以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、変動表示を行なう遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て演出表示装置よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て演出表示装置9よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の左側領域に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の右側領域に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。
なお、第1経路と第2経路とは、完全に別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。第1経路は、遊技領域7の左側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域7の右側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
演出表示装置9の表示領域における所定縁部の近傍(ここでは、右側近傍)には、可動演出部材60が設けられている。可動演出部材60は、図3に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、演出表示装置9側に下端部を支点として図1の左側に向かって傾動し、上端部が演出表示装置9における表示領域の前面に進出する演出用模型を構成する。すなわち、可動演出部材60は、図3に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、上下方向に延在する非傾動状態と、上記した傾動状態とに、変化可能である。
遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、0〜9の数字等および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域(図柄表示エリアともいう)が形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、傾動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像(以下、単に「背景」ともいう)の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様で大当り表示結果以外のはずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。第1始動口スイッチ13aによって検出されたときが、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したとき、あるいは第1始動入賞口13を遊技球が通過したときに相当する。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、第2始動入賞口14上部に電動により開閉動作が可能な左右一対の可動翼片(所謂電動チューリップ)が設けられ、可動翼片が閉鎖状態のときに、遊技球の進入が不可能な遊技者にとって不利な状態となり、可動翼片が開放状態のときに、遊技球の進入が可能な遊技者にとって有利な状態に制御される。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
演出表示装置9の左側方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
演出表示装置9の右側方には、遊技球が通過したことに基づいて普通図柄表示器10での普通図柄を変動表示の実行が可能となるゲート32が設けられている。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
普通図柄表示器10の変動表示の変動表示結果に基づいて、可変入賞球装置15が開放状態となると、遊技球が第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞可能な状態となる。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報(保留記憶情報または保留情報と呼ぶ)を示す(特定する)場合にも用いられる。このように、保留表示は、未だ開始されていない変動表示について、保留表示として表示するものである。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第1始動入賞口13は、遊技領域7に設けられた遊技釘の配設態様により、演出表示装置9の左側にある第1経路からの遊技球が入賞可能とされているが、演出表示装置9の右側にある第2経路からの遊技球の入賞が不可能とされている。したがって、遊技者が左打ちをしたときにのみ、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が可能である。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第2始動入賞口14は、遊技領域7に設けられた遊技釘の配設態様により、演出表示装置9の左側にある第1経路と、その右側にある第2経路との両方からの遊技球の入賞が可能である。しかし、第2始動入賞口14が開放する条件となる普通図柄の変動表示を実行させる条件として用いられるゲート32が、演出表示装置9の右側にある第2経路に設けられているため、第2始動入賞口14への入賞を狙うときには、遊技球を右打ちしてゲート32への通過を狙う必要がある。したがって、第2始動入賞口14への遊技球の進入は、主に右打ち時における第2経路からなされることとなる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示をする。第1特別図柄の変動表示と、演出図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄の変動表示と、演出図柄の変動表示とは同期している。第1特別図柄表示器8a、または、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させる演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図示省略、図16の保留表示エリア18c)。保留表示エリアでは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別した形式で保留記憶情報が表示される。たとえば、演出表示装置9において、第1保留記憶数は左側の保留表示エリアに表示され、第2保留記憶数は右側の保留表示エリアに表示される。第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別して表示することにより、第1保留記憶情報と第2保留記憶情報とを容易に区別可能となる。
保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、アクティブ画像またはアクティブ表示と呼ぶ)を表示するアクティブ表示エリアが保留表示エリアの中央部に形成される(図示省略、図16の変動表示のアクティブ表示エリアAHA)。アクティブ表示エリアにおいては、保留表示エリアにおいて表示されていた保留画像が、たとえば、アクティブ表示エリアに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ画像が表示される。なお、アクティブ表示エリアは、演出表示装置9における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
なお、保留表示エリアは、第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別せずに合算した表示態様で保留記憶情報が表示されるようにしてもよい。このような合算保留記憶表示により、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、遊技者にとって有利な開放状態(遊技球が入賞可能なことにより有利)と、遊技者にとって不利な閉鎖状態(遊技球が入賞不可能なことにより有利)とに開閉可能な装置である。第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
なお、特別可変入賞球装置20が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態は、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
確変大当りとしては、次のような第1確変大当りと第2確変大当りとが選択可能となるようにしてもよい。第1確変大当りは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が比較的多い回数(たとえば、15回)まで許容され、かつ、大入賞口の開放時間が比較的長い(たとえば、29秒間)ものである。第2確変大当りは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が比較的少ない回数(たとえば、2回)まで許容され、かつ、大入賞口の開放時間が極めて短い(たとえば、0.1秒間)ものである。第1確変大当りは、遊技者が視認容易な開放態様で大入賞口が開放する大当り遊技状態を経て確変状態に移行する。これに対し、第2確変大当りは、遊技者が視認しにくい開放態様で大入賞口が開放する大当り遊技状態を経て確変状態に移行する。このような第2確変大当りは、大入賞口の開放状態を遊技者にとって視認しにくくすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せる確変大当りであり、「突然確変大当り」と呼ばれ、略称として「突確」とも呼ばれる。
時短状態への移行により特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技に制御される可能性が高まる。大当りのうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語としては、「低確低ベース状態」および「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベース状態に制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
この実施の形態によるパチンコ遊技機1は、演出表示装置9の左側にある第1経路からしか第1始動入賞口13に遊技球が進入できない構成であるため、高ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させにくい低ベース状態において、遊技者は、左打ちをして第1始動入賞口13への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。この実施の形態によるパチンコ遊技機1は、演出表示装置9の右側にある第2経路にゲート32が設けられているため、低ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させやすい高ベース状態において遊技者は、右打ちをしてゲート32および第2始動入賞口14への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。
したがって、高ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させにくい低ベース状態においては、遊技者が左打ちをして第1始動入賞口13への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第1保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に第1保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。一方、低ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させやすい高ベース状態においては、遊技者が右打ちをして第2始動入賞口14への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第2保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に、第2保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。
なお、第1始動入賞口13には、第1経路と第2経路との両方から遊技球が進入可能としてもよい。また、第2始動入賞口14には、第2経路のみから遊技球が進入可能としてもよい。また、ゲート32は、演出表示装置9の左側にある第1経路に設けられてよく、演出表示装置9の左側にある第1経路と、演出表示装置9の右側にある第2経路との両方に設けられてもよい。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)で作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。さらに、演出制御基板80には、可動演出部材60(図1参照)を動作させる可動演出部材用モータ61を駆動するためのモータ駆動回路17に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ30秒〜60秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
パチンコ遊技機1では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (60秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が60秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブルとしての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(15秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第2保留記憶数を示す。
なお、第1保留記憶数を示すための第1保留記憶数指定コマンドと、第2保留記憶数を示すための第2保留記憶数指定コマンドとを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において保留記憶数を特定可能とするが、これに限らず、変動表示が実行されるごとに、第1保留記憶数または第2保留記憶数を減算するための保留記憶数減算指定コマンドを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において、保留記憶数が特定可能となるようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、入賞時演出処理(図10のS1215参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、第1(第2)保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理(たとえば、S1215,S1225の入賞時演出処理)の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、第1(第2)保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図10は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1214)。S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。
この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターンの決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1216)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1217)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。
S1216,S1217の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1216〜S1219の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1224)。S1224の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、S1215で説明したような入賞時演出処理を実行する(S1225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1226)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1227)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1228)とともに、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)。
S1226,S1227の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1226〜S1229の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図11は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、客待ちデモ表示の実行を指定する客待ちデモ指定コマンドを送信するための処理(図示省略)をした後、この処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S57)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納され、特定図柄通常処理において乱数バッファに読出されて格納された大当り判定用乱数について、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件とのいずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納され、特定図柄通常処理において乱数バッファに読出されて格納された大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「通常大当り」に決定されたときには「3」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図12は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合は、大当りとすることが決定されているときであり、CPU56は、S74で記憶された大当り種別情報と、非時短状態と時短状態とのうちどの状態にあるかを示す時短情報とに応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述した判定テーブルの選択条件に基づいて、図6に示す、通常状態はずれ時判定テーブル、時短状態はずれ時判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかを選択する。
ここで、時短情報は、時短状態であるか否かを示す情報である。時短情報は、大当り遊技状態の終了時においてセットされ、時短状態において、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(この実施の形態では100回)実行されたときに、リセットされる(次回の大当り遊技状態が発生するにも一旦リセットされる。)。時短情報は、時短フラグがセットされているときには、時短状態であることを示し、時短フラグがセットされていないときには、非時短状態であることが示される。
S91で大当りフラグがセットされているときは、S74で記憶された大当り種別データに基づいて、大当りが確変大当りであるか否かを確認する(S92)。確変大当りであるときは、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択し(S93)、S114に進む。一方、通常大当りであるときは、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択し(S94)、S114に進む。
また、S91で大当りフラグがセットされていないとき、すなわち、はずれのときは、時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。時短フラグがセットされていないときは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択し(S96)、S114に進む。一方、時短フラグがセットされているときは、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択し(S97)、S114に進む。
これにより、遊技状態に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述したような判定テーブルの選択条件に基づいて、図6に示される通常状態はずれ時判定テーブル、時短状態はずれ時判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかが選択される。
次いで、S114において、CPU56は、乱数バッファからランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S93,S94,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルのデータを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S114)。
次いで、CPU56は、乱数バッファからランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S93,S94,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおいて、変動パターン判定テーブル部におけるS114で決定した変動パターン種別に関するデータを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S115)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S116)。そして、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち特別図柄ポインタが示す方の特別図柄の変動を開始することを指定するコマンドとして、第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを送信する処理を行なう(S117)。
