以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な第1表示手段としての演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、演出表示装置9のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
パチンコ遊技機1では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が80秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる(図11のS1221、S1232参照)。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、入賞時演出処理(図11のS1217,S1228参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図8(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図8(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図8(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図8(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図8(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。なお、保留特定領域および保存領域に記憶されたデータを始動入賞時に読出して、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特別図柄の変動表示の保留情報などに基づいて実行可能となる先読み予告演出に用いてもよい。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等のコマンドが主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図8で説明した第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図8に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、まだ客待ち状態指定コマンドを送信していなければ、客待ち状態モードを指定する客待ち状態指定コマンドを送信するための処理をし(S77)、特別図柄通常処理を終了する。ここで、客待ち状態指定コマンドを送信すると、客待ち状態指定コマンドを送信したことを示す客待ち状態指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ち状態指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ち状態指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて、重ねて客待ち状態指定コマンドを送信しないように制御される。このような客待ち状態指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされる。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図8(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次に、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
S56の処理を実行した後、RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存し、かつ、保留特定記憶領域に格納されている内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次に、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図10のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次に、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次に、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図13は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、領域演出実行決定用のSR2、領域演出実行タイミング決定用のSR3、第1領域演出決定用のSR4、第2領域演出決定用のSR5)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR5のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図14は、図13に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S500)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S500)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図15は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、本実施の形態で実行される領域演出としての第1領域演出および第2領域演出、並びに、第1領域演出において実行される特殊演出およびタイマ演出について説明する。
[第1領域演出]
第1領域演出は、保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、演出表示装置9の左下に位置する第1領域91(図16参照)で実行されるすべての演出である。第1領域演出の実行中は、後述する特殊演出を実行した後にタイマを表示してタイマ演出を実行する演出、または、特殊演出を実行した後に何も表示ない所謂ガセ演出(「ガセ」は「偽」という意味を含む)を実行する演出が実行される。なお、第1領域演出は、第1領域91に限らず、演出表示装置9のいずれの表示領域で実行されてもよい。
[特殊演出]
特殊演出は、第1領域91にタイマ演出の実行を示唆するタイマ枠97を表示させたり、表示させなかったりを繰り返す「見え隠れ表示」を実行することにより、特殊演出の実行後にタイマ演出が実行されることを示唆する示唆表示をする演出である。特殊演出を所定時間実行した後、特殊演出からタイマ演出またはタイマ演出を実行しないガセ演出を実行する。なお、特殊演出とは、前述の演出に限らず、タイマ演出の実行を示唆する演出であればよく、たとえば、半透明のタイマ枠が実体化するか否かを煽る演出であってもよい。
[タイマ演出]
タイマ演出は、保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、特殊演出実行後に特定の演出を実行するまでの待ち時間等の演出期間をタイマ表示形式で示す期間表示を更新することによってタイマ表示が所定態様となったときに、複数種類の演出のうちのいずれかの演出を実行する演出である。タイマ表示は、所定タイミングで設定された計時値の初期値から、カウントダウンされる計時値の更新が実行され、最終的には、タイマ表示の値が0(0秒を示す値)となる。このような、タイマ演出中に表示されるタイマ表示は、変動表示中の所定期間に亘って第1領域91に表示される。
[第2領域演出]
第2領域演出は、保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、後述する特定演出を実行した後に当該変動表示の表示結果や変動中に実行される演出を示唆する複数種類の所定表示のうち一の所定表示を表示する演出が実行される。なお、第2領域演出は、第2領域92に限らず、演出表示装置9のいずれの表示領域で実行されてもよい。
特定演出とは、複数種類の所定表示のうち一の所定表示が表示されることを示唆する演出である。特定演出を所定時間実行した後、たとえば、「?」、「NEXT」、および、「READY GO」等の演出状態または遊技状態を示唆する複数種類の所定表示のうち一の所定表示を表示する。特定演出としては、たとえば、すべての所定表示を付した仮想的な回転リールを、いずれの所定表示が表示されているかを視認することができない程度の速度で所定時間回転させた後、徐々に回転速度を落として所定表示を視認可能にした後、一の所定表示が視認できる位置で停止させる演出が実行される。なお、特定演出は、前述の演出に限らず、複数種類の所定表示のうち一の所定表示が表示されることを示唆する演出であればよい。また、所定表示は、タイマ演出を示唆するタイマ演出示唆表示と、タイマ演出示唆表示以外の複数種類の特定表示とを含む。特定表示については後述する(図20参照)。
図16は、第1領域演出および第2領域演出を含む領域演出を説明するための図である。図16(a)は、領域演出が実行されていない場合における変動開始時の演出表示装置9の表示例を示す図である。図16(b)〜(d)は、第1領域演出中の演出表示装置9の表示例を示す図である。図16(e)、(f)は第2領域演出実行中の演出表示装置9の表示例を示す図である。図16においては、左,中,右の演出図柄が変動表示中である状態が、3つの下向き矢印で示されている。
図16(a)に示すように、演出表示装置9の表示領域において、左下側に第1領域演出を実行可能な第1領域91の表示領域が設けられ、右下側に第2領域演出を実行可能な第2領域92の表示領域が設けられる。第1領域91は、基本的に当該領域に関する画像が表示されておらず、必要に応じて当該領域に関する画像が表示される。図16(a)においては、第2領域92では、当該領域に関する画像が常時表示される。
図16(a)では、特別図柄に対応する演出図柄の変動開始時において、第1領域演出および第2領域演出のいずれの領域演出も実行されていない状態が示されている。具体的に、図中に破線で示される第1領域91には何も表示されていない。第2領域92には、第2領域92であることを特定可能な枠部が表示されている。また、枠部の内側の領域は、たとえばシャッターを示すような表示態様で表示され(図示省略)、通常はシャッター部分が閉じている。そして、第2領域演出が実行されるときに当該シャッター部分が開く。
第1領域91で第1領域演出が実行されるときに表示されるタイマ演出の画像は、図16(d)のように、タイマ枠97と、タイマ枠97内でタイマ数値を表示するタイマ表示94とにより構成される。タイマ枠97およびタイマ数値のそれぞれの画像は、たとえば白色および赤色のような複数種類の表示色のうちいずれかで表示される(図19参照)。
