以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、画像表示による演出を実行可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、プッシュボタン120と、トリガボタン125を有するスティックコントローラ122とを設けた例を示した。しかし、これに限らず、操作手段としては、プッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれか1つのみを設けてもよい。また、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様で大当り表示結果以外のはずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報(保留記憶情報)を示す(特定する)場合にも用いられる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない、遊技者にとって不利な状態になる。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリア(保留表示部)が形成される(図示省略)。保留表示エリアでは、第1保留記憶数および第2保留記憶数を合算(合計)した形式で、保留記憶情報が表示される。このような合算保留記憶表示により、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、演出表示装置9においては、保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応するアクティブ表示(変動対応表示とも呼ぶ)を含む情報を表した画像を表示するアクティブ表示エリアが保留表示エリアの左側に隣接して形成されてもよい。
なお、保留表示エリアは、第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別した表示態様で保留記憶情報が表示されるようにしてもよい。このように、第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別して表示することにより、第1保留記憶情報と、第2保留記憶情報とを容易に区別可能となる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、遊技者にとって有利な開放状態と、遊技者にとって不利は閉鎖状態とに変化可能な開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときとに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。なお、特別可変入賞球装置20は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されてもよい。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
この実施の形態においては、高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、主基板31においては、図示を省略するが、不正行為による異常な振動(異常振動状態)を検出するための振動検出器、および、不正行為による異常な磁気(異常磁気状態)を検出するための磁気検出器等のエラー状態(異常状態)を検出するための各種検出器の検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力可能とするための構成が設けられている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示している。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10〜20秒、スーパーリーチ30秒〜60秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示している。
また、パチンコ遊技機1においては、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (60秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が60秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。また、「ノーマルリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1ノーマルリーチ」、および、「第2ノーマルリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターンとして、「第1スーパーリーチ(30秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
また、時短状態であるか否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態であるか否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
また、はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
この実施の形態では、ノーマルリーチの変動パターン種別およびスーパーリーチの変動パターン種別のそれぞれにおいて、ブラックアウト演出が実行される変動パターンが含まれている。ブラックアウト演出は、所定画像の視認性を基準状態よりも低い視認困難状態に変化させる視認困難演出である。
具体的に、ブラックアウト演出は、演出表示装置9において、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を開始した後に表示画面の表示内容が暗転(ブラックアウト)する演出である。この実施の形態では、ブラックアウト演出として、たとえば、表示画面全体(たとえば、演出図柄、キャラクタ、および、背景画像等)を黒一色の画像に暗転することにより、ブラックアウト演出の前に表示されていた各種画像が視認困難状態となる演出が実行される。
なお、ブラックアウト演出としては、たとえば、表示画面全体を黒一色の画像に暗転するのではなく、通常表示されている演出画像(演出図柄、キャラクタ、および、背景画像等の演出画像)の前面側に半透明の黒色等の所定色の画像を重ねて表示することにより、表示画面全体の画像の明度を低下させて画像を全体的に暗くする演出が行なわれるようにしてもよい。
また、この実施の形態でのブラックアウト演出は、ブラックアウト演出期間中において、視認困難度が一定とされるが、たとえば、ブラックアウト演出期間中において、視認困難度が変化する(視認困難度が時間経過に従って上昇または低下する等)ものであってもよい。
なお、ブラックアウト演出の態様は、暗転色が複数種類の暗転色のうちから選択されるものであってもよく、暗転色の色の種類に応じて、大当り表示結果となる期待度(信頼度)が異なるようにしてもよい。また、ブラックアウト演出は、暗転した状態の継続時間に応じて大当りに対する期待度(信頼度)が異なるようにしてもよい。
また、視認困難演出のその他の例としては、ブラックアウト演出に限らず、演出画像の一部または全部を変形させて視認しにくい状態とする演出、および、演出画像の一部または全部を半透明にして色が薄い画像とすることで視認しにくい状態とする演出等、演出画像の視認性が変更されるような演出であればどのようなものであってもよい。
図6に示すように、ブラックアウト演出が実行される変動パターンとしては、第2ノーマルリーチの変動パターンと、第3スーパーリーチの変動パターンとが設けられている。第3スーパーリーチは、変動開始時から所定時間が経過してリーチ状態となった後、ブラックアウト演出が特定期間に亘り実行され、ブラックアウト演出の終了後に、スーパーリーチの演出に発展することにより、スーパーリーチであることが示される、所謂スーパーリーチ発展型の演出である。一方、第2ノーマルリーチは、第3スーパーリーチと同様に、変動開始時から所定時間が経過してリーチ状態となった後、ブラックアウト演出が特定期間に亘り実行されることにより、スーパーリーチに発展すると見せかけて、ブラックアウト演出の終了後に、スーパーリーチの演出に発展せずにノーマルリーチが継続される演出である。つまり、第2ノーマルリーチは、ブラックアウト演出が実行されるがスーパーリーチには発展しないという、スーパーリーチ発展型の所謂偽(ガセ)演出である。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を指定する合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
コマンドD101(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞のような所定入賞が検出されたときに、その検出がされたことを指定する入賞指定コマンドである。コマンドD2XX(H)は、特定のエラー状態(異常状態)の発生が検出されたときに、XX(H)で示すエラー(異常状態)種類の発生を指定するエラー指定コマンドである。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図11参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図8(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図8(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図8(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図8(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図8(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理(たとえば、S1217,S1228の入賞時演出処理)の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図8で説明した第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図8に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。
