以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、変動表示を実行し、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、プッシュボタン120と、トリガボタン125を有するスティックコントローラ122とを設けた例を示した。しかし、これに限らず、操作手段としては、プッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれか1つのみを設けてもよい。また、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様で大当り表示結果以外のはずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報(保留記憶情報)を示す(特定する)場合にも用いられる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図示省略、図18の保留表示エリア18c参照)。保留表示エリアでは、第1保留記憶数および第2保留記憶数を合算(合計)した形式で、保留記憶情報が表示される。このような合算保留記憶表示により、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応するアクティブ表示(変動対応表示とも呼ぶ)を含む情報を表した画像を表示するアクティブ表示エリアが保留表示エリアの左側に隣接して形成される(図示省略、図18のアクティブ表示エリアAHA参照)。なお、アクティブ表示エリアは、演出表示装置9における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
なお、保留表示エリアは、第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別した表示態様で保留記憶情報が表示されるようにしてもよい。このように、第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別して表示することにより、第1保留記憶情報と、第2保留記憶情報とを容易に区別可能となる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
この実施の形態においては、高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったり、動きにより大当り期待度等を示す役物を駆動するための駆動モータ150の制御を行なったりすることで、各種の演出制御を行なう。なお、アクチュエータとしての駆動モータ150は、ステッピングモータ等のサーボモータであればよいが、これに限定されず、他のアクチュエータであってもよく、たとえば、ソレノイドアクチュエータであってもよいし、空圧シリンダや電動シリンダのような動力シリンダであってもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示している。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ40秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、6種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチ<第5スーパーリーチ<第6スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示している。
また、パチンコ遊技機1においては、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
本実施の形態では、複数種類設けられたスーパーリーチの変動パターンのうち、一部の変動パターンである第3スーパーリーチおよび第4スーパーリーチにおいて、擬似連の変動表示が実行される(擬似連の変動表示が実行される変動時間を有している)。擬似連の変動表示で実行される擬似連演出についての詳細は後述するが、第3スーパーリーチでは擬似連において変動表示が2回実行され、第4スーパーリーチでは擬似連において変動表示が3回実行される。また、第2スーパーリーチにおいては、擬似連煽りのみの変動パターンが実行される。具体的に、擬似連煽りのみとなる変動パターンでは、擬似連の初回変動(擬似連1回目)で中の図柄表示エリアにおいて擬似連専用図柄が出現した後、仮停止するような演出が行なわれた後、擬似連専用図柄が滑る演出が行なわれる。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
また、本実施の形態では、変動表示を一旦仮停止させた後に再変動表示を開始する擬似連演出の一種である特定擬似連演出が実行される。このような特定擬似連演出は、擬似連演出のうち、変動表示の仮停止から再変動までの時間である再変動間隔が極めて短い演出である。よって、以下の説明では、特定擬似連演出を一般的な擬似連演出と区別するために、特定演出とも呼ぶ。
特定演出は、擬似連演出よりも再変動間隔が短いので、同じ時間内であれば、擬似連演出よりも特定演出の方が仮停止の回数を多くすることが可能である。なお、特定演出における仮停止回数は何回に設定してもよい。また、特定演出では、1つの変動パターン内の変動表示の仮停止表示毎に通常の変動表示に用いられる画像である演出図柄とは異なる画像(図柄状の画像)である特殊画像(特殊図柄とも呼ぶ)が仮停止される。特殊画像には、保留表示が変化することを示唆(報知)する「保留変化」という文字列が示される(図18参照)。つまり、特殊画像により、保留表示が変化することが報知可能となる。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (40秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が40秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、「第4スーパーリーチ」、「第5スーパーリーチ」、および、「第6スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターンとして、「第1スーパーリーチ(擬似連無:15秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
また、時短状態であるか否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態であるか否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
また、はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を指定する合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図11参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図8(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図8(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図8(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図8(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図8(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理(たとえば、S1217,S1228の入賞時演出処理)の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図8で説明した第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図8に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。
この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターンの決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する前に、1回だけ、デモンストレーション表示を実行させるための客待ちデモ指定コマンドを送信するための処理を実行するようにしてもよい。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図8(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図10のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図13は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合は、大当りとすることが決定されているときであり、CPU56は、S74で記憶された大当り種別情報と、非時短状態と時短状態とのうちどの状態にあるかを示す時短情報とに応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述した判定テーブルの選択条件に基づいて、図6に示す、通常状態はずれ時判定テーブル、時短状態はずれ時判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかを選択する。
ここで、時短情報は、時短状態であるか否かを示す情報である。時短情報は、大当り遊技状態の終了時においてセットされ、時短状態において、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(この実施の形態では100回)実行されたときに、リセットされる(次回の大当り遊技状態が発生するにも一旦リセットされる。)。時短情報は、時短フラグがセットされているときには、時短状態であることを示し、時短フラグがセットされていないときには、非時短状態であることが示される。
