以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、図1に示す飾り部材90の拡大斜視図である。図3は、大当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球(遊技球)を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。遊技領域7には、遊技球を誘導するための多数の釘8が植設されている。釘8は、植設角度の調整等の所謂釘調整をすることにより、遊技球の流下方向を調整可能な流下方向調整手段としての機能を有する。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)を行なう変動表示装置に相当する。演出表示装置9では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、たとえば「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。
演出表示装置9では、後述する第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示が行なわれる。演出図柄の変動表示は、スクロール表示およびその場切替え表示等の各種の変動態様で実行される。
演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。第1特別図柄は、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。第2特別図柄は、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されることなく、どちらか一方が変動表示される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したこと(遊技球が進入したこと)である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
以下の説明においては、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。第1始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第1保留記憶データとして第1保留記憶バッファに記憶され、第2始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第2保留記憶データとして第2保留記憶バッファに記憶される。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、遊技領域7の中央部に設けられ、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが大当り表示結果として停止表示される。前述した第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、演出表示装置9は、識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置であり、変動表示部として用いられる。
演出表示装置9では、変動表示を開始するときに、たとえば、左,中,右の演出図柄のすべてが変動表示を開始する。そして、変動表示している左,中,右の演出図柄が基本的に所定の順番(たとえば、左演出図柄、右演出図柄、中演出図柄の順番のような予め定められた順番)で停止し、変動表示の開始から予め定められた変動時間が経過したときに、左,中,右の全演出図柄が停止して表示結果が確定する。なお、左,中,右の演出図柄が停止する順番は、左,右,中の図柄の順番以外の順番であってもよい。また、左,中,右の演出図柄は、同時に停止してもよい。
遊技領域7は、遊技者の選択により遊技球を打込む領域が変更可能となる複数の領域を含む。本実施の形態の場合、遊技領域7は、遊技領域の左右方向の中央部を境界として左側の領域が左領域7aと呼ばれ、右側の領域が右領域7bと呼ばれる。なお、遊技領域7の領域分けは、遊技領域7の中央部を境界として左右に分けるもの以外に、たとえば、遊技領域7の中央から左または右に偏在した位置を境界として左右に分けるものであってもよい。たとえば、演出表示装置9等の装置が設けられる飾り部材90は、遊技領域7の中央から左または右に偏在して設けられる場合があるが、そのような場合に、遊技領域7の中央から左または右に偏在した当該飾り部材の頂点を中心として左右に領域が分けられたものであってもよい。つまり、遊技領域7の領域分けは、遊技領域7において、ある位置を中心として遊技領域が複数に分けられているものであればどのような領域分けが行なわれてもよい。また、このように、左領域7aと右領域7bとの複数の領域を含む場合において、遊技球が左領域7aへ流れるように左領域7aを狙って遊技球を打込むことが「左打ち」と呼ばれ、遊技球が右領域7bへ流れるように右領域7bを狙って遊技球を打込むことが「右打ち」と呼ばれる。
パチンコ遊技機1においては、打球操作ハンドル5の操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域を変更することができる。
演出表示装置9の下方には、遊技球が入賞(進入)可能な第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13は、遊技領域7の左右方向の中央部に設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。本実施の形態の場合、第1始動入賞口13は、「左打ち」をしたときが「右打ち」をしたときよりも入賞しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13の右側方部における右領域7bには、遊技球が入賞(進入)可能な第2始動入賞口14(第2始動口)を有する可変入賞球装置(電動チューリップ)15が設けられている。可変入賞球装置15は、左右一対の可動片18を備え、可動片18の状態により、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と遊技球が入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものである。可動片18の上方には、上方からの遊技球の入賞を阻止するストッパ部材17が設けられており、閉状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しない構造とされている。可変入賞球装置15に設けられた第2始動入賞口14は、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも入賞しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。
第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい(たとえば、ストッパ部材17を設けない構成例)。このように、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。つまり、可変入賞球装置15は、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と該第1の状態よりも遊技球が入賞しにくいまたは入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものであればよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
また、遊技領域7には、遊技球の入賞に基づいて予め定められた所定数の賞球の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30も設けられている。入賞口29,30に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30aで検出される。
演出表示装置9の下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
演出表示装置9の右側方の右領域7bにおいては、遊技球が進入して通過可能な普図ゲート32が設けられている。普図ゲート32においては、進入した遊技球を検出する普図ゲートスイッチ32aが設けられている。普図ゲート32には、普図ゲート32に進入(通過)した遊技球を検出する普図ゲートスイッチ32aが設けられている。
遊技球が普図ゲート32を通過し普図ゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄「○」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、普図ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。普図ゲート32への遊技球の通過があるごとに、すなわち普図ゲートスイッチ32aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器を1減らす。普図保留記憶数の上限値は4つであり、普通図柄保留記憶表示器41においては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域としての合算保留記憶表示部18cが設けられている。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられることにより、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とのそれぞれの表示領域が設けられるようにしてもよい。
第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、合算保留記憶表示部18cで行なわれる保留記憶数等の保留記憶に関する表示は、保留記憶表示と呼ばれる。このように、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、合算保留記憶表示部18cでは、変動表示を行なう権利の数を視認可能な態様で各権利に対応する保留記憶表示が行なわれる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
遊技領域7の中央の領域においては、演出表示装置9の周囲を枠形状の壁部で囲う態様の飾り部材90が設けられている。飾り部材90の下端部には、遊技球が進入(入賞)可能な第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63という3つの特定領域の領域口が同心円上に分配形成された円盤状の特定領域部60(「3穴クルーン」ともいう。)が設けられたステージ部400が形成されている。特定領域部60は、中心部に向けて傾斜しており、特定領域部60に誘導された遊技球は、中心部に向けて転動していく。
ステージ部400は、流下してくる遊技球を受けるステージ状(舞台状)の部分であり、正面から見て、左右から中央部にかけて下るように傾斜し、かつ、後方から前方にかけて下るように傾斜した形状に形成されている。ステージ部400の正面から見て中央部には、内部に特定領域部60が取付けられる円形の穴よりなる特定領域入口部600が設けられている。
特定領域入口部600内においては、周囲よりも1段下がった位置に特定領域部60が設けられている。ステージ部400の前縁部としての流下縁部40は、遊技球が前縁に向けて転がると、どの位置からでも下方へ流下可能な形状に形成されている。すなわち、ガラス扉枠2のガラスと、ステージ部400の前縁部との間には空間が形成されることにより、ステージ部400において前方に転がった遊技球は、流下縁部40を超えると下方へ流下することとなる。これにより、ステージ部400においては、流下縁部40が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれにも進入しない遊技球が飾り部材90の外部へ流下する流下経路として用いられる。
なお、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれにも進入しない遊技球が飾り部材90の外部へ流下する流下経路としては、特定領域入口部600内、または、特定領域入口部600外の所定位置に遊技球が進入可能な穴等の開口部を形成し、当該開口部に進入した遊技球を内部に取込まずに遊技領域7に誘導する誘導経路を設け、遊技球を当該誘導経路から放出して流下させるようにしてもよい。
飾り部材90の正面から見て右側の側壁部には、矩形状の穴901が形成されており、当該穴901の外側から内側に挿通する態様で、玉送出装置70が設けられている。玉送出装置70は、飾り部材90の外側において遊技領域7を流下する遊技球を受入れて飾り部材90の内側に送出する装置である。玉送出装置70は、上方に向いて開口した球入口71と、下方に向いて開口した球出口72とを有する湾曲した形状の誘導路73と、当該誘導路73への遊技球の進入を遮蔽する遮蔽状態(閉状態ともいう)と、遊技球の進入を遮蔽しない状態(開状態ともいう)とに変化可能なシャッター状の遮蔽部材75とを含み、遊技球を特定領域部60に向けて送出する手段である。玉送出装置70における球入口71、誘導路73、および、球出口72のそれぞれにおける遊技球の通路は、遊技球を1個ずつ送出するために、1個の遊技球が通過可能な程度の広さで形成されている。
玉送出装置70において、遮蔽部材75は、後述するようなソレノイド(図4のソレノイド34)により駆動され、球入口71の内部において、前後方向に移動することで出没することにより、前述の開状態または閉状態となる。たとえば、ソレノイドが非励磁状態ではバネの弾性力により遮蔽部材75が前方へ付勢されて閉状態となっており、ソレノイドが励磁状態にされると遮蔽部材75がバネの弾性力に抗して後退して開状態となるように構成されている。遮蔽部材75が設けられた位置のよりも下方においては、誘導路73での遊技球の進入(言い換えると遊技球の送出)を検出する送出領域スイッチ33が設けられている。なお、遮蔽部材75を駆動する手段は、このような開状態または閉状態とすることができる駆動手段であれば、ソレノイドに限らず、モータ等のその他の駆動手段を設けてもよい。
玉送出装置70において、遊技領域7においては、球入口71近傍の障害釘Pにより誘導された遊技球等、流下する遊技球が、球入口71に向けて転動する。遮蔽部材75は、通常時は開状態(あるいは開状態と閉状態が所定の周期で切り替わる状態)である。遮蔽部材75が開状態であるときには、遊技球が誘導路73内に進入可能となり、進入した遊技球が誘導路73内で球出口72へ誘導されていく。閉状態であるときは、遊技球は誘導路73に進入できない。開状態であるときに遊技球が誘導路73内に進入して送出領域スイッチ33により検出されると、遮蔽部材75が所定の閉期間(例えば5秒間)の間、閉状態に制御される。遮蔽部75が閉状態となる期間は、遊技球が球入口71に進入してから飾り部材90の外部に流出するに十分な期間であればよい。このように、遮蔽部材75は、遊技球が玉送出装置70に1個進入するとただちに閉状態となる。これにより、特定領域を含む飾り部材90の内部に遊技球が1個ずつ受入れられ、1個ずつ送出されることとなる。
球出口72は、ステージ部400の上方において下方を向いた態様で開口している。たとえば、球出口72は、正面から見て特定領域入口部600の右端部近傍上の位置にある。誘導路73内で球出口72まで誘導された遊技球は、球出口72から、特定領域部60を含むステージ部400へ向けて送出されて落下することとなる。ステージ部400に向けて落下した遊技球は、ステージ部400上で転動し、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入するか、または、いずれにも進入せずに、流下縁部40から飾り部材90の外部へ流下する。
なお、球出口72の位置は、特定領域部60に対して遊技球を送出できる位置であれば、特定領域部60上のどの位置であってもよく、また、特定領域部60上以外のステージ部400上の位置であってもよい。また、特定領域部60に設けられる特定領域は、複数設けられればよく、3つに限られない。また、球出口72は、遊技球をステージ部400の上方から落下させる位置ではなく、たとえば、遊技球を落下させずにステージ部400の側面から転動する態様で特定領域部60に対して遊技球を送出できる位置に設けてもよい。
第1特定領域61に進入した遊技球は、パチンコ遊技機1の内部に設けられた第1球通路に誘導され当該第1球通路に設けられた第1特定領域スイッチ61aにより検出される。第2特定領域62に進入した遊技球は、パチンコ遊技機1の内部に設けられた第2球通路に誘導され当該第2球通路に設けられた第2特定領域スイッチ62aにより検出される。第3特定領域63に進入した遊技球は、パチンコ遊技機1の内部に設けられた第3球通路に誘導され当該第3球通路に設けられた第3特定領域スイッチ63aにより検出される。
権利発生状態において玉送出装置70から送出された遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入(入賞)したときは、後述するような大入賞口の開放制御状態(大当り遊技状態)に制御される。一方、権利発生状態において玉送出装置70から送出された遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入しないとき、たとえば、遊技球が送出領域スイッチ33で検出されてから所定期間経過しても、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのいずれでも検出されないときは、再度遮蔽部材75を開状態として玉送出装置70に遊技球を受入れて再度遊技球を送出する制御が行なわれる。このような制御は、遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちのいずれかに進入するまで繰返し行なわれる。
権利発生状態(大当り図柄が停止して所定のゲート無効期間が経過してから遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちのいずれかに進入するまでの期間)でないときに遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入すると、所定演出が実行される。所定演出には、音によって実行中の特別図柄の変動表示が大当りとなるか否かを示唆する示唆所定演出や、遊技者に「左打ち」を指示する左打ち指示所定演出等が含まれる。
本実施の形態の場合、普図ゲート32、および、玉送出装置70の球入口71のそれぞれは、右領域7bに設けられており、「右打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「左打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。なお、普図ゲート32は、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすい(遊技球が進入不可能ではない)ように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。
パチンコ遊技機1においては、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる変動表示の表示結果が大当り表示結果となったとき、そして、このような表示結果に対応して演出表示装置9による変動表示の表示結果が大当り表示結果となったときに、遊技者にとって有利な大入賞口の開放制御状態を実行する権利が発生した権利発生状態に制御される。
そして、権利発生状態において、遊技球が、第1特定領域61に進入して第1特定領域スイッチ61aにより検出され、第2特定領域62に進入して第2特定領域スイッチ62aにより検出され、または、第3特定領域63に進入して第3特定領域スイッチ63aにより検出されると、大入賞口の開放制御状態(大当り遊技状態)に制御される。つまり、権利発生状態において、遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかの特定領域を通過することに基づいて、大入賞口の開放制御状態(大当り遊技状態)に制御される。言い換えると、権利発生状態において、遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかの特定領域を通過することに基づいて、大入賞口の開放制御状態に制御される(大当り遊技状態)という価値が付与される。
本実施の形態では、変動表示の表示結果が大当り表示結果となることに基づいて権利発生状態となり、権利発生状態において遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかに進入すると特別可変入賞球装置20の大入賞口を開放する開放制御状態となる。遊技者にとって有利となる大当り遊技状態は、このような権利発生状態後の開放制御状態が該当する。したがって、変動表示の表示結果が大当り表示結果となったとき、および、当該大当り表示結果になったことに基づいて権利発生状態となったときに、大当り遊技状態(開放制御状態)に制御可能となる所定条件が成立することとなる。変動表示の表示結果を大当り表示結果とするか否かは、変動表示結果が表示される前に事前決定される。したがって、このような事前決定は、権利発生状態、すなわち、開放制御状態(大当り遊技状態)に制御可能な状態とするか否かの事前決定と定義することができる。また、権利発生状態は、遊技球が特定領域(第1特定領域61、第2特定領域62、第3特定領域63)に進入すること以外の条件で終了することはない。
また、本実施の形態では、玉送出装置70および飾り部材90においては、玉送出装置70から送出された1つの遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域のいずれにも進入しない流下経路として、ステージ部400の流下縁部40があるので、玉送出装置70から送出された1つの遊技球が、いずれかの特定領域に進入する場合と、いずれの特定領域にも進入しない場合とが生じるため、権利発生状態が成立した後に遊技球がいずれかの特定領域に進入したことに基づいて大当り遊技状態に制御される構成における遊技の興趣を向上させることができる。
なお、権利発生状態とする大当り表示結果を決定することが結果的に開放制御状態に制御することに関与するので、表示結果を決定することを、大当りとするか否かを決定する大当り判定と呼ぶ場合がある。また、本実施の形態では、大入賞口が開放される開放制御状態が遊技者にとって有利な状態であるので、開放制御状態のみを「大当り」と呼ぶが、権利発生状態も開放制御状態に制御されることが保証された遊技者にとって有利な状態であるので、権利発生状態と開放制御状態とを含めて「大当り」と呼んでもよい。したがって、本実施の形態において「大当り」と呼ぶときは、基本的に開放制御状態を示すが、たとえば後述する「大当り確率」のように権利発生状態となる大当り表示結果を決定する確率等のように、「大当り」という概念で示した方が意味が分かりやすくなるときには、権利発生状態および開放制御状態の両者を含む概念として、「大当り」と呼ぶ場合がある。
