個以上の投入として誤って検出することがある。投入タイマ割込実行フラグは、タイマ割込処理の1回の実行につき、各条に対する投入実行処理を1回だけ実行させるために用いられる。
第1条通過センサカウンタ909aは、第1条の投入フリッカ413aの作動により投入が開始されてからの経過時間、第1条の通過センサ415aが各遊技球の通過開始を検知してからの経過時間、及び、それらの最大の待ち時間(タイムアウト時間)への到達からの経過時間に対応する値を記憶するカウンタである。同様に、第2条通過センサカウンタ909b及び第3条通過センサカウンタ909cは、第1条通過センサカウンタ909aと同様に、それぞれ、第2条及び第3条に対する各経過時間に対応する値を記憶するカウンタである。
第1条連球発生フラグ910aは、先行の遊技球と後続の遊技球とが第1条の通過センサ415aを通常時よりも近接して通過する状態(連球状態)が発生したことを示すフラグである。第2条連球発生フラグ910b及び第3条連球発生フラグ910cは、第1条連球発生フラグと同様に、それぞれ、第2条及び第3条において連球状態が発生したことを示すフラグである。
第1条通過時間エラー阻止フラグ911aは、連球状態の発生に起因して遊技球が第1条の通過センサ415aを所定の時間内に通過しない場合に、エラー処理が実行されることを阻止するためのフラグである。第2条通過時間エラー阻止フラグ911b及び第3条通過時間エラー阻止フラグ911cは、第1条通過時間エラー阻止フラグ911aと同様に、それぞれ、第2条及び第3条における連球状態の発生に起因して遊技球が所定の時間内に通過しない場合に、エラー処理が実行されることを阻止するためのフラグである。
第1条カウントセンサカウンタ913aは、第1条の投入フリッカ413aの作動により遊技球が球通路402aから排出通路406aへの流下が可能となってからの経過時間、通過センサ415aが各遊技球の通過完了を検知してからの経過時間、及び、それらの最大の待ち時間(タイムアウト時間)への到達からの経過時間に対応する値を記憶するカウンタである。同様に、第2条カウントセンサカウンタ913b及び第3条カウントセンサカウンタ913cは、第1条通過センサカウンタ913aと同様に、それぞれ、第2条及び第3条に対する各経過時間に対応する値を記憶するカウンタである。
第1条補助通過時間エラー阻止フラグ914aは、連球状態の発生に起因して遊技球が第1条のカウントセンサ415aの通過を通過センサ415aの通過完了から所定の時間内に完了しない場合に、エラー処理が実行されることを阻止するためのフラグである。第2条補助通過時間エラー阻止フラグ911b及び第3条補助通過時間エラー阻止フラグ911cは、第1条補助通過時間エラー阻止フラグ911aと同様に、それぞれ、第2条及び第3条における連球状態の発生に起因して遊技球が所定の時間内に通過しない場合に、エラー処理が実行されることを阻止するためのフラグである。
RAM45a3には後述するように電源制御基板38’内に設けられた電源部38eからバックアップ電圧の電力が供給され、球式回胴遊技機10の電源が切断された後でもデータが消失しないようになされている。
入出力ポート45a4には、副制御基板47aなどのI/O装置の他に、ホール管理装置(図示はしない)などに情報を送信できる外部集中端子板や、電源制御基板38’に設けられた停電監視回路38f、さらには投入ソレノイド414a,414b,414cや払出制御基板37aなどが電気的に接続されている。
電源制御基板38’には、主制御基板45aを始めとして球式回胴遊技機10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部38eや、上述した停電監視回路38fなどが搭載されている。
停電監視回路38fは電源の切断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ38aによる電源切断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路38fは、電源部38eから出力される直流24ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば22ボルト未満まで低下したときに電源が切断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU45a1と入出力ポート45a4のそれぞれに供給され、CPU45a1ではこの停電信号を認識することで、停電時処理が実行される。
電源部38eからは出力電圧が22ボルト未満まで低下した場合でも、主制御基板45aなどの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間として、主制御基板45aによる停電時処理を実行するのに十分な時間が確保されている。
また、主制御基板45aは、電源部38eから安定化駆動電圧が供給されるのと同時にリセットスイッチ38bからリセット信号が送信されると、RAM45a3に書き込まれた情報を消去し、電源部38eから安定化駆動電圧が供給されている状態でリセットスイッチ38bからリセット信号が送信されると、エラー状態をリセットする。
さらに、電源オフ時に設定キースイッチ38d1をオンにしてから電源オンにした状態、つまり電源オフ時に設定変更キーシリンダ38dに設定キーを差し込んで回転させてから電源オンにした状態にすると、球式回胴遊技機10の出球率を変更可能な状態が発生する。この状態で、リセットスイッチ38bからリセット信号が送信されると、球式回胴遊技機10のボーナス確率や小役確率を変更し、当該変更結果を設定値「1」〜「6」の数字で7セグLED表示部41g(図27参照)に出力する。そして、7セグLED表示部41gに「1」〜「6」のいずれかの数字を表示させた状態で、始動レバー124から設定確定信号を受信すると、球式回胴遊技機10の出球率(設定)を確定する。
払出制御基板37aは、概ね主制御基板45aと同様の構成であり、CPUを備え、処理プログラムを記憶するROM(あるいはフラッシュメモリ)、一時的にデータを記憶する作業用(ワーキング用)のRAM、入出力ポートなどが内部バスを介してこのCPUに接続されている。
主制御基板45aにおいて実行される制御処理について説明する。主制御基板45aの制御処理は、外部電力の供給再開や電源スイッチ38aのオン操作等による復電に伴って起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。なお、割込み処理としては、NMI端子における停電信号の受信に応じて割込みをかける停電割込み処理と、タイマによる時間計測によって定期的に割込みをかけるタイマ割込み処理とがある。
まず、停電割込み処理について説明する。図32は、主制御基板45aにおける停電割込み処理の一例を表すフローチャートである。停電状態が発生した場合、電源制御基板38’の停電監視回路38fで停電信号が生成され、主制御基板45aに対して出力される。主制御基板45aにおいては、CPU45a1のNMI端子が停電信号を受信し、停電信号の受信に応じて停電フラグを設定する割込み処理(以下、「停電割込み処理」と称する)が実行される。
停電割込み処理においては、まず、現在使用しているレジスタのデータをRAM45a3内のバックアップ領域に退避させる(「レジスタ退避処理」S101)。レジスタ退避処理S101の後に、停電フラグが設定される(「停電フラグ設定処理」S102)。停電フラグは、RAM45a3内の特定のエリア(停電フラグメモリ)に保持され、停電状態の発生を表す情報である。停電フラグ設定処理S102後に、自身の割込みにおける処理の終了がCPU45a1に知らせられる(「割込み終了宣言処理」S103)。割込み終了宣言処理の後に、レジスタ退避処理S101においてRAM45a3のバックアップ領域に退避させたレジスタのデータをCPU45a1のレジスタに復帰させる(「レジスタ復帰処理」S104)。レジスタ復帰処理S104の後に、新たな割込みが許可される(「割込み許可処理」S105)。割込み許可処理S105の完了によって停電割込み処理が終了する。なお、使用中のレジスタのデータを破壊せずに停電フラグ設定処理S102が行える場合には、レジスタ退避処理S101及びレジスタ復帰処理S104を省くことができる。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図33は、主制御基板45aにおけるタイマ割り込み処理の一例を表すフローチャートである。主制御基板45aにおいては、定期的にタイマ割込み処理が行われる。本形態においては、タイマ割込み処理は、実質的に1.49ms[ミリ秒]の周期で行われる。
タイマ割込み処理において、まず、後述するメイン処理における通常処理で使用している全てのレジスタの情報が、RAM45a3のバックアップ領域に格納される(「レジスタ退避処理」S201)。レジスタ退避処理S201の後に、停電フラグが設定されているか否かが確認される(S202)。停電フラグが設定されている場合には、バックアップ処理S203が実行される。
ここで、バックアップ処理S203について詳細に説明する。図34は、主制御基板におけるタイマ割込み処理内で実行されるバックアップ処理を表すフローチャートである。
バックアップ処理S203では、図34に示されたように、まず、リングバッファに蓄積されている各種のコマンドの送信が終了しているか否かが判定される(S301)。それらのコマンドの送信が終了していない場合には、バックアップ処理S203が一旦終了されて、制御がタイマ割込み処理に復帰する。なお、これは、バックアップ処理S203の開始前に、コマンドの送信を完了させるための制御である。一方、それらのコマンドの送信が完了している場合には、CPU45a1のスタックポインタの値が、RAM45a3内のバックアップ領域に保存される(「スタックポインタ保存処理」S302)。スタックポインタ保存処理S302の後に、後述するRAM判定値がクリアされると共に、入出力ポート45a4における出力ポートの出力状態がクリアされて図示しない全てのアクチュエータがオフ状態になる(「停止処理」S303)。
停止処理S303の後に、RAM判定値が新たに算出されてバックアップ領域に保存される(「RAM判定値保存処理」S304)。RAM判定値は、RAM45a3のワーク領域におけるチェックサム値の2の補数である。ここで、チックサム値の2の補数とは、2進数表現においてチェックサム値の各桁(ビット)を反転した場合に生成される値である。この場合、RAM45a3のチェックサム値とRAM判定値との排他的論理和(「FFFF」)に1加算した値は「0」である。本形態では、RAM判定値としてチェックサム値の補数を用いたが、本発明においては、RAM判定値としてチェックサム値そのものを用いてもよい。
RAM判定値保存処理S304の後に、RAM45a3へのアクセスが禁止される(「RAMアクセス禁止処理」S305)。その後は、内部電力の完全な遮断によって処理が実行できなくなるのに備えて、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤って設定される場合等を考慮して、図示しないが、無限ループに入る前には停電信号がまだ入力されているか否かが確認される。停電信号が出力されていなければ、内部電源が復旧していることになるために、RAM45a3の書き込みが許可されると共に停電フラグが解除され、タイマ割込み処理に復帰する。一方、停電信号が継続して入力されていれば、そのまま無限ループに入る(図示せず)。
このように、バックアップ処理S203の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理が優先される。コマンドの送信処理終了後にバックアップ処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中でバックアップ処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果、停電時の処理に関するプログラムを簡略化してROM45a2の小容量化を図ることができる。
電源制御基板38’の電源部38eは、停電状態が発生した後においても、停電割込み処理及びバックアップ処理を完了するために十分な時間にわたって、制御系の駆動電力として使用されるバックアップ電力を出力する。このバックアップ電力によって、停電割込み処理及びタイマ割込み処理のバックアップ処理が行われる。本形態では、停電発生後の30ms[ミリ秒]の間、バックアップ電力が出力され続けるようになっている。
タイマ割込み処理の説明に戻り、図33に示されたように、判定処理S202において停電フラグが設定されていないと判定された場合には、誤動作の発生を監視するためのウォッチドッグタイマが初期化され、CPU45a1自身に対して割込み許可が出される(「割込み終了宣言処理」S204)。割込み終了宣言処理S204の後に、左駆動停止フラグ、中駆動停止フラグ及び右駆動停止フラグを参照して、各回胴(L,M,R)を回転させるために各ステッピングモータ(43L4,43M4,43R4)に回胴駆動信号が送信される(「ステッピングモータ制御処理」S205)。具体的には、左駆動停止フラグが設定されていなければ、左回胴Lのステッピングモータ43L4に回胴駆動信号を送信する。中回胴M及び右回胴Rについても左回胴Lの場合と同様である。ステッピングモータ制御処理S205の後に、入出力ポート45a4に接続された各種の装置におけるスイッチの状態変化が監視される(「スイッチ読込処理」S206)。スイッチ読込処理S206の後に入出力ポート45a4に接続された各種の装置におけるセンサの状態変化が監視される(「センサ監視処理」S207)。センサ監視処理S207の後に、各種のカウンタの値や各種のタイマの値が減算される(「タイマ減算処理」S208)。タイマ減算処理S208の後に、差球数(ベット総数と獲得総数との差分)を集計するためにベット球数や獲得球数が、外部集中端子板126へ出力される(「差球カウント処理」S209)。
差球カウント処理S209の後に、リングバッファに蓄積された各種のコマンドが、副制御基板47aに送信される(「コマンド出力処理」S210)。コマンド出力処理S210の後に、7セグLED表示部41g獲得数表示装置115等に表示されるセグメントデータが設定される(「セグメントデータ設定処理」S211)。7セグLED表示部41gセグメントデータ設定処理S211で設定されたセグメントデータが7セグLED表示部41g等のうち所定のセグメントデータ表示装置に送信される(「セグメントデータ表示処理」S212)。これにより、7セグLED表示部41g等は、受信したセグメントデータに対応する数字、文字、記号などを表示する。入出力ポート45a4からI/O装置へのデータが出力される(「ポート出力処理」S213)。ポート出力処理S213の後に、レジスタ退避処理S201においてバックアップ領域に退避させた各レジスタのデータがそれぞれCPU45a1内の対応するレジスタに復帰される(「レジスタ復帰処理」S214)。レジスタ復帰処理S214の後に、3つの通過センサ415a〜415cの各々に対応する各条の通過センサカウンタ(909a〜909c)の値が「0」であるか否かが判定される(S215)。それらの通過センサカウンタ(909a〜909c)の値が「0」でない場合には、それらの値が現在値から1だけ減算した値に更新され(「通過センサカウンタ更新処理」S216)、「0」である場合には、通過センサカウンタ更新処理S216がスキップされる。その後、カウントセンサ416a〜cの各々に対応するカウントセンサカウンタ(913a〜913c)の値が「0」であるか否かが判定される(S217)。それらのカウントセンサカウンタ(913a〜913c)の値が「0」でない場合には、それらの値が現在値から1だけ減算した値に更新され(「カウントセンサカウンタ更新処理」S218)、「0」である場合には、カウントセンサカウンタ更新処理S216がスキップされる。その後に、次回のタイマ割込みが許可される(「割込み許可処理」S219)。以上の処理を経て一連のタイマ割込み処理が終了する。
主制御基板45aにおけるメイン処理について説明する。図35は、主制御基板45aのメイン処理を表すフローチャートである。主制御基板45aのメイン処理は、停電状態から復帰した場合に実行される。
主制御基板45aのメイン処理では、まず、スタックポインタの初期値が設定される(「スタックポインタ初期設定処理」S401)。スタックポインタ初期設定処理の後に、割込み処理を許可する割込みモードが設定される(「割込みモード設定処理」S402)。割込みモード設定処理S402の後に、CPU45a1内のレジスタ群やI/O装置等に対する各種の設定等が行われる(「レジスタ設定処理」S403)。
レジスタ設定処理S403の後に、設定キーが設定キースイッチ38d1に挿入され、所定の操作(右回転操作等)がされているか否かが判定される(S404)。設定キー操作がされていると判定された場合には、所定の複数種類の確率設定(本形態では「設定1」〜「設定6」の6段階設定)のうちから選択される1つの確率設定の設定値を保持する所定の領域を除くRAM45a3の全領域のデータが、強制的にクリアされる(「強制的RAMクリア処理」S405)。強制的RAMクリア処理S405の後に、現在の設定値の再設定(設定の打ち直し)を行うことができる(「確率設定選択処理」S406)。なお、設定値の変更においては、リセットスイッチ38bの操作及び始動レバー124の操作が援用される。確率設定選択処理S406の後に、通常遊技処理へ移行する。
判定処理S404において設定キースイッチ38d1の操作がされていないと判定された場合には、選択されている確率設定の設定値が所定の範囲(「1」〜「6」)内の値であるか否かが判定される(S407)。なお、停電状態の発生時から停電状態からの復帰時までの間に、RAM45a3が機械的又は電気的に破壊される等の異常事態が発生しない限り、設定値は所定の範囲内の値しかとらない。設定値が所定の範囲内の値である場合には、停電フラグが設定されているか否かが判定される(S408)。停電フラグが設定されている場合には、RAM45a3のワーク領域のチェックサム値が新たに算出され、新たなチェックサム値が正常であるか否かが判定される(S409)。新たなチェックサム値が正常とは、新たなチェックサム値と停電状態の発生前のチェックサム値が同一であること、つまり、新たなチェックサム値とRAM45a3のバックアップ領域に保持されているRAM判定値との排他的論理和に1加算した値が「0」であることを意味する。この値は、新たなチェックサム値と停電状態の発生前のチェックサム値とが同一である場合には「0」となり、異なる場合には「0」以外となる。停電状態の発生時から停電状態からの復帰時までの間に、RAM45a3が機械的又は電気的に破壊される等の異常事態が発生しない限り、この値は「0」以外にはならない。
判定処理S407において確率設定の設定値が所定の範囲内の値でないと判定された場合、判定処理S408において停電フラグが設定されていないと判定された場合、又は、判定処理S409において新たなチェックサム値とRAM判定値との排他的論理和に1加算した値が「0」以外であると判定された場合には、割込み処理が禁止される(「割込み禁止設定処理」S416)。割込み禁止設定処理S416の後に、入出力ポート45a4の全ての出力ポートがクリアされて、入出力ポート45a4に接続された全てのアクチュエータがオフ状態になる(「全出力ポートクリア処理」S417)。全出力ポートクリア処理S417の後に、エラーの発生を報知させるための処理が行われる(「エラー報知処理」S418)。なお、このエラー報知状態は、リセットスイッチ38bが操作されるまで継続する。
判定処理S409において新たなチェックサム値が正常であると判定された場合には、バックアップ領域に保存されたスタックポインタの値がCPU45a1のスタックポインタに書き込まれ、スタックポインタの値が停電状態の発生前の値に復帰する(「スタックポインタ復帰処理」S410)。これによって、停電状態からの復帰後において、停電状態の発生により中断された処理から再開できるようになる。スタックポインタ復帰処理S410の後に、停電状態からの復帰を表す復電コマンドが設定される(「復電コマンド設定処理」S411)。これにより、復電コマンドが副制御基板47aに送信されることとなる(「復電コマンド設定処理」S411)。
復電コマンド設定処理S411の後に、打止切換スイッチ38cの状態が、RAM45a3の所定の領域に格納される(「遊技形態設定処理」S412)。
遊技形態設定処理S412の後に、各種の装置のセンサの値が初期化される(「センサ初期化処理」S413)。センサ初期化処理S413の後に、停電フラグが解除される(「停電フラグ解除処理」S414)。停電フラグ解除処理S414の後に、払出中に停電が発生した等の場合、払出を再開させるための払出コマンドを設定する(「払出コマンド設定処理」S415)。払出コマンド設定処理S415の後に、スタックポインタの示す停電状態の発生前の番地における処理から再開される。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理におけるバックアップ処理S203(図34参照)後の割込み終了宣言処理S204が実行される。
通常時の遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について説明する。図36は、主制御基板45aで実行される通常遊技処理の一例を表すフローチャートである。
主制御基板45aの通常遊技処理は、メイン処理における確率設定処理S406(図35参照)の後に実行される。通常遊技処理では、図36に示されたように、まず、割込み許可を設定する(「割込み許可設定処理」S601)。割込み許可設定処理S601の後に、遊技形態を決定する打止切換スイッチ38cの状態及び自動精算スイッチの状態がRAM45a3に格納される(「遊技形態設定処理」S602)。なお、遊技形態設定処理S602は、メイン処理における遊技形態設定処理S412(図35参照)と同一の処理である。
遊技形態設定処理S602の後には、下述のループ処理に移行する。なお、以下においては、連続遊技中である場合について説明する。
RAM45a3において一回の遊技ごとに変化する情報を保持する領域のデータをクリアする(「遊技情報クリア処理」S603)。具体的には、前回の遊技に関連する情報をクリアする。クリアされる情報としては、例えば、乱数に関連する情報、回胴L,M,Rの制御に関連する情報、入賞に関連する情報及びエラーに関連する情報が挙げられる。入賞に関連する情報には、入賞図柄、入賞ライン及び獲得遊技球数等の情報が含まれる。
遊技情報クリア処理S603の後に、変動開始信号が入力されるまで、所定の処理を行いながら待機する(「変動待機処理」S604)。ここで、変動待機処理S604について、図37を参照しながら詳細に説明する。図37は、変動待機処理S604の一例を表すフローチャートである。
変動待機処理S604では、まず、遊技監視タイマが設定される(「遊技監視タイマ設定処理」S701)。ここで、遊技監視タイマが設定されるとは、そのタイマの値がリセットされ、かつそのタイマによる新たな時間計測がスタートすることを意味する。遊技監視タイマは、遊技間隔を測定するタイマであって、遊技者によって遊技されていない時間が所定の時間を経過した場合に、液晶表示装置42の画像を所定の画像(デモストレーション画像)に移行させるために用いられる。
遊技監視タイマ設定処理S701の後に、前回の遊技で再遊技に入賞したか否かが判定され、再遊技に入賞していた場合には、自動的に、前回の遊技のベット数と同数の遊技球が自動的にベットされる(「自動ベット処理」S702)。
自動ベット処理S702の後に、セレクタ400においてエラーが発生しているか否かが確認され、エラーが発生している場合には、スピーカ106、発光装置41g、41h、132、134L1等、液晶表示装置42等にエラーを報知させるための投入エラーコマンドが設定される(「投入エラー報知処理」S703)。例えば、遊技球の投入期間中以外において、通過センサ415a、415b,415cから上流通過検出信号や下流通過検出信号を受信した場合が挙げられる。なお、リングバッファに格納された投入エラーコマンドは、その格納後に実行されるタイマ割込み処理のコマンド出力処理S210において副制御基板47aに出力される。また、以下において、リングバッファに格納される各種のコマンドは、投入エラーコマンドの場合と同様に、それらの格納後に実行されるタイマ割込み処理のコマンド出力処理S210において副制御基板47aに出力される。
投入エラー報知処理S703の後に、払出装置33でエラーが発生しているか否かが判定され、払出装置33でエラーが発生している場合には、音響装置110、発光装置117、補助表示装置118等にエラーを報知させるための払出エラーコマンドが設定される(「払出エラー報知処理」S704)。具体的には、払出基板37aからの払出中信号がオン状態であるか否か、及び、各種のカウントセンサ33hからのカウントスイッチ信号に基づく払出基板37aからのカウント信号がオン状態であるか否かが判定される。この判定結果が、払出中信号がオン状態(払出期間中)でないにも関わらず、いずれかのカウント信号がオン状態である場合には、エラー処理が実行されると共に、払出エラーコマンドが設定される。これによって、遊技を進行できない状態となり、エラー発生が報知される。なお、同様の払出エラー報知処理は、他の処理中においても遊技者からの何らかの入力を待っている状態、例えば、リール回転中におけるリール停止待ち状態においても実行される。
払出エラー報知処理S704の後に、返却ボタン308の操作が行われているか否かを判定して、返却中であれば他のボタン等の操作による入力が禁止される(「返却処理」S705)。
返却処理S705の後に、図37に示されたように、1ベットボタン114又はマックスベットボタン304が操作されているか否かが確認され、いずれかのベットボタンが操作されている場合には所定数の遊技球がベットされる(「遊技球ベット処理」S706)。なお、投入された遊技球の個数が、通過センサ415a,415b,415cで計数され、かつ、別途に、カウントセンサ416a,416b,416cによっても計数される。
ここで、遊技球ベット処理S706について詳細に説明する。図38は、遊技球ベット処理S706の一例を表すフローチャートである。遊技球ベット処理S706では、まず、投入が完了しているか否かが判定される(S1501)。具体的には、通常遊技状態等においては、ベット数が「3」(投入球数が15)である場合には投入完了と判定し、JAC中等においては、ベット数が「1」(投入球数が5)である場合には投入完了と判定する。投入が完了している場合には、遊技球ベット処理S706が終了し、投入が完了していない場合には、最大ベット操作信号が受信されているか否かが判定される(S1502)。最大ベット操作信号が受信されている場合には、総投入個数カウンタの値が、通常遊技状態等においては「15」に、JAC中等においては「5」に設定される(「総投入個数カウンタ設定処理」S1503)。一方、最大ベット操作信号が受信されていない場合には、1ベット操作信号が受信されているか否かが判定される(S1504)。1ベット操作信号が受信されている場合には、総投入個数カウンタの値が「5」に設定され(「総投入個数カウンタ設定処理」S1505)、受信されていない場合には、遊技球ベット処理S706が終了する。
