JP2015058328A - 遊技機 - Google Patents

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小倉 敏男
Toshio Ogura
敏男 小倉
佳寛 冨田
Yoshihiro Tomita
佳寛 冨田
尚行 森田
Naoyuki Morita
尚行 森田
幸一 須永
Koichi Sunaga
幸一 須永
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Abstract

【課題】遊技媒体の動きで遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを提供する。【解決手段】遊技媒体を用いて所定の遊技を行う遊技機である。遊技機は、遊技媒体が案内され、案内された遊技媒体が転動する転動面131と、転動面131に設けられ、遊技媒体が進入可能な複数の特定領域161、162、163、164と、複数の特定領域161、162、163、164に向けて遊技媒体の転動運動を付加して誘導する誘導部113、141、142、143、144と、複数の特定領域161、162、163、164の周囲に設けられ、複数の特定領域161、162、163、164の周囲を回動する周辺可動体150と、を備える。周辺可動体150は、誘導部によって誘導された遊技媒体が特定領域161、162、163、164に直接進入することを阻害する。【選択図】図5

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、所定の遊技を行う遊技機に関する。
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球といった景品遊技媒体が遊技者に払い出されるものがある。さらに、所定の入賞領域に遊技媒体が入賞する(始動条件が成立する)と識別情報を可変表示(「変動」ともいう)可能な可変表示装置が設けられ、可変表示装置において識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果(大当り図柄)となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御可能になるように構成されたものがある。
こうした遊技機では、遊技者をより楽しませるために、例えば盤面に演出用役物装置が設けられるものがある。このような演出用役物装置としては、例えば特許文献1、2に開示されたものがある。特許文献1は、大当たりの判定の予告演出を実行する際、フリッパで遊技媒体を弾いて転動させて、入球ポケットに進入するまでの遊技媒体の動きに着目させた演出用役者装置を開示している。また、特許文献2は、球打部(バット)により転動する遊技媒体を、大当たりを発生させる特定遊技領域に向けて打ち返す演出用役物装置を開示している。
特開2006−239251号公報 特開2008−22904号公報
特許文献1に開示された演出用役物装置においては、遊技媒体に動きを付加するものはフリッパのみである。また、特許文献2に開示された演出用役物装置においては、球打部(バット)のみである。そのため、遊技媒体の動きによって遊技者の目を惹きつけて、遊技の興趣を高めるのには限界がある。
そこで、本発明は、遊技媒体の動きで遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するため、本願に係る遊技機は、
遊技媒体を用いて所定の遊技を行う遊技機であって、遊技媒体が案内され、案内された前記遊技媒体が転動する転動面(例えば、転動面131)と、前記転動面に設けられ、前記遊技媒体が進入可能な複数の特定領域(例えば、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、及び第4特定領域164)と、前記複数の特定領域に向けて前記遊技媒体の転動運動を付加して誘導する誘導部(例えば、遊技球誘導路113、第1フリッパ141、第2フリッパ142、第3フリッパ143、及び第4フリッパ144)と、前記複数の特定領域の周囲に設けられ、該複数の特定領域の周囲を回動する周辺可動体(例えば、周辺可動体150)と、を備え、前記周辺可動体は、前記誘導部によって誘導された前記遊技媒体が前記特定領域に直接進入することを阻害する、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、案内された遊技媒体は、周辺可動体と誘導部とにより転動運動が付加されながら、いずれかの特定領域に入るまで複数の異なる方向に転動運動を繰り返す。そのため、いずれの特定領域に遊技媒体が進入するかについて興味のある遊技者に、転動する遊技媒体に注意を惹かせることができる。これにより、遊技媒体の動きで遊技の興趣を高めることができる。
(2)上記(1)の遊技機において、
前記周辺可動体は、前記転動面を転動する前記遊技媒体が前記特定領域に直接進入することを阻害する阻害部(例えば、凸部150a)と、前記転動面を転動する前記遊技媒体が前記特定領域に直接進入することを許容する許容部(例えば、平坦部150b)と、を有する、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、阻害部を有する周辺可動体により、遊技媒体が直接特定領域に侵入することを阻害することができる。これにより、特定領域に進入するまでに、遊技媒体を異なる方向に繰り返し転動させることができ、遊技媒体の動きで遊技の興趣を高めることができる。
(3)上記(1)又は(2)の遊技機において、
前記阻害部は、前記転動面を転動する遊技媒体が乗り上げ可能な形状をしており、前記周辺可動体の回動により、乗り上げた遊技媒体を前記特定領域の上方を通過可能に弾く、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、特定領域に進入するまでの遊技媒体の動きを複雑にすることができ、遊技媒体の動きで遊技の興趣を高めることができる。
(4)上記(1)〜(3)の何れかの遊技機において、
前記誘導部は、前記転動面の少なくとも一端に設けられ、前記遊技媒体を打撃して弾く誘導可動部(例えば、第1フリッパ141、第2フリッパ142、第3フリッパ143、及び第4フリッパ144)を有している、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、特定領域に進入するまでの遊技媒体の動きを複雑にすることができ、遊技媒体の動きで遊技の興趣を高めることができる。
(5)上記(1)〜(4)の何れかの遊技機において、
前記遊技媒体が、前記複数の特定領域のうち、いずれの特定領域に進入したかによって、遊技者の遊技における有利度合いが異なる、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、遊技媒体がいずれの特定領域に侵入するのかが、遊技者が遊技をする上で重要な事項となる。これにより、遊技媒体が特定領域に進入するまでの動きに注目させることができ、遊技媒体の動きで遊技の興趣を高めることができる。
(6)上記(4)の遊技機において、
前記周辺可動体及び前記誘導可動部のうち、少なくともいずれかが動作しているか否かを判定する第1判定手段を有し、動作していないと判定した場合に所定の異常時処理を行う、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、遊技媒体の動きを複雑なものとする周辺可動体及び誘導可動部のうち、少なくともいずれかがが動作していないことを検知することができる。これにより、有利な条件を提供する特定領域に遊技媒体を導こうとする不正行為を防止することができる。
(7)上記(1)〜(5)の何れかの遊技機において、
前記周辺可動体が動作しているか否かを判定する第2判定手段を有し、動作していないと判定した場合に所定の異常時処理を行う、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、遊技媒体の動きを複雑なものとする周辺可動体が動作していないことを検知することができる。これにより、有利な条件を提供する特定領域に遊技媒体を導こうとする不正行為を防止することができる。
(8)上記(1)〜(7)の何れかの遊技機において、
前記周辺可動体は円環状をなし、前記阻害部は、周方向に等間隔に配置された山形状をなした凸部(例えば、凸部150a)であり、外側から内側に向けてその高さが高くなっている、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、周辺可動体に形成された阻害部によって遊技媒体を上方に弾くことができるので、遊技媒体が特定領域に侵入するまでに遊技媒体に複雑な動きを付加することができる。これにより、遊技媒体の動きで遊技の興趣を高めることができる。
(9)上記(8)の遊技機において、
前記許容部は、前記阻害部の間に形成された平坦部である、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、複数の異なる方向に転動運動を繰り返した遊技媒体を、最終的に特定領域に進入させることができる。これにより、特定領域に侵入するまでの遊技媒体の動きで、遊技の興趣を高めることができる。
このような構成によれば、ベース体に対して遊技盤ユニットを安定して取り付けることができる。
本発明の実施形態に係る遊技機の正面図である。 本発明の実施形態に係る遊技機に設けられた飾り部材の拡大斜視図である。 大当たり種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。 本発明の実施形態に係る遊技機が有する演出用役物装置の斜視図である。 本発明の実施形態に係る遊技機が有する演出用役物装置の分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る遊技機が有する演出用役物装置から一部の構成部品を取り除いた分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る遊技機が有する演出用役物装置に取り付けられたフリッパに着目した斜視図である。 図6中の“VIII部”を拡大した拡大斜視図である。 本発明の実施形態に係る遊技機が有する演出用役物装置の一部の構成を示した分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る遊技機が有する演出用役物装置の一部の構成を示した分解斜視図である。 (a)は、図9中の矢視XIa−XIaから見た特定領域部の断面図、(b)は、周辺可動体駆動部と駆動部支持枠との接触部に着目した概要図である。 本発明の実施形態に係る遊技機が有する演出用役物装置の周辺可動体の詳細図であり、(a)は全体斜視図、(b)は矢視B−Bで示した断面図、(c)は矢視C−Cで示した断面図である。 本発明の実施形態に係る遊技機が有する演出用役物装置のステージ部の断面図であり、(a)は図6中の矢視XIIIa−XIIIaで示した断面図、(b)は図6中の矢視XIIIb−XIIIbで示した断面図である。 主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。 中継基板、演出制御基板、ランプドライバ基板および音声出力基板の回路構成例を示すブロック図である。 主基板における遊技制御用マイクロコンピュータが実行するメイン処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 進入管理処理を示すフローチャートである。 ステージ部異常検知処理を示すフローチャートである。 各乱数を示す説明図である。 遊技制御用マイクロコンピュータが送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。 始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。 遊技制御用マイクロコンピュータにおける保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 特別図柄停止処理を示すフローチャートである。 大当り開始前処理を示すフローチャートである。 開放態様選択処理を示すフローチャートである。 大入賞口開放前処理を示すフローチャートである。 大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。 大当り終了処理を示すフローチャートである。 演出制御用マイクロコンピュータが用いる乱数を示す説明図である。 演出表示装置における演出図柄(飾り図柄)の停止図柄の一例を示す説明図である。 演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は本発明の実施形態に係る遊技機の正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)4や、打球(遊技球)を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。遊技領域7には、遊技球を誘導するための多数の釘(不図示)が植設されている。釘(不図示)は、植設角度の調整等の所謂釘調整をすることにより、遊技球の流下方向を調整可能な流下方向調整手段としての機能を有する。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)を行なう変動表示装置に相当する。演出表示装置9では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、たとえば「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。
演出表示装置9では、後述する第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示が行なわれる。演出図柄の変動表示は、スクロール表示およびその場切替え表示等の各種の変動態様で実行される。
演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。第1特別図柄は、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。第2特別図柄は、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されることなく、どちらか一方が変動表示される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り図柄の導出表示から大当り遊技状態の終了までの期間内ではないこと)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したこと(遊技球が進入したこと)である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
以下の説明においては、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560(図14)のRAM55(図14)の所定領域に記憶される。第1始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第1保留記憶データとして第1保留記憶バッファに記憶され、第2始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第2保留記憶データとして第2保留記憶バッファに記憶される。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態になったときに(第1の開始条件(たとえば、保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」のデータであって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り図柄の導出表示から大当り遊技状態の終了までの期間内ではない)が成立しているときに)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態になったときに(第2の開始条件(たとえば、保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第2」のデータであって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り図柄の導出表示から大当り遊技状態の終了までの期間内ではない)が成立しているときに)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、遊技領域7の中央部に設けられ、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが大当り表示結果として停止表示される。前述した第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、演出表示装置9は、識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置であり、変動表示部として用いられる。
演出表示装置9では、変動表示を開始するときに、たとえば、左,中,右の演出図柄のすべてが変動表示を開始する。そして、変動表示している左,中,右の演出図柄が基本的に所定の順番(たとえば、左演出図柄、右演出図柄、中演出図柄の順番のような予め定められた順番)で停止し、変動表示の開始から予め定められた変動時間が経過したときに、左,中,右の全演出図柄が停止して表示結果が確定する。なお、左,中,右の演出図柄が停止する順番は、左,右,中の図柄の順番以外の順番であってもよい。また、左,中,右の演出図柄は、同時に停止してもよい。
遊技領域7は、遊技者の選択により遊技球を打込む領域が変更可能となる複数の領域を含む。本実施の形態の場合、遊技領域7は、遊技領域の左右方向の中央部を境界として左側の領域が左領域7aと呼ばれ、右側の領域が右領域7bと呼ばれる。なお、遊技領域7の領域分けは、遊技領域7の中央部を境界として左右に分けるもの以外に、たとえば、遊技領域7の中央から左または右に偏在した位置を境界として左右に分けるものであってもよい。たとえば、演出表示装置9等の装置が設けられる飾り部材90は、遊技領域7の中央から左または右に偏在して設けられる場合があるが、そのような場合に、遊技領域7の中央から左または右に偏在した当該飾り部材の頂点を中心として左右に領域が分けられたものであってもよい。つまり、遊技領域7の領域分けは、遊技領域7において、ある位置を中心として遊技領域が複数に分けられているものであればどのような領域分けが行なわれてもよい。また、このように、左領域7aと右領域7bとの複数の領域を含む場合において、遊技球が左領域7aへ流れるように左領域7aを狙って遊技球を打込むことが「左打ち」と呼ばれ、遊技球が右領域7bへ流れるように右領域7bを狙って遊技球を打込むことが「右打ち」と呼ばれる。
パチンコ遊技機1においては、打球操作ハンドル5の操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域を変更することができる。
演出表示装置9の下方には、遊技球が入賞(進入)可能な第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13は、遊技領域7の左右方向の中央部に設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。本実施の形態の場合、第1始動入賞口13は、「左打ち」をしたときが「右打ち」をしたときよりも入賞しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13の右側方部における右領域7bには、遊技球が入賞(進入)可能な第2始動入賞口14(第2始動口)を有する可変入賞球装置(電動チューリップ)15が設けられている。可変入賞球装置15は、左右一対の可動片18を備え、可動片18の状態により、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と遊技球が入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものである。可動片18の上方には、上方からの遊技球の入賞を阻止するストッパ部材17が設けられており、閉状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しない構造とされている。可変入賞球装置15に設けられた第2始動入賞口14は、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも入賞しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。
第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16(図14)によって開状態とされる。
可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい(たとえば、ストッパ部材17を設けない構成例)。このように、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。つまり、可変入賞球装置15は、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と該第1の状態よりも遊技球が入賞しにくいまたは入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものであればよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
また、遊技領域7には、遊技球の入賞に基づいて予め定められた所定数の賞球の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30も設けられている。入賞口29,30に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30aで検出される。
演出表示装置9の下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
演出表示装置9の右側方の右領域7bにおいては、遊技球が進入して通過可能な普図ゲート32が設けられている。普図ゲート32においては、進入した遊技球を検出する普図ゲートスイッチ32aが設けられている。普図ゲート32には、普図ゲート32に進入(通過)した遊技球を検出する普図ゲートスイッチ32aが設けられている。
遊技球が普図ゲート32を通過し普図ゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄「○」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、普図ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。普図ゲート32への遊技球の通過があるごとに、すなわち普図ゲートスイッチ32aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器を1減らす。普図保留記憶数の上限値は4つであり、普通図柄保留記憶表示器41においては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域としての合算保留記憶表示部18cが設けられている。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられることにより、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とのそれぞれの表示領域が設けられるようにしてもよい。
第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、合算保留記憶表示部18cで行なわれる保留記憶数等の保留記憶に関する表示は、保留記憶表示と呼ばれる。このように、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、合算保留記憶表示部18cでは、変動表示を行なう権利の数を視認可能な態様で各権利に対応する保留記憶表示が行なわれる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
遊技領域7の中央の領域においては、演出表示装置9の周囲を枠形状の壁部で囲う態様の飾り部材90が設けられている。飾り部材90の下端部には、遊技球が進入(入賞)可能な第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164という4つの特定領域の領域口が同心円上に分配形成された円盤状の特定領域部160(「4穴クルーン」ともいう。)が設けられたステージ部131が形成されている。
飾り部材90の正面から見て右側の側壁部には、穴901が形成されており、当該穴901の外側から内側に挿通する態様で、遊技球誘導路113が設けられている。遊技球誘導路113は、飾り部材90の外側において遊技領域7を流下する遊技球を受入れて飾り部材90の内側に送出(案内)する装置である。遊技球誘導路113は、上方に向いて開口した球入口71と、下方に向いて開口した球出口72とを有する湾曲した形状の誘導路である。遮蔽部材75は、遊技球誘導路113への遊技球の進入を遮蔽する遮蔽状態(閉状態ともいう)と、遊技球の進入を遮蔽しない状態(開状態ともいう)とに変化可能なシャッターである。遊技球誘導路113における遊技球の通路は、遊技球を1個ずつ送出するために、1個の遊技球が通過可能な程度の広さで形成されている。
遮蔽部材75は、後述するようなソレノイド(図14のソレノイド34)により駆動され、球入口71の内部において、前後方向に移動することで出没することにより、前述の開状態または閉状態となる。たとえば、ソレノイドが非励磁状態ではバネの弾性力により遮蔽部材75が前方へ付勢されて閉状態となっており、ソレノイドが励磁状態にされると遮蔽部材75がバネの弾性力に抗して後退して開状態となるように構成されている。遮蔽部材75が設けられた位置のよりも下方においては、遊技球誘導路113での遊技球の進入(言い換えると遊技球の送出)を検出する送出領域スイッチ33が設けられている。なお、遮蔽部材75を駆動する手段は、このような開状態または閉状態とすることができる駆動手段であれば、ソレノイドに限らず、モータ等のその他の駆動手段を設けてもよい。
遊技球誘導路113において、遊技領域7においては、球入口71近傍の障害釘Pにより誘導された遊技球等、流下する遊技球が、球入口71に向けて転動する。遮蔽部材75は、通常時は閉状態であり、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されたときに開状態に制御される。遮蔽部材75が開状態であるときには、遊技球が遊技球誘導路113内に進入可能となり、進入した遊技球が遊技球誘導路113内で球出口72へ誘導されていく。閉状態であるときは、遊技球は遊技球誘導路113に進入できない。開状態であるときに遊技球が遊技球誘導路113内に進入して送出領域スイッチ33により検出されると、遮蔽部材75が閉状態に制御される。このように、遮蔽部材75は、遊技球が遊技球誘導路113に1個進入するとただちに閉状態となる。これにより、特定領域を含む飾り部材90の内部に遊技球が1個ずつ受入れられ、1個ずつ送出されることとなる。