なお、権利発生状態において遊技球が進入したときに開放制御状態(大当り遊技状態)に制御されることとなる特定領域としては、遊技球が進入可能な領域であればよく、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のように遊技球が遊技機1の内部に受入れられる構造の領域であってもよく、遊技球が遊技機1の内部に受入れられず遊技領域7へ流下するゲート構造の領域であってもよい。
また、このような特定領域としては、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のような特定領域専用の領域が設けられてもよく、他の制御または賞球の払出し等の他の目的でも用いられる領域を兼用するものであってもよい。
本実施の形態では、前述したように、遊技領域7における複数の領域(左領域7a、右領域7b)のうちの特別可変入賞球装置20が設けられた領域に、玉送出装置70の球入口71が設けられている。そして、打球操作ハンドル5の操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域が変更できるので、遊技者が大入賞口の開放制御状態を開始させる意思を持ったときに開放制御状態を開始させることができるようになり、遊技者の意に反した時期に開放制御状態が開始されてしまうことを防ぐことができる。
演出表示装置9における演出図柄の変動表示中には、リーチ状態が生じる場合がある。ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り図柄の組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当り表示結果が発生しやすいように設定され、大当り表示結果となる信頼度が高いものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、図1に示すように、遊技領域7における右領域7bには、可変入賞球装置15の下方に、遊技球が入賞可能な特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大入賞口と呼ばれる入賞口を開閉可能な開閉板を備え、遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と、遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能な可変入賞装置である。これにより、特別可変入賞球装置20は、右領域7bに設けられており、「右打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「左打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されている。なお、特別可変入賞球装置20は、右領域7bに設けられ、「右打ち」をしたときが「左打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすいように、構造物および釘8の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、左領域7aに設けられ、「左打ち」をしたときに遊技球が進入可能であるが、「右打ち」をしたときには遊技球が進入不可能となるように、構造物および釘8の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、左領域7aに設けられ、「左打ち」をしたときが「右打ち」をしたときよりも遊技球が進入しやすいように、構造物および釘の配列等により遊技球の流路が形成されてもよい。また、特別可変入賞球装置20は、特別可変入賞球装置20は、閉状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、特別可変入賞球装置20が閉状態になっている状態は、遊技球が特別可変入賞球装置20に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。つまり、特別可変入賞球装置20は、遊技球が入賞可能な第1の状態(開状態)と該第1の状態よりも遊技球が入賞しにくいまたは入賞しない第2の状態(開状態)とに変化可能なものであればよい。
特別可変入賞球装置20は、開放制御状態となったときに、ソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
開放制御状態(大当り遊技状態)においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる(Rという記号で示される場合がある)。従来のパチンコ遊技機では、権利発生状態において特定領域に遊技球が1個進入すると入賞口が1回開放するものであったので、権利発生状態が終了するまでに遊技球を複数回繰返して特定領域に遊技球を進入させる必要があり、遊技の進行させ方が煩雑なものであった。これに対し、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、権利発生状態において第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちのいずれかに遊技球が一度進入すると、進入した特定領域に応じて決定されたラウンド数に基づいて、第1ラウンドから最終ラウンドまでのすべてのラウンドが実行される大入賞口の開放制御が行なわれる。これにより、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、遊技の進行させ方を、簡素なものとすることができ、遊技の進行状況に対応するとともに、遊技の進行させ方を容易にすることができる。また、本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当り表示結果とすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示されるランプ(発光体)としての装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられたランプ(発光体)としての天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。
左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。また、左枠LED28bの近傍には、パチンコ遊技機1の電源投入時(起動時)において、バックアップデータに基づいて確変状態となっているときに点灯することで確変状態であることを報知する確変報知LED53が設けられている。当該確変報知LED53は、電源投入時以外のときは、消灯しており、電源投入時にのみ、状態に応じて点灯する。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
打球供給皿3の右側の所定位置には、押圧操作により遊技者が操作可能な操作ボタン130が設置されている。操作ボタン130には、操作を検出するための操作検出スイッチ131が設けられている。なお、操作ボタン130は、押圧操作するボタンに限らず、押下可能なジョグボタン、および、回動可能なジョグダイアルといった、その他の構成の操作手段により構成されてもよい。このような操作ボタン130は、たとえば、変動表示中の演出に応じて、操作する等、所定の演出が行なわれるときに操作が要求される。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図3においては、(A)に大当り時の制御の概要が表形式で示され、(B)に特定領域の種別と大当り時のラウンド数(ラウンド上限値)との関係が示されている。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に移行する大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
本実施の形態では、通常大当りとして、通常大当りA〜Gという複数種類の通常大当りが設けられており、また、確変大当りとして、確変大当りA〜Gという複数種類の確変大当りが設けられている。
図3(A)では、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gの大当り種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態の終了後の変動時間、大当り遊技状態における開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が、ラウンド数の上限値(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が、ラウンド数の上限値(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
通常大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値は、(B)に示されるように、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうち、どの特定領域への遊技球の進入が、権利発生状態から開放制御状態に移行するきっかけとなったか、に応じて選択決定される。そして、通常大当りA〜Gのそれぞれでは、通常大当りの種別ごとに、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のそれぞれの領域に対応するラウンド数の上限値の割振りが異なるように設定されている。
たとえば、通常大当りAの場合、第1特定領域61への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が5ラウンドに決定される。第2特定領域62への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が10ラウンドに決定される。第3特定領域63への遊技球の進入に基づいて開放制御状態に移行したときには、ラウンド数の上限値が15ラウンドに決定される。
(B)に示されるように、通常大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値を選択するときの遊技者にとっての有利度は、通常大当りA=B=C<D=E=F<Gという関係となるように設定されている。
また、確変大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値は、(C)に示されるように、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうち、どの特定領域への遊技球の進入が、権利発生状態から開放制御状態に移行するきっかけとなったか、に応じて選択決定される。そして、確変大当りA〜Gのそれぞれでは、確変大当りの種別ごとに、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のそれぞれの領域に対応するラウンド数の上限値の割振りが異なるように設定されている。
(B)に示されるように、確変大当りA〜Gのそれぞれの大当り遊技状態におけるラウンド数の上限値を選択するときの遊技者にとっての有利度は、確変大当りA=B=C<D=E=F<Gという関係となるように設定されている。
このように、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63は、大当りの種別に応じて、遊技球が進入したときに移行する開放制御状態(大当り遊技状態)でのラウンド数の上限値の割振りが異なるので、遊技球が進入したときに移行する開放制御状態(大当り遊技状態)において付与される価値の大きさの割振りが異なる。
なお、特定領域への遊技球の進入により付与される価値としては、開放制御状態のラウンド数のみに限らず、各ラウンドの開放時間、確変状態に制御するか否か、確変状態の継続を変動表示回数により制限するとき(たとえば、変動表示が100回実行されると確変状態を終了させる等)の確変回数、時短状態に制御するか否か(確変状態に伴って制御する場合と、確変状態に伴わずに制御する場合とを含む)、および、変動パターンの変動時間の長短のうち、いずれか1つ、または、複数の組合せとすることが考えられる。このような場合に、特定領域への遊技球の進入に基づく開放制御状態(大当り遊技状態)において付与される価値の大きさが特定領域の種別により異なるようにするときには、これら価値のうち、いずれか1つ、または、複数の組合せについて、価値の大きさを異ならせるようにすればよい。
このように、大当りとなるときには、権利発生状態においていずれの特定領域に遊技球が進入したかに応じて、開放制御状態におけるラウンド数が選択されるように制御される。
通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gのそれぞれについて、ラウンド数が異なる大当りが選択され得るので、ラウンド数が異なる大当りについても種別が異なる大当りとして類別した場合、本実施の形態では、5R通常大当り、10R通常大当り、15R通常大当り、5R確変大当り、10R確変大当り、および、15R確変大当りという複数の種別の大当りが選択され得ることとなる。
この実施の形態では、5R通常大当り、10R通常大当り、および、15R通常大当りのような通常大当りについて、これらを総称して「通常大当り」として示す場合があり、5R通常大当り、10R通常大当り、または、15R通常大当りというように、ラウンド数を特定した通常大当りとして示す場合がある。同様に、この実施の形態では、5R確変大当り、10R確変大当り、および、15R確変大当りのような確変大当りについて、これらを総称して「確変大当り」として示す場合があり、5R確変大当り、10R確変大当り、または、15R確変大当りというように、ラウンド数を特定した確変大当りとして示す場合がある。
なお、本実施の形態では、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gについて、ラウンド数の上限値の選択対象(5R、10R、15R)が同じである例を説明するが、これに限らず、大当り種別により、ラウンド数の上限値の選択対象が異なる(たとえば、確変大当りのときには通常大当りのときよりも選択対象のラウンド数の上限値が大きい等)ようにしてもよい。
本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。また、本願実施の形態では、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後についても、時短状態に制御される。なお、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後は、時短状態に制御されないようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。また、本願実施の形態では、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後についても、電チューサポート制御状態に制御される。なお、通常大当りで大当り遊技状態に制御された後は、電チューサポート制御状態に制御されないようにしてもよい。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数を組合せた状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。このように、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうち、いずれか1つの状態、いずれか複数(すべての組合せを除く)を組合せた状態、または、すべてを組合せた状態に制御するものであれば、どのような制御を行なうようにしてもよい。
本実施の形態では、特別遊技状態として、確変状態に付随して、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される。なお、特別遊技状態として、確変状態とは独立して時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。その他、特別遊技状態における時短状態と電チューサポート制御状態との関係としては、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよく、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、通常大当りの大当り遊技状態後の制御状態として、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される。なお、通常大当りの大当り遊技状態後の制御状態として、時短状態とは独立して電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。
この実施の形態の場合は、大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに時短状態および電チューサポート制御状態に制御されるが、確変状態に制御されたときに時短状態および電チューサポート制御状態に制御されない場合があるようにしてもよい。また、大当り遊技状態の終了後において、確変状態に制御されず通常状態となるときは、変動表示回数により期間が制限されずに、次回の大当りが発生するまでの間、時短状態および電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「高確高ベース状態」、および、「低確高ベース状態」を用いる。なお、「高確低ベース状態」に制御可能となるようにしてもよい。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
以上に説明したように、本実施の形態において、確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りの場合は、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、変動表示回数とは関係なく、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
また、以上に説明したように、本実施の形態において、通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(低確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。通常大当りの場合は、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
また、大当りとしては、大当り遊技状態について、ラウンド数が同じであるが、1回の開放時間が長い開放パターンの大当りと、1回の開放時間が短い開放パターンの大当りとを設ける等、ラウンド数が同じであるが開放パターンが異なるものを複数設け、第1特別図柄の変動表示で大当りとなったときと、第2特別図柄の変動表示で大当りとなったときとで異なる選択割合で選択して実行されるようにしてもよい。
本実施の形態のパチンコ遊技機1は、打球操作ハンドル5の操作量を調整することにより発射強度を調整することにより、次のような態様で遊技者が遊技球を左領域7aまたは右領域7bへ打分けることにより、遊技者にとって有利な状態に制御されやすくなるように構成されている。
低確低ベース状態のような低ベース状態においては、時短状態に付随する高ベース状態よりと比べて可変入賞球装置15が開状態になりにくく、第1始動入賞口13の方が第2始動入賞口14よりも遊技球が進入しやすい。したがって、低確低ベース状態においてより多数の始動入賞を得たい場合に、遊技者は、第1始動入賞口13を狙って「左打ち」をすればよい。
また、高確高ベース状態および低確高ベース状態のような大当り遊技状態後の時短状態に付随する高ベース状態においては、電チューサポート制御等により、低ベース状態よりと比べて可変入賞球装置15が開状態になりやすく、第2始動入賞口144の方が第1始動入賞口13よりも遊技球が進入しやすい。したがって、大当り遊技状態後の高ベース状態においてより多数の始動入賞を得たい場合に、第2始動入賞口14が設けられた可変入賞球装置15を開状態にするために、普図ゲート32を狙って「右打ち」をすればよい。
また、特別図柄および演出図柄の変動表示結果が大当り表示結果となって権利発生状態となったときには、遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかを通過すれば大入賞口の開放制御状態となる大当り遊技状態に制御される。したがって、権利発生状態において大入賞口の開放制御状態に移行させたい場合には、玉送出装置70の球入口71を狙って「右打ち」をすればよい。
また、権利発生状態において遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかを通過して大入賞口の開放制御状態となったときには、特別可変入賞球装置20の大入賞口を狙って「右打ち」をすればよい。