S91で大当りフラグがセットされているときは、S74で記憶された大当り種別データに基づいて、大当りが確変大当りであるか否かを確認する(S92)。確変大当りであるときは、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択し(S93)、S114に進む。一方、通常大当りであるときは、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択し(S94)、S114に進む。
また、S91で大当りフラグがセットされていないとき、すなわち、はずれのときは、時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。時短フラグがセットされていないときは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択し(S96)、S114に進む。一方、時短フラグがセットされているときは、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択し(S97)、S114に進む。
これにより、遊技状態に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述したような判定テーブルの選択条件に基づいて、図6に示される通常状態はずれ時判定テーブル、時短状態はずれ時判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかが選択される。
次いで、S114において、CPU56は、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S93,S94,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブル部のデータを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S114)。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S93,S94,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおいて、変動パターン判定テーブル部におけるS114で決定した変動パターン種別に関するデータを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S115)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S116)。
また、特別図柄の変動を開始する(S117)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始させる。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S119)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図14は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、保留変化演出決定用のSR2、および、保留変化演出内容決定用のSR3を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR4のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の増加、消去、移動等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。S707の保留記憶表示制御処理では、アクティブ表示エリアに表示するアクティブ表示(アクティブ表示)の表示制御も実行される。具体的は、以下のような処理において表示制御される。たとえば、S704の処理において、合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに所定のフラグをセットする。そして、その所定のフラグがセットされていれば、S707の処理において、保留表示エリアの保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつアクティブ表示エリアの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新するとともに、アクティブ表示エリアに保留表示を移動させ(シフトさせ)、アクティブ表示の表示を更新する処理を行なえばよい。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図15は、図14に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。ここで、先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるものであるのかをそれよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、4番目に消化される保留情報が大当りであるときに、4番目に消化される保留情報よりも前に消化させる1〜3番目の少なくとも何れかで消化される保留情報に基づいた特別図柄の変動表示において、後に大当りが発生する可能性のあることを所定の演出態様(たとえば、図18に示す演出態様等)で予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を“ターゲットの変動表示”と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態の開始時から大当り遊技状態の終了時までの予め定められた演出制御期間中において、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図16は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、演出図柄の変動表示の演出(擬似連等の変動表示態様を含む)、および、保留変化の演出等の各種演出を設定する処理)を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理の処理内容については、図22を用いて後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
パチンコ遊技機1においては、保留表示される保留記憶情報の変動表示に関する情報を、当該保留記憶情報に基づく変動表示が実行される前に先読みし、所定条件が成立したときに、その先読み結果に基づいて、先読みした保留記憶情報に対応する保留表示をターゲットとして、当該保留記憶情報よりも前に記憶された保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、当該変動表示の演出に対応する態様で、保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出が実行される。以下の説明においては、保留変化演出が実行される変動表示を保留変化演出実行変動と呼ぶ場合がある。
図17は、保留変化演出実行変動がノーマルリーチの変動パターンであるときの変動表示における保留変化演出実行時の制御タイミングを示すタイミングチャートである。図18は、保留変化演出実行変動がノーマルリーチの変動パターンであるときの変動表示における保留変化演出実行時の演出態様を示す演出表示装置9の表示画面図である。
図17および図18においては、先読み演出としての保留変化演出を実行することが決定された場合に、当該保留変化演出を実行する保留変化演出実行変動として、ノーマルリーチの変動パターンでの変動表示が実行されるときにおいて、1回の変動表示の変動時間内において、前述した再変動間隔が極めて短い特定擬似連演出(特定演出)を実行させ、その演出に伴なって保留変化演出を実行させる例が示されている。
基本的に、ノーマルリーチの変動パターンでの変動表示が実行されるときには、特定擬似連演出(特定演出)が実行されず、変動表示において、予め定められたリーチ状態となるノーマルリーチのリーチ演出が実行される。ただし、この実施の形態では、ノーマルリーチの変動パターンでの変動表示について、保留変化演出実行変動として、保留変化演出を実行することが決定されたときには、ノーマルリーチのリーチ演出に代えて、変動表示中に、再変動間隔が極めて短い特定擬似連演出(特定演出)が実行され、その特定擬似連演出に伴ない、保留表示の表示態様(この例では表示色)を複数回変化可能な保留変化演出が実行される。図17には、そのような保留変化演出が実行されるときの制御態様が時間経過に従って示されている。
また、ノーマルリーチの変動パターン以外の変動パターンでの変動表示について、保留変化演出実行変動として、保留変化演出を実行することが決定されたときには、変動表示中に、保留表示の表示態様(この例では表示色)を1回だけ変化可能な保留変化演出が実行される。ノーマルリーチの変動パターン以外の変動パターンでの変動表示が保留変化演出実行変動として決定され、保留変化演出が実行されるときには、その変動表示が開始時から所定時間経過時(たとえば、左の演出図柄の停止時等)に、演出図柄の変動表示演出に伴なって保留表示の表示態様(この例では表示色)を1回だけ変化させる演出が行なわれる。
図17においては、保留変化演出実行変動での演出図柄の変動状態(変動、停止)と、特殊画像の表示タイミングと、保留変化演出のターゲット(対象)となる保留表示の表示色とが時間経過に従って示されている。図18においては、演出表示装置9の表示画像が、時間経過に従って(a)〜(g)に示されている。具体的に、図17および図18には、後述する図19(D)の演出態様番号B4の演出態様で保留変化演出が実行されるときの制御例が示されている。保留表示の表示色は、複数種類設けられており、白色<青色<緑色<赤色<金色<虹色というような大小関係で、大当り期待度が高いように設定されている。
図17および図18に示すように、特定擬似連演出(特定演出)では、変動表示が一旦仮停止表示する毎に、通常の変動表示に用いられる画像である演出図柄とは異なる画像である特殊画像96が一旦仮停止表示される。特殊画像96には、図18(b)〜(f)に示すように、保留表示が変化することを示唆(報知)する「保留変化」という文字列が示される。つまり、特殊画像により、保留変化演出が実行されることを報知することが可能となる。なお、特定擬似連演出(特定演出)で特殊画像96が仮停止する回数は、何回に設定してもよく、同じ変動時間内で再変動時間または再変動間隔を短くすることで、仮停止する回数を増加させてもよい。
