JP2015100582A - 遊技機 - Google Patents

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敏男 小倉
充伴 木村
Mitsutomo Kimura
充伴 木村
佳寛 冨田
Yoshihiro Tomita
佳寛 冨田
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Abstract

【課題】不正を好適に防止する。
【解決手段】遊技の進行が停止された場合には、遊技の進行の停止前に発射された遊技球が第1特定領域、第2特定領域、および第3特定領域のいずれかを通過したか否かに関わらず、電源の再投入および遊技開始スイッチの操作により遊技の進行の停止が解除され、その後に発射された遊技球が再度第1特定領域、第2特定領域、および第3特定領域のいずれかを通過するまで、特別図柄プロセスフラグの値が大当り開放前処理に対応した値のまま更新されず、大当り遊技状態への移行による遊技価値の付与が規制される。
【選択図】図16

Description

本発明は、遊技媒体を遊技領域に発射することにより遊技を行う遊技機に関する。
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、入賞領域に遊技媒体が入賞する(始動条件が成立する)と識別情報を変動可能に表示(可変表示)する可変表示手段が設けられ、可変表示手段において識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果(大当り図柄)となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御可能になるように構成されたものがある。
このような遊技機として、遊技盤の盤面上に打ち出された遊技球が第1始動口又は第2始動口に入ると、可動片が開放し、可動片が開放したときにセンター役物内に入った遊技球がV入賞口に入ると、振動検知センサで振動が検知されてから5秒以内か否かを判定するものがある。そして、振動の検知から5秒以内であった場合、警告表示部から振動検知があったことが表示されてから当りモードに移行し、当りモードでは、1ラウンドあたりアタッカの開放回数が10回になり、1回の開放時間は0.2秒となる。他方、振動の検知から5秒以内でなかった場合は、V入賞口に遊技球が入った後、何らの表示も行われることなく当りモードに移行し、当りモードでは、1ラウンドあたりアタッカ17の開放回数が1回になり、1回の開放時間が30秒になる(例えば特許文献1参照)。
特開2010−094203号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、V入賞口に遊技球が入るように振動を与えるといった不正を防止する対策として、振動が検知されてから5秒以内に遊技球がV入賞口に入ったか否かに応じて、当りモードを複数種類のいずれかに決定する処理を設けなければならなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、不正を好適に防止できる遊技機の提供を目的とする。
(1)上記目的を達成するため、本願に係る遊技機は、遊技媒体(例えば遊技球など)を遊技領域に発射することにより遊技を行う遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、所定条件の成立後(例えば大当り遊技状態としての大入賞口の開放制御状態に制御するための権利の発生後など)、遊技媒体が特定領域(例えば第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63など)を通過したことに基づいて、遊技者にとって有利な遊技価値(例えば大当り遊技状態としての大入賞口の開放制御状態への制御など)を付与する価値付与手段(例えばステップS305の大入賞口開放前処理、及びステップS306の大入賞口開放中処理を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ560など)と、前記遊技機に発生したエラー状態を検出するエラー検出手段(例えばステップS504又はS507の処理を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ560など)と、所定条件の成立後、遊技媒体が特定領域を通過するまでの特定期間に、前記エラー検出手段によってエラー状態が検出されたことに基づいて、遊技の進行を停止する遊技進行停止手段(例えばステップS509の処理を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ560など)と、解除条件が成立したこと(例えば電源再投入後、遊技開始スイッチ1000が押下操作されたことなど)により、前記遊技進行停止手段による遊技の進行の停止を解除する停止解除手段(例えばステップS50の処理を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ560など)と、を備え、前記価値付与手段は、前記遊技進行停止手段によって遊技の進行が停止された場合、該遊技の進行の停止前に発射された遊技媒体が特定領域を通過したか否かに関わらず、遊技の進行の停止の解除後に発射された遊技媒体が特定領域を通過するまで、前記遊技価値の付与を規制する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、遊技の進行が停止された場合、遊技の進行の停止前に発射された遊技媒体が特定領域を通過したときでも、遊技の進行の停止の解除後に発射された遊技媒体が再度特定領域を通過するまで、遊技価値の付与が規制されるため、不正を好適に防止することができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記遊技進行停止手段を含み、前記エラー検出手段によってエラー状態が検出されたことに基づいて、所定のエラー処理を実行するエラー処理実行手段(例えばステップS505、若しくはステップS508及びS509の処理を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ560など)をさらに備え、前記エラー処理実行手段は、前記特定期間に前記エラー状態が検出された場合(例えばステップS507の処理においてYesと判定された場合など)、該特定期間以外の期間に該エラー状態が検出された場合(例えばステップS504の処理においてYesと判定された場合など)とは異なる内容の制御を行う(例えば遊技制御用マイクロコンピュータ560はステップS508及びS509の処理を実行する)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定期間にエラー状態が検出された場合と、特定期間以外の期間にエラー状態が検出された場合と、で制御内容を異ならせることができるため、不正を好適に検出できる。
(3)上記(1)又は(2)に記載の遊技機において、遊技の進行を制御し、前記停止解除手段を含む遊技制御用マイクロコンピュータ(例えば遊技制御用マイクロコンピュータ560など)と、前記遊技制御用マイクロコンピュータに電気的に接続され、前記解除条件を成立させるための操作を受け付ける解除操作手段(例えば遊技開始スイッチ1000など)と、をさらに備える、ようにしてもよい。
このような構成によれば、不正により発生したエラー状態に基づく遊技の進行の停止の解除を困難にすることができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の遊技機において、前記特定領域が設けられる領域へ進入する遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば送出領域スイッチ33など)をさらに備え、前記価値付与手段は、前記所定条件の成立後、前記遊技媒体検出手段によって遊技媒体が検出され(例えばステップS143の処理においてYesと判定され)、且つ該遊技媒体が特定領域を通過したこと(例えばステップS146の処理においてYesと判定されたこと)に基づいて、該特定領域を通過したことに基づく遊技価値(例えば特定領域に対応したラウンド数の大当り遊技状態など)を付与する、ようにしてもよい。
このような構成によれば、所定条件の成立後、遊技媒体検出手段によって遊技媒体が検出され、且つ遊技媒体が特定領域を通過したことに基づいて、特定領域を通過したことに基づく遊技価値が付与されるため、不正を好適に防止することができる。
(5)上記(4)に記載の遊技機において、前記特定期間は、前記遊技媒体検出手段によって遊技媒体が検出されたことに基づいて開始される、ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定期間を、所定条件の成立後の期間のうち、遊技媒体検出手段による遊技媒体の検出後の期間に限定することができるため、不正の検出を最低限にすることができる。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の遊技機において、
遊技媒体が進入容易な第1状態と進入困難な第2状態とに変化可能な可変入賞装置(例えば可変入賞球装置15など)と、前記可変入賞装置を駆動する駆動手段(例えばソレノイド16など)と、をさらに備え、前記遊技進行停止手段は、前記遊技の進行を停止するときに前記駆動手段が前記可変入賞装置を駆動している場合、該可変入賞装置の駆動を停止させる、ようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技の進行を停止するときに駆動手段が可変入賞装置を駆動している場合には、可変入賞装置の駆動が停止されるため、想定外の入賞の発生を防止することができる。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の遊技機において、前記遊技進行停止手段は、遊技の進行に応じて実行される複数種類の処理のうち、第1処理(例えばステップS21のスイッチ処理、ステップS304Aの大当り開始前処理、ステップS27の普通図柄プロセス処理、ステップS31の出力処理など)の実行を停止する一方で、該第1処理とは異なる第2処理(例えばステップS28の演出制御コマンド制御処理や、ステップS29の情報出力処理、ステップS30の賞球処理など)の実行を継続する、ようにしてもよい。
このような構成によれば、特定期間にエラー状態が検出された場合でも、第2処理の実行は継続されるため、遊技の進行の停止に際し想定外の処理が行われなくなることを防止することができる。
パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 飾り部材の拡大斜視図である。 大当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。 主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。 主基板における遊技制御用マイクロコンピュータが実行するメイン処理を示すフローチャートである。 メイン処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 各乱数を示す説明図である。 大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 遊技制御用マイクロコンピュータが送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。 始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。 遊技制御用マイクロコンピュータにおける保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 特別図柄停止処理を示すフローチャートである。 大当り開始前処理を示すフローチャートである。 開放態様選択処理を示すフローチャートである。 大入賞口開放前処理を示すフローチャートである。 大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。 大当り終了処理を示すフローチャートである。 エラー処理を示すフローチャートである。 第2実施形態による飾り部材の拡大斜視図である。 第3実施形態によるパチンコ遊技機の正面図である。 第3実施形態による飾り部材の拡大斜視図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、所定条件が成立した後、遊技媒体が打込まれる遊技領域に設けられた特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、図1に示す飾り部材90の拡大斜視図である。図3は、大当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球(遊技球)を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。遊技領域7には、遊技球を誘導するための多数の釘8が植設されている。釘8は、植設角度の調整等の所謂釘調整をすることにより、遊技球の流下方向を調整可能な流下方向調整手段としての機能を有する。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)を行なう変動表示装置に相当する。演出表示装置9では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、たとえば「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。
演出表示装置9では、後述する第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示が行なわれる。演出図柄の変動表示は、スクロール表示およびその場切替え表示等の各種の変動態様で実行される。
演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。本実施形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
本実施形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。第1特別図柄は、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。第2特別図柄は、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されることなく、どちらか一方が変動表示される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したこと(遊技球が進入したこと)である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
以下の説明においては、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。第1始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第1保留記憶データとして第1保留記憶バッファに記憶され、第2始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第2保留記憶データとして第2保留記憶バッファに記憶される。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、遊技領域7の中央部に設けられ、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが大当り表示結果として停止表示される。前述した第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、演出表示装置9は、識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置であり、変動表示部として用いられる。
演出表示装置9では、変動表示を開始するときに、たとえば、左,中,右の演出図柄のすべてが変動表示を開始する。そして、変動表示している左,中,右の演出図柄が基本的に所定の順番(たとえば、左演出図柄、右演出図柄、中演出図柄の順番のような予め定められた順番)で停止し、変動表示の開始から予め定められた変動時間が経過したときに、左,中,右の全演出図柄が停止して表示結果が確定する。なお、左,中,右の演出図柄が停止する順番は、左,右,中の図柄の順番以外の順番であってもよい。また、左,中,右の演出図柄は、同時に停止してもよい。
遊技領域7は、遊技者の選択により遊技球を打込む領域が変更可能となる複数の領域を含む。本実施形態の場合、遊技領域7は、遊技領域の左右方向の中央部を境界として左側の領域が左領域7aと呼ばれ、右側の領域が右領域7bと呼ばれる。なお、遊技領域7の領域分けは、遊技領域7の中央部を境界として左右に分けるもの以外に、たとえば、遊技領域7の中央から左または右に偏在した位置を境界として左右に分けるものであってもよい。たとえば、演出表示装置9等の装置が設けられる飾り部材90は、遊技領域7の中央から左または右に偏在して設けられる場合があるが、そのような場合に、遊技領域7の中央から左または右に偏在した当該飾り部材の頂点を中心として左右に領域が分けられたものであってもよい。つまり、遊技領域7の領域分けは、遊技領域7において、ある位置を中心として遊技領域が複数に分けられているものであればどのような領域分けが行なわれてもよい。また、このように、左領域7aと右領域7bとの複数の領域を含む場合において、遊技球が左領域7aへ流れるように左領域7aを狙って遊技球を打込むことが「左打ち」と呼ばれ、遊技球が右領域7bへ流れるように右領域7bを狙って遊技球を打込むことが「右打ち」と呼ばれる。
パチンコ遊技機1においては、打球操作ハンドル5の操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域を変更することができる。
演出表示装置9の下方には、遊技球が入賞(進入)可能な第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13は、遊技領域7の左右方向の中央部に設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。本実施形態の場合、第1始動入賞口13は、「左打ち」をしたときが「右打ち」をしたときよりも入賞しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13の右側方部における右領域7bには、遊技球が入賞(進入)可能な第2始動入賞口14(第2始動口)を有する可変入賞球装置(電動チューリップ)15が設けられている。可変入賞球装置15は、左右一対の可動片18を備え、可動片18の状態により、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と遊技球が入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものである。可動片18の上方には、上方からの遊技球の入賞を阻止するストッパ部材17が設けられており、閉状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しない構造とされている。可変入賞球装置15に設けられた第2始動入賞口14は、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも入賞しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。
第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい(たとえば、ストッパ部材17を設けない構成例)。このように、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。つまり、可変入賞球装置15は、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と該第1の状態よりも遊技球が入賞しにくいまたは入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものであればよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
また、遊技領域7には、遊技球の入賞に基づいて予め定められた所定数の賞球の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30も設けられている。入賞口29,30に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30aで検出される。
演出表示装置9の下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
演出表示装置9の右側方の右領域7bにおいては、遊技球が進入して通過可能な普図ゲート32が設けられている。普図ゲート32においては、進入した遊技球を検出する普図ゲートスイッチ32aが設けられている。普図ゲート32には、普図ゲート32に進入(通過)した遊技球を検出する普図ゲートスイッチ32aが設けられている。
遊技球が普図ゲート32を通過し普図ゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。本実施形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄「○」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、普図ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。普図ゲート32への遊技球の通過があるごとに、すなわち普図ゲートスイッチ32aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器を1減らす。普図保留記憶数の上限値は4つであり、普通図柄保留記憶表示器41においては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域としての合算保留記憶表示部18cが設けられている。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられることにより、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とのそれぞれの表示領域が設けられるようにしてもよい。