図4は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。払出制御基板37には、プログラムにしたがって入賞に応じた賞球を払出す制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、演出制御基板80には、プログラムにしたがって各種演出制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否かを決定することにより、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや各保留記憶数カウンタの値等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。本実施の形態の場合、このようにバックアップRAMに保存される遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御状態に応じたデータ(バックアップデータ)には、権利発生状態に制御されているときにセットされる権利発生フラグ、および、確変状態に制御されているときにセットされる確変フラグに関するデータが含まれている。権利発生フラグとは、特別図柄の変動表示の結果大当り図柄が導出された後、所定のゲート無効期間(例えば5秒)が経過して、遊技状態を大当り遊技状態とする権利が発生したことを示すフラグである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(たとえば、DC30VやDC5V等)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、普図ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29,30からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、玉送出装置70の遮蔽部材75を駆動するソレノイド34、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41、および、確変報知LED53の表示制御を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63a、および、入賞口スイッチ29,30のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに、賞球個数を示す払出制御コマンドとしての賞球個数コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数コマンドが示す賞球個数に応じて駆動信号を供給することで、球払出装置97を駆動する。球払出装置97には、賞球を払出す払出モータが備えられている。払出制御用マイクロコンピュータにより払出モータが回転駆動制御されることにより、払出制御用マイクロコンピュータにより指定された個数の賞球が球払出装置97から払出される。
また、遊技球を打撃して発射する打球発射装置は、タッチセンサ基板91上の回路によって制御される発射モータ94を含み、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。遊技者が打球操作ハンドル5に触れていることはタッチセンサおよびタッチセンサ回路(遊技者が打球操作ハンドル5に触れているか否かを検出するための検出回路等を含む回路)で検出され、タッチセンサ回路からの信号がオフ状態を示している場合には、発射モータ94の駆動を停止する。
タッチセンサ基板91には、間欠的に繰り返しパルス(ステッピングモータとしての発射モータ94の各相に供給されるパルス信号)を発生するパルス発生器と、単発パルスを発生する単発パルス発生器とが設けられている。タッチセンサ回路からの信号がオン状態を示している場合に、パルス発生器が発生するパルスが発射モータ94に供給される。さらに、打球操作ハンドル5に、または、打球操作ハンドル5の近傍に、発射停止スイッチが設けられ、発射停止スイッチが操作されているときにはパルス発生器のパルス出力が停止される。
なお、パルス発生器のパルス出力は、払出制御基板37からの発射制御信号がオフ状態になったときにも停止される。また、打球発射装置には単発発射スイッチが設けられ、単発発射スイッチが操作されると、単発パルス発生器が発生する単発パルスが発射モータ94に供給される。
なお、この実施の形態では、タッチセンサ基板91にパルス発生器が設けられているが、発射モータ94に供給されるパルスの発生機能を払出制御基板37に持たせてもよい。その場合には、例えば、払出制御用マイクロコンピュータがパルスを発生し、発生されたパルスはタッチセンサ基板91で中継されて発射モータ94に供給される。また、発射停止スイッチの出力は払出制御用マイクロコンピュータに入力され、払出制御用マイクロコンピュータは、下皿満タンや補給球切れが生じたとき、および発射停止スイッチの出力がオフ状態になったときに、パルス出力を停止する。
また、打球発射装置は、遊技球を遊技領域7に打出す打球ハンマ、打球ハンマを付勢するためのコイルばね、コイルばねで付勢された打球ハンマを付勢された位置から解放させるためのカム機構を備え、カム機構が発射モータ94により駆動される。そして、打球操作ハンドル5の回動によりコイルばねの固定位置を変化させてばねの付勢力を調整し、その結果として、打球ハンマの遊技球を打出す力(発射強度)が調整される。
打球発射装置としては、ステッピングモータによる発射モータ94やロータリソレノイドの軸に直接打球ハンマを固定して遊技球を打出す方式のものがある。そのように構成されている場合には、打球操作ハンドル5の回動角度(位置)を可変抵抗器により検出し、検出結果に応じて駆動源としてのステッピングモータおよびロータリソレノイドの動作速度を上げることにより遊技球を打出す力(発射強度)が調整される。
前述のそれぞれの構成において、打球発射装置の発射強度を調整する操作が可能な発射強度操作手段は、回動可能な打球操作ハンドル5に相当する。なお、打球発射装置による遊技球の発射を停止させる操作が可能な発射停止操作手段は、発射停止スイッチに相当する。
さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、パチンコ遊技機1の裏面側上部に設けられたターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路159も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行なう。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータには、操作ボタン130の操作を検出するための操作検出スイッチ131の操作検出信号が入力される。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤6に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cの表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう。
また、遊技制御基板31には、電源電圧を監視する電源監視手段が設けられている。
図5は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図5には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号ごとに設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図4に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
さらに、演出制御用CPU101は、操作検出スイッチ131から入力ドライバ106および入力ポート107を介して、操作検出信号の入力を受ける。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図6は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。電力供給停止時処理は、後述するS20の電源断検出処理において実行される。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S45の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。
次に、電力供給停止前の遊技状態を示すバックアップデータとして、権利発生フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定する(S44)。権利発生フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには、電力供給停止前に権利発生状態であったことを報知する権利発生報知が実行され(S45)、S46に進む。権利発生報知は、たとえば第1特別図柄表示器8aで特定の番号を点滅表示する等、特定の報知態様で実行される。これにより、電力供給停止前に権利発生状態であったときには、パチンコ遊技機1の起動時において権利発生報知が行なわれるので、当該報知に基づいて、電力供給停止前に権利発生状態であったことを知ることができる。これにより、電源投入時に遊技状態が復旧されたときに、大入賞口の開放制御状態への移行に関連する制御状態に関して、その復旧された制御状態を正確に把握できるようにすることができる。
特に、後述するように、遊技において権利発生状態となったことの報知は、演出制御用マイクロコンピュータ100の制御に基づいて実行されるものであり、そのような権利発生状態となったことを報知するための制御データは、基本的に、演出制御用マイクロコンピュータ100においてバックアップ記憶されない。そして、遊技において権利発生状態となったことの報知が行なわれていることを示す制御データを遊技制御用マイクロコンピュータ560の側でバックアップ記憶することは、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を増大させるため、行なうことが困難である。したがって、本実施の形態のように、権利発生フラグがセットされた状態であることを示すデータがバックアップ記憶されているときに、権利発生報知が実行されるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担をあまり増大させることなく、大入賞口の開放制御状態への移行に関連する制御状態を正確に把握することができる。なお、ここでは権利発生フラグがセットされたか否かに応じて権利発生報知の実行を実行するか否か決定したが、後述する停止フラグがセットされたか否かに基づいて権利発生報知の実行を決定しても良い。
なお、権利発生報知は、演出表示装置9で特定のメッセージを表示すること、スピーカ27L,27Rから特定の音声を出力すること、または、LED等の各種発光手段を特定の発光用で発光させることにより行なわれてもよい。一方、権利発生フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されていないときには、S44からS46に進む。なお、S44で権利発生フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには、電力供給停止前に権利発生状態であったことを得する信号を、情報出力回路159からターミナル基板160を介して、前述のホール管理コンピュータに出力するようにしてもよい。このようにすれば、ホール管理コンピュータにおいて、遊技場に設置された各パチンコ遊技機について、電力供給停止前に権利発生状態であったか否かを管理することができる。
また、権利発生状態において、「右打ち」を報知するというような打込むべき領域を特定する打込領域報知(後述する)を行なうときには、権利発生報知として、権利発生状態において行われる打込領域報知と同様の打込領域報知を実行するようにしてもよい。
また、電力供給停止前に権利発生状態であったときに、起動時において権利発生報知を行なう構成としたことにより、次のような課題も解決することができる。その課題は、従来では、電力供給停止前に権利発生状態であったときに、起動時において権利発生報知が行なわれなかったので、遊技場の閉店後、権利発生状態中において電源断状態にしておけば、翌日の遊技場の開店時に電源投入すると、外部から見た動作状態は、権利発生状態であると認識できない状態であるにも関わらず、内部制御状態は、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のような特定領域に遊技球が進入するだけで大入賞口の開放制御状態に移行するというように、簡単な操作により大量の賞球を得ることができる不正なサービスとしての所謂モーニングサービス状態を設定することが可能となっていた。
これに対し、電力供給停止前に権利発生状態であったときに、起動時において権利発生報知を行なう構成としたことにより、前述のような不正なサービスをしても、権利発生報知がなされることで、不正なサービスであることが容易に認識できるようにすることができる。
S46では、電力供給停止前の遊技状態を示すバックアップデータとして、確変フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定する(S46)。確変フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには、電力供給停止前に確変状態(高確高ベース状態)であったことを報知する高確率報知が実行され(S47)、S14に進む。具体的に、S47の高確率報知としては、確変報知LED53を点灯させる制御が行なわれる。確変報知LED53は、電源投入時において確変状態であるときに点灯される制御が行なわれ、電源投入時以外の状態では消灯される。これにより、電力供給停止前に確変状態(高確高ベース状態)であったときには、パチンコ遊技機1の起動時において高確率報知が行なわれるので、当該報知に基づいて、電力供給停止前に確変状態(高確高ベース状態)であったことを知ることができる。したがって、電源投入時に遊技状態が復旧されたときに、その復旧された制御状態をより一層正確に把握できるようにすることができる。なお、高確率報知は、たとえば第2特別図柄表示器8bで所定の番号を点滅表示する等、高確率報知専用の報知手段ではなく兼用の報知手段を用いる等、その他の報知態様で実行されるようにしてもよい。
なお、高確率報知は、演出表示装置9で所定のメッセージを表示すること、スピーカ27L,27Rから所定の音声を出力すること、または、LED等の各種発光手段を所定の発光態様で発光させることにより行なわれてもよい。一方、確変フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されていないときには、S46からS14に進む。なお、S46で確変フラグがセットされた状態であることを示すデータが記憶されているときには、電力供給停止前に確変状態であったことを得する信号を、情報出力回路159からターミナル基板160を介して、前述のホール管理コンピュータに出力するようにしてもよい。このようにすれば、ホール管理コンピュータにおいて、遊技場に設置された各パチンコ遊技機について、電力供給停止前に確変状態であったか否かを管理することができる。
また、S45による権利発生報知は、S47による高確率報知に優先して報知を行なうようにしてもよい。また、S45による権利発生報知と、S47による高確率報知とは、それぞれ報知を行なうようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。図7は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込処理においては、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板910に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータを前述のようなバックアップデータとしてバックアップRAM領域に保存する電力供給停止時処理を実行する。バックアップRAM領域に保存するバックアップデータとしては、前述した権利発生フラグおよび確変フラグに関するデータが含まれている。さらに、電力供給停止時処理においては、バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かを示すバックアップフラグが、所定のアドレス領域に記憶(設定)される。さらに、バックアップデータのデータチェックを行なうためのデータ(チェックサムのデータ)が、バックアップデータに応じて作成されて特定のアドレス領域に記憶される。次いで、入力ドライバ回路58を介して、普図ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。
CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。そして、CPU56は玉送出装置70が遊技球を一つずつ特定領域部60に向けて送り出すための処理(進入管理処理:S25A)を行う。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。このような普通図柄プロセス処理では、時短フラグがセットされて時短状態に制御されたときに、普通図柄プロセス処理において電チューサポート状態であると判断され、高ベース状態に制御されることとなる。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。本実施の形態では、大当り情報は、開放制御状態(大当り遊技状態)に制御されたときに出力が開始される。なお、大当り情報は、権利発生状態となったとき(大当り表示結果が導出表示されたとき)に第1の大当り情報の出力を開始し、さらに、開放制御状態(大当り遊技状態)に制御されたときに第2の大当り情報の出力を開始するようにしてもよい。
また、前述のような試験信号コネクタ310をコネクタ搭載部311に搭載した試験用のパチンコ遊技機1については、前述の試験信号に加えて、前述の大当り情報、始動情報、確率変動情報等のホール管理コンピュータに供給されるデータに該当する信号を試験信号として出力するようにしてもよい。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および、入賞口スイッチ29,30のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドとしての賞球個数コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msごとに起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図8は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する進入管理処理(S25A)の一例を示すフローチャートである。進入管理処理では、まずCPU56が玉送出装置70の遮蔽部材75が開状態であるか否かを判定する(S1100)。
開状態である場合には(S1100;Y)、次にCPU56が送出領域スイッチ33が玉(遊技球)を検出したか否か判定する。(ステップS1104)。送出領域スイッチ33がOFFである場合には、玉が検出されなかったと判定され(S1104;N)、進入管理処理は終了しタイマ割り込み処理に戻る。
一方、送出領域スイッチ33がONである場合には、玉が検出されたと判定され(S1104;Y)、玉送出装置70の遮蔽部材75が閉状態に制御される(S1105)。即ち、CPU56がソレノイド34を非励磁状態として玉送出装置70の遮蔽部材75を閉状態にする制御を行なう。これにより、玉送出装置70に遊技球が進入可能な状態において遊技球が1個進入すると、玉送出装置70に遊技球が進入不可能な状態に制御される。そして、CPU56は進入管理タイマをセット(S1106)する。進入管理タイマは、進入管理処理が実行されるごとに計数値がダウンカウントされるタイマであり、S1106においては、送出領域スイッチ33により検出された遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、第3特定領域63又は流下縁部40の何れかから飾り部材90の外部へ流下したことが確定できるような設定時間(例えば5秒)に対応する値に計数値がセットされる。そして、進入管理処理は終了しタイマ割り込み処理に戻る。
一方、S1100にて遮蔽部材75が開状態でないと判定されると(S1100;N)、次にCPU56が進入管理タイマを更新する(S1101)。即ち、S131では、進入管理タイマの計数値を「1」減算更新する。そして、進入管理タイマの計数値が「0」となって進入管理タイマがタイムアップしたか否か判定する(S1102)。タイムアップしていない場合は(S1102;N)、遮蔽部材75が閉状態のまま進入管理処理は終了しタイマ割り込み処理に戻る。一方、タイムアップしている場合は(S1102;Y)、前回送出された遊技球が飾り部材90の外部に流出するに十分な時間が通過したと判断できるため、CPU56が玉送出装置70の遮蔽部材75を開状態に制御する(S1103)。具体的には、再度、玉送出装置70により遊技球を受入れて送出するために、ソレノイド34を励磁して玉送出装置70の遮蔽部材75を開状態にする制御を行なう。その後、進入管理処理は終了しタイマ割り込み処理に戻る。このような進入管理処理(S25A)によって、所定の設定時間(閉期間、例えば5秒)が経過するまで遮蔽部材75が閉状態のまま維持されるため、遊技球を一つずつ特定領域部60に送り出すことが出来る。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
図9は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。
(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当りA〜G、確変大当A〜Gのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。
(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。
(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。
(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。
(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、前述したように、特定遊技状態である大当りとして、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gという複数の種別が含まれている。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターンを決定するときには、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定する。そして、決定した変動パターン種別に属する変動パターンから、1つの変動パターンを変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて決定する。
この実施の形態では、通常大当りA〜G、および、確変大当りA〜Gである場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。
また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なる(時短状態では、時短状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高く設定されている)ように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。また、このような変動パターン種別は、第1特別図柄と第2特別図柄との合算記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されていることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される場合がある。このように変動表示時間を短縮する制御は、保留数短縮制御と呼ばれる。