図18(a)に示すように、演出表示装置9では、表示領域内の下部に、第1保留記憶数および第2保留記憶数を合算(合計)した形式で、保留記憶情報に応じた保留表示(図18においては、一例として2個別の保留表示H1,H2が示されている。)をする保留表示エリア18cが形成されている。
図18(a)のように、保留表示がされた保留記憶情報に基づいて、「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア91,92,93のぞれぞれで「0」〜「9」の9つの数字図柄よりなる演出図柄の変動表示が開始される。「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア91,92,93は、基本的に、「左」,「右」,「中」図柄表示エリア91,93,92の順番により演出図柄が停止される。演出表示装置9の下部中央には、現在実行されている変動表示に対応する変動対応表示としてアクティブ表示エリアAHA内でアクティブ表示AHが表示される。
図18(a)のように図柄の変動表示が開始された後、図18(b)のように、「左」図柄表示エリア91および「右」図柄表示エリア93において演出図柄がリーチ状態を形成しない態様(非リーチ状態)で、一旦仮停止表示する。そして、図17に示す変動パターン中における1回目の変動表示中の時刻t1(変動開始後2秒経過時)において、図18(b)のように第1回目の特殊画像96の一旦仮停止表示がされる。そして、図17に示す表示色の変化タイミングのような第1回目の特殊画像96の仮停止に対応するタイミングで、図18(b)の保留表示(H2)の表示色変化のように、変化対象(ターゲット)の保留表示が「白」色から「青」色に変化する保留変化演出がされる。
次に、図17に示す演出図柄の1回目の再変動表示が開始された後の2回目の変動表示中の時刻t2(変動開始後4秒経過時)において、図18(c)のように第2回目の特殊画像96の一旦仮停止表示がされる。そして、図17に示す表示色の変化タイミングのような第2回目の特殊画像96の仮停止に対応するタイミングで、図18(c)の保留表示(H2)の表示色変化のように、変化対象(ターゲット)の保留表示が「青」色から「緑」色に変化する保留変化演出がされる。
次に、図17に示す演出図柄の2回目の再変動表示が開始された後の3回目の変動表示中の時刻t3(変動開始後6秒経過時)において、図18(d)のように第3回目の特殊画像96の一旦仮停止表示がされる。そして、図17に示す表示色の変化タイミングのような第3回目の特殊画像96の仮停止に対応するタイミングで、図18(d)の保留表示(H2)の表示色変化のように、変化対象(ターゲット)の保留表示が「緑」色から「金」色に変化する保留変化演出がされる。
次に、図17に示す演出図柄の3回目の再変動表示が開始された後の4回目の変動表示中の時刻t4(変動開始後8秒経過時)において、図18(e)のように第4回目の特殊画像96の一旦仮停止表示がされる。そして、図17に示す表示色の変化タイミングのような第4回目の特殊画像96の仮停止に対応するタイミングで、図18(e)の保留表示(H2)の表示色変化のように、変化対象(ターゲット)の保留表示が「金」色から「赤」色に変化する保留変化演出がされる。
次に、図17に示す演出図柄の4回目の再変動表示が開始された後の5回目の変動表示中の時刻t5(変動開始後10秒経過時)において、図18(f)のように第5回目の特殊画像96の一旦仮停止表示がされる。そして、図17に示す表示色の変化タイミングのような第5回目の特殊画像96の仮停止に最終停止に対応するタイミングで、図18(f)の保留表示(H2)の表示色変化のように、変化対象(ターゲット)の保留表示が「赤」色から「虹」色に変化する保留変化演出がされる。そして、図18(f)のように第5回目の一旦仮停止表示後、仮停止された図柄が、特殊画像を含まない演出図柄の最終停止図柄に差替えられることにより、最終的な停止図柄(はずれ図柄の組合せ、または、大当り図柄の組合せ)が導出表示される。最終的な停止図柄がはずれ表示結果となった場合には、その後、時刻t6において、次の保留記憶情報に基づく変動表示が開始される。
特定演出(特定擬似連演出)は、特定演出以外の擬似連演出よりも仮停止表示から再変動表示を開始するまでの再変動間隔が短い。よって、比較的短時間に複数回の特殊画像を表示することが可能となる。このような構成により、特定演出実行時は、特定演出が実行される変動パターンの最終変動において実行される所定演出の演出内容を複数種類報知することができるので、その報知により特殊画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
さらに、再変動間隔が短い再変動表示で特殊図柄が複数回仮停止表示されることに対応して、保留変化演出対象の保留表示の表示色が複数回変化される演出がされることにより、特殊画像を用いた演出の興趣をより一層向上させることができる。
図19は、保留変化演出有無判定テーブルおよび保留変化演出態様決定テーブルを示す説明図である。保留変化演出有無判定テーブルは、保留変化演出を実行するか否か(有無)を決定するために用いるデータテーブルである。保留変化演出態様決定テーブルは、保留変化演出により変化させる保留表示の表示態様を決定するためのテーブルである。
図19の保留変化演出有無判定テーブルには、保留変化演出のターゲットとなる保留表示に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となる大当り時に用いられる図19(A)の大当り時保留変化演出有無判定テーブルと、保留変化演出のターゲットとなる保留表示に基づく変動表示の変動表示結果がはずれ表示結果となるはずれ時に用いられる図19(B)のはずれ時保留変化演出有無判定テーブルとが含まれている。これら保留変化演出有無判定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図19(A)、(B)の保留変化演出有無判定テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての保留変化演出実行有無決定用の乱数SR2(0〜99の数値範囲)の値が、保留変化演出を実行する決定と、保留変化演出を実行しない決定とに割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。図19(A)の大当り時保留変化演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、保留変化演出を実行する>保留変化演出を実行しない、という大小関係となるように、保留変化演出を実行する決定が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。また、図19(B)のはずれ時保留変化演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、保留変化演出を実行する<保留変化演出を実行しない、という大小関係となるように、保留変化演出を実行しない決定が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。
このような図19(A)、(B)でのデータの設定により、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、保留変化演出を実行すると決定する割合が高くなる。これにより、保留変化演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
この実施の形態では、新たに生じた保留記憶情報のうち、ノーマルリーチの変動パターン種別での変動表示が実行される保留記憶情報を判定対象として、図19(A)、(B)の保留変化演出有無判定テーブルを用いて、保留変化演出を実行するか否かを判定する。
なお、新たに生じた保留記憶情報のすべてを判定対象として、保留変化演出を実行するか否かを判定してもよく、また、新たに生じた保留記憶情報のうち、たとえば、スーパーリーチ等のようなノーマルリーチ以外の特定の変動パターン種別での変動表示が実行されるものを判定対象として、保留変化演出を実行するか否かを判定してもよい。
図19(C)および図19(D)は、図19(A)または図19(B)の保留変化演出有無判定テーブルを用いた判定により保留変化演出を実行有とすることが決定されたときに、実行する保留変化演出の演出態様を選択決定するときに用いられる保留変化演出態様決定テーブルである。
保留変化演出態様決定テーブルには、保留変化演出を実行する保留変化演出実行変動がノーマルリーチ以外の変動パターン種別の変動表示に決定されているときに用いられる図19(C)の第1保留変化演出態様決定テーブルと、保留変化演出実行変動がノーマルリーチの変動パターン種別の変動表示に決定されているときに用いられる図19(D)の第2保留変化演出態様決定テーブルとが含まれている。これら保留変化演出態様決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
保留変化演出による変化前の保留表示の表示色(保留表示の新たな出現表示時における表示色)は白色であり、保留変化演出による変化後の表示色としては、青色、緑色、赤色、金色、および、虹色のいずれかが選択される。
図19(C)の第1保留変化演出態様決定テーブルでは、保留変化演出実行変動の変動表示中に1回だけ実行される保留変化演出の演出態様(たとえば、「(白)→青」というような、保留表示の最初の表示色である白色と保留変化演出による変化後の色を示す演出態様)と、各演出態様に付与された演出態様番号(A1〜A5)とが対応付けられて複数種類記憶されている。そして、図19(C)の第1保留変化演出態様決定テーブルでは、保留変化演出対象の保留記憶に基づく変動表示の表示結果が大当り表示となるときと、はずれ表示結果となるときとに分けて、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての保留変化演出態様決定用の乱数SR3(0〜74の数値範囲)の値が、各演出態様に割振られている。SR3については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。
