JP2016202795A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技者に変化演出と付加演出とのうちいずれの演出が実行されるかについて注目させることができる遊技機を提供する。
【解決手段】変化演出と付加演出とでは、演出の開始から効果音と特定画像とにより演出態様が共通する演出が実行される。よって、共通態様部分では、その後に変化演出が実行されるか付加演出が実行されるかが分からない。したがって、遊技者に変化演出と付加演出とのうちいずれの演出が実行されるかについて注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
【選択図】図14

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関し、特に、変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機に関する。
この種の遊技機として一般的に知られているものとしては、変動表示(可変表示ともいう)を行ない、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態)に制御可能なものがあった。
このような遊技機としては、保留表示の色を変化させる変化演出や保留表示に対して実行される演出を予告する予告画像を付加する付加演出を行なうものがあった(特許文献1)。
特開2014−230760号公報
しかし、前述した特許文献1の遊技機では、変化演出と付加演出との演出態様が相互に異なっていたので、演出開始時点でいずれの演出が実行されるのかが遊技者に分かってしまい、興趣が不十分であった。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技者に変化演出と付加演出とのうちいずれの演出が実行されるかについて注目させることができる遊技機を提供することである。
(1) 変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、
変動表示についての特定表示(アクティブ表示AH、保留表示等)を表示可能な特定表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、演出表示装置9においてアクティブ表示エリアAHAにアクティブ表示AHを表示する、第1始動入賞保留表示エリア9HL、第2始動入賞保留表示エリア9HRに保留表示を表示する等)と、
前記特定表示の表示態様を変化させる変化演出(図15に示すアクティブ表示AHの色を変化させる変化演出等)を実行可能な変化演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)と、
前記特定表示(アクティブ表示AH、保留表示等)に対して予告画像(予告画像65等)を付加する付加演出(図16に示すアクティブ表示AHに予告画像65を付加する付加演出等)を実行可能な付加演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)とを備え、
前記変化演出および前記付加演出では、演出の開始から少なくとも一部の演出態様が共通する(図14〜図16に示すように、変化演出と付加演出とで演出の開始から共通の態様の効果音を出力するとともに共通の態様の特定画像61を表示する等)。
このような構成によれば、遊技者に変化演出と付加演出とのうちいずれの演出が実行されるかについて注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
(2) 前記(1)の遊技機において、
変動表示を行なう変動表示部(第1特別図柄表示器8a,第2特別図柄表示器8b,演出表示装置9等)と、
未だ開始されていない変動表示についての保留情報を記憶する保留記憶手段(第1,第2保留記憶バッファ等)とをさらに備え、
前記変動表示部は、第1変動表示部(第1特別図柄表示器8a等)と第2変動表示部(第2特別図柄表示器8b等)とを含み、
前記第1変動表示部での変動表示の方が前記第2変動表示部での変動表示よりも実行されやすい通常状態と、前記第2変動表示部での変動表示の方が前記第1変動表示部での変動表示よりも実行されやすい特定状態(時短状態、高開放制御状態等)とに制御可能な特定状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560等)をさらに備え、
前記保留記憶手段は、前記第1変動表示部の変動表示に対応する第1保留情報(第1保留記憶等)と、前記第2変動表示部に対応する第2保留情報(第2保留記憶等)とを記憶可能であって、
前記特定表示手段は、通常状態においては、前記第1保留情報の数に対応する数個の前記特定表示を表示する(第1始動入賞保留表示エリア9HLに表示される丸形のシンボルマーク画像により保留記憶を1つ1つ個別に表示する表示態様の保留表示等)とともに前記第2保留情報の数を表示する(第2始動入賞記憶数値エリアHA2に表示される保留記憶を数字で特定可能な表示態様によるディジタル的な保留表示等)一方、前記特定状態においては、前記第1保留情報の数を表示する(第1始動入賞記憶数値エリアHA1に表示される保留記憶を数字で特定可能な表示態様によるディジタル的な保留表示等)とともに前記第2保留情報の数に対応する数個の前記特定表示を表示し(第2始動入賞保留表示エリア9HRに表示される丸形のシンボルマーク画像により保留記憶を1つ1つ個別に表示する表示態様の保留表示等)、
遊技機への電力供給の停止後、電力供給が復旧してから所定条件が成立するまで(最初の客待ちデモ指定コマンドを受信するまで等)前記特定表示を禁止する特定表示禁止手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図22(A)に示すように、電源復旧後に最初の客待ちデモ指定コマンドを受信するまで保留表示をしない処理等)をさらに備える。
このような構成によれば、電力供給の復旧後において保留記憶数を誤認する表示がされるおそれを低減できる。
(3) 前記(1)または(2)のいずれかの遊技機において、
前記変化演出および前記付加演出では、演出の開始から少なくとも同一または類似の態様の効果音が出力される(図14に示すように、共通態様部分で共通の効果音を出力するように設定する等)。
このような構成によれば、変化演出と付加演出とのうち、いずれかの演出の実行が開始されたことを効果音の出力により遊技者に報知することができ、変化演出と付加演出とのうち、いずれの演出が実行されるのかについてより注目させることができる。
(4) 前記(1)〜(3)のいずれかの遊技機において、
前記変化演出および前記付加演出では、演出の開始から少なくとも同一または類似の態様の特定画像が表示される(図14に示すように、共通態様部分で共通の特定画像61を表示するように設定する等)。
このような構成によれば、変化演出と付加演出とのうち、いずれかの演出の実行が開始されたことを特定画像の表示により遊技者に報知することができ、変化演出と付加演出とのうち、いずれの演出が実行されるのかについてより注目させることができる。
(5) 前記(1)〜(4)のいずれかの遊技機において、
演出の開始から少なくとも一部の演出態様が共通し、前記特定表示の表示態様を変化させず、前記特定表示に対して予告画像も付加しない示唆演出を実行する示唆演出実行手段をさらに備える(演出制御用マイクロコンピュータ100、図14に示すように、共通態様部分で変化演出と付加演出と同様に、効果音を出力するとともに特定画像61を表示し、その後、変化演出も付加演出も実行されない示唆演出を実行する等)。
このような構成によれば、変化演出と付加演出とのうち、いずれかの演出が実行されるか、あるいはいずれの演出も実行されないかについて注目させることができ、より遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 前記(1)〜(5)のいずれかの遊技機において、
前記変化演出の実行後に、前記特定表示の表示態様が変化したことを示す文字を表示する文字表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図14(A),図15(d)に示すように、変化演出ではアクティブ表示AHの表示色が変化した後に、アクティブ表示AHの表示態様が変化したことを示す昇格文字66を表示する等)をさらに備え、
前記文字表示手段は、前記付加演出の実行後に前記文字を表示しない(演出制御用マイクロコンピュータ100、図14(B)に示すように、付加演出では、予告画像65が付加されるが、変化演出のようにアクティブ表示AHの表示態様が変化したことを示す昇格文字66を表示しない等)。
このような構成によれば、特定表示の表示態様が変化したことについて遊技者に明確に報知することができる。
(7) 前記(1)の遊技機において、
変動表示を行なう変動表示部(第1特別図柄表示器8a,第2特別図柄表示器8b,演出表示装置9等)と、
未だ開始されていない変動表示についての保留情報を記憶する保留記憶手段(第1,第2保留記憶バッファ等)とをさらに備え、
前記変動表示部は、第1変動表示部(第1特別図柄表示器8a等)と第2変動表示部(第2特別図柄表示器8b等)とを含み、
前記第1変動表示部での変動表示の方が前記第2変動表示部での変動表示よりも実行されやすい通常状態と、前記第2変動表示部での変動表示の方が前記第1変動表示部での変動表示よりも実行されやすい特定状態(時短状態、高開放制御状態等)とに制御可能な特定状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560等)をさらに備え、
前記保留記憶手段は、前記第1変動表示部の変動表示に対応する第1保留情報(第1保留記憶等)と、前記第2変動表示部に対応する第2保留情報(第2保留記憶等)とを記憶可能であって、
前記特定表示手段は、通常状態においては、前記第1保留情報の数に対応する数個の前記特定表示を表示する(第1始動入賞保留表示エリア9HLに表示される丸形のシンボルマーク画像により保留記憶を1つ1つ個別に表示する表示態様の保留表示等)とともに前記第2保留情報の数を表示する(第2始動入賞記憶数値エリアHA2に表示される保留記憶を数字で特定可能な表示態様によるディジタル的な保留表示等)一方、前記特定状態においては、前記第1保留情報の数を表示する(第1始動入賞記憶数値エリアHA1に表示される保留記憶を数字で特定可能な表示態様によるディジタル的な保留表示等)とともに前記第2保留情報の数に対応する数個の前記特定表示を表示し(第2始動入賞保留表示エリア9HRに表示される丸形のシンボルマーク画像により保留記憶を1つ1つ個別に表示する表示態様の保留表示等)、
遊技機への電力供給の停止後、電力供給が復旧したときに、前記保留記憶手段の保留情報を特定可能なコマンドを送信可能な復旧時コマンド送信手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、電力供給復旧時に、遊技制御メイン処理において電源復旧時コマンドを送信する処理等)をさらに備え、
前記特定表示手段は、遊技機への電力供給の停止後、電力供給が復旧したときに、前記復旧時コマンド送信手段が送信したコマンドに基づいて、前記特定表示を復旧させる(演出制御用マイクロコンピュータ100、図22(B)に示すように、電源復旧時コマンドとして、第1保留記憶数指定コマンド、第2保留記憶数指定コマンド、遊技状態指定コマンドを受信したことに基づいて、通常保留表示を開始させる処理等)。
このような構成によれば、電力供給の復旧後において保留記憶数を誤認する表示がされるおそれを低減できる。
(8) 前記(1)の遊技機において、
変動表示を行なう変動表示部(第1特別図柄表示器8a,第2特別図柄表示器8b,演出表示装置9等)と、
未だ開始されていない変動表示についての保留情報を記憶する保留記憶手段(第1,第2保留記憶バッファ等)とをさらに備え、
前記変動表示部は、第1変動表示部(第1特別図柄表示器8a等)と第2変動表示部(第2特別図柄表示器8b等)とを含み、
前記第1変動表示部での変動表示の方が前記第2変動表示部での変動表示よりも実行されやすい通常状態と、前記第2変動表示部での変動表示の方が前記第1変動表示部での変動表示よりも実行されやすい特定状態(時短状態、高開放制御状態等)とに制御可能な特定状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560等)をさらに備え、
前記保留記憶手段は、前記第1変動表示部の変動表示に対応する第1保留情報(第1保留記憶等)と、前記第2変動表示部に対応する第2保留情報(第2保留記憶等)とを記憶可能であって、
前記特定表示手段は、通常状態においては、前記第1保留情報の数に対応する数個の前記特定表示を表示する(第1始動入賞保留表示エリア9HLに表示される丸形のシンボルマーク画像により保留記憶を1つ1つ個別に表示する表示態様の保留表示等)とともに前記第2保留情報の数を表示する(第2始動入賞記憶数値エリアHA2に表示される保留記憶を数字で特定可能な表示態様によるディジタル的な保留表示等)一方、前記特定状態においては、前記第1保留情報の数を表示する(第1始動入賞記憶数値エリアHA1に表示される保留記憶を数字で特定可能な表示態様によるディジタル的な保留表示等)とともに前記第2保留情報の数に対応する数個の前記特定表示を表示し(第2始動入賞保留表示エリア9HRに表示される丸形のシンボルマーク画像により保留記憶を1つ1つ個別に表示する表示態様の保留表示等)、