第1領域演出が実行されるときは、図16(b)に示すように、第1領域91において、複数の表示色から選択された色のタイマ枠97を図柄中の矢印の方向に往復動作させる画像を表示することにより、演出表示装置9の表示領域に表示させたり、させなかったりを繰り返す「見え隠れ表示」をする特殊演出が実行される。
特殊演出の実行後は、図16(c)に示すようなガセ演出、または、図16(d)に示すようなタイマ演出が実行される。図16(c)に示すように、ガセ演出は、タイマ演出の実行がされない演出であり、見え隠れ表示されていたタイマ枠97が消去されることにより、第1領域91に何も表示されていない状態となる。一方、図16(d)に示すように、タイマ演出が実行される場合は、見え隠れ表示されていたタイマ枠97が、第1領域91において複数種類の表示色のうちいずれかの色で表示される。そして、タイマ枠97内において、複数種類の表示色のうちいずれかの色でタイマ表示94が出現表示され、たとえば、10秒を示す「10:00」というような計時期間がタイマ数値として示される。タイマ演出においては、このような計時期間がタイマ表示94において示された後、タイマ表示94でのカウントダウン計時が開始される。
タイマ演出において、タイマ表示94のカウントダウンが進行し、タイマ表示94のタイマ数値が0秒を示す「00:00」となると、変動開始時に変動パターンコマンドにより指定されたスーパーリーチ演出を開始する演出制御が実行される。
このように、第1領域演出が実行されるときには、第1領域91でタイマ表示94が表示されてタイマ演出が実行された後に、スーパーリーチ演出のような所定演出が実行され得る。これにより、第1領域演出においてタイマ枠97の見え隠れ表示がされる特殊演出が実行されたときに、タイマ演出が実行されるか否に遊技者を注目させることができる。
また、図16(b)の特殊演出が実行された後に、図16(d)のようにタイマ演出が実行される場合と、図16(c)のように実行されない場合とがあることにより、遊技者に、タイマ演出を実行する前において、タイマ演出が実行されることに対する期待感を持たせることが可能となり、タイマ演出を実行する前の過程について遊技の興趣を向上させることができる。
また、図16(b)に示すように、第1領域91において、タイマ枠97を見え隠れ表示することによりタイマ表示94が実行されることを示唆する特殊演出が実行されることにより、タイマ演出が実行されるか否かに注目させることができ、タイマ演出を実行する前の過程についてより一層遊技の興趣を向上させることができる。
第2領域92で第2領域演出が実行されるときには、図16(d)のように、特定演出において、第2領域92の枠部内で、前述のように「?」、「NEXT」、および、「READY GO」等の演出状態または遊技状態を示唆する複数種類の所定表示が、図中矢印で示すように順次表示される。そして特定演出の開始時から特定期間経過後に、図16(f)のように、複数種類の所定表示のうちのいずれかが停止表示される。図中では「激熱」という所定表示が停止表示された例が示されている。
第2領域演出において、第2領域92でいずれかの種類の所定表示が停止表示されると、その停止表示された所定表示に対応する演出がその後、実行される。たとえば、「READY GO」という所定表示が指定表示されたときには、所定のタイマ演出が実行される。また、「NEXT」という所定表示が指定表示されたときには、前述の擬似連の演出が実行される。
このように、第2領域演出が実行された後には、第2領域92で停止表示された所定表示に対応する各種の演出が実行され得る。これにより、第2特定演出が実行されるときに、第2領域92の表示に遊技者の注意を引付けることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、第1実施形態においては、特殊演出は「見え隠れ表示」を実行する演出であるとしたが、これに限らず、タイマ演出の実行を示唆する演出であればよい。たとえば、半透明のタイマ枠を表示させる演出や複数種類のタイマ数値を付した仮想的な回転リールを表示し、回転リールを回転させる演出であってもよい。また、特定演出は仮想的な回転リールを回転させる演出としたが、これに限らず複数種類の所定表示のうち一の所定表示が表示されることを示唆する演出であればよい。たとえば、第2領域92に仮想的なシャッターを表示し、このシャッターを開閉する演出や、第2領域92に所定表示を半透明に表示する演出であってもよい。
図17は、第1領域演出および第2領域演出を含む領域演出について、実行の有無の決定および実行する演出の種類を決定するための領域演出実行決定テーブルを示す説明図である。領域演出実行決定テーブルには、(A)の大当り時領域演出実行決定テーブルと、(B)のはずれ時領域演出実行決定テーブルとが含まれている。これら各領域演出実行決定テーブルは、ROM102に記憶されている。
(A)の大当り時領域演出実行決定テーブルは、特別図柄(演出図柄)の変動表示の変動表示結果を大当り表示結果とすると決定されたときに用いられる。(B)のはずれ時領域演出実行決定テーブルは、特別図柄(演出図柄)の変動表示の変動表示結果をはずれ表示結果とすると決定されたときに用いられる。
(A),(B)の各領域演出実行決定テーブルでは、領域演出実行決定用の乱数SR2(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、いずれの領域演出も実行しない(演出なし)決定と、第1領域演出のみを実行する決定と、第2領域演出のみを実行する決定と、第1領域演出および第2領域演出の両方を実行する決定とに割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。
(A)の大当り時領域演出実行決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「演出なし<第1領域演出のみ<第2領域演出のみ<第1領域演出+第2領域演出の両方」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。
(B)のはずれ時領域演出実行決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「演出なし>第1領域演出のみ>第2領域演出のみ>第1領域演出+第2領域演出の両方」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。
(A),(B)の各領域演出実行決定テーブルにおいては、次のようにデータが設定されている。大当り時には、はずれ時と比べて、第1領域演出と第2領域演出とを含む領域演出の少なくともいずれかが選択されて実行される割合が高くなるようにデータが設定されている。
具体的に、大当り時には、はずれ時と比べて、第1領域演出のみが実行される割合が高くなるようにデータが設定されている。大当り時には、はずれ時と比べて、第2領域演出のみが実行される割合が高くなるようにデータが設定されている。大当り時には、はずれ時と比べて、第1領域演出および第2領域演出の両方が実行される割合が高くなるようにデータが設定されている。大当り時には、はずれ時と比べて、第1領域演出のみまたは第2領域演出のみが実行される割合よりも、第1領域演出および第2領域演出の両方が実行される割合よりが高くなるようにデータが設定されている。
このように、第1領域演出と第2領域演出とのそれぞれについては、大当り時とはずれ時とのそれぞれにおいて、予め定められた割合で実行可能である。これにより、大当り時とはずれ時とのそれぞれにおいて、第1領域演出と第2領域演出とのそれぞれについて遊技者の関心を高めることができる。
また、第1領域演出と第2領域演出とのそれぞれについては、大当り時には、はずれ時と比べて、実行される割合が高い。これにより、第1領域演出と第2領域演出とのそれぞれは、実行されたときに、遊技者における大当りへの期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、大当り時には、第1領域演出および第2領域演出の両方が実行される割合が、第1領域演出のみが実行される割合よりも高く、かつ、第2領域演出のみが実行される割合よりも高い。これにより、第1領域演出および第2領域演出の両方が実行されたときは、第1領域演出のみが実行されたとき、または、第2領域演出のみが実行されたときと比べて、遊技者における大当りへの期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、領域演出実行決定テーブルにおいて、大当り時とはずれ時とのそれぞれについては、第1領域演出の選択割合と第2領域演出の選択割合とを同じとしてもよく、異ならせてもよい。また、領域演出実行決定テーブルにおいて、大当り時には、第1領域演出および第2領域演出の両方が実行される割合が、第1領域演出のみが実行される割合よりも低くてもよく、第2領域演出のみが実行される割合よりも低くてもよい。また、領域演出実行決定テーブルにおいては、大当り時にのみ、第1領域演出および第2領域演出の両方が実行されるようにしてもよい。また、領域演出実行決定テーブルにおいては、第1領域演出および第2領域演出の両方が実行される場合がないようにしてもよい。また、大当り時には、はずれ時と比べて、第1領域演出と第2領域演出とを含む領域演出の少なくともいずれかが選択されて実行される割合が低くなるようにデータが設定されてもよい。
なお、図17に示すように、領域演出として一括で決定するのではなく、実行される個々の演出を別々の判定用乱数を用いて個別に決定するようにしてもよい。
図18は、図17の領域演出実行決定テーブルにおいて、少なくともいずれかの領域演出を実行する決定がされたときに、その領域演出の実行タイミングを決定するための領域演出実行タイミングテーブルを示す説明図である。領域演出実行タイミング決定テーブルには、(A)の大当り時領域演出実行タイミング決定テーブルと、(B)のはずれ時領域演出実行タイミング決定テーブルとが含まれている。これら領域演出実行タイミング決定テーブルは、ROM102に記憶されている。
(A)の大当り時領域演出実行タイミング決定テーブルは、特別図柄(演出図柄)の変動表示の変動表示結果を大当り表示結果とすると決定されたときに用いられる。(B)のはずれ時領域演出実行タイミング決定テーブルは、特別図柄(演出図柄)の変動表示の変動表示結果をはずれ表示結果とすると決定されたときに用いられる。