また、特別図柄の変動を開始する(S118)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始させる。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S119)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S120)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図13は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、変動表示を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR7のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内で巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。S707の保留記憶表示制御処理では、アクティブ表示エリアに表示するアクティブ表示(アクティブ表示)の表示制御も実行される。具体的には、以下のような処理において表示制御される。たとえば、S704の処理において、変動表示受信したときに所定の第1更新フラグをセットし、一方、変動表示を受信したときに所定の第2更新フラグをセットする。そして、第1更新フラグがセットされていれば、S707の処理において、保留表示エリアの第1保留表示を1つ消去し、残りの第1保留表示を1つずつアクティブ表示エリアの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新するとともに、変動表示第2更新フラグがセットされていれば、S707の処理において、保留表示エリアの第2保留表示を1つ消去し、残りの第2保留表示を1つずつアクティブ表示エリアの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新するとともに、変動表示その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図14は、図13に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下の処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様またはアクティブ表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出(図17等参照)が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報(保留記憶情報)を「ターゲットの保留情報(保留記憶情報)」と称する。また、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。また、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた保留表示を「ターゲットの保留表示」と称し、先読み演出の対象とした保留情報に基づいたアクティブ表示を「ターゲットのアクティブ表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
パチンコ遊技機1においては、保留表示される保留記憶情報の変動表示に関する情報を、当該保留記憶情報に基づく変動表示が実行される前に先読みし、所定条件が成立したときに、その先読み結果に基づいて、先読みした保留記憶情報をターゲットとして、所定のタイミングで特定演出としての先読み演出を実行する演出制御が演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される。
図15は、先読み演出の種類と、先読み演出内容と、先読み演出の開始時期との関係を示す先読み演出種類テーブルである。先読み演出種類テーブルは、ROM102に記憶されている。図15に示すように、パチンコ遊技機1では、チャンス目予告演出と、背景変化予告演出と、保留変化予告演出と、ゾーン予告演出との複数種類の先読み演出が実行可能である。
チャンス目予告演出は、ターゲットの変動表示以前の複数回の変動表示において、チャンス目と呼ばれる特定図柄の組合せ(たとえば、所定の奇数図柄の組合せ等)の表示結果を表示する先読み演出である。この実施の形態において、チャンス目予告演出は、大当りとなる期待度が異なるように設定された複数種類のチャンス目予告演出パターンのうち何れかの演出パターンが用いられる。なお、チャンス目予告演出は、固定的に設定された1種類のチャンス目予告演出パターンのみを用いるようにしてもよい。
大当りとなる期待度が異なるように設定された複数種類のチャンス目予告演出パターンは、たとえば、チャンス目が停止表示されたときの演出図柄の表示色が、青色となる第1チャンス目予告演出パターンと、当該表示色が緑色となる第2チャンス目予告演出パターンと、当該表示色が赤色となる第3チャンス目予告演出パターンとにより構成される。これら複数種類のチャンス目予告演出パターンは、チャンス目停止表示時の演出図柄の表示色に関して、大当りとなる期待度が、たとえば「青色<緑色<赤色」という大小関係となるように表示結果別に選択割合が設定されている。
このようなチャンス目予告演出パターンの選択は、ROM102に記憶されたチャンス目予告演出態様選択テーブルを用いて行なわれる。チャンス目予告演出態様選択テーブルでは、前述の乱数更新処理(S706)により更新されるチャンス目予告演出態様選択用の乱数SR6が、前述したような選択割合が実現可能となるように各チャンス目予告演出パターンに対応付けられている。チャンス目予告演出態様選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出された乱数SR6の値に対応するチャンス目予告演出パターンが選択される。
この実施の形態において、チャンス目は、奇数図柄の組合せというようなバリエーションの幅が広い図柄の組合せを用いるが、たとえば、左,中,右図柄が「1,2,3」となる図柄の組合せのみがチャンス目というようなバリエーションの幅が狭い図柄の組合せを用いてもよい。
背景変化予告演出は、ターゲットの変動表示以前の複数回の変動表示において、通常的に用いられる所定の背景画像(演出図柄の背景を構成する背景画像等)を、特別背景画像に変化させて表示する先読み演出である。この実施の形態において、背景変化予告演出は、大当りとなる期待度が異なるように設定された複数種類の背景変化予告演出パターンのうち何れかの演出パターンが用いられる。なお、背景変化予告演出は、固定的に設定された1種類の背景変化予告演出のみを用いるようにしてもよい。
大当りとなる期待度が異なるように設定された複数種類の背景変化予告演出パターンは、たとえば、特別背景画像が、第1特別背景画像となる第1背景変化予告演出パターンと、特別背景画像が第2特別背景画像となる第2背景変化予告演出パターンと、特別背景画像が第3特別背景画像となる第3背景変化予告演出パターンとにより構成される。これら複数種類の背景変化予告演出パターンは、特別背景画像に関して、大当りとなる期待度が、たとえば「第1特別背景画像<第2特別背景画像<第3特別背景画像」という大小関係となるように表示結果別に選択割合が設定されている。
このような背景変化予告演出パターンの選択は、ROM102に記憶された背景変化予告演出態様選択テーブルを用いて行なわれる。背景変化予告演出態様選択テーブルでは、前述の乱数更新処理(S706)により更新される背景変化予告演出態様選択用の乱数SR7が、前述したような選択割合が実現可能となるように各背景変化予告演出パターンに対応付けられている。背景変化予告演出態様選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出された乱数SR7の値に対応する背景変化予告演出パターンが選択される。
保留変化予告演出は、ターゲットの変動表示以前において、保留表示エリアで表示される保留画像の表示態様を所定回数(1回または複数回)変化させる表示をする先読み演出である。以下の説明では、先読み演出が実行される変動表示を先読み演出実行変動と呼ぶ場合がある。
保留変化演出においては、たとえば、次のような保留画像の表示態様変化が可能である。通常色(黄色)で出現表示された画像は、白色、青色、緑色、または、赤色の画像に変化可能である。白色で出現表示された画像は、青色、緑色、または、赤色の画像に変化可能である。青色で出現表示された画像は、緑色、または、赤色の画像に変化可能である。緑色で出現表示された画像は、赤色の画像に変化可能である。このように、保留変化演出においては、大当りとなる期待度が高くなる変化態様で、表示態様の変化演出が実行可能である。なお、保留変化演出においては、大当りとなる期待度が低くなる変化態様で表示態様の変化演出が実行される場合もあるようにしてもよい。
この実施の形態において、保留変化予告演出は、大当りとなる期待度が異なるように設定された複数種類の保留変化予告演出パターンのうち何れかの演出パターンが選択されて用いられる。
大当りとなる期待度が異なるように設定された複数種類の保留変化予告演出パターンとしては、たとえば、大当りとなる期待度が、最終的に表示される保留画像の表示色について「通常色(黄色)<白色<青色<緑色<赤色」という大小関係となるように複数種類の保留変化演出パターンが設定されている。さらに、複数種類の保留変化演出パターンのうちには、1回のみ保留変化が実行される演出パターンと、複数回で保留変化が実行される演出パターンとが含まれている。
これら複数種類の保留変化予告演出パターンは、最終的に表示される保留画像の表示色について「通常色(黄色)<白色<青色<緑色<赤色」という大小関係となるように表示結果別に選択割合が設定されている。
このような保留変化予告演出パターンの選択は、ROM102に記憶された保留変化予告演出態様選択テーブルを用いて行なわれる。保留変化予告演出態様選択テーブルでは、前述の乱数更新処理(S706)により更新される保留変化予告演出態様選択用の乱数R8が、前述したような選択割合が実現可能となるように各保留変化予告演出パターンに対応付けられている。保留変化予告演出態様選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出された乱数R8の値に対応する保留変化予告演出パターンが選択される。
ゾーン予告演出は、シャッタ画像を表示し、その後、通常的に用いられる所定の背景画像に特殊背景画像を組み合わせて表示する先読み演出である。ゾーン予告演出は、遊技球の第1始動口入賞時または変動表示中時に開始される。シャッタ画像は、ターゲットの変動表示以前の複数回の変動表示またはターゲットの変動表示において表示される画像である。シャッタ画像では、シャッタを模した画像とともに、シャッタの手前でゾーン専用または非ゾーン専用のキャラクタ等のキャラクタが種々の表情で映し出される画像が表示される。特殊背景画像は、画面の上下に帯状に表示される画像であり「CHANCE ZONE」の文字が連続して表示される画像である。
シャッタ画像がターゲットの変動表示以前の複数回の変動表示において表示される場合、ターゲットの変動表示が開始するときに、シャッタ画像の表示に代えて特殊背景画像が表示される。シャッタ画像がターゲットの保留記憶情報に対応する変動表示において表示される場合、リーチ成立時またはスーパーリーチ発展時にシャッタ画像が短時間例えば1秒間表示され、続いて特殊背景画像が表示される。
この実施形態において、ゾーン予告演出では、ゾーン予告演出パターンとして、特殊背景画像が表示されているときに、可動演出部材60が作動するパターンと作動しないパターンの演出パターンが用いられる。なお、この実施形態では、可動演出部材60の作動パターンは1パターンであるが、可動演出部材60の作動パターンが複数パターンであってもよい。また、ゾーン予告演出は、可動演出部材60が作動するパターンと作動しないパターンの演出パターンを備える可動演出部材60が作動するパターンのみを用いるようにしてもよいし、作動しないパターンのみを用いるようにしてもよい。
可動演出部材60が作動する演出パターンが実行される場合と実行されない場合とでは、大当りとなる期待度が異なるように設定されている。可動演出部材60が作動する演出パターンが実行される場合の大当りとなる期待度は、可動演出部材60が作動しない演出パターンが実行される場合の大当りとなる期待度よりも高くなるように選択割合が設定されている。
このようなゾーン予告演出パターン選択は、ROM102に記憶されたゾーン予告演出態様選択テーブルを用いて行なわれる。ゾーン予告演出態様選択テーブルでは、前述の乱数更新処理(S706)により更新されるゾーン予告演出態様選択用の乱数SR6が、前述したような選択割合が実現可能となるように各ゾーン予告演出パターンに対応付けられている。ゾーン予告演出態様選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出された乱数SR6の値に対応するゾーン予告演出パターンが選択される。
これら複数種類の先読み演出は、1回の変動表示に対応して、いずれか1種類の演出のみが実行される場合と、複数種類の演出が並行して実行される場合とがある。なお、先読み演出としては、前述した演出の他に、セリフ(台詞)予告演出、アクティブ表示変化演出等のその他の種類の予告演出を実行可能としてもよい。
セリフ予告演出とは、たとえば、演出図柄および背景画像とは別に表示可能な人物画像等のキャラクタ画像が、通常的に言う台詞とは異なる特別なセリフを所定回数の変動表示において言うような場面を表示する演出をする先読み演出である。アクティブ表示変化演出とは、ターゲットの変動表示以前の複数回の変動表示において、アクティブ表示エリアで表示されるアクティブ画像の表示態様を通常的に表示する表示態様とは異なる特別な表示態様で表示する先読み演出である。
図16は、先読み演出を説明するための演出表示装置9の表示画面図である。ここでは、先読み演出のうち、報知画像を表示する先読み演出、具体的に、チャンス目予告演出、背景予告演出、及び保留変化予告演出について説明する。先読み演出のうち、ゾーン予告演出については、表示態様が異なるので、図16及び図17を用いた説明に続いて説明する。なお、ゾーン予告演出を実行する際にも、これらの先読み演出と同様に、報知画像を表示するようにしてもよい。
図16においては、演出表示装置9での基本的な表示画像として、左,中,右の演出図柄91,92,93と、保留表示エリア18cでの保留画像Hと、アクティブ表示エリアAHAでのアクティブ画像AHとが示されている。図16において、左,中,右の演出図柄91,92,93は、変動表示中の状態が下向き矢印で示され、変動停止中の状態が数値の図柄で示されている。
図16(A)には、先読み演出が実行されていないときの表示状態が示されている。図16(B1)には、先読み演出としてチャンス目予告演出が実行されているときの表示状態が示されている。図16(B2)には、先読み演出として背景変化予告演出が実行されているときの表示状態が示されている。図16(B3)には、先読み演出として保留変化予告演出が実行されているときの表示状態が示されている。
チャンス目予告演出が実行されるときには、図16(B1)のように、演出が実行される複数回の変動表示のそれぞれの終了時における変動表示結果の導出表示時において、所定のチャンス目を構成する演出図柄の組合せを停止表示させる演出がされる。
背景変化予告演出が実行されるときには、図16(B2)のように、演出が実行される複数回の変動表示の1回目の変動表示の開始時に背景図柄を通常背景図柄から特別背景図柄に変化させた後複数回の変動表示において継続して特別背景図柄を表示させる演出がされる。
保留変化予告演出が実行されるときには、図16(B3)のように、演出が実行される1回または複数回の変動表示の変動表示中(演出表示開始時から所定時間経過時)において、保留画像Hを一時的に星形に変形して発光表示させた後に、その保留画像Hの表示態様(表示色)を変化させる演出がされる。保留表示をする保留画像は、変動表示結果が大当り表示結果となる期待度、すなわち、大当り表示結果となるときの表示しやすさにより異なる表示態様で表示可能である。たとえば、保留画像は、たとえば円形等のような所定形状で表示され、変動表示結果が大当り表示結果となる期待度により異なる画像色で表示可能である。
保留画像は、通常色(黄色)<白色<青色<緑色<赤色というような期待度の大小関係で、画像色の種類により期待度が異なる態様(色態様)で大当りとなる期待度が示唆可能である。新たな保留記憶情報の発生に基づいて、演出表示装置9において新たな保留記憶情報に対応する保留画像が出現する表示がされるときに、新たな保留画像は、通常色(黄色)、白色、青色、緑色、または、赤色のような表示態様で表示される。保留変化予告演出により保留画像が大当り期待度の高い表示態様に変化した場合には、遊技者の大当りに対する期待感を向上させ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態における保留変化予告演出としては、保留画像の色が変化する演出が実行されるが、これに限らず、保留変化予告演出として、保留画像の形状が変化する演出を実行してもよい。保留変化予告演出としては、保留画像の大きさが変化する演出を実行してもよい。保留変化予告演出としては、保留画像の種類が変化する演出を実行してもよい。保留変化予告演出としては、保留画像に付加する画像が変化する演出を実行してもよい。また、色変化、形状変化、大きさ変化、種類変化、および、付加画像変化のうちのいずれか複数の組合せによる演出を実行してもよい。このように、保留変化予告演出としては、表示態様が変化する演出であればどのような演出を実行してもよい。
図16(B1)〜(B3)のように、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のような複数種類の先読み演出のうち、いずれの演出が実行されるときにも、「先読み中」という文字をテロップ表示態様で表示する先読み中報知画像94を共通の報知画像として表示することにより、先読み演出の種類によらずに共通態様で先読み演出中であることを報知する先読み中報知(所定報知)の演出が実行される。このように、特定演出としての先読み演出の実行に対応して、先読み演出の種類によらずに共通態様の先読み中報知が実行されることにより、先読み演出中であるか否かを遊技者が認識しやすくなり、複数種類の先読み演出についての認識性を向上させることができる。
また、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のような複数種類の先読み演出のそれぞれについては、前述したように、複数種類の演出態様(演出パターン)が設けられ、それらの演出態様のうちから選択された演出態様で先読み演出が実行可能であるが、このようなチャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出の各先読み演出が実行されるときに、いずれの演出態様で実行される場合でも、前述した「先読み中」という文字をテロップ表示態様で表示する先読み中報知画像94を共通の報知画像として表示する演出制御が行なわれる。これにより、各先読み演出の種類についても、演出態様の種類によらずに共通態様で先読み演出中であることを報知する先読み中報知の演出が実行される。これにより、先読み演出中であるか否かを遊技者が認識しやすくなり、複数種類の演出態様の先読み演出についての認識性を向上させることができる。
また、前述したように、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のような複数種類の先読み演出で、「先読み中」という文字をテロップ表示態様で表示する先読み中報知画像94を共通の報知画像として表示する演出制御が行なわれ、かつ、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出の各先読み演出が実行されるときに、各先読み演出における複数種類の演出態様についても、「先読み中」という文字をテロップ表示態様で表示する先読み中報知画像94を共通の報知画像として表示する演出制御が行なわれることにより、先読み演出中であるか否かを遊技者がより一層認識しやすくなり、複数種類の先読み演出についての認識性をより一層向上させることができる。
なお、先読み中報知としては、先読み中報知画像94に加えて、または、読み中報知画像94に代えて、次のような報知を実行してもよい。まず、「先読み中」というような音声をスピーカ27から出力させる報知をしてもよい。また、先読み中報知としては、先読み中報知画像94を表示せずに、「先読み中」というような音声をスピーカ27から出力させる報知をしてもよい。音声により先読み中報知をする例としては、通常の遊技状態では出力されない特殊音を出力することにより報知をしてもよい。また、先読み中報知としては、所定の役物のような可動体を動作させることにより報知をしてもよい。また、先読み中報知としては、演出表示装置9での先読み中報知画像94を表示せずに、他の表示装置において「先読み中」である旨を特定可能な表示をしてもよい。その場合における他の表示装置とは、演出表示装置9よりも小型のサブ表示装置(小型の画像表示装置等)、および、ドットマトリクス表示装置等の各種表示装置が含まれる。また、「先読み中」である旨を特定可能な表示とは、先読み中であることを特定可能な文字、先読み中であることを特定可能な予め定められた図形、先読み中であることを特定可能な予め定められた数字等、先読み中であることを直接的または間接的に特定可能な表示であれば、どのような表示であってもよい。また、先読み中報知としては、前述した各種の報知態様のいずれか複数種類を組合せた演出態様で実行するようにしてもよい。
従来のパチンコ遊技機において、演出図柄の変動表示が実行されるときに、特定演出としての先読み演出を実行する場合には、当該変動表示に対して実行されるリーチ演出等の各種演出と、先読み演出との演出上の差異が曖昧になる場合があり、そのような演出について初見の遊技者では、先読み演出が実行されているのか否かについての判断がつきにくく、演出の理解度が不十分となり、遊技の興趣の向上を図ることができないおそれがあるという問題があった。これに対し、この実施の形態のパチンコ遊技機1では、前述したように、複数種類の先読み演出に対応して共通態様の先読み中報知がされるので、先読み演出が実行されていることを明確に報知することが可能となる。これにより、共通態様の先読み中報知を実行することによって、前述の初見の遊技者でも、先読み演出が実行されているのか否かについての判断がつきやすくなり、演出の理解度が不十分とすることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