遊技機への電力供給の停止後、電力供給が復旧したときに、前記保留記憶手段の保留情報を特定可能なコマンドを送信可能な復旧時コマンド送信手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、電力供給復旧時に、遊技制御メイン処理において電源復旧時コマンドを送信する処理等)をさらに備え、
前記特定表示手段は、遊技機への電力供給の停止後、電力供給が復旧したときに、前記復旧時コマンド送信手段が送信したコマンドに基づいて、電力供給が復旧したとき以外のときの通常の態様とは異なる態様により前記特定表示を表示させる(演出制御用マイクロコンピュータ100、図22(C)に示すように、電源復旧時コマンドとして、第1保留記憶数指定コマンドおよび第2保留記憶数指定コマンドを受信したことに基づいて、仮保留表示を開始させる処理等)。
このような構成によれば、電力供給の復旧後において保留記憶数を誤認する表示がされるおそれを低減できる。
パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 当り種別表を示す図である。 主基板(遊技制御基板)における回路構成の一例を示すブロック図である。 各乱数を示す説明図である。 大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 タイマ割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。 始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。 変化演出、付加演出および示唆演出の関係を示すタイミングチャートである。 演出表示装置における変化演出の表示例を示す説明図である。 演出表示装置における付加演出の表示例を示す説明図である。 演出表示装置における示唆演出の表示例を示す説明図である。 演出図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 演出決定テーブルを示す説明図である。 演出設定処理を示すフローチャートである。 電源復旧後における保留表示を復旧させる演出の表示例を示す演出表示装置の表示画面図である。 電源復旧後における保留表示の復旧パターンを時間経過にしたがって示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、変動表示部における変動表示の表示結果が特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1を正面から見ると、ガラス扉枠2、前面枠、機構板の順に配置されている。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て演出表示装置よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て演出表示装置9よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の左側領域に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の右側領域に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。
なお、第1経路と第2経路とは、完全に別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。第1経路は、遊技領域7の左側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域7の右側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、0〜9の数字等および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様で大当り表示結果以外のはずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、第2始動入賞口14上部に電動により開閉動作が可能な左右一対の可動翼片(所謂電動チューリップ)が設けられ、可動翼片が閉鎖状態のときに、遊技球の進入が不可能な遊技者にとって不利な状態となり、可動翼片が開放状態のときに、遊技球の進入が可能な遊技者にとって有利な状態に制御される。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
演出表示装置9の左側方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
演出表示装置9の右側方には、遊技球が通過したことに基づいて普通図柄表示器10での普通図柄を変動表示の実行が可能となるゲート32が設けられている。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
普通図柄表示器10の変動表示の変動表示結果に基づいて、可変入賞球装置15が開放状態となると、遊技球が第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞可能な状態となる。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報(保留記憶情報)を示す(特定する)場合にも用いられる。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第1始動入賞口13は、遊技領域7に設けられた遊技釘の配設態様により、演出表示装置9の左側にある第1経路からの遊技球が入賞可能とされているが、演出表示装置9の右側にある第2経路からの遊技球の入賞が不可能とされている。したがって、遊技者が左打ちをしたときにのみ、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が可能である。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第2始動入賞口14は、遊技領域7に設けられた遊技釘の配設態様により、演出表示装置9の左側にある第1経路と、その右側にある第2経路との両方からの遊技球の入賞が可能である。しかし、第2始動入賞口14が開放する条件となる普通図柄の変動表示を実行させる条件として用いられるゲート32が、演出表示装置9の右側にある第2経路に設けられているため、第2始動入賞口14への入賞を狙うときには、遊技球を右打ちしてゲート32への通過を狙う必要がある。したがって、第2始動入賞口14への遊技球の進入は、主に右打ち時における第2経路からなされることとなる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図示省略、図15参照)。保留表示エリアでは、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とを区別した形式で、保留記憶情報が表示される。たとえば、演出表示装置9において、第1保留記憶数は左側の第1始動入賞保留表示エリア9HLに第1保留表示として表示され、第2保留記憶数は右側の第2始動入賞保留表示エリア9HRに第2保留表示として表示される(図15参照)。このように、第1始動入賞保留表示エリア9HLと第2始動入賞保留表示エリア9HRとを区別して表示することにより、第1保留記憶情報と、第2保留記憶情報とを容易に区別可能となる。
また、保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応するアクティブ表示AH(変動対応表示とも呼ぶ)を含む情報を表した画像を表示するアクティブ表示エリアAHAが保留表示エリアの中央部に形成される(図示省略、図15参照)。アクティブ表示エリアAHAにおいては、保留表示エリアにおいて表示されていた保留画像が、アクティブ表示エリアAHAに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様で表示される。なお、アクティブ表示エリアAHAは、演出表示装置9における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
なお、保留表示エリアは、第1始動入賞保留表示エリア9HLと第2始動入賞保留表示エリア9HRとを区別せずに合算した表示態様で保留記憶情報が表示されるようにしてもよい。このような合算保留記憶表示により、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、遊技者にとって有利な開放状態(遊技球が入賞可能なことにより有利)と、遊技者にとって不利な閉鎖状態(遊技球が入賞不可能なことにより有利)とに開閉可能な装置である。第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
なお、特別可変入賞球装置20が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御(以下、高開放制御とも称する)される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
この実施の形態においては、高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
この実施の形態によるパチンコ遊技機1は、演出表示装置9の左側にある第1経路からしか第1始動入賞口13に遊技球が進入できない構成であるため、高ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させにくい低ベース状態において、遊技者は、左打ちをして第1始動入賞口13への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。また、この実施の形態によるパチンコ遊技機1は、演出表示装置9の右側にある第2経路にゲート32が設けられているため、低ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させやすい高ベース状態において遊技者は、右打ちをしてゲート32および第2始動入賞口14への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。
したがって、高ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させにくい低ベース状態においては、遊技者が左打ちをして第1始動入賞口13への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第1保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に第1保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。一方、低ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させやすい高ベース状態においては、遊技者が右打ちをして第2始動入賞口14への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第2保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に、第2保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。
なお、第1始動入賞口13には、第1経路と第2経路との両方から遊技球が進入可能としてもよい。また、第2始動入賞口14には、第2経路のみから遊技球が進入可能としてもよい。また、ゲート32は、演出表示装置9の左側にある第1経路に設けられてよく、演出表示装置9の左側にある第1経路と、演出表示装置9の右側にある第2経路との両方に設けられてもよい。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示している。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる期待度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ30秒等)変動パターンである。なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
また、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「スーパーリーチB (40秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が40秒でスーパーリーチAが実行される変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、210〜224に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「スーパーリーチA」または「スーパーリーチB」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜140に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターンとして、「スーパーリーチA(30秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