この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターンの決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、客待ちデモ表示と呼ばれるデモンストレーション表示(以下デモ表示とも呼ぶ)を指定する客待ちデモ表示指定コマンドを送信するための処理をし(S77)、特別図柄通常処理を終了する。ここで、客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて、重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御される。このような客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされる。
演出制御用マイクロコンピュータ100においては、このような客待ちデモ指定コマンドを受信した後、変動パターンコマンド等の変動表示の開始に関するコマンドを受信することなく、所定時間(たとえば、60秒間)が経過したときに、デモ表示を実行する演出制御が行なわれる。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図8(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図10のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図13は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合は、大当りとすることが決定されているときであり、CPU56は、S74で記憶された大当り種別情報と、非時短状態と時短状態とのうちどの状態にあるかを示す時短情報とに応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述した判定テーブルの選択条件に基づいて、図6に示す、通常状態はずれ時判定テーブル、時短状態はずれ時判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかを選択する。
ここで、時短情報は、時短状態であるか否かを示す情報である。時短情報は、大当り遊技状態の終了時においてセットされ、時短状態において、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(この実施の形態では100回)実行されたときに、リセットされる(次回の大当り遊技状態が発生するにも一旦リセットされる。)。時短情報は、時短フラグがセットされているときには、時短状態であることを示し、時短フラグがセットされていないときには、非時短状態であることが示される。
S91で大当りフラグがセットされているときは、S74で記憶された大当り種別データに基づいて、大当りが確変大当りであるか否かを確認する(S92)。確変大当りであるときは、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択し(S93)、S114に進む。一方、通常大当りであるときは、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択し(S94)、S114に進む。
また、S91で大当りフラグがセットされていないとき、すなわち、はずれのときは、時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。時短フラグがセットされていないときは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択し(S96)、S114に進む。一方、時短フラグがセットされているときは、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択し(S97)、S114に進む。
これにより、遊技状態に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述したような判定テーブルの選択条件に基づいて、図6に示される通常状態はずれ時判定テーブル、時短状態はずれ時判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかが選択される。
次いで、S114において、CPU56は、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S93,S94,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブル部のデータを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S114)。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S93,S94,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおいて、変動パターン判定テーブル部におけるS114で決定した変動パターン種別に関するデータを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S115)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S116)。
また、特別図柄の変動を開始する(S117)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始させる。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S119)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図14は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、および、演出決定用のSR2を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR2のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の増加、消去、移動等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。具体的に、S707の処理では、保留記憶の発生に応じて、保留記憶表示エリアに保留記憶を出現させ、保留記憶に基づく変動表示が実行されるときに、対応する保留表示を消去し、その他の保留表示を、消去された保留表示の位置に向けて1つずつシフトする処理を実行する。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図15は、図14に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等の先読み演出に関する処理を行なう処理である。ここで、先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるものであるのかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、4番目に消化される保留情報が大当りであるときに、4番目に消化される保留情報よりも前に消化させる保留情報に基づいた特別図柄の変動表示において、後に大当りが発生する可能性のあることを所定の演出態様で予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を“ターゲットの変動表示”と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態の開始時から大当り遊技状態の終了時までの予め定められた演出制御期間中において、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
パチンコ遊技機1においては、保留表示される保留記憶情報の変動表示に関する情報を、当該保留記憶情報に基づく変動表示が実行される前に先読みし、所定条件が成立したときに、その先読み結果に基づいて、先読みした保留記憶情報に対応する保留表示をターゲットとして、当該保留記憶情報よりも前に記憶された保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、当該変動表示の演出に対応する態様で、保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出が実行される場合がある。
図16は、ステップアップ予告演出判定テーブルを示す説明図である。ステップアップ予告演出判定テーブルは、ステップアップ予告演出を実行するか否か(有無)の判定、および、ステップアップ予告演出を実行するときの演出態様の選択に関する判定をするための抽選に用いるデータテーブルである。ステップアップ予告演出判定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