図6に示されたタイマ割込処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、および、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算更新)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる例を示すが、大当り判定用乱数としては、ランダム1〜5のようなソフトウェアにより生成される乱数を用いてもよい。
図10は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図10(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図10(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図10(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
この実施の形態の場合、通常時大当り判定テーブルでは、ランダムRの総数に対する大当り判定値の割合が1/100である。これにより、通常時(非確変時)において大当りに決定する判定がされる割合は1/100である。また、この実施の形態の場合、確変時大当り判定テーブルでは、ランダムRの総数に対する大当り判定値の割合が1/10である。これにより、確変時において大当りに決定する判定がされる割合は1/10である。
以下の説明において、通常時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定テーブルに設定された通常時(非確変時)用の大当り判定値は、確変時大当り判定テーブルにおいても共通の大当り判定値として用いられるものであり、通常時大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)という。また、確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定値以外の確変時固有の大当り判定値(第2大当り判定値ともいう)は、確変時において前述の通常時大当り判定値に加えて固有の大当り判定値として用いられるものであり、確変時大当り判定値という。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当り、または、通常大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致しないときは、はずれにすることに決定する。なお、図10(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図10(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図10(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。
また、図10(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図10(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図10(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照されるテーブルである。
図10(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gのそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
図10(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gのそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。この実施の形態では、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、第2特別図柄大当り種別判定テーブルとで、確変大当りA〜Gに対応した判定値の合計数が同じとなるように設定され、通常大当りA〜Gに対応した判定値の合計数も同じとなるように設定されている。したがって、第1特別図柄と第2特別図柄とで、確変大当りA〜Gに決定される割合が同じとなり、通常大当りA〜Gに決定される割合が同じとなるように設定されている。なお、第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと比べて、確変大当りA〜Gに対応した判定値が多くなるように設定する等、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、第2特別図柄大当り種別判定テーブルとで、確変大当りA〜Gに対応した判定値の数が異なるように設定されてもよく、通常大当りA〜Gに対応した判定値の数が異なるように設定されてもよい。また、ラウンド数が異なる複数種類の大当りの中から大当りの種類を選択可能とする場合には、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、第2特別図柄大当り種別判定テーブルとで、確変大当りA〜Gとなる割合が同じとなるように設定されるときでも、ラウンド数が多い大当り種別(ラウンド数が遊技者にとって有利な大当り種別)を選択する割合が異なるようにデータを設定してもよい。
また、図10(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。確変大当りA〜Gに対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「0」〜「6」に対応した判定値としても設定されている。通常大当りA〜Gに対応した判定値は、大当り図柄の第1特別図柄および第2特別図柄の「7」〜「F」に対応した判定値としても設定されている。
このように、図10(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図10(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれにおいては、1つの大当り図柄に複数の判定値が対応付けられている場合がある。しかし、これに限らず、すべての大当り図柄について、1つの大当り図柄に1つの判定値が対応付けられるようにしてもよい。たとえば、大当り図柄が「00」〜「99」までの100図柄ある場合に、たとえば、大当り図柄「00」に対して大当り種別判定値「00」が対応し、大当り図柄「99」に対して大当り種別判定値「99」が対応するというように、「00」〜「99」という100個の大当り種別判定値が、「00」〜「99」という100図柄の大当り図柄に1対1で対応するようにしてもよい。
このような大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図11に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C0F(H)は、大当りとするか否か、および、大当り種別を示す演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。コマンド8C01(H)は、はずれに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C02(H)〜8C08(H)は、確変大当りA〜Gにそれぞれ決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C09(H)〜8C0F(H)は、通常大当りA〜Gにそれぞれに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A006(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、5R確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される5R確変大当り開始指定コマンド(コマンドA001)、10R確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される10R確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002)、15R確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される15R確変大当り指定コマンド(コマンドA003)、5R通常大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される5R通常大当り開始指定コマンド(コマンドA004)、10R通常大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される10R通常大当り開始指定コマンド(コマンドA005)、15R通常大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される15R通常大当り指定コマンド(コマンドA006)が含まれる。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、確変大当りの大当り遊技状態の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、通常大当りの大当り遊技状態の終了を指定する演出制御コマンド(通常大当り終了指定コマンド)である。大当り終了指定コマンドおよび通常大当り終了指定コマンドとは、当り終了指定コマンドとも呼ばれる。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
このような演出制御コマンドにより、遊技状態が、通常状態、時短状態、および、確変状態のうちのどの状態またはどの状態の組合せになっているかを演出制御用マイクロコンピュータ100に知らせることができる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技状態が、通常状態、時短状態、および、確変状態のうちのどの状態またはどの状態の組合せになっているかを認識することができるので、通常状態、時短状態、および、確変状態のそれぞれの状態に応じた画像表示等の各種演出を行なうことが可能となる。
コマンドC001(H)は、第1始動入賞口13について第1特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC002(H)は、第2始動入賞口14について第2特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。コマンドC003(H)は、保留記憶数を減算させることを指定する演出制御コマンド(保留記憶減算指定コマンド)である。
コマンドC1001(H)は、第1特定領域61で第1特定領域スイッチ61aにより遊技球が検出されたことを指定する演出制御コマンド(第1特定領域球検出指定コマンド)である。コマンドC1002(H)は、第2特定領域62で第2特定領域スイッチ62aにより遊技球が検出されたことを指定する演出制御コマンド(第2特定領域球検出指定コマンド)である。コマンドC1003(H)は、第3特定領域63で第3特定領域スイッチ63aにより遊技球が検出されたことを指定する演出制御コマンド(第3特定領域球検出指定コマンド)である。
コマンドD001(H)は、所定演出の実行を指示するコマンド(所定演出指定コマンド)である。所定演出指定コマンドは、後述する権利発生状態以外の期間に遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62又は第3特定領域63の何れかに進入した事に応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドである。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。
図11に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)と、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図11に示す例では、5R確変大当り、10R確変大当り、15R確変というような遊技球の進入により選択される大当りの種別および対応する特定領域を特定可能な表示結果指定コマンドを送信する例を示した。このような表示結果指定コマンドを受信することに基づいて、選択される大当りのラウンド数と、特定領域との対応関係を演出制御用CPU101で認識することができる。なお、選択される大当りのラウンド数と、特定領域との対応関係を認識することができるコマンドとしては、次のような2種類のコマンドを組合せて用いるようにしてもよい。
第1のコマンドとして、たとえば、図3(A),(B)に設定されたすべてのラウンド数の選択の組合せ(第1の組合せは5R,10R,15Rの組合せ、第2の組合せは10R,10R,15Rの組合せ、第3の組合せは15R,15R,15Rの組合せ)の種類(第1の組合せ、第2の組合せ、第3の組合せ)を特定可能なコマンドを複数種類設けて選択的に送信する。そして、第2のコマンドとして、たとえば、図3(A),(B)に設定されたすべてのラウンド数の選択の組合せと、特定領域との対応関係を特定可能(たとえば、5R,10R,15Rという第1の組合せのうち、1つ目のラウンド(5R)に対応する特定領域が第1特定領域、2つ目のラウンド(10R)に対応する特定領域が第2特定領域、3つ目のラウンド(15R)に対応する特定領域が第3特定領域というように対応関係を特定する)なコマンドを複数種類設けて選択的に送信する。
このように、ラウンド数の組合せを特定可能な第1コマンドと、ラウンド数の組合せと対応する特定領域との関係を特定可能な第2のコマンドとを組合せて用いるようにすれば、これらコマンドの組合せに基づいて、選択される大当りのラウンド数と、特定領域との対応関係を演出制御用CPU101で認識することができる。そして、このようなコマンドの組合せを用いれば、大当りの種別数分の表示結果コマンドを設ける必要がなくなるので、大当り種別数が増加してもコマンド数を削減することができる。
次に、ROM54に記憶されている開放パターンデータテーブルについて説明する。開放パターンデータテーブルにおいては、確変大当りA〜Gおよび通常大当りA〜Gにおける、5R大当り、10R大当り、および、15R大当りのそれぞれについて、開放回数(ラウンド上限数)、開放時間(各ラウンド中の開放時間)、および、インターバル時間(各ラウンド間時間)を含む特別可変入賞球装置20の開放パターンを示すテータが設定されている。
たとえば、5R大当りは、開放回数が5回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒というデータが開放パターンデータテーブルに設定されている。10R大当りは、開放回数が10回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒というデータが開放パターンデータテーブルに設定されている。15R大当りは、開放回数が15回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒というデータが開放パターンデータテーブルに設定されている。
図12は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。
上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンして第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)が発生していたとき、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンして第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が発生していたときには(S311;Y)、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aの何れもがオフであった場合(S311;N)は、S312はスキップする。
そして、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aの何れかがオンであるかを判定する(S313)。第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aの何れかがオンであった場合は、何れかの特定領域に遊技球が進入(通過)したと判断できるので、特定領域スイッチ通過処理(S314)を実行する。第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aの何れもオンで無かった場合は、S314をスキップする。
特定領域スイッチ通過処理(S314)では遊技状態が権利発生状態である場合であって、特定領域スイッチがオンになったときに大当り開始フラグがセットされる。また、通常の遊技状態である場合に、特定領域スイッチがオンになったときに所定演出指定コマンドが送信される。
そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理を実行せずに、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄が停止したことを示す停止フラグをセットした後に、所定のゲート無効期間(例えば5秒)後に権利発生状態となるように制御する。そして、権利発生状態となると、S304Aにて何れかの特定領域に遊技球が進入したことに応じて大当り遊技状態を開始ための処理(大当り開始前処理)を実行するため、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304Aに対応した値(この例では5)に更新する。一方、大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。また、大当り遊技状態となったときの状態が確変状態であり、確変フラグがセットされていたときには、確変フラグがリセットされる(当該大当りが確変となる大当りであるか否かに関わらずリセットされる)。また、大当り遊技状態となる場合において時短フラグがセットされていたとき、または、変動表示回数により時短状態の終了条件が成立したときには、時短フラグがリセットされる。ここで、確変フラグは、確変状態であるときにセットされ、非確変状態であるときにリセットされるフラグである。また、時短フラグは、時短状態であるときにセットされ、非時短状態であるときにリセットされるフラグである。
大当り開始前処理(S304A):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大当り開始前処理では、まず権利発生状態となった後に第1特定領域61、第2特定領域62又は第3特定領域63に遊技球が進入したことを示す大当り開始フラグがセットされるまで待ち受ける。大当り開始フラグがセットされると、遊技球が通過した特定領域が第1特定領域61〜第3特定領域63の何れであるかに応じて開放態様(開放パターン)が選択される。さらに、停止フラグ、権利発生フラグ、確率変動フラグ及び時短フラグがリセットされる。そして、大当り開始指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信され、その後通常状態指定コマンドが送信される。そして、開放制御状態に移行させるために、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では6)に更新する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大当りの種別に応じて、前述のような開放パターンにしたがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では7)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンドごとに実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技状態を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では8)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグ、時短フラグ等)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図13は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S214)。合算保留記憶数カウンタは、初期値が「0」であり、有効な第1始動入賞または第2始動入賞が発生したときに、「1」加算更新され、変動表示が開始されるときに、「1」減算更新される。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S215)。保留記憶特定情報記憶領域については、図14を用いて説明する。
保留記憶特定情報記憶領域においては、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
ここで、図14(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図14(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図14(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図14(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図14(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図14(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S216)。具体的に、S216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S217)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