総投入個数カウンタ設定処理S1503,S1505において、総投入個数カウンタの値が設定されると、第1条〜第3条投入リトライフラグ906a〜906cをそれぞれ設定して(「全条の投入リトライフラグ906設定処理」S1506)、3つの球通路402aのすべてについて、投入処理が行われるように初期設定する。全条の投入リトライフラグ906設定処理S1506の後に、いずれかの条の投入リトライフラグ906(906a〜906c)が設定されているか否かを判定し(S1507)、全ての条の払出リトライフラグ906a〜906cが設定されていなければ、遊技球ベット処理S706が終了する。一方、いずれかの条の投入リトライフラグ906(906a〜906c)が設定されていれば、総投入個数カウンタ903の値が「0」であるか否かが判定され(S1508)、総投入個数カウンタ903の値が「0」であれば、遊技球ベット処理S706が終了する。
判定処理S1508において総投入個数カウンタ903の値が「0」でなければ、全条の投入リトライフラグ906a〜906cが設定されているか否かを判定する(S1509)。判定処理1509において、いずれかの条の投入リトライフラグ906(906a〜906c)が解除されていれば、後述するようにいずれかの条において遊技球の払い出しが滞ったこととなるので、遊技球を再振り分けする前に所定時間待機し(「ウェイト処理」S1510)、その後に、投入個数振分処理S1511へ移行する。なお、本形態では、ウェイト処理S1510におけるウェイト時間は、80msである。このウェイト処理S1510は、球通路402a〜402cにおいて、投入フリッカ413a〜413cによって排出通路406a〜406cへの遊技球の流下が禁止された場合に、遊技球のばたつきを抑制するために設けられている。
遊技球の投入が行われる3つの球通路402a〜402cで均等に遊技球の投入を行うために、各球通路(402a〜402c)がそれぞれ何個ずつ投入するかを振り分けて、各球通路に対応する投入予定個数を決定する(「投入個数振分処理」S1511)。なお、本処理については別途に詳細に説明する。
投入個数振分処理S1511の後に、投入タイマ割込実行フラグが設定されているか否かが判定される(S1512)。投入タイマ割込実行フラグが設定されていれば、投入条ポインタ905へ最大値「3」を設定する(「投入条ポインタ最大値設定処理」S1513)。
投入条ポインタ最大値設定処理S1513の後に、投入個数振分処理S1511によって各球通路(402a〜402c)に対して振り分けられ、各球通路(402a〜402c)において投入が開始された際の遊技球の投入個数をカウントすると共に、その投入の終了を管理する処理を実行する(「投入実行処理」S1514)。なお、本処理については別途に詳細に説明する。
投入実行処理S1514の後に、各カウントセンサ416a〜416cを通過する遊技球の個数の計数を管理する処理を実行する(「カウントセンサ通過個数計数処理」S1515)。なお、本処理については別途に詳細に説明する。
カウントセンサ通過個数計数処理S1515の後に、投入条ポインタ905が最小値「1」であるか否かが判定される(S1516)。投入条ポインタ905が「1」でなければ、払出条ポインタ905の値を「1」だけ減少させて(「投入条ポインタ減算処理」S1517)、投入実行処理S1514に戻る。一方、投入条ポインタ905が「1」であれば、各投入ソレノイド作動フラグ907a〜907cに基づいて各投入ソレノイド414a〜414cの駆動が制御される(「全条の投入ソレノイド作動制御処理」S1518)。具体的には、投入ソレノイド作動フラグ907(907a〜907c)が新たに設定された払出ソレノイド(414a〜414c)はオン状態に変更され、投入ソレノイド作動フラグ907(907a〜907c)が既に設定されている投入ソレノイド(414a〜414c)はオン状態を維持し、投入ソレノイド作動フラグ907(907a〜907c)が新たに解除された投入ソレノイド(414a〜414c)がオフ状態に変更され、投入ソレノイド作動フラグ907(907a〜c)が既に解除されていた投入ソレノイド(414a〜414c)はオフ状態を維持する。
全条の投入ソレノイド作動制御処理S1518の後に、全条の通過センサカウンタ909a〜909cの値が「0」であるか否かが判定される(S1519)。全条の通過センサカウンタ909a〜909cの値が「0」である場合には、判定処理S1507に戻る。一方、いずれかの通過センサカウンタ909a〜909cの値が「0」でなければ、投入タイマ割込実行フラグ908を解除して(「投入タイマ割込実行フラグ解除処理」S1520)、判定処理S1512に戻る。以上のように、遊技球ベット処理S706は、判定処理S1501〜投入タイマ割込実行フラグ解除処理S1520によって実現される。
ここで、投入個数振分処理S1511について詳細に説明する。図39は、投入個数振分処理S1511の一例を示したフローチャートである。図39に示されたように、投入個数振分処理S1511では、まず、総投入個数カウンタ903の値をスタックエリアヘ退避する(「総投入個数カウンタ値退避処理」S1601)。次に、3つの球通路402a〜402cでの投入予定個数を記憶する第1条〜第3条の投入予定個数カウンタ904a〜904cの値をそれぞれ「0」にクリアし(「全条の投入予定個数カウンタ初期化処理」S1602)、更に、投入条ポインタ905へ最大値「3」を設定する(「投入条ポインタ最大値設定処理」S1603)。投入条ポインタ905は、3つの球通路402a〜402cのうち、遊技機10の前面側に配設される球通路402aから遊技機10の背面側に配設される球通路402cまでを順次に繰返し指定する(3,2,1,3,・・・と更新される)。
投入条ポインタ905の値が示す条の投入リトライフラグ906(906a〜906c)が設定されているか否かを判定し(S1604)、その条の投入リトライフラグ906(906a〜906c)が設定されていれば、その条に対応する球通路402a〜402cを使用しての遊技球の投入は可能であるので、当該条の投入予定個数カウンタ(904a〜904c)の値を「1」だけ加算して、1個の遊技球を当該条に対応する球通路(402a〜402c)から投入するように振り分ける(「当該条の投入予定個数カウンタ加算処理」S1605)。更に、当該条の投入ソレノイド作動フラグ907(907a〜907c)を設定し(「当該条の投入ソレノイド作動フラグ907設定処理」S1606)、最初の遊技球が投入されるまでの最大の待ち時間(タイムアウト時間、検出時間)に対応した値「180」を当該条の通過センサカウンタ(909a〜909c)に設定し(「当該条の通過センサカウンタ設定処理」S1607)、総投入個数カウンタ903の値を「1」だけ減算する(「総投入個数カウンタ減算処理」S1608)。なお、本実施形態では、各条において、投入フリッカ413a〜413cの開放によって球通路(402a〜402c)における排出通路(406a〜406c)への通路が開放され、排出通路(406a〜406c)へ流下する最初の遊技球が正常に通過センサ(415a〜415c)の上側の素子(415a1,415b1,415c1)に到達するまでの時間が約10msであるために、より十分余裕をもった時間として360msが最大の待ち時間として設定される。このように十分余裕を持った時間を設定するのは、遊技球の流下時に生じるばたつきを考慮しているからである。また、各条の通過センサカウンタ909a〜909cの値は、タイマ割込み処理が実行される毎に「1」だけ減算される。そのタイマ割込み処理(図33参照)は上述したように約1.49ms毎に繰り返し実行されるために、各通過センサカウンタ318〜321を「180」にすることによって約270msを指定したことになる。
また、当該条の投入ソレノイド作動フラグ907設定処理S1606において、当該条の投入ソレノイド作動フラグ907(907a〜907c)を設定することにより、全条の払出ソレノイド作動制御処理S1518(図38参照)において当該条の払出ソレノイド(414a〜414c)がオン状態になり、投入フリッカ(413a〜413c)によって球通路(402a〜402c)から排出通路(406a〜406c)が開放されてその条における投入動作が開始されることとなる。
次に、総投入個数カウンタ903の値が「0」であるか否かを判定して(S1609)、総投入個数カウンタ903の値が「0」でなければ、遊技球の振り分けは完了していないので、投入条ポインタ905の値を更新する。具体的には、投入条ポインタ905が最小値「1」であるか否かを判定して(S1611)、投入条ポインタ905の値が最小値「1」でなく「3」又は「2」であれば、投入条ポインタ905の値を「1」だけ減算して(「投入条ポインタ減算処理」S1612)、判定処理S1604に戻る。一方、投入条ポインタ905の値が「1」であれば、投入条ポインタ最大値設定処理S1603に戻る。
判定処理S1609において総投入個数カウンタ903の値が「0」であると判定された場合には、投入すべき全ての遊技球の振り分けが完了したことになるので、総投入個数カウンタ値退避処理S1601で退避しておいた総投入個数カウンタ903の値を復帰する(「総投入個数カウンタ値復帰処理」S1613)。
総投入個数カウンタ値復帰処理S1613の後に、全条の連球発生フラグ910a〜910cが解除されているか否かが判定され(S1614)、解除されていなければ全条の連球発生フラグ910a〜910cが解除され(「全条の連球発生フラグ解除処理」S1615)、解除されていれば全条の連球発生フラグ解除処理S1615がスキップされる。また、全条の連球発生フラグ解除処理S1615の後に、全条の通過時間エラー阻止フラグ911a〜911cが解除されているか否かが判定され(S1616)、解除されていなければ全条の通過時間エラー阻止フラグ911a〜911cが解除され(「全条の通過時間エラー阻止フラグ解除処理」S1617)、解除されていれば全条の通過時間エラー阻止フラグ解除処理S1617がスキップされる。また、全条の通過時間エラー阻止フラグ解除処理S1617の後に、全条の補助通過時間エラー阻止フラグ914a〜914cが解除されているか否かが判定され(S1618)、解除されていなければ、全条の補助通過時間エラー阻止フラグ914a〜914cが解除され(「全条の補助通過時間エラー阻止フラグ解除処理」S1619)、解除されていれば全条の補助通過時間エラー阻止フラグ解除処理S1619がスキップされる。これによって、投入個数振分処理S1511が終了する。
また、判定処理S1604において投入条ポインタ905の値が示す条の投入リトライフラグ906(906a〜906c)が設定されていなければ、当該条を使用しての遊技球の投入は不可能であるために、当該条への遊技球の振り分けを行わないように、当該条の投入予定個数カウンタ加算処理S1605から判定処理S1609までをスキップすると共に、当該条に対応した各情報や値を初期化して(「当該条の初期化処理」S1610)、判定処理S1611へ移行する。当該条の初期化処理S1610では、当該条の投入予定個数カウンタ904a、投入ソレノイド作動フラグ907(907a〜907c)、通過センサカウンタ909a〜909cなどの、投入実行処理S1514で使用される情報や値が初期化される。
ここで、投入実行処理S1514について詳細に説明する。図40は、投入実行処理S1514の一例を表すフローチャートである。図40に示されたように、投入実行処理S1514では、まず、当該条の通過時間エラー阻止フラグ(911a〜911c)が設定されているか否かが判定される(S1701)。当該条の通過時間エラー阻止フラグ(911a〜911c)が設定されていない場合には、当該条の通過センサカウンタ(909a〜909c)の値が「0」であるか否かが判定される(S1702)。一方、当該条の通過時間エラー阻止フラグ(911a〜911c)が設定されている場合には、判定処理S1702がスキップされる。これによって、当該条の通過時間エラー阻止フラグ(911a〜911c)が設定されている場合には、当該条において、後述する通過時間や通過タイミングに関連するエラー処理S1722が実行される可能性がなくなる。
判定処理S1702において当該条の通過センサカウンタ(909a〜909c)の値が「0」でない場合には、当該条の連球発生フラグ(910a〜910c)が設定されているか否かが判定される(S1703)。当該条の連球発生フラグ(910a〜910c)が設定されている場合には、投入実行処理S1514が終了する。これによって、当該条の連球発生フラグ(910a〜910c)が設定されている場合には、後述する通過順序に関連するエラー処理S1711が実行される可能性がなくなる。
判定処理S1703において当該条の連球発生フラグ(910a〜910c)が設定されていない場合は、当該条に対応する通過センサ(415a〜415c)からの上流通過検出信号及び下流通過検出信号の少なくとも一方が変化したか否かが判定される(S1704)。ここで、上流通過検出信号の変化とは、オフ状態からオン状態への変化又はその逆の変化を意味する。具体的には前回の上流通過検出信号の出力状態(オン状態又はオフ状態)が保持されており、上流通過検出信号の今回の出力状態と前回の出力状態との比較によって変化したか否かを判定している。下流通過検出信号についても同様である。通過センサ(415a〜415c)からの上流通過検出信号及び下流通過検出信号の双方に変化がない場合には、投入実行処理S1514が終了する。一方、上流通過検出信号及び下流通過検出信号の少なくとも一方が変化している場合には、上流通過検出信号の出力状態と下流通過検出信号の出力状態との組合せによって識別される位相が正常に変化したか否かが判定される(S1705)。なお、上流通過検出信号の出力状態と下流通過検出信号の出力状態との組合せによって4種の位相のうちいずれの位相であるかが特定される。具体的には、前回の位相に対応する位相識別子(「0」〜「3」の整数)が保持されており、前回の識別子から今回の位相識別子への変化がROM45a2に記憶している位相識別子の正常な変化の組合せと合致するか否かが判定されている。
判定処理S1705において位相変化が正常であると判定された場合は、後述するように遊技球の通過状態に応じた処理に移行する。一方、位相変化が正常でない場合には、位相変化が連球状態の発生を示す位相変化であるか否かが判定される(S1706)。具体的には、上流通過検出信号がオフ状態であり下流通過検出信号がオン状態である位相から上流通過検出信号及び下流通過検出信号の双方がオン状態である位相に変化したか否かが判定される。連球状態の発生を表す位相変化でない場合には、エラー処理(通過順序エラー処理)が実行され(S1711)、位相変化の異常の発生が報知される。このエラー処理S1711は無限ループとなっており、球式回胴遊技機10がリセットされるまで継続する。これにより、何らかの不正行為によって一旦エラーが発生すれば不正行為を継続できないようにできる。なお、後述する通過時間エラー及び補助通過時間エラーについても同様である。
判定処理S1706において連球状態の発生を示す位相変化であると判定された場合には、当該条の連球発生フラグ(910a〜910c)が設定され(「当該条の連球発生フラグ設定処理」S1707)、当該条の通過時間エラー阻止フラグ(911a〜911c)が設定され(「当該条の通過時間エラー阻止フラグ設定処理」S1708)、かつ、当該条の補助通過時間エラー阻止フラグ(914a〜914c)が設定される(「当該条の補助通過時間エラー阻止フラグ設定処理」S1709)。当該条の補助通過時間エラー阻止フラグ設定処理S1709の後に、当該条の投入ソレノイド作動フラグ907(907a〜907c)が解除され(「当該条の投入ソレノイド作動フラグ907解除処理」S1710)、投入実行処理S1514が終了する。これによって、連球状態が発生した場合には、連球状態が発生した条における投入動作が、一旦、中断されることとなる。
判定処理1705において位相変化が正常であると判定された場合は、遊技球が当該条の通過センサ(415a〜415c)の通過を完了したか否かが判定される(S1712)。具体的には、上流通過検出信号がオフ状態であり下流通過検出信号がオン状態である位相から上流通過検出信号及び下流通過検出信号がオフ状態である位相に変化したか否かが判定される。当該条の通過センサ(415a〜415c)の通過完了である場合、総投入個数カウンタ903の値が現在値から1だけ減じた値に更新され(「総投入個数カウンタ減算処理」S1713)、当該条の投入予定個数カウンタ(904a〜904c)の値が現在値から1だけ減じた値に更新され(「当該条の投入予定個数カウンタ減算処理」S1714)、投入済個数カウンタA901の値が現在値に1だけ加えた値に更新される(「投入済個数カウンタA加算処理」S1715)。投入済個数カウンタA加算処理S1715の後に、当該条のカウントセンサカウンタ(913a〜913c)が所定の値(本形態では、「250」)に設定され(「当該条のカウントセンサカウンタ設定処理」S1716)、投入実行処理S1514が終了する。なお、本形態においては、カウントセンサカウンタ(913a〜913c)の値を「250」に設定することは、約370msの時間の計測を開始させることを意味する。
判定処理S1712において当該条の通過センサ(415a〜415c)の通過完了でないと判定した場合には、遊技球が当該条の通過センサ(415a〜415c)の通過を開始したか否かが判定される(S1717)。具体的には、上流通過検出信号及び下流通過検出信号がオフ状態である位相から上流通過検出信号がオン状態であり下流通過検出信号がオフ状態である位相に変化したか否かが判定される。当該条の通過センサ(415a〜415c)の通過開始でない場合には、投入実行処理S1514が終了する。一方、当該条の通過センサ(415a〜415c)の通過開始である場合には、通過センサカウンタ(909a〜909c)の値が所定の値(本形態では、「140」)に設定される(「当該条の通過センサカウンタ設定処理」S1718)。本形態においては、通過センサカウンタ(909a〜909c)の値を「140」に設定することは、約200msの時間の計測を開始させることを意味する。
当該条の通過センサカウンタ設定処理S1718の後に、当該条の投入予定個数カウンタ(904a〜904c)の値が「1」であるか否かが判定される(S1719)。当該条の投入予定個数カウンタ(904a〜904c)の値が「1」でない場合には、投入実行処理S1514が終了する。一方、当該条の投入予定個数カウンタ(904a〜904c)の値が「1」である場合には、通過センサ(415a〜415c)の通過を開始した遊技球は、投入すべき最終の遊技球であるために、過剰の遊技球が投入されることを防止するために、当該条の投入ソレノイド作動フラグ907(907a〜907c)が解除され(「当該条の投入ソレノイド作動フラグ907解除処理」S1720)、投入実行処理S1514が終了する。これによって、当該条の投入動作が終了することとなる。
判定処理S1702において、当該条の通過センサカウンタ(909a〜909c)が「0」であると判定された場合は、遊技球が当該条の通過センサ(415a〜415c)を通過中であるか否かが判定される(S1721)。具体的には、上流通過検出信号及び下流通過検出信号の少なくとも一方がオン状態であるか否かが判定される。当該条の通過センサカウンタ(909a〜909c)が「0」である場合は、遊技球の投入間隔が長過ぎてタイムアウトとなったり、最初の遊技球の通過開始までの時間が長過ぎてタイムアウトとなったり、投入期間外となったりした場合である。遊技球が当該条の通過センサ(415a〜415c)を通過中である場合には、所定の時間内に通過が完了しなかったか、又は、投入期間外における遊技球の通過であるために、エラー処理(通過時間エラー処理)が実行され(S1722)、通過時間及び通過タイミングの異常の発生が報知される。このエラー処理S1722は無限ループとなっており、球式回胴遊技機10がリセットされるまで継続する。
判定処理S1721において遊技球が当該条の通過センサ(415a〜415c)を通過中でないと判定された場合には、当該条の投入ソレノイド作動フラグ907(907a〜907c)が設定されているか否かが判定される(S1723)。当該条の投入ソレノイド作動フラグ907(907a〜907c)が設定されていない場合には、投入実行処理S1514が終了する。一方、当該条の投入ソレノイド作動フラグ907(907a〜907c)が設定されている場合には、当該条の投入ソレノイド作動フラグ907(907a〜907c)を解除し(「当該条の投入ソレノイド作動フラグ907解除処理」S1724)、当該条の投入リトライフラグ906(906a〜906c)を解除し(「当該条の投入リトライフラグ906解除処理」S1725)、かつ、当該条の通過センサカウンタ(909a〜909c)の値を所定の値(本形態では、「50」)に設定する(「当該条の通過センサカウンタ設定処理」S1726)。
以上で説明したように処理過程(S1701〜S1726)を経て、投入実行処理S1514が完了する。
ここで、カウントセンサ通過個数計数処理S1515について説明する。図41は、カウントセンサ通過個数計数処理S1515の一例を表すフローチャートである。図41に示されたように、カウントセンサ通過個数計数処理S1515では、まず、当該条の補助通過時間エラー阻止フラグ(914a〜914c)が設定されているか否かが判定される(S1801)。当該条の補助通過時間エラー阻止フラグ(914a〜914c)が設定さていない場合には、カウントセンサカウンタ(913a〜913c)の値が「0」であるか否かが判定される(S1802)。判定処理S1802においてカウントセンサカウンタ(913a〜913c)の値が「0」でない場合及び判定処理S1801において当該条の補助通過時間エラー阻止フラグ(914a〜914c)が設定されている場合には、当該条のカウントセンサ(416a〜416c)を遊技球が通過完了したか否かが判定される(S1803)。なお、この判定においては、カウントセンサ(416a〜416c)からの補助通過検出信号がオン状態からオフ状態に変化したことに基づいて通過完了と判定している。通過完了である場合には、投入済個数カウンタB902の値を現在値に1だけ加算した値に更新して(「投入済個数カウンタB加算処理」S1804)、カウントセンサ通過個数計数処理S1515を終了する。
判定処理S1802においてカウントセンサカウンタ(913a〜913c)の値が「0」であると判定された場合、当該条のカウントセンサ(416a〜416c)を遊技球が通過中であるか否かを判定する(S1805)。なお、この判定においては、補助通過検出信号がオン状態である場合に通過中と判定する。通過中でない場合には、投入済個数カウンタB902の値を更新することなくカウントセンサ通過個数計数処理S1515が終了し、一方、通過中である場合には、補助通過時間エラーとなり補助通過時間エラー処理が実行される(「補助通過時間エラー処理」S1806)。
再び図37に戻って、遊技球ベット処理S706の終了後に、ベット数が最小規定数未満であるか否かが判定される(S707)。ベット数が最小規定数未満である場合には、投入エラー報知処理S703から判定処理S707までが繰り返される。一方、ベット数が最小規定数未満でない場合には、始動レバー124の操作に応じた変動開始信号が受信されているか否かが判定される(S708)。変動開始信号が受信されていない場合には、投入エラー報知処理S703から判定処理S708までが繰り返される。一方、変動開始信号が受信されている場合には、遊技球ベット処理S706において通過センサ415a,415b,415cによって計数された遊技球の個数(投入済個数カウンタA901の値)と、カウントセンサ416a,416b,416cによって計数された遊技球の個数(投入済個数カウンタB902の値)とが比較され、カウントセンサ416a,416b,416cによって計数された遊技球の個数が通過センサ415a,415b,415cによって計数された遊技球の個数未満である場合にはエラー処理(個数エラー処理)が実行される(「投入球数比較処理」S709)。
以上で説明したように処理過程(S701〜S709)を経て、変動待機処理S604が完了する。
変動待機処理S604の後に、図36に示されたように、始動レバー124が操作された際にハードウェア的にラッチされた乱数カウンタの値が読み出されてRAM45a3に格納される(「乱数作成処理」S605)。始動レバー124が操作された際に乱数カウンタをハードウェア的にラッチすることによって、始動レバー124の操作と乱数値の取得とを時間的に同期させている。なお、ソフトウェアで乱数カウンタの値を読み出すこともできるが、この場合には、始動レバー124の操作から乱数値の取得までの時間が、ハードウェア的にラッチする場合よりも不均一になる。
乱数作成処理S605の後に、確率設定、ベット数及び遊技状態に応じた乱数テーブルを参照して、乱数作成処理S605で取得した乱数値に応じた当選役が決定され、当選役の種別に応じた当選フラグ(例えば、ビッグボーナス当選フラグ、レギュラーボーナス当選フラグ、チェリー当選フラグ、ベル当選フラグ、スイカ当選フラグ、再遊技当選フラグ)が設定され、当選役の種別を表す当選役コマンドと確率設定の設定値を表す設定値コマンドとが設定される(「内部抽選処理」S606)。当選役として、例えば、ビックボーナス役(以下、「BB」とも称す)、レギュラーボーナス役(以下、「RB」とも称す)、各種の小役(本形態では、チェリー役、ベル役、スイカ役)、再遊技役及びハズレ役が挙げられる。なお、一回の遊技において複数種類の当選役が選択されてもよい。
内部抽選処理S606の後に、当選役、ベット数及び遊技状態に基づいて、ROM45a2に保持された手動停止制御テーブル群から各回胴(L,M,R)の制御に用いる1つの手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして選択され、参照制御テーブルのテーブル番号がRAM45a3の所定の領域に格納される(「回転初期化処理」S607)。当選役がハズレ以外のときには、この参照制御テーブルに従って、当選役を入賞させる有効ライン等が決まり、また、当選役に応じた図柄がその有効ライン上以外を通過中に各回胴(L,M,R)に対応する各回胴停止ボタン(126L,126M,126R)が操作された場合に、当選役を所定の有効ラインに可能な限り入賞させるために所定の範囲(5図柄未満)内で余分に回胴を回転させるスベリ制御が行われる。当選役がハズレの場合にも、他の当選役を入賞させないために、同様のスベリ制御が行われる。この参照制御テーブルは、必ず参照されるわけではなく、本形態では、各回胴停止ボタン(126L,126M,126R)が所定の順序(例えば、「左回胴停止ボタン126L→中回胴停止ボタン126M→右回胴停止操作部126R」及び「左回胴停止ボタン126L→右回胴停止操作部126R→中回胴停止ボタン126M」の順序)で操作された場合に参照され、他の操作順序の場合には、手動停止制御テーブル群からの参照制御テーブルの再選択や他の制御方法によって又はそれらを援用して所定の図柄パターンを停止させる。更に、自動的に図柄表示の変動を停止する場合には、ROM45a2に保持された自動停止制御テーブルを参照して、所定の図柄パターンで停止させる。