(A),(B)の各領域演出実行タイミング決定テーブルでは、領域演出実行タイミング決定用の乱数SR3(0〜29の数値範囲)の合計30個の数値が、変動表示開始時という第1のタイミングと、リーチ開始前時という第2のタイミングとの複数のタイミングに割振られている。SR3については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。
(A)の大当り時領域演出実行タイミング決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、「変動表示開始時<リーチ開始前時」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。(B)のはずれ時領域演出実行タイミング決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、「変動表示開始時>リーチ開始前時」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。ここで、「リーチ開始前時」とは、変動表示中にリーチ状態となる変動パターンの変動表示において、リーチ状態となる所定時間前のタイミングをいう。
このように、第1領域演出と第2領域演出とを含む領域演出については、大当り時とはずれ時とのそれぞれにおいて、複数のタイミングのうちから選択されたタイミングで実行可能である。これにより、領域演出の演出パターンのバリエーションを豊富化することができる。さらに、いずれのタイミングで領域演出が実行されるかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、第1領域演出と第2領域演出とを含む領域演出については、大当り時とはずれ時とで演出を実行するタイミングの選択割合が異なるので、大当りに対する期待感という観点で、いずれのタイミングで領域演出が実行されるかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、図18の領域演出実行タイミング決定テーブルにより、領域演出の実行タイミングとして、2種類の実行タイミングのうちから実行タイミングを選択決定する例を示したが、これに限らず、3種類以上の複数の実行タイミングのうちから実行タイミングを選択決定するようにしてもよい。また、領域演出の実行タイミングとしては、第1領域演出と第2領域演出とで、選択可能な実行タイミングの一部または全部を異ならせてもよい。また、第2領域演出の実行タイミングは、実行される演出の種類に応じて、選択可能な実行タイミングの一部または全部を異ならせてもよい。
図19は、図17の領域演出実行決定テーブルにおいて第1領域演出を実行することが決定されたときに、その演出内容(演出パターン)を決定するための第1領域演出決定テーブルを示す説明図である。第1領域演出決定テーブルには、(A)の大当り時第1領域演出決定テーブルと、(B)のはずれ時第1領域演出決定テーブルとが含まれている。これら第1領域演出決定テーブルは、ROM102に記憶されている。
(A)の大当り時第1領域演出決定テーブルは、特別図柄(演出図柄)の変動表示の変動表示結果を大当り表示結果とすると決定されたときに用いられる。(B)のはずれ時第1領域演出決定テーブルは、特別図柄(演出図柄)の変動表示の変動表示結果をはずれ表示結果とすると決定されたときに用いられる。
(A),(B)の各第1領域演出決定テーブルでは、第1領域演出決定用の乱数SR4(0〜64の数値範囲)の合計65個の数値が、複数種類の第1領域演出の演出内容(演出パターン)に割振られている。SR3については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。
第1領域演出は、「見え隠れ表示」をする特殊演出が実行された後にタイマ演出が実行されない演出である「特殊演出のみ」の演出内容の演出パターンと、「見え隠れ表示」をする特殊演出が実行された後にタイマ演出が実行される演出である「特殊演出+タイマ演出」の演出内容の演出パターンとに大別される。「特殊演出のみ」は、「見え隠れ表示」をする「特殊演出」を実行することにより「タイマ演出」が実行されると見せかけて「タイマ演出」を実行しない、所謂ガセ演出(偽演出)である。
図19(A),(B)の各第1領域演出決定テーブルでは、「特殊演出のみ」として、タイマ枠97の枠色を白色で表示した第1領域91を「見え隠れ表示」する特殊演出を実行した後にタイマ演出を実行しない演出パターンが選択可能である。
図19(A),(B)の各第1領域演出決定テーブルでは、「特殊演出+タイマ演出」として、以下の第1演出パターン〜第3演出パターンが選択可能である。第1演出パターンは、タイマ枠97の枠色を白色で表示した第1領域91を「見え隠れ表示」する特殊演出を実行した後に、タイマ枠97の枠色およびタイマ表示94のタイマ数値色を白色で表示したタイマ演出を実行するものである。第2演出パターンは、タイマ枠97の枠色を白色で表示した第1領域91を「見え隠れ表示」する特殊演出を実行した後に、タイマ枠97の枠色およびタイマ表示94のタイマ数値色を赤色で表示したタイマ演出を実行するものである。第3演出パターンは、タイマ枠97の枠色を赤色で表示した第1領域91を見え隠れ表示する特殊演出を実行した後に、タイマ枠97の枠色およびタイマ表示94のタイマ数値色を赤色で表示したタイマ演出を実行するものである。
図19の(A),(B)の各第1領域演出決定テーブルでは、前述のような「特殊演出のみ」が1種類で、「特殊演出+タイマ演出」が3種類の合計4種類の演出パターンのうちから、1つの演出パターンが選択決定可能となるように、SR4の合計65個の数値が割振られている。
(A)の大当り時第1領域演出決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、「白色タイマ枠での特殊演出のみ<白色タイマ枠での特殊演出+白色タイマ枠および白色タイマ数値でのタイマ演出<白色タイマ枠での特殊演出+赤色タイマ枠および赤色タイマ数値でのタイマ演出<赤色タイマ枠での特殊演出+赤色タイマ枠および赤色タイマ数値でのタイマ演出」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。
(B)のはずれ時第1領域演出決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、「白色タイマ枠での特殊演出のみ>白色タイマ枠での特殊演出+白色タイマ枠および白色タイマ数値でのタイマ演出>白色タイマ枠での特殊演出+赤色タイマ枠および赤色タイマ数値でのタイマ演出>赤色タイマ枠での特殊演出+赤色タイマ枠および赤色タイマ数値でのタイマ演出」という大小関係の選択割合となるようにデータが設定されている。
このように、特殊演出時に見え隠れ表示させるタイマ枠97として、白色のタイマ枠97を表示する特殊演出と、赤色のタイマ枠97を表示する特殊演出との複数種類の特殊演出のうちのいずれかを実行可能であることにより、いずれの種類の特殊演出が実行されるかに注目させることができる。
(A),(B)の各領域演出決定テーブルにおいては、次のようにデータが設定されている。大当り時には、はずれ時と比べて、「特殊演出のみ」が選択されて実行される割合が低く、「特殊演出+タイマ演出」のいずれかが選択されて実行される割合が高くなるようにデータが設定されている。
このように、はずれ時と大当り時とで第1領域演出でのタイマ演出の選択割合が異なる。図18,図19に示すように、はずれ時と大当り時とで第1領域演出の実行タイミングの選択割合が異なり、はずれ時と大当り時とで第1領域演出でのタイマ演出の選択割合が異なるので、いずれのタイミングで特殊演出が実行されるかに、より一層注目させることができる。
さらに、大当り時には、はずれ時と比べて、「タイマ演出」として、赤色タイマ枠および赤色タイマ数値での「タイマ演出」が選択されて実行される割合が高くなるようにデータが設定されている。また、大当り時には、はずれ時と比べて、「特殊演出」として、赤色タイマ枠での「特殊演出」が選択されて実行される割合が高くなるようにデータが設定されている。
このように、第1領域演出については、大当り時に、はずれ時と比べて、赤色タイマ枠での「特殊演出」が選択されて実行される割合が高い。これにより、赤色タイマ枠での「特殊演出」は、実行されたときに、遊技者における大当りへの期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、大当り時には、はずれ時と比べて、赤色タイマ枠および赤色タイマ数値での「タイマ演出」が選択されて実行される割合が高い。これにより、赤色タイマ枠および赤色タイマ数値での「タイマ演出」は、実行されたときに、遊技者における大当りへの期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図19に示すように、赤色のタイマ数値表示の実行前にも、白色のタイマ枠見せ隠れ表示を実行可能であることにより、白色のタイマ枠の見せ隠れ表示をする特殊演出が実行されたとしても、遊技者の大当り遊技状態への期待感が下がらないようにすることができる。
なお、第1領域演出決定テーブルにおいて、大当り時とはずれ時とのそれぞれについては、赤色タイマ枠での「特殊演出のみ」の演出パターンが選択可能となるようにしてもよい。また、第1領域演出決定テーブルにおいて、大当り時とはずれ時とのそれぞれについては、「特殊演出+タイマ演出」として、赤色タイマ枠での特殊演出+白色タイマ枠および白色タイマ数値でのタイマ演出が選択可能となるようにしてもよい。また、第1領域演出決定テーブルにおいて、大当り時とはずれ時とのそれぞれについては、「タイマ演出」として、白色タイマ枠および赤色タイマ数値でのタイマ演出、および、赤色タイマ枠および白色タイマ数値でのタイマ演出のように、タイマ枠の色とタイマ数値の色とが異なるタイマ演出が選択可能となるようにしてもよい。その場合には、大当り時には、はずれ時と比べて、タイマ枠の色とタイマ数値の色との両方が赤色でのタイマ演出の選択割合が、タイマ枠の色とタイマ数値の色との一方が白色で他方が赤色でのタイマ演出の選択割合よりも高くなるようにしてもよい。
図20は、第2領域演出決定テーブルを示す図である。第2領域演出決定テーブルは、第2領域演出を実行すると決定されたときに、第2領域演出の演出内容を選択決定するための抽選に用いられるデータテーブルである。第2領域演出決定テーブルには、図20(A)の大当り時第2領域演出決定テーブルと、図20(B)のはずれ時第2領域演出決定テーブルとが含まれる。これらの第2領域演出決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