図17は、先読み中報知が実行されたときにおける先読み中報知を終了させるための先読み中報知終了演出を示す演出表示装置9の表示画面図である。図17では、演出表示装置9の表示状態が時間経過にしたがって示されている。図17においては、保留変化予告演出が実行されるときの先読み中報知についての先読み中報知終了演出を代表例として示すが、図17に示す先読み中報知終了演出は、その他の種類の先読み演出においても同様に実行される。
保留変化予告演出が実行される演出期間における複数回の変動表示においては、図17(A)に示すように、先読み中報知画像94の表示による先読み中報知が実行される。そして、図17(B),(C)に示すように、先読み判定対象の変動表示回では、図17(A)に示すその直前の変動表示回と同様に、先読み中報知画像94の表示による先読み中報知が、変動表示の開始時から変動表示の終了時まで実行される。さらに、図17(C)に示すように、先読み中報知画像94の表示による先読み中報知は、先読み判定対象の変動表示の終了後も継続して実行される。具体的には、図17(D)に示すような、先読み判定対象の変動表示回の直後(次回)の変動表示回の変動表示開始時も先読み中報知画像94の表示による先読み中報知が継続されており、図17(D)に示すように、変動表示開始時から所定時間経過時に、先読み中報知画像94の表示が終了させられることにより先読み中報知が終了させられる。
図18は、ゾーン予告演出が実行されたときの演出表示装置9の表示画面図である。ゾーン予告演出は、図18(A)に示すように、シャッタ画像300Sが表示されたシャッタ閉鎖中ゾーン予告演出と、図18(B)に示すように、特殊背景画像300Tが画面の上下に帯状に表示されたシャッタ開放後ゾーン予告演出と、によって構成されている。図18(A)に示すシャッタ閉鎖中ゾーン予告演出では、シャッタ画像300Sの手前側に、第1特殊キャラクタ300C1,第2特殊キャラクタ300C2、第3特殊キャラクタ等(図33(D)参照)がポーズや服装を代えながら入れ替わり表示される画像が表示される。図18(B)に示すシャッタ開放後ゾーン予告演出では、特殊背景画像300Tとともに、通常のリーチ演出(ノーマルリーチ演出やスーパーリーチ演出を含む)と同様の演出に即した画像が表示される。なお、図18(A)には、中の飾り図柄5Cが示されており、図18(B)には、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rが示されている。
図19は、演出表示装置9の画面上に各種画像を表示させる具体的な設定の一例を示している。図19(A)は、複数の表示レイヤにZ値を割当てるZ値設定テーブルの構成例を示している。図19(B)は、Z値設定テーブルによるZ値の設定に基づく各表示レイヤの配置例を示している。この実施の形態において、複数のレイヤには、小図柄表示レイヤと、ゾーン演出表示レイヤと、変化演出表示レイヤと、演出図柄表示レイヤとが含まれている。小図柄表示レイヤには、小図柄表示エリアにて変動表示される小図柄を示す演出画像が描画される。小図柄表示エリアは、所定条件が成立したときに、特別図柄や飾り図柄の変動表示と同期して、通常の演出図柄より縮小された演出図柄である小図柄の変動表示が行なわれる表示領域である。ゾーン演出表示レイヤには、保留表示変化演出で用いられる保留表示やゾーン予告演出が実行される際のシャッタ画像やゾーン予告演出専用の専用キャラクタ画像と示す予告演出画像が表示される。なお、ゾーン演出表示レイヤにシャッタ画像が完全に表示される場合、シャッタ画像は、ゾーン演出表示レイヤにおける表示領域の全領域(又は大部分の領域)に表示される。変化演出表示レイヤには、アクティブ表示変化演出で用いられるキャラクタ等を示す演出画像が描画される。演出図柄表示レイヤには、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにて変動表示される演出図柄を示す演出画像が描画される。各表示レイヤに描画される演出画像の画像データには、それぞれの演出画像を重畳して描画するときに用いる奥行き値となるZ値が設定されている。図19(A)に示すようなZ値設定テーブルによるZ値の設定により、小図柄表示レイヤ、変化演出表示レイヤ、演出図柄表示レイヤのそれぞれに描画される演出画像のZ値は、その演出画像が描画される表示レイヤに応じて異なる値となっている。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、画像処理に用いる構成として、前述したVDP(Video Display Processor)の他に、CGROM(Character Generator ROM)、および、VRAM(Video RAM)が設けられている。演出制御用マイクロコンピュータ100では、たとえば、VDPが、CGROMから読出した画像データをVRAMのフレームバッファ等に書込むときに、Z値の比較演算を行なうことで、優先度の判定を行なえばよい。そして、Z値が小さい値である演出画像の画像データは、Z値が大きい値である演出画像の画像データよりも優先してフレームバッファに書込まれる。これにより、Z値として小さい値が割当てられた表示レイヤに描画する演出画像は、Z値として大きい値が割当てられた表示レイヤに描画する演出画像よりも優先度が高くなり、遊技者からみて前方側に配置することができる。
図19(B)に示すように、小図柄表示エリア(下向き矢印が示された領域)にて変動表示される小図柄を示す演出画像が描画される小図柄表示レイヤは、遊技者からみて最も前方側に配置されるように、Z値が設定される。したがって、演出表示装置9の画面上にて任意の演出画像を表示することによる表示演出が実行される場合でも、小図柄表示エリア5Vにおける小図柄の表示は、常に遊技者が視認可能となる。また、ゾーン演出表示レイヤは、小図柄表示レイヤよりも後方側であるが、他のレイヤよりも前方側に配置されるようにZ値が設定される。このため、ゾーン予告演出が実行される際には、小図柄表示エリア5Vにおける小図柄は表示されるが、変化演出表示レイヤに表示される保留表示変化演出やアクティブ表示変化演出で用いられるキャラクタ等を示す演出画像や、演出図柄表示レイヤの「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにて変動表示される演出図柄を示す演出画像等は、シャッタ画像によって遊技者が視認困難又は不能となる。
変化演出表示レイヤは、保留表示変化演出やアクティブ表示変化演出で用いられる演出画像が表示される演出領域を提供する表示レイヤであり、小図柄表示レイヤよりも後方側であるが、演出図柄表示レイヤよりも前方側に配置されるように、Z値が設定される。これにより、保留表示変化演出やアクティブ表示変化演出で用いられる演出画像は、演出図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができる。このように、変化演出用キャラクタを示す演出画像は、識別情報画像となる演出図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができる。
なお、ゾーン演出表示レイヤが、小図柄表示レイヤよりも遊技者からみて前方側に配置されるように、Z値が設定されるようにしてもよい。この場合、ゾーン予告演出が実行されるときには、小図柄表示レイヤに表示される小図柄を示す演出画像を含めて、ゾーン演出表示レイヤ以外の表示レイヤに表示される演出画像は、シャッタ画像によって遊技者が視認困難又は不能となる。
図20は、先読み演出を実行させるか否を判定するための各種判定テーブルを示す説明図である。図20(A)〜(C)には、チャンス目予告演出を実行するか否かを判定するために用いるチャンス目予告演出有無判定テーブルが示されている。図20(D)〜(F)には、背景変化予告演出を実行するか否かを判定するために用いる背景変化予告演出有無判定テーブルが示されている。図20(G)〜(I)には、保留変化予告演出を実行するか否かを判定するために用いる保留変化予告演出有無判定テーブルが示されている。図20(J)〜(L)には、ゾーン予告演出を実行するか否かを判定するために用いるゾーン予告演出有無判定テーブルが示されている。
チャンス目予告演出有無判定テーブルには、(A)の大当り時チャンス目予告演出有無判定テーブルと、(B)のスーパーリーチはずれ時チャンス目予告演出有無判定テーブルと、(C)のスーパーリーチ以外はずれ時チャンス目予告演出有無判定テーブルとが含まれている。背景変化予告演出有無判定テーブルには、(D)の大当り時背景変化予告有無判定テーブルと、(E)のスーパーリーチはずれ時背景変化予告演出有無判定テーブルと、(F)のスーパーリーチ以外はずれ時背景変化予告演出有無判定テーブルとが含まれている。保留変化予告演出有無判定テーブルには、(G)の大当り時保留変化予告有無判定テーブルと、(H)のスーパーリーチはずれ時保留変化予告演出有無判定テーブルと、(I)のスーパーリーチ以外はずれ時保留変化予告演出有無判定テーブルとが含まれている。ゾーン予告演出有無判定テーブルには、(J)の大当り時ゾーン予告有無判定テーブルと、(K)のスーパーリーチはずれ時ゾーン予告演出有無判定テーブルと、(L)のスーパーリーチ以外はずれ時ゾーン予告演出有無判定テーブルとが含まれている。これら各予告演出有無判定テーブルは、ROM102に記憶されている。
(A)の大当り時チャンス目予告演出有無判定テーブル、(D)の大当り時背景変化予告演出有無判定テーブル、(G)の大当り時保留変化予告演出有無判定テーブル、および(J)の大当り時ゾーン予告有無判定テーブルは、保留表示が対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となると予測される大当り予測時に用いられる。
(B)のスーパーリーチはずれ時チャンス目予告演出有無判定テーブル、(E)のスーパーリーチはずれ時背景変化予告演出有無判定テーブル、(H)のスーパーリーチはずれ時保留変化予告演出有無判定テーブル、および(K)のスーパーリーチはずれ時ゾーン予告演出有無判定テーブルは、保留表示が対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となると予測されるスーパーリーチはずれ予測時に用いられる。
(C)のスーパーリーチ以外はずれ時チャンス目予告演出有無判定テーブル、(F)のスーパーリーチ以外はずれ時背景変化予告演出有無判定テーブル、(I)のスーパーリーチ以外はずれ時保留変化予告演出有無判定テーブル、および(L)のスーパーリーチ以外はずれ時ゾーン予告演出有無判定テーブルは、保留表示が対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となると予測されるスーパーリーチ以外はずれ予測時に用いられる。
(A)〜(C)の各チャンス目予告演出有無判定テーブルでは、チャンス目予告演出実行有無決定用の乱数SR2(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、予告演出を実行する決定と、予告演出を実行しない決定とに割振られている。(D)〜(F)の各背景変化予告演出有無判定テーブルでは、背景変化予告演出実行有無決定用の乱数SR3(0〜199の数値範囲)の合計200個の数値が、予告演出を実行する決定と、予告演出を実行しない決定とに割振られている。(G)〜(I)の各保留変化予告演出有無判定テーブルでは、保留変化予告演出実行有無決定用の乱数SR4(0〜299の数値範囲)の合計300個の数値が、予告演出を実行する決定と、予告演出を実行しない決定とに割振られている。(J)〜(L)の各ゾーン予告演出有無判定テーブルでは、ゾーン予告演出実行有無決定用の乱数SR11(0〜499の数値範囲)の合計500個の数値が、予告演出を実行する決定と、予告演出を実行しない決定とに割振られている。SR2〜SR4、SR11のそれぞれについては、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。
(A)の大当り時チャンス目予告演出有無判定テーブル、(D)の大当り時背景変化予告演出有無判定テーブル、および、(G)の大当り時保留変化予告演出有無判定テーブルのそれぞれでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「予告演出を実行する>予告演出を実行しない」という大小関係となるようにデータが設定されている。(B)のスーパーリーチはずれ時チャンス目予告演出有無判定テーブル、(E)のスーパーリーチはずれ時背景変化予告演出有無判定テーブル、および、(H)のスーパーリーチはずれ時保留変化予告演出有無判定テーブルのそれぞれでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「予告演出を実行する=予告演出を実行しない」という大小関係となるようにデータが設定されている。(C)のスーパーリーチ以外はずれ時チャンス目予告演出有無判定テーブル、(F)のスーパーリーチ以外はずれ時背景変化予告演出有無判定テーブル、および、(I)のスーパーリーチ以外はずれ時保留変化予告演出有無判定テーブルのそれぞれでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「予告演出を実行する<予告演出を実行しない」という大小関係となるようにデータが設定されている。
また、(A)〜(C)と(D)〜(F)と(G)〜(I)と(J)〜(L)とを比較すると、大当り決定時に先読み演出を実行する割合は、「チャンス目予告演出<背景変化予告演出<保留変化予告演出<ゾーン予告演出」という大小関係となるようにデータが設定されている。また、はずれ時に先読み演出を実行する割合は、「チャンス目予告演出>背景変化予告演出>保留変化予告演出>ゾーン予告演出」という大小関係となるようにデータが設定されている。これにより、「チャンス目予告演出<背景変化予告演出<保留変化予告演出<ゾーン予告演出」という大小関係で、演出が実行されたときの大当りに対する期待度が高くなる。なお、先読み演出が実行されたときの大当りに対する期待度は、それぞれの予告演出で同じとする等、その他の大小関係が設定されてもよい。
このような図20(A)〜(L)でのデータの設定により、保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のそれぞれについて、実行すると決定する割合が高くなる。これにより、このような先読み演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。また、図20(A)〜(L)でのデータの設定により、保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果がはずれ表示結果となるが、大当りとなる期待度が高いスーパーリーチではずれ表示結果となるときには、大当りとなる期待度がスーパーリーチとなるときよりも低い、スーパーリーチ以外の変動表示(たとえば、ノーマルリーチ変動表示、通常変動表示等)ではずれ表示結果となるときと比べて、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のそれぞれについて、実行すると決定する割合が高くなる。これにより、このような先読み演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
図21は、先読み演出実行開始変動選択テーブルを示す説明図である。図21(A)に示す先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行開始変動選択テーブルは、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のようなゾーン予告演出以外の先読み演出を実行させることが決定されたときに、先読み演出の実行を開始させる変動表示を選択決定するために用いられる。図21(B)は、先読み演出としてゾーン予告演出を実行させることが決定されたときに、ゾーン予告演出の実行を開始させるタイミングを選択決定するために用いられる。先読み演出実行開始変動選択テーブルは、ROM102に記憶されている。
図21(A)に示すように、ゾーン予告演出以外の先読み演出は、新たに発生した保留記憶情報を含めて少なくとも2個の保留記憶情報が存在していることを条件として実行され、また、第1保留記憶数の上限個数は、4個であるため、先読み演出の実行を開始させる変動表示は、先読み判定対象の保留記憶情報に基づく変動表示を基準として、1回前の変動表示時、2回前の変動表示時、および、3回前の変動表示時のうちのいずれかの時期から実行可能である。
図21(A)に示すゾーン予告演出以外の先読み演出実行開始変動選択テーブルでは、新たに発生した保留記憶情報を含めた第1特別図柄の保留記憶数(第1保留記憶数)である2〜4個のそれぞれについて、1回前〜3回前の変動表示時に、先読み演出実行開始変動選択用の乱数SR5(0〜399の数値範囲)の合計400個の数値が割振られている。
図21(A)に示すゾーン予告演出以外の先読み演出実行開始変動選択テーブルでは、第1保留記憶数が多い程、より一層先の変動表示時から先読み演出の実行が開始されやすくなるように、データが設定されている。チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のような先読み演出を実行することが決定されたときには、先読み演出実行開始変動選択テーブルを用いて、先読み演出の実行を開始させる変動表示が選択決定される。これにより、先読み演出の実行開始タイミングが固定的ではなくなるので、演出のバリエーションを豊富化することができる。
図21(B)に示す先読み演出(ゾーン予告演出)実行開始変動選択テーブル(ゾーン予告演出実行開始変動選択テーブル)では、入賞時、当該変動(リーチ成立)時、及び当該変動(スーパーリーチ発展)時に、先読み演出実行開始変動選択用の乱数SR5(0〜399の数値範囲)の合計400個の数値が割振られている。以下、入賞時に開始するゾーン予告演出を第1ゾーン予告演出、当該変動(リーチ成立)時に開始するゾーン予告演出を第2ゾーン予告演出、当該変動(スーパーリーチ発展)時に開始するゾーン予告演出を第3ゾーン予告演出ということがある。
パチンコ遊技機1においては、低ベース状態においてのみ先読み演出が実行されるので、第1保留記憶をターゲットとして、先読み演出が実行される。なお、高ベース状態においても先読み演出が実行されるようにしてもよい。
なお、先読み演出については、図20に示すように、各先読み演出を実行するか否かを独立して判定している。これに対して、先読み演出を実行するか否かをランダムに判定した後、先読み演出を実行することが決定されたときに、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、保留変化予告演出、および、ゾーン予告演出のうちから、いずれか1つの予告演出、または、いずれかの複数種類の予告演出を選択し、選択した演出について、先読み演出として実行するようにしてもよい。また、先読み演出について、ゾーン予告演出とゾーン予告演出以外の先読み演出とを分けて区別し、ゾーン予告演出とゾーン予告演出以外の先読み演出を実行するか否かを独立して判定してもよい。ここで、ゾーン予告演出以外の先読み演出を実行することが決定されたときに、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、保留変化予告演出のうちから、いずれか1つの予告演出、または、いずれかの複数種類の予告演出を選択し、選択した演出について、先読み演出として実行するようにしてもよい。
図22は、演出制御用データ保持エリアを示す説明図、図23は、始動入賞時受信コマンドバッファ+演出用バッファを示す説明図、図24は、始動入賞時受信コマンドバッファデータ指定内容を示す説明図である。図3に示す演出制御基板80に搭載されたRAM103には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、たとえば図22に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図22に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191は、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示状態等というような演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。たとえば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグのそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示動作等というような各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。たとえば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、たとえば前述したSR1−1〜SR5、SR11のような、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。たとえば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。たとえば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファのそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図23に示すような始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。図23に示すような始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファは、第1特別図柄用と第2特別図柄用との2種類設けられている。図23では、先読み演出を実行する第1特別図柄に対応する始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファが一例として示されている。第1特別図柄用の始動入賞時受信コマンドバッファは、図23に示されたバッファのうちの図柄指定、変動種別、始動入賞指定、および、保留記憶数指定という欄に相当し、各保留記憶の発生時に受信した受信コマンドをする記憶バッファである。始動入賞時受信コマンドバッファにおいては、第1保留記憶数の最大値(たとえば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。このような始動入賞時受信コマンドバッファには、図23に示された先読み演出(ゾーン予告演出以外)判定有無、先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定、チャンス目予告演出態様指定、背景変化予告演出態様指定、保留変化予告演出態様指定、ゾーン予告演出判定有無、ゾーン予告演出実行変動指定、および、ゾーン予告演出態様指定という欄に相当する記憶領域を含む演出用バッファが、各保留記憶に対応付けられた態様で付加されている。なお、始動入賞時受信コマンドバッファと、演出用バッファとは、RAM103において、別領域に個別に設けられてもよい。