回転初期化処理S607の後に、図柄変動待機処理S608が実行される。図柄変動待機処理S608では、まず、図柄変動監視タイマによる測定時間が所定の規定時間(例えば、4.1秒)以上であるか否かが判定される。ここで、「図柄変動監視タイマ」は、前回の図柄表示の変動開始時点からの経過時間を測定するタイマである。図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間未満である場合には、規定時間の経過を待つ状態(以下、「変動待機状態」と称する)であることを表す変動待機コマンド(内部状態コマンドの一種)がリングバッファに格納される。なお、変動待機状態であることが変動待機状態表示装置(図示せず)によって遊技者に報知される。その後、図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間以上となるまで、変動待機状態の報知が行われたまま、図柄変動監視タイマによる測定時間が所定の規定時間以上であるか否かの判定が繰り返される。一方、図柄変動監視タイマの測定時間が所定の規定時間以上である場合には、図柄変動監視タイマがリセットスタートされ、規定時間待機状態の報知を停止し、所定の規定時間が経過した状態であることを表す規定時間経過コマンド(内部状態コマンドの一種)と、外部集中端子板に出力するためのベット数コマンドとがリングバッファに格納される。その後、RAM45a3の所定の領域における図柄表示変動ユニットの各ステッピングモータ(43L4,43M4,43R4)の制御に関連する情報が回転開始用に初期設定される。なお、ステッピングモータ(43L4,43M4,43R4)の実際の駆動は、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理S205(図33参照)で制御される。
図柄変動待機処理S608の後に、回胴ユニット43における各回胴(L,M,R)の回転を制御する回転制御処理S609が実行される。ここで、回転制御処理S609について詳細に説明する。図42は、回転制御処理S609の一例を表すフローチャートである。
回転制御処理S609において、RAM45a3の所定の領域における各回胴(L,M,R)の回転に関する情報が初期化され、全ての回胴(L,M,R)が回転中であることを表す全回胴回転コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)と図柄表示変動ユニット103において図柄表示変動状態であることを表す図柄変動状態コマンド(内部状態コマンドの一種)とがリングバッファに格納される(「回転開始処理」S1101)。回転開始処理S1101の後に、所定の停止待機時間が経過するまで待機する(「図柄停止待機処理」S1102)。図柄停止待機処理S1102における「所定の停止待機時間」は、各回胴(L,M,R)の回転開始から一定速度の定常回転に至るまでに要する平均時間と概ね同一の時間である。図柄停止待機処理S1102の後に、全ての回胴(L,M,R)の回転が定常回転である否かが判定される(S1103)。具体的には、それらの回転が定常回転であるか否かは、最後に回転を開始した回胴に対応する回胴位置検出センサ43R7からの検出信号が受信されているか否かで判定されており、その検出信号が受信されている場合にはそれらの回転は定常回転であると判断し、その検出信号が受信されていなければいずれかの回胴の回転は定常回転でないと判断している。それらの回転が定常回転でない場合には、判定処理S1103が繰り返し実行される。なお、本形態では全ての回胴(L,M,R)は同時に回転を開始する。
判定処理S1103において全ての回胴の回転が定常回転であると判定された場合には、自動停止までの図柄表示の変動時間を測定する自動停止タイマを設定する(「自動停止タイマ設定処理」S1104)。自動停止タイマ設定処理S1104の後に、自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を超えているか否かが判定される(S1105)。自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を越えていなければ、以下の手動により図柄表示の変動を停止させる処理が実行される。
左回胴停止ボタン126Lの操作に応じた左停止信号が受信されているか否かが判定される(S1106)。左停止信号が受信されていない場合には、中回胴停止ボタン126Mの操作に応じた中停止信号が受信されているか否かが判定される(S1107)。中停止信号が受信されていない場合には、右回胴停止ボタンの操作に応じた右停止信号が受信されているか否かが判定される(S1108)。右停止信号が受信されていない場合、つまり、左停止信号、右停止信号及び右停止信号のいずれもが受信されていない場合には、判定処理S1106が実行される。
判定処理S1106において左停止信号が受信されていると判定された場合には、左停止フラグが設定されているか否かが判定される(S1109)。「左停止フラグ」は、左回胴Lが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転初期化処理S607において解除されている。左停止フラグが設定されている場合は、左回胴Lが既に停止していることを表し、左停止フラグが解除されている場合は、左回胴Lが回転していることを表す。左停止フラグが設定されている場合には、判定処理S1106が実行され、一方、左停止フラグが解除されている場合には、左回胴停止処理S1110が実行される。左回胴停止処理S1110において、まず、回転初期化処理S607で選択された参照制御テーブルを参照して、左回胴Lを回転させる左ステッピングモータ43L4が停止される。左ステッピングモータ43L4の停止後に、左停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、左回胴Lが停止していることを表す左回胴停止コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)及び左回胴Lの停止図柄を表す左回胴図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。「停止回胴数」は、停止している回胴の個数を表し、回転開始処理S1101において「0」にリセットされる。
ここで、左ステッピングモータ43L4を停止させる際の制御について詳細に説明する。現在の回胴駆動信号送信数に基づいて、参照制御テーブルが参照されて回胴駆動信号の送信回数が決定される。ビッグボーナス役、レギュラーボーナス役、各種の小役及び再遊技役のいずれかの当選フラグが設定されている場合には、当選フラグの設定されていない役が成立することがない限りにおいて、可能な限り有効ラインのいずれか沿って当選役の図柄パターンが停止するように、送信回数が決定される。例えば、下段ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという小役に当選し、「スイカ」図柄が上段を通過するタイミングで左回胴停止操作部231が操作された場合には、下段に停止するように図柄2つ分だけ左回胴Lを滑らせる。なお、滑らせることのできる範囲は予め決められており、左回胴停止ボタン126Lの操作のタイミングによっては、下段に「スイカ」図柄が停止しないこともある。この場合においても、中段又は上段に「スイカ」図柄を停止できる場合には、予定入賞ラインに関わらず、中段又は上段に「スイカ」図柄を停止するように制御される。「回胴駆動信号送信数」は、左ステッピングモータ43L4へ送信された回胴駆動信号の送信数を表しており、その値は、回胴位置検出センサ43L7からの検出信号の受信に応じて「0」にリセットされる。なお、具体的には、左回胴停止処理S1110では、回胴駆動信号送信数を参照しながら、決定された送信回数分の回胴駆動信号の送信が終了したことを確認して左駆動停止フラグ(駆動変更情報の一種)を設定する。なお、図33に示されたタイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理S205においては、左停止フラグの設定を確認して回胴駆動信号の送信を停止する。これにより、送信回数を決定した後に、回胴駆動信号が、左ステッピングモータ43L4にその回数だけ繰り返し送信される。
左回胴停止処理S1110の後に、停止回胴数が3であるか否かが判定される(S1111)。停止回胴数が3でない場合、つまり、少なくとも1つの回胴が回転中である場合(図柄表示の変動中)には、参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S1112)。未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される(「制御テーブル変更処理」S1113)。制御テーブル変更処理S1113においては、左回胴Lの停止位置と共に中回胴M及び右回胴Rのうちの既に停止している回胴の停止位置が参照される。参照制御テーブルの変更が必要な場合としては、例えば、当選役以外の役が入賞する場合が挙げられる。
判定処理S1107において中停止信号が受信されていると判定された場合には、中停止フラグが設定されているか否かが判定される(S1114)。「中停止フラグ」は、左停止フラグの場合と同様に、中回胴Mが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転開始処理S1101において解除されている。中停止フラグが設定されている場合には、判定処理S1106が実行される。一方、中停止フラグが解除されている場合には、停止回胴数が0であるか否かが判定される(S1115)。停止回胴数が0でない場合には、中回胴停止処理S1117が実行される。一方、停止回胴数が0である場合には、手動停止制御テーブル群のうち所定の手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして再設定され(「制御テーブル再設定処理」S1116)、制御テーブル再設定処理S1116の後に、中回胴停止処理S1117が実行される。なお、中回胴停止処理S1117は、左回胴停止処理S1110の場合と同様の処理である。中回胴停止処理S1117において、まず、参照制御テーブルを参照して、中駆動停止フラグ(駆動変更情報の一種)が設定されて中回胴装置170Mにおける中ステッピングモータが停止される。中ステッピングモータを停止させる際の制御は、左ステッピングモータ43L4を停止させる際の制御と概ね同一である。中ステッピングモータ43M4の停止後に、中停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、かつ、中回胴Mが停止していることを表す中回胴停止コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)及び中回胴Mの停止図柄を表す中回胴図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
中回胴停止処理S1117の後に、停止回胴数が3であるか否かが判定される(S1118)。停止回胴数が3でない場合には、未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S1119)。参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される(「制御テーブル変更処理」S1120)。制御テーブル変更処理S1120においては、中回胴Mの停止位置と共に左回胴L及び右回胴Rのうちの既に停止している回胴の停止位置(停止図柄)が参照される。
判定処理S1108において右停止信号が受信されていると判定された場合には、右停止フラグが設定されているか否かが判定される(S1121)。「右停止フラグ」は、左停止フラグ及び中停止フラグの場合と同様に、右回胴Rが回転しているか停止しているかを識別するフラグであり、回転開始処理S1101において解除されている。右停止フラグが設定されている場合には、判定処理S1106が実行される。一方、右停止フラグが解除されている場合には、停止回胴数が0であるか否かが判定される(S1122)。停止回胴数が0でない場合には、右回胴停止処理S1124が実行される。一方、停止回胴数が0である場合には、手動停止制御テーブル群のうち所定の手動停止制御テーブルが参照制御テーブルとして再設定され(「制御テーブル再設定処理」S1123)、制御テーブル再設定処理S1123の後に、右回胴停止処理S1124が実行される。なお、右回胴停止処理S1117は、左回胴停止処理S1110と同様の処理である。右回胴停止処理S1117において、まず、選択されている手動停止制御テーブルを参照して、右駆動停止フラグが設定されて右回胴装置170Rにおける右ステッピングモータが停止される。右ステッピングモータを停止させる際の制御は、左ステッピングモータ43L4を停止させる際の制御と概ね同一である。右ステッピングモータ43R4の停止後に、右停止フラグが設定され、停止回胴数がインクリメントされ、かつ、右回胴Rが停止していることを表す右回胴停止コマンド(回胴回転情報コマンドの一種)及び右回胴の停止図柄を表す右回胴図柄コマンド(停止図柄コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
右回胴停止処理S1124の後に、停止回胴数が3であるか否かが判定される(S1125)。停止回胴数が3でない場合には、未停止の回胴の停止において参照制御テーブルの変更が必要であるか否かが判定される(S1126)。参照制御テーブルの変更が必要な場合には、参照制御テーブルが手動停止制御テーブル群から選択された他の手動停止制御テーブルに変更される(「制御テーブル変更処理」S1127)。制御テーブル変更処理S1127においては、右回胴Rの停止位置と共に左回胴L及び中回胴Mのうちの既に停止している回胴の停止位置(停止図柄)が参照される。
判定処理S1105において、自動停止タイマによる計測時間が規定回転時間を越えている場合には、現在回転中の全ての回胴の回転を停止させる(「自動停止処理」S1128)。自動停止処理S1128の後、並びに、判定処理S1111、判定処理S1118及び判定処理S1125において停止回胴数が「3」であると判定された場合に、自動停止タイマを解除する。
ここで、自動停止処理S1128について詳細に説明する。自動停止処理S1128では、まず、既に停止している回胴の停止位置(停止図柄)を参照して、ROM45a2に保持された自動停止制御テーブル群から1つのテーブルが参照制御テーブルとして設定される。その後に、左停止フラグが設定されているか否かが判定され、左停止フラグが設定されていない場合には、左回胴Lの回転が停止される。次に、中停止フラグが設定されているか否かが判定され、中停止フラグが設定されていない場合には、中回胴Mの回転が停止される。その後に、右停止フラグが設定されているか否かが判定されて、中停止フラグが設定されていない場合には、中回胴Rの回転が停止される。
回転制御処理S609の後に、図36に示されたように、入賞確認処理S610が実行される。入賞確認処理S610において、まず、有効ラインごとの図柄パターンが入賞図柄パターンであるか否かが判定され、当選フラグの成立している役が入賞しているか否かと、当選フラグの成立している役以外が入賞していないこととが検査される。本形態では、ベット数が1であれば中段ラインの図柄パターンが検査され、ベット数が2であれば中段ライン、上段ライン及び下段ラインの各々の図柄パターンが検査され、ベット数が3であれば、5つの組合せラインの全ての図柄パターンが検査される。当選役以外の役が1つでも入賞している場合には、入賞エラーの発生を報知させるためのエラー処理が実行される。一方、当選役のみが入賞している場合には、入賞した全ての当選役に対応する入賞フラグ(例えば、ビッグボーナス入賞フラグ、レギュラーボーナス入賞フラグ、チェリー入賞フラグ、ベル入賞フラグ、スイカ入賞フラグ、再遊技入賞フラグ)が設定される。また、入賞した各当選役に対応する獲得遊技球数が最大獲得遊技球数を超えない範囲内において加算されることによって、最終的に獲得遊技球数が決定される。更に、入賞確認処理S610においては、入賞役の種類の情報を含む入賞役コマンド、入賞ラインの種類の情報を含む入賞ラインコマンド及び入賞エラーの情報を含む入賞役エラーコマンドがリングバッファに格納される。
入賞確認処理S610の後に、獲得遊技球数の情報を含む払出コマンドが設定される(「獲得球払出処理」S611)。獲得遊技球払出処理S611の後に、再遊技処理S612が行われる。再遊技処理S612では、入賞確認処理S610において再遊技が入賞していると判定されている場合に、内部状態を再遊技に設定する等の各種の処理が行われる。また、次回の遊技が再遊技であることを表す再遊技コマンド(内部状態コマンドの一種)がリングバッファに格納される。
再遊技処理S612の後に、役物作動中処理S613が行われる。役物作動中処理S613では、ビッグボーナス及びレギュラーボーナス等の役物作動中の処理が行われる。ここで、役物作動中処理S613について詳細に説明する。図43は、役物作動中処理の一例を表すフローチャートである。
役物作動中処理S613では、内部状態がビッグボーナスであるか否かが判定される(S1301)。内部状態がビッグボーナスである場合には、更に、内部状態がJACゲームであるか小役ゲームであるかが判定される(S1302)。JACゲームでない場合には、JACゲームへの移行契機となるJACIN図柄パターン(本形態では再遊技図柄の3つ揃いで兼用)が有効ライン上に表示されたか否かが判定される(S1303)。JACIN図柄パターンが有効ライン上に表示されている場合には、JACゲームに関する初期化が行われる(「JAC開始処理」S1304)。JAC開始処理S1304では、内部状態がビッグボーナス中のJACゲームに設定され、JAC数及びJAC成立数がそれぞれ所定の値に設定される。一方、有効ライン上にJACIN図柄パターンが表示されていない場合には、JAC開始処理S1304がスキップされる。
判定処理S1302において内部状態がJACゲームであると判定されている場合には、JACゲーム数を1だけ減少させる(「JAC数更新処理」S1305)。JAC数更新処理S1305の後に、JAC図柄パターン(本形態では再遊技図柄の3つ揃いで兼用)が有効ライン上に表示されているか否かが判定される(S1306)。JAC図柄パターンが有効ライン上に表示されている場合には、JAC成立数を1だけ減少させる(「JAC成立数更新処理」S1307)。一方、JAC図柄パターンが有効ライン上に表示されていない場合には、JAC成立数更新処理S1307をスキップする。その後、JAC数又はJAC成立数が0であるか否かが判定される(S1308,S1309)。JAC数又はJAC成立数が0である場合には、内部状態が小役ゲームに変更される(「JAC終了処理」S1310)。一方、JAC数及びJAC成立数が0でない場合には、JAC終了処理S1310をスキップする。
上記の処理S1301〜S1310の所定の過程を経た後に、入賞確認処理S610で算出された獲得遊技球数が獲得総数に加算され、獲得総数が更新される(「獲得総数更新処理」S1311)。なお、獲得総数は、ビッグボーナスの開始時に下述する役物作動判定処理S614において初期化されている。獲得総数更新処理S1311の後に、獲得総数が獲得規定数以上であるか否かが判定される(S1312)。獲得総数が獲得規定数以上である場合には、ビッグボーナスの終了処理が行われる(「BB終了処理」S1313)。一方、獲得総数が獲得規定数未満である場合には、BB終了処理S1313がスキップされる。上記の処理過程を経て役物作動中処理S613が終了する。
判定処理S1301において内部状態がビッグボーナスでないと判定された場合には、内部状態がレギュラーボーナスであるか否かが判定される(S1314)。内部状態がレギュラーボーナスでない場合には、本処理が終了する。一方、内部状態がレギュラーボーナスである場合には、JACゲーム数を1だけ減少させる(「JAC数更新処理」S1315)。JAC数は、レギュラーボーナスの開始時に下述する役物作動判定処理S614において所定数に初期化されている。なお、レギュラーボーナスにおけるJAC数は、ビッグボーナスにおけるJAC数と異なっていてもよい。JAC数更新処理S1315の後に、JAC図柄パターン(本形態では再遊技図柄の3つ揃いで兼用)が有効ライン上に表示されているか否かが判定される(S1316)。JAC図柄パターンが有効ライン上に表示されている場合には、JAC成立数を1だけ減少させる(「JAC成立数更新処理」S1317)。JAC成立数は、レギュラーボーナスの開始時に下述する役物作動判定処理S614(図36参照)において所定数に初期化されている。なお、レギュラーボーナスにおけるJAC成立数は、ビッグボーナスにおけるJAC成立数と異なっていてもよい。一方、JAC図柄パターンが有効ライン上に表示されていない場合には、JAC成立数更新処理S1317をスキップする。その後、JAC数又はJAC成立数が0であるか否かが判定される(S1318,S1319)。JAC数又はJAC成立数が0である場合には、内部状態が小役ゲームに変更される(「RB終了処理」S1320)。一方、JAC数及びJAC成立数が0でない場合には、JAC終了処理S1320をスキップする。上記の処理過程を経て役物作動中処理S613が終了する。
役物作動中処理S613の後に、図36に示されたように、役物作動判定処理S614が行われる。図44は、役物作動判定処理S614の一例を表すフローチャートである。役物作動判定処理S614では、図44に示されたように、ビッグボーナス(BB)に当選したことを表すビッグボーナスの当選フラグが設定されているか否かが判定される(S1401)。ビッグボーナスの当選フラグが設定されている場合、ビッグボーナスが入賞したことを表すビッグボーナスの入賞フラグが設定されているか否かが判定される(S1402)。ビッグボーナスの入賞フラグが設定されている場合には、ビッグボーナスを開始するための処理を実行する(「BB開始処理」S1403)。一方、ビッグボーナスの入賞フラグが設定されていない場合には、BB開始処理S1403をスキップする。
判定処理S1401においてビッグボーナスの当選フラグが設定されていなければ、レギュラーボーナス(RB)に当選したことを表すレギュラーボーナスの当選フラグが設定されているか否かが判定される(S1404)。レギュラーボーナスの当選フラグが設定されている場合、レギュラーボーナスが入賞したことを表すレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されているか否かが判定される(S1405)。ビッグボーナスの入賞フラグが設定されている場合には、レギュラーボーナスを開始するための処理を実行する(「RB開始処理」S1406)。一方、レギュラーボーナスの入賞フラグが設定されていない場合には、RB開始処理S1406をスキップする。上記の処理過程を経て役物作動判定処理S614が終了する。
役物作動判定処理S614の後に、図36に示されたように、遊技進行表示処理S615が実行される。遊技進行表示処理S615では、内部状態がビッグボーナスやレギュラーボーナスである場合には、JACゲームの残りゲーム数や1回のビッグボーナスにおける獲得遊技球の総数等を表示するためのデータが設定される。また、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の終了後に、再遊技の当選確率が通常遊技状態よりも高いリプレイタイム(「RT」)等の特定遊技状態に移行させる場合には、内部状態を特定遊技状態に設定し、特定遊技状態であることを表す特定遊技状態コマンド(内部状態コマンドの一種)をリングバッファに格納する。
払出制御基板37aにより実行される制御処理について説明する。払出制御基板37aの制御処理は、外部電力の供給再開や電源スイッチ38aのオン操作等による復電に伴って起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。なお、割込み処理としては、主制御基板45aからの各種のコマンドの受信に応じて割込みをかけるコマンド割込み処理と、定期的(本形態では2ms)に繰返し実行されるタイマ割込み処理がある。説明の便宜上、まず、割込み処理について説明した後にメイン処理について説明する。
まず、コマンド割込み処理について説明する。図45は、払出制御基板37aのコマンド割込処理を表すフローチャートである。コマンド割込処理は、払出制御基板37aが主制御基板45aからのコマンドを受信した場合に実行される。図45に示されたように、コマンド割込処理が実行されると、まず、受信したコマンドが受信用のデータバッファに格納される(「コマンド受信処理」S3901)。コマンド受信処理S3901の後に、コマンド受信フラグが設定される(「コマンド受信フラグ設定処理」S3902)。コマンド受信フラグ設定処理S3902の終了により外部割込処理は終了する。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図46は、払出制御基板37aのタイマ割込み処理を表すフローチャートである。図46に示されたように、タイマ割込み処理において、まず、コマンド受信フラグが設定されているか否かが判定される(S4001)。コマンド受信フラグが設定されている場合、受信用のデータバッファに格納されているコマンドを読み出す(「コマンド読出処理」S4002)。コマンド読出処理S4002の後に、コマンド受信フラグが解除される(「コマンド受信フラグ解除処理」S4003)。コマンド受信フラグ解除処理S4003の後に、読み出されたコマンドが払出コマンドであるか否かが判定される(S4004)。払出コマンドである場合には、払出コマンドの種類に応じた賞球個数(払出個数)を賞球個数カウンタに設定する(「賞球個数カウンタ設定処理」S4005)。一方、読み出されたコマンドが払出コマンドでない場合には、賞球個数カウンタ設定処理S4005がスキップされる。判定処理S4001においてコマンド受信フラグが設定されていないと判定された場合には、コマンド読出処理S4002〜賞球個数カウンタ設定処理S4005がスキップされる。
次に、オーバーフロー検出スイッチ(図示せず)からの検出信号の状態が確認され、その受信状態に基づいて下皿満タン状態の設定制御がなされる(「下皿満タン状態設定処理」S4006)。具体的には、オーバーフロー検出スイッチが200msの間継続して検出されている「下皿満タン中」の場合には、下皿満タン状態が設定され、その他の場合においては下皿満タン状態が解除される。