第2領域演出を実行すると決定された場合には、第2領域92で実行される演出内容が決定される。第2領域92で実行される演出内容とは、第2領域92で、タイマ演出示唆表示と、タイマ演出示唆表示以外の複数種類の特定表示とのうちのいずれを表示するかという演出内容のことである。第2領域92では、複数種類の所定表示の中から順番に回転表示される表示のうち1つの所定表示が決定される演出が実行される。所定表示の中には、タイマ演出示唆表示とそれ以外の特定表示とが含まれる。第2領域92でタイマ演出示唆表示がされるときは、第2領域92において、複数種類の表示の中から「READY」の文字が表示され、その後所定時間経過で「GO」の文字に切替ることによる第2領域演出が実行される。さらに、第2領域演出として、「GO」の文字の後にタイマ表示をするタイマ演出が開始される。
このようなタイマ表示(タイマ演出示唆表表示)とは別に、第2領域には、特定表示が表示される場合がある。特定表示は、変動表示の表示結果が大当りとなる期待度や所定のリーチ演出に突入することを示唆するような表示である。本実施形態において、第2領域で実行される演出の内容について、図20の表を用いて説明する。
図20において、「?」の表示は、何らかの演出をしようと見せかけて何の演出も実行しないガセ演出のパターンを示す表示である。「?」の表示は、現在実行されている変動表示が大当り期待度の最も低いことを示す表示パターンであり、遊技者は、実行されている変動表示に対してほとんど期待できない。図20において、「まさか?」の表示は、何らかの演出が実行されることが期待される表示パターンである。ここで、何らかの演出とは、所定のキャラクタが出現したり、大当り期待度を示す文字等が表示される演出である。「まさか?」の表示は、現在実行されている変動表示の大当り期待度が低いことを示す表示パターンであるが、「?」の表示に比べ大当り期待度が若干高い。
図20において、「NEXT」の表示は、当該表示が実行された後に擬似連が実行されることを示す擬似連示唆表示である。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。図20において、「バトル」の表示は、リーチ後にバトル演出が実行されることを示唆するバトルリーチ示唆表示である。バトルリーチとは、味方のキャラクタと敵のキャラクタとが戦う演出が実行されるリーチ演出のことである。味方のキャラクタが敵のキャラクタに勝利すると大当りとなり、味方のキャラクタが敵のキャラクタに敗北するとはずれとなる。
図20において、「ゾーン」の表示は、当該表示が実行された後にゾーン演出に突入することを示すゾーン突入示唆表示である。ゾーン演出とは、現在の変動表示が遊技者にとって有利な状態(遊技者にとって有利なゾーンにいる状態)であることを示す演出である。具体的には、演出表示装置9の画面上の周囲に「ゾーン突入」の文字のテロップを流すことで、現在の変動表示が大当り期待度の高いことを示すような演出である。ゾーン演出では、「ゾーン突入」の文字とともに背景や演出等がゾーン演出特有のものとなる。
図20において、「READY GO」の表示は、前述したように「READY」の文字が所定時間表示された後、「GO」の文字に切替り、その後にタイマ表示が開始されることを示唆するタイマ演出示唆表示である。図20において、「激熱」の表示は、現在実行されている変動表示の大当り期待度が高いことを示す表示パターンである。「激熱」の表示の後には、大当り期待度の高い演出が実行される。また、「おめでとう」の表示は、現在実行されている変動表示が大当り表示結果となることを確定する表示である。このような表示は、遊技者にとって最もうれしい表示である。
図20(A)の大当り時第2領域演出決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、表示の選択割合が「激熱>READY GO>ゾーン>バトル>NEXT>まさか?=おめでとう>?」という大小関係となるように、第2領域演出において停止表示される表示種類を選択するために用いるデータが設定されている。また、図20(B)のはずれ時第2領域演出決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、表示の選択割合が「激熱<?<READY GO<ゾーン<バトル<NEXT<まさか?」という大小関係となるように、第2領域演出において停止表示される表示種類を選択するために用いるデータが設定されている。
図20(A),(B)でのデータ設定により、「?」と「おめでとう」とを除いた表示について、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときに比べ、表示の選択割合が「激熱>READY GO>ゾーン>バトル>NEXT>まさか?」の大小関係となるよう、第2領域演出において停止表示される表示種類が選択される。よって、この選択割合の大小関係の順番に従って大当り期待度が高い。また、「おめでとう」の表示は、はずれ時には選択されず、大当り時に選択される。よって、「おめでとう」が選択される割合は低いが、「おめでとう」が選択された場合には、変動表示の表示結果が大当りとなることが確定する。また、「?」の表示については、大当りの場合よりもはずれの場合の方が選択される割合が高く設定されている。しかし、「?」の表示は、大当りの場合にもはずれの場合にも、その他の表示と比べて選択割合はそれほど高く設定されていない。これは、そもそも領域演出は、大当り期待度の高いスーパーリーチの変動パターンに基づいて実行される演出であるので、ガセ演出があまり実行されないようにするためである。
図16(e),(f)および図20に示すように、第2領域演出が実行されることにより、「READY GO」のようなタイマ演出示唆表示をしてタイマ演出を実行した後にスーパーリーチ演出が実行されることを示唆する表示と、「?」等のタイマ演出以外の演出が実行されることを示唆する表示とが選択されて実行可能であることにより、タイマ演出を示唆する表示がされるか、タイマ演出以外の演出を示唆する表示がされるかに注目させることができ、タイマ演出を実行する前の過程について遊技の興趣を向上させることができる。
また、第2領域92における表示パターンとして、図20に示す「READY GO」表示のようなタイマ演出示唆表示をしてタイマ表示をするタイマの表示パターンと、図20に示す「?」表示等の特定表示をする特定表示の表示パターンとを備えることにより、タイマ演出がされるか特定表示が表示されるかに注目させることができ、タイマ演出を実行する前の過程についてより一層遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定表示として、図20の「まさか?(期待度低)」、「激熱(期待度高)」の表示のような、大当り遊技状態に制御される期待度を示唆する期待度示唆表示が含まれることにより、タイマ表示が表示されるか特定表示が表示されるかに注目させることができ、特定表示が表示されるときには特定表示の表示態様にも注目させることができる。
また、特定表示として、図20の「NEXT(擬似連示唆)」のような擬似連の表示がされることを示唆する再変動示唆表示が含まれることにより、タイマ表示が表示されるかに、より一層特定表示が表示されるかに注目させることができ、特定表示が表示されるときには特定表示の表示態様にも、より一層注目させることができる。
また、特定表示として、図20の「バトル(バトルリーチ示唆)」のようなリーチ演出の種類を示唆するリーチ示唆表示が含まれることにより、タイマ表示が表示されるかに、より一層特定表示が表示されるかに注目させることができ、特定表示が表示されるときには特定表示の表示態様にも、より一層注目させることができる。
次に、領域演出を含む各種の演出を設定するための処理について説明する。図21は、演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。図21においては、演出図柄変動開始処理における演出設定処理に含まれる各種の設定のうち、領域演出の設定に関する処理が示されている。演出設定処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なうことによって、領域演出で実行される各種演出を決定する。
まず、今回実行される変動表示の変動パターンがスーパーリーチの変動パターンであるか否かを今回の変動に際して受信した変動パターンコマンドに基づいて判定する(S901)。受信した変動パターンコマンドは、RAM103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている。演出制御用CPU101は、RAM103の記憶領域を参照し、今回実行される変動表示を示す領域にスーパーリーチの変動パターンコマンドが格納されているか否かにより、スーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する。スーパーリーチの変動パターンでなければS909の処理へ移行する。スーパーリーチの変動パターンであれば、SR2の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、図17(A),(B)に示すいずれかの領域演出実行決定テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR2の値から、今回の変動表示における領域演出の実行の有無、および、実行する演出の種類(第1領域演出、第2領域演出という種類)を決定する(S902)。今回の変動表示の表示結果が大当りか否かは、今回実行される変動表示の表示結果が大当りであるか否かを今回の変動表示を実行するときに受信された表示結果コマンド等により判定する。
S903においては、S902の決定結果に基づいて、領域演出が実行あり(第1領域演出のみ実行、第2領域演出のみ実行、第1,第2領域演出の両方実行のうちいずれか)と決定されたか否かを判定する(S903)。S903で領域演出が実行なしと決定されたときは、S909の処理へ移行する。S903で領域演出の実行が実行ありと決定されたときは、SR3の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、図18(A),(B)に示すいずれかの領域演出実行タイミング決定テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR3の値から、今回の変動表示における領域演出の実行タイミングを決定する(S904)。次いで、S902において決定された内容が第1領域演出および第2領域演出を実行する内容であるか否かを判定する(S905)。