始動入賞時受信コマンドバッファについては、始動入賞時に受信したコマンドを格納する領域として、図柄指定コマンドを格納する領域(図中「図柄指定」)、変動種別コマンドを格納する領域(図中「変動種別」)、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンド)を格納する領域(図中「始動入賞指定」)、および、保留記憶数指定コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)を格納する領域(図中「保留記憶数指定」)が設けられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1または第2始動入賞指定コマンド)、および、保留記憶数指定コマンド(第1または第2保留記憶数指定コマンド)というコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用CPU101は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを特定するデータを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域における先頭から格納していく。これにより、始動入賞があったときには、図中の「図柄指定」、「変動種別」、「始動入賞指定」、および、「保留記憶数指定」のそれぞれの領域に、受信したコマンドが格納される。
図23に示す始動入賞時受信コマンドバッファおよび対応する演出用バッファに格納されている各種データは、演出図柄の変動表示を開始する毎に、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものが、変動表示の演出に用いるために読出された後、削除され、以降の記憶内容がシフトされる。たとえば図23に示す格納状態において次に演出図柄の変動表示が開始される場合には、バッファ番号「1」に格納されている各データが読出された後削除され、バッファ番号「2」に対応した領域において格納されている各データがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされる。
図23に示す演出用バッファは、始動入賞時受信コマンドバッファと連結(従属)したようなアドレスの対応関係で記憶領域を設けてもよく、始動入賞時受信コマンドバッファとは独立したアドレスの記憶領域に、各始動入賞記憶に対応して記憶領域を設けてもよい。
図24に示すように、「図柄指定」コマンドの領域において、「C200(H)」は、はずれ表示結果指定を示し、「C201(H)」は大当り表示結果指定を示す。「変動種別」コマンドの領域において、「C300(H)」は通常変動の種別を示し、「C301(H)」はノーマルリーチ変動の種別を示し、「C302(H)」はスーパーリーチ変動の種別を示す。「始動入賞指定」コマンドの領域において、「A401(H)」は第1始動入賞指定を示し、「A402(H)」は第2始動入賞指定を示す。「保留記憶数指定」の領域においては、「C001(H)」〜「C004(H)」により第1保留記憶数「0」〜「4」を示し、「C101(H)」〜「C104(H)」により第2保留記憶数「0」〜「4」を示す。
始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」である。始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1,第2)、および、保留記憶数指定コマンド(第1,第2)の順にコマンド送信が行なわれる。したがって、コマンド受信が正常に行なわれれば、図20(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド、および、保留記憶数指定コマンドが格納される。図20(B)では、バッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域においてコマンドが格納されている例が示されている。
演出制御バッファ設定部194においては、第1特別図柄用の始動入賞時受信コマンドバッファにおけるバッファ番号「1」〜「4」のデータに対応して、次に示すような演出用の情報を格納するための記憶領域としての演出用バッファが設けられている。第2特別図柄については、この実施の形態では、先読み演出を実行しないため、先読み演出の実行用の演出用バッファは設けられていない。なお、第2特別図柄についても、先読み演出の実行用の演出用バッファを設け、第1特別図柄と同様に先読み演出を実行させてもよい。
第1特別図柄に関しては、始動入賞時受信コマンドバッファに格納された図柄指定情報等の所定のデータに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100により、後述する先読み演出処理で、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)判定有無」のデータ、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」のデータ、「チャンス目予告演出態様指定」のデータ、「背景変化予告演出態様指定」のデータ、「保留変化予告演出態様指定」のデータ、「ゾーン予告演出判定有無」のデータ、および、「ゾーン予告演出実行変動指定」のデータが、始動入賞時受信コマンドバッファにおける保留記憶情報に対応するバッファ番号「1」〜「4」のそれぞれのデータに対応して、演出用バッファに設けられた「先読み演出(ゾーン予告演出以外)判定有無」のデータ格納領域、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」のデータ格納領域、「チャンス目予告演出態様指定」のデータ格納領域、「背景変化予告演出態様指定」のデータ格納領域、「保留変化予告演出態様指定」のデータ格納領域、および、「ゾーン予告演出判定有無」のデータ格納領域に格納される。
「先読み演出(ゾーン予告演出以外)判定有無」のデータは、ゾーン予告演出以外の先読み演出の判定がされたか否か(有無)を示すデータである。「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」のデータは、ゾーン予告演出以外の先読み演出を実行するときの変動表示として指定(決定)されているか否かを示すデータである。「チャンス目予告演出態様指定」のデータは、チャンス目予告演出の実行の有無および演出態様を示すデータである。「背景変化予告演出態様指定」のデータは、背景変化予告演出の実行の有無および演出態様を示すデータである。「保留変化予告演出態様指定」のデータは、保留変化予告演出の実行の有無および演出態様を示すデータである。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報としての先読み判定対象について、図20(A)〜(I)の各種予告演出有無判定テーブルに基づく先読み演出の実行判定が未だされていないときには、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)判定有無」のデータ格納領域に、「判定無」を特定可能な「1000(H)」のデータが記憶され、先読み演出を実行するか否かの判定がされたときには、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)判定有無」の格納領域に、「判定有」を特定可能な「1001(H)」のデータが記憶される。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報としての先読み判定対象について、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のうち、少なくとも何れかの演出を実行することが決定されたときには、その演出内容に応じて、先読み判定対象以前の保留記憶情報に対応する「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」のデータ格納領域に、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」を特定可能な「2001(H)」のデータが記憶される。一方、いずれの予告演出も実行しないことが決定されたときには、先読み判定対象に対応する「先読み演出実行変動指定」のデータの格納領域に、「演出無」を特定可能な「2000(H)」のデータが記憶される。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報としての先読み判定対象について、図20(A)〜(C)の判定テーブルによりチャンス目予告演出が実行されないことが決定されたときは、「チャンス目予告演出態様指定」のデータ格納領域に、「演出無」を特定可能な「3000(H)」のデータが記憶される。一方、チャンス目予告演出が実行されることが決定されたときは、図21のチャンス目予告演出実行開始変動選択テーブルを用いて、何回前の変動表示時からチャンス目予告演出を実行するかを決定し、さらに、前述のチャンス目予告演出態様選択テーブルを用いて、何れかの種類のチャンス目予告演出パターンが選択決定される。
そして、先読み判定対象の保留記憶情報以前の保留記憶情報に対応する「チャンス目予告演出態様指定」のデータ格納領域において、その決定されたチャンス目予告演出パターンを実行するために、チャンス目予告演出パターンを特定可能なデータ(3001(H)〜等)が記憶される。図23では、バッファ番号4の保留記憶情報が先読み判定対象であり、その先読み判定対象についてチャンス目予告演出を実行することが決定され、先読み判定対象以前のすべての「チャンス目予告演出態様指定」のデータ格納領域において、第1チャンス目予告演出パターンのデータが設定された例が示されている。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報としての先読み判定対象について、図20(D)〜(F)の判定テーブルにより背景変化予告演出が実行されないことが決定されたときは、「背景変化予告演出態様指定」のデータ格納領域に、「演出無」を特定可能な「3000(H)」のデータが記憶される。一方、背景変化予告演出が実行されることが決定されたときは、図21(A)の先読み演出実行開始変動選択テーブルを用いて、何回前の変動表示時から背景変化予告演出を実行するかを決定し、さらに、前述の背景変化予告演出態様選択テーブルを用いて、何れかの種類の背景変化予告演出パターンが選択決定される。
そして、先読み判定対象の保留記憶情報以前の保留記憶情報に対応する「背景変化予告演出態様指定」のデータ格納領域において、その決定された背景変化予告演出パターンを実行するために、背景変化予告演出パターンを特定可能なデータ(3101(H)〜等)が記憶される。図23では、バッファ番号4の保留記憶情報が先読み判定対象であり、その先読み判定対象について背景変化予告演出を実行することが決定され、先読み判定対象以前のすべての「背景変化予告演出態様指定」のデータ格納領域において、第1背景変化予告演出パターンのデータが設定された例が示されている。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報としての先読み判定対象について、図20(G)〜(I)の判定テーブルにより保留変化予告演出が実行されないことが決定されたときは、「保留変化予告演出態様指定」のデータ格納領域に、「演出無」を特定可能な「3000(H)」のデータが記憶される。一方、保留変化予告演出が実行されることが決定されたときは、図21(A)の先読み演出実行開始変動選択テーブルを用いて、何回前の変動表示時から保留変化予告演出を実行するかを決定し、さらに、前述の保留変化予告演出態様選択テーブルを用いて、何れかの種類の保留変化予告演出パターンが選択決定される。
そして、先読み判定対象の保留記憶情報以前の保留記憶情報に対応する「保留変化予告演出態様指定」のデータ格納領域において、その決定された保留変化予告演出パターンを実行するために、保留変化予告演出パターンを特定可能なデータ(3201(H)〜等)が記憶される。図23では、バッファ番号4の保留記憶情報が先読み判定対象であり、その先読み判定対象について保留変化予告演出を実行しないことが決定され、先読み判定対象以前のすべての「保留変化予告演出態様指定」のデータ格納領域において、演出無のデータが設定された例が示されている。
各保留記憶情報に対応する「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」のデータ格納領域においては、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のうちのいずれかを実行することが決定されたときに、「先読み演出実行変動指定有」を特定可能な「2001H」が記憶され、いずれの予告演出も実行しないことが決定されたときに、「先読み演出実行変動指定無」を特定可能な「2000H」が記憶される。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報としての先読み判定対象について、図20(J)〜(L)の判定テーブルによりゾーン予告演出が実行されないことが決定されたときは、「ゾーン予告演出態様指定」のデータ格納領域に、「演出無」を特定可能な「4200(H)」のデータが記憶される。一方、ゾーン予告演出が実行されることが決定されたときは、図21(B)のゾーン予告演出実行開始変動選択テーブルを用いて、第1ゾーン予告演出〜第3ゾーン予告演出のいずれを実行するかを決定し、さらに、前述のゾーン予告演出態様選択テーブルを用いて、何れかの種類のゾーン予告演出パターンが選択決定される。
そして、先読み判定対象の保留記憶情報以前の保留記憶情報に対応する「ゾーン予告演出態様指定」のデータ格納領域において、その決定されたゾーン予告演出パターンを実行するために、ゾーン予告演出パターンを特定可能なデータ(4201(H))が記憶される。図23では、バッファ番号4の保留ゾーン予告演出態様選択テーブル記憶情報が先読み判定対象であり、その先読み判定対象についてゾーン予告演出を実行しないことが決定され、先読み判定対象以前のすべての「ゾーン予告演出態様指定」のデータ格納領域において、演出無のデータが設定された例が示されている。
このように、演出用バッファにおいて、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)判定有無」、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」、「チャンス目予告演出態様指定」、「背景変化予告演出態様指定」、「保留変化予告演出態様指定」、「ゾーン予告演出判定有無」、および、「ゾーン予告演出実行変動指定」のそれぞれのデータ格納領域において前述のようなデータが記憶されていくことにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのようなデータを確認することに基づいて、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、保留変化予告演出、および、ゾーン予告演出のような先読み演出を実行することが可能となる。
図25は、先読み演出と先読み中報知との関係を示すタイミングチャートである。先読み中報知を行わないため、ここでは、ゾーン予告演出以外の先読み演出について先読み中報知との関係を説明する。図25においては、(A1),(B1),(C1),(D1)において、先読み判定対象の変動表示前における先読み演出と先読中報知との関係が示されている。図25においては、(A2),(B2),(C2),(D2)において、先読み判定対象以降の変動表示における先読み演出と先読中報知との関係の第1例が示されている。図25においては、(A3),(B3),(C3),(D3)において、先読み判定対象以降の変動表示における先読み演出と先読中報知との関係の第2例が示されている。
(A1)〜(D1)に示すように、先読み判定対象の変動表示前において、先読み判定対象に基づいて、先読み演出として、チャンス目予告演出を先読み判定対象の3回前の変動表示時から実行を開始するとともに、背景変化予告演出を先読み判定対象の3回前の変動表示時から実行を開始することが決定されたときには、次のように複数種類の先読み演出が実行される。
(C1)に示すように、先読み判定対象の3回前の変動表示開始時と同時に、背景予告演出の実行が開始される。この時点は変動表示の開始時であるので、チャンス目予告演出は実行されていない。このように1回の変動表示に対応して複数種類の先読み演出が実行されるときには、(D1)に示すように、先に実行が開始される背景予告演出による先読み演出の開始時に、先読み中報知の実行が開始される。(B1)に示すように、チャンス目予告演出は、先読み判定対象の3回前、2回目、および、1回前のそれぞれの変動表示の終了直前における表示結果の導出表示時において実行される。
このように、1回の変動表示に対応して複数種類の先読み演出が実行されるときには、先に実行が開始される背景予告演出による先読み演出の開始時に、先読み中報知の実行が開始されるので、複数の特定演出が実行されるときの先読み中報知の実行時期を適切な時期とすることができる。
また、(B1),(C1)に示すように複数回の変動表示に亘り特定演出が実行されるときに、(D1)に示すように、複数回の変動表示に亘り先読み中報知が実行可能であることにより、先読み演出の実行時期に対応して先読み中報知を実行することができ、先読み演出についての認識性をより一層向上させることができる。
次に、先読み判定対象以降の変動表示時における先読み中報知の状態制御について説明する。先読み判定対象の変動表示が実行されるときにおいて、次回の先読み演出を実行することが決定されている保留記憶情報がないときには、(A2),(B2),(C2),(D2)に示すように、背景予告演出が(C2)のように先読み判定対象の変動表示の終了に対応して終了する。そのときに、先読み中報知は、先読み判定対象の変動表示が終了しても継続し、当該先読み判定対象の変動表示の1回後の変動表示が開始されてから所定時間経過時に終了させられる。
先読み中報知については、(D2)に示すように先読み判定対象の変動表示の終了時ではなく終了後に先読み中報知を終了させることにより、先読み演出が実行されたときの先読み判定対象の変動表示がどの変動表示であるかを遊技者が容易に識別できないようになり、先読み判定対象の変動表示が遊技者に識別されにくいようにして遊技の興趣の低下を抑制することができる。
従来のパチンコ遊技機では、特定演出としての先読み演出が実行されるときにおいて、特に、リーチとならずにはずれ表示結果となる変動表示、および、ノーマルリーチとなった後にはずれ表示結果となる変動表示のような、大当りに対する期待度が比較的に低い変動表示が実行される保留記憶情報が先読み判定対象(ターゲット)である場合に、先読み判定対象の変動表示が実行されて終了する時点で先読み演出を終了すると、遊技者が先読み判定対象の変動表示を容易に認識可能となるので、遊技者が興ざめ感を持ち、遊技の興趣が低下するという問題があった。これに対し、この実施の形態のパチンコ遊技機1では、前述のように、先読み判定対象の変動表示の終了時ではなく終了後に先読み中報知を終了させることにより、先読み演出が実行されたときの先読み判定対象の変動表示がどの変動表示であるかを遊技者が容易に認識できないようにすることができ(先読み判定対象の認識性を低下させることができ)。これにより、この実施の形態では、先読み演出について、前述のような興ざめ感を遊技者が持つことを緩和することができ、遊技の興趣低下を抑制することができる。
また、先読み判定対象の変動表示が実行されるときにおいて、次回の先読み演出を実行することが決定されている保留記憶情報があるときには、(A3),(B3),(C3),(D3)に示すように、当該保留記憶情報がないときと同様に、先読み中報知が、先読み判定対象の変動表示が終了しても継続し、さらに、当該先読み判定対象の変動表示の1回後の変動表示が開始されてから所定時間が経過しても終了することなく、次回の先読み演出を実行することが決定されている先読み判定対象に対応する変動表示が実行されるまで継続して実行される。
このように、先読み中報知については、先読み判定対象が複数あるときに、先の先読み判定対象の変動表示の終了時から次の第2先読み判定対象の変動表示の開始時までの期間中において継続する態様で、報知が実行されるので、先の先読み判定対象の変動表示の終了後も、次の先読み判定対象の変動表示まで先読み予告演出が継続して実行されているような印象を遊技者に与えることができ、複数の先読み判定対象の変動表示間において遊技の興趣の低下を抑制することができる。
図26は、前述の先読み演出処理(S700)を示すフローチャートである。先読み演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下のような処理をする。
まず、図22示す第1保留記憶についての始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファにおける記憶内容をチェックし、その中に、先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶があるか否かを判定する(S711)。たとえば、先読み演出(ゾーン予告演出以外)判定有無の格納領域において「1000(H)」のデータが記憶されている保留記憶のデータがあるか、またはゾーン予告演出判定有無の領域において「4100(H)」のデータが記憶されている保留記憶のデータがあるか否かを判定する。
S711で、先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶がないときは、処理を終了する。一方、S711で、先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶があるときは、現在の第1保留記憶個数が2以上であるか否かを、第1保留記憶数指定コマンドにより特定される第1保留記憶数に基づいて確認する(S712)。S712では、第1保留記憶数が2未満であるときに、新たな第1保留記憶情報に基づく変動表示を実行する前に変動表示を実行する第1保留記憶情報がなく、新たな第1保留記憶情報に基づく先読み演出を実行する対象となる先の変動表示が存在しないので、先読み演出を実行する変動表示が実行可能であるかどうかを確認するのである。
S712で現在の第1保留記憶個数が2以上でないときは、先読み演出を実行しないことを決定し(S727)、後述するS728に進む。一方、S712で現在の第1保留記憶個数が2以上であるときは、先読み判定対象の保留記憶情報について、始動入賞時受信コマンドバッファにおいて、対応する変動表示結果および変動種別を確認する(S713)。そして、S713で確認した変動表示結果および変動種別に基づいて、図20(A)〜(C)のチャンス目予告演出有無判定テーブルから対応するテーブルを選択し、乱数SR3を抽出するとともに、選択したテーブルを用いて、乱数SR3の抽出値に基づいて、チャンス目予告演出を実行するか否かを判定する(S717)。
