以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、変動表示を行ない、表示結果を導出表示させることが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1の実施形態]
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置等に、スティック形状に構成され、遊技者が把持して複数方向に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。スティックコントローラ122には、指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出する。プッシュボタン120には、プッシュボタン120の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられている。
遊技領域7の中央付近には、各種の演出についての画像を表示する画像表示装置として、メイン演出表示装置9と、サブ演出表示装置11との2つの液晶表示装置が設けられている。メイン演出表示装置9は、サブ演出表示装置11よりも大型の表示装置である。メイン演出表示装置9では、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示(可変表示ともいう)等の各種画像を表示する演出表示が実行可能である。サブ演出表示装置11は、メイン演出表示装置9よりも小型の表示装置であり、メイン演出表示装置9の下方側に隣接して設けられている。サブ演出表示装置11では、メイン演出表示装置9で表示される画像と演出上で連携した画像、または、メイン演出表示装置9で表示される画像とは演出上で独立した画像を表示する演出表示が実行可能である。
遊技領域7においては、遊技球の流下経路のうち、第1経路が、正面から見てメイン演出表示装置9よりも左側の領域に主に設けられ、第1経路とは異なる第2経路が、正面から見てメイン演出表示装置9よりも右側の領域に主に設けられている。第1経路に遊技球を流下させるためにメイン演出表示装置9の左側領域に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるためにメイン演出表示装置9の右側領域に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。
遊技領域7におけるメイン演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、0〜9の数字等および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(7セグメントLED)で構成されている。メイン演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。この表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。メイン演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴ってメイン演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴ってメイン演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすい。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときは、メイン演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときは、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、メイン演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、メイン演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音でされることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、メイン演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様で大当り表示結果以外のはずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
メイン演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、第2始動入賞口14上部に電動により開閉動作が可能な左右一対の可動翼片(所謂電動チューリップ)が設けられ、可動翼片が閉鎖状態のときに、遊技球の進入が不可能な遊技者にとって不利な状態となり、可動翼片が開放状態のときに、遊技球の進入が可能な遊技者にとって有利な状態に制御される。したがって、可変入賞球装置15が閉状態のときは、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。
メイン演出表示装置9の左側方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
メイン演出表示装置9の右側方には、遊技球が通過したことに基づいて普通図柄表示器10での普通図柄を変動表示の実行が可能となるゲート32が設けられている。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
普通図柄表示器10の変動表示の変動表示結果に基づいて、可変入賞球装置15が開放状態となると、遊技球が第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞可能な状態となる。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることにより、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態のときは、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。可変入賞球装置15が閉状態のときは、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態のときは、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。保留記憶という用語は、保留記憶された情報(保留記憶情報または保留情報と呼ぶ)を示す(特定する)場合にも用いられる。このように、保留表示は、未だ開始されていない変動表示について、保留表示として表示するものである。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、メイン演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第1始動入賞口13は、遊技領域7に設けられた遊技釘の配設態様により、メイン演出表示装置9の左側にある第1経路からの遊技球が入賞可能とされているが、メイン演出表示装置9の右側にある第2経路からの遊技球の入賞が不可能とされている。したがって、遊技者が左打ちをしたときにのみ、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が可能である。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、メイン演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第2始動入賞口14は、遊技領域7に設けられた遊技釘の配設態様により、メイン演出表示装置9の左側にある第1経路と、その右側にある第2経路との両方からの遊技球の入賞が可能である。しかし、第2始動入賞口14が開放する条件となる普通図柄の変動表示を実行させる条件として用いられるゲート32が、メイン演出表示装置9の右側にある第2経路に設けられているため、第2始動入賞口14への入賞を狙うときには、遊技球を右打ちしてゲート32への通過を狙う必要がある。したがって、第2始動入賞口14への遊技球の進入は、主に右打ち時における第2経路からされる。
メイン演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示をする。第1特別図柄の変動表示と、演出図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄の変動表示と、演出図柄の変動表示とは同期している。第1特別図柄表示器8a、または、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、メイン演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させる演出図柄の組合せが停止表示される。
メイン演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図14の保留表示エリア18c)。保留表示エリアでは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別した形式で保留記憶情報が表示される。メイン演出表示装置9において、第1保留記憶数は左側の保留表示エリアに表示され、第2保留記憶数は右側の保留表示エリアに表示される。第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別することにより第1保留記憶情報と第2保留記憶情報とを容易に区別可能となる。
保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、アクティブ画像、アクティブ表示、変動対応表示、消化時表示などとも呼ぶ)を表示するアクティブ表示エリアが保留表示エリアの中央部に形成される(図14等のアクティブ表示エリアAHA)。アクティブ表示エリアにおいては、保留表示エリアにおいて表示されていた保留画像が、たとえば、アクティブ表示エリアに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ画像が表示される。なお、アクティブ表示エリアは、メイン演出表示装置9における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
なお、保留表示エリアは、第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別せずに合算した表示態様で保留記憶情報が表示されるようにしてもよい。このような合算保留記憶表示により、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、遊技者にとって有利な開放状態(遊技球が入賞可能なことにより有利)と、遊技者にとって不利な閉鎖状態(遊技球が入賞不可能なことにより有利)とに開閉可能な装置である。第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることにより、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示される。
具体的に、大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が、上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。
時短状態への移行により特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技に制御される可能性が高まる。大当りのうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。この制御が行なわれると、この制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bやメイン演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語としては、「低確低ベース状態」および「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
パチンコ遊技機1は、メイン演出表示装置9の左側にある第1経路からしか第1始動入賞口13に遊技球が進入できない構成であるため、高ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させにくい低ベース状態において、遊技者は、左打ちをして第1始動入賞口13への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。パチンコ遊技機1は、メイン演出表示装置9の右側にある第2経路にゲート32が設けられているため、低ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させやすい高ベース状態において遊技者は、右打ちをしてゲート32および第2始動入賞口14への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。
したがって、高ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させにくい低ベース状態では、遊技者が左打ちをして第1始動入賞口13への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第1保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に第1保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。一方、低ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させやすい高ベース状態では、遊技者が右打ちをして第2始動入賞口14への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第2保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に第2保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りでは、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)で作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有する。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動してメイン演出表示装置9およびサブ演出表示装置11のそれぞれの表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、メイン演出表示装置9での変動表示制御等の各種表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101には、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号が、トリガセンサ121から入力される。また、演出制御用CPU101には、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号が、プッシュセンサ124から入力される。また、演出制御用CPU101には、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号が、傾倒方向センサユニット123から入力される。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
特定遊技状態である大当りとしては、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施形態では、変動パターンが、リーチ伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴う変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶)を用いて大当り種別を決定する場合に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶)を用いて大当り種別を決定する場合に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)および図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれには、第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
パチンコ遊技機1では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、メイン演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、メイン演出表示装置9において擬似連図柄が仮停止する。擬似連図柄としては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連専用図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する)、または、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄の組合せのうち、擬似連図柄の組合せとして設定された擬似連兼用図柄の組合せ(疑似連チャンス目とも呼ばれる)が用いられる。仮停止図柄は、予め定められた1種類の仮停止図柄のみが仮停止されてもよく、複数種類の仮停止図柄のうちから選択された仮停止図柄が仮停止されてもよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
パチンコ遊技機1では、複数種類設けられたスーパーリーチの変動パターンのうち、一部の変動パターンである第2スーパーリーチ〜第4スーパーリーチにおいて、擬似連の変動表示が実行される(擬似連の変動表示が実行される変動時間を有している)。第2スーパーリーチでは擬似連において変動表示が2回(初回変動+再変動1回)実行され、第3スーパーリーチでは擬似連において変動表示が3回(初回変動+再変動2回)実行され、第4スーパーリーチでは擬似連において変動表示が4回(初回変動+再変動3回)実行される。なお、スーパーリーチにおいては、擬似連煽りのみの変動パターンが実行されてもよい、たとえば、擬似連煽りのみとなる変動パターンでは、たとえば、擬似連の初回変動(擬似連1回目)で中の図柄表示エリアにおいて擬似連図柄が出現して仮停止するような演出が行なわれて擬似連図柄が滑る演出が行なわれ、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出が行なわれることにより、擬似連の演出ではあるが、再変動が実行されない。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (60秒)〔擬似連4回〕」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が60秒で実行され、変動表示中に、初回変動および再変動を含めて4回の変動表示がされる擬似連の演出がされる第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルと、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルとでは、非時短状態よりも時短状態のときの方が、変動時間が短くなるようにデータが設定されている。これにより、時短状態中の保留消化時間を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるようにデータが設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルと、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルとでは、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるようにデータが設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、遊技制御状態に応じて、図7に示す各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
この実施形態では、入賞時演出処理(図10のS1215参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、第1(第2)保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理(たとえば、S1215,S1225の入賞時演出処理)の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、第1(第2)保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンのデータは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、大当り等の各種遊技状態に関する予告を行なう予告演出制御パターンのデータは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。次に、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。次に、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための処理を実行する。CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。次に、ホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。次に、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
次に、I/Oポート部の出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容をI/Oポート部に出力する(S31:出力処理)。次に、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示をするための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
次に、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。次に、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明では、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御等を行なう処理である。
図10は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否かを確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1214)。S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立したときは、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、この決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づき、予め大当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターンの決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1216)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1217)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。
S1216,S1217の処理を実行することによって、この実施形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施形態では、S1216〜S1219の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1224)。S1224の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、S1215で説明したような入賞時演出処理を実行する(S1225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1226)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1227)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1228)とともに、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)。
S1226,S1227の処理を実行することにより、この実施形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施形態では、S1226〜S1229の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図11は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じ、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときは、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づき、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づき、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S57)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S60)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納され、特定図柄通常処理において乱数バッファに読出されて格納された大当り判定用乱数について、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件とのいずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、後述するS75に進む。
S60において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納され、特定図柄通常処理において乱数バッファに読出されて格納された大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに記憶(設定)する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が記憶(設定)される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が記憶(設定)される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。大当りフラグがセットされていない場合は、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合は、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「通常大当り」に決定されたときは「3」を停止図柄に設定する。大当り種別が「確変大当り」に決定されたときは「7」を停止図柄に決定する。次に、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
また、前述した変動パターン設定処理(S301)においては、CPU56が次のような処理を行なう。大当りフラグがセットされているか否かを確認するとともに、S74で記憶された大当り種別情報と、非時短状態と時短状態とのうちどの状態にあるかを示す時短情報とに応じて、図6に示す、通常状態はずれ時判定テーブル、時短状態はずれ時判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかを選択し、乱数バッファからランダム2(変動パターン種別判定用乱数)およびランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、選択した判定テーブルを用いて、変動パターン種別および変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する。そして、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を送信するとともに、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄の変動を開始することを指定するコマンドとして、第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを送信する処理を行なう。そして、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄の変動を開始させる制御が実行させ、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新し、表示結果指定コマンド送信処理に進む。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図12は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容に従ってメイン演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、先読み演出有無判定用のSR2、先読み演出種類選択用のSR3、同色図柄演出パターン選択用のSR4、保留変化演出パターン選択用のSR5、保留変化示唆演出パターン選択用のSR6、擬似連演出種類選択用の乱数SR7、アクティブ変化示唆演出実行有無判定用の乱数SR8、アクティブ変化演出実行有無判定用の乱数SR9、同色図柄演出パターン選択用の乱数SR10、アクティブ変化演出種類選択用の乱数SR11、アクティブ変化演出パターン選択用のSR12、アクティブ変化示唆演出パターン選択用のSR13、および、出現保留色選択用のSR14を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。乱数SR1−1〜SR7のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成され、それぞれについて予め定められた範囲内で巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。S707の保留記憶表示制御処理では、アクティブ表示エリアに表示するアクティブ表示(アクティブ表示)の表示制御も実行される。具体的には、以下のような処理において表示制御される。たとえば、S704の処理において、第1特別図柄の変動開始時に送信される第1図柄変動指定コマンドを受信したときに所定の第1更新フラグをセットし、一方、第2特別図柄の変動開始時に送信される第2図柄変動指定コマンドを受信したときに所定の第2更新フラグをセットする。そして、第1更新フラグがセットされていれば、S707の処理において、保留表示エリアの第1保留表示を1つ消去し、残りの第1保留表示を1つずつアクティブ表示エリアの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新するとともに、消去した保留表示に対応するアクティブ表示がアクティブ表示エリアに現れるような態様でアクティブ表示をし(シフトさせ)、アクティブ表示エリアの表示を更新する。第2更新フラグがセットされていれば、S707の処理において、保留表示エリアの第2保留表示を1つ消去し、残りの第2保留表示を1つずつアクティブ表示エリアの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新するとともに、消去した保留表示に対応するアクティブ表示がアクティブ表示エリアに現れるような態様でアクティブ表示をし(シフトさせ)、アクティブ表示エリアの表示を更新する。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、メイン演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御がされる。
図13は、図12に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下の処理が実行される。演出制御プロセス処理では、メイン演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理で実行される。
先読み演出処理(S700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りとなることを特定するときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様またはアクティブ表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告する演出(図14等参照)が先読み演出として行なわれる。先読み演出の対象とした保留情報を「ターゲットの保留情報」と称する。先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。先読み演出の対象とした保留情報に基づいた保留表示を「ターゲットの保留表示」と称し、先読み演出の対象とした保留情報に基づいたアクティブ表示を「ターゲットのアクティブ表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、メイン演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御をする処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御をする処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、メイン演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御をする処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従ってメイン演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記憶されている。具体的には、メイン演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記憶されている。プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御をする。プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
演出制御用CPU101は、メイン演出表示装置9において表示される保留表示およびアクティブ表示について、大当りとなる期待度を示唆可能な態様で表示する演出制御を行なうことが可能である。
保留表示をする保留画像、および、アクティブ表示をするアクティブ画像のそれぞれは、変動表示結果が大当り表示結果となる期待度、すなわち、大当り表示結果となるときの表示しやすさにより異なる表示態様で表示可能である。保留画像およびアクティブ画像のそれぞれは、たとえば円形等のような所定形状で表示され、変動表示結果が大当り表示結果となる期待度により異なる画像色で表示可能である。保留画像およびアクティブ画像のそれぞれは、白色(通常色)<青色<緑色<赤色というような期待度の大小関係で、画像色の種類により期待度が異なる態様(色態様)で大当りとなる期待度が示唆可能である。
新たな保留記憶情報の発生に基づいて、メイン演出表示装置9において新たな保留記憶情報に対応する保留画像が出現する表示がされるときに、新たな保留画像は、通常色(白色)、青色、緑色、または、赤色のような表示態様で表示される。保留画像は、以下に説明するような先読み演出によって、表示態様が変化される場合がある。
パチンコ遊技機1においては、保留表示される保留記憶情報の変動表示に関する情報を、当該保留記憶情報に基づく変動表示が実行される前に先読みし、所定条件が成立したときに、その先読み結果に基づいて、先読みした保留記憶情報に対応する保留表示をターゲットとして先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。先読み演出としては、たとえば、保留変化演出および同色図柄演出のような複数種類の演出のうちから選択された演出が実行される。保留変化演出および同色図柄演出は、先読み演出として個別に実行される場合と同時に実行される場合とがある演出である。
保留変化演出は、所定のタイミング(たとえば、当該保留記憶情報よりも先に保留記憶された保留記憶情報に基づく変動表示の開始時等の所定のタイミング)で保留表示の表示態様(表示色)を変化させる演出である。保留変化演出では、先読み演出のターゲットの保留表示の色を、そのターゲットが大当り表示結果となる期待度により異なる画像色に変化させることが可能である。青色<緑色<赤色というような期待度の大小関係で、変化後の画像色の種類により期待度が異なる態様で大当りとなる期待度が示唆可能である。
同色図柄演出は、複数回の変動表示に亘り継続して、左,中,右の演出図柄の停止図柄を、「青図柄(左)−青図柄(中)−青図柄(右)」、「緑図柄(左)−緑図柄(中)−緑図柄(右)」または「赤図柄(左)−赤図柄(中)−赤図柄(右)」というような、同色に揃った色で表示する演出である。左,中,右の各演出図柄は、「0」〜「9」の10個の数字図柄のうち、偶数の図柄が青色の図柄で構成され、奇数の図柄のうち「1」,「5」,「9」の図柄が緑色の図柄で構成され、「3」,「7」の図柄が赤色の図柄で構成されている。これにより、演出図柄は、青色図柄揃いの青同色図柄と、緑色図柄揃いの緑同色図柄と、赤色図柄揃いの赤同色図柄とのいずれかの同色図柄を表示可能である。
同色図柄演出では、先読み演出のターゲットが大当り表示結果となる期待度により異なる画像色で、同色図柄演出における停止図柄を表示可能である。たとえば、青色<緑色<赤色というような期待度の大小関係で、画像色の種類により期待度が異なる態様で大当りとなる期待度が示唆可能である。青色の同色図柄を停止する同色図柄演出は、青同色演出と呼ばれる。緑色の同色図柄を停止する同色図柄演出は、緑同色演出と呼ばれる。赤色の同色図柄を停止する同色図柄演出は、赤同色演出と呼ばれる。
パチンコ遊技機1では、次のような同色図柄の組合せを表示可能である。青同色図柄としては、左,中,右の演出図柄の組合せが「2,4,6」という1種類の同色図柄の組合せを表示可能である。緑同色図柄としては、左,中,右の演出図柄の組合せが「1,5,9」という1種類の同色図柄の組合せを表示可能である。赤同色図柄としては、左,中,右の演出図柄の組合せが「3,3,7」という1種類の同色図柄の組合せを表示可能である。なお、青同色図柄、緑同色図柄、および、赤同色図柄のそれぞれについては、複数種類の同色図柄の組合せから選択した同色図柄の組合せを表示可能としてもよい。
変動表示が実行されるときにおいては、当該変動表示の開始時に、当該変動表示についての大当り判定結果を確認し、大当り判定結果に基づいて、当該変動表示に対応するアクティブ表示を所定のタイミング(たとえば、擬似連の変動パターンの変動表示における擬似連の初回変動および再変動の各変動開始時等の所定のタイミング)で、アクティブ表示の表示態様を変化させるアクティブ変化演出が実行可能である。
アクティブ変化演出は、擬似連の変動パターンの変動表示が実行されるときに所定割合で実行可能である。擬似連の変動パターンの変動表示においては、先読み演出で実行される同色図柄演出と同様の同色図柄を仮停止図柄として仮停止させる同色図柄演出と、擬似連専用図柄として「NEXT」という文字が描かれた図柄(以下、NEXT図柄という)を仮停止図柄として仮停止させるNEXT図柄演出とのいずれかが擬似連の演出種類として選択されて実行される。
新たな保留記憶情報の発生時に出現表示された保留画像は、保留表示として当該保留画像が表示されている段階で表示態様を変化させる保留変化演出が実行可能である。保留記憶情報に基づく変動表示に対応するアクティブ画像は、変動表示中の段階で表示態様を変化させるアクティブ変化演出が実行可能である。
保留画像についての保留変化演出、および、アクティブ変化演出についてのアクティブ変化演出としては、円形状の保留画像の色を変化させることにより表示態様を変化させる演出が実行可能である。通常色(白色)で出現表示された画像は、青色、緑色、または、赤色の画像に変化可能である。青色で出現表示された画像は、緑色、または、赤色の画像に変化可能である。緑色で出現表示された画像は、赤色の画像に変化可能である。
このように、保留変化演出、および、アクティブ変化演出のそれぞれにおいては、大当りとなる期待度が高くなる変化態様で、表示態様の変化演出が実行される。なお、保留変化演出においては、大当りとなる期待度が低くなる変化態様で表示態様の変化演出が実行される場合もあるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1では、低ベース状態においてのみ先読み演出およびアクティブ変化演出が実行され、高ベース状態において先読み演出およびアクティブ変化演出が実行されない。なお、高ベース状態においても先読み演出およびアクティブ変化演出が実行されるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1においては、低ベース状態においてのみ先読み演出およびアクティブ変化演出が実行されるので、第1保留記憶の保留表示またはアクティブ表示をターゲットとして、先読み演出およびアクティブ変化演出が実行される。なお、高ベース状態において先読み演出およびアクティブ変化演出が実行される場合には、第2保留記憶の保留表示またはアクティブ表示をターゲットとして、先読み演出およびアクティブ変化演出が実行されることとなる。
保留表示に関しては、保留変化演出により保留表示の表示態様が変化することを示唆する保留変化示唆演出が実行可能である。アクティブ表示に関しては、アクティブ変化演出によりアクティブ表示の表示態様が変化することを示唆するアクティブ変化示唆演出が実行可能である。保留変化示唆演出およびアクティブ変化示唆演出のそれぞれとしては、サブ演出表示装置11において、スロット演出または作用演出が実行される。
スロット演出は、保留表示またはアクティブ表示の変化示唆用の特定の図柄を所定期間変動表示した後表示結果を導出表示し、その表示結果が特定の表示結果となるか否かにより保留変化演出またはアクティブ変化演出が実行されるか否かを示唆する演出である。
作用演出は、保留表示またはアクティブ表示の変化示唆用の特定キャラクタの画像を表示し、そのキャラクタ画像が保留表示またはアクティブ表示に作用するか否かにより保留変化演出またはアクティブ変化演出が実行されるか否かを示唆する演出である。キャラクタ画像が保留表示またはアクティブ表示に作用する演出としては、たとえば、キャラクタ画像が保留表示またはアクティブ表示に向けて玉を投げる画像がサブ演出表示装置11で表示され、それに応じて、メイン演出表示装置9においてその玉が保留表示に当ると保留表示の表示態様またはアクティブ表示の表示態様が変化するというような演出が実行される。なお、キャラクタ画像が保留表示に作用する演出は、保留表示またはアクティブ表示に変化を及ぼすとの印象を遊技者に与える演出であれば、どのような演出であってもよい。
保留変化示唆演出が実行されるときは、先読み演出のターゲットの保留表示がシフト表示されるごとに1回ずつスロット演出または作用演出による示唆演出が実行される。アクティブ変化示唆演出が実行されるときは、擬似連の変動パターンの変動表示が実行されるときにおいて、擬似連における初回変動および再変動のそれぞれが実行されるごとに1回ずつスロット演出または作用演出による示唆演出が実行される。
次に、擬似連の変動パターンの変動表示が実行されるときの先読み演出、保留変化示唆演出、アクティブ変化演出、および、アクティブ変化示唆演出の一例を説明する。図14は、擬似連の変動パターンの変動表示が実行されるときの先読み演出、保留変化示唆演出、アクティブ変化演出、および、アクティブ変化示唆演出の一例を示すメイン演出表示装置9およびサブ演出表示装置11の表示画面図である。