ステップアップ予告とは、大当りまたはリーチ等の予告対象となるか否かについての予告報知を複数段階に変化可能な演出態様で実行する予告演出である。この実施の形態では、1の始動入賞に対して実行される図柄の変動表示中に実行される予告として、ステップアップ予告を実行する例を示す。なお、ステップアップ予告は、連続する変動表示のような複数の始動入賞に対して実行される図柄の変動表示中に実行される予告(たとえば、連続する各変動表示において1ステップずつ演出態様が変化する等)として用いてもよい。また、ステップアップ予告は、擬似連演出で連続して実行される複数回の変動表示の各変動表示において1ステップずつ演出態様が変化するような演出であってもよい。
具体的に、ステップアップ予告は、たとえば、表示、音、ランプ、可動物等を用いた予告の態様が複数段階に変化(ステップアップ)する演出であり、一般的には、変化する回数(ステップ数)が多い程、信頼度が高くなる。予告の対象となるのは、大当りまたはリーチとなる旨を予告するものが多いが、確変大当り、特定のリーチ、確変状態への昇格を予告する対象も変化するものであってもよい。たとえば、5段階のステップがある場合において、ステップ3までいくと「リーチ確定」、ステップ4までいくと「スーパーリーチ確定」、ステップ5まで行くと「大当り確定」となるようなものでもよい。
この実施の形態では、ステップアップ予告の演出態様の変化(ステップアップ)として、登場するキャラクタの数が、ステップアップするごとに変化する(増加する)ことにより、第1ステップから第3ステップまでステップアップ可能な演出を一例として説明する。ここで、キャラクタとは、人間、動物、および、植物等の生物、ならびに、何らかのシンボル、文字、および、記号等の生物以外の物を示す映像(これらをそのまま示す画像およびこれらをモチーフとした画像を含む)をいい、遊技者が、図柄(演出図柄)とは異なる画像として認識できるものであれば、あらゆる画像が含まれる。
なお、ステップアップ予告の演出態様の変化としては、たとえば、異なるキャラクタが順番に登場することによりステップアップするようなもの、または、1のキャラクタの形状または色等が変化することによりステップアップするようなもの等、その他の演出概要を用いてもよい。つまり、遊技者から見て予告する手段(表示、音、ランプ、可動物等)の状態が段階的に変化したと認識可能なものであれば、上記例に限らずステップアップ予告であるといえる。
ステップアップ予告演出判定テーブルは、ステップアップ予告演出の実行対象となる特定の変動パターンによる変動表示が実行されるときに、ステップアップ予告演出の実行に関する判定をするために用いられる。具体的に、この実施の形態では、20秒間以上の変動表示時間が設定された変動パターンがステップアップ予告演出の実行対象の変動パターンとして定められている。その理由は、次のとおりである。この実施の形態で実行されるステップアップ予告演出には、ステップアップ予告演出を実行するために最低限必要な演出時間(たとえば、20秒間)が予め定められている。したがって、ステップアップ予告演出は、最低限必要な演出時間20秒間以上の変動時間の変動パターン(たとえば、図6に示す第2ノーマルリーチ、および、第1スーパーリーチ〜第4スーパーリーチ)が実行対象とされる。
なお、ステップアップ予告演出の実行対象の変動パターンは、前述したような変動パターンのうちの一部の変動パターンを実行対象とする例に限らず、すべての変動パターンを実行対象として実行可能となるように設定してもよい。
ステップアップ予告演出判定テーブルでは、判定対象となる変動パターンが「はずれ(変動表示結果によりはずれとなる変動パターン)」と、「通常大当り(変動表示結果により通常大当りとなる変動パターン)」と、「確変大当り(変動表示結果により確変大当りとなる変動パターン)」とのいずれかの変動パターンに類別されている。そして、ステップアップ予告演出判定テーブルでは、類別された各変動パターンについて、実行なし、第1ステップまで実行する演出、第2ステップまで実行する演出、および、第3ステップまで実行する演出という4種類の判定結果のそれぞれに、演出決定用の乱数SR2(1〜100の数値範囲)の合計100個の数値が、適宜割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR2値の個数が示されている。
ステップアップ予告演出は、第1ステップの演出から始まり、第2ステップを経て第3ステップまでステップアップ可能な演出として実行される。第1ステップまで実行されるステップアップ予告演出は、ステップアップ予告演出の開始時の第1ステップの演出画像が表示されるがその後ステップアップしない演出である。第2ステップまで実行されるステップアップ予告演出は、ステップアップ予告演出の開始時の第1ステップの演出画像が表示された後、1段階だけステップアップして、第2ステップまで進む演出である。第3ステップまで実行されるステップアップ予告演出は、ステップアップ予告演出の開始時の第1ステップの演出画像が表示された後、第2ステップへのステップアップと、第2ステップから第3ステップへのステップアップとの合計2段階ステップアップして、最終段階である第3ステップまで進む演出である。
なお、ステップアップ予告演出としては、前述したような1段階もステップアップしない演出を実行しないようにしてもよい。
図16に示すように、「通常大当り」となる変動パターン、および、「確変大当り」となる変動パターンについては、「はずれ」となる変動パターンと比べて、ステップアップ予告演出が実行される割合が高く設定されている。これにより、ステップアップ予告演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、大当り表示結果となり大当り遊技状態に制御される期待度が高い。また、「確変大当り」となる変動パターンは、「通常大当り」となる変動パターンと比べて、ステップアップ予告演出が実行される割合が高く設定されている。これにより、ステップアップ予告演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、確変大当りとなる期待度が高くなる。
また、図16に示すように、「通常大当り」となる変動パターン、および、「確変大当り」となる変動パターンについては、「はずれ」となる変動パターンと比べて、第3ステップまでステップアップ予告演出が実行される割合が高く設定されている。これにより、ステップアップ予告演出においてステップアップする段階数が高い程、大当り表示結果となり大当り遊技状態に制御される期待度が高い。また、「確変大当り」となる変動パターンは、「通常大当り」となる変動パターンと比べて、第3ステップまでステップアップ予告演出が実行される割合が高く設定されている。これにより、ステップアップ予告演出においてステップアップする段階数が高い程、確変大当りとなる期待度が高くなる。
このように、ステップアップ予告演出は、実行されるときに、実行されないときよりも遊技者にとって有利な状態となる期待度が高い。また、ステップアップ予告演出は、実行されるときにおいて、ステップアップする段階数が高い程、遊技者にとって有利な状態となる期待度が高い。これにより、ステップアップ予告演出は、遊技者の注目を集めることが可能となる。
図17は、ステップアップ予告演出の演出態様の一例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図17においては、ステップアップ予告演出において、第1ステップから第3ステップまでステップアップしたときの演出態様が示されている。図17では、保留表示の図示が省略されている。
演出表示装置9では、図17(A)に示すように、「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア91,92,93のぞれぞれで「0」〜「9」の数字図柄よりなる「左」,「中」,「右」の演出図柄の変動表示が開始される。そして、基本的に、「左」,「右」,「中」図柄表示エリア91,93,92の順番で演出図柄が停止される。
図17(B)に示すように、演出表示装置9において、「左」,「右」の図柄表示エリア91,93で同じ図柄が揃って停止してリーチ状態となったときに、1体のキャラクタ6が出現する表示がされるとともに、ステップアップ予告演出の第1ステップであることを特定可能な第1演出音(図中音符マークで示す)がスピーカ27から出力される。このように、ステップアップ予告演出においては、まず、1体のキャラクタ6と第1演出音とにより、第1ステップを特定可能な演出が実行される。
次に、第1ステップとなってから第1の所定時間が経過すると、図17(C)に示すように、2体のキャラクタ6が出現する表示がされるとともに、ステップアップ予告演出の第2ステップであることを特定可能な第2演出音(図中音符マークで示す)がスピーカ27から出力されることにより、第2ステップにステップアップし、その旨が報知される。このように、ステップアップ予告演出においては、2体のキャラクタ6と第2演出音とにより、第2ステップにステップアップしたことを特定可能な演出が実行される。
次に、第2ステップとなってから第2の所定時間が経過すると、図17(D)に示すように、3体のキャラクタ6が出現する表示がされるとともに、ステップアップ予告演出の第3ステップであることを特定可能な第3演出音(図中音符マークで示す)がスピーカ27から出力されることにより、第3ステップにステップアップし、その旨が報知される。このように、ステップアップ予告演出においては、3体のキャラクタ6と第3演出音とにより、第3ステップにステップアップしたことを特定可能な演出が実行される。