保留変化演出による変化後の表示色のうち、虹色は、保留変化演出対象の保留記憶情報に基づく変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときにのみ選択される色であり、当該表示結果がはずれ表示結果となるときには選択されない(乱数SR3の割振りが0)。つまり、保留変化演出対象の保留表示が虹色に変化する演出は、保留変化演出対象の保留記憶情報に基づく変動表示の表示結果が大当り表示結果となることが確定する演出である。また、保留変化演出対象の保留表示が虹色に変化する演出は、実行されることが希少な演出(所謂レア演出)である。したがって、保留変化演出により保留表示の色が虹色となったときには、遊技者の大当りへの期待感を極めて向上させることができる。
図19(C)の第1保留変化演出態様決定テーブルでは、ターゲットの保留記憶情報の変動表示結果が大当り表示結果となるときに、SR3の値によって、保留変化演出態様として、変化後の表示色が虹色<青色<緑色<赤色<金色という選択割合の大小関係となるようにデータが設定されている。一方、ターゲットの保留記憶情報の変動表示結果がはずれ表示結果となるときに、SR3の値によって、保留変化演出態様として、変化後の表示色が金色<赤色<緑色<青色という選択割合の関係となるようにデータが設定されている。
前述したように、ノーマルリーチの変動パターンでの変動表示について、保留変化演出実行変動として、保留変化演出を実行することが決定されたときには、ノーマルリーチのリーチ演出に代えて、再変動間隔が極めて短い特定擬似連演出(特定演出)が実行され、その特定擬似連演出に伴ない、保留変化演出が実行される。具体的に、ノーマルリーチの変動パターンでの変動表示について、保留変化演出実行変動として、保留変化演出を実行することが決定されたときには、仮停止表示が5回実行される、再変動間隔が極めて短い特定擬似連演出(特定演出)が行なわれる。5回の仮停止表示のうちの5回目の仮停止表示は、最終停止表示直前の仮停止表示であり、仮停止表示後、仮停止された図柄が、直ちに、最終的な確定停止図柄(通常の変動表示に用いられる演出図柄)に差替えられる態様で変更される。
図19(D)の第2保留変化演出態様決定テーブルでは、ノーマルリーチの変動パターンに代えて、仮停止表示が5回実行される特定擬似連演出(特定演出)が実行されるときの保留変化演出態様が設定されている。
図19(D)の第1保留変化演出態様決定テーブルでは、保留変化演出実行変動の変動表示中に、5回実行される仮停止表示のタイミングに対応して、最大5回の保留表示の表示色変化が行なわれる保留変化演出の演出態様(たとえば、「(白)→青→緑→赤→金→虹」というような、「(最初の表示色)→1回目仮停止時色→2回目仮停止時色→3回目仮停止時色→4回目仮停止時色→5回目仮停止時色」という変化順番に従った段階的な変化態様)と、各演出態様に付与された演出態様番号(B1〜B4)とが対応付けられて複数種類記憶されている。そして、図19(D)の第2保留変化演出態様決定テーブルでは、保留変化演出対象の保留記憶に基づく変動表示の表示結果が大当り表示となるときと、はずれ表示結果となるときとに分けて、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての保留変化演出態様決定用の乱数SR3(0〜74の数値範囲)の値が、各演出態様に割振られている。SR3については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。
保留変化演出による変化後の表示色のうち、虹色は、保留変化演出対象の保留記憶情報に基づく変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときにのみ選択される色であり、当該表示結果がはずれ表示結果となるときには選択されない(乱数SR3の割振りが0)。つまり、保留変化演出対象の保留表示が虹色に変化する演出は、保留変化演出対象の保留記憶情報に基づく変動表示の表示結果が大当り表示結果となることが確定する演出である。また、保留変化演出対象の保留表示が虹色に変化する演出は、実行されることが希少な演出(所謂レア演出)である。したがって、保留変化演出により保留表示の色が虹色となったときには、遊技者の大当りへの期待感を極めて向上させることができる。
図19(D)の第2保留変化演出態様決定テーブルでは、ターゲットの保留記憶情報の変動表示結果が大当り表示結果となるときに、SR3の値によって、保留変化演出態様として、最終的な変化後の表示色が虹色<青色<緑色<赤色<金色という選択割合の大小関係となるようにデータが設定されている。一方、ターゲットの保留記憶情報の変動表示結果がはずれ表示結果となるときに、SR3の値によって、保留変化演出態様として、最終的な変化後の表示色が金色<赤色<緑色<青色という選択割合の関係となるようにデータが設定されている。
第2保留変化演出態様決定テーブルにおいては、おける保留変化演出態様の欄には、保留表示の最初の表示色である白色から「1回目仮停止時色→2回目仮停止時色→3回目仮停止時色→4回目仮停止時色→5回目仮停止時色」という変化順番に従った段階的な変化態様が示されている。
なお、保留変化演出の演出態様は、「(白)→青→緑→赤→金→虹」というような大当りの期待度が1段階ずつ確実に上がっていく演出態様の他に、たとえば「(白)→青→緑→金→赤→虹」というように大当りの期待度が1段階ずつ上がっていく途中で一旦大当りの期待度が下がった後に、さらに大当りの期待度が2段階上がって演出態様が確定するというような保留変化演出をさせてもよい。このような演出態様によれば、演出の面白みを向上させることができる。
図19(C)、(D)のテーブルによれば、保留変化演出が実行されるときの保留表示の表示色については、青色<緑色<赤色<金色<虹色というような大小関係で大当りとなる期待度が異なるようにデータが設定されている。また、演出態様B1の保留変化演出態様に示すように、段階的な保留変化演出が実行されたときの最終段階での保留表示色は、少なくとも、緑色という、青色の期待度以上の期待となるように選択される。よって、特定演出において「保留変化」が表示された特殊画像96が仮停止表示されたときには、特殊画像96が表示されたときの保留表示の表示態様に期待を持たせることができる。
図20は、演出制御基板80側のデータ保持エリアおよび始動入賞時受信コマンドバッファを示す説明図である。図3に示す演出制御基板80に搭載されたRAM103には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、たとえば図20(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図20(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示状態等というような演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。たとえば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグのそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、たとえば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示動作等というような各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。たとえば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、たとえば前述したSR1−1〜SR3のような、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。たとえば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。たとえば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファのそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図20(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファは、図20(B)に示されたバッファのうちの図柄指定、変動種別、始動入賞指定、および、合算保留記憶数という欄に相当し、各保留記憶の発生時に受信した受信コマンドをする記憶バッファである。始動入賞時受信コマンドバッファにおいては、合計保留記憶数の最大値(たとえば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。このような始動入賞時受信コマンドバッファには、図20(B)に示された保留変化演出判定有無、保留変化演出実行変動指定、および、保留変化演出実行保留指定という欄に相当する記憶領域を含む演出用バッファが、各保留記憶に対応付けられた態様で付加されている。
始動入賞時受信コマンドバッファについては、始動入賞時に受信したコマンドを格納する領域として、図柄指定コマンドを格納する領域(図中「図柄指定」)、変動種別コマンドを格納する領域(図中「変動種別」)、始動入賞指定コマンドを格納する領域(図中「始動入賞指定」)、および、合計保留記憶数指定コマンドを格納する領域(図中「合計保留記憶数指定」)が設けられている。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1または第2始動入賞指定コマンド)、および、合算保留記憶数指定コマンドというコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。始動入賞演出制御用CPU101は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを特定するデータを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域における先頭から格納していく。これにより、始動入賞があったときには、図中の「図柄指定」、「変動種別」、「始動入賞指定」、および、「合計保留記憶数指定」のそれぞれの領域に、受信したコマンドが格納される。
図20(C)に示すように、「図柄指定」コマンドの領域において、「C200(H)」ははずれ表示結果指定を示し、「C201(H)」は大当り表示結果指定を示す。「変動種別」コマンドの領域において、「C300(H)」は通常変動の種別を示し、「C301(H)」はノーマルリーチ変動の種別を示し、「C302(H)」はスーパーリーチ変動の種別を示す。「始動入賞指定」コマンドの領域において、「A401(H)」は第1始動入賞指定を示し、「A402(H)」は第2始動入賞指定を示す。「合計保留記憶数指定」の領域においては、「C001(H)」〜「C008(H)」により合算保留記憶数「0」〜「8」を示す。