このように、同時に複数の遊技球が特定領域部160に向けて送出されることがないので、送出された遊技球が第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および第4特定領域164のいずれの特定領域を通過するかを把握し易くすることができる。また、送出領域スイッチ33により特定領域部160に向けて送出される遊技球を検出することが可能であるため、この検出に応じた演出(例えば、後述する権利発生フラグがセットされているときに実行される演出)を実行することが可能である。
なお、遮蔽部材75は、通常時は閉状態であるものに限定されず、通常時に開状態、あるいは開状態と閉状態とが所定の周期で切り替わる状態とされてもよい。また、通常時に開状態である場合には、開状態であるときに遊技球が遊技球誘導路113内に進入して送出領域スイッチ33により検出されると、遮蔽部材75が所定の閉期間(例えば5秒間)の間、閉状態に制御されるものとしてもよい。この場合、遮蔽部75が閉状態となる期間は、遊技球が球入口71に進入してから第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および第4特定領域164のいずれかの特定領域を通過するか、または飾り部材90の外部に流出するに十分な期間であればよい。
第1特定領域161に進入した遊技球は、図10に示すように、パチンコ遊技機1の内部に設けられた第1スイッチ166により検出される。第2特定領域162に進入した遊技球は、パチンコ遊技機1の内部に設けられた第2スイッチ167により検出される。第3特定領域163に進入した遊技球は、パチンコ遊技機1の内部に設けられた第3スイッチ168により検出される。第4特定領域164に進入した遊技球は、パチンコ遊技機1の内部に設けられた第4スイッチ169により検出される。また、第1〜第4スイッチのいずれにも検出された遊技球は、その後、下方の共通スイッチ193により検出される。
権利発生状態(大当り図柄が停止して所定のゲート無効期間が経過してから遊技球が第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のうちのいずれかに進入するまでの期間)において遊技球誘導路113から送出された遊技球が、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のいずれかに進入(入賞)したときは、後述するような大入賞口の開放制御状態(大当り遊技状態)に制御される。具体的には、遊技球が、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および、第4スイッチ169のいずれかにより検出されたとき、または、不正や故障等の要因により遊技球が第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および、第4スイッチ169のいずれでも検出されないが、共通スイッチ193によって検出されたときは、大当り遊技状態に制御される。
なお、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおける大当り図柄の停止表示にかかわらず、遮蔽部材75が通常状態において開状態に制御されるものとし、権利発生状態(大当り図柄が停止してから遊技球が第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のいずれかに進入するまでの期間)でないときに遊技球が第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のいずれかに進入した場合には、所定演出が実行されるものとしてもよい。こうすれば、権利発生状態で無い場合に特定領域を通過した場合には、所定演出を実行することによって、権利発生状態以外でも特定領域を有効利用して遊技の興趣を向上させることができる。所定演出には、音によって実行中の特別図柄の変動表示が大当りとなるか否かを示唆する示唆所定演出や、遊技者に「左打ち」を指示する左打ち指示所定演出等が含まれる。本実施の形態の場合、普図ゲート32、および、遊技球誘導路113の球入口71のそれぞれは、右領域7bに設けられており、「右打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「左打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。なお、普図ゲート32は、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすい(遊技球が進入不可能ではない)ように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。
パチンコ遊技機1においては、大当り図柄が停止表示されて、遊技球が、第1特定領域161に進入して第1スイッチ166により検出され、第2特定領域162に進入して第2スイッチ167により検出され、第3特定領域163に進入して第3スイッチ168により検出され、または、第4特定領域164に進入して第4スイッチ169により検出されると、大入賞口の開放制御状態(大当り遊技状態)に制御される。また、不正や故障等の要因により遊技球が第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および、第4スイッチ169のいずれでも検出されないが、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および第4特定領域164のいずれに進入した遊技球も検出する共通スイッチ193によって検出されたときにも、大当り遊技状態に制御される。つまり、権利発生状態において、遊技球が、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のうちいずれかの特定領域を通過することに基づいて、大入賞口の開放制御状態(大当り遊技状態)に制御される。言い換えると、権利発生状態において、遊技球が、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のうちいずれかの特定領域を通過することに基づいて、大入賞口の開放制御状態に制御される(大当り遊技状態)という価値が付与される。
本実施の形態では、変動表示の表示結果が大当り表示結果となることに基づいて権利発生状態となり、権利発生状態において遊技球が第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のうちいずれかに進入すると特別可変入賞球装置20の大入賞口を開放する開放制御状態となる。遊技者にとって有利となる大当り遊技状態は、このような権利発生状態後の開放制御状態が該当する。また、権利発生状態は、遊技球が特定領域(第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164)に進入すること以外の条件で終了することはない。したがって、変動表示の表示結果が大当り表示結果となったときに、大当り遊技状態(開放制御状態)に制御可能となる所定条件が成立することとなる。変動表示の表示結果を大当り表示結果とするか否かは、変動表示結果が表示される前に事前決定される。したがって、このような事前決定は、開放制御状態(大当り遊技状態)に制御可能な状態とするか否かの事前決定と定義することができる。
なお、権利発生状態とする大当り表示結果を決定することが結果的に開放制御状態に制御することに関与するので、表示結果を決定することを、大当りとするか否かを決定する大当り判定と呼ぶ場合がある。また、本実施の形態では、大入賞口が開放される開放制御状態が遊技者にとって有利な状態であるので、開放制御状態のみを「大当り」と呼ぶが、前述した権利発生前状態および権利発生状態も開放制御状態に制御されることが保証された遊技者にとって有利な状態であるので、権利発生前状態および権利発生状態と開放制御状態とを含めて「大当り」と呼んでもよい。したがって、本実施の形態において「大当り」と呼ぶときは、基本的に開放制御状態を示すが、たとえば後述する「大当り確率」のように権利発生前状態および権利発生状態となる大当り表示結果を決定する確率等のように、「大当り」という概念で示した方が意味が分かりやすくなるときには、権利発生前状態および権利発生状態ならびに開放制御状態を含む概念として、「大当り」と呼ぶ場合がある。
なお、権利発生状態において遊技球が進入したときに開放制御状態(大当り遊技状態)に制御されることとなる特定領域としては、遊技球が進入可能な領域であればよく、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のように遊技球が遊技機1の内部に受入れられる構造の領域であってもよく、遊技球が遊技機1の内部に受入れられず遊技領域7へ流下するゲート構造の領域であってもよい。
また、このような特定領域としては、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のような特定領域専用の領域が設けられてもよく、他の制御または賞球の払出し等の他の目的でも用いられる領域を兼用するものであってもよい。
本実施の形態では、前述したように、遊技領域7における複数の領域(左領域7a、右領域7b)のうちの特別可変入賞球装置20が設けられた領域に、遊技球誘導路113の球入口71が設けられている。そして、打球操作ハンドル5の操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域が変更できるので、遊技者が大入賞口の開放制御状態を開始させる意思を持ったときに開放制御状態を開始させることができるようになり、遊技者の意に反した時期に開放制御状態が開始されてしまうことを防ぐことができる。
演出表示装置9における演出図柄の変動表示中には、リーチ状態が生じる場合がある。ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り図柄の組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当り表示結果が発生しやすいように設定され、大当り表示結果となる信頼度が高いものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
また、図1に示すように、遊技領域7における右領域7bには、可変入賞球装置15の下方に、遊技球が入賞可能な特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大入賞口と呼ばれる入賞口を開閉可能な開閉板を備え、遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と、遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能な可変入賞装置である。これにより、特別可変入賞球装置20は、右領域7bに設けられており、「右打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「左打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。なお、特別可変入賞球装置20は、右領域7bに設けられ、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすいように、構造物および釘(不図示)の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、左領域7aに設けられ、「左打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「右打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物および釘(不図示)の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、左領域7aに設けられ、「左打ち」をしたときが「右打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、特別可変入賞球装置20は、閉状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、特別可変入賞球装置20が閉状態になっている状態は、遊技球が特別可変入賞球装置20に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。つまり、特別可変入賞球装置20は、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と該第1の状態よりも遊技球が入賞しにくいまたは入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものであればよい。
特別可変入賞球装置20は、開放制御状態となったときに、ソレノイド21(図14)によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23(図14)で検出される。
開放制御状態(大当り遊技状態)においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる(Rという記号で示される場合がある)。従来のパチンコ遊技機では、権利発生状態において特定領域に遊技球が1個進入すると入賞口が1回開放するものであったので、権利発生状態が終了するまでに遊技球を複数回繰返して特定領域に遊技球を進入させる必要があり、遊技の進行させ方が煩雑なものであった。これに対し、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、権利発生状態において第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のうちのいずれかに遊技球が一度進入すると、進入した特定領域に応じて決定されたラウンド数に基づいて、第1ラウンドから最終ラウンドまでのすべてのラウンドが実行される大入賞口の開放制御が行なわれる。これにより、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、遊技の進行させ方を、簡素なものとすることができ、遊技の進行状況に対応するとともに、遊技の進行させ方を容易にすることができる。また、本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当り表示結果とすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示されるランプ(発光体)としての装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられたランプ(発光体)としての天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。
左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED(不図示)が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。また、左枠LED28bの近傍には、パチンコ遊技機1の電源投入時(起動時)において、バックアップデータに基づいて確変状態となっているときに点灯することで確変状態であることを報知する確変報知LED53が設けられている。当該確変報知LED53は、電源投入時以外のときは、消灯しており、電源投入時にのみ、状態に応じて点灯する。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
打球供給皿3の所定位置には、押圧操作により遊技者が操作可能な操作ボタン130が設置されている。操作ボタン130には、操作を検出するための操作検出スイッチ157が設けられている。なお、操作ボタン130は、押圧操作するボタンに限らず、押下可能なジョグボタン、および、回動可能なジョグダイアルといった、その他の構成の操作手段により構成されてもよい。このような操作ボタン130は、たとえば、変動表示中の演出に応じて、操作する等、所定の演出が行なわれるときに操作が要求される。
図3においては、(A)に大当り時の制御の概要が表形式で示され、(B)に特定領域の種別と大当り時のラウンド数との関係が示されている。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、通常状態(確変状態でない通常の
遊技状態)に移行する大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
図3(A)では、通常大当りおよび確変大当りの大当り種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態の終了後の変動時間、大当り遊技状態における開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、通常大当りおよび確変大当りのそれぞれの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が、ラウンド数の上限値(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
通常大当りおよび確変大当りのそれぞれの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が、ラウンド数の上限値(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値は、(B)に示されるように、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のうち、どの特定領域への遊技球の進入が、権利発生状態から開放制御状態に移行するきっかけとなったか、に応じて選択決定される。
たとえば、第1特定領域161への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が2ラウンドに決定される。第2特定領域162への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が5ラウンドに決定される。第3特定領域163への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が10ラウンドに決定される。第4特定領域164への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が15ラウンドに決定される。
このように、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164は、遊技球が進入したときに移行する開放制御状態(大当り遊技状態)でのラウンド数の上限値の割振りが異なるので、遊技球が進入したときに移行する開放制御状態(大当り遊技状態)において付与される価値の大きさの割振りが異なる。
なお、特定領域への遊技球の進入により付与される価値としては、開放制御状態のラウンド数のみに限らず、各ラウンドの開放時間、開放制御状態において遊技者が得られる遊技球数の期待値、確変状態に制御するか否か、確変状態の継続を変動表示回数により制限するとき(たとえば、変動表示が100回実行されると確変状態を終了させる等)の確変回数、時短状態に制御するか否か(確変状態に伴って制御する場合と、確変状態に伴わずに制御する場合とを含む)、および、変動パターンの変動時間の長短のうち、いずれか1つ、または、複数の組合せとすることが考えられる。例えば、ラウンド数が多く各ラウンドの開放時間が短い開放制御状態(例えば、ラウンド数が15回で各ラウンドの開放時間が0.2秒など)よりも、ラウンド数が少なく各ラウンドの開放時間が長い開放制御状態(例えば、ラウンド数が5回で各ラウンドの開放時間が29秒など)の方が価値が大きいものとして判断してもよい。このような場合に、特定領域への遊技球の進入に基づく開放制御状態(大当り遊技状態)において付与される価値の大きさが特定領域の種別により異なるようにするときには、これら価値のうち、いずれか1つ、または、複数の組合せについて、価値の大きさを異ならせるようにすればよい。
この実施の形態では、大当り遊技状態において付与される遊技価値として、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のいずれの特定領域を遊技球が通過したかによって付与される価値の大きさが異なる第1の遊技価値としてのラウンド数と、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のいずれの特定領域を遊技球が通過したかによらず大当り判定のときに付与するか否かが決定される第2の遊技価値としての確変状態が存在する。このように遊技価値の付与態様を多様化することで、遊技の興趣を向上させるようにしている。
このように、大当りとなるときには、権利発生状態においていずれの特定領域に遊技球が進入したかに応じて、開放制御状態におけるラウンド数が選択されるように制御される。
通常大当りおよび確変大当りのそれぞれについて、ラウンド数が異なる大当りが選択され得るので、ラウンド数が異なる大当りについても種別が異なる大当りとして類別した場合、本実施の形態では、2R通常大当り、5R通常大当り、10R通常大当り、15R通常大当り、2R確変大当り、5R確変大当り、10R確変大当り、および、15R確変大当りという複数の種別の大当りが選択され得ることとなる。
この実施の形態では、2R通常大当り、5R通常大当り、10R通常大当り、および、15R通常大当りのような通常大当りについて、これらを総称して「通常大当り」として示す場合があり、2R通常大当たり、5R通常大当り、10R通常大当り、または、15R通常大当りというように、ラウンド数を特定した通常大当りとして示す場合がある。同様に、この実施の形態では、2R確変大当り、5R確変大当り、10R確変大当り、および、15R確変大当りのような確変大当りについて、これらを総称して「確変大当り」として示す場合があり、2R確変大当り、5R確変大当り、10R確変大当り、または、15R確変大当りというように、ラウンド数を特定した確変大当りとして示す場合がある。
なお、本実施の形態では、通常大当りおよび確変大当りについて、ラウンド数の上限値の選択対象(2R、5R、10R、15R)が同じである例を説明するが、これに限らず、大当り種別により、ラウンド数の上限値の選択対象が異なる(たとえば、確変大当りのときには通常大当りのときよりも選択対象のラウンド数の上限値が大きい等)ようにしてもよい。
本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。また、本願実施の形態では、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後についても、時短状態に制御される。なお、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後は、時短状態に制御されないようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。また、本願実施の形態では、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後についても、電チューサポート制御状態に制御される。なお、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後は、電チューサポート制御状態に制御されないようにしてもよい。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうち、いずれか1つの状態、いずれか複数(すべての組合せを除く)を組合せた状態、または、すべてを組合せた状態に制御するものであれば、どのような制御を行なうようにしてもよい。
本実施の形態では、特別遊技状態として、確変状態に付随して、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される。なお、特別遊技状態として、確変状態とは独立して時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。その他、特別遊技状態における時短状態と電チューサポート制御状態との関係としては、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよく、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、通常大当りの大当り遊技状態後の制御状態として、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される。なお、通常大当りの大当り遊技状態後の制御状態として、時短状態とは独立して電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。
この実施の形態の場合は、大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに時短状態および電チューサポート制御状態に制御されるが、確変状態に制御されたときに時短状態および電チューサポート制御状態に制御されない場合があるようにしてもよい。また、大当り遊技状態の終了後において、確変状態に制御されず通常状態となるときは、変動表示回数により期間が制限されずに、次回の大当りが発生するまでの間、時短状態および電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「高確高ベース状態」、および、「低確高ベース状態」を用いる。なお、「高確低ベース状態」に制御可能となるようにしてもよい。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
以上に説明したように、本実施の形態において、確変大当りは、決定されたラウンド数の大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りの場合は、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、変動表示回数とは関係なく、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
また、以上に説明したように、本実施の形態において、通常大当りは、決定されたラウンド数の大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(低確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。通常大当りの場合は、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
また、大当りとしては、大当り遊技状態について、ラウンド数が同じであるが、1回の開放時間が長い開放パターンの大当りと、1回の開放時間が短い開放パターンの大当りとを設ける等、ラウンド数が同じであるが開放パターンが異なるものを複数設け、第1特別図柄の変動表示で大当りとなったときと、第2特別図柄の変動表示で大当りとなったときとで異なる選択割合で選択して実行されるようにしてもよい。