図17に示したように、ステップアップ予告演出においては、キャラクタ6の表示態様(キャラクタ数)の種類と、演出音の種類とのそれぞれにより、どのステップの状態であるかが特定可能に報知される。
図18は、ブラックアウト演出の演出態様の一例を示す演出表示装置9の表示画面図である。図18においては、ブラックアウト演出の実行後にスーパーリーチに発展する第3スーパーリーチの変動パターンと、ブラックアウト演出の実行後にスーパーリーチに発展しない第2ノーマルリーチの変動パターンとのそれぞれの演出態様が示されている。図18では、(A),(B),(D)〜(F)において、保留表示の図示が省略されている。
演出表示装置9では、図18(A)に示すように、「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア91,92,93のぞれぞれで「0」〜「9」の数字図柄よりなる演出図柄の変動表示が開始される。
図18(B)に示すように、演出表示装置9において、変動表示開始時から「左」,「右」の図柄表示エリア91,93で同じ図柄が揃って停止してリーチ状態となるまでは、第2ノーマルリーチと第3スーパーリーチとで同じ演出態様であるノーマルリーチ時の変動表示画像(第1ノーマルリーチでも表示される画像)を表示する演出がされる。そして、図18(B)に示すようにリーチ状態となると、図18(C)に示すように、演出表示装置9の表示画面全体を黒一色の画像に暗転することにより、演出表示装置9で表示される所定の演出画像(この例ではすべての画像)を視認困難状態にするブラックアウト演出が開始される。このブラックアウト演出は、たとえば、図17に示したようなステップアップ予告が実行されるときの第1ステップの後半から第3ステップの前半に至るまでの演出時間と同様の所定時間に亘り実行される。
このようなブラックアウト演出は、変動表示がスーパーリーチに発展するか否かの期待感を盛上げるための演出として用いられる。それは、第2ノーマルリーチと第3スーパーリーチとでは、変動開始時からリーチ状態の開始時までは共通(同じ)演出が実行され、そして、ブラックアウト演出では所定画像(この例ではすべての画像)が視認困難状態にされることにより演出の進行態様が予測困難となり、スーパーリーチに発展するか否かを判断することが困難な状態になるからである。
ブラックアウト演出が開始されてから所定時間が経過すると、ブラックアウト演出が終了することにより、図18(D)または(F)に示すように、演出表示装置9における所定画像(この例ではすべての画像)が視認可能状態とされる。
第3スーパーリーチの変動パターンでの変動表示では、ブラックアウト演出の終了後、図18(D)に示すように、スーパーリーチに発展したことを示す「スーパーリーチ発展」というようなメッセージ画像が表示されるとともに、「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア91,92,93で表示されていた演出図柄が縮小されて、演出表示装置9における表示領域の左隅部に移動して表示されることにより、スーパーリーチに発展したことが特定可能に報知される。そして、図18(E)に示すように、スーパーリーチ用の画像による変動表示の演出(具体的な画像は図示省略)が開始される。これにより、第3スーパーリーチの変動パターンでは、ブラックアウト演出の終了後にスーパーリーチに発展する演出が実行される。
一方、第2ノーマルリーチの変動パターンでの変動表示では、ブラックアウト演出の終了後、図18(F)に示すように、図18(B)と同様のノーマルリーチ時の変動表示画像(第1ノーマルリーチでも表示される画像)を表示する変動表示の演出が継続され、スーパーリーチに発展しないことが特定される。
このように、第2ノーマルリーチおよび第3スーパーリーチの変動パターンにおいて、ブラックアウト演出は、スーパーリーチに発展するか否かを予測困難な状態とすることにより、遊技者の期待感を盛上げるために行なわれる。
図19は、図17に示したステップ予告演出と、図18に示したブラックアウト演出とが重複して実行されるときの演出態様の一例を示す演出表示装置9の表示画面図である。
図16を用いて説明したように、ステップアップ予告演出は、20秒以上の変動表示時間の変動パターンのすべてを対象として実行するか否かの抽選による判定がされるので、図18に示したようなブラックアウト演出が実行される第2ノーマルリーチの変動パターンと第3スーパーリーチの変動とのそれぞれが実行されるときに実行されることがある。
また、前述したように、ブラックアウト演出は、ステップアップ予告演出が実行されたときの第1ステップから第3ステップが実行される期間に亘り実行されるので、ステップアップ予告演出と、ブラックアウト演出とが重複して実行される場合が生じ得る。この実施の形態では、ステップアップ予告演出と、ブラックアウト演出とが重複して実行されるときには、ブラックアウト演出への遊技者の注目度を高めるための制御として、演出制御用マイクロコンピュータ100により、図19に示すように、ステップアップ予告演出における第2演出音のような演出音を制限する音制限制御が実行される。
図19において、(A)〜(F)には、図18(A)〜(F)と同様のブラックアウト演出が実行される第3スーパーリーチの変動表示演出例と、第2ノーマルリーチの変動表示演出例とが示されている。そして、図19には、これら変動表示演出におけるブラックアウト演出と、図17に示したような第3ステップまでステップアップするステップアップ予告演出とが重複して実行されるときの演出例が、(B)〜(D),(F)に示されている。
図19(B)に示すように、演出表示装置9において、ノーマルリーチ時の演出態様によりリーチ状態となったときに、ステップアップ予告演出の第1ステップであることを特定可能な1体のキャラクタ6が出現する表示がされるとともに、第1演出音(図中音符マークで示す)がスピーカ27から出力される。
そして、図19(B)に示すようにリーチ状態となった後、図19(C)に示すようにブラックアウト演出が開始されることにより、ステップアップ予告演出の第2ステップであることを特定可能なキャラクタが視認困難状態とされる。さらに、ブラックアウト演出が開始されることにより、ステップアップ予告演出の演出音(この例では第2ステップであることを特定可能な第2演出音)を消音することにより演出音を出力しないように制限する音制限制御が開始される。
このように、ブラックアウト演出とステップアップ予告演出とが重複して実行されるときにおいて、ブラックアウト演出が開始されてから所定時間が経過すると、ブラックアウト演出が終了することにより、図18(D)または(F)に示すように、演出表示装置9における所定画像(この例ではすべての画像)が視認可能状態とされるが、ブラックアウト演出が終了するときには、ステップアップ予告演出の演出音を出力しないように制限していた音制限制御が終了され。これにより、図18(D)または(F)に示すように、ブラックアウト演出が終了するときには、ステップアップ予告演出の演出音(この例では第3ステップであることを特定可能な第3演出音)の出力が再開される。
前述したように、ブラックアウト演出と、ステップアップ予告演出とが重複して実行されるときに、重複期間において、ステップアップ予告演出の演出音を出力しないように制限する音制限制御は、ブラックアウト演出の開始と同時に開始され、ブラックアウト演出の終了と同時に終了される。このように、ブラックアウト演出と、ステップアップ予告演出とが重複して実行されるときにステップアップ予告演出の演出音の出力を制限することにより、その演出音によりステップアップ予告演出に遊技者の注意力が分散されることが抑制され、ブラックアウト演出の注目度を向上させることができる。
図20は、図19に示すようなブラックアウト演出とステップアップ予告演出とが重複して実行されるときの音制限制御に関連する演出制御の制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。
図20においては、(a)に演出図柄の変動表示状態(実行、停止)、(b)にステップアップ予告演出の実行状態(実行、停止)、(c)にスーパーリーチ演出の実行状態(実行、停止)、(d)にステップアップ予告音演出の実行状態(規定音量〜消音)、(e)にBGM音演出の実行状態(規定音量〜消音)、(f)にエラー音の出力状態(音出力、消音)、(g)に入賞音の出力状態(音出力、消音)が示されている。図20では、演出音等の音出力として、ステップアップ予告音、BGM音、および、エラー音等の複数種類の音出力が示されている。これら複数種類の音出力のそれぞれは、音制御のために設けられた複数の音出力チャネルのうち、異なるチャネルから出力されるものであり、個別に音量が制御可能なものである。
図20(g)に示すように、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aによって検出されるごとに、所定の入賞音がスピーカ27から出力される。入賞音は、このような始動入賞が検出されると、遊技制御用マイクロコンピュータ560から入賞指定コマンドが出力され、演出制御用マイクロコンピュータ100が、そのコマンドを受信したことに応じて、入賞音を出力するための処理を実行することにより、始動入賞が検出されるごとに入賞音がスピーカ27から出力される。
図20(f)に示すように、たとえば、振動検出器および磁気検出器等の異常検出器によってエラー状態(異常状態)が検出されると、所定のエラー音がスピーカ27から出力される。エラー音は、このようなエラー状態が検出されると、遊技制御用マイクロコンピュータ560からエラー指定コマンドが出力され、演出制御用マイクロコンピュータ100が、そのコマンドを受信したことに応じて、エラー音を出力するための処理を実行することにより、エラー音がスピーカ27から出力される。