また、時短状態であるか否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態であるか否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
また、はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
なお、第1保留記憶数を示すための第1保留記憶数指定コマンドと、第2保留記憶数を示すための第2保留記憶数指定コマンドとを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において保留記憶数を特定可能とするが、これに限らず、変動表示が実行されるごとに、第1保留記憶数または第2保留記憶数を減算するための保留記憶数減算指定コマンドを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において、保留記憶数が特定可能となるようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図10のS1215参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理(たとえば、S1215,S1225の入賞時演出処理)の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められた遊技制御メイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
遊技制御メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図10は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1214)。S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。
この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターンの決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1216)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1217)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。
S1216,S1217の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1216〜S1219の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1224)。S1224の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、S1215で説明したような入賞時演出処理を実行する(S1225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1226)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1227)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1228)とともに、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)。
S1226,S1227の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1226〜S1229の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図11は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S60)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件とのいずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、後述するS75に進む。
S60において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「通常大当り」に決定されたときには「3」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図12は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、および、演出決定用のSR2を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR2のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の増加、消去、移動等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。S707の保留記憶表示制御処理では、アクティブ表示エリアに表示するアクティブ表示の表示制御も実行される。具体的には、以下のような処理において表示制御される。たとえば、S704の処理において、第1保留記憶数指定コマンドまたは第2保留記憶数指定コマンドを受信したときに所定のフラグをセットする。そして、その所定のフラグがセットされていれば、S707の処理において、保留表示エリアの保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつアクティブ表示エリアの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新する。また、保留表示エリアから消去した保留表示をアクティブ表示エリアに移動する(シフトする)態様で出現させることで、アクティブ表示の表示を更新する処理を行なえばよい。アクティブ表示エリアでは、変動表示の実行中にアクティブ表示が消去される。よって、更新前にアクティブ表示エリアにはアクティブ表示に関する画像が表示されていない状態となっている。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図13は、図12に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S500)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S500)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。ここで、先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるものであるのかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、3番目に消化される保留情報が大当りであるときに、3番目に消化される保留情報よりも前に消化させる保留情報に基づいた特別図柄の変動表示において、後に大当りが発生する可能性のあることを所定の演出態様で予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を“ターゲットの変動表示”と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態の開始時から大当り遊技状態の終了時までの予め定められた演出制御期間中において、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
このパチンコ遊技機1では、特定表示としてのアクティブ表示を対象として変化演出が実行される。変化演出とは、アクティブ表示の表示態様を変化させる演出である。アクティブ表示の表示態様を変化させる演出とは、通常白色で表示されるアクティブ表示を大当り期待度の高い青色や赤色の表示に変更する演出である。また、このような変化演出とは別に、特定表示としてのアクティブ表示を対象として付加演出が実行される。付加演出とは、アクティブ表示に対して予告画像を付加する演出である。アクティブ表示に対して予告画像を付加する演出とは、アクティブ表示に対して、当該アクティブ表示の変動表示中に実行される演出を事前に予告した内容の予告画像を付加する演出である。
また、変化演出と付加演出とは、演出の開始から演出態様が共通する共通態様部分を含んでいる。変化演出と付加演出とにおいて実行される共通態様部分では、同一(類似でもよい)の態様の効果音が出力されるとともに、同一(類似でもよい)の態様の特定画像が表示される。類似とは、少なくとも一部が同じであって、互いの演出に共通点があることである。また、共通態様部分の演出が実行された後に、変化演出も付加演出も実行されない演出であって、変化演出や付加演出の実行を示唆する示唆演出が実行されることがある。示唆演出は、共通態様部分の実行後に、変化演出も付加演出も実行されないので、ガセ演出とも称する。以下に各演出について詳細に説明する。
図14は、変化演出、付加演出および示唆演出の関係を示すタイミングチャートである。図14には、図14(A)〜(C)に示す3つの演出の実行時のタイミングチャートが示されている。図14(A)は、変化演出実行時のタイミングチャートである。図14(B)は、付加演出実行時のタイミングチャートである。図14(C)は、示唆演出実行時のタイミングチャートである。
図14(A)に示すように変化演出では、変化演出の一部として演出の開始時に共通態様部分の演出が実行される。共通態様部分では、スピーカ27から変化演出の実行を示す効果音が出力される。また、効果音が出力された後に、変化演出が実行されることを示唆する画像として煙画像(スモーク画像)で表示される特定画像61が表示される(図15参照)。その後、変化演出では、キャラクタA63が登場し、そのキャラクタA63がアクティブ表示AHの表示色を変化させる演出が実行される。さらに、変化演出が実行され、アクティブ表示AHの表示態様が変化した後は、アクティブ表示AHが大当り期待度の高い態様に変化したことを示す昇格文字の表示が行なわれる。このような昇格文字表示は、アクティブ表示AHを変化させる変化演出の実行後に行なわれる演出であるが、図14(A)では、このような昇格文字表示が実行される演出を変化演出の実行期間内に行なわれる演出として示している。
また、図14(B)に示すように付加演出では、付加演出の一部として演出の開始時に変化演出と同一(類似でもよい)の共通態様部分の演出が実行される。共通態様部分では、スピーカ27から付加演出の実行を示す効果音が出力される。この効果音は、変化演出における共通態様部分と同一(類似でもよい)の音である。また、効果音が出力された後に、付加演出が実行されることを示唆する画像として煙画像(スモーク画像)で表示される特定画像61が表示される(図16参照)。この特定画像61は、変化演出における共通態様部分の演出と同一(類似でもよい)の画像である。その後、付加演出では、キャラクタB64が登場し、そのキャラクタB64がアクティブ表示AHに対して予告画像65を付加する演出が実行される。
また、図14(C)に示すように示唆演出では、変化演出と付加演出とで実行される共通態様部分の演出と同一(類似でもよい)の演出が実行される。共通態様部分では、スピーカ27から変化演出および付加演出における共通態様部分と同一(類似でもよい)の効果音が出力される。また、効果音が出力された後に、変化演出または付加演出が実行されることを示唆する画像として煙画像(スモーク画像)で表示される特定画像61が表示される(図17参照)。この特定画像61は、変化演出および付加演出における共通態様部分で表示される画像と同一(類似でもよい)の画像である。その後、示唆演出では、変化演出も付加演出も実行されない。つまり、示唆演出では、共通態様部分の演出の実行後に、キャラクタA63がアクティブ表示AHの表示色を変化させる変化演出もキャラクタB64がアクティブ表示AHに対して予告画像65を付加する付加演出も実行されない。
図14(A),(B)に示すように、変化演出および付加演出では、演出の開始から共通態様の演出が実行される。共通態様部分では、スピーカ27から変化演出または付加演出の実行を示す効果音が出力される。また、共通態様部分では、変化演出または付加演出が実行されることを示唆する画像として煙画像(スモーク画像)で表示される特定画像61が表示される。このように、変化演出と付加演出とでは、共通態様部分で実行される演出が同じである。よって、共通態様部分では、その後に変化演出が実行されるか付加演出が実行されるかが分からない。したがって、遊技者に変化演出と付加演出とのうちいずれの演出が実行されるかについて注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
また、図14(A),(B)に示すように、変化演出および付加演出では、共通態様部分の演出として同一(類似でもよい)の態様の効果音が出力される。よって、変化演出と付加演出とのうち、いずれかの演出の実行が開始されたことを効果音の出力により遊技者に報知(特定演出を実行)することができ、変化演出と付加演出とのうち、いずれの演出が実行されるのかについてより注目させることができる。