下皿満タン状態設定処理S4006の後に、各球切れ検出装置35bからの遊技球検出信号の受信状態が確認され、その受信状態に基づいて球有り状態の設定制御がなされる(「球有り状態設定処理」S4007)。具体的には、以下のようにして球有り状態の設定制御がなされる。まず、全ての遊技球検出信号がオン状態であるか否かが判定され、つまり、球通路33d,35a内の全てに所定数以上の遊技球が貯留されているか否かが判定される。全ての遊技球検出信号がオン状態である場合には、その状態が2000ms継続しているか否かが確認される。遊技球検出信号のオン状態が2000ms経過している場合には、全ての球通路35a内に所定数(本形態では20個)以上の遊技球があることになるので、球有りフラグが設定されて球有り状態設定処理S4007が終了し、遊技球検出信号のオン状態が2000ms経過していない場合には、そのまま球有り状態設定処理S4006が終了する。一方、遊技球検出信号のうち少なくとも1つがオフ状態である場合には、その状態が200ms継続しているか否かが判定され、その状態が200ms経過している場合には、球有りフラグ323が解除されて球有り状態設定処理S4007が終了し、その状態が200ms継続していない場合には、そのまま球有り状態設定処理S4007が終了する。
球有り状態設定処理S4007の後に、下皿満タン状態設定処理S4006又は球有り状態設定処理S4007における状態が報知すべき状態である場合に、その状態が報知される(「状態報知処理」S4008)。具体的には、「下皿球満タン中」の場合に、スピーカ106,204からの音声によりその旨を遊技者に知らせたり、液晶表示装置42により画像によりその旨を遊技者に知らせたりする。また、遊技球タンク32内に遊技球が貯留されてない場合(球有りフラグが解除されている場合)にも同様にその旨を遊技者に知らせたりする。
状態報知処理S4008の後に、賞球払出不可状態か否かが判定される(S4009)。なお、賞球払出不可状態とは、貸球の払い出しが現在実行中の場合である。賞球払出不可状態でない場合には、賞球個数カウンタの値が「0」であるか否かが判定される(S4010)。賞球個数カウンタの値が「0」である場合には、払出コマンドに基づいて払い出す遊技球がないので、S4012の処理へ移行し、賞球個数カウンタの値が「0」でなければ、払出コマンドに基づいて払い出す遊技球があるので、払出状態カウンタに「1」を設定する(「払出状態カウンタ設定処理」S4011)。判定処理S4009において賞球払出不可状態であると判定された場合や判定処理S4010において賞球個数カウンタの値が「0」である場合には、次の処理S4012に移行する。
次に、貸球払出不可状態であるか否かが判定される(S4012)。なお、貸球払出不可状態とは、賞球の払い出しが現在実行中の場合である。貸球払出不可状態でない場合、カードユニットから貸球払出要求信号を受信しているか否かが判定される(S4013)。貸球払出要求信号を受信している場合には、賞球の払い出しを行うために払出状態カウンタに「2」を設定する(「払出状態カウンタ設定処理」S4014)。一方、貸球払出要求信号を受信していない場合には、払出状態カウンタ設定処理S4014がスキップされる。また、S4012において貸球払出不可状態であると判定された場合、判定処理S4013及び払出状態カウンタ設定処理S4014がスキップされる。
次に、払出タイマ割込実行フラグを設定する(「払出タイマ割込実行フラグ設定処理」S4015)。払出タイマ割込実行フラグ設定処理S4015の後に、カウントセンサ33hからのカウントスイッチ検出信号の受信状態を確認する(「カウントセンサ確認処理」S4016)。
次に、各条の払出遊技球カウンタの値が「0」であるか否かが判定される(S4017)。いずれかの払出遊技球カウンタの値が「1」以上である場合には、「1」以上の値である払出遊技球カウンタの値が「1」だけ減算されて新たな値に更新される(「払出遊技球カウンタ更新処理」S4018)。なお、払出遊技球カウンタの値が「0」となった場合は、設定された時間(タイムアウト時間)が経過したこととなる。払出遊技球カウンタ更新処理S4018の終了によって、タイマ割込み処理が終了する。
払出制御基板37aにおけるメイン処理について説明する。図47は、払出制御基板37aのメイン処理の一例を表すフローチャートである。図47に示されたように、メイン処理では、まず、CPU周辺のレジスタ群やI/O装置等に対する各種の設定が行われる(「初期設定処理」S4101)。初期設定処理S4101の後に、RAM37a3へのアクセスが許可され(「RAMアクセス許可処理」S4102)、外部割込みベクタが設定される(「外部割込みベクタ設定処理」S4103)。外部割込みベクタ設定処理S4103の後に、RAM37a3の全ての領域を「0」にクリアした(S4104)後に、RAM37a3に初期値が設定され(「RAM初期設定処理」S4105)、CPU37a1の他の周辺デバイスの初期設定が行われる(「CPU周辺デバイス初期設定処理」S4106)。CPU周辺デバイス初期設定処理S4106の後に、割込み許可が設定され(S4107)、遊技球払出処理S4108が繰り返し実行される。通常ゲーム時には主制御基板45aからの払出コマンドの受信に応じて払出コマンドの種類に基づいた賞球数の遊技球を払い出すと共に、貸球払出要求がされた場合に25個の遊技球を払い出す処理である。
ここで、遊技球払出処理S4108について詳細に説明する。図48は、遊技球払出処理S4108の一例を表すフローチャートである。図48に示されたように、遊技球払出処理S4108では、まず、払出状態カウンタの値が「0」であるか否かが判定される(S4201)。払出状態カウンタが「0」である場合、つまり、払出コマンドが受信されていない場合、カウントセンサ33hからのカウントスイッチ信号の受信が検知されているか否かが判定される(S4202)。カウントスイッチ信号の受信が検知されている場合には、主制御基板45aにカウント信号の出力するための処理を行う(「カウント信号出力処理」S4203)。一方、カウントスイッチ信号の受信が検知されていない場合には、カウント信号出力処理S4203がスキップされる。また、判定処理S4201において払出状態カウンタの値が「0」以外であると判定された場合には、判定処理S4202及びカウント信号出力処理S4203がスキップされる。
次に、球有りフラグが設定されているか否かが判定される(S4204)。球有りフラグが設定されていない場合、ケースレール35の球通路35a内に所定数以上の遊技球が貯留されていない状態であるために遊技球の払い出しを行えないので、遊技球払出処理S4108が終了する。一方、球有りフラグが設定されている場合、遊技球の払い出しを行うためにS4205以降の処理へ移行する。
判定処理S4204において球有りフラグが設定されていると判定された場合には、払出状態カウンタの値が確認され(S4205,S4207)、その値が「1」でもなく「2」でもない場合には、遊技球を払い出す状況でないので、遊技球払出処理S4108が終了する。払出状態カウンタの値が「1」である場合には、払出コマンドに基づいた遊技球の払い出しを行う状態であるので、賞球個数カウンタの値を総払出個数カウンタに設定する(「総払出個数カウンタ設定処理」S4206)。一方、払出状態カウンタの値が「2」である場合には、総払出個数カウンタの値に「25」を設定する(「総払出個数カウンタ設定処理」S4208)。総払出個数カウンタの値として「25」を設定するのは、本実施形態では、貸球払出要求信号を1回受信する毎に、遊技球を25個ずつ払い出すからである。
総払出個数カウンタ設定処理S4206,S4208において、総払出個数カウンタの値が設定されると、第1条〜第4条払出リトライフラグをそれぞれ設定して(「全条のリトライフラグ設定処理」S4209)、4つの球通路33dのすべてについて、払出処理が行われるように初期設定する。
全条の払出リトライフラグ設定処理S4209の後に、主制御基板45aへの払出中信号の出力が開始される(「払出中信号出力開始処理」S4210)。
払出中信号出力開始処理S4210の後に、いずれかの払出リトライフラグが設定されているか否かを判定し(S4211)、全ての払出リトライフラグが設定されていなければ、エラー処理を実行して、遊技球の未払出がある状態で払出が不能となったことを報知する(「エラー処理」S4212)。エラー処理S4212は無限ループとなっており、該エラーは、遊技機10をリセットすることによって解消できる。一方、いずれかの払出リトライフラグが設定されていれば、総払出個数カウンタの値が「0」であるか否かが判定され(S4213)、総払出個数カウンタの値が「0」であれば、払出状態カウンタの値が「2」であるか否かが判定される(S4214)。払出状態カウンタの値が「2」であれば、貸出終了信号をCRユニットに出力し(「貸出終了信号出力処理」S4215)、一方、払出状態カウンタの値が「2」でなければ、貸球払出要求信号に基づく払い出しでないので、貸出終了信号出力処理S4215がスキップされる。次に、払出状態カウンタの値に「0」が設定され(「払出状態カウンタ初期化処理」S4216)、遊技球払出処理S4108が終了する。なお、払出状態カウンタの値に「0」が設定されると、賞球払出が許可状態となると共に貸球払出が許可状態となる。
なお、判定処理S4213の前に、いずれかの条の払出リトライフラグがオフされているか否かを確認し、1つの条でも払出リトライフラグが設定されていなければ、球詰まりなどの異常が発生している可能性があるので、エラー処理を行うよう構成しても良い。即ち、払出装置33の球通路33dのうち1つでも詰まっていれば、ケースレール35の球通路35aに80個以上の遊技球が貯留されていたとしても、遊技球の払い出しが確実に行えない場合があるが、エラー処理を実行して異常を解除するよう促すことで、遊技球の払い出しを確実に行うことができる。
判定処理S4213において総払出個数カウンタの値が「0」でなければ、全条の払出リトライフラグが設定されているか否かを判定する(S4217)。判定処理4217において、いずれかの払出リトライフラグが解除されていれば、後述するようにいずれかの条において遊技球の払い出しが滞ったこととなるので、遊技球を再振り分けする前に所定時間待機し(「ウェイト処理」S4218)、その後に、払出個数振分処理S4219へ移行する。なお、本形態では、ウェイト処理S4218におけるウェイト時間は、80msである。このウェイト処理S4218は、フリッカ33bによって遊技球の球通路33dが閉鎖された場合における払出通路33eよりも上流側にある遊技球のばたつきを抑制するために設けられている。一方、全条の払出リトライフラグが設定されている場合には、ウェイト処理S4218を行わずに払出個数振分処理S4219へ移行する。
遊技球の払出が行われる4つの球通路33dで均等に遊技球の払い出しを行うために、各球通路がそれぞれ何個ずつ払い出すかの払出予定個数を振り分ける(「払出個数振分処理」S4219)。なお、本処理については別途に詳細に説明する。
払出個数振分処理S4219の後に、払出タイマ割込実行フラグが設定されているか否かが判定される(S4220)。払出タイマ割込実行フラグが設定されていれば、払出条ポインタへ最大値「4」を設定する(「払出条ポインタ最大値設定処理」S4221)。
払出条ポインタ最大値設定処理S4221の後に、払出個数振分処理S4219によって各球通路に対して振り分けられ、各球通路33dにおいて払い出しが開始された際の遊技球の個数をカウントすると共に、その払い出しの終了を管理する処理を実行する(「払出実行処理」S4222)。なお、本処理については別途に詳細に説明する。
払出実行処理S4222の後に、払出条ポインタが最小値「1」であるか否かが判定される(S4223)。払出条ポインタが「1」でなければ、払出条ポインタの値を「1」だけ減少させて(「払出条ポインタ減算処理」S4224)、払出実行処理S4222に戻る。一方、払出条ポインタが「1」であれば、各払出ソレノイド作動フラグに基づいて各払出ソレノイド33cが駆動される(「全条の払出ソレノイド作動制御処理」S4225)。具体的には、各条において、払出ソレノイド作動フラグが新たに設定された場合には払出ソレノイド33cがオン状態に変更され、払出ソレノイド作動フラグが既に設定されていた場合には払出ソレノイド33cのオン状態が維持され、払出ソレノイド作動フラグが新たに解除された場合には払出ソレノイド33cがオフ状態に変更され、払出ソレノイド作動フラグが既に解除されていた場合には払出ソレノイド33cのオフ状態が維持される。
全条の払出ソレノイド作動制御処理S4225の後に、全条の払出遊技球カウンタの値が「0」であるか否かが判定される(S4226)。全ての払出遊技球カウンタの値が「0」である場合には、判定処理S4211に戻る。一方、いずれかの払出遊技球カウンタの値が「0」でなければ、払出タイマ割込み実行フラグ322を解除して(「払出タイマ割込実行フラグ解除処理」S4227)、判定処理S4220に戻る。以上のように、遊技球払出処理S4108は、判定処理S4201〜払出タイマ割込み実行フラグ解除処理S4227によって実現される。
ここで、払出個数振分処理S4219について詳細に説明する。図49は、払出個数振分処理を示したフローチャートである。図49に示されたように、払出個数振分処理S4219では、まず、総払出個数カウンタの値をスタックエリアヘ退避する(「総払出個数カウンタ値退避処理」S4301)。次に、各球通路での払出予定個数を記憶する第1条〜第4条の払出予定個数カウンタの値をそれぞれ「0」にクリアし(「全条の払出予定個数カウンタ初期化処理」S4302)、更に、払出条ポインタへ最大値「4」を設定する(「払出条ポインタ最大値設定処理」S4303)。払出条ポインタは、4つの球通路33dのうち、遊技機10の前面側に配設される球通路33dから遊技機10の背面側に配設される球通路33dまでを順次に繰返し指定する(4,3,2,1,4,・・・と更新される)。
払出条ポインタの値が示す条の払出リトライフラグが設定されているか否かを判定し(S4304)、当該条の払出リトライフラグが設定されていれば、その条に対応する球通路33dを使用しての遊技球の払い出しは可能であるので、当該条の払出予定個数カウンタの値を「1」だけ加算して、1個の遊技球を当該条に対応する球通路33dから払い出すように振り分ける(「当該条の払出予定個数カウンタ加算処理」S4305)。更に、当該条の払出ソレノイド作動フラグを設定し(「当該条の払い出しソレノイド作動フラグ設定処理」S4306)、最初の遊技球が投入されるまでの最大の待ち時間(タイムアウト時間、検出時間)に対応した値「180」を当該条の払出遊技球カウンタに設定し(「当該条の払出遊技球カウンタ設定処理」S4307)、総払出個数カウンタの値を「1」だけ減算する(「総払出個数カウンタ減算処理」S4308)。なお、本実施形態では、遊技球タンク32内に遊技球がある状態において払出フリッカ33bによって球通路33dが開放され、球通路を流下する最初の遊技球が正常に払出力ウントセンサ33hに到達するまでの時間が約10msであるために、より十分余裕をもった時間として360msが最大の待ち時間として設定される。このように十分余裕を持った時間を設定するのは、遊技球の流下時に生じるばたつきを考慮しているからである。また、各払出遊技球カウンタの値は、タイマ割込み処理が実行される毎に「1」だけ減算される。そのタイマ割込み処理は上述したように2ms毎に繰り返し実行されるために、各払出遊技球カウンタに「180」を設定することによって360msを指定したことになる。
また、当該条の払出ソレノイド作動フラグ設定処理S4306において、当該条の払出ソレノイド作動フラグを設定することにより、後述する全条の払出ソレノイド作動制御処理S4225(図48参照)において当該条の払出ソレノイド33cがオン状態になり、当該条の払出フリッカ33bによって当該条の球通路33dが開放されて当該条における払出動作が開始されることとなる。
次に、総払出個数カウンタの値が「0」であるか否かを判定して(S4309)、総払出個数カウンタの値が「0」でなければ、遊技球の振り分けは完了していないので、払出条ポインタの値を更新する。具体的には、払出条ポインタが最小値「1」であるか否かを判定して(S4311)、払出条ポインタの値が最小値「1」でなく「4」,「3」又は「2」であれば、払出条ポインタの値を「1」だけ減算して(「払出条ポインタ減算処理」S4312)、判定処理S4304に戻る。一方、払出条ポインタの値が「1」であれば、払出条ポインタ最大値設定処理S4303に戻る。
判定処理S4309において総払出個数カウンタの値が「0」であると判定された場合には、払い出すべき全ての遊技球の個数の振り分けが完了したことになるので、総払出個数カウンタ値退避処理S4301で退避しておいた総払出個数カウンタの値を復帰して(「総払出個数カウンタ値復帰処理」S4313)、この払出個数振分処理S4219を終了する。
また、判定処理S4304において払出条ポインタの値が示す条の払出リトライフラグが設定されていなければ、当該条を使用しての遊技球の払出は不可能であるために、当該条への遊技球の振り分けを行わないように、当該条の払出予定個数カウンタ加算処理S4305から判定処理S4309までをスキップすると共に、当該条に対応した各情報や値を初期化して(「当該条の初期化処理」S4310)、判定処理S4311へ移行する。当該条の初期化処理S4310では、当該条の払出予定個数カウンタ、当該条の払出ソレノイド作動フラグ、当該条の払出遊技球カウンタなどの、下述する払出実行処理S4222で使用される情報や値が初期化される。
ここで、払出実行処理S4222について詳細に説明する。図50は、払出実行処理S4222を表すフローチャートである。図50に示されたように、払出実行処理S4222では、まず、当該条の払出遊技球カウンタの値が「0」であるか否かが判定され(S4401)、その値が「0」であれば、後述する判定処理S4412に移行する。
当該条の払出遊技球カウンタの値が「0」でない場合(「1」以上である場合)には、当該条の払出力ウントセンサ33hにより遊技球の通過完了が検知されているか否かが判定され(S4402)、遊技球の通過が完了していなければ、後述する判定処理S4407に移行する。一方、当該条の払出力ウントセンサ33hにより遊技球の通過完了が検知されていれば、遊技球の払い出しを1個検出したものとして、総払出個数カウンタの値を「1」だけ減算し(「総払出個数カウンタ減算処理」S4403)、かつ当該条の払出予定個数カウンタの値を「1」だけ減算する(「当該条の払出予定個数カウンタ減算処理」S4404)。当該条の払出予定個数カウンタ減算処理S4404の後に、当該条の払出予定個数カウンタの値が「0」であるか否かが判定され(S4405)、その値が「0」であれば、当該条で払い出される予定の遊技球が全て払出完了したこととなるので、払出中信号の出力を停止させて(「払出中信号出力停止処理」S4406)、この払出実行処理S4222を終了する。一方、判定処理S4405において当該条の払出予定個数カウンタの値が「0」以外であれば、払出実行処理S4222を終了する。
判定処理S4402において当該条のカウントセンサ33hによる遊技球の通過完了が検知されていなければ、当該条のカウントセンサ33hによる遊技球の通過開始が検知されているか否かが判定される(S4407)。遊技球の通過開始は、払出力ウントセンサ33hからのカウントスイッチ信号の立上りによって検知される。また、判定処理S4402における遊技球の通過完了は、払出力ウントセンサ33hを遊技球が完全に通過し終えて、払出力ウントセンサ33hから払出制御基板37aに出力されるカウントスイッチ信号の立ち下がりによって検知される。
判定処理S4407で遊技球の通過開始が検知されていなければ、払出実行処理S4222を終了し、遊技球の通過開始が検知されていれば、その通過開始された遊技球が通過完了するまでの最大の待ち時間(タイムアウト時間、通過時間)を設定するために、当該条の払出遊技球カウンタの値に「150」を設定する(「当該条の払出遊技球カウンタ設定処理」S4408)。なお、本実施形態では、遊技球タンク32内に遊技球がある状態において1つの遊技球の通過開始が検知されてから次の遊技球が正常に通過開始するまでの時間が約10msであるために、これよりも十分余裕を待った時間として300msを最大の待ち時間として設定する。このように十分余裕を待った時間を設定するのは、遊技球の流下時に生じるばたつきを考慮しているからである。なお、上述のように、当該条の払出遊技球カウンタの値に「150」を設定することにより、最大の待ち時間として300msを設定したことになる。当該条の払出遊技球カウンタ設定処理S4408の後に主制御基板45aにカウント信号を出力する制御が行われる(「カウント信号出力処理」S4409)。
次いで、当該条の払出予定個数カウンタの値が「1」であるか否かが判定され(S4110)、その値が「1」でなければ、まだ払い出すべき遊技球があるので、一旦、払出実行処理S4222を終了する。一方、判定処理S4410において当該条の払出予定個数カウンタの値が「1」であれば、通過を開始した遊技球はその球通路で払い出されるべき最後の1個の遊技球(以下において、「最終遊技球」とも称す)であり過剰な遊技球が払い出されてしまうことを防止するために、当該条の払出ソレノイド作動フラグを解除する(「当該条の払出ソレノイド作動フラグ解除処理」S4411)。これにより、図48の全条の払出ソレノイド作動制御処理S4225の実行の際に、該当する球通路33dの払出ソレノイド33cがオフ状態にされ、払出フリッカ33bの閉塞によって当該球通路33dでの遊技球の払出動作が終了する。
判定処理S4405において当該条の払出予定個数カウンタの値が「0」以外である場合には、払出実行処理S4222が終了する。払出遊技球カウンタは、最初の遊技球の払出開始が検出されるまでのタイムアウト時間、任意の遊技球の払出開始が検出されてからその次の遊技球の払出開始を検出するまでのタイムアウト時間、並びに、そのタイムアウト時間後に遊技球の通過を確認するためのタイムアウト時間を計時するカウンタである。
一方、判定処理S4401において当該条の払出遊技球カウンタの値が「0」であれば、遊技球の通過途中を検知しているか否かを判定する(S4412)。遊技球の通過途中は、払出カウントセンサ33hからのカウントスイッチ信号がオン状態であることによって検知される。通過途中であれば、遊技球が何らかの原因で払出力ウントセンサ33h内に詰まっている(滞留している)、又は不正行為によってフリッカ33bが強制的に開放されたことによる遊技球の異常な通過と考えられるために、エラー処理を実行して、遊技球の通過エラーの発生を報知する(「エラー処理」S4417)。エラー処理S4417は無限ループとなっており、該エラーは、遊技球の滞留状態を解消した上で、リセットすることによって解消できる。なお、該エラーを、その滞留状態の解除によって解消するように構成しても良い。以上のように、遊技球が正常に通過完了したか否かの確認をしているので、設定したタイムアウト時間(360ms又は300ms)に対して誤差が少ない状態で、遊技球が通過完了したか否かを確認することができる。
判定処理S4412においてエラーが検出されなかった場合には、当該条の払出ソレノイド作動フラグが設定されているか否かが判定される(S4413)。当該条の払出ソレノイド作動フラグが解除されていれば、当該球通路33dにおける遊技球の払い出しがすべて終了しているので、払出実行処理S4222を終了する。一方、当該条の払出ソレノイド作動フラグが設定されていれば、当該条の払出ソレノイド作動フラグを解除し(「ソレノイド作動フラグ解除処理」S4414)、当該条の払出リトライフラグを解除し(「払出リトライフラグ解除処理」S4415)、当該条の払出遊技球カウンタに最大の待ち時間として「50」を設定する(「当該条の払出遊技球カウンタ再設定処理」S4416)。本形態では、当該条の払出遊技球カウンタの値に「50」を設定することにより、最大の待ち時間として100msを設定したことになる。
副制御基板47aにより実行される制御処理について説明する。副制御基板47aの制御処理は、外部電力の停電からの復帰や電源のオン等による電源復帰に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理に対して割り込みをかける割込み処理とに大別される。説明の便宜上、割り込み処理について説明した後に、メイン処理について説明する。CPUにおける割込み処理としては、定期的なタイマ割込み処理と、定期的なコマンド割込み処理とがある。
タイマ割込み処理について説明する。図51は、副制御基板47aにおけるタイマ割込み処理の一例を表すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、概ね1msの周期で実行される。タイマ割込み処理では、まず、割込みフラグが読み込まれる(「割込みフラグ読み込み処理」S2001)。割込みフラグ読み込み処理S2001の後に、割込みフラグが有効であるか否かが判定される(S2002)。具体的には、CPUに対する各種の割込みのうちのタイマ割込みであることを確認する。割込みフラグが有効である場合には、割込みタイマカウンタのインクリメントが行われて割込みタイマカウンタが更新される(「割込みタイマカウンタ更新処理」S2003)。割込みタイマカウンタ更新処理S2003の後に、タイマ割込みに関する割込みフラグが解除される(「割込みフラグ解除処理」S2004)。これによって、CPUに対する次回のタイマ割込み処理が実行できるようになる。判定処理S2002において割込みフラグが有効でないと判定された場合は、他の割込み処理であるために、割込みタイマカウンタ更新処理S2003及び割込みフラグ解除処理S2004がスキップされる。
コマンド割込み処理について詳細に説明する。図52は、副制御基板47aにおけるコマンド割込み処理を表すフローチャートである。コマンド割込み処理は、主制御基板45aからのコマンドの送信に応じて実行される。主制御基板45aにおけるコマンド送信は概ね1.49msの周期で行われるために、本処理は、概ね1.49msの周期で実行される。
コマンド割込み処理では、まず、主制御基板45aからのストローブ信号が正常であるか否かが判定される(S2101)。ストローブ信号が正常であれば、コマンドデータを取得する(「コマンドデータ取得処理」S2102)。コマンドデータ取得処理S2102の後に、その内容が正常であるか否かが判定される(S2103)。コマンドデータが正常である場合には、コマンドを受信し(「コマンド受信処理」S2104)、コマンド受信処理S2104の後に、リトライカウンタ値が所定のリトライ最大値に変更される(「リトライカウンタ最大値設定処理」S2105)。
判定処理S2101においてストローブ信号が正常でないと判定された場合には、リトライカウンタ値が所定のリトライ最大数に変更される(S2106)。また、判定処理S2103においてコマンドデータが正常でないと判定された場合には、リトライカウンタ値が変更される(「リトライカウンタ更新処理」S2107)。この変更においては、リトライカウンタ値が1だけ増加する。リトライカウンタ値を変更する処理(S2105,S2106,S2107)の後に、リトライカウンタ値が最大値であるか否かが判定される(S2108)。リトライカウンタ値が最大値である場合には、割込みフラグを読み込む(「割込みフラグ読込処理」S2109)。割込みフラグ読込処理S2109の後に、リトライカウンタの値が初期値(「0」)にクリアされる(「リトライカウンタクリア処理」S2110)。リトライカウンタクリア処理S2110の後に、割込みフラグが解除される(「割込みフラグ解除処理」S2111)。割込みフラグの解除によって、次回のコマンド割込み処理が実行できるようになる。