本実施の形態のパチンコ遊技機1は、打球操作ハンドル5の操作量を調整することにより発射強度を調整することにより、次のような態様で遊技者が遊技球を左領域7aまたは右領域7bへ打分けることにより、遊技者にとって有利な状態に制御されやすくなるように構成されている。
低確低ベース状態のような低ベース状態においては、時短状態に付随する高ベース状態よりと比べて可変入賞球装置15が開状態になりにくく、第1始動入賞口13の方が第2始動入賞口14よりも遊技球が進入しやすい。したがって、低確低ベース状態においてより多数の始動入賞を得たい場合に、遊技者は、第1始動入賞口13を狙って「左打ち」をすればよい。
また、高確高ベース状態および低確高ベース状態のような大当り遊技状態後の時短状態に付随する高ベース状態においては、電チューサポート制御等により、低ベース状態よりと比べて可変入賞球装置15が開状態になりやすく、第2始動入賞口144の方が第1始動入賞口13よりも遊技球が進入しやすい。したがって、大当り遊技状態後の高ベース状態においてより多数の始動入賞を得たい場合に、第2始動入賞口14が設けられた可変入賞球装置15を開状態にするために、普図ゲート32を狙って「右打ち」をすればよい。
また、特別図柄および演出図柄の変動表示結果が大当り表示結果となって権利発生状態となったときには、遊技球が、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のうちいずれかを通過すれば大入賞口の開放制御状態となる大当り遊技状態に制御される。したがって、権利発生状態において大入賞口の開放制御状態に移行させたい場合には、遊技球誘導路113の球入口71を狙って「右打ち」をすればよい。
また、権利発生状態において遊技球が第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のうちいずれかを通過して大入賞口の開放制御状態となったときには、特別可変入賞球装置20の大入賞口を狙って「右打ち」をすればよい。
次に、パチンコ遊技機の飾り部材90の下部に設けられた、特定領域部160を有する演出用役物装置100の構成について詳細に説明する。図4は、本発明の実施形態に係る遊技機が有する演出用役物装置の斜視図である。また、図5は、本発明の実施形態に係る遊技機が有する演出用役物装置の分解斜視図である。
図4に示すように、演出用役物装置100は、演出用役物装置100の上面を覆う透明カバー110と、前面を覆う前面装飾体120と、底部を覆う底部カバー195とで、その外観が概略構成されている。このようにして外観が構築された演出用役物装置100は、その内部に種々の部品を収容するための空間を形成している。
透明カバーは110、例えば、透明なアクリル樹脂から構成されている。これにより、遊技者は、透明カバー110を通して演出用役物装置100の内部に進入した遊技球(以下、遊技媒体とも記載する)を視認することができる。
前面装飾体120は、例えば合成樹脂から構成されており、演出用役物装置100の前面を構成する。前面装飾体120には、遊技者と対向する面に装飾が施されている。これにより、パチンコ遊技機1に美観を与えることができる。
底部カバー195は、例えば合成樹脂から構成されており、演出用役物装置100の底部を構成する。底部カバー195は、演出用役物装置100の内部に収容される種々の部品が取り付けられるベース体としても機能する。
遊技球誘導路113は、球入口71(図2)から進入した遊技媒体を、演出用役物装置100の内部に誘導する。遊技球誘導路113には、第1屈曲点113a及び第2屈曲点113bが設けられている。遊技球誘導路113は、第1屈曲点113aにより横方向から後方(本明細書においては前方を遊技者の方向とする)に向きを変え、さらに、第2の屈曲点113bにより、再度横方向に向きを変えている。そして、遊技媒体は、遊技球誘導路113の下り勾配を転がり、その勢いを増しつつ誘導され、球出口72から演出用役物装置100の転動面131へと落下する。
遊技球誘導路113は、図5に示すように、横引部113cと、透明カバー110と一体的に形成された上部誘導路113dと、ステージ部に形成された下部誘導路113eとを有している。上路誘導路113dは、透明カバーと同様にアクリル樹脂から構成されており、遊技者は誘導される遊技媒体を視認することが可能である。下部誘導路113eは、例えば、金属製のワイヤが格子状に組まれて構成されている。上部進入路113dと下部進入路113eとが組み合わされることで、遊技媒体が導かれる遊技球誘導路113の一部を構成している。なお、下部誘導路113eの終端側(球出口72側の端部をいう)は、上部誘導路113dよりも短い。これにより、遊技球誘導路113の終端に球出口72が形成される。
図5に示すように、演出用役物装置100は、球出口72から進入した遊技媒体が転動する転動面131を有するステージ部130と、転動面131の略中央部に設けられた円形状の特定領域部160と、この特定領域部160の周囲を取り囲む周辺可動体150と、転動面131の四隅のそれぞれに設けられた第1フリッパ141、第2フリッパ142、第3フリッパ143、及び第4フリッパ144と、を有している。
また図6は、本発明の実施形態に係る遊技機が有する演出用役物装置から一部の構成部品を取り除いた分解斜視図である。図6に示すように、ステージ部130は、平面視(図中上方から見た場合)すると略長方形をなしており、第1の転動面画定壁130a、及び第2の転動面画定壁130bにより、進入した遊技媒体が転動する転動面131が画定されている。転動面131の略中央には、円形状にあけられた特定領域露出孔131eが形成されている。この特定領域露出孔131eは、円形の特定領域部160とその周囲に形成される周辺可動体150とを露出する程度の大きさで形成されている。また、ステージ部130において、転動面131の4隅のそれぞれには、フリッパ141、142、143、144が回動する際の軸受けとなる、第1軸受部131a、第2軸受部131b、第3軸受部131c、および第4軸受部131dが形成されている。
第1フリッパ141は、第1軸受部131aに軸支されており、回動軸R1(図5)を中心に回動する。第2フリッパ142は、第2軸受部131bに軸支されており、回動軸R2を中心に回動する。第3フリッパ143は、第3軸受部131cに軸支されており、回動軸R3を中心に回動する。第4フリッパ144は、第4軸受部131dに軸支されており、回動軸R4を中心に回動する。これにより、演出用役物装置100の内部に進入した遊技媒体は、第1フリッパ141、第2フリッパ142、第3フリッパ143、及び第4フリッパ144により勢いよく特定領域部160に向けて弾かれる。これにより、転動面131を転がる遊技媒体の動きは複雑なものとなる。
特定領域部160は、平面視(図中上方から見た場合)して円形状に形成されており、特定領域露出孔131eの中央部に位置している。特定領域部160には、遊技媒体が進入可能な第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164が形成されている。これらの各特定領域161、162、163、164は、その領域口は円形であり、同心円上に等間隔に配置されている。
周辺可動体150は平面視すると円環状をなし、特定領域部160を取り囲むように配置されている。後述するように、周辺可動体150には、遊技媒体を特定領域部160に直接進入することを阻害する凸部150a(図8)と、遊技媒体を特定領域に直接侵入することを許容する平坦部150b(図8)とを有している。周辺可動体150が、特定領域部160の周囲を回動することで、特定領域部160に向かう遊技媒体が凸部150aにより弾かれることになる。これにより、転動面131を転動する遊技媒体の動きは複雑なものとなり、遊技者は、遊技媒体がどの特定領域161、162、163、164に進入するのか、予測することが困難となる。
図7は、本発明の実施形態に係る遊技機が有する演出用役物装置に取り付けられたフリッパに着目した斜視図である。なお、図7においては、構造の理解を容易にするために第1フリッパ141を取り外した状態を示すとともに、第1フリッパ141及び第2フリッパ142が固定される第1軸受部131a及び第2軸受部131bが形成されたステージ部130の図示も省略している。また、第3フリッパ143及び第4フリッパ144の構成については、第1フリッパ141及び第2フリッパ142の構成と同様であるため、これらの詳細な説明も省略するものとする。
図7に示すように、演出用役物装置100は、ソレノイド固定部148、ソレノイド145、可動片147、第1フリッパ141、および第2フリッパ142を有している。ソレノイド固定部148は、例えば合成樹脂から構成されており、底部カバー195に固定されている。また、ソレノイド固定部148は、ソレノイド145を保持する。
ソレノイド145は、前後方向に移動する突出した可動鉄心146を有している。可動鉄心146は、非励磁状態ではバネの弾性力により前方(図7においては左奥)へ付勢された状態にある。一方、ソレノイド145が励磁状態にされると、可動鉄心146はバネの弾性力に抗して後退する。可動鉄心146は円柱状をなし、その外周面に周方向に沿って引掛溝146aが形成されている。
可動片147は、第1フリッパ141から突出形成された第1フリッパ挿通部141cが挿通される第1フリッパ挿通孔147aと、第2フリッパ142から突出形成された第2フリッパ挿通部(不図示)が挿通される第2フリッパ挿通孔147bとが形成されている。また、第1フリッパ挿通孔147aと第2フリッパ挿通孔147bとの間には、ソレノイド145の可動鉄心146に形成された引掛溝146aに係止された対の差込片147cが形成されている。これにより、可動片147は、可動鉄心146の動きに伴って前後方向に移動する。
第1フリッパ141は、遊技媒体を打球するひれ部141aと、第1軸受部131aに支持される回動支持部141bと、可動片147の第1フリッパ挿通孔147aに挿通される第1フリッパ挿通部141cとを有している。第1フリッパ挿通部141cは、図中下方に突出形成されており、可動片147に形成された第1フリッパ挿通孔147aに挿通されている。これにより、第1フリッパ挿通部141cは、可動片147から力を受けて、前後方向に移動する。回動支持部141bは、ひれ部141aの下方に位置する円形断面を有する窪みである。回動支持部141bは、ステージ部130に形成された第1軸受部131a(図6)に回動自在に支持されている。このような構成により、可動片147の動きに連動して第1フリッパ挿通部141cが前後に移動すると、第1フリッパ141は第1軸受部131aを中心に回動する。これにより、ひれ状をなすひれ部141aは、回動軸R1を中心に回動し、転動面131(図6)を転動する遊技媒体を打ち返す。
第2フリッパ142は、第1フリッパ141と同様の構造を有しており、可動片147の中央ラインCLを基準にして、第1フリッパ141と対称の構造を有している。第2フリッパ142は、第2軸受部131b(図6)に軸支されており、回動軸R2を中心にして回動する。なお、第1フリッパ141及び第2フリッパ142の駆動手段としては、ソレノイド145に限定されず、モータ等のその他の駆動手段を設けてもよい。
第3フリッパ143は、第3軸受部131cにより軸支されており、回動軸R3を中心に回動する。第4フリッパ144は、第4軸受け部131dにより軸支されており、回動軸R4を中心に回動する。なお、演出用役物装置100には、第1フリッパ141及び第2フリッパ142の回動動作を検出する第1ソレノイド検出器197(図14)、及び第3フリッパ143及び第4フリッパ144の回動動作を検出する第2ソレノイド検出器198(図14)が設けられている。
このように、遊技媒体が転動する転動面131に4つのフリッパ141、142、143、144を設けることで、遊技媒体はフリッパ141、142、143、144により特定領域部160に打ち返されながら種々の方向に転動する。これにより、遊技者に、転動面131を転がる遊技媒体の動きに着目させることができる。
次に、本実施形態に係る演出用役物装置の転動面の略中央に設けられた特定領域部160周辺の構成について説明する。図8は、図6中の“VIII部”を拡大した拡大斜視図である。図9は、本実施形態に係る演出用役物装置の一部の構成を示した分解斜視図である。図10は、本実施形態に係る演出用役物装置の一部の構成を示した分解斜視図である。なお、図10に示した演出用役物装置100の一部の構成は、図9に示した演出用役物装置100の一部の構成の直下に配されている。
図8に示すように、特定領域部160は、遊技媒体が進入可能な第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164を有している。図11(a)は、図9中の矢視XIa−XIaから見た特定領域部160の断面図である。特定領域部160には、円筒状の支持枠挿通部160aが、下方に突出形成されている。支持枠挿通部160aは、特定領域部支持枠175(図9)に形成された特定領域部固定孔175aに嵌合されている。これにより、特定領域部160は、特定領域部支持枠175に固定支持されている。また、特定領域部160の表面(特定領域161、162、163、164が形成されている面)は、中央部が最も高く、中央部から外側に向けて低くなるように形成されている。これにより、特定領域部160内で転動する遊技媒体が、特定領域161、162、163、164に進入することなく留まってしまうことを防止することができる。
特定領域部支持枠175は、図9に示すように、十字状に形成された特定領域部160の支持枠であり、支持基板183に固定されている。特定領域部支持枠175の中央には、特定領域部160に形成された支持枠挿通部160a(図11a)と嵌合するための特定領域部固定孔175aが形成されている。また、特定領域支持枠175の十字状に配された4つのアームの内、3つのアームの先端には、特定領域部支持枠175を支持基板183に固定するための支持枠固定孔175b、175c、175dが形成されている。そして、ボルト(不図示)等の固定手段を用いて、支持枠固定孔175b、175c、175dと支持基板183のボルト孔183eとを介して、特定領域部支持枠175は支持基板183に固定される。
周辺可動体150は、平面視すると円環状をなしており、特定領域部160の周囲を取り囲むように配されている。図12は、本実施形態に係る演出用役物装置の周辺可動体の詳細図であり、(a)は全体斜視図、(b)は矢視B−Bで示した断面図、(c)は矢視C−Cで示した断面図である。図12(a)に示すように、周辺可動体150には、転動する遊技媒体の特定領域部160(図9)(円環状部の内側)への進入を阻害する凸部150a(阻害部)と、転動する遊技媒体の特定領域部160(図9)(円環状部の内側)への進入を許容する平坦部150b(許容部)とが、円環状の周方向に沿って交互に設けられている。また、遊技媒体の進入を阻害する凸部150aは、内側に向けて高くなっており、図12(b)に示すように円環状の内側端部と外側端部とではΔhの高低差が存在する。また、図12(c)に示すように、凸部150aを横断する断面から見ると、直線状に凸部が形成されている。このように、凸部150aを内側に向けて高くすることにより、転動面131から特定領域部160に向けて進入しようとする遊技媒体を、周辺可動体150の回動により凸部150aに乗り上げやすくすることができる。このように、凸部150aに乗り上げた遊技媒体は、周辺可動体150の回動により上方に弾き飛ばされる。このように上方に弾き飛ばされる遊技媒体の勢いは、凸部150aの形状や、周辺可動体150の回動状況に依存するが、特定領域161、162、163、164の上方を通過する程度としてもよい。このように、遊技媒体が周辺可動体150に弾き飛ばされることにより、遊技媒体の動きを複雑なものとすることが可能となる。なお、凸部150aは、図12(b)で示したような内側端部と外側端部の高低差Δhを設けない断面形状としてもよい。また、上述したように直線上に凸部150aを形成してもよいし、放物線を描くように凸部150a(段々と傾きが大きくなるような凸部)を形成してもよい。
また、図12(b)に示すように、周辺可動体150の下面には、周辺可動体駆動部170に形成された第1取付部170a、第2取付部170b、第3取付部170c、および第4取付部170dを介して、周辺可動体駆動部170にボルト(不図示)等の固定手段を用いて固定するための4つの取付孔150cが形成されている。
周辺可動体駆動部170は、平面視して略円環状をなしており、その外周面に外側に向けて歯型が形成されている。また、周辺可動体駆動部170の内周面には、周辺可動体150を固定するための第1取付部170a、第2取付部170b、第3取付部170c、および第4取付部170dが等間隔に設けられている。周辺可動体駆動部170の歯型は、駆動ギヤ185と噛み合わされており、駆動ギア185からの駆動を受けて回動する。これにより、周辺可動体150も、周辺可動体駆動部170とともに回動する。
駆動ギヤ185は、モータ186から突出した回転軸(不図示)に固定されている。モータ186の回転軸(不図示)は所定の回転数となるように制御されることで、駆動ギヤ185と噛み合った周辺可動体駆動部170は、所定の回転数で回転する。
また、周辺可動体駆動部170の歯型には、連動ギヤ187が噛み合っている。連動ギヤ187には回転を検出するための公知のセンサが設けられており、例えば、磁気スケール等が用いられている。連動ギヤ187には、円形状をなし、周方向に等間隔で磁化された鉄鋼スケール188が取り付けられている。連動ギヤ検出器189は、磁気読取ヘッド(不図示)を有しており、この磁気読取ヘッドにより連動ギヤ187の回転速度や回転の有無を検出することができる。
駆動部支持枠180は、平面視すると略円環状をなしており、支持基板183が取り付けられるとともに、周辺可動体150が取り付けられた周辺可動体駆動部170を回動可能に支持する。図11(b)は、周辺可動体駆動部と駆動部支持枠との接触部に着目した概要図である。図11(b)に示すように、駆動部支持枠180には、周方向に沿って半円状の断面を有する周辺可動体支持部180aが形成されている。また、周辺可動体駆動部170が所定の回動軸を中心にして回動できるように、周辺可動体駆動部170の下面には所定の回動方向に導くための周方向に延びる回動レール170eが形成されている。このように、周辺可動体支持部180aを半円状の断面とすることで、周辺可動体駆動部170との接触面積を小さくすることができ、周辺可動体駆動部170をスムーズに回動させることができる。
支持基板183には、各特定領域161、162、163、164に対応する位置に、進入した遊技媒体を通過させるための通過孔が形成されている。すなわち、支持基板183には、第1特定領域161に対応する位置に第1通過孔183aが形成されており、第2特定領域162に対応する位置に第2通過孔183bが形成されており、第3特定領域163に対応する位置に第3通過孔183cが形成されており、第4特定領域164に対応する位置に第4通過孔183dが形成されている。これにより、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、及び第4特定領域164に進入した遊技媒体は、支持基板183に形成された対応する通過孔183a、183b、183c、183dを通って落下する。
また、図10に示すように、本実施形態に係る演出用役物装置100は、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、第4スイッチ169、ベース枠184、共通スイッチ193、排出路190、及び排出路カバー196を有している。支持基板183に形成された各通過孔183a、183b、183c、183dを通過した遊技媒体は、各通過孔183a、183b、183c、183dに対応して配されたスイッチ166、167、168、169に検出される。
第1スイッチ166は、平面視して略長方形状を有しており、第1通過孔183a(図9)を通過した遊技媒体が通過する第1スイッチ通過孔166aが形成されている。第1スイッチ166は、第1スイッチ通過孔166aを通過した遊技媒体を検出する。第2スイッチ167は、平面視して略長方形状を有しており、第2通過孔183b(図9)を通過した遊技媒体が通過する第2スイッチ通過孔167aが形成されている。第2スイッチ167は、第2スイッチ通過孔167aを通過した遊技媒体を検出する。第3スイッチ168は、平面視して略長方形状を有しており、第3通過孔183c(図9)を通過した遊技媒体が通過する第3スイッチ通過孔168aが形成されている。第3スイッチ168は、第3スイッチ通過孔168aを通過した遊技媒体を検出する。第4スイッチ169は、平面視して略長方形状を有しており、第4通過孔183d(図9)を通過した遊技媒体が通過する第4スイッチ通過孔169aが形成されている。第4スイッチ169は、第4スイッチ通過孔169aを通過した遊技媒体を検出する。
ベース枠184は、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、及び第4スイッチ169を収容するとともに、駆動支持枠180(図9)、及び支持基板183(図9)を固定支持する。ベース枠184には、第1スイッチ166の外形に合わせた第1の凹部184aが形成されている。この第1の凹部184aに、第1スイッチ166が収容されて固定されている。また、ベース枠184には、第1スイッチ通過孔166aに連通するベース枠第1通過孔184eが形成されている。同様に、ベース枠184には、第2スイッチ167が収容されて固定される第2の凹部184bと、第3スイッチ168が収容されて固定される第3の凹部184cと、第4スイッチが収容されて固定される第4の凹部184dとが形成されている。また、ベース枠第1通過孔184eと同様に、第2の凹部184bにはベース枠第2通過孔184fが、第3の凹部184cにはベース枠第3通過孔184gが、第4の凹部184dにはベース枠第4通過孔184hがそれぞれ形成されている。そして、ベース枠184を通過した遊技媒体は、排出路190に落下する。
排出路190は、演出用役物装置100内に進入した遊技媒体を、パチンコ遊技機1の遊技領域7に排出する経路を形成する。排出路190は、底部カバー195に固定されるとともに、ベース枠184、及び排出路カバー196が固定される。演出用役物装置100に進入した遊技媒体は、どの特定領域161、162、163、164に進入したかによって異なる経路を通過しつつも、最終的には単一の経路を形成する排出路190に落下する。
排出路カバー196は、排出路190の排出口193a近傍を覆い、遊技媒体の経路の一部を形成する。排出路190と排出路カバー196との間には、共通スイッチ193が狭持されている。共通スイッチ193は、遊技媒体の経路上に共通スイッチ通過孔193aを有しており、共通スイッチ通過孔193aを通過した遊技媒体を検出する。共通スイッチ通過孔193aを通過した遊技媒体は排出口190aから排出され、パチンコ遊技機1の遊技領域7に再進入する。
上述したように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1においては、権利発生状態において遊技球誘導路113から送出された遊技媒体が、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のいずれかに進入(入賞)したかによって、開放制御状態におけるラウンド数が選択されるように制御される。遊技者が、遊技媒体が進入する特定領域161、162,163、164と、遊技媒体の特定領域161、162、163、164への進入に伴う獲得できるラウンド数との関係を認識できていれば、転動面131を転動する遊技媒体の動きに着目させることができる。これらの関係は、例えば、演出表示装置9(図1)において、図3(B)に示した、大当り時ラウンド数選択態様を表示することにより実現することができる。
例えば、大当り時(通常大当り時及び確変大当り時)に、演出用役物装置100に進入した遊技媒体が第1特定領域161に進入すると、獲得できるラウンド数は2Rであることを表示する。また、第2特定領域162に進入すると、獲得できるラウンド数は5R、第3特定領域163に進入すると、獲得できるラウンド数は10R、第4特定領域164に進入すると、獲得できるラウンド数は15Rであることを演出表示装置9に表示する。このような表示を見た遊技者は、第4特定領域163に遊技媒体が進入することで、最も大きなラウンド数を獲得できる有利な条件であることを認識することができる。なお、このような態様で遊技者に獲得ラウンド数を知らせる場合には、各特定領域161、162、163、164がどの特定領域であるかが表記されている。
このように、演出表示装置9により、進入する特定領域161、162,163、164と獲得できるラウンド数を表示した後に、遮蔽部材75(図2)が開状態とされる。これにより、遊技媒体が遊技球誘導路113内に進入し、遊技球誘導路113を通って球出口72へ誘導されていく。開状態であるときに遊技媒体が遊技球誘導路113内に進入して送出領域スイッチ33により検出されると、遮蔽部材75が閉状態になるように制御される。
このようにして演出用役物装置100に進入した遊技媒体は、球出口72から転動面131に落下する。このとき、特定領域部160を取り囲むように配された周辺可動体150は、回動した状態にある。上述したように、周辺可動体150には、遊技媒体が直接的に各特定領域161、162、163、164に進入することを阻害する凸部150aが形成されているため、球出口72から落下した遊技媒体がすぐにいずれかの特定領域161、162、163、164に進入することを防止することができる。
図13は、本発明の実施形態に係る遊技機が有する演出用役物装置のステージ部の断面図であり、(a)は図6中の矢視XIIIa−XIIIaで示した断面図、(b)は図6中の矢視XIIIb−XIIIbで示した断面図である。図13(b)に示すように、転動面131は、前後方向に傾きを有していない。しかしながら、図13(a)に示すように、転動面131は図中左側に向かって下り勾配iを有している。すなわち、転動面131は一様に、遊技媒体がフリッパ141、142、143、144の配置されている側に向けて転がる勾配を有しており、転動面131を転がる遊技媒体をフリッパ141、142、143、144に向けて導くことができる。
このような構成とすることで、球出口72から落下した遊技媒体が、いずれかの特定領域161、162、163、164に進入するまで、各フリッパ141、142、143、144に勢いよく特定領域部160に向けて弾かれることで転動運動が付加されるとともに、周辺可動体150の回動により、遊技媒体は凸部150aに乗り上げて上方に弾かれるという動きを繰り返す。そのため、遊技媒体の転動面131上での動きが複雑となり、有利な条件を提供する所定の特定領域への侵入を期待する遊技者の視線を釘付けにすることができる。すなわち、演出用役物装置100に進入した遊技媒体の動きで遊技の興趣を高めることが可能となる。
上述の実施形態では、転動面131には中央から両サイドに向けて下り勾配を設け、それぞれの低い位置にフリッパ141、142、143、144を設けるようにしている。しかしながら、転動面131に付ける勾配を片勾配とし、その低い位置のみにフリッパを設ける構成(フリッパは2つ配置する)としてもよい。これにより、ピンボール遊技機の興趣を兼ね備えたパチンコ遊技機1を提供することができる。