第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、合算保留記憶表示部18cで行なわれる保留記憶数等の保留記憶に関する表示は、保留記憶表示と呼ばれる。このように、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、合算保留記憶表示部18cでは、変動表示を行なう権利の数を視認可能な態様で各権利に対応する保留記憶表示が行なわれる。
なお、本実施形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
遊技領域7の中央の領域においては、演出表示装置9の周囲を枠形状の壁部で囲う態様の飾り部材90が設けられている。飾り部材90の下端部には、遊技球が進入(入賞)可能な第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63という3つの特定領域の領域口が同心円上に分配形成された円盤状の特定領域部60(「3穴クルーン」ともいう。)が設けられたステージ部400が形成されている。特定領域部60は、中心部に向けて傾斜しており、特定領域部60に誘導された遊技球は、中心部に向けて転動していく。
ステージ部400は、流下してくる遊技球を受けるステージ状(舞台状)の部分であり、正面から見て、左右から中央部にかけて下るように傾斜し、かつ、後方から前方にかけて下るように傾斜した形状に形成されている。ステージ部400の正面から見て中央部には、内部に特定領域部60が取付けられる円形の穴よりなる特定領域入口部600が設けられている。
特定領域入口部600内においては、周囲よりも1段下がった位置に特定領域部60が設けられている。ステージ部400の前縁部としての流下縁部40は、遊技球が前縁に向けて転がると、どの位置からでも下方へ流下可能な形状に形成されている。すなわち、ガラス扉枠2のガラスと、ステージ部400の前縁部との間には空間が形成されることにより、ステージ部400において前方に転がった遊技球は、流下縁部40を超えると下方へ流下することとなる。これにより、ステージ部400においては、流下縁部40が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれにも進入しない遊技球が飾り部材90の外部へ流下する流下経路として用いられる。
なお、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれにも進入しない遊技球が飾り部材90の外部へ流下する流下経路としては、特定領域入口部600内、または、特定領域入口部600外の所定位置に遊技球が進入可能な穴等の開口部を形成し、当該開口部に進入した遊技球を内部に取込まずに遊技領域7に誘導する誘導経路を設け、遊技球を当該誘導経路から放出して流下させるようにしてもよい。
飾り部材90の正面から見て右側の側壁部には、矩形状の穴901が形成されており、当該穴901の外側から内側に挿通する態様で、玉送出装置70が設けられている。玉送出装置70は、飾り部材90の外側において遊技領域7を流下する遊技球を受入れて飾り部材90の内側に送出する装置である。玉送出装置70は、上方に向いて開口した球入口71と、下方に向いて開口した球出口72とを有する湾曲した形状の誘導路73と、当該誘導路73への遊技球の進入を遮蔽する遮蔽状態(以下閉状態という)と、遊技球の進入を遮蔽しない状態(以下開状態という)とに変化可能なシャッター状の遮蔽部材75とを含み、遊技球を特定領域部60に向けて送出する手段である。玉送出装置70における球入口71、誘導路73、および、球出口72のそれぞれにおける遊技球の通路は、遊技球を1個ずつ送出するために、1個の遊技球が通過可能な程度の広さで形成されている。
玉送出装置70において、遮蔽部材75は、後述するようなソレノイド(図4のソレノイド34)により駆動され、球入口71の内部において、前後方向に移動することで出没することにより、前述の開状態または閉状態となる。たとえば、ソレノイドが非励磁状態ではバネの弾性力により遮蔽部材75が前方へ付勢されて閉状態となっており、ソレノイドが励磁状態にされると遮蔽部材75がバネの弾性力に抗して後退して開状態となるように構成されている。遮蔽部材75が設けられた位置のよりも下方においては、誘導路73での遊技球の進入(言い換えると遊技球の送出)を検出する送出領域スイッチ33が設けられている。なお、遮蔽部材75を駆動する手段は、このような開状態または閉状態とすることができる駆動手段であれば、ソレノイドに限らず、モータ等のその他の駆動手段を設けてもよい。
玉送出装置70において、遊技領域7においては、球入口71近傍の障害釘Pにより誘導された遊技球等、流下する遊技球が、球入口71に向けて転動する。遮蔽部材75は、後述する権利発生状態ではない通常状態において閉状態とされており、権利発生状態において、開状態に制御される。遮蔽部材75が開状態であるときには、遊技球が誘導路73内に進入可能となり、進入した遊技球が誘導路73内で球出口72へ誘導されていく。遮蔽部材75が開状態であるときに遊技球が誘導路73内に進入して送出領域スイッチ33により検出されると、蔽部材75が閉状態に制御される。このように、遮蔽部材75は、開状態のときに、遊技球が玉送出装置70に1個進入するとただちに閉状態となる。これにより、権利発生状態において、玉送出装置70には、遊技球が1個ずつ受入れられ、1個ずつ送出されることとなる。
球出口72は、ステージ部400の上方において下方を向いた態様で開口している。たとえば、球出口72は、正面から見て特定領域入口部600の右端部近傍上の位置にある。誘導路73内で球出口72まで誘導された遊技球は、球出口72から、特定領域部60を含むステージ部400へ向けて送出されて落下することとなる。ステージ部400に向けて落下した遊技球は、ステージ部400上で転動し、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入するか、または、いずれにも進入せずに、流下縁部40から飾り部材90の外部へ流下する。
なお、球出口72の位置は、特定領域部60に対して遊技球を送出できる位置であれば、特定領域部60上のどの位置であってもよく、また、特定領域部60上以外のステージ部400上の位置であってもよい。また、特定領域部60に設けられる特定領域は、複数設けられればよく、3つに限られない。また、球出口72は、遊技球をステージ部400の上方から落下させる位置ではなく、たとえば、遊技球を落下させずにステージ部400の側面から転動する態様で特定領域部60に対して遊技球を送出できる位置に設けてもよい。
第1特定領域61に進入した遊技球は、パチンコ遊技機1の内部に設けられた第1球通路に誘導され当該第1球通路に設けられた第1特定領域スイッチ61aにより検出される。第2特定領域62に進入した遊技球は、パチンコ遊技機1の内部に設けられた第2球通路に誘導され当該第2球通路に設けられた第2特定領域スイッチ62aにより検出される。第3特定領域63に進入した遊技球は、パチンコ遊技機1の内部に設けられた第3球通路に誘導され当該第3球通路に設けられた第3特定領域スイッチ63aにより検出される。
権利発生状態において玉送出装置70から送出された遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入(入賞)したときは、後述するような大入賞口の開放制御状態(大当り遊技状態)に制御される。一方、権利発生状態において玉送出装置70から送出された遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入しないとき、たとえば、遊技球が送出領域スイッチ33で検出されてから所定期間経過しても、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのいずれでも検出されないときは、再度遮蔽部材75を開状態として玉送出装置70に遊技球を受入れて再度遊技球を送出する制御が行なわれる。このような制御は、遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちのいずれかに進入するまで繰返し行なわれる。
本実施形態では、玉送出装置70の誘導路73から、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63までの区間を、エラー強化区間とし、遊技球がこのエラー強化区間にある場合には、その以外の場合よりもエラー状態の検出やエラー処理が強化される。また、遊技球がエラー強化区間内にある期間を特定期間といい、これ以外の期間を通常期間という。
本実施形態の場合、普図ゲート32、および、玉送出装置70の球入口71のそれぞれは、右領域7bに設けられており、「右打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「左打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。なお、普図ゲート32は、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすい(遊技球が進入不可能ではない)ように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。
パチンコ遊技機1においては、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる変動表示の表示結果が大当り表示結果となったとき、そして、このような表示結果に対応して演出表示装置9による変動表示の表示結果が大当り表示結果となったときに、遊技者にとって有利な大入賞口の開放制御状態を実行する権利が発生した権利発生状態に制御される。
そして、権利発生状態において、遊技球が、第1特定領域61に進入して第1特定領域スイッチ61aにより検出され、第2特定領域62に進入して第2特定領域スイッチ62aにより検出され、または、第3特定領域63に進入して第3特定領域スイッチ63aにより検出されると、大入賞口の開放制御状態(大当り遊技状態)に制御される。つまり、権利発生状態において、遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかの特定領域を通過することに基づいて、大入賞口の開放制御状態(大当り遊技状態)に制御される。言い換えると、権利発生状態において、遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかの特定領域を通過することに基づいて、大入賞口の開放制御状態に制御される(大当り遊技状態)という遊技価値が付与される。
本実施形態では、変動表示の表示結果が大当り表示結果となることに基づいて権利発生状態となり、権利発生状態において遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかに進入すると特別可変入賞球装置20の大入賞口を開放する開放制御状態となる。遊技者にとって有利となる大当り遊技状態は、このような権利発生状態後の開放制御状態が該当する。したがって、変動表示の表示結果が大当り表示結果となったとき、および、当該大当り表示結果になったことに基づいて権利発生状態となったときに、大当り遊技状態(開放制御状態)に制御可能となる所定条件が成立することとなる。変動表示の表示結果を大当り表示結果とするか否かは、変動表示結果が表示される前に事前決定される。したがって、このような事前決定は、権利発生状態、すなわち、開放制御状態(大当り遊技状態)に制御可能な状態とするか否かの事前決定と定義することができる。また、権利発生状態は、遊技球が特定領域(第1特定領域61、第2特定領域62、第3特定領域63)に進入すること以外の条件で終了することはない。
また、本実施形態では、玉送出装置70および飾り部材90においては、玉送出装置70から送出された1つの遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域のいずれにも進入しない流下経路として、ステージ部400の流下縁部40があるので、玉送出装置70から送出された1つの遊技球が、いずれかの特定領域に進入する場合と、いずれの特定領域にも進入しない場合とが生じるため、権利発生状態が成立した後に遊技球がいずれかの特定領域に進入したことに基づいて大当り遊技状態に制御される構成における遊技の興趣を向上させることができる。
なお、権利発生状態とする大当り表示結果を決定することが結果的に開放制御状態に制御することに関与するので、表示結果を決定することを、大当りとするか否かを決定する大当り判定と呼ぶ場合がある。また、本実施形態では、大入賞口が開放される開放制御状態が遊技者にとって有利な状態であるので、開放制御状態のみを「大当り」と呼ぶが、権利発生状態も開放制御状態に制御されることが保証された遊技者にとって有利な状態であるので、権利発生状態と開放制御状態とを含めて「大当り」と呼んでもよい。したがって、本実施形態において「大当り」と呼ぶときは、基本的に開放制御状態を示すが、たとえば後述する「大当り確率」のように権利発生状態となる大当り表示結果を決定する確率等のように、「大当り」という概念で示した方が意味が分かりやすくなるときには、権利発生状態および開放制御状態の両者を含む概念として、「大当り」と呼ぶ場合がある。
なお、権利発生状態において遊技球が進入したときに開放制御状態(大当り遊技状態)に制御されることとなる特定領域としては、遊技球が進入可能な領域であればよく、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のように遊技球が遊技機1の内部に受入れられる構造の領域であってもよく、遊技球が遊技機1の内部に受入れられず遊技領域7へ流下するゲート構造の領域であってもよい。
また、このような特定領域としては、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のような特定領域専用の領域が設けられてもよく、他の制御または賞球の払出し等の他の目的でも用いられる領域を兼用するものであってもよい。
本実施形態では、前述したように、遊技領域7における複数の領域(左領域7a、右領域7b)のうちの特別可変入賞球装置20が設けられた領域に、玉送出装置70の球入口71が設けられている。そして、打球操作ハンドル5の操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域が変更できるので、遊技者が大入賞口の開放制御状態を開始させる意思を持ったときに開放制御状態を開始させることができるようになり、遊技者の意に反した時期に開放制御状態が開始されてしまうことを防ぐことができる。
演出表示装置9における演出図柄の変動表示中には、リーチ状態が生じる場合がある。ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り図柄の組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。本実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当り表示結果が発生しやすいように設定され、大当り表示結果となる信頼度が高いものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、図1に示すように、遊技領域7における右領域7bには、可変入賞球装置15の下方に、遊技球が入賞可能な特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大入賞口と呼ばれる入賞口を開閉可能な開閉板を備え、遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と、遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能な可変入賞装置である。これにより、特別可変入賞球装置20は、右領域7bに設けられており、「右打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「左打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。なお、特別可変入賞球装置20は、右領域7bに設けられ、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすいように、構造物および釘8の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、左領域7aに設けられ、「左打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「右打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物および釘8の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、左領域7aに設けられ、「左打ち」をしたときが「右打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、特別可変入賞球装置20は、閉状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、特別可変入賞球装置20が閉状態になっている状態は、遊技球が特別可変入賞球装置20に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。つまり、特別可変入賞球装置20は、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と該第1の状態よりも遊技球が入賞しにくいまたは入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものであればよい。
特別可変入賞球装置20は、開放制御状態となったときに、ソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
開放制御状態(大当り遊技状態)においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる(Rという記号で示される場合がある)。従来のパチンコ遊技機では、権利発生状態において特定領域に遊技球が1個進入すると入賞口が1回開放するものであったので、権利発生状態が終了するまでに遊技球を複数回繰返して特定領域に遊技球を進入させる必要があり、遊技の進行させ方が煩雑なものであった。これに対し、本実施形態のパチンコ遊技機1では、権利発生状態において第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちのいずれかに遊技球が一度進入すると、進入した特定領域に応じて決定されたラウンド数に基づいて、第1ラウンドから最終ラウンドまでのすべてのラウンドが実行される大入賞口の開放制御が行なわれる。これにより、本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技の進行させ方を、簡素なものとすることができ、遊技の進行状況に対応するとともに、遊技の進行させ方を容易にすることができる。また、本実施形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当り表示結果とすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示されるランプ(発光体)としての装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられたランプ(発光体)としての天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。
左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。また、左枠LED28bの近傍には、パチンコ遊技機1の電源投入時(起動時)において、バックアップデータに基づいて確変状態となっているときに点灯することで確変状態であることを報知する確変報知LED53が設けられている。当該確変報知LED53は、電源投入時以外のときは、消灯しており、電源投入時にのみ、状態に応じて点灯する。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
打球供給皿3の右側の所定位置には、押圧操作により遊技者が操作可能な操作ボタン130が設置されている。操作ボタン130には、操作を検出するための操作検出スイッチ131が設けられている。なお、操作ボタン130は、押圧操作するボタンに限らず、押下可能なジョグボタン、および、回動可能なジョグダイアルといった、その他の構成の操作手段により構成されてもよい。このような操作ボタン130は、たとえば、変動表示中の演出に応じて、操作する等、所定の演出が行なわれるときに操作が要求される。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図3(A)においては、大当り時の制御の概要が表形式で示され、図3(B)および(C)においては、特定領域の種別と大当り時のラウンド数(ラウンド上限値)との関係が示されている。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に移行する大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
本実施形態では、通常大当りとして、通常大当りA〜Gという複数種類の通常大当りが設けられており、また、確変大当りとして、確変大当りA〜Gという複数種類の確変大当りが設けられている。
図3(A)では、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gの大当り種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態の終了後の変動時間、大当り遊技状態における開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が、ラウンド数の上限値(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が、ラウンド数の上限値(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
通常大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値は、図3(B)に示されるように、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうち、どの特定領域への遊技球の進入が、権利発生状態から開放制御状態に移行するきっかけとなったか、に応じて選択決定される。そして、通常大当りA〜Gのそれぞれでは、通常大当りの種別ごとに、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のそれぞれの領域に対応するラウンド数の上限値の割振りが異なるように設定されている。