ブラックアウト演出とステップアップ予告演出とが重複して実行されるときには、たとえば、第3スーパーリーチの変動パターンでは、図19(B)のようにリーチ状態となったときにノーマルリーチ画像による演出が実行された後、図19(C)に示すように、所定期間に亘りブラックアウト演出が実行され、図19(D),(E)に示すように、ブラックアウト演出の終了後にスーパーリーチ画像による演出が実行されることによりスーパーリーチに発展する演出が実行される。
このようなブラックアウト演出が実行されるときに、ステップ予告演出を第3ステップまで実行することが演出制御用マイクロコンピュータ100により決定されたときには、図20(b)に示すように、リーチ状態となったときに、まず、第1ステップに対応する演出態様での画像表示および演出音出力が実行され、ステップアップタイミングになると、第2ステップにステップアップする演出が実行される。
ブラックアウト演出が重複実行されていないときは、第2ステップにステップアップする演出の後に、第2ステップに対応する演出態様での画像表示および演出音出力が実行されることとなるが、ブラックアウト演出が重複実行されているときは、図20(c)に示すブラックアウト演出の実行により、第2ステップに対応する演出態様での画像が視認困難とされる。また、ブラックアウト演出が重複実行されているときに、ステップアップ予告の演出音については、図20(d)に示すように、規定音量で出力していた演出音が、ブラックアウト演出の実行期間中に消音するという音制限制御が実行されることにより、出力されなくなる。そして、ブラックアウト演出が終了した後は、消音していたステップアップ予告の演出音を規定音量に復帰させる制御が実行される。
このように、ブラックアウト演出とステップアップ予告演出とが重複して実行されるときには、ブラックアウト演出が実行される期間中において、ステップアップ予告の演出音を消音する制御が演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される。
また、図20(e)に示されたBGM音は、変動表示時においてBGM(BackGround Music)として出力される演出音であり、変動パターンおよび演出モード等に応じて、演出制御用マイクロコンピュータ100が、複数種類のBGM音のうちから選択したBGM音を出力する制御を行なうものである。この実施の形態では、所定の演出モード中においては、その演出モードに対応したBGM音が、変動表示中であるか否かを問わず継続的に出力される例を示す。
なお、BGM音は、所定の演出モード中において変動表示中にのみ出力されるものであってもよい。BGM音は、演出モードにかかわらず、パチンコ遊技機1が動作状態にあるときに継続的に出力されるものであってもよい。BGM音は、演出モードにかかわらず、変動表示中にのみ出力されるものであってもよい。
このようなBGM音については、ブラックアウト演出とステップアップ予告演出とが重複して実行されるときに、図20(e)に示されるように、ブラックアウト演出が実行される期間中において、消音するのではなく、最小限の音量により演出音を出力することによる演出音制限をする制御が演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される。ここで、たとえば、最小限の音量とは、たとえば、音量が第1レベル(最小)〜第5レベル(最大)の間で制御可能な場合における第1レベルの音量である。
図20(d),(e)に示されるように、ステップアップ予告演出およびBGM音演出のような特定演出と、ブラックアウト演出との重複期間においては、特定演出における演出音について、音量を一時的に下げる処理が行なわれる。このように特定期間において音量を一時的に下げる処理は、ダッキング処理と呼ばれる。ダッキング処理は、たとえば、複数種類の音が同時に出力されているときに、一方の種類の音を所定期間に亘り聞き取りやすくするために、他方の種類の音の音量を一時的に所定期間に亘り下げる処理として用いられることがある音出力制御のための処理として一般的に用いられる場合がある。この実施の形態では、ブラックアウト演出のような視認困難演出を目立たせて注目させるために、ブラックアウト演出と演出期間が重複する特定演出(ステップアップ予告演出、BGM音演出)における演出音を対象として、演出制御用マイクロコンピュータ100がダッキング処理を実行する。
図20(d),(e)に示すように、ブラックアウト演出と特定演出との重複期間においては、ダッキング処理により、音量がフェードアウトするような態様で所定時間をかけて一時的に下げられ、その後、音量がフェードインするような態様で所定時間をかけて元の音量に復帰する制御が行なわれる。なお、ブラックアウト演出と特定演出との重複期間においては、ダッキング処理により、音量がカットアウトするような態様で急激に一時的に下げられ、その後、音量がカットインするような態様で元の音量に復帰する制御が行なわれてもよい。
なお、ブラックアウト演出と特定演出との重複期間において、ダッキング処理により、音量が一時的に下げられた後の音量の増加レベルは、図20(d),(e)に示すような元の音量のレベルに復帰するものではなく、元の音量のレベルよりも高いレベルに増加させるように制御してもよく、または、元の音量のレベルよりも低いレベルに増加させるように制御してもよい。
また、ブラックアウト演出と特定演出との重複期間において、ダッキング処理により、特定演出の音量を一時的に低下開始させるタイミングは、図20(d),(e)に示すような、ブラックアウト演出の実行開始と同時とする例に限らず、ブラックアウト演出の実行開始前のタイミングであってもよく、ブラックアウト演出の実行開始後のタイミングであってもよい。つまり、ブラックアウト演出と特定演出との重複期間において特定演出の音量を一時的に低下させる期間がある程度確保できれば、ダッキング処理の実行タイミングは、どのようなタイミングとしてもよい。
ステップアップ予告演出およびBGM音演出のような特定演出と、ブラックアウト演出のような視認困難演出とが重複して実行されるときに、図20(d)のように、ステップアップ予告については、ステップアップ予告音を消音し、BGM音演出については、図20(e)のようにBGM音を最小限音にするというように、特定演出の種類に応じて、音出力の制限度合が異なる。このように、特定演出の種類に応じて音出力の制限度合が異なることにより、たとえば視認困難演出への注目の妨げにならない特定演出の音出力をあまり制限しない等、特定演出の音出力が一律に制限されず、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、ブラックアウト演出とBGM音演出とが重複して実行されるときに、BGMの演出音制限をする制御としては、最小限の音量にするのではなく、演出音制限をしないときの音量レベルよりも所定段階(たとえば、1段階、または、半分の音量となる段階等)下げた音量レベルとする制御をしてもよい。
また、図20(e)に示されたBGM音は、変動表示時においてBGM(BackGround Music)として出力される演出音であり、変動パターンおよび演出モード等に応じて、演出制御用マイクロコンピュータ100が、複数種類のBGM音のうちから選択したBGM音を出力する制御を行なうものである。このようなBGM音については、ブラックアウト演出とステップアップ予告演出とが重複して実行されるときに、図20(e)に示されるように、ブラックアウト演出が実行される期間中において、消音するのではなく、最小限の音量により演出音を出力する制御が演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される。
また、ブラックアウト演出とステップアップ予告演出とが重複して実行されるときについて、図20(f)に示されたエラー音、および、図20(g)に示された入賞音は、演出制御用マイクロコンピュータ100により、それぞれ、ブラックアウト演出が実行される期間中において、特に制限されることなく、規定の音を出力する制御が行なわれる。ブラックアウト演出との重複期間中であっても、エラー音が制限されないことにより、エラー音に応じて、異常状態が生じたことを確実に報知することができる。また、ブラックアウト演出との重複期間中であっても、入賞音が制限されないことにより、入賞音に応じて、入賞が生じたことを確実に報知することができる。
なお、ブラックアウト演出とステップアップ予告演出とが重複して実行される期間中において、特に制限されることなく、規定の音を出力する制御が行なわれる例としては、前述したエラー音、および、入賞音に限らず、所謂一発告知音(たとえば一回の報知音の出力により大当り等の遊技者にとって有利な状態となることを報知する音)等のその他の音に適用してもよい。そのような適用対象の音は、遊技者において遊技者が確実に知ることが必要となる情報を報知する音であることが好ましい。
図21は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、演出図柄の変動表示の演出(ブラックアウト演出等の変動表示に付随する演出も含む)、ステップアップ予告の演出、BGM音の演出、および、保留変化の演出等の各種演出を設定する処理)を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理の処理内容の一例については、図22および図23を用いて後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
図22は、前述の演出設定処理(S616)の一部を構成する処理としてのステップアップ予告設定処理を示すフローチャートである。ステップアップ予告設定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下に説明するようなステップアップ予告に関する処理を行なう。