S211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S219が実行された後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(S211参照)処理を行なうようにしてもよい。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S224)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S225)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S226)。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S227)。
なお、S213〜216の処理とS223〜226の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。
図15は、S314の特定領域スイッチ通過処理を示すフローチャートである。特定領域スイッチ通過処理では、まずCPU56が大当り図柄が停止したことを示す停止フラグがセットされているか否か判定する(S1001)。停止フラグがセットされていないと判定した場合は(S1001;N)、検出された遊技球の進入は通常時のものであるとの判定のもと、演出制御用マイクロコンピュータ100に所定演出を実行させるため、所定演出指定コマンドを送信する(S1002)。そして、特定領域スイッチ通過処理を終了し、特別図柄プロセス処理に戻る。
一方、停止フラグがセットされていると判定すると(S1001;Y)、次にゲート無効期間であるかを判断するため、権利発生フラグがセットされているか判定する(S1003)。権利発生フラグがセットされていない場合(S1003;N)、検出された遊技球の進入は無効であるとの判断のもと、そのまま特定領域スイッチ通過処理を終了する。なお、この場合にはゲート無効期間中に何れかの特定領域を遊技球が通過したことを示すコマンド(ゲート無効期間進入コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するとしても良い。所定演出指定コマンドとゲート無効期間進入コマンドは、何れも特定領域を通過したが大当り遊技状態に関連しないコマンドであるので、無効コマンドとも言う。
S1003にて権利発生フラグがセットされていると判定すると(S1003;Y)、大入賞口の開放制御状態(大当り遊技状態)を開始するため、大当り開始フラグをセットする(S1004)。そして、特定領域スイッチ通過処理を終了し、特別図柄プロセス処理に戻る。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する処理例として、上述したように特定領域スイッチ通過処理にてコマンドを送信するほか、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットするとしてもよい。この場合、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図14(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。
この実施の形態では、S52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とのうち、先に保留記憶されたデータに基づく変動表示から順番に実行される。このように、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示は、保留記憶情報が入賞した順番にしたがって処理されることにより、入賞した順番にしたがって変動表示が実行されることとなる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値を変動パターン決定用の合算保留記憶数データとしてRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。このようにS57で、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値を保存することにより、変動パターンの決定時に用いられる合算保留記憶数のデータは、特別図柄通常処理の実行に伴ってS58でカウントが1減算される前の合算保留記憶数、すなわち、変動表示の実行条件が成立したときの合算保留記憶数が用いられることとなる。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行することにより、大当り判定を行なう(S60)。ここでの大当り判定は、特別図柄の変動表示結果を大当り表示結果とするか否かを判定することであり、別の言い方をすれば、大当り遊技状態としての開放制御状態に制御可能とするか否かを判定するものであり、さらに、別の言い方をすれば、大当り遊技状態としての開放制御状態に制御可能とする権利発生状態に制御するか否かを判定することであり、S60で実行される大当り判定モジュールは、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS216またはS226で抽出し第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに予め格納したランダムRと、予め決められている大当り判定値(図9参照)とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定モジュールは、大当りを判定する処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りと判定される確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図10(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図10(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が非確変状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。S60で大当りとすることに決定した場合には、S71に移行する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは通常大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、後述するS75に進む。すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図10(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図10(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(確変大当りA〜G、および、通常大当りA〜Gのいずれか)を大当りの種別に決定する(S73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS216またはS226で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納した大当り種別判定用乱数(ランダム1)を読出し、選択した大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別の決定を行なう。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が確変大当りA〜Gの場合には、大当り種別を示すデータとして「01」〜「07」がそれぞれに対応して設定される。大当り種別が通常大当りA〜Gの場合には、大当り種別を示すデータとして「08」〜「0F」がそれぞれに対応して設定される。
次いで、CPU56は、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「5」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「通常大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
なお、前述したような大当り判定を行なう処理は、変動表示の実行開始前に行なう場合に限らず、少なくとも、特別図柄の変動表示の表示結果が導出されるまでのタイミングであればよい。また、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行されるように制御してもよい。このような優先制御を行なうときには、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、ラウンド数の多い大当り種別の選択割合が高く設定されている場合に、遊技者にとって有利な大当りとなる割合が高い変動表示を行なう保留記憶データを効率的に消化することができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。そして、右打ち状態のまま大当りを効率的に消化できるので、大当りを消化する速度を早くすることができる。
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、まずCPU56は、ゲート無効タイマが0であるか判定する(S121A)。ゲート無効タイマが0で無い場合は(S121A;N)、ゲート無効期間中であると判断できるので、ゲート無効タイマを更新(ゲート無効タイマの計測値を「1」減算)し(S121B)、特別図柄停止処理を終了する。一方、ゲート無効タイマが0である場合には、次に停止フラグがセットされているか否かを判断する(S121)。停止フラグとは、権利発生状態となる変動表示において大当り図柄が停止して表示結果が導出表示されたときにセットされるフラグをいう。
停止フラグがセットされているときには、後述するS122Aに進む。一方、停止フラグがセットされていないときは、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S122)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S123)。そして、大当りフラグがセットされているか否か判定する(S124)。大当りフラグがセットされていない場合には(S124;N)、S143に移行する。
なお、ステップS121で停止フラグがセットされていると判定されると(S121;Y)、特別図柄プロセスフラグが大当り開始前処理に対応する数値(ここでは「5」)にセットされる(S122A)。そして、権利発生フラグがセットされ(S122B)、特別図柄停止処理は終了する。権利発生フラグとは、大当り遊技状態としての大入賞口の開放制御状態に制御するための権利が発生していることを示すフラグである。この大当り遊技状態に制御するための権利は、大当り判定により大当りとすることが決定され、かつ、当該決定に基づく変動表示が終了して所定時間(ゲート無効期間に対応)が経過した後に発生する。
一方、大当りフラグがセットされている場合には(S124;Y)、ゲート無効タイマをセットして、大当り図柄が停止表示されてからの経過時間の計時を開始する。ゲート無効タイマは、特別図柄停止処理が実行されるごとに計数値がダウンカウントされるタイマであり、ゲート無効タイマがセットされてからタイマアップするまでの期間がゲート無効期間である。ゲート無効タイマは、大当り図柄が停止表示される前に玉送出装置70が特定領域部60に向けて送出した遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、第3特定領域63又は流下縁部40の何れかから飾り部材90の外部へ流下したことが確定できるような設定時間(例えば5秒)に対応する値に計数値がセットされる。ゲート無効タイマがセットされてからタイマアップするまでの期間は、ステップS121AにてNと判定されることにより遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入してスイッチがONとなっても無効となり、大当り遊技状態は開始されない。このような処理により、大当り図柄が停止表示される前に玉送出装置70の玉入口71に侵入した遊技球によって大当り遊技状態が開始されることを防止する。そして、CPU56は停止フラグをセットし(S125)、特別図柄停止処理を終了する。
一方、ステップS124で大当りフラグがセットされていない判定され(S124;N),S143に進んだ場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(S143)。確変フラグがセットされているときには、後述するS149に進み、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS151)。これにより、確変状態であるときには、はずれとなる変動表示が終了したときに、確変状態および時短状態が維持される。
一方、S143で確変フラグがセットされていないときには、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S144)。時短フラグがセットされていない場合には、S149に進む。これにより、確変状態でなく、かつ、時短状態でもない低確低ベース状態において、はずれとなる変動表示が終了したときには、低確低ベース状態が維持される。一方、時短フラグがセットされている場合には、通常大当りの終了後の時短状態(低確高ベース状態)における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S145)。なお、減算後の時短回数カウンタの値に基づいて時短回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行ない、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、時短回数の残数を演出表示装置9で表示するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、時短回数カウンタの値が0になったか否かを確認する(S145)、時短回数カウンタの値が0になっていないときには、後述するS149に進む。これにより、通常大当りの終了後の時短状態において、はずれとなる変動表示が所定回数(100回)終了するまでは、低確高ベース状態による時短状態が維持される。一方、時短回数カウンタの値が0になったときには時短フラグをリセットする(S147)。そして、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S148)、S149に進む。これにより、通常大当りの終了後の時短状態において、はずれとなる変動表示が所定回数(100回)終了したときには、低確高ベース状態による時短状態が終了し、低確低ベース状態に移行する。S149では、特別図柄プロセスフラグが特別図柄通常処理に対応する数値(ここでは0)にセットされる。そして、特別図柄停止処理は終了する。
次に、特別図柄プロセス処理のS304Aで実行される大当り開始前処理について、図18を参照して説明する。大当り開始前処理では、まずCPU56が大当り開始フラグがセットされているか判定する(S1201)。大当り開始フラグがセットされていない場合は(S1201)、大当り遊技状態となる権利が発生してから未だ遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62又は第3特定領域63を通過していないため大当り遊技状態が開始されていないと判断できるため、大当り開始前処理を終了する。
一方、大当り開始フラグがセットされている場合(S1201;Y)、CPU56は大入賞口の開放制御態様(開放回数(ラウンド数)等の態様)を選択決定する開放態様選択処理を実行する(S1202)。ここで、図19を参照して、開放態様選択処理を具体的に説明する。
開放態様選択処理において、CPU56は、大当り種別に応じて、ROM54に記憶されたデータテーブルのうちから、第1〜第3特定領域61〜63のそれぞれへの遊技球の進入と、選択するラウンド数との対応関係(図3(B),(C)のような対応関係)を示すデータテーブルを選択する(S410)。
次に、第1特定領域スイッチ61aがオン状態となったか否かを判断する(S411)。第1特定領域スイッチ61aがオン状態となったときは、第1特定領域球検出コマンドを送信するための処理を行なう(S412)。そして、S410で選択したデータテーブルに基づいて、大当りのラウンド数の上限値として、第1特定領域61への遊技球の進入に対応したラウンド数を選択決定し、選択決定したラウンド数を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し(S413)、処理を終了する。一方、第1特定領域スイッチ61aがオン状態となっていないときは、第2特定領域スイッチ62aがオン状態となった否かを判断する(S414)。
第2特定領域スイッチ62aがオン状態となったときは、第2特定領域球検出コマンドを送信するための処理を行なう(S415)。そして、S410で選択したデータテーブルに基づいて、大当りのラウンド数の上限値として、第2特定領域62への遊技球の進入に対応したラウンド数を選択決定し、選択決定したラウンド数を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し(S413)、処理を終了する。一方、第2特定領域スイッチ62aがオン状態となっていないときは、S130でオン状態となったと判断されたのが、消去法的に第3特定領域スイッチ63aであるので、第3特定領域球検出コマンドを送信するための処理を行ない(S417)、S410で選択したデータテーブルに基づいて、大当りのラウンド数の上限値として、第3特定領域63への遊技球の進入に対応したラウンド数を選択決定し、選択決定したラウンド数を示すデータをRAM55のラウンド数記憶領域に記憶し(S413)、処理を終了する。なお、S414により第2特定領域スイッチ62aがオン状態となっていないときは、第3特定領域スイッチ63aがオン状態となったときであるか否かを判断して、オン状態となったときであることが確認されたことを条件としてS417に進むようにしてもよい。
以上に説明したように、開放態様選択処理においては、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれの特定領域に遊技球が進入したかに応じて、大当りのラウンド数が選択決定される。これにより、パチンコ遊技機1においては、複数の特定領域のいずれかに遊技球が進入したときに、進入した特定領域に基づいて、5R通常大当り、10R通常大当り、15R通常大当り、5R確変大当り、10R確変大当り、15R確変大当りというような複数種類の大当りのうちいずれかの大当りの大当り遊技状態(開放制御状態)に制御される。
図19のS410により、図3(A),(B)に示すように権利発生状態となる大当りの種類に応じて、遊技球が進入したときに遊技者に付与される価値が最も高い15Rの大当り遊技状態に制御する特定領域が異なるように複数の特定領域の価値が設定されるので、いずれの種類の大当りが成立するかについて、遊技者の注意を引付けることができる。
次に、図18を参照して、大当り開始前処理の続きを説明する。S1202における開放態様選択処理の後、S1203では、停止フラグおよび権利発生フラグのそれぞれをリセットする。そして、確変フラグおよび時短フラグのそれぞれをリセットし(S1204)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドまたは通常大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S1205)。具体的には、大当りの種別が5R確変大当りである場合には5R確変大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が10R確変大当りである場合には10R確変大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りである場合には15R確変大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が5R通常大当りである場合には5R通常大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が10R通常大当りである場合には10R通常大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R通常大当りである場合には15R通常大当り開始指定コマンドを送信する。なお、所定演出指定コマンドとゲート無効期間進入コマンドを無効コマンドと言うことに対して、第1〜第3特定領域球検出コマンド、5R〜15R通常大当り開始コマンド及び5R〜15R確変大当り開始コマンドを有効コマンドとも言う。
S1205において、大当りの種別が、確変大当り、または、通常大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて確認され、大当りのラウンド数の種別が5R、10R、15Rのいずれであるかは、開放態様選択処理(S1202)で選択され、RAM55に記憶されている大当りのラウンド数に基づいて確認される。
また、CPU56は、大当り発生時には制御状態を一旦通常状態に戻すために、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S1206)。
また、大入賞口制御タイマに開放開始前時間T(たとえば、2秒)に相当する値を設定する(S1207)。開放開始前時間Tは、大当り遊技状態(開放制御状態)において特別可変入賞球装置20を開放状態にするまでの待ち時間として設定される時間である。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。つまり、開放開始前時間Tが経過すると、特別可変入賞球装置20が開放状態に制御される。このような開放開始前時間中においては、演出制御用マイクロコンピュータ100により、権利発生状態となったことを演出表示装置9において報知(権利発生状態表示)すること、および、装飾LED25等の所定の発光手段を予め定められた態様で発光させる等、所定の大当り報知が実行される。開放開始前時間Tは、大当り種別に関わらず、同じ時間が設定される。したがって、確変大当りと通常大当りとで同じ時間で開放開始前時間Tが設定される。このように、大当りの種類によらず、権利発生状態において第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに遊技球が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放(開放制御状態)が開始されるので、大入賞口の開放開始契機が明確になるため、遊技内容に関する知識に差がある遊技者間での公平性を担保することができる。なお、たとえば突確大当りのような開放時間およびラウンド数等が異なるその他の種別の大当りを実行可能とするときにも、大当り種別に関わらず、同じ時間で開放開始前時間Tが設定される。