たとえば、通常大当りAの場合、第1特定領域61への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が5ラウンドに決定される。第2特定領域62への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が10ラウンドに決定される。第3特定領域63への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が15ラウンドに決定される。
図3(B)に示されるように、通常大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値を選択するときの遊技者にとっての有利度は、通常大当りA=B=C<D=E=F<Gという関係となるように設定されている。
また、確変大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値は、図3(C)に示されるように、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうち、どの特定領域への遊技球の進入が、権利発生状態から開放制御状態に移行するきっかけとなったか、に応じて選択決定される。そして、確変大当りA〜Gのそれぞれでは、確変大当りの種別ごとに、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のそれぞれの領域に対応するラウンド数の上限値の割振りが異なるように設定されている。
図3(C)に示されるように、確変大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値を選択するときの遊技者にとっての有利度は、確変大当りA=B=C<D=E=F<Gという関係となるように設定されている。
このように、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63は、大当りの種別に応じて、遊技球が進入したときに移行する開放制御状態(大当り遊技状態)でのラウンド数の上限値の割振りが異なるので、遊技球が進入したときに移行する開放制御状態(大当り遊技状態)において付与される遊技価値の大きさの割振りが異なる。
なお、特定領域への遊技球の進入により付与される遊技価値としては、開放制御状態のラウンド数のみに限らず、各ラウンドの開放時間、確変状態に制御するか否か、確変状態の継続を変動表示回数により制限するとき(たとえば、変動表示が100回実行されると確変状態を終了させる等)の確変回数、時短状態に制御するか否か(確変状態に伴って制御する場合と、確変状態に伴わずに制御する場合とを含む)、および、変動パターンの変動時間の長短のうち、いずれか1つ、または、複数の組合せとすることが考えられる。このような場合に、特定領域への遊技球の進入に基づく開放制御状態(大当り遊技状態)において付与される遊技価値の大きさが特定領域の種別により異なるようにするときには、これら遊技価値のうち、いずれか1つ、または、複数の組合せについて、遊技価値の大きさを異ならせるようにすればよい。
このように、大当りとなるときには、権利発生状態においていずれの特定領域に遊技球が進入したかに応じて、開放制御状態におけるラウンド数が選択されるように制御される。
通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gのそれぞれについて、ラウンド数が異なる大当りが選択され得るので、ラウンド数が異なる大当りについても種別が異なる大当りとして類別した場合、本実施形態では、5R通常大当り、10R通常大当り、15R通常大当り、5R確変大当り、10R確変大当り、および、15R確変大当りという複数の種別の大当りが選択され得ることとなる。
本実施形態では、5R通常大当り、10R通常大当り、および、15R通常大当りのような通常大当りについて、これらを総称して「通常大当り」として示す場合があり、5R通常大当り、10R通常大当り、または、15R通常大当りというように、ラウンド数を特定した通常大当りとして示す場合がある。同様に、本実施形態では、5R確変大当り、10R確変大当り、および、15R確変大当りのような確変大当りについて、これらを総称して「確変大当り」として示す場合があり、5R確変大当り、10R確変大当り、または、15R確変大当りというように、ラウンド数を特定した確変大当りとして示す場合がある。
なお、本実施形態では、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gについて、ラウンド数の上限値の選択対象(5R、10R、15R)が同じである例を説明するが、これに限らず、大当り種別により、ラウンド数の上限値の選択対象が異なる(たとえば、確変大当りのときには通常大当りのときよりも選択対象のラウンド数の上限値が大きい等)ようにしてもよい。
本実施形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。また、本願実施形態では、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後についても、時短状態に制御される。なお、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後は、時短状態に制御されないようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
また、本実施形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。また、本願実施形態では、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後についても、電チューサポート制御状態に制御される。なお、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後は、電チューサポート制御状態に制御されないようにしてもよい。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数を組合せた状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。このように、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうち、いずれか1つの状態、いずれか複数(すべての組合せを除く)を組合せた状態、または、すべてを組合せた状態に制御するものであれば、どのような制御を行なうようにしてもよい。
本実施形態では、特別遊技状態として、確変状態に付随して、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される。なお、特別遊技状態として、確変状態とは独立して時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。その他、特別遊技状態における時短状態と電チューサポート制御状態との関係としては、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよく、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、通常大当りの大当り遊技状態後の制御状態として、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される。なお、通常大当りの大当り遊技状態後の制御状態として、時短状態とは独立して電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。
本実施形態の場合は、大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに時短状態および電チューサポート制御状態に制御されるが、確変状態に制御されたときに時短状態および電チューサポート制御状態に制御されない場合があるようにしてもよい。また、大当り遊技状態の終了後において、確変状態に制御されず通常状態となるときは、変動表示回数により期間が制限されずに、次回の大当りが発生するまでの間、時短状態および電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
本実施形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、本実施形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「高確高ベース状態」、および、「低確高ベース状態」を用いる。なお、「高確低ベース状態」に制御可能となるようにしてもよい。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
以上に説明したように、本実施形態において、確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りの場合は、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、変動表示回数とは関係なく、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
また、以上に説明したように、本実施形態において、通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(低確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。通常大当りの場合は、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
また、大当りとしては、大当り遊技状態について、ラウンド数が同じであるが、1回の開放時間が長い開放パターンの大当りと、1回の開放時間が短い開放パターンの大当りとを設ける等、ラウンド数が同じであるが開放パターンが異なるものを複数設け、第1特別図柄の変動表示で大当りとなったときと、第2特別図柄の変動表示で大当りとなったときとで異なる選択割合で選択して実行されるようにしてもよい。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、打球操作ハンドル5の操作量を調整することにより発射強度を調整することにより、次のような態様で遊技者が遊技球を左領域7aまたは右領域7bへ打分けることにより、遊技者にとって有利な状態に制御されやすくなるように構成されている。
低確低ベース状態のような低ベース状態においては、時短状態に付随する高ベース状態よりと比べて可変入賞球装置15が開状態になりにくく、第1始動入賞口13の方が第2始動入賞口14よりも遊技球が進入しやすい。したがって、低確低ベース状態においてより多数の始動入賞を得たい場合に、遊技者は、第1始動入賞口13を狙って「左打ち」をすればよい。
また、高確高ベース状態および低確高ベース状態のような大当り遊技状態後の時短状態に付随する高ベース状態においては、電チューサポート制御等により、低ベース状態よりと比べて可変入賞球装置15が開状態になりやすく、第2始動入賞口144の方が第1始動入賞口13よりも遊技球が進入しやすい。したがって、大当り遊技状態後の高ベース状態においてより多数の始動入賞を得たい場合に、第2始動入賞口14が設けられた可変入賞球装置15を開状態にするために、普図ゲート32を狙って「右打ち」をすればよい。
また、特別図柄および演出図柄の変動表示結果が大当り表示結果となって権利発生状態となったときには、遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかを通過すれば大入賞口の開放制御状態となる大当り遊技状態に制御される。したがって、権利発生状態において大入賞口の開放制御状態に移行させたい場合には、玉送出装置70の球入口71を狙って「右打ち」をすればよい。
また、権利発生状態において遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかを通過して大入賞口の開放制御状態となったときには、特別可変入賞球装置20の大入賞口を狙って「右打ち」をすればよい。
図4は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。払出制御基板37には、プログラムにしたがって入賞に応じた賞球を払出す制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、演出制御基板80には、プログラムにしたがって各種演出制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。本実施形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否かを決定することにより、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや各保留記憶数カウンタの値等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。本実施形態の場合、このようにバックアップRAMに保存される遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータ(バックアップデータ)には、権利発生状態に制御されているときにセットされる権利発生フラグ、および、確変状態に制御されているときにセットされる確変フラグに関するデータが含まれている。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、本実施形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(たとえば、DC30VやDC5V等)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、遊技の進行の停止を解除するための遊技開始スイッチ1000が電気的に接続されている。本実施形態では、遊技開始スイッチ1000が遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56に直接接続されている。
また、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、普図ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29,30からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、玉送出装置70の遮蔽部材75を駆動するソレノイド34、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41、および、確変報知LED53の表示制御を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、および、入賞口スイッチ29,30のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに、賞球個数を示す払出制御コマンドとしての賞球個数コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数コマンドが示す賞球個数に応じて駆動信号を供給することで、球払出装置97を駆動する。球払出装置97には、賞球を払出す払出モータが備えられている。払出制御用マイクロコンピュータにより払出モータが回転駆動制御されることにより、払出制御用マイクロコンピュータにより指定された個数の賞球が球払出装置97から払出される。
また、遊技球を打撃して発射する打球発射装置は、タッチセンサ基板91上の回路によって制御される発射モータ94を含み、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。遊技者が打球操作ハンドル5に触れていることはタッチセンサおよびタッチセンサ回路(遊技者が打球操作ハンドル5に触れているか否かを検出するための検出回路等を含む回路)で検出され、タッチセンサ回路からの信号がオフ状態を示している場合には、発射モータ94の駆動を停止する。
タッチセンサ基板91には、間欠的に繰り返しパルス(ステッピングモータとしての発射モータ94の各相に供給されるパルス信号)を発生するパルス発生器と、単発パルスを発生する単発パルス発生器とが設けられている。タッチセンサ回路からの信号がオン状態を示している場合に、パルス発生器が発生するパルスが発射モータ94に供給される。さらに、打球操作ハンドル5に、または、打球操作ハンドル5の近傍に、発射停止スイッチが設けられ、発射停止スイッチが操作されているときにはパルス発生器のパルス出力が停止される。
なお、パルス発生器のパルス出力は、払出制御基板37からの発射制御信号がオフ状態になったときにも停止される。また、打球発射装置には単発発射スイッチが設けられ、単発発射スイッチが操作されると、単発パルス発生器が発生する単発パルスが発射モータ94に供給される。
なお、本実施形態では、タッチセンサ基板91にパルス発生器が設けられているが、発射モータ94に供給されるパルスの発生機能を払出制御基板37に持たせてもよい。その場合には、例えば、払出制御用マイクロコンピュータがパルスを発生し、発生されたパルスはタッチセンサ基板91で中継されて発射モータ94に供給される。また、発射停止スイッチの出力は払出制御用マイクロコンピュータに入力され、払出制御用マイクロコンピュータは、下皿満タンや補給球切れが生じたとき、および発射停止スイッチの出力がオフ状態になったときに、パルス出力を停止する。
また、打球発射装置は、遊技球を遊技領域7に打出す打球ハンマ、打球ハンマを付勢するためのコイルばね、コイルばねで付勢された打球ハンマを付勢された位置から解放させるためのカム機構を備え、カム機構が発射モータ94により駆動される。そして、打球操作ハンドル5の回動によりコイルばねの固定位置を変化させてばねの付勢力を調整し、その結果として、打球ハンマの遊技球を打出す力(発射強度)が調整される。
打球発射装置としては、ステッピングモータによる発射モータ94やロータリソレノイドの軸に直接打球ハンマを固定して遊技球を打出す方式のものがある。そのように構成されている場合には、打球操作ハンドル5の回動角度(位置)を可変抵抗器により検出し、検出結果に応じて駆動源としてのステッピングモータおよびロータリソレノイドの動作速度を上げることにより遊技球を打出す力(発射強度)が調整される。
前述のそれぞれの構成において、打球発射装置の発射強度を調整する操作が可能な発射強度操作手段は、回動可能な打球操作ハンドル5に相当する。なお、打球発射装置による遊技球の発射を停止させる操作が可能な発射停止操作手段は、発射停止スイッチに相当する。
さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、パチンコ遊技機1の裏面側上部に設けられたターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路159も主基板31に搭載されている。
本実施形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行なう。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータには、操作ボタン130の操作を検出するための操作検出スイッチ131の操作検出信号が入力される。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤6に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cの表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう。
また、遊技制御基板31には、電源電圧を監視する電源監視手段が設けられている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図5及び図6は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(図5のS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。電力供給停止時処理は、後述するS20の電源断検出処理において実行される。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。本実施形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S45の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ、権利発生フラグ、遊技進行停止フラグ等)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。
次に、電力供給停止前の遊技状態を示すバックアップデータとして、権利発生フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定する(S44)。権利発生フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには、電力供給停止前に権利発生状態であったことを報知する権利発生報知が実行され(S45)、S46に進む。権利発生報知は、たとえば第1特別図柄表示器8aで特定の番号を点滅表示する等、特定の報知態様で実行される。これにより、電力供給停止前に権利発生状態であったときには、パチンコ遊技機1の起動時において権利発生報知が行なわれるので、当該報知に基づいて、電力供給停止前に権利発生状態であったことを知ることができる。これにより、電源投入時に遊技状態が復旧されたときに、大入賞口の開放制御状態への移行に関連する制御状態に関して、その復旧された制御状態を正確に把握できるようにすることができる。
特に、後述するように、遊技において権利発生状態となったことの報知は、演出制御用マイクロコンピュータ100の制御に基づいて実行されるものであり、そのような権利発生状態となったことを報知するための制御データは、基本的に、演出制御用マイクロコンピュータ100においてバックアップ記憶されない。そして、遊技において権利発生状態となったことの報知が行なわれていることを示す制御データを遊技制御用マイクロコンピュータ560の側でバックアップ記憶することは、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を増大させるため、行なうことが困難である。したがって、本実施形態のように、権利発生フラグがセットされた状態であることを示すデータがバックアップ記憶されているときに、権利発生報知が実行されるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担をあまり増大させることなく、大入賞口の開放制御状態への移行に関連する制御状態を正確に把握することができる。