まず、今回の変動表示が、ステップアップ予告演出を実行する対象となる変動表示であるか否かを判定する(S631)。この具体的に、S631では、今回の変動表示を実行する変動パターンを指定する変動パターンコマンドが格納されるコマンド格納領域において、20秒間以上の変動表示時間が設定された変動パターン(第2ノーマルリーチ、および、第1スーパーリーチ〜第4スーパーリーチ)を指定するコマンドが格納されているか否かを判定することにより、今回の変動表示が、ステップアップ予告演出を実行する対象となる変動表示であるか否かを判定する。S631において、ステップアップ予告演出を実行する対象となる変動表示ではないと判定されたときは、処理を終了する。
S631によりステップアップ予告演出を実行する対象となる変動表示であると判定されたときは、図16のステップアップ予告演出判定テーブルを用いて、ステップアップ予告に関する予告判定をする(S632)。具体的に、S632では、今回の変動表示の表示結果を指定する表示結果指定コマンドが格納されるコマンド格納領域のデータに基づいて、今回の変動表示結果が、はずれの表示結果、通常大当りの表示結果、および、確変大当りの表示結果のうちの何れとなるかを確認するとともに、演出決定用のSR2の値を抽出し、これらの情報に基づき、ステップアップ予告演出判定テーブルを用いて、ステップアップ予告を実行するか否かの判定と、ステップアップ予告を実行するときの演出態様(どのステップまで実行するか)の選択とをする予告判定が実行される。
これにより、S632においては、ステップアップ予告を実行するか否かが判定されるとともに、ステップアップ予告を実行する判定がされたときに、実行するステップアップ予告の演出態様が決定される。
次に、今回の変動表示の変動パターンが、たとえば、第2ノーマルリーチおよび第3スーパーリーチのような、ブラックアウト演出を含む(ブラックアウト演出を実行する)変動パターンであるか否かを確認する(S633)。S633においては、今回の変動表示の変動パターンを指定する変動パターンコマンドが格納されるコマンド格納領域のデータに基づいて、今回の変動パターンが、第2ノーマルリーチおよび第3スーパーリーチのようなブラックアウト演出を実行する変動パターンであるかどうかを確認することにより、今回の変動表示においてブラックアウト演出が実行されるか否かを判断することができる。そして、S632での予告判定結果と、S633でのブラックアウト演出についての確認結果とに基づいて、今回の変動表示において、ステップアップ予告演出と、ブラックアウト演出との重複期間があるか否かを判定する(S634)。
ステップアップ予告演出における各演出態様のそれぞれについては、変動表示の開始時から何秒経過後に何秒間の期間に亘りステップアップ予告演出が実行されるかというデータが、演出制御用マイクロコンピュータ100のROM102における所定記憶領域に記憶されている。また、ブラックアウト演出を実行する変動パターンのそれぞれについては、変動表示の開始時から何秒経過後に何秒間の期間に亘りブラックアウト演出が実行されるかというデータが、演出制御用マイクロコンピュータ100のROM102における特定記憶領域に記憶されている。具体的に、S634では、このようなステップアップ予告演出の実行期間に関するデータと、ブラックアウト演出の実行期間に関するデータとに基づいて、今回の変動表示において、ステップアップ予告演出と、ブラックアウト演出との重複期間があるか否かが判定される。
S634により、ステップアップ予告演出と、ブラックアウト演出との重複期間がないと判定されたときは、ステップアップ予告演出が制限されない通常演出態様でのステップアップ予告演出を実行するためのデータを設定し(S635)、処理を終了する。一方、S634により、ステップアップ予告演出と、ブラックアウト演出との重複期間があると判定されたときは、ブラックアウト演出との重複期間中において、ステップアップ予告演出の演出音を消音するという制限がされる特定演出態様でのステップアップ予告演出を実行するためのデータを設定し(S636)、処理を終了する。
このようなステップアップ予告設定処理が実行されることにより、ステップアップ予告演出を実行する判定がされたときは、ステップアップ予告を実行するための設定が行なわれ、当該設定に基づいて、図21に示すS617において、ステップアップ予告演出に関して、当該設定に対応する演出制御パターンが設定される。これにより、図15に示す演出図柄変動中処理により、S635により設定される通常演出態様またはS636により設定される特定演出態様によるステップアップ予告演出が実行されることとなる。
S636により設定される特定演出態様によるステップアップ予告演出が実行されるときには、図19および図20に示すように、ブラックアウト演出との重複期間中において、ステップアップ予告の演出音が消去される演出制限が行なわれることにより、ブラックアウト演出中において、ステップアップ予告演出の演出音によりステップアップ予告演出に遊技者の注意力が分散されることが抑制され、ブラックアウト演出の注目度を向上させることができる。
図23は、前述の演出設定処理(S616)の一部を構成する処理としてのBGM設定処理を示すフローチャートである。BGM設定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下に説明するようなBGM音の出力に関する処理を行なう。
まず、現在の演出モードが、BGM音を出力する対象となる所定の演出モードであるか否かを判定する(S641)。S641において、BGM音を出力する対象となる演出モードではないと判定されたときは、処理を終了する。
S641によりBGM音を出力する対象となる演出モードであると判定されたときは、今回の変動表示の変動パターンが、たとえば、第2ノーマルリーチおよび第3スーパーリーチのような、ブラックアウト演出を含む(ブラックアウト演出を実行する)変動パターンであるか否かを確認する(S642)。これにより、今回の変動表示においてブラックアウト演出が実行されるか否かを判断することができる。そして、S642でのブラックアウト演出についての確認結果に基づいて、今回の変動表示において、BGM音演出と、ブラックアウト演出との重複期間があるか否かを判定する(S643)。この実施の形態では、所定の演出モードであるときに、BGM音を継続的に出力する制御がされるので、S642でブラックアウト演出が実行されることが確認されたときは、S643により、BGM音演出と、ブラックアウト演出との重複期間があると判定される。
S643により、BGM音演出と、ブラックアウト演出との重複期間がないと判定されたときは、BGM音演出が制限されない通常演出態様でのBGM音演出を継続させるためのデータを設定し(S644)、処理を終了する。なお、S643では、現在実行中のBGM音演出を継続させるために、新たにデータを設定するのではなく、現在実行中の音演出に関するデータを変更せずにそのまま使用するようにしてもよい。一方、S643により、BGM音演出と、ブラックアウト演出との重複期間があると判定されたときは、ブラックアウト演出との重複期間中において、BGM音を最小限レベル音に制限するというような演出音制限をする特定演出態様でのBGM音演出を実行するためのデータを設定し(S645)、処理を終了する。
このようなBGM設定処理が実行されることにより、BGM音演出とブラックアウト演出とが重複する期間が生じるときに、図21に示すS617において、BGM音演出に関して、演出音制限をする演出制御パターンが設定される。これにより、図15に示す演出図柄変動中処理により、S644による通常演出態様またはS645による特定演出態様によるBGM音演出が実行されることとなる。したがって、BGM音演出とブラックアウト演出との重複期間中において、図20(e)に示すようなBGM音の演出音を最小限レベルの音に制限する演出制限が行なわれる。これにより、ブラックアウト演出中において、BGMの演出音によりBGM音演出に遊技者の注意力が分散されることが抑制され、ブラックアウト演出の注目度を向上させることができる。
図22および図23に示すように、ステップアップ予告演出と、BGM音による演出とのそれぞれについては、ブラックアウト演出と重複する期間が生じるときに、音の出力を制限する制御が実行される。これに対し、エラー状態が検出されたことに基づいて出力されるエラー音と、入賞が検出されたことに基づいて出力される入賞音とのそれぞれについては、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ブラックアウト演出の期間と重複しても、特に音の出力を制限する制御を実行しない。これにより、ブラックアウト演出との重複期間中であっても、エラー音が制限されないことにより、エラー音に応じて、異常状態が生じたことを確実に報知することができる。また、ブラックアウト演出との重複期間中であっても、入賞音が制限されないことにより、入賞音に応じて、入賞が生じたことを確実に報知することができる。
なお、この実施の形態では、ステップアップ予告演出およびBGM演出のような特定演出について、視認困難演出としてのブラックアウト演出と実行期間が重複したときに、特定演出による音出力を制限する制御をする例を示した。この場合の特定演出としては、視認困難演出以外の特定演出であればよい。このような特定演出は、少なくとも表示と音出力とを用いた演出であり、ブラックアウト演出(重複期間)中において、表示による演出が視認困難となる演出であればよい。重複期間中において、このような特定演出は、表示による演出が視認困難となるが、音出力が制限されることにより、音出力によって視認困難演出への注目を妨げないようにすることができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、ブラックアウト演出として、演出画像の視認困難度が異なる複数種類のブラックアウト演出のうちから、実行するブラックアウト演出の種類を選択して実行することにより、視認困難度が異なるブラックアウト演出を実行可能な例において、特定演出を制限する例を説明する。