S905において、第1領域演出および第2領域演出を実行する内容と判定されれば、SR4の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、図19(A),(B)に示すいずれかの第1領域演出決定テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR4の値から、今回の変動表示において第1領域演出として実行される演出の内容(演出パターン)を決定する(S906)。次いで、S907において、第2領域演出のうちタイマ演出の選択を制限する。具体的には、図20のテーブルおいて、「READY GO」の表示、つまり、タイマ演出示唆の表示が選択されないように設定する。次いで、SR5の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、図20(A),(B)に示すいずれかの第2領域演出決定テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR5の値から、今回の変動表示において第2領域演出として実行される演出の内容(演出パターン)を決定する(S908)。次いで、S909の処理へ移行する。
S905において、第1領域演出および第2領域演出を実行する内容でなければ、第1領域演出を実行する内容であるか否かを判定する(S910)。S910において、第1領域演出を実行する内容と判定されれば、SR4の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、図19(A),(B)に示すいずれかの第1領域演出決定テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR4の値から、今回の変動表示において第1領域演出として実行される演出の内容(演出パターン)を決定する(S907)。
S910において、第1領域演出を実行する内容でなければ、消去法的に、第2領域演出を実行する内容であることに決定されているので、SR5の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、図20(A),(B)に示すいずれかの第2領域演出決定テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR5の値から、今回の変動表示において第2領域演出として実行される演出の内容(演出パターン)を決定する(S912)。次いで、S909の処理へ移行する。
S909では、第1領域演出、第2領域演出で決定された内容や、領域演出以外の演出の内容に決定されたことに基づく、その他の演出内容を決定する。その後、処理を終了する。
ここで、S909で決定するその他の演出内容の具体例について、特に、第1領域演出および第2領域演出で実行される演出を中心に説明する。たとえば、第1領域演出として特殊演出実行後に第1領域91でタイマ演出を実行することが決定された場合には、そのときのスーパーリーチの変動パターンに基づいて、タイマ演出でタイマ表示94を出現させるときの計時期間として表示するタイマ表示のタイマ数値、および、タイマ数値が0秒となったときに実行される演出態様等のタイマ演出に関わる各種演出内容(変動パターンコマンドにより指定されたスーパーリーチの種類に対応してROM102に記憶されている演出内容)が決定される。この実施の形態において、タイマ表示94を出現させるときのタイマ数値は、スーパーリーチの種類によらず、たとえば、10:00(秒)というように固定的に設定される。なお、タイマ表示94を出現させるときのタイマ数値は、スーパーリーチの種類に応じて、異なるように設定してもよい。また、第2領域演出において、たとえば、タイマ演出を実行することが決定された場合にも同様にタイマ演出の内容を決定する。
また、第2領域演出において、タイマ演出以外の演出を実行することが決定された場合には、演出態様等のそれらの演出に関わる各種演出内容(第2領域演出決定テーブルを用いて決定された演出に対応してROM102に記憶されている演出内容)が決定される。たとえば、第2領域演出として「激熱」の演出が選択決定されたときには、演出表示装置9の表示領域における所定の表示位置において、「激熱」というテロップを表示する等、第2領域92での「激熱」という表示に対応して、第2領域92以外の表示領域で実行する演出に関わる各種演出内容が決定される。
また、タイマ演出以外の演出として、たとえば、第2領域演出において、タイマ演出を実行することが決定された場合には、そのときのスーパーリーチの変動パターンに基づいて、タイマ演出でタイマ表示94を出現させるときの計時期間として表示するタイマ表示のタイマ数値、および、タイマ数値が0秒となったときに実行される演出の内容(変動パターンコマンドにより指定されたスーパーリーチの種類に対応してROM102に記憶されている演出内容)が決定される。
このように演出設定処理において、第1領域演出および第2領域演出を含む領域演出等の各種演出を実行する決定がされると、その決定内容が、ROM102に記憶されることにより実行する演出パターンに関するデータが設定され、図14に示す演出図柄変動中処理(S802)により、演出設定処理において設定された演出パターンに関するデータに基づいて、たとえば図16に示すような第1領域演出および第2領域演出を含む領域演出が実行可能となる。
[第2実施形態]
第2実施形態では、第1実施形態に示した第1領域91および第2領域92のそれぞれにおいて実行されるタイマ演出の変形例を説明する。ここでは、第2実施形態によるタイマ演出として、第1領域91で実行される演出を代表例として示すが、第2実施形態によるタイマ演出は、第2領域92でも同様に実行可能である。
第2実施形態で実行されるタイマ演出は、保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、特定の演出を実行するまでの待ち時間等の演出期間をタイマ表示形式で示す期間表示を更新することによってタイマ表示が所定態様となったときに、複数種類の演出のうちのいずれかの演出を実行する演出である。タイマ表示は、所定タイミングで設定された計時値の初期値から、カウントダウンされる計時値の更新が実行され、最終的には、タイマ表示の値が0(0秒を示す値)となる。このような、タイマ演出中に表示されるタイマ表示は、変動表示中の所定期間に亘って演出表示装置9に表示される。
また、タイマ演出の実行中には、タイマ表示による期間表示が開始されてから期間表示が所定態様である0となるまでの期間において、タイマ表示をカウントダウンさせた後に、停止態様としてタイマ表示を数秒間に亘り停止させ、その停止態様を経由した後にタイマ表示の値を0にする場合がある。このように、タイマ表示のカウントダウンを数秒間停止する演出のことを、以下ではフリーズ演出と称する。なお、フリーズ演出としては、タイマ表示のカウントダウンが数秒間に亘り完全に停止するものではなく、所定の期間以上にカウントダウンが進まないようなものでもよい。たとえば、カウントダウンの途中の「15:47」のタイマ表示でフリーズ演出が発生した場合には、「15:46」→「15:47」→「15:46」のように、所定の数字と特定の数字との間を行き来することで、タイマ表示が所定期間以上にカウントダウンを進めないような演出としてもよい。また、「15:47」→「15:46」→「15:45」とカウントダウンが進むが、そのカウントダウンを実際の時間の計時よりも極端に遅くすることで、ほとんど時間が進んでいないような演出としてもよい。
図22は、第2実施形態におけるタイマ演出を説明するための図である。図22(a)〜(e)は、タイマ演出中にフリーズ演出が実行される場合の第1領域91におけるタイマ表示94の表示例を示す図である。また、図22(f)〜(i)は、タイマ演出中にフリーズ演出が実行されない場合の第1領域91におけるタイマ表示94の表示例を示す図である。ここで、タイマ演出では、複数種類の時間の中からいずれかの時間がタイマ演出の秒数として決定される。図22(a)〜(e)では、タイマ演出を実行する期間として30秒の時間が選択されている。また、図22(f)〜(i)では、タイマ演出を実行する期間として20秒の時間が選択されている。なお、第2実施形態のタイマ演出は、第2領域92で実行されるようにしてもよく、演出表示装置9内のどの領域で実行されるようにしてもよい。
図22(a)に示すように、タイマ演出が開始される場合、たとえば、タイマ表示94として20秒を示す「20:00」という計時期間が第1領域91に表示される。タイマ表示94に表示される期間は、秒以下2桁(百分の一の位)まで表示され、時間の経過とともにその値がカウントダウンされる。図22(b)は、20秒からカウントダウンされて10秒経過した際に表示されるタイマ表示94を示す図である。図22(b)に示すように、10秒経過毎には、10秒を示す「10:00」が表示されたときに、タイマ表示94の上側にLOCK表示95が表示される。LOCK表示95は、表示画像がタイマ表示94に対して作用する作用演出であり、LOCKの文字で示す表示画像が、タイマ表示94に付加される。LOCK表示95がタイマ表示94に付加されることにより、フリーズ演出が実行される。このように、LOCK表示95がタイマ表示94に付加されることにより、フリーズ演出の実行中であることを遊技者に容易に認識させることができる。
図22(c)は、図22(b)の状態から10秒間が経過したときの、タイマ表示94の表示態様を示す図である。図22(b),(c)に示すように、フリーズ演出が実行される場合は、「10:00」の表示のままで10秒間に亘りタイマ表示94の表示が停止されるとともに、LOCK表示95が付加される。10秒間のフリーズ期間経過後には、図22(d)に示すように、再度タイマ表示94がカウントダウンされる。その後、図22(e)に示すように、タイマ表示94は、カウントダウンされ、所定態様である0秒を示す「00:00」で表示される。そして、タイマ表示が0秒となったことに基づいて、複数種類の演出のうちからいずれかの演出が実行される。
ここで、タイマ表示94が0秒となったときに実行される演出について、一例を示す。タイマ表示94が0秒となったときに実行される演出には、たとえば、擬似連の仮停止図柄が仮停止する演出(たとえば、「NEXT」と記載された図柄が仮停止する)、リーチ図柄が停止しリーチになったことを示す演出(たとえば、リーチ図柄停止のタイミングで役物が動作する)、リーチ演出中において当該変動の大当り期待度を示す演出(たとえば、リーチ中に大当り期待度の高い背景に変化する)等である。なお、タイマ表示94が0秒となったときに実行される演出は、ここに示した演出に限らず、どのような演出であってもよい。
次に、フリーズ演出が実行されない場合を図22(f)〜(i)により説明する。タイマ演出を実行する期間として20秒の時間が選択された場合、図22(f)に示すように、タイマ演出が開始される場合、たとえば、タイマ表示94として20秒を示す「20:00」という計時時間が第1領域91に表示される。図22(g)は、20秒からカウントダウンされて10秒経過した際に表示されるタイマ表示94を示す図である。図22(g)に示すように、10秒経過毎には、10秒を示す「10:00」が表示される。フリーズ演出が実行されないので、LOCK表示95は表示されない。