なお、権利発生報知は、演出表示装置9で特定のメッセージを表示すること、スピーカ27L,27Rから特定の音声を出力すること、または、LED等の各種発光手段を特定の発光用で発光させることにより行なわれてもよい。一方、権利発生フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されていないときには、S44からS46に進む。なお、S44で権利発生フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには、電力供給停止前に権利発生状態であったことを得する信号を、情報出力回路159からターミナル基板160を介して、前述のホール管理コンピュータに出力するようにしてもよい。このようにすれば、ホール管理コンピュータにおいて、遊技場に設置された各パチンコ遊技機について、電力供給停止前に権利発生状態であったか否かを管理することができる。
また、権利発生状態において、「右打ち」を報知するというような打込むべき領域を特定する打込領域報知(後述する)を行なうときには、権利発生報知として、権利発生状態において行われる打込領域報知と同様の打込領域報知を実行するようにしてもよい。
また、電力供給停止前に権利発生状態であったときに、起動時において権利発生報知を行なう構成としたことにより、次のような課題も解決することができる。その課題は、従来では、電力供給停止前に権利発生状態であったときに、起動時において権利発生報知が行なわれなかったので、遊技場の閉店後、権利発生状態中において電源断状態にしておけば、翌日の遊技場の開店時に電源投入すると、外部から見た動作状態は、権利発生状態であると認識できない状態であるにも関わらず、内部制御状態は、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のような特定領域に遊技球が進入するだけで大入賞口の開放制御状態に移行するというように、簡単な操作により大量の賞球を得ることができる不正なサービスとしての所謂モーニングサービス状態を設定することが可能となっていた。
これに対し、電力供給停止前に権利発生状態であったときに、起動時において権利発生報知を行なう構成としたことにより、前述のような不正なサービスをしても、権利発生報知がなされることで、不正なサービスであることが容易に認識できるようにすることができる。
S46では、電力供給停止前の遊技状態を示すバックアップデータとして、確変フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定する(S46)。確変フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには、電力供給停止前に確変状態(高確高ベース状態)であったことを報知する高確率報知が実行され(S47)、S14に進む。具体的に、S47の高確率報知としては、確変報知LED53を点灯させる制御が行なわれる。確変報知LED53は、電源投入時において確変状態であるときに点灯される制御が行なわれ、電源投入時以外の状態では消灯される。これにより、電力供給停止前に確変状態(高確高ベース状態)であったときには、パチンコ遊技機1の起動時において高確率報知が行なわれるので、当該報知に基づいて、電力供給停止前に確変状態(高確高ベース状態)であったことを知ることができる。したがって、電源投入時に遊技状態が復旧されたときに、その復旧された制御状態をより一層正確に把握できるようにすることができる。なお、高確率報知は、たとえば第2特別図柄表示器8bで所定の番号を点滅表示する等、高確率報知専用の報知手段ではなく兼用の報知手段を用いる等、その他の報知態様で実行されるようにしてもよい。
なお、高確率報知は、演出表示装置9で所定のメッセージを表示すること、スピーカ27L,27Rから所定の音声を出力すること、または、LED等の各種発光手段を所定の発光態様で発光させることにより行なわれてもよい。一方、確変フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されていないときには、S46からS14に進む。なお、S46で確変フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには、電力供給停止前に確変状態であったことを得する信号を、情報出力回路159からターミナル基板160を介して、前述のホール管理コンピュータに出力するようにしてもよい。このようにすれば、ホール管理コンピュータにおいて、遊技場に設置された各パチンコ遊技機について、電力供給停止前に確変状態であったか否かを管理することができる。
また、S45による権利発生報知は、S47による高確率報知に優先して報知を行なうようにしてもよい。また、S45による権利発生報知と、S47による高確率報知とは、それぞれ報知を行なうようにしてもよい。
S48では、電力供給停止前に遊技の進行が停止されていたか否かを示すバックアップデータとして、遊技進行停止フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定する(S48)。遊技進行停止フラグは、遊技の進行が停止されていることを示すもので、送出領域スイッチ33により遊技球の進入が検出された後、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのいずれかがオン状態となる前(特定期間)に、エラー状態が検出された場合にオン状態にセットされ、電源の再投入後、遊技開始スイッチ1000が操作されたことを示す遊技開始信号が入力されたときに、クリアされてオフ状態になる。
S48において、遊技進行停止フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには(S48N)、遊技開始スイッチ1000が操作されたことを示す遊技開始信号が入力されたか否かを判定し(S49)、遊技開始スイッチ1000から遊技開始信号が入力されていないと判定された場合には(S49N)、そのままループして待つ。すなわち、遊技進行停止フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには、電源が再投入されても、遊技開始スイッチ1000から遊技開始信号が入力されない限り、遊技が開始されない。換言すれば、遊技の進行の停止が解除されない。
そして、遊技開始スイッチ1000からの検出信号が入力されていると判定された場合には(S49Y)、RAM55に記憶されている遊技進行停止フラグをクリアしてオフ状態にする(S50)。これにより、後述するように、遊技の進行の停止が解除される。
なお、本実施形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(図6のS14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。本実施形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。本実施形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。本実施形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、本実施形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図7に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。図7は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込処理においては、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板910に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータを前述のようなバックアップデータとしてバックアップRAM領域に保存する電力供給停止時処理を実行する。バックアップRAM領域に保存するバックアップデータとしては、前述した権利発生フラグ、確変フラグ、および遊技進行停止フラグに関するデータが含まれている。さらに、電力供給停止時処理においては、バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かを示すバックアップフラグが、所定のアドレス領域に記憶(設定)される。さらに、バックアップデータのデータチェックを行なうためのデータ(チェックサムのデータ)が、バックアップデータに応じて作成されて特定のアドレス領域に記憶される。
次いで、入力ドライバ回路58を介して、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、普図ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29,30、及び送出領域スイッチ33の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。本実施形態では、遊技進行停止フラグがオンである場合、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、普図ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、及び入賞口スイッチ29,30からの検出信号がクリアされるとともに、それらの状態判定も行われない。このため、遊技の進行が停止された場合には、遊技球が第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、入賞口29,30、普図ゲート32、第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63を通過しても、入賞検出が行われない。
続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1に発生したエラー状態の検出を行い、その検出結果に応じてエラー状態が発生した旨を報知したり、遊技の進行を停止したりする(S21A)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。本実施形態では、遊技進行停止フラグがオンである場合、後述するように、S32の特別図柄表示制御処理において、特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定されることはないため、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bに対して駆動信号が出力されることはない。また、遊技進行停止フラグがオンである場合、後述するように、S33の普通図柄表示制御処理において、普通図柄の変動が行われているときには、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)の切替が行われないため、普通図柄表示器10に対して出力される駆動信号は一定のまま変化せず、普通図柄は「0」または「1」のまま停止表示される。なお、遊技進行停止フラグがオンである場合には、S22の表示制御処理をスキップして、各表示器に対する駆動信号の出力を停止してもよい。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。本実施形態では、遊技進行停止フラグがオンであることとは無関係に、S23の判定用乱数更新処理、S24の初期値用乱数更新処理、およびS25の表示用乱数更新処理が実行され、普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数や、初期値用乱数、表示用乱数の更新は継続して実行される。なお、遊技進行停止フラグがオンである場合には、S23の判定用乱数更新処理、S24の初期値用乱数更新処理、およびS25の表示用乱数更新処理を実行しないようにし、普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数や、初期値用乱数、表示用乱数の更新を停止してもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。本実施形態では、遊技進行停止フラグがオンである場合、S21のスイッチ処理において、遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれかを通過しても入賞検出が行われないため、特別図柄プロセスフラグの値が大当り開放前処理(S304A)に対応した値のまま更新されない。なお、遊技進行停止フラグがオンである場合には、S26の特別図柄プロセス処理自体がスキップされるようにしてもよい。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。このような普通図柄プロセス処理では、時短フラグがセットされて時短状態に制御されたときに、普通図柄プロセス処理において電チューサポート状態であると判断され、高ベース状態に制御されることとなる。本実施形態では、遊技進行停止フラグがオンである場合、S27の普通図柄プロセス処理がスキップされ、普通図柄の変動時間を計測する変動時間タイマによる計測などが停止される。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。本実施形態では、遊技進行停止フラグがオンである場合、演出制御用マイクロコンピュータ100に、遊技の進行の停止の解除を指定する解除指定コマンドが送出される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、解除指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に、電源の再投入と遊技開始スイッチ1000の操作とを指示する解除指示画面を表示する。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。本実施形態では、大当り情報は、開放制御状態(大当り遊技状態)に制御されたときに出力が開始される。なお、大当り情報は、権利発生状態となったとき(大当り表示結果が導出表示されたとき)に第1の大当り情報の出力を開始し、さらに、開放制御状態(大当り遊技状態)に制御されたときに第2の大当り情報の出力を開始するようにしてもよい。本実施形態では、遊技進行停止フラグがオンである場合、ホール管理コンピュータに、遊技の進行が停止されたことを通知するエラー信号が所定のセキュリティ端子などから出力される。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29,30の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29,30のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドとしての賞球個数コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。本実施形態では、遊技進行停止フラグがオンである場合でも、S30の賞球処理は継続して実行され、遊技の進行が停止される前の入賞検出に応じた賞球の払出が行われる。ただし、遊技の進行が停止された後は、上述したように、S21のスイッチ処理において入賞検出が行われないため、賞球の払出も行われない。
本実施形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。本実施形態では、後述するように、RAM領域(出力ポートバッファ)におけるソレノイドのオン/オフに関する内容が全てクリアされるとともに、遊技進行停止フラグがオンである場合、S31の出力処理がスキップされるため、可変入賞球装置15や、特別可変入賞球装置20、および遮蔽部材75は閉状態のままとなる。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。本実施形態では、遊技進行停止フラグがオンである場合、上述したように、特別図柄プロセスフラグの値が大当り開放前処理(S304A)に対応した値のまま更新されないため、特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定されることはない。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。本実施形態では、遊技進行停止フラグがオンである場合、S33の普通図柄表示制御処理がスキップされ、普通図柄の変動が行われている場合、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)の切替が行われない。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、本実施形態では、遊技制御処理は2msごとに起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、本実施形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
本実施形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。
(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当りA〜G、確変大当A〜Gのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。
(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。
(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。
(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。
(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
本実施形態では、前述したように、特定遊技状態である大当りとして、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gという複数の種別が含まれている。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、本実施形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、本実施形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターンを決定するときには、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定する。そして、決定した変動パターン種別に属する変動パターンから、1つの変動パターンを変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて決定する。
本実施形態では、通常大当りA〜G、および、確変大当りA〜Gである場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。
また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なる(時短状態では、時短状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高く設定されている)ように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。また、このような変動パターン種別は、第1特別図柄と第2特別図柄との合算記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されていることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される場合がある。このように変動表示時間を短縮する制御は、保留数短縮制御と呼ばれる。
図7に示されたタイマ割込処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、および、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算更新)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、本実施形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる例を示すが、大当り判定用乱数としては、ランダム1〜5のようなソフトウェアにより生成される乱数を用いてもよい。
図9は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
本実施形態の場合、通常時大当り判定テーブルでは、ランダムRの総数に対する大当り判定値の割合が1/100である。これにより、通常時(非確変時)において大当りに決定する判定がされる割合は1/100である。また、本実施形態の場合、確変時大当り判定テーブルでは、ランダムRの総数に対する大当り判定値の割合が1/10である。これにより、確変時において大当りに決定する判定がされる割合は1/10である。
以下の説明において、通常時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定テーブルに設定された通常時(非確変時)用の大当り判定値は、確変時大当り判定テーブルにおいても共通の大当り判定値として用いられるものであり、通常時大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)という。また、確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定値以外の確変時固有の大当り判定値(第2大当り判定値ともいう)は、確変時において前述の通常時大当り判定値に加えて固有の大当り判定値として用いられるものであり、確変時大当り判定値という。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当り、または、通常大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致しないときは、はずれにすることに決定する。なお、図9(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図9(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図9(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。