視認困難度が異なる複数種類のブラックアウト演出としては、たとえば、演出画像のすべてを視認困難とする第1視認困難演出(たとえば、保留表示を含むすべての演出画像を視認困難とする演出)と、演出画像のうち一部を視認困難とする第2視認困難演出(たとえば、保留表示を除く演出画像を視認困難とする演出)との複数種類(2種類)の視認困難演のうち、いずれかを選択して視認困難演出を実行するようにしてもよい。
このように、視認困難度が異なるような複数種類のブラックアウト演出のうちから選択したブラックアウト演出を実行可能な場合においては、特定演出とブラックアウト演出との重複期間中において、ブラックアウト演出における視認困難状態の度合に応じて、音出力の制限度合が異なるように制御してもよい。
たとえば、保留記憶情報の大当りへの期待度に応じて保留表示の表示態様を変化させる表示演出に伴って保留表示変化音を出力する特定演出を演出制御用マイクロコンピュータ100により実行する場合において、保留表示を含むすべての演出画像を対象として視認困難にする第1視認困難演出については、第1視認困難演出としてのブラックアウト演出と、特定演出との重複期間中において、保留表示変化音の出力を制限(消音)するが、保留表示を除く演出画像を対象として視認困難にする第2視認困難演出については、第2視認困難演出としてのブラックアウト演出と、特定演出との重複期間中において、保留表示変化音の出力を制限(消音)しないようにしてもよい。また、その逆の制御を実行してもよい。
このような制御を実行すれば、特定演出と、視認困難演出との重複期間中において、視認困難状態の度合に応じて音出力の制限度合が異なることにより、不自然な演出となることを抑制することができる。たとえば、保留表示が視認困難化されない第2視認困難演出については、保留表示変化音の出力を制限(消音)すると、表示されている保留表示に対応する保留表示変化音が制限されると、不自然な演出と感じられるが、表示されている保留表示に対応する保留表示変化音が制限されないことにより、不自然な演出と感じられるのを抑制することができる。
なお、視認困難度合いが異なる複数種類の視認困難演出としては、暗転色の濃さの違いにより視認困難性が異なる、演出画像の一部または全部を変形させて視認しにくい状態とする演出をするときの視認困難性が異なる、および、演出画像の一部または全部を半透明にして色が薄い画像とするときの色の薄さの違いにより視認困難性が異なる等、どのようなブラックアウト演出を用いてもよい。
たとえば、ブラックアウト演出の視認困難度が第1困難度(視認困難度合が最低)〜第5困難度(視認困難度合が最高)というように複数種類あるときに、たとえば、視認困難度合が高くなるに従い、特定演出の音出力の制限度合を高くする(出力音の音量を小さくする)ように制御してもよい。また、その逆の制御をしてもよい。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態においては、遊技者の動作に従って、音出力の設定が可能な設定手段と、初期化条件が成立したときに、設定手段による設定を初期化可能な初期化手段とが設けられ、音出力の設定が所定値以上の音量であるときに、初期化条件が成立しても音量設定を初期化せず、音量設定が所定値以上の音量でないときに、音量設定を初期化する例を説明する。
第3実施形態では、遊技者の操作(動作)に従って、たとえば、演出音の音量等の演出に関する複数種類の設定をすることが可能である。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、前述したような客待ちデモ指定コマンドを受信してからの経過時間が60秒を経過したときに、客待ちデモ表示をするための処理が行なわれる。
客待ちデモ表示の実行中においては、たとえば、「デモ表示中」等の客待ちデモ表示中であることを示す表示画像とともに、「音量を設定してね!」等の表示画像を含む音量設定画面が演出表示装置9に表示される。音量設定画面において、遊技者は、たとえば、スティックコントローラ122を左右に傾倒操作することにより、演出時等にスピーカ27から出力される音量を0〜100(最大音量に対する%表示に相当する数値)の中から選択操作し、スティックコントローラ122のトリガボタン125を押引操作したりプッシュボタン120を押下操作したりすることによって選択中の音量の決定操作を行なう。この場合、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の傾倒方向センサユニット123からの傾倒操作信号に基づいて音量を選択し、スティックコントローラ122のトリガセンサ125やプッシュボタン120のプッシュセンサ124からの信号を入力したことに基づいて、選択中の音量を音量設定値として入力する。
以上に説明したように、この第3実施形態では、トリガセンサ125、プッシュセンサ124、および、傾倒方向センサユニット123により、遊技者の動作による操作が検出され、その検出に基づいて、音量が選択可能となる。なお、客待ちデモ表示中に加えて、または客待ちデモ表示中に代えて、演出図柄の変動表示中に音量の設定や変更を行なえるようにしてもよい。また、表示画像の輝度についても同様に遊技者の操作に基づいて選択可能としてもよい。
客待ちデモ表示としては、遊技開始前の客待ちデモ表示中に実行する所定の演出(たとえば、パチンコ遊技機ごとに個別に行う個別デモ表示、または、リアルタイムクロック等の計時手段を用いて複数のパチンコ遊技機で一斉に行なう一斉デモ演出等)が実行されるが、遊技者の操作に応じて、音量設定が通常の設定値から変更されているときには、客待ちデモ表示中に実行する所定の演出に適した音量設定値での音出力演出が実行できない。そこで、客待ちデモ表示を実行するときには、以下のように、音量設定値を、待ちデモ表示中に実行する所定の演出に適した音量設定値に初期化するための処理が演出制御用マイクロコンピュータ100で実行される。このように、たとえば、客待ちデモ表示の実行という初期化条件が成立したときに、音量設定値を初期化する処理が実行される。
演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)においては、客待ちデモ表示を実行する際に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、RAM103に設けられている設定値格納領域からスピーカ27の現在の音量設定値を読込む。そして、読込んだ音量設定値が、所定値(たとえば、最大音量の60%〜100%)以上であるか否かを確認する。音量設定値が所定値以上であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、その音量設定値を用いて、演出表示装置9において所定の客待ちデモ表示を開始する。一方、現在の音量設定値が所定値以上でないときは、音量設定値を、所定値以上に定められた初期値(たとえば、最大音量の60%)に変更して再設定し、その再設定後の音量設定値を用いて、演出表示装置9において所定の客待ちデモ表示を開始する。
このように、音量設定値が所定値以上の音量であるときに、客待ちデモ表示の実行に基づいて音量設定値を初期化せず、音量設定値が所定値以上の音量でないときに、客待ちデモ表示の実行に基づいて音量設定が初期化されるので、音量設定値の初期化により音が聴こえにくくならないようにすることができる。つまり、客待ちデモ表示における音出力の設定に応じた音量設定の初期化をすることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図19、図20、および、図23に示すように、ブラックアウト演出と、ステップアップ予告演出とが重複して実行されるときにステップアップ予告演出の演出音の出力を制限することにより、その演出音によりステップアップ予告演出に遊技者の注意力が分散されることが抑制され、ブラックアウト演出の注目度を向上させることができる。
(2) ステップアップ予告演出およびBGM音演出のような特定演出と、ブラックアウト演出のような視認困難演出とが重複して実行されるときに、図20(d)のようにステップアップ予告については、ステップアップ予告音を消音し、BGM音演出については、図20(e)のようにBGM音を最小限音にするというように、特定演出の種類に応じて、音出力の制限度合が異なる。このように、特定演出の種類に応じて音出力の制限度合が異なることにより、たとえば視認困難演出への注目の妨げにならない特定演出の音出力をあまり制限しない等、特定演出の音出力が一律に制限されず、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 20(f)に示されたエラー音は、ブラックアウト演出が実行される期間中において、特に制限されることなく、規定の音を出力する制御が行なわれる。ブラックアウト演出とステップアップ予告演出との重複期間中であっても、エラー音が制限されないことにより、エラー音に応じて、異常状態が生じたことを確実に報知することができる。
(4) 図20(g)に示された入賞音は、演出制御用マイクロコンピュータ100により、それぞれ、ブラックアウト演出が実行される期間中において、特に制限されることなく、規定の音を出力する制御が行なわれる。ブラックアウト演出とステップアップ予告演出との重複期間中であっても、入賞音が制限されないことにより、入賞音に応じて、入賞が生じたことを確実に報知することができる。