図14においては、(A)〜(D)に、先読み演出時におけるメイン演出表示装置9およびサブ演出表示装置11の表示画面が示され、(E)〜(K)に、擬似連の変動パターンでのアクティブ変化演出時におけるメイン演出表示装置9およびサブ演出表示装置11の表示画面が示される。(E)〜(K)に示す擬似連の変動パターンでのアクティブ変化演出のうち、(H),(I)に、同色図柄演出時の表示画面が示され、(J),(K)に、NEXT図柄演出時の表示画面が示される。
図14においては、メイン演出表示装置9およびサブ演出表示装置11での表示状態が時間経過に従って示されている。メイン演出表示装置9では、表示画像として、左,中,右の演出図柄91,92,93と、保留表示エリア18cと、保留画像Hと、アクティブ画像AHとが示されている。サブ演出表示装置11では、表示画像として、スロット演出のスロット図柄12が示されている。図14において、左,中,右の演出図柄91,92,93は、変動表示中の状態が下向き矢印で示されている。
図14を参照して、メイン演出表示装置9の表示領域内における下部には、第1保留記憶数を保留画像Hにより表示する第1保留表示エリアと、第2保留記憶数を保留画像Hにより表示する第2保留表示エリアとを含む保留表示エリア18cが設けられている。メイン演出表示装置9の表示領域内における下部の中央領域には、アクティブ画像AHを表示するアクティブ表示エリアAHAが設けられている。
保留表示エリア18cのうち、アクティブ表示エリアAHAの左側の領域が第1保留表示エリアであり、アクティブ表示エリアAHAの右側の領域が第2保留表示エリアである。第1保留表示エリアにおいては、第1保留記憶情報が増加発生するごとに、右から左の方向へ順番に保留画像Hが表示されていき、第1保留記憶情報が消化されるごとに左から右の方向へ順番に保留画像Hがシフトする表示がされる。第2保留表示エリアにおいては、第2保留記憶情報が増加発生するごとに、左から右の方向へ順番に保留画像Hが表示されていき、第2保留記憶情報が消化されるごとに右から左の方向へ順番に保留画像Hがシフトする表示がされる。保留表示エリア18cにおいては、前述のような保留画像Hの表示色が変化する保留変化演出が実行される場合がある。
アクティブ表示エリアAHAにおいては、アクティブ画像AHが表示される。アクティブ表示エリアAHAでは、前述のようなアクティブ画像AHの表示色が変化するアクティ変化演出が実行される場合がある。
図14(A)では、先読み演出の保留変化示唆演出の開始時において、保留表示エリア18cにおいて、当初に2つの第1保留記憶情報に基づく2つの第1保留表示の保留画像Hが表示され、アクティブ表示エリアAHAにおいて、第1保留表示に対応するアクティブ画像AHが表示されている例が示されている。2つの保留表示のうち古い方の1つ目の保留画像Hに対応する保留記憶情報が、先読み演出のターゲットの保留記憶情報である。
先読み演出として、ターゲットの保留記憶情報に基づいて、保留変化演出、同色図柄演出、および、スロット演出による保留変化示唆演出が実行され、ターゲットの保留画像Hが1つ目の保留表示となった段階で、保留変化演出が実行される場合は、図14(A)に示すような、ターゲットの保留記憶情報の1つ前の保留記憶情報に基づく演出図柄91〜93の変動表示の開始時に、スロット演出による保留変化示唆演出が実行されてスロット図柄12が変動表示を開始する。その後所定時間(2秒程度)が経過すると、図14(B)に示すように、スロット図柄12の変動表示が終了し、「変化」という図柄が停止し、それに応じて、図14(C)に示すように、ターゲットの保留画像Hの色が変化(たとえば、白→青に変化)する保留変化演出が実行される。
図14(C)に示すように、ターゲットの保留画像Hの色が変化した後、スロット図柄12は、スロット演出が終了したことを示す「−」の画像が表示される。そして、図14(D)に示すように、同色図柄演出が実行されることにより、たとえば青同色図柄が演出図柄91〜93の仮停止図柄(図中において、実際は「色」を示す文字は表示されないが、色を識別容易とするために、青い「2」の図柄を「青2」で示し、青い「4」の図柄を「青4」で示し、青い「6」の図柄を「青6」で示している)として仮停止表示される。
図14(D)に示すように保留変化演出および同色図柄演出が実行されたターゲットの保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときにおいて、擬似連の変動パターンによる変動表示が実行され、アクティブ変化演出を実行することが選択されたときには、ターゲットの保留画像Hがターゲットの変動表示に対応するアクティブ画像AHとしてアクティブ表示エリアAHAに移動表示した後、図14(E)に示すように、ターゲットの保留記憶情報に基づく演出図柄91〜93の変動表示の開始時に、先読み演出時と同様に、スロット演出による保留変化示唆演出が実行されてスロット図柄12が変動表示を開始する。
その後所定時間(2秒程度)が経過すると、図14(F)に示すように、スロット図柄12の変動表示が終了し、「変化」という図柄が停止し、それに応じて、図14(G)に示すように、ターゲットの変動表示に対応するアクティブ画像AHの色が変化(たとえば、青→緑に変化)するアクティブ変化演出が実行される。
図14(G)に示すように、ターゲットの変動表示に対応するアクティブ画像AHの色が変化した後、スロット図柄12は、スロット演出が終了したことを示す「−」の画像が表示される。
擬似連の演出として、同色図柄演出が実行されるときには、図14(H)に示すように、同色図柄演出が実行されることにより、たとえば青同色図柄が演出図柄91〜93の仮停止図柄として仮停止表示される。その後、再変動表示が実行されるときには、図14(I)に示すように、演出図柄91〜93が再変動表示を開始する。
一方、擬似連の演出として、NEXT図柄演出が実行されるときには、図14(J)に示すように、演出図柄91〜93が画面隅部に移動した状態で、NEXT図柄94が、演出が実行されることにより、仮停止図柄として仮停止表示される。その後、再変動表示が実行されるときには、図14(K)に示すように、演出図柄91〜93が再変動表示を開始する。
擬似連の演出としてスロット演出による保留変化示唆演出が実行されるときには、図14(I)または図14(K)に示すように、擬似連の各再変動表示の開始時に、先読み演出時と同様に、スロット演出による保留変化示唆演出が実行されてスロット図柄12が変動表示を開始し、その後、所定時間経過後にスロット図柄12の変動表示が終了して、表示結果に応じた演出が実行される。
図14(D),(H)に示したように、同色図柄演出は、先読み演出と変動時演出との両方において共通演出として実行可能である。図14(A),(B)、および、図14(E),(F),(I),(K)に示したように、先読み演出では保留表示を対象として表示態様を変化させる保留変化演出と、その保留変化演出に対応する保留変化示唆演出とが実行可能であり、それらの演出と同様の演出として、変動時演出ではアクティブ表示を対象として表示態様を変化させるアクティブ変化演出と、そのアクティブ変化演出に対応するアクティブ変化示唆演出とが実行可能である。
このように、先読み演出と変動時演出とで、同様の演出、および、関連性がある演出を実行可能とすることにより、先読み演出と変動時演出とに関連性を生じさせて、演出の面白みを向上させることができ、これらの演出に関する興趣を向上させることができる。
図14(D)のように先読み演出として同色図柄演出を実行し、図14(H)のように擬似連演出として同色図柄演出を実行可能であることにより、先読み演出の演出態様と少なくとも一部が共通する演出態様で擬似連演出が実行可能であるので、擬似連演出が実行されているときに、先読み演出が実行されていると遊技者が錯覚する場合が生じる等、擬似連演出と先読み演出との演出の共通化によりこれらの演出に関する興趣をより一層向上させることができる。
図15は、先読み演出有無判定テーブル、および、先読み演出種類選択テーブルを示す説明図である。先読み演出有無判定テーブルは、先読み演出を実行するか否か(有無)を決定するための抽選に用いるデータテーブルである。先読み演出種類選択テーブルは、先読み演出を実行するときの演出種類を選択決定する抽選に用いるデータテーブルである。
先読み演出有無判定テーブルには、図15(A)の大当り時先読み演出有無判定テーブルと、図15(B)のスーパーリーチはずれ時先読み演出有無判定テーブルと、図15(C)のスーパーリーチ以外はずれ時先読み演出有無判定テーブルとが含まれている。また、これら先読み演出有無判定テーブルとは別に、図15(D)の先読み演出種類選択テーブルが設けられている。これら先読み演出有無判定テーブルおよび先読み演出種類選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図15(A)の大当り時先読み演出有無判定テーブルは、先読み演出のターゲットとなる保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となると予測される大当り予測時に用いられる。図15(B)のスーパーリーチはずれ時先読み演出有無判定テーブルは、保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果がスーパーリーチの変動パターンではずれ表示結果となると予測されるスーパーリーチはずれ予測時に用いられる。図15(C)のスーパーリーチ以外はずれ時先読み演出有無判定テーブルは、保留表示に対応する保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果がスーパーリーチ以外の変動パターンでのはずれ表示結果となると予測されるスーパーリーチ以外はずれ予測時に用いられる。
図15(A)〜(C)の先読み演出有無判定テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての先読み演出実行有無決定用の乱数SR2(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、先読み演出を実行する決定と、先読み演出を実行しない決定とに割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR2値の個数が示されている。
図15(A)の大当り時先読み演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「先読み演出を実行する>先読み演出を実行しない」という大小関係となるように、先読み演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。図15(B)のスーパーリーチはずれ時先読み演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「先読み演出を実行する=先読み演出を実行しない」という大小関係となるように、先読み演出を実行する決定が選択される割合と、実行しない決定が選択される割合とが等しくなるようにデータが設定されている。図15(C)のスーパーリーチ以外はずれ時先読み演出有無判定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「先読み演出を実行する<先読み演出を実行しない」という大小関係となるように、先読み演出を実行しない決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
このような図15(A)〜(C)でのデータの設定により、先読み演出のターゲットとなる保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、先読み演出を実行すると決定する割合が高くなる。これにより、先読み演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。また、図15(B),(C)でのデータの設定により、先読み演出のターゲットとなる保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果がはずれ表示結果となるが、大当りとなる期待度が高いスーパーリーチではずれ表示結果となるときには、大当りとなる期待度がスーパーリーチとなるときよりも低い、スーパーリーチ以外の変動表示(たとえば、ノーマルリーチ変動表示、通常変動表示等)ではずれ表示結果となるときと比べて、先読み演出を実行すると決定する割合が高くなる。これにより、先読み演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
この実施形態では、新たに生じた保留記憶情報のすべてを判定対象として、図15(A)〜(C)の先読み演出有無判定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを判定する。なお、新たに生じた保留記憶情報のうち、ノーマルリーチおよびスーパーリーチを含むリーチの変動パターン種別での変動表示が実行される保留記憶情報のみを判定対象として、先読み演出を実行するか否かを判定してもよい。
図15(D)の先読み演出種類選択テーブルは、先読み演出を実行するときの演出種類を複数種類の演出種類のうちから選択するために用いられる。
図15(D)の先読み演出種類選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての先読み演出種類選択用のSR3(0〜102の数値範囲)の合計103個の数値が、複数種類の先読み演出種類に割振られている。SR3については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR3値の個数が示されている。先読み演出種類は、同色図柄演出単独の先読み演出と、保留変化演出単独の先読み演出と、同色図柄演出+保留変化演出の先読み演出の組合せとの3種類が選択可能に設けられている。これらのうち、同色図柄演出+保留変化演出の先読み演出の組合せには、保留変化示唆演出を実行する演出が加えて実行される。
先読み演出種類選択テーブルでの先読み演出種類の選択割合は、「同色図柄演出単独=保留変化演出単独>同色図柄演出+保留変化演出の組合せ(保留変化示唆演出付加)」という大小関係で設定されている。なお、先読み演出種類の選択割合は、このような割振り以外の割振りで設定されてもよい。
図15に示すように、先読み演出としては、同色図柄演出単独が実行される場合と、保留変化演出単独が実行される場合と、同色図柄演出+保留変化演出の組合せ(保留変化示唆演出付加)が実行される場合とがある。これにより、先読み演出のバリエーションが豊富になり、演出の興趣を向上させることができる。
図16は、先読み同色図柄演出パターン選択テーブルである。先読み同色図柄演出パターン選択テーブルは、先読み演出種類選択テーブルを用いて先読み演出の演出種類として「同色図柄演出」が選択決定されたときに、実行する同色図柄演出の同色図柄演出パターンを選択決定するための抽選に用いるテーブルである。先読み同色図柄演出パターン選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
先読み同色図柄演出パターン選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての同色図柄演出パターン選択用のSR4(0〜107の数値範囲)の合計108個の数値が、先読みの大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、先読みの大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、青同色演出、緑同色演出、および、赤同色演出という複数種類の演出パターンに割振られている。SR4については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR4値の個数が示されている。
図16の先読み同色図柄演出パターン選択テーブルにおいては、大当り決定時の同色図柄演出の演出パターン選択割合が、「青同色演出<緑同色演出<赤同色演出」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「青同色演出>緑同色演出>赤同色演出」という大小関係で設定されている。
このような設定により、先読み演出として同色図柄演出が実行されるときには、大当り遊技状態に制御される期待度が「青同色演出<緑同色演出<赤同色演出」という大小関係となる。したがって、先読み演出として同色図柄演出が実行されるときには、同色図柄の色の種類に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、保留変化演出パターン選択テーブルについて説明する。保留変化演出パターン選択テーブルは、先読み演出種類選択テーブルを用いて、先読み演出として保留変化演出が選択されたときに、保留変化演出の演出パターン(演出態様)を選択決定するために用いられる。
保留変化演出パターン選択テーブルとしては、新たな始動入賞が発生した時点での第1保留記憶数の値別に、複数のテーブルが設けられている。新たな始動入賞が発生した時点での第1保留記憶数が4個であるときに対応して、第1保留変化演出パターン選択テーブルが設けられる。新たな始動入賞が発生した時点での第1保留記憶数が3個であるときに対応して、第2保留変化演出パターン選択テーブルが設けられる。新たな始動入賞が発生した時点での第1保留記憶数が2個であるときに対応して、第3保留変化演出パターン選択テーブルが設けられる。これら第1〜第3保留変化演出パターン選択テーブルは、ROM102に記憶されている。
図17は、第1保留変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。図18(A)は、第2保留変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。図18(B)は、第3保留変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。
第1〜第3の各保留変化演出パターン選択テーブルでは、保留変化演出パターン選択用のSR5(0〜1709の数値範囲)の合計1710個の数値が、先読みの大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、先読みの大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、選択対象として設定された複数種類の保留変化演出パターンに割振られている。SR5については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR5値の個数が示されている。
図17および図18に示すように、保留変化演出パターンは、保留変化演出色が、白色から青色に変化する「白→青変化」の演出種類と、白色または青色から緑色に変化する「白,青→緑変化」の演出種類と、白色、青色または緑色から赤色に変化する「白,青,緑→赤変化」の演出種類との複数の演出種類に分類されている。そして、青変化演出種類、緑変化演出種類、および、赤変化演出種類のそれぞれについては、図17および図18に示すように、複数種類の保留変化演出パターンが選択可能に設けられている。
保留変化演出パターンは、始動入賞時における保留表示の出現時から、先に記憶された保留記憶情報に基づく変動表示が実行(消化)されることに応じて、保留表示がシフトされる場合における何回目かのシフト時に、保留表示色が変化するような演出パターンである。
図17の第1保留変化演出パターン選択テーブルでは、保留変化演出パターンとして、始動入賞時における保留表示の出現時の保留表示色と、第1回目の保留表示のシフト時の色と、第2回目の保留表示のシフト時の保留表示色と、第3回目の保留表示のシフト時の保留表示色とが示されている。図18(A)の第2保留変化演出パターン選択テーブルでは、保留変化演出パターンとして、始動入賞時における保留表示の出現時の保留表示色と、第1回目の保留表示のシフト時の保留表示色と、第2回目の保留表示のシフト時の保留表示色とが示されている。図18(B)の第3保留変化演出パターン選択テーブルでは、保留変化演出パターンとして、始動入賞時における保留表示の出現時の保留表示色と、第1回目の保留表示のシフト時の保留表示色とが示されている。
一例を挙げると、図17の「白→青変化」の演出種類における「白→白→白→青」の保留変化演出パターンは、保留表示の出現時が白、第1回目の保留表示のシフト時が白、第2回目の保留表示のシフト時が白であり、第3回目の保留表示のシフト時に青に変化する演出パターンである。
図17および図18に示す第1〜第3保留変化演出パターン選択テーブルにおいては、大当り決定時の保留変化演出種類の選択割合が、「白→青変化<白,青→緑変化<白,青,緑→赤変化」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「白→青変化>白,青→緑変化>白,青,緑→赤変化」という大小関係で設定されている。
このような設定により、先読み演出として保留変化演出が実行されるときには、大当り遊技状態に制御される期待度が「白→青変化<白,青→緑変化<白,青,緑→赤変化」という大小関係となる。したがって、先読み演出として保留変化演出が実行されるときには、保留変化後の保留表示色の種類に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図17および図18に示す第1,第2保留変化演出パターン選択テーブルにおいては、「白→青変化」、「白,青→緑変化」、および、「白,青,緑→赤変化」のそれぞれについて、大当り決定時の保留変化演出パターンの選択割合が、保留変化演出の実行タイミングが早くなる程、すなわち、保留変化演出の実行タイミングが保留表示の出現時に近くなる程高くなるように設定されている。一方、はずれ決定時の保留変化演出パターンの選択割合は、大当り決定時の保留変化演出パターンの選択割合の逆の関係となるように設定されている。
このような設定により、先読み演出として保留変化演出が実行されるときには、保留変化演出の実行タイミングに応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、「白→青変化」、「白,青→緑変化」、および、「白,青,緑→赤変化」のそれぞれについては、大当り決定時の保留変化演出パターンの選択割合とはずれ決定時の保留変化演出パターンの選択割合との関係が、図17および図18に示す関係の逆となるように設定されてもよい。また、「白→青変化」、「白,青→緑変化」、および、「白,青,緑→赤変化」のそれぞれについては、保留変化演出パターンの選択割合が、大当り決定時とはずれ決定時とで同じとなるように設定してもよい。
図19は、保留変化示唆演出パターン選択テーブルを示す説明図である。保留変化示唆演出パターン選択テーブルは、先読み演出種類選択テーブルを用いて先読み演出の演出種類として「保留変化示唆演出」が選択決定されたときに、実行する保留変化示唆演出の演出パターンを選択決定するための抽選に用いるテーブルである。保留変化示唆演出パターン選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
保留変化示唆演出パターン選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての保留変化示唆演出パターン選択用のSR6(0〜96の数値範囲)の合計97個の数値が、複数種類の保留変化示唆演出パターンに割振られている。SR6については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR6値の個数が示されている。保留変化示唆演出パターンとしては、前述したスロット演出の演出パターンと作用演出の演出パターンとの複数種類の演出パターンのうち、いずれかの演出パターンが選択可能である。
保留変化示唆演出として実行されるスロット演出は、変動表示が実行されるごとに、図14(A)〜(D)に示すようなスロット図柄12として、保留表示の変化示唆用の「×」と「変化」とよりなる複数種類の特定の図柄を所定期間変動表示した後表示結果を導出表示する演出であり、保留表示が変化するときは「変化」の図柄を停止し、保留表示が変化しないときは「×」の図柄を停止する演出パターンで演出が実行される。つまり、「変化」の図柄の停止が保留変化示唆演出の成功態様であり、「×」の図柄の停止が保留変化示唆演出の失敗態様であり、この保留変化示唆演出は、成功態様と失敗態様とで(少なくとも演出開始時点では)少なくとも一部が共通の演出態様で実行される。
保留変化示唆演出として実行される作用演出は、変動表示が実行されるごとに、変化示唆用の特定キャラクタの画像を表示し、その特定キャラクタ画像が保留表示に作用するか否かにより保留変化演出が実行されるか否かを示唆する演出であり、保留表示が変化するときは、変化する保留表示に特定キャラクタ画像が作用し(成功態様)、保留表示が変化しないときは、特定キャラクタ画像が保留表示に作用しない演出が実行される(失敗態様)。この保留変化示唆演出も、成功態様と失敗態様とで(少なくとも演出開始時点では)少なくとも一部が共通の演出態様で実行される。
保留変化示唆演出パターン選択テーブルでの保留変化示唆演出パターンの選択割合は、「スロット演出>作用演出」という大小関係で設定されている。なお、保留変化示唆演出パターンの選択割合は、このような割振りとは異なる関係の割振り(選択割合が逆の割振り、選択割合が同じ割振り)で設定されてもよい。
演出制御基板80に搭載されたRAM103には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部は、たとえばメイン演出表示装置9およびサブ演出表示装置11の画面上における演出画像の表示状態等というような演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。演出制御タイマ設定部には、メイン演出表示装置9およびサブ演出表示装置11の画面上における演出画像の表示動作等というような各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。演出制御カウンタ設定部には、たとえばSR1−1等の各種乱数を発生させるランダムカウンタのような、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。演出制御バッファ設定部の所定領域には、始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファを構成するデータが記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファは、第1特別図柄用と第2特別図柄用との2種類設けられている。
第1特別図柄用と第2特別図柄用との各始動入賞時受信コマンドバッファは、それぞれの特別図柄についての各保留記憶情報の発生時に受信した受信コマンドをする記憶バッファである。第1特別図柄用の始動入賞時受信コマンドバッファにおいては、第1保留記憶数の最大値(たとえば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。このような始動入賞時受信コマンドバッファには、演出用バッファが、各保留記憶に対応付けられた態様で付加されている。演出用バッファでは、先読み演出判定有無、先読み演出実行変動指定、同色図柄演出態様指定、保留等変化演出態様指定、および、保留変化示唆演出態様指定という欄に相当する記憶領域を含む。
始動入賞時受信コマンドバッファについては、始動入賞時に受信したコマンドを格納する領域として、図柄指定コマンドを格納する「図柄指定」領域、変動種別コマンドを格納する「変動種別」領域、始動入賞指定コマンドを格納する「始動入賞指定」領域、および、保留記憶数指定コマンドを格納する「保留記憶数指定」領域が設けられている。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1または第2始動入賞指定コマンド)、および、保留記憶数指定コマンド(第1または第2保留記憶数指定コマンド)というコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用CPU101は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを特定するデータを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域における先頭から格納していく。これにより、始動入賞があったときには、「図柄指定」、「変動種別」、「始動入賞指定」、および、「保留記憶数指定」のそれぞれの領域に、受信したコマンドが格納される。
始動入賞時受信コマンドバッファおよび対応する演出用バッファに格納されている各種データは、演出図柄の変動表示を開始する毎に、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものが、変動表示の演出に用いるために読出された後、削除され、以降の記憶内容がシフトされる。バッファ番号「1」と「2」とにデータが記憶されている状態において、演出図柄の変動表示が開始される場合は、バッファ番号「1」に格納されている各データが読出後削除され、バッファ番号「2」に対応した領域において格納されている各データがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされる。
第1始動入賞および第2始動入賞のそれぞれの始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンド(第1,第2)、および保留記憶数指定コマンド(第1,第2)の順にコマンド送信がされる。したがって、コマンド受信が正常にされれば、バッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、始動入賞指定コマンドおよび保留記憶数指定コマンドが格納される。
第1特別図柄用の始動入賞時受信コマンドバッファにおけるバッファ番号「1」〜「4」のデータに対応して、前述した図14に示すような先読み演出および擬似連演出の演出用の情報を格納するための記憶領域としての演出用バッファが設けられている。第2特別図柄については、この実施形態では、図14に示したような先読み演出および擬似連演出を実行しないため、そのような演出を実行するために用いる演出用バッファは設けられていない。なお、第2特別図柄についても、図14に示したような先読み演出および擬似連演出を実行するための演出用バッファを設け、第1特別図柄と同様の先読み演出および擬似連演出を実行させてもよい。
第1特別図柄に関しては、始動入賞時受信コマンドバッファに格納された図柄指定情報等の所定のデータに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100により、後述する先読み演出処理で、「先読み演出判定有無」のデータ、「先読み演出実行変動指定」のデータ、「同色図柄演出態様指定」のデータ、「保留変化演出態様指定」のデータ、および、「保留変化示唆演出態様指定」のデータが、始動入賞時受信コマンドバッファにおける保留記憶情報に対応するバッファ番号「1」〜「4」のそれぞれのデータに対応して、演出用バッファに設けられた「先読み演出判定有無」のデータ格納領域、「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域、「同色図柄演出態様指定」のデータ格納領域、「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域、および、「保留変化示唆演出態様指定」のデータ格納領域に格納される。
「先読み演出判定有無」のデータは、先読み演出の判定がされたか否か(有無)を示すデータである。「先読み演出実行変動指定」のデータは、先読み演出を実行するときの変動表示として指定(決定)されているか否かを示すデータである。「同色図柄演出態様指定」のデータは、先読み演出としての同色図柄演出の実行の有無および演出態様を示すデータである。「保留変化演出態様指定」のデータは、先読み演出としての保留変化演出の実行の有無および演出態様を示すデータである。「保留変化示唆演出態様指定」のデータは、先読み演出を示唆する演出としての保留変化示唆演出の実行の有無および演出態様を示すデータである。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報について、図18(A)〜(C)の先読み演出有無判定テーブルに基づいて先読み演出を実行するか否かの判定がされているか否かに応じて、「先読み演出判定有無」のデータ格納領域に、「判定無」または「判定有」を特定可能なデータが記憶される。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報について先読み演出をしない判定がされたときは、新たな始動入賞に対応する保留記憶情報に対応する演出バッファにおいて、「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域に「指定無」を特定可能なデータが記憶され、「先読み演出態様指定」のデータの格納領域に「演出無」を特定可能なデータが記憶される。
新たな始動入賞に対応する保留記憶情報に基づいて、先読み演出を実行する判定がされ、かつ、図17(D)の先読み演出種類選択テーブルに基づき、先読み演出種類が決定されたときには、決定された先読み演出種類に応じて、次のようにデータの記憶がされる。
新たな保留記憶情報に基づいて、同色図柄演出単独の先読み演出種類が選択され、図16の同色図柄演出パターンのうちから演出パターンが選択されたときは、次のように演出バッファにデータが記憶される。新たな保留記憶情報以前に記憶されているすべての保留記憶情報のそれぞれに対応する演出バッファにおいて、「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域に、「指定有」を特定可能なデータが記憶され、「同色図柄演出態様指定」のデータの格納領域に、「青同色演出」、「緑同色演出」、および、「赤同色演出」のうちから選択された演出パターンを特定可能なデータが記憶される。
このように、新たな保留記憶情報に基づいて、同色図柄演出が単独で実行される演出パターンが選択されたときは、新たな保留記憶情報以前に記憶されているすべての保留記憶情報に対応する「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域のデータ、および、「同色図柄演出態様指定」のデータ格納領域のデータに基づいて、どの保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、どのような演出パターンの同色図柄演出が実行されるかが演出制御用マイクロコンピュータ100により認識可能となる。
新たな保留記憶情報に基づいて、保留変化演出単独の先読み演出種類が選択され、図17および図18の保留変化演出パターンのうちから演出パターンが選択されたときは、新たな保留記憶情報に基づく保留画像について、選択された演出パターンで特定された保留出現時色で保留画像が出現表示され、次のように演出バッファにデータが記憶される。
選択された演出パターンで特定された保留変化が実行されるシフト回の変動表示を実行する保留記憶に対応する演出バッファのデータにおいて「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域のデータ格納領域に「指定有」を特定可能なデータが記憶され、「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域に、選択された演出パターンで特定された「保留変化色」を特定可能なデータが記憶される。
一方、選択された演出パターンで特定された保留変化が実行されない変動回の保留記憶に対応する演出バッファのデータにおいて「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域のデータ格納領域に「指定無」を特定可能なデータが記憶され、「保留変化演出態様指定」のデータの格納領域に「指定無」を特定可能なデータが記憶される。
このように、新たな保留記憶情報に基づいて、保留変化演出が実行される演出パターンが選択されたときは、新たな保留記憶情報以前に記憶されているすべての保留記憶情報に対応する「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域のデータ、および、「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域のデータに基づいて、どの保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに保留画像の色が変化せず、どの保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに保留画像の色がどのような色に変化する演出パターンの保留変化演出が実行されるかが演出制御用マイクロコンピュータ100により認識可能となる。
新たな保留記憶情報に基づいて、同色図柄演出および保留変化演出の組合せによる先読み演出種類(保留変化示唆演出付加)を実行することが選択され、図16の同色図柄演出パターンのうちから演出パターンが選択され、図17および図18の保留変化演出パターンのうちから演出パターンが選択され、図19の保留変化示唆演出パターンのうちから演出パターンが選択されたときは、次のように演出バッファにデータが記憶される。
新たな保留記憶情報以前に記憶されているすべての保留記憶情報のそれぞれに対応する演出バッファにおいて、「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域に、「指定有」を特定可能なデータが記憶され、「同色図柄演出態様指定」のデータの格納領域に、「青同色演出」、「緑同色演出」、および、「赤同色演出」のうちから選択された演出パターンを特定可能なデータが記憶される。
さらに、新たな保留記憶情報に基づく保留画像について、図17および図18の保留変化演出パターンのうちから選択された演出パターンで特定された保留出現時色で保留画像が出現表示され、次のように演出バッファにデータが記憶される。選択された演出パターンで特定された保留変化が実行されるシフト回の変動表示を実行する保留記憶に対応する演出バッファのデータにおいて、「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域に、選択された演出パターンで特定された「保留変化色」を特定可能なデータが記憶される。
さらに、新たな保留記憶情報に基づいて、図19の保留変化示唆演出パターンのうちから選択された演出パターンで特定された示唆演出を実行するために、次のように演出バッファにデータが記憶される。保留変化演出パターンのうちから選択された演出パターンで特定された保留変化が実行されないシフト回の変動表示を実行する保留記憶に対応する演出バッファのデータにおいて、「保留変化示唆演出態様指定」のデータ格納領域に、選択された保留変化示唆演出パターンで特定された「保留変化しないときの示唆演出」を特定可能なデータが記憶される。保留変化演出パターンのうちから選択された演出パターンで特定された保留変化が実行されるシフト回の変動表示を実行する保留記憶に対応する演出バッファのデータにおいて、「保留変化示唆演出態様指定」のデータ格納領域に、選択された保留変化示唆演出パターンで特定された「保留変化するときの示唆演出」を特定可能なデータが記憶される。
このように、新たな保留記憶情報に基づいて、同色図柄演出および保留変化演出の組合せが実行され、かつ、保留変化示唆演出を実行する演出種類が選択されたときは、新たな保留記憶情報以前に記憶されているすべての保留記憶情報に対応する「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域のデータ、「同色図柄演出態様指定」のデータ格納領域のデータ、「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域のデータ、および、「保留変化示唆演出態様指定」のデータ格納領域のデータに基づき、どの保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、どの演出パターンの同色図柄演出、保留変化演出、および、保留変化示唆演出が実行されるかを演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能となる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、このような演出バッファのデータに基づいて、同色図柄演出が単独で実行される演出パターン、保留変化演出が単独で実行される演出パターン、および、同色図柄演出+保留変化演出の組合せに加えて保留変化示唆演出が実行される演出パターンでの演出を実行することが可能である。
図20は、前述の先読み演出処理(S700)を示すフローチャートである。先読み演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下のような処理をする。
まず、前述した演出用バッファにおいて、少なくとも1つの保留記憶状態に対応する「先読み演出実行変動指定」のデータ格納領域に「先読み演出実行変動指定」のデータが記憶されているか否かを確認することにより、先読み演出の実行予定期間中であるか否かを判定する(S710)。先読み演出の実行予定期間中とは、前述した同色図柄演出または保留変化演出のような先読み演出を実行することが予定されている期間をいい、実際に先読み演出が実行中の期間を含む期間をいう。
S710で先読み演出の実行予定期間中であるときは、新たな先読み演出に関する設定をしないことにより、重複した先読み演出の実行を避けるために処理を終了する。一方、S710で先読み演出の実行予定期間中でないときは、新たな先読み演出に関する設定を可能とするために、S711に進む。S711では、前述した第1保留記憶についての始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファにおける記憶内容をチェックし、その中に、先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶があるか否かを判定する(S711)。たとえば、先読み演出判定有無のデータ格納領域において「判定無」を特定可能なデータが記憶されている保留記憶のデータがあるか否かを判定する。
S711で先読み演出を実行するか否かが未判定の第1保留記憶がないときは、処理を終了する。一方、S711で先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶があるときは、現在の第1保留記憶個数が2以上であるか否かを第1保留記憶数指定コマンドにより特定される第1保留記憶数に基づいて確認する(S712)。S712では、第1保留記憶数が2未満であるときに、新たな第1保留記憶情報に基づく変動表示を実行する前に変動表示を実行する第1保留記憶情報がなく、新たな第1保留記憶情報に基づく先読み演出のうち保留画像を対象とした先読み演出を実行する対象となる先の変動表示が存在しないので、先読み演出を実行する変動表示が実行可能であるか否かを確認する。
S712で現在の第1保留記憶個数が2以上でないときは、先読み演出を実行しない(先読み演出無)ことに決定し(S714)、後述するS719に進む。一方、S712で現在の第1保留記憶個数が2以上であるときは、S711で判定した先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶について、始動入賞時受信コマンドバッファにおける「図柄指定」の記憶内容をチェックし、先読み判定対象の第1保留記憶情報が大当り表示結果を指定したものであるか否かを判定する(S713)。
S713で大当り表示結果を指定したものであると判定されたときは、先読み演出決定用のSR2を抽出し、図15(A)の大当り時先読み演出有無判定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを判定する(S718)。一方、S713で大当り表示結果を指定したものではないと判定されたときは、S711で先読み演出を実行するか否かの判定が未判定の第1保留記憶について、始動入賞時受信コマンドバッファにおける「変動種別」の記憶内容をチェックし、スーパーリーチを指定したものであるか否かを判定することにより、先読み判定対象の第1保留記憶情報がスーパーリーチ演出後にはずれ表示結果となる変動種別を指定したものであるか否かを判定する(S715)。
S715で先読み判定対象の第1保留記憶情報が、スーパーリーチ演出後にはずれ表示結果となる変動種別を指定したものであると判定されたときは、先読み演出決定用のSR2を抽出し、図15(B)のスーパーリーチはずれ時先読み演出有無判定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを判定する(S716)。
一方、S715で先読み判定対象の第1保留記憶情報が、スーパーリーチ演出後にはずれ表示結果となる変動種別を指定したものでないと判定されたときは、先読み演出決定用のSR2を抽出し、図15(C)のスーパーリーチ以外はずれ時先読み演出有無判定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを判定する(S717)。