リトライカウンタ値が最大値でない場合、つまり、ストローブ信号は正常であるがコマンドデータが正常でない場合には、割込みフラグ読込処理S2109、リトライカウンタクリア処理S2110及び割込みフラグ解除処理S2111がスキップされる。なお、所定のタイミングでのコマンドデータの取得は、リトライカウンタ値が所定のリトライ最大値に到達するまで繰り返される。
副制御基板47aで実行されるメイン処理について詳細に説明する。図53は、副制御基板のメイン処理の一例を表すフローチャートである。
メイン処理では、まず、電源制御基板38’からの内部電力の供給に応じて、副制御基板47a自身の初期化及び副制御基板47aに接続された液晶表示装置42等の周辺装置の初期化が行われる(「初期化処理」S2201)。初期化処理S2201の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S2202)。ここで、システム状態は、供給電圧が所定の電圧以下であることを表す電圧低下状態と、副制御基板47a及び副制御基板47aに接続された周辺装置が初期化中であることを表す初期化状態と、供給電圧が所定の電圧であって通常遊技を行えることを表す通常状態とを含意する。なお、初期化状態は、初期化処理S2201中に選択される。
判定処理S2202においてシステム状態が電圧低下状態であると判定された場合には、後述するバックアップ処理S2210が実行される。一方、システム状態が電圧低下状態でない場合には、割込みタイマカウンタの値に変更があるか否かが判定される(S2203)。割込みタイマカウンタの値に変更がある場合には、割込みタイマカウンタが更新される(「割込みタイマカウンタ更新処理」S2204)。割込みタイマカウンタ更新処理S2204において、割込みタイマカウンタの値は1だけ減少する。割込みタイマカウンタ更新処理S2204の後に、後述する短周期タイマ処理S2205が行われる。短周期タイマ処理S2205の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S2206)。システム状態が電圧低下状態でない場合には、主制御基板45aからの何らかのコマンドが受信されているか否かが判定される(S2207)。コマンドが受信されている場合には、後述する受信コマンド確認処理S2208が行われる。一方、コマンドが受信されていない場合には、受信コマンド確認処理S2208がスキップされる。受信コマンド確認処理S2208の後に、演出の詳細を決定する乱数のベース値が更新される(「乱数ベース値更新処理」S2209)。乱数ベース値更新処理S2209の後は、判定処理S2202に移行する。システム状態が電圧低下状態でない場合には、上記の各処理(S2202〜S2209)が順次に繰り返し実行される。
判定処理S2202及び判定処理S2206においてシステム状態が電圧低下状態であると判定された場合には、レジスタデータやスタックデータが外部RAMに保存される(「バックアップ処理」S2210)。バックアップ処理S2210の後に、システム状態が電圧低下状態であるか否かが判定される(S2211)。システム状態が電圧低下状態である場合には、判定処理S2211が繰り返し実行される。一方、電圧低下状態でない場合には、電圧低下状態の解消がノイズ等による誤作動でないことを確認するために所定の時間(本形態においては30ms)待機する(「ウェイト処理」S2212)。ウェイト処理S2212の後に、再度、システム状態が電圧低下状態であるか否かを再度判定する(S2213)。システム状態が電圧低下状態である場合には、判定処理S2211に戻る。一方、システム状態が電圧低下状態でない場合には、内部電力の供給が正常に再開したと判断して、メイン処理を起動するための処理を行う(「起動処理」S2214)。起動処理S2214の後に、初期化処理S2201に戻り、メイン処理が再開される。
副制御基板47aのメイン処理における短周期タイマ処理S2205について詳細に説明する。図54は、短周期タイマ処理S2205の一例を表すフローチャートである。タイマ割込み処理が実質的に1msごとに実行されることによって、短周期タイマ処理S2205も実質的に1msごとに実行される。短周期タイマ処理2205では、図54に示されたように、まず、起動時コマンド確認処理S2301が実行される。起動時コマンド確認処理S2301では、起動処理S2214の実行後の2秒以内に主制御基板45aから何らかのコマンドを受信しているか否かが確認される。主制御基板45aから何らのコマンドも受信していない場合には、主制御基板45aの起動が正常に行われなかったと判断してエラー発生を報知する処理が行われる。一方、主制御基板45aから何らかのコマンドを受信している場合には、本処理を終了し、デバイス制御処理S2302に移行する。
デバイス制御処理S2302では、下述する受信コマンド確認処理S2208(図53)において受信が確認された各種のコマンドに応じて、液晶表示装置42、スピーカ106,204、発光装置41g、41h、132、134L1等の駆動制御が行われる。具体的には、それらを制御するための信号が送信される。
システム状態変更処理S2303では、システム状態に変化があるか否かが判定され、判定結果に応じて、電圧低下状態を表す電圧低下フラグ及び初期化状態を表す初期化中フラグが設定又は解除される。システム状態に変化があればその変化に応じた処理が実行される。なお、電圧低下フラグ及び初期化中フラグが解除されている場合には、システム状態は通常状態であるとみなされ、本処理は終了する。システム状態変更処理S2303の後に、電圧監視処理S2304が実行される。
電圧監視処理S2304では、電源基板109から供給される内部電力の電圧が所定の電圧以下であるか否かが判定され、内部電圧が所定の電圧以下の場合には、電圧低下フラグが解除されていれば電圧低下フラグが設定され、一方、内部電圧が所定の電圧以下でない場合には、電圧低下フラグが設定されていれば電圧低下フラグが解除される。電圧監視処理S2304の後に、下述する長周期タイマ処理S2305が実行される。
長周期タイマ処理S2305の後に、液晶表示装置42、スピーカ106,204、発光装置41g,41h,132,134L1等を制御するためのデータが更新される(「報知データ変更処理」S2306)。
ここで、長周期タイマ処理S2305について説明する。図55は、長周期タイマ処理S2305の一例を表すフローチャートである。長周期タイマ処理S2305では、長周期タイマカウンタの値に短周期タイマカウンタの値が加算され、長周期タイマカウンタが更新される(「長周期タイマカウンタ加算処理」S2401)。長周期タイマカウンタ更新処理S2401の後に、長周期タイマカウンタの値が10以上であるか否かが判定される(S2402)。判定処理S2402によって、概ね短周期タイマカウンタの10回の更新ごとに、以下の処理が実行されることになる。短周期タイマカウンタの更新が概ね1msごとに行われるために、以下の処理は、概ね10msごとに実行されることになる。
判定処理2402において長周期タイマカウンタの値が10未満であると判定された場合には、本処理は終了する。一方、長周期タイマカウンタの値が10以上である場合には、長周期タイマカウンタの値が10だけ減少され、長周期タイマカウンタの値が更新される(「長周期タイマカウンタ減算処理」S2403)。長周期タイマカウンタ減算処理S2403の後に、副制御基板47aのROMに保持されている各種の発光装置(発光装置41g、41h、132、134L1等)に対する複数の発光パターンを含む発光データテーブルから所望の発光パターンのデータを取り出し、出力用のデータバッファに格納する(「発光データ更新処理」S2404)。なお、格納されたデータは短周期タイマ処理S2206におけるデバイス制御処理2302によって出力される。
発光パターンデータ更新処理S2404の後に、発光演出と音響演出とを同期させるための処理が実行される(「発光・音響同期処理」S2405)。発光・音声同期処理S2405の後に、音声演出が行われている状況下において、遊技者によって何らかの入力が行われることなく所定の時間(本形態では30秒)以上にわたって放置されている場合には、音声演出の音量が小音量に変更される(「音響フェードアウト処理」S2406)。また、遊技者によって何らかの入力が行われることなく、所定の時間(本形態では50秒)以上経過しているかを確認して、デモストレーションフラグを設定する(「デモストレーション開始確認処理」S2407)。なお、デモストレーションフラグの設定によって、補助表示装置118において所定のデモストレーション演出が開始される。デモストレーション開始確認処理S2407の後に、音量変更操作装置(図示せず)における音量調節スイッチ(図示せず)の音量設定が確認され、音響装置110に対するエラー報知時や演出時の音量が更新される(「音量設定処理」S2408)。上記の処理過程(S2401〜S2408)を経て、長周期タイマ処理S2306が終了する。
本発明の実施形態に係る球式回胴遊技機10の主たる特徴部分の構成について図56〜図61を参照しながら説明する。図56乃至図58は、本発明の実施形態1の特徴部分に係る機能ブロック図である。図59は、本発明の実施形態1の特徴部分に係る制御の一例を表わすタイミングチャートである。図60は、位相情報の値の設定例を示す図である。図61は、連球の他の一例を示すタイミングチャートである。なお、図59は、総投入個数が15のときに第1条から第3条の各投入装置にそれぞれ5個ずつの投入個数が振り分けられ、第1条において第3番目に投入される遊技球(以下「第3球」と略記する)と第4番目に投入される遊技球(以下「第4球」と略記する)とが連球状態で投入され、その他の遊技球は正常状態で投入される例を示す。
球式回胴遊技機10において、主制御基板45aは、機能的な観点から、遊技球投入手段601と、投入ソレノイド制御手段602a〜602cと、投入個数振分手段603と、投入個数保持手段(第1条投入予定個数カウンタ904a〜第3条投入予定個数カウンタ904c)604a〜604cと、通過センサ信号検知手段605a〜605cと、カウントセンサ信号検知手段606a〜606cと、第1計数手段607a〜607cと、最終球判定手段608a〜608cと、第2計数手段609a〜609cと、検出位相変化パターン生成手段621a〜621cと、正常通過判定手段622a〜622cと、連球判定手段623a〜623cと、正常判定用位相変化パターン記憶手段624と、連球判定用位相変化パターン記憶手段625と、連球発生フラグ変更手段626a〜626cと、連球発生フラグ保持手段612a〜612cと、エラー制御手段613と、連球制御手段614a〜614cと、個数エラー判定手段631と、通過時間エラー判定手段632a〜632cと、通過時間エラー阻止手段637a〜637cと、補助通過時間エラー判定手段633a〜633cと、補助通過時間エラー阻止手段638a〜638cとを含む。
また、図57に示すように、通過時間エラー判定手段632a〜632cは、通過時間エラー阻止フラグ保持手段651a〜651cと、通過時間エラー阻止フラグ変更手段652a〜652cとを含む。また、図58に示すように、補助通過時間エラー判定手段633a〜633cは、補助通過時間エラー阻止フラグ保持手段661a〜661cと、通過時間エラー阻止フラグ変更手段662a〜662cとを含む。
次いで、遊技球をベットする際の処理(投入処理)の動作について、概ね時系列に沿って説明する。なお、適宜、図38〜図41に示された遊技球ベット処理S706に関与するフローチャート等も参照する。以下において、マックスベットボタン304(図1参照)が操作された場合も1ベットボタン114(図1参照)が操作された場合も投入数が異なる以外は概ね投入動作及び投入制御が実質的に同一であるために、マックスベットボタン304が操作された場合についてのみ説明する。また、第1条、第2条及び第3条における遊技球の投入動作及び投入時の制御は、実質的に同一であるために、第2条及び第3条についての詳細な説明を一部省略する。
遊技者によるマックスベットボタン304の操作に応じた最大ベット操作信号(ベット操作情報の一種)の入力を検知すると(時刻t11)、遊技球投入手段601は、遊技状態に応じた最大規定数の遊技球(通常遊技状態においては15球であり、JACゲーム状態においては5球である)が既に投入されている場合(S1501:N)を除き、遊技状態(通常遊技状態、JACゲーム状態)及び既に投入が検知されている遊技球の個数である通過済個数A(図31に示された投入済個数カウンタA901の値)を参照して、第1条〜第3条のいずれかで投入すべき総投入予定個数を決定する(S1502〜S1505)。具体的には、未だ、通常遊技状態において15球の遊技球が投入されていない場合には、15球から通過済個数Aを減じて総投入予定個数を算出し、一方、JACゲーム状態において5球の遊技球が投入されていない場合には、5球から通過済個数Aを減じて総投入予定個数を算出する。なお、算出された総投入予定個数は総投入個数カウンタ903(図31参照)に保持される。
遊技球投入手段601において総投入予定個数が決定された後に、投入個数振分手段603が、総投入予定個数に基づいて、第1条によって投入すべき遊技球の個数である第1条の投入予定個数(図31に示された第1条投入予定個数カウンタ904aの値)、第2条によって投入すべき第2条の投入予定個数(第2条投入予定個数カウンタ904bの値)及び第3条によって投入すべき第3条投入予定個数(第3条投入予定個数カウンタ904c)を決定する。具体的には、第3条〜第1条の投入予定個数カウンタ904a〜904cのいずれか1つの値を1だけ増加させる(図39のS1605)毎に総投入個数カウンタ903の値を1だけ減少させる(図39のS1608)振り分けを、総投入個数カウンタ903の値が0になるまで第3条、第2条、第1条の順で繰返す。また、遊技球投入手段601は、振り分け過程において、第1条の投入予定個数が「0」以上である場合に、第1条投入ソレノイド作動フラグ907aを設定し(t12,図39のS1606)、第1条における遊技球の投入を実質的に開始させる。同様に、遊技球投入手段601は、第2条投入ソレノイド作動フラグ907b及び第3条投入ソレノイド作動907cを設定する(S1606)。なお、いずれかの条において遊技球の投入が不可能な状態である(図31に示された投入リトライフラグ906a〜906cが解除されている)場合(S1604:N)には、その条による遊技球の投入を行わせないために、その条には投入すべき遊技球を割り当てず、また、その条の投入ソレノイド作動フラグ907a〜907cも設定しない(S1604〜S1609のスキップ)。
第1条投入ソレノイド作動フラグ907aの設定に応じて、第1条の投入ソレノイド制御手段602aは、投入ソレノイド(ゲート駆動手段)414aへの通電を開始する。これによって、第1条の投入フリッカ413aが作動し、球通路402aにおける遊技球の通過が許可され、第1条における遊技球の投入が実際的に開始される。なお、第1条の投入ソレノイド駆動手段602aは、第1条投入ソレノイド作動フラグ907aが解除されるまで、第1条の投入ソレノイド413aへの通電を維持する。同様に、第2条の投入ソレノイド制御手段602b及び第3条の投入ソレノイド駆動手段602cは、それぞれ、第2条の投入フリッカ413bを作動させる第2条の投入ソレノイド414b及び第3条の投入フリッカ413cを作動させる第3条の投入ソレノイド414cへの通電を行う。
また、第1条〜第3条の投入ソレノイド作動フラグ907a〜907cの設定と実質的に同時に、何らかの原因で遊技球の流下が所定の時間にわたって滞った場合の再投入及び遊技球が通過センサ415aを所定の時間内に通過しなかった場合の通過エラーを判定するために時間計測を開始させる(t13,t15,t16)。具体的には、主制御基板45aにおけるタイマ割込み処理の実行に応じて更新される(図33のS216)第1条〜第3条の通過センサカウンタ909a〜909cに各条において投入ソレノイド414a〜414cの作動から第1球が通過センサ415aの通過を開始するまでの時間として許容される最大許容時間Tf(本形態では、約370ms)に対応し、タイマ割込み処理の周期を考慮して算出された値(本形態では、250)を設定する。これにより、第1条〜第3条の通過センサカウンタ909a〜909cが「0」以外の整数となり、タイマ割込み処理における各通過センサカウンタ909a〜909cの更新(S216)が開始されることとなる。なお、各条において、再投入及び通過時間エラーの判定に、通過時間エラー判定手段632a〜632cにおける通過センサカウンタ909a〜909cが兼用されている。
第1条〜第3条の投入ソレノイド作動フラグ907a〜907cの設定と実質的に同時に、何らかの原因で第1球の流下が実質的に第1条投入ソレノイド作動フラグ907a〜907cの設定から所定の時間にわたって滞った場合や遊技球が通過センサ415a〜415cの通過完了から所定の時間内に投入カウントセンサ416a〜416cの通過を完了しなかった場合の補助通過時間エラーを判定するために時間計測を開始する。具体的には、タイマ割込み処理の実行に応じて更新される(図33のS218)カウントセンサカウンタ913a〜913cにソレノイド414aの作動から遊技球の通過開始までの時間として許容される最大許容時間Tf’(本形態では、約370ms)に対応し、タイマ割込み処理の周期を考慮して算出された値(250)を設定する。これにより、カウントセンサカウンタ913a〜913cが「0」以外の整数となり、タイマ割込み処理におけるカウントセンサカウンタ913a〜913cの更新(S218)が開始されることとなる。
以下において、遊技球が排出通路406a〜406cを流下する際の処理について説明する。なお、遊技球が排出通路406を通過する場合を例にして説明する。第1条の球通路402aにおける遊技球の通過が許可されると、球通路402aにおける排出通路406aへの遊技球の流下が開始される。このとき、第1番目の遊技球(以下、「第1球」と略記する)は通過センサ415aの上側素子415a1及び下側素子415a2のいずれにも到達していないために、上流通過検出信号(上側素子415a1からの出力信号)及び下流通過検出信号(下側素子415a2からの出力信号)の双方はオフ状態である。
上流通過検出信号及び下流通過検出信号の出力状態は、通過センサ信号検知手段605aによって定期的に監視されている(図33のタイマ割込み処理におけるS207)。通過センサ信号検知手段605aは、タイマ割込み処理の実行に応じて、上流通過検出信号及び下流通過検出信号の前々回の監視時の出力状態と前回の監視時の出力状態とを、前回の監視時の出力状態と今回の監視時の出力状態とに更新すると共に、上流通過検出信号及び下流通過検出信号の少なくとも一方の出力状態の変化(立上り及び立下り)を検知する。その出力状態の変化が検知されると、検出位相変化パターン生成手段621aが、前々回の検出位相情報の値及び前回の検出位相情報の値を前回の検出位相情報の値及び今回の検出位相情報の値に更新する。
ここで、検出位相情報の値について説明する。検出位相情報の値は遊技球の通過状態を識別する4つの位相情報の値(位相識別子)のいずれか1つである。4つの位相情報の値は、上流通過検出信号の出力状態及び下流通過検出信号の出力状態(オン状態又はオフ状態)の組合せによって異なる。図60に示されたように、上流通過検出信号と下流通過信号との出力状態の組合せを(上流通過検出信号の出力状態,下流通過検出信号の出力状態)で表した場合、位相情報の値は、(オフ状態,オフ状態)である場合が「0」であり、(オフ状態,オン状態)である場合が「1」であり、(オン状態,オフ状態)である場合が「2」であり、(オン状態,オン状態)である場合が「3」である。なお、検出位相情報の値が「0→2→3→1→0→2→・・・→1→0」と繰り返し更新されるのが、投入予定個数の遊技球の全てが正常な通過順序によって通過した場合(正常な通過の場合)の位相変化である。正常判定用位相変化パターン記憶手段624は、この位相変化を識別するために、検出位相変化パターンを位相情報の値の変化(「0→2」、「3→1」等)により表すものとして、「0→2」、「2→3」、「3→1」及び「1→0」という4つの位相変化パターンを正常判定用位相変化パターンとして記憶している。一方、2球の遊技球が連球状態で通過センサ415aを通過する場合には、検出位相情報の値は「0→2→3→1→3→2→3→1→0」又は「0→2→3→1→2→3→1→0」と変化する。これらの連球状態の場合の位相変化と正常な通過の場合の位相変化とを比較すると、4番目の値から5番目の値への位相変化パターンが、正常な通過の場合には「1→0」であるが、連球状態での通過の場合には「1→2」又は「1→3」という変化になっている。したがって、連球判定用位相変化パターン記憶手段625は、その相違部分である「1→2」及び「1→3」という位相変化パターンを連球判定用位相変化パターンとして記憶している。
第1番目の遊技球(以下、「第1球」と略記する)が通過センサ415aの上側素子415a1の通過を開始すると、上流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行する(t21)。通過センサ信号検知手段605aによる上流通過検出信号の立上りの検知(図33のS207)に応じて、検出位相変化パターン生成手段621aは、前回及び今回の検出位相情報の値を、それぞれ、「0」及び「0」から「0」及び「2」に更新する(図33のS207)。
検出位相変化パターン生成手段621aによる検出位相情報の更新に応じて、正常通過判定手段622aは、前回の検出位相情報の値「0」と今回の検出位相情報の値「2」とで決定される検出位相変化パターン「0→2」が、正常判定用位相変化パターン記憶手段624に記憶された位相変化パターンに合致するか否かを判定する(図40のS1705)と共に、通過開始時の位相変化パターン「0→2」に合致するかの判定(図40のS1717)や通過完了時の位相変化パターン「1→0」に合致するかの判定(図40のS1712)を行う。この場合、検出位相変化パターンは正常判定用位相変化パターンとして含まれる1つの位相変化パターン(「0→2」)に合致すると共に通過開始時の位相変化パターンに合致するために、正常な位相変化と判定されると共に、第1球の通過センサ415aの通過開始と判定される。
なお、正常通過判定手段622aによって正常な位相変化と判定されない場合(S1705:N)には、連球判定手段623aによって、検出位相変化パターンが連球状態の開始時の位相変化パターン「1→2」及び「1→3」のいずれかに合致するか否かが判定され(図40のS1706)、連球状態の開始時の位相変化パターンにも合致しない場合(S1706:N)には、通過順序エラーの発生と判定する。正常通過判定手段622による通過エラーの発生の検知に応じて、エラー制御手段613が通過順序エラー処理を実行する(図40のS1711)。また、詳しくは後述するが、連球状態の発生を表す連球発生フラグ910aが設定されている場合(図40のS1703:N)には、正常通過判定手段622aは、正常判定用位相変化パターンのいずれかに合致するか否かの判定を行わない(S1705のスキップ)。
正常通過判定手段622aによって通過センサ415aの通過開始が検知されると、通過時間エラー判定手段632aは、第1球が通過センサ415aを通過する時間の計測を開始する(t13)。具体的には、第1条通過センサカウンタ909aが、遊技球が通過センサ415aの通過時間として許容される最大通過許容時間Tm(本形態では、約200ms)に対応し、タイマ割込み処理の周期を考慮して算出された値(本形態では、140)に設定される(S1718)。これにより、タイマ割込み処理における通過センサカウンタ909aの減算(S217)が開始されることとなる。
また、正常通過判定手段622aによって通過センサ415aの通過開始が検知されると(S1717)、最終球判定手段608aは、第1計数手段607aによって更新されている投入予定個数を参照して、通過を開始した遊技球が、第1条によって投入すべき最終の遊技球(最終球)であるかを判定する(S1719)。第1球は最終球ではないので、最終球判定手段608aは特別な処理は行わない。なお、最終球判定手段608aは通過を開始した遊技球が最終球である場合(1719:Y)には、第1条投入ソレノイド作動フラグ907aを解除し(図40のS1720)、これによって、投入ソレノイド414aへの通電が停止され、投入フリッカ413aの作動が停止されることとなる。その結果、排出通路406aへの第5球より後続の遊技球の流下が禁止される。
第1球の流下が進行すると、第1球は通過センサ415aの下側素子415a2を通過し始め、下流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行する(t22)。このとき、第1球はまだ上側素子415a1を通過中であり、上流通過検出信号はオン状態のままである。通過センサ信号検知手段605aによる下流通過検出信号の立上りの検知(S207)に応じて、検出位相変化パターン生成手段621aは、前回及び今回の検出位相情報の値を、それぞれ、「0」及び「2」から「2」及び「3」に更新する(S207)。検出位相変化パターン生成手段621aによって検出位相情報が更新されると、正常通過判定手段622aは、上記の上流通過検出信号の立上りの検知に応じた処理と同様にして、位相変化は正常であるが、通過開始時の位相変化でも通過完了時の位相変化でもないと判定する(S1705,S1712,S1717)。
更に第1球の流下が進行すると、第1球は上側素子415a1の通過を完了し、その通過完了に伴って上流通過検出信号がオン状態からオフ状態に移行する(t21’)。このとき、第1球は下側素子415a2を通過中であり、下流通過検出信号はオン状態のままである。通過センサ信号検知手段605aによる上流通過検出信号の立下りの検知(S207)に応じて、検出位相変化パターン生成手段621aは、前回及び今回の検出位相情報の値を、それぞれ、「2」及び「3」から「3」及び「1」に更新する(S207)。検出位相変化パターン生成手段621によって検出位相情報が更新されると、正常通過判定手段622aは、上記の上流通過検出信号の立上りの検知に応じた処理と同様にして、位相変化は正常であるが、通過開始時の位相変化でも通過完了時の位相変化でもないと判定する(S1705,S1712,S1717)。
最終的に、下側素子415a2の通過を完了し、その通過完了に伴って下流通過検出信号がオン状態からオフ状態に移行する(t22’)。このとき、第1球の後続の遊技球(「第2球」と略記する)は、まだ、上側素子415a1には到達しておらず、上流通過検出信号はオフ状態のままである。通過センサ信号検知手段605aによる下流通過検出信号の立下りの検知(S207)に応じて、検出位相変化パターン生成手段621aは、前回及び今回の検出位相情報の値を、それぞれ、「3」及び「1」から「1」及び「0」に更新する。正常通過判定手段622aは、上記の上流通過検出信号の立上りの検知に応じた処理と同様にして、位相変化が正常であり、通過完了時の位相変化であると判定する(S1705,S1712)。