また、図14(A),(B)に示すように、変化演出および付加演出では、共通態様部分の演出として同一(類似でもよい)の態様の特定画像61が表示される。よって、変化演出と付加演出とのうち、いずれかの演出の実行が開始されたことを特定画像61の表示により遊技者に報知することができ、変化演出と付加演出とのうち、いずれの演出が実行されるのかについてより注目させることができる。
また、図14(C)に示すように、共通態様部分の演出と演出態様が共通し(少なくとも一部の演出態様が共通するものでもよい)、アクティブ表示AHの表示態様を変化させず、アクティブ表示AHに対して予告画像65も付加しない示唆演出を実行する場合がある。示唆演出が実行される場合があることで、変化演出と付加演出とのうち、いずれかの演出が実行されるか、あるいはいずれの演出も実行されないかについて注目させることができ、より遊技の興趣を向上させることができる。
また、図14(A)に示すように、変化演出の実行後には、アクティブ表示AHの表示態様が変化したことを示す昇格文字の表示が行なわれる。しかしながら、図14(B)に示すように、付加演出の実行後には、昇格文字が表示されない。このように、昇格文字表示による演出が付加演出で実行されないのは、付加演出では、既に予告画像65が表示されているので、そこに昇格文字の表示を行なうと演出が分かりづらくなってしまうためである。また、変化演出では、アクティブ表示AHの表示態様が変化するものの、遊技経験の少ない遊技者にとっては、アクティブ表示AHにおける色の変化が何を示すのか分からないことも考えられる。よって、変化演出の実行後に昇格文字の表示を行なうことで、アクティブ表示AHの表示態様が大当り期待度の高い態様に変化したことについて遊技者に明確に報知することができる。
なお、図14では、変化演出に実行時と付加演出の実行時とで、演出の開始から終了までの時間を同じにしているが、変化演出と付加演出とで演出の実行される時間が異なっていてもよい。
図15〜図17は、図14で示した変化演出、付加演出および示唆演出が演出表示装置9の表示画面上でどのように表示されるかを説明するための説明図である。図15は、演出表示装置9における変化演出の表示例を示す説明図である。また、図16は、演出表示装置9における付加演出の表示例を示す説明図である。また、図17は、演出表示装置9における示唆演出の表示例を示す説明図である。
変化演出において、図15(a),(b)は、共通態様の演出として実行される演出である。また、図15(c),(d)は、変化演出特有の演出として実行される演出である。まず、図15(a)に示すように、特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、演出表示装置9における「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア91,92,93のぞれぞれで「0」〜「9」の9つの数字図柄よりなる演出図柄の変動表示が開始される。「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア91,92,93は、基本的に、「左」,「右」,「中」図柄表示エリア91,93,92の順番により演出図柄が停止される。
演出表示装置9における下部左側には、遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されたとき(始動入賞が発生したとき)の第1保留記憶の数を丸の表示で示す第1始動入賞保留表示エリア9HLが設けられている。また、演出表示装置9における下部右側には、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されたとき(始動入賞が発生したとき)の第2保留記憶の数を丸の表示で示す第2始動入賞保留表示エリア9HRが設けられている。
また、演出表示装置9における下部中央には、第1始動入賞保留表示エリア9HLまたは第2始動入賞保留表示エリア9HRから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応するアクティブ表示AH(変動対応表示とも呼ぶ)が表示される。アクティブ表示AHは、台座の形で示されるアクティブ表示エリアAHAの上部に表示される。アクティブ表示エリアAHAが台座の形で表示されることで、保留表示エリア(第1始動入賞保留表示エリア9HLまたは第2始動入賞保留表示エリア9HR)において表示されていた保留画像が、アクティブ表示エリアAHAに移動(シフト)され、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能となる。
図15(a)に示すように、第1始動入賞保留表示エリア9HLには、始動入賞(保留記憶情報)が発生した順に1番目の保留H1,2番目の保留H2,3番目の保留H3,4番目の保留H4が表示されている。第1保留記憶に基づく保留記憶数の上限は4個であるので、これ以上第1保留記憶に基づく保留表示が行なわれることはない。また、第2始動入賞保留表示エリア9HRには、保留表示が表示されておらず、第2保留記憶に基づいた保留記憶はないことが分かる。パチンコ遊技機1では通常左打ちにより第1始動入賞口13を狙い遊技を行なうので、通常状態では、第1始動入賞保留表示エリア9HLに保留が貯まる。図15(a)のアクティブ表示AHは、第1始動入賞による変動表示を示している。保留表示およびアクティブ表示は、通常(保留表示の基本色)は白色の丸の表示で表示される。
変動表示が開始されると、共通態様の演出として、スピーカ27から効果音が出力される。この効果音は、遊技者に聞き取り易い音となっている。たとえば、通常の演出(共通態様の演出以外が実行されているときの演出)に際に流れる音よりも高い音や大きい音とすることで聞き取り易く、目立つ音とすることができる。
共通態様部分で実行される演出として、効果音が出力された後、図15(b)に示すように、演出表示装置9の画面の左上には、「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア91,92,93の演出図柄を小型化(縮小)した小図柄62が変動表示される。また、演出表示装置9の画面の右上には、共通態様部分で実行される演出として、煙画像(スモーク画像)で表示される特定画像61が表示される。特定画像61は、これから何かの演出が実行されることを示唆する態様で表示される。
図15(a),(b)のような共通態様の演出が実行された後、図15(c)に示すように、特定画像61で表示されていた場所からキャラクタA63が表示される。さらに、キャラクタA63は、アクティブ表示AHに対してビームを照射する演出を行なう。ビームが照射されたアクティブ表示AHは、図15(c),(d)に示すように、白色から図面上斜線で示す青色へと色が変化する。このような共通態様を含む変化演出により、アクティブ表示AHの表示色が変化する。また、図15(d)に示すように、変化演出によりアクティブ表示AHの表示態様が変化した後は、アクティブ表示AHの近くに、アクティブ表示AHが変化したことを示す“昇格!”の文字画像による昇格文字66の表示が行なわれる。昇格文字66の表示により、アクティブ表示AHが変化したことが示される。
次に、付加演出が実行される場合について説明する。図16(a),(b)は、付加演出において変化演出と同じ共通態様の演出が実行される部分であるので、説明を省略する。図16(c)に示すように、共通態様の演出の実行後は、特定画像61で表示されていた場所からキャラクタB64が表示される。キャラクタB64は、今回の変動表示中にスペシャルリーチが実行されることを示す予告画像65を持った態様で表示される。ここで、スペシャルリーチとは、スーパーリーチの変動パターンにおいて実行される大当り期待度の高いリーチのことである。具体的には、期待度の低い態様のリーチ演出から発展した後に実行される期待度の高いリーチである。スペシャルリーチでは、たとえば、敵キャラと味方キャラとが戦う演出が実行される。
図16(d)に示すように、キャラクタB64は、持っていた予告画像65(変動表示中に実行される演出の予告や大当りの予告を示す画像)をアクティブ表示AHに対して投げる演出を行なう。そして、投げられた予告画像65は、アクティブ表示AHの上部に付加される。このように共通態様部分を含む付加演出により、アクティブ表示AHに対して予告画像65を付加することで、今回の変動表示中に実行される演出がスペシャルリーチへ発展することを予告する。なお、付加演出では、変化演出とは異なり、付加演出が実行されたことを示す文字画像が新たに付加されることはない。
なお、付加演出で付加される予告画像は、1回の付加演出中に2つ以上付加されるようにしてもよい。また、1回の変動表示中に付加演出を複数回実行することにより、付加される予告画像が2つ以上となるようにしてもよい。また、付加される予告画像は、今回の変動表示中において実行されるリーチ演出や大当り期待度を予告する画像であってもよいし、今回の変動表示中に実行される擬似連を予告する画像であってもよい。擬似連を予告する画像としてたとえば、“NEXT”等の画像を表示するようにしてもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。擬似連演出では、擬似連の変動が実行される毎に演出図柄や擬似連専用図柄が仮停止される演出が繰返される。このような擬似連が実行されることや、実行される擬似連の回数を予告する画像を付加演出の予告画像として表示するようにしてもよい。
次に、示唆演出が実行される場合について説明する。示唆演出では、図17(a),(b)に示すように、変化演出および付加演出と同じ共通態様の演出が実行される。しかし、図17(c)に示すように、特定画像61で表示されていた場所からキャラクタが表示されることはない。その後、図17(d)に示すように、演出表示装置9の画面の左上に小図柄62で変動表示していた演出図柄は、画面の中央に大きく表示され変動表示される。このように、変化演出および付加演出と同じ共通態様の演出が実行される示唆演出では、共通態様の演出の実行後は、変化演出も付加演出も実行されない。
図18は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。前述した変化演出、付加演出および示唆演出は、演出図柄変動開始処理において、いずれの演出が実行されるかが設定される。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、演出図柄の変動表示の演出、および、変化演出や付加演出等の各種演出を設定する処理)を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理の処理内容については、図20を用いて後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
図19は、演出決定テーブルを示す説明図である。演出決定テーブルは、変動表示中に実行される変化演出、付加演出および示唆演出を決定するために用いられるデータテーブルである。演出決定テーブルには、図19(A),(B)に示すテーブルが含まれている。図19(A)は、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときに用いられる、大当り用演出決定テーブルである。図19(B)は、変動表示の表示結果がはずれ表示結果となるときに用いられる、はずれ用演出決定テーブルである。これらの演出決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図19(A),(B)の演出決定テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての演出決定用の乱数SR2(0〜109の数値範囲)の値が、演出内容を決定するために割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。
演出決定テーブルで決定される各種演出の内容について具体的に説明する。演出内容が「なし」は、前述した変化演出、付加演出および示唆演出が実行されないパターンである。また、演出内容が「キャラAによりアクティブ表示を青色に変化+昇格文字表示」および「キャラAによりアクティブ表示を赤色に変化+昇格文字表示」は、変動表示の実行中にキャラクタA63が登場し、そのキャラクタA63がアクティブ表示AHを変化させる変化演出を実行するパターンである。変化演出により、アクティブ表示の表示態様が通常態様の白色の表示態様から青色(赤色)の表示態様へと変化し、変化後には、変化したことを昇格文字66が表示される。なお、青色に変化する場合と赤色に変化する場合とで、表示される昇格文字表示の内容(色、大きさ、文字の内容等)が異なるようにしてもよい。
また、演出内容が「キャラBによりアクティブ表示にSP表示を付加」および「キャラBによりアクティブ表示に激熱表示を付加」は、変動表示の実行中にキャラクタB64が登場し、そのキャラクタBがアクティブ表示に対して付加演出を実行するパターンである。付加演出により、アクティブ表示AHに対して変動表示中に実行される予告画像が付加される。予告画像は、変動表示中に実行される演出内容をその演出が始まるより前に予告する画像である。「SP表示」は、変動表示中に味方キャラと敵キャラとが戦うスペシャルリーチに演出が発展することを予告する表示である。また、「激熱表示」は、今回実行される変動表示が大当り期待度が高いことを予告する表示である。