S716、S717、または、S718により先読み演出を実行するか否かが判定された後は、前述の演出用バッファにおいて、今回の先読判定対象の第1保留記憶に対応する「先読み演出判定有無」のデータ格納領域に、先読み演出の「判定有」を特定するデータを記憶させる(S718)。
次に、S716、S717、または、S718により、先読判定対象の第1保留記憶情報について、先読み演出を実行する決定(実行有)がされたか否かを判定する(S720)。S720で、先読み演出を実行する決定がされていない(実行無)と判定されたときは、後述するS729に進む。一方、S720で、先読み演出を実行する決定がされた(実行有)と判定されたときは、先読判定対象の第1保留記憶情報について、「図柄指定」の領域のデータに基づいて大当りとなるかはずれとなるかの先読み結果を確認するとともに、先読み演出種類決定用のSR3を抽出し、図15(D)の先読み演出種類選択テーブルを用いて、先読み演出種類を選択決定する(S721)。これにより、先読判定対象の第1保留記憶情報について、先読み演出の演出種類が、同色図柄演出単独、保留変化演出単独、および、同色図柄演出+保留変化演出の組合せ(保留変化示唆演出を含む)のうちのいずれかの演出種類に決定される。
次に、S721で決定された先読み演出の演出種類が、同色図柄演出単独であるか否かを確認する(S722)。S722で同色図柄演出単独に決定されているときは、先読判定対象の第1保留記憶情報について、「図柄指定」の領域のデータに基づいて大当りとなるかはずれとなるかの先読み結果を確認するとともに、同色図柄演出パターン選択用のSR4を抽出し、図16の先読み同色図柄演出パターン選択テーブルを用いて、同色図柄演出パターンを選択決定し、決定した同色図柄演出パターンを特定可能なデータを「同色図柄演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S723)。次に、S729に進む。
S729では、ROM102に記憶され、新たな保留記憶情報に対応する保留記憶表示の出現時の保留色を選択決定するために用いることが可能な出現保留色選択テーブルを用いて、新たな保留記憶情報に対応する保留記憶表示の出現時の保留色を選択決定し、S730に進む。出現保留色選択テーブルは、保留記憶表示の出現時の保留色を、白、青、緑、赤のうちから選択するデータテーブルであり、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての出現保留色選択用のSR14の値に基づいて出現時の保留色がランダムに選択決定される。出現保留色選択テーブルは、新たな保留記憶情報に対応する変動表示の表示結果が大当り表示結果となるか否かに応じて、保留色の選択割合が異なる。たとえば、大当り表示結果となるときの保留色の選択割合は、「白<青<緑<赤」という選択割合の関係が設定されており、はずれ表示結果となるときの保留色の選択割合は、「白>青>緑>赤」という選択割合の関係が設定されている。
一方、S722で同色図柄演出単独に決定されていないときは、S721で決定された先読み演出の演出種類が、保留変化演出単独であるか否かを確認する(S724)。S724で保留変化演出単独に決定されているときは、S725により、先読判定対象の第1保留記憶情報について、「図柄指定」の領域のデータに基づいて大当りとなるかはずれとなるかの先読み結果を確認するとともに「保留記憶数指定」の領域のデータに基づいて、新たな保留記憶情報を含む第1保留記憶数を確認する。そして、保留変化演出パターン選択用のSR5を抽出し、図17および図18の第1〜第3保留変化演出パターン選択テーブルのいずれかを用いて、保留変化演出パターンを選択決定し、決定した保留変化演出パターンを特定可能なデータを「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S725)。S725においては、決定した保留変化演出パターンに基づいて、新たな保留記憶情報に対応する保留表示の出現時の保留色も決定される。次に、S730に進む。
一方、S724で保留変化演出単独に決定されていないときは、S721で決定された先読み演出の演出種類が、消去法的に、同色図柄演出+保留変化演出の組合せ(保留変化示唆演出を含む)の演出種類である。その場合には、前述したS723と同様の処理を実行することにより、図16の先読み同色図柄演出パターン選択テーブルを用いて、同色図柄演出パターンを選択決定し、決定した同色図柄演出パターンを特定可能なデータを「同色図柄演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S726)。
次に、前述したS725と同様の処理を実行することにより、図17および図18の第1〜第3保留変化演出パターン選択テーブルのいずれかを用いて、保留変化演出パターンを選択決定し、決定した保留変化演出パターンを特定可能なデータを「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S727)。
次に、先読判定対象の第1保留記憶情報について、保留変化示唆演出パターン選択用のSR6を抽出し、図19の保留変化示唆演出パターン選択テーブルを用いて、保留変化示唆演出パターンを選択決定し、決定した保留変化示唆演出パターンを特定可能なデータを「保留変化示唆演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S723)。前述したS725と同様の処理を実行することにより、図17および図18の保留変化示唆演出パターン第1〜第3保留変化演出パターン選択テーブルのいずれかを用いて、保留変化演出パターンを選択決定し、決定した保留変化演出パターンを特定可能なデータを「保留変化演出態様指定」のデータ格納領域に記憶させる(S728)。そして、S730に進む。
S730では、S725,S727,またはS729で決定した出現保留色の保留画像を、新たな保留画像として出現させる表示をし(S730)、処理を終了する。このように出現表示された保留画像は、変動表示が実行される毎に、図13のS707の保留記憶表示制御処理により保留シフト動作が実行され、表示位置がシフト(移動)させられる。
このように先読み演出処理においては、新たな始動入賞に応じて新たに保留記憶情報が生じたときに、出現保留色を選択決定することに加えて、先読み演出を実行するか否かの選択決定、先読み演出を実行する決定がされたときの先読み演出の演出態様(演出種類、演出パターン等)、および、先読み演出を実行する決定がされたときの示唆演出の演出態様等の先読み演出に関連する各種演出に関する処理が実行される。
なお、前述したような、新たな始動入賞に応じて新たに保留記憶情報が生じたときに、出現保留色を選択決定する処理については、図12のS707の保留記憶表示制御処理に含め、当該保留記憶表示制御処理を実行するときに、実行するようにしてもよい。
図21は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、演出図柄の変動表示の演出(擬似連等の変動表示態様を含む)、および、先読み演出等の各種演出を設定する処理)を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理の処理内容については、図28を用いて後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、メイン演出表示装置9における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および予告演出における演出表示動作という各種演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(メイン演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データに従って、メイン演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27から音声出力をさせるために、音声出力基板70に制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。
図22は、擬似連演出種類選択テーブル、アクティブ変化示唆演出実行有無選択判定テーブル、および、アクティブ変化演出実行有無選択判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。図22(A)の擬似連演出種類選択テーブルは、擬似連の変動パターンの変動表示を実行するときにおける擬似連の演出種類を選択する抽選に用いるデータテーブルである。
擬似連演出種類選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての擬似連演出種類選択用の乱数SR7(0〜100の数値範囲)の合計101個の数値が、変動開始時の大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、先読みの大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、同色図柄演出と、NEXT図柄演出という複数種類の擬似連演出種類に割振られている。SR7については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR7の個数が示されている。
図22の擬似連演出種類選択テーブルでは、大当り決定時の擬似連演出種類の選択割合が、「同色図柄演出>NEXT図柄演出」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「同色図柄演出<NEXT図柄演出」という大小関係で設定されている。このような設定により、擬似連演出が実行されるときには、大当り遊技状態に制御される期待度が「同色図柄演出>NEXT図柄演出」という大小関係となる。したがって、変動表示が実行されるときの擬似連演出種類に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、擬似連演出種類についての大当り決定時とはずれ決定時との選択割合の関係は、図22(A)に示す関係の逆となるように設定されてもよい。また、擬似連演出種類の選択割合は、大当り決定時とはずれ決定時とで同じとなるように設定してもよく、変動表示結果に関係なく設定されてもよい。
図22(B)のアクティブ変化示唆演出実行有無選択テーブルは、擬似連の変動パターンの変動表示を実行するときにおいてアクティブ変化示唆演出を実行するか否か(有無)を判定するための抽選に用いるデータテーブルである。アクティブ変化示唆演出実行有無選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしてのアクティブ変化示唆演出実行有無判定用の乱数SR8(0〜104の数値範囲)の合計105個の数値が、擬似連演出種類が同色図柄演出に選択決定されたときと、擬似連演出種類がNEXT図柄演出に選択決定されたときとに分けて、アクティブ変化示唆演出を実行する決定と、アクティブ変化示唆演出を実行しない決定とに割振られている。
アクティブ変化示唆演出実行有無選択テーブルにおいては、同色図柄演出に選択決定時のアクティブ変化示唆演出実行有無の選択割合が、「実行>不実行」という大小関係で設定され、NEXT図柄演出に選択決定時のアクティブ変化示唆演出実行有無の選択割合が、「実行<不実行」という大小関係で設定されている。
これにより、擬似連演出は、アクティブ変化示唆演出が実行される期待度が「同色図柄演出選択決定時>NEXT図柄演出選択決定時」という大小関係となる。したがって、変動表示が実行されるときの擬似連演出種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行される割合が異なるようにすることができ、演出の興趣を向上させることができる。
図22(B)のように、特別演出としての擬似連演出における同色図柄演出とNEXT図柄演出との演出種類に応じて、アクティブ変化示唆演出の実行割合が異なるので、擬似連演出が実行されるときに、擬似連演出の種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行される割合が異なるので、擬似連演出とクティブ変化示唆演出とに関連性を持たせてこれらの演出に関する興趣を向上させることができる。
なお、同色図柄演出選択決定時とNEXT図柄演出選択決定時とについてのアクティブ変化示唆演出の実行有無の選択割合の関係は、図22(B)に示す関係の逆となるように設定されてもよい。また、同色図柄演出選択決定時とNEXT図柄演出選択決定時とについてのアクティブ変化示唆演出の実行有無の選択割合は、同じとなるように設定してもよく、同色図柄演出とNEXT図柄演出との選択に関係なく設定されてもよい。
図22(C)のアクティブ変化演出実行有無選択テーブルは、擬似連の変動パターンの変動表示を実行するときにおいてアクティブ変化演出を実行するか否か(有無)を判定するための抽選に用いるデータテーブルである。
アクティブ変化演出実行有無選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしてのアクティブ変化演出実行有無判定用の乱数SR9(0〜106の数値範囲)の合計107個の数値が、擬似連演出種類が同色図柄演出に選択決定されたときと、擬似連演出種類がNEXT図柄演出に選択決定されたときとに分けて、アクティブ変化演出を実行する決定と、実行しない決定とに割振られている。
アクティブ変化演出実行有無選択テーブルにおいては、同色図柄演出に選択決定時のアクティブ変化演出実行有無の選択割合が、「実行<不実行」という大小関係で設定され、NEXT図柄演出に選択決定時のアクティブ変化演出実行有無の選択割合が、「実行>不実行」という大小関係で設定されている。
この設定により、擬似連演出は、アクティブ変化演出が実行される期待度が「同色図柄演出選択決定時<NEXT図柄演出選択決定時」という大小関係となる。したがって、変動表示が実行されるときの擬似連演出種類に応じて、アクティブ変化演出が実行される割合が異なるようにすることができ、演出の興趣を向上させることができる。
図22(C)のように、同色図柄演出とNEXT図柄演出とのような演出種類に応じて、アクティブ変化演出の実行割合が異なることにより、擬似連演出が実行されるときに、擬似連演出の種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行された後にアクティブ表示の態様が変化する割合が異なるので、擬似連演出とアクティブ変化示唆演出とに関連性を持たせてこれらの演出に関する遊技の興趣を向上させることができる。
なお、同色図柄演出選択決定時とNEXT図柄演出選択決定時とについてのアクティブ変化演出の実行有無の選択割合の関係は、図22(C)に示す関係の逆となるように設定されてもよい。また、同色図柄演出選択決定時とNEXT図柄演出選択決定時とについてのアクティブ変化演出の実行有無の選択割合は、同じとなるように設定してもよく、同色図柄演出とNEXT図柄演出との選択に関係なく設定されてもよい。
図23は、擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルを示す説明図である。同色図柄演出パターン選択テーブルは、図22(A)の擬似連演出種類選択テーブルを用いて擬似連演出の演出種類として「同色図柄演出」が選択決定されたときに、実行する擬似連時同色図柄演出の演出パターンを選択決定する抽選に用いるテーブルである。擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルは、ROM102に記憶されている。
擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての同色図柄演出パターン選択用の乱数SR10(0〜101の数値範囲)の合計102個の数値が、先読み演出時における同色図柄演出パターンの実行履歴の種類ごとに、変動表示開始時の大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、変動表示開始時の大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、青同色演出、緑同色演出、および、赤同色演出という複数種類の演出パターンに割振られている。SR10については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR10値の個数が示されている。
図23の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルにおいては、当該変動表示が実行される保留記憶情報をターゲットとした先読み演出時における同色図柄演出パターンの実行履歴が「同色図柄演出なし」、「青同色演出」、「緑同色演出」、および、「赤同色演出」の4種類の履歴に分けられている。「同色図柄演出なし」は、先読み演出時に同色図柄演出が実行されなかった履歴を示す。「青同色演出」は、先読み演出時に青同色演出が実行された履歴を示す。「緑同色演出」は、先読み演出時に緑同色演出が実行された履歴を示す。「赤同色演出」は、先読み演出時に赤同色演出が実行された履歴を示す。
図23の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルにおいて、先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「同色図柄演出なし」のとき、および、「青同色演出」のときは、大当り決定時の同色図柄演出の演出パターン選択割合が、「青同色演出<緑同色演出<赤同色演出」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「青同色演出>緑同色演出>赤同色演出」という大小関係で設定されている。
図23の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルにおいて、先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「緑同色演出」のときは、大当り決定時の同色図柄演出の演出パターン選択割合が、「緑同色演出<赤同色演出」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「緑同色演出>赤同色演出」という大小関係で設定されている。図23の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルにおいて、先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「赤同色演出」のときは、大当り決定時およびはずれ決定時において、「赤同色演出」のみが選択される選択割合が設定されている。
このような設定により、擬似連の演出として同色図柄演出が実行されるときには、大当り遊技状態に制御される期待度が「青同色演出<緑同色演出<赤同色演出」という大小関係となる。したがって、先読み演出として同色図柄演出が実行されるときには、同色図柄の色の種類に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「同色図柄演出なし」のとき、および、「青同色演出」のときは、青,緑,赤のすべての同色演出が選択可能に設定されている。先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「緑同色演出」のときは、緑,赤の同色演出が選択可能に設定されている。先読み演出時の同色図柄演出パターン実行履歴が「赤同色演出」のときは、赤の同色演出のみが選択可能に設定されている。
これにより、ある保留記憶情報に基づいて、先読み演出時に同色図柄演出が実行された後に、当該保留記憶情報に基づく擬似連の変動表示時に同色図柄演出が実行されるときには、先読み演出時に実行された同色図柄演出における大当り期待度以上の大当り期待度の同色図柄演出が実行可能となる。したがって、先読み演出から変動表示における擬似連の演出に移行したときに、遊技者の大当りへの期待感が成り下がらないようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図23の青同色演出、緑同色演出、赤同色演出のように、先読み演出時の同色図柄演出パターン履歴に応じて、先読み演出時に実行された同色図柄演出パターンの大当り期待度以上の期待度の同色図柄演出パターンで擬似連演出を実行可能である。先読み演出と共通態様の同色図柄演出での擬似連演出を実行する変動表示が実行される前に実行された先読み演出の演出態様における期待度以上の期待度の演出態様で、擬似連演出が実行可能であるので、先読み演出の演出態様における期待度以上の期待度の演出態様で擬似連演出が実行されるか否かに遊技者を注目させることができ、演出の興趣を向上できる。
図24は、アクティブ変化演出種類選択テーブルを示す説明図である。アクティブ変化演出種類選択テーブルは、図22(C)のアクティブ変化演出実行有無判定テーブルを用いてアクティブ変化演出を実行することが選択決定されたときに、アクティブ変化演出を実行するときのアクティブ表示の変化演出種類(色変化パターン)を選択決定するための抽選に用いるテーブルである。アクティブ変化演出種類選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
アクティブ変化演出種類選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしてのアクティブ変化演出種類選択用の乱数SR11(0〜105の数値範囲)の合計106個の数値が、先読み演出時における保留演出の実行履歴の種類ごとに、変動表示開始時の大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、変動表示開始時の大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、複数種類の変化演出種類に割振られている。SR11については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR11値の個数が示されている。
図24のアクティブ変化演出種類選択テーブルでは、当該変動表示が実行される保留記憶情報をターゲットとした先読み演出時における保留演出の実行履歴が「最終保留色白」、「最終保留色青」、および、「最終保留色緑」の3種類の履歴に分けられている。
「最終保留色白」は、先読み演出時に保留変化演出が実行されず変動表示直前の最終的な保留表示が白色であった履歴を示す。「最終保留色青」は、青色で出現表示され先読み演出時に保留変化演出が実行されなかったか、または、先読み演出時に保留変化演出が実行され青色に変化したかにより、変動表示直前の最終的な保留表示が青色であった履歴を示す。「最終保留色緑」は、緑色で出現表示され先読み演出時に保留変化演出が実行されなかったか、または、先読み演出時に保留変化演出が実行され緑色に変化したかにより、変動表示直前の最終的な保留表示が緑色であった履歴を示す。変動表示直前の最終的な保留表示が赤色であったときは、大当りの期待度が高くなる態様のアクティブ変化演出が不可能であるので、先読み演出時における保留演出の実行履歴の種類には含まれていない。
アクティブ変化演出種類選択テーブルで、先読み演出時の保留演出の実行履歴が「最終保留色白」のときは、アクティブ表示の変化演出種類が「白→青変化」、「白→緑変化」、および、「白→赤変化」のいずれかが選択可能である。先読み演出時の保留演出の実行履歴が「最終保留色白」のときは、大当り決定時のアクティブ表示の変化演出種類の選択割合が「白→青変化<白→緑変化<白→赤変化」の大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が「白→青変化>白→緑変化>白→赤変化」の大小関係で設定されている。
図24のアクティブ変化演出種類選択テーブルにおいて、先読み演出時の保留演出の実行履歴が「最終保留色青」のときは、アクティブ表示の変化演出種類が「青→緑変化」、および、「青→赤変化」のうちいずれかが選択可能である。先読み演出時の保留演出の実行履歴が「最終保留色青」のときは、大当り決定時のアクティブ表示の変化演出種類の選択割合が、「青→緑変化<青→赤変化」という大小関係で設定され、はずれ決定時の選択割合が、「青→緑変化>青→赤変化」という大小関係で設定されている。
アクティブ変化演出種類選択テーブルにおいて、先読み演出時の保留演出の実行履歴が「最終保留色緑」のときは、大当り決定時およびはずれ決定時において、アクティブ表示の変化演出種類として「緑→赤変化」のみが選択可能となる選択割合が設定されている。
このような設定により、アクティブ変化演出が実行されるときには、アクティブ表示の色による大当り遊技状態に制御される期待度が「青色<緑色<赤色」という大小関係となる。したがって、アクティブ変化演出が実行されるときには、アクティブ表示の色の種類に応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、アクティブ変化演出パターン選択テーブルについて説明する。アクティブ変化演出パターン選択テーブルは、図22(C)のアクティブ変化演出実行有無判定テーブルを用いて、アクティブ変化演出を実行することが選択されたときに、アクティブ変化の演出パターン(演出態様)を選択決定するために用いられる。
アクティブ変化演出パターン選択テーブルとしては、アクティブ変化演出が実行される擬似連の変動表示における擬似連の変動回数(初回変動+再変動の合計回数)の値別に、複数のテーブルが設けられている。擬似連の変動回数が4回(擬似連4回)であるときに対応して、第1アクティブ変化演出パターン選択テーブルが設けられる。擬似連の変動回数が3回(擬似連3回)であるときに対応して、第2アクティブ変化演出パターン選択テーブルが設けられる。擬似連の変動回数が2回(擬似連2回)であるときに対応して、第2アクティブ変化演出パターン選択テーブルが設けられる。これら第1〜第3アクティブ変化演出パターン選択テーブルは、ROM102に記憶されている。
図25は、第1アクティブ変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。図26(A)は、第2アクティブ変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。図26(B)は、第3アクティブ変化演出パターン選択テーブルを示す説明図である。
第1〜第3の各アクティブ変化演出パターン選択テーブルでは、アクティブ変化演出パターン選択用のSR12(0〜103の数値範囲)の合計104個の数値が、図24のアクティブ変化演出種類選択テーブルを用いて決定されたアクティブ表示の変化演出種類の種類ごとに、変動表示開始時の大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り決定時)と、変動表示開始時の大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ決定時)とに分けて、選択対象として設定された複数種類のアクティブ変化演出パターンに割振られている。SR12は、割振られた乱数SR12値の個数が示されている。
図25および図26に示すように、アクティブ変化演出パターンは、アクティブ表示の変化演出種類により、「白→青変化」、「白→緑変化」、「白→赤変化」、「青→緑変化」、「青→赤変化」、および、「緑→赤変化」という複数種類の変化演出種類に分類されている。そして、「白→青変化」、「白→緑変化」、「白→赤変化」、「青→緑変化」、「青→赤変化」、および、「緑→赤変化」のそれぞれについては、図25および図26に示すように、複数種類のアクティブ変化演出パターンが選択可能に設けられている。
アクティブ変化演出パターンは、擬似連の演出で、初回変動から各再変動が表実行されるときの何回目かの変動時にアクティブ表示色が変化するような演出パターンである。
図25の第1アクティブ変化演出パターン選択テーブルでは、アクティブ変化演出パターンとして、初回変動時のアクティブ表示色と、第1回目の再変動時のアクティブ表示色と、第2回目の再変動時のアクティブ表示色と、第3回目の再変動時のアクティブ表示色とが示されている。図26(A)の第2アクティブ変化演出パターン選択テーブルでは、アクティブ変化演出パターンとして、アクティブ変化演出パターンとして、初回変動時のアクティブ表示色と、第1回目の再変動時のアクティブ表示色と、第2回目の再変動時のアクティブ表示色とが示されている。図26(B)の第3アクティブ変化演出パターン選択テーブルでは、アクティブ変化演出パターンとして、初回変動時のアクティブ表示色と、第1回目の再変動時のアクティブ表示色とが示されている。
一例を挙げると、図25の「白→青変化」の演出種類における「白→白→白→青」のアクティブ変化演出パターンは、アクティブ表示が、擬似連の変動表示中において、初回変動時が白、第1回目の再変動時が白、第2回目の再変動時が白であり、第3回目の再変動時に青に変化する演出パターンである。
図25および図26に示す第1,第2アクティブ変化演出パターン選択テーブルにおいては、「白→青変化」、「白→緑変化」、「白→赤変化」、「青→緑変化」、「青→赤変化」、および、「緑→赤変化」のそれぞれのアクティブ変化演出種類について、大当り決定時のアクティブ変化演出パターンの選択割合が、アクティブ変化演出の実行タイミングが早くなる程、すなわち、アクティブ変化演出の実行タイミングが擬似連の初回変動に近くなる程高くなるように設定されている。一方、はずれ決定時のアクティブ変化演出パターンの選択割合は、大当り決定時のアクティブ変化演出パターンの選択割合の逆の関係となるように設定されている。
このような設定により、アクティブ変化演出が実行されるときには、アクティブ変化演出の実行タイミングに応じて、遊技者の大当り遊技状態に対する期待感が異なるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、「白→青変化」、「白→緑変化」、「白→赤変化」、「青→緑変化」、「青→赤変化」、および、「緑→赤変化」のそれぞれについては、大当り決定時のアクティブ変化演出パターンの選択割合とはずれ決定時のアクティブ変化演出パターンの選択割合との関係が、図25および図26に示す関係の逆となるように設定されてもよい。また、「白→青変化」、「白→緑変化」、「白→赤変化」、「青→緑変化」、「青→赤変化」、および、「緑→赤変化」のそれぞれについては、アクティブ変化演出パターンの選択割合が、大当り決定時とはずれ決定時とで同じとなるように設定してもよい。
図14、図17〜図18、図24〜図26に示すように、保留表示およびアクティブ表示は、保留表示で変化した後アクティブ表示でも変化するというように、段階的に変化可能であるので、アクティブ表示の態様がどの段階まで変化するかに遊技者を注目させることができ、演出の興趣を向上させることができる。
図27は、アクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルを示す説明図である。アクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルは、図22(B)のアクティブ変化示唆演出実行有無判定テーブルを用いてアクティブ変化示唆演出を実行することが決定されたときに、実行するアクティブ変化示唆演出の演出パターンを選択決定するための抽選に用いるテーブルである。アクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
アクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしてのアクティブ変化示唆演出パターン選択用のSR13(0〜97の数値範囲)の合計98個の数値が、複数種類のアクティブ変化示唆演出パターンに割振られている。SR13については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR13値の個数が示されている。アクティブ変化示唆演出パターンとしては、前述したスロット演出の演出パターンと作用演出の演出パターンとの複数種類の演出パターンのうち、いずれかの演出パターンが選択可能である。
アクティブ変化示唆演出として実行されるスロット演出は、擬似連の演出中において変動表示(初回変動+再変動の変動表示)が実行されるごとに、図14(E)〜(K)に示すようなスロット図柄12として、アクティブ表示の変化示唆用の「×」と「変化」とよりなる複数種類の特定の図柄を所定期間変動表示した後表示結果を導出表示する演出であり、アクティブ表示が変化するときは「変化」の図柄を停止し、アクティブ表示が変化しないときは「×」の図柄を停止する演出パターンで演出が実行される。
アクティブ変化示唆演出として実行される作用演出は、擬似連の演出中において変動表示(初回変動+再変動の変動表示)が実行されるごとに、変化示唆用の特定キャラクタの画像を表示し、その特定キャラクタ画像がアクティブ表示に作用するか否かによりアクティブ変化演出が実行されるか否かを示唆する演出であり、アクティブ表示が変化するときは、アクティブ表示に特定キャラクタ画像が作用し、アクティブ表示が変化しないときは、特定キャラクタ画像がアクティブ表示に作用しない演出が実行される。アクティブ変化示唆演出で表示される特定キャラクタ画像は、保留変化示唆演出で表示される特定キャラクタ画像と同じ画像のキャラクタである。なお、アクティブ変化示唆演出の特定キャラクタ画像としては、保留変化示唆演出で表示される特定キャラクタ画像と少なくとも一部が異なるキャラクタ画像を用いてもよい。
アクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルでのアクティブ変化示唆演出パターンの選択割合は、「スロット演出>作用演出」という大小関係で設定されている。なお、アクティブ変化示唆演出パターンの選択割合は、このような割振りとは異なる関係の割振り(選択割合が逆の割振り、選択割合が同じ割振り)で設定されてもよい。
図27のように、スロット演出および作用演出のような複数種類のアクティブ変化示唆演出パターンのうち、スロット演出および作用演出のような特定のアクティブ変化示唆演出パターンの割合が、同色図柄演出およびNEXT図柄演出のような擬似連演出の演出種類に応じて異なるので、遊技者を擬似連演出の演出種類に注目させることができる。
図14(A)〜(D)、図19の先読み演出時の保留変化示唆演出パターンと、図14(E)〜(I)、図27の擬似連演出時のアクティブ変化示唆演出パターンとに示すように、先読み演出時の保留変化示唆演出を引継いだ態様で擬似連演出時のアクティブ変化示唆演出を実行可能であるので、先読み演出と擬似連演出とを一連の演出態様とすることができ、演出に関する興趣を向上させることができる。
図28は、前述の演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。演出設定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下に説明する処理を行なう。
まず、今回の変動表示が、先読み演出を実行する指定がされた変動表示であるか否かを判定する(S630)。具体的に、S630では、前述の第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応する「先読み演出実行変動指定」のデータとして「指定有」のデータが記憶されているときに、先読み演出を実行する指定がされた変動表示であると判定する。S630において、先読み演出を実行する指定がされた変動表示ではないと判定されたときは、後述するS631に進む。
S630により先読み演出を実行する指定がされた変動表示であると判定されたときは、前述の第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応する「同色図柄演出態様指定」のデータ、「保留変化演出態様指定」のデータ、および、「保留変化示唆演出態様指定」のデータ等の先読み演出に関連する演出の設定データに基づいて、同色図柄演出態様または保留変化演出態様のような先読み演出態様、および、保留変化示唆演出態様等の先読み演出に関連する演出態様を、先読み演出に関連する演出として実行する演出態様として設定(データを設定)する(S632)。S632では、同色図柄演出の演出パターンを実行するときには、停止図柄を同色図柄演出の色に応じた同色停止図柄の組合せとするために、停止図柄を、図21のS604等により決定された停止図柄に代えて、前述のような方法で、選択決定された同色演出図柄の組合せを変動表示時の停止図柄として設定する処理も行なう。
S632で先読み演出態様および保留変化示唆の演出態様が設定されることにより、S802で変動表示が実行されるときに、たとえば、図14(A)〜(D)に示すような先読み演出等が実行されることとなる。
一方、S630により先読み演出を実行する指定がされた変動表示ではないと判定されたときは、今回の変動表示の開始時に受信した変動パターンコマンドで指定された変動パターンを確認することに基づいて、今回の変動表示が、擬似連の変動パターンであるか否かを確認する(S631)。
S631で今回の変動表示が擬似連の変動パターンではないときは、S647に進む。一方、S631で今回の変動表示が擬似連の変動パターンであるときは、今回の変動表示の開始時に受信した表示結果指定コマンドで指定された変動表示結果を確認することに基づいて大当りとなるかはずれとなるかを確認するとともに、擬似連演出種類選択用の乱数SR7を抽出し、図22の図22(A)の擬似連演出種類選択テーブルを用いて、擬似連演出種類を同色図柄演出とNEXT図柄演出とのいずれかに選択決定し、選択決定された演出種類を特定可能なデータを、RAM103に設けられた擬似連演出種類記憶領域に記憶する(S633)。次に、今回の変動表示の開始前のタイミングでRAM102の最終保留色記憶領域に最終保留色データとして記憶しておいたデータに基づいて、今回の変動表示の開始前における保留表示色の最終色である最終保留色が「赤」以外であるか否かを確認する(S634)。
S634で最終保留色が「赤」以外であるときは、S633での擬似連演出種類の選択決定結果を確認することに基づいて、今回の擬似連演出種類が同色図柄演出とNEXT図柄演出とのいずれかを確認するとともに、アクティブ変化示唆演出実行有無判定用の乱数SR8を抽出し、図22(B)のアクティブ変化示唆演出実行有無選択テーブルを用いて、アクティブ変化示唆演出の実行の有無を判定する(S635)。
次に、S633での擬似連演出種類の選択決定結果を確認することに基づいて、今回の擬似連演出種類が同色図柄演出とNEXT図柄演出とのいずれかを確認するとともに、アクティブ変化演出実行有無判定用の乱数SR9を抽出し、図22(C)のアクティブ変化演出実行有無選択テーブルを用いて、アクティブ変化演出の実行の有無を判定し(S636)、S637に進む。また、前述のS634で最終保留色が「赤」であるときは、直接的にS637に進む。
S637では、S633での擬似連演出種類の選択決定結果により同色図柄演出に決定されたか否かを確認する(S637)。S637により同色図柄演出に決定されたときは、図23の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルを用いて、擬似連の演出中に実行する同色図柄演出の演出パターンを、選択決定し、決定した演出パターンを特定可能なデータをRAM102の擬似連同色図柄演出パターン記憶領域に記憶する(S638)。S638では、同色図柄演出の演出パターンを実行するために、同色図柄演出の色に応じた仮停止図柄の組合せも前述のような方法で決定する。そして、S639に進む。一方、S637により同色図柄演出に決定されていないときは、直接的にS639に進む。
具体的にS638では、RAM102に設けられ、変動表示の実行前における先読み演出時に同色図柄演出が実行されたときに、先読み演出時同色図柄演出パターン履歴が記憶される先読み演出時同色図柄演出パターン履歴記憶領域の記憶データに基づいて、先読み演出時同色図柄演出パターン履歴が、図23の先読み演出時同色図柄演出パターン履歴欄に示されたいずれの履歴に該当するかを確認し、さらに、今回の変動表示の開始時に受信した表示結果指定コマンドで指定された変動表示結果を確認することに基づいて大当りとなるかはずれとなるかを確認する。そして、S638では、同色図柄演出パターン選択用の乱数SR10を抽出し、その抽出値と、確認した先読み演出時同色図柄演出パターン履歴と、確認した変動表示結果とに基づいて、図23の擬似連同色図柄演出パターン選択テーブルを用いて、擬似連同色図柄演出の演出パターンを選択決定する。
S639では、S633での擬似連演出種類の選択決定結果によりNEXT図柄演出に決定されたか否かを確認する(S639)。S633によりNEXT図柄演出に決定されたときは、NEXT図柄を仮停止図柄として仮停止させるNEXT図柄演出の演出パターンを、選択決定し、RAM102の擬似連NEXT図柄演出パターン記憶領域に記憶する(S640)。そして、S641に進む。一方、S639によりNEXT図柄演出に決定されていないときは、直接的にS641に進む。
S641では、S636でのアクティブ変化演出の実行有無判定結果によりアクティブ変化演出を実行する決定がされたか否かを確認する(S641)。S641によりアクティブ変化演出を実行する決定がされたときは、図24のアクティブ変化演出種類選択テーブルを用いて、擬似連の演出中に実行するアクティブ変化演出の演出種類を、選択決定し、決定した演出種類を特定可能なデータをRAM102のアクティブ変化演出種類記憶領域に記憶する(S642)。
具体的にS642では、今回の変動表示の開始前のタイミングでRAM102の最終保留色記憶領域に最終保留色データとして記憶しておいたデータに基づいて、今回の変動表示の開始前における保留表示色の最終色である最終保留色を確認し、さらに、今回の変動表示の開始時に受信した表示結果指定コマンドで指定された変動表示結果を確認することに基づいて大当りとなるかはずれとなるかを確認する。そして、S642では、アクティブ変化演出種類選択用の乱数SR11を抽出し、その抽出値と、確認した最終保留色と、確認した変動表示結果とに基づいて、図24のアクティブ変化演出種類選択テーブルを用いて、アクティブ変化演出の演出種類を選択決定する。
次に、S643では、図25および図26の第1〜第3アクティブ変化演出パターン選択テーブルのいずれかを用いて、アクティブ変化演出パターンを選択決定し、決定したアクティブ変化演出パターンを特定可能なデータを、RAM102のアクティブ変化演出種パターン記憶領域に記憶し(S643)、S644に進む。一方、S641によりアクティブ変化演出を実行しない決定がされたときは、直接的にS644に進む。
S644では、S635のアクティブ変化示唆演出の実行有無判定結果によりアクティブ変化示唆演出を実行する決定がされたか否かを確認する(S644)。S644によりアクティブ変化示唆演出を実行する決定がされたときは、図27のアクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルを用いて、擬似連の演出中に実行するアクティブ変化演出の演出パターンを、選択決定し、決定した演出パターンを特定可能なデータをRAM102のアクティブ変化演出パターン記憶領域に記憶する(S645)。そして、S646に進む。
具体的にS645では、S633で決定され擬似連演出種類記憶領域に記憶されたデータに基づいて擬似連演出種類を確認し、アクティブ変化示唆演出パターン選択用のSR13を抽出し、その抽出値と、確認した擬似連演出種類とに基づいて、図27のアクティブ変化示唆演出パターン選択テーブルを用いて、アクティブ変化示唆演出の演出パターンを選択決定する。
S646では、S631で今回の変動表示が擬似連の変動パターンであると判断されたときにおいて、擬似連の変動表示中に実行可能な、NEXT図柄演出、同色図柄演出、アクティブ変化演出、および、アクティブ変化示唆演出に関する選択決定結果として、S638,S640,S642,S643,S645等で記憶されたデータに基づいて、今回の変動表示における擬似連で実行する演出の演出態様を設定する(S646)。
S646でアクティブ表示の演出態様およびアクティブ変化示唆の演出態様が設定されることにより、S802で変動表示が実行されるときに、たとえば、図14(E)〜(J)に示すようなアクティブ表示演出等が実行されることとなる。次に、S647においては、前述した先読み演出および擬似連の演出以外のその他の各種演出を設定する処理を実行する(S647)。その後、演出設定処理を終了する。
このような演出設定処理が実行されることに基づく演出制御の設定に基づいて、図13に示す演出図柄変動中処理(S802)により、S632で設定された演出態様に基づいて、変動開始当初における所定の演出期間において、同色図柄演出および保留変化演出のような先読み演出と、保留変化演出に付随して実行される保留変化示唆演出とが実行されることとなる。また、このような演出設定処理が実行されることに基づく演出制御の設定に基づいて、図13に示す演出図柄変動中処理(S802)により、S646で設定された演出態様に基づいて、変動開始当初における特定の演出期間において、NEXT図柄演出、および、同色図柄演出のような擬似連演出と、アクティブ変化演出と、アクティブ変化演出に付随して実行されるアクティブ変化示唆演出とが実行されることとなる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態を説明する。第2の実施形態では、擬似連出の種類によって、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせる例を説明する。