また、図9(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図9(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図9(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照されるテーブルである。
図9(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gのそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
図9(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gのそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。本実施形態では、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、第2特別図柄大当り種別判定テーブルとで、確変大当りA〜Gに対応した判定値の合計数が同じとなるように設定され、通常大当りA〜Gに対応した判定値の合計数も同じとなるように設定されている。したがって、第1特別図柄と第2特別図柄とで、確変大当りA〜Gに決定される割合が同じとなり、通常大当りA〜Gに決定される割合が同じとなるように設定されている。なお、第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと比べて、確変大当りA〜Gに対応した判定値が多くなるように設定する等、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、第2特別図柄大当り種別判定テーブルとで、確変大当りA〜Gに対応した判定値の数が異なるように設定されてもよく、通常大当りA〜Gに対応した判定値の数が異なるように設定されてもよい。また、ラウンド数が異なる複数種類の大当りの中から大当りの種類を選択可能とする場合には、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、第2特別図柄大当り種別判定テーブルとで、確変大当りA〜Gとなる割合が同じとなるように設定されるときでも、ラウンド数が多い大当り種別(ラウンド数が遊技者にとって有利な大当り種別)を選択する割合が異なるようにデータを設定してもよい。
また、図9(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。確変大当りA〜Gに対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「0」〜「6」に対応した判定値としても設定されている。通常大当りA〜Gに対応した判定値は、大当り図柄の第1特別図柄および第2特別図柄の「7」〜「F」に対応した判定値としても設定されている。
このように、図9(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図9(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれにおいては、1つの大当り図柄に複数の判定値が対応付けられている場合がある。しかし、これに限らず、すべての大当り図柄について、1つの大当り図柄に1つの判定値が対応付けられるようにしてもよい。たとえば、大当り図柄が「00」〜「99」までの100図柄ある場合に、たとえば、大当り図柄「00」に対して大当り種別判定値「00」が対応し、大当り図柄「99」に対して大当り種別判定値「99」が対応するというように、「00」〜「99」という100個の大当り種別判定値が、「00」〜「99」という100図柄の大当り図柄に1対1で対応するようにしてもよい。
このような大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C0F(H)は、大当りとするか否か、および、大当り種別を示す演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。コマンド8C01(H)は、はずれに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C02(H)〜8C08(H)は、確変大当りA〜Gにそれぞれ決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C09(H)〜8C0F(H)は、通常大当りA〜Gにそれぞれに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A006(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、5R確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される5R確変大当り開始指定コマンド(コマンドA001)、10R確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される10R確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002)、15R確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される15R確変大当り指定コマンド(コマンドA003)、5R通常大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される5R通常大当り開始指定コマンド(コマンドA004)、10R通常大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される10R通常大当り開始指定コマンド(コマンドA005)、15R通常大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される15R通常大当り指定コマンド(コマンドA005)が含まれる。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、確変大当りの大当り遊技状態の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、通常大当りの大当り遊技状態の終了を指定する演出制御コマンド(通常大当り終了指定コマンド)である。大当り終了指定コマンドおよび通常大当り終了指定コマンドとは、当り終了指定コマンドとも呼ばれる。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
このような演出制御コマンドにより、遊技状態が、通常状態、時短状態、および、確変状態のうちのどの状態またはどの状態の組合せになっているかを演出制御用マイクロコンピュータ100に知らせることができる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技状態が、通常状態、時短状態、および、確変状態のうちのどの状態またはどの状態の組合せになっているかを認識することができるので、通常状態、時短状態、および、確変状態のそれぞれの状態に応じた画像表示等の各種演出を行なうことが可能となる。
コマンドC001(H)は、第1始動入賞口13について第1特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC002(H)は、第2始動入賞口14について第2特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。コマンドC003(H)は、保留記憶数を減算させることを指定する演出制御コマンド(保留記憶減算指定コマンド)である。
コマンドC1001(H)は、第1特定領域61で第1特定領域スイッチ61aにより遊技球が検出されたことを指定する演出制御コマンド(第1特定領域球検出指定コマンド)である。コマンドC1002(H)は、第2特定領域62で第2特定領域スイッチ62aにより遊技球が検出されたことを指定する演出制御コマンド(第2特定領域球検出指定コマンド)である。コマンドC1003(H)は、第3特定領域63で第3特定領域スイッチ63aにより遊技球が検出されたことを指定する演出制御コマンド(第3特定領域球検出指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
本実施形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。
図10に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)と、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図10に示す例では、5R確変大当り、10R確変大当り、15R確変というような遊技球の進入により選択される大当りの種別および対応する特定領域を特定可能な表示結果指定コマンドを送信する例を示した。このような表示結果指定コマンドを受信することに基づいて、選択される大当りのラウンド数と、特定領域との対応関係を演出制御用CPU101で認識することができる。なお、選択される大当りのラウンド数と、特定領域との対応関係を認識することができるコマンドとしては、次のような2種類のコマンドを組合せて用いるようにしてもよい。
第1のコマンドとして、たとえば、図3(A),(B)に設定されたすべてのラウンド数の選択の組合せ(第1の組合せは5R,10R,15Rの組合せ、第2の組合せは10R,10R,15Rの組合せ、第3の組合せは15R,15R,15Rの組合せ)の種類(第1の組合せ、第2の組合せ、第3の組合せ)を特定可能なコマンドを複数種類設けて選択的に送信する。そして、第2のコマンドとして、たとえば、図3(A),(B)に設定されたすべてのラウンド数の選択の組合せと、特定領域との対応関係を特定可能(たとえば、5R,10R,15Rという第1の組合せのうち、1つ目のラウンド(5R)に対応する特定領域が第1特定領域、2つ目のラウンド(10R)に対応する特定領域が第2特定領域、3つ目のラウンド(15R)に対応する特定領域が第3特定領域というように対応関係を特定する)なコマンドを複数種類設けて選択的に送信する。
このように、ラウンド数の組合せを特定可能な第1コマンドと、ラウンド数の組合せと対応する特定領域との関係を特定可能な第2のコマンドとを組合せて用いるようにすれば、これらコマンドの組合せに基づいて、選択される大当りのラウンド数と、特定領域との対応関係を演出制御用CPU101で認識することができる。そして、このようなコマンドの組合せを用いれば、大当りの種別数分の表示結果コマンドを設ける必要がなくなるので、大当り種別数が増加してもコマンド数を削減することができる。
次に、ROM54に記憶されている開放パターンデータテーブルについて説明する。開放パターンデータテーブルにおいては、確変大当りA〜Gおよび通常大当りA〜Gにおける、5R大当り、10R大当り、および、15R大当りのそれぞれについて、開放回数(ラウンド上限数)、開放時間(各ラウンド中の開放時間)、および、インターバル時間(各ラウンド間時間)を含む特別可変入賞球装置20の開放パターンを示すテータが設定されている。
たとえば、5R大当りは、開放回数が5回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒というデータが開放パターンデータテーブルに設定されている。10R大当りは、開放回数が10回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒というデータが開放パターンデータテーブルに設定されている。15R大当りは、開放回数が15回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒というデータが開放パターンデータテーブルに設定されている。
図11は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。
上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンして第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)が発生していたとき、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンして第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が発生していたときには(S311)、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理を実行せずに、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされている場合には、権利発生状態となるように制御し、当該権利発生状態において第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかの特定領域への遊技球の進入が検出されたときに開放制御状態に移行させるために、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。また、大当り遊技状態となったときの状態が確変状態であり、確変フラグがセットされていたときには、確変フラグがリセットされる(当該大当りが確変となる大当りであるか否かに関わらずリセットされる)。また、大当り遊技状態となる場合において時短フラグがセットされていたとき、または、変動表示回数により時短状態の終了条件が成立したときには、時短フラグがリセットされる。ここで、確変フラグは、確変状態であるときにセットされ、非確変状態であるときにリセットされるフラグである。また、時短フラグは、時短状態であるときにセットされ、非時短状態であるときにリセットされるフラグである。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大当りの種別に応じて、前述のような開放パターンにしたがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンドごとに実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技状態を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグ、時短フラグ等)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S214)。合算保留記憶数カウンタは、初期値が「0」であり、有効な第1始動入賞または第2始動入賞が発生したときに、「1」加算更新され、変動表示が開始されるときに、「1」減算更新される。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S215)。保留記憶特定情報記憶領域については、図13を用いて説明する。
保留記憶特定情報記憶領域においては、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
ここで、図12を参照して、図13(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図13(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図13(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図13(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S216)。具体的に、S216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S217)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
S211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S219が実行された後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(S211参照)処理を行なうようにしてもよい。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S224)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S225)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S226)。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S227)。
なお、S213〜216の処理とS223〜226の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。
図14は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図13(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。
本実施形態では、S52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とのうち、先に保留記憶されたデータに基づく変動表示から順番に実行される。このように、本実施形態では、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示は、保留記憶情報が入賞した順番にしたがって処理されることにより、入賞した順番にしたがって変動表示が実行されることとなる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値を変動パターン決定用の合算保留記憶数データとしてRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。このようにS57で、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値を保存することにより、変動パターンの決定時に用いられる合算保留記憶数のデータは、特別図柄通常処理の実行に伴ってS58でカウントが1減算される前の合算保留記憶数、すなわち、変動表示の実行条件が成立したときの合算保留記憶数が用いられることとなる。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行することにより、大当り判定を行なう(S60)。ここでの大当り判定は、特別図柄の変動表示結果を大当り表示結果とするか否かを判定することであり、別の言い方をすれば、大当り遊技状態としての開放制御状態に制御可能とするか否かを判定するものであり、さらに、別の言い方をすれば、大当り遊技状態としての開放制御状態に制御可能とする権利発生状態に制御するか否かを判定することであり、S60で実行される大当り判定モジュールは、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS216またはS226で抽出し第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに予め格納したランダムRと、予め決められている大当り判定値(図8参照)とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定モジュールは、大当りを判定する処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りと判定される確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が非確変状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。S60で大当りとすることに決定した場合には、S71に移行する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは通常大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、後述するS75に進む。すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図9(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図9(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(確変大当りA〜G、および、通常大当りA〜Gのいずれか)を大当りの種別に決定する(S73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS216またはS226で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納した大当り種別判定用乱数(ランダム1)を読出し、選択した大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別の決定を行なう。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が確変大当りA〜Gの場合には、大当り種別を示すデータとして「01」〜「07」がそれぞれに対応して設定される。大当り種別が通常大当りA〜Gの場合には、大当り種別を示すデータとして「08」〜「0F」がそれぞれに対応して設定される。
次いで、CPU56は、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「5」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「通常大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