また、図19(B)のはずれ用演出決定テーブルのみに含まれる演出内容が「ガセ演出」は、前述した示唆演出が実行されるパターンである。示唆演出は、演出の開始時に変化演出や付加演出と同じ共通態様の演出が実行されるものの、共通態様の演出が実行された後は、変化演出や付加演出が実行されない所謂ガセの演出が実行されるパターンである。このようなガセ演出として実行される示唆演出が設けられていることで、遊技者に変化演出と付加演出とのうち、いずれかの演出が実行されるか、あるいはいずれの演出も実行されないかについて注目させることができる。
このような図19(A),(B)の演出決定テーブルでのデータの設定により、今回実行される変動表示が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、変化演出において、青色よりも赤色に変化する演出パターンが実行される割合が高い。よって、遊技者は、変化演出によりアクティブ表示AHの表示態様が白色から赤色に変化することで大当りとなることに期待を持つことができる。また、今回実行される変動表示が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、付加演出において、SP表示よりも激熱表示が付加される演出パターンが実行される割合が高い。よって、遊技者は、付加演出によりアクティブ表示AHに対して激熱表示が付加されることで大当りとなることに期待を持つことができる。
図20は、前述の演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。演出設定処理において、演出制御用CPU101は、以下に説明するような処理を行なう。まず、今回実行される変動表示は、リーチの変動パターンであるか否かを判定する(S901)。今回実行される変動表示が、リーチの変動パターンであるか否かは、今回の変動表示の変動パターンを指定する変動パターンコマンドが格納されるコマンド格納領域(RAM103)のデータに基づいて、今回の変動パターンが、リーチの変動パターンであるか否かを確認することに基づいて判断することができる。S901において、今回実行される変動パターンがリーチの変動パターンでない場合には、S907の処理へ移行する。
演出制御用CPU101は、S901において、今回の変動パターンが、リーチの変動パターンであると判定した場合には、今回実行される変動表示が大当り表示結果となるか否かを判定する(S902)。演出制御用CPU101は、RAM103に設けられた変動表示結果の記憶領域に、大当り表示結果となる内容が格納されているか否かに基づいて、今回実行される変動表示が大当り表示結果となるか否かを判定する。S902において、今回実行される変動表示が大当り表示結果となると判定した場合は、演出決定用のSR2を抽出し、その抽出値と図19(A)の大当り用演出決定テーブルとにより、実行する演出の内容を決定する(S903)。次いで、S904の処理へ移行する。
また、S902において、今回実行される変動表示が大当り表示結果とならないと判定した場合(はずれ表示結果となると判定した場合)には、演出決定用のSR2を抽出し、その抽出値と図19(B)のはずれ用演出決定テーブルとにより、実行する演出の内容を決定する(S906)。次いで、S904の処理へ移行する。
S904では、S903,S906で決定された変化演出、付加演出、および、示唆演出のうちのいずれかの演出を実行すると決定されているか否かを判定する。S904において、これらの演出に実行が決定されていない場合には、S907の処理へ移行する。
S904において、変化演出、付加演出、および、示唆演出のうちのいずれかの演出を実行すると決定されている場合には、変化演出、付加演出、および、示唆演出のうちのいずれかの演出を実行するように設定する(S905)。次いで、S907の処理へ移行する。S907においては、前述した、変化演出、付加演出、および、示唆演出以外のその他の各種演出を設定する処理を実行する(S907)。そして、処理を終了する。
以上のような演出設定処理により、変化演出、付加演出および示唆演出のいずれを実行するかが設定される。演出設定がされると、その設定データに基づいて、図18のS617において、当該設定に対応する演出制御パターンが設定される。これにより、図13に示す演出図柄変動中処理において、設定された演出が実行される。なお、前述した変化演出および付加演出は、アクティブ表示AHに対して実行されるのではなく、保留表示エリアに表示されている保留表示に対して実行されるようにしてもよい。また、保留表示に対して、変化演出や付加演出が実行されるときは、アクティブ表示AHの場合と同様に示唆演出が実行されるようにしてもよい。また、変化演出、付加演出および示唆演出は、保留表示に対して実行されるとともに、アクティブ表示AHに対しても実行されるようにしてもよい。
保留表示に対して、変化演出、付加演出および示唆演出が実行される例について具体的に説明する。たとえば、これらの演出を保留表示に対して実行するか否かは、図13のS500に示す先読み予告処理において決定するようにすればよい。演出制御用CPU101は、始動入賞が発生した際に、その保留記憶がリーチの変動パターンであるか否かを判定する。また、演出制御用CPU101は、リーチの変動パターンであれば、大当り表示結果となるか否かを判定する。そして、これらの内容に基づいて、図19で示したような演出内容を決定する。
先読み予告処理で決定された内容は、保留表示がシフトする際に実行されるようにすればよい。つまり、先読み予告処理で決定された内容は、その保留表示がシフトされ、変動表示が開始されるときに実行されるようにすればよい。なお、保留表示に対して変化演出等の演出が実行されるときは、複数の保留表示に対して行われると表示が分かり難く、処理も複雑になる。よって、先読み予告処理で、変化演出等のいずれかの演出が実行されると決定されている場合には、その始動入賞以降に発生した始動入賞に対して、変化演出等の演出を実行しないように制限をかけることが望ましい。また、始動入賞が発生した後の次のシフト時に必ず変化演出等の演出が実行されるのではなく、演出の実行タイミングが複数のタイミングから決定されるようにしてもよい。
また、保留表示の段階で変化演出、付加演出および示唆演出のいずれかが実行されるとともに、アクティブ表示に対しても実行される場合は、先読み予告処理において、保留表示とアクティブ表示のうち、いずれで実行されるかが決定されるようにしてもよい。そして、いずれかで各種演出が実行されることが決定された後は、その後の始動入賞では、変化演出等の演出が実行されないようにすることが望ましい。なお、先読み予告のターゲットとなる保留表示に対して、変化演出等の演出を実行するとともに、そのターゲットの変動表示が実行されるときに、再度、変化演出等の演出を実行するようにしてもよい。
また、変化演出等の演出は、1つの保留表示に対して複数回実行されるようにしてもよい。たとえば、1回目のシフト時に変化演出により保留表示を白色から青色に変化させる演出を行なう。そして、次のシフト時に、再度変化演出を実行し、保留表示を青色から赤色に変化させる演出を行なうようにしてもよい。また、1回目の変化演出により保留表示を青色に変化させた後に、アクティブ表示において青色から赤色に変化させる変化演出を実行するようにしてもよい。また、付加演出を複数回繰返してもよい。また、変化演出や付加演出同様に、示唆演出も複数回繰返してもよい。また、変化演出を実行した後に、付加演出を実行するようにし、変化演出と付加演出の間に示唆演出が実行されるようにしてもよい。このように、変化演出、付加演出および示唆演出を各種組み合せた演出を実行することで、遊技のバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態では、遊技状態に対応して表示態様が異なる保留表示について説明する。演出表示装置9における遊技状態別の第1保留表示および第2保留表示の表示例について説明する。
時短状態でない通常遊技状態(非時短状態)のときは、変動表示が実行されやすい方の第1保留記憶は、画面の左下の第1始動入賞保留表示エリア9HLにおいて、保留記憶を各々が特定可能な表示態様によるアナログ的な保留表示(丸形のシンボルマーク画像により保留記憶を1つ1つ個別に表示する表示態様の保留表示)がされる。また、変動表示が実行されにくい方の第2保留記憶は、画面の左側の第2始動入賞記憶数値エリアHA2において、ディジタル数値により保留記憶を数字で特定可能な表示態様によるディジタル的な保留表示がされる。ディジタル的な保留表示は、保留記憶がないときであっても「0」という表示がされる(図21参照)。
また、時短状態では、通常遊技状態とは逆に、変動表示が実行されやすい方の実行されやすい方の第2保留記憶は、画面の右側の第2始動入賞保留表示エリア9HRにおいて、保留記憶を各々が特定可能な表示態様によるアナログ的な保留表示がされる。また、変動表示が実行されにくい方の第1保留記憶は、画面の右側の第1始動入賞記憶数値エリアHA1において、ディジタル数値により保留記憶を数字で特定可能な表示態様によるディジタル的な保留表示がされる。ディジタル的な保留表示は、保留記憶がないときであっても「0」という表示がされる(図21参照)。
保留表示をディジタル数値で表示する場合には、保留記憶数を容易に把握することができる。また、保留表示をディジタル数値で表示する場合には、保留記憶がないときであっても「0」という表示がされるので、保留記憶がないときについても、保留記憶数を容易に把握することができる。
なお、保留表示をディジタル数値で表示する場合において、保留記憶がないときには「0」という表示をせずに、保留表示自体をしないようにしてもよい。
また、保留表示をディジタル数値で表示する場合には、保留表示をアナログ的に表示する場合と比べて、保留表示をするに必要な表示領域を小さくすることができるので、他の画像を表示する等、演出表示装置9における画像表示の自由度を高めることができる。
しかし、保留表示については、前述したように、保留記憶ごとの保留表示画像を対象として表示態様を変化させる演出が実行される場合があるので、仮に第1保留表示および第2保留表示の両方を同時にディジタル数値で表示してしまうと、保留記憶ごとの保留表示画像を対象とした演出ができなくなる。
そこで、保留表示については、遊技状態に応じて、第1保留表示および第2保留表示のうち、どちらか一方の保留表示をアナログ的に表示し、他方の保留表示をディジタル数値で表示する制御が行なわれる。
たとえば、時短状態でない通常遊技状態のときは、高開放制御がされないので、第1保留記憶の方が第2保留記憶よりも発生しやすいことに基づいて、第1保留記憶に基づく変動表示の方が第2保留記憶に基づく変動表示よりも実行されやすい。そこで、時短状態でない通常遊技状態のときは、第1保留表示のみを対象として、保留表示画像の表示態様を変化させる演出を実行することとし、第1保留表示をアナログ的に表示し、第2保留表示をディジタル数値で表示する制御が行なわれる。
一方、時短状態のときは、高開放制御がされるので、第2保留記憶の方が第1保留記憶よりも発生しやすいことに基づいて、第2保留記憶に基づく変動表示の方が第1保留記憶に基づく変動表示よりも実行されやすい。そこで、時短状態のときは、第2保留表示のみを対象として、保留表示画像の表示態様を変化させる演出を実行することとし、第2保留表示をアナログ的に表示し、第1保留表示をディジタル数値で表示する制御が行なわれる。
なお、このように、第1保留表示と第2保留表示とのどちらか一方をアナログ的に表示し、他方をディジタル数値で表示する制御は、保留表示画像を変化させる演出を実行しないパチンコ遊技機1においても、遊技状態に応じて、変動表示が実行されやすい方の保留記憶をアナログ的に表示し、変動表示が実行されにくい方の保留記憶をディジタル数値で表示する演出態様でしてもよい。
また、このような保留表示については、演出制御用CPU101が遊技状態を確認し、遊技状態に応じて表示態様を決定して表示する制御を行なう。停電等の電力供給停止による電源遮断状態が生じたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560で実行される遊技制御に関するデータはバックアップ記憶されるが、演出制御用CPU101で実行される遊技制御に関するデータはバックアップ記憶されない。したがって、電源遮断状態後の電力供給再開による電源復旧後においては、遊技制御状態がバックアップ記憶データに基づいて電源遮断前の状態に復旧させることができるが、演出制御状態がバックアップ記憶データに基づいて復旧させることができない。これにより、保留表示は、電源遮断状態が生じた後の電源復旧後において、遊技者が保留記憶数を誤認するおそれを低減できるような態様で行なう必要がある。
以下に、電源遮断状態が生じた後の電源復旧時および電源復旧後における演出表示装置9の表示画像の復帰(復旧)に関する制御を説明する。