このように、大当りの種類によらず、権利発生状態において第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに遊技球が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放制御が開始されるようにした理由は、次のとおりである。一般的なパチンコ遊技機においては、大当りの種別が複数設けられた場合に、大当り発生時の演出等の都合により演出実行時間が大当り種別ごとに異なるように設定されている場合があり、そのような場合には、変動表示の停止時から大入賞口の開放制御(大当り遊技制御)の開始時までの期間が大当り種別により変化するので統一できていなかった。このため、大入賞口の開放制御(大当り遊技制御)の開始契機が明確でないという問題があり、このような大入賞口の開放制御(大当り遊技制御)の開始契機を明確化するために、大当りの種類によらず、権利発生状態において第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに遊技球が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放(開放制御状態)が開始されるようにしたのである。
また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ、および、ラウンド数を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、前述したROM54に記憶されている開放パターンデータを参照し、開放回数(この実施の形態では、確変大当りおよび通常大当りのそれぞれが15回、10回、5回のいずれか。)、開放時間(この実施の形態では、確変大当りおよび通常大当りのそれぞれが29秒。)、ラウンド間のインターバル時間(この実施の形態では、確変大当りおよび通常大当りのそれぞれが5秒。)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセットする(S1208)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S1209)。
なお、本実施の形態のように、確変大当りと通常大当りとで、開放時間およびインターバル時間を同じとする場合には、S1208においてセットする開放態様のデータの一部を固定値として用いれば、大当り遊技状態の開放態様を設定するための処理を簡素化することができる。
図20は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。これにより、大当り遊技状態(開放制御状態)の開始時においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、前述したように設定された開放開始前時間となるので、大当りが発生したことを報知する制御が行なわれる。また、大当り遊技状態中のラウンド間においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、後述するS440により設定されたインターバル時間となるので、インターバル時間について予め定められた演出をする制御が行なわれる。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S403)。CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行なうとともに(S404)、前述のS141によりセットされた開放回数カウンタの値を−1する(S405)。このように、大当り遊技状態(開放制御状態)の開始時においては、大当りのラウンド数の種別(15R大当り、10R大当り、5R大当り)に関わらず、同じ開放開始前時間が経過したときに、大入賞口が開放される。そして、その後のラウンドにおいては、各ラウンド終了時に設定されたインターバル時間が経過したときに、大入賞口が開放される。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値として、大当りのラウンド数の種別(15R大当り、10R大当り、5R大当り)に応じた開放パターンデータに基づく、当該ラウンドの開放時間に相当する値を設定する(S406)。ラウンドの開放時間としては、S141によりセットされた開放時間のデータが設定される。たとえば、確変大当りおよび通常大当りのそれぞれの場合において、開放時間が29秒に設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新する(S407)。
図21は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(S432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(たとえば10)になっているか否か確認する(S434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432との判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行なう(S435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(S436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(S438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでのインターバル時間に相当する値を設定する(S440)。具体的に、インターバル時間としては、S141によりセットされたインターバル時間のデータが設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する(S441)。
また、開放回数カウンタの値が0である場合に、CPU56は、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御を行なう(S442)。具体的に、S442では、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、大当り種別を確認する。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、演出表示装置9において報知する演出を行なう時間)に相当する値を設定し(S443)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新し(S444)、処理を終了する。
図22は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了時間が設定された大入賞口制御タイマの値を1減算する(S154)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否(大当り終了時間が経過したか否か)確認する(S155)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば、大当りフラグをリセットする(S156)。
次に、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、現在の大当り遊技状態(開放制御状態)の大当りの大当り種別が、確変大当りであるか否かを判断する(S157)。
確変大当りであるときには、確変フラグをセットし(S158)、時短フラグをセットする(S159)。これにより、大当り遊技状態(開放制御状態)の終了後に、遊技状態が確変状態および時短状態に制御される。これにより、確変大当り(5R確変大当り、10R確変大当り、15R確変大当り)の大当り遊技状態の終了後には、次に大当りが発生するまでの期間継続して確変状態および時短状態に制御されることとなる。本実施の形態では、時短フラグがセットされて時短状態に制御されたときに、普通図柄プロセス処理において電チューサポート状態であると判断され、高ベース状態に制御されることとなる。
次に、CPU56は、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S160)、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行なう(S161)。これにより、確変状態指定コマンドおよび時短状態指定コマンドがそれぞれ演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S162)、処理を終了する。
一方、S157で確変大当りではないと判断されたとき、すなわち、通常大当りであるときには、時短フラグをセットする(S163)。これにより、通常大当り(5R通常大当り、10R通常大当り、15R通常大当り)の大当り遊技状態の終了後に、遊技状態が時短状態に移行する。そして、時短回数カウンタに「100」をセットする(S164)。これにより、通常大当りの大当り遊技状態の終了後には、次回の大当りが発生しなければ変動表示が100回実行されるまでの期間継続して時短状態に制御されることとなる。前述したように、本実施の形態では、時短フラグがセットされて時短状態に制御されたときに、普通図柄プロセス処理において電チューサポート状態であると判断され、高ベース状態に制御されることとなる。
次に、CPU56は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行なう(S165)。これにより、時短状態指定コマンドがそれぞれ演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S162)、処理を終了する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100で実行される制御を説明する。図23は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。
図23には、一例として、演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、および、演出決定用のSR2が示されている。
SR1−1,SR1−2,SR1−3は、演出図柄の左,中,右の停止図柄(仮停止図柄を除く最終的な停止図柄)をランダムに決定するために用いられる。SR2は、保留記憶演出を行なうときの演出期間を決定するために用いられる。
このような乱数SR1−1〜SR2のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、図23において対応付けられた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
図24は、演出表示装置9における演出図柄(飾り図柄)の停止図柄の一例を示す説明図である。
図24に示す例では、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、確変大当りA〜Gのいずれかを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)には、停止図柄として左,中,右の3図柄が1つの奇数図柄に揃った演出図柄の組合せ(確変大当り図柄の組合せ)を決定する。
演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが、通常大当りA〜Gのいずれかを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)には、停止図柄として左,中,右の3図柄が1つの偶数図柄に揃った演出図柄の組合せ(通常大当り図柄の組合せ)を決定する。そして、はずれの場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)には、上記以外の演出図柄の組合せ(左右不一致、左右のみ一致等のはずれ図柄の組合せ)を決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左,右の2図柄が揃った演出図柄の組合せを決定する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図25は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ(コマンド受信フラグ)等のデータをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。コマンド解析処理では、受信した演出コマンドが所定演出指定コマンドである場合には、所定演出実行フラグをセットする。また、第1〜第3特定領域球検出コマンドであった場合には、第1〜第3特定領域球検出コマンド受信フラグをセットする。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、図23に示すようなSR1−1,SR1−2,SR1−3,SR2を含む各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図26は、図25に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、まず所定演出実行フラグがセットされているか否か判定する(S800A)。所定演出実行フラグがセットされている場合は(S800A;Y)、所定演出を実行する処理(所定演出実行処理)を実行する(S800B)。一方、所定演出実行フラグがセットされていない場合は(S800A;N)、S800Bをスキップする。
S800Bの所定演出実行処理では、演出制御用CPU101が演出制御プロセスフラグを参照して、所定演出を実行する。本実施の形態では、演出制御プロセスフラグが演出図柄変動中処理(特別図柄の変動表示が実行中)に対応する値であれば、実行中の変動表示の結果を示唆する示唆所定演出を実行する。このとき、示唆所定演出として、図11の表示結果1指定コマンド(はずれ指定コマンド)を受信していた場合に高い割合で実行される低信頼度の示唆所定演出と、指定結果2〜15指定コマンド(大当り指定コマンド)を受信していた場合に高い割合で実行される高信頼度の示唆所定演出と、の何れかが実行する。示唆所定演出の内容として、スピーカ27R,27Lから信頼度に応じた所定の音(BGM、BEEP音、音声等)を放音させる。このため、ROM54にあらかじめ記憶された各示唆所定演出に対応する演出用音データを、音声出力基盤70に伝達すればよい。このような示唆所定演出を実行することで、遊技者に示唆所定演出によって大当りとなることを示唆する。そのため、遊技者の期待感を多様なタイミングで煽ることにより、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技者の所定演出への興味を向上させることができる。
なお、示唆所定演出は演出図柄変動中処理であっても所定の条件を満たす場合には実行されないとすることも可能である。例えば、大当り信頼度が高いリーチ演出の後半部分を実行中である場合には、示唆所定演出で大当りとなるか否かを示唆されたとしても遊技者の期待感を煽ることが出来ないので、このような場合には示唆所定演出は実行されないとしてもよい。このような構成によれば、実行中の演出の性質に関わらず示唆所定演出が実行されることによって起こる、遊技者の興ざめを防止することが出来る。さらに、大当り信頼度が所定の閾値より高いリーチ演出の実行中に所定演出を実行すると設定しても良い。リーチ状態にならない変動表示中など、大当り信頼度がきわめて低い場合には遊技者の期待感が盛り上がっていないため、示唆所定演出が実行されたときに煩わしく感じられる怖れがあるが、このような構成によれば遊技者に煩わしさを感じさせない。
一方、演出制御プロセスフラグが変動パターンコマンド受信待ち処理(特別図柄の変動表示が実行されていない状態)に対応する値(例えば、変動パターンコマンド待ち処理に対応する値)であれば、遊技者に「左打ち」を指示する左打ち指示所定演出を実行する。左打ち指示所定演出として、演出表示装置9に左打ちを示唆する文字を付したキャラクタの画像を表示する。このためには、演出制御用CPU101がROM54にあらかじめ記憶された左打ち指示所定演出に対応する画像データを、所定期間表示させるようにVDP109を制御すればよい。所定演出が実行されるということは、権利発生状態で無い場合に特定領域部60に遊技球が侵入した(遊技者が右打ちをしている)ことを意味するが、これは遊技者にとって不利である。そこで、所定演出として左打ち指示所定演出を実行することで、遊技者に現在の遊技状態に応じた適切な遊技を推奨することができる。
次に、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)をSR1−1〜SR1−3等に基づいて決定する。変動表示の開始時に、受信した変動パターンコマンドに対応して実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。変動表示の表示結果がはずれ表示結果となったときは、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。一方、変動表示の表示結果が大当り表示結果となったときは、権利発生状態に制御されたことに応じた権利発生状態時画像(図25参照)を表示し、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに遊技球が通過(進入)したことに応じて、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に更新する。
大当り表示処理(S804):開放制御状態に制御されたことに応じて、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御用CPU101は、たとえば、次のように演出図柄の停止図柄を決定する。たとえば、演出図柄変動開始処理において、演出図柄の停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3を抽出し、これらと、演出図柄を示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルとを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を停止するときに、このように決定された停止図柄で演出図柄を停止させる。演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
具体的に、演出図柄の停止図柄は、たとえば、次のように決定する。非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が最終停止図柄の停止図柄として決定される。
大当りの図柄の組合せを決定する場合においては、大当りの種別に応じて大当り図柄の組合せを決定する。
確変大当りA〜Gのいずれかにすることに決定されているときには、確変大当り図柄決定用テーブルを用いて、たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄が揃った確変大当り図柄の組合せを選択決定する。確変大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の奇数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、確変大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された確変大当り図柄の組合せが変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、通常大当りA〜Gのいずれかにすることに決定されているときには、通常大当り図柄決定用テーブルを用いて、たとえば、左,中,右が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄が揃った通常大当り図柄の組合せを選択決定する。通常大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の偶数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。通常大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、通常大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された通常大当り図柄の組合せが変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、演出図柄の変動表示の停止(表示結果の導出表示)されるまで、及び、権利発生状態において演出表示装置9で実行される演出表示の表示例を説明する。図27は、権利発生状態等において演出表示装置9で行なわれる演出表示の表示例を示す表示画面図である。
図27(A)は、演出図柄の変動表示が実行されており、リーチ状態となっている演出表示装置9を示している。ここで、変動パターンに対応して、例えば図27(B)に示すように、味方キャラクタ(右側)が敵キャラクタ(左側)と戦うリーチ演出(バトル演出)が実行される。そして、可変表示結果が大当りとなることに対応して、図27(C)に示すように、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する演出が実行される。
図27(D)のような演出図柄の変動表示の停止時において大当り表示結果が導出表示されると、権利発生状態に制御され、図27(E)のようなラウンド決定前の権利発生状態であることを報知するラウンド数決定前演出が演出表示装置9で実行される。図27(E)に示すラウンド数決定前演出は、権利発生状態においてラウンド数の決定前に実行され、まず「クルーンチャンス」および「5R獲得済み」という文字が表示される。「クルーンチャンス」は、権利発生状態であることを示している。「5R獲得済み」は、本実施の形態では大当りのときの最小ラウンド数が5Rであるので、大当りとすることが決定された場合に少なくも5ラウンドの獲得が確定していることに基づいて、その旨を示している。
その後、ラウンド数決定前演出においては、図27(F)に示すように、特定領域部60(第1特定領域61、第2特定領域62、第3特定領域63を含む)を模した特定領域部画像94が表示される。また、図27(G)に示すように、特定領域部60に遊技球を進入させるために、玉送出装置70の球入口71を狙うこと(「右打ち」)を指示する画像(飾り部材90や玉送出装置70を表す画像、及び、「ここを狙え」という文字画像)が表示される。このように、特定領域部60を狙うこと指示する(促す)ラウンド数決定前演出を報知演出ともいう。