また、上述の実施形態では、遊技媒体の動きを複雑にする部材として、フリッパ141、142、143、144のみを設けてもよいし、周辺可動体150のみを設けるようにしてもよい。周辺可動体150のみを設ける場合には、転動面131を中央に向けて下る勾配とする必要がある。
また、フリッパ141、142、143、144、及び周辺可動体150の回動する速さと、遊技媒体の特定領域161、162,163、164への進入のしやすさについては様々な要因が存在するために容易に述べることはできないが、所定時間以上、遊技媒体が転動面を転動している場合には、フリッパ141、142、143、144、及び周辺可動体150の回動スピードを調整する(速くしたり遅くしたりする)ようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、いずれかの特定領域161、162,163、164に進入するかによって、獲得できるラウンド数が異なる(大当たりの価値が異なる)場合を例に説明した。なお、大当たりの価値が異ならせるような他の態様を採用してもよい。例えば、遊技媒体がどの特定領域に進入するかによって通常大当たりを獲得するか、あるいは確変大当たりを獲得するかが異なるようにしてもよいし、大当り後の時短を獲得できるかどうかを決定してもよいし、各ラウンドの開放時間を決定してもよい。また、ラウンド数、確変大当たりの有無、時短獲得の有無、各ラウンドの開放時間を、大当たり時に複数回、遊技媒体を演出用役物装置に進入させて、それぞれを決定するようにしてもよい。
また、いずれかの特定領域161、162、163、164に進入するかによって、大当たりか否かを決定する構成であってもよい。このような構成の場合、どの特定領域161、162、163、164が、V入賞口に対応するか、予め演出表示装置9に表示して遊技者に認識させてもよいし、あるいは、V入賞口である特定領域を予め特定領域部160に表示しておけばよい。
上述したように、いずれかの特定領域161、162、163、164に進入するのかが遊技者が遊技をする上で重要な事項となる。そのため、有利な条件を提供する特定領域へ不正に遊技媒体を導くような行為を抑制する必要がある。そこで、パソコン遊技機は1、遊技媒体がステージ部130上にある間、周辺可動体150と、フリッパ141、142、143、144との回動運動が行われているかを判定する判定手段を有している。判定手段は、このような回動運動が行われていないと判定すると所定の異常時処理を実行する。判定手段は、周辺可動体150のみの動きを判定して異常時処理を実行してもよいし、少なくとも1つのフリッパ141、142、143、144の回動運動が行われていないことのみで異常時処理を実行してもよい。
図14は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図14には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。払出制御基板37には、プログラムにしたがって入賞に応じた賞球を払出す制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、演出制御基板80には、プログラムにしたがって各種演出制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否かを決定することにより、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、当該始動入賞に係る可変表示の表示結果が大当り図柄となり、さらに権利発生状態において第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および第4特定領域164のいずれかを遊技球が通過したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや各保留記憶数カウンタの値等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。本実施の形態の場合、このようにバックアップRAMに保存される遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータ(バックアップデータ)には、大当り図柄が導出表示されてから権利発生状態が終了するまで(大当り遊技状態が開始されるまで)セットされる停止フラグ、権利発生状態に制御されているときにセットされる権利発生フラグ、遊技球が遊技球誘導路113内に進入してから権利発生状態が終了するまで(大当り遊技状態が開始されるまで)セットされる送出領域通過フラグ、送出領域通過フラグがセットされているときに遊技機に対する電力供給が停止されて再開されるとセットされる特定電断フラグ、および、確変状態に制御されているときにセットされる確変フラグに関するデータが含まれている。停止フラグとは、特別図柄の表示結果として大当り図柄が導出表示されたこと、即ち所定条件が成立していることを示すフラグである。権利発生フラグとは、特別図柄の変動表示の結果大当り図柄が導出された後、所定のゲート無効期間(例えば5秒)が経過して、遊技状態を大当り遊技状態とする権利が発生したことを示すフラグである。送出領域通過フラグは、権利発生状態において遊技球が遊技球誘導路113内に進入したことを示すフラグである。特定電断フラグは、遊技球が遊技球誘導路113内に進入してから特定領域(第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、及び第4特定領域164)を通過するまでの間に遊技機への電力供給が停止されたことを示すフラグである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電力供給時に実行されるメイン処理において、停止フラグを参照することにより、前回電力供給が停止したときに大当り図柄が導出表示されていたが大当り遊技状態が開始されていなかったことを確認可能である。また、権利発生フラグを参照することにより、前回電力供給が停止したときに権利発生状態であったか否かを確認することができる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電力供給時に実行されるメイン処理において、停止フラグがセットされているが権利発生フラグがセットされていないときには、前回電力供給が停止したときに権利発生前状態であったことを特定することができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(たとえば、DC30VやDC5V等)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、第4スイッチ169、共通スイッチ193、普図ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29,30からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、遊技球誘導路113の遮蔽部材75を駆動するソレノイド34、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、第1フリッパ141及び第2フリッパ142を回動させるソレノイド145、第3フリッパ143及び第4フリッパ144を回動させるソレノイド149、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
本実施形態において、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、第4スイッチ169は、いずれも公知の誘導形近接スイッチ(JIS C 8201-5-2)であるものとする。例えば、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および第4スイッチ169は、いずれも特許文献1に示されるような高周波発振型の貫通型近接スイッチである。また、本実施形態において、共通スイッチ193は、公知の光電形近接スイッチ(JIS C 8201-5-2)であるものとする。例えば、共通スイッチ193は、投光素子と受光素子との間の光路の遮断(遮光)による光量変化を検出する透過形の光電形近接スイッチである。
このように、特定領域に設けられる遊技球検出手段としての第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および第4スイッチ169は、いずれも誘導形近接スイッチであり、特定領域間では共通の方式で遊技球を検出するようにしている。一方、共通領域に設けられる遊技球検出手段としての共通スイッチ193は光電形近接スイッチであり、特定領域に設けられる遊技球検出手段とは異なる方式で遊技球を検出するようにしている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41、および、確変報知LED53の表示制御を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、第4スイッチ169、および、入賞口スイッチ29,30のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに、賞球個数を示す払出制御コマンドとしての賞球個数コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数コマンドが示す賞球個数に応じて駆動信号を供給することで、球払出装置97を駆動する。球払出装置97には、賞球を払出す払出モータが備えられている。払出制御用マイクロコンピュータにより払出モータが回転駆動制御されることにより、払出制御用マイクロコンピュータにより指定された個数の賞球が球払出装置97から払出される。
また、遊技球を打撃して発射する打球発射装置は、タッチセンサ基板91上の回路によって制御される発射モータ94を含み、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。遊技者が打球操作ハンドル5に触れていることはタッチセンサおよびタッチセンサ回路(遊技者が打球操作ハンドル5に触れているか否かを検出するための検出回路等を含む回路)で検出され、タッチセンサ回路からの信号がオフ状態を示している場合には、発射モータ94の駆動を停止する。
タッチセンサ基板91には、間欠的に繰り返しパルス(ステッピングモータとしての発射モータ94の各相に供給されるパルス信号)を発生するパルス発生器と、単発パルスを発生する単発パルス発生器とが設けられている。タッチセンサ回路からの信号がオン状態を示している場合に、パルス発生器が発生するパルスが発射モータ94に供給される。さらに、打球操作ハンドル5に、または、打球操作ハンドル5の近傍に、発射停止スイッチが設けられ、発射停止スイッチが操作されているときにはパルス発生器のパルス出力が停止される。
なお、パルス発生器のパルス出力は、払出制御基板37からの発射制御信号がオフ状態になったときにも停止される。また、打球発射装置には単発発射スイッチが設けられ、単発発射スイッチが操作されると、単発パルス発生器が発生する単発パルスが発射モータ94に供給される。
さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、パチンコ遊技機1の裏面側上部に設けられたターミナル基板158を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路159も主基板31に搭載されている。本実施形態では、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されたときに(停止フラグがセットされたときに)、所定条件が成立したことを示す大当り1信号が情報出力回路159から出力される。大当り1信号は、大当り遊技状態の終了まで(大当りフラグがリセットされるまで)出力される。また、本実施形態では、賞球が10個払い出される毎に情報出力回路159から賞球信号が出力される。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行なう。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータには、操作ボタン130の操作を検出するための操作検出スイッチ157の操作検出信号が入力される。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤6に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cの表示制御を行なうとともに、音声出力基板270を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう。
また、遊技制御基板31には、電源電圧を監視する電源監視手段が設けられている。図15は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板270の回路構成例を示すブロック図である。なお、図15に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板270には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板270を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ200を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
本実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ200のROMに、図3(B)に示されるような、大当り種別毎の特定領域とラウンド数との対応関係が記憶されている。そのため、例えば、決定された大当り種別について、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および第4特定領域164の各特定領域に対応するラウンド数の振り分けを演出表示装置9に表示することも可能である。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ200と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ200とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板270に対して音番号データを出力する。
さらに、演出制御用CPU101は、操作検出スイッチ157から入力ドライバ106および入力ポート107を介して、操作検出信号の入力を受ける。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板270において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図16は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。電力供給停止時処理は、後述するS20の電源断検出処理において実行される。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S47の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ、停止フラグ、権利発生フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。また、停電復旧コマンドと共に、演出制御用マイクロコンピュータ200側で遊技状態に応じた演出状態とするための各種コマンド(例えば、記憶している大当り種別、特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ、停止フラグ、権利フラグ等の各値に応じたコマンド)が送信される。
次に、電力供給停止前の遊技状態を示すバックアップデータとして、停止フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定する(S44)。停止フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには、電力供給停止前に大当り図柄が導出表示されているが大当り遊技状態には制御されていない特定状態であることを報知する特定状態報知が実行され(S45)、S45Bに進む。すなわち、特定状態には前述した権利発生前状態と権利発生状態の両者が含まれる。特定状態報知は、たとえば第1特別図柄表示器8aで特定の番号を点滅表示する等、特定の報知態様で実行される。これにより、電力供給停止前に特定状態であったときには、パチンコ遊技機1の起動時において特定状態報知が行なわれるので、当該報知に基づいて、電力供給停止前に大当り図柄が導出表示されているが大当り遊技状態には制御されていない特定状態であったことを知ることができる。これにより、電源投入時に遊技状態が復旧されたときに、大入賞口の開放制御状態への移行に関連する制御状態に関して、その復旧された制御状態を正確に把握できるようにすることができる。
特に、後述するように、遊技において特定状態となったことの報知は、演出制御用マイクロコンピュータ200の制御に基づいて実行されるものであり、そのような特定状態となったことを報知するための制御データは、基本的に、演出制御用マイクロコンピュータ200においてバックアップ記憶されない。そして、遊技において特定状態となったことの報知が行なわれていることを示す制御データを遊技制御用マイクロコンピュータ560の側でバックアップ記憶することは、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を増大させるため、行なうことが困難である。したがって、本実施の形態のように、停止フラグがセットされた状態であることを示すデータがバックアップ記憶されているときに、特定状態報知が実行されるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担をあまり増大させることなく、大入賞口の開放制御状態への移行に関連する制御状態を正確に把握することができる。なお、ここでは停止フラグがセットされたか否かに応じて特定状態報知の実行を実行するか否か決定したが、権利発生フラグがセットされたか否かに基づいて権利発生報知の実行を決定しても良い。
なお、特定状態報知や権利発生報知は、演出表示装置9で特定のメッセージを表示すること、スピーカ27L,27Rから特定の音声を出力すること、または、LED等の各種発光手段を特定の発光用で発光させることにより行なわれてもよい。一方、停止フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されていないときには、S44からS46に進む。また、S44で停止フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには、大当り図柄が導出表示されたとき(停止フラグがセットされたとき)に出力される大当り1信号を、情報出力回路159からターミナル基板158を介して、前述のホールコンピュータに出力する(S45A)。
ここで、遊技場には、本実施形態のような、大当り図柄の導出表示後に特定領域を遊技球が通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御される遊技機のみならず、大当り図柄の導出表示後に直ちに大当り遊技状態に制御される遊技機も存在する。通常は後者の遊技機の設置比率が高く、このような遊技機では、大当り図柄が導出表示されてから大当り遊技状態が終了するまでの期間、大当り遊技状態に制御されていることを示す大当り1信号が出力されるため、該大当り1信号が中継機器を介してホールコンピュータに入力されることで、遊技機毎に大当り遊技状態に制御されているか否かを管理することができる。一方で、前者の(本実施形態の)ような遊技機において、仮に、大当り1信号以外に、大当り図柄の導出表示から大当り遊技状態の開始までの期間に出力される特定状態であることを特定可能な特定状態信号を出力するようにしても、通常このような遊技機の設置比率は極めて低いため、中継機器やホールコンピュータが当該特定状態信号に対応する信号入力手段や信号処理手段を有していない場合があり、特定状態にある遊技機をホールコンピュータ側で管理することはできない。
しかし、中継機器やホールコンピュータが、前述した特定状態信号に対応する信号入力手段や信号処理手段を有していない場合であっても、通常は大当り1信号や賞球が10個払い出される毎に遊技機から出力される賞球信号に対応する信号入力手段や信号処理手段を有している。従って、本実施形態のように、大当り図柄の導出表示後に特定領域を遊技球が通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御される遊技機である場合に、ホールコンピュータ側で、大当り1信号が入力されているが賞球信号の入力頻度が閾値未満のとき(ベースが所定値未満のとき)には特定状態(権利発生前状態または権利発生状態)であると判定し、大当り1信号が入力されており賞球信号の入力頻度が閾値以上のとき(ベースが所定値以上のとき)には大当り遊技状態に制御されていると判定することで、本実施形態のような遊技機について、特定状態であるか又は大当り遊技状態であるかを把握して、適切な措置をとることは可能となる。
また、本実施形態のように、大当り図柄の導出表示後に特定領域を遊技球が通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御される遊技機において、大当り図柄の導出表示によって大当り1信号を出力し、賞球信号を出力するという一般的な遊技機に搭載されている機能を搭載しておけば良いため、機能や制御を簡素化することができる。
また、電源投入時の処理として、停止フラグがセットされていることに基づいて大当り1信号を出力するようにすることで、本実施形態のようなパチンコ遊技機について、電力供給停止前に特定状態(権利発生前状態または権利発生状態)であったか否かをホールコンピュータ側で確認して、適切な措置をとることができる。
また、電力供給停止前に特定状態であったときに、起動時において特定状態報知や大当り1信号の出力を行なう構成としたことにより、次のような課題も解決することができる。その課題は、従来では、電力供給停止前に特定状態であったときに、起動時において特定状態報知やホールコンピュータ側での特定状態の把握が行なわれなかったので、遊技場の閉店後、特定状態中において電源断状態にしておけば、翌日の遊技場の開店時に電源投入すると、外部から見た動作状態やホールコンピュータ側の管理画面上での動作状態は、特定状態(権利発生前状態または権利発生状態)であると認識できない状態であるにも関わらず、内部制御状態は、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のような特定領域に遊技球が進入するだけで大入賞口の開放制御状態に移行するというように、簡単な操作により大量の賞球を得ることができる不正なサービスとしての所謂モーニングサービス状態を設定することが可能となっていた。
これに対し、電力供給停止前に特定状態であったときに、起動時において特定状態報知や大当り1信号の出力を行なう構成としたことにより、前述のような不正なサービスをしても、特定状態報知やホールコンピュータ側での特定状態の把握がなされることで、不正なサービスであることが容易に認識できるようにすることができる。
続いて、電力供給停止前の遊技状態を示すバックアップデータとして、送出領域通過フラグがセットされた状態であるか否かを判定する(S45B)。送出領域通過フラグがセットされている状態であることを示すデータが記憶されているときには(S45B;Y)、特定電断フラグをセットするとともに送出領域通過フラグをリセットして(S45C)、S46に進む。送出領域通過フラグがセットされていない状態であることを示すデータが記憶されているときには(S45B;N)、S46に進む。すなわち、遊技球が遊技球誘導路113内に進入してから特定領域(第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、第4特定領域164)を通過するまでの間に電力供給が停止されたときには、特定電断フラグがセットされ、送出領域通過フラグはリセットされる。
S46では、電力供給停止前の遊技状態を示すバックアップデータとして、確変フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定する(S46)。確変フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには、電力供給停止前に確変状態(高確高ベース状態)であったことを報知する高確率報知が実行され(S47)、S14に進む。具体的に、S47の高確率報知としては、確変報知LED53を点灯させる制御が行なわれる。確変報知LED53は、電源投入時において確変状態であるときに点灯される制御が行なわれ、電源投入時以外の状態では消灯される。これにより、電力供給停止前に確変状態(高確高ベース状態)であったときには、パチンコ遊技機1の起動時において高確率報知が行なわれるので、当該報知に基づいて、電力供給停止前に確変状態(高確高ベース状態)であったことを知ることができる。したがって、電源投入時に遊技状態が復旧されたときに、その復旧された制御状態をより一層正確に把握できるようにすることができる。なお、高確率報知は、たとえば第2特別図柄表示器8bで所定の番号を点滅表示する等、高確率報知専用の報知手段ではなく兼用の報知手段を用いる等、その他の報知態様で実行されるようにしてもよい。
なお、高確率報知は、演出表示装置9で所定のメッセージを表示すること、スピーカ27L,27Rから所定の音声を出力すること、または、LED等の各種発光手段を所定の発光態様で発光させることにより行なわれてもよい。一方、確変フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されていないときには、S46からS14に進む。なお、S46で確変フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには、電力供給停止前に確変状態であったことを得する信号を、情報出力回路159からターミナル基板158を介して、前述のホールコンピュータに出力するようにしてもよい。このようにすれば、ホールコンピュータにおいて、遊技場に設置された各パチンコ遊技機について、電力供給停止前に確変状態であったか否かを管理することができる。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ200は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ200である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図17に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。図17は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込処理においては、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板910に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータを前述のようなバックアップデータとしてバックアップRAM領域に保存する電力供給停止時処理を実行する。バックアップRAM領域に保存するバックアップデータとしては、前述した停止フラグ、権利発生フラグ、および確変フラグに関するデータが含まれている。さらに、電力供給停止時処理においては、バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かを示すバックアップフラグが、所定のアドレス領域に記憶(設定)される。さらに、バックアップデータのデータチェックを行なうためのデータ(チェックサムのデータ)が、バックアップデータに応じて作成されて特定のアドレス領域に記憶される。次いで、入力ドライバ回路58を介して、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、第4スイッチ169(以下、これらの4つのスイッチを特に区別しない場合は、特定領域スイッチと記載する)、共通スイッチ193、普図ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29,30、および送出領域スイッチ33の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。そして、CPU56は遊技球誘導路113の遮蔽部材75を開状態と閉状態とに切り替えるための処理(進入管理処理:S25A)を行う。