電源遮断状態が生じたときには、実行中の遊技制御状態を特定可能なバックデータがRAM55のバックアップデータ領域にバックアップ記憶され、バックアップ電源電力により所定期間に亘り記憶される。たとえば、第1保留記憶を特定可能なデータ、第2保留記憶を特定可能なデータ、普図保留記憶を特定可能なデータ、遊技の進行状況を特定可能なデータ(遊技制御プロセスフラグ等の各種フラグデータ、変動時間計測タイマ等の各種タイマデータ等)、各種カウンタの計数値を特定可能なデータ、および、各種バッファデータ等の所定のバックアップデータが、バックアップ記憶される。そして、電力供給再開による電源復旧時においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560が起動して、遊技制御メイン処理が実行される。パチンコ遊技機1の起動時に遊技店員等の管理者により所定の復帰操作が行なわれると、電源復旧時の遊技制御メイン処理において、前述のバックアップデータが読出され、そのバックアップデータに基づいて、パチンコ遊技機1における遊技制御状態等の所定の制御状態を、電源遮断前の状態に復旧させる復旧処理が行なわれる。その後、復旧された制御状態からパチンコ遊技機1の制御が再開される。
復旧処理においては、たとえば、次のような電源復旧時コマンドを演出制御用CPU101へ送信することにより、演出制御用CPU101に対して、電源復旧時の制御状態を特定して演出制御を復旧させることが指令される。電源復旧時コマンドとしては、電源復旧時以外の通常時に用いられる各種コマンドを兼用して用いてもよく、電源復旧時専用のコマンドを用いてもよい。また、電源復旧時コマンドとしては、状況に応じて、兼用のコマンドと専用のコマンドとを、使い分けて用いてもよく、適宜組合せて用いてもよい。電源復旧に関するコマンドとしては、少なくとも、遊技状態指定コマンド(背景指定コマンドでもよい)と、保留記憶数指定コマンドとのような、遊技状態と保留記憶数とを特定可能なコマンドが含まれていれば、保留記憶表示を復旧させることが可能である。遊技状態を特定可能なコマンドは、復旧時にたとえば1回送信すれば足り、復旧時後の変動表示をするごとに毎回送信する必要はないコマンドである。
電源復旧時コマンドには、電源復旧指定コマンド(停電復旧指定コマンド)、表示結果指定コマンド、遊技状態指定コマンド、復旧状態指定コマンド、保留記憶数指定コマンド、第1図柄確定指定コマンド、および、第2図柄確定指定コマンド等の所定のコマンドが含まれる。図7に示したコマンド一覧には、これらのコマンドが含まれていてもよい。
電源復旧指定コマンドは、電源復旧を指定するコマンドである。表示結果指定コマンドは、バックアップされている変動表示結果を示すコマンドである。遊技状態指定コマンドは、バックアップされている時短フラグや確変フラグの状態に応じて遊技状態を特定するコマンドである。復旧状態指定コマンドは、バックアップされている遊技状態(たとえば、第1特別図柄の変動表示中、第2特別図柄の変動表示中、第1特別図柄の大当り中、第2特別図柄の大当り中、その他の遊技状態等)に応じて電源復旧後の状態を指定するコマンドである。保留記憶数指定コマンドは、バックアップされている第1特別図柄保留記憶数を示す第1保留記憶数指定コマンドと、バックアップされている第2特別図柄保留記憶数を示す第2保留記憶数指定コマンドとを含む。第1図柄確定指定コマンドは、バックアップされている第1特別図柄の変動表示終了を指定するコマンドである。したがって、第1特別図柄の変動表示中に電源遮断状態となったときには、第1図柄確定指定コマンドが送信されない。第2図柄確定指定コマンドは、バックアップされている第2特別図柄の変動表示終了を指定するコマンドである。したがって、第2特別図柄の変動表示中に電源遮断状態となったときには、第2図柄確定指定コマンドが送信されない。
電源復旧時コマンドは、最初に電源復旧指定コマンドが送信され、その後に、表示結果指定コマンド、遊技状態指定コマンド、復旧状態指定コマンド、保留記憶数指定コマンド(第1保留記憶数指定コマンド、第2保留記憶数指定コマンド)、第1図柄確定指定コマンド、第2図柄確定指定コマンドがこの順番で送信されるという、予め定められた順番で送信される。
演出制御用CPU101では、電源復旧指定コマンドが受信されたときに、前述のコマンド解析処理において、電源復旧状態であることを特定可能な復旧画面の表示開始設定をし、電源復旧フラグをオン状態とする処理をする。復旧画面は、電源復旧(電力供給の再開)があったこと(電源遮断時の状態から遊技制御が再開されること)を報知する画面である。これにより、電源復旧時においては、演出表示装置9において、まず、復旧画面が表示される。
その後、次に説明するような通常画面復旧条件が成立したときに、演出表示装置9において、復旧画面から通常の演出画面としての通常画面に復帰させるための処理が前述のコマンド解析処理において実行される。通常画面に復帰させるための処理がされたときは、電源復旧フラグをオフ状態にする処理がされ、保留表示復帰フラグをオン状態にする処理がされる。これにより、電源復旧後においては、演出表示装置9において、通常画面に復帰させるときに、保留記憶が復帰される。
通常画面復旧条件と、通常画面復旧条件成立時に実行する処理との関係は、次のとおりである。復旧時状態指定コマンドの内容が、第1特別図柄の変動表示中または第2特別図柄の変動表示中であるときについては、遊技状態指定コマンド、第1図柄確定指定コマンド、第2図柄確定指定コマンドの全てを受信したという通常画面復旧条件を満たした場合に、演出制御プロセスフラグの値を「0」に設定する処理がされる。
復旧時状態指定コマンドの内容が、第1特別図柄の大当り中または第2特別図柄の大当り中であるときについては、大入賞口開放中指定コマンド又は大入賞口開放後指定コマンドを受信したという通常画面復旧条件を満たした場合に、演出制御プロセスフラグの値を「6」に設定するとともに、受信コマンドに応じて大当り遊技状態の演出(開放時と閉鎖時とで演出が変化する)を途中(大入賞口開放時又は閉鎖時)から再開する演出制御パターンを設定する処理がされる。
復旧時状態指定コマンドの内容が、第1特別図柄の大当り中または第2特別図柄の大当り中であるときについては、大当り終了指定コマンドを受信したという通常画面復旧条件を満たした場合は、演出制御プロセスフラグの値を「7」に設定する処理がされる。復旧時状態指定コマンドの内容が、その他であるときには、変動開始時コマンドを受信したという通常画面復旧条件を満たした場合は、演出制御プロセスフラグの値を「1」に設定する処理がされる。復旧時状態指定コマンドの内容が、その他であるときには、客待ちデモ指定コマンドを受信したという通常画面復旧条件を満たした場合は、演出制御プロセスフラグの値を「0」に設定する処理がされる。
以上に説明したように、復旧時状態指定コマンドの内容に応じて、通常画面復旧条件と通常画面復旧条件成立時に実行する処理との関係に基づいた設定をすることにより、復旧画面から通常の演出画面への復帰がスムーズに行なわれる。
次に復旧画面から通常の演出画面に復帰するタイミングについて説明する。第1特別図柄の実行中に電源遮断があり、電源復旧されたときには、演出制御用CPU101が、電源復旧時において電源復旧時コマンド(第1図柄確定指定コマンドを含まない)を受信して復旧画面の表示を開始する。その後に、第1特別図柄が終了すると(第1図柄確定指定コマンドを受信すると)演出表示装置9の演出画面が、復旧画面から通常の演出画面に復帰する(大当り遊技状態の演出、可変表示中演出、デモ画面表示等が行なわれる。)。
また、第2特別図柄の実行中に電源遮断があり、電源復旧されたときには、演出制御用CPU101が、電源復旧時において電源復旧時コマンド(第2図柄確定指定コマンドを含まない)を受信して復旧画面の表示を開始する。その後に、第2特別図柄が終了すると(第2図柄確定指定コマンドを受信すると)演出表示装置9の演出画面が、復旧画面から通常の演出画面に復帰する(大当り遊技状態の演出、可変表示中演出、デモ画面表示等が行なわれる。)。
また、大当り遊技状態(ラウンド中の期間)中に電源遮断があり、電源復旧されたときには、演出制御用CPU101は、電源復旧時において電源復旧時コマンドを受信して復旧画面の表示を開始する。その後、大当り遊技状態中の次の処理(大入賞口開放、大入賞口閉鎖、大当り終了の開始のいずれか)が実行されてコマンド(大入賞口開放中指定コマンド、大入賞口閉鎖後指定コマンド、大当り終了指定コマンドのいずれか)が送信されてきたときに、復旧画面から通常の演出画面への復帰がなされる(当該処理に対応する演出画面の表示が開始される)。
また、大当り遊技状態(ラウンド後の期間)中に電源遮断があり、電源復旧されたときには、演出制御用CPU101は、電源復旧時において電源復旧時コマンドを受信して復旧画面の表示を開始する。その後、客待ちデモ指定コマンド又は第1(第2)図柄変動指定時コマンドが送信されてきたときに、復旧画面から通常の演出画面への復帰がなされる(デモ表示又は特別図柄の変動表示の実行に対応した演出等が行なわれる。)。
また、デモ表示中に電源遮断があり、電源復旧されたときには、演出制御用CPU101は、電源復旧時において電源復旧時コマンドを受信して復旧画面の表示を開始する。客待ちデモ指定コマンド(電源復旧時コマンドとして送信されるかその後に送信される)又は第1(第2)図柄変動指定時コマンドが送信されてきたときに、復旧画面から通常の演出画面への復帰がなされる(デモ表示又は特別図柄の変動表示の実行に対応した演出等が行なわれる。)。
この実施の形態では、図柄確定指定コマンドという通常時に使用されるコマンドを用いながら、電源供給が再開された後の遊技機の状態(第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのどちらが実行されているか)を分かりやすくすることができる。
また、前述した画面復旧条件を満たしたときに演出表示装置9の画面を復旧画面から通常の演出画面に復帰させるので、うまく通常の演出画面を表示できない期間に復旧画面の表示を終了させることを防止でき、通常の演出画面への復帰タイミングを最適化できる。
次に、保留記憶の表示について、停電等の電力供給停止による電源遮断状態が生じた後の電力供給再開による電源復旧後において保留表示を復帰(復旧)させる演出例を説明する。演出例としては、第1例〜第3例を説明する。図21は、電源復旧後における保留表示を復旧させる演出の表示例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図21においては、(A)に第1例、(B)に第2例、(C)に第3例が示される。
図21(A)に示す第1例では、電源復旧後に演出表示装置9において前述の復旧画面から通常画面に復帰した後、特定の表示条件(第1保留記憶数および第2保留記憶数が「0」になったという条件)が成立するまでは保留表示をしない「保留表示なし状態」とし、その特定の表示条件の成立に応じて、「通常の保留表示状態(以下、通常保留表示状態と称する)」とする制御が行なわれる。したがって、通常の保留表示状態は、第1保留記憶数および第2保留記憶数が「0」となった段階から開始される。
図21(B)に示す第2例では、電源復旧後に演出表示装置9において前述の復旧画面から通常画面に復帰したときに、電源復旧時に送信される所定のコマンドに基づいて、通常保留表示状態で、電源復旧時に把握可能な保留記憶数を表示する制御が行なわれる。
図21(C)に示す第3例では、電源復旧後に演出表示装置9において前述の復旧画面から通常画面に復帰したときに、電源復旧時に送信される特定のコマンドに基づいて、通常保留表示状態とは異なる仮保留表示状態で、電源復旧時に把握可能な保留記憶数を表示し、電源復旧時に把握可能な保留記憶数が消化された後(変動表示の実行により保留記憶がなくなった後)に、通常保留表示状態で保留記憶を表示する制御が行なわれる。具体的に、仮保留表示状態としては、通常保留表示状態と異なり、第1始動入賞保留表示エリア9HLおよび第2始動入賞保留表示エリア9HRのいずれでも保留表示がされず、第1始動入賞記憶数値エリアHA1および第2始動入賞記憶数値エリアHA2の両方において保留表示がされる。これにより第1保留記憶数および第2保留記憶数を個別に把握可能となるとともに、保留記憶数の合計数が把握可能となる。さらに、仮保留表示状態においては、通常保留表示状態とは異なるグレイ表示態様(通常保留表示状態では、たとえば、黒色等の灰色以外の色で表示されるが、仮表示態様状態では、通常保留表示状態でないことを特定するために、灰色が表示させる)で保留表示がされる。したがって、通常の保留表示状態は、第1保留記憶数および第2保留記憶数が「0」となった段階から開始される。
つまり、図21(C)に示す仮保留表示状態は、第1始動入賞保留表示エリア9HLおよび第2始動入賞保留表示エリア9HRで保留表示をせずに、電源復旧時に把握可能な第1保留記憶を第1始動入賞記憶数値エリアHA1において第1保留記憶をディジタル数値で保留表示をするとともに、電源復旧時に把握可能な第2保留記憶を第2始動入賞記憶数値エリアHA2において第1保留記憶をディジタル数値で保留記表示をする表示状態である。
なお、仮保留表示状態としては、演出表示装置9における所定の表示領域において、電源復旧時に把握可能な第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計保留記憶数をディジタル数値で表示する表示状態を用いてもよい。
次に、第1例〜第3例のそれぞれについて、電源復旧後における保留表示の表示態様(表示なしを含む)の種類と、各表示態様を選択する条件との関係を説明し、どのような態様で保留表示が復帰されるかを説明する。
図22は、電源復旧後における保留表示の復旧パターンを時間経過にしたがって示すタイミングチャートである。図22においては、(A)に第1例、(B)に第2例、(C)に第3例が示されている。