たとえば、擬似連演出としては、同色図柄演出とNEXT図柄演出とのいずれかが実行される場合において、たとえば、擬似連演出として同色図柄演出が実行される場合には、擬似連演出の前における先読み演出において、同色図柄演出が実行されたときに、その後の擬似連演出として同色図柄演出が実行され、擬似連演出の終了後のリーチ変動等の状態において、先読み演出における同色図柄演出の色と同じ色のエフェクト画像を画面中央部に表示する演出制御を行なう。一方、擬似連演出としてNEXT図柄演出が実行される場合には、擬似連演出の前における先読み演出において、同色図柄演出が実行されたときに、その後の擬似連演出としてNEXT図柄演出が実行され、擬似連演出の終了後のリーチ変動等の状態において、先読み演出における同色図柄演出の色と同じ色のエフェクト画像を画面隅部に表示する演出制御を行なう。擬似連演出として、特定のストーリーが展開されるストーリー擬似連演出が実行可能である場合に、擬似連演出の前における先読み演出において、同色図柄演出が実行されたときに、その後の擬似連演出としてストーリー擬似連演出が実行され、擬似連演出の終了後のリーチ変動等の状態において、先読み演出における同色図柄演出の色と同じ色のエフェクト画像を画面全体に表示する演出制御をする。
このような演出制御を行えば、擬似連演出の種類によって、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせることが可能となるので、擬似連演出による演出効果をより一層高めることができる。
なお、擬似連演出の種類によって、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせる例としては、擬似連演出の終了後のエフェクト画像を異ならせることに限らず、擬似連演出の終了後に表示する背景画像を異ならせる、または、擬似連演出の終了後に表示するキャラクタ画像を異ならせる等、その他の画像を異ならせることにより、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせるようにしてもよい。
また、擬似連出の種類によって、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせる例としては、擬似連演出の実行前の先読み演出と関連性を持たせた画像を表示する例に限らず、擬似連演出の実行前の先読み演出と関連性を持たない画像を表示してもよい。
[第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態を説明する。第3の実施形態では、保留表示の態様を変化させるときと、変動対応表示の態様を変化させるときとで、変化演出の種類が異なるようにした例を説明する。第3の実施形態においては、保留変化演出、および、アクティブ変化演出として複数種類の作用演出のうちから選択された作用演出が用いられる。演出制御用CPU101は、保留変化演出と、アクティブ変化演出とで、作用演出の選択割合が異なる。
演出制御用CPU101は、作用演出決定テーブルを用いて、乱数に基づく抽選処理を行ない、作用演出の種類を決定する。「作用演出」とは、保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化する際に保留表示やアクティブ表示に何らかの形式で作用するような態様で実行される演出であり、作用演出が実行されることによって保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化することを示唆することができる。
図29は、作用演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図29(A)は、超短縮変動(変動時間2.0秒)用の作用演出決定テーブルの具体例を示している。また、図29(B)は、短縮変動(変動時間8.0秒)用の作用演出決定テーブルの具体例を示している。また、図29(C)は、通常変動(変動時間12.0秒)用の作用演出決定テーブルの具体例を示している。さらに、図29(D)は、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルの具体例を示している。図29に示すように、この実施形態では、作用演出決定テーブルには、「シフト時変化」や「落雷作用演出」、「役物作用演出」、「キャラクタ作用演出A」、「保留変化図柄作用演出」、「キャラクタ作用演出B」、「リーチ後変化」に対して、それぞれ判定値が割り振られている。
図29に示すように、作用演出が実行される期間は大きく変動開始時と変動中期と変動後期とに区別され、いずれの期間であるかによって実行可能な作用演出の種類が異なっている。図29に示すように、変動開始時に実行可能な作用演出として「シフト時変化」および「落雷作用演出」があり、変動中期に実行可能な作用演出として「役物作用演出」および「キャラクタ作用演出A」があり、変動後期に実行可能な作用演出として「保留変化図柄作用演出」、「キャラクタ作用演出B」および「リーチ後変化」がある(ただし、「リーチ後変化」は、後述するように、アクティブ表示の表示態様を変化する場合にのみ実行可能である)。
「変動開始時」とは、例えば、変動表示を開始してから所定時間(例えば、5秒)経過後)までの期間や、変動表示を開始してから高速変動に移行するまでの期間など、何らかの形式で変動表示の開始から直後までの期間であることを認識できるものであればよい。また、「変動中期」とは、変動開始時の期間を終了してから、例えば、変動終了所定期間(例えば、10秒)前までの期間や、1つ目の演出図柄(例えば、左図柄)が停止表示されるまでの期間、リーチが発生するまでの期間など、何らかの形式で変動表示の中段の期間であることを認識できるものであればよい。また、「変動後期」とは、例えば、変動終了所定期間(例えば、10秒)前から変動表示を終了するまでの期間や、1つ目の演出図柄(例えば、左図柄)が停止表示されてから変動表示を終了するまでの期間、リーチが発生してから変動表示を終了するまでの期間など、何らかの形式で変動表示の後段の期間であることまたは終了直前の期間であることを認識できるものであればよい。
また、予告対象の保留表示を、宝箱を模した態様で表示する演出パターンを用いる場合には、そのまま予告対象の変動表示において「宝箱開放作用演出」が実行されてアクティブ表示の表示態様が変化されることから、図42に示す作用演出決定テーブルには含まれていないが、「宝箱開放作用演出」は変動開始時に実行される作用演出に分類される。
「シフト時変化」とは、作用演出の実行を伴うことなく、保留表示のシフト(変動表示の開始)のタイミングで直ちに予告対象の保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させるものである(従って、「シフト時変化」は厳密には作用演出には含まれない)。また、「落雷作用演出」とは、メイン演出表示装置9において予告対象の保留表示やアクティブ表示に落雷したような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させるものである。また、「役物作用演出」とは、可動部材が可動するような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させるものである。また、「キャラクタ作用演出A」とは、メイン演出表示装置9においてキャラクタAが予告対象の保留表示に作用するような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示の表示態様を変化させるものである。また、「保留変化図柄作用演出」とは、メイン演出表示装置9において予告対象の保留表示が変化することを示唆する保留変化図柄を仮停止表示させるような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示の表示態様を変化させるものである。また、「キャラクタ作用演出B」とは、メイン演出表示装置9においてキャラクタBが予告対象の保留表示に作用するような態様の作用演出を実行して、予告対象の保留表示の表示態様を変化させるものである。さらに、「リーチ後変化」とは、作用演出の実行を伴うことなく、リーチ発生後の所定のタイミングで(例えば、リーチ発生から5秒経過後)アクティブ表示の表示態様を変化させるものである(従って、「リーチ後変化」も厳密には作用演出には含まれない)。
演出制御用CPU101は、始動入賞時判定結果がスーパーリーチはずれ、またはスーパーリーチ大当りのいずれであるかを特定し、作用演出決定テーブルを用いて、特定した入賞時判定結果に応じて割り振られている判定値に基づいて作用演出の種類を決定する。
図29(A)に示すように、超短縮変動(変動時間2.0秒)用の作用演出決定テーブルを用いる場合には、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれであるかスーパーリーチ大当りであるかにかかわらず、100%の確率で変動開始時の「シフト時変化」に決定される。すなわち、超短縮変動の変動表示では変動時間が極めて短く作用演出の演出期間を殆ど確保できないので、保留表示のシフトのタイミングで直ちに予告対象の保留表示の表示態様を変化させるように制御される。
また、図29(B),(C)に示すように、短縮変動(変動時間8.0秒)用の作用演出決定テーブルや通常変動(変動時間12.5秒)用の作用演出決定テーブルを用いる場合には、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」および「キャラクタ作用演出A」、変動後期の「保留変化図柄作用演出」および「キャラクタ作用演出B」のいずれかに決定される。図29(B),(C)に示すように、スーパーリーチ大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれとなる場合と比較して、変動後期の「保留変化図柄作用演出」および「キャラクタ作用演出B」が決定される割合が高くなっている。また、逆に、スーパーリーチ大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれとなる場合と比較して、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」が決定される割合が低くなっている。従って、作用演出が実行されて保留表示が変化するのが変動表示の後半になるに従って、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように、作用演出決定テーブルに判定値が割り振られている。なお、この実施形態で示した態様に限らず、例えば、変動開始時や変動中期に作用演出が実行されて保留表示が変化した場合に、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成してもよい。
また、図29(C)に示す通常変動(変動時間12.5秒)用の作用演出決定テーブルでは、図29(B)に示す短縮変動(変動時間8.0秒)用の作用演出決定テーブルと比較して、変動後期の「保留変化図柄作用演出」および「キャラクタ作用演出B」が決定される割合が高くなっている。また、逆に、図29(C)に示す通常変動(変動時間12.5秒)用の作用演出決定テーブルでは、図29(B)に示す短縮変動(変動時間8.0秒)用の作用演出決定テーブルと比較して、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」が決定される割合が低い。従って、この実施形態では、変動時間が長くなるに従って、変動表示の後半に作用演出が実行されて保留表示が変化される割合が高くなる。なお、変動時間が長くなるに従って、変動開始時や変動中期に作用演出が実行されて保留表示が変化される割合が高くなるようにしてもよい。
今回開始する変動表示でアクティブ表示の変化があれば、演出制御用CPU101は、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルを用いて、乱数に基づく抽選処理を行ない、作用演出の種類を決定する。演出制御用CPU101は、表示結果コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドに基づいて、表示結果がはずれであるか大当りであるかを特定し、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルを用いて、特定した表示結果に応じて割り振られている判定値に基づいて作用演出の種類を決定する。
図29(D)に示すように、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルを用いる場合には、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」、変動後期の「リーチ後変化」のいずれかに決定される。図29(D)に示すように、大当りとなる場合には、はずれとなる場合と比較して、変動中期の「役物作用演出」や変動後期の「リーチ後変化」が決定される割合が高くなっている。また、逆に、大当りとなる場合には、はずれとなる場合と比較して、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」が決定される割合が低くなっている。従って、作用演出が実行されてアクティブ表示が変化するのが変動表示の後半になるに従って、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように、作用演出決定テーブルに判定値が割り振られている。なお、変動開始時や変動中期に作用演出が実行されてアクティブ表示が変化した場合に、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成してもよい。
また、図29(D)に示すように、アクティブ表示変化用の作用演出決定テーブルを用いる場合には、変動開始時の「シフト時変化」および「落雷作用演出」に決定される割合の合計がはずれの場合で30%+30%=60%、大当りの場合でも20%+20%=40%と比較的高くなっている。これは、保留等予告演出の予告対象の変動表示ではスーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ大当りとなることから、リーチ発生後やスーパーリーチ演出の実行中に作用演出を実行してしまうと演出が却って煩わしくなる。そのため、予告対象の変動表示に関しては変動開始時に作用演出を実行してアクティブ表示を変化させる割合を高めている。また、変動中期や変動後期にアクティブ表示を変化させる場合であっても、メイン演出表示装置9における演出を伴わない「役物作用演出」や、厳密には作用演出なしでアクティブ表示を変化させる「リーチ後変化」のみを実行可能としている。
この実施形態では、図29に示すように、変動開始時の「シフト時変化」や「落雷作用演出」および変動中期の「役物作用演出」のように、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合とアクティブ表示の表示態様を変化させる場合とで共通に実行可能な変化態様がある。また、変動中期の「キャラクタ作用演出A」および変動後期の「保留変化図柄作用演出」や「キャラクタ作用演出B」のように、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合にのみ実行可能な変化態様がある。また、変動後期の「リーチ後変化」のように、アクティブ表示の表示態様を変化させる場合にのみ実行可能な変化態様もある。
また、この実施形態では、図29(A)〜(C)に示す保留表示を変化させる際の作用演出を決定するための作用演出決定テーブル、および図29(D)に示すアクティブ表示を変化させる際の作用演出を決定するための作用演出決定テーブルにおいて、入賞時判定結果や表示結果に応じて判定値の割振りを異ならせる場合を示したが、その態様に限られない。例えば、保留等予告演出を通して保留表示やアクティブ表示が何段階に亘って変化したかによって異なる判定値の割振りにより作用演出を決定するようにしてもよい。
また、この実施形態では、作用演出が実行されれば必ず保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化する場合を示したが、そのような態様に限らず、作用演出が実行されても保留表示やアクティブ表示が変化しない場合(いわゆるガセの作用演出を実行する場合)があるように構成してもよい。
また、上記のように、いわゆるガセの作用演出を実行可能に構成する場合、作用演出の種類によって保留表示やアクティブ表示が変化する期待度が異なる(言い換えれば、ガセの作用演出である割合が異なる)ように構成してもよい。この場合、例えば、役物作用演出が実行される場合には、キャラクタ作用演出Aが実行される場合よりも、保留表示が変化する期待度が高い(言い換えれば、キャラクタ作用演出Aの方が役物作用演出よりもガセの作用演出の割合が高い)ようにしてもよい。また、例えば、変動後期の作用演出が実行される場合の方が、変動開始時や変動中期の作用演出が実行される場合と比較して、保留表示やアクティブ表示が変化する期待度が高い(言い換えれば、変動後期の作用演出の方がガセの作用演出の割合が低い)ように構成してもよい。
次に、図29に示した作用演出の実行タイミングについて説明する。図30および図31は、図29に示した作用演出の実行タイミングを説明するための説明図である。図30は、予告対象の変動表示よりも前の変動表示で実行される作用演出の実行タイミングを示す。図31は、予告対象の変動表示で実行される作用演出の実行タイミングを示す。
図30に示すように、予告対象の変動表示よりも前の変動表示においては、「シフト時変化」、「落雷作用演出」、「役物作用演出」、「キャラクタ作用演出A」、「保留変化図柄作用演出」または「キャラクタ作用演出B」を実行して、予告対象の保留表示の表示態様を変化可能である。図30に示すように、「シフト時変化」の場合には、厳密には作用演出の実行を伴うことなく、保留表示のシフト(変動表示の開始)のタイミングで直ちに予告対象の保留表示の表示態様が変化する(変動開始時に分類される)。また、「落雷作用演出」の場合には、変動開始時の期間に落雷作用演出が実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。
また、「役物作用演出」の場合には、変動中期の期間に役物作用演出が実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。また、「キャラクタ作用演出A」の場合には、変動中期の期間にキャラクタ作用演出Aが実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。この実施形態では、図30に示すように、同じ変動中期の期間に実行される作用演出であっても、「役物作用演出」の方が「キャラクタ作用演出A」よりも早いタイミングで実行される作用演出である。なお、この実施形態で示した態様に限らず、同じ変動中期の期間に実行される作用演出であれば、例えば、「役物作用演出」と「キャラクタ作用演出A」とで全く演出期間や演出タイミングが同じであるように構成してもよいし、演出期間が一部共通するように構成してもよい。
「保留変化図柄作用演出」の場合には、変動後期の期間に保留変化図柄作用演出が実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。「キャラクタ作用演出B」の場合には、変動後期の期間にキャラクタ作用演出Bが実行されて、予告対象の保留表示の表示態様が変化する。図30に示すように、同じ変動後期の期間に実行される作用演出であっても、「キャラクタ作用演出B」の方が「保留変化図柄作用演出」よりも早いタイミングで実行される作用演出である。なお、同じ変動後期の期間に実行される作用演出であれば、例えば、「保留変化図柄作用演出」と「キャラクタ作用演出B」とで全く演出期間や演出タイミングが同じであるようにしてもよく、演出期間が一部共通するようにしてもよい。
図31に示すように、予告対象の変動表示においては、「シフト時変化」、「落雷作用演出」、「宝箱開放作用演出」、「役物作用演出」、または「リーチ後変化」を実行して、アクティブ表示の表示態様を変化可能である。図31に示すように、「シフト時変化」の場合には、厳密には作用演出の実行を伴うことなく、保留表示のシフト(変動表示の開始)のタイミングで直ちにアクティブ表示の表示態様が変化する(変動開始時に分類される)。「落雷作用演出」の場合には、変動開始時の期間に落雷作用演出が実行されて、アクティブ表示の表示態様が変化する。「宝箱開放作用演出」の場合には、変動開始時の期間に宝箱作用演出が実行されて、アクティブ表示の表示態様が変化する。図31に示すように、「宝箱開放作用演出」の演出期間は、「落雷作用演出」の演出期間に包含される。なお、同じ変動開始時の期間に実行される作用演出であれば、「落雷作用演出」と「宝箱開放作用演出」とで演出期間や演出タイミングが異なっていてもよいし、逆に全く演出期間や演出タイミングが同じであるようにしてもよい。
また、「役物作用演出」の場合には、変動中期の期間に役物作用演出が実行されて、アクティブ表示の表示態様が変化する。また、「リーチ後変化」の場合には、変動後期の期間において、厳密には作用演出を伴うことなく、リーチ発生後の所定のタイミングで(例えば、リーチ発生から5秒経過後)アクティブ表示の表示態様が変化する。
以上に説明したように、複数種類の変動表示時間(非リーチの変動時間として、通常変動の変動時間12.5秒と、短縮変動の変動時間8.0秒と、超短縮変動の変動時間2.0秒とがある)のうちのいずれかの変動表示時間に亘って変動表示を実行する。また、入賞時判定の判定結果に基づいて、保留表示の表示態様を変化させる変化演出(作用演出)を実行可能である。そして、複数種類の変動表示時間のうちの短い変動表示時間に亘って変動表示が実行されるときと、複数種類の変動表示時間のうちの長い変動表示時間に亘って変動表示が実行されるときとで、変化演出(作用演出)を実行可能なタイミングの数が異なる(図29(A)に示すように、超短縮変動の変動表示では変動開始時の「シフト時変化」のみ実行可能であり、図29(B),(C)に示すように、短縮変動と通常変動の変動表示では変動開始時に加えて変動中期や変動後期の作用演出を実行可能である)。そのため、変動表示時間に応じて変化演出(作用演出)が実行されるタイミングが変化するので、変化演出(作用演出)の演出効果を向上させることができる。
以上に説明した第3の実施形態では、演出制御用CPU101は、図29(D)のように、アクティブ表示の表示態様を変化させる場合には、変動開始時の「シフト時変化」、「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」、および、変動後期の「リーチ後変化」を実行可能であるのに対して、図29(A)〜(C)のように、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合には、変動開始時の「シフト時変化」、「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」、「キャラクタ作用演出A」、および、変動後期の「保留変化図柄作用演出」、「キャラクタ作用演出B」を実行可能である。これにより、第3の実施形態では、保留表示の態様を変化させるときと、アクティブ表示の態様を変化させるときとで、変化演出の種類が異なるので、変化演出の演出効果を向上させることができる。
次に、前述した実施形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図22(B)のように、特別演出としての擬似連演出における同色図柄演出とNEXT図柄演出との演出種類に応じて、アクティブ変化示唆演出の実行割合が異なるので、擬似連演出が実行されるときに、擬似連演出の種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行される割合が異なるので、擬似連演出とクティブ変化示唆演出とに関連性を持たせてこれらの演出に関する興趣を向上させることができる。
(2) 図22(C)のように、同色図柄演出とNEXT図柄演出とのような演出種類に応じて、アクティブ変化演出の実行割合が異なることにより、擬似連演出が実行されるときに、擬似連演出の種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行された後にアクティブ表示の態様が変化する割合が異なるので、擬似連演出とアクティブ変化示唆演出とに関連性を持たせてこれらの演出に関する興趣を向上させることができる。
(3) 図22(A)のように、擬似連における同色図柄演出とNEXT図柄演出との演出種類に応じて、大当り遊技状態に制御される割合が異なることにより、擬似連演出の演出種類に基づいて、これらの演出に関する遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 図27のように、スロット演出および作用演出のような複数種類のアクティブ変化示唆演出パターンのうち、スロット演出および作用演出のような特定のアクティブ変化示唆演出パターンが実行される割合が、同色図柄演出およびNEXT図柄演出のような擬似連演出の演出種類に応じて異なるので、遊技者を擬似連演出の演出種類に注目させることができる。
(5) 図14(D)のように先読み演出として同色図柄演出を実行し、図14(H)のように擬似連演出として同色図柄演出を実行可能であることにより、先読み演出の演出態様と少なくとも一部が共通する演出態様で擬似連演出が実行可能であるので、擬似連演出が実行されているときに、先読み演出が実行されていると遊技者が錯覚する場合が生じる等、擬似連演出と先読み演出との演出の共通化によりこれらの演出に関する興趣をより一層向上させることができる。
(6) 図23の青同色演出、緑同色演出、および、赤同色演出のように、先読み演出時の同色図柄演出パターン履歴に応じて、先読み演出時に実行された同色図柄演出パターンの大当り期待度以上の期待度の同色図柄演出パターンで、擬似連演出を実行可能である。これにより、先読み演出と共通態様の同色図柄演出での擬似連演出を実行する変動表示が実行される前に実行された先読み演出の演出態様における期待度以上の期待度の演出態様で、擬似連演出が実行可能であるので、先読み演出の演出態様における期待度以上の期待度の演出態様で擬似連演出が実行されるか否かに遊技者を注目させることができ、これらの演出に関する興趣を向上させることができる。
(7) 図14(A)〜(D)、図19の先読み演出時の保留変化示唆演出パターンと、図14(E)〜(I)、図27の擬似連演出時のアクティブ変化示唆演出パターンとに示すように、先読み演出時の保留変化示唆演出を引継いだ態様で擬似連演出時のアクティブ変化示唆演出を実行可能であるので、先読み演出と擬似連演出とを一連の演出態様とすることができ、これらの演出に関する興趣を向上させることができる。
(8) 図14、図17〜図18、図24〜図26に示すように、保留表示およびアクティブ表示は、保留表示で変化した後アクティブ表示でも変化するというように、段階的に変化可能であるので、アクティブ表示の態様がどの段階まで変化するかに遊技者を注目させることができ、演出の興趣を向上させることができる。
(9) 第2の実施形態に示したように、擬似連演出の種類によって、擬似連演出終了後の演出態様の一部を異ならせることが可能となるので、擬似連演出による演出効果をより一層高めることができる。
(10) 第3の実施形態に示したように、図29(D)のように、アクティブ表示の表示態様を変化させる場合には、変動開始時の「シフト時変化」、「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」、および、変動後期の「リーチ後変化」を実行可能であるのに対して、図29(A)〜(C)のように、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる場合には、変動開始時の「シフト時変化」、「落雷作用演出」、変動中期の「役物作用演出」、「キャラクタ作用演出A」、および、変動後期の「保留変化図柄作用演出」、「キャラクタ作用演出B」を実行可能である。これにより、第3の実施形態では、保留表示の態様を変化させるときと、アクティブ表示の態様を変化させるときとで、変化演出の種類が異なるので、変化演出の演出効果を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の実施形態では、演出表示装置として、2つの演出表示装置を用いる例を示したが、これに限らず、1つの演出表示装置を用いてもよい。
(2) 変動表示を開始させてから表示結果を導出表示させるまでに、変動表示を仮停止した後に当該変動表示を再開させる特別演出である擬似連演出としては、同色図柄演出と、NEXT図柄演出と代表例として示し、ストーリー擬似連演出を追加的に示した。しかし、これに限らず、特別演出である擬似連演出としては、擬似連チャンス目と呼ばれる予め定められた擬似連図柄の組合せを仮停止する擬似連演出、および、「継続」または「LOOP」等の擬似連の継続を示唆する文字等の所定の画像を、数字図柄に加えて、または、数字図柄とは別に表示することにより仮停止表示する擬似連演出等のその他の擬似連演出を用いてもよい。
(3) 前述した実施形態では、擬似連演出の種類に応じて、アクティブ変化示唆演出が実行された後にアクティブ表示の態様が変化する割合が異なる例として、複数種類の擬似連演出のすべての演出について、アクティブ変化示唆演出が実行可能な例を示したが、これに限らず、アクティブ変化示唆演出が実行されない(アクティブ変化示唆演出の選択割合が0%)種類の擬似連演出が、複数種類の擬似連演出中に含まれてもよい。
(4) 前述した実施形態では、始動入賞に基づく新たな保留記憶情報が発生した時点で、先読み演出での保留変化演出パターンと、アクティブ変化演出パターンとの両方を先に選択して、記憶データとして記憶しておき、その記憶データに基づいて、アクティブ表示がされたときのアクティブ変化演出を実行するようにしてもよい。
(5) 前述した実施形態では、図23に示すように、同色図柄演出を実行するときに、先読み演出時と擬似連演出時とで、同色図柄演出の演出態様(演出色)が変化し得る例を示した。しかし、これに限らず、先読み演出時と擬似連演出時とで、同色図柄演出の演出態様(演出色)が必ず維持されることにより、先読み演出時と擬似連演出時とで、同じ演出態様の同色図柄演出が実行されるようにしてもよい。
(6) 図19および図27に示すように、保留変化示唆演出とアクティブ変化示唆演出とで、演出の選択により、継続して同じ演出が実行される場合と、異なる演出が実行される場合とが生じ得るが、保留変化示唆演出が実行されたときは、保留変化示唆演出の演出と同じ演出がアクティブ変化示唆演出でも必ずされてもよい。
(7) 前述した実施形態では、図15(D)および図20に示すように、保留変化示唆演出が実行されるときには、必ず保留変化演出が実行される例を示した。しかし、これに限らず、保留変化示唆演出が実行されるときでも、所定の割合で保留変化演出が実行さないようにしてもよい。逆に、前述した実施形態では、図22(B),(C)および図28に示すように、アクティブ変化示唆演出が実行されるときでも、所定の割合でアクティブ変化演出が実行されない例を示した。しかし、これに限らず、アクティブ変化示唆演出が実行されるときには、必ずアクティブ変化演出が実行されるようにしてもよい。
(8) 前述した実施形態では、先読み演出として同色図柄演出を実行する場合において、同色図柄演出を実行することが決定されたときに、その決定時点で存在しているすべての保留記憶情報に基づく変動表示の回数分の同色図柄演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、同色図柄演出を実行することが決定されたときに、合計4個の保留記憶情報が存在しているときに、先読みターゲットの保留記憶情報の変動表示結果の先読みに基づいて、大当り表示結果となるときに、はずれ表示結果となるときよりも多い回数の同色図柄演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。そのようにすれば、先読み演出において同色図柄演出が実行される回数により、大当りの期待度が異なり得るので、遊技の興趣を向上させることができる。また、同様に、擬似連演出での同色図柄演出の実行回数についても、同様に、変動表示が大当り表示結果となるときに、はずれ表示結果となるときよりも多い回数の同色図柄演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。そのようにすれば、擬似連演出において同色図柄演出が実行される回数により、大当りの期待度が異なり得るので、遊技の興趣を向上させることができる。また、このような先読み演出での同色図柄演出が実行される回数の制御と、擬似連演出での同色図柄演出が実行される回数の制御とを組合せることにより、先読み演出での同色図柄演出が実行される回数と、擬似連演出での同色図柄演出が実行される回数との合計数の多少により、大当りとなる期待度が異なるようにする演出制御(たとえば、大当りとなる期待度が高い程、合計回数が多くなる割合が高い等)を実行してもよい。
(9) 前述した実施形態では、保留変化およびアクティブ変化演出のそれぞれにおいて、変化回数が1回のみの例を示したが、これに限らず、保留変化およびアクティブ変化演出のそれぞれについて、変化回数が1回または複数回(たとえば、白→青→緑というように複数段階で変化する等)から選択されるようにしてもよい。
(10) 前述した実施形態では、先読み演出において同色図柄演出を実行するときと、擬似連演出において同色図柄演出を実行するときとで、保留変化演出またはアクティブ変化演出のような変化演出が実行される期待度を異ならせてもよい。また、先読み演出において同色図柄演出を実行するときと、擬似連演出において同色図柄演出を実行するときとで、保留変化演出またはアクティブ変化演出のような変化演出が実行されるときの変化回数の選択割合を異ならせてもよい。また、先読み演出において同色図柄演出を実行するときと、擬似連演出において同色図柄演出を実行するときとで、保留変化演出またはアクティブ変化演出のような変化演出が実際に実行される割合を異ならせてもよい。また、先読み演出において同色図柄演出を実行するときと、擬似連演出において同色図柄演出を実行するときとで、保留変化演出またはアクティブ変化演出のような変化演出が実行されたときに大当りとなる期待度が異なるようになる演出制御を実行してもよい。
(11) 前述した実施形態では、先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、同色図柄演出の種類に応じて、保留変化演出が実行される期待度を異ならせてもよい。先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、保留変化演出が実行されるときの変化回数の選択割合を異ならせてもよい。先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、保留変化演出が実際に実行される割合を異ならせてもよい。先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じ、大当りとなる期待度が異なるようになる演出制御をしてもよい。
(12) 前述した実施形態では、擬似連演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、アクティブ変化演出が実行される期待度を異ならせてもよい。また、擬似連演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、アクティブ変化演出が実行されるときの変化回数の選択割合を異ならせてもよい。また、擬似連演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、アクティブ変化演出が実際に実行される割合を異ならせてもよい。また、擬似連演出において複数種類の同色図柄演出を実行可能であり、実行される同色図柄演出の種類に応じて、大当りとなる期待度が異なるようになる演出制御を実行してもよい。
(13) 前述した実施形態では、先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行するか否かにより、複数種類設けられた保留変化演出のうちの実行される保留変化演出の種類を異ならせてもよい。また、先読み演出において複数種類の同色図柄演出を実行するか否かにより、複数種類設けられた保留変化演出のうちの実行される保留変化演出の種類の選択割合を異ならせてもよい。
(14) 前述した実施形態では、先読み演出において同色図柄演出を実行するときと、擬似連演出において同色図柄演出を実行するときとのそれぞれについて、特定の先読み演出と重複して実行されたときの方が、重複して実行されないときと比べて、保留変化演出またはアクティブ変化演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。
(15) 前述した実施形態では、NEXT図柄演出について、先読み演出として実行されない例を示したが、これに限らず、NEXT図柄演出は、先読み演出として、変動表示が実行されるごとにNEXT図柄が所定タイミングで表示されるようにしてもよい。
(16) 前述した実施形態において、図19および図27に示す保留変化示唆演出パターンは、「変化」の図柄が停止したときに、保留表示またはアクティブ表示が変化する演出が実行されるが、その「変化」の図柄の文字色を青、緑、赤等の複数種類設け、停止した「変化」の図柄の文字色により、保留表示またはアクティブ表示の色の変化段階数を異ならせてもよい。たとえば、停止した「変化」の図柄の「文字」の文字が青色であると、「白→青」というように1段階変化し、停止した「変化」の図柄の「文字」の文字が緑色であると、「白→緑」というように2段階変化するようにしてもよい。
(17) 前述した実施形態では、アクティブ表示の態様が変化する演出の実行頻度について、擬似連2回、擬似連3回、擬似連4回というような擬似連の種類によって、実行頻度が異なるようにしてもよく、実行頻度が同じとなるようにしてもよい。また、アクティブ表示の態様が変化することを示唆する変化示唆演出について、アクティブ表示の態様の変化が成功するか否かを問わず、擬似連の種類によって、実行頻度が異なるようにしてもよく、実行頻度が同じとなるようにしてもよい。また、アクティブ表示の態様が変化する演出の実行頻度、および、アクティブ表示の態様が変化することを示唆する変化示唆演出の全般について、擬似連の種類によって、実行頻度が異なるようにしてもよく、実行頻度が同じとなるようにしてもよい。また、アクティブ表示が変化する演出の成功割合(変化示唆演出が実行されたときの変化成功割合)について、擬似連の種類によって、成功割合が異なるようにしてもよく、成功割合が同じとなるようにしてもよい。また、アクティブ表示の態様が変化することを示唆する変化示唆演出について、擬似連の種類によって、演出態様が異なるようにしてもよく、演出態様が同じとなるようにしてもよい。
(18) 前述した実施形態では、保留記憶数が2以上ないときに先読み演出を実行しない例を示した。しかし、これに限らず、保留記憶数が2以上ないときであっても、先読み演出を実行するようにしてもよい。
(19) 前述した実施形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、遊技者にとって有利な有利状態は、高確率状態(確変状態)、時短状態、および高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(20) 前述した実施形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
以下、本発明の第4の実施形態、第5の実施形態について図面(第4の実施形態(図32〜図75)、第5の実施形態(図76))を参照して説明する。
なお、第4の実施形態、第5の実施形態では、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態において既に説明した内容の一部又は全部について再度説明(第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態と同様の表現又は異なる表現にて説明)する場合や、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態において既に説明した内容の一部又は全部について説明を省略する場合や、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態において説明を省略した内容の一部又は全部について説明する場合がある。
また、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態と第4の実施形態、第5の実施形態では、同一又は同様の対象について異なる名称を用いる場合がある。一例として、第1の実施形態〜第3の実施形態における「メイン演出表示装置9」を第4の実施形態、第5の実施形態では「演出表示装置9」と称し、第1の実施形態〜第3の実施形態における「表示結果1指定(はずれ指定)コマンド」「表示結果2指定(通常大当り指定)コマンド」「表示結果3指定(確変大当り指定)コマンド」を第4の実施形態、第5の実施形態では「表示結果1指定(はずれ指定)コマンド」「表示結果2指定(15R確変大当り指定)コマンド」「表示結果3指定(8R確変大当り指定)コマンド」「表示結果5指定(突然確変大当り指定)コマンド」「表示結果6指定(小当り指定)コマンド」と称し、第1の実施形態〜第3の実施形態における「大当り開始1指定コマンド」「大当り開始2指定コマンド」を、第4の実施形態、第5の実施形態では「大当り開始指定コマンド」「小当り/突然確変大当り開始指定コマンド」と称し、第1の実施形態〜第3の実施形態における「大当り終了1指定コマンド」「大当り終了2指定コマンド」を第4の実施形態、第5の実施形態では「大当り終了指定コマンド」「小当り/突然確変大当り終了指定コマンド」と称し、第1の実施形態〜第3の実施形態における「通常状態指定コマンド」「時短状態指定コマンド」「確変状態指定コマンド」を、第4の実施形態、第5の実施形態では「通常状態背景指定コマンド」「高確率高ベース背景指定コマンド」「高確率低ベース状態背景指定コマンド」と称し、第1の実施形態〜第3の実施形態における「第1保留記憶数指定コマンド」「第2保留記憶数指定コマンド」を第4の実施形態、第5の実施形態では、「合算保留記憶数指定コマンド」「合算保留記憶数減算指定コマンド」と称し、第1の実施形態〜第3の実施形態における「変動種別コマンド」を第4の実施形態、第5の実施形態では「変動カテゴリ指定コマンド」と称する場合がある。
ここで、遊技機として、遊技媒体である遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、識別情報を可変表示(「変動」ともいう。)可能な可変表示装置が設けられ、可変表示装置において識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合に、遊技状態(遊技機の状態。よって、具体的には、遊技機が制御されている状態。)を変更して、所定の遊技価値を遊技者に与えるように構成されたものがある(いわゆるパチンコ機)。
また、所定の遊技媒体を1ゲームに対して所定数の賭数を設定した後、遊技者がスタートレバーを操作することにより可変表示装置による識別情報の可変表示を開始し、遊技者が各可変表示装置に対応して設けられた停止ボタンを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で識別情報の可変表示を停止し、全ての可変表示装置の可変表示を停止したときに導出された表示結果に従って入賞が発生し、入賞に応じて予め定められた所定の遊技媒体が払い出され、特定入賞が発生した場合に、遊技状態を所定の遊技価値を遊技者に与える状態にするように構成されたものがある(いわゆるスロット機)。
なお、遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が、打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態になるための権利を発生させたりすることや、賞球払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