次いで、図22(h)に示すように、図22(g)から1秒経過したときには、図22(h)に示すように、タイマ表示が9秒を示す「09:00」で表示される。その後、図22(i)に示すように、タイマ表示94は、カウントダウンされ、所定態様である0秒を示す「00:00」で表示される。そして、タイマ表示が0秒となったことに基づいて、複数種類の演出のうちからいずれかの演出が実行される。ここで、図22(a)〜(i)では、秒以下2桁のタイマ表示94については、実際はカウントダウンしているが、図面上では詳細に開示していない。また、秒以下2桁を表示せず、「10」、「9」・・・「0」と秒数のみをカウントダウンしていくようにしてもよい。
このように、タイマ演出において表示されるタイマ表示94は、表示が開始されてからカウントダウンされ、所定態様である0秒を示す「00:00」となるまでの期間において、フリーズ演出を経由するパターンとフリーズ演出を経由しないパターンとが設けられている。よって、タイマ表示94によるカウントダウンが開始されてから0秒となるまでの期間におけるタイマ表示94の表示態様に遊技者を注目させることができる。
また、タイマ演出において、フリーズ演出が実行されるパターンでは、図22(b)〜(d)に示すように、フリーズ演出を10秒間実行した後に、再度タイマ表示94の更新が実行される。このようにすれば、タイマ表示94が0秒となるまでの期間におけるタイマ表示94の表示態様に遊技者を注目させることができる。
また、タイマ演出の実行される秒数であるタイマ秒数(タイマ表示の開始から0秒となるまでの時間)を決定するためのタイマ選択時間は異なるが、図22に示すように、フリーズ演出を実行しない場合とフリーズ演出を実行する場合とで、タイマ表示94の開始時の表示態様が同一(いずれも「20:00」で同じ)の場合がある。このようにすれば、タイマ表示94の開始時にフリーズ演出を経由するか否かがばれることがなく、意外性のある演出を実行することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態では、第1実施形態に示した第1領域91および第2領域92のそれぞれにおいて実行されるタイマ演出の変形例を説明する。ここでは、第3実施形態によるタイマ演出として、第1領域91で実行される演出を代表例として示すが、第3実施形態によるタイマ演出は、第2領域92でも同様に実行可能である。
第3実施形態で実行されるタイマ演出では、通常パターンのタイマ演出の他に特別パターンのタイマ演出が設定されている。通常パターンのタイマ演出とは、タイマ表示が開始されてからタイマ表示が0秒となるまでの期間において、タイマ表示の表示値が時間経過とともにカウントダウンされるのみのパターンである。それに対し、特別パターンのタイマ演出では、タイマ表示94がカウントダウンされ0秒となったときに、スティックコントローラ122のような操作手段を用いる演出が実行される。スティックコントローラ122での遊技者の操作は、傾倒方向センサユニット123により検出される。具体的には、タイマ表示94がカウントダウンされ0秒となったときに、スティックコントローラ122を遊技者が引く操作を実行すると、0秒となっていたタイマ表示94の秒数が増加し、再度カウントダウンが実行される演出が行なわれる。このような、特別パターンは複数回実行されることがあり、最終的に0秒となったときに、所定の演出が実行される。
図23は、第3実施形態におけるタイマ演出を説明するための図である。図23のうち図23(a)は、タイマ演出の特別パターンとして、タイマ選択時間20秒の2回パターンの場合のタイミングチャートを示す図である。2回パターンとは、タイマ演出の実行中に操作手段を用いた演出が2回実行される演出パターンを示している。また、図23(b)〜(i)は、図23(a)のパターンにおけるタイマ表示94の表示例を示す図である。まず、図23(a)〜(i)により特別パターンのタイマ演出について説明する。なお、特別パターンは2回パターンだけではなく、1回パターンや3回以上のパターンが設けられていてもよい。
図23(a)に示すように、タイマ演出として実行されるタイマ選択時間20秒の2回パターンでは、最初にタイマ表示94に「04:00」が表示される(図23(b))。この状態からタイマ表示94のカウントダウンが4秒間実行される。そして、タイマ表示94が「00:00」で示す値となったとき(図23(c))、スティックコントローラ122等の操作手段を操作する操作演出が実行される。スティックコントローラ122は、操作が有効な期間(以下、操作有効期間とも称する)が2秒間に設定されている。この操作有効期間である2秒の間にスティックコントローラ122を引く操作が遊技者により実行された場合には、「+04:00」が演出表示装置9の画面上に表示される(図23(d))。「+04:00」の表示は、残りの操作有効期間とその時間に1秒(タイマ表示の最少期間)加算した期間、演出表示装置9の画面上に表示されるとともに、タイマ表示94として「00:00」から秒数が増加し、「04:00」の値が第1領域91に表示される(図23(e))。
操作有効期間である2秒の間にスティックコントローラ122を引く操作が実行されなかった場合には、操作有効期間の終了時に「+04:00」の表示が自動的に演出表示装置9の画面上に表示される(図23(d))。「+04:00」の表示は、操作有効期間の終了後、1秒の間、演出表示装置9の画面上に表示されるとともに、タイマ表示94として「00:00」から秒数が増加し、「04:00」の値が第1領域91に表示される(図23(e))。
ここで、スティックコントローラ122が操作された場合も操作されなかった場合も、少なくとも1秒の間は、「+04:00」の表示が演出表示装置9の画面上に表示される(図23(d))。また、タイマ表示94として「00:00」から秒数が増加し、「04:00」の値が第1領域91に表示される(図23(e))。この時間に遊技者は、タイマ表示94の秒数が増加したことを認識することができる。操作有効期間(図23(a)の操作2秒)とタイマ表示94の増加秒数を示す演出表示装置9のタイマ表示期間(図23(a)のタイマ表示1秒)との合計期間は3秒間に設定されている。
その後、タイマ表示94は、「04:00」で示される4秒からカウントダウンを開始し、タイマ表示94が「00:00」で示す値となったとき(図23(f))に、再度、操作有効期間中にスティックコントローラ122を引く演出が実行される。2秒の間にスティックコントローラ122を引く操作が遊技者により実行された場合には、「+06:00」が演出表示装置9の画面上に表示される(図23(g))。「+06:00」の表示は、残りの操作有効期間とその時間に1秒加算した期間、演出表示装置9の画面上に表示されるとともに、タイマ表示94として「00:00」から秒数が増加し、「06:00」の値が第1領域91に表示される(図23(h))。
操作有効期間である2秒の間にスティックコントローラ122を引く操作が実行されなかった場合には、操作有効期間の終了時に「+06:00」の表示が自動的に演出表示装置9の画面上に表示される(図23(g))。「+06:00」の表示は、操作有効期間の終了後、1秒の間、演出表示装置9の画面上に表示されるとともに、タイマ表示94として「00:00」から秒数が増加し、「06:00」の値が第1領域91に表示される(図23(h))。
タイマ表示94が、6秒からカウントダウンを開始し、タイマ表示94が「00:00」で示す値となったとき(図23(i))に、所定の演出が実行される。タイマ表示94が0秒となったときに実行される演出には、どのような演出であってもよい。
このように、特別パターンでは、タイマ演出が開始されタイマ表示94が0秒で示す値となったときに、タイマ表示94の秒数が増加し、再度カウントダウンが実行される演出が行なわれる。これにより、タイマ表示94の値が0秒となったときの演出に遊技者を注目させることができる。また、このような特別パターンのタイマ演出により、タイマ表示94のカウントダウンが開始されてから、タイマ表示94の値が最終的に0秒となるまでの期間における表示態様に遊技者を注目させることができる。
[第4実施形態]
第4実施形態では、第1実施形態に示した第1領域91および第2領域92のそれぞれにおいて実行されるタイマ演出の変形例を説明する。ここでは、第4実施形態によるタイマ演出として、第1領域91と第2領域92とのそれぞれのタイマ演出に適用する場合の例を、図24に示す第3領域96という1つの領域を代表例として用いて説明する。
第4実施形態におけるタイマ演出は、リーチ中に実行される。ここで、図6に示すように、リーチとなる変動パターンには、ノーマルリーチの変動パターンとスーパーリーチの変動パターンとが含まれている。遊技制御用マイクロコンピュータ560からスーパーリーチを指定する変動パターンコマンドが送信されると、演出制御用CPU101は、送信されたコマンドに基づいて指定されたスーパーリーチの演出を実行する。図6の第1〜第4スーパーリーチでは、各変動パターンについて、複数種類のスペシャルリーチ(以下、単にSPリーチとも称する)の中からいずれかのSPリーチが実行される。
SPリーチでは、変動表示中の演出図柄のうちいずれかの図柄でリーチとなる。その後、リーチ状態となってから所定時間経過後(ノーマルリーチ後やノーマルリーチと異なるリーチ演出後)にSPリーチへと発展する。スーパーリーチにおいて実行されるSPリーチは、SPリーチまで発展せずリーチ後に派手な演出をしないノーマルリーチに比べ、大当り表示結果となる期待度の高いリーチである。SPリーチ中は、たとえば、液晶画面上でバトル演出等の演出が実行される。バトル演出とは、味方のキャラクタと敵のキャラクタとが戦い、味方のキャラクタが勝利すると大当り表示結果が表示され、味方のキャラクタが敗北するとはずれ表示結果が表示されるような演出である。
また、第4実施形態では、演出表示装置9の表示画面の中央下部領域である第3領域96においてタイマ演出が開始される場合について説明する。たとえば、SPリーチ中は、画面全体を用いた派手な演出が実行される。このような場合、第3領域96に表示されるタイマ表示94がそのような演出を阻害しないように演出表示装置9の表示画面と重ならない位置(たとえば、演出表示装置9の左下位置)にタイマ表示94を移動させる。第4実施形態では、タイマ演出とSPリーチとが同時に実行される。タイマ演出とSPリーチとが実行される場合の演出について図24により説明する。