第1例では、電源復旧後に客待ちデモ指定コマンドを未受信であるときは、図21(A)に示すような保留表示なしの表示態様を選択(保留表示をしないことを選択)し、電源復旧後に最初の客待ちデモ指定コマンドを受信したときに、図21(A)に示すような通常保留表示状態の表示態様を選択し、このように選択した表示態様に基づいて、保留表示を実行する。
ここで、図12のS707における保留記憶表示制御処理において、保留表示を復帰されるための保留復帰処理を行なうことができる。なお、保留復帰処理は、演出制御プロセス処理において実行されるようにしてもよい。電源復旧後に保留表示復帰フラグがセットされるので、保留復帰処理により、このような保留表示の表示態様の選択がされるとともに、選択に応じて、保留表示をしない処理と、通常保留表示状態の表示態様で保留表示を開始させる処理とがされる。通常保留表示状態の表示態様で保留表示が開始されたときに、保留表示復帰フラグがリセットされることにより、通常保留表示の開始後は、保留復帰処理が実行されず、その後は、通常保留表示の表示態様で保留表示が実行される。
このような電源復旧後における保留態様の選択および表示をする処理により、第1例では、演出表示装置9での表示画面が、電源復旧後に復旧画面から通常画面に復旧した状態において、バックアップ記憶された保留表示記憶数が消化される等、電源復旧後に最初に第1保留記憶および第2保留表示記憶の合計保留記憶数が「0」になり最初の客待ちデモ指定コマンドを受信するまでは保留表示をしない状態となる。そして、最初の客待ちデモ指定コマンドを受信したことに応じて、通常保留表示の表示態様で保留表示が開始されることにより、保留表示を復帰させる制御が行なわれる。これにより、第1例では、図22(A)に示すように、通常画面が復旧した後、最初の客待ちデモ指定コマンドを受信したことにより、電源復旧後に最初に合計保留記憶数が「0」になったという所定条件が成立するまで保留表示をせず、当該所定条件が成立したことに応じて、保留表示なしから通常保留表示状態に復帰する制御が行なわれる。
このように、第1例では、電源遮断後の電源復旧後において、バックアップ記憶されていた合計保留記憶数が「0」でないときは保留表示が実行されず、電源復旧後に最初に合計保留記憶数が「0」になったときに通常保留表示状態での保留表示が開始されるので、電力供給の復旧後において保留記憶数を誤認する表示がされるおそれを低減できる。
なお、第1例では、電源復旧後に最初に合計保留記憶数が「0」になったことを特定可能なコマンドとして、客待ちデモ指定コマンドを用いたが、これに限らず、電源復旧後に最初に保留記憶数が「0」になったことを特定可能なコマンドであれば、たとえば、たとえば、保留記憶数指定コマンド(第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に通知するものでもよく、これらの合計保留記憶数を通知するものでもよい。)等、その他のどのようなコマンドを用いてもよい(他の制御コマンドと兼用するコマンドであってもよく、電源復旧後に最初に合計保留記憶数が「0」になったことを特定する専用のコマンドでもよい)。
また、第1例では、電源復旧後に最初に合計保留記憶数が「0」になったという所定条件が成立するまで保留表示をしない制御をするが、この保留表示をしない期間としては、たとえば、電源復旧時には合計保留記憶数を特定可能なコマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されず、実際の保留記憶数が「0」になっても、保留記憶数が「0」になったことを特定可能な特定のコマンドを演出制御用CPU101が受信するまでの期間でもよい。また、この保留表示をしない期間は、たとえば、電源復旧時には合計保留記憶数を特定可能なコマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されることにより、演出制御用CPU101で合計保留記憶数を把握した後、演出制御用CPU101で電源復旧後の可変表示が実行されるごとに当該合計保留記憶数減算して合計保留記憶数が「0」になったか否かを判定し、当該判定により合計保留記憶数が「0」になったときまでの期間でもよい。
また、第1例においては、通常画面に復帰した後、特定の表示条件(第1保留記憶数および第2保留記憶数が「0」になったという条件)が成立するまでは保留表示をしない「保留表示なし状態」表示領域の部分について、その他の表示領域とは表示色を異ならせる等、表示態様を他の表示領域の表示態様と異ならせてもよい。このようにすれば、「保留表示なし状態」表示領域の部分が、保留表示がされていないだけなのか、保留記憶数が「0」なのかを識別できるようにすることができる。
また、第1例においては、電源復旧時に送信される第1保留記憶数指定コマンドおよび第2保留記憶数指定コマンド等により特定される電源復旧時における保留記憶数を演出制御用CPU101の側で把握し、その保留記憶数のすべてがその後の可変表示により消化されたか否かを計数し、電源復旧時における保留記憶のすべてが消化されるまでは、通常保留表示を開始させず、電源復旧時における保留記憶のすべてが消化されたとき(保留記憶数が「0」になったとき以降に、通常保留表示を開始させるようにしてもよい。
第2例では、電源復旧時に、電源復旧時コマンドとして、第1保留記憶数指定コマンド、第2保留記憶数指定コマンド、および、遊技状態指定コマンドのうちいずれかを未受信であるときは、保留表示なしを選択し、これらすべてのコマンドを受信したとき、すなわち、復旧画面から通常画面に復旧したときに、通常保留表示状態の表示態様を選択し、このように選択した表示態様に基づいて、保留表示を実行する。
電源復旧後に保留表示復帰フラグがセットされるので、保留復帰処理により、このような保留表示の表示態様の選択がされるとともに、選択に応じて、保留表示を表示しない処理と、通常保留表示状態の表示態様で保留表示を開始する処理とがされる。通常保留表示状態の選択条件は、通常画面の表示条件と共通するので、第2例では、図22(B)に示すように、通常画面に復旧したときに、直ちに通常保留表示状態に復帰する制御が行なわれる。通常保留表示状態の表示態様で保留表示が開始されたときに、保留表示復帰フラグがリセットされることにより、通常保留表示の開始後は、保留復帰処理が実行されず、その後は、通常保留表示の表示態様で保留表示が実行される。
このような電源復旧後における保留態様の選択および表示をする処理により、第2例では、図22(B)に示すように、演出表示装置9での表示画面が、電源復旧後に復旧画面から通常画面に復旧した状態において、直ちに通常保留表示の表示態様で保留表示が開始されることにより、保留表示を復帰させる制御が行なわれる。
このように、第2例では、電源遮断後の電源復旧後において、バックアップ記憶されていた保留記憶数を特定可能なコマンドを受信したことに基づいて、直ちに、正確な保留記憶数を用いて通常保留表示状態での保留表示が開始されるので、電力供給の復旧後において保留記憶数を誤認する表示がされるおそれを低減できる。
また、第2例では、第1保留記憶数指定コマンド、第2保留記憶数指定コマンド、および、遊技状態指定コマンドというような、通常時の制御で使用する既存のコマンドを用いて通常保留表示状態での保留表示が開始されるので、電源復旧後の保留表示を復帰させるためにコマンド数を増加させる必要がないようにすることができる。
なお、第2例では、電源復旧後の保留表示を復帰させるために用いるコマンドとして、遊技状態を特定可能なコマンドとして、遊技状態指定コマンドを用いる例を示したが、遊技状態に応じて背景画像(図柄の背景を形成する画像)を変化させる演出をする場合に、遊技状態を特定可能な背景指定コマンドを使用する遊技機においては、遊技状態指定コマンドの代わりに、背景指定コマンドを用いるようにしてもよい。
なお、第2例では、電源復旧後の保留表示を復帰させるために用いるコマンドとして、第1保留記憶数指定コマンド、第2保留記憶数指定コマンド、および、遊技状態指定コマンドを用いる例を示した。これらのコマンドは、第2例で電源復旧後の保留表示を復帰させるために最低限必要なコマンドであり、電源復旧後の保留表示を復帰させるためには、これらの少なくともこれらのコマンドが用いられればよく、その他のコマンドを加えたコマンドを送信するようにしてよい。
第3例では、電源復旧時に、電源復旧時コマンドとして、第1保留記憶数指定コマンド、および、第2保留記憶数指定コマンドのいずれかを受信していないときは、保留表示なしを選択し、これらコマンドの両方を受信したとき、すなわち、復旧画面から通常画面に復旧したときに、仮保留表示の表示態様を選択し、このように選択した表示態様に基づいて、保留表示を実行する。その後、第1保留記憶数指定コマンドおよび第2保留記憶数指定コマンドにより特定される電源復旧時における保留記憶のすべてが変動表示により消化されたか否かを計数し、電源復旧時における保留記憶のすべてが消化されたときに、通常保留表示状態の表示態様を選択し、このように選択した表示態様に基づいて、保留表示を実行する。
電源復旧後に保留表示復帰フラグがセットされるので、保留復帰処理により、このような保留表示の表示態様の選択がされるとともに、選択に応じて仮保留表示状態の表示結果態様で保留表示を開始する処理、および、通常保留表示状態の表示態様で保留表示を開始する処理がされる。仮保留表示状態の選択条件は、通常画面の表示条件と共通するので、第3例では、図22(C)に示すように、通常画面が復旧したときに、直ちに仮保留表示状態が開始され、その後、電源復旧時における保留記憶のすべてが消化されたときに、通常保留表示状態に復帰する制御が行なわれる。通常保留表示状態の表示態様で保留表示が開始されたときに、保留表示復帰フラグがリセットされることにより、通常保留表示の開始後は、保留復帰処理が実行されず、その後は、通常保留表示の表示態様で保留表示が実行される。
このような電源復旧後における保留態様の選択および表示をする処理により、第3例では、図22(C)に示すように、演出表示装置9での表示画面が、電源復旧後に復旧画面から通常画面に復旧した状態において、直ちに仮保留表示の表示態様で保留表示が開始され、その後、電源復旧時における保留記憶のすべてが消化されたときに、通常保留表示状態の表示態様で保留表示が開始されることにより、保留表示を復帰させる制御が行なわれる。
このように、第3例では、電源遮断後の電源復旧後において、バックアップ記憶されていた保留記憶数を特定可能なコマンドを受信したことに基づいて、直ちに、正確な保留記憶数を用いて、通常保留表示状態とは異なる仮保留表示状態での保留表示が開始されるので、電力供給の復旧後において保留記憶数を誤認する表示がされるおそれを低減できる。
なお、第3例では、電源復旧後の保留表示を復帰させるために用いるコマンドとして、第1保留記憶数指定コマンドおよび第2保留記憶数指定コマンドを用いる例を示したが、これに限らず、第1保留記憶数および第2保留表示記憶数の合計数を特定可能なコマンドを送信し、当該コマンドの受信に応じて、仮保留表示状態として、第1保留記憶数および第2保留表示記憶数の合計数をディジタル数値により表示してもよい。
また、第1例および第3例では、電源復旧後にバックアップ記憶されていた保留記憶数(合計保留記憶数)の多少にかかわらず、電源復旧後に8回の可変表示(特図1および特図2を合計して最大の合計保留表示数に対応する可変表示回数)が終了するまでは、通常保留表示状態に復帰させないようにしてもよい。また、第1例〜第3例では、電源復旧後に8回の可変表示が終了するまでは、先読み予告演出の実行を制限する(実行を禁止する等)ようにしてもよい。このような制限をするのは、電源復旧後に8回の可変表示が実行されるまでには、大当りとなる保留表示が含まれている場合もあり、電源復旧後に先読み予告をしても、先読み予告の対象となる保留表示の可変表示が実行される前に大当りが発生してしまうおそれもあるからである。
また、保留記憶を各々が特定可能な表示態様による保留表示で行なわせるアナログ的表示、および、変動表示についての保留記憶を数による保留表示で行なわせるディジタル数値表示による保留表示は、たとえば、特定のスーパーリーチの演出中、特定の役物(可動物)を用いた演出中、および、大当り遊技状態の演出中のような特定演出の実行中においては、いずれも実行させないように表示を制限する制御が行なわれる。
具体的に、特定のスーパーリーチの演出および特定の役物の演出のように、たとえば、変動表示中に行なわれる特定演出の実行時に保留表示を制限する制御は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始設定処理または演出図柄変動中処理において、変動表示で実行する演出が、特定演出であるか否かを判定し、特定演出であるときに、当該特定演出の実行時に保留表示を禁止する処理を行なう。また、大当り遊技状態の演出のような大当り遊技状態中に行なわれる特定演出の実行時に保留表示を制限する制御は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理またはラウンド中処理において、保留表示を禁止する処理を行なう。