また、ステージ部130に配されたフリッパ141、142、143、144、及び周辺可動体150の回動の有無を検出し、必要時にこれらが回動していない場合には、所定の異常検出処理を実行する(S25B)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。このような普通図柄プロセス処理では、時短フラグがセットされて時短状態に制御されたときに、普通図柄プロセス処理において電チューサポート状態であると判断され、高ベース状態に制御されることとなる。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ200に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホールコンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報、賞球情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。本実施の形態では、大当り情報は前述した大当り1信号であり、大当り表示結果が導出表示されてから大当り遊技状態が終了するまでの期間出力される。また、始動情報は、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示結果が導出表示される毎に出力される図柄確定信号であり、該信号によって大当り遊技状態間の変動表示回数等が管理可能となる。また、確率変動信号は、確変フラグがセットされている期間出力される確変信号であり、該信号によって高確率状態に制御されている遊技機を把握可能となる。また、賞球情報は前述した賞球信号であり、該信号によって遊技機毎の出玉数等を管理可能となる。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29,30、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および第4スイッチ169の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msごとに起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図18は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する進入管理処理(S25A)の一例を示すフローチャートである。進入管理処理では、まずCPU56が遊技球誘導路113の遮蔽部材75が開状態であるか否かを判定する(S1100)。
開状態である場合には(S1100;Y)、次にCPU56が送出領域スイッチ33が玉(遊技球)を検出したか否か判定する。(ステップS1104)。送出領域スイッチ33がOFFである場合には、玉が検出されなかったと判定され(S1104;N)、進入管理処理は終了しタイマ割り込み処理に戻る。
一方、送出領域スイッチ33がONである場合には、玉が検出されたと判定され(S1104;Y)、権利発生フラグがセットされているか否か判定する(S1104A)。ここで、権利発生フラグは、大当り図柄が停止してから所定のゲート無効期間が経過したときにセットされるフラグである。権利発生フラグがセットされていれば(S1104A;Y)、CPU56は、送出領域通過指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するとともに(S1104B)、送出領域通過フラグをセットして(S1104C)、S1105にすすむ。権利発生フラグがセットされていなければ(S1104A;N)、検出された遊技球の進入は無効であるとの判断のもと、S1105にすすむ。S1105においては、遊技球誘導路113の遮蔽部材75が閉状態に制御される(S1105)。即ち、CPU56がソレノイド34を非励磁状態として遊技球誘導路113の遮蔽部材75を閉状態にする制御を行なう。これにより、遊技球誘導路113に遊技球が進入可能な状態において遊技球が1個進入すると、遊技球誘導路113に遊技球が進入不可能な状態に制御される。そして、進入管理処理は終了しタイマ割り込み処理に戻る。
一方、S1100にて遮蔽部材75が開状態でないと判定された場合には(S1100;N)、CPU56が権利発生フラグがセットされているか否か判定するとともに(S1101)、送出領域通過フラグがセットされているか否か判定する(S1102)。そして、権利発生フラグがセットされていなければ(S1101;N)、権利発生状態ではないと判断して進入管理処理を終了し、権利発生フラグがセットされていても(S1101;Y)、送出領域通過フラグがセットされていれば(S1102;Y)、既に遊技球が遊技球誘導路113内に進入したと判断して進入管理処理を終了し、タイマ割り込み処理に戻る。一方、権利発生フラグがセットされているとともに(S1101;Y)、送出領域通過フラグがセットされていなければ(S1102;N)、CPU56は遊技球誘導路113の遮蔽部材75を開状態に制御する(S1103)。具体的には、権利発生状態において遊技球誘導路113により遊技球を受入れて送出するために、ソレノイド34を励磁して遊技球誘導路113の遮蔽部材75を開状態にする制御を行なう。その後、進入管理処理は終了しタイマ割り込み処理に戻る。このような進入管理処理(S25A)によって、大当り図柄が停止した後に所定のゲート無効期間が経過してから遊技球が遊技球誘導路113内に進入するまでの間に遮蔽部材75を開状態とすることができ、つまり、権利発生状態において遊技球を一つずつ特定領域部160に送り出すことが出来る。
また、進入管理処理(S25A)において、遊技球が遊技球誘導路113内に進入すると、遮蔽部材75が閉状態に制御されるとともに(S1105)、送出領域通過フラグがセットされて、遮蔽部材75が閉状態のままで維持される(S1102;Y)。この状態で遊技機への電力供給が停止された場合には、電力供給停止前の遊技状態を示すバックアップデータとして、権利発生フラグがセットされている状態であることを示すデータと、送出領域通過フラグがセットされている状態であることを示すデータとが記憶される。そして、再び電力供給が再開されたときに、上述したメイン処理において、特定電断フラグがセットされるとともに送出領域通過フラグがリセットされるので(S45C)、進入管理処理(S25A)のS1101、S1102において、権利発生フラグがセットされているとともに(S1101;Y)、送出領域通過フラグがセットされていないと判定され(S1102;N)、遊技球誘導路113の遮蔽部材75が開状態に制御される(S1103)。すなわち、権利発生状態において遊技球が遊技球誘導路113内に進入した後に遊技機への電力供給が停止された場合には、電力供給が再開されたときに遊技球誘導路113の遮蔽部材75が開状態に制御される。これにより、電力供給停止時に遊技球が特定領域(第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、第4特定領域164)を通過して、遊技球の通過を検知することができない場合であっても、電力供給の再開後に遊技球が遊技球誘導路113内に進入することができるので、権利発生状態において開放制御状態(大当り制御状態)が開始されない不具合を防止することができる。
図19は、ステージ部異常検知処理を示すフローチャートである。ステージ部異常検知処理では、まずCPU56が権利発生フラグがセットされているか否かを判定する(S501)。権利発生フラグがセットされていれば(S501;Y)、CPU56は、連動ギヤ検出器189により周辺可動体150が回動しているか否かを判定するとともに、第1ソレノイド検出器197及び第2ソレノイド検出器198によりフリッパ141、142、143、144が回動しているか否か判定する(S502)。周辺可動体150、第1〜第4フリッパ141、142、143、144のいずれか1つでも回動していないと判断すると(S502;N)、ステージ部に異常が発生しているとして異常検出処理を実行する(S503)。異常検出処理では、例えばステージ部に異常が発生している通知する演出制御コマンドを演出制御基板80に送信し、演出制御基板80の側は、演出制御用マイクロコンピュータ200が、かかる演出制御コマンドを受信したことに応答して、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、ステージ部に異常が発生していることが報知されればよい。権利発生フラグがセットされておらず(S501;Y)、また、周辺可動体150、第1〜第4フリッパ141、142、143、144が回動していると判断すると(502;Y)、ステージ部異常検知処理は終了しタイマ割り込み処理に戻る。
このように、ステージ部異常検知処理が実行されることにより、周辺可動体150及び第1〜第4フリッパ141、142、143、144の回動状態を確保することができるため、演出用役物装置100に進入した遊技媒体を有利な条件を提供する特定領域に不正に導くことができなくなる。
図20は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。
(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、確変大当のいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。
(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。
(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。
(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。
(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、前述したように、特定遊技状態である大当りとして、通常大当りおよび確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターンを決定するときには、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定する。そして、決定した変動パターン種別に属する変動パターンから、1つの変動パターンを変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて決定する。
この実施の形態では、通常大当り、および、確変大当りである場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。
また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なる(時短状態では、時短状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高く設定されている)ように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。また、このような変動パターン種別は、第1特別図柄と第2特別図柄との合算記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されていることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される場合がある。このように変動表示時間を短縮する制御は、保留数短縮制御と呼ばれる。
図17に示されたタイマ割込処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、および、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算更新)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる例を示すが、大当り判定用乱数としては、ランダム1〜5のようなソフトウェアにより生成される乱数を用いてもよい。
ROM54には、大当り判定テーブルというデータが記憶されている。大当り判定テーブルは、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
また、ROM54には、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル、及び、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルが記憶されている。
第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を、通常大当りおよび確変大当りのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照されるテーブルである。このような大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図21は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図21に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ200は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C0F(H)は、大当りとするか否か、および、大当り種別を示す演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。コマンド8C01(H)は、はずれに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C02(H)は、確変大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C03(H)は、通常大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。
ここで、前述したように、演出制御用マイクロコンピュータ200側においては、大当り種別毎に各特定領域に対応するラウンド数の振り分けがあらかじめ記憶されている。そのため、確変大当りに決定されていることを指定するコマンド8C02(H)を受信したとき、通常大当りに決定されていることを指定するコマンド8C03(H)を受信したときに、受信したコマンドが示す大当り種別について各特定領域に対応するラウンド数の振り分けを演出表示装置9に表示することも可能である。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ200は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A008(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、2R確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される2R確変大当り開始指定コマンド(コマンドA001)、5R確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される5R確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002)、10R確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される10R確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003)、15R確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される15R確変大当り指定コマンド(コマンドA004)、2R通常大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される2R通常大当り開始指定コマンド(コマンドA005)、5R通常大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される5R通常大当り開始指定コマンド(コマンドA006)、10R通常大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される10R通常大当り開始指定コマンド(コマンドA007)、15R通常大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される15R通常大当り指定コマンド(コマンドA008)が含まれる。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、確変大当りの大当り遊技状態の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、通常大当りの大当り遊技状態の終了を指定する演出制御コマンド(通常大当り終了指定コマンド)である。大当り終了指定コマンドおよび通常大当り終了指定コマンドとは、当り終了指定コマンドとも呼ばれる。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
このような演出制御コマンドにより、遊技状態が、通常状態、時短状態、および、確変状態のうちのどの状態またはどの状態の組合せになっているかを演出制御用マイクロコンピュータ200に知らせることができる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ200においては、遊技状態が、通常状態、時短状態、および、確変状態のうちのどの状態またはどの状態の組合せになっているかを認識することができるので、通常状態、時短状態、および、確変状態のそれぞれの状態に応じた画像表示等の各種演出を行なうことが可能となる。
コマンドC001(H)は、第1始動入賞口13について第1特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC002(H)は、第2始動入賞口14について第2特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。コマンドC003(H)は、保留記憶数を減算させることを指定する演出制御コマンド(保留記憶減算指定コマンド)である。
コマンドC101(H)は、第1特定領域161で第1スイッチ166により遊技球が検出されたことを指定する演出制御コマンド(第1特定領域球検出指定コマンド)である。コマンドC102(H)は、第2特定領域162で第2スイッチ167により遊技球が検出されたことを指定する演出制御コマンド(第2特定領域球検出指定コマンド)である。コマンドC103(H)は、第3特定領域163で第3スイッチ168により遊技球が検出されたことを指定する演出制御コマンド(第3特定領域球検出指定コマンド)である。コマンドC103(H)は、第4特定領域164で第4スイッチ169により遊技球が検出されたことを指定する演出制御コマンド(第4特定領域球検出指定コマンド)である。
コマンドE101(H)は、権利発生状態であることを指定するコマンド(権利発生指定コマンド)である。権利発生コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ200は、例えば、特定領域部160への入賞が無効である報知を終了して、特定領域部160のある4穴クルーンに向けて遊技球を通過させるように促す演出(すなわち右打ちを行うよう示唆する演出)を実行する。コマンドE102(H)は、権利発生状態において送出領域スイッチ33により遊技球が検出されたことを指定するコマンド(送出領域通過指定コマンド)である。送出領域通過指定コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ200は、例えば、特定領域部160に流下した遊技球が第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および第4特定領域164のいずれを通過するかに注目させる態様の演出を実行する。コマンドE103(H)は、遊技球が第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および第4特定領域164のいずれを通過するかによらず、強制的に当該大当り種別における最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御されることを指定するコマンド(最低ラウンド数指定コマンド)である。最低ラウンド数指定コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ200は、例えば、決定された大当り種別における最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御される旨を報知する。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図21に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板270に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図21に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)と、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図21に示す例では、予め演出制御用マイクロコンピュータ200側で大当り種別毎に各特定領域に対応するラウンド数の割り当てを把握している例について説明したが、これに限らず、例えば、表示結果指定コマンドが3バイト以上である場合に、その未使用領域を利用して、各特定領域に対応するラウンド数の割り当て情報を含ませるようにしても良い。例えば、未使用の6ビットを用いて、そのうちの下位2ビットを第1特定領域に対応するラウンド数、中位2ビットを第2特定領域に対応するラウンド数、上位2ビットを第3特定領域に対応するラウンド数に割り当て、2ビットの値が01の場合は5R、2ビットの値が10の場合は10R、2ビットの値が11の場合は15Rと規定することにより、表示結果指定コマンドに各特定領域に対応するラウンド数の割り当て情報を含ませることができる。
なお、表示結果指定コマンドとは別に、決定された大当り種別についての各特定領域に対応するラウンド数の割り当て情報を演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するようにしても良い。
次に、ROM54に記憶されている開放パターンデータテーブルについて説明する。開放パターンデータテーブルにおいては、確変大当りおよび通常大当りにおける、2R大当り、5R大当り、10R大当り、および、15R大当りのそれぞれについて、開放回数(ラウンド上限数)、開放時間(各ラウンド中の開放時間)、および、インターバル時間(各ラウンド間時間)を含む特別可変入賞球装置20の開放パターンを示すテータが設定されている。
たとえば、2R大当りは、開放回数が2回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒というデータが開放パターンデータテーブルに設定されている。5R大当りは、開放回数が5回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒というデータが開放パターンデータテーブルに設定されている。10R大当りは、開放回数が10回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒というデータが開放パターンデータテーブルに設定されている。15R大当りは、開放回数が15回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒というデータが開放パターンデータテーブルに設定されている。
図22は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。
上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンして第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)が発生していたとき、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンして第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が発生していたときには(S311;Y)、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aの何れもがオフであった場合(S311;N)は、S312はスキップする。
そして、共通スイッチ193がオンであるかを判定する(S313)。共通スイッチ193がオンであった場合は、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、第4特定領域164のいずれかを遊技球が通過していることになるので、続いて権利発生フラグがセットされているか否か判定する(S314)。権利発生フラグがセットされていると判定すると(S314でY)、大入賞口の開放制御状態(大当り遊技状態)を開始するために、大当り開始フラグをセットする(S314A)。一方、権利発生フラグがセットされていないと判定した場合には(S314でN)、検出された遊技球の進入は無効であるとの判断のもと、S314Aをスキップする。ここで、共通スイッチ193がオンであっても、スイッチの故障や不正等の要因によって第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および、第4スイッチ169の何れもオンとなっていない場合があるが、この場合にも、権利発生フラグがセットされていれば、大当り開始フラグがセットされることになる。