始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」である。始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1,第2)、および、合算保留記憶数指定コマンドの順にコマンド送信が行なわれる。したがって、コマンド受信が正常に行なわれれば、図20(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドが格納される。図20(B)では、バッファ番号「1」〜「4」に対応する格納領域においてコマンドが格納されている例が示されている。
演出制御バッファ設定部194においては、始動入賞時受信コマンドバッファにおけるバッファ番号「1」〜「8」のデータに対応して、次に示すような演出用の情報を格納するための記憶領域としての演出用バッファが設けられている。
始動入賞時受信コマンドバッファに格納された図柄指定情報等の所定のデータに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100により、後述する先読み演出処理において、保留変化演出の判定がされたか否か(有無)を示すデータ(「保留変化演出判定有無」のデータ)と、保留変化演出実行変動とする決定(指定)がされたか否かを示すデータ(「保留変化演出実行変動指定」のデータ)と、保留変化演出の実行対象の保留表示とする決定(指定)がされたか否かを示すデータ(「保留変化演出実行保留指定」のデータ)とが、始動入賞時受信コマンドバッファにおける保留記憶情報に対応するバッファ番号「1」〜「8」のデータに対応して、演出用バッファに格納される。
「保留変化演出判定有無」の格納領域には、図19に示される保留変化演出有無判定テーブルに基づいて保留変化演出を実行するか否かの判定がされたときには、「1001(H)」がデータとして記憶され、当該判定が未だされていないときには、「1000(H)」がデータとして記憶される。
「保留変化演出実行保留指定」の格納領域には、図19に示される保留変化演出有無判定テーブルに基づいた保留変化演出を実行するか否かの判定により、保留変化演出を実行する決定(指定)がされたときに、「3001(H)」がデータとして記憶され、保留変化演出を実行しない決定(指定)がされたとき、または、図19に示される保留変化演出有無判定テーブルに基づいた保留変化演出を実行するか否かの判定がされなかったときに、「3000(H)」がデータとして記憶される。
「保留変化演出実行変動指定」の格納領域には、図19に示される保留変化演出有無判定テーブルに基づいた保留変化演出を実行するか否かの判定により、保留変化演出を実行する決定(指定)がされたときに、後述する先読み演出処理で保留変化演出実行変動として選択された保留記憶情報に対応する領域に「2001(H)」がデータとして記憶され、それ以外のときには、「2000(H)」がデータとして記憶される。
図20においては、たとえば、バッファ番号「4」に対応する保留記憶の変動種別がノーマルリーチの変動パターン種別である場合(変動種別のデータが「C301(H)」である場合には)に、その保留記憶について、保留変化演出を実行するか否かの判定がされたことに応じて、バッファ番号「4」に対応する「保留変化演出判定有無」のデータに「1001(H)」が記憶され、その判定結果が保留変化演出を実行する判定結果となったことに応じて、バッファ番号「4」に対応する「保留変化演出実行保留指定」のデータに「3001(H)」が記憶され、その保留変化演出を実行する保留変化演出実行変動が、バッファ番号「2」に対応する保留記憶に基づく変動表示に決定されたときに、バッファ番号「2」に対応する「保留変化演出実行変動指定」のデータが更新されて「2001(H)」が記憶された例が示されている。
各保留記憶情報について、先読み演出処理に基づいて、演出用バッファの格納領域にデータが記憶されると、変動表示を実行するときに、変動表示を実行する保留記憶に対応する演出用バッファのデータを確認することにより、当該変動表示において、保留変化演出を実行するか否か、および、保留変化演出の実行対象(ターゲット)の保留表示がいずれであるのかを、演出制御用マイクロコンピュータ100が、認識することができ、演出用バッファでのデータに基づき保留変化演出を実行することができる。
図20(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファおよび対応する演出用バッファに格納されている各種データは、演出図柄の変動表示を開始する毎に、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものが、変動表示の演出に用いるために読出された後、削除され、以降の記憶内容がシフトされる。たとえば図20(B)に示す格納状態において次に演出図柄の変動表示が開始される場合には、バッファ番号「1」に格納されている各データが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域において格納されている各データがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」,「4」のそれぞれに対応した領域において格納されている各データが、バッファ番号「2」,「3」に対応した領域にシフトされる。
図20(B)に示す演出用バッファは、始動入賞時受信コマンドバッファと連結(従属)したよう等レスの対応関係で記憶領域を設けてもよく、始動入賞時受信コマンドバッファとは独立したアドレスの記憶領域に、各始動入賞記憶に対応して記憶領域を設けてもよい。
図21は、前述の先読み演出処理(S700)を示すフローチャートである。先読み演出処理において、演出制御用CPU120は、以下のような処理をする。
まず、始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファにおける記憶内容をチェックし、その中に、変動パターン種別がノーマルリーチの変動パターン種別であり、かつ、保留変化演出を実行するか否かの判定が未判定の保留記憶があるか否かを判定する(S711)。たとえば、変動種別の格納領域において「C301(H)」のデータが記憶され、かつ、保留変化演出判定有無の格納領域において「1000(H)」のデータが記憶されている保留記憶のデータがあるか否かを判定する。
S711で、ノーマルリーチの変動パターン種別であり、かつ、保留変化演出を実行するか否かの判定が未判定の保留記憶がないときは、処理を終了する。一方、S711で、ノーマルリーチの変動パターン種別であり、かつ、保留変化演出を実行するか否かの判定が未判定の保留記憶があるときは、現在の合算保留記憶個数が2以上であるか否かを、合算保留記憶数指定コマンドにより特定される合算保留記憶数に基づいて確認する(S712)。S712では、保留記憶数が2未満であるときに、新たな保留記憶情報に基づく変動表示を実行する前に変動表示を実行する保留記憶情報がなく、新たな保留記憶情報に基づく保留変化演出を実行する対象となる先の変動表示が存在しないので、保留変化演出を実行する変動表示が実行可能であるかどうかを確認する。
S712で現在の合算保留記憶個数が2以上であるときは、S711で判定したノーマルリーチの変動パターン種別であり、かつ、保留変化演出を実行するか否かの判定が未判定の保留記憶について、始動入賞時受信コマンドバッファにおける「図柄指定」の記憶内容をチェックし、大当り表示結果を指定したものであるか否かを判定する(S713)。
S713で大当り表示結果を指定したものであると判定されたときは、保留変化演出決定用のSR2を抽出し、図19(A)の大当り時保留変化演出有無判定テーブルを用いて、保留変化演出を実行するか否かを判定する(S714)。一方、S713で大当り表示結果を指定したものではないと判定されたとき、すなわち、はずれ表示結果を指定したものであるときは、保留変化演出決定用のSR2を抽出し、図19(B)のはずれ時保留変化演出有無判定テーブルを用いて、保留変化演出を実行するか否かを判定する(S715)。
S714またはS715により保留変化演出を実行するか否かが判定された後は、その判定結果に対応するデータを、図20(B)の演出バッファにおいて、判定対象の保留記憶に対応する「保留変化演出判定有無」の格納領域に記憶させる(S716)。
次に、S714またはS715により保留変化演出を実行する決定(実行有)がされたか否かを判定する(S717)。S717で、保留変化演出を実行する決定がされていない(実行無)と判定されたときは、処理を終了する。一方、S717で、保留変化演出を実行する決定がされた(実行有)と判定されたときは、図20(B)の演出バッファにおいて、判定対象の保留記憶に対応する「保留変化演出実行保留指定」の格納領域に「3001(H)」のデータを記憶させる(S718)。これにより、当該保留記憶に対応する保留表示が保留変化演出を実行する対象(ターゲット)の保留表示であることが特定される。
次に、S718で保留変化演出を実行する対象(ターゲット)の保留表示であることが特定された保留記憶よりも前に存在する保留記憶情報において、「保留変化演出実行変動指定」について、保留変化演出実行変動指定有のデータ(「2001(H)」)が記憶されていないノーマルリーチの変動パターン種別の保留記憶情報があるか否かを判定する(S719)。
S719により保留変化演出実行変動指定有のデータが記憶されていないノーマルリーチの変動パターン種別の保留記憶情報があると判定されたときは、その保留記憶情報に対応する「保留変化演出実行変動指定」について、保留変化演出実行変動指定有のデータ(「2001(H)」)を記憶し、処理を終了する。これにより、S719により保留変化演出実行変動指定有のデータが記憶されていないノーマルリーチの変動パターン種別の保留記憶情報があるときには、当該ノーマルリーチの変動パターン種別の保留記憶情報に対応する保留表示において保留変化演出が実行されることとなる。