(5) 図19に示すように、ステップアップ予告演出のような特定演出は、少なくとも表示と音出力とを用いた演出であり、ブラックアウト演出(重複期間)中において、表示による演出が視認困難となる演出であればよい。重複期間中において、このような特定演出は、表示による演出が視認困難となるが、音出力が制限されることにより、音出力によって視認困難演出への注目を妨げないようにすることができる。
(6) 第2実施形態で説明したように、特定演出と、視認困難演出との重複期間中において、視認困難状態の度合に応じて音出力の制限度合が異ならせることにより、不自然な演出となることを抑制することができる。
(7) 第3実施形態で説明したように、音量設定値が所定値以上の音量であるときに、客待ちデモ表示の実行に基づいて音量設定値を初期化せず、音量設定値が所定値以上の音量でないときに、客待ちデモ表示の実行に基づいて音量設定が初期化されるので、音量設定値の初期化により音が聴こえにくくならないようにすることができる。つまり、客待ちデモ表示における音出力の設定に応じた音量設定の初期化をすることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、視認困難演出と、特定演出との重複期間において、特定演出の演出音の出力を制限する制御を行なう例を示した。その場合に特定演出の演出音の出力を制限する例としては、ステップアップ予告演出の演出音のように演出音を消音させる例、および、BGM音演出の演出音のように演出音を最小限の音量に低下させる例を示した。しかし、これに限らず、ことにより、視認困難演出と、特定演出との重複期間において、特定演出の演出音の出力を制限する例としては、次のような制限例を用いてもよい。
(2) 特定演出の演出音の出力を制限する例としては、制限前においてステレオ形式で出力されていた演出音を、モノラル形式で出力するように演出音の出力を制限してもよい。
(3) 特定演出の演出音の出力を制限する例としては、制限前においてサラウンド形式で出力されていた演出音を、非サラウンド形式で出力するように演出音の出力を制限してもよい。
(4) 特定演出の演出音の出力を制限する例としては、制限前において高周波帯域音をカットせずに出力されていた演出音を、高周波帯域音をカットした出力形式で出力するように演出音の出力を制限してもよい。
(5) 特定演出の演出音の出力を制限する例としては、制限前において低周波帯域音をカットせずに出力されていた演出音を、低周波帯域音をカットした出力形式で出力するように演出音の出力を制限してもよい。
(6) 特定演出の演出音の出力を制限する例としては、制限前において高周波帯域音および低周波帯域音をカットせずに出力されていた演出音を、高周波帯域音および低周波帯域音をカットした出力形式で出力するように演出音の出力を制限してもよい。
(7) 特定演出の演出音の出力を制限する例としては、制限前において複数の音出力チャネルを用いて出力されていた特定演出の演出音を、チャネル数を減らして出力するように演出音の出力を制限してもよい。
(8) 特定演出の演出音の出力を制限する例としては、制限前において遊技者の操作に応じて音量設定値が高く設定されていた特定演出の演出音を、音量設定値を初期化して出力するように演出音の出力を制限してもよい。
(9) 特定演出の演出音の出力を制限する例としては、視認困難演出の全期間に亘って特定演出の演出音を制限してもよく、視認困難演出の一部期間に亘って特定演出の演出音を制限してもよい。
(10) 前述の実施形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側で変動パターンを抽選により決定することに応じてブラックアウト演出の実行の有無を決定する例を示した。しかし、これに限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側では、ブラックアウト演出の実行の有無の決定をせずに、演出制御用マイクロコンピュータ100の側で、抽選によりブラックアウト演出の実行の有無を決定するようにしてもよい。
(11) 前述の実施形態に示したブラックアウト演出は、リーチ状態となる前に実行してもよい。その場合には、ブラックアウト演出の終了時において、リーチ状態に発展させたり、リーチ状態に発展せずに変動表示を終了させたりする演出をすればよい。また、ブラックアウト演出においてブラックアウトをする期間の長さによって、ブラックアウトの終了時に実行される演出の態様(演出の種類)が異なるようにしてもよい。たとえば、ブラックアウトをする期間が比較的短い第1期間(短期間)であるときには、ブラックアウトの終了時に実行される演出としてリーチ予告の演出(リーチ状態となることを予告する演出)を実行し、ブラックアウトをする期間が第1期間よりも長い第2期間(中期間)であるときには、ブラックアウトの終了時に実行される演出としてリーチ演出における開始時の演出を実行し、ブラックアウトをする期間が第2期間よりも長い第3期間(長期間)であるときには、ブラックアウトの終了時に実行される演出としてリーチ演出における演出期間中における終盤の演出を実行するようにしてもよい。このようにすれば、ブラックアウト演出の演出態様がバラエティに富み、演出の面白みを向上させることができる。
(12) 前述の実施形態では、視認困難演出(ブラックアウト演出)と特定演出(ステップアップ予告演出)との重複期間があるときに、音の出力について、所定の音出力については制限し(たとえば、ステップアップ予告音を消音し、BGM音を最小限音にする等)、特定の音出力については制限しない(たとえば、エラー音および入賞音はそのまま制限せずに出力する等)例を説明した。しかし、これに限らず、視認困難演出と特定演出との重複期間があるときには、すべての音出力を一律に制限する(たとえば、消音、最小限音化)ようにしてもよい。
(13) 前述の第3実施形態では、音量設定値の初期化条件として、客待ちデモ表示が実行されることを一例として説明した。しかし、これに限らず、音量設定値の初期化条件としては、客待ちデモ表示の実行に限らず、その他の初期化条件を用いてもよい。たとえば、特別図柄の変動表示の停止時から所定時間経過時等(たとえば、5分間経過時等)、遊技者が入れ替わったであろうことが特定できる条件が成立したことを初期化条件とすることが望ましい。
(14) 前述の実施形態において、ブラックアウト演出のような視認困難演出としては、演出表示装置9の画像を制御することにより、所定画像の視認性を基準状態よりも低い視認困難状態に変化させる例を説明した。しかし、これに限らず、演出表示装置9の画像の制御以外の視認困難演出を用いてもよい。たとえば、演出表示装置9の前面側に設けらた透明または半透明の導光板を所定色で発光させることにより、演出表示装置9における所定画像の一部または全部を視認困難状態に変化させてもよい(たとえば、明るい色の発光により所定画像を視認困難とするか、または、暗い色の発光により導光板の透光性を低下させることにより所定画像を視認困難とする等。)。また、演出表示装置9の前面側に出没可能に設けられた可動物(役物、表示装置、発光装置等)が演出表示装置9の前面側に出現する動作をさせることにより、演出表示装置9における所定画像の一部または全部を遮って視認困難状態に変化させてもよい。
(15) また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、前述した実施の形態に示した視認困難演出と特定演出との重複期間において、特定演出の演出音を制限する制御等の各種特徴的な制御は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。具体的には、スロットマシンにおいて設けられた演出表示装置等の表示装置において、特定演出モードの実行、および、特定演出モードの切替演出制御の実行をする制御を行なうようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(17) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(18) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(19) 前述した実施の形態では、特別可変入賞球装置22における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(20) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(21) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は玉払出装置等の基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。このような封入式の遊技機には、遊技点を計数した上で、計数結果を記録媒体処理装置(遊技用装置)の一例となるカードユニットに送信する機能を設けてもよい。この場合、遊技点の計数を指示するための計数操作手段(計数ボタン)を封入式の遊技機に設けることが望ましい。たとえば、遊技点の計数結果は“持点”に変換されて、カードユニットに挿入されている(受付けられている)カードまたは端末等の「遊技者によって携帯される記録媒体」に直接記録される。あるいは、カードユニットに接続された点数管理用サーバで記録媒体に記録されているカードIDを管理し、計数結果をカードユニットから点数管理用サーバに送信することによって、点数管理用サーバがカードID毎に遊技者の持点を記憶するようにしてもよい。
(22) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(23) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(24) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。