なお、前述したような大当り判定を行なう処理は、変動表示の実行開始前に行なう場合に限らず、少なくとも、特別図柄の変動表示の表示結果が導出されるまでのタイミングであればよい。また、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行されるように制御してもよい。このような優先制御を行なうときには、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、ラウンド数の多い大当り種別の選択割合が高く設定されている場合に、遊技者にとって有利な大当りとなる割合が高い変動表示を行なう保留記憶データを効率的に消化することができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。そして、右打ち状態のまま大当りを効率的に消化できるので、大当りを消化する速度を早くすることができる。
図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S121)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S122)。そして、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S123)。
S123で大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(S124)。確変フラグがセットされているときには、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S130)。これにより、確変状態であるときには、はずれとなる変動表示が終了したときに、確変状態および時短状態が維持される。
一方、S124で確変フラグがセットされていないときには、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S125)。時短フラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S130)。これにより、確変状態でなく、かつ、時短状態でもない低確低ベース状態において、はずれとなる変動表示が終了したときには、低確低ベース状態が維持される。一方、時短フラグがセットされている場合には、通常大当りの終了後の時短状態(低確高ベース状態)における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S126)。なお、減算後の時短回数カウンタの値に基づいて時短回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行ない、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、時短回数の残数を演出表示装置9で表示するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、時短回数カウンタの値が0になったか否かを確認する(S127)、時短回数カウンタの値が0になっていないときには、後述するS149に進む。これにより、通常大当りの終了後の時短状態において、はずれとなる変動表示が所定回数(100回)終了するまでは、低確高ベース状態による時短状態が維持される。一方、時短回数カウンタの値が0になったときには時短フラグをリセットする(S128)。そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S129)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S130)。これにより、通常大当りの終了後の時短状態において、はずれとなる変動表示が所定回数(100回)終了したときには、低確高ベース状態による時短状態が終了し、低確低ベース状態に移行する。
一方、S123で大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグのそれぞれをリセットし(S131)、ソレノイド34を励磁して玉送出装置70の遮蔽部材75を開状態にする制御を行なう(S132)。これにより、大当りとすることが決定されたときには、玉送出装置70に遊技球が進入可能な状態に制御され、玉送出装置70から特定領域部60を含むステージ部400へ向けて遊技球を送出可能な状態となる。そして、権利発生フラグをセットし(S133)、S134に進む。権利発生フラグとは、大当り遊技状態としての大入賞口の開放制御状態に制御するための権利が発生していることを示すフラグである。この大当り遊技状態に制御するための権利は、大当り判定により大当りとすることが決定され、かつ、当該決定に基づく変動表示が終了したときに発生する。なお、大入賞口の開放制御状態に制御するための権利は、大当り判定により大当りとすることが決定されたときに発生するようにしてもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S304A)に対応した値に更新する(S134)。
図16は、特別図柄プロセス処理における大当り開始前処理(S304A)を示すフローチャートである。図17は、大当り開始前処理のサブルーチンとして実行される開放態様選択処理を示すフローチャートである。
大当り開始前処理において、CPU56は、遊技進行停止フラグがオンであるか否かを判定する(S141)。S141で遊技進行停止フラグがオフであるときには、玉送出装置70の遮蔽部材75が開状態になっているか否かを判定する(S142)。玉送出装置70の遮蔽部材75が開状態になっている場合には、玉送出装置70において送出領域スイッチ33により遊技球の進入が検出されたか否かを判定する(S143)。送出領域スイッチ33により遊技球の進入が検出されなかったときは、大当り開始前処理を終了する。一方、送出領域スイッチ33により遊技球の進入が検出されたときは、ソレノイド34を非励磁状態として玉送出装置70の遮蔽部材75を閉状態にする制御を行なう(S144)。これにより、玉送出装置70に遊技球が進入可能な状態において遊技球が1個進入すると、玉送出装置70に遊技球が進入不可能な状態に制御される。
S132により、権利発生状態が成立したことに基づいて遮蔽部材75を開状態として誘導路73への遊技球の進入を許容し、S144により、開状態において遊技球の進入が検出されたことに基づいて遮蔽部材75を閉状態として誘導路73への遊技球の進入を遮蔽する制御が行なわれるので、権利発生状態が成立していない状態で遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63に向けて誘導されなくなる。これにより、遊技者が、特定領域を遊技球が通過したにもかかわらず大当り遊技状態に制御されないという不信感を持つことを未然に防ぐことができる。
そして、このような進入不可能な状態を管理するための計時手段としての進入管理タイマをセットし(S145)、玉送出装置70に遊技球が進入不可能となってからの経過時間の計時が開始される。進入管理タイマは、特別図柄停止処理が実行されるごとに計数値がダウンカウントされるタイマであり、S145においては、送出領域スイッチ33により検出された遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれにも進入せずに、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのいずれにも検出されないときに、流下縁部40から飾り部材90の外部へ流下したことが確定できるような設定時間に対応する値に計数値がセットされる。
S142で玉送出装置70の遮蔽部材75が開状態になっている場合には、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのいずれかがオン状態となったか否かを判断する(S146)。第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのいずれかがオン状態となっているときには、大入賞口の開放制御状態に制御する条件が満たされているので、後述するS150〜S155の処理を実行する。一方、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのいずれもがオン状態となっていないときには、大当り遊技状態に制御する条件が満たされていないので、S147およびS148の処理を行なう。
S147では、進入管理タイマの計数値を「1」減算更新し、進入管理タイマの計数値が「0」となってタイムアップしたか否かを判定する(S148)。進入管理タイマがタイムアップしていないときには、大当り開始前処理を終了する。
一方、進入管理タイマがタイムアップしたときには、玉送出装置70から送出された遊技球が、流下縁部40から飾り部材90の外部へ流下したと判断できるので、再度、玉送出装置70により遊技球を受入れて送出するために、ソレノイド34を励磁して玉送出装置70の遮蔽部材75を開状態にする制御を行ない(S149)、大当り開始前処理を終了する。これにより、玉送出装置70から次に送出される遊技球を対象として、前述のS143〜S145の処理が実行されることとなる。したがって、権利発生状態においては、遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入するまで、繰返し玉送出装置70から遊技球が送出される。
なお、進入管理タイマは、玉送出装置70の遮蔽部材75を開状態としたときから計時を開始し、遮蔽部材75が開状態となったときから、遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれにも進入せずに、流下縁部40から飾り部材90の外部へ流下したことが確定できるような設定時間でタイムアップするように設定してもよい。
また、S146において、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのいずれかがオン状態となっているときには、大入賞口の開放制御状態に制御する条件が満たされているので、S150〜S155の処理を実行する。このように、大当り遊技状態としての大入賞口の開放制御状態に制御するための権利の発生後、送出領域スイッチ33により遊技球の進入が検出され、且つ遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれに進入したことに基づいて、後述するように、遊技球が進入した特定領域の種類に応じた遊技価値が付与、具体的には、遊技球が進入した特定領域の種類に応じたラウンド数の大当り遊技状態に制御されるため、不正を好適に防止することができる。
一方、S141で遊技進行停止フラグがオンであるときには、そのまま大当り開始前処理を終了する。これにより、特定期間に遊技の進行が停止された場合、遊技の進行の停止前に発射された遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入ししても、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63aからの検出信号が無効とされ、大当り遊技状態への制御が規制されるため、不正を好適に防止することができる。また、S147がスキップされるため、進入管理タイマによる計時が停止される。
S150では、大入賞口の開放制御態様(開放回数(ラウンド数)等の態様)を選択決定する開放態様選択処理を実行する(S150)。ここで、図17を参照して、開放態様選択処理を具体的に説明する。図17は、開放態様選択処理を示すフローチャートである。
開放態様選択処理において、CPU56は、大当り種別に応じて、ROM54に記憶されたデータテーブルのうちから、第1〜第3特定領域61〜63のそれぞれへの遊技球の進入と、選択するラウンド数との対応関係(図3(B),(C)のような対応関係)を示すデータテーブルを選択する(S410)。
次に、第1特定領域スイッチ61aがオン状態となったか否かを判断する(S411)。第1特定領域スイッチ61aがオン状態となったときは、第1特定領域球検出コマンドを送信するための処理を行なう(S412)。そして、S410で選択したデータテーブルに基づいて、大当りのラウンド数の上限値として、第1特定領域61への遊技球の進入に対応したラウンド数を選択決定し、選択決定したラウンド数を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し(S413)、処理を終了する。一方、第1特定領域スイッチ61aがオン状態となっていないときは、第2特定領域スイッチ62aがオン状態となった否かを判断する(S414)。
第2特定領域スイッチ62aがオン状態となったときは、第2特定領域球検出コマンドを送信するための処理を行なう(S415)。そして、S410で選択したデータテーブルに基づいて、大当りのラウンド数の上限値として、第2特定領域62への遊技球の進入に対応したラウンド数を選択決定し、選択決定したラウンド数を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し(S413)、処理を終了する。一方、第2特定領域スイッチ62aがオン状態となっていないときは、S130でオン状態となったと判断されたのが、消去法的に第3特定領域スイッチ63aであるので、第3特定領域球検出コマンドを送信するための処理を行ない(S417)、S410で選択したデータテーブルに基づいて、大当りのラウンド数の上限値として、第3特定領域63への遊技球の進入に対応したラウンド数を選択決定し、選択決定したラウンド数を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し(S413)、処理を終了する。なお、S414により第2特定領域スイッチ62aがオン状態となっていないときは、第3特定領域スイッチ63aがオン状態となったときであるか否かを判断して、オン状態となったときであることが確認されたことを条件としてS417に進むようにしてもよい。
以上に説明したように、開放態様選択処理においては、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれの特定領域に遊技球が進入したかに応じて、大当りのラウンド数が選択決定される。これにより、パチンコ遊技機1においては、複数の特定領域のいずれかに遊技球が進入したときに、進入した特定領域に基づいて、5R通常大当り、10R通常大当り、15R通常大当り、5R確変大当り、10R確変大当り、15R確変大当りというような複数種類の大当りのうちいずれかの大当りの大当り遊技状態(開放制御状態)に制御される。
図17のS410により、図3(B),(C)に示すように権利発生状態となる大当りの種類に応じて、遊技球が進入したときに遊技者に付与される遊技価値が最も高い15Rの大当り遊技状態に制御する特定領域が異なるように複数の特定領域の遊技価値が設定されるので、いずれの種類の大当りが成立するかについて、遊技者の注意を引付けることができる。
次に、図16を参照して、大当り開始前処理の続きを説明する。S150による開放態様選択処理の後、権利発生フラグをリセットする(S151)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に確変大当り開始指定コマンドまたは通常大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S152)。具体的には、大当りの種別が5R確変大当りである場合には5R確変大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が10R確変大当りである場合には10R確変大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りである場合には15R確変大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が5R通常大当りである場合には5R通常大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が10R通常大当りである場合には10R通常大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R通常大当りである場合には15R通常大当り開始指定コマンドを送信する。
S152において、大当りの種別が、確変大当り、または、通常大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて確認され、大当りのラウンド数の種別が5R、10R、15Rのいずれであるかは、開放態様選択処理(S150)で選択され、RAM55に記憶されている大当りのラウンド数に基づいて確認される。
また、大入賞口制御タイマに開放開始前時間T(たとえば、2秒)に相当する値を設定する(S153)。開放開始前時間Tは、大当り遊技状態(開放制御状態)において特別可変入賞球装置20を開放状態にするまでの待ち時間として設定される時間である。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。つまり、開放開始前時間Tが経過すると、特別可変入賞球装置20が開放状態に制御される。このような開放開始前時間中においては、演出制御用マイクロコンピュータ100により、権利発生状態となったことを演出表示装置9において報知(権利発生状態表示)すること、および、装飾LED25等の所定の発光手段を予め定められた態様で発光させる等、所定の大当り報知が実行される。開放開始前時間Tは、大当り種別に関わらず、同じ時間が設定される。したがって、確変大当りと通常大当りとで同じ時間で開放開始前時間Tが設定される。このように、大当りの種類によらず、権利発生状態において第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに遊技球が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放(開放制御状態)が開始されるので、大入賞口の開放開始契機が明確になるため、遊技内容に関する知識に差がある遊技者間での公平性を担保することができる。なお、たとえば突確大当りのような開放時間およびラウンド数等が異なるその他の種別の大当りを実行可能とするときにも、大当り種別に関わらず、同じ時間で開放開始前時間Tが設定される。
このように、大当りの種類によらず、権利発生状態において第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに遊技球が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放制御が開始されるようにした理由は、次のとおりである。一般的なパチンコ遊技機においては、大当りの種別が複数設けられた場合に、大当り発生時の演出等の都合により演出実行時間が大当り種別ごとに異なるように設定されている場合があり、そのような場合には、変動表示の停止時から大入賞口の開放制御(大当り遊技制御)の開始時までの期間が大当り種別により変化するので統一できていなかった。このため、大入賞口の開放制御(大当り遊技制御)の開始契機が明確でないという問題があり、このような大入賞口の開放制御(大当り遊技制御)の開始契機を明確化するために、大当りの種類によらず、権利発生状態において第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに遊技球が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放(開放制御状態)が開始されるようにしたのである。
また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ、および、ラウンド数を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、前述したROM54に記憶されている開放パターンデータを参照し、開放回数(本実施形態では、確変大当りおよび通常大当りのそれぞれが15回、10回、5回のいずれか。)、開放時間(本実施形態では、確変大当りおよび通常大当りのそれぞれが29秒。)、ラウンド間のインターバル時間(本実施形態では、確変大当りおよび通常大当りのそれぞれが5秒。)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセットする(S154)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S155)。
なお、本実施形態のように、確変大当りと通常大当りとで、開放時間およびインターバル時間を同じとする場合には、S154においてセットする開放態様のデータの一部を固定値として用いれば、大当り遊技状態の開放態様を設定するための処理を簡素化することができる。
図18は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。これにより、大当り遊技状態(開放制御状態)の開始時においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、前述したように設定された開放開始前時間となるので、大当りが発生したことを報知する制御が行なわれる。また、大当り遊技状態中のラウンド間においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、後述するS440により設定されたインターバル時間となるので、インターバル時間について予め定められた演出をする制御が行なわれる。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S403)。CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行なうとともに(S404)、前述のS141によりセットされた開放回数カウンタの値を−1する(S405)。このように、大当り遊技状態(開放制御状態)の開始時においては、大当りのラウンド数の種別(15R大当り、10R大当り、5R大当り)に関わらず、同じ開放開始前時間が経過したときに、大入賞口が開放される。そして、その後のラウンドにおいては、各ラウンド終了時に設定されたインターバル時間が経過したときに、大入賞口が開放される。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値として、大当りのラウンド数の種別(15R大当り、10R大当り、5R大当り)に応じた開放パターンデータに基づく、当該ラウンドの開放時間に相当する値を設定する(S406)。ラウンドの開放時間としては、S141によりセットされた開放時間のデータが設定される。たとえば、確変大当りおよび通常大当りのそれぞれの場合において、開放時間が29秒に設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新する(S407)。