パチンコ遊技機では、始動入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて可変表示装置において開始される特別図柄(識別情報)の可変表示の表示結果として、あらかじめ定められた特定の表示態様が導出表示された場合に、「大当り」が発生する。なお、導出表示とは、図柄(最終停止図柄)を最終的に停止表示させることである。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば、10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば、15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば、29秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。以下、各々の大入賞口の開放期間をラウンドということがある。また、ラウンドにおける遊技をラウンド遊技ということがある。
また、可変表示装置において、最終停止図柄(例えば、左中右図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定の表示結果と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、可変表示装置に変動表示される図柄の表示結果が特定の表示結果でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
そのような遊技機において、例えば、参考文献には、可変表示に対応する特定表示(例えば、当該保留アイコン)を表示し、特定表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を行った後、特定表示の表示態様を変化させることが記載されている(参考文献:特開2014−208082号公報)。
しかしながら、参考文献に記載された遊技機では、示唆演出の態様により変化後の特定表示の表示態様(すなわち大当りに対する信頼度)が示唆されるが、示唆演出の態様や実行されるタイミングによっては、大当りとなる可能性が低いことが示唆されることになり、遊技の興趣を低下させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
第4の実施形態、第5の実施形態に係る遊技機は、以下のようなものである。
(A1)本発明による遊技機は、可変表示(例えば、第1特別図柄や第2特別図柄、演出図柄の可変表示)を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、実行中の可変表示に対応する特定表示(例えば、アクティブ表示)を表示可能な特定表示手段(例えば、アクティブ表示部18d)と、特定表示の表示態様を第1態様(例えば、第2表示態様(緑)や第3表示態様(赤))と該第1態様よりも有利状態に制御される期待度が低い第2態様(例えば、第1表示態様(青))と、を含む複数の表示態様のうちのいずれかに変化させる変化演出(例えば、アクティブ表示変化演出)を実行可能な変化演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS18006やS18105を実行する部分)と、可変表示中の第1タイミング(例えば、図69に示す変動開始後、スーパーリーチ開始前の第1タイミング)と該第1タイミングよりも後の第2タイミング(例えば、図69に示すスーパーリーチ開始後、変動停止前の第2タイミング)とにおいて、特定表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS18006やS18105を実行する部分)と、第2タイミングにおいて、特定表示の表示態様が第2態様に変化することを示唆する示唆演出を実行することを制限する示唆演出制限手段(例えば、図71(B)に示すように、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する真示唆演出が実行される変化パターン2−3に決定しないようにするとともに、図71(A)に示すように、変化パターン2−1では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を禁止している)と、を備えたことを特徴とする。
そのような構成によれば、遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
(A2)A1において、可変表示が開始された後に、有利状態に制御されるか否かを報知する特定演出(本例では、スーパーリーチ)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS18006やS18105を実行する部分)を備え、第2タイミングは、特定演出が実行されている期間(本例では、図69に示すスーパーリーチ開始後、変動停止前の第2タイミング)に到来するように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、特定演出に対する期待感を維持することができる。
(A3)A1またはA2において、示唆演出実行手段は、第2タイミングにおいて、特定表示の表示態様が第2態様よりも有利状態に制御される期待度が高い表示態様(例えば、第2表示態様(緑)や第3表示態様(赤))に変化することを示唆する示唆演出を実行可能であるように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、第2タイミングにおいて実行される示唆演出に対する期待感を維持することができる。
(A4)A1またはA2において、示唆演出実行手段は、期待度が異なる複数の演出態様(例えば、演出後のアクティブ表示の表示態様が変化する(すなわち真示唆演出である)期待度や、大当りとなる期待度などが異なる第1態様と第2態様)の示唆演出を実行可能である(図71(D)参照)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
(A5)A1からA4のいずれかにおいて、示唆演出実行手段は、演出後に特定表示の表示態様が変化する第1示唆演出(例えば、真示唆演出)と、演出後に特定表示の表示態様が変化しない第2示唆演出(例えば、偽示唆演出)とを実行可能であり、第1タイミングよりも第2タイミングの方が、第1示唆演出を実行する割合が高い(例えば、図71(C)に示めされるように、第2タイミングよりも第1タイミングの方が偽示唆演出を実行する割合が高い。すなわち、第1タイミングよりも第2タイミングの方が真示唆演出を実行する割合が高い)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、第2タイミングにおいて実行される示唆演出に注目させることができる。
(A6)A1からA5のいずれかにおいて、示唆演出実行手段は、複数の表示態様のうちのいずれの表示態様に変化することを示唆するかに関わらず、少なくとも一部が共通する態様により示唆演出を実行する(例えば、アクティブ表示がいずれの表示態様に変化するかを示唆するときにも、キャラクタAが登場する第1態様またはキャラクタBが登場する第2態様により実行される。図75参照)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、示唆演出を認識しやすくすることができる。
(A7)A1からA6のいずれかにおいて、可変表示を実行可能な可変表示手段(例えば、演出表示装置9)を備え、可変表示手段は、可変表示が開始されてから可変表示の表示結果が導出表示されるまでに可変表示を所定回数実行する所定可変表示(例えば、擬似連演出)を実行可能であり、特定表示は、所定可変表示の種類に応じて、表示態様が変化するタイミングが異なる(例えば、アクティブ表示の表示態様を変化させるアクティブ表示変化演出の実行タイミングが、大当り判定の有無に応じて決定された擬似連演出パターンに応じた決定割合で決定される。図76参照)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、演出を多様化させ、遊技の興趣を向上させることができる。
[第4の実施形態]
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図32はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図34を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図34を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図34を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図34を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図34を参照)が設けられていればよい。図32に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われたりするなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(15R確変大当りや、8R確変大当り、突然確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(15R確変大当りや、8R確変大当り、突然確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
遊技盤6における中央部の右側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。第1特別図柄表示器8aの右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施形態では、図32に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。この実施形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることによって、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、この実施形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とが、遊技球を模した画像として第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤枠で表示され、第2保留記憶は青枠で表示される)。
本実施形態において、合算保留記憶表示部18cにおいて表示される保留表示の表示態様として、赤色である「赤」、緑色である「緑」、青色である「青」、白色である「白」が設けられている。保留表示の示す大当りの信頼度(以下、大当り期待度ともいう)は、「赤」>「緑」>「青」>「白」の順に高い。例えば、始動入賞が発生した際に、保留予告演出を実行するか否かを判定し、保留予告演出を実行する場合には、いずれの表示態様を上限として保留表示を表示するかを大当りとなることに対する信頼度にもとづいて決定し、決定した表示態様を上限として保留表示を表示する。なお、保留予告演出を実行するか否かにかかわらず、始動入賞が発生したときに「白」の表示態様にて保留表示を開始するものである。
また、本実施形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、未だ変動が行われていない保留記憶に対する保留表示が行われるとともに、該保留記憶に対する変動表示を開始してから終了するまでの間、該保留記憶に対する保留表示を、合算保留記憶表示部18cとは異なるアクティブ表示部18dにおいて継続して表示し続ける。すなわち、該アクティブ表示部18dにおいて、実行中の変動表示に対応したアクティブ表示(変動表示対応画像)が表示されることとなる。アクティブ表示は、実行中の変動にもとづいて大当りが発生することに対する信頼度を示す画像である。アクティブ表示としては、上述した保留表示と同一の画像(遊技球を模した画像であり、表示態様としては赤色である「赤」、緑色である「緑」、青色である「青」、白色である「白」が設けられている。大当りの信頼度は、「赤」>「緑」>「青」>「白」の順に高い。)が表示される。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図32に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の左側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である高確率状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。ただし、後述する高確率/低ベース状態を除く。)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施形態では、所定の種別の大当りとなった場合には、大当り遊技終了後にいわゆる確変状態に移行され、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。なお、この実施形態では、大当りとなった場合には必ず高確率状態に移行されるのであるが、大当りとなった場合に、高確率状態以外にいわゆる時短状態(例えば、低確率状態、且つ、高ベース状態)に移行される場合もあるように遊技機を構成してもよい。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄であったりする場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図33は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図33は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、高確率フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図34は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図34に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ110および入力ポート111を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ110に入力する。入力ドライバ110は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図34には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図33に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート114を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート115を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート116を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート113を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート113を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート112を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図35は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS141〜S143の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS141)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS142)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS141およびS142の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、高確率フラグ、高ベースフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS143)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(15R確変大当り、8R確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS144)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS144において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図44参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS144で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、一部の場合を除いて、リーチ演出が実行される。本実施形態では、詳細は後述するが、リーチ状態とならずに大当り図柄が停止表示する変動パターンとして「リーチなし大当り」(「突発大当り」ともいう)が設けられている。なお、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示されることとしてもよい。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図36に示すステップS120〜S134のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS120)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS121)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS122)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS132,S133で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS123)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS124,S125)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS126)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS127)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS128)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS129)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS130)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS131:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS132)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS133)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS122において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS134)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS121〜S133(ステップS129を除く。)の処理に相当する。また、この実施形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」または「非リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、大当り種別が全て確変大当りであるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、本実施形態に示すように、高確率状態に移行されるのみで高ベース状態を伴わない突然確変大当りを設けるようにすることが好ましい。
図37は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図37に示すように、この実施形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図37に示すように、リーチしない場合に使用される擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図37に示すように、この実施形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−5、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図37において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図37に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。また、非リーチPA1−5を用いる場合には、リーチ演出を行わずに大当りとなる。以下、リーチ演出を行わない大当りを「突発大当り」ということがある。
なお、この実施形態では、図37に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図38は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する15R確変大当り、8R確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
なお、この実施形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施形態では、後述するように、15R確変大当り、8R確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3と、突発大当りのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA3−4とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
図36に示された遊技制御処理におけるステップS123では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図39(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図39(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図39(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図39(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
なお、この実施形態では、確変状態には、大当り抽選において大当りと決定される確率を高めた高確率状態に移行されるとともに、高ベース状態にも移行された状態である場合と、高確率状態にのみ移行され高ベース状態には移行されていない(低ベース状態である)状態である場合との2つのケースがあるが、いずれのケースの場合であっても、確変状態である場合には確変時大当り判定テーブルが用いられ、それ以外の場合に通常時大当り判定テーブルが用いられる。なお、後述するように、この実施形態では、15R確変大当りまたは8R確変大当りとなると、大当り遊技終了後に高確率状態に移行されるとともに高ベース状態に移行される。そして、大当り終了後、変動表示を70回終了するまで確変状態および高ベース状態が継続する。また、突然確変大当りとなると、大当り遊技終了後に高ベース状態には移行されずに高確率状態に移行される。そして、大当り終了後、変動表示を70回終了するまで確変状態が継続する。従って、この実施形態では、突然確変大当りの大当り終了後、70回目の変動表示を終了するまでの間、高確率状態のみに移行され、高ベース状態には移行されていない(低ベース状態である)確変状態となる場合がある。
図39(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図39(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図39(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図39(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図39(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図39(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R確変大当り、8R確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図39(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図39(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図39(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施形態では、図39(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図39(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図39(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図39(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「15R確変大当り」、「8R確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施形態では、図39(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施形態では、図39(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての15ラウンドの確変大当り「15R確変大当り」および8ラウンドの確変大当り「8R確変大当り」とに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施形態では、図39(D),(E)に示すように、大当り種別として、「15R確変大当り」、「8R確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンド、8ラウンドおよび2ラウンドの3種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施形態で示したものに限られない。例えば、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りや、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施形態では、大当り種別が「15R確変大当り」、「8R確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「15R確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施形態では、高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するステップS1166〜S1170参照)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高ベース状態および高確率状態が終了する(ステップS1168,S1144,ステップS1170,S1140参照)。
「8R確変大当り」とは、8ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施形態では、高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するステップS1166〜S1170参照)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高ベース状態および高確率状態が終了する(ステップS1168,ステップS1144,ステップS1170,ステップS1140参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「15R確変大当り」や「8R確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「15R確変大当り」や、「8R確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施形態では、高ベース状態には移行されずに高確率状態のみに移行される。)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高確率状態が終了する。
なお、前述したように、この実施形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。なお、この実施形態で示すように大当り種別が全て確変大当り(この実施形態では、15R確変大当り、8R確変大当り、突然確変大当り)であるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、この実施形態のように大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、高確率状態に移行されるのみで高ベース状態を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R確変大当り」、「8R確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
なお、本実施形態では、上述したように、高確率状態へ移行する大当り種別のみを有することとしたが、高確率状態へ移行しない大当り(いわゆる、通常大当り)を有することとしてもよい。また、高確率状態に移行した場合、所定回数の変動表示を行うことを契機に通常状態へ移行することにより高確率状態を終了するものとしたが、通常大当りを有する構成とした場合、高確率状態に回数制限を設けずに、通常大当りが発生することを契機に通常状態へ移行することで高確率状態を終了する構成としてもよい。
また、本実施形態では、発生した大当りの大当り種別にもとづいて確変状態へ移行可能とするが、これに限るものではない。例えば、大入賞口内に遊技球が通過可能な特定領域が設けられており、大当り中に該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態へ移行する一方、大当り中に該特定領域を遊技球が通過しなかった場合に通常状態へ移行するようなものであってもよい。その場合、大当り種別によって特定領域への遊技球の通過しやすさを変化させることにより、実質的な確変大当りおよび非確変大当りを実現するものであってもよい。例えば、大当り種別によって大入賞口の開放時間を異ならせることにより、特定領域への遊技球の通過のしやすさを変化させることとしてもよい。具体的には、大入賞口の開放時間が長い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しやすい大当り(実質的な確変大当り)とし、大入賞口の開放時間が短い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しにくい大当り(実質的な非確変大当り)としてもよい。
なお、本実施形態では、15R確変大当りまたは8R確変大当りが発生したときに高確率状態と高ベース状態とに移行するとともに、70回の変動表示を終了すると高確率状態と高ベース状態とを終了する構成としたが、各遊技状態に移行してから終了するまでの変動表示の回数は、高確率状態と高ベース状態とで同数でなくてもよい。例えば、大当り終了後に70回の変動表示を終了した際に高ベース状態を終了し、71回の変動表示を終了した際に高確率状態を終了することとしてもよい。
また、本実施形態では、突然確変大当りが発生したときには、大当り終了後に高ベース状態には移行せずに高確率状態のみに移行することとしたが、これに限らず、15R確変大当りや8R確変大当りの発生時と同様に、確変状態と高ベース状態とに移行することとしてもよい。また、突然確変大当りが発生した際の遊技状態にもとづいて、高ベース状態に移行するか否かを決定することとしてもよい。例えば、高ベース状態において突然確変大当りが発生した場合は高ベース状態に移行する一方、低ベース状態において突然確変大当りが発生した場合は高ベース状態に移行しないこととすれば、突然確変大当りおよび小当りのいずれが発生したのかを遊技者に認識させにくくすることができる。
図40(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1、ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2、非リーチCA3−4の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「8R確変大当り」である場合に用いられる図40(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「15R確変大当り」である場合に用いられる図40(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1、ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、非リーチCA3−4の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。なお、本実施形態では、「突発大当り」である非リーチCA3−4は、「8R確変大当り」または「15R確変大当り」に割り当てられているものとしたが、「突然確変大当り」にも割り当てられていてもよいし、また、15R確変大当りにのみ割り当てられていることとしてもよいし、8R確変大当りにのみ割り当てられていることとしてもよい。
なお、図40(A),(B)に示すように、この実施形態では、「15R確変大当り」または「8R確変大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜221であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、8R確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび15R確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、15R確変大当りや8R確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図40(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施形態では、図40(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図41(A)〜(D)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dを示す説明図である。このうち、図41(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図41(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、図41(C)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/高ベース状態(15R確変大当りや8R確変大当りによる大当り終了後、70回目の変動表示を終了するまでの状態)である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。また、図41(D)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/低ベース状態(突然確変大当りによる大当り終了後、70回目の変動表示を終了するまでの状態)である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図41(C),(D)に示すように、この実施形態では、確変状態である場合であっても、突然確変大当りによる大当り終了後の変動表示が行われる場合には、15R確変大当りや8R確変大当りによる大当り終了後の変動表示が行われる場合までと比較して、スーパーリーチを伴う変動パターンが選択される割合が高い。そのようにすることによって、この実施形態では、突然確変大当りによる大当り終了後の高確率状態では高い確率でスーパーリーチの変動表示を行うようにすることによって、高確率状態であることに対する遊技者の期待感を高めている。
また、確変状態が終了する所定回数前(例えば、5回前)の変動表示から最終回の変動表示にわたってスーパーリーチとなる割合を高めるように構成することにより、確変状態の終了直前の大当りに対する遊技者の期待感を高めることとしてもよい。この場合、例えば、大当り終了時に後述する高確率回数カウンタや高ベース回数カウンタに75回をセットするようにし(例えば、高確率回数カウンタおよび高ベース回数カウンタの両方に75をセットして、75回の変動表示を終了するまで高確率/高ベース状態が継続するようにしてもよく、高確率回数カウンタに75をセットし、高ベース回数カウンタに70をセットして、確変状態が終了する5変動前から最終回の変動表示までは高確率/低ベース状態に制御するようにしてもよい。なお、確変状態が終了する5変動前から最終回の変動表示までは高確率/低ベース状態に制御する場合には、この実施形態で示したものと同様の制御に従い、高確率フラグや高ベースフラグを確認することによって、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C,135Dを選択するようにしてもよい(ステップS195,S196,S1100,S1101参照)。)、変動表示の開始時に、高確率回数カウンタや高ベース回数カウンタの値が残り所定数(例えば5)以内となっているか否か(確変状態の残り回数が所定回数以内となっているか否か)を確認し、所定数(例えば5)以内となっていれば、図41(D)に示すスーパーリーチの割合を高めたはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dを選択するようにし、カウンタの値がまだ所定数(例えば5)より多ければ、図41(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを選択するようにしてもよい。なお、確変状態が終了する所定回数前(例えば、5回前)の変動表示からスーパーリーチとなる割合を高めるように構成する場合の制御方法は、この実施形態に示したものにかぎらず、例えば、高確率回数カウンタには、この実施形態と同様に71をセットし、逆に高ベース回数カウンタに66をセットすることによって、確変状態が終了する5変動前から最終回の変動表示までは高確率/低ベース状態に制御するようにし、高確率回数カウンタの値が残り5以内となっているか否かを確認することによって、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C,135Dを選択するようにしてもよい。また、大当り後の変動回数を高確率回数カウンタや高ベース回数カウンタのカウント値にもとづいて判断するのではなく、他のカウンタを用いて判断するようにしてもよい。例えば、大当り遊技終了後の変動回数をカウントするカウンタを設けるようにし、そのカウンタのカウント値が所定範囲(例えば、71〜75または66〜71。)であるか否かを確認することによって、確変状態が終了する5変動前から最終回の変動表示までの間であるか否かを判定し、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C,135Dを選択するようにしてもよい。また、確変状態が終了する所定回数前(例えば、5回前)の変動表示から最終回の変動表示が終了するまでを高確率/低ベース状態に制御するように構成する場合には、この実施形態と同様に、変動パターン設定処理において高確率フラグや高ベースフラグの状態によって、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C,135Dを選択するようにしてもよい(ステップS195,S196,S1100,S1101参照)。
なお、図41に示す例では、遊技状態が高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B〜135Dを用いる場合を示しているが、高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図41(C)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施形態で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の可変表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割り当てるように構成すればよい。
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の演出態様による可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図41(A),(B)に示すように、この実施形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図41(A)、(B)に示すように、この実施形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図41(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施形態では、図40に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図41(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が高ベース状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図42(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、非リーチCA3−4のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図42(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3と、突発大当りのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA3−4とに種別分けされている場合が示されている。また、図42(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図42(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図43は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図44および図45は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図44および図45に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図37に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C06(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C06(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「15R確変大当り」や、「8R確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「15R確変大当り」や、「8R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が高確率/高ベース状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率/高ベース状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高確率/低ベース状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率/低ベース状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、この実施形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施形態で示したものにかぎられない。例えば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否かや、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