正常通過判定手段622aによって第1球が通過センサ415aの通過を完了したと検知されると(S1712:Y)、第1計数手段607aが、総投入予定個数を現在値から1だけ減じた値に更新し(S1713)、第1条の投入予定個数を1だけ減少させた値に更新し(S1714)(図59において、第1条投入予定個数カウンタ904aの値が「5」から「4」に変化))、通過済個数Aを現在値に1だけ加算した値に更新する(S1715)(図59において、投入済個数カウンタA901の値が「2」から「3」に変化)。以上の過程を経て通過センサ415aにおける第1球の通過検出が終了する。
通過センサ415aにおける第1球の通過検出過程において、通過時間エラー判定手段632aは、最大許容時間Tfが経過して又は最大許容時間Tmが経過して通過センサカウンタ909aの値が「0」であるとき(図40のS1702)であって、通過センサ415aを通過中の場合(図40のS1721:Y)、つまり、上流通過検出信号及び下流通過検出信号の少なくとも一方がオン状態である場合には、通過時間エラーの発生と判定する。通過時間エラー判定手段632aによる通過時間エラーの発生の検知に応じて、エラー制御手段613が通過時間エラー処理を実行する(図40のS1711)。
正常通過判定手段622aによって第1球が通過センサ415aの通過を完了したと検知されると(S1712:Y)、補助通過時間エラーを判定するために時間計測を開始する(t14,図40のS1716)。具体的には、タイマ割込み処理の実行に応じて更新される(図33のS318)第1条カウントセンサカウンタ913aに第1球の通過センサ415aの通過完了から投入カウントセンサ416aの通過完了までの時間として許容される最大許容時間Tm’ (本形態では、約370ms)に対応し、タイマ割込み処理の周期を考慮して算出された値(本形態では、250)を設定する。これにより、第1条カウントセンサカウンタ913aが「0」以外の整数となり、タイマ割込み処理における第1条カウントセンサカウンタ913aの更新(S218)が開始されることとなる。
通過センサ415aの通過を完了した直後の第1球は、投入カウントセンサ416aに到達していないために、補助通過検出信号(投入カウントセンサ416aの出力信号)はオフ状態である。
投入カウントセンサ416aからの補助通過検出信号の出力状態は、カウントセンサ信号検知手段606aによって定期的に監視されている(S207)。カウントセンサ信号検知手段606aは、タイマ割込み処理の実行に応じて、補助通過検出信号の出力状態の変化(立上り及び立下り)を検知する。
第1球が通過センサ415aの通過後に排出通路406aを更に流下して、第1球が投入カウントセンサ416aの通過を開始すると、補助通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行し(t23)、通過を完了すると、補助通過検出信号がオン状態からオフ状態に移行する(t23’)。カウントセンサ信号検知手段606aによって補助通過信号の立下りが検知されると、第2計数手段609aが、通過済個数B(投入済個数カウンタB901の値)を現在値「2」から1だけ増加させた値「3」に更新する(図41のS1804)。これによって、投入カウントセンサ416aにおける第1球の通過検出が終了する。
投入カウントセンサ416aにおける第1球の通過検出過程において、最大許容時間Tf’が経過して又は最大許容時間Tm’が経過してカウントセンサカウンタ913aの値が「0」であるとき(図41のS1802)であって、投入カウントセンサ416aを通過中の場合(図41のS1805:Y)、つまり、補助通過検出信号がオン状態である場合には、通過時間エラーの発生と判定する。補助通過時間エラー判定手段633aによる補助通過時間エラーの発生の検知に応じて、エラー制御手段613が補助通過時間エラー処理を実行する(図41のS1806)。
第1球が投入カウントセンサ416aの通過を完了すると、第1球の投入が完了する。なお、第2条及び第3条についても第1条の場合と同様の過程を経て、第2条及び第3条に対する第1球の投入が完了する。また、第1条に対する第2球や、第2条及び第3条に対する第2球〜第4球も第1球と同様の過程を経ることによってそれらの投入が完了する。第2条及び第3条における第5球(最終球)及び第1条において連球状態で投入される第3球及び第4球については上記の場合と異なる制御がなされる。ここで、各条における最終球の投入について第2条の第5球を例にして説明した後に、連球状態で投入される第1条の第3球及び第4球について説明する。
第2条の第5球が排出通路406bを流下して、第5球が通過センサ415bの上側素子415b1の通過を開始すると、通過センサ信号検知手段605bが補助通過検出信号の立上りを検知し、通過センサ信号検出手段605bによる検知に応じて、正常通過判定手段622bが、位相変化が正常であり、かつ、通過開始時の位相変化であると判定する。また、正常通過判定手段622bによって通過センサ415bの通過開始が検知されると、通過時間エラー判定手段631bは、第5球が通過センサ415bを通過する時間の計測を開始する。また、通過を開始した遊技球が最終球であるか否かが判定される。ここまでは、先行して投入された他の遊技球の場合と実質的に同一である。正常通過判定手段622bによって通過センサ415bの通過開始が検知されると、通過センサ415bの通過を開始した遊技球が第5球であるので(S1719:Y)、第2条投入ソレノイド作動フラグ907bが解除される。これによって、投入ソレノイド414bへの通電が停止され、投入フリッカ413bの作動が停止されることとなる。その結果、排出通路406bへの第5球より後続の遊技球の流下が禁止される。以後は、第1球の場合と実質的に同一の過程を経て第5球の投入が完了する。なお、第3条においても第2条の場合と同様に第5球までの投入が完了する。
次に、第1条における連球状態で投入される第3球及び第4球に対する処理について詳細に説明する。第3球が上側素子415a1の通過を完了するまでは、上記の第1球と同一の処理である。第3球に対する上流通過検出信号がオフ状態であり、下流通過検出信号がオン状態である場合に、第4球が上側素子415a1の通過を開始する。これによって、通過センサ信号検知手段605aによって上流通過検出信号の立上りが検知され、その検知に応じて、検出位相変化パターン生成手段621aが、前回及び今回の検出位相情報の値を、それぞれ、「3」及び「1」から「1」及び「3」に更新する。
検出位相情報の値が更新されると、正常通過判定手段622aは、検出位相変化パターンが正常通過判定用のいずれの位相変化パターンにも合致しないために、正常な通過ではないと判定する。正常判定手段622aによって正常な通過でないと判定されると、連球判定手段623aが、検出位相変化パターンが、連球判定用位相変化パターン記憶手段625に記憶された位相変化パターン「1→3」又は「1→2」に合致するかを判定する。この場合、検出位相変化パターンが「1→3」であるので、連球状態が発生したと判定される。
ここで、「連球状態」とは、第1条における第3球と第4球の場合と同様に、2つの遊技球が球通路を所定間隔よりも短い間隔で通過する状態であり、具体的には、先行遊技球(第3球目)が下側素子415a2の通過を完了する以前に、後続遊技球(第4球目)が上側素子415a1の通過を開始したときの状態を意味する。図59には、先行遊技球(第3球目)が下側素子415a2の通過を完了するよりも前に、後続遊技球(第4球目)が上側素子415a1の通過を開始したときが表されている。この場合の連球状態の発生を検知するために、連球判定用位相変化パターン記憶手段625は、位相変化パターン「1→3」を連球判定用位相変化パターンとして記憶している。連球状態は、先行遊技球(第3球目)が下側素子415a2の通過を完了すると同時に、後続遊技球(第4球目)が上側素子415a1の通過を開始した場合を含む。つまり、図61に示されたように、通過センサ信号検知手段605aによって上流通過検出信号の立上りと下流通過検出信号の立下りとが同時に検知された場合(図中の時刻t’)も連球状態の発生と判定し、上述のように下流通過検出信号がオン状態中に上流通過検出信号の立上りのみが検知された場合と同様の処理を実行する。この場合の連球状態の発生を検知するために、連球判定用位相変化パターン記憶手段625は、位相変化パターン「1→2」を連球判定用位相変化パターンとして記憶している。
連球判定手段623aによって連球状態の発生が検知されると(t51,図40のS1706)、連球発生フラグ変更手段626aが、連球発生フラグ保持手段612aに保持された連球発生フラグ910aを設定する(t53)。なお、後述するが第1条連球発生フラグ910aは第3球及び第4球が通過センサ415aを通過する際の正常でない位相変化に基づく通過順序エラーの発生を阻止するために利用される。
また、連球判定手段623aによって連球状態の発生が検知されると、連球制御手段614aが、第1条における投入動作を停止させるために、第1条投入ソレノイド作動フラグ907aを即時に解除する(t12’,図40のS1710)。これによって、投入ソレノイド414aへの通電が停止され、投入フリッカ413aの作動が停止されることとなる。なお、第4球は排出通路406aに流下するが、第4球よりも後続の遊技球が排出通路406aに流下することを完全に阻止できる。これによって、3つの遊技球が連球状態で投入されることを防止している。なお、この連球発生フラグ910aは、後述するように第1条投入ソレノイド作動フラグ907aが再設定されるまで(実質的に再投入動作が実施されるまで)設定された状態に維持される。
連球制御手段614aによって第1条投入ソレノイド作動フラグ907aが解除されると、通過時間エラー阻止フラグ変更手段652aによって通過時間エラー阻止フラグ保持手段651によって保持される第1条通過時間エラー阻止フラグ911aが設定される。
ここで、第1条通過時間エラー阻止フラグ911aを設定する理由について説明する。第3球が連球状態による通過センサ415aの通過でなければ、連球状態の発生と同じタイミングで第4球が上側素子415a2の通過を開始するために、通過時間エラー判定手段632aにおける第1条通過センサカウンタ909aに最大通過許容時間Tmが再設定される。しかし、正常通過判定手段622において通過開始時の位相変化の検知が行われないために、第1条通過センサカウンタ909aが再設定されない。したがって、第3球が上側素子415a1の通過を開始した時に設定された最大通過許容時間Tmが経過した後に、第4球の通過が上側素子415a1及び下側素子415a2のいずれかを通過中である可能性が発生し、その場合には、通過順序エラーの発生が防止されていても、通過時間エラーが発生する。そこで、第1条通過時間エラー阻止フラグ911aが設定されている期間については、第3球に対する通過許容時間Tmの経過後において第4球が上側素子415a1及び下側素子415a2のいずれかを通過中であったとしても通過時間エラーとなることを阻止している。具体的には、通過時間エラー判定手段は、第1条通過時間エラー阻止フラグ911aが設定されていれば(図40のS1701:Y)、通過センサカウンタ909aの値が「0」であるか否かを判定せず(S1702のスキップ)、通過センサカウンタ909aの値が「0」である場合であっても、通過センサカウンタが「0」以上である場合と同様の処理を行わせることによって、通過時間エラーの実行(S1722)を阻止している。
第1条通過時間エラー阻止フラグ911aは、後述するように第1条投入ソレノイド作動フラグ907aが再設定されるまで(実質的に再投入動作が実施されるまで)設定された状態に維持される。これは、本形態では、第1条投入ソレノイド作動フラグ907aが設定されるタイミングと実質的に同時に通過許容時間の計測が再開されるために、それまでの期間においてのみ通過時間エラー阻止フラグ911aを設定している。
また、連球制御手段614a〜614cによる第1条投入ソレノイド作動フラグ907aが解除されると、補助通過時間エラー阻止フラグ変更手段662によって補助通過時間エラー阻止フラグ保持手段661によって保持される第1条補助通過時間エラー阻止フラグ914aが設定される。
ここで、第1条補助通過時間エラー阻止フラグ914aを設定する理由について説明する。第3球が連球状態による投入カウントセンサ416aの通過でなければ、第3球が投入カウントセンサ通過を完了するタイミングで、補助通過時間エラー判定手段における第1条カウントセンサカウンタ913aに通過許容時間Tm’が再設定される。しかし、正常通過判定手段622aにおいて通過完了時の位相変化の検知が行われないために、第1条通過センサカウンタ909aが再設定されない。したがって、第2球が下側素子415a2の通過を完了した時に設定された通過許容時間Tm’が経過した後に、第3球又は第4球の通過がカウントセンサ416aを通過中である可能性が発生し、その場合には、通過順序エラーや通過時間エラーの発生が防止されていても、補助通過時間エラーが発生する。そこで、第1条補助通過時間エラー阻止フラグ914aが設定されている期間については、第2球に対する通過許容時間Tm’の経過後において第3球又は第4球がカウントセンサ416aを通過中であったとしても通過時間エラーとなることを阻止している。具体的には、補助通過時間エラー判定手段632aは、第1条補助通過時間エラー阻止フラグ914aが設定されていれば(S1801:Y)、カウントセンサカウンタ913aの値が「0」であるか否かを判定せず(S1802をスキップ)、カウントセンサカウンタ913aの値が「0」である場合であっても、それが「0」以上である場合と同様の処理を行わせることによって、補助通過時間エラーの実行(S1806)を阻止している。
第1条補助通過時間エラー阻止フラグ914aは、後述するように第1条投入ソレノイド作動フラグ907aが再設定されるまで(実質的に再投入動作が実施されるまで)設定された状態に維持される。これは、本形態では、第1条投入ソレノイド作動フラグ907が設定されるタイミングと実質的に同時に通過許容時間の計測が再開されるために、それまでの期間においてのみ補助通過時間エラー阻止フラグ914aを設定している。
連球制御手段614は、一旦、第1条投入ソレノイド駆動フラグ907aを解除した後、第2条及び第3条における遊技球の投入が終了し、第2条の第5球の通過の開始及び第3条の第5球の通過の開始のうち遅い開始の検知に応じて設定された最大通過許容時間の経過を監視する。具体的には、第1条投入通過センサカウンタ909a〜第3条通過センサカウンタ909cの全てが「0」になるのを監視する。
第1条連球制御手段614a〜第3条の連球制御手段614cによる第1条投入通過センサカウンタ909a〜第3条通過センサカウンタ909cの全てが「0」になったことの検知に応じて、遊技球振分手段603が、投入が未完に終わっている個数の遊技数を第1条〜第3条に振り分ける。なお、この振り分けは上記で説明した振分けと同一である。この再振分けにおいては、連球状態の発生によって投入予定個数の遊技球の投入を完了しなかった条を含む少なくとも1つの条から選択された少なくとも1つの条に、投入すべき個数の遊技球が再振り分けする。具体的には、投入が完了したと判定されなかった遊技球の個数が「3」であるために、第1条〜第3条の全ての投入予定個数が「1」に再設定され、各条の投入ソレノイド駆動フラグ907a〜907cが設定される。これによって、投入が未完に終わった遊技球と同数の遊技球の投入が再開されることとなる。連球発生フラグ910a、通過時間エラー阻止フラグ911a及び補助通過時間エラー阻止フラグ914aは、遊技球振分手段603による再振分の完了後に、それぞれ、連球制御手段614a、通過時間エラー阻止フラグ変更手段652a及び補助通過時間エラー阻止フラグ変更手段653aによって解除される。以後の動作は上記で説明したのと同一である。なお、再投入において投入開始時の総投入予定個数の遊技球が投入されなければ、再投入動作が繰返し行われる。
上記においては、第1条において連球状態が発生する場合について説明したが、第2条や第3条で連球状態が発生する場合についても同様の処理が実行される。以上の過程を経て、総投入予定個数の遊技球の投入が完了する。
総投入予定個数の遊技球の投入の完了後に、始動レバー124の操作に応じた始動開始信号が入力されると(t81)、始動開始信号の受信の検知から所定の時間Tc(本形態においては、300ms)の経過後に(t81’)、個数エラー判定手段631が、第1計数手段によって計数された通過済個数Aと第2計数手段によって計数された通過済個数Bとを比較し、通過済個数Bが通過済個数Aよりも少なければ、エラー制御手段613によって個数エラー処理が実行される(図37のS709)。上記のように、第1条の第3球及び第4球が連球状態で投入された場合、通過順序エラー及び通過時間エラーは発生しないものの第3球及び第4球は正常な通過ではないために第1計数手段607aによって計数されない。一方、第2計数手段609aによっては、補助通過時間エラーの発生を抑制することによって、第1条の第3球及び第4球の通過を含む全ての遊技球の通過が検知される。具体的には、図59に示されたように、上側素子415a1が第4球目の通過開始を検出した時点(t51)に正常な順序で各遊技球が通過しているという条件は満たされなくなる。このため、この時点から再び当該条の投入ソレノイド作動フラグ907aが設定されるまでの期間、第1計数手段607aは各遊技球の正常な通過でないために計数が行われない。つまり、第1計数手段607aでは第1条の第3球目及び第4球目の通過は計数されず、第1球目及び第2球目のみが計数されているために、投入個数保持手段604aが保持する当該条の投入予定個数は最初の投入予定個数「5」から通過済個数Aを減算した値である「3」となる。一方、第2計測手段609aは、時刻t23、t33、t43、t55に第1球目から第4球目までの遊技球の通過を検出する。したがって、連球状態による投入が発生した場合には、通過済個数Aと通過済個数Bとが異なる値となる。しかし、連球状態が発生した場合には、通過済個数Bが大きくなるために、上記の条件で通過済個数Aと通過済個数Bとを比較して個数エラーの判定を行った場合、連球状態の発生に起因する個数エラーが発生することはない。
このように、実施形態1の遊技機10においては、検出位相変化パターンが正常であるかどうかの判定を行うだけではなく、検出位相変化パターンが正常ではないと判定されたときにも、それが連球によるものであるか否かを判定するものとしている。連球は、遊技機の上皿302が空であるときに賞球や貸球等の払出しが行われ、払い出された遊技球が勢いよく遊技球案内路322a,322b,322cに流入するなどして起こるものであり、連球か否かを判定することによって、そのような場合に通過順序エラー、通過時間エラー及び補助通過時間エラーが生じているものと誤って判定して、それらのエラー処理が実行されてしまうのを防止することが可能となる。したがって、円滑な遊技進行を確保することができるとともに、遊技機の稼働率低下を防止することできる。
なお、上記実施形態1では、第2計数手段609a〜609cにおける通過済個数Bが、第1計数手段607a〜607cにおける通過済個数A未満である場合にのみ個数エラーを発生させる場合について説明したが、本発明においては、通過済個数Aと通過済個数Bが一致しない場合に個数エラーを発生させてもよい。しかし、上記において説明したように、このままでは始動レバー124の操作に応じた始動開始信号の検知(時刻t81)から所定の時間後に通過済個数Aと通過済個数Bとが一致しないことになり、個数エラー判定手段がその不一致に基づき異常検知信号をエラー処理実行手段112に出力することになる。これを避けるために、図62又は図63に示すように、更に、個数エラー阻止フラグ保持手段641a〜641cと個数エラー阻止フラグ変更手段642とを含む個数エラー阻止手段631を備える構成とし、個数エラー阻止フラグが設定されているときには、個数エラー判定手段631はエラー判定を行わないものとする。ここで、阻止フラグ変更手段642は、図64に示されたように、連球発生フラグ910a〜910cが設定されたときに個数エラー阻止フラグを設定する。個数エラー阻止フラグは設定状態を少なくとも通過済個数Aと通過済個数Bとの比較を行うまで維持される。遊技球数比較処理S1514において、図65に示されたように、いずれかの条の個数エラー阻止フラグが設定されている場合(1901:Y)には、通過済個数Aと通過済個数Bとの一致の判定(S1902)を行わずに、個数エラー阻止フラグを解除する(S1904)。これにより、連球の発生に起因して第1計数手段607a〜607cの通過済個数Aと第2計数手段609a〜609cの通過済個数Bとが一致しなくなり、誤って個数エラー処理が行われるのを防止することができる。なお、他の理由でずれた場合においては、個数エラー処理(S1903)が実行される。
なお、図62に示された制御を行う球式回胴遊技機では、連球が発生すると個数エラーを検知しないものとしたが、これに限らず、連球が発生したときには、連球制御手段614が通過済個数Aに値「2」を加算するようにして補正し(通過個数補正手段)、補正後の通過済球数Aと通過済球数Bとを比較してエラー判定を行うものとしてもよい。すなわち、連球の発生に起因して第1計数手段607a〜607cが、計数されない2球(第4球、第5球)分だけ補正するものである。このように、補正された通過済球数を用いてエラー判定を行うものとすることによって不正行為による遊技球の投入を連球として見逃してしまう危険性をより小さくすることができる。
〔第2の形態〕
本実施形態2は、連球が発生して投入動作が一旦中断されて、再び投入動作を開始した後の制御を上記実施形態1と異ならせたものであり、具体的には、投入動作の再開後に未投入球数を他の条に振り分けずに、連球が発生した条で未投入球数の投入を全て完了するように制御することを特徴とするものである。
図66は、本発明の実施形態2の特徴部分に係る機能ブロック図である。図67は、本発明の実施形態2の特徴部分に係る制御の一例を表わすタイミングチャートである。なお、図67は、総投入個数が15のときに第1条から第3条の各投入装置にそれぞれ5球ずつの投入個数が振り分けられ、第1条の第3球と第4球とが連球となった例を示している。
実施形態1と同様にして連球発生フラグ保持手段612Aに保持されたいずれかの条の連球発生フラグが設定されるのと実質的に同一のタイミングで、連球制御手段614Aa〜614Acは、連球状態が発生した条における遊技球の投入を直ちに中断するために、当該条の投入ソレノイド作動フラグ907a〜907cを解除する。連球制御手段614Aa〜614Acは、連球状態が発生した条に対応する通過センサカウンタ909a〜909cの値が「0」になったときに、投入個数保持手段604Aa〜604Acに保持された当該条の未投入の個数の遊技球を全て当該条により投入させるために、当該条の投入ソレノイド作動フラグ907a〜907cを設定する。
最終球判定手段608Aa〜608Acは、当該条の予定投入個数が「1」である状態で上側素子415a1,415b1,415c1が最終球の通過開始を検出したときに、対応する条の投入動作を停止させるために投入ソレノイド作動フラグ907を解除する。
このとき、連球の発生に起因して、個数エラー判定手段631、通過時間エラー判定手段632a〜632c、補助通過時間エラー判定手段633a〜633cが、エラー判定を行わないようにする点は、実施形態1と同様である。
〔第3の形態〕
本実施形態3は、連球が発生した後の制御を上記実施形態2と異ならせたものであり、具体的には、連球が発生したときに第1計数手段607Ba〜607Bcによるカウント値に2を加算して、各条における実際の投入数が投入予定個数と一致するように制御することを特徴とするものである。
図68は本発明の実施形態3の特徴部分に係る機能ブロック図である。図69は、本発明の実施形態3の特徴部分に係る制御の一例を表わすタイミングチャートである。なお、図69は、総投入個数が15のときに第1条から第3条の各投入装置にそれぞれ5球ずつの投入個数が振り分けられ、第1条の第3球と第4球とが連球となった例を示している。
実施形態1と同様にして連球発生フラグ保持手段612Bに保持されたいずれかの条の連球発生フラグが設定されるのと実質的に同一のタイミングで、連球制御手段614Ba〜614Bcは、連球が発生した条における遊技球の投入を直ちに中断するために投入ソレノイド作動フラグ907を解除し、投入個数保持手段604Ba〜604Bcに保持された当該条の投入予定個数及び総投入予定個数から値「2」を減算し、かつ第1計数手段607Ba〜607Bcで計数された通過済個数Aに値「2」を加算する。連球制御手段614Ba〜614Bcは、値「2」が減算された投入予定個数の遊技球を全て連球状態が発生した当該条により投入するように当該条の投入ソレノイド作動フラグ907を設定する。
前掲した通り、連球状態が検出される直前の遊技球(図69の第3球目)とそれに続く遊技球(図69の第4球目)については、第1計数手段607Ba〜607Bcが計数しないために、その2個分に関して当該条の投入予定個数、総投入予定個数及び通過済個数Aに対して補正を行っている。
当該条における遊技球の投入が再開されると、当該条の投入予定個数が「1」となった状態で上側素子415a1,415b1,415c1が最後の遊技球の通過開始を検出したときに、対応する条の投入動作を止めるように当該条の投入ソレノイド作動フラグ907を解除する。
このとき、連球状態の発生に起因して、通過時間エラー判定手段632a〜632c及び補助通過時間エラー判定手段633a〜633cが、エラー判定を行わないようにする点は、実施形態1と同様である。
このように、実施形態3では、実際の未投入球数と投入個数保持手段604a〜604cに保持された投入予定個数とを一致させるように補正が行われるので、連球の発生に起因して予定投入個数よりも実際の投入個数が多くなってしまうのを防止することができる。
なお、上記実施形態では、投入個数保持手段604Ba〜604Bcに保持された投入予定個数を補正する構成としたが、これに限らず、例えば連球発生フラグが設定されている間は、下側素子415a2,415b2,415c2が遊技球の通過完了(下流通過検出信号の立下り)を検出する毎に無条件(正常な通過か否かを問わず)に第1計数手段607Ba〜607Bcが当該条の投入予定個数、総投入予定個数及び通過済個数Aを更新する構成として、実際の投入個数と通過済個数Aと一致させてもよい。
〔第4の形態〕
本実施形態4は、連球が発生した後の制御を上記の実施形態1と異ならせた形態であって、連球発生後において連球発生タイミングに関わらず、所定の時間以上待機させてから再投入動作を実施することを特徴とするものである。なお、本実施形態4では、上記の実施形態1の場合と異なり個数エラーの判定を主制御装置45aのタイマ割込み処理において実行し、また、上記の実施形態1とは異なる方式で遊技球ベット処理を実行する場合について説明するが、再投入動作前に所定の時間以上待機させること以外は、実質的に同一である。また、払出制御基板37a及び副制御基板47aにおける制御は同一である。以下においては、実施形態1と異なる部分についてのみ詳細に説明する。