一方、S719により保留変化演出実行変動指定有のデータが記憶されていないノーマルリーチの変動パターン種別の保留記憶情報がないと判定されたときは、S718で保留変化演出実行保留指定有のデータが記憶された保留記憶情報の直前(1つ前)の保留記憶情報に対応する「保留変化演出実行変動指定」について、保留変化演出実行変動指定有のデータ(「2001(H)」)を記憶し、処理を終了する。これにより、S719により保留変化演出実行変動指定有のデータが記憶されていないノーマルリーチの変動パターン種別の保留記憶情報がないときには、S718で保留変化演出実行保留指定有のデータが記憶された保留記憶情報の1つ前の保留記憶情報に対応する保留表示において保留変化演出が実行されることとなる。
なお、保留変化演出実行変動は、ノーマルリーチの変動パターン種別ではなく、通常変動の変動パターン種別およびスーパーリーチの変動パターン種別を対象として選択してもよい。また、保留変化演出実行変動は、特定の変動パターン種別を対象として選択するのではなく、保留変化演出実行保留の1つ前の保留記憶情報に基づく変動表示、または、保留変化演出実行保留の2つ前の保留記憶情報に基づく変動表示等、保留変化演出実行保留の所定回数前の保留記憶情報に基づく変動表示を選択するようにしてもよい。
図22は、前述の演出設定処理(S616)の一部を構成する処理としての保留変化演出設定処理を示すフローチャートである。保留変化演出設定処理において、演出制御用CPU101は、以下に説明するような処理を行なう。
まず、今回の変動表示が、保留変化演出を実行する指定がされた変動表示であるか否かを判定する(S631)。具体的に、S631では、図20に示す演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応する「保留変化演出実行変動指定」のデータとして保留変化演出実行変動指定有のデータが記憶されているときに、保留変化演出を実行する指定がされた変動表示であると判定する。S631において、保留変化演出を実行する指定がされた変動表示ではないと判定されたときは、処理を終了する。
S631により保留変化演出を実行する指定がされた変動表示であると判定されたときは、今回の変動表示がノーマルリーチの変動パターンの変動表示であるか否かを判定する(S632)。具体的に、S632では、今回の変動表示の実行に際して受信した変動パターンコマンドに基づいて、今回の変動表示がノーマルリーチの変動パターンの変動表示であるか否かを判定する。
S632により今回の変動表示がノーマルリーチの変動パターンではないと判定されたときは、保留変化演出態様決定用のSR3を抽出し、図19(C)の第1保留変化演出態様決定テーブルを用いて、今回の変動表示において実行する保留変化演出態様を決定し(S633)、処理を終了する。これにより、今回の変動表示がノーマルリーチの変動パターンではないときの保留変化演出は、図19(C)に示したような1回の保留変化がされる保留変化演出態様で実行されることとなる。
一方、S632により今回の変動表示がノーマルリーチの変動パターンであると判定されたときは、保留変化演出態様決定用のSR3を抽出し、図19(D)の第2保留変化演出態様決定テーブルを用いて、今回の変動表示において実行する保留変化演出態様を決定する(S634)。そして、今回の変動表示における演出図柄の変動態様を、ノーマルリーチの変動態様から、前述したような再変動間隔が極めて短い特定擬似連演出(特定演出)の変動態様に変更し(S635)、処理を終了する。S634で変更された特定擬似連演出(特定演出)の変動態様は、図17および図18に示すような、演出図柄が一旦仮停止するごとに保留変化演出が実行される演出が行なわれる変動態様である。このようなS634およびS635の処理により、今回の変動表示がノーマルリーチの変動パターンであるときの保留変化演出は、図17および図18に示すような、再変動間隔が極めて短い特定擬似連演出(特定演今回の変動表示がノーマルリーチの変動パターンであるときの保留変化演出は出)の変動態様での変動表示において、図19(C)に示したような複数回の保留変化タイミングで保留変化が実行され得ることとなる。
なお、今回の変動表示がノーマルリーチの変動パターンで保留変化演出をするときには、前述したようなリーチ図柄の組合せが表示されない変動態様に変更して特定擬似連演出(特定演出)を実行する場合に限らず、特定擬似連演出において特殊画像が仮停止表示されるときにリーチ図柄の組合せが仮停止表示されるような変動態様で変動表示を実行し、それに伴って保留変化演出を実行するようにしてもよい。
以上に説明した実施の形態で実行可能な、特定擬似連演出に対応する保留変化演出は、再変動間隔が極めて短い特定擬似連演出と組合せることにより、演出のリズム感と、演出の高揚感とを遊技者に与えることができる。また、大当りに対する期待度が最も低い白色の保留表示であっても、特定の変動表示中に大当りに対する期待度を複数ランク変化(ランクアップ)させることができ、演出の意外性を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2の実施の形態を、図面を参照して説明する。図23は、第2実施形態における演出表示装置9の表示例を示す説明図である。第2実施形態における特定演出には、第1実施形態で説明した「保留変化」を示す特殊画像96を一旦仮停止表示する演出が図23の(a)〜(e)に示されている。また、変動表示に用いられる画像とは異なる特別画像(図23(f)の「ZONE」を示す特別演出図柄98)を特殊図柄として一旦仮停止表示させた後に、再変動表示を実行するとともに、特別演出を実行する演出(背景画像を特別背景画像にする擬似連演出)が図23(a),(f)〜(i)に示されている。また、変動表示に用いられる画像とは異なる特定画像(図23(j)の通常擬似連図柄97)を特殊図柄として一旦仮停止表示させた後に、再変動表示を実行する演出(背景画像を通常画像で表示する擬似連演出)が図22(a),(j)〜(m)に示されている。
以下に、第2実施形態で行なわれる特定演出について、演出表示装置9の表示画像に基づいて説明する。特定演出には、上述した「保留変化」を示す特殊画像96を仮停止(一旦仮停止)する演出とは別に、特別演出モードでの演出が実行される特別演出擬似連と、特別演出モードでの演出が実行されない特別演出なし擬似連(以下、通常演出擬似連とも呼ぶ)とが含まれる。特別演出モードでの演出は、チャンスゾーン演出とも呼ばれ、遊技者にとって有利な状況(チャンスゾーン)となっていることを擬似連の変動表示中に特別の演出モードに属する演出を用いて示唆する演出である。この実施の形態では、特別演出として、その他の演出モードでは表示されない特別の背景画像(演出図柄の背景を構成する画像)を表示する演出を一例として示す。このような特別演出モードでの演出は、特定演出の変動表示が実行されるときの他に、先読み演出が実行されるときにも、先読み特別演出として表示される場合がある。なお、特別演出モードでの演出としては、特定の背景画像を継続的に表示する演出以外に、特別の画像を継続的に表示したり、特別の演出音を継続的に出力したりするような演出等であってもよく、特別の背景画像の継続表示、特別の画像の継続表示、および特別の演出音の継続出力等を組合せた演出であってもよい。
特別演出擬似連は、仮停止図柄として通常の演出図柄とは異なる特別演出図柄98のような特別画像が表示されたときに実行される。特別演出擬似連は、仮停止図柄として特別演出図柄98以外の所定画像が表示されたときには実行されない。擬似連の演出のうち、特別演出擬似連の方が通常演出擬似連よりも、変動表示結果が大当り表示結果となるときに選択される割合が高くなるように設定されている。したがって、特別演出擬似連において実行される特別演出モードでの演出は、遊技者にとって有利な状態であることを示唆する演出である。
通常擬似連図柄97は、特定画像としての「NEXT」という文字が付された図柄(以下、「NEXT図柄」とも呼ぶ)であり、通常演出擬似連、および、特別擬似連演出のそれぞれで用いられる擬似連専用図柄である。特別演出図柄98は、特別画像としての「ZONE」という文字が付された図柄(以下、「ZONE図柄」とも呼ぶ)「図柄」であり、特別擬似連演出のみで用いられる擬似連専用図柄である。「ZONE図柄」および「NEXT図柄」は、「擬似連専用図柄」の一種である。擬似連専用図柄は、通常の変動表示に用いられる数字図柄(0〜9)等とは異なる図柄であって、擬似連演出においてのみ用いられる図柄である。このような擬似連専用図柄は、通常の変動表示には用いられない。例えば、擬似連専用図柄は、擬似連演出の仮停止時(一旦仮停止時)において、停止される数字図柄と差替えられる態様で出現する表示がされる。このような「ZONE図柄」と、「NEXT図柄」とは、擬似連を示唆する図柄である。
なお、特別演出擬似連には、第1特別演出が実行される第1特別演出擬似連と、第2特別演出が実行される第2特別演出擬似連とが含まれてもよい。たとえば、第2特別演出擬似連の方が第1特別演出擬似連よりも、特別図柄の変動表示結果が大当り表示結果となるときに選択される割合が高くなるように設定されてもよい。また、第1特別演出擬似連と第2特別演出擬似連とのそれぞれに対応する特殊図柄(特殊画像)を設けてもよい。
このような場合、第1特別演出擬似連では、特別演出(第1特別演出)として、第1特別背景画像が表示され、第2特別演出擬似連では、特別演出(第2特別演出)として、第1特別背景画像とは異なる第2特別背景画像が表示されるようにすればよい。
特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、演出表示装置9における「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア91,92,93のぞれぞれで「0」〜「9」の9つの数字図柄よりなる演出図柄の変動表示が開始される。「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア91,92,93は、基本的に、「左」,「右」,「中」図柄表示エリア91,93,92の順番により演出図柄が停止される。
図23(a)に示すように、「左」図柄表示エリア91および「右」図柄表示エリア93において演出図柄がリーチ状態を形成しない態様(非リーチ状態)で、一旦仮停止(一旦停止)される。そして、図23(b)に示すように、「中」図柄表示エリア92において、「保留変化」を示す特殊画像96が仮停止(一旦停止)することにより特定演出(特定擬似連演出)が開始され、特殊画像96の仮停止に対応するタイミングで、変化対象(ターゲット)の保留表示色が変化する保留変化演出がされる。その後、図23(c)に示すように、特定演出の再変動表示が実行され得る。次いで、図23(d)に示すように「左」図柄表示エリア91および「右」図柄表示エリア93において演出図柄がリーチ状態を形成しない態様(非リーチ状態)で、一旦仮停止(一旦停止)する。その後、図23(d)に示すように、「中」図柄表示エリア92において、「保留変化」を示す特殊画像96が仮停止(一旦停止)され、特殊画像96の仮停止に対応するタイミングで、変化対象(ターゲット)の保留表示色が変化する保留変化演出がされる。その後、図23(e)に示すように、特定演出の再変動表示が実行され得る。