この実施形態では、後述する入賞時演出処理(図52参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図46は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図46に示すように、この実施形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「15R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「8R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「05(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄6指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
図47および図48は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図47および図48に示すように、この実施形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS1232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図41(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜12,21〜29についても同様であり、図40(A)〜(D)や図41(C),(D)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/高ベース状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS1232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/低ベース状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS1232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合(すなわち、非リーチCA2−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「0A(H)」を設定した変動カテゴリ11コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「0B(H)」を設定した変動カテゴリ12コマンドを送信する。
なお、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態や高確率/低ベース状態)である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−7の変動パターン種別を割り当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割り当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のステップS1232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行えばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、ステップS1226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
また、例えば、始動入賞時に、「8R確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS1232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜241となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。また、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が242〜251となる場合(すなわち、非リーチCA3−4の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「19(H)」を設定した変動カテゴリ30コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「15R確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS1232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜221となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。また、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が222〜251となる場合(すなわち、非リーチCA3−4の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「1A(H)」を設定した変動カテゴリ31コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS1232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が101〜251場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU56は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図44および図45に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図44および図45に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図49は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS126)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS1311,S1312)。そして、ステップS1300〜S1310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS1300〜S1310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS1300〜S1310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS1300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS1301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS1301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS1302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS1302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS1303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS1303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS1301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS1304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS1304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS1305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS1308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS1300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS122の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS1305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS1306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS1306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS1305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS1307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS1307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、高確率フラグや高ベースフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS1300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS1308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS1309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS1309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS1308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS1310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS1310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS1300に対応した値(この例では0)に更新する。
図50は、ステップS1312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS11211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS11222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS11212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS11222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS11213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS11214)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS11215)。
この実施形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図51(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図51(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図51(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図51(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図51(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS11216)。なお、ステップS11216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図51(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図51(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS11217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS11218)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS11219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS11220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS11221)。
なお、ステップS11218,S11219の処理を実行することによって、この実施形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施形態では、ステップS11218〜S11221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS11222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS11223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS11224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS11225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS11226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図51(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS11227)。なお、ステップS11227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(ステップS11228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS11229)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS11230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS11231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS11232)。
なお、ステップS11229,S11230の処理を実行することによって、この実施形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施形態では、ステップS11229〜S11232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図52は、ステップS11217,S11228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、ステップS11216,S11227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図39(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS1220)。この実施形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りの信頼度を予告する連続予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS1220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態。高確率/高ベース状態と高確率/低ベース状態とを含む。)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1221)。高確率フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS11216,S11227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図39(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS1222)。なお、始動入賞時にステップS1221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS1221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、8R確変大当り、突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS1221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS161参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS1222のN)、CPU56は、ステップS11216,S11227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図39(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS1223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS11217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図39(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS11228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図39(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS1223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS1224)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS1225)。この実施形態では、CPU56は、ステップS1225において、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否か(具体的には、高確率フラグおよび高ベースフラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS1225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS1225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、8R確変大当り、突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS1225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS161参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、ステップS1225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS1226)。この実施形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図47および図48に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
例えば、CPU56は、遊技状態が高確率/高ベース状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS1232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(図47参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(図47参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が高確率/低ベース状態であると判定した場合には閾値79を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS1232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0A(H)」を設定すると判定する(図47参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0B(H)」を設定すると判定する(図47参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS1232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図47参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図47参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図47参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図47参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(図47参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(図47参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(図47参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(図47参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
なお、ステップS1225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態(低確率/低ベース状態)における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS1223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「05(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS1227)。
次いで、CPU56は、小当り用の閾値を設定する(ステップS1228)。なお、この実施形態では、CPU56は、閾値251を設定するものとし、後述するステップS1232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(図48参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行うことなく、そのままEXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
ステップS1220またはステップS1222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS11216,S11227で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS1229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS11217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図39(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS11228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図39(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS1230)。この場合、「15R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「15R確変大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「8R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「8R確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、ステップS1229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(ステップS1231)。
例えば、CPU56は、「8R確変大当り」と判定した場合には、閾値74、149および241を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS1232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(すなわち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図48参照)。また、閾値149以下である場合(すなわち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図48参照)。また、閾値241以下である場合(すなわち、150〜241である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(図48参照)。また、閾値241以下でない場合(すなわち、242〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「19(H)」を設定すると判定する(図48参照)。
また、例えば、CPU56は、「15R確変大当り」と判定した場合には、閾値38、79および221を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS1232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(すなわち、1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(図48参照)。また、閾値79以下である場合(すなわち、39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(図48参照)。また、閾値221以下である場合(すなわち、80〜221である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(図48参照)。また、閾値221以下でない場合(すなわち、222〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「1A(H)」を設定すると判定する(図48参照)。
また、例えば、CPU56は、「突然確変大当り」と判定した場合には、閾値100を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS1232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値100以下であるか否かを判定し、閾値100以下である場合(すなわち、1〜100である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(図48参照)。また、閾値100以下でない場合(すなわち、101〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(図48参照)。
次いで、CPU56は、ステップS1226,S1228,S1231で設定した閾値と、ステップS11216,S11227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS1232)。
なお、ステップS1226,S1228,S1231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図40、図41参照)を設定するようにし、ステップS1232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS1233)。具体的には、CPU56は、ステップS1232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図47および図48に示すような「00(H)」〜「0B(H)」、「10(H)」〜「1A(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する連続予告演出を実行するようにしてもよい。
図53および図54は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS1300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS151)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS151A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS151Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
なお、ステップS151において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認するのではなく、保留特定領域の1番目の領域にデータが設定されているか否かを確認し、設定されていれば保留記憶があると判定してステップS152に移行し、設定されていなければ保留記憶がないと判定してステップS151Aに移行してもよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図51(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS152)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS152のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS153)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS152のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS154)。
ステップS152〜S154の処理が実行されることによって、この実施形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、この実施形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、図52に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(ランダムR)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、高確率状態における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、ステップS1220の処理のみを実行し、ステップS1221,S1222の処理は行わないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS155)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS156)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS158)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS160)。この場合、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているとともに、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされている場合には、高確率高ベース状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、高確率フラグのみがセットされ、高ベースフラグがセットされていない場合には、高確率低ベース状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、高確率フラグも高ベースフラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS128)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に合算保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS1300〜S1310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS11216やステップS11227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図39参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図39(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図39(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図39(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS161)、ステップS171に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、高確率フラグがセットされているか否かにより行われる。高確率フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、所定回数(この実施形態では70回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS161のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図39(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図39(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図39(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図39(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS162)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS163)、ステップS175に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS162のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS175に移行する。
ステップS171では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS172)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図39(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図39(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS173)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS11216やステップS11227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図39(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS174)。例えば、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「8R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS175)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「8R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R確変大当り」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS1301)に対応した値に更新する(ステップS176)。
図55は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS1301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS191)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図40(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS192)。そして、ステップS1102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS193)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図40(D)参照)を選択する(ステップS194)。そして、ステップS1102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS195)。なお、高ベースフラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、高ベース状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」または「8R確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施形態では70回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
高ベースフラグがセットされていなければ(ステップS195のN)、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS196)。高確率フラグもセットされていなければ(ステップS196のN)、すなわち、遊技状態が通常状態であれば、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS197)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS197のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図41(A)参照)を選択する(ステップS198)。そして、ステップS1102に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS197のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図41(B)参照)を選択する(ステップS199)。そして、ステップS1102に移行する。
高確率フラグがセットされている場合(ステップS196のY)には、すなわち、遊技状態が高確率/低ベース状態であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135D(図41(D)参照)を選択する(ステップS1100)。そして、ステップS1102に移行する。
高ベースフラグがセットされている場合(ステップS195のY)には、すなわち、遊技状態が高確率/高ベース状態であれば(この実施形態では、低確率/高ベース状態に制御されることはないので、高ベースフラグがセットされていれば高確率/高ベース状態である)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図41(C)参照)を選択する(ステップS1101)。そして、ステップS1102に移行する。
この実施形態では、ステップS195〜S1101の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図41(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合には、図41(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するステップS1102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS1105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図43参照)。従って、この実施形態では、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施形態では、高確率/高ベース状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図41(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図41(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施形態では、遊技状態が高ベース状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS195でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図41(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS192、S94、S98、S99、S100またはS101の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS1102)。
次いで、CPU56は、ステップS1102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図42参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図43参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS1103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS1103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS1105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1106)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1107)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS1108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS1302)に対応した値に更新する(ステップS1109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS195〜S1102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図41に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図41に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して連続予告演出を行うように構成することが好ましい。