まず、主制御装置45aのタイマ割込み処理について説明する。図70は、主制御装置45aのタイマ割込み処理の一例を表すフローチャートである。主制御装置45aのタイマ割込み処理では、センサ監視処理S5007の内部処理が異なること及び通過センサカウンタ909a〜909cの更新(図33におけるS216〜S219)を行わないこと以外は実施形態1における主制御装置45aのタイマ割込み処理と同一である。なお、通過センサカウンタ909a〜909cの更新は、後述する遊技球ベット処理5306内で実行される。なお、本形態では、第1条〜第3条のカウントセンサカウンタ913a〜913cは用いられない。
ここで、センサ監視処理S5007について説明する。センサ監視処理S5007では、まず、払出動作中であるか否かが判定され(S5101)、また、払出制御基板37aからの払出カウント信号の受信が検知されているか否かが判定される(S5102)。払出動作中であるか否かは、具体的には、払出制御基板37aからの払出中信号の受信が検知されている場合には払出動作中と判定し、検知されていない場合には払出動作中でないと判定する。払出動作中でないにも関わらず払出カウント信号が受信されている場合には、正常な払出による遊技球の通過ではないと判定して、期間外払出エラーフラグが設定される(「期間外払出エラーフラグ設定処理」S5103)。なお、期間外払出エラーフラグが設定されると、後述する払出エラー処理において、エラー処理が実行されると共にエラー発生が報知されることとなる。
その後に、投入動作中であるか否かが判定され(S5104)、また、通過センサ信号が検知されているかが判定される(5105)。投入動作中であるか否かは、具体的には、投入動作期間フラグが設定されている場合には投入動作中と判定し、投入動作期間フラグが設定されていない場合には投入動作中でないと判定する。投入動作中でないにも関わらず通過センサ415a〜415cからの上流通過検出信号又は下流通過検出信号が受信されている場合には、正常な投入による遊技球の通過ではないと判定して、期間外投入エラーフラグが設定される(「期間外投入エラーフラグ設定処理」S5108)。なお、期間外投入エラーフラグが設定されると、後述する投入エラー処理において、エラー処理が実行されると共にエラー発生が報知される。次に、各種のセンサからの信号状態が変化している場合には、センサ検知情報を更新する(「センサ検知情報更新処理」S5109)。
センサ検知情報更新処理S5109の後に、カウントセンサ416a〜416cを正常に通過する遊技球の個数(通過済個数カウンタBの値)が計数される(「補助通過数計数処理」S5110)。ここで、補助通過数計数処理S5110について詳細に説明する。図72は、補助通過数計数処理の一例を表すフローチャートである。補助通過数計数処理S5110では、まず、いずれかの条からの補助通過検出信号の立下りが検知されていれば、通過済個数カウンタBの値が立下りを検知した条の数だけ加算された値に更新される(「補助通過数加算処理」S5201)。補助通過数加算処理S5201の後に、投入済個数カウンタA901の値と通過済個数カウンタB902の値とを比較するタイミングを決定するための個数比較タイマが設定されているか否かが判定される(S5202)。具体的には、個数比較タイマの値が、「0」を超えて大きい場合に個数比較タイマが設定されていると判定され、「0」である場合には個数比較タイマが解除されていると判定される。なお、個数比較タイマは、遊技者による始動レバー124の操作に応じて所定の値(本形態では、「203」)に設定される。個数比較タイマが設定されていない場合には、補助通過数計数処理S5110が終了する。一方、個数比較タイマが設定されていない場合には、個数比較タイマの値が現在値から「1」だけ減算した値に更新される(「個数比較タイマ更新処理」S5203)。個数比較タイマ更新処理S5203の後に、個数比較タイマが解除されたか否かが判定される(S5204)。個数比較タイマが解除された場合には、補助通過数計数処理S5110が終了する。一方、個数比較タイマが解除されていない場合には、再遊技状態であるか否かが判定されて(S5205)、再遊技状態である場合には補助通過計数処理S5110が終了する。
判定処理S5205において再遊技状態でないと判定された場合には補助通過数(投入済個数カウンタB902の値)が投入済数(投入済個数カウンタA901の値)以上であるか否かが判定される(S5206)。補助通過数が投入済数以上である場合には補助通過計数処理S5110が終了し、投入済数未満である場合には個数エラーフラグが設定された後に補助通過計数処理S5110が終了する。個数エラーフラグが設定されると、エラー処理が実施されると共に、個数エラーの発生が報知されることとなる。実施形態1の場合の個数判定の条件が補助通過数(投入済個数カウンタB902の値)と投入済数(投入済個数カウンタA901の値)との合致であったのと異なり、本実施形態4では、補助通過数が投入済数以上であることを条件としているために、連球状態の発生によって補助通過数が投入済数以上となったとしても個数エラーと判定されることはない。つまり、個数エラーの判定条件の相違によって実質的に個数エラーの発生を阻止している。
次に、主制御装置45aのメイン処理及び通常遊技処理(図35及び図36参照)について説明する。なお、これらにおいて、変動待機処理の内部処理のみが異なるためにその他の説明を省略する。図73は、変動待機処理の一例を表すフローチャートである。
変動待機処理S5304において、センサ監視処理S5306の内部処理が異なること及び投入球数比較処理(図37におけるS709)が行われないこと以外は実施形態1における主制御装置45aの変動待機処理と実質的に同一である。なお、投入球数比較処理と同様の処理は、上述のようにタイマ割込み処理のセンサ監視処理S5007において実行される。
ここで、遊技球ベット処理S5306について詳細に説明する。図74は、遊技球ベット処理の一例を表すフローチャートである。遊技球ベット処理S5306では、まず、マックスベットボタン304の操作可否を報知する発光装置(図示せず)や始動レバー124の操作可否を報知する発光装置132の発光を制御する(「スイッチLED発光制御処理」S5401)。具体的には、スイッチ点灯フラグの設定に応じて発光を制御する。
スイッチLED発光制御処理S5401の後に、投入許可状態であるか否かが判定される(S5402)。具体的には、マックスベットボタン304の操作可否を表す発光装置の点灯フラグが設定されているか否かが判定される。投入許可状態でない場合(投入禁止状態)には、本遊技球ベット処理S5406が終了する。一方、投入許可状態である場合には、投入開始か否かが判定される(S5403)。具体的には、1ベットボタン114又はマックスベットボタン304の操作に応じた1ベット操作信号又は最大ベット操作信号が立上り状態(オフ状態からオン状態への移行)であるか否かが判定される。なお、実際的な1ベット操作信号又は最大ベット操作信号のオン・オフ状態は、タイマ割込み処理のスイッチ読込処理S5006で監視されており、判定処理S5403では、スイッチ読込処理S5006で取得された情報を参照している。1ベット操作信号又は最大ベット操作信号が立上り状態でない場合には、本遊技球ベット処理S5306が終了する。
1ベット操作信号又は最大ベット操作信号が立上り状態である場合には、ベットが完了しているか否かが判定される(S5404)。具体的には、特別遊技状態におけるJACゲーム状態である場合には1ベット(5球の投入)が完了しているか否かが判定され、その他の遊技状態である場合には3ベット(15球の投入)が完了しているか否かが判定される(S206)。ベットが完了していない場合には、投入すべき遊技球の個数(投入予定個数)が決定される(S5405)。具体的には、既に投入が完了している遊技球の個数(投入済個数A)と、ベット操作信号の種類と、遊技状態の種類(JACゲーム状態か否か)とを参照して、投入予定個数が決定される。例えば、投入済個数Aが「0」であり、最大ベット操作信号の立上りが検知されている場合には、JACゲーム状態においては投入予定個数が「5」に設定され、JACゲーム状態以外においては投入予定個数が「15」に設定される。また、1ベットボタン114が操作されて5球が投入されたときやマックスベットボタン1304が操作されたにも関わらず球切れ等によって前回の投入動作で5球しか投入できなかったときに、最大ベット操作信号の立上りが検知された場合には、「15」から投入済個数カウンタA901の値「5」を減じた「10」が投入予定個数に設定される。投入予定数決定処理S207の後に、遊技球の投入を実質的に管理する処理が実行される(「投入監視処理」S5406)。
ここで、投入監視処理S5406について詳細に説明する。図75は、投入監視処理の一例を表すフローチャートである。投入監視処理S5406では、まず、投入予定個数を投入予定個数カウンタの値として設定し(「投入予定数決定処理」S5501)、全条における投入動作の許可設定が行われる(「全条投入許可設定処理」S5502)。投入動作の許可設定においては、具体的には各条の投入リトライフラグ(906a〜906c)が設定される。各条の投入リトライフラグ(906a〜906c)が「1」の場合は投入が許可された投入許可状態を表し、「0」の場合は投入禁止状態を表している。全条投入許可設定処理S302の後に、初投入動作時に実行されると共に、必要に応じて初回の投入動作に引き続き行われる再投入動作時に実行されるループ処理(S5503〜S5517)に移行する。
ループ処理において、まず、投入監視情報が初期化される。具体的には、投入予定個数カウンタ(904a〜904c)(条別の投入予定数)の各々が「0」に設定され、各条の投入ソレノイド作動フラグ(907a〜907c)(通過規制作動フラグ)の各々が解除され、条別の通過許可期間の各々の残り時間に相当する条別の通過許可残時間情報(通過センサカウンタ909aの値)が「0」に設定され、条別の参照位相の各々として第1位相(位相情報値「0」)が選択される(S5503)。
参照位相は、正常判定用位相変化パターンから選択される位相(位相情報値:「0」〜「3」)である。なお、正常判定用位相変化パターンは、第1位相(位相情報値「0」)、第2位相(位相情報値「2」)、第3位相(位相情報値「3」)及び第4位相(位相情報値「1」)のこの順序での順序列で構成され。また、連球判定用位相パターンは、第2位相及び第3位相で構成される。
投入動作期間を終了するか否かを、投入予定個数の遊技球の投入が完了しているか否かの判定(S5504)と、再投入動作が許可されている条があるか否かの判定(S5505)とによって判断する。投入予定数の遊技球の投入が完了しておらず、かつ、投入が許可されている条がある場合には、次の処理に移行する。一方、それ以外の場合、つまり、投入予定数が投入されていれば再投入動作を行う必要がないために、また、投入が許可されている条がない場合には投入動作自体が続行できないために、本投入監視処理S5406が終了する。
判定処理S5505の後に、連球発生フラグが設定されているかが判定される(S5506)。連球発生フラグが設定されている場合には、後述の再投入開始待機処理S5508に移行し、連球発生フラグが設定されていない場合には、全条の投入リトライフラグ906a〜906cが全て設定されているか否かが判定される(S5507)。球切れの発生又は連球の発生による再投入動作である場合には、所定の時間(本形態では、54回の1.49ms間隔のタイマ割込みに相当する約80ms)だけ待機する(「再投入開始待機処理」S5508)。
再投入開始待機処理S5508の後に、投入予定数を投入許可条の各々で個数が2以上異ならないように実質的に均等に振り分けて、各投入許可条で投入すべき遊技球の個数(投入予定個数カウンタ904a〜904cの値)が決定されると共に、他の投入監視情報の各々が所定の投入開始時用の初期情報に設定される(「投入予定数振分処理」S5509)。振分投入予定個数の決定においては、上皿302に流入した遊技球は、構造的に、第3条の遊技球投入部410aに最も流入し易く、第1条の遊技球投入部410aに最も流入し難くなっているために、第3条に振り分けられる遊技球の個数が第1条及び第2条に振り分けられる遊技球の個数以上であり、かつ、第2条に振り分けられる遊技球の個数が第1条に振り分けられる遊技球の個数以上となるように優先順位を付けて振り分けている。また、各条の投入予定個数カウンタ904a〜904cの値が「1」以上であるすべての条に対して、投入ソレノイド作動フラグ(907a〜907c)が設定され、通過センサカウンタ909a〜909cの値に「203」が設定され、参照位相が第1位相に設定される。
投入予定数振分処理S5509の後に、タイマ割込みが実行されるまで待機して(「タイマ割込み待機処理」S5510)、タイマ割込みの完了に応じて、返却操作が開始されたか否かが判定される(S5511)。返却操作の開始と判定された場合には、投入を中止する処理が実行される(「投入中止処理」S5518)。
判定処理S5511において返却操作の開始ではないと判定された場合には、いずれかの条が通過許可期間中であることを表す投入動作中フラグ(投入動作中情報)が解除される(「投入中情報初期化処理」S5512)。投入動作中フラグは、後述の第1条投入制御処理S5513、第2条投入制御処理S5514、第3条投入制御処理S5515において各条の通過許可期間が終了していない場合に設定される。投入中情報初期化処理S5512の後に、第1条に対する投入制御処理、第2条に対する投入制御処理及び第3条に対する投入制御処理が実行される(「第1条投入制御処理」S5513,「第2条投入制御処理」S5514,「第3条投入制御処理」S5515)。投入中情報初期化処理S5512及び第1条から第3条の投入制御処理S5513〜S5515は、タイマ割込み間隔で1度ずつ実行される。なお、第1条投入制御処理S5513,第2条投入制御処理S5514,第3条投入制御処理S5515の詳細については、本投入監視処理S5406の全体的な説明後に記載する。
第3条投入制御処理S5515の後に、各条の投入ソレノイド作動フラグ(907a〜907c)を参照して、全条の投入ソレノイド414a〜414cの駆動を制御する(「全条投入ソレノイド駆動処理」S5517)。各条の投入ソレノイド作動フラグ(907a〜907c)は、投入予定数振分処理S5509において解除状態から設定状態に変更される場合があり、第1条投入制御処理S5513、第2条投入制御処理S5514、第3条投入制御処理S5515において設定状態から解除状態に変更される場合がある。全条投入ソレノイド駆動処理S5516の後に、全条の投入動作が終了したか否かが判定される(S5517)。具体的には、投入動作中フラグ(投入動作中情報)が設定されていない場合に全条の投入動作が終了したと判定される。これは、全条の通過許可期間が終了していること、つまり、全条の通過センサカウンタ909a〜909cの値が「0」であることと同義である。
ここで、第1条投入制御処理S5513、第2条投入制御処理S5514、第3条投入制御処理S5515について詳細に説明する。なお、第2条投入制御処理S5514、第3条投入制御処理S5515は、第1条投入制御処理S5513と実質的に同一であるために、第1条投入制御処理S5513の説明における「第1条」なる文言を第2条投入制御処理S5514では「第2条」と、第3条投入制御処理S5515では「第3条」と読み替えることとして、その詳細な説明を省略する。図75は、第1条投入制御処理の一例を表すフローチャートである。
第1条投入制御処理S5513では、まず、第1条の通過許可期間中であるか否かが判定される。具体的には第1条の通過センサカウンタ909aの値が「0」であるか否かが判定される(S5601)。第1条の通過センサカウンタ909aの値が「0」である場合は第1条の通過許可期間外を意味し、第1条の通過センサカウンタ909aの値が「0」を超えて大きい場合は第1条の通過許可期間内を意味する。判定処理S5601の後に、第1条の位相が変化したかが判定される(S5602)。具体的には、直前のタイマ割込み処理のスイッチ読込処理S5006で読み込まれた第1条の位相が正常な位相パターンのうちの現在選択されている第1条の位相(以下、第1条の参照位相と称す)と同一であるか否かが判定される。
判定処理S5602において第1条の位相に変化がないと判定された場合には、第1条の通過許可期間が今回の第1条投入制御処理S312において終了するか否かが判定される(S5603)。具体的には、第1条の通過センサカウンタ909aの値の現在値から「1」だけ減算した値が「0」であるかによって判定される。なお、ここでは、第1条の通過センサカウンタ909aの値は更新されない。第1条の通過許可期間が終了すると判定された場合には、第1条の通過センサカウンタ909aの値が「1」だけ減算された値に更新される(「通過許可時間更新処理」S5604)。一方、第1条の通過許可期間が終了しないと判定された場合には、第1条が投入禁止状態であるか否かが判定される(S5605)。具体的には、第1条の投入ソレノイド作動フラグ907aが設定されているか否かが判定される。第1条の投入ソレノイド作動フラグ907aが設定されている場合には第1条の投入フリッカ413aが既に遊技球の流下を禁止しているか、禁止するために移動中であるかを意味し、第1条の投入ソレノイド作動フラグ907aが設定されていない場合には、第1条の投入フリッカ413aが遊技球の流下を許可しているか、許可するために移動中であるかである。判定処理S5603において肯定判定される場合としては、例えば、(1)第1番目に投入されるべき遊技球が投入予定数振分処理S5609で設定された第1条の通過許可期間内に第1条の通過センサ415aの通過を開始しない場合(球切れの場合)や、(2)第1番目に投入されるべき遊技球が投入予定数振分処理S5609で設定された第1条の通過許可期間内に第1条の通過を開始しない場合(球詰まりの場合)や、先行遊技球の第1条の通過センサ415aの通過開始時に延長された第1条の通過許可期間(後述する通過許可期間延長処理S5619で設定)内に後続球が第1条の通過センサ415aの通過を開始しない場合(球切れの場合)や、(4)先行球の通過開始時に延長された第1条の通過許可期間(後述する通過許可期間延長処理S5619で設定)内に後続球が第1条の通過センサ415aの通過を完了しない場合(球詰まりの場合)が挙げられる。既に第1条が投入禁止状態である場合には、第1条の通過許可時間更新処理S5604により第1条の通過センサカウンタ909aの値が「1」だけ減算された値に更新される。
判定処理S5605において第1条が通過禁止状態でないと判定された場合には、第1条による再投入を禁止するために第1条の投入リトライフラグ906が解除される(「再投入禁止設定処理」S5606)。なお、第1条の通過許可期間が満了予定であるにも関わらず通過許可状態である場合、第1条において投入されるべきであった少なくとも最後の遊技球の通過が開始されていないために再投入が実行されることとなるが、第1条による再投入は行われないこととなる。
再投入禁止設定処理S5606の後に、遊技球が第1条の通過センサ415aを通過中であるか否かが判定される(S5607)。遊技球が第1条の通過センサ415a通過中である場合は、球詰まりや不正投入装置(図示せず)を用いた不正行為等によって遊技球が第1条の通過許可期間内に第1条の通過センサ415aの通過を完了していない場合であるので、球式回胴遊技機10の遊技進行を停止させると共に通過時間エラーの発生を報知するために通過時間エラーコマンドがリングバッファに格納される(「通過時間エラー処理」S5608)。一方、遊技球が通過中でない場合は、第1条における球切れによる第1条の通過許可期間満了予定であるためにエラーとはせずに、第1条の通過センサ415a投入ソレノイド作動フラグ907を解除し(「通過規制情報変更処理」S5609)、第1条の通過センサカウンタ909aの値に「140」を設定することによって実質的に約200msに相当する時間だけ第1条の通過許可期間を延長する(「通過許可期間延長処理」S5610)。
判定処理S5602で第1条の位相に変化があると判定された場合には、正常な位相変化であるか否かが判定される(S5611)。具体的には、直前のタイマ割込み処理のスイッチ読込処理S5006で検知された第1条の検出位相が、正常判定用位相変化パターンにおいて第1条の参照位相の次に順序付けられた位相と同一である場合に正常な位相変化であると判定され、異なる場合に正常な位相変化でないと判定する。判定処理S5611において第1条の位相変化が正常でないと判定された場合には、直前のタイマ割込み処理のスイッチ読込処理S5006で検知された第1条の検出位相が、連球判定用位相変化パターンとしての連球位相(第3位相及び第4位相いずれか)と同一であるか否かが判定される(S5612)。第1条の検出位相が連球位相とも異なる場合には、球式回胴遊技機10の遊技進行を停止させると共に、通過順序エラーの発生を報知するために通過順序エラーコマンド(エラーコマンドの一種)がリングバッファに格納される(「通過順序エラー処理」S5613)。
判定処理S5611において第1条の位相変化が正常であると判定された場合には、第1条の参照位相が、正常な位相パターンにおける順序に従って現在選択されている位相から次の位相に循環的に更新される(「参照位相更新処理」S5614)。例えば、第1条の参照位相は、現在選択されている位相が第1位相である場合には第2位相に更新され、現在選択されている位相が第4位相である場合には第1位相に更新される。
参照位相更新処理S5614の後に、遊技球の通過完了であるか否かと遊技球の通過開始であるか否かとが判定される(S5615,S5616)。具体的には、判定処理S5615において、第1条の位相が第1位相である場合に通過完了であると判定され、第1条の位相が第1位相である場合に通過完了でないと判定される。また、判定処理S5616において、第1条の位相が第2位相である場合に通過開始であると判定され、第1条の位相が第2位相でない場合に通過開始であると判定される。
判定処理S5616において遊技球の通過開始であると判定された場合には、第1条の通過センサS415aの通過を開始した遊技球が第1条の最終球であるか否かが判定される(S5617)。具体的には、第1条の投入予定個数カウンタの値を「1」だけ減じた値が「0」である場合には通過を開始した遊技球は第1条の最終球であると判定され、その値が「0」でない場合には通過を開始した遊技球は第1条の最終球でないと判定される。なお、この時点では第1条の投入予定個数カウンタの値は更新されない。第1条の最終球の通過開始である場合には、第1条の投入フリッカ413aによる流入を禁止させるために第1条の投入ソレノイド作動フラグ907を解除して(「通過規制情報変更処理」S5618)、第1条の通過センサカウンタ909aの値に「203」が設定されて第1条の通過許可期間が延長される(「通過許可期間延長処理」S5619)。なお、第1条の投入フリッカ413aの流入許可状態から流入禁止状態への状態移行の駆動は、第1条の投入ソレノイド作動フラグ907の解除後に実行される全条投入ソレノイド駆動処理S5516(図75参照)において行われる。一方、第1条の最終球の通過開始でない場合には、通過規制情報変更処理S5618がスキップされて、通過許可期間延長処理S5619が実行される。
判定処理S5616において遊技球の第1条の通過開始でないと判定された場合には、判定処理S5602において第1条の位相に変化がないと判定された場合と同様に、通過判定処理S5603〜通過許可期間延長処理S5610が実行される。
判定処理S5615において遊技球の第1条の通過完了であると判定された場合には、総投入個数カウンタ903の値が現在値から「1」だけ減算した値に更新され(「全投入残数更新処理」S5620)、投入済個数カウンタA901の値が現在値に「1」だけ加算した値に更新され(「全投入済数更新処理」S5621)、投入数やベット数等のベット情報の表示を必要に応じて更新し(「ベット情報更新処理」S5622)、第1条の投入予定個数カウンタの値を現在値から「1」だけ減算した値に更新する(「条別投入残数更新処理」S5623)。条別投入数更新処理S5623の後に、第1条の通過センサ415aの通過を完了した遊技球が第1条の最終球であるか否かが判定される(S5624)。具体的には、第1条の投入予定個数カウンタ904aの値が「0」である場合に通過を完了した遊技球は第1条の最終球であると判定され、第1条の投入予定個数カウンタ904aの値が「0」でない場合に通過を完了した遊技球は第1条の最終球でないと判定される。判定処理S5624において第1条の最終球の通過完了であると判定された場合には、第1条の通過センサカウンタ909aの値に「0」が設定される。これによって、第1条の通過許可期間が終了する。一方、第1条の最終球の通過完了でない場合には、判定処理S5602において第1条の位相に変化がないと判定された場合や判定処理S5616において第1条の通過開始でないと判定された場合と同様に、通過判定処理S5603〜許可期間延長処理S5610が実行される。
判定処理S5612において第1条の位相が連球判定用通過パターンにおける連球位相と同一であると判定された場合には、連球発生フラグが設定され(S5626)、第1条の投入ソレノイド作動フラグ907aが解除され(「通過規制情報変更処理」S5627)、かつ、通過許可期間が強制的に終了する(「通過許可期間終了処理」S5628)。なお、実施の形態1〜3における条別の連球発生フラグと異なり、本形態の連球発生フラグは、第1条から第3条に共通のフラグである。つまり、本形態の連球発生フラグは、第1条から第3条までのいずれかの条において連球状態が発生すれば設定され、全条で連球状態が発生しなければ解除状態を維持する。
第1条の通過許可期間に関する処理(通過許可時間更新処理S5604、通過許可期間延長処理S5610,S5619及び通過許可期間終了処理S5625)の後に、第1条の通過許可期間が終了しているか否かが判定される(S5629)。具体的には、第1条の通過センサカウンタ909aの値が「0」である場合には第1条の通過許可期間が終了している(通過許可期間外)と判定し、それが「0」でない場合には第1条の通過許可期間が終了していない(通過許可期間内)と判定する。第1条の通過許可期間が終了している場合には、本第1条投入制御処理S5513が終了し、第1条の通過許可期間が終了していない場合には、投入動作中フラグが設定されて(「投入動作中情報設定処理」S5630)、その後、本第1条投入制御処理S5513が終了する。上記のように、第1条投入制御処理S5513は、判定処理S5601〜投入動作中情報設定処理S5630を含んでいる。