共通スイッチ193がオンでない場合は(S313でN)、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および、第4スイッチ169の何れかがオンであり、且つ、オンとなってから所定期間(例えば0.2秒)経過したか否かを判定する(S313A)。第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および第4スイッチ169の何れかがオンであり、且つ、オンとなってから所定期間(例えば0.2秒)経過している場合には、権利発生フラグがセットされているか否か判定し(S314)、権利発生フラグがセットされていれば(S314でY)、大当り開始フラグをセットする(S314A)。すなわち、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および、第4スイッチ169の何れかがオンとなった場合には、これらの特定領域に設けられたスイッチから共通スイッチ193までの遊技球の流下時間を考慮すると所定期間(例えば0.2秒)以内に共通スイッチ193もオンとなるはずである。にもかかわらず所定期間以内に共通スイッチ193がオンとならない場合には、故障や不正の要因が考えられる。この場合にも、共通スイッチ193がオンであった場合と同様の処理が行われることになる。このように、この実施の形態の遊技機では、大当り図柄の導出表示後に、遊技球が特定領域を通過することで大当り開始フラグがセットされるので、大当り図柄の導出表示と、遊技球が特定領域を通過することとの2段階において遊技者に興味をもたせることができ、遊技性をより高めることができる。
第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および、第4スイッチ169の何れかがオンとなってから所定期間経過していない場合(S313AでN)は、S314、S314Aをスキップする。このように本実施形態では特定領域に設けられるスイッチと共通領域に設けられるスイッチのいずれか一方のみがオンとなっているときにも、権利発生フラグがセットされていれば(S314でY)、大当り開始フラグがセットされることになる(S314A)。
そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理を実行せずに、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄が停止したことを示す停止フラグをセットした後に、所定のゲート無効期間(例えば5秒)後に権利発生状態となるように制御する。そして、権利発生状態となると、S304Aにて何れかの特定領域に遊技球が進入したことに応じて大当り遊技状態を開始ための処理(大当り開始前処理)を実行するため、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304Aに対応した値(この例では5)に更新する。一方、大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。演出制御用マイクロコンピュータ200は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。また、大当り遊技状態となったときの状態が確変状態であり、確変フラグがセットされていたときには、確変フラグがリセットされる(当該大当りが確変となる大当りであるか否かに関わらずリセットされる)。また、大当り遊技状態となる場合において時短フラグがセットされていたとき、または、変動表示回数により時短状態の終了条件が成立したときには、時短フラグがリセットされる。ここで、確変フラグは、確変状態であるときにセットされ、非確変状態であるときにリセットされるフラグである。また、時短フラグは、時短状態であるときにセットされ、非時短状態であるときにリセットされるフラグである。
大当り開始前処理(S304A):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大当り開始前処理では、まず権利発生状態となった後に第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163又は第4特定領域164に遊技球が進入したことを示す大当り開始フラグがセットされるまで待ち受ける。大当り開始フラグがセットされると、遊技球が通過した特定領域が第1特定領域161〜第4特定領域164の何れであるかに応じて開放態様(開放パターン)が選択される。さらに、停止フラグ、権利発生フラグ、確率変動フラグ及び時短フラグがリセットされる。そして、大当り開始指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ200に送信され、その後通常状態指定コマンドが送信される。そして、開放制御状態に移行させるために、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では6)に更新する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大当りの種別に応じて、前述のような開放パターンにしたがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では7)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンドごとに実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技状態を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では8)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグ、時短フラグ等)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図23は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。図24は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S214)。合算保留記憶数カウンタは、初期値が「0」であり、有効な第1始動入賞または第2始動入賞が発生したときに、「1」加算更新され、変動表示が開始されるときに、「1」減算更新される。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S215)。保留記憶特定情報記憶領域については、図24を用いて説明する。
保留記憶特定情報記憶領域においては、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
ここで、図24(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図24(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図24(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図24(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図24(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図24(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S216)。具体的に、S216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S217)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ200に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
S211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S219が実行された後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(S211参照)処理を行なうようにしてもよい。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S224)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S225)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S226)。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S227)。
なお、S213〜216の処理とS223〜226の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。
図25は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図24(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。
この実施の形態では、S52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とのうち、先に保留記憶されたデータに基づく変動表示から順番に実行される。このように、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示は、保留記憶情報が入賞した順番にしたがって処理されることにより、入賞した順番にしたがって変動表示が実行されることとなる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値を変動パターン決定用の合算保留記憶数データとしてRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。このようにS57で、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値を保存することにより、変動パターンの決定時に用いられる合算保留記憶数のデータは、特別図柄通常処理の実行に伴ってS58でカウントが1減算される前の合算保留記憶数、すなわち、変動表示の実行条件が成立したときの合算保留記憶数が用いられることとなる。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行することにより、大当り判定を行なう(S60)。ここでの大当り判定は、特別図柄の変動表示結果を大当り表示結果とするか否かを判定することであり、別の言い方をすれば、大当り遊技状態としての開放制御状態に制御可能とするか否かを判定するものであり、さらに、別の言い方をすれば、大当り遊技状態としての開放制御状態に制御可能とする権利発生状態に制御するか否かを判定することであり、S60で実行される大当り判定モジュールは、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS216またはS226で抽出し第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに予め格納したランダムRと、予め決められている大当り判定値とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定モジュールは、大当りを判定する処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りと判定される確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブルと、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブルとが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が非確変状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。S60で大当りとすることに決定した場合には、S71に移行する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは通常大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、後述するS75に進む。すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(確変大当り、および、通常大当りのいずれか)を大当りの種別に決定する(S73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS216またはS226で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納した大当り種別判定用乱数(ランダム1)を読出し、選択した大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別の決定を行なう。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が確変大当りの場合には、大当り種別を示すデータとして「01」がそれぞれに対応して設定される。大当り種別が通常大当りの場合には、大当り種別を示すデータとして「02」がそれぞれに対応して設定される。
次いで、CPU56は、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「5」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「通常大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
なお、前述したような大当り判定を行なう処理は、変動表示の実行開始前に行なう場合に限らず、少なくとも、特別図柄の変動表示の表示結果が導出されるまでのタイミングであればよい。また、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行されるように制御してもよい。このような優先制御を行なうときには、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、ラウンド数の多い大当り種別の選択割合が高く設定されている場合に、遊技者にとって有利な大当りとなる割合が高い変動表示を行なう保留記憶データを効率的に消化することができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。そして、右打ち状態のまま大当りを効率的に消化できるので、大当りを消化する速度を早くすることができる。
図26は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、まずCPU56は、ゲート無効タイマが0であるか判定する(S121A)。ゲート無効タイマが0で無い場合は(S121A;N)、ゲート無効期間中であると判断できるので、ゲート無効タイマを更新(ゲート無効タイマの計測値を「1」減算)し(S121B)、特別図柄停止処理を終了する。一方、ゲート無効タイマが0である場合には、次に停止フラグがセットされているか否かを判断する(S121)。停止フラグとは、権利発生状態となる変動表示において大当り図柄が停止して表示結果が導出表示されたときにセットされるフラグをいう。
停止フラグがセットされているときには、後述するS122Aに進む。一方、停止フラグがセットされていないときは、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S122)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S123)。そして、大当りフラグがセットされているか否か判定する(S124)。大当りフラグがセットされていない場合には(S124;N)、S143に移行する。
なお、ステップS121で停止フラグがセットされていると判定されると(S121;Y)、特別図柄プロセスフラグが大当り開始前処理に対応する数値(ここでは「5」)にセットされる(S122A)。そして、権利発生フラグがセットされ(S122B)、フリッパ141、142、143、144、及び周辺可動体150を作動させる(S122C)。具体的には、ソレノイド145、149の励磁、非励磁を繰り返すことで可動鉄心を前後させて、フリッパ141、142、143、144を作動させるとともに、モータ186を駆動させて、周辺可動体150が取り付けられた周辺可動体駆動部170を回動させる。そして、権利発生状態となったことを指定する権利発生指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信し(S122D)、特別図柄停止処理は終了する。権利発生フラグとは、大当り遊技状態としての大入賞口の開放制御状態に制御するための権利が発生していることを示すフラグである。この大当り遊技状態に制御するための権利は、大当り判定により大当りとすることが決定され、かつ、当該決定に基づく変動表示が終了して所定時間(ゲート無効期間に対応)が経過した後に発生する。
一方、大当りフラグがセットされている場合には(S124;Y)、ゲート無効タイマをセットして(S125)、大当り図柄が停止表示されてからの経過時間の計時を開始する。ゲート無効タイマは、特別図柄停止処理が実行されるごとに計数値がダウンカウントされるタイマであり、ゲート無効タイマがセットされてからタイマアップするまでの期間がゲート無効期間である。ゲート無効タイマは、大当り図柄が停止表示されたときの演出の時間を確保できるような設定時間(例えば5秒)に対応する値に計数値がセットされる。大当り図柄が停止表示された後にゲート無効タイマがセットされてからタイマアップするまでの期間は、権利発生フラグがセットされずに、上述した進入管理処理において、誘導路113の遮蔽部材75が閉状態に制御される。このような処理により、大当り図柄が停止表示された後に、即座に遊技球誘導路113の玉入口71に遊技球が進入して大当り遊技状態が開始されることを防止することができ、大当り図柄が停止表示されたときの演出の時間を確保して、当り図柄の導出表示と、遊技球が特定領域を通過することとの2段階において遊技者に興味をもたせることができる。また、ゲート無効タイマがタイムアップするまでの期間は、ステップS121AにてNと判定されることにより遊技球が第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のいずれかに進入してスイッチがONとなっても無効となり、大当り遊技状態は開始されない。そして、CPU56は停止フラグをセットし(S126)、大当り図柄が導出表示されたことを示す大当り1信号を情報出力回路159から出力し(S126A)、特別図柄停止処理を終了する。なお、大当り1信号は中継装置を介してホールコンピュータ等の管理装置に入力されるため、ホールコンピュータでは特定状態となった遊技機を把握可能であり、例えば、一定時間を経過しても賞球信号が入力されない場合や、営業開始時において大当り1信号が入力されている場合等に、遊技機を確認して適切な対処を行うことが可能である。
一方、ステップS124で大当りフラグがセットされていない判定され(S124;N),S143に進んだ場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(S143)。確変フラグがセットされているときには、後述するS149に進み、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS151)。これにより、確変状態であるときには、はずれとなる変動表示が終了したときに、確変状態および時短状態が維持される。
一方、S143で確変フラグがセットされていないときには、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S144)。時短フラグがセットされていない場合には、S149に進む。これにより、確変状態でなく、かつ、時短状態でもない低確低ベース状態において、はずれとなる変動表示が終了したときには、低確低ベース状態が維持される。一方、時短フラグがセットされている場合には、通常大当りの終了後の時短状態(低確高ベース状態)における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S145)。なお、減算後の時短回数カウンタの値に基づいて時短回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行ない、演出制御用マイクロコンピュータ200側で、時短回数の残数を演出表示装置9で表示するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、時短回数カウンタの値が0になったか否かを確認する(S146)、時短回数カウンタの値が0になっていないときには、後述するS149に進む。これにより、通常大当りの終了後の時短状態において、はずれとなる変動表示が所定回数(100回)終了するまでは、低確高ベース状態による時短状態が維持される。一方、時短回数カウンタの値が0になったときには時短フラグをリセットする(S147)。そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S148)、S149に進む。これにより、通常大当りの終了後の時短状態において、はずれとなる変動表示が所定回数(100回)終了したときには、低確高ベース状態による時短状態が終了し、低確低ベース状態に移行する。S149では、特別図柄プロセスフラグが特別図柄通常処理に対応する数値(ここでは0)にセットされる。そして、特別図柄停止処理は終了する。
次に、特別図柄プロセス処理のS304Aで実行される大当り開始前処理について、図27を参照して説明する。大当り開始前処理では、まずCPU56が大当り開始フラグがセットされているか判定する(S1201)。大当り開始フラグがセットされていない場合は(S1201)、権利発生状態において特定領域スイッチ通過処理(S314)が実行されていないため大当り遊技状態が開始されないと判断できるため、大当り開始前処理を終了する。
一方、大当り開始フラグがセットされている場合(S1201;Y)、CPU56は大入賞口の開放制御態様(開放回数(ラウンド数)等の態様)を選択決定する開放態様選択処理を実行する(S1202)。ここで、図28を参照して、開放態様選択処理を具体的に説明する。
開放態様選択処理において、CPU56は、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、第4スイッチ169、および共通スイッチ193の検出状況と、特定電断フラグがセットされているか否かを確認する。そして、これらの検出状況が検出結果書き換えテーブルに設定されている検出結果に該当するか否かを確認する(S1251)。ここで、特定電断フラグは、上述したように、図16に示すメイン処理によって、権利発生状態において遊技球が遊技球誘導路113内に進入してから特定領域(第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、第4特定領域164)を通過するまでの間に、遊技機への電力供給が停止されたときにセットされるフラグである(S45C)。このS1251の処理は、遊技球が遊技球誘導路113内に進入してから特定領域を通過するまでの間に電力供給が停止されたことを含む、不正がなされたか否かを判定するものである。
検出結果1−1は、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、第4スイッチ169、および共通スイッチ193の検出状況によらず、特定電断フラグがセットされている場合の検出結果である。
検出結果2−1〜2−4は、特定電断フラグがセットされておらず、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および第4スイッチ169のいずれかがオンであるが、共通スイッチ193がオフのときの検出結果である。例えば、不正電波によって、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および第4スイッチ169のいずれかがオンとなったが、検出方式の異なる共通スイッチ193はオンとならなかった場合、あるいは共通スイッチ193が埃等により検出能力が低下しており遊技球を検出できなかった場合に、検出結果2−1〜2−4の検出結果となりうる。
検出結果3−1〜3−11は、特定電断フラグがセットされておらず、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および第4スイッチ169の2以上のスイッチがオンとなっており、且つ共通スイッチ193がオンのときの検出結果である。例えば、不正電波によって、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および第4スイッチ169の2以上がオンとなり、且つ遊技球が実際にいずれかの特定領域を通過して共通スイッチ193により検出された場合に、検出結果3−1〜3−11の検出結果となりうる。
検出結果4−1〜4−11は、特定電断フラグがセットされておらず、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および第4スイッチ169の2以上のスイッチがオンとなっており、且つ共通スイッチ193がオフのときの検出結果である。例えば、不正電波によって、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および第4スイッチ169の2以上がオンとなったが、検出方式の異なる共通スイッチ193はオンとならなかった場合、あるいは共通スイッチ193が埃等により検出能力が低下しており遊技球を検出できなかった場合に、検出結果4−1〜4−11の検出結果となりうる。
そしてCPU56は、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、第4スイッチ169、および共通スイッチ193の検出状況と、特定電断フラグがセットされているか否かが、検出結果1−1、検出結果2−1〜2−4、検出結果3−1〜3−11、検出結果4−1〜4−11のいずれかに該当する場合には(S1251でY)、その検出結果を検出結果Eに書き換える処理を行う(ステップS1265)。検出結果Eとは、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および第4スイッチ169のいずれもオンとならず、共通スイッチ193のみがオンとなる検出結果である。
一方、CPU56は、検出状況が、検出結果1−1、検出結果2−1〜2−4、検出結果3−1〜3−11、検出結果4−1〜4−11のいずれにも該当しない場合には(S1251でN)、検出結果の書き換えを行うことなくステップS1253に移行する。なお、検出結果の書き換えを行わずとも検出結果として検出結果Eが得られる場合もあるが、この場合には、検出結果の書き換えを行うことなくステップS1253に移行することになる。