そして、図27(H)に示すように、第1特定領域61に対応する領域、第2特定領域62に対応する領域、および、第3特定領域63に対応する領域の色が、図中の矢印で示されるような順番で特定色(他の領域色とは異なる色)に変化する画像が表示されることにより、遊技者の期待感を高める演出が行なわれる。特定領域部画像94においては、第1特定領域61に対応する領域が「×1」(既に獲得している5ラウンドの1倍のラウンド数(5R)となることを意味する)、第2特定領域62に対応する領域が「×2」(既に獲得している5ラウンドの2倍のラウンド数(10R)となることを意味する)、および、第3特定領域63に対応する領域が「×3」(既に獲得している5ラウンドの3倍のラウンド数(15R)となることを意味する)といように、各特定領域に遊技球が進入したときに決定されるラウンド数が示されている。このようなラウンド数を特定可能な演出が行なわれることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、特定領域部画像94においては、第1特定領域61〜第3特定領域63に対応する領域について、たとえば、5ラウンドとなることを特定(示唆)する第1の色(たとえば、白色)、10ラウンドとなることを特定(示唆)する第2の色(たとえば、青色)、15ラウンドとなることを特定(示唆)する第3の色(たとえば、赤色)のように異なる色で表示することにより遊技球が進入したときに決定されるラウンドを特定するようにしてもよい。
また、特定領域部画像94においては、第1特定領域61〜第3特定領域63に対応する領域について、たとえば、5ラウンドとなることを特定する「5R」という文字、10ラウンドとなることを特定する「10R」という文字、および、15ラウンドとなることを特定する「15R」という文字を直接的に示すようにしてもよい。また、特定領域部画像94においては、第1特定領域61〜第3特定領域63に対応する領域について、前述した色と文字とを組合せてラウンド数を特定するようにしてもよい。
そして、図27(I)に示すように、遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、または、第3特定領域63への遊技球の進入が検出されると、図27(I)、(J)に示すようなラウンド決定後の状態であることを報知するラウンド数決定後演出が実行される。ラウンド数決定後演出では、図27(I)に示すように、特定領域部画像94において、遊技球が進入した特定領域に対応する領域が特定色で明るく表示(ハイライト表示)されることにより、遊技球が進入した特定領域、および、決定されたラウンド数を特定可能な情報が報知される。このようなラウンド数を特定可能な演出が行なわれることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
そして、図27(J)に示す「15R大当り獲得!」というような、決定されたラウンド数を示す文字が表示されることにより、決定されたラウンド数が明確に表示されることとなる。
また、この実施の形態では、所定の演出省略条件が成立している場合には、特定領域部60を狙うこと指示する報知演出が制限または省略される。この実施の形態では、大当り遊技状態が終了後に確変状態に制御された連続回数(確変連荘回数)が20回に達した場合に、演出省略条件が成立するようになっている。確変連荘回数が20回にも達している場合には、遊技者は権利発生状態において特定領域部60を狙うことを把握していることになる。そこで、確変連荘回数が20回に達している場合など、演出省略条件が成立している場合には、特定領域部60を狙うこと指示する報知演出を制限または省略することで、報知演出により遊技者に煩わしさ、くどさを感じさせてしまうことを防止でき、権利発生状態の演出を好適に実行できる。
この実施の形態では、演出省略条件が成立している場合には、ラウンド数決定前演出として、特定領域部60を狙うこと指示する報知演出を省略して、代わりに特別演出(プレミア演出)を実行するようになっている。このように、報知演出が省略される代わりに特別演出が実行されることで、遊技の興趣が向上する。
なお、確変連荘回数が20回に達しているか否かは、主基板31から伝送される制御コマンドから遊技状態が確変状態であるか否かを判定し、確変状態となってから通常状態となるまでの大当り回数をカウントし、そのカウント値が20に達したか否かにより判定すればよい。
図28は、演出省略条件が成立している場合の権利発生状態等において演出表示装置9で行なわれる演出表示の表示例を示す表示画面図である。
図28(A)は、演出図柄の変動表示が実行されており、リーチ状態となっている演出表示装置9を示している。ここで、変動パターンに対応して、例えば図28(B)に示すように、味方キャラクタ(右側)が敵キャラクタ(左側)と戦うリーチ演出が実行される。そして、可変表示結果が大当りとなることに対応して、図28(C)に示すように、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する演出が実行される。
その後、権利発生状態に制御され、図28(D)のようなラウンド数決定前演出が演出表示装置9で実行される。図28(D)に示すラウンド数決定前演出では、「右打ち」を指示する飾り部材90や玉送出装置70を表す画像を表示する報知演出は省略され、「狙え」という文字画像のみが表示される。また、「これで終わったと思うなよ!」といった文字画像が表示され、リーチ演出における演出内容(バトル演出)が継続的に実行される旨を示す特別演出が実行される。このように、演出図柄の変動表示中と関連する特別演出が実行されるので、遊技の興趣が向上する。
そして、図28(E)に示すように、遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、または、第3特定領域63への遊技球の進入が検出されると、図28(E)に示すようなラウンド決定後の状態であることを報知するラウンド数決定後演出が実行される。図28(E)に示すラウンド数決定後演出では、「15R大当り!!」というような、決定されたラウンド数を示す文字が表示される。また、新たな敵キャラクタが登場する演出が実行される。
その後、図28(F)に示すように、大当り遊技状態においては、新たに登場した敵キャラクタと味方キャラクタとが対決するバトル演出が実行される。このように、演出省略条件が成立している場合には、報知演出が省略される代わりに、演出図柄の変動表示中、権利発生状態、大当り遊技状態において、一連のバトル演出が実行されるので、遊技の興趣が向上する。なお、演出図柄の変動表示中、権利発生状態、大当り遊技状態において、関連する演出を実行する場合には、バトル演出に限定されず、物語性を有する演出などを実行するようにしてもよい。
図29(A)は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件、または、図柄確定指定コマンドを受信したという条件が成立したときに、この演出図柄変動停止処理が実行される。なお、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件が成立したときにのみ、演出図柄変動中処理に進むようにしてもよい。また、図柄確定指定コマンドを受信したという条件が成立したときにのみ、演出図柄変動中処理に進むようにしてもよい。
演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S731)。なお、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件が成立したときに演出制御プロセス処理に進んだ場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との間で変動表示の終了タイミングについての認識がずれないようにするために、図柄確定指定コマンドを受信したこという条件が成立したときにS731の処理を実行するのが望ましい。停止図柄表示フラグがセットされていれば、732に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄の組合せを表示した場合には、後述するS734で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。したがって、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S734Aに移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、決定されている停止図柄を停止表示させる制御を行なう(S732)。そして、停止図柄として、通常大当りA〜G、または、確変大当りA〜Gに対応する図柄の組合せを表示したか否か(すなわち、大当りとなるか否か)を確認する(S733)。大当りとならないときには、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新し(S743)、処理を終了する。一方、大当りとなるときには、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S734)、S734Aに移行する。
S734Aでは、第1〜第3特定領域球検出指定コマンドのいずれかについてのコマンド受信フラグがセットされているか否かを判断する。第1〜第3特定領域球検出指定コマンドのいずれに対応するコマンド受信フラグもセットされていないとき、すなわち、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれにも遊技球がまだ進入していない状態であるときは、ラウンド数決定前演出を実行させる処理が行なわれ(S734B)、S735に移行する。
S734Bでは、まず、所定の演出省略条件が成立しているか否かを判定する。図29(B)に示すように、演出省略条件が成立していない場合には、図27(E)〜(H)に示すようなラウンド数決定前演出Aを実行させるための処理が実行される。具体的には、受信した表示結果指定コマンドの種類に基づいて権利発生状態となった状態が通常大当りA〜Gおよび確変大当りA〜Gのうち、いずれの大当りの種別に基づくものであるかを判定する。そして、図3(B),(C)のような大当り種別と、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のそれぞれに遊技球が進入したときの選択ラウンド数との関係を示すデータ(予めROMに記憶されているデータ)を参照することで、権利発生状態となった大当りの種別に対応する各特定領域の選択ラウンド数を認識し、当該各特定領域の選択ラウンド数に対応して、図27(F)のような特定領域部画像94での各特定領域で表示する画像を設定し、当該設定に基づいてラウンド数決定前演出を演出表示装置9で表示する。
図29(B)に示すように、演出省略条件が成立している場合には、図28(D)に示すような演出の出力(画像の数、画像の出力サイズ、音量、輝度など)を抑えた報知演出(ラウンド数決定前演出B)を実行するための設定が行われる。このように、演出省略条件が成立しているときには、報知演出を簡略化(省略)することで、演出が煩わしくなることを防止できる。なお、図28(D)では、画像の数、出力サイズを抑えているが、音声やランプによって報知演出を実行する場合には、これらの出力を抑えるようにしてもよい。
S734Aで第1〜第3特定領域球検出指定コマンドのいずれかに対応するコマンド受信フラグがセットされているとき、すなわち、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに遊技球が進入した状態であるときは、ラウンド数決定後演出を実行させる処理が行なわれ(S734C)、S735に移行する。
S734Cでは、まず、所定の演出省略条件が成立しているか否かを判定する。演出省略条件が成立していない場合には、第1〜第3特定領域球検出指定コマンドのいずれかを受信したかに基づいて、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれの特定領域に遊技球が進入したかを判定し、当該判定に応じて、特定領域部画像94において、遊技球が進入した特定領域に対応する領域を図27(I)のように特定色で明るく表示(ハイライト表示)するための処理を行なう。また、演出省略条件が成立している場合には、第1〜第3特定領域球検出指定コマンドのいずれかを受信したかに基づいて、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれの特定領域に遊技球が進入したかを判定し、当該判定に応じて、図29(E)に示すように大当りのラウンド数を報知する画像を表示するための処理を行う。
S735では、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(5R通常大当り開始指定コマンド受信フラグ、5R確変大当り開始指定コマンド受信フラグ、10R通常大当り開始指定コマンド受信フラグ、10R確変大当り開始指定コマンド受信フラグ、15R通常大当り開始指定コマンド受信フラグ、15R確変大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(S735)。いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(S736)。そして、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S737)。
なお、演出制御用CPU101は、セットされている大当り開始指定コマンド受信フラグをリセットする。また、S737の処理では、演出制御用CPU101は、当り種別に対応するファンファーレ演出等のプロセステーブルを選択する。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S738)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27等)の制御を実行する(S739)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S740)。
ここで、本実施の形態における停止フラグ、ゲート無効タイマ、権利発生フラグ、進入管理タイマ及び大当り開始フラグの管理例を、図30を参照して説明する。特別図柄の変動において大当り図柄が停止するまでの期間(期間A)は、停止フラグ権利、発生フラグ、大当り開始フラグはOFF(未セット)であり、ゲート無効タイマと進入管理タイマは0である。大当り図柄が停止すると、ゲート無効タイマが所定時間(T1)にセットされ(図17の特別図柄停止処理のS125)、停止フラグがONとなる(S126)。そして、ゲート無効タイマが0となるまでの期間(期間B)は第1〜第3特別領域スイッチは無効であり、この間に遊技球が特定領域に侵入してもなにも起こらない(ゲート無効期間)。そして、ゲート無効期間が経過すると、権利発生フラグがセットされ(S122B)、第1〜第3特別領域スイッチが有効となる(期間C)。この期間Cは、遊技球が特定領域に侵入して第1〜第3特別領域スイッチがONとなることを待ち受ける期間である。期間Cにおいて玉送出装置70の送出領域スイッチ33がONとなると(遊技球が検出されると)、遊技球を1個ずつ特定領域部60に送出するため進入管理タイマが所定時間(T2、ここでは5秒)に相当する値にセットされる(図8の進入管理処理のS1106)。進入管理タイマが0となるまで(閉期間、図30の一点鎖線矢印)は、遮蔽部材75は閉状態となり、遊技球は玉送出装置70に進入できない。そして、遊技球が第1〜第3特定領域の何れかを通過すると、大当り開始フラグがセット(図15の特定領域スイッチ通過処理のS1004)され、大当り遊技状態が開始される。
区間A又は区間Dに第1〜第3特定領域スイッチの何れかONとなると、所定演出指定コマンドが主基板から演出制御装置に送信される(図15の特定領域スイッチ通過処理のS1002)。そして、所定演出が実行される。一方、区間Cに第1〜第3特定領域スイッチの何れかONとなると、第1〜第3特定領域球検出コマンドが送信され(図19の開放態様選択処理のS412、415又はS417)、大当り種別に応じた大当り開始指定コマンド(図11の5R〜15R通常大当り開始コマンド及び5R〜15R確変大当り開始コマンドの何れか)が送信される(図18の大当り開始前処理のS1205)。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態では、特定領域部60を含むステージ部400のその他の例を説明する。図31は、第2実施形態による飾り部材90aの拡大斜視図である。図31においては、図2と共通する構成について、同番号を付与している。
図31の飾り部材90aが図2の飾り部材90と異なるのは、図2の特定領域部60に対応する特定領域部60aが、玉送出装置70から送出される遊技球を受取り可能な範囲内で、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63の位置を移動させるために、図中の矢印で示すような態様で動作させられることである。
特定領域部60aは、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560により駆動制御されるソレノイドにより駆動され、特定領域入口部600内において、図31に示すような正面から見て左右方向に往復動作させられる。特定領域部60aの動作範囲は、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれもが特定領域入口部600内に留まる範囲で動作されてもよく、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかが特定領域入口部600外に位置するような範囲で動作されてもよい。
このような第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63を含む特定領域部60aを動作させる制御は、権利発生状態が成立したときに遊技制御用マイクロコンピュータ560により実行される。なお、このような特定領域部60aを動作させる制御は、権利発生状態が成立したときに限らず、常時実行されるようにしてもよい。
なお、特定領域部60の動作方向は、正面から見て前後方向であってもよく、正面から見て左右方向および前後方向の動作の組合せであってもよい。
また、特定領域部60を特定領域入口部600内に留まる範囲で動作させる例としては、特定領域部60の円形の中心部を回転軸としてモータ等により特定領域部60をその場で回転させる動作を実行するようにしてもよい。この場合は、特定領域部60を回転させるときに、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63の位置の移動に合わせて、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのそれぞれが設けられた球通路を移動させる必要がある。
また、特定領域部60を回動させる構成としては、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのそれぞれが設けられた球通路を移動させずに固定式としてもよい。たとえば、各特定領域と、各特定領域から対応する特定領域スイッチに遊技球を誘導する通路との関係が維持可能(遊技球を誘導可能)な範囲内で各特定領域を移動させる往復動作をさせるような特定領域部60の回動(たとえば、中心角として5度程度の所定角度の回動による移動範囲の往復動作等)を実行するようにしてもよい。
このような第2実施形態では、玉送出装置70から送出される遊技球を受取り可能な範囲内で、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63の位置が移動させられるので、玉送出装置70から遊技球が送出されたときの第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63の位置について、遊技者の注意を引付けることができる。
また、第2実施形態では、玉送出装置70と、特定領域部60とのうち、特定領域部60を動作させるものを示したが、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63において、遊技球を受取り可能な範囲内で、玉送出装置70の玉出口72の位置が移動するように、玉送出装置70を動作させる制御を行なうようにしてもよい。たとえば、ソレノイド等の駆動手段により、誘導路73を動作させるように構成することで、玉出口72の位置が移動可能となるようにしてもよい。このようにすれば、玉送出装置70から遊技球が送出されたときの玉出口72の位置について、遊技者の注意を引付けることができる。
また、第2実施形態のように第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63の位置を移動させる構成としては、玉送出装置70から送出される遊技球を、特定領域部60外の領域に流下させる構成を採用してもよく、また、玉送出装置70から送出される遊技球を、特定領域部60内に流下させるが遊技球が特定領域部60外に流下可能となるような構成を採用してもよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態では、玉送出装置70のその他の例を説明する。図32は、第3実施形態によるパチンコ遊技機1の正面図である。図32は、第3実施形態による飾り部材90の拡大斜視図である。図32においては、図2と共通する構成について、同番号を付与している。
図32および図33に示す玉送出装置70aが図1および図2に示す玉送出装置70と異なるのは、図2に示すような遮蔽部材75の代わりに遊技球を1個ずつ受入れて送出する構成要素として、回転装置730が設けられたことである。
回転装置730は、誘導路73の球入口71上に、遊技球を1つ受入れて保持可能な保持部732aが外周の一部に形成され、保持部732aに遊技球を保持した状態で回転可能な円形の回転体732と、回転体732の周囲を囲む壁部731とを含む。壁部731は、回転体732の上方および下方には設けられておらず、回転体732の上方における壁部731間から遊技球が回転体732の保持部732a内に受入れられ、回転体732の下方における壁部731間から遊技球が誘導路73の球入口71へ誘導される。
また、回転体732の外周における保持部732a以外の部分には、遊技球を受入れ不可能な形状の凹凸部732bが形成されている。
回転装置730は、遊技制御用マイクロコンピュータ560により駆動制御されるモータにより回転駆動される。権利発生状態でないときには、保持部732aが回転体732の上方における壁部731間以外の方向を向いた態様で回転体732が停止されている。そして、権利発生状態となると、モータが駆動され、回転体732が図中矢印で示されるように回転動作される。保持部732aが回転体732の上方における壁部731間の方向を向いた状態で遊技球が当該壁部731間から落下すると、その遊技球が保持部732a内に入って保持され、かつ、壁部731により外部への流出が制限された状態で回転体732が回転動作する。そして、保持部732aが回転体732の下方における壁部731間の方向を向いた状態となると、保持部732aで保持されていた遊技球が当該壁部731間から落下して誘導路73の球入口71へ誘導される。