図19は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(S432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(たとえば10)になっているか否か確認する(S434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432との判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行なう(S435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(S436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(S438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでのインターバル時間に相当する値を設定する(S440)。具体的に、インターバル時間としては、S141によりセットされたインターバル時間のデータが設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する(S441)。
また、開放回数カウンタの値が0である場合に、CPU56は、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御を行なう(S442)。具体的に、S442では、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、大当り種別を確認する。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、演出表示装置9において報知する演出を行なう時間)に相当する値を設定し(S443)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新し(S444)、処理を終了する。
図20は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了時間が設定された大入賞口制御タイマの値を1減算する(S154)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否(大当り終了時間が経過したか否か)確認する(S155)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば、大当りフラグをリセットする(S156)。
次に、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、現在の大当り遊技状態(開放制御状態)の大当りの大当り種別が、確変大当りであるか否かを判断する(S157)。
確変大当りであるときには、確変フラグをセットし(S158)、時短フラグをセットする(S159)。これにより、大当り遊技状態(開放制御状態)の終了後に、遊技状態が確変状態および時短状態に制御される。これにより、確変大当り(5R確変大当り、10R確変大当り、15R確変大当り)の大当り遊技状態の終了後には、次に大当りが発生するまでの期間継続して確変状態および時短状態に制御されることとなる。本実施形態では、時短フラグがセットされて時短状態に制御されたときに、普通図柄プロセス処理において電チューサポート状態であると判断され、高ベース状態に制御されることとなる。
次に、CPU56は、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S160)、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行なう(S161)。これにより、確変状態指定コマンドおよび時短状態指定コマンドがそれぞれ演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S162)、処理を終了する。
一方、S157で確変大当りではないと判断されたとき、すなわち、通常大当りであるときには、時短フラグをセットする(S163)。これにより、通常大当り(5R通常大当り、10R通常大当り、15R通常大当り)の大当り遊技状態の終了後に、遊技状態が時短状態に移行する。そして、時短回数カウンタに「100」をセットする(S164)。これにより、通常大当りの大当り遊技状態の終了後には、次回の大当りが発生しなければ変動表示が100回実行されるまでの期間継続して時短状態に制御されることとなる。前述したように、本実施形態では、時短フラグがセットされて時短状態に制御されたときに、普通図柄プロセス処理において電チューサポート状態であると判断され、高ベース状態に制御されることとなる。
次に、CPU56は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行なう(S165)。これにより、時短状態指定コマンドがそれぞれ演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S162)、処理を終了する。
図21は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行するエラー処理(S21A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。
エラー処理において、CPU56は、まず、RAM55等に設けられた権利発生フラグがオンであるか否かを判定する(S501)。S501において、権利発生フラグがオフであると判定された場合には(S501N)、大当り遊技状態としての大入賞口の開放制御状態に制御するための権利が未だ発生していないとして、すなわち通常期間であるとして、S503に進む。
一方、S501において権利発生フラグがオンであると判定された場合(S501Y)、玉送出装置70の遮蔽部材75が閉状態になっているか否かを判定する(S502)。S502において、玉送出装置70の遮蔽部材75が閉状態になっていないと判定された場合、すなわち開状態になっていると判定された場合には(S502N)、大当り遊技状態としての大入賞口の開放制御状態に制御するための権利が発生しているが、送出領域スイッチ33により遊技球の進入が未だ検出されていないとして、すなわち通常期間であるとして、S503に進む。
S503では、通常期間であることに対応して、振動センサーエラーや、電波エラー、磁石エラー等といったエラー状態を検出する通常期間エラー検出処理が行われる(S503)。そして、通常期間エラー検出処理においてエラー状態が検出されなかったときには(S504N)、エラー処理を終了する。一方、通常期間エラー検出処理においてエラー状態が検出されたときには(S504Y)、パチンコ遊技機1にエラー状態が発生したことを報知する通常期間エラー処理を実行する(S505)。具体的に、通常期間エラー処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100に、エラー状態が発生したことを指定するエラー状態指定コマンドを送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、エラー状態指定コマンドを受信すると、パチンコ遊技機1にエラー状態が発生したことを報知する。エラー状態が発生したことの報知は、演出表示装置9で特定のメッセージを表示すること、スピーカ27L,27Rから特定の音声を出力すること、または、LED等の各種発光手段を特定の発光用で発光させることにより行なわれてもよい。
一方、S502において、玉送出装置70の遮蔽部材75が閉状態になっていると判定された場合には(S502N)、大当り遊技状態としての大入賞口の開放制御状態に制御するための権利の発生後、送出領域スイッチ33により遊技球の進入が検出されたが、遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれにも未だ進入していないとして、すなわち特定期間であるとして、特定期間エラー検出処理が実行される(S506)。このように、特定期間を、大当り遊技状態としての大入賞口の開放制御状態に制御するための権利の発生後の期間のうち、送出領域スイッチ33による遊技球の進入の検出後の期間に限定することで、不正の検出を最低限にすることができる。
そして、S506の特定期間エラー検出処理では、振動センサエラーや、電波エラー、磁石エラー等といったエラー状態の検出に加え、図7のS20の電源断検出処理において電源断信号が検出されたことについてもエラー状態に含めて判定される。
特定期間エラー検出処理においてエラー状態が検出されなかったときには(S507N)、エラー処理を終了する。一方、特定期間エラー検出処理においてエラー状態が検出されたときには(S507Y)、通常期間エラー処理とは制御内容の異なる特定期間エラー処理を実行する(S508)。具体的に、S508の特定期間エラー処理では、まず、ソレノイド16が可変入賞球装置15を駆動して開状態としている場合、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)をクリアすることにより、ソレノイド16の駆動を停止して可変入賞球装置15を閉状態とさせる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、遊技の進行の停止を指定する遊技進行停止コマンドを送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技進行停止コマンドを受信すると、演出表示装置9の表示画面を黒一色に(ブラックアウト)させる。さらに、ホール管理コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータもクリアされる。
そして、遊技進行停止フラグをオン状態にセットする(S509)。これにより、上述したように、S21のスイッチ処理、S304Aの大当り開始前処理、S27の普通図柄プロセス処理、およびS31の出力処理などが停止される。一方、S28の演出制御コマンド制御処理、S29の情報出力処理、およびS30の賞球処理は継続して実行される。このように、特定期間にエラー状態が検出された場合でも、S28の演出制御コマンド制御処理、S29の情報出力処理、およびS30の賞球処理は継続されるため、遊技の進行の停止に際し想定外の処理が行われなくなることを防止することができる。
より具体的に説明すれば、遊技停止フラグがオン状態にセットされたタイマ割込み処理では、普図ゲートスイッチ32aや、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、入賞口スイッチ29,30などからの検出信号はクリアされないため、S30の賞球処理では、遊技の進行が停止される前に普図ゲートスイッチ32aや、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、入賞口スイッチ29,30のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、賞球が払い出される。すなわち、遊技の進行が停止される前に遊技球が第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、入賞口29,30、普図ゲート32を通過した場合には、その後遊技の進行が停止されても、S30の賞球処理において、入賞検出に応じた賞球の払出が行われる。これに対して、遊技停止フラグがオン状態にセットされたタイマ割込み処理以降のタイマ割込み処理では、S21のスイッチ処理において、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、普図ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、及び入賞口スイッチ29,30からの検出信号がクリアされるとともに、それらの状態判定も行われない。このため、遊技の進行が停止された後、遊技球が第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、入賞口29,30、普図ゲート32を通過しても、S21のスイッチ処理において、入賞検出が行われず、S30の賞球処理において、賞球の払出が行われない。
また、遊技停止フラグがオン状態にセットされたタイマ割込み処理以降のタイマ割込み処理では、上述したように、遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれかを通過しても、S21のスイッチ処理において、入賞検出が行われないため、S26の特別図柄プロセス処理において、特別図柄プロセスフラグの値が大当り開放前処理(S304A)に対応した値のまま更新されず、大当り遊技状態に移行しない。すなわち、遊技の進行が停止された場合には、遊技の進行の停止前に発射された遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれかを通過したか否かに関わらず、電源の再投入および遊技開始スイッチ1000の操作により遊技の進行の停止が解除され、その後に発射された遊技球が再度第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれかを通過するまで、特別図柄プロセスフラグの値が大当り開放前処理(S304A)に対応した値のまま更新されず、大当り遊技状態への移行による遊技価値の付与が規制される。これにより、遊技の進行が停止された場合、遊技の進行の停止前に発射された遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれかを通過したときでも、遊技の進行の停止の解除後に発射された遊技球が再度第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれかを通過するまで、遊技価値の付与が規制されるため、不正を好適に防止することができる。
さらに、普通図柄の変動が実行されていないときに遊技の進行が停止された場合、遊技停止フラグがオン状態にセットされたタイマ割込み処理以降のタイマ割込み処理では、上述したように、遊技球が普図ゲート32を通過しても、S21のスイッチ処理において、入賞検出が行われず、S27の普通図柄プロセス処理もスキップされるため、普通図柄の変動が開始されることはない。一方、普通図柄の変動が実行されていないときに遊技の進行が停止された場合、遊技停止フラグがオン状態にセットされたタイマ割込み処理以降のタイマ割込み処理では、上述したように、S27の普通図柄プロセス処理がスキップされ、普通図柄の変動時間を計測する変動時間タイマによる計測などが停止される。また、S33の普通図柄表示制御処理もスキップされ、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)の切替が行われなくなるため、S22の表示制御処理において、普通図柄表示器10に対して出力される駆動信号は一定のまま変化せず、普通図柄は「0」または「1」のまま停止表示される。
また、S508の特定期間エラー処理では、ソレノイド16が可変入賞球装置15を駆動して開状態としている場合、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)をクリアすることにより、ソレノイド16の駆動を停止して可変入賞球装置15を閉状態とさせる。その後、遊技停止フラグがオン状態にセットされたタイマ割込み処理以降のタイマ割込み処理では、S31の出力処理がスキップされるため、可変入賞球装置15や、特別可変入賞球装置20、および遮蔽部材75は閉状態のままとなる。このように、遊技の進行を停止するときにソレノイド16が可変入賞球装置15を駆動して開状態としている場合には、可変入賞球装置15の駆動が停止されて閉状態にさせ、その後、可変入賞球装置15のみならず、特別可変入賞球装置20および遮蔽部材75も閉状態のままとされるので、想定外の入賞の発生を防止することができる。
さらに、S508の特定期間エラー処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100に、遊技の進行の停止を指定する遊技進行停止コマンドが送信され、演出表示装置9の表示画面は黒一色に(ブラックアウト)させる。その後、遊技停止フラグがオン状態にセットされたタイマ割込み処理以降のタイマ割込み処理では、S28の演習制御コマンド制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100に、遊技の進行の停止の解除を指定する解除指定コマンドが送信され、演出表示装置9には、電源の再投入と遊技開始スイッチ1000の操作とを指示する解除指示画面が表示される。
また、S508の特定期間エラー処理では、ホール管理コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータもクリアされた後、遊技停止フラグがオン状態にセットされたタイマ割込み処理以降のタイマ割込み処理では、ホール管理コンピュータに、遊技の進行が停止されたことを通知するエラー信号が所定のセキュリティ端子などから出力される。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態では、特定領域部60を含むステージ部400のその他の例を説明する。図22は、第2実施形態による飾り部材90aの拡大斜視図である。図22においては、図2と共通する構成について、同番号を付与している。
図22の飾り部材90aが図2の飾り部材90と異なるのは、図2の特定領域部60に対応する特定領域部60aが、玉送出装置70から送出される遊技球を受取り可能な範囲内で、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63の位置を移動させるために、図中の矢印で示すような態様で動作させられることである。
特定領域部60aは、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560により駆動制御されるソレノイドにより駆動され、特定領域入口部600内において、図22に示すような正面から見て左右方向に往復動作させられる。特定領域部60aの動作範囲は、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれもが特定領域入口部600内に留まる範囲で動作されてもよく、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかが特定領域入口部600外に位置するような範囲で動作されてもよい。
このような第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63を含む特定領域部60aを動作させる制御は、権利発生状態が成立したときに遊技制御用マイクロコンピュータ560により実行される。なお、このような特定領域部60aを動作させる制御は、権利発生状態が成立したときに限らず、常時実行されるようにしてもよい。
なお、特定領域部60の動作方向は、正面から見て前後方向であってもよく、正面から見て左右方向および前後方向の動作の組合せであってもよい。
また、特定領域部60を特定領域入口部600内に留まる範囲で動作させる例としては、特定領域部60の円形の中心部を回転軸としてモータ等により特定領域部60をその場で回転させる動作を実行するようにしてもよい。この場合は、特定領域部60を回転させるときに、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63の位置の移動に合わせて、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのそれぞれが設けられた球通路を移動させる必要がある。
また、特定領域部60を回動させる構成としては、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのそれぞれが設けられた球通路を移動させずに固定式としてもよい。たとえば、各特定領域と、各特定領域から対応する特定領域スイッチに遊技球を誘導する通路との関係が維持可能(遊技球を誘導可能)な範囲内で各特定領域を移動させる往復動作をさせるような特定領域部60の回動(たとえば、中心角として5度程度の所定角度の回動による移動範囲の往復動作等)を実行するようにしてもよい。
このような第2実施形態では、玉送出装置70から送出される遊技球を受取り可能な範囲内で、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63の位置が移動させられるので、玉送出装置70から遊技球が送出されたときの第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63の位置について、遊技者の注意を引付けることができる。
また、第2実施形態では、玉送出装置70と、特定領域部60とのうち、特定領域部60を動作させるものを示したが、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63において、遊技球を受取り可能な範囲内で、玉送出装置70の玉出口72の位置が移動するように、玉送出装置70を動作させる制御を行なうようにしてもよい。たとえば、ソレノイド等の駆動手段により、誘導路73を動作させるように構成することで、玉出口72の位置が移動可能となるようにしてもよい。このようにすれば、玉送出装置70から遊技球が送出されたときの玉出口72の位置について、遊技者の注意を引付けることができる。
また、第2実施形態のように第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63の位置を移動させる構成としては、玉送出装置70から送出される遊技球を、特定領域部60外の領域に流下させる構成を採用してもよく、また、玉送出装置70から送出される遊技球を、特定領域部60内に流下させるが遊技球が特定領域部60外に流下可能となるような構成を採用してもよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態では、玉送出装置70のその他の例を説明する。図23は、第3実施形態によるパチンコ遊技機1の正面図である。図24は、第3実施形態による飾り部材90の拡大斜視図である。図24においては、図2と共通する構成について、同番号を付与している。
図23および図24に示す玉送出装置70aが図1および図2に示す玉送出装置70と異なるのは、図2に示すような遮蔽部材75の代わりに遊技球を1個ずつ受入れて送出する構成要素として、回転装置730が設けられたことである。
回転装置730は、誘導路73の球入口71上に、遊技球を1つ受入れて保持可能な保持部732aが外周の一部に形成され、保持部732aに遊技球を保持した状態で回転可能な円形の回転体732と、回転体732の周囲を囲む壁部731とを含む。壁部731は、回転体732の上方および下方には設けられておらず、回転体732の上方における壁部731間から遊技球が回転体732の保持部732a内に受入れられ、回転体732の下方における壁部731間から遊技球が誘導路73の球入口71へ誘導される。