図24は、第4実施形態におけるタイマ演出を説明するための図である。タイマ演出が実行される場合には、図24(a),(b)に示すようなパターンや図24(a),(c)に示すパターンが実行される。図24(a)に示すように、演出表示装置9において「4」を示す図柄でリーチがかかっている場合に、画面の中央下部の第3領域96にタイマ画像が表示される。タイマ画像には、「20:00」と表示されたタイマ表示94が表示される。タイマ表示94は、時間の経過とともにカウントダウンされる。
図24(a)から図24(b)となるパターンは、通常のリーチから弱SPリーチへと発展する場合を示している。弱SPリーチは、後述する強SPリーチと比較して大当り表示結果となる期待度が低いSPリーチである。大当り表示結果となる期待度は、図24(b)中に示す、黒色の星の数で示される。今回実行される弱SPリーチは、期待度が5段階中の2なのであまり期待度が高くないということになる。弱SPリーチ中は、演出図柄が演出表示装置9の右上の領域において、小型化(縮小)した態様のコマンド図柄で表示される。またタイマ画像は、弱SPリーチが開始されるときに画面上の中央下部の位置から左端下部の位置(第1領域91に対応する位置)へと移動する。
SPリーチが実行される際には、タイマ画像の枠部96aが変化する場合がある。しかし、図24(b)に示すように、弱SPリーチにおいては、枠部96aがSPリーチへの発展前の図24(a)と同様の態様で表示される。また、タイマ表示94は、カウントダウンされ「15:00」で示されている。SPリーチ中は、SPリーチ発展前の図24(a)のような場合に比べ、表示画面の全体を用いた派手な演出が実行される。SPリーチ演出のような派手な演出が実行される場合には、画面の中央下部の第3領域96においてタイマ画像が表示されていると演出の妨げになってしまう。そこで、タイマ表示94が開始されてからタイマ表示94が0秒となるまでの期間において、SPリーチが実行されている場合には、タイマ表示94が画面の左端の位置(第1領域91に対応する位置)へ移動される。また、SPリーチが実行されない場合には、タイマ画像は画面の中央下部の位置で変化せずタイマ表示94のカウントダウンが実行される。
このように、タイマ表示94の表示が開始されてからタイマ表示94が0秒となるまでの期間にSPリーチが実行されているか否かにより、タイマ表示94の位置が変更される。よって、SPリーチのような演出が実行されているか否かという演出の状況を考慮することができ、遊技の興趣が向上する。
また、図24(c)は、図24(a)のリーチ状態から強SPリーチへ発展した場合を示している。強SPリーチは、弱SPリーチと比べ大当り表示結果となる期待度が高い。図24(c)に示すように、今回実行される強SPリーチは、期待度が5段階中の4なので、大当り期待度が高い演出であることが示される。強SPリーチ中は、演出図柄が演出表示装置9の右上の領域において、小型化(縮小)した態様のコマンド図柄で表示される。またタイマ画像は、強SPリーチが開始されるときに画面上の中央下部の第3領域96から左端下部の位置(第1領域91に対応する位置)へと移動する。
また、強SPリーチが実行されるときには、タイマ画像の枠部96bの態様が変化する。たとえば、図24(c)に示すように、枠部96bの色が白から赤(図24(c)の斜線部分)に変化する。また、タイマ表示94は、カウントダウンされ「15:00」で示されている。強SPリーチでも弱SPリーチと同様にタイマ表示94が開始されてからタイマ表示94が0秒となるまでの期間において、SPリーチが実行されている場合には、タイマ表示94が画面の左端の位置(第1領域91に対応する位置)へ移動される。
このように、タイマ表示94の表示が開始されてからタイマ表示94が0秒となるまでの期間にSPリーチが実行されているか否かにより、タイマ表示94の位置が変更される。よって、SPリーチのような演出が実行されているか否かという演出の状況を考慮することができ、遊技の興趣が向上する。
また、SPリーチは、SPリーチまで発展せずに終了するノーマルリーチと比べ大当り期待度の高いリーチである。よって、このような大当りとなる期待度の高いリーチが実行されることを考慮することにより、遊技の興趣を向上させることができる。また、図24に示すように、SPリーチに発展する前の通常状態(リーチがかかっているのみの状態)においては演出表示装置9の中央下部の第3領域96でタイマ表示94を表示し、SPリーチの実行中においては演出表示装置9の左端下部の位置(第1領域91に対応する位置)でタイマ表示94を表示する。よって、SPリーチ中の演出をタイマ表示94が阻害しないようにすることにより、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、図24に示すように、弱SPリーチが実行されているときにはタイマ画像の枠部96aを白色のまま変化させず、強SPリーチが実行されているときにはタイマ画像の枠部96bを赤色に変化させて表示する。このようにすれば、実行されるSPリーチに応じたタイマ表示94の枠の表示態様とすることにより、大当りに対する期待度が示され、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、第4実施形態のタイマ演出が実行されているときに、第2領域92に対応する位置においては、第1実施形態で示したような第2領域演出が実行されるようにしてもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図16に示されるように、図16(b)の特殊演出が実行された後に、図16(d)のようにタイマ演出が実行される場合と、図16(c)のように実行されない場合とがあることにより、遊技者に、タイマ演出を実行する前において、タイマ演出が実行されることに対する期待感を持たせることが可能となり、タイマ演出を実行する前の過程について遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 図16(b)に示すように、第1領域91において、タイマ枠97を見え隠れ表示することによりタイマ表示94が実行されることを示唆する特殊演出が実行されることにより、タイマ演出が実行されるか否かに注目させることができ、タイマ演出を実行する前の過程についてより一層遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 図18に示すように、第1領域演出について、変動開始時またはリーチ開始前時のような複数のタイミングで特殊演出を実行可能であることにより、いずれのタイミングで領域演出が実行されるかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
(4) 図18,図19に示すように、はずれ時と大当り時とで第1領域演出の実行タイミングの選択割合が異なり、はずれ時と大当り時とで第1領域演出でのタイマ演出の選択割合が異なるので、いずれのタイミングで特殊演出が実行されるかに、より一層注目させることができる。
(5) 図19に示すように、特殊演出時に見え隠れ表示させるタイマ枠97として、白色のタイマ枠97を表示する特殊演出と、赤色のタイマ枠97を表示する特殊演出との複数種類の特殊演出のうちのいずれかを実行可能であることにより、いずれの種類の特殊演出が実行されるかに注目させることができる。
(6) 図19に示すように、赤色のタイマ数値表示の実行前にも、白色のタイマ枠見せ隠れ表示を実行可能であることにより、白色のタイマ枠の見せ隠れ表示をする特殊演出が実行されたとしても、遊技者の大当り遊技状態への期待感が下がらないようにすることができる。
(7) 図16(e),(f)および図20に示すように、第2領域演出が実行されることにより、「READY GO」のようなタイマ演出の実行後にスーパーリーチ演出が実行されることを示唆するタイマ演出示唆表示と、「?」等のタイマ演出以外の演出が実行されることを示唆する特定表示とが選択されて実行可能であることにより、タイマ演出がされるか、特定表示がされるかに注目させることができ、タイマ演出を実行する前の過程について遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 第2領域92における表示パターンとして、図20に示す「READY GO」表示のようなタイマ演出示唆表示をしてタイマ表示をするタイマの表示パターンと、図20に示す「?」表示等の特定表示をする特定表示の表示パターンとを備えることにより、タイマ演出がされるか特定表示が表示されるかに注目させることができ、タイマ演出を実行する前の過程についてより一層遊技の興趣を向上させることができる。
(9) 図18に示すように、第2領域演出について、変動開始時またはリーチ開始前時のような複数のタイミングで特殊演出を実行可能であることにより、いずれのタイミングで領域演出が実行されるかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
(10) 特定表示として、図20の「まさか?(期待度低)」、「激熱(期待度高)」の表示のような、大当り遊技状態に制御される期待度を示唆する期待度示唆表示が含まれることにより、タイマ表示が表示されるか特定表示が表示されるかに注目させることができ、特定表示が表示されるときには特定表示の表示態様にも注目させることができる。
(11) 特定表示として、図20の「NEXT(擬似連示唆)」のような擬似連の表示がされることを示唆する再変動示唆表示が含まれることにより、タイマ表示が表示されるかに、より一層特定表示が表示されるかに注目させることができ、特定表示が表示されるときには特定表示の表示態様にも、より一層注目させることができる。
(12) 特定表示として、図20の「バトル(バトルリーチ示唆)」のようなリーチ演出の種類を示唆するリーチ示唆表示が含まれることにより、タイマ表示が表示されるかに、より一層特定表示が表示されるかに注目させることができ、特定表示が表示されるときには特定表示の表示態様にも、より一層注目させることができる。
(13) 図22に示すように、タイマ演出において表示されるタイマ表示94は、表示が開始されてからカウントダウンされ、所定態様である0秒を示す「00:00」となるまでの期間において、フリーズ演出を経由するパターンとフリーズ演出を経由しないパターンとが設けられている。よって、タイマ表示94によるカウントダウンが開始されてから0秒となるまでの期間におけるタイマ表示94の表示態様に遊技者を注目させることができる。
(14) 図23に示すように、タイマ表示94が0秒となったときにタイマ表示94の計時数値が増加する特別パターンが実行可能であることにより、タイマ表示94の値が0秒となったときの演出に遊技者を注目させることができる。