このような保留表示を制限する制御を行なう対象となる特定演出は、たとえば、演出表示装置9の表示領域の大部分を使用して行なう演出が該当する。また、特定のスーパーリーチの演出および特定の役物の演出のような変動表示中の演出は、今回の変動表示が大当りとなる期待度が高い演出として実行される演出である。このように、今回の変動表示が大当りとなる期待度が高い演出は、保留表示よりも遊技者による注目度が高い演出であり、保留表示に注目させる必要性が低い演出であるので、特定のスーパーリーチの演出および特定の役物の演出を対象として、保留表示を制限する制御を行なうようにしてもよい。また、大当り遊技状態中に行なわれる演出は、遊技者の満足度が高い大当り中であり、保留表示に注目させる必要性が低い演出であるので、遊技者の満足度が高い演出であれば、大当り遊技状態中に行なわれる演出以外の演出を対象として、保留表示を制限する制御を行なうようにしてもよい。
このように、特定演出の実行時に保留表示を制限する制御をすれば、遊技状態に応じて、保留表示以外の特定の演出に注目を集めることができる。さらに、保留表示が制限されることにより、保留記憶数が誤認されるおそれを低減できる。
なお、特定演出の実行時に保留表示を制限する制御として、各々が特定可能な表示態様によるアナログ的な保留表示をしている方の保留表示の表示態様を、ディジタル的な保留表示に変更することにより、第1保留表示と第2保留表示との両方でディジタル的な保留表示をしてもよい。このようにすれば、保留表示が制限されることにより、保留記憶数が誤認されるおそれを低減できる。
また、第1保留表示と第2保留表示との一方のみアナログ的な保留表示をする表示態様としては、第1保留表示と第2保留表示との両方でディジタル的な保留表示をし、かつ、遊技状態に応じて、第1保留表示と第2保留表示との一方のみアナログ的な保留表示をする表示態様を用いるようにしてもよい。
また、前述したように、パチンコ遊技機1においては、通常遊技状態では左打ちをし、時短状態では右打ちをする打分け構造としており、遊技状態に応じて左打ちと右打ちとの打分けをすることにより、遊技状態に応じて第1保留記憶と第2保留記憶とで保留記憶の発生のしやすさが異なるので、遊技状態に応じて第1保留表示と第2保留表示との表示されやすさが異なり、遊技状態に応じて重要性の異なる表示による演出の制限を減らすことができる。
なお、パチンコ遊技機1における遊技領域7において、遊技状態に応じて左打ちと右打ちとの打分けをする構造として、前述した構造以外の構造として、遊技領域7の右側方部分(右側の流下経路)に、ゲート32、および、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口を設け、遊技領域7の左側の流下経路に沿って(遊技領域7の中央部分に)、第1始動入賞口、および、特別可変入賞球装置20が形成する大入賞口を設けてもよい。
また、保留表示をする構成としては、遊技状態に応じて左打ちと右打ちとの打分けをしない構造であって、通常遊技状態において、高開放制御をしないことにより第2始動入賞口よりも第1始動入賞口に入賞しやすく、時短状態において、高開放制御をすることにより第1始動入賞口よりも第2始動入賞口に入賞しやすくなる構成を用いてもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図14〜図16に示すように、変化演出と付加演出とでは、演出の開始から共通態様の演出が実行される。共通態様部分では、スピーカ27から変化演出または付加演出の実行を示す効果音が出力される。また、共通態様部分では、変化演出または付加演出が実行されることを示唆する画像として煙画像(スモーク画像)で表示される特定画像61が表示される。このように、変化演出と付加演出とでは、共通態様部分で実行される演出が同じである。よって、共通態様部分では、その後に変化演出が実行されるか付加演出が実行されるかが分からない。したがって、遊技者に変化演出と付加演出とのうちいずれの演出が実行されるかについて注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
(2) 図14〜図16に示すように、変化演出および付加演出では、共通態様部分の演出として同一の態様の効果音が出力される。よって、変化演出と付加演出とのうち、いずれかの演出の実行が開始されたことを効果音の出力により遊技者に報知することができ、変化演出と付加演出とのうち、いずれの演出が実行されるのかについてより注目させることができる。
(3) 図14〜図16に示すように、変化演出および付加演出では、共通態様部分の演出として同一の態様の特定画像61が表示される。よって、変化演出と付加演出とのうち、いずれかの演出の実行が開始されたことを特定画像61の表示により遊技者に報知することができ、変化演出と付加演出とのうち、いずれの演出が実行されるのかについてより注目させることができる。
(4) 図14〜図17に示すように、共通態様部分の演出と演出態様が共通し、アクティブ表示AHの表示態様を変化させず、アクティブ表示AHに対して予告画像65も付加しない示唆演出を実行する場合がある。示唆演出が実行される場合があることで、変化演出と付加演出とのうち、いずれかの演出が実行されるか、あるいはいずれの演出も実行されないかについて注目させることができ、より遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 図14,図19に示すように、変化演出の実行後には、アクティブ表示AHの表示態様が変化したことを示す昇格文字の表示が行なわれる。しかし、付加演出の実行後には、昇格文字の表示は行なわれない。このように、昇格文字による演出が付加演出で実行されないのは、付加演出では、既に予告画像65が表示されているので、そこに昇格文字の表示を行なうと演出が分かりづらくなってしまうためである。また、変化演出では、アクティブ表示AHの表示態様が変化するものの、遊技経験の少ない遊技者にとっては、アクティブ表示AHにおける色の変化が何を示すのか分からないことも考えられる。よって、変化演出の実行後に昇格文字の表示を行なうことで、たとえば通常態様から青色の表示態様へ変化したり、青色から赤色の表示態様へ変化する場合など、アクティブ表示AHの表示態様が大当り期待度の高い態様に変化したことについて遊技者に明確に報知することができる。
(6) 図21(A),図22(A)に示す第1例では、電源遮断後の電源復旧後において、バックアップ記憶されていた合計保留記憶数が「0」でないときは保留表示が実行されず、電源復旧後に最初に合計保留記憶数が「0」になったときに通常保留表示状態での保留表示が開始されるので、電力供給の復旧後において保留記憶数を誤認する表示がされるおそれを低減できる。
(7) 図21(B),図22(B)に示す第2例では、電源遮断後の電源復旧後において、バックアップ記憶されていた保留記憶数を特定可能なコマンドを受信したことに基づいて、直ちに、正確な保留記憶数を用いて通常保留表示状態での保留表示が開始されるので、電力供給の復旧後において保留記憶数を誤認する表示がされるおそれを低減できる。
(8) 図21(C),図22(C)に示す第3例では、電源遮断後の電源復旧後において、バックアップ記憶されていた保留記憶数を特定可能なコマンドを受信したことに基づいて、直ちに、正確な保留記憶数を用いて、通常保留表示状態とは異なる仮保留表示状態での保留表示が開始されるので、電力供給の復旧後において保留記憶数を誤認する表示がされるおそれを低減できる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、変化演出、付加演出および示唆演出で実行される共通態様の演出は、同一の効果音と特定画像とが実行される演出であった。しかし、共通態様の演出では、効果音と特定画像とのうち少なくともいずれか一方が類似の演出であってもよい。また、効果音が出力された後に特定画像が表示されていたが、特定画像が表示された後に効果音が出力されてもよいし、同時に実行されてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、キャラクタA63が登場したときは必ず変化演出が実行され、キャラクタB64が登場したときは必ず付加演出が実行されていた。しかし、各キャラクタが登場しても変化演出や付加演出が実行されないガセ演出を設けてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、変化演出が実行される場合と付加演出が実行される場合とで、大当りの期待度が異なるようにしてもよい。たとえば、付加演出が実行される場合の方が、変化演出が実行される場合よりも大当り期待度が高くなるように乱数値が設定されるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、変化演出と付加演出とは同じアクティブ表示や保留表示に対して実行されることはなかったが、両方の演出が同じアクティブ表示や保留表示に対して実行される特殊演出を実行するようにしてもよい。このような特殊演出は、大当りの期待度が高い変動表示に対して実行されることが好ましい。たとえば、変化演出によりアクティブ表示や保留表示の色が変化した後に、付加演出により予告画像が付加される演出を実行してもよい。また、付加演出を実行した後に変化演出を実行してもよい。また、このような場合には、先に変化演出が実行されるか付加演出が実行されるかにより、大当りとなる期待度が異なるようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、変動表示において実行する演出として、擬似連の演出を実行するようにしてもよい。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。擬似連演出では、擬似連の変動が実行される毎に演出図柄や擬似連専用図柄が仮停止される演出が繰返される。また、変動表示において実行する演出としては、滑り演出を実行するようにしてもよい。滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(6) 前述した実施の形態では、擬似連演出が実行されるときに、擬似連の変動毎に変化演出や付加演出が実行されるようにしてもよい。このようにすれば、擬似連の変動毎にアクティブ表示AHを期待度の高いものへ変化させることができる。なお、擬似連の変動に対して、擬似連の変動が実行されても変化演出も付加演出も実行されない示唆演出を実行してもよい。
(7) 前述した実施の形態では、変化演出が実行された後に変化演出が実行されたことを示す昇格文字表示が行なわれていた。しかしながら、変化演出の実行前に昇格文字表示が行なわれるようにしてもよい。また、このような文字表示に種類を設け、文字表示の種類により大当り期待度が異なるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、共通態様の演出としてスピーカ27からの効果音の出力が共通であった。しかし、このような効果音でなくパチンコ遊技機1に設けられた枠LED28等の光の点滅や表示態様を共通にしてもよい。
(9) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(10) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(12) 前述の実施形態では、大当り種別として、15ラウンドの通常大当りと15ラウンドの確変大当りとを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、5ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
(13) また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、前述した実施の形態に示した各種演出は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。具体的には、スロットマシンにおいて設けられた演出表示装置等の表示装置において、前述した各種の演出を実行するようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(16) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。
(17) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(18) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ遊技機、9 演出表示装置、9HL 第1始動入賞保留表示エリア、9HR 第2始動入賞保留表示エリア、AH アクティブ表示、AHA アクティブ表示エリア、27 スピーカ、61 特定画像、63 キャラクタA、64 キャラクタB、65 予告画像、100 演出制御用マイクロコンピュータ。

Claims (1)

  1. 変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
    変動表示についての特定表示を表示可能な特定表示手段と、
    前記特定表示の表示態様を変化させる変化演出を実行可能な変化演出実行手段と、
    前記特定表示に対して予告画像を付加する付加演出を実行可能な付加演出実行手段とを備え、
    前記変化演出および前記付加演出では、演出の開始から少なくとも一部の演出態様が共通する、遊技機。
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