また、回転体732の外周における保持部732a以外の部分には、遊技球を受入れ不可能な形状の凹凸部732bが形成されている。
回転装置730は、遊技制御用マイクロコンピュータ560により駆動制御されるモータにより回転駆動される。権利発生状態でないときには、保持部732aが回転体732の上方における壁部731間以外の方向を向いた態様で回転体732が停止されている。そして、権利発生状態となると、モータが駆動され、回転体732が図中矢印で示されるように回転動作される。保持部732aが回転体732の上方における壁部731間の方向を向いた状態で遊技球が当該壁部731間から落下すると、その遊技球が保持部732a内に入って保持され、かつ、壁部731により外部への流出が制限された状態で回転体732が回転動作する。そして、保持部732aが回転体732の下方における壁部731間の方向を向いた状態となると、保持部732aで保持されていた遊技球が当該壁部731間から落下して誘導路73の球入口71へ誘導される。
そして、誘導路73の球入口71へ誘導された遊技球が送出領域スイッチ33により検出されると、モータを停止し、回転体732の回転動作を停止させる制御が行なわれる。これにより、権利発生状態において、玉送出装置70aは、遊技球が1個ずつ受入れられ、1個ずつ送出されることとなる。権利発生状態においては、玉送出装置70aから送出された遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入しないとき、たとえば、遊技球が送出領域スイッチ33で検出されてから所定期間経過しても、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのいずれでも検出されないときは、再度回転体732を回転させ玉送出装置70aに遊技球を受入れて再度遊技球を送出する制御が行なわれる。このような制御は、遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかに進入するまで繰返し行なわれる。
回転体732の外周における保持部732a以外の部分には、遊技球を受入れ不可能な形状の凹凸部732bが形成されているので、回転体732は、保持部732aが回転体732の上方における壁部731間を向いた位置以外の位置にあるときに、流下してきた遊技球が、凹凸部732bに当接させて待機させる。より具体的に、回転体732が回転して凹凸部732bが移動することにより、凹凸部732bが遊技球に当接し、回転体732上に遊技球が載置された状態で凹凸部732bの形状に応じて遊技球が上下動する態様で待機する。これにより、待機状態にあるときでも、遊技球体が凹凸部に応じて動作することにより、視覚的な面で遊技者を楽しませることができる。
また、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれにも進入しない流下経路としては、玉送出装置70aにおける回転装置730の遊技球の出口と、誘導路73の球入口71との間に玉送出装置70a外部に遊技球が排出されることが可能な隙間部を設け、当該隙間部から遊技球が排出される構成とすることにより、玉送出装置70aにより誘導された遊技球が1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれにも進入しない流下経路を形成するようにしてもよい。なお、このような構成を採用するときには、誘導路73に誘導された遊技球が必ず第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入できる構成(たとえば、ステージ部400の流下縁部40に相当する部分に、遊技球が全く流下しないような壁部を設ける等の構成)を採用してもよい。
なお、本実施形態では、回転装置730と誘導路73とが別体で構成された例を示したが、これに限らず、回転装置730と誘導路73とが一体構成されてもよい。
また、回転装置730における遊技球の入口(回転体732の上方における壁部731間)に第1実施形態で示したような遮蔽部材75を設けて、第1実施形態のように開閉制御をしてもよく、その場合には、回転体732を常時回転動作させても、権利発生状態においてのみ回転体732の保持部732aに遊技球を受入れることが可能となるので、動作の面白みが増すようにすることができる。
また、回転装置730における遊技球の出口(回転体732の下方における壁部731間)に第1実施形態で示したような遮蔽部材75を設けて、第1実施形態のように開閉制御をしてもよく、その場合には、回転体732を常時回転動作させても、権利発生状態においてのみ遊技球を誘導路73に誘導することが可能となるので、動作の面白みが増すようにすることができる。
また、回転装置730における遊技球の出口に遮蔽部材75を設けずに、回転体732を常時回転動作させ、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63aについては権利発生状態であるときに検出信号を有効とし、権利発生状態でないときに検出信号を無効とする制御を行なうようにしてもよい。このようにすれば、より一層動作の面白みが増すようにすることができる。そして、このような構成とするときには、送出領域スイッチ33が遊技球の進入を検出したときに、当該進入してきたことを特定可能な演出画像を演出表示装置9で表示する等、所定の演出手段により所定の演出を実行するようにしてもよい。このようにすれば、動作の面白みと演出の面白みとの組合せにより、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
また、このように回転装置730における回転体732を常時回転動作させる構成を採用する場合には、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63aについては権利発生状態であるときに検出信号を有効とし、権利発生状態でないときに検出信号を無効とする制御を行なうようにすればよい。このようにすれば、より一層動作の面白みが増すようにすることができる。そして、このような構成とするときには、可変入賞球装置(電動チューリップ)15、および、特別可変入賞球装置20を遊技領域7の中央部に設け、時短状態中および大当り遊技状態中において、遊技球を左打ちする打球発射が行なわれるような構成となる装置配置とすることが望ましい。このように構成すれば、基本的に、右打ちをするのが権利発生状態時のみとすることができ、権利発生状態以外のときに遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、第3特定領域63に誘導されるのを防ぐことができ、第1特定領域61、第2特定領域62、第3特定領域63への遊技球の進入が有効か無効かについて紛らわしい状況が生じるのを防ぐことができる。
次に、前述した実施形態により得られる主な効果を説明する。
(1)遊技の進行が停止された場合、遊技の進行の停止前に発射された遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれかを通過したときでも、遊技の進行の停止の解除後に発射された遊技球が再度第1特定領域61、第2特定領域62、および第3特定領域63のいずれかを通過するまで、遊技価値の付与が規制されるため、不正を好適に防止することができる。
(2)特定期間にエラー状態が検出された場合には、通常期間にエラー状態が検出された場合に実行される通常期間エラー処理とは制御内容の異なる特定期間エラー処理が実行される。このように、特定期間にエラー状態が検出された場合と、特定期間以外の期間(通常期間)にエラー状態が検出された場合と、で制御内容を異ならせることができるため、不正を好適に検出できる。
(3)遊技進行停止フラグは、電源の再投入後、遊技開始スイッチ1000が操作されたことを示す遊技開始信号が入力されたときに、クリアされてオフ状態になり、これにより、遊技の進行の停止は解除される。この遊技の進行の解除するための操作を受け付ける遊技開始スイッチ1000は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に含まれるCPU56に電気的に接続されているため、不正により発生したエラー状態に基づく遊技の進行の停止の解除を困難にすることができる。
(4)大当り遊技状態としての大入賞口の開放制御状態に制御するための権利の発生後、送出領域スイッチ33により遊技球の進入が検出され、且つ遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれに進入したことに基づいて、遊技球が進入した特定領域の種類に応じた遊技価値が付与、具体的には、遊技球が進入した特定領域の種類に応じたラウンド数の大当り遊技状態に制御されるため、不正を好適に防止することができる。
(5)特定期間を、大当り遊技状態としての大入賞口の開放制御状態に制御するための権利の発生後の期間のうち、送出領域スイッチ33による遊技球の進入の検出後の期間に限定することで、不正の検出を最低限にすることができる。
(6)遊技の進行を停止するときにソレノイド16が可変入賞球装置15を駆動して開状態としている場合には、可変入賞球装置15の駆動が停止されて閉状態にさせ、その後、可変入賞球装置15のみならず、特別可変入賞球装置20および遮蔽部材75も閉状態のままとされるので、想定外の入賞の発生を防止することができる。
(7)遊技進行停止フラグをオン状態にセットされた場合には、S21のスイッチ処理、S304Aの大当り開始前処理、S27の普通図柄プロセス処理、およびS31の出力処理などが停止される一方、S28の演出制御コマンド制御処理、S29の情報出力処理、およびS30の賞球処理は継続して実行される。このように、特定期間にエラー状態が検出された場合でも、S28の演出制御コマンド制御処理、S29の情報出力処理、およびS30の賞球処理は継続されるため、遊技の進行の停止に際し想定外の処理が行われなくなることを防止することができる。
(8)玉送出装置70から送出された1つの遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域のいずれにも進入しない流下経路として、ステージ部400の流下縁部40があるので、玉送出装置70から送出された1つの遊技球が、いずれかの特定領域に進入する場合と、いずれの特定領域にも進入しない場合と、が生じるため、権利発生状態が成立した後に遊技球がいずれかの特定領域に進入したことに基づいて大当り遊技状態に制御される構成における遊技の興趣を向上させることができる。
(9)図17のS410により、図3(A),(B)に示すように権利発生状態となる大当りの種類に応じて、遊技球が進入したときに遊技者に付与される遊技価値が最も高い15Rの大当り遊技状態に制御する特定領域が異なるように複数の特定領域の遊技価値が設定されるので、いずれの種類の大当りが成立するかについて、遊技者の注意を引付けることができる。
(10)図22に示すように、特定領域部60aが、玉送出装置70から送出される遊技球を受取り可能な範囲内で、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63の位置を移動させるために、動作させられるので、送出部から遊技球が送出されたときの特定領域の位置について、遊技者の注意を引付けることができる。
(11)図16のS132により、権利発生状態が成立したことに基づいて遮蔽部材75を開状態として誘導路73への遊技球の進入を許容し、図17のS144により、開状態において遊技球の進入が検出されたことに基づいて遮蔽部材75を閉状態として誘導路73への遊技球の進入を遮蔽する制御が行なわれるので、権利発生状態が成立していない状態で遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63に向けて誘導されなくなる。これにより、遊技者が、特定領域を遊技球が通過したにもかかわらず大当り遊技状態に制御されないという不信感を持つことを未然に防ぐことができる。
(12)図23および図24に示されるように、玉送出装置70aにおいて、回転体732が回転して凹凸部732bが移動することにより、凹凸部732bが遊技球に当接し、回転体732上に遊技球が載置された状態で凹凸部732bの形状に応じて遊技球が上下動する態様で待機する。これにより、待機状態にあるときでも、遊技球体が凹凸部に応じて動作することにより、視覚的な面で遊技者を楽しませることができる。
(13)図5のS46,S47に示すように、電源断状態となる前に確変状態(高確高ベース状態)であったときには、パチンコ遊技機1の起動時において高確率報知が行なわれるので、当該報知に基づいて、電源断状態となる前に確変状態(高確高ベース状態)であったことを知ることができる。したがって、電源投入時に遊技状態が復旧されたときに、その復旧された制御状態をより一層正確に把握できるようにすることができる。
(14)権利発生状態となったときに、遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかに進入したときには、大当りの種類に関わらず、同じ時間が経過した後に、大入賞口の開放が開始されることとなる。したがって、大当りの種類によらず、特定領域に遊技媒体が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放が開始されるので、大入賞口の開放開始契機が明確になるため、遊技内容に関する知識に差がある遊技者間での公平性を担保することができる。
(15)図1に示すように、遊技領域7における複数の領域(左領域7a、右領域7b)のうちの特別可変入賞球装置20が設けられた領域に、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63へ送出される遊技球の入口(球入口71)が設けられている。そして、打球操作ハンドル5の操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域が変更できるので、遊技者が大入賞口の開放制御状態を開始させる意思を持ったときに開放制御状態を開始させることができるようになり、遊技者の意に反した時期に開放制御状態が開始されてしまうことを防ぐことができる。
次に、以上に説明した実施形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1)前述した実施形態では、遊技の進行が停止された場合、電源の再投入後、遊技開始スイッチ1000が操作されたことを示す遊技開始信号が入力されたときに、解除条件が成立したとして、遊技の進行の停止が解除されるものとして説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、解除条件は任意に設定・変更可能であり、電源の再投入後、一定期間が経過したときに、解除条件が成立したとして、遊技の進行の停止が解除されるものであってもよい。
(2)前述した実施形態では、2つの特別図柄表示器である第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bを設け、2つの特別図柄を変動表示する例を示した。しかし、これに限らず、2つの特別図柄表示器の代わりに、1つの特別図柄表示器を設け、1つの特別図柄を変動表示させる構成を採用してもよい。このような構成を採用する場合には、特別図柄表示器における特別図柄の変動表示が、第1始動入賞口13の入賞、および、第2始動入賞口14への入賞のそれぞれに応じて実行されるようにすればよい。つまり、第1始動入賞口13の入賞に基づいて第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄を実行させるための各種制御と、第2始動入賞口14の入賞に基づいて第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄を実行させるための各種制御とをそれぞれ、1つの特別図柄表示器における特別図柄の変動表示について適用すればよい。
(3)前述した実施形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(4)前述の実施形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(5)前述した実施形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点等を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(6)前述した実施形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(7)前述した実施形態では、複数種類の大当り種別のすべてについて、権利発生状態において第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかに遊技球が進入したことに基づいて、大入賞口の開放制御状態に制御される例を示した。しかし、複数種類の大当り種別の一部について、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかに遊技球が進入しないでも、大入賞口の開放制御状態に制御されるようにしてもよい。つまり、変動表示において大当り表示結果が表示されたときに、そのまま大入賞口の開放制御状態に制御される大当りの種別が選択される場合があるようにしてもよい。たとえば、前述した通常大当りおよび確変大当りに加えて、突確大当りの種別を加えた場合において、突確大当りについては、変動表示において大当り表示結果が表示されたときに、そのまま大入賞口の開放制御状態に制御されるようにしてもよい。
(8)前述した実施形態では、大当りとなったときの開放制御状態として、複数回のラウンドにおいて大入賞口を開放する制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、大当りとなったときの開放制御状態としては、たとえば、1回だけ大入賞口を開放して、大入賞口に入賞した遊技球を計数し、所定個数(たとえば、2000発)の遊技球が大入賞口に入賞したときに、大入賞口開放状態を終了させる制御を行なうようにしてもよい。
(9)特定領域部60,60aに、特定領域の他に遊技球が進入可能な穴を開口形成し、当該穴に遊技球が進入したときに、演出図柄を再変動させていずれの種別の大当りとなるかを再度抽選するような演出を行なうようにしてもよい。このような演出を行なえば、遊技の興趣をさらに向上させることができる。また、その場合には、権利発生状態が所定時間以上の長時間に亘って継続するときに、再変動においてはずれ表示結果が表示される制御がある割合で実行さされるようにし、当該再変動においてはずれ表示結果が表示されたときに権利発生状態を終了させるようにしてもよい。
(10)前述の第1実施形態では、誘導路73への遊技球の進入を遮蔽する遮蔽部材75を設ける例を示したが、このような遮蔽部材75が設けられると、前述したような効果の他に、たとえば、遊技者が故意に糸付きの遊技球を用いて飾り部材90内のいずれかの特定領域に遊技球を進入させる行為を行なおうしとして、遮蔽部材75により不正な遊技球の進入および逆戻り等を防ぐことができ、不正行為者による不正行為を防ぐことも可能となる。
(11)特定領域部60,60aには1つの特定領域のみを設け、権利発生状態となってからの時間を計時手段により計測し、その計時される時間と選択されるラウンド数「5R」、「10R」、「15R」との関係を予め定めておき、当該特定領域に遊技球が進入したことが検出されたときの計時手段の計時結果に基づいて、「5R」、「10R」、「15R」のいずれかが選択されるようにしてもよい。
(12)特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データに大当りが含まれているか否かを当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるよりも前の変動表示時に予告する保留予告を実行するときには、たとえば、保留記憶データに基づく大当りの種別に基づいて、大当り種別に対応する第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63への遊技球の進入により生じるラウンド数の合計値または平均値等のラウンド選択数(大当りのときのラウンド数の規模)を報知可能な予告演出を行なうようにしてもよい。
(13)上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板80に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板80に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板80は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板80の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(14)なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ遊技機
7 遊技領域
33 送出領域スイッチ
40 流下縁部
60,60a 特定領域部
61 第1特定領域
62 第2特定領域
63 第3特定領域
70,70a 玉送出装置
73 誘導路
75 遮蔽部材
400 ステージ部
560 遊技制御用マイクロコンピュータ
732 回転体
732a 保持部
732b 凹凸部

Claims (1)

  1. 遊技媒体を遊技領域に発射することにより遊技を行う遊技機であって、
    所定条件の成立後、遊技媒体が特定領域を通過したことに基づいて、遊技者にとって有利な遊技価値を付与する価値付与手段と、
    前記遊技機に発生したエラー状態を検出するエラー検出手段と、
    所定条件の成立後、遊技媒体が特定領域を通過するまでの特定期間に、前記エラー検出手段によってエラー状態が検出されたことに基づいて、遊技の進行を停止する遊技進行停止手段と、
    解除条件が成立したことにより、前記遊技進行停止手段による遊技の進行の停止を解除する停止解除手段と、を備え、
    前記価値付与手段は、前記遊技進行停止手段によって遊技の進行が停止された場合、該遊技の進行の停止前に発射された遊技媒体が特定領域を通過したか否かに関わらず、遊技の進行の停止の解除後に発射された遊技媒体が特定領域を通過するまで、前記遊技価値の付与を規制する、
    ことを特徴とする遊技機。
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