特別演出擬似連が実行される場合には、図23(a)の後に、図23(f)に示すように、「ZONE」という文字が付された特別演出図柄98が表示される。特別演出図柄98の仮停止とともに背景画像が通状背景画像から特別背景画像へと変化する。つまり、特別演出モードとなる。その後、図23(g)に示すように、再変動表示が実行される。次いで、図23(h)のように「NEXT図柄」という文字が付された通常擬似連図柄97が仮停止(一旦停止)し、擬似連であることが示唆(報知)される。その後、特別背景画像が継続表示されるとともに、図23(i)に示すように、擬似連の再変動表示がさらに実行される。
このような例によれば、「ZONE」図柄のような特別画像による特別演出図柄98を表示し、再変動を実行するとともに、背景画像が通状背景画像から特別背景画像へ変化する特別演出が実行される。よって、再変動と特別演出との両方を実行するときに、遊技者に対する両方の実行内容を認識させやすくすることができる。また、擬似連の種類として、特別演出モードでの演出が行なわれる特別演出擬似連と、特別演出モードでの演出が行なわれない通常演出擬似連との複数種類の演出を設けることで、擬似連の演出のバリエーションを増やすことができる。また、特別演出モードに対応した「ZONE図柄」のような特別擬似連図柄98が表示されることに対する期待感を高めることができる。
特別演出図柄98は、大当り期待度の高いときに表示されるので、特別演出図柄98の停止による通常背景から特別背景へ変化する特別演出は、大当り発生の期待度の高さを示唆可能な演出として実行される。これにより、特別演出が実行されたときには、特別演出が実行されないときよりも、大当り遊技状態に制御される期待度が高いと遊技者が認識することができる。なお、特別演出図柄98は、特定演出の実行とともに実行されるようにしてもよい。
また、図23の(j)〜(m)には、特別演出モードを示唆する「ZONE図柄」が表示されることなく、通常演出擬似連に移行するケースの演出が示されている。図23(a)の後に、図22(j)に示すように、「NEXT図柄」のような通常擬似連図柄97が仮停止(一旦停止)して擬似連が示唆(報知)される。その後、(k)のように背景画像が変化することなく、擬似連の再変動表示が実行される。このように、最初に「ZONE図柄」のような特別擬似連図柄98が仮停止されずに「NEXT図柄」のような通常擬似連図柄97が仮停止したときは、特別演出モードでの演出は実行されず、通常演出モードで擬似連の再変動表示が実行される。次いで、図22(l)のように「NEXT図柄」のような通常擬似連図柄97が仮停止(一旦停止)した後に、図22(m)のように擬似連の再変動表示がさらに実行される。
以上に説明したように、特別演出が実行される特別演出擬似連と、特別演出が実行されない通常演出擬似連とを対比すると、どのような図柄が1回目に仮停止されるかという情報と、その後再開される変動表示においてどのような演出が実行されるかという情報との組合せに基づいて、演出の報知態様が豊富になる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態としては、アクティブ表示エリアAHA内で表示されるアクティブ表示AHを演出対象として、特定演出(特定擬似連演出)を実行するときに、第1実施形態および第2実施形態に示したような表示態様の変化をさせる制御例を説明する。
たとえば、図6に示されたスーパーリーチの変動パターン種別のうち、第5スーパーリーチの変動パターンを特定擬似連演出(特定演出)を実行する特定スーパーリーチとして設定し、その特定スーパーリーチの変動パターンによる変動表示時において、アクティブ表示の表示色を、前述した保留表示の表示色と同様に変化させるアクティブ表示変化演出を実行させる。
図24は、第3実施形態によるアクティブ表示変化演出実行時の制御タイミングを示すタイミングチャートである。第3実施形態では、たとえば、第5スーパーリーチというような特定の変動パターンでの変動表示が実行されるときに必ず、アクティブ表示変化演出を実行する決定がされる例を一例として説明する。なお、第5スーパーリーチのような特定の変動パターンでの変動表示が実行されるときの変動開始前に、アクティブ表示変化演出を実行するか否かを所定の実行決定割合でランダムに選択する演出選択処理を実行し、その結果、アクティブ表示変化演出を実行する決定がされたときに、アクティブ表示変化演出を実行するようにしてもよい。
図24においては、第5スーパーリーチのような特定スーパーリーチでアクティブ表示変化演出を実行することが決定された場合に、たとえば、1回の変動パターンの変動表示時間内において、前述した再変動間隔が極めて短い特定擬似連演出(特定演出)を実行させ、その演出に伴なってアクティブ表示変化演出を実行させる例が示されている。
第3実施形態では、たとえば第5スーパーリーチのような特定スーパーリーチの変動表示中に、再変動間隔が極めて短い特定擬似連演出(特定演出)が実行され、その特定擬似連演出に伴ない、複数回のアクティブ表示変化がされるアクティブ表示変化演出が実行される。図24には、そのようなアクティブ表示変化演出が実行されるときの制御態様が時間経過に従って示されている。
図24においては、アクティブ表示変化演出実行変動での演出図柄の変動状態(変動、停止)と、特殊画像の表示タイミングと、アクティブ表示の表示色とが時間経過に従って示されている。具体的に、アクティブ表示の表示色は、前述した保留表示の表示色と同様に、複数種類設けられており、白色<青色<緑色<赤色<金色<虹色というような大小関係で、大当り期待度が高くなるように設定されている。なお、アクティブ表示の表示色は、保留表示の表示色と異なる表示色を用いてもよい。
図24に示すように、特定擬似連演出(特定演出)では、変動表示が一旦仮停止表示する毎に、第1実施形態に示した特殊画像96と同様の仮停止表示態様で、特殊画像が一旦仮停止表示される。特殊画像には、たとえば、アクティブ表示が変化することを示唆(報知)する「アクティブ変化」という文字列が示される。つまり、特殊画像により、アクティブ表示変化演出が実行されることを報知することが可能となる。
このように、特定演出(特定擬似連演出)を実行するときに、アクティブ表示を変化させる演出をするときの制御例としては、たとえば、2回の仮停止表示をすることにより、1回の変動パターンにおいて、再変動を含む3回の変動表示をする場合に、最初の仮停止表示から2回目の仮停止表示までの間にアクティブ表示を変化させる等、最後の変動表示が実行される前にアクティブ表示を変化させる。なお、1回の変動パターンにおいて、再変動を含む3回の変動表示をする場合に、最初の仮停止表示から3回目の仮停止表示までの間にアクティブ表示を変化させてもよい。
なお、特定擬似連演出(特定演出)で特殊画像が仮停止表示する回数は、何回に設定してもよく、同じ変動時間内で再変動時間または再変動間隔を短くすることで、仮停止する回数を増加させてもよい。
また、アクティブ表示変化演出は、特定のスーパーリーチに限らず、ノーマルリーチ等のその他の変動パターンの変動表示の変動態様を特定擬似連演出(特定演出)に変更し、当該特定擬似連演出での変動表示中に実行してもよい。
以上に説明したような特定擬似連演出(特定演出)と、当該演出に対応したアクティブ表示変化演出を実行することにより、アクティブ表示変化演出の興趣を向上させることができる。このような特定擬似連演出(特定演出)に対応したアクティブ表示変化演出は、前述したような特定擬似連演出(特定演出)に対応した保留変化演出が実行されるときには、保留変化演出と並行して実行してもよく、また、前述したような特定擬似連演出(特定演出)に対応した保留変化演出が実行されないときであることを条件として、実行可能となるようにしてもよい。
以上に説明したように、特定擬似連演出をする特定演出の実行期間中において、特殊画像の一旦仮停止表示の回数に対応した回数でアクティブ表示の表示色を変化可能なアクティブ表示変化演出が実行されることにより、アクティブ表示変化演出の興趣を向上させることができる。
なお、第1〜第3実施形態における変動表示中には、前述したような保留変化演出の実行を報知可能な特殊画像の他に、たとえば、役物演出、擬似連演出、セリフ(台詞)演出、アクティブ保留演出等のその他の演出の実行を報知する特殊画像を表示可能としてもよい(たとえば、特殊画像の報知後に、しばらくすると、これら各種演出が実行されるような演出制御をする等)。役物演出とは、たとえば、可動体のような役物が落下等の所定の動作をすることにより大当りの期待度が高いこと等を示唆する演出をいう。また、セリフ演出とは、キャラクタ等の画像と、所定のセリフを示すメッセージ画像とを表示することにより大当りの期待度が高いこと等を示唆する演出である。また、アクティブ保留演出とは、第3実施形態で説明したようなアクティブ表示の表示態様を変化させることにより大当りの期待度が高いこと等を示唆する演出をいう。また、保留変化演出以外の演出の実行を報知可能な特殊画像としては、リーチとなることを予告する演出、擬似連となることを予告する演出、大当りとなることを予告する演出、または、確変状態となることを予告する演出等の予告演出の実行を報知可能な特殊画像を用いてもよい。このような特殊画像を用いれば、保留変化演出とは異なる所定演出の実行が報知可能な画像を表示可能としたときには、特殊画像を用いた演出の興趣を一層向上させることができる。また、1つの特殊画像により、たとえば、役物演出、擬似連演出、セリフ(台詞)演出、および、アクティブ保留演出等のその他の演出のうち複数の演出の実行を報知可能とする演出をしてもよい。また、変動表示中においてこれら演出の実行を示唆する特殊画像が表示されても、直ちに対応する演出が実行されずに、表示された特殊画像が、これら対応する演出が実行されるときまでストックされて表示されるような態様で継続して表示されるようにしてもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図17、図18、図19(D)に示すように、特定擬似連演出をする特定演出の実行期間中において、特殊画像96の一旦仮停止表示の回数に対応した回数で保留表示の表示色を変化可能な保留変化演出が実行される。これにより、特殊画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