次に、S713で確認した変動表示結果および変動種別に基づいて、図20(D)〜(F)の背景変化予告演出有無判定テーブルから対応するテーブルを選択し、乱数SR4を抽出するとともに、選択したテーブルを用いて、乱数SR4の抽出値に基づいて、背景変化予告演出を実行するか否かを判定する(S718)。
次に、S713で確認した変動表示結果および変動種別に基づいて、図20(G)〜(I)の保留変化予告演出有無判定テーブルから対応するテーブルを選択し、乱数SR5を抽出するとともに、選択したテーブルを用いて、乱数SR5の抽出値に基づいて、保留変化予告演出を実行するか否かを判定する(S719)。
そして、保留変化予告演出を実行すると判定した場合には、先読み判定対象の第1保留記憶情報について、「保留等変化演出判定有無」の格納領域のデータとして「判定有」のデータを記憶する(S720)。なお、保留変化予告演出を実行しないと判定した場合には、「保留等変化演出判定有無」の格納領域のデータとして「判定無」のデータを記憶する。
次に、S717〜S719での判定結果に基づいて、先読み判定対象に対応して、いずれかの先読み演出を実行することが決定されたか否かを確認する(S721)。S721により、いずれの先読み演出も実行しないことが決定されたときには、先読み判定対象の第1保留記憶情報に対応して、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」の格納データとして「指定無」のデータを記憶し、「チャンス目予告演出態様指定」、「背景変化予告演出態様指定」、および、「保留変化予告演出態様指定」のような各種予告演出態様指定の格納データとして「演出無」のデータを記憶する(S726)。続いて、ゾーン予告演出処理を行なう(S726A)。ゾーン予告演出処理については、後に説明する。そしてS728に進む。
一方、S721により、いずれかの先読み演出を実行することが決定されたときには、先読み判定対象の保留記憶情報についての変動表示結果を始動入賞時受信コマンドバッファにおいて確認する(S722)。
そして、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のうち、先読み演出を実行することが決定された1または複数の先読み演出について、図21の先読み演出実行開始変動選択テーブルを選択し、乱数SR5を抽出するとともに、選択したテーブルを用いて、乱数SR5の抽出値に基づいて、実行する先読み演出の実行を開始する変動表示回を、先読み判定対象から1回前〜3回前のうちから選択決定する(S723)。
次に、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のうち、先読み演出を実行することが決定された1または複数の先読み演出について、実行する先読み演出の演出態様を、先読み演出の種類別に選択決定する(S724)。
S724では、具体的に、チャンス目予告演出を実行する決定がされたときには、チャンス目予告演出態様選択用の乱数SR6を抽出するとともに、チャンス目予告演出態様選択テーブルを選択し、乱数SR6の抽出値に基づいて、チャンス目予告演出態様としてのチャンス目予告演出パターンを複数のチャンス目予告演出パターンのうちから選択決定する。また、S724では、具体的に、背景変化予告演出を実行する決定がされたときには、背景変化予告演出態様選択用の乱数SR7を抽出するとともに、背景変化予告演出態様選択テーブルを選択し、乱数SR7の抽出値に基づいて、背景変化予告演出態様としての背景変化予告演出パターンを複数の背景変化予告演出パターンのうちから選択決定する。また、S724では、具体的に、保留変化予告演出を実行する決定がされたときには、保留変化予告演出態様選択用の乱数SR8を抽出するとともに、保留変化予告演出態様選択テーブルを選択し、乱数SR8の抽出値に基づいて、保留変化予告演出態様としての保留変化予告演出パターンを複数の保留変化予告演出パターンのうちから選択決定する。
次に、S723およびS724での決定した先読み演出の開始時期および演出態様に応じて、「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」と、「チャンス目予告演出態様指定」、「背景変化予告演出態様指定」、および、「保留変化予告演出態様指定」のような各種予告演出対象指定とのデータ格納領域にデータを記憶し(S725)、S728に進む。
具体的に、S725では、チャンス目予告演出については、前述したように、先読み判定対象以前のデータ格納領域において、S723で決定された変動表示回数分の「チャンス目予告演出態様指定」のデータ格納領域に、S724で決定されたチャンス目予告演出パターンを特定する先読み演出態様のデータを記憶する。S725では、背景変化予告演出については、前述したように、先読み判定対象以前のデータ格納領域において、S723で決定された変動表示回数分の「背景変化予告演出態様指定」のデータ格納領域に、S724で決定された背景変化予告演出パターンを特定する先読み演出態様のデータを記憶する。S725では、保留変化予告演出については、前述したように、先読み判定対象以前のデータ格納領域において、S723で決定された変動表示回数分の「保留変化予告演出態様指定」のデータ格納領域に、S724で決定された保留変化予告演出パターンを特定する先読み演出態様のデータを記憶する。
S728では、保留表示出現色選択決定用の乱数SR8を抽出するとともに、所定の保留表示出現色選択決定用のデータテーブルを用いて、乱数SR8の抽出値に基づいて、保留表示出現色選択決定用のデータテーブルは、大当り表示結果となるときに「通常色(黄色)<白色<青色<緑色<赤色」という大小関係の選択割合となり、はずれ表示結果となるときに「通常色(黄色)>白色>青色>緑色>赤色」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。
次に、先読み判定対象の第1保留記憶情報について、S727で選択決定した出現保留色の保留画像を新たな保留画像として出現させる表示をし(S729)、処理を終了する。このように、先読み演出処理においては、新たな始動入賞に応じて新たに保留記憶情報が生じたときに、出現保留表示態様として、出現保留色を選択決定し、決定した出現保留表示態様で新たに保留画像を出現させる表示を実行する。このように表示された保留画像は、変動表示が実行されるごとに、図13のS707の保留記憶表示制御処理により保留シフト動作が実行され、表示位置がシフト(移動)させられることとなる。
なお、前述したような、新たな始動入賞に応じて新たに保留記憶情報が生じたときに、出現保留表示態様(出現保留色)を選択決定する処理については、図13のS707の保留記憶表示制御処理に含め、当該保留記憶表示制御処理を実行するときに、出現保留表示態様を選択決定するようにしてもよい。
図27は、前述のゾーン予告演出処理(S726A)を示すフローチャートである。ゾーン予告演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下のような処理をする。
まず、S713で確認した変動表示結果および変動種別に基づいて、図20(J)〜(L)のゾーン予告演出有無判定テーブルから対応するテーブルを選択し、乱数SR11を抽出するとともに、選択したテーブルを用いて、乱数SR11の抽出値に基づいて、ゾーン予告演出を実行するか否かを判定する(S751)。そして、ゾーン予告演出を実行すると判定した場合には、先読み判定対象の第1保留記憶情報について、「ゾーン予告演出判定有無」の格納領域のデータとして「判定有」のデータを記憶する(S752)。なお、ゾーン予告演出を実行しないと判定した場合には、「ゾーン予告演出判定有無」の格納領域のデータとして「判定無」のデータを記憶する。
次に、S751での判定結果に基づいて、先読み判定対象に対応して、ゾーン予告演出を実行することが決定されたか否かを確認する(S753)。S753により、ゾーン予告演出を実行しないことが決定されたとき(S753のNO)には、先読み判定対象の第1保留記憶情報に対応して、「ゾーン予告演出実行変動指定」の格納データとして「指定無」のデータを記憶し、「ゾーン予告演出態様指定」の格納データとして「演出無」のデータを記憶する(S754)。
一方、S753により、ゾーン予告演出を実行することが決定されたとき(S753のYES)には、先読み判定対象の保留記憶情報についての変動表示結果を始動入賞時受信コマンドバッファにおいて確認する。次に、実行するゾーン予告演出の演出態様を、先読み演出の種類別に選択決定する(S755)。続いて、乱数SR5を抽出するとともに、図21(B)に示すゾーン予告演出実行開始選択テーブルを用いて、乱数SR5の抽出値に基づいて、実行するゾーン予告演出が第1ゾーン予告演出であるか否かを判定する(S756)。
S756により、実行するゾーン予告演出が第1ゾーン予告演出であるとき(S756のYES)には、シャッタ画像を表示させて(S757)ゾーン予告演出処理を終了する。シャッタ画像を表示させる際には、ゾーン専用またはゾーン非専用キャラクタをシャッタ画像の手前側に表示する。また、実行するゾーン予告演出が第1ゾーン予告演出でないとき(S756のNO)には、そのままゾーン予告演出処理を終了する。
図28は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616Aへ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616Aへ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616Aへ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、演出図柄の変動表示の演出(擬似連等の変動表示態様を含む)、保留等変化の演出、および、特定予告演出等の各種演出を設定する処理)を行なう演出設定処理A(S616A)および演出設定処理B(S616B)を実行した後、S617に進む。演出設定処理A、演出設定処理Bの処理内容については、図29、図30を用いて後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616A、S616Bの処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
図29は、前述の演出設定処理A(S616A)を示すフローチャートである。演出設定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下に説明するような処理を行なう。
まず、今回の変動表示が、先読みアクティブ変化演出(アクティブ変化演出)を実行する指定がされた変動表示であるか否かを判定する(S781)。具体的に、S780では、図23に示す第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応する「ゾーン予告演出実行変動指定」のデータとして「ゾーン予告演出実行変動の指定有」のデータが記憶されているときに、ゾーン予告演出を実行する指定がされた変動表示であると判定する。S781において、ゾーン予告演出を実行する指定がされた変動表示ではないと判定されたとき(S781のNO)は、演出設定処理を終了する。
S781により先読み演出を実行する指定がされた変動表示であると判定されたとき(S781のYES)は、図23に示す第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応する「ゾーン予告演出態様指定」のデータを確認することに基づいて、今回実行するゾーン予告演出の演出態様を確認する(S782)。例えば、ゾーン予告演出態様「4201」が記憶されている場合には、ゾーン予告演出の演出態様として「ゾーン予告演出実行パターン」を確認する。
次に、S782による今回の変動表示において実行するゾーン予告演出の演出態様の確認結果に基づいて、実行するゾーン予告演出の演出パターン、および、実行タイミングを設定する(S783)。具体的に、S783においては、確認した「ゾーン予告演出態様指定」のデータに対応して、たとえば、今回の変動表示において、どの種類のゾーン予告演出を、どの演出パターンで、どのタイミングで実行させるかというようなゾーン予告演出の演出パターンを設定する。実行するゾーン予告演出の実行タイミングは、図21(AB)のゾーン予告演出実行開始変動選択テーブルを用いて決定し、図15のゾーン予告演出種類テーブルに設定されたゾーン予告演出種類別の演出開始時期を参照することに基づいて判別して設定可能である。
続いて、シャッタ開放後演出パターンを決定する(S784)。図31に示すように、シャッタ開放後演出パターンとしては、「演出パターン1(NR用役物動作無)」、「演出パターン2(NR用役物動作有)」、「演出パターン3(SR用役物動作無)」、「演出パターン4(SR用役物動作有)」、「演出パターン5(SR用役物動作有)」、「演出パターン6(NR用役物動作2回有)」の6パターンがある。
シャッタ開放後演出パターンで示される「役物動作」とは、可動演出部材(以下、演出用役物ということがある)60が傾動して演出用役物の上方が揺動する動作(以下、傾動動作ともいう)を行なう演出(役物演出)である。また、図31における「NR用」は、ノーマルリーチ用、「SR用」はスーパーリーチ用、「役物」は演出用役物60を意味する。また、スーパーリーチは、ノーマルリーチの後、ノーマルリーチから発展して実行されるリーチである。
図31に示す「演出パターン1(NR用役物動作無)」は、演出用役物60の傾動動作がないノーマルリーチが実行される演出パターンである。
「演出パターン2(NR用役物動作有)」は、ノーマルリーチ前に演出用役物60の傾動動作があり、ノーマルリーチが実行される演出パターンである。
「演出パターン3(SR用役物動作無)」は、演出用役物60の傾動動作がないスーパーリーチが実行される演出パターンである。
「演出パターン4(SR用役物動作有)」は、ノーマルリーチ前に演出用役物60の傾動動作があり、スーパーリーチが実行される演出パターンである。
「演出パターン5(SR用役物動作有)」は、スーパーリーチに発展した後に演出用役物60の傾動動作がある演出パターンである。
「演出パターン6(NR用役物動作2回有)」は、ノーマルリーチ前とスーパーリーチに発展した後の2回演出用役物が傾動動作を行なう演出パターンである。
図31(A)に示すように、ハズレ時ノーマルリーチが実行される場合、98%の割合で「演出パターン1(NR用役物動作無)」が実行され、2%の割合で「演出パターン2(NR用役物動作有)」が実行されるように、シャッタ開放後演出パターン決定用乱数SR21(0〜100の数値範囲)の合計100個の数値が割振られている。
図31(B)に示すように、ハズレ時スーパーリーチが実行される場合、60%の割合で「演出パターン3(SR用役物動作無)」が実行され、20%の割合で「演出パターン4(SR用役物動作有)」が実行され、15%の割合で「演出パターン5(SR用役物動作有)」が実行され、5%の割合で「演出パターン6(NR用役物動作2回有)」が実行されるように、シャッタ開放後演出パターン決定用乱数SR21(0〜100の数値範囲)の合計100個の数値が割振られている。
図31(C)に示すように、大当り時ノーマルリーチが実行される場合、40%の割合で「演出パターン1(NR用役物動作無)」が実行され、60%の割合で「演出パターン2(NR用役物動作有)」が実行されるように、シャッタ開放後演出パターン決定用乱数SR21(0〜100の数値範囲)の合計100個の数値が割振られている。
図31(D)に示すように、ハズレ時スーパーリーチが実行される場合、20%の割合で「演出パターン3(SR用役物動作無)」が実行され、30%の割合で「演出パターン4(SR用役物動作有)」が実行され、20%の割合で「演出パターン5(SR用役物動作有)」が実行され、30%の割合で「演出パターン6(NR用役物動作2回有)」が実行されるように、シャッタ開放後演出パターン決定用乱数SR21(0〜100の数値範囲)の合計100個の数値が割振られている。
図31(A)〜(D)に示すように、シャッタ開放後演出パターンは、大当り表示結果となるときに「演出パターン1<演出パターン2」、「演出パターン3<演出パターン4<演出パターン5<演出パターン6」という大小関係の選択割合となり、はずれ表示結果となるときに「演出パターン1>演出パターン2」、「演出パターン3>演出パターン4>演出パターン5>演出パターン6」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。
また、各演出パターンに応じて、BGMの変化が実行される。各演出パターンとBGMの内容との関係については後に説明する。こうして、演出設定処理Aを終了する。
次に、演出設定処理Bについて説明する。図30は、前述の演出設定処理B(S616B)を示すフローチャートである。演出設定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下に説明するような処理を行なう。
まず、今回の変動表示が、先読みアクティブ変化演出を実行する指定がされた変動表示であるか否かを判定する(S630)。具体的に、S630では、図20(B)に示す第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応する「先読み演出(ゾーン予告演出以外)実行変動指定」のデータとして「先読み演出実行変動の指定有」のデータが記憶されているときに、先読み演出を実行する指定がされた変動表示であると判定する。S630において、先読み演出を実行する指定がされた変動表示ではないと判定されたとき(S630のN)は、後述するS637に進む。
S630により先読み演出を実行する指定がされた変動表示であると判定されたとき(S630のY)は、図23に示す第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応する「チャンス目予告演出態様指定」、「背景変化予告演出態様指定」、および、「保留変化予告演出態様指定」のそれぞれのデータを確認することに基づいて、今回実行する先読み演出の演出態様を確認する(S631)。
次に、S631による今回の変動表示において実行する先読み演出の演出態様の確認結果に基づいて、実行する先読み演出の演出パターン、および、実行タイミングを設定し(S632)、S633に進む。具体的に、S632においては、確認した「チャンス目予告演出態様指定」、「背景変化予告演出態様指定」、および、「保留変化予告演出態様指定」のデータに対応して、たとえば、今回の変動表示において、どの種類の先読み演出を、どの演出パターンで、どのタイミングで実行させるかというような先読み演出の演出パターンを設定する。その場合において、実行する先読み演出の種類は、演出用バッファのこれらの演出態様指定の領域のデータが「3000(H)」以外のデータであるか否かに基づいて判別して設定可能である。実行する先読み演出の演出パターンは、演出用バッファのこれらの演出態様指定の領域のデータに記憶された演出パターンのデータに基づいて判別して設定可能である。実行する先読み演出の実行タイミングは、図15の先読み演出種類テーブルに設定された先読み演出種類別の演出開始時期を参照することに基づいて判別して設定可能である。
次に、先読み中報知フラグがセットされているか否かを判定する(S633)。先読み中報知フラグは、先読み演出の実行に対応して先読み中報知が実行中であるときにセットされるフラグであり、後述するS635によりセットされる。
S633により先読み中報知フラグがセットされていないと判定されたとき(S633のN)は、これから実行される先読み演出に対応して先読み中報知の実行を開始するときであり、実行する先読み演出の種類に応じて、先読み中報知演出の演出パターンおよび実行タイミングを設定する(S634)。たとえば、チャンス目予告演出が実行されるときには、変動表示終了時から先読み中報知を実行する設定をする。背景変化予告演出が実行されるときには、変動表示開始時から先読み中報知を実行する設定をする。保留変化予告演出が実行されるときには、変動表示中における保留変化時から先読み中報知を実行する設定をする。また、1変動表示中において複数種類の先読み演出を実行する場合は、図16(A1),(B1),(C1),(D1)に示すように、実行タイミングが早い方の先読み演出開始時に先読み中演出を開始する設定をする。
また、S634では、いずれの種類の先読み演出が実行されるときも大当り期待度と関係なく図16に示す共通の先読み中報知画像94を表示する共通の先読み中報知が実行されるように、演出パターンが設定される。これにより、先読み中報知を実行するときの制御処理を簡素化することができる。また、S634では、いずれの種類の先読み演出が実行されるときも先読み演出の種類によらずに、図16に示す共通の先読み中報知画像94を表示する先読み中報知が実行されるように、演出パターンが設定される。これにより、遊技者が先読み中報知が実行中であるか否かを共通の先読み中報知演出の表示の有無で確認することが可能となるので、複数種類の先読み演出についての認識性をより一層向上させることができる。
また、S634では、複数のチャンス目予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも、複数の背景変化予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも、複数の保留変化予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも、図16に示す共通の先読み中報知画像94を表示する共通の先読み中報知が実行されるいずれの種類の先読み演出が実行される。これにより、チャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出の各先読み演出について、各先読み演出に含まれるいずれの種類の演出態様(演出パターン)が実行されるときも、遊技者が先読み中報知が実行中であるか否かを共通の先読み中報知演出の表示の有無で確認することが可能となるので、先読み演出についての認識性をより一層向上させることができる。また、先読み中報知を実行するときの制御処理を簡素化することができる。
次に、先読み中報知フラグをセットし(S635)、S642に進む。また、S633により先読み中報知フラグがセットされていると判定されたとき(S633のY)は、図23の演出用バッファにおける「図柄指定」のデータを確認することにより、今回の変動表示の表示結果が大当り表示結果となるか否かを判定する(S636)。