図56は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS1302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果6指定のいずれかの演出制御コマンド(図44参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS1110)。セットされていない場合には、ステップS1118に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別に応じて、「15R確変大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行うとともに、「8R確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1112)。なお、「15R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS174で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定でき、「8R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS174で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、確変大当りでない場合、すなわち、突然確変大当りである場合、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1117)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS1110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1118)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果6指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1119)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS1118のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1120)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS1303)に対応した値に更新する(ステップS1121)。
図57は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS1303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS11121)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS11122で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に合算保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS11121では、その合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS11122)。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS11125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS11126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS11127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS1304)に対応した値に更新する(ステップS11128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図58は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS1304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、高確率状態であることを示す高確率フラグ、および高ベース状態であることを示す高ベースフラグをリセットし(ステップS1132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1133)。具体的には、大当りの種別が「15R確変大当り」または「8R確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。なお、大当りの種別が「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS1134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「15R確変大当り」の場合には15回。「8R確変大当り」の場合には8回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS1135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、15R確変大当りや8R確変大当りの場合、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS1305)に対応した値に更新する(ステップS1136)。
また、ステップS1131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1137)。高確率フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態(高確率/高ベース状態または高確率/低ベース状態)である場合には)、高確率状態における特別図柄の変動可能回数を示す高確率回数カウンタの値を−1する(ステップS1138)。そして、CPU56は、減算後の高確率回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS1139)、高確率フラグをリセットする(ステップS1140)。高確率フラグがセットされていなければ、ステップS1141に移行する。
次いで、CPU56は、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否か確認する(ステップS1141)。高ベースフラグがセットされている場合には(すなわち、高確率/高ベース状態である場合には)、高ベース状態における特別図柄の変動可能回数を示す高ベース回数カウンタの値を−1する(ステップS1142)。そして、CPU56は、減算後の高ベース回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS1143)、高ベースフラグをリセットする(ステップS1144)。そして、ステップS12145に移行する。なお、高ベースフラグがセットされていなかった場合には、そのままステップS1145に移行する。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1145)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する(ステップS1146)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS1147)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS1148)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS1308)に対応した値に更新する(ステップS1149)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS1145のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS1300)に対応した値に更新する(ステップS1150)。
図59は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS1307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS1160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS1164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS1161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1162)。ここで、15R確変大当りまたは8R確変大当りであった場合には大当り終了指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS1163)、処理を終了する。
ステップS1164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS1165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS1165のY)、CPU56は、大当りの種別が15R確変大当りまたは8R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS1166)。なお、15R確変大当りまたは8R確変大当りや突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS174で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」、「02」または「04」であるか否かを確認することによって判定できる。15R確変大当りまたは8R確変大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS1167)とともに、高ベース回数カウンタに70をセットする(ステップS1168)。さらに、高確率フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS1169)とともに、高確率回数カウンタに70をセットする(ステップS1170)。そして、ステップS1171に移行する。15R確変大当りまたは8R確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、突然確変大当りであれば)、CPU56は、ステップS1169へ移行する。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS1300)に対応した値に更新する(ステップS1171)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図60は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS1701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS1702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS1703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS1704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS1705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS1706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1707)。その後、ステップS1702に移行する。
図61は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図44および図45参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図62および図63は、コマンド解析処理(ステップS1704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS1611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS1612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS1613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS1614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS1615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS1616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS1617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS1618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS1619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS1620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))であれば(ステップS1621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS1622)。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))であれば(ステップS1623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS1624)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS1651)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS1652)。
図64は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。図64に示すように、始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。この実施形態では、図50の始動口スイッチ通過処理のステップS11218〜S11221,S11229〜S11232で示したように、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)、および合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドがセットで送信される。そのため、図64に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
この実施形態では、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域内に格納していく。この実施形態では、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、コマンド受信が正常に行われれば、図64に示すように、各格納領域1〜8に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順に格納されていくことになる(なお、図64では、格納領域1〜5までコマンドが格納されている例が示されている)。
なお、図64に示す例では、前回の変動表示において7個までの保留記憶が発生して最新のコマンドが格納されている格納領域に合算保留記憶数7を指定する合算保留記憶数指定コマンド(C207(H))が格納され、その後、保留記憶が1つ消化されて2番目の保留記憶にもとづく変動表示が開始されている状況での始動入賞時コマンド格納領域の格納状態が示されている。
また、図64に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごと(合算保留記憶数減算指定コマンドを受信するごと)に、後述するステップS1663で1つ目の格納領域1に格納されているものから削除され、始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。例えば、図64に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、格納領域1に格納されている各コマンドが削除され、格納領域2に格納されている各コマンドが格納領域1にシフトされ、格納領域3に格納されている各コマンドが格納領域2にシフトされ、格納領域4に格納されている各コマンドが格納領域3にシフトされ、格納領域5に格納されている各コマンドが格納領域4にシフトされる。なお、各コマンドが削除されるタイミングは、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで後述する演出図柄変動開始処理中であってもよい。
また、この実施形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時演出処理(図52参照)で判定される大当りや小当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドや判定結果情報ともいう。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(ステップS1653)、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS1654A)。そして、変動カテゴリコマンドを受信したことを示す変動カテゴリコマンド受信フラグをセットする(ステップS1654B)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS1655)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1つ増加させ、合算保留記憶数表示を更新する(ステップS1656A)。そして、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS1656B)。
受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS1657)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1つ増加させ、合算保留記憶数表示を更新する合算保留記憶数表示を更新する(ステップS1658A)。そして、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS1658B)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS1659)、演出制御用CPU101は、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS1660)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS1661)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS1662)。例えば、合算保留記憶表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が点灯表示されていた場合に、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には、1つ目の保留表示を削除するとともに、2つ目に表示されていた保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた保留表示を2つ目の表示領域にシフトし、4つ目に表示されていた保留表示を3つ目の表示領域にシフトし、5つ目に表示されていた保留表示を4つ目の表示領域にシフトする。そして、演出制御用CPU101は、アクティブ表示の表示を開始する(ステップS1662a)。
また、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域における格納領域1のデータを削除し、残りのデータをシフトして格納する(ステップS1663)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS1684)。そして、ステップS1611に移行する。
図65は、図60に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS1705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS1800〜S1810のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS1800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS1801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS1801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS1802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS1802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS1803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS1803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS1804)、演出制御プロセスフラグの値を小当り表示処理(ステップS1808)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS1800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS1804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS1805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS1805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS1806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS1807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS1806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS1805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS1807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS1800)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(ステップS1808):変動時間の終了後、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り開放中処理(ステップS1809)に対応した値に更新する。
小当り開放中処理(ステップS1809):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残り開放がある場合には、演出制御プロセスフラグの値を小当り表示処理(ステップS1808)に対応した値に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(ステップS1810)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(ステップS1810):演出表示装置9において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS1800)に対応した値に更新する。
図66は、図65に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS1800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS1812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS1801)に対応した値に更新する(ステップS1813)。なお、前述したように、この実施形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS144参照)のであるが、図66に示すように、この実施形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図67は、図65に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS1801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS18001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS18002で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS18002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS18002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS18002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせや、通常では表示されない特殊な画像(数字以外の画像であってもよい。)を含む図柄の組み合わせなど。「擬似連図柄」ともいう。)も決定する。また、演出制御用CPU101は、ステップS18002において、「図柄変動時の変動形態の変化」の演出態様の連続演出を実行すると決定されている場合には、演出図柄の停止図柄として、いわゆるチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)を決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS18002において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図68は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図68に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」または「8R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。なお、「15R確変大当り」または「8R確変大当り」のいずれであるかに応じて停止図柄の決定割合を異ならせてもよい。例えば、「15R確変大当り」である場合には、3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する割合を高くし(または決定する割合を100%とし)、「8R確変大当り」である場合には、3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する割合を高くする(または決定する割合を100%とする)ようにしてもよい。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果5指定コマンドまたは表示結果6指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、アクティブ表示の最終表示態様および変化パターンを決定する(ステップS18003a)。この実施形態では、演出図柄の変動中にアクティブ表示の表示態様を変化させるアクティブ表示変化演出と、アクティブ表示の表示態様が変化すること(および変化した場合の変化後の表示態様)を示唆する示唆演出とを実行可能である。例えば、所定のタイミングにおいて、アクティブ表示の表示態様が変化すること(および変化した場合の変化後の表示態様)を示唆する示唆演出が実行された後に、アクティブ表示の表示態様を変化させるアクティブ表示変化演出が実行される。
この実施形態では、アクティブ表示変化演出が実行される前に、必ず示唆演出が実行されるように構成されている。ただし、示唆演出が実行された後に、必ずアクティブ表示変化演出が実行されるわけではない。すなわち、示唆演出が実行された後にアクティブ表示の表示態様が変化するときと、示唆演出が実行されたがアクティブ表示の表示態様が変化しないときとがある。以下、演出の実行後にアクティブ表示の表示態様が変化する示唆演出を真示唆演出ともいい、演出の実行後にアクティブ表示の表示態様が変化しない示唆演出を偽示唆演出ともいう。なお、真示唆演出と偽示唆演出とは、共通する演出態様により実行されるため、演出が終わるまでアクティブ表示の表示態様が変化するか否か判別できないようになっている。
図69は、アクティブ表示変化演出および示唆演出の実行タイミングの一例を示す説明図である。この実施形態では、図69に示すように、変動開始後、スーパーリーチ開始前の第1タイミングと、スーパーリーチ開始後、変動停止前の第2タイミングとにおいて、アクティブ表示変化演出および示唆演出を実行可能である。なお、第1タイミングと第2タイミングとについては、図69に示すような例に限らず、第2タイミングが第1タイミングよりも後のタイミングであるという関係性が保たれていれば、どのようなタイミングであってもよい。例えば、第1タイミングおよび第2タイミングのいずれもスーパーリーチ開始前に設定されていてもよいし、いずれもスーパーリーチ開始後に設定されていてもよい。また、第1タイミングと第2タイミングとの2つのタイミングに限らず、3以上のタイミングにおいて、アクティブ表示変化演出および示唆演出を実行可能としてもよい。
ステップS18003aでは、まず、アクティブ表示の最終表示態様を、最終表示態様決定テーブルを用いて決定する。この実施形態では、アクティブ表示変化演出を複数回実行することにより、アクティブ表示の表示態様を複数回変化させることが可能である。アクティブ表示の最終表示態様とは、1回もしくは複数回の変化を経て、または変化することなく、最終的に(すなわち変動終了時に)どのような表示態様で表示されるかを示すものである。
図70は、最終表示態様決定テーブルの一例を示す説明図である。最終表示態様決定テーブルには、変動パターン(すなわち、「スーパーリーチ以外(はずれ)」、「スーパーリーチはずれ」および「スーパーリーチ大当り」のいずれであるか)に応じて、最終表示態様に対応する判定値が割り当てられているが、図70に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、最終表示態様決定用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
この実施形態では、アクティブ表示の表示態様を「通常態様(白)」、「第1表示態様(青)」、「第2表示態様(緑)」および「第3表示態様(赤)」のいずれかにすることができるが、最終表示態様を「通常態様(白)」に決定するということは、アクティブ表示変化演出を実行しないということである。また、最終表示態様を「通常態様(白)」に決定するということは、演出の後にアクティブ表示の表示態様が変化する真示唆演出も実行しないということである。ただし、最終表示態様を「通常態様(白)」に決定した場合であっても、演出の後にアクティブ表示の表示態様が変化しない偽示唆演出は実行することはできる。
図70に示す最終表示態様決定テーブルによれば、変動パターンの有利度が高い順に(すなわち、「スーパーリーチ大当り」>「スーパーリーチはずれ」>「スーパーリーチ以外(はずれ)」の順に)、最終表示態様が「第3表示態様(赤)」>「第2表示態様(緑)」>「第1表示態様(青)」>「通常態様(白)」の順に決定される割合が高くなるように判定値が設定されている。すなわち、最終表示態様が「通常態様(白)」以外に決定され、アクティブ表示変化演出が実行される方が遊技者にとって期待度が高くなり、さらに最終表示態様が「第3表示態様(赤)」>「第2表示態様(緑)」>「第1表示態様(青)」の順に期待度が高くなるように構成されている。このように構成することによって、アクティブ表示変化演出が実行されるか否かとともに、アクティブ表示がどのような表示態様に変化するかについて関心を持たせることができ、興趣を高めることができる。
ステップS18003aでは、アクティブ表示の最終表示態様を決定すると、決定した最終表示態様にもとづいて、変化パターン決定テーブルを用いて、アクティブ表示の変化パターンを決定する。
図71(A)は、スーパーリーチを含まない変動パターンのときに用いられる第1変化パターン決定テーブル(スーパーリーチなし)の一例を示す説明図である。また、図71(B)は、スーパーリーチを含む変動パターンのときに用いられる第2変化パターン決定テーブル(スーパーリーチあり)の一例を示す説明図である。図69で示したように、この実施形態では、第2タイミングがスーパーリーチ開始後に設定されているため、スーパーリーチを含まない変動パターンのときには、第2タイミングにおけるアクティブ表示の変化の有無等の決定を省略した第1変化パターン決定テーブル(スーパーリーチなし)が用いられる。なお、この実施形態で示す例に限らず、第2タイミングは第1タイミングの後のタイミングであれば任意のタイミングであってもよいため、第2タイミングをスーパーリーチ開始後に設定しない場合には、スーパーリーチを含まない変動パターンであっても第1タイミングと第2タイミングとにおけるアクティブ表示の変化の有無等を決定するようにできる。
図71(A)に示す第1変化パターン決定テーブル(スーパーリーチなし)では、アクティブ表示変化演出が実行可能なタイミングが第1タイミングのみであるため、最終表示態様が通常態様(白)以外に決定されている場合には、いずれも第1タイミングにおいて最終表示態様に変化する変化パターンに決定される。例えば、最終表示態様が第1表示態様(青)である場合には、100%の割合で、第1タイミングでアクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化するアクティブ表示変化演出が実行される変化パターン1−2に決定される。変化パターン1−2では、アクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化することを示唆する示唆演出が実行される。
最終表示態様が第2表示態様(緑)である場合には、100%の割合で、第1タイミングでアクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第2表示態様(緑)に変化するアクティブ表示変化演出が実行される変化パターン1−3に決定される。変化パターン1−3では、アクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第2表示態様(緑)に変化することを示唆する示唆演出が実行される。また、最終表示態様が第3表示態様(赤)である場合には、100%の割合で、第1タイミングでアクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第3表示態様(赤)に変化するアクティブ表示変化演出が実行される変化パターン1−4に決定される。変化パターン1−4では、アクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第3表示態様(赤)に変化することを示唆する示唆演出が実行される。このように、この実施形態では、示唆演出によって、アクティブ表示の表示態様が変化することに加えて、変化した場合の変化後の表示態様が示唆される。
最終表示態様が通常態様(白)である場合、すなわちアクティブ表示の表示態様が変化しない場合には、100%の割合で、第1タイミングでアクティブ表示変化演出が実行されない変化パターン1−1に決定される。なお、変化パターン1−1では、第1タイミングにおいて、アクティブ表示の表示態様を変化させないため、偽示唆演出(例えば、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化することを示唆する)を実行可能である。図71(A)に示す第1変化パターン決定テーブル(スーパーリーチなし)および図71(B)に示す第2変化パターン決定テーブル(スーパーリーチあり)の第1タイミングおよび第2タイミングにおける「(偽示唆演出)」という記載は、当該タイミングにおいて、偽示唆演出を実行可能であることを意味している。なお、実際に偽示唆演出を実行するか否かは、後述するステップS18003bにおいて決定する。
図71(B)に示す第2変化パターン決定テーブル(スーパーリーチあり)では、各変化パターンにより、第1タイミングと第2タイミングとにおけるアクティブ表示の変化の有無、変化する場合の変化後の表示態様、および偽示唆演出を実行可能であるか否か示されている。
例えば、最終表示態様が第3表示態様(赤)である場合には、30%の割合で、アクティブ表示の表示態様が第1タイミングで通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化し、第2タイミングで第1表示態様(青)から第3表示態様(赤)に変化する変化パターン2−7に決定される。また、30%の割合で、アクティブ表示の表示態様が第1タイミングで通常態様(白)から第2表示態様(緑)に変化し、第2タイミングで第2表示態様(緑)から第3表示態様(赤)に変化する変化パターン2−8に決定される。また、30%の割合で、アクティブ表示の表示態様が第2タイミングで通常態様(白)から第3表示態様(赤)に変化する変化パターン2−9に決定される。また、10%の割合で、アクティブ表示の表示態様が第1タイミングで通常態様(白)から第3表示態様(赤)に変化する変化パターン2−10に決定される。
変化パターン2−7では、第1タイミングにおけるアクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化することを示唆する示唆演出が実行され、第2タイミングにおけるアクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が第1表示態様(青)から第3表示態様(赤)に変化することを示唆する示唆演出が実行される。また、変化パターン2−8では、第1タイミングにおけるアクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第2表示態様(緑)に変化することを示唆する示唆演出が実行され、第2タイミングにおけるアクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が第2表示態様(緑)から第3表示態様(赤)に変化することを示唆する示唆演出が実行される。
変化パターン2−9では、第1タイミングにおいて、アクティブ表示の表示態様を変化させないため、偽示唆演出(例えば、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化することを示唆する)が実行可能とされ、第2タイミングにおけるアクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第3表示態様(赤)に変化することを示唆する示唆演出が実行される。また、変化パターン2−10では、第1タイミングにおけるアクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第3表示態様(赤)に変化することを示唆する示唆演出が実行される。変化パターン2−10の第2タイミングでは、アクティブ表示の表示態様を変化させないが、既に最も期待度が高い第3表示態様で表示されているため、偽示唆演出を実行できないように構成されている。
図71(B)に示す第2変化パターン決定テーブル(スーパーリーチあり)において特徴的な点は、第2タイミングにおいて、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化する変化パターン2−3に決定されないように構成されていることである。この実施形態では、第2タイミングは、スーパーリーチ開始後に設定されているため、大当りに対する期待感が高まっているタイミングといえる。しかし、そのようなタイミングで、期待度が低い第1表示態様(青)に変化したのでは、大当りとなる可能性が低いことが示唆されることになり、遊技者が興醒めしてしまうおそれがある。そこで、第2タイミングにおいて、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化することを示唆する示唆演出を実行した後に、表示態様を変化させるアクティブ表示変化演出を実行する変化パターン2−3に決定されないように構成することにより、大当りに対する期待感が高まっているタイミングにおいて、大当りとなる可能性が低いことを示唆することによって遊技者を興醒めさせてしまうことを防止することができる。なお、変化パターン2−3に決定されることはないのであるから、最初から変化パターン2−3を第2変化パターン決定テーブル(スーパーリーチあり)に設けないようにしてもよい。
この実施形態では、偽示唆演出を実行可能なタイミングで実行する場合には、アクティブ表示が現在の表示態様よりも1段階期待度が高い表示態様に変化することを示唆する偽示唆演出を実行するように構成されている。例えば、変化パターン2−2の第2タイミングでは、アクティブ表示が現在の第1表示態様(青)から第2表示態様(緑)に変化することを示唆する偽示唆演出が実行可能とされている。すると、変化パターン2−1の第2タイミングで偽示唆演出を実行する場合には、アクティブ表示が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出を実行することになる。しかし、大当りに対する期待感が高まっている第2タイミングにおいては、期待度が低い第1表示態様(青)に変化することを示唆する示唆演出が実行された時点で、大当りとなる可能性が低いことが示唆されることになり、遊技者が興醒めしてしまうおそれがある。そこで、この実施形態では、変化パターン2−1では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行が禁止されている。
この実施形態では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する真示唆演出が実行される変化パターン2−3に決定されないようにするとともに、変化パターン2−1では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を禁止することにより、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化するアクティブ表示変化演出の実行を制限するとともに、第1表示態様(青)に変化することを示唆する示唆演出の実行も制限するように構成されている。つまり、第2タイミングにおいては、第1表示態様(青)よりも期待度が高い第2表示態様(緑)および第3表示態様(赤)のいずれかに変化することを示唆する示唆演出のみ実行されるように構成されている。このように構成することにより、遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