(2) 図23に示すように、「ZONE」図柄のような特別画像による特別演出図柄98を表示し、擬似連演出による再変動を実行するとともに、背景画像が通常背景画像から特別背景画像へ変化する特別演出(チャンスゾーン演出)が実行される。よって、擬似連演出による再変動と特別演出(チャンスゾーン演出)との両方を実行するときに、遊技者に対する両方の実行内容を認識させやすくすることができる。
(3) 図17に示すように、特定擬似連演出をする特定演出は、擬似連演出よりも仮停止表示から再変動表示を開始するまでの再変動間隔が短い。よって、比較的短時間に複数回の特殊画像を表示することが可能となる。このような構成により、特定演出実行時は、特定演出が実行される変動パターンの最終変動において実行される所定演出の演出内容を複数種類報知することができるので、その報知により特殊画像を用いた演出の興趣を向上させることができる。
(4) 図18および図19(D)に示すように、「保留変化」という保留変化を示唆する文字の画像を含む特殊画像96を表示する段階的な保留変化演出が実行されたときの最終段階での保留表示色は、緑色という、青色の期待度以上の期待となるように選択される。よって、特定演出において「保留変化」が表示された特殊画像96が仮停止表示されたときには、特殊画像96が表示されたときの保留表示の表示態様に期待を持たせることができる。
(5) 前述したように、特殊画像として、役物演出、擬似連演出、セリフ(台詞)演出、アクティブ保留演出、所定の予告演出等のその他の演出の実行を報知する特殊画像のように、保留変化演出とは異なる所定演出の実行が報知可能な画像を表示可能としたときには、特殊画像を用いた演出の興趣を一層向上させることができる。
(6) 第3実施形態に示したように、特定擬似連演出をする特定演出の実行期間中において、特殊画像の一旦仮停止表示の回数に対応した回数でアクティブ表示の表示色を変化可能なアクティブ表示変化演出が実行される。これにより、アクティブ表示変化演出の興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、擬似連演出よりも再変動間隔の短い特定擬似連演出(特定演出)において、特殊画像による保留変化演出(アクティブ表示変化演出でもよい)の報知が実行される例を示した。しかし、特殊画像による保留変化演出(アクティブ表示変化演出でもよい)の報知は、擬似連演出において実行されるようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、特定擬似連演出(特定演出)が実行されない場合に、「ZONE」図柄のような特別画像の表示により背景画像が通常背景画像から特別背景画像へ変化する特別演出が実行される例を示した。しかし、特別演出は、特定擬似連演出(特定演出)とともに実行されるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、特殊画像96を仮停止させることで保留変化演出をする例を示した。しかし、特殊画像96の停止煽りを行なってもよい。特殊画像96の停止煽りとは、特殊画像96が出現した後、仮停止表示するような演出が行なわれた後に特殊画像96が滑って仮停止表示されない演出である。なお、特殊画像96の停止煽りの演出は、特定演出における複数回の仮停止表示のうち、いずれの仮停止表示で行なってもよく、停止煽りの演出が複数回行なわれてもよい。たとえば、仮停止表示が4回実行される場合に、1回目は図柄が仮停止表示し、2回目では図柄が滑り、3回目では図柄が仮停止表示し、4回目では図柄が滑るといった演出を行なってもよい。また、大当り期待度に基づいて、特殊画像96の滑る回数やタイミング等が変化してもよい。また、特殊画像96を仮停止表示させずに、保留変化演出をするようにしてもよい。また、保留変化演出の実行中に特殊画像96の停止煽りを行なってもよい。
(4) 前述した実施の形態では、メインの演出表示装置9(メイン液晶)とは別に副画像表示装置(サブ液晶)を設けてもよい。そして、メインの演出表示装置9で仮停止表示された特殊画像96の表示内容が、副画像表示装置(サブ液晶)に表示されるようにしてもよい。なお、メインの演出表示装置9(メイン液晶)で表示される特殊画像96と副画像表示装置(サブ液晶)に表示される特殊画像96とは、同じ態様であってもよいし、副画像表示装置(サブ液晶)に表示される際に、色や形、大きさ、表示内容が異なるようにしてもよい。たとえば、メインの演出表示装置9(メイン液晶)で表示された特殊画像96の表示内容が、副画像表示装置(サブ液晶)で表示される際に、大当り期待度が異なる(たとえば、高くなる)表示内容に変化する演出(「たとえば、チャンスという画像に変化する演出等」)を行なってもよい。また、メインの演出表示装置9(メイン液晶)で演出図柄の変動表示を行なっているときに、副画像表示装置(サブ液晶)又は演出表示装置9(メイン液晶)における演出図柄の変動表示領域とは異なる領域において特殊図柄の変動表示と仮停止とを行なってもよい。
(5) 前述した実施の形態では、図19(C),(D)の保留変化演出態様決定テーブルの保留変化演出態様に示すように、変化する保留変化演出の内容が決定される例を示した。また、保留表示の表示色が、白色<青色<緑色<赤色<金色<虹色の順で大当り期待度が高くなり、1回の保留変化で保留表示色の大当り期待度のランクが1ランク高くなる演出を示した。しかし、1回の保留変化で保留表示色の大当り期待度のランクが2ランク以上高くなる演出をしてもよい。また、1回の保留変化で保留表示色の大当り期待度が上がるランク数を抽選により選択決定してもよい。また、特殊画像を1回表示するごとに1回の保留変化が実行されるのではなく、特殊画像を複数回表示するが、その段階では保留変化をさせないが、所定時間経過後に、複数回まとめて保留表示色の大当り期待度を複数ランク高くなる演出をしてもよい。さらに、特殊画像の態様を複数種類とし、特殊画像の態様に応じて、保留変化期待度や、保留変化の際の保留表示色の大当り期待度のランクを変えてもよい。つまり、特殊図柄(特殊画像)の態様によって、1回の保留変化後の保留表示の態様の選択割合を異なるようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、先読演出により、選択された1回の変動表示中に特定擬似連演出と保留変化演出とが実行される例を示した。しかし、これに限らず、先読演出により、複数回の変動表示を選択し、その複数回の変動表示中に亘り特定擬似連演出と保留変化演出とが実行されるようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、特定擬似連演出に対応して保留変化演出(アクティブ表示変化演出でもよい)を実行させるための専用の変動パターンを設け、当該専用の変動パターンを実行するときに、当該変動パターンを実行するコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信する制御をしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、図18に示すように、特定演出で左,右の図柄表示エリア91,93の仮停止図柄として、同じ仮停止図柄を用いる例(3,4の図柄)を示したが、これに限らず、特定演出が実行されるときの仮停止時の仮停止図柄は、仮停止するごとに変更するようにしもよい。
(9) 前述した実施の形態では、図18に示すように、特定演出が実行されるときの仮停止図柄の組合せとして、左,右の図柄表示エリア91,93の仮停止図柄がリーチ図柄の組合せとならないように決定する例を示した。しかし、これに限らず、仮停止図柄の組合せにおける左,右の図柄表示エリア91,93には、リーチ図柄の組合せを仮停止するようにしてもよい。
(10) また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、前述した実施の形態に示した特定演出のような各種演出は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。具体的には、スロットマシンにおいて設けられた演出表示装置等の表示装置において、特定演出を実行するときに、上記の実施の形態で説明したような各種演出を実行する制御を行なうようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(12) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(13) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態では、特別可変入賞球装置22における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(16) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は玉払出装置等の基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。このような封入式の遊技機には、遊技点を計数した上で、計数結果を記録媒体処理装置(遊技用装置)の一例となるカードユニットに送信する機能を設けてもよい。この場合、遊技点の計数を指示するための計数操作手段(計数ボタン)を封入式の遊技機に設けることが望ましい。たとえば、遊技点の計数結果は“持点”に変換されて、カードユニットに挿入されている(受付けられている)カードまたは端末等の「遊技者によって携帯される記録媒体」に直接記録される。あるいは、カードユニットに接続された点数管理用サーバで記録媒体に記録されているカードIDを管理し、計数結果をカードユニットから点数管理用サーバに送信することによって、点数管理用サーバがカードID毎に遊技者の持点を記憶するようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(18) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(19) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。