S636で大当り表示結果とならないと判定されたとき(S636のN)は、現在実行中の先読み中報知の演出を今回の変動表示中も継続し、その先読み中報知の演出を変動表示の終了後も継続させるような、先読み中報知の演出パターンを設定し(S636A)、S642に進む。これにより、今回の変動表示がはずれ表示結果となるときには、図25(D2)に示すように次回の変動表示まで継続する態様で、先読み中報知が実行されることとなる。
一方、S636で大当り表示結果となると判定されたとき(S636のY)は、現在実行中の先読み中報知の演出を今回の変動表示中も継続し、その先読み中報知の演出を変動表示の終了時に終了させるような、先読み中報知の演出パターンを設定し(S636B)、S642に進む。これにより、今回の変動表示が大当り表示結果となるときには、次回の変動表示まで継続しない態様で、先読み中報知が実行されることとなる。
S636,S636A,S636Bでは、先読み判定対象の変動表示の表示結果に基づいて大当り遊技状態に制御されるときには当該変動表示の終了時に先読み中報知が終了させられるが、はずれ表示結果となり大当り遊技状態に制御されないときには、当該変動表示の終了後に先読み中報知を終了させることにより、先読み判定対象の変動表示を契機として大当り遊技状態に制御されなかった場合における遊技の興趣の低下を抑制することができる。
前述のS630により先読み演出を実行する指定がされた変動表示ではないと判定されてS637に進んだときは、先読み中報知フラグがセットされているか否かを判定する(S637)。S637で先読み中報知フラグがセットされていないと判定されたと(S637のN)きは、S642に進む。一方、S637で先読み中報知フラグがセットされていると判定されたとき(S637のY)は、既に実行された先読み演出に対応して先読み中報知が実行中であるときであり、図23の演出用バッファを確認することにより、第1保留記憶情報中において、今回の変動表示以降に次の先読み演出を実行する予定のものがあるか否かを判定する(S638)。
S638で今回の変動表示以降に次の先読み演出を実行する予定がないと判定されたとき(S638のN)は、先読み中報知フラグをリセットし(S639)、今回の変動表示開始時から所定期間(たとえば、5秒程度)経過時に先読み中報知演出を終了させる演出パターンを設定し(S640)、S642に進む。
したがって、先読み演出に対応する先読み中報知は、先読み判定対象の変動表示が実行されるときも、S636Aにより次回の変動表示まで継続する態様で実行され、S638〜S640により、第1保留記憶情報として次の先読み演出の実行予定がないときは、先読み判定対象の1回後の変動表示の開始後所定時間経過時まで継続される。
このように、先読み判定対象の変動表示の終了時ではなく終了後に先読み中報知を終了させることにより、先読み演出が実行されたときの先読み判定対象の変動表示がどの変動表示であるかを遊技者が容易に識別できないようになり、先読み判定対象の変動表示が遊技者に識別されにくいようにして遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、先読み判定対象の変動表示の表示結果に基づいて大当り遊技状態に制御されないときに、当該変動表示の終了後に先読み中報知を終了させることにより、先読み判定対象の変動表示を契機として大当り遊技状態に制御されなかった場合における遊技の興趣の低下を抑制することができる。
一方、S638で今回の変動表示以降に次の先読み演出を実行する予定があると判定されたとき(S638のY)は、先読み中報知フラグをリセットせず、現在実行中の先読み中報知の演出を今回の変動表示中も継続し、その先読み中報知の演出を変動表示の終了後も継続させるような、先読み中報知の演出パターンを設定し(S641)、S642に進む。
このように、先読み判定対象が複数あるときに、先に変動表示が実行される第1先読み判定対象の変動表示の終了時から、後に変動表示が実行される第2先読み判定対象の変動表示の開始時までの期間中において継続する態様で、先読み中報知が実行されるので、先の先読み判定対象の変動表示の終了後も、後の先読み判定対象の変動表示まで特定演出が継続して実行されているような印象を遊技者に与えることができ、複数の先読み判定対象の変動表示間において遊技の興趣の低下を抑制することができる。
次に、S642においては、前述した先読み演出および先読み中報知演出以外のその他の各種演出を設定する処理を実行する(S642)。その後、演出設定処理を終了する。
このような演出設定処理におけるS632の処理が実行されることに基づく演出制御の設定に基づき、図14に示す演出図柄変動中処理(S802)により、S632で設定された演出パターンおよび実行タイミングに基づいて、図16に示すようなチャンス目予告演出、背景変化予告演出、および、保留変化予告演出のうちのいずれ1つの演出、または、いずれか複数の演出が実行される。
また、演出設定処理におけるS634,S636A、S636B、S640、S641の処理が実行されることに基づく演出制御の設定に基づき、図14に示す演出図柄変動中処理(S802)により、S632で設定された演出パターンに基づいて、図17に示すような先読み中報知の演出が実行される。
次に、ゾーン予告演出が実行される際の具体的な演出の流れについて説明する。まず、第1ゾーン予告演出について説明する。図32は、第1ゾーン予告演出の演出態様を示すタイムチャート、図33は、第1ゾーン予告演出の流れを示す図である。ここでは、第1ゾーン予告演出が図31に示す演出パターン5で実行される場合について説明する。
図32に示すように、第1ゾーン予告演出は、第1ゾーン予告演出を発生させる遊技球の入賞があった時に開始され、このとき、図18(A)に示す演出表示装置9にシャッタ画像300Sが表示されはじめ、完全に閉鎖したシャッタ画像が表示された状態となる。また、ターゲット変動が開始すると、閉鎖したシャッタ画像300Sが表示された状態からシャッタ画像300Sが開放されていく画像が表示されシャッタ画像が表示されない状態に切り替わる。ターゲット変動が開始される前は、完全に閉鎖されたシャッタ画像300Sが表示されたシャッタ閉鎖中ゾーン予告演出が実行される。
ターゲット変動が開始するときには、さらに、特殊背景画像300T(図18(B)参照)が表示されてシャッタ開放後ゾーン予告演出が実行される。シャッタ開放後ゾーン予告演出が実行されるとともに、BGM演出で実行されるBGMが通常のBGM(通常BGM)からゾーン予告演出用BGM(以下、ゾーンBGMという)に切り替わる。続いて、ノーマルリーチ、スーパーリーチへと移行するが、この間特殊背景表画像300Tの表示やBGMが切り替わることはない。その後、演出用役物60が傾動動作を行なうと、BGMがゾーンBGMからスーパーリーチ用BGM(SR用BGM、以下「スーパーBGMという」)に切り替わる。
図33を参照してここまでの流れを説明すると、第1ゾーン予告演出が開始される前の通常の演出では、例えば、図33(A)に示すように、演出表示装置9において、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rが変動表示する画像が表示されている。このとき、BGM演出として、スピーカ27からは通常BGMが出力されるBGM演出(以下、通常BGM演出という)が実行されている。通常BGMは、例えば穏やかな音楽が流れるBGMである。
通常の演出が実行されている最中に、第1ゾーン予告演出が開始されると、まず、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出が開始される。シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出では、図33(B)に示すように、演出表示装置9の左右側からそれぞれシャッタ画像300Sが表示され、シャッタ画像によって左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rが隠される。また、通常の演出では、演出表示装置9には、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rとともに、通常の演出画像が表示されているが、これらの演出画像も隠される。シャッタ画像300Sは、図19(B)に示すゾーン演出表示レイヤに表示される。このため、シャッタ画像300Sが完全に表示されると、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rは、図33(C)に示すように、シャッタ画像300Sに隠される。図33(B)に示す状態では、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rのうち左の飾り図柄5Lおよび右の飾り図柄5Rがシャッタ画像300Sによって隠された状態を示している。また、シャッタ画像300Sが表示されると、図19(B)に示す小図柄表示エリアに小図柄画像300A及び保留画像Hが表示される。小図柄画像300Aは、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rと同じ図柄の画像が表示される。左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rの一部または全部が変動表示されているときには、小図柄画像300Aにおいても同様の変動表示が行なわれる。小図柄画像300Aは、シャッタ画像300Sが表示されるシャッタ閉鎖中ゾーン予告演出時に表示される。また、保留画像Hは、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出以外の時にも表示されることがある。シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出は、複数回の変動にまたがって行なわれることがあるが、保留画像Hが表示されていることにより、演出表示装置9を視認することで、1回の変動の終了が分かるようになっている。シャッタ予告演出が開始されると、BGM演出としてスピーカから出力されるBGMが通常BGMから、ゾーンBGMが出力されるBGM演出(以下、ゾーンBGMという)に切り替わる。ゾーンBGMは、例えば通常BGMよりもテンポが速く、通常BGMよりも遊技者の高揚感を高めるBGMである。
次に、図33(C)に示すように、シャッタ画像300Sが演出表示装置9の全面を覆うと、シャッタ画像300Sの手前に「CHANCE ZONE」の文字からなるチャンス画像300Zが表示される。このとき、BGM演出としてゾーンBGM演出が実行されている。
「CHANCE ZONE」の文字からなるチャンス画像300Zが所定時間、例えば5秒間表示されると、図33(D)に示すように、シャッタ画像300Sの前面には、第1特殊キャラクタ300C1,第2特殊キャラクタ300C2、第3特殊キャラクタ等(図33(D)参照)がポーズや服装を代えながら入れ替わり表示される。第1特殊キャラクタ300C1,第2特殊キャラクタ300C2、第3特殊キャラクタ等は、通常の演出で表示されるキャラクタでもよいし、第1ゾーン予告演出においてのみ使用されるキャラクタでもよい。このとき、BGM演出としてゾーンBGMが実行されている。
続いて、ターゲットの変動表示が開始するとき、図33(E)に示すように、シャッタ画像300Sが開放された画像が表示され、続いて、シャッタ開放後ゾーン予告演出が実行される。シャッタ開放後ゾーン予告演出では、図33(F)に示すように、演出表示装置9には、ターゲットの保留記憶情報に対応する変動表示に対応させて左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rが変動表示される。このとき、演出表示装置9の上部および下部には、それぞれ特殊背景画像300Tが表示される。特殊背景画像300Tは、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rおよび通常の演出における背景画像等とともに表示される。特殊背景画像300Tが表示されていない状態では、通常時に実行される演出と同一の演出が実行される。特殊背景画像300Tは、図19(B)に示すゾーン演出表示レイヤに表示される。特殊背景画像300Tが表示されることにより、ゾーン予告演出が実行された後の演出であることを遊技者に認識させることができる。このとき、BGM演出としてゾーンBGMが実行されている。
それから、図33(G)に示すように、左の飾り図柄5Lおよび右の飾り図柄5Rが同じ数字で停止表示され、中の飾り図柄5Cが変動状態であると、リーチ状態になり、第1ゾーン予告演出(シャッタ開放後ゾーン予告演出)は終了し、第1ゾーン予告演出終了後のリーチ演出に移行する。以下、ゾーン予告演出後のリーチ(リーチ状態、リーチ演出)を特殊リーチ(特殊リーチ状態、特殊リーチ演出)という。また、特殊リーチにも、ノーマルリーチとスーパーリーチとがあり、それぞれ特殊ノーマルリーチ(特殊ノーマルリーチ状態、特殊ノーマルリーチ演出)と特殊スーパーリーチ(特殊スーパーリーチ状態、特殊スーパーリーチ演出)という。図32(F)に示すリーチ状態は、特殊ノーマルリーチ状態である。特殊ノーマルリーチ状態に移行した後も、特殊背景画像300Tは表示されたままとなり、スピーカ27からBGM演出として出力されるBGMは、ゾーンBGMのままとなる。
特殊ノーマルリーチ状態の後、続いて、図33(H)に示すように、特殊スーパーリーチ状態に移行する。特殊スーパーリーチには、特殊下位スーパーリーチ(特殊下位スーパーリーチ状態、特殊下位スーパーリーチ演出)と特殊上位スーパーリーチ(特殊上位スーパーリーチ状態、特殊上位スーパーリーチ演出)とがあり、ここでは特殊下位スーパーリーチに移行する。特殊下位スーパーリーチ状態では、飾り図柄の表示がなくなり、正義側スーパーリーチ用キャラクタ300M1および敵側スーパーリーチ用キャラクタ300E1が表示される。特殊ノーマルリーチ状態から特殊下位スーパーリーチ状態に移行した後も、特殊背景画像300Tは表示されたままとなり、BGM演出はゾーンBGM演出のままとなる。
その後、特殊下位スーパーリーチが実行されているときに、図33(I)に示すように、演出用役物60が傾動動作を行なうと、特殊下位スーパーリーチから特殊上位スーパーリーチに移行する。特殊下位スーパーリーチから特殊上位スーパーリーチに移行する際には、BGM演出が、ゾーンBGM演出から、スピーカ27からスーパーBGMが出力されるBGM演出(以下、スーパーBGM演出という)に切り替わる。スーパーBGMは、ゾーンBGMよりもさらに遊技者の高揚感を高めるようなBGMである。また、演出表示装置9には、特殊背景画像300Tは表示されたままとなる。
演出用役物60は、傾動動作を行なった後、図33(J)に示すように、図33(A)等に示す元の位置に戻る。また、演出表示装置9では、特殊上位スーパーリーチが実行されると、正義側スーパーリーチ用キャラクタM1が変化した正義側変形スーパーリーチ用キャラクタ300M2と、敵側変形スーパーリーチ用キャラクタ300E2とが表示される。このとき、演出表示装置9には、特殊背景画像300Tが表示され、BGM演出は、スーパーBGMとなる。
次に、第2ゾーン予告演出について説明する。図34は、第2ゾーン予告演出の演出態様を示すタイムチャート、図35は、第2ゾーン予告演出の流れを示す図である。ここでは、第2ゾーン予告演出が、図31に示す演出パターン5で実行される場合について説明する。
図34に示すように、第2ゾーン予告演出は、ターゲット変動が実行されているときにおいて、リーチ(ノーマルリーチ)が成立したときに開始される。リーチが成立してノーマルリーチが開始されると、図18(A)に示す演出表示装置9にシャッタ画像300Sが表示されはじめ、完全に閉鎖したシャッタ画像が表示された状態となる。続いて、閉鎖したシャッタ画像300Sが表示された状態からシャッタ画像300Sが開放されていく画像が表示されシャッタ画像が表示されない状態に切り替わる。閉鎖されたシャッタ画像300Sが表示されている時間は、短時間であり、例えば1秒程度である。
シャッタ画像300Sが表示されなくなったときには、さらに、特殊背景画像300T(図18(B)参照)が表示される。このように、第2ゾーン予告演出では、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出とシャッタ開放後ゾーン予告演出とが連続して実行される。また、スピーカ27から出力されるBGMが通常のBGMからゾーンBGMに切り替わる。続いて、ノーマルリーチ、スーパーリーチへと移行するが、この間特殊背景表画像300Tの表示やBGMが切り替わることはない。その後、演出用役物60が傾動動作を行なうと、BGMがゾーンBGMからスーパーBGMに切り替わる。
図35を参照してここまでの流れを説明すると、図35(A)に示すように、演出表示装置9において、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rが変動表示する画像が表示された状態から、図35(B)に示すように、左の飾り図柄5Lおよび右の飾り図柄5Rが同じ数字で停止表示され、中の飾り図柄5Cが変動状態であると、リーチ状態になる。ここまで、BGM演出は、通常BGM演出である。
リーチ状態となったとき、図35(C)に示すように、演出表示装置9の左右側からそれぞれシャッタ画像300Sが表示され、シャッタ画像300Sによって左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5R、さらには、通常の演出画像が隠される。このとき、BGM演出が通常BGMからゾーンBGMに切り替わる。
図33に示す例では、シャッタ画像300Sは、ターゲットの表示変動が開始されるまで閉鎖した状態が続いていたため、長時間、例えば数秒から数分間継続することがあったが、図35に示す例では、シャッタ画像300Sが閉鎖した画像が表示された状態は非常に短く、例えば1秒程度とされている。ただし、シャッタ画像300Sが閉鎖した画像が表示された状態が1秒より短くてもよく、例えばシャッタ画像300Sが閉鎖した画像が表示されたことを遊技者が認識できる程度の時間、例えば100ms程度としてもよいし、1秒より長く、例えば3秒や5秒程度としてもよい。
このシャッタ画像300Sが閉鎖した画像が表示されてから開放した画像が表示されるまでの間がシャッタ閉鎖中ゾーン予告演出となる。このため、図35に示す例では、シャッタ閉鎖中ゾーン予告は、非常に短時間で終了する。続いて、図35(D)に示すように、シャッタ画像300Sが開放された画像が表示され、図35(E)に示すように、「CHANCE ZONE」の文字が表示される。その後、図35(F)に示すように、リーチ演出(特殊ノーマルリーチ演出)へと移行し、リーチ演出とともに演出表示装置9の上部および下部には、それぞれ特殊背景画像300Tが表示される。このため、第2ゾーン予告演出では、シャッタ開放後予告演出は実行されず、第2ゾーン予告演出は、シャッタ閉鎖中ゾーン予告のみによって構成される。
続いて、図35(G)に示すように、特殊ノーマルリーチから特殊スーパーリーチ(特殊下位スーパーリーチ)に発展する。特殊ノーマルリーチや特殊スーパーリーチについては、図33に示す例と共通の演出が実行される。特殊ノーマルリーチが実行されてから特殊下位スーパーリーチが実行されている間は、BGM演出としてゾーンBGM演出が実行されている。
それから、図35(H)に示すように、演出用役物60が傾動動作を行なうと、特殊下位スーパーリーチから特殊上位スーパーリーチに移行する。特殊下位スーパーリーチから特殊上位スーパーリーチに移行する際には、BGM演出が、ゾーンBGM演出からスーパーBGM演出に切り替わる。また、演出表示装置9には、特殊背景画像300Tは表示されたままとなる。
演出用役物60は、傾動動作を行なった後、図35(I)に示すように、図33(A)等に示す元の位置に戻る。また、演出表示装置9では、特殊上位スーパーリーチが実行されると、正義側スーパーリーチ用キャラクタM1が変化した正義側変形スーパーリーチ用キャラクタ300M2と、敵側変形スーパーリーチ用キャラクタ300E2とが表示される。このとき、演出表示装置9には、特殊背景画像300Tは表示されたままとなり、BGM演出は、ゾーンBGM演出のままとなる。
次に、第3ゾーン予告演出について説明する。図36は、第3ゾーン予告演出の演出態様を示すタイムチャート、図37は、第3ゾーン予告演出の流れを示す図である。ここでは、第2ゾーン予告演出が、図31に示す演出パターン5で実行される場合について説明する。
図36に示すように、第3ゾーン予告演出は、ターゲット変動が実行されているときにおいて、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展したときに開始される。ノーマルリーチからスーパーリーチに発展すると、図18(A)に示す演出表示装置9にシャッタ画像300Sが表示されはじめ、完全に閉鎖したシャッタ画像が表示された状態となる。続いて、閉鎖したシャッタ画像300Sが表示された状態からシャッタ画像300Sが開放されていく画像が表示されシャッタ画像が表示されない状態に切り替わる。閉鎖されたシャッタ画像300Sが表示されている時間は、短時間であり、例えば1秒程度である。
シャッタ画像300Sが表示されなくなったときには、さらに、特殊背景画像300T(図18(B)参照)が表示される。このように、第3ゾーン予告演出では、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出とシャッタ開放後ゾーン予告演出とが連続して実行される。また、BGM演出が通常BGM演出からゾーンBGM演出に切り替わる。続いて、スーパーリーチが実行されるが、この間特殊背景表画像300Tの表示やBGMが切り替わることはない。その後、演出用役物60が傾動動作を行なうと、BGM演出がゾーンBGM演出からスーパーBGM演出に切り替わる。
図37(A)に示すように、演出表示装置9において、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rが変動表示する画像が表示された状態から、図37(B)に示すように、左の飾り図柄5Lおよび右の飾り図柄5Rが同じ数字で停止表示され、中の飾り図柄5Cが変動状態であると、リーチ状態になる。
リーチ状態となった後、図37(C)に示すように、中の飾り図柄5Cが仮停止した後、スーパーリーチに発展する。スーパーリーチに発展する際、図37(D)に示すように、演出表示装置9の左右側からそれぞれシャッタ画像300Sが表示され、シャッタ画像300Sによって左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5R、さらには、通常の演出画像が隠される。このとき、BGM演出が通常BGM演出からゾーンBGM演出に切り替わる。
図37に示す例でも、図35に示す例と同様、シャッタ画像300Sが閉鎖した画像が表示された状態は非常に短く、例えば1秒程度とされている。ただし、シャッタ画像300Sが閉鎖した画像が表示された状態が1秒より短くてもよいし長くてもよい。図37に示す例では、図35に示す例と同様、シャッタ開放後予告演出は実行されず、ゾーン予告演出は、シャッタ閉鎖中ゾーン予告のみによって構成される。