また、この実施形態では、アクティブ表示の最終表示態様が第2表示態様(緑)や第3表示態様(赤)といった期待度が高いものである場合には、第1タイミングよりも第2タイミングにおいて最終表示態様に変化する割合が高くなるように構成されている。具体的には、最終表示態様が第3表示態様(赤)の場合には、第2タイミングで第3表示態様(赤)に変化する割合が90%であるのに対して(変化パターン2−7〜2−9)、第1タイミングで第3表示態様(赤)に変化する割合は10%である(変化パターン2−10)。このように構成することにより、第2タイミングでは第1タイミングよりも期待度が高い表示態様に変化すること、変化することを示唆することが多くなり、第2タイミングにおける期待感を向上させることができる。
なお、この実施形態では、偽示唆演出は、アクティブ表示が現在の表示態様よりも期待度が1段階高い表示態様に変化することを示唆するように構成されているが、期待度が2段階以上高い表示態様に変化することを示唆するようにしてもよい。例えば、変化パターン2−5の第2タイミングなどでは、通常態様(白)から第2表示態様(緑)のように、期待度が2段階以上高い表示態様に変化することを示唆する真示唆演出が実行されるが、同じ変化を示唆する偽示唆演出がなければ、演出が開始された時点で変化することが確定してしまうからである。このように構成する場合には、変化パターン2−1では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を禁止する一方で、第2表示態様(緑)または第3表示態様(赤)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を許容するようにしてもよい。なお、期待度が2段階以上高い表示態様に変化することを示唆する偽示唆演出を実行可能とする場合には、決定された最終表示態様(または後に実行される示唆演出により示唆される変化後の表示態様)よりも期待度が高い表示態様に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を制限することが望ましい。例えば、最終表示態様が第2表示態様(緑)であるときに、第1タイミングにおいて第3表示態様(赤)に変化することを示唆する偽示唆演出を実行すると、第2タイミングにおいて第2表示態様(緑)に変化することを示唆する真示唆演出を実行することになり、遊技者に期待感が低下したように感じさせてしまうおそれがあるためである。
また、図71(B)に示す例では、最終表示態様が同じであれば、変化パターンが異なっていても期待度に大きな差がないように構成されているが、このような構成に限らず、最終表示態様が同じであっても、変化パターンが異なれば期待度が異なるように構成してもよい。例えば、最終表示態様に代えて、または加えて、変動パターンに応じて異なる割合で変化パターンが決定される構成とすることにより実現することができる。
ステップS18003aでアクティブ表示の最終表示態様および変化パターンを決定すると、演出制御用CPU101は、偽示唆演出実行決定テーブルを用いて、偽示唆演出を実行可能なタイミングごとに、偽示唆演出を実行するか否かを決定する(ステップS18003b)。例えば、変化パターン2−1に決定した場合には、第1タイミングにおいて偽示唆演出を実行するか否かを決定する。
図71(C)は、偽示唆演出実行決定テーブルの一例を示す説明図である。図71(C)に示す例では、第1タイミングと第2タイミングとで、偽示唆演出を実行する割合が異なるように構成されている。具体的には、第2タイミングでは第1タイミングよりも偽示唆演出を実行する割合が低くなるように構成されている。このように構成されることにより、第2タイミングで実行される示唆演出に注目させることができる。
ステップS18003bで偽示唆演出の実行の有無を決定すると、演出制御用CPU101は、示唆演出態様決定テーブルを用いて、示唆演出の演出態様を決定する(ステップS18003c)。この実施形態では、示唆演出の演出態様として、第1態様と第2態様とを選択可能であり、第1態様の示唆演出ではキャラクタAが登場し(図75(a1)〜(a4)参照)、第2態様の示唆演出ではキャラクタBが登場する(図75(b1)〜(b4)参照)。
図71(D)は、示唆演出態様決定テーブルの一例を示す説明図である。図71(D)に示す例では、実行する示唆演出が真示唆演出と偽示唆演出とのいずれであるかに応じて、異なる割合で演出態様を決定するように構成されている。具体的には、真示唆演出では第1態様に決定される割合が高く、偽示唆演出では第2態様に決定される割合が高くなるように構成されている。このように構成されることにより、示唆演出の演出態様によりアクティブ表示の表示態様が変化する割合が異なることになるため、示唆演出の演出態様に着目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、この実施形態では、示唆演出の演出態様が第1態様の場合と第2態様の場合とで、真示唆演出である期待度が異なるように構成されているが、これに代えて、または加えて、大当りとなる期待度が異なるようにしてもよい。例えば、真示唆演出と偽示唆演出とのいずれであるかに加えて、変動パターンに応じて異なる割合で示唆演出の演出態様が決定される構成とすることにより実現することができる。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび実行する演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS18004)。そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS18005)。
図72は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様(アクティブ表示変化演出や示唆演出の態様を含む)を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図72に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS18006)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS18007)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS1802)に対応した値にする(ステップS18008)。
図73は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS1802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS18101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS18102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS18103)、プロセスデータの切り替えを行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS18104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS18105)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS18123のY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS1803)に応じた値に更新する(ステップS18124)。
図74は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS1803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS18301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS18305に移行する。この実施形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS18304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS18302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS18305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS18302)。
ステップS18302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS18303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS18304)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS18305)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS18306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS18307)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS18308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78と演出羽根役物79a,79b)の制御を実行する(ステップS18309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS1804)に応じた値に更新する(ステップS18310)。
ステップS18302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS18303のN)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS18311)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、図66のステップS1811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。ただし、例えば、図柄変動指定コマンドについては、演出制御プロセス処理と第4図柄プロセス処理との両方で参照されるので、この実施形態で示すように、変動終了の際に演出図柄変動停止処理などにおいてリセットしたり、大当り終了の際に大当り終了演出処理においてリセットしたりすることが望ましい。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS1800)に応じた値に更新する(ステップS18312)。
図75は、この実施形態におけるアクティブ表示変化演出および示唆演出の具体例を示す説明図である。図75(a1)〜(a4)には、アクティブ表示が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化するアクティブ表示変化演出と、アクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化することを示唆する第1態様の示唆演出(真示唆演出)とが実行される例が示されている。
図75(a1)に示すように、変動表示が開始されると、アクティブ表示部18dにアクティブ表示が表示される(図75(a1)では通常状態のアクティブ表示が表示されている)。ここで、第1タイミングになると、青色に輝く球18e(図75(a2)では単に「青」と表示されている)を保持した、キャラクタA(図75(a2)では丸形の頭部に「A」と表示されている)18fが登場する示唆演出が実行される(図75(a2))。
図75(a2)に示す例では、キャラクタが保持する球が青色に輝く球18eであることによって、アクティブ表示が第1表示態様(青)に変化することが示唆されている。なお、第2表示態様(緑)や第3表示態様(赤)に変化することが示唆される場合には、緑色に輝く球や赤色に輝く球が保持される。また、キャラクタAが登場する第1態様で示唆演出が実行されることにより、後述するキャラクタBが登場する第2態様で示唆演出が実行されるときに比べて、アクティブ表示の表示態様が変化する割合が高いこと(すなわち、真示唆演出である割合が高いこと)が示唆されている。
なお、この実施形態では、アクティブ表示がいずれの表示態様に変化するかを示唆するときにも、キャラクタAが登場する第1態様またはキャラクタBが登場する第2態様により実行される(ただし、保持されている球の態様は異なる)。すなわち、いずれの表示態様に変化することを示唆するかに関わらず、少なくとも一部が共通する態様により示唆演出を実行するように構成されている。そのため、キャラクタAまたはキャラクタBの登場がすると、示唆演出が実行されるということを認識しやすくすることができ、遊技の興趣を高めることができる。なお、この実施形態の例に限らず、例えば、特定の表示態様に変化することを示唆する場合にのみ、態様が共通しない示唆演出を実行するようにしてもよい。
次いで、キャラクタAが投げた青色に輝く球18eが、アクティブ表示に衝突する演出が行われることによって、示唆演出が真示唆演出であることが判明する(図75(a3))。すると、アクティブ表示が第1表示態様(青)に変化するアクティブ表示変化演出が行われる(図75(a4))。
図75(b1)〜(b4)には、アクティブ表示が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化することを示唆する第2態様の示唆演出(偽示唆演出)が実行される例が示されている。
図75(b1)に示すように、変動表示が開始されると、アクティブ表示部18dにアクティブ表示が表示される(図75(b1)では通常状態のアクティブ表示が表示されている)。ここで、第1タイミングになると、青色に輝く球18e(図75(b2)では単に「青」と表示されている)を保持した、キャラクタB(図75(b2)では四角形の頭部に「B」と表示されている)18gが登場する示唆演出が実行される(図75(b2))。
図75(b2)に示す例では、キャラクタが保持する球が青色に輝く球18eであることによって、アクティブ表示が第1表示態様(青)に変化することが示唆されている。また、キャラクタBが登場する第2態様で示唆演出が実行されることにより、キャラクタAが登場する第1態様で示唆演出が実行されるときに比べて、アクティブ表示の表示態様が変化する割合が低いこと(すなわち、真示唆演出である割合が低いこと)が示唆されている。
次いで、キャラクタBが投げた青色に輝く球18eが、アクティブ表示の上側を通過する演出が行われることによって、示唆演出が偽示唆演出であることが判明する(図75(b3))。このときには、アクティブ表示の表示態様は変化しない(図75(b4))。
以上に説明したように、この実施形態によれば、実行中の可変表示に対応する特定表示(本例では、アクティブ表示)を表示可能な特定表示手段と、特定表示の表示態様を第1態様(本例では、第2表示態様(緑)や第3表示態様(赤))と該第1態様よりも有利状態に制御される期待度が低い第2態様(本例では、第1表示態様(青))とを含む複数の表示態様のうちのいずれかに変化させる変化演出(本例では、アクティブ表示変化演出)を実行可能な変化演出実行手段と、可変表示中の第1タイミング(本例では、図69に示す変動開始後、スーパーリーチ開始前の第1タイミング)と該第1タイミングよりも後の第2タイミング(本例では、図69に示すスーパーリーチ開始後、変動停止前の第2タイミング)とにおいて、特定表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出(本例では、示唆演出)を実行可能な示唆演出実行手段と、第2タイミングにおいて、特定表示の表示態様が第2態様に変化することを示唆する示唆演出を実行することを制限する示唆演出制限手段(本例では、図71(B)に示すように、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する真示唆演出が実行される変化パターン2−3に決定しないようにするとともに、図71(A)に示すように、変化パターン2−1では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を禁止している)とを備えるように構成されている。そのため、大当りに対する期待感が高まっているタイミングにおいて、大当りとなる可能性が低いことを示唆することによって遊技者を興醒めさせてしまうことを防止することができる。
なお、この実施形態では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する真示唆演出が実行される変化パターン2−3に決定しないようにするとともに、変化パターン2−1では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を禁止することにより、第2タイミングにおいて、アクティブ表示が第1表示態様(青)に変化することを示唆する示唆演出を実行することを制限しているが、制限方法はこのような構成に限られない。例えば、第2タイミングにおいては、第1タイミングに比べて、アクティブ表示が第1表示態様(青)に変化することを示唆する示唆演出の実行頻度を低くする(すなわち一定程度許容する)ことにより制限してもよい。この場合には、第2タイミングにおいて、アクティブ表示を第1表示態様(青)に変化させるアクティブ表示変化演出を実行することが一定程度許容される。
また、例えば、図71(A),(B)で示したような、第2タイミングにおいてアクティブ表示が第1表示態様(青)に変化せず、そのような示唆もしないように定められた変化パターン決定テーブルを用いるのではなく、各タイミングにおけるアクティブ表示の変化の有無および変化の内容と、偽示唆演出の有無および示唆する内容とを抽選で決定した後に、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆するという禁則に該当する場合には、再抽選を行う処理や、実行を取り消す処理、他の演出に差し替える処理などを実行することにより制限してもよい。
また、この実施形態では、可変表示が開始された後に、有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御されるか否かを報知する特定演出(本例では、スーパーリーチ)を実行可能な特定演出実行手段を備えている。そして、第2タイミングは、特定演出が実行されている期間(本例では、図69に示すスーパーリーチ開始後、変動停止前の第2タイミング)に到来するように構成されている。そのため、特定演出の実行中に大当りとなる可能性が低いことを示唆してしまうことを防止でき、特定演出に対する期待感を維持することができる。
また、この実施形態では、示唆演出実行手段は、第2タイミングにおいて、特定表示の表示態様が第2態様よりも有利状態に制御される期待度が高い表示態様(本例では、第2表示態様(緑)や第3表示態様(赤))に変化することを示唆する示唆演出を実行可能であるように構成されている。そのため、第2タイミングにおいて実行される示唆演出に対する期待感を維持することができる。
また、この実施形態では、示唆演出実行手段は、期待度が異なる複数の演出態様(本例では、演出後のアクティブ表示の表示態様が変化する(すなわち真示唆演出である)割合や大当り期待度が異なる第1態様と第2態様)の示唆演出を実行可能であるように構成されている(図71(D)参照)。そのため、示唆演出の演出態様に着目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施形態では、示唆演出実行手段は、演出後に特定表示の表示態様が変化する第1示唆演出(本例では、真示唆演出)と、演出後に特定表示の表示態様が変化しない第2示唆演出(本例では、偽示唆演出)とを実行可能であり、第1タイミングよりも第2タイミングの方が、第1示唆演出を実行する割合が高い(本例では、図71(C)に示めされるように、第2タイミングよりも第1タイミングの方が偽示唆演出を実行する割合が高い。すなわち、第1タイミングよりも第2タイミングの方が真示唆演出を実行する割合が高い)ように構成されている。そのため、第2タイミングにおいて実行される示唆演出に注目させることができる。
また、この実施形態では、示唆演出実行手段は、複数の表示態様のうちのいずれの表示態様に変化することを示唆するかに関わらず、少なくとも一部が共通する態様により示唆演出を実行するように構成されている(本例では、アクティブ表示がいずれの表示態様に変化するかを示唆するときにも、キャラクタAが登場する第1態様またはキャラクタBが登場する第2態様により実行される。図75参照)。そのため、示唆演出を認識しやすくすることができる。
なお、アクティブ表示と同様に、保留表示の表示態様として、通常態様と、第1〜第3表示態様とを設け、アクティブ表示の表示態様は、保留表示の表示態様を引き継ぐようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した際に、アクティブ表示の最終表示態様と、保留表示として表示されてからアクティブ表示として表示された後に変動表示が終了するまでのどのタイミングで表示態様が変化するかを示す変化パターン決定するようにしてもよい。また、例えば、始動入賞が発生した際に、保留表示の最終表示態様と変化パターンとを決定し、変動開始する際に、アクティブ表示の最終表示態様と変化パターンとを決定するようにしてもよい。
[第5の実施形態]
以下、第5の実施形態について説明する。なお、この実施形態において、第4の実施形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第4の実施形態と異なる部分について説明する。
この実施形態では、演出図柄変動開始処理において、擬似連を含む変動パターンである場合には、擬似連演出設定処理を行う。
擬似連演出設定処理では、演出制御用CPU101は、まず、擬似連演出における演出動作の態様に対応した擬似連演出パターンを決定する。このときには、例えば図76(A)に示すように、大当り判定の有無に応じた決定割合で、予め複数パターンが用意された擬似連演出パターンのうちいずれかに決定されればよい。
図76(A)に示す決定割合の設定例では、大当り判定の有無に応じて、擬似連演出パターンの決定割合が異なっている。より具体的には、大当り判定が通知されない場合には擬似連演出パターンGEAの決定割合が最も高くなる一方で、大当り判定が通知された場合には擬似連演出パターンGEBの決定割合が最も高くなる。また、大当り判定が通知されない場合には擬似連演出パターンGECに決定されることがない一方で、大当り判定が通知された場合には擬似連演出パターンGECに決定されることがある。
次いで、演出制御用CPU101は、決定した擬似連演出パターンにもとづいて、仮停止図柄を決定し、擬似連演出設定処理を終了する。
演出図柄変動開始処理において擬似連演出設定処理を実行した後には、演出制御用CPU101は、アクティブ表示変化演出設定処理を実行する。
アクティブ表示変化演出設定処理では、演出制御用CPU101は、まず、アクティブ表示変化演出の有無を決定する。このときには、図76(B)に示すように、擬似連演出パターンに応じた決定割合で決定されればよい。
図76(B)に示す決定割合の設定例では、擬似連演出パターンに応じて、アクティブ表示変化演出を実行するか否かの決定割合が異なっている。より具体的には、擬似連演出パターンGEBの場合には、擬似連演出パターンGEAの場合よりも高い割合で、アクティブ表示変化演出を実行すると決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられている。そして、上述したように、擬似連演出パターンの決定処理では、大当り判定が通知されない場合には擬似連演出パターンGEAの決定割合が最も高くなる一方で、大当り判定が通知された場合には擬似連演出パターンGEBの決定割合が最も高くなる。このような設定により、アクティブ表示変化演出が実行されたときには、実行されないときよりも「大当り」となる可能性が高められ、大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、擬似連演出パターンGECの場合には、擬似連演出パターンGEAや擬似連演出パターンGEBの場合よりも高い割合で、アクティブ表示変化演出を実行すると決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられている。そして、上述したように、大当り判定が通知されない場合には擬似連演出パターンGECに決定されることがない一方で、大当り判定が通知された場合には擬似連演出パターンGECに決定されることがある。このような設定により、アクティブ表示変化演出が実行されたときには、実行されないときよりも「大当り」となる可能性が高められ、大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
なお、図76(B)に示す決定割合の設定例に限定されず、アクティブ表示変化演出が実行されたときには、実行されないときよりも「大当り」となる可能性が高くなるような任意の設定であればよい。
次いで、アクティブ表示変化演出を実行する場合には、実行タイミングを決定する。このときには、例えば図76(C)に示すように、擬似連変動回数と擬似連演出パターンとの組み合わせに応じた決定割合で、予め複数パターンが用意されたタイミングのうちいずれかに決定されればよい。アクティブ表示変化演出の実行タイミングを決定すると、アクティブ表示変化演出設定処理を終了する。
図76(C)に示す決定割合の設定例では、擬似連変動回数と擬似連演出パターンとの組み合わせに応じて、アクティブ表示変化演出の実行タイミングの決定割合が異なっている。より具体的には、擬似連変動回数が1回のとき、擬似連演出パターンGEAの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが初回変動中となる決定割合が最も高くなる一方で、擬似連演出パターンGEBの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが初回変動中となる決定割合と1回目の再可変表示中となる決定割合が同じで、擬似連演出パターンGECの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが1回目の再可変表示中となる決定割合が最も高くなる。また、擬似連変動回数が2回のとき、擬似連演出パターンGEAの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが初回変動中となる決定割合が最も高くなる一方で、擬似連演出パターンGEBの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが1回目の再可変表示中となる決定割合が最も高くなり、擬似連演出パターンGECの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが2回目の再可変表示中となる決定割合が最も高くなる。また、擬似連変動回数が3回のとき、擬似連演出パターンGEAの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが初回変動中となる決定割合が最も高くなる一方で、擬似連演出パターンGEBの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが2回目の再可変表示中となる決定割合が最も高くなり、擬似連演出パターンGECの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが3回目の再可変表示中となる決定割合が最も高くなる。また、上述したように、擬似連演出パターンの決定処理では、大当り判定が通知されない場合には擬似連演出パターンGEAの決定割合が最も高くなる一方で、大当り判定が通知された場合には擬似連演出パターンGEBの決定割合が最も高くなる。更に、大当り判定が通知されない場合には擬似連演出パターンGECに決定されることがない一方で、大当り判定が通知された場合には擬似連演出パターンGECに決定されることがある。このような設定により、アクティブ表示変化演出の実行タイミングが遅いタイミングであるときには、早いタイミングであるときよりも大当りとなる可能性が高められ、大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
なお、図76(C)に示す決定割合の設定例に限定されず、擬似連変動回数と擬似連演出パターンとの組み合わせに応じてアクティブ表示変化演出の実行タイミングを異ならせることができる任意の設定であればよい。なお、擬似連変動回数又は擬似連演出パターンのいずれかに応じてアクティブ表示変化演出の実行タイミングを異ならせることができる任意の設定としてもよい。
以上に説明したように、この実施形態では、可変表示が開始されてから可変表示の表示結果が導出表示されるまでに可変表示を所定回数実行する所定可変表示(例えば、擬似連演出)を実行可能であり、特定表示は、所定可変表示の種類に応じて、表示態様が変化するタイミングが異なる(例えば、アクティブ表示変化演出の実行タイミングが、大当り判定の有無に応じて決定された擬似連演出パターンに応じた決定割合で決定される。図76(A),(C)参照)ように構成されている。そのため、演出を多様化させ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上記の第5の実施形態に示した構成については、一部の構成のみを第4の実施形態で示した遊技機に適用してもよいし、全ての構成を第4の実施形態で示した遊技機に適用してもよい。また、第4の実施形態に示した構成と第5の実施形態に示した構成とを組み合わせて遊技機に適用してもよい。例えば、第5の実施形態に示した構成において、アクティブ表示変化演出に加えて示唆演出を実行可能とし、遅いタイミングになるにつれて(例えば、3回目の再可変表示中>2回目の再可変表示中>1回目の再可変表示中の順に)、期待度が低い表示態様に変化することを示唆する示唆演出や、期待度が低い表示態様に変化させるアクティブ表示変化演出の実行を制限するようにしてもよい。
[第6の実施形態]
以下、本発明の第6の実施形態について説明する。具体的には、第6の実施形態において、第1の実施形態〜第5の実施形態でそれぞれ説明した内容を組み合わせるときの一例について説明する。ここで、第6の実施形態では、各実施形態の組み合わせの一例を説明するものであって、第1の実施形態〜第5の実施形態のいずれか2つ以上を組み合わせるものであってもよいし、第1の実施形態〜第5の実施形態、これらの実施形態のそれぞれで説明した各変形例を2つ以上組み合わせてもよい。
なお、第6の実施形態では、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態、第5の実施形態において既に説明した内容の一部又は全部について再度説明(第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態、第5の実施形態と同様の表現又は異なる表現にて説明)する場合や、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態、第5の実施形態において既に説明した内容の一部又は全部について説明を省略する場合や、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態、第5の実施形態において説明を省略した内容の一部又は全部について説明する場合がある。
また、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態と第4の実施形態、第5の実施形態では、同一又は同様の対象について異なる名称を用いる場合がある。
第6の実施形態では、例えば、特別演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図13のS802等)は、変動表示(例えば、特別図柄および演出図柄の変動表示等)を開始させてから表示結果を導出表示させるまでに、変動表示を仮停止した後に当該変動表示を再開させる特別演出(例えば、図14(E)〜(G),(H),(I)または(J),(K)の擬似連の変動表示等)を実行可能に制御する。
また、特定表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図13のS802、アクティブ表示部18d等)は、実行中の変動表示に対応する特定表示(例えば、図14のアクティブ表示AH等)を表示可能に制御する。
態様変化手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図13のS802、図28のS641,S642,S643、演出制御用マイクロコンピュータ100によるステップS18006やS18105の処理等)は、特定表示の表示態様を変化させる。
また、示唆演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図28のS644,S645等)は、特定表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出(例えば、図14(E)〜(I)のスロット演出等)を実行可能に制御する。
示唆演出制限手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100等)は、示唆演出の実行を制限する。
ここで、示唆演出は、変動表示中の第1タイミング(例えば、図69に示す変動開始後、スーパーリーチ開始前の第1タイミング等)と該第1タイミングよりも後の第2タイミング(例えば、図69に示すスーパーリーチ開始後、変動停止前の第2タイミング等)とにおいて実行可能である。
また、示唆演出制限手段は、第2タイミングにおける示唆演出の実行を制限可能(例えば、図71(B)に示すように、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する真示唆演出が実行される変化パターン2−3に決定しないようにするとともに、図71(A)に示すように、変化パターン2−1では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を禁止している等)である。
また、特別演出実行手段は、複数種類の前記特別演出(例えば、図22(A)の同色図柄演出、NEXT図柄演出等)を実行可能であり、特別演出の種類に応じて、示唆演出の実行割合が異なる(例えば、図22(B)のように、擬似連における同色図柄演出とNEXT図柄演出との演出種類に応じて、アクティブ変化示唆演出の実行割合が異なる)。
つまり、第1の実施形態〜第5の実施形態において説明したそれぞれの示唆演出は同じ態様であってもよいし異なる態様であってもよい。
また、第6の実施形態において、特別演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図13のS802等)は、変動表示を開始させてから表示結果を導出表示させるまでに、変動表示を仮停止した後に当該変動表示を再開させる特別演出(例えば、図14(E)〜(G),(H),(I)または(J),(K)の擬似連の変動表示等)を実行可能に制御する。
特定表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図13のS802、アクティブ表示部18d等)は、実行中の変動表示に対応する特定表示(例えば、図14のアクティブ表示AH等)を表示可能に制御する。
態様変化手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図13のS802、図28のS641,S642,S643、演出制御用マイクロコンピュータ100によるステップS18006やS18105の処理等)は、特定表示の表示態様を変化可能に制御する。
示唆演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図28のS644,S645等)は、特定表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出(例えば、図14(E)〜(I)のスロット演出等)を実行可能に制御する。
示唆演出制限手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100等)は、示唆演出の実行を制限する制限する。
ここで、示唆演出は、変動表示中の第1タイミング(例えば、図69に示す変動開始後、スーパーリーチ開始前の第1タイミング等)と該第1タイミングよりも後の第2タイミング(例えば、図69に示すスーパーリーチ開始後、変動停止前の第2タイミング等)とにおいて実行可能である。
また、示唆演出制限手段は、第2タイミングにおける示唆演出の実行を制限可能(例えば、図71(B)に示すように、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する真示唆演出が実行される変化パターン2−3に決定しないようにするとともに、図71(A)に示すように、変化パターン2−1では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を禁止している)である。
また、特別演出実行手段は、複数種類の特別演出(例えば、図22(A)の同色図柄演出、NEXT図柄演出等)を実行可能であり、特別演出の種類に応じて、示唆演出が実行された後の特定表示の表示態様の変化割合が異なる(例えば、図22(C)のように、擬似連における同色図柄演出とNEXT図柄演出とのような演出種類に応じて、アクティブ変化演出の実行割合が異なる)。
なお、第1の実施形態〜第5の実施形態における各アクティブ表示変化演出や各示唆演出を入れ替えて各実施形態を実現してもよい。また、第1の実施形態〜第5の実施形態における各アクティブ表示変化演出や各示唆演出に加えて他の実施形態における各アクティブ表示変化演出や各示唆演出を実行してもよい。
このような構成により、第1の実施形態〜第5の実施形態のそれぞれと同様の効果を得ることができる。
このように第6の実施形態によれば、変動表示(例えば、特別図柄および演出図柄の変動表示等)を行ない、表示結果(例えば、大当り表示結果、はずれ表示結果等)を導出表示させることが可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、変動表示を開始させてから表示結果を導出表示させるまでに、変動表示を仮停止した後に当該変動表示を再開させる特別演出(例えば、図14(E)〜(G),(H),(I)または(J),(K)の擬似連の変動表示等)を実行可能な特別演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図13のS802等)と、実行中の変動表示に対応する特定表示(例えば、図14のアクティブ表示AH等)を表示可能な特定表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図13のS802、アクティブ表示部18d等)と、特定表示の表示態様を変化させる態様変化手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図13のS802、図28のS641,S642,S643、演出制御用マイクロコンピュータ100によるステップS18006やS18105の処理等)と、特定表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出(例えば、図14(E)〜(I)のスロット演出等)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図28のS644,S645等)と、前記示唆演出の実行を制限する示唆演出制限手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100等)と、を備え、前記示唆演出は、変動表示中の第1タイミング(例えば、図69に示す変動開始後、スーパーリーチ開始前の第1タイミング等)と該第1タイミングよりも後の第2タイミング(例えば、図69に示すスーパーリーチ開始後、変動停止前の第2タイミング等)とにおいて実行可能であり、前記示唆演出制限手段は、第2タイミングにおける前記示唆演出の実行を制限可能(例えば、図71(B)に示すように、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する真示唆演出が実行される変化パターン2−3に決定しないようにするとともに、図71(A)に示すように、変化パターン2−1では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を禁止している等)であり、前記特別演出実行手段は、複数種類の前記特別演出(例えば、図22(A)の同色図柄演出、NEXT図柄演出等)を実行可能であり、前記特別演出の種類に応じて、前記示唆演出の実行割合が異なる(例えば、図22(B)のように、擬似連における同色図柄演出とNEXT図柄演出との演出種類に応じて、アクティブ変化示唆演出の実行割合が異なる等)。
このような構成によれば、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、第6の実施形態によれば、変動表示(例えば、特別図柄および演出図柄の変動表示等)を行ない、表示結果(例えば、大当り表示結果、はずれ表示結果等)を導出表示させることが可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、変動表示を開始させてから表示結果を導出表示させるまでに、変動表示を仮停止した後に当該変動表示を再開させる特別演出(例えば、図14(E)〜(G),(H),(I)または(J),(K)の擬似連の変動表示等)を実行可能な特別演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図13のS802等)と、実行中の変動表示に対応する特定表示(例えば、図14のアクティブ表示AH等)を表示可能な特定表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図13のS802、アクティブ表示部18d等)と、特定表示の表示態様を変化させる態様変化手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図13のS802、図28のS641,S642,S643、演出制御用マイクロコンピュータ100によるステップS18006やS18105の処理等)と、特定表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出(例えば、図14(E)〜(I)のスロット演出等)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図28のS644,S645等)と、前記示唆演出の実行を制限する示唆演出制限手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100等)と、を備え、前記示唆演出は、変動表示中の第1タイミング(例えば、図69に示す変動開始後、スーパーリーチ開始前の第1タイミング等)と該第1タイミングよりも後の第2タイミング(例えば、図69に示すスーパーリーチ開始後、変動停止前の第2タイミング等)とにおいて実行可能であり、前記示唆演出制限手段は、第2タイミングにおける前記示唆演出の実行を制限可能(例えば、図71(B)に示すように、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する真示唆演出が実行される変化パターン2−3に決定しないようにするとともに、図71(A)に示すように、変化パターン2−1では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を禁止している等)であり、前記特別演出実行手段は、複数種類の前記特別演出(例えば、図22(A)の同色図柄演出、NEXT図柄演出等)を実行可能であり、前記特別演出の種類に応じて、前記示唆演出が実行された後の特定表示の表示態様の変化割合が異なる(例えば、図22(C)のように、擬似連における同色図柄演出とNEXT図柄演出とのような演出種類に応じて、アクティブ変化演出の実行割合が異なる等)。
このような構成によれば、遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、上記の各実施形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図34に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の各実施形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の各実施形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の各実施形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施形態で示した構成を適用することもできる。