ラウンド数決定テーブルには、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、第4スイッチ169、および共通スイッチ193の検出結果に応じて、制御される大当り遊技状態のラウンド数が設定されている。ここで設定されるラウンド数は、前述した図3(B)の通常大当り時ラウンド数選択態様および確変大当り時ラウンド数選択態様で示される各特定領域に割り振られるラウンド数に対応している。ラウンド数決定の要因となる検出結果は検出結果A〜Eに限られており、検出結果A〜E以外の検出結果が得られた場合には、前述したように予めステップS1265で検出結果Eに書き換えられることになる。
例えば、大当り(通常大当り及び確変大当り)Aの場合、図3(B)に示すように、第1特定領域161を遊技球が通過したときに2Rの大当り遊技状態に制御され、第2特定領域162を遊技球が通過したときに5Rの大当り遊技状態に制御され、第3特定領域163を遊技球が通過したときに10Rの大当り遊技状態に制御され、第4特定領域164を遊技球が通過したときに15Rの大当り遊技状態に制御するものとしている。これは、具体的には、大当りAが決定された場合に、大当りAに関するラウンド数決定テーブルが参照され、第1スイッチ166および共通スイッチ193がオンのときに(検出結果Aの場合)に2Rの大当り遊技状態に制御され、第2スイッチ167および共通スイッチ193がオンのときに(検出結果Bの場合)に5Rの大当り遊技状態に制御され、第3スイッチ168、及び共通スイッチ193がオンの時に(検出結果Cの場合)に10Rの大当り遊技状態に制御され、第4スイッチ169、及び共通スイッチ193がオンの時に(検出結果Dの場合)に15Rの大当り遊技状態に制御されることを示している。また、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および第4スイッチ169のいずれもオンではないが、共通スイッチ193のみがオンのとき(検出結果Eの場合)には、当該大当り種別における最低ラウンド数(2R)の大当り遊技状態に制御されることを示している。
CPU56は、決定された大当り種別に対応するラウンド数決定テーブルを選択した後、得られた検出結果が検出結果A(第1スイッチ166および共通スイッチ193がオン)に該当するか否かを確認し(S1253)、該当するときには(S1253でY)、第1特定領域球検出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信し(S1254)、検出結果Aに対応したラウンド数の大当り遊技状態に制御することを決定する(S1255)。すなわち、大当りのラウンド数の上限値として、第1特定領域161への遊技球の進入に対応したラウンド数「2」を選択決定し、選択決定したラウンド数「2」を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し、処理を終了する。
また、CPU56は、得られた検出結果が検出結果Aに該当しない場合は(S1253でN)、検出結果B(第2スイッチ167および共通スイッチ193がオン)に該当するか否かを確認し(ステップS1256)、該当するときには(S1256でY)、第2特定領域球検出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信し(S1257)、検出結果Bに対応したラウンド数の大当り遊技状態に制御することを決定する(S1258)。すなわち、大当りのラウンド数の上限値として、第2特定領域162への遊技球の進入に対応したラウンド数「5」を選択決定し、選択決定したラウンド数「5」を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し、処理を終了する。
また、CPU56は、得られた検出結果が検出結果Bに該当しない場合は(S1256でN)、検出結果C(第3スイッチ168および共通スイッチ193がオン)に該当するか否かを確認し(ステップS1259)、該当するときには(S1259でY)、第3特定領域球検出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信し(S1260)、検出結果Cに対応したラウンド数の大当り遊技状態に制御することを決定する(S1261)。すなわち、大当りのラウンド数の上限値として、第3特定領域163への遊技球の進入に対応したラウンド数「10」を選択決定し、選択決定したラウンド数「10」を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し、処理を終了する。
また、CPU56は、得られた検出結果が検出結果Cに該当しない場合は(S1259でN)、検出結果D(第4スイッチ169および共通スイッチ193がオン)に該当するか否かを確認し(ステップS1262)、該当するときには(S1262でY)、第4特定領域球検出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信し(S1263)、検出結果Dに対応したラウンド数の大当り遊技状態に制御することを決定する(S1264)。すなわち、大当りのラウンド数の上限値として、第4特定領域164への遊技球の進入に対応したラウンド数「15」を選択決定し、選択決定したラウンド数「15」を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し、処理を終了する。
また、CPU56は、得られた検出結果が検出結果Dに該当しない場合は(S1262でN)、検出結果が検出結果E(共通スイッチ193のみがオン)に該当するため、最低ラウンド数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信し(S1262)、検出結果Eに対応した最低ラウンド数(2R)の大当り遊技状態に制御することを決定する(S1266)。すなわち、大当りのラウンド数の上限値として、当該大当り種別における最低ラウンド数を選択決定し、選択決定したラウンド数を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し、処理を終了する。
このように、共通スイッチ193のみがオンとなり、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168,および第4スイッチ169が全てオンではない場合には、不正行為が行われている可能性があるため、決定された大当り種別における最低ラウンド数(2R)の大当り遊技状態に制御することで不正行為を防止するようにしている。
本実施形態では、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および第うスイッチ169は、いずれも誘導形近接スイッチであるのに対して、共通スイッチ193は光電形近接スイッチであり、特定領域と共通領域とで異なる方式で遊技球を検出するようにしている。このような構成とすることにより、不正によって特定領域スイッチと共通スイッチの両方を適切なタイミングでオンとする(特定領域がオンとなった0.2秒以内に共通領域をオンとする)ことが困難となり、特定領域スイッチと共通スイッチのいずれか一方のみがオンとなって、最低ラウンド数(2R)の大当り遊技状態に制御されることになる。
また、本実施形態では、権利発生状態において遊技球が遊技球誘導路113内に進入してから特定領域(第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、第4特定領域164)を通過するまでの間に、遊技機への電力供給が停止された場合には特定電断フラグがセットされ、この特定電断フラグがセットされているときには、特定領域(第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、第4特定領域164)を通過する直前に、故意に遊技機への電力供給が停止された可能性があると判断して、最低ラウンド数(2R)の大当り遊技状態に制御されることになる。
例えば、第1スイッチ166および共通スイッチ193がオンとなっているが、特定電断フラグがセットされている場合、検出結果書き換えテーブルの検出結果1−1に該当する。従って、検出結果が検出結果E(共通スイッチ193のみオン)に書き換えられ、決定された大当り種別における最低ラウンド数(2R)の大当り遊技状態に制御されることになる。このように、特定領域および共通領域の検出結果が正常な場合であっても、遊技球が遊技球誘導路113内に進入してから特定領域(第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、第4特定領域164)を通過するまでの間に遊技機への電力供給が停止されて特定電断フラグがセットされている場合には、特定領域側の検出を無効とする書き換え処理が行われるため、その結果として、最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御されることになる。これにより、遊技球が特定領域を通過するときに電力供給を停止させて、遊技球を特定領域に繰り返して通過させる行為を抑制することができ、不正行為を防止することができる。
また、本実施形態では、特定電断フラグがセットされている場合に特定領域の検出を無効とすることにより、共通スイッチ193のみがオンとなった場合(検出結果Eの場合)と共通の処理が実行されることになり、その結果として、最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御されることになる。すなわち、特定電断フラグがセットされているときには、特定領域スイッチおよび共通スイッチのうち共通スイッチのみが遊技媒体を検出した場合と共通の処理が実行されて、ラウンド数が最低の大当り遊技状態に制御されることになる。従って、遊技球が遊技球誘導路113内に進入してから特定領域を通過するまでの間に電力供給が停止されたことなどの不正検出時の制御を複雑化させずに不正行為を防止することができる。
また、本実施形態では、特定電断フラグがセットされている場合に複数の特定領域各々に対応する特定領域スイッチ(第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および第4スイッチ169)による検出を無効としている。そのため、ラウンド数決定テーブルにおいては、正常時の検出結果A〜D以外に、異常時の検出結果として検出結果Eのみに対するラウンド数を設定しておけば良く、これによりラウンド数決定テーブルの容量を削減し、制御を簡素化することができる。仮に、共通スイッチ193側の検出を無効とするようにした場合、第1スイッチ166のみがオンの場合、第2スイッチ167のみがオンの場合、第3スイッチ168のみがオンの場合、および第4スイッチ169のみがオンの場合というように、複数存在する特定領域の検出結果に応じてラウンド数を設定しておかなければなくなるため、ラウンド数決定テーブルの容量が増加し、制御も複雑化してしまう。そのため、本実施形態では複数存在する特定領域における遊技球の検出を無効化するようにして、ラウンド数決定時の判定処理を容易化している。
また、例えば、第1スイッチ166および第2スイッチ167、ならびに共通スイッチ193がオンとなっているが、特定電断フラグがセットされていない。この場合には、検出結果書き換えテーブルの検出結果3−1に該当する。従って、検出結果が検出結果E(共通スイッチ193のみオン)に書き換えられ、決定された大当り種別における最低ラウンド数(2R)の大当り遊技状態に制御されることになる。このように、特定電断フラグがセットされていない場合であっても、2以上の特定領域に対応する特定領域スイッチにより遊技球が検出された場合には、他の不正のおそれがあるため、異常時処理として、ラウンド数が最低の大当り遊技状態に制御するための処理(検出結果Eへの書き換え処理)が実行される。
従って、2以上の特定領域に対応する特定領域スイッチにより遊技球が検出された場合には、特定領域側の検出を無効とする書き換え処理が行われて、最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御される。これにより、遊技場の損害を防止することができる。例えば、電波を出力して、誘導形近接スイッチである第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および第4スイッチ169のいずれかをオンとさせるような不正を行う場合、これらの複数のスイッチのうちの目的のスイッチ(最大ラウンド数が割り当てられている特定領域のスイッチ)のみをオンとすることは通常困難であるため、複数のスイッチがオンとなるケースがあり、このような場合には最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御されることになる。すなわち、こうしたケースでも遊技場の損害を防止することができる。
なお、遊技者の不正を検出する機能を有する不正検出基板を別途設けて、不正検出基板によって不正が検出されたときには、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、第4スイッチ169、および共通スイッチ193の検出結果にかかわらず、その検出結果を検出結果Eに書き換えるものとしてもよい。不正検出基板は、具体的には、高周波信号検出機能、磁気検出機能、振動検出機能などの少なくとも1つの機能を有するものとすればよい。
以上に説明したように、開放態様選択処理においては、特定領域スイッチと共通スイッチのいずれか一方のみがオンとなっている場合、特定電断フラグがセットされている場合、複数の特定領域に対応するスイッチがオンとなっている場合という、不正のおそれがある全てのケースで、決定された大当り種別における最低ラウンド数の大当り遊技状態に強制的に制御されるようにしている。そのため、単に、いずれかの特定領域を通過した遊技球の検出を無効とする場合と比較して、再度の不正を行う余地が無く、不正行為を抑制することができる。
また、開放態様選択処理においては、決定された大当り種別に対応したラウンド数決定テーブルを参照して、各特定領域に進入した遊技媒体を検出するスイッチ166〜169の検出結果と共通スイッチ193の検出結果に対応したラウンド数を、制御する大当り遊技状態のラウンド数として決定するようにしている。このように、大当り種別によって各特定領域に対応するラウンド数の割り当てが異なっているため、遊技球が通過する特定領域にどのようなラウンド数が割り当てられているか(いずれの大当り遊技状態に制御されるか)について、遊技者の注意を引付けることができる。
次に、図27を参照して、大当り開始前処理の続きを説明する。S1202における開放態様選択処理の後、フリッパ141、142、143、144、及び周辺可動体150を停止し(S1202A)、停止フラグおよび権利発生フラグのそれぞれをリセットするとともに(S1203)、送出領域通過フラグおよび特定電断フラグをリセットする(S1204)。そして、確変フラグおよび時短フラグのそれぞれをリセットし(S1204)、演出制御用マイクロコンピュータ200に大当り開始指定コマンドまたは通常大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S1205)。具体的には、大当りの種別が2R確変大当りである場合には2R確変大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が5R確変大当りである場合には5R確変大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が10R確変大当りである場合には10R確変大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りである場合には15R確変大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が2R通常大当りである場合には2R通常大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が5R通常大当りである場合には5R通常大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が10R通常大当りである場合には10R通常大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R通常大当りである場合には15R通常大当り開始指定コマンドを送信する。なお、ゲート無効期間進入コマンドを無効コマンドと言うことに対して、第1〜第4特定領域球検出指定コマンド、2R〜15R通常大当り開始コマンド及び2R〜15R確変大当り開始コマンドを有効コマンドとも言う。
S1205において、大当りの種別が、確変大当り、または、通常大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて確認され、大当りのラウンド数の種別が2R,5R、10R、15Rのいずれであるかは、開放態様選択処理(S1202)で選択され、RAM55に記憶されている大当りのラウンド数に基づいて確認される。
また、CPU56は、大当り発生時には制御状態を一旦通常状態に戻すために、演出制御用マイクロコンピュータ200に通常状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S1206)。
また、大入賞口制御タイマに開放開始前時間T(たとえば、2秒)に相当する値を設定する(S1207)。開放開始前時間Tは、大当り遊技状態(開放制御状態)において特別可変入賞球装置20を開放状態にするまでの待ち時間として設定される時間である。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。つまり、開放開始前時間Tが経過すると、特別可変入賞球装置20が開放状態に制御される。このような開放開始前時間中においては、演出制御用マイクロコンピュータ200により、大当り遊技状態となることを演出表示装置9において報知すること、および、装飾LED25等の所定の発光手段を予め定められた態様で発光させる等、所定の大当り報知が実行される。開放開始前時間Tは、大当り種別に関わらず、同じ時間が設定される。したがって、確変大当りと通常大当りとで同じ時間で開放開始前時間Tが設定される。このように、大当りの種類によらず、権利発生状態において第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のいずれかに遊技球が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放(開放制御状態)が開始されるので、大入賞口の開放開始契機が明確になるため、遊技内容に関する知識に差がある遊技者間での公平性を担保することができる。なお、たとえば突確大当りのような開放時間およびラウンド数等が異なるその他の種別の大当りを実行可能とするときにも、大当り種別に関わらず、同じ時間で開放開始前時間Tが設定される。
このように、大当りの種類によらず、権利発生状態において第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のいずれかに遊技球が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放制御が開始されるようにした理由は、次のとおりである。一般的なパチンコ遊技機においては、大当りの種別が複数設けられた場合に、大当り発生時の演出等の都合により演出実行時間が大当り種別ごとに異なるように設定されている場合があり、そのような場合には、変動表示の停止時から大入賞口の開放制御(大当り遊技制御)の開始時までの期間が大当り種別により変化するので統一できていなかった。このため、大入賞口の開放制御(大当り遊技制御)の開始契機が明確でないという問題があり、このような大入賞口の開放制御(大当り遊技制御)の開始契機を明確化するために、大当りの種類によらず、権利発生状態において第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のいずれかに遊技球が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放(開放制御状態)が開始されるようにしたのである。
また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ、および、ラウンド数を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、前述したROM54に記憶されている開放パターンデータを参照し、開放回数(この実施の形態では、確変大当りおよび通常大当りのそれぞれが15回、10回、5回、2回のいずれか。)、開放時間(この実施の形態では、確変大当りおよび通常大当りのそれぞれが29秒。)、ラウンド間のインターバル時間(この実施の形態では、確変大当りおよび通常大当りのそれぞれが5秒。)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセットする(S1208)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S1209)。
なお、本実施の形態のように、確変大当りと通常大当りとで、開放時間およびインターバル時間を同じとする場合には、S1208においてセットする開放態様のデータの一部を固定値として用いれば、大当り遊技状態の開放態様を設定するための処理を簡素化することができる。
図29は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。これにより、大当り遊技状態(開放制御状態)の開始時においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、前述したように設定された開放開始前時間となるので、大当りが発生したことを報知する制御が行なわれる。また、大当り遊技状態中のラウンド間においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、後述するS440により設定されたインターバル時間となるので、インターバル時間について予め定められた演出をする制御が行なわれる。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行なう(S403)。CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行なうとともに(S404)、前述のS141によりセットされた開放回数カウンタの値を−1する(S405)。このように、大当り遊技状態(開放制御状態)の開始時においては、大当りのラウンド数の種別(15R大当り、10R大当り、5R大当り、2R大当り)に関わらず、同じ開放開始前時間が経過したときに、大入賞口が開放される。そして、その後のラウンドにおいては、各ラウンド終了時に設定されたインターバル時間が経過したときに、大入賞口が開放される。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値として、大当りのラウンド数の種別(15R大当り、10R大当り、5R大当り、2R大当り)に応じた開放パターンデータに基づく、当該ラウンドの開放時間に相当する値を設定する(S406)。ラウンドの開放時間としては、S141によりセットされた開放時間のデータが設定される。たとえば、確変大当りおよび通常大当りのそれぞれの場合において、開放時間が29秒に設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新する(S407)。
図30は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(S432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(たとえば10)になっているか否か確認する(S434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432との判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行なう(S435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(S436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(S438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行なう(S439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでのインターバル時間に相当する値を設定する(S440)。具体的に、インターバル時間としては、S141によりセットされたインターバル時間のデータが設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する(S441)。
また、開放回数カウンタの値が0である場合に、CPU56は、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するための制御を行なう(S442)。具体的に、S442では、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、大当り種別を確認する。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、演出表示装置9において報知する演出を行なう時間)に相当する値を設定し(S443)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新し(S444)、処理を終了する。
図31は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了時間が設定された大入賞口制御タイマの値を1減算する(S154)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否(大当り終了時間が経過したか否か)確認する(S155)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば、大当りフラグをリセットし(S156)、大当1信号の出力も終了する(S156A)。
次に、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、現在の大当り遊技状態(開放制御状態)の大当りの大当り種別が、確変大当りであるか否かを判断する(S157)。
確変大当りであるときには、確変フラグをセットし(S158)、時短フラグをセットする(S159)。これにより、大当り遊技状態(開放制御状態)の終了後に、遊技状態が確変状態および時短状態に制御される。これにより、確変大当り(2R確率大当り、5R確変大当り、10R確変大当り、15R確変大当り)の大当り遊技状態の終了後には、次に大当りが発生するまでの期間継続して確変状態および時短状態に制御されることとなる。本実施の形態では、時短フラグがセットされて時短状態に制御されたときに、普通図柄プロセス処理において電チューサポート状態であると判断され、高ベース状態に制御されることとなる。