続いて、図37(E)に示すように、シャッタ画像300Sが開放された画像が表示され、図37(F)に示すように、「CHANCE ZONE」の文字が表示される。その後、図37(G)に示すように、シャッタ画像300Sが開放した画像が表示されると、特殊スーパーリーチ(特殊下位スーパーリーチ)が実行される。特殊スーパーリーチについては、図33に示す例と共通の演出が実行される。特殊下位スーパーリーチが実行されている間は、ゾーンBGM演出が実行されている。
それから、図37(H)に示すように、演出用役物60が傾動動作を行なうと、特殊下位スーパーリーチから特殊上位スーパーリーチに移行する。特殊下位スーパーリーチから特殊上位スーパーリーチに移行する際には、BGM演出がゾーンBGM演出からスーパーBGM演出に切り替わる。また、演出表示装置9には、特殊背景画像300Tは表示されたままとなる。
演出用役物60は、傾動動作を行なった後、図37(I)に示すように、図33(A)等に示す元の位置に戻る。また、演出表示装置9では、特殊上位スーパーリーチが実行されると、正義側スーパーリーチ用キャラクタM1が変化した正義側変形スーパーリーチ用キャラクタ300M2と、敵側変形スーパーリーチ用キャラクタ300E2とが表示される。このとき、演出表示装置9には、特殊背景画像300Tは表示されたままとなり、BGM演出はゾーンBGMのままとなる。
次に、図31に示す演出パターン5と比較して、演出用役物60の役物動作が無い場合(演出パターン3)、スーパーリーチに発展せず、演出用役物60の役物動作が無い場合(演出パターン1)、ノーマルリーチ前の役物動作がある場合(演出パターン2)、ノーマルリーチの前およびスーパーリーチの開始後に2回の演出用役物60の役物動作がある場合(演出パターン6)について説明する。なお、ここでは各演出パターンでの演出が第1ゾーン予告演出で実行される場合について説明する。
図38は、第1ゾーン予告演出が演出パターン3で実行される場合の演出態様を示すタイムチャートである。図38に示すように、第1ゾーン予告演出の演出パターン3は、図32に示す第1ゾーン予告演出の演出パターン5と比較して、スーパーリーチ発展時までは同様の演出が実行される。スーパーリーチ(特殊スーパーリーチ)に発展した後、図32に示す演出パターン5では、演出用役物60が傾動動作を行ない、BGM演出がゾーンBGM演出からスーパーBGM演出に切り替わるが、図38に示す演出パターン3では、演出用役物60が傾動動作を行なわず、BGM演出はゾーンBGM演出のままとなり、スーパーBGM演出に切り替わることはない。このように、演出用役物60が傾動動作を行なわない場合には、BGM演出の変化がないようにされている。
なお、第2ゾーン予告演出や第3ゾーン予告演出においても、特殊スーパーリーチ中に演出用役物60が傾動動作を行なわない場合には、BGM演出はゾーンBGM演出のままとなり、スーパーBGM演出に切り替わることはない。
図39は、第1ゾーン予告演出が演出パターン1で実行される場合の演出態様を示すタイムチャートである。図39に示すように、第1ゾーン予告演出の演出パターン1は、図32に示す第1ゾーン予告演出の演出パターン5と比較して、スーパーリーチ発展時までは同様の演出が実行される。図32に示す演出パターン5ではスーパーリーチへの発展があるが、図39に示す演出パターン3ではスーパーリーチへの発展がなく、スーパーリーチ中の演出用役物60の傾動動作がない。この場合、BGM演出はゾーンBGM演出のままとなり、スーパーBGM演出に切り替わることはない。このように、スーパーリーチへの発展が無く、演出用役物60が傾動動作を行なわない場合には、BGM演出の変化がないようにされている。
なお、第2ゾーン予告演出や第3ゾーン予告演出においても、スーパーリーチへの発展が無く、演出用役物60が傾動動作を行なわない場合には、BGM演出はゾーンBGM演出のままとなり、スーパーBGM演出に切り替わることはない。
図40は、第1ゾーン予告演出が演出パターン2で実行される場合の演出態様を示すタイムチャートである。図40に示すように、第1ゾーン予告演出の演出パターン2は、ノーマルリーチ中に演出用役物60が傾動動作を行ない、スーパーリーチへの発展が無いので、スーパーリーチ中に演出用役物60が傾動動作を行なうことはない。ノーマルリーチ中に演出用役物60が傾動動作を行なう場合、図40に示すように、BGM演出は、ゾーンBGM演出のままである。このように演出用役物60が傾動動作を行なう場合でも、スーパーリーチ(特殊スーパーリーチ)中でない場合、ここではノーマルリーチ中である場合には、BGM演出の変化がないようにされている。
なお、第2ゾーン予告演出や第3ゾーン予告演出においても、スーパーリーチへの発展が無く、演出用役物60が傾動動作を行なわない場合には、BGM演出はゾーンBGM演出のままとなり、スーパーBGM演出に切り替わることはない。また、ノーマルリーチより以前の通常の演出中に演出用役物60が傾動動作を行なっても、BGM演出の切り替えが無いようにしてもよい。
図41は、ゾーン予告演出が演出パターン6で実行される場合の演出態様を示すタイムチャートである。ここでは、ゾーン予告演出が第1始動口入賞時に実行開始する場合について説明する。図40に示すように、第1ゾーン予告演出の演出パターン2は、ノーマルリーチ中およびスーパーリーチ(特殊スーパーリーチ)中の2回演出用役物60が傾動動作を行なう。この場合、図41に示すように、ノーマルリーチ中に演出用役物60が傾動動作を行なった場合には、BGM演出はゾーンBGM演出のままとなり、スーパーリーチ(特殊スーパーリーチ)中に演出用役物60が傾動動作を行なった場合には、BGM演出は、ゾーンBGM演出からスーパーBGM演出へと切り替わる。このように演出用役物60が2回の傾動動作を行なう場合でも、スーパーリーチ(特殊スーパーリーチ)中でない場合、ここではノーマルリーチ中である場合には、BGMの変化がなく、スーパーリーチ(特殊スーパーリーチ)中に演出用役物60が2回の傾動動作を行なうと、BGM演出が変化するようにされている。
なお、第2ゾーン予告演出や第3ゾーン予告演出においても、スーパーリーチへの発展が無く、演出用役物60が傾動動作を行なわない場合には、BGM演出はゾーンBGM演出のままとなり、スーパーBGM演出に切り替わることはない。また、ノーマルリーチより以前の通常の演出中に演出用役物60が傾動動作を行なっても、BGM演出の切り替えが無いようにしてもよい。
上記の各ゾーン予告演出では、通常BGM、ゾーンBGM、及びスーパーBGMは、適宜の楽曲、セリフ、効果音、またはこれらの組み合わせなどとすればよい。また、通常BGM、ゾーンBGM、及びスーパーBGMは、互いにまったく異なる種類(態様)の楽曲等としてもよい。例えば、通常BGMやゾーンBGMとしては楽器の演奏のみの楽曲が使用され、スーパーBGMではボーカルが入った楽曲が使用されていてもよい。あるいは、通常BGM、ゾーンBGM、スーパーBGMと進むにつれて使用する楽器が増える楽曲としてもよい。また、スーパーBGMとして、ゾーン予告演出を経た場合と経ていない場合とで、異なる種類の楽曲を用いてもよい。これによって、例えばゾーン予告演出を経た場合のみにボーカルが入った楽曲が切り替われることによって、より期待度が高い状況に対応する演出が実行されていることを遊技者にアピールすることができる。
また、各ゾーン予告では、シャッタ画像300Sや特殊背景画像300Tの表示を行うようにしているが、シャッタ画像300Sや特殊背景画像300Tとともに、図16に示す先読み中報知画像94を表示してもよい。また、ゾーン予告演出では、第1始動口入賞時、リーチ成立時、またはスーパーリーチ発展時といったタイミングでシャッタ画像300Sを表示してから特殊背景画像300Tを表示するが、シャッタ画像300Sを表示することなく、上記のシャッタ画像300Sを表示するタイミングで特殊背景画像300Tを表示するようにしてもよい。また、シャッタ画像300Sを複数回(2回以上)表示するようにしてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、少なくとも変動表示の実行中に、遊技者による調整動作に応じて演出効果を調整可能な調整手段と、その調整手段による調整に対応する調整画像を所定期間表示する調整画像表示手段とを備え、調整画像表示手段が、所定期間内に変動表示結果が導出表示される場合に、その所定期間のうち、変動表示結果が導出表示される期間で調整画像を視認不可または視認困難とする特定報知手段を備えるパチンコ遊技機を説明する。なお、第1実施形態と共通する部分等については、共通の符号を付してその説明を省略することがある。
本実施形態において、図19に示す変化演出表示レイヤに表示される変化演出用キャラクタを示す演出画像は、識別情報画像となる演出図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができる。なお、複数のレイヤは、エラー画像表示レイヤを含んでいてもよい。そして、たとえば、エラー画像表示レイヤについて、小図柄表示レイヤよりも前方側に配置されるようにZ値を設定することで、エラー画像(図43(D1)(D2)参照)の優先度を他の演出画像よりも高くするようにしてもよい。
図42は、演出制御用マイクロコンピュータ100にて実行される演出効果設定処理の一例を示すフローチャートである。図43は、演出表示装置9において演出効果設定処理に応じて実行される演出表示の表示画面図である。
演出効果設定処理は、たとえば、図14に示すような演出制御プロセス処理において、一連の演出制御プロセスに関するS800〜S807とは別の処理として、先読み演出処理(S700)の後に実行される。
この実施の形態では、以下に説明する演出効果設定処理を実行することで、遊技中(図43(A))や客待ちデモンストレーション表示中(図43(B))に、遊技者の調整操作により、演出効果としての音量を調整可能となっている。また、音量が調整されると、音量の調整結果を示す調整結果画像Rが、演出表示装置9の所定領域において演出画像やデモ画像と重畳した態様で表示される。調整結果画像Rは、図43(A)(B)(C2)等に示すように、たとえば、左右方向に増減するバーグラフ表示の態様にて表示される。なお、調整結果画像Rの態様は、遊技者等に現在の音量を認識させることができれば任意であり、音量に対応した数値や文字を表示する態様や、円グラフ態様等であってもよい。
なお、この実施の形態では、メニューモード中においては、メニュー画面(図43(C1))から「音量調整」の項目が選択されて音量調整モード選択中(図43(C2))となったときにのみ音量の調整が可能となっている。音量調整モード選択中には、調整結果画像Rが常に表示される。また、後述するように、客待ちデモ表示中に所定操作を受け付けたことに応じて、客待デモ表示中からメニューモードへと移行する。
図42に示す演出効果設定処理を開始すると、演出制御用CPU101は、まず、メニューモード実行中であるか否かを判定する(SA701)。たとえば、演出制御用CPU101は、メニューモード実行中フラグがオン状態であればメニューモード実行中と判定し、オフ状態であればメニューモード実行中でないと判定する。
メニューモード実行中でない場合(SA701;No)、演出制御用CPU101は、調整結果画像表示中フラグがオン状態であるか否かを判定する(SA702)。なお、調整結果画像表示中フラグは、後述のSA708やSA715でオン状態にセットされ、SA704、SA712でオフ状態にクリアされる。
調整結果画像表示中フラグがオン状態である場合(SA702;Yes)、演出制御用CPU101は、調整操作受付時から予め定められた所定期間T1が経過したか否かを判定する(SA703)。ここで、調整操作(調整動作)は、たとえばスティックコントローラ122等の操作手段を用いて遊技者によってなされる操作であり、この実施の形態では、演出効果としての音量を調整するための操作である。遊技者は、たとえば、スティックコントローラ122を左右に傾倒操作することにより、音量を予め定められた範囲内(たとえば、1〜6の6段階)から調整し、傾倒操作を止めた時点での音量が調整結果としての音量として決定される。
なお、音量の決定操作は、調整操作とは別個にスティックコントローラ122のトリガボタン125を押引操作したり、プッシュボタン120を押下操作したりすることによってなされてもよい。また、音量調整のための操作手段はスティックコントローラ122に限られず、図示しない十字キーやダイヤル式の操作手段等であってもよい。また、操作手段の代わりに、非接触型のセンサ(たとえばフォトセンサ等)を用いて、当該センサによって検出される遊技者の調整動作によって演出効果の調整が可能であってもよい。
所定期間T1は、音量の調整結果を示す調整結果画像Rの表示期間として予め定められている。所定期間T1は、遊技者が調整結果を確認するのに適切な期間であれば任意であり、この実施形態では、数秒程度(たとえば2〜10秒)に設定されている。なお、調整操作受付時から所定期間T1が経過したか否かは、たとえば、後述のSA706で調整操作あり(SA706;Yes)と判定したことに伴って、所定のタイマに所定期間T1に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを判定すればよい。
なお、調整操作(調整動作)は、演出効果としての演出表示装置9や演出効果ランプの表示輝度(光量)を調整するための操作であってもよい。そして、調整結果画像Rは輝度の調整結果を示すものであってもよい。また、調整操作に応じて、音量と輝度との少なくとも一方が調整可能であればよい。また、音量に応じた調整結果画像が表示される所定期間と、輝度に応じた調整結果画像が表示される所定期間とは、同じ長さに設定されていてもよいし、異なる長さに設定されていてもよい。
ここで、図44を参照して、所定の演出中に調整結果画像Rが表示される場合の一例を説明する。図44は、所定の演出中に調整結果画像Rが表示される場合の演出表示装置9での表示例を示す図である。
演出図柄の変動表示(変動)が実行され、図44(A)に示すように演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となると、ノーマルリーチにおける所定のリーチ演出が実行され、その後、図44(B)に示すような発展報知画像(図示例では「スーパーリーチ!」)を演出表示装置9に表示することにより、スーパーリーチへの発展報知が行なわれる。変動中において、遊技者による調整操作がなされると、図44(B)に示すように演出表示装置9の右下端に調整結果画像Rが表示される(SA710に相当)。
このような発展報知に続いて、図44(C)に示すようなスーパーリーチにおけるリーチ演出の実行中に操作促進画像Pが表示される。そして、プッシュボタン31Bによる操作がなされると、図44(D)に示すように、所定のカットイン演出が実行される。なお、操作促進画像Pの表示期間中にプッシュボタン31Bによる操作がなされない場合には、カットイン演出は実行されない。その後、図44(E)に示すように、たとえば大当り組み合わせの最終停止図柄が導出表示される。
調整操作がなされてから所定期間T1が経過するまでは、図44(B)〜(D)に示すように、調整結果画像Rは演出表示装置9に表示されたままである。この場合、調整結果画像Rは、発展報知画像や操作促進画像P(特定演出画像の一例)とは重畳しない位置に表示される。しかし、変動表示結果導出期間T2においては、所定期間T1が経過していなくとも、図44(E)に示すように調整結果画像Rは消去される(SA712に相当)。これにより、導出表示される変動表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
第2実施形態については、以下のような手段構成を備えているといえる。
(1)識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示することが可能な遊技機(たとえばパチンコ遊技機1等)であって、少なくとも変動表示の実行中に、遊技者による調整動作(調整操作)に応じて演出効果を調整可能な調整手段(たとえばSA706、SA707の処理を実行する演出制御用CPU101)と、前記調整手段による調整に対応する調整画像(たとえば図44(B)〜(D)に示す調整結果画像R)を所定期間(たとえば所定期間T1)表示する調整画像表示手段(たとえばSA708、SA703、SA704の処理を実行する演出制御用CPU101)と、を備え、前記調整画像表示手段は、前記所定期間内に変動表示結果が導出表示される場合に、該所定期間のうち、変動表示結果が導出表示される期間(たとえば導出表示期間T2)で前記調整画像を視認不可(たとえば演出制御用CPU101がSA710〜SA712の処理を実行すること等)又は視認困難(たとえば調整画像を半透明表示としたり、点滅表示とすること等)とする。このような構成によれば、導出表示される変動表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
(2)上記(1)の遊技機において、前記調整画像の表示領域の少なくとも一部が、変動表示結果の導出表示領域の少なくとも一部と重なる(たとえば図43(A)参照)、ようにしてもよい。このような構成によれば、変動表示結果の導出表示領域の少なくとも一部と重なる調整画像結果画像を消去するため、変動表示結果の視認性の低下を抑えることができる。
(3)上記(1)又は(2)の遊技機において、変動表示結果の導出表示中もエラー画像は消去しない(たとえば図43(D2)参照)、ようにしてもよい。このような構成によれば、エラー画像の視認性を確保することができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの遊技機において、前記調整画像の表示よりもエラー画像の表示を優先する(異常報知コマンドを受信した演出制御用CPU101が、当該コマンドが示すエラーが解消されるまでは図43(D1)、(D2)に示すようなエラー画像の表示を継続させること等)、ようにしてもよい。このような構成によれば、エラー画像の視認性を確保することができる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの遊技機において、前記調整操作が行なわれた場合はデモ表示を視認可能に維持するが(たとえば図43(B)参照)、メニュー表示操作が行なわれた場合はデモ表示を消去するようにしてもよい。このような構成によれば、好適にデモ表示を行なうことができる。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態(たとえば大当り遊技状態等)に制御するか否かを決定する決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56の大当り判定処理等)と、前記決定手段の決定結果に応じて、前記識別情報の変動表示を行ない変動表示結果を導出表示する表示手段(たとえば演出制御用CPU101の演出制御プロセス処理等)と、前記識別情報の変動表示の実行中に特定演出画像を表示可能な特定演出実行手段(たとえば変化演出用キャラクタ表示処理を実行する演出制御用CPU101の処理等)と、を備え、前記特定演出画像は、少なくとも前記識別情報の一部よりも前方側の重複する位置に配置可能であり(たとえば図19(B)参照)、前記特定演出実行手段は、前記識別情報の変動表示結果が導出される期間において、該識別情報よりも前方側にて重複する位置では前記特定演出画像の表示態様を静止態様とする(たとえば演出制御用CPU101が、演出図柄よりも前方側にて重複する位置で特定演出画像の表示態様を静止態様とする処理等)、ようにしてもよい。このような構成によれば、表示結果の誤認を防止することができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図32〜図41に示すように、演出表示装置9によってゾーン予告演出が実行されるときには、ゾーンBGM演出が実行される。図32、図33(G)、図34、図35(E)、図36、図37(E)等に示すように、ゾーンBGM演出が実行されている間、特殊スーパーリーチが実行されているときに、演出用役物60が傾動動作をしない場合には、BGM演出は、ゾーンBGM演出のままとなる。
これに対して、ゾーンBGM演出が実行されている間、特殊スーパーリーチが実行されているときに、演出用役物60が傾動動作をした場合には、図32、図33(H)(I)、図34、図35(E)(F)、図36、図37(E)(F)等に示すように、BGM演出は、ゾーンBGM演出からスーパーBGM演出に切り替わる。また、演出用役物60が傾動動作を行なう場合は、演出用役物60が傾動動作を行なわない場合よりも大当り遊技状態に制御される期待度が高くなる。このため、大当り遊技状態に制御される期待度が高くなる演出用役物60の傾動動作が発生したとき、大当りの期待感を高めるスーパーBGM演出が実行されるので、有利状態に制御される期待度がより高い状況であることを強調することができ、興趣を向上できる。
(2) 第1ゾーン予告演出は、図32、図38〜図41に示すように、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したとき(第1始動入賞口を通過したとき)に実行される。このため、第1始動入賞口13への遊技球の通過に応じて、大当り遊技状態に制御される期待度が高い状況を発生させることができる。したがって、大当り遊技状態に制御される期待度が高い状況を長時間持続させることができ、興趣を向上できる。
(3) ゾーン予告演出としては、図32、図38〜図41に示すように、ターゲット変動前からターゲット変動中にわたって実行される第1ゾーン予告演出が設けられている。ゾーン予告演出が実行されるときは、大当り遊技状態に制御される期待度が高いときであるので、ターゲット変動前からターゲット変動中にわたって第1ゾーン予告演出が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される期待感を長く維持することができる。また、第1ゾーン予告演出では、ターゲット変動前にはシャッタ閉鎖中ゾーン予告演出が実行され、ターゲット変動が開始された後発明シャッタ開放後ゾーン予告演出が実行される。このため、長時間にわたってゾーン予告演出が実行されるが、演出内容を多様化できるので、遊技者の飽きを抑制し、興趣を向上できる。
(4) ゾーン予告演出は、図32、図38〜図41に示すように、第1ゾーン予告演出のように、複数回の変動にわたって実行することもできるし、第2ゾーン予告演出および第3ゾーン予告演出のように、1回の変動で実行することもできる。このため、ターゲット変動の前から第1ゾーン予告演出が始まらない場合でも、ターゲット変動によってゾーン予告演出が実行されることがあるので、ゾーン予告演出の実行に対する期待感を長く維持することができる。また、第2ゾーン予告演出および第3ゾーン予告演出では、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出とシャッタ開放後ゾーン予告演出とをターゲット変動の1の変動で連続して行っている。このため、演出の多様化を図ることができる。