そして、誘導路73の球入口71へ誘導された遊技球が送出領域スイッチ33により検出されると、モータを停止し、回転体732の回転動作を停止させる制御が行なわれる。これにより、権利発生状態において、玉送出装置70aは、遊技球が1個ずつ受入れられ、1個ずつ送出されることとなる。権利発生状態においては、玉送出装置70aから送出された遊技球が、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入しないとき、たとえば、遊技球が送出領域スイッチ33で検出されてから所定期間経過しても、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、および、第3特定領域スイッチ63aのいずれでも検出されないときは、再度回転体732を回転させ玉送出装置70aに遊技球を受入れて再度遊技球を送出する制御が行なわれる。このような制御は、遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかに進入するまで繰返し行なわれる。
回転体732の外周における保持部732a以外の部分には、遊技球を受入れ不可能な形状の凹凸部732bが形成されているので、回転体732は、保持部732aが回転体732の上方における壁部731間を向いた位置以外の位置にあるときに、流下してきた遊技球が、凹凸部732bに当接させて待機させる。より具体的に、回転体732が回転して凹凸部732bが移動することにより、凹凸部732bが遊技球に当接し、回転体732上に遊技球が載置された状態で凹凸部732bの形状に応じて遊技球が上下動する態様で待機する。これにより、待機状態にあるときでも、遊技球体が凹凸部に応じて動作することにより、視覚的な面で遊技者を楽しませることができる。
また、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれにも進入しない流下経路としては、玉送出装置70aにおける回転装置730の遊技球の出口と、誘導路73の球入口71との間に玉送出装置70a外部に遊技球が排出されることが可能な隙間部を設け、当該隙間部から遊技球が排出される構成とすることにより、玉送出装置70aにより誘導された遊技球が1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれにも進入しない流下経路を形成するようにしてもよい。なお、このような構成を採用するときには、誘導路73に誘導された遊技球が必ず第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のいずれかに進入できる構成(たとえば、ステージ部400の流下縁部40に相当する部分に、遊技球が全く流下しないような壁部を設ける等の構成)を採用してもよい。
なお、この実施の形態では、回転装置730と誘導路73とが別体で構成された例を示したが、これに限らず、回転装置730と誘導路73とが一体構成されてもよい。
また、回転装置730における遊技球の入口(回転体732の上方における壁部731間)に第1実施形態で示したような遮蔽部材75を設けて、第1実施形態のように開閉制御をしてもよく、その場合には、回転体732を常時回転動作させても、権利発生状態においてのみ回転体732の保持部732aに遊技球を受入れることが可能となるので、動作の面白みが増すようにすることができる。
また、回転装置730における遊技球の出口(回転体732の下方における壁部731間)に第1実施形態で示したような遮蔽部材75を設けて、第1実施形態のように開閉制御をしてもよく、その場合には、回転体732を常時回転動作させても、権利発生状態においてのみ遊技球を誘導路73に誘導することが可能となるので、動作の面白みが増すようにすることができる。
また、回転装置730における遊技球の出口に遮蔽部材75を設けずに、回転体732を常時回転動作させ、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63aについては権利発生状態であるときに検出信号を有効とし、権利発生状態でないときに検出信号を無効とする制御を行なうようにしてもよい。このようにすれば、より一層動作の面白みが増すようにすることができる。そして、このような構成とするときには、送出領域スイッチ33が遊技球の進入を検出したときに、当該進入してきたことを特定可能な演出画像を演出表示装置9で表示する等、所定の演出手段により所定の演出を実行するようにしてもよい。このようにすれば、動作の面白みと演出の面白みとの組合せにより、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
また、このように回転装置730における回転体732を常時回転動作させる構成を採用する場合には、第1特定領域スイッチ61a、第2特定領域スイッチ62a、第3特定領域スイッチ63aについては権利発生状態であるときに検出信号を有効とし、権利発生状態でないときに検出信号を無効とする制御を行なうようにすればよい。このようにすれば、より一層動作の面白みが増すようにすることができる。そして、このような構成とするときには、可変入賞球装置(電動チューリップ)15、および、特別可変入賞球装置20を遊技領域7の中央部に設け、時短状態中および大当り遊技状態中において、遊技球を左打ちする打球発射が行なわれるような構成となる装置配置とすることが望ましい。このように構成すれば、基本的に、右打ちをするのが権利発生状態時のみとすることができ、権利発生状態以外のときに遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、第3特定領域63に誘導されるのを防ぐことができ、第1特定領域61、第2特定領域62、第3特定領域63への遊技球の進入が有効か無効かについて紛らわしい状況が生じるのを防ぐことができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 第1〜第3特定領域が大当り遊技状態を開始する契機として有効となっていない、権利発生状態で無い場合(図30の期間C以外の期間)に特定領域を通過した場合には、所定演出を実行することにより、特定の期間(期間C)以外でも特定領域を有効利用して遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 右打ちをすると第1〜第3特定領域を含む特定領域部60に、左打ちをすると第1〜2始動入賞口に遊技球が侵入しやすい構成においては、権利発生状態(期間C)以外の時期に右打ちをすると遊技者にとって不利になる。そこで、有効期間以外で第1〜第3特定領域に遊技球が侵入したことに応じて左打ちを指示する所定演出(左打ち指示所定演出)を実行することにより、遊技者に的確な遊技を促すことが出来る。
(3) 図19のS410により、図3(A),(B)に示すように権利発生状態となる大当りの種類に応じて、遊技球が進入したときに遊技者に付与される価値が最も高い15Rの大当り遊技状態に制御する特定領域が異なるように複数の特定領域の価値が設定されるので、いずれの種類の大当りが成立するかについて、遊技者の注意を引付けることができる。
(4) 権利発生状態(期間C)となったときに、遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかに進入したときには、大当りの種類に関わらず、同じ時間が経過した後に、大入賞口の開放が開始されることとなる。したがって、大当りの種類によらず、特定領域に遊技媒体が進入してから一定時間経過後に大入賞口の開放が開始されるので、大入賞口の開放開始契機が明確になるため、遊技内容に関する知識に差がある遊技者間での公平性を担保することができる。
(5) 図1に示すように、遊技領域7における複数の領域(左領域7a、右領域7b)のうちの特別可変入賞球装置20が設けられた領域に、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63へ送出される遊技球の入口(球入口71)が設けられている。そして、打球操作ハンドル5の操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域が変更できるので、遊技者が大入賞口の開放制御状態を開始させる意思を持ったときに開放制御状態を開始させることができるようになり、遊技者の意に反した時期に開放制御状態が開始されてしまうことを防ぐことができる。
(6) 図30に示すように、大当り図柄が停止表示された後ゲート無効タイマが0になるまでの期間に第1特定領域61、第2特定領域62又は第3特定領域63に遊技球が進入しても大当り遊技状態(大入賞口の開放制御状態)は開始されない。そのため、大当り図柄が停止表示される前に発射された遊技球によって大当り遊技状態が開始されることを防止することが出来る。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、所定演出として現在実行されている特別図柄の変動表示が大当りとなるか否かを示唆する示唆演出と、左打ち指示所定演出を例に挙げた。しかし、これに限らず、所定演出として保留記憶に大当り又は確変大当りが含まれているか否かを示唆する先読み所定演出や、単に遊技者を楽しませるための演出(演出表示装置9に所定の画像をカットインさせる、所定の音を発する)を実行しても良い。また、示唆所定演出は、音による演出のほか、大当り信頼度に応じた異なる映像(キャラクタ等)を演出表示装置9に表示する、遊技領域に配置された役物が信頼度に応じた動作をする、等によって大当りとなるか否かを示唆する演出であっても良い。
(2) また、上記実施の形態では、ゲート無効期間(図30の期間B)に遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62又は第3特定領域63に進入しても(図15のS1003;N)コマンドを送信しなかった。しかし、図15のS1003で権利発生フラグがセットされていないと判定したとき所定のコマンドを送信して、この期間にその他の所定演出を実行するとしてもよい。その他の所定演出の例として、当該所定のコマンドに応答して、所定演出実行処理(図26のS800B)で遊技球の無効な進入があったことと、右打ちを継続することを指示する所定演出を実行すればよい。このような構成によれば、ゲート無効期間において、大当り図柄が停止表示された後に特定領域に遊技球が侵入したにもかかわらず大当り遊技状態が開始されなかったことによる遊技者の不信感を防止することができる。
(3) さらに、図8の進入管理処理では、進入管理タイマがアップするまで遮蔽部材75は閉状態のままであったが、遊技球が第1特定領域61、第2特定領域62、第3特定領域63又は流下縁部40の何れかから飾り部材90の外部へと流出したことを感知した場合に、すぐに進入管理タイマを0として遮蔽部材を開状態としてもよい。このような構成によれば、飾り部材90の外部に遊技球が流出すると、直ぐに次の遊技球を送出できるので、タイムアップまで遊技者を待たせることが無い。
(4) 前述した実施の形態では、2つの特別図柄表示器である第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bを設け、2つの特別図柄を変動表示する例を示した。しかし、これに限らず、2つの特別図柄表示器の代わりに、1つの特別図柄表示器を設け、1つの特別図柄を変動表示させる構成を採用してもよい。このような構成を採用する場合には、特別図柄表示器における特別図柄の変動表示が、第1始動入賞口13の入賞、および、第2始動入賞口14への入賞のそれぞれに応じて実行されるようにすればよい。つまり、第1始動入賞口13の入賞に基づいて第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄を実行させるための各種制御と、第2始動入賞口14の入賞に基づいて第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄を実行させるための各種制御とをそれぞれ、1つの特別図柄表示器における特別図柄の変動表示について適用すればよい。
(5) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(6) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(7) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点等を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(8) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(9) 前述した実施の形態では、複数種類の大当り種別のすべてについて、権利発生状態において第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかに遊技球が進入したことに基づいて、大入賞口の開放制御状態に制御される例を示した。しかし、複数種類の大当り種別の一部について、第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63のうちいずれかに遊技球が進入しないでも、大入賞口の開放制御状態に制御されるようにしてもよい。つまり、変動表示において大当り表示結果が表示されたときに、そのまま大入賞口の開放制御状態に制御される大当りの種別が選択される場合があるようにしてもよい。たとえば、前述した通常大当りおよび確変大当りに加えて、突確大当りの種別を加えた場合において、突確大当りについては、変動表示において大当り表示結果が表示されたときに、そのまま大入賞口の開放制御状態に制御されるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、大当りとなったときの開放制御状態として、複数回のラウンドにおいて大入賞口を開放する制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、大当りとなったときの開放制御状態としては、たとえば、1回だけ大入賞口を開放して、大入賞口に入賞した遊技球を計数し、所定個数(たとえば、2000発)の遊技球が大入賞口に入賞したときに、大入賞口開放状態を終了させる制御を行なうようにしてもよい。
(11) 特定領域部60,60aに、特定領域の他に遊技球が進入可能な穴を開口形成し、当該穴に遊技球が進入したときに、演出図柄を再変動させていずれの種別の大当りとなるかを再度抽選するような演出を行なうようにしてもよい。このような演出を行なえば、遊技の興趣をさらに向上させることができる。また、その場合には、権利発生状態が所定時間以上の長時間に亘って継続するときに、再変動においてはずれ表示結果が表示される制御がある割合で実行さされるようにし、当該再変動においてはずれ表示結果が表示されたときに権利発生状態を終了させるようにしてもよい。
(12) 前述の第1実施形態では、誘導路73への遊技球の進入を遮蔽する遮蔽部材75を設ける例を示したが、このような遮蔽部材75が設けられると、前述したような効果の他に、たとえば、遊技者が故意に糸付きの遊技球を用いて飾り部材90内のいずれかの特定領域に遊技球を進入させる行為を行なうとして、遮蔽部材75により不正な遊技球の進入および逆戻り等を防ぐことができ、不正行為者による不正行為を防ぐことも可能となる。
(13) 特定領域部60,60aには1つの特定領域のみを設け、権利発生状態となってからの時間を計時手段により計測し、その計時される時間と選択されるラウンド数「5R」、「10R」、「15R」との関係を予め定めておき、当該特定領域に遊技球が進入したことが検出されたときの計時手段の計時結果に基づいて、「5R」、「10R」、「15R」のいずれかが選択されるようにしてもよい。
(14) 特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データに大当りが含まれているか否かを当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるよりも前の変動表示時に予告する保留予告を実行するときには、たとえば、保留記憶データに基づく大当りの種別に基づいて、大当り種別に対応する第1特定領域61、第2特定領域62、および、第3特定領域63への遊技球の進入により生じるラウンド数の合計値または平均値等のラウンド選択数(大当りのときのラウンド数の規模)を報知可能な予告演出を行なうようにしてもよい。
(15) 上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板(サブ側)に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、主基板(メイン側)は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。
この場合、演出制御基板は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、主基板の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(16) 上記実施の形態では、演出省略条件は、大当り遊技状態が終了後に確変状態に制御された連続回数(確変連荘回数)が20回に達しているか否かであったが、演出省略条件は確変連荘回数が20回未満または20回より多い回数となったときに成立するようにしてもよいし、演出省略条件はこれ以外の条件であってもよい。他の条件とする場合には、遊技者が権利発生状態における遊技方法(右打ちをすることなど)を把握できていると想定される状況であることを条件とすることが好ましい。例えば、確変連荘回数が所定回数に達したこと、かつ、特定の大当り種別の大当り(例えば15R大当りや特定の図柄の大当り(「7・7・7」)など)となったことであってもよい。この場合、特定の大当り種別は遊技者にとって有利な大当り種別(例えば15R大当り)であってもよいし、不利な大当り種別(例えば5R大当り)であってもよい。特定の大当り種別を不利な大当り種別とする場合には、権利発生状態に報知演出を省略するとともに、ラウンド中の演出内容を不利な大当り種別となったことに対応するものとしてもよい。このようにすることで、ラウンド中の演出内容に応じて、不利な大当り種別となったことへの遊技者の落胆を軽減できる。
(17) また、演出省略条件は、確変状態継続中に全ての大当り種別の大当り(例えば、15R大当り、10R大当り、及び5R大当り)となったことであってもよいし、全ての大当り種別の大当りとなった後に、特定の大当り種別の大当り(例えば15R大当りなど)となったことであってもよい。また、所定期間中に大当りとなった回数が所定回数に達したことであってもよい。この場合の所定期間は、実際の時間であってもよいし、所定回数可変表示が実行されるまでの期間であってもよいし、デモ画面表示の終了時点から再度デモ画面表示となるまでの期間(同一の遊技者によって遊技されている可能性が高い期間)であってもよい。また、このような特定の大当り種別の大当りは、図3に示す通常大当りGや確変大当りGといった、いずれの特定領域に遊技球が進入しても15R大当りとなる大当りであってもよい。
(18) また、大当りとなるごとにポイントを獲得できるようにして、累積ポイントが所定値を超えたときに、演出省略条件が成立するようにしてもよい。この場合、大当り種別(大当りの有利度合い)に対応して獲得できるポイントを異ならせてもよい。例えば、5R大当りでは1ポイント、10R大当りでは2ポイント、15R大当りでは3ポイント獲得できるようにしてもよい。
(19) また、確変連荘回数が所定回数に達した後や、累積ポイントが所定値を超えたときに、演出省略条件を成立させるか否かを判定(抽選)するようにしてもよい。この場合、確変連荘回数や累積ポイントが多くなればなるほど、演出省略条件を成立させると判定される割合を高くしてもよい。このようにすることで、遊技者が権利発生状態における遊技方法を把握しているような状況においては、権利発生状態中の演出を省略するととともに、特別演出が実行されやすくなる。
(20) また、確変連荘回数や累積ポイントを遊技者が遊技を中断した後も継続してカウントするようにしてもよい。例えば、遊技者が遊技を中断したときに、その遊技履歴を特定可能な情報(バーコードやパスワードなど)を遊技者に提示するようにしてもよい。そして、遊技者が遊技履歴を特定可能な情報を用いて遊技を再開したときには、その遊技履歴に基づいて、遊技者が遊技を中断する前の確変連荘回数や累積ポイントを特定し、確変連荘回数や累積ポイントを中断前から継続してカウントするようにしてもよい。そして、継続してカウントした連荘回数が所定回数に達した後や、累積ポイントが所定値を超えたときに、演出省略条件を成立させるようにしてもよい。
(21) また、遊技履歴を遊技機で記憶するようにして、大当りとなったときには遊技履歴から前回の確変連荘回数を特定し、前回の確変連荘回数から継続して確変連荘回数をカウントするか否かを遊技者が選択できるようにしてもよい。そして、継続してカウントした連荘回数が所定回数に達した後に、演出省略条件を成立させるようにしてもよい。このようにすることで、確変状態が終了した後であっても、同じ遊技者が遊技しているような場合において、演出省略条件を成立させやすくすることができる。
(22) また、演出省略条件は、固定的な条件に限定されず、他の条件が成立したことや設定により変更するものであってもよい。例えば、過去の累積大当り回数や変動回数に応じて、演出省略条件が成立しやすいものに変更するようにしてもよいし、遊技者やホール側で条件を選択できるようにしてもよい。例えば、ホール側でパチンコ遊技機1を省エネモードに設定したときには、自動的に演出省略条件が成立するようにしてもよい。
(23) また、上記実施の形態では、演出省略条件が成立している場合には、報知演出を全く実行しないのではなく、演出の出力(画像の出力サイズ、音量、輝度など)を抑えてそれらの演出を実行するようにしてもよい。また、複数種類の演出手段(画像表示、音声、LEDランプ等)によって報知演出を実行する場合には、演出省略条件が成立している場合には、一部の演出手段(例えばLEDランプのみ)によって報知演出を実行するようにしてもよい。この場合、報知演出に使用しなかった他の演出手段を用いて、他の演出を実行するようにしてもよい。このようにすることで、遊技者にとって煩わしい演出を避けることができるとともに、他の演出を実行することで遊技の興趣を向上させることができる。
(24) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。