(15) 図24に示すように、SPリーチを実行しているか否かにより、第3領域96の位置を変更可能であることにより、SPリーチのような演出が実行されているか否かという演出の状況を考慮することができ、遊技の興趣が向上する。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、図17の領域演出実行決定テーブルに示すように、第1領域91,第2領域92,第1領域91および第2領域92で領域演出が実行される場合を説明した。しかし、領域演出はいずれか一方の領域でのみしか実行されないようにしてもよい。なお、このような場合には、いずれか一方の領域で領域演出を実行すると決定した場合には、他方の領域で領域演出を実行しないように制限するようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、第1領域91においてタイマ演出(ガセ演出)が実行される場合には、第2領域92ではタイマ演出の実行が制限される場合について説明した。しかし、第1領域91と第2領域92との両方の領域において、同時にタイマ演出が実行されるようにしてもよい。このような場合には、第1領域91に表示されるタイマ表示94の数値と第2領域92に表示されるタイマ表示94の数値とが同時に更新されるようにしてもよい。また、そのときの数値は一方の領域と他方の領域とで同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、一方の領域での数値のカウントダウンが終了した後に他方の領域での数値のカウントダウンが開始されるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、第1領域91および第2領域92においてタイマ演出が実行されるようにしてもよい。そして、第1領域91と第2領域92とにおいたタイマ表示94の数値が同時に0秒を示す値となったときに、所定の演出が実行がされるようにしてもよい。このような場合には、一方の領域のみにおいてタイマ演出が実行されるよりも両方の領域においてタイマ演出が実行される場合の方が大当り値期待が高くなるように設定してもよい。
(4) 前述した実施の形態では、図18に示すように、領域演出が実行されるタイミングとして変動開始時またはリーチ開始前時を説明した。しかし、領域演出が実行されるタイミングは、これ以外のタイミングであってもよい。たとえば、リーチ成立時やリーチ中の所定のタイミング、擬似連の最変動表示の開始時のタイミング、SPリーチの開始タイミング、先読み演出を実行するときのタイミング等のタイミング実行されるようにしてもよい。また、実行されるタイミングにより大当り期待度が異なるようにしてもよい。また、複数のタイミングのうち2つ以上のタイミングで実行されるようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、大当り遊技中の保留連予告としてタイマ表示を行なってもよい。保留連予告とは、大当り表示結果となった時点の保留記憶および大当り遊技中の保留記憶を先読みし、当該保留記憶に新たな大当りを発生させるものが存在している、いわゆる、保留連チャン(大当り遊技状態が連続して発生すること)が生じていることを予告するものをいう。たとえば、このような保留記憶がある場合には、大当りの終了前の所定のタイミングでタイマ演出を開始し、タイマの数値が0となったタイミングで大当りとなる保留記憶の変動表示が開始されるようにすればよい。
(6) 前述した実施の形態では、大当りのラウンド中にタイマ演出を実行してもよい。このような場合には、たとえば、タイマの数値が0となったタイミングで保留連予告を実行してもよいし、確変状態であることを示す確変告知を実行してもよいし、ラウンドが継続するか否かを示すラウンド継続告知を実行してもよい。
(7) 前述した実施の形態では、図19に示す第1領域演出実行決定テーブルにおいて、特殊演出時とタイマ演出時とに実行される演出が同時に決定される場合を説明した。しかし、特殊演出時とタイマ演出時とで実行される演出を別々に決定するようにしてもよい。また、特殊演出で実行される演出を決定するときは枠色を決定し、タイマ演出で実行される演出を決定するときはタイマの表示色を決定するようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、保留記憶データの内容を、当該保留記憶に応じて行なわれる変動表示が開始されるよりも前に判定(先読み)し、変動表示が開始されるよりも前に当該保留記憶データに関する報知を行なう先読み演出として領域演出を実行してもよい。このような場合には、領域演出が実行される領域に「準備中」等の表示をし、領域演出が実行されることを遊技者に示してもよい。
(9) 前述した実施の形態では、タイマ演出を実行するときにタイマ演出が複数回実行されるようにしてもよい。このような場合には、将来実行されるタイマ演出の実行回数を示すようにしてもよい。たとえば、「×2」と表示するときには、タイマ演出が2回実行されることを示すようにすればよい。また、タイマ演出の実行回数をタイマ画像を複数個表示することで示してもよい。
(10) 前述した実施の形態では、タイマ演出を実行するときに「準備中」の表示をし、「準備中」の表示期間を変化させることで、タイマの減算時間を1パターンとしてもよい。具体的には、変動表示中に「準備中」の表示をし、その後に表示されるタイマ表示はどのような変動パターンであっても5秒間がタイマ表示94として表示されるようにしてもよい。このようにすれば、実際のタイマの減算時間を1パターンとすることができるので、演出の設計が容易となり、演出に用いるデータ量も軽減することができる。
(11) 前述した実施の形態では、第2領域92において実行される演出について、期間表示が実行される場合と期間表示以外の特定表示が実行される場合とで大当り期待度が異なるようにしてもよい。たとえば、期間表示が実行される場合には、特定表示が実行される場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよいし、特定表示が実行される場合には、期間表示が実行される場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、第2領域92の枠が演出表示装置9の画面上で常に表示されている場合を示した。しかし、第2領域92の枠は、領域演出が実行されるタイミングでのみ表示されるようにしてもよい。また、第2領域92についても特殊演出が実行されるようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態では、タイマ演出で表示される期間表示として、時間とともにデジタル表示がカウントダウンされるタイマ表示94について説明した。しかし、タイマ表示94は、時間とともに数字がカウントアップし、所定時間になった場合に演出が実行されるようにしてもよい。また、時間経過を示す期間表示として数字で表示するものではなく、時間経過を示す砂時計画像を表示するもの(砂時計の砂の残り具合で時間を示すもの)、または、時間経過を示すゲージ画像を用いて表示するもの(ゲージの増加または減少により時間を示すもの)等、所定期間の終了タイミングを示唆可能な情報を時間の経過とともに変化させる演出であればどのような演出が用いられてもよい。
(14) 前述した実施の形態では、期間表示を更新することによって期間の経過情報を示す期間表示手段の構成が設けられていた。また、期間表示手段により更新された前記期間表示が所定態様となったときに所定演出を実行可能な所定演出実行手段の構成が設けられていた。しかし、期間表示手段の構成では、期間表示を更新せずに単に表示するのみのものでもよい。具体的には、期間表示を示す表示態様として爆弾の導火線に火が付いている画像を表示してもよい。このような画像は、爆弾の導火線に火が付いていることにより、期間表示がされていることが分かるものの、導火線自体は短くならないようなものであればよい。そして、期間表示としての爆弾の導火線に火が付いている画像が所定期間表示された後に爆発して、何らかの演出が実行されるようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態では、タイマ表示が0となったときに実行される所定演出は、どのような演出であってもよい。たとえば、所定演出としてリーチ図柄が停止するもの、擬似連演出を実行する際の擬似連図柄が停止するもの、大当り確定となる予告を実行するもの(大当り確定音やプレミアム予告等)、所定のスーパーリーチに発展するもの、役物が動作するものが実行されるようにしてもよい。このような場合には、タイマ表示が0となったタイミングにおいて、複数種類の演出の中から選択されるいずれかの演出が実行されるようにしてもよい。たとえば、擬似連図柄の停止するタイミングにおいて、一発告知(大当り確定予告)が実行されるようにすると、遊技者に意外性を与え、遊技の興趣を向上させることができる。
(16) 前述した実施の形態では、第1領域91と第2領域92との両方の領域において、領域演出を実行するときは、一方の領域でタイマ演出を実行し、その値が0となったときに、他方の領域でタイマ演出が開始されるようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、前述した実施の形態に示した各種の設定は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。具体的には、スロットマシンにおいて設けられた演出表示装置等の表示装置において、領域演出が実行されるようにすればよい。
(18) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(19) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(20) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(21) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(22) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(23) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(24) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(25) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(26) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(27) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。