(5) 図19(B)に示すように、ゾーン予告演出で表示されるシャッタ画像が表示されるゾーン演出表示レイヤは、複数のレイヤに割り当てられたZ値のうち、小さい側から2番目の「1」(表示優先度が2番目)とされている。このため、表示優先度がさらに高いZ値が設定された小図柄表示エリア以外の表示エリアに表示される画像は、シャッタ画像が表示されたときには、遊技者からは視認困難または視認不能となる。このため、シャッタ画像を確実に遊技者に視認させることができる。また、リーチ演出で表示される背景やキャラクタは、ゾーン演出表示レイヤよりもZ値が大きき(表示優先度が低い)表示レイヤで実行される。このため、シャッタ画像が表示されているときには、どのようなリーチ演出が実行されていたとしても遊技者からは視認困難または視認不能となるので、通常の演出を行ってもシャッタ画像が表示されたままとなる。したがって、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出が実行されている間に他の演出を通常通りに行なったとしても、遊技者に与える違和感を小さくするまたは無くすことができる。
(6) 図18(B)、図33(E)等に示すように、ゾーン予告演出では、シャッタ開放後ゾーン予告演出において、演出表示装置9に特殊背景画像300Tを表示している。この特殊背景画像300Tは、図33(G)に示すように、ゾーン予告演出(シャッタ開放後ゾーン予告演出)が終了してスーパーリーチ演出に移行した後に発展した後も、演出表示装置9に表示される。このため、スーパーリーチ演出が実行されている間、ゾーン予告演出を経たスーパーリーチ演出であることを認識させることができる。したがって、大当り遊技状態に制御される期待度が高いことを遊技者に認識させることができる。
(7) 図41に示すように、図1に示す演出用役物60は、2回の傾動動作を行なうことがある。ここで、スーパーリーチ演出に発展する前のシャッタ開放後ゾーン予告演出中に演出用役物60が傾動動作を行なった場合、BGM演出はゾーンBGM演出のままであり、スーパーリーチ演出に発展した後に演出用役物60が傾動動作を行なった場合、BGM演出はゾーンBGM演出からスーパーBGM演出に切り替わる。このように、演出用役物60の傾動動作が行われる場合でも、状況に応じてBGM演出が切り替わったり切り替わらなかったりする。したがって、演出用役物60の傾動動作による大当り遊技状態に制御される期待度を多様化することができる。よって、役物演出が実行される状況に対応した種類の所定演出が実行されるため、役物演出の実行頻度を高めつつ、過度に期待感を高めることを抑制することができる。
(8) 図32〜図41に示すように、演出表示装置9によってゾーン予告演出が実行されるときには、ゾーンBGM演出が実行される。ゾーン予告演出が終了した後の特殊スーパーリーチ(特殊下位スーパーリーチ)演出が実行されているときに演出用役物60が傾動動作を行なわないと、BGM演出は、ゾーンBGM演出のままである。一方、特殊スーパーリーチ(特殊下位スーパーリーチ)演出が実行されているときに演出用役物60が傾動動作を行なうと、特殊下位スーパーリーチ演出から特殊上位スーパーリーチ演出に移行し、BGMがゾーンBGMからスーパーBGMに切り替わる。
演出用役物60が傾動動作を行なう場合は、傾動動作を行なわない場合よりも大当り遊技状態に制御される期待度が高くなっている。また、特殊スーパーリーチ演出が実行されているとき演出用役物60が傾動動作を行なうと、BGM演出がゾーンBGMからスーパーBGMに切り替わる。このため、演出用役物60が傾動動作を行ない、BGM演出が切り替わることで、大当り遊技状態に制御される期待度が高いこととなる。したがって、BGM演出の変化により、有利状態に制御される期待度が高い状況であることを強調することができる。
(9) 図16(B1)〜(B3)等に示すように、特定演出としての先読み演出の実行に対応して、先読み演出の種類によらずに共通態様の先読み中報知が実行されることにより、先読み演出中であるか否かを遊技者が認識しやすくなり、複数種類の先読み演出についての認識性を向上させることができる。
(10) 先読み演出の種類によらずに共通態様の先読み中報知が実行されることに加えて、さらに、図30のS634等により、複数のチャンス目予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも、複数の背景変化予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも、複数の保留変化予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも共通の先読み中報知が実行されることにより、複数種類の演出態様の先読み演出についての認識性を向上させることができ、先読み演出についての認識性をより一層向上させることができる。
(11) 図25(D2)に示すように、先読み中報知については、先読み判定対象の変動表示の終了時ではなく終了後に先読み中報知を終了させることにより、先読み演出が実行されたときの先読み判定対象の変動表示がどの変動表示であるかを遊技者が容易に識別できないようになり、先読み判定対象の変動表示が遊技者に識別されにくいようにして遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(12) 先読み中報知については、先読み判定対象の変動表示の終了時ではなく終了後に先読み中報知を終了させることに加えて、さらに、図30のS634等により、複数のチャンス目予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも、複数の背景変化予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも、複数の保留変化予告演出パターンのうちのいずれの演出パターンが実行されるときも共通の先読み中報知が実行されることにより、複数種類の演出態様の先読み演出についての認識性を向上させることができ、先読み演出についての認識性をより一層向上させることができる。
(13) 図25(D1)に示すように、1回の変動表示に対応して複数種類の先読み演出が実行されるときには、先に実行が開始される背景予告演出による先読み演出の開始時に、先読み中報知の実行が開始されるので、複数の特定演出が実行されるときの先読み中報知の実行時期を適切な時期とすることができる。
(14) 図25(B1),(C1)に示すように複数回の変動表示に亘り特定演出が実行されるときに、(D1)に示すように、複数回の変動表示に亘り先読み中報知が実行可能であることにより、先読み演出の実行時期に対応して先読み中報知を実行することができ、先読み演出についての認識性をより一層向上させることができる。
(15) 図25(D3)に示すように、先読み中報知については、先読み判定対象が複数あるときに、先の先読み判定対象の変動表示の終了時から次の第2先読み判定対象の変動表示の開始時までの期間中において継続する態様で、報知が実行されるので、先の先読み判定対象の変動表示の終了後も、次の先読み判定対象の変動表示まで先読み予告演出が継続して実行されているような印象を遊技者に与えることができ、複数の先読み判定対象の変動表示間において遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(16) S634では、いずれの種類の先読み演出が実行されるときも大当り期待度と関係なく図16に示す共通の先読み中報知画像94を表示する共通の先読み中報知が実行されるように、演出パターンが設定される。これにより、先読み中報知を実行するときの制御処理を簡素化することができる。
(17) S634では、いずれの種類の先読み演出が実行されるときも先読み演出の種類によらずに、図16に示す共通の先読み中報知画像94を表示する先読み中報知が実行されるように、演出パターンが設定される。これにより、遊技者が先読み中報知が実行中であるか否かを所定演出の表示の有無で確認することが可能となるので、複数種類の先読み演出についての認識性をより一層向上させることができる。
(18) 第2実施形態に示すように、調整操作がなされてから所定期間T1が経過するまでは、図44(B)〜(D)に示すように、調整結果画像Rは演出表示装置9に表示されたままであり、調整結果画像Rは、発展報知画像や操作促進画像P(特定演出画像の一例)とは重畳しない位置に表示される。しかし、変動表示結果導出期間T2においては、所定期間T1が経過していなくとも、図44(E)に示すように調整結果画像Rは消去される(SA712に相当)。これにより、導出表示される変動表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 上記の実施形態では、特定演出としてのゾーン予告演出として、ターゲット変動の前にシャッタ閉鎖中ゾーン予告演出が実行されるパターンは、第1ゾーン予告演出の1パターンのみであるが、2パターン以上の複数パターンが設定されていてもよい。また、1変動中にシャッタ閉鎖中ゾーン予告演出およびシャッタ開放後ゾーン予告演出が実行されるパターンは、第2ゾーン予告演出および第3ゾーン予告演出の2パターンであるが、1パターンが設定されていてもよいし、3パターン以上設定されていてもよい。あるいは、このパターンが設定されていないようにしてもよい。
(2) 第1ゾーン予告演出は、第1始動入賞口時に遊技球が入賞したときに実行を開始されるが、他のタイミング、例えば第1始動入賞口時に遊技球が入賞したときの変動の次の変動、またはその次の変動の開始時にゾーン予告演出開始するようにしてもよいし、第1始動入賞口時に遊技球が入賞したときの変動の次の変動、またはその次の変動の途中から開始するようにしてもよい。
(3) 第2ゾーン予告演出および第3ゾーン予告演出は、ターゲット変動のみで実行される演出であるが、先読み演出で実行の有無を決定していた。これに対して、ターゲット変動のみで実行される特定演出(ゾーン予告演出等)または特定演出に対応する演出については、当該変動における演出を決定する際に決定してもよい。
(4)
図26のS711,S712に示すように、ゾーン予告演出を含む先読み演出は、先読み演出が未判定の第1保留記憶があり、かつ、先読み演出実行が設定されていない第1保留記憶個数が2以上であることを条件として、実行可能とされている。これに対して、ゾーン予告演出では、スーパーリーチ演出を行う第1保留記憶があるか否かを判定し、スーパーリーチ演出を行う第1保留記憶がない場合に、ゾーン予告演出を実行可能となるようにしてもよい。また、ゾーン予告演出以外の先読み演出についてもスーパーリーチ演出を行う第1保留記憶がない場合に実行可能となるようにしてもよい。また、第1保留記憶についてのみ先読み判定を行っているが、第2保留記憶についての先読み判定を行なってもよいし、第1保留記憶および第2保留記憶の両方について先読み判定を行なってもよい。
(5) ゾーン予告演出中に実行される所定演出は、BGM演出とされているが、他の演出であってもよい。例えば、BGM以外のキャラクタの発する音声などの他の音などとしてもよいし、所定の画像表示などとしてもよい。演出用役物60を作動させたりしてもよい。演出用役物60を作動させる場合には、傾動動作を行なわせてもよいし、他の動作を行なわせてもよい。また、演出用役物60は、他の態様の役物であってもよく、2段階、3段階等の複数段階で作動するものであってもよい。または、ランプを用いたランプ演出などとしてもよいし、ハンドル5(図1参照)を振動させたり、エア排出孔をハンドル5またはガラス扉枠2などの形成してエア排出孔からエアを排出させたりしてもよい。また、これらの演出を組み合わせた演出を所定演出としてもよい。
(6)
リーチ演出には、ノーマルリーチ演出とスーパーリーチ演出が設定されているが、より多くのリーチ演出が設定されていてもよい。また、ノーマルリーチ演出とスーパーリーチ演出の一方または両方に複数種類のリーチ演出が設定されていてもよい。また、リーチ演出を1種類のみとしてもよい。また、リーチ演出は、演出表示装置9に表示する以外の態様で実行してもよい。例えば、演出用役物60を作動させることでリーチ演出を実行してもよいし、音声や上記の振動、エア等によってリーチ演出を実行してもよい。さらにはドット表示やドラム表示などを設けて、これらのドット表示やドラム表示を用いてリーチ演出を行ってもよい。
(7) ゾーン予告演出、リーチ演出、BGM演出は、演出制御用CPU101によって決定された内容を実行するようにしているが、例えばプッシュボタン120やスティックコントローラ122の操作の有無によって演出内容が異なるようにしてもよい。また、プッシュボタン120やスティックコントローラ122の操作の有無によって演出内容が異なる場合には、遊技者にプッシュボタン120やスティックコントローラ122の操作を促進する促進報知を行なってもよい。促進報知は、図43(D)に示す画像のようなプッシュボタン120やスティックコントローラ122を演出表示装置9に表示し「押せ!」等の操作を促す文字を表示してもよいし、音声でプッシュボタン120やスティックコントローラ122の操作を促すようにしてもよい。
(8) BGMは、通常BGM、ゾーンBGM、及びスーパーBGMの3種類としているが、さらに多くの種類のBGMを設定してもよい。ここで例えば、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展する際に、ノーマルリーチ用のBGMからスーパーリーチ用のBGMに発展するようにしてもよい。この場合、ノーマルリーチ用のBGMとスーパーリーチ用のBGMを設定する場合、さらに超スーパーリーチ用のBGMを設定し、スーパーリーチ中に演出用役物60が傾動動作したときに、スーパーリーチ用のBGMから、超スーパーリーチ用のBGMとするようにしてもよい。または、通常BGMとゾーンBGMとノーマルリーチ用のBGMとスーパーリーチ用のBGMとを設定する場合、ノーマルリーチからスーパーリーチに移行する場合に、ノーマルリーチ用のBGMからスーパーリーチ用のBGMに切り替わる場合と、ゾーンBGMが実行されているときに演出用役物60の傾動動作があると、スーパーリーチ用のBGMに切り替わる場合とがあるようにしてもよい。また、通常BGMからゾーンBGMに切り替わるタイミングは、他のタイミングでもよい。例えば、ゾーン予告演出が実行されると、BGMが通常BGMからゾーンBGMに切り替わり、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出が実行されている間は、ゾーンBGM演出が実行されるが、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出が実行されている間は、通常BGM演出が継続して実行され、シャッタ画像が開放する画像が表示されて、シャッタ開放後予告演出に移行した後に、BGMが通常BGMからゾーンBGMに切り替わるようにしてもよい。
(9) 図19(B)に示すように、シャッタ画像を表示するゾーン演出表示レイヤは、図19(B)に示す表示レイヤのうち、2番目に優先度が高い表示レイヤとされているが、他の優先度の表示レイヤとしてもよい。具体的に、最も優先度が高い表示レイヤとなる配置としてもよいし、優先度が3番目以下の表示レイヤとなる配置としてもよい。ゾーン演出表示レイヤが最も優先度が高い表示レイヤとなる位置に配置されない場合には、特に、図43(D1)(D2)に示すエラー画像を表示するエラー画像表示レイヤが、最も優先度を高くなるように配置してもよい。また、図43(A)に示す調整結果画像Rについては、ゾーン予告演出が実行されるゾーン演出表示レイヤよりも優先度の高い表示レイヤに表示するようにしてもよい。また、図19(B)に示すように、小図柄画像300Aは、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出中にシャッタ画像300Sの手前位置に表示されるが、シャッタ閉鎖中ゾーン予告演出以外のときに表示されていてもよく、例えば、常時表示されているようにしてもよいし、左の飾り図柄5L、中の飾り図柄5C、右の飾り図柄5Rが変動表示を行っているときには、表示されているようにしてもよいし、スーパーリーチ時以外のときのみは表示されているようにしてもよい。また、保留画像Hは、小図柄表示エリアに表示されているが、その他の表示エリア、例えば図19(B)に示す変化演出表示レイヤなどに表示されてもよい。この場合、シャッタ画像300Sが表示されると、保留画像Hがシャッタ画像300Sに隠されてしまうことがある。そこで、保留画像Hがシャッタ画像300Sに隠されてしまうときには、小図柄表示エリアに保留画像Hに対応して保留数を補助的に表示する補助保留画像を表示してもよい。
(10) 前述した先読み中報知を文字の表示により示す例としては、テロップ表示態様に限らず、特定のキャラクタ画像を表示して、そのキャラクタ画像のセリフとして、「先読み中」という文字を表示するようにしてもよい。演出表示装置9の一部に遊技情報等の各種のメッセージを表示する表示領域を設け、そのメッセージ表示領域において、「先読み中」という文字を表示するようにしてもよい。
(11) 前述した先読み中報知の画像としては、チャンス目予告演出の画像、背景変化予告演出の画像、および、保留変化予告演出の画像等の先読み演出の画像とは別に設けた画像を表示する例を説明した。しかし、これに限らず、先読み中報知の画像としては、各先読み演出の画像中に含め、各先読み演出の画像を表示するときに、その先読み演出の画像の一部として表示されるようにしてもよい。
(12) 前述した先読み中報知の画像としては、先読み中報知の演出態様を、複数種類の先読み演出について、完全に共通態様とした例を示した。しかし、これに限らず、先読み中報知の画像として、文字色が異なる画像、および、文字の大きさが異なる画像等の一部が異なる共通態様の画像を複数種類設けて選択可能としておき、先読み演出の種類に対応して、一部が異なる共通態様の画像を表示可能としてもよい。
(13) 前述した先読み中報知としては、すべての先読み演出を対象として、共通態様の先読み中報知を実行する例を示した。しかし、これに限らず、予め定められた特定の先読み演出(たとえば、先読み演出であることが演出内容から明確に認識可能な演出等)については、共通態様の先読み中報知とは異なる態様の先読み中報知を実行するようにしてもよい。
(14) 前述した先読み中報知を終了させるときに、先読み判定対象の1回の後の変動表示中に先読み中報知を終了させる例を示した。しかし、これに限らず、先読み判定対象の2回以降の後の変動表示中に先読み中報知を終了させるようにしてもよい。
(15) 先読み中報知を終了させるときに、先読み判定対象の1回の後の変動表示において先読み中報知を終了させる例としては、その変動表示の開始時から所定期間経過時であることを示した。しかし、これに限らず、先読み判定対象の1回の後の変動表示において先読み中報知を終了させる例としては、その変動表示において、最初の図柄が停止するタイミング、または、リーチ状態が発生するタイミング(2つの図柄が停止するタイミング)等、その変動表示の変動パターンにおける所定の演出実行タイミングで、先読み中報知を終了させてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、各種の先読み演出を実行するときに、必ず共通態様の先読み中報知を実行させる演出をする例を示した。しかし、これに限らず、各種の先読み演出を実行することが決定されたときに、100%未満の所定割合に設定された選択割合で、共通態様の先読み中報知を実行するか否かを抽選し、先読み中報知を実行する選択がされたときにのみ、共通態様の先読み中報知を実行するようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態に示した先読み中報知の演出態様としては、エフェクト画像等の画像により、演出表示装置9の表示面の隅の色を変化させるものでもよい旨を開示して下さい。また、遊技盤、または、遊技枠に設けられた特定のランプ(発光手段)を発光させる演出を実行してもよい(当該ランプは、先読み中報知専用のものであってもよく、他の演出との兼用のものであってもよい)。
(18) 前述した実施の形態に示した先読み中報知の終了タイミングとしては、前述のものに限らず、先読み判定対象の変動表示よりも前(たとえば、先読み判定対象の変動表示の1回目等)の変動表示の終了時、先読み判定対象の変動表示の開始時、先読み判定対象の変動表示の実行中(たとえば、リーチ成立時)、および、先読み判定対象の変動表示の終了時等のその他のタイミングを用いてもよい。
(19) 前述した実施の形態のうち、図25(D2)に示すように、先読み中報知については、先読み判定対象の変動表示の終了時ではなく終了後に先読み中報知を終了させる演出を実行する機能を有するパチンコ遊技機1においては、先読中報知として、複数種類の先読み演出で共通態様の報知をせずに、異なる演出態様での報知をしてもよい。たとえば、先読み演出の種類により大当りに対する期待度が同じである場合において、先読み演出の種類に応じて、異なる演出態様の所定報知を実行してもよい。また、先読み演出の種類により大当りに対する期待度が異なる場合には、各先読み演出に対応する大当りの期待度に応じて異なる演出態様の所定報知を実行してもよい。
(20) 前述した実施の形態では、保留記憶数が2以上ないときに先読み演出を実行しない例を示した。しかし、これに限らず、保留記憶数が2以上ないときであっても、先読み演出を実行するようにしてもよい。
(21) 前述した実施の形態では、先読み演出が実行されることの選択決定を演出制御用マイクロコンピュータ100が行なう例を示した。しかし、これに限らず、このような選択決定は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側で行ない、決定結果を特定可能なデータを演出制御コマンドにより演出制御用マイクロコンピュータ100へ送り、演出制御用マイクロコンピュータ100がその演出制御コマンドに従って行なうようにしてもよい。
(22) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。有利状態は、大当り遊技状態、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態の各状態の中から、1種類または2種類以上が複合した状態であってもよい。
(23) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(24) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(25) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(26) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(27) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(28) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(29) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。