次に、CPU56は、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するための処理を行ない(S160)、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するための処理を行なう(S161)。これにより、確変状態指定コマンドおよび時短状態指定コマンドがそれぞれ演出制御用マイクロコンピュータ200に送信される。次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S162)、処理を終了する。
一方、S157で確変大当りではないと判断されたとき、すなわち、通常大当りであるときには、時短フラグをセットする(S163)。これにより、通常大当り(2R通常大当り、5R通常大当り、10R通常大当り、15R通常大当り)の大当り遊技状態の終了後に、遊技状態が時短状態に移行する。そして、時短回数カウンタに「100」をセットする(S164)。これにより、通常大当りの大当り遊技状態の終了後には、次回の大当りが発生しなければ変動表示が100回実行されるまでの期間継続して時短状態に制御されることとなる。前述したように、本実施の形態では、時短フラグがセットされて時短状態に制御されたときに、普通図柄プロセス処理において電チューサポート状態であると判断され、高ベース状態に制御されることとなる。
次に、CPU56は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するための処理を行なう(S165)。これにより、時短状態指定コマンドがそれぞれ演出制御用マイクロコンピュータ200に送信される。次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S162)、処理を終了する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ200で実行される制御を説明する。図32は、演出制御用マイクロコンピュータ200が用いる乱数を示す説明図である。
図32には、一例として、演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、および、演出決定用のSR2が示されている。
SR1−1,SR1−2,SR1−3は、演出図柄の左,中,右の停止図柄(仮停止図柄を除く最終的な停止図柄)をランダムに決定するために用いられる。SR2は、保留記憶演出を行なうときの演出期間を決定するために用いられる。
このような乱数SR1−1〜SR2のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、図32において対応付けられた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
図33は、演出表示装置9における演出図柄(飾り図柄)の停止図柄の一例を示す説明図である。
図33に示す例では、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、確変大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)には、停止図柄として左,中,右の3図柄が1つの奇数図柄に揃った演出図柄の組合せ(確変大当り図柄の組合せ)を決定する。
演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、通常大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)には、停止図柄として左,中,右の3図柄が1つの偶数図柄に揃った演出図柄の組合せ(通常大当り図柄の組合せ)を決定する。そして、はずれの場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)には、上記以外の演出図柄の組合せ(左右不一致、左右のみ一致等のはずれ図柄の組合せ)を決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左,右の2図柄が揃った演出図柄の組合せを決定する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ200の動作を説明する。図34は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ(コマンド受信フラグ)等のデータをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。コマンド解析処理では、第1〜第3特定領域球検出指定コマンドであった場合には、第1〜第4特定領域球検出指定コマンド受信フラグをセットする。また、権利発生指定コマンドであった場合には、権利発生指定コマンド受信フラグをセットする。また、送出領域通過指定コマンドであった場合には、送出領域通過指定コマンド受信フラグをセットする。また、最低ラウンド数指定コマンドであった場合には、最低ラウンド数指定コマンド受信フラグをセットする。また、確変状態指定コマンドであった場合には、確変状態フラグをセットする。また、時短状態指定コマンドであった場合には、時短状態フラグをセットする。また、通常状態指定コマンドであった場合には、確変状態フラグがセットされていればリセットし、時短状態フラグがセットされていればリセットする。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、図32に示すようなSR1−1,SR1−2,SR1−3,SR2を含む各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ200では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果や変形例を、以下にまとめる。
本実施形態に係るパチンコ遊技機1が有する演出用役物装置100は、特定領域部160の周囲を凸部(阻害部)150aと平坦部(許容部)150bとを有する周辺可動体150が回動するとともに、転動面131の四隅にフリッパ141、142、143、144を設けられているため、遊技媒体が、いずれかの特定領域161、162、163、164に進入するまで、周辺可動体150及び各フリッパ141、142、143、144に弾かれて異なる転動方向に転動するという動きが繰り返される。これにより、遊技媒体が有利な条件を提供する所定の特定領域へ進入することを期待する遊技者の視線を釘付けにすることができる。すなわち、演出用役物装置100に進入した遊技媒体の動きで遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、遊技媒体の進入を阻害する凸部150aは、内側に向けて高くなっており、円環状の内側端部と外側端部とではΔhの高低差が存在している。このように、凸部150aを内側に向けて高くすることにより、転動面131から特定領域部160に向けて進入しようとする遊技媒体を、周辺可動体150の回動により凸部150aに乗り上げやすくすることができる。このように、凸部150aに乗り上げた遊技媒体は、周辺可動体150の回動により上方に弾き飛ばされるため、遊技媒体の動きを複雑なものとすることが可能となる。
また、転動面131を転動する遊技媒体が、いずれの特定領域に進入したかによって遊技者の遊技における有利度合い(例えば、獲得できるラウンド数)を異ならせている。そのため、遊技者が遊技をする上で、どの特定領域161、162、163、164に進入するのかが重要な事項となるため、遊技者に転動する遊技媒体の動きに着目させることができる。
上述したように、いずれかの特定領域161、162、163、164に進入するのかが遊技者が遊技をする上で重要な事項となる。パソコン遊技機1は、遊技媒体がステージ部130上にある間、周辺可動体150と、フリッパ141、142、143、144との回動運動が行われているかを検出する検出器(連動ギヤ検出器189、第1ソレノイド検出器197、第2ソレノイド検出器198)を有している。このような検出器により回動運動が適切に行われていないことが検出されると、所定の異常時処理が実行される。これにより、有利な条件を提供する特定領域に遊技媒体を導こうとする不正行為を防止することができる。
なお、上述の実施形態では、転動面131には中央から両サイドに向けて下り勾配を設け、それぞれの低い位置にフリッパ141、142、143、144を設けるようにしている。しかしながら、転動面131に付ける勾配を片勾配とし、その低い位置のみにフリッパを設ける構成(フリッパは2つ配置する)としてもよい。これにより、ピンボール遊技機の興趣を兼ね備えたパチンコ遊技機1を提供することができる。
また、上述の実施形態では、遊技媒体の動きを複雑にする部材として、フリッパ141、142、143、144のみを設けてもよいし、周辺可動体150のみを設けるようにしてもよい。周辺可動体150のみを設ける場合には、転動面131を中央に向けて下る勾配とする必要がある。
また、フリッパ141、142、143、144、及び周辺可動体150の回動する速さと、遊技媒体の特定領域161、162,163、164への進入のしやすさについては様々な要因が存在するために容易に述べることはできないが、所定時間以上、遊技媒体が転動面を転動している場合には、フリッパ141、142、143、144、及び周辺可動体150の回動スピードを調整する(速くしたり遅くしたりする)ようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、いずれかの特定領域161、162,163、164に進入するかによって、獲得できるラウンド数が異なる(大当たりの価値が異なる)場合を例に説明した。なお、大当たりの価値が異ならせるような他の態様を採用してもよい。例えば、遊技媒体がどの特定領域に進入するかによって通常大当たりを獲得するか、あるいは確変大当たりを獲得するかが異なるようにしてもよいし、大当り後の時短を獲得できるかどうかを決定してもよいし、各ラウンドの開放時間を決定してもよい。また、ラウンド数、確変大当たりの有無、時短獲得の有無、各ラウンドの開放時間を、大当たり時に複数回、遊技媒体を演出用役物装置に進入させて、それぞれを決定するようにしてもよい。
また、いずれかの特定領域161、162、163、164に進入するかによって、大当たりか否かを決定する構成であってもよい。このような構成の場合、どの特定領域161、162、163、164が、V入賞口に対応するか、予め演出表示装置9に表示して遊技者に認識させてもよいし、あるいは、V入賞口である特定領域を予め特定領域部160に表示しておけばよい。
権利発生状態となったときに、遊技球が第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のうちいずれかに進入したときには、大当りの種類に関わらず、同じ時間が経過した後に、大入賞口の開放が開始されることとなる。したがって、大当りの種類によらず、特定領域に遊技媒体が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放が開始されるので、大入賞口の開放開始契機が明確になるため、遊技内容に関する知識に差がある遊技者間での公平性を担保することができる。
図1に示すように、遊技領域7における複数の領域(左領域7a、右領域7b)うちの特別可変入賞球装置20が設けられた領域に、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63へ送出される遊技球の入口(球入口71)が設けられている。そして、打球操作ハンドル5の操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域が変更できるので、遊技者が大入賞口の開放制御状態を開始させる意思を持ったときに開放制御状態を開始させることができるようになり、遊技者の意に反した時期に開放制御状態が開始されてしまうことを防ぐことができる。
大当り図柄が停止表示された後ゲート無効タイマが0になるまでの期間は球送出装置70の遮蔽部材75が閉状態に制御される。そのため、大当り図柄が停止表示されたときの演出時間を確保することが出来る。
前述した実施の形態では、2つの特別図柄表示器である第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bを設け、2つの特別図柄を変動表示する例を示した。しかし、これに限らず、2つの特別図柄表示器の代わりに、1つの特別図柄表示器を設け、1つの特別図柄を変動表示させる構成を採用してもよい。このような構成を採用する場合には、特別図柄表示器における特別図柄の変動表示が、第1始動入賞口13の入賞、および、第2始動入賞口14への入賞のそれぞれに応じて実行されるようにすればよい。つまり、第1始動入賞口13の入賞に基づいて第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄を実行させるための各種制御と、第2始動入賞口14の入賞に基づいて第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄を実行させるための各種制御とをそれぞれ、1つの特別図柄表示器における特別図柄の変動表示について適用すればよい。
前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板270に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板270、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ200は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板270、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点等を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
前述した実施の形態では、複数種類の大当り種別のすべてについて、権利発生状態において第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のうちいずれかに遊技球が進入したことに基づいて、大入賞口の開放制御状態に制御される例を示した。しかし、複数種類の大当り種別の一部について、第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164のうちいずれかに遊技球が進入しないでも、大入賞口の開放制御状態に制御されるようにしてもよい。つまり、変動表示において大当り表示結果が表示されたときに、そのまま大入賞口の開放制御状態に制御される大当りの種別が選択される場合があるようにしてもよい。たとえば、前述した通常大当りおよび確変大当りに加えて、突確大当りの種別を加えた場合において、突確大当りについては、変動表示において大当り表示結果が表示されたときに、そのまま大入賞口の開放制御状態に制御されるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、大当りとなったときの開放制御状態として、複数回のラウンドにおいて大入賞口を開放する制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、大当りとなったときの開放制御状態としては、たとえば、1回だけ大入賞口を開放して、大入賞口に入賞した遊技球を計数し、所定個数(たとえば、2000発)の遊技球が大入賞口に入賞したときに、大入賞口開放状態を終了させる制御を行なうようにしてもよい。
特定領域部160に、特定領域の他に遊技球が進入可能な穴を開口形成し、当該穴に遊技球が進入したときに、演出図柄を再変動させていずれの種別の大当りとなるかを再度抽選するような演出を行なうようにしてもよい。このような演出を行なえば、遊技の興趣をさらに向上させることができる。また、その場合には、権利発生状態が所定時間以上の長時間に亘って継続するときに、再変動においてはずれ表示結果が表示される制御がある割合で実行さされるようにし、当該再変動においてはずれ表示結果が表示されたときに権利発生状態を終了させるようにしてもよい。
上述の実施形態では、誘導路113への遊技球の進入を遮蔽する遮蔽部材75を設ける例を示したが、このような遮蔽部材75が設けられると、前述したような効果の他に、たとえば、遊技者が故意に糸付きの遊技球を用いて飾り部材90内のいずれかの特定領域に遊技球を進入させる行為を行なうとして、遮蔽部材75により不正な遊技球の進入および逆戻り等を防ぐことができ、不正行為者による不正行為を防ぐことも可能となる。
特定領域部160には1つの特定領域のみを設け、権利発生状態となってからの時間を計時手段により計測し、その計時される時間と選択されるラウンド数「2R」、「5R」、「10R」、「15R」との関係を予め定めておき、当該特定領域に遊技球が進入したことが検出されたときの計時手段の計時結果に基づいて、「2R」、「5R」、「10R」、「15R」のいずれかが選択されるようにしてもよい。
特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データに大当りが含まれているか否かを当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるよりも前の変動表示時に予告する保留予告を実行するときには、たとえば、保留記憶データに基づく大当りの種別に基づいて、大当り種別に対応する第1特定領域161、第2特定領域162、第3特定領域163、および、第4特定領域164への遊技球の進入により生じるラウンド数の合計値または平均値等のラウンド選択数(大当りのときのラウンド数の規模)を報知可能な予告演出を行なうようにしてもよい。
上記の実施形態では、特定電断フラグがセットされているときには、第1〜第4スイッチ166〜169による遊技球の検出を無効化する(検出結果Eに書き換える)ことにより、共通スイッチ193のみが遊技球を検出した場合の制御と共通の制御が実行される(その結果、最低ラウンド数の大当り遊技状態に制禦される)例について説明したが、これに限らず、特定電断フラグがセットされているときには、共通スイッチ193による遊技球の検出を無効化することにより、第1〜第4スイッチ166〜169のいずれか1つのみが遊技球を検出した場合の制御と共通の制御が実行される(その結果、最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御される)ようにしても良い。
上記の実施形態では、第1〜第4スイッチ166〜169による遊技球の検出方式(誘導形近接スイッチ)と、共通領域スイッチ193による遊技球の検出方式(光電形近接スイッチ)とが異なる例について説明したが、これに限らず、両者の検出方式が共通であっても良い。また、第1〜第4スイッチ166〜169aや、共通スイッチ193として、例えば、静電容量形近接スイッチや、超音波形近接スイッチ等、他の検出方式のスイッチを用いるようにしても良い。
上記の実施形態では、大当り図柄が導出表示されてから大当り遊技状態が終了するまでの期間、大当り1信号が出力され、払い出される賞球数に応じた賞球信号が出力される例について説明した。これによりホールコンピュータ等の遊技場の管理装置では、本実施形態のような遊技機を対象として、大当り1信号が出力されているが、賞球信号が出力されていない(あるいは出力頻度が低い)遊技機は特定状態(権利発生前状態または権利発生状態)にあると把握し、大当り1信号が出力されており、且つ賞球信号も出力されている(あるいは出力頻度が高い)遊技機は大当り遊技状態にあると把握することが可能であった。これに対して、大当り遊技状態に制御されるときに大当り2信号を出力するようにしても良い。このようにすることで、ホールコンピュータ等の管理装置側で、大当り1信号が出力されているが、大当り2信号が出力されていない遊技機は特定状態(権利発生前状態または権利発生状態)にあると把握し、大当り1信号が出力されており、且つ大当り2信号も出力されている遊技機は大当り遊技状態にあると把握することが可能である。また、停止フラグがセットされている期間に出力される特定信号を出力するようにしても良い。このようにすることで、ホールコンピュータ等の管理装置側で、特定信号が出力されている遊技機は特定状態(権利発生前状態または権利発生状態)にあると把握し、特定信号の出力終了後に賞球信号が出力されている(あるいは出力頻度が高い)遊技機は大当り遊技状態にあると把握することが可能である。
なお、上記の実施形態のような遮蔽部材を設けずに、常時、遊技球が特定領域を通過することが可能なようにしても良い。このようにする場合には、大当り図柄導出表示後のゲート無効期間(権利発生前状態)において、特定領域における遊技球の検出を無効化するようにすると良い。
上記の実施形態では、特定電断フラグがセットされているときには、第1〜第4スイッチ166〜169による検出結果を書き換えて検出を無効化することで、共通スイッチ193による検出結果のみが有効となり、その結果、最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御される例について説明したが、これに限らず、第1〜第4スイッチ166〜169における検出処理自体を実行しないようにしても良い。例えば、図17に示したタイマ割込み処理において、S21のスイッチ処理では特定電断フラグがセットされていることを条件として、第1スイッチ166、第2スイッチ167、第3スイッチ168、および第4スイッチ169からの検出信号の入力判定をスキップするようにしても良い。このようにすることで、共通スイッチ193のみが有効な検出を行うことになり、結果として最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御される。なお、図17に示したタイマ割込み処理において、S21のスイッチ処理では特定電断フラグがセットされていることを条件として、共通スイッチ193からの検出信号の入力判定をスキップするようにしても良い。このようにすることで、第1〜第4スイッチ166〜169のみが有効な検出を行うことになり、結果として最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御される。
また、上記の実施形態では、遊技球が通過した特定領域に応じて大当り遊技状態におけるラウンド数が異なり、特定電断フラグがセットされているときを含む不正時には、最低ラウンド数(2R)の大当り遊技状態に制御される例について説明したが、これに限らず、例えば、遊技球が通過した特定領域に応じて大入賞口の開放時間が異なる大当り遊技状態が決定され、特定電断フラグがセットされているときを含む不正時には、大入賞口の開放時間が最も短い大当り遊技状態に制御されるようにしてもよい。また、大入賞口に入賞した遊技球を計数して、入賞可能数の遊技球が大入賞口に入賞したときに大入賞口の開放を終了させるものとし、遊技球が通過した特定領域に応じて大入賞口の入賞可能数が異なる大当り遊技状態が決定され、特定電断フラグがセットされているときを含む不正時には、大入賞口の入賞可能数が最も少ない大当り遊技状態に制御されるようにしてもよい。また、遊技球が通過した特定領域に応じて、遊技球が大入賞口に入賞したときに払い出される賞球数が異なる大当り遊技状態が決定され、特定電断フラグがセットされているときを含む不正時には、遊技球が大入賞口に入賞したときに払い出される賞球数が最も少ない大当り遊技状態に制御されるようにしてもよい。
上記の実施形態では、CPU56は、大当り種別判定用の乱数の値と大当り種別判定テーブルを用いて、確変大当り、および、通常大当りのいずれかを大当りの種別に決定するものとしたが(S73)、遊技球が通過した特定領域に応じて、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御するか否かが決定されてもよい。この場合には、特定電断フラグがセットされているときを含む不正時には、遊技球が通過した特定領域にかかわらず、確変状態に制御されない通常大当りの大当り遊技状態に制御されるようにしてもよい。また、確変状態の継続が変動表示回数により制限されるものとし、遊技球が通過した特定領域に応じて、変動表示回数の制限回数(確変回数)が異なるものとしてもよく、特定電断フラグがセットされているときを含む不正時には、確変回数が最も少なく設定されるようにしてもよい。同様に、遊技球が通過した特定領域に応じて、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御するか否か(確変状態に伴って制御する場合と、確変状態に伴わずに制御する場合とを含む)が決定されてもよく、この場合に、特定電断フラグがセットされているときを含む不正時には、遊技球が通過した特定領域にかかわらず、時短状態とはならないようにしてもよい。また、時短状態の継続が変動表示回数により制限されるものとし、遊技球が通過した特定領域に応じて、変動表示回数の制限回数(時短回数)が異なるものとしてもよく、特定電断フラグがセットされているときを含む不正時には、時短回数が最も少なく設定されるようにしてもよい。
上記の実施形態では、送出領域通過フラグがセットされているときに遊技機への電力供給が停止されて再開された場合に特定電断フラグをセットして最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御する例について説明したが、これに限らず、送出領域通過フラグがセットされていなくても、権利発生フラグがセットされているとき(遮蔽部材75が開状態とされるているとき)に遊技機への電力供給が停止されて再開された場合には、特定電断フラグをセットして最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御してもよい。また、停止フラグがセットされているときに(大当り図柄が停止表示されてから大当り遊技状態の制御が開始されるまでの間に)遊技機への電力供給が停止されて再開された場合には、特定電断フラグをセットして最低ラウンド数の大当り遊技状態に制御してもよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ遊技機
7 遊技領域
90 飾り部材
100 演出用役物装置
113 遊技球誘導路
131 転動面
141 第1フリッパ
142 第2フリッパ
143 第3フリッパ
144 第4フリッパ
145 ソレノイド
150 周辺可動体
161 第1特定領域
162 第2特定領域
163 第3特定領域
164 第4特定領域
170 周辺可動体駆動部
180 駆動部支持枠

Claims (1)

  1. 遊技媒体を用いて所定の遊技を行う遊技機であって、
    遊技媒体が案内され、案内された前記遊技媒体が転動する転動面と、
    前記転動面に設けられ、前記遊技媒体が進入可能な複数の特定領域と、
    前記複数の特定領域に向けて前記遊技媒体の転動運動を付加して誘導する誘導部と、
    前記複数の特定領域の周囲に設けられ、該複数の特定領域の周囲を回動する周辺可動体と、を備え、
    前記周辺可動体は、前記誘導部によって誘導された前記遊技媒体が前記特定領域に直接進入することを阻害することを特徴とする遊技機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016202833A (ja) * 2015-04-28 2016-12-08 株式会社三洋物産 遊技機
JP2017202162A (ja) * 2016-05-12 2017-11-16 株式会社サンセイアールアンドディ 遊技機

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