図74に示されたように、投入監視処理S5406の後に、上記の投入監視処理S5406内での制御に応じてベットボタンLEDや始動レバーLEDの設定を変更する必要が生じた場合には、これらの表示を変更させるために各種のLEDの設定を更新する(「スイッチ点灯フラグ更新処理」S5407)。スイッチ点灯フラグ更新処理S5407の後に、投入中返却状態であるか否かが判定される(S5408)。具体的には、遊技者による上皿球返却レバー386の操作に基づく返却スイッチ信号がオン状態である場合に投入中返却状態と判定されて、返却スイッチ信号がオン状態である場合に投入中返却状態でないと判定される。投入中返却状態である場合には、返却スイッチ信号がオフ状態に移行するまで待機すると共に、オフ状態への移行後に所定の時間だけ更に経過するまで待機する(「上皿貯留球返却完了待機処理」S5409)。待機が完了すると、既に遊技球の投入が行われている場合には、具体的には、投入済数が「0」でない場合には、投入された個数と同数の遊技球を払い出させるために、投入球払出コマンド(払出コマンドの一種)が設定される(「投入球返却処理」S5410)。なお、投入球返却処理S5410は返却処理S5305(図53)と同一の処理である。投入球払出コマンドは払出制御基板1037aに送信されることとなり、払出制御基板1037aでは投入球払出コマンドの受信に応じて払出装置1033から投入済数と同数の遊技球を払い出させる。
その後、各種のベットボタン114,304が操作されたとしてもその操作に応じた処理を実行させない期間を決定する投入禁止タイマが設定される(「投入禁止タイマ設定処理」S5411)。これによって、所定の時間が経過するまでは各種のベットボタンの操作が無効化される。投入禁止タイマ設定処理S213の後に、補助通過許可期間が設定される。具体的には、補助通過許可残時間情報(カウントセンサカウンタに相当)に「203」(約300ms)が設定される。なお、補助通過許可残時間情報は、タイマ割込み処理におけるセンサ監視処理S5007において、補助通過許可時間情報が「0」を越えて大きい場合に、タイマ割込み処理の実行ごとに「1」だけ減算された値に更新される。補助通過許可期間は遊技球の通過を正常な通過として許容し、その通過個数が計数される期間である。なお、投入動作中においても、遊技球の通過を正常な通過として許容し、その通過個数が計数される。補助通過許可期間設定処理S214の後に、投入動作中である場合には投入動作期間フラグが解除されて、投入動作期間が完全に終了する(「球処理状態更新処理」S215)。上記のように、遊技球ベット処理S1405は、判定処理S401〜投入動作中情報設定処理S428を含んでいる。
遊技球ベット処理S5306の終了後に、図74に示されたように、ベット数が最大規定数である変動許可状態であるか否かが判定される(S5307)。変動許可状態でない場合には、投入エラー処理S5303から判定処理S5307までが繰り返される。一方、変動許可状態である場合には、始動レバー1124の操作に応じた変動開始信号が受信されているか否かが判定される(S5308)。変動開始信号が受信されていない場合には、投入エラー報知処理S5303から判定処理S5308までが繰り返される。一方、変動開始信号が受信されている場合には、本変動待機処理S604が終了する。以上で説明したように処理過程(S5301〜S5309)を経て、変動待機処理S604が完了する。
上記の制御処理に従った本形態の投入制御について概ね時系統に沿って説明する。なお、再投入動作を行うことなく投入動作が完了する場合について説明した後に、連球状態の発生により再投入動作を行う場合について説明する。また、参考のために、連球状態の発生に起因する再投入動作と球切れの発生に起因する投入動作との相違を説明する。図77は、再投入動作が行われずに投入が完了する投入動作の一例を表すタイミングチャートである。
投入許可状態(S203:Y)にける遊技者によるマックスベットボタン1304の操作に基づくマックスベット操作信号(「ベット指示」の一種)の立上りの検知(ta)に応じて(S5403:Y)、まず、通常遊技状態の場合には「15」から投入済個数カウンタAの値を減じた値が、一方、特別遊技状態におけるJACゲームの場合には「5」から投入個数カウンタAを減じた値が、投入予定数として設定される(S5405)。なお、前回の投入制御で投入予定数の投入が完了している場合には、マックスベット操作信号を検知しても実質的な処理を行わない。投入予定数を第1条、第2条及び第3条のうち投入可能な条(以下、「投入許可条」と称す)に振り分けて条別の投入予定個数カウンタ904a〜904cの値が決定される。
投入予定数の振分の完了後に、第1条の通過センサカウンタ909aの更新を実質的に開始させる(tb)。具体的には、第1条の通過センサカウンタ909aの値に所定の時間(本形態では、約300ms)に対応する値(本形態では、「203」)が設定される。なお、通過センサカウンタ909aの値は、「0」以上の値である場合にタイマ割込みごとに、つまり、実質的に1.49msごとに「1」だけ減算される(S5604)。また、第1条の投入ソレノイド作動フラグ907aの設定に応じて、第1条の投入ソレノイド414aへの通電が開始されて第1条の投入フリッカ413aが作動することとなり(S5516)、球通路402aにおける遊技球の通過が許可されて第1条における遊技球の投入が実際的に開始される。なお、第1条の投入ソレノイド作動フラグ907aが解除されるまで、第1条の投入ソレノイド413aへの通電を維持する。同様に、第2条及び第3条における遊技球の投入が実際的に開始される(S5616)。以下においては、図77に示されたように、第1条、第2条及び第3条の投入予定個数カウンタ904a〜904cの各々の値が「5」である場合について説明する。
遊技球の通過が許可されると、球通路402aから排出通路406aへの遊技球の流下が開始される。なお、第1条の上流通過検出信号及び下流通過検出信号の出力状態は、定期的に監視されており(S1108)、タイマ割込みごとに、前々回の第1条の検出位相及び前回の第1条の検出位相を前回の第1条の検出位相及び今回の第1条の検出位相が更新される。
遊技球の流下が開始されると、第1条の検出位相が変化するまで(S5602:Y)、タイマ割込み間隔ごとに第1条通過投入制御処理(S5514)が実行されて、その度に通過センサカウンタ909aの値(通過許可残時間情報)が「1」だけ減算される(S5604)。また、第1条の通過センサカウンタ909aの値は「0」ではない(S427)ために、投入動作中フラグ(投入動作中情報)が設定される。投入動作中フラグは、第1条に固有の情報ではなく、第2条及び第3条に共通の情報であり、投入動作中フラグが判定時(S318)に「0」であれば、全条における通過センサカウンタ909aの値が「0」であることを意味する。また、投入動作中フラグは、全条に対する投入制御処理S314〜S316の一巡に応じて「0」に初期化される。なお、実施の形態1〜3においてはこのフラグは使用されていない。投入作動中フラグが設定された後に、今回の第1条投入制御処理(S5514)において投入ソレノイド作動フラグ907aが解除されていないために第1条の投入ソレノイド413aの状態は変化しない(S5516)。また、投入動作中フラグが設定されているために、全条における通過許可期間が終了したとは判定されず(S5517:N)、タイマ割込み処理の実行を待って次回の第1条投入制御処理(S5514)が実行される。
なお、図77とは異なり、第1条の検出位相が変化しないまま(S5602:N)、第1条の通過許可期間が終了する場合(通過センサカウンタ909aの値が「1」である場合)(S5603)には、第1条の投入フリッカ413aが通過禁止状態である投入禁止状態でないために、投入されるべき遊技球が第1条の球通路402aに無いと判断して、後述する球切れ時の処理が実行される。なお、球切れ時の処理の詳細については後述する。また、図77とは異なり、第1条の通過センサカウンタ909aの値が「0」である場合(S5629:Y)には、投入動作中フラグは設定されない(S5630のスキップ)。また、図77とは異なり、第1条の投入ソレノイド作動フラグ907aが解除された場合(S5609)には第1条の投入ソレノイド413aが通過禁止状態に移行する(S5516)。また、図77とは異なり、投入動作中フラグが設定されていない場合には、全条における通過許可期間が終了したと判定して(S5517:N)、初投入動作期間が終了する。なお、所定の条件を満たす(S5504:Y,S5505:N)場合に再投入動作に移行し、所定の条件を満たさない場合には投入動作が終了する。なお、初投入動作期間の終了後の処理の詳細については後述する。
第1条の通過許可期間内(S5601:Y)に第1条の上流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行し(t11)、この位相変化は正常な位相変化であるので(S5611:Y)、第1条の参照位相が第1位相(位相情報値「0」)から第2位相(位相情報値「2」)に更新される(S5614)。また、最終球でない(S5618:N)第1球の通過開始(S5616:Y)であるので、第1条の通過センサカウンタ909aの値が所定の時間Taに対応する値に再設定される(S5619)。第1球の通過開始後において通過センサカウンタ909aの値が「0」となるまでの期間が第1条の通過許可期間である。なお、この期間は、第1条における第1球の通過開始の時点から第1条の第2球の通過センサ415aの通過開始の時点までの最大許容期間を兼ねている。第1条の通過センサカウンタ909aの値は「0」ではない(S5629:N)ために、投入動作中フラグが設定される(S5630)。
なお、図77とは異なり、検出位相に位相変化があったにも関わらず、正常な位相変化と判定されない場合(S5611:N)には、連球状態の位相変化であるか否かが判定されて(S5612)、連球状態の位相変化でない場合(S5612:N)には通過順序エラー処理が実行され(S5613)、一方、連球状態の位相変化である場合には連球発生時の処理が実行される。
その後、第1条の通過許可期間内(S5601:Y)に第1条の下流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行し(t12)、この位相変化は正常な位相変化であるので(S5611:Y)、第1条の参照位相が第2位相(位相情報値「2」)から第3位相(位相情報値「3」)に更新される(S5614)。また、通過センサ415aの通過開始でも通過完了でもなく(S5615:N,S5616:N)、通過許可期間の終了でもない(S5603:N)ために、第1条の通過センサカウンタ909aの値が「1」だけ減算される(S5604)。また、減算後の第1条の通過センサカウンタ909aの値は「0」ではない(S5629)ために、投入動作中フラグが設定される(S5630)。
その後、第1条の通過許可期間内(S5601:Y)に第1条の上流通過検出信号がオン状態からオフ状態に移行し(t13)、この位相変化は正常な位相変化であるので(S5611:Y)、第1条の参照位相が第3位相(位相情報値「3」)から第4位相(位相情報値「1」)に更新される(S5614)。また、通過センサ415aの通過開始でも通過完了でもなく(S5615:N,S5616:N)、通過許可期間の終了でもない(S5603:N)ために、第1条の通過センサカウンタ909aの値が「1」だけ減算される(S5604)。また、減算後の第1条の通過センサカウンタ909aの値は「0」ではない(S5629)ために、投入動作中フラグが設定される(S5630)。
なお、図77とは異なり、正常な位相変化でもなく連球状態の位相変化でもないと判定された場合(S5611:N,S5612:N)には、通過順序エラー処理が実行される(S5613)、正常な位相変化でないが連球状態の位相変化であると判定された場合(S5611:N,S5612:Y)には、連球発生時の処理が実行される。また、図77とは異なり、通過許可期間の終了であると判定された場合(S5603:Y)には、第1条を投入許可条としないために投入リトライフラグ906aが解除され(S5609)、第1条の通過センサ415aの通過中である(S5607:Y)ために通過時間エラー処理が実行される(S5608)。
その後、第1条の通過許可期間内(S5601:Y)に第1条の下流通過検出信号がオン状態からオフ状態に移行する(t14)、この位相変化は正常な位相変化であるので(S5611:Y)、第1条の参照位相が第4位相(位相情報値「1」)から第1位相(位相情報値「0」)に更新される(S5614)。このとき、第2球は、まだ、第1条の上側素子415a1には到達しておらず、第1条の上流通過検出信号はオフ状態を維持している。また、第1球の通過センサ415aの通過完了が検知された(S5615:Y)ために、全条共通の投入残数が「1」だけ減算され(S5620)、全条共通の投入済数が「1」だけ加算され(S5621)、かつ、第1条の投入予定個数カウンタ904aの値が「1」だけ減算される(S5623)。また、ベット数やベット数表示を必要に応じて更新する(S5622)。その後、第1球は最終球でなく(S5624:N)、また、第1条の通過許可期間の終了でもない(S5603:N)ために、第1条の通過センサカウンタ909aの値が「1」だけ減算される(S5604)。また、減算後の第1条の通過センサカウンタ909aの値は「0」ではない(S5629)ために、投入動作中フラグが設定される(S5630)。
なお、図31とは異なり、第1条の通過許可期間の終了であると判定された場合(S5603:Y)であっても、第1条の投入フリッカ413aが既に通過禁止状態(投入禁止状態)であるために、通過時間エラー処理(S410)が実行されることなく、第1条の通過センサカウンタ909aの値が「1」だけ減算される。また、図77とは異なり、第1条において第1球が最終球である場合には、第1条の通過センサカウンタ909aの値が強制的に「0」に設定されて、第1条の投入許可期間が終了する(S5625)。これによって、第1条における初投入動作が完了することとなる。
第1条の通過センサ415aの通過を完了した第1球は、排出通路406aを更に流下して、第1条のカウントセンサ416aに向かう。第1条のカウントセンサ416aの通過が開始されるとカウントセンサ信号がオフ状態からオン状態に移行する(t15)。カウントセンサ信号がオン状態からオフ状態への移行(t16)によって第1条のカウントセンサ416aの通過完了が検知されると、投入済個数カウンタBが「1」だけ加算される(S5201)。なお、本形態では、条別にカウントセンサ(416a〜416c)を通過する遊技球の個数は計測しておらず、カウントセンサ416a〜416cを通過する遊技球の総数のみを計測している。
第2条及び第3条についても第1条の場合と実質的に同一の過程を経て、第2条及び第3条に対する第1球の投入が完了する(t14’,t14”)。また、第1条、第2条及び第3条に対する第2球〜第4球も第1条の第1球と同様の過程を経ることによってそれらの投入が完了する(t24〜t44,t14’〜t44’,t14”〜t44”)。以下においては、最終球である第5球の投入について、最終球でない場合と相違する処理についてのみ詳細に説明する。
第1条の通過許可期間内(S5601:Y)に第1条の上流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行し(t51)、この位相変化は正常な位相変化であるので(S5611:Y)、第1条の参照位相が第1位相(位相情報値「0」)から第2位相(位相情報値「2」)に更新される(S5614)。また、最終球である(S5618:Y)第1球の通過開始(S5616:Y)であるので、第1条の投入ソレノイド作動フラグ907aが解除された後に(S5618)、第1条の通過センサカウンタ909aの値が所定の時間Taに対応する値に再設定され(S5619)、投入動作中フラグが設定される(S5630)。
その後、第1球の場合と同様に、第1条の通過許可期間内(S5601:Y)に第1条の下流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行し(t52)、その後、第1条の通過許可期間内(S5601:Y)に第1条の上流通過検出信号がオン状態からオフ状態に移行し(t53)、更にその後、第1条の通過許可期間内(S5601:Y)に第1条の下流通過検出信号がオン状態からオフ状態に移行する(t54)。第1球の場合と同様に、第5球の通過センサ415aの通過完了の検知(S5615:Y)に応じて、総投入個数カウンタ903の値の更新(S5620)、投入済個数カウンタA901の値の更新(S5621)、第1条の投入予定個数カウンタ904aの値の更新(S5623)、ベット数やベット数表示の更新(S5622)、第1条の投入予定個数カウンタ904aの値の更新が行われる(S5620〜S5623)。更に、第5球は最終球である(S5624:Y)ために、第1条の通過センサカウンタ909aの値が強制的に「0」に設定され(S5604)、投入動作中フラグが解除された状態を維持することとなる(S5630)。
第1条における初投入動作が完了した時点において、図77に示されたように、既に第2条及び第3条における遊技球の初投入動作は完了しているために、今回の第2条投入制御処理S5514及び第3投入制御処理S5515においても投入動作中フラグが設定されないために、全条の通過許可期間が終了したと判定される(S5517:Y)。これによって、初投入動作期間が終了し、実質的に同時に投入動作期間フラグが解除されて投入動作期間が終了する(tc;S5413)。なお、投入動作期間の終了に先立ち、マックスベットボタン1304の操作に応じた処理を実行しない投入禁止期間を設け(S5411)、また、第1条のカウントセンサ416aを通過する遊技球の個数を計数する期間を所定の時間Tbだけ延長させるために、補助通過許可期間が設定される(S5412)。なお、第1条の第5球は投入動作期間が終了した(S5104:N)後に、第1条のカウントセンサ416aを通過完了する(t56)が、補助通過許可期間内であるために(S5106:Y)、期間外投入エラーフラグが設定されることはない(S5108のスキップ)。
所定数の投入予定数の遊技球の投入が完了した後の始動レバー112の操作(te)に応じて個数比較タイマが設定され、始動レバー112の操作(te)から所定の時間Tcが経過した際(tf)に、投入済個数カウンタA901の値と投入済個数カウンタB902の値とが所定の条件(投入済個数カウンタA901の値≦投入済個数カウンタB902の値)を満たすかを判定し(S5206)、所定の条件を満たさない場合には、個数エラーと判断して個数エラーフラグが設定される(S5207)。個数エラーフラグが設定されると今回の単位遊技の終了後に、遊技進行が強制的に停止されると共に個数エラーの報知が行われる(S5303)。
ここで、第1条の第4球及び第5球が連球状態で投入される場合について説明する。図78は、連球状態の発生によって再投入動作を行う場合の投入動作の一例を表すタイミングチャートである。なお、図77に示された再投入動作を行わない遊技球の投入動作と相違する部分についてのみ説明する。
図78に示されたように、第1条の通過許可期間内(S5601:Y)において、第3球が通過センサ415aの通過を完了した(t34)後に、上流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行し(t41)、その後、下流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行し(t42)、更にその後に、上流通過検出信号がオン状態からオフ状態に移行する(t43)。しかし、その後、第1球等の場合とは異なり、第1条の上流通過検出信号がオン状態からオフ状態に移行する(t44)前に、第1条の上流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行する(t51)。これは、第4球が第1条の通過センサ415aの通過を完了する前に第5球が第1条の通過センサ415の通過を開始したことを表している。
第1条の上流通過検出信号のオン状態において、第1条の上流通過検出信号がオフ状態からオン状態に移行する(t51)と、この位相変化は正常な位相変化でない(S5611:N)が、連球状態の発生時の変化パターンである、つまり、検出位相が連球判定用変化パターンに含まれる第3位相(位相情報値「3」)に合致するために(S5612:Y)、通過順序エラーとは判定されずに、連球発生時の処理が実行される。連球発生時の処理では、第1条の投入ソレノイド作動フラグ907aが解除された後に(S5627)、第1条の通過センサカウンタ909aの値が強制的に「0」に設定され(S5619)、通過許可期間が終了すると共に、第1条の投入許可期間が強制的に終了する。これによって、第1条の初投入動作が終了する。また、今回の第1条投入制御処理S5513では、投入動作中フラグは解除された状態を維持する(S5630)。なお、第1条において連球状態の発生によって投入動作が終了した時点において、第2条及び第3条は投入動作を終了していないために、今回の第1条から第3条の投入制御処理S5513〜S5515の終了においては、投入動作中フラグは設定された状態となる。したがって、第2条及び第3条の初投入動作が終了するまで待つこととなる。
連球状態の発生に伴い投入許可期間が強制的に終了された場合には、後述する球切れ時には投入動作禁止条に変更されるのと異なり、第1条の投入リトライフラグ906aは解除されない(S5606のスキップ)ために、第1条は投入許可条のままである。また、連球状態の発生後においては、検出位相が変化した(t44,t52,t53,t54)としても、第1条の通過許可期間内ではない(S5601:N)ために、通過順序エラー処理S5613及び通過時間エラー処理S5608が実行されることはない。つまり、連球状態の発生による通過順序エラー及び通過時間エラーの発生が実質的に阻止されることとなる。また、連球状態の発生後においては、第1条の下流通過検出信号がオン状態からオフ状態に移行しても(t44,t54)、第1条の通過許可期間内ではない(S5601:N)ために、総投入個数カウンタ903の値の更新、全条共通の投入済数の更新、第1条の投入予定個数カウンタ904aの値の更新等は行われない(S5620〜S5623)。なお、第1条の第4球及び第5球がカウントセンサ416aの通過を完了すると(t46,t56)、投入済個数カウンタB902の値は更新される(S5201)。しかし、連球状態の発生後においては、遊技球のカウントセンサ416aの通過を検出しても(t45〜t46,t55〜t56)、投入動作期間中である(S5104:Y)ために、期間外投入エラーフラグは設定されない(S5108のスキップ)。
第2条の通過許可期間が終了し(t54’)、かつ第3条の通過許可期間が終了すると(t54”)、初投入動作期間が終了し(tg=t54’)、投入動作期間の終了判定が行われるが、投入済個数カウンタA901の値が投入予定数よりも2個だけ少なく(S5504:N)、また、第1条から第3条までの全てが満たないために、投入完了でないと判定される(S5504:N,S5505:Y)。その後、連球発生フラグが設定されているので(S5626:Y)、所定の時間Teだけ待機した(S5508)後、再投入動作を開始することとなる(th)。所定の時間Teだけ待機することによって、図67にしめされた実施の形態1の場合とは異なり、第1条における第5球の通過センサ415の通過完了(t54)よりも早くに第2条及び第3条の通過許可期間が終了したとしても、再投入動作において第5球が通過センサ415の通過完了していないことに起因して通過順序エラー処理が実行されることを確実に防止できる。
初投入動作期間において投入されたが正常な通過として計数されなかった遊技球の個数(図78においては「2」)を投入許可条である第1条〜第3条に振り分ける(S5509)。具体的には、振分における条別の優先度を考慮して、第3条及び第2条に1球の投入が割り当てられる。この場合の再投入動作においては、第3条及び第2条における第1球が最終球である。再投入動作が開始されると(th)、初投入動作の場合と同様にして第3条及び第2条の各々において1球ずつの遊技球が投入される。再投入動作において、第2条の通過許可期間が終了し(t64’)、かつ、第3条の通過許可期間が終了する(t64”)と再投入動作期間が終了し、この場合には投入予定数の遊技球の投入が完了しているので(S5504:Y)、実質的に同時に投入動作期間フラグが解除されて投入動作期間が終了する(tc;S5413)。
ここで、連球の発生によって再投入動作が行われる場合と球切れの発生によって再投入動作が行われる場合の相違について説明する。図79は、球無し状態の発生によって再投入動作を行う場合の投入動作の一例を表すタイミングチャートである。図79においては、第2条において、第2球の投入で球切れが発生した場合が表されている。
図79に示されたように、第2条の通過許可期間内(S5601:Yに相当)において、第3球が通過センサ415aの通過を開始せずに第2球の通過センサ415aの通過開始からの時間が所定の時間Taに到達する場合(t27’;S5603:Yに相当)、連球状態の発生の場合と異なり、第2条を投入許可条としないために第2条の投入リトライフラグ906bが解除される(S5609)。第2条の投入リトライフラグ906bの解除後に、第2条において第3球が通過センサ415bを通過中でないために(S5607:Nに相当)、第2条の投入フリッカ413bを通過禁止状態に戻すために第1条の投入ソレノイド作動フラグ907bが解除される。第2条の投入ソレノイド作動フラグ907bの解除後に、第2条の通過センサカウンタ909bの値が所定の球切れ待機時間Td(本形態では、約200ms)に対応する値に再設定される。これによって、第1条における通過許可期間が球切れ待機時間だけ延長される。所定の球切れ待機時間Tdの後に第2条における通過許可期間が終了し(S5603:Yに相当)、また、既に第2条の投入ソレノイド作動フラグ907bは解除されている(S5605:Y)ために、第2条に割り当てられた5球のうち2球の投入しか完了しておらず、かつ、第1条及び第3条は投入許可条であるために、投入完了でないと判定される(S5504:N,S5505:Y)。また、連球発生フラグは設定されていないが(S550*:N)、第2条は投入許可条でないために(S5507:Y)、所定の時間Teだけ待機した(S5508)後、再投入動作を開始することとなる(th)。
初投入動作期間において第2条で投入すべきであったが投入されなかった遊技球の個数(図78においては「3」)を投入許可条である第1条及び第3条のみに振り分ける(S5509)。具体的には、振分における条別の優先度を考慮して、第3条に2球の投入が割り当てられ、第1条に1球の投入が割り当てられる。この場合の再投入動作においては、第3条における第2球及び第1条における第1球が最終球である。再投入動作が開始されると(th)、初投入動作の場合と同様にして第3条において2球及び第1条において1球の遊技球が投入される。再投入動作において、第1条の通過許可期間が終了し(t64)、かつ、第3条の通過許可期間が終了する(t74”)と、再投入動作期間が終了し、この場合には投入予定数の遊技球の投入が完了しているので(S5504:Y)、実質的に同時に投入動作期間フラグが解除されて投入動作期間が終了する(tc;S5413)。